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第65号
マイナー・レーベル新録音新譜(1)


8/31までの紹介分


2L


2L 082SABD
(SACD Hybrid+
Pure Audio Blu-ray)
\4000
北欧的癒しの世界。
 オーラ・ヤイロ (1978-):ピアノ即興

 愛と慈しみのあるところ/なんと美しいかたマリアさま/
 プレリュード(3台のピアノのための)/メリベル/スサンネ/
 セブンエイト(3台のピアノのための)/ダークブルー/
 サンタモニカ/ネブラスカ(2台のピアノのための)/湖/
 雲のない(3台のピアノのための)/ライトブルー/
 グレートプレーンズ/バッハ・ファンタジー/
 ビルトモア・シュライン/リトルロック/コラール/心からの
オーラ・ヤイロ(Pf)
録音 2011 年8 月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ)/69’04”、DXD 録音(24bit/352.8kHz)
[SACD]PSD 5.1 surround/stereo、[Pure Audio Blu-ray]5.1 surround DTS HD MA(24bit/192kHz),2.0 LPCM(24bit/192kHz)+mShuttle:FLAC 96kHz + MP3

 オーラ・ヤイロ(1978-) はノルウェー生まれ。ノルウェー音楽アカデミー、ロンドンの王立音楽大学、ニューヨークのジュリアードでクラシックとジャズの作曲とピアノを学びました。現在はニューヨークに住み、作曲家、ピアニストとして活動を行っています。ヤイロの作曲で世界各国の合唱団に歌われている合唱曲《愛と慈しみのあるところ》 《なんと美しいかたマリアさま》《プレリュード》 による即興に始まり、女性、アメリカの町と土地、色彩、作曲家バッハと、とりどりのタイトルのつけられた即興が綴られます。"2 台または3 台のピアノ" による《プレリュード》《ネブラスカ》《雲のない》は、あらかじめイメージした楽想やテーマに基づく即興をまず収録し、その録音をベースに新たな即興をトラックに重ねる方法が採られています。

 Pure Audio Blu-ray《 mShuttle》
 このPure Audio Blu-ray は、mShuttle 機能を備えています。
 mShuttle は、リスナーがBD プレーヤーの近くにいなくても、簡単に音楽を楽しむことができるシステムです。リスナーがどこにいようとも、mShuttle は自宅のオーディオシステムでスタジオ品質FLAC を聴くこともできるし、車や台所ではCD品質、またはMP3 で楽しむこともできる、自由自在のテクノロジーです。
【方法】
1. BD プレーヤーがコンピュータネットワークに接続していることを確認してください。
2. Pure Audio ブルーレイディスクをBD プレーヤーに挿入。ディスクを読み取ったのを確認して、mShuttle のスイッチをオンにする。
3. PC のインターネットブラウザーを開けて、BD プレーヤーのIP アドレスを入力。このアドレスをあなたのBD プレーヤーのセットアップメニューから探してください。
4. オーディオファイルとブックレットを選択して、BD をPC へダウンロードしてください。

2L(Blu-rayオーディオ)

 演奏者が聴いている音を聴き手にそのまま聴いてほしい・・・ライブと録音の音の違いではなく、演奏者自身と聴き手にとっての音の違いを極力までなくしていこう!そんなこだわりから2 週間もかけてレコーディングが行われた究極の高音質ディスクです。
 ノルウェーのインディペンデント・レーベル、2L の録音に対する評価は国際的にすっかり定着しました。受賞こそしていないもののアメリカのグラミー賞にも毎年のようにノミネートされています。
 古都トロンハイムに本拠を置くトロンハイム・ソロイスツ TrondheimSolistene/The Trondheim Soloistsのブリテンやバルトークを演奏した『ディヴェルティメント (Divertimenti)』 (2L050SABD) は小アンサンブル部門とサラウンドサウンド・アルバム部門とエンジニアリング部門、グリーグの《ホルベアの時代から》から始まる『民謡の調子で (in folk style)』 (2L068SABD) は小アンサンブル部門とサラウンドサウンド・アルバム部門にそれぞれノミネートされました。
 ソロイスツのミュージシャンたちは、モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg をはじめとする 2L のスタッフに厚い信頼を寄せ、サラウンド録音の楽器配置など、さまざまな試みに挑んでいます。
 トロンハイム・ソロイスツと 2L のコラボレーション第3作『思い出』。芸術監督のオイヴィン・ギムセ Oyvind Gimse (1968-) とリーダーのゲイル・インゲ・ロツベルグ Geir Inge Lotsberg (1969-) が「弦楽オーケストラのために作曲されたもっとも美しい音楽」とみなすチャイコフスキーの《弦楽のためのセレナード》と《フィレンツェの思い出》、そして、FACEBOOK を通じて世界各国の音楽愛好家から寄せられたリクエストによるカール・ニルセンの《小組曲》と《若き芸術家の棺のかたわらで ( アンダンテ・ラメントーゾ)》。4 曲のプログラムです。2011 年の5 月に録音された《弦楽のためのセレナード》では、合唱音楽の録音を多く手がけてきたプロデューサーのリンドベルグのアイデアを入れ、同じ楽器の奏者が隣り合わせにならないようアンサンブルの声部を混在させる楽器配置がとられました。
 セルビュ教会で DXD (24bit/352.8kHz) 録音された『思い出』は、Pure Audo Blu-ray と LP のフォーマットでリリースされます。Blu-ray ディスクに収録されるのは、5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz)、2.0 LPCM (24bit/192kHz) などのトラック。LP は Part I と Part II の2 枚に分かれ、DMM のステレオ音源が 180g のオーディオファイルグレードのビニールにプレスされています。
  Pure Audio Blu-ray ディスクは、CD プレーヤーや DVD のプレーヤーでは再生できないので、Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応の PCを使ってください。
※ Pure Audio Blu-ray ディスクは、CD プレーヤーや DVD のプレーヤーでは再生できません。Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応の PC を使ってください。

2L 080PABD
(PURE AUDIO BLU-RAY)
\3400
トマス・D・A・テレフセン (1823-1874) ピアノ作品全集
 4つのマズルカ 作品1、夜想曲へ長調 作品2、4 つのマズルカ 作品3、
 3つの華麗なるワルツ 作品5、タランテラ 変ホ長調 作品6、
 悲歌 作品7、フルドラの踊り 作品9、
 アダージョとロンド ロ短調 作品10、
 夜想曲第2番 ホ長調 作品11、創作主題と幻想曲 変ロ短調 作品12、
 ソナタ ハ短調 作品13、6つのマズルカ 作品14、
 アルバムのページ 作品16、夜想曲第3 番 変ロ長調 作品17、
 大ポロネーズ 嬰ハ長調 作品18、アレグレット 作品20、
 トッカータ ヘ長調 作品22、小さな物ごい ホ短調 作品23、
 大マズルカ 変ロ長調 作品24、大練習曲 嬰ハ短調 作品25、
 花嫁の歌 ニ長調 作品26、ワルツ 変ニ長調 作品27、
 バラード ハ短調 作品28、凱旋行進曲 変ホ長調 作品29、
 大ワルツ第5番 へ長調 作品30-1、大ワルツ第6番 ヘ短調 作品30-2、
 マズルカ イ長調 作品33、夢の向こうへ 変イ長調 作品34、
 カプリッチョ・アパッショナート ロ短調 作品36、
 即興曲 ト長調 作品38、夜想曲第4 番 変ト長調 作品39、
 ヴァルハラの祭り 作品40、スコットランドの旋律 嬰ハ短調 作品42、
 6度の練習曲 ホ長調 作品43、
 エリザベス女王のパヴァーヌ 嬰ハ短調 作品44、ワルツ イ長調
ヨルゲン・ラーシェン (ピアノ)
 [ピアノ Steinway C-model]
 世界がうなる高音質2L レーベルから注目の高音質ソフト、続々リリース!
 ショパンもその才能を認めたテレフセン ピアノ作品全集

 [ 録音 2010 年5 月、2011 年2 月 リングヴェ博物館 ( トロンハイム、ノルウェー)]
 [ 制作・録音 モッテン・リンドベルグ]3h18’
 [DXD (24bit/352.8kHz)、録音:5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz),2.0 LPCM(24bit/192kHz),mShuttle: FLAC 192kHz + MP3 Region ABC]

 トマス・D・A・テレフセン Thomas Dyke Acland Tellefsen (1823-1874) は、1823 年、トロンハイム生まれ。「フランス語の知識もなく、無一文に近い状態で、ただ自分の芸術とショパンへの熱狂だけを武器に」 ( ジョルジュ・サンド)、1842 年、パリに渡り、その秘めた才能と創造性を見抜いたショパンから生徒として迎えられました。ショパンの没後、パリの音楽界にデビューし、51 歳で病没するまでピアニスト、作曲家としてパリを舞台に活躍しました。テレフセンのピアノのソロの作品集。
 ピアニストのヨルゲン・ラーシェン Jorgen Larsen (1958-) は、エヴァ・クナルダールに学び、1979年にオスロでデビュー。いくつかの室内楽アンサンブルに参加し、トロンハイム交響楽団のピアニストを務めています。ホルン奏者のシェル=エーリク・アルネセンと共演してシューマン、シュトラウス、ヒンデミット、ニルセンの作品を演奏したアルバム『呼び声 (Calls)』 (2L-20) がこれまでの代表的録音です。
 新しいテレフセンの全集は、トロンハイムにある国立の音楽と楽器の博物館、リングヴェ博物館 Ringve Museum で録音セッションが行われました。24bit/352.8kHz の DXD 録音。DTS HD MA 5.1 と LPCM 2.0 にそれぞれミックスダウンされた演奏時間の合計3 時間18 分の録音が PureAudio Blu-ray のディスク1 枚に収められています。このアルバムでは、アイナル・ステーン=ノクレベルグによる全集 (Simax PSC1239) に収められていた未出版のコラールと小品は省かれ、ステーン=ノクレベルグの録音に含まれていなかった作品番号なしのイ長調の《ワルツ》が演奏されています。

 

2L 090PABD
(PURE AUDIO BLU-RAY)
\3400
トロンハイム・ソロイスツ − 思い出
  ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893):
  フィレンツェの思い出 作品70
 カール・ニルセン (1865-1931):
  《若き芸術家の棺のかたわらで》 FS58
   (アンダンテ・ラメントーゾ)
  小組曲 FS6 (作品1) (弦楽オーケストラのための)
 ピョートル・チャイコフスキー:
  弦楽のためのセレナード ハ長調 作品48
トロンハイム・ソロイスツ
 トロンハイム・ソロイスツと 2L のコラボレーション第3 作『思い出』

 ゲイル・インゲ・トルベルグ (リーダー)、オイヴィン・ギムセ (芸術監督)
 録音 2011 年5 月、10 月 セルビュ教会 (セルビュ、ノルウェー)]
 [ 制作・録音 モッテン・リンドベルグ[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]]
 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz) 7.1 DTS-HD MA (24bit/96kHz) (side-fill) 2.0 LPCM (24bit/192kHz) 9.1 Auro-3D (24bit/96Hz) (tracks 01-05 only) mShuttle: FLAC 192kHz + MP3 Region ABC

2L(LPレコード)


2L 090ALP
(LP)
\3700
トロンハイム・ソロイスツ − 思い出 Part I
 ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893):
  弦楽のためのセレナード ハ長調 作品48
 カール・ニルセン (1865-1931):
  小組曲 FS6 (作品1) ( 弦楽オーケストラのための)
トロンハイム・ソロイスツ
 ゲイル・インゲ・トルベルグ (リーダー) オイヴィン・ギムセ (芸術監督)
 [ 録音 2011 年5 月 セルビュ教会 ( セルビュ、ノルウェー)]
 [ 制作・録音 モッテン・リンドベルグ[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]]

 [DMM(Direct Metal Master)、180g、オーディオファイル、グレード・ビニール使用]、45’14

2L 090CLP
(LP)
\3700
トロンハイム・ソロイスツ − 思い出 Part II
 ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893):
  フィレンツェの思い出作品70
 カール・ニルセン (1865-1931):
  《若き芸術家の棺のかたわらで》 FS58
   (アンダンテ・ラメントーゾ)
トロンハイム・ソロイスツ
 ゲイル・インゲ・トルベルグ ( リーダー) オイヴィン・ギムセ ( 芸術監督)
 [ 録音 2011 年10 月 セルビュ教会 ( セルビュ、ノルウェー)]
 [ 制作・録音 モッテン・リンドベルグ[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]]

 [DMM(Direct Metal Master)、180g、オーディオファイル、グレード・ビニール使用]、40’03 

ACANTA


Historical Master Instruments
ACANTA 233587
(2CD)
\2400→\2190
フォルテピアノ、チェンバロ、クラヴィコード…
 ピリオド楽器の響きで堪能する、バロック鍵盤作品集

  〜ヒストリカル・マスター・インストゥルメント〜
 [CD1]
  J.S. バッハ:音楽の捧げもの BWV 1079より
   (1)3 声のリチェルカーレ ② 6 声のリチェルカーレ
  (2)C.P.E. バッハ:ソナタ ホ短調 
    【1749年頃G.ジルバーマン製フォルテピアノ使用】
  (3)パラディーニ:ディヴェルティメント ト長調
    【1726 年B.クリストフォリ製フォルテピアノ使用】
  (4)J.S.バッハ:幻想曲 ハ短調 BWV 906
    【1695年頃製イタリア式チェンバロ使用】
  (5)3つのメヌエット BWV 841-843
    【1700 年頃製ドイツ式チェンバロ使用】
  (6)カプリッチョ ホ長調
   「ヨハン・クリストフ・バッハをたたえて」 BWV 993
    【1710 年J.H.ハラス製チェンバロ使用】
 [CD2]
   (1)クーナウ:パルティータ 第4 番 ヘ短調
    【1700 年ドナ製クラヴィコード使用】 
   (2)C.P.E. バッハ:ソナタ変ロ短調
    【1730/1740年G.ジルバーマン製チェンバロ
     (フレットなし)使用】
   (3)J.S.バッハ:幻想曲とフーガ イ短調 BWV 904
    【1599 年H. ルッカース製チェンバロ使用】
   (4)フレスコバルディ:トッカータ 第9番
   (5)J.S. バッハ:ソナタイ長調 BWV 963 
    【1594年製H. ルッカース製チェンバロ使用】

[CD1]
 (1)- (4)(6)ワルター・ヘインツ・ベルンシュタイン
 (5)(7)マリア・ブラウティハム
[CD2]
 (1)(2)ヴィンフリート・シュラメク
 (3)-(5)アルミン・タールハイム

 アルバムタイトルからもお分かりの通り、17 世紀から18 世紀にかけて製作された鍵盤楽器—フォルテピアノ、チェンバロ、クラヴィコード—を用いた演奏が収録されたアルバム。
 J.S. バッハ、C.P.E バッハ、フレスコバルディらバロック期の音楽家たちによる珠玉の鍵盤作品の数々を、当時の響きと共に堪能できます。フォルテピアノの発明者B.クリストフォリ、J.S.バッハからの信頼も厚かったG.ジルバーマン、チェンバロの発展史を語るに欠かせないH.ルッカース・・・いずれの楽器も現在は美術館などが所蔵し、管理している希少な名器ばかりです。演奏会や録音にもしばしば貸出されるので、すでにその音を聞いたことがある方も多いかもしれません。とはいえ、様々な名器の音色を2 枚組にわたり一挙に聴き比べることができるのは本アルバムならではの魅力。ピリオド楽器にこだわりのあるファンの方はもちろんのこと、普段聴きなれないという方にもおすすめのアルバムです。

Wagner’s Piano
ACANTA 233586
\1400→\1290
〜ワーグナーのピアノ〜
 ワーグナー(リスト編):
  (1)楽劇『ニーベルングの指環』より ヴァルハラ
  (2)歌劇『ローエングリーン』より エルザの大聖堂への入場
  (3)歌劇『さまよえるオランダ人』より 紡ぎ歌
 リスト:
  (4)聖ドロテア (5)リヒャルト・ワーグナーの墓に
  (6)4つの忘れられたワルツ 第4番
  (7)リヒャルト・ワーグナー—ヴェネツィア
  (8)悲しみのゴンドラ 第1稿 (9)同曲 第2稿
  (10)調性のないバガテル
ミケーレ・カンパネッラ(Pf)
 イタリアのリスト弾き、カンパネッラによる後期ピアノ作品集
 ワーグナーが愛し、リストが弾いた1876 年製スタインウェイ使用!

【使用楽器:1876 年製スタインウェイ(バイロイトのヴァンフリート館所蔵)】

 イタリアはナポリ生まれのミシェル・カンパネッラは、世界的リスト弾きの一人としても知られる名手。2011 年のリスト・イヤーでの活躍も記憶に新しいカンパネッラが、新たなリスト・アルバムをリリースしました。ワーグナー作品の改編曲や彼への追悼曲などのワーグナー絡みの作品に加え、「悲しみのゴンドラ」や「調性のないバガテル」といった珠玉の後期作品の数々を収録したアルバムです。
 リスト後期作品中心のプログラムということで、超絶技巧的な魅力だけに留まらない叙情性豊かな曲調をたっぷりと堪能できるアルバムといえましょう。
 カンパネッラは今回の録音に際し、ワーグナーが愛用した1876 年製のスタインウェイを使用!リストもこの楽器を演奏したと言われており、今回のアルバムのコンセプトにまさにぴったり。カンパネッラの演奏はやや硬派ですが、楽器の音色とよくマッチした演奏ともいえましょう。
 2013 年のワーグナー・イヤーを前に、彼が愛した響きに耳を傾けながら、2 人の大音楽家へと思いをはせる1 枚です。


ACANTA 233600
\1400→\1290
ウィーン少年合唱団
 クリスマス聖歌集
 パレストリーナ:「今日キリストは生れたもう」
 ヘンドル(ガルス):
  「しもべらよ、共に歌え」、「われらに生まれし御子」
 M.プレトーリウス:「主の生誕のときに」
 ウヴェ・タイマー:民謡歌曲集
 ウヴェ・ハラー:民謡歌曲 ほか全22曲
ウィーン少年合唱団
聖夜にふさわしきウィーン少年合唱団の清澄な歌声にうっとり初期バロックの聖歌から民謡歌曲まで——クリスマス歌曲集

45’10”

 巨匠トスカニーニが『天使の歌声』と評したことでも知られる清澄な歌声で、日本でも絶大な人気を誇るウィーン少年合唱団によるクリスマス聖歌集。
 初期バロックの聖歌から民謡調のクリスマス歌曲まで、時代・ジャンルともに多彩なプログラムが収録されています。クラシックからポップスにいたる幅広いジャンルを巧みに歌いこなす、ウィーン少年合唱団の本領発揮の選曲ともいえましょう。ウィーン少年合唱団出身の現代作曲家ウヴェ・タイマーによる民謡歌曲集ほか、ウィーンの伝統歌曲も収録。パレストリーナやM. プレトーリウスの厳粛な響きに圧倒される一方で、民謡の響き色濃いクリスマス歌曲の暖かな響きにほっと一息つく……ウィーンのクリスマスの一夜を思わせるアルバムに仕上がっています。これまでも、いくつものクリスマス・アルバムをリリースしてきたウィーン少年合唱団。ポップス調の歌曲も多く取り入れ、クラシック・ファンに留まらない幅広いファン層からの支持を集めています。
 2012 年の来日公演でも絶賛された美しい歌声はジャンルを問わず素晴らしいもの。ウィーン少年合唱団と共に、ひとあし先にウィーンのクリスマスの響きに酔いしれる1 枚です。


ACANTA 233598
(3CD)
\2200→\1990
聖トーマス教会少年合唱団、ウィーン少年合唱団、テルツ少年合唱団ほか
 クリスマス歌曲集〜子どもたちはクリスマスに歌う

 讃美歌
  「諸びと声あげ」、「きよしこの夜」、
  「いざ歌え、いざ祝え」、「喜べや讃えよや」、
  「エサイの根より」 
 「おお、もみの木よ」(ドイツ民謡) 
 ウヴェ・タイマー:民謡歌曲集 ほか
シェーネベルク少年合唱団
ウィーン少年合唱団
ヴェストファーレン・ナイチンゲール合唱団
聖トーマス教会少年合唱団
テルツ少年合唱団、
ケルン少年合唱団ほか
 聖トーマス教会少年合唱団、ウィーン少年合唱団ほか、世界に誇る独墺の名門合唱団らによるクリスマス歌曲集!

 「ACANTA」レーベルより、ひとあし早いクリスマス歌曲集がリリースされました!
 賛美歌やクリスマス民謡がたっぷりと詰まった聴き応え十分の収録内容ですが、何よりも注目されるべきは合唱団の豪華な顔ぶれでしょう!2012 年に創立800 周年を迎えたライプツィヒの聖トーマス教会少年合唱団、日本でも絶大な人気を誇るウィーン少年合唱団、力強い歌声で多くの人を魅了している名門テルツ少年合唱団などなど、ドイツ・オーストリアが世界に誇る合唱団が勢ぞろい。世界の第一線で活躍する子供たちによる洗練された歌声がぎゅっと凝縮されたアルバムに仕上がっています。クリスマスといえばやはり子供たちの清澄な歌声なしには語れないというもの。ドイツの伝統的な讃美歌、民謡、そして現代作曲家たちによる民謡調のクリスマス歌曲——クリスマスの一夜を過ごすに十分な、多彩なプログラムも魅力です。ボーナスCD として、旋律のみを抽出した“カラオケCD” も同梱。聴くやよし、歌うやよし…ドイツ・オーストリアのクリスマスの響きを堪能できるアルバムです。

ACCENT



ACC 24272
\2500→\2290
S. クイケン&ラ・プティット・バンド
 ハイドン:交響曲三部作
  (1)第6番 ニ長調「朝」

  (2)第7番 ハ長調「昼」
  (3)第8番 ト長調「晩」
シキスヴァルト・クイケン(指揮)
ラ・プティット・バンド
 S. クイケン&ラ・プティット・バンドによるハイドンの初期交響曲三部作「朝」「昼」「夕べ」

 録音:2012 年1 月モル、ギャラクシー・スタジオ(ベルギー)/DDD、71’57”

 シキスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドが、ハイドンの交響曲「朝」「昼」「晩」の三部作を収録したアルバムをリリースしました!エステルハージ侯爵家の副楽長になったばかりの若きハイドンが、侯爵より三部作の作曲を依頼され、作り上げたという本作。侯爵家の楽団が名手揃いということもあってか、随所に散りばめられた各楽器の技巧的なソロが際立ち、交響曲というよりも合奏協奏曲といった印象が深い作品です。コレッリの合奏協奏曲も思わせる鮮やかな掛け合いの数々が愉しく、全体的に淀みのない爽やかな音運びが心地よい作品といえましょう。ヴァイオリンやフルートの典雅に満ちたソロが美しいのはもちろんですが、低音楽器のソロにも是非注目していただきたいところ!三部作とも、第3 楽章のメヌエットのトリオには低音楽器によるソロの掛け合いが用意されており、短いながらもファゴットやコントラバスの妙技を堪能することができます。
 演奏者それぞれに高い演奏技術が問われるプログラムですが、ラ・プティット・バンドの演奏は流石の一言。繊細さと躍動感を見事に兼ね備え、アンサンブル全体がきゅっとひきしまった爽快な演奏に魅せられます。ブクステフーデのカンタータ集(ACC 24243)では瞑想的な美しさで魅せてくれたクイケン&ラ・プティット・バンドですが、今回は活気あふれるハーモニーで愉しく聴かせるアルバムに仕上がっています!


ACC 24275
\2500→\2290
注目ピリオド・アンサンブル、ヌォーヴォ・アスペット
ヨハン・ゲオルク・ロイター(1708-1772):
 (1)シンフォニア ニ長調
 (2)『アレクサンドロス大王の寛容さ』よりアリア
 (3)ピッツィカート
 (4)『アルシード』よりアリア
 (5)クラリネットのためのコンチェルト
 (6)『イシュマエルへの神の摂理』よりアリア
 (7)『アルキダミア』よりアリア
 (8)『救われたベトゥーリア』よりシンフォニア ト短調
 (9)『アレクサンドロス大王』よりアリア
 (10)『救われたベトゥーリア』よりアリア
オリヴィア・フェルミューレン(Ms)
ヌォーヴォ・アスペット
 ドイツが誇る新進気鋭の注目ピリオド・アンサンブル、ヌォーヴォ・アスペット1st アルバム!18 世紀ウィーンの音楽家、ロイターのアリア&シンフォニア集

 録音:2011 年11 月23-26 日ケルン、WDR フンクハウス(ドイツ)/DDD、65’15”

 2011 年に設立された新進気鋭のドイツのピリオド・アンサンブル、ヌォーヴォ・アスペットが待望の1st アルバムをリリースしました!
 ガンバ奏者のツィンケが2003 年に設立し、近年活躍著しかったアンサンブル・エコー・ドゥ・ダニューブのメンバーからなる団体ということで、演奏の質は折り紙つき。注目の1st アルバムのプログラムは、18 世紀ウィーン古典派の黎明期に活躍した音楽家、ヨハン・ゲオルク・ロイター(1708-1772)のアリア&シンフォニア集!オペラのアリアからクラリネット・コンチェルトまで、今日では殆んど演奏されることのないことが残念な作品の数々を収録。歴史の陰に埋もれてしまった18 世紀の作品を再発見する意欲的な活動で高い評価を受けるアンサンブル・エコー・ドゥ・ダニューブの方向性を踏襲し、最初からマニアも唸る魅力的なプログラムを提供してくれます。この団体の素晴らしいところは、ただ単に音楽家や作品の存在を紹介するだけに留まらないところ。ヨーロッパで活躍する若手実力派、フェルミューレンの柔らかくも美しいメッゾの声と共に、ピリオド楽器ならではの繊細な響きと丁寧に練り上げられたアンサンブルで、ロイターの作品の魅力を最大限に聴かせてくれます。「ヌォーヴォ・アスペット(新たな外観)」の名の通り、18 世紀ウィーン音楽の新たな一面を教えてくれる注目のアルバムといえましょう。
 アンサンブル・エコー・ドゥ・ダニューブでも中核を担っているフロリアン・ドイター、ヨハンナ・ザイツら名手達は、本団体でも極上のハーモニーを披露。2006 年バッハ国際コンクール(ライプツィヒ)で第2 位に輝いたヴァイオリニスト、平崎真弓も2nd ヴァイオリニストとして参加しています。今後も再発見プログラムに意欲的なヌォーヴォ・アスペット。これからの活動に期待必至の注目団体です!

ALA DOLCE VOLTA



LDV 08
\2500→\2290
ターリヒ四重奏団による新録音!
 (1)ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調op.10
 (2)ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調
ターリヒ四重奏団
 ヤン・ターリヒ(1st Vn)、
  ロマン・パトチュカ(2ndVn)、
  ウラディーミル・ブカチュ(Va)、
  ペーテル・プラウゼ(Vc)
ターリヒ四重奏団によるドビュッシー&ラヴェル四重奏曲、鮮烈なアクセントと洗練されたアンサンブルが絶品の名盤

録音:2012 年2 月、ドモヴィナ・スタジオ(プラハ)/52’29”、日本語解説付

 チェコを代表する名門、ターリヒ四重奏団が待望の新譜をリリース!今回収録したのは、ドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲!ドビュッシーの四重奏曲はガムラン音楽の響きも垣間見えるエキゾチックな作品ですが、ターリヒ四重奏団ならではのヴィヴィッドなアクセントと毅然とした演奏に圧倒されます。
 ヴィオラ& チェロの中低音パートの深みのある響きも印象的。プラウゼが奏でる3 楽章のチェロ・ソロは絶品です。艶やかなドビュッシーから一転、ラヴェルでは繊細かつ清涼感あふれる響きで魅せてくれます。停滞することのない爽やかな音運びと、印象派絵画を思わせる柔らかくも明るい音色が素晴らしく、まさにターリヒ四重奏団の真骨頂が発揮された名演といえましょう!リヴレットは嬉しい日本語解説付。
ターリヒ四重奏団は1964 年に結成されたチェコを代表するアンサンブル団体。モーツァルトの弦楽四重奏全集(LDV 100)、五重奏全集(LDV109)が再販となり、旧メンバーの演奏が再び脚光を浴びているターリヒ四重奏団ですが、ヤン・ターリヒJr. 率いる現メンバーのアンサンブルもそれに劣らず素晴らしいもの。ターリヒ四重奏団伝統の自然な表現と爽やかな演奏はそのままに、よりロマンティックな感性にあふれる演奏が高い評価を得ています。ショスタコーヴィチやヤナーチェクの作品の録音にも取り組むなど、結成50 年も間近に控えた現在もなお気鋭衰えぬターリヒ四重奏団。今後の活動にも注目必至です!



ALIA VOX



AVSA 9892
(SACD HYBRID)
\2800→\2490
サヴァール(指揮)
 エスペリオンXXI&ミュジシャン・ザルメニアン
  『アルメニアの心』

 (1)チュハジヤン(1837-1898):闘いの歌
 (2)作曲者不詳(中世):逃亡の歌
 (3)サヤト・ノヴァ(1712-1795):愛の歌
 (4)伝承曲:歌と踊り
 (5)チュハジヤン:逃亡の歌
 (6)作曲者不詳:田舎の歌(作曲者不詳)
 (7)ノヴァ:追放前、王への嘆願歌
 (8)田舎の歌(コミタス(1869-1935) 採集の民謡集より)
 (9)結婚の歌(コミタス採集の民謡集より)
 (10)田舎のロンド:恋人たちの対話(コミタス採集の民謡集より)
 (11)グサン・アショト(1907-1989):嘆き
 (12)作曲者不詳:自由へのオードとアルメニア人のための嘆願
 (13)アイリヴァネツィ(1222-1290):聖木曜日の俗歌「私の心は震える」
 (14)エラニヤン(1827-1862):祖国へのオード
 (15)愛の歌(伝承歌、D.ガザリヤン採集)
 (16)田舎の歌:嘆き(コミタス採集の民謡集より)
 (17)ラメント(伝承歌)
 (18)田舎の歌(コミタス採集の民謡集より)
ジョルディ・サヴァール(指揮)
エスペリオンXXI
ミュジシャン・ザルメニアン
 サヴァール&エスペリオンXXI歴史譚シリーズ最新盤!今回は激動の歴史に呑まれた国家、アルメニア!亡きフィゲーラスに捧げる、美しき伝承音楽集

録音:2012 年3 月29-30 日、4 月8,9,25 日/カルドナ参事会管理聖堂(カタルーニャ)/75’25”

 サヴァール& エスペリオンXXI がおくる好評の歴史譚シリーズ、待望の最新盤!
 地中海の古代音楽(AVSA 9888)、ジャンヌ=ダルクに焦点を当てたフランス中世音楽集(AVSA 9891)に続き、今回サヴァールが誘ってくれるのは西アジアと東ヨーロッパの交差路に位置する国家、アルメニアです。イスタンブールを取り上げたアルバム(AVSA 9870)の一部でも収録され好評を博しましたが、アルメニアの音楽だけを取り上げたのは本アルバムが初めて。
 アルメニアはオリエント地方の中でも最も古いカトリック国のひとつに数えられる伝統厚き国家ですが、様々な大国に隣接する立地ゆえに多くの争いに巻き込まれ、幾度も国土荒廃の苦難を経験した国でもあります。しかし、長らく他国の侵略・支配を多く受けたのにも関わらず、あるいはそれゆえか、紀元前より綿々と続くアルメニア独自の文化精神は今日まで頑なに受け継がれてきました。独自の文字や建築様式を今もなお継承しているアルメニアの人々にとって、音楽もまた祖国の精神を語り継ぐ重要な遺産の一つ。本アルバムには古来より伝わる伝承歌から近年の音楽までが収録されていますが、古い時代のものを聴いてもどこかハチャトリヤンを思わせるようであり、また新しい作品を聴いてもアルメニアの土の臭いが濃厚に感じられます。アルメニアの人々と心の音楽の根底に生き続ける「アルメニアの心」に感じ入る1 枚に仕上がっています。
 愛の歌、戦いの歌、嘆願の歌など、様々な伝承歌を古楽器で演奏している本アルバム。中東音楽の響きにも近い独特の旋律そのものも十分魅力的なのですが、さらなる聴き所はアルメニアの伝統楽器デュデュクの美しい音色でしょう!オーボエにも似た木管楽器で、荒涼とした大地に遠く響き渡るような哀愁漂う音色が心を深く穿ちます。ヴァイオリンの原型とも言われる弦楽器カマンチャの音色も絶品。これらの伝統楽器は、2011 年にも惜しくもこの世を去ったモンセラート・フィゲーラスが深く愛した楽器でもあり、サヴァールはこのアルバムを亡き妻との思い出に捧げると語っています。サヴァール率いるエスペリオンXXI が奏でる西洋の楽器とアルメニアの音色の極上のハーモニーが堪能できるのは本アルバムならでは!歴史譚シリーズに連ねるにふさわしい名盤です。


ANALEKTA


Beethoven - Piano Concertos Nos. 1 & 2
AN2 9955
\2200→\1990
児玉麻里とケント・ナガノ夫妻共演
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲

  (1)第2番 変ロ長調 op.19
  (2)第1番 ハ長調 op.15
児玉麻里(ピアノ)
ケント・ナガノ(指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団
児玉麻里とケント・ナガノ充実のベートーヴェン

録音:2006 年6 月23&24 日(テルデックス・スタジオ、ベルリン)

 児玉麻里とケント・ナガノ夫妻共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲集。児玉が2003 年から3 年間をかけて日本で(アメリカでも開催)行ったベートーヴェンのソナタ全曲演奏会も非常に高評価だっただけに、協奏曲への期待も高まるというもの。研ぎ澄まされた音色でフレーズのすみずみまで磨きあげられた世界が広がります。緩徐楽章も聴きものです。ベルリン・ドイツ交響楽団の奏でる室内楽的なサウンドと、ケント・ナガノの丁寧な仕事ぶりも光るベートーヴェンです。
 児玉麻里は大阪出身、6 歳で渡欧。14 歳の時、最年少、最優秀でパリ国立高等音楽院に入学。パリ音楽院でジェルメーニュ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ・デュティユーに室内楽を師事。ニコラーエワにも薫陶を受け、また、ブレンデルにも師事しました。ケント・ナガノは夫、また、ピアニストの児玉桃は妹。優れた美的感覚と個性的なスタイルで世界的に高い評価を得ています。
Unsuk Chin - Violin Concerto & Rocana
AN2 9944
\2200
ケント・ナガノ&モントリオール交響楽団
 チン・ウンスク(b.1961):作品集

  (1)ロカナ(光の部屋)(2008)
  (2)ヴァイオリン協奏曲(2001)
ヴィヴィアン・ハーグナー(Vn)
ケント・ナガノ(指揮)
モントリオール交響楽団
韓国が生んだ注目作曲家、チン・ウンスク、初演者のソロと指揮で聴く究極のヴァイオリン協奏曲

録音:2008 年3 月3,4 日(1)/ 2008 年1 月15,16 日(2)

 サンスクリット語で「光の部屋」を意味する「ロカナ」。チン・ウンスクによるとタイトルは特に特別な意味はないとのこと。しかし、オーケストラの各楽器が、互いのパートを繊細に模倣や反映を繰り返すさまは、光が部屋や水の中で様々に変化しているかのようです。色彩と光に満ちた魅惑の作品。ヴァイオリン協奏曲は、チン・ウンスクが2001/02 のシーズンにベルリン・ドイツ響のレジデンス・コンポーザーを務めていたときの委嘱作品。2002 年、ケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ響、ヴィヴィアン・ハーグナーのヴァイオリンで初演され、すでに10 以上の国で演奏されています。ソロのヴァイオリンと、それに対するオーケストラの打楽器的な書法が印象的なヴァイオリン協奏曲。オーケストラの各パートが強烈な個性を示しながら展開していき、様々な要素が見事に融合した作品。4 楽章から成っています。ケント・ナガノの確かな采配が魅力です。
チン・ウンスクは1961 年ソウル生まれの女性作曲家。1985 年、3 つのチェロのための「Spektra」でガウデアムス賞を受賞。1988 年ハンブルクでリゲティに師事。現在のアヴァンギャルドの作品にとらわれないようアドヴァイスされました。2006 年からはソウル・フィルのレジデンス・コンポーザーを務めています。2007 年にはオペラ「不思議の国のアリス」がバイエルン国立歌劇場によって初演されます。2009 年のサントリーホールサマーフェスティバルでも来日し、話題となりました。

Bruckner: Symphony No. 7 in E Major
AN2 9893
\2200→\1990
ジャン=フィリップ・トランブレ指揮&フランコフォニー・カナディエンヌ管
 ブルックナー:交響曲第7番
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
圧巻のアダージョ、カナダの俊英トランブレ、堂々たる7 番

録音:2006 年8 月

 カナダの俊英指揮者、トランブレによるブルックナーの7 番。ハース版に基づいていますが、アダージョのクライマックス(練習番号W)ではブルックナーが自筆譜に糊づけした紙片に書きいれたシンバルを用いています。
 ハース版ではこのシンバルは信頼性が薄いとして削除しましたが、8 番のアダージョのやはりクライマックスでシンバルが打ち鳴らされるとする研究者達の指摘なども考慮して、このようなかたちとなりました。エネルギーに満ちた演奏が展開されています。


AN2 9916
\2200→\1990
ジャン=フィリップ・トランブレ指揮&フランコフォニー・カナディエンヌ管
 ブルックナー:
  交響曲第4番「ロマンティック」

  (1889年の版&ブルーノ・ワルター、
   トスカニーニの演奏録音に基づくトランブレ版)
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
カナダの俊英トランブレが築き上げる新しいブルックナー像

録音:2008 年8 月

《版について》
 「このレコーディングで用いた版は、注意深く考察・調査した結果ですが、一番の目的は、ブルーノ・ワルター、そしてトスカニーニが演奏した版を発見(再発見)するということでした。ここで基準となったのは、どれが「絶対的な」ものかを探る、ということではありません。この若いオーケストラに、様々な可能性、様々な選択を探るという新たな学びを体験してほしいという思いからでした。1889 年版を規範に、ワルター、そしてトスカニーニの録音を注意深く聴いて版を設定しました。発見の精神に満ちた演奏になったと思います。」(トランブレのコメント/ライナーノートより抄訳)
Marianne Fiset sings songs by Ravel, Debussy & Dvorak
AN2 8761
\2200
マリアンヌ・フィセ
 フランス歌曲集

  (1)ラヴェル:シェエラザード(全3曲)
  (2)ドビュッシー:抒情的散文(全4曲)
  (3)ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より「月に寄せる歌」
マリアンヌ・フィセ(S)
マリー=エヴァ・スカルフォン(Pf)
カナダで大人気の歌手、マリアンヌ・フィセ、フランス歌曲集

録音:2007 年9 月

カナダの大人気歌手、フィセによるフランス歌曲とドヴォルザークの魅惑のアリア。ピアニストを務めるのはフィセと2005 年以来共演を重ねているスカルフォン。ドビュッシーの濃密な世界は聴きもの。ドヴォルザークのアリアもしっとりと聴かせてくれます。
Melodiya
AN2 9962
\2200
マリアンヌ・フィセ
 
魅惑のロシアの声楽作品集
 ムソルグスキー(編/I.マルケヴィッチ):
  (1)安らかに眠れ、農夫の息子 (2)おしゃべりのかささぎ
  (3)夜 (4)星よ、おまえはどこに (5)みなしご
  (6)ドニエプル川で
 ラフマニノフ:
  (7)「美しい人よ、私のために歌わないで」 op.4-4
  (8)「ここはすばらしい場所」op.21-7 
  (9)「夢」op.8-5 (10)「私は悲しい恋をした」op.8-4
  (11)「春の洪水」op.14-11
 グリンカ:
  (12)「疑い」 (13)「お前を知ったばかりに」 (14)「舟歌」
 (15)チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より
  第1幕第2 場 タチヤーナの手紙の場面
マリアンヌ・フィセ(S)
(7)-(14)マリー=エヴァ・スカルフォン(Pf)
(1)-(6)・(15):
 ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)
 カナダ放送管弦楽団
カナダで大人気の歌手、マリアンヌ・フィセがつむぐ魅惑のロシアの声楽作品集

録音:2009 年

「北に住む私達は、物事の感じ方が異なります。私達の魂の深いところまで届くかと思えば、まったく私達の心に響かないものもあります。私達にとって、愛はいつも悲しみと紙一重のものです。」とは、ロシア音楽の精神的な父、グリンカの言葉。そんなグリンカの、主にドイツ歌曲と、ロシア正教会の流れを汲む魅惑の歌曲を中心に、ムソルグスキーらの歌曲や、チャイコフスキーのアリアなど、ロシアの魅惑の作品が並びます。マリアンヌ・フィセはカナダで大人気の歌手です。

Trahisons/Betrayals
AN2 9952
\2200→\1990
ジャン=フィリップ・トランブレ指揮&フランコフォニー・カナディエンヌ管
 男女をめぐる物語〜TRAHISONS/ BETRAYALS (裏切り、不貞)

 (1)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」op.20
 ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
  (2)序曲 (3)イゾルデの死 (4)第3幕への前奏曲
 (5)T.デュボワ:アドニス
 (6)C.シャンパーニュ:交響詩「ヘラクレスとオムパレ」
アメリー・ブノワ=バスティアン(SoloVn(1))
メリッサ・スコット(SoloOb(1))
カミーユ・ジャンドロ
 (イングリッシュ・ホルン[(2)-(4)])
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
永遠のテーマ、男女をめぐる物語に基づく作品を集めた一枚

録音:2008 年7 月

 世界に伝わる、男女の恋や間柄をめぐる様々な物語に基づく作品を集めた一枚、題して「TRAHISONS/ BETRAYALS ( 裏切り、不貞)」。中世スペインが生んだドン・ファンの物語に基づくR. シュトラウスの作品にはじまり、ケルトの伝説「トリスタンとイズー(イゾルデ)」に基づくワーグナー作品とつづきます。デュボワの作品は、女性と深い関係の物語がある一方で、再生や目覚めをもつかさどるアドニスの物語に基づきます。そしてヘルメスによって、女神オムパレに売られたヘラクレスの物語に基づくシャンパーニュ(モントリオール出身の作曲家、この作品は1918 年、シャンパーニュが27 歳の時に書かれました)の作品と興味深いラインナップ。トランブレ率いる楽団の、官能的なハーモニーに酔いしれたい1 枚です。

APARTE


AP 039
\2500
ショパンを思わせる女流ピアニスト、カーチャ・ブロンスカ
 R.シューマン(1810-1856):蝶々 Op.2、子供の情景 Op.15
 F.ショパン(1810-1849):
  マズルカ ホ短調 Op.41-2、ノクターン 変ホ長調 Op.55-2
カーチャ・ブロンスカ(Pf)
 絶品の詩情、極上のルバート、ポーランド生まれショパンを思わせる女流ピアニスト、カーチャ・ブロンスカ

 録音:2012 年1 月(パリ)/47’53

 カーチャ・ブロンスカは、ポーランドに生まれ、現在パリで活躍する女性ピアニストです。大規模なホールでのコンサートよりも親密な雰囲気のホールを好むこともあり、知る人ぞ知る的な存在ではありますが、その演奏を一度聴けば、きらびやかではないけれどもいぶし銀のような輝きを放ち、色彩感覚に優れた美しい音色、そして豊かな詩情に誰もが虜になってしまいます。メニューインも、彼女の演奏を聴いて「私は打ちのめされた!彼女はショパン作品を、緻密で見事なルバートをもって、魅惑の時の旅へといざなうような絶妙なテンポで演奏する」と絶賛しています。1987 年に、フランス財団のグランプリに輝きました。マルグリット・ロンに師事したクリスティナ・ヤストルゼフスカに師事、その後もイヴォンヌ・ルフェーブルや、ペルルミュテールにも師事しました。
 今回カティアが取り上げたのは、奇しくも同じ年に生まれ、同じ時代を生たシューマンとショパンのピアノ作品集。非常にゆったりとした「トロイメライ」で聴かせる自然なフレーズの緩急づけは感動的。また、ショパンのマズルカでは彼女のポーランドの血が実に自然にショパンの物悲しい世界を描きます。
ノクターンで聴かせる詩情はちょっと他では得られないもの。絶妙なテンポ設定と、詩情豊かな音色によるショパンとシューマンを、心行くまでたっぷりと堪能できる1枚です。

ATMA CLASSIQUE


ACD2 2630
\2000
英国の歌曲とアンセム集
 (1)マーティン・ピアソン(v.1572-1651):おお、汝の足元に
 (2)ジョン・コプラリオ:おお、貧しく取り乱した世界よ
 (3)ヘンリー・パーセル(1659-1695):わたしの目は涙を流し
 (4)ロバート・ラムジー(?-1644):罪深き夜に
 (5)トマス・ルーポ(1571-1627)またはセオフィラス・ルーポ(?-1650):
  おお主よ、来りて我が嘆きに憐みをたれたまえ
 (6)マシュー・ロック(1622-1677):主よ、あなたに答え
 (7)ヘンリー・パーセル:罪深き夜に
 (8)ジョン・ブロー(1649-1708):
  私は言った。私は生涯の半ばで、よみの門にはいる。[イザヤ38:10]
 (9)ジョン・ミルトン(v.1563-1647):もし罪人の溜め息が
 (10)ヘンリー・パーセル:主よ、わたしはあなたに感謝をささげます
 (11)ウィリアム・クロフト(1678-1727):主において喜びなさい
 (12)トマス・ウィールクス(1576-1623):汝がまもっている人は幸いなり
レ・ヴォワ・バロック
ユリア・ヴァン・ドーレン(Sop)
シャノン・メルセル(Sop)
マシュー・ホワイト(Alt)
チャールズ・ダニエルズ(Ten)
タイラー・ダンカン(Br)
ロバート・マクドナルド(Bas)
アレクサンダー・ワイマン(指揮)
レ・ヴォワ・バロック
 かつて英国で一世を風靡した“メランコリー”を、気鋭のバロック集団が忠実に再現!

録音:2009 年8 月 ユニタリアン教会( カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州ヴィクトリア)

 カナダを代表する古楽団体、レ・ヴォワ・バロック(バロックの声)による英国の声楽作品集。16 世紀から17 世紀にかけて、イギリス音楽はその様式・性格において非常に独特な雰囲気を持っていました。当時のイギリスで流行していたのはメランコリー(憂鬱さ)。他に讃美歌なども収録され、当時の英国の空気をたっぷりと感じさせてくれます。
 レ・ヴォワ・バロックは声楽ソリストの団体で、ルネサンスからバロックの時代の作品を中心に演奏しています。編成の小さなものから、フル・ステージのオペラまでマルチな活躍で注目を集めています。このアルバムでも歌手として参加しているマシュー・ホワイトの後任となる、新音楽監督アレクサンダー・ヴァインマン(パシフィック・バロック・オーケストラの音楽監督)のもと、ますます魅力的な活動を展開しています。

ACD2 2675
\2000
4ブエノスアイレス
 (1)ブエノスアイレスの四季
  I.ブエノスアイレスの夏 II.ブエノスアイレスの秋
  III.ブエノスアイレスの冬 IV.ブエノスアイレスの春
 (2)5つのタンゴ・センセーション
  I.眠り II.愛 III.不安 IV.目覚め V.恐怖
 (3)天使の組曲
  I.天使のタンゴ II.天使の死 III.天使の復活
  IV.天使のミロンガ
 (4)忘却(オブリビオン)
 (5)リベルタンゴ
 (6)夢
 (7)アディオス・ノニーノ
デニス・プランテ(Bdn)
ダヴィッド・ジャック(G)
タンゴの新星デニス・プランテがタンゴの革命児アストル・ピアソラの名曲に挑む!

録音:2012 年2 月(カナダ)

 カナダを代表するバンドネオン奏者であるデニス・プランテが、ついに巨匠ピアソラの名曲に挑戦しました。数々の輝かしい賞を受賞した彼自身の作品集「タンゴ・ボレアル」(ACD2 2661) も好評だっただけに、期待も高まります!現代タンゴ界において国際的にも高く評価される、プランテのユニークな演奏と曲想へのアプローチを、どうぞお聴き逃しなく!
 プランテと共にピアソラの熱い世界を展開するのはベテランギタリスト、ダヴィッド・ジャック。彼は、これまでに50 以上の録音でプランテをはじめ様々なアーティストと共演、また世界各国で演奏家としても活動してきました。その傍ら、音楽大学で教鞭まで執るほどの実力に裏打ちされた演奏は、非常に胸に迫るものがあります。

AUDITE


AU 92687
(SACD HYBRID)
\2500
モーリッツ・エッゲルト:無限の多様性をもつ音楽
 (1)私はこの世に忘れられて(2010)
  (声、エレクドリック・ギター、ピアノ、弦のための)
 (2)Tetragrammaton(2009)
 (3)大鴉「二度とない」序曲(室内オーケストラのための)(1991)
 (4)アダージョ−問いに対する答え(1994/2011)
  (室内オーケストラのための)(カタリーナ・スザンネ・ミューラー編)
 (5)永遠の歌(1985/89)(弦楽器のための)
 (6)3つの魂(2002)(ヴァイオリンとピアノのための)
インガ・フンペ(声)
アドリアン・イリエスク(Vn)
モーリッツ・エッゲルト(Pf)
シュトゥットガルト室内管弦楽団
ミヒャエル・ホフシュテッター(指揮)
新世代作曲家、エッゲルト作品集。マーラーへの今様オマージュ、ポップス歌手による「私はこの世に忘れられて」からポーの「大鴉」の狂気世界を彷彿とさせる作品まで多様な世界!

録音:2011 年9 月

 「作曲家とは、その頭の中に、生み出されるべき音楽をたくさん持っている人です。・・・芸術家として、私たちは、特定の時代の感情の記録者でありますそしてもし私たちがラッキーであれば、私たちの記録はささやかながら輝きを放ち、道を照らすのです」(エッゲルトの言葉)。ここに収録された様々な作品は、これらの感情や道がいかに多様性に満ちているか、ということを示しています。
 1 曲目の「私はこの世に忘れられ」を歌うのは特別ゲスト、2raumwohnung(ベルリンで人気のポップ2 人組歌手)のインガ・フンペ。ポップス歌手とオーケストラによる、マーラーへの今風のオマージュとなっています。
(3)の大鴉「二度とない」は、想像上のオペラのための序曲。ポーの物語詩「大鴉」に出てくる鴉が「二度とない」と鳴くところから題名がとられています。曲は絶えず変容するプロセスに基づいていますが、ただ、その変容があまりに急速なため聴き手は認識できないというなんとも難解なもの。と同時に、美を強烈に意識した作品でもあり、なぜか懐かしい感じも覚えますが、ポーの作品と同様どこか狂気の世界へと導く不思議な作品です。
 エッゲルトは1965 年ハイデルベルク生まれ。ドイツの様々なアンサンブルなどからの委嘱作品も多く、また、その作品も10 のオペラ作品から、舞台や舞踊のための音楽まで実に様々です。ピアニストとしても活躍しており、親交の深い作曲家ヘンツェのピアノ作品をコンサートで全曲弾いた初めてのピアニストでもあります。

AURORA



ACD 5067
\2500→\2290
9人のヴァイオリニストのための9つのソロ曲
 (1)グレン=エーリク・ハウグラン:
  自分が自分の味方をしないで、誰が味方をするだろう (2007)
   グーロ・クレーヴェン・ハーゲン(Vn)
 (2)シュンネ・スコウエン:アリスに別の入口を (2010)
   クリストフェル・トゥン・アンデシェン(Vn)
 (3)マルクス・パウス:橋の上の婦人たち
   ソノコ・ミリアム・シマノ・ヴェルデ(Vn)
 (4)ストーレ・クライベルグ:灰 (2010)
   ヴィクトリア・プッテルマン(Vn)
 (5)シェティル・ヴォスレフ:ヴァイオリン・ソロ II (2009)
   サラ・チェン(Vn)
 (6)ギスレ・クヴェルンドク:鏡の国のアリス (2008)
   ミリアム・ヘルムス・オーリエン(Vn)
 (7)ヤン・エーリク・ミカルセン:ヴァイオリンのための小品 (2011)
   メリンダ・チェンキ(Vn)
 (8)ダーグフィン・コック:彫像−ある魂がかつて歌った歌を再発見するため
  (アッラン・ペッテション) (2009)
   マデレーネ・ベルグ(Vn)
 (9)オラヴ・アントン・トンメセン:
  一枚の絵をめぐり『月明かりの海辺の接吻』(ムンク 1914 年)(2010)
   アン・ホウ・セーテル(Vn)
新時代ノルウェーのヴァイオリニストたちによる新時代のヴァイオリン音楽

74’09”

 今日のノルウェーでは新しい世代のヴァイオリニストたちが次々と音楽シーンに登場してきています。当アルバムに登場する9人のヴァイオリニストは、1990 年から1996 年の間に生まれ、オスロのバラット=デゥーエ音楽学校に学びました。
 9 人が演奏する曲を書いたのは、グレン=エーリク・ハウグラン(1961-)、シュンネ・スコウエン(1950-)、マルクス・パウス(1979-)、ストーレ・クライベルグ (1958-)、シェティル・ヴォスレフ(1939-)、ギスレ・クヴェルンドク(1967-)、ダーグフィン・コック(1964-)、オラヴ・アントン・トンメセン(1946-) らノルウェーのベテランと新進の作曲家。北欧の若い音楽家たちからの委嘱がひっきりなしというヤン・エーリク・ミカルセン(1979-) の曲も注目されます。
 これら9 曲は、ほとんどがこのディスクで演奏するヴァイオリニストのために書かれ、ベルゲン国際フェスティヴァルあるいはヴァルドレスで6 月に行われる室内楽フェスティヴァルで初演されました。

ACD 5061
\2500
エレン・ウゲルヴィーク(Pf)
 (1)クリスチャン・ブルム:鍵盤の詩 (2007-11)
 (2)ラッヘンマン:セリナーデ (1998/2000)
 (3)クリスチャン・ヤクシェー:
  想像的なものとの出会い (2009/10)(増幅ピアノと電子音のための)
エレン・ウゲルヴィーク(Pf)
興味津々。日本人に捧げられたラッヘンマンのピアノ曲

 [ 録音:2009 年11 月8 日-10 日/ソフィエンベルグ教会 (オスロ)(2)、2011 年5 月30 日-31 日、6 月1 日/ヴェストフォッセン教会(ノルウェー)]/60’16”

 現代音楽の分野に積極的で、ジョージ・クラム《マクロコスモス I-II》がノルウェーのスペルマン賞2008 年最優秀現代音楽アルバムに選ばれたピアニスト、エレン・ウゲルヴィーク(1971-) のソロ第2 作。
 今日ヨーロッパでもっとも大きな影響力をもつ作曲家のひとりのラッヘンマン(1935-) を中心に、1970 年代生まれのノルウェー作曲家が彼女のために書いた作品を演奏しています。
ラッヘンマンの《セリナーデ》は、互いに干渉する「2 つの曲」を重ねて演奏する音楽。ピアニストには高度の技術が求められ、聴き手はピアニストが生む音と響きの世界にひたすら身を委ねればいい。曲名が「セレナーデ」でなく "y" となっているのは、作品を献呈したピアニストの菅原幸子 "Y"ukiko Sugawara の名にちなむ故意の誤字。クリスチャン・ブルム (1974-) は、オスロ近郊に住み、動く彫刻と機械的装置と作曲の仕事をしています。《鍵盤の詩》は、「スタッカートのクラスターコードの壁の背後に音楽の詩的な核が隠された前半とエリク・サティを思わせるコード配列の後半」の2 部分からなる、ピアノという楽器の音色をさらに追求した作品。クリスチャン・ヤクシェー(1973-) はオスロの生まれ。即興法、作曲、エレクトロ=アクースティック音楽を学び、トロンボーン奏者としても活動しています。《想像的なものとの出会い》の副題は《ユリシーズ》。ホメロスの『オデュッセイア』に語られるセイレーンたち。その歌声で船乗りを誘ったという海の精たちは、どんな響きで歌を歌ったのかを「リングモジュレーションによる電気的機械的に増幅されたピアノと電子音」によって探る試み。ラッヘンマンの《セリナーデ》が素材に使われています。

ACD 5075
\2500
現代北欧チェロ協奏曲集
 (1)ネアゴー:チェロ協奏曲第2番《モーメンタム》 (2009)
 (2)ヌールハイム:テネブレ(チェロと室内管弦楽のための協奏曲) (1982)
 (3)サーリアホ:アメール (チェロ協奏曲第1番) (1992)
ヤコブ・クルベア(Vc)
シモン・ビヴァレツ(指)
ニューミュージック・オーケストラ
デンマークのチェロ奏者クルベアによる現代北欧協奏曲集

DDD

 ヤコブ・クルベアは1976 年オーフスに生まれ、オーフスの王立音楽アカデミー、アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ザグレブで学んだ後、コペンハーゲンの王立音楽アカデミーでモーテン・ソイテンに師事。現代デンマークを代表する作曲家のひとり、ペーア・ネアゴーとの共同作業でも知られ、ネアゴーがクルベアのために作曲したチェロソナタ第4 番《根茎》は、オルードバラ・フェスティヴァルで初演され、高い評価を得ました。
 チェロ協奏曲第2 番《モーメンタム》もグルベアのために書かれ、タイトルの「モーメンタム」は「勢い、はずみ」を意味し、「ゆっくりと瞑想する孤独感から、新たに生まれる人間の連帯感を経て、最後には『無限』の感情を呼び起こす」という音楽全体の物語を示しています。
 アルネ・ヌールハイムの代表作のひとつ《テネブレ》 ( 復活祭の前週、聖週間の最後の3 日間の洗足木曜日、聖金曜日、聖土曜日の朝課と賛歌) は、ロストロポーヴィチが1982 年に初演し、トルルス・モルクの録音で知られるようになったチェロ協奏曲。
 フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホの《アメール》は、彼女が住むパリの IRCAM と、ロンドンのバービカンセンターから共同委嘱され、アンシ・カルットゥネンのために作曲されました。「航路標識」を意味するタイトルは、ノーベル文学賞を受けたフランスの詩人サン=ジョン・ペルス ( アレクシ・レジェ)(1887-1975) の著作から借用されました。作曲者は独奏チェロを「音の海を航行する船乗り」になぞらえています。
 ニューミュージック・オーケストラは、ポーランドのカトヴィツェの室内アンサンブル。1996 年にシマノフスキ音楽アカデミーの学生をメンバーにより「今日の音楽」を演奏することを目的として創設されました。

AVANTI CLASSIC



5414706 10332
(SACD Hybrid+
ボーナスDVD[PAL])
\2700→\2490
レヒナー&ティエンポ姉弟〜タンゴ尽くしのアルバム
ピアソラ:
 (1)ミケランジェロ70(F. フシド編)
 (2)レヴィラド(P. シーグレル編)
P.シーグレル:
 (3)エル・エンペドラド (4)サンドゥンガ
 (5)アスファルト? 
F.フシド:
 (6)タンゴ・ラプソディー(2台のピアノとオーケストラのための) 
 (7)シーグレル:ミロンゲータ 
ピアソラ(P. シーグレル編):
 (8)天使の死 (9)アディオス・ノニーノ 
(10)フシド/コーデラー:「瞳の奥の秘密」
デュオ・レヒナー・ティエンポ
 【カリン・レヒナー(Pf)&
  セルジオ・ティエンポ(Pf)】、
ヤシェク・カスプシク(指揮)
スイス・イタリアーナ管弦楽団
レヒナー&ティエンポ姉弟、圧巻の熱演!ピアソラ、シーグレルほか、タンゴ尽くしのアルバム、フシドのタンゴ・ラプソディーは世界初録音!

録音:2011 年1 月、オーディトリアム・ステリオ・モロ(ルガーノ、スイス) (6)2010 年6 月22-24 日、パラッツオ・デイ・コングレッシ(ルガーノ)ライブ録音

 SACD Hybrid 盤。
 デュオ・レヒナー・ティエンポは、カリン・レヒナー& セルジオ・ティエンポの姉弟から成るピアノ・デュオ。かのアルゲリッチにも認められた名コンビが今回収録したのは、ピアソラ、シーグレル、フシド、とまさにアルゼンチン・タンゴ尽くしのプログラム!
 ピアソラの名曲の数々をピアノ連弾で演奏していることも注目されますが、本アルバム最大の聴き所はフェデリコ・フシドの「タンゴ・ラプソディー」!映画音楽などでも活躍するフシドがこのデュオのために作曲した作品で、2010 年ルガーノ音楽祭で行われた世界初演のライブ音源となります。2 台のピアノとオーケストラのための本作は、一つの男女の恋愛劇を見ているようなドラマティックな展開が魅力的。艶やかで流麗な旋律もあれば、感情をぶつけ合うような激しい掛け合いもあります。名匠カスプシク率いるスイス・イタリアーナ管弦楽団の鮮烈な演奏も見事ですが、やはり聴きどころはレヒナー& ティエンポ姉弟の息を呑む熱演。
 これでもかと連発する超絶技巧の掛け合いと多彩な表現力に圧倒されます。ボーナスDVD ではこの演奏風景を収録。演劇のようなパフォーマンスもあり、タンゴ・ラプソディーを情熱的に“演じる” 姉弟の演奏模様は必見です!
 ボーナスDVD はPAL 方式で記録されており、通常のNTSC 方式のDVD プレーヤーやTV では再生することができません。DVD 再生が可能なWindows PC やMac のほか、マルチシステム対応AV 機器などで再生することが可能です。ご了承のうえお求めくださるようお願いいたします。

BIS



BIS SA 1961
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
鈴木雅明(指揮)&バッハ・コレギウム・ジャパン
 J.S.バッハ:カンタータ全集Vo.51

 (1)第120番a「主なる神、万物の支配者よ」BWV120a
 (2)第157番「汝われを祝せずば」BWV157
 (3)第192番「いざやもろ人、神に感謝せよ」BWV192
 (4)第195番「光は義しき人のために射し出で」BWV195
ハナ・ブラシコヴァ(Sop)
ダミアン・ギヨン(C-T)
クリストフ・ゲンツ(Ten)
ペーター・コーイ(Bs)
鈴木雅明(指揮)
バッハ・コレギウム・ジャパン
華麗かつゴージャス。BCJによる結婚式用カンタータ

[ 録音:2011 年6 月/神戸松蔭女子学院大学チャペル]/80’18”

 SACD ハイブリッド盤。
 BCJ のカンタータ第51 集は1730 年前後に作られた4篇が収められています。
 結婚式用の第120 番a「主なる神、万物の支配者よ」と195 番「光は義しき人のために射し出で」、葬儀用の第157 番「汝われを祝せずば」などの機会作品のため、華やかだったり憂愁に満ちていたりと、通常の教会カンタータとは異なる味わいが新鮮です。ことに「汝われを祝せずば」でのオーボエ・ダモーレとヴィオラ・ダモーレの憂いに翳る音色は魅力的です。「主なる神、万物の支配者よ」の真ん中に置かれたオルガンと管弦楽により奏されるシンフォニアは、何と「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006」の前奏曲と同じ音楽であるのも興味津々。鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの魔術的妙技をたっぷり堪能できます。


BIS SA 1959
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
38 名の室内管弦楽団による「悲愴」!
 ダウスゴー&スウェーデン室内管

チャイコフスキー:
 (1)交響曲第6番ロ短調「悲愴」
 (2)幻想序曲「ロミオとジュリエット」
トーマス・ダウスゴー(指)
スウェーデン室内管
まるでバレエ音楽。目から鱗!こんな「悲愴」聴いたことがなかった!

[ 録音:2011 年9 月/ウレブルー・コンサートホール(スウェーデン)]/62’21”

 SACD ハイブリッド盤。チャイコフスキーの悲愴交響曲はロシア音楽ならではの物々しく分厚い響きで奏されるのが常識となっています。それをダウスゴーが全38 名の室内管弦楽団で初披露。
 話題となった交響曲第2 番(BIS SA 1829) に次ぐダウスゴーのチャイコフスキー第2 弾で、まさに目から鱗の落ちる内容となっています。何より驚くのはその軽快さと爽やかさ。まるでバレエ音楽で、「悲愴」が「くるみ割り人形」と同時期の作品であることを再認識させてくれるだけでなく、あの威圧的な第3楽章のマーチでさえバレエの舞台を彷彿させます。
 ダウスゴーの指揮は全く粘らず、さらさらと軽いので、チャイコフスキーの音楽がメンデルスゾーンに聴こえてくるかのよう。とにかく驚きの発見の連続で、「悲愴」に興味のある向き必聴。この名作のイメージを完全に一新してくれる凄すぎる新譜です。


BIS SA 1980
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
アラン・ペッテション:交響曲第6番 (1963/6) クリスチャン・リンドベルイ(指)
ノールショピング交響楽団
これは音楽による暴力だ!

[ 録音:2012 年1 月/ルイス・デ・ギア・コンサートホール(ノールショピング)]/74’10”

 SACD ハイブリッド盤。
 アル中でDV の父と病弱な母の間で、悲惨な成長期をたどったアラン・ペッテション(1911-1980)。その人生が反映されたような、暗く激しい音楽は長く不当に無視されてきましたが、BIS が最新録音で次々日の目を見せてくれています。彼の作品はひたすら露悪的で、聴き手を楽しませたり美しい時を供給しようという気の全くない私小説的音楽。中でも最凶作品のひとつに数えられる交響曲第6番は1968 年の作で、74 分にわたり暗黒か鋭い牙で襲いかかってくる、世にも珍しい音楽的暴力。
 陽性で優しいクリスチャン・リンドベルイが驚くほどの凶暴性を発揮しているのも聴きものです。

BIS SA 1946
(SACD HYBRID)
\2600
カレヴィ・アホ:オルガン曲集
 (1)3つのインタリュード (1993)
 (2)オルガン交響曲「すべてうつろいゆくものは」(2007)
ヤン・レヘトラ(Org)
真夏の北極海、白夜。オルガンによる涼しげな不思議音響

[ 録音:2010 年10 月/聖ヨハネス教会(マルメ。スウェーデン)]/70’12”

SACD ハイブリッド盤。
 カレヴィ・アホといえば交響曲をはじめとするオーケストラ曲のイメージが強いですが、興味深いオルガン曲もものしています。
 オルガンは高性能シンセサイザーばりの宇宙的、未来的音響を持っていますが、まさにアホの作品は真夏の北極海や白夜を描いていてこの世のものとは思えぬ音響を生み出しています。夏の暑い時期に爽やかな冷風をそよいでくれます。フィンランドの名手レヘトラの懇願で生まれたオルガン交響曲は、ゲーテの「ファウスト」の一節をタイトルとし、天国と地獄をオルガンで描いています。


BIS 1889
\2500→\2290
シベリウス:合唱作品集
 ヨルマ・ヒュンニネン&モニカ・グロープも参加

 (1)恋する人Op.14/(2)歌いつぶした声Op.18の1/
 (3)船の旅Op.18の3/(4)島の火Op.18の4/
 (5)わが心の歌Op.18の6/(6)つぐみのように慌ただしく/
 (7)祖国に/
 (8)イタリア民謡編曲(トリッポーレ;おお、カロリーネ)/
 (9)水車を聞け/
 (10)嘆くことなく/(11)陸と海から来た人たちOp.65 の1/
 (12)幼子の飼葉桶に/(13)ようこそ、王女よ/(14)大地は息づく/
 (15)響け、神への栄誉を讃え/
 (16)対位法練習
  【朝と夕べの門/王は夢みた/主の日は来たれり/
   船乗りは主に感謝せよ/主よ、あなたは岩】/
 (17)3つのアンティフォナ/(18)フィンランディア讃歌
セッポ・ムルト(指)
ドミナンテ合唱団
フォルケ・グラスベック(Pf)
ハッリ・ヴィータネン(Org)
ヨルマ・ヒュンニネン(Br)
モニカ・グロープ(Ms)
ソロも豪華。心洗われるシベリウスの合唱作品

[ 録音:2009 年10 月、2010 年1, 2, 4 月/パヴィリョンゲン(グランクッラ。フィンランド)]/DDD、64’55”

 シベリウスの合唱作品は「シベリウス大全集Vo.11」(BIS 1930/2) ですべて聴くことができますが、ここではフィンランド屈指の名門合唱団ドミナンテの名技で楽しめます。うれしい驚きは、名バリトンのヒュンニネンとメゾソプラノのグロープが参加していることで、一段と華やかさを増しています。グラスベックのピアノやヴィータネンのオルガンも雄弁ですが、最後に唱されたアカペラによる「フィンランディア讃歌」は稀代の名演。涙なしには聴けません。


BIS 1789
\2500→\2290
シャロン・ベザリー(Fl)
 笛は夢見る〜南半球のフルート協奏曲

 (1)ホセ・セレブリエール:フルート協奏曲 (2008)
 (2)アディーナ・イザラ:キバラオオタイランチョウ (1987, 2007)
 (3)カール・ヴァイン:笛は夢見る (2003)
 (4)アルベルト・ヒナステラ:プーナの印象 (1934)
シャロン・ベザリー(Fl)
リチャード・トニェッティ(指)
オーストラリア室内管
まるでワールドミュージック。南半球のフルート音楽

DDD、60’23”

 新しい領域を次々と開拓していくフルートの女神シャロン・ベザリー。次なる挑戦は南米とオーストラリアの作曲家によるフルートの協奏作品集。指揮者としても高名なウルグアイ出身のセレブリエールがベザリーのために作曲した協奏曲は、「タンゴ付」と題されたピアソラを思わすノリの良さ。ベネズエラの女性作曲家アディーナ・イザラの作品は、黄と茶色の美しい小鳥の学名。南米の夏の午後のアンニュイな雰囲気を醸し出しています。1987 年の作ですが、今回シャロンのためにカデンツァを加筆しました。現代オーストラリアの作曲家カール・ヴァイン作品もフルートの機能を最大限に追求した興味深いもの。トニェッティとオーストラリア室内管も自国の作品として、いつも以上に熱い演奏を聴かせてくれます。

BONGIOVANNI



GB 2562
\2400→\2190
マッテウッツィの歌うトスティのフランス歌曲集
トスティ:フランス歌曲集
 法悦
  (このお話をご存知ですか?,
   まだ、立ったまま黙り込んで,私の腕の中で)/
 オ・タイティの娘/全ては過ぎ、厭きが来て、毀れる!/
 さようなら、スザーン/スザーン/今日は、スザーン/
 秋/11月/最後の木の葉/小さなセレナーデ/愛よ!愛!/
 恋の病よ!/私は泣いているの!/ギター/
 フォルトゥニオの歌/私にそれを言わないで/
 カディスの娘たち/明日は!/偉大な王の時代に!
ウィリアム・マッテウッツィ(T)
小谷彩子(P)
マッテウッツィの歌うトスティのフランス歌曲集、日本語歌詞訳付き!

録音:2009-2010 年/DDD、71'16

 フランチェスコ・パオロ・トスティ(1846 − 1916)といえば魅力的な歌曲がたくさんあり、オペラ歌手のリサイタルで頻繁に歌われています。そのトスティにフランス歌曲でも名作が多々あることはある程度知られていても、実際にまとまって耳に出来る機会はあまりありませんでした。
 このCD では、名テノール、ウィリアム・マッテウッツィが柔らかい声でトスティのフランス歌曲を歌い上げています。
 伴奏は日本の名伴奏ピアニスト、小谷彩子。仏伊英日の四ヶ国語対訳付きです。

BPR(ブリュッセル・フィル・自主制作盤)



BPR 003
\2400→\2190
タバシュニク&ブリュッセル・フィル自主レーベル第3弾
 チャイコフスキー:
   (1)交響曲第6番 ロ短調「悲愴」 op.74
   (2)幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
ミシェル・タバシュニク(指揮)
ブリュッセル・フィルハーモニック
タバシュニク&ブリュッセル・フィル、自主レーベル第3弾はチャイコフスキー・プログラム!

録音: 2010 年6 月8-11 日(1)、2011 年12 月13-14 日(2)、スタジオ4(ブリュッセル)/64’09”

 映画「アーティスト」のサウンドトラックに携わったことでも話題を集めたベルギーの名門、ブリュッセル・フィルハーモニック(旧フランダース放送管弦楽団)が、自主レーベルBPR より注目の新譜をリリースしました!
 ドビュッシー(BPR 001)、ドヴォルザーク(BPR 002)に引き続き、第3 弾となる本アルバムはチャイコフスキー・プログラム!交響作品と小品を組み合わせた選曲は今回も健在で、交響曲第6 番「悲愴」と「ロメオとジュリエット」が収録されています。収録曲はいずれもチャイコフスキーの数多くの作品の中でも指折りの傑作。フランス的な柔らかい響きと豪傑でロマンティックな響きを併せ持つブリュッセル・フィルハーモニックならではの演奏に期待必至の注目盤です。録音は今回もスタジオ4!ヨーロッパで最高と評される音響環境で築き上げた綿密なアンサンブルは聴き所です。
 ブリュッセル・フィルハーモニック(旧フランダース放送管弦楽団)は、1935 年に創立された名門オーケストラ。ヨーロッパを中心に幅広い活動を行っており、古楽から現代音楽にいたるまで幅広いレパートリーを持つ実力派団体です。2008-2009 年シリーズからはスイスの名匠タバシュニクを音楽監督に迎え、現代音楽を交えた意欲的な演奏プログラムでますます注目を集めています!

C AVI



4260085532582
\2600\2390
「田園」弦楽六重奏編曲版!
 (1)ベートーヴェン(M.G.フィッシャー編):
  交響曲第6番「田園」ヘ長調op.68(弦楽六重奏版)
 (2)A.ヴァレンテ(*1959):
  シックス・トゥー・ミッドナイト(1999/2000)
ケルン六重奏団
 ファン必聴!ケルン六重奏団によるベートーヴェン:交響曲「田園」弦楽六重奏編曲版!弦楽器の多彩な響きと厚いハーモニーに魅せられる注目盤

 録音:2003 年、ドイチュランドフンク室内楽ホール(ケルン)

 ベートーヴェン・ファンの方必見の新譜!ケルン六重奏団が、ベートーヴェンの交響曲第6 番「田園」の弦楽六重奏版を収録した注目のアルバムをリリースしました。他の弦楽編成版と同じく、M.G. フィッシャーの弦楽六重奏版もまた演奏・収録の機会に恵まれない作品なだけに、ファン必聴のアルバムです!
 弦楽器のふくよかなハーモニーに加えて、木管楽器の美しいソロも印象的な「田園」。フィッシャーの六重奏版では、1st ヴァイオリンがフルートやオーボエ、2nd ヴァイオリンがクラリネット、ヴィオラとチェロがホルンやファゴットのパートを担当し、小さなオーケストラ・ハーモニーを作り上げています。
 原曲に比べて規模が小さくなってしまうのは否めませんが、原曲以上に各パートの旋律の魅力や、掛け合いの魅力がクリアに聞こえてくるのも確かです。ヴィオラとチェロが2 人ずついるため、他の四重奏版や五重奏版などに比べて、中低音域の響きが非常にしっかりとしているのも印象的!ケルン六重奏団の表現力も素晴らしく、多彩な音色と卓越したアンサンブルでオーケストラに劣らぬ厚いハーモニーを聴かせてくれます。弦楽六重奏のはずが、どこからかオーボエやホルンの音色が聞こえてくるような気もして、不思議な聴き心地に満たされましょう。原曲と聴き比べるもよし、オーケストラ・スコア片手に楽しむもよし。この機会にぜひ聴いて頂きたい注目盤です!
 また、本アルバムにはブラジルの現代音楽家ヴァレンテ(*1959)の作品も同時収録。シックス・トゥー・ミッドナイトは6 つの短い小曲からなる作品で、断続的な音の連続と、それらを繋ぐように響き続けるフラジオレットやグリッサンドのフラットな音の対比が印象的です。弦楽器の多彩な響きを堪能できるとともに、幅広いレパートリーを持つケルン四重奏団の実力にも唸るアルバムといえましょう。


4260085532483
\2600→\2390
クルークハルト:
 (1)弦楽四重奏曲 ヘ長調op.42
 (2)ピアノ五重奏曲 ト短調op.43
ケルン・プレイエル四重奏団
 (ピリオド楽器使用)
(2)トビアス・コッホ(Fp)
 再発見!ドイツ・ロマン派の響きあふれる名曲、ケルン・プレイエル四重奏団によるクルークハルト:弦楽四重奏曲&ピアノ五重奏曲

 録音:2010 年、ヨハネス教会(ケルン)

 2004 年にケルンで結成された注目のピリオド楽器演奏団体、ケルン・プレイエル四重奏団が、クルークハルトの弦楽四重奏曲とピアノ五重奏曲を収録した新譜をリリース!現在では殆ど演奏される機会に恵まれない不遇の作曲家クルークハルトですが、19 世紀ドイツものをレパートリーの中心とするケルン・プレイエル四重奏団にとっては十八番ともいうべきプログラム!ドイツ古典派とロマン派の響きを併せ持つ隠れた名曲を、彼らの極上の演奏で知ることができるのは、本アルバム最大の魅力といえるかもしれません。ピアノ五重奏ではフォルテピアノの名手トビアス・コッホを迎え、ピリオド楽器ならではの暖かみのある極上のアンサンブルを堪能できる1 枚に仕上がっています。
 アウグスト・クルークハルト(1847-1902)は19 世紀後半のドイツに活躍した作曲家。生前は指揮者としての活躍が際立ち、ヴァイマールの宮廷劇場の音楽を務めながらリストやワーグナーと親交を深めるなど、当時のドイツ音楽界の第一線に身を置き続けた音楽家でもあります。弦楽四重奏曲op.42 は彼が最初に作曲した四重奏作品。当時最高峰の名門として活躍していたヨアヒム弦楽四重奏団の演奏会で披露され、大成功を収めました。その後クルークハルトはこの団体へ敬意を表し、ピアノ五重奏曲op.43 を献呈しています。
 2 曲とも、超絶技巧的なパッセージで圧倒するというよりも、旋律の美しさや重厚なハーモニーに包み込まれるような魅力を持った作品。メンデルスゾーンの劇音楽を思わせる軽やかかつ鮮やかな表現、シューベルトの後期作品やブラームスを思わせる重々しくも流麗な旋律、シューマンの歌曲のような叙情性…どこか素朴でありながらも味わい深いメロディの数々が絶品の希少盤です。

CLAVES



50 1207
\2400→\2190
コンセルトヘボウのコンマス、プルナール率いるシャリース・ヴィルトゥオーゾ
 スヴェンセン(1840-1911):弦楽八重奏曲 イ長調 op.3
 ブルッフ:弦楽八重奏のための協奏曲 変ロ長調 遺作
シャリース・ヴィルトゥオーゾ
 あまり弾かれることのない、しかし非常に美しいスヴェンセン、ブルッフ2 つの弦楽八重奏曲、アムルテルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート・マスター、リヴィウ・プルナール率いるシャリース・ヴィルトゥオーゾによる演奏

 録音:2011 年8 月21-23 日、パウル・クレー・センター/DDD

 実力派揃いの弦楽アンサンブル、アムルテルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート・マスター、リヴィウ・プルナール率いるシャリース・ヴィルトゥオーゾによるスヴェンセンそしてブルッフの弦楽八重奏曲のアルバム。
 スヴェンセンはノルウェー生まれ、ライプツィヒ音楽院で学び、パリのいくつかの管弦楽団でヴァイオリニストを務めた後、ライプツィヒ、オスロ、コペンハーゲンで指揮者として活躍した作曲家でグリーグとともにノルウェーの国民主義音楽を代表する一人です。
 ここに収録された弦楽八重奏曲はスヴェンセン初期の作品で溌剌とした若々しさが際立ち、それぞれのパートに非常に美しいメロディが存在し、各パートのかけ合いが見事です。一方、ブルッフの弦楽八重奏曲は、彼らしい非常に甘美な旋律とロマンティックな作風で、こちらの作品も同様に各パートの美しさが際立ちます。弾かれることの少ない両作品ですが、決して見逃せない内容です!

COL LEGNO


WWE 20408
\2400
クレメンス・ガーデンシュテッター:
 (1)フルヒテン・アゴラゾーニエ1 (2009)〜2Pf, percとorch
 (2)アウフタクト (1997/9)
 (3)バラード1(リーザ・シュパルト詞)(1997)
(1)ヨハンナ・グレブナー
 ヴェロニカ・トリスコ(Pf)
 ヨーゼフ・グムピンガー、
 ゲルハルト・ヴィントバッヒャー(Perc)
 パスカル・ロフェ
(2)アルトゥーロ・タマヨ(指)
ウィーン放送交響楽団
(3)アンナ・マリア・パムマー(Sop)
 フロリアン・ミュラー(Pf)
 ラッヘンマン門下の逸材ガーデンシュテッター名作集

 DDD、77’58”

 1966 年生まれ、ラッヘンマン門下のオーストリアの作曲家クレメンス・ガーデンシュテッター。いわゆるノイズ系ゲンダイオンガクで、正常なリゲティといった印象です。「ポートレート」と題された当アルバムは、ガーデンシュテッター作品のスクリーンキャプチャーともいうべき内容で、聴覚現象が聴き手をどう感動させるかという明白例になっているとのこと。


WWE 60022
\2400→\2190
チロル音楽祭での「アルプス交響曲」とは出来過ぎ!
 グスタフ・クーン&チロル音楽祭管

 
 R.シュトラウス:アルプス交響曲Op.64
グスタフ・クーン(指)
チロル音楽祭管
クーンの真骨頂、語り口の自在さ光る本家本元の絶景アルプス交響曲

[ 録音:2010 年7 月(ライヴ)]/DDD、48’15”

 根強いファンを持つグスタフ・クーンの最新盤はオーケストラの機能を極限まで駆使した名作、R. シュトラウスの「アルプス交響曲」。2010 年7 月に行われたチロル音楽祭でのライヴですが、「クーンとチロル音楽祭管によるアルプス交響曲は、聴衆のみならず専門家筋までも納得させ、興奮させた」「指揮者の統率力から生まれる創造的自由さ」など絶賛されました。たしかにアルプス交響曲のような超大編成で複雑な作品はクーン向き。驚くべき統率力でオーケストラをまとめ、大絵巻のようにストーリーを語っていきます。チロルの音楽家たちも、地元だけにアルプスの風物は説明不要。まさに自宅にてアルプス旅行を楽しめます。

WWE 40401
\2400
スティーヴン・ダイヴァーソン:シャドウ・ウォーカー
 (1)捉えがたき感知II「ファイヤーライフ」(2008)〜Cl, Vn, Va, Vc
 (2)捉えがたき感知III「秘密の靄」(2011)〜Fl, Cl, Va, Vc, Trb, Drum
 (3)捉えがたき感知IV「月見」(2008)〜女声と10 楽器
 (4)捉えがたき感知V「渡り衝動」(2008)〜16楽器
 (5)エッシャーの薬学 (2011)〜Fl, Ob, Cl, Pf, Vn, Vc
 (6)さすらう影 (2011)〜Clと7 楽器
アンサンブル・ルシェルシュ
アンサンブル・モデルン
ニーナ・ヤンセン=ダインツァー(Cl)
アンゲリカ・ルツ(Sop)
ジーメンス音楽賞最年少受賞の俊英ダイヴァーソン

DDD

 2012 年ジーメンス音楽財団賞受賞作曲家シリーズ。スティーヴン・ダイヴァーソンは1985 年ノースハンプトン出身のイギリスの作曲家。王立ノーザン音楽大学、ロンドンの王立音楽大学にてジョナサン・コール、マーク・アンソニー・ターネイジに師事。さらにオリヴァー・ナッセン、ブライアン・ファーニホウ、ヴォルフガング・リームの教えも受けました。彼の音楽はまさに「捉えがたき」所のある不思議な作風が魅力です。

WWE 40402
\2400
エクトル・パラ:地平線の愛情
 (1)アーリー・ライフ (2010)〜Ob, Pf, St-trio
 (2)応力テンソル (2009/11)〜Fl, Cl, Pf, St-trio
 (3)地平線の愛情 (2011)
(1)(2)アンサンブル・ルシェルシュ
(3)エミリオ・ポマリコ(指)
 アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピカソやミロの絵画を想わせる音楽

DDD、60’14”

 2012 年ジーメンス音楽財団賞受賞作曲家シリーズ。エクトル・パラは1976 年バルセロナ生まれ、作曲をファーニホウやジョナサン・ハーヴェイに師事。彼の音楽は「構成する芸術」で、聴く者に瞬間的な知覚の豊かさを経験させてくれるとのこと。

WWE 40403
(2SACD HYBRID)
\4800
ハンス・トーマッラ:歌劇「未知なるもの」(全3場) メディア:アンネッテ・ザイトルゲン(Sop)
イアソン:シュテファン・シュトルク(Bs)
子:ユリア・シュペート(Sop)
 カルロス・サピエン(Ten)
シュトゥットガルト州立歌劇場ソロイスツ
ヨハネス・カリツケ(指)
シュトゥットガルト州立歌劇場管弦楽団
ギリシャ神話アルゴ船の物語が前衛的オペラに

91’ 25”

 2012 年ジーメンス音楽財団賞受賞作曲家シリーズ。ハンス・トーマッラは1975 年ボン出身のドイツの作曲家。フランクフルト高等音楽学校を経てスタンフォード大で音楽芸術学の博士号を修得。シュトゥットガルト州立歌劇場の芸術顧問としてラッヘンマンの「マッチ売りの少女」やシュレーカーの「烙印を押された人」の新制作も担当しました。2011 年7 月に初演された彼のオペラ「未知なるもの」は、ギリシャ神話の金の羊毛を奪回しにアルゴ船で船出する王子イアソンを題材としています。ベルカント風なところもありますが、典型的な「ゲンダイオンガク」です。

WWE 40404
\2400
ルーク・ベッドフォード:不思議な双頭の鶯
 (1)不思議な双頭の鶯 (2011)〜Vn, Va, 15 奏者
 (2)黄金の丘、太陽のスクリーンのわきで (2008)〜18奏者
 (3)明暗法 (2002/5)〜Pf-trio
 (4)摩天楼から異邦人たちを撃つ男 (2002)〜8奏者
 (5)歌曲集「Or voit tout en aventure」(2005/6)〜Sopと16奏者のための
(1)ジョナサン・モートン(Vn)
 ローレンス・パワー(Vc)
 スコティッシュ・アンサンブル
(2)(4)アンサンブル・モデルン
(3)ダラーフ・モーガン(Vn)
 ロビン・マイケル(Vc)
 メアリー・ドゥレア(Pf)
クレア・ブース(Sop)
(5)オリヴァー・ナッセン(指)
 ロンドン・シンフォニエッタ
イギリス的重厚さと気品を備えた現代音楽

DDD、58’11”

 2012 年ジーメンス音楽財団賞受賞作曲家シリーズ。ルーク・ベッドフォードは1978 年生まれのイギリスの作曲家。ロンドンの王立音楽大学で作曲を学び、ウィグモア・ホールのレジデント・コンポザーにも選ばれています。日本でも数年前にオーケストラ曲が演奏され、好評で迎えられました。

WWE 40405
\2400
ゼイネプ・ゲディズリョグル:カット
 (1)弦楽四重奏曲第2番「ススマ」(2007)
 (2)ピアノ三重奏曲「地中海」(2007)
 (3)小径 (2005)〜Cl, Vib, Pf-trio
 (4)不等式 (2006)〜Cl,Vc
 (5)三声の対話 (2005)〜Rec, Vn, Cem
 (6)壁に沿って (2008)〜Pf
 (7)あなたが私の話を聞くなら (2009)〜Sop, SQ
 (8)カット (2010)〜12奏者
アルディッティSQ
ミヒャエル・ディンネビェル(Vn)
ヘンドリク・フェルンヒューゼン(Va)
ユリア・フォーゲルゼンガー(Pf)
アントン・ホリッヒ(Cl)
バルバラ・ノイマイヤー(Rec)
ルツ・ギルマン(Cem)
サラ・マリア・スン(Sop)
アンサンブル・モデルン
トルコ期待の女性作曲家によるエスニックな世界

DDD、69’ 50”

 2012 年ジーメンス音楽財団賞受賞作曲家シリーズ。ゼイネプ・ゲディズリョグルは1977 年にイズミルで生まれたトルコの女性作曲家。カールスルーエでヴォルフガング・リームに師事。室内楽と舞台作品に優れたものが多く、トルコの民族音楽の要素が濃厚な個性的作風が光ります。

COVIELLO CLASSICS



COV 31215
(10SACD HYBRID)
\15000→\13990
「ブルックナー:交響曲全集(11曲)/ボッシュ&アーヘン響」
 2012 年最新録音の第0 番、第00 番をあらたに収録!!

 [CD 1]
  ・交響曲第1番ハ短調WAB.101(1865/66年リンツ稿) (46:04)
    録音:2011年6月11 − 13日アーヘン、聖ミヒャエル教会(ライヴ)
 [CD 2]
  ・交響曲第2番ハ短調WAB.102
   (1872年第1稿/2005年ウィリアム・キャラガン校訂版) (66:21)
    録音:2010年5月22&24日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 3]
  ・交響曲第3番ニ短調WAB.103(1873年初稿) (67:38)
    録音:2006年6月3&5日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 4]
  ・交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」WAB.104(1874年初稿) (68:56)
    録音:2008年5月30日&6月1日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 5]
  ・交響曲第5番変ロ長調WAB.105 (71:45)
    録音:2005年5月14&16日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 6]
  ・交響曲第6番イ長調WAB.106 (52:13)
    録音:2009年5月30日&6月1日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 7]
  ・交響曲第7番ホ長調WAB.107 (64:03)
    録音:2004 年5 月29&31 日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 8]
  ・交響曲第8番ハ短調WAB.108(ハース版) (75:25)
    録音:2003年6月7&9日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 9]
  ・交響曲第9番ニ短調WAB.109
   (1894 年原典版/2000年グンナー・コールス校訂)
   ※サマーレ、フィリップス、マッツーカ&
    コールス校訂(1983-2007年) によるフィナーレつき (69:54)
     録音:2007年5月26&28日アーヘン、聖ニコラウス教会(ライヴ)
 [CD 10]
  ・交響曲ヘ短調WAB.99 (36:29)
  ・交響曲第0番ニ短調WAB.100 (41:23)
    録音:2012年5月26&28日アーヘン、聖ミヒャエル教会(ライヴ)
マルクス・ボッシュ(指揮)
アーヘン交響楽団
2012 年最新録音の第0 番、第00 番をあらたに収録!第7番& 第8番も初SACD 化!!ボッシュ& アーヘン響によるブルックナーの交響曲全集

DDD、マルチチャンネル、ステレオ

 ボッシュ指揮アーヘン交響楽団による看板シリーズ、ブルックナーの交響曲全集がお得なボックス・セットになって登場します。しかも、既発リリース9曲だけでなく、2012 年最新録音の「ヘ短調の習作」と「第0 番ニ短調」の未発売2 曲があらたに加わり、さらに通常盤CD での発売であった「第7番と第8 番もSACD ハイブリッド仕様」となって登場という超強力なポイントつき!
 アーヘン交響楽団創立150 周年記念アルバムの第8 番でシリーズがスタートしたのが2003 年。以来、回を重ねるごとに全集完成への期待度が高まり、最新の研究成果を踏まえて、第1 番、第2 番、第3 番、第4 番では初稿を採用した点や、初リリース時点で、正規盤で唯一となるベンヤミン=グンナー・コールスらが2007 年までに校訂した最新復元稿のフィナーレを収めた4 楽章版による第9 番などでも、ブルックナー・ファンのあいだで話題を集めたことは記憶にあたらしいところです。
 SACD による初のブルックナー交響曲全集である当セットは、すぐれた録音もまたたいへん評価が高く、メインの収録会場である古都アーヘンの大伽藍、聖ニコラウス教会の包み込まれるような豊かな音響がまさにブルックナー、そしてSACD での再生にも適していて、重厚なオルガンのひびきに喩えられるブルックナーの交響曲の魅力をあますところなく伝えてくれます。

EVIL PENGUIN RECORDS



EPRC 012
(2CD+
ボーナスDVD)
\3400→\3090
ウィスペルウェイ、三度目のバッハ無伴奏チェロ組曲(全曲)
 [CD1]
  第1番 ト長調 BWV 1007、第2番 ニ短調 BWV 1008、
  第3番 ハ長調 BWV 1009
 [CD2]
  第4番 変ホ長調 BWV 1010、
  第5番 ハ短調 BWV 1011、第6番 ニ長調 BWV 1012
ピーター・ウィスペルウェイ(チェロ)
 注目盤ウィスペルウェイ、知命を目前に世に放つ渾身の三度目のバッハ!生々しい音色、濃厚な感情生命感に満ちた圧倒的な演奏

 使用楽器:第1 - 5 番:Pieter Rombouts, 1710 年/第6 番:ピッコロ・チェロ(18 世紀、製作者不明)/ピッチ:392
 録音:2012 年6 月9-14 日/セレンデピトゥス・スタジオ(ベルギー)
 DVD 収録:オックスフォード、聖マグダレンカレッジ/Disc 1: 57’21、Disc 2: 76’22
 [ボーナスDVD] NTSC、DVD/ 16:9、リージョンフリー、Dolby digital 2.0 & 5.1、字幕:蘭・仏・独(DVD 言語:英語)、52’

 濃厚な感情、力強く魂に響く音色。ウィスペルウェイ、3 度目のバッハが登場。今年50 歳(1962 年9 月25 日生まれ)、知命をむかえ、過去の2 度の録音(1989,90 年および1998 年) から10 年以上の時を経て、ますます充実著しいことを感じさせる録音です。これまでに使用していた楽器とは違う新しい楽器、さらにピッチも392(バッハのケーテン時代、ケーテン宮廷のピッチ)、いわゆるカンマートーンに合わせたことにより、音の振幅は格段に広くなり、その音色はより雄弁なものとなっています。
 さらに、今回の演奏にあたり、バッハ研究家でヴィオール奏者でもあるローレンス・ドレイフュスとジョン・ブットからも様々なインスピレーションを得ました。これまでに約1000 回この作品を演奏会でとりあげたウィスペルウェイ自身、「かつて経験したことのないような領域に入ったように感じる」と語っています。
 バッハがチェロ1 本のために書いたこの組曲の単旋律には、分解してみればいくつもの声部が内在していますが、それだけではなく、「過去と現在、弾き手と聴き手、そして何よりもバッハ本人との対話」といった複数の声が存在している、とウィスペルウェイは語ります。舞曲に則って書かれたこの組曲ですが、ウィスペルウェイの演奏は、舞曲を思わせるというよりも、深くたっぷりとした息遣いで、旋律、モティーフの一つ一つを実に生々しく響かせたもの。
 濃厚な感情が込められた力演です。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェイだからこそ達することのできた領域だといえるでしょう。深い洞察力と驚異的なテクニック、そして古楽器とモダン楽器両方を弾き分けることができるウィスペルウェイだからこそ達することのできた高みにある演奏です。
 歴史ある聖マグダレンカレッジでの演奏風景や、ドレイフュス、ジョン・ブットのバッハ観などをたっぷりと収録したボーナスDVD も、ウィスペルウェイという芸術家の横顔を伝えてくれます。

FARAO



B 108090
(3CD)
\6600→\5990
アイヴァー・ボルトン(指)&バイエルン国立管弦楽団
 ヘンデル:「エジプトのジューリオ・チェーザレ」
アン・マレー(Ms ジューリオ・チェーザレ)
スーザン・グリットン(S クレオパトラ)
クリストファー・ロブソン(CT トロメーオ)
パトリシア・バードン(Ms コルネリア)
カタリーナ・カルネウス(Ms セスト)
マルチェッロ・リッピ(Bs アキッラ)
ヤン・ツィンクラー(Br クーリオ)
アクセル・ケーラー(CT ニレーノ)
アイヴァー・ボルトン(指)
バイエルン国立管弦楽団
バイエルン国立歌劇場でのヘンデル上演を定着さえたプロダクション!「ジューリオ・チェーザレ」、2002 年ライヴ登場!

録音:2002 年7 月/DDD、2"49'32

 久々にFARAO CLASSICS からバイエルン国立歌劇場でのヘンデルが登場。2002 年に上演されたヘンデルの傑作「ジューリオ・チェーザレ」のライヴ録音です。もちろんバイエルン国立歌劇場でのバロックオペラ上演を定番にしたアイヴァー・ボルトンの指揮です。タイトルロールのアン・マレーと、敵役トロメーオのクリストファー・ロブソンは、共に2005 年の同歌劇場来日公演での「アリオダンテ」にも出演したミュンヘンのヘンデルの常連で、ベテランらしい堂に入った歌。タイトルロール以上に要となるクレオパトラは、ヘンデルを得意とする英国のソプラノ、スーザン・グリットン。小悪魔的な魅力に満ちた美女クレオパトラです。もう一人の鍵となる役、未亡人コルネーリアのパトリシア・バードンはアイルランドのメッゾソプラノ。彼女もヘンデルのスペシャリストで、コルネーリアは映像になったグラインドボーン音楽祭での上演でも絶賛された当たり役。セストを歌うカタリーナ・カルネウスはストックホルム生まれのメッゾソプラノ。レパートリーの広い歌手で、最近ではフリッカやブランゲーネなども歌っていますが、この頃はヘンデルのメッゾとして英国を中心にバリバリ活躍してしました。ボルトンは早めのテンポで生き生きとしたヘンデルを鳴らしています。
 このプロダクションは1994 年3 月に初演されたもの。当時はまだ大歌劇場がバロックオペラを上演することは極めて珍しく、かなり実験的な試みだったのですが、リチャード・ジョーンズの愉快で刺激的な演出がミュンヘンで大うけ、以来上演すれば必ず大入りになるミュンヘンの定番演目になっています。
ブックレットにはその舞台カラー写真がいくつも掲載されているのも嬉しいもの。

GLOR


Debussy: Prelude a l'apres-midi d'un faune
GC 11431
\2500→\2290
ツェンダー&南西ドイツ放送交響楽団
 ドビュッシー:

  (1)牧神の午後への前奏曲(全曲)
  (2)5つの前奏曲(ツェンダー編)
   1. 帆 2. パックの踊り 3.ラヴィーヌ将軍、風変わりな
   4. 雪の上の足跡 5.アナカプリの丘
  (3)交響組曲「春」
  (4)舞曲(スティリー風タランテッラ)(ラヴェル編)
  (5)夜想曲
ハンス・ツェンダー(指揮)
バーデン=バーデン&
 フライブルクSWR 交響楽団
  (南西ドイツ放送交響楽団)
ルツェルン・アカデミー女声合唱団
ツェンダー&南西ドイツ放送交響楽団“音響彫刻の匠”が魅せる、ドビュッシーの管弦楽作品集ツェンダー編曲のオケ版「前奏曲集」にも注目!

録音: (1)2003 年1 月24 日 (2)2002 年2 月16 日 (3)2002 年5 月2 日 (4)2005 年5 月12 日、ハンス・ロスボード・スタジオ(バーデン=バーデン) (5)2002 年9 月6-9 日、コンツェルトハウス(フライブルク)

 ドイツの名匠ハンス・ツェンダー率いるバーデン=バーデン&フライブルクSWR 交響楽団( 南西ドイツ放送交響楽団) によるドビュッシーの管弦楽作品集。牧神の午後、交響組曲「春」、夜想曲といった大作に加え、ツェンダーとラヴェルによる編曲作品が収録された注目の新譜です。指揮者としてだけでなく、現代作曲家および編曲家としても知られるツェンダー。「5 つの前奏曲」と題されたツェンダーの編曲作品は、ドビュッシーの前奏曲集の中から5 曲を抜粋、オーケストラ編成にしたものになります。
 ツェンダーは今回の編曲にあたり、モノクローム調のピアノの色彩を、多彩なオーケストラの色調の中で再考したかったと語っています。様々な楽器の音色が折り重なって生まれるハーモニーは、まさに多彩な色のパレットのよう。「帆」の冒頭でけだるげに下降する3 度の和音は木管で奏でられますが、これがまさにぴったり。一気にツェンダーの世界に引き込まれます。また、「アナカプリの丘」の最初の五音がホルンで奏でられ、まさに「丘」のイメージにふさわしい音世界になっているなど、曲調の異なる5 曲それぞれに趣向あふれるオーケストレーションがなされており、“音の匠” ツェンダーならではの奥行き深い音楽世界が展開されています。プログラム全体を通して、ツェンダーとSWR オケの鋭敏な表現力が光る1 枚といえましょう。近年は体調悪化も懸念されているツェンダーですが、今回のプログラムは彼がSWR オケの永久客演指揮者となった1999 年の直後、2002 年頃の録音。名盤と名高いシューベルトの全集録音を行った時期にも重なり、まさにツェンダー& SWR オケ黄金期の録音とも言えましょう。細密画のような緻密な音響世界で魅せたレーガーのアルバム(GC 10361)に引き続き、今回も見事な演奏を聞かせてくれます。近年、カンブルランとの素晴らしいベートーヴェンやブルックナーでもますます評判のバーデン=バーデン&フライブルクSWR 交響楽団。ツェンダーの匠技とオーケストラの妙技が合わさった名盤です。

HAENSSLER



98 570
\2300→\2090
ゲルハルト・オピッツ(P)
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ第7番 変ホ長調 D568 作品122/
 幻想曲 ハ短調 D2E/メヌエット イ短調 D277A/
 メヌエット イ長調 D334/スケルツォ ニ長調 D570/
 ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D664
ゲルハルト・オピッツ(P)
 巨匠オピッツによるシューベルト作品集第8弾!優美な旋律で知られるソナタ第13 番イ長調を収録,洗練されたオピッツの演奏に脱帽

 録音:2008 年7 月14-18 日、ノイマルクト/DDD

 巨匠オピッツによるシューベルトのピアノ作品集第8 弾。収録内容は2 つのピアノ・ソナタ、メヌエット、スケルツォ、そして幻想曲です。ピアノ・ソナタ第7 番は1817 年に第2 版として完成した4 楽章のから成る変ホ長調の作品ですが、もとは変ニ長調の作品でシューベルトにより改訂されました。シューベルトらしい限りなく美しいメロディが散りばめられています。もうひとつのソナタは第13 番 イ長調 D664 は優美な旋律で知られているソナタです。長調と短調のコントラストがシューベルトの独特の世界を作り出している傑作です。なおこのソナタは2012 年12 月来日の際に演奏予定の演目です。この他、小品の傑作、幻想曲を含む充実の内容です。

 ゲルハルト・オピッツ シューベルト連続演奏会情報【全8回】
  【第5回】2012 年12 月12 日(水)19:00 開演 東京オペラシティ コンサートホール
   シューベルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 D279/ピアノ・ソナタ イ長調 D664/高雅なワルツ集 D969/ピアノ・ソナタ イ短調 D845
  【第6回】2012 年12 月27 日(木)19:00 開演 東京オペラシティ コンサートホール
   ピアノ・ソナタ ホ長調 D459/ピアノ・ソナタ ト長調 D894/即興曲集 D935


98 001
(2CD)
特別価格
\2300→\2090
記念碑的名盤復活!
 ハインリッヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク:
  キリストの誕生
レジーナ・シューデル(S)
アンケ・エッガース(A)
ペーター・マウス(T)
エルンスト=ゲロルト・シュラム(Bs)
ルドルフ・ハイネマン(Org)
クリスチャン・グルーベ(指揮)
アンサンブル・オリオン
ベルリン芸術大学室内合唱団
 グルーベ指揮、ヘルツォーゲンベルクの「キリストの誕生」廃盤となっていた希少盤が、特別価格で再リリース!

 録音:1988 年1 月26-28 日、イエス・キリスト教会(ベルリン)/82’11”

 近年再評価の動きが高まっているハインリッヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルク(1843-1900)。このたび、ヘルツォーゲンベルクの作品を収録した希少盤のひとつが、このたび特別価格で再発売される運びとなりました!オリジナル盤(旧品盤:98 574)はすでに廃盤となってしまっているため、今回のリリースは嬉しい限りです。
 ブラームスと多くの書簡を交わすほど親交厚い関係であったことでも知られるドイツ・ロマン派の作曲家、ヘルツォーゲンベルク。生涯を通して幅広いジャンルに作品を残しましたが、愛妻を亡くしてからはプロテスタントの宗教音楽にますます感銘を深めていくようになります。晩年の1894 年頃に作曲されたオラトリオ「キリストの誕生」は、ソリスト、合唱、オーケストラという編成からなる壮大なクリスマス・オラトリオ。パイプ・オルガン(本アルバムではポジティブ・オルガンを使用)とオーケストラの荘厳な伴奏に乗って、ソリストと合唱隊が救い主の降誕を高らかに歌い上げます。全体的に粛々とした雰囲気に包まれた作品ではありますが、第3 部では牧歌的なオーボエのソロが印象的に現れるほか、親しみやすい旋律の数々を持った作品ともいえましょう。録音から20 年以上が経過したとはいえ、状態は良好。グルーベ指揮の下、柔らかくも力強いハーモニーを組み上げるドイツの名手達の演奏の輝きは今も失われていません。



旧譜から
ヘルツォーゲンベルク:交響曲第1番/交響曲第2番
Herzogenberg - Violin Concerto & Odysseus
CPO
777122-2
\2600→\1790
ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):
 交響曲第1番/交響曲第2番 ※全曲世界初録音
フランク・ベールマン指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管
 ブラームスの友人として知られる作曲家、ヘルツォーゲンベルクですが、最近ようやく彼の作品が音楽ファンの間に浸透して来たようです。とはいえ、どちらかというと室内楽作品ばかりに光が当てられていましたが、このヴァイオリン協奏曲と交響詩という規模の大きなものは、交響曲集(777122-2)と並んで、この作曲家の知られざる一面を発掘するのに大きく役立つはずです。交響詩「オデュッセイア」はブラームスと親交を深める以前の作品で、リストやワーグナーの影響を強く受けた堂々たる作品です。
 かたや、ヴァイオリン協奏曲は1889 年の作品で、イタリア地中海の明るさを帯びた美しいメロディに彩られています。


93 293
(SACD HYBRID)
\2500

アルノルト・メンデルスゾーン(1855-1933):
 ドイツ・ミサ曲 Op.89——8声部アカペラ混声合唱と独唱のための
 宗教合唱曲 Op.90——8声部合唱と独唱のための
  「天よ 上より水を注げ」(待降節のモテット Op.90 -5)
  「汝キリスト者たち 神を讃えよ」(クリスマスのモテット Op.90 -9)
  「見よ 闇が地を覆う」(公現祭のモテット Op.90 -10)

フリーダー・ベルニウス(指揮)
SWR ヴォーカル・アンサンブル・
 シュトゥットガルト
 フェリックス・メンデルスゾーンのはとこアルノルトが生んだ荘厳な美に満ちた宗教作品集

 録音:2008 年9 月/ 2009 年2、10 月/ 2011 年1 月

 アルノルト・メンデルスゾーン(1855-1933)は、フェリックス・メンデルスゾーンの’ はとこ’ にあたります。フェリックスはアルノルトが生まれる8年前に没したため、二人が実際に会うことはありませんでしたが、その存在に強い影響を受けたアルノルトは、20 世紀初頭、様式の創造よりも破壊へと向かうような音楽の方向性や作曲技法に懐疑的で、伝統の作曲技法を重視しました。
 アルノルトは、教会オルガニストや合唱指揮、フランクフルトの音楽院で教鞭を執ったほか、長年にわたりダルムシュタットの教会で音楽監督を務めました。3 作のオペラをはじめ、歌曲、室内楽曲、協奏曲、交響曲などを一通り書きましたが、教会との深い関わりから宗教作品を数多く残しています。
 1923 年に出版された「ドイツ・ミサ曲 Op.89」は、古いポリフォニーの技法を主軸としていますが、無調すれすれまで行くかと思うと古典的な和音構成が戻るなど、時代を超えた多彩な音楽語法が魅力。2 組の4 声部をさまざまに組み合わせることにより、表情豊かな、変化に富んだ、奥行きのある響きを実現しています。1923 / 24 年に書かれた「宗教合唱曲 Op.90」は14 曲のモテットから成る作品。
 待降節およびクリスマスのモテットでは、各詩節の間にコラールが支柱のごとく配され、ときにシンプルなホモフォニー、ときに網の目のようなポリフォニーで聴き手を魅了します。公現祭のモテット冒頭、相対する闇と光を男女声部に分けるなど、効果的な技法があちこちで駆使されていて、メンデルスゾーン一族の血の優秀さを実感します。
 合唱と管弦楽の両方で活躍するベテラン指揮者で、ライプツィヒ市からバッハ・メダルを授与されたこともあるフリーダー・ベルニウス(1947-) の確かな指揮に、創立65 年を迎えた世界トップクラスの現代音楽アンサンブル、SWR ヴォーカル・アンサンブル・シュトゥットガルトが見事に応えます。

98 641
(2CD)
\4000→\3790
ドヴォルザーク(1841-1904):歌曲集「糸杉」
 オリジナル18曲の歌曲&弦楽四重奏版

  [CD1]
   グスタフ・フレーガー=モラフスキーの詩による、
    声楽とピアノのための18曲
     1865 年7月作曲【世界初録音】
  [CD2]
   歌曲集「糸杉」弦楽四重奏版
    1887年5月、作曲家によって
     原曲より弦楽四重奏に編曲された12曲
     (「歌のこだま」第2-4,6-9, 12, 14, 16-18曲)
    および、ハンス=ペーター・ドットによって
     原曲より弦楽四重奏に編曲された6曲
     (第1、5、10、11、13、15曲)
マルクス・ウルマン(T)
マルティン・ブルーンス(Br)
アンドレアス・フレーゼ(P)
ベネヴィッツ・カルテット
 若きドヴォルザークの歌曲集「糸杉」全18曲、世界初録音!

 録音:[CD1]2011 年8 月30-9 月1 日 [CD2]2012 年1 月16-18 日

 ドヴォルザークの「糸杉」といえば弦楽四重奏版の方がしばしば取り上げられますが、原曲は作曲者が初めて書いた声楽曲、18 曲から成る歌曲集「糸杉」(チェコ語)でした。このたび、この原曲歌曲をチェコ語で歌唱したものが発売されます(世界初録音)!
 この18 の歌曲は、生徒だったヨゼフィーナ・チェルマーコヴァ(のちに妻となるアンナの姉)に恋破れたドヴォルザークが、そのつらい思いを込めるかのように、1862 年にプラハで出版されていたモラフスキーの詩集「糸杉」を題材に作曲したもの。18 の作品はすべて失恋の気分に満ちています。終曲は「この苦しみが自分の故郷となる」という悲痛な内容で、ドラマチックなピアノで盛り上がりますが、最後は絶望の中、静かに曲が閉じられます。ドヴォルザークの当時の心の叫びのようです。
 ドヴォルザークは、この歌曲集を友人で作曲家のカレル・ベンドルに献呈したものの評価されず、後に歌詞の処理、調性、拍子など大幅な改訂を加えて、「4 つの歌 Op.2」(4 曲)「愛の歌 Op.83」(8 曲) といったかたちで分割して出版していきました。さらに弦楽四重奏にも編曲しています(12 曲のみ。こちらの編曲はほぼ原曲どおり)。当ディスクでは、後世の作曲家が残りの6 曲を弦楽四重奏に編曲したものも収録しています。
 18 の歌曲を歌うのはドイツを中心に活躍するリリック・テノールのウルマンと、もともとヴァイオリン奏者だったブルーンス。声楽作品を得意とするフレーゼのピアノが手堅くサポートしています。弦楽四重奏を演奏するのはベネヴィッツ弦楽四重奏団。恋に破れた若きドヴォルザークの心情をドラマチックに描きます。

98 648
\2300
待降節とクリスマスのための歌曲集
 男声合唱のための待降節とクリスマスのための歌曲集
マイスタージンガー
クラウス・ブロイニンガー(指揮)
 男声合唱で聴く、待降節とクリスマスのための歌曲集

 録音:2011 年12 月(ライヴ)

 2011 年12 月にブロンバッハ修道院で行われたコンサートの録音。星がまたたく冬の夜、雪を踏みしめながら、丘に佇む小さな教会へ向かい、ロウソクの光のなかで男声合唱の歌に耳を傾ける——そんなクリスマスの情景が浮かび上がる歌曲集です。いまでは知る人のほとんどない、このまま失われてしまうには惜しい作品から、「きよしこの夜」などクリスマス・ソングの名曲まで、男声合唱用に編曲された、16 世紀から現代まで5 世紀にわたる多彩なクリスマス歌曲を23 曲収録しています。
 マイスタージンガーは、1998 年に「 ゲヒンガー・カントライ」の男声メンバーで結成されたアンサンブルで、結成当初よりブロイニンガーが指揮者を務めています。かつてはどの合唱団でも人気レパートリーだった19 世紀の男声合唱作品を歌い継ぐことを主な目的とし、録音やコンサート活動を行っています。

94 611
(2CD)
\2400
プレミアム・コンポーザーズVol.10
 〜シューベルト交響曲集

 [CD1]
  (1)第4番 ハ短調D 417 (2)第6番 ハ長調D 589
 [CD2]
  (1)第7番「未完成」 ロ短調D 759
  (2)第8番 ハ長調「グレート」D 944
ハンス・ツェンダー(指揮)
バーデン=バーデン・フライブルクSWR 交響楽団
 (旧南西ドイツ放送交響楽団)
 プレミアム・コンポーザーズVol.10、ツェンダー&バーデン=バーデン・フライブルクSWR 交響楽団屈指の名録音、シューベルト交響曲集をお買い得価格で!

 録音:[CD1] (1)1996 年3 月7 日、バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ (2)2000 年10 月31 日、11 月10 日、コンツェルトハウス/66’40”
    [CD2] (1)2001 年2 月6 日、コンツェルトハウス (2)2003 年1 月28-30 日、ハンス・ロスバウト・スタジオ/74’17”
 過去の名盤をお買い得価格で再発する「haenssler」レーベルの人気シリーズ、「プレミアム・コンポーザーズ」最新盤がリリースされました!第10 弾となる今回は、ハンス・ツェンダー&バーデン=バーデン・フライブルクSWR 交響楽団(旧南西ドイツ放送交響楽団)のシューベルトの交響曲全集(93120)から4 番、6 番、7 番、8 番を収録。
 1996 年から2003 年の間に録音された全集は、ツェンダー&バーデン=バーデン・フライブルクSWR 交響楽団を代表する名盤のひとつといっても過言ではないでしょう。きびきびとした爽やかな音運びと、モダン・オケならではの迫力ある表現力は見事。この演奏では特に木管の存在感が印象的で、軽やかな弦楽器の響きと共に一際厚いハーモニーを作り上げています。壮大なオーケストラの音響世界を作りあげながらも、個々のパートが持つ細やかな音のひとつひとつもしっかりと聴かせてくる所にもツェンダーの名匠ぶりが伺えましょう。

94 612
(2CD)
\2400
プレミアム・コンポーザーズVol.11
 〜ショパンピアノ曲集

 [CD1]
  (1)スケルツォ第1番 ロ短調Op.20
  (2)練習曲第12番 ハ短調Op.10 − 12「革命」
  (3)ワルツ第3番 イ短調Op.34 − 2 
  (4)ワルツ第10番 ロ短調Op.69 − 2
  (5)夜想曲第1番 変ロ短調Op.9 − 1
  (6)夜想曲第13番 ハ短調Op.48− 1 
  (7)幻想即興曲Op.66
  (8)バラード第1番 ト短調Op.23
  (9)幻想ポロネーズOp.61
 [CD2]
  (1)子守唄変ニ長調Op.57
  (2)舟歌嬰へ長調Op.60
  (3)華麗なる大ワルツ(ワルツ第1番)変ホ長調Op.18
  (4)華麗なるワルツ(ワルツ第4番)へ長調Op.34− 3
  (5)ワルツ第12番ヘ短調Op.70− 2 
  (6)小犬のワルツ(ワルツ第6 番変ニ長調)Op.64− 1
  (7)英雄ポロネーズ(ポロネーズ第6番変イ長調)Op53 
  (8)ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送行進曲付」Op.35
[CD1]
 パヴロス・ハッツォプロス(P)
[CD2]
 ウラジミール・ブーニン(P)
 プレミアム・コンポーザーズVol.11〜ショパンピアノ作品集、ハッツォプロス、ブーニンの名盤が一つに!

 録音:[CD1]2003 年9 月30 日-10 月2 日、シュトゥットガルト音楽演劇大学/60’42” [CD2]1999 年6 月18 日、モスクワ放送/55’43”

 過去の名盤をお買い得価格でリリースする「プレミアム・コンポーザーズ」シリーズ、第11 弾はショパン!「haenssler」レーベルが過去に発売したショパン・アルバムの中から、今回はパヴロス・ハッツォプロスとウラジミール・ブーニンそれぞれの名盤を1 つにまとめた2 枚組アルバムが、お買い得価格で再発売されます。
 控え目かつ落ち着きのある優しい音運びが印象的なハッツォプロスと、力強い活気さと優雅さを兼ね備えたブーニン。二人の演奏を続けて聴くことで個々の魅力がさらに際立って感じられることでしょう。ドイツとロシア、二つの国の名手が集った豪華なお買い得盤です!

94 613
(2CD)
\2400
プレミアム・コンポーザーズVol.12〜
 モーツァルト交響曲&セレナード集

  [CD1]
   (1)交響曲第33番 変ロ長調KV.319
   (2)セレナード第9番 ニ長調「ポストホルン」KV.320
  [CD2]
   (3)交響曲第35番 ニ長調「ハフナー」KV.385
   (4)セレナード第7番 ニ長調「ハフナー・セレナード」KV.250

アイオナ・ブラウン(指揮)
アカデミー室内管弦楽団
 (聖マーティン・イン・ザ・
  フィールズ教区アカデミー)
 プレミアム・コンポーザーズVol.12。アイオナ・ブラウン女史率いるアカデミー室内管弦楽団によるモーツァルト交響曲&セレナード集

 録音:1997 年4 月、ヘンリー・ウッドホール(ロンドン)/[CD1]58’51” [CD2]73’05”

 ヴァイオリニストおよび指揮者として活躍し、2004 年に惜しまれながらも亡くなったアイオナ・ブラウン女史。このたび、haenssler の名盤再発シリーズ「プレミアム・コンポーザーズ」より、ブラウン率いるアカデミー室内管弦楽団が過去にリリースした2 つの名盤が、特別価格の2 枚組アルバムとしてリリースされました!交響曲第35 番とセレナード第7 番という2 曲の「ハフナー」を収録したアルバム(旧品盤:98 173)は既に廃盤となってしまっており、現在では入手困難な状況であるだけに、今回の再発は嬉しい限り!1974 年にネヴィル・マリナーから首席指揮者の席を引き継ぎ、亡くなるまでこのオーケストラを牽引してきたブラウン。
 ブラウンのモーツァルトといえばノルウェー室内管との演奏も名高いですが、マリナー時代よりモーツァルトを十八番とするアカデミー室内管弦楽団による本アルバムの演奏も素晴らしいもの。上品かつまろやかなハーモニーと、活気あふれる爽やかなアンサンブルが絶品の名盤です。


98 654
\2300→\2090
ドイツが誇る屈指の若手、ラドゥティウ最新盤!
 ラヴェルのヴァイオリン・ソナタのチェロ版

(1)ラロ:チェロ・ソナタ イ短調
(2)マニャール:チェロ・ソナタ イ長調
(3)ラヴェル(ラドゥティウ編):ヴァイオリン・ソナタ(チェロ・ソナタ版)
ファレンティン・ラドゥティウ(Vc)
ペル・ルンドベルク(Pf)
 ラヴェルのヴァイオリン・ソナタのチェロ版を含む19 世紀フランスのチェロ・ソナタ集

 録音:2012 年4 月16-19 日、アウグスト・エファーディング・ザール(グリューンヴァルト、ドイツ)

 ドイツの若手世代の中でも屈指の実力で注目を集めるチェリスト、ファレンティン・ラドゥティウの最新アルバムがリリースされました!バッハからショスタコーヴィチまで幅広いレパートリーを持つラドゥティウですが、今回収録したのはラロ、マニャール、ラヴェルのチェロ・ソナタ集。
 悩ましくも流麗なメロディが美しい19 〜 20 世紀のフランス・プログラムです。原曲のヴァイオリン・ソナタをチェロで演奏したラヴェルのソナタは注目の1 曲!原曲の雰囲気はそのままに、より味わい深い響きをたたえた作品に仕上がっています。棘のない高音域の柔らかい音色はヴァイオリン顔負けの美しさ。
 超絶技巧炸裂の第3楽章は圧巻です!卓越した演奏技術と柔軟な音楽性が高い評価を得ているラドゥティウの魅力が存分に発揮されたアルバムといえましょう。堂々たる演奏ぶりは早くもベテランのごとき貫禄!F. ルジェッリの1685 年製チェロの力強くも暖かな音色に聴き入る注目盤です。
 ファレンティン・ラドゥティウは1986 年ミュンヘン生まれの若手チェリスト。6 歳よりチェロを始め、これまでにC. ハーゲン、H. シフ、D. ゲリンガスら名手に師事。
 2008 年にはカール・ダヴィドフ国際コンクールで第1 位と特別賞を同時受賞したほか、国内外問わず数々のコンクールで輝かしい受賞歴を誇り、名実ともにドイツ屈指の若手実力派として注目を集めています。ピアニストのペル・ルンドベルクとはデビュー・アルバムでも共演。室内楽演奏のパートナーとして演奏活動を共にし、ラドゥティウと息の合ったアンサンブルを生み出しています。現在進行形で世界的に活動の場を広げているラドゥティウ。今後の活躍に期待必至のアーティストです!


98 633
\2300→\2090
ファイ&ハイデルベルク響/ハイドン交響曲全集シリーズ第17 集
ハイドン:
 交響曲第1番ニ長調Hob.I-1 (12’18”)
 交響曲第4番ニ長調Hob.I-4 (15’21”)
 交響曲第5番イ長調Hob.I-5 (18’50”)
 交響曲第10 番ニ長調Hob.I-10 (17’00”)
トーマス・ファイ(指揮)
ハイデルベルク交響楽団
ファイ&ハイデルベルク響によるハイドン交響曲全集シリーズ第17 集、第1番を含む最初期の4 曲を収録!

録音:2011 年7 月7 日、7 月13-16 日ヒルシュベルク=ロイターシャウゼン、アルテ・ジナゴーゲ( デジタル・セッション)/DDD、ステレオ、63’29”

 ファイ率いる手兵ハイデルベルク響によるハイドン交響曲全集シリーズ第17 集。100 曲あまりにも及ぶ空前の規模と質を誇る、ハイドンの交響曲の原点というべき第1 番を含む今回は、ハイドンがアイゼンシュタット赴任以前の、おそくとも1759 年から1766 年までに成立していたと考えられる最初期の4 曲というラインナップです。
 第1 番、第4 番、第10 番が、すべてニ長調で第2 楽章にアンダンテを置き、急速で開始されるイタリアのオペラ・シンフォニア由来の3 楽章形式という点が共通する特徴であるのに対して、アダージョで開始される第5 番は、第3 楽章にメヌエットを置くオーソドックスな4 楽章形式となっています。
 このあたり、特定の様式にこだわらず、意欲的に試行錯誤を繰り返したハイドンの姿をうかがわせるものといえますが、独自の検証のもと実験精神ゆたかに切り込む姿はそのまま当シリーズを通してのファイのスタイルとも重なり、その結果、たいへん説得力ある内容が生み出されているともいえそうです。
 ここではまた、通常より刈り込んだハイデルベルク響の見通しの良い響きも新鮮で、データによると、第1、第2 ヴァイオリン計8、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、オーボエ2、ファゴット1、ホルン2、通奏低音という楽器編成を採用しています。


93 289
\2400→\2190
アレホ・ペレス&キリル・カラビツも登場!
 「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽Vol. 8」

 (1)リムスキー=コルサコフ:
   交響組曲「シェエラザード」Op. 35 (45:24)
 (2)プロコフィエフ:
   スキタイ組曲( アラとロリー)Op. 20 (21:08)
(1)ヤーモライ・アルビカー(独奏Vn)
バーデン=バーデン& フライブルクSWR交響楽団
アレホ・ペレス(指揮)
(2)バーデン=バーデン& フライブルクSWR交響楽団
キリル・カラビツ(指揮)
ロシア・バレエ団シリーズ第8 集ペレス指揮の「シェエラザード」、カラビツ指揮の「スキタイ組曲」

(1)録音:2011 年3 月2 & 3日フライブルク、コンツェルトハウス(デジタル)  (2)録音:2011 年11 月23 日フライブルク、コンツェルトハウス(デジタル)/DDD、ステレオ、66’34”

「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽」の第8 集。近年、目覚ましい活躍をみせる指揮者ふたり、ペレスとカラビツがロシア音楽の名作2 曲を取り上げた注目の内容となっています。

●ペレス指揮の「シェエラザード」
 2009 年よりラ・プラタ・アルゼンチン劇場の音楽監督を務め、同世代の指揮者のなかでももっとも将来を嘱望される指揮者のひとりであるアレホ・ペレスは、フランコ・ドナトーニやペーテル・エトヴェシュに師事した作曲家でもあり、ベルンハルト・コンタルスキー、ミカエル・レヴィナス、ミヒャエル・ギーレンのアシスタントも務めていたという経歴の持ち主。
 地元ブエノスアイレスで作曲と指揮とピアノを学び、ブエノスアイレス大学を卒業後は、テアトロ・コロン実験センターの委嘱でオペラを手掛けるなど作曲活動に専念していましたが、さらにカールスルーエの音楽大学院に進むため渡独したペレスは、ハンブルク北ドイツ放送響でクリストフ・フォン・ドホナーニのアシスタント・コンダクターを務め、2006 年に同オケで指揮者デビューを果たしています。
 ペレスはすでに、ロイヤル・ストックホルム・フィル、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、フランス国立放送フィル、ベルリン・ドイツ響に登場するいっぽう、パリ国立バスティーユ・オペラ、リヨン国立オペラ、パリ・オペラ・コミーク座、シャンゼリゼ劇場、フランクフルト歌劇場でオペラの実績を重ねていますが、2011 年にSWR 響を指揮した「シェエラザード」は、アンサンブルの組み立てにたくみなドラマ作りと、その実力のほどを知るにうってつけの内容といえるでしょう。
全曲を通じて重要な役割を演じる独奏ヴァイオリンは、1981 年ベルリン生まれ、2008 年よりSWR 響に在籍、現在コンマスを務めるヤーモライ・アルビカー。ロシア系の流れを汲む濃厚な味付けにも注目されるところです。

●カラビツ指揮のプロコフィエフ「スキタイ組曲」
 当シリーズ第5 集のバレエ「道化師」組曲(93253) につづいて、ふたたびプロコフィエフでの登場となるカラビツが取り上げるのは「スキタイ組曲」。「道化師」に先立つプロコフィエフによるバレエ第1 作は、やはりディアギレフ率いるロシア・バレエ団のために書かれたストラヴィンスキーの「春の祭典」に通じる異教的・原始的題材に基づく内容から想像されるように、「野趣に富むリズムとけたたましい音響」路線の作品となっています
 1976 年キエフ生まれの指揮者キリル・カラビツは、SWR 響との前作「道化師」組曲や、首席指揮者を務めるボーンマス響ともハチャトゥリアンなどで成功を収めているので、得意とするロシアものだけに、ここでの内容にもおおいに期待が持てそうです。

HATART

Makrokosmos Quartet: Round Midnight
HATART 181
\2400
「ラウンド・ミッドナイト」
 (1)オリヴァー・シュネラー(B.1966):音響空間(Resonant Space)(2007)
 (2)ギレルモ・グレゴリオ(B.1941):4つの部分からなる構造物(2008)
 (3)ファブリツィオ・ラト・
  フェッレーロ(B.1983):L’abito Non Fa Il Monaco(2007)
 (4)ステファン・ワース(B.1975):スタンダーズ(2010)
マクロコスモス四重奏団
 (ウフク&ババール・デルドゥンキュ(Pf) /
  フランソワ・ヴォルペ&
   セバスティアン・コルディエル(打楽器))
 セロニアス・モンクに捧げる1枚モンクの名曲「ラウンド・ミッドナイト」を思わせる空気をまとった現代曲

録音:2008 年8 月

 ピアノ2 名と打楽器2 名で構成されるマクロコスモス四重奏団が送る、セロニアス・モンク、言わずと知れた大ジャズ・ピアニストに捧げる1枚。タイトルの「ラウンド・ミッドナイト」は、モンクの代表作で、後にマイルス・デイヴィスが「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」というタイトルでレコードをリリースし、このデイヴィスの演奏でもとりわけ親しまれている名曲です。
 マクロコスモス四重奏団の委嘱を受けたシュネラー、グレゴリオ、フェッレーロ、ワースという4 人の作曲家は、世代は様々ですが、いずれもモンクを崇拝する人物。とはいえ、モンクの音楽を聴いてモンクに染まってしまったのではなく、モンクの音楽によって自らのアイデンティティを更に確固たるものにした作曲家たちです。どれもエッジの効いた現代音楽でありながら、どこかモンクを思わせるピアノを打楽器的に奏でたパッセージが断片的に聴こえ、「ラウンド・(アバウト・)ミッドナイト」の世界の煙たい空気がふっと薫るなど、実におしゃれで凝ったモンクへのオマージュとなっています。
Brown, Earle: Synergy
HATART 164
\2400
アール・ブラウン(1926-2002):
 (1)イヴェント:シナジーII (1967/68)(version1)
 (2)トラッキング・ピエロ(1992)
 (3)ウィンザー・ジャム(1980)
 (4)イヴェント:シナジーII (1967/68)(version2)
アール・ブラウン(指揮)
アンサンブル・アヴァンギャルド
 アメリカの最重要作曲家の一人、アール・ブラウンの作品集

録音:1995 年1月16,17 日

 アメリカを代表する作曲家にしてプロデューサー、アール・ブラウンの「シナジー」の登場。ブラウンが一番興味を持っていたのが、音楽の形式。といっても、古典派の形式に則るのではなく、いかに古典派から脈々と続いた形式にとらわれないようにするかということ。相乗作用、相互作用といった意味の「シナジー」でも、ポロックやマーク・ロスコの作品をも思わせる、既成概念にとらわれない世界が展開されています。

Luc Ferrari: Piano & Percussion Works
HATART 165
\2400→\2190
リュック・フェラーリ(1929-2005):作品集
 (1)ないしょの話(1987-1988)〜
  ピアノとパーカッションのための(世界初録音)
 (2)ヴィザージュⅠ(1956)〜ピアノのための
 (3)ソナティヌ・エリーブ〜ピアノのための(1953-54)(世界初録音)
 (4)細胞75-不自然なリズムと不自然にされたカデンツァ〜
  ピアノ、打楽器とテープのための
井上郷子(ピアノ)
松倉利之(パーカッション)
無調なのにストンと納得、馴染みやすい不思議なフェラーリの世界

録音:2004 年7 月

 フェラーリは、「日常のなかにすでに存在する音を録音して、加工・編集することであるひとつの音楽作品を作ろう」とするフランスで生まれたミュジック・コンクレートの作曲家。自分が日常生活を送る音を録音したりした作品も知られていますが、ここでは楽器のための作品が収録されています。
 ピアノを演奏する井上は、フェラーリと交流があり、日本でもフェラーリ作品をとりあげたリサイタル企画をするなど、フェラーリ作品の演奏には定評があります。実際にこのレコーディングもフェラーリの立ち会いのもと行われました。フェラーリが目指していたところの「逸話的音楽」ともいうべき独特の世界が見事に展開されています。といってもただ漠然とした音楽なのではなく、「私たちは熱心に議論し、フェラーリは個々の部分について説明をしてくれた。リュックは、彼が書いた音について、常に非常に明確なイメージと言いたいことを持っていた。」と井上も述べているとおり、明確な意図に裏付けられた一貫した物語が形作られています。自由で無調の音楽の中に、なぜかストンと納得がいき、馴染みやすいものがあるフェラーリの魅力を感じる1枚です。

Cage: Sonatas and Interludes for Prepared Piano
HATART 152
\2400→\2190
ジェームズ・テニー(Pf)
 ジョン・ケージ(1912-1992):ソナタとインタリュード(全曲)
ジェームズ・テニー(Pf)
 生誕100 周年!ジョン・ケージのソナタとインタリュード演奏はジェームズ・テニー!究極の瞑想世界。

録音:2002 年7 月、KPFK スタジオ(ロサンゼルス)/50’26”

 ケージ・ファンに朗報!2006 年に惜しまれながらこの世を去った現代音楽界の巨匠、ジェームズ・テニー(1934-2006) が晩年に収録したケージの「ソナタとインテリュード」がHATART レーベルよりリリースされることになりました。テニーは、ケージからの信頼厚く、彼の作品に造詣深かった存在。ケージ生誕100 周年となる2012 年にリリースされるにふさわしい注目の新譜といえましょう!
 テニーはJ. ケージ、S. ライヒらと共に前衛音楽界を牽引し、理論家・教育者としても現代音楽界に多大な貢献を残した音楽家。J. ケージの作風に強い影響を受けたことでも知られますが、彼が若き頃に最も衝撃を受けたという作品のひとつが、この「ソナタとインタリュード」。16 のソナタと4 つのインタリュード(間奏曲)から成り、演奏時間にして50 分を超えるこの作品は、インド哲学に影響を受けたケージがヒンドゥー古来の概念である様々な不変の感情を表現したというもの。東洋の様々な打楽器の音色を思わせるプリペアド・ピアノの響きが織り成す神秘的な世界は見事。時にナンカロウの自動ピアノのための作品も思わせる機械的な部分も出てきて、テニーの真骨頂発揮、興味津々です。偉大な音楽家テニーがケージに抱いた敬意、そしてケージが憧れていたインド哲学の深い世界。様々な思いと摩訶不思議な音色が、聴く人を瞑想の世界へといざないます。
Rosenberger: Texturen
HATART 186
\2400
現代音楽界注目の女性作曲家、ローゼンバーガー
(1)語り声と電子音のための「インタリュードI」(2011)
(2)七重奏のための「テクスチュア」(2010) 
(3)フルートとソプラノ・サックスのための「鏡」(2007)
(4)語り声と電子音のための「インタリュードII」(2011) 
(5)八重奏と電子音のための「パルクールIII」(2008/2010)
(6)語り声と電子音のための「インタリュードIII」(2011) 
(7)六重奏のための「スカッター 2.0」(2010)
(8)語り声と電子音のための「インタリュードIV」(2011) 
(9)ピアノ・ソロのための「ねじれ」(2008)
カール=クリスチャン・ベッテンドルフ(指揮)
ウェット・インク・アンサンブル
現代音楽界注目の女性作曲家、ローゼンバーガー世界初録音の「テクスチュア」を含む作品集

録音:2011 年1 月7-13 日、コンラッド・プレビスコンサートホール、カリフォルニア大学(サンディエゴ)/49’50”

 カタリーナ・ローゼンバーガーはスイス出身の現代作曲家。T. ミュライユらに師事し、今や現代音楽界期待の若手作曲家のひとりとして世界的に活躍の幅を広げています。今回収録されているのは、2007-2011 年の間に作曲された作品集。何よりの注目は、今回が世界初録音となる七重奏のための「テクスチュア」。語りとも囁きともとれる女性の声と、断続的に現れるヴァイオリンやピアノ、パーカッションとの掛け合いが生み出す不可思議な音響空間は独特の魅力があります。本アルバムで4 曲収録されている「インタリュード」も、女性の語り声と楽器の音とのハーモニーが活かされた作品。静謐な機械音とピアノの響きの上に、時に語り、時に囁き歌う女性の声が響き渡ります。また、現代女性作曲家に焦点を当てたアルバム(HATART 182)でも面白い楽器編成が話題となった「スカッター 2.0」も収録。サウンドデザイナーとしても世界的に活躍するローゼンバーガーならではの音響世界に魅了される1 枚です!
 ベッテンドルフ率いるウェット・インク・アンサンブルは、前衛音楽を得意とする演奏団体。1998 年の設立以来、若手作曲家の作品の発信に積極的に取り組み、現代音楽に多くの作品を発信してきました。指揮者のベッテンドルフはボセ、リームに作曲を師事し、現在もニューヨークを拠点に現代作曲家としても活躍している人物。現代音楽に造詣深いベッテンドルフの指揮の下、ローゼンバーガーの「テクスチュア」の世界を見事に魅せています。

HMF


Mozart: La finta giardiniera, K196
HMC 902126
(3CD)
特別価格\4800→\4290
ヤーコプスのモーツァルト・オペラ・シリーズ、新刊!
 モーツァルト:「偽の女庭師」K.196
ソフィー・カルトホイザー(S サンドリーナ)
ジェレミー・オヴェンデン(T ベルフィオーレ伯爵)
アレックス・ペンダ(S アルミンダ)
 ニコラ・リヴァンク(Br 市長)
マリー=クロード・シャピュイ(Ms 騎士ラミーロ)
スンヘ・イム(S セルペッタ)
 ミヒャエル・ナギ(Bs ロベルト)
ルネ・ヤーコプス(指)
フライブルク・バロック・オーケストラ
 ヤーコプスのモーツァルト・オペラ・シリーズ、新刊は、モーツァルト18 歳のオペラ「偽の女庭師」!

 録音:2011 年9 月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)/ジャケット絵画:ポンパドゥール夫人(「美しい庭師」)(部分)/ヴァン・ロー作(1760 年)[ プチ・トリアノン蔵]

 HMF が誇るルネ・ヤーコプスのモーツァルトのオペラのシリーズ、新刊は「偽の女庭師」です。1775年1月13日にミュンヘンで初演されたオペラブッファで、初演時モーツァルトは19歳目前、1774年というと交響曲第28番の頃ですので、既に神童を脱した立派な作曲家に成長していました。物語は、かつて恋人ヴィオランテに大怪我を負わせて音信不通にしてしまったが今はアルミンダと婚約しているベルフィオーレ伯爵の前に、サンドリーナを騙り庭師として働くヴィオランテが現れ、周囲を巻き込んで騒動になる、といったお話。モーツァルトはかなり力を入れて作曲し、初演も好評だったことが伝えられています。この作品はモーツァルトの生前にドイツ語の上演が広まり、そのためオリジナルのイタリア語オペラブッファは20 世紀まで埋もれていました。近年、青年期のモーツァルトの傑作として上演が増えています。
 サンドリーナのソフィー・カルトホイザーはベルギー出身のソプラノ。モーツァルト・ソプラノとして活躍しており、2005 年に大野和士率いるモネ劇場の来日公演「ドン・ジョヴァンニ」でゼルリーナを歌っていました。ベルフィオーレ伯爵のジェレミー・オヴェンデンは英国のテノール。バロックから古典派の声楽作品で活躍しており、ヤーコプスは既にヘンデル「サウル」で彼を起用しています。アルミンダのアレックス・ペンダとは、ヤーコプスが「イドメネオ」や「ティートの慈悲」などで重用しているアレクサンドラ・ペンダチャンスカのこと。最近、長すぎる名前を短縮するようになったんだそうです。彼女と、これもヤーコプスの声楽作品の常連、ソプラノのスンヘ・イム、そして大ベテランのニコラ・リヴァンクなどなど、キャストは充実しています。
 「偽の女庭師」は、復活が遅れた経緯から、最近の映像はいくつかあれど、しっかりした録音があまりありません。ヤーコプスの気合の入ったこの新録音はモーツァルティアン、オペラマニア、どちらからも大歓迎されることでしょう!

 【版について】 この「偽りの女庭師」は、1775 年にミュンヘンで初演(3 回上演、うち2 度目は短縮版)されたました。その後同じオリジナルのかたちで上演されることはなく、1779 年以降、いくつかのカット、レチタティーヴォの語り芝居への変更を施したドイツ語上演が、1780 年代後半までひろく行われました。モーツァルトを愛した街、プラハで上演されたのは1796 年、モーツァルトの死後のこと。この時に作られた楽譜資料が2 つ残されており(Namest、Oels)、このヤーコプス演奏はNamest 版に基本的に準拠しています。このNamest 版には、ドイツ語の歌詞とオリジナルのイタリア語の歌詞が併記されており、新モーツァルト全集(NMA)がこのオペラを出版した際の土台となっています(ただしNMAのオーケストレーションはNamest版よりもシンプルな、モーツァルトのオリジナルに近いもの)。このNamest版では、オリジナルのオーケストレーションはかなり大がかりなものへと変更されています。特に顕著なのが、アリアの伴奏で、管楽器パートに著しい充実がみられること。このオーケストレーションの変更を誰が手掛けたのかは不明なのですが、ヤーコプスは、モーツァルトのドン・ジョヴァンニやティートがプラハで初演され、この地から世界に広まったことを例にとり、この「偽りの女庭師」もプラハで上演されてから再び上演される機会が増えたことなどを考慮して、プラハにのこされたNamest版に基本的に基づいたと語っています。ただし、Namest版でも見られるいくつかのカットは適宜修復を施していること、さらに、録音時にはセリフや歌詞などにも演奏効果などを考えて小さな変更を加えるなど、様々な資料にあたった上で練りあげられた注目の演奏となっています!


HMC 902138
\2600→\2390
ハヴィエル・ペリアネス(Pf)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集〜Moto perpetuo

 (1)第12番 変イ長調「葬送ソナタ」op.26
 (2)第22番 ヘ長調op.54 
 (3)第17番 ニ短調「テンペスト」op.31-2
 (4)第27番 ホ短調op.90
ハヴィエル・ペリアネス(Pf)
スペインが誇る俊英ピアニスト、ペリアネスによるベートーヴェン・ピアノソナタ集

録音:2011 年12 月、テルデックススタジオ(ベルリン)

 バレンボイムやハーディング、メータといった巨匠たちと次々共演を果たし、今や母国スペインだけに収まらない世界的な注目を集める若手ピアニスト、ハヴィエル・ペリアネス。ファリャやモンポウなど故郷スペインの作曲家に焦点を当てた意欲的なアルバムを相次いでリリースしてきたペリアネスですが、今回の新譜で収録したのはベートーヴェン!2007 年の初来日公演でベートーヴェンを演奏し、高い評価を得たペリアヌスだけに、期待必至の新譜といえましょう。
 ペリアネスの演奏の持ち味といえばやはり哀愁と翳りを含んだ弱音の流麗な響き。シューベルトのピアノ作品集(HMI 987080) でも魅せてくれた極上のピアニッシモは今回も健在です。えもいわれぬ深みを湛えたピアニッシモの音色に、耳だけでなく心まで吸い寄せられてしまいます。いずれの作品も、是非とも周りの音が聞こえない静かな環境でじっくりと聴き入って頂きたいほど。特に第12 番「葬送ソナタ」の第3 楽章、そして「テンペスト」の第3 楽章はペリアネスの持ち味炸裂の美しさです。2009 年の来日以降、ほぼ毎年日本で公演を行っているペリアネス。次の来日も待ち遠しく、今後の活躍に注目必至のアーティストです。
 このディスクにはMoto perpetuo(常動曲)という副題がつけられていますが、ここに収録されたソナタはどれも終楽章が常動曲のスタイルで書かれたもの。といっても、「テンペスト」のように非常に速い動きのものもあれば、op.90 の終楽章(第2 楽章)のようにゆったりとした流れの中での隠れた無窮動など、そのスタイルは様々。単なる急速な動きというだけでなく、疾走する音符に、様々な感情の起伏をも巧みに盛り込んだベートーヴェンの手腕に、あらためて感嘆する思いの1 枚です。


HMC 902124
\2600→\2390
イザベル・ファウスト
 J.S.バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ集 VOL.2

 (1)ソナタ 第1番 ト短調 BWV 1001
 (2)パルティータ 第1番 ロ短調 BWV 1002
 (3)ソナタ 第2番 イ短調 BWV 1003
イザベル・ファウスト
 (ヴァイオリン/
  1704年製ストラディヴァリス
  「スリーピング・ビューティー」)
イザベル・ファウスト圧倒的な音色。ただならぬバッハ。待望の無伴奏完結編!

録音:2011 年8,9 月

 イザベル・ファウスト、待望のバッハの完結編の登場です。
 第1弾となる無伴奏ソナタ&パルティータ集 BWV 1004-1006(HMC 902059) は世界中で絶賛され、その後も、ブラームス(HMC 902075) の協奏曲と六重奏曲というカップリングで魅せた比類なきアンサンブル、そしてアバド指揮モーツァルト管とのベートーヴェン&ベルク協奏曲(HMC 902105) の神がかり的な美しい演奏のディスクで私たちをたのしませてくれました。さらに来日公演も高評価だっただけに、期待が高まります!
 聴き手の耳と心に焼きつく強烈な美しさを放つファウストの音。重力を感じさせない、しかし軽いというわけでは決してない、実に不思議な弓使いから生み出される彼女の音色は、一度聴いたら忘れられないもの。今回のバッハでも、銘器ストラディヴァリウス「スリーピング・ビューティー」の特徴でもある美しい音色、彼女自身「レーザーのようにまっすぐで、宙を射る光の線のようにまばゆい」と述べる音色で、聴き手の心にまっすぐに響いてくるバッハを聴かせてくれます。
 ソナタ第1 番第1 曲アダージョ冒頭の、平衡感覚にすぐれた、持続する緊張感はファウストならでは。ただこの緊張感というのが、聴き手を金縛りにさせるような強烈なものとはまた違った、ファウスト独特の不思議な緊張感なのですが、冒頭からファウストの世界にぐいぐい引き込まれてしまいます。パルティータ第1 番1 曲目のアルマンドは、アルマンドが舞曲であることを痛感させる浮遊感あるリズムに乗って、淡々と奏でられます。4 曲目ドゥーブルの無窮動では、細かな音符が一部の隙もなく急速にくるくると押し寄せてきて、その遠心力で一種の無重力状態が生じているような、不思議な世界が広がります。ソナタ第2 番の終曲アレグロでは、ファウストのかっこよさが炸裂しています。イザベル・ファウストという演奏家、そしてこの素晴らしい音色を秘めた「スリーピング・ビューティー」という楽器、両者が最高の状態で出会い、ただならぬバッハの世界を創りあげています。


バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ第1弾
JS Bach: Sonatas & Partitas BWV1004-6
HMC 902059
\2600→¥2390
J.S. バッハ:無伴奏ソナタ&パルティータ集
 (1)パルティータ第2番 BWV 1004 ニ短調
 (2)ソナタ第3番 BWV 1005 ハ長調
 (3)パルティータ第3番 BWV 1006 ホ長調
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)

イザベル・ファウスト 満を持しての最高のバッハ どこまでも自然なシャコンヌは圧巻

録音:2009年9月1-4日テルデックス・スタジオ(ベルリン)

しなやかでチャーミング、そして力強く確かに歩む音楽で私たちを魅了しているヴァイオリニスト、イザベル・ファウスト。待望のバッハの登場です。
2009年に来日した際にも、しなやかかつ自然なバッハで聴衆を虜にしたファウスト。「シャコンヌ」というと、冒頭の次々と掻き鳴らされる重音に、聴き手も覚悟を決めてこの楽章に臨む、というイメージがありますが、ファウストの演奏は、この楽章が舞曲(それも、どちらかといえば跳躍の多い)に起源を持つことを思い出させてくれるもの。自然に紡ぎだされる様々な楽想では、なにかダンサーが一人で時にエレガントに、時に激しく、無心に踊っている部屋を覗いているような不思議な錯覚をおぼえます。ファウストのエレガントかつ自然体な人柄と、並外れたテクニック、そしてあくなき探求、すべてが見事に調和したからこそ生まれた演奏があますところなく収められています。録音も秀逸。
=ファウストの言葉より(ブックレット抄訳)=
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータの自筆譜を見た人は、その筆致の美しさ、完璧さに驚かされる。一貫して変わらない筆跡は、支柱、装飾、荘厳な構築性を兼ね備えた大聖堂のような総合芸術へと私たちを誘う。ここで見られるハーモニー、均衡はなんということか!この自筆譜の特徴を耳で聴けるかたちにするのは大変に骨の折れる作業である。演奏者は尽きることのない疑問と戦い、ゴールが果てしなく遠いことに気が遠くなることもある。この録音は、偉大なバッ結晶のきらめきのようなものである。




HMC 902121
\2600→\2390
お待ちかね!カザルス四重奏団の新作
 シューベルト:

  (1)弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調op.125/1
  (2)弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 op.161
カザルス四重奏団
 ヴェラ・マルティネス・メーネル(Vn)
  アベル・トマース・レアルプ(Vn)
  ジョナサン・ブラウン(Va)
  アルマウ・トーマス・レアルプ(Vc)
 今最注目の若手団体、カザルス四重奏団、圧巻のシューベルト:弦楽四重奏曲第10 番&第15 番

録音:2011 年6 月、テルデックス・スタジオ(ベルリン)/71’55”

 1997 年の結成以来、若手ながらベテラン顔負けの風格漂う演奏で今最も注目を集める若手アンサンブル団体、カザルス四重奏団によるシューベルトの四重奏曲集。これまでにharmonia mundi レーベルより数々の四重奏曲集をリリースしてきたカザルス四重奏団ですが、シューベルトの四重奏曲を収録したのは今回が初めて。2011 年の来日公演では第13 番「ロザムンデ」の名演も話題となっただけに、期待必至の新譜といえましょう!
 注目の収録内容は、シューベルトが16 歳の頃に作曲した第10 番と、亡くなる2 年前、最晩年に作曲した第15 番。作曲時期も曲調も対照的な2 曲だけに、カザルス四重奏団の多彩な表現力が一層光ります。
 青年期ならではの瑞々しい旋律が爽やかな第10 番では、1st ヴァイオリンを担当しているメーネルの清廉なソロが見事。若手らしい活気あふれる演奏で魅せる第10 番から一転、第15 番では重々しくも堂々たる演奏で冒頭からぐぐっと引き込まれます。メロディだけでなく、伴奏隊もアグレッシブ!毅然としたフォルテと抒情的なピアノの鮮やかなコントラストが素晴らしく、全体的にメリハリの利いた演奏といえましょう。情感豊かながらも一糸乱れぬカザルス四重奏団のアンサンブルは流石の一言。ソリストらの息の合った掛け合いと溌溂とした演奏が圧巻の名盤です!


旧譜/カザルスSQ

HMX 2962022
(2CD)
\3400→¥3090
ハイドン:弦楽四重奏曲集op.33(全6曲)
[CD1]
 ①op.33-1 Hob.III:37 ロ短調
 ②op.33-2 Hob.III:38 変ホ長調「冗談」
 ③op.33-3 Hob.III:39 ハ長調「鳥」
[CD2]
 ①op.33-4 Hob.III:40 変ロ長調
 ②op.33-5 Hob.III:41 ト長調
 ③op.33-6 Hob.III:42 ニ長調
カザルス弦楽四重奏団
 充実した作品群が、鑑賞者にとっても演奏者にとっても魅力のロシア四重奏曲集。カザルス弦楽四重奏団の瑞々しい感性が紡ぐ緻密なアンサンブルは見事。
 とくに楽器間でめまぐるしく駆け巡る音符群を見事に操るop.33-3の「鳥」も、本当に鳥がさえずりあっているようで愛らしく、思わず微笑んでしまう出来栄え。
 同じ仏HMでエルサレムSQの名演も出たが、ほぼ同時期にこのカザルスSQもたぐいまれな演奏を残してくれた!
録音:2008年5、7月

HMC 902092
\2600→¥2390
ルイジ・ボッケリーニ(1743-1805):作品集
  (1)弦楽五重奏曲 ハ長調 G.324, op.30-6「マドリッドの夜の音楽」
  (2)弦楽五重奏曲第6番 ホ長調 G.275, op.11-5「メヌエット」
  (3)弦楽四重奏曲 ト短調 G.205, op.32-5
  (4)ギター五重奏曲 ニ長調 G.448「ファンダンゴ」
カザルス弦楽四重奏団
 〔アベル・トマス・レアルプ(Vn)、
  ヴェラ・マルティナス・メーナー(Vla)、
  ジョナサン・ブラウン(Vc)、
  アルノー・トーマス・レアルプ(Vc/(1)1st 、(2)2nd)〕
エッカルト・ルンゲ(Vc /(1)2nd 、(2)1st)
カールス・トレパット(ギター)
ダニエル・トゥンマー(カスタネット)
録音:2010 年4 月
 ハイドンの「鳥」で絶美なる演奏を聴かせてくれたカザルス弦楽四重奏団。そんな彼らのボッケリーニ!
 しかもその選曲が「ザ・ベスト・オブ・ボッケリーニ」と言っていいような内容。
 まずはボッケリーニの最も有名な曲「メヌエット」を含む作品11-5。聴けば誰もが「ああ、これ!」と思う名曲中の名曲。
 そしてもうひとつの有名作「マドリッドの夜の音楽」と呼ばれる作品11-5。チェロをギターのようにしてジャカジャカ弾きまくるこのスペイン情緒あふれる作品こそ、まさにボッケリーニの真の代表作といっていい。
 さらにカスタネットを用いてカルメンよろしく踊りまわるギター五重奏曲 ニ長調 G.448「ファンダンゴ」(弦楽五重奏曲ニ長調作品40-2の転用)、これまたボッケリーニの最高傑作のひとつ。
 言われて見れば店主がかねてから「ボッケリーニを聴くならこの1枚で十分!」と豪語していたENSAYOの決定的名盤ENY-CD-9703と編成こそ違えどかなり似た内容。それがカザルスSQの手によって作られた。だとするとこれからは、「ボッケリーニを聴くならこの1枚で十分!・・・あ、あとカザルスSQのアルバムと」っていうふうに変更しないといけないか。
 しかもまだ話は終わらない。考えてみれば曲は弦楽五重奏曲・・・そう、当たり前だがカザルスSQだけではチェロが足りない・・・で、誰が呼ばれたかと言うと、まさかのアルテミスSQのエッカルト・ルンゲ。弦楽四重奏団史上最高に過激なアルテミスSQの人間がまさかここで参戦するとは・・・
 さらに蛇足ながらギターのカールス・トレパットは、世界的なコンクールで優勝した実力者で、フラメンコ・アーティストとの共演も多く、また、マリナーらクラシックの大御所との共演経験も多数。
 なんとも贅沢この上ないアルバム!!カザルスSQの快進撃は続く!



HELICON



HEL 029657
(2CD)
\3200→\2890
ソリストもすごい!
 ズービン・メータ&イスラエル・フィル
  ハイドン:オラトリオ「天地創造」(全曲)
バーバラ・ヘンドリックス(S 天使ガブリエル、イヴ)
クリス・メリット(T 天使ウリエル)
ジョゼ・ヴァン・ダム(Br 天使ラファエル、アダム)
パリ管弦楽団合唱団、
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 楽団創立50周年1986年のクリスマス・ライヴ、巨匠メータ& イスラエル・フィルによるハイドンの「天地創造」

録音:1986 年12 月25 日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・デジタル)/ステレオ、107’19”

 イスラエル・フィルにとって1986 年は、節目となる重要な年でした。半世紀前の1936 年に名ヴァイオリニスト、フーベルマンの呼びかけに応じて集まった数多くのユダヤ人音楽家たちは、トスカニーニの指揮により同じく1936 年12 月26 日にテルアビブで楽団の創立記念演奏会を開いています。
 このたび登場するハイドンの「天地創造」は、イスラエル・フィル創立50 周年を迎えた1986 年12 月25 日のクリスマスに、1936 年生まれで楽団と同様に50 歳を迎えたメータが、イスラエル・フィルを指揮しておこなったコンサートの模様をライヴ収録したものです。
 ハイドンの最高傑作ともいわれるオラトリオ「天地創造」は、ユダヤ教の重要な聖典とされる旧約聖書の「創世記」と「詩篇」、ミルトンの「失楽園」をテキストの題材として、神による創造の第1 日から第4 日まで、生き物が出現する第5 日と第6 日、そしてアダムとイヴの登場と、創世の七日間を時系列に沿って3 部構成で描いています。
 このように直截的にユダヤ教、キリスト教に共通する世界観で彩られた内容と、絵画的ともいうべき巧みな手法でわかりやすく活写される動物たちの魅力や、大合唱が動員されて聞き栄えすることなどから、欧米ではとりわけ人気も高く特別な作品として迎えられ、年末から年始にかけて取り上げられる機会も多く、クリスマス・シーズンの風物詩ともなっています。
 こうした内容だけに、演奏会の時期も併せて、プログラムに「天地創造」が選ばれたのはイスラエル・フィル創立50 周年の特別な年を締め括るにふさわしいとの判断がはたらいてのことなのでしょう。
 ソリストには、ヘンドリックス、メリット、ヴァン=ダムと、世界的なスター歌手が揃えられ、合唱には、1976 年に創設され10 周年のアニヴァーサリーを迎えたパリ管弦楽団合唱団を迎えて、とびきりのイベントに華を添えています。
 ワーグナーやヴェルディのオペラでのたしかな手腕で知られるメータは、大規模な声楽作品についても、たとえば2009 年にイスラエル・フィルとライヴ収録した「ドイツ・レクィエム」などからもわかるように、ここでもドラマティックな音楽運びでおおいに盛り上がりをみせているものとおもわれます。
 ちなみに、メータによるハイドンといえば、実演ではウィーン・フィルと交響曲第103 番や第104 番、第12 番なども取り上げ、交響曲第22 番をライヴ収録していたほか、音楽監督に就任した1998 年にバイエルン州立歌劇場管とは「戦時のミサ」の映像作品も残していました。





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