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第62号
マイナー・レーベル新録音新譜(5)


2012.3.2〜5.2の紹介新譜


ACCORD


476 4871
\2400
ロベール牧師の魅惑のオーボエ
 ジャン=クリストフ・ロベール/癒しのオーボエ作品集
 『J・S・バッハ:「管弦楽組曲第3番」より「アリア」』
 『ミシェル・コロンビエ:「エマニュエル」』
 『ヨハン・フィリップ・クリーガー:「チャコーナ」』
 『ヘルガ・シャウエルテ:「カッチーニの主題による即興的瞑想」
 『ヘルガ・シャウエルテ:「ラ・ミ・レによる自由変奏」』
 『ヘンデル:「私を泣かせてください」』
 『ハイドン?:「フェルトパルティー変ロ長調Hob.II-46(聖アントニー)」』
 『スチュアート・ドーアマン:「詩篇34番」』
 『エンニオ・モリコーネ:「ガブリエルのオーボエ」』
 『ジェシー・セイモア・アーヴィン:「主は私の羊飼い」』
 『マイケル・レドナー:「あなたを信じます」』
 『シューベルト:「セレナード」』
 『マルチェッロ:「オーボエ協奏曲ニ短調」』
 『J・S・バッハ:「わが片足すでに墓穴に入りぬ」』
 『リンダ・スタッセン:「アレルヤ、主の栄光を歌う」』
 『J・S・バッハ:「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」』
 『ラフマニノフ:「ヴォカーリズ」』『聖歌「わたしをあがなう者は生きておられる」』
 『ロルフ・ラヴラント:「ユー・レイズ・ミー・アップ」』
 『ロジャー・トランク:「Le Seigneur seul est ma lumi?re」』
 『メルラ・ワトソン:「Ta bont? vaut mieux que la vie」』
 『聖歌「Tu m'as aim? Seigneur」』
ジャン=クリストフ・ロベール(Ob)
ナサナエレ・マリー(Vn),
ファビエンヌ・シュターデルマン(Va),
クレール・オペール(Vc),
ヘルガ・シャウエルテ(Org)
 ジャン=クリストフ・ロベールは最初ピアノを学び、13歳の時にバッハを聴いて感動し、オーボエを学び始めました。パリ市音楽学校を1位で卒業し、メニューイン財団のソロ・オーボエ奏者を務めました。また彼は別の職業を持っており、理学療法国家資格を持ち、神学者、病院牧師、刑務所牧師なども務めています。一方で彼はオーボエと室内アンサンブルのためのコンサートを教会や病院で行い、高い評価を得ています。彼のオーボエの音色は、あたかも人の声のように響きます。当盤に収録された作品で宗教的作品が多いのは、彼の牧師という職業から納得がゆきますが、クラシックだけでなくポピュラー音楽からも多数の選曲がされているのは、現代的な癒しといえましょう。
 《録音》2011年4&5月, サン=ジェルマン=アン=レー 2011年6月, パリ  (デジタル:セッション)

DELOS



DRD 2010
\2300→\2090

ゴロフチン&ロシア国立響
 アントン・ルビンシテイン:
  『交響曲第2番 ハ長調 Op.42「大洋」』(1851年初稿版)
  『歌劇「フェラモール」より バレエ音楽』
イーゴリ・ゴロフチン(指揮)
ロシア国立交響楽団
 ロシア音楽指揮の逸材であったゴロフチンによる、A・ルビンシテインの「大洋」交響曲
 ドイツ・ロマン派の影響が強い作風をもち、同時代の国民楽派と対立的にあったルビンシテイン。交響曲「大洋」は、西欧水準に達した最初のロシアの交響曲といわれている作品です。1851年に4楽章構成で作曲されましたが、その後改作。追加を繰り返し最終的に表題をもつ7つの楽章作品となりました。海の自然の力に対する勇敢な人間精神の勝利の喜びが描かれています。ここでは、初稿版である4楽章形式のもので録音されています。東洋風なメロディーを多く含む歌劇「フェラモール」より バレエ音楽も収録。この時代のロシア音楽を熱心に研究・演奏し、42歳の若さで急死した指揮者イゴール・ゴロフチンの演奏による待望の再発売です。
 《録音》1993年10月、モスクワ音楽院


DE 6013
(5CD)
\5100→\4690
ブラジリアン・ギター・クァルテット/ラテン・グラミー受賞記念限定ボックス
《Disc1:ブラジルのエキス》
 V=ロボス:『ブラジル風バッハ第1番』/
 カマルゴ・グァルニエリ:
  『黒人の踊り』『カンサオ・セルタネージャ』
  『ブラジル舞曲』『ポンテイオス第24番』/
 フランシスコ・ミニョーネ:『ルンドゥ』/
 カルロス・ゴメス:『ソナタ ニ長調』
《Disc2:バッハの管弦楽組曲》
 J・Sバッハ:『管弦楽組曲第1〜4番』(Tadeu do Amaral編曲)
《Disc3:エンカンタメント(ギター音楽の魅力)》
 ロナルド・ミランダ:『シリアスな変奏曲』/
 クラウディオ・サントーロ:『フレーヴォ』/
 フランシスコ・ミニョーネ:『奥地の伝説第8番』『コンガーダ』/
 エンリケ・オズワルド:『泡雪』『子守歌』『タランテラ Op.14-3』/
 カマルゴ・グァルニエリ:『魅惑』『弦楽四重奏曲第2番』
《Disc4:アルベニスのイベリア》
 アルベニス:
  『イベリア 第1巻』『イベリア 第2巻』『イベリア 第3巻』『イベリア 第4巻』
《Disc5:ヴィラ=ロボス作品集》
 V=ロボス:
  『花の組曲』『シランダス』『アフリカ的性格舞曲』
  『弦楽四重奏曲第5番』『弦楽四重奏曲第12番』
ブラジリアン・ギター・クァルテット
 ブラジリアン・ギター・カルテットは、ポール・ガルブレイスによって結成されたクァルテット。ガルブレイスは、チェロやギタロンのようにエンドピンがあり、その下に共鳴箱をつけた8弦ギターで演奏することで有名で、1998年にはバッハの無伴奏ヴァイオリン録音でグラミー賞にノミネートされました。
 彼が率いる名門ブラジリアン・ギター・クァルテットは、ギターが国民的楽器であるブラジルにおいて「ドリーム・チーム」と謳われています。同国で最も人気のある作曲家ヴィラ=ロボスに挑んだDisc5のアルバムは、今年の「ラテン・グラミー・クラシック音楽部門」を受賞しました。それを記念して代表的なアルバム5枚分をボックス化した、お買い得な限定盤です。
 《録音》1998〜2010年 (デジタル:セッション)

ECM



476 4672
\2400→\2190
デニス・ラッセル・デイヴィス/バルトーク作品集
 ルトスワフスキ:①『葬送音楽』
 バルトーク:
   ②『ルーマニア民俗舞曲』(アルトゥール・ウィルナー編曲弦楽合奏版)
   ③『弦楽のためのディヴェルティメント』
   ④『2声または3声の合唱曲集(27のハンガリー民謡)』より7曲
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮)
シュトゥットガルト室内管弦楽団
ハンガリー放送少年少女合唱団(④)
 デニス・ラッセル・デイヴィスが究明する、バルトークの世界
 ルトスワフスキの「葬送音楽」は、バルトークを追悼して作曲されました。12音技法に基づいていますが、独自な音列を織り込み、独特のハーモニーを作り出しています。バルトークの②④は、彼の作曲技法である、ハンガリーの民謡語法と印象主義音楽以降の同時代の手法を取り入れたものです。②は、ウィルナーによる弦楽合奏版によるもので、ヴァイオリン・ソロも多くエキゾチックでシンプルな曲調から人気がある編曲版です。③は、パウル・ザッハー主催のバーゼル室内管弦楽団のために書かれ、バロックの合奏協奏曲の範をとり、簡潔で明快に響く佳作です。シュトゥットガルト室内管弦楽団の桂冠指揮者でもある鬼才D・R・デイヴィスが作品を分析し、これらの作品を明快に紐解いていきます。
 《録音》2010年2月18〜20日, シュトゥットガルト、ジルヒャー・ザール (デジタル:セッション)


476 4735
(2CD)
\4400→\3990
リュビーモフ/ドビュッシー:前奏曲集
 ①『前奏曲集第1巻』
 ②『前奏曲集第2巻』
 ③『牧神の午後への前奏曲』(2台のピアノ版)
 ④『夜想曲』(ラヴェルによる2台のピアノ用編曲版)
アレクセイ・リュビーモフ(P)
アレクセイ・ズーエフ(P:③④)
 濃厚な抒情・・・心に響くリュビーモフのドビュッシー
 ネイガウスの系譜を受け継ぐ超テクニシャン鬼才リュビーモフ。彼のデビュー盤はドビュッシーの「前奏曲集」(メロディア)でした。今回はECMへの再録音となります。「ドビュッシーは抒情的でドラマティック。ポエジーのある柔らかなニュアンスを出す作曲家」とリュビーモフ自身語っているとおり、鍵盤楽器の機能を知り尽くした彼ならではの抒情詩を、作品に反映させて語っていきます。彼の弟子でもあるズーエフとの共演による2台用の作品も収録。1925年製ベヒシュタインと1913年製スタインウェイの対照的な音色を持ったピアノを使用しているところにも、彼ならではのこだわりが見えます。
 《録音》2011年4月4〜7日, ベルギー、マースメレヘン、聖ピータース教会 (デジタル:セッション)


アレクセイ・リュビモフ
ZIG ZAGでの超話題盤
ZZT110103
(国内盤)
\2940
ベートーヴェン 最後のソナタ群
 〜ピアノ・ソナタ第30・31・32 番〜

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
(1770〜1827)
 1. ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
 2. ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110
 3. ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
アレクセイ・リュビモフ(フォルテピアノ/アントン・グラーフ1828年製オリジナル)
Beethoven: Last Piano Sonatas
ZZT110103
\2600→\2190
 アレクセイ・リュビモフ。あらためて紹介するまでもないでしょう——ゲンリヒ・ネイガウスとその直系の弟子レフ・ナウモフに師事し、ロシア・ピアニズムの真髄をたたき込まれたリュビモフは、若い頃から現代音楽のスペシャリストとして旺盛な活躍を続け、すぐに当局に睨まれ“西側”への渡航を禁じられてしまいます。しかし彼はそんな制約の多い暮らしのなかでも、師匠たちの「作品そのものを見つめる」という教えの先に「古楽器演奏」があることを、早くから見据えていました。東側諸国の非常に限られた古楽器事情のなかでモスクワ・バロック・カルテットを結成。冷戦終結後からコンチェルト・ケルンやアンドレアス・シュタイアーといった最高峰の古楽プレイヤーたちと共演を重ねてきたことは有名ですが、同時に彼は東側諸国をまわっていた間に西側陣営の古楽系音盤を買い漁っていたため、冷戦が終わるや、それらのレコードにクレジットされていた博物館や古楽器製作家をかたっぱしから廻り、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルト...といった敬愛してやまない作曲家たちの傑作を弾くために理想的な楽器は何か? を根気強く探ってゆきます。構想10 年以上、ようやく見つけた楽器で録音されたシューベルトの『即興曲集』の演奏成果は、さきの世界各地で絶賛されたアルバム(ZZT100102)を生みましたが、次に素晴しい成果となって結実したのが、「ピアノ芸術の新約聖書」と呼ばれた楽聖ベートーヴェンのピアノ・ソナタ群、その最後を飾る3曲...!
Schubert - Impromptus
ZZT 100102
\2600→\2190
シューベルト:即興曲全集
 (1)4つの即興曲 Op.90/D.899
 (2)4つの即興曲 Op.142/D.935
アレクセイ・リュビモフ(P)

奇才リュビモフによるシューベルト 2台のフォルテピアノを弾き分ける!

使用楽器:(1)1810年マティアス・ミュラー/エドウィン・ボインク修復)、(2)1830年ヨゼフ・シャンツ/エドウィン・ボインク修復)
録音:2009年7月13&14日ハーレム(オランダ)

ロシアのピアニストアレクセイ・リュビモフによるシューベルト即興曲全集。ジョン・ケージやテリー・ライリーなど現代音楽家のモスクワ初演を手がけるなど現代音楽の専門家として知られていましたが、古楽への取り組みにも積極的。オリジナル楽器による録音も行っており、ここでは2種類のフォルテピアノを用いています。宝石のような音の美しさは、楽器を熟知し一音一音考え抜かれた奏法は、この躍動的で流麗な即興曲にぴたりと合い、リュビモフならではノスタルジックな世界を作り出しています。


476 4499
\2400
ヴォックス・クラマンティス/Filia Sion (喜べ、シオンの娘よ!)
 グレゴリオ聖歌:詩篇94篇「来たれ、主をたたえ」
 グレゴリオ聖歌:マニフィカト「おお、いと聡明なる乙女」
 グレゴリオ聖歌:「ガウデアムス」
 ウエルガス写本より:オルガヌム「あわれみの讃歌」
 グレゴリオ聖歌:「グローリア」
 プレトリウス:「祝せられた胎よ」
 グレゴリオ聖歌:「娘よ、聞き、よく見なさい」
 ペトルス・ヴィルヘルミ・デ・グラウデンツ:「Prelustri elucentia」
 グレゴリオ聖歌:オッフェトリウム「アヴェ・マリア」
 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:セクエンツァ「聖霊の炎」
 グレゴリオ聖歌:「アニュス・ディ」
 グレゴリオ聖歌:「シオンの娘よ、喜べ」
 モンペリエ写本より:「おお、マリア」
 グレゴリオ聖歌:アンティフォン「サルヴェ・レジナ」
 ユダヤ典礼聖歌より:「Ma navu」
ヤーン=エイク・トゥルヴェ(指揮)
ヴォックス・クラマンティス
 クリアで見事なサウンドによる祈り。
 ヴォックス・クラマンティスは、1996年設立。エストニアの歌手・器楽奏者から成り、中世の多声声楽曲と現代音楽を得意としています。エストニアの作曲家ペルトからの信頼が篤く、多くの作品を献呈され初演しています。またロシア正教典礼音楽とジャズ・ギターの共演など新しいコラボにも挑戦していますが、このアルバムではグレゴリオ聖歌と初期ポリフォニーの音楽を聴かせてくれます。全員が見事にそろった声、そしてハーモニー。美しい残響とECMのクリスタルなサウンドによって、聖歌が感動的に歌われています。
 《録音》2010年9月14〜18日, エストニア、ハープサル聖ニコラス聖堂 (デジタル:セッション)


ECM



476 4755
\2400→\2190
ヒリアード・アンサンブル/
 ・・・贅沢かつ堕落的エロティシズムと、自己犠牲
  ジェズアルド:マドリガーレ集第5巻(5声のための)
 1:歌って楽しみなさい/2:見つめなければ私は死なないが/
 3:行け、わがため息よ/4:とてもいとしいわが命のひとよ/
 5:ああ、痛ましい喜び/6:いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は/
 7:いとしいひとの目に宿り/8:もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら/
 9:わが心の命であるまなざしよ/10:命のひとから離れる者は/
 11:情けをと私は泣きながら叫ぶのだが/
 12:ああ、お前たちはあまりにもしあわせ/
 13:恋人たちよ、競い合って急ぎなさい/
 14:美しい目をふきなさい/15:お前は私を殺す/
 16:ああ、美しい胸を覆ってほしい/17:悲しく涙もろい私の気質に(第1部)/
 18:けれど、私を死へと導く(第2部)/
 19:ああ、暗い日よ/20:もしお前が逃げるなら/
 21:あなたを愛しています、私の生命よ
ヒリヤード・アンサンブル
[モニカ・マウフ(Sp),
デイヴィッド・ジェームズ(C-T),
デイヴィッド・グールド(C-T),
ロジャーズ・カヴィ=クランプ(T),
スティーヴン・ハロルド(T),
ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 “エロティシズムと自己犠牲” …ヒリヤードEnsのジェズアルドへの新たなる解釈
 ジェズアルドはルネサンス後期のイタリアの貴族で、作曲家兼リュート奏者。シュニトケのオペラの題材に採り上げられたことでも知られ、不貞を働いた妻とその相手を殺害し逃亡した逸話は特に有名でしょう。ヒリヤード・アンサンブルによるジェズアルド第2弾となる当アルバムは、ジェズアルドの6巻からなる「5声のマドリガル集」から「第5巻」を収録。この曲集は1611年に出版されたもので、全21曲で構成されています。独創的な和声と半音階、リズムの対比が駆使されており、旧来型の「第1作法」とは別スタイルの、モンテヴェルディが呼んだ新作曲法いわゆる「第2作法」に属するものです。特にその表現主義的半音階書法と、他の作曲者以上に不協和音を多様に取り入れているのが特徴的です。特にヒリヤード・アンサンブルの表現力豊かな歌声は、この作品の「贅沢かつ堕落的エロティシズムと、自己犠牲とのコントラスト」をみごとに想起しえるアンサンブルです。
 [録音] 2009年11月23〜25日, ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア (デジタル:セッション)


476 4641
\2400→\2190
ホロウェイ/カステッロ&フォンタナ〜ソナタ集
 ダリオ・カステッロ(?〜1630?)
  『現代的なソナタ・コンチェルターテ第1巻』より
   「ソナタ第7番」「ソナタ第8番」
  『現代的なソナタ・コンチェルターテ第2巻』より
   「ソナタ第1番」「ソナタ第7番」「ソナタ第2番」「ソナタ第8番」
 ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンタナ(1589〜1630?)
   「ソナタ第2番」「ソナタ第9番」「ソナタ第3番」「ソナタ第10番」
   「ソナタ第5番」「ソナタ第12番」「ソナタ第6番」
ジョン・ホロウェイ(バロック・ヴァイオリン)
ジェーン・ガウアー(ドゥルシアン)
ラース・ウルリク・モルテンセン(チェンバロ)
 見事な呼吸によるアンサンブルによる極上の響き
 ヴェネツィアで管楽器奏者として活躍したこと以外ほとんど知られていない作曲家カステッロ。1621年と1629年にそれぞれ出版された「現代的なソナタ・コンチェルターテ」は、初期のソナタの実態を知る上で重要な作品です。これらは通奏低音付の1〜4声のための曲集で、ここに収録されたソナタはそのうち1〜2声のもの。
 ホロウェイの限りなく美しいバロック・ヴァイオリン。バロック・ファゴットの前身であるドゥルシアンで、これらの重要な作品の美しい主旋律をまるでバリトン歌手のように歌うジェーン・ガウアー。コンチェルト・コペンハーゲンの音楽監督としても活躍するモンテルセンの通奏低音は、感情的というよりは主旋律楽器に寄り添うように、繊細な和音を効果的に付け足すことで、美しい響きの空間を作り出すことに成功しています。
 [録音] 2008年6月15〜17日, ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア (デジタル:セッション)

476 4501
\2400
ガース・ノックス/『サルタレッロ』
 1:『Black Brittany(ヴィオラ・ダモーレとチェロのための)』
  (原曲:民謡/「Black is the Colour」&Johnny Cunningham/「Leaving Brittany」)
 2:『パーセル:束の間の音楽』
  (ヴィオラ・ダモーレとチェロのための編曲版)
 3:『ヴィヴァルディ:ヴィオラ・ダモーレ協奏曲ニ短調RV.393』
  (ヴィオラ・ダモーレとチェロのための編曲版)
 4:『ガース・ノックス:Fuga libre(ヴィオラ・ソロのための)』
 5:『Ave, generosa ?Complainte ‘Tels rit au main au soir pleure’
  (フィドルとパーッカションのための)』
  (原曲:ヒルデガルト:フォン・ビンゲンとギョーム・ド・マショーの作品より)
 6:『カイヤ・サーリアホ:Vent Nocturne
  (ヴィオラとエレクトロニクスのための)』
 7:『3つの舞曲(フィドルとパーッカションのための)』
  (原曲:14世紀の作者不詳の作品による)
 8:『Pipe, harp and fiddle(フィドルとパーッカションのための)』
  (原曲:民謡「Port na bP?cai」
   「Chanter’s Song」「Star of the County Down」による)
ガース・ノックス (ヴィオラ, ヴィオラ・ダモーレ, 中世フィドル, 編曲)
アニエス・ヴェスターマン (チェロ)
シルヴァン・ルメートル (パーカッション)
 現代的斬新なるオリジナリティあふれるプログラム
 アルディッティ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者として活躍し、ブーレーズ率いる現代音楽集団アンサンブル・アンテルコンタンポランにも参加していたガース・ノックス。このアルバムは、彼がひく18世紀初頭に活躍したヴィオラ・ダモーレとヴィオラ、中世フィドルの弦楽器ソロと、チェロまたはパーカッションのための作品を収録。
 今回は、民謡や中世の舞曲や歌曲、バロック音楽や伝統的なケルトの作品を、彼独自の現代的編曲。そしてサーリアホがガース・ノックスのために献呈した、グリッサンドの多用と呼吸によってエレクトロニック表現された作品も収録され、オリジナリティあふれる斬新なプログラムで驚かせます。
 『私の楽器のそれぞれ〜中世のフィドル、ヴィオラ?ダモーレとヴィオラ〜のための独自の視点と音の世界をもたらし、それに対応するパートナー(フィドル&パーカッション、ヴィオラ?ダモーレ&チェロと、ヴィオラ&エレクトロニクス)によって現代においてすべてを共有することです。現在までのこれらの作品をこのように現代に蘇らせることで、その固有の性質を破壊することなく、今ここでそれらを探索することなのです』と、ガース・ノックスは語っています。
 [録音] 2009年12月5&6日, ルガーノ・スイス・イタリア語放送オーディトリアム (デジタル:セッション)

FONE



FONE 096SA
(SACD Hybrid)
\3000→\2790
アッカルド/バーンスタイン:セレナード、他
 ① バーンスタイン:
  『ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの「饗宴」による)』
 ② ペンデレツキ:『ヴァイオリン協奏曲第1番』
①サルヴァトーレ・アッカルド(指揮&Vn)
オーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ
②サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
クシシュトフ・ペンデレツキ(指揮)
オーケストラ・ジョヴァニーレ・イタリアーナ 
FONE 035GD
〔GOLD CD〕
\3300→\2990
上記と同内容のゴールドCD
 24KゴールドCD仕様 全世界496枚完全限定プレス
 表現力豊かなアッカルドと、作曲者自身の指揮による迫熱の名演。
 バーンスタインのセレナーデは、五嶋みどりが弦を2回も切りながらも演奏を止めず伝説となった曲。バーンスタインならではの躍動感、ジャジーな雰囲気などをあわせもった作品です。アッカルドは、20世紀の前衛音楽に取って失われた調性音楽の言語を回復、またそれを明らかにするために、ジャズやポップミュージックへのアピールを含んだ魅力的な音楽を数々演奏し、成功を収めています。当盤にはポーランド前衛音楽の第一人者ペンデレツキの傑作のひとつ「ヴァイオリン協奏曲」が、作曲家自身の熱のこもった指揮、高度なテクニックと幅広い表現力をもつアッカルドの独奏という、理想の顔合わせで収録されています。
 《録音》 ① 1998年11月14日, ヴィテルボ、ウニオーネ劇場 (ステレオ:ライヴ) ② 1987年6月8日, フィレンツェ (デジタル:ライヴ)

MD+G



903 15986
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
20世紀の後期ロマン〜現代オーボエ作品/
 オーボエのための協奏曲とソロ作品集Vol.2

① R・シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調AV.144
② ニコス・スカルコッタス:
  オーボエと室内オーケストラのためのコンチェルティーノ
③ カレヴィ・アホ:7つのインヴェンションと後奏曲
カク・ヒョンヒ(Ob)
ヨハネス・ゴリツキ(指揮)
ミュンヘン放送管弦楽団
ダヴィッド・ピア(Vc:③)
 Vol.1(903 15866)に続く、オーボエという楽器の魅力と表現能力の可能性を広く知らしめようというシリーズ協奏曲編。
 今回は有名なR・シュトラウスのオーボエ協奏曲を含む作品集。スカルコッタスは、シェーンベルク・サークルのひとりで、ディミトリ・ミトロプーロスと並び、ギリシアでいち早く無調と12音技法を採用した作曲家です。演奏しているカク・ヨンヒは、1970年ソウル生まれで、現在はドイツ在住の女性オーボエ奏者。第5回日本オーボエ国際コンクールで1位なしの第2位に入賞した逸材です。
 録音》①&② 2008年7月, ミュンヘン、ヘルクレスザール [デジタル:セッション] ③ 2011年3月, マリエンミュンスター修道院 [デジタル:セッション]


旧譜/第1弾
Yeon-Hee Kwak plays Martinu, Dorati & Holliger
903 15866
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
カク・ヨンヒ/オーボエとオーケストラのための作品集
 1.マルティヌー:オーボエと小オーケストラのための協奏曲
 2.ハインツ・ホリガー:無伴奏オーボエ・ソナタ
 3.アンタル・ドラティ:
  オーボエとオーケストラのためのディヴェルティメント
カク・ヨンヒ(オーボエ) 
ミュンヘン放送管弦楽団
指揮:ヨハネス・ゴリツキ
2001年のCDデビュー以来、「オーボエのパガニーニ」と称されてきた韓国の名手カク・ヨンヒが、満を持して挑む20世紀作品。20世紀に書かれたオーボエ協奏曲の最高峰に聳え立つマルティヌーとドラティの傑作に加え、アンコール的な意味合いで収録されたホリガーの無伴奏ソナタも、すべてが聴きどころです。録音:2008年7月12〜13日 ヘラクレスザール、ミュンヘン <デジタル録音> 新録音



914 17436
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
J・S・バッハ:初期オルガン作品集
 『前奏曲とフーガ ハ長調BWV.531』『幻想曲ハ短調 BWV.1121』
 『コラール「水の深きを求めるごとく」BWV.1119』
 『幻想曲ト短調BWV.917』
 『コラール「心よりわれ汝を愛す、おお主よ」BWV.1115』
 『前奏曲とフーガ ト短調BWV.535a』
 『前奏曲とフーガ ト短調BWV.535』
 『コラール「輝く暁の星のいと美わしきかな」BWV.739』
 『パルティータ「おお罪人なるわれ、何をなすべきか」BWV.770』
 『コラール「ああ主よ、哀れなる罪人なるわれを」BWV.742』
 『コレルリの主題によるフーガ ロ短調BWV.579』
 『コラール「われ心よりこがれ望む」BWV.727』
 『コラール「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」BWV.734』
 『コラール「主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」BWV.709』
 『コラール「主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」BWV.726』
 『トッカータとフーガ ニ短調BWV.565』
ハラルド・フォーゲル(1680年製シュニットガー・オルガン)
 18世紀及びそれ以前の作曲家の場合と同じように、バッハの初期の作品についても不明な点が多数発見されています。バッハがいつから作曲を始めたのか、現存する作品が何時どのような変遷を経て成立してきたかといったことがはっきりわからない状況です。バッハの作品が再評価される様になった19世紀の前半には、初期の作品は「準備段階」あるいは「習作」として軽視されていたこともあり、現在でもその研究が続けられています。ここに収録されている作品にも、バッハの真作であるかどうか疑わしい作品も含まれています。しかし、ルネサンスからバロックにいたるドイツオルガン音楽演奏解釈の世界的権威フォーゲルの演奏は、他の追随を許さない生き生きとした力強さと構築性の高さが際だっています
 《録音》2012年10月, ハンブルク、聖ヨハニス大修道院 [デジタル:セッション]


903 17396
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
アルベニス:『セレナータ』
 『前奏曲ト短調(アストゥーリアス)Op.232-1』
 『グラナダ(セレナータ)Op.47-1』『セビーリャOp.47-3』
 『コルドバ ニ短調Op.232-4』『マジョルカ 嬰ヘ短調Op.202』
 『組曲「スペイン」Op.165』『オリエンタル ニ短調Op.232-2』
 『セレナード「朱色の塔」Op.92-12』『サンブラ(東洋風舞曲)』
スティーヴン・マーチオンダ(G)
 《録音》2011年8月, マリエンミュンスター修道院 [デジタル:セッション]
 ギターのスティーヴン・マーチオンダは、アメリカ、ニュー・メキシコ州出身。ジュリアン・ブリームに師事し、これまでにセゴヴィア国際コンクール、アメリカ国際ソロ・コンクールなど数々のコンクールでの優勝歴を持っています。もともとアルベニスのピアノ作品なのですが、アストゥリアス、セビリア、グラナダなどのように多くが様々なギター用に編曲され、しかもギターのために作曲されたような美しい音楽となって響きます。彼の演奏は小さなものではなく、ダイナミックさをいかんなく発揮されているのも特徴的です。

317 17412
\2300
ホレイショ・パーカー:オルガン作品集
 『4つのオルガンのための小品Op.66』
 『ソナタ Op.65』
 『5つのオルガンのための小品Op.66』
ルドルフ・イニング(2003年クーン製オルガン)
 《録音》2011年7月, オスナブリュック大聖堂 [デジタル:セッション]
 ホレイショ・パーカー(1863-1919)は、アメリカの作曲家・音楽教師。19世紀後半において、コネチカット州ニューヘイブンの音楽界の中心人物でした。1880年代に渡欧し、ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーに師事。この時期早くも最初の主要な作品を書き、交響曲や劇的カンタータで受賞。アメリカに帰国後、主にニューヨーク市で教師、オルガニスト、合唱指導者の順に仕事に就き、1893年にエール大学教授に就任、終生この地位にありました。このアルバムでは、彼のオルガン作品だけの魅力を引き出そうという画期的なアルバムです。彼の作風は、オルゴールのようなファンタジックな世界が繰り広げられます。当時の新近代オルガンのシステムをフルに活用された音色の組み合わせによって、チャップリンのような茶目っ気ある道化と悲しみ、そして祈り。1つの楽章だけでも、数小節ごとにそれらが変化していくのも、パーカー独自の世界なのです。ラインベルガー、メシアン、メンデルスゾーンなど、様々な作曲家のオルガン作品全集を録音してきたルドルフ・イニングによる秘曲の発掘の演奏です。


609 17442
\2300→\2090
マリタ・パパリズー〜バロック・オペラ・アリア集
 クラウディオ・シモーネ(指揮)&イ・ソリスティ・ヴェネティ
 『ヴィヴァルディ:歌劇「狂乱のオルランド」〜深い闇の世界へ』
 『ヴィヴァルディ:歌劇「狂乱のオルランド」〜Sorge l'irato nembo, E la fatal tempesta』
 『ヴィヴァルディ:「スターバト・マーテル」』
 『ヘンデル:歌劇「テゼオ」〜Moriro, ma vendicata』
 『ヴィヴァルディ:歌劇「ファルナーチェ」〜凍りついたようにあらゆる血管を』
 『フェルディナンド・ベルトーニ:歌劇「タンクレーディ」〜Addio, o miei sospiri』
マリタ・パパリズー(Ms)
クラウディオ・シモーネ(指揮)
イ・ソリスティ・ヴェネティ
 《録音》2011年9月, スキーオ [デジタル:セッション]
 ギリシャのボロスで生まれたメゾ・ソプラノ、マリタ・パパリズーは、数多くの奨学金を得てアテネの音楽院で学び、優秀な成績で卒業後、いくつかのオペラに出演しています。
 2000年にはイスタンブールで開催された「レイラ・ジェンチェル・コンクール」で1位を獲得、ジェノヴァでポルポラの「ナッソのアリアンナ」のオラーノ役を歌い注目を浴びました。すでにMDGレーベルにはヘンデルの「クレタのアリアンナ」(タウリード役)の録音があります。彼女の声はとても重心が低く、安定していて、また独特の凄味があります。もちろん技巧も申し分なく、バロック物だけでなく、ロッシーニやヴェルディも歌いこなし、舞台全体を支える重要な歌手として、今後も期待される逸材です。バックのオケがクラウディオ・シモーネ&イ・ソリスティ・ヴェネティというのも豪華です。

MD+G



901 17386
(SACD Hybrid)
\3000→\2490
ダグラス・ボイド&ムジークコレギウム・ヴィンタートゥーア
 R・シュトラウス:
  歌劇「町人貴族」Op.60より管弦楽組曲
  『子守歌 Op.41-1』『献呈 Op.10-1』『あした! Op.27-4』
  『4つの最後の歌』
リサ・ラーション(Sp)
ダグラス・ボイド(指揮)
ムジークコレギウム・ヴィンタートゥーア
 ヨーロッパ室内管弦楽団の創立メンバーの一人であり、2002年までその首席オーボエ奏者を務めたダグラス・ボイド。最近は指揮者としての活動に力を入れており、古典派からロマン派までと着々レパートリーを広げています。中でもマーラーの演奏がとりわけ高く評価されていることもあり、こちらのR・シュトラウスも興味深い解釈を繰り広げていることは間違いありません。
 「町人貴族組曲」は、あの「ナクソス島のアリアドネ」と関係の深い作品であり、「サロメ」や「エレクトラ」などの極彩色のオーケストレーションから脱却しつつある、晩年の作風に連なる音楽です。もちろんシュトラウスらしいシニカルさもたっぷりあり、軽めの響きとは言え、凝りに凝ったもので、指揮者、オーケストラの力量が試される作品です。シュトラウスの「辞世の句」とも言える「4つの最後の歌」については今更語ることもありません。名指揮者たちが重用するソプラノ、リサ・ラーションの確かな歌唱は、この曲に漂う世紀末的な退廃感と、凛とした美しさを見事に表出します。 
 [ハイブリッドSACD仕様:CD:Stereo/SACD:Stereo/SACD:Multi] [録音] 2011年9月5〜9日, シュタットハウス・ヴィンタートゥーア (デジタル:セッション)


946 17406
(SACD Hybrid)
\3000→\2490
カール・シュトラウベ編曲による、ドイツ・バロック・オルガン作品集
 ゲオルク・ムファット:『パッサカリア』『トッカータ第6番』
 ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター:『「わがイエスをわれ離さじ」のコラールによる変奏曲』
 ディートリヒ・ブクステフーデ:『パッサカリア』『プレリュードとフーガ 嬰ヘ短調』『シャコンヌ』
 J・S・バッハ?:『コラール「甘き喜びのうちに」BWV.751』
 ヨハン・パッヘルベル:『トッカータ ヘ長調』『シャコンヌ』『天にましますわれらの父よ』
 デルフィン・シュトルンク:『われを汝がものとなし、とどまりたまえ』
 ヨハン・カスパール・ケルル:『パッサカリア』
アンドレアス・ジーリング
(ベルリン大聖堂, 1905年ヴィルヘルム・ザウアー製オルガン)"
 カール・シュトラウベ(1873〜1950)は、ベルリンで生まれたオルガニスト。独学でオルガンを学び、1897年にヴィーゼルの大聖堂付オルガニスト。1903年にライプツィヒ聖トーマス教会オルガニストに就任。1918年には聖トーマス教会のカントルに就任しました。
 親交があったマックス・レーガーの最初の解釈者であり、シュトラウベはレーガーの作曲を積極的に支援し、決定的な影響を与えもしました。シュトラウベは受け継がれてきた後期ロマン派的な様式より、バロック期の響きを取り戻そうと努めました。シュトラウベは、1904年にここに収録された作品集を発表しました。その当時の近代オルガンの能力を発揮させるため、またオーケストラ・サウンドが好まれていたため、その強化のためにクレッシェンドやペダルの補強、テンポの変更など手を加えたのです。これによって、ドイツのオルガン運動に強く影響を与えたのでした。 ベルリン大聖堂とこのオルガンとの残響豊かなゴージャスな響きとともに、お聴きいただけます。
 [ハイブリッドSACD仕様:CD:Stereo/SACD:Stereo/SACD:Multi] [録音] 2011年11月21〜22日, ベルリン大聖堂  (デジタル:セッション)


603 17282
\2300→\2090
近現代ファゴットとピアノのための作品集
 サン=サーンス:『ファゴット・ソナタ ト長調Op.168』
 ウジェーヌ・ボザ:『ノクターンとダンス』
 ロジェ・ブトリ:『ファゴットとピアノのためのインタファレンス』
 ジャン・フランセ:『ファゴットとピアノのための2つの小品』
 アラン・ベルノー:『アリュシナシオン(幻覚さまざま)』
 マルセル・ビッチ:『ファゴットとピアノのためのコンチェルティーノ』
 ウジェーヌ・ボザ:『朗唱、シチリアーノとロンド』
 アレクサンドル・タンスマン:『ソナチネ』
 ピエール・マックス・デュボワ:『ソナチネ - タンゴ』
ロディオン・トルマチェフ(Fg)
北川みどり(P)
 ロディオン・トルマチェフは、1978年ウズベキスタン生まれ。サンクトペテルブルグ音楽院で学び、ハノーファー音楽大学で名ファゴット奏者ダグ・イェンセンに師事。2000年からはマリインスキー劇場管弦楽団ソロ・ファゴット奏者を務めています。2007年度日本管打楽器コンクールで優勝も果たしています。ファゴットのレパートリーは楽器の構造上あまり発展しませんでしたが、1900年代に入り新しいキー機構などが発明され、特にフランスにおいて様々な作曲家がファゴットのために作品を書いています。有名なサン=サーンスのソナタをはじめ、近現代の楽器の限界を求めた作品をここに収録しました。
 [録音] 2011年8月22〜24日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)


307 17232
\2300→\2090
ライプツィヒ弦楽四重奏団
 ハイドン:弦楽四重奏曲集 Vol.5

  弦楽四重奏曲第65番変ロ長調Op.64-3,Hob.III-67
  弦楽四重奏曲第66番ト長調Op.64-4,Hob.III-66
  弦楽四重奏曲第67番ニ長調Op.64-5「ひばり」Hob.III-63
ライプツィヒ弦楽四重奏団
[シュテファン・アルツベルガー(Vn),
ティルマン・ビュニング(Vn),
イーヴォ・バウアー(Va),
マティアス・モースドルフ(Vc)]
 世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した当団は、55人の作曲家による約200曲をレパートリーに持ち、録音も30枚以上残している名門中の名門です。そんな彼らが満を持して挑むハイドン全集の第5弾。今回は「第2トスト四重奏曲」とよばれるハイドンのオーケストラのヴァイオリニストであったヨハン・トストための作品から3曲。全てが芳醇な調和をしめしており、ウィーン風四重奏曲の頂点をなす作品です。ひばりの囀りを思わせる主題の「ひばり」も収録されています。これまでの様に正統派の演奏を基本としていますが、1700〜1800年のクラシカル弓のコピーを使用することによって、ハイドンの意図したであろう音楽を再現することも取り入れています。
 [録音] 2010年12月4〜5日, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

TELARC



TEL 33223
\2300→\2090
デイヴィッド・ラッセル/深遠なるバロック
 J.S.バッハ:トッカータ ホ短調 BWV830
 J.S.バッハ:シンフォニア
   第2番(BWV788)、第11番(BWV797)、第5番(BWV791)、第6番(BWV792)
 ヘンデル:組曲第7番 HWV432
 クープラン:第26組曲〜病み上がりの女、ソフィ、とげのある女、パントマイム
 ヴァイス:組曲第14番
デイヴィッド・ラッセル(ギター)
 完璧なテクニックと音楽性で紡ぎ出す至福の響き。
驚異的なテクニックを基礎として、歌心あふれる演奏を聴かせるデイヴィッド・ラッセルが新たに挑んだのはバロック作品の数々。彼がもっとも身近に感じ大切にしてきたバッハやヘンデルなどの作品を厳選し、丁寧に歌い上げています。終曲のヴァイスはラッセルが長きにわたってコンサートなどでもレパートリーとして頻繁に取り上げてきた佳曲であり、多くのギタリストが愛奏する作品のひとつです。


TEL 32927
\2300→\2090
ズイル・ベイリー/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
 ドヴォルザーク:
  チェロ協奏曲 ロ短調
  交響詩「水の精」 Op.107
  序曲「自然の中で」 Op.91
ズイル・ベイリー(チェロ)
準メルクル指揮
インディアナポリス交響楽団
 完璧なテクニックと豊かな音楽性で紡ぎ出された至福の響き
 繊細なタッチとあふれる歌心が魅力のピアニスト、シモーネ・ディナースタインとの共演によるベートーヴェンで見事な演奏を聴かせ、2010年にリリースしたバッハの無伴奏組曲では発売するやビルボード・クラシック・チャートのトップに躍り出たたチェロ界の才人、ズイル・ベイリーの新録音は真っ向勝負のドヴォルザーク。録音:2011年2月3-5日 インディアナポリス (ライヴ)


ズイル・ベイリー前作/バッハ:無伴奏チェロ組曲

TEL 31978
(2CD)
\2300→¥2090
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) ズイル・ベイリー(チェロ)
DELOSレーベルでお馴染みのチェロの才人ズイル・ベイリーによるテラーク録音。
チェロの金字塔、バッハの無伴奏組曲全曲に挑む。彼の演奏を評してトロント・グローブ紙は「心臓が止まりそうな演奏!」、シカゴ・トリビューン紙は「名匠の素晴らしいひらめきに満ちている」と絶賛しています。


BR KLASSIK



900112
(2CD)
\2000→\1890
ヤンソンス&バイエルン放送響
 ブラームス:交響曲第1番&第4番
CD1.
 交響曲 第1番ハ短調 Op.68 〈47:09〉
CD2.
 交響曲 第4番ホ短調 Op.98 〈40:50〉
バイエルン放送交響楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
 昨年発売のヤンソンス&バイエルン放送響によるブラームス(1833-1897)の第2番&第3番は、第2番での伸びやかさ、第3番でのドラマティックさを前面に出しつつも、細部に至るまでの濃密な感情表現と、練りに練られた解釈と、充実の音色が相俟った素晴らしい演奏を聴くことができました。
 今回は、残りの2曲、第1番と第4番が満を持しての登場となります。
 第2番の翌年、2007年に録音された第1番と、2012年2月に録音されたばかりの第4番は、同曲異演盤の中でも群を抜く「革新さ」を持ち、この曲を聞き飽きるほど楽しんだ方にも新たな衝撃を与えることは間違いありません。今回はSACD収録でないのが残念ですが、会場はどちらもヘラクレス・ザールで、豊かな音響は健在です。今秋来日予定のヤンソンス&バイエルン放送響を知るための、最良のアルバムです。

録音 2007年10月30-31日…第1番, 2012年2月6-10日…第4番ミュンヘン・ヘラクレスザール(ライブ)
Recording Producer: Wilhelm Meister. / Balance Engineer: Winfried Mesmer(Symphonie Nr. 1), Ulrike Schwarz (Symphonie Nr. 4). / Editing: Elisabeth Panzer.



旧譜/第1弾

900111
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
ブラームス(1833-1897):交響曲第 2 番&第3 番
 1-4.交響曲第 2 番ニ長調 Op.73/
 5-8.交響曲第 3 番ヘ長調 Op.90
バイエルン放送交響楽団/
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音 2006 年3 月16-17 日ミュンヘン・ヘルクレスザール・・・第 2 番/2010 年1月16 日ウィーンムジークフェライン大ザール・・・第 3 番ライブ録音


CD ACCORD



ACD-176
\2000→\1890
エウゲニウシュ・モラフスキ:交響詩集
 1.ドン・キショット/2.ユーラリューム/3.Nevermore-もはやない
シンフォニア・ヴァルソヴィア/
モニカ・ウォリンスカ(指揮)
 ポーランドの作曲家、教師、そして画家として活躍したエウゲニシュ・モラフスキは1876年11月2日、ワルシャワに生まれました。1899年から1904年にかけて、ジグムントと・ノスコフスキ音楽院で作曲とピアノを学びつつ、1903年からは美術学校にも入学、素描を中心に学んでいます。同時代の芸術家たちと共に、写真や応用美術についての情報発信を頻繁に行い、新しい美術学校の創立にも書か会っています。その頃から彼は、革命派のポーランド社会党で働き、かなり過激な活動を行ったことで、シベリア流刑、及びワルシャワ要塞に投獄の判決を受けますが、父親の尽力で減刑、国外追放となります。そのため1908年からはパリに定住、ここでも美術学校で絵画と彫刻を学んでいます。1930年にポーランドに帰国、まずはポズナニ音楽院の監督となり、その後はワルシャワ音楽院の高等科の教授となります。多彩な活動が認められ多くの賞を受賞するなど、華々しく認められましたが、その作品はほとんど顧みられることがありません。
 このアルバムには現存する全3曲の交響詩が収録されています。まるで彼自身を表すかのように勇壮な「ドン・キショット(ドン・キホーテ)」と、神秘的な幽界をさまようかのような、エドガー・アラン・ポーの詩にインスパイアされた2つの作品という、この作曲家を知るにふさわしいもの。女性指揮者モニカ・ウォリンスカはパワフルさと繊細さを併せ持ち、知られざる作品を顕在させるために尽力しています。
 録音 ワルシャワ,ポーランド放送ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサート・スタジオ2011年2月15-16日, 2011年7月28日

CEDILLE



CDR-90000130
(2CD)
\2000→\1890
パシフィカ弦楽四重奏団
 ソ連の経験第2集

<CD1>
 ショスタコーヴィチ(1906-1975):
  1-4.弦楽四重奏曲第1番ハ長調 Op.49/
  5-8.弦楽四重奏曲第2番イ長調 Op.68/
  9-12.弦楽四重奏曲第4番ニ長調 Op.83/
<CD2>
  1-5.弦楽四重奏曲第3番ヘ長調 Op.73/
  6-8.プロコフィエフ(1891-1953):弦楽四重奏曲第2番ヘ長調Op.92
パシフィカ弦楽四重奏団
 ショスタコーヴィチと同世代の作曲家たちによる弦楽四重奏曲を集めたシリーズの第2集です。
 この第2集は第二次世界大戦を取り巻く時代、1938年から1949年に書かれた5つの作品を集めています。交響曲の作曲については、政府からの弾圧を受け、思い通りのものが書けなかったショスタコーヴィチですが、弦楽四重奏ではその鬱憤を晴らすかのように、思いのたけを楽譜に叩き付けていることで知られています。1938年に書かれた第1番は、交響曲第5番の発表(かなり政府に阿た作風を取らざるを得なかった)後の作品であり、第2番はその6年後に書かれた重苦しい作風が特徴。第3番はシニカルで、第4番は批判を恐れ初演を遅らせたというエピソードがあります。どれも多くの問題を内包する作品ですが、それ自体は驚くほどの深化を見せる、ショスタコーヴィチの最高傑作の集合体です。プロコフィエフの第2番も、戦争によって地方都市へ退去させられた彼が、当地の民謡をベースに独自の味付けをして書き上げたものです。全てパシフィカ弦楽四重奏団による納得の演奏。第1集(CDR90000127)も大好評です。
 録音 2011年11月24-25日…CD1:1-8, 2010年7月23-24日…CD2:1-5, 2011年8月29-31日…CD1:9-12,CD2:6-8 イリノイフォーリンジャー・グレート・ホール

The Soviet Experience Volume I
CDR-90000127
(2CD)
\2000→\1890
パシフィカ弦楽四重奏団 / ソ連の経験第 1 集
〈CD1〉
ショスタコーヴィチ(1906-1975):
 1-3.弦楽四重奏曲第 5 番変ロ長調 Op.92/
 4-7.弦楽四重奏曲第 6 番ト長調 Op.101
〈CD2〉
 1-3.弦楽四重奏曲第 7 番嬰ヘ短調 Op108/
 4-8.弦楽四重奏曲第 8 番ハ短調 Op.110
 9-12.ミャスコフスキー(1881-1950):弦楽四重奏曲第 13 番イ短調 Op.86
パシフィカ弦楽四重奏団
 ショスタコーヴィチ(1906-1975)と同世代の作曲家たちによる弦楽四重奏曲を集めたシリーズの第1 集です。全部で4 巻となる予定のこのシリーズ、まずは、ショスタコーヴィチの中期の傑作4 曲と、少し前の世代に属するミャスコフスキー(1881-1950)の作品で幕を開けます。1950 年代から1960 年にかけて書かれたショスタコーヴィチの4 つの弦楽四重奏曲は、少しずつ圧力を増してくる政策と、自らの身の置きどころについて苦悩した彼の逡巡が透けて見えてくるような作品群で、その諸々の思いは、有名な「第8 番」で見事に結実します。ミャスコフスキーの作品は、彼がなくなる1 年前に作曲されたもので、全体的な暗さはあるものの、まだ抒情性を持ち、聴きやすいと言えば聴きやすいでしょう。日本でも人気の高いパシフィカ弦楽四重奏団の納得の演奏です。
 録音 2010 年7 月24-25 日,9 月3-5 日, 2011 年1 月31 日,2 月1 日,5 月14-15 日イリノイ フォーリンジャー・グレート・ホール



もうひとつ旧譜
パシフィカSQの名盤
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
Mendelssohn: The Complete String Quartets
CEDILLE
CDR 90000 082
(3CD)
¥5000→¥4490
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
 弦楽四重奏曲 第1番 変ホ長調 作品12
 弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品13
 弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 作品44-1
 弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 作品44-2
 弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 作品44-3
 弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 作品80
 弦楽四重奏のための4つの小品 作品81
 弦楽四重奏曲 変ホ長調 1823年
パシフィカ四重奏団
[シミン・ガナートラ(Vn)、
シッビ・バーンハートソン(Vn)、
マスミ・パー・ロスタード(Va)、
ブランドン・ヴェイモス(Vc)]
 「ここ最近リリースされたメンデルスゾーンの全集セットをすべて比較試聴してみた。
 ターリヒ四重奏団、エマーソン弦楽四重奏団、ライプツィヒ弦楽四重奏団、バルソルディ四重奏団、ヘンシェル・クァルテット、バルトークSQ+シャロンSQ+イングリッシュSQ。
 店主の好みもあるかもしれない。・・・しかしそれから長い長い時間をかけて結局手元のCD棚に残ったのは・・・パシフィカ四重奏団のセットだった。なんの先入観もない。ただ、彼らの演奏が最も情熱的でダイナミックでエネルギッシュだった。ここで歌ってほしいというときに歌ってくれ、ここで泣いてほしいというときに泣いてくれた。曲のツボを理解しているというのか。」昔のコメントより
 録音:2002年12月、2003年10月、2004年3月、6月 作品81は続けて収録されている。



CPO


777747-2
(2CD)
\5200→\4790
初演時には大成功を収め、公演回数は80回!
 J.シュトラウス2世:喜歌劇「メトゥザレムの王子」全曲
ヤーナ・フライ(ソプラノ)/
ジェシカ・グラッテ(ソプラノ)/
フランク・エルンスト(テノール)/
ゲルト・ヴィーマー(バリトン)/
エルマー・アンドリー(バス・バリトン)/
フランク・オベリューバー(テノール) 他/
ドレスデン州立オペレッタ管弦楽団&合唱団/
エルンスト・タイス(指揮)
 1874年、ヨハン・シュトラウスとその妻イェッティはパリに滞在し、その地でオッフェンバックの作品について検討していました。彼の見込みによると、「もうオッフェンバックの時代は終わった」と断言してはみたものの、ウィーンで上演予定の新しいオペレッタの台本は、どうみても「オッフェンバック風」のものだったのです。シュトラウス自身は、この台本について、前述の理由から懐疑心を抱いたものの、付けたメロディは極上のものだったためか、1877年のカール劇場での初演時には大成功を収め、公演回数は80回を超えたといいます。小競り合いを繰り返している小さな2つの国が同盟を結ぶために、領主の娘と息子が結婚させられることになります。政略結婚はしたくないと嘆く娘のために、大掛かりな仕掛けをする一方の国の領主。しかしその意に反し、結婚相手であるメトゥサレムを一目みた娘は、そのとりこになってしまいます。「おいおい、話が違うじゃないか」と慌てる父。何しろ、実は相手国の領主の妻に片思いしていたからです…。最後はハッピーエンドで終わる物語で、シュトラウスらしく人々の心の機微を絶妙に描いています。

777551-2
\2000→\1890
プレイエル:プロイセン四重奏曲集第4-6番
 1.弦楽四重奏曲ハ長調 Ben334/
 2.弦楽四重奏曲イ長調 Ben335/
 3.弦楽四重奏曲変ホ長調 Ben336
ケルン・プレイエル弦楽四重奏団
 7-9番(777315-2)で、その上品で雅びな作風が話題となったプレイエル(1757-1831)の弦楽四重奏曲の続編です。今作でもケルン・プレイエル弦楽四重奏団による演奏です。作曲家としてのプレイエルは、未だその全貌が解明されているとは言い難く、もちろんその作品の評価も定まっていないのが実情です。以前は出版業者として身を立てるまえの修業期間の秀作として、また、数多くの「忘れられた」古典派の作曲家たちと同列に扱われてしまったプレイエルですが、実はハイドンからベートーヴェン、そしてシューベルトへと繋がる、古典派から前ロマン派の作風を見事に体現している作曲家でもあるのです。逆に言えば「独創的なものに欠ける」と捉えられてしまうかもしれませんが、この頃の弦楽四重奏曲が、いかに魅力的な文体を持っていたかの証明でもありましょう。魅力的なメヌエットを含む形式美に満ちた音楽です。


旧譜
プレイエル:プロイセン弦楽四重奏曲集第1巻
Pleyel: Prussia Quartets (String Quartets Ben 337?339)
777315-2
\2000→\1890
プレイエル(1757-1831):プロイセン弦楽四重奏曲集
 1.弦楽四重奏曲 第7 番 ニ長調 Ben 337/
 2.弦楽四重奏曲 第8 番 ヘ長調 Ben 338/
 3.弦楽四重奏曲 第9 番 ト短調 Ben 339
ケルン・プレイエル弦楽四重奏団
ヴァンハルにピアノを学び、ハイドンに師事、ピアニストとして各地で活躍、パリに定住してからはピアノ製造会社を設立し、プレイエル・ピアノの名を世界に広めた偉大なる作曲家の別の側面が味わえるのが、イタリア時代に書いたこの弦楽四重奏曲。明るい響きが麗しいこれらの作品は当時はとても人気を博したものだが、彼が実業家になってからはほとんど忘れられてしまい、現在ではあまり耳にする機会もなくなってしまった。


777735-2
\2600→\2390
マリオ・ヴェンツァーゴ
 ブルックナー:交響曲チクルス第3集

   交響曲 第2番ハ短調(1877)
ノーザン・シンフォニア/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
 ヴェンツァーゴの魅力あふれる「ブルックナー(1824-1896)交響曲ツィクルス」の第3弾です。今作はあまり演奏機会の多くない第2番で、「曲のスケールに合わせてオーケストラを選択する」というコンセプトを踏襲するヴェンツァーゴは、比較的規模の小さいノーザン・シンフォニアを選びました。ノーザン・シンフォニアは1958年に創立されたイギリス・イングランド北部のニューカッスル・アポン・タイン近郊のゲイツゲッド市にある室内オーケストラで、I.フィッシャー、R.ヒコックス、H.シフらが歴代の指揮を務め、現在はヴァイオリニストのトーマス・ツェトマイアーが音楽監督を務めてます。このエキサイティングかつ革新的なオーケストラからヴェンツァーゴは極めて精緻な響きを引き出すことに成功しました。


ヴェンツァーゴ/ブルックナー・チクルス第1・2弾

777615-2
(2CD)
\5200→¥4790
ヴェンツァーゴ/ブルックナー・チクルス第1弾
 オケは
バーゼル管弦楽団
 1.交響曲第 4 番変ホ長調(第 2 稿)/
 2.交響曲第 7 番ホ長調(1881-83 年)
バーゼル管弦楽団/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
ブルックナー(1824-1896)の交響曲については、様々な異稿版が存在し、現在でも研究が進んでいることは周知の事実です。初稿、改訂、後の人たちに拠る改編・・・。そのどれもが独自の声を挙げ、「これこそがブルックナーの真実の声」と主張し合っています。そして、演奏を聴く時には、ここ指揮者の解釈、オーケストラの音色などが加わり奥深い世界を構築していくのです。こうして、聴き手も演奏家もブルックナーから抜けられなくなるのでしょう。こちらは2002 年から2009 年までインディアナポリス交響楽団の音楽監督を務めた指揮者ヴェンツァーゴの渾身のブルックナーです。彼は以前にもバーゼル管弦楽団と「知られざるシューマン作品」の発掘を行ったことでも知られ、今回のブルックナー・ツィクルスでも何かをやってくれそうな期待が高まります。

777617-2
(2CD)
\5200→¥4790
ヴェンツァーゴ/ブルックナー・チクルス第2弾
 今回のオケはタピエラ・シンフォニエッタ
アントン・ブルックナー:交響曲全集第2集
 1.交響曲第0番ニ短調(1869年第2稿とされている版)/
 2.交響曲第1番ハ短調(1866年第1稿リンツ版)
タピエラ・シンフォニエッタ/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
第1集(777615-2)では、バーゼル交響楽団とともに第4番と第7番を演奏、無駄を削ぎ落としたさっぱりとした音色で聴かせたヴェンツァーゴですが、彼曰く、「ブルックナーの交響曲は全て違った音色で演奏しなくてはいけない」のだそうです。彼は第2作でそれをどのように実現したか・・・。なんとオーケストラを丸ごと交換(?)してしまいました。確かにオーケストラを変えれば、否応でも違った響きが得られます。
今回のツィクルスは初期の2つの交響曲であり、ヴェンツァーゴが求めたのは、比較的簡素ですっきりした音なのでしょう。モーツァルトなども得意とするこのオーケストラからは小回りの利く、古典的で静謐の響きが導きだされることは間違いありません。ブルックナー(1824-1896)の全集を完成させるための新たな試みとしても高く評価されるのではないでしょうか。今後、重量級の音に期待も膨らみます。


777242-2
\2600→\2390
テレマン:ヴァイオリン協奏曲全集第4集
 〜エリザベス・ウォルフィッシュ
 1.ヴァイオリン(2つのオーボエも共に)、弦楽合奏と
   通奏低音のための序曲(協奏曲) ト長調TWV55:G6/
 2.ヴァイオリン、弦楽合奏と通奏低音のための序曲(協奏曲) ホ長調TWV55:E3/
 3.ヴァイオリン(2つのオーボエも共に)、弦楽合奏と
   通奏低音のための序曲(協奏曲) ト短調TWV55:G7
オルフェオ・バロック管弦楽団/
エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン&指揮)
 cpoの膨大なテレマン(1681-1767)・コレクションの中でも、多くの人が続編を待ち望んでいるヴァイオリン協奏曲集、第4集の登場です。第3集では、自身が率いるアンサンブルとの演奏を披露したエリザベス・ウォルフィッシュですが、今作では、第2集と同じく、オルフェオ・バロック管弦楽団と極めて濃密なやりとりを聴かせます。テレマンのヴァイオリン協奏曲は非常に独創的、かつ実験的なフォームを持っていることで知られ、それは、ドイツの伝統的な音楽の形式にフランスとイタリアの潮流を取り入れたテレマンらしく、ヴァイオリンの奏法にも華やかで技巧的なものが多くみられ、また形式的にも面白いものが多いのです。遊び心と優雅さを併せ持つこれらの作品、どの曲にも「演奏する喜び」と「聴く喜び」が満ち溢れています。


旧譜
テレマン:ヴァイオリン協奏曲全集第 3 集
Telemann: Complete Violin Concertos Volume 3
777473-2
\2600→\2390
テレマン(1681-1767):ヴァイオリン協奏曲全集第 3 集
 1.協奏序曲ニ長調 TWV 55:D14/
 2.協奏序曲イ長調 TWV 55:A7/
 3.2 台のヴァイオリンのための協奏曲ト長調 TWV 52:G1
エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン&指揮)/
スーザン・カーペンター=ジェイコブス(第2 ヴァイオリン…3
のみ)/
ウォルフィッシュ・バンド
第 1 集、第2 集ともに好評を博しているテレマンのヴァイオリン協奏曲集の第3 集です。このアルバムでは2 台の協奏曲など、新たな形式を模索するテレマンの姿が克明に浮かび上がる選曲となっています。協奏序曲でのソロの扱い方などは当時としては革新的で、テレマンも楽しんで書いていた様子がうかがわれます。ここでの名手ウォルフィッシュは、彼女自身の楽団である「ウォルフィッシュ・バンド」を結成し、より自由に曲の解釈を楽しんでいるようです。


777748-2
\2600→\2390
アレッサンドロ・スカルラッティ:世俗カンタータ集
 1.ソプラノ、弦楽合奏と通奏低音のための「オリンピア」/
 2.ソプラノ、弦楽合奏と通奏低音のための「アリアンナ」/
 3.ソプラノ、トランペット、弦楽合奏と通奏低音のための「テブロ川のほとりで」
アドリアーナ・フェルナンデス(ソプラノ)/
ガブリエーレ・カッソーネ(トランペット)/
コンチェルト・ド・カヴァリエーリ/
マルチェッロ・ディ・リーザ(指揮)
 ナポリで生まれたアレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725)は、おもにナポリ楽派の歌劇の創始者として知られます。彼の音楽、とりわけ声楽曲は、17世紀の初期イタリア・バロックの声楽様式と、古典派の重要な橋渡しとしての働きを持っていて、形式的にも、感情表現などでも、それまでのものから一歩踏み込んだ素晴らしいものとなっています。彼は500曲以上のソロ・カンタータを作曲していて、これらも歌劇同様に、主人公の感情表現、ことに女性心理を巧みに扱っており、構造的にも見事な作品として愛好されています。
 宗教的作品集(777476-2)と同じ、マルチェッロ・ディ・リーザ率いるコンチェルト・ド・カヴァリエーリの演奏。ソリスト、フェルナンデスも芯のある美声を聴かせます。


旧譜
アレッサンドロ・スカルラッティ:宗教曲集
A. Scarlatti: Sacred Works
777476-2
\2600→\2390
A.スカルラッティ(1660-1725):宗教曲集
 1.祝福され、尊ばれし聖母マリア(初録音)/
 2.幸いなるかな女王/
 3.モルタレス・ノン・アウディティス/4.ニシ・ドミヌス
ゲンマ・ベルタニョッリ(ソプラノ)/
アドリアーナ・フェルナンデス(ソプラノ)/
サラ・ミンガルド(コントラルト)/
マルティン・オーロ(カウンター・テナー)/
フリオ・ザナシ(バリトン)/
アントニオ・アベーテ(バス)/
コンチェルト・デ・カヴァリエーリ(オリジナル楽器使用)/
マルチェロ・ディ・リサ(指揮)
 1660 年ナポリ生まれのアレッサンドロ・スカルラッティは、現代では「オペラ作曲家」及び「カンタータ作曲家」として名高いのですが、数少ない宗教作品も、まことに素晴らしいものです。彼は教会の仕事をしていない時でも、少ないながらも宗教的作品を生涯に渡って書いており、比較的有名な「聖チェチリアのミサ」の他にもいくつかの典礼用の作品が残されています。ここに収録された4 つのモテットは、どれも流麗で輝かしく、時代を先取りしたもので、バッハの作品にも比肩するほどの迫力を備えています。


777630-2
\2000→\1890
ミェチスワフ・ヴァインベルク:木管楽器のための室内楽集
 1.クラリネット・ソナタOp.28/
 2.フルートとピアノのための12の小品Op.29/
 3.無伴奏ファゴットのためのソナタOp.133/
 4.フルート、ヴィオラ、ハープのための三重奏曲Op.127
エリザヴェッタ・ブルミナ(ピアノ&芸術コンセプト)/
ヴェンゼル・フックス(クラリネット)/
ヘンリク・ヴィーゼ(フルート)/
マティアス・バイアー(ファゴット)/
ニムロッド・グェス(ヴィオラ)/
ウータ・ユングヴィルト(ハープ)
 最近、その作品の復興が盛んなポーランド=ロシアの作曲家ヴァインベルク(1919-1996)、新しい作品も次々と発見され、更に世界的評価が高まっています。このアルバムでは比較的珍しい室内楽作品を4曲収録。比較的初期の作品であるクラリネット・ソナタは聴く機会もありますが、晩年の無伴奏ファゴット・ソナタや三重奏曲はほとんど知られていません。彼の作品は、よくショスタコーヴィチとの類似点が指摘されますが、実際にはもう少し抒情的な要素を持ち、また驚くほど感傷的な面も見えたりします。各々の楽器には高い技術が要求され(特にピアノ・パート)、演奏もなかなか困難ではありますが、ここで見事な統率力を見せるピアニストのブルミナを始めとする演奏家たちは、文句なしの名演を聴かせています。

777750-2
\2000→\1890
ピアノはヴァレンティーナ・イゴーシナ!
 ショスタコーヴィチ:付随音楽「ハムレット」組曲/
            ピアノ協奏曲第1番&第2番

 1.付随音楽「ハムレット」組曲Op.32a(1932年オリジナル・ヴァージョン)/
 2.ピアノ協奏曲第1番ハ短調 Op.35/
 3.ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.102
ヴァレンティーナ・イゴーシナ(ピアノ)/
トーマス・ハンメス(トランペット)/
ドイツ・カンマーアカデミー・ノイス/
ラヴァー・スコウ=ラーセン(指揮)
 ショスタコーヴィチ(1906-1975)の「ハムレット」というと、1964年に書かれた映画音楽がよく知られています。しかし、彼はもっと早い時期からシェークスピアのこの作品を愛していたといい、1932年には既にこの付随音楽が作曲されています。この年に上演されたアキーモフの演出による「ハムレット」はかなり型破りな解釈が施され、本来なら悲劇であるはずのこの物語も、皮肉たっぷりの喜劇として描かれました。ショスタコーヴィチの音楽は、前述の映画音楽に比べると、かなり軽快で才気走ったもの。もちろん当局の検閲は、この作品を上演禁止にしてしまったことは言うまでもありません。後の54年に彼自身が再編したヴァージョンもありますが、ここでは32年のオリジナル・ヴァージョンを収録しています。
 同時収録は、有名な2曲のピアノ協奏曲。ピアニストのイゴーシナは息を飲むほどの明瞭さで、この魅力ある作品を演奏しています。


初紹介の旧譜
ヴァレンティーナ・イゴーシナのショパン
Valentina Igoshina Plays Chopin
TPF TPCD160
\2000→\1890
ショパン:
 ワルツ第1番
 ワルツ第6番
 夜想曲第13番
 前奏曲第7番
 前奏曲第15番
 練習曲第5番
 スケルツォ第1番
 ピアノ・ソナタ第3番〜第3楽章
 英雄ポロネーズop.53
 練習曲第3番
 即興曲第4番
ヴァレンティーナ・イゴーシナ(ピアノ)
 少しずつ日本でも話題になってきているヴァレンティーナ・イゴーシナ。期待の美しき若手ピアニスト。
 このショパン、インターネットではいろいろ話題になっていたのに、代理店がないために日本のショップではほとんど見かけることはなかった。アリアCDでも初紹介となる。
 http://pianodouga.blog76.fc2.com/blog-entry-193.html(「子犬のワルツ」観られます)


CPO


777695-2
(4CD)
\5400→\4990
新しき時代のシリーズ エルンスト・クシェネク:交響曲全集
CD1.
 交響曲第1番&第5番…999359-2/
CD2.
 交響曲第2番…999255-2/
CD3.
 交響曲第3番&ポプリOp.54…999236-2/
CD4.
 交響曲第4番Op.113&合奏協奏曲第2番Op.25…777210-2
ハノーファー北ドイツ放送フィル/
浮ヶ谷孝夫(指揮)…CD1-3/
アラン・フランシス(指揮)…CD4
 フランツ・シュレーカー(1900-1991)に師事し、ドイツの歌劇場で指揮者として活躍中に、1922年、マーラーの次女であるアンナ・マーラーと出会い、1年ほどではありますが、結婚生活を送ったクシェネク。その時には義父となったマーラーの「交響曲第10番」の一部を校正、改訂したことでも知られています。本人がチェコの血を引いていたため、ナチス政権下では「頽廃音楽」のレッテルを貼られ、演奏が禁止されてしまった彼の作品も、最近ようやく復興の兆しを見せてきました。
 ほぼ20年前からクシェネクの交響曲録音に取り組んできたcpoレーベルですが、「紛失した」とされていた交響曲第4番のスコアが最近発見されたことで、ようやく全集が完結。ここにリリースできることにまりました。本音を言えば、全ての曲を浮ヶ谷氏の指揮で聴きたいところではありますが、それはそれ。不当に忘れられたこの作曲家の全貌に近づくために、このリリースはファンにとってまたとない贈り物になることでしょう。

777518-2
\2600→\2390
ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第3番「復活」 アイレ・アッソニー(ソプラノ)…第3&5楽章/
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 オランダの神学者の家庭に生まれ、早くから音楽の才能を表したヤン・ファン・ヒルセ(1881-1944)。彼はケルン音楽院でフランツ・ビュルナーに師事し、その後、ベルリンでフンパーディンクの元で研鑽を積みます。そして1909年から1911年にイタリアへ留学、その間にこの第3番の交響曲を作曲し、権威ある「ミヒャエル・ベール賞」を受賞しています。1906年から作曲が始められたこの作品は「復活」と題されていて、第3楽章と第5楽章にはソプラノのソロが用いられています。1908年6月2日にミュンヘンで初演され、1909年3月4日にはオランダでも演奏されています。その時、ヒルセはメンゲルベルクの指揮を望んだようですが、それは実現しなかったようです。この曲は、彼の存命中に7回演奏されましたが、結局のところ、不変の人気を得るまでには至りませんでした。そんな作品ですが、今こそ「復活」の時が来たのです。

777310-2
\2600→\2390
お待たせしました!レントヘン交響曲シリーズ最新巻
 ユリウス・レントヘン:交響曲集
  1.交響曲第6番ハ短調「ああ神よ、私は誰に嘆くべきか」/
  2.交響曲第19番ハ短調「B.A.C.H」/
  3.交響曲第5番「死神」
コンセンサス・ヴォカリーズ/
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 20世紀前半に活躍したオランダの作曲家、レントヘン(1855-1932)の「合唱付き」交響曲集です。
 cpoファンにとって、すっかりおなじみとなったレントヘンですが、まだまだ素晴らしい作品が埋もれているようです。今回ご紹介するのは1926年に書かれた、古いイギリスの讃歌をテキストにした混声合唱付きの第5番、1928年に書かれたフラマン語のテキストの伝統的な讃歌のメロディを用いた第6番、そして1931年に書かれたバッハのソナタからメロディを転用した第19番です。この第19番は、若い頃から心酔していたバッハへの敬意を表すために、たった2週間で完成された作品で、冒頭のテーマが次々と繰り返され、壮大なフーガへと発展するという、まさにバッハへのオマージュ。これは聴きごたえたっぷりです。


CPO
ユリウス・レントヘン交響曲シリーズ旧譜

777119-2
¥2600→¥2390
レントヘン(1855-1932):
 交響曲第3番/「ヨトゥンヘイム」組曲
ダフィト・ポルセレイン指揮
ラインラント=プファルツ国立フィルハーモニー管
A B Cレーベルでのベートーヴェン全集(タスマニア響)でマニアに知られる、名匠ポルセレインの指揮というのがまたいい。
Rontgen - Symphony No. 18
777255-2
\2600→¥2390
レントヘン(1855-1932):
 1.交響曲 第18 番 イ調/
 2.ノルウェイ民謡によるバラード/
 3.海での歌 Op.45/
 4.古いオランダの舞踏曲 Op.46
北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 レントヘンは生涯に20 曲の交響曲を書きましたが、この第18 番がもっとも長く、また驚くほどに古典的な様式で書かれています。あまりにも印象的なトランペットのファンファーレに導かれた壮麗な第1 楽章(合いの手のティンパニがまた絶妙)は、まるで祝祭的なバロック音楽を聴いているかのような錯覚にとらわれることでしょう。
 他の収録曲は、ゆったりとした「ノルウェイ民謡によるバラード」、描写的な「海での歌」、快活な「古いオランダの舞踏曲」。どれもが穏健で美しい作品。
 A B Cレーベルでのベートーヴェン全集(タスマニア響)でマニアに知られる、名匠ポルセレインの指揮というのがまたうれしいです!
Rontgen - Symphony No. 10
777308-2
\2600→¥2390
レントヘン(1855-1932):交響曲第10 番「ワルツ交響曲」 他
 1.交響曲第10 番「ワルツ交響曲」/
 2.シンフォニエッタ・フモリスカ/
 3.3 つの前奏曲とフーガ/4.組曲「古きオランダ」
ダヴィッド・ポルセライン(指揮)/
ラインラント=プファルツ国立フィルハーモニー管弦楽団
 今作は、20 曲ある交響曲の第10 番目の「ワルツ交響曲」をメインとした収録曲。木琴などの打楽器を効果的に使用した快活な作品。古い民謡を主題とする組曲や、古典的な形式に基づいた「前奏曲とフーガ」など、未知の名曲に親しむ喜びがふつふつと湧いてくるような嬉しい1 枚。


レントヘン、お奨めの1枚

BMG
88697 158372
\2300→¥2090
ユリウス・レントヘン:室内楽作品集
 ピアノ五重奏曲 イ短調 Op.100、
 クラリネット三重奏曲 変ホ長調、 
 ヴィオラ・ソナタ ハ短調、  六重奏曲 ト長調
アーティスト・オブ・
 ザ・ロイヤル・コンセルヴァトワール
録音:2007年4月2〜4日:The Living Arts Centre, Mississauga, Ontario
 バッハの音楽が作曲家の死後100年経って評価されたり、マーラーのブームが死後数十年経ったあとで起きたりしたように、今は無名でもこれから大作曲家の仲間入りをするような人が、どこかの時代に眠っているかもしれない。カリヴォダやこのレントヘンの音楽を聴くと、そんな思いを特に強くする。
 昔コンセルトヘボウに行ったとき、ホールの壁に当地とかかわりがある有名な作曲家たちの名前が書かれていたのだが、そのなかに「レントゲン」という名前があって、「何でここに突然科学者が出てくんの?」と思ったが、今にして思えばあれはアムステルダム音楽院長を務めたユリウス・レントヘンのことだったのか。
 さて、そのユリウス・レントヘンの室内楽作品集。ドイツ的でもあり、確かに北欧っぽかったりフランスっぽかったりするが、物真似のレベルなどはるかに超えてしっかりすっかり自分の音楽世界を築いている。ときおり気難しいあまり人を寄せ付けない雰囲気の作品もある。要は基本的に背筋のピンとした、毅然とした感じのロマンティック音楽なのである。だがその分何回も何回も聴いてこの真剣な音楽をクリアしたいという欲求に駆られる。そのあたりが通な聴き手に受けている理由だろう。
 最近リリースが増えているレントヘンだが、急激にブームにならない代わりに、決して減ることもない。しかしゆっくりゆっくり時間が流れたときに、いつの日か、あのヴィルヘルム・レントゲンではなく、その遠い親戚のユリウス・レントヘンのほうが有名になることだって・・・・あるかもしれない。



777449-2
\2600→¥2390
アレクサンドル・タンスマン:ピアノのためのコンチェルティーノ他
 1.ピアノのためのコンチェルティーノ/
 2.イーゴリ・ストラヴィンスキー、追憶の石碑/
 3.左手のためのピアノ協奏曲/
 4.わが友、ダリウス・ミヨーの思い出によるエレジー
クリスティアン・ザイベルト(ピアノ)/
ブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルト/
ハワード・グリフィス(指揮)
 1897年にポーランドのウッチで生まれたタンスマン(1897-1986)は、最初ポーランドで学ぶも、若い頃に留学したパリで自由な空気を体験することで、その音楽性を大きく広げることができた人です。ラヴェルやストラヴィンスキーの影響も大きく、また作品にもあるようにミヨーとは親しく交流し、一時は「フランス六人組」への参加も打診されるほどフランスになじんでいたといいます。しかし、やはり体に流れるのは祖国の血であったのでしょう。後年の彼はポーランドの民族音楽やアジアの音楽を積極的に自作に取り入れ、独自の素晴らしい音楽を創造することになります。
 ここでは、戦争で右手を失ったピアニスト、ヴィトゲンシュタインのために書いた「左手のためのピアノ協奏曲」を始めとした、いくつかの作品をお楽しみいただけます。映画音楽の世界でも重要な仕事をしたタンスマンの音楽、これはくせになります。
777578-2
\2600
ハインリヒ・カミンスキ:弦楽オーケストラのための作品
 (原曲:弦楽五重奏曲嬰ヘ短調…ラインハルト・シュヴァルツ・シーリンク編)
ドイツ・カンマーアカデミー・ノイス/
ラヴァー・スコウ・ラーセン(指揮)
 バイエルン生まれの作曲家カミンスキ(1886-1946)は、一時期銀行員として働き、その後政治学を学びますが、溢れる楽才を認められ転向、ベルリンで学んだ後は、ピアノ教師、合唱指揮者として活躍します。ベルリン・プロイセン芸術アカデミーでは作曲家のマスタークラスで指導し、あのカール・オルフも彼の門人であったことで知られています。現在では、いくつかの合唱作品が知られていますが、ここでは珍しい弦楽五重奏曲をご紹介いたします。この作品は1915年に作曲され、斬新な和声が初演時に絶賛されました。その後、彼の弟子であるラインハルト・シュヴァルツ・シーリングと共に弦楽オーケストラのための作品として改訂、1929年に再演しています。全体的に緊張感を帯びた音楽は、その後の悲劇的な彼の半生を予感させるかのように、強いエネルギーを放射しています。
 1933年、ヒトラーが政権を握ったことで職を奪われ、音楽活動もできずに1946年にさびしくこの世を去ったカミンスキ。しかしここには強い信念があります。
777584-2
\2000
フェルディナント・ヒラー:ピアノ作品集
 1.ピアノ・ソナタ第2番Op.59/2.ピアノ・ソナタ第3番Op.78/
 3.3つのガゼルより第1番Op.54-1/
 4.3つのガゼルより第2番Op.54-2/
 5.ピアノのための小品集Op130より1-3.5/
 6.種々のピアノ小品Op.81より1-3
アレクサンドラ・エーラー(ピアノ)
 ドイツ・ロマン派に属する作曲家ヒラー(1811-1885)のピアノ曲集です。フンメルに師事し、ピアニストとしての腕を磨き、1827年には最晩年のベートーヴェンに会い、最初の弦楽四重奏を作曲しました。メンデルスゾーンの親友であり、また「評論家」シューマンからはピアニストとしても作曲家としても賞賛されたというスゴイ人です。また、あのアルカンとも親交があったというのですから、19世紀のピアノ界において、真の実力者の一人であったことは間違いありません。
 彼はとても想像力が豊かであり、各々の曲には溢れるほどのファンタジーに満たされています。ピアニストのエーラーは、ブリュルやリースなど、古典派からロマン派へ推移する時代の作品を集中的に手掛けている名手。端正な作品にパッションを載せることで独自の世界を構築する人です。
777445-2
\2000
マックス・レーガー:ヴァイオリン作品集
 1.ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 Op.3/
 2.ヴァイオリン・ソナタ第3番イ長調 Op.41/
 3.アルバムのページOp.87-1/4.ロマンスOp.87-2
ウルフ・ヴァーリン(ヴァイオリン)/
ローランド・ペンティネン(ピアノ)
ウルフ・ヴァーリン(ヴァイオリン)/
ローランド・ペンティネン(ピアノ)
 43年という、決して長くはない生涯にレーガー(1873-1916)は驚くほど多くの作品を残しました(ただし交響曲とオペラは1曲もありません)。その中にヴァイオリン・ソナタは無伴奏も含めて20曲あり、そのどれもが拡張された和声と、精緻な対位法を用いて書かれていて、極めて渋く美しい光を放つものです。このアルバムでは、かなり初期の作品である第2番のソナタが収録されていますが、18歳の時の作品にもかかわらず、すでに分厚い和声と、諧謔的な表情が見える見事な作品となっています。アルバムのページは、ちょっとした風景を切り取ったかのような彼の作品を完璧に演奏するのは至難の業ですが、ヴァーリンとペンティネンは、豊かな表現力でその高い壁を乗り越えています。2つの小品の、ちょっとひねった味わいもレーガーならではのものです。

DIVOX


CDX-21006
\2000
アンサンブル・ピラミッドのポートレート
 1-2.モーツァルト(1756-1791):
  フルート四重奏曲第3番ハ長調 K.Anh. 171/285b
   (オーボエと弦楽三重奏編)/
 3.デュティユー(1916-):ソナチネ(M.ブレニマンによるフルート、ハープと弦楽三重奏編)/
 4.モーツァルト:アダージョとアレグロヘ短調 K594
  (M.ブレニマンによるフルート、ハープと弦楽三重奏編)/
 5-7.イベール(1890-1962):三重奏曲/
 8.ラヴェル(1875-1937):亡き王女のためのパヴァーヌ
  (M.ブレニマンによるアンサンブル編)
アンサンブル・ピラミッド
 アンサンブル・ピラミッドはスイス、チューリッヒで1991年に設立されたアンサンブルです。マルクス・ブレニマン(フルート、編曲)、バーバラ・ティルマン(オーボエ)、ウルリケ・ヤコビ(ヴァイオリン)、ミュリエル・シュヴァイツァー(ヴィオラ)、ジャエル・ベルツヒンガー(ハープ)のメンバーで構成され、曲によって柔軟に編成を変え、バロックから近現代まで幅広い音楽を演奏しています。彼らはプログラムに必ず「新しいもの」と「古いもの」を並列に並べることで、音楽の流れを自然に感じ取れるような働きかけをしています。また忘れられてしまった作品の蘇演にも力を入れており、そちらでも高い評価を受けています。このアルバムでは、そんな彼らのスタンスがはっきり理解できることでしょう。モーツァルトに挟まれたデュティユーは、決して居心地悪そうではなく、ごく自然に収まっているところが見事です。
 録音 1999年9月2-4日

CDX-21005
\2000
フランスの組曲集
 1-5.ラヴェル(1875-1937):クープランの墓(抜粋)/
 6-9.ドビュッシー(1862-1918):小組曲/
 10-15.ドビュッシー:6つの古代の墓碑銘/
 16-21.ピエルネ(1863-1937):私の子供たちのためのアルバムOp.14
  ※全てマルクス・ブレニマンの編曲による
アンサンブル・ピラミッド
 こちらはアンサンブル・ピラミッドが「フランス音楽」に特化してプログラムしたアルバムです。19世紀後半の印象派の音楽を中心に、これらの移り変わる色彩感を絶妙な編曲で楽しませてくれます。ラヴェルの「クープランの墓」ではラヴェルによってピアノ・ソロから管弦楽曲へと変容された「プレリュード」、「フォルラーヌ」、「メヌエット」、「リゴドン」の4曲に「フーガ」が加えられていて、全く新しい響きを味わうことができるというものです。ドビュッシーの2つの作品、とりわけ小組曲での「洋上の小舟」はもともとこの編曲だったのではないか。と思えるほどのはまり方。静けさの中に妖艶さがたっぷり感じられる粋な響きです。
 録音 2007年4月27-29日マルトハレン教会


CDX-55257
(7CD)
\2600→\2390
チェロ・ジュエルズ
 ニッフェネッガーの名演アルバムが7枚で¥2390

<CD1>
 1-2.ベートーヴェン(1770-1827):チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1/
 3-5.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2/
 6-8.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69/
<CD2>
 1-2.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1/
 3-4.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2/
 5.ベートーヴェン:モーツァルト「魔笛」の
  「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲変ホ長調 WoO46/
 6.ベートーヴェン:ヘンデル「ユダ・マカベウス」の
  「見よ勇者は帰る」の主題による12の変奏曲ト長調WoO45/
 7.ベートーヴェン:モーツァルト「魔笛」の
  「娘か女か」の主題による12の変奏曲Op.66/
<CD3>
 1-3.ブラームス(1833-1897):チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38/
 4-5.シューベルト(1797-1828):アルペジョーネ・ソナタイ短調 D821(チェロ編)/
 6-9.ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.99/
<CD4>
 1-3.ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番Op.78(チェロ編)/
 4-16.ドホナーニ(1877-1960):チェロ・ソナタ変ロ短調 Op.8/
 17-20.フックス(1847-1927):幻想小曲集Op.78より/
<CD5>
 1-3.メンデルスゾーン(1809-1847):チェロ・ソナタ第1番変ロ長調 Op.45/
 4-8.シューマン(1810-1856):民謡風の5つの小品Op.102/
 9-12.メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ第2番ニ長調 Op.58/
<CD6>
 1-4.ショパン(1810-1849):チェロ・ソナタト短調 Op.65/
 5-8.フランク(1822-1890):ヴァイオリン・ソナタイ長調(チェロ編)/
 9-11.グリーグ(1843-1907):チェロ・ソナタイ短調 Op.36/
<CD7>
 1-3.R.シュトラウス(1864-1949):チェロ・ソナタヘ長調 Op.6 TrV115/
 4-7.プフィッツナー(1869-1949):チェロ・ソナタ嬰ヘ短調 Op.1/
 8-10.ヤナーチェク(1854-1928):おとぎ話JW VⅡ/5/
 11.ヤナーチェク:プレスト JW VⅡ/6
エステル・ニッフェネッガー(チェロ)/
ジェラルド・ワイス(ピアノ…CD1-3.5-7)/
アンネッテ・ヴァイスブロード(ピアノ…CD4)
 ベートーヴェンからヤナーチェクまで、チェロ・ソナタの名曲がたっぷり楽しめる7枚組です。
 演奏しているのはエステル・ニッフェネッガー。彼女はチューリッヒ生まれのチェリストで、パブロ・カザルスとエンリコ・マイナルディのマスター・クラスを受講し、スイス協会のソリスト賞を受賞、イスラエルで開催された国際カザルス・コンクールで第2位を獲得するなど、世界的な活躍をしています。室内楽奏者としても名高く、また1977年には長い間失われていたとされた、ハンス・プフィッツナーのチェロ協奏曲の初演を行いました。日本にも所縁が深く、1983年から1986年まで東京芸術大学の客員教授も勤めていました。優美さの中に強い芯が感じられる見事な演奏です。
 録音 1975年8月7日,30-31日,9月27日…CD1,2, 1978年…CD5, 1978年11月…CD3,7, 1992年…CD6, 2000年10月…CD4

CDX-69715
(2CD)
\2600
ラフーゼン:創造の歌Ⅱ
<CD1>
 1-3.朝の歌/4-9.春の歌/10.間奏曲第1番(4月-5月-4月)/
 11-15.夏の歌/16-20.秋の歌/21.間奏曲第2番(1月-2月-9月)/
 22-26.花の賞賛/27.間奏曲第3番(6月-11月)/28-30.音楽の光/
<CD2>
 1-8.夕べの歌Ⅰ/9.間奏曲第4番(10月-3月-10月)/
 10-15.愛、結婚/16.間奏曲第5番(7月-8月-12月)/
 17-22.夕べの歌Ⅱ
ヨハン・ヴォルフガンク・ゲーテ・
 ユニヴァーシティ・フランクフルト室内合唱団/
クリスティアン・リディル(指揮)/
フランク・ブリッジ弦楽四重奏団…間奏曲
 「創造の歌 Ⅰ」(CDX--69711/12)の続編となります。ラフーゼン(1886-1975)が作曲したおよそ150曲の女性合唱のための歌曲を主題やモティーフごとに並べ、4〜5夜のコンサートで聴くというというコンセプトで、第1集では1942年から1944年頃に書かれた8つの歌曲集からが収録されていましたが、こちらの第2集では演奏家を変えて、1952年以降に書かれた作品が演奏されています。簡素なスタイルの中に無尽蔵のアイデアを秘めたこれらの曲集ですが、ほとんど演奏される機会もないため、ここでの録音はとてお貴重なものです。歌の間に挟まれる弦楽四重奏曲も美しさの極みです。
 録音 2008年10月10-1.17-18日,11月7-8.14-15日


CDX-20905
\2000→\1890
ラフ:ピアノ四重奏曲集Op.202
 1-4.ピアノ四重奏曲ト長調 Op.202-1/
 5-8.ピアノ四重奏曲ハ短調 Op.202-2
アンサンブル・イル・トリティコ/
デイヴィッド・グリーンリーズ(ヴィオラ)
 ラフ(1822-1882)はかなりの多作家であったにも拘わらず、現在では「カヴァティーナ」1曲が知られているのみで、ほとんどその作品を耳にする機会もありません。しかしながら、彼の作品は同時代のブラームスやリストを凌駕するほどの魅力を持ち、一度聴いたら忘れられないほどの強烈な印象を残すものが多いのです。このアルバムでは、1877年に初演された2つのピアノ四重奏曲を収録。和やかなト長調、冒頭こそ悲しげに始まるものの、第2主題で極めて美しさを増してくるハ短調。ラフ入門としても格好の1枚です。アンサンブル・イル・トリティコのピアニスト、ヤン・シュルツは長い間ラフの作品の啓蒙に努めてきたそうで、今回の演奏でも熱の入った音楽を奏でています。
 録音 2009年2月9-12日

GRAND PIANO



GP605
\2000→\1890
サン=サーンス:ピアノ作品全集第2集
 1.ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 Op.29(ピアノ独奏版)-第1楽章/
 2-5.組曲ヘ長調 Op.90
  <前奏曲とフーガ/メヌエット/ガヴォット/ジーグ>/
 6.アレグロ・アパッショナート嬰ハ短調 Op.70(ピアノ独奏版)/
 7.主題と変奏Op.97/8-13.6つのフーガOp.161
ジェフリー・バールソン(ピアノ)
 第1集(GP601)では、「練習曲」と題されながらも、実際には華麗かつ演奏困難な作品を寸分の隙もなく演奏していたバールソン。この第2集でも、サン=サーンス(1835-1921)の知られざる魅力の発掘に邁進しています。このアルバムには、サン=サーンスによる「バロック、古典的な形態」と「ロマンティック」の融合作品を中心とした5つの作品が収録されています。協奏曲第3番のピアノ・ソロヴァージョンは、管弦楽パートを全て巧みにソロ・パートに入れ込んでしまうというもの。「アレグロ・アパッショナート」も同系統の作品で、まさにヴィルトゥオーゾの言葉を感じさせる音の多さに目を見張ります。「組曲」と「6つのフーガ」もかなり手の込んだもので、とりわけフーガについては、演奏家のバールソンも心酔しているようで、彼によるブックレット(英語、フランス語)にも、この作品の意義と素晴らしさが熱を持って記載されており、サン=サーンスの手法の見事さ以上に、その熱き解説に息を飲む思いがします。もちろん演奏も文句なし。説得力に満ちた音楽です。
 録音 2011年10月アメリカ パトリッチ・サウンド・スタジオ


GP608
\2000→\1890
チェレプニン:ピアノ作品全集第1集
 1-10.10のバガテルOp.5(1918)/
 11-14.ソナタ第1番Op.22(1918)/
 15-23.9つのインヴェンションOp.13(1921)…世界初録音/
 24-26.ソナタ第2番Op.94(1961)/
 27-36.10の練習曲Op.18(1920)…世界初録音
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)
 ディアギレフのロシア・バレエ団の指揮者を務め、バレエ音楽作曲家としても知られるニコライを父としてロシアに生まれた作曲家アレクサンダー・チェレプニン(1899-1977)。ロシア革命後、グルジアを経由しパリに亡命、この地でフランス6人組の薫陶を受けますが、結局はそのような「定まった技法」からの脱却を図り、様々な国の民謡を採り入れた音楽を書くようになります。民謡採取旅行の傍ら、中国や日本で若手作曲家の育成に当たり、早坂文雄や伊福部昭らを指導、多くの感銘を与えたことでも知られています。そんな彼の作品の中には、様々な要素が混在しています。この第1集には比較的初期の作品である「バガテル」などの小品と、青年の巧みな書法が目立つ「ソナタ第1番」そして、それに対比するかのような「練られた音楽」が際立つ「ソナタ第2番」など5つの曲集が収録されています。彼の音楽を知るための絶好の入門作としてもオススメです。
 録音 2011年3月13日スイス ルガーノ,スイスイタリアーナ・コンセルヴァトーリオ

GRAND PIANO



GP606
\2000→\1890
ゲルハルト・フロンメル:ピアノ・ソナタ第1番-第3番
 1.ピアノ・ソナタ第3番ホ長調「シシーナ」Op.15(1940/41:1962/80改編)/
 2-4.ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 Op.10(1935)/
 5-7.ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調 Op.6(1931)
タチアーナ・ブローメ(ピアノ)
 ゲルハルト・フロンメルは1906年カールスルーエで生まれました。彼は1926年から1928年にヘルマン・グラプナーに音楽を学び、同時にハンス・プフィッツナーのマスター・クラスにも出席しています。シュトゥットガルトの大学で作曲科の教授を務めました。彼は生涯に渡って調性音楽を愛していましたが、時代は十二技法から無調へと流れ、彼は完全に忘れられた存在となってしまいます。その後、ドイツでファシストとみなされ、1984年に寂しく生涯を閉じることとなりました。彼の音楽は、前述の通り、いつも危ういところで調性の枠内に留まっており、それが不思議な官能性を醸し出しています。このアルバムでは第3番から遡って第1番へと曲順が組まれていますが、一通り聞いてみるとわかる通り、一番先鋭的な響きを持っているのは第2番でしょう。とは言え、それはあくまでもプロコフィエフなどの新古典的な音であり、なんとなく耳馴れたものであることは間違いありません。第3番のソナタは、作曲年こそ1940年代ですが、2度の改訂を施され、1992年の作曲家の死後の公開されたもの。彼の「見果てぬ夢」が描かれた幻想的な作品です。
 録音 2009年2月ドイツ ベルリン,ラジオ・ベルリン=ブランデンブルク


GP615-16
(2CD)
\2600→\2390
ベートーヴェン最大の師であり恩人
 ネーフェ:12のピアノ・ソナタ集、他
  現在単売では出ていなかったベートーヴェンの「WoO63」も収録
〈CD1〉
 クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェ:12のピアノ・ソナタ集(1773)
  1-3.ソナタ第1番ニ短調/4-5.ソナタ第2番ニ長調/
  6-8.ソナタ第3番ト長調/9-10.ソナタ第4番ハ短調/
  12-14.ソナタ第5番ハ長調/15-16.ソナタ第6番ヘ長調/
  17-19.ソナタ第7番変ロ長調/
〈CD2〉
 1-3.ソナタ第8番変ホ長調/4-6.ソナタ第9番ハ短調/
 7-9.ソナタ第10番ハ長調/10-12.ソナタ第11番ニ長調/
 13-15.ソナタ第12番イ長調
16.ベートーヴェン(1770-1827):
  ドレスラーの行進曲の主題による9つの変奏曲WoO63
スーザン・カガン(ピアノ)
 現在ではベートーヴェンの最初の教師として、その名が知られているネーフェ(1748-1798)。彼は1748年、ケムニッツの歴史ある職人の家に生まれました。学生時代から才能豊かで、1771年にはライプツィヒの音楽学校で学びます。1776年には、指揮者として楽団を率い、各地を演奏旅行するのですが、楽団の経済的失敗により職を失い、ボンの劇場に作曲家、音楽監督として採用されるのです。以降、作曲の教師を始め、多くの弟子をとるようになり、その中の「優秀な一人」がかのベートーヴェンだったというわけです。バッハ・ファミリーの熱烈なファンであったネーフェは、弟子たちの教材にバッハの平均律や、C.P.E.バッハの作品を積極的に取り込んだようで、ベートーヴェンも間違いなくその影響を受けています。(詳しくは「ベートーヴェン特集」で)
 アルバムの最後に収録された「変奏曲」はベートーヴェン、栄えある最初の作品。力強さと華やかな技巧を持つ価値ある変奏曲。ブッフビンダーの録音があるのですが、残念ながらベートーヴェン大全集ボックスでしか聴けませんでした。12歳のベートーヴェンがネーフェの勧めにより作曲、出版したもので、この端正な響きはまちがいなく師譲りのものと言えるでしょう。非常に貴重なリリースです。
 録音 2011年1月17日,2月14.18.22日アメリカ ニューヨーク,ペトリッチ・サウンド・スタジオ

GRAND PIANO

 新レーベル「Grand Piano」をご紹介します。
 知られざるピアノ作品にスポットを当てることを目的に、2012 年に発足するレーベルです。世界初録音を含むレアなピアノ作品を中心に、年に15 タイトル程のペースで新譜がリリースされる予定です。2012 年ににリリースされるタイトルのジャケットデザインは、ノルウェー出身の新鋭画家グロー・トルセン氏が担当します。ちょっとおしゃれです。


GP601
\2000→\1890
サン=サーンス:ピアノ作品全集第 1 集練習曲全集
 1-8. 6 つの練習曲 Op.52
  <第1 番前奏曲/第2 番指の独立のための/
  第3 番前奏曲とフーガ ヘ短調/第4 番リズムの練習曲/
  第5 番前奏曲とフーガイ長調/第6 番ワルツ形式の練習曲>/
 9-15. 6 つの練習曲 Op.111
  <第1 番長 3 度と短3 度/半音階奏法/前奏曲とフーガ/
  ラ・パルマの鐘/半音階的長3 度/第5 協奏曲のフィナーレによるトッカータ>/
 16-21.左手のための6 つの練習曲 Op.135
  <第1 番前奏曲/第2 番フーガのように/第3 番無窮動/
  第4 番ブレー/第5 番悲歌/第6 番ジグ>
ジェフリー・バールソン(ピアノ)
 フランスのロマン派音楽の発展に素晴らしい貢献を果たしたはずなのに、なぜか現代ではあまり評価されていないサン=サーンス(1835-1921)。でも、彼のピアノ曲には、まさに「フランスのエスプリ」がたっぷり詰まっていることをご存知でしょうか?とりわけ、この3 つの練習曲集には、きらめく繊細さと素晴らしい技巧性が溢れていて、演奏家にとっても、聴き手にとっても、いろいろな意味で興味を引くものとなっています。とりわけ、Op.52 の第6 番「ワルツ形式の練習曲」に見られる、華々しい技巧と美しいメロディは、とても「サロン風の音楽」などとは言えないほどの迫力と演奏効果を持っています。ピアニストはジェフリー・バールソン。北米を中心に活躍する彼は、ジャズも得意であり、このサン=サーンスでも、独特の間合いを感じさせるユニークな演奏を披露しています。録音 2011 年1-2 月


GP602
\2000→\1890
ラフ:ピアノ作品集第 1 集
 1-12.春の便り Op.55
  <冬の休息/春間近/誓い/気ぜわしく/アプローチ/混乱/非難/
  よそよそしい/良いしらせ/再び2 人に/休みなし/夕べ>/
 13-15. 3 つのピアノ独奏のための小品 Op.74
  <第1番バラード/第2 番スケルツォ/第3 番変容>/
 16.幻想曲ロ短調 WoO.15A ※世界初録音
チャ・グエン(ピアノ)
 今では、ヴァイオリンの小品「ラフのカヴァティーナ」のみが知られるドイツの作曲家、ヨアヒム・ラフ(1822-1882)。若い頃はリストの助手として、晩年はマクダウェルの師として音楽界に貢献し、数多くの作品を残していますが、そのほとんどは現在忘れられてしまい、前述のカヴァティーナがかろうじて残っていると言っても過言ではありません。このアルバムでは、彼の知られざるピアノ曲に光をあてています。全てが世界初録音であり、聴きすすむごとに「こんなに良い曲があったのか」と驚かれる人も多いことでしょう。ベトナムのピアニスト、チャ・グェンの共感溢れる演奏です。録音 2011 年1 月28-29 日 UK ウィアストン・コンサート・ホール


GP603
\2000→\1890
ワインベルク:ピアノ作品全集第 1 集
 1-4.ソナタ第 1 番 Op.5/5.子守歌 Op.1/
 6-9.ソナタ第 2 番 Op.8/10-11.2 つのマズルカOp.10/
 12-14.ソナタ Op.49bis ※5.10-14…世界初録音
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ (ピアノ)
 ポーランドで生まれソ連に亡命したワインベルク(1919-1996)は、ショスタコーヴィチの友人として、また晦渋な作風の無伴奏弦楽曲、及び弦楽四重奏曲の作曲家として知られています。このシリーズではそんなワインベルクのピアノ作品の全集化に取り組みました。第1 集に収録されているのは、比較的初期の作品で、子守歌、マズルカ、ソナタOp.49bis(原曲1950 年に作曲されたソナチネ…ショスタコーヴィチに献呈…1978 年に改定)は世界初録音となります。2008年のグラミー賞にノミネートされたピアニスト、フランツェッティは、ラヴェルを始めとした近代物と、ロシア物を得意とする人です。録音 2009 年11 月23-25 日,2010 年6 月25-26 日アメリカケーン・ユニバーシティ,ジーン&シェリー・エンロウ・リサイタル・ホール


GP604
\2000→\1890
シュルホフ:ピアノ作品集第 1 集
 1-8.ピアノのためのパルティータ Wv63
  <タンゴ・ディ・フォックス/ジャズのように/タンゴ-ラグ/
   テンポ・ディ・フォックス・ア・ラ・ハワイ/ボストン/
   テンポ・ディ・ラグ/タンゴ/シミー・ジャズ>/
 9.スージー-フォックス・ソング WV124/
 10-14.左手のための組曲第 3 番 WV80
  <プレリュード/エア/ジンガーラ/インプロヴィザツィーネ/フィナーレ>/
 15-31.ドリア調の自作主題による変奏曲とフーガ Op.10 WV27
キャロリン・ヴァイヒェルト(ピアノ)
 48 年という、決して長くはない生涯の間に、エルヴィン・シュルホフ(1894-1942)は幅広い音楽スタイルを吸収しました。ジャズやタンゴ、フォックストロット(ダンス音楽の一種)、はたまた実験音楽など、どれもにたっぷり趣向が凝らされ、興味深い筆致で描かれています。そんなシュルホフの作風を端的に知りたい人にオススメが、ここに収録されている「ピアノのためのパルティータ」です。さまざまな表情を持つ8 つの曲は一度聴いたら病みつきになるほど、魅力たっぷりです。ドビュッシーの影響を受けたと言われる「変奏曲とフーガ」、斬新な「左手のための組曲」。カプースチンとは違うジャズ・テイストの音楽をお楽しみください。(ダダイズム=既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする)録音 2011 年3 月36-30 日ドイツ ハンブルク音楽演劇大学

LPO



LPO-0063
\2000→\1890
ロンドン・フィル自主制作盤
 エリザベス女王即位60周年イベント
  テムズ川・ダイアモンド・ジュビリー・ページェント-公式アルバム

 1.ウォルトン(1902-1983):行進曲「宝玉と勺杖」
 2.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):グリーンスリーヴスによる幻想曲
 3.エリック・コーツ(1886-1957):組曲「ロンドン」-ナイツブリッジ行進曲
 4.ギルバート&サリヴァン:喜歌劇「戦艦ピナフォア」序曲
 5.BBC Radio 4-テーマ音楽
 6.アーノルド(1921-2006):行進曲「パドストー・ライフボート」
 7.ヴァンゲリス:「炎のランナー」-テーマ
 8.グレインジャー(1882-1961):カントリー・ガーデン
 9.ウォルトン:組曲「ヘンリー5世」-序曲:グローブ座
 10.エリック・コーツ:ダム・バスターズ-行進曲
 11.エルガー(1857-1934):変奏曲「エニグマ」-ニムロッド
 12.ホルスト(1874-1934):組曲「惑星」-木星
 13.モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
 14-17.ヘンリー・ウッド(1869-1944):「イギリスの海の歌によるファンタジア」より
  〈小粋なアレトゥーサ/ジャックス・ザ・ラッド/.見よ、勇者は帰る/ルール・ブリタニア〉
 18.エルガー:行進曲「威風堂々」第1番
 19.ナショナル・アンセム(英国国歌)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
デヴィッド・パリー(指揮)
 現在、ロンドン・オリンピックでも盛り上がっていますが、忘れてはいけないのが、この「エリザベス女王即位60周年」記念式典です。6月2日から6月5日まで国をあげて様々なイベントが行われ、とりわけ6月3日にはテムズ河を1000艘の船やボートが下るという、壮観な催し物が予定されています。
 このアルバムは、このイベントの公式アルバムです。イギリスを代表する名曲をロンドン・フィルハーモニーが演奏するというもので、おなじみの「威風堂々」やホルストの「ジュピター」、チャーミングなグレインジャーの「カントリー・ガーデン」などの伝統的な曲から、「炎のランナー」のテーマ、イギリスといえば007だよね・・・ということでジェームズ・ボンドのテーマなどゴキゲンな選曲がうれしいもの。最後は荘重にナショナル・アンセムで締めくくられます。
当アルバムの売上の一部は、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を通じ「ダイアモンド・ジュビリー基金」へと寄付されます。
 録音 2012年3月7.8日 ロンドンヘンリー・ウッド・ホール

LPO



LPO-0062
\2400→\1990
ネーメ・ヤルヴィ&ロンドン・フィル
 ドヴォルザーク:スターバト・マーテル Op.58

  1.悲しみに沈める母は涙にくれて/
  2.これほどまで嘆きたまえるキリストの御母をみて/
  3.愛の泉なる御母よ/4.わが心がその御心にかなうべく/
  5.わがためにかく傷つけられ/6.わが命のある限り/
  7.乙女の中のすぐれた乙女よ/8.われにキリストの死を負わしめ/
  9.おお乙女よ/10.肉体が死するとき/11.アーメン
ジャニス・ワトソン(ソプラノ)/
ダグマール・ペツコヴァ(メゾ・ソプラノ)/
ピーター・オーティ(テノール)/
ピーター・ローズ(バス)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
 ドヴォルザーク(1841-1904)のスターバト・マーテルは、彼自身を襲ったの悲しみ(3人の愛児を相次いで失う)の最中に書かれたもので、第1曲目などは、本当に涙なしでは聞けないほどに苦悩に満ちた音楽です。しかし、曲が進むにつれ、その悲しみは次第に浄化されて行き、最後は生きとし生ける者全てに向けて書かれたかのような希望に溢れた壮大なクライマックスを迎えます。この日のヤルヴィが選んだプログラムは、このスターバト・マーテルの前に「テ・デウム」が置かれていて、満場の聴衆はこれらの美しすぎる2曲の前に頭を垂れたのです。とは言え、ヤルヴィはこの「苦悩に満ちた音楽」を極めてすっきりと演奏し、悲しみに打ちひしがれた魂に推進力を与えています。通常20分ほどかかる第1曲もたった14分。異常なまでの速さですが、実際に聴いてみると不思議と違和感はありません。他の曲も全体的に早めで、結局CD1枚に収まる長さですが、これは、悲しんでいるよりも未来へ希望をつなごうというヤルヴィのメッセージなのかもしれません。宗教曲も得意とするワトソン、チェコの名花ペツコヴァ、セント・ポール大聖堂聖歌隊の伝説のボーイ・ソプラノからテノールに転向したオーティ、そして深い声が魅力のローズと、ソリストも万全です。
 録音 2010年10月9日 ロイヤル・サウスバンク・センター ライブ録音

LPO



LPO-0060
\2000→\1890
ラヴィ・シャンカル:交響曲
 1.Allegro-Kafi Zita/2.Lento-Ahir Bhairiav/
 3.Scherzo-DoGa Kalyan/4.Finale-Benjara
アヌシュカ・シャンカル(シタール)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
デヴィッド・マーフィー(指揮)
 インドが誇る偉大なるミュージシャン&シタール奏者、ラヴィ・シャンカル(1920-)のオリジナル作品。
 シャンカルはこの交響曲の構想を何十年にも渡って練っていたと言い、用いた形式は西洋音楽のものですが、脈打つ精神はインド、もしくは宇宙そのものです。西洋文化から啓示を受け、また多くのミュージシャンとも交流があり、フィリップ・グラス、ジョージ・ハリスンなどに影響を与えたシャンカルの音楽は、グラスの作品ともまた違う不思議な高揚感を聴き手に齎します。LPOとシャンカールは80年代にも「Raga Mala」を録音していますが、当アルバムでシタールを演奏するのは彼の娘、アヌシュカ・シャンカールであり、次世代への受け渡しという面でも感慨深いものがあります。マーフィー率いるLPOも、普段とは違った味わいの音楽を聞かせてくれます。
 録音 2010年7月1日ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール


LPO-0059
\2000→\1890
ハイティンク&ロンドン・フィル〜1979年11月ライヴ
 ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」
《第1部》
 1.序奏と宗教的な踊り/2.若い娘はダフニスの気を引こうとする-全員の踊り/
 3.ドルコンのグロテスクな踊り/
 4.ダフニスの優雅で軽やかな踊り-リュセイオンの踊り-海賊/
 5.この世ならぬ一筋の光があたりにさしこんでくる-
  ゆるやかで神秘的な踊り-ダフニスは跪く/
《第2部》
 6.快活に、かつ荒々しく/7.クロエの哀願の踊り/
《第3部》
 8.小川のせせらぎと岩の露の滴り以外、物音一つしない/
 9.クロエは若いニンフの代わりに大草原を彷徨う/
 10.ニンフたちは祭壇の前で〜全員の踊り(バッカナール)
ジョン・オールディス合唱団/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ベルナルト・ハイティンク(指揮)
 ロンゴスの「ダフニスとクロエ」を基にしたこのバレエ音楽は、ラヴェル(1875-1937)の管弦楽作品の中でも最も知名度が高く、また愛されている作品です。さて、ハイティンクは1967年から1979年までロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者であり、10年以上に渡ってイギリスの聴衆に上質の演奏を提供してきました。彼はベートーヴェンを始め、マーラーやショスタコーヴィチ、ヴォーン・ウィリアムズなど数多くの作曲家の作品をレパートリーに持つことで知られていますが、実はラヴェルも相当お気に入りで、コンセルトへボウ、ボストン交響楽団との録音が広く知られています。彼の魅力あふれる解釈は、ラヴェルの音楽に新しい光を当てるもので、この1979年のライヴも、当時「穏健な指揮者」としてのイメージが強かったハイティンクの真の姿を伝えるものとなるでしょう。
 録音 1979年11月6日ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール


LPO-0061
\2000→\1890
ロンドン・フィル/エッシェンバッハ
 ベートーヴェン:荘厳ミサ曲
  1.キリエ/2.グローリア/3.クレド/
  4.サンクトゥス/5.アニュス・デイ
アン・シュヴァネヴィルムス(ソプラノ)/
アネッテ・ヤーンズ(ソプラノ)/
ニコライ・シューコフ(テノール)/
ディートリッヒ・ヘンシェル(バス)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)
 ベートーヴェン(1770-1827)の作品の中でも、とりわけ深い精神性を持つこの「荘厳ミサ曲」。伝統的な教会音楽の枠を越えた内容であり、使われているテキストも、従来のものを自由に変更するなど、「ミサ曲の形式を持つ交響曲」として味わうべきだと考える人が多いのにも頷ける見事な内容を持っています。人類が声を合わせて歌うのが「第九」だとすれば、こちらは思い思いに祈る心が結実して、素晴らしいフーガを構築するとでも言えばよいのでしょうか?とにかく、全編練りに練られた対位法が際立つ重厚で輝かしい音楽が耳に残ります。あまりにも畏れ多いのか、なかなか「第九」ほどの人気を集めるところまでには行きませんが、このエッシェンバッハによる演奏で、崇高さと爽快さを併せ持つベートーヴェンの再認識ができるのではないでしょうか?
 録音 2008年10月18日ロンドン サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

MARCO POLO

Johann Strauss I Edition, Volume 21
8.225341
\2000
J.シュトラウス1世:管弦楽作品集第21集
 1.どんちゃん騒ぎのカドリーユ Op.196/
 2.ワルツ「花束」Op.197/3.ワルツ「牧歌的に、道徳的に」Op.198/
 4.新年のポルカOp.199/
 5.カドリーユ「1847年の謝肉祭のおみやげ」Op.200/
 6.ワルツ「テミスの音」Op.201/
 7.ポルカ「アイゼレとバイゼレ-ジャンプ」Op.202/
 8.ワルツ「心の旋律」Op.203/9.ヘレンのワルツOp.204/
 10.勝利のカドリーユOp.205/
 11.ナイヤードのカドリーユOp.206/
 12.ワルツ「スウェーデンの歌」Op.207
スロヴァキア・シンフォニエッタ/
クリスティアン・ポラック(指揮)
 1846年から1847年にかけて、ヨハン・シュトラウス1世(1804-1849)はさまざまは記念日や、貴族、各界の名士のために、数多くのワルツやポルカ、カドリーユを作曲しました。1940年代には彼の楽団とともに、ウィーンの郊外にあるカジノに定期的に出演、その際に演奏したカドリーユにつけられた「Charivari」というタイトルは、最初「カラフルな品ぞろえ」という意味でしたが、のちに「どんちゃん騒ぎ」と言った意味が加えられるなど、不思議な広まり方をしたようです。他にも、医師たちの集まりのために書かれた曲や、当時最高のソプラノ歌手ジェニー・リンドのために書かれた「スウェーデンの歌」など、19世紀中頃のウィーンの世相を感じさせる作品が集結しています。

NAXOS 1CD¥1100



8.572708
ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
 ショスタコーヴィチ:交響曲第2番&第15番

  1-3.交響曲第2番ロ長調 「10月革命に捧げる」Op.14(1927)/
  4-7.交響曲第15番イ長調Op.141(1972)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー合唱団…トラック3/
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
 回を重ねるごとに円熟が際立つペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルのショスタコーヴィチ(1906-1975)交響曲全集もこれで第7集。今回は対照的な2つの作品が収録されています。「10月革命に捧げる」と題された第2番は1927年の作品で、労働者の叫び(らしきもの)は、混沌と喧騒に満ちた抽象的な音楽として立ち現れ、最後は力強い合唱として実を結ぶのです。単一楽章で書かれ、途中に現れる「ウルトラ対位法」・・・27声のフガートは圧巻です。かたや、最後の交響曲である「第15番」は極めて謎の多い作品として知られています。ロッシーニやワーグナーなど過去の作曲家、またショスタコーヴィチ自身の作品からの引用が見られ、それらが自由に飛び交う様は愉快でもあり、また不気味さも感じられるものです。さて、ペトレンコの指揮については、今回も見事なものの一言に尽きましょう。どんなに入り組んだ音形でも、彼は柔軟に解き解し、曲の深層に眠る何かを呼び覚ますべく、ずんずん奥深くへと分け入って行くのです。曲中にちらばったショスタコーヴィチの心を拾い集めながら・・・。


8.572486
マリン・オールソップ&ボルティモア交響楽団/
 バルトーク:管弦楽のための協奏曲&弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

 1-5.管弦楽のための協奏曲BB123(1943)
  <序章/対の遊び/悲歌/中断された間奏曲/終曲>/
 6-9.弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
ボルティモア交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
 バルトーク(1881-1945)作品の中でも、とびきりの人気を誇る2つの作品をオールソップ&ボルティモア交響楽団の極上の演奏で。祖国ハンガリーの政治状況の悪化を嘆く59歳の彼は、アメリカへ亡命しますが、そこは決して居心地のいい場所ではありませんでした。健康状態も悪化、意気消沈していた彼の創作意欲に再び火をつけたのが、彼の友人たちが仕組んだと言われる「ボストン交響楽団からの作曲委嘱」だったのです。バルトークはそれに応え、この「管弦楽のための協奏曲」を作曲。彼自身もすっかり意欲を取り戻し、その後も音楽活動を続けることができたのでした。もう1曲の「弦チェレ」は彼が55歳の時の作品で、民俗音楽の研究に没頭していた頃に書かれたもの。チェレスタが入ることで曲に神秘性を深みが与えられているのは、インドネシアノガムランの音色が念頭にあったと言われています。楽器の音色を純粋に楽しみたい人にもオススメの1枚です。

8.572835
マリン・オールソップ
 フィーヴァー・ピッチ

 1.デヴィッド・リメリス:フィーヴァー・ピッチ/
 2.J.ビリー・ヴァープランク:ヴォーン・ミール/
 3.デヴィッド・リメリス:サウス・ストリート・ストラット/
 4.ジョージ・ボガトコ:ゴー・フォー・イット/
 5.J.ビリー・ヴァープランク:ブッバ・ルーミズ・ブルーズ/
 6.デヴィッド・リメリス:心配するよ?/
 7.ジョージ・ボガトコ:月曜気分/
 8.デヴィッド・リメリス:こっそりと/
 9.デヴィッド・リメリス:カリビアン・レプラコーン/
 10.ジョージ・ボガトコ:S.F.O/
 11.デヴィッド・リメリス:エミリーの肖像/
 12.J.ビリー・ヴァープランク:グルーヴィ・キャット/
 13.マイケル・サール:ミル・タウン・ジプシー・ボール/
 14.デヴィッド・リメリス:マイン・オール・マイン
ストリング・フィーヴァー/
マリン・オールソップ(リーダー)
 「あのオールソップが昔こんなアツいバンドを組んでいた!」そんな驚きを運んだのが、前作である「スイングしなけりゃ意味がない」(8.552834)でした。ここでは縦横無尽に活躍する彼女のヴァイオリンと、ノリノリのメンバーたちが上品さとキッチュさを兼ね備えたヒット・ナンバーを演奏。なんとも楽しい風景を見せてくれていたのです。こちらはその続編であり、録音ももう少し後のもの。映画音楽からアメリカ、黒人音楽などちょっぴり渋さも感じさせる選曲がgood。これは確かに人気が出るな。と心から頷けるアルバムです。


8.572872
グレツキ:協奏曲とカンタータ他
 1-4.あるポルカのための小レクイエムOp.66(1993)/
 5-8.協奏曲とカンタータOp.65(1992)…世界初録音/
 9-10.ハープシコード協奏曲Op.40(1980)(ピアノとオーケストラ版)/
 11-13.3つの舞曲Op.34(1973)
アンナ・グレツカ(ピアノ)…1-10/
キャロル・ウィンセンス(フルート)…5-8/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
 あの感動的な「悲歌のシンフォニー」で知られるグレツキ(1933-2010)の4つの作品。これらからは彼の表現の多様性がまざまざと感じられることでしょう。
 13楽器とピアノのための「あるポルカのためのレクイエム」はまるでペルトを思わせるような極限まで音を切り詰めた響きで始まります。しかし第2楽章のアレグロは激しい慟哭となり、人によっては伊福部作品を思い出してしまうかのような音型も聞こえてきます。彼が時として好んだ短い音型の執拗な繰り返し(ミニマル)は聴き手の心を抉り取るかのようです。そのうち曲は落ち着きを取り戻しますが、また第3楽章で喧騒に引き戻されます。「これがグレツキの音楽?」心地よい驚きとともに傾れ込む第4楽章は、お待ちかねのグレツキの世界。鐘の音に誘われ、聴き手は見せかけだけの楽園へと進みます。この曲で心の安寧を求めるのは難しいかもしれませんが、グレツキを単なる「ヒーリングの作曲家」として認識していた人には、衝撃的な驚きをもたらすことは間違いありません。「1990年代の作品は沈黙が支配する」とされるグレツキですが、ここで聴く作品ではもっと攻撃的で高揚したグレツキを発見できるでしょう。信頼おけるヴィト&ワルシャワ・フィルの演奏で。

8.572163
ヒンデミット:弦楽四重奏曲集第1集
 1-3.弦楽四重奏曲第2番ヘ短調 Op.10(1918)/
 4-6.弦楽四重奏曲第3番ハ長調 Op.16(1920)
アマール弦楽四重奏団
<メンバー>
アンナ・ブルンナー(第1ヴァイオリン)/
イゴール・ケーラー(第2ヴァイオリン)/
ハンネス・ベールツヒ(ヴィオラ)/
ペテル・ソモダリ(チェロ)
卓越したヴィオラの腕前を持ち、また、ヴァイオリニストとしても存分な才能を発揮した作曲家ヒンデミット(1895-1963)。彼は生涯7つの弦楽四重奏曲を書き、実質上、「シュポアの後継者」足りうるドイツの弦楽四重奏作曲家として讃えられるはずです。しかしながら、その作品を聴く機会は本当に少なく、同じ「新古典派主義」のバルトークに比べると録音の数も驚くほど些少なのは一体なぜなのでしょうか?さて、そんなヒンデミットの弦楽四重奏曲全集の最初を飾るのは第2番と第3番の組み合わせです。1918年に書かれた第2番は、彼の戦争経験が暗く影を落とした作品です。もちろん先人の影響は受けているものの、音楽はもっと簡潔であり、また、多くのことを語っています。驚くほど抒情的な第2楽章の変奏曲は、何かのパロディなのでしょうか。その2年後に書かれた第3番は、わずか2日間で書いたとされ、ドナウエッシンゲン音楽祭で華々しい成功を収めた作品です。こちらは若々しいエネルギーに満ちた情熱的な音楽で、彼の室内楽の中でも最高傑作のひとつです。


8.571203
コープランド:アパラチアの春/クレストン:交響曲第3番 他
 1.コープランド:「アパラチアの春」組曲/
 2.コープランド:交響的頌歌/
 3-5.クレストン:交響曲第3番Op.48「3つの秘義」<降誕/磔刑/復活>
ディヴィッド・リット(トロンボーン)/
レイモンド・ディヴィス(チェロ)/
スーザン・グルキス・アッサディ(ヴィオラ)/
セス・クリムスキー(ファゴット)/
チャールズ・バトラー(トランペット)/
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 2人の作曲家による傾向の違う作品を並べることにより、近代アメリカの全貌が見えてくるようなアルバムです。コープランド(1900-1990)の「アパラチアの春」組曲は、現在では「知らぬ者はない」と言ってもよいほどの名曲であり、1945年にピューリッツァー賞を受賞したことで更に名声を高めたことでも知られています。「交響的頌歌」はボストン交響楽団50周年の記念としてクーセヴィツキーから委嘱されたもので、音楽の精神そのものに捧げられる音楽です。かたやクレストン(1906-1985)は、本名をジュゼッペ・グットヴェッジョというイタリア系のアメリカ人。教師としては高く評価されましたが、その作品は1960年代頃から忘れられてしまいました(かろうじて一部の作品が残っています)。しかし、この交響曲第3番はグレゴリオ聖歌にインスパイアされたという感動的なキリストの物語を描いたもの。保守的な作風とはいえ、やはり感動を呼ぶ曲を書くというのは素晴らしいことなのではないでしょうか。


8.559712
ダニエルプール:交響曲第3番他
 1.最初の光(1988)/
 2-4.目覚める心(1990)
  <世界の夜へ/公現祭/わがヒーローはいらいらを隠さない>/
 5-6.交響曲第3番「距離のない旅」(1989)
フェイス・エシャム(ソプラノ)…5.6/
シアトル交響楽団&合唱団(…5.6)/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 アメリカ生まれのダニエルプール(1956-)は、同世代の現代音楽作曲家の中でも、最も成功を収めている一人と言ってよいでしょう。彼の作品はとても色彩豊かで、力強く、また曲によってはロマンティックな要素や神秘的な傾向も感じられるという、とても魅惑的なものばかりです(彼のヴァイオリン作品は、かの五嶋みどりも好んでいて、よく取り上げるといいます)。このアルバムは3つの作品が収録されていて、これらは全て対照的な作風を有しています。リズミカルな動きと静かな聖歌が対立する「最初の光」、万華鏡のような様々な表情を見せる3つの楽章による「目覚める心」、悲劇的で恐怖に満ちた第1部と、希望への向かう第2部からなる「交響曲第3番」。これらを聴いて何かを思わずにいられる人がいるのでしょうか。

8.572349
マクスウェル・デイヴィス:交響曲第2番・聖トーマスよ、目覚めよ
 1-4.交響曲第2番(1980)/
 5.聖トーマスよ、目覚めよ(1969)
  ※Collins Classicsより移行盤(1991年,1994年リリース)
BBC・フィルハーモニック/
マックスウェル・デイヴィス(指揮)
 現代的な手法と神秘主義、これらの相反する観念を見事に音楽上で結びつけることに成功したイギリスの作曲家マクスェル・デイヴィス(1934-)。このアルバムでは彼の「海の交響曲」と呼ぶべき第2交響曲を存分に楽しむことが可能です。彼自身がこの作品のために数多くの示唆的な言葉を寄せています。自宅の窓から見える海について、また海を渡る風について、波の波形について・・・。もちろん彼はそんな目に見える事象を忠実に音楽でなぞるわけもなく、独特のフィルターを通して、全く別のものとして再現します。しかし出来上がった音楽には巨大な波や、点在する岩など、海以上の物を感じられます。まさに自然への畏怖が感じられるのではないでしょうか。もう1曲の「聖トーマスよ、目覚めよ」は作曲家が第ニ次世界大戦中の記憶を呼び覚ましたという、不穏なパロディです。曲が進むにつれ「フォックストロット」(舞曲の一種)と名付けられた意味がわかることでしょう。

8.559715
モートン・グールド:合奏協奏曲他
 1-4.バレエ音楽「オーデュポン」から合奏協奏曲(1969)/
 5-6.シネラマの休日…組曲より(1955)/
 7-9.第一次世界大戦-CBSテレビシリーズのための音楽(抜粋)(1964)/
 10.アメリカ交響曲第2番よりパヴァーヌ/
 11-12.ホロコースト-NBCテレビシリーズのための組曲より(1978)/
 13.祝祭音楽より間奏曲(1964)/
 14-21.マーチング・バンドよりフォーメーション組曲(1964) ※DELOSより移行盤
ジェフリー・シルバーシュラグ(トランペット)…5-21/
ジョン・ウィーラー(ヴァイオリン)…1-4/
ミハイル・シュミット(ヴァイオリン)…1-4/
マリア・ラリオノフ(ヴァイオリン)…1-4/
マリエル・ベイリー(ヴァイオリン)…1-4/
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 大不況のさなか、ニューヨーク州リッチモンド・ヒルで生まれ、幼い頃から映画館などでピアノを弾いて生計を立てていたというモートン・グールド(1913-1996)。そんな体験からか、長じては、クラシックとポピュラー音楽を絶妙に組み合わせた多くの作品を書き、「音楽の楽しさ」を広く伝えることで、名声を高めました。このアルバムではそんな彼の多彩な作品をまとめて楽しむことができます。
 合奏協奏曲では、もちろんバイオリンが大活躍しますが、そのバックを務める管弦楽も何とも闊達で楽しそうな雰囲気です。聴いているだけで踊りだしたくなるような洒落た節回しがステキです。かと言って全てがそんな楽しい音楽ばかりではありません。戦争関係の番組のために書かれたいくつかの曲は、悲しみを最大限に伝える工夫が凝らされています。しかし、全編に漂う悲壮感に若干混じる皮肉さこそが彼の本領だったのかも知れません。

8.572548
ザドール:5つのコントラスツ・子どものための交響曲他
 1-2.弦楽,ブラスのためのアリアとアレグロ/
 3-7.管弦楽のための5つのコントラスツ
  <序奏/秋の牧歌/幻想/スケルツォ・ルスティーコ/終曲:フーガ>/
 8-11.子どものための交響曲
  <アレグロ・モデラート/おとぎ話/軍楽セレナード/農場>/
 12.ハンガリー奇想曲/
 13.チャールダッシュ狂詩曲
MAVブダペスト交響楽団/
マリウス・スモリジ(指揮)
 ザロール・ユージン(1894-1977)はハンガリーのバータセクに生まれ、幼い頃から音楽の才能を発揮、とりわけピアノなどの鍵盤楽器の技術には目覚ましいものがありあmした。16歳の時にR.ホイベルガーと共にウィーンで学び、その後ライプツィヒに移住。そこでレーガーの弟子となります。ミュンスター大学で博士号を獲得、新ウィーン音楽院で教鞭を執ります。1928年には大学を退官、1977年に亡くなるまで作曲に専念し、4曲の交響曲を始めとした数多くの作品を残しています。彼は珍しい楽器を好んだことでも知られ、ツィンバロンやアコーディオンなどのためにも協奏曲を作曲しました。映画音楽の作曲家としても知られています。
 このアルバムにはそんなザドールの様々な曲を収録。まさに映画音楽ばりの迫力を持つ「5つのコントラスツ」、彼自身の子どもたちのために作曲された「子どものための交響曲」(・・・なんとも機知に富んだ楽しい作品!)ハンガリーの血が騒ぐ奇想曲、狂詩曲。などなど魅力的な曲が並びます。


8.572823
カステルヌオーヴォ=テデスコ:ピアノ協奏曲第1番&第2番他
 1-3.ピアノ協奏曲第1番ト短調 Op.46(1927)/
 4-6.ピアノ協奏曲第2番ヘ長調 Op.92(1936/37)/
 7-10.「恋の骨折り損」による4つの舞曲Op.167(1953)
  <サラヴァンド(ナヴァラの王のための)/
   ガヴォット(フランス王のための)/
   スペイン舞曲(ドン・アドリアーノ・デ・アルマードのための)/
  ロシア舞曲(仮面劇)>…世界初演、初録音
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)/
マルメ交響楽団/
アンドリュー・モグレリア(指揮)
 現代では、ギター音楽の作曲家として認知されることの多い、イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコ(1895-1927)ですが、もともとはピアノを学び、9歳にして最初のピアノ曲を作曲、フィレンツェ音楽院ではもちろんピアノ科に入学するほどの腕前でした。このアルバムに収録された2つのピアノ協奏曲は対照的な音楽性を有し、彼を知るためにはとても興味深い作品でもあります。
 1927年に書かれたピアノ協奏曲第1番は、機知に富んだメロディとロマンティックな雰囲気を湛えた軽やかさが際立つもの。対して第2番は劇的で、より暗く、名人芸を要する情熱的な曲。第2楽章の夢見るような美しさも特筆すべき点でしょう。こちらは1936年から1937年に書かれましたが、ピアニストのマランゴーニによると、オリジナルの総譜は1966年のアルノ川の大洪水で流出し、失われてしまったといいます。しかし、幸いにもワシントンD.C.の図書館に原稿が保管されていたため、演奏が可能になったそうです。「4つの舞曲」はこの演奏が世界初演であり、初録音となります。多くの要素を含んだ興味深い作品、これは面白いです。


8.570927

マイール:ベルガマスク協奏曲、他
 1-4.フルート、クラリネット、バセット・ホルン、
  ピッコロと管弦楽のための協奏曲ニ長調「ベルガマスク協奏曲」/
 5-7.ハープシコード協奏曲ハ長調/
 8.3つのヴァイオリンと管弦楽のためのトリオ・コンチェルタンテイ短調
ナタリー・シュウェイブ(フルート&ピッコロ)…1.4/
アンドレア・スタインバーグ(クラリネット&バセット・ホルン)…2-4/
アントニオ・スピラー(ヴァイオリン)…8/
イー・リー(ヴァイオリン)…8/
ダフィト・ファン・ダイク(ヴァイオリン)…8/
バイエルン・クラシカル・プレイヤーズ/
フランツ・ハウク(チェンバロ…5-7&指揮)
 ドイツ生まれながらも、イタリアで活躍。結局は「イタリア・オペラの父」とまで言われた作曲家シモーネ・マイール(1763-1845 ドイツ語読みではジモン・マイヤー)。前述の通り、70曲ほどのオペラが知られてますが、他にも多くの管弦楽曲と器楽曲を書いています。このアルバムでは3つの協奏曲を聴くことができますが、中でも注目は4つの楽器のための協奏曲ニ長調でしょう。1820年頃に作曲されたこの曲は1978年にようやく出版され、その際に補筆を施したハインリッヒ・バウアーによって「ベルガマスク協奏曲」のタイトルをつけられたようです。ベートーヴェン、もしくはハイドンの影響が感じられますが、各々の楽器ののびやかな響きはとても気持ちのよいものであり、最終楽章での変奏曲のソロの扱いも見事です。エレガントなハープシコード協奏曲、輝かしい曲想を持つトリオ・コンチェルタンテも、オペラ作曲家ならではの歌い回しに陶然となることでしょう。


8.572801
シュヴァルツ=シリング:管弦楽作品集第2集
 1.ポロネーズ(1936)…世界初録音/
 2-5.パルティータ(1934-35)
  <エントラータ/舞曲/カンツォーナ/やや幅広く>/
 6-8.ヴァイオリン協奏曲(1953)
キリル・トルソフ(ヴァイオリン)…6-8/
ワイマール・シュターツカペレ/
ホセ・セレブリエール(指揮)
 いつの時代にも「遅れてきた天才」の一人や二人はいるもので、このシュヴァルツ=シリング(1904-1985)もそんな人。20世紀初頭に生まれたにも拘わらず、その作風はまさにロマン派のものなのですが、ここまで堂々と歌われると誰も反論ができないのではないでしょうか?第1集(8.570435)でもその作品には驚かされましたが、このアルバムでもそれは全く変わりません。もちろん彼も、戦時中の体験が心に深い傷をもたらしたようであり、1953年に作曲されたヴァイオリン協奏曲のように、曲によってはかなり悲痛さをみせることもありますが、全体的にはJ.S.バッハから受け継いだ伝統に基づく調性音楽の世界に沈溺し、聴き手に深い感銘と喜びを与えてくれるものとなっています。


8.572827
ヘンニング・クラッゲルード新録音
 ノルウェーのヴァイオリン名曲集

 1-6.スパッレ・オルセン(1903-1984):
  ノルウェイ、ロムからの6つの古い村の歌/
 7-9.アッテルベリ(1887-1974):
  ヴァイオリン、ヴィオラ、弦楽オーケストラのための組曲第3番(2台ヴァイオリンと弦楽版)…世界初録音/
 10-11.ステーンハンマル(1871-1927):
  ヴァイオリンとオーケストラのための2つの感傷的なロマンス/
 12.ブル(1810-1880):ハヴァナの思い出/
 13.ブル:山の幻影(ヴァイオリンと弦楽合奏版)/
 14.ハルヴォルセン(1864-1935):
  ヴァイオリンとオーケストラのためのノルウェイ舞曲第3番/
 15-20.シベリウス(1865-1957):
  ヴァイオリンとオーケストラのための6つのユモレスクOp.87&89/
 21.シンディング(1856-1941):晩景Op.120
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン…7-9多重録音)/
ダーラシンフォニエッタ/
ビャルテ・エンゲセト(指揮)
 シベリウス、シンディングの協奏曲であまりにも繊細で美しいヴァイオリンを響かせるかと思うと、シンディングの知られざる小品を丹念に発掘し、知られざる名作に光をあてる・・・そんな若きヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルードの新しいアルバムは、ほとんど耳にする機会もないような北欧のヴァイオリン作品を集めたものです。1800年代の終わりから1900年代の始めに集中的に書かれたこれらの作品は、どれも新鮮な響きの中に、甘い憧憬と、胸がちょっぴり痛むような感傷が込められていて、例え初めて耳にする曲だとしても、昔からの知人と会った時のような懐かしさに心がふるえることでしょう。
 クラッゲルードは曲によっては多重録音を用い、これらの持つ魅力を100%伝えることに成功しています。


旧譜
ヘンニング・クラッゲルード/シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
Sibelius & Sinding: Violin Concertos
NAXOS
8.557266
\1100
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
       2つのセレナードから第2番
シンディング:ヴァイオリン協奏曲
        ロマンス
ヘンニング・クラッゲルード(vn)
ビャーテ・エングスト指揮
ボーンマス響
 このヴァイオリニストの放つ強烈、且つ甘美なエネルギーに魅せられた。
 ヴィオラ・ソリストとしても活躍しているからなのか、ヴァイオリンとは思えないような野太い音。一音一音に込めるずっしりとした思いのようなものが伝わってくる。それは早いパッセージでも同じで、決して安直に弾き流さない。ジェラール・プーレも同じように一音一音を大事に弾くが、プーレが軽快なのに対してクラッゲルードは重い。グルベルトも同じように一音一音を大事に弾くが、グルベルトが殺気立っているのに対してクラッゲルードはもっと颯爽としている。
 そのずば抜けた存在感は単なるマッチョな太さや、根暗な鈍重さからくるものではない。なんだかスケールのでかさを感じさせる安心感。男が惚れる男気のようなものか?とにかくかっこいいのである。
 こんなにも重厚で颯爽としていて、そしてセクシーなシベリウスは初めてである。この曲は男には弾けない、となんとなく思っていたが(クレーメルやトゥルバンの演奏があってもなお)、今回完全に撤回する。 
 あのベストセラー・アルバム「ノルウェー・ヴァイオリン名曲集」から6年。クラッゲルードは音楽を愛する気持ちはそのままに、ひとまわりもふたまわりも大きくなって、男らしくなって我々の元に返ってきたのである。


8.572682
トゥリーナ:ピアノ作品集第8集
 1-4.アンダルシアの庭Op.31(1924)
  <セビリアのミューズ/オマキザルの庭/アルカサルの庭/
   公園の中で>/5.サンタ・クルツの傍らでOp.33(1925)/
 6-8.アンダルシアのミューズたちOp.93(1942)より
  <第1番クリオ:ラビダのゲートで/
   第7番ウラニア:ファルカ・フガーダ/
   第8番テレプシコーレ:ミニュエ>/
 10-13.農場にてOp.92(1940)
  <田舎の夜/農家の影の中に/地平線と平野/乗馬をする人>
ホルディ・マソ(ピアノ)
 アンダルシアの偉大なる音楽詩人、ホアキン・トゥリーナ(1882-1949)。彼の音楽には多彩で情熱的なリズムが溢れ、これらが得も言われぬ活力を運んでくるのです。彼は一時期フランスで学び、印象派の影響を強く受けますが、アルベニスから「スペイン人の自覚を持つように」諭され、その後はアンダルシア音楽の研究と発展に力を尽くします。ここでは4つの作品を収録、目もくらむような色彩感にあふれた「アンダルシアの庭」、わずか1か月と少しという短い期間に書かれたにも拘わらず、彼の作品の中では長大である「サンタ・クルツの傍らで」、作曲家晩年の2つの作品「アンダルシアのミューズたち」と「農場にて」でのひなびた味わいなど、どれも独特の詩情が感じられます。
 演奏は、スペイン音楽のスペシャリスト、ホルディ・マソ。第1曲目の冒頭の付点のリズムから何とも言えない雰囲気を醸し出しているところはさすがです。

8.572062
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第2集
 1-3.ピアノ三重奏曲第30番変ホ長調 Hob.XV:30/
 4-6.ピアノ三重奏曲第27番ハ長調 Hob.XV:27/
 7-9.ピアノ三重奏曲第28番ホ長調 Hob.XV:28/
 10-12.ピアノ三重奏曲第29番変ホ長調 Hob.XV:29
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー>
マリン・ブロマン(ヴァイオリン)/
ジェスパー・スヴェドベリ(チェロ)/
シモン・クロウフォード=フィリップス(ピアノ)
 ハイドン(1732-1809)の室内楽作品は、その巧み過ぎる作曲語法が却って音楽ファンを遠ざけている傾向があり、これらのピアノ三重奏曲も「好きな人にはたまらない」曲集であっても、大抵の人は「ちょっとねぇ」と敬遠してしまうのではないでしょうか。しかし、実際に聞いてみると、その独創性と多様性にはまることは間違いありません。このクングスバッカ・ピアノ三重奏団の演奏は第1集(8.572040)でも見事なハイドン像を構築していましたが、この第2集でも、4つの作品の関連性を紐解きながら、素晴らしい解釈でこれらを演奏しています。第27番から29番までは、第1集と同じく、ロンドンで出版されたもの。ロンドンで名ピアニストとして評判をとっていたテレーズ・ジャンセン(当時25歳?)に献呈されています。第30番はイギリスからウィーンに戻ってきた1976年に書かれたもので、熟練の香りが漂う名品です。この曲は誰にも献呈されていません。



8.572484

シヴォリ:12のエチュード・カプリース&ジェノワーズ他
 1-12.無伴奏ヴァイオリンのための「12のエチュード・カプリース」Op.25/
 13-25.ジェノワーズ-最初のカプリース/
 26-38.スペイン風フォリアOp.29
  ※13-38…世界初録音
フルヴィオ・ルシアーニ(ヴァイオリン)/
マッシミリアーノ・モッテルレ(ピアノ…13-38)
 カミッロ・シヴォリ(1815-1897)。現在では、この名前はほとんど忘れ去られてしまってますが、存命中は「パガニーニが認めた唯一の弟子」として、世界中から注目を集め、また絶賛されたヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストであり、また作曲家、ヴァイオリンの収集家として知られていました。彼の演奏は信じられないほどに技巧的であり華麗で、1846年にはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のイングランド初演を行うなど、同時代の作品の普及にも広く務めました。またその後の人生も波瀾万丈に富んでいて、それだけで1冊の本が楽々かけるほどのエピソードを持っていた人でもあります(余談ですが、彼の若いころの肖像画はメンデルスゾーンに似た面影を有していたりします)。そんなシヴォリによるこれらの作品は、まさにパガニーニを凌駕するほどの、抒情性と超絶技巧を駆使したものです。また、ピアノが活躍する「ジェノワーズ」や「スペイン風フォリア」も聴きものです。


8.572783
ベートーヴェン:カンタータ「栄光の瞬間」・合唱幻想曲
 1-6.カンタータ「栄光の瞬間」Op.136
  <ヨーロッパよ、立ち上がれ!/もっと近く、近くに見える/
  おお天国よ、なんという喜び/瞳をこらして見たまえ/
  彼は嵐の中でも速やかに連合を開催し/女性たちよ、前進せよ>/
 7.合唱幻想曲ハ短調 Op.80
クレア・ラター(S)/
マティルデ・ウォレヴィク(Ms)/
ピーター・ホーレ(T)/
スティーヴン・ガッド(Br)/
マルタ・フォンタナルス=サイモンズ(Ms)…7/
ジュリアン・ディヴィス(T)…7/
レオン・マッコーリー(p)…7/
ウェストミンスター少年合唱団…1-6/
シティ・オブ・ロンドン合唱団/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
ヒラリー・デイヴァン・ウェットン(指揮)
 楽聖ベートーヴェン(1770-1827)。彼の名前を知らない人はいないでしょう。しかし・・・ベートーヴェンの多くの作品が遍く演奏されているわけではありません。例えばこのアルバムに収録されている「合唱幻想曲」でさえ、初めて聞く人は「これって第9のパクリですか?」と思ってしまうという代物(メロディが良く似ているせいもあります)。メインとなくカンタータ「栄光の瞬間」に至っては、タイトルすら知られていないのが実情です。さて、そんな「栄光の瞬間」はナポレオンが敗退後に開催された「ウィーン会議」の際に演奏された祝祭的なカンタータです。ヨーロッパ諸国の代表が集い、メゥテルニヒ外相が議長を務めたという歴史的な会議であり、ここで演奏されたということは、ベートーヴェンにとっても鼻高々であったに違いありません。

8.559706
アッラ・ボルゾヴァ:ラダの歌
 1-5.ラダの歌(1986-1991)
   ベラルーシの子どもたちの民謡、言葉遊び、ゲーム、舞曲、
   子守歌<ラドゥ-ラドゥ-ラドキ/けしの花とゲーム/
   昔、父さんには3人の息子がいた/
   昔、白い壁を伝って歩き(子守歌)/輝け、輝け、お日様よ!>/
 6.新世界へ(2001-2002)
ヴァレンティナ・フリーア(ソプラノ)…1-4/
ヴァレンティナ・コザック(フォークシンガー)…1.3-5/
クリストファー・デーン(ツィンバロン)…3 他/
ミシガン州立大学児童合唱団…1-5/
デトロイト交響楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
 女性作曲家、アッラ・ボルゾヴァ(1961-)は1961年ベラルーシのミンスクに生まれ、6歳からピアノと作曲を始めました。1モスクワ音楽院で作曲の博士号を取得し、その後1993年にアメリカに移住、1996年にはニューヨークに自宅を構え作曲活動に励んでいます。彼女は自作に様々な詩や物語をあてはめるのを好み、これらの想像力豊かな作品は各方面で高い評価を得ています。このアルバムに収録されている「ラダの歌」もそんな作品で、彼女の娘「ラダ」のために書かれたカンタータです。1992年にベラルーシ・ラジオ・テレビの子ども合唱団と交響楽団によって初演され、風変りなお伽噺と幻想の世界を体感させてくれるこの色彩に溢れた曲は、多くの同時代の作曲家と演奏家たちに多くのインスピレーションを齎しています。

8.572600
イギリス歌曲シリーズ第22集/ブリテン
 1-14.ウィリアム・ブレイクの歌と格言Op.7 4
  <格言Ⅰ「孔雀の美観は神の栄光である」/ロンドン/
   格言Ⅱ「牢獄は法律という石によって建てられ」/煙突掃除の子/
   格言Ⅲ「小鳥は巣を、蜘蛛は網を」/毒の樹/
   格言Ⅳ「朝に考えよ、昼に働け」/虎/
   格言Ⅴ「怒っている虎は教育のある馬よりも賢い」/ハエ/
   格言Ⅵ「愚行の時間は時計ではかれるが、英知の時間は時計でははかれない」/
    ああ、ひまわりよ/
   格言Ⅶ「一秒の砂に世界を見、一輪の野の花に天国を見る」/
    いつもの夜といつもの朝>/
 15-19.歌曲集「売り言葉に買い言葉」
  <魅惑の歌/秋/銀/夜伽/売り言葉に買い言葉>/
 20-29.民謡編曲集
  <第3集「イギリスの歌」より第1番「鋤で耕す少年」/
  第3集「イギリスの歌」より第5番「霧のかかった露」/
   「トム・ボウリング」の編曲集より第1番「トム・ボウリング」/
  第3集「イギリスの歌」より第6番「おお悲しい」/
  第1集「イギリスの歌」より第7番「オリヴァー・クロムウェル」/
  第1集「イギリスの歌」より第6番「とねりこの林」/
  第1集「イギリスの歌」より第1番「サリー・ガーデン」/
  第3集「イギリスの歌」より第2番「なぐさめる人もなく」/
  第1集「イギリスの歌」より第2番「ちいさなサー・ウィリアム」/
  第5集「イギリスの歌」より第6番「羊を追って」>
ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)/
イアイン・バーンサイド(ピアノ)
 ブリテンの声楽曲は、大抵生涯のパートナーであったピーター・ピアーズのために書かれていますが、この1965年の「ウィリアム・ブレイクの歌と格言」は不世出のバリトン、D.フィッシャー=ディースカウのために書かれています。1960年に作曲された「戦争レクイエム」のバリトン・パートも彼のために書かれたものであったことでもわかるように、ブリテンはディースカウを心から信頼していたのでしょう。この作品もとても練られたものであり、全てに「凝縮と謎めいた微笑」が横溢していて、生半可な歌手では歌いこなせないほどの深遠さを見せています。交互に歌われる格言と歌は全て密接な結び付きを持ち、執拗な言葉遊びと皮肉めいた味わいで満たされています。彼が終生愛した民謡編曲集と、ウォルター・デ・ラ・マーレの詩による歌曲集「売り言葉に買い言葉」も収録。

8.572760
全てはうまく行く〜献身と慰めの音楽
 1.R.パヌフニク(1968-):全てはうまく行く…世界初録音/
 2.ホルスト(1874-1934):ヌンク・ディミティス/
 3.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):真理のために勇敢に/
 4.ラフマニノフ(1873-1943):晩祷Op.37より「聖母への讃歌」/
 5.タヴナー(1944-):聖なるもの/
 6.グレツキ(1933-2010):全てはあなたのもの/
 7.マンティヤルヴィ(1963-):おお大いなる神秘よ/
 8.ヴィレット(1926-1998):聖母への讃歌/
 9.ニューステット(1915-):スターバト・マーテル
エクスルターテ・シンガーズ/
リチャード・メイ(チェロ)…1.5.9/
レベッカ・クィンニー(ソプラノ)…2/
オリヴァー・コンディ(テノール)…2/
デヴィッド・オグデン(指揮)
 様々な国や時代に息衝く献身と慰めの音楽。これらを幅広く集めた心安らぐ1枚です。ロシア正教の流れを組むラフマニノフ、タヴナーの神秘的な音楽や、賛美歌が盛んな国であるイギリスからはホルストとヴォーン・ウィリアムズの壮麗な神への祈り。そしてヴィレットとニューステットの2曲はマリアへの祈りです。「悲歌のシンフォニー」で知られるグレツキの作品は驚くほど力強いパワーを秘めたもので、これは彼の祖国ポーランドに教皇ヨハネ・パウロ二世が訪れた際の記念式典で歌われたもので、ラテン語の「Totus Tuus(全てはあなたのもの)」は教皇がモットーとしていた言葉です。クリスマスの神秘を歌ったマンティヤルヴィ、そしてタイトルにもなった作品は、ロクサナ・パヌフニクのもの。彼は名作曲家&指揮者アンジェイの息子であり、現代イギリスを代表する作曲家の一人でもあります。
I Saw Eternity (Naxos: 8.572812) (Elora Festival Singers/ Noel Edison)
8.572812
私は永遠を見た〜カナダ現代作曲家11人による合唱作品アンソロジー
 1.ティモシー・コーリス(1972-):グローリア/
 2.レナード・エンズ(1948-):私は永遠を見た/
 3.ピーター・ティフェンバック(1960-):ヌンク・ドゥミシス/
 4-7.ルース・ワトソン・ヘンダーソン(1932-):ミサ・ブレヴィス/
 8.ティモシー・コーリス:雪を咲かせる桜の木を見るために/
 9.ポール・ハレー(1952-):おお、主なる神、私たちをもたらしたまえ/
 10.クレイグ・ガルブレイス(1975-):生けるもの全て/
 11.モルヤン・モゼティヒ(1947-):飛ぶ白鳥/
 12.マーク・シレット(1952-):よき国のための主の祝福/
 13.グレン・ブール(1954-):アニュス・デイ/
 14.イマント・ラミンシュ(1943-):詩編第23番/
 15.スティーブン・チャットマン(1950-):思い出す
マイケル・ブロス(オルガン)…9/
レスリー・デアス(ピアノ)…1/
ジョン・マルシュマン(チェロ)…11/
スティーヴン・ピエール(クラリネット)…11/
エローラ・フェスティヴァル・シンガーズ/
ノエル・エディソン(指揮)
 カナダの現代作曲家11人による合唱作品のアンソロジーです。国によって微妙に宗教観が異なるのは当たり前のことでしょうが、この国における楽園や天国の位置づけというものに思いを巡らせたくなるような、示唆に富む選曲となっています。人間の存在への問いかけ、自然礼賛、普遍なる物への愛、これらがナチュラルに歌われる姿は感動的です。ここで清冽なハーモニーを聴かせるエローラ・フェスティヴァル・シンガーズは1980年に指揮者ノエル・エディソンによって設立されたカナダの合唱アンサンブルです。彼らはグラミー賞にノミネートされるなど、実力を高く評価されており、NAXOSレーベルにも数多くの録音があります。なかでもウィテカーの作品集(8.559677)は大絶賛。彼らの幅広い力量がわかる1枚です。


8.578217
NAXOSレーベルの創立25周年「NAXOSベスト・ランキング」アルバム??
 NAXOS グレート・クラシカル・マスターピース

 1.コープランド:市民のためのファンファーレ(8.550282)/
 2.ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお,魂の牧者よ(8.550998)/
 3.J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲イ短調 BWV1041-第1楽章(8.550194)/
 4.モーツァルト:レクイエムニ短調 K626-ディエス・イレ(8.550235)/
 5.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番Op.27-2「月光」-第1楽章(8.550045)/
 6.ブラームス:ハンガリア舞曲第1番(管弦楽版)(8.550110)/
 7.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18-第2楽章(8.550117)/
 8.ラヴェル:高雅で感傷的なワルツより(8.550173)/
 9.オルフ:カルミナ・ブラーナ-運命の女神よ(8.550196)/
 10.グレツキ:古風なスタイルによる3つの小品-第1番(8.550822)/
 11.ロドリーゴ:アランフェス協奏曲-第1楽章(8.550729)/
 12.ヘンデル:水上の音楽第2組曲ニ長調HWV349-
  第2番アラ・ホーンパイプ(8.550109)/
 13.サティ:ジムノペディ第1番(8.550305)/
 14.ヴィヴァルディ:四季より春-第1楽章(8.550056)/
 15.モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークK525-第4楽章(8.550026)/
 16.フォーレ:レクイエムOp.48-サンクトゥス(8.550765)/
 17.ガーシュウイン:ピアノ協奏曲ヘ長調-第3楽章(8.550295)/
 18.ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調「新世界より」-第4楽章(8.550271)
様々な演奏家
 2012年は、NAXOSレーベルの創立25周年にあたります。そこで、過去25年で最も売れたアルバムから1曲ずつ抜粋した、「NAXOSベスト・ランキング」的な1枚が出来上がりました。これはもちろん世界中のNAXOSファンの声を集めたものなので、日本のランキングとは微妙に違う部分があり、それはそれでとても興味深いものと言えるでしょう。もちろん、アルバムからの抜粋なので、人々が求めているのは「他の曲」(そのアルバムに収録されている別の作品)である場合も多々あります。まだまだ世界は広い・・・そんな感慨にふけるのも一興ですね。「なぜ×××はないんだぁ!」そんなあなたの心の叫びを受け止めたい。

NAXOS 1CD¥1100


Tony Banks: Six Pieces For Orchestra
8.572986
トニー・バンクス:管弦楽のための6つの小品
 1.サイレン/2.静かな領海/
 3.バラード/4.野生の巡礼/5.神託/6.黄金の都市
チャーリー・シーム(ヴァイオリン)…3/
マーティン・ロバートソン(アルト・サクソフォン)…1/
プラハ市交響楽団/
ポール・イングリッシュバイ(指揮)
 2004年、あのトニー・バンクス(1950-)がNAXOSから管弦楽作品「セブン」(8.557466)をリリースした時は、世界中に衝撃が走ったものでした。確かに彼が作り上げたジェネシス・サウンドは、分厚い和音を駆使した攻撃的でシンフォニックなもの(ショスタコーヴィチやマーラーの影響を受けているとも)で、前作「セブン」でも実際のオーケストレーションこそ行わなかったものの、彼が描きたかった音世界がそのまま表現されているものでした。今回の新しい作品は、様々なイメージが喚起される6つの小品で、この中には誘惑や旅、英雄、試練など、わくわくするような要素が詰まっているといいます。この構想は、ジェネシスが最後のツアーを終えた2007年にはもう芽生えていたといい、次々と湧き上がるアイデアがこのような壮大な作品になりました。全ての人の期待通りの名作誕生です。

8.559709
バーンスタイン/バーバー/ダイアモンド:作品集
 1-8.バーンスタイン(1918-1990):
  アリアと舟歌(1988)(B.シェンによるメゾ・ソプラノとバリトン、弦楽合奏とパーカッション編)
  <プレリュード/ラヴ・デュエット/スメリーちゃん/生涯の恋人/
   あいさつ/私の結婚式で/ウェッブ夫妻のおやすみなさい/後奏>/
 9.バーバー(1910-1981):序曲「悪口学校」(1931)/
 10.ダイアモンド(1915-2005):
  モーリス・ラヴェルの思い出に捧げる哀歌(1937)
ジェーン・バネル(メゾ・ソプラノ)…1-8/
デイル・デュージング(バリトン)…1-8/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 アメリカを代表する3人の作曲家の作品集です。時として機能的になりがちなアメリカ音楽にも、こんなにも抒情的な面があるということを再確認できる選曲がステキです。
 バーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」は1988年、彼の晩年に完成しましたが、1955年ころから構想が練られていたようで、1960年にはタイトルが決められていて、しばしばメロディの断片が書きつけられるなど、バーンスタインがずっと温め続けた「愛と結婚」についてのツィクルスです。本来は声と4手ピアノのために書かれたものですが、ブライト・シェンがバーンスタイン監修の下、弦楽合奏とパーカッション伴奏にと拡大したヴァージョンが収録されています。バーバーの作品はエネルギーに溢れていて、ダイヤモンドの作品は、ノーブルさの中に暴力的な嘆きを反映させた革新的なものです。

8.572743
ブロッホ:アメリカ・合奏協奏曲第1番
 1-3.アメリカ-叙事的狂詩曲
  <1620年:土-インディアン-(英国)-メイフラワー号-巡礼者の上陸/
   1861-1865年:喜びのとき-悲しみのとき/1926年:現在-未来(賛歌)>/
 4-7.ピアノと弦楽オーケストラのための「合奏協奏曲第1番」
  <前奏曲/挽歌/田園曲と田舎の踊り/フーガ>
シアトル交響合唱団…トラック3/
パトリシア・マイケリアン(ピアノ)/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 スイス、ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイに師事、1916年にアメリカに移住した作曲家ブロッホ(1880-1959)は、この地で数多くの音楽家を育てあげるなど、アメリカの新古典主義音楽の興隆に尽力した事でも知られます。彼は自作の中に、しばしばユダヤの民族音楽を取り入れた独自の作風を示しましたが、この1926年に作曲された「アメリカ-叙事的狂詩曲」は、彼を受け入れたアメリカに対する"愛国心"が描かれたもので、実は、彼がアメリカへと向かう船の中で最初に構想されたものが10年を経てようやく実現したものだったのでした。ネイティヴ・アメリカンの時代から、ブロッホが生活していた1926年、そして未来への予想図が3つの楽章に分けて描かれ、そこには数多くのメロディの引用が織り込まれた音楽による歴史絵巻となっています。1927年、ミュージカル・アメリカ誌の主宰する作曲コンクールで受賞した作品です。合奏協奏曲は、バロック音楽の形式を再現した新古典派の流儀による作品。ピアノが面白いように活躍します。


8.559695
ボルコム:ゴスペル・プレリュード全集
 1-3.第1集
  <いつくしみ深き/沈める寺(中世のロック)/ジャスト・アズ・アイ・アム>/
 4-6.第2集<まもなくかなたの(幻想曲)/アメイジング・グレイス/
  私たちはイエスを呼ぶ>/
 7-9.第3集
 <世の波騒げど御声静かに /つみとがを赦され/主よ御許に近づかん>/
 10-12.第4集
 <時には母のない子のように/しずけき祈りの/
  「神より生まれしものよ」と「なんと確かないしずえなんだろう」による自由な幻想曲>
グレゴリー・ハンド(オルガン)
 クラシックの作曲家というよりも、どちらかと言うとジャズの分野で知られるボルコム(1938-)ですが、NAXOSでは、25年の歳月をかけて作曲した「無垢と経験の歌」(8.559216-18)がとりわけ人気を誇っているように、そのジャンルを超えた多彩な作品は、全ての人々に訴えかける力を持っています。この「ゴスペル・プレリュード」もその流れに位置する作品群で、敬虔な響きとジャジーな和声が交錯する不可思議な親しみやすさを持っているものばかりです。おなじみの「アメイジング・グレイス」も幻想的な面持ちで登場し、刻々と姿を変えていきます。あの有名な讃美歌「主よ御許に近づかん」は、重苦しい不協和音で始まり、どうなることか・・・と思っていると、突然鐘の音とともに、メロディが現れます。スウィングしちゃうぞ!


8.572834
スイングしなけりゃ意味がない
 1.デューク・エリントン:スイングしなけりゃ意味がない/
 2.デューク・エリントン:ムード・インディゴ/
 3.コール・ポーター:マイ・ハート・ビロングス・トゥ・ダディ/
 4.ホレス・シルヴァー:リベレイテッド・ブラザー/
 5.デイヴ・ブルーベック:トルコ風ブルーロンド/
 6.ベニー・グッドマン:サボイでストンプ/
 7.ハロルド・アーレン:降っても晴れても/
 8.ジョー・ガーランド:イン・ザ・ムード/
 9.ジミー・ジュフリー:フォー・ブラザーズ/
 10.ゲリー・アンダーソン:マンハッタン・メドレー
  <マンハッタン-ララバイ・オブ・ブロードウェイ-四十二番街>
ストリング・フィーヴァー/
マリン・オールソップ(リーダー)
 指揮者マリン・オールソップのもう一つの顔とも言える、1981年に創立された「ストリング・フィーヴァー」の録音集です。彼女はマンハッタンに生まれ、ジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、1989年にはタングルウッド音楽祭クーセビッツキー賞を受賞し、バーンスタインから教えを受けています。この時の体験は彼女の音楽生活に強い影響を及ぼし、まずはジャズとクラシック音楽の融合に力を注ぐことにしました。この時立ち上げたのが「ストリング・フィーヴァー」であり、また1984年にはもう少し大きな組織である「コンコーディア管弦楽団」も立ち上げています。そんな彼女を中心としたこの演奏は、ジャズやポップスなどのスタンダード・ナンバーをクラシック調に編曲し、楽しさと多様性を持たせることで、当時の批評家や聴衆の心をぐっとつかんだというものです。エリントンからブルーベックまでのゴキゲンなアレンジは、確かに今聴いてもばっちりです。


8.572695
ヤナーチェク:タラス・ブーリバ・ラシュスコ舞曲集、他
 1-3.狂詩曲「タラス・ブーリバ」JWVI/15(1918)
  <アンドレイの死/オスタップの死/タラス・ブーリバの予言と死>/
 4-9.ラシュスコ舞曲JWVI/17(1889-90)
  <昔の踊り第1番/祝福の踊り/ふいご/昔の踊り第2番/
   チェラデンスキーから/のこぎりの踊り>/
 10-14.モラヴィア舞曲JW VI/7(1891)
  <コジツ(コート)/カラマイカ(ウクライナの輪舞) /
  トロイカ(三頭立てのソリ) /シルニツェ(街道) /ロジェック(隅っこ)>
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
 ヤナーチェク(1854-1928)が1918年に作曲した表題音楽「タラス・ブーリバ」は、ニコライ・ゴーゴリの小説を下敷きに、ヤナーチェク自身の愛国心を万遍なく盛り込んだ野心作です。3つの部分は、全て登場人物の死を描くという、なんとも不穏なものですが、曲の内容もそれを上回る暴力的かつ煽情的なもの。恋人たちの感情を描いたという冒頭こそロマンティックな面持ちを見せますが、それも一時的で、少しずつ悲劇へ向かって歩みを進める曲調がたまらなくスリリングです。ラシュスコ舞曲は、ヤナーチェクが民謡収集を積極的に行うようになった時期である1890年頃に作られたもので、こちらは生き生きとした音楽が、極めてわかりやすい和声で歌われます。官能的なハーモニーはありませんが、これはこれでヤナーチェクらしい音楽と言えるでしょう。モラヴィア舞曲も同じテイストで、どちらかというとドヴォルザークに近いものかもしれません。アントニ・ヴィトとワルシャワ・フィルは、前作のグラゴル・ミサ(8.572639)を上回る熱気でこれらの曲を演奏しています。

DRATTELL, D.: Sorrow is not Melancholy / Fire Dances / Lilith / The Fire Within / Syzygy (Seattle Symphony, Schwarz)
8.571204
ドラッテル:炎の踊り・リリス・炎の中で
 1.悲しみは憂鬱ではない/
 2.炎の踊り:クラリネット協奏曲/
 3-4.リリス/5.炎の中に/6.Syzygy-連接
デヴィッド・シフリン(クラリネット)
スコット・ゴフ(フルート)/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 ニューヨーク、ブルックリンで生まれたユダヤの血をひくドラッテル(1956-)は19歳という比較的遅い時期に作曲を始めたといいます。それまではヴァイオリニストとしての勉強を続けていた彼女ですが、この仕事に夢中になり、「書き始めたら止まらなかった」と語るほど熱い情熱を曲つくりに向けるようになります。最初は器楽曲を書いていましたが、2000年以降は劇音楽やオペラを作曲し、2003年の「ニコラウスとアレクサンドラ」ではドミンゴが主役を演じ話題となりました。彼女の音楽は、その鮮やかな色彩感が、ネオ・ロマンティックの様式の中で生かされるというものであり、独自の官能性と心躍るリズムを内包しています。ひたすら悲しみと諦めに満ちたトラック1、クラリネットの扱いが素晴らしいトラック2、など聴きどころの多い曲が並びます。名手シフリンのクラリネットも最高です。


8.572607
フックス:セレナード第3番-第5番
 1-4.セレナード第3番ホ短調 Op.21/
 5-9.セレナード第4番ト短調 Op.51/
 10-13.セレナード第5番ニ長調 Op.53
ケルン室内管弦楽団/
クリスティアン・ルートヴィヒ(指揮)
 オーストリアに生まれ、教師としても多くの作曲家を育てあげたローベルト・フックス(1847-1927)ですが、彼自身は先進的な作曲語法には興味がなかったようで、その作品は、まるでブラームスの時代に遡ったかのように古風で端正な佇まいを見せています。数多くの作品を残していますが、生前もっとも人気を博したのは5曲のセレナードであり、NAXOSではすでに第1番と第2番がリリースされ(8.572222)高い人気を得ており、今回の第3番〜第5番の登場で、その全貌を知ることができることでしょう。第3番はまさにブラームス風ですが、冒頭の寂しげな旋律は、後のシベリウスの「悲しきワルツ」を彷彿させます。第4番はその17年後に書かれたもので、一層練り上げらたオーケストレーションと心地よいメロディに満ちた豊かな作品です。そして第5番は、まるでマーラーの交響曲を予感されるようなアダージョで始まり、時折辛口な音をはさみつつも、全体的にはウィーン的な軽妙さと優雅さを持つ名作となっています。精妙な響きを堪能したい人にオススメの1枚です。

WEINBERG, M.: Symphony No. 6 / Rhapsody on Moldavian Themes (Glinka Choral College Boys' Choir, St. Petersburg State Symphony, Lande)
8.572779
ワインベルク:交響曲第6番、他
 1.モルダヴィアの主題によるラプソディOp.47-1(1949)/
 2-6.交響曲第6番Op.79(1963)
グリンカ・コラール・カレッジ少年合唱団…3.5.6/
サンクトペテルブルク交響楽団/
ウラディーミル・ランデ(指揮)
 ポーランドに生まれ、ショスタコーヴィチの友人としても知られる20世紀の最大の作曲家の一人、ワインベルク(1919-1996)の2つの作品です。1949年、彼が30歳の時に作曲した「モルダヴィアの主題によるラプソディ」は物憂い風情を湛えた前半部と、興奮の坩堝と化した後半部のコントラストが見事です。民謡を多用したこの「親しみやすい」作品は、当時の社会情勢の求めで書いた曲であり、必ずしも彼の本意が表出されているとはいえませんが、人々の賞賛を集めたことは間違いありません。1949年11月30日にアレクサンドル・ガウク指揮、モスクワ放送交響楽団によって初演されました。交響曲第6番は、児童合唱を用いる描写的な音楽で、初演を聴いたショスタコーヴィチが大絶賛したと言います。確かにショスタコの一連の作品を上回るほどの凶暴性を持つスケルツォはロシア好きでなくとも、一聴の価値ありです。


8.572635
カーゲル:フルートのための作品集
 1.コンチェルト(2001-02)/
 2.幻想小曲集(フルートとピアノ編)(1987-88)/
 3.ピッコロと弦楽四重奏のための「パン」/
 4.幻想小曲集(フルート、ピアノとアンサンブル編)(1987-88)
ミヒャエル・ファウスト(フルート…1.2.4/ピッコロ…3)/
パウロ・アルバレス(ピアノ)…2.4/
アンサンブル・コントラスツ…3.4/
ロベルト・HP・プラッツ(指揮)…4/
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ…1/
パトリック・ガロワ(指揮)…1
 アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれ、作曲は独学で習得したというカーゲル(1931-2008)。1957年にケルンに移住し、すぐさま独自の「破壊的な」作風を確立、電子音楽や前衛音楽の先鋒者として、音楽と劇、映画を統合した「総合音楽」を提唱したことで知られます。そんな彼の作品は、どれもパフォーマンス的な要素が強く、ここで聴ける4つの作品も一筋縄ではいかないものばかりです。コンチェルトは、一応フルート協奏曲の形式をとっていますが、伴奏の弦楽合奏、パーカッション、ハープなどは全てフルートと同等の扱いを受けているため、名前の通りの印象を受けることはあまりありません。トラック3の「パン」は、あの有名なパパゲーノの笛をモティーフにしたもので、現代に迷い込んだ鳥刺しの困惑が描かれているかのようです。またシューマンに敬意を表した「幻想小曲集」では、2つのヴァージョンを聴くことができます。フルートとピアノ版で古典的とも言えるアンサンブルを堪能した後に、もう一つのヴァージョンを聴いてみると、一層の面白さを感じられることでしょう。


8.570985
ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1-7.プルチネルラより「イタリア組曲」(1932)(ドゥシュキン編)/
 8-13.妖精の口づけより「ディヴェルティメント」(1934)(ドゥシュキン編)/
 14-18.協奏的二重奏曲(1932)
キャロリン・ヒューブル(ヴァイオリン)/
マーク・ウェイツ(ピアノ)
 「新古典派」の作曲家ストラヴィンスキー(1882-1971)の面目躍如と言った感のある、このプルチネルラの「イタリア組曲」は、バレエ・リュスの主宰者ディアギレフの発案によって1919年に書かれました。最初はペルゴレージの楽曲を素材に。と考えられていたようですが、結局は数多くの作曲家たちの曲を元に、ストラヴィンスキーが近代的な和声を取り入れて、きわめて小粋な合奏協奏曲風の組曲として仕上げたのです。その後、ストラヴィンスキーが最初のヴァイオリン曲である「ヴァイオリン協奏曲」を作曲する際、協力してくれたドゥシュキンのために、この「イタリア組曲」をはじめとしたいくつかの作品をヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲、またオリジナルの「協奏的二重奏曲」も作曲しています。シュニトケのソナタ(8.570978)で鮮烈な演奏を聴かせたヒューブルが、ここでも見事な切れ味で、この一癖も二癖もある痛快な音楽を演奏しています。

8.572472
ドビュッシー&メシアン:2台のピアノのための音楽
 1-3.ドビュッシー:白と黒で(1915)
  <無我夢中で/ゆるやかに。沈痛に/スケルツァンド>/
 4-10.メシアン:アーメンの幻影(1943)
  <Ⅰ.創造のアーメン/Ⅱ.星たちと、輪のある惑星のアーメン/
   Ⅲ.イエズスの苦悶のアーメン/Ⅳ.欲望のアーメン/
   Ⅴ.天使、聖者、鳥の歌のアーメン/
   Ⅵ.神の裁きのアーメン/Ⅶ.終わりのアーメン>
ラルフ・ファン・ラート(第1ピアノ)/
ヘコン・アウストベ(第2ピアノ)
 ともに戦時中に書かれた2つの「2台のピアノのための音楽」です。第一次世界大戦中に書かれたドビュッシー(1862-1918)の「白と黒で」は、その第2曲目に戦争の影響がはっきり表れています。タイトルについては、鍵盤の白と黒、そしてそれを混ぜ合わせた灰色がイメージされているといい、そちらもなかなか意味深です。活動的な第1曲、フランソワ・ヴィヨンの詩による第2曲、ドルレアンの詩による第3曲から出来ています。メシアンの作品は、深淵なる宗教的な瞑想の曲で、2台のピアノの役割が明確に分かれています。リズミックで華やかさを表現する第1ピアノはイヴォンヌ・ロリオが演奏し、メシアン(1908-1992)は第2ピアノでメロディと表現を担当するというものでした。この演奏では、2人の「現代音楽ピアニスト」が素晴らしい解釈を聞かせています。

8.572916
期待の新進演奏家シリーズ/ラファエル・アギーレギター・リサイタル
 1.ヘロニモ・ヒメネス(1854-1923):
  「ルイス=アロンソの結婚式」より間奏曲(山下和仁編)/
 2.ドビュッシー(1862-1918):版画第2集より
  「グラナダの夕べ」(C.トレパット編)/
 3.パコ・デ・ルシア(1947-):ガヒーラズ・デ・ルシア/
 4-6.セルジオ・アサド(1952-):
  スペインの印象(R.アギーレに捧ぐ)
  <アストゥリアーノ/バレンシアーノ/アンダルーサ>/
 7.ドビュッシー:前奏曲第2集より「ヴィーノの門」(C.トレパット編)/
 8.マヌエル・ロペス=キローガ(1899-1988):
  フランシスコ・アレグレ(C.トレパット編)/
 9.アルベニス(1860-1909):イベリア第2集より「トリアーナ」/
 10.ロドリーゴ(1901-1999):トッカータ/
 11.タレガ(1852-1909):グラン・ホタ/
 12.ホアキン・マラツ(1872-1912):セレナータ・エスパニョーラ(タレガ編)
  ※4-6…世界初録音
ラファエル・アギーレ
2007年タルレガ・ギター・コンクールで優勝したことにより、既にNAXOSからアルバムが1枚発売されている(8.572064)1984年生まれの若手ギタリスト、アギーレが一層パワーアップして戻ってまいりました。 今回は2010年に開催されたアルハンブラ・国際ギターコンクールの優勝を讃えた録音ですが、彼は他にも合計13もの国際コンクールで1位を獲得していて、現代の最も有名、かつ有望なギタリストとして世界中から注目を集めています。今回のプログラムは、ドビュッシーやアルベニスを始めとした「イベリア」の影響を受けた作品を集めたという練りに練った1枚。フラメンコや闘牛など、まさに「血が騒ぐ」曲が集められています。ヒメネスの間奏曲は、山下和仁が編曲した超絶技巧を駆使したヴァージョンであり、こちらも興味深いものです。演奏: 録音2011年9月7-10日カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会


8.660295-96
(2CD)
ヴァッカイ(1790-1848):歌劇「メッシーナの花嫁」 ドンナ・イザベラ…ジェシカ・プラット(ソプラノ)/
ドン・エマニュエーレ…フィリッポ・アダミ(テノール)/
ドン・チェザーレ…アルマンド・アリオスティーニ(バリトン)/
ベアトリーチェ…小野和歌子(メゾ・ソプラノ)/
ディエゴ…マウリツィオ・ロ・ピッコロ(バス)/
ブルノ・クラシカ・チャンバー・コア/
ヴィルトージ・ブルネンシス/
アントニオ・フォリアーニ(指揮)
 1803年にシラーが書いた「メッシーナの花嫁」は、のちに社会的な流行を引き起こす「ロマン派運命悲劇」の先駆とみなされています。舞台はシチリア島、メッシーナ。2人の王子ドン・エマニュエーレとドン。チェザーレが美しい尼僧に恋をし、ともに妃に迎えたいと母イザベラに伝えます。彼らは長年に亘っていがみ合っていて、それが故にこの地に不安と戦乱をもたらしています。しかしながら母イザベラにも秘密がありました。それは、王子たちとは別に娘が一人いて、彼女は別のところでひっそりと成長していたのです。結末は・・・。このあらすじは、確かに人々の心をつかむ要素がたっぷりです。この作曲家ヴァッカイ(1790-1848)は、声楽教師として有名であり、またベッリーニのライバルとしても知られています。この作品は1939年の初演時に不評を被り、結果優れた作品であるにも拘らず、すっかり忘れられてしまったものです。2009年のこの蘇演では万全のキャストを配しており、作品の真価に光を当てたものと言えるでしょう。2人の王子から愛されるベアトリーチェを歌うのは、日本が誇るメゾ・ソプラノ、小野和歌子さんです。彼女の深い表現力に満ちた輝かしい声をどうぞお楽しみください。

NAXOS 1CD¥1100


8.559699
イエディディア:即興曲・夜想曲・世界の舞曲
 1.世界の舞曲(2010)/2.さようなら、ナタニエル(2007)/
 3.詩曲(1995)/4.夜想曲(2010)/5.小協奏曲(2007)/6.即興曲(2010)
アレクサンダー・フィッターシュタイン(クラリネット)/
ロン・イエディディア(ピアノ)/
アルノー・サスマン(ヴァイオリン)…5/
メリッサ・リアードン(ヴィオラ)…5/
ニコラス・カネッラキス(チェロ)
 1960年、テルアビブ生まれの作曲家イエディディア(1960-)の作品集です。
 彼の作品は多様性と想像力に満ちていて、世界的に高く評価されています。2007年にはシアトル室内楽協会初の委嘱作曲家に選ばれ、精力的に作品を発表しています。このクラリネット作品集は、とりわけ感動的で親しみやすいもので、現代音楽につきものの難解さは一かけらもありません。トラック1.4.6の3曲は、彼の友人であるイギリスのウェラー一家の双子の誕生を祝うために書かれた曲で、異なるスタイルの3曲に、多様な表現と世界の平和を込めた喜ばしく輝かしい音楽です。「さようなら、ナタニエル」は海の事故で命を落とした彼の友人のための追悼曲。彼の最初のクラリネット作品である「詩曲」はラフマニノフを思わせるピアノの伴奏に乗って、クラリネットが美しく歌います。小さい編成にもかかわらず、大きな世界を描きだす「小協奏曲」も魅力的です。


8.572747
オルウィン:吹奏楽編曲による映画音楽集
 1.「真紅の盗賊」-序曲/2-6.「ポリー氏の歴史」-組曲/
 7.「最後の突撃」-行進曲/8-11.「絶壁の彼方に」-組曲/
 12.「春風と百万紙幣」-ワルツ/
 13-15.「スイスファミリーロビンソン」-組曲/16.「真の栄光」-行進曲/
 17-21.「若い河」-組曲/22-23.「難破船」-組曲/
 24.「砂漠の勝利」-組曲 ※マーティン・エレビー編曲
王立ノーザン音楽大学ウインド・オーケストラ/
クラーク・ランデル(指揮)…2-6.7.8-11.17-21/
マーク・ヘロン(指揮)…1.12.13-15.16.22-23.24
 「完璧なる映画音楽作曲家」ウィリアム・オルウィン(1905-1985)の数々の作品を、吹奏楽アレンジで聴く1枚。これがまたカッコイイことこの上なし。1957年生まれのイギリスの作曲家、M.エレビーの編曲は、オルウィンのインスピレーションを完全に理解し、持ち味であるスコットランドの旋律も生かしつつ、魅力的な音で再創造しているのです。中には日本で未公開の映画も含まれますが、それは想像力を駆使して楽しむことにしましょう。勇壮なトラック7の行進曲、ロマンティックなトラック12のワルツ。その他全て、、どれを聴いても鮮やかでわくわくしてしまいます。

8.572428
セヴラック:ピアノ作品集第2集
 1.ひなたで水浴びする女たち(バニュルス=シュル=メルの思い出)/
 2.騒ぎたてるニンフ、または不謹慎な牧神(ダンス・ノクトゥルヌ)/
 3.夾竹桃の下で/
 4-11.休暇の日々から第1集
  <シューマンへの祈り/城と公園-1:おばあさまが撫でてくれる/
   城と公園-2:小さなお隣さんたちが訪ねてくる/
   城と公園-3:教会のスイス人に扮装したトト/
   城と公園-4:ミミは侯爵夫人の扮装をする/
   城と公園-5:公園でのロンド/
   城と公園-6:古いオルゴールが聞こえるとき/
   城と公園-7:ロマンティックなワルツ>/
 12-14.休暇の日々から第2集(3つの小品)
  <ショパンの泉/鳩たちの水盤(ブランシュ・セルヴァ補筆)/2人の騎兵>
ホルディ・マソ(ピアノ)
 スペイン貴族に連なる旧家に生まれたセヴラック(1872-1921)のピアノ曲は、どこか懐かしく、また、普通のフランス音楽とは一味違った雰囲気を有しています。それは彼の郷里ラングドック(南フランスの地中海に面した地域)の響きであり、彼が師事したアルベニスの影響も少なからずあるのでしょう。その作品はどれも柔和な光を帯び、また明るく屈託のないもので、演奏に要求される技巧もそれほど高いものではありません。最近ピアノ曲の再評価は進みつつありますが、どちらかというとフランス系の演奏者が多く取り上げていたのですが、このNAXOS盤では、スペイン音楽を得意とするホルディ・マソが力強くこれらの曲を歌い上げていて、セヴラック作品の持つ多面性に光をあてているかのようです。シューマンから影響を受けたと言われる「休暇の日々から」は、第7曲の「ロマンティックなワルツ」がよく知られていますが、やはり全曲聴いてこそ、この作曲家の真価を理解できるのではないでしょうか?

8.570893
サラサーテ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第3集
 1.ボレロOp.30/2.ソルチコ・ドゥルパラギーレOp.39/
 3.アンダルーサのセレナーデOp.10/
 4.さようなら、わが山々よ-スペイン舞曲Op.37/5.眠りOp.11/
 6.夢Op.4/7.序奏とファンダンゴOp.40/8.幻想曲-カプリース/
 9.子守歌と祈りOp.17/10.信頼Op.7/
 11.グノーの「ミレイユ」によるカプリースOp.6/
 12.スコットランドの歌Op.34/13.チリの鳥たち/14.別れOp.9
楊天堝(ヴァイオリン)/
マルクス・ハドゥッラ(ピアノ)
 ヴァイオリンの名手で、超絶的な技巧を駆使した華やかな作品を数多く書いたサラサーテ(1844-1908)。しかし、彼の作品をまとめて聴いてみようとすると、実はあまり録音が多くないことに気が付きます。そんなサラサーテの作品に光を当てたのがこのシリーズです。この第3集には、最近出版されたばかりの「チリの鳥たち」(トラック13)も収録。この曲はサラサーテが1871年に南米ツアーを行った時に作曲したもので、高い声で鳴き交わす極彩色の南国の鳥たちが見事に描かれています。思わず窓を開けて、空を見上げたくなるような楽しい曲です。ヴァイオリンを演奏するのはおなじみの楊天堝。現代最高の「サラサーテ弾き」の彼女の美音を心行くまでお楽しみください。全てのヴァイオリン好きに贈る極上の1枚です。

8.572574
ロス・ハリス:交響曲第2番&第3番
 1-4.交響曲第2番(2006)〜ヴィンセント・オサリヴァンの詩による/
 5-8.交響曲第3番(2008) ※世界初録音
マドレーヌ・ピラード(S)…1-4/
オークランド・フィルハーモニー管弦楽団/
マルコ・レトーニャ(指揮)
 ニュージーランドの作曲家、ロス・ハリス(1945-)はクライスト・チャーチとウェリントンで学び、30年以上に渡ってヴィクトリア大学で教鞭を執った後、2004年に早期退職をして、現在ではフリーランスで活躍。オペラや管弦楽曲など多くの作品を書いています。このアルバムには彼の交響曲を2つ収録。彼の「しばしば美しく、時には恐ろしい」作品をじっくり味わってみてください。交響曲第2番は、第一次世界大戦中、戦地の女性と恋に落ち、脱走したニュージーランド兵をテーマにしたヴィンセント・オサリヴァンの詩を題材にしたもので、壮大なファンファーレに聴きほれていると、瞬時に地獄のような世界へと突き落とされる「油断ならない」音楽です。交響曲第3番はマルク・シャガールの絵画に触発された作品で、クレズマー(ユダヤの伝統音楽)風の響きを挟み込みながら、詩的で幻想的な音楽が展開されます。2曲とも各楽章は速度表示のみが記される素っ気ないものですが、内容は驚くほどに豊かで雄弁さを誇っています。オークランド・フィルハーモニー管弦楽団のために作曲され、ニュージーランドの権威ある「SOUNZコンテンポラリー賞」を受賞しています。
Maxwell Davies: Symphony  1 (Mavis In Las Vegas) (Naxos: 8.572348)
8.572348
マクスウェル=デイヴィス:交響曲第1番・ラスベガスのメイヴィス
 1-4.交響曲第1番(1976)/
 5.ラスベガスのメイヴィス(1997) Collins Classicsより移行盤
BBCフィルハーモニー管弦楽団/
マクスウェル=デイヴィス(指揮)
 1973年当時、豊かな自然に溢れたオークニー諸島に移住していたマックスウェル=デイヴィス(1934-)は、ジョージ・マッカイ・ブラウンの詩に触発された小さな作品を構想します。この地の風景と、圧倒的な海の存在感を描くべく書かれた「ブラック・ペンテコスト」というその曲ができた時、作曲家自身も、これが大きな交響曲になるとは思ってもいなかったと言います。そのほぼ3年後、4つの楽章を持つ「交響曲第1番」として完成したこの作品には、彼らしい魔術的雰囲気と、混沌とした風景がないまぜとなった創造性に満ちた音楽が溢れています。ディヴィス自身は「シベリウスの5番の和音で終わる」と説明していますが、その面影が聞き取れるでしょうか?「ラスベガスのメイヴィス」は1995年、彼が自作を演奏するためにアメリカを訪れた時の印象を描いたもの。メイヴィスとは彼の名前をコンピューターに登録する際、この短縮形の方が都合が良かったからだそうです。


ヴェルディ:オペラからのバレエ音楽全集(ボーンマス響/セレブリエール)
8.572818-19
(2CD)

ヴェルディ:オペラからのバレエ音楽全集
<CD1>
 1.歌劇「オテロ」:第3幕第7場/
 2-4.歌劇「マクベス」:第3幕第1場/
 5-8.歌劇「イェルサレム」:第3幕第1場/
 9.歌劇「ドン・カルロ」:第3幕第2場/
<CD2>
 1.歌劇「アイーダ」:第1幕第2場/
 2.歌劇「アイーダ」:第2幕第1場/
 3.歌劇「アイーダ」:第2幕第2場/
 4-6.歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第1場/
 7-10.歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第2場/
 11-14.歌劇「シチリア島の夕べの祈り」:第3幕第2場
ボーンマス交響楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
 もともとバレエは、イタリアの合唱曲に踊りを加えたことが起源とされますが、19世紀前半のフランスではオペラの中に必ずバレエを含むことが条件とされ、ヴェルディ(1813-1901)のみならず、ワーグナーさえ、自作をパリで演奏するためにはバレエを付け加えなくてはいけなかったエピソードが知られています。このユニークなプログラムは、ヴェルディのオペラから全ての「バレエ音楽」を集めたものです。「アイーダ」「オテロ」「シチリア島の夕べの祈り」を除くと、他のほとんどの作品はバレエ部分をカットすることが通例であり、これらを耳にする機会はなかなかありません。セレブリエールとボーンマス交響楽団は、この珍しいレパートリーを血気盛んに演奏することで、曲の必然性を炙り出すことに成功しています。


J.S. バッハ :レスピーギとエルガーによる管弦楽編曲集(シアトル響/シュワルツ)
8.572741

レスピーギとエルガーによるJ.S.バッハ編曲集
 《レスピーギ(1897-1936)による編曲》
  1-3. 3つのコラールプレリュードP167
  <「いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV659:レント・アッサイ/
  「私の魂は主をあがめ」BWV648:アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド/
  「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645:アンダンテ>/
 4-7.ヴァイオリン・ソナタホ短調 P85(原曲:BWV1023)/
 8-9.前奏曲とフーガニ長調 P158(原曲:BWV532)/
 10.パッサカリアとフーガハ短調 P159(原曲:BWV582)/
《エルガー(1857-1934)による編曲》
 11-12.幻想曲とフーガハ短調 Op.86(原曲:BWV537)
イルッカ・タルヴィ(ヴァイオリン)…4-7/
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 いつの世もバッハ(1685-1750)の作品から多くのインスピレーションを受け取る人が多いものです。このアルバムではレスピーギとエルガー、2人の大作曲家による編曲をお楽しみいただけます。「ローマ三部作」で絢爛豪華な音楽を聴かせるイタリアの作曲家レスピーギは、1929年から30年にかけて、ヴァイオリン・ソナタをはじめとする幾つかの作品に大胆なオーケストレーションを施しました。どの曲もどっしりとした低音を利かせ、重厚で荘厳な響きが魅力的。メロディは確かにバッハなのですが、後期ロマン派の香りが強く感じられるユニークなものとなっています。「前奏曲とフーガ」に至っては、もう別世界の音楽へと変貌しているところが楽しい限りです。エルガーによる「幻想曲とフーガ」の編曲(1921年)にも注目。フーガの部分はまさに「エニグマ」そのもの。壮大かつ豊かな響きに大満足間違いありません。

アルバート:イン・コンコルディアム/ツリーストーン(シアトル響/シュワルツ)
8.559708

アルバート:イン・コンコーディアム・ツリーストーン
 1.イン・コンコーディアム(1983)/
 2-7.ツリーストーン(1986)
  <『第1部』私はリーフィ・スピーフィング/グランド・ファンファーレ/海鳥たち/
  『第2部』トリストファー・トリスタン/ファーレン・グリーフス/アンナ・リヴィア・プルラベレ>
イルッカ・タルヴィ(ヴァイオリン)…1/
ルーシー・シェルトン(ソプラノ)…2-7/
デイヴィッド・ゴードン(テノール)…2-7/
シアトル交響楽団…1/
ニューヨーク室内交響楽団…2-7/
ジェラルド・シュウォーツ(指揮)
 ニューヨーク生まれの作曲家アルバート(1941-1992)は、「新ロマン主義」の最も熟練した技法を持つ人として賞賛されています。彼は古典的な音楽に現代的な技法を結びつけるべく、様々な試みを行いましたが、突然の事故でこの世を去ってしまい、その答えは永遠に出ることはありませんでした。また知的モダニズムの権化であった彼は、自らの作品中に難解なテキストを用いることを好み、とりわけ「翻訳不可能」とまで言われたジョイスのフィネガンズ・ウェイクは、このアルバム中のツリーストーンを始め、交響曲第1番「リヴァー・ラン」(8.559257)でも効果的に使われています。また、ヴァイオリン協奏曲の形式を持つ「イン・コンコーディアム」では、オーケストラの楽器の雄弁さも見事であり、これらを有機的に結び付けているヴァイオリンも、これまた素晴らしい働きをしています。

8.572509
サルヴァ:チェロ作品集
 1.室内オーケストラとチェロのための協奏曲/
 2-4.チェロとピアノのための3つのアリア/
 5-8.チェロとピアノのための小組曲/
 9-11.スロヴァキアの合奏協奏曲第3番/
 12-19.2台のチェロのための8つの前奏曲
ユージン・プロチャク(チェロ)/
ヤン・スラヴィク(チェロ)…12-19/
ノーラ・スクタ(ピアノ)…2-8/
ユレイ・チズマロヴィチ(ヴァイオリン)…9-11/
ベルナデッテ・シュナフスカ(オルガン)…9-11/
スロヴァキア放送交響楽団/
マリアン・レヤヴァ(指揮)
 現代スロヴァキアの作曲家、サルヴァ(1937-1995)の刺激的な作品集です。彼は幼年期から作曲に興味を示し、ジリナ音楽院でチェロ、ピアノ、アコーディオンを学びます。またヤン・ジマーに個人的に作曲の教えを受け、ブラティスラヴァの芸術学院で1958年から1960年まで研究を続けましたが、ここの保守的な雰囲気は、彼の気質に合うことがなく、ポーランドのカトヴィツェへと活動の場を移し、ようやく満足の行く研究をすることができたと言います。ペンデレツキ、グレツキらから影響を受けた彼の作品は、幼い頃から親しんだ郷里の民族音楽と、現代的な美学を併せ持ち、豊かな音響と破壊的なパワーが横溢したものです。このアルバムは、彼のチェロ作品を収録。とりわけチェロの音色を愛していたという作曲家渾身の曲を聴くことができます。

8.559686
アメリカのマンドリンとギターの音楽集
 1-3.カイザー(1962-):運命/4-8.フェボニオ(1950-):水のバラードOp.47/
 9.エドワーズ(1962-):奇妙なアトラクター/10-13.アクセルロッド(1960-):水銀/
 14-15.デルプリオーラ(1959-):ソナタ/
 16.ゴードン(1956-):ダイモネリックス/17.ハリントン(1955-):藍の軌跡
アーレルト&シュヴァープ・デュオ
このアルバムに収録されている作品の多くは、このアーレルト&シュヴァープ・デュオのために書かれています。ギターのまろやかな響きと、マンドリンの煌めく響きが素晴らしく溶け合うこのアンサンブル、以前ヴァイスとホフマンの2人の古典的な作曲家の曲集(8.557716)で、その素晴らしい妙技を聴かせていましたが、ここでは全く違うスタイルの音楽を、見事に表現しています。緊張感に満ちた「運命」、古典的なフォルムを持った「水のバラード」、カオス理論の一説に触発されたとりう「奇妙なアトラクター」など、様々な形態の音が並び、時には自然を賛美し、時には電子音楽の模倣までと、一瞬たりとも耳を離すことができません。
Goossens: Complete Music Violin/ Piano (Naxos: 8.572860)
8.572860
グーセンス:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番ホ短調 Op.21(1918)/
 4.抒情詩Op.35(1919-1920)/5.古い中国民謡Op.4-1(1912)/
 6.ロマンスOp.57(1937)/7-9.ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.50(1930)
ロバート・ギブス(ヴァイオリン)/
グスターフ・フェニェー(ピアノ)
 ロンドンで生まれ、クイーンズホール管弦楽団でヴァイオリン奏者として活躍、その後指揮者として名声を高め、1931年から1946年までシンシナティ交響楽団を指揮、18人の作曲家たちに「愛国的なファンファーレ」(コープランドの「市民のためのファンファーレ」がとりわけ有名)を委嘱したことで知られるユージン・グーセンス(1893-1962)。彼は作曲家としても素晴らしい作品を残していて、中でもヴァイオリン作品は、ラヴェルやドビュッシーなどの印象派の影響を受けた抒情的な表情を持った注目すべき音楽です。1956年にちょっとしたスキャンダルで話題になってしまいましたが(彼の名前で検索するとすぐにわかります)、50年後の現在ならばほとんどお咎めなしだったのではないでしょうか?こんなところにも時代が感じられます。そろそろ再評価いたしましょう。

8.559665
ザイモント:ソナタ・カレンダーのセット
 1-3.ソナタ(1999-2000)/4.夜想曲:頽廃的な(1979)/
 5-16. カレンダーのセット-12の技巧的な前奏曲(1978)
 <1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/8月「牧歌」/9月/10月/11月/12月>
クリストファー・アトツィンガー(ピアノ)
 アメリカの女性作曲家ザイモント(1945-)のピアノ曲集です。管弦楽作品(8.559619)でもわかる通り、彼女の作風は決して前衛的ではなく、むしろロマンティックな風合いを持っています。ここには3つの作品が収録されていて、どれも驚くほどの色彩感と創造性に満ちた音楽となっています。彼女の最も挑戦的な作品と言えそうな「ソナタ」には、印象的な部分が散りばめられていて(とりわけ第2楽章には、あの名曲の断片が使われています)見事な仕上がりとなっています。初期の作品である「夜想曲」では、コントラストに富んだ深い表現が魅力です。「カレンダーのセット」でも、現代的な響きの中に懐かしいメロディが散りばめられた、音で聴く風物詩となっています。この極上の小品集、1曲ずつ味わって聴いてみてください。

8.660288-90
(3CD)
リムスキー=コルサコフ:
 歌劇「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」
ユーリー・フセーヴォロドヴィチ公…ミハイル・カザコフ(バス)/
フセーヴォロド・ユーリエヴィチ皇子…ヴィタリー・パンフィロフ(テノール)/
フェヴローニャ…タティアナ・モノガロワ(ソプラノ)/
グリーシカ・クテリマ…ミハイル・グブスキー(テノール)/
フョードル・ポヤーロク…ゲヴォルク・ホコブヤン(バリトン)/
少年親兵…マリカ・グロルダーヴァ(メゾ・ソプラノ)/
2人の貴族…ジャンルカ・フローリス(テノール)、
マレク・カルバス(バス)/
グースリ弾き…リッカルド・フェラーリ(バス)/
熊使い…ステファノ・コンソリーニ(テノール)/
ベデャイ…ヴァレリー・グリマノフ(バス)/
ブルンダイ…アレクサンダー・ナウメンコ(バス)/
カリアリ劇場管弦楽団&合唱団/
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(指揮)
 リムスキー=コルサコフ(1844-1908)の最後から2作目にあたる、第14作目のオペラは、タタールの襲来から逃れるために湖底に沈んだ町キーテジと、動物と心を通わせることができる聖女フェヴローニャの物語を組み合わせています。6世紀に書かれたムーロムの聖フェヴローニャの伝記はロシアの習合信仰を記した資料として評価されています。この物語は、その伝記と汎神論的な民話、キリスト教の奇跡が結びついた類い稀なるもので、強い愛国心を帯びた美しいメロディは、変遷するロシアの歴史に負けることなく、常に演奏され続けました。「ロシアのパルジファル」とも称されるこのオペラ、2008年のイタリアでの公演でお届けします。
Handel: Theodora Oratorio (Naxos: 8.572700-02)
8.572700-02
(3CD)
ヘンデル:オラトリオ「テオドラ」全曲 テオドラ…クリスティーナ・ヴィーランド(ソプラノ)/
イレーネ…ディアナ・シュミット(メゾソプラノ)/
ディデイムス…フランズ・ヴィッツハム(カウンターテナー)/
セプティミウス…クヌト・ショホ(テノール)/
ヴァレヌス…クラウス・メルテンス(バス・バリトン)/
ユンゲ・カントライ/
フランクフルト・バロック管弦楽団/
ヨアヒム・カルロス・マルティーニ(指揮)
 三世紀初頭、キリスト教がまだ禁制であったローマ帝国の時代の物語。シリア王家の娘テオドラは、異教徒の儀式参加を拒否したために捕えられてしまいます。彼女に課せられた罰は「ローマの兵士たちに蹂躙されること」。彼女の恋人でローマの役人であるディデイムスは何とか彼女を助けようと、牢に忍び込み脱出させようと策を弄すのですが、結局2人とも死刑を宣告されてしまいます。愛のために殉死を遂げる2人の背後に横たわる宗教紛争や自己犠牲の精神などたくさんの要素を盛り込んだ作品ですが、あくまでもオラトリオであるためか、常に格調高く、また壮大な音楽が与えられていて、オペラとは違った味わいを感じさせます。ヘンデル(1685-1759)はこの作品の出来栄えに自信を持っていたようですが、初演は残念ながら不評に終わってしまったのは、実のところ、聴衆はハッピーエンドを求めていたのかもしれませんね。ヘンデルは大激怒したとのことですが・・・。

ドーヴ:パッシング・オブ・ザ・イヤー(コンヴィヴィウム・シンガーズ/クロマー/フェリス)


8.572733
ジョナサン・ダヴ:年月の移ろい
 1-7.二重合唱とピアノのための歌曲集「年月の移ろい」(2000)
  <始まり/か細き芽は、太陽に向かって美しく開く/7月の答え/
   熱き太陽,冷たき炎/おお、向日葵よ/
   さようなら、大地の至福の別れ/野の鐘を鳴らす>/
 8.美しき五月に私は歩く(2001)/9.わが愛はわが内に(1998)/
 10.誰が殺したクックロビン(1996)/
 11-13.エミリー・ディキンソンの詩による3つの歌「街は走っているかのよう」(2006)
  <街は走っているかのよう/私は道を見た/なんて幸せそうな小さな石>/
 14.生まれてくる日(1999)/
 15.ようこそ、この景色の中の全ての不可思議よ(1999)/16.三人の王(2001)
クリストファー・クロマー(ピアノ)…1-7/
コンヴィヴィウム・シンガーズ/
ネイル・フェリス(指揮)
 親しみやすく、明晰な作風で知られるイギリスの作曲家ジョナサン・ダヴ(1959-)。とりわけ彼の合唱作品はどれも魅力的であり、イギリスのみならず世界中で人気を博しています。ここでは、彼の母親の記憶に捧げられたという「年月の移ろい」を中心とした、美しいハーモニーを聴くことができます。7つの曲からなる「年月の移ろい」はW.ブレイク、E.ディキンソン、G.ピールら5人の詩人のテキストを使い、時には妖艶さも感じさせながら、大地と季節を礼賛しています。この曲集とメゾ・ソプラノのソロで歌われる「わが愛はわが内に」以外は全て無伴奏合唱で歌われ、時にはユーモラスに、また時には荘厳に、声の持つ美しさと可能性を無限まで追求します。


NAXOS(Blu-ray Audio)

— Blu-ray Audioとは —
Blu-ray Audioとは、DVDの5倍以上というBlu-ray Discの大容量を活かし、高品質の音源を収録した新しいフォーマット。ナクソスでは、このフォーマットに24bit/88.2kHzまたは24bit/96kHzというマスタークオリティの音源をステレオとサラウンドの両形式で収録しました。
※再生にはBlu-ray Disc対応のプレーヤーが必要となります。


NBD0001-04
(4Blu-ray Audio)
\5000→\4490
ヴァーチャル・ハイドン
 ハイドン:ピアノ・ソナタ全集

  BD1.2.3…Pure AUDIO /
  BD4…ドキュメンタリー映像「ヴァーチャル・ハイドンができるまで」
トム・ベギン(チェンバロ)
 ハイドン(1732-1809)のピアノ曲全集を興味深い試みによって現代によみがえらせるというプロジェクト「ヴァーチャル・ハイドン」。このアルバムは、ハイドンの全ピアノ・ソナタを、「9つの仮想空間」で、特別な細工を施された7台の「歴史的鍵盤楽器」を弾き分けるという夢のような企画です。
 ハイドンの時代は鍵盤楽器が著しく発達した時期であり、チェンバロから現代のピアノへと変遷を遂げるまでに、多様な鍵盤楽器が発明され、ハイドンも時代に即した楽器を用いて作曲していました。また、ハイドンはウィーンを皮切りに、アイゼンシュタットのエステルハーツィ公の宮殿や、イギリスの古いコンサート・ホールである「ホリウェル」など、ヨーロッパ、イギリス各地で演奏していたことも間違いありません。そんな時代を蘇らせるために・・・まず、各々の楽器を、無響にした研究室に持ち込み演奏することから始めます。次はハイドン所縁の場所に行き、各部屋の響きを採取。その「響きの特性」を計算し、先ほどの「無響の音」にその響きを付け加えます。2.0でも申し分ない音が楽しめますが、可能であれば5.0のサラウンドでこのディスクを再生してみてください。すると、あら不思議。まるで、その場所でその楽器を鳴らしたかのような、見事な演奏が目の前に立ち現れます。同梱のBlu-ray VIDEOの映像では、3時間に渡っての演奏家&研究者であるベギンの奮闘ぶりがご覧いただけます。彼を始めとしたチームの働きにもご注目ください。
 日本語字幕が付いていますので、細かい部分も文句なしです。
〈CD版8.501203〉24-bit 96kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0008
(Blu-ray Audio)
\2300
コリリアーノ(1938-):サーカス・マキシマス
 1.交響曲第3番「サーカス・マキシマス」/
 2.ガゼボ舞曲集(吹奏楽編) 〈CD版8.559601〉
テキサス大学ウィンド・アンサンブル/
ジェリー・ジャンキン(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0009
(Blu-ray Audio)
\2300
マーラー(1860-1911):交響曲第8番
〈CD版8.550533-34〉
バルバラ・クビアク(ソプラノ)/
イザベッラ・クロシンスカ(ソプラノ)/
ヤドヴィガ・ラッペ(アルト)/
エヴァ・マルシニク(アルト)/
ティモシー・ベンチ(テノール)/
ヴォイテック・ドラボヴィチ(バリトン)/
ピョートル・ノヴァツキ(バス)/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団/
ポーランド放送合唱団/
ステファン・ヴィシンスキ大学合唱団/
ワルシャワ少年合唱団/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 96kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0010
(Blu-ray Audio)
\2300
ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第7番&第8番
 1.交響曲第7番ニ短調 Op.70 B.141/
 2.交響曲第8番ト長調 Op.88 B.163 〈CD版8.572112〉
ボルティモア交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0011
(Blu-ray Audio)
\2300
ショパン(1810-1849):ピアノ協奏曲第1番他
 1.ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11/
 2.ポーランドの歌による幻想曲Op.13/
 3.演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14 〈CD版8.572335〉
エルダー・ネボルシン(ピアノ)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0012
(Blu-ray Audio)
\2300
ショパン(1810-1849):ピアノ協奏曲第2番他
 1.ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21/
 2.「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲変ロ長調 Op.2/
 3.アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネ−ズOp.22
〈CD版8.572336〉
エルダー・ネボルシン(ピアノ)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0014
(Blu-ray Audio)
\2300
ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第6番&第9番
 1.交響曲第6番ニ長調 Op.60 B.112/
 2.交響曲第9番ホ短調 Op.95「新世界より」
〈CD版8.570995及び8.570714より〉
ボルティモア交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
24-bit 88.2kHz…1/24-bit 96kHz…2 Stereo and Surround Recordings
NBD0015
(Blu-ray Audio)
\2300
シューマン(1810-1856):ゲーテのファウストからの情景WoO3
〈CD版8.572430-31〉
イヴォナ・ホッサ(ソプラノ)/
クリスティーネ・リボー(ソプラノ)/
アンナ・ルバンスカ(アルト)/
エヴァ・マルシニク(アルト)/
ダニエル・キルヒ(テノール)/
ヤーッコ・コルテカンガス(バリトン)/
アンドリュー・ガンゲスタッド(バス)/
ワルシャワ少年合唱団/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0016
(Blu-ray Audio)
\2300
ヴィヴァルディ(1678-1874):四季他
 1.ヴァイオリン協奏曲ホ長調 「春」 Op.8 No.1 RV 269/
 2.ヴァイオリン協奏曲ト短調 「夏」 Op.8 No.2 RV 315/
 3.ヴァイオリン協奏曲ヘ長調 「秋」 Op.8 No.3 RV 293/
 4.ヴァイオリン協奏曲ヘ短調 「冬」 Op.8 No.4 RV 297/
 5.ヴァイオリン協奏曲変ホ長調 Op.8 No.5 「海の嵐」 RV 253/
 6.ヴァイオリン協奏曲ハ長調 Op.8 No.6 「喜び」 RV 180
〈CD版8.557920〉
チョーリャン・リン(ヴァイオリン)/
アンソニー・ニューマン(チェンバロ&ポジティーフ・オルガン)/
セジョン
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0019
(Blu-ray Audio)
\2300
シューベルト(1797-1828):序曲全集
 1.歌劇「ヒュドラウリスになった悪魔」D.4より序曲/
 2.歌劇「鏡の騎士」D.11より序曲/3.序曲ニ長調 D.12/
 4.序曲ニ長調D.26/5.歌劇「悪魔の別荘」D.8より序曲/
 6.歌劇「4年間の歩哨兵勤務」D.1より序曲/
 7.歌劇「ヴィラ・ベッラのクラウディーネ」D.239より序曲/
 8.歌劇「サラマンカの友人たち」D.326より序曲/
 9.序曲変ロ長調 D.470/10.序曲ニ長調 D.556/
 11.イタリアの様式による序曲ニ長調 D.590/
 12.イタリアの様式による序曲ハ長調 D.591/
 13.劇音楽「魔法の竪琴」D.644より序曲「ロザムンデ」/
 14.歌劇「双子の兄弟」D.647より序曲/15.序曲ホ短調 D.648/
 16.歌劇「アルフォンソとエストレッラ」D.732より序曲「ロザムンデ」/
 17.歌劇「謀反人たち(家庭戦争)」D.787より序曲/
 18.歌劇「フィエラブラス」D.796より序曲
〈CD版8.570328 & 8.570329〉
プラハ・シンフォニア/
クリスティアン・ベンダ(指揮)
24-bit 96kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0020
(Blu-ray Audio)
\2300
ランチーノ(1954-):レクイエム
〈CD版8.572771〉
ハイディ・グラント・マーフィー(ソプラノ)/
ノラ・グビッシュ(メゾ・ソプラノ)/
スチュアート・スケルトン(テノール)/
ニコラ・クルジャル(バス)/
フランス放送合唱団/
フランス放送フィルハーモニー管弦楽/
エリアフ・インバル(指揮)
24-bit, 48 kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0021
(Blu-ray Audio)
\2300
シマノフスキ(1882-1937):交響曲第1番&2番
 1.交響曲第1番ヘ短調 Op.15/
 2.交響曲第2番変ロ長調 Op.19
〈CD版8.570721及び8.570722より〉
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0022
(Blu-ray Audio)
\2300
シマノフスキ(1882-1937):交響曲第3番&4番
 1.交響曲第3番Op.27「夜の歌」/
 2.交響曲第4番「協奏交響曲」 Op.60
〈CD版8.570721及び8.570722より〉
リシャルド・ミンキエヴィチ(テノール)…1/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団…1/
ヤン・クシシュトフ・ブローヤ(ピアノ)…2/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
24-bit 88.2kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0025
(Blu-ray Audio)
\2300
ガーシュウイン(1898-1937):へ調の協奏曲他
 1-3.へ調の協奏曲(1925)/4.ラプソディ第2番/
 5.「アイ・ガット・リズム」変奏曲
〈CD版8.559705〉
オリオン・ウェイス(ピアノ)/
バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
24-bit 96kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0026
(Blu-ray Audio)
\2300
ヤナーチェク(1854-1928):グラゴル・ミサ他
 1.グラゴル・ミサJWIII/9(最終稿)/
 2.シンフォニエッタJWVI/18
〈CD版8.572639〉
クリスティーネ・リボー(ソプラノ)…1/
エヴァ・マルシニク(アルト)…1/
ティモシー・ベンチ(テノール)…1/
ヴォチェク・ギールラッハ(バス)…1/
ヤロスラフ・マラノヴィチ(オルガン)…1/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団…1/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト
24-bit, 88.2 kHz Stereo and Surround Recordings
NBD0027
(Blu-ray Audio)
\2300
ヴェルディ:オペラの中のバレエ音楽全集
 1.歌劇「オテロ」:第3幕第7場/2.歌劇「マクベス」:第3幕第1場/
 3.歌劇「イェルサレム」:第3幕第1場/4.歌劇「ドン・カルロ」:第3幕第2場/
 5.歌劇「アイーダ」:第1幕第2場/6.歌劇「アイーダ」:第2幕第1場/
 7.歌劇「アイーダ」:第2幕第2場/8.歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第1場/
 9.歌劇「トロヴァトーレ」:第3幕第2場/
 10.歌劇「シチリア島の夕べの祈り」:第3幕第2場
〈CD版8.572818-19〉
ボーンマス交響楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
24-bit 96kHz Stereo and Surround Recordings

NEWTON CLASSICS

Galuppi: 25 Manuscript Sonatas for harpsichord
8802112
(4CD)
\4000
バルダッサーレ・ガルッピ:25のハープシコード・ソナタ
 1.ソナタ第1番-第6番/2.ソナタ第7番-第11番/
 3.ソナタ第12番-第16番/4.ソナタ第17番-第25番
Rivoalto原盤
イラリオ・グレゴレット(ハープシコード…
デュアル・マニュアル「ピエール・ドンズラーギュ」製、
マルコム・ローズ復元モデル) A=415Hz
 ガルッピ(1706-1785)と言う名前は、あまりなじみがないかもしれませんが、当時のヴェネツィアでは「最も成功した作曲家」の一人でした。とりわけオペラ・ブッファの発展に高く貢献し、100作を越える作品は広く愛好されました。彼はまた優れたチェンバロ奏者であり、80曲を越える(130曲とも)作品は同時代の鍵盤作品の中でも重要な位置を占めています。もともとソナタとは、「鳴り響く」という意味の「sonare」から発展したもので、古典派以前には、スカルラッティに代表される単一楽章形式で書かれることの多かったのですが、ガルッピの時代になると、管弦楽作品の「シンフォニア」や「教会ソナタ」「室内ソナタ」の形式が混じり合い、4楽章、もしくは3楽章形式の形へと変化していきます。そんな一連の流れに加速をつけたのが、このガルッピというわけです。ガルッピが活動していた当時の楽器を復元し10年の歳月をかけて演奏した、良き時代を感じさせる貴重な4枚組です。
 録音 1990年6月10-15日…CD1, 1996年7月7-10日…CD2, 1998年6月16-19日…CD3, 2000年4月7-10日…CD4 イタリアトレヴィーソ,セントロ・スタディ・クラヴィエーレ
Gragnani: Three Duos for Violin & Guitar Op. 8
8802113
\2000
フィリッポ・グラニャーニ:ヴァイオリンとギターのためのソナタ集Op.8
 1-3.ソナタ第1番ニ長調/4-6.ソナタ第2番ハ長調/
 7-9.ソナタ第3番イ長調 Rivoalto原盤
フランコ・メッツェーナ(ヴァイオリン)/
マッシモ・スカットーリン(ギター)
 イタリア、リヴォルノの音楽一家に生まれたグラニャーニ(1767-1820)は、まずヴァイオリニストとしての訓練を受けるも、ギターの演奏家として名を挙げ、イタリアのみならずドイツでも人気を博しました。その後パリに渡りカルッリに学ぶなど更に研鑽を重ね、フランス革命の幕開けとともに、ギター音楽の改革に著しく貢献したことで知られています。この3つのソナタは、彼の作品の中でも最も知名度の高いもので、ギターとヴァイオリンの二重奏というと、パガニーニの一連の作品を思い起こしますが、このグラニャーニの曲は、ウィーンの古典的な優雅さと、イタリアのカンタービレを兼ね備えた絶妙な美しさを持つものです。イタリアの名手メッツェーナとスカットーリンの軽妙なアンサンブルで、この幸せなデュエットをお楽しみください。
 録音 1990年4月9-13日イタリア アクィーラ スタジオ・オピットMe.S
Mozart: Sonatas for piano four hands
8802114
\2000
ウォルフガンク・アマデウス・モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ集
 1-3.ソナタハ長調 K19d/4-6.ソナタニ長調 K381/
 7-9.ソナタ変ロ長調 K358/10.フーガト短調 K401/
 11.アンダンテと5つの変奏曲ト長調 K501 Rivoalto原盤
エレナ・モデナ&イラリオ・グレゴレット(フォルテピアノ連弾)
 モーツァルト(1756-1791)の作品の中でも、最も親密な雰囲気を持つ4手のためのピアノ・ソナタです。1765年から1774年に書かれたK19bとK381、K358の3曲は姉ナンネルとの連弾用として若き(幼き)モーツァルトが作曲したものであり、素晴らしく充実した響きを持った楽しい作品です。その後も、しばしばモーツァルトは4手のための作品を書いていて、K401のフーガは1782年に作曲されたとされますが、筆跡鑑定から本当は1770年代の作品ともいわれています。こちらは未完であり、最後の8小節の補筆は友人シュタードラーが行っています。1786年作曲のK501「アンダンテと5つの変奏曲」は偽作の疑いもありますが、現在では「まず真作で間違いない」とされています。シンプルなテーマが変幻自在に変容していく様子をお楽しみいただけることでしょう。モデナとグレゴレットによるデュエットは、歴史的考察に支えられた音楽性豊かなものです。
 録音 1999年6月10-15日イタリア トレヴィーソ,セントロ・スタディ・クラヴィエーレ
Piazzolla: Chamber Music
8802115
(2CD)
\2600
アストル・ピアソラ:室内楽作品集
〈CD1〉
 1-5.アコーディオンと弦楽五重奏のための「5つのタンゴ・センセーション」/
 6-8.ギターのための3つの小品/
 9-11.ピアノのための3つの前奏曲/
 12.チェロとピアノのためのグラン・タンゴ/
〈CD2〉
 1.アコーディオンと弦楽五重奏のための「アディオス・ノニーノ」/
 2-5.フルートとギターのための「タンゴの歴史」/
 6.ヴァイオリンとピアノのためのタンゴイ長調/
 7-9.独奏ヴァイオリンのための3つのエチュード/
 10-12.独奏フルートのための3つのエチュード/
 13-15.チェロとピアノのための3つの小品/
 16.弦楽四重奏のための「タンゴのための4人」 Rivoalto原盤
インターアンサンブル・パドヴァ
<メンバー>
ステファノ・アントネッロ(第1ヴァイオリン)/
アレッサンドロ・ファギゥオッリ(第2ヴァイオリン)/
ジョヴァンニ・ペトネッラ(ヴィオラ)/
ルカ・パッサネッラ(チェロ)/
クラウディオ・ジャコムッチ(アコーディオン)/
マルコ・パヴィン(ギター)/
ベルナルディノ・ベッジオ(ピアノ)
 大人気、ピアソラ(1921-1992)の作品集です。彼はアルゼンチンで生まれ、パリで音楽を学ぶも、当時労働者のための音楽とされていた「タンゴ」の可能性に目覚め、その後は独自のタンゴを作り続けます。エレキギターを取り入れるなど、極めて前衛的な作品を生み出し、「タンゴの破壊者」とまで評され、ニューヨーク移住後はジャズとの融合を試みるなど、タンゴの発展と普及に尽力しました。初期の彼は、クラシック的な音楽にあこがれていて、このアルバムにもそのような作品がいくつか見られますが、やはり彼の本領は1959年に書かれた「アディオス・ノニーノ」以降の作品でしょう。とりわけ1970年代から1980年代に書かれた一連の作品はクラシック、ジャズ、タンゴが密接に融合したもので、例えばフルートとギターのために書かれた「タンゴの歴史」は、1900年の初頭から1980年代を4つの時代にわけ、その時々のタンゴを描いたというもの。まさにタンゴの進化を目の当たりにするものと言えそうです。様々な演奏者たちがピアソラを愛奏していますが、ここではイタリアの素晴らしいアンサンブルによる楽天的な響きをお楽しみください。
 録音 1995年12月28日-1996年2月11日パドゥア,アウディトリアム・マッダレーナ,カペラ・ディ・サンタ・マリア・デイ・セルヴィ
D. Scarlatti: Sonatas for two harpsichords
8802116
\2000
ドメニコ・スカルラッティ:2台のハープシコードのためのソナタ集
 1.ソナタホ短調 K81/2.ソナタト短調 K88/
 3.ソナタニ短調 K89/4.ソナタニ短調 K90/5.ソナタト長調 K91
イラリオ・グレゴレット
(ハープシコード…1771年ピエール・ドンズラーギュ製、復元モデル使用) A=415Hz/
エレナ・モデナ
(通奏低音ハープシコード…1967年グリマルディ製、復元モデル使用) A=415Hz
 J.S.バッハと同じ年に生まれ、ナポリで歌劇作曲家、及びチェンバロ奏者として活躍したドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)は1720年代にポルトガルの宮廷礼拝堂の楽長に招かれ、マリア・バルバラ王女の音楽指導にあたりました。彼の555曲あるチェンバロ・ソナタは、王女の学習用として書かれたと考えられ、本来は練習曲の役割を担ったものとされています。しかしながらこの2台のハープシコード・ソナタはもともと独奏ヴァイオリンと通奏低音のために書かれたソナタであり、その形式も、彼の他のチェンバロ・ソナタ(大抵は単一楽章でできている)とは違い、18世紀のヴァイオリン・ソナタに準じたものであり、楽章構成を持っています。そのためヴァイオリン・ソナタとして演奏することもありますが、ここでは上声部と通奏低音部を2台のハープシコードで分担することにより、一層深みのある響きを楽しむことができるのです。
 録音 1993年4月8-11日イタリア フェルトレ,ガレリア・ダルテ・モデルナ「カルロ・リッツァルダ」Rivoalto原盤
Monteverdi: Choral Works, Madrigals and Songs
8802117
(3CD)
\3000
クラウディオ・モンテヴェルディ:合唱作品、マドリガルと歌曲集
<CD1>
 1.4声のミサ曲/2.サルヴェ・レジーナ第2番/
 3.祝福されし聖母のためのリタニア/
<CD2>
 マドリガル集第9集/
<CD3>
 1.アリアンナの嘆き/2.音楽のたわむれ
イ・ソリスティ・ミラノ/
コンプレッソ・ヴォカーレ・ポリフォニア/
アンジェロ・エフリキアン(指揮)
 クレモナ生まれの初期バロック音楽最大の作曲家として知られるモンテヴェルディ(1567-1643)は、その生涯に数多くの作品を残しました。それは歌劇に始まり、教会音楽からバレエ音楽までと幅広く、宗教的な作品と世俗的な作品の両方において、この時代の基礎となる素晴らしいものばかりです。この3枚組には、そんなモンテヴェルディの2つのジャンルの代表作が収録されています。ポリフォニー(多声音楽)に優れていたモンテヴェルディは、当時の世俗音楽の一つのジャンルであったマドリガーレを作曲する際も、最初の頃は伝統的な多声様式をとっていましたが、その作風は少しずつ独唱用の作品へと移行していき、それに伴って表現も劇的なものへと変化していきます。第6巻におかれた「アリアンナの嘆き」はそんな作品で、孤島に置き去りにされたアリアンナの悲しみと嘆きが詩情豊かに表現された名作です。ここではエフリキアン率いるイ・ソリスティ・ミラノの不朽の名演で、これらの名作を聴くことができます。
 録音 1966年9月15-0日…CD3, 1967年3月19-24日…CD2, 1969年2月8-14日…CD1 ミラノヴィラ・リッタ
Verdi & Puccini: Operatic Arias
8802187
\2000
キリ・テ・カナワ
 ヴェルディ&プッチーニ:オペラ・アリア集
ヴェルディ(1813-1901):
 1.歌劇「ドン・カルロ」より「世のむなしさを知る神」/
 2.歌劇「トロヴァトーレ」より「私には責め苦…恋はばら色の翼に乗って」/
 3.歌劇「椿姫」より「不思議だわ…ああ、そはかの人…花から花へ」
プッチーニ(1858-1924):
 4.歌劇「妖精ヴィッリ」より「もしお前たちのように小さな花だったら」/
 5.歌劇「トスカ」より「歌に生き、愛に生き」/
 6.歌劇「つばめ」より「ドレッタの美しい夢」/
 7.歌劇「ボエーム」よりムゼッタのワルツ「私が街をあるけば」/
 8.歌劇「マノン・レスコー」より「この柔らかなレースの中で」/
 9.歌劇「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」/
 10.歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」
キリ・テ・カナワ(ソプラノ)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・プリッチャード(指揮)
 ニュージーランド生まれのリリック・ソプラノ歌手キリ・テ・カナワは、その美しい声と圧倒的な存在感で圧倒的な人気を誇っています。このヴェルディとプッチーニのアリア集は、彼女の持つ多様な表現力とカリスマ性がフルに生かされた究極の1枚です。「トスカ」での最愛の神に願いを乞う姿や、「ドン・カルロ」での仄かなる死への憧れ、「椿姫」のヴィオレッタの困惑と希望など、彼女たちヒロインの心が揺れ動く様子が手に取るように理解できることでしょう。彼女の優れた歌唱はオペラを聴く喜びを心から味わわせてくれるものです。すでに表舞台からは引退してしまったキリですが、この素晴らしい記録は永遠に消え去ることはありません。
 録音 1981年9月17日ロンドン アビーロード,EMIスタジオSONY原盤

OEHMS



OC-930
(3CD)
\4000→\3590
プフィッツナー:音楽的伝説「パレストリーナ」 パレストリーナ…ペーター・ブロンダー(テノール)/
イギーノ(その息子)…ブリッタ・シュタルマイスター(ソプラノ)/
シッラ(弟子)…クラウディア・マーンケ(メゾ・ソプラノ)/
カルロ・ボロメオ(枢機卿)…ヴォルフガンク・コッホ(バリトン)/
ジョヴァンニ・モローネ…ジョハネス・マルティン・クランツル(バリトン)/
ベルナルド・ノヴァゲリオ…フランク・ファン・アーケン(テノール)/
クリストフ・マルトルシュト/教皇ピウス4世…アルフレード・ライター(バス)/
ロートリンゲンの枢機卿…マグヌス・バルトヴィンソン(バス)/
アドヴィウス…ペーター・マルシュ(テノール) 他/
フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団/
キリル・ペトレンコ(指揮)
 厳格な教皇ピウス4世によって、ポリフォニー様式のミサ曲の全廃が検討されていた頃(多声ではなく、グレゴリオ聖歌のような単旋律に戻そうという動き)、それを危惧した枢機卿ボロメオがパレストリーナに新作ミサ曲を依頼します。パレストリーナの弟子や息子は、その時代の前衛音楽に心惹かれています。年齢と能力の衰えを理由に、一度は依頼を断ろうとしたパレストリーナですが、その夜に過去の巨匠たちの幻影や、天使たちが現れ、それに拠って霊感を得たパレストリーナは、美しいミサ曲を書き上げます。トリエントの宗教会議では、スペインとイタリアの間で激しい紛争が起こりますが、パレストリーナが書いたミサ曲のおかげで解決します。しかし、結局のところ、彼自身は自らの引き際を感じ、最後は祈りで終息します。
 後期ロマン派の作曲家、プフィッツナー(1869-1949)による大作「パレストリーナ」。この作品は実在の作曲家パレストリーナが「教皇マルチェルスのミサ曲」を書くにあたってのエピソードを中心に、芸術家の厳しい自律の精神と、16世紀当時の宗教問題も交え描かれた壮大なるドラマです。1917年にワルターの指揮で初演され、トーマス・マンを始めとした文化人たちに高く評価されました。高い倫理性と哲学的な真摯さを持ち、また、パレストリーナが霊感を得る場面からミサを書き上げるまでの音楽の素晴らしさは、言葉に尽くせません。ドイツでは非常に大切にされているこの作品、オペラに付き物の恋愛要素はありませんし、なかなか理解するのは難しいかもしれませんが、過去にはクーベリックの名演があったり、最近では見事な映像もリリースされているので、一度味わってみてはいかがでしょう?素晴らしい歌手陣とペトレンコの集中力ある指揮が、このドラマを一気呵成に聴かせます。録音 2010年6月フランクフルト歌劇場 ライブ録音


OC-831
\2300→\2090
カウンターテナーによる
 ペルゴレージ:スターバト・マーテル
 1-12.スターバト・マーテル
  <悲しみに沈める御母は涙にくれて/嘆き悲しみ/
  おお、神のひとり子の/御子が罰を受けるのを/
  かくも責め苦を負う/愛しい御子が/
  さあ、御母、愛の泉よ/わが心を愛にもやし、その御心にかなうべく/
  聖なる御母よ/キリストの死と受難を知らせ/
  審判の日の炎の熱より、乙女よ守りたまえ/肉体が死する時>/
 13-19.ラウダーテ・プエリ・ドミヌム詩篇112番
 <ほめたたえよ、しもべたちよ/
  日の昇るところより沈むところまで/
  主はすべての国々の上にそびえ/
  われらが神なる主に並ぶ者ありや/哀れなる者を地より立たせ/
  願わくば父と子と/はじめにありしごとく>
ヴェラール・バルナ=サバドゥス(カウンターテナー)/
テリー・ヴァイ(カウンターテナー)/
マインツ・アンサンブル・バロック・ヴォーカル/
ノイマイヤー・コンソート/
ミヒャエル・ホフステッター(指揮)
 夭折の天才、ペルゴレージが死の直前に作曲したスターバト・マーテル(1710-1736)は、その旋律の美しさで格別の人気を誇っています。最近の録音は、ほとんどが女声によって歌われていますが、ホフシュテッターはこの曲を純粋な教会音楽として位置付け、当時はカストラート2人によって歌われた事実から、独唱にカウンターテナーを起用することで、本来の姿へと近づけています。登場するのは、近頃、最も注目を浴びているカウンターテナー、ヴェラール・バルナ=サバドゥスと、元ウィーン少年合唱団の大スター、テリー・ヴァイ。この2人の共演から生み出される響きは、悲劇性に中にも、少しだけ倒錯的な美しさを備えたものであり、これまでにない演奏として高く評価されることでしょう。輝かしい神への讃歌である「ラウダーテ・プエリ」は、あまり耳にする機会のない曲ですが、こちらも絶品です。
 録音 2011年3月マインツ音楽大学 ローターザール Recording Producer, Editing & Mastering: Moritz Reinisch


OC-957
(2CD)
\3000→\2690
アントーニョ・カルロス・ゴメス:歌劇「サルヴァトル・ローサ」 アルコス公爵…リー・デブン(バス)/
イザベッラ…マリア・ポルブチノヴァ(ソプラノ)/
サルヴァトール・ローザ…レイ.M.ウェイドJr.(テノール)/
マサニエッロ…マルテ・レーズナー(バリトン)/
ジェンナリエッロ…ジモーネ・リヒテンシュタイン(ソプラノ) 他/
ブラウンシュヴァイク州立管弦楽団/
ブラウンシュヴァイク州立歌劇場合唱団/
ゲオルク・メンスケス(指揮)
 ブラジル出身のオペラ作曲家、アントーニョ・カルロス・ゴメス(1836-1896)は、音楽一家に生まれ、早いうちから才能を示し、指揮者であった兄の助言を受け、芸術に理解のあった皇帝ドン・ペドロ2世の庇護を受けます。ブラジルで充分な音楽教育を受けるも、やはりオペラと言えばイタリア!ということで、皇帝から奨学金を賜り、1864年にイタリアへ留学、当時この地を席捲していたヴェルディから多大なる影響を受けたのです。このオペラは、彼の代表作の一つであり、実在の画家サルヴァトル・ローサ(1615-1673)をモデルにしたものです。優れた芸術家であったローサですが、なかなかの暴れん坊であり、1647年にナポリで起こった「マザニエッロの乱」に加わり、また生涯を終えたのも暴動に巻き込まれたためだったと言われます。そんな波乱万丈のローサの生き方に、ナポリ総督の娘イザベッラとの悲恋を合わせ、まるで「シモン・ボッカネグラ」を思わせる壮大な悲劇が生まれたのでした(ブックレットに挿入されている写真を見ると、ローサは革ジャンをすっきり着こなしたイケメンとして描かれています)。イタリア風の音楽でありながらも、やはり南米らしい滾る血潮が感じられます。
 録音 2010年1月20日ブラウンシュヴァイク歌劇場 ライブ録音 Recording Producer: Hans-Ulrich Bastin, Sound Engineer: Helge Martensen, Editing: Hans-Ulrich Bastin


OC-797
\2000→\1890
モーツァルト・ベートーヴェン:ピアノ作品集
 1-4.モーツァルト:幻想曲ハ短調 K475/
 5-7.モーツァルト:ピアノ・ソナタハ短調 K457/
 8-10.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53/
 11.ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリヘ長調 WoO57
アレハンドロ・ピコ=レオニス(ピアノ)
 前作「VARIATIONS」ではモーツァルト(1756-1791)からショパンまで「変奏曲」の形式で書かれた作品を並べ、その溢れ出る表現力の一端を見せつけたスペイン生まれのアレハンドロ・ピコ=レオニス。今作でもまた興味深いプログラムが興味をそそります。モーツァルトの幻想曲K475と、ソナタK457は各々独立した作品ではありますが、曲調や楽想が密接に関連性を持ち、またセットで出版された事を鑑みると、モーツァルト自身も「同じグループに属する作品」と考えていたことは間違いなさそうです。また、ベートーヴェン(1770-1827)の「ワルトシュタイン」と「アンダンテ・ファヴォリ」の関連についても良く知られていて、こちらは、最初ワルトシュタインの中間楽章として構想した楽章を、「長い」という理由で削除したベートーヴェンですが、結局、捨てるには忍びなく「お気に入り(Favori)」として独立させたもの。もちろん関連性はばっちりです。そんな4曲を絶妙の呼吸で演奏するピコ=レオニス。常に冷静沈着です。
 録音 2010年5月28日,6月21-22日ベルリン テルデック・スタジオ Recording Producer: Friedemann Engelbrecht, Balance Engineer: Rene Moller , Editing: Martin Litauer, Piano: Steinway-Haus Berlin


OC-762
\2000→\1890
チャイコフスキー:交響曲第2番&第3番
 1-4.交響曲第2番ハ短調「小ロシア」Op.17/
 5-9.交響曲第3番ニ長調「ポーランド」Op.29
ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
(旧…ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団)/
クリストフ・ポッペン(指揮)
 今や、ヴァイオリニストとしてよりも指揮者としてその名前が知れ渡りつつあるクリストフ・ポッペン。彼とドイツ放送フィルによるチャイコフスキー・ツィクルスも4作目となりました。今回も見通しの良い構成感と的確なテンポ設定は健在、チャイコフスキー(1840-1893)の全交響曲の中では比較的地味な存在である第2番と第3番に新しい風を送ることに成功しました。1872年に作曲された第2番は3つのウクライナ民謡を用いた明晰な作品で初演時に大成功を収めたことで知られています。第3番は1875年の作品で「ポーランド」の愛称が付いてますがこちらは終楽章にポーランド舞曲のリズムが使われているだけであり、タイトルに固執することもなさそうです。ポッペンは弦の響きを最大限に引き出しながら小気味よいテンポで曲を進めていきます。両曲ともライブならではの盛り上がりが素晴らしく、とりわけ第3番の終楽章の鮮やかさは類を見ません。聴衆たちの熱狂を肌で感じる拍手入りです。
 録音 2009年6月15日…5-9, 2010年6月27日…1-4 ザールブリュッケンコングレスホール ライブ録音 Recording Producers: Sigurd Krumpfer(op. 17) / Dr. Markus Brandle (op. 29), Balance Engineer: Thomas Becher
<ポッペンのチャイコフスキー:既リリース>
OC-728…交響曲 第4番、序曲「1812年」/OC-761…交響曲 第6番/OC-760…交響曲 第1番、イタリア狂詩曲

OC-832
\2300
ダニエル・ドッズ(ヴァイオリン)/時を越えて
 1.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌBWV1004/
 2.イザイ(1925-1931):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ「バラード」Op.27-3/
 3.ベリオ(1925-2003):ゼクエンツァⅧ/
 4.パガニーニ(1782-1840):カプリース第24番イ短調/
 5.ロックバーグ(1918-2005):カプリースより/
 6.エルンスト(1814-1865):練習曲第4番「最後のバラ」/
 7.ブレム(1944-):時計仕掛け/
 8.メシアン(1908-1992):
  世の終わりのための四重奏曲より「イエスの不滅性への賛歌」
ダニエル・ドッズ(ヴァイオリン)/
トマス・トルゼビアトウスキ(ピアノ)
 時間を超越する音楽の旅の始まりです。バッハのシャコンヌの普遍的な順序、イザイのバラードに見られる胸の鼓動のようなテンション、ベリオ「ゼクエンツァ」の永久に続くかのような繰り返し、パガニーニでの短い動機が拡大し変化する姿、ロックバーグの破壊的なまでの変容、エルンストでは美しく飾り付けられていくバラの花、ブレムでの耳に残る執拗なリズム・・・そしてメシアンでの止まりゆく時の流れ。極めて多くのことを語りかけるストーリー性を持ったアルバムです。オーストリアに生まれた中国系のヴァイオリニスト、ダニエル(ハオ=ミン)・ドッズは5歳でデビュー、数多くの奨学金を得て、スイスに留学しました。ミルシテインのマスター・クラスに参加した時はミルシテインから「まるでパガニーニの孫のようだ」と絶賛されたと言います。現在では室内楽、ソロの両面で活躍し、世界中で名声を博しています。現在は、ルツェルンの財団から貸与された1717年製のストラディヴァリウス「EXバウムガルトナー」を愛奏。滴る美音がたまりません。
 録音 2009年2月20-22日、2010年4月19-21日サントハウゼン,トンスタジオ・ファン・ギースト Recording Producer, Editing & Mastering: Ralf Kolbinger

OC-419
\2000
クリスティアン・ブレムベック(オルガン)
 …わが魂よ、大いに喜べ
 1-5.F.コレッリ(1653-1713):
  コンチェルト・グロッソト短調 Op6-8「クリスマス」
   (J.ヴァームルスト/C.ブレムベック…オルガン編)/
 6.J.S.バッハ(1685-1750):
  慈悲によってわれらを死なせ BWV22(M.デュリュフレ…オルガン編)/
 7-8.クレープス(1713-1780):いと高きところには神にのみ栄光あれ/
 9.J.S.バッハ:フランス風序曲ロ短調 BWV831から「エコー」
  (S.カルク=エーレルト…オルガン編)/
 10.S.カルク=エーレルト(1877-1933):わが魂よ、おおいに喜びOp.65-5/
 11.レーガー(1873-1916):メロディOp.59/
 12.S.カルク=エーレルト:汝に、エホバよ、われ汝に向かいて歌わんOp.65-24/
 13.高く戸を上げよOp.65-8/
 14-17.H.F.ミヒェールゼン(1902-1973):コラールムジークから4つの小品(1936)/
 18.L.J.A.ルフェビュール=ヴェリ(1817-1870):人間の声のコーラスより「アンダンテ」/
 19.G.A.メルケル(1827-1885):アンダンテイ短調 Op.122-2/
 20-22.F.カポッチ:
  グレゴリア聖歌「来たり給え、創造主なる聖霊よ」のメロディによる幻想曲/
 23.フランツ・シュミット(1874-1939):トッカータハ長調(1924)
クリスティアン・ブレムベック
(オルガン…オーストリアマイスホーフェン、レンター=オルガン)
 2010年に建立されたばかりの「オーストリアで最も美しい」25のストップを持つ新しいいオルガンに捧げられたこのアルバムは、コレッリなどのバロック時代を作品も、レーガー、フランツ・シュミットのような後期ロマン派の作品も万遍なく響かせます。演奏するのは、1960年ミュンヘン生まれのオルガニスト、ブレムベック。1987年にチェリビダッケに認められ、彼がバッハなどの鍵盤楽器を要する作品を演奏する際には必ず起用されたという、チェリお墨付きの名手です。指揮者としても活躍していますが、やはり本領はオルガンにあり、ここでも納得の演奏を聴かせています。
 録音 2011年10月13-15日オーストリア マイスホーフェン,プファール教会Lenter-Orgel der Kath
Recording Producer: Linus Holzapfel, Editing & Mastering: MarkoSchneidr (SkywalkMastering,Trierweiler)


OC-834
\2300→\2090
バッハ・トゥ・ジャズ
 1-7.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調 BWV1006/
 8.ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第9番 ホ短調/
 9.チャイコフスキー(1840-1893):白鳥の湖から「ロシアの踊り」/
 10.イザイ(1858-1931):マズルカ/
 11.サラサーテ(1844-1908):序奏とタランテラ/
 12.モンティ(1868-1922):チャールダッシュ/
 13.伝承曲:スカボロー・フェア/
 14.伝承曲:トス・ザ・フェザーズ/
 15.伝承曲:クパリンカ/
 16.E.ケッチャー/E.プレッソウ:ソーニャがロシアのダンスを踊る時/
 17.G.M.ロドリゲス:ラ・クンパルシータ/
 18.デューク・エリントン:スィングしなけりゃ意味がない/
 19.ビル・ウィザース:消えゆく太陽/
 20.ポール・デスモンド:テイク・ファイヴ
トーマス・ハストレイター(パーカッション)…18-20/
キャロライン・アドメイト(ヴァイオリン)/
ジュリアン・リーム(ピアノ)
 才能ひしめくヴァイオリン界に、新たなヒロインが誕生しました。キャロライン・アドメイトはドイツ系の英国人で、ハンブルクとミュンヘンに留学し、オランダではコンセルト・へボウのコンサート・マスターを務めたこともある名手ヘルマン・クレッバースから教えを受けています。もちろん数多くのコンクールで入賞し、マインツ・フィルハーモニーを始め、ヨーロッパの各地のオーケストラとも共演しています。そんな彼女のデビュー盤は、彼女のお気に入りがたっぷり詰め込まれた多彩なプログラムで構築されています。バッハで始まり、少しずつ荒々しい舞曲へと移行、心と体が存分に温まった(?)ところで民謡で一息つき、タンゴからスィングになだれこみ、最後はスタンダードの名曲「テイク・ファイヴ」で締めくくるというもの。これは「聴かなきゃ意味がない」と言ったところでしょうか。期待たっぷりの新鋭登場です!
 録音 2011年10月2-3日ミュンヘン 音楽演劇大学,大コンサートホール Recording Engineers: Asparuh Tashev and Sebastian Braun

ONDINE



ODE-1193
\2300→\2090
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:ヴィオラ協奏曲集
 1-3.ヴィオラ協奏曲変ホ長調 VB153c/
 4-6.ヴィオラ協奏曲ハ長調 VB153b/
 7-9.ヴィオラとチェロのための協奏曲ト長調 VB153a
  ※全て世界初録音
デイヴィッド・アーロン・カーペンター(ヴィオラ)/
リッタ・ペソラ(チェロ…7-9)/
タピオラ・シンフォニエッタ
 ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)は「スウェーデンのモーツァルト」として、一部のファンには既におなじみの存在です。ドイツで生まれ、モーツァルトと同時期に活躍するも、1781年にストックホルムのグスタフ3世に宮廷作曲家として召し抱えられ、以降はずっと、その地で活躍したことで知られます。形式は保守的なものを順守しつつも、内容はかなり先進的であり、この時代には珍しく「短調」を重用していたことも特筆すべき点でしょう。また劇音楽を得意としていたせいか、その音楽は起伏に富むものが多く、そこがまたファンの心を捉えているようです。
 ルンドの大学図書館に保存されていたこの3つのヴィオラ協奏曲は、長らく作曲家が特定できませんでしたが、最近の研究結果で、250年近く失われていたとされるクラウスの作であろうと判定されました。これは彼の親友ホフシュテッター(オーストリアのアマチュア作曲家であり、本職はベネディクト会の修道士である)のために書かれたと推測され、ホフシュテッターがいかに素晴らしい技巧を有していたかの証明にもなるものです。ヴィオラを演奏するのは、ONDINEレーベルでおなじみD.A.カーペンターです。
 録音 2011年11月7-9日エスポー タピオラ・ホール

ODE-1201
\2300
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団
 メンデルスゾーン/クレーク:詩編集

 1.メンデルスゾーン:詩篇第100番「主に向かいて歓呼の声をあげよ」/
 2.クレーク:詩篇第22番「神よ、わが神よ、なぜ、私を見捨てたのですか」/
 3-5.メンデルスゾーン:3つの詩編Op.78
  <詩編第2番「なぜ異邦人たちは騒ぎ立て」/
   詩編第43番「わたしを裁いてください、神よ」/
   詩編第22番「神よ、わが神よ、なぜ、私を見捨てたのですか」>/
 6.クレーク:詩篇第141番「主よ、わたしはあなたに呼ばわります」/
 7.クレーク:詩編第104番「わが魂よ、主をほめよ」/
 8.クレーク:幸せな人/
 9.クレーク:詩編第137番「われらはバビロンの川のほとりにすわり」/
 10.メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」Op.70第2部より
   「山に向かいて目をあげよ/
 11.メンデルスゾーン:オラトリオ「エリア」Op.70第1部より
   「それ、主汝のためにみ使いたちに命じ」/
 12.メンデルスゾーン:2つの宗教的合唱曲Op.115-1「死せる者は幸いなり」/
 13-17.クレーク:宗教的な民謡集より
   <私たちの貧しさは素晴らしい/最も良きイエス/
    イエス様、私はあなたに祈ります/
    おおイエス、あなたの痛みは/
    私の心は目を覚まし、そして歌う>
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団/
ダニエル・ロイス(指揮)
 トゥールの「覚醒」(ODE-1183)で高性能のアンサンブル能力をまざまざと見せつけたエストニア・フィルハーモニー室内合唱団&ダニエル・ロイス。待望の新録音はメンデルスゾーン(1809-1847)とエストニアの作曲家クレーク(1889-1962)による、ユニークな「詩編」アルバムです。
 メンデルスゾーンの宗教曲は、比較的耳にする機会も多いものですが、クレークについては、名前すらもほとんど知れ渡ってはいません。彼はサンクトペテルブルク音楽院で学び、エストニアの音楽の基礎を作った人として尊敬されています。最初はトロンボーンと作曲を学びましたが、後に合唱指揮者として各地で指導を行いつつ、1911年頃からは民俗音楽の収集にも力を注ぎ、そのエッセンスを自らの作品に封じ込めたのです。彼は生涯に700曲以上もの合唱作品を書いていて、どれもが素朴で力強いエネルギーを感じさせるものとなっています。ドイツの伝統を継承するメンデルスゾーン、エストニアの伝統を重んじるクレーク。この2人の作品をバランス良く配したこのアルバムは、聴き手の興味を大いに喚起することでしょう。
 録音 2009年9月14-17日エストニア ハープサル・ドーム教会

OUR RECORDINGS



6.220604
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
ミカラ・ペトリ/ヴィルトゥオーゾ・バロック
 1.ヴィターリ(1663-1745):シャコンヌト短調/
 2-5.テレマン(1681-1767):音楽の練習帳よりリコーダー・ソナタニ短調 TWV41:d4/
 6-9.J.S.バッハ(1685-1750):フルート・ソナタハ長調BWV1033/
 10-13.ヴィバルディ(1678-1741):忠実な羊飼いOp.13よりソナタ第4番イ長調RV59/
 14.コレッリ(1653-1713):リコーダー・ソナタ「ラ・フォリア」Op.5-12/
 15-17.タルティーニ(1692-1770):ヴァイオリン・ソナタト短調「悪魔のトリル」/
 18-20.ヘンデル(1685-1759):リコーダー・ソナタ変ロ長調 HWV377
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
ラース・ハンニバル(リュート)
 ミカラ・ペトリとラース・ハンニバル・デュオのお気に入りの曲を集めた「バロック・アルバム」です。
 1991年の冬からコンビを組んでいる彼らは92年の夏にスペインの修道院で素晴らしいコンサートを行い大好評を得ました。それ以降、世界中でコンサートを行い、またフェスティバルに登場、驚くほど幅広いレパートリーは、全ての聴衆に大きな驚きを与え続けています。このアルバムで、ハンニバルはギターをリュートに持ち替え、見事なテクニックを披露しています。ペトリの超絶技巧はここでも健在。本来ならヴァイオリンで演奏する難曲をこともなげに吹ききっています。とりわけコレッリやタルティーニは圧巻。SACDの高音質で、微細な息遣いまでが克明に捉えられています。
 録音 2011年3月2-4日デンマーク コッケダル,OURレコーディング・スタジオ


6.220605
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
ミカラ・ペトリ/ナイチンゲール
 1-9.ユージス・プラウリニュシュ(1957-):ナイチンゲール
  <第1場:序奏…皇帝の庭/第2場:ナイチンゲールの主題/
   第3場:皇帝と紳士-入場-待ちわびる/第4場:探求/
   第5場:彼女はここに/第6場:王宮にて/第7場:人工の鳥/
   第8場:皇帝とその死/第9場:もう一度>/
 10.ダニエル・ベルツ(1943-):ネメシス・ディヴィナ/
 11.ソンライフ・ラスムセン(1961-):Ⅰ/
 12-13.ピーター・ブルーン(1968-):ひばりと2つの情景
  <海とひばり/籠の中のひばり> ※全て世界初録音
デンマーク国立声楽アンサンブル/
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
スティーヴン・レイトン(指揮)
 4人の現代作曲家による、無伴奏合唱とリコーダーのコラボ作品の登場です。
 確かにリコーダーと合唱の組み合わせは珍しいものではありません。人間の声に近い響きを持つリコーダーは、バロックの時代にも重用され、多くの作曲家たちがこの響きの妙を表現してきました。しかし、ここでは更にそのコラボレーションを深化させることで、全く新しい音色を生み出すことに成功しました。ラトヴィアの作曲家プラウニュシュの「ナイチンゲール」は、おなじみアンデルセンの寓話を元にした作品で、まさにリコーダーでなくては成し得ない神秘的な響きが多用されています。人間の心の深層を垣間見るかのようなラスムセンとベルツの曲、天高く舞うひばりをモティーフにしたブルーンの曲を、色彩感溢れた合唱とリコーダーが驚くばかりの表現力で、音のキャンバスに描いていきます。SACDによる高音質も魅力的で、豊かな残響も深い感動へと誘うスパイスとなっています。
 録音 2011年8月8-12日デンマーク,コペンハーゲンクリスチャンキルケン


6.220606
(SACD-Hybrid)
\2200→\1990
ミカラ・ペトリ/イギリスのリコーダー協奏曲集
 1-5.ハーヴェイ(1953-):コンチェルト・インカント(2009)/
 6-8.アーノルド(1921-2006):リコーダーと管弦楽のための協奏曲Op.133(1988)/
 9-15.ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):リコーダーと弦楽合奏のための組曲(1957)
  <前奏曲/イギリス舞曲/悲歌/ルンバ風ブルレスカ/
  パヴァーヌ/序奏とカデンツァ/タランテッラ>
ミカラ・ペトリ(リコーダー)/
香港室内管弦楽団/
ジャン・トレル(指揮)
 単純な楽器なのだけど奥深い楽器リコーダー。かれこれ700年に渡って西洋音楽の一部となっています。近代から現代のイギリスの作曲家たちも、この楽器のもつ鄙びた音色に魅せられ多くの作品を書いています。
 このアルバムには3世代に渡る作曲家たちの曲を収録。その絶妙な作風の違いを味わっていただけることでしょう。ゴードン・ジェイコブは前世紀に生まれるも、リコーダーの曲は1950年代から手掛け始め、多数の名作を残しています。アーノルドはジェイコブスの例に倣い、素晴らしいリコーダー協奏曲を書き上げました。こちらはミカラ・ペトリが初演しましたが、以降なかなか演奏の機会に恵まれることがありませんでした。今回、この録音が再評価のきっかけになるのではないでしょうか?3人の中で最年少(?)を誇るハーヴェイの作品は、やはりミカラ・ペトリのために書かれたもので、「魔法」がテーマとなっています。柔軟な音楽は、とても魅力的で、ハリー・ポッターの世代にも好意をもって受け入れられること間違いありません。
 録音 2011年5月24-29日香港 カルチャー・センター

8.226906
\2000
HALF MONK 〜プーランク(1899-1963):無伴奏合唱作品集
 1-7.7つの歌FP81
  <白い雪/ほとんどゆがまずに/またいつかの夜に/
   すべての権利/美と似たもの/マリー/光る>/
 8-11.アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈りFP142/
 12.アヴェ・ヴェルム・コルプスFP154/
 13-16.小室内カンタータ「ある雪の夕暮れ」FP126/
 17-20.パドゥバの聖アントニウスのラウダFP172/
 21-28.フランスの歌Op.130
  <マルゴトンは水くみに/美しい人は塔の下に座りて/
   麦打ち/カタコト木靴の踊り/かわいい小さなお姫様/
   美しい人がいるなら/ああ私の愛しい農夫/機織り人>/
 29.酒飲み歌FP31
デンマーク国立声楽アンサンブル/
スティーヴン・レイトン
 タイトルの「HALF MONK」とはプーランクの偉大なる側面を表す言葉として知られています。これは評論家のクロード・ロスタンから「ガキ大将と聖職者が同居している」と評されたことが元になっていますが、確かに彼のピアノ曲や室内楽作品にみられる「皮肉や諧謔」と宗教作品に見られる「荘厳な面持ち」は全く相反する性格と言っても差し支えないでしょう。このアルバムは、そんな彼の「2つの面」を合唱作品から追求します。あまりにも美しく清冽な「アッシジの聖フランチェスコ〜」などの宗教曲と、ウィットにとんだ「フランスの歌」などの世俗曲は、全く違う様相を見せながらも、まぎれもなくプーランクの作品です。
 このアルバムは「ナイチンゲール」(6.220605)にて、ミカラ・ペトリとスティーヴン・レイトン&デンマーク国立声楽アンサンブルが共演したことが縁で生まれたもの。次回作も予定されているとのことです。
 録音 2008年8月25-28日,2009年8月20-21日コペンハーゲン ガルニソン教会

PALADINO MUSIC


PMR-0025
\2000
フランツ・クロンマー:クラリネットと管弦楽のための作品集
 1-5.協奏交響曲Op.70/
 6-8.クラリネット協奏曲Op.36
ドミトリー・アシュケナージ(クラリネット)/
シェフィカ・クトゥルエル(フルートTrack 1-5)/
カミラ・シャッツ(ヴァイオリンTrack 1-5)/
ノーザン・シンフォニア/ハワード・グリフィス(指揮)
 名ピアニスト、ウラディーミル・アシュケナージを父とする1969年生まれのドミトリー・アシュケナージ。現在はそんな「親の七光り」は全く必要のない確固たる経歴を築いています。このアルバムは古典派を代表する管楽器作品の作曲家であるクロンマー(1759-1831)の代表作「クラリネット協奏曲」とフルートとの絡みが見事な「協奏交響曲」の2曲を演奏しています。アシュケナージのクラリネットが素晴らしいのはもちろんですが、ここではフルートを吹くトルコ生まれの女性奏者クトゥルエルの流麗な演奏にも注目です。スイスのレーベル「VDE-GALLO」からゴールデンCD賞を授与され、またアメリカの批評家からも大絶賛されるなど、その卓越した技巧(と美貌)に世界中から関心が寄せられている人です。
 録音 1994年1月UK ニューカッスル・アポン・タイン諸聖人教会

PMR-0010
\2000
ハイペリオン・アンサンブル 〜6から7へ
 1-4.エルヴィン・シュルホフ(1894-1924):弦楽六重奏曲(1924)/
 5.R.シュトラウス(1864-1949):メタモルフォーゼン(1945)…
  R.レオポルドによる弦楽七重奏編曲版
ハイペリオン・アンサンブル
<メンバー:アンネリー・ガール(ヴァイオリン)/
グンデ・イェーヒ=ミッコ(ヴァイオリン)/
フィルミアン・レルマー(ヴィオラ)/
イェルク・シュタインクラウス(ヴィオラ)/
デトレフ・ミエルケ(チェロ)/
アストリッド・スルツ(チェロ)>/
マルティン・ハインツ(コントラバス)…5のみ
 ハイペリオン・アンサンブルの前作は「5から6へ」。ブルックナーの弦楽五重奏曲とシューベルトの幻想曲の弦楽六重奏版という選曲でした。今アルバムは、そのコンセプトを継承し、楽器が一つずつ増えていることになります。今回取り上げられたのはシュルホフとR.シュトラウス。後期ロマン派から近代へと移り変わる時期に書かれ、また戦争の影を重く引き摺った影のある作品です。シュルホフの作品の方が書かれた時期は早いのですが、曲想はより近代的であり、悲劇性を帯びています。シュトラウスの「メタモルフォーゼン」は第二次世界大戦で破壊されたベルリンを偲びつつ、老境に達した自らの心情を吐露した作品です。本来が23の楽器のために書かれていて、非常に込み入ったスコアになっているのですが、ここではその音響は弦楽七重奏に凝縮され、悲しみも追憶も口数少なく悠然と語られます。
 録音 1997年オーストリア St・コンラッド・アベルゼー

PMR-0024
\2000
ファイルマイア&ファイルマイア デビュー・レコーディング
 1-3.ウェーバー(1786-1826):大協奏的二重奏曲Op.48(1816)/
 4-6.プーランク(1899-1963):クラリネット・ソナタ/
 7-14.ジャン・フランセ(1912-1997):主題と変奏(1974)/
 15-17.アントニ・シャホフスキ(1907-1973):クラリネット・ソナタ(1936)
ベンヤミン・ファイルマイア(クラリネット)/
フローリアン・ファイルマイア(ピアノ)
 弱冠21歳、若きクラリネット奏者ベンヤミン・ファイルマイヤのデビュー・アルバムです。
 リンツのブルックナー管弦楽団とモーツァルト、ウェーバーのクラリネット協奏曲を演奏し絶賛されたのを皮切りに、数多くのコンサート・ホールでオーケストラと共演、着実にその実力を見せつけている期待の若手です。また兄のフローリアン・ファイルマイアは1989年生まれのピアニストで、彼も既に多くのコンクールで受賞歴を持ち、将来を嘱望されている人です。こんな2人の感性とニュアンスの豊かさ、その美しい音色を、このアルバムて存分に味わってみてください。ウェーバーでの煌めく技巧性、プーランクやフランセでのしなやかさ、シャホフスキでの構成力。驚異的な才能です。
 録音 2011年12月29-30日オーストリア、ケフェルマルクト シュロス・ヴァインベルク

PALADINO


ヴォルフル:弦楽四重奏曲集 Op. 4, No. 3, Op. 10, Nos. 1 and 4 (モザイク・クァルテット)
PM-R0023
\2000→\1790

ウィーン美術史美術館発〜モザイク弦楽四重奏団
 ヴェルフル:弦楽四重奏曲集
 1-4.弦楽四重奏曲ハ短調 Op.4 No.3/
 5-8.弦楽四重奏曲ト長調 Op.10 No.4/
 9-12.弦楽四重奏曲ハ長調 Op.10 No.1
モザイク弦楽四重奏団
 ウィーン美術史美術館とのコラボレーションから生まれた、歴史的にも価値あるアルバムです。ヴェルフル(1773-1812)はザルツブルクに生まれ、ミヒャエル・ハイドンとレオポルド・モーツァルトに音楽を学び、ピアニストとしても名声を馳せました。「ベートーヴェンのライバル」としても知られ、ピアノで決闘を挑み、引き分けたという逸話もあったりします。作品は、古典派の様式を守った整然としたものですが、時として突如迸る楽想がとても魅力的です。ここで使われているのは、「ウィーンのストラディヴァリ」の異名を持つ1753年生まれのフランツ・ガイセンホーフが制作した楽器で、塗料や楽器の形などに特徴があることで知られる銘器です。
 この楽器を演奏するのはコンンチェントゥス・ムジクスのメンバーからなるモザイク弦楽四重奏団。200年以上の時を経て奏でられる美しい音色をお楽しみください。詳細なブックレットも興味深いところです。

ブルサッティ:メデア(ブルサッティ/ホロジ/ルンメル)
PM-R0008
\2000

ブルサッティ:詩「メデア」
〈使用楽曲〉
 J.S.バッハ:
  無伴奏チェロ組曲第6番BWV1012よりアルマンド/
  無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011よりサラバンド/
  無伴奏チェロ組曲第2番BWV1008よりクーラント/
  無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011よりジーグ
詩の朗読: ヤソン…オットー・ブルサッティ(ナレーター)/
メデア…エステル・ホロジ(ナレーター)
演奏: マルティン・ルンメル(チェロ)
 オットー・ブルサッティはウィーン生まれの作家&ディレクターです。ウィーン大学で歴史、哲学、音楽学を学び、ウィーンのラジオ番組でクラシック音楽の普及に長らく尽力しています。このアルバムは彼の自作の詩を朗読したものです。男と女が語り合い、そこにバッハの音楽が絡み合い、言葉と音は大気に溶けて行く・・・。言葉がわからなくとも、ひたすらドイツ語の美しい響きを味わうだけでも良いのかもしれません。

ベートーヴェン/ファイルマイア/リスト/ラフマニノフ/ヴィラ=ロボス:ピアノ作品集(ファイルマイア)
PM-R0001
\2000

フローリアン・ファイルマイア:ピアノ・リサイタル
 1-6.ラフマニノフ(1873-1943):楽興の時Op.16/
 7-14.ヴィラ=ロボス(1887-1959):
  赤ちゃんの一族-第1組曲「道化人形」/
 15.リスト(1811-1886):
  巡礼の年第2年イタリア-第7番「ダンテを読んで」/
 16.ベートーヴェン(1770-1827):
  6つのバガテルOp.126-第3番変ホ長調/
 17.ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.33-第7番変ホ長調/
 18.ファイルマイア(1989-):ノットゥルノ
フローリアン・ファイルマイア(ピアノ)
 1989年生まれの若きピアニスト、フローリアン・ファイルマイアのデビュー・アルバムです。
 2011年にドイツ、ヴェルニゲローデにて行われたコンクールで「Neue Sterne(新星)賞」を受賞、一躍注目を浴びています。すでにモーツァルテウム管弦楽団を始めとした数々のオーケストラと共演し、また室内楽の分野でも目覚ましい活躍をしている彼。このデビュー・アルバムでも、その才能の片鱗を伺うことができるでしょう。目覚ましい技巧を誇示するよりは、じっくり音楽を練り上げるタイプのようで、ヴィラ=ロボスなどでは、とても面白い表現を聴くことができます。最後に置かれた自作の「ノットゥルノ」は、少しだけスクリャビンを思わせる神秘的な音楽。いろいろな意味で楽しみな逸材登場です。
 録音 2008年11月13日オーストリア スタジオ・ヴァインベルク

リュエグ:室内楽作品集
PM-R0017
\2000

リュエグ:室内楽作品集
 1.路面電車ウィーンからブラティスラヴァ/
 2.私たちにとって、2つ、3つ、4つ…/3.農民と妻/4.冷却運動/
 5.ピアノ三重奏曲第1番/6.無題、しかし愛らしく/
 7.カデンツラウブ/8.ヴェニ、ヴィディ、ヴィチ/
 9.イヴについていくつかのこと/
 10.ジャスト・アナザー・ラブリーソング/
 11.リストの愛の夢(リュエグによるクラリネットとピアノ編)
ユライ・バルトシュ(トランペット)…1/
ラディスラフ・ファンゾヴィツ(ピアノ)…1/
エルンスト・ヴァイセンシュタイナー(コントラバス)…2/
フィリプ・フィリップ(ヴィブラフォン)…2.4.7/
マティアス・クロンシュタイナー(ファゴット)…3/
イヴァナ・プロスタソヴァ(ヴァイオリン)…5/
ミヒャエル・ウィリアムス(チェロ)…5.10/
ヴァシレ・マリアン(オーボエ)/
ドミニク・シュトガー(トロンボーン)…7/
アンドリュー・イェゼク(ヴィオラ)…8/
トーマス・フレイ(フルート)…9/
ヨリス・レロフス(クラリネット)…4.11/
ヨハンナ・グロブナー(ピアノ)…3-11
 1952年、スイス生まれのマティアス・リュエグ(1952-)は現在アメリカで活躍しているミュージシャンです。若い頃にクラシックとジャズ・ピアノを学び、様々な場面で演奏してきました。そんな彼の音楽は、クラシックの影響を受けながらも、極めてユーモラスな表情を持つもので、それはアメリカのビッグバンドの伝統も受け継ぎながら、新しい技法を追求しているのです。このアルバムでもわかる通り、彼は数多くの楽器を駆使して多彩な音を生み出すことが得意で、この夢幻的な音は一度聴くと忘れられません。

SONO LUMINUS


DSL-92149
\2300
セリーヌ・リッチ(ソプラノ)〜寓話
 1-7.ソーゲ(1901-1989):動物たちと人間たち<馬/牛/鳥/犬/猫/めんどり/豚>/
 8.セヴラック(1872-1921):仔馬の歌/9.セヴラック:梟/
 10.イベール(1890-1962):物語-白い小さなろば/
 11-13.カプレ(1878-1925):3つの寓話/
 14.グロヴレ(1879-1944):絵の暦より第5番「ろば」/
 15-16.ソーゲ:印象派の詩による6つの歌より<第5番:猫Ⅰ/第6番:猫Ⅱ>/
 17-28.ヘルシュ=クレマン(1878-1941):楽園の寓話
  <いたち/鱒/おんどりとめんどり/蜘蛛/ヤツガシラ/猫/梟/
  女王バチ/カワセミ/小さなサル/ハエ/黒鳥への詩篇>
    ※10&14…ピアノ独奏
セリーヌ・リッチ(ソプラノ)/
ダニエル・ロッカート(ピアノ)
 何とも魅惑的なアルバムです。表向きは「動物」の様子を描いた歌曲、ピアノ曲集ですが、もちろんそれで終わるわけではありません。ここで取り上げられた様々な詩人たちは、人間をとことん観察し、それらを見事に動物に擬えてみせました。この種の曲集で有名なのは、例えばサン=サーンスの「動物の謝肉祭」がありますが、ここに収録されているのは、もっともっと奥深く、ウィットに富んだものです。フランス語に堪能でなくても、これらの面白さは存分に伝わることでしょう。


DSL-92148
\2300→\2090
スティル・サウンド〜ブルース・リヴィングストン:ピアノ・リサイタル
 1.ペルト(1935-):アリーナのための/
 2.ペルト:アリヌシュカの回復による変奏曲/
 3.サティ(1866-1925):3つのジムノペディ第2番/
 4-5.グロス:ヴェンチャリング・フォース・アニュー/
 6.シューベルト(1797-1828):4つの即興曲Op.90-4 変イ長調/
 7.ショパン(1810-1849):夜想曲第1番Op.9-1/
 8.ボルコム(1938-):ニューヨーク・ライツ/
 9.サティ:3つのグノシェンヌ第2番/
 10.グロス:精霊の踊り/
 11.グロス:チェンジ/
 12.グロス:リフレクション・オン・エアー/
 13.サティ:3つのジムノペディ第3番
ブルース・リヴィングストン(ピアノ)
 ピアニスト、リヴィングストンによる「コンセプト・アルバム3部作」の最後を飾る1枚です。既発の「HERATSHADOW(DSL92137)」では、シューマンを中心に、ビーラワ、ウォーリネンと言った現代作を配したもので、「NIGHT BREAK(DSL92144)は、ブラームス、リストの内省的な作品と、グラスの「ドラキュラ組曲」を合わせると言うもの。
 今作も期待大ではありませんか。「STILL SOUND」と題されるだけあって、静かで意味深な曲が並びます。中でもボルコムの「ニューヨーク・ライツ」は世界初演でもあり、とても興味深い作品です。感情を高ぶらせることなく、最小限の音で描かれた永遠の静寂感の中に、ほんのときおり見られる感情の爆発。何かを考えたくなるアルバムです。
 録音 2005年9月…3-5.7-10.12-13, 2009年10月…1-2.6.11

DSL-92146
\2300
クリティカル・モデルズ 〜モハメド・フェイルーズ(1985-):室内楽作品集
 1.リタニー/2-5.4つのクリティカル・モデル/
 6.ピアノ小品第1番「ノクターナル・スナップショット」/
 7.ピアノ小品第2番/8.ピアノ小品第3番/9.ピアノ小品第4番/
 10.ピアノ小品第5番/11.ピアノ小品第6番「アディオ」/
 12-13.哀歌と風刺/14-16.3つのノヴェレッテ/17-20.エア
ケイティ・ライマー(ピアノ)…6-11.14-16/
リディアン弦楽四重奏団…12-13/
マイケル・クーパー(アルト・サクソフォン)…2-5.14-16/
マーテン・ストラギエル(ギター)…17-20/
ジェームズ・オルラーンズ(コントラバス)…1/
ジョナサン・イングル(フルート)…1/
クレール・カッティング(オーボエ)…1/
ヴァスコ・ドゥコフスキ(クラリネット)…1/
トーマス・フレミング(ファゴット)…1/
ラヨン・アーン(ヴァイオリン)…2-5
 若いニューヨークの作曲家、モハメド・フェイルーズの室内楽作品集です。彼の作品は、楽器の扱いが非常に巧みであり、また仄かに感じられるオリエンタリズムが曲に陰影と味わいを与えています。「クリティカル・モデル」での忙しない動きと、ピアノ小品での抒情的な流れは、この作曲家を端的に表すものでしょう。このような表情豊かな作品は、現在の音楽シーンにとてもマッチしているようで、アメリカを始め、ヨーロッパから中東、オーストラリアなど数多くのコンサート・ホールで演奏され好評を博しています。


DSL-92147
\2300→\2090
フランシスコ・ミニョーネ(1897-1986):弦楽四重奏曲集
 1-3.弦楽四重奏曲第2番/4.セレスタ第2番/
 5-7.弦楽四重奏曲第1番/8.バルカローラ/
 9.劇音楽「ダイアモンド商人」からメヌエット/
 10-12.3つのスペインの歌/13-14.2つのエッセイ
ラテンアメリカ四重奏団
 ブラジルのクラシック音楽を代表するフランシスコ・ミニョーネ。彼はヴィラ=ロボス以降の最も重要な作曲家として認識されています。また偉大なる教師でもあり、指揮者、卓越したピアニストとしても知られます。彼は1933年にリオ・デ・ジャネイロに定住し、音楽の発展に尽力しました。いくつかのオペラ作品が有名で、1923年にはR.シュトラウスが演奏したという記録もあるほどです。このアルバムでは弦楽四重奏曲を中心に収録。どの曲からも血沸き肉躍るエネルギーが感じられる、独特の感性に満ち溢れています。もちろん、これはラテンアメリカ四重奏団の巧みな演奏も一役買っています。

TOCCATA


ブライアン:管弦楽作品集 2 - 交響的変奏曲/組曲「トゥーランドット」/3つの小品/ファウストの夜行(BBCスコットランド響/ウォーカー)
TOCC0113
\2600→\2390
ハヴァーガル・ブライアン:管弦楽作品集第2集
 1-9.「誰かケリーを見なかった?」による交響的変奏曲/
 10-12.「トゥーランドット」から3つの小品/
 13.ファウストより「"ファウストとメフィストフェレスの夜の騎行」/
 14.悲劇的前奏曲/
 15-20.組曲「トゥーランドット」(M.マクドナルド編曲)
BBCスコティッシュ交響楽団/
ギャリー・ウォーカー(指揮)
 伝説的な作曲家として知られるブライアン(1876-1972)。彼は生涯に32曲の交響曲を書き(最後の第32番は90歳を過ぎてからの作品!)他にも、オペラを始めとした数多くの作品を残しています。彼は全部で8つのオペラを手掛けましたが、そのうち2作は未完であり、1作は紛失したため、現在5作がカタログ上に存在します。しかし、ほとんど上演されることがないので、耳にする機会もまずありません。
 このアルバムには彼のオペラから派生した管弦楽作品を収録しています。トラック1-9の変奏曲は、オペラ「虎」の関連作品で、トラック14の悲劇的前奏曲は、オペラ「チェンチ」の前奏曲として用意されたものです。どの曲も驚くほど親しみやすく、また印象的であり、誰もが楽しめる作品となっています。
 録音 2009年6月25-26日グラスゴー・シティ・ホール


ショスタコーヴィチ:フロントのための歌曲集(ホンジンスキー)
TOCC0121
\2600→\2390

ショスタコーヴィチ:戦線からの歌集
 〜前線で戦う兵士たちのために

 1.ロッシーニ:アルプスの羊飼いの娘/
 2.ベートーヴェン:スコットランドの酒の歌/
 3.ビゼー:カルメンからハバネラ/
 4.ヴェックリン:おかあさん、何が好き?/
 5.レオンカヴァッロ:仮面舞踏会から「アルレッキーノのセレナード」/
 6.ムソルグスキー:ゴパーク/
 7.ムソルグスキー:ソロチンスクの定期市から「ヒーヴリャの歌」/
 8.ムソルグスキー:ソロチンスクの定期市から「パラーシャのドゥムカ」/
 9.リムスキー=コルサコフ:サトコから「ノルマン人の歌」/
 10.ゴリヨフ:おかあさんに話しましょう/
 11.ゴリヨフ:小さなサラファン/
 12.イッポーリト・イワーノフ:岩の上に座る/
 13.グラク・アルテモヴシクィイ:
  ドナウ川を越えたコサックから「カラースとオダールカの二重唱」/
 14.ダルゴムイシスキー:発熱/
 15.ダルゴムイシスキー:グレナダは霧に包まれる/
 16.ダルゴムイシスキー:ルサルカより「私たちの通りで」/
 17.ダルゴムイシスキー:ログダナより「コミック・ソング」/
 18.ヴェストフスキー:ジプシーの歌/
 19.プリッツカー:少女の歌/
 20.ドゥナエフスキー:陽気な仲間たちより「アニュタの歌」/
 21.ドゥナエフスキー:ベートーヴェン・コンサートより「なんと偉大な!」/
 22.ドゥナエフスキー:キャプテン・グラントの子どもたちより「風よ、われらのために歌え」/
 23.ドゥナエフスキー:海の歌/
 24.ポクラシュ:さようなら/
 25.ダニル&ドミトゥリ・ポクラシュ:労働者の息子たちより「嵐の雲」/
 26.ミリューチン:私たちに触れるな/
 27.ブランテル:シチョルスの歌
ソロイスツ・オブ・ザ・ルスカーヤ/
コンセルヴァトーリア・チャンバー・カペラ
 1941年から1944年まで続いた「レニングラード包囲戦」。ドイツ軍がレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)を900日近くに渡って包囲するも、市民はずっと耐え抜き、後にスターリンから「英雄都市」の称号が与えられたという伝説的な戦闘です。その際、ショスタコーヴィチ(1906-1975)は前線で戦う兵士たちのために、民謡からオペラ・アリアまで「有名な歌」をロシア語で歌えるようにアレンジし、彼らの士気を高めるための貢献をしました。チェリストやヴァイオリニスト、歌手たちはトラックの荷台に乗り込みこれらの歌を面白おかしく演奏。寒さと飢えに耐える軍隊に希望とユーモアを与えたのです。ショスタコーヴィチのアレンジャーとしての手腕が再確認できる1枚です。
 録音 2010年1月4日.2月24日.4月18日モスクワ 聖ティーホンズ大学


ニン=クルメル:神秘の交響曲(クリューガー)
TOCC0011
\2600→\2390

ホアキン・ニン=クルメル:神秘の交響曲
《神秘の交響曲》
 1-10.喜び/11-20.痛み/21-30.栄光
リチャード・ロバートソン(オルガン)/
セント・マーティン室内合唱団/
ティモシー・J・クリューガー(指揮)
 ホアキン・ニン=クルメル(1908-2004)はキューバ系スペイン人の作曲家、ピアニスト、指揮者で、彼の父ホアキン・ニンも有名な作曲家です。彼はベルリンで生まれ、幼い頃は離婚した母に伴い、ニューヨークで生活。その後ヨーロッパにもどり、パリ音楽院で音楽を学びます。その後、マヌエル・デ・ファリャに師事することで、スペイン音楽のエッセンスを取り入れます。
 この「神秘の交響曲」は1992年にフランス政府から委嘱された作品で、3部からなるタイトルは、それぞれキリストの「誕生」「磔」「復活」を意味しています。グレゴリオ聖歌とオルガン演奏が交互になされ、メシアンを思わせる深い宗教性も感じさせる力作です。
 録音 1997年10月12日コロラド


旧譜
ホアキン・ニン=クルメル:ピアノ協奏曲

COLUMNA MUSICA
1CM 0150
\2400→¥2190
ホアキン・ニン=クルメル(1908-2004):ピアノ協奏曲ハ長調(*)
シャビエ・モンサルバーチェ(1912-2002):
 コンチェルト・ブレーヴェ[短い協奏曲](Pと管弦楽のための)(*)
 Alborada en Aurinx

ダニエル・ブランク(P)
エンリケ・ペレス・メサ(指揮(*))
キューバ国立交響楽団(*)

録音:2005年6月、キューバ、ハバナ、アマデオ・ロルダン劇場
 スペインの作曲家ホアキン・ニンの息子、キューバ系スペイン人のホアキン・ニン=クルメル(ちとややこしい)。パリ音楽院作曲科で首席卒業。ファリャに師事し研鑽を積む。その後アメリカにわたり、大学で教壇に立つ一方、ピアニストとしても活躍。この「ピアノ協奏曲」の初演は1952年ピエール・モントゥー指揮するサンフランシスコ響。もちろんピアノはホアキン・ニン=クルメル自身である。おすすめの秘曲。


Hans Gal: Music for Cello and Piano
TOCC0043
\2600→\2390
ハンス・ガル:チェロのための作品集
 1-3.無伴奏チェロ・ソナタOp.109a(1982)…初録音/
 4-7.無伴奏チェロ組曲 Op.109b(1982)…初録音/
 8-10.チェロ・ソナタOp.89(1953)
アルフィア・ナキプベコヴァ(チェロ)/
ヤコプ・フィケルト(ピアノ…8-10のみ)
 ウィーン生まれのハンス・ガル(1890-1987)はウィーンで音楽学を専攻、ウィーン大学で音楽理論の講師として後進の指導にあたります。しかし、戦争の影が色濃くなる頃、ナチスの迫害を逃れエディンバラに移住、この地に定住し、平穏な生涯を送りました。イングランドの地にあっても、彼はいつもウィーンに思いを馳せていたようで、彼の根底にはシューベルトやブラームスへの思いがあり、いつの時代にあっても旋律を重視し、美しい音楽を生涯愛したのでしょう。1982年、92歳の時の作品である2つの無伴奏チェロ作品にも、さりげなく甘いウィーン風の味付けをすることを忘れていません。
 録音 2010年6月10-12日オークニー,パパ・ウェストレイ,ランド・アート…1-7, 2010年11月17日プルボロー,チャンプ・ヒル,ミュージック・ルーム…8-10

Karel Reiner: Cello Concerto & other works
TOCC0083
(SACD-Hybrid)
\2600→\2390
カレル・ライナー:チェロのための作品集
 1-3.チェロ協奏曲Op.34(1941-1943)…世界初演時のライブ収録/
 4-6.ソナタ・ブレヴィスOp.39(1946)/
 7-8.エレジーとカプリッチョ(1957/1960改編)/
 9-12.ヴィオラとピアノのための詩
  (オリジナル・ピッチによるチェロでの演奏) ※全て初録音
セバスティアン・フォロン(チェロ)/
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(…1-3)/
ズデニェク・マーカル(指揮…1-3)/

マッティ・ラエカッリオ(ピアノ…4-12)
 カレル・ライナー(1910-1979)はボヘミア、ジャテツ生まれ、20世紀チェコにおける最大の作曲家の一人です。父ヨセフはジャテツのカントールであり、彼は幼少の頃から音楽に親しんでいましたが、大学では法律を学び、1934年に博士号を取得しました。並行して個人的にアロイス・ハーバに作曲を学び、4分音の理論をマスターしています。その後、ヨゼフ・スークに管弦楽法を師事しますが、他の例に漏れず、彼もナチスの迫害に会い、テレジンの強制収容所に送られますが、奇跡的に生き残り、終戦後も音楽家として活動を続けたのです。このチェロ協奏曲は収容所に抑留される前に完成させたもので、ずっと演奏される機会がありませんでしたが、ようやく2010年になって、名チェリストフォロンと、チェコが誇る指揮者マーカルの手によって初演、収録されたのが、このアルバムとなります。新古典派とはまた違う独特の音は、この知られざる作曲家の真価を知る手がかりとなるでしょう。
 録音 2010年12月2-3日プラハ,ルドルフィヌムドヴォルザーク・ホール, 2011年6月20-21日ニューヨーク ヤマハ・スタジオ
Telemann: Harmonischer Gottes-Dienst  Volume IV
TOCC0084
\2600
テレマン:音楽による礼拝第4集:6つのカンタータ
 1-3.降臨節第3日曜日「日の明るい光の前に」TVWV1:1483/
 4-6.顕現日のカンタータ「あなたは人々の声を聞く」TVWV1:921/
 7-9.聖マリアの御潔めの祝日のための
   カンタータ「現れよ、神よあなたの神殿に」(TVWV 1:471/
 10-13.六旬節日曜日「私は何を褒め称えようか?」TVWV1:1521/
 14-16.復活祭前4週間の日曜日「愛の中を歩む」TVWV1:1498/
 17-19.復活祭の第1日「ソドムの毒持つ果実への道」TVWV1:1534
ベルゲン・バロック
 TOCCATA CLASSICSレーベルの注目シリーズの一つ、テレマン(1681-1767)の「音楽による礼拝」全曲録音の第4集です。テレマンはあまりにも多くの曲を書いたため、まだまだ知られざる作品が多く存在します。この「音楽による礼拝」もそんな曲集であり、全72曲のカンタータの一部は演奏されるものの、全貌を知ることは不可能でした。リコーダーやヴァイオリン、オーボエのオブリガードが楽しいこれらのカンタータは、精緻な対位法や楽器の妙技を存分に楽しむことができるでしょう。神への祈りという形をとりつつも、通俗的な雰囲気も持ち合わせた華麗な音楽です。
 録音 2007年4月23-27日ノルウェー

Raykhelson: Viola Concerto & Violin Concerto
TOCC0130
\2600→\2390
レイヘルソン:ヴァイオリン協奏曲&ヴィオラ協奏曲
 1-3.ヴァイオリン協奏曲ハ短調(2007)/
 4-7.ヴィオラ協奏曲イ短調(2005)〜バシュメット(ヴィオラ)
ニコライ・サチェンコ(ヴァイオリン…1-3)/
ユーリ・バシュメット(ヴィオラ…4-7)/

ノーヴァヤ・ロシア国立交響楽団/
クラウディオ・ヴァンデッリ(指揮…1-3)/
アレクサンダー・スラトコフスキー(指揮…4-7)
 レニングラード生まれで、現在ニューヨークに在住。ヴィオラ奏者&指揮者ユーリ・バシュメットの友人でもある作曲家レイヘルソン(1961- ライケルソン)。彼はクラシックとジャズ、2つのイディオムを自由に操り、見事な音楽を作りあげます(既リリースのTOCC0055では、そのジャジーな音楽がたっぷり)。このアルバムには最近書かれた、コルンゴルトを思わせるロマンティックでメロディアスな「ヴァイオリン協奏曲」と、シチェドリン風の味わいを持つ「ヴィオラ協奏曲」のの2つの作品が収録されています。この楽しさは聴いてみないとわかりません。
 録音 2007年11月10日モスクワ…1-3, 2009年10月21日モスクワ,チャイコフスキー・コンサート・ホール…4-7(ライブ録音)




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