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第48号マイナー・レーベル新録音新譜(5)



ACCORD

480 2638
\2300→¥2090
チッコリーニ/モーツァルト:ピアノ協奏曲集
 1.ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
 2.ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
アルド・チッコリーニ(ピアノ) 
モンペリエ国立歌劇場管弦楽団
指揮:ローレンス・フォスター
8月15日に85歳の誕生日を迎えた巨匠チッコリーニは、今なお世界の第一線で活躍を続けています。確かな技巧は往年そのままに全く衰えることなく、解釈は日々深みを増している彼が、昨年7月にモンペリエで行った、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番&23番の白熱のライブ録音をお届けします。みずみずしさと深遠さが絶妙にマッチした巨匠ならではの至芸を、たっぷりお楽しみください。録音:2008年7月26日 モンペリエ <ライヴ> 新録音

ECM

476 3281
\2400
カシュカシアン/川よ、川よ
 1.ベティ・オリヴェロ:川よ、川よ
  〜ヴィオラ、アコーディオン、打楽器、2群の弦楽合奏とテープのための
 2.ティグラン・マンスリアン:タフ・オブ・フューネラル・オブ・ザ・ロード
   〜ヴィオラと打楽器のための
 3.コミタス:オロール
   〜ピアノのための
 4.ティグラン・マンスリアン:3つのアリア
 5.エイタン・スタインバーグ:ラヴァ・デラヴィン
    〜ヴィオラと弦楽四重奏のための
キム・カシュカシアン(ヴィオラ:1、2、4、5)
ロビー・シュロコウスキ(2:パーカッション)
ティグラン・マンスリアン(ピアノ:3)
ミュンヘン室内管弦楽団(1)
ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト(4)
クス弦楽四重奏団(5)
指揮:アレクサンダー・リープライヒ(1)、
ギル・ローズ(4)
現代ヴィオラ界の第一人者、カシュカシアンの待望の新作が登場です。深みのある音色、そして確かな技巧が魅力の彼女が今回披露するのは、イスラエルとアルメニアの3人の現代作曲家。収録されている5曲には、近東、アルメニア聖歌、ハシディーム派など各地の伝統音楽を基にした郷愁たっぷりの歌があふれています。デュオ、室内楽、オーケストラ、そしてピアノ・ソロまで、様々な形態で描かれた悲歌をお楽しみ下さい。録音:2008年3月10〜11日 ミュンヘン(1)、2007年10月17日 ポズナニ(2&3)、2008年5月23日(4)、2006年1月17日(5) 以上ボストン 
476 6991
(2CD)
\4400→¥3990
シフ/J.S.バッハ:パルティータ全集
CD1
 1.パルティータ第5番ト長調BWV.829
 2.パルティータ第3番イ短調BWV.827
 3.パルティータ第1番変ロ長調BWV.825
 4.パルティータ第2番ハ短調BWV.826
CD2
 1.パルティータ第4番ニ長調BWV.828
 2.パルティータ第6番ホ短調BWV.830     
アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
ベートーヴェン・ソナタ全集録音で大成功を収めた巨匠アンドラーシュ・シフが、ふたたびJ.S.バッハに回帰します。その記念すべき当盤には、2007年9月にノイマルクトで行ったパルティータ全6曲を収録。彼の持ち味である繊細なタッチと流麗なフレージングに、巨匠然とした風格がそこはかとなく漂う名演は、この曲集の決定盤の一つとして長く語り継がれていくことでしょう。録音:2007年9月21日 ノイマルクト (ライヴ録音)
476 3318
\2400→¥2190
パガニーニ:カプリース(奇想曲)Op.1 トーマス・ツェートマイヤー(ヴァイオリン)
現代最高のヴァイオリニストの一人で、指揮者、室内楽奏者、現代作曲家としても活躍する天才トーマス・ツェートマイヤーが、難曲中の難曲であるパガニーニ《24のカプリース》の2度目の録音に挑みました。90年代に発表した前作(テルデック盤)は、すでに決定盤の一つとして高い評価を受けていますが、当盤では作品の核心にさらに迫りつつ、同時に全体を明晰に俯瞰するような、まさにパーフェクトな演奏を聴かせてくれます。録音:2007年12月16〜23日 聖ゲロルド修道院 

FONE

FONE 057SA
(SACD Hybrid)
\2700→¥2490
ヴィヴァルディ:協奏曲&声楽作品集
 1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調《グロッソ・モグール》RV.208
 2.協奏曲集《調和の霊感》Op.3〜第9番ニ長調RV.230
 3.グローリア ニ長調RV.589
 4.マニフィカトRV.610/5.クレドRV.591  
マルコ・フォルナチアーリ(ヴァイオリン)
フォーン・アンサンブル
ヴァルデラ合唱団
指揮:シモーネ・ヴァレリー指揮
イタリア・ヴァイオリン界の巨匠で、ヴィヴァルディのスペシャリストとしても知られるマルコ・フォルナチアーリが、ソロとコンマスの両面で八面六臂の活躍を繰り広げる作品集。持ち前の煌めく伸びやかな音色で、推進力に満ちた音楽を聴かせてくれます。3つの合唱曲をしなやかに指揮するシモーネ・ヴァレリーにも要注目です。録音:2007年7月18〜19日 ルーリオ <デジタル録音>
FONE 061SA
(2SACD Hybrid)
\5400→¥4980
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全集
 CD1
 1.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV.1001/
 2.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV.1002/
 3.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番イ短調BWV.1003
 CD2
 1.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番二短調BWV.1004/
 2.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番ハ長調BWV.1005/
 3.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV.1006
サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)
バッハが憧れたイタリアの青空のように明るく艶やかな名演が大きな評判となった1976年の初録音から30年以上、もうすぐ70歳に手が届こうかとする巨匠アッカルドが、ふたたびJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン全集に挑みました。入念な準備をもって臨んだと思われる、大家らしい風格と、相変わらずの華麗な音色と技巧が、みごとにバランスした、前作を上回るすばらしい仕上がりになっています。
FONE 062SA
(SACD Hybrid)
\2700→¥2490
ヴェルディ:弦楽四重奏曲集
 1.《リゴレット》弦楽四重奏用編曲版(13曲)
 2.弦楽四重奏曲ホ短調
ミラノ・スカラ座弦楽四重奏団
名門ミラノ・スカラ座の若き首席奏者たちで構成される当団が、ヴェルディの唯一の弦楽四重奏曲(ホ短調)と、《リゴレット》の名場面の弦楽四重奏用編曲版(13曲)を録音した注目盤。オペラ座のピットで毎日のように演奏し、ヴェルディ作品の最も近くにいる彼らにしかできない、技術的にも、心理的にも深く掘り下げられた親和力に満ちた名演を聴かせてくれます。録音:2008年8月11〜13日 ピサ <デジタル録音> 新録音
FONE 063SA
(SACD Hybrid)
\2700→¥2490
セレナータ・イタリアーナ
 1.ボッシ:ゴルドーニ間奏曲Op.127
 2.レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア〜第3組曲
 3.ロータ:弦楽のための協奏曲
 4.プッチーニ:弦楽四重奏曲《菊》
イ・ムジチ合奏団
世界屈指のバロック合奏団として知られるイ・ムジチ合奏団が、19世紀後半から20世紀にかけて活躍したイタリアの4人の作曲家の作品を収録した1枚。中でもレスピーギとロータは、1985年の録音以来、23年ぶりとなる再録音で、この名門の伝統と進化がはっきりと刻印されています。録音:2008年10月22〜25日 オルトナ <デジタル録音> 新録音

MD+G 1CD¥2300

943 15796
(SACD Hybrid)
\3300→¥2990
モーツァルト:ピアノ四重奏曲集
 ①ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
 ② 同 第2番変ホ長調K.493
モーツァルト・ピアノ四重奏団
モーツァルトが残した2つのピアノ四重奏曲は、彼の代表作であることはもちろん、このジャンルの草分けかつ最高傑作の一つにも数えられています。
世界の名だたる国際コンクールで優勝や入賞経験を持つ名手が揃った当団(2000年結成)の精密で優美なアンサンブルを、SACDの高音質でお楽しみください。録音:2008年12月15-17日 マリエンミュンスター修道院
943 15816
(SACD Hybrid)
\3300→¥2990
デュポール:チェロ協奏曲集
 ①チェロ協奏曲第5番ニ長調
 ② 同 第6番ニ短調
 ③ 同 第4番ホ短調
ペーター・ヘル(チェロ&指揮)
ホフカペレ・ワイマール
18世紀後半から19世紀初頭にかけてフランスで活躍した作曲家デュポールの代表作は、何と言っても、チェロ奏者の必須レパートリーとして有名な、「2つのチェロのための21の練習曲」でしょう。しかし、ここに収められたのは、今回が世界初録音となる3つのチェロ協奏曲です。モーツァルト・ピアノ四重奏団の創立メンバーの一人で、フランス・チェロの伝統の正統な継承者、現在はドイツで人気高騰中の名手ペーター・ヘルが、弾き振りでこれらの作品に、新しい息吹を吹き込んだ意欲作です。録音:2009年3月25-27日 マリエンミュンスター修道院
610 15782 ピアソラ:クラシカ・アルゼンチーナ
 タンゴの歴史〜ボルデル/ギターのための5つの小品第1番/
 チキリン・デ・バチン/タンゴ・エチュード第5番/
 同 第2番/タンゴの歴史〜ナイトクラブ/
 わが死へのバラード/タンゴ・エチュード第4番/
 ギターのための5つの小品第4番/同 第3番/
 タンゴの歴史〜現代のコンサート/
 ギターのための5つの小品第2番/
 タンゴ・エチュード第6番/ギターのための5つの小品第5番/
 タンゴ・エチュード第1番/
 タンゴの歴史〜カフェ/ロコへのバラード
フランシスカ・ボーモン(アルト)
アネッテ・マイブルク(フルート)
ホアキン・クレルチ(ギター)
グィド・シーフェン(チェロ)
フルートのマイブルクとギターのクレルチが、その溢れんばかりの才能で描いた前作「クラシカ・クバーナ」は、クラシック音楽とワールド・ミュージックを巧みに融合した新境地を切り拓き、Echo Klassik賞の栄冠にも輝きました。ピアソラの名作を多数集めた本作では、アルトのボーモントとチェロのシェーフェンという2人の名手を迎え、更なる色彩を深みを増した演奏で、ピアソラの音楽に新たな光を差し込むことに成功しています。録音:2009年5月18〜20日 マリエンミュンスター修道院 
645 14092 コンロン・ナンカロウ:プレイヤー・ピアノVol.9
 プレイヤー・ピアノのための習作49a/同 49b/
 同 49c/パラ・ヨーコ/リゲティのために/
 未発表の習作第1番/同 第4番/同 第5番/
 習作第45番《ディスカード》/
 前奏曲(アレグロ・モルト)/
 ピアノのためのソナチナ/タンゴ?/
 ウルスラのためのカノンA/同 B/同 C/
 ピアノとヴァイオリンのためのトッカータ
べーゼンドルファー・プレイヤー・ピアノ 
オトフリート・ニース(ヴァイオリン)
コンロン・ナンカロウ(1912-1997)はアメリカのアーカンソー州に生まれ、ジャズ・トランペッターを経て、ピストン、セッションズ、ヘンリー・カウエルなどに学んで作曲に転じた変り種で、特にカウエルの影響で、自動演奏ピアノ(プレイヤー・ピアノ)の可能性に開眼。生身のピアニストには再現不可能なまでに微分化されたリズムを特徴とする創作にのめり込みました。彼の作品集の第9巻にあたる本作には、未発表の習作3曲を含む、演奏機会の稀な作品を多数収録。トッカータでは、生身の人間が弾くヴァイオリンとプレイヤー・ピアノの興味深いデュオも楽しめます。録音:2005年6月19〜24日 イムマヌエル教会、ヴッパータール<デジタル録音>
319 1782 東プロイセンのオルガン巡礼〜ヴァルミア=マズールィ
 ①Schippenbeil教会/S?popol
 ②シュロスカペレ・ハイルスベルク/リズバルク・ヴァルミニスキ
 ③モールンゲン市教会/モロンク
 ④ヒルシュフェルト教会/イェロンキ
 ⑤メールサック教会/Pieni??no
 ⑥ディートリヒスヴァルデ・マリエン教会/Gietrzwa?d
 ⑦アレンシュタイン聖ヤコブ教会/オルシュテイン
 ⑧フラウエンブルグ教会/フロムブルク
 ⑨Heiligelinde巡礼教会/スヴィエタ・リプカ
 ⑩リュッツェン福音派教会/ギジツコ
オスカー・ゴットリープ・ブラー(オルガン)
東プロイセンのオルガン巡礼の旅は、ポーランド北部の県で、東プロイセンの南部にあたるヴァルミア=マズールィに到着しました。その10箇所の教会にあるオルガンの素晴らしい音響と音色をご紹介します。中世から20世紀の2度に渡る世界大戦に至るまで、常にドイツとポーランドの争いに翻弄されたこの地ならではの平和を祈るような厳粛な調べをご堪能ください。オルガンを弾くブラーは、B.A.ツィンマーマンやペンデレツキにの弟子にあたる現代を代表する作曲家&オルガニストとして現在も活躍中です。録音:1984年9月
309 15822
(5CD)
\6000
テレマン:協奏曲&室内楽作品集
CD1
 ソナタTWV.43:F 1/リコーダー協奏曲TWV.51:C 1/
 序曲TWV.55:fis/四重奏曲TWV.43:g 4/
 ヴィオラ協奏曲TWV.51:G 9
CD2
 協奏曲TWV.43:d2/ソナタTWV.41:D6/
 同TWV.44:32/リコーダー協奏曲TWV.52:F1/序曲TWV.55:44/
CD3
 協奏曲TWV.43:D4/室内協奏曲TWV.43:g3/
 序曲TWV.44:6/ソナタTWV.42:43/同 TWV.41:c2/同 TWV.41:a4
CD4
 協奏曲TWV.43:G5/同 TWV.52:B1/
 同 TWV.43:a3/序曲TWV.55:E2/ソナタTWV.41:D1
CD5
 協奏曲TWV.43:A4/ソナタTWV.42:d10/
 同 TWV.40:203/序曲TWV.55:g8/
 四重奏曲TWV.43:G6/パルティ?タ第5番TWV.41:e1
ムジカ・アルタ・リパ
2003〜2006年にかけて録音されたムジカ・アルタ・リパによるテレマン作品集を集めた豪華5枚組。結成から四半世紀、ドイツの老舗古楽アンサンブルの当団は、MDGレーベルに15年も渡り様々な録音を続け、2000年のバッハの作品集など、各方面で高い評価を受けています。そのバッハと並んで、特に評価が高いテレマン協奏曲&室内楽における、端正で優美な至芸の数々をたっぷりお楽しみください。録音:2003〜06年 
316 15802
(9CD)
\10500
ルイ・ヴィエルヌ:オルガン作品全集
CD1〜4
 オルガン交響曲全集(第1〜6番)
CD5〜6
 24の幻想曲集
CD7〜9
 24の自由な形式の作品Op.31
ベン・ヴァン・オーステン(オルガン)
フランスのオルガニスト&作曲家、ルイ・ヴィエルヌ(1,870‐1937)は、生まれつき盲目で、パリ音楽院では派閥争いに巻き込まれて辞職、家庭では妻と離別、兄弟や子供とも早く死別、身体的にもけがや病気に悩まされるという、悲劇的な生涯を送った人で、ノートルダム寺院でオルガン演奏中に倒れて亡くなっている。その全生涯をかけて描いたとも言える珠玉のオルガン作品全集をここにお届けします。演奏者のベン・ヴァン・オーステンは、1955年にオランダのハーグ生まれたオルガニスト。オルガニストとして活躍する一方、ロッテルダム音楽院の教授も務めており、MDGレーベルには、このヴィエルヌ全集の他、フランス・ロマンティック・オルガン作品集の他、全7枚におよぶヴィドールのオルガン作品全集を発表しています。
603 12382
\2300
グラズノフ:弦楽四重奏曲集 Vol.3
 1)弦楽四重奏のための組曲 ハ長調 op.35
 2)弦楽五重奏曲 op.39
ユトレヒト弦楽四重奏団
ミハイル・スターリング(チェロ)(2)
ユトレヒトSQによるグラズノフ弟3弾。ユトレヒト弦楽四重奏団はハイドンからアバンギャルドまで幅広いレパートリーを誇るオランダの団体で、グラズノフの他にもグレチャニノフやレックス・ヴァン・デルデンの弦楽四重奏曲全集のレコーディングで知られています。

TELARC 1CD¥2300

CD 80745 カンゼル/FROM THE TOP of Pops
 グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16〜第1楽章
  ジ・ヨン(ピアノ) --- ニュージャージー州 17歳
 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26〜第3楽章
   チャド・フープス(ヴァイオリン) --- オハイオ州 14歳
 フェイゲンバウム:弦楽セレナーデ
   ステファン・フェイゲンバウム(作曲) 
     --- マサチューセッツ州 19歳
 バッハ:ピアノ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056 (全曲)
  ヒルダ・ファン(ピアノ) 
   --- カリフォルニア州 12歳
 メンデルスゾーン:
  ピアノとヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調〜第3楽章
   キャロライン・グールディング(ヴァイオリン)
     --- オハイオ州 16歳
 ポッパー:ハンガリー幻想曲 op.68
  マシュー・アレン(チェロ) --- フロリダ州 16歳
 ペック:アップワード・ストリーム〜第3楽章
  コリー・ダンディー(テナー・サックス)
    --- カリフォルニア州 17歳 
シンシナティ・ポップス・オーケストラ
指揮:エリック・カンゼル
主にクラシック・ミュージックを演奏する小さな音楽家達をゲストに迎え、彼らの日常生活やリハーサル風景を交えつつ、演奏も紹介するというスタイルのラジオ番組としてアメリカで2000年にスタートを切り、以来またたくまに最も人気のあるクラシック番組となった「From the TOP」。その後カーネギーホールで収録されるTV番組にも成長しました。このアルバムは番組10周年を記念して2008年10月、シンシナティ・ミュージック・ホールで行われたコンサートをライヴ収録したもの。日本の小さな音楽家たちにも是非聴いてもらいたい一枚です。
CD 80673 トランスミグレーション(輪廻転生)
 1) バーバー:弦楽のためのアダージョ
 2) ジェニファー・ヒグドン:ドアヤード・ブルーム
 3) ジョン・コリリアーノ:エレジー
 4) ジョン・アダムス:魂の転生
 5) バーバー:アニュス・デイ
アトランタ交響楽団&合唱団
指揮:ロバート・スパーノ
ヌモン・フォード(バリトン)(2)
SACD 60673
(SACD Hybrid)
\3700
アトランタ交響楽団の音楽監督に就任して今年で7年目のシーズンを祝うロバート・スパーノがヴォーン=ウィリアムズ:交響曲第5番に続いて録音したのが「喪失」をテーマとしたアメリカの作曲家たちによる作品。数多くの映画などにも使われ、国境を越えて万人の音楽ともなったバーバーの作品を頭と最後において、映画「レッド・ヴァイオリン」の音楽を担当したコリリアーノによる〈エレジー〉、虐殺されたリンカーンへの賞賛を込めてヒグドンが作曲した〈ドアヤード・ブルーム〉、2001年9月11日、ワールド・トレーディング・センターで起きた悲劇をもとにピューリッツァー賞受賞作曲家ジョン・アダムスが書いた〈魂の転生〉を収録しています。
CD 80719 ヨランダ・コンドナシス/ネヴァー・ファラウェイ
 〜ブライト・シェンの音楽
 上海序曲
 ナイチンゲールと薔薇
 チベット風ラヴ・ソング&スイング
 ネヴァー・ファラウェイ
ヨランダ・コンドナシス(ハープ) 
サン・ディエゴ交響楽団
指揮:ジャージャ・リング
コンドナシスがロマンティックなハープのレパートリーから新たな一歩を踏み出し、中国出身の作曲家ブライト・シェンとのコラボレーションにより新たなハープの世界を開拓!シェンの描くアジア風なインスピレーションに満ちた色彩感、リズム、そしてソノリティがハープに適していると感じたコンドナシスは、この新たなプロジェクトを立ち上げるべく、シェンと会い瞬く間に意気投合。それから長い月日をかけてセッションとツアーを行ってきました。18歳でニューヨーク・フィルとの共演でデビューを飾り、世界を代表するハーピストとして活躍するコンドナシス、テラークへの15枚目となるこのアルバムで、ハープという楽器がもつ新たな魅力を聴かせてくれます。
CD 80744 キャロライン・グールディング デビュー!
 1)クライスラー:ジプシー女
 2)クライスラー:ジプシー奇想曲
 3)クライスラー:ロマンティックな子守歌
 4)クライスラー:シンコペーション
 5)コリリアーノ:《レッド・ヴァイオリン・カプリース》より
 6)ショーンフィールド:4つの思い出
 7)ヴュータン:アメリカの思い出《ヤンキー・ドゥードゥル》
 8)ガーシュウィン:《ポーギーとベス》より
 9)ケープ・ブレトン・フィドル
キャロライン・グールディング(ヴァイオリン)
クリストファー・オライリー(ピアノ)
ヴァイオリン界の新星、16歳のキャロライン・グールディングはミシガン州東部の港町に生まれ両親から英才教育を受け3歳でヴァイオリンを始め、その後はクリーヴランド音楽院、アスペン音楽祭、ジュリアード・スクールなどで研鑽を積みました。2008年にテラークと契約を結びデビュー作となるこのアルバムの共演者に選ばれたのが有名音楽番組「FROM THE TOP」の主催者としても知られるクリストファ・オライリー。アルバム内容は、アメリカの作曲家によるもの、アメリカ的な様式に基づく作品、さらにはケープブレトンでケルティック音楽を学んだ経験をもつキャロラインらしく、ゲール的なフィドルまでを含むプログラムでみずみずしい感性がほとばしるアルバムです。
CD 80740
(2CD)
\2300
ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集
 チェロ・ソナタ 全5曲
 マカベウスのユダの主題による変奏曲 ト長調
 魔笛の主題による変奏曲 変ホ長調
 魔笛の主題による変奏曲 ヘ長調    
ズイル・ベイリー(チェロ)、
シモーネ・ディナースタイン(ピアノ)
感性あふれる《ゴルトベルク変奏曲》で比類無い才能を聴き手に印象付けたシモーネ・ディナースタインがチェロの才人ズイル・ベイリーとデュオでベートーヴェンのチェロとピアノのための作品全曲をテラークに録音!この二人はすでに米、DELOSレーベルへ同作品を録音し、長年にわたり共演を重ねてきました。感性あふれるふたりによる火花散る演奏をテラークの優秀録音でお届けします。

LPO

LPO 0039
(2CD)
\2400→¥2190
チャイコフスキー:交響曲第1 番「冬の日の幻想」&交響曲第6 番「悲愴」
 CD1.
  交響曲第1番ト短調 Op.13「冬の日の幻想」
  <第1 楽章「冬の旅の幻想」/
   第2 楽章「陰気な土地、霧の土地」/
   第3 楽章スケルツォ/第4 楽章フィナーレ>/
 CD2.
  交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
ロンドン・フィル
2007 年にロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者として就任した若きロシアの俊英、ウラディーミル・ユロフスキ。(父ミハイルも名指揮者として知られますが、実は弟も指揮者。着々と才能を伸ばしつつあり、こちらも注目されています)。すでにLPO とはいくつかの録音があり、その迸る才能の片鱗を見せつけてはいたのですが、今作から始まるチャイコフスキーの交響曲全集録音で、いよいよ、その恐るべき真価を世に問うことになるでしょう。さて満を持して登場、この第 1 集は「悲愴」と「冬の日の幻想」というカップリングです。「食わず嫌いをしないでください」といわんばかりのこの2 曲の組合せにも並々ならぬ意欲が感じられるではありませんか(あまり聴く機会のない第1 番ですが、彼の演奏でとりこになる人も多いのでは)。まず第1 番の冒頭、フルートとファゴットの印象的なメロディを聴いただけで、この演奏に引き込まれてしまうこと間違いありません。曲全体に漲る高揚感、ライヴとは思えないほどの完成度の高さ、そしてスタイリッシュな解釈には舌を巻く他ありません。そして民謡から想を得た終楽章、いかにもチャイコフスキーらしい音楽なのですが、これがまた最高にカッコイイのです。第6 番「悲愴」に関しては何も申し上げることはございません。陰鬱な美しさに覆われた世界にどっぷりはまってみてください。

NAXOS 1CD¥1100

8.570706 ヤナーチェク:オペラからの管弦楽編曲集第 3 集
 1-6.歌劇「利口な牝狐の物語」
 (編曲:P.ブレイナー)
  <青いトンボ/猟場番人の縄張りで/私は本当に美しいの?/
   結婚/放浪の歌/急ぐ狐はターボル町へ>/
 7-12.歌劇「死者の家から」(編曲:P. ブレイナー)
  <序曲/100/さあ、祝日だ/
   アリイエイヤへ/パントマイム/イエス、神の預言者>
ニュージーランド交響楽団/
ピーター・ブレイナー(指揮)
昨今のブームですっかり市民権を得たヤナーチェク(1854-1928)ですが、まだまだオペラとなると、言葉の問題もあってか「なかなかハードルが高いな」と思うのが心情ではないでしょうか?そんな方にオススメしたいのが、このNAXOS のシリーズです。第1 集、第2 集ともに大好評ですが、今回は何と言っても名作「利口な牝狐〜」が収録されているのが嬉しいところです。ヤナーチェクの作品の中でもとりわけ親しみ易いこのオペラ、どうぞたっぷりご堪能ください。もう1 曲はシリアス極まりない「死者の家から」。ドストエフスキーの大作を元にした作品で、原曲の持つ極限まで張り詰めた緊張感が上手く表現されたすばらしい編曲となっております。ヤナーチェクの幻惑的な音楽のとりこになりそうです。
8.660237-38
(2CD)
バラダ:歌劇「クリストーバル・コロン(クリストファー・コロンブス)」
 CD1.第1 幕/
 CD2.第2 幕
クリストーバル・コロン(コロンブス)…ホセ・カレーラス(T)/
イザベル女王…モンセラート・カバリエ(S)/
マルティン・アロンソ・ピンソン…カルロス・ショソン(Br)/
アントニオ・デ・マルチェナ
神父…ルイス・アルバレス(Br)/
フェルナンド王…ステファノ・パラッチ(B)/
ベアトリス・エンリケ…
ビクトリア・ベルガラ(Ms)/
リセウ大劇場管弦楽団&合唱団/
テオ・アルカンターラ(指揮)
コロンブスがアメリカ大陸を“発見”してから500 周年記念の祝賀のためにスペイン政府から依嘱されたこのオペラ「クリストーバル・コロン」は、カレーラスとカバリエという理想的なキャストでこの世に送りだされました。作曲者のバラダは時として極度にアバンギャルドな作風を見せることがありますが、ここでは過去の文化に敬意を払い、極めてメロディアスな旋律を持つ劇的な作品を書きあげています。
8.559622-23
(2CD)
バーンスタイン:ミサ(1971)
 ミサ曲歌手,踊り手,演奏家のためのシアター・ピース
<CD1:
 1-3.ミサの前の祈祷/4-5.第一入祭文(ロンド)/
 6-8.第二入祭文/9-11.告解/12.黙想Ⅰ/
 13-16.グローリア/17.黙想Ⅱ/18.使徒書簡/
 19.福音書/20-24.クレド/25.黙想Ⅲ/26.奉献誦/
CD2:
 1-2.主の祈り/3.サンクトゥス/
 4.アニュスデイ/5.聖体分割式/6.平和:聖餐式
ジュビラント・サイクス(司祭…バリトン)/
アッシャー・エドワード・ウルフマン(ボーイ・ソプラノ)/
ピーボディ児童合唱団/
モーガン州立大学合唱団/
ボルティモア交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
バーンスタイン(1918-1990)がワシントン・ケネディ・センターのこけら落としとJ.F.ケネディ追悼のために「ミサ」を書き始めたのは1970 年。ロック、ブルース、エレキ、ダンサーなど様々な要素を必要とするこの巨大な作品で、翌年の初演時には激しい論争を巻き起こしたという問題作でした。ほぼ40年の時を経た今でも、曲の発するメッセージは普遍のもの。オールソップの的確な演奏はそれを聴き手の眼前にぐいぐいと突き付けてくるかのようです。司祭役のサイクスがエレキギター片手に歌う「シンプル・ソング」にしびれない人はいないでしょう。
8.570444 フランスのフルート五重奏曲集
 1-4.トゥルニエ(1879-1951):組曲 Op.34
  <夕/踊り/偽り/祭り>/
 5-8.フローラン・シュミット(1870-1958):
  ロココ様式の組曲 Op.84
  <憎しみのない/動いて/ゆっくりと/輝かしく>/
 9.ピエルネ(1863-1937):自由な変奏と終曲 Op.51/
 10-13.フランセ(1912-1997):五重奏曲/
 14-19.ルーセル(1869-1937):セレナーデOp.30
ミラージュ五重奏団
<メンバー>
ロバート・エイトケン(フルート)/
エリカ・グッドマン(ハープ)/
ジャック・イスラエリヴィチ(ヴァイオリン)/
タン・リ(ヴィオラ)/ウィノナ・ゼレンカ(チェロ)
19 世紀の世紀末ほど芸術が爛熟した時代はないと言われますが、芸術の都フランスでもその傾向は顕著でした。作曲家たちは文学と視覚芸術にインスピレーションを得て、独自の半音階主義的な音楽を創り上げていったのです。ここに収録されている作品は、確かにドビュッシーやラヴェルの深淵なる影響を感じさせますが、各々の曲の味わいは微妙に違うものがあり、これらを聴きとることは、まるで波間に散った色紙を拾い集めるような楽しさを味わわせてくれることでしょう。ハープ好きにはたまらないトゥルニエの作品が聴けるのも大きな喜びです。
8.559372 ドアティ(1954-):炎と血
 1-3.ヴァイオリンと管弦楽のための「炎と血」(2003)
 <火山/リバールージュ/ラインの組立>/
 4-6.管弦楽のための「モーターシティ・トリプティク」(2000)
 <モータウンの月曜日/
  ペダル-トゥ-ザ-メタル/ローザパークス大通り>/
 7.ティンパニと管弦楽のための「屋根の上」(2003)
イーダ・カヴァフィアン(ヴァイオリン)…1-3/
ラモン・パーセルス(トランペット)…5/
ケネス・トンプキンス,
マイケル・ベッカー,
ランダル・ハーウェス(トロンボーン)…6/
ブライアン・ジョーンズ(ティンパニ)…7/
デトロイト交響楽団/
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
この3 つの極めて刺激的な作品は、デトロイト交響楽団の委嘱作品です。「炎と血」は、メキシコの画家ディエーゴ・リベーラが自動車メーカー、フォード社の依頼によってデトロイト美術館の壁に描いた巨大な壁画からインスピレーションを得た曲。1930 年代の工業の発展を素晴らしい音の叙事詩として再構築したメカニカルな作品です。「モーターシティ・トリプティク」も同傾向の作品。こちらもアメリカの自動車産業を讃美しています。「屋根の上」はティンパニが大活躍します。何ともエキサイティングな音に溢れています。初演者N.ヤルヴィの溌剌たる指揮ぶりもご堪能いただけます。
8.570874 ピッツェッティ:ピアノ協奏曲「真夏の歌」
 1.「フェドーラ」より前奏曲/
 2-4.ピアノ協奏曲「真夏の歌」/
 5.映画「炎の交響曲」よりカリビーア
 MARCO POLO 8.225058 より移行盤
スザンナ・ステファーニ・カエターニ(ピアノ)…2-4/
ボリス・スタツェンコ(バリトン)…5/
ケムニッツ州立歌劇場合唱団…5/
ロベルト・シューマン・フィルハーモニー/
オレグ・カエターニ(指揮)
以前 MARCO POLO レーベルから出ていたピッツェッティの数少ない録音がNAXOS より再発となりました。このむせかえるようなロマンティックな音楽を多くの人に聴いていただけるのは、なんという大きな喜びなのでしょう!ピッツェッティが幸せの絶頂期にあった時に書かれたピアノ協奏曲「真夏の歌」は(残念ながらこの演奏には含まれていませんが)、イタリアの名ピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリのために作曲家自身がカデンツァを書いたことでも知られています。そしてダヌンツィオの悲劇「フェドーラ」による歌劇の情熱的な前奏曲と無声映画「炎の交響曲」のために書かれたカリビーアも聴きごたえのある名曲です。
8.570322 スヴェンセン:ノルウェー狂詩曲第 1-4 番
 1.ロメオとジュリエット Op.18/
 2.ノルウェー狂詩曲第1 番 Op.17/
 3.ノルウェー狂詩曲第2 番 Op.19/
 4.ノルウェー狂詩曲第3 番 Op.21/
 5.ノルウェー狂詩曲第4 番 Op.22/
 6.ゾラハイダ Op.11
南ユラン交響楽団/
ビャルテ・エンゲセト(指揮)
ノルウェーで生まれ指揮者、ヴァイオリニストとして活躍したスヴェンセン(1840-1911)は、グリーグの親友であり、ノルウェーの音楽発展に努めた人でした。彼の作風はロマン派の域を脱するものではなく、どれもがチャイコフスキー風の優しい肌ざわりを持っています。このノルウェー狂詩曲はタイトル通り、リストの「ハンガリア狂詩曲」に触発されたもので、要所要所に民謡的なメロディが使われた情感豊かな作品です。同時期に書かれた2 つの作品も色彩豊かなもの。「ゾラハイダ」はワシントン・アーヴィングの書いた「アルハンブラ物語」に触発された作品。彼の出世作でもあります。
8.572237 マルコプーロス:図形の動きに
 1.24 のフィリチオス・ダンスより第13 番「ネメシス」/
 2-4.図形の動きに(ピアノ協奏曲)/
 5-7.フルート、弦楽とハープのためのトリプティク/
 8-10.コンチェルト・ラプソディ/11.小幻想曲/
 12.2 つの古風なスケッチより第2 番哀歌/
 13.太陽に照らされた風景
マルク・グローウェルス(フルート)…1.5-7.11-13/
ディミトリ・パパテオドロウ(ピアノ)…2-4/
ツァハリアス・スピリダキス(リラ)…8-10/
ダリア・オウツィエル(ピアノ)…11/
ソフィー・アランク(ハープ)…5-7.12/
ブラッセルズ・ヴィルトゥージ…5-7.12/
ブラッセルズ・フィルハーモニー,
フランダース交響楽団…1/
フランダース歌劇場交響楽団…2-4.8-10/
ミシェル・ティルキン(指揮)…1/
エドヴィグ・アブラス(指揮)…2-4.8-10/
イアニス・レオニダキス(指揮)…5-7.12
壮大なカンタータ「オルフェウスの典礼(8.572235)」で、その溢れるばかりのリリシズムとネオ・ロマンティシズムで聴き手を驚かせたマルコプーロスの作品集です。彼の愛するリラとオーケストラの美しき共鳴、まるで神話の神が吹くかのようなフルートの調べなど、どの作品にも古代の息吹が生き生きと感じられます。ピアノ協奏曲の形式をとる「図形の動きに」では、どことなく感傷的なメロディを彩るモダンな響きが包み、夢幻的な空間が造り出されています。聴いているうちに何となく敬虔な気持ちになってしまいます。
8.572230 ファンファーレと序曲
 1.オーウェン・リード(1910-):序曲 1940(編曲:W. バーツ)/
 2.フサ(1921-):スメタナ・ファンファーレ/
 3.ネリベル(1919-1996):歌劇「リブシェ」よりファンファーレ/
 4.オーウェン・リード:追悼のファンファーレ/
 5-8.フサ:プラハ1968 年のための音楽
  <序奏とファンファーレ/アリア/
  間奏曲/トッカータとコラール>/
 9.オーウェン・リード:ルネサンス/
 10.W.シューマン(1910-1992):ジョージ・ワシントン・ブリッジ
ニコラス・ファルコ(ナレーター)…4/
ラトガーズ・ウインド・アンサンブル/
ウィリアム・バーツ(指揮)
W.バーツとラトガーズ・ウインド・アンサンブルのコンビによる様々な吹奏楽作品の録音は、これまでにも多くのファンの心を鷲掴みにしてきたのですが、今回NAXOS から登場するアルバムも注目の的になること間違いありません。2006 年から2008年に録音されたこの曲集は「メキシコの祭」でおなじみの作曲家O.リードの作品や、こちらもファンにはおなじみフサの大作「プラハ1968 年のための音楽」など吹奏楽マニアにとって感涙ものの曲大盛りの1 枚となっています。とりわけ印象深い「追悼のファンファーレ」は全ての人に聴いてもらいたい問題作と言えるでしょう。
8.570588 F.カルッリ(1770-1841)&G.カルッリ(1801-1876):
 ギターとピアノのための作品全集第 2 集
 F.カルッリ:
  1-3.二重奏曲ハ長調 Op.11/
  4-5.二重奏曲ハ長調 Op.150/6-7.二重奏曲ト長調 Op.151/
  8-10.3つのワルツ Op.32/
  11.F.&G.カルッリ:
  ロッシーニの主題によるメランジェと二重奏曲 Op.236/
 F.カルッリによる編曲:
  12.リーズの大行進曲ニ長調 Op.168/
 13.ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」序曲/
 14.ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲/
 15-17.F.カルッリ:大二重奏曲ホ短調 Op.86
フランツ・ハラス(ギター)/
デボラ・ハラス(ピアノ)
第1 集(8.570587)で全国のギターファンの度肝を抜いたカルッリ親子の第2 集の作品集です。今作は父カルッリの作品を中心に収録、ロッシーニやリーズの作品の編曲とオリジナル作品をたっぷりとお聞きいただけます。ずっと教育者としてしか認知されなかったカルッリですが、20 世紀になってJ.ブリームやJ.ウィリアムスによって蘇演されてから、ようやく作曲家としての重大さが知られはじめてきたと言うことで、その間の空白期間は何とももったいないことです。二重奏での流麗なメロディを聴くと、その思いは一層強くなることでしょう。それほどまでに魅力的な作品たちです。
8.570888 ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ Op.1 第1 番-第4 番
 1-4.ヴァイオリン・ソナタハ長調 Op.1-2/
 5-8.ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 Op.1-3/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタイ短調Op.1-1/
 13-17.ヴァイオリン・ソナタニ長調 Op.1-4
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)/
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
ヴァイオリンの奏法はその大部分がイタリアで発展しましたが、バロックの時代、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の始祖とされるのがこのルクレールです。なかなか激しい気性の持ち主であったそうで、何者かに惨殺されるという悲惨な最期を遂げた人ですが、その作品も優雅で上品な音作りの反面、複雑なポリフォニーを駆使した超絶技巧が混じっていたりと中々侮れません。この曲集は彼の初期の作品で、多くの技術的挑戦とユーモアに満ちた華麗な曲集です。ハノーヴァー・バンドやエイジ・オブ・エンライントメントなどで活躍した名手たちによる納得のアンサンブルでお聴きください。
8.570790 テュイレ:六重奏曲・ピアノ五重奏曲
 1-4.六重奏曲変ロ長調 Op.6/
 5-8.ピアノ五重奏曲変ホ長調 Op.20
シャンティリー五重奏団
<メンバー>
ピルミン・グレール(フルート)/
フロリアン・グルーベ(オーボエ)/
ヨハネス・ツール(クラリネット)/
ドミトリィ・ババノフ(ホルン)/
ベンチェ・ボガーニ(バスーン)…1-4/
ジーリ四重奏団
<メンバー>
マルコ・ロリアーノ(ヴァイオリン)/
ユディス・ハムツァ(ヴァイオリン)/
ルカ・サンツォ(ヴィオラ)/
ザビーネ・クラムス(チェロ)…5-8/
ジャンルカ・ルイジ(ピアノ)
オーストリア出身の音楽教育家、作曲家テュイレ(本来はフランス系の家系なのでテュイユが正しい)はR.シュトラウスの親友として知られています。ミュンヘン楽派の一人として数えられることもありますが、作風はかなり保守的で、日本ではルドルフ・ルーイとの共著である音楽理論書『和声学』の方が知られているかもしれません。ここに収録された2 曲の室内楽作品は比較的知られているもので、確かに六重奏曲はラインベルガーやリスト、ワーグナーの影響を受けていることは間違いありませんが、その後に書かれたピアノ五重奏曲はなかなか雄大で劇的な展開を有しています。
8.559617 テイルスタイン:オープン・クロッシング
 1.コンパニッツァ(2005)/
 2.インヴェンション(2005)/
 3.私たちに残したもの(2004)/
 4-7.組曲(1996)/8.極光に踊る女/
 9-11.弦楽四重奏とフォーク・ミュージシャンのための3 楽章/
 12-14.ターン・ミー・ルース/
 15-17.マラムレシュ(ジェイコブ・グリックの思い出に)
シグナス・アンサンブル/
カサット弦楽四重奏団 他/
キエフ・フィルハーモニー管弦楽団/
ロバート・イアン・ウィンスティン(指揮)
この作曲家テイルスタインは変わった経歴の持ち主です。20 歳の彼は、何とメキシコのサーカスで音楽を演奏するピエロとして活躍していたのです。その後、各地の音楽を求めてアジアや東ヨーロッパなど多くの国を旅して、民族音楽やダンス音楽など様々な要素を取り込みつつ作曲活動に勤しみました。そんな彼の作品はやはり一風変わったもので、バルトークを思わせるどこか落ち着かない風情の中で歌うヴァイオリン、バルカン半島のメロディを用いた女声とチェロの音楽などや一度聴いたら耳に残るものばかりです。
8.559384 ウェルチャー:弦楽四重奏曲集第 1 番-第3 番
 1-3.弦楽四重奏曲第 3 番「カサット」
 <序奏「バッカスの巫女」/オペラより/
 緑の中の娘、野外で陽をあびる>/
 4.弦楽四重奏曲第 2 番「ハーバー・ミュージック」/
 5-8.弦楽四重奏曲第 1 番
 <不快、怒り/寂しい/アレグレット・スケルツァンド/厳粛>
カサット弦楽四重奏団
<メンバー>
大谷宗子(ヴァイオリン)/
ジェニファー・レシュノワー(ヴァイオリン)/
大島路子(ヴィオラ)/
ニコル・ジョンソン(チェロ)
ドガと親交を結んだことでも知られるアメリカの印象派女性画家、メアリー・カサットにちなんで命名された 4 名の女性アンサンブル「カサット弦楽四重奏団」。ウェルチャーの弦楽四重奏曲第3 番は、この団体のために書かれました。カサットの初期、中期、晩年の作品からインスピレーションを得た3 つの楽章は彼女が感銘を受けたというグノーやドビュッシーの音楽をコラージュしながら独自の発展を遂げていきます。第1 番も第2 番もウェルチャーの創造性溢れる意欲的な作品です。
8.572068 ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第 1 集
 1-6.オスナ・エンカルナチオン修道院写本のソナタ
 <第107 番ト長調/第108 番ホ短調/
  第109 番イ短調/第110 番ニ長調/
  第111 番変イ長調/第112 番ハ短調>…世界初録音/
 7-8.サンタ・クララ修道院写本のソナタ
 <ニ短調/ト長調>…世界初録音/
 モンセラート修道院写本のソナタ
 <9-10.第1 番イ長調…世界初録音/
 11-12.第2 番ハ短調…世界初録音/
 13-14.第3 番ニ長調/
 15-16.第4 番ハ長調…世界初録音/
 17-18.第5番ニ短調>
ペドロ・カザルス(ピアノ)
1750 年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラは、父親がオルガン奏者、おじがサルスエラ作曲家という音楽一家に育ちました。父から音楽の手ほどきを受けた彼は、16 歳の時に当時経済的聴きにあったセビリヤを離れ、マドリッドで活動を始めます。しかし経済的な援助をしてくれていたおじが2 年後に亡くなると、またセビリヤに戻り、大聖堂のオルガン奏者として父親の後を引き継ぎ、数多くの鍵盤楽器用ソナタを書きました。NAXOS では彼の170 ほどある現存する作品を3 集にわけて全てリリースする予定です。
8.572025 マルティヌー:ピアノ作品全集第 7 集
 1-4.金髪姫のおとぎ話 H.28
  <おとぎ話/牧歌/ドゥムカ/舟歌>/
 5-10.アンデルセンのおとぎ話から H.42
  <ポロネーズ/間奏曲/ノヴェレッテ/舟歌/
  アラベスク/ミニョンのワルツ>/
 11.バラード-ショパンの最後の和音 H.56/
 12.メリー・クリスマス1941H.286bis/
 13.小さな子守歌 H.122bis/
 14.舞曲 H.177/15.憑いている列車 H.258/
 16.前奏曲 H.178/
 17.牛の角から生まれたフォックストロット/
 18.春 H.127ter/
 19-22.子供のための4 つの小品 H.221
 <朝の水泳/お父さんの歌/ボツァネクは森で/小さなワルツ>/
 23.一本の指を使って H.185
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)/
キアラ・ソラリ=コウクル(ピアノ)…23 のみ
NAXOS が力を入れているコウクルによるマルティヌーのピアノ作品集もついに第7 集となりました。10 曲の世界初録音を含むこの曲集には若きマルティヌーがおとぎ話を元にして書いた2 つの組曲で始まります。1910 年に書かれた「金髪姫のおとぎ話」良く知られる「三匹のくま」が原型のように見えますが、実は若きマルティヌーが恋した少女にあてて書いたものだろうと推測されています。最初の曲はR.シュトラウスのエレクトラからの引用が現れたりとかなり攻撃的な曲調になっています。もっと広く聴かれて欲しい作曲家です。
8.572151 イギリス声楽作品集第 19 集ガーニー:歌曲集
 1.下り坂で/2.ハナッカーの水車屋/
 3.ハンサムなマーリ伯/4.桜の木/
 5.ここは聖なる都市/
 6-10.5 つのエリザベス歌曲
 <オルフェウスとリュート/涙/緑の木の下で/眠り/春>/
 11.7 つのサフォーの歌より「リンゴの果樹園」/
 12.月の下の全ての夜/13.ラトミアン・シェパード/
 14.私は父と雪かきをするだろう/
 15.最後の時間/16.キャスリーン・ニー・フーリハン/
 17.ゆりかごの歌/18.ドーニーのフィドル/
 19.雪/20.歌い手/21.9 時/
 22.古いスタイルの墓碑銘/23.船/24.筆記体/
 25.快く私は注記を変更する/26.墓碑銘/
 27.私が死にゆく時施行すること/
 28.汝は我が目を喜ばせた/29.ボートのきしみ/30.光の外
スーザン・ビックリー(メゾ・ソプラノ)/
イアイン・バーンサイド(ピアノ)
スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交の深かった作曲家アイヴォー・ガーニーは、第1次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2 つの詩集を始めとした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。彼はずっと双極性障害に苦しみ、また戦争で体調を崩し、最期は結核で亡くなるのですが、その一生を覆った暗い影は彼の音楽にも反映されているようで、300 を超える歌曲のどれもが仄暗い色合いを帯びています。しかし、その落ち着いた色合いは聴き手の心を何か透明なもので満たしてくれることでしょう。
8.570962 シューベルト:パートソング集第 2 集
 1.自然の中の神 D.757/2.詩篇第23 番 Op.132 D.706/
 3.人生 D.269b/4.羊飼いの娘 D.513/
 5.自然の喜び D.422/
 6-8.サリエリ氏の50 歳の誕生日を祝して D.407/
 9.光と愛 D.352/
 10.アンティゴーネとエディプス Op.6-2 D.542/
 11.そよ風が吹くD.725/
 12.フォーグルの誕生日のためのカンタータ「春の朝」D.666 /
 13.アリ・ベイ哀悼歌 D.140/
 14.ゴンドラを漕ぐ人Op.28 D.809/
 15.挽歌 Op.52-4 D.836/
 16.舟人の歌 D.835/17.セレナード Op.135 D.920
シビラ・ルーベンス(ソプラノ)…1-3.13.17/
ジルケ・シュヴァルツ(ソプラノ)…1.2.9.10.12.15.17/
レジーナ・ヤコビ(アルト)…1-3.11.13.15.17/
インゲボルク・ダンツ(アルト)…1-3.13.15.17/
ヒルデガルド・ヴィーデマン(アルト)…17/
マルクス・シェーファー(テノール)…4-6.8.9.11.12.14.16/
マークス・ウルマン(テノール)…4-8.14.16/
トーマス・E・バウアー(バス)…4-6.8.12.14.16/
マークス・フレイグ(バス)…10/
マルクス・シュミードル(バス)…4.5.14.16/
ウルリッヒ・アイゼンロール(ピアノ)
シューベルトの珍しい合唱アンサンブルのための作品集第 2 集です。この中の男声のための曲集は知れ渡っていますが、女声のための作品はほとんど知られていません。しかしシューベルトはそんな女声のためのアンサンブルに極めて野心的な作品を多く書いたのです。讃美歌による曲から、彼が教えていた女生徒の誕生日を祝う曲まで、さまざまな歌がひしめいています。添えられたピアノの伴奏もどれも巧妙に書かれていて、シューベルトを聴く楽しみ満載の1 枚となっています。厳選された歌手たちの楽しげな表情にもご注目ください。
8.660270-71
(2CD)
ジャーマン:歌劇「トム・ジョーンズ」(1907)
 CD1:1-10.第1 幕/11-21.第2 幕/
 CD2:1-9.第3 幕/10-12.追加楽曲
大地主の娘ソフィア…マリアンヌ・ヘルグレン・スタイコフ(ソプラノ)/
捨て子トム・ジョーンズ…リチャード・モリスン(バリトン)/
ソフィアのメイドオナー…ヒーザー・シップ(メゾ・ソプラノ)/
大地主…ドナルド・マックスウェル(バリトン)/
使用人グレゴリー…サイモン・バッタリス(バリトン)/
村の床屋ベンジャミン・パートリッジ…リチャード・サート(バリトン)/
ベラストン嬢… ゲイノア・キーブル(メゾ・ソプラノ)/
ナショナル祝祭管弦楽団&合唱団/
デイヴィッド・ラッセル・ヒューム(指揮)
「イギリス小説の父」と称されるフールディングの代表作「捨て子トム・ジョーンズの物語」に基づく楽しいオペレッタの登場です。ギルバート&サリヴァンに続くイギリスのオペレッタ作曲家ジャーマンのこの曲は一種の冒険物語。エピソードはそれこそ無限大にあるので、音楽も次から次へと溢れだしてくるかのようです。この録音は世界初の完全版で、初演時にカットされた3 つの曲も含んでいます。女好きで享楽好きの主人公ではありますが、何とも憎めない良いオトコですね。
8.660253-54
(2CD)
プッチーニ:歌劇「つばめ」
 CD1:1-16.第1 幕/17-29.第2 幕/
 CD2:1-15.第3 幕
マグダ…スヴェトラ・ヴァッシレーヴァ(ソプラノ)/
リセッタ…マヤ・ダシュク(ソプラノ)/
ルジェッロ…ファビオ・サルトーリ(テノール)/
プルニエ…エマヌエーレ・ジアンニーノ(テノール)/
ランバルド…マルツィオ・ジオッシ(バリトン) 他/
プッチーニ祝祭管弦楽団&合唱団/
アルベルト・ヴェロネッシ(指揮)
プッチーニのこのオペラ「つばめ」は彼の作品のなかでもとりわけ感傷的で、人気も高くありません。プッチーニ自身もこの作品の出来には不満を抱いており、2 つの異なるエンディングを書き、また死の年まで改訂をくわえていたのでした。ここではピアノ・スコアでのみ残存した断片を含むさまざまなヴァージョンを組み合わせ、本来の「捨てられる女」から「捨てる女」として描かれるマグダの姿をご堪能いただけます。この録音の映像はNAXOSDVD 2.110266 でご覧いただけます。マグダ役のヴァッシレーヴァの美しい姿もぜひご覧ください。
8.551281 シュミット=コワルスキー(1949-):交響的な創作集
 1.星降る夜/2-4.瞑想/5.エレジー嬰へ短調/
 6.情熱/7.アトランティスの回帰/8-12.印象
トーマス・シュミット=コワルスキー(指揮)/
ライプツィヒ交響楽団
交響曲第3 番(8.551212)が発売された時、「なんじゃこりゃ!」と驚愕した人続出。なぜって、どう聴いてもその曲はブルックナーそのもの。「ああ。知られざるロマン派の作曲家ね。」と生まれた年を見てびっくり。1949 年と言えばR・シュトラウスが亡くなった年でもあります。今回アルバムに収録されている曲も、まさに後期ロマン派の味わいそのもの。ここまで自らのスタイルがぶれないのもすばらしいではありませんか。本気で書いているのか、ロマン派へのオマージュなのか。それともゲンダイオンガクへの反旗なのか。ま、面白くてカッコよければ何でもOK。ドイツローカル盤のため英語表記なし。
8.570240 ツェムリンスキー:シンフォニエッタ・人魚姫
 1-3.シンフォニエッタ Op.23(1934)/
 4-6.交響的幻想曲「人魚姫」(1903)
ニュージーランド交響楽団/
ジェームズ・ジャッド(指揮)
最近ようやく再評価されつつあるツェムリンスキー(1871-1942)の2 つの作品です。交響的幻想曲「人魚姫」はアンデルセンの童話に想を得たもの。1905 年にシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」と並んでウィーンで初演されましたが、聴衆の人気はシェーンベルクに集中。落胆した彼は、もう1楽章付け加えて「死の交響曲」とする事も考えましたが、結局それは果たせずに終わりました。そのほぼ30 年後に書かれた「シンフォニエッタ」は、アメリカ亡命後のかなりモダンな作品で、ストラヴィンスキーやヒンデミットを思わせるシニカルさを持ちあわせています。
8.570211 グラズノフ:管弦楽作品集第 18 集付随音楽「仮面舞踏会」他
 付随音楽「仮面舞踏会」
  <1-15.第1 幕/16-21.第3 幕/22-26.第4 幕>/
 27-28.2 つの小品 Op.14/
 29.パ・ド・カラクテール Op.68/
 30.ロマンティックな間奏曲 Op.69
グネーシン・アカデミー合唱団/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団/
ドミートリー・ヤブロン
スキー(指揮)
最近は仮面舞踏会というと、ハチャトゥリアンの曲ばかりが有名になってますが、このグラズノフ(1865-1936)の作品も同じミハイル・レールモントフの作品を題材にしています。グラズノフはこの曲を1912〜13 年に作曲し1917 年に初演しました。しかし当時はこの題材が「風紀を乱す」とされ30年もの間上演禁止となってしまいました。ハチャトゥリアンが同じ題材に作曲したのは1941 年。その頃にはグラズノフの作品は古くなってしまったのかも知れません。とは言うものの、ハチャトゥリアンのように直截的な悲劇性を感じさせることはありませんが、人の心に潜む狂気は存分に描き出されている秀逸な曲集です。
8.572242 トレンドセッター〜ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブルの至芸
 1-3.ヒンデミット(1895-1963):交響曲変ロ調/
 4-6.ホルスト(1874-1934):
  吹奏楽のための組曲第1 番変ホ長調 Op.28 No.1/
 7.シュワントナー(1943-):そしてどこにも山の姿はない/
 8-13.グレインジャー(1882-1961):
  リンカンシャーの花束<リスボン湾/ホークストウの農場/
  ラフォード公園の密猟者/元気な若い水夫/メルボルン卿/
  行方不明の夫人がみつかった>
ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル/
ハーラン・D・パーカー(指揮)
すでに2 枚のアルバムをNAXOS からリリースしているアメリカのピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル、今回もバラエティ豊かな選曲でファンを魅了します。吹奏楽好きにはたまらないホルストの組曲や、これも外せないグレインジャーの「リンカンシャーの花束」はもちろんのこと、曲の存在は知られているのだけど、あまり耳にする機会がないヒンデミットの「交響曲変ロ調」など、まさに文句の付けどころのないほどの出来栄えです。さてこの1 枚、流行の仕掛け人となりますでしょうか???
8.570880 マリピエロ:交響曲集第 3 集
 1-4.交響曲第 6 番「弦楽のための」/
 5-8.交響曲第 5 番「エコーによるコンチェルタンテ」/
 9-11.交響曲第 8 番「小交響曲」/
 12-15.交響曲第 11 番「バグパイプ」
  MARCO POLO 8.223696 より移行盤
モスクワ交響楽団/
アントニオ・デ・アルメイダ(指揮)
第1 集(8.570878)、第2 集(8.570879)ともに好評なマリピエロ(1882-1973)の交響曲集、この第3 集は彼の作品の中でも最も演奏頻度の高い第6 番「弦楽のための」が含まれています。フランス印象派の影響を受けていると言われる彼の作品ですが、実際に聴いてみると古典的なフォルムの中に実に多彩な表現が詰め込まれていることがわかるでしょう。彼は生涯を通じて旋律の魅力を追求したため、最後の交響曲である1969 年に書かれた第11 番「バグパイプ」にさえも、魅力あふれるメロディが横溢しています。
8.572152 マルケヴィチ:管弦楽作品全集第 2 集
 1-3.新時代/4-7.シンフォニエッタへ調/
 8.シネマ序曲 MARCO POLO 8.223653 より移行盤
アルンヘム・フィルハーモニー管弦楽団/
クリストファー・リンドン=ジー(指揮)
大指揮者として知られるマルケヴィチ(1912-1983)。しかし、第二次世界大戦前は「恐るべき才能を持った作曲家」として認知されていました。その作品は全て20 代に書かれ(彼はなぜか29 歳で作曲をやめてしまう)そのどれもが目を見張るほどの完成度を備えています。彼の資質が最も良く表出されているのは「シンフォニエッタ」でしょう。炸裂するエネルギー、時折見せる神秘的な表情、など枚挙にいとまがありません。「シネマ序曲」は1931 年の作品。レオニード・マシーンが構想した映画(結局作られなかった)のためのバレエ作品です。複雑なリズムとサイレンなどの特殊楽器を駆使したこの曲、とても19 歳の若者の手になるものとは思えません。
8.578003-04
(2CD)
サロン音楽の黄金期
 CD1:
  1.ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ/
  2.ジーチンスキー:ウィーンわが夢の街/
  3.カールマン:ジプシー王女のポプリ/
  4.ゴダール:ジョスランの子守歌/
  5.トセッリ:セレナーデ/
  6.ウィンクラー:ポルトガルの漁師の踊り/
  7.エルガー:愛の挨拶/
  8.アルデッティ:口づけ/
  9.アンダーソン:ブルー・タンゴ/
  10.オスカー・シュトラウス:ワルツの夢/
  11.A.ルービンシュタイン:へ調のメロディ/
  12.アンダーソン:舞踏会の美女/
  13.リクスナー:青い空/
  14.クライスラー:愛の悲しみ/
  15.ヨーゼフ・シュトラウス:とんぼ/
  16.ウィンクラー:魔女の踊り/
 CD2:
  1.デンツァ:フニクリ・フニクラ/
  2.レオンカヴァッロ:マッティナータ/
  3.ホイベルガー:オペラ舞踏会より「個室」/
  4.ドヴォルザーク:ユモレスク/
  5.フェラーリス:黒い瞳/
  6.ウィンクラー:ローマのジプシー祭り/
  7.ドナート:淡き光に/
  8.エルデーイ:プスタのきつね/
  9.マスネ:タイスの瞑想曲/
  10.ウィンクラー:ウィンクラー・メドレー/
  11.ドリゴ:百万長者の道化師よりセレナーデ/
  12.クロイダー:それは天国の一部でなくてはいけない/
  13.フィッシャー:南アルプス/
  14.リンケ:試し聴きのポプリ
シュヴァンネン・サロン・オーケストラ/
ゲオルク・フーバー(指揮)
誰もがどこかで一度は耳にしたことがあるけれど「この曲なんだっけ?」と頭をひねってしまうような曲。「通俗名曲」って、ちょっと言葉は乱暴だけど愛すべきメロディに満ちた曲。そんな小品が30 曲楽しめます。緩い編曲がこれまたステキ。音を楽しむとはまさにこんな感じ。ウィーンの酒場の雰囲気が手軽に楽しめます。ちょっぴり感傷的なメロディがこれでもか・・・とばかりに心に浸みこみます。疲れた時、気分のいい時、どんな時にもぴったりです。
8.557805 クヴァンツ:フルート・ソナタ集 Nos.272-277
 1-3.フルート・ソナタ No.272 ヘ長調 Qv.1:93/
 4-6.フルート・ソナタ No.273 ト長調 Qv.1:109/
 7-9.フルート・ソナタNo.274 イ長調 Qv.1:145/
 10-12.フルート・ソナタ No.275 変ロ長調 Qv.1:161/
 13-15.フルート・ソナタ No.276 ハ短調Qv.1:18/
 16-18.フルート・ソナタ No.277 ニ長調 Qv.1:42
ヴェネラ・フィッシャー(フルート)/
クラウス=ディーター・ブラント(バロック・チェロ)/
レオン・ベルベン(ハープシコード)
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773)は18 世紀の最も多作の作曲家のうちの1 人でした。しかし、ほとんどの彼の音楽は出版されていないままです。このアルバムは、バロックから古典派への架け橋として、そしてフランス様式とドイツ、イタリア様式の統合を図るべく、彼が30 年間に渡ってフリードリヒ大王のために書いたフルート作品の中から6 曲のフルート・ソナタを収録しました。これらは精巧で華やかな技巧が用いられており、まさしくクヴァンツのベストとして後世に語り継ぐべき作品でしょう。しっとりとしたフルートの音色は、聴き手を典雅な時代へと誘ってくれます。
8.559612 モー:ストレンジ・エクスクレイミング・ミュージック
 1-3.ストレンジ・エクスクレイミング・ミュージック(2004)/
 4.海の猛威/5-6.あまりにも早く通り過ぎていく/
 7.流れに沿ってボートを漕ごう、陽気にね/
 8.私はたった一つの欲望でうずうずする/
 9.フレックス・タイム/10-12.マーケット・フォース
カーティス・マコンバー(vn)…1-3,9/
スティーヴン・ゴスリング(p)…1-3/
マイケル・リプシー(perc)…4/
エリオット・ライリー(A-sax)…5-6/
ブルース・ワインバーガー(T-sax)…5-6/
ケネス・クーン(Br-sax)…5-6/
ダブルプレイ・パーカッション・デュオ…7/
コロンビア州立大学パーカッション・アンサンブル…8/
ニューヨーク・サクソフォン・クァルテット…10-12/
ハワード・ストーカー(エグゼクティヴ・プロデューサー)/
スコット・ヒル(マスター)
ピアニスト、作曲家として活躍するエリック・モー(1954-)。彼の音楽は、ある時はミニマルであり、ある時は「美しく静かなもの」であり、彼曰く「急場しのぎ」であったりします。精巧に書かれたそれらの作品は古典的な要素とアフリカの太鼓、そしてジャズなど様々な要素を持ち合わせています。もちろん演奏する際も、ジミ・ヘンドリックスやバド・パウエル的なものからモーツァルトまで、ありとあらゆるものから抽出して音を作りださなくてはいけません。各曲に付けられたタイトルも意味深。想像力をかきたてられる楽しい1 枚です。
8.559616 ショート・ストーリー〜サクソフォン・クァルテットのためのアメリカ音楽集
 1.アイヴズ(1874-1954):
  20 弦楽四重奏曲第1 番「救世軍より」第1 楽章コラール
  (M.シンチャクによるサクソフォン四重奏編)/
 2-7.ヒグドン(1962-):ショート・ストーリー
  <チェイス/夏の前夜/子守歌/
   キャンバスに絵の具を叩きつける/
   コヨーテの夜/ダンスのステップ>/
 8.ストラム(1951-):ピカソ・キューブド/
 9.トーク(1961-):6 月/
 10-16.ビクスラー(1964-):ヘプタゴン/
 17.メイシー(1944-):とらえどころのない夢/
 18.モートン(1891-1941):ブラック・ボトム・ストンプ
  (F.ストルムによるサクソフォン四重奏編)
アンチア・サクソフォン・クァルテット/
ディー・ラングリー(アコーディオン)…17
このアルバムはサクソフォン・カルテットの限りない可能性を追求したもので、サックス・ファンにとって垂涎の 1 枚です。アイヴズを始めとしたアメリカ近現代作曲家の様々な作品が並びますが、中でもヒグドンの「ショート・ストーリー」は5 つの部分からなる極めて技巧的で描写的な音楽です。例えば第1 曲目の「チェイス」での追いつ追われつの緊迫感、第3 曲目の子守歌などは新鮮さと親しみ易さが程よく混在した楽しいもの。アンチア・サクソフォン・クァルテットは20 年間以上北アメリカ、ヨーロッパおよびアジアで活動し、高い評価を受けています。
8.559628 B.リース:弦楽四重奏曲集
 1-3.弦楽四重奏曲第 1 番(1952)/
 4-7.弦楽四重奏曲第 5 番(2002)/
 8-11.弦楽四重奏曲第 6 番(2005)
シプレス弦楽四重奏団<メンバー>
セシリー・ウォード(第1 ヴァイオリン)/
トム・ストーン(第2 ヴァイオリン)/
イーサン・フィルナー(ヴィオラ)/
ジェニファー・クレッチェル(チェロ)
1924 年生まれのリース(1924-)は両親はロシア人で生まれはハルビン。生まれた翌年にアメリカに渡り、5 歳からピアノを学び、その後は様々な先人から音楽的洗礼を受けています。壮大さと皮肉、そして機知はショスタコーヴィチから。調和と洗練された感覚はブリテンから。また至る処に、粗野で凶暴な響きへの幽かな憧れも感じられます。称賛する全ての人や音楽から大きな影響を受け、自分自身の血肉と変えてきた彼の作風はすでに孤高の域へと達しているのです。ここに収録された第5 番の弦楽四重奏曲はアメリカのアンサンブルベスト101 の中の1 曲に選ばれたほど人気の高いものです。
8.570928 アルファーノ:ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト 他
 1-3.ヴァイオリン、チェロとピアノのためのコンチェルト(1932)/
 4-6.チェロ・ソナタ(1925)
エルミラ・ダルヴァロヴァ(ヴァイオリン)…1-3/
サミュエル・マギル(チェロ)/
スコット・ダン(ピアノ)
最近では、プッチーニの未完のオペラ「トゥーランドット」の補筆者としてのみ知られるアルファーノ(1875-1954)ですが、彼自身才能に溢れた作曲家でもありました。その作品のほとんどはオペラでしたが、ここで聴けるような大規模な室内楽も素晴らしい出来栄えを誇っています。「コンチェルト」と題されたピアノ三重奏曲には、バスク地方の民族音楽と、漂うような抒情性が相俟って、独自の美しい響きが醸し出されています。冒頭から恐ろしいほどの緊張感を漲らせたチェロ・ソナタはドビュッシーやラヴェルの影響も感じさせる流麗さも兼ね備えています。これらの曲の狂おしいほどの美しさには息が止まる思いがすることでしょう。
8.570976 カバレフスキー:前奏曲全集
 1-4.4 つの前奏曲 Op.5/5-28.24 の前奏曲 Op.38/
 29-34.6 つの前奏曲とフーガ Op.61
  <第1 番ト長調「夏の朝の芝生に」/
   第2 番ハ長調「若年化するパイオニア」/
   第3 番ホ短調「川向こうから聞こえる夜の歌」/
   第4 番イ長調「サマー・キャンプの若きパイオニア」/
   第5 番ハ短調「ヒーローの物語」/
   第6 番ヘ長調「労働者の祭典」>
アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)
24 の前奏曲と言えば、ショパンの名作を思い浮かべる人も多いことでしょうが、あの独特の形式は後世の作曲家たちに様々な影響を与えていることは間違いありません。このカバレフスキー(1904-1987)の同名曲は、ロシア民謡のメロディを元にした様々な性格を持つ作品群で、ショパンと同じく全ての調性で書かれています。どの曲もとても個性的で、はっとするほどに美しいメロディが散りばめられています。演奏は、ソナタ(8.570822)でもその能力を存分に見せつけたドッシン。ここでも曲の素晴らしさをしっかりと伝えてくれています。
8.570577-78
(2CD)
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV 1080
 CD1:
  1-5.4 声のコントラプンクトゥス 1-5/
  6.4 声のコントラプンクトゥス「フランス風のスタイル」6/
  7.拡大と縮小による4 声のコントラプンクトゥス 7/
  8.3 声のコントラプンクトゥス 8/
  9.12 度4 声のコントラプンクトゥス 9/
  10.10 度4 声のコントラプンクトゥス 10/
 CD2:
  1.4 声のコントラプンクトゥス 11/
  2-3.4 声鏡像のコントラプンクトゥス 12/
  4-5.3 声鏡像のコントラプンクトゥス 13/
  6.3 つの主題による4 声のフーガ 19/
  7.8 度のカノン 15/8.10 度のカノン 16/
  9.12 度のカノン 17/10.反行の拡大カノン 14/
  11-12.2 台の鍵盤楽器のためのフーガ
セルジオ・ヴァルトーロ(ハープシコード)/
マッダレーナ・ヴァルトーロ(ハープシコード)…CD2.11-12
バッハ(1685-1750)の未完の大作である「フーガの技法」は西洋の作曲技法の基礎を全て詰め込んだものとして知られます。様々な様式・技法による14 曲のフーガと4 曲のカノンは演奏的にも困難を極め、これまでにも多くの演奏家によって形作られてきていますが、このセルジオ・ヴァルトーロによる新録音は、最近公表された1751/1752 年出版譜のファクシミリ版を用いたもので、その詳細な研究結果も含め、「フーガの技法の歴史」に一石を投じるものになるかもしれません。ヴァルトーロによる詳細な解説(英語)はwww.naxos.com からダウンロードできます。ちなみに、未完のフーガは曲の途中に置かれているので(バトラーの復元版と同じ順序)聴いていても取り残された気分になることはありません。
8.557531 ヴェーベルン:リチェルカーレ他 作品集
 1.J.S.バッハ:「音楽の捧げもの」より
  6 声のリチェルカーレ(ヴェーベルン編)/
 2-3.2 つの歌 Op.19<百合のように白く/羊の群れが立ち去って>/
 4-8.5 つの楽章 Op.5(弦楽オーケストラ編)/
 9-10.2 つの歌 Op.8<あなたには言わない/あなたは私を孤独にする>/
 11-15.オーケストラのための5 つの小品 Op.10/
 16-19.4 つの歌 Op.13
  <公園の草地/孤独な女/見知らぬ土地で/ある冬の夕べ>/
 20-25.6 つの歌 Op.14
 <太陽/黄昏の地Ⅰ/黄昏の地Ⅱ/黄昏の地Ⅲ/
 夜に/囚われのつぐみの歌>/
 26-30.5 つの宗教的な歌 Op.15
  <彼に負わされた十字架/朝の歌/神の御名において/
  過ぎ来たりしわが道/いざ行け、魂よ汝の神に向かって>/
 31.眼の光 Op.26/32.オーケストラのための変奏曲 Op.30/
 33.第2 カンタータ Op.31
トニー・アーノルド(S)…9-10,16-19,20-25,26-30/
クレア・ブース(S)…33-38/
デヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(B)…33-38/
サイモン・ジョリー合唱団…2-3,31,33-38/
21 世紀古典アンサンブル…1,9-10,16-19,20-25,26-30,32/
フィルハーモニア管弦楽団…2-3,4-8,11-15,31,33-38/
ロバート・クラフト(指揮)
ストラヴィンスキーやシェーンベルクにおける明晰な解釈が知られる指揮者ロバート・クラフト。そんな彼がヴェーベルン(1883-1945)に魅了されるのも当然のことでしょう。作品数こそ少ないですが、そのどれもが捉え難いほど魅力と感性に溢れたヴェーベルンの作品は、演奏家にとっても聴き手にとってもまるで宝の山と言えるのですから。このアルバムには、歌声すらも一つの音を構築する響きとして使われている声楽曲と、いくつもの音の層から出来た精緻な織物である「バッハのリチェルカーレ」が収録されています。彼の歌曲は編成が特殊なため演奏が困難とされていますので、これはとても貴重な1 枚になることでしょう。
8.669016-17
(2CD)
テイラー(1885-1966):「永遠に愛せよ(ピーター・イベットソン)」Op.20 ピーター・イベットソン…アンソニー・ディーン・グリフィー(T)/
タワーズ卿夫人メリー…ローレン・フラニガン(S)/
コロネル・イベットソン…リチャード・ゼラー(Br)/
メジャー・ドゥケノワ/
聖職者…チャールズ・ロバート・オースティン(Br)/
ディーン夫人…ロリ・サマーズ (S) 他/
シアトル交響楽団&合唱団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
1931 年に書かれたこの「永遠に愛せよ」は1985 年までニューヨークのメトロポリタン・オペラで最も演奏回数の多いアメリカのオペラです。幼い頃に家の事情で引き離されてしまった幼なじみの事が忘れられないピーター・イベットソン、成長した彼が出会った愛しい人はすでに他の人の妻になっていました。結局彼女の夫を殺してしまい罪に服するのですが、その際彼自身も怪我をしてしまい魂だけが愛しい彼女の元を訪れます。2 人が年老いるまでその関係は続き、彼女の命が尽きた時、ピーターの命も尽きるのです。1935 年にゲイリー・クーパー主演で映画化もされていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
8.570599 柳済準:シンフォニア・ダ・レクイエム 他
 1-4.シンフォニア・ダ・レクイエム Op.11
 <レクイエム・エテルナム/ディエス・イレ/
 オッフェルトリオ/サンクトゥス>/
 5.ヴァイオリン協奏曲第 1 番 Op.10
イ=ネ・キム(S)/
ポーランド放送合唱団/
カメラータ・シレシア/
ポーランド放送交響楽団/
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮)…1-4/
ソ・オック・キム(vn)/
ポドラシェ・フィルハーモニー管弦楽団/
ピョートル・ボルコフスキー(指揮)…5
1970 年生まれの若き作曲家柳済準はソウルで生まれ幅広い音楽教育を受けました。作曲を姜碩煕とペンデレツキに学び、数多くの賞を受賞、韓国で最も才能ある作曲家の一人と目されています。08 年に初演された「シンフォニア・ダ・レクイエム」はペンデレツキにも傑作と評価され、初演時には10 分ものスタンディング・オベーションで迎えられました。荒れ狂うかの様な感情表現は若き才能をストレートに伝えるものでしょう。ロマン派の香り漂うヴァイオリン協奏曲の美しさにも耳が奪われます。
8.572104 パリー:別れの歌
 1.詩篇第122 番「私は歓喜した」Op.51 /
 2.グレート・サーヴィスより「マニフィカト」/
 3.グレート・サーヴィスより「ヌンク・ディミティス」/
 4-9.別れの歌
  <わが魂よ、ここが故郷だ/わが魂は全てを知る力を持つ/
  決して帆は野ざらしにせず/
  古き信念/まるい地球上にある想像上の角/
  主よ、私の最期をお知らせします>/
  10.人々よ、私の言葉を聞きたまえ/
  11.ユディト〜長き間、エジプトの豊穣な土地で/
  12.エルサレム
マーク・ローリンソン(Br)…10/
マンチェスター大聖堂合唱団/
ジェフリー・マキンソン(org)/
クリストファー・ストークス(指揮)
イギリス音楽の伝統をしっかりと受け継ぐこれらの合唱音楽を作ったのはヒューバート・パリー卿(1848-1918)。彼の名前は現代でこそ忘れ去られてしまいましたが、イギリス国内では不動の人気を誇っています。まるで教会の中に光が降り注ぐような荘厳な数々の合唱曲は、人間の心の根源に眠る何かを呼び起こすかのような高揚感を味わわせてくれるでしょう。ウィリアム・ブレイクの詩のために創られた「エルサレム」は吹奏楽のレパートリーとしてもおなじみです。
8.572341 期待の新進演奏家シリーズ/ユンイ・キン:ピアノ・リサイタル
 1.唐壁光(1920-):瀏陽河(王建中によるピアノ編)/
 2.モーツァルト(1756-1791):
  デュポールのメヌエットによる9 つの変奏曲ニ長調 K.573/
 3-6.シューベルト(1797-1828):
  ピアノ・ソナタ第 16 番イ短調 Op.42D.845/
 7-9.ハイドン(1732-1809):
  ピアノ・ソナタ第33 番ハ短調 Hob.XVI:20/
 10.グラナドス(1867-1916):
  わら人形、ゴヤ風な情景/
 11.スクリャービン(1872-1915):
  ワルツ変イ長調 Op.38/
 12.フリードマン(1882-1948):
  ミュージック・ボックス Op.33 No.3/
 13.リスト(1811-1886):
  12 の超絶技巧練習曲第10 番ヘ短調 S139/R2b/
 14.プリエト(1934-):ハエン2008
ユンイ・キン(ピアノ)
2008 年ハエン国際コンクールの覇者、ユンイ・キンは1992 年、中国生まれの17 歳。すでに中国国内では天才ピアニストとして知らない人がないくらいの人気者です。彼女の演奏はとても個性的。もちろん輝くような音色と超絶技巧は備えていますが、作り出す音の響きが何ともユニークなのです。例えばモーツァルトのK.573。この曲の主題である「デュポールのメヌエット」だけ取ってみても、テンポの揺らし方や独特のペダリングから醸し出される響きは、彼女の並々ならぬ才能を感じさせてくれるものです。古典から現代作品まで様々な作品を揃えたこの1 枚は、まさに彼女の音楽の総合カタログ。今後、このカタログがどんどん厚くなるのを願うことにしましょう。
8.570932 マルトゥッチ:管弦楽作品全集第 4 集
 1-3.ピアノ協奏曲第 2 番変ロ長調 Op.66/
 4.楽興の時とメヌエット(弦楽オーケストラ編)/
 5.ノヴェレッタ Op.82-2(管弦楽編)/
 6.セレナータ Op.57-2(管弦楽編)/
 7.東洋の色彩 Op.44-3(管弦楽編)
ジェズアルド・コッギ(ピアノ)…1-3/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ダ・ヴェッキア(指揮)
大好評、マルトゥッチ(1856-1909)管弦楽作品集の第4 集は、彼の作品の中でも最も有名な「ピアノ協奏曲第2 番」を中心に収録しました。このピアノ協奏曲は、あのマーラーが生前最後にカーネギー・ホールで行った演奏会のプログラムに含まれていたことで知られています。当時、すでに体調が悪化していたであろう彼にとっては、この大曲を指揮するのはかなり大変だったのではないでしょうか?第1 楽章は演奏時間こそ20 分と長いものの、次々と現われては消えていく雄大で美しいメロディを追うだけでも楽しいですし、それに続く夢のように美しい第2 楽章ラルゲットと、華やかで息詰まるようなオケとピアノの対決が楽しめる第3 楽章も聴きどころ満載です。後期ロマン派の最後の輝きを存分にお楽しみください。余白に収められた小品も、これまた味わい深くて何だか得した気分です。
8.570791 コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲他
 1-3.ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35/
 4.劇的序曲 Op.4/
 5-9.付随音楽「から騒ぎ」より
   演奏会組曲Op.11
  <序曲/結婚式の朝/ドグベリーとヴァージェス/
  間奏曲:庭園の情景/ホーンパイプ>
フィリッペ・クイント(ヴァイオリン)…1-3/
ミネリア交響楽団/
カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)
1945 年に作曲されたにも関わらず、このヴァイオリン協奏曲の全編に漂うのは馥郁たる後期ロマン派の妖艶なる香りです。天才少年として将来を嘱望されつつも、アメリカに亡命し、ハリウッドの映画音楽作曲家として活躍していたコルンゴルト(1897-1957)ですが、彼はいつでも「ドイツのクラシック作曲家」として認められることを望んでいました。この作品がハイフェッツの手で1947 年に初演された時も「時代錯誤」という酷評を受けたのですが、彼自身としては大満足であったことでしょう。一時期すっかり忘れられていたのですが、最近になって多くの演奏家がこの曲を取り上げ、すっかり人気曲となったのは間違いありません。全曲を通じて、自身の映画音楽からの引用が見られますので、このまま、再度何かの映画音楽に使ってみるのも良いかもしれません。それほどまでに劇的で心惹かれる作品です。
8.570584 タネーエフ:管弦楽作品集
 1.歌劇「オレステイア」より序曲 Op.6/
 2.歌劇「オレステイア」より
  第3 幕の間奏曲「デルフォイのアポロ神殿」/
 3.アダージョハ長調/
 4.ロシアの主題による序曲/
 5.モスクワのプーシキン記念館の除幕のためのカンタータ/
 6.カンツォーナ/7.序曲ニ短調
スタニスラフ・ヤンコフスキー(クラリネット)…6/
ノヴォシビルスク国立フィルハーモニック室内合唱団…5/
ノヴォシビルスク・アカデミック交響楽団/
トーマス・ザンデルリンク(指揮)
ロシアの作曲家、ピアニスト、教師および対位法の研究者セルゲイ・タネーエフ(1856-1915)の作品集です。このアルバムには彼の唯一のオペラである「オレステイア」からの長大な序曲を中心に、抒情性と対位法に彩られたいくつかの作品を収録しています。ロシア的なものを聴きたければ、トラック4 や5 がオススメです。どっしりとしたものを聴きたければトラック7 などはいかがでしょう。チャイコフスキーのようなわかりやすい抒情性に、若干の男らしさを付け加えた思いきりの良い音楽が魅力です。
8.570739 ニールセン:交響曲第 4 番「不滅」&第5 番
 1-4.交響曲第4 番「不滅」Op.29 FS76/
 5-10.交響曲第5 番 Op.50 FS97
デンマーク国立放送交響楽団/
ミハエル・シェンヴァント(指揮)
名演として名高いシェンヴァントの指揮によるニールセン(1865-1931)の最高傑作、交響曲第4 番と第5番の組合せです。細部にまできっちりと目配りの効いた申し分のない演奏で、ニールセンの深い世界をじっくりと味わわせてくれるものです。単一楽章で書かれた雄大な第4 番(不滅という副題を持つ)、途中で理不尽なほどに高らかに鳴り響く「スネアドラム」が耳に残ってはなれない第5 番。どちらも劇的で不可思議な魅力に溢れています。耳に優しいメロディはあまりないのですが、一度はまったら抜け出すのは難しいのがニールセンの音楽でしょう。この音楽を攻略するのは困難ですが、聴き終えると何とも言えない爽快感を味わうことができるはず。
8.557793 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第 2 番&第3 番
 1-3.ヴァイオリン協奏曲第 2 番ニ短調 Op.44/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲第 3 番ニ短調 Op.58
マキシム・フェドトフ(ヴァイオリン)/
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団/
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)
あまりにも有名な第 1 番のヴァイオリン協奏曲に比べると、ブルッフ(1838-1920)の第2 番と第3 番のヴァイオリン協奏曲は知名度が低すぎます。なぜなのでしょう?こんなに雄大さも感傷性も兼ね備えているというのに。そんな思いで胸が一杯になること間違いなしの1 枚です。第2 番は1877 年の作。第1 番の11 年後に書かれ、驚くほどドラマティックなフォルムを備えています。名手サラサーテが初演し、そのまま彼に捧げられています。第3 番は1891 年に最初単一楽章の作品として書かれましたが、ヨアヒムの助言により3 楽章へと拡大されたものです。独奏ヴァイオリンによって奏でられる各動機は一層表現力を増し、オーケストラの響きが存分に呼応します。この知られざる名曲を演奏するのは俊英フェドトフ。彼による第1 番の演奏は8.557689 でお聴きいただけます。
8.572231 ミレニアム・カノン
 1.プッツ(1972-):ミレニアム・カノン(M.スペード編)/
 2.ニューマン(1972-):私の手は都市/
 3.キュスター(1973-):失われた峡谷/
 4-5.マッキー(1973-):カワセミ
  <滝の後ろと雨の滝/火を捉えたカワセミ>/
 6.ホルスト(1874-1934):鍛冶屋-前奏曲とスケルツォ/
 7.ゴーブ(1958-):去りゆく日
ジョージア大学ウィンド・アンサンブル/
ジョン・P・リンチ(指揮)
このアルバムに収録された作品を書いたのは、ほとんどが1970 年代生まれの若手作曲家たち。さすが、瑞々しい感性に裏打ちされた曲ばかりです。やはりこういう曲は「自分たちで演奏してみたい」と思わせるのがツボ。壮麗でカッコいい「ミレニアム・カノン」などはその最たる曲と言えましょう。他にも大いなる自然賛歌ともいえるニューマンの曲、豪壮な岩山を描いたキュスターの曲、嵐が去った後に巣から飛び立つカワセミに希望を託したというマッキーの曲、など個性豊かです。非の打ちどころなきジョージア大学ウィンド・アンサンブルの演奏で。
8.570031 ヴィヴァルディ:四季(ピアノ編曲版)
ヴァイオリン協奏曲 Op.8「四季」
 (J.ビーゲルによるピアノ独奏編曲版)
 1-3. ホ長調 Op.8-1 RV 269「春」/
 4-6. ト短調 Op.8-2 RV 315「夏」/
 7-9. ヘ長調 Op.8-3 RV 293「秋」/
 10-12. へ短調 Op.8-4 RV 297「冬」/
 13-15.マンドリン協奏曲ハ長調 RV425
  (A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)/
 16-18.リュート協奏曲ニ長調 RV 93
  (A.ジェンティーレによるピアノ独奏編曲版)
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)
最強の名曲、ヴィヴァルディ(1678-1741)の四季をピアノ独奏で全曲演奏してしまったというCD です。元々Ricordi 社(イタリアの大手出版社)よりピアノ版のスコアは出版されていたのですが、この録音にあたってピアニストのビーゲルは本来のスコアを研究し、より一層的確な装飾を付けくわえたというのですから、その思い入れは並大抵なものではありません。出来上がった音を聴いてみてください。鳥の囀り、雷鳴、人々の喜び、しんしん降り積もる雪などが、驚くほどに色鮮やかに描き出されていることに気がつくでしょう。映画でおなじみのマンドリン協奏曲も、ピアノで聴くと一味違います。
8.570454 レーガー:オルガン作品集第 9 集
 1-2.「国王万歳」による変奏曲とフーガ/
 3-8.12 の小品 Op.65 より第1 番から第6 番/
 9-14.コラール前奏曲
  <戸を高く上げよ/暁の星のいと美しきかな/
  血潮したたる主の御頭/おお嘆き、おお心の苦しみ/
  キリストは死からよみがえられた/甘き死よきたれ>/
 15.コラール幻想曲集 Op.40 より
  第2 番「主よ、汝の怒りにてわれを罰するなかれ」
ジョセフ・スティル(オルガン)/
トリーア教会ジョハネス・クライス・オルガン
大好評、レーガー(1873-1916)のオルガン作品集の第9 集です。驚くほどにカッコ良く始まる「国王万歳」は1900 年頃に書かれた曲。恐らく、ヴィクトリア女王の長女であるヴィクトリア(ドイツ皇帝フリードリヒ3 世妃)の60 歳の誕生日記念として出版社から作曲を依頼されたようで、スコアには英語とドイツ語の両方のタイトルが付されています。1902 年頃に書かれた12の小品は、オルガンの機能を目一杯に使って書かれており、精緻な響きに感嘆するばかりです。作品番号のないコラール幻想曲での瞑想的な美しさ、Op.40 での弱音の保持など、オルガン好きにはたまらない曲ばかりです。
8.572024 マルティヌー:ピアノ作品全集第 6 集
 1-6.12 のエスキース第 1 集 H.203/
 7-10.遊戯シリーズ 1 H.205/
 11-16.遊戯シリーズ 2 H.206/
 17-19.3 つの抒情的小品H.98/
 20.ブラック・ボトム H.165/
 21-23.海辺の夕暮れ H.128
 <夕べの港に小舟が帰る/海辺の歌/嵐の海辺>/
 24.無言歌ニ短調 H.46/25.夜想曲 H.95/
 26.悲しい歌ニ短調 H.36
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)
コウクルの弾くマルティヌーの第 6 集です。ピアニスト、コウクルは第4 集をリリースしたあと、マルティヌーの失われた作品や、未発表の作品などを精力的に研究し、3 枚分のCD に収録できるだけの作品を発掘したというのですから、まさにこれは歴史的偉業と讃えてもよいでしょう。ここに収録されているのは、マルティヌーのパリ時代の作品が中心ですが、例えば2 セットずつまとめて作曲された「12 のエスキース」や「遊戯」は出版される際にばらばらにされたため、「遊戯」の前半と「エスキース」の後半は忘れられてしまったとか。まだまだ、その全貌が知られているとは言い難いマルティヌーの魅力をすみからすみまで掘り起こしてくれるコウクルに感謝です。
8.570938 フォーレ:ピアノ五重奏曲第1 番&第2 番
 1-3.ピアノ五重奏曲第 1 番ニ短調 Op.89/
 4-7.ピアノ五重奏曲第 2 番ハ短調 Op.115
ファイン・アーツ四重奏団/
クリスティーナ・オルティス(ピアノ)
独自の和声感と調性を追求したためか、晩年の作品はある意味「捉えどころのない美しさ」に満ちているフォーレ(1845-1924)の音楽。この2 曲のピアノ五重奏曲もまさにそんな音楽です。第1 番は中期から後期への過渡期に書かれていて、境目はぼやけていても、メロディラインはしっかりしています(もちろんそれを取り巻く音の流れはとめどなく流動的ですが)。晩年近くに書かれた第2 番になると、更に音楽は晦渋の度合いを深めていくのです。さざめくピアノのアルペジョと、本来の拍子とずらした拍を用いることで感じる浮遊感(ヘミオラといいます)、そしてぼやけた調性。耳がなじむまでに少々時間を必要とするかも知れませんが、一度この世界に慣れてしまうと、まるで暖かい水の中で体を丸めているかのような安らぎを覚えることでしょう。
8.570779 カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1968):
 2 台ギターのための作品全集第 2 集
  1-2.エレジー風フーガ/平均律ギター曲集
  (2 台のギターのための24 の前奏曲とフーガ)Op.199 より
 <3-4.プレリュードとフーガ第 13 番ト長調/
  5-6.同第 14 番ニ短調/7-8.同第 15 番イ長調/
  9-10.同第 16 番ホ短調/11-12.同第 17 番ロ長調/
  13-14.同第 18 番嬰へ短調/
  15-16.同第 19 番嬰ハ短調/
  17-18.同第 20番嬰ト短調/
  19-20.同第 21 番変ホ長調/
  21-22.同第 22 番変ロ短調/
  23-24.同第 23 番ヘ長調/
  25-26.同第 24 番ハ短調>
ブラジル・ギター・デュオ
(ジョアン・ルイス&ダグラス・ローラ)
既にリリースされている第1 集(8.570778)の続編です。これで、前作で半分だけ紹介した「平均律ギター曲集」の全貌が明らかになりました。この後半の12 曲は1962 年の5 月14 日から6 月3 日までの間に書きあげられたのですが、各々の曲のほとんどに完成した日が書き添えられていて、さながら「音による日記」の様相を呈しているのが興味深いところです。とりわけ、6 月1 日から3 日にかけて書かれた第24番は、まるで彼の音楽人生全てを総括するような素晴らしい出来栄え。この曲集がギター・デュオのレパートリーの最高傑作として未来永劫大切にされることは間違いありません。ブラジル・ギター・デュオの目の覚めるかの如き名演でお楽しみください。
8.570780 ヒナステラ:弦楽四重奏曲全集
 1-4.弦楽四重奏曲第 1 番 Op.20/
 5-9.弦楽四重奏曲第 2 番 Op.26/
 10-14.弦楽四重奏曲第 3 番 Op.40
  <観想/奇抜に/愛情を込めて/
  ドラマティックに/もう一度観想>
エンソ四重奏団/
ルーシー・シェルトン(ソプラノ)…10-14
ヒナステラ(1916-1983)はあまり多くの作品を書いたわけではないので、3 つの弦楽四重奏は作品番号こそ近いのですが、実は第1 番は1948 年、第2 番は1958 年、そして第3 番は1973 年の作と、実に25 年ほどの年代の開きがあるのです。当然作風の変化も顕著です。民俗音楽を程良く取り入れた第1 番は、バルトークやストラヴィンスキーを想起させる荒々しい音楽です。追い立てられるかのように始まる第2 番は十二音技法を取り入れた自由な作品です。第3 番はソプラノのソロを伴う曲で、あのシェーンベルクの作品にも似た「夜の雰囲気」を湛えた神秘的な作品です。ヒメネス、ロルカ、アルベルティのテキストが用いられています。どれもが悲劇的で、死を彷彿させる思い想念をやるせなさに満ちていますが、底知れぬ透明感も持ち合わせているところが素晴らしいのです。
8.570255 ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集第 3 集
 1-4.ピアノ三重奏曲第3 番ハ短調 Op.1-3/
 5-8.交響曲第2 番ニ長調 Op.36(ピアノ三重奏編)/
 9.アレグレット変ホ長調Hess48
ジリオン・トリオ
<メンバー>
ニナ・ティックマン(ピアノ)/
イダ・ビーラー(ヴァイオリン)/
マリア・クリーゲル(チェロ)
ベートーヴェン(1770-1827)の初期の名作であるこのピアノ三重奏曲第3 番は、1795 年に公表され、カール・リヒノフスキー侯爵に捧げられました。リヒノフスキーはモーツァルトと同じ年に生まれ、友人、弟子として、そして高い音楽的素養を持った愛好家です。そしてモーツァルトの死後、ベートーヴェンがウィーンに来た際には自らパトロンを買って出て、田舎者丸出しのベートーヴェンを持ち家に住まわせハイドンの指導を受けるように取り計らったのでした。そんな時期に書かれているものですから、ハイドンの影響は至るところに感じられますが、それ以上に、反骨心とプライドの高さも感じられる愛すべき作品と言えるでしょう。交響曲第2 番は1802 年に書かれ、こちらもリヒノフスキーに献呈されています。耳の疾患に悩まされ始めた時期の曲とは思えない楽天的な明るさが漂っています。
8.559618 ゲーバー:室内楽作品集
 1-3.ガーシュウイアーナ(1999)/
 4-6.3 つの民謡編曲
  <無言歌/カノンとがらくた/変奏>/
 7-9.3 つの小品/10.夜想曲/
 11.ドミートリー・ショスタコーヴィチの名による悲歌/
 12-14.3 つの無言歌
  <彼の夢/長い沈黙の後に/彼の確信>/
 15.ヴァイオリンのための幻想曲/
 16.ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲/
 17-18.ピアノ三重奏曲
クルト・ニッカネン(ヴァイオリン)…1-4.6-9,(ヴィオラ)…5/
チョー=リャン・リン(ヴァイオリン)…1,3/
サイラス・ベロ
ウヒーム(ヴァイオリン)…1/
ブライントン・スミス(チェロ)…2,4,8,9/
サラ・ディヴィス・ビュークナー(ピアノ)…2,4,9
未知の作曲家のアルバムを手にとり、どんな音楽が聴こえてくるのかに思いを巡らす至福の時。このアルバムは間違いなくそんな楽しい思いを味わうことができるでしょう。ゲーバーは1948 年に生まれたアメリカの作曲家で、すでにCHANDOS などからいくつかのCD をリリース。その多様な作風は世界中のモダニストたちから愛されているのです。ここに収録された作品も、民謡からの引用だったり、過去の作曲家へのオマージュだったりと、その楽想の源は様々です。それに伴い出来上がった音楽も実に幻想的で、聴き手の心を幻惑してやみません。
8.572106 ランペル:室内楽作品集
 1-2.弦楽四重奏曲/3.ピアノ・ソナタ/
 4.弦楽六重奏曲/5.ヴァイオリン・ソナタ/
 6.前奏曲とシャコンヌ「バッハへのオマージュ」
パリジー四重奏団…1-2/
セバスティアン・リスレル(ピアノ)…3/
ウプサラ・チェンバー・ソロイスツ…4/
レジス・パスキエ(ヴァイオリン)…5/
エマニュエル・シュトロッセ(ピアノ)…5/
アンリ・ドマルケット(チェロ)…6
スウェーデンの現代作曲家、ランペルの作品集です。「音楽は聴く前から始まっていて、最後の音が消えてもずっと続いている」という考えを持つ彼の説を具現化したとも言える作品群は、それぞれ「既にある作品への敬意を示すこと」としての体裁を持っています。例えばそれは、タイトル通りのバッハの賛辞であったり、弦楽六重奏はあからさまにシェーンベルクの影をなぞっていたりと、古典派の形式の再現であったり、なかなか興味深いものを備えています。聴きながら「何かを探す」ことに熱中しそうな48 分をお届けいたします。
8.572261 ディーリアス:ヴァイオリン・ソナタ全集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタロ長調 遺作(1892)/
 4-5.ヴァイオリン・ソナタ第 1 番(1905-15)/
 6.ヴァイオリン・ソナタ第 2 番(1923)/
 7-9.ヴァイオリン・ソナタ第 3 番(1930)
スーザン・スタンツェライト(ヴァイオリン)/
グスターフ・フェニェー(ピアノ)
イギリスを代表する作曲家というと、必ずディーリアスの名前が挙がりますが、両親はドイツ人であり、活躍したのはパリであったことを考えると、もう少し違う見方をしてもいいのかも知れません。彼のヴァイオリン・ソナタはレパートリーとしてはあまり知られていませんが、じっくり聴いてみると様々な発見があります。破棄されてしまったソナタを含めると、作曲年代は1892 年から1930 年と、彼の経歴の全てにまたがり、フランスの印象主義の香りから後期ロマン派、そしてアメリカ民謡までをも内包し、雄弁なメロディと精緻なピアノ・パートを備えたという恐るべき音楽。オーケストラ曲ばかりがディーリアスではありません。
8.570603 ゲ・ガンリュ:バグダード陥落
 1.弦楽四重奏曲第 1 番「賦」/
 2-5.弦楽四重奏曲第 4 番「天使の組曲」
  <小天使/小人の舞曲/祈祷/天使の行進曲>/
 6-8.弦楽四重奏曲第 5 番「バグダード陥落」
 <深い淵/天上の音楽/孤独>
モダーン・ワークス
<メンバー>
吉岡愛理(第1 ヴァイオリン)/
福原真由紀(第2 ヴァイオリン)/
ヴェロニカ・サラス(ヴィ
オラ)/メデリーネ・シャピロ(チェロ)
マニアの間で大反響を巻き起こしている中国作曲家シリーズにまた新たなレパートリーが加わりました。このアルバムは1954年、上海生まれのゲ・ガンリュ(葛甘孺)(1954-)の弦楽四重奏曲です。中国において最初のアバンギャルドの作曲家であり、アメリカのコロンビア大学から博士号を得たことでも知られる彼は、作品の中で東洋と西洋の音楽の特性を統合しようと試みを繰り返しています。1983 年に書かれた第1番の四重奏曲からその独特の書法は際立っていますが、「天使の組曲」で現れる、ポルタメントとグリッサンドを多用し生み出された微分音は、不気味さを通り越してまるでシルクロードを越えて東方の世界を夢見るほどに神秘的です。その特徴的な音色は「バグダード陥落」でも顕著です。
8.570604 チョウ・ロン/チェン・イ:野草
 チョウ・ロン:
  1.遡及(フルートと琴編)/
  2.ピアノゴング(ピアノとゴングによる)/
  3.タイピン・ドラム(ヴァイオリンとピアノによる)/
 チェン・イ:
  4.モノローグ(阿Q 正伝による印象)/
  5.笙と琴のロマンス(ヴァイオリンとピアノ編)/
  6-7.中国古代舞曲<牛の尾の踊り/胡旋舞>/
 チョウ・ロン:8.野草(語りとチェロによる)/
 9-11.鼓韻
 (クラリネット、ヴァイオリン、チェロとパーカッションによる)
北京ニュー・ミュージック・アンサンブル
<メンバー>
ニコラ・アタナソフ(フルート)/
ナ・ウ(琴)/
ミシェル・イップ (ピアノ)/
カン・ガオ(ゴング&ヴァイオリン)/
ケイト・リプソン(クラリネット)/
周龍 (ナレーター)/
ユ・ヤン・チャオ(チェロ)/
エリー・マーシャル(指揮)
1953 年生まれの2人の中国人作曲家、チョウ・ロン<周龍>(1953-)とチェン・イ<陳怡>(1953-)の作品集です。音の一つ一つに強烈な存在感を持たせた感のある「遡及」、トッカータを聴いているかのような爽快感と躍動感に溢れる「ピアノゴング」、中国的な響きと言えばこの曲「タイピン・ドラム」など色彩豊かな周龍の作品に比べ、陳怡の作品は全体的に抒情性に満ちた優しげな表情が特徴的です。クラリネットとピアノの掛け合いで曲が進む「中国古代舞曲」の自由闊達な音楽は、聴き手に喜びをもたらすこと間違いありません。
8.570533 星の歌〜近代カタルーニャの作品集
 1-9.カザルス(1876-1973):
  マリアの薔薇の花冠/
 10.カザルス:きっと、とりなし給え聖母マリアよ/
 11.グラナドス(1867-1916):サルヴェ・レジーナ/
 12.カザルス:われは黒けれど/
 13.モレーラ(1865-1942):ナイチンゲール…世界初録音/
 14.グラナドス:ロマンス/
 15.モレーラ:アヴェ・マリア…世界初録音/
 16.グラナドス:宗教的情景…世界初録音/
 17.ブランカフォート(1897-1987):愛の歌…世界初録音/
 18.オルトラ(1922-):愛の歌より「エコ」…世界初録音/
 19.オルトラ:愛の歌より「前奏曲」…世界初録音/
 20.グラナドス:星々の歌…世界初録音
ヴォイシズ・オブ・アセンション…1-13.15.17-20/
デニス・キーン(指揮)…1-13.15.17-20/ダグラス・リーヴァ(ピアノ)…14,16,20/
マルク・クルチェク(オルガン)…1-12,15,16,20/
エリカ・キーセウェッター(ヴァイオリン)…14,16
北東スペインの文化的都市、カタルーニャは古くから多くの芸術作品を育んだ肥沃の地です。この地に生を受けた音楽家は数多く、グラナドスやブランカフォート、そして名チェリスト、カザルスなど枚挙にいとまがありません。このアルバムは彼らの手による美しい小品を集めたものです。合唱好きが泣いて喜ぶカザルスの「マリアの〜」、そしてグラナドスの「星々の歌」はピアノと合唱とオルガンによる信じられないほど素晴らしい協奏曲です。世界初録音を多数含む涙ものの1 枚です。
8.570752-53
(2CD)
マイール:オラトリオ「トビアの結婚」 ラグエル…ユディス・スピーサー(ソプラノ)/
アンナ(ラグエルの妻)…マルグリート・ブフバーガー(ソプラノ)/
サラ(ラグエル夫妻の娘)…コルネリア・ホラク(ソプラノ)/
トビア・・・ステファニー・イラーニ(メゾ・ソプラノ)/
大天使ラファエル…スザンヌ・ベルンハルト(ソプラノ)/
ジーモン・マイール・アンサンブル&合唱団/
フランツ・ハウク(指揮)
すでに NAXOS からいくつもの作品がリリースされているジーモン・マイール(1763-1845)はバイエルンで生まれ、イタリアで活躍。そのため名前の表記もマイヤーであったり、マイールであったりと様々です。このオラトリオは旧約聖書の「トビト記」から題材を得たもので、ナフタリ族アシエルの家系、正義と真理の人で知られる盲目のトビトの息子、トビアと、神が決めた許嫁サラの物語。新婚の夫を7 人も亡くしてしまい、悪魔に魅入られたと嘆くサラの両親、決して神への祈りを忘れることのないサラ、「彼女を救うためにはチグリス川で魚を捕えるように」とトビアに教える大天使ラファエル。と、聖書の通りに話は進んでいくのです。このオラトリオも、イタリアの有名な少女のための慈善院「メンディカンティ」の聖歌隊のために書かれているので、配役は全て女声によって歌われます。これもまた魅力的です。
8.570961 シューベルト:ドイツ語歌曲全集第 32 集
 パート・ソング第 1 集
  1.人生の喜び「交際上手」D.609/
  2.埋葬の歌「今や肉体を埋めた」D.168/
 3.復活祭の歌
 「死に勝ちたまいし救い主イエス・キリスト」D.168a/
 4.世界の創造主たる神 Op.112-2 D.986/
 5.嵐の中の神 Op.112-1 D.985/
 6.無限なるものに寄せる讃歌Op.112-3 D.232/
 7.夕映え D.236/
 8.何千もの星がきらめく D.642/
 9.太陽に寄せて D.439/
 10.婚礼の焼肉 Op.104 D.930/
 11.祝日の奉献式 Op.146 D.763 /
 12.祈り Op.139 D.815/13.踊り D.826
シビラ・ルーベンス(ソプラノ)…1,4,5,8,10-13/ジルケ・シュヴァルツ(ソプラノ)…2,3,6,7,9/
レジーナ・ヤコビ(アルト)…1,7,8,11,12/
インゲボルク・ダンツ(アルト)…2-6,9,13/マルクス・シェーファー(テノール)…9,10/
マークス・ウルマン(テノール)…1-6,8,11-13/
トーマス・E・バウアー(バス)…11/
マルクス・フライグ(バス)…4-6,9,10,12/
マークス・シュミードル(バス)…
1-3,7,8,13/ウルリッヒ・アイゼンロール(ピアノ)
シューベルト(1797-1828)の歌曲を語る上で避けて通れないのが、このパートソング集です。親しい友人たちとの集まりで披露されたであろうこれらの歌は、独唱のための曲に比べると気楽で身近な題材から取られたものが多く、彼の社会生活をあれこれ想像する材料としても興味深いことでしょう。曲によっては、ピアノ伴奏を備えた壮大なカンタータであったり、単純なメロディを用いたカノンであったりとその趣は本当に様々です。トラック10 の「婚礼の焼肉」などはタイトルだけ訊くとユーモラスですが、実は・・・小さな「魔弾の射手」そのもの。3 人の登場人物の掛け合いはまるでオペラのようで、なかなか聴き応えがあります。あと2 枚のアルバムが予定されるこのシリーズ。とても楽しみです。
8.572139 パロモ:わが寂しき庭園
 1-11.わが寂しき庭園(ギターと声楽編)
  <ラ・エンカルニーリャ/ソレダッド!/
  グリーンホイール/ひばりとナイチンゲール/
  ふざけた歌/私の心は壊れている/明けの星/
  夕べ/囁き/沈黙した松の木/竹の歌>/
 12-17.マドリガルと
   5 つのセファルディの歌(声楽とギター編)
  <マドリガル「愛の痛み」/私の心の美しさ/
  子守歌/小さなセファルディノセレナーデ/
  セファルディのロマンス/セファルディの子守歌>/
 18-20.シエンフエゴスの協奏曲
 <夜、千の幻想の湖/夜の歌-子守歌/2 つの海辺>
マリア・バーヨ(ソプラノ)…1,2/
ペペ・ロメロ(ギター)…1,2/
ロメロ・ギター四重奏団…3/
セビーリャ王立交響楽団…3/
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
心沸き立つギターの音色、夢引き裂くかのような歌声、どことなくエキゾチックなメロディ、これらを聴いて背中がぞくぞくしない人はいないでしょう。名歌手マリア・バーヨとペペ・ロメロによってこの世に生を受けた歌曲たちは、夜の寂しさと妖艶さの中に微かに香る狂気までをも、恐ろしいまでに表現し尽くしています。また、ペペ・ロメロ率いるギター・カルテットと熱血指揮者、デ・ブルゴスの共演による「シエンフエゴスの協奏曲」も聴きもの。前半を聴いて瞑想的になり過ぎてしまったと思ったらぜひ最後まで聴きとおしてください。あなたの脳が心地よい汗をかくこと間違いなしです。
8.556839 ベスト・オブ・パーセル
 1.歌劇「インドの女王」 Z.630〜トランペット序曲/
 2.早祷式ニ長調 Z.232〜ジュビラーテ・デーオ/
 3-6.歌劇「ダイドーとイニアス」 Z.626 抜粋
  <序曲/行くぞ、みんな、錨を揚げるぞ!/
   水夫たちの合唱/ダイドーの嘆き>/
 7.4 声のファンタジー第 8番ハ短調 Z.738 /
 8.劇音楽「アムフィトリュオン」 Z.572
  「2 人のソシア」〜
   テュルシスとイリスの牧師の対話/
 9.歌劇「妖精の女王」 Z.629〜
  第4 幕シンフォニア/
 10.シオンで角笛を吹き Z.10/
 11.シャコンヌ Z.730 /
 12-13.メアリー女王の崩御によせる音楽
 <マーチ/主よ,御身は我らの心の秘密を知り給う>/
 14.組曲第2 番ト短調 Z.661〜第3 楽章クーラント/
 15.グラウンドによる夕べの讃歌
  「いまや太陽はその光を覆い隠し」 Z.193 /
 16.歌劇「インドの女王」 Z.630 〜
  トランペット・チューン/
 17.聖セシリアの日のためのオード Z.339
様々な演奏家達
イギリス・バロック音楽の最大の音楽家であるパーセルの名曲集です。王室礼拝堂の少年聖歌隊で学んだ後、チャールズ2 世の時代に「国王の楽団」の作曲家、及びウェストミンスター寺院のオルガニストとして活躍、36 年という短い生涯に膨大な作品を残しました。ここで聴けるのは彼の作品の中のほんの一部ですが、イギリスの上品さと典雅さを一身に集めたかのような輝かしく美しい曲を存分に楽しめます。歌劇「ダイドーとイニアス」の中の「ダイドーの嘆き」はポップスなどにも編曲されていたり、トランペット・チューンなどはCM で使われたりと、存外身近にある作曲家なのだな・・・と感激してしまったりもします。
8.556840 ベスト・オブ・ダウランド
 1.あふれよわが涙/
 2.7 つのファンタジー〜第7 番ト短調 P.7 /
 3.男と女 P.10 /4.もう一度帰っておいで、やさしい恋人よ/
 5.ジョン・ラングトン氏のパヴァーヌ/
 6.ラウンド・バトル・ガイヤルド P.39/
 7.告げておくれ、愛の神、御身はみたことがあるだろうか/
 8.エリザベス女王のガイヤルド P.41/
 9.ダウランドはつねに悲しむ P.9 /
 10.愛と運命にそむかれた君たち/
 11.デンマーク王のガイヤルド/
 12.レイトン夫人のアルマンド P.48 /
 13.ロバート・シンディ氏のガイヤルド P.91/
 14.暗闇に私は住みたい/15.涙のパヴァーヌ P.15 /
 16.私は見た、あの人が泣いているのを/
 17.溢れ出よ、わが涙/
 18.7 つのファンタジー〜第3 番別れ P.3
様々な演奏家達
エリザベス朝からチャールズ 1 世にかけてのイギリスを代表するリュート奏者であったダウランド。彼の作品はほとんどがリュートのソロのためか、リュートと歌という小規模な形態で書かれたものです。内容も、どちらかというと世俗的なもので、親しい人や偉い人のために書いたリュート曲、もしくは恋人たちの愛の姿を歌ったものばかりで、いわば当時の流行歌のようなものでした。それだけに却ってその音楽は普遍性を持ち、今聴いても新しいばかりか、現代のアーティストにたくさんのインスピレーションを与えるという不思議な存在にもなっています。
8.556841 ベスト・オブ・モンテヴェルディ
 1-2.聖母マリアの夕べの祈りより
  <主よ、来たりてわれをたすけたまえ/
   二人のセラフィムが>/
 3.オリンピアの嘆き/
 4.マドリガーレ第2 巻〜
  残酷な人よ、なぜ私から逃げるのか/
 5.マドリガーレ第4 巻〜そんなにも愛するなら/
 6.マドリガーレ第5 巻〜
  つれないアマリッリ/
 7-11.マドリガーレ第6 巻〜アリアンナの嘆き/
 12-13.歌劇「オルフェオ」より
  <トッカータ/第3 幕希望の神よ>/
 14.アマリッリよ、新しい情熱の鋭い矢が私を襲うので/
 15.甘いため息/16.カンツォネッタ:傲慢な目
様々な演奏家達
初期バロック音楽最大の作曲家、モンテヴェルディの作品集です。歌劇の様式の発展にも重要な位置を占めた人としても知られ歌劇「オルフェオ」は現在でも頻繁に演奏されます。1567 年にイタリアのクレモナに生まれ、1590 年にマントヴァの宮殿に仕え、1602 年に宮廷楽長となりました。対位法(各声部の絡み合いの扱い)の扱いに優れ、次々に新しい多声音楽(ポリフォニー)の書法を編み出しましたが、のちに旋律線を重視し、器楽の伴奏を伴うモノディ様式へと作風は変化していきました。ここら辺が歌劇の始まりになったとされています。代表作の「聖母マリアの夕べの祈り」の清冽な美しさは他の誰にも書き得ない世界です。
8.556842 ベスト・オブ・タリス
 1.おお、聖なる饗宴/
 2.我は天の声を聞きぬ/
 3.預言者エレミアの哀歌第 1 部/
 4.おお主よ、彼らを苦しめよ/
 5.様々な国の言葉で/
 6.預言者エレミアの哀歌第 2 部/
 7.応唱聖歌/8.4 声のミサ曲〜サンクトゥス/
 9.おお主よ、私は汝によびかけ/
 10.世の救い主/11.汝のほかにわれ望みなし
様々な演奏家達
彼は、英国史で最も騒然たるヘンリー7 世の統治からエリザベス1 世までの宗教改革の時代を生き抜きました。そのため、カトリックと英国国教会用の両用の典礼音楽を作曲、その他にもコンソート曲や鍵盤作品など多数の音楽を残したことでも知られます。どの曲も壮麗で美しく、とりわけトラック11 の「汝のほかにわれ望みなし」は40 声のモテットとして、あり得ないほどの声の絡みあいが耳の限界を超える曲。和声的には単純ですが、一度聴くと病みつきになること間違いありません。16 世紀にタイムスリップした気持ちになってお聴きいただくと一層感動することでしょう。

ナクソス・ノスタルジア 1CD¥1100

8.120885 ヴァイル(1900-1950):街の風景
 録音: 1949 年ハリウッド・ボウル 演奏会形式上演
ドロシー・サーノフ (vo)/
ノーマン・アトキンズ(vo)/
ポリーナ・ストスカ(vo)/
ブライアン・サリヴァン(テノール)/
フェルディナンド・ヒルト(vo)/
クリス・オルティス(vo)/
マリア・マルティーノ (vo)/
アリス・リー(vo)/
キャスリン・ヘルゲンバーガー(vo)/
ヘンリー・ティンマーマン(vo)/
スタジオ・コーラス/
スタジオ・オーケストラ/
アイズラー・ソロモン(指揮者)
エルマー・ライスの戯曲「街の風景」は 1929 年のピューリツァー賞を獲得した問題作です。ニューヨーク、マンハッタンに住む大酒飲みのモーラントとその妻。その娘と恋人、そして彼らをとりまく近隣の人々。ちいさな諍いを繰り返す内に起こってしまった悲劇。見守る人々。しかし街の風景は一切変わることがありません。そんな市井の人々のささやかな生活を描いたこの作品にヴァイルはシリアスな音楽を付けました。当時の空気もそのまま味わえる雰囲気たっぷりの1 枚です。

DACAPO(MARCO POLO)

6.220542
(SACD Hybrid))
\2200→¥1990
モーツァルト(1719-1787):交響曲集第 7 集〜1773 年
 1.交響曲第 27 番ト長調 KV161B, 199/
 2.交響曲第 22 番ハ長調 KV162/
 3.交響曲第 23 番ニ長調KV181 , 162B/
 4.交響曲第 24 番変ロ長調 KV182, 173DA/
 5.交響曲第 25 番ト短調 KV183, 173DB
アダム・フィッシャー/
デンマーク国立室内管弦楽団
最近のオリジナル楽器によるモーツァルトに慣れた耳には却って新鮮な、この交響曲集。とにかく音の流れの滑らかさにびっくりです。この肌ざわりはまさに極上のシルクです。演奏は全体的にムダをそぎ落としたスタイリッシュなもの。弾むようなアレグロ楽章、茶目っ気あふれるアンダンテ楽章と、メリハリも効いてます。とりわけ、有名な第25 番ト短調の爽快すぎるほどのテンポ設定には少々面食らう部分もありますが、慣れてくると快感にかわること間違いなし。このモーツァルトは聴かないと損します。
6.220561
(SACD Hybrid)
\2200
ランゴー(1893-1952):「バラ園の歌曲集」〜無伴奏合唱曲集
 1-3.世俗的なテキストによる合唱曲集
 <魅惑的な音/乳しぼりの女/収穫の鳥>/
 4-6.バラ園の歌曲集/
 7-22.モテットと賛歌集
 <我が道を示して下さいます神よ、感謝します/
 遠き未来のある一日/
 ああ、あなたは天国を引き裂くのか/賛歌/
 偉大なる指導者が現れる/死こそ最後の敵/
 暗雲より雷落ちる時/高めたまえ、神よ/
 千年の間、キリストは教会で/
 偉大なる指導者が現れる/朝に/
 アンスガリウスの思い出/
 高めよ、キリスト教徒たち。戦いの準備だ!/
 死こそ最後の敵/命が廻るとき/最も優れた道>
アルス・ノヴァ/タマシュ・ヴェート(指揮)
以前8.224058 でリリースされたランゴーの無伴奏合唱曲のSACD ハイブリッド盤です。ランゴーは、様々な要素を汲み入れた作品を書くことで知られ、作曲年代によっては、ものすごくアヴァンギャルドな作風を見せたりしますが、ここに収録された無伴奏合唱はどれも聴きやすく、調性感と浮遊感が混然一体となった夢のような世界を楽しむことができる優れものです。今回のこの盤のSACD 層に閉じ込められた音は、極太の芯をふんわりとした響きで包みこむような美しいもの。良い音を追求してやまない方もご満足いただけるものと思います。
6.220562
(SACD Hybrid)
\2200→¥1990
デンマーク・ロマン派のヴァイオリン協奏曲集
 1.ゲーゼ(1817-1890):ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.56/
 2.ランゲ=ミュラー(1850-1926):ヴァイオリン協奏曲ハ長調Op.69/
 3.ランゴー(1893-1952):ヴァイオリン協奏曲 BVN82
クリスティーナ・エストランド(ヴァイオリン)/
テンペレ・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストルゴーズ(指揮)
デンマークの知られざるヴァイオリン協奏曲にこんなにも美しい作品があったとは!ここに収録された 3 つの作品を聴くと、そんな驚きに見舞われることでしょう。もともとヴァイオリニストであったニルス・ゲーゼの協奏曲は独奏ヴァイオリンの技量をたっぷりと誇示できる壮大なもの。ひっそりとたたずむ歌曲やピアノ曲が高い人気を誇るランゲ=ミュラーの思いの他雄大な作品。そして、聴いたとたん「えっ?これ本当にランゴーが書いたの?」とくらくらしてしまうような古典的ですっきりしたフォルムと美しいメロディを持つランゴーの曲(R・シュトラウスのオーボエ協奏曲に近いものが・・・)など、耳も楽しい1 枚です。
8.226101-02
(2CD)
\4000
ホルンボー(1909-1996):重要な作品集
 CD1:
 1.前奏曲:カモメと鵜に/2.室内協奏曲第 2 番 Op.20/
 3.ピアノ三重奏曲「ヌイグン」Op.129/
 4.シンフォニアⅠOp.73a/
 5.無伴奏チェロのためのソナタ Op.101/
 CD2:
 1.弦楽四重奏曲第 4 番 Op.63/
 2.ニーチェのためのレクイエムOp.84
様々な演奏者
ユトランド半島のホーセンス出身の作曲家ホルンボーは、200 曲以上の作品を書いた「ニールセン以降最も重要なデンマークの作曲家」の一人とされています。この2 枚組は彼の生誕100 年を記念したもので、過去にDACAPO からリリースされたアルバムの中から「彼らしさ」があふれたものを選出し纏め上げたものです。新古典主義の影響や、調性概念の推移などなかなか興味深いところが盛りだくさんです。行き過ぎない現代デンマーク音楽を楽しむためには絶好の曲集と言えるでしょう。
8.226526
\2000
グンナー・ベルク(ベルイ)(1909-1989):メロス
 1-3.2 台のギターのための「Ar-Goat」/
 4-6.笛のための「トリエドラ」/
 7-15.笛とギターのための9 つのデュオ/
 16.独奏ギターのための「メロス」
ペル・ディブロ・セレンセン(ギター)/
ボレッテ・ロード(リコーダー)/
ミヒャエル・ノーマン(ギター)…1-3 のみ
デンマークのユニークな作曲家ベルイの静かな作品集です。メシアンに影響を受け、ケージやブーレーズ、そしてシュトックハウゼンらと戦後ヨーロッパの「現代音楽」の発展に勤しんだ彼の作品は、デンマークを中心に最近評価が高まりつつあります。このアルバムに収録されたのは十二音技法を駆使した1950 年代の実験的な曲と、晩年の作品です。謎めいたタイトルに負けず劣らず、謎めいたギターの爪弾き。ここから無機質な美しさを見つけ出す楽しみを味わってみてください。

MARCO POLO

8.225335
\2000
J.シュトラウス1 世作品集第 15 集
 1.ワルツ「ミンネゼンガー」Op.141/
 2.お偉いさんのカドリーユ Op.142/
 3.女神ラトーナのワルツ Op.143/
 4.分列行進曲Op.144/
 5.ワルツ「ミノスの血統」Op.145/
 6.ワルツ「ぶらつく人」Op.146/
 7.ワルツ「ヴァルハラ乾杯の辞」Op.147/
 8.有名な名手、ヴュータン、エヴァース、クラックの
  主題による季節のカドリーユ Op.148
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)
J.シュトラウス1 世の作品集もようやく第15 集まで来ましたが、まだまだ数多くの曲があるようで、ファンならずとも先行きが楽しみです。今回も楽しい曲が目白押し。なかなかタイトルだけでもそそるものばかりです。たとえば「ヴァルハラ乾杯の辞」は前年に完成されたレーゲンスブルクのヴァルハラ寺院のためのワルツ。このワルツが初演された舞踏会の日の気温は37.5℃もあったとか。「季節のカドリーユ」は当時の流行が取り入れられた興味深い作品で、こんな音楽が流行っていたのだな。と想像しながら聴くのが乙です。

CPO 1CD¥2600

777113-2 ボッケリーニ(1743-1805):作品集
 1.交響曲 G 521/2.チェロ協奏曲 G 477/
 3.チェロ協奏曲 G 479/4.八重奏曲 G 470
シュトゥッツガルト室内管弦楽団/
ヨハネス・ゴリツキ(チェロ&指揮)
あの愛らしい「メヌエット」ばかりが知られるボッケリーニ。しかし、実は、相当なボッケリーニ・マニアでも彼の作品の全容を知ることができないというくらい多くの作品を書いた人でもあります。cpo からは28 曲の交響曲BOX など、多くの作品がリリースされていますが、まだまだ全貌を知るには足りません。今回は彼の本領発揮ともいえるチェロ協奏曲を2 曲と、BOXには含まれなかったG521 の交響曲、そして八重奏曲という魅力的なプログラム。ボッケリーニの独特な旋律線も存分に楽しめる興味深い1 枚です。自身が高度な技術を兼ね備えたチェリストであっただけに、彼のチェロ協奏曲でのチェロの扱い方は、何度聴いても感嘆するばかりです。
777307-2
¥2390
レントヘン(1855-1932):交響曲第8 番&第15 番
 1.交響曲第8 番/2.交響曲第15 番/
 3.ノルウェー民謡による変奏曲
カルメン・フュジス(S)…1 のみ/
NDR 放送交響楽団/
デヴィッド・ポルセライン(指揮)
ドイツで生まれ、オランダに帰化した作曲家レントヘンの作品は、すでにCPO から多数リリースされていて、どれもが高い評価を受けています。今回は2 曲の交響曲を中心に収録した1 枚です。100 曲(あるいは200 曲)あるとされるレントヘンの作品ですが、そのほとんどは晩年の8 年間に作曲されたもので、交響曲第8 番は1930 年の作品、交響曲第15 番は1931 年の作品になります。ソプラノ・ソロを伴う交響曲第8 番は、親交のあったグリーグの影響が感じられる魅惑的な曲です。第15 番は力強く色彩的なもの。どちらも彼が訪れたノルウェーのヨトゥンヘイムの風景が感じられる素朴で美しい作品です。
777353-2 リース(1784-1838):協奏曲&管弦楽作品集
 1.2 台のホルンのための協奏曲 WoO 19/
 2.ヴァイオリン協奏曲 Op.24/
 3.序曲「盗賊の花嫁」Op.156/
 4.歌劇「ギレンシュテーンの魔女」より Op.164
トイニス・ファン・デル・ツヴァルト&
エルヴィン・ヴィーリンガ(ホルン)/
アントン・シュテック(ヴァイオリン)/
ケルナー・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレン(指揮)
ベートーヴェンの弟子であり、回想録を出版した事でも知られるフェルディナンド・リースによるただ一つのヴァイオリン協奏曲を含む作品集です。リースの父フランツ・アントンは高名なヴァイオリニストで、実はベートーヴェンは父リースからヴァイオリンの指導を受けていたのですから、やはり彼とベートーヴェンの関係はただならぬものだったに違いありません。作品は古典派からロマン派への移り変わりの時期に書かれたものらしく、熟成した語法が光る名作となっています。2 つのホルンのための協奏曲もインスピレーション豊かな曲です。オペラからの2 つの作品も、渋さの中にきらりと光るものがあるステキなメロディーに満ちています。
777409-2
¥2390
クラウス(1756-1792):宗教作品集
 1.ミゼレーレ VB 4/2.レクイエム VB 1/3.天の星 VB 10
アンネメイ・ブレッシング=ロイハウゼン(S)/
ポール・ゲルハルト・アダム(A)/
カルメン・シュラー(Ms)/
ユリアン・プレガルディエン(T)/
エッケハルト・アベレ(B)/
ドイツ室内合唱団/
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
最近、日本でも大人気の作曲家、ヨーゼフ・マルティン・クラウスの宗教曲集です。モーツァルトと同じ年に生まれ、モーツァルトの1 年後に亡くなったクラウスは、やはり幼いころから類い稀なる才能を発揮、すばらしい作品をいくつも書いたのですが、その作品は長いこと忘れ去られていて、ようやく最近になって注目されるようになったのは御存知のとおりです。劇作家、著述家、画家としても活動し、1781 年にストックホルムのグスタフ3 世の宮廷作曲家として任用され、そこでも多くの経験を積み豊かな音楽を書きあげました。ここに聴く宗教作品はほとんど録音のない貴重なものばかり。力強く豊穣な響きを持った壮麗な作品です。
777423-2
\2000
ヨハン・ゴットリープ・グラウン(1702?-1771)&
カール・ハインリヒ・グラウン(1703?-1759)
 2 台のヴァイオリンと通奏低音のためのトリオソナタ集
  1.WV A: XV: 13/2.WV Cv: XV: 100/
  3.WV Av: XV: 19/4.WV Av: XV: 23/5.WV Av: XV: 27
レサミ・ド・フィリッペ
ハッセと同時代の作曲家、グラウン兄弟(生まれ年には諸説あり)は、高名なヴァイオリニストであった兄ヨハン・ゴットリープと卓越したオペラ作曲家として名を上げた弟カール・ハインリヒの2 人で同時代の音楽の発展に大きな力を尽くしたことで知られます。最近もcpo レーベルから弟カールの声楽曲がリリースされ(777452-2)、声楽曲ファンを喜ばせたばかりですが、今回は室内楽の作品集をお届けいたします。兄弟ともどもフリードリヒ大王の宮廷に仕えていただけあって、室内楽作品はお手の物。ヴァイオリンは存分に歌い、通奏低音はヴァイオリンを引き立てつつも声高らかに主張します。これらは1750 年から1755 年頃に書かれたとされ、当時の音楽の流行も反映された興味深い作品となっています。またここでグラウン兄弟の才能の片鱗が露わとなることでしょう。
777434-2
(2CD)
ニコライ(1810-1849):歌劇「神殿の騎士」 ハンス・クリストフ・ベーゲマン(B-Br)/
ユディト・クーン(S)/
ティーナ・ペンティネン(A)/
コウタ・レセネン(B)/
アンドレアス・キントシュフ(Br) 他/
ケムニッツ・オペラ合唱団/
ロベルト・シューマン・フィルハーモニー/
フランク・ベールマン(指揮)
「ウィンザーの陽気な女房たち」ばかりが知られるオットー・ニコライですが、彼は生涯に5 つのオペラのほか、合唱作品や管弦楽作品も多数作曲しています。幼い頃から神童として知られ、歌手、作曲家、指揮者として活躍。1842 年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の前身である宮廷楽団員の自主演奏団体「フィルハーモニー・アカデミー」による最初の演奏会を催しています。そんな彼のオペラ「神殿の騎士」は1840 年の作品で、ウォルター・スコットの「アイヴァンホー」に基づいたお話です。ドイツ人ニコライによるこの完璧なベルカント・オペラはヴェルディやベッリーニの作品と比べても全く遜色ありません。
777244-2
(2CD)
\4000
ハイドン(1732-1809):ピアノ三重奏曲全集第 8 集
CD1
 三重奏曲 Hob.XV:41, Hob.XV:37, Hob.XV:C1/
CD2
 同 Hob.XV:36, Hob.XV:1, Hob.XV:2
トリオ1790
トリオ 1790 によるハイドンのピアノ三重奏曲の全集録音の完結編です。高度な音楽性と古典的な様式を保持したハイドンのピアノ三重奏曲は、その完成された様式の中に潜む成熟した音楽性が匂い立つとても魅力的な音楽です。オリジナル楽器によるトリオ1790 ですが、固定メンバーはフォルテピアノのハロルド・ヘーレンだけで、あとは曲によって奏者が変わるという、ドイツ古楽界にはよくある団体です。しかしながら彼らの造り出す熱狂的で即興性溢れる熱い演奏は、とにかく胸躍るものと言えるでしょう。「古楽って何だか退屈〜」と思っている人にぜひ聴いていただきたいハイドンです。
777265-2
\2600→¥2390
カセッラ(1772-1847):交響曲第 3 番
 1.管弦楽のためのシンフォニア(交響曲第 3 番) Op.63/
 2.大管弦楽のためのラプソディ「イタリア」Op.11
ケルンWDR 交響楽団/
アルン・フランシス(指揮)
ブルッフがドイツの壮大なる精神を音にしたとすれば、イタリアの美の精神は作曲家カセッラによって具現化されたと言ってもよいでしょう。1909 年、26 歳の彼は色彩感豊かな「イタリア」を作曲しました。火山の町シチリア、灼熱の太陽に焼かれるひたすら明るいナポリの生活、これらを描くことで彼は祖国へ限りなく大きな愛を示したのです。その30 年後に書かれた交響曲第3 番は、彼の作品中最も大掛かりなもので世界的成功を収めた曲ですが、現在では全くと言っていいほど忘れられてしまいました。ここで聴けることは大いなる喜びです。
777330-2
(2CD)
\5200
レハール(1870-1948):
 歌劇「フリーデリケ」3 幕のジンクシュピール
  L.ヘルツァー&F.レーナー=ベーダ…台本/
  ディアローグヴァージョン…R.エガー
クリスティアーネ・カイザー(ソプラノ)/
ジルヴィア・シュヴァルツ(ソプラノ)/
クラウス・フロリアン・フォークト(テノール)/
ダニエル・ベーレ(テノール)/
バイエルン放送合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
修業中のゲーテが出会った村娘フリーデリケ・ブリオン。彼らは激しく愛し合うのですが、ゲーテが出世するためにワイマール宮廷に赴くためには「独身であること」が条件だったのです。愛する彼のために泣く泣く身を退くフリーデリケ。彼女は一生独身で過ごし、ゲーテも彼女を捨てたことを一生悔やんだとか。「ファウスト」のグレートヒェンにもその面影が見えるというフリーデリケの悲しい恋を上品なメロディで彩るこのオペラ。笑いの中に胸が疼くような悲しみを秘めています。レハールの夥しい作品の中でも、とりわけ美しい光を放つこの作品を名指揮者ウルフ・シルマーの冴え渡る棒でお聴きください。
777397-2
\2600
ハンブルクの聖なる音楽集 1600-1800 年
 テレマン(1681-1767):
  オラトリオ「ライオンの巣窟から戻ってきたダニエル」
アンネメイ・ブレッシング・レイハウセン(ソプラノ)/
アンネグレート・クラインドプフ(ソプラノ)/
ラウリー・レヴィロル(ソプラノ)/
カイ・ヴェッセル(コントラルト) 他/
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
ミヒャエル・シュナイダー
1730 年に作曲され1731 年にハンブルクの教会で初演されたこのオラトリオは、残存する草稿などから長い間ヘンデルの作とされていました。しかし、最新の研究結果では、実はテレマンの作品であることがわかり、2006 年のマクデブルク・テレマン・フェスティバルと同時に開催された国際会議のコンサートで公式演奏され、マニアと研究者を狂喜乱舞させたのです。この作品はテレマンの数多い宗教作品の中でも、とりわけ劇的で多彩、そして光り輝く音楽を備えています。テレマンの才能の奥深さに感嘆する1 枚と言えましょう。
777446-2
\2000
イグナツ・ブリュル(1846-1907):ピアノ作品集
 1.ソナタニ短調 Op.73/2.組曲第 2 番 Op.71/
 3.若者のための7 つのアルバムの綴り Op.33/
 4-5.組曲第 3 番 Op.76 より「伝説」「サラバンド」/
 6.5 つのピアノ小品集 Op.57 より「ロマンス」/
 7.組曲第 4 番 Op.80 より「カヴァティーナ」
アレクサンドラ・エーラー(ピアノ)
モラヴィアの都市プロスニッツに生まれたブリュルは、1860 年にウィーンでピアニストとしてデビュー、歌劇作曲家としても頭角を現し2 作目の歌劇「黄金の十字架」がベルリンで初演されると大人気を収め、一躍時の人となりました。しかし、没後にナチスの迫害によって彼の音楽のほとんどは現在忘れ去られてしまいました。彼の作風は決して革新的ではありませんが、生涯を通じてブラームスの友人であったことも影響してか、揺るぎない構成の中にロマンティックな表情を映しこんだ、なかなか風情のある作品ばかりが並んでいます。なかでも「アルバムの綴り」はシューマンを思わせる興味深く機智に富んだ作品です。
777453-2
(2CD)
\5200
ブルッフ(1838-1920):オラトリオ「アルミニウス」Op.43
 1.ソナタニ短調 Op.73/2.組曲第 2 番 Op.71/
 3.若者のための7 つのアルバムの綴り Op.33/
 4-5.組曲第 3 番 Op.76 より「伝説」「サラバンド」/
 6.5 つのピアノ小品集 Op.57 より「ロマンス」/
 7.組曲第 4 番 Op.80 より「カヴァティーナ」
ハンス・クリストフ・ベゲマン(バリトン)/
マイケル・スモールウッド(テノール)/
ウルズラ・アイティンガー(メゾ・ソプラノ)/
諸岡亮子(オルガン)/
ライニッシェ・カントライ/
ゲッティンガー交響楽団/
ヘルマン・マックス(指揮)
1875 年2 月、若きウェストファーレンの教師キュッペルスが偶然見つけた叙事詩について、ブルッフは出版者ジムロックに熱心に手紙を書きました。「この詩はディテュラムボス(バッカス賛歌)のように熱狂的です。この詩につけるメロディもリズムも次から次へと湧き起こります。」ローマ帝国初期のゲルマン人の首長アルミニウスの生涯に基づいたテキストによる4 部からなるオラトリオは、最後の部分の戦いの場面で壮大なるクライマックスを築きます。ブルッフの声楽曲は現在ではほとんど聴く機会がありませんので、この演奏は本当に貴重なものと言えるでしょう。

WIGMORE HALL LIVE

WHLive0028
\2400
エリアス弦楽四重奏団 2008 年12 月29 日ライヴ録音
 1.シューベルト(1797-1828):
  弦楽四重奏曲第 12 番ハ短調「四重奏断章」/
 2-5.モーツァルト(1756-1791):
  弦楽四重奏曲第 19番ハ長調 K465「不協和音」/
 6-9.メンデルスゾーン(1809-1847):
  弦楽四重奏曲第 4 番ホ短調 Op.44-2/
アンコール
 メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第 3 番ニ長調 Op.44-1 より第3 楽章
エリアス弦楽四重奏団
1998 年にマンチェスターの王立ノーザン音楽大学の生徒たちによって結成されたエリアス(イライアス)弦楽四重奏団は、アルバン・ベルク四重奏団をはじめとした著名な弦楽四重奏団からアンサンブルを学び、多数の国際コンクールの入賞歴も持っています。メンデルスゾーンの解釈において、とりわけ高い評価を得ているだけあって、今回の公演でも白熱の演奏を聞かせてくれています。シューベルト、モーツァルトの熱気あふれる音も聴きものです。




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