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第65号
マイナー・レーベル新録音新譜(5)


8/31までの紹介分


ECM


476 4990
\2400
キエフ室内合唱団/シルヴェストロフ:祈りのための合唱作品集
 『夕べの祈りのための歌』(2006),
 『詩篇と祈り』(2007)
 『2つのダヴィッド詩篇』(2007),
 『2つのスピリチュアル・リフレインズ』(2007)
 『2つのスピリチュアル・ソングズ』(2007),
 『3つのスピリチュアル・ソングズ』(2006)
キエフ室内合唱団
ミコラ・ゴブディッチ(指揮)
 複雑で、強度で、妥協のない完全なる神聖なる絵画
 ECMレーベルでは2001年以来シルヴェストロフの作品を紹介し続けていますが、今回は2006〜2007年に作曲された「聖なる祈りの調べ」による合唱作品を収録。前衛音楽の停滞後、多くの作曲家が書く理由を失う中で、彼は望郷や回顧といった感覚を機能和声の枠内で取り戻すことに成功した貴重な作曲家です。これらの作品は、ロシア語、ウクライナ語の独特な発音・発声、そして教会の残響や鐘の音色を模倣したエコーが取り入れられ、アカペラ合唱作品の叙情的な美しさを聴くことができます。
 キエフを象徴する聖ムィハイール黄金ドーム修道院の見事な残響を取り入れたECMの優秀録音。そして、名門キエフ室内合唱団の精密なハーモニーが、静かな祈りの調べを多彩なサウンド・クオリティで織り上げていきます。 録音:2008年, キエフ、聖ムィハイール黄金ドーム修道院 


476 4580
\2400→\2190
アファナシエフ/シューベルト:楽興の時&ソナタ第17番
 ①楽興の時D780(全6曲)
 ②ピアノ・ソナタ第17番ニ長調D850
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
 鬼才ピアニスト、アファナシエフ最新録音がECMから登場!
 小説『海辺のカフカ』でも登場するピアノ・ソナタ第17番と、《楽興の時》をカップリング。
 きわめてゆっくりなテンポや長い間のとりかた、独特の音の響かせ方や解釈でファンからは「鬼才」と呼ばれることもあるアファナシエフが、彼にとって最重要作曲家のひとりであるシューベルト作品を久々に録音しました。《楽興の時》は2010年来日時のライヴ録音が他社からリリースされていますが、こちらはそれに先立つイタリアでのスタジオ録音。ピアノ・ソナタ第17番はおそらく彼にとって初録音となる作品です。
 ECMへの録音も1985年のロッケンハウス音楽祭ライヴ以来。アファナシエフがシューベルトと共にECMへ戻ってきました。
 録音:2010年9月23-25日 ルガーノ、RTSI放送局アウディトリオ


4764827
(4CD)
\6400→\5990
録音:2011年
 シフ/J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集(全曲)

CD1・CD2
 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 
 第1番-第24番 BWV846-869
CD3・CD4
 平均律クラヴィーア曲集 第2巻 
 第1番-第24番 BWV870-893
アンドラーシュ・シフ(P)
 現代最高のバッハ弾きによる、待望のバッハ平均律再録音!
 ピアニストにとっての旧約聖書と呼ばれるバッハ鍵盤作品の最高峰、平均律クラヴィーア曲集。ハンガリー出身のピアニスト、アンドラーシュ・シフはかつてDeccaに同作品の録音を残していますが、ついに昨年再録音を行いました。シフは昨年2月の来日公演でもこの作品を披露。3時間近い大作を全曲暗譜で弾き、日本の聴衆を魅了しました。今回の再録音は実に17年ぶりとなるもの。旧盤はいまだに現役で、スタンダードとして驚異的なロング・セラーを続けています。近年バッハ演奏では常に最高の評価を得ているシフだけに、この平均律全曲は、まさにファン待望の1セットといえるでしょう。
 録音:2011年8月11-14日 イタリア ルガーノ


4764729
\2400→\2190
カシュカシャン/
 クルターグ&リゲティ:無伴奏ヴィオラのための作品集

 ① クルターグ(1926-):『サイン、ゲームとメッセージ』より
   (「イン・ノミネ」「ラースロー・ドブサイのための静かな線」
    「ヴェラ・リゲティへの手紙」「緑の森の」「打ったり叩いたり」
    「アンネリーゼ・ニッセン・ジグモンディの想い出に」
    「タマシュ・ブルムの思い出」「ジェルジ・アクセルの思い出」
    「J.H.の歌」「打ったり叩いたり(リプレイ)」
    「カレンツァの舞曲」「ジェルジ・クローの思い出」
    「ジョン・ケージの思い出」「悲しみ」「無窮動」「サイン1」「サイン2」
    「サーリ・ゲルローツィの展覧会に」「半音階の論争」)
 ② リゲティ(1923-2006):『無伴奏ヴィオラのためのソナタ』
キム・カシュカシャン(Va)
 名手カシュカシャンによる、2人の現代音楽のロジックを解析
 クルターグの「サイン、ゲームとメッセージ」は、ほぼ50年前から構想され、彼が現在においても追加し続けている非常に個人的な細密画のようなコレクションといえるでしょう。この曲集は様々な人に触発されて書かれたもので、思慮深く、楽しく、陽気に、穏やかなに、悲しく、生意気で、そしてメランコリックに奏でられていきます。ユーモアや民族的な要素も取り入れられ、人間的な音楽に感じられるでしょう。
 リゲティの「無伴奏ヴィオラのためのソナタ」は、バッハの作品をもとにしながらも、突然の音楽の終結など、強い強度によるシーケンス処理は数学的で実験的。クルターグとリゲティはほぼ同年代のハンガリーの現代作曲家であり、お互いに友人でありライバル的存在でもあったようです。ヴィオラの名手キム・カシュカシャンはこの2人の作品を解析し、特殊奏法や緊迫した表現によって、内面的な部分までをも見事に対比していきます。
 録音:2011年5月, オーストリア、ザンクト・ゲロルト修道院

4764933
\2400
リュビモフ/ジョン・ケージ:As It Is
 ①『夢』, ②『18回の春を迎えた陽気な未亡人』,
 ③『…の思い出せない記憶』, ④『花』,
 ⑤『マルセル・デュシャンのための音楽』, ⑥『エクスペリエンス第2番』,
 ⑦『部屋』, ⑧『3つの歌曲』, ⑨『ピアノのための2つの小品』,
 ⑩『5つの歌曲』, ⑪『瞑想への前奏曲』,
 ⑫『彼女は眠っている』, ⑬『危険な夜, ⑭『夢』
アレクセイ・リュビモフ(ピアノ, プリペアド・ピアノ)
ナターリア・プシェニチニコーヴァ(ヴォーカル)
 ケージ生誕100年のために鬼才リュビモフが捧ぐ
 リュビモフが美学と哲学において大きな影響を受けた作曲家ジョン・ケージ。このアルバムには彼の比較的初期の作品と、キャシー・バーベリアンのために書かれた作品が主に収録されています。今回そのパートナーを務めるナターリア・プシェニチニコーヴァは、チャイコフスキー音楽院で学んだフルート奏者で、主に現代音楽とフラウト・トラヴェルソ奏者として活躍していましたが、近年では現代音楽の声楽家、パフォーマンス、ダンスなど高い評価を得ています。その二人の融合によって、ミニマル独特の静謐さを湛えた作品が、深い洞察と類い稀なる表現力で奏でられていきます。
 アレクセイ・リュビモフは、1944年にモスクワに生まれたロシアのピアニスト。モスクワ音楽院でネイガウスとナウモフに学び、1965年リオ国際コンクール第1位。西側現代音楽作品を数多くソ連で初演を行ってきました。現代音楽演奏の第一人者というだけでなく、古典ピアノの名手としても活躍しています。録音:2011年12月, スイス・ドイツ語放送チューリヒ放送局スタジオ

MD+G



940 17596
(SACD Hybrid)
\3000→\2790
《ツァハリアス/モーツァルト:ピアノ協奏曲全集第9集》
 『ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414』
 『ピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」』
クリスティアン・ツァハリアス (ピアノ&指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
 着々と進行しているツァハリアス&ローザンヌ室内管の、モーツァルトのピアノ協奏曲全集第9集。「12番」は、自らの予約演奏会のために書かれた最初のピアノ協奏曲。ウィーンでの新しい生活を象徴するかのように生気に溢れた作品です。そして「26番」は、ピアノ協奏曲の中で最も祝祭的な作品です。しかしトランペットとティンパニのパートは、モーツァルトは不完全にしか書いておらず、実際は第三者によって付加されたものと考えられています。ツァハリアスはそのパートを補筆しなおし、この演奏にのぞんでいます。オーケストラとソリストの自由で自然な対話が織りなす、魅惑的な音の綾をお楽しみください。
 ハイブリッドSACD仕様[CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND]〔録音〕2009年10月, ローザンヌ、メトロポール (デジタル:セッション)


307 17582
\2300→\2090
《ライプツィヒ弦楽四重奏団/ロシアン弦楽四重奏曲集》
 ニコライ・アファナシエフ(1820-1898):
  『弦楽四重奏のための「ヴォルガ河」』
 リムスキー=コルサコフ:
  『コラールによる4つの変奏曲ト短調』『フーガ「修道院にて」』
 ラフマニノフ:『「弦楽四重奏曲第1番ト短調」(未完)より第2&3楽章』
 ボロディン:『弦楽四重奏曲第2番ニ長調』
ライプツィヒ弦楽四重奏団
 [シュテファン・アルツベルガー(Vn),
 ティルマン・ビュニング(Vn),
 イーヴォ・バウアー(Va),
 マティアス・モースドルフ(Vc)]
 世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した当団は、55人の作曲家による約200曲をレパートリーに持ち、録音も30枚以上残している名門中の名門です。多くのレパートリーを持っていても彼らの録音は、ハイドン、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、シェーンベルクなど、ドイツやオーストリアを中心としたものが多く、それだけ録音には彼らの育った伝統あるドイツ的感覚を大事にしていたのでしょう。
 今回の録音は彼らにとって「ロマンティック再発見の旅」といえます。ここに収録されているのは、19世紀にロシアの音楽に新たな風を送りこんだバラキレフに少なからず影響を受けた作曲家たちによる作品です。ニコライ・アファナシエフの代表作ともいえる「ヴォルガ河」は、民俗音楽的キャラクターと妙技的メロディーが印象的な、ロマンティックな作品です。有名なボロディンの作品だけでなく、あまり演奏されることないR=コルサコフとラフマニノフの作品も貴重。
 〔録音〕2011年11月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)

613 17602
\2300
《ゲルハルト・ランペルスベルク(1928-2002):室内楽作品集》
 『トーマス・ベルンハルトの3つの歌』
 『フルートとピアノのための「Blumiade」』『Jetzt』
 『クラリネット, ヴァイオリン, スネアドラムのためのトリオ』
 『ピアノのためのカラルフ・ストーン』
 『コンポジション』『ピアノのためのセクエンツァ』
 『ルーカス・クラナッハの7つの絵』
 『フルートとピアノのための「瞬間」』
 『トーマス・ベルンハルトの3つの歌』
アンサンブル・アヴァンギャルド
 [ユリア・ヘニング(Sp),
 ラルフ・ミールケ(Fl),
 マティアス・クレッハー(Cl),
 アンドレアス・ザイデル(Vn),
 クリスティアン・ギガー(Vc),
 シュテファン・ストポーラ(パーカッション),
 シュテッフェン・シュライヤーマッハー(P)]
 シュライヤーマッハー率いるアーティストたちによるアヴァンギャルドな音楽
 ゲルハルト・ランペルスベルク(1928-2002)はウィーン音楽大学で作曲を学び、ウェーベルン後の高度な12音階を使用した作曲家です。特にトーマス・ベルンハルトの心理的な細密な独白と厭世的な世界観など、ウィーンの有名な前衛作家たちに大きく影響を受けました。1950年代よりアヴァンギャルド的才能が開花し、特に「沈黙」「瞑想」「熟考」という基本表現をもつ室内楽の分野で高い評価を得ました。アンサンブル・アヴァンギャルドは、ジョン・ケージ全集などで有名な現代音楽専門ピアニスト、シュテッフェン・シュライヤーマッハーによって設立されたアンサンブル。詩と連携された感情的な衝突や、万華鏡のような光と沈黙など、当時の最先端の前衛音楽が収録されています。
 〔録音〕2011年11月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)


301 17752
(7CD)
\4600→\4190
《ディーター・クレッカーの芸術Vol.1〜管楽のセレナード》


【CD1】
 ロッシーニ:『管楽のための四重奏曲集(全6曲)』
ディーター・クレッカー(Cl&指揮)
コンソルティウム・クラシクム
チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団
【CD2】
 フンメル:
  『管楽のためのセレナーデ 変ホ長調』『管楽のためのコンチェルティーノ ヘ長調』
  『管楽六重奏曲 ヘ長調』『管楽のためのパルティータ 変ホ長調』/
【CD3】
 プレイエル:
  『管楽八重奏曲 変ロ長調』『管楽六重奏曲 変ホ長調』
  『管楽六重奏曲 変ロ長調』『管楽八重奏曲 変ホ長調』
【CD4】
 チェルニー:
  『九重奏曲 変ホ長調』『グランド・セレナーデ・コンチェルタンテ変ホ長調Op.126』
【CD5】
 ハイドン(ヴィンチェンツォ・ガンバロ編曲):
  『クラリネット四重奏曲第1〜3番』/
【CD6】
 モーツァルト:
  『協奏交響曲変ホ長調KV.297b』
  『コンサート・ロンド ニ長調KV.382による変奏曲(偽作?)』
  『クラリネット協奏曲KV.C 14.06(偽作?)』
【CD7:ポートレート集】
 『ロッシーニ:「アルジェのイタリア女」序曲』
 『ハイドン(ヴィンチェンツォ・ガンバロ編曲):「クラリネット四重奏曲第1番」より』
 『モーツァルト:「四重奏曲K.370」より』
 『ハイドン(フランツ・ロシナック編):「四重奏曲第40番」より』
 『プレイエル:「六重奏曲」より』
 『ヨハン・フリードリヒ・シューベルト:「クラリネットとファゴットのための協奏曲」より』
 『ドニゼッティ:「セレナーデ」より』
 『ロッシーニ:「管楽のための四重奏曲第1番」より』
 『ウェーバー:「魔弾の射手」序曲』
 『W・E・ハルトマン:「セレナーデOp.43」より』
 『ドヴォルザーク:「セレナーデOp.44」より』
 『C・P・E・バッハ:「クラリネットとファゴットのためのデュエット」より』
 『J・C・バッハ:「管楽のためのシンフォニア第4番」より』
 『フンメル:「八重奏曲」より』
 『モーツァルト:「クラリネット五重奏曲イ長調K.581」より』
 『モーツァルト:「四重奏曲K.421」より』
 『ロッシーニ:「チェネレントラ」序曲』
 管楽アンサンブル作品発掘に生涯務めた偉大なるクラリネット奏者
 ドイツのクラリネット奏者で音楽学者でもあるディーター・クレッカー(1936-2011)。北西ドイツ音楽アカデミーで学び、多くのオーケストラのソロ・クラリネット奏者を務めたのち、ラジオ放送やコンサート・ソリストとして活躍。1962年以降、ヨーロッパ各地の図書館、修道院、城館などに眠る知られざるレパートリーを調査しはじめ、1969年代に18〜19世紀の様々な管楽器作品を復活させるため、一流オーケストラの首席奏者や音楽大学の教授たちによる「コンソルティウム・クラシクム」を設立しました。モーツァルトやハイドンなどだけでなく同時代の知られざる多くのハルモニームジークための作品や編曲の発掘、モーツァルトの偽作の調査と補筆などを行い、埋もれた傑作に新たなる命を吹き込んできました。各楽器の名人芸というだけでなく、独創的かつ首尾一貫した姿勢で、2011年5月に病に倒れるまで現役での活動を貫きました。
 彼の追悼盤となるこのボックスは、MD+Gに録音された数々の音源の中から、ベストなものが選ばれています。ただMD+Gのセットものは限定盤となることが多いので、どうかどうかお早めに。

603 5572
\2300
《ベルリン室内楽協会/
 ジャン・フランセ:木管五重奏のための作品集》

  『木管五重奏曲第1番』
  『恋人たちのたそがれ』*
  『木管五重奏曲第2番』
ベルリン室内楽協会
 [イリス・ジェス(Fl),
 グドルン・レシュケ(Ob),
 アレクサンダー・ロシュケ(Cl),
 ボド・ヴェルナー(Hr),
 マティアス・バイアー(Fg),
 フランク=インモ・ツィヒナー(P)*]
 半音階や広い跳躍の多用など、極めて高度な技術が要求される作品が集められたアルバム。「木管五重奏曲」はフランセの作品の中でも特に密度の高い力作で、もともとパリ管弦楽団の木管五重奏のために作曲されたものです。ここで演奏している「ベルリン室内楽協会(Kammervereinigung Berlin)」は、ドイツの若手演奏家たちによって1984年に設立された木管五重奏団。高度なテクニックやアンサンブル、演奏表現などをもったメンバーばかりで、様々な国際コンクールで賞を受賞するなど輝かしい経歴を持っています。彼らはそれぞれソリストやドイツ国内の一流オーケストラのメンバーとして活躍しており、すばらしい集中力によって生み出される完璧な演奏は聴衆に衝撃を与えています。
 〔録音〕1993年9月, ドイツ、アーロルゼン (デジタル:セッション)


335 8172
\2300→\2090
《ノルベルト・ブルクミュラー(1810-1836):作品集》
 『ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.1』*
 『序曲 ヘ短調 Op.5』
 『交響曲第2番 ニ長調 Op.11』
レオナルド・ホカンソン(P)*
ゲルノート・シュマルフス(指揮)
ヴッパータール交響楽団
 教則本で有名なヨハン・フリートリッヒ・フランツ・ブルクミュラーの弟、ノルベルト・ブルクミュラー(1810-1836)。幼少より音楽の才能を顕わし、音楽家であった父と、シュポーアに作曲を学びました。定職に就くことなく音楽家仲間の中で生活。彼の作品は当時もっともロマンティックといわれ、メンデルスゾーン、シューマンも熱狂的に支持をしていました。しかし勤勉な兄、フリードリヒによって彼の名は薄くなり、彼の音楽の名声が確立される前に、わずか26歳で急死。ここでは、「コンソルティウム・クラシクム」の名オーボエ奏者ゲルノート・シュマルフスの指揮と、伝統あるヴッパータール交響楽団によって、ロマンティック豊かな独創性が遺憾なく発揮された演奏でお届けします。
 〔録音〕1997年, ヴッパータール・シュタットハレ (デジタル:セッション)

CAPRICCIO



C5117
\2600→\2390
ステンハンマル:ピアノ作品集
 1-3.3つの幻想的小曲集Op.11/
 4-8.5つの小品「晩夏の夜」Op.33/
 9-12.ピアノ・ソナタ変イ長調Op.12
カッサンドラ・ワイス(ピアノ)
 スウェーデンで最も重要な作曲家の一人であるステンハンマル(1871-1927)のピアノ作品集です。ストックホルム王立歌劇場を始め、数多くのオーケストラを指揮し、指揮者としても作曲家としても、高く尊敬されている人なのですが、日本ではまだまだ知名度が高いとは言えません。彼の作風の初期は、後期ロマン派の流れを組んでおり、その後、北欧独自の音を探求することで、ドイツ風の音楽から少しずつ簡潔かつ精錬な音楽へと変化していったことで知られています。ここに収録された3つの作品は、1895年から1914年までに書かれたもので、シューマン、ブラームスを思わせる「幻想的小曲集」と、北欧の風景を映し出したかのような「晩夏の夜」では、その印象の明らかな違いに驚くばかりです。
 録音 2011年11月3-5日ベルリン,ジーメンスヴィラ


C5115
\2600→\2390
モンポウ:ピアノ作品集
 1-6.前奏曲(抜粋)
  <第5番モデラート/第6番「左手のための」/
   第7番「星でできた棕櫚の葉」/
   第8番コン・リリカ・エスプレッシオーネ/第9番ラングイド/
   第10番モデラート>/
 7-14.歌と踊り(抜粋)
  <第5番/第6番/第7番/第8番/第9番/第10番/第11番/第12番>/
 15-23.内なる印象<哀歌/悲しい鳥/小舟/子守歌/秘めごと/ジプシー>
オレナ・クシュプラー(ピアノ)
 極端で内気な性格を有していたというモンポウ(1893-1987)。その作品のほとんどが「繊細」「内省的」「静謐」なという言葉で表現されています。とは言え、決して声を荒立てることはなくとも、その表現力の多彩さは他に類を見ないほどに独特なものであり、フランス近代音楽の印象主義音楽に影響を受けた近代的な和声法は、まるで心に染み入る祈りにも似て、一度聴いたら決して忘れることのないほど強い印象を残すものばかりです。
 彼はカタルーニャ人の父親とフランス人の母親の元に生まれ、15歳の時にピアノの公開演奏を行い、音楽家として生きることを決心します。フランスで後に彼の親しい友人となるフェルディナンド・モット=ラクロワに会い、彼にフランスの芸術をてほどきします。モンポウはラヴェルや6人組の曲に触れ、これらに完全に魅了されたのでした。
 そんな彼の作品を演奏するのは、オレナ・クシュプラー。ドイツで高く絶賛されている女性ピアニストで、ソロ活動だけでなくショスタコーヴィチの室内楽(C71104)なども積極的に演奏し、また歌手である双子の妹ツォリアーナとともに録音した「ロシア歌曲集」(C5039)でも、深い情念をのぞかせる素晴らしいピアノを聴かせてくれています。
 録音 2011年8月1-3日ベルリン,ジーメンスヴィラ
C5109
\2600
名オペレッタ・アリアと情景集
 1.ローベルト・シュトルツ(1880-1975):
  ウィーンの歌Op.216-ウィーンは夜が一番美しい/
 2.J.シュトラウス2世(1825-1899):こうもり-時計の二重唱/
 3.キュネッケ(1885-1953):どこかのいとこ-私はただの貧しい旅職人/
 4.ミレッカー(1842-1899):
  乞食学生-:私は金を持っていないが、鳥のように自由だ/
 5.カールマン(1882-1953):伯爵夫人マリツァ-ウィーンによろしく/
 6.J.シュトラウス2世:ジプシー男爵-自由気ままに/
 7.J.シュトラウス2世:ヴェネツィアの一夜-なんとすばらしい眺め(入江のワルツ)/
 8.J.シュトラウス2世:ヴェネツィアの一夜-さあゴンドラにお乗りなさい/
 9.J.シュトラウス2世:ウィーン気質-第2幕の二重唱「ウィーン気質」/
 10.J.シュトラウス2世:ウィーン気質-私があいつの夫になった時/
 11.ツィーラー(1843-1922): ジェローム王-恋よ/
 12.ツェラー(1842-1898):小鳥売り-私のアーンルが20歳で/
 13.レハール(1870-1948):パガニーニ-女たちに口づけするのが好きだった/
 14.レハール:ロシアの皇太子-ボルガ河岸に立つ兵士/
 15.レハール:微笑みの国-君こそわが心のすべて
イェルク・シュナイダー(テノール)/
ニナ・ベルテン(ソプラノ)…2.9/
ウィーン・サロン・オーケストラ
 オーストリアの俊英テノール、イェルク・シュナイダーのオペレッタ・アルバムです。
 彼はオーストリアで生まれ、ウィーン少年合唱団で活躍後、1995年、ヴィースバーデン歌劇場にてデビューし、その輝かしいキャリアを始めます。ロッシーニやロルツィング、J.シュトラウス、モーツァルトなどを歌い、注目を集めました。1997年から2000年までは、ライン・ドイツ・オペラのメンバーとなり、テノールとして重要な役を歌うようになります。他にもシュトゥットガルト歌劇場やフォルクスオーパーを始め、世界各国で歌い、時には楽友協会ではムーティの指揮によるケルビーニを歌い、またテルアヴィヴではメータの指揮でモーツァルトのベルモンテを歌うなど、まさに八面六臂の活躍をしています。他にもアバドやティーレマンなどの大指揮者との共演が続々と控えているという期待の歌い手であり、このオペレッタ・アルバムでも甘く切ない声を存分に生かした、イケてる歌唱を聴かせてくれます。
 録音 2010年7月
C5111
\2600
21世紀のポートレート:シー
 1.河を横切って(1995)/2.9人のための一つのタクト(2006)/
 3.ピアノと弦楽四重奏のための一つのタクト(2004/05)/
 4.旅行(2010)/5.分離(1999/2000)
アヌ・コムシ(ソプラノ)…4/
アニカ・ヴァヴィチ(ピアノ)…3/
アンサンブル“ディ・ライヘ”…1.2.4/
ゲオルク・フリッチュ(指揮…1.2.4)/
台湾国家交響楽団…5/
チェン・ウェン=ピン(指揮)…5
 1950年台北うまれのオーストリア系台湾人の作曲家シー(1950-)の作品集です。彼は24歳の時にウィーンに移住し、音楽芸術大学で作曲とハープを学び、1983年に卒業しています。その翌年、オーストリアの市民権を授与され、現在はフリーランスの作曲家としてウィーンで活動しています。彼は西洋と東洋の音楽文化の融合に積極的であり、彼によって設立されたパシフィック・ユース・オーケストラにはアジア圏から多くの学生が参加し、音による文化的交流を続けています。彼の作品はとりわけ個性的であり、それは伝統的なスタイルを使用しながらも、その中に東洋の哲学の精神を内包させ、人間の心の深さを探求するというものであり、その根底には幾何かの懐かしさも含むという複雑かつ繊細、ユニークなものとなっています。
C5118
\2600
21世紀のポートレート:ヨスト
 1.ヴァイオリン協奏曲「深き陶酔」/
 2-6.コクーンシンフォニー-大オーケストラによる“中央への旅”の5楽章
ヴィヴィアン・ハグナー(ヴァイオリン)/
エッセン・フィルハーモニカー/
クリスティアン・ヨスト(指揮)
 「私はいつも、形と音、構造の間に差別化と複雑な相互接続が実現する魔法の時を探しています」と語る作曲家ヨスト(1963-)。彼はドイツ連邦共和国ラインラント=プファルツ州の都市トリーアで生まれ、ケルンとサンフランシスコで学んだ現在最高の作曲家の一人です。彼のオペラはヨーロッパ各地の歌劇場で上演され、作品は世界中で演奏されています。2003年にはジーメンス財団から「進歩賞」を授与され、2009年には彼のオペラ「ハムレット」がドイツでの「最優秀パフォーマンス」に選ばれるなど、その活躍はとどまるところを知りません。彼の協奏曲といえば、トランペットと管弦楽による「ピエタ」が知られていますが、こちらのヴァイオリン協奏曲も、しばし時を忘れるほどの不思議な印象を残します。
ハイニッシュ/リープハルト/エッスル/ヘーヘル/サンチェス=チョン:21世紀の室内楽作品集(アンサンブルXX)
C5129
\2600
21世紀のポートレート:アンサンブルXX-21世紀の室内楽作品集
 1.トーマス・ハイニシュ(1968-):放浪者と彼の影-ディアペンテⅡ/
 2.ヴォルフガンク・リープハルト(1958-):まろやかな色合い/
 3.カールハインツ・エッスル(1960-):幽玄/
 4.ハンネス・ヘーエル(1964-):メタモルフォーゼン/
 5.ホルヘ・サンチェス=チョン(1969-):使用済の未来
アンサンブルXX/
ペーター・ブルヴィーク(指揮)
 1971年、ペーター・ブルヴィークによって設立されたアンサンブルXX(20世紀)は、ウィーンのオーケストラ奏者や、フリーランスで活躍する奏者たちがメンバーとなり、主に「20世紀の音楽」を演奏することを目的として活動しています。彼らはウィーンの音楽文化を世界的に広めるために、オーストリア国内、および世界中の作曲家に作品を依頼し、現代音楽の啓蒙と発展のために力を尽くしているのです。ここで聴くことのできる5つの作品も、そんなコンセプトに基づいています。曲によっては電子楽器までをも駆使し、新たな表現の可能性を模索する彼らの演奏は一聴の価値ありです。


シェーンベルク:歌曲全集(ヤルノット/バラインスキー/ディーナー/マイヤー/シェーファー/ヴォンドゥング)
C7120
(4CD)
\4000→¥3690

シェーンベルク:歌曲全集
<CD1>
 1.森の夜/2.地上の豊かな香り(牧歌)/
 3.なぜあなたは目覚めているの?(夜の花)/
 4.Du kleine bist so lieb und hold-少しだけ甘くて魅惑的/
 5.そしてあなたは私の元へ戻ってくる/
 6.マリー、神はあなたに挨拶する/
 7.私の目はあなたを見つける/8.旅の歌/
 9.湖面は黒ずみ/
 10-13. 4つの歌曲Op.2
  <期待/イエスの物乞い「あなたの金の櫛を私におくれ」/
  高揚/森の太陽>/
 14-19. 6つの歌曲Op.3
 <ゲオルク・フォン・フルンツベルクが自ら歌うように/
  興奮した人々/戒め/婚礼の歌/老練な心/自由な優しさ>/
 20-34.架空庭園の書より15の詩
  <しげった葉陰で/この楽園の森は/
  あなたの垣の中に新参者として私は入った/
  私の唇が動かず燃えるので/どの道か教えて/
  もう私は何の仕事もできない/
  不安と希望が交互に私をしめつける/
  今日あなたの体に触れなければ/
  私たちにとって幸福はつらく、もろい/
  待ち焦がれて私は美しい花壇をみつめる/
  花で飾られた門の陰に/深い草地の中できよらかに憩うとき/
  皮のほとりの銀柳にあなたは寄りかかり/
  これ以上言わないで/私たちは夕闇の中にいた>/
  ※2.4-8…世界初録音/
<CD2>
 1.地上の豊かな香り(第2稿)/2.喜び、美しく若々しいバラ/
 3.父の家では以前も/4.私はただひとり/5.死神の歌/
 6.忘れな草/7.私の庭のクローブ(おとめの歌)/
 8.ライラックの茂みに小鳥が/9.まさに美しい五月/
 10.私の好きな牧草地/11.その植物は深淵にあり/
 12.太陽が沈み行き(葦の歌) /13.お前のまなざしになじみ/
 14.自然Op.8-1/
 15.ブレッテルの歌
  <素朴な歌/満ち足りた恋人/それぞれに取り分を/
  警告/ガラテア/ギゲールレッテ/アルカディアの鏡から/夢遊病者>/
 23.自然Op.8-1(初期のピアノ断片稿)/
 24.お前のまなざしになじみ(第2稿)/
 25.私のただ一つの苦き悲しみ/
 26.私の宝ものは渦巻飾りのように/
 27.泉に小甕を持って行った(壊れた小甕) /
 28.スズメバチが昨日/29.おとめの歌/
 30.私の心は深い淵へ/31. 私の光よ、わがもとへ/
 32.明るい夢の中であなたを何度も見る
  ※2-11.14.23-27…世界初録音/
<CD3>
 1.彼は彼女の手から壺を取る/2.五月の歌/
 3.春の少女/4.いや、しかし!/
 5.あなたは私を待っていない/
 6-19.グレの歌(1900/01 ピアノと歌によるオリジナル版)
  ※6-19…世界初録音/
<CD4>
 1-2. 2つの歌Op.1 <感謝/別れ>/
 3-10.8つの歌Op.6
  <夢の人生/すべては/おとめの歌/見捨てられて/
  ガゼール/路傍にて/誘惑/さすらい人>/
 11-13. 2つのバラードOp.12
  <おちぶれた人々/ジェーン・グレイ/Jeduch(バラードの断章)>/
 14-15. 2つの歌Op.14
  <私は感謝するにはおよばぬ/この冬の日々に>/
 16.なぎさにて(Op.14-3として構想)/
 17-20. 4つのドイツ民謡
  <今、5月の喜びに/2つの良い遊びがありました/
  私の心はかき乱されて/私の心は私と混ざり合い>/
 21-23. 3つの歌Op.48 <夏に疲れて/死/おとめの歌>
  ※13…世界初録音
<CD1>
コンラード・ジャーノット(バリトン)/
ウルス・リスカ(ピアノ)/

<CD2>
クラウディア・バラインスキ(ソプラノ)/
ミヒャエル・ハーゼル(ピッコロ…22)/
フローリアン・デルプホルツ(トランペット…22)/
ドミニク・エルツェ(スネアドラム…22)/
ウルス・リスカ(ピアノ)/

<CD3>
メラニー・ディーナー(ソプラノ…3.7.9.11.13)/
マルクス・シェーファー(テノール…1-2.4-6.8.10.12.14.16-19)/
アンケ・ヴォンドゥング(メゾ・ソプラノ…15)/
ウルス・リスカ(ピアノ)/

<CD4>
メラニー・ディーナー(ソプラノ…3.11.13)/
コンラッド・ジャーノット(バリトン…1.2.12.14-16)/
クリスタ・マイヤー(アルト…17-23)/
ウルス・リスカ(ピアノ)
誰も知らない素顔のシェーンベルク(1874-1951)!!!断片や草稿まで、世界初録音を多数含む貴重な歌曲全集です。あの「グレの歌」のオリジナル・ヴァージョンはピアノ伴奏であり、現在私たちが知っている形とは、かなり違うものであったことや、そろそろ十二音へと移行を始める時期に書かれたOp.8-1「自然」も、最初はもう少し違った形であったり・・・。とにかく作品番号なしの曲の興味深いこと!調性概念が壊れていく瞬間に立ち会えるかのような、意義あるアルバムです。歌手陣も文句なし。永久保存盤です。録音 2009年-2011年


C5140
(3CD)
\3000→¥2790
ベートーヴェン:歌曲全集
<CD1>
 1-6.遥かな恋人にOp.98/7-14.8つの歌Op.52/
 15-20.6つの歌Op.48/21-26.6つの歌Op.75/
 27-31.4つのアリエッタと二重唱Op.82/
<CD2>
 1.アデライーデOp.46/2.希望にOp.32/
 3-5.3つの歌Op.83/6.友情の喜びOp.88/
 7.希望にOp.94/8.約束を守る男Op.99/
 9.メルケンシュタインOp.100/10.口づけOp.128/
 11.婚礼の歌WoO105/
 12.ロプコヴィッツ王子のための誕生日カンタータ「我等の尊き殿万歳」WoO106/
 13.ある乙女の絵WoO107/14.乳飲み子にWoO108/
 15.別れに歌う酒の歌WoO109/
 16.むく犬の死に寄せる悲歌WoO110/
 17.ポンス酒の歌WoO111/18.ラウラにWo0112/
 19.嘆きWo0113/20.ひとりごとWo0114/
 21.ミンナにWo0115/22.何と時は長くWo0116/
 23.自由の人Wo0117/24.愛されない者のため息Wo0118/
 25.おお、いとしの森よWo0119/26.人は炎を隠そうとするWo0120/
<CD3>
 1.ウィーン市民への別れの歌Wo0121/
 2.オーストリア軍歌Wo0122/3.君を愛すWo0123/
 4.別れWo0124/5.女暴君Wo0125/6.奉献歌Wo0126/
 7.愛する喜びWo0128/8.うずらの鳴き声Wo0129/
 9.われを忘れたもうなWo0130/
 10.愛する人が去ろうとしたときWo0132/
 11.この暗き墓にWo0133/12.あこがれ Wo0134/
 13.声高き嘆きWo0135/14.君への想いWo0136/
 15.遠くからの歌Wo0137/16.異国の若者Wo0138/
 17.愛する男Wo0139/18.愛する人に寄すWo0140/
 19.夜うぐいすの歌Wo0141/20.詩人の魂Wo0142/
 21.戦士の別れWo0143/22.メルケンシュタインWo0144/
 23.ひめごとWo0145/24.あこがれWo0146/
 25.山からの呼び声Wo0147/26.いずれにしてもWo0148/
 27.あきらめWo0149/28.星空の下の夕べの歌Wo0150/
 29.けだかい人間よ、慈悲ぶかく善良であれWoO151
パメラ・コバーン(ソプラノ…
 CD1:21-31,CD2:1.6.12.12,CD3:3.7.12.22.23)/
ヘルマン・プライ(バリトン)/
レオナルド・ホーカンソン(ピアノ)/
ベルリン・ハインリヒ・シュッツ・クライス…
 CD2:11.12.14.23.25/
ウォルフガンク・マトコヴィッツ(指揮)…
 CD2:11.12.14.23.25
C10343-45の新装版
楽聖ベートーヴェン(1770-1827)の知られざる一面を知るための歌曲全集。比較的聴く機会の多い1枚目、合唱を含む2枚目、ほとんど知られていない曲ばかりの3枚目。真面目な曲から、肩の力を抜いた曲までそろい踏み。

CPO



777736-2
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
マックス・レーガー:ヴァイオリン協奏曲
 1.ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.101/
 2.独奏ヴァイオリンと管弦楽のための「アリア」Op.103a,3(組曲イ短調より)
ウルフ・ヴァーリン(ヴァイオリン)/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 ウルフ・ヴァーリンによるレーガー(1873-1916)のヴァイオリン協奏曲の登場です。意外なことに、この作品の録音はカタログ上にあまりありませんでした。演奏される機会もあまりなく、日本での初演は2002年(庄司紗矢香)まで待たなくてはいけなかったほど。演奏時間が1時間弱を要する長大な作品で、キャッチーなメロディこそあまりないものの、レーガー特有の厚みのある管弦楽伴奏と、堂々としたヴァイオリンが絡み合う充実の音楽です。一度聞いただけでは、なかなか全てを味わい尽くすのが難しい作品ですが、聴けば聞くほどに胸にしみるような不思議な音楽です。
 「アリア」は、あのバッハの「G線上のアリア」を思わせる、静かな歩みの美しい小品です。
777726-2
\2600
ドメニコ・サッリ:ミサ-「主は言われた」(詩篇109番) アニヤ・ツィーグラー(ソプラノ)/
マリア・ペールト(ソプラノ)/
アンネカスリーン・ラーブス(ソプラノ)/
アンドレアス・ポスト(テノール)/
ヴォルフ=マティアス・フリードリヒ(バリトン)/
ザクセン声楽アンサンブル/
バツドルファー・ホーフカペレ/
マティアス・ユング(指揮)
 ドメニコ・サッリ(1677-1749 サッロとも)は、トラーニ出身のナポリ楽派に属するイタリアの作曲家。1703年、24歳の時にナポリの宮廷楽長の職に応募するも、競争が激しかったため就任なりませんでしたが、その翌年に副楽長の職を得ます。しかし、戦争のためにその職を解任されたため、オペラ作曲家に転身、精力的に作品を発表し、この分野で大成功を収めます。1725年には、宮廷の副楽長に復帰するとともに、1728年からはナポリ大聖堂の楽長も兼任することとなりました。1737年からはナポリ宮廷の楽長に就任しましたが、その翌年に、当時のナポリ王カルロス3世と結婚したマリア・アマリア・フォン・ザクセンが、教会音楽に高い関心を抱いていたため、作曲家たちは数多くの宗教曲を作曲する必要がありました。当然サッロも数多くの宗教曲を作ったのは間違いありません。
 このミサ曲のスコアはドレスデン、ザクセン州の図書館に保存されていたものです。
999951-2
\2600
ゲオルク・フィリップ・テレマン:管楽のための協奏曲集第8集
 1.2本のフルート、ファゴット、
   弦楽と通奏低音のための協奏曲イ短調 TWV 53:a1/
 2.トランペット、2本ノオーボエと
   通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV 43:D7/
 3.2台のシャルモー、2台のファゴット、
   弦楽と通奏低音のための協奏曲ハ長調 TWV 52:C1/
 4.オーボエ、2台のヴァイオリンと
   通奏低音のための協奏曲ニ長調 TWV 51:D5/
 5.2台のホルン、弦楽と通奏低音のための協奏曲ヘ長調 TWV 52:F4/
 6.オーボエ・ダモーレ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ト長調 TWV 51:G3
ラ・スタジオーネ・フランクフルト/
カメラータ・ケルン/
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
 このアルバムは、cpoレーベルが精力的に録音を行ってきたテレマン(1681-1767)の「管楽のための協奏曲集」の最後を飾るものです。
 ここに収録されている6つの作品も、様々な楽器と、異なるアンサンブルを用いるとても珍しいものであり、また時代によってスタイルが変化していく様子も興味深いところです。テレマンの研究家であるヴォルフガンク・ヒルシュマンによるブックレット(ドイツ語&英語)も、愛好家にとって大切な資料となることでしょう。演奏はいつものように、シュナイダー率いる2つの団体。豊かな音が広がります。

777555-2
(SACD-Hybrid)
\3000→\2690
「ラルテ・デラルコ」&フェデリコ・グリエルモ
 ドメニコ・スカルラッティ:歌劇「ラ・ディリンディーナ」

  (シンフォニアIII, VII, XV, XとソナタK89/F50,K90/F51付)
マリーナ・バルトリ(ソプラノ)/
桜田亮(テノール)/
ジューリオ・マストロトターロ(バリトン)/
ラルテ・デラルコ(ピリオド楽器使用)/
フェデリコ・グリエルモ(指揮)
 イタリアの代表的なバロック・アンサンブル「ラルテ・デラルコ」とフェデリコ・グリエルモによる珍しいバロック・オペラの登場です。この作品「ディリンディーナ」のお話は、もともと歌劇の間奏曲として書かれた短い作品です。新進女性オペラ歌手と、その音楽教師(彼女に片思いしている)。全く練習する気のない彼女の元にデビューの話が舞い込みますが、その話を持ち込んだ彼女の恋人(実はカストラート)に、音楽教師が激しくやきもちを焼くというわけで、これらの微妙に食い違うやりとりが楽しい作品。本編の重厚なオペラの幕間劇として、聴衆を楽しませるのにとても役立つものでした。とはいえ、ローマの検閲官はこの作品の歌詞があまりに風刺的であると考えたそうですが。
777588-2
\2600
ジョスカン・デ・プレ:詩篇によるモテット集
 1.深き淵より(詩篇129番)/2.イスラエルはエジプトを(詩篇113)/
 3.主よ、立腹して(詩篇37)/4.我をあわれみたまえ(詩篇50)/
 5.お言葉を思い出し(詩篇118)/
 6.彼、われに願わば(詩篇90)/7.主の愛を永遠にうたおう
ブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス
<メンバー:
フランツ・ヴィツハム(ディスカント-カウンターテナー)/
アレックス・ポッター(ディスカント-カウンターテナー)/
テリー・ウェイ(テノール-アルト)/
ベルント=O.フレーリヒ(テノール)/
トム・フィリップス(テノール)/
ハリー・ファン・ベルネ(テノール)/
ウルフリート・シュターベル(バス)/
イェッレ・ドライアー(バス)>/
マンフレッド・コルデス(指揮)
 既発の「Missa Ave maris stella」(777590-2)で、その素晴らしい演奏が古楽好きの心に火をつけたコルデスとブレーメン・ヴェーザー=ルネサンス。
 前作はマリア崇拝のモテット集でしたが、今回はジョスカン(1440-1521)の詩篇モテットの登場です。旧約聖書におさめられた150編の神への賛美の言葉である詩篇は、キリスト教の典礼の聖務日課で使われるテキストであり、全てに祈りの心が宿っています。ルネサンス期におけるモテットの中でも、とりわけジョスカンの作品は、心の奥深くまで入り込み静かな感動を誘うものです。今作でも、たった8人のメンバーによる安定した歌唱が楽しめます。究極の祈りと癒しの音楽としてもオススメです。

777573-2
\2600→\2390
ジギスムント・ノイコム:管弦楽作品集
 1.英雄大交響曲Op.19/
 2.大オーケストラの幻想曲Op.9/
 3.ミルトンの「失楽園」による幾つかのパッセージの劇的幻想曲/
 4.大オーケストラの幻想曲
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
 19世紀前半に活躍した作曲家ノイコム(1778-1858)は、現在多くの場合、ハイドンの作品の編曲者として知られています。しかし、当時はヨーロッパでも最も高名な作曲家であり、フランス王からは騎士の称号を授与されるなど、大変な名士でした。
 彼はミヒャエル・ハイドンに音楽理論を学び、ザルツブルクで活躍した後に、1810年代からは南米ブラジルで過ごし、この地でヨーゼフ・ハイドンやモーツァルトの作品を普及させた功績も大きいものです(モーツァルトのレクイエムの補筆でも知られています)。
 とはいえ、彼は作曲家としても素晴しい作品を残していました。ここで聴くことのでいる4つの作品は、タイトルの付け方などにもベルリオーズ風の壮大さが漂うもので、曲想も雄大。この作曲家の良き理解者ヴィレンズの指揮で。


ノイコムを知ってもらうために

南米のモーツァルト
シギスムント・ノイコム:レクイエム
Neukomm: Requiem & funeral procession
K617 210
\2400→¥2190
シギスムント・ノイコム(1778-1858):
 (1)レクイエム
 (2)葬送行進曲、ミゼレーレ
ジャン=クロード・マルゴワール(指)
ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ
 (王室大厩舎・王宮付楽団)、
カンターレユニオン・アンサンブル・
 ヴォーカル・ドゥ・ル・オーシャン・インディアン
 (インド洋声楽アンサンブル)
録音:2008年7月、公開録音
 ノイコムは幼い頃からザルツブルクのオルガニストなどとして活躍。ハイドンの弟子でもあり、「天地創造」などの編曲を手がけ、その才能はハイドンにも高く評価された。
 またヨーロッパ中、そして当時の時代としては珍しく南米ブラジルを旅した作曲家で、モーツァルトのレクイエムをブラジルの神父に依頼され補筆、いわゆる「リオ・デ・ジャネイロ版」をのこした人物でもある。なので「南米のモーツァルト」というのは本当はちょっと違うのだが、ノイコムの異端ぶりを知っていただくのにはいいかもしれない。
 さて、今回はそのノイコム自身が残したレクイエム。作曲したのは1838年のこと。世界の果てを旅し、モーツァルトのレクイエムも探求しつくした末に生み出された「レクイエム」。男声合唱が活躍、そして厚めのブラス・アンサンブルやタムタムも用いられていて、伝統と異国情緒がないまぜになった不思議な雰囲気、そして異教徒っぽい暗さと荘重感にも満ちている。そしてさらにそれを盛り上げるのがインド系の人々の合唱団。そのパワーは圧倒的。
 マルゴワールがそうとうの意気込みをもって臨んだと思われる。価値ある貴重な名演、名録音といっていい。


ということでこちらも
ノイコム版モーツァルト「レクイエム」
通称「リオ・デ・ジャネイロ版」

K617 208
\2400→¥2190
モーツァルト:レクイエムK 626(リオ・デ・ジャネイロ版) ジャン=クロード・マルゴワール(指)
ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ(王室大厩舎・王宮付楽団)
ヒャルディス・ティボール(S)
ジェンマ・コマ=アラベール(Ms)
シモン・エドワーズ(T) アラン・ビューエ(B)
以前リリースされていたK617 180の上からスリーブケースで包装されており、ディスクとケースの間にカードが封入されている新装版。
ジャン・クロード・マルゴワール指揮&王室厩舎・王室付属楽団による、モーツァルト『レクイエム』は、1986年のジュスマイヤー版による録音があります。このK617盤の版は, リオ・デ・ジャネイロの大聖堂の書庫で発見されたもの。ジギスムント・フォン・ノイコムにより1819年にリオ・デ・ジャネイロで作曲され,「リベラ・メ」が最後に補筆されている。「ルクス・エテルナ」のあとに続く「リベラ・メ」は劇的な曲で感動!!マルゴワールは、この「リベラ・メ」を際立たせるために通常のレクイエムの部分を抑えて演奏していたかのように、生き生きと鮮やかに仕上げ極上の音楽を奏でている。リオの原稿から考察されるモーツァルト:レクイエムの新解釈への鍵がここに明らかになる。興味深いのが、同封されている正方形のカードに書かれているインターネットサイトにアクセスし、このCDをお求めになった日時と場所などを入力すると、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークの演奏風景(マルゴワール)や、レクチャー風景などの画像が見られるサイト情報が送られてくるというもの。耳でも目でも、様々に楽しめるお楽しみディスク。録音:2005年11月 ライヴ




777507-2
\2000→\1890
パウル・ユオン:室内楽作品集
 1.2台のヴァイオリンとヴィオラ、
  2台のチェロとピアノのための六重奏曲Op.22/
 2.ヴァイオリンと2台のヴィオラ、
  チェロとピアノのための五重奏曲ヘ長調Op.44
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)/
トーマス・グロッセンバッハー(チェロ)…六重奏曲/
カルミナ弦楽四重奏団
 スイス系ロシアの作曲家パウル・ユオン(1872-1940)は、チャイコフスキーとストラヴィンスキーを繋ぐ重要な役割を果たした人です。モスクワに生まれ1889年にモスクワ音楽院に入学、作曲と音楽理論をタネーエフに学びます。1894年にはベルリンに入学し、クララ・シューマンの義弟であるヴァルディマール・バルギールに学び、更なる研鑚を積みました。1896年にロシアに戻り、教師と評論家として活躍し、最初の交響曲とオペラを書き上げます。2年後にはまたベルリンの戻り、ヨーゼム・ヨアヒムからベルリン大学の教授に任命されています。そんな彼の音楽には、祖国であるロシアの音楽の影響はほとんど見ることができません。明らかにドイツ・ロマン派音楽の伝統を継承したものと言えるでしょう。多くのジャンルの作品を書きましたが、基本的には室内楽の作曲家であり、また彼自身が優れたピアニストであったため、ピアノの部分は精緻で複雑な書法が用いられています。複雑かつ不規則なリズムは、その後の世代であるストラヴィンスキーやブラッハーへと繋がっていきます。

777742-2
\2600→\2390
ロセッティ/モーツァルト:ファゴット協奏曲集
 1.アントニオ・ロセッティ(1750-1792):ファゴット協奏曲Murray C72/
 2.ロセッティ:ファゴット協奏曲Murray C68/
 3.ロセッティ:ファゴット協奏曲Murray C67/
 4.モーツァルト(1756-1791):ファゴット協奏曲変ロ長調K191/186e
エッカルト・ヒュープナー(ファゴット&指揮)/
マンハイム・プファルツ選帝候室内管弦楽団
 現在、「ホルン協奏曲」で知られる作曲家ロセッティ(レスレル)のファゴット協奏曲の全曲録音が完成です。
 ロセッティはコントラバス奏者として、キャリアをスタートし、エッティンゲン=ヴァラーシュタイン侯爵の宮廷楽団に加わり、少しずつ名声を広めていきました。作曲家としても認められ、数多くの交響曲や協奏曲、声楽曲を残しています。彼は7曲のファゴット協奏曲を残していて、そのうちの4曲は既にヒューブナーによって録音され(999936-2/777166-2)、多くの聴き手を喜ばせていますが、ここで、その残りの3曲を録音、素晴しくバランスの取れた、上品な音色と抒情的なカンタービレを楽しむことができます。余白には、多大なる影響を与えたと言われるモーツァルトのファゴット協奏曲が収録されています。
777261-2
\2600
ゲオルク・フィリップ・テレマン:カンタータ集
 1.泣かないでTVWV1:1541/
 2.彼らは万軍の主の法律を捨てるTVWV1:1339/
 3.あなたの名前は全ての神TVWV1:698
ヴェロニカ・ヴィンター(ソプラノ)/
レナ・スザンナ・ノリン(アルト)/
ヤン・コボウ(テノール)/
エッケハルト・アーベレ(バス)/
ライニッシェ・カントライ/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
 cpoで精力的にリリースを続けるテレマンの作品集、今回もマグデブルク・テレマン音楽祭で演奏された作品をお届けいたします。
 毎回プログラムに選ばれるのは、オラトリオや受難曲、カンタータなどのオペラに匹敵する壮大な作品であり、今回のカンタータも例に漏れません。テレマン(1681-1767)のカンタータには、実に驚くべき生産性が明らかにされており、重要な教会音楽作曲家としてのテレマンを再認識することができるでしょう。これらのカンタータは毎週日曜日と祭日に演奏できるように、72曲が書かれていて、どもでも贅沢な響きを持った重厚で楽しい作品となっています。

777689-2
\2600→\2390
ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第4番他
 1.交響曲第4番イ長調/
 2.ウイレンシュピーゲルの死のための葬送音楽/
 3.演奏会序曲ハ短調
オランダ交響楽団/
デイヴィッド・ポルセライン(指揮)
 最近、再復興の気運高まるオランダの作曲家ヤン・ファン・ヒルセ(1881-1944)の交響曲第4番です。
 第1番&第2番(777349-2),第3番(777518-2)でも、その斬新な音楽で多くのファンを獲得しています。この交響曲第4番は、作曲家自身とコンセルトヘボウ管によって1915年11月28日に初演されています。初演は大成功を収め、出版社からスコアが100部だけ、ヒルセの自費で出版され、こちらも人気を博しました。「演奏会序曲」は1900年に作曲され、5回ほど繰り返し演奏されましたが、いつしか姿を消してしまった作品です。「葬送音楽」は第2次世界大戦中に作曲され、終戦後、エドゥアルト・ファン・ベイヌムによって「ヒルセの思い出のために」初演されています。


ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲集第1・2巻
Jan van Gilse - Symphonies Nos. 1 & 2
777349-2
\2600→\1790
ヤン・ファン・ヒルセ(1881-1944):交響曲集
 1.交響曲第1 番/2.交響曲第2 番
ダヴィッド・ポルセライン(指揮)/
オランダ交響楽団
作風は明快、晴朗。曲のすべてに爽やかな風が漲った聴き応えのある作品。
Gilse: Symphony No. 3
777518-2
\2600→\1790
ヤン・ファン・ヒルセ:交響曲第3番「復活」 アイレ・アッソニー(ソプラノ)…第3&5楽章/
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 オランダの神学者の家庭に生まれ、早くから音楽の才能を表したヤン・ファン・ヒルセ(1881-1944)。彼はケルン音楽院でフランツ・ビュルナーに師事し、その後、ベルリンでフンパーディンクの元で研鑽を積みます。そして1909年から1911年にイタリアへ留学、その間にこの第3番の交響曲を作曲し、権威ある「ミヒャエル・ベール賞」を受賞しています。1906年から作曲が始められたこの作品は「復活」と題されていて、第3楽章と第5楽章にはソプラノのソロが用いられています。1908年6月2日にミュンヘンで初演され、1909年3月4日にはオランダでも演奏されています。その時、ヒルセはメンゲルベルクの指揮を望んだようですが、それは実現しなかったようです。この曲は、彼の存命中に7回演奏されましたが、結局のところ、不変の人気を得るまでには至りませんでした。そんな作品ですが、今こそ「復活」の時が来たのです。

777711-2
\2000
フランシス・プーランク:室内楽作品集
 1.クラリネットとピアノのためのソナタ/
 2.ホルンとピアノのためのエレジー/
 3.廃墟を見守る笛吹きの像/
 4.フルートとピアノのためのソナタ/
 5.オーボエとピアノのためのソナタ/
 6.クラリネットとファゴットのためのソナタ/
 7.オーボエ,ファゴットとピアノのための三重奏曲
アンサンブル・ミッドヴェスト
 デンマークからの「プーランク」をお届けいたします。プーランク(1899-1963)と言えば、まさに「フランスのエスプリ」を具現化した作曲家であり、その作品は常にお洒落で小粋。輝かしさに溢れています。と、同時に彼の作品に見え隠れする、深刻さと陰鬱さは、曲に深い陰影を与え、その明と暗の両面で聴き手を翻弄します。このアルバムではデンマークの若く意欲的なアンサンブル「ミッドヴェスト」による理想的なプーランクをお聞きいただけます。このアンサンブルは2002年に11人の音楽家によって結成され、多くの賞を受賞しています。様々な楽器の組み合わせが可能で、大抵の室内楽曲を演奏することが可能な柔軟性を持っています。高い芸術性と遊び心を併せもった期待のアンサンブルです。

DACAPO


6.220622
(SACD-Hybrid)
\2200
ペア・ノアゴー:リブラ
 1-10.テノール独唱、ギターと
   2組の混声合唱、ヴィブラフォンのための「リブラ」(1973)/
 11.混声合唱のための「白昼夢」(1989/2002)/
 12-16.12部の合唱のための「回路(Cycle)」(1977)
アダム・リース(テノール)/
ステファン・オステルシェー(ギター)/
デンマーク国立声楽アンサンブル/
フレデリーク・マルムベリ(指揮)
 ノアゴー(1932-)の80歳の誕生日を記念して制作されたアルバムです。3つの魅惑的な声楽作品は、まさに音による風景画です。詩篇のテキストを中心に透明な響きで祈りと苦悩を歌い上げる「リブラ」、ダダイズムの旗手であったフランスの詩人、ポール・エリュアールのテキストによる、死と官能の香り漂う「白昼夢」、恐ろしいまでに精緻な響きを醸し出す「回路」。まさに宇宙の混沌と秩序を表現し尽くしたかに思えます。無伴奏合唱の極限に挑戦するかのような難曲を、デンマーク国立声楽アンサンブルは完璧に歌い上げています。
 録音 2012年3月14-17日デンマークコンチェルトフセット,スタジオ2
Diem 25 Years
8.226559-60
(2CD)
\4000
DIEM 〜DIEM 25周年記念アルバム
<CD1>
 1.アンカー・フィエルド・シモンセン(1944-):Oktav III(1988)/
 2.ヨナス.R.キルケゴー(1982-):802(2012)/
 3.ダニエル・ロスマン(1958-):南西の空(1988)/
 4.アン・オスターゴール:ハイパー・モーテル(2011)/
 5.カール・ベルクストローム=ニルセン:Omdrejninger II(1989)/
 6.ヨナス・オレセン(1979-)/モーテン・リース(1980-):Prim x(2010)/
 7.イェンス・ウィルヘルム・ペデルセン(1939-):電子的な庭とその周辺(1989)/
 8.ペーター・ダールグレン(1980-)/リチャード・デヴァイン:Mad Bonce(2008)/
 9.ペア・ノアゴー(1932-):Arsfrise-91(1991)/
 10.ハルフダンE.(1965):イントロ(1993)/
 11.ウェイン・シーゲル(1953-):トゥネル・ヴィジョン(1995)/

<CD2>
 1.ビョルン・スヴィン(1975-):7 cirkler i 1 matrix(2002)/
 2.マイケル・ニヴァング(1963-):コラージュIV,コロナ(1996)/
 3.ヴェクトラル(1983-):AC-3(2007)/
 4.リン・ティエルヘイ=トムセン(1960-):Triff: II. Lauria(1998)/
 5.ハンス・ハンセン:パッセース・モニュメンター(1999)/
 6.イェルゲン・テレル(1958-):スパークリング(2005)/
 7.ブリジット・アルステット:問題を試すには(2002)/
 8.ソーフス・フォルスベリ(1970-):宿題(2005)/
 9.ラスムス.B.ルンディング:殺戮法の学習に(2002)
様々な演奏者
 DIEM(The Danish Institute of Electronic Music…デンマーク電子音楽研究所)の開設25周年を記念して制作された2枚組のアンソロジーです。最新技術を駆使して、新しいサウンドを追求するために設立されたこの施設は、多くの優れた音を作り出してきました。この2枚組には、1987年から2012年までにDIEMで制作された音楽を収録。これらの多くは初リリースとなるもので、デンマークの現代音楽の一つの足跡を辿ることができるはずです。

Erotic Hymns
8.226568
\2000→\1890
ベント・ローレンツェン:エロティックな讃歌
 1-9.独唱バスとオルガンのための「エロティックな讃歌」Op.133(1998)
 <私の甘い宝物/恐怖の深さ/
  あなたの強靭な声が聞こえるものとする時/
  私の素晴らしい宝物/イエスの甘きバラ色の頬/
  我が人生の息吹/どうすればあなたを満たせるの/
  そう、そう、私の愛しい人/私はイエスの胸に横たわる>/
 10.オルガン作品第1集より第3番「トリプレックス」Op.40(1974)/
 11.パーカッションとオルガンのための「炎」Op.142(2001)/
 12.オルガンのための7つの小品からなる組曲“惑星”より「土星」Op.123(1996)/
 13-16.独唱バスとオルガンのための「4つのデンマークのコラール・モテット」(1989-1994)
  ※1-9.11.13-16…世界初録音
イェンスE.クリステンセン(オルガン)/
モルテン・フランク・ラーセン(バリトン)/
ヨアンナ・シュトロース(パーカッション)
 1935年生まれの作曲家ベント・ローレンツェン(1935-)による魅惑的な歌曲集を中心に収録した1枚。オルガンの響きと深い声が醸し出す不思議な空間が目の前に広がります。メシアンと後期ロマン派の狭間にあるような美しい和声と、沈み込むような深い声によって歌われる現代デンマークの詩。まるで咲き誇る花が香るように、魅惑的で心惹かれる音楽です。吹きすさぶ風のようなオルガン独奏の「トリプレックス」、心の根源にある何かを刺激する「炎」、神秘的な「土星」と、オルガン曲も変化に満ちています。そして最後は、また声とオルガンによる祈りの音楽で、この実り多き世界が幕を閉じるのです。
 録音 2011年8月26-28日Recorded in Vor Frelsers Kirke, Christianshavn
Open Space: A Hand for Holmboe
8.226569
\2000
カスリーネ・リング:ハンド・フォー・ホルンボー
 1.すてきなお茶をください!(室内協奏曲第4番第2楽章)/
 2.笑うウサギ(室内協奏曲第4番第1楽章/
 3.ハリ、ハリ(室内協奏曲第1番第2楽章)/
 4.ヘリコプター(室内協奏曲第8番第1楽章)/
 5.鳥たち(室内協奏曲第2番第1楽章)/
 6.道すがら(室内協奏曲第7番第2楽章)/
 7.熊が来るぞ(室内協奏曲第6番第1楽章)/
 8.な、な、な、な、な(室内協奏曲第9番第3楽章)/
 9.ヴァンとグンナーのパイプの煙/
 10.ヴァンとグンナーのパイプの煙(Basic jump style)/
〈ボーナスCD(ホルンボーのオリジナル)〉
 1.室内協奏曲第4番Op.30 第2楽章/
 2.室内協奏曲第4番Op.30 第1楽章/
 3.室内協奏曲第1番Op.17 第1楽章/
 4.室内協奏曲第8番Op.38 第1楽章/
 5.室内協奏曲第2番Op.20 第1楽章/
 6.室内協奏曲第7番Op.37 第2楽章/
 7.室内協奏曲第6番Op.33 第1楽章/
 8.室内協奏曲第9番Op.39 第3楽章
デンマーク国立室内管弦楽団/
ハンヌ・コイヴラ(指揮)
 デンマークの人気DJで作曲家でもあるカスリーネ・リング(1960-)。彼女はクラシック音楽のDJとして国際的に知られる有名人です。このアルバムは、デンマークの大作曲家ホルンボーの作品(室内協奏曲)に自由な味付けを施し、全く新しい音楽ドラマとして見せてくれます。ユニークかつ独創的。原曲を聴いてみたい人のためにボーナスCDも用意されています。
 2011年8月マスタリング
Holmboe: Chamber Symphonies
6.220621
(SACD-Hybrid)
\2200
ホルンボー(1909-1996):室内交響曲集
 1-4.室内交響曲第1番Op.53(1951)/
 5-8.室内交響曲第2番「悲歌」Op.100(1968)/
 9-14.室内交響曲第3番「フリーゼ」Op.103a(1969-70)
  ※全て世界初録音
ラップランド室内管弦楽団(指揮)/
ジョン・ストルゴーズ
録音 2011年3月31日-4月1日ロヴァニエミ教会
 デンマークの近現代音楽史を代表する作曲家ホルンボーの3つの室内交響曲を高音質録音で聴く1枚です。1950年代から、独自の表現を追求し始めたホルンボーにとって、この3つの作品は、極めて実験的であり、また興味深い変容を遂げるための器となりました。3つの印象的な音符で始まる第1番は、その音を極限まで拡大し、小さな編成の管弦楽団から多彩な響きを引き出すことに成功しています。「悲歌」と題された第2番と、その翌年に書かれた第3番は、当時の急進的な音楽からは少し距離を置いたものであり、新古典的なものと、シベリウス的なものが混在する、ちょっと懐かしい味わいのある音楽です。

Nielsen: The Masterworks Volume 2 (Chamber and Instrumental Works)
8.206003
(6CD)
\4000→\3690
カール・ニールセン(1865-1931):マスターワーク集第2集
 室内楽曲&器楽曲集

<CD1>
 1-4.弦楽四重奏曲第1番ト短調Op.13/
 5-8.弦楽四重奏曲第2番へ長調 Op.44/
 9-12.弦楽五重奏曲ト長調/
<CD2>
 1-4.弦楽四重奏曲ヘ短調Op.5 FS11/
 5-8.弦楽四重奏曲変ホ長調Op.14 FS23/
<CD3>
 1-3.ピアノ三重奏曲ト長調/
 4.甲斐なきセレナードFS58/
 5-8.木管五重奏曲Op.43 FS100/
 9.クラリネットとピアノのための幻想的小品ト短調/
 10-11.オーボエとピアノのための2つの幻想的小品Op.2/
 12.カント・セリオーソ FS132/
 13-15.劇音楽「母」よりOp.41 FS94/
<CD4>
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op.9 FS20/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ第2番Op.35 FS64/
 7-17.無伴奏ヴァイオリンのための「前奏曲, 主題と変奏曲」Op.48 FS104/
 18-19.無伴奏ヴァイオリンのための「前奏曲とプレスト」Op.52/
<CD5>
 1-4.交響組曲Op.8 FS19/
 5-17.若い人から老いた人へのピアノ音楽集第1集Op.53 FS148/
 18-29.若い人から老いた人へのピアノ音楽集第2集Op.53 FS148/
 30.主題と変奏Op.40 FS81/
<CD6>
 1.シャコンヌOp.32 FS79/
 2-7.ピアノ組曲「ルシファー(堕天使)」Op.45 FS91/
 8-13.6つのユモレスク・バガテルOp.11 FS22/
 14-18.5つのピアノ小品Op.3 FS10/
 19-21.3つのピアノ小品Op.59 FS131
ティム・フレデリクセン(ヴィオラ)…CD1: 9-12/
デンマーク弦楽四重奏団…CD1&2/
トリオ・オンディーヌ…CD3: 1-3/
ディアマント・アンサンブル…CD3: 4-8/
ソレン・エルボ(クラリネット)…CD3: 9/
イェンス・エルヴェキール(ピアノ)…CD3:9-12, CD4: 1-6/
マックス・アートヴェズ(オーボエ)…CD3: 10-11/
ヘニング・ハンセン(ホルン)…CD3: 12/
アンナ・ダイナ・シック(フルート)…CD3:13-15/
カトリーヌ・ブンゴード(ヴィオラ)…CD3: 13-15/
ニーナ・キャスリン・シュレン(ハープ)…CD3 13-15/
ジョン・ギェスメ(ヴァイオリン)…CD4: 1-6/
トゥー・ラウトルプ(ヴァイオリン)…CD4: 7-19/
ヘアマン・ダーヴィッド・コッペル(ピアノ)…CD5&6
 デンマークを代表する大作曲家、ニールセンの室内楽作品全集です。dacapoレーベルから少しずつ発売されていたものを1セットにまとめました。古典的な形式と伝統に基づいたまるでモーツァルトを思わせる初期の作品から、50歳を前後にがらっと作風を変えた後の深遠な作品まで、ありとあらゆる音楽が収録されています。交響曲、管弦楽曲を極めたい方向けの第1集(8.206002)も絶賛発売中です。


旧譜
ニールセン:作品集第1集

8.206002
(3CD、1SACD、2DVD…6枚組)
\4000→¥3690
カール・ニールセン:作品集第1集…管弦楽作品集
《DISC 1…8.224126(CD)》
 1-4.交響曲第3番ニ短調「広がり」Op.27/
 5-8.交響曲第2番ロ短調「四つの気質」Op.16
《DISC 2…8.224156(CD)》
 1-4.交響曲第4番「滅ばざるもの」Op.29/
 5-10.交響曲第5番Op.50
《DISC 3…8.224169(CD)》
 1-4.交響曲第1番ト短調 Op.7/
 5-8.交響曲第6番「素朴な交響曲」
《DISC 4…6.220518(SACD)》
 1.歌劇「仮面舞踏会」FS.39より「序曲」/
 2.歌劇「仮面舞踏会」FS.39より「コッケレルの踊り」/
 3.劇音楽「領主オールフは馬を駆り」FS.37より「前奏曲」/
 4-8.メロドラマ「スネフリズ」組曲 FS.17/
 9.歌劇「サウルとダヴィデ」FS.25より第2幕の前奏曲/
 10.狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想の旅行」FS.123/
 11.劇音楽「ヴィレモエス」FS.44より第3幕の前奏曲/
 12.パンとシリンクスOp.49より「田園の情景」/
 13.劇音楽「アモルと詩人」Op.54より「序曲」/
 14.序曲「ヘリオス」Op.17
《DISC 5…2.110403(DVD)》
 1.交響曲第1番/
 2.交響曲第2番「四つの気質」/3.交響曲第3番「広がり」
《DISC 6…2.110404(DVD)》
 1.交響曲第4番「滅ばざるもの」/
 2.交響曲第5番/3.交響曲第6番「素朴な交響曲」
デンマーク国立交響楽団/
《DISC 1》
 インガー・ダム=イエンセン(ソプラノ)…1-4/
 ポウル・エルミング(テノール)…1-4/
《DISC 2》
 ニール・トムセン(クラリネット)/
 トム・ニブエ(スネア・ドラム)/
《DISC 1-3,5-6》
 ミハエル・シェンヴァント(指揮)/
《DISC 4》
 トマス・ダウスゴー(指揮)
デンマークが誇る大作曲家、カール・ニールセン(1865-1931)の集大成となる作品集第1集。DACAPOレーベルの威信をかけての登場です。
管弦楽作品集は、名指揮者シェンヴァントの演奏を中心に。初期は後期ロマン派の影響を受け、少しずつ調性から脱却、印象主義、多調、半音階進行などの20世紀手法を取り入れながら、独自の路線を模索したニールセンの変遷と進化がよくわかるのではないでしょうか?
名演の誉れの高い交響曲全集については、CDとDVDの録音の違いをじっくり楽しむことが可能です。マニアならずとも手元に置いておきたい愛蔵盤です。
録音&収録 デンマーク放送コンサート・ホール 1999年5月〜2006年9月…CD,2000年11月2.4日…DVD ライブ収録
Per Norgard: The Will-o'-the-Wisps in Town
8.226085
(1CD+1DVD)
\2000
ペア・ノアゴー(1932-):ウィルオウィスプが町にいる
 1-15.お伽話のカンタータ「ウィルオウィスプが町にいる」/
 6-18.かぎりなく揺れる揺籃のなかから
《DVD》
 ウィルオウィスプが町にいる-お伽噺と音楽の旅(25分)
ヘレーネ・ギェリス(メゾ・ソプラノ)…1-15/
アテラス・シンフォニエッタ・コペンハーゲン
録音 デンマーク王立アカデミー・オブ・ミュージック2009年3月30日-4月2日…1-15, 2009年11月26-27日…6-18
 「ウィルオウィスプ」とは世界各地に存在する鬼火伝承の名の一つです。ここでは、デンマークが生んだ大作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「鬼火が町にいる」という有名なお伽話を元に書かれた、ノアゴーのカンタータです。これはアンデルセン生誕200年の国際的な記念式典のために書かれた作品で、世界初演となっています。付属のDVDには、曲が成立するまでのドキュメンタリーが収録されていて、作曲家と、彼の親友で作家のスザンヌ・ブロッガー(この物語の台本を書いた)、そして歌手のギェリスが作品に対する思いを語ります。
8.226092
\2000
ペア・ノアゴー(1932-):パーカッションとアンサンブルのための「風景」
 1.破壊への前奏曲(1986)/
 2-5.O.サーヴィングの詩「この年」による4つのメディテーション(2010)/
 6-8.パーカッション・ソロのための「アラベスク」(2010)/
 9-11.パーカッションと6楽器のための「3つの情景」(2009)
エスビェア・アンサンブル/
クリスティアン・マルツィネス(パーカッション)/
ペッテル・スンドクヴィスト(指揮)
 ノアゴーによるパーカッションを中心とした音楽集です。東洋的神秘主義と、エキゾチックなリズムによる、まさに自然を超越したかのような不思議な響きがたまりません。パーカッションと一口に言っても、その音色は様々で、ヴィヴラフォンやミュージック・ソウ(音楽のこぎり)など、メロディックなものも含まれます。アラベスクと3つの情景は、才能あるパーカッション奏者、マルツィネスのために書かれています。音の羅列から生み出される美をお楽しみください。
Spaces and Places
8.226573
\2000
スペース・アンド・プレース
 1.ブルーン(1968-):My Jewel, My Rose, My Honour/
 2.ホルメン(1971-):Mrs.シュミット/
 3.ホルメン:デイモス/
 4.ブルーン:最高の新年の歌/
 5.スネッケスタ:フランスのスケッチ/
 6.ブルーン:All that My Soul Will Hum/
 7.オルセン(1961-):暗い部屋/
 8.エーヤフェルト・オレセン(1969-):Stralsund
エヴァ・エステルゴー(ピッコロ,フルート,アルト・フルート,バス・フルート)/
ペーター・ブルーン(ヴォーカル…1.4.6)/
ペーター・ラングベリ(ベル…1.6)/
スタジオ・アンサンブル…1/
モーテン・オルセン(電子楽器…7)
録音 2007年-2011年Recorded in Logumkloster Kirke and Logumkloster Refugium
 南ユトランド半島にあるレグムクロスター教会は、中世デンマークに建立された最も重要な建造物の一つであり、教会内部では素晴しい音響効果を発揮します。高いアーチ型の天井とレンガ作りの壁は、他では味わえない響きをもたらし、特徴的なサウンドスケープを生み出すのです。フルーティストのエヴァ・エステルゴーは様々な試みを実現化するアーティストで、以前は宇宙をアニメーション化しようとしたこともあるようです。このアルバムを収録するにあたって、教会内の音響を存分に研究し、5人のデンマークの作曲家に作曲を依頼し、この見事な1枚を生み出しました。
Sunleif Rasmussen: Dancing Raindrops
8.226567
\2000
ソンライフ・ラスムセン(1961-)ソロとアンサンブル作品集
 1-3.クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための
  「ダンシング・レイン・ドロップス」(1995)/
 4-8.ギターとエフェクト・プロセッサーのための「組曲」(2007)/
 9.2本のフルートのための「アンダラグ第2番」/
 10-14.ピアノとエフェクト・プロセッサーのための
  「黄金の太陽のように」(1993)/
 15.フリート、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリンのための
  「モザイク/ミニチュア」(1999)
アンナ・クレット(クラリネット)…1-3.15/
オッスール・ベーク(ヴァイオリン)…1-3/
ヨハネス・アナセン(ピアノ)…1-3.10-14.15/
オラヴル・ヤコブセン(ギター)…4-8/
アンドレア・ヘインドリクドッティル(フルート)…9.15/
ベルハルド・ウィルキンソン(フルート)…9/
サメル・ペテルセン(ヴァイオリン)…15
 ノルウェーとアイスランドの中間に位置するデンマークの自治領、フェロー諸島を代表する作曲家、ソンライフ・ラスムセンの室内楽作品集です。ここに収録された5つの作品は、様々な楽器の構成が魅力で、フェロー諸島の伝統音楽を曲の根底に置きながらも、それを一度壊して再構築することで、曲に独特の陰影を与えています。とりわけ「ギター組曲」や「黄金の太陽のように」では、バロック様式の構造と、電子的に創り上げた「共鳴」を同時に鳴らすことで、聴き手の感覚を攪乱します。慣れると案外心地よい音と言えそうです。録音 2009年-2011年The Faroe Islands Art Museum and The Nordic House in the Faroe Islands

DYNAMIC



CDS-663
(3CD)
\4500→\4090
秘曲蘇演指揮者フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)
 フランチェスコ・カヴァッリ:歌劇「ジャゾーネ」
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指揮)/
フランドル・オペラ(オーケストラ&合唱)/
アントワープ,フランドル・オペラ/
ジャゾーネ…クリストフ・デュモー(カウンターテナー)/
メデア…カタリナ・ブラディク(ソプラノ)/
イジフィレ…ロビン・ヨハンセン(ソプラノ)/
ジュピター/
ベッソ…ヨゼフ・ワーグナー(バス)/
デモ…フィリッポ・アダミ(テノール)/
デルファ…エオロ・ヤニフ・ドール(カウンターテナー)/
アモーレ…アリンダ・アンゲリク・ノルドゥス(ソプラノ)/
エルコーレ(ヘラクレス)…オレステ・アンドリュー・アシュウィン(バス)/
エジェオ(アイゲウス)…ソレ・エミリオ・ポンス(テノール)
 17世紀全体を通じて、最も頻繁に演奏されたオペラと言われるのがこの「ジャゾーネ」です。1649年にミラノ、その翌年にルッカで上演されたとされ、その後様々なイタリアの都市で(題名を変えながら)21回に渡って再演されたと記録されています。登場人物は、良く知られた「メディア」とほぼ同じですが、人物描写や物語はかなり変更を加えられており、本来は「悲劇」であるはずの冒険譚が、コミカルな三角関係の成り行きへと変貌しています。音楽は同時期のモンテヴェルディの作風とは大きく異なり、劇的でユーモラスです。スコアは残念ながら完全な形で残っておらず、ところどころは通奏低音のみが書かれていたのですが、これは指揮者サルデッリが復元し、見事に演奏しています。またサルデッリはリコーダーの名手でもあり、このオペラでもその妙技を披露しています。
 収録 2010年5月アントワープ


そう、このアルバムを生み出したのがフェデリコ・マリア・サルデッリ
Vivaldi: New Discoveries I
NAIVE
OP 30480
\2500→¥2290
ヴィヴァルディ:「新発見」
 アリア「Se lento ancora il fulmineまだ光が遅いなら」
 協奏曲ト短調RV478a(2つのヴァイオリン、チェロ、弦と通奏低音のための)
 ソナタ ト短調RV806(フラウト・ドリットと通奏低音のための)
 モテット「Vos invito私はあなたを喚ぶ」(アルト、弦と通奏低音のための)
 ソナタ ニ長調RV798(ヴァイオリン、通奏低音のための)
 協奏曲 ト短調(オーボエ、チェロ、弦と通奏低音のための)
 アリアRV749.32
  「Se fide quanto belle星よ、おまえたちが美しいのと同じくらいに誠実ならば」
 ソナタ ニ長調RV810
モード・アンティコ、
フェデリコ・マリア・サルデッリ(指)
ロミーナ・バッソ(Ms)
パオロ・パッラストリ(Ob)
エンリコ・カサッツァ(Vn)
ベッティーナ・ホフマン(Vc)
 ヴィヴァルディ:「新発見」作品集!
 この1曲目がすごい。
 ひょっとしたら指揮者のサルデッリはこのアリアを見つけてこのアルバムの制作を思いついたんじゃないかと思うくらいすごい。残りの曲は聴かなくてもいいからこの曲だけでも聴いて、と言いたくなるくらいすごい。当時の超人カウンター・テナーが歌ったであろう超英雄的なアリア。すでに楽譜は散逸してしまっているオペラ「アルジッポ」の1曲。そりゃあもうコロラトゥーラなんてあまっちょろいもんじゃない。超人的、というより怪人的なすさまじい歌唱で聴いているあなたの脳天を直撃する。歌によって斬首されることがあるとしたらこういう曲。聴くだけで鮮血がほとばしるようなそんな歌。当時のオペラ劇場なんて所詮謀議の巣か愛の巣だったに違いないが、おそらくこのアリアが始まる前には観客全員客席に戻ってステージを食い入るように眺めていたはず。だからこそヴィヴァルディは超人気作曲家だった。
 モーツァルトも腰を抜かすようなこんなとんでもないアリアを書いたヴィヴァルディ・・・絶対に普通の男じゃなかったはず。

*************

 サルデッリが2007年に発見したヴィヴァルディの作品集。サルデッリは膨大な資料にあたり、これらがヴィヴァルディの真作であることを証明。新たなRV番号つきヴィヴァルディ作品の誕生、そして録音のはこびと相成った。サルデッリは、これらの作品は、ヴィヴァルディの未発掘作品群の氷山の一角に過ぎず、いたるところにまだまだ解明されるべき資料が散在していると言っている。この録音の目玉のひとつであるモテットは、アッシジの図書館にのこされていた楽譜のもので、ヴィヴァルディ自身も1712、1713年に演奏したもの。超絶技巧のパッセージが散りばめられた楽章、しっとりとしたレチタティーヴォとアリアをはさみ、最後は極端に音域の広い「アレルヤ」で華やかに幕を閉じます。ほかにもヴィヴァルディ・ファンならずとも興味をそそられる作品ばかり。ヴィヴァルディのさらなる作品発掘に期待したいところ。録音:2008年5月


CDS-721
(2CD)
\3000
タルティーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ集第1集
 25の小ソナタ-ヴァイオリン・ソナタより

<CD1>
 1-3.第1番ト長調/4-6.第2番ニ短調/7-10.第3番ニ長調/
 11-13.第4番ハ長調/14-16.第5番ヘ長調/17-19.第6番ホ短調/
 20-22.第7番イ短調/23-26.第8番ト短調/
<CD2>
 1-4.第9番イ長調/5-8.第10番ロ長調/9-12.第11番ホ長調/
 13-16.第12番ト長調/17-19.第13番ロ短調/
 20-23.第14番ト長調/24-26.第15番ト長調
チルトミール・シスコヴィッチ(ヴァイオリン)
 「悪魔のトリル」で知られるイタリアのバロック期の作曲家タルティーニ(1692-1770)。彼はこの時代の作曲家としては珍しく、教会音楽やオペラは全く書くことがなく、すべての愛情を器楽音楽へ捧げたことで知られています。このソナタ集はパドヴァ、アントニアーナ図書館に所蔵されているもので、ここでは無伴奏で演奏されていますが、過去にはチェロの通奏低音を施して演奏しているものもありました。第1番から第7番までは、ほとんどが3楽章形式で書かれ、ゆったりとした楽章で始まり、2つの速い楽章が続くというものですが、第8番からは4楽章に拡大され、自作の協奏曲やソナタなどから多くの引用が見られ、また尽きることのない美しい旋律と、超絶的な技巧が要求される難曲が続きます。
 日本でもたびたび演奏会を開いている、スロヴェニアの血を引くトリエステ生まれのヴァイオリニスト、シスコヴィッチの暖かく、よく歌う音色が印象的です。
 録音 1997年トリエステ
Vinci, Leonardo: La Partenope
CDS-686
(2CD)
\3000
レオナルト・ヴィンチ:歌劇「パルテノペ」
 <CD1>1.シンフォニア/2-23.第1幕/
 <CD2>1-13.第2幕/14-29.第3幕
  ※世界初録音
パルテノペ…ソニア・プリーナ(アルト)/
ロスミーラ…マリア・グラツィア・スキアヴォ(ソプラノ)/
アルサーチェ…マリア・エルコラーノ(ソプラノ)/
エミーリオ…エウフェミア・トゥファノ(メゾ・ソプラノ)/
アルミンド…ステファノ・フェラーリ(テノール)/
オルモンテ…シャルルス・ド・サントス(バス)/
イ・トゥルキーニ/
アントニオ・フローリオ(指揮)
 「パルテーノペ」とはギリシャ神話に登場する、少女の姿を持つセイレーンの一人。このスタンピーリャの台本ではギリシャの王女として登場し、ナポリを建国した女王として描かれています。三人の男性から求婚されたパルテーノペと、かつて、その中の一人に捨てられたロスミーラが織りなすこの物語は、当時とても人気があり、ヴィンチ(1690-1730)の他にもカルダーラ、ハッセ、サッロ、ヴィバルディ、ヘンデルなどの少なくとも16の異なる作曲家によってオペラ化されています。(ヘンデルは、このヴィンチの作品の上演を見たと言われています)。ナポリでは現代でも、これらを「パルテノペの子どもたち」と呼んでいるほどです。とはいえ、このヴィンチの作品は、彼の死後すっかり忘れられてしまい、300年の月日を経て、ようやくフローリオとイ・トゥルキーニによって再発見されたのでした。
 イ・トゥルキーニは1987年に設立された、主に17.18世紀の知られざるナポリの作曲家の作品を蘇演するアンサンブルです。ユニークなプログラムと、バロック時代の音楽に対する厳しいアプローチが非常に高く評価されています。
 録音 2011年4月スペイン,ムルシア

Testamentum
CDS-710
\2000→\1890
「テスタメントゥム」
 ジョヴァンニ・レグレンツィ:5声のミサ・ラウレナータ

 1-3.18のトリオ・ソナタOp.2-2「ラ・スピリムベルガ」/
 4.入祭唱「ここは恐ろしき場所かな」/5.キリエ/
 6.グローリア/7.昇階唱「われ一つの」/
 8.アレルヤ「汝の館に住む者は幸いなり」/9.クレド/
 10.オッフェルトリウム「神なる主」/11.サンクトゥス/
 12.アニュス・デイ/13.コンムニオ:ドゥムス・マエ/
 14-16.18のトリオ・ソナタOp.2-14「ラ・クェリーニ」/
 17-19.こぞって祝え、シオンの娘たちよ/
 20.インプロヴィサツィオーネ(即興演奏)/21.救い主のうるわしき母/
 22.インプロヴィサツィオーネ(即興演奏)/
 23-26.今日、天は賑わう
リア・セラフィーニ(ソプラノ)/
ロベルタ・ギウア(ソプラノ)/
オフィチーナ・ムジクム/
リッカルド・ファヴェーロ(指揮)
 1681年、ジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690)は聖マルコ大寺院の副楽長に就任します。そこで目覚ましい活躍をしたため、その4年後の1685年には楽長に昇進することになったのです。そして1690年5月27日に亡くなるまで、その重要な地位にあり、多くの作品と、多くの子弟を育てあげました。そんな宗教的には要職にあったレグレンツィですが、彼の35年の後半生に書かれた宗教曲は、Op.17のソロ・モテット集が甥によって死後に出版された他は、ほとんど出版されることがなく、ほとんどの作品は各地の図書館などに草稿のコピーが残されているのみとなっています。このアルバムに収録されているミサ曲は、ロレートの教会に原稿が保存されているもので、1689年の日付が記されています。この録音は、トリオ・ソナタや即興演奏を含む一連のミサとして記録されていて、17世紀終わりのヴェネツィアの礼拝風景が鮮やかに目の前に浮かびます。
 録音 2009年9月パドヴァ 世界初演時の収録
25 Years with the Tammittam Percussion Ensemble
CDS-720
(2CD)
\3000
タンミッタム・パーカッション・アンサンブル25周年記念アルバム
<CD1>
 1-3.ジェルメーヌ・タイユフェール(1892-1983):
  パルティータ「ラモーを讃えて」(1964)/
 4.ブルーノ・マデルナ(1920-1973):
  2台のピアノとインストゥルメンツのための協奏曲/
 5.マリオ・パゴット:
  2台のピアノとパーカッションのための「アイデアの影Ⅰ」(2006)…世界初録音/
 6.マリオ・パゴット:2台のピアノとパーカッションのための「アイデアの影Ⅱ」(2006)…世界初録音/
 7-9.クラウディオ・スカンナヴィーニ(1959-):
  2台のピアノとパーカッションのための「3つのミニアチュア」(2010)…世界初録音/
 10.フランチェスコ・シュヴァイツァー(1965-):
  2台のピアノとパーカッションのための「ビザンティウムへの船出」…世界初録音/
 11-14.ネイ・ロサウロ(1952-):
  マリンバとパーカッション・アンサンブルのための協奏曲(1989)/

<CD2>
 1.ルロイ・アンダーソン(1908-1975):タイプライター(1950)/
 2-4.ネイ・ロサウロ:
  ヴィヴラフォンとパーカッション・アンサンブルのための協奏曲(1996)/
 5-9.グイド・ファッキン:ハープとパーカッションのための組曲「WU SHIH」…世界初録音/
 10-12.トーマス・ゴーガー:パーカッション・プレイヤーのための「ゲインズバラ」(1965)/
 13.グイド・ファッキン:
  メゾ・ソプラノとパーカッション・アンサンブル(6人の奏者)のための
   「グロリア・エ・モルテ」(1987)/
 14.リッカルド・リッカルディ:
  ハープとパーカッションのための「L’AGO DELLA BILANCIA」…世界初録音/
 15.エドガー・ヴァレーズ(1883-1965):イオニザシオン
タンミッタム・パーカッション・アンサンブル/
グイド・ファッキン(指揮)
 1986年、グイド・ファッキンがヴェネツィアに設立した「タンミッタム・パーカッション・アンサンブル」は2011年に25周年を迎えました。この2枚組はこれを記念して制作されたもので、1992年から2011年までの様々な時代の演奏が収録されています。1枚目のCDはタイユフェールの「ラモーを讃えて」と、マデルナの協奏曲で始まります。この2曲はこのアンサンブルがDYNAMICレーベルに初めて録音した記念碑的な作品であり、彼らの方向性を決定付けた演奏でもあります。世界初録音も多数含まれたバラエティ豊かなアンソロジーです。
 録音 1992年-2011年

Between Two Worlds
CDS-724
\2000
サックス&オルガン
 〜「2つの世界の間で」

 1-6.アンドレ・ランプロア(1929-2004):サン・アデランへのオマージュ
  <Cantique (Entree solennelle)/
   A son maitre Remacle (Meditation)/
   L'Envoi en mission (Choral)/
   Le miracle de la source (Offertoire)/
   La resurrection de Guiza (Communion)/
   Au Christ couronnant (Sortie)>/
 7-9.ギー・ド・リオンクール(1885-1961):3つのグレゴリアの旋律
  <Clemens rector/Puer natus est/Pascha nostrum>/
 10-12.デニス・ベダール(1950-):ソナタⅠ
  <インヴェンティーノ/舟歌/フモレスケ>/
 13-15.アラリッヒ・ヴァルナー(1922-2005):
  ルディウムⅠ/ルディウムⅡ/ルディウムⅢ/
 16.ジョルジョ・パリ(1961-):アリオ・モード/
 17-19.イタロ・ディ・チオッチオ(1953-):ダイアローグ
  <アレグロ/アンダンテ/アレグロ>
マッシモ・ジャッケッティ(サクソフォン)/
マヌエラ・ディ・マルコ(オルガン)
 神の言葉を伝えるオルガン、かたや、現代の都市の孤独を歌い上げるサクソフォン。この対極にある2つの楽器の溶け合う響きを楽しむユニークな1枚です。全てが20世紀の作曲家によるオリジナルの作品ですが、どれも親しみやすく、懐かしい雰囲気を持っていて、神秘的であり感傷的です。神聖な雰囲気を醸し出すかと思えば、まるでプーランクやイベールのように機知に富んだ音楽もあり、この2つの楽器の特性を極限まで追求するとともに、未知の響きを味わうという極上のひと時を楽しめます。
 録音 2011年7月レッコ

Herold: Overtures and Symphonies
DM-8028
\1200
フェルディナント・エロール:序曲と交響曲集
 歌劇「ザンパ」-序曲/
 歌劇「クレルクの草原」-序曲/
 交響曲第1番ハ長調/
 交響曲第2番ニ長調
スイス・イタリア語放送管弦楽団/
ヴォルフ=ディーター・ハウシルト(指揮)
 19世紀末フランスで活躍したオペラ作曲家、フェルディナント・エロール(1791-1833)の序曲と交響曲集です。2つの交響曲は初期の作品であり、「第1番」は彼がローマ大賞を受賞した際の提出作品、第2番もそのすぐ後に滞在していたナポリで1815年に書かれたもので、どことなくベートーヴェン的なアカデミックさが感じられるものです。しかし同じ年に、最初のオペラを作曲し、ナポリで上演され大好評を得たことで、オペラ作曲家としての自信を持った彼は、次々と見事な作品を書き上げていくことになります。
 歌劇「ザンパ」の序曲は、昔ラジオ番組のテーマ曲として使われていたこともあり、曲を耳にすれば「ああ、あの曲か」と頷く人も多いのではないでしょうか。どれも洗練された旋律が魅力的です。
 録音 1998年9月ルガノ CDS282の再発盤

Fasch: Orchestral Suites
DM-8029
\1200
ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ:管弦楽組曲集
 1-6.組曲ヘ長調
  <序曲/エア/戯れ/エア/プーレ/メヌエット>/
 7-12.組曲ニ長調<序曲/エア/戯れ/エア/庭師/メヌエット>/
 13-22.組曲イ短調
  <序曲/戯れ/ガヴォットⅠ/ガヴォットⅡ/アリア/
  ブーレⅠ/ブーレⅡ/アリア/メヌエットⅠ/メヌエットⅡ>
カペラ・サヴァリア/
パル・ネメト(指揮)
 管弦楽組曲は18世紀の前半に人気を得ていたジャンルです。しかし、本来の組曲というのは、もう少し定義の狭いもので、それはアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4つでできたものであり、このファッシュ(1688-1758)や、バッハの作品は、「フランス風序曲=Ouverture」と呼ばれるジャン=バティスト・リュリが確立した形式に則って書かれています。どれも序曲で始まり、多様な舞曲が続きます。合奏協奏曲風の掛け合いがあったり、ソロ楽器が活躍したりと、実に楽しい音楽です。時にはフーガも使われますが、形式自体はシンプルなものが多く、テレマンやグラウプナーなどの「ギャラント様式」に近くもあります。
 録音 1999年1月ハンガリー・ソンバトヘイ CDS233の再発盤

Franck: Chamber works
DM-8030
\1200
フランク:室内楽作品集
 ピアノ三重奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1/
 ピアノ三重奏曲第2番変ロ長調「サロンの三重奏曲」 Op.1/
 ピアノとヴァイオリンのための大二重奏曲変ロ長調
  「グレーラクのギュリスタン」のモティーフによる」Op.14/
 アンダンティーノ・クイエトーソ変ホ長調 Op.6
マリアナ・シルブ(ヴァイオリン)/
ミハイ・ダンチラ(チェロ)/
ルクサンドラ・コラン(第2ヴァイオリン)/
ミハイル・サルブ(ピアノ)
 フランク(1822-1890)のピアノ三重奏曲は、彼が18歳から19歳にかけて作曲した作品で、ベルギーのレオポルド1世に捧げられています。若書きにも拘らずひたすら重苦しい雰囲気で始まる第1番の三重奏曲は、今でもときおり演奏され、フランクらしさを存分に発揮しています。第2番は「サロンの三重奏曲」と名付けられていますが、内容は決して軽いものではなく、どちらかというと重々しく感じられるのが面白いところです。
 Op.14とOp.6の2つの小品も、その少し後に書かれた作品で、後のヴァイオリン・ソナタやピアノ五重奏曲のような深淵性はないものの、どこまでも濃厚な歌と、技巧的なピアノパートが耳に残る佳品です。
 録音 1981-1982年ジェノヴァ CDS021の再編盤

Vivaldi: La Cetra II Volume 2
DM-8031
\1200
ジョヴァンニ・グリエルモ(ヴァイオリン)&ラルテ・デラルコ
 ヴィヴァルディ:ラ・チェトラVol.2

 1-3.ヴァイオリン協奏曲変ロ長調 RV380/
 4-6.2台のヴァイオリンのための協奏曲変ロ長調 RV526/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲ハ長調 RV183/
 10-12.ヴァイオリン協奏曲ト短調 RV327/
 13-15.ヴァイオリン協奏曲ハ長調 RV171/
 16-18.2台のヴァイオリンのための協奏曲イ長調 RV520
ジョヴァンニ・グリエルモ(ヴァイオリン)/
カルロ・ラツァリ(ヴァイオリン…4-6.16-18)/
ラルテ・デラルコ
 2枚組で発売されていたヴァイオリン協奏曲集からのセレクトです(他の収録曲は既発のDM8011でお聞きいただけます)。
 ヴィヴァルディ(1678-1741)円熟期の作品であるこの「ラ・チェトラ」は神聖ローマ皇帝カール6世に献呈されていて、タイトルのチェトラとは、古代ギリシアの弦楽器キタラーのこと。音楽の象徴としてタイトルに選ばれたものです。タイトル通り、ヴァイオリンの特性が良く生かされたバランスのよい協奏曲です。演奏しているのは、cpoレーベルでもおなじみグリエルモとラルテ・デラルコ。バロック楽器の典雅が響きを存分のお楽しみいただけます。
 録音 1995年6月ヴェネツィア CDS147の再編盤


店主おすすめラルテ・デラルコ
Delizie Musicali シリーズの2タイトル
Vivaldi: The best of La Cetra II
DM 8011
\1100
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集ラ・チェトラVol.1
 ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV 189
 ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV 202
 ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV 286
 ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV 391
 ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV 271「 恋人」
 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 RV 277「 お気に入り」
ジョヴァンニ・グリエルモ(Vn) 
フェデリコ・グリエルモ(Vn)
ラルテ・デラルコ
録音:1995 年6 月,ヴィチェンツァ/DDD、76'35

2 枚組で発売されていたヴァイオリン協奏曲集(CDS 147 廃盤)からの選りすぐり。ヴィヴァルディは( 神聖ローマ皇帝カール6 世に「ラ・チェトラ」と題されたヴァイオリン協奏曲集の手稿譜を二つ贈り、そのうちの一冊は1727 年にOp.9 として出版され、これが一般的に「ラ・チェトラ」として知られています。もう一冊はウィーンで手稿譜のまま保管されていました。ラルテ・デラルコによるイタリア勢のピリオド楽器演奏でお楽しみいただけます。
Vivaldi: 6 Concerti a Due Violini
DM 8014
\1100
ヴィヴァルディ:二つのヴァイオリンのための協奏曲集
 協奏曲 イ短調 RV523、協奏曲 ニ長調 RV513、
 協奏曲 ト長調 RV516、協奏曲 ハ長調 RV506、
 協奏曲 ハ短調 RV509、協奏曲 ニ短調 RV514
ラルテ・デラルコ
ジョヴァンニ・グリエルモ(Vn)
フェデリーコ・グリエルモ(Vn)
カルロ・ラッザーリ(Vn)
録音:1996 年1 月、アルタヴィッラ・ヴィチェンティーナ/DDD、69'03
旧CDS 167。
 店主お奨めの古楽演奏団体ラルテ・デラルコのヴィヴァルディ協奏曲集が「デリーツィエ・ムジカーリ」シリーズの廉価価格で再登場。
 ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をピリオド楽器で続々と録音したラルテ・デラルコによる演奏。独奏ヴァイオリンが二つということで、華やかさが増し、軽やかでいながら強烈な印象を残すラルテ・デラルコの妙技がたっぷり楽しめます。

CDS-592
(2CD)
\3000
ラロ:歌劇「イスの王様」
 3幕台本…エドゥアール・ブロー
  (映像…DYNDVD-33592 既発売)
イスの王…エリック・マルティン=ボネ(バス)/
マルガレード…ジュゼッピーナ・ピウンティ(メゾ・ソプラノ)/
ローゼン…ギレーヌ・ジラール(ソプラノ)/
ミリオ…ゼバスティアン・ゲーゼ(テノール)/
カルナック…ウェルナー・ファン・メヘレン(バリトン)/
サン・コランタン…レオナルド・グラウス(バス)/
ジャエル…マルク・ティソン(バリトン)/
ワロン王立歌劇場管弦楽団&合唱団/
パトリック・ダヴァン(指揮)
 ブルターニュ地方の王国イスの物語。長年対立していた国との和平が成立し、イスの王女マルガレードと敵対国の王子カルナックの結婚が決まります。しかし、マルガレードの心は、今は行方不明となっている幼なじみミリオの元にあります。マルガレーテの妹ローゼンも、ミリオを愛しているのですが、お互いにその気持ちを知ることはありません。婚礼が始まる直前にミリオが帰還。それを知ったマルガレードの気持ちは乱れてしまい、カルナックとの結婚を拒否。それがもとで、両国の間が険悪になってしまいます。そして、ミリオが愛しているのがローゼンだと知ったマルガレードは、神を嘲笑し、復讐を企てるのですが・・・。
 指揮者ダヴァンは、2008年からこの劇場の音楽監督を務めていて、劇的な音つくりと、音楽から濃いロマンを引き出すことで(とりわけチェロの深い音色に注目)知られており、聴衆から大きな賞賛を得ている人です。既出の映像で、歌手たちの技量については、その素晴らしい容姿も含めて評価されていますが、こうして音だけで聴いてみると、その繊細かつドラマティックな表現には改めて感心するばかりです。人物描写などは、ワーグナーなどのオペラに比べると、若干軽めに思えるかも知れませんが、そのシンプルさこそがフランスオペラの真骨頂と言えるでしょう。
 録音 2008年4月リエージュ


CDS-714
\2000→\1890
アレッサンドロ・ロッラ:3つのヴァイオリン協奏曲集
 1-3.ヴァイオリン協奏曲変ロ長調/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲ニ長調/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲イ長調
  ※世界初録音
パオロ・ギドーニ(ヴァイオリン&指揮)/
コンセルヴァトーリオ・ディ・マントヴァ室内管弦楽団
 イタリアのパヴィアで生まれたアレッサンドロ・ロッラ(1757-1841)は、その生涯におよそ600曲の作品を残し、またイタリアにおける弦楽器の奏法の向上に非常に貢献した人として知られています。彼はミラノでヴィオラとヴァイオリンを学び、1782年から1801年までパルマの王立管弦楽団などで演奏、1802年からはミラノ・スカラ座のコンサート・マスターに就任します。同時に教師としても活躍し、数多くの門下生を育てあげました。
 そんな彼の作品には、当然ヴァイオリンとヴィオラのためのものが多く、L. インツァギとL. A. ビアンキが作成した作品目録によると、協奏曲だけでもヴァイオリンが20曲ほど、ヴィオラが15曲あるとされています。これらはどれも、スコア自体はシンプルですが、当時の慣例に従い、演奏者はスコアから多くのことを読み取る力を要求され、同じ曲を演奏したとしても、装飾、フレージング、カデンツァなどでの独自性を求められるという、古典派の協奏曲とは違う楽しさがあるものです。
 録音 2011年10月マントヴァ

CDS-725
\2000
モーツァルト:オーボエ四重奏&クラリネット五重奏曲「シュタードラー」
 1-3.オーボエ四重奏曲ヘ長調K370(K308b)/
 4-7.バセットクラリネットと
  弦楽四重奏のための五重奏曲「シュタードラー」K581
マルコ・ギローニ(オーボエ)…1-3/
ヴィンセンツォ・パーチ(バセットクラリネット)…4-7/
テアトロ・ラ・フェニーチェ弦楽四重奏団
<メンバー:ロベルト・バラルディ(ヴァイオリン)/
ジャナルド・タトーネ(ヴァイオリン)…4-7/
ダニエル・フォルメンテッリ(ヴィオラ)/
エマヌエーレ・シルベストリ(チェロ)>
 1784年、ウィーンのフリーメイソンに入党したモーツァルト(1756-1791)は、すぐに第2級に格上げされ、父やヨーゼフ・ハイドンを勧誘するなど活発な活動を行っていました。ここで出会ったのがクラリネット奏者のシュタッドラー兄弟で、彼らはヴィルトゥオーゾとして名高く、その音色と素晴しい技術は人々に賞賛されていたのです。とりわけ兄のアントンは、低音域をことのほか愛していたようで、ウィーンの宮廷楽器製作者テオドール・ロッツにわざわざ「バセットクラリネット」と「バセットホルン」の2つの低音が出せるクラリネットの制作を依頼したほどでした。現在では稀にバセットホルンのみが用いられることがありますが、バセットクラリネットの存在はほとんど忘れ去られてしまいました。しかし、モーツァルト没後200年を記念して1991年に復元され、この美しい音色が再び見直されてきています。
 録音 2011年3月ベルガモ


CDS-727
\2000→\1890
ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ:フルート協奏曲集
 1-3.フルート(ヴァイオリン)協奏曲第23番ト長調(WIa:18)/
  フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)によるフルート編曲版/
 4-6.フルート(ヴァイオリン)協奏曲第16番ホ短調(WIa:17)/
  カスパール・フュルステナウ(1772-1819)によるフルート編曲版
マリオ・カボッタ(フルート)/
ポメリッジ・ムジカーリ交響楽団/
ピエトロ・ミアニーティ(指揮)
 ヴァイオリンの名手、ヴィオッティ(1755-1824)の作品は魅力的なメロディに彩られており、他の楽器の奏者たちからも羨望の眼差しを注がれていることは間違いありません。もちろん多くの編曲が試みられ、今も昔も様々な楽器によって彼の曲の演奏が行われているのです。ここでは2人のフルートの名手による協奏曲の編曲版をお楽しみいただけます。ドイツ・ロマン派のフュルステナウによる第16番と、フランスの名手ドヴィエンヌによる第23番は、各々の作曲家の個性を表しつつも、同時にヴィオッティへの尊敬の意が込められたものであり、作品を楽しむための方法と、楽器のレパートリーを増やすための施策も理解できるはずです。
 録音 2011年7月ミラノテアトロ・ダルヴェルメ

CDS-731
\2000
ガブリエレ・バルドッチ(ピアノ)
 ベートーヴェン=リスト:ベートーヴェン交響曲全集第1集

  1-4.第1番ハ長調 Op.21/
  5-9.第6番ヘ長調「田園」Op.68
ガブリエレ・バルドッチ(ピアノ)
 19世紀最大のヴィルトゥオーゾ・ピアニストであったリスト(1811-1886)が編曲したベートーヴェン(1770-1827)の交響曲は、オーケストラの響きを余すことなく伝え、またピアニストが自らの技量を存分に発揮できるという、(名技を持った)ピアニストには美味しいレパートリーです。今回、この難曲に挑戦したのは若手ピアニスト&指揮者、ガブリエレ・バルドッチ。なんとも知性的、かつ情熱的な演奏であり、全集完成が楽しみなプロジェクトです。イタリアのリヴォルノに生まれ6歳からピアノを始めた彼は、才能あるピアニストの例に漏れず、世界中のコンサートで演奏を重ね、また、コンクールでも注目を浴び続けました。なかでも、ブエノスアイレスで開催されたマルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで優勝したことが、世界へ羽ばたく足がかりとなり、現在は、ソリスト、室内楽奏者、そして教師としても活動の幅を広げていています。また、この第1集は彼の師であるアルゲリッチに感謝の念とともに捧げられているということです。
 録音 2012年2月ヴェネツィア
Legrenzi: Il Sedecia
CDS-711
\2000
ジョヴァンニ・レグレンツィ:オラトリオ「イル・セデキア」
 1.ソナタOp.2-15「ラ・トリアーナ」/
 2.オラトリオ「イル・セデシア」第1部/
 3.ソナタOp.2-4「ラ・ストラソルダ」/
 4.オラトリオ「イル・セデシア」第2部/
 5.ソナタOp.2-3「ラ・フランギパーナ」
ラファエレ・ジョルダーニ(テノール)/
リア・セラフィーニ(ソプラノ)/
フランチェスカ・ロンバルディ(ソプラノ)/
ワルター・テストリン(バス)/
アンドレア・アッリヴァベーネ(カウンターテナー)/
オフィチナ・ムジクム・アンサンブル/
リッカルド・ファヴェーロ(指揮)
 ヴェネツィア楽派の歌劇作曲家であり、多くの弟子を育て、また1681年からは当時の音楽シーンの中心地であった、聖マルコ大寺院の副楽長に就任(1685年に楽長に昇進)、北イタリアで流行した多種多様の音楽に手を染め、数多くの作品を残しています。
 レグレンツィ(1626-1690)は1656年から1665年まではフェラーラのアカデミア・デッロ・スピリト・サント教会の楽長を務めていましたが、その後15年ほどの活動は不明とされていました。恐らく彼はヴェネツィアに移り、“Ospedale dei Mendicanti”の合唱指導をしていたようです。しかし、彼とフェラーラのつながりは切れてはいなかったようで、このオラトリオ「イル・セデキア」も1676年3月29日の日曜日にフェラーラの奉仕団体「デッラ・モルテ」の教会で演奏されたという記録が残っています。奉仕団体のパトロンであった枢機卿シギスモンド・キージに献呈されています。セデキアは旧約聖書に登場するユダ王国の最後の王で、ヨシュアの息子です。物語はセデキアと彼の息子たちがイェルサレムから逃亡するところから始まり、悲劇的なエピローグで幕を閉じるという劇的なものです。抑制された感情の表出が見事です。
 録音 2010年10月パドヴァ
Sonatas and Variations for flute and piano
CDS-728
\2000
フルートとピアノのためのソナタと変奏曲集
 1-9.シューベルト(1797-1828):
  「しぼめる花」にとる変奏曲ホ短調Op.160 D802/
 10-11.フンメル(1778-1837):
  フルートとピアノのための大ソナタイ長調Op.64/
 12-14.ウェーバー(1786-1826):
  ヴァイオリン(フルート)とピアノのためのソナタト長調Op.10-2/
 15-16.ウェーバー:
  ヴァイオリン(フルート)とピアノのためのソナタニ短調Op.10-3/
 17-23.ベートーヴェン(1770-1827):セレナードニ長調Op.41/
 24.シューベルト:「しぼめる花」による変奏曲第5変奏曲(第2稿)…世界初録音
ファビオ・デ・ローサ(フルート)/
ステファニア・ネオナート(ピアノ)
 古典派から初期ロマン派を代表する4人の作曲家のフルート作品集です(シューベルトの「しぼめる花」の第5変奏曲の第2稿は、この録音が世界初となります)。この当時は、演奏家たちの名人芸が競われた時代であり、フンメルを始めとした作曲家たちも挙ってこのような華麗な作品を次々と生み出していました。演奏するのは、トレント生まれで、国際的なフォルテピアノ奏者、古楽研究家として知られるステファニア・ネオナートと、1973年ジェノヴァ生まれのフルーティスト、ファビオ・デ・ローサ。端正なフォルムに現代的な感覚を備えたバランスの良い演奏です。
 録音 2011年3月クレモナ
Pacini: L’ultimo giorno di Pompei
CDS-729
(2CD)
\2600
ジョヴァンニ・パチーニ:歌劇「ポンペイ最後の日」
 (CDS-178 再発盤)
ラウール・ヒメネス(テノール)/
イアノ・タマール(ソプラノ)/
ニコラス・リヴェンク(バリトン)/
グレゴリー・ボンファッティ(テノール)/
リッカルド・ノヴァーロ(バリトン) 他/
カターニア・ベッリーニ劇場管弦楽団/
ジュリアーノ・カレッラ(指揮)
 1825年11月19日、この歌劇「ポンペイ最後の日」はナポリのサン・カルロ劇場で初演の幕を開けました。この公演は大成功を収め、1827年にはウィーンとミラノ、1828年にはリスボン、1830年にパリ、1839年にマドリット、そしてスカラ座では43回もの再演が行われるなど、大変な人気を誇った作品で、パチーニにしても生涯最高の栄誉を味わったことは間違いないでしょう。作品はロッシーニ風の味わいを持ち、高水準の歌手たちの歌声とカレッラの溌剌した指揮を楽しめる「隠れた名作」です。
 録音 1996年8月マルティナ・フランカ

Albinoni: Six Sonatas for Flute and Continuo, Op. 6
DM-8032
\1200→\1090
トマゾ・アルビノーニ:フルートと通奏低音のための6つのソナタOp.6
 1-4.フルート・ソナタニ長調Op.6-7/5-8.フルート・ソナタホ短調Op.6-8/
 9-12.フルート・ソナタハ長調 Op.6-1/
 13-16.フルート・ソナタト短調Op.6-2/
 17-20.フルート・ソナタイ短調Op.6-6/
 21-24.フルート・ソナタト長調Op.6-9 (CDS-139の再編盤)
アンサンブル・バロッコ・サン・スシ
<メンバー:
マリオ・フォレーナ(フルート)/
テッレル・ストーン(テオルボ)/
カルロ・ザナルディ(バロック・チェロ)/
アルド・フィオレンティン(ハープシコード)>
 アルビノーニ(1671-1751)のOp.6の一連の作品は、1710年から1712年に作曲された12曲からなるヴァイオリン・ソナタで、彼の創作の絶頂期の作品と言われています。ヴァイオリンの高い技術を要求する作品であり、これをバロック・フルートで演奏することは、想像以上の困難を伴うものですが、マリオ・フォレーナは、まさに息をのむほどの鮮やかさで、これらの曲に見事な色合いを与えることに成功しています。
 録音 1995年4月-5月パドヴァ

ライプツィヒMDR交響楽団/自主制作レーベル

 ライプツィヒMDR交響楽団自主制作レーベル発動!
 ライプツィヒMDR交響楽団は、ドイツ連邦共和国ザクセン州ライプツィヒに本拠を置く中部ドイツ放送協会(MDR)所属オーケストラで、中部ドイツ放送交響楽団とも呼ばれます。ドイツ再統一までは、ライプツィヒ放送交響楽団と称していましたが、放送局の再編により中部ドイツ放送協会が誕生したのをきっかけに、ライプツィヒ放送フィルハーモニー管弦楽団がライプツィヒ放送交響楽団へ合併する形で1992年に再編され、現在の名称を冠しています。
 1923年に創立されたライプツィヒ放送交響楽団は、旧東独を代表するオーケストラであり、歴代の指揮者も素晴らしい人々が顔をそろえています。ヘルマン・アーベントロート、ハインツ・レーグナー、ヘルベルト・ケーゲル、ダニエル・ナザレス、ファビオ・ルイージ・・・。中でも鬼才ケーゲルとの一連の録音は、クラシック・マニアの間でもその独特な解釈ゆえに「伝説的な名演」とされており、まさに信奉者が絶えないことでも知られています。他にもアーベントロートやポンマーなどの録音も多く、鄙びた音色と丁寧な音つくりに定評があるオーケストラです。ライプツィヒMDR交響楽団として活動を始めてからは、ファビオ・ルイージとのマーラーやフランツ・シュミットなどの演奏がリリースされていますが、ここでも落ち着いた響きとオーケストラの機動力を生かした見事な音楽が繰り広げられていたのが記憶に新しいところです。
 そんなライプツィヒMDR交響楽団ですが、2007年からは準・メルクルが音楽監督を務め、この伝統ある楽団にまた新たな息吹を与えたのをきっかけに自主制作レーベルを発足したのです。
 記念すべき最初のリリースとなるのは、2009年、メンデルスゾーンの生誕200年を記念して実施された3つの演奏会のライブ録音です。
第1弾…ジャン=ラシーヌの戯曲を基にした劇音楽「アタリー」Op.74
第2弾…ソフォクレスの悲劇「アンティゴーネ」Op.55
第3弾…ソフォクレスの悲劇「コロノスのオイディプス」Op.93
 これらはメンデルスゾーンの作品の中では、ほとんど秘曲扱いであり聴く機会もまずありませんが、どれもが円熟期の1840年から1845年にかけて書かれたものであり、美しい旋律と迫真のドラマに満ちた素晴らしい音楽です。


MDR1201
\2000→\1890
準メルクル&ライプツィヒMDR交響楽団/
 メンデルスゾーン:付随音楽「アタリー」Op.74
   (J.ラシーヌの劇のための)
ドミニク・ホルウィッツ(Narrator)/
ルース・ツィーザク(S)/
ヤーナ・ブッフナー(S)/
アンティゴネ・パポウルカス(Ms)/
アネッテ・ヴィーデマン(Ms)/
ライプツィヒMDR交響楽団/
準メルクル(指揮)
 アタリーは、旧約聖書に登場する「ユダの猛女王」の名前で、同じ題材のヘンデルのオラトリオが知られています。北イスラエル王国の王族の血を引くアタリア(アタリー)は、息子アハズヤが殺害されると、自らが半ば強引に即位し、自分の王位を守るために他の王族を皆殺しにすることで民衆の反感を買ってしまいます。何しろ「救世主が生まれる」とされるダヴィデの正統なる血筋を断ってしまう暴挙は神に背くことだったからです。次々と王族たちが殺害される中、アハズヤの子ども(アタリアの孫にあたる)ヨアシュだけが生き延びて、次の王位を継ぎ、アタリアは処刑されるという物語です。ラシーヌは、この物語をギリシャ悲劇風の戯曲に仕立てています。
 録音 2009年6月7日ライブ録音メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス


MDR1202
\2000→\1890
準メルクル&ライプツィヒMDR交響楽団/
 メンデルスゾーン:付随音楽「アンティゴーネ」Op.55
   (ソフォクレスの劇のための)
クレオン…ドミニク・ホルウィッツ/
アンティゴネ…アンナ・フランツィスカ・スルナ/
イズメーネ…アンネ・ベルク/
見張り…ニコラウス・オコンクォ/
テイレシアス…ティロ・プルックナー/
ハエモン…ジモン・ツィガー/
トーマス・オルテル=ゴルマンス(バス)/
アンドレアス・フィッシャー(テノール)/
クリスティアン・セアンセン(テノール)/
トーマス・ラツァーク(バス)/
イ・グンウク(バス)/ライプツィヒMDR放送合唱団(男声)/
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)
 こちらはギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソフォクレスが紀元前442年頃に書いた悲劇です。メンデルスゾーン(1809-1847)はこの物語をクリスチャン・ドナーの翻訳台本で読み、友人の歴史家ドロイゼンに熱烈なる感想を書き送っています。「コロノスのオイディプス」の後のエピソードであり、王位をめぐって相打ちとなった兄たちを悼むオイディプスの娘アンティゴーネと、空席となった王位についた、アンティゴネの叔父であるクレオンの確執を描きます。国家の威信を問るのか、それとも肉親の情をとるのか・・・クレオンの出した答えはアンティゴーネを赦すものでしたが、時すでに遅く、アンティゴーネは自らの命を絶つという物語です。
 メンデルスゾーンはこの物語を序奏と7曲の男声合唱で描き出しました。緊迫するドラマが涙を誘います。
 録音 2009年1月11日ライブ録音 ライプツィヒ,メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス


MDR1203
\2000→\1890
準メルクル&ライプツィヒMDR交響楽団/
 メンデルスゾーン:付随音楽「コロノスのオイディプス」Op.93
   (ソフォクレスの劇のための)
オイディプス…ドミニク・ホルウィッツ/
アンティゴネ…アンナ・フランツィスカ・スルナ/
イズメーネ…アンネ・ベルク/
クレオン…ニコラウス・オコンクォ/
テーゼウス…ティロ・プルックナー/
ポリュネイセス&コロノスの市民…ジモン・ツィガー/
ラインハルト・デッカー(バス)/
アンドレアス・フィッシャー(テノール)/
クリスティアン・セアンセン(テノール)/
トーマス・ラツァーク(バス)/
イ・グンウク(バス)/
ライプツィヒMDR放送合唱団/
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)
 こちらは「アンティゴーネ」の物語の先駆をなすエピソードです。テーバイの王であったオイディプス(エディプス)は、そうとは知らずに実母イオカステーを妻とし、4人の子どもを生ませてしまいます。しかし、それは以前に受けた神託の実現であったことを知り、それを断ち切るべく盲目となり放浪の旅に出ます。もとよりこの世に生を受けてはいけない身であったオイディプスは、アテナイ近郊の「コロノスの森」にたどり着き、そこを最期の地と決めるのですが、彼を味方につけたい人々の思惑などから、なかなか安らかに逝くことができません。彼と長らく対立していたクレオンと言い争い、息子ポリュネイセスと面会するも「味方してくれないか」と懇願され、それを拒否。そして運命の時が来て、神の声に導かれながら地中へ姿を消していくという物語です。こちらはプロイセン王からの委嘱作品であり、「アンティゴーネ」とはまた違った味わいを持った大作となっています。
 録音 2009年4月7日ライブ録音 ライプツィヒ,メイン・アウディトリウム・オブ・ザ・ニュー・ゲヴァントハウス

LPO



LPO-0064
(2CD)
\2400→\2190
ユロフスキ&ロンドン・フィル
 〜チャイコフスキー交響曲第4番&第5番

  1.チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
  2.チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
 なかなかシリーズ的に録音を進めてくれないユロフスキがついにチャイコフスキーの後期2題をリリース。
 2007年から首席指揮者を務めるユロフスキは、現在もLPOと最良の関係を保っており、素晴しい録音を次々と世に送り出しています。
 チャイコフスキーについては、2006年リリースの「マンフレッド交響曲」(LPO-0009)、2009年リリースの第1番&第6番(LPO-0039)があり、これらも高く評価されていますが、このライヴ録音でも、そのエネルギッシュで見通しの良い音楽作りが更に強化されており、全てが溶け合い、深く呼吸するかのような見事な世界が表出されています。残りの曲の録音にも大いなる期待が寄せられるでしょう。

 録音2011年3月19日&5月4日
 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,サウスバンク・センター


ユロフスキ、美しき狂気
チャイコフスキー2タイトル

LPO-0009 
¥2000→¥1890
チャイコフスキー:交響曲「マンフレッド」 ウラディミール・ユロフスキ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
2004年12月8日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ録音
 むりやりサンプル盤を届けてもらった。とても発売まで待てない。
 聴いた。
 やられた。
 この曲にはもちろんスヴェトラーノフの名演(キャニオン)がある。とくにあれを生で聴いてしまった店主にとって、おいそれとほかの演奏に浮気することはありえない・・・はずだった。が、しかし・・・。このユロフスキの演奏・・・。
 爆裂やら発狂とかではない。激情はあるし狂気もある。しかし決してはったりぶちかまし系ではない。どこまでもどこまでも正攻法。どこまでも正統派。
 なのにすごい。
 生涯不動の1位と思っていたスヴェトラーノフを引き摺り下ろしてしまった。
 何がすごいのか・・・。
 あえて言うなら、かっこいい。全編かっこいい。
 きれがよくて、そのくせ濃厚で、迫力満点。とにかくアクセントの付け方や強弱の付け方、メロディーの歌わせ方、そのひとつひとつがいなせ。意気で男前。かつてのカルロスやすごいときのヤンソンスを思わせる。
 ・・・よく考えてみれば彼らも2世指揮者。
 逃れたくても逃れられない音楽家の血脈が、こうした神がかり的な演奏を生むのかもしれない。

LPO 0039
(2CD)
\2400→¥2190
チャイコフスキー:交響曲第1 番「冬の日の幻想」&交響曲第6 番「悲愴」
 CD1.
  交響曲第1番ト短調 Op.13「冬の日の幻想」
  <第1 楽章「冬の旅の幻想」/
   第2 楽章「陰気な土地、霧の土地」/
   第3 楽章スケルツォ/第4 楽章フィナーレ>/
 CD2.
  交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
ロンドン・フィル
 ウラディーミル・ユロフスキがついにチャイコフスキーの交響曲チクルスに挑む。
 店主が今最も若手で期待する男、ユロフスキ。しかしなかなかポピュラーな曲を振ってくれない。DGに引っ張り出されたグリモーとの「皇帝」の指揮は評判もよくようやく世界的に認知はされたものの、所詮伴奏では天才・奇才ユロフスキの本領を発揮することはできなかった。
 彼の本領はそのえげつないほどに屈折し、歪曲したロマン。そしてまるで太古の伝説のようなズシリとした存在感。そしてこちらまでその渦に巻き込まれそうな無限に湧き上がるエネルギー。
 そして始まったチャイコフスキー・チクルス。
 あの壮絶なマンフレッドを引き合いに出すまでもなく、ユロフスキがチャイコフスキーにピッタリなのは、ファンなら誰でも想像できる。

2007 年にロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者として就任した若きロシアの俊英、ウラディーミル・ユロフスキ。(父ミハイルも名指揮者として知られますが、実は弟も指揮者。着々と才能を伸ばしつつあり、こちらも注目されています)。すでにLPO とはいくつかの録音があり、その迸る才能の片鱗を見せつけてはいたのですが、今作から始まるチャイコフスキーの交響曲全集録音で、いよいよ、その恐るべき真価を世に問うことになるでしょう。さて満を持して登場、この第 1 集は「悲愴」と「冬の日の幻想」というカップリングです。「食わず嫌いをしないでください」といわんばかりのこの2 曲の組合せにも並々ならぬ意欲が感じられるではありませんか(あまり聴く機会のない第1 番ですが、彼の演奏でとりこになる人も多いのでは)。まず第1 番の冒頭、フルートとファゴットの印象的なメロディを聴いただけで、この演奏に引き込まれてしまうこと間違いありません。曲全体に漲る高揚感、ライヴとは思えないほどの完成度の高さ、そしてスタイリッシュな解釈には舌を巻く他ありません。そして民謡から想を得た終楽章、いかにもチャイコフスキーらしい音楽なのですが、これがまた最高にカッコイイのです。第6 番「悲愴」に関しては何も申し上げることはございません。陰鬱な美しさに覆われた世界にどっぷりはまってみてください。(代理店より)



LPO-0065
\2000→\1890
ベルクルンド&ロンドン・フィル
 シベリウス(1865-1957):交響曲第5番&第6番

  1.交響曲第5番変ホ長調Op.82
  2.交響曲第6番ニ短調Op.104
  3.組曲「レンミンカイネン」Op.22-トゥオネラの白鳥
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
パーヴォ・ベルクルンド(指揮)
 2012年1月にこの世を去ったフィンランドの名指揮者パーヴォ・ベルクルンド。(本人はこだわっていなかったというものの)世間では「シベリウスの専門家」として名高く、また作曲家との個人的な繋がりもあったということもあり、やはり彼のシベリウスは独自の光を放っていることは間違いありません。ベルグルンドは生涯にシベリウスの全集を3回録音していますが、そのどれもが特徴的で、オーケストラの持つ機動力を最大限に生かしたものとして知られています。LPOとも幾度か共演しており、第2番&第7番(LPO-0005)でも、北欧特有の暗い光の中から浮かび上がる抒情的な風景を描き出し、その音楽の底力を見せつけています。
 シベリウス後期の作品の中でも、とりわけ祝祭的な雰囲気を持つ第5番での輝かしい音色、深い森を思わせる清冽な響きを要求される第6番、このどちらもベルグルンドならではの解釈が聴けるものです。
 「トゥオネラの白鳥」は2006年の録音で、死の国の冷たいトゥオネラ川の水面を滑るように泳ぐ白鳥の姿を、暖かい音色で描写することで、このオーケストラから、また違った音色を引き出しています。
録音:2003年5月31日…1 2003年12月6日…2 ロンドンサウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール


第1弾・・・と呼んでいいのか
7年前の第2番&第7番
Sibelius - Symphonies Nos. 2 & 7
LPO 0005
(SACD Hybrid)
\2000→\1890
シベリウス:
 交響曲第2番ニ長調Op.43 (ライヴ録音:2005年2月16日)/
 同第7番ハ長調Op.105(ライヴ録音:2003年12月6日)
パーヴォ・ベルグルンド指揮
ロンドン・フィル


NAXOS 1CD¥1100



8.572207
オールソップ&ボルティモア交響楽団
 マーラー:交響曲第1番
ボルティモア交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
 数多くの指揮者、オーケストラがレパートリーとする、すっかりおなじみとなったこのマーラー(1860-1911)「第1番交響曲」。とはいえ、マーラー自身もこの作品にタイトルを付けてみたり、外してみたり、最初は5楽章形式であったり、また歌曲からの引用があったり。と様々な試みが施されており、一時期は誰もがみんな「巨人」というタイトルで呼んでいたものの、今では「それはやめよう」という流れになっている、マーラーらしい作品です。もちろん演奏の解釈も時代によって刻々と変化しているのも間違いありません。オールソップの演奏には、弱々しい感情ではなく、突き進む強さがあります。これは女性指揮者だからこその強さかもしれません。第1楽章の悠然さ、第2楽章の決然とした響き、重々しい第3楽章、そしてはち切れんばかりのパワーを込めた終楽章。これは見事なマーラーです。

8.572481
アントニ・ヴィト&ワルシャワ・フィル
 ペンデレツキ:ソロモンの雅歌他

  1.聖アーダルベルト讃歌(1997)/2.ケルビムの歌(1986)/
  3.ソロモンの雅歌(1973)/
  4.コスモゴニア(1970)/5.ストロフィ(1959)
オルガ・パシェチニク(ソプラノ)…4.5/
ラファウ・バルトミンスキー(テノール)…4/
トーマス・コニエチュニー(バス)…4/
イェジー・アルティズ(ナレーター)…5/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団…1-4/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団…1.3-5/
アントニ・ヴィト(指揮)
 NAXOSの人気シリーズ、ヴィトのペンデレツキ(1933-)作品集。今回は合唱曲を5曲お届けいたします。今作も収録曲の作曲年代は40年に渡り、その作風の変遷を確かめることができる趣向になっています。1997年の「聖なるアーダルベルトの賛歌」は、まるでヴェルディの宗教曲を聴いているかのような平易で美しい和声を用いた曲です。聖ダニエル讃歌(8.557980に収録)と対をなす作品で、描かれているのは8世紀のプラハの人々のために殉教した司祭アーダルベルトの業績です。曲ごとに時代が戻っていく仕掛けとなっており、最後に置かれたストロフィは、彼が名声を確立した作品で、ギリシャ語、ヘブライ語、ペルシャ語のテキストと、断片的なフルートの音、パーカッションの応酬は、まさに「ゲンダイオンガク」そのものと言えそうな音楽です。この作品で、ポーランド作曲家同盟の第2回青年作曲家コンクールの第1位を獲得した若き作曲家は、その時どんな方向性を夢見ていたのでしょうか。


8.572584
準・メルクル
 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管

ドビュッシー:管弦楽作品全集第8集
 24の前奏曲(P.ブレイナーによる管弦楽編曲版)

 1-12.前奏曲第1巻
  <デルフォイの舞姫/帆/野を渡る風/音と香りは夕べの大気の中に漂う/
   アナカプリの丘/雪の上の足跡/西風の見たもの/
   亜麻色の髪の乙女/さえぎられたセレナード/
   沈める寺/パックの踊り/吟遊詩人>/
 13-24.前奏曲第2巻
  <霧/枯葉/ビーノの門/妖精たちはあでやかな舞姫/ヒースの草むら/
  ラヴィーヌ将軍,風変りな/月の光が降り注ぐテラス/オンディーヌ/
  ピックウィック氏をたたえて/エジプトの壺/交代する三度/花火>
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
準・メルクル(指揮)
 BOXはリヨン管で創り上げたかった・・・というのが拘りでした。そのため、あの時は別ヴァージョンで仕上げました。でもバラで1枚1枚買ってくださった方には大変申し訳ない。ということで、準・メルクルがオーケストラを変えて録音したのは、NAXOSお馴染みの編曲家ブレイナーによる「24の前奏曲」という変わり種です。これならば、全く違う演奏をお楽しみいただけることでしょう。もちろん、C.マシューズの版でお楽しみいただいている方にも胸を張ってご紹介できる逸品です。現代における「管弦楽法の魔術師」ブレイナーの精妙かつ美しいオーケストラ編曲は、もともとこの曲集がオーケストラを想定していたかのような嵌り具合をみせています。

8.572769
ワーグナー:管弦楽曲集第3集
 1.歌劇「タンホイザー」序曲、ヴェーヌスブルクの音楽/
 2.楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
  第3幕:前奏曲-使徒たちの踊り-親方たちの入場/
 3.楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕:前奏曲/
 4.楽劇「トリスタンとイゾルデ」第2幕:闇夜にひとり,目を開けて/
 5.楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕:前奏曲/
 6.楽劇「トリスタンとイゾルデ」第3幕:穏やかに, 静かに彼が微笑み(愛の死)
  DELOSより移行盤
アレッサンドラ・マーク(ソプラノ)…4.6/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 シアトル交響楽団のワーグナー・シリーズ第3弾。オーケストラの機動力を最大限に生かしたスペキュタクラーな音、細部まで行き届いた表現力など、胸躍るワーグナーが楽しめます。このアルバムのテーマは「愛と情熱」。「タンホイザー」における高き理想と官能による葛藤、「マイスタージンガー」における歌合戦に秘められた愛の物語、そして誰もが認める「トリスタンとイゾルデ」の愛の交歓・・・これらは例え物語を知らずとも、鮮明に目の前に浮かび上がることでしょう。現代最高のワーグナー・ソプラノの一人、アレッサンドラ・マークの絶唱がこの曲集に香り豊かな華を添えています。


8.572836
メンデルスゾーン:合唱作品集
 1-6.6つの格言Op.79
  <喜べ、もろびと/われらの避難所なりし主よ/
   全ての称賛をこえて/主よ、われらの罪によりて/
   われらの心を喜ばしめよ/われらの罪のために>/
 7.オラトリオ「聖パウル」Op.36より「なんと美しき使者よ」(英語歌唱)/
 8.わが祈りをききたまえ/
 9.3つのモテットOp.39-1「主よ、わが祈りをききたまえ」/
 10.アレグロ、コラールとフーガニ長調/
 11.3つのモテットOp.69-3 マニフィカト/
 12.3つのモテットOp.69-1 ヌンク・ディミティス/
 13-15.3つのモテットOp.39-3「おお主よ、汝はわれをみいだしたまえり」/
 16.3つの教会音楽Op.23-2「アヴェ・マリア」/
 17-18.3つのモテットOp.39-2「主をほめたたえよ」/
 19.3つの詩篇Op.78-2 詩篇43番「神よ、私を審き」
ローラ・ヒックス(ソプラノ)…8/
フィリップ・サルモン(テノール)…16/
ピーター・ホルダー(オルガン)…7-9.11-18/
セント・オールバンズ修道院の少女合唱団/
セント・オールバンズ大聖堂合唱団の男声歌手たち/
トム・ウィンペニー(指揮)
 ユダヤの名家に生まれたメンデルスゾーン(1809-1847)ですが、父アブラハムの意向により、7歳の時にプロテスタントのルーテル派に改宗しています。しかし、やはりいわれなき迫害を受けることには変わりなく、彼の宗教観というものは、なかなか理解しにくい世界であったと思われます。そんな彼は大作「エリア」を始めとした数多くの宗教曲を書いていることでも知られています。とりわけ愛されているのがトラック8の「わが祈りをききたまえ」でしょう。美しいメロディ(ボーイソプラノで歌われることも多い)ばかりに注目が集まる名作ですが、この歌詞には辛く切ない祈りが込められています。
 メンデルスゾーンの心の声を確かめながら聴いてみると、自然に涙がこぼれてくるような気がしませんか?


8.572886
リヨン国立管弦楽団新音楽監督レナード・スラットキン!
 幻想交響曲
ベルリオーズ:幻想交響曲(第2楽章のコルネット付きヴァージョン入り)
 1.序曲「海賊」Op.21/
 2-10.幻想交響曲
  <第1楽章:夢、情熱/第2楽章:舞踏会/
   第3楽章:野の風景/第4楽章:断頭台への行進/
   第5楽章:魔女の夜宴の夢/第5楽章:ディエス・イレ/
   第5楽章:サバトのロンド/第5楽章:ディエス・イレとサバトのロンド/
   第2楽章:舞踏会(コルネットのオブリガード付きヴァージョン)>
フランス国立リヨン管弦楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
 準・メルクルが任期を終えたリヨン国立管弦楽団が、2011年のシーズンからの音楽監督として迎えたのは、1944年生まれの名指揮者レナード・スラットキンでした。レパートリーの広さは幅広く、何よりアメリカ音楽を得意としているスラットキンは、既にNAXOSにも数多くの録音がありますが、今後はまた違った世界を切り開いていくことは間違いないでしょう。記念すべき第1作目は、ベルリオーズ(1803-1869)の「幻想交響曲」で思い切りはじけた音楽を聴かせてくれます。何より注目したいのは、第2楽章に2つのヴァージョンが用意されていること。通常版も興味深いのですが、なんといっても「コルネット付き」のトラック10が凄いことになっています。ベルリオーズが当時の名手ジャン=バティスト・アルバンにせがまれて書き加えたとされるコルネット・パートですが、結局最終稿には採用されることのなかった華やかなオブリガードです。楽しさ全開!

8.572917
ストリート・ソング
 1.ウェイン・オーキン(1977-):タワー・アセンディング/
 2.リカルド・ロレンス(1961-):エル・ムロ/
 3-5.マイケル・ティルソン・トーマス(1944-):ストリート・ソング/
   <スロー/リラックス/モデラート・スウィング>/
 6.レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):勇壮なトッカータ/
 7.ジェイムズ・モバーリー(1954-):愛の言葉/
 8-10.イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971):ピアノと管楽器のための協奏曲/
 11.アーロン・コープランド(1900-1990):市民のためのファンファーレ
D・レイ・マクレラン(クラリネット)…1/
エレン・リッチー(ソプラノ)…7/
アナトーリ・シェルジャコフ(ピアノ)…8-10/
ジョージア大学ウィンド・アンサンブル/
ジョン・P・リンチ(指揮)
 街並みに流れる様々な音を拾い集めたかのような、楽しい管楽アンサンブルの作品集。オーキンの「タワー・アセンディング」は、建築中の高層ビルディングを描いた作品。高く昇っていく様子をクラリネットが表現し、土台となる基礎の部分の工事風景も丁寧に描いています。スペイン語の「壁」を現す「エル・ムロ」、指揮者としても名高いティルソン・トーマスによるノリの良い「ストリート・ソング」、古典的名曲、RVWの「勇壮なトッカータ」、モバーリーの思惑ありげな「愛の言葉」、ちょっと古いスタイルのストラヴィンスキーのピアノ協奏曲、そして最後はおなじみ「市民のためのファンファーレ」というプログラム。これ1枚でぶらり散歩終了です。


8.573004
カセッラ:管弦楽のための協奏曲Op.61・戦争の記録・組曲
 1-3.組曲ハ長調 Op.13(1909-1910)<序曲/サラバンド/ブーレ>/
 4-8.戦争の記録Op.25bis(管弦楽ヴァージョン1915,1918)
  <第1番:ベルギーにて-ドイツ重砲兵の進歩/
   第2番:フランスにて-ランス大聖堂の遺跡の前/
   第3番:ロシアにて-コサック騎兵の補充/
   第4番:アルザスにて-木製の十字架/
   第5番:アドリア海にて-軍備を運ぶイタリアのクルーザー>/
 9-11.管弦楽のための協奏曲Op.61(1937)
  <シンフォニア/パッサカリア/インノ> ※世界初録音
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 最近注目を集めている、イタリアの近現代を代表するカセッラ(1883-1947)の、3つ時代の作品をおなじみヴェッキアとローマ交響楽団の演奏でお届けいたします。あまりにも多様性に富んだ彼の作風は、一貫して捉えることが難しいのですが、そこが却って魅力的であり、聴いてみるまでは、どんな音楽が飛び出してくるのかわからないところに胸が躍るというわけです。
 比較的初期に書かれた「組曲」は、彼が敬愛していたマーラーの響きの模倣が至るところに現れます。
 もともとはピアノ連弾のために書かれた「戦争の記録」は、彼が見た無声映画にインスピレーションを受けて書かれたものであり、短いながらも興味深い作品で、管弦楽版が初演された際は大絶賛されたといいます。「協奏曲」は、彼を長い間崇拝していた指揮者メンゲルベルクから委嘱された作品です。新古典派というよりも、バロック時代の合奏協奏曲に近いもので、各々の楽器が見事な役割をはたしています。ここには完成された世界があります。


8.573043
指揮は名匠カラブチェフスキー
 ヴィラ=ロボス:交響曲第6番&第7番

 1-4.交響曲第6番「ブラジルの山の稜線」(1944)/
 5-8.交響曲第7番(1945)
サンパウロ交響楽団/
イサーク・カラブチェフスキー(指揮)
 「ブラジル風バッハ」で知られる作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、生涯に12曲の交響曲を残しました。このアルバムはNAXOSにおける彼の交響曲全集の第1作目となるものです。
 1944年に書かれた第6番はエキゾチック、かつ雄大な音楽で幕を開けます。平明さを湛えながらも一筋縄ではいかない手の込んだ音は、まさに入り組んだ山並みを思い起こさせます。第2楽章の美しさも特筆すべき点でしょう。賑やかな第3楽章を経て、これまたダイナミックな終楽章へと傾れ込む見事な展開は、まさに手に汗を握るがごとしです。その翌年に書かれた第7番は、近代的な響きに彩られた野心的な作品で、ハープや打楽器を駆使した大管弦楽の咆哮は、胸を躍らせること間違いなし。20世紀音楽をじっくり語りたいなら、必ず通らなくてはいけない道と言えそうです。

8.559642
クロード・ベイカー:ガラス玉遊戯
 1-3.ガラス玉遊戯(1982/1983改作)
  <連載小説の時代-カスタリアの始まり/東へと旅する人たちの群れ/
   ガラス玉遊戯(ファンタジア)>/
 4.風の目覚め(1993)/
 5-8.シャドウズ:4つの哀歌-夜想曲(1990)/
 9-10.神秘のトランペッター(1999)
セント・ルイス交響楽団/
レナード・スラットキン(指揮)…1-8/
ハンス・フォンク(指揮)…9-10
 ドイツの詩人、文学者ヘルマン・ヘッセが書いた「ガラス玉遊戯」を音で描くという問題作です。1946年にノーベル賞を受賞したこの長編小説は、架空の国「カスターリア」に憧れた主人公の彷徨と遍歴を描きながら、精神性を極めていくという数多くの風刺と社会批判をはらんだ物語です。ベイカーは3つの楽章で、新たな世界を構築し、バッハの断片に様々な音楽をコラージュするなどスリリングな音楽を作り出しています。他にはホイットマンの詩に触発された「神秘のトランペッター」など、文学の香りを感じさせる作品集です。

8.559724
D.テイラー&C.T.グリフィス:作品集
 1-5.ディームス・テイラー(1885-1966):姿見を通り抜けてOp.12(1919/21)
  <献身/生きた花の庭/ジャバーウォッキー/
   鏡の国の虫たち/白い夜>/
 〈チャールズ・トムリンソン・グリフィス(1884-1920)〉
  6.フルートと管弦楽のための「ポエム」(1919)/
  7.白クジャク(1917)/8.フビライ・ハンの快楽殿Op.8(1912-1917)/
  9-11.3つの音の絵画(1912/19)/
  12.バッカナール(1913/19)
スコット・ゴフ(フルート)…6/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 20世紀初頭のアメリカの作曲家というと、ほとんどの人はガーシュウイン、アイブズ、コープランドの名前を思い浮かべることでしょう。しかし、実は名前こそあまり残っていないものの、素晴らしい作品を残した人がいるのです。このアルバムに収録されたテイラーとグリフィスは、まさにそんな巨匠です。まずはテイラーの作品を聴いてみてください。このタイトルは、実は「鏡の国のアリス」の正式名称であり、アリスの不思議な冒険譚による5つの場面が生き生きと描かれています。また熟達したピアニストであったグリフィスの作品は、そのほとんどに標題がつけられた質、量ともに充実したものです。
 フランス音楽の響きに魅せられた彼らしく、嫋やかで美しい響きに満ちています。日本民謡にも所縁が深かったことで知られます。

8.572063
ハイドン:ピアノ三重奏曲集第3集
 1-3.ピアノ三重奏曲第21番ハ長調 Hob. XV:21/
 4-6.ピアノ三重奏曲第22番変ホ長調Hob. XV:22/
 7-9.ピアノ三重奏曲第23番ニ短調Hob. XV:23/
 10-12.ピアノ三重奏曲第14番変イ長調Hob. XV:14
クングスバッカ・ピアノ三重奏団
<メンバー:
マリン・ブローマン(ヴァイオリン)/
イェスパー・スヴェドベルグ(チェロ)/
サイモン・クローフォード=フィリップス(ピアノ)>
 第1集(8.572040)、第2集(8.572062)に続くクングスバッカ・ピアノ三重奏団によるハイドン(1732-1809)のピアノ三重奏曲、第3集です。第21番から第23番までは1793年から94年にかけて作曲されたとされていて、出版は訪問先のロンドンで行われました。一度はエステルハージ家から離れるも、結局は楽長に再就任したハイドンですが、この2つの曲も、当時のエステルハージ公ニクラウス2世の妻マリーに捧げられています。円熟した曲想とピアニスティックな書法が見られる整った作品群です。第14番はその少し前に書かれたもので、ピアノ・パートに比重が置かれた作品です。第2楽章のアダージョの美しさは絶品です。

8.572351
マックスウェル・デイヴィス:交響曲第4番&第5番
 1-4.交響曲第4番(1989)/
 5.交響曲第5番(1994) Collins Classicsより移行盤
スコットランド室内管弦楽団…1-4/
フィルハーモニア管弦楽団…5/
ピーター・マックスウェル・デイヴィス(指揮)
 驚くほど特異な世界を描き出す作曲家マックスウェル・デイヴィス(1934-)。彼の8曲ある交響曲はどれもストーリー性を持ち、それは荒れ狂う海であったり、何層にも塗り重ねられた雲の色であったり、と聴き手の想像力を限界まで酷使するわかりやすさと難解さを合わせ持つものです。このアルバムに収録された第4番と第5番は対照的な作風を持っていて、第4番は、形式こそ古典的でありながらも、そこにはひたすら音を重ね合わせた抽象的な世界が存在するという曲で、広大な砂漠をさまようかのような幻想的な雰囲気を味わうことができそうです。単一楽章で書かれた第5番は、音の蠢きの中に様々な風景が描きこまれていて、そこには近代的な街並みも、波のうねりも全て封じ込められています。何かを想いながら音を聴くのが好きな人に。

8.572661
シューマン:ピアノ五重奏曲・ピアノ四重奏曲 他
 1-4.ピアノ五重奏曲変ホ長調Op.44/
 5-8.ピアノ四重奏曲変ホ長調Op.47/
 9-12.ヴァイオリン、ヴィオラとピアノのための「おとぎ話」Op.132
ファイン・アーツ弦楽四重奏団
<メンバー:
ラルフ・エヴァンス(第1ヴァイオリン)…1-8/
エフルム・ボイコ(第2ヴァイオリン)…1-4.9-12/
ニコロ・エウゲルミ(ヴィオラ)/
ヴォルフガンク・ロイファー(チェロ)/
ワン・シャイン(ピアノ)>
 繊細な感情を持つシューマン(1810-1856)は、その作曲姿勢にも独特なものがあり、例えば作品を書く時にも、ある時にはピアノ曲ばかり、その次は歌曲、そして交響曲などと、特定のジャンルに集中的に取り組む傾向がありました。そんなシューマン、1841年に到来した「交響曲の時期」を過ぎると、次は室内楽曲の時期が来たようです。ピアノ五重奏曲やピアノ四重奏曲(どちらも変ホ長調)の代表作は1842年の作曲で、以降、シューマンは幅広いジャンルの作品を、精神の不均衡と戦いながら書きあげていくのです。このファイン・アーツ弦楽四重奏団とピアニストのワン・シャインの演奏は極めて表情豊かなもので、ピアノ五重奏曲の冒頭の胸の滾りを表すかのようなパッセージにも、細かな感情の揺らぎが見て取れる、痒いところに手が届くような素晴らしい演奏となっています。
 1853年に書かれた「おとぎ話」は、彼の神経の糸が切れてしまう直前の作品ですが、そこには驚くほどに明るく豊かな世界が広がっています。

8.572672
ガルッピ:ピアノ・ソナタ集 第3集
 1-4.ピアノ・ソナタニ短調Illy No.66/5.アレグロハ長調 Illy No.30/
 6-7.ピアノ・ソナタハ短調Illy No.38/8-10.ピアノ・ソナタヘ長調Illy No.36/
 11-13.ピアノ・ソナタ変ロ長調Illy No.23/14-15.ピアノ・ソナタイ短調/
 16-17.ピアノ・ソナタヘ長調Illy No.50/
 18-19.ピアノ・ソナタイ短調Illy No.43(Walsh:Op.1 No.3)/
 20-21.ピアノ・ソナタホ長調Illy No.41
マッテオ・ナポリ(ピアノ)
 第1集、第2集とも、世界各国で注目と賞賛が贈られているガルッピのピアノ・ソナタ第3集です。オペラ作曲家としてのみ知られるガルッピ(1706-1785)ですが、このシリーズのおかげで、優れた鍵盤音楽の作り手としても知られるようになりました。スカルラッティの強い影響を受けながらも、そこにオペラ・アリア風の魅力的な旋律を加えた優雅で抒情的な作品群は、バロックから古典派を繋ぐ時代を描きだすのに相応しいものと言えるでしょう。チェンバロからフォルテピアノへと楽器が発展した時代でもあり、その奏法は時代と共に華麗に変貌していきます。第3集でも、ピアニスト、マッテオ・ナポリの見事な技巧が冴えています。

8.572710-11
(2CD)
マイール:オラトリオ「ジオアス」若き王ヨアシュの王への即位
<CD1>1-22.第1部/
<CD2>1-22.第2部
セビア(ジビアー:ヨアシュの母)…アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)/
ジオアス(ヨアシュ)…ロバート・サリアー(テノール)/
アドラスト(セビアの腹心の友)…コーネル・フレイ(テノール)/
ジオヤダ(エホイアダ:大祭司)…アンドレアス・ブルクハルト(バス)/
バイエルン国立歌劇場合唱団/
ジモン・マイール合唱団&アンサンブル/
フランツ・ハウク(指揮&ハープシコード)
 最近、ヨーロッパを中心に復興が進む作曲家、マイール(1763-1845)のオラトリオ「ジオアス」です。バイエルンに生まれ、イタリアで活躍した作曲家マイール(マイヤー)は、オペラやオラトリオを数多く作曲しましたが、そのほとんどは最近まで忘れられていました。しかし、モーツァルトを凌駕するほどの見事な作品の数々は、蘇演の度に話題を集めています。このオラトリオはユダ王国第8代の王「ヨアシュ(ジオアス)」の物語。ユダ王国の実権を握るべく、女王アタルヤの迫害からヨアシュを守る大司祭、ヨアシュの実母、そして彼女の親友を軸に、神秘的なエピソードが描かれます。オラトリオとされていますが、実質はオペラであり、歌手たちの声の見せ所もたっぷりと用意されています。

8.572770
プフィッツナー:交響曲ハ長調/
シューマン:コンツェルトシュテュック 他

 1-3.シューマン(1810-1856):コンツェルトシュテュックOp.86/
 4.メンデルスゾーン(1809-1847):歌劇「異国よりの帰郷」Op.89-序曲/
 5-6.シューマン:2つの交響練習曲Op.13(チャイコフスキー編)/
 7.ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第5番 嬰ヘ短調(A.パーロウ編)/
 8.ブラームス:ハンガリー舞曲第6番変ニ長調(A.パーロウ編)/
 9.ブラームス:ハンガリー舞曲第11番ニ短調(A.パーロウ編)/
 10.ブラームス:ハンガリー舞曲第16番ヘ短調(A.パーロウ編)/
 11.ウェーベルン(1883-1945):ラングザマー・ザッツ(シュワルツ編)/
 12-14.プフィッツナー(1869-1949):交響曲ハ長調 Op.46
  DELOSより移行盤(プフィッツナーは除く)
ロバート・ボネヴィー(ホルン)…1-3/
マーク・ロビンス(ホルン)…1-3/
デヴィット・C・ナップ(ホルン)…1-3/
スコット・ウィルソン(ホルン)…1-3/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
 ドイツ・ロマン派の多彩な世界を描くというテーマの1枚です。シューマンの極めて内省的で、ユニークな作品である「4本のホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュテュック」は、ホルン奏者のバイブルであり、ロマン派の時代が生んだ最高の傑作の一つです。チャイコフスキーによって管弦楽編曲を施された「交響練習曲」の一部はまるでバレエ音楽のような華やかさ。メンデルスゾーンの序曲はとても珍しい作品であり、ブラームスのお馴染みの舞曲もはじける楽しさを有しています。ウェーベルンの「ラングザマー・ザッツ」とはもともと弦楽四重奏のための「緩徐楽章」という意味を持つ作品ですが、この弦楽合奏版は、まるでマーラーの「アダージェット」やバーバーの「アダージョ」を思わせる雰囲気に仕上がっています。プフィッツナーの秘曲はこのアルバムの白眉ともいえる作品であり、冒頭に現れるファンファーレや、ひたすら暗い第2楽章など、後期ロマン派の特徴を表現した逸品。最後には冒頭のファンファーレが回帰し、プフィッツナーの基本理念である「ドイツ精神」が賛美されます。


8.572776
リチャード・ボニング
 ウォレス:ショピネスク

 1.ポロネーズ・デ・ウィルナ/2.旋律的な夜想曲/3.同情-ワルツ/
 4.そよ風-夜想曲/5.クラクフの思い出-マズルカ/
 6.森林のささやき-夜想曲/7.鳥の歌-ピアノのための夜想曲/
 8.華麗なるワルツ/9.海岸に-夜想曲/
 10.ワルシャワ-ピアノのためのマズルカ/11.3つの夜想曲Op.20-1/
 12.ナポリの思い出-舟歌/13.ブルネット-サロン風の華麗なるワルツ/
 14.純真-ロマンス/15.勝利-マズルカ/
 16.優美-夜想曲/17.クラクフの娘さんの大幻想曲
ローズマリー・トゥック(ピアノ)/
テイト室内管弦楽団…17/
リチャード・ボニング(ピアノ)…1,(指揮)…17
 最近注目を浴びているアイルランドの作曲家ウィリアム・ヴィンセント・ウォレス(1812-1865)。今回もユニークなピアノ曲集をお届けいたします。最初はオペラ作曲家としての彼に焦点が当たっていたのですが、オペラ・アリアのパラフレーズ集(8.572774)と、ケルト幻想曲集(8.572775)の、あまりにもピアニスティックな作風にノックアウトされた人も多いのではないでそうか。まるでリストやタールベルクを思わせる華麗な書法は、まさに見事の一言でした。ここには「ショパン風」の一連の作品が収録されています。とはいえ、タイトルこそショパンの面影を持ちますが、曲自体はもっと明るく、どちらかというと南国系の色彩を感じさせるものばかりで、どれもがまばゆい魅力を放っています。
 ウォレスの作品普及に努める名指揮者&ピアニスト、リチャード・ボニングがここでも良い味を出しています。

8.572889
ドラゴン・ライム-龍の韻
 1.ジェニファー・ヒグドン(1962-):ソプラノ・サクソフォン協奏曲(2006)/
 2-4.クルト・ヴァイル(1900-1950):ヴァイオリン協奏曲Op.12(1924)/
 5-6.陳怡(イ・チェン)(1953-):ドラゴン・ライム(2010)
カリー・コフマン(ソプラノ・サクソフォン)…1/
アントン・ミラー(ヴァイオリン)…2-4/
ハート・スクール・ウィンド・アンサンブル/
グレン・アドシット(指揮)
 吹奏楽のための3つの近代作品集です。演奏しているのはハート・スクール・ウィンド・アンサンブルで、前作(8.572109)でも見事な腕前を披露してくれていました。今回は2つの協奏曲と、中国風の音満載の新作です。ヒグドンのサックス協奏曲は、ソプラノ・サクソフォンの魅力を存分に引き出した作品で、すでに様々な団体がこの作品の演奏を行っている人気曲です。
 ヴァイルのヴァイオリン協奏曲は、1924年に書かれた作品で、彼がまだ劇音楽の創作に手を染める以前の、ストラヴィンスキーやシェーンベルクからの影響が強いシリアスな作風を持っています。もともと管楽器とヴァイオリンのために書かれていて、その独特な響きがとても魅力的です。
 イ・チェンの「ドラゴン・ライム」はハート・ウィンド・アンサンブルが世界初演を行った作品で、2つの部分からなる抒情的、かつ精力的な作品です。楽譜の指定通り神秘的に始まりますが、第2部はまさに京劇そのものの音が炸裂。

8.572932
ヤブロンスキー&ロシア国立響
 チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」ハイライト

 1.序奏/
 〈第1幕〉/2.情景/3.ワルツ/4-8.パ・ドゥ・トロワ/
 9.ゴブレットの踊り/10.終曲:白鳥たちは飛び立つ/
 〈第2幕〉11-15.白鳥たちの踊り
  <テンポ・ディ・ワルツ/モデラート・アッサイ/アレグロ・モデラート/
  アンダンテ-アレグロ/コーダ>/16.情景/
 〈第3幕〉17.アレグロ・ジュスト/18.コール・ド・バレエと一寸法師の踊り/
 19.来賓客たちの入場とワルツ/20.マズルカ/21.情景/
 〈第4幕〉22.ひなどりたちの踊り/23.情景/24.終曲
   8.555873-74からの再編盤
ロシア国立交響楽団/
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)
 誰もが知っている「白鳥の湖」ですが、じっくり楽しもうとすると、2時間半の長丁場となります。しかし、このハイライトでも聴きたい場面はばっちり網羅できるのです。お馴染み「情景」(トラック16)、「小さな白鳥の踊り」(トラック13)、「マズルカ」(トラック20)を始め、一度は聞いたことがある名曲が順を追って並べられています。そしてドラマティック過ぎる「終曲」は、悲しい物語の結末を思い起こさせるに充分な音楽であることに今更ながら気付くのではないでしょうか。チャイコフスキーの死後、物語は様々に改定されてきましたが、やはりこの物語の恋人たちは来世で結ばれる形が美しいのかも知れません。

8.573009
ヴィヴィアン・フォン:ドリームスケープ
 1.ヴァイオリン協奏曲(2010-2011)/
 2-4.プリペアド・ピアノのための「面影」(2006)<kotekan/雪/聖歌>/
 5.ピアノ協奏曲「ドリームスケープ」(2009)
クリスティン・リー(ヴァイオリン)…1/
コナー・ハニック(ピアノ)…2-5/
メトロポリス・アンサンブル…1.5/
アンドリュー・シル(指揮)
 カナダのエドモントンに生まれ、現在はニューヨークに住む女性作曲家、ヴィヴィアン・フォン(1975-)。彼女の両親はベトナム生まれの中国人亡命者であり、もちろん彼女もアジアの影響を強く受けていることは間違いありません。このアルバムに収録された3つの作品は、インドネシアのガムラン音楽に起源を持ち、東洋と西洋の文化が見事に融合された響きをみせてくれています。完成されたばかりのヴァイオリン協奏曲は、彼女の良き理解者であるヴァイオリニスト、リーのために作曲されたものです。2009年に「ピアノ協奏曲」が初演された時にリーがコンサート・マスターを務めていて、その時に意気投合したという二人。このヴァイオリン協奏曲を作曲する際も、連れだってバリへ行き、様々な要素を吸収してきたのだとか。2006年に書かれたプリペアド・ピアノのための「面影」は、明らかにジョン・ケージからヒントを得ている曲ですが、その響きは多彩であり、ゲーム音楽に慣れた現代の人の耳には、却って懐かしささえ感じさせる音かもしれません。

8.573025
期待の新進演奏家シリーズ/
 セシリオ・ペレーラ(ギター) ギター・リサイタル

 1.ポンセ:前奏曲/2.ポンセ:バレー/3.ポンセ:ジーグ/
 4-7.ポンセ:ソナタ第1番「メキシカーナ」/
 8-10.ブローウェル(1939-):ソナタ/
 11-14.フリオ・セサール・オリーバ(1947-):タンゴマニア/
 15-19.ビンセンテ・エミリオ・ソーホ(1887-1974):ベネズエラの5つの小品/
 20-22.ポンセ:3つのメキシコ民謡のカンシォーネ
  <鳥小屋/わが心は君のため/ラ・バレンティーナ>
  ※11-14…世界初録音
セシリオ・ペレーラ(ギター)
 2011年のミケーレ・ピッタルーガ国際クラシック・ギター・コンクール優勝者、セシリオ・ペレーラのリサイタル・アルバムです。彼は1983年にメキシコのユカタン州で生まれ、9歳からギターを学び始めました。12歳の頃には幅広いレパートリーを習得、キューバでピアノも学び、総合的な音楽家としての資質を開花させるべく2005年からはヨーロッパにも留学し、多彩な音楽様式を身に着けた人です。このアルバムでは彼が最も得意とする南米の音楽を演奏。ポンセやブローウェルを始め、ソーホの「ベネズエラの5つの小品」と世界初録音となるオリーバの「タンゴマニア」と言う選曲は、この若者の将来を指し示すかのように光り輝くばかりの美しさと柔軟性を誇っています。

8.572762
新しい瓶に古いワイン
 1.グランザム(1947-):星明りの王冠/
 2-5.ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):新しい瓶に古いワイン
 <3人のジプシーが城門に/3羽のカラス/
  鬱陶しい心配なんか消え失せろ/ある朝早く>/
 6-9.ゴードン・ジェイコブ:もっと、新しい瓶に古いワインを
  <死者たちのもとへ/かしわととねりこの木/
  リンカンシャーの密猟者/メイポールのジョアン>/
 10.スティーヴン・ブライアント(1972-):エクスタティック・ウォーターズ/
 11.カーター・パン(1972-):その子を抱きしめて、声を聴いて
ヤングスタウン州立大学シンフォニック・ウィンド・アンサンブル…1.10.11/
ダナ・チャンバー・ウィンズ…2-9/
スティーヴン・L・ゲージ(指揮)
 管楽アンサンブルのレパートリーには、まさに「新しい瓶に古いワイン」のタイトル通りに、豊かな歴史と活気に満ちた現代がうまく調和しています。このアルバムには4人の作曲家の興味深い作品が収録されていて、ファンならずとも聴いてみたいと思わせるものが並んでいます。
 グランザムの「星明りの王冠」は1920年代と30年代のゴスペル音楽が元になっています。ジェイコブの2つの曲集は、どちらもよく知られたイギリス民謡を編曲したもので、まさに言葉通りの世界が広がります。矛盾した音楽を「弁証法(事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法)」で表す事を試みたというブライアントの曲、柔らかく落ち着いた音色を追求したパンの曲も聴きものです。

8.572761
イギリスのヴィオラとピアノの音楽集
 1-3.ベイントン(1880-1956):ヴィオラ・ソナタ/
 4-6.ホランド(1878-1947):組曲ニ長調/
 7.ボーエン(1884-1961):ヴィオラのための小品変ホ長調/
 8-10.バントック(1868-1946):ヴィオラ・ソナタヘ長調「コーリーン」
サラ=ジェーン・ブラッドリー(ヴィオラ)/
クリスチャン・ウィルソン(ピアノ)
 イギリス生まれの名ヴィオラ奏者、ライオネル・ターティス(1876-1975)はヒンデミットやプリムローズとともに、ヴィオラという楽器の地位向上に貢献した人で、ヴィオラの持つ豊かな響きの魅力を広く喧伝しました。このアルバムに収録された4つの作品は、全て彼の存在に触発されたものであり、どれも強烈な印象を有しています。ベイントンの「ソナタ」は、戦争の面影を有した憂鬱な風情の曲。ホランドの「組曲」は独創的で、ボーエンの「小品」は短いながらも情熱にあふれたもの。そしてロマンティックで長大なバントックの「ソナタ」はまさにイギリス音楽を代表する名作。まだまだ知らない名曲が埋もれていることを実感させてくれます。


8.572767
ワーグナー:管弦楽曲集第1集
 1.歌劇「さまよえるオランダ人」序曲/
 2.楽劇「ラインの黄金」第4場:ワルハラへの神々の入場(H.ズンペ編)/
 3.楽劇「ワルキューレ」第3幕:ヴォータンの別れと魔の炎/
 4.楽劇「ジークフリート」第2幕:森のささやき(W.ハッセンルイター編)/
 5.楽劇「神々の黄昏」序幕:夜明け-ジークフリートのラインの旅-
  第3幕:ジークフリートの死-葬送行進曲
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 ワーグナー(1813-1883)の名歌劇から名場面を抜き出して、オーケストラのみで演奏するという試みは、多くの指揮者が行っていて、そのどれもが高い効果を上げています。
 ここでは名指揮者シュウォーツによる「さまよえるオランダ人」の序曲と、「ニーベルングの指輪」からの名場面をお聞きください。歌がなくては成立不可能と思える「ヴォータンの別れ」なども、歌の部分をうまくカバーする楽器の音色に思わず舌を巻くこと間違いなし。神々の黄昏の「夜明け」での金管楽器の冴えにも感動です。 DELOSより移行盤


8.572768
ワーグナー:管弦楽曲集第2集
 1.ファウスト序曲/
 2.歌劇「ローエングリン」第1幕:前奏曲/
 3.歌劇「ローエングリン」第1幕:エルザの夢/
 4.歌劇「ローエングリン」第3幕:前奏曲と結婚行進曲/
 5.楽劇「パルジファル」第1幕:前奏曲/
 6.楽劇「パルジファル」第3幕:前奏曲/
 7.楽劇「パルジファル」第3幕:聖金曜日の音楽
アレッサンドラ・マーク(ソプラノ)…4/
シアトル交響楽団/
ジェラール・シュウォーツ(指揮)
 このシリーズに「オペラからの管弦楽曲集」というタイトルが付けられなかったのは、このアルバムのトラック1に収録されている「ファウスト序曲」が、独立した管弦楽作品であるためです。これはゲーテとベートーヴェンにインスパイアされた26歳のワーグナー(1813-1883)が「ファウスト交響曲」を構想しながらも、結局のところ完成させることなく、その第1楽章を「序曲」としたためで、もしかしたら、この作品はリストの同名の曲を凌ぐほどの劇的なものになっていたかもしれません。
 他には「ローエングリン」と「パルジファル」からの音楽を収録。第3集(8.572768)もお楽しみに。 DELOSより移行盤

8.573031
期待の新進演奏家シリーズ/マリアンナ・プルジェヴァルスカピアノ・リサイタル
 1.ハイドン(1732-1809):アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII:6/
 〈D.スカルラッティ(1685-1757)〉
  2.ソナタイ短調K175/L429/P136/
  3.ソナタト長調K125/L487/P152/
  4.ソナタト短調K450/L338/P422/
  5.ソナタニ短調K213/L108/P288/
  6.ソナタヘ短調K365/L480/P112/
 7-10.シューマン(1810-1856):
  ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調Op.11/
 11.サラーテ(1972-):オーガスターナ
マリアンナ・プルジェヴァルスカ(ピアノ)
 1982年生まれ、6歳からピアノを学び9歳でデビュー。1992年に家族とともにスペインに移住し、ラ・コルーニャ音楽大学でピアノを学びます。その後英国王立音楽大学、インディアナ大学サウスベント校、イェール音楽大学で研鑽を重ね、数多くのコンクールで入賞経験を持つ若手女性ピアニストです。
 このアルバムは2011年にスペインで開催された「ハエン賞国際ピアノコンクール」の優勝記念として作成されたものですが、彼女の名前は、2010年に日本で開催された2つノコンクール、「高松」と「仙台」ですでにおなじみ。伸びやかで美しい音色と、詩情溢れる表現力には、輝かしい将来が見えてきます。
8.559723 ケネス・フックス:アトランティック・リボン
 1.アトランティック・リボン/
 2.アメリカン・ラプソディ(ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス)/
 3.神の謎(ヴィオラと管弦楽のための協奏曲)/
 4.コンチェルト・グロッソ(弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための)/
 5.ディスカヴァー・ザ・ワイルド(管弦楽のための序曲)
ミヒャエル・ルートヴィヒ(ヴァイオリン)…2/
ポール・シルヴァートホーン(ヴィオラ)…3/
ロンドン交響楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
 2005年に発売された「アメリカン・プレイス」は、やはりロンドン交響楽団とファレッタの見事な演奏で、グラミー賞の2部門にノミネートされるなど、大きな反響を呼びました。このアルバムでは、様々な形態の作品で、その多様性をみせてくれています。作曲家の母方の祖父であるヴァン・ホーク(彼は有名なクルーズ会社“ホーランド・アメリカライン”のエンジニアでした)に捧げられた「アトランティック・リボン」はヨーロッパとアメリカを結ぶ海を描いていて、金管楽器やヴィヴラフォンによって醸し出される音色の妙が見事であり、どことなくドビュッシーの名作を思わせる部分もあります。


8.572921
ヴォルフ=フェラーリ:管楽器のための協奏曲全集
 1-4.オーボエと小管弦楽のための「牧歌-小協奏曲」イ長調Op.15/
 5-8.コールアングレと小管弦楽のための小協奏曲変イ長調Op.34/
 9-12.ファゴットと小管弦楽のための「組曲-小協奏曲」Op.16
アンドレア・テナーリア(オーボエ)…1-4/
ウィリアム・モリコーニ(コールアングレ)…5-8/
ジュセッペ・チャボッキ(ファゴット)…9-12/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
 ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)と言えば、昔大切に聴いた「オーケストラ名曲集」の中に入っていた「マドンナの宝石」序曲を思い出す人が多いかもしれません。それはカラヤンの指揮であったか、それともポール・モーリアだったか・・・。どちらにしても甘いメロディと切ないオーケストラの響きが耳に残る名曲でした。しかし、他の曲を聴いたことがある人はどのくらいいるのでしょう?イタリア人の母親とドイツ人の父親を持つ彼は、オペラで大成功を収めましたが、活動の初期と晩年には、たくさんの器楽曲も作曲し、そのどれもが素晴らしい表現力を誇っています。ここでは彼の管楽のための協奏曲を全て収録。一度聴いたら誰もが好きになること間違いありません。

作曲家特集
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ
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8.572928
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」(ハイライト)
<第1>
 1.序曲/2.待ちの目覚め/3.朝の踊り/
 4.少女ジュリエット/5.仮面/6.騎士たちの踊り/
 7.マーキュシオ/8.アドリガル/9.ガヴォット/
 10.バルコニーの情景/11.ロメオのヴァリアシオン/
 12.愛の踊り/
<第2幕>
 13.マンドリンを手にした踊り/
 14.ローレンス僧庵でのロメオ/15.民衆のお祭り騒ぎ/
 16.決闘/17.マーキュシオの死/18.第2幕の終曲/
<第3幕>
 19.序曲/20.ロメオとジュリエットの別れ/21.朝の歌/
<第4幕>
 22.ジュリエットの葬式/23.ジュリエットの死
ウクライナ国立交響楽団/
アンドリュー・モグレリア(指揮)
 プロコフィエフ(1891-1953)のバレエ音楽「ロメオとジュリエット」は、当初レニングラード・バレエ学校創立200年祭で上演される予定でしたが、あまりの酷評のために契約を撤回されてしまったほどの問題作。現在の人気ぶりからは、そのような経緯は想像もできません。全曲は52曲からなりますが、このハイライト版でも聴きどころは外すことなく、この濃厚な世界を味わうことが可能です。

8.572636
モンサルバーチェ:ピアノ作品集第3集2台ピアノのための音楽集
 1.バルセロナ・ブルース/2-4.万華鏡/
 5.オマージュ/
 6-8.忘れられた作曲家たちの主題による3つのディヴェルティメント/
 9.ソプラノと2台ピアノ、2台のパーカッションのための「私は虫である」/
 10-14. 5つの「十字架への祈り」
 <キリストの受難/涙する聖母/聖処女の戴冠/嘆き/時に祈る人>
ホルディ・マソ(ピアノ)/
ミケル・ビリャルバ(ピアノ)/
ピア・フロイント(ソプラノ)…9.10-14/
フェラン・カルセレル(パーカッション)…9/
ミゲル・アンヘル・マルティネス(パーカッション)…9/
バルセロナ216…10-14/
エルネスト・マルティネス=イスキエルド(指揮)…9.10-14
 20世紀のカタロニア文化発展に大きく貢献した作曲家ハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)。このアルバムでは、彼が残した2台ピアノのための音楽をお楽しみいただけます。これを聴いたら、最初に置かれたジャズ風味満載の「バルセロナ・ブルース」から驚くことは間違いありません。こんな作風の人だったっけ?そう思いながら次の「万華鏡」に進むと、これまた渋くも楽しい曲が並びます。アリシア・デ・ラローチャから依頼されたアンコール用の曲である「オマージュ」など聴きやすい曲もステキですが、圧巻は彼の本領が発揮された「十字架への祈り」でしょう。ラテン語やスペイン語のテキストを縦横に用い、神秘的な世界を描いています。


8.572814
W.F.バッハ:鍵盤作品集第3集
 1-3.ソナタ変ホ長調F.5/BR A 7/
 4-6.ソナタ変ロ長調F.9/BR A 16/
 7-11.組曲ト短調F.24/BR A 39/
 12-14.ソナタハ長調F.2/BR A 3/
 15-17.ソナタニ長調F.4/BR A 5
ジュリア・ブラウン(ハープシコード)
 華麗な即興演奏で知られたヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784 J.S.バッハの長男)は、素晴らしい才能に恵まれていたにも拘らず、それを存分に発揮することなく生涯を終えたことでも知られています。彼は多くの曲を書きましたが、曲に署名をすることもなく、また出版された曲もほんのわずかであったため、なかなか彼の本質を知ることができません。その上、どんな楽器を想定して書かれたのかもわからないため、逆にクラヴィーアでも、チェンバロでも、オルガンでも演奏できるという曖昧さ(柔軟さともいう)も持っていたりと、一筋縄でいかない作曲家です。風変わりなコントラストと大胆な音の動きに満たされた音楽は、驚くほど魅力的です。
8.572821 レーガー:オルガン作品集第12集
 1-4.組曲第1番ホ短調Op.16
 <序奏とフーガ/アダージョ・アッサイ/
  間奏曲-トリオ/パッサカリア>/
 5-11.組曲第2番ト短調Op.92
  <前奏曲/フーガ/間奏曲/
   バッソ・オスティナート/ロマンツェ/トッカータ/フーガ>
キルステン・シュトゥルム(オルガン ロッテンブルク・アム・ネッカー,聖マルティン大聖堂のオルガン演奏)
 レーガー(1873-1916)のオルガン作品は、質と量の両面において、偉大なるバッハの正統な後継者であることは間違いありません。このアルバムに収録された2つの組曲は、ルター派のコラールを基に、自由な創造力を働かせた見事な作品となっています。1895年に完成した第1番はブラームスも大絶賛したという作品で、4つの楽章はどれも複雑な対位法に彩られています。第2番はその10年後に書かれ1906年に出版されました。こちらは7つの部分からなり、およそ考えられる限りの最上の技法を駆使しながら最後の輝かしいフーガへと昇り詰めます。オルガンを聴く喜びをたっぷりと。

8.573026
期待の新進演奏家シリーズ/スルジャン・ブラットギター・リサイタル
 1.ロドリーゴ(1901-1999):ヘネラリーフェのほとり/
 2.レグレンツィ(1822-1872):練習曲第8番ト長調/
 3-7.タルレガ(182-1909):
  3.前奏曲第1番ニ短調/4.前奏曲ニ短調「エンデチャー」/
  5.前奏曲ニ短調「オレムス」/6.ロジータ/
  7.アラビア風奇想曲/
 8-10.シュチェパン・シュレック(1914-1986):
  トロバトール・スリー<メランコリー/ソネット/セレブレーション>/
 11.アルベニス(1860-1909):マヨルカOp.202/
 12.ブリテン(1913-1976):ジョン・ダウランドによる夜想曲Op.70
スルジャン・ブラット(ギター)
 1986年クロアチア生まれのギタリスト、スルジャン・ブラットは8歳でギターを始め、ザグレブの音楽アカデミーを主席で卒業し、権威あるコンクールを数多く制覇しています。彼はクロアチアの現代音楽を得意とし、専門的な論文を書き、また大規模なコンサートも開いています。このアルバムは2011年のタルレガ国際ギター・コンクールの優勝記念として作成されたもので、タルレガ、ロドリーゴなどのオーソドックスなレパートリーから、ブリテンやシュレックなどのモダンな曲まで、見事に弾きこなしています。磨かれた技巧はもちろんのこと、明るい音色から陰鬱な音色まで、本当に多彩な響きを駆使する人です。


8.660312-13
(2CD)
メルカダンテ:1幕のメロドラマ「ガマッチョの結婚式でのドン・キホーテ」
 CD1.情景1-11/
 CD2.情景12-18 ※世界初録音
ドン・キショット(ドン・キホーテ)…ウーゴ・グアリアルド(B)/
サンチョ・パンサ…ドメニコ・コライアンニ(B,ブッフォ)/
キテリア…ラウラ・カトラーニ(S)/
ガマッチョ…リカルド・ミラベッリ(T)/
バジリオ…ハンス・エヴァー・モゴロン(T)/
ベルナルド…ジューリオ・マストロトターロ(Br)/
クリスティーナ…マリサ・ボーヴ(S)/
ドン・ディエゴ…フィリッポ・ポリネッリ(B)/
ナポリ・サン・ピエトロ・ア・マジェラ音楽院合唱団/
ブルノ・チェコ・チェンバー・ソロイスツ/
ファウスト・ディ・ベネデット(チェンバロ)/
アントニーノ・フォリアーニ(指揮)
 ロッシーニの引退後、イタリアのオペラ界で大きな人気を誇っていたのは、ドニゼッティとこのメルカダンテ(1795-1870)でした。しかし、少しずつヴェルディに人気を奪われ、とりわけメルカダンテのオペラは「時代遅れ」とされ、19世紀の後半にはほとんど忘れ去られてしまったのは周知の事実です(彼のオペラが復権したのは、一重にマリア・カラスの偉業によるものでしょう)。
 さて、そんな彼の知られざるオペラです。この作品は、スペインのお騒がせもの、ドン・キホーテの一つのエピソードに基づくもので、バレエ好きにはおなじみ、ミンクスの作品と同じ内容を持つものです。床屋の息子バリジオ(バジル)と愛し合う宿屋の娘キテリア(キトリ)。しかし、キテリアの父は彼女を金持ちのガマッチョ(ガマーシュ)と結婚させようと企み、そこにキテリアを「理想の姫ドルシネア」と思い込んだドン・キホーテが乱入するというお話。

8.660314-15
(2CD)
ロッシーニ:歌劇「なりゆき泥棒」 全1幕 ベレニーチェ…エリザベッタ・マルティロージャン(S)/
エルネスティーナ…ファニー・アントネロウ(Ms)/
ドン・パルメニオーネ…ジャンピエル・ルッゲリ(Br)/
マルティーノ…マウロ・ウッチェリ(Br)/
アルベルト伯爵…ガーダー・トール・コーテス(T)/
ドン・エウセービオ…ホアン・リベルタ(T)/
ヴュルテンブルク・フィルハーモニック管弦楽団/
マティアス・マナシ…ハープシコード/
アントニーノ・フォリアーニ(指揮)
 1812年、20歳のロッシーニ(1792-1868)はオペラ「試金石」の成功するなど、着々と大作曲家への道を歩み始めていました。この「なりゆき泥棒」は、この年の11月24日に初演された1幕物の粋な作品です。きっかけは、雨宿りしていたドン・パルメニオーネが、居合わせたアルベルト伯爵(彼は許嫁ベレニーチェと結婚する予定)の鞄を間違えて持って出てしまうことから。現代なら、この中に「危ないモノ」が入っていたりするのですが、この時は中に「美しい女性の絵姿」が入っていました。この女性を手中に収めようと企むパルメニオーネ。しかし、そんなことがうまく行くわけは・・・。そして美しい絵姿の女性の正体は・・・。ま、結局は鞄を間違えたことで全てがうまく行ったわけです。

8.572784
トリスタンのハープ 〜アーサー王の中世の音楽
 1.カンティガ第35番「聖母マリアはどのような」/
 2.トリスタンは女王に忠実だ/3.帰らずの森での踊り/
 4.神はペリカンのようなものである/5.黄金の時代へ戻って/
 6.投獄されないと自分の考えを伝えない/7.悲しい歌を作る/
 8.王宮の第4エスタンピー/9.野生のナイチンゲールの甘い声/
 10.帰らずの森での踊り/11.ヒバリを見る時/
 12.カンティガ第419番「神は母より」/13.帰らずの森での踊り/
 14.カンティガ第108番「私はそれにしたがって(マーリンのカンティガ)」
カペラ・アンティクァ・デ・チンチラ/
ホセ・フェッレーロ(音楽監督)
 中世の歴史書に描かれるアーサー王は、6世紀初めにローマン・ケルトのブリトン人を率いてサクソン人の侵攻を撃退した人物とされます。彼が本当に実在したのかは定かではありませんが、この物語は様々な芸術に創作のインスピレーションを与え、数多くのロマンスや冒険譚を生み出しました。このアルバムでは、12世紀から14世紀の吟遊詩人や作曲家たちによるアーサー王の物語を収録したもので、それは歌であったり舞曲であったりと様々です。また、その中にはスペイン王アルフォンソ10世や「獅子心王」リチャード1世の美しい作品も含まれています。


8.572840
イートン・クワイアブック
 1.ウォルター・ラム:貞節な聖なる母 5声/
 2.ウィリアム(ストラッドフォードの修道士):マニフィカト4声/
 3.単声聖歌:貞節な聖なる母/
 4.リチャード・デイヴィ:マタイ受難曲(マタイ伝第27章:11-56) 4声/
 5.ジョン・ブラウン:スターバト・マーテル6声/
 6.ヒュー・ケリーク:マニフィカト5声/
 7.ロバート・ウィルキンソン:
  しかし、イエスは横切られ/クレド・イン・デウム・カノン13声
トーヌス・ペレグリヌス/
アンソニー・ピッツ(指揮)
 イートン・クワイアブックは15世紀末頃に編纂された、英語による神聖な音楽を集めた豪華な彩色写本コレクションの一つです。24人の異なる作曲家による音楽が含まれていますが、完全な形で残っているのはごく僅かですが、イギリスの初期ルネッサンス・ポリフォニーの発展の段階を示す重要な作品が含まれています。単声聖歌などの小さい編成で歌われる初期の作品から、J.ブラウンやR.デイヴィ、W.ラムの定旋律技法に基づいた曲への発展などが見てとれます。ルネサンス期の音楽の完璧なる解釈で知られる、トーヌス・ペレグリヌスの愉悦感あふれる演奏で。

8.572876
グエッラの写本第2集
 1.娘さん、もしあなたと出会ったら/
 2.イダルゴ(1614-1685):ああ、私の悲しみ/
 3.私は愛のために幸せ/4.さわやかなそよ風/
 5.バラは彼に/6.私は誰に文句を言えばいいの?/
 7.イダルゴ:彼は恋人に/8.美しさが最高/
 9.イダルゴ:陰鬱な闇夜/10.静かに、歌わないで/
 11.私は罰を受けたい/12.神の慈悲を/
 13.ホァン・デ・ナバス(1650頃-1719):しかし、うまく行く/
 14.イダルゴ伝(もしくはマリン):恋人が不在だと悲しい/
 15.イダルゴ:どうやってベリラを学んだの?/
 16.私が若かった頃/17.歌のないフィロメラ
フアン・サンチョ(テノール)/
アルス・アトランティカ
 スペイン王宮の礼拝堂の書記を務めたミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)が編纂した「グエッラの写本」の第2集です。第1集(8.570135)で、驚くばかりの多彩な世界をみせてくれたこの曲集は、17世紀後半のスペインで流行した世俗曲を集めたもので、これらの曲は、詩的であり、溢れる情緒に満ちています。甘く切ないメロディとノリの良いリズムは、このまま現代の歌手がカバーしてもよいのではないか?と思わせるほどです。いとしい人を想う心はいつの時代も同じなのですね。

NAXOS(Blu-rayオーディオ)


NBD0029
(Blu-rayオーディオ)
\2300
ベルリオーズ:幻想交響曲(第2楽章のコルネット付きヴァージョン入り)・序曲「海賊」
 1.序曲「海賊」Op.21/
 2-10.幻想交響曲
   <第1楽章:夢、情熱/第2楽章:舞踏会/
    第3楽章:野の風景/第4楽章:断頭台への行進/
    第5楽章:魔女の夜宴の夢/
    第5楽章:ディエス・イレ/第5楽章:サバトのロンド/
    第5楽章:ディエス・イレとサバトのロンド/
    第2楽章:舞踏会(コルネットのオブリガード付きヴァージョン)>
     
フランス国立リヨン管弦楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
 上で紹介したCD(8.572886)のBlu-rayオーディオ。
 録音 2011年8月31日.9月1日フランスリヨン,オーディトリウム/24-bit 96kHz PCM Surround/演奏時間:70'25"

NBD0031
(Blu-rayオーディオ)
\2300
プロコフィエフ:交響組曲「1941年」&交響曲第5番
 1-3.交響組曲「1941年」Op.90(1941)
  <戦闘の中で/夜に/人類の親和のために>/
   4-6.交響曲第5番変ロ長調Op.100(1944)
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
 8.573029と同内容。
 1944年に作曲された「交響曲第5番」は、プロコフィエフ(1891-1953)の最大傑作の一つとされています。これは、当時、ヒトラー率いるドイツ第三帝国が、一方的にソ連に攻め入ることで祖国愛に目覚めたというプロコフィエフが、自ら持てる音楽の力で、祖国に貢献すべく作曲した作品であり、構想からわずか1か月でピアノ・スコアが完成、そこから1か月でオーケストラのスコアが完成したというのですから、その創作意欲には並々ならぬものがあったのは間違いありません。ピアノやハープ、充実した打楽器群を含む3管編成のオーケストラで奏されるこの作品、最初は静かに始まりますが、曲が進むにつれ、少しずつ盛り上がり、暴力的なスケルツォを経て、第3楽章の葬送行進曲風の音楽へと進み、最終楽章で音楽は最高潮に達します。いささか唐突に終わるのは、人類に対して何かを問いかけているのかもしれません。
 交響組曲「1941年」は、その先駆けとなった独ソ戦争勃発を契機として書かれた作品。オールソップの冷徹な指揮が曲全体を引き締めています。
 録音 2011年8月26-31日ブラジルサラ・サンパウロ/24-bit 96kHz PCM Surround/演奏時間:59'44"

NEWTON CLASSICS


Boccherini: Guitar Quintets
8802138
(2CD)
\2600→\2290
ボッケリーニ:ギター五重奏曲集
<CD1>
 1-4.ギター五重奏曲第1番ニ短調 G445/
 5-7.ギター五重奏曲第2番ホ長調 G446/
 8-11.ギター五重奏曲第3番変ロ長調 G447/
<CD2>
 1-3.ギター五重奏曲第4番ニ長調「ファンダンゴ」G448/
 4-7.ギター五重奏曲第9番ハ長調 「マドリードの帰営ラッパ」G453
マッシモ・スカットーリン(ギター)/
フランコ・メッツェーナ(ヴァイオリン)/
ステファノ・パリアーリ(ヴァイオリン)/
ルカ・ヴォルパート(ヴィオラ)/
ユリウス・ベルガー(チェロ)
 偉大な作品を残しているにも拘わらず、あまりにも過小評価されている感のあるボッケリーニ(1743-1805)。チェロのヴィルトゥオーゾであった彼は近代チェロ奏法の発展に大きく寄与し、生涯に夥しい数の室内楽作品を書いたこと、また滞在先であったスペインの音楽を積極的に自作に取り入れ、独自の作風を創り上げたことなど、もっと知られてもいいのではないでしょうか。このギター五重奏曲も、当時の音楽界の主流であったドイツやオーストリアから距離を置き、スペイン風味を貫くもので、とりわけ第4番の終楽章はスペイン舞曲の「ファンダンゴ」が取り入れられており、まさにフラメンコの原型とも言えそうな迫力ある音楽です。美しいメロディと素晴らしいアンサンブルは見事の一言。「メヌエット」だけがボッケリーニではないことを感じさせてくれるでしょう。なお、ここでチェロを演奏しているユリウス・ベルガーはドイツの名手であり、最近次々と新譜を出して注目されている人です。
 録音 1993年5月12-19日トレヴィソ フランツォーロ・ディ・ヴェデラーゴ,ヴォラ・エモ・カポディリスタ,サラ・パラディアーナ…CD1, 1993年11月10-15日トレヴィソ コル・サン・マルティーノ,キエサ・ディ・サン・ヴィギリオ…CD2 原盤… Rivoalto

Croce: Missa sopra la battaglia
8802139
\2000→\1890
クローチェ/ウィラールト/ガブリエーリ他:宗教作品集
 〈ジョヴァンニ・クローチェ(1557頃-1609)〉
  1.主よ、われ御身をたたえまつらん(4声)/
  2.私は主に向かいて祈りを捧げる(4声)/
  3.おお、聖なる宴(4声)/4.賛美の歓びに沸き(8声)/
  5.天使のパン(8声)/
  6-10.ミサ曲「戦争」(8声)
   <キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/アニュス・デイ>/
 〈アドリアン・ウィラールト(1490頃-1562)〉
  11.おお、大いなる神秘(4声)/
  12.アヴェ・マリア(4声)/
 〈アンドレア・ガブリエーリ(1532/3-1585)〉
 13.主よ、われは御身を愛し奉る(4声)/14.天使と羊飼い(4声)/
 15.今日、聖霊降臨の日は来たりぬ(4声)/
 16.わたしの肉はまことの食物(4声)/
 17.イェルサレムの娘たちよ(4声)/
 18.おお、ここはいかに畏れ多き所なるか(4声)/
 19.神が祝福されますように(8声)/
 20.おお、救いの聖餐(8声)/
〈ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1554/7頃-1612)〉
 21.神を讃えよ(8声)/
〈ジョヴァンニ・バッサーノ(1560/61-1617)〉
 22.カンターテ・ドミノ(8声)
カペラ・マルキアーナ/
マルコ・ジェンマーニ(指揮)
 16世紀から17世紀にかけての、サン・マルコ寺院で活躍した音楽家たちの作品を集めた1枚です。このアルバムの中心となるジョヴァンニ・クローチェは、イタリアのキオッジャに生まれたヴェネツィア楽派の作曲家。モンテヴェルディの二代前の1603年に楽長となりましたが、健康上の理由であまり活躍することはなかったと記録されています。作曲家としてはとても高名で、数多くの同世代の作曲家たちに影響を与えました。声による輝かしいアンサンブルと見事な対位法の処理は、確かに一世を風靡するだけの勢いの良さを感じさせます。他にはアンドレア、ジョヴァンニ・ガブリエーリ、バッサーノ、そしてフランドルからイタリアに移住し、ポリフォニー様式を定着させたと言われるウィラールトの作品が収録されています。合唱によるルネサンス音楽をこよなく愛する人にオススメです。
 録音 2009年10月10-15日ヴェネツィア,バシリカ・ディ・サン・マルコ 原盤…Rivoalto

Tartini: Violin Concertos
8802140
(2CD)
\2600→\2390
インテルプレティ・ヴェネツィアーニ
 タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲集

<CD1>
 1-3.協奏曲イ長調 D113/4-6.協奏曲イ短調 D115「A lunardo venier」/
 7-9.協奏曲ト長調 D80/10.協奏曲イ長調 D96/
<CD2>
 1-3.協奏曲ニ短調 D45/4-6.協奏曲ヘ長調 D67/
 7-9.協奏曲ト長調 D83/10.協奏曲変ロ長調 D117
ジュリアーノ・フォンタネッラ(ヴァイオリン…CD1:1-3&10,CD2:1-3)/
エンリノ・カサッツァ(ヴァイオリン…CD1:4-6)/
セバスティアーノ・マリア・ヴィアネッロ(ヴァイオリン…CD1:7-9)/
パオロ・チオチオーラ(ヴァイオリン…CD2:4-9)/
クリスティアーノ・ロッシ(ヴァイオリン…CD2:10)/
インテルプレティ・ヴェネツィアーニ
 18世紀最大のヴァイオリニストの一人とされ、重音奏法の開発や近代的な運弓法を確立、多くの理論書を残したタルティーニ(1692-1770)。もちろん数多くのヴァイオリン作品を残していて、中でも協奏曲は130曲以上が確認されています。ヴァイオリンと管弦楽のために書かれたこれらの曲は、もちろん技術的には困難を極めますが、メロディは優雅であり、きりりと引き締まったものばかりです。形式は基本的に3楽章構成ですが、ほとんど同時代のヴィヴァルディの作品よりもロマンティックで起伏に富んだ内容が魅力的。1987年に結成され、幾度もの来日経験のあるアンサンブル、インテルプレティ・ヴェネツィアーニの安定した演奏で。
 録音 1995年2月12-19日…CD1, 1995年2月19-26日…CD2 ヴェネツィアサン・ジョヴァンニ・エヴァンゲリスタスクオラ・グランデ 原盤…Rivoalto

Tartini: Violin Sonatas
8802141
(3CD)
\3000→\2690
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ集
<CD1.ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集Op.2>
 1.第1番ト短調/2.第2番イ長調/3.第3番ニ短調/
 4.第4番ホ短調/5.第5番ヘ長調/6.第6番ホ長調/
<CD2.26の小さなソナタ(パドゥア、アントニアーナ所蔵)>
 1.第1番ト長調B.G1/2.第2番ニ短調B.d1/3.第3番ニ長調B.D1/
 4.第4番ハ長調 B.C1/5.第5番ヘ長調B.F1/6.第6番ホ短調B.e1/
 7.第9番イ長調B.A1/8.第11番ホ長調B.E1/
<CD3.26の小さなソナタ(パドゥア、アントニアーナ所蔵)…続き>
 1.第7番イ短調B.a1/2.第8番ト短調B.g1/
 3.第10番変ロ長調B.B1/4.第12番ト長調B.G2
<CD1>
アルベルト・マルティーニ(ヴァイオリン)/
イラリオ・グレゴレット(ハープシコード)/
<CD2&3>
ジョヴァンニ・グリエルモ(ヴァイオリン)/
アントニオ・ポカテッラ(チェロ)
 「悪魔のトリル」で知られるタルティーニ(1692-1770)の生涯はとても波乱に満ちたものでした。イタリアのピランで生まれた彼は、基礎的な音楽教育を受けたあと、パドヴァで法律と神学を学び、同時にフェンシングの名手としても名を馳せます。しかし、その頃思いを寄せ密かに結婚した女性が、実は地元の有力者(大司教の説もある)の寵愛を受けていたため、彼は誘拐の罪を着せられてしまい、それから逃げるためにアッシジの聖フランシスコ修道会に入会したことで、彼はヴァイオリンの演奏を始めたのでした。その後、めきめきと才能を発揮し、やがてはヴァイオリン教室を開くなど、ヴァイオリン演奏の祖となります。このアルバムには彼の100以上あるソナタから、いくつかを選択したものです。タルティーニの自然なスタイルが見て取れるもので、25のソナタ集は無伴奏、通奏低音付きのどちらでも演奏が可能であり、ここではチェロとの美しい絡みが楽しめます。
 録音 1971年4月10-18日ミラノヴィラ・リッタ…CD2.3, 1990年8月10-15日ベネツィアスタジオ・シンテシ…CD1 原盤…Rivoalto

Stradella: Violin Sonatas & Chamber Music
8802142
(4CD)
\4000→\3490
アレッサンドロ・ストラデッラ:室内楽作品集
<CD1.ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集7-1>
 1.ソナタ第10番イ短調/2.ソナタ第1番ニ長調/
 3.ソナタ第9番ト長調/4.ソナタ第5番ホ短調/
 5.ソナタ第6番ヘ長調/6.ソナタ第11番イ短調/
 7.ソナタ第4番ニ短調/

<CD2>
 1.ソナタ第3番ニ短調/2.ソナタ第7番ヘ長調/
 3.ソナタ第2番ニ長調/4.ソナタ第8番ヘ長調/
 5.ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集7-2
  ソナタ第1番ニ短調「ヴァイオリン、チェロかリュートのための」/

<CD3.ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集7-3>
 1.ソナタ第2番ニ長調/2.ソナタ第9番イ短調/3.ソナタ第4番ニ長調/
 4.ソナタ第8番イ短調/5.ソナタ第3番ニ長調/
 6.ソナタ第7番ト長調/7.ソナタ第5番ヘ長調/8.ソナタ第6番ヘ長調/

 9.ソナタ第1番ハ長調/
<CD4.その他の作品>
 1.トランペットと8つの弦楽、通奏低音のためのソナタ集7-4 第3番ニ長調/
 2.2台のヴァイオリンと2台のコルネット、通奏低音のための四重奏ソナタ7-4 第1番ニ長調 /
 3.合奏協奏曲第24番ニ長調7-4 第2番/
 4.ヴァイオリン、チェロと通奏低音のためのソナタ7-2 第2番変ロ長調
<CD1&2>
マリオ・フェラリス(vn)/
エンリコ・ミオリ(vc)/
マリア・イサベッラ・デ・カルリ(cemb&org)/
<CD3>
マリオ・フェラリス(vn)/
アンジェロ・エフリキアン(vn)/
エンリコ・ミオリ(vc)/
アントニオ・ポカテッラ(vc)/
ブルーニ・フェラリス(コントラバス)/
マリア・イサベッラ・デ・カルリ(cemb&org)/
<CD4.1-3>
ジョヴァンニ・アダモ(vn)/
ウィリアム・ビニャーニ(vn)/
ジリアーノ・ナレッソ(vn)/
フェレリコ・ザンピエリ(vn)/
ジョルジョ・アレッサンドリ(va)/
フランコ・ボルガッティ(va)/
アルマンド・ブラッティン(va)/
フランチェスコ・ブルーニ(vc)/
ナザレノ・チコーリア(vc)/
エンリコ・エミリアーニ(vc)/
オスヴァルド・リッツォーリ(Cb)/
アウテミオ・ヴェルサーリ(Cb)/
エミリア・ファディーニ(cemb)/
マリア・イサベッラ・デ・カルリ(org)/
エドワルド・ハンキンス・タール(tp&cort)/
ホルガー・アイヒホルン(tp&cort)/
<CD4.4>
アンジェロ・エフリキアン(vn)/
アントニオ・ポカテッラ(vc)/
マリア・イサベッラ・デ・カルリ(org)
 ヴェネツィア楽派の作曲家で、歌劇などの声楽曲から、シンフォニア、ソナタなどの器楽曲まで数多くの作品を残したストラデッラ(1639-1682)。とりわけ「合奏協奏曲」の創始者として音楽史に名を残しています。当時高い人気を有していた音楽家であった彼、ご想像の通り、その生涯も波乱に満ちたものでした。有り余る才能のおかげで常に強力なパトロンと賛美者がいたものの、堕落した生活を送り、また女性関係も派手であり、結局のところそれが元で命を落とすことになってしまったのは皮肉としか言いようがありません。そんな彼の音楽は「数々の悪行」を微塵も感じさせない美しく整ったもの。なんとなく、こんな人生もいいなぁ。と思えてしまう吹っ切れた雰囲気がステキです。
 録音 1971年2月12-19日…CD1, 1971年3月11-18日…CD2, 1971年5月1-9日…CD3, 1971年9月22-30日…CD4 ミラノ・ヴィラ・リッタ 原盤…Rivoalto

Saint-Saens: Piano Concertos Nos. 1-5
8802144
(2CD)
\2600→\2290
サン=サーンス:ピアノ協奏曲全集
<CD1>
 1-3.ピアノ協奏曲第1番ニ長調Op.17/
 4-6.ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22/
 7.ピアノ協奏曲第3番変ホ長調Op.29 第1楽章/
<CD2>
 1.ピアノ協奏曲第3番変ホ長調Op.29 第2,3楽章/
 2-3.ピアノ協奏曲第4番ハ短調 Op.44/
 4-6.ピアノ協奏曲第5番ヘ長調Op.103
フィリップ・アントルモン(ピアノ)/
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団/
ミシェル・プラッソン(指揮)
 サン=サーンス(1835-1921)のピアノ協奏曲は全部で5曲あり、第1番は23歳の作品で、第5番は61歳の作品ですから、その年代にはほぼ40年の開きがあり、もちろん作風もかなり変化しています。もともと素晴しいピアニストであったサン=サーンスは11歳の時に初めて公開演奏会を行うほどの腕の持ち主。もちろんピアノ協奏曲も高度な技術を要する華麗で輝かしい曲相を有しています。とは言え、曲の人気にはかなりムラがあり、第1番はメンデルスゾーンを思わせる活気に満ちた作品、第2番は代表作の一つとされる名曲、第3番は初演時の悪評がたたり、現在ではほとんど聴くことのない作品、第4番は循環形式を用いた画期的な作品、そして第5番は「エジプト風」と呼ばれる人気作。これらをまとめて聴くことでサン=サーンスを深く理解できるかもしれません。
 今は指揮者としての活躍ぶりが伝えられるフィリップ・アントルモン。しかし彼の本領はやはりピアニストであるということを再確認させてくれるような名演です。
 録音 1976年6月14日(CD1:1-3,CD2:4-6), 1977年1月&4月(CD1:4-7,CD2:1-3) フランストゥールーズ,アル・オ・グラン 原盤…SONY

Mozart: Bass Arias
8802179
\2000→\1890
フェルッチョ・フルラネット
 モーツァルト:バス・バリトンのためのオペラ・アリア集

 1.フィガロの結婚K492-第1幕「もし踊りをなさりたければ」/
 2.魔笛K620-第2幕「この聖なる殿堂では」/
 3.魔笛K620-第1幕「私は鳥刺し」/
 4.ドン・ジョヴァンニK527-第1幕「酒の歌」/
 5.フィガロの結婚K492-第1幕「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」/
 6.フィガロの結婚K492-第1幕「仇討ち」/
 7.魔笛K620-第2幕「恋人か女房か」/
 8.ドン・ジョヴァンニK527-第1幕「わかりました、旦那さま」/
 9.ドン・ジョヴァンニK527-第1幕「カタログの歌」/
 10.コシ・ファン・トゥッテK588-第1幕「彼に目を向けてください」/
 11.フィガロの結婚K492-第3幕「こっちの勝ちだと!私が溜め息をしている間に」/
 12.ドン・ジョヴァンニK527-第2幕「ドン・ジョヴァンニのセレナーデ」/
 13.コシ・ファン・トゥッテK588-第2幕「ご婦人方よ、よくやってくれますな」/
 14.ドン・ジョヴァンニK527-第2幕「半分はこっちへ」/
 15.フィガロの結婚K492-第4幕「用意はできた」
フェルッチョ・フルラネット(バス・バリトン)/
ウィーン交響楽団/
イオン・マリン(指揮)
 1949年、イタリアのフリウリに生まれたフルラネット。彼は最初に哲学と自然科学を学ぶも、歌の道への欲求が抑えがたく、22歳で声楽に転向します。すぐに頭角を表わし、3年後にはトリエステで「ラ・ボエーム」のコリオーネ役でデビュー。その美しい声で「ヴェルディ歌い」としての名声を確立するのです。その後、カラヤンと出会うことで「モーツァルト歌い」の資質を開花させ、とりわけレポレッロとフィガロ役では右に出る者はいない。とまで言われるほどの名声を得ました。そんな彼のモーツァルト(1756-1791)を改めて聞いてみると、感情の揺れ動きを正確に表現し、モーツァルトの成熟したスタイルをはっきりと見せてくれていることに気が付くでしょう。彼の暖かく深い声質は、どんな悪人を歌っても、不思議と人間味が感じられるものであり、それが愛される理由なのではないでしょうか。
 録音 1990年10月5日ウィーン,ゾフィエンザール原盤…SONY

Dussek: Keyboard Music
8802127
\2000→\1790
ジャン・ラディスラフ・ドゥシェク:鍵盤音楽集
 1.ソナタ第24番嬰ヘ短調Op.61/
 2.ソナタ第25番ニ長調Op.69-3/
 3.告別(ロンド)/4.ヒュメナイオスの歌
ルカ・パラッツォーロ(フォルテピアノ)
録音 1992年5月25-28日モリアーノ・ヴェネトコンドゥルマー・レコーディング・スタジオ原盤…Rivoalto
 ピアノ愛好家にとっては、「ソナチネ・アルバム」でおなじみ、ボヘミア出身の作曲家ドゥシェク(1760-1812)の作品集です。波乱万丈の生涯を送り、その作品も当時としては前衛的であり(古典派よりもロマン派に近い作品が多い)独自の作風を打ち立てたため、同時代の聴衆からはなかなか理解されることなく、彼の死とともにほとんどが忘れ去られてしまいました。しかし、改めて接してみると、どの曲も独創性に満ち、エネルギッシュで多彩な表現を持つ音楽であることがわかるでしょう。モーツァルトの幻想曲を思わせるフォルテピアノを演奏するパラッツォーロはドゥシェクの研究家でもあります。

Locatelli: 24 Capricci for solo violin
8802128
\2000→\1790
ピエトロ・アントニオ・ロカテッリ:24のカプリッチョOp.3
 1.第1番:ニ長調/2.第2番:ニ長調/3.第3番:ハ短調/4.第4番:ハ短調/
 5.第5番:ヘ長調/6.第6番:ヘ長調/7.第7番:ホ長調/8.第8番:ホ長調/
 9.第9番:ハ長調/10.第10番:ハ長調/11.第11番:ト短調/12.第12番:ト短調/
 13.第13番:変ロ長調/14.第14番:変ロ長調/15.第15番:ホ短調/
 16.第16番:ホ短調/17.第17番:ト長調/18.第18番:ト長調/19.第19番:ヘ長調/
 20.第20番:ヘ長調/21.第21番:イ長調/22.第22番:イ長調/
 23.第23番:ニ長調「和声の迷宮」/24.第24番:ニ長調「和声の迷宮」
エマニュエル・バルディーニ(ヴァイオリン)
録音 1998年6月12-18日イタリアトレヴィソ,INスタジオ原盤…Rivoalto
 ロカテッリ(1695-1764)は、イタリア後期バロック音楽の作曲家、ヴァイオリニストですが、その生涯の詳細はほとんどわかっていません。ベルガモで生まれ、ローマで学んだ後、1720年代にはイタリアとドイツのいくつかの土地で演奏会を行い、1729年にアムステルダムに定住、裕福な音楽家として、その地で没したとされています。このCDに収録されている「24のカプリッチョ」は、彼の最高傑作「ヴァイオリンの技芸Arte del violino」の一環として1733年に発表されたものです。これは12の協奏曲からなる曲集ですが、各々の第1楽章と第3楽章に、カデンツァの役割を持つ「カプリッチョ」を挿入することができるというもので、これがまあ、とにかく技巧的であり、まさにパガニーニの先駆的作品と言えるものなのです。名手バルディーニの目も覚めるような演奏で。

Laudate Dominum
8802129
\2000→\1790
ラウダーテ・ドミヌム
 1.ジョヴァンニ・ガブリエリ(1557-1612):Ego sum qui sum(私は私である)/
 2.ジョヴァンニ・クローチェ(1557-1609):In spiritu humilitatis(深くへりくだり、謙遜の精神で)/
 3.ハンス・レオ・ハスラー(1564-1612):Verbum caro factum est(言葉は人となりたまえり)/
 4.アントニオ・ビッフィ(1667-1736):Te lucis ante terminum(光の消ゆる前に)/
 5.クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):Beatus vir I(幸いなるかな)/
 6.ジョヴァンニ・ラレンツィ(1626-1690):ラウダーテ・ドミヌム/
 7.ジョヴァンニ・ラレンツィ:マニフィカート/
 8.アントニオ・ロッティ(1667-1740):クレド/
 9.バルダッサーレ・ガルッピ(1705-1785):ラウダーテ・ドミヌム/
 10.アントニオ・ロッティ:Spirto di Dio(主の魂は)
  ※4.7.10…初録音
ディナーラ・マクハンベト(ソプラノ)/
ジョヴァンナ・ブラガディン・ディッセッラ(コントラルト)/
ダヴィデ・シエガ(テノール)/
アレッシオ・ラファッティ(バス)/
コンプレッソ・ヴォカーレ・エ・ストルメンターレ・アントニオ・ロッティ/
パオロ・カンモッツォ(指揮)
録音 2000年1月20-25日ヴェネツィアマドンナ・デル’オルトスコラ・ディ・サン・クリストフォーロ・デッタ・デイ・メルカンティ原盤…Rivoalto
 サン・マルコ寺院の音楽遺産を祝して創り上げた素晴らしいコンピレーション・アルバムです。イタリア・バロック音楽の中心地の一つであったため、独自の器楽、声楽アンサンブルを擁し、数々の著名な音楽家たちが楽長、オルガニストを務めました。ここで聴ける音楽は、すべて教会で重要な位置にあった作曲家たちの作品で、当然、当時教会で演奏されたものばかりです。16世紀後半から18世紀の後半に至るまでの多彩な調べは、ヴェネツィアの文化の隆盛を物語るものです。

Brahms: Complete String Quartets & Clarinet Quintet
8802131
(2CD)
\2600→\2190
ブラームス:弦楽四重奏曲集・クラリネット五重奏曲
<CD1>
 1-4.弦楽四重奏曲第1番ハ短調 Op.51-1/
 5-8.弦楽四重奏曲第3番変ロ長調Op.67-3/
<CD2>
 1-4.弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.51-2/
 5-8.クラリネット五重奏曲ロ短調Op.115
ジュリアード弦楽四重奏団
<メンバー:
ロバート・マン(第1ヴァイオリン)/
ジョエル・スミルノフ(第2ヴァイオリン)/
サミュエル・ローズ(ヴィオラ)/
ジョエル・クロスニック(チェロ)>/
チャールズ・ナイディック(クラリネット)…CD2:5-8
録音 1993年5月9日…CD1,1993年5月13日…CD2:1-4, 1994年3月28日…CD2:5-8 アメリカニューヨーク,セーヴィング・バンク・ミュージック・ホール 原盤…SONY
 1946年、ニューヨークのジュリアード音楽院の校長であったW.シューマンの提唱により、当時の音楽院の教授らによって設立された「ジュリアード弦楽四重奏団」。レパートリーはベートーヴェンからエリオット・カーターと幅広く、その完璧なアンサンブルと緻密な解釈は、メンバーが変遷を遂げても変わることなく、現代でも最高峰の団体として高く評価されています。このブラームス(1833-1897)は1990年代の記録で、極めて濃密な音楽が展開されています。名クラリネット奏者ナイディックが参加した五重奏曲も聴きものです。

Gabrieli and Cavazzoni: Ricercars & Canzonas
8802132
\2000→\1790
リチェルカーレとカンツォーナ集
《アンドレア・ガブリエーリ(1510頃-1586)》
 1.リチェルカーレ12th mode/2.トッカータ10th mode/
 3.カンツォーナ・アリオーサ/
《ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1554頃-1612)》
 4.フーガ9th mode/5.リチェルカーレ/6.ファンタジア6th mode/
《マルコ・アントニオ・カヴァッツオーニ(1490頃-1560頃)》
 7.リチェルカーレ/8.Plus ne regres/
《ジローラモ・カヴァッツォーニ(1525頃-1577以降)》
 9.「あの人は美男でお人好し」によるカンツォーン/
 10.「Falt d'argens」によるカンツォーン/
 11.讃歌「すべてのものの贖い主であるキリストよ」/
 12.讃歌「アヴェ・マリア・ステラ」
セルジオ・デ・ピエリ(オルガン)
録音 1983年7月10-15日ヴェネツィアディ・フラリ大聖堂のオルガンを演奏「カッリド」…1-6、「ピアッジャ」…7-12 原盤…Rivoalto
 16世紀に書かれた鍵盤音楽は、あまりにも技巧的であったようで、それらはほとんど印刷されることがありませんでした。確かに。大抵の作曲家(演奏家も兼ねる)は即興演奏が得意であり、楽譜に書き写す必要もなかったのかもしれません。しかし、アマチュア演奏家のために、いくつかの作品のアレンジメントを公開した「intabulations」は人気となり、これが鍵盤音楽の最古のレパートリーを集めたものとして知られています。この中に含まれるカヴァッツォーニ親子と、A.ガブリエーリ、G.ガブリエーリの4人の作曲家の作品は、特筆すべきもので、この完成度の高さはそのまま次代のフレスコバルディへと引き継がれるものです。ディ・フラリ大聖堂は、ゴシック様式で建設されたヴェネツィアの三大教会の一つであり、ここの2台のオルガンは保存状態の良さと素晴らしい音色で知られています。

Domenico Dragonetti: Works for double bass and piano
8802133
\2000→\1790
ドメニコ・ドラゴネッティ:コントラバスとピアノのための作品集
 1.悪魔のダンス/2.アレグレットハ長調/
 3.ラルゲットとアレグロ・ヴィヴァーチェ/
 4.アダージョとアレグロ・ノン・タント/
 5.アレグロとアンダンテとアレグロ/6.ワルツ/
 7.アレグレット(セレナード)/
 8.ラルゲットとアレグロ・ノン・タント
ミカエル・ヴェロネーゼ(コントラバス)/
ルカ・フェリーニ(ピアノ)
録音 1993年4月2-10日イタリアトレヴィソ,INスタジオ 原盤…Rivoalto
 ヴェネツィアでアマチュア音楽家&床屋の息子として生まれたドラゴネッティ(1763-1846)は、幼い頃から、父が所有していたギターとコントラバスを弾き、まもなくヴァイオリニスト、ドレッティに見いだされ、12歳でヴェネツィア最高のコントラバス奏者ベリーニに師事します。彼はほんのちょっとレッスンしただけで「この子には教えることがない」と判断、13歳でプロの音楽家として活動を始めることになります。その後はサン・マルコ寺院の楽団で活躍し、1794年からはロンドンに活動の場を移し、ここで生涯を終えます。1799年にはウィーンを訪れていますが、ここでベートーヴェンと交流を持ち、お互いに霊感を与えあったことでも知られています。このアルバムには、そんなドラゴネッティの小品を収録。比類なき名人芸と表現力に裏打ちされた、魅力的な曲の数々を名手ヴェロネーゼが演奏しています。

Giovanni Legrenzi: Sonatas and balletti
8802134
\2000→\1790
レグレンツィ:ソナタとバレエ集
 1.ソナタOp.10-6/2.ソナタOp.10-5/
 3.ソナタOp.8-10「ラ・クレモナ」/
 4.バレエとクーラントOp.16-3/5.ソナタOp.10-6/
 6.クーラントOp.16-9/7.ソナタOp.8「ラ・バサドンナ」/
 8.ソナタOp.8-16「ラ・クリスパ」/9.ソナタOp.10-1
ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ
<メンバー:
ジョルジオ・ファーヴァ(ヴァイオリン)/
ルイージ・マンジョカヴァッロ(ヴァイオリン)/
マリアルイーザ・ブランダーオ・モレイラ(ヴァイオリン)/
エンリコ・パリッツィ(ヴァイオリン&ヴィオラ)/
ワルター・ヴェスティデッロ(チェロ)/
エリザベッタ・デ・ミルコヴィチ(チェロ)/
アルベルト・ラシ(ヴィオローネ)/
ジァンカルロ・ラド(キタローネ)/
イヴァノ・ザネギー(キタローネ)/
アンドレア・マルコン(オルガン&ハープシコード)>
録音 1991年6月10-15日トレヴィソ,モリアーノ・ヴェネトコンドゥルマー・レコーディング・スタジオ 原盤…Rivoalto
 ヴェネツィア楽派の歌劇作曲家として知られるジョヴァンニ・レグレンツィ(1626-1690)。彼は晩年にサン・マルコ教会の楽長を務め、教会音楽の器楽を拡大し、初期のトリオ・ソナタに重要な作品を残しました。オペラから器楽曲まで、当時流行したあらゆる楽種の音楽を作曲しましたが、ここでは彼の野心作とも言えるトリオ・ソナタを中心にお聴きいただけます。革新的な音色感、リズミカルな旋律と、積極的な主題の展開、そして複雑で表現力豊かな対位法など、当時のヴェネツィアにおける器楽曲の発展を目の当たりにできる注目の作品集です。

Songs of the World
8802135
\2000→\1790
ソング・オブ・ワールド
 1.愛の歌(スペイン)/2.鳥の鳴き声(カタロニア)/
 3.朧月夜(日本)/4.ロンドンデリーの歌(アイルランド)/
 5.内海芳宏:愛情(日本)/6.アリラン(韓国)/
 7.五月のことだった(イタリア)/
 8.ブラインド・メアリー(アイルランド)/
 9.ああ麗しきベルメランド(スウェーデン)/
 10.Shottis for Norway(ノルウェー)/
 11.ニーグン(イスラエル)/12.コル・ニドライ(イスラエル)/
 13.A Dudele-歌(イスラエル)/14.ニーグン(イスラエル)/
 15.荒城の月(日本)/16.小さい秋みつけた(日本)
ステファノ・シャシャ(コントラバス)/
マーラ・コラッツァ(ピアノ)
録音 2002年4月10-16日イタリアトレヴィソ,コネリアーノアトモスフェレ・スタジオ 原盤…Rivoalto
 世界各国の様々な名曲をコントラバスのために編曲。文化の多様性と伝統的なメロディの豊かさを感じる極上の1枚です。1960年生まれのコントラバス奏者シャシャは、アジア(日本の曲も4曲含まれる)、中東、そしてヨーロッパから集めた多彩なメロディを、コントラバスで演奏することで、一層深みのある音楽として表現しています。センティメンタルなブルッフの「コル・ニドライ」や、カンタービレたっぷりの「五月のことだった」、きりっとした美しさに酔える北欧のメロディの数々、そして、もともとコントラバスのために書かれた内海芳宏の「愛情」など、コントラバスの魅惑の低音をたっぷり味わうことができるでしょう。

Gesualdo: Six books of madrigals for five voices
8802136
(6CD)
\4000→\3490
ジェズアルド:5声のマドリガル集(全曲)
《CD1.第1集(1594)》
 1.Baci soavi e cari/2.Madonna, io ben vorrei /3.Come esser puo/
 4.Gelo ha Madonna il seno/5.Mentre Madonna/6.Se da si nobil mano/
 7.Amor, pace non chero/8.Si gioioso mi fanno/9.O dolce mio martire/
 10.Tirsi morir volea/11.Mentre, mia stella, miri/12.Non mirar, non mirare/
 13.Questi leggiadri/14.Felice primavera/15.Son si belle le rose/
 16.Bella Angioletta/
《CD2.第2集(1595)》
 1.Caro amoroso neo/2.Hai rotto, e sciolto/3.Se per lieve ferita/
 4.In piu leggiadro velo/5.Se cosi dolce e il duolo/
 6.Se taccio, il duol s’avanza/7.O come e gran martire/
 8.Sento che nel partire/9.Non e questa la man/10.Candida man/
 11.Dalle odorate spoglie/12.Non mai non cangero/
 13.All'apparir di quelle/14.Non mi toglia il ben mio/
《CD3.第3集(1595)》
 1.Voi volete ch'io mora/2.Ahi, disperata vita/3.Languisco e moro/
 4.Del bel de'bei vostri occhi/5.Ahi, dispietata e cruda/
 6.Dolce spirito d'Amore/7.Sospirava il mio core/
 8.Veggio, si, dal mio sole/9.Non t'amo, o voce ingrata/
 10.Meraviglia d'Amore!/11.Crudelissima doglia!/12.Se piange, ohime/
 13.Ancidetemi pur/14.Se vi miro pietosa/15.Deh, se gia fu crudele/
 16.Dolcissimo sospiro/17.Donna, se m'ancidete/
《CD4.第4集(1596)》
 1.Luci serene e chiare/2.Tal'or sano desio/
 3.Io tacero, ma nel silenzio mio/4.Che fai meco, mio cor/
 5.Questa crudele e pia/6.Or che in gioia/7.Cor mio, deh, non piangete/
 8.Sparge la morte al mio Signor nel viso/9.Moro, e mentre sospiro/
 10.Mentre gira costei/11.A voi, mentre il mio core/
 12.Ecco, moriro dunque/13.Arde il mio cor/14.Se chiudete nel core/
 15.Il sol, qual or piu (six voices)/
《CD5.第5集(1611)》
 1.Gioite voi col canto/2.S'io non miro non moro/3.Itene, o miei sospiri/
 4.Dolcissima mia vita/5.O dolorosa gioia/6.Qual fora donna/
 7.Felicissimo sonno/8.Se vi duol il mio duolo/9.Occhi del mio cor vita/
 10.Languisce al fin/11.Merce, grido piangendo/12.O voi, troppo felici/
 13.Correte, amanti, a prova/14.Asciugate i begli occhi/
 15.Tu m'uccidi, o crudele/16.Deh, coprite il bel seno/
 17.Poiche l'avida sete/18.O tenebroso giorno/19.Se tu fuggi, io non resto/
 20.T'amo, mia vita/
《CD6.第6集(1611)》
 1.Se la mia morte brami/2.Belta, poi che t'assenti/3.Tu piangi, o Filli mia/
 4.Resta di darmi noia/5.Chiaro risplender suole/6.Io parto e non piu dissi/
 7.Mille volte il di moro/8.O dolce mio tesoro/9.Deh, come invan sospiro/
 10.Io pur respiro/11.Alme d'Amor rubelle/12.Candido e verde fiore/
 13.Ardita zanzaretta/14.Ardo per te, mio bene/15.Ancide sol la morte/
 16.Quel'no'crudel/17.Moro, lasso, al mio duolo/18.Volan quasi farfalle/
 19.Al mio gioir il ciel si fa sereno/20.Tu segui, o bella Clori/
 21.Ancor che per amarti/22.Gia piansi nel dolore/23.Quando ridente e bella
クィンテット・ヴォカーレ・イタリアーノ
<メンバー:
カルラ・シュレーン(ソプラノ)/
クララ・フォティ(メゾ・ソプラノ)/
エレナ・マッツォーニ(アルト)/
ロドルフォ・ファロルフィ(テノール)/
ガストン・サルティ(バリトン)/
ドミトリー・ナボコフ(バス)>
録音《CD1》1965年1月10-15日/《CD2》録音1965年2月12-19日/《CD3》1965年3月11-19日/《CD4》1965年4月9-15日/《CD5》1965年5月20-27日/《CD6》1965年9月21-30日ミラノヴィラ・リッタ 原盤…Rivoalto
 ヴェノーサ公でリュート奏者、ルネサンス期から初期バロック音楽への過渡期における異色の作曲家ジェズアルド(1561頃-1613)。彼については「殺人者」としての経歴が広く知れ渡っていますが、それ以上に作品の独自性も論じるべきではないでしょうか?不規則なリズムや、伝統の対位法の様式から外れたハーモニー、そして妙に聴き手をイライラさせるかのような半音階の多用など、その当時のスタイルとは全く異なる様式を持つジェズアルドの音楽。それを、彼の悔悛の念と捉える人もいますが、本当のところはどうだったのかを想像するのも悪くはありません。ありえないほどの体験が、彼に不思議な音楽性を与えたのか。それとも、もともと先鋭的な才能があったからこそ、普通の生活が営めなかったのか。いやいや、そんなことは一切関係ないのか・・・。6枚のアルバムを聴きながら異端の天才に思いをはせてください。

B. Marcello: 12 Concertos a cinque Op. 1 & 5 Sinfonias
8802137
(3CD)
\3000→\2590
B.マルチェッロ:12の5声の協奏曲Op.1&5つのシンフォニア
《12の5声の協奏曲Op.1》
<CD1>
 1-4.第1番ニ長調/5-8.第2番ホ短調/9-12.第3番ホ長調/
 13-16.第4番ヘ長調/17-20.第5番ロ短調/22-25.第6番変ロ長調/
<CD2>
 1-4.第7番ヘ短調/5-7.第8番ヘ長調/8-12.第9番イ長調/
 13-16.第10番ハ長調/17-21.第11番変ロ長調/22-26.第12番ト長調/
 《5つのシンフォニア》
<CD3>
 1-3.第1番変ロ長調/4-6.第2番イ長調/7-10.第3番ト長調/
 11-13.第4番ト長調/14-16.第5番ニ長調
<CD1&2>
フランコ・ファンティーニ(ヴァイオリン・ソロ)…第1-4.8.10番/
ティノ・バッケッタ(ヴァイオリン・ソロ)…第5-7.9.11-12番/
ゲヌンツィオ・ゲッティ(チェロ)/
マリエッラ・ソレッリ(ハープシコード)/
<CD1-3>
イ・ソリスティ・ディ・ミラノ/
アンジェロ・エフリキアン(指揮)
録音 1967年3月8-14日…CD1, 1967年3月15-21日…CD2, 1967年9月1-12日…CD3 ミラノヴィラ・リッタ 原盤…Rivoalto
 貴族であり、偉大なる政治家であったベネデット・マルチェロ(1686-1739)の12の協奏曲と5つのシンフォニア集です。この1708年に書かれた協奏曲は、当時としてはとても革新的な作品であり、独創性に満ちた作風でした。兄であるアレッサンドロも作曲家として活躍していましたが、「弟は非凡な才能を持っていた」と語るほどに、ベネデットは傑出した存在だったようです。この録音は1967年に行われたものですが、この当時は、まだこの時代の音楽についての復興が今ほど盛んではなく、この録音も発売後、すぐに埋もれてしまったものです。しかし、21世紀の今ならばエフリキアンがいかにスゴイことをしていたのかが、はっきり理解できるのではないでしょうか?

Albert Roussel: Complete Symphonies
8802173
(2CD)
\2600→\2190
ルーセル:交響曲全集
<CD1>
 1-4.交響曲第1番ニ短調「森の詩」Op.7/
 5-8.交響曲第3番ト短調Op.42/
<CD2>
 1-3.交響曲第2番変ロ長調Op.23/
 4-7.交響曲第4番イ長調Op.53
フランス放送フィルハーモニー管弦楽団/
マレク・ヤノフスキ(指揮)
録音 1994年9月14-16日…CD1:5?8,CD2:4-7, 1994年11月13-14日…CD1:1-4,CD2:1-3 フランスパリ,フランス放送サレ・オリヴィエ・メシアン
 フランス交響曲の伝統は、確かにドイツ系作品の充実ぶりとは比較になりませんが、それでも要所要所においては、素晴らしい作品が生まれています。このルーセル(1869-1937)の作品も極めて印象的で、音楽史の中でも素晴らしい光を放つものとして知られています。「森の詩」と呼ばれバレエでも使われる第1番は、明らかにドイツロマン派の系統に属する音楽ですが、各々の楽章に見られる季節描写の素晴らしいこと!まさにドビュッシーへと連なる色彩感溢れる曲です。凝縮されたエネルギーの迸りが感じられる第2番、新古典派とフランスの繊細さを併せ持つ第3番、そして死の3年前である1934年に書かれた輝かしい第4番と、魅力的な作品が並びます。
 ヤノフスキの指揮は、これらの音楽を丁寧に磨き上げ、流麗な音楽として見せてくれます。

Bach, J S: Keyboard Concertos Nos. 1-7 BWV1052-1058
8802186
(2CD)
\2600→\2190
J.S.バッハ:鍵盤のための協奏曲集
<CD1>
 1-3.協奏曲第1番ニ短調BWV1052/4-8.協奏曲第2番ホ長調BWV1053/
 7-9.協奏曲第3番ニ長調BWV1054/10-12.協奏曲第4番イ長調BWV1055/
<CD2>
 1-3.協奏曲第5番ヘ短調BWV1056/4-6.協奏曲第6番ヘ長調BWV1057/
 7-9.協奏曲第7番ト短調BWV1058/
 10-12.協奏曲ニ短調BWV1059…
  ハープシコード、オーボエ、弦楽と通奏低音のための
イゴール・キプニス(ハープシコード)/
ジャネット・クラクストン(オーボエ)…CD2:10-12/
ロンドン・ストリング・プレーヤー/
ネヴィル・マリナー(指揮)
録音 1967年10月28日 ロンドンリンドハースト・ホールエア・スタジオ…CD2:4-6 オリンピック・スタジオ…CD1:7-9, 1969年3月6日アビーロード第1スタジオ…CD1:1-3,CD2:1-3.7-9, 1970年10月15日アビーロード第1スタジオ…CD1:4-6.10-12,CD2:10-12
 バッハ(1685-1750)のチェンバロ協奏曲は、そのほとんどが、彼の晩年である1729年から1739年頃に作曲されたと推定されています。当時はライプツィヒに活動の場を移し、聖トーマス教会のカントルを務めたり、またアマチュアの楽団を指導を始めたため、教材となる作品を定期的に供給するために、精力的な創作を行っていました。この頃は彼の息子たちも成長し、一流の鍵盤奏者となっていたため、一層この分野に力を入れることになったのです。しかしながら、最初からこの形として創作したのではなく、多くの協奏曲は他の作曲家たちの作品を編曲、または自作を改作したものであり、その出自の不確かさもあってか、近年までは一部の曲を除いては、あまり演奏されることがありませんでした。
 このキプニスによる録音は、協奏曲の復興のきっかけを作ったものです。

ONDINE



ODE-1181
\2300→\2090
サカリ・オラモ&フィンランド放送交響楽団
 プロコフィエフ(1891-1953):交響曲第5番&第6番

  1-4.交響曲第5番変ロ長調Op.100/
  5-7.交響曲第6番変ホ短調Op.111
フィンランド放送交響楽団/
サカリ・オラモ(指揮)
録音 2011年8月15-17日ヘルシンキ・ミュージック・センター…1-4, 2010年9月9-11日フィンランディア・ホール…5-7
 このアルバムに収録されたプロコフィエフの2つの交響曲は、彼の全作品中でもとりわけシリアスなものであり、戦争の悲劇と強く結びついた曲として知られています。高揚感溢れる第5番、そして病と闘いながら心の声を振り絞って書いた第6番。どちらも難解な部分を持つ、演奏が困難な曲です。
 サカリ・オラモによるこの演奏は、曲の持つ攻撃性は抑え目にし、一見穏やかな中に燃え盛る心を閉じ込めるという、内面を重視した仕上がりとなっています。1度聴いただけでは、この曲の持つ恐ろしさを理解できないかもしれませんが、2度3度と聴くうちにぞくぞくして来るような演奏です。フィンランドを代表する名指揮者の一人、サカリ・オラモは1993年に(代役として)フィンランド放送交響楽団の指揮台に立ちました。この時の成功により、副指揮者として招聘され、2003年からは首席指揮者として活躍する傍ら、世界各地のオーケストラとも良い関係を築いています。彼はもともと熟達したヴァイオリニストであり、フィンランド放送響のコンサートマスターを務めていたこともあり、このオーケストラを知り尽くしていることは間違いありません。

ODE-1199
\2300
マグヌス・リンドベルイ(1958-):室内楽作品集
 1-3.クラリネット、チェロとピアノのための三重奏曲(2008)/
 4-6.チェロとピアノのための「サンタ・フェ・プロジェクト」(小協奏曲)(2006)/
 7-12.独奏チェロのためのパルティータ(2001)/
 13-16.チェロとピアノのための「2匹のコヨーテ」(1993/2002)
カリ・クリーック(クラリネット)/
アンシ・カルットゥネン(チェロ)/
マグヌス・リンドベルイ(ピアノ)
録音 2011年9月5-6.8日ヤルヴェンパー・ホール
 フィンランドの現代作曲家、ピアニスト、マグヌス・リンドベルイの作品集です。彼はサーリアホやエサ=ペッカ・サロネンらと同じく現代音楽を喧伝するためのグループ「Korvat auki!-耳を聴け!」に属し、フィンランドのこの分野の発展に力を尽くしています。彼の作品は一定のリズム・パターンに基づいたものや、「スペクトル楽派(倍音を理論的に合成するという方法論を用いた作曲を行う人たち)」に属するものが主でしたが、次第に古典的な作風に回帰し、メロディアスで情感あふれる作風へと変遷しています。このアルバムに収録されている一群の作品も、基本的には流麗で安定した曲想ですが、ところどころに現れる暴力的な雰囲気が独特です。


ODE-1208
\2300→\2090
ヴィルピ・ライサネン(メゾ・ソプラノ)/
 マーラーの遺産 〜マーラー,ベルク,シェーンベルク,ショスタコーヴィチ,ブリテン:歌曲集

《マーラー(1860-1911)》
 1-6.歌曲集「若き日の歌」
  <夏の後退/春の朝/思い出/ハンスとグレーテ/セレナーデ/幻想>/
《ベルク(1885-1935)》
 7.あこがれⅠ/8.花咲く春は短いと彼は嘆く/9.雨/
 10.私のまぶたを閉じて下さいⅠ/11.私のまぶたを閉じて下さいⅡ/
 12.眠ること、眠ること/13.ロイコンに/
《シェーンベルク(1874-1951)》
 14-16.ブレットル歌曲集(キャバレー・ソング)
  <ガラテア/素朴な歌/満ち足りた恋人>/
《ショスタコーヴィチ(1906-1975)》
 17-18. 2つの寓話/
《ブリテン(1913-1976)》
 19-23.子守歌のお守り
  <子守歌/ハイランドのバロー/
   セフェスティアの子守歌お守り/乳母の歌>
ヴィルピ・ライサネン(メゾ・ソプラノ)/
マリタ・ヴィッターサロ(ピアノ)
録音 2011年10月31日,11月1日.3日ヤルヴェンパー・ホール
 フィンランドの期待の新鋭、メゾ・ソプラノ歌手のヴィルピ・ライサネンによる、見事なコンセプト・アルバムです。
 彼女は優秀なヴァイオリニストとして、そのキャリアをスタートさせましたが、最近になってオペラ歌手に転向。すでにベルリン国立歌劇場を始め、ロイヤル・コンセルトヘボウやオランダ歌劇場、ザルツブルク音楽祭などへ出演し、バロック作品から、ノーノやリームなどの現代作品まで幅広く歌いこなし、絶賛されている人です。このアルバムは「マーラーの遺産」と題されたもので、マーラーの初期の歌曲に見られる「民謡、単純性と後期ロマン派の融合」の萌芽を引き継いでいった作曲家たちの作品が並べられ、大衆的な歌や極めてプライヴェートな歌などへと変化していった「ドイツ・リート」の変容がわかるものとなっています。ピアノ伴奏はイソコスキとの名演で知られるヴィータサロ。繊細な歌にぴったりと寄り添いつつも、濃厚な世界を表出しています。


ODE-1202
\2300→\2090
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)/
 カム&ヘルシンキ・フィル
R.シュトラウス(1864-1949):3つの賛歌・オペラアリア集
 1-2.歌劇「ナクソス島のアリアドネ」Op.60
 <Ein Schones war-美しいことがあった(アリアドネ)/
  Es gibt ein Reich-一つの国がある(アリアドネ)>/
 3-5. 3つの賛歌Op.71
 <愛の賛歌/帰郷/愛>/
 6-7.歌劇「ばらの騎士」Op.59から
 <Die Zeit, die ist ein sonderbar Ding-時というのは不思議なものね(マルシャリン)/
  Da geht er hin-とうとう行ってしまった(マルシャリン)>/
 8.歌劇「カプリッチョ」Op.85より終わりの情景
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)/
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
オッコ・カム(指揮)
録音 2012年4月17-18.20日ヘルシンキ・ミュージック・センター
 ONDINEレーベルには、「4つの歌」を始めとした管弦楽作品集(ODE-982),ピアノ伴奏による歌曲集(ODE-1187)という、イソコスキのR.シュトラウスのアルバムが2枚あり、このどちらも高く評価されています。彼女は現在最高のリリック・ソプラノの一人であり、その持ち役は驚くほど幅広く、また歌曲のレパートリーも豊富です。既に「ばらの騎士」の元帥夫人(マルシャリン)は、いくつかの劇場で歌い、またウィーン国立歌劇場の50周年ガラ・コンサートの映像でもその姿を見ることができますが、今回の最新録音では、一層成熟した大人の女性を感じることができるでしょう。彼女の歌声はとても柔らかく、決して突き刺さるようなものでないので、まさに包み込まれるような感触であり、暖かさに満ちています。たっぷりと歌われる「愛の賛歌」もよいですが、何より「カプリッチョ」の終わりの情景は、涙がでるほどに美しいものです。

ODE-1189
\2300
カイヤ・サーリアホ(1952-):三重奏曲集
 1.ソプラノとチェロ、ピアノのための
  「ミラージュ-蜃気楼」(2007:室内楽バージョン)/
 2-5.ヴァイオリンとヴィオラ、チェロのための
  「クラウド・トリオ」(2009)/
 6.アルト・フルートとチェロ、ピアノのための
  「Cendres-火山灰」(1998)/
 7-11.ヴィオラとチェロ、ピアノのための
  「Je sens un deuxieme coeur-私は第2の心を感じる」(2003)/
 12-16.パーカッションとチェロ、ピアノのための「セレナータ」(2008)
スティーヴン・ダン(ヴィオラ)/
ピア・フロイント(ソプラノ)/
トゥイヤ・ハッキラ(ピアノ)/
フローラン・ジョドゥレ(パーカッション)/
アンシ・カルットゥネン(チェロ)/
エルンスト・コヴァチッチ(ヴァイオリン)
録音 2011年3月14日…1-6, 2011年11月24-26日…2-5.7-16, ヤルヴェンパー・ホール
 サーリアホ生誕60年を記念してONDINEが進めている「サーリアホ・プロジェクト」の最新作は、彼女の室内楽作品です。
 「トリオ」と題されたこのアルバムは、様々な楽器による三重奏曲が集められています。「ミラージュ」は同時に2つの形態で作曲が試みられたもので、オーケストラ伴奏版はODE-1130で聴くことができますが、こちらは更に凝縮された音楽が味わえます。「クラウド・トリオ」はタイトルの通り、雲が形成する上で、絶えず変化していく様子を捉えたもので、4つの部分は神秘的な美しさを見せています。「火山灰」はこのアルバムの中では最も早く書かれた作品で、もともとのアイデアは「la fumee(1990)」に由来しますが、全く違うテイストの音楽となっています。5つの部分からなる「Je sens un deuxieme coeur」、同じく5つの部分からなる「セレナータ」の変幻自在な音楽も興味をそそられます。

ORCHID CLASSICS

Serious Cabaret
ORC100021
\2000
シリアス・キャバレー
 1.J.バリー,D.ブラック:ダイヤモンドは永遠に(1971)/
 2.K.ワイル,L.ヒューズ:What ホワット・グッド・ウッド・ザ・ムーン・ビー(1947)/
 3.J.デューク,E.マシューズ:愛についてなんて語れない(1950)/
 4.F.ホレンダー:仮定してみてはどうだい(1928)/
 5.N.カワード:プア・リトル・リッチ・ガール(1925)/
 6.S.バーバー:無差別な関係(1953)/
 7.C.ヴァイン:アリア(1984)/
 8.W.ボルコム:ピアノをまたいで(1971)/
 9.M.スポリアンスキー:マスクリヌム-フェミニヌム(1921-24)/
 10.M.スポリアンスキー:全てはスゥインドル(1931)/
 11.A.ツェムリンスキー:ボンバルディル氏(1901)/
 12.S.ヴォルペ:ヒトラー(1930)/
 13.K.ヴァイル:私もここは初めてのところ/
 14.W.ボルコム:愛の最後のお粗末な瞬間に(1997)/
 15.P.ボウルズ:フレディからの手紙(1935)/
 16.S.バーバー:孤独なホテル(1969)/
 17.G.ガーシュウィン:もう一回して(1922)/
 18.G.ジャック:キャンディ・マシーン(1991)/
 19.W.ボルコム:歯磨きの時間(1985)/
 20.C.アイヴズ:セントラル・パークのロマンス(1900)/
 21.P.ボウルズ:3(1947)/
 22.M.ブリッツスタイン:それから(1962)/
 23.W.ボルコム:ああ、カーテンを閉じて(1985)/
 24.N.カワード:狂犬とイギリス人(1932)/
 25.L.バート:愛はどこへ(1959)
メアリー・カレウェ(ソプラノ)/
フィリップ・メイヤーズ(ピアノ)
 「人生はキャバレーである」と誰かが言ったとか。その逆もまた真なり。キャバレーは人生です。そもそもキャバレーとは、ダンスやコメディショーなどを演じることができる舞台のあるレストランやナイトクラブのことであり、19世紀のフランスには伝説的な名店「シャ・ノワール(黒猫)」に夜な夜な芸術家たちがたむろしていました。そこでは人々は知的な会話と美味しいお酒を楽しみ、揺蕩うパイプの煙の中を、美しい女性たちがきわどい姿で踊るという、まさに夢と頽廃の世界が繰り広げられていたのです。このアルバムには20世紀のほぼ全域に渡る時代のキャバレー・ソングが収録されています。もちろん作曲家の国籍も多彩ですが、どの曲にも夜の妖しい雰囲気がもれなく感じられます。カレウェのソプラノは澄み切った響きと思いがけない官能性に満ちた声であり、一度聴いたら思わず釘付けになるほどの魅力に溢れています。
 録音 ロンドン ウィンター・ブロック・スタジオ2007年1月8-9日…6.13.14.16.17.19-22.24.25, 2008年2月8-9日…1.2.5.7.8.10.18.23, 2010年7月27日…3.4.9.11.12.15
Violin Sonatas
ORC100022
(1CD+1DVD)
\2000
ヴァイオリン・ソナタ集
 1-3.ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリン・ソナタト長調/
 4.ブロッホ(1880-1959):ヴァイオリン・ソナタ第2番「神秘の詩」/
 5-8.ヤナーチェク(1854-1928):ヴァイオリン・ソナタJW VII/7
クリスティーナ・オストラン(ヴァイオリン)/
ペア・サロ(ピアノ)
 二つの世界大戦の狭間に生み出された、国籍の違う3つのヴァイオリン・ソナタ集。そのどれもが調性の縛りから解放され、自由な音列に支えられながらも、重苦しくも皮肉めいた感情に揺れ動いています。
 1922年から1927年にかけて作曲されたラヴェルの作品は、彼最後の室内楽曲であり、作曲に5年も費やしたのは「ムダな音符を削るため」だったとか。「ブルース」と題された第2楽章はジャズそのものです。「神秘の詩」と名付けられたブロッホの第2番のソナタは、瞑想的であり不安と慟哭の音楽です。ヴァイオリン曲をほとんど書かなかったヤナーチェクの唯一完成されたヴァイオリン・ソナタは1914年頃の作品。調性感は希薄なものの、民族色に彩られた旋律はある意味、美の極致でもあり、古典的なものからの脱却を図るも、結局取り込まれている無常ささえも感じさせる問題作です。
 オストランとサロは15年間に渡ってデンマーク音楽の演奏に力を入れてきましたが、そろそろ全世界を手中に収めるべく「その活動を広める」と宣言しています。
 録音 2011年2月デンマーク コペンハーゲン,デンマーク放送第2スタジオ/映像収録2011年11月5日デンマーク放送 コンサート・ホール
Prokofiev: The War Sonatas
ORC100023
\2000
プロコフィエフ:戦争ソナタ集
 1-4.ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82/
 5-7.ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83/
 8-10.ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
 1984年モスクワ生まれのピアニスト、ギルトブルグによるプロコフィエフ(1891-1953)の3つの「戦争ソナタ」集です。5歳の時に母からピアノを学び、幼い頃にテルアヴィヴに移り住んだ彼は、そのままイスラエルでアリー・ヴァルデイに学び、2005年にオーケストラとデビュー、ルービンシュタイン国際コンクールを始めとした数多くのコンクールで入賞歴を誇っています。2007年にはロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで演奏会を行い、2010年にはBBCプロムスにデビュー。世界的にも活躍しています。2006年にデビューCDをリリースして好評を博していますが、今回のプロコフィエフは更に気合の入った演奏が楽しめます。熱い情熱と怜悧な知性がうまくバランスの取れた見事なプロコフィエフです。
 録音 2012年1月17-19日モンマス ウィアストン・レイズ・コンサート・ホール
ORC100024
\2000
ベートーヴェン=リスト:交響曲第6番「田園」(ピアノ独奏版)
 1.第1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」/
 2.第2楽章「小川のほとりの情景/3.第3楽章「農民達の楽しい集い」/
 4.第4楽章「雷雨、嵐」/
 5.第5楽章「牧人の歌-嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」
アシュリー・ウェイス(フォルテピアノ)
 NAXOSレーベルで、A.バックスやF.ブリッジなどのイギリス物で「コクのある演奏」を聴かせるかと思えば、リストの超絶技巧作品を難なく演奏して、そのテクニックを惜しげもなく披露するピアニスト、アシュリー・ウェイス。そんな彼が、これまた難曲として知られるベートーヴェン=リストのピアノによる交響曲を演奏しています。そういえば、ウェイスにはピアノ編曲版のエルガー「エニグマ」(8.570166)もあり、これもスゴイ演奏だったのですよね。ピアノからオーケストラの響きを生み出す「音の魔術師」と改めて認定したくなるような鮮やかさ。
 そんなウェイス、ここではイギリスのレストレーション・ハウス(ディケンズゆかりの邸宅)に保存されている歴史的フォルテ・ピアノを演奏することで、リストの時代の音を奏するという試みがなされています。
 録音 2011年4月3-5日ケント ロチェスター,グレート・チャンバー・オブ・レストレーション・ハウス

ORC100025
\2000→\1890
マリアンナ・シリンヤン
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

 1-3.ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15/
 4-6.クーラウ(1786-1832):ピアノ協奏曲ハ長調 Op.7
マリアンナ・シリンヤン(ピアノ)/
コペンハーゲン・フィルハーモニー管弦楽団/
マイケル・フランシス(指揮)…1-3/
ロルフ・グプタ(指揮)…4-6
 日本ではまだまだ知名度が高くないかもしれませんが、ヨーロッパでは「期待の新人」と目されている美人ピアニスト、シリンヤン。ソリストとしても深い味わいの音楽を奏するのですが、室内楽でもその才能を発揮。こちらも話題のヴァイオリニスト、ヴィルデ・フラングともショパンで共演していることは、マニアの間で有名です。最近はsolo musicaからもCDをリリース(SM173)。注目間違いなしのピアニストです。
 ここでは、ベートーヴェンとクーラウの協奏曲を流麗なタッチで演奏しています。共に古典派の大作曲家ですが、ベートーヴェンの作品の方が先に書かれており、間違いなくクーラウも影響を受けているようで、冒頭の開始部などそっくりですが、そこはそれ。とにかく面白く聴けること間違いありません。
 録音 デンマーク コペンハーゲン,コペンハーゲン大学コンサート・ホール2010年10月…4-6, 2011年10月…1-3
 ずっと上のほうで紹介したSM173と同じシリンヤンの演奏です!


REGENT


新譜(2011年以降発売)


REGCD 372
\2300
ウィンチェスター大聖堂の一年
 チャールズ・ウッド(1866-1926):Hail, gladdening light 〔降臨節〕
 ジョン・タヴナー(1944-):God is with us (Christmas Proclamation) 〔クリスマス〕
 ジョナサン・ドーヴ(1959-):The Three Kings Jonathan Dove 〔顕現日〕
 ウィリアム・バード(1540頃-1623):Senex puerum portabat 〔聖燭節〕(*)
 ヘンリー・パーセル(1659?-1695):Hear my prayer, O Lord 〔大斉節〕
 アントン・ブルックナー(1824-1896):Ave Maria 〔御告げの日〕
 ドナルド・スウィーニー(1935-):Litany 〔棕櫚の主日〕
 ドナルド・スウィーニー:Quem quaeritis 〔復活祭の夜明け〕
 チャールズ・ヴィラーズ・スタンフォード(1852-1934):
  Ye Choirs of New Jerusalem 〔復活祭〕
 パトリック・ガワーズ(1936-):Viri Galilaei 〔昇天日〕(+)
 エドワード・エルガー(1857-1934):
  The Spirit of the Lord is upon me 〔聖霊降臨日〕
 ジョン・シェパード(1515頃-1559):Libera nos, salva nos 〔三位一体主日〕
 ジョン・ラッター(1945-):Winchester Te Deum 〔聖スウィザンの日〕
ウィンチェスター大聖堂聖歌隊
サイモン・ベル(オルガン、指揮(*))
リチャード・マクヴェイ(シンセサイザー(+))
アンドルー・ラムスデン(指揮(*以外))
録音:2011年2月14-16日、ウィンチェスター大聖堂、イギリス

REGCD 375
\2300
何と愛らしい フランス・ロマン派の合唱音楽
 カミーユ・サン=サーンス(1835-1921):
  Quam dilecta Op.148 / Ave Maria Op.145 / Ave verum corpus (変ホ長調)
 デオダ・ド・セヴラック(1872-1921):
  O sacrum convivium / Ave verum corpus (1898)
 ガブリエル・フォーレ(1845-1924):Tantum ergo (1904)
 カミーユ・サン=サーンス:Offertoire (1904)
 デオダ・ド・セヴラック:Tantum ergo (1920)
 ヴァンサン・ダンディ(1851-1931):Ave Regina coelorum Op.79
 デオダ・ド・セヴラック:Salve Regina
 カミーユ・サン=サーンス:Ave verum corpus (ニ長調)
 ヴァンサン・ダンディ:O Domina mea Op.88
 ガブリエル・フォーレ:
  Tantum ergo Op.65 No.2 / O salutaris hostia Op.47 No.1
  Ave Maria Op.67 No.2 / Salve Regina Op.67 No.1
  Maria, Mater gratiae Op.47 No.2
 ヴァンサン・ダンディ:Sancta Maria, succurre miseris Op.49
 ヴァンサン・ダンディ:Deus Israel conjungat vos Op.41
 ガブリエル・フォーレ:
  Ecce fidelis servus Op.54 / Ave verum corpus Op.65 No.1
ケンブリッジ・クライスツ・カレッジ聖歌隊
ロキシー・サマーフィールド(オルガン)
デイヴィッド・ローランド(指揮)
録音:2011年3月19-20日、ジーザス・カレッジ礼拝堂、ケンブリッジ、イギリス

REGCD 376
\2300
サザーク大聖堂の一年
 トマス・ウィールクス(1576?-1623):Alleluia 〔降臨節〕
 フィリップ・ムーア(1943-):All wisdom cometh from the Lord 〔降臨節〕
 ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):Rejoice greatly 〔クリスマス〕(+)
 ウィリアム・バード(1540頃-1623):Teach me, O Lord 〔大斉節〕(*)
 フェリクス・メンデルスゾーン(1809-1847):Hear my prayer 〔大斉節〕
 ジョン・ステイナー(1940-1901):God so loved the world 〔受難節〕
 レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):O taste and see 〔洗足木曜日〕(*)
 アントニオ・ロッティ(1667頃-1740):Crucifixus(8声) 〔聖金曜日〕
 ジェイムズ・マクミラン(1959-):A New Song 〔復活祭〕
 アラン・ウィークリー(1975-):May the grace of Christ 〔三位一体主日〕
 チャールズ・ヴィラーズ・スタンフォード(1852-1934):
  For lo, I raise up 〔三位一体主日〕
 バーナード・ローズ(1916-1996):
  Surely thou hast tasted that the Lord is good 〔献堂日〕
 ニール・コックス(1955-):War in heaven 〔聖ミカエルの日〕
 ジョン・アイアランド(1879-1962):Greater love 〔追悼〕
 ヨハネス・ブラームス(1833-1897):Geistliches Lied 〔神への信仰〕(*)
サザーク大聖堂聖歌隊
スティーヴン・ディスリー(オルガン(*/+以外))
ジョナサン・ホープ(オルガン(*))
ピーター・ライト(指揮、オルガン(+))
録音:2011年3月29-30日、4月1日、サザーク大聖堂、イギリス

REGCD 377
\2300
トルーロ大聖堂の一年
 イングランド伝承曲/レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)編曲:
  The truth from above 〔降臨節〕
 ポール・ドレイトン(1944-):The world's desire? 〔クリスマス〕
 コーンウォール伝承曲/フィリップ・ストップフォード(1977-)編曲:
  Sans Day Carol〔クリスマス〕
 デイヴィッド・ベドナル(1979-):Noe, noe〔クリスマス〕
 ジョン・ヘンリー・ホプキンズ(1820-1891)/
  フィリップ・ストップフォード(1977-)編曲:We, three kings〔顕現日〕
 ヨハネス・ブラームス(1833-1897):Warum ist das Licht gegeben 〔大斉節〕
 ガブリエル・フォーレ(1845-1924):Ave Maria 〔御告げの日〕
 アントン・ブルックナー(1824-1896):Christus factus est 〔受難節〕
 ドイツ伝承の旋律(17世紀)/チャールズ・ウッド(1866-1926)編曲:
  This joyful Eastertide 〔受難節〕
 ジェラルド・フィンジ(1901-1956):God is gone up 〔昇天日〕
 グレイストン・アイヴズ(1948-):Listen, sweet dove 〔聖霊降臨日〕
 デイヴィッド・チータム(1943-):Blessed be the Holy Trinity 〔三位一体主日〕
 ウィリアム・ウォルトン(1902-1983):The Twelve 〔諸聖人の日〕
 エドワード・ベアストー(1874-1946):Blessed city, heavenly Salem 〔献堂日〕
 ジョナサン・ドーヴ(1959-):Seek him that maketh the seven stars 〔王キリスト〕
トルーロ大聖堂聖歌隊
ルーク・ボンド(オルガン)
クリストファー・グレイ(指揮)
録音:2011年5月10-13日、トルーロ大聖堂、イギリス

REGCD 384
\2300
フランス趣味 オルガンのための音楽
 ナジ・ハキム(1955-):レバノン序曲
 ジェラルド・ヘンドリー(1935-):
  「マルセル・デュプレの墓碑銘」から トッカータとフーガ嬰ヘ短調
 マルセル・デュプレ(1886-1971):
  3つのスケッチ Op.41 から 第2番ホ短調,第3番変ロ短調
 ヘンリー・パーセル(1659?-1695)/マルセル・デュプレ編曲:
  トランペット・チューン
 セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)/ジャン・ギユ(1930-)編曲:
  「3つのオレンジへの恋」より 行進曲
 モーリス・ラヴェル(1875-1937)/デイヴィッド・ブリッグズ編曲:
  「ダフニスとクロエ」組曲第2番
 デイヴィッド・ブリッグズ(1962-):グリーンスリーヴズによる幻想曲
 エクトール・ベルリオーズ(1803-1869)/W・T・ベスト(1826-1897)編曲:
  ハンガリー行進曲
 ガストン・リテーズ(1909-1991):12の小品 から スケルツォ
 ウジェーヌ・ルクセル(1900-1988):
  「プロヴァンス散策」から カプ・ネグルは晴れ時々曇り
ポール・カー(オルガン)
録音:聖チャド大聖堂、バーミンガム、イギリス、時期未詳

REGCD 385
\2300
復元されたレッドクリフのオルガン
 ヴィルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):幻想曲ヘ短調 K.608
 ジャン・シベリウス(1865-1957)/ハーバート・フリッカー(1868-1943)編曲:
  フィンランディア Op.26
 ミヒャエル・フェスティング(1680-1752)/
  ジョージ・タルベン・ボール(1896-1987)編曲:
  ラルゴ、アレグロ、アリアと2つの変奏曲
 ゲオルギー・ムシェリ(1909-1989):トッカータ
 アレクサンドル・ギルマン(1837-1911):ヘンデルの主題による行進曲
 パーシー・ウィットロック(1903-1946):
  4つの即興曲 から ファンファーレ(第4曲)
 サミュエル・ウェズリー(1766-1837):
  12の小品 から エアとガヴォット(第8&9曲)
 エドワード・エルガー(1857-1934)/ジョージ・C・マーティン(1844-1916)編曲:
  帝国行進曲 Op.32
 アルフレッド・ホリンズ(1865-1942):陽光の歌
 ノーマン・コッカー(1899-1957):テューバ・チューン
 マックス・レーガー(1873-1916):序奏とパッサカリア ニ短調
アンドルー・カーク(オルガン)
録音:2011年9月12-13日、聖メアリー・レッドクリフ教会、ブリストル、イギリス
使用楽器:1911年、Harrison & Harrison製(2010年、Harrison & Harrison復元)


旧譜(2010年以前発売)



REGCD 104
\2300→\2090
ベルカント・バスーン ファゴットとピアノのための作品集
 カミーユ・サン=サーンス(1835-1921):ソナタ Op.168
 ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848)/ソル・シェーンバック(1915-1999)編曲:
  「愛の妙薬」より 人知れぬ涙
 ジュゼッペ・タンプリーニ(1817-1888):
  ドニゼッティの「ドン・パスクアーレ」の主題による幻想曲
 セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ Op.43 No.14
 ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)/
  ウィリアム・ウォーターハウス(1931-2007)編曲:くまばちの飛行
 ジャン・コッケン(1801頃-1875):
  ロッシーニの「ウィリアム・テル」による幻想曲 Op.34
 エドワード・エルガー(1857-1934):ロマンス Op.62
 ルイージ・オルセッリ(19世紀?-20世紀初?):ヴェルディの「椿姫」の回想
 フリッツ・クライスラー(1875-1962):愛の悲しみ
 ルイージ・オルセッリ:ヴェルディの「仮面舞踏会」による幻想曲
 ジャック・イベール(1890-1962):カリニャン
 フレデリック・ベール(1794-1838):
  ロッシーニの「セビリャの理髪師」の「今の歌声は」による幻想曲
キム・ウォーカー(ファゴット)
ジュリアス・ドレイク(ピアノ)
録音:データ記載なし 発売:1989年

REGCD 107
\2300
サイモン・ロール(1957-):父の愛 合唱作品集
  Choral Fanfare: This is the Day / St David's Service / Angels
  Vesper Responsory / Morning Star
  Mary's Child(G・エインジャー作曲/サイモン・ロール編曲)
  Child of the Manger / The Journey / The St Nicholas Service (Rite A)
  Jesus, good above all other(14世紀ドイツ伝承曲/サイモン・ロール編曲)
  An Evening Hymn / I will lift up mine eyes / O God the Holy Spirit
  The Father's Love / Shall we not love thee Mother dear?
  I got me Flowers / The St Mary's Service (Rite B) / Love Eternal
ワーウィック・セント・メアリー・カレッジエイト教会聖歌隊
ケヴィン・ボーヤー(オルガン)
サイモン・ロール(指揮)
録音:1992年11月2-4日、聖メアリー教会、ワーウィック、イギリス

REGCD 129
\2300
マーティン・ハウ(1931-):日ごとに 合唱&オルガン作品集
  St John the Baptist(*) / Exultate(+) / Day by day(*)
  Hymn Lo! he comes with clouds descending(*/+)
  Psalm 136(*) / Scherzetto(+) / Fairest Lord Jesus(*)
  Psalm 137(*) / Psalm 138(*) / Psalm 23(*) / Testament(+)
  Gloria from The Cantabury Mass(*) / Bless, O Lord, us thy servants(*)
  Homage to Elgar(+) / Hymn: The day thou gavest, Lord, is ended(*/+)
クロイドン教区教会聖歌隊(*)
マーティン・ハウ(オルガン(+))
ジョナサン・ヴォーン(オルガン(+以外))
ピーター・ナーダン(指揮)
録音:1998年3月4-6日、クロイドン教区教会、イギリス

REGCD 247
\2300
デイヴィッド・ベドナル(1979-):めでたし、喜びの光 合唱作品集
  Easter Alleluia / The Wells Service; Te Deum - Jibilate
  Come, Holy Ghost / Lux et Origo (Alternatim Mass for Douai Abbey)
  The Wells Service; Benedicite, Omnia Opera - Benedictus
  Hail, gladdening Light / Adagio for Organ
  The Gloucester Service; Magnificat - Nunc Dimittis
ウェルズ大聖堂聖歌隊
デイヴィッド・ベドナル(オルガン)
マシュー・オーエンズ(指揮)
録音:2006年5月9-11日、ウェルズ大聖堂、イギリス

REGCD 263
(2CD)
\3600
ヴィエルヌ・コレクション
 ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):
  荘厳ミサ嬰ハ短調 Op.16(*)/小ミサ Op.30 (23:03)(+)
  三部作 Op.58(+)/幻想曲集 Op.53 から トッカータ変ホ短調(No.6)(+)
  タントゥム・エルゴ(*)/アヴェ・ヴェルム Op.15(*)/アヴェ・マリア(*)
  死者のための小ミサ(+)/お告げの祈り Op.57(#/+)
  幻想曲集 Op.54 から ウェストミンスターの鐘(No.6)(+)
モニカ・ブレット=クローザー(メゾソプラノ(#))
トルーロ大聖堂合唱団(*)
クリストファー・グレイ(オルガン(*))
ロバート・シャープ(指揮(*)、オルガン(+))
録音:2007年4月30日-5月2日、2008年3月13日、トルーロ大聖堂、イギリス

REGCD 280
\2300
ポール・スパイサー(1952-):出でよ、ラザロ 合唱作品集
  Love is Beautiful Indeed / His Heart's Desire
  Glory be to God for Dappled Things (Pied Beauty)
  Stars, I have seen them fall / There is no Rose of such Virtue
  In a field as I lay / This Child of God / Prayer of St Cuthbert
  Come out, Lazar / A Grace: Inscription in a Monastic Refectory
  Let the Mount Sion Rejoice
  How Love Bleeds (Four Carols for Dark Times) / Alive
  Drop, Drop Slow Tears / Michael, The Great Prince, shall Arise
ケンブリッジ・セルウィン・カレッジ礼拝堂聖歌隊
クレア・インズ=ホプキンズ(オルガン)
サラ・マクドナルド(指揮)
録音:2008年1月10-11日、セルウィン・カレッジ礼拝堂、ケンブリッジ、イギリス

REGCD 293
\2300
ロクサナ・パヌフニク(1968-):聖人たちの魂 合唱作品集
  Kyrie (Westminster Mass) / Plainchant Kyrie / Kyrie Cum Jubilo(*)
  Gloria (Westminster Mass) / Sleep little Jesus (Angels Sing!)
  Deus, Deus meus (Westminster Mass) / The Spirit of the Saints(+)
  Ave Maria / Hail little golden star (Angels Sing!)
  Sanctus (Westminster Mass) / Benedictus (Westminster Mass)
  All in Tune(+) / Memorial Acclamation (Westminster Mass)
  Amen (Westminster Mass) / Jesus Christ is born today (Angels Sing!)
  Agnus Dei (Westminster Mass) / Triumphant King (Angels Sing!)

ロンドン・オラトリー・スクール・スコラ(合唱(*以外))
デイヴィッド・テリー(オルガン(*以外))
リー・ワード(指揮(*以外)、オルガン(*))

録音:2008年6月20-21日、10月10-11日、2009年1月24日、ハムステッド教区教会、イギリス
(*)(+)は初録音と表示されています。

REGCD 297
\2300
オルランドゥス・ラッスス(1532-1594):合唱作品集
  Surexit pastor bonus / Missa Jager (Missa Venatorum) [狩人のミサ]
  Taedet animam meam / Veni Creator Spiritus / Tristis est anima mea
  In pace in idipsum / Quare tristis es, anima mea?
  Alleluia: Videmus stellam eius / Timor et tremor
  Magnificat Septimi toni [マニフィカト第7旋法]/ Surgens Jesus
ヨーク・ミンスター聖歌隊ガール・コリスターズ&ジェントルメン
ジョン・スコット・ホワイトリー(指揮)
録音:2008年7月15-17日、ヨーク・ミンスター・チャプター・ハウス、イギリス

REGCD 310
\2300
グランヴィル・バントック(1868-1946):人命のページェント 合唱作品集
  The Golden Journey to Samarkand(*)
  They that go down to the sea in ships (A Threnody for S.S.Titanic)(*)
  In the silent west / Coronach(*) / One with eyes the fairest(*)
  The Lake Isle of Innisfree
  The Mermaid's Croon (Cronan na Maighdinn-Mhara)
  The Happy Isle (Chorus for female voices)(*) / Requiem(*)
  The Isles of Greece(*)
  Three Choruses for Male Voices(*);
   O Zeus the King / A Grammarian's Funeral / Paracelsus
  A Pageant of Human Life(*);
   Childhood(+) - Manhood - Cupid(*) - Age - Death - Lady Fame -
   Time - Lady Eternity (3:01)   Darest thou now, O soul(#)(*)
セントルイス室内合唱団
ワシントン大学コンサート合唱団(+)
パークウェイ・ノース・ハイスクール合唱団(#)
フィリップ・バーンズ(指揮)
録音:2008年11月10-13日、悲しみの聖母教会、セントルイス、ミネソタ州、 アメリカ合衆国

REGCD 316
\2300
ヘレフォードのハウエルズ
 ハーバート・ハウエルズ(1892-1983):合唱作品集
  Te Deum & Jubilate (Collegium Regale)
  O pray for the peace of Jerusalem (No.1 of Four Anthems)
  Magnificat & Nunc dimittis (Gloucester Service)
  We have heard with our ears (No.2 of Four Anthems)
  Magnificat & Nunc dimittis (Hereford Service)
  Like as the hart (No.3 of Four Anthems)
  Magnificat & Nunc dimittis (Worcester Service)
  Let God arise (No.4 of Four Anthems)
  Magniicat & Nunc dimittis (Collegium Regale)
ヘレフォード大聖堂聖歌隊
ピーター・ダイク(オルガン)
ジェレイント・ボーエン(指揮)
録音:2009年1月20-22日、ヘレフォード大聖堂、イギリス

REGCD 320
\2300
デイヴィッド・ベドナル(1979-):天の炎 合唱作品集 Vpl.2
  Everyone Sang / The Wells Service; Cantate Domino - Deus misereatur
  Behold, O God our defender / The souls of the righteous
  Missa Sancti Pauli (Mass for St Paul's Cathedral)
  O Jesu, victim blest / O come let us sing
  The Wells Service; Magnificat - Nunc dimittis
  Psalm 150 (O praise God in his holiness)
ウェルズ大聖堂聖歌隊
ジョナサン・ボーン(オルガン)
マシュー・オーエンズ(指揮)
録音:2009年2月11-12日、3月11-12日、ウェルズ大聖堂、イギリス
レーベルのウェブサイトでは全曲が初録音と表示されています。

REGCD 327
\2300
デイヴィッド・ベドナル(1979-):レクイエム 合唱作品集
  Requiem
  O come let us sing / Salvator mundi / Let all the world
セントメアリーズ・カルネ室内合唱団
フィリップ・デュークス(ヴィオラ)
デイヴィッド・ベドナル(オルガン)
エドワード・ホワイティング(指揮)
録音:2009年5月6-8日、マールボロ・カレッジ礼拝堂、イギリス


REGCD 337
\2300→\2090
オルガンとチェロのための音楽
 ジョルト・ガールドニー(1946-):ハンガリーのコラールによる変奏曲
 ヨゼフ・ラインベルガー(1839-1901):3つの小品 Op.150
   夕べの歌/パストラーレ/悲歌
 ジョゼフ・ジョンゲン(1873-1953):ユモレスク Op.92
 カルヴィン・ハンプトン(1938-1984):ブラックホールへの行進
 ソフィア・グヴァイドゥーリナ(1934-):イン・クローチェ
 ラッセル・ヘプルホワイト(1982-):見えない風景(*)
 マルセル・デュプレ(1886-1971):ソナタ イ短調 Op.60
スヴィアティ・デュオ
 レベッカ・ヒューズ(チェロ)
 ジュリアン・コリングズ(オルガン)
録音:2009年8月24-25日、聖処女メアリー教会、セントメアリーズ・プラット、イギリス
(*)は初録音と表示されています。

REGCD 338
\2300
フィリップ・ウィルビー(1949-):常なる天国 合唱&オルガン作品集
  Companions of the Lord: An Evensong
   Introit: Companions of the Lord - Preces -
   Psalm 24: The Earth is the Lord's -
   Scriptural Sentence 1: Genesis 18: 2-3 -
   Magnificat (for St Paul's Cathedral) -
   Scriptural Sentence 2: John 12:1-3 -
   Nunc Dimittis (for St Paul's Cathedral) - Responses & Collects -
   Ave Maria - Final Responses -
   Organ Voluntary: Recessional on Michael(+)(*)
  Two Choral Prayers(*); Prayer for St Thomas - Prayer (men's voices)
  Organ Prelude (from "A Passion for our Times")(*)
  Two Wedding Anthems
   Breathe on me, Breath of God - Thou didst delight my eyes
  Prelude, Fugue and Toccata for Organ(*)
エクストン・シンガーズ(*以外)
ジェフリー・マキンソン(オルガン)
マシュー・オーエンズ(指揮(*以外))
録音:2009年12月28-30日、ウェルズ大聖堂、イギリス
(+)以外は初録音と表示されています。

REGCD 339
\2300
ポール・エドワーズ(1955-):神よ、わが頭に在れ 合唱作品集
  O joyful light of the heavenly glory
  Evening Service in C sharp minor; Magnificat - Nunc dimitis
  Great shepherd of thy people / O dear and lovely brother
  Hymn: Saviour, who didst healing give / O gladsome light, O grace
  Bread of heaven / Behold us, Lord / Hold thou my hands
  O dearest Lord, thy sacred head / Blessed are those servants
  Come, healing cross / O Lord, how manifold are thy works
  Round me falls the night / Come, dearest Lord / Carol of the birds
  Requiem Mass / Hymn: O love that wilt not let me go
  How shall I sing that majesty / God be in my head
ケンブリッジ・セルウィン・カレッジ礼拝堂聖歌隊
サラ・マクドナルド(指揮)
録音:2010年1月8-9日、セルウィン・カレッジ礼拝堂、ケンブリッジ、イギリス

REGCD 349
\2300
ベンジャミン・ブリテン(1913-1976):合唱&オルガン作品集
  Te Deum in C / Jubilate Deo in E flat / Corpus Christi Carol
  The Sycamore Tree / A Hymn to the Virgin / Hymn to St Cecilia
  Prelude and Fugue on a theme of Vittoria(*)
  Missa Brevis / Antiphon / Rejoice in the Lamb / Advance Democracy
トルーロ大聖堂聖歌隊(*以外)
ルーク・ボンド(オルガン)
クリストファー・グレイ(指揮(*以外))
録音:2010年7月14-16日、トルーロ大聖堂、イギリス

REGCD 361
\2300
マーカス・ハクスリー(1949-)光の歌 合唱&オルガン作品集
  Psalm CL / Magnificat (falso bordone setting for Men's Voices)
  Nunc dimittis in A flat (upper voices) / A Psalm of Thanksgiving
  Common Worship Evening Prayer (The Shirley Service)
   Opening Responses - Hymn: Phos Hilaron, A Song of the Light -
   Old Testament Canticle: Verses from Psalm 104 -
   Psalm 124 (Proper for St Peter's Day -
   New Testament Canticle: A Song of the Lamb -
   Responsory: The Lord is my light -
   Gospel Canticle: Magnificat (The Song of Mary) - The Lord's Prayer
 The Passion of our Lord according to Luke
 Prelude on Walsall (When came in flesh the incarnate Word) organ solo(*)
 Susanni / Whence is that goodly fragrance? / Of A Rose
 Variations on This Endris Night organ solo(*)
 Mass of St Henry & St Philip
  Gloria: (...and SUDDENLY there was ...a MULTITUDE
   of the HEAVENLY HOST...) -
  Sanctus (as with ceaseless voice they cry.....) -
  Agnus Dei (Behold the LAMB of GOD)
 Fantasy-Prelude on the Old Hundredth organ solo(*)
バーミンガム大聖堂聖歌隊(*以外)
ティモシー・ハーパー(オルガン(*以外))
マーカス・ハクスリー(指揮(*以外)、オルガン(*))
録音:2010年7月19-21日、バーミンガム大聖堂、イギリス

REGCD 364
\2300
秋 オルガンとチェロのための音楽
 クット・ヴィクランデル(1950-):幻想曲 Op.5
 エリック・スウィーニー(1948-):秋の音楽(*)
 マックス・ブルッフ(1838-1920)/
  ハインリヒ・ライマン(1850-1906)編曲:コル・ニドライ
 ヨゼフ・ラインベルガー(1839-1901)/
  スヴィアティ・デュオ編曲:序曲 Op.150 No.6
 J・S・バッハ(1685-1750)/
  ヘルムート・ボルネフェルト(1906-1990)編曲:3つのコラール前奏曲
   Ach, was ist doch unser Leben BWV743
   Vater unser im Himmelreich BWV762
   Christus, der uns selig macht BWV747
 ティモシー・ソルター(1942-):Vitis Flexuosa[三角蔓](*)
 ウィリアム・ロイド・ウェバー(1914-1982)/
  スヴィアティ・デュオ編曲:ベネディクトゥス
 ハラルト・ゲンツマー(1909-2007):ソナタ(*)

スヴィアティ・デュオ
 レベッカ・ヒューズ(チェロ)
 ジュリアン・コリングズ(オルガン)

録音:2010年8月14-15日、ラグビー・スクール礼拝堂、イギリス
(*)は初録音と表示されています。

SOLO MUSICA

Rainer Maria Rilke: Duineser Elegien VI ? X
SM155
\2000
リルケ:ドゥイノの悲歌(抜粋)
 1.第6の悲歌(音楽…ラフマニノフ)/
 2.第7の悲歌(音楽…グリーグ)/
 3.第8の悲歌(音楽…ベートーヴェン)/
 4.第9の悲歌(音楽…フランソワ&イベール)/
 5.第10の悲歌
  (音楽…リスト、イベール、シューマン、ティールセン、クープラン)
ウルリヒ・ラインタラー(朗読)/
シュテファン・マティアス・ダーデマン(ピアノ)
録音 2011年1月24-28日
 1912年の冬、イタリアとスロベニアの国境近くの都市、ドゥイノのアドリア海に臨む城に滞在していた詩人リルケが、断崖を散歩中にインスピレーションを得たという「ドゥイノの悲歌」。完成までにはおよそ10年の歳月を必要とし、人間としての全ての感情、死、愛、生きること、苦悩など全てを格調高い言葉で歌い上げた10篇からなる詩集です。このアルバムは、その中の6〜10篇を、それぞれ相応しい音楽に載せて朗読したもので、例え言葉がわからずとも、リルケの到達した極限の思想を感じ取れる内容となっているところが見事です。
Liszt: Annees de Pelerinage Suisse & Italie
SM157
(2CD)
\2600
リスト(1811-1886):巡礼の年第1年&第2年
《CD1.巡礼の年第1年スイスS160/R10》
 1.ウィリアム・テルの礼拝堂/2.ワレンシュタットの湖畔で/
 3.パストラール/4.泉のほとりで/5.夕立ち/
 6.オーベルマンの谷/7.牧歌/8.郷愁/9.ジュネーヴの鐘/
《CD2.巡礼の年第2年イタリアS161/R10b》
 1.婚礼/2.物思いに沈む人/
 3.サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ/
 4.ペトラルカのソネット第47番/
 5.ペトラルカのソネット第104番/
 6.ペトラルカのソネット第123番/
 7.ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲
フロリアン・クルムペック(ピアノ)
録音 2007年8月14-16日,2011年1月4-5日
 19世紀を代表するピアニスト、作曲家フランツ・リスト。彼は若い頃は超絶技巧を駆使する名人として名を轟かせ、その作品も煌びやかなものが多かったのですが、年齢を重ねていくにつれて、少しずつ精神性の高いものを書くようになり、晩年は宗教的な作品を多く書き、また無調に近い印象主義的な作風へと変化していきます。この「巡礼の年」は彼が20代から60代まで断続的に作曲したものを集めたもので、旅の多かった彼の人生に沿うような、音によるエッセイ集とでも言えるのではないでしょうか?とはいうものの、このアルバムに収録された第1年と第2年は、まだまだ血気盛んな時期に書かれており、華やかな技法も思う存分駆使されています。ここでピアノを演奏しているクルムペックは、1978年ウィーン生まれ。2008年にウィーン楽友協会でベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会でデビュー。高い評価を受けているピアニストです。
Mehr als Bolero
SM158
(2CD)
\2600
もっとボレロを・・・
<CD1>
 1.朗読Ⅰ/
 2.ラヴェル(1875-1937):水の戯れ/
 3.朗読Ⅱ/
 4.ガーシュウイン(1898-1937):ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ編)/
 5.朗読Ⅲ/
 6.ガーシュウイン:ラプソディ・イン・ブルー(ピアノ編)/
 7.朗読Ⅳ/
<CD2>
 1.朗読Ⅴ/
 2.ドビュッシー(1862-1918):バラード/
 3.朗読Ⅵ/
 4.ラヴェル:ボレロ
ペーター・フィッツ(朗読)/
ヘンドリク・フィッツ(朗読)/
シビル・ブリナー(ピアノ)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
エイドリアン・リーパー(指揮)…CD2:4
 20世紀フランスにおける最も重要な作家である、ジャン・エシュノーズによるモーリス・ラヴェルの評伝をベースにした音楽物語。若い頃は先進的過ぎる作風で音楽界に波乱を巻き起こしたラヴェルが、一時期は「フランス6人組」の人気に押されるなど精神的に低迷するも、1928年に渡米し、そこで人気と自信を回復。その後に次々と名作を発表し、62歳で亡くなるまでを、ラヴェル自身の音楽と、彼の後進であるガーシュウインの音楽に載せて朗読したものです。

Double Bass goes Beethoven
SM162
\2000→\1890
ベートーヴェン(1770-1827):コントラバスで弾くベートーヴェン作品集
 1-3.チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5-1/
 4-7.チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69/
 8-10.チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
  ※全てB.パラドジークによるコントラバス編
ボゾ・パラドジーク(コントラバス)/
ハンスヤコプ・ステムラー(ピアノ…1-3)/
ウルリヒ・ラーデマッハー(ピアノ…4-7)/
マリア・ソフィアンスカ(ピアノ…8-10)
録音 2011年5月17日…1-3, 2000年1月15日…4-7, 2003年4月17-18日…8-10
 1799年、当時最も有名なコントラバス奏者ドメニコ・ドラゴネッティが、ベートーヴェンの「チェロ・ソナタ第2番ト短調」を作曲家自身のピアノ伴奏で演奏したという記録が残っています。ドラゴネッティはベートーヴェンだけでなく、ハイドンとも親交があり、彼らにコントラバスをソロ楽器で使うように進言し、また、生涯をかけて弓を改良し、現在でも「ドラゴネッティ弓」としてその名前が残っているほどの名奏者でした。そんな逸話に感銘を受けた、現代の名コントラバス奏者パラドジークは、自分でもベートーヴェンの偉大なる作品に挑戦を試み、10年以上の年月をかけて、じっくりと練り上げ、5曲のソナタ全てをコントラバスで演奏するまでに至りました。ここでは奇数番号のソナタが収録されています。チェロ以上に深みのある音色は、魅力的であり、その重低音は間違いなく心と耳に残ります。
SM163
\2000
Winterflustern-冬のささやき ピーター・ホートン(ギター&ナレーション)
ギターと朗読による物語です。SM118の再発商品となります。(デジパック仕様)
Casanova
SM164
(2CD)
\2600
CASANOVA〜ジャコモ・カサノヴァ
<CD1>
 1-18.第1章-DIE GEFANGENSCHAFT(監禁)
 ガブリエリ、カステッロ、ヴィヴァルディの作品と朗読/
 19.ジョヴァンニ・ガブリエリ:ソナタⅥ/
 20.ジョヴァンニ・ガブリエリ:カンツォンXIII a8/
 21.カステッロ:ソナタXV /
<CD2>
 1-13.第2章-DIE FLUCHT(逃亡)
  ガブリエリ、カステッロ、ヴィヴァルディの作品と朗読/
 14-16.ヴィヴァルディ:調和の霊感Op.3-9 RV230/
 17-20.ヴィヴァルディ:調和の霊感Op.3-2 RV578
ヴォルフラム・ベルガー(朗読)/
チューリッヒ・バロック管弦楽団/
マティアス・ヴァイレンマン(指揮)
 稀代の色事師、ジャコモ・カサノヴァの伝記とチューリッヒ・バロック管弦楽団による17世紀イタリア・バロック音楽の融合です。物語は、カサノヴァが1753年に宗教裁判所で有罪を宣告され、「鉛の監獄」I piombiに収監されたところから始まります。そして、第2部ではこの監獄から見事脱獄を果たし、パリに逃亡するまでを描いており、物語と同時に当時の音楽を聴くことで、生涯のほとんどを旅に費やしたカサノヴァと共に仮想旅行を楽しんでいただけます。SM136の再発商品(デジパック仕様)
SM165
\2000
シャンソン-ヴィカリーズ
 1-4.ラフマニノフ(1873-1943):チェロ・ソナタト短調Op.19/
 5.ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14(チェロとピアノ編)/
 6.ヴィクトル・ススリン:気がふれた唄/7.ススリン:Ton H(ロ音)
ヒョン=ジョン・ベルガー(チェロ)/
ジョゼ・ガラルド(ピアノ)
 ソウル生まれの女性チェリスト、ヒョン=ジョン・ベルガーによる「歌に満ちた」1枚です。彼女はトーマス・デメンガとユリウス・ベルガー(現在の夫君)に師事し、ハインリヒ・シフとデニス・ジグモンディのマスタークラスに出席しています。数多くの賞を受賞し、またザルツブルク・モーツァルテウム国際サマー・アカデミー賞にも輝いています。ソリストとしても輝かしい実績を誇り、もちろん室内楽の分野でも目覚ましい活躍をしていて、文字通り「アジアとヨーロッパの架け橋」としての役割を担っています。このアルバムは、ラフマニノフと、ウラル生まれの現代作曲家ススリンの作品を並べることで、奥深い音色の世界へと分け入ることに成功しています。とりわけススリンの洞察力に満ちた神秘的な音楽(2曲ともスコルダチューラ奏法…変則的調弦・・・を用いた)には斬新な響きが横溢しています。
 録音 2011年1月5-7日
 


solo musica バーゼル交響楽団シリーズ

 solo musica バーゼル交響楽団シリーズ
鬼才指揮者、デニス・ラッセル・デイヴィス登場!
バーゼル交響楽団は、スイスのバーゼル市にあるオーケストラで、バーゼル劇場の座付きオーケストラでもあります。
1997年に旧バーゼル交響楽団と、バーゼル放送交響楽団が合併し発足。2009年からはデニス・ラッセル・デイヴィスを首席指揮者に迎え、一層のレパートリーの拡充を図るとともに、完全なるアンサンブルとスタイリッシュな妙技を追求しています。1876年に設立された旧バーゼル交響楽団は、1927年から1935年にはワインガルトナーが首席指揮者を務め、他にもホルスト・シュタイン、モーシェ・アツモン、アルミン・ジョルダンなど錚々たる顔ぶれの名指揮者たちによって育て上げられたオーケストラです。
客演指揮者は数知れず、古くはブラームスやマーラー、フルトヴェングラー、最近ではブーレーズ、デュトワ、ゲルギエフなどが、この独自の味わいを持つオーケストラを演奏しています。最近では、ヴェンツァーゴによる斬新なブルックナーの録音もありますが、デニス・ラッセル・デイヴィスは、このオーケストラから更なる新しい響きを紡ぎだすことに成功したようです。
まずは、シューベルト(1797-1828)の交響曲とオネゲル(1892-1955)の交響曲という、対照的、かつ挑戦的なプログラムで腕試しと言ったところでしょうか。最近まで、リンツ・ブルックナー管弦楽団とブルックナーの録音に勤しんでいたデニス・ラッセル・デイヴィス。すっきりとしたサウンドと、キレのよい解釈に一層磨きがかかっています。



SOB01
\2000→\1890
デニス・ラッセル・デイヴィス&バーゼル交響楽団
 シューベルト:交響曲第3番& 第5番

 1-4.交響曲第3番ニ長調 D200
 5-8.交響曲第5番変ロ長調 D485
バーゼル交響楽団
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮)
録音 2011年9月21日…1-4, 2012年1月11-12日…5-8 シュタット・カジノ・ベーゼル・ムジクザール ライブ録音


SOB02
\2000→\1890
デニス・ラッセル・デイヴィス&バーゼル交響楽団
 オネゲル:交響曲第1番& 第3番

 1-3.交響曲第1番ハ長調
 4-6.交響曲第3番「典礼風」
バーゼル交響楽団
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮)
録音 2011年3月2-3日…1-3, 2012年1月18-19日…4-6 シュタット・カジノ・ベーゼル・ムジクザール ライブ録音
 


solo musica ウィーン交響楽団シリーズ

 ウィーンの歴史あるオーケストラの一つ、ウィーン交響楽団は、1900年、フェルディナント・レーヴェによりウィーン演奏協会管弦楽団(Wiener Concertverein Orchester)として設立され、1903年2月11日、ムジークフェラインザールにおいて、レーヴェ指揮によりブルックナーの交響曲第9番の初演を行いました。1913年、本拠地をウィーン・コンツェルトハウスとし、1919年、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団と合併、1933年、現在の名称となり現在に至っています。第2次世界対戦の戦禍を潜り抜ける際、一度は消滅の危機にありながらも、戦後復活し、日本を含めた世界ツアーを行うなど活発な活動をしていて、ファンも多いオーケストラです。歴代の指揮者たちの顔ぶれも見事であり、スワロフスキー、サヴァリッシュ、クリップス、ジュリーニ、ラインスドルフ、ロジェストヴェンスキーなどの大御所の名前が並ぶ様は、まことに壮麗です。首席指揮者の任にはありませんでしたが、あのカラヤンも「ウィーン演奏協会音楽監督」として、このオーケストラの発展に力を注いでいます。
 最近は1982年からエッシェンバッハ、プレートル、デ・ブルゴス、フェドセーエフとバトンが繋がれ、2005年からはファビオ・ルイージが首席指揮者の地位にあり、レパートリーの一層の拡大と表現の充実を図っているのはご存知の通りです。今回、オーケストラは新たにレーベルを設立しました。


WS001
CD\2000→\1890
ファビオ・ルイージ&ウィーン交響楽団/
 マーラー:交響曲第1番
ウィーン交響楽団/
ファビオ・ルイージ(指揮)
WSLP001
(LP2枚組)
\4500
 リリース第1弾として所縁の深いマーラー(1860-1911)の第1番をお届けいたします。豊かな歴史に裏打ちされた響きに、現代的解釈を施すルイージの棒によるマーラーの青春記。まさに新星レーベルの誕生にぴったりの作品、かつ演奏です。音へのこだわりも感じさせるLP2枚組も同時発売。音楽を愛する全ての人への素晴らしい贈り物です。
SM171
\2300
ユジョン・イ:プロコフィエフを弾く
 1-3.プロコフィエフ:チェロ協奏曲Op.125/
 4-10.「ロメオとジュリエット」第1組曲Op.64b
  <フォーク・ダンス/情景/マドリガル/メヌエット/
   仮面/ロメオとジュリエット/ティボルトの死>
ユジョン・イ/
ロストック北ドイツフィルハーモニー管弦楽団/
フローリアン・クルムペック(指揮)
 韓国のみならず世界中で注目を浴びている若き女性チェリスト、ユジョン・イのプロコフィエフ(1891-1953)。彼女の暖かい音色と驚異的な音楽性、そして大胆なパフォーマンスは全ての聴衆の心を鷲掴みすること間違いありません。9歳でチェロを始めた彼女ですが、瞬く間に才能を発揮し、通常なら15歳から入学を認められるパリ国立高等音楽を始め、ブリュッセル王立音楽院を経て、ジュリアード音楽院に留学し、ジュヌヴィエーヴ・ハステッド奨学金を授与されました。13歳で韓国デビューしてからは、世界中でリサイタルを行うなど活発に活動しています。
 このプロコフィエフの協奏曲は、1938年に初演された第1番の協奏曲を、名手ロストロポーヴィチの提言で1951年から1952年にかけて改訂したもの。もともと不評だった作品(演奏が難しすぎたと言われる)ものを作り替えたとはいえ、全く違う作品となり、またオーケストラ部分の色彩が豊かになるなど、大規模で堂々とした曲に仕上がっています。これを聴いてショスタコーヴィチもチェロ協奏曲の作曲を決意したと言われています。カップリングの「ロメオとジュリエット」も含め、指揮者のクルムベックの手腕も聴きどころです。
 録音 2011年10月11-12日…1-3, 2011年5月6-7日…4-10 ドイツロストック・オペラ・ハウス

SM173
\2300→\2090
“Il Viaggio”-旅
 1.リスト:巡礼の年第2年-ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」/
 2.リスト:悲しみのゴンドラ第2稿/
 3.ベルク:ピアノ・ソナタOp.1/
 4-6.モーツァルト:ピアノ・ソナタハ長調K330/
 7-9.ティグラン・マンスリアン:小品第1番/小品第2番/小品第3番
マリアンナ・シリンヤン(ピアノ)
 「旅」と題された美しいピアノ曲集。ピアニストのシリンヤンは2006年ミュンヘン国際音楽コンクールの入賞者であり、ソリスト、室内楽奏者として世界中で活躍しています。2009年にはデンマークの音楽批評家協会から年次賞、2010年には「デンマークのラジオP2アーティスト賞」を授与されるなど北欧でも評価が高い人です。このアルバムでは、リストとベルク、モーツァルトとアルメニアの作曲家マンスリアンの作品を演奏していて、各々の曲に対する彼女の思いがブックレットに付されており、中でもモーツァルトのソナタについては、彼女がホロヴィッツの実演に触れた際の強い印象が語られるなど、一歩踏み込んだ思い出が感じられます。
 録音 2011年6月26-28日デンマーク放送協会 'Koncerthuset'

SM174
\2300
Saxismtango
 1.ディセポロ:YIRA YIRA/
 2.ピアソラ:BUENOS AIRES HORA CERO/
 3.ピアソラ:BALADA PARA UN LOCO/
 4.ピアソラ:MEDITANGO/
 5.エスポシト:MAQUILLAJE/
 6.ニシンマン:INSECTS & HUMANS TANGO/
 7.ピアソラ:MI LOCO BANDNEON/
 8.ピアソラ:TANGUERA/
 9.トロイロ/マンツィ:ROMANCE DE BARRIO/
 10.ブウスケス:SUENO DE BARRILETE/
 11.ピアソラ:JEANNE ET PAUL/
 12.ピアソラ:SOLEDAD
Saxismtango
<メンバー:
マルセラ・アーロヨ(ヴォーカル)/
マルセロ・ニシンマン(バンドネオン&作曲&編曲)/
アンヘル・ハルシア・アルネス(ギター&編曲)/
ハビエル・ベッツァート(ピアノ)/
ハンネス・ギガル(コントラバス)/
マハ・リサク・バッローソ(ソプラノ&アルト・サクソフォン)/
ウィテク・コルナッキ(ソプラノ・サクソフォン&クラリネット)/
ロルフ・ビューリ(テナー・サクソフォン&バス・クラリネット&編曲)>
 このアルバムのタイトルは「詩的な情熱」であり、その言葉通りに熱い作品が収録されています。伝統的なタンゴを奏するバンドネオンに、ギターやピアノ、コントラバスなどの楽器の音色を加え、モダンな音楽へと再構築することで、また新しい魅力が花咲きます。ヴォーカルのマルセラ・アーロヨの表情豊かな歌が、また素晴らしいの一言です。
 録音 2010年5月17-18日,2011年5月9-11日スイス アルテ・キルヒェ・ボズウィル

SONOLUMINUS

Americana
DSL.92157
(1CD+1BD)
\2600
アメリカーナ
 1.コープランド(1900-1990):バレエ音楽「ロデオ」-ホーダウン/
 2-5.ドヴォルザーク(1841-1904):
  弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.96 B179「アメリカ」/
 6.バーンスタイン(1918-1990):「ウエスト・サイド・ストーリー」-クール/
 7.アメリカ民謡:シェナンドー/
 8-11.ガーシュウイン(1898-1937):3つの前奏曲/
 11.ビル・モンロー・メドレー-ウィリアム・モンロー/
 12-15.フィリップ・グラス(1937-):弦楽四重奏曲第3番「ミシマ」/
〈ボーナス・トラック〉
 16.アイリッシュ・ルーツ・メドレー
モダン・マンドリン・クァルテット
 アメリカを象徴する様々な作品を、マンドリン四重奏で演奏するという魅力的なコンセプトアルバムです。もともと、ピアノと弦楽のための作品はマンドリン・アンアンブルに置き換えることは比較的可能に思えますが、やはり実際に演奏するには、持続音が出せないなどのそれなりの苦労があったはず。しかし、ここではそんな難所を全く感じさせることなく、見事に「アメリカン・スピリッツ」を再現しています。誰もが知っているドヴォルザークの「アメリカ」から、フィリップ・グラスまで新鮮な驚きを味わえます。モダン・マンドリン・クァルテットは1985年に設立されたアンサンブルで、20世紀初頭の楽器(2台のマンドリン、サイズが一回り大きいマンドラ、低音が出せるマンドロン・チェロ)を用いることで、通常の弦楽四重奏と同じ、もしくはそれ以上の作品の演奏が可能です。すでに様々な形態の90作品を演奏しています。
 このアルバムにもblu-rayディスクが同梱されており、5チャンネルのサラウンドで豊かな音場をお楽しみいただけます。
Michael Landrum: Nocturnes
DSL.92158
(2CD)
\2600
夜想曲
〈CD1〉
 1.フィールド(1782-1837):夜想曲第4番イ長調/
 2.ショパン(1810-1849):夜想曲嬰ハ短調 Op.27-1/
 3.レスピーギ(1879-1936):「6つの小品」-ノットゥルノ/
 4.スクリャピン(1872-1915):左手のための夜想曲変イ長調 Op.9-2/
 5.フォーレ(1845-1924):夜想曲変イ長調 Op.33-3/
 6.ジャン・フランセ(1912-1997):夜想曲/
 7.シベリウス(1865-1957):夜想曲ホ短調 Op.24-8/
 8.ビゼー(1838-1875):夜想曲ニ長調/
 9.バラキレフ(1837-1910):夜想曲第2番ロ短調/
 10.アルカン(1813-1888):第1の夜想曲Op.22/
 11.サティ(1866-1925):第1の夜想曲/
 12.プーランク(1899-1963):夜想曲第1番ハ長調/
 13.シリル・スコット(1879-1970):ノットゥルノOp.54-5/
 14.グリーグ(1843-1907):ノットゥルノOp.54-4/
 15.ラフマニノフ(1873-1943):夜想曲イ短調 Op.10-1/
 16.タンスマン(1897-1986):「5つの印象」-夜想曲/
〈CD2〉
 1.ショパン:夜想曲変ロ短調Op.9-1/
 2.ドビュッシー(1862-1918):夜想曲変ニ長調/
 3.クララ・シューマン(1819-1896):ノットゥルノOp.6-2/
 4.アレック・ローリー(1892-1951):夜想曲第5番ヘ長調/
 5.ファリャ(1876-1946):ノクトゥルノヘ短調/
 6.リスト(1811-1886):夜想曲「愛の夢」第3番変イ長調 S541/
 7.バーバー(1900-1981):夜想曲Op.33/
 8.A.チェレプニン(1899-1977):夜想曲嬰ト短調 Op.2-1/
 9.チャイコフスキー(1840-1893):夜想曲嬰ハ短調 Op.19-4/
 10.ノーマン・デロ=ジョイオ(1913-2008):夜想曲ホ長調/
 11.ボロディン(1833-1887):「小組曲」-夜想曲/
 12.グリフィス(1884-1920):ノットゥルノ変イ長調 Op.6-2/
 13.ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847):ノットゥルノト短調/
 14.メノッティ(1911-2007):「ポエメッティ」よりノットゥルノ/
 15.ヴォーン=ウィリアムズ(1872-1958):「小さなピアノの本」-夜想曲/
 16.コープランド(1900-1990):真夏の夜想曲
マイケル・ランドルム(ピアノ)
 「夜想曲」という形式は、一般的にアイルランドの作曲家ジョン・フィールドが最初に確立したと言われています。これは単一楽章からなるピアノのための小品で、それ以前の「ノットゥルノ」や「セレナーデ」とは若干趣きが異なり、どちらかというと夜の感傷的な気分を前面に押し出したものでした。この形式をとりわけ愛したがショパンであり、現代では「夜想曲」と言うと、ショパンの美しいメロディを思い出す人も多いのではないでしょうか?もちろん後世の作曲家たちも、この名前を使って、夜のもたらす神秘的な雰囲気を描き出しています。この2枚のCDに収録された「夜の風景」のなんと多彩なこと。どれもが一つのストーリーを秘めたステキな32曲です。ジョージア州出身のピアニスト、マイケル・ランドルムは美術の修士号も持つ俊英であり、映画にも深い知識を有しているアーティストです。

Domenico Scarlatti’s La Dirindina and Pur nel sonno
DSL.92159
(1CD+1BD)
\2600→\2390
ドメニコ・スカルラッティ:歌劇「ラ・ディリンディーナ」
 1-7.歌劇「ラ・ディリンディーナ」 第1部/
 8-11.ソナタニ短調 K90/12-15.ソナタト長調 K91/
 16-21.歌劇「ラ・ディリンディーナ」第2部/
 22-26.室内カンタータ「眠りの中に」
ジェイミー・バートン(メゾ・ソプラノ)/
ブリアン・シルクリフェ(バリトン)/
ヨーゼフ・ゲインズ(テノール)/
セリーヌ・リッチ(ソプラノ…22-26)/
アルス・リリカ
 たった2日の間に、珍しいD・スカルラッティの同じオペラのアルバムの案内が来た。こういうときは「聴け」、というお告げの場合が多い。もう1枚はすぐ上の「 CPO 777555-2」

 若く野心的なソプラノ歌手ディリンディーナ、彼女を密かに思っている声楽教師カリッシモ、そして彼女の恋人(?)リショーネ。この3人が織りなす少々風変りな物語です。ディリンディーナは自らの才能に溺れ過ぎで、練習すらまともにしていません。それは、声楽教師ドン・カリッシモがあまりにも煩わしいからという理由もあります。そんな彼女を支援しているのが若き歌手リショーネ。彼はディリンディーナにミラノの劇場がプリマ・ドンナを求めていることを知らせます。その知らせに嫉妬したカリッシモがこっそり聞いているとも知らずに、歌唱のレッスンをするリショーネとディリンディーナ。彼女は悲劇の女王「ディドーネ」のアリアを歌うのですが、それを彼女の本心と誤解したカリッシモは、2人の結婚を許すのです・・・ただし、リショーネはカストラートなんですけどね。さて、この作品は、実は独立した歌劇ではなく、あくまでも他の歌劇(オペラ・セリア「アンブレート(ハムレット)」)の幕間劇として作曲されたもの。重苦しい物語で暗くなってしまった聴衆の心を解き解すための、軽い小品なのでした。その後、マルティーニも同じ台本で作曲しています。「眠りの中に」は対照的に悲しい作品で、振られた恋人を忘れることができない主人公は、夢の中でも彼女を思い続け、その苦しい胸の内を歌うというものです。
 1998年に指揮者マシュー・ダーストによって設立されたアルス・リリカ・ヒューストンはアメリカの古楽界で絶賛され、2011年グラミー賞のベスト・オペラ部門にノミネートされました。このアルバムにもblu-rayディスクが同梱されており、5チャンネルのサラウンドで豊かな音場をお楽しみいただけます。
DSL.92160
\2300
ブルーベックとアメリカの詩集
 1-4. 4つの新しいイングランドの小品
  <私たちの街の秋/かつて私は、とても幼い頃/
  2つの教会/どのようにあなたの庭は育っているの?>/
 5.寂然/6.夏の歌/7.心残り/8.月のような静寂/9.夢見る人/
 10.天国/ブギ午前1時/11.夕暮れ/12.私は世界を夢見る/コラール/
 13.フェスティヴァル・ホール/14.私は小さな影を持つ/15.車輪/
 16.銀の雨の時に/17.ワイルド・シングスの平和/18.風/19.真実
パシフィック・モーツァルト・アンサンブル/
リン・モロー(指揮)
 ジャズ・ピアニストとして知られるデイヴ・ブルーベックですが、彼は「クラシックの作曲家」としても素晴らしい作品を数多く書いています。それはもちろん彼が得意としたピアノ曲が多いのですが、このアルバムに収録されている合唱作品も見事な出来栄えです。彼が選んだ歌詞は、ラングストン・ヒューズやウェンデル・ベリー等、アメリカの根源を詠う詩人たちのものであり、それらの詩が持つ郷愁や愛国心は、ブルーベックの繊細な心を表現するにまことにふさわしいものでした。彼自身の「詩についての考察」はブックレットに収録されています(英語)。指揮者リン・モローはソノマ州立大学の音楽科の教授でありアメリカ音楽の研究者です。ずっと以前からブルーベックと交流があった彼女はこの合唱作品集についても、彼と直接議論を交わし、ブルーベック自身も「彼女の解釈を支持している」と述べ、いくつかの作品を捧げています。そんな良き理解者による極上の演奏。これ以上望むものはありません。
Weill - Ibert - Berg
DSL.92161
\2300
ヴァイル・イベール・ベルク
 1-5.クルト・ヴァイル(1900-1950):
  ヴァイオリンと管楽オーケストラのための協奏曲Op.12
  <第1楽章:アンダンテ・コン・モート/第2楽章:a ノットゥルノ/
   第2楽章:b カデンツァ/第3楽章:c セレナータ/
   第3楽章:アレグロ・モルト,ウン・ポーコ・アジタート>/
 6-8.イベール(1890-1962):
  チェロと10の管楽器のための協奏曲
   <第1楽章:パストラーレ/第2楽章:ロマンス/第3楽章:ジーグ>/
 9-11.ベルク(1885-1935):
  ピアノとヴァイオリン、13の管楽器のための協奏曲
  <第1楽章:主題、スケルツォと変奏/第2楽章:アダージョ/
   第3楽章:ロンド・リトミコ・コン・イントロドゥツィオーネ>
バトン・ルージュ・シンフォニー・チャンバー・プレイヤーズ
 3人の近代作曲家の室内楽作品集です。この3曲はどれも1825年前後に書かれていますが、それぞれ作風は全く違うところが興味深いものです。とは言え最初のヴァイルの作品は、彼が演劇やオペラに関心が向く前のものであり、シェーンベルクやストラヴィンスキーの影響を感じさせるシリアスな雰囲気で始まります(第2楽章のノットゥルノは、マーラーの「夜の歌」をもう少し下世話にした感じが面白いところです)。一転、イベールの作品はのどかな中にも不安な要素を秘めた曲。あの名チェリスト、デュ・プレがレパートリーにしていたことでも知られています。ベルクの作品は、シェーンベルクの誕生日に献呈するべく作曲されたもの。結局間に合わなかったのですが、主題のメロディの中には、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクの3人の名前が織り込まれるという凝りに凝ったもの。全体に漂う無調のとりとめない響きの中に、時折はっとするような魅惑的なメロディが浮かぶのがベルクらしい作品です。
 バトン・リュージュ交響楽団のメンバーたちによる精緻なアンサンブルでお聴きください。

TOCCATA

TOCC0056
\2600
ペーテル・スーダ:オルガン作品全集
 1-2.前奏曲とフーガト短調(1910)/3.パストラーレ/
 4.フーガヘ短調/5.バッソ・オスティナート/
 6.アヴェ・マリア(オルガンのための変奏)/7.スケルツィーノ/
 8.ジーグ(バッハ風)/9.リスト(スーダ編):タッソー、悲劇と勝利
  ※全て初録音
イネス・メイドル(オルガン)
 エストニアのオルガニスト&作曲家ペーテル・スーダ(1883-1920)は、信仰厚い農民一家の元に生まれました。彼の祖父の弟は聖歌隊指揮者を務めており、幼いスーダも賛美歌やオルガンに親しんでいたようです。サンクトペテルブルク音楽院で名手ルイ・ホミリウスとヤーコブ・ハントシンにオルガンを学び、作曲をグラズノフとリャードフ、ソロヴィヨフに師事します。彼は「エストニアのオルガン音楽の父」と称されますが、その作品は今までに録音されたことがなく、このアルバムが初となります。とことんまで対位法の研究を重ねながら、曲自体は極めてロマンティックなこれらの作品は、まさに美しく細工された工芸品のような輝きを放っています。幾つかのオリジナルの作品と、フランツ・リストの「タッソー」をスーダ自身がオルガン用に編曲したものが収録された1枚、エストニアの現代の名手メイドルが堂々と演奏しています。
 録音 1995年5月23日ヘルシンキ 聖ジョン教会…4.9, 1995年5月22日ヘルシンキ オールド教会…7.8, 2005年12月27日タリン ドーム教会…1-2.3.5.6

TOCC0079
\2600→\2390
自作自演もあり!
 アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品集1913-1961年

 1-4.ピアノ・ソナタ第1番Op.22(1918-1919)/
 5-7.ピアノ・ソナタ第2番Op.94(1961)/
 8-11.郷愁の4つの前奏曲Op.23(1922)/
 12.前奏曲Op.85-9(1953)/13.楽興の時(1913)…初録音/
 14-19.小組曲Op.6…初録音/20.ロシア風ロンド(1946頃)…初録音/
 21-30.対話Op.46(1920-1930)…初録音/31.ポルカ(1944)…初録音/
 32.スケルツォOp.3(1917)…初録音/
 33-42.表現Op.81(1951)/43.第4の(1948-1949)…初録音
アレクサンドル・チェレプニン(ピアノ)…1-12/
ミハイル・シルヤエフ(ピアノ)…13-43
 ロシア生まれのピアニスト、作曲家アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)のピアノ作品集です。作曲家ニコライ・チェレプニンを父とし、5歳から音楽を教わります。父ニコライがバレエ・リュスの指揮者をしていたため、多くの音楽家から薫陶を受けたアレクサンドルが音楽の道に進んだのは当然のことであり、その後も数多くの友人たちと親交を深めながら、独自の道を模索していきます。ここに収録されたのは極めて初期の作品である「楽興の時」から後期の作品「ピアノ・ソナタ第2番」までと、その音楽的深化と変化を目の当たりにできる構成となっています。その上、これらを含む4つの作品は作曲家自身による演奏であり、初CD化となるものです。その他に収録されている7つの作品もほとんどが初録音という貴重なもので、このロシアの作曲家を知るための重要な足掛かりになることは間違いありません。ロシアのモダニズムを知る絶好の機会です。
 録音 1965年3月30-31日ニューヨーク マクミラン劇場…1-12, 2012年4月23.29日ロンドン トリンティ・レイバン・コンセルヴァトワール,ピーコック・ルーム-13-43
Riccardo Malipiero: Complete Music for Solo Piano
TOCC0129
\2600
リッカルド・マリピエロ:ピアノ作品全集
 1-14.主題と14の変奏曲(1938)/
 15-17.小さな音楽(1941)/18-26.ピアノへの招待(1949)/
 27-39.星座(1965)/
 40-46.ピアノのための7つのやさしい小品「ロンディーニ・ディ・アレッサンドーロ」(1971)/
 47-49.2番目の日記(1985)
  ※全て初録音
ホセ・ラウル・ロペス(ピアノ)
 いかにもTOCCATAらしい1枚です。レスピーギ以降のイタリア音楽史に重要な足跡を残した三人の作曲家、カセッラ、ピツェッティ、マリピエロ(1914-2003)は当時全盛を誇っていた「オペラ」からの脱却を図り、モンテヴェルディやフレスコバルディなどの「古いイタリア音楽」と「器楽音楽」の復興に尽力した人として知られています。そのフランチェスコ・マリピエロの甥であるリッカルドが今回の作曲家です。
 彼はミラノでピアノを学び、トリノ音楽院で作曲の学位を取得しました。1938年頃から12音技法に興味を持ち、手始めに「主題と14の変奏曲」でその技法を使ってみたのでしょう。その後、ダッラピッコラやマデルナとともにイタリアの12音技法を推進する先駆者となりました。他の5つの作品も精緻な技法を凝らして書き上げられていますが、とは言え、12音を徹底的に追求しながらも、表現や色彩を重んじているためか、時にはルールを破ることも厭わなかったようで、時として抒情的な響きが現れるところが面白いものです。
 録音 マイアミ フロリダ・インターナショナル・ユニヴァーシティ2009年8月3.5.11日…27-39, 2009年8月4日…15-17,40-46, 2010年8月11日…1-14,18-26, 2011年8月1日…18-26,47-49
Percy Sherwood: Complete Works for Cello & Piano
TOCC0145
\2600
パーシー・シャーウッド:チェロとピアノのための作品全集
 1-3.チェロ・ソナタ第1番Op.10(1891)/
 4-6.3つの小品Op.14(1900頃)/
 7-10.チェロ・ソナタ第2番Op.15(1900)/
 11-15.チェロとピアノのための5つの小品(1886-1887)
  ※全て初録音
ヨーゼフ・シュプーナー(チェロ)/
デヴィッド・オウエン・ノリス(ピアノ)
 1866年に生まれたアングロ=ドイツの作曲家パーシー・シャーウッド(1866-1939)は、今やほとんど歴史の流れに埋もれてしまい、ほとんど誰も顧みようとはしていません。そんな中、チェリスト、ヨーゼフ・シュプーナーは、この魅力的な「忘れられた作曲家」の復興に力を注ぎ、長い間知られていなかったシャーウッドの人生と音楽を再現することに成功しました。かつては母国ドレスデンで重要な位置にいたシャーウッドですが、第1次世界大戦の初めにイギリスに渡ってからは、隠遁生活を送り、その名前と音楽は彼の死とともに歴史から消えてしまったのです。ここ最近になぅて、いくつかの合唱作品や、ピアノ協奏曲などは少しずつ聴かれ始めてきましたが、今回のチェロ作品集は本当に演奏される機会すらないものでした。ロマンティックで内省的なこれらの音楽について語り尽くすかのような、シュプーナーによる愛に満ちた24ページのブックレットには頭が下がる思いがします(英語のみ)。
 録音 2012年1月6-8日ユニヴァーシティ・オブ・サウスハンプトン,ターナー・シムス・コンサート・ホール




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