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第69号
マイナー・レーベル新譜(1)
2013.2.12〜2013.4.5


2L



2L 090
\2500→\2290
トロンハイム・ソロイスツの美演!
 チャイコフスキー:フィレンツェの思い出 op.70
 ニールセン:小組曲 FS6, op.1(弦楽オーケストラのための)
 チャイコフスキー:弦楽のためのセレナード ハ長調 op.48
トロンハイム・ソロイスツ
 2Lのこだわりのレコーディングから生まれた究極の音質

 ゲイル・インゲ・トルベルグ(リーダー)/オイヴィン・ギムセ(芸術監督)
 録音:2011 年5 月、10 月ノルウェー、セルビュ、セルビュ教会

 ブルーレイオーディオ(2L 090PABD) とLP(2L090ALP/ 2L090CLP) で発売され、その質の高い演奏と録音に驚かされたトロンハイム・ソロイスツによるアルバム『思い出』の通常CDがリリースされます。
 ノルウェーのインディペンデント・レーベル「2L」の録音に対する評価は国際的にすっかり定着しました。ソロイスツのミュージシャンたちは、モッテン・リンドベルグをはじめとする「2L」のスタッフに厚い信頼を寄せ、サラウンド録音の楽器配置など、さまざまな試みに挑んでいます。
 トロンハイム・ソロイスツと「2L」のコラボレーション第3 作『思い出』。芸術監督のオイヴィン・ギムセとリーダーのゲイル・インゲ・ロツベルグが「弦楽オーケストラのために作曲されたもっとも美しい音楽」とみなすチャイコフスキーの『弦楽のためのセレナード』と『フィレンツェの思い出』、そして、FACEBOOK を通じて世界各国の音楽愛好家から寄せられたリクエストによるニールセンの作品です。2011 年の5月に録音された『弦楽のためのセレナード』では、合唱音楽の録音を多く手がけてきたプロデューサーのリンドベルグのアイデアを入れ、同じ楽器の奏者が隣り合わせにならないようアンサンブルの声部を混在させる楽器配置がとられました。
 * このCDにはニールセン:『若き芸術家の棺のかたわらで』は収録されていません。
 

2L 091SACD
(SACD HYBRID)
\2500
エンゲゴール四重奏団
 ハイドン:弦楽四重奏曲 ト長調 Hob.III/81 Op.77-1
 アルネ・ヌールハイム(1931-2010):
  Duplex (ふたつの) (1992) (ヴァイオリンとヴィオラのための)
 バルトーク:弦楽四重奏曲第5番 Sz.102
エンゲゴール四重奏団
 【アルヴィド・エンゲゴール(Vn) 
  アトレ・スポンベルグ (Vn)
  ジュリエット・ジョプリング(Va)
  エイドリアン・ブレンデル(Vc)】
 ブレンデルの息子が加入した新生エンゲゴールQ

 録音:2011 年5 月、2012 年3 月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)
 [ 制作:モッテン・リンドベルグ  録音:モッテン・リンドベルグ、ビーアトリス・ヨハンネセン]
 [DXD (24bit/352.8kHz) 録音]/5.1 surround/stereo、62’41

 2006 年、白夜のノルウェー、ロフォーテンで結成されたエンゲゴール四重奏団の弦楽四重奏曲録音シリーズ。ハイドンのニ長調、ライフ・スールベルグ、グリーグの作品を演奏した第1 集(2L53SACD)、ベートーヴェンの「ハープ」、ヌールハイム、バルトークの第3 番を収めた第2 集(2L071SACD)につづく第3 集がリリースされます。ハイドンがロブコヴィツ侯爵の求めに応じて作曲、ハイドン最後の弦楽四重奏曲集となったOp.77 の第1 番。作曲者のヌールハイム自身が「対比と極端の遊戯」と呼んだ《Duplex ( ふたつの)》は「エネルジーコ」「フルエンテ」「レント・カンタンド−エネルジーコ」の3 楽章から構成されたデュオ曲。オスロで音楽学校を主宰するステファン・バラット=ドゥーエとスーンミ・チョン夫妻のために作曲されました。「ノルウェー・モダニズム音楽の旗手」ヌールハイムの音楽のなかではもっとも「近づきやすい」一作です。アルバムの最後はバルトークの第5 番。エンゲゴールがザルツブルクのカメラータ・アカデミカでコンサートマスターを務めていた時、作曲者と親交のあった音楽監督のシャンドル・ヴェーグから紹介されたという作品です。
 エンゲゴール四重奏団のメンバーは、第1 ヴァイオリンが、ロフォーテン国際室内楽フェスティヴァルの創設者、芸術監督を務めるアルヴィド・エンゲゴール(1963-)。第2 ヴァイオリンのアトレ・スポンベルグ(1964-) は、1996 年からノルウェー放送管弦楽団のコンサートマスターを務めています。ヴィオラのジュリエット・ジョプリングは、ノルウェー室内管弦楽団の首席ヴィオラ奏者でもあり、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで経済学修士号を取得しています。このアルバムでは2L と共同で編集を担当しています。この第3 集からチェリストがエイドリアン・ブレンデル(1976-) に替わりました。父はアルフレート・ブレンデル。ケンブリッジ大学ウィンチェスター・カレッジに学び、トルルス・モルクの師でもあるスウェーデンのチェリスト、ケルンの音楽院で教えるフランス・ヘルメションに師事しました。ブレンデルは、1995 年、イギリス南西部、ドーセット州のプラッシュ村にフェスティヴァル、Musicat Plush を指揮者のウィリアム・レイシーと共同で創設。この音楽祭は毎夏開催され、アルフレート・ブレンデル、イモージェン・クーパー、ヴェルターヴォ四重奏団をはじめとする音楽家が参加しています。



 

2L 088SABD
(SACD HYBRID
[5.1 surround/stereo] +
Pure Audio Blu-ray)
\4000
音楽帳〜18世紀ノルウェーのポピュラー曲集
 前奏曲/ ラ・ロヴィスのエール/ イギリス舞曲/
 焦茶色の上衣/ 騎士の舞曲/ 前奏曲/
 キューピッドよ、さらば/ 愛のパスピエと王のパスピエ/
 イギリス田園舞曲/ 街の歌/ イギリス舞曲1/
 イギリス舞曲2/ ブラゲルネス行進曲/ 行進曲/
 サラバンド/ サラス1/ サラス2/ ハリング/
 ラ・ファブリ/ ラ・フォリア/ パスピエ/
 アリア「気まぐれな世界のことを」/ われらが森で/
 リゴドン/ アリア「空に雲が立ち込め」/ 愛しき征服者/
 メヌエット第7番/ メヌエット/2つのハリング/
 イギリス舞曲)
ハンス・オラヴ・ゴーシェット
 (リコーダー、バロックフルート、横笛)
カトリーネ・ボトネル=ビー(ソプラノ)
エリザベス・ゲーヴァー(バロックヴァイオリン)
ヴェーガル・ルン(バロックギター、テオルボ)
ラーシュ・ヘンリク・ヨハンセン(チェンバロ)
アンドレ・リスレヴァン(ヴィオラダガンバ)
シェル・トゥーレ・インネルヴィーク (太鼓)
ホーコン・モルク・ステーネ (打楽器)
 ノルウェー人の心に響くメロディー横笛の名手ゴーシェットが奏でる

 録音:2012 年2 月 ヤール教会 ( ベールム、ノルウェー)]/53‘00
 制作:ヴォルフガング・プラッゲ  録音:ビーアトリス・ヨハンネセン
 [DXD (24bit/352.8kHz) 録音] [Bluray: 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC]

 18 世紀ノルウェーで演奏され歌われた「愉しみの音楽」と「ディヴェティメント」を集めた「音楽帳」。ノルウェー民俗舞曲のハリング、ポーランドの舞曲、メヌエット、行進曲、イギリスの田園舞曲といった、ノルウェーで愛好された曲とヨーロッパで流行した曲が30 曲、『トルエルス・ヨハンネスン・ヴィットの音楽帳』『ペーテル・バングの音楽帳』『バルテルーの音楽帳』『ヤーコブ・メストマッハーの音楽帳』『インゲル・オールの音楽帳』『ヨハンネス・ブルーのイギリス舞曲集』といった、ハンザ同盟の時代から栄えたベルゲンや各地で発見された手書きの音楽帳と出版本を基に演奏されています。リコーダー、バロックフルート、軍隊の横笛を演奏する、リーダーのハンス・オラヴ・ゴーシェット(1952-) は、オスロのノルウェー音楽アカデミーの教授を務めています。
 リコーダー、バロックフルート、演奏慣習を教え、18 世紀ノルウェーの音楽帳に記された1100 曲の演奏の歴史と慣習をテーマとする論文で博士号を取得しました。彼が録音した中世ノルウェーの音楽やスカンディナヴィアとフランスのバロック期のフルート音楽は広く親しまれており、この「音楽帳」でも「友人たち」の演奏するバロックヴァイオリンやノルウェー伝統の太鼓などの楽器と一緒に18 世紀ノルウェーの音楽を楽しく演奏しています。「焦茶色の上衣を新調したの 裏地はメランコリー なぜ悲しんでいるの と尋ねられたら いとしい人が死んだから と答えるでしょう あの人は今 ダニエル親方の庭 そのままずっと土の下 夏がふたたび巡るまで」。この《焦茶色の上衣》をはじめとする4 曲の歌とアリアは、カトリーネ・ボトネル=ビーのソプラノで歌われます。ブックレットの解説 ( 英語、ノルウェー語) はゴーシェットが執筆。すべての曲の編曲も彼と「友人たち」が行いました。
 このアルバムは、5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz) と 2.0 LPCM (24bit/192kHz) の Pure Audio Bluray ディスクと SACD ハイブリッドディスク(5.1 surround/stereo) のセットです。Pure Audio Blu-ray ディスクには、インデックスを除き、映像は収録されていません。CD やDVD のプレーヤーでは再生できないので、Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応のPC で再生してください。



 

2L 094SABD
(SACD HYBRID
[5.1 surround/stereo] +
Pure Audio Blu-ray)
\4000
グリーグへのオマージュ〜ピアノ・デュオのための音楽 第3集
 ブラームス:
  ハイドンの主題による変奏曲Op.56b (2台のピアノのための)
 ヴォルフガング・プラッゲ(1960-):
  グリーグ変容Op.160 (2010) (2台のピアノのための)
 テリエ・ビョルクルン(1945-):
  グリーグへのオマージュ(2011) (2台のピアノのための)
 サン=サーンス:
  ベートーヴェンの主題による変奏曲Op.35 (1874)
   (2台のピアノのための)
デーナ・ピアノデュオ
 【ハイデ・ゲルツ(P)
  ティナ・マルガレータ・ニルセン(P)】
 デーナ・ピアノデュオの輝きに満ちた演奏で聴くグリーグへのオマージュ

 録音:2011 年9 月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)/55’28
 制作: ヴォルフガング・プラッゲ  録音: ビーアトリス・ヨハンネセン
 [DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
 [Bluray: 5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), mShuttle: MP3 & FLAC, Region ABC]
 [SACD DSD (5.1 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo (16 bit/44.1 kHz)]

 ドイツのハイデ・ゲルツとノルウェーのティナ・マルガレータ・ニルセンのデーナ・ピアノデュオ。モーツァルトとグリーグのピアノ・デュオの作品を弾いた2 つのアルバム (2L40SACD, 2L57SABD) につづく第3 作のアルバムタイトルは『グリーグへのオマージュ』です。グリーグと親しかったブラームスとサン= サーンスの作品の間に、ノルウェーのヴォルフガング・プラッゲとテリエ・ビョルクルンがデーナ・デュオの委嘱を受け「グリーグ」をテーマに書いた作品が演奏されます。プラッゲの《グリーグ変容》は、《抒情小曲集 第1 集》 (Op.12) の第2 曲〈夜警の歌〉を主題とする10 の変奏。ビョルクルンの《グリーグへのオマージュ》は、「グリーグとバルトーク、ストラヴィンスキー、アルヴォ・ペルトの出会い」がイメージされ、ピアノ協奏曲イ短調、《バラード》、ト短調の弦楽四重奏曲、《伝承による19 のノルウェー民謡》の第18 曲〈深く想いをめぐらせて〉といった作品のパッセージの「音」と「モチーフ」による「エコー」として作曲されました。
 このアルバムは、5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz) と 2.0 LPCM (24bit/192kHz) の Pure Audio Bluray ディスクと SACD ハイブリッドディスク(5.1 surround/stereo) のセットです。Pure Audio Blu-ray ディスクには、インデックスを除き、映像は収録されていません。CD やDVD のプレーヤーでは再生できないので、Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応のPC で再生してください。

 【デーナ・ピアノデュオ】
 スイス生まれのノルウェー人ティナ・マルガレータ・ニルセンと、彼女のベルリン芸術大学時代の恩師であったドイツのピアニスト、ハイデ・ゲルツによる師弟ピアノ・デュオ。ハイデ・ゲルツは、「ゲルツ・メソッド」というピアノ演奏技術を長年の経験をもとに確立しました。このメソッドは、良い音を出すための精度を上げ、音楽への柔軟な発想助ける画期的な方法。それはデーナ・ピアノデュオの織りなす豊かなサウンドを聴けば一目瞭然です。モーツァルトとグリーグのピアノ・デュオの作品を弾いた2 枚のアルバムが世界的に好評価を得て、ロシア、アメリカ、ドイツそしてノルウェーで積極的に演奏活動を行っています。



 


2L 089SABD
(SACD HYBRID[5.1 surround/stereo]
+
Pure Audio Blu-ray)
\4000→\3690
ファッテイン・ヴァーレン(1887-1952):
 弦楽四重奏のための作品集

  弦楽四重奏曲第1番 Op.10 (1928-29)、
  弦楽四重奏曲第2番 Op.13 (1930-31)、
  弦楽四重奏曲 Op.0 (1909)
  ゲーテの3つの詩Op.6 (1925-27)
   (ライフ・ハルヴォシェンによるソプラノと
    弦楽四重奏のための版) *
    【シャクンタラー/ 百合のように白く/ ズライカ】
ハンサ四重奏団
 【オースタ・ヨルゲンセン(第1Vn)
  ヒラリー・フォスター(第2Vn)
  ヘルガ・ステーン(Va)
  ヴァルテル・ハイム(Vc)】
ヒルデ・ハーラルセン・スヴェーン(S) *
 ノルウェーの不運な作曲家ファッテイン・ヴァーレン知られざる名作を2Lの高音質録音で聴く

 録音:2011 年2 月 ストゥーレトヴァイト教会 ( ベルゲン、ノルウェー)[ 制作:ヨルン・シメンスタ 録音:ビーアトリス・ヨハンネセン] [DXD (24bit/352.8kHz) 録音]

 ファッテイン・ヴァーレンは20 世紀ノルウェーでもっとも重要な作曲家のひとりです。しかし、後期ロマンティシズムの作風から出発したものの、調性を限界いっぱいまで広げ、その初演がノルウェー音楽史上最大のスキャンダルのひとつとされる1921 年の《アヴェ・マリア》 (Op.4) を最後に「調性」から離れ、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンに倣った音楽語法による作曲に移ったため、同時代の他の作曲家たちの陰に隠れてしまい、多くの作品は彼の死後になって初演されるという不運に見舞われました。
 ヴァーレンの作品番号の付けられた2 曲の弦楽四重奏曲は、「自分の表現に必要な」音楽語法に移ってからの作品です。1929 年に完成した弦楽四重奏曲第1 番は、古典的形式とヴァーレンの言う「不協和ポリフォニー」を組み合わせて作曲されています。作曲のモデルとしたJ・S・バッハの対位法を思わせる主題の展開の見られる〈モデラート〉、「歌曲」のような〈アダージョ〉、リズムを際立たせた〈スケルツォ〉、主要主題が繰りかえし現れる〈ロンド〉の4 楽章。第2 番の弦楽四重奏曲も第1 番と同様の語法で書かれています。最初の楽章はアンダンテ・コン・モートの〈フーガ〉。「フーガ」から音楽を始めるという発想について、ヴァーレンの伝記を書いたオラヴ・グルヴィンが記しています。「ある夜、オスロのホンノルブリッガ埠頭に彼がひとりで立っていた時、透明な水面に映る星の姿に気づいた。星は煌めき、穏やかに波打つ水面とともに動く」。〈テンポ・ディ・メヌエット、グラツィオーゾ〉の第2楽章、アレグロ・アッサイの〈フィナーレ〉。「星の夜」から生まれた作品の雰囲気は、地球を離れた宇宙を感じさせるとも言われます。作品番号をもたない1909 年の弦楽四重奏曲は、この作品がマックス・ブルッフに認められたおかげでベルリン音楽大学への入学を許可されたという、記念の曲です。歌曲集の《ゲーテの3 つの詩》は、長調と短調の調性から離れた後の作品です。ソプラノとピアノのために書かれた作品をライフ・ハルヴォシェンが弦楽四重奏共演用に編曲し、弦楽四重奏曲第1 番を初演したコンサートで演奏しています。
 ハンサ四重奏団は、ハンザ同盟の時代から栄えた町、ベルゲンのフィルハーモニック管弦楽団のプレーヤーにより1987 年に創設。ヴァーレンの伝記を書いた音楽学者のビャルネ・コットセンとともにヴァーレン作品を紹介するプロジェクトを発足させ、2L のこのアルバムの録音が実現しました。
 録音は2 Lらしい臨場感溢れるサウンドで、オーディオ装置の存在を忘れさせる、素晴らしい録音です。
 24bit/352.8kHz DXD 録音。5.1 DTS-HD MA (24bit/192kHz) と 2.0 LPCM (24bit/192kHz) の Pure Audio Bluray ディスクと SACD ハイブリッドディスク (5.1 surround/stereo) のセットです。Pure Audio Blu-ray ディスクには、インデックスを除き、映像は収録されていません。CDや DVD のプレーヤーでは再生できないので、Blu-ray プレーヤーもしくは Blu-ray 対応の PC で再生してください。




ACCENT

ACC 25316
(SACD HYBRID)
\2700→\2490
クイケン(指揮)&ラ・プティット・バンド
 J.S.バッハ:カンタータ集 Vol.16

  カンタータ第34番おお永遠の火、おお愛の源よBWV34
  カンタータ第173番高く挙げられし血肉よBWV173
  カンタータ第184番待ちこがれし喜びの光BWV184
  カンタータ第129番主に讃美あれBWV129
ガーリンデ・サマン(S)
ペトラ・ノスカイオヴァ(A)
クリストフ・ゲンツ(T)
ヤン・ファン・デル・グラッベン(Br)
シギスヴァルト・クイケン(指揮)
ラ・プティット・バンド
 S.クイケン&ラ・プティット・バンドによるペンテコステのためのカンタータ集

 録音:2012 年

 クイケンのOVPP(One Voice Per Part =各パート1人)による大好評カンタータ集シリーズの第16 弾です。今回は聖霊降臨祭(ペンテコステ)の3 日間と三位一体節のためのカンタータ。
 教会暦で重要な祝日の一つ聖霊降臨祭。キリストの昇天後、集まって祈っていた120 人の信徒たちの上に、神からの聖霊が降って、さまざまな国の言葉で話すようになり、キリストの教えが世に広まるようになったという出来事を記念する祝日。第1 日目のカンタータ第34 番はバッハの華やかな部分が凝縮され、全カンタータの中でも名作に数えられる作品。テンィンパニが活躍する立体的で明るい充実した曲で、クイケンの清新な息吹を感じる音楽性に見事にマッチしています。第2 日目のカンタータ第173 番は器楽部分が充実した曲で軽やかにソロをサポートしています。第3 日目のカンタータ第184 番は美しい舞曲アリアが登場する曲。
 そして父(神)と子(イエス)と聖霊が一体であるという教理に基づく祝日である三位一体。その三位一体節のためのカンタータ第129 番。トランペットやティンパニが加わり神への賛美に満ちた輝かしい印象の曲です。
 端正で安定した演奏とソロ歌唱陣の力の抜けた見事な歌唱で聴くことのできる、充実した1 枚です。
 


ACC 24255
\2500→\2290
あのオペラ作曲家ハッセのハープシコード・ソナタ集!
 ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):ハープシコード・ソナタ集
  トッカータとフーガ ト短調/
  トッカータ ト長調(プレリュードとカプリッチョHWV571編)/
  ソナタ第1番長調/ソナタ第2番ト長調/ソナタ第3番ヘ長調/
  ソナタ第4番イ長調/プレリュード変ロ長調/ソナタ ト長調
ルカ・グリエルミ(ハープシコード)
 オペラ作曲家ハッセのハープシコード・ソナタ集、グリエルミによって初録音!

 録音:2011 年5 月/70’35

 ヨハン・アドルフ・ハッセの鍵盤作品集。ハッセといえば18 世紀にオペラ作曲家として活躍した人物。ハンブルクで音楽一家に生まれた後、20 代半ばでイタリアを訪れ、1726 年に発表したオペラ「セソストラート」でその名を知られるようになりました。そして当時美声と美貌で人気を得ていたイタリア人オペラ歌手ファウスティーナ・ボルドーニと結婚しています。オペラ作曲家としての成功と共に彼は優れた鍵盤奏者でもありました。1750 年のパリ旅行の際、ザクセンのマリア・ヨーゼファ妃のために4 曲のソナタを作曲しています。この作品は出版されることなく、今日まで埋もれていましたが、ルカ・グリエルミによって初CD化されることになりました。
 グリエルミは1997 年からジョルディ・サヴァール、1999 年から2001 年までイル・ジャルディーノ・アルモニコと共演し、世界的にも評価の高い古楽鍵盤奏者です。



 モーツァルト・ファンは、モーツァルトの伝記を読んでいて、ときどきハッセの名前に行き当たる。一番多いエピソードはこれである。

 14歳のモーツァルトがミラノで「アルバのアスカーニョ」を初演した。そのときのメインの出し物は偉大なる大家ハッセのオペラだったが、添え物のはずの少年モーツァルトのオペラは、大家ハッセの新作オペラを完全に凌駕してしまった。

 まあ、これを読んで、「ハッセとかいう当時の人気作曲家が、天才モーツァルトの前で赤っ恥を書いたんだな」、と思うわけである。
 ただ、上記の情報をもたらしたのが同行していたのがモーツァルトの父親レオポルドであったことを考えると、もちろんその話は鵜呑みにできないし、逆にそれはレオポルドがそう書きたくなるほど「ハッセ」という人が当時偉大な存在であったことの証明でもある。
 有名な石井宏氏の著作では、「当時最も有名だったドイツ人は、いまは(音楽史から)抹殺されてしまったアードルフ・ハッセである。ハッセの活躍はイタリアの巨匠たちと並ぶというか、時にはそれ以上のこともあった」、とある。
 現存する彼のイタリア・オペラは74本、オラトリオが12本、カンタータが87曲・・・。彼はイタリア語による最高のオペラ台本作家メタスタージョと組んで、まるで一体のようになって多くのオペラを残した。もともとは北ドイツ生まれだったがヴェネツィア、ボローニャ、ローマと転々としながら、ナポリでついにアレッサンドロ・スカルラッティに師事、そしてナポリで最高のオペラ作曲家となる。そしてイタリアだけでなくヨーロッパ中にその名をとどろかせ、その後ロンドンでは人気絶頂のイギリス人作曲家ヘンデルのライバルとなるようたきつけられたり、またドレスデンの宮廷からぜひにと誘われ彼の地に赴いている。また稀代のカストラート、ファリネッリが、スペイン国王のための10年間毎日繰り返し歌っていた2曲の歌は、ともにハッセの作品だったという。
 しかし現在彼はドイツの音楽史、イタリアの音楽史、どちらからも重要視されていない。・・・が、間違いなく彼はバロック時代の最高の作曲家の一人であた。が・・・彼の場合オペラ作品がメインであるためにそのCDがリリースされることは希である。しかも今回はそのハッセの極めて珍しい鍵盤作品。ここはハッセ復活のためにもぜひ押さえておきたい。

AD VITAM


AV 130215
\2500
ベンヤミン・ヴァレット(ギター)
 テレマン:
  ファンタジー第9番 ロ短調、ファンタジー第1番 変ロ長調
 ヴァイス:組曲第17番 イ長調
 J.S.バッハ:ソナタBWV 1003 イ短調
  (原曲:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ)
ベンヤミン・ヴァレット(ギター)
 1986 年生まれのギターの神童ベンヤミン・ヴァレットが奏でるドイツの巨匠たちの作品

 録音:2012 年7 月10-12 日

 1986 年生まれのギターの神童ベンヤミン・ヴァレットの登場。バロックの巨匠たちによる名曲を、時に軽やかに、時に超絶技巧で聴かせます。ヴァレットは、パリ・オペラ座(ガルニエ)でもしばしば演奏に駆り出されるなど、ギター界にとどまらない活躍をみせる逸材。2012 年にはギター四重奏のアンサンブルも結成するなど、積極的な活動を展開しています。




ALBA


ABCD 354
(SACD HYBRID)
\2200
イスモ・エスケリネン(G)
 J・S・バッハ/イスモ・エスケリネン編:ギター編曲作品集

  リュート組曲 ホ長調 BWV1006a
  リュート組曲 イ短調 BWV995 (原調 ト短調)
  コラール「キリストは死の絆につかせたまえり」 BWV277,
  シャコンヌ (無伴奏パルティータ第2番 BWV1004 から)
イスモ・エスケリネン(G)
 フィンランドの若手ギタリスト、イスモ・エスケリネン自身の編曲によるバッハ

 5.0 multichannel/stereo、61’56

 活躍を期待されるフィンランドの若手ギタリスト、イスモ・エスケリネン (1971-) 。シベリウス・アカデミーのティモ・コルホネン、バーゼル音楽アカデミーのオスカル・ギリアに学びました。
 これまで録音は20 世紀スペインのギター作品を弾いた「魔法の円」(ABCD153)、協奏曲を含むポンセの作品集(ABCD185)、ペルト、ヴァスクス、フランチェスコーニ、三木稔、武満徹、ブロウウェルの曲をオストロボスニア室内管弦楽団と共演した『第七の感覚』 (ABCD213)、ムストネンとラウタヴァーラの作品 (ABCD241) などがあります。彼の新録音はJ・S・バッハの音楽。ヴァイオリンソロのためのパルティータに基づくホ長調のリュート組曲、無伴奏チェロ組曲第5 番 BWV1011 を作曲者自身が編曲したト短調のリュート組曲、コラール、ヴァイオリンソロの〈シャコンヌ〉。多くのギタリストに倣い、すべての作品をエスケリネン自身がギターのために編曲した版で演奏しています。
 


ABCD 353
(SACD HYBRID)
\2200→\1990
魔の炎 − ワーグナー・トランスクリプション
 リヒャルト・ワーグナー (1813-1883) :
  ユッカ・ニュカネン編 :『さまよえるオランダ人』の主題によるパラフレーズ
  フランツ・リスト編 :『さまよえるオランダ人』の紡ぎ歌
  エルネスト・シェリング編: 《トリスタンとイゾルデ》前奏曲
  フランツ・リスト編 :《ラインの黄金》〜ワルハラ
  ルイ・ブラッサン編 :《ワルキューレ》〜ジークムントの愛の歌、魔の炎
  カール・タウジヒ編:《ワルキューレ》〜ワルキューレの騎行
  ルイ・ブラッサン編:《ジークフリート》〜森のささやき
  フェルッチョ・ブゾーニ編:《神々のたそがれ》〜葬送行進曲
  フランツ・リスト編:《タンホイザー》序曲
リスト=マッティ・マリン (P)
 編曲マニアのフィンランド人ピアニストがワーグナーに挑戦

 71’39/5.0 multichannel/stereo

 ヴィルトゥオーゾ・ピアニストが人気を博した19 世紀、リストをはじめとする作曲家やピアニストがワーグナーの歌劇や楽劇の音楽をピアノのために編曲することがさかんに行われ、ひとつの伝統にもなりました。2013 年はワーグナー生誕200 年のメモリアルイヤー。Alba Records は、シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究し、興味深いアルバムをリリースしてきているリスト=マッティ・マリンを起用し、ワーグナーと同時代あるいは後世の作曲家によるトランスクリプション集をリリースします。リスト、ルイ・ブラッサン、カール・タウジヒ、ブゾーニ、エルネスト・シェリング。《『さまよえるオランダ人』の主題によるパラフレーズ》を作ったユッカ・ニュカネンは「ピアノの魔術師」とも呼ばれるフィンランドのピアニスト。
 作曲と編曲も手がけ、フィンランドの歌を素材にしたトランスクリプションを演奏した『わが祖国』 (ABCD349) を2012 年の秋にリリースしています。


リスト=マッティ・マリン(P)編曲シリーズ
第1巻&第2巻


ABCD 240
\2200→\1990

ピアノ・トランスクリプションの芸術 第1集
 カール・チェルニー:
  フィガロのさまざまな主題による華麗なる幻想曲 作品493
 シギスムント・タールベルク:
  ラクリモーザ 作品70(モーツァルト「レクイエム」 K626 による)
 J・S・バッハ:協奏曲 ト短調 BWV975
  (ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲 ト短調」 RV316a)
 ベートーヴェン:
  バレエ「プロメテウスの創造物」 作品43 (抜粋)
 ロナルド・スティーヴンソン:
  ピーター・グライムズ幻想曲(ブリテン「ピーター・グライムズ」による)
 アレックス・フリーマン:
  雪(マシュー・ホイットール:合唱曲「雪」による)
 リスト:ハンガリー・ラプソディ第19番 ニ短調
  (アーブラーニの「優雅なチャールダーシュ」による)
リスト=マッティ・マリン(P)
 トランスクリプション-深みのある音楽と上っ面だけの音楽、価値ある音楽と価値のない音楽、保守的な音楽と急進的な音楽、ユーモラスな音楽とシリアスな音楽。作曲者と演奏者のふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか? 2003年、ヴァイマールで行われたフランツ・リスト・ピアノコンペティション第3位。フィンランドのピアニスト、リスト=マッティ・マリンは現在、シベリウス・アカデミー博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組んでいる。その研究の一環として、このアルバムが録音された。「知的に組まれたプログラムが投げつけるさまざまな難題をマリンは、いとも平然とこなしていく。チェルニーの「フィガロ幻想曲」の恋の楽しさも、ロナルド・スティーヴンソンがブリテンの「ピーター・グライムズ」を8分に要約した音楽の暗いドラマも彼はしっかり理解している」 (評:マーティン・アンダーソン <Finnish Music Quarterly>2007/ 3)
 録音:2006年9月22日-24日 クーサーホール(フィンランド) 制作:リスト=マッティ・マリン  録音:マッティ・ヘイノネン、アルト・ハッキネン

ABCD 305
\2200→\1990
トランスクリプションの芸術 第 2 集
 サン=サーンス/リスト&ヴラディーミル・ホロヴィッツ編:死の舞踏
 J・S・バッハ/アレクサンドル・ジロティ編:
  G線上のアリア (管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV1068 より)
 ラフマノニノフ/アール・ワイルド編:ヴォカリーズ作品38-14
 セバスチャン・ファーゲルルンド(1972-): Licht im Licht (2007)
  (ブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」による幻想曲)
 ベートーヴェン/リスト編:交響曲第5番 ハ短調 作品67
リスト=マッティ・マリン (P)
録音:聖ヨハネ教会 (ヘルシンキ)63‘25

シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」の演奏と論文に取り組むリスト=マッティ・マリン (1976-) が研究の一環として録音するシリーズ。チェルニー、タールベルク、J・S・バッハ、ベートーヴェン、ロナルド・スティーヴンソン、アレックス・フリーマン、リストを演奏した第 1 集 (ABCD240) につづき、「作曲者と演奏者、ふたつの顔をもつヴィルトゥオーゾたちが何を考えたか?」をさらに追求していきます。



ユッカ・ニュカネンの編曲もの

ABCD 349
\2200→\1990
「わが祖国」− ピアノで弾くフィンランドの歌」
 ・伝承曲/ヴィルヨ・ヴェステリネン編:サッキヤルヴィ・ポルカ
 ・タネリ・クーシスト:フィンランドの祈り
 ・ペッカ・ユハニ・ハンニカイネン:カレリアの歌
 ・伝承曲:カレリアの丘で
 ・伝承曲:民族の歌
 ・オスカル・メリカント:乏しき国の歌
 ・伝承曲:夏の賛歌
 ・エルッキ・メラルティン/ニュカネン編:ひばり
 ・アクセル・トルヌッド:サタクンタの歌
 ・伝承曲:おお、尊きフィンランド
 ・トイヴォ・ロウコ:南西フィンランドの歌
 ・伝承曲:空は青く白い雲が
 ・伝承曲/ユルヨ・キルピネン編:独立記念日メドレー
 ・伝承曲/フベンティーノ・ローサス編:メーデー・メドレー
 ・ヴィヴァルディ/ヴェサ= ペッカ・ハウタマキ/
   ユハニ・ジュース・レスキネン・ジェームズ・ロード・ピアポント/
    伝承曲/エヴェルト・トーブ (1890-1976):四季
ユッカ・ニュカネン
 (ピアノ&編曲)
 リスト風、ショパン風、ラフマニノフ風。。。 さまざまなスタイルのピアノ編曲で聴かせるフィンランド伝承曲

 DDD、ステレオ、74’12”

 ユッカ・ニュカネンは1976 年ヘルシンキ生まれ。エスポーの音楽学校とシベリウス・アカデミーでピアノを学び、2006 年にデビューコンサートを行いました。編曲と作曲も手がけるニュカネンは、フランツ・リストの音楽を高く評価し、リストのロマンティック・ヴィルトゥオーゾ・スタイルを編曲の手本にすることが多いと言います。フィンランドの歌を素材とするアルバム『わが祖国』の全15 曲は、リストの他、《フィンランドの祈り》はバロック、《民族の歌》はモーツァルト、《ひばり》はショパン、《空は青く白い雲が》はラフマニノフ、《カレリアの丘で》はピアソラと、さまざまなスタイルに編曲されました。
 《独立記念日メドレー》と《メーデー・メドレー》は、キルピネン(1892-1959) とローサス(1868-1894) がフィンランドの愛唱歌をメドレーに編んだ曲をニュカネンが編曲。最後の《四季》は、ヴィヴァルディの曲、タンペレのロックシーンで活躍するギタリストのヴェサ= ペッカ・ハウタマキ とシンガーソングライターのユハニ・ジュース・レスキネンの曲、ジェームズ・ロード・ピアポントの《ジングルベル》、フィンランドの伝承曲、そしてスウェーデンのシンガーソングライターのエヴェルト・トーブの曲をニュカネンがポプリに編曲した作品です。


ALIUD



ACDBO 061
\2400→\2190

時代はロマン派後期!
 知られざる3人のオランダ人作曲家によるヴァイオリン・ソナタ集


 リエンダー・スレヘル(1844-1913): ヴァイオリン・ソナタ Op.34(1911)
 ヘリット・ファン・ヤン・アイケン(1832-1879): ヴァイオリン・ソナタへ短調 Op.5(1855)
 ヤン・ブランツ・バイス(1868-1933): ヴァイオリン・ソナタ Op.26(1910)

ボブ・ファン・デル・アント(ヴァイオリン)
ルネ・レイカー(ピアノ)
 隠れた名作ばかり!知られざる3人のオランダ人作曲家によるヴァイオリン・ソナタ集

 DDD

 隠れた名作発見!このアルバムは3 人のオランダ人作曲家、リエンダー・スレヘル(1844-1913)、ヘリット・ファン・ヤン・アイケン(1832-1879)、ヤン・ブランツ・バイス(1868-1933)が作曲したヴァイオリン・ソナタ集です。
 リエンダー・スレヘルはライデン生まれ。大学前までは国内で研鑽を積み、その後ライプツィヒに留学、ピアノ、室内楽を学びました。演奏者として名を馳せ、とりわけヴァイオリニスト、ヴィルヘルミとのツアーは大成功をおさめました。その後27 歳のときにオランダに戻り主にハーレムを拠点に活動しました。演奏家としてだけでなく作曲者としても成功し、ここに収録されたヴァイオリン・ソナタはスレヘルの傑作の一つです。作風はシューマン、ブラームスそしてレーガーに影響を受けたことがわかります。しかし、スレヘルならではの非常に優美な旋律が魅力で晩年の作品です。
 ヘリット・ファン・ヤン・アイケンは1832 年、アメルスフォールト生まれ。オルガニストであった父から音楽の手ほどきを受けました。1860 年にロンドンに移住、1879 年に死去しました。ここに収録されたヴァイオリン・ソナタ第2 番は20 歳の時の作品で1852 年に作曲されました。この時期はシューマンのヴァイオリン・ソナタを作曲した時期にあたります。優美なメロディのヴァイオリンとオルガニストであった父の影響から構築のしっかりとしたピアノ・パートの組み合わせが絶妙です。
 ヤン・ブランツ・バイスはズトフェン生まれ。音楽一家で育ったバイスは幼くして才能を発揮し、研鑽を積むためフランクフルトに留学、その後はウィーンに移住し作曲家として大成し、とりわけオペラ作品は高い評価を得ていました。ヴァイオリン・ソナタ Op.26 は1910 年の作品で、当時はラヴェルやドビュッシーのスタイルをとる新時代の作曲者でした。聴き手に問いかけるようなメロディと雄大なピアノが印象的です。
 演奏のボブ・ファン・デル・アントはオランダの若手ヴァイオリニストの一人。アムステルダムの音楽学校にて研鑽を積み、またピエール・アモイヤルやイヴリー・ギトリスのマスタークラスにも参加し、自身の音楽性を広げてきました。世界有数のコンクールで入賞し、現在、その実力はオランダのみならず世界に羽ばたく才能となりました。




AMBROISIE



AM 209
(2CD)
\5000→\4590
フランス革命直前に爆発的な人気になった傑作、ついにピリオド演奏で登場!
 ケルビーニ:「ロドイスカ」
セバスティアン・ゲーズ(T フロレスキ)
ナタリー・マンフリーノ(S ロドイスカ)
アルマンド・ノゲラ(Br ヴァルベル)
ピエール=イヴ・プリュヴォ(Br ドゥルリンスキ)
フィリップ・ド(T ティツィカン)
ヒョルディス・テボー(S リジンカ)
アラン・ビュエ(Bs-Br アルタモラス)
ジェレミー・ロレル(指)
ル・セルクル・ド・ラルモニ,
レゼレマン
 救出オペラの決定版、ケルビーニ「ロドイスカ」!ロレルとル・セルクル・ド・ラルモニ、オペラに挑む!!

 録音:2010 年10 月13 日、ヴェネツィア,15、16 日、ローマ/1 時間49 分

 ケルビーニの作品のうちでも特に重要な「ロドイスカ」に、ピリオド演奏の新録音が登場。「ロドイスカ」は1791 年7 月18 日、パリで初演されました。直前の6 月下旬には、ルイ16 世の一家のパリ逃亡が発覚するというヴァレンヌ事件が起きたばかり、つまりフランス王政最末期。革命直前の極めて不安な政情の中、「ロドイスカ」は上演200 回を越す大ヒットになりました。このオペラは「救出オペラ」といわれるタイプのもの。捕らわれの人物を主人公が救出に向かうが、敵の手によって絶体絶命の窮地に陥ってしまう。万事休すと思った時、応援が間に合って形勢逆転、喜びで幕切れ、といった展開。このスリル満点の筋書きにロマン派を先駆けた激しい音楽を付けた舞台に、革命前後のパリの聴衆は熱狂したのです。
 ちなみに「ロドイスカ」の初演でフロレツキを歌っていたのはピエール・ガヴォーというテノール。彼は作曲家としても知られ、7 年後の1798 年に「レオノール」というオペラを作曲しています。その台本がベートーヴェンの「フィデリオ」の元ネタ。「フィデリオ」は「ロドイスカ」と男女の役割を入れ替えたような作品ですから、「ロドイスカ」は「フィデリオ」の祖先のようなものです。また「ロドイスカ」からおよそ四半世紀後の1815 年には、ロッシーニがこの翻案ものである「トルヴァルドとドルリスカ」を作曲しています。いかに「ロドイスカ」の影響が大きかったか分かるというものです。
 この録音は、2010 年10 月13 日にヴェネツィアのフェニーチェ劇場、さらに10 月15 日にローマのアウディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ内のサラ・シノーポリでの演奏会形式上演を中心としたもの。既にベートーヴェン(AM 204)とリスト(AM 207)で大きな評判を取ったジェレミー・ロレルとル・セルクル・ド・ラルモニにとって、初のオペラ録音です。ピリオド演奏の鮮烈な響きと、勢いと熱のある演奏が、初演当時の興奮を今に蘇らせています。
 ロドイスカは、フランスの実力派美人ソプラノ、ナタリー・マンフリーノ。最近立て続けにアリア集を2 枚出して話題になりました。フロレスキのセバスティアン・ゲーズは、1979 年、リヨン生まれのフランスの若いテノール。南仏を中心に活躍しており、しなやかによく響く美声にフランス的な気品のある情熱で今人気急上昇のテノールです。悪役ドゥルリンスキのピエール=イヴ・プリュヴォは、フランスのバリトン。2000 年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールの声楽部門で4 位入賞。マルゴワールら古楽系の人たちとの共演も多い歌手です。ティツィカンのフィリップ・ドはベトナム系でフランスで生まれ育ったテノール。軽めの声なのに輝かしい高音を出すテノールで、バロックから近代ものまで幅広く歌っています。唯一の喜劇役ヴァルベルは、1977 年アルゼンチン生まれでフランスを中心に活躍するバリトン、アルマンド・ノゲラ。ロッシーニを得意とする人です。
 フランス革命期に大熱狂を巻き起こした「ロドイスカ」、ぜひこのピリオド楽器オーケストラの意欲的な演奏でその真価を味わってください。

 ケルビーニ「ロドイスカ」 あらすじ

 第1幕 ポーランドの森。タタール人ティツィカンとその兵士たちが、彼らをさんざん苦しめてきた暴君ドゥルリンスキ男爵の城を襲撃しようとしている。一方、ポーランドの貴族フロレツキも従者ヴァルベルを連れて城へと向かっている。彼は行方不明の愛するロドイスカを捜してポーランド中を旅して回っている。用心したティツィカンはフロレツキの武器を取り上げようとするが、逆に武器を取り上げられてしまう。命を奪うつもりではなかったというティツィカンの言葉を信じ、フロレツキはティツィカンを解放する。ティツィカンは恩は忘れないと言って仲間と去っていく。フロレツキが改めてドゥルリンスキの城に入ろうとすると、中から石が飛んで来る。それはこの城に幽閉されているロドイスカからのもの。彼女は塔からフロレツキに、残虐な城主に近づかないよう警告する。ヴァルベルは怯えながらも、フロレツキがロドイスカの兄を騙って男爵に近づく策を提案し、二人は城内へ入っていく。
 第2幕 城内。ロドイスカはフロレツキが彼女を救うためにこの城に入ろうとしているのではないかと心配している。ドゥルリンスキ男爵はロドイスカに結婚を迫るが、彼女は強硬に拒み、男爵は彼女を塔に閉じ込めさせる。フロレスキとヴァルベルが通される。ロドイスカの兄と騙っているフロレスキはドゥルリンスキに、ロドイスカの母に頼まれて彼女を引き取りに来たと告げる。しかし男爵は彼女はもういないと答える。フロレスキは城に泊まる許可を得る。一人になると、フロレスキは暴君への怒りを爆発させる。ヴァルベルは、男爵が「兄」を疑って毒入りワインを飲ませるつもりだと知らせる。男爵の手下たちが毒入りワインを運んで来るが、隙を見てヴァルベルが杯を彼らのものと入れ替え、それを飲んだ手下たちは倒れる。ドゥルリンスキが兵士を連れて戻って来る。フロレスキは正体を明かして抵抗するが捕らえられてしまう。
 第3幕 城内。ドゥルリンスキはロドイスカにフロレスキを捕らえたことを明かし、彼の命を救いたいなら結婚しろと強要する。捕らわれたフロレスキが現れ、ロドイスカと共に死をも辞さず抵抗すると決意する。男爵が激怒していると、城が猛攻撃されているとの報せが届く。男爵はロドイスカを塔に戻し、反撃に向かう。
 タタール人たちが城を攻撃し、ティツィカンがフロレスキを解放する。彼は火の手が回る塔に向ってロドイスカを救出する。なおもフロレスキを殺そうというドゥルリンスキの最後の抵抗をティツィカンとヴァルベルが妨げ、男爵は牢獄送りになる。人々の喜びで幕。


フランス1973年生まれ、ジェレミー・ロレル
 颯爽たる快男児登場。
 ジェレミー・ロレル。
 パリ国立音楽院でケネス・ギルバート、クリストフ・ルセなどにハープシコードを師事。同時に指揮も学び、ミンコフスキ、クリスティ、ホグウッド、ブルーノ・ヴァイルたちのアシスタントを務めた。
 そんなロレルとヴァイオリンのジュリアン・ショヴァンが中心となって2005 年に設立したのがル・セルクル・ドゥラルモニー。
 ロレルはこの楽団を率いながら、ウィーン国立歌劇場などでも華々しく活躍している。自らの楽壇で自由な音楽活動を続け、その一方で伝統ある舞台でもキャリアを積む・・・これが今の指揮者の新しい形なのかもしれない。 このベートーヴェンもなんとも自由闊達で花の舞うような演奏。完全に時代は変わった。


AMBROISIE
AM 204
\2600→¥2390
フランスの名門ピリオド楽器オーケストラル・セルクル・ドゥラルモニー、
 胸のすくようなベートーヴェン初期作品集

 ベートーヴェン:
  (1)プロメテウスの創造物op.43(1801)
  (2)歌劇『レオノーレ』より
   マルツェリーネのアリア「おお、私があなたと一緒になれたら」(1805)
  (3)いいえ、心配しないで WoO92a (1801-02)
  (4)ロマンス ヘ長調(ヴァイオリンとオーケストラのための)op.50 (1802)
  (5)ああ、不実なものよop.65(1796)
  (6)交響曲第1 番 ハ長調 op.21 (1800)
ル・セルクル・ドゥラルモニー(管弦楽)
ジュリアン・ショヴァン(Vn)
アレクサンドラ・コク(Sop)
ジェレミー・ロレル(指)
録音:2011 年2 月(リール・オペラ座でのライヴ録音)

 フランスの名門ピリオド楽器オーケストラ、ル・セルクル・ドゥラルモニーによるベートーヴェン初期作品集。ベートーヴェン唯一の歌劇『フィデリオ』の前身、『レオノーレ』のアリアでは、クラリネットの活躍が印象的です。管弦楽による伴奏も実に充実、絶妙な転調にベートーヴェンの才をあらためて感じます。
 ロマンスでソロを務める2003 年のブルージュ古楽コンクールの優勝者、ジュリアン・ショヴァンは、ビルスマらに師事しました。コンチェルト・ケルン、レ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴルなど名だたる古楽器アンサンブルにもメンバーとして参加しています。ロマンスではまっすぐに聞き手の心に響く甘い音色を存分に聴かせてくれます。音の粒立ちの美しい録音も魅力です。







AMBRONAY


Beethoven - Con intimissimo sentimento
AMY 037
\2600→\2390
ピリオド楽器使用、テルプシコルド四重奏団
 ベートーヴェン:
  (1)弦楽四重奏曲 第6番op.18-6
  (2)弦楽四重奏曲 第15番op.132
テルプシコルド四重奏団
 {ジローラモ・ボッティリェーリ(1stVn)、
  ラヤ・ライチェヴァ(2ndVn)、
  カロリーネ・ハース(Va)、
  フランソワ・グリン(Vc)}
 新進気鋭の実力派テルプシコルド四重奏団ピリオド楽器を使用した注目のベートーヴェン四重奏曲集

 録音:2010 年6 月23-27 日、スイス

 1997 年に結成され、2001 年にジュネーヴの国際コンクールで優勝したことで一挙に注目を集めているテルプシコルド四重奏団のベートーヴェン四重奏曲集。これまでシューベルトやハイドンといったメジャーどころを録音し、着々と評価を高めてきた若手実力派による満を持してのベートーヴェンということで、注目必至です。作品の時代に合わせ、モダン楽器とピリオド楽器を使い分ける柔軟なスタイルでも注目されるテルプシコルド四重奏団ですが、今回はベートーヴェンということで、19 世紀半ばのパリで作られたピリオド楽器を使用!近年はピリオド楽器を用いた演奏スタイルも普及してまいりましたが、ベートーヴェンの交響曲ジャンルに比べ、室内楽ジャンルでの広まりはまだまだ途上ということもあり、ぜひとも聞き逃せないアルバムといえましょう。
 ガット弦ならではの柔らかな音色が強烈なアタックによる音色の濁りや余分な重量感を取り除き、全体的に清潔感あふれるハーモニーが作りだされています。楽器ごとの音量バランスも素晴らしく、軽やかさと重厚感の絶妙なバランスが生み出す洒脱な演奏はテルプシコルド四重奏団ならでは。中期の代表作、6 曲からなる作品18 の弦楽四重奏曲の最後を飾る第6 番では爽やかで活気あふれる演奏を、晩年の大作である第15 番では前向きなテンポ感の中にもしっかりと重心を感じられる充実した演奏を聴かせてくれます! モザイク四重奏団やフェシュテティーチ四重奏団に次ぐ注目のアンサンブル団体として、今後のリリースにも期待必至です。




ANALEKTA



AN2 7000
\2200→\1990
三菱一号館美術館で開催中の話題の美術展覧会、「クラーク・コレクション」
 印象派の歴史

 (1)ジャン・フランセ(1912-1997):オーギュスト・ルノワールの15人の子供の顔より
  〔「青い帽子の少女」、「二人の姉妹」、「匙を持つ赤ん坊」、「読書をする少女」、
   「リュクサンブール公園にて」、「ブルターニュの娘」、「ばら色の羽飾りの帽子の少女」、
   「草花の束を持つ少女」、「シャルパンティエ夫人の子供たち」、「下級生」〕
    アンジェル・デュボー(Vn)&ラ・ピエタ(弦楽アンサンブル)
 (2)ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
    アンドレ・ラプラント(ピアノ)
 (3)ドビュッシー:牧神の午後のための前奏曲
    アラン・マリオン(フルート)、ルイーズ=アンドレ・バリル(ピアノ)
 (4)ドビュッシー:月の光
    ヴァレリー・ミロ(ハープ)
 (5)ラヴェル:水の戯れ
    アンドレ・ラプラント(ピアノ)
 (6)サティ:ジムノペディ第1番
    アンジェル・デュボー(Vn)&ラ・ピエタ(弦楽アンサンブル)
 (7)ドビュッシー:シランクス
    アラン・マリオン(フルート)
 (8)ラヴェル:海原の小舟
    アンドレ・ラプラント(ピアノ)
 (9)マルセル・トゥルニエ(1879-1951):映像、組曲第4番より 雲の中で鳴る鐘
    ヴァレリー・ミロ(ハープ)
 (10)ドビュッシー:前奏曲集第1巻より 亜麻色の髪のおとめ
    フランシーヌ・カイ(ピアノ)
 (11)ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 より第1楽章
    アンジェル・デュボー(Vn)、アンドリュー・トゥニ(ピアノ)
 三菱一号館美術館で好評開催中「クラコレ」クラーク・コレクションのCD
 印象派絵画にまつわる名曲集

 三菱一号館美術館で開催中の話題の美術展覧会、「クラーク・コレクション」。日本上陸に先駆けて行われた、カナダでの同展にあわせてカナダのレーベルANALEKTA が制作したCD のご案内です。ジャケット写真は、チラシなどにも使われているルノワールの「劇場の桟敷席(音楽会にて)」(1880 年、油彩/カンヴァス)。内容も、ルノワールが描いた子供の肖像画に、フランセが曲をつけた「ルノワールの15 人の子供の顔」(抜粋)など、まさに美術展にぴったり。また、アンドレ・ラプラントの演奏によるラヴェルや名手アラン・マリオンのシランクスなども含まれた、充実のプログラムとなっています。印象派の絵画ファンの方や、フランス音楽ファンの方など、幅広くお手にとって頂きたい1 枚です。

 =奇跡のクラーク・コレクション - ルノワールとフランス絵画の傑作 - = 2013.2.9〜5.26 三菱一号館美術館
 見たこともない印象派、はるばる まるまる。
 クラーク美術館(米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウン)は、ルネサンス時代から19世紀末までの欧米の傑作を幅広く擁する美術館です。
 そのコレクションは、最も有名なフランス絵画をはじめ、彫刻、絵画、素描、写真、さらには銀器や磁器を含む装飾美術まで多岐にわたります。
 ニューヨーク・ボストンから車で約3 時間。広大な森の中にあるこの美術館のコレクションについて、これまで日本ではほとんど知られていませんでした。
 2010 年、同館の増改築工事に伴い、世界的にもとりわけ質の高い印象派を中心とした絵画の世界巡回展が初めて開催され、2013 年2 月、ついに日本に上陸します。ルノワール22 点を筆頭に、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネ・・・。まるで宝石箱のような、これまで目にしたことのない奇跡のフランス絵画73 点が一堂に。
 三菱一号館美術館で「人生を、美しく生きる幸せ。」に出会える幸運にどうぞご期待ください。

APARTE



AP 051
\2500→\2290
イブラギモヴァ率いるチアロスキュロ・カルテット第2弾
 ベートーヴェン:
  弦楽四重奏曲代第11番 ヘ短調 op.95「セリオーソ」
 モーツァルト:
  アダージョとフーガ ハ短調 KV 546
  弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 KV 428
チアロスキュロ・カルテット
 (1stVn:アリーナ・イブラギモヴァ、
  2ndVn:パブロ・エルナン・ベネディ、
  Va:エミリー・ヘルンルンド、
  Vc:クレア・ティリオン)
 イブラギモヴァ率いるチアロスキュロ・カルテット待望の新録音登場!気魄十分の「セリオーソ」

 録音:2012 年5 月7-9 日(ベートーヴェン)、10 月4-6 日(モーツァルト)/ポール・ロワイヤル・デ・シャン/57’25

 今をときめくイブラギモヴァが第1ヴァイオリンを務める、2005 年結成のチアロスキュロ・カルテット待望の第2 弾の登場。チアロスキュロ・カルテットは、2009 年からポール・ロワイヤル・デ・シャンのレジデント・アーティストとして、モーツァルトの弦楽四重奏全曲演奏プロジェクトを手掛け、また、ウィグモアホールなどにも登場するなど、充実の活動を見せています。2011 年にリリースしたデビューCD(AP 022 /モーツァルトの「不協和音」とシューベルトの「ロザムンデ」のカップリング)も話題となりましたが、今回は、ベートーヴェンの大曲「セリオーソ」と、デビューCD と同様モーツァルトを収録。
 「セリオーソ」は圧倒の集中で、冒頭から気魄十分。一切の飾りを排した語り口のアンサンブルで、これが却って作品自体の世界をこれ以上ないかたちで提示してくれているよう。ピリオド・アプローチにもさらに磨きがかかっており、ノン・ヴィブラートのゾクっとするような美しい音色が、作品自体のもつ凄味を十二分に引き出します。終楽章も壮絶の極みです。モーツァルトは和音の着地が非常に柔らかでエレガントな雰囲気。変幻自在のカルテットの魅力を堪能できる1 枚です。


旧譜
「チアロスキュロ・カルテット」第1弾
Mozart & Schubert: String Quartets
AP 022
\2500→¥1990
 (1)モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番 ハ長調「不協和音」K 465
 (2)シューベルト:弦楽四重奏曲第13番 イ短調「ロザムンデ」D 804 op.29
チアロスキュロ・カルテット
 (1stVn:アリーナ・イブラギモヴァ、
  2ndVn:パブロ・エルナン・ベネディ、
  Va:エミリー・ヘルンルンド、
  Vc:クレア・ティリオン)
今注目のヴァイオリニスト、イブラギモヴァ率いる新進気鋭の弦楽四重奏団「チアロスキュロ・カルテット」による四重奏!

録音:2010 年12 月

2005 年にイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックの卒業生で結成された古楽演奏団体、チアロスキュロ・カルテット。1750 年から1830 年までの時代を中心とした曲をレパートリーとし、現在はヨーロッパを中心に幅広い活動を展開しています。若手演奏家らしい、活気あふれる卓越したアンサンブルがこの団体の魅力。1stVn を担当するイブラギモヴァはソリストとしても活動し、今注目される若手ヴァイオリニストの一人です。
本年に来日を予定しており、今後ますますの活躍が期待されます!
リブレットに掲載されたインタビューの中で、彼らは今回の選曲について次のように述べています。
「『不協和音』は欠かせない傑作であると同時に、私たちがコンサートで最初に演奏した曲でもあります。『ロザムンデ』も非常に重要な作品であり、モーツァルトの数々の弦楽作品とつながるものがあります。モーツァルトとシューベルトは多くの共通点で結ばれており、私たちは必然的に、この2 つの作品を連続して録音することにしたのです」
 ずっと封を開けてなかった新譜・・・こんなCD買ったっけ・・・見たところカワイコちゃんが3人写ってるからジャケ買いしたのかな・・・
 あ、いや、ちがう、演奏がチアロスキュロ・カルテット・・・。これ、あのイブラギモヴァ率いる新進気鋭の弦楽四重奏団!忘れてた!
 かけたら、おっとまるで古楽器のようなとんがった演奏!
 あ、いや、ちがう、ほんとに古楽器なんだ・・・この人たち・・・。え・・・じゃあ、イブラギノヴァ、ここでは古楽器弾いてるの?ひえー。イブラギモヴァってほんとに多才。おそれいりました。


旧譜
しつこいようですがイブラギモヴァのメンデルスゾーン
Mendelssohn: Violin Concertos
HYPERION
CDA 67795
\2300→\1890
イブラギモヴァのメンデルスゾーン!ピリオド・アプローチでユロフスキと共演!
 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲集
  ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
  序曲《フィンガルの洞窟》Op.26
  ヴァイオリン協奏曲ニ短調
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
ウラディミール・ユロフスキ(指揮)
エイジ・オヴ・インライトゥメント管弦楽団
 ついに出た。
 2年前にHYEPRIONの社長と話しているときに「出る」らしいとは聞いていた超ド級の新録音。
 今人気絶頂の妖精と、ようやくその真価が世間に知られ始めた天才指揮者の夢の共演。店主にとっては今年最大の期待作。


 ロシアに舞い降りたヴァイオリンの可憐なる妖精アリーナ・イブラギモヴァ。
 2011年来日時のインタビューで予告され、早くから大きな期待が寄せられてきた超強力新譜、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲集」がいよいよ登場!
 "モダン・アプローチ"と"ピリオド・アプローチ"の両方に精通するイブラギモヴァが、"ピリオド・アプローチ"のメンデルスゾーンで共演するのは、ロシア指揮界の雄ウラディミール・ユロフスキとエイジ・オヴ・インライトゥメント管弦楽団!
 イブラギモヴァ、ユロフスキ、OAE、ピリオド・アプローチ、437Hzのピッチが織り成すドイツ・ロマン派の傑作中の傑作「ホ短調Op.64」とメンデルスゾーン若き日の秀作「ニ短調(1822)」。
 新世代の天才たちの愉悦感に満ちたメンデルスゾーンに期待せずにはいられない。大ブレイク間違い無し!

※録音:2011年9月2日−4日、ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン)


ARTE VERUM

ARV 011
\2500→\2290
バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)
 ブラームス:歌曲集

  (1)われらはさまよい歩いたop.96-2
  (2)昔の恋op.72-1 (3)おとめは語るop.107-3
  (4)私の眠りはますます浅く鳴り op.105-2
  (5)わたしの恋は緑にもえop.63-5 (6)永遠の愛についてop.43-1
  (7)死は冷たい夜op.96-1 (8)セレナード op.106-1
  (9)おとめの歌op.107-5 (10)夏の夕べ op.84-1
  (11)花の環 op.84-2 (12)愛のまこと op.3-1
  (13)狩人op.95-4 (14)森に囲まれた丘からop.57-1
  (15)おまえがほほえみさえすればop.57-2
  (16)私は夢を見た op.57-3 (17)ああ、その目をそらしてop.57-4
  (18)動かぬなまぬるい空気op.57-8 (19)恋人を尋ねて op.48-1
  (20)甲斐なきセレナード op.84-4
  (21)低音のための5つのリート op.105-1
  (22)サラマンドラ(火とかげ)op.107-2 (23)アグネスop.59-5
  (24)テレーゼ op.86-1 (25)野の寂しさop.86-2
  (26)子守歌op.49-4 (27)便りop.46-1
バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)
ローランド・ペンティネン(ピアノ)
 ソプラノの名花、ヘンドリックスが濃密に紡ぐブラームスの珠玉の歌曲集

 録音:2002 年3 月4-7 日/ 2007 年10 月30 日 ロイヤル・アカデミー・ホール・オブ・ミュージック(ストックホルム)

 ソプラノの名花、ヘンドリックスの最新盤はブラームスの歌曲集。シューマンやヴォルフらが、比較的集中した時期に歌曲を作曲したのに比べると、ブラームスは、生涯にわたってコンスタントに歌曲を書き続けたといえるでしょう。ヘンドリックスは近年シューマン、シューベルト、ベートーヴェンなど、ドイツ歌曲の道を深めていますが、ここでも、パートナーである名手ペンティネンの素晴しいピアノ・パートを得て、充実の内容と、曲ごとに非常に集中した濃密な雰囲気で聴かせます。

ATMA



ACD2 2639
\2000→\1890
ヤニック・ネゼ=セガン(指)&モントリオール・メトロポリタン管
 ブルックナー:
  交響曲第6番イ長調(ハース版1935)

   第1楽章(14:23)
   第2楽章(17:26)
   第3楽章(8:08)
   第4楽章(13:59)
ヤニック・ネゼ=セガン(指)
モントリオール・メトロポリタン管弦楽団
 ヤニック・ネゼ=セガンによるブル6、新時代のブルックナーを感じる快演!

 録音:2012 年12 月メゾン・サンフォニーク・ド・ モントリオール、ケベック

 カナダの俊英ヤニック・ネゼ=セガンとモントリオール・メトロポリタン管によるブルックナー・シリーズ。ネゼ=セガンは2013 年2 月のロッテルダム・フィルとの来日時でも、その才能と独創性で聴衆を圧倒しました。
今回は交響曲第6 番。録音や演奏回数は他の交響曲に比べると少ない作品ですが、ブルックナー中期の傑作と言えるでしょう。
 ネゼ=セガンの演奏は、トータル54 分弱と速めのテンポで、これまでの4 番、7 番、8 番、9 番の悠然とした演奏と比べると、一筆書きのような勢いのある快演となっております。第1 楽章では金管が良く響き、深い音色の弦が細部まできちんと描いていきます。また第2 楽章の美しいアダージョは艶がある官能的な音楽を紡ぎ出しています。ブルックナーらしいスケルツォの第3 楽章は強弱のコントラストが見事。そしてフィナーレでは、生き生きと曲が展開していき、コーダにむかう集中力の高まりが素晴らしく、最後までじっくりと聴くことのできる演奏。
 ネゼ=セガンの独特のバランス感覚が良く表れた1 枚です。
 


ANM1 20900001
\2500→\2290
タンゴの響き美しき現代作曲家、クトゥノウスキー作品集
 クトゥノウスキー:
 (1)フルートとピアノのための「熱狂的な時間のうちに」
 (2)独奏フルートのためのタンゴ・スタイルによる12のエチュード 
 (3)クラリネットと弦楽四重奏のための「海にある塔」
 (4)独奏ピアノのための「見事に変貌したクラヴィーア」よりサラバンド
 (5)独奏ピアノのための「ピーター・エンバーレイの夢」
ベルトラン・ジロー(Pf)
フレデリック・シャトゥー(Fl)
アレクサンドル・シャボ(Cl)
モンティセリ四重奏団
 
 録音:2012 年1 月、サン・マルセル教会(パリ)

 マルタン・クトゥノウスキー(1968*)は、アメリカ、ヨーロッパ、日本、南米にわたり世界的に活躍する現代作曲家。スペインやアルゼンチンの音楽を取り入れた作品を多く手掛け、マルタ・アルゲリッチやミネソタ交響楽団など名だたる演奏家たちによって初演が行われています。スペインの詩人グスタボ・ベッケルの詩をモチーフにした「熱狂的な時間のうちに」と、イギリスの民謡にインスピレーションを受けたという「ピーター・エンバーレイの夢」は、2011 年に作曲されたばかりの新作。前者はベルトラン・ジローとフレデリック・シャトゥー自身が初演を担当したものになります。独奏フルートの「12のエチュード」は、ピアソラ・タンゴを思わせる曲調で、タンゴを好むクトゥノウスキーらしい作品といえましょう。エチュードらしく、随所に技巧的な旋律が散りばめられ、名手シャトゥーの妙技が光ります。いずれの作品もどこかロマン派的、あるいは印象派的な響きを思わせる抒情的なハーモニーが美しく、艶やかな旋律の数々に魅入られます。ここまで本格的にクトゥノウスキーの作品のみを収録したアルバムは未だ少なく、彼の作品を聴き始めるにはぴったりな希少盤と申せましょう!

 ベルトラン・ジローはアンドラーシュ・シフ、ブルーノ・カニーノらに師事、その後数々の音楽祭に出演、近年はジャン・フランセ国際音楽コンクールの芸術監督を務めるなど後進の才能の発掘にも尽力している。

APARTE


Art Nouveau: Songs by Strauss, Zemlinsky, Ravel, Respighi
AP 054
\2500→\2290
テオドーラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
 アール・ヌーヴォーの歌曲集

  R.シュトラウス:おとめの花op.22(全4曲)
  6つの歌op.67より第1部オフィーリアの歌(全3曲)
  ツェムリンスキー:
   トスカーナ地方の民謡によるワルツの歌op.6(全6曲)
  ラヴェル:
   5つのギリシア民謡(全5曲)、
   愛に死せる女王のためのバラード、夢、花のマント、トリパトス
  レスピーギ:森の神々(全5曲)
テオドーラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
ヨナタン・アネル(ピアノ)
 テオドーラ・ゲオルギューが織り上げるアール・ヌーヴォーの歌曲のタペストリー

 録音:2012 年12 月/スイス

 ルーマニア生まれのソプラノ、テオドーラ・ゲオルギューAPARTE レーベルの第2 弾は、アール・ヌーヴォーの歌曲集。アール・ヌーヴォー(あるいはユーゲントシュティール)は世紀末頃のヨーロッパ全土に広まっていた現象で、ゲオルギューはヨーロッパ各国のアール・ヌーヴォーを彷彿とさせるような歌曲を集めたかったと語ります。その中でも核となるのは、ゲオルギューが敬愛してやまないR. シュトラウスの作品。R. シュトラウスの「おとめの花」は、ユーゲントシュティール(ドイツにおけるアール・ヌーヴォー)のスタイルを予感させる詩人、F. ダーンの詩によるものです。ほかの作品も、ゲオルギューの美しい言葉の粒立ちを堪能できる出来栄え。世界的室内楽ピアニスト、ヨナタン・アネルの美しいピアノも光ります。さらに、ミュシャの絵画を思わせるジャケットのアートワークも印象的な1枚です。


旧譜
注目のソプラノ、テオドーラ・ゲオルギュー
APARTE第1弾 初のアリア集
Arias for Anna de Amicis
AP 021
\2500→¥1990
テオドーラ・ゲオルギューの初アリア集!
 アンナ・デ・アミチスのためのアリア集
  バックはルセとレ・タラン・リリク!!
 ヨンメッリ:「棄てられたアルミーダ」−哀れなアルミーダ
 モーツァルト:
  「ルーチョ・シッラ」−
   ああ、いとしい人の恐ろしい危険を思うと,私は行く、
   急いで,不吉な死の思いの中で,暗い岸から
 グルック:「オルフェオとエウリディーチェ−なんと過酷な瞬間
 ボルギ:「クレリアの勝利」−災いに多大な力を
 ミスリヴェチェク:
  「ロモロとエルシーリャ」−
   あなたは私を驚かせたいのですか,あなたが勝利すれば
 J.C.バッハ:「ザナイダ」−棄てられたキジバト
 カファーロ:「アンティゴノ」−もし稲光がし  ほか
テオドーラ・ゲオルギュー(S)
クリストフ・ルセ(指)
レ・タラン・リリク
ウィーンで人気急上昇中!テオドーラ・ゲオルギューの初アリア集バックはルセとレ・タラン・リリク!!

77'14

 注目の新星が登場です。テオドーラ・ゲオルギューはルーマニア生まれのソプラノ。様々なコンクールを受賞した後、2003 年にウィーン国立歌劇場にデビュー、2007 年から2010 年まで同歌劇場のメンバーとして多数の公演に出演し人気を高めました。レパートリーは比較的広く、中でもモーツァルトのソプラノとして評価されています。上り坂にある若い歌手ならではの魅力がたっぷりです。
 今回、初めてのアリア集がリリースになります。このアルバムは「アンナ・デ・アミチスのためのアリア集」と題されています。アンナ・デ・アミチス(1733頃−1816)は、18 世紀後半にヨーロッパ各都市で広く活躍したプリマドンナ。1772 年、ミラノでのモーツァルト「ルーチョ・シッラ」初演でジューニャを歌ったことで知られています。ここにはその「ルーチョ・シッラ」を始め、彼女の得意としたオペラのアリアが集められています。ジョヴァンニ・バッティスタ・ボルギ(1738 −1796)やパスクワーレ・カファーロ(1715 −1787)の作品は特に珍しいもの。
バックは、なんとクリストフ・ルセが指揮するレ・タラン・リリク。こちらも要注目です。

 

AP 052
\2500
トランペット界の新星ロマン・ルルー
 オン・ザ・ロード

  (1)バルトーク:ルーマニア民族舞曲
  (2)チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
  (3)ハチャトゥリャン:剣の舞
  (4)ルグラン:5時から7時のクレオ〜サン・トワ
  (5)プーランク:ワルツの調べ〜愛の小道
  (6)アルバン:ベッリーニのノルマに基づくファンタジー
  (7)チャップリン:スマイル(モダン・タイムス)
  (8)ピアソラ:オブリビオン、コントラスト、リベルタンゴ
  (9)アーレン:オーバー・ザ・レインボウ
  (10)ロータ:道
ロマン・ルルー
 (トランペット、コルネット、
  ビューグル、ピッコロ・トランペット)
アンサンブル・コンヴェルジェンス
 (弦楽五重奏)
 ロマン・ルルー、弦楽アンサンブルを率いてクラシック・映画の名曲を華麗に吹きまくる!

 録音:2012 年12 月3-6 日/パリ

 エリック・オービエのもとで学んだ実力派、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭でも何度か来日のある若手新星トランペット奏者、ロマン・ルルーの最新盤はクラシックや映画の名曲集。弦楽五重奏アンサンブルを率いて、バルトークの力強さ、アンダンテ・カンタービレでの甘い音色、「オーバー・ザ・レインボウ」での切々とした歌心、そして「道」のなんとも渋みの効いた音色は絶品です。
 
AP 050
\2500→\2290
マーラー& ドビュッシーの初期歌曲集
 マーラー:『若き日の歌』より 
  1. 春の朝 2. 思い出 3. ハンスとグレーテ
  4.ドン・フアンのセレナード 5.ドン・フアンの幻想 
 ドビュッシー:
  6. 夢想 7. 祈願 8. リラ 9. セレナード
  10. スペインの歌 11. ばら 12.華やかな宴 
 マーラー:
  13. 私は緑の森を楽しく歩いた 14. 夏に小鳥はかわり
  15.別離と忌避
 ドビュッシー:
  16. 星月夜 17. 弓 18. 月の光 19. ピエロ
  20. 後悔 21. アリエルのロマンス 22.出現
 23. マーラー:『子供の魔法の角笛』より この世の生活
ジュリー・フュシュ(S)
アルフォンス・スマン(Pf)
 フランス期待の新星、フュシュによるマーラー& ドビュッシーの初期歌曲集

 録音:2012 年8 月27-30日、サン・ピエール教会(パリ)

 フランス期待の新星ソプラノ、ジュリー・フュシュによるマーラー& ドビュッシー歌曲集。
二人の大家がまだうら若き学生であった頃、1880-1892 年頃に作曲した歌曲の数々が収録されています。『若き日の歌』を中心に、ドビュッシーもまだパリ音楽院の学生だった1880 年代に作曲されたものを中心に収録。「月の光」や「ばら」といった代表作に加え、近年自筆譜が発見されたばかりという「スペインの歌」も収録しています。
 初期作品集ではありますが、聴き応えは十分。2009 年に本格的なデビューを果たしたばかりのフュシュですが、若さあふれる瑞々しい声色と共に、全体的に重心を据えた安定感のある歌唱で聴かせてくれます。高音の煌びやかさはもちろんのこと、中低音のふくよかな伸びも魅力的。歌曲に合わせて鮮やかに声色を変える表現力も聴きどころです。伴奏を担当するアルフォンス・スマンはパリのコンセルヴァトワール卒の若手実力派。すでに数々の音楽祭に引っ張りだこで、2012 年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで松山冴花と共演し、注目を集めました。フュシュとはすでに多く共演しており、2013 年もリサイタルを共にする予定。息の合ったアンサンブルで、フュシュの歌声を支えています。




ARTE DELL’ARCO JAPAN

ADJ 035
\2600→\2390
菅きよみ、鈴木秀美、若松夏美、成田寛
 モーツァルト:フルート四重奏曲

  [ 第1番 ニ長調 K.285
   第2番 ト長調 K.285a
   第3番 ハ長調 K.Anh.171(285)
   第4番 イ長調 K.298 ]
菅きよみ(フルート)
若松夏美(ヴァイオリン)
成田寛(ヴィオラ)
鈴木秀美(チェロ)
 木の温もり、輝き、溶け合う響き!これぞ“木管”であるフルート本来の音色、名手菅きよみと鈴木秀美、若松夏美、成田寛によるモーツァルトのフルート四重奏曲集

 録音:2011 年9 月8&9 日、稲城市立i プラザ/DDD

 チェロ奏者でオーケストラ・リベラ・クラシカの主宰である鈴木秀美のレーベル、アルデ・デラルコ・ジャパンからまたも注目のアルバムが登場!
 それは『世に最もよく知られた室内楽』の一つであるモーツァルトのフルート四重奏曲です。フルートを担当したのはOLC、BCJ 等の数々のソロで聴衆を魅了してきた菅きよみです。
  この録音で用いられている楽器はモーツァルトの時代と同じ1 キーのフルート、つまり届かない右小指の分にだけキーと呼ばれる指穴カバーがあり、それ以外は指穴そのままの、木管のフルートです。弦楽四重奏曲のように繊細で緻密な雰囲気をもつこのフルート四重奏曲は、オリジナル楽器を用い、当時の奏法を考えて演奏したときに比類なく高まります。鈴木秀美、若松夏美、成田寛と共に醸し出す、味わい深く温かく、透徹した演奏はこれらの曲がもつ雰囲気と絶妙な音色を聴かせてくれます。周知の名曲に新たな光を投げかける1 枚、注目です!

 菅きよみ(フルート)
 10 歳より、リコーダーとフルートを若林正史に師事。16 歳より、フラウト・トラヴェルソを有田正広に師事し、1992 年、桐朋学園大学音楽学部古楽器科卒業。又、94 年、同大学研究科修了。ブリュッセル王立音楽院にて、フラウト・トラヴェルソをバルトルド・クイケン、マルク・アンタイの各氏に師事し、98 年同大学院をグラン・ディスティンクションで卒業。99 年夏、ブルージュ古楽コンクールにて3 位入賞。ラ・プティット・バンド、アニマ・エテルナ等に参加。2007 年に帰国、BCJ、OLC をはじめ活発な活動を展開している。




ATMA


ACD2 2645
\2000
J.S.バッハ:フーガの技法BWV1080
 (1)コントラプンクトゥス 1 (2)コントラプンクトゥス 2
 (3)コントラプンクトゥス 3 (4)コントラプンクトゥス 4
 (5)コントラプンクトゥス 5
 (6)コントラプンクトゥス 6(フランス様式による4声)
 (7)コントラプンクトゥス 7(拡大と縮小による4声)
 (8)コントラプンクトゥス 8
 (9)コントラプンクトゥス 9(12度の転回対位法による4声)
 (10)コントラプンクトゥス 10(10度の転回対位法による4声)
 (11)コントラプンクトゥス 11 (12)コントラプンクトゥス 12a
 (13)コントラプンクトゥス 12 (14)コントラプンクトゥス 13a
 (15)コントラプンクトゥス 13b(4声による鏡像フーガ)
 (16)反復系の拡大によるカノン
 (17)オクータヴのカノン
 (18)3度の対位による10度のカノン
 (19)5度の対位による12度のカノン
 (20)コントラプンクトゥス 14(未完)
レ・ヴォワ・ユメーヌ(ヴィオール・アンサンブル)
マーガレット・リトル(パルドゥシュ)
メリザンド・コリヴォー(ドゥシュ&アルト)
フェリックス・ディーク(テノール・ヴィオール)
スージー・ナッパー(バス・ヴィオール)
 18 世紀初頭に流行したヴィオール、パルドゥシュを用いたヴィオール合奏によるフーガの技法

 ヴィオール・アンサンブル、レ・ヴォワ・ユメーヌによるバッハの傑作「フーガの技法」。この楽曲は楽器指定がないため、これまで様々な編成で演奏されてきました。このヴィオール四重奏による演奏は、対位法の核となる形がはっきりと浮かび上がり、声部の見分けも明瞭で、音楽が自然に流れていきます。ヴィオールの溌剌とした躍動感も魅力的。マーガレット・リトルが演奏するヴィオールはパルドゥシュ。ヴィオラ・ダ・ガンバ族の中でも高音域で小型のヴィオールで18 世紀初頭フランスで登場しました。一方メリザンド・コリヴォーの演奏するドゥシュ(トレブル)はパルドゥシュ登場以前からある高音域のヴィオール。パルドゥシュ登場前のヴィオール合奏はドュシュ、バス、テノールでしたが、ドゥシュより高音域のパルドゥシュが加わったことで、より一層表現の幅が広がりました。
 ヴィオールの表情豊かな音色とバッハの巧妙な音楽の仕掛けを楽しむことのできる1 枚です。
 
ACD2 2652
\2000
エルンスト・エルダー(1853-1904):フランス・オペラ室内楽編曲集
 サムソンとデリラ(サン=サーンス)、
 ミニョン(トマ)、ポルティチの唖娘(オベール)、
 プロエルメルの許し(マイアベーア)、
 ユグノー教徒(マイアベーア)、
 ル・シッド(マスネ)、ウェルテル(マスネ)
トリオ・オシュラガ
 【アンヌ・ロベルト(Vn)、
  ポール・マーリン(Vc)、
  ステファン・ルムラン(Pf)】
 編曲名人エルンスト・エルダー、フランス・ロマンティック・オペラを美しく描く

 これまで隠れた名曲を数々録音してきたカナダのトリオ・オシュラガ。今回はスイスの作曲家兼指揮者であるエルンスト・エルダーを取り上げます。現在エルダーは音楽史上忘れ去られてしまっていますが、大変優れた音楽家であり特に弦楽四重奏のための編曲もので才能を発揮していました。彼自身の作品は合唱と管弦楽曲、そしてピアノのためのサロン音楽を多く書き、当時人気でありました。とは言うもののロマンティック・オペラの編曲者としての秀でた彼の才能は、このトリオ・オシュラガの演奏によって再確認されることになるでしょう。ここに収録されている作品は、「ユグノー教徒」、「ミニョン」、「ウェルテル」そして「サムソンとデリラ」のような19 世紀フランス・オペラ・アリアの編曲。幾つかの編曲はピアノ・ソロか2 台ピアノのための作品でしたが、エルダー自身の興味がトリオへと向いた時期があり、ピアノやフルートを加えたトリオ編成の曲も多く書かれています。1894-95 年には「ウェルテル」と「ミニョン」を含む編曲が入った楽譜コレクション「オペラ・コンチェルタント」が出版。このコレクション・シリーズの販売は成功し、エルダーの死後もレオン・ロケ、アンリ・ムートン、エミール・タヴァンらによって継続していました。
 2000年に結成されましたトリオ・オシュラガですが、2012年夏にチェロのポール・マーリンとピアノのステファン・ルムランが脱退し、この録音がオリジナル・メンバーでの最後となりました。
 

ACD2 2626
\2000
ヨハン・ゴットリープ・ヤニチュ:室内ソナタ第3集
 室内ソナタ ハ長調Op.1-5
 室内ソナタ ト長調Op.4-1
 室内ソナタ ハ短調Op.7-5
 室内ソナタ ハ短調Op.7-5
 室内ソナタ変ロ聴と湯Op.3-1*
 室内ソナタ ニ長調「エコー」Op.5-1
  *世界初録音
ノットゥルナ
 【クリストファー・パラメータ
  (オーボエ、オーボエ・ダモーレ、指揮)、
  ワシントン・マクレイン
  (オーボエ、オーボエ・ダモーレ)、
  ミカ・パターマン(フラウト・トラヴェルソ)、
  エレーヌ・プラウフ(ヴァイオリン)、
  スコット・ウールウィーヴァ(ヴィオラ)、
  カレン・カデラヴェク(チェロ)、
  エリン・エリアール(チェンバロ)】
 「ノットゥルナ」によるヤニチュの室内ソナタ全3 巻によるプロジェクトの最終巻。ヤニチュはシュヴァイトニツ(=シレジアは、現在のポーランド南西部からチェコ北東部の地域)生まれ。1736 年に皇太子フリードリヒ(後のフリードリヒ大王)の私設楽団の一員となり、その後ラインスベルクに移り有名な「金曜アカデミー」を開始。1740 年にフリードリヒ即位に際して再結成された楽団のコントラヴァイオリン奏者として活躍し、ベルリンで生涯を送りました。ヤニチェの作品は華やかで優美なギャラント様式で書かれており、この室内ソナタでは意外な楽器の組み合わせによって、斬新で色彩感に富んだ音色を生み出しています。
 18 〜 19 世紀の作品のスペシャリスト達が集結した古楽アンサンブル、「ノットゥルナ」。オーボエ奏者のクリストファー・パラメータを中心に、新しいレパートリーを開拓しています。
 

ACD2 2672
(2CD)
\3600
レーモンド・マリー・シェーファー(1933-):
 弦楽四重奏第9番(2005)
 弦楽四重奏第10番「冬の鳥」(2005)
 弦楽四重奏第11番(2006)
 弦楽四重奏第12番(2012)
 弦楽四重奏第8番(2000-2001)
モリナーリ弦楽四重奏団
 〔オルガ・ランゼンホファー(Vn)
  フレデリック・ベッドナーズ(Vn)
  フレデリック・ランバート(Va)
  ピエール=アラン・ブヴレ〕
 「サウンドスケープ」の提唱者シェーファーの弦楽四重奏曲

 カナダを代表する現代音楽の作曲家レーモンド・マリー・シェーファー。「サウンドスケープ」の提唱者として知られ、音の環境をあらゆる側面にわたって総合的に見据える概念を広めた人物です。モリナーリ弦楽四重奏団は1997 年の結成当初からシェーファーの作品をレパートリーとしており、ここでは最新曲を含む第8 〜第12 番の弦楽四重奏曲を録音しています。第8 番は以前リリースしていた音源(ACD2 2201) からの収録です。シェーファーの作風はガリガリの前衛音楽ではなく、風景と環境の音を音楽として表現しており、独特の美しさを湛えた作品です。
 
Poulenc: Chamber Music
ACD2 2646
\2000
プーランク:室内楽作品集
 管楽器とピアノのための六重奏曲FP100
 フルート・ソナタFP164
 ホルンとピアノのためのエレジーFP168
 クラリネット・ソナタFP184
 ピアノ、オーボエとバスーンのための三重奏曲FP43
 ノヴェレッテ
ペンタドル
デイヴィッド・ジャルベール(P)
 没後50 年プーランクの室内楽作品、カナダの管楽五重奏ペンタドルが色鮮やかに奏する

 録音:2010 年10 月ケベック

 2013 年没後50 年を迎えるフランシス・プーランク。フランス6 人組の一人であり生粋のパリジャンであったプーランクの洗練さと洒脱さを表現した室内楽作品の傑作を収録しています。演奏は冬の旅の室内楽版(ACD2 2546)で注目を集めた管楽五重奏団のペンタドルとカナダの若手ピアニスト、デイヴィッド・ジャルベール。
 ペンタドルの持ち味である表情豊かなアンサンブルが、プーランクのユーモアと独特の美意識を十分に楽しませてくれるアルバムです。



 

Koechlin, Tournemire & Breville: Viola Sonatas and Suites
ACD2 2519
\2000→\1890
ヴィオラ作品集〜ソナタ&組曲
 ブレヴィル(1861-1949):ヴィオラとピアノのためのソナタ*
 ケクラン(1867-1950):ヴィオラとピアノのためのソナタOp.53
 トゥルヌミール(1870-1939):3つの組曲Op.11*
  * 世界初録音
スティーヴン・ダン(Va)
ジェームズ・パーカー(P)
 フランスの知られざるヴィオラの名曲

 録音:2011 年5 月

 ドビュッシーやラヴェルらと同時代で、フランス近代音楽史に埋もれがちな作曲家3 人ケクラン、トゥルヌミール、ブレヴィルのヴィオラ作品集。
 3 人の中でも最も演奏される機会の少ない作曲家ピエール・ド・ブレヴィル。彼は外交官としてのキャリアが用意されていましたが音楽への情熱が抑えられず、その道の勉強を断念し19 歳の時にパリ音楽院に入りテオドール・デュボアに学びました。しかしセザール・フランクの作曲コースから外されしまい、20 歳からの3 年間ヨーロッパ各地を旅して、ワーグナー、リスト、ブルックナー、グリーグらと面会、彼の音楽人生に影響を与えます。その後の経歴は37 歳(1898-1902)の頃にはスコラ・カントルム音楽院で対位法を教え、53 歳(1914-1918)でパリ音楽院の室内楽作曲コースで教鞭をとり、ヴァンサン・ダンディによって設立されたセザール・フランク音楽院の創立者の一人として名を連ねています。またフランクの未完のオペラ「ジゼル」の補筆にも携わっています。そして評論家としてフランクの伝記を出版し音楽界で多方面に活躍しました。作曲家としてはオペラ、バレエ、105 の歌曲、合唱、5つのピアノ・ソナタ、そして様々な楽器のためのソナタを残しています。ここに収録されているヴィオラ・ソナタは、ロマン的な響きが美しくヴィオラの美質を存分に表現しています。
 ケクランのヴィオラ・ソナタは4楽章形式で3つの中で最も規模の大きな作品。神秘的な響きでケクラン独特の瞑想的な雰囲気が感じられる曲です。またトゥルヌミールはフランクとメシアンに教えを受け、師匠フランクと同様ドイツ・ロマン派の影響を受けつつ、フランスの響きを湛えた作風。この3 つの組曲は、彼が27 歳の時の作品。生き生きとした躍動感溢れるメロディーが印象的な曲です。
 演奏はバンクーバー出身のスティーヴン・ダン。使用楽器は1780 年製作の名器ガリアーノ。



 
Brady: Symphony No. 3 'Atacama'
ACD2 2676
\2000
ティム・ブレディ(1956-):
 交響曲第3番「アタカマ」(2007-2012)

  (合唱と11の楽器のための)
ブレディワークス、
ヴィヴァヴォーチェ、
ペーター・シューベルト(指)
ティム・ブレディ(エレクトリック・ギター)
エリアス・レテリエル・ルス(テキスト)
 カナダのマルチメディア・コンポーザー、ティム・ブレディ、悲哀に満ちたチリの歴史を描いた大作

 録音:2012 年6 月

 ティム・ブレディは1956 年モントリオール出身の作曲家、ギタリスト、プロデューサー。彼はこれまでオペラ、交響曲そしてエレクトリック・ギターのための作品を100 曲以上作曲し、19 枚のCDを発売しています。現代音楽の作曲家でもあり、またマルチメディアを使ったエレクトリック・ギターや、彼の作品を紹介するアンサンブル、ブレディワークスを1989 年に創設し、積極的に演奏活動を行っています。
 ここに収録されている交響曲第3 番「アタカマ」は彼の最新作。スペイン語の歌詞で歌われる合唱を伴った6 つの楽章からなる交響曲です。詞の内容はチリのピノチェット時代の恐怖政治について歌ったもの。タイトルの「アタカマ」はチリのアンデス山脈と太平洋の間にある砂漠で、そこから採掘される鉱床をめぐってペルーとボリビアは大規模な戦争を起こしています。またその険しさから「死の道」ともいわれるこの地には、採掘夫やピノチェット時代に政治犯として殺害された人々の遺体が埋まっている場所もあります。しかし一方で世界一乾燥した土地とも言われ、世界中から美しい星空を求めて天文学者が集まる光の地でもあります。曲はそのような残忍さの中にある一筋の希望を表すかのような内容で、第1 〜第5 楽章はエレクトリック・ピアノ、ギター、マリンバ、などの響きが教会音楽をイメージさせるアンビエントな曲調。終楽章は組曲のような形式で独特の音楽語法で感情的でドラマティックな音楽が展開される刺激的な曲です。
 


ACD2 2660
\2000→\1890
ヨハン・ローゼンミュラー(1617-1684):
 2、3、4、あるいは5つの弦楽器とその他の楽器による12のソナタ集
  (1682)

   1.ソナタ第10番(5声)ヘ長調/2.ソナタ第9番(5声)ニ長調/
   3.ソナタ第8番(4声)変ロ長調/4.ソナタ第1番(2声)ト短調/
   5.ソナタ第7番(4声)ニ短調/6.ソナタ第6番(3声)ヘ長調/
   7.ソナタ第4番(3声)ハ長調/8.ソナタ第5番(3声)ト短調/
   9.ソナタ第3番(2声)ニ短調/10.ソナタ第11番(5声)イ長調/
   11.ソナタ第2番(2声)ホ短調/12.ソナタ第12番(5声)ニ短調
アンサンブル・マスク
オリヴィエ・フォルタン(Cemb)
 波乱万丈な生涯で花開いた才能が結実したローゼンミュラーのソナタ集

 録音:2011 年11 月

 ドイツ中期バロックの重要な作曲家ローゼンミュラーはドイツに生まれ、聖ニコライ教会のオルガニストとして活躍。聖トマス教会のカントルに内定していましたが、当時は禁忌とされた趣味の嫌疑で職を追われ逮捕、投獄されてしまいます。その後脱獄し、ヴェネツィアに逃亡しイタリアで活躍しましたが、晩年はドイツに戻りヴォルフェンビュッテルの宮廷楽長に就任、その地で波乱万丈な人生を終えています。この12 のソナタ集は晩年の作品で、ドイツでの復職に尽力してくれたウルリッヒ公に捧げられています。
 この12 のソナタ集は斬新な主題設定や情緒豊かな旋律のローゼンミュラーの才能が結集した作品です。

AUDITE


AU 91668
(2SACD HYBRID)
\4400
トリオ・テストーレ
 ブラームス:ピアノ三重奏曲全集

 [CD1]
  (1)第1番 ロ長調op.8(1889年改訂版)
  (2)第2番 ハ長調op.87 
 [CD2]
  (1)第1番 ロ長調op.8(1854年初稿版)
  (2)第3番 ハ短調op.101
トリオ・テストーレ
 {フランチスカ・ピエッチ(Vn)、
  ハンス・クリスティア・シュヴァイカー(Vc)、
  ヒョンジョン・キム=シュヴァイカー(Pf)}
 結成10年を過ぎた実力派三重奏団、トリオ・テストーレによるブラームスのトリオ全集、第1 番の初稿版と改訂版を同時収録した注目盤!

 録音:2011 年10 月17-20 日、イエス・キリスト教会(ベルリン)/[CD1]68’17”、[CD2]71’28”

 結成から10 年を過ぎ、ますます円熟のアンサンブルを見せているピアノ三重奏団「トリオ・テストーレ」によるブラームスのピアノ三重奏曲全集。高音質SACD ハイブリッド盤でのリリースです。ハイドンからピアソラに至る幅広いレパートリーの中でも、とりわけベートーヴェン、ブラームスといった19 世紀ドイツ音楽を得意とする団体だけに、満を持しての全集発売といえましょう。特に注目されるのは、彼らが第1 番の初稿版と改訂版の両方を収録していること!1853-54 年にかけて作曲された第1 番は、初演から35 年も経った1889 年に改訂がなされました。ブラームスの作品の中で初版と改訂版の2 版が現存する作品はわずかですが、現在では専ら改訂版の使用が主流であり、初版の演奏に触れる機会は多くありません。第2 楽章以外の楽章で第2 主題を入れ替えているほか、曲の展開を刷新するほどの思い切った改変が加えられており、改訂というよりも新たに“作曲” したといってもいいほどです。交響曲や室内楽曲の主要な作品を生み出した時期を挟んで作られた2 つの版を聴き比べることで、初期から晩年期にかけて円熟していく作風の遷移が強く感じられます。トリオ・テストーレの演奏は骨太で力強く、ブラームスの重厚かつ抒情的な音楽を存分に聴かせてくれます。ピエッチの艶やかで毅然としたヴァイオリンの音色が特に印象的ですが、全体的に安定感のある堅実なアンサンブルを見せています。

 【トリオ・テストーレ】
 2000 年に結成された三重奏団。ヴァイオリニストのフランチスカ・ピエッチは11 歳でソロ・デビューを果たした早熟の名手で、1998 年から2002 年までヴッパータール響のコンミスを務めた後、2006 年から2010 年の間ルクセンブルク・フィルのコンミスを務めあげた逸材。チェロを担当するのはソ連の豪傑ペルガメンシコフの愛弟子、ハンス・クリスティア・シュヴァイカー。教育者としてもすでに活躍し、石坂団十郎をはじめ数多くの若手が師事を受けている。トリオの中では最も若手であるヒョンジョン・キム=シュヴァイカーも、2008 年ショパン国際ピアノコンクール in ASIA 第1 位に輝いた韓国期待の実力派。国籍も年代も三者三様のトリオだが、アンサンブルの一体感は折り紙つき。2011 年に室内楽の音楽祭Mai-Klassik を創始。団体名は、使用する弦楽器の制作者の名字がいずれも“テストーレ” であることに由来している。(ヴァイオリンは1751 年カルロ・アントニオ・テストーレ製、チェロは1711 年カルロ・ジョゼッペ・テストーレ製を使用)




AVANTI CLASSIC



5414706 10442
(SACD HYBRID)
\2700→\2490
ドミニク・コルビオ(C-T)
 アレッサンドロ・スカルラッティ:宗教&世俗歌曲集

 【オペラ】
  (1)『顔の取り違え』より シンフォニア※
  (2)『イル・チーロ』より「Auro, fonti」※
  (3)『気まぐれな愛と暴君』より「Quanto grata a questo core」※
  (4)同劇よりシンフォニア※
  (5)同劇より「Come di fronda in fronda」※
  (6)歌劇『イル・チーロ』より「Quel che piace」※
  (7)『グリゼルダ』より「愛をはこぶ鳩よ」
 【オラトリオ】
  (8)『ダビデ』よりシンフォニア
  (9)『ジュディッタ』より「Dormi o fulmine di guerra」
  (10)『最初の殺人』より「神の声」の前のシンフォニア
  (11)同曲よりシンフォニア
  (12)『悲しみの聖母』より序曲
  (13)同曲より「Col suo flebil mormorio」
 【セレナータ】
  (14)「ヴェヌス、アモルと理性」よりシンフォニア※
   ※ 世界初録音
ドミニク・コルビオ(C-T)
ミシェル・クストゥルマンス(指揮)
ラ・チェトラ・ドルフェオ
 カウンターテナー界が誇る俊英ドミニク・コルビオ、A.スカルラッティの宗教&世俗歌曲集、高音質SACDHybrid 盤で愉しむ天上の歌声

 ベルギー期待の新星として1994 年にデビューを果たし、バロック・オペラ界で白眉の活躍を見せるカウンターテナー歌手、ドミニク・コルビオによるアレッサンドロ・スカルラッティの歌曲集。ドミニコ・スカルラッティの父であり、ベル・カントアリアの確立者ともいわれる大家が残したオペラ、オラトリオ、セレナータの3 つのジャンルの中から、珠玉の歌曲と器楽曲の数々が収録されています。世界初録音のものも多く含まれ、プログラムとしても聴き所満載の充実した内容となっておりますが、やはり本アルバムの最大の注目どころはコルビオの絶美の歌声!聴く人を暖かく包み込むような柔らかい声質と卓越した歌唱力によって、技巧的な装飾が目立つはずのアリアでも優雅な気品漂う仕上がりになっています。静謐なオラトリオでは、長音でもなおぶれることのない清澄な歌声をじっくりと堪能。クストゥルマンス率いる古楽器団体ラ・チェトラ・ドルフェオ(オルフェウスの竪琴)の伴奏も相まって、天上へと昇っていくような壮麗なハーモニーを生み出しています。高音質のSACDHybrid 盤でのリリースということで、響きの美しさを余すところなく堪能出来るのも嬉しい限りです!
 【ドミニク・コルビオ】
 ベルギー生まれ。幼少期にピアノ、フルート、チェロを学んだ後歌唱で才を発揮し、カウンターテナー歌手として1994 年にデビュー。世界各地のアンサンブル、オーケストラと共演を重ねながら研鑽を積む。2001 年にモンス音楽院、2003 年にブリュッセル音楽院を白眉の成績で卒業。幅広い音域と卓越した歌唱力を持ち、現在はバロック・オペラ界を中心に更なる躍進を遂げている。



 


5414706 10412
(2SACD HYBRID)
特別価格\3600→\3290
ロビー・ラカトシュ/ラ・パッション〜
 ライヴ・アット・シドニー・オペラ・ハウス

  Disc1:
   1. ロビー・ラカトシュ:ニュー・アライアンス
   2. ヴェチェイ:悲しみのワルツ
   3. ロシア民謡:ポーリュシカ・ポーレ
   4. ピアソラ:オブリビオン(忘却)
   5. ドゥナエフスキー:スターリー・ワルツ
   6. ヴァイヤ・コン・ディオス
   7. リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
   8. ピアソラ:チキリン・デ・バチン
   9. 長い道(悲しき天使)
   10. 黒い瞳のジプシー
   11. ロビー・ラカトシュ:SK パラフレーズ
   12. ひばり
  Disc2
   1. ブラームス:ハンガリー狂詩曲第5 番
   2. ヨージェフ・バログ:火の踊り
   3. ファッツ・ウォーラー:ハニーサックル・ローズ
   4. 2つのギター
   5. ミシェル・ルグラン:パパ、見守っていて
   6. 黒い瞳
   7. モンティ:チャルダーシュ
   8. ロビー・ラカトシュ:マラケシュの夜
   9. クエンタ・コンミーゴ
ロビー・ラカトシュ(Vn)
ロビー・ラカトシュ・アンサンブル
 【ラースロー・ボーニー(Vn)
  イェヌー・リステシュ(ツィンバロン)
  ラースロー・バログ(G)
  ラースロー・リステシュ(Cb)
  フランティシェク・ヤーノシュカ(P)】
 キング・オブ・ジプシー・ヴァイオリン、ロビー・ラカトシュ、シドニーっ子が熱狂したライヴ!真夏のシドニーにラカトシュ節が鳴り響く!

 録音:2010 年12 月シドニー・オペラ・ハウス/Disc1:77’07、Disc2:55’28

 ロビー・ラカトシュは、1965 年ハンガリーのジプシー・ヴァイオリンの名門の家系に生まれました。これまでに発売されたCDは、高い演奏技術とクラシックとジャズを融合させた独自の音楽性が注目を集め、聴く人を一瞬で魅了するコンサート・パフォーマンスでも人気を呼んでいます。最近では若手ヴァイオリニストの宮本笑里が、その卓越したテクニックと見事な音楽性を学ぶべく、ラカトシュを訪ねたテレビ番組が放映され再び注目をされています。
 このCDは、ラカトシュ率いるラカトシュ・アンサンブルが2010 年12 月にシドニー・オペラ・ハウスで行ったライヴ音源を2 枚組でたっぷり収録。1 枚目は「熊蜂の飛行」「オブリビオン」「悲しみのワルツ」などラカトシュの新しいプログラムを中心に構成されています。また2 枚目は「火の踊り」「チャルダーシュ」「黒い瞳」などラカトシュの十八番ともいえるレパートリーが収録されています。
 ラカトシュ独特の音楽スタイルと雰囲気がふんだんに盛り込まれ、真夏のシドニーを熱狂と興奮の渦に巻き込んだライヴを堪能することができるアルバムです。

BIS



BIS SA 1991
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
鈴木雅明(指)&バッハ・コレギウム・ジャパン
 J.S.バッハ:カンタータ全集Vol.53

  (1)第97番「わがなす、すべての業に」BWV97
  (2)第177番「われ汝に呼ばれる、イエス・キリストよ」BWV177
  (3)第9番「われらに救いの来たれるは」BWV9
ハナ・ブラシコヴァ(Sop)
ロビン・ブレイズ(A)
ゲルト・テュルク(Ten)
ペーター・コーイ(Bs)
鈴木雅明(指)
バッハ・コレギウム・ジャパン
 気を失うほど感動的!「惑星ソラリス」のテーマの原曲がBCJで聴ける

 [ 録音:2012 年2 月/神戸松蔭女子学院大学チャペル]/67’37”

 SACD ハイブリッド盤。BCJ のカンタータ第53 巻は後期の3 篇。注目は第177 番「われ汝に呼ばれる、イエス・キリストよ」で、この終曲の主題から同名の名作コラール前奏曲(BWV639) が生まれています。タルコフスキーの映画「惑星ソラリス」に使用されたことで、特別な思いを持つファンも多い作品の原曲を、BCJ の演奏で聴くことができるのは奇跡の喜び。BCJ の演奏も崇高の極みで、凄みさえ感じさせます。また、イザークの「インスブルックよさらば」をコラールに用いている第97 番「われらに救いの来たれるは」も絶品。バッハの魅力全開で、気を失わんばかりの美しさです。
 


BIS SA 1996
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ヴァンスカの新シベリウス交響曲シリーズ第2 弾
 シベリウス:
  (1)交響曲第1番ホ短調Op.39
  (2)同第4番イ短調Op.63
オスモ・ヴァンスカ(指)
ミネソタ管
 ゴージャスな響きと痛快なスピード感。ヴァンスカの新シベリウス交響曲

 [ 録音:2012 年5・6 月/ミネアポリス・オーケストラ・ホール]/74’10”

 SACD ハイブリッド盤。第1 集(2 番&5 番 BISSA.1986)に続くヴァンスカの新シベリウス交響曲シリーズ第2 弾は、1 番&4 番。約20 年を経ての再録音ですが、SACD の高音質もあいまってヴァンスカの円熟ぶりに驚かされます。ミネソタ管の技術の高さとゴージャスな響きで、ラハティ響との旧録音とは別の作品のように聴こえます。ことに第1 番のスピード感と迫力はカッコ良く痛快の極み。21 世紀のシベリウス交響曲像の出現と申せましょう。


ヴァンスカの新シベリウス交響曲第1弾

BIS SA 1986
(SACD HYBRID)
\2600→¥2290
シベリウス:
 (1)交響曲第2番ニ長調Op.43
 (2)同第5番変ホ長調Op.82
オスモ・ヴァンスカ(指)
ミネソタ管弦楽団
[ 録音:2011 年6 月/オーケストラ・ホール(ミネアポリス)] 78’04”

SACD ハイブリッド盤。

 新天地で好発進したヴァンスカは、BISから次々と新録音をリリース。代表的なところではベートーヴェンの交響曲全集、さらにブルックナーの交響曲第4番(2004年に出版されたコーストヴェット版でした)。ちょっと美しく整えられすぎているところもなくはないが、いずれも非常に高く評価された。
 そして着々と地盤を固めていたヴァンスカが、ミネソタ管弦楽団と共に次に挑んだのが・・・まさかのシベリウス交響曲全集。2回目の。
 本当にいつもこの人には驚かされる。
 そして今回もその演奏を聴いてまた驚かされた。
 前回の精緻でさわやかな演奏とは正反対と言っていいような個性的な大巨匠演奏。終楽章でのティンパニなど、セーゲルスタムでもそこまでやらないぞ、というような荒々しい強打。これまでのヴァンスカでは考えられないようなダイナミックなスケールを感じさせてくれ、同時に人間的な味わいあふれる演奏になっていたのである。
 ひょっとしたらヴァンスカ、ようやくこの歴史ある名オーケストラを自由に操れるようになり、自分のやりたい音楽が表現できるようになったのかもしれない。
 三羽烏の中でちょっと出遅れていたが、ここへ来て一気にその差をつめてきた。魅力的なシベリウス・チクルスの開始を喜び、さらに今後の発展を心から祈りたい。

 


BIS SA 2010
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
ケンプ、シューマン第2 弾
 シューマン:
  (1)交響的練習曲Op.13(遺作の5篇、1834年の2篇入り)
  (2)幻想小曲集Op.12
  (3)花の曲Op.19
フレディ・ケンプ(Pf)
 近年成長著しいケンプ、シューマンの第2 弾に挑戦

 [ 録音:2012 年9 月/ポットン・ホール(イギリス)]/69’46”

 SACD ハイブリッド盤。フレディ・ケンプの1998 年CD デビューはシューマン作品集でしたが、約14 年を経て第2 弾が実現しました。今回は難物「交響的練習曲」と「幻想小曲集」に挑戦。「交響的練習曲」は通常の12 の変奏に加え、遺作の5 つの変奏と1837 年の2 つの変奏まで入れるこだわりを見せています。ケンプは余裕の技巧で明快な演奏を繰り広げますが、音楽の陰影の深さは近年の成長ぶりを表しています。語り口の巧さ、深み、多様なニュアンス、そして少しの狂気、まさにシューマンにピッタリと申せましょう。
 


BIS 1957
\2500→\2290
いま、エマニュエル・バッハを聴かなくて何を聴く?
 C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集Vol.19

  (1)チェンバロ協奏曲ト長調Wq43/5 (H475)
  (2)同ハ長調Wq43/6 (H476)
  (3)同ニ長調Wq45 (H478)
  (4)ピアノ協奏曲ト長調Wq44 (H477)
ミクローシュ・シュパーニ(Cem,Pf, 指)
マールタ・アーブラハーム(指)
コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト
 チェンバロ末期の進化を最大限に発揮したC.P.E.バッハの協奏曲

 [ 録音:2012年4 月/フェニックス・スタジオ(ハンガリー)]/DDD、65’04”

 前アルバム「協奏曲全集Vol.18 」(BIS.1787) に続くWq43 の残り2 篇とWq44、45 を集めた充実アルバム。C.P.E. バッハの協奏曲シリーズもいよいよ大詰め。今回使用しているチェンバロは1745 年のコピー。バッハ時代に北ドイツへ大量に輸入されたイギリス製の音の増幅装置付き楽器。チェンバロにもかかわらず、C.P.E. バッハが楽譜にクレッシェンドやディミヌエンドの指示をつけているのは、この楽器を想定しているゆえで、作曲者の思い描いた音響が再現されます。Wq.44 は1798 年製イギリス、ブロードウッド社のフォルテピアノを使用。シュパーニの名人芸が光ります。


絶対お薦めの前作
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.17
&18

BIS 1687
\2500→\2290
C.P.E.バッハ:鍵盤協奏曲全集 Vol.17
 ①チェンバロ協奏曲ヘ長調 Wq42 (H471)
 ②ピアノ協奏曲変ホ長調 Wq41 (H469)
 ③同ハ短調 Wq31 (H441)
ミクローシュ・シュパーニ
 (Cem、タンジェント・ピアノ、指揮)、
ペトリ・タピオ・マッツォン(指)
アンサンブル・オーパスX
 古典派アルバムでものすごい傑作アルバムに出会うと、期待が大きくない分衝撃がでかい。

 ここでのエマニュエル・バッハの作品群も、たいして有名な作品じゃなかったので全然期待していなかったのだが、これがなんとも素敵だった。
 中間楽章は若干間延びするところもあるので完全無欠の傑作ではない。しかし古典派の快作がときおり放つ、時代を超越した音楽花火のようなところが随所に出てくる。その激しさ、美しさ、繊細さ、・・・もう抜群である。
 たとえばかっこよさだったらWq42とWq41の第1楽章。その大海原の帆船から水平線を見晴るかすような爽快さ!そして繊細さならWq42の第3楽章。なにげないチェンバロとオーケストラのやりとりが何とも絶妙。そのあまりにさりげない芸当に、なんとなく貴族的なぜいたく気分すら味わえる。

 しかしすごいのは・・・最後のWq31。
 とくにその第1楽章。
 この天国的に美しく、そして切ない感性。
 「ギャラント様式」?「多感様式」?そんな言葉はどうでもいい。美しいのである。かっこいいのである。
 モーツァルトとも違う。もっとぎこちない素朴さがある。
 ベートーヴェンとも違う。もっと壊れ易い。
 もちろん親父さんとも違う。もっと人間臭い。
 マンハイムの連中やボヘミアの連中とも違う。あんなに直情的じゃない。
 これはエマニュエル・バッハだけが作り上げることができた宝石のような傑作。
 だてにたくさんの作品を書いてない。だてにフリードリヒ大王にかわいがられていたわけではない。だてに大都市ハンブルクの音楽界を牛耳っていたわけではない。
 
 天才だったのだ。
C P E Bach - Complete Keyboard Concertos, Volume 18
BIS 1787
\2500→\2290
ミクローシュ・シュパーニ
 C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲全集Vol.18

 (1)協奏曲 ヘ長調Wq43/1(H471)
 (2)協奏曲 ニ長調Wq43/2(H472)
 (3)協奏曲 変ホ長調Wq43/3(H473)
 (4)協奏曲 ハ短調Wq43/4(H474)
ミクローシュ・シュパーニ(Cem)
マールタ・アブラハム(指)
コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト
 充実。シュパーニ久々の協奏曲リリース

[ 録音:2011 年11 月/フェニックス・スタジオ(ハンガリー)]/DDD、68’12”


 ようやく出て来た。3年前に衝撃を受けて、クラシック視聴人生すら大きく揺るがされたシュパーニのC.P.E.バッハ/チェンバロ協奏曲集第17弾。
 前回はその伴奏オケにも強く感銘を受けたのだが、おっと、今回の最新作はまたオケを変えて来た。ハンガリーのマールタ・アブラハム率いる古楽器団体コンチェルト・アルモニコ・ブダペスト。今回はオケの規模が大きくなることから、シュパーニはこの数年かけてパートナーとなる新たなオケを探していたのだ。そしてようやくおめがねにかなうところが現れたということである。



 シュパーニが見つけてきたこのマールタ・アブラハムとコンチェルト・アルモニコ・ブダペスト、一体どんな人たちかというと・・・。
 マルタ・アブラハムはしっかりしたサイトもあって(こちら)、そこでの演奏を聴いてもかなりのつわものと見た。要注意。


旧譜
マルタ・アブラハムのアルバム
Sandor Balassa: Violin Concerto No. 3
HUNGAROTON
HCD 32355
\2200→\1990
シャンドル・バラッサ:
 太陽の息子op.54
 牧歌とロンドop.66
 ヴァイオリオン協奏曲第3番
マルタ・アブラハム(Vn)、
ペテル・フュゼス(Hr)
アダム・メドヴェチュキー指揮
ハンガリー放送響
例えていうなら12音技法に進む前のシェーンベルク、あるいはフランス5人組。
徒に技法に走らなかったことが災いして一時は冷や飯組になっても自分の道を貫いてきた孤高の保守派バラッサ(1935年生まれ)の作品集。録音:1999年、2000年


 マールタ・アブラハム


 


BIS 1854
(6CD)
特別価格\8000→\7290
レクオーナ:ピアノ曲集成
 CD1
  黒のラプソディ(ピアノと管弦楽のための)/
  スペイン組曲「アンダルシア」/エル・エスコリアルの前で/
  サンブラ・ヒターナ/アラゴネーサ/
  サンフランシスコ・エル・グランデ/アラゴン/夜の前奏曲/
  ハバネラ/グリサンド・マズルカ/農夫の歌/3つの小品/
  歌曲編曲(シボネイ、青い夜)
 CD2
  アルゼンチン・ラプソディ(ピアノと管弦楽のための)/
  ある子供の日記/塹壕よさらば/キューバとアメリカ/黒猫/
  武器をとるキューバ/菊の花/エル・セナのワルツ/狂気/
  青ひげ/海原のワルツ/勝ちほこる瞳/くちづけを/
  君を夢みて/ヴォアラ/「ヤレイ椰子の帽子」組曲/
  歌曲編曲(ボレロふうに、薔薇を賜え)
 CD3
  キューバン・ラプソディ(ピアノと管弦楽のための)/
  アフロ・キューバン舞曲集/7つの典型的キューバ舞曲/
  そこを退くんだ、マリア!/幻想的ワルツ集/
  ナイル河のワルツ/ガルデニア(くちなし)/中国の陶器/
  歌曲編曲(星月夜、いつだって君が好き)
 CD4
  ルンバ・ラプソディ(ピアノと管弦楽のための)/
  キューバ舞曲集/アモローサ/未来派のダンサ/
  19 世紀のキューバ舞曲集/ジプシー・ワルツ/真夜中に/
  パリの女/ムセッタ/ドナウ河のワルツ/散りしく花/
  春の夜な夜な/蝶のワルツ/
  歌曲編曲(青のワルツ、マントンのパソドブレ)
 CD5
  アフロ・キューバン舞曲集/キューバ舞曲集/3つのワルツ/
  ワルツ・アルバム/薔薇のワルツ/ライン川のワルツ/
  道化師のワルツ/パサ・カッレとハバ/アフリカ人の嘆き/
  サルスエラ「マリア・ラ・オ」より
 CD6
  いつも私の心の中に/感じるままに/あの遠い山の中で/
  つれないあなた/私の心は消えた/あなたはバラの貴婦人/
  あなたはそれをしてはだめ/目的/愛の貴婦人/私を笑って/
  女優/最後に/花が咲いた/キューバの蟻/晩熟の愛/
  そんな夜に/心が戻る/幻の春/愛を手に入れる/
  コスタリカのカーニバル/私は残された/私はだまされない/
  進歩したルンバ/私を見ずに話す/私の愛は花になった/
  悲しい愛の歌
トマス・ティリノ(Pf)(CD1-5)
マイケル・バートス(指)
ポーランド放送響
キャロル・ファーリー(Sop)
ジョン・コンスタブル(Pf)(CD6)
 歿後50年企画。レクオーナの主な作品すべてを驚きのプライスで

 [ 録音:1993-1999年(CD1-5)、2002 年8 月(CD6)]/DDD、7h 13’18”

 1995 年にリリースが始まり、世界中で話題となったティリノのレクオーナ作品集。「シボネイ」「そよ風と私」で名のみ高かった彼の音楽の全貌を示す好企画でした。レクオーナの歿後50 周年を記念して、その5 タイトルと、2004 年にリリースされたキャロル・ファーリーのソプラノによる歌曲集を加えた全6 枚をBox 化して3 枚価格でご提供。レクオーナはキューバ最大の作曲家で、民族音楽を魅力的なピアノ音楽に昇華させました。バンドマスターなど、ポピュラー音楽界での活躍が目立ったため、クラシック音楽とみなさない向きもありますが、作品のいくつかはアルベニスを想わせる複雑さと完成度を示しています。もちろんラグタイム風のポップな曲調もたくさんあり、BGM としても最高。レクオーナのメロディ・メーカーとしての天賦の才をたっぷり楽しめます。

BONEL/YOUNG


DYCD 3
\1800
カルロス・ボーネル〜ザ・プライヴェイト・コレクション
 (1)トロルバ:マドローニョス
 (2)グラナドス:ゴヤの美女
 (3)タレガ:アルハンブラの思い出
 (4)ヴィラ=ロボス:ショーロ第1 番
 (5)トローバ:哀歌
 (6)アルベニス:グラナダ
 (7)グラナドス:スペイン舞曲第5 番「アンダルーサ」
 (8)バリオス:フリア・フロリダ
 (9)アノニマス:禁じられた遊び
 (10)ソル:メヌエット Op.11-12
 (11)アルベニス:朱色の塔
 (12)タレガ:アラビア奇想曲
 (13)ソル:モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 Op.9
 (14)ブローウェル:鐘の鳴るキューバの風景
 (15)ヴィラ=ロボス:前奏曲第1 番
 (16)ポンセ:メキシコのスケルツィーノ
カルロス・ボーネル(クラシック・ギター)
 リリースする度に話題をさらう真の実力派ギタリスト、カルロス・ボーネルついに本格派クラシック・アルバムをリリース!

 録音:1998 年3 月、(1)-(5)(8)-(16)ホーリー・トリニティー教会、(6)(7)サリー大学(パフォーミング・アーツ・テクノロジー・スタジオ)/DDD

 前作、ビートルズの名作をクラシック・ギター1 本で見事な編曲・演奏を披露(KKP 1012,DYCD 2) してくれた真の実力派ギタリスト、カルロス・ボーネルの本格派クラシック・アルバムが登場。ザ・プライヴェイト・コレクションと題された当アルバムはボーネルが幼少の頃から演奏してきた最重要レパートリーであり、ボーネルの軌跡ともいえる充実の内容です。圧倒的なテクニックを持ちながら単に技巧を披露するわけではなく、雄弁な語り口でメロディを歌わせ色彩豊かに表現します。収録曲は巨匠セゴビアが愛奏したマドローニョスやグラナドスのアンダルーサ、強烈なリズムとバラード風メロディをもつヴィラ=ロボスのショーロ第1 番などギター・ファンならずともたまらない内容。繊細なピアニッシモからパッション溢れるフォルテまで変幻自在に奏法を変え、つい聴き惚れてしまいます。不朽の名曲、禁じられた遊びでは後半のアルペッジョをボーネル自身の編曲と思われる非常に魅力的華やかな編曲をしており聴き逃せない演奏です! ジャンルの垣根をこえた真のギタリスト、注目盤です!

BONGIOVANNI


GB 2458
(3CD)
\5400
ジェネラーリ:「ブルグントのアデライデ」 アンナ・カルボネーラ(S アデライデ)
ジャンルカ・ボッキーノ(T オットーネ)
ダニエレ・アントナンジェリ(Br ベレンガーリオ)
カタジナ・オトチク(Ms アダルベルト)
エリーザ・フォルトゥナーティ(Ms クロティルデ)
ロベルト・クレスカ(T ランバルド)
ワルテル・テストリン(Bs コッラード)
フランコ・ピーヴァ(指)
ヴェネト州フィルハーモニー管弦楽団
ロヴィゴ市ポリフォニコ合唱団
 大作曲家になり損ねたジェネラーリの本格的オペラ全曲録音が登場「ブルグントのアデライデ」、世界初録音!

 録音:2012 年3 月17 日、ロヴィゴ/DDD、164分36秒

 ピエトロ・ジェネラーリ(1773 − 1832)は、19 世紀初頭に活躍したイタリアオペラの作曲家。才能豊かな作曲家で、順調にオペラ作曲家としての名声を築き上げて行ったものの、40 代に入ってこれから円熟期という時になってロッシーニが急速に台頭、ジェネラーリはその影に隠れてしまいました。
それでも1830 年頃まで、多数のオペラを作曲。晩年はピエモンテの都市ノヴァーラの教会の楽長に就任、この地で亡くなっています。
 「ブルグントのアデライデ」は、1819 年4 月にロヴィゴのソチャーレ劇場のこけら落としのための作品として初演。ここに収録されているのは、その193年後にソチャーレ劇場で演奏会形式で上演された際のライヴ録音です。ロッシーニも同名のオペラを書いており、どちらも10 世紀半ばにオットー大帝が敵に捕らえられたイタリア王未亡人のアデライデを救出した史実に基づいているものの、台本は異なるものです。既にロッシーニ全盛の時期なので音楽にロッシーニからの影響が多く認められますが、もう少し穏やかでしっとりした美しさが感じられます。
 タイトルロールのアンナ・カルボネーラは、2011 年にスポレートの第65 回ヨーロッパ共同体コンクールで第2 位を獲得したイタリアのソプラノ。まだ30 歳くらいと若いながらも実力の高さがこの録音からしっかり聞いて取れます。またベレンガーリオのペシーナ出身のイタリアのバリトン、ダニエレ・アントナンジェリと、アダルベルトのポーランドのメッゾソプラノ、カタジナ・オトチクも同じく2011 年のヨーロッパ共同体コンクールで第4 位、第5 位を獲得した若い歌手。オットーネのジャンルカ・ボッキーノはベネヴェント出身のイタリアのテノール。トリエステのヴェルディ歌劇場を中心に活躍しています。
 楽譜を校訂したフランコ・ピーヴァが指揮を務めて、ジェネラーリの珍しいオペラを蘇らせています。
 
GB 5173
(2CD →
1CD価格)
\2400
第3回バッソ・フリウーリの歴史的オルガン国際オルガン・コンクール
 カバニーリェス:第1旋法のパッサカリア
 コレア・デ・アラウホ:第7旋法のティエント第2番
 スヴェーリンク:スヴェーリンク:ポーランドの踊りによる変奏曲
 D.スカルラッティ:ソナタ イ短調 K61
 バッハ:
  協奏曲 ニ短調 BWV974(A.マルチェッロの作品の編曲)
  オルガン協奏曲 ニ短調BWV596(ヴィヴァルディの協奏曲 RV250の編曲)
  前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539
 ラインベルガー:カンティレーナ
 メンデルスゾーン:ソナタ第4番 変ロ長調
ニコロ・サーリ(Org)
ガルシア:ビクトリアのモテット「おお、大いなる神秘」によるグロサド
 ブルーナ:聖母のための連祷によるティエント
 コレア・デ・アラウホ:第5旋法のティエント、第1旋法の5声のティエント
 カバニーリェス:第1旋法のパッサカリア第2番
 パスクィーニ:フォリアによる様々なパルティータ
 リドン:賛歌「アヴェ・マリア・ステラ」によるフーガ  
ホルヘ・ガルシア・マルティン(Org)
 オルガン好きなら押さえるべし!第3回バッソ・フリウーリのオルガン・コンクール

 録音:2012 年9 月25-27 日 バッソ・フリウーリ/DDD、135分24秒

 第3 回バッソ・フリウーリの歴史的オルガン国際オルガン・コンクールの優勝者たちの録音。ニコロ・サーリは1987 年、ヴェネツィア生まれ。現在、ヴェネツィアの聖トロヴァーゾ教会のオルガニスト。ホルヘ・ガルシア・マルティンは、1985 年、スペインのサラマンカ生まれ。
 4 都市の楽器が使用されている。ムッツァーナ・デル・トゥルニャーノ、1750 年、ピエトロ・ナッキーニ製作。マラーノ・ラグナーレ、1774 年、F.ダッチ製作。ウーディネ、1989 年、グスターヴォ・ザニン製作。ヴェンゾーネ、1792 年、ガエターノ・カッリード製作。

C AVI



4260085532711
\2600→\2390
2008 年にミュンヘン国際音楽コンクール・クラリネット部門一位
 セバスティアン・マンツ
イン・リズム〜クラリネット作品集

 ガーシュウィン:3つの前奏曲(Cl&Pf編曲版/ジェームズ・コーン編)
 アレック・テンプルトン:ポケット・サイズ・ソナタ第1 番(Cl&Pf)
 コープランド:クラリネット協奏曲(Cl&Pf編曲版/ 作曲者編)
 ライヒ:ニューヨーク・カウンターポイント(Cl&テープのための)
 バーンスタイン:クラリネット・ソナタ(Cl&Pf)
 ヴィラ=ロボス:アルマ・ブラジレイラよりコロス第5番(ピアノ・ソロ)
 ピアソラ:レヴィラード(Cl&Pf)
 ミヨー:スカラムーシュOp.165d(Cl&Pf)
デュオ・リウル
 【セバスティアン・マンツ(Cl)
  マルティン・クレット(P)】
 ヨーロッパで大注目の若手クラリネット奏者マンツと相棒クレットによる「デュオ・リウル」クラシックとジャズを融合した傑作を収録した極上の1枚

 録音:2012 年7 & 8 月ドイツ放送カンマームジーク・ザール(ケルン)/68’32

 今最も注目を集める若手クラリネット奏者、セバスティアン・マンツとピアニストのマルティン・クレットが組んだ「デュオ・リウル」の新録音がCAvimusicレーベルからリリースされます。
 セバスティアン・マンツは2008 年にミュンヘン国際音楽コンクール・クラリネット部門で一位を獲得、同年に「デュオ・リウル」としてドイツ音楽コンクールでクラリネットとピアノ部門で優勝するなど、世界が注目する若手実力派クラリネット奏者です。
 このアルバムはアメリカ大陸の作曲家たちのクラシックとジャズを融合させた作品を収録しています。マンツはビッグバンドで演奏した経験があり、ジャズの響きを身につけており、ジャズの要素を多く含んだアメリカの作曲家たちの作品を自由自在に演奏してみせます。
 アルバムの構想は、ドイツ縦断列車の旅の途中、「コープランドのクラリネット協奏曲のピアノ版を演奏したい!」とマンツが思い付いた事がきっかけでした。
 これはジャズ・クラリネット奏者のベニー・グッドマンのために作曲された作品です。クラリネットの哀愁ある響きが、古き良きアメリカを思い起こさせ、ジャズの書法の中にもコープランドならでは色彩感が見事な曲。2 分半の長大なカデンツァで披露されるマンツの饒舌なクラリネットは必聴です。ガーシュウィンの3 つの前奏曲はピアノ原曲ですが、様々な楽器のために編曲されている人気の作品。ここでは1928 年生まれのアメリカの作曲家ジェームズ・コーンによるクラリネット編曲版で収録され、ジャズとブルースの要素を持ち、繰り返されるリフが効果的に用いられた自由度の高い作品です。テンプルトンはイギリス出身で26 歳の時にアメリカに渡り活躍した盲目のピアニスト兼作曲家。彼の代表作ポケット・サイズ・ソナタは、ジャズ風クラシックのお洒落な作品で、アルバムタイトルにもなっている第3 楽章の「イン・リズム」は、メロディーラインが美しく、マンツの情感豊かな音色がうっとりと聴かせます。ミニマル・ミュージックの旗手ライヒのニューヨーク・カウンターポイント。10 本のクラリネットとソロ・クラリネットのための作品で、ここでは事前に録音されたテープを使って収録しています。アメリカの偉大な指揮者であり作曲家のバーンスタン。カーティス音楽院を卒業したばかりの若き日の巨匠のクラリネット・ソナタは、シンコペーションを多用したジャズの影響を受けています。ヴィラ=ロボスのアルマ・ブラジレイラは「ブラジルの魂」というタイトル通り、ヴィラ=ロボスらしい哀愁溢れる作品。タンゴを軸にクラシック、ジャズを融合させた「ヌエヴォ・タンゴ」という新しいスタイルを生み出したピアソラのレヴィラード。フランスの作曲家ミヨーはブラジルに滞在したことがあり、その影響を受けて作曲されたとされるスカラムーシュの第3 曲「ブラジルの女」は、強烈なサンバ風のリズムが印象的な曲。マンツとクレットの生き生きとした演奏が、陽気なラテン音楽の魅力を引き出しています。

 セバスティアン・マンツ来日予定
 第411 回日経ミューズサロン 2013年4 月16日(火)PM6:30開演 日経ホール (ピアノ:三輪郁)




COVIELLO

COV 51304
\2500→\2290
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)
 メンデルスゾーン:チェロ作品全集

  チェロ・ソナタ第1番変ロ長調Op.45
  チェロ・ソナタ第2番ニ長調Op.58
  協奏的変奏曲ニ長調Op.17
  無言歌ニ長調Op.109
ラウラ・ブルイアーナ(Vc)
フレンク・ヴィジ(P)
 チェロの持つ雄弁さとピアノの繊細さが見事に調和したメンデルスゾーンのチェロ作品集

 録音:2012 年2 月20-23日サル・コロンヌ、パリ/61’37

 メンデルスゾーンが作曲したチェロとピアノのための4 作品を収めたアルバム。どの作品も演奏される機会は多いものではありませんが、気品漂う美しい作品ばかりです。またチェロはもちろんですが、ピアノパートも素晴らしく随所に聴かせどころがちりばめられています。チェロのラウラ・ブルイアーナとピアノのフレンク・ヴィジは共にルーマニア出身。ブルイアーナは、ブラームスのソナタ(COV51204)で聴かせた豊かな感性をさらに広げ、濃密な演奏を披露してくれています。またブルイアーナの大胆な音楽性を程良く和らげる丁寧なヴィジのピアノも一役買っています。



 


COV 61302
\2500→\2290
バッハとシェルシ
 ビヨンド〜無伴奏ヴァイオリン作品集

 J.S.バッハ(1685-1750):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
 ジャチント・シェルシ(1905-1988):
  L'ame d'ailee/ l'ame ouverte(1973), Xnoybis(1964)
バルバラ・リューネブルク(Vn)
 バッハとシェルシの異色の組わせ異才リューネブルク女史による無伴奏ヴァイオリン

 録音:2010 年6 月16-19日ドイツ放送室内楽ホール、ケルン/54’02

 現代音楽を中心に幅広い活動を続けているヴァイオリニスト、バルバラ・リューネブルク。自ら立ち上げた現代アンサンブル・アンテグラルなど積極的に演奏活動を行っている音楽家の一人。彼女は時代の名作と現代の作品の魅力を引き出すことを得意とし、今回はバッハの無伴奏パルティータ第2 番と謎の多いイタリアの現代作曲家ジャチント・シェルシの無伴奏作品を取り上げています。
 ジャチント・シェルシはイタリアの貴族の家に生まれ、幼少期から音楽に親しみ、作曲の勉強をはじめました。ウィーンで「十二音技法」を学び、イタリアで初めて「十二音技法」による作品を作曲した人物と言われています。しかし、この複雑な作曲技法がシェルシを追いこみ精神を病んでしまいます。療養中に彼はピアノの同じ鍵盤を何度も叩き、その音に耳を澄ませることで、精神を安定させ回復に至りました。この行為がその後の彼の作曲に影響を与え、倍音を利用した独特で神秘的な作品は生まれています。ここに収録されているヴァイオリン無伴奏作品は、彼の特徴が表れた、音楽ではなく微妙な音程のズレが生み出す音のみの不思議な世界を描きだしています。「Xnoybis」というタイトルは頭がライオン、胴体がヘビのエジプトの神を表しています。
 バッハでは作品の本質を捉えた真摯な演奏で聴かせ、高い集中力を必要とするシェルシの前衛音楽を見事に弾き上げる、リューネブルクの才能に感服する1 枚です。




DB PRODUCTIONS


DBCD 155
\2500
スヴェン・クリステション(テノール)
 シューベルト:冬の旅 Op.89 D.911

  (お休み/風見の旗/凍った涙/かじかみ/
  菩提樹/あふれる涙/川の上で/回想/鬼火/
  憩い/春の夢/孤独/郵便馬車/霜おく頭/
  からす/最後の希望/村で/あらしの朝/幻覚/
  道しるべ/宿屋/勇気/幻の太陽/辻音楽師)
スヴェン・クリステション(テノール)
オロフ・ホイヤー(ピアノ)
 ジャンルの垣根をこえた活動が輝くスヴェン・クリステションが歌う冬の旅

 録音:2010-2011年、スウェーデン/DDD

 名作ドイツの詩人ヴィルヘルム・ミュラーの詩集による名作「冬の旅」は1827 年に作曲されました。「疎外感」、「絶望と悲しみ」などに満ちたこの曲をスヴェン・クリステションは見事に表現しております。スヴェン・クリステションは1954 年生まれのスウェーデン出身の歌手で、クラシックをはじめジャズ・トリオでのヴォーカルなど様々なジャンルで活躍しております。

ELOQUENTIA



EL 1340
\2500→\2290
リヴィア・ゾーン(Vn)
 (1)ブリテン:ヴァイオリン協奏曲op.15
 (2)ヨナタン・ベルゲル(b.1954):Liyeh
 (ヴァイオリン、ツィンバロン、打楽器と弦楽オーケストラのための)
(1)リヴィア・ゾーン(Vn)
 ルイジ・ピオヴァノ(指揮)
 マッルチーノ・ディ・キエーティ劇場管弦楽団
(2)リヴィア・ゾーン(Vn)
 ヤン・ロキタ(ツィンバロン)
 ヘンク・ギッタルト(指揮)
 バンフ・センター室内管弦楽団
 平和への願いを込めて書かれたブリテンとベルゲルのヴァイオリン協奏曲のカップリング実力派リヴィア・ゾーンのソロで

 (1)録音:2010 年5 月(ライヴ、イタリア) (2)録音:2007 年2 月(ライヴ、バンフ)

 ブリテンの協奏曲は、ブリテンの作品の中でも屈指の名曲。1938 年頃から書き始められ、1939 年に完成しました。スペイン内戦や、ナチが台頭していた頃で、平和を愛し、ファシズムをきらったブリテンが、反戦の思いを込めて作曲したと言われています。
 第1 楽章は、調性感のない冒頭にはじまり、その後も調と無調の間をさまようように書かれており、不安な感じが表されています。曲がすすむにつれて現れる激しいパッセージが印象的です。第2 楽章は拍子が安定せず、律動的ではありますが、やはり聴き手は常に不安感をおぼえてしまいます。第3 楽章はパッサカリアの部分(繰り返されるバス定形は常に同じかたちではありません)を経て、やはり長調なのか短調なのかあいまいなまま曲が閉じられます。
 この作品は1940 年に初演(バルビローリ指揮、フィルハーモニア管)されました。その初演ヴァイオリニストはアントニオ・ブローサ、フランコ政権から逃れた音楽化の一人でした(1936 年、スペイン内線が起こる直前、ブリテンは彼と共演したこともありました)。チェロ奏者として来日も多いピオヴァノが指揮をつとめます。
 2 曲目に収録されているのは、1954 年生まれの作曲家ベルゲルによって作曲されたものですが、今なお諍いの続く世界を危惧し、ブリテンと同様、ベルゲルが反戦と平和への願いを込めて書いたものです。ベルゲルはニューヨークに育ち、イスラエルで音楽教育を受けました。Jiyeh とはレバノンの海岸ぞいの町で、イスラエルの戦火の影響でロケットが街の石油タンクを直撃、20000 トンの原油が海に流出したという事故があった町。ベルゲルはこの事件当時エルサレムにいて、この報道を聞き、この作品を書きました。原油が海に流出する様が描かれる様子から始まり、悲劇的な終末をむかえます。

 リヴィア・ゾーン(ヴァイオリン)
 13 歳でメニューイン国際ヴァイオリンコンクールに優勝(聴衆賞受賞)。ジュリアードのプレ・カレッジに7 歳から参加、ドロシー・ディレイ、ヒョー・カンに師事。その後ジュリアード音楽院に入学、室内楽をフェリックス・ガリミールに師事。2005 年から、スタンフォード大学の音楽部門で後進の指導にあたっている。




GALLO


GALLO 1398
\2100
スイスが誇る4人の現代作曲家
 ハープと木管楽器のための作品集

(1)フロワドゥヴォー:
 風吹く4つの場所で〜フルート四重奏とハープのための(全4曲)
(2)ヴォートラン:
 地平線〜フルート三重奏とファゴットのための(全2曲)
(3)シャーラー:
 サラスヴァティー〜フルート四重奏とハープのための(全3曲)
(4)フロワドゥヴォー:
 アメリカ・フーガ〜フルート四重奏曲とファゴットのための
(5)シュナイダー:
 アフリカ(フルート四重奏、ハープ、ボンゴのための)
(6)フロワドゥヴォー:星々の女王
ベルン・フルート四重奏団
シモン・ベルジェ(Hp)
エドウィン・エリスマン(Fg)
ビート・ド・ヴァッテンヴィル(Perc.)
 
 録音:2011 年9 月

 スイスの首都ベルンで学んだ名手たちが結成するベルン・フルート四重奏団が、母国スイスの現代作曲家たちのフルート作品に焦点を当てた新譜をリリース!パユが来日公演で取り上げたことでも注目された世界的作曲家D. シュナイダー(1961*)、ジャズ界& クラシック界に活躍するJ. フロワドゥヴォー(1933*)とD. シャーラー(1974*)、多調音楽を持ち味とするR. ヴォートラン(1932*)の4 人の作品が一挙収録されています。いずれも今なお活躍真っ只中の作曲家たちですが、その作風は決して音楽言語を逸脱したようなものではなく、フルートの持つ神秘的かつ抒情的な音色を生かした親しみやすい曲調の作品が集められています。
 フロワドゥヴォーの「風吹く4 つの場所で」はフルートとハープの音色を生かし、様々な地方に吹く4 つの「風」を描いた小品集。吹き巻く風の表現はフルートの真骨頂といえるかもしれません。一方、水辺に佇むヒンドゥー教の学芸の女神をモチーフにしたシャーラーの「サラスヴァティー」で聴ける、静かに揺らぐ川の流れを思わせる瞑想的なフルートの音色とハープのハーモニーもこれまた絶品!ガーシュウィンの響きも思わせるジャジーな作品「アフリカ・フーガ」では、フルートが持つおどけた音色とファゴットとの軽妙洒脱な掛け合いに魅せられます。フルートの多彩な表現の限りを刷新してくれる新鮮味あふれる作品が多く収録された本アルバム。フルート愛好者の方には特におすすめしたいアルバムです。
 

GALLO 1384
\2100
クラリネットと女声の温かい響きに魅入られる
 忘れ去られたアリア& 変奏曲集

(1)ブラームス:アルトのための2つの歌※
モーツァルト:歌劇『皇帝ティートの慈悲』より
 (2)「夢に見し花嫁姿」 (3)「私は行くが、君は平和に」
S.マイヤー:(4)グラティアス・アギムス※ (5)主題と変奏※
ドニゼッティ:
 (6)クラリネットとピアノのためのコンチェルティーノ
 (7)ストゥディオ・セコンド※ 
 (8)歌劇『夜の呼び鈴』より「いま、夜がわれわれを誘惑する時」※
 (9)宗教曲「私は貴方にのみ罪を犯した」※
(10)ケルビーニ:アヴェ・マリア
(11)ディーペンブロック:子守歌
(12)リムスキー=コルサコフ(ウェストン編):
 歌劇『雪娘』よりシェパード・レルの歌
(13)T.アルネ(ウェストン編):春

※世界初録音
マルゲリータ・トマジ(S)
アンナ・マリア・キウリ(Ms)
マリア・エルモラエヴァ(Ms)
ルイジ・マジストレッリ
 (Cl&バセット・ホルン)
アレッサンドロ・アンドリアーニ(Vc)
クラウディア・ブラッコ(Pf)
ダニエラ・ロッシ(Pf)
マッシモ・ベローニ(Pf)
 世界初録音尽くし!
 録音:2011 年8 月&2012年10 月、イタリア

 知られざるクラリネット曲の蘇演に積極的なイタリアの名手ルイジ・マジストレッリが、「女性作曲家によるクラリネット作品集」(GALLO 1355)に引き続き、世界初録音を多々含む注目の新譜をリリースいたしました!今回収録されているのは、歴史の影に埋もれてしまったオペラ・アリアや変奏曲。モーツァルトやリムスキー=コルサコフら大家たちの作品から、ドニゼッティの師であるマイヤーや20 世紀オランダの作曲家ディーペンブロックといったなかなか収録される機会に恵まれない作曲家たちの作品まで、時代に囚われない多彩な選曲が魅力です。オペラ・アリアでは、クラリネットがピアノやチェロと共に伴奏を担当し、ソプラノやメッゾの柔らかな歌声と温もり豊かな響きを織りなしています。2002 年に新国の『カルメン』で初来日を果たしたキウリをはじめ、世界的に活躍する歌手陣の歌声も聴きどころです。
 

GALLO 1367
\2100
ジャン・フロワドゥヴォー(1933〜):
 (1)「心の奥で声が響く」の主題に基づく変奏曲(全7曲)
 (2)トランペットとオルガンのためのトリプティク「歩み」
 (3)3つのグレゴリオのパラフレーズ「クリスマス」〜
  コルネットとオルガンのための
 (4)チェロとオルガンのための「星座」
マルティヌ・レイモン(Org)
ディアーヌ・ギャニオン(Tp)
パスカル・デザルツェンス(Vc)
ロベルト・イッシャー(コルネット)
 フランスの現代作曲家フロワドゥヴォー荘厳かつ神秘的なオルガン作品集

 録音:2011 年11 月、ヴェヴェイの聖マルタン教会(スイス)

 フランスの現代作曲家ジャン・フロワドゥヴォー(1933 〜)のオルガン作品集。ジャズ・ピアニストとして活躍した後クラシック界に身を投じたという経歴を持つフロワドゥヴォーは、両ジャンルの響きを併せ持つ魅力的な作品を多く生み出してきました。本アルバムに収録されたオルガン曲は、いずれもクラシックの響き色濃い作品。グレゴリオ聖歌をモチーフとした「クリスマス」では、修道士が歌い上げている姿を思わせるかの如く静謐に響き渡る古楽器コルネット・ソロに聴き入ります。「星座」は、その名の通りオリオンやカシオペアなど7 つの星座を描いた作品で、元々歌とオルガンのための二重曲であったものを、本アルバムのためにチェロとオルガンという編成に書き直したもの。即興を含むチェロ・パートとオルガンが掛け合う、神秘的かつ瞑想的な旋律の数々が魅力的です。各地の音楽祭に引っ張りだこの実力派マルティン・レイモンほか、名手たちが織りなすアンサンブルにも注目です。
 

GALLO 1396
\2100
ギー・ラファリ(Fl)
福島和夫:
 (1)鎮魂歌 (2)瞑 (3)春賛
(4)A.H.スヴェインソーン:21の音(全21曲)
(5)アンドレ・ジョリヴェ:5つの呪文
ギー・ラファリ(Fl)
 福島和夫、ジョリヴェほか20世紀を代表するフルート独奏曲集

 録音:2012 年7 月、コルソー(スイス)

 フランスの名手ギー・ラファリによる20 世紀フルート独奏曲集。日本、フランス、アイスランド各国を代表する作曲家の作品が収録されています。作曲家ごとに異なる多彩なフルートの音色を楽しめるのも本アルバムの魅力の一つ。フルート作品に著名作を多く残してきた福島和夫(1930 〜)の作品は、尺八を想起させる奏法が印象的。代表作「瞑」をはじめ、東洋的な「間」も感じさせる瞑想的な音響空間に引き寄せられます。一つの音の響きにじっくりと浸る福島の作品に対し、万華鏡のごとく多彩な曲調で魅せられるのが、スヴェインソーン(1938 〜)の「21 の音」。神の音、雪の音、嵐の音、花の音など、様々な事物をイメージした1 分弱の短い小品21 曲からなる作品で、各曲は映画撮影のカットを告げるような打撃音で突然終止符が打たれ、そしてまた次の小曲が鮮やかに描かれていきます。「5 つの呪文」はメシアンと共に一時代を築いたジョリヴェ(1905-1974)が最初に手掛けたフルート作品で、無調の世界の中で同じ音型がまじないのように繰り返し現れる屈指の難曲。名手ラファリの妙技が光ります。
 

GALLO 1377
\2100
フルート独奏曲集ハープ伴奏
1.フロワドゥヴォー:アルシオーネ
2.ビゼー:組曲『アルルの女』より メヌエット
3.J.S. バッハ:チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調BWV1056より アリオーソ
4.ニールセン:霧が晴れていくop.41
5. ペルゴレージ:シチリアーノ
6.J.S.バッハ:ソナタト短調より アダージョBWV.1020
トゥルニエ:7. 溜息 8.贈り物 
9.グルック:『オルフェーオとエウリディーチェ』より 精霊の踊り
10.モーツァルト:「証聖者の荘厳な晩課」K.339より 主を褒め称えよ
11.クーラウ:ファンタジーニ長調op.38より第2楽章 変奏を伴うアリエッタ
12.フォーレ:子守歌 13.アセルマン:5月の歌op.40
14.ブロッホ(フロワドゥヴォー編):「子供らしさ」より メロディー 
15. バックオーフェン:ソナタヘ長調より アダージョ・マ・ノン・トロッポ
16.J.ドンジョン:「サロン・エチュード」よりエレジー
ブロッホ(フロワドゥヴォー編):
 17.母と共に 18.エルフたち 19.「子供らしさ」より ララバイ
20.モーツァルト:フルート四重奏曲第1番ニ長調より アダージョ
21.トゥルニエ:朝に
ファビエンヌ・スルサー(Fl)
ルース・ヤンケ(Hp)
 名手スルサーによるフルート独奏曲集ハープ伴奏と織りなす清澄なアンサンブルにうっとり

 録音:2012 年、バーデン・デートヴィル(スイス)

 フランスの巨匠M. モイサーに師事したファビエンヌ・スルサー女史によるフルート独奏曲集。全体的にしっとりと聴き入る曲調の作品が多く収録されている上、伴奏にピアノではなくハープを起用していることで、より繊細かつ典雅な響きを存分に堪能できるアルバムに仕上がっています。フルート& ハープの演奏ならではのハーモニーは必聴の美しさです。ハーピストには、かつてシュトゥットガルト放送響の一員として来日経験もある名手ルース・ヤンケが登場。スルサーと共に清澄なアンサンブルを組み上げているほか、トゥルニエ、アセルマンたちのハープ独奏曲でも素晴らしいソロを聴かせてくれます。

GRAPPA


GRCD 4393
\2500
クラシカル・ハーモニカ
 ・アイルランド民謡/ブリテン編: サリーの園
 ・ドビュッシー:月の光
 ・シーグムン・グローヴェン: 希望
 ・モーリス・アーノルド/トミー・ライリー(1919-2000):善行(1961)
 ・バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz56〜
  【棒踊り/飾り帯の踊り/足踏み踊り/ブチュムの踊り/
   ルーマニア・ポルカ/速い踊り】
 ・グリーグ:
 「25のノルウェーの民謡と踊り」〜ソルファーイェルと蛇の王様
 ・モーツァルト/ジェイムズ・ムーディ編:
  ピアノソナタ ハ長調 K545〜アンダンテ
 ・グリーグ:「抒情小曲集 第9 集」〜おばあさんのメヌエット
 ・イギリス民謡/レナード・モリス編:
  五月のある朝、ストロベリー・フェア
 ・アイヴィン・グローヴェン:山風
 ・アラン・ホヴァネス:ギリシアの民俗舞曲 作品150〜
  【セリブリア・シリュトス(輪唱)/
   スウィートバジル・グリーン/カラグーナ/
   ツァコニア舞曲/ 牧歌/スースタ】
 ・ジェイムズ・ムーディ:エニシダの丘
 ・トミー・ライリー:気まぐれ
 ・エリック・コーツ:I Heard You Singing(あなたの歌声が聞こえ)
 ・ヨハン・クヴァンダール:気分
 ・グリーグ:「25のノルウェーの民謡と踊り」〜婚礼の行列の旅の歌
 ・ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン:
  「グーブランスダーレンから」〜
   花嫁が教会そばの門番小屋を過ぎようとすると
 ・アイヴィン・グローヴェン:ネースラン教会
 ・シーグムン・グローヴェン:昔むかし
 ・ジェイムズ・ムーディ:魔女の娘
 ・トミー・ライリー/ジェイムズ・ムーディ:バイエルンのキツツキ
 ・スタンリー・マイアーズ/スカイラ・カンガ編:
  映画『ディアハンター』〜カヴァティーナ
シーグムン・グローヴェン(ハーモニカ)
イーヴァル・アントン・ヴォーゴール(P)
 グローヴェンのハーモニカがクラシックの名曲を美しく奏でる

 [ 楽器:Polle Concert Harmonica(イェオルグ・ポッレスタ 製作)]
 [ 制作:アーリル・エーリクスタ、シーグムン・グローヴェン、録音:ヤン・エーリク・コングスハウグ]
 録音:2012 年1 月17 日、18 日、2007 年4 月24 日 レインボースタジオ( オスロ)

 グリーグの歌曲やピアノ曲をハーモニカで演奏した『グリーグ・アルバム』(GRCD4264) のシーグムン・グローヴェン(1946-) の新録音は小品のコレクションです。ブリテンが編曲したアイルランド民謡の《サリーの園》に始まり、スタンリー・マイアーズが映画『ディアハンター』のテーマとして作曲し、クレオ・レーンがジョン・ウィリアムズのギターで歌った《He Was Beautiful》でも知られる《カヴァティーナ》に終わるプログラム。ドビュッシーとモーツァルト、民俗音楽を素材とするグリーグとバルトークとホヴァネスの舞曲。色とりどりの音楽をグローヴェンのハーモニカが美しく奏で、雰囲気を醸し出していきます。グローヴェンは、カナダ出身のハーモニカ奏者トミー・ライリーの下でハーモニカ演奏を学びました。そのライリーと長年にわたりライリーと共演したピアニストのジェイムズ・ムーディ、ノルウェー民俗音楽の語法を採り入れたダーヴィド・モンラード・ヨハンセンと彼の息子で作曲家のヨハン・クヴァンダール、クヴァンダールとも親しかった、シーグムンの叔父、民俗音楽を研究しハリングフェレ奏者でもあった作曲家のアイヴィン・グローヴェンと、シーグムンゆかりの人たちの曲も演奏されています。




HAENSSLER

93 300
\2400
ミヒャエル・コルスティック(Pf)
 ドビュッシー:ピアノ曲集Vol.2

 (1)前奏曲集第2集
 (2)小さな黒人
 (3)バレエ音楽「おもちゃ箱」
 (4)英雄の子守歌
 (5)アルバムのページ
 (6)エレジー
ミヒャエル・コルスティック(Pf)
 後期ドビュッシーの音楽美を堪能できるコルスティック渾身のアルバム

 [2012 年7 月/ SWR 室内楽スタジオ(シュトゥットガルト)]/DDD、74’24”

 ベートーヴェンからシューマン、リスト、さらにはケックランのピアノ曲までを新鮮な解釈で提起するドイツのピアニスト、ミヒャエル・コルスティックによるドビュッシー全曲シリーズ、待望の第2 巻登場。傑作の前奏曲集第2 巻をメインに、こだわりのプログラミングを見せています。
 バレエ音楽「おもちゃ箱」は管弦楽曲として知られていますが、オーケストレーションの大半がカプレの手によるため、オリジナルはあくまでもピアノ。
 この中で効果的に現れる曲と同素材による「小さな黒人」を前に置いているのも示唆にあふれ興味津々。後期ドビュッシーの音楽の魅力をたっぷり味わえます。
 


93 302
\2400→\2190
スペインの俊英指揮者ゴンザレス&ドイツの駿才ピアニスト、ウーリヒ
(1)ドビュッシー:ピアノと管弦楽の幻想曲
(2)フランセ:ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ
(3)プーランク:ピアノ協奏曲FP 146
(4)ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
フローリアン・ウーリヒ(Pf)
パブロ・ゴンザレス(指揮)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・
 ドイツ放送フィルハーモニー
 期待の若手実力派が魅せる19世紀フランスのピアノ協奏曲集

 録音:(1)2012 年2 月9 日 (2)2012 年2 月11 日 (3)2012 年6 月21-22 日 (4)2012 年6 月23 日&2012 年12 月18 日(終楽章のみ)、カイザースラウテルンSWR スタジオ/71’08”

 2012 年にバイバ・スクリデと共に来日し、N 響と熱演を繰り広げて注目を集めたスペインの中堅指揮者パブロ・ゴンザレスが、19-20 世紀の近代フランスを代表する音楽家たちの協奏曲を一挙に収録した新譜を発売!ソリストには、「haenssler」レーベルで進行中のシューマンのピアノ独奏曲全集プロジェクトも好調の俊才、フローリアン・ウーリヒを迎えます。すでに10 年以上活躍歴のあるウーリヒですが、フランスものの録音は意外にも今回が初めて。知的かつ詩情にあふれた音楽性が高い評価を受けているウーリヒだけに、繊細かつ緻密なフレンチ・サウンドの魅力を巧みに引き出す演奏を見せてくれます。オーケストラはザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー。ゴンザレスが2010 年よりバルセロナ響の音楽監督として活躍する傍らで関係を深めている名門で、新星ヴァイオリニストのノイダウアーを迎えたシューマンの「ヴァイオリンと管弦楽のための作品全集(93258)」でも堅密な演奏を披露しているだけに、期待もひとしおといったところでしょう。スペインとドイツの二国が誇る俊英の熱き応酬を、名門ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニーが堅実に支えあげ、瑞々しくも安定感のある演奏を聴かせています。
 本アルバムの更なる魅力は、その充実した選曲ぶり。プーランクのピアノ協奏曲といえば「2 台のピアノと管弦楽のための協奏曲」が専ら知られておりますが、今回収録されているのは1950 年に初演された嬰ハ短調のピアノ協奏曲。演奏される機会に多くを恵まれませんが、嬰ハ短調から始まる美しい憂愁の旋律を始め、随所から抒情性があふれる優雅な作品です。ジャジーな雰囲気も漂う軽妙洒脱な掛け合いが愉しいのはフランセのコンチェルティーノ。
 曲調の全く異なる作品をウーリヒが如何に表現仕分けているかは、是非とも注目して頂きたいところ。アルバム全体を通して、ピアノとオーケストラが織りなすロマンティックなフレンチ・サウンドを存分に堪能出来るプログラムに仕上がっています!
 
93 299
\2400→\2190
グザヴィエ・ロト(指揮)&バーデン=バーデン& フライブルクSWR響
 リヒャルト・シュトラウス:
  交響詩「英雄の生涯」op.40(44’42)
  交響詩「死と浄化」op.24(24’02)
クリスティアン・オステルターク(独奏ヴァイオリン)
バーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
 ロト率いるバーデン=バーデン&フライブルクSWR響、シュトラウス交響詩シリーズ第1弾「英雄の生涯」&「死と浄化」

 録音:2012 年11 月7、8 日[英雄の生涯]、2012 年6 月26-28 日[死と浄化]/フライブルク、コンツェルトハウス(セッション・デジタル)/DDD、ステレオ、68’44

 2011/12 年のシーズンよりバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団の首席指揮者に就任して、マーラーの第1 交響曲(93.294)で鮮烈なるデビューを飾ったロトが、手兵とともに2012/13 年のシーズンに力を入れて取り組んでいるのがシュトラウス。
  2012 年11 月7 日と8 日の2 日間に亘り、フライブルクのコンツェルトハウスでセッションを組んでレコーディングされた「英雄の生涯」は、11 月3日のフライブルク、4 日のバーデン=バーデン、6 日のフライブルク、さらに9 日のフランスのディジョンという実演の流れのなかで演奏内容を検証しつつ、ロトが集中して、その解釈を掘り下げる機会を得て臨むことが可能であったと考えられるので、ここでの成果にはおおいに期待が持てそうです。
  もとより、大編成の管弦楽の機能美を極限まで追求したシュトラウスの交響詩といえば、1946 年に南西ドイツ放送所属のオーケストラとして創設され、活動の柱に「同時代音楽の演奏」を掲げてきた当楽団にとっても、初代音楽監督を務めたロスバウト以来、マーラー、シェーンベルク、ストラヴィンスキーなどと並んで伝統的に得意としてきたレパートリーであり、その意味での経験の蓄積も十分とおもわれます。
 カップリングの「死と浄化」は、「英雄の生涯」に先立つこと4か月ほど前のレコーディング。なお、「死と浄化」については6 月の録音を経て、2012年9 月にロトが臨んだベルゲン・フィルとのコンサートでも「ドン・ファン」と共に取り上げられ、高い評価をもって迎えられたと伝えられています。
  実力派ロト率いるバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団によるシュトラウスの交響詩シリーズは続篇も予定されており、今後の展開に目が離せないものといえるでしょう。

【フランソワ=グザヴィエ・ロト】
 1971 年パリに生まれたフランスの指揮者。父はオルガニストで作曲家、教育者としても高名なダニエル・ロト。指揮者に転向する以前はフルートも学んでいたため、パリ音楽院でアラン・マリオンとヤーノシュ・フュルストのもとで研鑽を積み、ロンドンのドナテッラ・フリック指揮コンクールで第1 位を獲得。
 この受賞により、ロンドン交響楽団のアシスタント・コンダクターに任命され、ジョン・エリオット・ガーディナーのアシスタント・コンダクターも務めることになる。
 これに並行して、ロトはアンサンブル・アンテルコンタンポラン、カーン劇場と密接な関係を築き、さらにトゥールーズ・キャピトル管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団とも関わりを深め、2003 年9 月にパリ音楽院の指揮科教授となる。2011 年9 月にはドナウエッシンゲン音楽祭/フライブルク・コンツェルトハウスにて、ヴェーベルン、ブーレーズ、マーラーの交響曲第1 番を指揮して、バーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団の首席指揮者としてデビューを果たす。
 ロトのレパートリーは幅広く、17 世紀から現代作品に至るまで、また交響曲、オペラ、室内楽など、精通するジャンルも多岐に亘る。2003 年に、ピリオド楽器の室内オーケストラ「レ・シエクル」を創設、ときにはモダン楽器も柔軟に使用して多様なプログラムを取り上げている。「レ・シエクル」とは、日本のラ・フォル・ジュルネのほか、フランス、イタリア、ドイツ、イギリスで公演を行う。
 手兵であるバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団とレ・シエクルとの活動を軸に、今後もロンドン響、ベルゲン・フィル、フィンランド放送響への客演を予定するロトは、現在、同世代の中でももっとも多忙な活動をきわめる指揮者のひとり。


旧譜
グザヴィエ・ロト(指揮)&バーデン=バーデン& フライブルクSWR響
 マーラー「巨人」

HANSSLER
93 294
\2400→¥1790
バーデン=バーデン&フライブルクSWR 響、新首席指揮者ロト
 マーラー「巨人」
マーラー:交響曲第1 番ニ長調「巨人」
ヴェーベルン:夏風のなかで
バーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団
フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
録音:2011 年10 月29 日、11 月2 & 3 日フライブルク、コンツェルトハウス(ライヴ・デジタル)/DDD、ステレオ、65’30”

 2011/12 年のシーズンよりバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団の首席指揮者に就任したフランソワ=グザヴィエ・ロト。ロトがあらたな手兵を指揮してマーラーの第1 交響曲を演奏したアルバムは、首席指揮者就任から間もない時期の2011 年秋にライヴ収録されたものです。
 1971 年パリに生まれたロトは、クラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」への度重なる出演を通じて、日本のファンにもその名前が浸透しつつあるフランスの指揮者。過去の「ラ・フォル・ジュルネ」では、2003 年に自身が創設したピリオド楽器の室内オーケストラ「レ・シエクル」を率いての登場でしたが、ロンドン交響楽団やトゥールーズ・キャピトル管弦楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、パリ管弦楽団へも定期的に客演していることから、ロトの人気と実力のほどが窺えます。
 マーラーの第1 交響曲は、ロト率いるバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団がドナウエッシンゲン音楽祭期間中の2011 年9 月に本拠フライブルク・コンツェルトハウスで行われた首席指揮者就任演奏会でも取り上げたプログラム。その意味では、当アルバムは熱狂に包まれた記念すべきデビューの再現ともいうべきもので、今後の展開におおいに期待をつなぐ内容となっています。いっぽう、1946 年に設立されたバーデン=バーデン& フライブルクSWR 交響楽団は、当初のハンス・ロスバウト以来、ミヒャエル・ギーレン、シルヴァン・カンブルランといった顔ぶれが歴代首席指揮者を務め、なかでも後期ロマン派から近現代にかけてのレパートリーにすぐれた実績を示してきたオーケストラ。マーラーのレコーディングでは、ギーレンがクック版による第10 番全曲も含めた交響曲全集を完成させたことからも、マーラー演奏に対する適性とたしかな実力はすでによく知られるところです。ちなみに、ギーレンとの全集録音中、第1 交響曲は2002 年のライヴ収録だったので、このたびのロトとの新盤は、当楽団にとって9 年ぶりのライヴ録音ということになります。
 カップリングは、ヴェーベルンの「夏風のなかで」。




 

93.295
\2400
マルクス・クリード(指)&シュトゥットガルトSWR
 ヒンデミット:

 (1)神の定めの日は来たらん (1947)
 (2)6つの歌(リルケ詩/フランス語) (1939)
 (3)古い詩文による6つの歌 (1923)
 (4)ミサ曲 (1963)
マルクス・クリード(指)
シュトゥットガルトSWR
ヴォーカル・アンサンブル
シュトゥットガルトSWR放送響のメンバー
 まさに20世紀のバロック合唱。面白さの極み、ヒンデミットの合唱曲

 [2011年10 月、2012 年5、9 月/シュトゥットガルト放送スタジオ]/DDD、67’42”

 ヒンデミットはあらゆるジャンルのために作品を残しましたが、合唱にも彼ならではの逸品があります。合唱の世界では重要なレパートリーとなっている「ミサ曲」やフランス語によるシンプルで優美な「6つの詩」など、予想外のメロディの美しさと面白さで思わず聴き入ってしまいます。「神の定めの日は来たらん」は10の管楽器伴奏で、シュッツの世界を20 世紀に再現しています。現代の合唱の神様マルクス・クリードが率いるシュトゥットガルトSWRヴォーカル・アンサンブル。ピュアで正確な美演で、ヒンデミットの合唱音楽の理想像を作り上げています。
 
98 011
\2300
シューマン:ピアノ独奏曲全集Vol.5 〜シューマンと彼の娘たち
 (1)子供のための3つのピアノ・ソナタ第1番 ト長調op.118-1
 (2)「アルバムの綴り」より子守歌op.124-6
 (3)子供のための3つのピアノ・ソナタ第2番 ニ長調op.118-2
 (4)「アルバムの綴り」より子守歌op.124-16
 (5)「マリーのためのピアノ・ブック」(全8曲)
 (6)「音楽の歴史を歩く(Ein Gang durch die Musikgeschichte)」(全8曲)
 (7)「子供のためのアルバム」より抜粋(初稿に含まれていない12曲)※
 (8)子供のための3つのピアノ・ソナタ第3番 ハ長調op.118-3
フローリアン・ウーリヒ(Pf)
 シューマンが娘に贈った作品を集めた注目盤!俊英ウーリヒのピアノ独奏曲全集Vol.5

 録音:2012 年9 月24-26日、メニューイン・ホール(イギリス)/71’06”

 ドイツの俊英ピアニスト、フローリアン・ウーリヒがシューマン生誕200 周年である2010 年より開始しているピアノ独奏曲全集から待望の最新盤がリリース!第5 集となる今回は、「シューマンと彼の娘たち」というタイトル通り、シューマンが3 人の娘たちに残した作品を集めたプログラムとなっています。
 子供のレッスン曲としても馴染み深い作品も多く含まれておりますが、こうした作品がアルバムにまとまって収録されることは珍しく、注目されましょう。「子供のため」と銘打っているだけあって、全体的にシンプルかつ明るい曲調が際立ちますが、素朴な旋律のなかにもシューマンの抒情性が垣間見られます。
 娘にささげた作品として最も知られている作品の一つが『子供のためのアルバム』。本アルバムではこの小品集の元となった、長女マリーの誕生日プレゼントとして贈られた小品集を『マリーのためのピアノ・ブック』として一挙に収録しています。さらに、『子供のためのアルバム』の初稿に含まれていない12 曲をまとめて収録。そのうちの2 曲「イ長調のフゲッタ」と「小さなワルツ」はウーリヒ自身が補筆を行ったもので、本アルバムが世界初録音となります。また、没後出版の小品集『アルバムの綴り』から、娘と妻クララのために作曲した「子守歌」を収録。「音楽の歴史を歩く」には、J.S. バッハやベートーヴェンら過去の偉人たちの作品を編曲した作品が詰め込まれており、父シューマンの音楽教育への姿勢もうかがえます。愛する娘たちに音楽の魅力を教えるため、あるいは純粋に贈り物として作られた作品の数々を通して、シューマンの父親像へと迫る希少なアルバムに仕上がっています!
 


98 010
\2300→\2090
ロマン派の血脈受け継ぐ作曲家ロベルト・カーン
ロベルト・カーン:
 (1)ピアノ四重奏曲第2番 イ短調op.30 
 (2)『青春の泉』より7つの歌曲 op.46 
 (3)弦楽三重奏のためのセレナード イ短調
ホーエンシュタウヘン・アンサンブル
 {ユリア・ゾフィー・ワーグナー(S)、
  ミヒャエル・ナジ(Br)、
  ラヘル・マリア・リリング(1stVn)、
  サラ・マリア・リリング(2ndVn)、
  ダーヴィド・アドーリャン(Vc)、
  パウル・リヴィニウス(Pf)}
 ドイツ若手実力派たちによる注目の蘇演!

 録音:2012 年9 月30 日-10 月3 日 ホーエンシュタウフェン福音主義教会/60’46”

 ドイツ・ロマン派の流れを受け継ぐ作風で19 世紀末から20 世紀初頭のドイツに活躍した作曲家、ロベルト・カーン(1865-1951)。近年ようやく再評価の流れが高まってきたとはいえ、未だ多くの作品が埋もれたままになっている不遇の音楽家です。このたび、カーンの曾孫にあたるラヘル・マリア& サラ・マリア・リリング姉妹が、ドイツの“今” を活躍する若手実力派と共に、曾祖父の珠玉の作品にスポットを当てた注目盤をリリースいたしました!
 ブラームスを敬愛したカーンの作風は、ドイツ・ロマン派の影響を色濃く感じさせるロマンティックな旋律と、時折垣間見える前衛的なリズムが魅力。
 初期の「ピアノ四重奏曲第2 番」と後期の「弦楽三重奏のためのセレナード」を聴き比べても、その作風に大きな揺らぎがなかったことが分かります。セレナーデが作曲された1933 年頃は、すでにシェーンベルクらによって十二音技法が確立され、ヒンデミットがロマン主義の脱却を目指していた時代。ドイツからアメリカへと前衛音楽の盛りが移りゆく時勢の影に、こうしたドイツ・ロマン派からの流れが根強く息づいていたことに感慨深く、聴き入ります。
 およそ250 曲もの歌曲を残したカーンですが、本アルバムではその中の代表作『青春の泉(若返りの泉)』を収録。P. シュライアーからドイツ・リリックの真髄を学んだユリア・ゾフィー・ワーグナーと、2010 年のリリング&N 響で美声を披露したバリトン歌手ミヒャエル・ナジ両者の艶やかな歌声も聴きどころです!

HMF


Franceso da Milano: Il divino
HMU 907557
\2600→\2390
巨匠ポール・オデット待望の新録音!
 フランチェスコ・ダ・ミラノ“Il divino” 〜作品集

 ファンタジア、リチェルカール
 【歌曲編曲】
  ジョスカン・デ・プレ:「私に何を言いたいの」
  クローダン・ドゥ・セルミジ:「君は私が死んだといった」
  アントニオ・デ・リベラ:「おお善きイエスよ」
  ジャン・リシャフォール:「私の悲しい失望」
  セルミジ:「ヴィニョン・ヴィネッタ」、「私は不幸を嘆き」
  作曲者不詳:
   「父が私と結婚したように」、「私を目覚めさせて下さい」、
   「何故あなたは一人で行ってしまうのか」
ポール・オデット(リュート)
 イタリア・ルネッサンスの巨匠、フランチェスコ・ダ・ミラノ作品集、典雅な音色、濃密な表情に満ちた世界

 使用楽器:6コースリュート〔ポール・トンプソン(ロンドン)1940 年制作による、マグノ・ティーッフェンブリュッカー(1550 頃)モデル〕/録音:2011 年8 月

 リュートの名手、オデット久々の待望の新譜の登場。今回オデットが取り上げたのは、ルネッサンス時代の巨匠、フランチェスコ・ダ・ミラノの作品。ダ・ミラノは、ルネッサンス時代のイタリアで最も知られたリュート奏者・作曲者で、当時、人々はダ・ミラノのことを「Il divino(神)」と称えていました(ちなみにこの「Il divino」というニックネームは、ミケランジェロにもつけられたものでもありました)。ダ・ミラノの演奏は、濃密な表現力、うっとりするような美しい音色、精巧な対位法書法、哀愁を帯びたハーモニーなどで人々を魅了したと言われており、この高い演奏者としての質は、そのまま彼が遺した作品にも表れています。フランチェスコの作品で現存しているのは、今では2 つのジャンル、すなわちファンタジア(あるいはリチェルカールとも呼ばれる)、そして他者が書いた声楽作品の編曲作品のみ。
 このディスクには、その遺された作品の中から、オデット自らが選曲した愛奏曲が、広い作曲年代、作風に渡るように配慮されたかたちで収められています。ダ・ミラノがどのような楽器を用い、どのように自作品を演奏したかということは現代の我々にはもはや知るすべはありませんが、16 世紀初頭のイタリア製の6 コースリュートを用いていたのではとする説があり、オデットもこれに則ってこの録音では6 コースのリュートを選んでいます。典雅でありながら力強い表出力に満ちた音楽、美しいハーモニー、そして素晴しい録音クオリティ。満を持しての新録音となっています。


旧譜
ポール・オデットのカプスベルガー
Kapsberger - Lute Works
仏HM GOLDエディション
HMG 507020
1CD¥2000→\1690
「気高きドイツ人」(ティオルバのドイツ人)
カプスベルガー:

 トッカータ・アルペジアータ、ガリアルダ第11番、
  トッカータ第5番、
   アリア・ディフィオレンツァ(大公のバッロ)〜1604年の曲集より〔キタローネ〕〜
 トッカータ第1番、ガリアルダ第1番、
   コレンテ第1番、トッカータ第6番、ガリアルダ第10番、
   コレンテ第7番〜1611年の曲集より〔リュート〕〜
 コレンテ第2番、チャコーネ〜モデナ手稿より〔キタローネ〕
 トッカータ第15番、ガリアルダ第12番、コレンテ第12番、
   トッカータ第3番、ガリアルダ第4番、コレンテ第11番〜1611年の曲集より〔リュート〕〜
 トッカータ第1番、コレンテ第2番、トッカータ第2番、
  ベルガマスカ、カプスベルガー、コラシオーネ、カナリオ〜1640年の曲集より〔キタローネ〕〜
ポール・オデット(リュート、キタローネ)
ヴェネツィアに生まれ、若くしてリュートの名手として“気高いドイツ人”と称えられたカプスベルガー。自らの技巧の冴えを誇示しているかのようなヴィルトゥオジティ、曲に生気を与えるたおやかかつ見事な装飾を、現代の名手オデットが見事に再現している。繊細なタッチと変幻自在の音色をたくみに捉えた秀逸録音が、ここに収められた名曲により一層の深みと陰影を与えている。録音:1989年11月

 
HMU 807429
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
さよなら東京クヮルテット
 ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 op.96「アメリカ」
 スメタナ:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より」
東京クヮルテット
マーティン・ビーヴァー(1st Vn)
池田菊衛(2nd Vn)
磯村和英(Vla)
クライヴ・グリーンスミス(Vc)
 録音:2006 年2 月

 44 年(現メンバーでの活動も10 年超)の長き活動に幕をおろすことを発表した東京クヮルテット。5 月には日本でのファイナル・ツアーも控えているなど、その活動もいよいよ最終段階を迎えている中、注目の最後のディスクが発売されます。2006 年の録音ということで、最後の録音というわけではありませんが(最後の録音はブラームスの五重奏曲集ということになります)、プログラムは王道中の王道、アメリカとわが生涯よりということで、感慨もひとしおといったところでしょうか。
 「アメリカ」では、輝かしく気持ちよく伸びる音色による美しいアンサンブルを堪能。スメタナの音による自叙伝「わが生涯より」は、スメタナが自身の人生の思い出を注ぎ込んだ作品。東京クヮルテットの熟練の面々が、ひとつひとつの要素や風景を情感たっぷりに響かせる様は、この録音当時はまだ解散は決まっていませんでしたが、クヮルテット自身の歴史を振り返っているようにも感じられます。この4 人が集まって演奏することはもうないと思うと寂しい限りですが、東京クヮルテットという偉大なグループの歴史に思いを馳せながら、心して味わいたい1 枚です。

 2013年最後のツアー 日程
  5/15(水) 大阪 いずみホール
  5/16(木) 東京 東京オペラシティコンサートホール
  5/17(金) 横浜 フィリアホール
  5/18(土) 京都 青山音楽記念館バロックザール
  5/20(月) 東京 武蔵野市民文化会館
  5/21(火) 東京 王子ホール



 
HMC 902153
\2600
ウォルフガング・リーム(1952-):
 交響曲「Nahe fern(近くと遠く)」
 たそがれは空より降り(ゲーテ詩)
ルツェルン交響楽団
ジェームズ・ガフィガン(指)
ハンス・クリストフ・ベゲマン(B)*
 リームの新作交響曲

 録音:2012 年6 月

 戦後ドイツを代表する作曲家ウォルフガング・リーム。多作家として知られる現代作曲家ですが新作は交響曲。ルツェルン交響楽団とルツェルン音楽祭からの委嘱作品で、2012 年8 月20 日にルツェルン音楽祭で全曲初演されました。
 4 つの部分からなる作品で、ブラームスの4 つの交響曲へのオマージュとなっています。リームはすでにブラームスへのオマージュとして何作品か作曲しており、ルツェルン音楽祭側がブラームスとリームのチクルスを計画し、作曲を依頼することとになりました。アルバムには、ブラームスも作曲したゲーテの詩による歌曲「たそがれは空より降り」をリームによるバリトンとオーケストラ伴奏で交響曲第2 部の前におかれています。
 
HMC 902152
\2600→\2390
エルサレムQ&シャロン・カム
 ブラームス:
  弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.51-2
  クラリネット五重奏ロ短調Op.115
エルサレム四重奏団
シャロン・カム(Cl)
 ブラームスの傑作をエルサレムQがシャロン・カムと共に熱演

 録音:2012 年6 月ベルリン

 若き実力派カルテット、エルサレム四重奏団によるブラームス。
クラリネット五重奏曲には、イスラエル出身の天才女流クラリネット奏者シャロン・カムと共演しています。ブラームスが名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトのために書いた傑作クラリネット五重奏曲。弦楽器とクラリネットの響きが溶け合う、なんとも美しい作品です。エルサレム四重奏団は、卓越した演奏技術はもちろんのこと、音楽に寄り添った表現に徹した真摯な演奏。そしてシャロン・カムの伸びやかな歌い方、洗練された音色が音楽に深みを与えています。
 またベートーヴェンの影響が強く感じられる弦楽四重奏曲ですが、重厚さと切々とした旋律線がブラームスらしい曲。エルサレム四重奏団は、完璧なテクニックと強固なアンサンブルで気合の入った演奏を聴かせてくれます。



 

Watteau: The Music Lesson
HML 5908535
(2CD)
\4200→\3790
アントワーヌ・ヴァトーの音楽レッスン
 CD1: GALERIE SONORE
  【舞踏会の楽しみ(喜び)】
   ・シャルパンティエ:喜劇「病は気から」より/ ウィリアム・クリスティ(指)レザール・フロリサン
  【田園の恋人たち(羊飼いたち)】【2人のバグパイプ奏者(習作)】
   ・カンプラ:オペラ「イドメネオ」より/ ウィリアム・クリスティ(指)レザール・フロリサン
  【結婚の契約】
   ・リュリ:「町人貴族」より/ ポール・グッドウィン(指)ロンドン・オーボエ・バンド
  【イタリア喜劇の恋】【メズタン】
   ・アントニオ・マルティン・イ・コル:チャコーナ/ アルモニオージ・コンチェルティ、カルロス・リベラ(G)
  【音楽のレッスン】
   ・クレランボー:カンタータ「オペラのミューズまたは抒情詩の性格」より/
    ウィリアム・クリスティ(指)レザール・フロリサン
  【地面に座り左足を組みフルートを吹く人(習作)】
   ・フランチェスコ・ジェミニアーニ:コレッリのソナタOp.5の編曲による合奏協奏曲集より/
    イングリッシュ・コンサート、ローレンス・カミングス、モーリス・シュテーガー
  【ジャン=フェリ・ルベルの肖像】
   ・ルベル:四大元素より/ ベルリン古楽アカデミー、ゲオルク・カルヴァイト
  【2 人のヴァイオリニスト(習作)】
   ・ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 RV77/キアラ・バンキーニ、アンサンブル415
  【音楽の集い(人生の楽しみ)】【眼鏡をかけた人たち(習作)】
   ・モンテクレール:カンタータ「ディドーの死」より/ ウィリアム・クリスティ(指)レザール・フロリサン
 CD2: UN CONCERT CHEZ CROZAT
  ・ロカテッリ:コンチェルト・グロッソOp.1より第4番ニ長調/
    ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(指)フライブルク・バロック・オーケストラ
  ・A.スカルラッティ:オラトリオ「カイン、あるいは最初の殺人」より/
    ルネ・ヤーコプス(指)ベルリン古楽アカデミー
  ・マラン・マレ:ヴィオール組曲ホ短調、ニ長調/
    ファン・マヌエル・クインターナ(ヴィオラ・ダ・ガンバ) ドロレス・コストヤス(Lute)
    アッティリオ・クレモネージ(Cemb)
  ・F.クープラン:クラヴサン曲集より/ クリストフ・ルセ(クラヴサン)
  ・アレッサンドロ・ストラデッラ:「オルフェオ」より/ クリスティーヌ・ブランデス(S) ほか
  ・コレッリ:ヴァイオリン・ソナタOp.5-5ト短調/ キアラ・バンキーニ, イェスパー・クリステンセン
  ・ラモー:コンセール用クラヴサン曲集/ クリストフ・ルセ(クラヴサン)
 ロココ美術の巨匠ヴァトーから読み解く18 世紀フランス音楽シーン
 仏ハルモニア・ムンディの美しい装丁のアルバムはすぐに廃盤となる・・・


 ブリュッセルのパレ・デ・ボザールで行われたウィリアム・クリスティとコンテンポラリー・アーティストのミヒャエル・ボレマンスの企画展「Watteau,the music lesson」のために企画されたCD。
 ロココ絵画の「雅宴画(フェート・ギャラント)」確立したことでも知られるフランスの画家アントワーヌ・ヴァトー。主に当時の貴族階級の娯楽をテーマに描き、代表作は雅宴画「シテール島の巡礼」。ヴァトーが「雅宴画」と併せて、好んで描いたモチーフが 、「演劇」です。18 世紀フランスは、演劇の黄金時代ともいわれており、彼が師事したクロード・ジローは舞台装飾の第一人者であったことから、彼もまたイタリア喜劇やオペラに傾倒 し、喜劇の登場人物をたびたび描いています。また楽器を奏でるシーンなど音楽に関連した絵画を多く描き、彼の作品群の3 分の1 を占めています。このアルバムは、そうしたヴァトーの絵画と関連する音楽作品を集めて、当時の音楽シーンを目と耳で楽しむ企画です。
 ヴァトーの傑作の一つ【舞踏会の楽しみ(喜び)】は舞踏をする人、役者、道化師、楽士、見物人など様々な人が描かれた見事な構成をもつ優美な作品。
 絵画に描かれた会場の賑やかさを表すようなシャルパンティエのユーモアたっぷりの喜劇「病は気から」の曲が併録されています。
 【田園の恋人たち(羊飼いたち)】は、田園風景の中で楽しむ男女を描いた作品。ダンスに合わせてミュゼットを奏でる人が描かれており、習作【2 人のバグパイプ奏者】と共に、関連楽曲としてカンプラの「イドメネオ」から「ミュゼット」と「2 人のバグパイプ奏者」が収録されています。
 ヴァトーの絵画を通して当時の演奏スタイルやコンサートの様式などを学ぶことができます。

HEILO


HCD 7273
(2CD)
\5000
『W.』〜ハンス・W・ブリーミ(1917-1998):
 [CD1]
  小鬼/スモルリアの灰色の者/ 男三人で18フィート/
  山と星に寄せる音楽/ 産婆トーラの子守歌/
  牧場のフルドラ/祝宴の翌日に/ 最年長の娘/
  スルハイムの三つ子/ 青のメロディ/ お祝いの日/
   放浪の歌/イ長調のワルツ/別れの粥/
  フィドル弾きの老妻/ 年金生活のじいさん/
  聖なる夜は首輪をはめて
 [CD2] 『森の精ヒューラルの幻想』
  かすみ/セーテルへ行く日/
  クロークホルハウゴムの老人/テュクルストの日/
  神聖なるハイムフィエル/ 小鬼のハリング/
  朝早く耳を澄ますと/ 外を見ろ/牧場の踊り/
  幻想/ 小さな森の精/森の精の暮らし/
  森の精の歌/ 灰色の小鬼/青い衣をまとい/
  守りの精の旅/ セーテルの季節に踊る/
   繕い物の日/冬の放牧から家路に
[CD1]イェルムン・ラーシェン・トリオ
 イェルムン・ラーシェン(フィドル)
 アンレアス・ユートネム(ピアノ、リードオルガン)
 ソンレ・マイスフィヨルド(ベース)
 アストリ・スルハイム (フィドル)
 エルレン・ヴィーケン(フィドル)
 アスラク・O・ブリーミ(フィドル)
 ライフ・イングヴァル・ランオイエン(アコーディオン)
 ニルス・オークラン(ハリングフェレ)
 シーグビョルン・アーペラン(リードオルガン)
 グーブランスドーレネス・スペルマンスラーグ
  (グーブランスダーレン・フィドルアンサンブル)
 ホット,ペール・アンデシュ・ビューエン・ガルノース
  (ハリングフェレ)
 ニルス・オイヴィン・ベルグセット(アコーディオン)
 アンデシュ・ロイネ(ギター)
 シーグビョルン・アーペラン(リードオルガン)
 グーブランスドーレネス・スペルマンスラーグ
  (グーブランスダーレン・フィドルアンサンブル)
 アストリ・スルハイム(フィドル)
[CD2]ハンス・W・ブリーミ(フィドル)
 20 世紀ノルウェー、フォーク・ミュージックを代表するハンス・W・ブリーミの音楽

 [CD1]録音:2012 年9月 ビョルンスゴール、トイェン教会(オスロ)、グリーグホール音響スタジオ(ベルゲン)/51’12
 [CD2]録音:1987年 レインボースタジオ(オスロ)、ハイダール(グーブランスダーレン)/47’53

 ハンス・W・ブリーミは20 世紀ノルウェーを代表するフォークミュージシャンのひとり。ロムのガルモに生まれ、シューグル・ガルモとオーラ・ムーロッケンという偉大なフィドル弾きふたりに手ほどきを受けました。1933 年からノルウェー放送のための演奏を始め、ソロ演奏のほか、ヨン・ファウクスタやケンという偉大なフィドル弾きふたりに手ほどきを受けました。1933 年からノルウェー放送のための演奏を始め、ソロ演奏のほか、ヨン・ファウクスタや彼の書いた音楽を今日のミュージシャンたちで演奏しようという企画です。ノルウェーの人気グループのイェルムン・ラーシェン・トリオやブリーミを客員に招いたことのあるオーレ・ブル・アカデミーの音楽ディレクターを務めるニルス・オークランなど、現代ノルウェーフォーク・ミュージックを代表する面々が集結。このアルバムを企画した、ハンスの孫、フィドル弾きのアスラク・O・ブリーミも参加しています。農民の暮らし、家畜を放牧する山の農場セーテル、大きな岩の下に住んでいるという小鬼や森の精など、ノルウェーの人々の生活から生まれた音楽が新しい世代の感覚と解釈で演奏されます。CD2 には、ハンスが1987 年に録音したLP アルバム『森の精ヒューラルの幻想』の全19 トラックの音楽が収録されています。

HELICON



HEL 029663
\2300→\2090
イスラエル・フィル首席客演指揮者ヨエル・レヴィ
 &12 歳の天才少女、マヤ・タミルによるハイドンのピアノ協奏曲

ハイドン:
 交響曲第60番 ハ長調「うっかり者」、
 同第104番 ニ長調「ロンドン」
 ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII-11
マヤ・タミル(ピアノ)
ヨエル・レヴィ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:2012 年4 月30 日(イェルサレム・シアター/フライデイ・モーニング・インテルメッツォ・シリーズ・コンサート(ライヴ))

 1950 年ルーマニア生まれの名匠ヨエル・レヴィによるハイドン。イスラエル・フィルの首席客演指揮者、イル・ド・フランス国立管の首席指揮者などを務めています。アトランタ響とのCD(TERARC)でもおなじみですが、このたび、2012 年のイスラエル・フィルとのライヴ録音が登場するはこびとなりました。
 注目なのが、ピアノ協奏曲でソリストを務めたピアニスト、マヤ・タミル。彼女はこの録音当時12 歳というイスラエルの天才少女ピアニストで、ハイドンの名曲を、絶妙なテンポ感、細やかなデュナーミクの変化をつけながらも、子供らしい気持のよいまっすぐな演奏で弾ききっています。レヴィとオーケストラの献身的なサポートも印象的。ハイドンの交響曲第60 番は劇付随音楽で、原作となった劇の主人公の、うっかりした性格を反映して、笑いをさそう要素が職人ハイドンによって盛り込まれていますが、ヨエル・レヴィはきびきびとした指揮ぶりでこれらの要素を効果的に響かせています。「ロンドン」でも、イスラエル・フィルのみずみずしい音色の弦楽器パートが光ります。




HUNGAROTON


HCD 32711/13
(3CD)
\6900
合唱界の超名曲、コダーイ「ハンガリーのビチニウム」
コダーイ:
 (1)ハンガリーのビチニウム(全180曲)
 (2)トリチニウム(全29曲)
 (3)3つのゲメル民謡
  ほか全225曲
イロナ・アンドル(指)
ブダペスト・ゾルターン・コダーイ少女合唱団
ヴァラーリア・セベレーディ(指)
マニフィカト児童合唱団
エステル・ウヘレツキー&チラ・オェーリ(指)
ブダペスト・ゾルターン・コダーイ学校児童合唱団
フェレンツ・シャプソン(指)
ゾルターン・コダーイ・ハンガリー合唱学校
ラースロー・ドゥラーニク(指)
ミラクルム児童合唱団、アウリン少女合唱団
ズザンナ・グラーフ(指)
アンゲリカ少女合唱団
アッティラ・ケルテス(指)
ペーチ・ベーラ・バルトーク少女合唱団
 ハンガリー音楽家による全曲版が待望の登場!!!

 [ 録音:1970 年、2012 年/フンガロトン・スタジオ]/DDD、200’41”

 コダーイはさまざまな名作を残していますが、合唱曲はそのなかでもとりわけ重要で、彼の真骨頂を発揮しています。全4 巻180 曲から成る「ハンガリーのビチニウム(ビチニア・フンガリカ)」は、コダーイが若者の教育に関心を持ったことが発展して生まれた連作で、1937年から42年にかけて作曲されました。
 「ビチニウム」の名称が示すようにすべて2 声で、素材は民俗音楽と民謡様式の作品から採られ、各曲は非常に短いながら個性的で効果に富んでいます。
 コダーイは1954 年に同趣向の3 声用「トリチニウム」(全29 曲)も手掛けました。番号順に手がければ技術向上していくように作られているので、合唱団の訓練用にも最適。
 日本でも合唱界では知らぬ者なき名曲ですが、本場ハンガリーの団体による演奏はお手本用としても大歓迎。ハンガリー語の響き、ハンガリー独特のリズムなど流石の巧さ。コダーイならではの合唱書法の効果も光り、鑑賞用としてもたっぷり満足できます。ワールドミュージック・ファンにも超オススメです。



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