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第61号
マイナー・レーベル新録音新譜(2)


2/24までの紹介分


INTEGRAL



INTEG 201103
\2300→\2090
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調Op.61
 オケ・パートにバンドネオンやティンパノンが登場!

  (カデンツァ;第1楽章 ヨーゼフ・ヨアヒム)
 ロマンス第1番 ト長調Op.40
 ロマンス第2番 ヘ長調Op.50
ジル・コリアール(Vn)、トゥールーズ室内管弦楽団、
バルバロック四重奏団
 [ジル・レイモンド(ティンパノン)、
 アラン・テリート(バンドネオン)、
 パトリック・マティス(メカニック・オルガン)、
 ディディエ・カペイユ(コントラバス)]
これはおもしろい!なんとベートーヴェンのVn 協奏曲のオケ・パートにバンドネオンやティンパノンが登場!鬼才ジル・コリアールとバルバロック四重奏団の刺激的な共演!

録音:2011 年4 月25-29 日、ポンピニャン城の礼拝堂/DDD

 これはおもしろい!なんと、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のオケ・パートにバンドネオン、ティンパノンが加わった珍しい編成での演奏が登場!
 それは、鬼才ヴァイオリニスト、ジル・コリアール率いるトゥールーズ室内管弦楽団とティンパノン(2 本の撥で真鍮弦を叩く打弦楽器でツィンバロンに近い楽器)、バンドネオン、メカニック・オルガンそしてコントラバスから成るバルバロック四重奏団との演奏によるものです。ヴァイオリンのコリアールはジャンルにとらわれず、また演奏する曲の時代に合わせピリオド楽器もモダン楽器も弾きこなすマルチなヴァイオリニストです。バルバロック四重奏団とはたびたび共演しておりヴァヴァルディ「四季」では録音しそのユニークな編成と斬新なアンサンブルで話題をよびました。ベートーヴェンの音楽に民俗楽器が入ってくると、一見違和感がありそうにも思えますが、驚くほど自然に調和しオルガンやバンドネオンの音がバロック時代の響きを作り出し、さらにティンパノンがよいスパイスを与えてくれます。コリアールの独奏もこれらの楽器に合わせた奏法で演奏しており見事なまでにアンサンブルをコントロールしています。クラシック・ファンだけでなく、ワールドミュージック・ファンにも聴いていただきたい1 枚です!

K617


K617 233
\2400
チェンバロとオルガンによって奏でられる
 18世紀の2 台4 手の鍵盤楽器作品集!
 (1)アントニオ・ソレル(1729-1783):
  2つのオルガンのためのコンチェルト第6番 ニ長調(2台チェンバロ)
 (2)ハイドン(1732-1809):音楽時計の音楽より、
  「アレグロ」(ポジティフ・オルガン)、
  「メヌエット」(チェンバロとポジティフ・オルガン)
 (3)ヨハン・ショーベルト(1740-1767):パストラーレ
  (ヴァイオリンとバス伴奏を伴うクラヴサンのためのソナタ op.4 ハ短調より)
   (2台チェンバロ)
 (4)ペーター・プラニアフスキー(b.1947):
  無比のワルツ「何となく不器用に、速すぎず」
  (2つのクラヴサンのための4 つの作品、1978より)(2台チェンバロ)
 (5)アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741):
  「バッハ風に」〜協奏曲イ短調〜合奏協奏曲集「調和の霊感」op.3-8
   (2台チェンバロ)
 (6)ペーター・プラニアフスキー:子守歌「常に少しぼんやりした」
 (7)プラニアフスキー:
  カプリース・フーガ「急いで、しかし慌ただしくなく」
   (2つのクラヴサンのための4つの作品、1978より)
 (8)テレマン:協奏曲 ロ短調 TWV42 h:1(ポジティフ・オルガンとチェンバロ)
 (9)ミヒャエル・ハイドン:
  アンダンテMH468(変ホ長調)( ポジティフ・オルガン)
 (10)W.A.モーツァルト:ピアノ連弾ソナタ ニ長調 KV381
 (11)プラニアフスキー:プレリュード‘かなり静かに’
  (2つのクラヴサンのための4つの作品、1978より)
アリーン・ジルベライヒ、
マルティン・ジェステル
 (チェンバロ、ポジティフ・オルガン)
18世紀の2 台4 手の鍵盤楽器作品集!チェンバロとオルガンによって奏でられる愛らしい旋律

録音:2011 年、フランス

 モーツァルト、ヴィヴァルディ、A. ソレル、ハイドン、テレマンなど、18 世紀ヨーロッパの大作曲家たちによる、2 台の鍵盤楽器のための協奏曲集。
 ソレルの作品は、スペインのギター音楽の雰囲気とフラメンコを思い起こさせる陽気な作品。「2 つのオルガンのための」とタイトルにはありますが、楽器の厳密な指定はなく(「オルガン」とは当時鍵盤楽器全般を指すこともありました)、ここでは2 台のチェンバロでにぎやかに演奏されています。
 子守歌風の音楽から行進曲風の音楽、フルートを思い起こさせる華麗な装飾に彩られた美しいアリアなど、様々なスタイルの小品が並ぶハイドンの「音楽時計の音楽」からは愛らしい2 作品を収録。
 ほかにも調和の霊感第8 番を2 台チェンバロで演奏したり、テレマンの室内楽をオルガンとチェンバロで演奏するなど、名曲をさらに楽しく聴かせてくれます。
 プラニアフスキーは、ウィーンの聖シュテファン大聖堂オルガニスト並びにウィーン音楽大学教授として長年活躍したオルガン界の大御所。即興の名手でもある彼による作品を、この2 人がどう奏でるか、注目です。

キング・インターナショナル


KKC 033
\2000→¥1790
フルトヴェングラーか、クナッパーツブッシュの最新録音発見か?
 これぞ爆演。言語を絶する凄さのベト7

宇野功芳 傘寿記念
 日本大学OB 管弦楽団 特別演奏会ライヴ

 (1)ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
 (2)シューベルト:交響曲第8番 ロ短調「未完成」
宇野功芳(指)
宇野功芳傘寿記念日本大学OB 管弦楽団
[ 録音:2011 年9 月19 日/上野学園石橋メモリアルホール(ライヴ)]/DDD、63' 31"

 『第7 交響曲は情熱のかたまりであるが、僕は第1 楽章展開部に苦悩の痕跡を感じ取り、演奏ではそれにこだわっている。もうひとつの問題点は第3楽章スケルツォのABABA という5 部形式で、これは明らかに冗長である。さすがのベートーヴェンも聴衆を退屈させまいと、2 度目のA を少し変え、弱音部を長く続けているが、僕には弱気になっているとしか思えない。そんなベートーヴェンは見たくないので、本日はABA の3 部形式で演奏することにした。おそらくこの試みは史上最初にして最後になるだろう。(宇野功芳。ライナーノーツより)』
 2011 年に生誕80 年を迎えた宇野功芳を祝し、特別装いを施した彼とゆかりの深い日本大学管弦楽団が「宇野功芳 傘寿記念」の名を冠して、9 月19 日に上野学園石橋メモリアルホールにて記念コンサートを開催しました。当ディスクはそのライヴで、物凄い爆演に驚かされます。まさに切れば血の出るような音楽で、独特の解釈も強烈のひとことに尽き、フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュら往年の巨匠が蘇ったかと錯覚させられるオーラと魔力に満ちています。
 録音も鮮明、生々しい臨場感を味わえます。観客の熱狂ぶりもすさまじく、稀有の体験を共有できます。

LABORIE



LC 08
\2500→¥2290
アルブレヒツベルガーの「口琴のための協奏曲」に超絶大名演の登場!
 「Entre ciel et terre (天と地のあいだに)」
  アルブレヒツベルガー(1736-1809):器楽作品集
  (1)口琴、ヴィオラ・ダ・ガンバと弦のための協奏曲 ホ長調(1771)
  (2)3声のディヴェルティメント ヘ長調〜
   ヴピッコロ・ヴァイオリン、ヴァイオリン、ヴィオール
  (3)ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
   ソナタ op.11-1 ハ短調(1794)
  (4)3声のディヴェルティメント へ長調〜
   ヴィオラ、チェロとヴァイオリンのための
  (5)2つのヴァイオリン、2つのヴィオール、2つのチェロ
   (ヴィオローネ)のためのソナタ ニ短調
  (6)ヴィオラ・ダモーレ、フルート、
   ヴィオローネのためのパルティータ ニ長調 (1773)
  (7)2つの声部のためのソナタ第2番 ト長調 (1799)
クリストフ・コワン(指&チェロ)
モザイク弦楽四重奏団
アンサンブル・バロック・ド・リモージュ
アルバン・パウルス(口琴)
 これは大仰天!ビヨヨンビヨヨン♪ベートーヴェンの師、アルブレヒツベルガーの口琴のための協奏曲に超絶大名演の登場!

録音:2009 年9 月ウィーン美術史美術館;2009 年11 月パリ、サン=ルイ聖堂

 コワン率いるLABORIE レーベルの最新盤は、「ベートーヴェンの師」として歴史に名を残しているアルブレヒツベルガー作品集。
 古典派時代を中心に、あまり光のあてられることのない作曲家や作品を取り上げているLABORIE レーベルが、「作品の評価はいまひとつ」とされがちなアルブレヒツベルガーの作品たちの大名演を展開しています!
 注目なのが1 曲目の口琴のための協奏曲。アンサンブルの典雅な弦楽器の序奏につづき口琴がおもむろに「びよよよよ〜ん」と登場するのがなんともいえずユーモラスですが、次第にとんでもない超絶技巧が展開されていることに気づかされ、ただただ圧倒されてしまいます。この口琴のための協奏曲は、口琴の名手で皇帝が教会を訪れた時にも演奏する栄誉にあずかった僧侶のブルーノ・グラッツルのために書いたもの。これだけの作品を書いたとは、相当な名手だったのでしょう。ここで演奏しているアルバン・パウルスはオーストリアにルーツをもつドイツ人。クラリネットから音楽を学び始め、間もなく口琴の勉強を始めました。幼いころはヨーデルの名手でもあった彼ならではの、歌心とテクニックの絶妙なブレンド具合が大変見事です!
 アルブレヒツベルガーは、ハイドンに「今日ウィーンにおけるすべての巨匠のなかで最良の教師」と言わしめ、ハイドンが、ベートーヴェンをアルブレヒツベルガーに弟子入りさせました(1794-95 の間)。モーツァルトも、シュテファン大聖堂のオルガニストをつとめていたアルブレヒツベルガーの演奏を聴いて、彼の演奏が他の演奏家の評価をする基準となりうると、コンスタンツェへの手紙の中で言っています。(ちなみに、このCD のタイトルの「天と地の間で」は、このシュテファン大聖堂のオルガンの音域のことをさしています。)また、アルブレヒツベルガーは、バッハの平均律クラヴィアー曲集のフーガのほとんどの写譜や、北ドイツのその他の重要な作品の楽譜を保持し、それらを弟子たちに伝えることで、古典派の形成に非常に大きな貢献を果たしたといえるでしょう。自身多くの作品(284 の教会音楽、278 の鍵盤曲、193 曲以上の器楽曲)を残していますが、彼の作品の評価は歴史に埋もれがちでした。コワンのおかげで、とびきりの名演奏がここに誕生したといえるでしょう!

LIGIA DIGITAL


LIDI 0202238
\2400
ルネサンスへの誘い
 ジョスカン・デ・プレ(1440?-1521):
  1-5. ミサ曲「ラ・ソ・ファ・レ・ミ」
  6-10. ミサ曲「Gaudeamus(いざ喜ばん)」
アカペラ団体メタモルフォーゼ・エ・ビスカント!
モーリス・ブルボン(指揮)
星空に響くジョスカン・デ・プレの聖なる歌声。

録音:2011 年8 月

 盛期ルネサンスにおいて、最も優れた作曲家と謳われたジョスカン・デ・プレ。その当時の全ての作曲技法を意のままに操り、孤高なまでに美しい聖歌を数多く手がけました。少し耳にしただけで、静謐な旋律の流れと透明なハーモニーに心を奪われます。収録されている2 つのミサ曲は、あるパートが一定の音形を繰り返して歌うオスティナート様式で書かれており、ジョスカン・デ・プレの作品群でも傑作と言われています。本CD には、ジョスカン・デ・プレの作品及びルネサンス期の作曲様式など、詳細な解説がついています。
 モーリス・ブルボンは音楽研究家かつ作曲家で、ルネサンス声楽音楽を専門とする男声アンサンブル、メタモルフォーゼを指揮して、オケゲム、ジョスカン・デ・プレや、埋もれた作曲家の作品を今の世に蘇らせています。

LIMEN CLASSIC/EGEA


CDVD010 C010
(1CD+1ボーナスDVD)
\3000
ミラノ・スカラ座管弦楽団首席クラリネット奏者、ファブリツィオ・メローニ
 「アクロス・ヴィルトゥオジティ」
 ルイージ・バッシ:リゴレット・ファンタジー
 ドナート・ロヴレリオ:ラ・トラヴィアータ・ファンタジー
 フェルディナンド・セバスティアーニ:
  セミラーミデ・ファンタジー
 フェルディナンド・セバスティアーニ:ノルマ・ファンタジー
 カルロ・デッラ・ジャコマ:
  カヴァレリア・ルスティカーナ・ファンタジー
 リスト:リゴレット・パラフレーズ S.434(ピアノ・ソロ)
  ※ボーナスDVD:CD と同内容の演奏風景
ファブリツィオ・メローニ(Cl)
吉川隆弘(Pf)
超絶技巧の先に見えるもの。ミラノ・スカラ座管弦楽団首席クラリネット奏者、ファブリツィオ・メローニと吉川隆弘による最強タッグ!

録音:2011 年/ Limen Music Studio、ミラノ/NTSC

 ミラノ・スカラ座管の首席クラリネット奏者ファブリツィオ・メローニによる、オペラにまつわる超絶技巧の作品集。オペラを隅々まで知り尽くしているスカラ座管奏者によるオペラ・ファンタジー、というだけでも心躍りますが、その出来栄えは期待を裏切らないもの。超絶技巧に彩られたパッセージを聴いていると、オペラのシーンが次々と鮮やかに目の前に浮かびます。
 ピアノを務めるのは、抜群のリズム感とテクニックで聴衆を魅了してやまない吉川隆弘。歌手のように自由に揺れながら歌うメローニのクラリネットを万全にサポートしています。最後に収録されたリストの華やかな演奏でノック・アウト!イタリアのオペラ気分を完璧無比のテクニックで120% 満喫できる、実にたのしい1枚です。
 ボーナスDVD(NTSC) には演奏風景を収録。メローニの指さばきも堪能でき、こちらも興味深く見ることができます。

LIPKIND PRODUCTIONS

チェロ・ヒロイックス+楽譜
=CELLO HEROICS SHEETシリーズ

 ガブリエル・リプキンは1977年イスラエル生まれ。
 10代で数々のコンクールで最高位に輝き、15歳でメータ&イスラエル・フィルと共演、その後も錚々たる音楽家と共演を重ねてきました。2000年から演奏活動を休止。ドイツの山中に籠もり芸術的精神を向上させるため、ひたすら音楽と向き合う日々を選択。その音楽修行の成果を結実させたのが自身のプロデュースによるこの「Lipkind Productions」レーベル。
 2006年にリリースされたバッハの無伴奏と小曲集「ミニアチュール&フォークロア」の2枚のアルバム(下記紹介)は世界的に高い評価を得ました。
 その驚異のチェリスト、リプキンが世界に放つ、自らの演奏の秘密がすべて書かれたチェロ校訂譜本つきCD!
 録音は数年前にデュアルディスク仕様で発売されたもの(それは廃盤)と同じ。近々楽譜なしのCDのみの発売も予定。

 極限まで自らを研ぎ澄まして一音一音に魂を込める、イスラエル出身のチェリスト、ガブリエル・リプキン。自ら率いるレーベル「LipkindProductions」から、自ら校訂し、自らの演奏の秘密を全て記したチェロ・パート譜本つきの協奏曲CD が発売されます(CD 内容はチェロ・ヒロイックスと同内容、盤は通常CD レイヤーのみの仕様となります)。
 演奏を聴いているだけでも、その究極まで集中した音色に圧倒される力演ですが、こうして横長に配されたチェロ・パート譜を見ながら聴くことにより、より深い世界へと誘い込まれるような気分になります。細かなフレージングやブレス、指の開き具合など、チェロを弾く方にはヒントが満載なので、チェロを弾く方にはまたとない資料となることは言うまでもありません。教育的な面はもちろんのこと、リプキンという音楽家の秘密、さらに、音楽の世界の深さを知ることができる貴重なシリーズです!


LP006 H01ED
(1CD+チェロ・パート譜)
\4200→¥3790
チェロ・ヒロイックス I
 シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
ガブリエル・リプキン(Vc)
ミシャ・カッツ(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
録音:2009 年2 月21 日ヴィトルト・ ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)

LP009 H02ED
(1CD+チェロ・パート譜)
\4200→¥3790
チェロ・ヒロイックス II
 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 作品107
ガブリエル・リプキン(Vc)
ヴォイチェフ・ロデク(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
録音:2009 年2 月17 日ヴィトルト・ ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)

LP012 H03ED
(1CD+チェロ・パート譜)
\4200→¥3790
チェロ・ヒロイックス III
 サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33
ガブリエル・リプキン(Vc)
アントニー・ヘルムス(指)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
録音:2009 年2 月18 日ヴィトルト・ ルトスワフスキ・コンサートホール(ポーランド、ワルシャワ)

LP015 H04ED
(1CD+チェロ・パート譜)
\4200→¥3790
チェロ・ヒロイックス IV
 ドホナーニ:
  チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック ニ長調 作品12
ガブリエル・リプキン(Vc)
イヴァン・メイレマンス(指)
アーネム・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2009 年11 月25 日ズットフェン市立劇場

<リプキン、脅威・驚異の旧譜>

修行から戻った ガヴリエル・リプキン/バッハ:無伴奏チェロ組曲

 いやはや、とにかくその装丁に驚いた。

 ガヴリエル・リプキン。メネセスなどに師事してコンクールなどによく顔を出していたが、これまでどちらかというと地味に活動してきた。そのリプキンがベルリン・クラシックスを介してセルフ・プロデュース・アルバムをリリースした。まあ、ものめずらしさもあって注文した。
 早く装丁のことを書きたいが、まずはやはり演奏。「父」と「子」と「精霊」という三位一体をこの曲で表現しようとしたリプキンの演奏は、確かに神がかり的だった。とにかく随所で自由自在なアレンジを見せる。その自由な感性はクニャーゼフ並みか。しかしそうでありながら、全体としては非常に引き締まった印象を与える。鮮烈でいながら重厚。なかなか聴き応えがある。

 そして装丁。これがすごい。
 紙箱に入った真っ黒の皮革っぽいセット。3つのポケットがあり、それぞれにリプキンのポートレート写真&曲紹介(宇宙図のようになっている)、CD、解説ミニ・ブックが入っている。表紙は点字も施され、裏ジャケともども金があしらわれる。字体のデザインもバッハが生きていた当時のものにこだわっていたりとチョット普通じゃない凝りよう。
 これまでさまざまなジャケットのアルバムを扱ってきたが、竹細工でできたワールド・ミュージックのCDくらいに驚いた。CDアルバム、というよりは精巧で丁寧に作り上げられた工芸品。まず間違いなく再生産は無理だろうから、今のうちに入手しておくことをお奨めする。

 その後リプキンのサイトを訪れると簡単なバイオグラフィーがあって、見てみると彼は2000年(23歳)に演奏活動から身を引いてずっと隠遁生活に入っていたみたいである。上記で店主は「地味に活動してきた」と書いたが、明らかな間違い。リプキンは自らの芸術精神を向上させるために修行していたのである。そして下野していきなり放ったのが今回のタイトルだったというわけである。 (「やっぱりクラシックは死なない!」より)

 近々通常スタイルの安い値段で出るらしいが、この不思議な装丁が捨てがたい。

GLP 0016132
(3SACD Hybrid)
¥9000→\7800
J.S.バッハ:
 無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
 無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
 無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV1009
 無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
 無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
 無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012
ガブリエル・リプキン(Vc)
使用楽器:アロシウス・ガラーニ(1702年ボローニャ)
録音:2006年

GLP 0016142
\2400→\2190
ミニアチュール&フォークロア
 モシュコフスキ:ギターラ Op.45-2、
 ヴィエニアフスキ:スケルツォタランテラ Op.16、
 アルベニス:タンゴ、
 ディニーク:ホラ・スタッカート、
 ガブリエリ:リチェルカーレ第5番*、
 チェレプニン:歌と踊り Op.84-2、
 プロコフィエフ:ワルツ Op.65、
 グラズノフ:アラブの旋律、
 ベン=ハイム:Lively*、
 スクリャービン:ロマンス、
 ストゥチェフスキー:オリエンタル・ダンス、
 ツィンツァーゼ:チョングリ*、
 メンデルスゾーン:無言歌集より第43番、
 ポッパー:妖精の踊り Op.39、
 フォーレ:アレグレット・モデラート**、
 チャイコフスキー:子守歌
 デュポール:エチュード第7番*、
 イベール:白い小さなろば、
 カサド:インテルメッツォ・エ・ダンツァ・フィナーレ、
 ブロッホ:祈り、
 ピアッティ:カプリース第5番、
 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番、
 クライスラー:中国の太鼓
ガブリエル・リプキン(Vc)
使用楽器:アロシウス・ガラーニ(1702年ボローニャ)
アレクサンドラ・リュプチャンスキー(P)
録音:2006年 *チェロ・ソロ **2台チェロ(多重録音)


LSO LIVE



LSO 0719
(2SACD-HYBRID)
¥4000→\3690
ボストリッジ+キーンリーサイド
 ノセダ&ロンドン響による「戦争レクィエム」

ブリテン:戦争レクィエムop.66
サビーナ・ツビラク(S) イアン・ボストリッジ(T)
サイモン・キーンリーサイド(Br)
 エルサム・カレッジ少年合唱団、
ロンドン交響合唱団、ロンドン交響楽団、
ジャナンドレア・ノセダ(指揮)
超優秀録音。ブリテン自演の歴史的初録音から半世紀、ボストリッジ+キーンリーサイド、英国が誇る超強力2 枚看板、ノセダ&ロンドン響による「戦争レクィエム」

録音:2011 年10 月9 & 11 日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)/5.1 マルチチャンネルステレオ、85’
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン / エンジニア:ニール・ハッチンソン& ジョナサン・ストークス

 首席指揮者ゲルギエフの弟子、ジャナンドレア・ノセダがLSO Live に初登場。ブリテンの戦争レクィエムは、2011 年10 月にノセダがLSO を指揮して本拠バービカンでおこなったコンサートの模様をライヴ収録したものです。
【戦争レクィエム】
 聖ミカエル教会のコヴェントリー大聖堂の祝賀献堂式のために委嘱された「戦争レクィエム」は、オペラ「ピーター・グライムズ」と並ぶブリテンの代表作。
 1940 年のドイツ空軍による大爆撃で廃墟と化した同教会が22 年ぶりに再建される経緯にも突き動かされたブリテンは、1960 年後半から1961 年12 月にかけて、他の作品の作曲を中断してまで取り組み、かねて自らの最大の関心事であった反戦の決意と平和への祈願というテーマを込めるべく、この作品に持てる力のすべてを注ぎ込んだといわれています。
 6 つの楽章は、ラテン語による通常のミサ典礼文の合間に、第一次世界大戦で夭折した戦争詩人ウィルフレッド・オーエンによる英文の詩を挿入する形が採られています。
 さらに、3 管編成のオーケストラと室内アンサンブル、ソプラノ独唱、テノール独唱、バリトン独唱、混声合唱、少年合唱、ピアノ、オルガンまで動員する巨大な編成もまたモニュメンタルな内容にふさわしい特徴となっています。
【LSO を率いた作曲者自演による世界初録音】
 1962 年5 月の「戦争レクィエム」世界初演を自ら指揮したブリテンは、翌1963 年1 月にはLSO を指揮して世界初のセッション録音を果たしています。
 世界初演時のキャストふたり、ピアーズとフィッシャー=ディースカウに、当初出演が予定されていたヴィシネフスカヤをソリストに擁したこの録音は、随所に作曲者の強い表現意欲が漲り亘ることからもその説得力は絶大で、1963 年度第1 回レコード・アカデミー大賞にも輝いているなど、初演直後いきなりとんでもない高みにそびえ立つ内容として、圧倒的存在感を示してきました。
 さらに、LSO はまた「戦争レクィエム」を1991 年にヒコックスの指揮でセッション録音しており、こちらはソプラノに世界初演時のヘザー・ハーパーを迎えたことも功を奏してか、英国Gramophone Award を受賞しています。
【ジャナンドレア・ノセダ】
 ブリテンによる「戦争レクィエム」世界初録音の翌年、1964 年ミラノに生まれたジャナンドレア・ノセダは、指揮をチョン・ミュンフン、ゲルギエフに師事した経歴の持ち主。
 1994 年に、ノセダはカタロニアのカダケス・オーケストラ国際指揮コンクールで第1 位を獲得、同年同楽団の首席指揮者に就任して、1997 年にはマリインスキー劇場の外国人初の首席客演指揮者に就任しています。ノセダはまた、ゲルギエフの首席指揮者時代(1995-2008) の1999 年から2003 年にかけて、ロッテルダム・フィルの首席客演指揮者も務めており、2002 年よりBBC フィルの首席指揮者、2007 年からトリノ王立歌劇場首席指揮者のポストにあります。
 2002 年にはMET にデビューを果たすなど、こうした経歴からもノセダはコンサート、オペラ双方での活躍目覚ましい姿が師ゲルギエフと重なります。
【ノセダによる注目演奏】
 ノセダがLSO を率いて、ブリテンの世界初演より半世紀後の2012 年に世に問う「戦争レクィエム」。
すでにLSO とは、ゲルギエフの首席指揮者就任を機に頻繁に客演を重ねている間柄であることもそうですが、ここでノセダはLSO による過去2 度のレコーディングにも参加したロンドン・シンフォニー・コーラスを起用。ソリストには、2011 年6 月にもビシュコフ指揮で同曲を歌ったばかりのスロベニア期待のツビラク、そして、もっともブリテンがこだわり抜いたオーエンの戦争詩のパートを受け持つテノールとバリトンに、英国が誇る当代きってのボストリッジとキーンリーサイドを配したきわめて強力な布陣で臨んでいることにも注目されます。
 また、ノセダは、2011 年5 月のスペイン3 か所でおこなったトリノ王立劇場管とのヴェルディの「レクィエム」、同じくパリ公演での「聖歌四篇」、さらに9 月のトリノとリミニでトリノ王立歌劇場管、RAI 国立響の合同オケを指揮したマーラーの「第8 交響曲」と、立て続けに声楽付きの大作を手掛けて成功を収めていることから、この良い流れを受けての内容ということで期待もおおきくふくらみます。

LSO LIVE


LSO 0688
(SACD HYBRID)
\2400→¥2190
ゲルギエフ&ロンドン響
 ラフマニノフ:交響的舞曲Op.45 (1940)
 ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 (1942-45)
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
ロンドン交響楽団
超優秀録音。ゲルギエフ&LSOハズレなし!とびきりの演奏と選曲で大当たりの予感!ラフマニノフの「交響的舞曲」ストラヴィンスキーの「3 楽章の交響曲」

録音:2009 年5 月7 & 8 日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)/DSD5.1マルチチャンネル、ステレオ、60’
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン/ エンジニア:ニール・ハッチンソン& ジョナサン・ストークス

 ゲルギエフがLSO を指揮して、ラフマニノフの「交響的舞曲」とストラヴィンスキーの「3 楽章の交響曲」を演奏したアルバムは、2009 年5 月におこなわれたコンサートの模様をライヴ収録したもので、2008/09 年のシーズンを通じてLSO が据えたプログラムのテーマ「Emigre(亡命者)」に因んで、祖国ロシアを離れアメリカ滞在時代に作曲された点の共通する組み合わせとなっています。
【交響的舞曲】
 作曲者一流の哀愁と抒情を漂わせたメロディと、リズミカルな要素とがうまくブレンドされた「交響的舞曲」は、病と望郷の念で憔悴のなか持てる精魂を振り絞って回顧するかのように「第1 交響曲」や「晩祷」といった自作の引用も特徴的なラフマニノフ最後の作品。
 LSO は比較的珍しいことにその長い歴史の中で「交響的舞曲」を7 度しか演奏しておらず、うち4 回が1973 年のアメリカ・ツアーにおけるプレヴィンとの顔合わせによるものでした。また、レコーディングもLSO は過去に3 度、すなわち1958 年にグーセンス指揮、1974 年にプレヴィン指揮、1992年にワーズワース指揮でおこなっています。
 ゲルギエフとLSO によるラフマニノフといえば、やはりこれに先立って2008 年9 月のシーズン・オープニングを飾った「第2 交響曲」が当コンビ屈指の出来栄えとして記憶されているので、その流れを受けて演奏された「交響的舞曲」にも同様のすぐれた内容が期待できそうです。
【3 楽章の交響曲】
 そもそも「オーケストラのための協奏曲」的な音楽として構想された「3 楽章の交響曲」は、ピアノやハープが活躍する協奏曲風な響きと形式構造が際立つと同時に、ストラヴィンスキー自ら「戦争交響曲」と述べてもいるように、ドキュメンタリー・フィルムを通して得た第2 次世界大戦に対する強烈なインパクトを、粗野なリズムと管弦楽の咆哮といった原始主義時代をおもわせる作風で音化しているのが特徴的。
すでにゲルギエフはマリインスキー劇場管とは、その原始的な傾向が相通じる「春の祭典」や「結婚」といったストラヴィンスキーのバレエ音楽の録音を完了しており、そこでは緻密な設計により圧倒的なサウンドを聴かせていました。
 いっぽう、LSO がグーセンスの指揮で初めて「3 楽章の交響曲」をレコーディングしたのは、1946 年の世界初演から12 年後、じつに半世紀以上前の1958年のことで、LSO が手掛けた「3 楽章の交響曲」の実演での演奏回数も全部で20 回以上といいますから、その頻度はむしろ高い数字といえるでしょう。
 以上を踏まえると、ゲルギエフ& LSO による初のストラヴィンスキーはいかにも刺激的な取り合わせの予感十分で、期待度もかなりのものとおもわれます。


MARIINSKY


MAR 0509
(SACD HYBRID)
\2000→¥1890
ついに発売決定!再注文お願いします!
 マツーエフとゲルギエフの劇演

(1)ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35
(2)同:ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102
(3)シチェドリン:ピアノ協奏曲第5番
デニス・マツーエフ(Pf)
ワレリー・ゲルギエフ(指)
マリインスキー劇場管弦楽団
 発売が1年近く延期になっていたマツーエフとゲルギエフの劇演、ついにリリース決定!昨年ご注文いただいた方、おそれいりますが再発注お待ちしております。

[ 録音:2009 年 12 月 マリインスキー劇場コンサートホール(セッション録音)]/76’00”、5.1 マルチチャンネル、ステレオ
SACD ハイブリッド盤。
 マツーエフとゲルギエフは 2009 年 12 月 1 日にサントリーホールでショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番を披露、その撃演が語り草となりました。もともと人を小馬鹿にしたような軽快でシニカルな作品なのに、物凄い音量と戦車のような迫力で、初めて聴くかような鮮烈さでした。
その彼らがほぼ同時期に録音したものがリリースされます。マツーエフにはテミルカーノフ&サンクトペテルブルグ・フィルによる 2006 年の録音もありましたが、全く別の作品のような印象を受ける成長ぶり。
 さらに嬉しいのは、ピアノ協奏曲第2番も入っていること。小規模なため、易しく軽い作品と思われがちですが、マツーエフとゲルギエフのコンビで聴くと、大交響曲を聴くような充実感と印象を受けます。マツーエフ自身、「この曲を人々は平易だなんて言うけれど、とんでもない」と言っていました。
 加えて、最近ゲルギエフが力を入れているシチェドリンのピアノ協奏曲も収録。1999 年の作で、マツーエフはヤンソンス&バイエルン放響と 2004 年の共演ライヴを RCA からリリースしていました。ショスタコーヴィチかプロコフィエフを想わすソヴィエト的作風がかえって新鮮。ゲルギエフの入魂ぶりも光ります。

MARIINSKY


MAR 0523
(2SACD HYBRID)
\3400→¥2990
ゲルギエフのマジック炸裂!
 マスネ:歌劇「ドン・キショット(ドン・キホーテ)」
ドン・キホーテ:フェルッチョ・フルラネット(Bs)
ドゥルシネア姫:アンナ・キクナーゼ(Ms)
サンチョ・パンサ:アンドレイ・セロフ(Bs)
ワレリー・ゲルギエフ (指)
マリインスキー劇場管弦楽団
マリンスキー・アカデミー青年声楽アンサンブル
シャリャーピンのために書かれたマスネの傑作オペラ、ゲルギエフとマリインスキーが華麗に再現。美しすぎる旋律、思わず引き込まれる語り口の巧さ、ゲルギエフのマジック炸裂!

[ 録音:2011 年5 月/マリインスキー劇場コンサートホール(セッション録音)]120’00”

 SACD ハイブリッド盤。
 ゲルギエフとマリインスキー・オペラの最新盤は何とマスネ。それもバスが主役を務めることで有名な「ドン・キショット」。
 何といっても伝説的なバス歌手シャリャーピンに歌ってもらうために書かれた作品ということもあり、ロシアとは無縁の作品でなく、マリインスキー・オペラも力が入っています。
 マスネ晩年の傑作「ドン・キショット」は1910 年の作で、セルバンテスの原作に基づくドン・キホーテの物語。マスネならではの華やかさと美しいメロディを感じさせながらも、ドン・キホーテの悲哀に感情移入させられる深さに満ちています。
 ドン・キホーテ役のフルラネットは1949 年イタリア生まれのバス。豊かな声量と重い声が特徴で、2001 年にサントリーホール・オペラでのドン・カルロ役が現在でも語り草となっています。ゲルギエフからの信頼も厚く、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」でも主役に起用されました。「ドン・キショット」でも芸達者ぶりを発揮、第2幕で巨大な風車に挑む有名なエピソードも、ドン・キホーテそのものに見えてくるハマり方。またドゥルシネア姫への片思いもコミカルながら男の哀しみが滲み出るいぶし銀の至芸を見せてくれます。ドゥルシネア姫はマリインスキーのソリストで、ゲルギエフお気に入りのグルジアの名花キクナーゼ。スペイン女性そのものの情熱的な歌唱を聴かせてくれます。
 ゲルギエフとマスネは、ピンとくる組合せではないと思われがちですが、サンフランシスコ・オペラとの「エロディアート」の名盤でも証明されるように、相性ばっちり。流麗かつ優雅で、マスネの音楽性がチャイコフスキーと近いことを実感させてくれます。


MIRARE

Claire-marie Le Guay: Voyage En Russie
MIR 169
\2200→\1990
クレール・マリ=ル・ゲが誘うロシア音楽の旅路
(1)リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
(2)スクリャービン:左手のための前奏曲嬰ハ短調Op.9-1
(3)ラフマニノフ:絵画的練習曲変ホ短調op.39-5
スクリャービン:(4)前奏曲ホ長調op.15-4 (5)練習曲嬰ハ短調op.2-1
(6)ボロディン:スケルツォ 変ロ長調
(7)ラフマニノフ:「ひな菊」op.38-3
(8)チャイコフスキー:無言歌イ短調op.40-6
(9)スクリャービン:練習曲嬰ニ短調「悲愴」op.8-12
(10)チャイコフスキー:無言歌ヘ長調op.2-3
(11)ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調 op.3
(12)スクリャービン:マズルカ変ニ短調op.3-5
(13)チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォop.7
(14)スクリャービン:前奏曲変ロ短調op.16-4
(15)ラフマニノフ:前奏曲ト短調op.23-5
ムソルグスキー:(16)子供の遊び (17)涙
(18)スクリャービン:詩曲「炎に向かって」 op.72
クレール・マリ=ル・ゲ(Pf)
ラ・フォルジュルネ関連タイトル。麗しきヴィルトゥオーゾ、クレール・マリ=ル・ゲが誘うロシア音楽の旅路、超絶技巧から詩曲まで——ロシア音楽の多彩な魅力を凝縮したピアノ小品集

録音:2011 年10 月11-14 日、Le Temple de l’Annonciacion(パリ)/64’00”

 2012 年のラ・フォル・ジュルネのテーマは「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」!開催地を熱狂の渦に巻き込む一大イベントを直前に控え、クレール・マリ=ル・ゲがロシアをテーマとしたピアノ小品集をリリースします!
 19 世紀から現代にいたる激動の時代を生きた音楽家たちの珠玉の作品の数々を収録した本CD、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの開催前には是非とも聴いておきたい1 枚です。ひとえにロシア音楽と言っても、その魅力は決して一言で語りつくせるものではありません。
 「ロシアへの旅」と題した本CD において、ル・ゲは多彩な作品を選曲、収録しています。超絶技巧作品、優雅かつ抒情的な舞曲、寂寥感にあふれた詩曲…聴き応え十分のプログラムとなっています!作曲家ごと、作品ごとに異なる多様な曲調を聴き比べながらロシア音楽の奥深い魅力に酔いしれる、おすすめ盤です!
 清澄な音色と抜群の表現力で高い評価を受けるフランス人ピアニスト、クレール・マリ=ル・ゲ。幅広いレパートリーのピアノ作品を演奏することに積極的な彼女は、これまでモーツァルトからリストにわたる様々な時代の作品の演奏、録音に取り組んできました。よく練られた独自の解釈から生まれる彼女の演奏には他の演奏家とは一味違う魅力があり、多くの注目を集めています。本CD では1 曲目の「熊蜂の飛行」から卓越した演奏技術を披露。難曲であることを全く感じさせない安定した演奏と、情感あふれる表現力に圧倒される名盤です!
Piano Works: El Bacha
MIR 165
\2600→\2290
エル・バシャによるプロコフィエフ・ピアノ作品集!
プロコフィエフ:
 (1)トッカータ op.11 (2)10の小品 op.12
 (3)ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 op.14
 (4)風刺 op.17 (5)つかの間の幻影 op.22
アブデル・ラーマン・エル・バシャ(Pf)
ラ・フォルジュルネ2012関連アルバム。プロコフィエフ演奏の大家、エル・バシャによるピアノ作品集!卓越した演奏技術と情感あふれる表現力に圧倒される名演

録音:2011 年7 月12-15 日、ヴィルファヴァール農場(リムザン、フランス)/78’00”

 圧倒的存在感のある質実剛健な演奏で多くの名演を残してきた世界的ピアニスト、エル・バシャが待望の新譜をリリースします。今回収録したのはプロコフィエフのピアノ独奏作品集!エル・バシャと言えば、デビュー直後にリリースした名盤ピアノ独奏曲全集、2004 年に大野和士と共に行ったピアノ協奏曲全集録音など、常にプロコフィエフ演奏の第一線に立ってきたピアニストといっても過言ではないでしょう。本CD の5 作品はすべて、1912年から1917 年にかけて、若きプロコフィエフがアメリカへ亡命する以前、ロシア革命前夜の激動期に作曲されたもの。初期の作品にしてすでに、プロコフィエフの本質ともいえる、メカニカルなリズム、グロテスクな表現、人を食ったような軽妙さといった、個性が開花した内容を備えていることから、等しく重要作とされています。
 エル・バシャの演奏は相変らず抜群の安定感。力強いフォルテと芯のある繊細なピアノのコントラストが素晴らしく、プロコフィエフの音楽世界へとぐぐっと引き込まれる名演です。「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」がテーマであるラ・フォル・ジュルネ2012 を前に必聴のおすすめ盤です!
 録音場所はフランス、リムザン地方にあるヴィルファヴァール農場。農家の納屋を改築したような小さな演奏会場ですが、その音響の素晴らしさから多くの録音が行われている会場として知られています。素晴らしい音響環境の下で行われた良録音により、エル・バシャの明晰かつ流麗なピアノの音色の魅力を存分に感じられるCD です!
(Duo Piano)le Sacre Du Printemps,  Petrouchka,  Etc: L  &  S.bizjak
MIR 171
\2600→\2290
麗しき姉妹デュオ、
 リディヤ&サーニャ・ビジャックによるストラヴィンスキー連弾作品集!
ストラヴィンスキー:
 (1)春の祭典 (2)ペトルーシュカ
 (3)5つのやさしい小品 (4)3つのやさしい小品
リディヤ・ビジャック(Pf)
サーニャ・ビジャック(Pf)
新進気鋭の麗しき姉妹デュオ、リディヤ&サーニャ・ビジャック息の合った圧巻のアンサンブルによるストラヴィンスキー連弾作品集!

録音:2007 年11 月、パリ国立高等音楽院/78’00

 新進気鋭の姉妹デュオ、リディヤ&サーニャ・ビジャックによるストラヴィンスキー連弾作品集!「春の祭典」がラ・フォル・ジュルネ2012 のテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」の由来に選ばれたこともあり、今年ますます注目されること必至の作曲家ストラヴィンスキー。大作「春の祭典」「ペトルーシュカ」に小品集を合わせて収録した本CD は、20 世紀にセンセーショナルを巻き起こした彼の音楽を存分に堪能することが出来る1 枚といえましょう。「春の祭典」「ペトルーシュカ」はどちらもロシア・バレエのために作曲された管弦楽曲の連弾編成版。大編成のオーケストラによって壮大に展開される原曲の魅力が、ピアノ2 台にぎゅっと凝縮されています。原曲が持つ独特のリズム感や流麗な旋律をそのままに、2 台のピアノが織りなすアンサンブルが美しい作品です。
 ビジャック姉妹の息の合ったアンサンブルは圧巻。連弾作品屈指の難曲に、若き姉妹デュオが挑みます!リディヤ&サーニャ・ビジャック姉妹はセルビア生まれのピアニスト。以前はソリストとして活動していましたが、2002 年にデュオを結成。ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団とのデビュー演奏が話題となり、ヨーロッパ各地で幅広く活躍しています。ラ・フォル・ジュルネで来日経験もあり、近年はアジアにも活躍の幅を広げているビジャック姉妹。可憐な容姿とは裏腹に、明瞭かつ力強いタッチで我々の耳を圧倒する演奏を聴かせてくれます!

Pictures At An Exhibition: Kadouch(P)+medtner,  Taneyev
MIR 170
\2600→\2290
若手実力派、ダヴィッド・カドゥシュによる「展覧会の絵」
(1)ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
(2)メトネル:追憶のソナタ イ短調 op.38-1(忘れられた調べ)第1集より
(3)タニェエフ:前奏曲とフーガ 嬰ト短調 op.29
ダヴィッド・カドゥシュ(Pf)
ラ・フォルジュルネ2012関連アルバム。今注目の若手実力派、ダヴィッド・カドゥシュによる「展覧会の絵」、溌溂とした演奏と卓越した表現力に魅せられる注目の1枚

録音:2011 年10 月28-28 日、Le Temple de l’Annonciation(パリ)/53’00”

 期待の若手としてフランスを中心に注目を集めている新進気鋭のピアニスト、ダヴィッド・カドゥシュによるピアノ独奏作品集。2012 年のラ・フォル・ジュルネのテーマ「サクレ・リュス(ロシアの祭典)」に合わせ、19~20 世紀を代表するロシアの作曲家のピアノ独奏作品が収録されています。ムソルグスキーの代表作「展覧会の絵」を全曲、さらにメトネルとタニェエフの小品も合わせて収録しました。「展覧会の絵」は若々しい活気にあふれる溌溂とした演奏。
 全体的にもたれることのないすっきりとしたテンポで、フォルテとピアノの対比が印象的です。力強い音の後にふっと現れる繊細な弱音のギャップがたまりません。組曲に続くメトネルとタニェエフの作品は、どちらもふくよかな響きと抒情的な旋律が美しい作品。「追憶ソナタ」とも呼ばれるメトネルの小品では、哀しくも甘美な旋律に冒頭から引き込まれます。カドゥシュの情感あふれる表現力がいかんなく発揮された名演です!
 ダヴィッド・カドゥシュは1985 年フランス生まれ。13 歳でI. パールマン(指揮)とメトロポリタンホールで共演を果たした他、今日に至るまで数々のコンクール入賞経歴を持つ若手実力派ピアニストです。2010 年にはニューヨークでリサイタル・デビュー。2011 年6 月には来日公演も行っており、日本においても今後ますます注目が高まる若手アーティストの一人といえましょう!

MIRARE


MIR 166
\2600→¥2390
庄司紗矢香がショスタコーヴィチの協奏曲に挑戦
 ショスタコーヴィチ:
  (1)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77
  (2)同第2番嬰ハ短調Op.129
庄司紗矢香(Vn)
ドミトリー・リス(指)
ウラル・フィル
ジャケット写真:篠山紀信
強力盤。期待以上のすさまじさで、早くも今年前半最大の話題集中

録音:2011 年8 月/エカテリンブルク・フィルハーモニー(ロシア)/DDD、68’00”、日本語解説書付き

 これは衝撃の強力盤の登場です。
 庄司紗矢香がショスタコーヴィチの協奏曲に挑戦しました。これまで彼女は日本のオーケストラと1番を何度か演奏し、高い評価を受けていただけに期待が高まります。まさに古今のどの協奏曲よりも庄司向きの作品と言えるので、冷淡でいられる人はいないと申せましょう。
 ヴァイオリン協奏曲第1番は第2次世界大戦直後、まさにスターリンの恐怖政治下に書かれ、全体に神経質な緊張感と苦悩に満ちた大作。まず驚かされるのが庄司の凄まじいまでの気迫。カデンツァでの圧倒的な集中力、終楽章でのエネルギーまで息つく暇もないほどひきこまれます。ショスタコーヴィチの音楽の深さ、怖さを思い知らされます。
 第1番の約20 年後に作られた第2番は、1番に比べると演奏される頻度が多くありませんが、庄司の演奏が1番に勝るとも劣らぬほど凄く、作品の素晴らしさを再認識させてくれます。
 オーケストラはフォル・ジュルネ音楽祭でもおなじみのドミトリー・リス指揮ウラル・フィル。古き良きロシア的爆演と大きな音楽作りで、庄司の真剣勝負を真っ向から受け入れた好サポート。この緊張感の凄さはなかなか味わえません。
 日本語解説書付、ジャケット写真は篠山紀信の撮影。

MIRARE

Shostakovich: Piano Concerto Nos. 1 & 2
MIR 155
\2600→¥2190
まるでモーツァルトのように端正なコロベイニコフのショスタコーヴィチ
 オケはオッコ・カム指揮のラハティ交響楽団
ショスタコーヴィチ:
 (1)ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.35
 (2)24の前奏曲Op.34
 (3)ピアノ協奏曲第番ヘ長調Op.102
アンドレイ・コロベイニコフ(Pf)
ミハイル・ガイドゥーク(Tp)(1)
オッコ・カム(指)ラハティ交響楽団
録音:2011 年5 月26 / 28 /シベリウス・ホール(ラハティ)/78’00”

 このところ、ロシアの俊英たちによるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲リリースが続いていますが、フォル・ジュルネ音楽祭でもおなじみのピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフも快演で一石を投じました。1986 年生まれ、モスクワ音楽院でディエフに師事し、2004 年に行われた第3回スクリャービン国際ピアノ・コンクールで優勝したのを皮切りに、いくつかのコンクールに入賞しています。
 コロベイニコフのピアニズムは繊細、透明で、真珠を転がすように粒が揃っているのが特徴。このショスタコーヴィチも彼の美点が発揮されているだけでなく、ショスタコーヴィチの意外な面が発見できます。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲は両曲とも音が薄く、線的な書法が中心ですが、コロベイニコフの粒の揃ったタッチと知的な感情のドライヴにより、まるでモーツァルトのように端正、生命力ときらめきに満ちています。これまで、これほどモーツァルトを感じさせるショスタコーヴィチは聴いたことがないと申せましょう。「24 の前奏曲」も非常に繊細で新鮮。語り口の巧さで、あっという間に聴かせてしまいます。ピアノ協奏曲第1 番で爽やかなトランペットを聴かせるガイドゥークは1990 年生まれ。この若さでボリショイ劇場管の首席奏者を務める天才です。
 もうひとつの魅力は、オーケストラがオッコ・カム指揮のラハティ交響楽団であること。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番の第2、第3楽章での恐怖感と深みはカムならでは。さらにラハティの透明なアンサンブルも光ります。
Francois Couperin: Apotheoses
MIR 150
\2600→¥2190
ピエルロとリチェルカーレ・コンソートによる
 「コレッリ賛」と「リュリ賛」

(1)F.クープラン:パルナッソス山、またはコレッリ賛
(2)ルベル:リュリ氏のトンボー
(3)F. クープラン:リュリ賛
フィリップ・ピエルロ(指&ヴィオラ・ダ・ガンバ)
リチェルカーレ・コンソート
柔らかくも輝かしい音色で奏されるフランス・バロックの響き

録音:2010 年9 月、ボーフェ(ベルギー)

 17 世紀後半から18 世紀初頭のフランスを代表する音楽家、フランソワ・クープラン。今回は彼の器楽合奏曲の中でも有名な「コレッリ賛」と「リュリ賛」を収録。両作品とも各楽章に表題が付けられており、「コレッリ賛」では音楽の神が住まうパルナッソス山にコレッリが導かれる様子が描かれ、「リュリ賛」では、コレッリに続いてパルナッソス山へ登ったリュリが、そこで出会ったコレッリと共に演奏を行う、という物語になっています。伝統的なフランス趣味と新しい魅力に満ちたイタリア趣味との狭間で揺れていた時代に、両者の融合を掲げていたF. クープランの理想が詰まった作品といえましょう。
 2 曲の間にはルベルの作品を挿入。宮廷音楽家として活動していたルベルにとって偉大な先輩にあたるリュリへの賛美の念が込められたトンボーです。全体的にリュリを思わせる穏やかな曲調の中に時折現れる瑞々しい活気にあふれた装飾が美しい作品といえましょう。
 演奏を担当するのは、調和のとれたアンサンブルが持ち味の演奏団体リチェルカーレ・コンソート。バッハのマニフィカト(MIR 102)においても高い評価を受けた、その柔らかい音色と卓越した演奏技術は健在。今回もピエルロの指揮の下、芯の通った透明感のある美しいアンサンブルを聴かせてくれます。フランス・バロックならではの温かくも華やかな響きを堪能できる名盤です!

MIRARE

Faure: Complete Piano Music Volume 2
MIR 100
\2600→2290
神がかり的な美しさフランスの巨匠、
 ペヌティエによるフォーレ第2 弾
フォーレ:ピアノ作品集 vol.2
 3つの無言歌 op.17(全3曲)/3つの夜想曲op.33(全3曲)/
 即興曲第1番 変ホ長調 op.25/舟歌 第1番 イ短調op.26/
 夜想曲第4番 変イ長調op.36/夜想曲第5番 変ロ長調 op.37/
 舟歌第2番ト長調 op.41/舟歌第3番 変ロ長調 op.42
ジャン=クロード・ペヌティエ(ピアノ)
録音:2009 年10 月/78’

 フランスの巨匠、ジャン=クロード・ペヌティエによるフォーレ第2 弾の登場。3 つの夜想曲op.33 など、名曲が並びます。フォーレ独特のどこかかすんだような、やわらかな光に満ちた世界を、透明な音で見事に再現。フォーレの世界をふくよかに美しく響かせます。ささくれだった心に優しく沁み渡るような、涙の出るような優しさと美しさに満ちた、まさに巨匠の演奏です。

MIRARE

文革を生きたピアニスト、シャオ・メイ・シュ
廃盤となっていたMANDALAレーベル音源の復刻盤がついにリリースされます!

MIR 157
\2200
シャオ・メイ・シュ
 
(1)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
 (2)シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
シャオ・メイ・シュ(ピアノ)
シャオ・メイ・シュ渾身の名演を再び!ベートーヴェン、シューベルト最後のピアノ・ソナタ

録音:2004 年(MANDALA 音源)

 ベートーヴェンとシューベルト、2 人の大音楽家の最後のソナタを収録した1枚。一度は廃盤となってしまっていた名盤の復刻盤がついにリリースです!
 幼いうちから才能を見出されながらも文化大革命の波に翻弄されたシャオ・メイ・シュ。卓越した演奏技術と圧巻の表現力でヨーロッパを中心に高く評価されているピアニストです。2012 年5 月には来日公演も予定されており、今後ますますの活躍が期待されましょう。
 「人生において分かりきっていることが1 つあります。それはいずれ死ぬということ。皆、そのことを隠そうとしているのです」。この2 曲同時に収録したことについて質問され、そう語り始めたシャオ・メイ・シュ。死が身近なものであることを実感した時、彼女が取り組みたいと思ったのが今回収録された2 曲のソナタであったといいます。全体的に重めの演奏ではありますが、緊張感のある強靭なフォルティッシモと、寂寥感に満ちたピアニッシモの響きのコントラストに心揺さぶられます。改めてシャオ・メイ・シュの豊かな表現力に圧倒される名演です!

MIR 156
(2CD)
\3000
シャオ・メイ・シュ
 
J.S.バッハ:6つのパルティータ BWV 825-830
シャオ・メイ・シュ(ピアノ)
ゴルトベルク変奏曲に続く名盤、待望の復活!シャオ・メイによるJ.S. バッハの6 つのパルティータ

録音:1999 年9 月 (MANDALA 録音)

 1990 年に録音したJ.S. バッハのゴルトベルク変奏が今もなお屈指の名演として語り継がれているシャオ・メイ・シュ。本CD は彼女が1999 年に録音した6 つのパルティータの復刻盤となります。J.S. バッハの音楽に強い思い入れを抱き、常にJ.S. バッハの演奏に取り組んできたシャオ・メイ。近年発売された平均律クラヴィーア曲集第1 巻(MIR 103)、第2 巻(MIR 044)でも、その卓越したテクニックと表現力で高い評価を受けました。シャオ・メイのバッハは時おり情感あふれる激しさも垣間見せるものの、基本的には過度な表現を控えた演奏。録音状態も良く、シャオ・メイの静謐かつ清廉な音色の魅力が存分に楽しめます。インタビューで、「このパルティータ集は、バッハの音楽への導入として最も良いものだと思います」と語り、演奏への熱意を伺わせていたシャオ・メイ。ゴルトベルク変奏曲を演奏する5 月での来日演奏を前に、シャオ・メイのバッハを改めて堪能できる1 枚となっています。

MIR 158
\2200
シャオ・メイ・シュ
 シューマン:
  (1)ダヴィッド同盟舞曲集 op.6 (2)子供の情景 op.15
シャオ・メイ・シュ(ピアノ)
時代に翻弄された波瀾の人生を思わせるドラマティカルな名盤復活!静謐な音色で魅せる、シャオ・メイの「子供の情景」と「ダヴィッド同盟舞曲集」

録音:2002 年6 月(MANDALA 録音)

 わずか8 歳にしてテレビで演奏披露し、10 歳で北京音楽院に入学したシャオ・メイ・シュ。文化大革命によって西洋楽器の演奏が禁止されてもなお密かにピアノを弾き続けた彼女は、まさに波瀾の末に大成したピアニストといえましょう。一度は廃盤となってしまった録音の貴重な復刻盤です!
 ロマンティックかつドラマティックな2 曲を収録した本CD は、シャオ・メイの波瀾に富んだ人生をも感じさせるプログラム。インタビューでこのことを指摘されると、シャオ・メイは「その通りですね。ピアノを始めたのは子供の情景のおかげです。ですから、音楽家としての人生を決めた作品なんですよ」と語り、ダヴィット同盟舞曲集についても「私がヨーロッパやアメリカへ移住した時、私が取り組んだ最初の大作でした」と思い入れの強さを伺わせました。シューマンを最も詩的な音楽家として尊敬するシャオ・メイが、持ち味である卓越した演奏技術と静謐な音色を存分に活かし、シューマンの魅力を見事に表現してくれています。ドラマティックな激しい表現と、暖かみのある抒情的な表現のコントラストにうっとりと聴き入る名演です。

NAIVE



V 5284
\2500→¥2290
アンナ・ヴィニツカヤ
 ラヴェル(1875-1937):

  亡き王女のためのパヴァーヌ、
  「鏡」(全曲)、夜のガスパール(全曲)
アンナ・ヴィニツカヤ(ピアノ)
冴えわたるタッチ、アンナ・ヴィニツカヤのラヴェル

録音:2011 年8 月、ベルリン

 1983 年生まれ、2007 年のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ピアノ部門で優勝した美しきピアニスト、アンナ・ヴィニツカヤ。
 かねてよりリサイタルで演奏を重ねてきたラヴェルのピアノ曲、≪鏡≫と≪夜のガスパール≫を収録しました。
 ≪鏡≫の「道化師の歌」の導入部の絶妙なテンポ設定は見事、一気に引き込まれます。中間部の歌の部分も朝もやのけだるげな空気たっぷり。最後のクライマックスでも音色の美しさが損なわれることは決してありません。≪夜のガスパール≫のオンディーヌでの、クリスタルを思わせる硬質で透明な響きと幻想的な描写力は圧倒的です。以前リリースされたプロコフィエフのピアノ協奏曲で魅せたダイナミックさとはまた一味違う、繊細でクリアーなラヴェルを完璧なテクニックをもって聴かせます。
 アンナ・ヴィニツカヤはロシアのノボシビルスク出身。すでにヨーロッパ全土で演奏活動を展開し、輝かしいキャリアの持ち主であり、2007 年、最難関といわれるエリザベート王妃国際音楽コンクールで一位を獲得、及び2011 年のアルバムに対し、ドイツのエコー・クラシック賞を授与されています。
 その冴え渡るタッチと徹底的に深めた解釈が、聴く者をあっという間に魅了します。

NAIVE


OP 30531
¥2500→¥2290
アレッサンドリーニとコンチェルト・イタリアーノによる器楽アンサンブル曲集
 17 世紀イタリア・バロックの極上の響きに酔いしれる名盤
(1)作曲者不詳(ロッシ?):幻想曲
(2)ガブリエーリ:4声のカンツォーネ「悪魔につかれた女」
(3)メールラ:4声の器楽カンツォーネ第1集より 第5番「ラ・クレマスカ」
(4)デ・マック:コンソナンツェ・ストラヴァガンティ
(5)フレスコバルディ:4声のカンツォーナ 第5番
(6)メールラ:半音階的カプリッチョ
(7)サルヴァトーレ:フランス風カンツォーネ 第2番
(8)カステッロ:4声のソナタ 第16番
(9)ガスパロ・ツァネッティ:「ヴァイオリンの演奏を学ぶ学生」(全7曲)
(10)マリーニ:
 「さまざまな楽器のための教会ソナタト室内ソナタに分けられたジャンル」より
  4声と3声のパッサカリア
(11)ルグレンツィ:4声のためのソナタ 第2番
(12)G.ボノンチーニ:
 「シンフォニア・ダ・キエーザ」より「シンフォニア・クアルタ」
(13)トレッリ:合奏協奏曲第1番 ト長調 op.6 n.1
(14)ダッラーバコ:4声の教会協奏曲 第1番 op.2 n.1
リナルド・アレッサンドリーニ
 (ハープシコード、オルガン、指揮)
コンチェルト・イタリアーノ
録音:2011 年3 月、教皇庁立宗教音楽院(ローマ)

 古楽界の大御所コンビ、リナルド・アレッサンドリーニ率いるコンチェルト・イタリアーノによる17 世紀器楽アンサンブル小品集。より表情豊かな音楽が好まれるようになった『1600 年』という時代をテーマに、ガブリエーリやフレスコバルディなど、イタリア・バロック初期を代表する作曲家たちの珠玉の作品が詰まった1 枚です。
 弦楽器と鍵盤楽器によって奏でられる、軽やかかつ高貴なイタリア・バロックの響きに心癒されることでしょう。アレッサンドリーニとコンチェルト・イタリアーノは今回も美しいアンサンブルを聴かせてくれます。作業の片手間に聴くもよし、ゆったりと聴きいるもよし。
 イタリア・バロックの多様な曲調を存分に楽しめるおすすめ盤です!

NAIVE


MO 782183
\2500→¥2290
超難曲の「デリーヴ第2 番」電子楽器なしヴァージョン、世界初録音!
ブーレーズ(b.1925):
 (1)メモリアル〜独奏フルートと、8つの楽器のための
  (2Hrn, 3Vn, 2Vla, Vc)[1985]
 (2)デリーヴ第1 番〜6つの楽器のための
  (Fl, Cl, ヴィブラフォン, Pf, Vn, Vc)[1981]
 (3)デリーヴ第2番〜11の楽器のための
  (Ob, Cl, Fg, Hrn, ヴィブラフォン、マリンバ、Pf, Hrp, Vn, Vla, Vc)
   [1988/rev 2001,2006] *世界初録音
ファブリス・ユンガー(ソロ・フルート)
ダニエル・カウカ(指揮)
アンサンブル・オルケストラル・コンタンポラン
ブーレーズ3 作品をダニエル・カウカが斬る!

録音:2011 年6 月

 ブーレーズ3 作品集。非常に関わり合いの深い3 作品の登場。
 IRCAM オープン後の1976 年以降の作であること、中規模の室内アンサンブル、電子楽器をもたない(メモリアルには2 ヴァージョンあり、ここに収録されているのは電子楽器なしのヴァージョン)、といった共通点をもつこれらの作品は、カノンやヘテロフォニーの技法を取り入れており、作曲者の身近の人物に捧げられています。
 メモリアルとデリーヴ第1 番は、比較的短時間で作曲されましたが、デリーヴ第2 番はほぼ20 年かけて作曲されました。
 メモリアルは、フランコ・ドナトーニの「Tema」(1981 年) という作品の編成にヒントを得たもので、1985 年11 月29 日にブーレーズ自身の指揮、アンサンブル・アンテルコンタンポランによって初演されました。アンサンブル・アンテルコンタポランでフルート奏者を務めていたロランス・ボールガール(1956-85) の思い出に捧げられています。
 シェーンベルクの「月につかれたピエロ」の器楽パート編成と同じ(ヴィブラフォンが加えられています)デリーヴ第1番は、1984 年6月8 日、オリヴァー・クヌッセン指揮のロンドン・シンフォニエッタによって初演されました。イギリスの音楽界の重要人物であり、ブーレーズに三作品を委嘱したこともあるサー・ウィリアム・グロック(1949-2000)に捧げられています。デリーヴとは、英語でderive(引用する)の意。ここでも引用の技法が用いられており、パウル・ザッハー(Sacher) の名の6 文字のアルファベットから導かれる6 つの音を素材とし、その素材を何度も「引用」して展開していく作品です。
 エリオット・カーター80 歳の誕生日、1988 年12 月1 日に初演される予定だったデリーヴ第2 番が初演されたのはそれから約1 年半後の1990年6 月21 日のことでした。ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランによって演奏されました。しかしこの初演時の版も最終形ではなく、何度かの上演を経て今のかたちに決まったのは2006 年11 月7 日のパリでの演奏会のときでした。楽器編成はブーレーズオリジナルのもので、2つの3 楽器(管楽器:コールアングレ、A 管クラリネット、ファゴット/弦楽器:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)、2 つの2 楽器(打楽器:マリンバ、ヴィブラフォン/ハープとピアノ)、一人のホルンという楽器編成は、3+2+1+2+3 という数字で表すことができ、この数字が曲の発展の鍵となっています。
 第1 番と同じく「引用」を意識したこの作品で、ブーレーズはカーターやリゲティの作品に見られる型を用いており、これら2 人の作曲家が作品の中で投げかけている問いや挑戦を受けて立っているほか、曲の終結部付近では中世のホケトゥスの技法も模しているなど、時代やスタイルを問わない広い展開をしています。電子楽器を含まない版の録音は、これが世界初ということで、注目です。
 アンサンブル・オルケストラル・コンタンポランは1992 年に現在の音楽監督であるダニアル・カウカによって創立されました。19 人の演奏者を中核メンバーとし、曲によって規模を自在に変えて演奏しています。20,21 世紀の作品に力を入れており、これまでに手がけたレパートリーは180 人の作曲家による400 作品にのぼっています。そのうち70 作品は彼らが初演しています。ダニエル・カウカは現代音楽に力を入れているほか、ワーグナーのニーベルングの指環を一日で演奏する版の演奏も手がけるなど、興味深い活動を展開しています。

NAIVE

Vivaldi: Il Teuzzone
OP 30513
(3CD)
\6000→¥4990
ヴィヴァルディ版トゥーランドット!?
 サヴァール率いる豪華演奏陣

ヴィヴァルディ:歌劇「テウッツォーネ」
ジョルディ・サヴァール(指揮)
ル・コンセール・デ・ナシォン
パオロ・ロペス(ソプラニスタ/テウッツォーネ)
ラファエッラ・ミラネジ(Ms /ジディアーナ)
デルフィーヌ・ガルー(コントラルト/ゼリンダ)
ロベルタ・マメリ(S /チーノ)
フリオ・ザナージ(Br /シヴェニオ)
アントニオ・ジョヴァンニーニ(C-T /エガーロ)
櫻田亮(T /トロンコーネ、アルゴンテ)
中国を舞台に繰り広げられるドラマ「テウッツォーネ」サヴァール率いる豪華演奏陣によるヴェルサイユ宮殿内オペラパレスでの復活上演の記録!

録音:2011 年6 月、ヴェルサイユ宮殿内オペラパレス/2h 40'

 ヴィヴァルディ・エディション最新盤は、2011 年6 月、パリ・ヴェルサイユ宮殿にて行われたVenise- Vivaldi- Versailles フェスティヴァルの目玉公演、サヴァール指揮によるヴィヴァルディの「テウッツォーネ」復活上演の録音。充実したアリアが並ぶヴィヴァルディの意欲作ながら、録音に恵まれなかった作品に、豪華演奏陣の極めつけの録音の登場です!テウッツォーネの物語の舞台は中国、いってみればヴィヴァルディによるトゥーランドット。物語の内容は、恋模様と皇帝の跡継ぎをめぐる問題を軸に、その当事者たちの、裏切り、陰謀などといったものですが、ドラマティックなアリアや充実した器楽パートなど、聴きどころ満載です。
 テウッツォーネは、1718 年12 月26 日、マントヴァ総督フィリッペがグアスタッラ妃との結婚を発表した翌日の祝典行事の一環として、アルチドゥカーレ劇場で初演されました。1718 年から1720 年にかけて、ヴィヴァルディは、破格の条件で(オペラのキャスティングはヴィヴァルディの意のまま、オペラ公演に赤字が出た場合はすべて総督が補填してくれるという夢のような条件)、マントヴァで音楽監督の職を得ていました。マントヴァ時代、ヴィヴァルディは器楽作品を多く書いており、「四季」もちょうどこの時期に書かれたものです。オペラは8 つ(うち4 つは改訂ですが)を残しています。詩人アポストロ・ゼーノによるこの台本は、ヴィヴァルディが1718 年に発表するまでにも幾度かオペラ化されていました。ヴィヴァルディも、他の作曲家による上演をみて、この台本を見出したと考えられています。マルコ・ポーロ以降ますます高まっていた異国趣味の風潮もあって、中国が舞台となっていますが、中国の法や式典行事などの具体的なディテールも取り入れた台本となっています。アリアなど、自作の引用もしていますが、同時に、レチタティーヴォ→ダ・カーポ・アリアという伝統の枠にとらわれずないアリアの形式など、新しいスタイルの追求が見られ、また、充実した器楽の書法など、大変な意欲的な作品となっています。
 サヴァール率いるル・コンセール・デ・ナシォンの確かな管弦楽、ラ・ヴェネシアーナでも注目度の高いロベルタ・マメリ、さらにバッハ・コレギウム・ジャパンでもお馴染の世界的に活躍する日本人テノール、櫻田亮が出演しているのも注目です。また、タイトルロールを歌うソプラニスタ、パオロ・ロペスは、パレルモ出身で、パレルモ・マッシモ劇場でコーラスとして研鑽を積み、クリスティやビオンディ指揮のオペラで主役を務めるなど注目度急上昇中の実力派。
 演奏陣、そして資料価値としても大変貴重なヴィヴァルディのオペラ、是非ご堪能下さい!

ヴィヴァルディ:歌劇「テウッツォーネ」あらすじ
 中国の首都。時は定かでない。
【第1 幕】中国の皇帝トロンコーネは戦に敗れ、後を継ぐのは息子のテウッツォーネだという遺言を遺してこの世を去る。亡きトロンコーネの妻ジディアーナは、実はひそかにテウッツォーネに思いを寄せており、皇帝の死を機に、帝位とテウッツォーネの心を手に入れようとたくらみ、使用人であるチーノとシヴェニオに協力を求める。トロンコーネの葬儀が準備されるなか、テウッツォーネの許嫁でお互いに愛し合っているタタールの妃ゼリンダが宮殿にやってくる。テウッツォーネはゼリンダと、葬儀が終わって自分が王位についたら結婚しようと誓い合う。しかし、葬儀の場で、ジディアーナ一味は、偽造した遺言状を読み上げ、王冠はジディアーナのものとなってしまう。
【第2 幕】
テウッツォーネはゼリンダ率いる謀反軍との戦に敗れ、囚われの身となる。裁判で、テウッツォーネは死刑を言い渡される。許嫁であったゼリンダは、ジディアーナに、テウッツォーネはもはや自分のことを愛してはいないと偽りを言い、テウッツォーネを死から救ってほしいと懇願する。ジディアーナはテウッツォーネを呼び出し、もし自分と結婚するならば死刑を取り消すと申し出るが、テウッツォーネはこの申し出を即座に断る。
【第3 幕】
テウッツォーネは、ジディアーナからの再三の申し出を拒絶し、ゼリンダの説得にも応じず、死刑を受け入れる覚悟をする。ジディアーナは自分の手下として働いたチーノとシヴェニオに、よく働いた褒美として、中国の掟(支配者は複数の者との結婚が許されるというもの)に基づいて二人と結婚をすると告げる。この申し出に納得いかないチーノは、テウッツォーネに死刑の最終宣告をするはずの公の場で、ジディアーナのこれまでの陰謀をすべて明らかにする。ジディアーナとその手下一味は捉えられる。最後には王冠はテウッツォーネのものとなり、ゼリンダと結ばれ、幕となる。

NASCOR


NS 08
\2200
新星、イ・ヒョジュのベートーヴェンとシューマン!!
1-3. ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲第5番『皇帝』Op.73
4-21. シューマン(1810-1856):ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6
イ・ヒョジュ(ピアノ)
ダグラス・ボイド(指揮)
ヴィンタートゥール・ムジーク コレギウム管弦楽団
ジュネーヴ国際音楽コンクール第2 位の新星、イ・ヒョジュのベートーヴェンとシューマン!!

録音:2011 年

 第65 回ジュネーヴ国際音楽コンクールにて第2 位及び聴衆賞を受賞したイ・ヒョジュ(ちなみにこの年の一位は日本人、萩原麻未でした)が、名曲中の名曲、ベートーヴェンの『皇帝』とシューマンのダヴィッド同盟舞曲集を収録。粒の揃った美音と、生き生きとした情感でナチュラルに歌いあげています。
 イ・ヒョジュは1985 年、韓国に生まれました。パリ国立高等音楽・舞踊学校にてイタマール・ゴラン、ジャック・ルヴィエ、テオドール・パラスキヴェスコに師事。さらにパリ・エコール・ノルマル音楽院を非常に優秀な成績で卒業しました。1998 年の13 歳の時に、シンシナティ・コンクールで優勝して以来、数多くの権威あるコンクールで優勝を重ね、世界有数のオーケストラと共演している実力派です。

OPMC


OPMC 005
¥2500→¥2290
クライツベルク&モンテ・カルロ・フィル
 ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905 年」Op.103
ヤコフ・クライツベルク(指揮)
モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団
 2011 年3 月15 日に急逝したクライツベルクのショスタコーヴィチの登場。自身が「会心の出来」と振り返っていた交響曲第11 番のライヴです。
 サンクトペテルブルクに生まれ、ビシュコフの弟でもあるクライツベルクはショスタコーヴィチに対して特別な思い入れをもっていました。特に第11 番は、ニューヨーク・フィルのデビュー公演となった演奏会で指揮したもので、その後もフィラデルフィア管などとも共演をしていた特別な作品。モンテカルロ・フィルとどのような演奏を展開しているか期待が高まります。
 ショスタコーヴィチの第11 番「1905 年」は、演奏時間1時間を要する大曲。ロシア革命前夜を描いた映画的音楽で、ショスタコーヴィチの驚くべき描写力が発揮されています。「血の日曜日」の民衆虐殺の場面をはじめ、全体に指揮者の能力が試される難曲。不気味な事件を予感させるようなおどろおどろしい第1楽章は実にリアルに響き、第2 楽章の射撃のシーンは痛々しいほど。終楽章の激しさは圧巻です。クライツベルク自身が「会心の出来」と振り返るのもの納得の、各楽器のバランスの采配が実に見事な、稀有な名演となっています。録音:2010 年1 月25-26 日

PHIL.HARMONIE

 ベルリン発のレーベルPHIL.HARMONIE。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが結成した様々なアンサンブルや、ベルリンで活躍する音楽家の演奏を中心にリリースしている。当然のことながらコーリャ・ブラッヒャーやラデク・バボラーク、クラウス・シュトールらそうそうたる演奏者が登場する。


Berliner Barocksolisten play Telemann & Zelenka
PHIL 06018
\2400→\2190
バボラークによる超絶のテレマン
・ゼレンカ(1679-1746):
 2つのホルン、2つのオーボエ、ファゴット、
  弦楽と通奏低音のためのカプリッチョ第3番ヘ長調 ZWV184
・テレマン(1681-1767):
 ホルンと弦楽のための協奏曲ニ長調 TWV51:D8
・テレマン:
 2つのホルン、2つのヴァイオリンと
  弦楽のための協奏曲変ホ長調 TWV54:Es1
・テレマン:2 つのホルンと弦楽のための協奏曲ニ長調 TWV52:D2
・テレマン:序曲(組曲)ト短調『ミュゼット』
ラデク・バボラーク(ホルン)
アンドレイ・ジュスト(ホルン)
ライマール・オルロフスキー(Vn)
ベルンハルト・フォルク(Vn &指揮)&
 ベルリン・バロック・ゾリステン
豪華メンバーによる、バロックの一時。

録音年:2011 年3 月の幾つかのコンサート・ライヴより抜粋

 バボラーク&ベルリン・バロック・ゾリステンという豪華布陣によるゼレンカ&テレマン作品集。
 テレマンのホルン協奏曲でのバボラークの巧さには圧倒されます。どんなパッセージもらくらくと吹きこなしており、さすがです。2 つのホルンのための作品でバボラークと並んで演奏するのは、2011 年9 月からベルリン・フィルのメンバーとなったアンドレイ・ズスト(1974 年生まれ)。マーラー・ユーゲント管などでも活躍しており、ベルリン・フィル・アカデミーを経ての入団となりました。バボラーク(1976 年生まれ)に全くひけをとらず、丁々発止のアンサンブルを展開しており、こちらの新しい逸材も見ものです。ベルリン・バロック・ゾリステンのアンサンブルが素晴しいのは言うまでもなく、洗練された美しいサウンドによるきわめて雄弁な音楽を味わうことができます。

Ensemble Berlin: Virtuoso
PHIL 06012
\2400→\2190
世界最高峰のベルリン・フィル・メンバーによる調和の極致
 思わず何度も聴きたくなる、華麗なる編曲集
・ウェーバー(1786-1826)/ヴォルフガング・レンツ編曲:
 七重奏曲(Ob, Fg, 2Vn, Vla, Vc, Cb)〜
  ピアノ・ソナタ第4番 ホ短調 Op. 27
・ベートーヴェン/カール・カイム編曲:
 五重奏曲(2Vn, Vla, Vc, Cb)〜ホルン・ソナタ ヘ長調 Op. 17
・アントニオ・パスクッリ(1842-1924)ヴォルフガング・レンツ編曲:
 協奏的大七重奏(Ob, Vnと弦のための)〜
  ロッシーニの「ウィリアム・テル」による
アンサンブル・ベルリン
 (クリストフ・ハルトマン(Ob)、
  フィリップ・ボーネン(Vn)、
  アンドレアス・ブシャッツ(Vn)、
  マルティン・フォン・デア・ナーメル(Vla)、
  クレメンス・ヴァイゲル(Vc)、
  ウルリヒ・フォルフ(Cb)、モル・ビロン(Fg))
録音:2009 年9 月、ベルリン

 ウェーバー、ベートーヴェン、パスクッリの歌心に溢れた美しい作品たちの華麗なる編曲集。ウェーバーのピアノ・ソナタは、自身オーボエ奏者として活躍したヴォルフガング・レンツにより七重奏曲へと姿を変えました。憂いのある美しい音色のオーボエから始まり、最初の一音から思わず聴き入ってしまいます。終楽章でもオーボエを中心に実に華麗なアンサンブルが展開されています。
 ベートーヴェンのホルン・ソナタ(ベートーヴェン自身の手によるチェロ版も存在)は、弦楽五重奏として生まれ変わり、チェロが主役として大活躍しています。編曲したのはベートーヴェンと同時代に生きたボヘミアの名オーボエ奏者、カール・カイム。この他にも、ベートーヴェンのクラリネット三重奏曲op.11 やピアノ三重奏曲op.1-2 などの編曲も手掛けています。
 最後に収録されている「ウィリアム・テル」に基づく協奏曲的大七重奏曲は、もともとはパスクッリが弦楽三重奏のために編曲したものを、レンツがより大きな編成へと変身させたもの。室内にいながら、彼のオペラに思いを馳せることのできる、特別な心地よい時間を提供してくれるでしょう。
 ベルリン・フィルのメンバーを中心に結成されたアンサンブル・ベルリンの豪華な名人芸を心行くまで堪能できる1 枚です。

Schneider: Preussens Hofkapellmeister
PHIL 06009
\2400→\2190
知られざる19世紀ドイツの名匠
 ゲオルク・アブラハム・シュナイダー(1770-1839):
 (1)ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ 変ロ長調 Op. 44/1
 (2)フルート四重奏曲 ト短調 Op. 69/3
 (3)2つのコントラバスのためのデュオ
  (クラウス・シュトールによるアレンジ)
 (4)フルート四重奏曲 ト長調 Op. 52/3 ト長調 Op. 52/3
アドリヤン四重奏団
 (アンドラーシュ・アドリヤン(Fl)、
 ガブリエル・アドリヤン(Vn)、
 ヴァルター・キュスナー(Va)、
 ダヴィド・アドリヤン(Vc)、
 クラウス・シュトール(Cb)、
 エディソン・ルイス(Cb)
知られざる19世紀ドイツの名匠、ゲオルク・アブラハム・シュナイダーの傑作集。気品あふれる旋律と長閑な情景。

録音:2010 年、ベルリン

 ゲオルク・アブラハム・シュナイダーは、ベートーヴェンと同年の1770 年、ドイツのダルムシュタットに生まれた音楽家。作曲家、マネジメント、ホルン奏者として活躍し、19 世紀初頭ベルリンの音楽界の重鎮の一人でしたが、その手稿譜の多くは未だベルリン国立図書館に眠っており、日の目を見ていません。
 そのような中で、今回取り上げられた1810 年前後に作曲されたとされるフルート四重奏曲(作品52/3、69/3)は、モーツァルトのフルート四重奏曲の影響を強く受けており、中心的な位置を占めるフルートの軽快さと弦の温かみのある兼ね合いが調和を究めています。どちらの作品も、三楽章構成となっており、メヌエットがありませんが、これは当時のベルリンの音楽界における趣向に合わせたものです。古のベルリンの重鎮の作品の真価を、ベルリン・フィルのメンバーたちが極めつけんの名演で世に問う注目盤です!

Kolja Blacher plays Robert Schumann
PHIL 06011
\2400→\2190
コリヤ・ブラッハー(Vn)
シューマン(1810-1856):
 (1)ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Woo23
 (2)ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105
 (3)3つのロマンス op. 94
コリヤ・ブラッハー(Vn、指(2))
マーラー室内管弦楽団
ヴァシリー・ロバノフ(ピアノ)
コリヤ・ブラッハーによる深く温かみのあるシューマン、マーラー室内管との協奏曲共演も注目!

録音:2007 年11 月7-8 日、ベルリン

 名手ブラッハーによる、シューマンの名曲集。ヴァイオリン協奏曲では、名門マーラー室内管を率いてブラッハーが弾き振りを行っています。前奏部分からただならぬ雰囲気の中、ブラッハーが歌心全開のソロで聴かせます。室内楽作品では、巨匠リヒテルとも組んでいた名手ヴァシリー・ロバノフをピアニストに迎え、揺れる情熱の旋律を、作品の感情に溺れることなく見事に弾き切っています。ロマンスでも、ヴァイオリンとピアノの温かみのある音色がどこまでも広がっており、実に魅力あふれる1 枚となっています。

Klaus Stoll: Bassonoble
PHIL 06014
\2400→\2190
ベルリン・フィルの元首席コントラバス奏者クラウス・シュトール
(1)フレスコバルディ(1583-1643):カンツォーナ(ホセ・ヴィトーレス編)
(2)ディエゴ・オルリッツ(1525-1561):第1リチェルカーダ(シュトール編)
(3)ヴィターリ(1632-1692):ヴァイオリンのためのパルティータ
(4)中国の無名の作曲家(1725 頃):ビヤン・イン・バール
(5)ジョン・ケージ(1912-1992):竜安寺(1984)
(6)シュールホフ(1894-1942):
 Der goettliche Funke kann, wie in einer Leberwurst auch
  in einem Kontrabass vorhanden sein…
(7)シュールホフ:バス=ナイチンゲール(1925)(シュトール編)
(8)マルヴィン・P・ファインスミス:ヘブライ風練習曲第2番
(9)クルターク(b.1926):メッセージ=コンソレーション
(10)グラナドス(1867-1916):
 インテルメッツォ(ゴイェスカスより)(シュトール&ヴィトーレス編)
(11)レクエーナ(1931-2010):ペルテーニョ・ペル・コントラバス
(12)カバルコス(b.1950):ポエマ・アン・グリス
(13)ダノエル・ブオーノ(b.1956):タンゴ練習曲第5番
(14)シビリス(b.1948):インセルン
(15)ホセ・ヴィトーレス:
 コントラバスとギターのためのCansion sin Palabras(1962)
クラウス・シュトール
 (コントラバス、朗読)
ホセ・ヴィトーレス(ギター)
低弦の名人、クラウス・シュトールによる、バロックから近現代までを網羅した低音の魅力。

録音:2011 年4 月13-15 日、ベルリン

 ベルリン・フィルの元首席コントラバス奏者クラウス・シュトールが、ギターリストであり作曲家でもあるホセ・ヴィトーレスと組み、バロックより近現代まで網羅した数々のコントラバスの名曲を披露。コントラバス独奏或いはコントラバス・ギター用にアレンジした作品もあります。
 途中では、チェコ出身でユダヤ系ドイツ人の作曲家エルヴィン・シュールホフによる、「バス・ナハティガル」へのプロローグを、シュトールがドイツ語で朗読します。ケージの奇作「竜安寺」にも、変幻自在な音色で迫ります。

Kolja Blacher plays Schnittke & Prokofiev
PHIL 06019
\2400→\2190
コリヤ・ブラッハー(Vn)
シュニトケ(1934-1998):弦楽三重奏曲(1985)
プロコフィエフ(1891-1953):
 ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 op.80、
 5つのメロディー op.35
コリヤ・ブラッハー(Vn)
ヴァルター・キュスナー(Va)
ヨハネス・モーザー(Vc)
ヴァシリー・ロバノフ(Pf)
怒涛のシュニトケとプロコフィエフ!荒れ狂う共産主義下で生まれた名曲たち。

録音:2011 年6 月、ベルリン

 本CD は、ソ連時代に生まれたシュニトケ、プロコフィエフの名曲に光を当てたもの。シュニトケの弦楽三重奏曲は、ベルク生誕100 年を記念して、ウィーンのアルバン・ベルク協会が委嘱し、作曲されたもので、後にユーリー・ バシュメットが弦楽のための「トリオ・ソナタ」(1987)に編曲もしています。
 病中にありながら創作された同曲は、ほとばしる鬱屈した感情が、弦楽の重厚な響きによって、まるで吹き荒れるかのようです。プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1 番は、プロコフィエフの数ある作品の中でも最も憂鬱且つ情熱的であり、ソナタ第2 番に比べてよりロマンティズムが濃くなっています。両極端の結びに聞こえるヴァイオリンの滑り落ちるような音階を、プロコフィエフは「墓を抜ける風」と呼びました。5 つのメロディーは、エレガントに包まれたヴァイオリンの音色が、各曲の曲想に応じて時に繊細に、時に情熱的にと変化します。夢幻的に縦横に変化するプロコフィエフ独特の美しいロマンティズムを存分に堪能できます。

The Music of Led Zeppelin
PHIL 06010
\2400→\2190
新しく生まれ変わった伝説のロック!
 レッド・ツェッペリン:
 1. カシミール(編曲:ヤン・カズダ)
 2. ハートブレーカー(編曲:ヤン・カズダ)
 3. ベイブ・アイム・ゴナ・リーブ・ユー(編曲:ヤン・カズダ)
 4. 胸いっぱいの愛を(編曲:ヤン・カズダ)
 5. レイクハースト(編曲:ヤン・カズダ)
 6. レイン・ソング(編曲:ヤン・カズダ)
 7. ブラック・ドッグ(編曲:ヤン・カズダ)
 8. 聖なる館(編曲:ヤン・カズダ)
 9. コミュニケーション・ブレイクダウン(編曲:ヤン・カズダ)
 10. 移民の歌(編曲:ヤン・カズダ)
 11. 天国への階段(編曲:ヤン・カズダ)
 12. アフターオール(編曲:ヤン・カズダ)
ヤン・カズダ
インディゴ弦楽四重奏団
録音:2009 年11 月

 六弦のベースと弦楽四重奏団によって、あの1970 年代の伝説ロックミュージック、レッド・ツェッペリンが新しく生まれ変わりました。ロック特有の怒涛の響きはありませんが、ジャンルを超えてクラシック・ファンやポップ・ファンにも楽しめる、より馴染みやすい内容となっております。ヤン・カズダは、あえて両極端のジャンルを組み合わせる試みに挑戦し、ロックミュージックを見事クラシカルに編曲しています。懐かしい昔の思い出に浸りたいときは、是非!
 ヤン・カズダはスウェーデンのロックバンド、セリオンに属すベーシスト。セリオンは結成当時、デスメタル色の強いバンドでしたが、次第にクラシックやオペラを取り入れた音楽に傾倒し、今ではシンフォニックメタルというジャンルに大きく貢献するバンドまで成長しました。インディゴ四重奏団は20 年前に結成され、ヤン・カズダと組んで既に「ソングス・フロム・ザ・ニーバーフッド」という優れたアルバムをリリースしています。音楽のジャンルをも超えた意欲的な活動を展開中です。

PRAGA


PRD 350055
(特別価格)
\2100
★ 2012 年5月ラ・フォル・ジュルネ音楽祭関連商品★
 プラハ・レーベルがお送りするロシアの名録音集
1. ボロディン(1833-1887):弦楽四重奏曲 第2番〜第3楽章「夜想曲」
2. チャイコフスキー(1840-1893):交響曲 第4番〜第2楽章スケルツォ
3. プロコフィエフ(1891-1953):
 交響曲 第1番「古典的交響曲」よりガヴォット(ピアノ・デュエット)
4. チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第3番〜第2楽章アレグロ・ヴィーヴォ
5. ラフマニノフ(1873-1943):組曲 第2番〜第2曲ワルツ
6. プロコフィエフ:弦楽四重奏曲 第2番〜第2楽章アダージョ
7. グラズノフ(1865-1936):ホルンと弦楽四重奏のための「牧歌」
8. プロコフィエフ:ユーモラスなスケルツォ op.12(4本のファゴットのための)
9. ショスタコーヴィチ(1906-1975):チェロ・ソナタ Op.40〜第2楽章アレグロ
10. ワインベルク(1919-1996):
 弦楽三重奏曲 Op.48〜第3楽章モデラート・アッサイ
11. ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8 番 Op.110〜第1楽章ラルゴ
12. リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
 ピアノ三重奏曲〜第1楽章アレグロ(冒頭)
13. シュニトケ(1934-1998):ピアノ・ソナタ 第1番〜第2楽章アレグレット
14. ストラヴィンスキー(1882-1971):
 チェロとピアノのためのイタリア組曲〜第4 曲 タランテラ ヴィヴァーチェ
15. ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第10番〜第1楽章 アンダンテ
16. ボロディン:スペイン風セレナード(弦楽四重奏のための)
17. プロコフィエフ:
 五重奏曲 ト短調 Op.39〜第4楽章アンダンテ・エネルジーコ
18. シュニトケ:レクイエム〜第13曲クレド
プラジャーク四重奏団
ムラヴィンスキー
キンスキー・トリオ 他多数
ロシアの名曲集、これを聞かずしてロシアは語れない!プラハ・レーベルがお送りするロシアの名録音集

 プラハ・レーベルが誇る充実したロシアものの録音の中から選りすぐりの名曲集をお届けします。時代精神を反映させて刻々と変化するロシア音楽の歴史を楽しめます。グラズノフの長閑でロマンチックなメロディー、プロコフィエフの奔放さなど、聞き飽きることのない、ロシア音楽ならではの多様な側面が聞かれます。ワインベルクはショスタコーヴィチと非常に親交の深かった作曲家ですが、ショスタコーヴィチの影響を思わせながらも何か独特の面白みを持った音楽を書いています。さらに、最後のトラックのシュニトケのレクイエムは、非常に現代的な、しかし映画音楽を思わせる叙情と迫力で圧倒されます。

PREISER



PRCD 90808
\2300→\2090
ウィーンの名手ヴラダー最新アルバム
 シューベルト:
  ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959 (38’55”)
  ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960 (40’35”)
シュテファン・ヴラダー(P)
しんとした世界が深く沁み入るシューベルトの後期ソナタ集

録音:2011 年10 月17-19 日ウィーン、カジノ・バウムガルテン、プライザー・レコーズ・スタジオ(セッション・ステレオ)/DDD、79’30”

 ウィーン生まれのピアニスト、シュテファン・ヴラダーがアーティスティック・ディレクターを務めるPREISER のシリーズ「クラシック・セレクション」最新アルバム。近年、歳を重ねるごとに円熟味を増し、表現の幅を一段と拡げているヴラダーが、じっくりとセッションを組んで取り組んだのはシューベルト。とめどない歌にあふれ、しんとした表情が印象深いピアノ・ソナタ最後の2 曲に対して、ヴラダーは粒立ちのよい美しい音色とゆたかな詩情で満たし、シューベルトの辿り着いた澄み切った境地を味わい深く聴かせてくれます。
 ヴラダーは、2012 年3 月のウィーン放送響来日公演のソリストにも予定されており、その近況をうかがい知るうえで注目の内容といえるでしょう。
シュテファン・ヴラダー
 1965 年ウィーン生まれのピアニスト。6 歳でピアノのレッスンを始める。1973 年よりウィーン国立音楽大学で、レナーテ・クラマー=プライゼンハマー、ハンス・ペーターマンドルに師事する。ルドルフ・ハイドナー・ピアノ・コンクールで第1 位ほか、オーストリア国内のピアノ・コンクールで数多くの賞を獲得したのち、1985 年にウィーン国際ベートーヴェン・コンクールで第1 位。以後、ピアニストとして世界的に活躍するほか、近年は指揮者としても精力的に活動しており、2002 年よりグラーツ管弦楽団の首席指揮者、2008 年よりウィーン室内管弦楽団の首席指揮者を務めている。
 1999 年にウィーン国立音楽大学の教授に任命され、2009 年にオーストリア共和国より、有功栄誉金章星付を受勲される。

Liszt at the Scottish Abbey
PRCD 91199
\2300→\2090
麗しきオルガニスト、ズザナ・フェルイェンチイーコヴァーがリストの大作に挑む!
ショパン(リスト編曲):前奏曲ホ短調 Op.28-4、ホ長調 Op.28-9
リスト(ジャン・ギュー編曲):交響詩《プロメテウス》
リスト:
 オルガン・ミサ/
 「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ
ズザナ・フェルイェンチイーコヴァー
 (オルガン)
ジャン・ギュー編曲の交響詩「プロメテウス」にも注目

録音:2011 年8 月31 日、9 月1 日、ショッテン修道院、バシリカ大オルガン/DDD

 数々の国際オルガン・コンクールで優勝してきたソロヴァキア出身の美人オルガニスト、ズザナ・フェルイェンチイーコヴァーが2011 年のリスト・イヤーにオルガンの大作をレコーディングしました。
 リストはピアノの名手として数々の名曲を残してきましたが、オルガン作品でも大作「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガなどの傑作を残しました。リストらしい技巧と色彩感あふれる旋律を用いたオルガン作品には新ロマン主義と呼ばれた独特の和声が散りばめられています。
 このアルバムの注目は巨匠ジャン・ギューが編曲した交響詩「プロメテウス」です。交響詩というジャンルを創始したリストの作品のオルガン版はまさにリスト・イヤーの録音にふさわしい選曲と言えましょう。

PREISER


PRCD 90801
\2300
エリーザベト・リンハルト(S)
 リスト、ワーグナー 歌曲集
 リスト:
  どうやって、と彼らは尋ねた(第2稿)
  おお、私が眠りにつくときには(第2稿)
  愛とは何
  かつて
  私は去り行きたい
  おお愛してください、あなたが愛しうる限り
  愛の夢第3番 変イ長調
  バラード第2番 ロ短調
 ワーグナー:
  ヴェーゼンドンク歌曲集(天使,とまれ,温室で,悩み,夢)
エリーザベト・リンハルト(S)
カール・アイヒンガー(P)
生粋のウィーンのソプラノが歌うリストとワーグナーの歌曲

リストとワーグナーの歌曲集。エリーザベト・リンハルトはウィーン生まれのソプラノ。ドイツリートで活躍しています。カール・アイヒンガーはオーストリア、ツヴェットルの生まれ。室内楽のピアニストとしても高名です。

PRCD 90805
\2300

クリスマスでなくても楽しめるウィーンのクリスマスの音楽

モーツァルト:
 戴冠ミサ−キリエ,グローリア,クレド,サンクトゥス,
 ベネディクトゥス,アニュス・デイ
ハンマーシュミット:門を広く開けよ
プレトリウス:さあ来てください、異邦人の救い主よ
ヴルピウス:エサイの根より
アルカデルト:アヴェ・マリア
レーガー:マリアの子守歌
グルーバー:清しこの夜
フランク:天子の糧
ノイナー:よく眠れ、天の子よ
ほか
コルネリア・ホラク(S)
ガブリエーレ・シマ(A)
ゲルノート・ハインリヒ(T)
アルフレート・シュラーメク(Bs)
アンドレアス・ピクスナー(指)
聖アウグスティン教会合唱団
ウィーンの聖アウグスティン教会合唱団が歌う、ドイツ語圏では定番のクリスマス曲集です。本国リリースが12 月なのでこんな時期の案内になりましたが、クリスマスを抜きにしても心地よく聞ける曲ばかり、演奏もたいへん温かみがあります。

PREISER

Carl Michael Ziehrer: Volume 15 - Echt Wienerisch
PRCD 91127
\2300→¥1990
ツィーラー・エディション第15 集
ツィーラー:
 真のウィーン風 Op.381/黄金の青年時代 Op.523/
 遠慮 Op.200/勇敢に! Op.401/
 ウィーンの民衆詩 Op.314/笑って Op.167/
 惚れている Op.319/ハロドリ Op.6/
 愛の本! Op.413/レオポルディンヒェン Op.5/
 村の美しさ Op.393/風のように速く Op.165/
 心のバロメーター Op.421/愛の手紙 Op.370/
 村のツバメ Op.19/放して Op. 386
ウィーン・コンツェルタンテ・
 シュランメル四重奏団
カール&エリカ・
 スヴォボダ・ツィター・デュオ
お待たせいたしました!ツィーラー・エディション第15 集です!

60'53、DDD

PREISER の人気シリーズ、カール・ミヒャエル・ツィーラーのエディション、後回しになっていた第15 集が発売になりました。なかでも知る人ぞ知るカールとエリカの両スヴォボダによるツィターがウィーン情緒をかきたててくれます。

PREISER

PRCD 90798
\2300
祝2012年1月来日!
ペーター・グートのニュー・イヤー・ガラがCDとDVDで!
J.シュトラウス1 世:
 ポルカ「アイゼレとバイゼレ=ジャンプ」 Op.202
 ラデツキー行進曲 Op.228
J.シュトラウス2 世:
 「インディゴと四十人の盗賊」−突撃ポルカ Op.348,
 インディゴ行進曲 Op.349
 皇帝円舞曲 Op.437
 ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314
ヨーゼフ・シュトラウス:
 ポルカ・シュネル「冬の喜び」 Op.121
 水彩画 Op.258
エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ・シュネル「喜んで!」
ランナー:ワルツ「ロマンティックな人々」 Op.167
スッペ:「スペードの女王」序曲
ロンビ:
 「オーギュスト・ブルノンヴィルへの挨拶」
 幻想曲「夢の絵」
 ワルツ「友人たちへの挨拶」
 ギャロップ「コペンハーゲンの蒸気機関車」
 シャンパン・ギャロップ
ペーター・グート(指)
ウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル管
録音:2010 年12 月29 日、ウィーン
DVD と同一音源です。CD ではラリオーノフの「カリンカ」が収録されておりません。DVDは映像コーナー(新譜2)をご覧くださいませ。
ペーター・グートとウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル管弦楽団 2012年1月 来日公演予定
 1 月 3日(火) 神奈川県 横浜みなとみらいホール
 1 月 6日(金) 東京都 オーチャードホール
 1 月 7日(土) 千葉県 佐倉市民音楽ホール
 1 月 8日(日) 愛知県 豊田市コンサートホール
 1 月 9日(月) 兵庫県 兵庫県立芸術文化センター
 1 月11 日(水) 東京都 サントリーホール
 1 月12 日(木) 長野県 須坂市文化会館メセナホール
 1 月14 日(土) 埼玉県 川口総合文化センター・リリア
 1 月15 日(日) 東京都 武蔵野市民文化会館

PROFIL

Shloyme
PH 12000
\2400
ユダヤのスーパー・ヒーローを描いた濃さ満点の音楽
(1)コロレンコ(詞:新訳聖書):変容歌
(2)イーディッシュ・シャコンヌ
(3)シュロイメ(全3楽章)
(4)コロレンコ:孤児の歌
(5)小ユダヤ組曲(全3曲)
(6)コロレンコ:追悼歌
チモフェーエフ・アンサンブル
 【オレグ・チモフェーエフ(7弦Guit)、
  ナターリャ・チモフェーエワ(Vc)、
  アナート・ピック(Vo)、
  ワジム・コルパコフ、
   イワン・ニコラーエフ(7弦Guit)、
  ヴァオルカン・オルホン(Cb)、
  プソイ・コロレンコ(Vo, Pf)】
DDD、64’40”

 ロストロポーヴィチ門下のチェリスト、ナターリャと息子のギタリスト、オレグのチモフェーエフ母子率いるチモフェーエフ・アンサンブル。ユダヤ系ロシア人の彼らが、想像上のユダヤの英雄シュロイメを描く音楽物語を創作、披露しています。
 シュロイメはウクライナのユダヤ村に生まれ、ポグロム(大虐殺)やロシア革命、内戦、第2次世界大戦、スターリンの収容所など、あらゆる20 世紀の災厄から生き延びたとされる人生を、プロコフィエフの「ピーターと狼」やストラヴィンスキーの「兵士の物語」のように語り付きで描きます。プソイ・コロレンコ自らが歌い演じる3篇以外は同アンサンブルの作曲で、独特の哀感と異国的な匂いはワインベルクの音楽を思わせるものがありエキゾチック。イーディッシュ語の響きも独特で、不思議なひとときを過ごせます。

PROFIL



PH 11072
(2CD)
\3400→\3090
「ドイツ人の好きなクラシック3 大名曲ライヴ」
 アイヴィン・オードラン指揮でケルンWDR 交響楽団

WDR3 お気に入りのクラシック」
  ・グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲Op.46
  ・モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調KV. 622
  ・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」
    =アンコール=
     ・ブラームス=パーロウ編:ハンガリー舞曲第5番ト短調
トルステン・ヨハンス(Cl)
アイヴィン・オードラン(指揮)
ケルンWDR 交響楽団
オードラン指揮ケルンWDR 響、ケルンWDR 3 企画制作「ドイツ人の好きなクラシック3 大名曲ライヴ」

録音:2011 年6 月2 日ヴッパータール、ヒストーリッシェ・シュタットハレ(ライヴ・デジタル)[制作:ケルンWDR]DDD、ステレオ

 ケルンにある放送局WDR 3 制作による「お気に入りのクラシック(Lieblingsstucke)」は、ドイツ最大級のリスナーをかかえる人気番組。ヨーロッパで制作されたテレビ・ラジオ・ネット番組を対象とするPrix Europa で、「2011 年度ヨーロッパ最優秀放送音楽番組」にも選ばれています。番組では「あなたの選ぶお気に入りのクラシック名曲」とのアンケートを募集したところ、3,000 件の回答が寄せられ、作品数およそ1,000 曲にも及んだ投票結果をもとに、ベストスリーの楽曲が決定!
 「新世界交響曲」、「ペール・ギュント」、「モーツァルトのクラリネット協奏曲」を、アイヴィン・オードラン指揮でケルンWDR 交響楽団が演奏したアルバムは、2011 年6 月2 日にWDR 3 の企画制作で、ヴッパータールでおこなわれたコンサートの模様をライヴ収録したものです。
 指揮を手掛けるアイヴィン・オードランは、1956 年ノルウェーに生まれ、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヨルマ・パヌラに指揮を師事した経歴の持ち主。
 民俗色の強烈な傑作「新世界より」も向いているレパートリーとおもわれますが、なによりオードランによる「ペール・ギュント」といえば、同じケルンWDR 響と進行中のグリーグの管弦楽曲全集シリーズ(AU92579、AU92651) がすでに知られるところで、祖国の大作曲家グリーグに傾ける情熱と本場の語法によるすぐれた内容が、ここでも期待できそうです。ちなみに、当ライヴでは、通常の第1 組曲に「ソルヴェイグの歌」を加えた形による演奏となっています。
 ノルトライン=ヴェストファーレン州のクレーフェルトに生まれ育ったトルステン・ヨハンスは、チェリビダッケ時代のミュンヘン・フィルで首席奏者を務めたラルフ・マンノの直弟子で、1998 年にエッセン・フィルの首席クラリネット奏者、さらに2002 年にケルンWDR 響の首席クラリネット奏者に就任しています。
 なお、それぞれのナンバーの演奏後にはすべて拍手が入ります。


PH 11071
\2400→\2190
名手ミヒャエル・ヘル〜珠玉のチェロ名曲集
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン/
ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.13-14/
サン=サーンス:アレグロ・アパッシオナート Op.43/
同:白鳥 Op.91/マスネ:タイスの瞑想曲/
ドヴォルザーク:ロンド/フォーレ:夢のあとに/
クライスラー:愛のよろこび/同:愛の悲しみ/
ブラームス:湖上で Op.59-2/
エルガー:エニグマ変奏曲 Op.36 より/エルガー:愛の挨拶/
フォーレ:ロマンス イ長調 Op.69/
同:3 つの無言歌 Op.17-3/同:子守歌/
ブラームス:調べのように私を通り抜ける Op.105-1/
同:野の寂しさ Op.86-2/同:子守歌 Op.49-4/
ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第2番よりワルツ/
J.S.バッハ:G線上のアリア/同:アリオーソ
ミヒャエル・ヘル(チェロ)
ミカエラ・ゲリウス(ピアノ)
なんという技巧の持ち主!ウィーン・フィル弦楽五重奏団のチェリスト、名手ミヒャエル・ヘルがツィゴイネルワイゼンなどの珠玉の名曲をチェロで演奏!

録音:2011 年4 月、フランツ・リスト・センタ/DDD

 名手チェリスト、ヘルによるクラシックの珠玉の名曲集!
 ミヒャエル・ヘルは音楽家の両親のもとにウィーンで生まれ、7 歳でチェロを弾き始めその才能をすぐに開花させました。その後オーケストラでの演奏に非常に興味をもち、わずか16 歳でウィーンフィルのメンバーとして演奏した経験をもちます。23 歳の時にはミュンヘンフィルの首席チェリストとしてオーケストラの団員として演奏してきましたが、この間もソロやウィーンフィル弦楽五重奏団のメンバーとしても活動してきました。
 まず、ヘルの演奏技術に驚かれます。なんとヴァイオリンの名曲、ツィゴイネルワイゼンをチェロで演奏。ヴァイオリンでも難しい重音の連続やピチカート奏法も完璧なまでに弾いております。ただ技巧ばかりが目立つわけではなく、サン=サーンスの白鳥、ラフナニノフのヴォカリーズなど、雄弁に歌い上げるヘルの演奏には感動を覚えずにはいられません。伴奏のミカエラ・ゲリウスとは音楽のパートナーとして長年共演してきただけにまさに一糸乱れぬ呼吸のあったアンサンブルを奏でております。

Beethoven & Furtwangler: Violin Sonata No. 1
PH 11048
\2400→¥1790
実力派美人デュオによる
 フルトヴェングラー作品集第2弾

(1)フルトヴェングラー:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調
ゾフィー・モーザー(ヴァイオリン)
カーチャ・フーン(ピアノ)
 遂に大作フルヴェンのヴァイオリン・ソナタの第1番も録音!実力派美人ヴァイオリニスト、ゾフィー・モーザーの完全無比な演奏

録音:(1)2010 年10 月26-28 日、(2)2011 年5 月11 日 SWR カイザースラウテルン・スタジオ/DDD

 熱烈なフルヴェン狂、1984 年生まれのヴァイオリニスト、ゾフィー・モーザーと1981 年生まれのロシア美人ピアニスト、カーチャ・フーンが遂にフルヴェン作曲のヴァイオリン・ソナタ第1 番をリリースします。第1 番は1937 年に作曲・初演され、演奏時間が55 分をこえる4 楽章構成の大作です。
 第2 番のソナタを収録した前作(PH 11023) でも言えることですが、フルヴェンの音楽をこよなく愛するモーザーとフーンが奏でる音楽には、並々ならぬ研究から自信と説得力に満ちており、この二人は可憐な見た目とは裏腹に骨太で朗々と歌い上げ、完全無比なテクニックでフルヴェンの大作を演奏しております。これだけ完成度の高い充実した演奏ですので、同曲の決定盤が登場したと申せましょう。またカップリングのベートーヴェンでは、さすがベートーヴェン国際コンクールの優勝者モーザーなだけあり、端正で非常に弾きこまれている名演を聴かせてくれます。


旧譜/第1弾
Furtwangler & Beethoven: Violin Sonatas
PH 11023
\2400→¥1790
(1)フルトヴェングラー:ヴァイオリンソナタ第2番ニ長調
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第8番ト長調 Op.30の3
ゾフィー・モーザー(Vn)
カーチャ・フーン(Pf)
 1984 年生まれのドイツ美人ヴァイオリニスト、ゾフィー・モーザー。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフに師事、2005 年にオーストリアで行われたベートーヴェン国際コンクール優勝の実力派です。1981 年生まれのロシア美人ピアニスト、カーチャ・フーンはワシーリー・ロバノフやルドルフ・ケレルに師事。
 実はこのふたりの美女、熱烈なフルヴェン狂で、その作品を頻繁に演奏するにあきたらず、ヴァイオリンソナタ第2番を録音までしてしまったとのことで、なかなか見どころがあります。
 フルトヴェングラー42 歳の作で、演奏時間43 分の大作。クーレンカンプとフルトヴェングラーによりしばしば演奏されたという自信作。フルヴェンの指揮ぶりを彷彿させる諸楽想が興味津々です。モーザーとフーンは、さすが愛奏作だけに弾きこまれていて表現も自然で説得力満点。


PH 10045
\2400
トリオ・ヴィーク
 フルート、チェロとピアノ

 (1)ヨハン・ヴィルヘルム・ヴィルムス(1772-1847):
  三重奏曲
 (2)フンメル:三重奏曲Op.78
 (3)チェルニー:協奏的幻想曲 Op.256
 (4)ベートーヴェン:三重奏曲WoO.37
トリオ・ヴィーク
 【クリスティーナ・ファスベンダー(Fl)、
  ユストゥス・グリム(Vc)、
  フロリアン・ヴィーク(Pf)】
柔らかく色彩的な響き。魅惑の組合せによる至福の75 分

[ 録音:2010 年6 月/ジーメンス・ヴィラ(ベルリン)]/DDD、75’49”

 フルート、チェロとピアノのために書かれた三重奏曲を集めた珍しいアルバム。ベートーヴェン作品は本来フルート、ファゴットとピアノのために書かれていますが、ここではチェロで演奏されています。とても色彩的な響きとなり、オーケストラを思わせる充実感に満ちています。トリオ・ヴィークはエマール門下のピアニスト、フロリアン・ヴィークとジェラール、ニコレ門下のフルーティスト、クリスティーナ・ファスベンダーによって結成された三重奏団。
 バロックから現代までをこなすドイツきっての団体です。

Boulanger Trio play Brahms, Liszt & Schoenberg
PH 11042
\2400→¥1790
ブーランジェ・トリオ
 (1)ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101
 (2)リスト(作曲者編):
   トリスティア(最終稿)〜オーベルマンの谷より
 (3)シェーンベルク(シュトイアーマン編):浄夜Op.4
ブーランジェ・トリオ
モデルばりの美女集団によるドイツ風辛口ピアノトリオ

[ 録音:2011 年7 月/ドイツ放送カンマーザール(ケルン)]/DDD、59’12”

 2006 年に創設されたドイツのピアノ三重奏団ブーランジェ・トリオ。美女3名から成り、珍しいレパートリーにも果敢に取り組む得難い団体となっています。
 当アルバムではブラームスの傑作を実に堂々と聴かせた後、リストとシェーンベルクの意外な珍品を披露。リストの「トリスティア」は「巡礼の年第1年」の「オーベルマンの谷」を作曲者自身がピアノ三重奏に仕立てたもので、3種あるうちの最終稿。原曲とかなり離れているのも興味津々です。シェーンベルクの愛弟子シュトイアーマンによる「浄夜」も、優れた編曲ながら録音に恵まれているとはいえないで歓迎です。

PROFIL


PH 10046
(8CD)
\12000→¥10990
「ギュンター・ヴァント / ベルリン・ドイツ交響楽団ライヴ集成〜
 ベートーヴェン、ストラヴィンスキー、チャイコフスキー、モーツァルト、ハイドン、ブルックナー、ムソルグスキー篇」
「ベートーヴェン・ワークショップ・イン・ベルリン〜
 ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」&第6番「田園」のリハーサル & 実演(ベルリン・シャウシュピールハウス)」
 [CD 1] 74’12”
  ・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」〜第1楽章リハーサル(29’12”)
  ・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」(全曲演奏)
   録音:1992 年10月26日ベルリン・シャウシュピールハウス
    [現コンツェルトハウス](ライヴ・デジタル)

 [CD 2] 75’27”
  ・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」〜第1、第2、第4楽章のリハーサル(41’09”)
  ・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」(全曲演奏)
   録音:1992 年11月2日ベルリン・シャウシュピールハウス(ライヴ・デジタル)

 [CD 3] 79’59”
  ・ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」
  ・ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」
   録音:1994 年11月1 & 2日ベルリン・シャウシュピールハウス(ライヴ・デジタル)
   収録:ベルリンRIAS、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア


 [CD 4] 73’37”
  「1987 年4月5 & 6日ベルリン、フィルハーモニーにおけるコンサート」
   ・ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1945 年版)
   ・チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
    録音:1987年4月5 & 6日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
    収録:ベルリンRIAS、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア


 [CD 5] 70’31”
  「1988 年9月18日ベルリン、フィルハーモニーにおけるコンサート」
   ・モーツァルト:交響曲第40番ト短調KV 550
   ・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」
    録音:1988年9月18日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
    収録:ベルリンRIAS、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア


 [CD 6] 73’57”
  ・ブルックナー:交響曲第6番イ長調( 原典版)
   録音:1995年4月30日、5月1日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
  ・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1884/90年ハース版)〜第1 楽章


 [CD 7] 72’25”
  ・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1884/90年ハース版)〜第2 楽章 / 第3 楽章 / 第4 楽章
   録音:1994年5月14、15、16日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
   収録:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア


 [CD 8] 65’35”
  ・ハイドン:交響曲第76番変ホ長調Hob.I-76
   録音:1995年4月30日、5月1日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
  ・モーツァルト:セレナード第6 番ニ長調KV 239「セレナータ・ノットゥルナ」
   録音:1995年2月19日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
  ・ムソルグスキー=ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」
   録音:1995年2月19日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ・デジタル)
   収録:ドイチュラントラジオ・クルトゥーア(ハイドン)、
    rbb ベルリン・ブランデンブルク放送(モーツァルト&ムソルグスキー)
ギュンター・ヴァント(指揮) 
ベルリン・ドイツ交響楽団
ヴァント生誕100 年記念超大型企画!「ヴァント&ベルリン・ドイツ交響楽団−ライヴ集成ボックス」第2弾。チャイコフスキー、ムソルグスキー他いっそう内容をパワーアップした正規初出音源を多数収録!日本大幅先行リリース!

ステレオ

 Profil の社主ギュンター・ヘンスラー氏が、故アニタ夫人と御子息の全面協力を得て、推し進める看板プロジェクト「ギュンター・ヴァント・エディション」。
 ミュンヘン・フィルとならんで、巨匠ヴァントが客演を重ねたもうひとつの手兵ベルリン・ドイツ響との最晩年のライヴをまとめた第1 集(PH09068)の大成功を受けて、ヴァント生誕100 年&歿後10 年のダブル・アニヴァーサリーを迎える2012 年、弊社キングインターナショナルの提案で続篇がリリースの運びとなりました。
 前回に引き続きブルックナー、ベートーヴェンといった不動のドイツものに加えて、熱心なファンのあいだでCD 化の要望の強かったムソルグスキーの「展覧会の絵」、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲やチャイコフスキーの交響曲も加わり、内容的にさらなる充実ぶりをみせています。
 さらに、ベートーヴェンの「運命」と「田園」は1992 年、1994 年と時期の異なる2 種ずつの演奏に加え、1992 年分については貴重なリハーサル風景までも収めるという徹底したこだわりのつくり。
 このたびも正規マスター使用により録音状態もきわめて優秀で、ベルリンRIAS、ドイチュラントラジオ・クルトゥーア、ベルリン・ブランデンブルク放送(rbb) 当時の自由ベルリン放送(SFB) が全面協力。
 ヴァントの芸風の真髄である、厳しく引き締まった造形美に打ち抜かれた巨匠不滅のドキュメントは、すべてが襟を正して向き合うに足りうるもので、本物の手ごたえをあらためて実感されるにちがいありません。
 なお、日本国内大幅先行リリースで、分売の予定は未定となっております。

RADIO FRANCE


FRF 013
(6CD)
\2500
Notes du traducteur vol.1〜演奏家のノートvol.1〜
 ピアニスト・カッサール編

  [CD1] 楽興の時op.94 D.780より
  [CD2] ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 op.53 D.850より第1,2楽章
  [CD3] 即興曲集 op.142 D.935より第1番、第4番
  [CD4]「白鳥の歌」D957 よりアトラス、彼女の絵姿、海辺で、影法師
  [CD5] ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 op.19 D.958より第1,2楽章
  [CD6] ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D.960
フィリップ・カッサール(Pf)
貴重な音源を用いながら、カッサールがとことんシューベルトについて語るラジオ番組の興味深いセットCD 化。

録音:2008 〜2011 年、ラジオ・フランス・スタジオ(フランス)

 ラジオ・フランスで放送されていたカッサール司会のシューベルト紹介の番組の選りすぐり6 枚組CD の登場です。ラ・フォル・ジュルネに来日以来、日本でも人気急上昇中のフランス人ピアニスト、フィリップ・カッサール。近年は独自解釈によるドビュッシーの演奏で注目を浴びているカッサールですが、シューベルトもまた彼の得意とするレパートリーの1 つです。フランスでシューベルトについてのエッセイを出版するほど、この作曲家に熱意を持って向き合ってきました。シューベルトの特定のピアノ作品をテーマに掲げ、その作品のW. ケンプ、バドゥラ・スコダらの演奏の音源を流しながら、演奏の合間や途中でカッサールが語りの解説を入れる(フランス語)という趣向のラジオ番組で、2008 年~2011 年の間に放送されました。また、テーマとなっているピアノ作品を理解する上で重要な他ジャンルの作品(ディースカウ歌唱、リヒテルのピアノによる「ブルックの丘で」など)もあわせて紹介されていて、貴重な音源を垣間見(垣間聴き)ながら、シューベルトの世界を堪能できる興味深いセットとなっています。

RFP

機動力と反応のよさ、フレキシビリティに定評のある名門オーケストラ、ロイヤル・フランダース・フィルの自主レーベルの取扱を開始します。
2011年より首席指揮者を務めるのはエド・デ・ワールト 。彼のタイトルを中心に、リリースをしていきます。
Strauss, R: Eine Alpensinfonie, Op. 64
RFP 001
\2400→\2190
名匠、デ・ワールトによるアルプス交響曲!
 R.シュトラウス:アルプス交響曲 op.64
エド・デ・ワールト(指揮)
ロイヤル・フランダース・フィル
録音:2010 年5 月14,15 日/52:01

 オーケストラ・ビルダーとして揺るぎない評価を得ているデ・ワールトが、機動力に富んだロイヤル・フランダース・フィルを指揮する。しかも演目はR. シュトラウス。これがよくないはずがない!管楽器が活躍する場面での巧みなバランス采配、日の出での爆発的かつ輝かしい描写は見事。滝の場面でのキラキラとした水しぶき、雷雨と嵐の場面の激しさ、最後の結末まで一息に聴かせます。デ・ワールドとオーケストラの腕の確かさと相性のよさを実感できる1 枚です!
Concertos for Orchestra
RFP 002
\2400
ジェフ・マース(1905-1996):協奏的序曲(1961年)
アルテュール・ミュールマンス(1884-1966):
 オーケストラのための協奏曲第1番(1953年)
ノルベール・ルソー:
 オーケストラのための協奏曲第1番op.37より第3楽章スケルツォ
  (1947年)
アルテュール・ミュールマンス:
 オーケストラのための協奏曲第2番(1956-7年)
マーティン・ブラビンス(指揮)
ロイヤル・フランダース・フィル
録音:2011 年2 月10-12 日、アントワープ/49:09

 マーティン・ブラビンスは、2009 年9 月からロイヤル・フランダース・フィルの首席客演指揮者を務めています。イギリスとロシアで研鑽をつみ、ムーシンにも師事していたというだけあって、音楽を堅実に響かせるところが魅力のひとつ。ここに収められているのは、協奏曲的な作品群。オーケストラの楽器間の信頼感、それをまとめる指揮者の力量が問われる難曲ばかりですが、丁々発止のアンサンブルは圧巻です。
Wim Henderickx: Tejas and other orchestral works
RFP 003
\2400
ヴィム・ヘンデリクス(b.1962):作品集
 Tejas (宇宙の音はどのように見えるのだろうか?) (2009)
 Skriet (1993)
 Le visioni di paura (1990)
 ヴァリアシオン (1988)
マーティン・ブラビンス(指揮)
ロイヤル・フランダース・フィル
録音:2010 年6 月23-25 日、アントワープ、クイーン・エリザベスホール/67:34

 1962 年ベルギー生まれの作曲家、ウィム・ヘンデリクス。もともとは打楽器奏者としてキャリアをスタートしており、ダルムシュタット音楽祭でも演奏していました。刻々と変わる色彩感と力強い表現に満ちた魅力的な作風で、ヨーロッパを中心に数々の賞を受賞しています。ここに収められている作品のうち、Tejas はオーケストランに捧げられたものというだけあって、気合いが感じられます。他の作品を合わせて聴くことにより、ヘンデリクスの作風を俯瞰することができると同時にオーケストラの巧さを様々な角度から実感できる、興味深い一枚です。

SDG


SDG 706
\2400→¥2190
ガーディナー、満を持しての2 度目の「ドイツ・レクイエム」
シュッツ:
 (1)ダヴィデの詩篇集より第8曲
  「あなたの住まいはいかに麗しいことか」SWV 29
 (2)ガイストリッヒェ・コアムジークより第23曲
  「今からのち主にあって死ぬものは幸いである」SWV 391
ブラームス:
 (3)ドイツ・レクイエム
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
キャサリン・フーグ(ソプラノ)
マシュー・ブロック(バリトン)
モンテヴェルディ合唱団、
オルケストル・レヴォリューショネル・
 エ・ロマンティーク
録音(ライヴ):(1)(2)2007 年10 月28 日(ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ロンドン))、11 月18 日(サレ・プレイエル(パリ))(3)2008 年8 月19 日、Usher Hall(エディンバラ)

 ガーディナー、満を持してのドイツ・レクイエム再録音の登場。
 1990 年に録音された盤も名演として名高いですが、実に約20 年の時を経ての再録音であり、これまでにもブラームスの交響曲などを共に幾度も手がけてきた手兵オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティークの練り上げられた音色と、同じく兵ぞろいのモンテヴェルディ合唱団による見事な合唱が織り成す世界は絶品。第4 曲の「いかに愛すべきかな、なんじのいますところは、万軍の主よ」の優しい出だしとその後の流れる音楽に涙し、第6 曲目の「われらここには、とこしえの地なくして」の激しい管楽器も合唱も、技術の素晴らしさにあらためて驚かされる出来栄えとなっています。
 このドイツ・レクイエムは、ブラームス個人のゆるぎない宗教観を反映しているといわれます。ブラームス自身ルター派の洗礼を受けており、ルター派の聖書のテキストをしていること、また、「キリスト」という言葉や「復活」にまつわる部分がないこと、そして、死者の鎮魂のためというよりも、今を生きている者への慰めとしてのレクイエムであることなどがその理由です。
 ここに収録されているシュッツの作品は、テキストの選択やテキストへの音楽のつけ方などにドイツ・レクイエムとの類似がみられ、いかにブラームスがシュッツをよく研究していたか、がわかる内容となっています。
 ブラームスの個人的な宗教観を色濃く反映したロマン派の大作であり、同時にシュッツの音楽を思わせる部分など古の部分も併せ持つこの作品を、ガーディナーが二度目の録音でどのように響かせるか、注目の1 枚です。



 2008年ウィーンに行ったときに感動的なドイツ・レクイエムを聴かせてくれたガーディナー。その研ぎ澄まされた、しかしスケールの大きな演奏に、ガーディナーのまだまだ進化している音楽を感じ取ったが、それがそのままSDGの録音に直結。ここで収録されているのはエディンバラでの公演だが、ウィーン以上のすばらしいライヴだったに違いない。


旧譜
ガーディナー/ブラームス:交響曲全集

SDG 702
\2400→¥2190
ガーディナー〜ブラームス:交響曲第 1番
ブラームス:埋葬の歌Op.13
メンデルスゾーン:われら、人生のただ中にありてOp.23-3
ブラームス:運命の歌Op.54
ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ジョン・エリオット・ガーディナー(指)
モンテヴェルディ合唱団,
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
 なるほどー、そうきたか。いきなり始まった。ガーディナーのブラームス・プロジェクト。
 そのコンセプトは、あの演奏会のときのまま。
 ブラームスの顧みられない合唱音楽と、ブラームスが賞賛したシュッツやJ.S.バッハの作品や、そしてブラームスにとっての同時代の英雄たちメンデルスゾーンやシューベルト、シューマンの作品を一緒に演奏することで、ブラームスをあらたな視点から探る・・・というもの。ウィーンでのコンサートでも前半はずっと古今東西の声楽小品が取り混ぜられて演奏されていた。ガーディナー、ずっとそうした試みを繰り返していたのである。
 そうして、今回登場するのは交響曲第1番。
 そして取り巻くのは見てのとおりの楽曲。なんとも面白い取り合わせ。ひとつの充実したコンサートを体験するような気持ちで聴いてみたい。

 ということで聴きました。第1楽章、かなり変です。ポルタメントかけまくりで綿菓子みたいになってて、かなり変です。面白いと言う人もいるでしょうし、なんじゃこりゃ、という人もいるでしょう。でも興味深いです。普通の演奏じゃありません。
録音:2007年秋ロンドン、パリ(ライヴ)

SDG 703
\2400→¥2190
ガーディナー〜ブラームス:交響曲第 2番
ブラームス:アルト・ラプソディop.53
シューベルト:水の上の精霊の歌D714
シューベルト:タルタロスの群れD583
シューベルト:御者クロノスにD369
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
ガーディナー(指揮)、
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
モンテヴェルディ合唱団
ナタリー・シュトゥッツマン(アルト)
録音:2007年10月、11月/サレ・プレイエル(ライブ)
 ガーディナー率いるSDGレーベルのブラームス交響曲シリーズ第2弾は、交響曲第2番。
 カップリングにはシュトゥッツマンによるアルト・ラプソディほか、という魅力的なプログラム。
 ガーディナー自身、ブラームス交響曲全曲プロジェクトに際し、それぞれどのようなプログラムを組むべきか悩んだとのことですが、この第2番とブラームスの声楽作品、さらに、ブラームスの同時代や少し前の時代に生きた作曲家の声楽作品を組み合わせることにより、ブラームスの第2番に息づく声楽的要素をより鮮やかに浮かび上がらせることができたといいます。
 冒頭のアルト・ラプソディは、最近声に柔らかさが加わり魅力を増したシュトゥッツマンが、旅人の絶望から希望までを真摯に歌い描きます。聴者は彼女の歌声により、交響曲世界への心の準備ができるのです。
 メインの交響曲では、冒頭のホルンの、オリジナル楽器独特の伸びる響きとあたたかさが、私たちの五感と心をやわらかくほぐしてくれます。最終楽章では、ガーディナーの指揮のもと、古典派の形式とロマン派的愛が至上のバランスで共存。終結部では管楽器の音色も見事、輝きを放ち勝利のうちに曲をとじます。

SDG 704
\2400→¥2190
ガーディナー〜ブラームス:交響曲第 3番
ブラームス:
 ①私は角笛を苦しみの谷(現世)で鳴らす〜
  「5つのリート」op.41より第1曲(1861)
 ②ハープは鳴り響く〜
  「2つのホルンとハープの伴奏による
   女声合唱のための4つの歌」より第1曲(1860)
 ③夜警「静かな胸の音」〜
   5つの歌op.104より第1曲(1888)
 ④もの憂い恋のうらみ〜
  13のカノンop.113より第13曲(1891)
 ⑤運命の女神の歌op.89 (1882)
 ⑥交響曲第3番 ヘ長調 op.90
 ⑦悲歌op.82(1881)
ガーディナー(指)
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
録音:2007年11月16日サレ・プレイエル(ライヴ) 2008年10月4, 5, 8日ロイヤル・フェスティヴァルホール(ライヴ)
 第1番ではあっと驚くヘンテコリン演奏を聴かせてくれたガーディナーによるブラームス交響曲シリーズ、第3弾。
 第3番交響曲は冒頭から管の音色がきわめて印象的に響きます。続くかけあいも、楽器間の呼吸の交わされ方が実に濃密にして緻密。第3楽章の有名な旋律では、フレーズのひとつひとつに細かな彫琢が施され、どのパートのどの音にも神経が通っており、思わず息をのむ感動的な美しさです。
 合唱曲では、世界最高峰の合唱団、モンテヴェルディ合唱団の魅力を余すところなく味わうことができます。勝利の女神の歌では、ホルンによる狩の主題が聴かれ、オーケストラの面々のうまさを再認識できます。

SDG 705
\2400→¥2190
ガーディナー〜ブラームス:交響曲第 4 番
 (1)ベートーヴェン:「コリオラン」序曲 op.62
 (2)ガブリエリ:サンクトゥス、ベネディクトゥス(12 声)
 (3)シュッツ:「サウル、サウル、なぜ私を迫害するのか」SWV 415
 (4) J.S. バッハ:
  合唱「私の目は常に主に注がれています」「主は私の足を」~カンタータ
  『主よ、われは汝を求む』BWV 150 より
 (5)ブラームス:宗教的歌曲「惜しみなく与えよ」op.30(合唱)
 (6)ブラームス:混声 8 部合唱曲「祭典と記念の格言」op.109
 (7)ブラームス:交響曲第 4 番 ホ短調 op.98
モンテヴェルディ合唱団
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
録音:2008 年 10 月 5-8 日(ロイヤル・フェスティヴァル・ホール/ライヴ)
 SDG レーベルのガーディナーによるブラームス交響曲シリーズの完結編の登場。不思議な構成でいつも独特の世界に連れ去られる、録音史上最も異例のブラームス交響曲全集・・・いや、おそらく「交響曲全集」と言ってはいけないのだろう・・・。交響曲4曲も入った、ブラームスの作品を中心とした有機的アルバム集・・・とでも呼ぼうか。
 ということで今回も、交響曲第 4 番と、この作品をブラームスが書くにあたって特に大きな影響を受けた作品という、思慮に富んだカップリング。
 今回のメイン・プログラムである第 4 番交響曲は、バロック音楽の影響を濃厚に受けています。終楽章は、バッハのカンタータ 150 番の合唱曲「私の目は常に主に注がれています」の直接的な影響がみられ、また、ベートーヴェンのコリオラン序曲に負っている部分も大きいのです。このことについては、ガーディナーがブックレットでディスクの分数を示唆しながら詳しく語っています。
 また、ブラームスは、ガブリエリやシュッツの作品の指揮をするのが好きだったということは意外と知られていない事実。そんな彼らの作品の影響を、ブラームスの宗教的歌曲に聴くことができます。
 それぞれの曲の演奏が素晴らしいことは言うまでもありませんが、すべてのプログラムが有機的意味合いをもっているため、ブラームスの魅力、それぞれの作品の魅力が互いに高められており、この 1 枚は何倍もの価値をもったものとなっています。

SIMAX


PSC 1275
\2500
グスタフ・メルケル:オルガン作品集第3集
 (1)ソナタ第4番ヘ短調Op.115/(2)後奏曲Op.44 の3/
 (3)コラール「ただ愛する神の摂理にまかす者」
  による10 のフィギュレーションOp.116/
 (4)ソナタ第5番ニ短調Op.118/(5)幻想曲ニ短調Op.176/
 (6)ソナタ第6番ホ短調Op.137
ハルゲイル・シアーゲル(Org)
ロマン派オルガン音楽の秘宝、メルケルの感動的第3、4弾

[ 聖マリア教会のカール・アウグスト・ブフホルツ・オルガン (1821/1896 年)]
[ 録音 2006 年5 月19 日-21 日 聖マリア教会 ( バルト、ドイツ)]/DDD、76’56”

PSC 1320
\2500
グスタフ・メルケル:オルガン作品集第4集
 (1)ソナタ第7番イ短調Op.140
 (2)自由な様式のアダージョOp.35
 (3)協奏曲の楽章 変ホ長調Op.141
 (4)ソナタ第8番ロ短調Op.178
 (5)クリスマス行進曲Op.145の6
 (6)フーガ ハ短調Op.124の12
 (7)ソナタ第9番ハ短調Op.183
ハルゲイル・シアーゲル (Org)
[ 聖ヤコブ教会のフリートリヒ・ラーデガスト・オルガン (1872 年)]
[ 録音 2006 年6 月21 日-23 日 市立聖ヤコブ教会 ( ケーテン、ドイツ)]/DDD、76’42”

 ドレスデンとライプツィヒを中心とする中部ドイツのオルガン音楽の伝統を支えたひとり、グスタフ・メルケル(1827-1885) の作品を4 枚のディスクで紹介するシリーズ。
 メルケルの解釈に関する博士論文を完成させたノルウェーのオルガニスト、ハルゲイル・シアーゲル(1955-) がドレスデン大聖堂をはじめとするドイツのオルガンを弾いた、2009 年リリースの第1 集 (PSC1273) と第2 集 (PSC1274) は、20 世紀以後ほとんど忘れられてしまっていたメルケルの音楽を新たな聴き手に伝える最良の演奏として高い評価を受けています。
 シリーズを完結させる2 枚。第3 集は、第4 番、第5 番、第6 番のソナタ、メルケルのオルガン曲でもっとも演奏されることの多いニ短調の幻想曲など6 曲。第4 集には、最後のソナタ3 曲とともに、ダイナミクスの大きな変化をつける即興的な《自由な様式のアダージョ》、協奏曲とソナタの性格を組み合わせることを試みた《協奏曲の楽章》、キャロル《神の御子は今宵しも》のメロディで曲を閉じる〈クリスマス行進曲〉が選曲されています。第3 集、バルト市の聖マリア教会のカール・アウグスト・ブフホルツ・オルガン、第4 集、ケーテン市の聖ヤコブ教会に1872 年に建立されたフリートリヒ・ラーデガスト・オルガン。メルケルの音楽にふさわしい、深く美しい音色のオルガンが選ばれています。

SISYPHE

〜新規レーベル〜 
SISYPHEはフランス、パリの新興レーベル。古楽から現代音楽まで幅広いレパートリーにわたるピアノ作品を中心に扱っており、多くの名ピアニストを積極的に発信しているレーベルです。


ブラームス/ベートーヴェン/ショパン:ピアノ作品集(バルダ)
SISYPHE 018
\2200→\1990

フランスの巨匠アンリ・バルダによる圧巻の熱演!
 2008年紀尾井ホールでのライブ録音、待望のリリース!
ブラームス:8つの小品 op.76より
 (1)第1番 奇想曲 嬰ヘ短調
 (2)第2番 奇想曲 ロ短調
 (3)第3番 間奏曲 変イ長調
 (4)第4番 間奏曲 変ロ長調
 (5)第5 番 奇想曲 嬰ハ短調
(6)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 op.101
ショパン:
 (7)舟歌 嬰ヘ長調 op.60
 (8)バラード第1番 ト短調 op.23
 (9)バラード第2番 ヘ長調 op.38
 (10)バラード第3番 変イ長調 op.47
 (11)バラード第4番 ヘ短調 op.52
アンリ・バルダ(Pf)
録音:2008 年12 月18 日、紀尾井ホールライブ(東京)

 フランスが誇る往年の名ピアニスト、アンリ・バルダ。
 これまでに数多く来日し、日本においても知る人ぞ知る巨匠として高い評価を受けています。2008年、2010 年と東京の紀尾井ホールでリサイタルを行い、話題となったバルダですが、今回は2008 年12 月に行ったライブ録音を収録。公演前から話題を呼んでいた名演、待望のリリースです!
 1 曲目のブラームスから、バルダの持ち味である力強い音と、柔軟性あふれる表現力に圧倒されます。
 1 音1 音芯の通ったフォルテッシモの強烈な響きは、往年のピアニストから生まれているとは思えぬほどの活気と迫力あふれるもの。甘美なピアニッシモからの劇的なクレッシェンドは圧巻の一言。全体的にアップテンポで、爽快な演奏を聴かせてくれます。紀尾井ホールに響き渡るバルダの熱演をじっくりと堪能できるおすすめ盤です!
 アンリ・バルダはフランス出身のピアニスト。幼少期よりポーランドの名手イグナツィ・ティーゲルマンに師事し、16 歳よりフランスの巨匠ラザール・レヴィに学び、パリ国立高等学院を首席で卒業した後、アメリカの名門ジュリアード音楽院へ留学、こちらも首席で卒業。ソリストとして世界的に活躍する傍ら、パリ・オペラ座のバレエ団ピアニストも務め、ジェローム・ロビンスからも篤い信頼を寄せられていたなど多彩な方面で活躍するピアニストです。
 日本では1981 年にN 響定期で初来日して以来各地でリサイタルを行っており、今後の来日公演にも期待されます!

SUPRAPHON



SU 4089
\2000→¥1890
ヴィオラとハープの高貴なハーモニー
(1)フォーレ:夢のあとに op.7-1
(2)サルセード:夜の歌
ラヴェル:
 (3)ヴォカリーズ—ハバネラ形式の小品
 (4)亡き王女のためのパヴァーヌ
(5)ヴュータン:パガニーニを讃えるカプリース ハ長調 op.9
クライスラー:(6)シチリアーノ (7)リゴドン
(8)マラン・マレ:昔のフランスの5つの踊り(全5曲)
(9)J.S.バッハ:
 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調より サラバンド BWV 1002
(10)パラディーズ:シチリアーナ
ドビュッシー:
 (11)そぞろな悩める心 (12)美しき夕べ (13)亜麻色の髪のおとめ
(14)ルカ−シュ:Hospenglico
(15)クライン:ララバイ
イトカ・ホスプロヴァー(Va)
カテジーナ・エングリホヴァー(Hp)
チェコが誇る麗しき名手、ホスプロヴァー&エングリホヴァーによる小品集、J.S.バッハからフォーレまで、静かな夜に響くヴィオラとハープの高貴なハーモニーにうっとり

録音:2011 年11 月17-19 日、12 月5 日 プラハ、ルドルフィヌム・スーク・ホール

 チェコ出身の麗しきデュオ、ホスプロヴァーとエングリホヴァーによる美しき曲集。J.S. バッハからフォーレやドビュッシー、さらにはクラインまで、「夜のシャンソン」というタイトルをイメージさせる静謐な美しさに満ちた作品を多数収録しています。月光のように高貴な輝きに満ちたハープの音色と、宵闇の如く仄暗い深みを持つヴィオラのふくよかな音色が織りなす艶のあるハーモニーは静かな夜に聴くのにぴったり。「亡き王女のためのパヴァーヌ」や「亜麻色の髪のおとめ」をはじめ、本アルバムには今回の収録のために編曲された作品が多く収録されておりますが、この2 つの楽器だからこそ織りなせる美しいアンサンブルは必聴!静かに心揺さぶる流麗な響きに心打たれる名盤です。
イトカ・ホスプロヴァーはチェコ出身のヴィオラ奏者。7 歳よりヴァイオリンを始め、1989 年にはプルゼニ音楽院(チェコ)へ入学。1993 年にベートーヴェン国際音楽フェスティヴァルの18 歳以下の部門で優勝。その後、若手演奏者からなるユンゲ・エステルライヒッシェ・フィルハーモニー管弦楽団にて首席ヴィオラ奏者を務め、現在はソリストとしてチェコだけでなく世界中に活動の幅を広げています。同じくチェコ出身のハープ奏者カテジナ・エングリホヴァーは数々の国際コンクールで受賞経験を持ち、世界的に注目される若手実力派。ロストロポーヴィチやJ. スークら往年の名手達と数多く共演し、現代音楽演奏にも果敢に取り組む意欲的な演奏家です。今後さらなる活躍が期待される実力派二人による注目のアルバムといえましょう。

SUPRAPHON


Sofia Gubaidulina: Complete String Quartets
SU 4078
\2000→\1890
シュターミッツSQによる
 グバイドゥーリナ弦楽四重奏曲全集
グバイドゥーリナ:
 (1)弦楽四重奏曲第1番(1971)
 (2)同第2番(1987)
 (3)同第3番(1987)
 (4)同第4番(1993)
 (5)BACH主題による反映(2002)
シュターミッツSQ
弦楽四重奏も凄かった。グバイドゥーリナのキテレツな世界

【録音:2011 年6、8 月/チェコ放送マルティネク・スタジオ(プラハ)】/DDD、67’36”

 日本でもおなじみの旧ソ連出身作曲家ソフィヤ・グバイドゥーリナ。彼女の全弦楽四重奏曲作品を集めた好企画。いずれも単一楽章形式で、それぞれに奇抜なアイディアが盛り込まれています。第1番はバリバリのソ連時代の作ながら、奏者が演奏中に椅子を持って舞台を移動することが指示され、さらに最後の6ページは演奏者が即興するというキテレツな作。
 第2番はシベリウスSQ、第3番はアルディッティSQ の委嘱作ですが、後者はピチカートに偏執した異常な作風に驚かされます。クロノスSQ の委嘱による第4番は十二音技法、テープ付きの前衛作。そして第5番にあたる「BACH 主題による反映」は「フーガの技法」の主題をグバイドゥーリナ風に処理しています。
 いずれも聴き応え満点。1985 年結成のシュターミッツSQ が余裕の演奏を聴かせてくれます。

Foerster: The Complete Piano Trios
SU 4079
\2000→\1890
何と美しいピアノ三重奏曲か
 フェルステル:ピアノ三重奏曲全集

  (1)第1番ヘ短調 Op.8(1883)
  (2)第2番変ロ長調 Op.38(1894)
  (3)第3番イ短調 Op.105(1922)
ヤナーチェク・トリオ
【録音:2009 年10 月、2010 年4、11 月/チェコ放送マルティネク・スタジオ(プラハ)】/DDD、75’ 57”

 ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951) はドイツで活躍したチェコの作曲家。マーラーの支持者でしたが、作風はドヴォルザークを思わすロマンティックなもので、チェコ風の美しいメロディにあふれています。
 作品数は多いものの、あまり録音に恵まれていないので、大歓迎のアルバムと申せましょう。
 2001 年結成のヤナーチェク・トリオは名の通りヤナーチェクのスペシャリスト。フェルステルでも、さすがお国ものの巧さを見せています。

SUPRAPHON

Ruzickova: Hommage A Zuzana Ruzickova
SU 4117
(2CD)
\3400→\3090
「ズザナ・ルージイチコヴァーに捧ぐ」
 ルージイチコヴァー生誕85周年企画アルバム
 [CD 1]
  ・J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV.903
   録音:1990 年9月15 & 28日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ(セッション)
  ・J. S.バッハ:フランス組曲第5 番ト長調BWV.816
   録音:1990 年9月15 & 28日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ(セッション)
  ・J. S.バッハ:
   クラヴィーア独奏のための協奏曲第9番ト長調BWV.980〜
    ヴィヴァルディのOp.4-1, RV 381による
     録音:1991 年9月16 − 19日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ(セッション)
  ・D.スカルラッティ:ソナタ集 (9曲)
   ソナタ ヘ短調(K 519, L 475)/ ソナタ ヘ短調(K 19, L 383)/
   ソナタ ニ長調(K 278, L S15)/ ソナタ ト長調(K 375, L 389)/
   ソナタ ト短調(K 8, L 488)/ ソナタ 変ロ長調(K 70, L 50)/
   ソナタ ニ短調(K 1, L 366)/ ソナタ ト長調(K 63, L 84)/
   ソナタ ハ長調(K 406, L 5)/ ソナタ ハ短調(K 11, L 352)
    録音:1976年9月10 − 17日プラハ、ルドルフィヌム(セッション)
 [CD 2]
  ・ファリャ:
   チェンバロ、フルート、オーボエ、クラリネット、
    ヴァイオリンとチェロのための協奏曲
     フランティシェク・チェフ(Fl) 、ヤロスラフ・フヴァピル(Ob) 、
     カレル・ドロウヒー(Cl) 、ルボミール・ノヴォサド(Vn) 、
     カレル・ヴィク( Vc)、フランティシェク・ヴァイナル(リーダー)
      録音:1978年2月23−24日プラハ、ルドルフィヌム(セッション)
  ・ヴィクトル・カラビス(1923 − 2006):
   チェンバロのための6つのカノン風インヴェンションOp.20
   録音:1976年7月19−20日プラハ、ジシュコフ・ナショナル・ハウス
    (セッション)
  ・プーランク:クラヴサンと管弦楽のための「田園のコンセール」
    クルト・ザンデルリング(指揮) チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
     録音:1967年6月5 − 6日プラハ、ルドルフィヌム(セッション)
  ・ヤン・リフリーク(1916 − 1964):チェンバリストたちへのオマージュ
    録音:1967年11月27日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ(セッション)
  ・マルチヌー:チェンバロと小管弦楽のための協奏曲H. 246
   ヴァーツラフ・ノイマン(指揮) 室内フィルハーモニー管弦楽団
    録音:1987年9月23日プラハ、ルドルフィヌム(セッション)
ズザナ・ルージイチコヴァー(Cem)
バッハからマルチヌー、プーランクそして夫君カラビスまでルージイチコヴァー生誕85周年企画アルバム

ステレオ/156’30”

 チェコの誇るチェンバロ奏者ズザナ・ルージイチコヴァーが、2012 年に85 歳の誕生日を迎えることを記念した企画盤。
 1927 年、西ボヘミア地方のプルゼニュに生まれたルージイチコヴァーは、その並み外れた個性を讃えた批評家から「チェンバロのファースト・レディ」とも称された20 世紀を代表するチェンバロ奏者で、チェンバロをひとつの独立したコンサート楽器として認知させることに尽力した「草分け」ランドフスカのあとを引き継ぎました。
 このたびSUPRAPHON が保有する数多の音源から編まれたCD2 枚組は、J.S. バッハやスカルラッティといった王道作品はもとより、好んで取り上げたマルチヌーの協奏曲をはじめとして、パスクィーニ、セイシャス、カベソン、大クープランらに捧ぐチェンバロ組曲というスタイルで書かれたリフリーク、そして半世紀以上に亘り連れ添った夫君カラビスと、同時代の作曲家たちの作品にもすぐれた腕前を示したルージイチコヴァーの姿がうかがえるつくりも特徴となっています。

SUPRAPHON

Czech Opera Rarities
SU 4074
\1700
チェコの偉大なバリトン、クスニエルが歌う
 チェコのマイナー・オペラのアリア集
ミスリヴェチェク:「アブラーモとイザーコ(アブラハムとイサク)」/
ズヴォナルシェ:「ザボイ」/ スクヘルスキ:「ローラ」/
シェボル:「モラヴィアの寺」/
スメタナ:「ボヘミアのブランデンブルク人」/
ドヴォルザーク:「ヴァンダ」/ ロツコスニ:「迅速な聖ヨハネ」/
ベンドル:「レイラ」/ ナープラヴニーク:「ドゥブロフスキ」/
フェルステル:「ジェシカ」/ オストルチル:「ヴラスタの死」/
フィビヒ:「ヘディ」/ パウエル:「ズザナ・ヴォイージョヴァー」/
ノヴァーク:「カルルシュテイン」  からのアリア、場面
イヴァン・クスニエル(Br)
リボール・ペシェク(指)
プラハ放送交響楽団
イヴァン・パジーク(指)
プラハ・シンフォニエッタ
ヨゼフ・チャロウプカ(指)
プラハ・スメタナ劇場管弦楽団
イヴァン・パジーク(指)
プラハ国立劇場管弦楽団 ほか
チェコ音楽マニア必聴!!

録音:1981-1991 年/76'12

 歌手、収録曲とも、ボヘミア音楽マニアにはたまらないCD です。イヴァン・クスニエルは1951 年生まれのチェコの偉大なバリトン。1977 年からブルノ歌劇場に所属、1982 年にプラハ国立歌劇場に転じ、長らくこの劇場の中心歌手として活躍しました。そのクスニエルが、ボヘミア、チェコの作曲家の非常に珍しいオペラのアリアや場面を歌った録音をまとめたCD です。
 ドヴォルザークの「ヴァンダ」、スメタナの「ボヘミアのブランデンブルク人」、ミスリヴェチェクの「アブラーモとイザーコ」などは、それぞれの作曲家の中でも知名度は低い作品です。いわんやそれ以外は、作曲家の知名度も低ければその作品はほとんど知られていない、どれも非常に貴重なものばかり。そうした極めて珍しい曲も、クスニエルの気品のある歌にかかればいずれも聞き応えがあります。
 1983 年にペシェクとプラハ放送交響楽団の伴奏でPANTON に録音した9 曲を中心に、放送音源なども使用。SUPRAPHON でなければできない企画です。

TRANSART

Tribute to Dinu Lipatti
TR 170
(2CD)
特別価格
\4200→¥3890
巨匠スコダがリパッティの思い出に捧げた一夜の演奏会の記録
〜ディヌ・リパッティに捧ぐ〜
 [CD1]
  J.S.バッハ:パルティータ 変ロ長調 BWV 825
  W.A.モーツァルト:ピアノ・ソナタ イ短調 KV310
  シューベルト:
   即興曲 変ト長調 op.90-3(D899)、即興曲 変ホ長調 op.90-2(D899)
 [CD2]
  ショパン:
   ワルツ イ短調 op.34-2、ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2、
   ワルツ 変ニ長調 op.64-1(子犬のワルツ)/
   ノクターン嬰ハ短調 op.27-1、変ニ長調 op.27-2/
   マズルカ ハ短調 op.30、ロ短調/バラード 第3番 変イ長調op.47/
   ノクターン 遺作 嬰ハ短調
  シューベルト:2 つのワルツ op.18-7、8(D145)
パウル=バドゥラ・スコダ(ピアノ)
録音:2010 年9 月16 日(ライヴ、ブザンソン国際音楽祭)

 天才リパッティが亡くなる2 ヶ月前にブザンソンで開催したリサイタル(いわゆる「告別リサイタル」)と同じ曲目を組み込んで、巨匠スコダがリパッティの思い出に捧げた一夜の演奏会の記録。

 「比類なき精確さのテクニックのみならず、このうえない繊細さ、ショパンへの敬意と愛情に満ちた演奏をするピアニストを私はその時に初めて発見した。それ以来、私はリパッティのファンとなった。(中略)リパッティの告別演奏会のレコーディングを聴くたび、私の心は彼に対する憧憬と悲しみの入り混じった感情でいっぱいになる。巨匠であり、ミスなく、めまいがするほどに美しく、そして、敢えて言うが、最期を間近に控えた人間が成し得る「純粋」芸である。ブザンソン音楽祭で、この素晴らしき才能に溢れた音楽家の追悼演奏会で演奏する機会を得たことに感謝する。」

 スコダは実際にリパッティの演奏をライヴで聴いたことがありましたが(告別演奏会ではない)、あまりに素晴らしく、また、既に病に冒されていたことが誰の目にも明らかで、コンサート後に近寄ることもできなかった、と語っています。
 夭逝の天才、リパッティの思い出に捧げる巨匠の演奏会、胸に沁みる秀演が展開されています。
バドゥラ=スコダ来日情報
 2012 年3 月3 日(土) 神奈川・よこすか芸術劇場 15:00開演
 横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ29 パウル・バドゥラ= スコダ(ピアノ)
  演目:J.S.バッハ: パルティータ第1番、シューベルト: 4つの即興曲集D.899-3・2 ほか

TR 171
\2200→¥1990
エル=バシャ
 フランスを中心に活躍する名手によるショパン!
ショパン:室内楽作品集
 (1)チェロ・ソナタ ト短調 op.65
 (2)ピアノ三重奏曲 ト短調 op.8
アントワーヌ・ピエルロ(Vc)
アブデル・ラーマン・エル=バシャ(Pf)
オリヴィエ・シャルリエ(Vn)
録音:2010 年7 月、ランス・フラヌリ音楽祭(ライヴ)

 いまだにフォルジュルネで弾いたショパンの音色が耳から離れない。これはエル=バシャがピアニストを務める充実のショパン室内楽作品集。最新録音である
 エル=バシャの確かなピアノが光るチェロ・ソナタは絶品です。音楽一家に生まれたチェリストのアントワーヌ・ピエルロは、2009 年のヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク賞に輝くなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍しているチェリスト。エル=バシャという大ヴェテランの胸を借りて、ショパンの名曲を詩情たっぷりに聴かせます。フランス・ヴァイオリニズムの確かな継承者、シャルリエが参加してのピアノ三重奏曲も見事。慟哭のような出だしから密度の濃い空気に圧倒させられ、終楽章も華麗に聴かせます。フランスを中心に活躍する名手たちによるショパン、オススメです!

VDE GALLO



GALLO 1354
\2100→\1990
イタリアン・クラシカル・コンソルトによる
 世界初録音を含むロッシーニの室内楽曲集
ロッシーニ:
 七重奏(2つのフルート、クラリネットと弦楽四重奏)
  [世界初録音]
 幻想曲(クラリネットとフォルテピアノ)
 “やれやれ!小さなえんどう豆よ”~
  「老年のいたずら」第5集より(フォルテピアノ)
 アンダンテと主題と変奏 ヘ長調
  (フルート、クラリネット、バスーン、ホルン)
 セビーリャの理髪師、ウィリアム・テル、タンクレディからのアリア
  (2つのクラリネット) 
 湖上の美人より(2つのフルート)
 セレナード(フルート、オーボエ、クラリネット、弦楽四重奏)
イタリアン・クラシカル・コンソルト
 [エンリコ・グロッポ(vn)、
  アブラモ・ローレ(vn)、
  クラウディオ・アンドリアーニ(va)、
  アレッサンドロ・アンドレアーニ(vc)、
  ジャンバティスタ・コロンブロ(fl)、
  ダロルサ・デルヴィーシ(fl)、
  ルイジ・マジストレッリ(cl)、
  ステファーノ・フリーニ(cl)、
  ルカ・アヴァンツィ(ob)、
  デボラウ・ヴァリーノ(bassoon)、
  ガブリエリ・ロッケティ(hr)、
  キアーラ・ニコラ(fp)]
実力派ピリオド楽器集団、イタリアン・クラシカル・コンソルトによる世界初録音を含むロッシーニの室内楽曲集

録音:2009 年12 月、2010 年1 月、4 月 イタリア、ミラノ/DDD

 クラリネット奏者、ルイジ・マジストレッリが所属するイタリアン・クラシカル・コンソルトの新譜登場。当団体はモーツァルトの弟子ジュスマイヤーのクラリネット協奏曲(GALLO 1353) を録音するなど、音楽史上有名な作曲家でも知られざる名曲を積極的に演奏・録音してきました。
 期待の本アルバムはオペラの作曲家として有名なロッシーニの室内楽曲集です。なかでも注目は世界初録音となった七重奏(2 つのフルート、クラリネット(c、cflat) と弦楽四重奏) です。いかにもロッシーニのオペラを思わせる華やかなメロディでヴァイオリン、フルートが輪唱形式になるところはソロの歌手たちがかけ合いをしているようです。
 この他セビーリャの理髪師、ウィリアム・テル、タンクレディからの場面を2 つのクラリネットで演奏しているものや、声楽小品「老年のいたずら」のフォルテピアノのソロ版などロッシーニ・ファン、室内楽ファンにはたまらない内容です。


GALLO 1355
\2100→\1990
世界初録音多数!
 女性作曲家の作品を集めたクラリネット作品集
A.M.スミス(1839-1884):
 クラリネットとピアノのためのソナタ[世界初録音]
ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):
 トラウム(クラリネット編)[世界初録音]
C.クレーマー・シュライヒャー(1794-1850):
 ソナチネ(1825)[世界初録音]
M.M.A. ボッティーニ(1802-1858):
 アダージョ(クラリネット協奏曲より) [世界初録音]
マリー・グランヴァル(1830-1907):2つの小品[世界初録音]
カミラ・デ・ロッシ:“Abramo nell’addormentarsi”[世界初録音]
オーガスタ・ホームズ(1847-1903):
 モルト・レント、幻想曲[世界初録音]
アンナ・アマリア・フォン・ザクセン・ヴァイマル:
 ディヴェルティメント[世界初録音]
サラ・フェイギン(1928-):幻想曲
ルイジ・マジストレッリ(クラリネット)
クラウディア・ブラッコ
 (ピアノ; ベーゼンドルファー、チェンバロ)
キメラ修道院アンサンブル
世界初録音多数!クラリネット・ファン、女性作曲家ファン狂喜!女性作曲家の作品を集めたクラリネット作品集

録音:2010 年8 月、サント・ステーファノ・ティチーノ/DDD

 これはクラリネット・ファン、女性作曲家ファン必聴盤です!
 あのメンデルスゾーンの姉ファニー・メンデルスゾーンなど、知られざる女性作曲家の作品ばかりを集めたアルバムが登場しました。ファニー・メンデルスゾーンはすぐれたピアニストで、管弦楽曲、室内楽曲など約400 曲を残し、弟のフェリックスにも多大な影響を与えた作曲家の一人です。この他、どの曲も女性らしいしなやかでやさしさとあたたかさを感じる曲ばかりです。
 演奏はGALLOレーベルに録音を残している実力派クラリネット奏者ルイジ・マジストレッリです。彼の卓越した演奏技術と音楽解釈が曲の素晴らしさをいっそう引き出しております。

GALLO 1343
\2100
ハープとフルートのデュオによる音楽の世界旅行
ジョゼフ・ジョンゲン:ゆるやかな踊り Op.56bis
ニーノ・ロータ:フルートとハープのためのソナタ
オネゲル:ロマンス
ラヴィ・シャンカル:L’AUBE ENCHANTEE SUR LE RAGA「TODI」
宮城道雄:春の海
ジュリアン・フランソワ・ツビンデン:序奏とスケルツォ・ワルツ
ピアソラ:タンゴの歴史
イザベル・バンディ(フルート)
ローラ・エルマコーラ(ハープ)
ピアソラ、ラヴィ・シャンカル、宮城道雄…ハープとフルートのデュオによる音楽の世界旅行

録音:2010 年/DDD

 ピアソラやニーノ・ロータからシタール奏者の神、ラヴィ・シャンカル、日本の宮城道雄、そして、ジャズ・ピアニストだったジュリアン・フランソワ・ツビンデンの作品などをスイスを中心に活躍するイザベル・バンディ(フルート)& ローラ・エルマコーラ(ハープ) のデュオが演奏した録音です。宮城道雄の「春の海」では尺八に似せた音色を見事に表現し、演奏技術の高さを証明しています。まるで音楽の世界旅行のような興味深い内容です。

WERGO


WER 6740
(4CD)
\4800
ジョン・ケージ(1912-1992):南のエチュード(全曲) ザビーネ・リープナー(ピアノ)
ジョン・ケージの「南のエチュード」全曲新録音!これを聞かずしてケージは究められない。

録音:2011 年、ドイチュラントフンク・カンマームジークザール

 音そのものに関心を持ち、音の持つ様々な魅力を作品に引き出そうとしたケージ。彼の芸術には、作曲上の実験だけでなく、社会問題や自然現象、宗教、神秘主義そしてユートピア思想など、実に様々な世界観が表現されています。環境音を素材として自由に扱い、音楽の概念を拡大して視覚的要素を導入したケージの魅力をお楽しみください。
 1974 年に発表された「南のエチュード」は、伝統的な楽器と記譜法に対するケージの興味を示す、一連のヴィルトゥオーゾ作品の初期作品。32 の練習曲から成るこの複雑なピアノ作品は、ケージが南半球の夜空を彩る星座の表から、易によって星(星座)を選び出し、その星座(星)を音高に置き換えたもの。ピアノの鍵盤を左右の手でフルに使うように記譜された楽譜とそこから生まれる音はまさに天体・宇宙をも思わせるスケールです。
 ザビーネ・リープナーは、新進気鋭のドイツ出身のピアニスト。「新しい音楽」を主なレパートリーとし、その積極的な解釈に従事しています。数多くのテレビ、ラジオ、国際音楽祭にソリストとして、またはアンサンブル・メンバーとして出演し、高い評価を得ています。オルガ・ノイヴィルス、イェルク・ヴィトマン、フランコ・ドナッティ、クリスチャン・ヴォルフなど、著名な現代音楽作曲家や現代アーティストとのコラボレーションを手掛け、作品の初演も数多く果たしてきました。ケージの音楽が持つ偶然性、視覚的要素を巧みな解釈で実現させています。

WER 6737
\2400
リュク・フェラーリ(1929-2005):Souvenir, souvenir
 1-7. Suite heteroclite (統一性のない組曲)
 8. アンチソナタ
 9-11. ソナチネ・エリブ
 12. Visage I(「顔」I)
 13-48. ピアノと磁気テープのための小品コレクションまたは36の一連
 49-50. 1980-1982の親密な日記からの断片
エルマー・シュランメル(ピアノ)
リュク・フェラーリの思い出。

録音:2010 年6 月

 フェラーリは、「日常のなかにすでに存在する音を録音して、加工・編集することであるひとつの音楽作品を作ろう」とするフランスで生まれたミュジック・コンクレートの作曲家として有名であり、「逸話的音楽」と名付けたコンセプトを展開していきました。1967 年に発表した『プレスク・リアン第一番』は彼の代表作であり、多くの作曲家・演奏家に影響を与えました。1982 年、電子音響による作曲とラジオ・アートのための協会ラ・ミューズ・アン・セルキュイを設立。交響作品やラジオ劇などでイタリア賞、カール・ズッカ賞、クーセヴィツキー賞などを受賞しました。90 年代頃からジム・オルークなど、特に音響系からの再評価が高まり、ジョン・ゾーンやデイヴィッド・グラブスのレーベルからもCD がリリースされています。自由で無調な音楽の中に、何故か馴染みやすい日常的なものがあり、詩的にさえ感じられます。

WERGO


WER 6937
(3CD)
\4800→¥4390
豪華演奏陣!
 アール・ブラウン/
  コンテンポラリー・サウンド・シリーズ
   ブラウンの音楽人生 vol.4
 [CD1]「 弦楽四重奏のための新しい音楽」
  (1)ブーレーズ:弦楽四重奏のための書Ia
  (2)ブーレーズ:弦楽四重奏のための書Ib
  (3)ブーレーズ:弦楽四重奏のための書II
  (4)ブーレーズ:弦楽四重奏のための書V
  (5)シェルシ:弦楽四重奏曲第4番
  (6)アール・ブラウン:弦楽四重奏曲
 [CD2] 「室内オーケストラのための新しい音楽」
  (1)クセナキス(1922-2001):アホリプシス(21の楽器のための)
  (2)アルド・クレメンティ(1925-2011):
   トリプルム(フルート、オーボエ、クラリネットのための)
  (3)ボー・ニルソン(b.1937):情景III(室内オーケストラのための)
  (4)シェーンベルク:室内アンサンブルのための3つの作品
  (5)ヴオジミェシュ・コトンスキ(b.1925):歌(アンサンブルのための)
  (6)高橋悠治:6つのストイケイア(4つのヴァイオリンのための)
  (7)ボー・ニルソン:フレクヴェンツェン
 [CD3] ハンブルク・カンマーゾリステン
  (1)ミルコ・ケレメン(b.1924):
   対位法的エチュード〜管楽五重奏のための
  (2)ニコロ・カスティリョーニ(1932-1996):トローピ
  (3)ヴィットリオ・フェッレガーラ(b.1927):
   セレナータ(9つの楽器の室内オーケストラのための)
  (4)ユン・イサン(1917-1995):7つの楽器のための音楽
[CD1]
 (1)−(3)パレナン弦楽四重奏団
 (4)ハーマン弦楽四重奏段
 (5)新音楽弦楽四重奏団
 (6)ニューヨーク弦楽四重奏団
[CD2]
 (1)(7)フランシス・トラヴィス(指揮)
  ハンブルガー・カンマーゾリステン
 (2)ガッゼローニ(Fl)、
  ローター・ファベル(Ob)、
  ギィ・デュプリュ(Cl)
 (3)(4)(5)ブルーノ・マデルナ(指揮)
  国際クラニッヒシュタイナー室内アンサンブル
 (6)パウル・ゾコフスキ(Vn/ 多重録音)
[CD3]
 フランシス・トラヴィス(指揮)
 ハンブルク・カンマーゾリステン
 好評アール・ブラウンの芸術、第4 弾の登場!室内楽、室内オーケストラなど力作がズラリ!

[CD1]オリジナルLP1972 年/[CD2]オリジナルLP1972 年/[CD3]オリジナルLP1962 年

 ご好評いただいている「アール・ブラウンの芸術」シリーズ、欠番となっていた第4 弾の登場。
 disc1 は、弦楽四重奏のための作品集。
 弦楽四重奏は、多くの器楽作品の作曲家にとって、自身の技量を見せ付けるために選ばれる演奏形態でした。シェルシは四人の奏者に微分音を奏でさせ、微妙な音高の変化やリズムの微妙な変化をそれぞれのパートに間断なく与えます。曲は次第に盛り上がりますが、上りきったと思ったらまたさらにクライマックスがあるといった感じの、上れども上れども頂上まで行き着かないようなもどかしさの中で曲が閉じます。ブラウンの作品は、布を引き裂くような音が聞こえるなど、楽器の限界を超えた表現に満ちています。
 disc2 は、室内オーケストラのための作品集。
 イタリアの作曲家アルド・クレメンティ初期の「トリプルム」は、セリエル音楽のお手本のような作品。
 名手ガッゼローニがフルートを担当しているのもポイントです。スウェーデン出身の作曲家、ニルソンの重要作品のひとつ≪情景Ⅲ≫は打楽器が効果的に響き、最後は思わず耳をふさぎたくなるような大音量での高いテンションが持続しますが、耳を澄ますとそれぞれの奏者が細かな仕事をしており、ニルソンの持ち味である細密画のような雰囲気も失われておりません。シェーンベルクの3 つの小品はこれが当時世界初録音でした。どこかストラヴィンスキーの「春の祭典」を思わせうる響きをもった3 曲目は未完となっており、途中で終わります。高橋悠治の「ストイケイア」は4 つのヴァイオリンのための作品ですが、ここでは一人の奏者が多重録音しています。ハーモニクスの神経質な重音が通奏低音のように鳴り響く中、鋭いピチカートなど様々な音が断片的に奏され、次第にメロディーのようなものも顔を出しますが、最初から最後まで大きな変化はないままに幕となります。
 disc3 はすべてこのハンブルク・カンマーゾリステンによって初演された作品。
 ケレメンの「対位法的エチュード」は、コラールなどの旋律ではなく、リズム構造で対位法を構築していきます。カスティリョーニの「トローピ」では、沈黙の合間に様々な楽器によって奏でられるアリアが印象的に響きます。フェッレガーラの「セレナータ」は、十二音技法を様々に応用して、ある音を契機に色が変わったり流れが変わったりします。打楽器の使用も印象的。
 ユンの作品はベルクの精神を感じさせるもの。単音や二つの音の繰り返し(それぞれの音の長さは異なる)から構成されるメロディーを軸に楽曲が展開されます。楽章が進むにすれて音の密度が低くなり、最終楽章では非常に速いテンポで、高まるリリシズムの中、幕となります。

WER 2066
(3CD)
\3900
リュク・フェラーリ:作品集
 ラジオ・プレイ「今(JETZT)
  —あるいは、おそらくこれは場所と瞬間の混乱の中にある私の日々の生活」
 [CD1]
  ジェネリック/プレリュード(空港)/プレスク・リアン/
  駅/金のロバ/インタビュー・ゲーム/交響的散歩/森の歌
 [CD2]
  インタビューno.1/ラ・カンティン/ラ・フォリ/はい、おしまい。
 [CD3] 「フェラーリは聞く」
  ティツィアーナ・ベルトンチーニ/アンティエ・フォヴィンケル/フランク・ニーフスマン/
  ダヴィッド・フェネク/ニール・フルカー/ガットゥンク・ヘルシュピールのために/
  JETZT へのコメント/Uber unbergrenzte Zeit
リュク・フェラーリの「今」。

 1981 〜 82 年にかけて、フランスの作曲家、リュク・フェラーリは、ラジオ・プレイ「今(JETZT)—あるいは、おそらくこれは場所と瞬間の混乱の中にある私の日々の生活」を手がけていました。フェラーリのほかのラジオ・プレイと同様、この「JETZT」は、音楽、ラジオ芸術とラジオの語り劇といったジャンルの中で特別な存在です。
 フェラーリと彼の妻、ブリュンヒルト・フェラーリとの会話は、ドイツ語とフランス語の両方によっており、録音の場所やプロセスもユニークなものとなっています。フェラーリはすべてをライヴで録音しました。
 フランクフルト空港に着いたとき、マイクをセッティングし、どのようにラジオ・プレイを進めるかなどを相談している声も収録、さらにそれを弦楽四重奏の演奏と重ねたりもしています。深遠で哲学的な質問とともに、フェラーリの自伝的な要素も芸術的にちりばめられています。フェラーリのラジオ・プレイ「JETZT」の全貌がCD 化されるのは初めてのことです。
 [CD3] にはフェラーリのラジオ・プレイにインスピレーションを得た新作もならび、フェラーリに多方面から光を当てた秀逸なセットです。

WER 6583
\2400
アンサンブル・モデルン
 ジャミリア・ジャジルベコヴァ(b.1971):

  (1)3月の夜(2)声(3)アスパン
  (4)閉じこもることへの拒絶IV(5)アイキョン
アンサンブル・モデルン
カザフスタンの香り。

録音:2011 年4 月

 カザフスタン出身のジャミルベコヴァ作品集。フルートとピアノをアルマトイで学んだ後、ロシアに移りチャイコフスキー音楽院で作曲を学びました。
 その後DAAD 奨学生となりドイツなどでも学び研鑽を積みました。プロジェクトや、ガウデアムスなどで、作曲家として活躍しているのはもちろん、歌手、フルート奏者、ピアニストなど幅広く音楽活動を展開しています。(2)の「声」や(3)の「アスパン」(カザフスタンの言葉で「山」の意)は彼女自身強い思い入れと郷愁を常に持ち続けているカザフスタンを思わせる空気感が魅力です。

WIGMORE HALL LIVE

Schubert: Schwanengesang
WHLIVE 0049
\1400
クリストファー・モルトマンの「白鳥の歌」
 シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」D.957
クリストファー・モルトマン(Br)
グレアム・ジョンソン(P)
シューベルトの3 大歌曲集プロジェクトの完結篇

収録:2010 年4 月20 日ロンドン、ウィグモア・ホール

 クリストファー・モルトマンによるシューベルトの3 大歌曲集プロジェクトの完結篇。「白鳥の歌」は2010 年4 月に収録されたもので、同年2 月収録の「冬の旅」(WHLIVE0046)、同年12 月収録の「美しき水車小屋の娘」(WHLIVE0044) と同じく、ピアノはグレアム・ジョンソン。
 シューベルトが世を去った1828 年8 月に集中的に作曲された13 曲に、10 月に入ってから書かれ、おそらく最後の作品とされる「鳩の使い」を加えた「白鳥の歌」は、シューベルトの死後、ウィーンの音楽出版社ハズリンガーがセットにしてタイトル付けした歌曲集。そのため、シューベルト自身が意図した連作歌曲としての一貫性はないものの、ハイネの代表詩集「歌の本」所収の「帰郷」に付曲された数曲に顕著なように、言葉に対する音楽の緊密具合とともに、なにより最後に辿り着いた簡潔で洗練された様式とがみられます。
 モルトマンは前2 作を通じても濃やかな性格表現に長けていることをあらためて強く印象付けていましたが、このたびも深みのある内容を聴かせてくれるものとおもわれます。





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