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第67号
マイナー・レーベル新譜(1)
2012.10.23〜12.14紹介分


2L


2L 083SABD
(SACD HYBRID+
Pure Audio Blu-ray)
\4000
アイヴィン・ビューエネ (1973-):
 「あり得べき諸都市 (まちまち)/本質を衝く風景」
  ・あり得べき諸都市(2005) − 9 つの楽器のための (断片)
  ・配列図式−9つの楽器のための
  ・あり得べき諸都市 (2005)− 9 つの楽器のための
  ・廃墟のある風景 (2006)−ピアノ三重奏のための
  ・超牧歌的な研究/ 夜の小品/ミニチュアの風景 (2006) −
   フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、
    ダブルベースと打楽器のための
  ・モルト・フルイード (きわめてなめらかに) (2007) −
   クラリネットと弦楽三重奏のための
  ・静物 (2008)−
   フルート、バスクラリネット、ヴィブラフォーン、
    ピアノ (+eBow) と弦楽四重奏のための
チカーダ・アンサンブル
クリスチャン・エッゲン ( 指揮)
 オーディオ・ファイルも注目!ピュア・オーディオ・ブルーレイの2Lが最新作2タイトル

 録音:2010 年4 月、12 月ヘニ・オンスタ芸術センター(ベールム、ノルウェー)
 76’57”/DXD 録音(24bit/352.8kHz)
 [SACD]PSD 5.1 surround/stereo
 [Pure Audio Blu-ray] 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC

 《あり得べき諸都市 ( まちまち)/ 本質を衝く風景》は、アイヴィン・ビューエネ (1973-) がチカーダとアンサンブル・アンテルコンタンポランからそれぞれ委嘱を受け、2005 年から2009 年の間に作曲した6 曲の室内楽とアンサンブル作品の集成です。「都市の中を移動することは新しい音楽を聴くことによく似ていると常に私は思っている。大都会を歩くと、見も知らぬ通りがあり、暗い路地に入ったと思うと突然明るい広場に出る」 ( ビューエネ)。「物語が姿を現し、増殖し、消えていく。そうした都市の風景を音として聴けるものとする。作曲者ビューエネはこの連作によってそのことを試みています。
 ビューエネの思索とイマジネーションと創造の背景にあるのが、イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノ (1923-1985) の『見えない都市 (Le cittainvisibili)』です。マルコ・ポーロがフビライ汗にさまざまな空想都市について報告するという形式をとった、都市論とも現代文明批判とも考えられる小説。
 作曲者ショートフンは、「都市を歩く」聴き手のための「旅行案内」として、第9 章と、連作のタイトルが採られた第4 章と第8 章から英訳文を一節ずつブックレトに引用しています。「『時おり、その方の声が遥か遠くから聞こえて来るように思われることがあるが、それでいながらこの身は目に見えぬくせして目くらますばかりの現在に囚われておるのだ……』」 ( 第9 章) ( 米川良夫・訳 河出文庫版)。連作としての初演は、2009 年11 月14 日、オスロ。1989 年創設、2005 年に NOMUS ( 北欧音楽委員会) 賞を受けた、固定メンバー10 人のアンサンブル、チカーダをクリスチャン・エッゲン (1957-) が指揮しました。
 

2L 084SABD
(SACD HYBRID+
Pure Audio Blu-ray)
\4000
ストーレ・クライベルグ (1958-):
 オペラ・オラトリオ「ダビデとバト・シェバ」 (2008)
  [英語歌唱]
アンナ・エイナション (Ms バト・シェバ)
ヨハンネス・ヴァイセル (Br ダビデ)
ニルス・ハーラル・ソーダール (T ヨアブ)
フレードリク・アクセルベルグ (T ウリヤ)
ラーシュ・ユーハンソン・ブリスマン(Bs ナタン)
トロンハイム交響楽団ヴォーカルアンサンブル
トロンハイム交響楽団
トヌ・カリユステ (指揮)
 録音:2011 年4 月フリー教会 ( トロンハイム、ノルウェー)

 75’20”/ DXD 録音(24bit/352.8kHz)
 [SACD] PSD 5.1 surround/stereo
 [Pure Audio Blu-ray] 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 7.1 DTS-HD MA (24bit/96kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC

 ストーレ・クライベルグ は、1958 年、スタヴァンゲル生まれ。トロンハイムに住み、ノルウェー工科自然科学大学 (NTNU) の音楽学部教授を務める彼は、2004 年9 月11 日、アメリカ同時多発テロ事件の記念日にワシントンの大聖堂で演奏されその模様が全米に中継された《ナチ迫害の犠牲者のためのレクイエム》(Simax PSC1257) により、国際的に知られるようになりました。
 2008 年に初演され、その後ノルウェー内外で再演されている《ダビデとバト・シェバ》は、美しいメロディとハーモニーが特徴で、抒情的で内省的な趣きを持つオペラ=オラトリオ。『旧約聖書』を題材にした内容は以下の通りです。
 「イスラエルの王ダビデは、ある日の夕暮れに王宮の屋上を散歩していて、水浴びする美しい女に目に留める。女は、ヘト人ウリヤの妻、バト・シェバ。バト・シェバは王宮に召され、ダビデと床を共にし、その子を宿す。ダビデの策略によりウリヤは戦死、ダビデはバト・シェバを妻に迎える。主の意に背いたダビデの行為は主の怒りを買い、バト・シェバが産んだ子は7 日目に死ぬ。」
 個人の感情が政治的行動と影響し合い、引き起こされる重大な結末。イギリスの音楽家で作家のジェシカ・ゴードンが、「サムエル記下」の11 章-12 章を基に、今日的なテーマをもつ台本に書き上げました。詩編8 番「主よ、わたしたちの主よ あなたの御名は、いかに力強く 全地に満ちていることでしょう」と詩編51 番「神よ、わたしを憐れんでください 御慈しみをもって。深い御憐れみをもって背きの罪をぬぐってください」の2 つの賛歌はそのまま使われ、合唱、ダビデと合唱により歌われます。

 Pure Audio Blu-ray《 mShuttle》このPure Audio Blu-ray は、mShuttle 機能を備えています。
 mShuttle は、リスナーがBDプレーヤーの近くにいなくても、簡単に音楽を楽しむことができるシステムです。リスナーがどこにいようとも、mShuttle は自宅のオーディオシステムでスタジオ品質FLAC を聴くこともできるし、車や台所ではCD品質、またはMP3 で楽しむこともできる、自由自在のテクノロジーです。

 【方法】
 1. BD プレーヤーがコンピュータネットワークに接続していることを確認して下さい。
 2. Pure Audio ブルーレイディスクをBD プレーヤーに挿入。ディスクを読み取ったのを確認して、mShuttle のスイッチをオンにする。
 3. PCのインターネットブラウザーを開けて、BDプレーヤーのIPアドレスを入力。このアドレスをあなたのBDプレーヤーのセットアップメニューから探して下さい。
 4. オーディオファイルとブックレットを選択して、BD をPC へダウンロードして下さい。
 

2L 085SACD
(SACD HYBRID)
\2500
「景色はみな調和していた/ケンネト・カールソン」
 ・ロルフ・ヴァリーン (1957-):7 つの命令(2001)
  捜せ/ 押せ/ 沈め/ 紡げ/ 突け/ 寄りかかれ/ やめろ
 ・シェーンベルク/アスビョルン・ショートフン (1961-)/ヴァリーン:
  12 のピアノ小品
   (シェーンベルクの「6 つのピアノ小品」op.19
   + ヴァリーンとショートフンによるシェーンベルクの
    op.19 への6 つの注釈)
 ・ショートフン:ある知られざる交響曲のトランスクリプション
  (2003-06 rev.2011)
 ・ショートフン:
  ストラヴィンスキーがバッハになり、
   ショートフンがフレスコバルディになる
 ・ヴァリーン:エチュード 3
 ・シェーンベルク:6 つのピアノ小品op.19
ケンネト・カールソン ( ピアノ)
 シェーンベルクのピアノ曲へのオマージュ

 録音:2008 年6 月、2010 年12 月、2011 年4 月 ヘニ・オンスタ芸術センター( ベールム、ノルウェー)/5.1 surround/stereo/65’57”

 「景色はみな調和していた」は、チカーダ・アンサンブルのピアニスト、芸術面のリーダーを務めるスウェーデン出身のケンネト・カールソン (1952-)のソロアルバム。シェーンベルクの作品を核に、ノルウェーを代表する作曲家ふたり、ロルフ・ヴァリーンとアスビョルン・ショートフン (1961-) の作品を配した構成がとられています。
 「調和した景色」の中心にあるシェーベルクの「6 つのピアノ小品」は1911 年の作品。最初の5 曲が一日で書き上げられたのち、友人グスタフ・マーラーの死の2 ヶ月後に第6 曲が追加され、記念碑的大作の《グレの歌》を完成させたのと同時期に作曲されています。
 「12 のピアノ小品」は、シェーンベルクの「6 つのピアノ小品」に、気心の知れた間柄であるヴァリーンとショートフンが「シェーンベルクと同じように一日で」作曲した「作品19 への注釈」を3 曲ずつ加えた曲集です。この曲集が加わったことで、「予定されたという感じの少ない、もっと自発的な何かがあれば」というカールソンの希望が叶いました。
 さらに、このアルバムではヴァリーンとショートフンの曲が2 曲ずつ演奏されています。ヴァリーンの「7 つの命令」は、ベルゲンのダンスカンパニー、カルト・ブランシュとピアニストのホーコン・アウストボーのために作曲した、アルファベット4 字からなる「命令」をタイトルとする7 曲、約21 分の音楽です。
 「エチュード 3」は、ヴァリーンが作曲した4 曲の「エチュード」のひとつ。この録音のために改訂した版が演奏されています。
 ショートフンの「ある知られざる交響曲のトランスクリプション」は、2003 年、ショートフンもカールソンも「モダニスト流のセリー音楽にいささか飽き飽きしていた」ころ、委嘱により作曲されました。シューマンとスクリャービンの表現形式をイメージしながら作曲が進められ、2011 年に最終稿が完成しています。
「ストラヴィンスキーがバッハになり、ショートフンがフレスコバルディになる」は、ショートフンが近年インスピレーションの源とすることが多いというストラヴィンスキーを基点にフレスコバルディにまで展開していく、美しい小品です。

ACCENT



ACC 24253
\2500→\2290
名手ドンゴワ率いるル・コンセール・ブリゼ
 イタリア初期バロックのソナタ集

 G.B.ブオナメンテ:
  (1)シンフォニア 第7番 (2)ガイラルダ (3)コレンティエ
 G.B.フォンターナ:
  (4)3声のソナタ 第14番 (5)2声のソナタ 第9番
  (6)ヴァイオリン・ソナタ 第3番
 (7)ブオナメンテ:2声のソナタ 第4番
 フォンターナ:
  (8)コルネット・ソナタ 第1番 (9)ヴァイオリン・ソナタ 第2番
  (10)2声のソナタ 第17番 (11)コルネット・ソナタ 第4番
  (12)ヴァイオリンとコルネットのためのソナタ 第7番
 (13)ブオナメンテ:3声のソナタ 第9番
 (14)フォンターナ:2声のソナタ 第12番
 ブオナメンテ:(15)3声のソナタ 第1番 (16)ブランド 第3番
ウィリアム・ドンゴワ(コルネット&指揮)
ル・コンセール・ブリゼ
 コルネットの名手ドンゴワ率いるル・コンセール・ブリゼ古風な響きが絶品!イタリア初期バロックのソナタ集

 録音:2011 年7 月、シュパンダウ(ベルリン)/DDD、76’00”

 世界的コルネット奏者ウィリアム・ドンゴワと、名門ル・コンセール・ブリゼの名タッグがおおくりする初期イタリア・バロックのソナタ集。彼らが生きた1600 年頃はいわばバロック時代の黎明期であり、「ソナタ」という新たな器楽曲のジャンルが人気を博し始めた時代。本アルバムでは、ヴェネツィアに活躍したジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナとジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテを取り上げ、彼らが作曲した珠玉のイタリア最初期のソナタがたっぷりと収録されています。コレッリのソナタを予期させるような華やかさを持ちつつも、ルネサンス時代の響きを色濃く残した古風な旋律の数々は絶品。ヴァイオリン、コルネット、ドゥルシアン(ファゴットの前身である古楽器)、オルガン、アーチリュート、ハープシコードといった古楽器が織り成す柔らかなハーモニーが美しく、室内でしっとりと聴き入りたくなる優しい響きに包みこまれます。バロック期の器楽作品が好きな方はもちろんのこと、モンテヴェルディのマドリガーレや声楽作品の響きが好きという方にもおすすめのアルバムです。
 「ル・コンセール・ブリゼ」は1990 年代初めにウィリアム・ドンゴワによって設立された古楽器アンサンブル。団体名は仏語でブロークン・コンソートを意味し、ルネサンスからバロック期にかけて作曲された、コルネットやツィンクなどを使用する器楽曲の再発見と演奏に意欲的な団体として活躍しています。指揮も務めるドンゴワは、サヴァールからの信頼も厚き世界的コルネット&リコーダー奏者。本アルバムでも、輝かしくも柔らかなコルネットの音色を存分に響かせてくれています。
 


ACC 24267
\2500→\2290
ペトル・ヴァグネル&アンサンブル・トゥールビヨン
 知る人ぞ知るバロックの大家フィンガー
  G.フィンガー:ヴィオラ・ダ・ガンバ

 (1)アリアと変奏 ニ長調 (2)第2のソナタ ニ長調
 (3)第3のソナタ イ長調 (4)第4のソナタ イ長調
 (5)ソナティーナ イ長調 (6)第5のソナタ イ長調
 (7)第7のソナタ イ短調 (8)忘れられた舞曲集(全7曲)
 (9)第1のソナタ ニ長調 (10)プレリュード ホ短調
 (11)ソナタ ニ短調 (12)ディヴィジョン ト短調
ペトル・ヴァグネル
 (ヴィオラ・ダ・ガンバ&指揮)
アンサンブル・トゥールビヨン
 古楽ファン必携の希少盤!知る人ぞ知るバロックの大家フィンガー、ガンバための独奏ソナタ全集!

 録音:2012 年1 月14-16 日、プラハ/DDD、74’15”

 チェコの中堅ガンバ奏者ペトル・ヴァグネルが、自ら創設した古楽器団体アンサンブル・トゥールビヨンと共に、古楽ファン注目必至の最新盤をリリースいたしました!17 世紀末に活躍したヴィオラ・ダ・ガンバの名手、ゴットフリート・フィンガー(c.1660-1730)のヴィオラ・ダ・ガンバの独奏ソナタの全集です。現代にフィンガーの作品の一部を取り上げるだけでも十分希少盤として取り上げられうる中で、ヴァグネルはそのソナタ作品の全てを収録しようというのですから、その意欲の強さも伺えようというもの。もちろん、フィンガーのヴィオラ・ダ・ガンバのための独奏ソナタの全曲録音は、このシリーズが世界初の試み! ロラン・マレのヴィオール曲集を収録したアルバム(ACC 24229)も話題を集めたヴァグネル&アンサンブル・トゥールビヨンですが、今回はそれを凌ぐ希少盤といえるかもしれません。
 ゴットフリート・フィンガーはモラヴィア地方出身の音楽家。ヴィオラ・ダ・ガンバに加え、ヴァイオリン、トランペット、ファゴット、リコーダーといった多様な楽器を弾きこなす名手として活躍していました。ロンドン、ウィーン、マンハイムなど多くの宮廷をめぐったフィンガーの作風は、ビーバー、シュメルツァー、アルベルティーニといった各都市に活躍した音楽家たちの影響を色濃く感じられるもの。本アルバムでは、「プレリュード ホ短調」以外、バロック・ギターやオルガンなどを伴った編成で演奏がなされています。ほんのりとルネサンス音楽の響きを残す古楽器のハーモニーは絶品。一切の棘を見せないヴァグネルの優しい音運びも相まって、非常に繊細かつ柔らかなアンサンブルが組み上げられています!

AD VITAM



AV 120915
\2500→\2290
マキシム・ゼッキーニ(Pf)
 左手のための作品集vol.1

  (1)ラヴェル(ゼッキーニ編):
   左手のためのピアノ協奏曲(左手のみのピアノ独奏版)
  (2)スクリャービン:2つの左手のための小品op.9
  ショパン(ゴドフスキ編):
   (3)練習曲第22番(原曲:「革命」op.10-12)
   (4)練習曲第5番(原曲:「別れの曲」op.10-3)
  サン=サーンス:左手のための6つの練習曲op.135より
   (5)フーガのように (6)ブーレ (7)ジグ
  (8)J.S.バッハ(ブラームス編):シャコンヌ(左手のための)
マキシム・ゼッキーニ(Pf)
 これはびっくり! ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」オーケストラ・パートとピアノ・パートを左手ピアノ独奏のために編曲!フランスの若手ゼッキーニが魅せる、左手の妙。

 【使用楽器:シュタイングレーバー&ゼーネ】

 1979 年パリ生まれのマキシム・ゼッキーニはフランスが注目する若手ピアニスト。2000 年アルカション国際コンクールの優勝を皮切りに数々の国際コンクールで受賞歴を重ね、現在世界を舞台に活躍の幅を広げている新進気鋭の実力派です。AD VITAM レーベルでの1st アルバムとなる今回は、左手のための作品を集めたプログラム。
 何よりも注目されるのは、ゼッキーニ自身が編曲を行ったピアノ独奏版「ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲」でしょう!左手のための作品を集めたプログラムを見事にピアノで表現していきます。サウンドの広がりが小さめになってしまうことは否めませんが、その分ひとつひとつのアンサンブルがクリアに聴こえてくることも確か。ゼッキーニの溌剌とした弾きぶりも相まって、全体的にすっきりとした音の響きが印象的です。
 収録にはドイツが誇るシュタイングレーバー&ゼーネを使用。低音域の厚い響きが特徴の名器と共に、力強い演奏で魅せてくれます。他にも左手のための編曲作品としては代表的なゴドフスキ編曲のショパンの練習曲や、ブラームス編曲のバッハのシャコンヌなども収録し、「左手のために」という作品の魅力をたっぷりと堪能できるアルバムに仕上がっています。とはいえ、本アルバムのブックレットにて「アルバム1 枚だけではこの芸術の大きさをまとめられない!」とさらなる意欲を見せたゼッキーニ。第2 集ではリストやフォーレ、ワーグナーの作品を収録するとのことで、そちらのリリースにも期待が高まります!




AGOGIQUE



AGO 008
\2500→\2290
アンサンブル・ムジカ・ノヴァ
オケゲム:
 ミサ・プロラツィオーヌム(種々の比率のミサ曲)
アンサンブル・ムジカ・ノヴァ
 リュシアン・ カンデル(指)
 オケゲムの驚異的作曲技法が満載の名作「ミサ・プロラツィオーヌム」

 録音:2011 年4 月23-27 日ブリュエール- アリシャン、フランス/57’13

 フランドル楽派初期の最も重要な作曲家の一人ヨハネス・オケゲム。「対位法の巨匠」と称されるほど高度な作曲技法を持っていました。その中でも対位法を極限まで追求した作品が「ミサ・プロラツィオーヌム」です。二重構造のカノンや比例カノンを用いた数学的で難解な技法で作曲されています。しかし実際の演奏で聴いてみると、複雑な構造とは反して透明感のある美しい作品。アンサンブル・ムジカ・ノヴァの美しく緻密な表現が際立った演奏です。

ALBA



ABCD 349
\2200→\1990
「わが祖国」− ピアノで弾くフィンランドの歌」
 ・伝承曲/ヴィルヨ・ヴェステリネン編:サッキヤルヴィ・ポルカ
 ・タネリ・クーシスト:フィンランドの祈り
 ・ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:カレリアの歌
 ・伝承曲:カレリアの丘で
 ・伝承曲:民族の歌
 ・オスカル・メリカント:乏しき国の歌
 ・伝承曲:夏の賛歌
 ・エルッキ・メラルティン/ニュカネン編:ひばり
 ・アクセル・トルヌッド:サタクンタの歌
 ・伝承曲:おお、尊きフィンランド
 ・トイヴォ・ロウコ:南西フィンランドの歌
 ・伝承曲:空は青く白い雲が
 ・伝承曲/ユルヨ・キルピネン編:独立記念日メドレー
 ・伝承曲/フベンティーノ・ローサス編:メーデー・メドレー
 ・ヴィヴァルディ/ヴェサ= ペッカ・ハウタマキ/
   ユハニ・ジュース・レスキネン・ジェームズ・ロード・ピアポント/
    伝承曲/エヴェルト・トーブ (1890-1976):四季
ユッカ・ニュカネン
 (ピアノ&編曲)
 リスト風、ショパン風、ラフマニノフ風。。。 さまざまなスタイルのピアノ編曲で聴かせるフィンランド伝承曲

 DDD、ステレオ、74’12”

 ユッカ・ニュカネンは1976 年ヘルシンキ生まれ。エスポーの音楽学校とシベリウス・アカデミーでピアノを学び、2006 年にデビューコンサートを行いました。編曲と作曲も手がけるニュカネンは、フランツ・リストの音楽を高く評価し、リストのロマンティック・ヴィルトゥオーゾ・スタイルを編曲の手本にすることが多いと言います。フィンランドの歌を素材とするアルバム『わが祖国』の全15 曲は、リストの他、《フィンランドの祈り》はバロック、《民族の歌》はモーツァルト、《ひばり》はショパン、《空は青く白い雲が》はラフマニノフ、《カレリアの丘で》はピアソラと、さまざまなスタイルに編曲されました。
 《独立記念日メドレー》と《メーデー・メドレー》は、キルピネン(1892-1959) とローサス(1868-1894) がフィンランドの愛唱歌をメドレーに編んだ曲をニュカネンが編曲。最後の《四季》は、ヴィヴァルディの曲、タンペレのロックシーンで活躍するギタリストのヴェサ= ペッカ・ハウタマキ とシンガーソングライターのユハニ・ジュース・レスキネンの曲、ジェームズ・ロード・ピアポントの《ジングルベル》、フィンランドの伝承曲、そしてスウェーデンのシンガーソングライターのエヴェルト・トーブの曲をニュカネンがポプリに編曲した作品です。
 


ABCD348
(SACD HYBRID)
\2200→\1990
ヨルマ・ヒュンニネン (バリトン)
 カンガス (指揮) &オストロボスニア室内管
   「森の若者(タピオラの野にて)」

・トイヴォ・クーラ/キンモ・ハコラによる管弦楽編:
  「南ポホヤンマー民謡編曲 」op.17b ( 全12 曲) ※
・トイヴォ・クーラ/スルホ・ランタによる弦楽オーケストラ編:
  オルガンのための小品 op.16b
・キンモ・ハコラ:
  キヴィ歌曲集 (アレクシス・キヴィの詩による7 つの歌曲)
   (2007 / 2011) ※
・トイヴォ・クーラ/ペッカ・ヘラスヴオ編:海の賛歌op.11-2
・トイヴォ・クーラ /ユホ・ナユッキ編:結婚行進曲op.3b-2
ヨルマ・ヒュンニネン (バリトン) ※
ユハ・カンガス (指揮)
オストロボスニア室内管弦楽団
 フィンランドの名バリトン、ヒュンニネンが歌うトイヴォ・クーラとキンモ・ハコラの歌曲集

 5.1 マルチチャンネル、ステレオ、62’39”

 フィンランドを代表するバリトン、ヨルマ・ヒュンニネンが、トイヴォ・クーラ(1883-1918) の「南ポホヤンマー ( 南オストロボスニア) 民謡編曲」とキンモ・ハコラ(1958-) の「キヴィ歌曲集」を歌ったアルバム。
 バックを務めるユハ・カンガス率いるオストロボスニア管弦楽団の演奏でほかに、クーラがオルガンのために書いた〈前奏曲〉と〈間奏曲〉をスルホ・ランタ (1901-1960) が、合唱曲《海の賛歌》をペッカ・ヘラスヴオ (1948-) が、クーラの代表作のひとつ、ピアノのための《結婚行進曲》をユホ・ナユッキ (1945-) が、いずれも弦楽オーケストラ用編曲したものが収録されています。
 


ABCD 341
\2200→\1990
アダージョ〜弦楽オーケストラのための作品集
 ラウタヴァーラ:ディヴェルティメント (1953)
 クリスティーナ・スピネイ (1984-):シンクト (同期して) (2010) *
 エリオット・カーター:弦楽オーケストラのためのエレジー (1942)
 マーク・サターホワイト (1954-):
  アシュアリ・クロス (骨壺十字架) (2011) *
 クラーク・マカリスター (1946-):アクエ・スリス(2011) *
 レーヴィ・マデトヤ:エレジー (悲歌) op.4-1
 ホセ・セレブリエール:アダージョ(1964) *
 トゥリーナ:闘牛士の祈りop.34
 プッチーニ :菊
聖ミケル・ストリングズ
 (ミッケリ市管弦楽団)
ホセ・セレブリエール (指揮) 
 * 世界初録音
 “セレブリエール・アダージョ”
 プッチーニからラウタヴァーラ、マデトヤそして自作まで弦楽オケによる美しき癒しの音楽

 DDD、66’57”

 指揮者で作曲家としても知られるホセ・セレブリエールが、フィンランド、ミッケリ市のオーケストラ、聖ミケル・ストリングズを指揮したアルバム。
 タイトルのとおり、ゆったとしたテンポの美しい作品のコレクションは、弦楽オーケストラのレパートリーとして定着したラウタヴァーラ、マデトヤ、トゥリーナ、プッチーニの作品、アメリカの作曲家4 人の作品、そしてセレブリエール自身の曲が演奏されています。
 クリスティーナ・スピネイは、振付師、映画監督、音楽家からの委嘱がつづき、セレブリエールが、アメリカでもっとも才能に恵まれた若い作曲家のひとりと呼ぶ作曲家です。
 マーク・サターホワイトは、ミシガン州立大学とインディアナ大学で学び、オーケストラのダブルベース奏者を務めた後、作曲に力点を置いた活動をしています。クラーク・マカリスターは、吹奏楽で知られるフレデリク・フェネルに学んだミュージックエディター、アレンジャー。彼がセレブリエールと聖ミケル・ストリングズのこのプロジェクトのために作曲した曲は、プラハにある中世の美術品を集めた博物館で見た十字架の形をした骨壺をイメージ、「アシュアリ・クロス (Ossuary Cross)」の言葉の響きにも魅せられたと言われます。
 

ABCD 345
(SACD HYBRID)
\2200
「ネビュラ− パーヴォ・コルピヤーコ (1977-):ギター作品集」
 パーヴォ・コルピヤーコ (1977-):
  ギターと弦楽のための協奏曲《ネビュラ (Nebula)》 (2008)
  ラケル・リエフの詩による歌曲集《夢の宇宙船》
    (2010)—(メゾソプラノとギターのための)
  ギター・ソナタ《キンバリー (Kimberley)》 (2006)
ペトリ・クメラ (ギター)
ティーナ・ペンティネン (メッツォソプラノ)
オストロボスニア室内管弦楽団
ユハ・カンガス (指揮)
 現代フィンランドのコルピヤーコによるギター作品集

 5.1 マルチチャンネルステレオ/62’49”

 ペトリ・クメラは、ヘルシンキ音楽院のフアン・アントニオ・ムロとニュルンベルク= アウグスブルク音楽大学のフランツ・ハラースに学び、フィンランドでもっとも多才かつ魅力的なギタリストとして人気の高いひとり。ノルドグレンのギター曲を集めた『魅せられた音』 (ABCD218)、C.P.E. バッハの曲のトランスクリプション集 (ABCD244)、16 世紀から現代までの変奏曲を集めた『変化はやってくる』 (ABCD313) につづくアルバムは、パーヴォ・コルピヤーコ (1977-) のギター作品集。
 コルピヤーコは、室内楽と器楽のための作曲からスタートし、管弦楽と劇場のための作品を手がけるようになりました。フィンランド放送交響楽団の委嘱により作曲し、タンペレ・フィルハーモニックとハンヌ・リントゥのアルバム『バスター・キートンの亡霊』 (ABCD342) で紹介された《アミューズ・ブシュ》(2008) は、彼の代表作のひとつです。
 ギター協奏曲《ネビュラ》は、クメラがユハ・カンガス指揮のオストロボスニナ室内管弦楽団と初演。宇宙の塵やガス状の物質が集まり、あるいは無数の星から成る、輝いた雲のように見える天体「星雲」をタイトルとするこの作品を、コルポヤーコが作曲法を学んだヨウニ・カイパイネンは「鋭い耳で洞察した音をめざましい技巧と結びつけた」と評価しています。
 歌曲集《夢の宇宙船》は、鮮やかな比喩的表現がさまざまに解釈される、フィンランドの詩人ラケル・リエフの5 つの詩がテクストです。ティーナ・ペンティネンが委嘱し、クメラの共演で初演しました。
 ソナタ《キンバリー》は、コルピヤーコがギターのために書いた最初の作品です。クメラに献呈され、2006 年、彼の手で初演されました。
 


ABCD 346
(SACD HYBRID)
\2200→\1990
アコーディオン演奏によるフランス組曲
J・S・バッハ:フランス組曲 第1集

 前奏曲第24番 ロ短調 BWV869
  《( 平均律クラヴィア曲集 第1巻》 から)
 フランス組曲第1番 ニ短調 BWV812
 フランス組曲第2番 ハ短調 BWV813
 フランス組曲第3番 ロ短調 BWV814
 パッサカリア ハ短調 BWV582
ミカ・ヴァユリネン (アコーディオン)
 アコーディオン演奏によるJ.S.バッハのフランス組曲

 5.1 マルチチャンネルステレオ/64’52”

 ミカ・ヴァユリネンは1967 年ヘルシンキ生まれ。シベリウス・アカデミーとパリのギュスターヴ・シャルパンティエ音楽院に学び、1985 年にデビューリサイタルを行いました。目もくらむような技巧のため「アコーディオンの魔術師」とも呼ばれ、「楽譜の背後にあるもの」を鮮やかに表現した彼の音楽は、コンサート、フィンランド放送の番組、あるいはレコード録音を通じて人々に歓びをもたらしてきました。アコーディオンの可能性を求めヴァユリネンは常に新しいレパートリーに挑戦しています。その新作は、国際的にも成功を収めた《ゴルトベルク変奏曲》 (ABCD 191) につづくバッハです。《フランス組曲》をメインにその他の曲をまじえ、2 集に分けてリリースされます。
 


ABCD 347
\2200→\1990
「北欧のヴァイオリン音楽」
 アイネス・チェチュリン (1859-1942):子守歌 (1888)
 トゥール・アウリン (1866-1914):
   4 つの水彩画 (1899) / 牧歌 / ユモレスク / 子守歌
 アウリン:ポルスカ
 クリスチャン・シンディング (1856-1941)
 シンディング:ロマンス ニ長調op.79-2
 ベンクト・カールソン (1890-1953)
   ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.6 (1918)
アンネマリ・オーストレム (ヴァイオリン)
ソニヤ・フラキ (ピアノ)
エミール・ホルムストレム (ピアノ)
 北欧の抒情美満点のヴァイオリン曲

 DDD/62’01”

 アンネマリ・オーストレム (1977-) はフィンランドの若いヴァイオリニスト。音楽教師として多くのヴァイオリニストを育ててきたゲーザ・シルヴァイとチャバ・シルヴァイのテレビ番組「音楽の国のかわいいヴァイオリン弾きたち」を見て、3 歳からヴァイオリンを習い始めました。シベリウス・アカデミー入学後は、ヴァイオリンのソロ演奏とともに室内楽とオーケストラ演奏のクラスにも参加。彼女のデビューアルバムのプログラムは、アカデミーの博士課程のテーマでもあるスカンディナヴィア音楽のレパートリーから選んだ4 曲です。ヘルシンキ音楽院ではシベリウスのクラスメート、その後ロンドンでヨーゼフ・ヨアヒムの下で学んだアイネス・チェチュリン(1859-1942) の《子守歌》。スウェーデンのヴァイオリニストで作曲家、トゥール・アウリンの《4 つの水彩画》。
 ノルウェーのシンディングの《ロマンス》。フィンランドのベンクト・カールソン(1890-1953) のソナタは、〈アレグロ、モルト・モデラート〉〈アレグロ・ヴィヴァーチェ〉〈レント〉〈終曲、アレグロ・ヴィヴァーチェ〉の4 楽章からなる約36 分の作品です。忘れられようとしていた「隠れた真珠」とオーストレムが言うチェチュリンとカールソンの曲は、これが初めての録音です。共演者のソニヤ・フラキ (1977-) はフィンランド、エミール・ホルムストレムはスウェーデンのピアニストです。オーストレムは、シベリウス・アカデミーがアニヤ・イグナティウスから寄贈されたガルネリを弾いています。

ALTUS



ALT 247
\2600→\2390
ポリーニ激賞の実力派ピアニスト田中良茂
 しかも室内楽版ベートーヴェン:ピアノ協奏曲

 ベートーヴェン:
  ピアノ協奏曲第3番(室内楽版 飯沼信義編曲)
  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(室内楽版 南聡編曲)
田中良茂(ピアノ; スタインウェイ)
クァルテット・エクセルシオ
 【西野ゆか(vn)、山田百子(vn)、
  吉田有紀子(va)、大友肇(vc)】
赤池光治(コントラバス)
 ポリーニ激賞の実力派ピアニスト田中良茂、ベートーヴェンのピアノと協奏曲第3番、5番「皇帝」のピアノ弦楽5 重奏版登場、録音プロデューサーは注目ヴァイオリニストの佐藤久成!大変美しい録音

 意欲と問題意義と芸術的好奇心に富んだ演奏家たちの共演は、ベートーヴェンの音楽の真髄と魅力を行き樹と伝えてくれるとともに、室内楽版ならではの面白み楽しみも味あわせてくれるのである。—(岩下眞好)

 録音:2011 年7 月12 日(第5番)、2011 年7 月13 日(第3番)、フィリアホール/DDD

 実力派ピアニスト田中良茂がベートーヴェンのピアノ協奏曲第3,5 番を室内楽伴奏版で録音!これは田中良茂が2010 年〜 11 年にかけベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲の室内楽版による演奏会の企画からうまれたもので、ここに収録された第3 番、第5 番「皇帝」自ら邦人作曲家に編曲を委嘱しました。編曲に際しては編曲譜の詳細な分析が行われ、ベートーヴェンの精神を尊重すること、ピアノ・ソロ・パートには手を加えないことが条件となりました。
 本録音の編成は、ピアノ、2 つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスで、原曲のオーケストレーションを見事に再現しております。共演は人気・実力を兼ね備えた若手弦楽四重奏団、クァルテット・エクセルシオ(QUARTET EXCELSIOR)、そして赤池光治のコントラバスが加わったアンサンブルです。

 ♪田中良茂( ピアノ)
 1973 年東京生まれ。桐朋学園大学、同大学院大学、ケルン音楽大学、同大学大学院現代音楽室内楽学科で学ぶ。2001 年にはイタリア・キジアーナ音楽院にてマウリツィオ・ポリーニのセミナー・オーディションに挑み、ポリーニに絶賛され合格し、以後は国内を中心に演奏活動をしている。とりわけベートーヴェンの音楽には造詣が深く、2005 年からベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏に挑み、さらに2010 〜 11 年には当企画である協奏曲全5 曲の室内楽版を演奏した。「スケール感と楽想の表現の両方を満足させる」(音楽の友誌) と評価され、今後、最も期待できる日本人ピアニストである。ヴァイオリニストの佐藤久成とのCD アルバムをリリースしている。

APARTE


AP 044
\2500
名門合唱団レ・クリ・ドゥ・パリ
シューマン:
 ミサ・サクラOp.147
 4つの二重合唱曲Op.141
レ・クリ・ドゥ・パリ(合唱&管弦楽)
ジョフロワ・ジュルダン(指)
マリアンヌ・クレバッサ(Ms)
バティスト・ロペス(第1Vn)
 名門合唱団レ・クリ・ドゥ・パリによるシューマン

 録音:2011 月9 月27、28 日、10 月2、3 日ロワイヨモン修道院/58’50

 フランスの名門合唱団レ・クリ・ドゥ・パリによるシューマンの合唱曲。秘曲「ミサ・サクラ」は、合唱、独唱、管弦楽、オルガンの比較的大規模な作品。シューマンらしい抒情性に満ちた美しい曲を、心静まる穏やかな合唱の響きとマリアンヌ・クレバッサのソロが豊かな表現力で聴かせます。また無伴奏混声合唱のための「4 つの二重合唱曲」はシューマンならではの色彩的な和声感覚が非常に美しい作品。
 

AP 043
(2CD)
\3400
ジャック・デュフリ(1715-1789):クラヴサン曲集
 第1巻
  【アルマンド ハ短調、クーラント、ロンド ハ長調、
   ラ・ミレッティーナ、ロンド ニ短調、
   カザマジョール、アルマンド ニ短調、
   クーラント ニ短調、ヴァンロ、ロンド、トリボレ】
 第2巻
  【ダマンジー、フェリクス、ドゥ・ヴァートル、
   デリクール、ランツァ、鳩】
 第3巻
  【フォルクレ、シャコンヌ、メデ、三美神、
   ドゥ・ギヨン、ドゥ・シャムレイ】
 第4巻
  【ポチュイン(ロンド)、ヴィクトワール、
   デュ・ビュック、ドゥ・デュルモン】
クリストフ・ルセ(クラヴサン)
 麗しきデュフリのクラヴサン作品、名手ルセの鮮やかな演奏は必聴!

 録音:2011 年10 月18 日ラ・ギャラリー・ドレ、フランス/63’40+63’56

 現代最高の鍵盤楽器奏者の一人であるクリストフ・ルセ。今回は18 世紀フランスを生きた音楽家ジャック・デュフリの鍵盤楽曲集。デュフリはフランスのルーアンに生まれ、フランソワ・ダジャンクールに師事し、オルガニストとして活動するも、その後パリに移り住みクラヴサン奏者兼教師として高い名声を博しました。
デュフリの作品は、デュフリが最も傾倒した作曲家ラモーの音楽を規範としたとされています。ギリシャ神話の3 人の女神たちが互いの美を競い合う話が元の「三美神」は、儚い響きが幻想的な世界を作り出しています。また華やかな雰囲気を感じる「シャコンヌ」、名人芸が光る「フォルクレ」など、時代の流れを敏感に嗅ぎ取とり作品に反映させたロココ文化象徴ともいえるデュフリの作品を鮮やかに演奏し、ルセの真骨頂である18 世紀フランスを見事に再現しています。
 

Dauvergne: Hercule mourant (Hercules Dying)
AP 042
(2CD)
\3400→¥2990
クリストフ・ルセ(指揮)&レ・タラン・リリク
 アントワーヌ・ドヴェルニュ(1713-97):
  『瀕死のヘラクレス』(全曲)
アンドリュー・フォスター=ウィリアムズ(Bs、ヘラクレス)
ヴェロニカ・ジャンス(S、デイアネイラ)
エミリアーノ・ゴンザレス=トロ(T、ヒルス)
エドイン・クロスリー=マーサー(Br、ピロクテテス)
ジャエル・アッツァレッティ(ディルケ/テッサリアの娘/捕虜)
ジェニファー・ボルギ(Ms、ユノ)
アラン・ビュエ(嫉妬/ジュピター)
ロマン・シャンピオン(ジュピターの大司祭/テッサリアの男)
クリストフ・ルセ(指揮)
レ・タラン・リリク、
ヴェルサイユ・バロック音楽センター合唱団
 リュリの後継、ドヴェルニュの悲劇『瀕死のヘラクレス』、ルセ&レ・タラン・リリクによる圧巻の復活公演がリリース!

 録音:2011 年11 月19 日、ヴェルサイユ宮殿オペラ劇場ライブ(フランス)

 ヴェルサイユ宮殿オペラ劇場で2011 年11 月に公演され、見事な復活蘇演によってフランス・バロック・オペラの本場を大いに沸かせたルセ&レ・タラン・リリクによるドヴェルニュの音楽悲劇『瀕死のヘラクレス』のライブ録音が、ついにリリースされる運びとなりました!
 2010 年に行ったリュリの音楽悲劇『ベレロフォン』の復活演奏(AP 015)の話題も覚めやらぬルセ&レ・タラン・リリクですが、今回も歌手陣・演奏陣共に万全の布陣で挑んでいます。
 アントワーヌ・ドヴェルニュ(1713-97)は、フランスはムーラン生まれの音楽家。宮廷音楽家として活躍していた彼にオペラ座の指揮者の話が舞い込んできたのは1757 年のこと。当時のオペラ座はリュリに次ぐ新世代の活動促進に積極的で、数多の音楽家の中からドヴェルニュに白羽の矢が立ったのでした。今回収録された『瀕死のヘラクレス』は、彼がオペラ座公演のために手掛けたトラジェディ・リリック(抒情悲劇)のひとつ。若手作家ジャン=フランソワ・マルモンテルが台本を担当し、記念すべき初演はシーズンの最初を飾る1761 年4 月3 日に華々しく行われました。リュリが作り上げたトラジェディ・リリックを踏襲し、このオペラの随所にも数多くのバレエシーンが挿入されています。
 『瀕死のヘラクレス』はギリシャ神話、ヘラクレスの最期を題材とした舞台。ヘラクレスは妻デイアネイラ(デジャニール)を差し置いて、捕虜の若き王女イオレに夢中になってしまいました。しかし、息子ヒルスもまたイオレに恋していることを知ったヘラクレスは、友人ピロクテテスの忠告もあって、彼女を諦め、息子へ譲ることを決意します。しかし、夫が若い王女を囲おうとしたことを知ったデイアネイラは嫉妬の怒りに狂い、付ければ媚薬になると聞かされていたネッソスの血に浸した服を夫に送り、彼の愛を取り戻そうとします。しかし、ネッソスの言は大嘘で、その血は触った人を焼き殺すほどの猛毒なのでした。そのことを知ったデイアネイラは己の失態を悔やみ、自ら命を絶ちます。死ぬ間際、ヘラクレスはデイアネイラを赦し、息子や友人に別れを告げ、天界へと上っていくところで幕は閉じます。
 初演の評価は真っ二つになったと伝えられる本作ですが、ルセ&レ・タラン・リリクによる演奏は文句なしの素晴らしさ!デイアネイラを歌うのは、サル・プレイエルやヴェルサイユ宮オペラ劇場に引っ張りだこの名手、ヴェロニカ・ジャンス。嫉妬に狂う第4 幕はジャンスの独壇場といっても過言でありません。
気高くも狂気に満ちた迫真の歌声にぐっと惹き込まれます。ヘラクレスには古楽界屈指のバス、フォスター=ウィリアムズが登場。英雄の貫禄にふさわしい太く重厚な歌声で、テノールのゴンザレス=トロと絶妙の掛け合いを魅せてくれます。瑞々しい歌声が魅力のゴンザレス=トロは、2012 年11 月に寺神戸亮指揮の『病は気から』での来日公演も間近。今後も注目必至の若手実力派です。ルセ&レ・タラン・リリクの器楽演奏は今回も気品高く、洗練されてなお圧倒的な迫力。プログラムの希少性もさることながら、その内容も絶賛された注目の名演です。



ルセ&レ・タラン・リリク、前作

 リュリ:「ベレロフォン」

aparte
AP 015
(2CD)
\3400→¥2990
フランス・バロックの帝王リュリ
 最高傑作「ベレロフォン」、ルセの完璧無比な復活蘇演
  リュリ:「ベレロフォン」
シリル・オヴィティ(T ベレロフォン)
セリーヌ・シェーン(S フィロノエ)
イングリッド・ペリューシュ(S ステノベ)
ジェニファー・ボルギ(Ms アルジ/パラス)
ジャン・テジャン(Bs アミソダル)
エフゲニ・アレクシエフ(Br ジョバト)他
クリストフ・ルセ(指)レ・タラン・リリク
 ついに出た!リュリ生涯随一の大成功作「ベレロフォン」ルセの完璧無比な復活蘇演が登場!!

録音:2010 年12 月,パリ(ライヴ録音)/DDD

 フランス・バロックに君臨した音楽の帝王リュリ。彼は、1670年代から1680 年代にかけておよそ14 のオペラ(トラジェディ・リリク、抒情悲劇)を書いています。
 その中でも特に初演当時大成功を収めたものが、1679 年に初演されたこの「ベレロフォン」でした。ベレロフォンとは、ギリシャ神話に登場するベレロポン(ベレロポンテス)のこと。彼はペガサスを駆って怪物キマイラ(キメラ)を退治した人物。またポセイドンの息子であるとされています。
 さて、その「ベレロフォン」、1月31 日に初演されるや爆発的人気となり、実に9 ヶ月もの間上演が続いたといいます。さらにリュリ自身や第三者の改編を受けながら何度もリバイバルされ、最後の上演は、フランス革命も遠くない1773年というから驚きます。
 ところが、1987 年の「アティス」に端を発するリュリ再評価の潮流でも彼の代表作と言っていいその「ベレロフォン」は長いこと放置されたままでした。
 そんな「ベレロフォン」がようやく日の目を見たのは2010 年。クリストフ・ルセが演奏会形式上演で取り上げたのです。
 ルセは、まず7 月にボーヌで演奏、さらに12 月にパリとヴェルサイユ、年が明けた2011 年1 月にウィーンと「ベレロフォン」を上演、いずれも大絶賛されました。このCD には、パリのシテ・ドゥ・ラ・ミュージックでの演奏が収録されています。
 記念すべき復活蘇演は素晴らしい出来栄えです。
 中でも鍵を握る嫉妬の王女ステノベを歌うイングリッド・ペリューシュの集中力ある歌は強烈、遂げられない愛に苦しむ女の悲しさを見事に描き切っています。
 ベレロフォンのシリル・オヴィティは、2000 年にデビューしたばかりの若いフランスのテノール。ほのかな翳りのある声は常に不幸に晒されるベレロフォンにピタリ。
 フィロノエのセリーヌ・シェーンは、ラ・フォル・ジュルネに度々出演していたことで日本でもよく知られている美声ソプラノ。その他の歌手も実力派が揃えられています。
 もちろんルセの指揮は高貴にして力強く、圧倒的。
 発売されるや、各誌、新聞評で絶賛された名盤、フランス・バロック音楽ファンならお聞き逃しのないように!
 170 ページ超のブックレットつき。

リュリ「ベレロフォン」 簡単なあらすじ
 プロローグ
パルナッソス山。アポロがルイ14 世を讃え、「ベレロフォン」を上演すると告げる。
 第1 幕 リュキア王国の首都パトラ。アルゴス王の未亡人ステノベは、かつて相手にされなかった嫉妬から不正に糾弾しアルゴスから追放したベレロフォンを追ってパトラに来ている。だが、リュキア王ジョバトの王女フィロノエがベレロフォンを愛し、彼との結婚を望んでいると聞き、ステノベは嫉妬の炎を燃え上がらせる。彼女は、魔力を使えるアミソダルが自分を愛していることを利用して、結婚を妨害しようと思いつく。ジョバト王はフィロノエの結婚相手をベレロフォンと決める。
 第2 幕 婚約したフィロノエはベレロフォンと喜んでいる。ステノベが現れ、ベレロフォンに愛を訴えるが、彼は素気無くあしらう。ステノベの嫉妬は憎悪へ至り、アミソダルにベレロフォンの殺害を求める。アミソダルは、地獄から呼び出した三匹の怪物を合わせキマエラを創り上げる。
 第3 幕 キマエラが暴れ回り国は荒廃している。ベレロフォンはキマイラに立ち向かおうと決意するが、神託は、キマエラを殺すのはネプチューンの息子で、その男が怪物退治の後、フィロノエと結婚することになる、告げる。恋人たちは悲しむ。
 第4 幕 高い山の頂。ステノベの愛を得られると喜ぶアミソダルだったが、そこに彼女からベレロフォンを殺さないでほしいとの報せが届くと、なおのことベレロフォンを殺そうと考える。フィロノエとの結婚の望みが絶たれ悲しむベレロフォンは、絶望の中、キマエラと戦おうとやって来る。そこに知の神パラスが現れ、彼に天を駆ける馬ペガサスを授ける。ベレロフォンはペガサスに跨り、天空を飛んでキマエラを三度の攻撃、ついにこれを倒すことに成功する。
 第5 幕 ジョバト王は、ベレロフォンがネプチューンの息子だと判明したと告げ、フィロノエとの結婚を許す。一方、自らの非を認めたステノベは、毒を呷って自害する。人々がベレロフォンを讃える喜びの声で幕となる。


ATMA

ACD2 2583
\2000
モーツァルトと同世代の「木管王」ドヴィエンヌのファゴット三重奏曲
 ドヴィエンヌ:

  ファゴット、ヴァイオリン、チェロのための6つの三重奏曲 Op.17
   第1番 変ロ長調/第2番 ハ長調/第3番 ト長調/
   第4番 ヘ長調/第5番 変ホ長調/第6番 ト長調
  「聖母訪問会の修道女たち」(リュシエ編)からの3曲
マチュー・リュシエ(Fg)
パスカル・ジゲール(Vn)
ベノワ・ロワゼル(Vc)
ジャン=ルイ・ブルワン
 (Va 「聖母訪問会の修道女たち」)
 録音:2010 年3 月、ケベック/65’38”

 フランソワ・ドヴィエンヌ(1759 − 1803 年)は、18 世紀後半にパリで活躍したフルート奏者、ファゴット(バソン)奏者。作曲家として一般的な知名度はあまり高くありませんが、彼がフルートやファゴットのために書いた協奏曲、室内楽作品、ソナタなどは、両楽器奏者からは絶大な人気があり、CDも多数。隠れた人気作曲家といえるでしょう。ファゴット、ヴァイオリン、チェロのための6 つの三重奏曲 Op.17 は、これが世界初録音となる曲。終始ファゴットが華やかに奏で、モーツァルトの同時代人の作品らしくロココ趣味が濃い佳曲。一方、「聖母訪問会の修道女たち」は1792 年に初演されて大成功を収めたオペラ。そこから2 曲のアリアと1 曲の三重唱をファゴット四重奏で演奏。どちらの曲も明るく優しいドヴィエンヌの魅力がたっぷりです。
 マチュー・リュシエは、アリオン、レ・ヴィオロン・デュ・ロワ、ターフェルムジークなどで活躍する、カナダ古楽界を代表するファゴット奏者。彼はドヴィエンヌに入れ込んでおり、既にファゴット・ソナタ集 Op.24 など(ACD2 2584)、ファゴット四重奏曲集 Op.73(ACD2 2364)のCD をリリースしています。
 

ACD2 2633
\2000
ラヴェル、ショスタコーヴィチ、アイヴズ近代の名ピアノ三重奏曲が1枚
 ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
 ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第1番 ハ短調 Op.8
 アイヴズ:ピアノ三重奏曲
トリプル・フォルテ
 ジャスパー・ウッド(Vn)
 エゴール・ジヤチコフ(Vc)
 デイヴィッド・ジャルバート(P)
 録音:2010 年6 月、モントリオール/61’29”

 ラヴェル、ショスタコーヴィチ、アイヴズと、20 世紀の作曲家のピアノ三重奏曲を3 曲収録。一番の注目は、アイヴズの作品の中でも人気の高いピアノ三重奏曲でしょう。ことに第2 楽章は「TSIAJ」と名付けられ、これは「このスケルツォは冗談だ This scherzo is a joke.」と理解されており、アイヴズらしいユーモアと独創性に満ちた音楽です。
 トリプル・フォルテは、ヴァイオリンのジャスパー・ウッド、チェロのエゴール・ジヤチコフ、ピアノのデイヴィッド・ジャルバートという、カナダを中心に活躍する中堅奏者三人によるピアノ三重奏団。非常にバランスの取れた演奏を聞かせてくれます。
 


ACD2 2655
\2000→\1890
エキゾティズムという以上にワールドワイドな室内楽曲集
 ロシア、シリア、セルビア、レバノン、アルゼンチン・・・・!!!

グラズノフ:東洋の夢 Op.14-2
プロコフィエフ:ヘブライの主題による序曲 Op.34
グルジエフ,ド・ハートマン:
 アルメニアの歌,サイイドの歌と踊り第10番,同第29番
チェボタリアン:ピアノ三重奏曲
アル=ワディ:ピアノ三重奏曲
タイチェヴィチ:7 つのバルカンの歌
アブ=カリル:アラビアのワルツ
ゴリホフ:レヴァント
アミーチ室内アンサンブル
ホアキン・ヴァルデペニャス(Cl)
デイヴィッド・ヒザリントン(Vc)
セルジ・クラジャン(P)
ベンジャミン・ボーマン(Vn)
スティーヴン・シタルスキ(Vn)
スティーヴン・ダン(Va)
 66’03”

 グラズノフ、プロコフィエフから始まって、イラク生まれのシリアの作曲家、ソルフィ・アル=ワディ(1934 − 2007)、ソ連の女性作曲家、ガヤネー・チェボタリアン(1918 − 1996 名をガイーヌと表記することがあるが誤り)、セルビアのマルコ・タイツェチェヴィチ(1900 − 1984)、レバノンのラビ・アブ=カリル(1957 −)、そして今人気の高いアルゼンチン生まれのオスバルド・ゴリホフ(1960 − ゴリジョフという読みは間違い)の南米気質丸出しの作品などなど、様々な国の作曲家の室内楽作品を集めています。さすがにエキゾティズムなどいう言葉で片付けられない、土地に深く根ざした音楽の強い生命力を感じさせてくれるものばかり。カナダの三人の優秀な奏者によるアミーチ室内アンサンブルに、ゲスト奏者を迎えての冴えた演奏が楽しめます。
 

ACD2 2670
\2000
19 世紀の英国の無伴奏合唱曲の温かい美しさがたまらない
パーシヴァル:
 ジャックとジル/ジョージー・ポーギー/
 あなたには分かりっこない
マクファーレン:
 ヒバリよ、聞いておくれ/竪琴を持ったオルフェウス/
 この唇を持って行け/ある恋人とその娘
ピンスーティ:
 春の歌/海には真珠がある/おやすみ、愛する人!
コルディコット:水上へと
ベネディクト:夏は間近
ブライソン:視界から遠く離れ
マシロン:ご婦人方皆さんに
レスリー:月夜の眠りはなんと甘美な
マカン:ああ、私の女主人よ
ピーター・シュバート(指)
ヴィーヴァ・ヴォーチェ
  録音:2012 年2 月、ケベック/65’30”

 19 世紀の英国の無伴奏合唱曲を集めたCD。ヴィクトリア朝時代の多彩な文化の内でも、家庭的な和やかさや夢見がちなロマンティシズムを重視した分野の作品ばかりで、たいへん心地よく聞くことができます。
 ヴィーヴァ・ヴォーチェは、ピーター・シュバート(ちなみに名前の綴りはシューベルトと同じ)が1998 年に結成したモントリオールの合唱団。温かみのある響きが特色です。
 
ACD2 2663
\2000
カナダの実力派ソプラノが歌う南米&スペイン歌曲
ガルデル:わが懐かしのブエノスアイレス
ベラスケス:私にいっぱいキスをして(ベサメ・ムーチョ)
カブラル:群集
ロドリーゴ:我が心のアランフェス
ラミレス:ミサ・クリオージャ−キリエ
ロドリゲス:二粒の涙の雫
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番−アリア
カノ:月の息子
グランダ:シナモンの花
ララ:グラナダ
ピアソラ:「ブエノスアイレスのマリア」−私はマリア
マリー=ジョゼ・ロール(S)
シモン・ルクレール(指)
アンサンブル
  録音:2012 年7 月、ケベック/47’23”

 かつてのヒット曲からクラシックの歌曲まで、南米やスペインの名曲を集めています。しかも歌っているのはカナダの若く優秀なソプラノ。マリー=ジョゼ・ロールは1972 年、ハイチのレオガン生まれ。ヴァンクーヴァー・オペラやモントリオール・オペラで活躍しています。彼女はソプラノといっても低い音がよく響き、情感豊かな歌い口がこれらの曲によく合っています。シモン・ルクレールによるアレンジの伴奏も素敵です。
 

Beatrice Rana plays Chopin & Scriabin
ACD 22614
\2000→\1890
ベアトリーチェ・ラナ/デビュー!
ショパン:
 24の前奏曲 Op. 28
 前奏曲第25番 嬰ハ短調 Op. 45
 前奏曲第26番 変イ長調 Op. posth
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番「幻想ソナタ」
ベアトリーチェ・ラナ(P)
 2011 年に史上最年少でモントリオール国際音楽コンクールで優勝したベアトリーチェ・ラナが、さっそくATMAからショパンをリリース。
 みずみずしい感性に、抑揚の効いたアクセント。これからいろいろなところで名前を聞くことになりそう。



AUDITE


AU 92661
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
カール・フィリップ・シュターミッツ(1745-1801):
 クラリネット弦楽四重奏集

  クラリネット四重奏曲
   Op.19-1変ホ長調、Op.19-2変ロ長調、
   Op.19-3変ホ長調、Op.8-4
アーサー・キャンベル(Cl)
グレゴリー・メイタン(Vn)
パウル・スワンテク(Va)
パブロ・マハヴェ=フェリア(Vc)
 マンハイム楽派最盛期の中心カール・フィリップ・シュターミッツのクラリネット四重奏

 録音:2011 年11 月28-30 日ルター派昇天教会、ミュンヘン/65’56

 マンハイム楽派の最盛期を支えた作曲家カール・フィリップ・シュターミッツ。父ヨハンの作風を引き継ぎ、マンハイム楽派第2世代ならではの優雅な室内楽的な響きが特徴。また多作家でもあり交響曲が約50 曲の他、協奏交響曲、協奏曲など数多くあり、室内楽曲は250 を超えています。
 ここではクラリネット四重奏曲を収録。いずれの作品も優雅で上品な宮廷音楽の響きを感じることができます。作品8-4 は、父ヨハンの典型的なスタイルであった大胆なデュナーミクを用いず、抑制されたスタイルで書かれています。また作品19 ではクラリネットの音楽表現の幅も増え、よりダイナミックな演奏を楽しむことができます。
カナダ、アメリカを中心に活動するアーサー・キャンベルの伸びやかで優雅な音色がアンサンブルをリードする明るく軽やかな1 枚です。
 


AU 92549
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
シューマン夫妻のピアノ・トリオ
 (1)クララ・シューマン:ピアノ三重奏 ト短調 Op.17
 シューマン:
  (2)幻想小曲集 Op.88
  (3)ピアノ三重奏第3番ト短調 Op.110
スイス・ピアノ・トリオ
 【アンジェラ・ゴルベワ(Vn)、
  セバスチャン・ジンガー(Vc)、
  マルティン・ルーカス・ストウブ(Pf)】
 巧みな表現が光るシューマン夫妻のピアノ・トリオ

 録音:(1)(2)2012 年2 月27-29 日、(3)2012 年6 月25-26 日ヌシャテール、スイス/77’42

 1998 年に結成され、数々コンクール受賞歴を誇る若手実力派スイス・ピアノ・トリオ。
 チャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出」(AU92673)に続いてリリースされるのは、シューマン夫妻のトリオ。クララの最高傑作と言われているピアノ・トリオは、繊細さ優美さはもちろん、ダイナミックな展開を持つ珍しい作品です。一方夫のシューマンのピアノ・トリオ3 番は、精神的にも不安定だった晩年に書かれた作品だけあって、内省的で不穏な緊張感を持った作品。スイス・ピアノ・トリオは細かい感情表現を巧みに操り、ドラマティックに演奏しています。
 


AU 92657
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
マンデルリング四重奏団
 メンデルスゾーン:弦楽のための室内楽曲全集 vol.2

  (1)弦楽四重奏曲第3番 ニ長調op.44-1 
  (2)弦楽四重奏曲第4番 ホ短調op.44-2 
  (3)弦楽四重奏曲第6番 ヘ短調op.80
マンデルリング四重奏団
 ゼバスティアン・シュミット(Vn)、
  ナネッテ・シュミット(Vn)、
  ローラント・グラッスル(Va)、
  ベルンハルト・シュミット(Vc)
 ドイツの精鋭、マンデルリング四重奏団、メンデルスゾーン:弦楽室内楽曲全集Vol.2!晩年の弦楽四重奏曲を中心に取り上げた注目盤

録音:(1)(2)2011 年11 月24 日、(3)2012 年4 月23-26 日、クリンゲンミュンスター/76’32”

 2013 年の結成30 周年を間近に控え、ますますの活躍を見せるドイツ屈指のアンサンブル団体、マンデルリング四重奏団。2009 年まで行われたショスタコーヴィチ全集の反響も覚めやらぬなか、2011 年より新たにメンデルスゾーンの弦楽のための室内楽曲全集を開始し、注目を集めています。第2 集となる今回は、初期の弦楽四重奏曲を中心に収録した第1 集(AU 92656)から一転、後期から最晩年の時期に書かれた3 曲の弦楽四重奏曲を取り上げたプログラムになっています。曲調は違えど、いずれもメンデルスゾーンらしい抒情性と清廉なリズム感が美しい作品ばかり。第3 番では交響曲「イタリア」を想い起こさせる快活な曲調と激しいソロの掛け合いが魅力的な一方、古典的な響きに満ちた第4 番は深みのある落ち着いたアンサンブルにじっくりと聴き入ります。2 曲ともヴァイオリンの名手フェリシアン・ダヴィッドの妙技に魅了された後に書かれた作品ということで、ヴィルトゥオーゾ的なパッセージが随所に散りばめられているのも聴き所。マンデルリング四重奏団が誇る1st ヴァイオリンのゼバスティアン・シュミットの妙技に魅せられるプログラムともいえましょう。また、亡くなる半年前に作曲された最期の弦楽四重奏曲第6 番は、姉の訃報を悼むメンデルスゾーンの悲痛な旋律の数々にぐっと心をえぐられる作品。慟哭のごとき激しい音運びには、それまでのメンデルスゾーンの作品から得られる感動とは一線を隔す、圧倒的なインパクトがあります。マンデルリング四重奏団のアンサンブルは今回も安定感抜群。激情の中にも決して冷静さを欠かない演奏で、円熟の域へと入りつつある名門の名にふさわしい堂々たる演奏を聴かせてくれます!




AVANTI CLASSIC



5414706 10392
(SACD HYBRID)
\2700→\2490
アルゲリッチが認めた若き才能。ポリーナ・レスチェンコ(Pf)
(1)レヴィツキー:愛のワルツOP.2
(2)同:アラベスク・ヴァルサントOp.6
(3)ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番Op.36(ホロヴィッツ版)
(4)メトネル:忘れられた調べ第1集Op.38
 【回想のソナタ/優美な踊り/祝祭の踊り/川の歌/
  田舎の踊り/夕べの歌/森の踊り/回想的に】
ポリーナ・レスチェンコ(Pf)
  驚くべきピアニズム。ピアノ好き失神必須の一時間。

 STEREO、61’10”

 SACD ハイブリッド盤。現在ベルギーに在住し活躍するロシアの女流ポリーナ・レスチェンコ。アルゲリッチが認め、可愛がる才能の持ち主で、日本でも評価が急上昇しています。今回のアルバムはロシアものですが、若い美女らしからぬオタク臭ぷんぷんなレパートリーに感心させられます。いずれもピアニスティックな点が共通で、彼女の自信のほどが伺えます。自身が優れたピアニストでもあったミッシャ・レヴィツキー(1898-1941) は甘く上品なピアノ小品をいくつか残していて、ピアノを弾かれる方々なら自分で奏でてみたくなる宝石のような。レスチェンコの甘やかな演奏はピアノの美しさを最高に味あわせてくれるもので震えてきます。ラフマニノフの難曲ソナタもホロヴィッツ版を使用。これはラフマニノフの了承のもとホロヴィッツが原典版と改訂版の良い所取りをして、さらに効果的なパッセージを加えたもの。ホロヴィッツ自身の演奏を彷彿させる凄さです。メトネルの「忘れられた調べ第1集」は全8曲から成り、その全曲を収録。雪の降るロシアの風景が目に浮かぶような「回想のソナタ」をはじめ、ピアノの魅力を存分に発揮した作品の連続でレスチェンコの超絶技巧を満喫。ピアノ好き失神間違いなしの恍惚の1時間を味わえます。

BIS



BIS SA 1756
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ダウスゴー指揮&スウェーデン室内管
 ブラームス:
 (1)交響曲第1番ハ短調Op.68

 (2)愛の歌Op52&65より9曲(作曲者編)
 (3)ハンガリー舞曲集〜第1、3、10 番
トーマス・ダウスゴー指揮
スウェーデン室内管弦楽団
 不思議な充実感。ダウスゴーがブラームスの交響曲に挑戦

 [ 録音:2011 年3 月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)]/64’34”

 SACD ハイブリッド盤。出すものすべてが衝撃的なダウスゴーとスウェーデン室内管が、ついにブラームスの交響曲に挑戦しました。小編成のオーケストラでブラームスの交響曲を演奏することはさほど珍しくありませんが、さすがダウスゴー、単なる見通しや運動性の良さに終っていません。もちろん音色はすっきりとしてブラームス特有のにごりはありませんが、意外なほど重厚な第1楽章とフィナーレなど音楽作りは大きくて感動的です。カップリングは声楽つきピアノ連弾曲として有名な「愛の歌」から9 曲をブラームス自身がオーケストレーション(声楽なし)にしたもの。意外に録音がないので大歓迎と申せましょう。さらにオーケストラ曲として人気作である「ハンガリー舞曲」の中から、やはりブラームス自身のオーケストレーションによる3曲が収められているのも注目。王道ながらこだわりに満ちたアルバムです。
 

Barber: Cello Concerto & Sonata
BIS SA 1827
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
クリスチャン・ポルテラ(Vc)
 アンドルー・リットン(指)&ベルゲン・フィル
バーバー:

 (1)チェロ協奏曲Op.22 (1945)
 (2)チェロソナタOp.6 (1932)
 (3)弦楽のためのアダージョ
(1)(2)クリスチャン・ポルテラ(Vc)
(1)(3)アンドルー・リットン(指)
 ベルゲン・フィル
(2)キャスリン・ストット(Pf)
 ポルテラがバーバーの叙情性と旋律美を見事に表現

 [ 録音:2009 年10 月(3)、2012 年1 月(1)/グリーグ・ホール(ベルゲン)、2009 年7 月/旧ストックホルム音楽アカデミー(2) ]/54’ 13”

 SACD ハイブリッド盤。トリオ・ツィンマーマンのメンバーとしても評価の高いクリスチャン・ポルテラ。興味深い協奏曲録音を続々とリリースする彼の新作は、バーバーのチェロ作品集。チェロ協奏曲は1945 年の作で、バーバーならではの叙情性と旋律美に満ちています。技術的には非常な難曲ですが、ポルテラは余裕で征服し、曲の魅力を再発見させてくれます。リットン&ベルゲン・フィルも好演。特に「弦楽のためのアダージョ」の豊麗な響きとピュアな情感は真に感動的。考えてみればリットンはアメリカ人、バーバーの音楽への並々ならぬ共感が滲み出ています。バーバー学生時代のチェロソナタではイギリスの名手キャスリン・ストットの名伴奏ぶりが光ります。
 


BIS SA 2047
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ジョナサン・プロウライト(Pf)
 ブラームス:

 (1)ピアノソナタ第3番ヘ短調Op.5
 (2)ヘンデルの主題による変奏曲Op.24
ジョナサン・プロウライト(Pf)
 珍品作品録音で注目されたプロウライトが、王道作品でBIS 初登場

 [ 録音:2011 年8 月/ポットン・ホール(イギリス)]/72’45”

 SACD ハイブリッド盤。ハイペリオン・レーベルでバッハの興味深いピアノ編曲やポーランド系作曲家の珍品などを世界初録音し、注目されているイギリスの名手ジョナサン・プロウライトがBIS に初登場。最もBIS 向きな嗜好を持つピアニストのはずの彼が選んだのは、意外にもブラームスの大作2篇。
 これが実に堂々とした名演。近年ロシア・ピアニズムが世界のピアノ界を席巻しているイメージがありますが、もともとイギリスにはヘスやカーゾンに代表される明確なイギリス・ピアニズムが存在していました。1959 年生まれのプロウライトは、今日稀少になりつつあるこの渋く味わい深い独特な芸風を受け継ぐ名手として貴重。非常に新鮮です。
 

BIS SA 2017
(SACD HYBRID)
\2600
ストックホルム・チェンバー・ブラス
 ルネサンスのエールとダンス

 フランシスコ・デ・ラ・トーレ(ウルバン・アグナス編):
  ラ・スパーニャを低音に持つ舞曲
 ティーレマン・スザート(ウルバン・アグナス編):
  バス・ダンス「私の願い」/ガイヤルド第2番/
  アルマーニュ第8番/王の舞曲/千々の悲しみ/
  上着のない羊飼い/パッセ・メディオ/ガイヤルド第15番
 ジェズアルド(ウルバン・アグナス編):
  お前は私を殺す、残酷な人よ/愛しています、あなた/わが愛しの人よ
 ダウランド(ヨアキム・アグナス編):
  もしも私のうけた苦しみが/サー・ジョン・スミスのアルマイン/
  ラクリメ/蛙のガイヤルド
 同(クリスチャン・リンドベルイ編):
  デンマーク王のカイヤルド/ジャイルズ・ホビー氏のガイヤルド/
  エセックス伯のガイヤルド/ダウランドはつねに悲しむ
 モンテヴェルディ(ウルバン・アルナス編):
  歌劇「オルフェオ」〜
   シンフォニアとモレスカ/ただあなたを見つめ/
  歌劇「オルフェオ」〜
   7声のシンフォニア/本当に美しいダミジェッラ
 作者不詳(ステファン・グスタヴソン):ルネサンス組曲
ストックホルム・チェンバー・ブラス
 神々しいブラス・アンサンブルによるルネサンス舞曲集

 [ 録音:2012 年3 月/ヨハネス教会(フェルクセン、ドイツ)]/59’36”

 SACD ハイブリッド盤。エヴァルドの金管五重奏曲全集がロング・ヒットのストックホルム・チェンバー・ブラス。金管五重奏と打楽器から成り、スウェーデンを代表する1985 年結成の団体。ルネサンスから現代まで広範なレパートリーを持ち、隙のないアンサンブルを聴かせます。今回はルネサンス期の有名作品をトロンボーンの神クリスチャン・リンドベルイや当アンサンブルのトランペット奏者ウルバン・アグナスの効果的な編曲で披露。ダウランドの人気作「ラクリメ」や、現代音楽のようなジェズアルドまで神業を聴かせてくれます。
 

BIS SA 2013
(SACD HYBRID)
\2600
ニッケルハルパ
 エミリア・アムペル:魔法の鳥
 (1)マリアに
 (2)アンデシュ・グスタフ・イェルンベリによるポルスカ ト短調
 (3)暗い夜へ (4)イサドラの地 (5)魔法の鳥 
 (6)ホッフスミランのポルスカ (7)ランゲル氏と別嬪さん
 (8)トルソスの酒の歌 (9)乙女のポルスカ
 (10)忘れられたポルスカ (11)若い女性が嫁いだ時
 (12)乗っ取られ (13)ブレダルのネツカポルスカ
 (14)ガラティ川 (15)ヴァルデブーのワルツ

エミリア・アムペル(ニッケルハルパ、歌)
ユーハン・ヘディム(ニッケルハルパ)
アンデシュ・レフベリ(Vc)
ダン・スヴェンソン(Perc, Guit, Vo)
ウーレ・リンデル(Perc, Guit)
ヘルゲ・アンデシュ・ヌールバッケン(Perc)
トロンヘイム弦楽ソロイスツ

 スウェーデンの民俗楽器ニッケルハルパの魅力全開

 [ 録音:2012 年4 月/レンナ教会(スウェーデン)、フリキルケ(ノルウェー)]/59’42”、デジパック仕様、日本語序文付

SACD ハイブリッド盤。ニッケルハルパはスウェーデンの民俗楽器。中世に北欧で用いられていましたが、スウェーデンのウップランド地方でのみ伝承され、今日に至っています。ヴァイオリン型の擦弦楽器で、4 本の弦と12 本の共鳴弦を持ち、フレットのかわりに鍵盤風のものが付いているのが特徴。
 民俗色豊かで素朴な音色が魅力です。この楽器の2010 年ワールド・チャンピオンの若き名手エミリア・アムペルがBIS 初登場。ニッケルハルパ当代一の巨匠ユーハン・ヘーディンも参加、アルヴェーンの音楽を想わせる民俗色のほか、中世の古楽風だったり、アムペル自作のロック調のものなど多彩、ワールドミュージック・ファンにもオススメです。
 


BIS SA 1981
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
鈴木雅明(指)&バッハ・コレギウム・ジャパン
J.S.バッハ:カンタータ全集Vol.52
 (1)第140番「目覚めよとわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140
 (2)第112番「主はわが信実なる牧者」BWV112
 (3)第29番「われら汝に感謝す、神よ」BWV29
ハナ・ブラシコヴァ(Sop)
ロビン・ブレイズ(A)
ゲルト・テュルク(Ten)
ペーター・コーイ(Bs)
鈴木雅明(指)
バッハ・コレギウム・ジャパン
 お待たせしました。BCJのカンタータ140 番ついに登場。東日本大震災後の深い想いに満ちた感動的名演。

 [ 録音:2011 年9 月/神戸松蔭女子学院大学チャペル]/68’38”

 SACD ハイブリッド盤。BCJ のバッハ・カンタータ・シリーズも終盤戦に入りましたが、注目の新譜の出現。シリーズ開始時から、リリースについての問合わせの多かった人気作・第140 番「目覚めよとわれらに呼ばわる物見らの声」がようやくの登場となります。これが非常に感動的。録音は2011 年9 月に神戸で行われましたが、その半年前の東日本大震災への痛恨と祈りの気持ちで臨んだとされ、いつも以上に深く熱い情念が感じられ、厳粛な心持にさせられます。また第29 番は「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3 番」の前奏曲がオーケストレーションされ「シンフォニア」として流用されていることで有名。これをBCJ の演奏で聴くことができるのも存外の喜びと申せましょう。BCJ のカンタータ・シリーズ中でも特別の1枚です。
 


BIS SA 1985
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
小川典子(Pf)〜モーツァルト!
 モーツァルト:
  (1)ピアノソナタ第10番ハ長調K330
  (2)同第11番イ長調K331「トルコ行進曲付」
  (3)同第12番ヘ長調K.332
小川典子(Pf)
 胸をすくアレグロ。小川典子モーツァルトに挑戦。

 [ 録音:2011 年8、9 月/ポットン・ホール(イギリス)]/76’00”

 SACD ハイブリッド盤。小川典子がモーツァルトに挑戦。極めてストレートかつピュアな演奏がモーツァルトにぴったり。アレグロ系音楽に無類の巧さを示す小川典子ならではのモーツァルト像を作り上げています。
 


BIS SA 1751
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
アンドルー・リットン(指)&ベルゲン・フィル
 ラフマニノフ:
  (1)交響的舞曲Op.45
  (2)交響詩「死の島」Op.29
  (3)幻想曲「巌」Op.7
アンドルー・リットン(指)
ベルゲン・フィル
 ラフマニノフの音楽の美しさにひたれるリットンの妙技

 [ 録音:2008 年3 月、2009 年6 月/グリーグ・ホール(ベルゲン)]/71’27”

 SACD ハイブリッド盤。充実ぶり著しいリットン&ベルゲン・フィルによるラフマニノフ。「怒りの日」を引用した「死の島」と「交響的舞曲」を並べているところに意図が感じられます。初期の幻想曲「巌」はロシア流の意味ありげなポーズはなく、バレエ音楽のように軽やかで感覚的な美しさに満ちていて、曲の魅力を再発見できます。「死の島」も同様で、陰鬱さよりは旋律の美しさを実感できます。また、晩年の傑作「交響的舞曲」も颯爽としたスピード感が魅力で、この曲がアメリカで作曲されたことを実感させてくれます。
 

BIS SA 2026
(SACD HYBRID)
\2600
アンデシュ・ミオリン〜13弦ギターによるクリスマスの夢
 (1)聖しこの夜 (2)慈しみ深き王ウェンセスラス
 (3)幼子イエスよ眠れ(ポーランドのキャロル)
 (4)クリスマスの知らせ(フランスのキャロル)
 (5)松明、ジャネット、イザベル(プロヴァンスのキャロル)
 (6)森のなかでヨーラチカが生まれた(ロシアのキャロル)
 (7)幾千ものクリスマスの光に彩られ(スウェーデンのキャロル)
 (8)もうすぐ暗くなる(ドイツのキャロル) (9)神の御子は今宵
 (10)夜は招く(メキシコのキャロル)
 (11)わが村に天使が(フランスのキャロル)
 (12)マリアはいばらの道を通り(ドイツのキャロル)
 (13)ザンポニャーロたちの歌(イタリアのキャロル)
 (14)サリヴァン:天なる神には
 (15)甘き喜びのうちに(中世のキャロル)
 (16)三艘の船が(イギリスのキャロル)
 (17)バルー・ラミー(ケルトのキャロル)
 (18)ウォーロック:バルラロー (19)ミオリン:青いクリスマス
 (20)同:冬の夜の夢見る星たち
アンデシュ・ミオリン
 (13弦ギター)
 クリスマス・プレゼントにも最適。ギターが奏でる世界のクリスマス・キャロル

 [ 録音:2012 年3 月/レンナ教会(スウェーデン)]/72’22”

 SACD ハイブリッド盤。独自の13 弦ギターでサティやドビュッシーを演奏して話題となったミオリン、久々の新録音の登場です。今回は自身の編曲による世界のクリスマス・キャロルを集めた、ひと足早いクリスマス・プレゼント。「聖しこの夜」「慈しみ深き王ウェンセスラス」「神の御子は今宵」といった誰もが知るポピュラーなものから、スウェーデン、ロシア、フランス、メキシコなどでは誰もが愛唱する地元のキャロルまで20 篇が収めれらています。ポーランドの「幼子イエスよ眠れ」はショパンが名作「スケルツォ第1 番」の中間部に引用したメロディの原曲なのも興味津々。表現力豊かなギターでしっとりと奏でられたキャロルは不思議な温かみに満ち、静かなクリスマスの晩を素敵に演出してくれます。
 

BIS 1503
\2500
2001年リゲティの旅
 リゲティ:
  (1)インヴェンション (1948)【フレドリク・ウレーン(Pf)】
  (2)6つのバガテル (1953)【ベルリン・フィル木管五重奏団】
  (3)ヴォルーミナ (1961-6)【ハンス=オラ・エリクソン(Org)】
  (4)ルクス・エテルナ (1966)【ヴァルター・ヌシュバウム(指)スコラ・ハイデルベルク】
  (5)10の小品 (1968)【ベルリン・フィル木管五重奏団】
  (6)無伴奏ヴィオラソナタ (1991/4)【今井信子(Va)】
  (7)3つの練習曲 (1985/2001)【フレドリク・ウレーン(Pf)】
 「2001年宇宙の旅」のあの曲も収録。リゲティ入門に最適。

 DDD、81’25”

 現代作曲家の中で破格の人気を誇るリゲティ。難解な作風ながら、ロックやフュージョンのようなノリの良さと高尚でない猟奇性が現代人の感覚にフィットしていると申せましょう。ここでは彼25 歳、ブダペスト時代の処女作「インヴェンション」から最後の作品となった2001 年の「3 つの練習曲」まで、彼の芸術を1 枚のアルバムで俯瞰する好企画。彼の名を一般的にしたのは、キューブリックの「2001 年宇宙の旅」に無伴奏合唱曲「ルクス・エテルナ」が使われたため。誰もが聴きたいこの名曲も、もちろんぬかりなく収録。創作が2001 年に終ったこととあわせ、タイトルも映画にあやかり「2001 年リゲティの旅」としています。全7 作品いずれも既存アルバムからのコンピレーションですが、演奏者の豪華さが目をひきます。管楽五重奏作品はベルリン・フィル木管五重奏団、ヴィオラは今井信子、ピアノは化け物的超絶技巧の持ち主ウレーンと、演奏の難しさで名高いリゲティ作品に不足はありません。

BONGIOVANNI



GB 2457
\2400→\2190
レオンカヴァッロの幻のオペラ、世界初録音!
 レオンカヴァッロ:「マメーリ」
アントーニオ・デ・パルマ(T ゴッフレード・マメーリ)
ロレンツォ・バッタジョン(Br カルロ・テルザーギ)
ナターリャ・マルガリート(S デリア)
バルバラ・ヴィヴィアン
 (Ms クリスティーナ・トリヴルツィオ・ディ・ベルジョイオーソ)
ルチアーノ・グラッシ
 (T エンリーコ・ダンドーロ,エミーリオ・ダンドーロ,士官)
ジャンパオロ・ヴェッセッラ
 (ルチアーノ・マナーラ,オーストリア人軍曹,士官)
シルヴァーノ・フロンタリーニ(指)
ドネツィク・ウクライナ国立フィルハーモニー管弦楽団、
ティラーノ・モンティ・ヴェルディ合唱団
ボルミオ・ラ・レイト合唱団
 イタリア国歌マメーリ賛歌で知られる詩人を描いた「マメーリ」

 録音:2011 年10 月14 日、ソンダロ/78'42/DDD

 「道化師」で有名なレオンカヴァッロの埋もれていたオペラが発掘されました。イタリア国歌、通称「マメーリ賛歌」の作詩者として知られるゴッフレード・マメーリ(1827 − 1849)の激動の人生を描いたオペラ「マメーリ」、もちろん世界初録音。この作品は1916 年4 月、第一次世界大戦真っ只中の時期にジェノヴァで初演。愛国心を煽った話が受けて大成功を収めました。しかし翌1917 年を最後に上演が途絶え、楽譜も行方不明になり、紛失したものと考えられていました。90 年もの間埋もれた後、数年前にアメリカで上演素材一式が発見され、エンリーコ・デ・ルーカの校訂を経てようやく復活することができたのです。いかにもレオンカヴァッロらしい熱血的な物語と音楽ですが、1892 年の「道化師」から四半世紀近く経った作品なので、オーケストレーションには格段の進歩が感じられます。
 2011 年10 月14 日、スイス国境に近い山間の町、ソンダロで演奏会形式上演が行われ、これはそのライヴ録音です(ちなみに同じ日にメッシーナでは舞台上演が行われました)。この直後の2011 年12 月6 日には熊本で日本初演が行われ、その時マメーリを歌ったアントーニオ・デ・パルマがここでもマメーリを力強く歌っています。永い眠りから覚めた幻の傑作を楽しむには十分の出来栄えです。
なお、解説、台本冊子が厚いため、CD1 枚が24mm 厚のケースに収納されています。

 「マメーリ」簡単なあらすじ
 1848 年、リソルジメント(イタリア統一運動)が高まっているミラノの町。カルロ・テルザーギの娘デリアは、詩人マメーリと恋に落ちている。テルザーギの家で秘密の革命の会合が催され、北上する英雄ガリバルディを援護するため一同はローマへ向かうことを決める。そこに警察が踏み込み、マメーリはかろうじて逃げるが、テルザーギは連行される。1849 年、ローマ。砲兵となったマメーリはこの地でデリアと再会、彼女の父も逃亡に成功しローマに向かっているという。激しい戦いの末マメーリは重傷を負い、イタリアの自由を夢見ながら息絶える。

C AVI



4260085532698
\2600→\2390
アルゲリッチも認めたドイツの新星!ソフィー・パチーニ(Pf)
 シューマン:(1)謝肉祭op.9 (2)6つの間奏曲op.4
 リスト:(3)ピアノ・ソナタ ロ短調
ソフィー・パチーニ(Pf)
 正直アルゲリッチはすごい感激屋なんだと思う。だからポゴレリッチに始まり、最近ではブニアティシヴィリなど、アルゲリッチは多くの実力ある若手を絶賛してきた。で、今回の新譜ではいきなり上記レスチェンコとこのパチーニの二人が揃いも揃って「アルゲリッチ絶賛」というふれこみ。
 ・・・でもそれを聞いて「またかよ、アルゲリッチ」と思ってはいけない。彼女が何人の若手を絶賛しようと、ひとつはっきりしているのはそのいずれもが「賞賛されるに値する」演奏家であるということ。どうかそのことを忘れないでいてほしい・・・。


 かのアルゲリッチが「まさに若い頃の自分を思い出すよう!」と絶賛したことで、世界から一躍注目を集めたドイツの麗しき新星ソフィー・パチーニが、C Avi レーベルから待望の最新盤をリリースしました!ピアノ協奏曲はこれまでにもいくつかリリースしてきたパチーニですが、独奏曲を収録したものとしてはこのCD が記念すべき1st アルバムとなります!注目必至の収録内容は、シューマン&リストというプログラム。リストのピアノ・ソナタロ短調は2012年3 月の来日リサイタルでも演奏され、絶賛を浴びたばかりなだけに期待も高まりましょう!アルゲリッチからもお墨付きの演奏技術は文句なしの素晴らしさですが、やや大柄な体から繰り出される力強い表現力と、構成力に優れた理知的な演奏もパチーニの大きな魅力。早咲きの才能と内に秘めた可能性の大きさは確かにアルゲリッチの若き頃を思い出すようですが、その演奏スタイルはむしろ落ち着きのある正統派寄りといえるかもしれません。とはいえ、パチーニは未だ21 歳(2012 年現在)。今はまだ大粒の原石ともいえる彼女が、これからどのように磨き抜かれていくのか…今後の活動からも目が離せない、注目必至のアーティストといえましょう!
 ソフィー・パチーニは1991 年、ミュンヘン生まれのピアニスト。わずか10 歳でザルツブルクのモーツァルテウム音楽院に入学を認められ、ケマーリンクに師事した早熟の若手実力派です。2000 年よりソリストとして活動を開始し、2004 年には最も才ある音楽家に贈られるレオポルト・モーツァルト賞を獲得しました。その後も数々の賞に輝いたことに加え、2010 年にマルタ・アルゲリッチから称賛されたことで更なる注目を集めます。2011 年にはルガーノでのアルゲリッチ音楽祭にも出演。2012 年3 月に武蔵野でソロ・リサイタルを開催。同年4 月には東京フィルハーモニー交響楽団の定期公演でシューマンのピアノ協奏曲を演奏し、日本においても高い注目を浴びる屈指の若手実力派です。


ソフィー・パチーニ(Pf)
デビュー・レコーディング!

ONYX 4088
\2400→¥2190
に、似てる・・・
 アルゲリッチが惚れ込んだ若き新星登場!
  ソフィー・パチーニがONYXからデビュー!

   シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
   モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271《ジュノム》
ソフィー・パチーニ(ピアノ)
ラドスラフ・スルク(指揮)
ラインラント=プファルツ州立フィル
 あのマルタ・アルゲリッチが「かつての自分を見ているようだ」と大絶賛するピアノ界の新星、ソフィー・パチーニのデビュー・レコーディング!
 イタリア人の文学教授の父とドイツ人医師の母を持つ1991年ミュンヘン出身のソフィー・パチーニ。
 2000年にハイドンの「ピアノ協奏曲ニ長調」でデビューを果たし、2002年(11歳!)からはザルツブルクのモーツァルテウムでカール=ハインツ・ケメリングに師事するなど、早くから天賦の才を発揮してきたパチーニに大きな転機が訪れる。
 2010年にパチーニが弾いたリストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」を直接聴いていたアルゲリッチがこの若き才能に惚れ込み、自身が主宰するルガーノ音楽祭へ招待したのである!
 ルガーノ音楽祭で大成功を収めたパチーニのデビュー・レコーディングは、シューマンの「ピアノ協奏曲」とモーツァルトの「ジュノム」。
 アルゲリッチが激賞する新星ソフィー・パチーニのサクセス・ストーリーは始まったばかり。要注目の逸材の登場です!





 


4260085532629
\2600→\2390
19世紀サロンを思わせる馨しきピアノの響き
 ジルケ・アーヴェンハウス(Pf)

ワーグナー:
 (1)M.W.夫人のアルバムのためのソナタ 変イ長調
 (2)イゾルデの愛の死(リスト編)
リスト:
 (3)ロッシーニの主題による7つの華麗な変奏曲
 (4)ウィーンの夜会(シューベルトによるワルツ・カプリス) 
 (5)水夫(「音楽の夜会」より)
 (6)リヒャルト・ワーグナー—ヴェネツィア
 (7)悲しみのゴンドラ(初版)
 (8)ダンテを読んで—ソナタ風幻想曲
  (「巡礼の年報第2年イタリア」より)
ロッシーニ:「老いのいたずら」より
 (9)わが妻への甘え (10)憂鬱なワルツ
ジルケ・アーヴェンハウス(Pf)
…アーヴェンハウスによるピアノ小品集

 録音:2011 年、スタジオ2(ミュンヘン)

 近年、アルカント・カルテットの1st ヴァイオリニスト、A. ヴァイトハースとの共演でも注目を集めているドイツの名手、ジルケ・アーヴェンハウスが待望のピアノ・ソロ最新盤をリリース!
 T. ツィンマーマン、I. ファウスト、J. ヴィドマンほか多くの世界的名手から信頼厚く、伴奏者としても世界的に活躍している彼女ですが、本アルバムではソリスト、アーヴェンハウスとして独自の表現世界を存分に披露してくれています。
 収録されているのは、ワーグナー、ロッシーニ、リストという得意の19 世紀プログラム。ロッシーニの声楽曲集を改編した「音楽の夜会」や、シューベルトのワルツの編曲集である「ウィーンの夜会」といったリスト編曲作品も多く収録されています。ワーグナーのピアノ作品の中ではやや収録される機会の少ない、「M.W. 夫人のアルバムのためのソナタ」が入っていることにも注目されましょう。M.W. 夫人とは、ワーグナーのパトロンであったマティルダ・ヴェーゼンドンク夫人のこと。彼女との激しい恋愛関係から生まれたといわれる『トリスタンとイゾルデ』の濃厚なロマンティシズムを思わせるかのごとき甘美な旋律にあふれた名曲です。
 過度な粘り気を控えたアーヴェンハウスの演奏は、曲全体の大きな流れを損なわない流麗な音の運びが耳に心地よく、作品そのものが持つロマンティックな響きがストレートに感じられるよう。力強くも軽やかなタッチで、流麗に魅せてくれます。
 


4260085532636
\2600→\2390
キリアン・へロルド(Cl)〜憂愁のクラリネット
 (1)ブラームス:クラリネット・ソナタ 第2番 変ホ長調op.120-2
 (2)ライネッケ:序奏とアレグロ・アッパショナートop.256
 (3)ドレーゼケ:クラリネット・ソナタ 変ロ長調op.38
キリアン・へロルド(Cl)
アミール・カッツ(Pf)
 ドイツの中堅、へロルドが奏でる憂愁のクラリネット、19 世紀ドイツ・ロマンあふれるクラリネット・ソナタ集

 録音:2011 年9 月、ゼンデザール・ブレーメン

 バーデンバーデン&フライブルクSWR 交響楽団の首席クラリネット奏者を務めるドイツの中堅、キリアン・へロルドによるクラリネット・ソナタ集。ブラームスをはじめとする、19 世紀後半に作曲されたクラリネット・ソナタを中心としたドイツ・プログラムです。カルル・ライネッケ(1824-1910)とフェリクス・ドレーゼケ(1835-1913)のクラリネット・ソナタは、いずれもブラームスが最晩年に作曲した「クラリネット・ソナタ第2 番」と時期を同じくして作曲されたもの。2 人とも現代では中々収録される機会に恵まれぬ作曲家たちですが、今回収録されたソナタはクラリネットとピアノのための作品を語るに欠かせない名曲といえましょう。いずれもブラームスの作品を思わせるロマンティックな旋律が美しく、クラリネットの憂愁な響きとピアノの澄んだ音色とのハーモニーは絶品。へロルドの演奏は、明るい曲調の中にもどこか翳りを含むような深い表現が素晴らしく、曲調との相性も抜群。高音域においてもなおふくよかな音色に魅せられます。ピアノ伴奏を担当するのはドイツの中堅、アミール・カッツ。へロルドの明瞭なタンギングに負けず劣らずの溌剌とした演奏で、堅実ながらも流麗なアンサンブルを組み上げています。クラリネット・ファン必携の注目盤です!
 キリアン・へロルドは、2004 年に23 歳という若さでドイツ・カンマー・フィルハーモニー・ブレーメンの首席クラリネットに大抜擢された実力派。
 2007 年にはドイツ・カンマー・フィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステンのメンバーとして来日し、注目を集めました。2011 年からはバーデンバーデン&フライブルクSWR 交響楽団の首席クラリネット奏者として新たな活躍を見せているヘロルド。今後の活躍にも期待されます!



 

4260085532643
\2600
結成10周年!デンマーク弦楽四重奏団
(1)ハイドン:
 弦楽四重奏曲 第63番 ニ長調「ひばり」op.64-5 / Hob III:63
(2)ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調op.51-2
デンマーク弦楽四重奏団
 結成10周年!デンマーク弦楽四重奏団によるハイドンの「ひばり」&ブラームス弦楽四重奏曲第2番

 録音:2012 年3 月、スタジオ2(ミュンヘン)

 「デンマーク青年弦楽四重奏団」の名でも知られるデンマーク弦楽四重奏団は、2002 年夏のコペンハーゲン音楽祭にてデビューしたアンサンブル団体。記念すべき結成10 周年を迎えた2012 年、C Avi レーベルより待望の最新盤がリリースされる運びとなりました!今回収録したのは、ハイドンとブラームスの弦楽四重奏曲。ベートーヴェンからペルトまでいたる幅広いレパートリーを持つ当団ですが、意外にも古典派とロマン派の作品を収録するのは本アルバムが初めて。ハイドンでは軽やかかつ溌剌とした演奏で爽やかに聴かせる一方、後半のブラームスでは劇的かつ鮮烈な演奏で圧倒してくれます。ハイドンの「ひばり」では、1st ヴァイオリンを務めるオーランドの瑞々しいソロが聴き所。「ひばり」という愛称の由来ともなった第1 楽章冒頭の有名な旋律はもちろんのこと、第4 楽章で見せる怒涛の掛け合いも見事です。ブラームスの弦楽四重奏曲第2 番は、対位法的に書かれた堅固なアンサンブルと、シューベルトを思わせる流麗な旋律との兼ね合いが素晴らしい名曲。デンマーク弦楽四重奏団の演奏は厭なべたつきを控えた音運びで、アクセントの表現も鮮やか。エネルギッシュな勢いにあふれる瑞々しい演奏スタイルはそのままに、より円熟したアンサンブルで魅せてくれます。結成当時はデンマークの若手演奏家たちによる新進気鋭の団体として注目を集めていたデンマーク弦楽四重奏団も、今や室内楽界の中堅を担う実力派。今後のさらなる飛躍に期待したい、注目のアンサンブル団体です。
 


4260085532261
\2600→\2390
ベートーヴェンSQ第11番と「クロイツェル」弦楽オーケストラ版!
ベートーヴェン:
 (1)弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 op.95
  (アンティエ・ヴァイトハース&
   ケーティ・シュトイリによる弦楽オーケストラ編曲版)
 (2)ヴァイオリン・ソナタ 第9番「クロイツェル」op.47
  (リチャード・トニェッティによる
   ヴァイオリン・ソロと弦楽オーケウソトラ伴奏編曲版)
アンティエ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
カメラータ・ベルン
 編曲ものファン必聴!ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番とクロイツェル・ソナタの大迫力と緊迫感に満ちた弦楽オーケストラ版!

 録音:2012 年4 月

 ヴァイトハース率いるカメラータ・ベルンによる注目ベートーヴェン作品編曲版の登場。
 アルカント・カルテットのファースト・ヴァイオリンを務めるヴァイトハース。現在、1962 年に設立された伝統ある弦楽アンサンブルグループ、カメラータ・ベルンの芸術監督も務めています。彼女が今回取り組んだのは、ベートーヴェンの傑作2 曲の弦楽オーケストラ版化。うち1 曲は彼女自身も編曲に携わっており、なみなみならぬ気概を感じます。
 編曲というと、19 世紀にはオーケストラ作品など規模の大きなもののピアノ連弾編曲版などが、作品の普及に一役かったものでしたが、今回の編曲はその逆となる室内楽作品の編成を拡大させたもの。クロイツェルに関して、ヴァイトハースは「この作品は非常にオーケストラ的」と語っており、たしかにまったく違和感なく仕上がっています。さらに、ピアノとヴァイオリンという組み合わせももちろん素晴らしいのですが、どうしても生じてしまう調和しきれない音色の違いもこうすることによってすべて解消され、ベートーヴェンが描いた音の世界を存分に味わうことができるように感じられましょう。第2 楽章の心にしみるハーモニー、終楽章のぴちぴちとした感じは弦楽アンサンブルならでは。ヴァイトハースの素晴らしいヴァイオリン・ソロとあいまって、弦の魅力たっぷりの作品に仕上がっています。
 弦楽四重奏曲第11 番は、いわずと知れた後期弦楽四重奏の傑作のひとつ。極度に凝縮された世界をより多様な音色で解きほぐして展開することにより、この作品の緻密な声部間のやりとりなどがよりわかりやすくなり、作品理解をより深めることができるような編曲になっています。
 単なる編曲ものを超えた、ベートーヴェンの偉大性とメンバーのうまさをあらためて実感できる興味深い1 枚です。



 


4260085532704
\2600→\2390
ターニャ・テツラフ
 ブラームス:チェロ・ソナタ集

 (1)第2番 ヘ長調 op.99
 (2)第1番 ホ短調 op.38
ターニャ・テツラフ
 (チェロ/1776 年グァダニーニ)
グニッラ・シュッスマン(ピアノ)
 ターニャ・テツラフが熱く流麗に奏でるブラームスのソナタ集

 録音:2011 年5 月

 室内楽の分野でも活躍著しいターニャ・テツラフ(クリスチャン・テツラフの妹)と、ノルウェー出身でターニャとも2000 年以降デュオを組んでいるシュッスマンによるブラームスのチェロ・ソナタの登場。約5 年前にはラフマニノフ、グリーグらのチェロ・ソナタでも素晴しい演奏を聴かせてくれたペアだけに期待が高まります。
 ブラームスのチェロ・ソナタは、原題がピアノとチェロのためのソナタとなっているほどに、ピアノが重要な役割を果たす作品。第2 番は交響曲4 曲を書き上げたあとの作品なので実に内容が濃いですが、冒頭から二人の並々ならぬ気迫と集中に、一気にブラームスの世界へと引き込まれます。また、第1 番第2 楽章でひかるセンス、終楽章のフーガでの絡み合いの美しさなど、二人のアンサンブルの妙を心行くまでたのしみたい1 枚です。

CHALLENGE RECORDS



ZZ 76101
\2300→\2090
ジャズ交響曲〜オーケストラによるレディオヘッド
 (1)パラノイド・アンドロイド
 (2)ヌード
 (3)ウィアード・フィッシュズ
 (4)カーマ・ポリス
 (5)イグジット・ミュージック
 (6)ノー・サプライゼズ
 (7)15ステップ
 (8)エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス〜
  ピラミッド・ソング
 (9)ユー
 (10)クリープ
レイナウト・ダウマ(指)
ノールドポール管
 これは面白い。レディオヘッドが大オーケストラのクラシック音楽に変身

 STEREO、61’29”

 最近、ロックやポップスをクラシックのスタイルで演奏することに流行の兆しがみられます。誰もが聴いたことのあるインパクトの強い音楽がオーケストラや室内楽で奏でられると、ジャンルを越えて人の心をひきつける力を感じます。そしてついにイギリスのロックバンド「レディオヘッド」までもがユニークなオーケストラ曲に仕上げられ登場。
 レディオヘッドといえば、1985 年の結成以来、今日までメンバーを交代することなく第一線で活躍する、日本にもファンの多いバンド。オルタナティヴ・ロックにポスト・パンク、エレクロニクスや現代音楽まで影響を受けた彼らの音楽は複雑で、ポリリズムや変拍子山盛りの実験的なものが多く、クラシック的にも興味津々。そのなかから代表的な10 作品をフルオーケストラで披露。彼ら最初のヒット作「クリープ」から2007 年のアルバム中の「ヌード」「ウィアード・フィッシュズ」「15 ステップ」まで活動を俯瞰できます。いずれも歌詞なしのインストのみですが、クライマックスで凄まじい爆発的盛り上がりを見せます。
 ロシア・ソヴィエトの音楽や現代音楽好きならば、はまること間違いなしの面白さと爽快さ。
 演奏するのは2010 年結成のオランダのオーケストラ、ノールドポール管弦楽団。ライト・ミュージック専門で、ビッグバンドを内包するフルオーケストラ。
 メンバーも若く、ジャズ、ポップスからヒップホップまで挑戦する21 世紀型オーケストラ。


旧譜
ブームなんでしょうか。
本格派クラシック的編曲版ポップスorロック
Anderson & Roe: when words fade
STEINWAY & SONS
STNS-30006
\2000→\1890
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
 ことばが消えるとき

 1.マイケル・ジャクソン(1958-2009):ビリー・ジーン/
 2.ヴィヴァルディ(1678-1741):
  歌劇「ジュスティーノ」-私の心に涙の雨が降っている/
 3.モーツァルト(1756-1791):歌劇「魔笛」-パパゲーノ、パパゲーナ/
 4.ビゼー(1838-1875):カルメン幻想曲-ハバネラ/
 5.シューベルト(1797-1828):魔王Op.1/
 6.ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ/
 7.ブレル&ジュアネスト:マチルド、マリークとマドレーヌ/
 8.シューマン(1810-1856):リーダークライスOp.39-5「月の夜」/
 9.ヴィラ=ロボス(1887-1959):
  ブラジル風バッハ第5番-アリア「カンティレーナ」/
 10.トム・ヨーク(1968):パラノイド・アンドロイド/
 11.トーマス・オーガスティン・アーン(1710-1778):朝-まばゆい太陽/
 12.コールドプレイ:ビバ・ラ・ビダ
  ※全てグレッグ・アンダーソン&エリザベス・ジョイ・ローによる編曲
アンダーソン&ロー(ピアノ連弾)
 スタッフの女の子たちは残念ながらあまりクラシックを聴かない。でもポップスは普通に聴くみたい。
 なのでそんな彼女たちを驚かそうと思ってかけたのに・・・、かけた自分がびっくりしてしまった1枚。
 グレッグ・アンダーソンとエリザベス・ジョイ・ローというカッコいい系の男女ピアノ・デュオ・アルバム。
 ご覧のとおりマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」、ロック・バンドのレディオ・ヘッド、コールドプレイの曲が、ヴィヴァルディやモーツァルト、シューベルトの音楽とともに流れてくる。しかも当たり前ながら超本格派クラシック作品となって。
 そのテクニックもすごいが編曲もすごい。それはポップスだけじゃなく、クラシックの名曲の編曲も。「魔王」や「カルメン」ではバカテク爆裂演奏を聴かせてくれたかと思ったら、「ヴォカリーズ」や「ブラジル風バッハ」ではこれでもかと切なく泣き節を聴かせてくれる。
 この「Steinway and Sons」というレーベル、その名のとおりスタインウェイがプロデュースしているんだけど、ここまでピアノを活かしきってくれたらさぞやレーベルとしても嬉しかったことだろう。


録音 2011年7月6-8日ニューヨーク,パーチェス大学コンサート・ホール・オブ・パフォーミング・アーツ・センター
 4本の手から繰り出される目も眩むようなピアノの音色。圧倒的なリズム感。マイケル・ジャクソンから特殊奏法のヴィヴァルディ、至るところで音がはじけるパパゲーノのアリア…。曲が進むにつれ驚きばかりが増していくスゴイ1枚です。アレンジが素晴らしいことは言うまでもないのだけど、テクも物凄い。「パラノイド・アンドロイド」ではなぜか真面目に弾いていて、まるでプロコフィエフかリゲティを思わせる曲になっていたり。とにかく面白いです。
 


ZZ 76102
\2300→\2090
弦楽四重奏によるレディオヘッド
 (1)ザ・デイリー・メイル
 (2)ジ・イレイザー
 (3)イグジット・ミュージック
 (4)パラノイド・アンドロイド
 (5)ユー・アンド・フーズ・アーミー
 (6)ハウ・トゥ・ディスアピアー・コンプリートリー
 (7)ウィ・サック・ヤング・ブラッド
 (8)マイ・アイアン・ラング
 (9)ギヴ・アップ・ザ・ゴースト
 (10)ア・ウルフ・アット・ザ・ドア
ザップ4
 【ジャスパー・ルクレール、
  ジェフリー・ブルインスマ(Vn)、
  ウーネ・ヘール(Va)、
  エミール・フィッセール(Vc)】
 驚愕。レディオヘッドが弦楽四重奏曲に

 STEREO、57’53”

 クラシックの装いによるレディオヘッド、こちらは弦楽四重奏版。オランダのザップ4 は、2005 年にKersjesrijs を受賞した実力派ですが、クラシックの弦楽四重奏団というよりジャズのクァルテット的なノリで注目させられます。このアルバムは、同グループのヴィオラ奏者ウーネ・ヘールの、原曲を熟知した編曲が興味津々。歌詞なしのインストのみですが、第1ヴァイオリンが担当するリード・ギター、原曲のエレクトリックなビートを弦のピチカートで模倣するなど、弦楽四重奏の新しい効果と機能を全く活用しています。
 最新の「ギヴ・アップ・ザ・ゴースト」までレディオヘッドの代表作10 篇を集めていますが、もともとクラシックや現代音楽の影響も濃い彼らの音楽、たとえばベートーヴェンの「月光ソナタ」を下敷きにしているとされる「ア・ウルフ・アット・ザ・ドア」は、クラシック素材の反語的な解釈に感心させられます。ザップ4 はクラシックの基礎にのっとりながらもノリは全くのロックで、グルーヴ感とエネルギーに満ちていて新鮮。21 世紀のクラシックと申せましょう。
 
ZZ 76103
\2300
ワイル:ブレヒト歌曲集
 (1)マック・ザ・ナイフ/(2)ジゴロのバラード/
 (3)ハバナ・ソング/(4)まずエッチして、それから風呂/
 (5)ザロモン・ソング/(6)連中はキャバレーを焼き払った/
 (7)スラバヤ・ジョニー/(8)難題の歌/(9)マトロスの歌/
 (10)ユーカリ/(11)彼女はエヴリマンと行った/
 (12)海賊ジェニー/(13)彼ジョニー/(14)ナンナの歌/
 (15)マンデレイ・ソング/(16)アラバマ・ソング/
 (17)恋の歌/(18)私自身が他人みたい
クラロン・マクファーデン(Sop)
スヴェン・ラツケ(Vo)
チャーリー・ザストロー(Pf)
タチアナ・コレヴァ(Perc)
フェイ・ロヴスキー
 (ミュージカル・ソー、ギター、
  テレミン、バンジョー、
  バックコーラス)
 アメリカのベテラン・ソプラノ、マクファーデンがワイルに挑戦

 STEREO、60’31”

 1961 年生まれのアメリカのソプラノ、クラロン・マクファーデンがワイルの歌曲に挑戦。コープマンやクリスティらとのバロック・オペラと最新の現代オペラに抜群の巧さを見せるマクファーデンですが、今回「ショービズ界のアンファンテリブル」と称されるオランダで活躍するドイツ人エンターテナー、スフェン・ラツケと組んでオシャレに大変身。両者の演ずる「三文オペラ」他からのブレヒト・ナンバーは、ジャジーで濃厚、驚くべき芸達者ぶりを示しています。ドイツ・ワイマール文化ならではの爛熟、猥雑さが雰囲気たっぷり。ジャンルを越えて、ワイル好きならはずせないアルバムの登場です。

CHROMART CLASSICS

TXA 12010
\2500→\2290
フランツ・グルントヘーバー(Br)
1. マルタン:「イェーダーマン」より6つのモノローグ
メンデルスゾーン:
 2. 収穫の歌 3. 魔女の歌 4. 狩の歌 5.新しい恋
シューベルト:白鳥の歌D 957より
 6.アトラス 7. わが宿 8. 漁夫の娘 9.都会
ワーグナー:
 10.ブランダーの歌 11.メフィストフェレスの歌 第1
 12.メフィストフェレスの歌 第2 13.モミの木
シューマン:
 14.メランコリー 15.自由な心 16.私の心は重く 17.吟唱詩人
ヴォルフ:18. 音楽師 19. 郷愁 20. 鼓手 21.散歩
フランツ・グルントヘーバー(Br)
マティアス・ファイト(Pf)
 マルタン、ワーグナー、ヴォルフ…演技派名バリトン、グルントヘーバーが誘うドイツ・リートの世界

 録音:2003 年9 月、フリードリヒ・エーベルト・アレー(ハンブルク)/69’14”

 円熟の名バリトン、フランツ・グルントヘーバーによるドイツ歌曲集。グルントヘーバーといえば、ベルクのヴォツェック役、ワーグナーのオランダ人役や、アムフォルタス役などを得意とする貫禄の演技が印象的ですが、本アルバムでも過去の名演を思わせるような卓越した表現力を魅せています。声量の勢いで力任せに圧倒するのではなく、細やかな息遣いや声色の変化で聴く人を惹き込むところは流石の一言。マルタンの「イェーダーマン」は管弦楽伴奏版も知られておりますが、今回収録されているのは原曲のピアノ伴奏版。死神に余命1 日と告げられた大富豪の絶望と苦悩を見事に歌いあげており、アルバム冒頭からグルントヘーバーの世界へぐぐっと誘われます。その他にも、ワーグナーのメフィストフェレスの歌や、ヴォルフのアイヒェンドルフ詩集・メーリケ詩集からの抜粋などを収録し、聴き応え十分のアルバムに仕上がっています。19 世紀ドイツ・リートのファンの方なら見逃せない、注目盤です。
 


TXA 12009
(2CD)
特別価格
\3200→\2890
マティアス・ファイト(Pf)
 ミクロマニア〜85曲のピアノ・ミニアチュール〜

 [CD1]
  ヘンデル:バガテル/スカルラッティ:メヌエット/
  シューマン:幻想的舞曲(「アルバムの綴り」より)/
   R.シュトラウス:トロイメライ/
  スクリャービン:即興曲op.48/
  リゲティ:3つのバガテルほか 全53曲
 [CD2]
  ブラームス:間奏曲op.119-3/
  コダーイ:トランクィロop.11-5/リスト:暗い雲/
  ケージ:クエスト/マルティヌー:即興曲/
  バード:アルマンド
   (フィッツウィリアム・バージナル曲集より)ほか 全32曲
マティアス・ファイト(Pf)
 【使用楽器:スタインウェイC 型】
 さながら鍵盤楽曲300年の縮図!?バロックから現代まで、なんと85 曲もの小品を収録!

 録音:2008 年12 月、リュクハイム(ドイツ)/[CD1]53’48” [CD2]44’38”

 伴奏ピアニストとしても幅広く活躍するマティアス・ファイトが注目必至の独創的な新譜をリリースしました。その名も「ミクロマニア—85 曲のピアノ・ミニアチュール—」!古くはフレスコバルディやハイドンから、新しきはカール・オルフやジョルジュ・リゲティまで、これまでのピアノ作品史を一息に貫き切るような衝撃のプログラムとなっています。それぞれは2 分未満の小品ですが、全体の収録曲集はなんと85 曲!2 枚組にわたる聴き応え十分のアルバムに仕上がっています。プログラムを組み上げるにあたり、「細密画の万華鏡や、(ゲームの)ドミノの着想があった」と語るファイト。演奏曲順は時代順ではなく、次から次へと目まぐるしく現れる小品の数々はまさに万華鏡の如き多彩さ。各曲の繋ぎ加減も絶妙です。これら85 曲を弾き切るファイトの演奏技術はもちろんのこと、その気概にも圧倒されるアルバムといえましょう!
 

TXA 12014
\2500
カルメン・ピアッツィーニ(Pf)
 (1)シューマン:幻想曲 ハ長調op.17
 (2)ブラームス:シューマンの主題による変奏曲
 (3)シューベルト:3つのピアノ曲 D 946
 (4)シューマン:アラベスク ハ長調op.18
カルメン・ピアッツィーニ(Pf)
 アルゼンチンの名手ピアッツィーニの純な響きにうっとりシューマン、ブラームスほか:ピアノ作品集

 録音:2010 年4 月、Festeburg 教会(フランクフルト)/78’42”

 アルゲリッチを育てた名教師スカラムッツァの愛弟子でもあるアルゼンチン生まれの名手、カルメン・ピアッツィーニによるロマン派ピアノ作品集。シューマンの幻想曲ハ長調やブラームスの「シューマンの主題による変奏曲」など、抒情性に満ちあふれる作品の数々が収録されています。ピアッツィーニの演奏は全体的に厭味がなく、耳にストレートに響いてくる明快なタッチが爽やか。快活なパッセージでは溌剌とした音の立ち上がりが耳に心地よい一方、緩やかに歌う部分では透明感のある柔らかい音運びに聴き入ります。活発な主題と感傷的な主題が織り交じるシューマンの「3 つのピアノ曲」では特にその表現のコントラストが印象的。ピアッツィーニならではの純粋無垢な音の響きに心洗われる1 枚です。
 

TXA 12012
\2500
ドイツ・サクソフォン・アンサンブル
ヒンデミット:ルードゥス・トナリスより
 (1)第2のフーガ (2)第9のフーガ
 (3)第14のフーガ (4)第15のフーガ
J.S.バッハ:フーガの技法 BWV.1080より
 (5)コントラプンクトゥス I (6)コントラプンクトゥス IV
 (7)コントラプンクトゥス IX
メンデルスゾーン:6つの前奏曲とフーガop.35
 (8)第2番 ニ長調より抜粋
 (9)第6番変ロ長調より アレグロ・コン・ブリオ
シューマン:バッハの名による6つのフーガop.60 より
 (10)第5番 (11)第2番
ブラームス:
 (12)コラール前奏曲とフーガ「おお嘆き、おお心の苦しみ」
R.シュトラウス:(13)4つの主題によるフーガ
ベートーヴェン:(14)大フーガop.133
 *すべてミカエル・ルフ編曲によるサクソフォン四重奏版
ドイツ・サクソフォン・アンサンブル
 世界屈指のサクソフォン四重奏団、ドイツ・サクソフォン・アンサンブル、J.S.バッハ、ヒンデミットほか、フーガ尽くしの1 枚!

 録音:2009 年10 月、トリック・スタジオ(ラウエンベルク、ドイツ)/62’07”

 世界屈指のサクソフォンアンサンブルとして活躍する「ドイツ・サクソフォン・アンサンブル」によるフーガ作品集。音楽史上にも名高い、J.S. バッハ、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、シューマン、R. シュトラウス、ヒンデミットらが残したフーガ作品が収録されており、すべてサクソフォン四重奏用に編曲されています。ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスからなる伝統的な編成で、各々が1 パートずつ担当することで、細微に組み上げられている対位法の魅力が更に伝わってくるように感じられます。さらに特筆すべきは、類い稀なるドイツ・サクソフォン・アンサンブルの演奏技術。
 一人一人の卓越した実力はもちろんのこと、複雑に織り成す掛け合いにおいても一糸も乱れることのないアンサンブルに圧倒されます。ドイツの現代作曲家たちからの信頼厚く、彼らに多くの作品が献呈されるのも納得の演奏といえましょう。現代音楽だけでなく古典作品の編曲にも積極的で、今やサクソフォンの魅力の伝播に多大な貢献を果たしているドイツ・サクソフォン・アンサンブル。サクソフォンならではの柔らかな音色と多彩な音色を堪能できる1 枚です。

COL LEGNO


WWE 20405
\2400
ニーチェの詩がサイケ調に〜
 パスカル・デュサパン:
  歌曲集「おお人間よ」(全23曲)
ゲオルク・ニーグル(Br)
ヴァネッサ・ワーグナー(Pf)
 ニーチェの詩がサイケ調に。デュサパン最新歌曲集

 DDD、73’23”

 1955 年生まれのフランス現代作曲家パスカル・デュサパン。彼はドイツのバリトン歌手ゲオルク・ニーグルとオペラの制作以来親友の間柄。ニーグルのためにニーチェの詩による23 曲の歌曲集を作り、2010 年11 月に初演されました。アルバム・タイトルにもなっている「おお人間よ」は、マーラーも交響曲第3番で用いている有名な詩ですが、デュサパンのスタイルは完全なゲンダイオンガクで、マーラーと同じ詩とは思えないほど違い、ニーチェの哲学的な詩さえサイケ調に聴こえます。ピアノ伴奏はフランスの実力派女流ヴァネッサ・ワーグナー。超前衛的作品の巧さに驚かされますが、ニーチェ詩をワーグナーが伴奏するのはなかなか皮肉と申せましょう。

COVIELLO CLASSICS



COV 31212
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
ボッシュ、今度はドヴォルザーク・シリーズ開始!
 ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調op.70
           交響曲第3番変ホ長調op.10
ニュルンベルク州立フィルハーモニー
マルクス・ボッシュ(指揮)
 ボッシュによるドヴォルザーク・シリーズ第1弾は交響曲第7番&第3番第7 番は新ベーレンライター原典版による“アンダンテ”の世界初録音

  録音:2012 年2 月16-18 日ニュルンベルク、マイスタージンガーハレ(ライヴ)/DDD、マルチチャンネルステレオ、73’35”

 アーヘン響とブルックナーの交響曲全集録音を完成したばかりのマルクス・ボッシュが、はやくもドヴォルザークのシリーズをあらたにスタート。
 2011 年よりボッシュが音楽総監督を務めるニュルンベルク州立フィルハーモニーを率いて取り組む第1 弾は、第9 番や第8 番とならんでドヴォルザーク好きのあいだで人気の高い「第7 番」と、ドイツ古典派とロマン派からの影響もまだ濃厚で、変則的な3 楽章形式も特徴的な「第3 番」の組み合わせ。ブルックナーの録音でボッシュは使用楽譜の選択に際して、初稿を採用した第1 番から第4 番、ベンヤミン=グンナー・コールスら校訂による復元稿のフィナーレを収めた4 楽章版による第9 番という具合に、最新の研究成果の導入に積極的な姿勢がうかがえました。
 ボッシュはドヴォルザークにも同様のスタンスで臨んでいるようで、第7 番ではジョナサン・デル・マー校訂による新ベーレンライター原典版のスコアを採用。
 第2 楽章が現行のポーコ・アダージョからアンダンテ・ソステヌートに変更されているのも注目されるところです。
 1922 年に現在の形になったニュルンベルク州立フィルハーモニーは、その起源を1377 年に存在記録がある、ニュルンベルク市の楽団にまで起源を遡るといわれ、バイエルン州でバイエルン州立歌劇場に次ぐ規模を誇る歌劇場専属のオーケストラ。オペラ上演と並行して、年8 回のオーケストラ・コンサートのほか、子供向けコンサートなど多くの企画を提供しており、1988 年にクリスティアン・ティーレマンがドイツ国内最年少で音楽総監督に就任したことでも知られます。

ELOQUENTIA



EL 1235
\2500→\2290
ガラッチーノ〜
 16世紀から18世紀のタランテッラ、シャンソンとヴィラネル
ナポリ・アンサンブル
 録音:2011 年7 月サンタンナ・デイ・ロンバルディ聖堂、イタリア

 このアルバムは16 〜 18 世紀のナポリ音楽の概要を示した内容で、この時代の演奏に深い知識を持つナポリ・アンサンブルが巧みに聴かせてくれます。
 アルバムタイトルともなっている「ガラッチーノ」は魚の恋の色恋沙汰から海の大戦争に発展するというナポリの伝承曲です。
 

EL 1237
\2500
Ludus verbalis 〜無伴奏合唱作品集vol.2〜
 (1)ブリテン:神聖と世俗
 (2)P.ローソン:ア・イェイツ・トリロジー
 (3) F. マルタン:アリエルの5 つの歌 
 (4)マルティヌー: 5つのチェコのマドリガル
 (5)ラヴェル:3つの歌
 (6)プーランク:7つの歌 
 (7)ヒンデミット:7つの歌
マシュー・ロマンド(合唱指揮)
アンサンブル・ヴォーカル・エデ
 フランス注目の団体、アンサンブル・ヴォーカル・エデ20 世紀無伴奏合唱作品集Vol.2!

 録音:2011 年10 月、パリ

 2005 年に設立されたフランス期待の無伴奏合唱アンサンブル「アンサンブル・ヴォーカル・エデ」が、無伴奏合唱作品を集めたアルバム「LudusVerbalis」の第2 集をリリース!ドビュッシー、シェーファーなどを収録した第1 集(EL 1128)に引き続き、今回も20 世紀から現代までに作曲された無伴奏合唱作品を中心としたプログラムで、ブリテンの「神聖と世俗」、プーランクの「7 つの歌」、ヒンデミットの「7 つの歌」など、20 世紀の合唱曲を聴くに外せない名曲が多く収録されています。また、イギリスの現代作曲家フィリップ・ローソンの「ア・イーツ・トリロジー」は、アンサンブル・ヴォーカル・エデが委嘱した三部作の無伴奏合唱曲も収録。未だ恋に傷ついたことのない、無垢な女性を愛した一人の詩人を描いた瞑想的なハーモニーが美しい作品です。特に、曲のタイトルにもなっているイェイツの有名な詩「天上のクロース」に瞑想的な曲を付けた第2 部のハーモニーは絶品!「金銀の刺繍で飾った天上のクロースがあれば貴女の足元に敷きたいけれど、貧しい自分にあるのはその夢ばかり。だからせめてその夢を敷いてほしい…」という男の想いを歌う響きは、まさに天上に広がるオーロラのごとき美しさです。一方、ラヴェルの「3 つの歌」は、彼が作曲した唯一の無伴奏合唱作品。
 1915 年に作曲された作品で、フランス伝統のシャンソン独特の軽快かつ無垢な響きの中に、世界大戦への恐怖を想起させる哀しい響きが垣間見えます。瞑想的で穏やかな作品から不協和音のぶつかりあう緊張感張り詰める作品まで、多彩な曲調のプログラムが魅力の本アルバム。アンサンブル・ヴォーカル・エデの穏やかな作品から不協和音のぶつかりあう緊張感張り詰める作品まで、多彩な曲調のプログラムが魅力の本アルバム。アンサンブル・ヴォーカル・エデのれます!

GLOR


GC 12491
\2500
エレーナ・クシュネローヴァ(Pf)
 シューマン:
 (1)謝肉祭「4つの音符による面白い情景」op.9
  (使用ピアノ:F278/ファツィオリ)
 (2)交響的練習曲op.13
  (使用ピアノ:F308/ファツィオリ)
エレーナ・クシュネローヴァ(Pf)
 ロシアの名手、クシュネローヴァ、力強くも繊細に魅せるシューマンの音世界、ファツィオリの銘器2 台の聴き比べも!

 録音:(1)2010 年5 月30-31 日、ファツィオリ・ショールーム(東京) (2)2010 年6 月11 日、ファツィオリ・コンサート・ホール(サチリ、イタリア)

 ロシア・ピアニスト界を代表する女流ピアニスト、エレーナ・クシュネロ—ヴァが最新譜をリリースしました!
 「幻想小曲集」や「アベック変奏曲」を収録したアルバム(GC 11441)に引き続き、得意のシューマン・プログラムで魅せてくれます。今回収録したのは、シューマンならではの詩的情緒を存分に堪能できる「謝肉祭」、変奏曲の傑作と名高い「交響的練習曲」という2 つの大作。いずれも短い小品をまとめあげた小曲集で、万華鏡のように目まぐるしく移りゆく多彩な曲調が魅力的です。
 「謝肉祭」の9 曲目、通称「スフィンクス」は、叶わなかった恋の相手の故郷アッシュAsch を音名にあてがい、As-C-H(ラ♭- ド- シ)とA-Es-C-H(ラ- ミ♭- ド- シ)の音を配列した暗号的な作品。本アルバムでは、シューマン自身が「演奏しなくても良い」とし、演奏されないことも多いこの作品も含め、「謝肉祭」の全曲が収録されています。
 また「交響的練習曲」では、第3 版で追加された5 つの遺作エチュードを変奏曲の後ろに付加する形で演奏に臨んでおり、変奏曲フィナーレの激しい絶頂の後、昂った心を静めるように響きわたる哀しくも抒情的なエチュードの旋律の数々に聴き入ります。クシュネロ—ヴァのピアノは、相変わらず力強さと柔軟さを兼ね備えた安定感のある演奏。毅然とした強打音と儚げな弱音とのコントラストが素晴らしく、クシュネロ—ヴァの多彩な表現に圧倒される1 枚です。
 このディスクのもうひとつの注目点が、ファツィオリの銘器2 台を用いているということ。低音部から高音部まで均質な音色はシューマンの様々な声部が絡み合う音楽にぴったり!謝肉祭冒頭の和音から、よく延びる音質で異世界へといざなわれるようです。

GLYNDEBOURNE



GFOCD 016
(3CD)
\6000→\5490
オッターの魅惑的なカルメン!
 グラインドボーン音楽祭で話題となった「カルメン」CDで登場!!
  ビゼー:「カルメン」
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms カルメン)
マーカス・ハドック(T ドン・ホセ)
リザ・マイルン(S ミカエラ)
ロラン・ナウリ(Br エスカミーリョ)
メアリー・ヘガーティ(S フラスキータ)
ハンス・フォシェツァング(Br モラレス)
ジョナサン・ベスト(Bs-Br スニガ)
クリスティン・ライス(Ms メルセデス)
クウェンティン・ヘイズ(Br ダンカイロ)
コリン・ジャドソン(T レメンダード)
フランク・ロペス(Br 案内人)
フィリップ・ジョルダン(指)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
グラインドボーン合唱団


 録音:2002 年7、8 月/3 時間00 分4 秒

 GLYDEBOURNE レーベルの新刊は、2002 年にたいへんな話題となったビゼー「カルメン」です!この年に新制作された「カルメン」は、なんといってもスウェーデンの名メッゾソプラノ、フォン・オッターが満を持してカルメンを舞台で歌ったことで評判となりました。透明感のあるフォン・オッターの美声でカルメンが歌われると、悪女とはまったく異なった、強烈に引き込まれる魅力を持った美女カルメンになり、新鮮な印象を与えました。上演そのものが、彼女を中心に、グラインドボーン音楽祭の特性を生かして大劇場的な「カルメン」を退け、ビゼーが本来意図した小ぶりなオペラに仕立てたものでした。
 レシ(レチタティーヴォ)を採用せず、オリジナル通り曲間を台詞で繋ぐオペラ・コミークの様式に従っていることも、フォン・オッターのカルメンを生かしています。気弱な青年風のマーカス・ハドックのホセ、美声が映えるリザ・マイルンのミカエラ、そして歌、演技ともに抜群のロラン・ナウリのエスカミーリョと、カルメン以外のキャストも揃っています。フィリップ・ジョルダンの密度の濃い音楽も充実したもの。
 既に映像が発売されている上演ですが、音楽だけをじっくり楽しみたいならCD の方がよいでしょう。なお映像の収録日は2002 年8 月17 日ですが、このCDのデータは2002 年7 − 8 月と幅があります。
 舞台のカラー写真を多数載せた130 ページ超のハードカバーブック仕様。

HAENSSLER



98 002
\2300→\2090
麗しきドイツの新星ノイダウアー、第2 弾はラヴェル!
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 (1)ヴァイオリン・ソナタ(遺作)
 (2)ハバネラ(クライスラーによるヴァイオリンとピアノ編曲版)
 (3)フォーレの名による子守歌
 (4)ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
 (5)カディッシュ (6)ツィガーヌ (7)ヴァイオリン・ソナタ
レナ・ノイダウアー(Vn)
ユリアン・シュテッケル(Vc)
パウル・リヴィニウス(Pf)
 ソナタ2 曲、ヴァイオリンとチェロのためのソナタを含む全7曲チェロには屈指の若手実力派シュテッケルが登場!

 録音:2012 年5 月1 日、ザールラント放送、グローサー・ゼンデザール(ドイツ)

 2006 年にアウグスブルクのレオポルト・モーツァルト国際コンクールで第1 位を獲得し、一躍注目を集めたドイツの新星レナ・ノイダウアーが待望のセカンド・アルバムを発売しました!大いに注目を集めた意欲的なデビュー盤「シューマンのヴァイオリンと管弦楽のための作品全集(93 258)」に引き続き、今回彼女が収録したのはラヴェルのヴァイオリンとピアノのための作品全集。ラヴェルの室内楽ジャンルでの全集は、管弦楽やピアノ作品と比べてなかなかリリースされる機会に恵まれないだけに、今回も注目必至の新譜といえましょう!収録されているのは、3 つのソナタと4 曲の小品。「ハバネラ」は、ピアノ2 台のために書かれた原曲をクライスラーがヴァイオリンとピアノのために編曲したものになります。「ハバネラ」「ツィガーヌ」といった、バスク人を母に持つラヴェルの民族色あふれる曲調が楽しめる小品がある一方、ソナタでは古典的な響きと印象派の多彩な色調を織り交ぜたラヴェルの魅力をたっぷりと堪能できます。真摯な音運びと難曲を物ともしない安定感抜群の演奏ぶりは今回も健在。全く異なる曲調を含んだプログラムを見事に表現しわけています。共演者の顔ぶれも素晴らしく、2010 年ミュンヘン国際コンクール優勝のチェロ奏者ユリアン・シュテッケル、そのシュテッケルとの共演も多い名手パウル・リヴィニウスという錚々たる面々がノイダウアーと抜群のアンサンブルを練り上げています。
 レナ・ノイダウアーは1984 年、ミュンヘン生まれのヴァイオリニスト。3 歳でヴァイオリンを弾き始め、10 歳でオーケストラと初共演を果たした早熟の名手です。H. ツェートマイヤー、T. ツェートマイヤーのもとで手ほどきを受けたのち、C. ポッペンに師事。他にもF. アンドリエフスキー、A. チュマチェンコ、五嶋みどり、今井信子、小澤征爾らにも師事し、次代を担う若手実力派として早くも世界的活躍を果たしています。今回も使用楽器は1743 年製ロレンツォ・ガダニーニ。



 
98 571
\2300→\2090
ゲルハルト・オピッツ(Pf)/シューベルト作品集第9弾
シューベルト:
 (1)ピアノ・ソナタ第5番 変イ長調 D557
 (2)6つのドイツ舞曲 D820 
 (3)メヌエット 嬰ハ短調 D600
 (4)行進曲 ハ短調 アレグロ・アッサイ
 (5)行進曲 ホ長調 D606
 (6)ピアノ・ソナタ 第3番 ホ長調 D459
 (7)3つのピアノ曲 D459A
ゲルハルト・オピッツ(Pf)
 巨匠オピッツ、シューベルト作品集第9弾、来日演奏会でも好評のソナタ第5番ほか、詩情あふれる名演

 録音:2009 年5 月13 日、ノイマルクト/56’23”

 2007 年から2009 年の間に行われたシューベルトピアノ作品全集シリーズの第9 弾がリリース!第8 弾(98 570)に引き続き、今回も2 つのピアノ・ソナタと珠玉の小品の数々を織り込んだ充実のプログラムとなっています。ピアノ・ソナタは比較的初期ナンバーからの選曲。1817 年作曲のソナタ第5番は4 楽章が紛失し、欠落してしまっているものの、大胆に展開されていく長調と短調のコントラストが鮮やかな名曲です。そのほかにも、2 曲の行進曲とメヌエット、6 つのドイツ舞曲を収録しています。シューベルトは生涯にいくつかのドイツ舞曲集を残しておりますが、この「6 つのドイツ舞曲 D820」は1824 年に作曲され、死後に出版されたもの。社交的で優雅な旋律の中に、繊細な技巧と表現力が要求される作品です。シューベルトの詩情をたっぷりと響かせる、オピッツならではの透明感あふれる音色と重厚感のある演奏に聴き入るアルバムです。2010 年から東京において年2 回、全8 公演におよぶシューベルト・チクルスを開始しているオピッツ。本アルバムに収録されているピアノ・ソナタ第5 番と3 つのピアノ曲は2011 年に行われた第3 回演奏会で演奏され、好評を博しただけに期待も高まりましょう!

 ●ゲルハルト・オピッツ演奏会予定●
  2012年12月12日(水)東京オペラシティ コンサートホール 19:00開演
  【演目】シューベルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 D279/ピアノ・ソナタ イ長調 D664/高雅なワルツ集 D969/ピアノ・ソナタ イ短調 D845
  2012年12月27日(木)東京オペラシティ コンサートホール 19:00開演
  【演目】シューベルト:ピアノ・ソナタ ホ長調 D459/ピアノ・ソナタ ト長調 D894/即興曲集 D935

HMF



HMC 902108
\2600→\2390
イザベル・ファウスト最新盤
カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786-1826):
  ヴァイオリンのオブリガートつきのピアノのための6つの段階的ソナタ

  (アマチュアのために作曲、捧げられた)op.10
   第1番 ヘ長調op.10-1
    〔I. アレグロ II. ロマンツェ—ラルゲット
     III. ロンド—アマービレ〕
   第2番 ト長調op.10-2
    〔I. キャッラテーレ・エスパニョーロ—モデラート
     II. アダージョ III. エア・ポロネーズ—ロンド・アレグロ〕
   第3番op.10-3 ト長調
    〔I. エア・リュス—アレグレット・モデラート
     II. ロンド—プレスト〕
   第4番 変ホ長調op.10-4
    〔I. モデラート II. ロンド—ヴィヴァーチェ〕
   第5番 イ長調op.10-5
    〔I. テーマ・デ・オペラ・シルヴァーナ—アンダンテ・コン・モート
     II. フィナーレ—シチリアーノ—アレグレット〕
   第6番 ハ長調op.10-6
    〔 I. アレグロ・コン・フォーコ II. ラルゴ III. ポラッカ〕
 四重奏曲

  (ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための)変ロ長調 op.8
    〔I. アレグロ・コン・フォーコ
     II. アダージョ・マ・ノン・トロッポ
     III. メヌエット:アレグロ IV. フィナーレ:プレスト〕
イザベル・ファウスト
 (ヴァイオリン/
  1704年製ストラディヴァリス
   「スリーピング・ビューティ」)
アレクサンドル・メルニコフ
 (フォルテピアノ‘Lagrassa’
  (1815年ca.,
   エドウィン・ボインクのコレクションより))
ボリス・ファウスト
 (ヴィオラ/ガエターノ・ポラストリ)
ヴォルフガング・エマニュエル・シュミット
 (チェロ/マッテオ・ゴフリラー)
 今をときめくイザベル・ファウスト最新盤、注目のウェーバー作品集!

 録音:2011 年6 月、テルデックス・スタジオ(ベルリン)【ジャケット絵画:ロヴィス・コリント(1858-1925):ヴァイオリンを弾く女(1900 年)】/70’11

 今もっとも輝いているヴァイオリニスト、イザベル・ファウスト。注目の最新盤は、ウェーバーの作品集です。ドイツにおけるロマン主義運動の重要な先駆者であり、多芸多才な楽長、明晰な批評家として、さらには華々しいピアニストとしても活躍したウェーバー。『魔弾の射手』やピアノ曲が非常に有名ですが、室内楽はわずか9 曲(完成されたもの)しかのこしていません。そのうち8 曲は、ウェーバー自身、かなりの名手であった楽器、ピアノを含む編成のものとなっています。イザベル・ファウストを中心とする豪華メンバーのこの録音では、ウェーバーの才能の輝きに満ちた室内楽作品が、ファウストにしか奏でることのできないまばゆい音色に導かれ、いきいきと再現されています。メルニコフの溌剌とした気魄に満ちたフォルテピアノの音色も見事。なお、四重奏曲で共演しているヴィオラのボリス・ファウストは、イザベルの兄。そしてチェリストも来日経験もある中堅シュミットということで、注目盤の登場といえましょう。
 6 つのヴァイオリン・ソナタは、1810 年の夏の終り頃、出版社のヨハン・アントン・アンドレの依頼を受けて作曲されたもので、家庭内で、いわゆるアマチュアの人々が音楽演奏を楽しむための楽曲がならびます。ウェーバーはあまりこの仕事に乗り気ではなかったことが手紙などにも残されていますが、その内容は実に多彩で、ウェーバーの才気に満ちたもの。カスタネットが打ち鳴らされるようなボレロ(第2 番第1 楽章のキャッラテーレ・エスパニョーロ)や、バラライカの音色を思わせるエア・リュス(第3 番第1 楽章)など、多国籍の情緒が感じられ、また、魅力的なメロディー、そこかしこに、魔弾の射手のアリアを彷彿とさせる華やかなパッセージも盛り込まれていて、「アマチュアのための」とされてはいますが、非常に充実した内容となっています。
 アンサンブルをたのしむことにも主眼がおかれた作品だけあって、ファウストとメルニコフとの、丁々発止のやりとりにも注目です!
 四重奏曲は、1809 年9 月、ウェーバーが22 歳のときに完成された作品。なんといっても聴きどころは第2 楽章。弦楽器の半音的な動きをみせるハーモニーに始まる印象的な問いかけにピアノが応えたかと思うと突然の休止小節、そしてピチカートによるカデンツァが続く、というなんとも謎めいた出だしの楽章です。この楽章だけ、1806 年に完成、残りの楽章は後になって書かれたことがわかっています。ピアノの短い導入に始まり、瑞々しいロマンティックなメロディーのきらめきが美しい第1 楽章、弦楽器の美しい音色が冴えわたる充実した第2 楽章、エスプリの効いた短い第3 楽章、そして、終楽章では、弦楽器3 者のフーガ風なやりとりの中、ピアノが縦横無尽に華麗にかけめぐります。
 ファウストの、どこまでもまっすぐな音色で奏でられるウェーバーの書いた旋律美、メルニコフの才気と知性が冴えるピアノ・パート、そしてアンサンブルの妙。すべてがとびきりのクオリティのウェーバー作品集。珠玉の1 枚の登場です。



 
HMC 902133
\2600
ベルナルダ・フィンク(Ms)
ファリャ:
 7つのスペイン民謡/3つの歌/ロンダのパン/お前の黒い瞳
ロドリーゴ:
 3つのスペインの歌/4つのユダヤ人の歌/恋する羊飼いの歌/
 かっこう鳥の歌/小さなグラス/4つの愛のマドリガル
グラナドス:昔風のスペインの歌曲集
ベルナルダ・フィンク(Ms)
アントニー・シピリ(P)
 ベルナルダ・フィンク、スペインを歌う

 録音:2011 年11 月/66’08

 ヨーロッパで圧倒的な人気を誇るメゾ・ソプラノのベルナルダ・フィンクによるスペイン歌曲集。ここに収録されている作品は1902 年から1965 年にかけて作曲され、20 世紀スペイン歌曲の発展とフランス歌曲への傾倒が表れています。ファリャの名曲「7 つのスペイン民謡」とロドリーゴの「3 つのスペインの歌」や「4 つのユダヤ人の歌」のエレガントな珠玉の名品などスペイン旅情を感じることの出来る内容です。
 


HMC 902141
\2600→\2390
マティアス・ゲルネ(B)
シューベルト:歌曲集第7集〜「魔王」

 夕映えの中でD.799/さすらい人D.493/ 夜咲きすみれD.752/
 森にてD.834/ノルマンの歌D.846/ 精霊の踊りD.116/
 宝堀り人の願いD.761/ 月に寄せてD.259/ 魔王D.328/
 湖のほとりでD.746/アリンデD.904/ 反映D.949/ 鱒D.550/
 流れD.693/ 夕焼けD.690/ 嘆きD.415/ 川D.565/
 漁夫の歌D.881/ブルックの丘にてD.853
マティアス・ゲルネ(B)
アンドレアス・ヘフリガー(P)
 シューベルトの音楽の深淵を見たリート・ファンを唸らせるゲルネの「魔王」

 録音:2012 年1 月、ベルリン/67’54

 現代最高のリート歌手の一人マティアス・ゲルネによるシューベルト・エディションの第7 弾。
 今回は「魔王」「鱒」を含む内容で、ゲルネの艶やかな声と巧みな表現力が十二分に発揮された1 枚です。冒頭の「夕映えの中で」は静かに美しく心に響く美声を聴かせ、「魔王」では魂のこもった歌唱と情感溢れる表現力で圧倒し、懐の深さを感じる味わい豊かな歌声で聴かせる「鱒」など、シューベルトを歌い込んできたゲルネならではの表現力を堪能できます。
 また豪華な伴奏陣が話題となっているこのシリーズ、このアルバムではアンドレアス・ヘフリガーが担当。スイスの名門音楽一家に生まれ、世界の名立たるオーケストラと共演しソリストとしてはもちろん、タカーチQ や東京クヮルテット、そして彼の妻でフルート奏者のマリーナ・ピッチニーニなど室内楽方面でも多数共演し、その実力は高く評価されています。
 

HMU 807587
(SACD HYBRID)
\2600
ラ・ヌォヴァ・ムジカ ルーシー・クロウ(S)
ヴィヴァルディ:
 主は仰せになられた(ディキシト・ドミヌス)RV.807
 モテット「いと正当なる怒りの激しさに」RV.626
ヘンデル:主は言われた(ディキシト・ドミヌス)HWV.232
ラ・ヌォヴァ・ムジカ ルーシー・クロウ(S)
デイヴィッド・ベイツ( 指)
 ヴィヴァルディとヘンデルのディキシト・ドミヌス人気英国ソプラノ、ルーシー・クロウのソロにも注目

 録音:2012 年3 月エア・スタジオ、リンドハースト・ホール、ロンドン/66’38

 ヴィヴァルディとヘンデルの詩篇109 篇(ディキシト・ドミヌス)に基づく作品を収録。ヘンデルの「ディキシト・ドミヌス」はイタリアに滞在していた若き日1707 年作曲された見事な野心的な作品。そしてヴィヴァルディの「ディキシト・ドミヌス」は生き生きとした軽やかな作品で、長らくガルッピの作品として誤って伝えられていましたが、現在は1730 年頃作曲されたヴィヴァルディの作品とされています。モテット「いと正当なる怒りの激しさに」はソプラノ・ソロのための輝かしい作品。「イタリア時代のカンタータとアリア(HMU 907559)」で注目されたソプラノ歌手ルーシー・クロウの鮮やかな美声が響き渡ります。
また最高級の音響で名高いロンドンのエア・スタジオ(リンドハースト・ホール)での美しい録音も注目です。
 


HMU 907528
\2600→\2290
クリスティアン・ベザイデンホウト早くも新譜!
 モーツァルト:鍵盤楽器のための作品集Vol.4

 (1)幻想曲 ニ短調K.397(初版)
 (2)ソナタ 第9番 ニ長調K.311
 (3)前奏曲とフーガK.394
 (4)ボーマルシェの喜劇「セビーリャの理髪師」のロマンス
  「私はランドール」による12の変奏曲 変ホ長調K.354
 (5)ソナタ 第5番 ト長調K.283
 (6)幻想曲 ニ短調K.397(現行版)
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ)
 今を時めくフォルテピアノ奏者、ベザイデンホウト、鍵盤楽器のための作品集Vol.4!ダイエットも成功して超イケメンに。

 録音:2011 年10 月、リンドハースト・ホール内エア・スタジオ(ロンドン)

 今世界で最も注目されるフォルテピアノ奏者の一人、クリスティアン・ベザイデンホウトが、鍵盤楽器のための作品集シリーズから待望の最新盤をリリースしました!
 第3 集(HMU 907499)に引き続く今回は、幻想曲、第5 番と第9 番のソナタ、前奏曲とフーガ、そして「私はランドール」による12 の変奏曲を収録。2012 年5 月末の来日リサイタルでも演奏され、高い評価を得たプログラムであり、本アルバムでもその評価を裏切らぬ素晴らしい演奏を見せてくれています。演奏のたび、フォルテピアノの新たな可能性を見せつけてくれるベザイデンホウト。本アルバムでも、抜群の演奏技術、濁りのない清廉な音色、厭味のない自然なテンポ感といった彼ならではの持ち味を遺憾なく発揮し、瑞々しさあふれる鮮烈な演奏を聴かせています。
 本アルバムでは、幻想曲ニ短調の現行版と、その初版(今日知られるかたち(現行版)の最後10 小節分が欠落している)の両方が収録されているのもポイント。この幻想曲ニ短調は、自筆譜などが残されておらず、1804 年に出版された初版では、97 小節までで中断、現行版の最後の10 小節がありません。初版の表題には「Fantaisie d’ Introduction…(導入の幻想曲)」とあり、後ろにソナタなどが続くことを想定して作られたものだったのかもしれませんが、1806 年にブライトコプフ社が出版したいわゆる「旧全集」では、10 小節が足され(ブライトコプフ社の顧問で主任検査員のアウグスト・エーベルハルト・ミュラーの手によるとする見方が一般的)、完結した曲となっています。幻想曲ニ短調の冒頭、深淵からゆっくりと浮かび上がるように響くフォルテピアノの音色は必聴の美しさ。即興演奏かと思わせるような、自由なタッチから生み出されるチャーミングな音世界に一気に惹きこまれます。ベザイデンホウトが初版の幻想曲のあとに選んだ作品は、ソナタ第9 番。鮮やかなコントラスト、プログラミングの妙にもベザイデンホウトの才を感じます。
 次はどんな音色を聴かせてくれるのだろうと、はやくも次作が楽しみになってしまいます。



クリスティアン・ベザイデンホウト
モーツァルト:鍵盤曲集第1〜3弾
Mozart: Keyboard Music Volume 1
HMU 907497
¥2600→¥2290
モーツァルト:鍵盤曲集 vol.1
 (1)幻想曲 短調 KV 475 (1786)
 (2)ソナタ ヘ長調 KV 533/ 494(1788)
 (3)ソナタ 変ロ長調 KV 570 (1789)
 (4)グルックのジングシュピール《メッカの巡礼たち》のアリエッタ
  「愚民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 KV 455
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ)

この名前を是非ご記憶ください! 世界が注目するフォルテピアノ奏者、 クリスティアン・ベザイデンホウト

使用楽器:1987年Derek Adlam, Welbeck製(ワルター/1795年頃モデル)クリストファー・ホグウッド・コレクション、録音:2009年5月

表情豊かで打ち解けたスタイルで人気のベザイデンホウトは、1979年、ドイツ系オランダ人の両親のもと、南アフリカで生まれました。何度も聴いたことのある曲でも、「どこに行くんだろう」と思うような、不思議な吸引力のある音にひきつけられます。使用した楽器は、モーツァルトがウィーンに移り住んで5年ほどした時に購入したワルター製フォルテピアノをモデルに製作されたもの。モーツァルトの‘音色’を追体験できることでも価値ある1枚です。2月末に来日。
また今後もフライブルク・バロック・オーケストラやベルリン・フィルとの共演、ツアーも予定されているベザイデンホウト、要注目です。

  
Mozart: Keyboard Music Volume 2
HMU 907498
¥2600→¥2290
モーツァルト:鍵盤曲集 vol.2
 (1)ソナタ ハ長調 K.330 (2)ロンド イ短調 K.511
 (3)ロンド ニ長調 K.485 (4)アダージョ ロ短調 K.540
 (5)ソナタ ハ短調 K.457
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ)
天才ベザイデンホウト、モーツァルト・ソロ作品集第 2 弾、鮮烈なハ短調ソナタ!!

使用楽器:Paul McNulty, Divisoc, Czech Republic, 2008; after Anton Walter’Sohn, Vienna, c.1802)
録音:2010 年 1 月

モーツァルトの再来とも賞される天才フォルテピアノ奏者ベザイデンホウト、待望のソロ第 2 弾の登場。これしかありえないような自然なテンポ設定、気持ちよいくらいにはまっているデュナーミクの付け方、聴き手にとっても必然的かつ絶妙な間の取り方など、何度も聴いたことのある作品たちの音符ひとつひとつが鮮やかに香りたちます。イ短調のロンドの語り口の巧さは絶品です。ハ短調ソナタの有名な冒頭では一変、現代ピアノで聴くよりも表情がダイレクトに伝わってきます。ロ短調のアダージョでの慟哭と、音と音の間に流れる空気に、このベザイデンホウトという演奏者の底知れぬ魅力をみます。演奏者の息遣いまでをも巧みにとらえた録音も秀逸。フォルテピアノという楽器がもつ無限の表情と可能性を感じる 1 枚でもあります。
  

HMU 907499
\2600→2290
天才ベザイデンホウト、モーツァルト第3弾
モーツァルト:鍵盤曲集 VOL.3
 ソナタ 変ロ長調 K.333/
 「女ほどすばらしいものはない」による8つの変奏曲 ヘ長調 K.613/
 幻想曲 ハ短調 K.396/ ソナタ へ長調 K.332
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ/ A=430)
録音:2011 年5 月、ロンドン/69’05

 「モーツァルトの鍵盤独奏曲の魅力を最大限に引き出した、真に偉大な全集となるだろう(BBC Music 誌)」など、全世界で高く評価されている、ベザイデンホウトによるモーツァルト作品集第3 弾。K.333 の第1 楽章の冒頭、やさしく下降する音型から、一音一音に笑みが満ちています。極めて音が少ないモーツァルトのソナタに、これほど表情豊かで雄弁な宇宙が詰まっていたのか、と驚かされる瞬間の連続です。緩徐楽章の緩急の付け方は実に見事、ハーモニーの移り変わりの美しさを一瞬も逃さず捉えています。1805 年製のアントン・ヴァルターのコピーの楽器を完璧にコントロールしています。この最新盤の演奏をじっくりと味わいながらも、早くも次のリリースへの期待がまた一段と高まってしまう、楽しみなシリースです。(なお、彼の名前の読み方につきまして、弊社ではこれまでベザイデンホウトと表記しておりましたが、発音の確認をとりまして、今後はすべてベザイデンホウトで表記をさせていただきます。)


スマッシュ・ヒット
ベザイデンホウトの隠しだま

Fleur de Son
FDS 57951
\2400→\2090
モーツァルト:ピアノ作品集
 幻想曲 ハ短調 K. 475
 ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K. 457
 アダージョ ロ短調 K. 540
 ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K. 310
 幻想曲 ニ短調 K. 397
クリスティアン・ベザイデンホウト (フォルテピアノ)
 10年以上前にリリースされたベザイデンホウトの知られざる名盤。
 Fleur de Sonは国内代理店がないので国内市場にはほとんど流通しなかった。そのアルバムをどうして知っているかというと、世間は広い、このアルバムがどうしてもほしいという方からお願いされて紆余曲折、入手したことがあったから。そしてその方が「すごいらしい!」というものだから自分もついつい買ってしまって、届いて聴いたら「確かにすごかった!」という訳。腕の確かさもさることながら、モーツァルトの変態っぽいところ悪魔的なところがクッキリ現れていて、「この男そうとうくせ者」と思った覚えがある。
 しかしその後フツと音沙汰がなく埋もれてしまったと思ったら・・・この下のアルバムが登場したのである。ムローヴァは見る目があるからベザイデンホウトのすごさを瞬時に見抜いて引っ張り出してきたのだろう。そしてその後のハルモニア・ムンディでの躍進、来日公演の大成功はご存知のとおり。
 ちなみに最近はすごくダイエットして、下記アルバムの面影はない。超イケメンになってる。



ようやくリリース!
ただではすまない、ご覚悟を!
 ベザイデンホウト/モーツァルトのコンチェルト!

HMC 902147
¥2600→\2290
  モーツァルト:
   (1)ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K453
   (2)ロンド イ長調 K 386
   (3)ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K482
クリスティアン・ベザイデンホウト
 (フォルテピアノ/
  ポール・マクナルティ、ディヴィソフ、
   チェコ共和国、2009 年/
    Anton Walter & Sohn、ウィーン、1805モデル)
フライブルク・バロック・オーケストラ
 〔ペトラ・ミュレヤンス(コンサートミストレス)〕
 今店主が最も注目するフォルテピアノ奏者、クリスティアン・ベザイデンホウト。3枚のモーツァルト・ソロ・アルバムを経て登場したのは、ようやくのコンチェルト!
 この男、モーツァルトの魔性をはっきり意識している。モーツァルトのピアノ協奏曲を聴いてここまで衝撃を受けたことはない。断言できる。聴いてただではすまない。ご覚悟を。


 

HMC 905268
\2600
どこかタルコフスキーを思わすデニーソフの世界
 デニーソフ:
  (1)室内交響曲第1番 (1982)
  (2)天のいと高き所に(バタイユ詩)〜Sopと室内管弦楽 (1987)
  (3)室内交響曲第2番 (1994)
 エカテリーナ・クプロフスカヤ=デニーソワ:
  (4)アンナ・アフマトワの5つの詩〜Sopとアンサンブル (1994)
   (デニーソフによるオーケストレーション)
ブリジット・ペイレ(Sop)
ダニエル・カウカ(指)
アンサンブル・オルケストラル・
 コンタンポラン
 日本から委嘱され作曲された「室内交響曲第2 番」も収録。

 [2011 年10 月/リヨン音楽院]/DDD、65’06”

 エディソン・デニーソフ(1929-1996) は政治的発言、活動をしなかったにもかかわらず、社会主義リアリズムに背を向け、ひたすら西側的前衛音楽を追求したため、フレンニコフに目を付けられ辛酸をなめ、ソ連末期にフランスへ逃げています。あくまでも芸術至上主義で、同世代のシュニトケやグバイドゥーリナのような精神的反体制でなかったため、判官贔屓的人気はありませんが、作品の水準は旧ソ連の範疇を越えています。
 このアルバムには、デニーソフの室内アンサンブル作品と、彼の妻で作曲家のエカテリーナ・クプロフスカヤ=デニーソワの歌曲に彼がオーケストレーションを施したものが収められていて興味津々。「室内交響曲第1番」は2E2M の、「天のいと高き所に」はアンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱で作曲され、いずれの精緻を極めた前衛技法によりますが、デニーソフの音楽の特徴である霊的、聖的な雰囲気も満ちています。「室内交響曲第2 番」は1994 年の「東京の夏」音楽祭のためアリオン音楽財団から委嘱され、その初演のためにデニーソフ自身も来日する予定でしたが、直前に交通事故に逢い中止となり、モスクワ現代音楽アンサンブルにより作品のみ演奏されました。
 アンサンブル・オルケストラル・コンタンポランは指揮者ダニエル・カウカにより1992 年に結成された現代音楽集団。現代音楽を本領とし、リヨンのあるローヌ・アルプ地方を本拠に世界中の音楽祭に参加、その演奏技量を注目されています。
 
Stille Nacht
HMG 501794
\2000
名門RIAS室内合唱団
 Stille Nacht… ドイツのクリスマス合唱作品集

 カール・エドゥアルト・ネッスラー(1863-1943):
  わが民をなぐさめよ
 レーガー(1873-1916):
  高く戸を上げよ/私たちの慕う聖母がop.138-4/
  Es kommt ein Schiff geladen/
  Das Volk, das im Finstern wandelt op.84-2/
  高き天より、われは来たれリ/
  Kommt und last uns Christum ehren/甘き喜びのうちに/
  わが子よ、眠れ/言葉は肉となり/おお、甘きエルサレムよ/
 メンデルスゾーン:
  歓び歌わしめよ、救い主は近い/歓呼せよ、汝ら地の民よ
 フリードリッヒ・ジルヒャー(1789-1860):
  いと高きところに神あれ
 ロベルト・フックス(1847-1927):喜びに満ちた日よ
 ブルッフ(1838-1920):Lasst uns das Kindelein wiegen
 キーンズル:わが魂は汝に感謝す
 ヘルマン・リーデル(1847-1913):来たれ、羊飼いよ
 フランス・ヴュルナー(1832-1902):
  Herbei, o ihr Glaub’gen/Kindelein zart
 マンディチェフスキ:静かな夜、聖なる夜
 ヘルマン・リーデル(1847-1913):O du froehliche
ウヴェ・グロノスタイ(指)
RIAS 室内合唱団
 名門RIAS室内合唱団が織り成すハーモニー、ドイツのロマン派作品を中心としたクリスマス合唱作品集

 ロマン派、後期ロマン派のクリスマスのためのドイツで生まれた合唱作品集。レーガーなど合唱団でもよく歌われる作品が、名門RIAS 室内合唱団によって演奏されている貴重盤です。

HMF 再発売


D. Shostakovich-Shostakovich: String Quartets Nos. 1,  4,  6,  8,  9 & 11
HMG 508392
(2CD)
\2600→\2390
エルサレム弦楽四重奏団
 ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲集

 [CD1]
  (1)第1番ハ長調 op.49 (2)第4番ニ長調 op.83
  (3)第9番変ホ長調 op.117
 [CD2]
  (1)第6番ト長調 op.101 (2)第8番ハ短調 op.110
  (3)第11番ヘ短調op.122
エルサレム弦楽四重奏団
 〔アレクサンダー・パヴロフスキー(Vn1)
  アミハイ・グロス(Vn2)
  セルゲイ・ブレスラー(Vla)
  キリル・ズロトニコフ(Vc)〕

 録音:[CD1]2004 年7 月 [CD2]2006 年6 月

 エルサレム弦楽四重奏団のショスタコーヴィチの旧譜2 枚(HMC 901865(廃盤)、および現在入手困難となっているHMC 901953)が、HMG シリーズから2 枚組になって登場。現在、このディスクのヴィオラ奏者ブレスラーはベルリン・フィルのメンバーとなっており、この録音はいわば旧メンバーのもの。
 創設メンバーによる意欲的なショスタコーヴィチです。
 

Haydn: String Quartets Volume 2
HMC 902030
\2600→\2390
エルサレム弦楽四重奏団
 
ハイドン:弦楽四重奏曲集
  (1)ヘ短調Op.20-5,Hob.III:35 
  (2)ハ長調Op.33-3,Hob.III:39「鳥」 
  (3)ニ長調Op.76-5,Hob.III:79
エルサレム弦楽四重奏団
 〔アレクサンダー・パヴロフスキー(Vn1)
  アミハイ・グロス(Vn2)
  セルゲイ・ブレスラー(Vla)
  キリル・ズロトニコフ(Vc)〕
 録音:2008 年9 月

 ハイドン・イヤーを記念して発売されたHMX 2962030 の再発売。旧メンバーによる若々しさに満ちた魅力の1 枚です。

HELICON



HEL 029660
\2300→\2090
クルト・マズア&イスラエル・フィル
 ベートーヴェン・プログラム 2012年ライヴ
  交響曲第7 番&劇音楽「エグモント」

 劇付随音楽「エグモント」op.84 より
  序曲 / 第1曲: クレールヒェンの歌「太鼓をうならせよ」/
  第2曲: 間奏曲 第1番 / 第3曲: 間奏曲 第2番 /
  第4曲: クレールヒェンの歌「喜びにあふれ、また悲しみに沈む」/
  第5曲: 間奏曲 第3番 / 第6曲: 間奏曲 第4番 /
  第7曲: クレールヒェンの死 / 第9曲: 戦いのシンフォニー

 交響曲第7番イ長調op.92
シャロン・ロストルフ=ザミール(S)
クルト・マズア(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 巨匠マズア&イスラエル・フィル、期待のベートーヴェン・プログラム2012年ライヴ、交響曲第7 番&劇音楽「エグモント」

 録音:2012 年3 月31 日テルアビブ大学、スモラルツ・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)/72’44”

 ドイツを代表する巨匠指揮者クルト・マズアが、85 歳を迎える2012 年に終身名誉客演指揮者を務めるイスラエル・フィルを指揮して、ベートーヴェンの交響曲第7 番と劇音楽「エグモント」を演奏したコンサートの模様をライヴ収録したアルバムが登場します。
 【マズアのベートーヴェン】
 マズアによるベートーヴェンの交響曲といえば、まず思い起こされるのが1970 年から96 年までカペルマイスターを務めたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と完成させたふたつの全集録音でしょう。
 マズアがカペルマイスターに就任して間もない時期の1972 年から73 年にかけてドレスデンのルカ教会で行った1 回目のセッション録音と、さらに同ポストの仕上げ段階を迎えた1987 年から93 年にかけてライプツィヒの新ゲヴァントハウスで行った2 回目のセッション録音とは、いずれもゲヴァントハウス時代の重要な業績として高い評価を獲得していました。
このほかにもマズアは、音楽監督在任中(1991 − 2002)のニューヨーク・フィルを指揮して、1992 年に第5 番のセッション録音や、1999 年のジルヴェスター・コンサートにおける第9 番のライヴ録音を行っていましたし、2002 年11 月には音楽監督に就任後のフランス国立管を指揮して第2 番と第6 番を演奏したシャンゼリゼ劇場でのライヴ録音を発表していたことからも、マズアにとってベートーヴェンが重要なレパートリーであることがよくわかります。
 【マズア指揮のベートーヴェンの第7 番と「エグモント」】
 マズア指揮によるベートーヴェンの第7 番は、上記のゲヴァントハウス管とのふたつの全集中の録音が、1972 年11 月と1990 年11 月に行われていたので、第1 回目の録音からじつに29 年ぶり、前作からも11 年ぶり、このたびのイスラエル・フィルとの演奏はマズアにとって3 種目の内容ということになります。
 いっぽう、マズアは「エグモント」について、1973 年にゲヴァントハウス管を指揮して序曲をセッション録音していたほか、1992 年にニューヨーク・フィルを指揮して序曲を含む全曲をセッション録音していました。ここでは第8 曲メロドラマを除いた、全9 曲での演奏となっています。
 なお、会場のスモラルツ・オーディトリアムは、テルアビブ大学内にあるホール(座席数1,200)。1957 年の開設より半世紀を経て改修工事中の本拠マン・オーディトリアム(座席数2,760)との音響条件の違いも興味深いところです。

 =マズアによるベートーヴェン交響曲第7 番トラック・タイム=
  [イスラエル・フィル / 2012年] I .12’26+II.8’32+III.9’06+IV.8’46= TT.38’50
  [ゲヴァントハウス管 / 1990年] I .14’04+II.8’33+III.9’16+IV.7’53= TT.39’46
  [ゲヴァントハウス管 / 1972年] I .12’03+II.8’35+III.8’44+IV.6’41= TT.36’03

HUNGAROTON


=バルトーク・ニュー・シリーズ=



HSACD 32515
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
ケレメン(Vn)&コチシュ(P)
 バルトーク:

  ヴァイオリン・ソナタ第1番BB 84, Sz 75
  ヴァイオリン・ソナタ第2番BB 85, Sz 76
  無伴奏ヴァイオリン・ソナタBB 124, Sz 117
バルナバーシュ・ケレメン(Vn)
ゾルターン・コチシュ(P)
 久々Hungaroton新譜。ちなみにHungarotonのSACD新譜はすぐに廃番になる。
 ケレメン&コチシュ、母国ハンガリー屈指の理想的顔合わせによるバルトークのヴァイオリン・ソナタ集

 録音:2010 年12 月9-13 日、2011 年1 月13 日フェニックス・スタジオ(セッション)/DDD、マルチチャンネル、ステレオ、76’19”

 SACD ハイブリッド盤。フンガロトンの目玉プロジェクト「バルトーク・ニュー・シリーズ」に、いよいよ最重要作「ヴァイオリン・ソナタ」が登場。ヴァイオリンに気鋭バルナバーシュ・ケレメン、ピアノがベテラン、ゾルターン・コチシュという、当代ハンガリーきっての名手の顔合わせです。

 【ヴァイオリン・ソナタ第1 番】
 1921 年作曲。作曲者のピアノ、イェーリ・ダラーニのヴァイオリンによりロンドンで初演、ダラーニに献呈。急・緩・急の古典的3 楽章様式に拠りながらも、バルトークがより抽象的な様式、普遍的な創作へと踏み出した時期の作品。従来の民俗色を留めつつ、ヴァイオリンのラプソディックな旋律と打楽器的なピアノの扱いを主調に、ときに印象派をおもわせる独特のやわらかい響きも顔をのぞかせます。

 【ヴァイオリン・ソナタ第2 番】
 1922 年作曲。作曲者のピアノ、ダラーニのヴァイオリンによりロンドンで初演、ダラーニに献呈。第1 番と同傾向の内容ながら、全曲の構成はアタッカで結ばれた緩・急の2 楽章形式となり、独創的で複雑な味わいがさらに増しています。

 【無伴奏ヴァイオリン・ソナタ】
 アメリカ亡命後の1944 年に作曲。メニューインの勧めで着手された全4 楽章からなる内容は、バルトークが最晩年に辿り着いた、シンプルにそぎ落とされた線的作風が特徴的なもので、熟達の書法が際立つ難曲。いわゆる「バルトーク・ピツィカート」奏法が登場する作品としても有名。

 【コチシュとケレメンによるバルトーク】
 当シリーズでのケレメンとコチシュの共演は、やはり重要作である「ヴァイオリン協奏曲第1 番(2006 年)」、「ヴァイオリン協奏曲第2 番(2010 年)」でもすでに実現ずみ。“ハンガリーのクレーメル” の異名をとるケレメンと、手兵ハンガリー国立フィルを率いて指揮を務めたコチシュとのやりとりには鬼気迫るものがあったので、ここでの演奏内容にもおおいに期待の高まるところです。

 【フバイの流れを汲む名手ケレメン】
 ヴァイオリン独奏を担当するバルナバーシュ・ケレメンは、1978 年生まれのハンガリーのヴァイオリニスト。1999 年、ザルツブルクのモーツァルト国際ヴァイオリン・コンクールで第1 位を獲得し、2002 年にインディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールでゴールド・メダルを獲得して、2006 年にハンガリー共和国騎士十字勲章を授与されるという華々しいキャリアの持ち主です。
 ケレメンは6 歳でヴァイオリンをヴァレーリア・バラニャイに師事して、11 歳でフェレンツ・リスト音楽院への入学を許可され、エステル・ペレーニのクラスに入っており、2001 年にディプロマを取得し、音楽院在籍中に、アイザック・スターン、ジェルジ・クルターグ、トーマス・ツェートマイアーらのマスタークラスに参加しています。
 ちなみに、ケレメンの師であるエステル・ペレーニはフバイ門下のエデ・ザトゥレツキに師事しているので、ケレメンもまたフバイの系譜に連なるヴァイオリニストということになります。
 


HCD 32716
\2300→\2090

ドホナーニとコーカイの管弦楽作品集
 エルネー・ドホナーニ(1877− 1960):ハンガリー祝典序曲op.31(1923)
 ドホナーニ:「ピエロのヴェール」組曲(1910)
 レジェー・コーカイ(1906− 1962):セーク地方の狂詩曲(1952) *
 コーカイ:ヴェルブンコシュ組曲(1950)

アーグネシュ・サカーイ(ツィンバロン)*
ラースロー・コヴァーチ(指揮)
ミシュコルツ交響楽団
 ハンガリー発、独自の様式を見出したドホナーニとコーカイの管弦楽作品集

 録音:2010 年12 月9-13 日、2011 年1 月13 日フェニックス・スタジオ(セッション)/ステレオ、66’56”

 ハンガリーの近現代を代表するふたり、ドホナーニとコーカイによるオーケストラ曲を収めたアルバム。バルトークが「ハンガリーの音楽界が今日あるのはすべて彼のおかげ」と語ったドホナーニは、初期にシューマンとブラームスの影響を受けながら、後期ロマン派の最良の部分を受け継ぎ独自の作風に活かした作曲家で、ロシアのグラズノフにも似て、対位法を用いた甘美な旋律のセンスに魅力があります。
 いっぽう、そのドホナーニの影響を受け、ブラームス風の手法で作曲を始めたコーカイは、一時期グルリットに音楽学を師事し、ドビュッシーやストラヴィンスキーに傾倒するものの、同世代のバルトークやコダーイによるあたらしい方向に背を向け、1930 年代にはリストや、19 世紀のヴェルブンコシュ音楽(ハンガリー固有の舞踊音楽の様式のひとつ)と結びついた独自のハンガリー様式を確立した人物。いずれも、地元勢による新録音の登場はたいへん価値ある内容といえるでしょう。





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