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第66号
マイナー・レーベル新譜(5)
2012.9.4〜10.19 までの紹介分


ECM



476 4661
\2400→\2190
《Canto oscuro》
 〜バッハ, グバイドゥリーナ, ヒンデミット:ピアノ作品集

 J・S・バッハ(ブゾーニ編):
  『私は あなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ』
  『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』
  『シャコンヌ』『前奏曲ニ短調』
 グバイドゥリーナ:『シャコンヌ』
 ヒンデミット:『組曲「1922年」Op.26』
アンナ・ゴウラリ(P)
 アンナ・ゴウラリは、1972年タタルスタンに生まれ、キーラ・シャシュキナ、ヴェラ・ゴルノスタエワ、アルゲリッチ、アシュケナージ、ワイセンベルクらに師事。1986年カバレフスキー・コンクールで優勝し、1990年には第1回ゲッティンゲン国際ショパン・コンクールで優勝。
 若き日のアルゲリッチを思わせるエキゾティックな美貌の持ち主で、2001年ヴェルナー・ヘルツォーグ監督の映画「神に選ばれし無敵の男」に出演し話題となった。
 Deccaレーベルに「ミッドナイト〜様々な作曲家によるノクターン集」「スクリャービン作品集」などを録音してきたが(廃盤!)、今回はECMから登場。
 ブゾーニ編曲によるバッハ作品、ゴウラリと同郷タタルスタン生まれのグバイドゥリーナ、比較的初期のヒンデミットの作風を代表する「1922年」などを録音している。抑制の効いた厚みのある響きによって、陰影に富んだ色彩画のような深い印象を与えてくれる演奏。
〔録音〕2011年5月24〜25日, ノイマルクト、Historischer Reitstadel (デジタル:セッション)


アンナ・ゴウラリ美しき旧譜

 美人好きのDECCAからデビューしていたがすぐに廃盤、続編も出なかった・・・が、その後BERLIN CLASSICSに移籍、最近はそこでの活動がメインになっていた。今回は完全にECMに移籍か?


BERLIN CLASSICS
BC16662
\2500→\1990
ショパン:マズルカ選集
 第1、2、4〜6、9、11、13〜15、18〜21、
 25、27、32、34、36〜38、40、45〜51番
アンナ・ゴウラリ(pf)

BERLIN CLASSICS
BC16472
\2500→\1990
ブラームス:後期ピアノ曲集
 Op.116〜Op.119
アンナ・ゴウラリ(pf)
DECCAからもリリースしていた美女ゴウラリがBCからも登場。


 


4764825
\2400→\2190
《アダムの嘆き》〜アルヴォ・ペルト:合唱作品集
 『アダムの嘆き』『祝福されたペトロニウス』『サルヴェ・レジナ』
 『主は平安を約束された』『アレルヤ・トロープス』『アガトン神父』
 『エストニアの子守歌』『クリスマスの子守歌』
トヌ・カリユステ(指揮)
ラトヴィア放送合唱団,
ヴォックス クラマンティス,
リガ・シンフォニエッタ,
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団,
タリン室内管弦楽団
 詩的な表現力が美しく織り込まれた合唱作品
 エストニア出身の作曲家ペルトの「タブラ・ラサ」が、ECM NEW SERIESの第一弾としてリリースされたのが1984年。以来、4半世紀にわたり、同レーベルの最重要作曲家として位置づけられてきたペルト。
 ECMにはペルトの作品が数多く録音されましたが、このアルバムでは、2000年以降に作曲(改編)された、比較的新しい作品が収録。ペルトの偉大な詩的な表現力、メッセージの愛と謙虚さが表現されています。
 カリユステ指揮によって、静謐で透明な響きがとても美しく印象に残るアルバムです。
 〔録音〕2011年11月, 2007年5月, タリン、ニクリステ教会(デジタル:セッション)

MD+G



901 17706
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ロシアン・トランペット・コンチェルト
 ① イリア・シャーコフ(1925-1986):
   トランペットと管弦楽のためのロマンティック協奏曲
 ② アレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012):トランペット協奏曲変イ長調
 ③ オスカー・ベーメ(1870-1938?):
  タランテラ(ナポリターナ)Op.25
 ④ セルゲイ・ワシレンコ(1872-1956):
  トランペット協奏曲「協奏的詩曲」ハ短調Op.113
 ⑤ アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):
  トランペットのための演奏会用練習曲ト短調Op.49
ラインホルト・フリードリヒ(Tp)
クリストフ=マティアス・ミュラー(指揮)
ゲッティンゲン交響楽団
 フリードリヒのテクニックとサウンドが冴え渡る技巧派協奏曲集
〔録音〕2011年9月&2012年5月, ハノーファー (デジタル:セッション)
 全世界を活動範囲とするトランペット超名手ラインホルト・フリードリヒ。現在カールスルーエ音大教授として後進の育成に携わり、プレーヤーとしても新生ルツェルン祝祭管の首席トランペット奏者として、毎回輝かしいサウンドを聴かせてくれています。
 今回は、ロシアの作曲家によるトランペットのための協奏曲集。バロック・トランペットからマーラー演奏までもこなす彼の幅広いレパートリーをもってしても、これらの作品の録音は珍しく、高度な技工を併せ持った圧巻の演奏が堪能できます。
 


345 17662
\2300→\2090
メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」(管楽五重奏版)
 ① 劇音楽「夏の夜の夢」より
  (グィド・シェーファーによる管楽五重奏版)
 ② 弦楽四重奏曲第5番変ホ長調Op.44-3
  (グィド・シェーファーによる管楽五重奏版)
 ③ ノクトゥルノ Op.24
  (グィド・シェーファーによる管楽五重奏版)
マーロット五重奏団
[Stephanie Winker(Fl),
Christian Wetzel(Ob),
Ulf-Guido Schafer(Cl),
Volker Grewel(Hr),
Volker Tessmann(Fg)]
 ハルモニームジークへの新たなる挑戦か?
〔録音〕2012年3月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 1986年に結成されたドイツのアンサンブル、マーロット五重奏団は各奏者の卓越した技術と音楽性が高く評価されています。これまでにも、MDGレーベルでドヴォルザーク、ピアソラ、ベートーヴェンなどの作品をリリース。いずれも大好評を博し、様々な音楽誌でも絶賛されました。当盤で取り上げたのは、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の管楽五重奏への編曲版。
 編曲を担当するのは毎度おなじみ、このアンサンブルのクラリネット奏者ウルフ・グィド・シェーファー。「夏の夜の夢」の快活さ、美しさ、鮮明な色彩感を五本の管楽器のみで見事に表現。
 さらに今回は、弦楽四重奏曲まで編曲してしまったのには驚愕。「吹奏楽のための序曲ハ長調Op.24」の初稿版風に復元された「ノクトゥルノ」も収録。
 

316 17672
(3CD)
\4600
サン=サーンス:オルガン作品全集
【Disc】
 『宗教的行進曲ヘ長調Op.107』
 『ブルターニュの歌による3つのラプソディOp.7』
 『幻想曲第1番変ホ長調』『幻想曲第2番変ニ長調Op.101』
 『幻想曲第3番ハ長調Op.157』/
【Disc2】
 『3つの前奏曲とフーガOp.99』
 『3つの前奏曲とフーガOp.109』『祝婚曲ヘ長調Op.9』/
【Disc3】
 『7つの即興曲Op.150』『糸杉と月桂樹Op.156』『聖体奉挙Op.13』
ベン・ファン・オーステン(カヴァイエ=コル・オルガン)
"シンフォニック&ロマンティック・オルガンの魅力が満載された演奏
〔録音〕2012年5月, パリ、マドレーヌ寺院 (デジタル:セッション)
19世紀の半ばごろにシンフォニック&ロマンティック・オルガン製作の名匠カヴァイエ=コルが登場し、シンフォニックな演奏が可能となりました。そうしてフランスではオルガンが再び注目されるようになり、サン=サーンスは、その中でも積極的にオルガンのための作品を作曲したのです。多彩なオルガン書法と和声法、そして音楽的な深みなど、オーケストラ作品にも匹敵する表現をすることに成功したのです。
 演奏者のベン・ヴァン・オーステンは、1955年にオランダのハーグに生まれたオルガニスト。オルガニストとして活躍する一方、ロッテルダム音楽院の教授も務めており、MDGレーベルには、ヴィエルヌ全集の他、フランス・ロマンティック・オルガン作品集、全7枚におよぶヴィドールのオルガン作品全集などを録音してきています。なお、ハーモニウムのための作品は収録されていません。
 


301 07682
〔再発売〕
\2300→\2090
コンソルティウム・クラシクム
 シューベルト:八重奏曲ヘ長調 D.803,Op.166

  ☆再発売(しばらく入手不可でしたが 同品番にて復活しました)
コンソルティウム・クラシクム
[Dieter Klocker(Cl),
Karl Otto Hartmann(Fg),
Jan Schroder(Hr),
Andreas Krecher(Vn),
Gerdur Gunnarsdottir(Vn),
Christiane Horr(Va),
Armin Fromm(Vc),
Jurgen Normann(Cb)]
 ロマン性豊かな叙情性あふれる名演
〔録音〕1996年12月 (デジタル:セッション)
 依頼主の要求によって、ベートーヴェンの七重奏曲に似せて作られた「八重奏曲」。楽章数、楽章配列、調性関係、楽器編成など、多少の相違を除いて酷似していますが、シューベルトの独自な純粋さで洗練された室内楽作品です。
 昨年2011年に亡くなったディーター・クレッカー率いるコンソルティウム・クラシクムによる2回目の録音のもので、1回目の録音(CPO:1983年録音)よるずっとテンポをおとし、ロマン性豊かな叙情性と愉悦性を十分に生かした名演といえましょう。
 


937 17616
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管
 1900年のロシア管弦楽作品集

  ミコラ・リセンコ:『歌劇「タラス・ブーリバ」序曲』
  スクリャービン:『交響曲第4番Op.54「法悦の詩」』『交響的楽章「夢」Op.24』
  グラズノフ:『演奏会用ワルツ第1番ニ長調Op.47』
  ミャスコフスキー:『交響曲第21番嬰ヘ短調Op.51「交響幻想曲」』
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
ロシアン・エクスタシック・エクスペリエンス!
〔録音〕2011年11月, ボン・ベートーヴェン・ホール(デジタル:ライヴ)
 1964年にスイスのベルンに生まれ、指揮者としてはオペラ・ハウスを中心にキャリアを重ねながら、ドイツの様々な放送オケの指揮経験も豊富なシュテファン・ブルーニエ。特に1900年前後のドイツ・オーストリアの音楽を集中的に演奏してきていますが、今回はロシアの1900年頃の作品ばかりを演奏したコンサートのライヴ録音となります。
 エクスタシーを感じさせるロマンティックなこれらの傑作を、若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演で聴かせてくれます。
 SACDの高音質でライヴの雰囲気をもたっぷりお楽しみください。
 〔ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND〕


旧譜
シュテファン・ブルーニエ &ボン・ベートーヴェン管
 ベートーヴェンの生地ボンを本拠地とするボン・ベートーヴェン管弦楽団は、創立100年を超えるドイツの名門オーケストラ。これまでリヒャルト・シュトラウス、エーリヒ・クライバー、ベーム、チェリビダッケ、ヴァントという巨匠が指揮し、アーベントロートが首席指揮者を務めたこともある。現在このオーケストラの音楽監督を務めているシュテファン・ブルーニエは、1964年スイスのベルン生まれのたたきあげの指揮者。

937 17136
(2SACD Hybrid)
\4800→¥3490
シュテファン・ブルーニエ &ボン・ベートーヴェン管
 ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1890年版)
シュテファン・ブルーニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 ちょうどこの録音の1年前に録音された『ブルックナー:交響曲第0番&レア管弦楽作品集』の続編となるこの「交響曲第8番」でブルーニエは、これまでの濃厚でエネルギッシュな演奏を見直し、作曲された当時の演奏様式に戻って演奏を試みています。やや遅めなテンポ(トータル88分30秒)、古典形式の作品構造の見直し、響きの透明感を大切にした演奏で、ブルックナーの音楽を現代に鮮やかによみがえらせています。
 これまでのさまざまなブルックナー演奏とは異なる次元に立つ演奏をご一聴ください。

 (演奏時間 18:14/ 14:19/ 29:34/ 26:18)
 録音:2011年5月12&13日、ボン・ベートーヴェン・ホール (デジタル:ライヴ)ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND
 937 16776
(SACD)
\3000→¥1990
シュテファン・ブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団
 レスピーギ管弦楽作品集

 1.ボッティチェルリの3枚の絵
 2.3つのコラール(原曲:J.S.バッハのコラールBWV.699、733、645)
 3.交響詩《ローマの松》
ボン・ベートーヴェン管弦楽団
指揮:シュテファン・ブルーニエ
 やはりこのアルバムも紹介しておきたい。
 若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と送り出しているブルーニエ&ボン・ベートーヴェン管の色彩豊かな作風で知られるレスピーギの作品集。エキゾチックで優美なメロディーにあふれた《ボッティチェルリの3枚の絵》、J.S.バッハの原曲に近代的な衣裳をまとわせた《3つのコラール》、そして彼の代表作で瑞々しい躍動感にあふれた《ローマの松》の豪華カップリング。
 録音:2010年3月12〜14日、6月10〜11日 ボン

 


309 17622
\2300→\2090
お待たせ!ムジカ・アルタ・リパ新作!
 ルクレール:室内楽作品集

  『やさしい音楽の気晴らし Op. 6』
  『2台のヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 Op.3-5』
  『2台のヴァイオリンのためのソナタ ホ長調 Op.7-2』
  『やさしい音楽の気晴らし第2集 Op. 8』
ムジカ・アルタ・リパ (ピリオド楽器アンサンブル)
〔録音〕2012年2〜3月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 18世紀フランスを代表するヴァイオリニストで、フランス=ベルギー・ヴァイオリン楽派の創始者でもあるルクレール。ロカテッリに強く影響された音楽は、イタリアとフランスの要素を程よく統合した独自の新しい様式を作り出しました。これらの作品でも、イタリア的で魅惑的な和音と快活な楽曲と、フランス的な優美で繊細なアリアなど、美しいメロディがふんだんに取り入れられています。
 通奏低音が入らない2台のヴァイオリンのみによるデュエット・ソナタは」、即興的な装飾音と流麗なフレージングに彩られた作品です。


ムジカ・アルタ・リパ/前作
イタリアの転機

309 16172
\2300→\2090
ムジカ・アルタ・リパ/イタリアの転機
 1.G.サンマルティーニ:協奏曲ヘ長調
 2.ガルッピ:協奏曲ハ短調
 3.ボッケリーニ:協奏曲第3番ト長調
 4.ヴィヴァルディ:協奏曲ヘ長調RV.434
 5.ロカテッリ:ソナタ第8番ニ長調
 6.マンチーニ:ソナタ ニ長調
ムジカ・アルタ・リパ
録音:2009年11月29日〜30日、11日1日 マリエンミュンスター修道院    <デジタル録音> 新録音
  18世紀の後期イタリア・バロック音楽は、ヴィヴァルディを筆頭に、協奏曲などの分野で音楽に多くの革新をもたらし、後の古典派やロマン派に受け継がれることになりました。そんな音楽史の重要な転機に生まれた6つの傑作を、名門ムジカ・アルタ・リパが、ベルカント風の豊かな歌心や超絶技巧を随所で効果的に盛り込んだ名演でお届けします。

 

902 17256
(SACD Hybrid)
\3000
シュトゥットガルト・イムヌス少年合唱団とオルガンによるクリスマス
 『ハンマーシュミット:「門をひらけ」』
 『プレトリウス:「暁の星はさし昇りて」』
 『ワルター・シュミット:「Zu Bethlehem uberm Stall」』
 『プレトリウス:「Den die Hirten lobeten sehre」』
 『シュッツ:「天は神の栄光を語り」』
 『ジャン・クランシェ:「Wunderbare freude! Wunderbare nacht!」』
 『デイヴィッド・ウィルコックス:「Herbei, o ihr Glaubigen fur vierstimmigen」』
 『ブラームス:「おお救世主よ、天を開け」』
 『ヨハネス・エッカルト:「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」』
 『デイヴィッド・ウィルコックス:「来たれ、インマヌエル」』
 『プレトリウス:「エサイの根より」』
 『ジークフリート・レダ:「様々な旋法によるマニフィカト」』
 『ヨハネス・エッカルト:「山の上をマリアが行く」』
 『カール・リーデル:「来る 羊飼い」』
 『アルベルト・ベッカー:「恐れるな!」』
 『シュッツ:「かくも神は世を愛したまえり」』
 『J・S・バッハ:「恐るるなかれ、われ汝と共にあり」』
ライナー・ヨハネス・ホムブルク(指揮)
シュトゥットガルト・イムヌス少年合唱団
カイ・ヨハンセン(Org)"
〔録音〕2011年6月, シュトゥットガルト福音キリスト教会 (デジタル:セッション)
 ゲヒンゲン聖歌隊と並んで、シュトゥットガルトで最も伝統ある合唱団の一つ、イムヌス少年合唱団。透明感で爽やかな歌声には、素直で暖かい音楽がつめこまれています。
 オルガンとの共演は、まさにこのクリスマスの作品にぴったりの声でしょう。 〔ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND〕"
 

942 17636
(SACD Hybrid)
\3000
ウィーン・ピアノ・トリオ/サン=サーンス:ピアノ三重奏曲集
 サン=サーンス
  『ピアノ三重奏曲第1番ヘ長調Op.18』
  『ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.92』
ウィーン・ピアノ・トリオ
[Bogdan Bo?ovi?(Vn),
Matthias Gredler(Vc),
Stefan Mendl(P)]
パリの聴衆を魅了したピアノ・トリオ
〔録音〕2012年6月, マリエンミュンスター修道院 (デジタル:セッション)
 あまり重要な作品が多くなかった1850〜60年代の作品の中でも、とりわけ優れた作品としての「第1番」。サン=サーンスがまだ28歳だった初期の作品ですが、古典的形式に従いつつも、大変洗練された作品。それから25年後に満を持して発表した第2番は、聴衆を魅了した作品として有名です。
 みなぎる活力、あふれる情念、そして緊密な演奏を聴かせてくれるウィーン・ピアノ・トリオは、「21世紀をリードする注目のトリオ!」と、高い評価を得ています。
〔ハイブリッドSACD仕様:CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND〕
 


613 17652
(2CD)
\4600→\4190
J・ケージ:声, トロンボーン, ヴァイオリンとピアノのための作品集
【CD1】
 《声とピアノのための作品集》
  『四方の壁』『花』『経験第2番』『彼女は眠っている』
  『18回の春を迎えた陽気な未亡人』『ナウス・アポン・ナハト』
【CD2】
 《トロンボーンとピアノのための作品集》
  『Two5』『ヴァリエーションⅠ』『____のための音楽』
【CD3】
 《ヴァイオリンとピアノのための作品集》
  『6つのメロディ』『Two4』『夜想曲』『Two6』
アンナ・クレメンティ(声),
マイク・スヴォボダ(Tb)
アンドレアス・ザイデル(Vn),
シュテッフェン・シュライエルマッハー(P)
〔録音〕2000, 2007, 2008年, (デジタル:セッション)
 現代音楽を中心に世界で活躍するシュライエルマッハーによる、多数の賞を獲得しているジョン・ケージの録音の中から3枚のアルバムを1セットにまとめたものです。
 〔CD1〕は、ケージの演奏には欠かせないヴォーカルとして高い評価を得ています。特に声だけでなく、言葉、演出、電子楽器とのコラボ、クラブミュージックなどにも出演しています。好奇心とユーモアを含ませた新しい可能性を見出した演奏です。
 〔CD2〕は、現代音楽の最前線で、しかも演奏と創作の両面で活躍しているトロンボーン奏者のスヴォボダとの共演。常に巧みなテクニックによって、トロンボーンの新しい可能性を目指した演奏です。
 〔CD3〕は、ライプツィヒ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者であるザイデルと組んで贈る最高の「ヴァイオリンとピアノのための作品全集」。

BR KLASSIK



900118
(5CD)
\6300→\5690
一気登場!
 ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団
  ベートーヴェン:交響曲全集

    (第9はバチカンでの演奏!)
バイエルン放送交響楽団/
マリス・ヤンソンス(指揮)
クラッシミラ・ストヤノヴァ(ソプラノ)/
リオバ・ブラウン(アルト)/
ミヒャエル・シャーデ(テノール)/
ミヒャエル・ヴォッレ(バリトン)/
バイエルン放送合唱団/
ミヒャエル・グレーザー(合唱指揮)
 お待ちかね、ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団による渾身のベートーヴェン(1770-1827)交響曲全集です。
 来日公演にあわせ、着々と録音を重ねてきたもので、第3番と第6番は、それぞれ来日の1か月前、もしくは来日直前に演奏されたばかり。
 もちろんブックレットに時間の表示を入れることが間に合わないほどの、ほかほかの新録です。
 とりわけ、3番は、あらかじめ録音してあった演奏に不満を抱いたヤンソンスが、ぎりぎりになって録り直しを決定したというもので、このエピソードだけでも、ヤンソンスの全集にかける意気込みが感じられるではありませんか!
 3年前の来日に比べても、格段の絆の強さを誇る指揮者とオーケストラによる文句なしのベートーヴェンは、並み居る同曲異演盤の中でも、輝く光を放つものとして、広く語り継がれること間違いありません。
録音:
 2012年2月9-10日 ミュンヘン,ヘルクレスザール…交響曲第1番
 2007年3月1-2日 ミュンヘン,ヘルクレスザール…交響曲第2番
 2012年 ミュンヘン,ヘルクレスザール…交響曲第3番
 2012年5月17-18日 ミュンヘン,ヘルクレスザール…交響曲第4番&第5番
 2012年 ミュンヘン,ヘルクレスザール…交響曲第6番
 2008年9月25-26日 フィルハーモニー・イン・ガスタイク…交響曲第7&第8番
 2007年10月26-27日 ローマ、バチカン アウラ・パオロⅥ世…交響曲第9番

CARPE DIEM


CD-16290
\2000
フローベルガー:組曲とトッカータ集
 1.ブランシュローシュ氏の死に寄せるパリで作られたトンボーFbWV 632/
 2-5.組曲-パルティータ第19番ハ短調 FbWV 619/
 6.トッカータ第2番ニ短調FbWV102/
 7-10.組曲−パルティータ第2番ニ短調FbWV 602/
 11-14.組曲-パルティータ第12番ハ長調FbWV 612/
 15-18.組曲-パルティータ第13番ニ短調FbWV 613/
 19.リチェルカーレ第7番ニ長調FbWV 407/
 20.トッカータ第19番ニ短調/
 21-24.組曲-パルティータ第14番ト短調FbWV 614/
 25.トッカータ第11番ホ短調FbWV 111
アリーナ・ロタル
 (ハープシコード…1623/1745年ルッカース製)
「若手奏者のなかでもとりわけ優れた才能を有した彼女は、りズミカルな精密さと繊細さを併せ持ち、アーティキュレーションとフレージングは完璧であり、美しい歌心に満ちている」と評論家に絶賛されたハープシコード奏者、アリーナ・ロタルによるフローベルガー(1616-1667)の作品集。
 鍵盤音楽の作曲家としては、J.S.バッハの先駆的存在として知られますが、その作品の成立は謎めいているものも多く、曲中に個人的な比喩が込められているとも言われています。そんな作品をロタルは洞察力に富んだ解釈で、見事に音にしています。歴史的銘器の音色にも注目です。録音 スイス ミュセ・ダルト・エ・ヒストリエ・ド・ヌーシャテル
 

CD-16291
\2000
不確定性原理 〜アレクサンドル・ダニレフスキ(1957-):作品集
 1-8.ラウダ<プレリュード/
  第1部:Se mai per maraveglia/インターリュードI/
  第2部:ユニバーサル・ドローレ/インターリュードⅡ/
  第3部:Ser perder la propia vita /インターリュードⅢ/
  第4部:Gia le ferrate e inexpugnabil porte >/
 9.レヴェレーション/
 10-13.悲しみのオーダ
  <前奏曲/詩:黄金の葉/インターリュード/
   別れ:誰が私のコップに注いでくれるのだろう?>/
 14-16.リコーダー四重奏のためのアンティフォナ
太刀川昭(カウンター・テナー)/
スザンナ・トス(ソプラノ)/
ラリッサ・グローエンフェルト(チェロ)/
フランダース・リコーダー・クァルテット/
アンサンブル・シンタグマ/
アレクサンドル・ダニレフスキ(指揮)
中世から現代まで、様々な時代を想起させる神秘的な音のサウンドスケープ。身の毛もよだつようなチェロの咆哮で幕を開ける「ラウダ」は、この世のものとも思えぬような歌声を従え、聴き手を冥界へ誘います。調性も和声も不明瞭であり、とっつきやすいメロディがあるわけでもないのですが、曲に漂うオーラはとても魅惑的であり、独特の美しさに満ちたものです。
 独奏チェロによる「レセレーション」も確かな質感を感じさせる豊かな音楽。とどろく雷鳴で始まる「悲しみのオーダ」など、何も考えずに、ゆるゆると聴いていたい1枚です。録音 ベルギー アントワープ,AMUZ
 

CARPE DIEM 旧譜
大幅値下げ!

\2400→\2000

CD-16288
\2000
アレッサンドロ・ピッチニーニ:リュートとキタローネのためのタブラチュラ集(抜粋)
 1.第2巻:トッカータVIII/2.第2巻:ガリアルダIV/
 3.第2巻:クーラントII/4.第1巻:トッカータ・クロマティカXII/
 5.第2巻:トッカータIV/6.第1巻:アリア・ディ・サラバンダ/
 7.第1巻:トッカータXXIV/8.第2巻:パッサカリア/
 9.第2巻:クーラントX/10.第2巻:トッカータIII/
 11.第2巻:リチェルカーレ・ムジカーレI/
 12.第2巻:トッカータVII/13.第2巻:ガリアルダI/
 14.第2巻:クーラントIX/15.第2巻:トッカータVI/
 16.第2巻:ガリアルダIII/17.第2巻:クーラントVIII/
 18.第2巻:フランス風サラバンド/19.第2巻:リチェルカーレI/
 20.第1巻:トッカータVIII/
 21.第2巻:スペイン風チャコーナ・マリオーネ
ロザリオ・コンテ(アルキリュート)
録音 2011年8月24-27日イタリアロヴァート,コンヴェント・デルッランヌンツィアーラ
 ルネサンスの末期からバロックの初期の時代、イタリアで活躍したピッチニーニ(1566-1638)。彼の父親も、兄弟もリュート奏者という音楽一家に生まれ、彼もリュート奏者&作曲家として素晴しい活躍をしていました。その代表的な作品がこのアルバムに収録されている、1623年と1639年に出版された2巻からなるタブラチュア(独特な記譜法による楽譜)です。この中の一部には、彼の息子であるレオナルド・マリア・ピッチニーニの作品も含まれているという貴重なものであり、卓越した技法と豊かな情緒が感じられる小品が並びます。豊かな響きが耳に残ります。
 

CD-16272
\2000
思い付きの子守歌 〜ホルボーン:作品集
 1.ゆりかごのパヴァーヌ/2.それはクリスマス・イブのこと/
 3.思い付きのパヴァーヌの子守歌/4.ファンアジア第3番/
 5.前奏曲/6.3つの小品/7.パヴァーヌ第2番/
 8.ガイヤルド第2番/9.真珠/10.ムイ・リンダ/
 11.パヴァーヌ第4番/12.あなたはどうなの/
 13.古いアルメイン/14.パヴァーヌ・パッサメッツォ/
 15.ガイヤルド・パッサメッツォ/16.心の使いやすさ/
 17.ハイ・ホー・ホリデー/18.ちょうど/
 19.ファンタジア第1番/20.遺言と聖書/
 21.女王の新年のギフト/22.ミューズたちの涙/
 23.D.ボンド氏のガイヤルド/24.プレイフェロー/
 25.ガイヤルド「応答」/26.夜回り/27.子守歌
リー・サンタナ(リュート,バンドゥーラ,シターン)
英国ルネサンスの作曲家、ホルボーン(1545-1602)の作品集。現代アメリカで最も高い評価を受けるリュート奏者&作曲家のリー・サンタナが3種類の楽器を駆使して、これら愛すべき小曲を演奏しています。
 北ドイツの小さな中世の教会で録音された、ふくよかな響きにも注目です。録音 ドイツデトリンゲン
 

CD-16273
\2000
ジョン、今すぐ私にキスして 〜17世紀の室内楽作品集
 1.J.プレイフォード(1623-1686):
  英国式舞踏指南-ノバディズ・ジグ/
 2.M.ロック(1621-1677):組曲第7番ト長調/
 3.D.メール(1604-1662)/J.プレイフォード:
  ジョン、今すぐ私にキスして-陽気な物乞いたち-シメロンの踊り/
 4.F.コルベッタ(1615-1681):スペインのパヴァン/
 5.M.ロック:組曲第2番ニ短調-ニ長調/
 6.M.ロック:友人たちのための-組曲イ短調/
 7.S.エックレス(1618-1683):グラウンド上のディヴィジョン/
 8.H.パーセル(1659-1695):グラウンドハ短調/
 9.M.ロック:友人たちのための-組曲イ短調-イ長調/
 10-13.J.プレイフォード:英国式舞踏指南より
  <アイルランド風ブーレ/スコッツ・ラント/
   ウォリングフォードの家/女王の喜び>
ラ・ベアタ・オランダ
<メンバー:ゲラルト・シュテンプフェル(リコーダー)/
クラウディア・ホフマン(ヴァイオリン)/
トルステン・ブライヒ(リュート)/
ティナ・スペックホファー(チェンバロ)>
録音 2008年8月9-12日ドイツアウハウゼン
 イングランドの楽譜出版者J.プレイフォードが収集した「英国式舞踏指南」は1651年に初版が出版され、以降100年に渡って17回もの再版を重ねたという当時のベストセラー。17世紀イングランドの舞曲を知る上での貴重な資料として知られています。とはいえ、演奏自体は自由度が高く、演奏家の裁量に任されている部分の多いものです。
 同時代の作曲家たちの舞曲を合わせつつ、ラ・ベアタ・オランダが即興的、かつ柔軟で楽しい音楽を聞かせています。
 

CD-16274
\2000
深き淵から
 1.M.ゴダール(1960-):「深い淵から私はあなたに向かって叫ぶ」による即興曲/
 2.W.エプナー(1612-1665):深い淵から私はあなたに向かって叫ぶ/
 3.M.ゴダール/P.D.シェッパー(1949-):蜘蛛/
 4.L.サンタナ(1959-):島の上の島/
 5.L.サンタナ:ミスター・エド/
 6.L.サンタナ:これが最後/
 7.O.ベネヴォリ(1605-1672):彼を君主たちと共に並ばせ/
 8.A.グランディ(1586-1630):神が私たちを憐れみ/
 9.A.マザーク(1609-1661):天上は静穏であった/
 10.M.カッツァーティ(1616-1678):天上で大戦争があった/
 11.M.ゴダール:マニフィカト/
 12.A.チフラ(1584-1629):博士たちは星を見て/
 13.J.M.グレトル(1626-1683):アヴェ・マリア/
 14.T.アイゼンホイト(1644-1702):サルヴェ・レジーナ
トレ・バッシ/ミシェル・ゴダール(セルパン)/
ヒッレ・パール(ヴィオール)/
リー・サンタナ(キタローネ)
録音 2001年9月4-7日フランスEglise St.Martin
16-17世紀に作曲された曲と、現代曲、民謡調の曲。これらが一体となり聴き手を眠りと死へ誘う。ここで奏される死の国の風景は決して悲観的なものではなく、明るさと安らぎに満ちたもの。
 落ち着いた響きを持つ男たちの歌声、名手たちの合奏。優秀な録音、まるで「他のレーベル」のようなジャケット・デザイン。文句のつけようのない究極のアルバムです。
 

CD-16276
\2000
彼らが私の名を呼ぶならば
 1.サラマンカ午後9時/
 2.ムダーラ(1510-1580):彼らが私の名を呼ぶならば/
 3.ピサドール:Quien tuviesse tal poder/
 4.作曲家不詳:Fantasia a tres bozes del quarto tono/
 5.ピサドール:
  Endechas de Canaria para que es dama tanto qurereos/
 6.ピサドール:Partense partiendo yo/
 7.ピサドール:Y con que la lavare/
 8.ピサドール:Por una vez que mis ojos alce/
 9.ピサドール:Fantasia por el quarto tono sobre la sol fa re mi/
 10.作曲家不詳:Si la noche haze escura/
 11.ピサドール:No me llamen sega la yerba/
 12.ヴィラールト(1490-1562):O bene mio fam'uno favore/
 13.ピサドール:Madonna mia fan me von/
 14.ピサドール:Guarte guarte el rey don Sancho/
 15.ピサドール:Lagrime mesti/
 16.ピサドール:Fantasia sin passo ninguno a tres bozes/
 17.フェンリャーナ(1535-1578):Passeavase el rey moro/
 18.ムダーラ:Gentil cavallero/
 19.ヴィラールト:A quand'a quand'haveva una vicina/
 20.ピサドール:Sempre me fingo/
 21.バラケス(1510-1560):ばらの茂みの泉にて/
 22.ピサドール:Fantasie del sexto tono a quatro/
 23.ピサドール:Aquellas sierras madre/
 24.作曲家不詳:La Manana de San Juan/
 25.ピサドール:Si te quitase los hierros/
 26.ピサドール:Herida va la garca/
 27.ピサドール:Pues te partes y te vas
エル・コルテサノ
録音 2008年10月22-27日スペイン イグレシア・デ・サンタ・マルラ・デ・ダ・パズ
 スペイン・ルネサンスの作曲家ディエゴ・ピサドールによるビウエラと歌のための曲集です。
 彼が1552年に発表した「リブロ・デ・ムジカ・デ・ビウエラ(ビウエラ音楽のための本)の全曲世界初演の録音となります。
 ビウエラを演奏するアリエル・アブラモヴィチとカウンターテナー、ホセ・ヘルナンデス・パストールの絶妙なアンサンブルは、この忘れられていた歌たちに新たな光をあてています。
 

CD-16277
\2000
芳香のコンサート
 1.S.マルク:インプロヴィゼーション/
 2.M.ゴダール(1960-):アンブル/
 3.M.ゴダール:インパーメネンス/
 4.G.マレ:インプロヴィゼーション/
 5.M.ゴダール:アンジェリカ/
 6.M.ゴダール/P.エラール:インプロヴィゼーション/
 7.G.ムルギア:インプロヴィゼーション/
 8.G.マレ:Nebia del baix camp/
 9.G.ムルギア:インプロヴィゼーション/
 10.G.マレ:偶像破壊者/
 11.S.マルク:アルマンド/
 12.M.ゴダール:ルネッサンスをなぞって/
 13.P.エラール:インプロヴィゼーション/
 14.M.ゴダール:影の線/
 15.M.ゴダール:インプロヴィゼーション/
 16.M.ゴダール:Ferma l'ali/
 17.S.マルク:インプロヴィゼーションⅡ
ミシェル・ゴダール(セルパン)/
ガビノ・ムルギア(サクソフォン)/
ジェラール・マレ(ギター)/
パトリス・エラール(パーカッション)/
セバスチャン・マルク(リコーダー)
録音 2009年5月13-15日フランス Abbaye de Noirlac
陶酔と香水・・・。このパッケージを開くと現れる薄紙から仄かに良い香りが漂います。ウルスラ・S=ヨーがプロデュースした神秘的でどこか懐かしいこの香りは、花というよりも深い森の奥に由来するものでしょうか?この香りの中で奏された音楽は、この香りと見事に調和し、幽玄で深淵な世界を表出しています。とりわけインプロヴィゼーション(即興演奏)でのジャンルを超えた音世界は一聴の価値ありです。
 

CD-16278
\2000
Une Larme-涙 〜ギター作品集
 1-25.フランチェスコ・コルベッタ(1615-1681):
  グランド・ブルターニュの王に捧げるギターの書(抜粋)/
 26-27.ロベール・ド・ヴィゼー(1660-1725):
  王に捧げるギターの書(抜粋)
ロザリオ・コンテ(ギター)
録音 2006年8月7-8日イタリア ロヴァート,コンヴェント・デルッランヌンツィアーラ
偉17世紀最高のギタリストであったコルベッタは若き日のルイ14世をはじめ、ロンドンでも王族や貴族たちにギターを教えるほどの名手でした。
 彼の弟子とされるロベール・ド・ヴィゼーもルイ14世の宮廷音楽家として活躍(歌手としても記録されている)、ギターやヴィオールを教えていたと言われます。
 このアルバムは、そのルイ14世のために書かれたギター音楽集であり、洗練された高度な技巧を用いて書かれた一連の音楽は、当時の文化を余すことなく伝えています。
 バロック・ギターの第一人者ロザリオ・コンテによる演奏です。
 

CD-16279
\2000
モレ・イスパノによる16-17世紀の声楽作品集
 1.ストロッツィ(1619-1677):パッサカリア/
 2.ディエゴ・オルティス(1510-1570):パッサメッツォ・モデルノ/
 3.カベソン(1510-1566):フォリア/
 4.アテニャン(1494-1552):ガイヤルド/
 5.エネストローサ/ディエゴ・オルティス:牛を見張れ/
 6.エンリケス・デ・バルデラーバノ(1500-1556):クラロス伯爵/
 7.モンテヴェルディとフェラーリによるシャコンヌ(即興演奏)
モレ・イスパノ
<メンバー:ヴィセンテ・パッリーラ(リコーダー・指揮)/
ラケル・アンドゥエサ(ソプラノ)/
ファーミ・アルクハイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ヘスス・フェルナンデス(リュート・テオルボ)/
マグエル・リンカン(リュート・ギター・テオルボ)/
ハビエル・ヌニェス(ハープシコード)/
アルファーロ・ガリード(パーカッション)>
録音 2009年4月26-29日スペイン セビリア,オラトリオ・デ・ラ・エスクエラ・デ・クリスト
 一部の古楽ファンの間で、高い人気を誇る歌姫ラケル・アンドゥエサの歌声が楽しめる1枚。おなじみの下降音型に彩られるストロッツィの「パッサカリア」からその魅力が炸裂します。清らかさの中に垣間見える妖艶さ。この絶妙なバランス感覚は彼女ならのものでしょう。
 アルバムタイトルの「Yr a oydo」とはスペインの奮い言葉で「心で行く」という意味。若きスペインの奏者たちによるアンサンブル、モレ・イスパノのユニークで確信に満ちた演奏です。最後のトラックの自由な即興にこそ、彼らのコンセプトが凝縮されていると言えるでしょう。
 

CD-16280
\2000
style fantastique 〜バロックの室内楽作品集
 1.G・A・パンドルフィ・メアッリ(1620-1669):
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第4番「ラ・カステッラ」/
 2.G・A・パンドルフィ・メアッリ:
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第3番「ラモラーナ」/
 3.フローベルガー(1616-1667):ラメンテーションヘ長調FbWV633/
 4.G・A・パンドルフィ・メアッリ:
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第2番「ラ・チェスタ」/
 5.フローベルガー:トッカータ第3番ヘ長調FbWV103/
 6.G・A・パンドルフィ・メアッリ:
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第1番「ラ・ステラ」/
 7.G・A・パンドルフィ・メアッリ:
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第6番「ラ・サッバティーナ」/
 8-11.フローベルガー:組曲第1番ニ短調(E.ベロック編)/
 12.G・A・パンドルフィ・メアッリ:
  教会と室内のための6つのソナタOp.3 第5番「ラ・クレメンテ」
ル・コンセール・ブリゼ
<メンバー:ウィリアム・ドンゴワ(コルネット)/
カーステン・ローフ(ハープシコード・オルガン)/
エリック・ベロク(リュート)>
録音 2009年10月28-31日スイスミュセ・ダルト・エ・ヒストリエ・ド・ヌーシャテル
本来はヴァイオリンと通奏低音のために書かれたソナタを、名手ドンゴワが、あたかも「コルネットのために書かれた」かのように易々と吹いています。
 細かいパッセージなどの処理は本当に驚くばかりの鮮やかさ。その上ライブ(拍手入り)というのですから、全く以って恐れ入ります。
 

CD-16281
\2000
スウェーリンク:ハープシコード作品集
 1.ドリア旋法による半音階的幻想曲SwWV 258/
 2.御子がわれらに生まれたもうSwWV 315/
 3.スペインのパヴァーヌSwWV 327/
 4.大公の舞踏会SwWV 319/
 5.緑の菩提樹の下でSwWV 325/
 6.もしも運命の女神に愛されるならSwWV 320/
 7.ダウランドの「涙のパヴァーヌ」による変奏曲SwWV 328/
 8.ああ神よ、天より見そなわし/
 9.わが青春の日は既に過ぎたりSwWV 324/
 10.メールロ(1533-1604):トッカータニ短調/
 11.スウェーリンク:おかしなシモンSwWV 323/
 12.ブル(1563-1628):スウェーリンクの主題によるファンタジア
アリーナ・ロタル(ハープシコード)
録音 2010年7月6-8日ドイツアーレンスホルスト,聖ヨハネ教会
 若手ハープシコード奏者の中で、とりわけ注目を浴びているルーマニアのアリーナ・ロタルのソロ・デビュー・アルバムは、華麗なオルガン曲で知られる「ネーデルランド鍵盤楽派」の代表的存在スウェーリンクの作品集です。ルネサンス音楽の末期からバロック音楽の最初期という時代に生まれたこれらの作品は、複雑な対位法を駆使し、装飾的で即興的なもの。
 豊かな和声の移ろいには全く驚くほかありません。中でも、ダウランドの有名な「涙のパヴァーヌ」による変奏曲は、スウェーリンク(1562-1621)の音楽技法を端的に表す名曲といえるでしょう。
 

CD-16282
\2000
Nymphidia-妖精の国 〜ルネサンス作品集
 1.ベネット(1575-1614):妖精の踊り/
 2.作曲家不詳:ニンフィディア/
 3.レイヴンズクロフト(1590-1633):儀礼的な騎士が来る/
 4.プレイフォード(1623-1686):英国式舞踏指南- スコッチ・キャップ/
 5.作曲家不詳:スーザン・ヒッグスの悲しみの表情/
 6.ジョン・ジョンソン(1540-1594):クアドロ・パヴァーヌ/
 7.ジョン・ジョンソン:クアドロ・ガイヤール/
 8.ファラント(1525-1580):Pantheas Lament/
 9.ロバート・ジョンソン(1583-1633):王子の仮面/
 10.ロバート・ジョンソン:水底深く父は眠る/
 11.作曲家不詳:ハウエルズの喜び/
 12.ロバート・ジョンソン:蜂が蜜吸うところで/
 13.作曲家不詳:グリムストック/
 14.トマス・ロビンソン(1550-1609):
  新しいシタールの練習:The New Hunts Up/
 15.トーマス・アスケ:ジグ/
 16.ダウランド(1563-1626):おお、優しい森/
 17.ダウランド:彼女は私の過ちを許すだろうか/
 18.作曲家不詳:パンクェスの喜び/
 19.ジョン・ベネット(1575-1614):暗闇はわが喜び/
 20.作曲家不詳:すみません/
 21.プレイフォード:Bobing Joe and Jenny Pluck Pears/
 22.ダウランド:私は見た、あの人が泣いているのを
パンタグリュエル
<メンバー:アンナ・ヴィーロズ(歌)/
マルク・ヴェーラー(リュート・シタール・ギター)/
ドミニク・シュナイダー(フルート・ギター)>
録音 2010年7月ドイツコンラーデ,聖マリーエン教会
 1600年前後のイングランドの舞曲集。当時の衣装に身を包むコスプレ集団(?)パンダグリュエル(想像上の巨人の名前)による演奏。あまりにも生き生きとした音楽はとても400年も前のものとは思えません。ヴィーロズの七色の声を駆使した歌も素晴らしい。
 

CD-16284
\2000
天使の歌 〜ヤコブ・ファン・エイク:リコーダー作品集
《笛の楽園より》

 1.第12番:マリアの讃歌/
 2.第27番:Engels Nachtegaeltje/
 3.第52番:ヤンネマンとアレモエル/
 4.第53番:おお,聖なる幸いなベツレヘム/
 5.第55番:Tweede Lavignione/
 6.第76番:Prinst Robberts Masco/
 7.第139番:やぎの足/8.第37番:天使の歌/
 9.第29番:ランテル/10.第8番:涙のパヴァーヌ/
 11.第24番:クーラント/12.第14番:しばらく黙って/
 13.第10番:ロゼモン/
 14.第47番:Rosemond die lagh gedoocken/
 15.第9番:ラヴィニョーネ/16.第13番:フランス・バレ
ゲラルト・シュテンプフェル(リコーダー)
録音 2008年8月ドイツアウハウゼン,クロスター教会
 盲目の作曲家として知られるファン・エイク(1589-1657)の「笛の楽園」は後期ルネサンス音楽における最も大切な曲集の一つで、当時の流行歌や舞曲など「聖俗合わせもつ雑多な曲」を主題とする変奏曲集です。
 なかでも有名なのはダウランドの「涙のパヴァーヌ」による変奏曲であり、同じ主題を基にした作曲家たちの作品と比べても、この存在はユニークかつ、孤高のものとして位置づけられています。
 オランダの天才の音楽が身近なものとして感じられる1枚です。
 

CD-16285
\2000
グローサス 〜声楽作品集
 1.ラウリン:私の愛しい女はあらゆるすぐれた才にたけ/
 2.マルケット・カーラ(1465-1525):もっと私に平和を/
 3.トロンボンチーノ(1470-1535):痛みのために私は顔をぬらし/
 4.ナルバエス(1500-1555):皇帝の歌/
 5.ジョスカン・デ・プレ(1455-1521):千々の悲しみ/
 6.ヴェルドロ(1485-1532):Igno soave ove il mio foco alento/
 7.ヴェルドロ:マドンナのためにあなたは燃える/
 8.チプリアーノ・デ・ローレ(1515-1565):別れの時/
 9.作曲家不詳:若い娘(16世紀)/
 10.サンドラン(1490-1561):甘き思い出/
 11.パリージャ(1977-):「アヴェ・マリス・ステラ」によるカウンターポイント/
 12.パリージャ:「ラ・スパーニャ」によるカウンターポイント(D.オルティスによる/
 13.カベソン(1510-1566):「ご婦人の望み」によるディフェレンシア/
 14.パッサカリア(インプロヴィゼーション)
モレ・イスパノ
〈メンバー:ラケル・アンドゥエサ(ソプラノ)/
ヴィセンテ・パッリーラ(リコーダー・指揮)/
ファーミ・アルクハイ、
ラミ・アルクハイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ヨハンナ・ローゼ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ヘスス・フェルナンデス(リュート・テオルボ)/
マグエル・リンカン(リュート・ギター・テオルボ)/
ハビエル・ヌニェス(ハープシコード)/
アルファーロ・ガリード(パーカッション)〉/
ビセンテ・パリージャ(指揮)
16-17世紀の声楽作品集(CD-16279)に続くモレ・イスパノによるアルバムです。ルネサンス時代の歌やマドリガーレに新しい息吹をもたらす、見事な演奏です。パッリーラの見事なリコーダー、アンドゥエサの甘く美しい歌声、うっとりするような弦楽器。彩りを添える打楽器。シンプルに心情を吐露するかと思えば、驚くほどに装飾的な音楽を聞かせるという柔軟さが魅力的です。録音 2009年4月26-29日スペインセビリア、オラトリオ・デ・ラ・エスクエラ・デ・クリスト
 

CD-16286
\2000
a trace of grace
 1.モンテヴェルディ(1567-1643):
  歌劇「ポッペアの戴冠」-第3幕:ただあなたを見つめ/
 2.ゴダール(1960-):L'Abbesse/
 3.ゴダール:Soyeusement/
 4.ゴダール:A trace of grace/
 5.モンテヴェルディ:西の風がもどり好天をもたらすSV251/
 6.ゴダール:前奏曲ヘ長調/
 7.ゴダール:ローマ/
 8.スティーヴ・スワロー(1940-):Les effets de manches/
 9.モンテヴェルディ:聖母マリアの悲しみSV288/
 10.ゴダール:Doppo il lamento/
 11.モンテヴェルディ:苦しみはかくも甘きSV332/
 12.スティーヴ・スワロウ:Doppo il tormento/
 13.モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」-
  第2幕:安らかにみな忘れ
ミシェル・ゴダール(セルパン&ベース)/
ギュメット・ロランス(歌)/
ガヴィノ・ムルギア(サクソフォン&歌)/
ファニー・パコー(ヴァイオリン)/
ブルーノ・ヘルストロフェール(テオルボ)/
スティーブ・スワロウ(ベース)
基本はモンテヴェルディの音楽集。しかしながら全く一筋縄ではいかない仕掛けが施されています。そもそもアンサンブルの編成にサクソフォンが含まれているというだけで、もう何かわくわくするではありませんか。そうです。このアルバムは古楽とジャズの融合。演奏家たちは時代を行き来し、自由な音楽を奏でるのです。聴き手はその魅力にすっかりと取り込まれるというもの。芳香のコンサート(CD-16277)の続編であり、あの衝撃作を超える1枚です。録音 2001年6月1-4日フランスAbbaye de Noirlac, Bruere-Allichamps (France)
 

CD-16287
\2000
ばらとイラクサ 〜13世紀イタリアの声楽と室内楽作品集
 1.フランチア:愛する女性/
 2.フロレンティア(1415-):Cosa crudel m'ancide/
 3.パドヴァ(1365-1405):それはあってはならない/
 4.ランディーニ(1325-1397):Somma felicita/
 5.ステファーニ:全ての優しさを持つ/
 6.パドヴァ:美しい表情/
 7.作曲家不詳:インターリュード/
 8.作曲家不詳:私の美しい庭で/
 9.作曲家不詳:ラウダ/
 10.パドヴァ:La douce cere/
 11.作曲家不詳:インターリュード(ファエンツァ写本)/
 12.パドヴァ:アルバの鳩/
 13.作曲家不詳:影の中へ移動する/
 14.フィレンツェ(1355-1436):Amor,da po'che tu ti maravigli/
 15.フィレンツェ:女性よ、他人の視線を/
 16.フランチア:愛する女性
アンサンブル・シンタグマ
<メンバー:入澤真美(ソプラノ)/
カトリーヌ・ジョスラン(ソプラノ)/
太刀川昭(カウンターテナー)/
守谷敦(リコーダー)/
ソフィア・ダニレフスキ(中世フィドル)/
ベランジェル・サルダン(中世ハープ)/
マルニクス・ファン・ゼップ(カリヨン)/
アレクサンドル・ダニレフスキ(中世リュート、Chekker、ディレクター)>
2010年8月4-6日フランスChapelle Saint-Augustin, Bitche
中世イアリアの最も精巧な作品のいくつかをご紹介いたします。アルバム全体が「夜明けから夕暮まで」というコンセプトを持ち、そのイメージに沿った音が並べられています(タイトルの「ばらとイラクサ」は「良いもの」と、「その反対のもの」の象徴)。
 日本人の名手たちを含むアンサンブル・シンタグマの愛情あふれる演奏は、この中世の音楽に息吹を与えています。
 

CD-16289
\2000
オランダのリュート作品集
 《ティシウスのリュート・ブック(1595?-1646)》
  1.Met dat schuijtgen al over dat meertgen/
  2.Jan Dirrixz/3.In een groot ongheluck/
  4.T'souw een meijsken gaen om wijn/
  5.Ick lijd'int hart pijn onghewoon/
  6.Daer is een Leeuwerck doot ghevallen/
 《グレゴリオ・ユエ(1550前?-1616頃)》
  7.ファンタジア/
 《ニコラ・ヴァレ(1583頃-1642)》
  8.前奏曲/9.ライムグリーンの下/
  10.Pavanne en forme de complainte/
  11.Chancon angloise/
 《グレゴリオ・ユエ》
  12.ファンタジア/
 《ヨアヒム・ファン・デン・ホーヴ(1567-1620)》
  13.前奏曲/
  14.アルマンド/15.涙のパヴァーヌ/
  16.スザンネケン/
  17. Het Laeste Leijtsche Afscheyt, tussen Do. Martino Dalemio ende/
  18.ファヴォーリト/
  19.ウィンデケン/
  20.ファンタジア・セクスタ/21.アルマンド/
  22.Galliarde geschreven ter Eeren mijnen Goeden Vrient Adam/
 《Leenaerts, in Leijden den 17 Jan. anno 1615》
  23.Chanson Flameng/
 《エマヌエル・アドリアエンセン(1554-1604)》
  24. Canson Englesa - Altra Canson Englesa - Saltarello Englesa
アンソニー・ベイルズ(リュート)
イギリスのリュート奏者、アンソニー・ベイルズによる17世紀オランダのリュート音楽集です。当時の楽器の中で、最も重要であったはずのリュートですが、その作品は現在ほとんど残存しておらず、演奏されることもあまりありません。そんな珍しい作品をベイルズは丹念に探し出し、鮮やかな音にして示してくれます。
 フェルメールやレンブラントも聴いていたであろうこれらの音楽は、典雅でありひたすら優美です。録音 ドイツ,シェネムール聖マリーエン教会


CD ACCORD



ACD-177
\2000→\1890
ショパンの弟子たち〜夭折の天才カルル・フィルチ
 1-3.トマス・テレフセン(1823-1874):ピアノ協奏曲第1番ト短調Op.8/
 4.カルル・フィルチ(1830-1845):管弦楽のための序曲ニ長調/
 5.カルル・フィルチ:ピアノと管弦楽のための小協奏曲ロ短調
フベルト・ルトコフスキ(ピアノ)…1-3.5/
ルーカス・ボロヴィツ(指揮)/
ポーランド放送交響楽団
 パリで多くの弟子を持ったショパンでしたが、彼が「本当に才能があるヤツ」と認めたのは、その中のほんの僅かの精鋭たちに限られていました。このアルバムは、そんな彼が認めた「弟子」の中から2人をご紹介します。
 ノルウェイのピアニスト、テレフセンは1842年に弟子入りを希望するも、それが叶うのは2年半後の1844年の終わりのことでした。彼は1847年5月までショパンに教えを受け、師の死後はパリでピアノ教師として名声を確立したのです。そんなテレフセンの協奏曲は、至るところに「ショパンらしさ」が感じられる微笑ましい作品です。
 もう一人のフィルチは11歳で弟子入りするも、その4年後に惜しまれつつこの世を去ってしまった天才です。彼の2つの作品は、確かに師の作品に生き写しですが、あと20年生きていればすごい物を書いたに違いありません。
 ここでピアノを弾いているルトコフスキはNAXOSレーベルからも「ショパンの弟子たち」(8.572344)で見事な演奏をしている人です。テレフセンとフィルチの他にミクリ、グートマンの作品を聴くことができるという面白い1枚です(下記アルバム)。
 録音 2010年5.6.9月ワルシャワポーランド放送,ヴィトルト・マルクジンスキー・コンサート・スタジオ


旧譜
NAXOS ショパンの弟子たち

NAOXS
8.572344
\1100
ショパンの弟子たち
 《ミクーリ(1819-1897)》:
  1.2 つのポロネーズ Op.8 より第1 番ト短調/
  2-5.10 のピアノ小品集Op.24 より
  <ルーマニア風/練習曲/カンティレーナ/即興曲>/
  6.2 つのポロネーズ Op.8 より第2番変イ長調/
 《テレフセン(1823-1874)》:
  7.ワルツ変ニ長調 Op.27/8.即興曲ト長調 Op.38/
  9.小さな物乞い Op.23/10-13.4 つのマズルカ Op.3/
 《フィルチ(1830-1845)》:
  14.即興曲第 1番変ト長調 /
  15.マズルカ変ホ長調 Op.3-3/
  16.ヴェネツィアの別れ/17.舟歌変ト長調/
  18.言葉のないロマンス/
  19.即興曲第 2 番 変ロ短調/
 《グートマン(1819-1882)》:
  20.夜想曲変イ長調 Op.8-1/
  21.鳥たちの目覚め、牧歌 Op.44/22.ボレロ Op.35
フベルト・ルトコフスキ(ピアノ)

 聴きたかった。ショパンの弟子たちの作品。
 ショパンは決して徒党を組もうとしなかったから、弟子を引き連れて「ショパン党」を作ったりはしなかった。弟子はいたが、ほとんどが「くいぶち」で、真剣に自分の後継者を育てようとは考えていなかった。
 とはいえ、ショパンにピアノを学んだ弟子たちの作品を聴くことは、当時の音楽界の「何か」、そしてなによりショパンについての「何か」を知る大きな手がかりになることは間違いない。
 ということでここで登場するのは4人の弟子。ミクーリ、テレフセン、フィルチ、グートマン。
 ショパンより9 歳年下のミクーリは、「ショパンのピアノ奏法の継承者」と言われているが、第1 番のポロネーズで見られる和声はかなり独特で、また先進的。洗練されているとは言い難いかもしれないが、今、こうして聴いてみるとかなり面白い。
 ノルウェイのピアニスト、テレフセンは2 年半待ってショパンに弟子入りを許されたという人。その後パリで大勢し、確固たる地位を築いた。
 グートマンはショパンとは違い、大柄で力強い人だったそうで、ショパンは彼に「スケルツォ第3 番」を献呈している(男性で作品を献呈されたのは彼1人)。ショパンが心から信頼を寄せていた人物の一人。
 そして店主が一番聴きたかったのが・・・カルル・フィルチ。
 ショパンはこの少年に自分と全く同じ感性を本能的に見出しており、「これほど私のことを理解できるとは・・・。私は何ひとつ教えることはない。」と語った。当時ショパンの教えを受けることは極めて難しい状況だったにもかかわらず、ショパンはフィルチに対しては週3回レッスンを施した。フィルチはその後ショパンの期待通りヨーロッパの大都市でピアニストとして大成功を収めるが・・・15歳の若さでこの世を去る。
 彼の即興曲第1 番は、ショパンそのものを彷彿させる繊細な作品で、せめてあと20 年生きていれば、ピアノ界の歴史を塗り替えていたかもしれないと思わせる。

 

ACD-168
\2000
フーガの技法
 1.J.S.バッハ(1685-1750):フーガの技法BWV1080-コントラプンクトⅠ/
 2-3.モーツァルト(1756-1791):アダージョとフーガハ短調 K546/
 4.シューマン(1810-1856):バッハの名前による6つのフーガOp.60より第5番(P.アンゲラー編曲)/
 5.ライネッケ(1824-1910):セレナーデト短調Op.242よりフゲッタ・ジョイオーサ/
 6.アイスラー(1898-1962):「役割図式」より弦楽のためのフーガ/
 7-8.ブリテン(1913-1976):18の弦楽器のための前奏曲とフーガOp.29/
 9.パーセル(1659-1695):1つの音の上のファンタジアヘ長調/
 10.ヴィラ=ロボス(1884-1959):ブラジル風バッハ第9番-前奏曲/
 11.ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第9番-フーガ/
 12-14.オネゲル(1892-1955):
  バッハの名による前奏曲、アリオーソとフゲッタ(A.オエレ編曲)/
 15-16.ツァイスル(1905-1959):スケルツォとフーガ/
 17-18.モシュコフスキ(1854-1925):前奏曲とフーガOp.85
ヴロツワフ室内管弦楽団/
エルンスト・コヴァチッチ(指揮)
 パーセルからブリテンまで、2世紀に渡る「フーガの歴史」を辿る興味深い1枚です。タイトルでもある、J.S.バッハの「フーガの技法」は、まさにこの形式における最高傑作の一つであり、およそ考えられる限りの全ての対位(Contrapunctus)法を駆使した緊密な構築性を持った作品です。しかしその後もこの形式に魅せられた作曲家は多く、数多くのフーガが生まれ続けています。聴けば聴くほどに驚くばかり。作曲家たちの「音によるパズル」をどうぞお楽しみください。
 録音 2010年9月27-29日ヴロツワフ放送,ヤン・カチュマレク・コンサート・ホール
 
ACD-169
\2000
音とともに塗られた言葉
 1-3.ヤン・アントニ・ヴィキロフスキ:ポーランドの少年のためのエレジー/
 4.ユゼフ・シュヴィデル(1930-):母なる神へ祈る人/
 5.ユゼフ・シュヴィデル:子守歌/
 6.ユゼフ・シュヴィデル:踊り/
 7.ユゼフ・シュヴィデル:幸せについての歌/
 8.ユゼフ・シュヴィデル:私の歌/
 9.ゾフィア・ウルヴァニ=クラスノデブスカ:ユリア・カプレッティの墓の上/
 10.ユゼフ・シュヴィデル:四季/
 11.ユゼフ・シュヴィデル:秋/
 12.ユゼフ・シュヴィデル:私は一日の終わりが好き/
 13-16.ユゼフ・シュヴィデル:レオポルド・スタッフの詩による4つのソネット/
 17.ユゼフ・シュヴィデル:あなたは誰を見ているの…/
 18.パデレフスキ:飛び散る涙/
 19.パデレフスキ:広き河辺にて/
 20.パデレフスキ:笛吹きの歌/
 21.パデレフスキ:もっと多くを/
 22.スタニスラフ・ニェヴィアドムスキ:ソフィー
ヴロツワフ・フィルハーモニー合唱団/
アニエスカ・フランコフ=ゼラツニー(指揮)
 ポーランドの西部にあるヴロツワフは、複雑な歴史を持つシレジア地方の中心部にあり、またポーランドの中でも最も古い都市の一つです。ここで活躍するヴロツワフ・フィルハーモニー合唱団は、これまでも様々なオーケストラとの共演CDをリリースしていますが、今作は合唱団として初の「無伴奏合唱アルバム」であり、ポーランドの作曲家がポーランドの詩人の詩につけた、いわゆる「お国もの」の作品をたっぷり紹介いたします。
 この中の大多数の曲を書いたユゼフ・シュヴィデルは、ポーランドのカトヴィツェ音楽大学と、ローマのペトラッシ音楽大学で学んだ作曲家で、その作風は決して難解ではなく、とても親しみやすいもの。
 宗教曲から世俗曲まで幅広い作品を書いていて、言うなれば「ポーランドのジョン・ラター」のような存在とでもいえばよいでしょうか。録音 2010年9月23-25日ヴロツワフ放送,ヤン・カチュマレク・コンサート・ホール
 

ACD-173
(2CD)
\2600
ズビグネフ・バルギェルスキ:弦楽四重奏曲集
<CD1>
 1.弦楽四重奏曲第1番「アルプス」/2.弦楽四重奏曲第2番「春」/
 3-5.弦楽四重奏曲第3番「叫びのある静物」/6.告別の夜/
<CD2>
 1.弦楽四重奏曲第4番「焼け付く時」/
 2-10.弦楽四重奏曲第5番「渡された時間」/
 11.弦楽四重奏曲第6番/12.鏡の向こう側に
マレク・アンドレイシェク(アコーディオン)…CD1:6/
ローマン・ヴィダシェク(クラリネット)…CD2:12/
シレジアン弦楽四重奏団
 ポーランド北東部のウォムジャで生まれた作曲家バルギェルスキ(1937-)は、ワルシャワ音楽大学でタデウシュ・シェリゴフスキに作曲を学び、彼の死後はパリへ行き、シェリゴフスキの師でもあったナディア・ブーランジェから教えを受けています。その後も研鑚を続け、その作品はヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、南アフリカなど多くの国で演奏され、また2011年にはポーランドの文化勲章を授与されるなど、その活動は高く評価されています。
 ほとんどの作品にタイトルが付いていますが、どれもが著しく象徴的であり、実際に聞こえてくる音楽は想像もつかないものばかり。これが現代音楽を聴く楽しみの一つかもしれません。番号を追うごとに趣向が凝らされていて、その面白さについつい全曲聴いてしまうはずです。
 

ACD-178
\2000→\1890
ポーランドのピアノ五重奏曲集
 1-4.グラジナ・バツェヴィチ(1909-1969):ピアノ五重奏曲第1番/
 5-8.ユリウス・ザレンプスキ(1854-1885):ピアノ五重奏曲ト短調Op.34/
 9-10.アレクサンデル・ラソン(1951-):室内音楽第1番「Stalowowolska」
ラソン・アンサンブル(ミコウフ室内楽団のメンバーたち)
 ポーランドに生まれた3人の作曲家(その生年にはおよそ100年の開きがある)によるピアノ五重奏曲を集めたものです。1854年生まれのザレンプスキは、ピアニスト、作曲家として活躍するも、結核のため31歳で没してしまった人。彼のピアノ五重奏曲はどちらかと言うとフォーレやルクーなどのフランス的な味わいを持つ、比較的知られている作品です。
 後期ロマン派から近現代への橋渡しの時代である女性作曲家、バツェヴィチの曲も最近になって注目を集めているもので、なかなか機知に富んだメロディが目白おし。あのクリスチャン・ツィメルマンが敬愛している作曲家でもあります。ラソンの曲は「現代ポーランドの音楽はこういう傾向にあるのか」ということがわかるもの。室内楽好きなら一度は聴いていただきたいアルバムです。
 録音 2011年7月ワルシャワ ポーランド放送,ヴィトルト・マルクジンスキー・コンサート・スタジオ
 

ACD-179
\2000
カラー・オブ・ア・フルート
 1.ドビュッシー(1862-1918):シランクス/
 2.ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(フルートとピアノ編)/
 3.イベール(1890-1962):小品/
 4-6.プーランク(1899-1963):フルート・ソナタFP164/
 7-9.ピエール=オクターヴ・フェルー(1900-1937):3つの小品/
 10.ジョリヴェ(1905-1974):リノスの歌/
 11.メシアン(1908-1992):クロウタドリ
ウルズラ・ヤーニク(フルート)/
ジョアンナ・カチュマルスカ=ビエツィンスカ(ピアノ)…2.4-6
 1984年、ウッジ音楽大学を卒業後、パリ音楽院でアラン・マリオンに師事、その後はポーランド室内管弦楽団とシンフォニア・ヴァルソヴィアに在籍。2002年1月以降はワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めているウルズラ・ヤーニクのリサイタルCDです。ペンデレツキの「フォノグラミ」では随分力強い音を出す印象があった彼女ですが、ここで聴ける一連のフランス物での繊細な表情付けは驚くばかりです。しなやかで美しい音色をお楽しみください。
 
ACD-180
\2000
3×4+8 〜アレクサンデル・ノヴァク:作品集
 1.弦楽四重奏曲第1番/2.Quantemporette/
 3-5.弦楽四重奏曲第2番「リトル・コメンタリー」-
   プロ・ノヴムの25周年記念のために/
 6.3つの平和的な通り
シレジアン弦楽四重奏団…1.3-5/
ワルシャワ・チェロネット・グループ…6/
アルカディウス・アダムスキ(クラリネット)…2/
トマシュ・ハイダ(トロンボーン)…2/
ピオトル・サワイチュク(ピアノ)…2/
スタニスラフ・ラソン(チェロ)…2
1979年生まれの若きポーランドの作曲家、アレクサンデル・ノヴァク(1979-)の作品集です。現在カトヴィツェの音楽アカデミーで作曲と管弦楽法を教える彼は、世界中の現代作曲家たちと頻繁にミーティングをもち、多くの意見交換を行っています。その中にはセバスチャン・カリアー、ジョン・ギブソン、ピーター・リーバーソン、ペア・ノアゴー、クシシュトフ・ナイアー、スティーヴン・スタッキーなど錚々たる名前もあり、いかにたくさんの事を吸収しているかが伺えるというものです。この作品集は今の彼を知るために最適な1枚であり、アルバムタイトルは、曲を演奏する人数を記したものです。4人で演奏する曲が3曲、8人で演奏する曲が1曲。多少観念的ではありますが、簡潔かつ良く練られた音楽と言えそうです。録音 2012年6月27日…1, 20012年3月10日…2, 2012年6月28-29日…3-5, 2012年3月31日…6

CPO



777464-2
\2600→\2390
ゲオルク・シューマン:
 交響曲ロ短調「勝利の価値の交響曲」/

 大管弦楽のためのセレナードOp.34
ミュンヘン放送管弦楽団/
クリストフ・ゲッショルト(指揮)
 ゲオルク・シューマン(1866-1952)と言えば、美しいピアノ三重奏曲集(777712-2)が既にリリースされていますが、今回はもっと大規模な管弦楽作品をご紹介いたします。指揮者でもあり教育者としても活躍したシューマンは、ベルリンのジンクアカデミーの監督やプロイセン芸術アカデミーの院長などを歴任し、ベルリンの音楽界に強い影響力を持っていました。
 若い音楽家たちにも援助を惜しまず、数多くの若手作曲家が彼の薫陶を受けています(日本からの留学生である諸井三郎の師匠としても知られています)。
 今回収録の2つの作品のうち、交響曲は彼の最初の管弦楽作品で、1886年にカール・ライネッケの指導の下に書かれ、ベルリン・コンチェルトハウスのコンクールで一等賞を受賞、ゲオルク・シューマンの名前を飛躍的に有名にした曲です。セレナードは1904年に出版された5つの部分からなる大規模な作品です。


旧譜
ゲオルク・シューマン:ピアノ三重奏曲集

777712-2
\2000
ゲオルク・シューマン:ピアノ三重奏曲集
 1.ピアノ三重奏曲第1番Op.25/
 2.ピアノ三重奏曲第2番Op.62
ミュンヘン・ピアノ三重奏団
 同じファミリー・ネームではありますが、このゲオルク・シューマン(1866-1952)は、かのロベルトの子孫ではありません。しかし、音楽的な家庭に生まれたゲオルクも、若い頃からコンチェルトを楽々演奏するほどの才能あるピアニストに育ち、その音楽的才能を嘱望されたのです。とはいえ、彼はソロストとしての活動には興味を持たず、学友たちと室内楽を演奏することを好み、また、生涯を通じて室内楽の作曲に力を注いだのです。
 この第1番のピアノ三重奏曲は、彼がブレーメンで指揮者として経験を積んでいた頃の作品で、若々しい情熱に満ちた楽想を持っています。第2番は1916年頃の作品で、後期ロマン派の特徴を前面に押し出した濃厚な作風となっています。
 


777684-2
\2600→\2390
アンジェイ・パヌフニク:交響的作品集第5集
 1.オルガン、ティンパニ&弦楽合奏のための「メタシンフォニア(交響曲第7番)」/
 2.シンフォニア・ヴォティーヴァ(交響曲第8番)/
 3.コンチェルト・フェスティーヴォ
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団/
ルーカス・ボロヴィッツ(指揮)
 偉大なるポーランド=イギリスの作曲家パヌフニク(1914-1991)の作品は、一時期はごくマニアの間のみで愛聴されていましたが、最近になってようやく人工に膾炙されるようになってきたのは、このcpoのシリーズも一役買っているのではないでしょうか。
 今回の第5集には「交響曲第7番」と「交響曲第8番」の2曲と、1979年作曲の「コンチェルト・フェステォーヴォ」の3曲が収録されています。
 交響曲第8番はボストン交響楽団創設百周年記念の委嘱作品。小澤征爾の指揮で初演されたことで知られています。交響曲第7番は、1981年に作曲されたものでポーランドの愛国心の象徴とされる「チェンストホヴァの黒い聖母」に捧げられています。
 

777121-2
(3CD)
\5200→\4790
思わぬ傑作
 レスピーギ:歌劇「マリー・ヴィクトワール」全曲

 2幕5場 台本エドモンド・ギロー
マリー・ヴィクトール
 …タケシャ・メシェ・キザール(ソプラノ)/
モーリス…マルクス・ブリュック(バリトン)/
クロリヴィエール…ゲルマン・ビラール(テノール)/
サイモン・ポーリー(テノール)/
シュテファン・ブロンク(バス・バリトン)/
イェルン・シューマン(バス・バリトン)/
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団/
ミハイル・ユロフスキ(指揮)
 レスピーギ(1879-1936)の幻のオペラである「マリー・ヴィクトワール」は、1912年から13年頃に完成、1915年に初演が予定されながらも、政治的混乱に巻き込まれ結局それが叶わず、2004年までお蔵入りとなっていた作品です。フランス革命時代を舞台とし、台本もフランス語によるものです。
 イタリアのヴェリズモ・オペラ一辺倒の音楽界から脱し、器楽曲の歴史を築き上げたレスピーギ・・・しかしそんな彼にも美しいオペラがあった。
 パリの貴族の妻であるマリーと、彼女の夫モーリス、その友人クロリヴィエールの愛憎に、フランス革命特有の動乱が齎す熱気を絡めた物語は、レスピーギの華麗な音楽を得たことで、素晴しい色彩と劇的な表現力を帯び、息を飲むような迫力で展開していくのです。
 タイトルロールを歌うタケシャ・メシェ・キザールは2歳から舞台に立っていたという「新人」ソプラノです。
  
777734-2
\2600
フランチェスコ・ドゥランテ:ナポリのクリスマス音楽集第2集
 1.パストラーレ“Cito Pastores”/
 2.ラウダーテ・プエリ“breve”-“detto il Grottesco”/
 3.2声のリタニー,キリエ-グローリア・ミサ“In Afflictionis tempore”
マリア・ピッチニーニ(ソプラノ)/
クリスティーナ・クェーネ(ソプラノ)/
ウルズラ・エッティンガー(メゾ・ソプラノ)/
アルベルト・テー・ドエス(歌)/
ティーロ・ダールマン(バス・バリトン)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
 イタリア後期バロック時代の作曲家ドゥランテ(1684-1755)による「クリスマス音楽集」の第2集です。第1集(777571-2)も、その牧歌的で流麗な音楽が楽しめましたが、ここでも喜びに満ちた美しい音楽を聴くことができます。
なかでも「Cito Pastores」は、極めてチャーミングなラテン語によるモテットであり、4声のアンサンブルと弦楽、オルガンの通奏低音で奏される表情豊かな作品です。
 現代では、あまり聞かれることのないこれらの作品を、丹念に拾い上げて形にするヴィレンズの熱意にも脱帽です。
  
777550-2
\2600
テレマン:ヴァイオリン協奏曲全集第5集
 1.協奏曲ト長調 TWV 51:G5/2.協奏曲変ロ長調 TWV 51:B2/
 3.協奏曲ヘ長調 TWV 51:F3/4.協奏曲イ長調 TWV 51:A3/
 5.協奏曲嬰ヘ短調 TWV 51:fis1/
 6.協奏曲ホ短調 TWV 52:e4/7.協奏曲イ長調 TWV 54:A1
ウォルフィッシュ・バンド/
エリザベス・ウォルフィッシュ(独奏ヴァイオリン&指揮)
 多くのリスナーが待ち望んでいるcpoのテレマン・シリーズ。今回はヴァイオリン協奏曲の第5集です。伴奏は第3集と同じくウォルフィッシュ・バンドによるもので、極めて親密かつ闊達ななやりとりが楽しめます。
 テレマン研究家であるウォルフガンク・ヒルシュマンによるブックレット(ドイツ語、英語)は、これらの作品の持つ意義を解き明かしてくれるでしょう。
 
777763-2
\2000
ジャック・アルカデルト:宗教作品集
 1.戦いでは雄々しくあれ/2.ミサ“幸いなるかな天の女王”/
 3.彼らのために天の御国は/4.主よ、われらが過ちに従いて/
 5.パーテル・ノステル/6.エレミアの哀歌/
 7.おお、女のうちでいと美しい者よ
ジョスカン・カペラ/
マイノルフ・ブルーザー(指揮)
 有名な「アルカデルトのアヴェ・マリア」というのは、実はアルカデルト(1507-1568)のオリジナル作品ではありません。確かに原曲はアルカデルトのものですが、18世紀に歌詞が付けられ、また形をかえて今聴ける美しい小品へと姿を変えたものなのです(確かに和声進行から考えても、15世紀の作品ではなさそうです)。では実際のアルカデルトの音楽は?そんな疑問に応えるのがこのアルバムです。彼はマドリガーレやシャンソンなど、専ら世俗音楽の作曲家であり、そのメロディは溢れるような魅力を有していたため、数多くの類似品が「アルカデルト作」として世に出回っていたということです。とは言え、全く宗教的作品を書かなかったわけではなく、このアルバムに収録されているような神聖な作品も残しています。システィーナ礼拝堂で演奏されたであろうこれらの作品は、見事な声の織物と精緻なポリフォニーで形作られています。
 

777624-2
(2CD)
\4000→\3690
フォーグラー弦楽四重奏団
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲集第1集

<CD1>
 1.弦楽四重奏曲第12番ヘ長調「アメリカ」Op.96/
 2.弦楽四重奏のための「糸杉」B.152/
 3.2台のヴァイオリンとチェロ、ハルモニウムのための「バガテル」Op.47/
<CD2>
 1.弦楽四重奏曲第9番ニ短調 Op.34/
 2.弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.51
フォーグラー弦楽四重奏団/
オリヴァー・トリエンドル(ハルモニウム)
 ドヴォルザーク(1841-1904)は、生涯に14曲の番号付きの弦楽四重奏曲と、歌曲から編曲した「糸杉」などの、幾つかの番号なしの作品を残しています。しかし実際によく演奏されるのは第8番以降の7曲であり、初期の作品は通常耳にする機会がないのではないでしょうか(言うまでもなく第12番の「アメリカ」はドヴォルザークの代表作のひとつです)。
 先人の影響など、どうしても没個性と言われてしまいますが、しかしながら、じっくり聴いてみると、数多くのものを発見できる興味深いレパートリーであることは間違いありません。1985年に当時の東ベルリンで設立されたフォーグラー四重奏団による確かな演奏です。

DACAPO



6.220623
(SACD Hybrid)
\2200→\1990
アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル
 カール・ニールセン:交響曲&協奏曲全集第1集

  1-4.交響曲第3番Op.27「おおらかな交響曲」(1910-1911)
  5-8.交響曲第2番Op.16「4つの気質」(1901-1902)
エリン・モーリー(ソプラノ)
ジョシュア・ホプキンス(バリトン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
アラン・ギルバート(音楽監督&指揮)
 ニューヨーク・フィルがCDでリリースしてくれたことがうれしい。しかもDACAPOから出してくれたのがうれしい。
 まだまだCDは音楽産業にとって重要な媒体だとニューヨーク・フィルが再認識してくれたということがうれしい。

 NYPニールセンプロジェクトについて

 デンマークの国民的作曲家ニールセンをフィーチャーするニューヨーク・フィルとアラン・ギルバートによる交響曲&協奏曲全集プロジェクトです。ニューヨーク・リンカーン・センター内にあるニューヨーク・フィルの本拠地エーブリー・フィッシャーホールでの公演をライブで収録しています。
 ニューヨーク・フィルはレナード・バーンスタインの指揮の下、ニールセンの交響曲や協奏曲を1960年代に録音した歴史があり、アメリカ国内でニールセン作品を積極的に取り上げた楽団のひとつでした。
 デンマークの前国家元首、国王フレゼリク9世は、自らデンマーク王立管弦楽団の指揮をするなど非常に音楽好きで知られ、当時のバーンスタインの録音プロジェクトの支援をしていたほか、フレゼリク9世の長女にあたる現国家元首マルグレーテ2世も、このニールセン・プロジェクトの記者会見に列席するなど、デンマーク王室の全面バックアップを受けた録音プロジェクトとなっています。
私はニールセンの時代が来ることを確信しています。
この素晴らしい音楽を聴衆の皆さんと共有することを楽しみにしています。
アラン・ギルバート

 2009/2010年のシーズンからニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任した指揮者アラン・ギルバート。すでにマーラーなどの名演で注目を浴びている彼による新しいプロジェクトは、2015年に生誕150年を迎えるデンマークの不屈の作曲家ニールセン(1865-1931)の交響曲&協奏曲全集です。ニューヨーク・フィルにおいては、1960年代にバーンスタインが一部の曲を演奏したこともあり、とても親和性の高い作曲家です。アラン・ギルバートのタクトを得て、極めて燃焼度の高い、ユニークな交響曲全集が期待できるでしょう。第1弾は第3番と第3番のカップリング。SACDの高音質でお届けいたします。

 録音 ニューヨーク,リンカーン・センター, エーブリー・フィッシャー・ホール
 Recording producer: Preben Iwan, Sound engineer: Mikkel Nymand
  〈Track.1-4〉2012年6月14-16日 ライヴ収録
 Recorded in the DXD audio format (Digital eXtreme Definition) 352.8kHz / 24 bit,
  〈Track.5-8〉2011年1月27-29日,2月1日ライヴ収録
 Recorded in 96 kHz/24 bit resolution, mixed and edited in the DXD audio format (Digital eXtreme Definition) 352.8kHz / 24 bit.


旧譜DVD映像
ギルバート& ニューヨーク・フィル、マーラーの「復活」
 ニューヨーク・フィルの音楽監督アラン・ギルバート。すばらしい才能の持ち主だと思うのだが、せっかくのニューヨーク・フィルとの録音をCDでは出してくれないのでなかなか聴く機会がない。
 これはそんな両者の貴重な映像記録。
ACC 10241BD
(Blu-ray)
\4700→¥4290
「ニューヨークに捧げるコンサート−
 9.11の10年忌の記憶と再生に」

  マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

  ・ボーナス:アラン・ギルバート&ザリン・メータ
    「ニューヨークに捧げるコンサート」
ドロテア・レッシュマン(S)
ミシェル・デ・ヤング(Ms)
ニューヨーク・コラール・アーティスツ
ニューヨーク・フィルハーモニック
アラン・ギルバート(指揮)
A Concert for New York
ACC 20241DVD
(DVD)
\2900→¥2590
「9.11」10年忌のニューヨーク特別演奏会ライヴ、ギルバート& ニューヨーク・フィル、マーラーの「復活」

収録:2011 年9 月10 日ニューヨーク、リンカーン・センター、エイヴリー・フィッシャー・ホール(ライヴ)

(Blu-Ray)本編:96’、ボーナス:15’、Full HD Region All、音声:DTS HD Master Audio / PCM ステレオ
(DVD)本編:96’、ボーナス:15’、カラーNTSC 16 : 9、Region All、音声:ドルビー・デジタル5.1 /DTS サラウンド5.1 / PCM ステレオ

 アラン・ギルバートが、音楽監督を務めるニューヨーク・フィルを指揮して、マーラーの「復活」を演奏した映像作品。
 これは、「アメリカ同時多発テロ事件」から10 年忌を翌日に控えた2011 年9 月10 日に、未曾有の惨禍を被ったニューヨークにある本拠エイヴリー・フィッシャー・ホールで行われた特別演奏会の模様をライヴ収録したものです。

8.226038
\2000
ポール・ロウシング・オルセン:ピアノ協奏曲&管弦楽作品集
 1.交響的変奏曲Op.27(1953)/
 2-4.ピアノ協奏曲Op.31(1953-1954)/
 5-8.室内オーケストラのための「夜の終わりに」(1968)
  <スペース/ベテルギウス/死の星/リターン>
クリスティーナ・ビャルケ(ピアノ)/
オーデンセ交響楽団/
ボー・ホルテン(指揮)
録音 2011年1月31日-2月3日オーデンセ・コンサート・ホール
 20世紀の知られざるデンマークの作曲家、オルセン(1922-1982)の色彩豊かな3つの作品を収録した1枚です。
 彼はフランスでナディア・ブーランジェとオリヴィエ・メシアンに作曲法を学んだだけあって、その作品にはどことなくパリの香りが感じられます。ピアノの音色がまばゆい「ピアノ協奏曲」や、とめどなく想像力を喚起する4つの楽章からなる「夜の終わりに」、この曲を作曲した当時、12音技法を試し始めたばかりの実験的な作品である「交響的変奏曲」。どれもがじんわりとしみてくるような音楽です。

DYNAMIC


DM-8033
\1200
ニーノ・ロータ:フルートのための室内楽作品集
 1-3.フルートとオーボエのための3つの二重奏曲集(1972)/
 4-8.フルートとピアノのための5つの小品(1972)/
 9-11.フルート,ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲(1958)/
 12-14.フルートとハープのためのソナタ(1937)/
 15-17.フルート,オーボエ,ヴィオラ,チェロとハープのための五重奏曲(1935)
 ※CDS-172の再発盤
マリオ・カルボッタ(フルート)/
カルロ・バルザレッティ(ピアノ)/
マリノ・ベデッティ(オーボエ)/
クリスティーナ・ビアンキ(ハープ)/
マルコ・ビアンキ(ヴィオラ)/
カルロ・パラッツォーニ(ヴァイオリン)/
マルコ・テストーリ(チェロ)
映画音楽の大家として知られるニーノ・ロータ(1911-1979)ですが、彼は「クラシックの作曲家」としても多大なる才能を有していました。幼い頃から作曲をはじめ、11歳の時にはオラトリオを手掛け、その作品はミラノとパリで演奏され絶賛されました。
 音楽院に入学してからはピッツェッティに作曲を学んでおり、その後はローマでカゼッラに学ぶなど、若いロータは貪欲に時代の音楽を吸収していったのです。
 その後は映画音楽の大家として名を馳せますが、同時にオペラを作曲したりと、クラシック作品から離れたわけではなかったのが、この人の多彩なところでしょう。
 ここで聴けるフルートのための室内楽作品は、初期のものが2曲と、中期のものが1曲、そして晩年に近い70年代のものが2曲という取り合わせで、どれもが豊富なメロディと郷愁に満ちていて、まさにロータでなければ書けないものばかりです。録音 1988年1月ジェノヴァ

GRAND PIANO


GP609
\2000
サン=サーンス:ピアノ作品全集第3集
 1-6.6つのバガテルOp.3(1855)/
 7-12.アルバムOp.72(1884)
  <前奏曲/鐘/トッカータ/ワルツ/ナポリの歌/終曲>/
 13.オーヴェルニュの狂詩曲Op.73/
 14.グルックの「アルチェステ」のエール・ド・バレエによるカプリス/
 15.夕べの鐘変ホ長調Op.85/
 16.無言歌 ロ短調/
 17.アルバムのページ変イ長調Op.169
ジェフリー・バールソン(ピアノ)
録音 2011年11月1.5.7日アメリカニューヨーク,パトリッチ・サウンド・スタジオ
 サン=サーンス(1835-1921)の最初に出版されたピアノ作品は、生き生きとした動きが特徴的な「6つのバガテル」でした。
 彼が20歳の時に作曲したこの6つの作品は、バガテル(ちょっとしたもの、思いつき)という、ベートーヴェン以降余りは、使われたことのない形式であり、初めての作品としてはいささか「軽すぎる」感もあるように思えますが、そこは名手サン=サーンス。タイトルとはうらはらに、中身の濃い充実した作品となっています。
 有名な第3交響曲の2年前に書かれた「アルバム」は詩情豊かであり、第1曲目の「前奏曲」から、まるで空気のように軽やかで熱っぽいパッセージが現れ、繊細で見事な音楽を創り上げていきます。
 Op.73はもともとピアノとオーケストラのための作品ですが、作曲家自身の手でピアノ独奏曲へと改編されたもの。時折現れる民謡風の旋律がたまりません。他の小品の中でもとりわけ耳に残る「アルバムのページ」は彼の最後の出版されたピアノ曲。まるでフォーレの即興曲を思わせる短く印象的な作品です。
 

GP617
\2000
メトネル:ピアノ・ソナタ全集第1集
 1-2.ピアノ・ソナチネト短調(1898)/
 3-6.ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.5/
 7.忘れられた調べOp.38-1「回想のソナタ」
ポール・スチュワート(ピアノ)
録音 2011年12月20-23日カナダケベック,モントリオールチャペル・ヒストリク・ドゥ・ボン=パストゥール
 その詩的で憂いを含んだ音楽はラフマニノフと比較され、「近代ロシアの最も偉大な作曲家の一人」とされるニコライ・メトネル(1880-1951)。しかしもし血筋を考えるならば、彼の祖先は、父方、母方ともドイツ人でした。
 若き頃から才能を発揮し、ピアニスト、作曲家として華々しく活動を始めた矢先に勃発したロシア革命の余波を受け亡命。晩年は祖国の地を踏むことなかったのです。そんな彼のピアノ曲は、最近になって多くの演奏家たちが取り上げるようになり、素晴しい人気を博しています。このスチュワートによるシリーズも価値ある名演です。この第1集では3曲を収録。18歳の作品である「ソナチネ」は、まだチャイコフスキーなどの先人の影響が見られるものの、特徴的なリズムや独創的な楽想が用いられた興味深い作品です。
 1902年から03年に書かれた劇的で美しい第1番のソナタと、第10番にあたる「回想のソナタ」は、まさにメトネルらしさが横溢する名曲です。
 


GP619-20
(2CD)
\2600→\2390
ベートーヴェン:ピアノ連弾曲全集
 1-2.ピアノ連弾ソナタニ長調 Op.6/
 3.ワルトシュタイン伯爵の主題による8つの変奏曲ハ長調 WoO67/
 4.歌曲「君を抱いて」による6つの変奏曲ニ長調 Wo074/
 5-7.3つの行進曲Op.45
  <第1番ハ長調/第2番変ホ長調/第3番ニ長調>/8.大フーガ変ロ長調 Op.134
演奏:
 CD1.現代のピアノにて演奏/
 CD2.ピリオド楽器にて演奏使用楽器
 CD1:ヤマハDisklavier D CFIIIS Pro (grand piano with disklavier drive),
 CD2:1-3…フォルテピアノ(after J.A. Stein, 1784),
 CD2:4-7…フォルテピアノ(after Johann Schantz, ca.1800),
 CD2:8…フォルテピアノ(after Nanette Streicher, nee Stein, ca.1815)
  (All fortepianos provided by The Schubert Club)
  Tuning (fortepianos): a’=440Hz, equal temperament
エイミー・ハーマン(第1ピアノ)/
サラ・ハーマン(第2ピアノ)
録音 2010年6月2-4日アメリカ ミネソタ,ハメリン大学サンディン・ホール…CD1, 2010年10月18.22日アメリカ ミネソタ,ランドマーク・センター…CD2:1-7, 2011年2月9-10日アメリカ ミネソタ,ランドマーク・センター…CD2:8
 ベートーヴェン(1770-1827)の連弾作品は全部で5曲あり、そのほとんどは教育用として書かれたものです。
 低音部が先生(ベートーヴェン自身)、高音部が生徒によって演奏され、アンサンブルの練習として役立つものでした。Op.6は唯一の「ソナタ」であり、2楽章形式のシンプルなものです。
 2曲目は、彼の友人であったワルトシュタイン伯爵の希望で書かれたもの。3曲目は、彼の「不滅の恋人」テレーゼとヨゼフィーヌに献呈されています。その次の「行進曲」は彼のパトロンのために書かれたようです。
 最後の「大フーガ」だけは別格であり「弦楽器のための大フーガ」からの編曲です。
 このアルバムは、1枚目を現代楽器(YAMAHA)で演奏、2枚目を当時のフォルテピアノで演奏するという趣向が凝らされたもの。音色の違いや、ベートーヴェンの真意が伝わる好企画です。
 
Weinberg: Complete Piano Works Volume 3
GP610
\2000
ワインベルク:ピアノ作品全集第3集
 1-8.子どもの雑記帳第1集Op.16/
 9-16.子どもの雑記帳第2集Op.19/
 17-23.子どもの雑記帳第3集Op.23/
 24-44.21の易しい小品集Op.34/
 45.カン-カン※24-45…世界初録音を含む
アリソン・ブリュースター・フランツェッティ(ピアノ)
録音 2010年6月25-26日アメリカ ニュージャージー,キーン大学エンロウ・ホール
 ポーランドに生まれ、ワルシャワ音楽院で学ぶも、1939年のナチス・ドイツによるポーランド侵攻を逃れソヴィエト連邦に亡命したワインベルク(1919-1996)。以前は彼の作品をあまり耳にする機会もなかったのですが、最近は様々な作品の復興により、かなり全貌が明らかになったと言えるでしょう。
 この第3集には1943年以降に書かれた「子どもの雑記帳」と「21の易しい小品集」を中心に収録。室内楽作品ではショスタコーヴィチにも比肩されるほどの晦渋な作品を書いていた彼ですが、ここでは比較的穏やかな側面を見ることができます。
 Op.34の「21の易しい小品集」は確かに簡素な音符が使われていますが、実は初心者向きとは言えない内容を持っています。「カン-カン」は彼の2人目の妻となったオルガのために書かれた軽やかな作品です。
 

Florent Schmitt: Complete Original Works for Piano Duet and Duo 1
GP621
\2000→\1890
フローラン・シュミット:2台ピアノと連弾のためのピアノ曲全集第1集
 1-3.3つの狂詩曲Op.53
  <フランス狂詩曲/ポーランド狂詩曲/ウィーン狂詩曲>/
 4-10. 7つの小品Op.15
  <眠気/リボヴィレの思い出/きらめき/少女の願い/
  池辺の散歩/北部の祭り/通り過ぎる幸せ>/
 11.パリジェンヌ・ラプソディ ※2台ピアノ…1-3, 連弾…4-11
インヴェンシア・ピアノ・デュオ
(ピアノ…アンドレイ・カスパロフ&オクサーナ・ルチシン)
録音 アメリカヴァージニア,ノーフォークオールド・ドミニオン大学,ウィルソンG.チャンドラー・リサイタル・ホール2010年1月3日…1-3, 2010年1月5日…4-10, 2011年6月3日…11
パリ音楽院に学び、シャブリエやドビュッシーの印象主義音楽の影響から出発。しかしその後ロシア音楽にも傾倒するなど、特異の音楽性で知られる作曲家フローラン・シュミット(1870-1958)。とりわけ精緻なバレエ音楽が合唱作品で知られていますが、彼のピアノ曲もなかなか興味深いものが揃っています。
 「3つの狂詩曲」は思いの他「親しげな風情」を見せる作品であり、あの有名な「影」のような粘っこい作風を期待した人は、ちょっと拍子抜けしてしまうかもしれません。
 初期の「7つの小品」は、もっとわかりやすいもので、まるでサン=サーンスの粋な曲を聴いているかのようです。
 しかし、ところどころに現れる音の揺らぎは、確かにフローラン・シュミットならではのもの。また使われている音の多さも群を抜くものです。エキサイティングかつ深淵な音楽を聴きたい人にぴったりと言えそうです。
 

Turk: Keyboard Sonatas Collections I & II
GP627-28
(2CD)
\2600→\2390
ダニエル・ゴットリープ・トゥルク:
 鍵盤のための12のソナタ集第1巻&第2巻(1776-1777)

《CD1.第1巻(1776)》
 1-3.ソナタ第1番ハ長調/4-6.ソナタ第2番変ロ長調/
 7-9.ソナタ第3番ニ長調/10-12.ソナタ第4番ト短調/
 13-15.ソナタ第5番イ短調/16-18.ソナタ第6番ヘ長調/
《CD2.第2巻(1777)》
 1-3.ソナタ第1番ニ短調/4-6.ソナタ第2番変ホ長調/
 7-9.ソナタ第3番イ長調/10-12.ソナタ第4番ト短調/
 13-15.ソナタ第5番ハ短調/16-18.ソナタ第6番ト長調
※世界初録音
ミカエル・ツァルカ
 (クラヴィコード、スピネット、ハープシコード、
 フォルテピアノ、タンジェント・ピアノ)
録音 2010年8月2-5日アメリカ サウスダコタ ヴァーミリオン,国立音楽博物館
 モーツァルトと同時代に活躍したドイツの音楽家、理論家、教育者のダニエル・ゴットリープ・トゥルク(テュルク1750-1813)。彼はライプツィヒに生まれ、1774年からマルクト教会のオルガニスト、音楽監督として活躍しました。彼は1789年には鍵盤楽器を演奏する際の注意書きや心構えが丁寧に記された「クラヴィーア教本」を出版。これは当時の演奏家だけでなく、現代の演奏家たちにも強い影響を与える絶大なる教則本であることが知られています。
 いつも上品で丁寧な演奏を心がけるように説いたトゥルクの作品は、やはり典雅で美しく、技術、感性、知識の全てを必要とするものです。

ICA
ICAクラシックスの「ライブ」シリーズ第1弾



ICAC-5086
\2000→\1890
イングリッド・ヤコビ
 1.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19/
 2.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
シンフォニア・ヴァルソヴィア/
ヤツェク・カスプシク(指揮)
 歴史的ライヴ録音レーベルで人気のICAクラシックス、その「ライブ」シリーズの第1弾。
 ジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールを始めとした数々の国際コンクールの受賞者であり、世界の主要なオーケストラのソリストとして活躍中の女性ピアニスト、イングリッド・ヤコビ。ロシア音楽やコルンゴルトのオーソリティそして知られる彼女はもともと音楽的な家庭に生まれ、その祖先をさかのぼるとプロイセン公子ルイ・フェルディナントを曾??曾曾祖父に持つほどの血筋の良さ。
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は、このルイ・フェルディナントに捧げられていますから、彼女とベートーヴェンの親和性の高さは語るまでもないことでしょう。
 このアルバムはヤコビによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集の第1作です。
 録音 2011年7月30.31日ワルシャワ,ポーランド放送・ヴィトルド・ルトスワフスキー・コンサート・スタジオSTEREO

LPO



LPO-0066
\2000→\1890
マーク=アンソニー・ターネイジ:作品集
 1-2.ヴィオラと管弦楽のための協奏曲「開いた地面で」/
 3.Texan Tenebrae…UK初演/
 4.弦楽オーケストラのための「ハンスのための子守歌」/
 5-6.クラリネットと管弦楽のための協奏曲「Riffs and Rifrains」…ロンドン初演/
 7-9.ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「マンボ、ブルースとタランテッラ」…世界初演
 ※全て世界初録音
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
<1-2>ローレンス・パワー(ヴィオラ)/
マルクス・シュテンツ(指揮)/
<3>マリン・オールソップ(指揮)/
<4>ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)/
<5-6>マイケル・コリンズ(クラリネット)/
マリン・オールソップ(指揮)/
<7-9>クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
 LPOのターネイジ・シリーズの第3弾となります。今作もユロフスキとオールソップによる納得の演奏が楽しめます。ジャズや現代的な手法と古典的な伝統を融合した作風による彼の音楽は、いつもカラフルであり独自の主張を持っています。
 今作も全て世界初録音であり、3つの協奏的作品にはそれぞれ最高のソリストを起用、全ての聴衆にこのステキな音楽を広くアピールするものです。
 録音 サウスバンク・センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール2011年10月19日…1-2, 2010年4月17日…3, 2008年2月13日…5-6, 2008年9月24日…7-9/スナップ・マッチングズ2007年4月1日…4
 

LPO-0067
\2000
児童文学作家マイケル・モーパーゴ/「モーツァルトの問い」
 1.ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲-第2楽章/2.物語/
 3.ヴィヴァルディ:四季より「夏」/4-5.物語/
 6.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調/7.物語/
 8.モーツァルト=クライスラー:ロンドト長調/9-10.物語/
 11.メシアン:世の終わりのための四重奏より/12.物語/
 13.J.シュトラウス:美しき青きドナウ/14.物語/
 15.モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク-ロマンツェ/
 16.物語/17.ヴィバルディ:四季より「冬」/
 18.物語/19.モールァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番-第1楽章
《語り》マイケル・モーパーゴ…パオロ/アリソン・ライド…レスリー/
《演奏》ニコラス・コロン(指揮)/
カック・リーベック(ヴァイオリン)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ピーター・シェーマン(ヴァイオリン)…11/
スーザン・ベア(チェロ)…11/
ロバート・ヒル(クラリネット)…11/
キャサリン・エドワーズ(ピアノ)…11/
《制作》サイモン・リード
 児童文学作家であるマイケル・モーパーゴが書いた「モーツァルトの問い」は、第二次世界大戦の際、強制収容所でつらい体験をした両親を持つ少年が、ヴァイオリンに愛を見出すまでを綴ったお話。これを実際の音楽とともに、モーパーゴが少年となって朗読していくものです。
 シンプルで感動的な話は、ホロコーストの悲惨さと、壊れかけた心が再生していくために音楽ができることを若い心に直接訴えかけています。録音 2012年3月18日ロンドンアビー・ロード・スタジオ

MARCO POLO


8.225353
\2000
シュトラウス・ファミリー:名舞曲集
 1.ヨハン・シュトラウスⅡ世(1825-1899):歌劇「ジプシー男爵」序曲/
 2.ヨーゼフ・シュトラウス(1827-1870):ワルツ・ディナミーデンOp.173/
 3.ヨハン・シュトラウスⅡ世:アンネン=ポルカOp.174/
 4.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「騎手」Op.278/
 5.ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「ウィーンの森の物語」Op.325/
 6.ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ「雷鳴と稲妻」Op.324/
 7.ヨハン・シュトラウスⅡ世:仮面舞踏会のカドリーユOp.272/
 8.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ「休暇旅行で!」Op.133/
 9.ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「美しき青きドナウ」Op.314/
 10.ヨハン・シュトラウスⅠ世:ラデツキー行進曲Op.228
※1.3.5.6.7.9.10…新ヨハン・シュトラウス全集校訂版を使用した演奏
ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団/
ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)
録音 2012年4月2-3日オーストリアウィーン,Casino Zogernitz
 19世紀に活躍したオーストリアの作曲家ヨハン・シュトラウス父子を中心とした「シュトラウス・ファミリー」は明らかに音楽史における最大の王朝の一つであり、彼らが数多く生み出した煌びやかな音楽は今でも絶大な人気を誇っています。このアルバムでは、「ワルツ王」ヨハン・シュトラウスⅡ世と、彼の弟であるヨーゼフ・シュトラウスの作品を中心に収録。誰もが知っている「美しき青きドナウ」や「ウィーンの森の物語」から、ちょっと珍しい曲までの10曲が楽しめます。
 トラック2の「ディナミーデン」は、あのR.シュトラウス(シュトラウス・ファミリーではない)の「ばらの騎士」で、“オックス男爵のワルツ”として使われたことでも知られています。誰もが聴くだけで胸が躍るウィンナ・ワルツとポルカの名曲たちを最新録音でお届けいたします。

MYRIOS CLASSICS



MYR-008
(SACD-Hybrid)
\2600→\2390
タベア・ツィマーマン
 ヴィオラとピアノのためのソナタ集第2集

 1.ブラームス(1833-1897):
  ヴィオラとピアノのためのソナタ第1番ヘ短調Op.120-1
 2.シューベルト(1797-1828):
  アルペジョーネ・ソナタイ短調 D821
 3.フランク(1822-1890):ソナタイ長調
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)/
キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)
録音 2011年7月ケルンドイツ放送,カンマームジークザール
 このアルバムに収録された3つの作品は、各々の作曲家が晩年に書いた畢生の名作です。
 どの作品ももともとヴィオラのために書かれていたのではありませんが、作曲家たちの晩年の心情を表わすには、この楽器ほどふさわしいものはないのかも知れません。
 前作ではブラームスのクラリネット五重奏曲とグリーグの弦楽四重奏曲で、緊密なアンサンブルを聴かせたタベアですが、今作はまた、ピアノのゲルシュタインとの緊張感あふれる対話を披露しています。
 しっとりとした音色に隠された、作曲家たちの壮絶なる魂の叫びをお届けいたします。


 今回の新譜を記念して旧譜のセールを開催しています。どうぞこちらから。

NAXOS 1CD¥1100



8.570608
タン・ドゥン(譚盾):管弦楽のための協奏曲他
 1.3つの音符のための交響詩(2012)/
 2.オーケストラル・シアターⅠ"Xun" (1990)/
 3-6.管弦楽のための協奏曲-マルコ・ポーロより(2012)
  <時空間の光/バザールの香り/砂漠のラーガ/紫禁城>
香港フィルハーモニー管弦楽団/
タン・ドゥン(指揮)
録音 2012年2月27-29日ホンコン・カルチャー・センター・コンサート・ホール
 現代中国を代表する作曲家、タン・ドゥン(-1957)。彼の活躍は国際的であり、指揮者としても広く活動しています。舞台作品から映画音楽まで幅広く手掛け、その作品の多くには中国の伝統楽器が用いられるなど、西洋音楽と東洋音楽の融合を図ることでも知られています。またそれに留まらず、珍しい楽器や奏法にも貪欲な興味を示し、水の音や紙から生まれる音色すらも、自らの音楽にとりいれています。このアルバムには2012年に書かれた、とびきりの新作も含む3つの作品が収録されています。彼の親しい友人である歌手プラシド・ドミンゴのために書かれた「3つの音符のための〜」、彼の作曲技法のエキスが存分に詰まった「管弦楽のための協奏曲」、そして彼の名を決定的にした「オーケストラル・シアター」。まるで映画を見ているような鮮明なイメージが浮かぶはずです。作曲家自身の指揮は、これらの曲に有無を言わせぬ説得力を齎していること間違いなし。
 


8.570933
ロッシーニ:序曲全集第1集
 1.歌劇「泥棒かささぎ」序曲/2.歌劇「セミラーミデ」序曲/
 3.歌劇「イギリスの女王エリザベス」序曲
  (歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲)/
 4.歌劇「オテッロ」序曲/5.歌劇「コリントの包囲」序曲/
 6.シンフォニアニ長調「コンヴェンテッロ」/7.歌劇「エルミオーネ」序曲
プラハ・フィルハーモニック合唱団…7/
プラハ・シンフォニア管弦楽団/
クリスティアン・ベンダ(指揮)
録音 2011年9月5-6日チェコ プラハ,Kulturni Dum Barikadniku
 NAXOSの膨大なレパートリーの中にありそうでなかったのが、ロッシーニ(1792-1868)歌劇の序曲全集です。もちろん有名曲を一通りつまんだアルバム(8.550236)など、一部の曲は楽しめたのですが、折角ならば全曲を聴いてみたいと熱望するファンの声に応えて、この度4枚からなる全集を企画、その第1集となるのがこちらというわけです。さて、冒頭から聴いてみてください。抜けの良い録音と闊達なるベンダの指揮は、耳をわくわくさせること間違いなし。第3曲目はタイトルこそ「イギリスの女王エリザベス」ですが、使い回しの多いロッシーニのこと、今では「セビリアの理髪師」の序曲として知られているものです。
 喜劇あり悲劇ありのロッシーニの奥深い世界、まずは序曲から足を踏み入れてみませんか?
 


8.572764
ディーリアス:アパラチア・海流
 1.アパラチア〜
   古い黒人奴隷の歌による変奏曲と最後の合唱(T.ビーチャム編曲)(1896-1903)/
 2.海流(T.ビーチャム編曲)(1904)
レオン・ウィリアムズ(バリトン)/
マスターコラール・オブ・タンパベイ/
ジェームズ・K(バス)/
フロリダ管弦楽団/
シュテファン・ザンデルリンク(指揮)
録音 2012年1月5-7日フロリダ セントピーターズバーグ,舞台芸術学校
 「人生のミサ」では、イギリス精神とドイツ精神のどちらもを高らかに歌い上げたディーリアス(1862-1934)ですが、この「アパラチア」では彼が若い頃に過ごしたフロリダでの豊かな経験が反映されています。1880年代に「オレンジの栽培をする」と言ってアメリカに渡ったディーリアスは、そこで黒人たちの労働歌に触れ、帰国後にこの「アパラチア」を書き上げます。出来上がった音楽は、W.ホイットマンに触発された彼独特の自然崇拝と、アメリカの親しげな雰囲気が混在する神秘的で繊細なもの。あくまでも英国人の目を通した「アメリカ文化」が感じられる、あのドヴォルザークの曲にも似た郷愁たっぷりの音楽です。
 「海流」は、やはりホイットマンの詩集「草の葉」から取られた「ゆりかごの中から」という詩に基づいて書かれた曲で、つがいのカモメたちに自らの心を映し出す少年の物語を、時には激しく、時には優しく包み込むように描きだしたもの。少年のナイーヴな心に残された、小さな別離の悲しみは、やがて死へと繋がるであろうことを否応なく意識させられる感動的な作品です。
 

8.559719
アメリカのトランペット
 1-3.レオ・エイラー(1958-):ダンス組曲(1994)/
 4.スティーヴン・ラウズ(1953-):アヴァターより
  「謎の発動」(1991/1994改編)/
 5.ロバート・ステアラー(1924-2001):祈り(1962)/
 6-7.スティーヴン・ソンドハイム(1930-):スウィーニー・トッドより
  (シルバーシュラグ編/W.T.マッキンリー:管弦楽編)
  <ジョアンナ/私がそばにいる間は>/
 8.ジョン・カーボン(1951-):ノットゥルノ(1944)/
 9-16.ウィリアム・トーマス・マッキンリー(1938-):
  ミニアチュア・ポートレイツ(1988)/
 17.デイヴィッド・フルーム(1951-):セレナード(1994)
※Delosより移行盤
ジェフリー・シルバーシュラグ(トランペット)/
デボラー・グレイツァー(ファゴット…9-16)/
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
録音 1994年6月シアトル オペラ・ハウス
 アメリカのトランペット演奏におけるユニークな伝統が凝縮された1枚です。この曲集に含まれる多彩な作品のほとんどは、奏者であるシルバーシュラグに捧げられたものであり、エイラーの躍動的な「ダンス組曲」やマッキンリーのウィットに富んだ「ポートレイツ」などでの息をのむほどの名技は言うまでもないものですし、作曲家ソンドハイムの同意を得てシルバーシュラグ自身がトランペット用に編曲したミュージカル「スウィーニー・トッド」からの2曲は、最初からこの形で書かれていたのではないか。と思えるほどのはまりようです。
 また指揮者シュワルツも、指揮者に転向する前は「天才トランペッター」としての名を欲しいままにしていた人です。もしかしたら「本当は自分も吹きたい」。と思っていたかもしれませんね。
 


8.570607
ピアノ協奏曲「黄河」・「梁山伯と祝英台」
 1-4.ピアノ協奏曲「黄河」(?星海(1905-1945):「黄河」大合唱による)
  〈作曲:殷承宗-Yin Chengzong(1941-) /
   盛礼洪-Sheng Lihong (1926-)/
   儲望華-Chu Wanghua /
   劉庄- Liu Zhuang(1932-) /
   石叔誠-Shi Shucheng(1946-) /
   許斐星-Xu Feisheng〉
   <前奏曲:黄河の船頭の歌/黄河への頌歌/怒りの黄河/黄河を守れ>/
  5.陳剛-Gang Chen (1935-)/何占豪-Zhanhao He (1933-):
   ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台(バタフライ・ラヴァーズ)」(ピアノ協奏曲編…陳剛)
チェン・ジー(ピアノ)/
ニュージーランド交響楽団/
キャロリン・クァン(指揮)
録音 2011年9月14-16日ニュージーランド ウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
 1939年に作曲家である?星海が、管弦楽と合唱のために書いたカンタータ「黄河」。こちらは7曲からなる壮大な合唱曲ですが、1969年の文化大革命の時期に、この中から4曲だけを抜粋し、当時の作曲家集団によってピアノ協奏曲へと編曲されました。毛沢東の妻、江青が大絶賛したというこの作品、1976年の「四人組」の失脚後は演奏がタブーとされ、一時期は「幻の曲」として珍重されていたものです。
 もう1曲の「梁山伯と祝英台」は本来、ヴァイオリン協奏曲として作られましたが、ここでは作曲家の一人、陳剛によって全く新しいピアノ協奏曲へと変貌させられています。
 豊かな文化に支えられた広大な国である中国。どのような状況に於いても、美しいものを愛する心は不変であることを願うばかりです。
 


8.571292
イディル・ビレット/ソロ・エディション第5集
シューマン:クライスレリアーナ・ウィーンの謝肉祭の道化他
 1-8.クライスレリアーナOp.16/9.花の曲Op.19/
 10-14.ウィーンの謝肉祭の道化「幻想的情景」
  <アレグロ/ロマンス/スケルツィーノ/間奏曲/フィナーレ>
イディル・ビレット(ピアノ)
録音 2012年1月トルコ アンカラ,ビルケント・シンフォニー・ホール
NAXOSを代表する名ピアニスト、ビレットの最新録音はシューマン(1810-1856)の3つの名曲です。昨年はリストの超絶技巧練習曲をバリバリ演奏し、その闊達ぶりをとことん見せつけた彼女ですが、今作では趣向を変え、何とも艶めかしいシューマンを聴かせています。「クライスレリアーナ」はご存知の通り、E.T.A.ホフマンの書いた音楽評論集からインスピレーションを受けた作品で、「花の曲」はジャン・パウルの文学に触発された小さな作品。そして「ウィーンの謝肉祭の道化」は、シューマンが実際に楽しんだ謝肉祭の賑やかな様子を幻想的に描いた曲で、自身の「蝶々」からの引用もある興味深い作品です。
 どれも文学と音楽の融合という、まさにシューマンの命題そのものの曲であり、演奏者の個性がにじみ出やすいことでも知られています。
 ビレットは曲の特徴をしっかり捉え、各々の性格を見事に弾き分けることに成功しています。
 

8.572877
シューマン:ピアノ連弾のための編曲集第1集
 1-4.弦楽四重奏曲第3番イ長調 Op.41-3(1842)
  (オットー・ドレーゼルによるピアノ連弾版…作曲家自身による改訂(1852))/
 5-8.ピアノ五重奏曲変ホ長調 Op.44(1842)
  (クララ・シューマンによるピアノ連弾版(1858))
※1-4…世界初録音 8.551287の再発売
エッカーレ・ピアノ・デュオ
<フォルカー・エッカーレ&
真理子・エッカーレ>
録音 2010年11月ドイツ バーデン-ヴュルテンブルク,シュタットハレ・エトリンゲン
 シューマン(1810-1856)の時代は、オーケストラの作品を家庭で再現するために、「ピアノ連弾」の手法が多く用いられていました。確かにCDなどのない時代はそれが一番早く、確実な方法だったことは間違いありません。その需要を見越した出版社は数多くの作品を連弾譜として出版するために、多くの人たちに編曲を依頼したようです。
 この弦楽四重奏曲第3番は、O.ドレーゼルが編曲し、シューマン自身が多少手を加えOKを出したもの。ピアノ五重奏曲は、彼の妻クララに献呈され、初演時のピアノも彼女が担当しました。作品を知り尽くしたクララだけに、シューマン亡き後の仕事でも全く問題なく、シューマンの世界を再現することに成功しています。シューマンの連弾作品シリーズは7巻が予定されており、こちらが第1作目のリリースとなります。
 


8.572885
イワン・ミュラー:クラリネット四重奏曲第1番&第2番 他
 1-3.クラリネット四重奏曲第1番変ロ長調/
 4.夢-劇的なエピソードOp.73/
 5.ロマンティックな情景Op.96/
 6.モーツァルトの主題による幻想曲/7.マドリッドの城Op.79/
 8-9.クラリネット四重奏曲第2番ホ短調/
 10.協奏的二重奏曲「ドーベランの思い出」Op.28
フリーデリケ・ロート(クラリネット)/
ヴェンツェル・フックス(クラリネット…10)/
エリカ・ル・ルー(ピアノ…4-7.10)/
ベロリナ・アンサンブル…1-3.8-9
<メンバー>
デヴィッド・ゴロル(ヴァイオリン)/
アンドレス・メーネ(ヴィオラ)/
マルティン・スミス(チェロ)
録音 ドイツ ベルリン,イエス・キリスト教会2010年9月20-21日…4-7.10, 2010年10月18-19日…1-3.8-9
 イワン・ミュラー(1786-1854)の名は、現在では「13キークラリネット」の発明者として知られています。17世紀の終わり頃、ニュルンベルク在住のJ.C.デンナーが、それまで使われていたシャリュモーに穴をあけ、音域が広がったことでクラリネットの原型が作られたと言われ、その後は多くのキーが付け加えられることで楽器が発展していくのですが、1812年にミュラーが試行錯誤の上に発明した、前述の「13キークラリネット」はまさに画期的な発明であり、これを改良したものが現在でも使われる「エーラー式クラリネット」と呼ばれる楽器です。
 そんなミュラーの作曲家としての偉業がこちらです。曲調は当時流行の、イタリア風のベルカントのスタイルであり、伸びやかでこまやかなクラリネットの音色を最大限生かした、聴きどころたっぷりの作品が揃っています。
 


8.572890
アウレリオ・マニャーニ:ヴィルトゥオーゾ・クラリネット作品集
 1.ディヴェルティメント第1番/2.ディヴェルティメント第2番/
 3.悲歌/4.グノーの歌劇「ファウスト」によるロマンスとワルツ/
 5.ロマンティックなメロディ/6.マズルカ-カプリース/7.ソロ・ド・コンセール
セルジオ・ボシ(クラリネット)/
リッカルド・バルトリ(ピアノ)
録音 2011年4月3-4日イタリアマッチェラータ,モリアーノテアトロ・アポロ
 イタリアのクラリネット奏者マニャーニ(1856-1921)は、彼が生きた時代における最高のソリストであり、また「現代イタリアのクラリネット奏法の父」でもありました。彼の弟子たちは世界中の一流オーケストラのポジションを埋め尽くし、その演奏は絶賛の極みを尽くしました。そんなマニャーニは、その奏法を伝えるために数多くのクラリネット作品を作ったのですが、もともとメロディを作る才能に恵まれていたためか、どれもが飛び切りの美しさを持っていたではありませんか!オリジナル作品である2つのディヴェルティメントの技巧を凝らしたクラリネット・パートを聴いただけでも、その見事さには舌を巻くほかありません。
 グノーのファウストを元にした「ロマンスとワルツ」も、実際のオペラでアリアを聴くのと同じくらいの興奮をもたらすことでしょう。このような作品を大得意としているボシによる丁寧な演奏には快感すら覚えます。
 

8.572910
ヘルムート・ヴァルヒャ:コラール前奏曲集第1集
 1.第1番:いざ来ませ、異邦人の救い主よ/
 2.第2番:おお地よ、主に喜びの叫びをあげよ/
 3.第3番:高く戸を上げよ/4.第4番:真心もて、おお人の子らよ/
 5.第5番:イエス・キリストよ、汝はたたえられよ/
 6.第6番:羊飼いたちは誉めたたえ/7.第7番:踊れわが心/
 8.第8番:ベツレヘムに生まれたもう/
 9.第9番:たとえ山々が移り、丘が動いても/
 10.第10番:心からお慕いするイエスよ/
 11.第11番:主よ、みことばもて我らを守りたまえ/
 12.第12番:主よ、今馬車を止めるにも/
 13.第13番:ああ神よ、天よりみそなわし/
 14.第14番:神はわがやぐら/
 15.第15番:イエス・キリストよ、ああわれらとともに留まりたまえ/
 16.第16番今ぞ喜べ、汝らキリストのともがらよ/
 17.第17番:われらに救いの来たれるは/
 18.第18番:わたしはあなたを呼ぶ、主イエス・キリストよ/
 19.第19番:神は私の強い味方/
 20.第20番:ただ愛する神の力に委ねる者は/
 21.第21番:我ら人生のただ中にあって/
 22.第22番:たれぞ知らん、わが終りの近づけるを/
 23.第23番:平安と歓喜もてわれは往く/
 24.第24番:今ぞその日は終わりぬ/
 25.第25番:永遠の朝の輝き
ヴォルフガンク・リュプザム(オルガン…ジョン・ブロンワウ製Opus35)
 名オルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャ(1907-1991)は「J.S.バッハのオルガン音楽」の最高の演奏者であり、また研究者としてその名前を残しています。幼い頃の病気のため、視力がほとんどなかったヴァルヒャですが、血のにじむような努力の結果、バッハの全作品を暗記し、2度の全曲録音を完成させるという偉業を成し遂げています。そんなヴァルヒャですが、自身でも素晴らしいコラール前奏曲を数多く作曲していることはあまり知られていません。
 敬愛するバッハの作品を通してでなく、自らの心で神に問いかけた一連の作品は、時として斬新な和声を用いながらも、暖かく感動を呼ぶものとなっています。リュプザムの文句なしの名演で。
 録音 2011年10月23-24日イリノイ州スプリングフィールド,ファースト・プレスビテリアン教会
 
8.572939 シューベルト:交響曲第8番「未完成」&第9番「グレート」
 1-2.交響曲第8(7)番変ロ短調「未完成」D759/
 3-6.交響曲第9(8)番ハ長調「グレート」D944
※8.550145&8.553096の再編成盤
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団…1-2/
ファイローニ室内管弦楽団…3-6/
ミヒャエル・ハラース(指揮)
 シューベルト(1797-1828)の有名な2つの交響曲です。番号の付け方については昔から様々な案があり、ここでは1951年の旧ドイチュ目録に従っています。第1曲目の物悲しいメロディで始まる「未完成」。この曲がなぜ完成しなかったかを考えるだけで、一つの映画ができてしまう程人気があるのですが、実はシューベルトは曲を完成させずに放棄してしまうことも多かったようで、交響曲だけでも、この曲を含め6曲の「未完成」があることを知っている人は少ないのでは。
 もう1曲の「グレート」は説明不要の名作ですが、本来はもう1曲のハ長調(6番)の交響曲と区別するために「大きな(グレート)」と出版社が名付けたのが、いつのまにか「偉大な(グレート)」という意味にすり替わってしまったということも話のネタにどうそ。
 録音 1988年6月4-5日ブラティスラヴァ,モイゼス・ホール…1-2, 1994年3月ブダペスト,イタリア協会…3-6
 


8.573049
ガブリエル・ジャクソン:レクイエム他
 1-7.レクイエム(2008)
  <レクイエム・エテルナムⅠ/墓碑銘/レクイエム・エテルナムⅡ/
  前夜の秋風/聖なるかなと祝福あれ/平安あれ、わが心/永遠の光>/
 8.全ての彼の作品に(2009)/9.私は風の声(2010)/
 10.パッヘルベル(1653-1706):カノンによる「奇しきばらの花」
  (B.チルコット(1955-)による合唱編曲版)/
 11.タヴナー(1944-):アテネの歌(1993)/
 12.ポット(1957-):ダヴィデが聞きしとき(2008)
※1-7.8.9.12…世界初録音
カール・ヘリング(ギター)…10/
ヴァサーリ・シンガーズ/
ジェレミー・バックハウス(指揮)
 何かを失う悲しみ。それはどんなに時が経とうとも癒されることはないのかも知れません。この2008年に書かれたレクイエムにも作曲家ジャクソンの苦悩が反映されています。しかしこの曲には「死は確かに悲しいことであるが、そこには光のイメージもあり、決して悲観すべきことばかりではない。」そんな作曲家のメッセージも込められているようです。曲が進むにつれ輝かしさを増すレクイエム。今の世界はこのような作品も必要でしょう。
 他にも興味深い作品が収録されていますが、英国の合唱作曲家として知られる、チルコットのトラック10の「ばらの奇跡」に注目。原曲は「カノン」ですが、声とギターによる「聖母マリアを賛美する作品」として生まれ変わっています。ここで素晴らしい歌声を聴かせるヴァサーリ・シンガーズは前作「イギリスの賛歌集(8.572504)」がGramophone誌で大絶賛されました。録音 2011年2月25-27日UK ケント,トンブリッジ・スクール教会
 

8.573065
マイール:カンタータ「ナッソーのアリアンナ(ナクソス島のアリアドネ)」 アリアンナ(アリアドネ)…コルネリア・ホーラク(ソプラノ)/
バッコ(バッカス)…トーマス・マイケル・アレン(テノール)/
テセウスとバッコスの信者たちの合唱/
ジモン・マイール合唱団&アンサンブル/
フランツ・ハウク(指揮&ハープシコード)
 最近、何かと話題の作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。ヨーロッパでは彼の作品が次々と蘇演され、その精緻な音楽は古典派の音楽好きたちを唸らせています。このカンタータの素材は有名な「ナクソス島に置き去りにされうも、バッカスに助けられるアリアドネ」で、このカンタータも、アリアドネが不安を抱えながら船に揺られる場面から、最後はバッカスと愛を語り合うまでが描かれています。
 このアリアドネ役は、後にロッシーニ夫人となる当時の名手、イザベラ・コルブランが歌うことを前提として書かれているためか、劇的かつ超絶技巧を要求されるものですが、ホーラクは難なく歌いこなしています。
 演奏はマイールにかけては右に出るものなし、おなじみのフランツ・ハウクです。録音 2007年9月16-20日インゴルシュタットノイエス・シュロス,ファーネンザール

OEHMS



OC-409
(2CD)
\2600→\2390
スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン
 ブラームス:交響曲第2番&第3番
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー管
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音:2011年3月10-13日…交響曲第3番, 2011年3月17-19日…交響曲第2番ザールブリュッケン,コングレスハレ Recording Producer, Editing, Mastering: Thomas Raisig Balance Engineer: Ralf Schnellbach
 2012年に89歳を迎える「Mr.S」スクロヴァチェフスキ。ますますその燃焼度に磨きがかかり、その生み出す音楽はまさに神の領域に届かんばかりの崇高さを備えています。
 ザールブリュッケンとのブラームス(1833-1897)は、前作「第1番(OC408)」でも高い評価を受けましたが、今回の第2番、第3番はそれを上回る改心の出来。昨今の流れである「テンポ早め、あっさりめ」のブラームスではなく、全体的に濃厚でボリュームある仕上がりであり、なおかつ必要なところはきちんと聞こえるという誰もが納得の行く音楽となっています。


旧譜/第1弾
Brahms: Symphony No. 1 in C minor, Op. 68
OC 408
\2000→¥1890
スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン
 ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
 ブルックナー、ベートーヴェンとはまた違う孤高の世界を見せてくれるスクロヴァのブラームス。
 以前にもハレ管、読響など他のオーケストラとの演奏が話題になっていて、「できることなら、手兵ザールブリュッケンとのブラームスを聴いてみたい!」と思っていた方も多いのではないでしょうか?この演奏は、期待に違わぬ素晴らしいもので、快適なテンポ、重厚な音色はもちろんのこと、とことん丁寧に奏される内声部にもおどろかされます。もちろん要所要所では、絶妙なアゴーギクがつけられています。第4楽章で輝かしいテーマを導くコラールの荘厳さにも圧倒されること間違いありません。艶やかな弦の音色はいぶし銀の如く。まさに満を持してのブラームスです。
 録音 2011年2月


 


OC-413
(2CD)
\2600→\2390
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
 マーラー:交響曲第6番イ短調

<CD1>
 1.第1楽章アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポ
 2.第2楽章アンダンテ・モデラート
<CD2>
 1.第3楽章スケルツォ重々しく
 2.第4楽章フィナーレ,アレグロ・モデラート
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
録音 2007年4月22.23日ハンブルクライスハレ
 第2番「復活」(OC-412)に続く、シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィルのマーラー(1860-1911)第2弾。今作でも彼女らしい豪壮で勇猛果敢な音楽が堪能できます。
 第1楽章では、第2主題のテンポをぐっと落とすことで、曲にメリハリを与えるなど、細部に渡って数多くの工夫も凝らされており、落ち着いた第2楽章、諧謔的な第3楽章を経て、怒涛の終楽章へ傾れ込む様は、一種の爽快感すら覚える名演です。
 (演奏する際に、第2楽章と第3楽章の順序をどうするかについては、最近の関心事の一つとなっていますが、ここでは2003年の国際マーラー協会での見解に従ったもので、第2楽章にアンダンテ、第3楽章にスケルツォが配置されています。)


旧譜
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル/マーラー「復活」

OC-412
\2000→¥1890
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル/マーラー「復活」
 マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
ミカエラ・カウネ(ソプラノ)/
ダグマール・ペチコーヴァ(アルト)/
ハンブルク・フィルハーモニー/
シモーネ・ヤング(指揮)
 ※2012年版カタログ同梱
マーラー(1860-1911)の生誕150年&没後100年であった「2010年から2011年」にかけては、世界中で記念演奏会が開かれ、とりわけ象徴的な作品である、第2番が至るところで聴かれたのはご存知の通りでしょう。そんな中、2011年10月は、ハンブルクでマーラーの「復活」が初演されてから100年目の記念年にあたり、ここでも素晴らしい演奏会が開催されました。指揮は今をときめく、シモーネ・ヤング。全曲を通して、一切だれることのない集中力の高い演奏は彼女ならでは。まさに火を吹くかのような激しさには思わず身震いするのではないでしょうか。ソリストには最近めきめきと力をつけてきた若手カウネと、安定した歌唱で知られるペチコーヴァの2人を迎え、NDRハンブルク合唱団と、ラトビア州立合唱団が渾身の合唱を聴かせてくれます。「Bereite dich zu leben!」での毅然とした響きは、まさに天上から一筋の光が射すかのような感動を呼びます。
 録音 2010年10月24&25日ハンブルク ライスハレ
Recording Supervision, Editing and Mastering: Jens Schunemann/Sound Engineer: Nora Brandenburg /Balance Engineer: Johannes Kutzner
  

OC-416
\2000
カール・ヴォルフラム:オルガン・ソナタ集
 1-3.オルガンのためのソナタ第1番ヘ短調Op.4/
 4-6.オルガンのためのソナタ第2番ハ短調Op.12/
 7-10.オルガンのためのソナタ第3番ヘ長調 Op.15
ハルゲイル・シアーゲル
(ケムニッツ,ルター教会1908年製
  ザウアー・オルガン「opus1011」)
録音 2011年6月7-9日ケムニッツルター教会
 20世紀への変わり目に作曲された3つのオルガン・ソナタは、若干「時代遅れ」とも評される古典的で簡潔なフォルムの中に、精緻な響きと新しい形式を取り入れた見事な作品です。
 同世代のレーガーに見られる拡張された和声法はあまり用いることはなかったものの、様々なアプローチを試みたであろうことが推測される作品で、この時代のオルガン音楽の一つの方向性を知ることができる貴重な1枚と言えるでしょう。
 数々の賞を受賞する世界的名手であるノルウェイ生まれのオルガニスト、シアーゲルによる演奏で、バイエルン放送との共同制作です。
 

OC-417
\2000
グローガウの歌の本
 1.Die nacht die wil verbergen sich/
 2.O preclara stella maris/3.Ave, dei genitrix/
 4.Primus/5.J'abandonne le souhaitier/
 6.Es leit ein schlos in Oesterreich/
 7.Dies est leticie/8.Adest fi nis mesticie/
 9.Fulgent nunc natalicia/10.Amours/
 11.Der entrepris/12.Carmen F/
 13.Mein gemut das wut in heyser glut/
 14.Viminibus cinge/15.Regina celi, letare, alleluia/
 16.Surrexit Christus hodie/17.Der fuchs schwanz/
 18.Du lenze gut/19.Der natter schwanz/
 20.Veni, sancte spiritus/21.O sacrum misterium/
 22.Die katzenpfote/23.Ich bins erfreut/
 24.Bonum vinum/25.All voll/26.Zenner, greiner/
 27.Der neue bauern schwanz/
 28.Elslein, liebstes elselein/29.Else, else mundo
クレマンシック・コンソート/
ルネ・クレマンシック(指揮)
録音 2011年11月25-28日ウィーンカペラ・デア・アルベルトゥス・マグヌス・シューレ
 ポーランド最古の町のひとつであるグウォグフは、ポーランドとドイツの国境近く、シレジア地方の西に位置し、ヨーロッパの各地の中でもとりわけ複雑な歴史を持っています。
 都市の名前はポーランド語のサンザシに由来し、様々な国の支配下にあったこの町は、政治的混乱を呈しながらも、逆に多くの文化が交わる場所として、香り高き芸術が生まれる素地も持っていたといえるようです。
 この「グローガウの歌の本」は1480年頃に作られた写本で、装飾的かつ慎重に編纂された曲集で、当時の文化を余すことなく伝える貴重な文献としても高く評価されるものでしょう。
 中世からルネサンス期への過渡期における実りある文化財を、クレマンシック(クレメンチッチ)が見事に顕在化しています。
 


OC-420
\2000→\1890
ペトル・エベン:オルガンのための作品集
 フェルツ&バンベルク交響楽団も登場!

 1-4.シャガールの窓
  <ルベン-青の窓/イサカル-緑の窓/
  ゼブルン-血の赤の窓/レヴィ-金の窓>/
 5-9.パトモスの風景
  <鷲のいる風景/長老のいる風景/寺院がある風景/
  虹のある風景>9.馬たちがいる風景/
 10-12.オルガン協奏曲第2番
ギュンター・ロスト(オルガン)/
ティーネ・ティング・ヘルセット(トランペット)…1-4/
バベッテ・ハーグ(パーカッション)…5-9/
バンベルク交響楽団…10-12/
ガブリエル・フェルツ(指揮)…10-12
録音 2009年4月,2010年9月,2011年9月バンベルク、ヨーゼフ・カイルベルト・ザール
 ボヘミア出身の作曲家ペトル・エベン(1929-2007)。多くのジャンルの曲を書いていますが、ピアニスト、オルガニストとしても知られるだけあり、魅惑的なオルガン曲も多数残しています。エベンの父親がユダヤ人であったために第2次世界大戦中は苦難を強いられ、その影響は作品にも色濃く反映されているようですが、ここに収録された3つの作品には、もっと自由で色彩感溢れる音楽が横溢しています。
 アルバムタイトルにある「シャガールの窓」とは、ユダヤ協会の装飾のために作成されたステンドグラスのことで、イスラエルの12の部族の物語が象徴的に描かれた、神秘的かつ壮大な作品。エベンは様々な思いをトラペットとオルガンへと託しています。
 


OC-673
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ド・ビリー&ウィーン放送響
 ベートーヴェン:交響曲第2番
 1-4.ベートーヴェン(1770-1827):
  交響曲第2番ニ長調Op.36/
 5-16.ブラームス1833-1897):
  テノール独唱と男声合唱のためのカンタータ「リナルド」Op.50
ヨハン・ボータ(テノール)…5-16/
ウィーン国立歌劇場合唱団…5-16/
ウィーン放送交響楽団/
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
録音 2007年8月9日ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ…5-16, 2010年6月28日,7月2日ウィーンORF グローサー・ゼンデザール
Recording Producer: Malgorzata Kragora (Brahms) & Erich Hofmann (Beethoven)
 ド・ビリーとウィーン放送交響楽団によるベートーヴェン・交響曲シリーズの第4弾(他に「エグモント」と「フィデリオ」もあり)は、初期の名作「交響曲第2番」と、あまり演奏される機会のないブラームスのカンタータ「リナルド」の組み合わせです。一連の作品と同じく、古楽器的なアプローチによる第2番の交響曲は、まるでモーツァルトの曲のように優美であり、すっきりとしたもので、多くの人が持つベートーヴェンのイメージ…重苦しく悲痛な…を見事に覆すのではないでしょうか。
 「リナルド」は、2007年のザルツブルク音楽祭のライブ録音で、ヘンデルのオペラと同じ素材からなるこの作品を、ヨハン・ボータの情熱的な歌唱と、精緻な男声合唱で恐ろしいまでの雄弁さで表出しています。


ド・ビリー&ウィーン放送響
ベートーヴェン・チクルス第1〜3弾
OC 621
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
ベートーヴェン:
 交響曲第3番「英雄」
 「コリオラン序曲」「エグモント序曲」
ベルトラン・ド・ビリー指揮
ウィーン放送響
録音:2006年、ORFゼンデザール
OC 630
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 & 第6番「田園」 ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
ウィーン放送交響楽団
 【ハイブリッドSACD仕様:CD 2.0ch./ SACD 2.0ch./ SACD 5.0 ch】 【演奏時間 5番: 6:58/8:36/7:37/10:07 6番: 11:14/11:36/5:11/3:38/8:36】
 【録音】 2007年8月(運命) 2008年2月(田園) ORFオーストリア放送ラディオクルトゥアハウス、ウィーン Recording Producer: Erich Hofmann ・ Recording Engineer: Anton Reininger ・【使用楽譜】  Barenreiter-Verlag Kassel, edited by Jonathan Del Mar
OC-640
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
ベートーヴェン:
 『交響曲第7番イ長調Op.92』
 『交響曲第8番ヘ長調Op.93』
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
ウィーン放送交響楽団
(PCM5.0ch: セッション)ハイブリッドSACD仕様(SACD Stereo / SACD 5.0ch / CD Stereo)

 

OC-684
(2SACD-Hybrid)
\3000
オルガンで再現
 J.S.バッハ:6つのパルティータBWV825-830

<Disc1>
 1-7.パルティータ第4番ニ長調BWV828/
 8-13.パルティータ第1番変ロ長調BWV825/
 14-19.パルティータ第2番ハ短調 BWV826/
<Disc2>
 1-7.パルティータ第3番イ短調BWV827/
 8-14.パルティータ第5番ト長調BWV 829/
 15-21.パルティータ第6番ホ短調BWV 830
   ※全てハンスイェルク・アルブレヒトによるオルガン編曲
ハンスイェルク・アルブレヒト(オルガン)
録音 2011年6月5-11日クレフェルト=ヒュルス,聖クリアクス・プファル教会メッツラー-オルガン演奏
Recording Producer, Editing & Mastering: Martin Fischer, Dresden, SACD Authoring: Cybele AV Studios, Ingo Schmidt-Lucas
 本来は「クラヴィア練習曲」として出版された6つのパルティータ。この作品を、名オルガニスト&編曲者アルブレヒトは「バッハに最も近い楽器」オルガンで再現する試みに挑戦しました。
 既存の演奏との比較をするよりも、全く新しいバッハ作品として聴いていただければ、そこに新しい世界の誕生を見ることができるかも知れません。
 “バッハは人であり神ではなかった。しかし、彼は「神の人」であり、彼の音楽は始めから神に祝福されていた”と偉大なる指揮者レナード・バーンスタインが述べたように、神の音楽は確かにオルガンで奏されるのがふさわしいと納得できるアルバムです。
 


OC-836
\2300→\2090
ジョヴァンニ・ベネデット・プラッティ:
 チェロとヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ集

 1-4.トリオソナタWD683/5-8.トリオソナタWD689/
 9-12.リチェルカーレⅠ/13-16.トリオソナタWD678/
 17-20.ハープシコード・ソナタ第12番ハ長調/
 21-24.リチェルカーレⅡ/25-28.ソナタト短調
セバスチャン・ヘス(バロック・チェロ)…1-16.21-28/
リュディガー・ロッター(ヴァイオリン)…1-16.21-28/
フローリアン・ビルサーク(フォルテピアノ)…1-8.13-16.17-20.25-28
録音 2010年8月26-28日ヴィーゼンタイト,聖マウリティウス・バロック教会Recording Producer: Thilo Grahmann, Balance Engineer: Herbert Fruhbauer, Recording Engineers: Thomas Hirschberg,Johannes Luff
 チェロ・ソナタ(OC-794)で、その豊富な響きを堪能させてくれたパドヴァ出身の作曲家プラッティ(1697-1763)。優れたオーボエ奏者でありテノール歌手でもあった彼の作品は、どれもが美しいメロディに彩られた、明るく活力のあるものです。
 彼は楽器製作者のクリストフォリが発明したばかりのフォルテピアノの演奏法を早々と習得したことでも知られるほどの鍵盤楽器の名手でもあり、この「トリオ・ソナタ」集でも通奏低音の果たす役割が大きいであろうことは想像に難くありません。もちろん譜面には最低限の情報しか記載されてはいない時代ですので、奏する場合には演奏者の解釈が必要になってくるのですが、この演奏は、屈託のない流麗な響きに彩られた見事な完成形の音楽を楽しむことができるのです。これぞ「イタリア・バロック」です。


旧譜
プラッティ:チェロ・ソナタ集

OC-794
\2300→\2090
ジョヴァンニ・ベネデッティ・プラッティ:通奏低音とチェロのための6 つのソナタ
 1-4.第1 ソナタ/5-8.第2 ソナタ/9-12.第3 ソナタ/
 13-16.第4 ソナタ/17-20.第5 ソナタ/21-24.第6 ソナタ
セバスチャン・ヘス(バロック・チェロ)/
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)
 1697 年生まれの作曲家、プラッティ(1697-1763)はイタリアで歌とオーボエ、ヴァイオリンを学びました。当時発明されたばかりのフォルテピアノも習得し、この楽器のためにソナタを作曲しています。その後、25 歳の時にビュルツブルクの大司教ヨハン・フィリップ・シェーンボルンに招かれ、バンベルクとビュルツブルクを治めていたビショップ王子の宮廷楽師となります。ここで、8 人の子どもを持つソプラノ歌手、テレジア・ラングプリュックナーと結婚し、生涯をビュルツブルクで過ごしました。
 このソナタ集は1725 年に作曲されたと見られ、シェーンボルンが編纂したピアッティの60 作にものぼるリストの巻頭に置かれた「12のソナタ」の中の6 つの作品です。シンプルなスコアから導き出された見事な通奏低音と、美しいチェロの絡みが絶妙です。希少作品の発見に力を注ぐヘスとヴォルフによる演奏で。
 録音 2010 年9 月14-16 日ニュルンベルク、マイスタージンガーホール(小ホール)Recording Producer: Thilo Grahmann, Balance Engineer: Carsten Vollmer, Technical Engineer: Markus Spatz, Editing: Thomas Gotz


OC-858
\2300
アレクサンダー・マリア・ワグナー/第1交響曲「クラフトヴェルク」
 1-3. A.M.ワグナー(1995-):
  第1交響曲「クラフトヴェルク」
   <第1楽章:動きをもって、そして容赦なく/
    第2楽章:主題と変奏/
    第3楽章:序奏、葬送行進曲とトッカータ>/
 4.J.S.バッハ(1685-1750)/A.M.ワグナー:
   半音階的幻想曲ニ短調/
 5-7.プロコフィエフ(1891-1953):ピアノ・ソナタ 第7番変ロ長調Op.83
アレクサンダー・マリア・ワグナー(ピアノ)…4-7/
ソフィア・フィルハーモニー管弦楽団…1-3/
アレクセイ・コルニエンコ(指揮)…1-3
録音 2010年1月ソフィア・フィルハーモニック…1-3, 2012年2月&4月シュトラウビンク、リッターザール…4-7 Recording Producer: Andreas Ziegler
 このアルバムの録音時「作曲家」であるA.M.ワグナーは、たった14歳であったにも拘わらず、すでに「偉大なる未来」を予言された存在でした。
 彼の言葉によると「第1交響曲」はストラヴィンスキーの春の祭典に見られるような“音の混沌”と、リゲティの音楽のような強烈なサウンドを持ち合わせており、ゆっくりとした楽章では、連綿と続く変奏で世界の変遷を見据え、自らの使命をも映し出しているというのです。
 まさに現代音楽界のスターであり奇跡でもある彼は、また屈指のピアニストでもあり、ここでは衝撃的なプロコフィエフと、彼自身が編曲を施したバッハの2作品を披露、この録音当時16歳。斬新な感性をこれでもかと見せつけています。
 


OC-937
(4CD)
\4500→\4090
ゼバスティアン・ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場管弦楽団
 リヒャルト・ワーグナー:
  楽劇「ニーベルングの指輪」より第2夜「ジークフリート」
ジークフリート…ランス・ライアン(テノール)/
ミーメ…ペーター・マーシュ(テノール)/
さすらい人…テリエ・ステンスヴォルト(バリトン)/
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(バリトン)/
ファフナー…マグヌス・バルトヴィンソン(バス)/
エルダ…メレディス・アーワディ(コントラルト)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(ソプラノ)/
森の小鳥…(ソプラノ)/
フランクフルト歌劇場管弦楽団/
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2011年10月/11月フランクフルト歌劇場ライブ録音
 


OC-938
(4CD)
\4500→\4090
ゼバスティアン・ヴァイグレ&フランクフルト歌劇場管弦楽団
 リヒャルト・ワーグナー:
 
 楽劇「ニーベルングの指輪」より第3夜「神々の黄昏」
ジークフリート…ランス・ライアン(テノール)/
グンター…ヨハネス・マルティン・クレンツル(バリトン)/
アルベリヒ…ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー(バリトン)/
ハーゲン…グレゴリー・フランク(バス)/
ブリュンヒルデ…スーザン・ブロック(ソプラノ)/
グートルーネ…アーニャ・フィデリア・ウルリヒ(ソプラノ)/
ヴァルトラウテ/第2のノルン…クラウディア・マーンケ(コントラルト)/
第1のノルン…メレディス・アーワディ(コントラルト)/
第3のノルン…アンゲル・ブルー(ソプラノ)/
ヴォークリンデ…ブリッタ・シュタルマイスター(ソプラノ)/
ヴェルグンデ…ジェニー・カールステット(メゾソプラノ)/
フロースヒルデ…カタリーナ・マギエラ(アルト)/
フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団/
ゼバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
フランクフルト歌劇場における「指輪」ツィクルス、「ジークフリート」と「神々の黄昏」のリリースです。
 徹底したスコアの読み込みから導きだされるオーケストラの豊穣な響きと、現代の最高の歌手たちが歌う登場人物たちは、また新しいドラマを生み出し、21世紀の混沌の時代に一石を投じます。
 ジークフリート役のランス・ライアンは、最近めきめきと力を付けてきたヘルデン・テノールで、メータ指揮の「バレンシア・リング」でも圧倒的な存在感を見せつけていましたが、ここでも(少々軽めの声ではありますが)見事な英雄ぶりを披露しています。
 リング好きにはたまらないプロジェクトです。録音 2012年1月/2月フランクフルト歌劇場ライブ録音

PALADINO


PMR-0022
\2000
ヘルムート・ローグル:サクソフォンのための作品全集
 1.幻想曲「心配しないで」Op.50/
 2.セヴン・アップOp.22/
 3-5.映画音楽「太陽の追跡」Op.34/
 6.スウィング・メモリーズOp.47/
 7-8.映画音楽「パンノニア」Op.43/
 9.アイン・ツヴァイ・トリオ!Op.53
ペーター・ロースドルファー(サクソフォン)/
ダニエラ・ロースドルファー=ケッティ(アルト・サクソフォン…2-6)/
マルティン・シュタインコグラー(テナー・サクソフォン…2-6)/
マルクス・ホルツァー(バリトン・サクソフォン…2-6)/
マルティン・ルンメル(チェロ…1.9)/
ゲルハルト・ホファー(ピアノ…9)
録音 2011年7月15日,2012年4月17-18日オーストリア,ケフェルマルクトシュロス・ヴァインベルク
 オーストリア生まれの作曲家ローグル(1960-)は、幼い頃からピアノを学び、独学で作曲を勉強(なんと、ブルックナーをお手本にしていたとか)し、リンツ音楽院、ザルツブルクで研鑽を積みます。
 同時にビジネスの基本もじっくりと学び、昼は保険会社のマーケティング責任者として働きながら、このアルバムに収録されているような楽しい作品を数多く書いているのです。
 彼が務める会社のスローガンは「心配しないで」ですが、その言葉をそのまま使った幻想曲「心配しないで」でのユニーク、かつ伸び伸びした音楽は、このアルバムの全てを象徴しているかのようです。
 Op.34の「太陽の追跡」は1999年8月11日の皆既月食を祝して(?)作曲されたものです。他にも興味深い曲が盛りだくさん。
 

PMR-0029
\2000
フェルッチョ・ブゾーニ:クラリネットとピアノのための作品全集
 1.アンダンテ・コン・モートK72/
 2-7.組曲K88
  <即興曲/舟歌/悲歌/田舎の踊り/主題と返送/セレナータ>/
 8.おとぎ話K123/9.ソロ・ドラマティークK138/
 10-12.ソナタニ長調K138(F.ファイルマイア補筆完成)/
 13.セレナードK108/14.前奏曲K15…世界初録音/
 15.小品K162…世界初録音/16.アンダンティーノK107/
 17.ノヴェレッテK116/18.悲歌K286
ベンジャミン・ファイルマイア(クラリネット)/
フローリアン・ファイルマイア(ピアノ)
録音 2012年2月28-29日オーストリア ケフェルマルクトシュロス・ヴァインベルク
 父親が名クラリネット奏者であったブゾーニ(1866-1924)にとって、この楽器はとても近い存在であり、また自身の作曲技法を磨くためのツールとしても役立ったに違いありません。彼のクラリネット作品は、1919年に書かれた「悲歌」以外は、どれもが9歳から14歳頃に書かれたという、まさに神童の所作を表わすものであり、また両親が愛してやまなかったバッハの影響も感じさせる名作となっています。
 今までにも彼のクラリネット作品の録音はありましたが、このアルバムには2つの世界初録音の作品(失われたとされていたものを図書館から探し出した)と、未完であったソナタの補筆完成版が含まれていることにも注目。意義ある1枚です。
 
Couperin: The Complete Organ Masses
PMR-0020
(2CD)
\2600
フランソワ・クープラン:オルガン作品全集
《CD1.教区のためのミサ曲》
 1-5.キリエ/6-14.グローリア/15.オッフェルトリウム/
 16-17.サンクトゥス/18.ベネディクトゥス/
 19-20.アニュス・デイ/21.デオ・グラティアス/
《CD2.修道院のためのミサ曲》
 1-5.キリエ/6-14.グローリア/15.オッフェルトリウム/
 16-17.サンクトゥス/18.エレヴェーション/
 19-20.アニュス・デイ/21.デオ・グラティアス
ジェイムズ・ティブルス(オルガン)/
エイジ・オブ・ディスカヴァリー・ヴォーカル・アンサンブル/
ジェームス・ティブルス(指揮)
録音 オルガン…2011年7月4-8日フランスエリゼ・ノートル・ダム・ド・ロゼ=アン=ブリ、聖歌…2010年12月.2011年6月ニュージーランド、オークランド音楽大学、ミュージック・シアター
 クープラン(1668-1733)の「2つのミサ曲よりなるオルガン小品集」は、初期の代表作であり、彼が1685年から1723年までオルガニストとして務めたサン・ジョルヴェ教会のために書かれたものです。この中には2つのミサ曲「教区のための」と「修道院のための」が含まれていて、どちらも小さ目のオルガンでも演奏できるような比較的簡素な筆致で書かれていますが、その多彩な表現力は他に比べるものがないほどの水準の高さを誇っていて、オルガン・ミサの中でも代表的な作品として知られています。
 この録音では各々の曲の後ろに声楽による聖歌を挿入し、オルガンと声との親密な対話をお楽しみいただけるという趣向が施されています。ニュージーランドの名手、ティブルスによる熟練の演奏です。
 
Alberto Mesirca: British Guitar Music
PMR-0027
\2000
イギリスのギター音楽集
 1.ダウランド(1563-1626):前奏曲/
 2.ブリテン(1913-1976):ダウランドによる夜想曲Op.70/
 3-6.レノックス・バークリー(1903-1989):
  4つのギターのための小品集Op.post/
 7.ロバート・フィリップ(1946-):「フラクトゥア」より/
 8.グラハム・ヴェタム(1927-2007):
  チェロとギターのための「セレナード」WW45/5/
 9-12.グラハム・ヴェタム:ギター・パルティータWW57/
 13.マックスウェル・ディヴィス(1934-):
  ストロムネスよ、さようなら(T.ウォーカー編)
アルベルト・メシルカ(ギター)/
マルティン・ルンメル(チェロ…8)
録音 2012年5月10,20-22日カステルフランコ・ベネット,テアトロ・アッカデミコ
 イギリスの音楽は、早い時期から具体的かつ明確な性格を持っていました。この若きギタリスト、メシルカによる様々な曲を集めたアルバムは、この「上品だけども、ちょっぴり気難しい」国の音楽を見事なまでに理解させてくれる興味深い1枚です。
 ギタリストならば誰もが一度は演奏するダウランドとブリテンの作品を始め、比較的最近発見されたL.バークリーの小品集やマックスウェル・デイヴィス作品の編曲もの、R.フィリップの愛すべき小品、そしてグラハム・ヴェタムの2つの世界初演作品という、なかなか手強い選曲は、ギター好きを唸らせるに違いありません。
 
The Original Debut Recording
PMR-0031
\2000
クリストファー・ヒンターフーバー:オリジナル・デビュー・レコーデイング
 1-6.J.S.バッハ(1685-1750):
  パルティータ第2番ハ短調 BWV826/
 7-8.ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):
  ピアノ・ソナタ第32番ト短調Hob:XVI44/
 9.フランツ・リスト(1811-1886):スペイン風狂詩曲/
 10-12.イゴール・ストラヴィンスキー(1882-1971):
  「ペトルーシュカ」からの3楽章/
 13.セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズOp.34-14
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
録音 1998年11月ウィーン,ヤマハ・コンサートホール
 「1998年における最も魅力的なピアノ録音」とドイツの音楽雑誌で大絶賛されたピアニスト、ヒンターフーバーのデビュー録音です。
 最近ではフィルディナント・リースのピアノ協奏曲全曲録音のシリーズが好評を得ている彼は、クラーゲンフルトに生まれ、数多くのコンクールに入賞。その実力はお墨付きですが、このデビュー録音でも、溢れるようなインスピレーションと見事な技巧を誇示。現在の活躍ぶりを予見させる堂々たる演奏を披露しています。
 日本にも度々来日、マスタークラスでは的確な指導をすることで知られ、ますます人気が高まること間違いない、まさに「期待の人」です。

QUINTONE

 Quintone Recordsは2007年に発足したオランダの新興インディペンデントレーベルです。レーベル開始当初は、ベネルクス圏出身の演奏家を起用し、バロック音楽とオランダ人作曲家の現代音楽に特化したレーベルでした。
 レーベルの特色である音質の良さが評価された後は更にレパートリーを広げ、古典や後期ロマン派まで幅広く録音を開始。これまではオランダ国内のみで展開していたレーベルですが、2012年からワールドワイドでの販売がスタートしました。
Purcell: Music for a While
Q08006
(SACD-Hybrid)
\2300
パーセル:声楽作品集 〜
 ひとときの音楽

  1.おお!潔白なシダリアよ/2.ひとときの音楽/
  3.お前の姿を見るたびに我が心は/
  4.われは愚痴やへつらいに負けじ/
  5.ああ、恋することは何と楽しいことか/
  6.輝かしい太陽にも、もはや楽しみはあらじ/
  7.日陰の冷たく心地よき流れの中で/
  8.音楽が愛の糧であるならば/9.リッチモンドの丘の上で/
  10.人の目を逃れて/11.私のアクメリアが微笑む時/
  12.私はあわてて関係ないと誓った/
  13.私は美しいチェチーリアに恋をした/
  14.悲しみのチェリアの臥すところをごらんなさい/
  15.ああ何と悲しきわが運命/
  16.誰もフロレラの魅力には耐えられない/
  17.わが苦しみのすべてが君の憐れみを呼び起こすにはあらず/
  18.運命の時は足早にやってくる/
  19.彼女は恋し、愛をうちあける/
  20.聞いていないのかい、私のフィリス/
  21.彼らは慈悲深いようだが/22.愛しいアストレアから/
  23.シーリアは千の魅力を/24.我らは偽りの態度を装えど空し/
  25.幾多の方法を私は試みた/26.恋の病から飛び立とう
マールテン・コニングスベルガー(バリトン)/
フレッド・ヤーコプス(テオルボ)
 テオルボ伴奏で聴くパーセル(1659-1695)の歌曲の数々。バリトンのコニングスベルガーのアプローチは確かにロマンティックであり、最近の古楽的唱法に親しんでいる人には若干の違和感があるかも知れませんが、ここは「歌」として楽しむのもありではないでしょうか。
 もちろん全体的に品良くまとまっていて、愛や悲しみ、喜びの感情をじっくりと味わえます。録音 2008年10月
 
Weber: Chamber Works
Q09001
(SACD-Hybrid)
\2300
ウェーバー:作品集
 1-4.クラリネット五重奏曲変ロ長調 Op.34 J.182/
 5.舞踏への勧誘Op.65 J.260/
 6-9.フルート三重奏曲Op.63 J.259
ファン・スィーテン・ソサエティ
 <メンバー:マリオン・モーテン(フルート)…6-9/
 フランク・ファン・デン・ブリンク(クラリネット)/
 バルト・ファン・オート(ピアノ)/
 フランク・ポールマン(ヴァイオリン)/
 イゴール・ルハージェ(ヴァイオリン)/
 ベルナデッテ・フェアハーゲン(ヴィオラ)/
 ヨブ・テル・ハール(チェロ)>
 まるで協奏曲のようにクラリネットが活躍する「クラリネット五重奏曲」は、ウェーバー(1786-1826)の室内楽作品の中でもとりわけ高い人気を誇っています。
 技巧的なパッセージが多いのは、当時のミュンヘン宮廷管弦楽団のソロ・クラリネット奏者ハインリッヒ・ベールマンに触発されて書かれた作品であるためで、完璧に演奏するためには恐ろしいまでのテクニックを要求されます。ここでは、そんな苦労(?)は全く感じることのない、滑らかで美しいメロディをとことん楽しめます。
 フォルテピアノで聴く「舞踏への勧誘」、こちらも緊密なアンサンブルが美しい「フルート三重奏曲」と、知られざるウェーバーの魅力を堪能できることでしょう。録音 2008年6月9-11日
Mendelssohn: The Young Genius
Q09004
(SACD-Hybrid)
\2300
メンデルスゾーン:室内楽作品集〜若き天才
 1-4.ピアノと弦楽のための六重奏曲Op.110(1824)/
 5-7.クラリネット・ソナタ変ホ長調(1824)/
 8-11.ピアノ三重奏曲ハ短調(1821)
ファン・スィーテン・ソサエティ
<メンバー:
バルト・ファン・オート(ピアノ)/
フランク・ポールマン(ヴァイオリン)/
イゴール・ルハージェ(ヴァイオリン)/
ベルナデッテ・フェアハーゲン(ヴィオラ)/
ルーベン・サンダース(ヴィオラ)…1-4/
ヤーリング・バルタ(チェロ)/
ヨブ・テル・ハール(チェロ)/
角谷朋紀(コントラバス)/
フランク・ファン・デン・ブリンク(クラリネット)>
録音 2009年6月,7月
 オランダの名手たちによる若きメンデルスゾーン(1809-1847)の才気溢れる作品集。この3曲は全て10代前半の作品で、姉ファニーとともに自宅での週末演奏会で披露されたものと言われています。これがまた素晴らしい出来映えの溢れるような才能が迸る美しい作品群です。
 ファン・スィーテン・ソサエティはピリオド楽器によるアンサンブルで、ここでも1830年製のツィーラー、フォルテピアノを始めとした、つやつやの音色が楽しめます。
 
Ton de Leeuw: Complete Piano Solo Works
Q09005
(2CD)
\2600
トン・デ・レーウ:ピアノ作品全集
<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ第2番/5.前奏曲/6-9.パルティータ(1946)/
 10-12.小組曲/13-16.4つのリズミカルな練習曲/
 17.ダンス・レント/18-20.3つのアフリカの練習曲/21.パストラーレ/
 22-24.リディア組曲/25-30.6つの舞曲/31-35.人は自分の道をゆく/
<CD2>
 1-4.パルティータ(1943)/5-7.ピアノ・ソナタ第1番/
 8.3つのインヴェンティ/9-11.3つのソナチネ/12-15.4つの前奏曲/
 16-24.フランス民謡による変奏曲/25-29.5つの練習曲/
 30.9つのラーサ/31.左手と右手/32.告別
ルネ・エッカート(ピアノ)
録音 2009年8月25.27.28日,9月9日
 オランダ音楽センター(Muziekcentrum Nederland…MCN)の共同制作である、オランダを代表する現代作曲家トン・デ・レーウ(1926-1996)のピアノ作品集です。2010年月9日に彼のピアノ曲全集の新版が発行されたのを記念しての録音となります。若干の作品は以前から録音があり、その斬新な作風が評価されていましたが、ここで纏めて聴いてみると、作曲家の作風の変遷が理解できるのではないでしょうか?
 最初に聴くなら「フランス民謡による変奏曲」がおすすめ。誰もが知っている「月のひかりに」が少しずつ崩壊していき、最後はフーガとして立ち現れます。
 
Zachow: Christmas Cantatas
Q10001
\2300
ツァッホウ:クリスマス・カンタータ集
 1-17.「わが心は主をあがめ」/18-24.「主よ、われ汝だけをもち得るなら」/
 25-32.「われと共に主をあがめよ」/33-46.「わが魂よ、主をほめたたえよ」
コンスタンツェ・バッケス(ソプラノ)/
カペラ・フリジエ/
アカデミア・アムステルダム/
ルトガー・レミー(指揮)
録音 2009年8月31日,9月1,2日
 ハレで聖母教会のオルガニストとして活躍(後任はJ.S.バッハ!)、その時代にハレにやって来たヘンデルの最初の音楽教師も務めたフリードリヒ・ヴィルヘルム・ツァッホウ(1663-1712)のクリスマス・カンタータ集です。この録音は、当時は大変人気を誇ったものの、現代ではほとんど忘れられてしまったこの作曲家の作品を掘り起し、ブクステフーデとバッハを繋ぐ「教会音楽の歴史」を再構築するものです。全てクリスマスのカンタータだけあって喜びに満ちた作品で、ソプラノのバッケスの歌唱は、暖かみに溢れた清冽なものです。
 
Schubert and the Flute
Q10003
\2300
シューベルト:作品集 〜シューベルトとフルート
 1.「しぼめる花」による序奏と変奏曲Op.160, D802/
 2-4.ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ) ニ長調 Op.137-1 D384(フルート編)/
 5-6.歌曲集「冬の旅」D911(T.ベームによるフルート編)より
  <おやすみ/菩提樹>/
 7-11.歌曲集「白鳥の歌」D957(T.ベームによるフルート編)より
  <漁師の娘/セレナード/海辺にて/
   鳩の使い/岩の上の羊飼いOp.129 D965>
マリーネ・シュネーマン(フルート)/
バルト・ファン・オート(ピアノ)/
フランシーヌ・ファン・デル・ヘイデン(ソプラノ)…11
録音 2010年4月27-29日
 アルペジョーネ・ソナタをフルートで演奏することは比較的多いのですが、ここではヴァイオリン・ソナタをフルートに置き換え、この作品に新しい表情を付け加えることに成功しています。
 もともとフルートのための「しぼめる花〜」、近代フルートを完成させたテオバルト・ベームの編曲によるいくつかの歌曲(これはメロディの装飾が楽しいです)での表情豊かな笛の音色も良いですが、本来はクラリネット(もしくはチェロ)のオブリガードで歌われる名曲「岩の上の羊飼い」では、ここではフルートが優しく歌に寄り添っていて、クラリネットの領域に一歩踏み込んだフルートの可能性を感じさせてくれるでしょう。
 
Simons conducts Simons
Q10004
\2300
シモンズ・コンダクツ・シモンズ 〜マライン・シモンズ:作品集
 1-6.クワーカーズの伝説Op.58a/
 7-11.ファイヴOp.48a/12.バス・コンティニューOp.48b
シモンズ・アンサンブル/
マライン・シモンズ(指揮)
録音 2010年3月13日
 幻想的な作風で知られる若手作曲家マライン・シモンズ(1982-)と彼のアンサンブルである「シモンズ・アンサンブル」のデビュー・コンサート(ドレスリハーサル含む)の録音です。
 もともとはピアノ独奏のために書かれたという「クワーカーズの伝説(この言葉はルーマニア語のブルーベリー(coacaza)か来ているそう)」で、彼の妻との会話の中でインスピレーションを得た作品。ベースの効いたノリの良い曲です。他2曲も楽しいです。
 
Vriend: Jets d'Orgue
Q10007
\2300
ヤン・ハーゲ(オルガン)
 ヤン・フリエンド:Jets d'Orgue
ヤン・ハーゲ(オルガン)
録音 2009年11月10.16.17日
 オルガンの巨大な音響をフルに生かした「響きの祭典」とも言える壮大なる音の叙事詩。自然かつ生き生きとしたパワーと、何千もの音色のパターンを組み合わせた目もくらむような音の洪水は、最初は戸惑うものの、そのうち快感へと変化します。全く新しい音楽です。
 
Q10008
\2300
アレクサンドル・ドロズドフ(ピアノ)
 1-3.シューマン(1810-1856):幻想曲ハ長調 Op.17/
 4-12.ラフマニノフ(1873-1943):練習曲集「音の絵」Op.39
アレクサンドル・ドロズドフ(ピアノ)
録音 2010年3月
 オランダの新聞に一言「アレクサンドル・ドロズノフは聴衆の心に語りかける」と評されたというロシアのピアニスト。確かにこの深い表現力を伝えるには、却って余計な言葉は不要でしょう。上品さ、繊細な感性、詩的な表現力、様々な賛辞は聴き手の心の中で繰り返されていくはずです。このCDに記録された2つの作品も、とりわけ聴き手のイマジネーションを喚起するものです。
 
Schubert at Home
Q11001
(SACD-Hybrid)
\2300
シューベルト:作品集 〜シューベルト・アット・ホーム
 1-5.ギター四重奏曲D96/
 6.岩の上の羊飼い D965/
 7-11.ピアノ五重奏曲イ長調 「ます」 Op.114, D.667
フランシーヌ・ファン・デア・ヘイデン(ソプラノ)…6/
ファン・スィーテン・ソサエティ
<メンバー:イズハール・エリアス(ギター)…1-4/
マリオン・モーテン(フルート)…6/
フランク・ファン・デン・ブリンク(クラリネット)…6/
マリア・ヴァーエルヴォ(コントラバス)…7-11>/
バルト・ファン・オート(ピアノ)/
イゴール・ルハージェ(ヴァイオリン)/
ベルナデッテ・フェアハーゲン(ヴィオラ)/
ヨブ・テル・ハール(チェロ)
録音 2009年9年-11月
 オランダを代表するピリオド楽器のアンサンブル「ファン・スィーテン・ソサエティ」によるシューベルト(1797-1828)の作品集。曲の形態に合わせて、各々の楽器の名手を揃え極上のアンサンブルを聴かせます。
 ここではシューベルトの3つの作品が演奏されていますが、なかでも「ます」でのスリリングな演奏がイチオシです。
 ほとんどノン・ヴィヴラートのヴァイオリンと危なげのないフォルテピアノ。爽快で輝かしくエキサイティングです。もし自宅でこんな演奏会が行われたとしたら、と想像するだけでも楽しい1枚です。
 
Schubert: Winterreise D911
Q11003
\2300
マールテン・コニングスベルガー(バリトン)
 シューベルト:歌曲集「冬の旅」

 1.おやすみ/2.風見の旗/3.凍った涙/4.氷結/5.菩提樹/
 6.溢れる涙/7.川の上で/8.回想/9.鬼火/10.休息/11.春の夢/
 12.孤独/13.郵便馬車/14.霜おく頭/15.カラス/16.最後の希望/
 17.村にて/18.嵐の朝/19.まぼろし/20.道しるべ/
 21.宿屋/22.勇気/23.3つの太陽/24.辻音楽師
マールテン・コニングスベルガー(バリトン)/
ロジャー・ブラウン(ピアノ)
録音 2002年7月3-6日
 レーベルを代表するバリトン歌手コニングスベルガーによるシューベルト(1797-1828)の「冬の旅」。彼はこの曲から極めて親密なドラマを引き出しています。
 滑らかな声、そして美しいレガートと完璧なドイツ語はもちろんのこと、各曲に秘められたドラマを次々と明かす彼の歌唱は、シューベルトが、この孤高の歌曲集で人々に伝えたかったことを、もう一度考えたくなるような素晴しさです。ピアノのブラウンも息のあった演奏を聴かせます。

RONDEAU



ROP-6061
\2000→\1890
Voci a corde-声と弦
《ケルビーニ(1760-1842)》
  1.二重唱第1番「日陰の森の中の孤独」/
  2.二重唱第4番「ああ、なぜ小さな川の流れは岩の間を」/
《ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)》
 3.五月に/4.君の瞳を見つめると/
 5.恋人よ、僕らは一緒に舟に乗って/
《メンデルスゾーン(1809-1847)》
 6.どうして楽しく愉快でいられるのでしょう?/
 7.好きな場所Op.99-3/8.すずらんと小さな花Op.63-6/
 9.夕べの歌/10.歌の翼に/11.挨拶Op.63-3/
 12.渡り鳥の別れの歌Op.63-2/
《シュポア(1784-1859)》
 13.幻想曲Op.35/
《シューマン(1810-1856)》
 14.つばめOp.79-21/15.太陽の輝くようにOp.37-12/
 16.東方のばらより/17.美しい花Op.43-3/
 18.私が鳥になれたらOp.43-1/
 19.5月の歌Op.79-10/20.くるみの木Op.25-3/
《ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル》
 21.私に道を教えてください/22.さまざまな喪/
《ケルビーニ》
 23.二重唱第3番「親しき小枝よ、私に聞かせて」/
 24.二重唱第2番「私の愛しい娘、私の美しい炎」
クリスティーネ・ヴォルフ(S)/
ブリッタ・シュヴァルツ(A)/
マリア・グラーフ(hp)
 19世紀のロマン派の歌曲は、本来家庭的な親密な雰囲気の中で演奏されるものだったに違いありません。しかし、偉大な歌手とピアニストたちは、そこに高い芸術性を見出し、劇的な表現と崇高な精神を持たせることで、一つの宇宙にまで高めたのです。ここでは、ハープの柔らかな響きを伴奏とすることで、本来の「親密な世界」を再現。ドイツ・リートの新しい聴き方を示唆しています。
 ケルビーニの珍しい歌曲と、もともとハープ伴奏のために書かれたシュポアの幻想曲も、耳に優しい空気をもたらすものです。
 ドイツのレパートリーで定評のあるボルフとシュヴァルツ、そして名手グラーフの溶け合う音色で。
 
Widor & Vierne: Organ Symphonies
ROP-6063
\2000
2大オルガン交響曲
 シャルル=マリー・ウィドール:
  オルガン交響曲第5番ヘ短調 Op.42-1/
 ルイ・ヴィエルヌ:オルガン交響曲第6番ロ短調Op.59
トビアス・フランク
(ベルリン=シェーンベルク、
聖マティアス教会、1958/1974年
ザイフェルト製オルガン演奏)
オルガン交響曲とは、独奏オルガンのみで演奏される「交響的な響きを持つ」作品のこと。フランスの作曲家を中心に数多くの作品がつくられていますが、中でもとりわけ有名なのが、このウィドール(1844-1937)とヴィエルヌ(1870-1937)であり、このアルバムにも収録されているウィドールの「第5番」は、終楽章のトッカータが独立で演奏されるほど有名な作品です。
 トビアス・フランクはミュンヘン音楽演劇大学で教会音楽を学んだ後、イギリスで活躍するオルガニスト。この録音ではドイツにありながらも、フランス風の音色を持つ聖マティアス教会の大規模なオルガンを用い、理想的な音色で2つの作品を演奏しています。
 
ROP-7011
\2000
Gloria in excelsis Deo-荒れ野の果てに 〜
 ハノーヴァー少年合唱団による待降節とクリスマス・キャロル

《ジークフリート・シュトローバッハ(1929-)》
<降臨節>
 1.はじめに/2.高く戸を上げよ/3.オルガン演奏Ⅰ/
 4.船がやってくる/5.おお救い主よ、天を開いてください/
<マリア>
 6.今来たりたまえ、救いの主イエス/7.今は耐え忍べ/
 8.オルガン演奏Ⅱ/9.いかにしてか、われは汝を迎えまつり/
 10.起きよ、光を放て/11.アヴェ・マリア/12.オルガン演奏Ⅲ/
 13.マリアはいばらの森を通り/14.マリアは生まれた/
 15.マニフィカト/<キリスト降誕>16.ところでその頃/
 17.エサイの根より/18.かくも神は世を愛したまえり/
 19.私はかいば桶の傍に立ち/
<羊飼い>
 20.その地方では羊飼いたちが/21.天使たちが語った/
 22.すると突然天使にあった/23.荒れ野の果てに/
 24.そして、それらの天使たち/
 25.羊たちのそばで目覚めると/
 26.彼らは急いでやってきた/27.真夜中に/
 28.羊飼いたちは目を覚まし/
 29.羊飼いたちはみ使いらの歌/30.クリスマスの歌/
 31.諸人声あげ/32.さあ、あなたがたの信者/
 33.眠れ、幼子/34.静かに眠れ、幼子よ/
 35.可愛いナイチンゲールよ,目を覚ませ/
 36.どこもが幸せなクリスマス/37.おお、なんと幸せ
ハノーヴァー少年合唱団/
イェルク・ブライディング(指揮)/
スカイ・ダ・モント(朗読)/
ウルフェルト・シュミット(オルガン)
録音 2012年1月20-23日ハノーヴァー、Kirche des Stephansstifts
 ハノーヴァー少年合唱団による美しさ満点のクリスマス・アルバムです。作曲家シュトローバッハによる一連の音楽は、時々は現代的な響きも挟みながら、この聖なる季節に即した雰囲気を盛り上げます。
 名優スカイ・ダ・モントによるお祝いの言葉、荘厳なオルガンの響き、ソリストたち・・・全てが一体となって神の子の誕生を祝うかのようです。
 

JS Bach: Cantatas for Epiphany
ROP-4038
\2000→\1890
聖トーマス教会少年合唱団
J.S.バッハ:公現祭のカンタータ集
 1-7.J.S.バッハ:彼らみなシバより来たらんBWV65/
 8.讃歌第10番「主の公現」-非道なる敵ヘロデよ/
 9-14.J.S.バッハ:ああ神よ、心の痛手いかに多くBWV3/
 15.讃歌第11番「主の公現」-イエスは全てを照らしたもう/
 16-21.すべてただ神の御心のままにBWV72
聖トーマス教会少年合唱団/
コンラッド・ツーバー
(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト…9-14.16-21)/
マルティン・デッケルマン(アルト…合唱団内ソリスト…9-14)/
シュテファン・カーレ(アルト…合唱団内ソリスト…16-21)/
マルティン・ペッツォルト(テノール…1-7.9-14)/
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス…1-7.9-14.16-21)/
ゲヴァントハウス管弦楽団/
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 2009年1月9-10日…BWV65, 2009年1月16-17日…BWV3.72 聖トーマス教会ライブ録音
 聖トーマス教会合唱団による、創立800周年記念のバッハ・カンタータ・シリーズの第3集にあたる「公現祭(顕現節)のカンタータ」集です。
 公現祭とは新しい暦年の1月6日に祝われるものですが、クリスマスとの整合性を保つために12月25日からこの日までを「降誕節」とする宗派もあり、全てが祝祭的ムードに包まれる時期となっています。
 ここに収録された3つのカンタータはBWV65が1724年1月6日、BWV3が1725年1月14日、BWV72が1726年1月27日の初演されていて、それぞれ「公現後弟2主日用」、「公現後第3主日用」とされています。
 BWV65の明るいホルンの音色、BWV3の見事な声楽パート、そしてオーボエが活躍するBWV72(この曲の冒頭はミサ曲ト短調BWV235に転用されています)。
 どれもがイエスの奇跡と、人々の信仰への揺るぎない信念が描かれています。
 

JS Bach: Cantatas for Advent
ROP-4040
\2000→\1890
聖トーマス教会少年合唱団
J.S.バッハ:待降節のカンタータ集
 1.讃歌「豊かな恵みの創始者よ」-イザヤは言われた/
 2-7.J.S.バッハ:いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV61/
 8.讃歌「裁く人キリストの再臨」-全てに恵み深き父/
 9-14.J.S.バッハ:いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV62/
 15.讃歌「豊かな恵みの創始者よ」-輝く実り多き天の創り主/
 16-23.喜びて舞い上がれBWV36
聖トーマス教会少年合唱団/
パウル・ベルネヴィツ
(ボーイソプラノ…合唱団内ソリスト…9-14.16-23)/
フリードリヒ・プレトリウス
(ボーイソプラノ&アルト…合唱団内ソリスト…2-7.9-14.16-23)/
シュテファン・カーレ(アルト…合唱団内ソリスト…16-23)/
クリストフ・ゲンツ(テノール…2-7.9-14.16-23)/
ゴットホルト・シュヴァルツ(バス…2-7.9-14.16-23)/
ゲヴァントハウス管弦楽団/
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)
録音 2009年12月18-19日…BWV36, 2010年11月26-27日…BWV61, 2010年12月17-18日…BWV62 聖トーマス教会ライブ録音
 聖トーマス教会合唱団による、創立800周年記念のバッハ・カンタータ・シリーズの第1集にあたる「待降節のカンタータ」集です。
 待降節(アドヴェント)とは11月30日の「聖アンデレの日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間を指し、クリスマスの準備期間としての礼拝が営まれる時期です。教会歴はここから始まります。
 BWV61はバッハのカンタータの中でも群を抜く名曲の一つで、フランス風序曲とコラール旋律が融合した「王の入場」を待ち望むに相応しい作品。
 BWV62はその10年後に書かれた同じタイトルを持つ曲ですが、こちらは曲の全てにコラールがびっしりと埋め込まれた見事なもの。全く隙のないポリフォニーに息を飲むばかりです。もともとは世俗カンタータであった原曲に、「異教徒の救い主よ」のコラールが追加され、最後はシンプルな合唱で締めくくられます。
 少年たちの美しい合唱は、まさに心が洗われるかのような清々しさをもたらすことでしょう。

SOLO MUSICA

Love Songs
SM175
\2000
愛の歌〜ブラームス・ドヴォルザーク・スクの作品集
 1-18.ブラームス(1833-1897):愛の歌=ワルツOp.52a(4手ピアノ)/
 19.ブラームス:われらはさまよったOp96-2(ヴィオラとピアノ編)/
 20.ブラームス:調べのように私を通り抜けるOp.105-1(ヴィオラとピアノ編)/
 21-24.ドヴォルザーク(1841-1904):スラブ舞曲第2集よりOp.72(4手ピアノ)/
 25.ヨーゼフ・スク(1875-1935):愛の歌Op.7-1/
 26.ドヴォルザーク:森の静けさOp.68-5(4手ピアノ)/
 27.ドヴォルザーク:糸紡ぎOp.68-1(4手ピアノ)
ダイアナ・ケトラー(ピアノ)/
コンスタンティン・リフシッツ(ピアノ)/
アンドレイ・ビエロフ(ヴァイオリン)/
ラズヴァン・ポポヴィチ(ヴィオラ)
 このアルバムは3人の作曲家による「愛とその影響について」のモノローグ集です。親しい友人である4人の音楽家…ピアニストのケトラーとリフシッツ、ヴァイオリニストのビエロフ、ヴィオラのポポヴィチは、これらの音楽から親密でロマンティックな情景を紡ぎ出し、聴き手に心地よさと暖かい雰囲気を届けます。
 生涯独身を貫いたブラームスが創った「愛の歌」は、もともとは四重奏曲として書かれたものをピアノ連弾に編曲。選ばれた歌詞には、無骨さと真面目さ、そして多少の皮肉も込められていますが、この連弾版は歌詞がないだけあって、牧歌的な懐かしさと美しさが強調された親密な音楽となっています。
 ドヴォルザークの作品は、個人的な愛だけではなく、大いなる自然への賛美です。スクの作品はまさに恍惚と欲望に彩られていますが、やはり根底にあるのは自然への崇敬でしょう。TS (日本語帯なし)
 

Alicja Smietana & Evelyne Berezovsky
SM176
\2000→\1890
アリシア・スミエターナ-ヴァイオリン・リサイタル集
 1-2.アンドレ・プレヴィン(1929-):
  2つの小さなセレナーデ(I.パールマンのために)/
 3-5.グレン・グールド(1932-1982):
  ファゴットとピアノのためのソナタ(A.スミエターナによるヴァオリン編)/
 6-10.J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調 BWV1004/
 11.アルヴォ・ペルト(1935-):鏡の中の鏡
アリシア・スミエターナ(ヴァイオリン)
 1983年、ポーランドのクラクフに生まれたヴァイオリニスト、アリシア・スミエターナの「バッハから現代音楽」までの作品集です。イスラエルのコンクールで1位を獲り、またゲオルク・ショルティ財団から後援を受けるなど、将来を嘱望されている彼女が選んだのは、何とも意欲的な曲ばかり。異なる場所で書かれ、様々な作曲技法を有する4つの曲は、一見全く違う世界に属するように見えますが、彼女は、ここから見事に共通項を見つけ出し、作曲家たちのインスピレーションを露わにしています。その一つは間違うことなき「音への憧れと賛美」でしょうか。拡散と凝縮、そんな言葉も感じさせてくれる、多くの示唆に富んだ魅力的な1枚です。
 録音 2012年4月27日St George's, Bristol…1-5.11, 2012年5月19日Llanllawddog Church…6-10


TAFELMUSIK



TMK1019CD
\2000→\1890
ブルーノ・ヴァイル&ターフェルムジーク管
 ベートーヴェン:交響曲第3番/メンデルスゾーン:交響曲第4番

  1.ベートーヴェン(1770-1827):交響曲第3番変ホ長調「英雄」Op.55/
  2.メンデルスゾーン(1809-1847):交響曲第4番イ長調「イタリア」Op.90
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団/
ブルーノ・ヴァイル(指揮)
録音 2012年5月トロント ケルナー・ホール24-bit technology for high definition sound
 名手ブルーノ・ヴァイルとターフェルムジーク管による、ベートーヴェンとメンデルスゾーンの2つの有名な交響曲の最新録音です。両者によるベートーヴェンは、ソニー・クラシカルとANALEKTAレーベルにて幾つかの作品の録音がリリースされていて、その新鮮な解釈と優美な音楽性は、数多くの媒体で高く評価されていることはご存知の通りです。
 「まるでこれらの音楽が昨日作曲されたように、また、この演奏が最初のパフォーマンスであるかのように、私たちはこれらの作品を手掛ける」と語るヴァイルの言葉そのままに、生まれてきた音楽は、最近流行の「尖ったベートーヴェン」や「ちょっと変わったメンデルスゾーン」ではなく、あくまでも自然で完全な姿を見せてくれています。


旧譜
ブルーノ・ヴァイル指揮、ターフェルムジーク・バロック管
ANALEKTA からのベートーヴェン
 多方面で活躍するヴァイルだが、ここにきてカナダANALEKTAから、カナダの古楽器オケ、ターフェルムジーク・バロック管と組んだ録音を精力的に生み出し始めた。
 さっそく聴いたベートーヴェンがまず非常に面白かった。最初聴いたときに感じる違和感は、わずかな時間ですぐに馴染む。抑え気味の演出で決して派手さはないが、ドラマティックな弦の使い方にはっとさせられたり、控えめなフォルテに逆にドッキリさせられたりする。颯爽とした快活さの中に知的な遊びと熱い情熱を感じる。くどいようだが非常におもしろい。もっと聴き込めば聴き込むほど味が出てきそうな、そして深い解釈がありそうなそんな演奏。1回聴き流して終わりでなく、もうちょっとしっかり聴いてみたい。新興勢力の古楽器ベートーヴェン演奏がどんどん登場してきている昨今だが、案外、このヴァイル&ターフェルムジーク・バロック管のベートーヴェン交響曲チクルス、完成した暁には今世紀初頭を飾る名全集になっているかもしれない。
 もっと聴き込んだ後いろいろお知らせしたくなった要注意のシリーズである。
L.V. Beethoven-Beethoven: Symphonies Nos. 5 &amp; 6
2 9831
1CD\2300→¥1990
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」、
              第6番「田園」
ブルーノ・ヴァイル指揮、
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団
2004年10月17-19日。
L.V. Beethoven-Beethoven: Symphonies Nos. 7 &amp; 8 [Includes Dvd]
2 9947
1CD\2300→¥1990
ベートーヴェン:交響曲第7番、
              第8番
ブルーノ・ヴァイル指揮、
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団
2008年4月2-4日。

 

Handel: Messiah
TMK1016CD2
(2CD)
\2600→\2390
ターフェルムジーク・バロック管
 ヘンデル:オラトリオ「メサイア」HWV56
カリーナ・ゴーヴァン(ソプラノ)/
ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)/
ルーファス・ミュラー(テノール)/
ブレット・ポレガート(バリトン)/
ターフェルムジーク・バロック管弦楽団/
アイヴァース・タウリンス(指揮)
録音 2011年12月トロント ケルナー・ホール24-bit technology for high definition sound
 ターフェルムジークによる「メサイア」の最新録音です。
 ヘンデル(1685-1759)独自の様式を持つ孤高の宗教作品である「メサイア」だけあって、この曲を幾度となく演奏してきた彼らにとっても、毎回の演奏が新たなチャレンジとなっていることは間違いありません。この2011年の演奏も、すばらしいソリストたちを交えた白熱のドラマが繰り広げられたもので、聴衆と批評家から大絶賛されています。

TWO PIANISTS


TP-1039251
\2600
ミシェル・ブリート(メゾ・ソプラノ)/
 シューベルトの歌曲で辿る四季

 1.自然に寄せてD372/
<夏>
 2.朝の歌D685 Op.4-2/
 3.曙を讃えるリラD273/4.花の歌D431/5.蝶々D633 Op.57-1/
 6.野ばらD257 Op.3-3/7.ばらD745 Op.73/8.夏の夜D289/
<秋>
 9.秋の歌D502/10.収穫の歌D434/11.秋D945/
 12.秋の夕べD405/13.秋の月に寄せてD614/
<冬>
 14.冬の旅-嵐の朝D911 Op.89-18/15.冬の歌D401/
 16.霧氷の歌D532/17.冬の夕べD938/
<春>
 18.すみれD786(Op. Posth.123)
ミシェル・ブリート(メゾ・ソプラノ)/
ニーナ・シューマン(ピアノ)
シューベルトの数多くの歌曲の中から、季節感を映し出した作品を集めてコレクションした1枚です。煌めくような生きる喜びが溢れる夏、実りと寂しさが同居する秋、心までが凍てつくような冬。これらのコントラストは見事の極みです。そして1曲だけ選ばれた「春」の曲。これはシューベルトが春の曲を嫌っていたわけではなく、あまりにも数が多すぎたので、あえて大作であり、あまり知られていない「すみれ」1曲を選んだのだそう。
 メゾ・ソプラノのミシェル・ブリートはモーツァルトやマスネ、ワーグナーなど数多くのオペラに出演し、独特な存在感を放つメゾ・ソプラノ。2005年の来日時にはケルビーノを歌って大きな話題となりました。前作「シェークスピアにインスパイアされた歌曲集」(TP1039077)でも見事な歌唱を聞かせています。録音 2012年1月
 
TP-1039169
\2600
ロリ・シムズ:ピアノ・リサイタル
 1-17.ベートーヴェン(1770-1827):
  「プロメテウスの創造物」の主題による
   15の変奏曲とフーガ変ホ長調(エロイカ変奏曲) Op.35/
 18-38.シューマン(1810-1856):謝肉祭Op.9/
 39.クララ・シューマン(1819-1896):ロマンスOp.11-1 アンダンテ/
 40.クララ・シューマン:ロマンスOp.11-3 モデラート/
 41.ラフマニノフ(1873-1943):前奏曲ハ短調 Op.23-7/
 42.ラフマニノフ:前奏曲変ホ長調Op.23-6/
 43.ラフマニノフ:前奏曲変ロ長調Op.23-2
ロリ・シムズ(ピアノ)
1998年、ジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで金賞を受賞し、世界的な活躍への足掛かりを得た女性ピアニスト、ロリ・シムズ。古典から現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、細部までこだわった、微妙な表現のニュアンスが魅力的な演奏をする人です。
 このアルバムでは、ベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」とシューマンの「謝肉祭」という2つの大きな曲を軸に、クララ・シューマンのロマンス、ラフマニノフの前奏曲と言った、極めて表現的な作品を合わせていてます。
 ベートーヴェンの、ある意味偏執的とも言える主題の発展、想像的世界の極みである「謝肉祭」での緊迫感のあとにくる心安らぐロマンスと前奏曲。考え抜かれたアルバム構築にも、彼女の閃きを感じます。録音 2012年1月13-15日
 
TP-1039206
\2600
アキレス・デレ=ヴィーネ(ピアノ)
 リスト:超絶技巧練習曲

 1.前奏曲/2.イ短調/3.風景/4.マゼッパ/5.鬼火/
 6.幻影/7.英雄的/8.荒野の狩/9.回想/
 10.ヘ短調/11.夕べの調べ/12.雪あらし
アキレス・デレ=ヴィーネ(ピアノ)
1946年アルゼンチン、サンタフェ生まれのピアニスト、アキレス・デレ=ヴィーネ。彼はクラウディオ・アラウの最後の弟子として知られますが、同時にジョルジ・シフラの薫陶を受けたピアニストでもあり、20世紀のピアニズムを継承する生き字引のような存在と言えるでしょう。
 優れた教師でもあり、エコール・ノルマル・ドゥ・ムジーク・パリ、ジュリアード音楽院、モスクワ音楽院、そして桐朋学園大学などでもマスタークラスを開き、数々の国際コンクールの審査員も務めています。
 CDの録音も数多く、意外なところでは、ピアソラのタンゴ・アルバム(NAXOS 8.572331)では彼自身がピアノへと編曲したタンゴの数々をノリノリに演奏しています。
 このリスト(1811-1886)の「超絶技巧練習曲」も大胆であり挑発的な演奏であり、まさにピアニズムの極地とも言える快感を味わうことができるものです。録音 1994年3月
 

TP-1039275
(2CD)
\3000
ピーター・マーテンス(チェロ)
 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 全曲

 <CD1>
 1-6.組曲第1番ト長調 BWV1007/
 7-12.組曲第2番ニ短調 BWV1008/
 13-18.組曲第3番ハ長調 BWV1009/
<CD2>
 1-6.組曲第4番変ホ長調 BWV1010/
 7-12.組曲第5番ハ短調 BWV1011/
 13-18.組曲第6番ニ長調 BWV1012/
《ボーナス・トラック》
 19.鳥の歌
ピーター・マーテンス(チェロ)
 現在、数多くの「無伴奏チェロ組曲」の録音が存在するのに、なぜ、チェリストたちは、挙って新たな録音をするのでしょう?そんな質問を南アフリカの名チェリスト、ピーター・マーテンスに投げかけたところ、「この作品はチェロのために書かれた最も素晴らしい音楽であり、チェリストは身も心も、想像力も全てが捉われるからです」と答えたそうです。
 チェロを弾く者全てが愛するこの曲集には、演奏家それぞれの物語があり、また祈りがあります。マーテンスは、この曲集の最後にボーナス・トラックとして「鳥の歌」を演奏することで、限りない愛と平和の心を表明しているように思います。 録音 2009年9月



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