ALBANY
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「ピアノ・デュオのためのアメリカン・マスターピース」
(1)ボルコム(b.1938):「思い出」〜3つの伝統的なラテン・アメリカの舞曲
(2)コープランド(1900-1990):エル・サロン・メヒコ
(3)デイヴ・ブルーベック(1920-2012):ポインツ・オン・ジャズ
(前奏曲/スケルツォ/ブルース/フーガ/ラグ/コラール/
ワルツ/アラ・トルコ&フィナーレ)
(4)バーンスタイン(1918-1990):アリアと舟歌(全8曲) |
ワン=ロジャーズ・ピアノ・デュオ(Pfデュオ)
(4)ジェニファー・ロビンソン(S)
ブラッドリー・ロビンソン(Br) |
これは楽しいアメリカのピアノ・デュオ!デイヴ・ブルーベックからコープランド、バーンスタインまで!
録音:2006年8月、10月オックスフォード・ミシシッピ大学
ワン=ロジャーズ・ピアノ・デュオは夫妻であるダイアン・ワンとステイシー・ロジャーズによる1983年に結成されたベテラン・コンビ。前半は親しみやすいピアノ・デュオ作品を並べ、メインはバーンスタインの歌曲集「アリアと舟歌」で締めています。 |
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「心のスレッド」〜デヴィッド・ウォルサー(b.1974)作品集
(1)4つのポストカード(2008)
(2)フィラデルフィア・パーク(2008)
(3)エシェト・ハイル(2010)
(4)アザー・ウェイ(2009) |
(1)ドビュッシー・トリオ(Fl、Va、Hrp)
(2)(3)デヴィッド・ウォルサー(Va)
(2)ダンカン・カミング(Pf)
(4)キャピタル・トリオ(Vn、Vc、Pf) |
録音:2010-2012年
作曲家でヴィオラ奏者でもあるデヴィッド・ウォルサーの作品集。ウォルサーはドビュッシー・トリオのメンバーでもあります。作曲は独学ですが、古典音楽の書法に、ロック、ポップ、ヒップホップ、ラップ、ジャズといった現代の様々な書法を巧みに取り入れている。 |
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「ポーランドの祈り」〜ショパン:室内楽作品集
(1)序奏とポロネーズOp.3(1829-30)
(2)チェロ・ソナタ ト短調Op.65(1845-46)
(3)ピアノ三重奏曲(1828-29) |
ブレント・ウィシック(Vc)
アンドルー・ウィリス(Pf;1848 プレイエル製)
(3)リチャード・ルビー(Vn) |
録音:2010 年1 月2-5 日ノース・カロライナ大学
ショパンがピアノの次に愛した楽器と言われるチェロを中心とした室内楽作品集。ウィシックはガンバも得意とするチェリストで古楽から現代まで幅広いレパートリーを持ち20世紀作品ではブリテンを得意としている。1982年からノース・カロライナ大学で教鞭をとっている。ピアノのウィリスはホルショフスキーやランバート・オーキスに学び、このCDではプレイエル製のピアノを使い鄙びた味わいを楽しめる。 |
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「ジョージ・ウォーカー:偉大なるアメリカの管弦楽曲作品集Vol.4」
ジョージ・ウォーカー(b.1922):
(1)シンフォニア第4番「ストランズ」(2012)
(2)アンティフォニス(1967)〜弦楽のための
(3)ライラック(1996)
(4)運動(2012) |
イアン・ホブソン(指揮)
(1)(2)シンフォニア・ヴァルソヴィア
(3)(4)シンフォニア・ダ・カメラ
(3)アルバート・リー(T)
(4)ドミトリー・コウゾフ(Vc) |
アフリカ系アメリカ人として初めてピューリッツァー賞を受賞した偉大な作曲家ジョージ・ウォーカーの管弦楽作品集第4集(第1集はTROY1061、第2集はTROY1178、第3集はTROY1334で出ている)。
シンフォニア第4番は11分弱の単一楽章の作品で、冷たく程よくモダンな作品。また「ライラック」はホイットマンの「前庭に最後のライラックが咲くとき」から歌詞がとられ、小沢征爾/ボストン響とフェイ・ロビンソンによって初演され、」1996年のピューリッツァー賞を受賞。「運動」は3つの楽章からなるチェロと管弦楽のための協奏的作品。 |
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「あなたの心を開く」〜現代アメリカ歌曲集
アントニオ・カルロス・デフェオ(b.1973):別離の歌(全3曲)
ゲーリー・パウエル・ナッシュ(b.1964):
ポール・ローレンス・ダンバーによる2つの歌曲
トム・シプロ(b.1960):晩夏(全3曲)
ジャクリーン・ヘアストン:意識の流れ(全3曲)
アントニオ・カルロス・デフェオ:3つの素朴な歌
トム・シプロ:人生の真ん中で(全5曲) |
マルシア・ポーター(S)
ヴァレリー・M.トゥルージロ(Pf) |
録音:2012年6月
アメリカで現在活躍する4人の作曲家の歌曲集を集めた。ソプラノのポーターはカーネギー・ホールでリサイタルを行った他、各地の歌劇場でも活躍している。ブラジルに留学した経歴もあり、アフリカ系アメリカやブラジルの歌曲を積極的に紹介している。 |
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「この瞬間に」〜女性作曲家の歌曲集
ジュリアナ・ホール:「エドナからの手紙」(8曲)(1993)
ロリ・レイトマン:ホームレス(2002),エコー(1995)
リビー・ラーセン:ラズベリー・アイランド・ドリーミング(3曲)(2002)
ジュディス・クラウド:
歌と魔法(2011) ,湖は空全体を飲み込んだ(2002),
酔っ払いの歌(2002),笑いの形(1994),
もしあなたが塩バラかトパーズだったら愛さない(2006),
部屋は池だった(2002),死のタンゴ(2002),
私が若かった時(1994) |
キャスリーン・エバーレ(MS)
クセニア・ニシコヴァ(Pf) |
録音:2012年12月
現代アメリカの女性作曲家の歌曲集。 |
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トム・シプロ:
劇的室内歌劇「拒否された栄光」 |
タイソン・ディートン(指揮)
フォートワース・オペラ・フェスティヴァル
マイケル・メイズ(老いたトンプソン)
キャロライン・ワーラ(老いたアリス)
デヴィッド・ブラロック(若きトンプソン)
シドニー・マンカソラ(若きアリス) |
録音:2013年5月フォートワースオペラ・フェスティヴァル,ライヴ
「拒否された栄光」はベトナム戦争時に捕虜となったジム・トンプソン大佐を題材にしたオペラ。戦争時における道徳と苦みのようなものがシプロによって見事に音化されている。 |
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OPENING VEINS〜SLEE SINFONIETTA
(1)アンドルー・リンドフライシュ:静脈が開く(2008)
(2)デヴィッド・フェルダー:ディオニソス(2004)
(3)アンドルー・リンドフライシュ:どんな感じ!(2000)
(4)デヴィッド・フェルダー:内なる空(1994/98)
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スリー・シンフォニエッタ
(1)(3)アンドルー・リンドフライシュ(指揮)
(2)ジェイムズ・エイヴリー(指揮)
(4)ブラッド・ラブマン(指揮)
(2)6人のフルート奏者 |
デヴィッド・フェルダー(b.1953)、アンドルー・リンドフライシュ(b.1963)という二人のアメリカの中堅作曲家の作品集。ポップな雰囲気とモダンな雰囲気が入り混じる不思議な管弦楽作品集。 |
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グレアム・ゴードン・ラムジー(b.1962):独奏楽器のための作品集
(1)4つの秋のスケッチ(2005)
(2)前奏と2つの情景(1984)
(3)6つの前奏曲(2012)
(4)「ヴァイオリンと4つの声のためのソナタ」〜アンダンテ(1985)
(5)エレジー(2008)
(6)ララバイ(2005) |
(1)(6)ティモシー・マクリ(Fl)
(1)(3)-(6)スコット・ニコラス(Pf)
(2)トッド・シーバー(Cb)
(4)(5)ジョディ・ハーゲン(Vn) |
録音:2006〜2013年
ラムジーは合唱や器楽を主とする作曲家。カリフォルニア生まれでタングルウッドやボストン大学で学び、フランスのフォンテーヌブロー音楽学校にも留学した。ロベルト・シロタ、ジョイス・マッキール、セオドア・アントニウ、デヴィッド・デル・トレディチ、ナルシス・ボネ、アンドルー・トーマス等に学んだ。古典的で親しみやすいものから厳しく孤高な雰囲気のものまで、作品によって作風が異なる。 |
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「静寂の門」〜スーザン・ボッティ作品集
(1)ラメント〜倒れた都市
(2)彼女なしの旅行
(3)ディドは話すことを拒否した |
ブレークモア・ピアノ三重奏団
【(1)-(3)キャロリン・フーベル(Vn) 、
(2)(3)フェリックス・ワン(Vc)、
(1)-(3)エイミー・ドーフマン(Pf)】
(3)スーザン・ボッティ(S) |
録音:2010年6月
スーザン・ボッティはクリーヴランド出身の女性作曲家でバークレーで学んだ。クリーヴランド管弦楽団協賛のダニエル・R.ルイス・ヤング・コンポーザー・フェローに選ばれたこともあり、「エコーテンポ」という作品はクルト・マズアが指揮するニューヨーク・フィルによって初演された。ここに納められた室内楽と歌曲は静けさと激しさがメシアンを思わせる。 |
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「マジック・フルート」
(1)ランソム・ウィルソン(b.1951):カルメン幻想曲
(2)ゲーリー・ショッカー(b.1959):エアボーン
(3)クーラウ(1786-1832):無伴奏フルートのための幻想曲
(4)クヴァンツ(1697-1773):フルート・ソナタ
変ロ長調
(5)イアン・クラーク(b.1964):オレンジ色の夜明
(6)テオバルト・ベーム(1794-1881):グランド・ポロネーズOp.16
(7)マイク・マウアー(b.1958):
オーパス・ディ・ジャズ(シャッフル/バラード/ブルーバップ) |
ティア・ローパー(Fl)
ミッチェル・ヴァインズ(Pf) |
録音:2013年1月
ティア・ローパーは日本でPMFオーケストラの首席フルートも勤めたことのある実力派。ニューヨーク・フルート・クラブ・コンクールでの優勝をはじめフランク・ボウエン・ヤング・アーティスト・コンクールやパプトゥサキス・コンクールでも入賞した実績を持つ。このCDはフルートの古典ともいうべきクーラウやクヴァンツ、ベームの作品に現代アメリカの作品をバランス良く配置したアルバムとなっています。 |
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TROY1438
\2200
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「ハープ・フォー・クリスマスVol.1」
〜ゲーリー・ショッカー編曲の21+1のクリスマス・キャロル |
エミリー・ミッチェル(Hrp) |
録音:2012年9月
RCAへの録音で知られるベテラン・ハープ奏者エミリー・ミッチェルによるハープによるクリスマス・キャロル集です。鄙びた味わいがある一枚。 |
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「シチズンズ・オヴ・ノーフェア」
(1)グレゴリー・ワナメーカー(b.1968):デュオ・ソナタ(2002)
(2)ニキタス・デモス(b.1962):シチズンズ・オヴ・ノーフェア(2011)
(3)ランシング・マクロスキー(b.1964):ブラー(2011)
(4)ペリー・ゴールドスタイン(b.1952):ミスチーフ(2011)
(5)リー・ハイラ(b.1952):我々はエトルリア語を話す(1992) |
ジャン・ベリー・ベーカー(Sax)
ケネス・ロング(Cl) |
録音:2011〜2013年
ベーカーはカナダのアルバラータ出身の女性サキソフォン奏者。シカゴ・リリック・オペラやグラント・パーク管弦楽団のサックス奏者として出演している他、カナダやウクライナのオーケストラと協奏曲で共演している。ケネス・ロングはアトランタのジョージア州立大学で助教授を務めるアメリカのクラリネット奏者。このアルバムはサックスとクラリネットの新作を集めた作品集です。 |
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「ドラゴン」〜ジェフスキ他のサックス・アンサンブル作品集
ジェフスキ:スポット1、スポット7
ジョーン・タワー:ファンタジー(…これらの港の灯)
ジェフスキ:スポット6、スポット12
アラン・ブランク:コントラスツ
ジェフスキ:スポット8
ヒラリー・タン:ウィンドホヴァー
ジェフスキ:スポット9、シュティック、スポット3、スポット2
ジョセフ・マーティン・ウォーターズ:ドラゴン |
ウィリアム・パーコンティ(アルトsax)
アロイ・サクソフォン四重奏団 |
ジェフスキの連作「スポット」を中心としてサクソフォン・アンサンブルのための作品集。分かりやすいような分かりにくいような作品がずらっと並んでいます。 |
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(1)バーバラ・ホワイト:ウィークネス
(2)トム・コワン:マチャ |
(1)サラ・デーヴィス(S)
ダグラス・ガレスピー(語り)
ライリー・リー(竹笛)
バーバラ・ホワイト(Cl、バスCl)
テイラー・レヴァイン(エレキG)
ドミニク・ドナート(Perc)
マイケル・プラット(指揮、語り)
クラウド
(石の打楽器アンサンブル、語り)、他
(2)ローズ・マリー・マクスウィーニー
(ペニー・ホイッスル、竹笛、
アイリッシュFl、Cl、バスCl)
グレッグ・シルヴァー(フィドル)
コンラッド・カツマレク
(エレクトロニックス)、他 |
録音:2012、2013年
西洋の楽器や民族楽器、海の音など自然の音等をコンピューター処理した音響の上で歌ったり語ったりしています。 |
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「聞こえない音楽」〜アメリカの吹奏楽のための新作集
(1)ランシング・マクロスキー:私達がやっている事は秘密です(2011)
(2)ニコ・マーリー:ソー・トゥ・スピーク(2004)
(3)キース・カステラー:オヴ・パティナ(2013)
(4)ジャスティン・バリッシュ:マシーン・ミュージック(2011)
(5)ランシング・マクロスキー:狂気の群衆(2007) |
(1)-(4)エリック・ヒューイット(指揮)
ボストン音楽院ウインド・アンサンブル
(1)(5)トリトン・ブラス(金管五重奏) |
録音:2007-2012年ボストン
アメリカの管楽のための新作集。ボストン音楽院ウインド・アンサンブルは2005年以降15曲以上の新作を初演している。このアルバムには打楽器も激しい大編成の作品が多く収録されている。(1)は金管五重奏をソリストにした4楽章構成の作品。(5)は金管五重奏のための作品。 |
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「比重」〜ランシング・マクロスキー
(b.1964):室内楽作品集
(1)比重2.72(2012)
(2)突然の音楽(2009)
(3)レクイエム,v.2.001(2000)
(4)涙の行列(パヴァーヌ)(2009)
(5)クアルテットロペ(2008) |
(1)スティーヴン・D.デーヴィス(指揮)
ニュー・イヤー(新耳)アンサンブル
(2)レベッカ・ダレン(S)
アラン・オスカー・ジョンソン(Pf)
(3)(5)エドゥアルド・リーンドロ(指揮)
ストーニー・ブルック現代室内プレイヤーズ
(4)フィリップ・A.シュトイトリン(Sax)
ゾヤ・ツヴェトコワ(Vn)
スコット・ウールウィーヴァー(Va)
ジョシュア・ゴードン(Vc) |
録音:2009年、2012年
マクロスキーは変わった経歴の持ち主で、1980年代のサンフランシスコ・ベイ・エリアのパンク・バンドでギターを弾きつつソングライターをしていたのが始まりでした。彼にとっての3大Bはバッハ・ベートーヴェン・ブラームスではなくてビートルズ・バウハウス・ブラックフラッグだったとか。作風は無調ではないものの、点描的なもの、流麗なもの、激しいものと色々ですが、真摯な聴きごたえのある作品ばかりです。 |
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「感情の浮き沈み」〜ラフマニノフ&吉仲淳作品集
ラフマニノフ(1873-1943):
前奏曲集
(ト長調Op.32-5/ロ短調Op.32-10/嬰ト短調Op.32-12/
ト短調Op.23-5/ニ長調Op.23-4/変ロ長調Op.23-2)
「音の絵」より
(ハ長調Op.33-2/変ホ長調Op33-7/ト短調Op.33-8/
変ホ短調Op.39-5/イ短調Op.39-2/嬰ハ短調Op.33-9)
吉仲淳(b.1963):瞑想、痛み |
ヤロスラフ・セニシン(Pf) |
セニシンはカナダのピアニストで、ワシントン・ポスト紙から「巨大な力」をもつピアニストと絶賛されました。彼は演奏活動に加え、サイモン・フレイザー大学で美学と倫理学も教えています。このアルバムではラフマニノフの名作に加えて日本の吉仲淳(よしなか・あつし)の小品が2曲収録されている点も特徴となっています。 |
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ポール・チハラ:「白木蓮」
〜大連雑技団のアクロバット、ダンスと映像の祭典のための音楽 |
ポール・チハラ(指揮)
北京インターナショナル・チーフ・
フィルハーモニー管弦楽団 |
日系アメリカ人作曲家として確固たる地位を築いているポール・チハラ(b.1938)が、作曲・指揮をした舞台音楽。中国の大連雑技団の演目のための音楽です。 |
BRIDGE
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BCD 9378
(3CD 2枚価格)
\4400
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「ヴォルフ:歌曲集」
(1)ヴォルフ:スペイン歌曲集(全44曲)
(2)ヴォルフ:イタリア歌曲集(全47曲) |
ミヒャエラ・ゼリンガー(Ms)
ヴォルフガング・ホルツマイアー(Br)
(1)ブリジット・シュタインベルガー(S)
ラッセル・ライアン(pf)
(2)ゲオルグ・ベックマン(Pf) |
名バリトン、ホルツマイアーを中心としたヴォルフ歌曲集
録音:2010年3月ウィーン・ラディオ・クルトゥーア・ハウス、DDD、3:02:40
バリトン歌手のホルツマイアーの監修の下、ドイツとオーストリアを中心とした歌手とピアニストによるヴォルフの二つの歌曲集をディスク3枚に渡ってコンプリート。明るく張りのある歌声を聴かせるホルツマイアー、明暗の切り替えが絶妙なゼリンガーによるイタリア歌曲集では、爽やかさ湛えたドラマが展開される。スペイン歌曲集では、アメリカ人ピアニスト、ライアンの表現力豊かな伴奏にも注目したい。 |
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「モーツァルト:ピアノ協奏曲集(室内楽版)」
(1)ピアノ協奏曲第12番イ長調K.414
(2)ピアノ協奏曲第13番ハ長調K.415
(3)ピアノ協奏曲第14番変ホ長調K.449 |
アン=マリー・マクダーモット(Pf)
カルダー四重奏団
(3)デイヴッド・J・グロスマン(Cb) |
アン=マリー・マクダーモットの室内楽版モーツァルトのピアノ協奏曲第12〜14
番
録音:2012年12月ニューヨーク・芸術文学アカデミー、DDD、75:54
弦楽四重奏を伴奏としたモーツァルトのピアノ協奏曲集。第14
番のみ、それにコントラバスが加わることで、通常の室内楽版にはない厚みのある演奏になっている。1963
年クイーンズ生まれのマクダーモットは、アメリカの様々な音楽祭の監督を務める、プロコフィエフ演奏に定評のあるアメリカのピアニスト。ナージャ・サレルノ・ソネンバーグの共演者としてもしられている。あでやかで、アダルトなピアニズムが特徴だ。 |
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「ジョージ・パール(1995-2009):弦楽四重奏曲集」
弦楽四重奏曲第2番ニ短調op.14(1942)
弦楽四重奏曲第5番(1960)
秩序の窓(弦楽四重奏曲第8番)(1988)
モルト・アダージョ(1938) |
ダイダロス四重奏団 |
録音:2012年6&9月ニューヨーク・ディメンナ・クラシック音楽センター、DDD、68:16
渡米したクルシェネクの弟子として、セリー音楽の理論家でもあった作曲家ジョージ・パール。ストラヴィンスキーとアルバン・ベルク協会を設立した彼の四重奏曲第2番は、ベルクのようなしっとり感のあるウィーン楽派風。第5番は微分音を用い、第8番はさらに晦渋な装いを見せるものの、そこには独特なリリカルさを潜ませる。 |
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「ジョン・マスト(b.1954):ピアノ協奏曲集」
(1)ピアノ協奏曲第1番(19882005)
(2)2つのコンサート用断片〜2曲(1996/1990)
(3)ピアノ協奏曲第2番(2006) |
ジョン・マスト(Pf)
(1)スコット・ユー(指揮)
オーゼンセ交響楽団
(3)グレン・コルテーゼ(指揮)
グリーリー・フィルハーモニー管弦楽団 |
録音:(1)(2)2012年5月、(3)2010年3月、DDD、68:27
ジョン・マストは、近年アメリカで評価が高まりつつある作曲家。日本では、辻井伸行が優勝したヴァン・クライバーンコンクールで現代曲の課題曲を担当したことでも知られるようになった。自身がピアニストだけに、ピアニズムの粋を尽くした作品が並ぶ。憂いの気配の強い協奏曲第1
番、ユーモラスなオーケストレーションが魅力なネオ・ロマン風第2
番。そして、気の効いたアンコール・ピース作品も。 |
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「ギター四重奏のためのイタリアの現代作品」
カルメロ・ニコトラ:アブシンチウム
マウロ・スキアボーネ(b.1975):四重奏曲第5番
ニコラ・ジャッペッリ(b.1975):カタストロフ・ポルカ
ジョヴァンニ・ソッリマ(b.1962):レオナルドの寓話
パオロ・アルカ(b.1953):4人のためのワルツ
ブルーノ・マデルナ (1920-1973):衛星のためのセレナータ |
ギタリアン四重奏団 |
録音:2011年1月ローマ・市民芸術学校、DDD、51:25
四台のギターによるイタリア現代作品集。ギターのアンサンブルならではの特殊な音響を追求した「レオナルドの寓話」、諧謔を極めた「カタストロフ・ポルカ」や、フレキシブルな編成と演奏様式で知られる「衛星のためのセレナータ」(このギター四重奏で聴くと、ここまで軽やかな作品だったのかと驚かされる)など多彩なスタイルな作品を収録している。最後のマデルナ作品以外はギタリアン四重奏団のために書かれ、世界初録音。 |
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「エアリー」
〜ジョン・マクドナルド:ヴァイオリンとピアノのための音楽
リリカル・スタディop.10-2(1985)/ポエムop.12B
(1985)/
シェーンベルクの主題による短いパスティーシュop.15(1985)/
4つのひたむきな細密画op.27(1987)/
ユリの花イベント(7つの小さな習作のための組曲)op.97(1989)/
ヴァイオリン独奏のためのソナタop.219(1994)/
6つの簡潔な小品による組曲op.326(1999-2000)/
ラインズ・アフター・キーツop.326(2000)/エアリーop.436(2007-2008) |
ジョアンナ・クルコウィッツ(Vn)
ジョン・マクドナルド(Pf) |
録音:2010年3月マサチューセッツ・タフツ大学ディストラー・パフォーマンス・ホール、DDD、65:06
ジョン・マクドナルドは、中堅といっていい世代に属するアメリカの作曲家。作品番号からもわかるように多作で、当盤の収録作品にはベケットやキーツの詩にインスパイアされた曲もあるが、作曲家本人はより純音楽的な作品を志向しているらしい。作曲者のピアノとクルコウィッツのヴァイオリンのデュオからは、透明感のある抒情が香り立つ。 |
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「ギターのための新しい音楽第8集」
(1)デイヴィッド・スタロビン(b.1951):
カール・ニールセンの主題による変奏曲(2010)
(2)ポール・ランスキー(b.1944):パルティータ(2010)
(3)ポール・ルーザス(b.1949):6つのページ(2008)
(4)ジョージ・クラム(b.1929):アルハンブラの幽霊(2009) |
デイヴィッド・スタロビン(G)
(2)吉永真梨(Perc)
(4)パトリック・メイソン(Br)
ダニエル・ドラックマン(Perc) |
録音:2012年6月フィラデルフィア・グールド・リハーサル・ホール、DDD、55:36
「20 世紀で最も影響力のあるアメリカのクラシック・ギタリスト」(サウンドボード誌)と呼ばれたスタロビンによる21
世紀のギター作品集。BRIDGE レーベルの看板作曲家でもあるルーザスとクラムの作品を始めとして、明確な個性を持った作品が並ぶ。ガルシア・ロルカの詩に基づくクラム作品は、この作曲家の最近の傾向としてより抒情性を増している。ランスキー作品で打楽器を担当する吉永真梨は、鹿児島出身でカーティス音楽院へと進み、現在はアークス・デュオのメンバーとしても活躍中。 |
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「マウロ・ジュリアーニ(1781-1829):作品集第2集」
(1)サヴォワの主題による大変奏曲WoO(posth)G-1/
(2)アレグレットop.98, no.4/(3)アンダンティーノop.98,
no.7/
(4)前奏曲op.83,no.1/(5)変奏曲op.24a/(6)2つのロンドop.68/
(7)前奏曲op. 83,no.4/(8)アレグレットop.
98,no.8/
(9)ケルビーニの行進曲による変奏曲op.110 |
デイヴィッド・スタロビン(g)
(5)アマリア・ホール(Vn)
(6)イノン・バルナタン(Pf) |
録音:2010-2012年ニューヨーク、DDD、58:16
幅広いレパートリーを持つスタロビン(このレーベルにはソルやカーターなど20
枚以上の録音がある)が最近特に関心を持っている作曲家は、ジュリアーニだという(第1集はBCD9029)。19
世紀初頭のウィーンでギターのヴィルティオーゾとして知られ、多くのギター曲を残したジュリアーニの初期ロマン風の抒情性が、スタロビンの完璧なテクニックによって紡ぎ出されている。「変奏曲」はヴァイオリン、「ロンド」はピアノとの二重奏だが、いずれもその風通しのいいアンサンブルが実に爽やか。 |
CELESTIAL HARMONIES
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「ロジャー・ウッドウォード・イン・コンサート」
ドビュッシー:前奏曲第2巻(全12曲)
ショパン:3つのマズルカ Op.59
バッハ:パルティータ第6番 ホ短調
BWV830 |
ロジャー・ウッドウォード(ピアノ) |
ロジャー・ウッドウォードの最新録音はドビュッシー、ショパン・バッハ!
録音:2007年1月6日、ブレーメン(ライヴ)、81'30
ロジャー・ウッドウォード(ウッドワードとも)が2007
年1 月6 日にドイツのブレーメン放送ホールで行ったリサイタルのライヴ録音。ドビュッシーの前奏曲はこの直後に第1
巻と共に録音、132792で発売されている。またバッハのパルティータ第6
番も同時期のブレーメンでの録音が13280
で発売されている。ショパンのマズルカはこれが初めてのようである。ウッドウォードの素晴らしく透明で神経の通った響きが素晴らしいのはもちろん、ここではほんのりとライヴの感興が加わってまた独自の味がある。
そのウッドウォードの「バッハ/平均律」とショスタコーヴィチ |
19922-2
(5CD、4枚価格)
\8800 →¥7990
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バッハ:平均律クラヴィーア曲集全曲BWV.846-869 |
ロジャー・ウッドウォード(Pf)
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近年稀に見る成果!ウッドウォードのバッハ:平均律全曲ロジャー・ウッドウォード(あるいはウッドワードとも表記される)は、1942年、オーストラリアのシドニーに生まれたピアニスト。オーストラリアを代表するピアニストとして名高い。このバッハの平均律クラヴィーア曲集の全曲は、バッハ・ファン、ことにピアノ演奏によるバッハを聞く人は大いに注目すべき演奏だ。真摯に作品に向き合い、あらゆる指に神経を通わせた演奏で、すべてが収まるべきところに収まったような練り上げの見事な演奏には感嘆するしかない。近年の平均率の録音の中でも特筆すべき内容を持った演奏だろう。
録音:2008年1月、8月
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14302-2
(2CD)
\4400 →\3990
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ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87全曲 |
ロジャー・ウッドワード(ピアノ) |
録音:1975年、AAD,125'44
バッハの平均律クラヴィーア曲集全曲(19922-2
5CD4枚価格)が極めて大きな反響を巻き起こしたロジャー・ウッドワード。
その彼が30代の頃に録音したショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガがCD復刻された。
ウッドワードの知性的な音楽作り、瑞々しく豊かな感性の感じられる音色が、若い頃から極めて高い水準で結実していることがよく分かる。
ショスタコーヴィチが、偉大なバッハの作品を模しながら、各々の前奏曲とフーガに盛り込んだ「思い」が、ウッドワードによって浮かび上がって来る。 |
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GENUIN
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トビアス・コッホ(フォルテピアノ)
「シューマン:色とりどりの小品・アルバムの綴り」
シューマン:
色とりどりの小品 Op.99(14曲)/アルバムの綴り
Op.124(20曲)/
予感/君からの手紙が来ないので/
ブラームス:
シューマンに基づいて自由に/
マティルデ・ハルトマン嬢の親しい思い出に/
アルノルト・ヴェーナーに/
キルヒナー:
ピアノの調律師が来る/ロベルト・シューマン回想記/
バルギール:アルバムの一葉 |
トビアス・コッホ(フォルテピアノ) |
好評のトビアス・コッホのシューマン・シリーズ最新作!
録音:2012年10月29-31日、ライプツィヒ、75'15
シューマンのピアノ小品集、色とりどりの小品
Op.99 とアルバムの綴り Op.124
を中心に、ブラームス、テオドール・フュルヒテゴット・キルヒナー(1823−1903)、ヴォルデマール・バルギール(1828−1897)の小品を収録。トビアス・コッホは、1968
年、ケンペン生まれのピアニスト。フォルテピアノ奏者として知られており、GENUIN
から多数の録音がCD で発売されている。1830
年、ヨハン・ネポムク・トレンドリン製作のフォルテピアノを使用。モダンピアノ演奏と比べ、より繊細なフォルテピアノでこうした小曲を演奏すると、親しい人への贈り物という曲本来の在り方がずっと明確になるように思われる。
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ニコラス・アルトシュテット(チェロ)
「バッハ:チェロ演奏によるヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集」
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番
ト長調BWV.1027
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番
ニ長調BWV.1028
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番
ト短調BWV.1029 |
ニコラス・アルトシュテット(チェロ)
ジョナサン・コーエン(チェンバロ) |
期待の若手アルトシュテットのバッハ:チェロ・ソナタ集
録音:2012年5月9-11日、43'18
今年も含め既に何度か来日している期待のチェリスト、アルトシュテットの新盤。既にGENUIN
レーベルから4 タイトルが発売になっている。
チェロによるバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集の録音は多々あるが、えてしてチェロらしい朗々とした演奏に引っ張りがちであった。ここでのニコラス・アルトシュテット(1982
年生まれのドイツのチェリスト)の演奏は、ヴィブラートを控えた軽い弓圧で演奏することで、チェロの機能性を生かしつつ、ヴィオラ・ダ・ガンバのために書かれたこの作品の特性を殺さないよう十分な配慮をしている。ジョナサン・コーエンのチェンバロとの絡みもピッタリで、チェロによるこのソナタ集のCD
の中でも注目すべきべき出来栄えになっている。
ここで[mp3]というボタンを押すと少しずつ聴ける。リアルな音。
http://www.genuin.de/en/04_d.php?k=276
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元ベルリン・フィルのクラモー指揮
フランスの名曲を吹奏楽で!〜「フランスのクラシック」
デュカス:バレエ「ラ・ペリ」のためのファンファーレ
ビゼー:「カルメン」組曲
フランセ:陽気なパリ
ビゼー:「アルルの女」第1組曲
ラヴェル:パヴァーヌ,ボレロ |
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トーマス・クラモー(指揮)
ザクセン管楽フィルハーモニー |
元ベルリン・フィルのクラモー&ザクセン管楽フィル第3弾!カルメンにボレロ!フランスの名曲を吹奏楽で!
録音2013年1月28-31日、バート・ラウシック、72'24
フェスティヴァル(GEN 11221)、アメリカン・クラシックス(GEN
12247)に続くトーマス・クラモーとザクセン管楽フィルハーモニーによる第3
弾はフランス音楽。ビゼーやラヴェルらの有名曲が並ぶ中、フランセの「陽気なパリ」が珍しい。クラモーはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の元トランペット奏者で、現在は指導者、指揮者として活躍。名門ザクセン管楽フィルハーモニーの首席指揮者を務めている。
ここでもちょっと試聴できる。
http://www.genuin.de/en/04_d.php?k=282
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マリアーニ・ピアノ四重奏団
「ファンタジー」
ブリッジ:幻想曲 嬰ヘ短調
マルティヌー:ピアノ四重奏曲第1番
シューマン:ピアノ四重奏曲
変ホ長調 Op.47 |
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マリアーニ・ピアノ四重奏団:
【フィリップ・ボーネン(ヴァイオリン)、
バルバラ・ブントロック(ヴィオラ)、
ペーター=フィリップ・シュテンムラー(チェロ)、
ゲルハルト・フィールハーバー(ピアノ)】 |
室内楽ファン注目の新しいアンサンブル「マリアーニ四重奏団」余裕すら感じさせるブリッジ・マルティヌー・シューマンの名演!
録音:2012年10月11-14日、ベルリン、61'59
室内楽マニアは注目すべきCD。ドイツの若いピアノ四重奏団、マリアーニ・ピアノ四重奏団のデビューCD。2009年創立のこの団体は、若々しい感性と高度な技術力を持ちつつ、既に落ち着きと余裕を感じさせる素晴らしい演奏で驚かさせてくれる。ことにブリッジの幻想曲の渋い味わいは、彼らがただの優秀な若者ではないことを証明しているだろう。ドイツでは発売後かなり話題になったのも当然の名演である。 |
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「マショー列島」〜中世と現代の音楽
ギヨーム・ド・マショー(1300-77):ノートル・ダム・ミサ
(キリエ,グローリア,サンクトゥス,アニュス・デイ)/
甘き淑女よ/私は忘れられたので/私はとても良い時に生まれた/
とても優しい淑女/私の終わりは私の始まり/
コーベット(b.1960):アーチペル・マショー/
ネムツォフ(b.1980):手紙〜ヘロイザ/
オデー=タミミ(b.1970):オド |
ミィクストゥラ:
【カタリーナ・ボイムル(ショーム)、
マルギット・カーン(アコーディオン)】 |
2012年11月5-8日、ハインスファルト、66'39
GEN 11219に続くショームとアコーディオンのデュオ、ミィクストゥラの新録音。
今回も新旧時代を混ぜ込む作りで、ギヨーム・ド・マショーの曲を中心に、シドニー・コーベット(1960−)、サラー・ネムツォフ(1980−)、サミール・オデー=タミミ(1970−)の曲を収録している。オーボエの先祖であるショームのひなびた響きと、アコーディオンのモダンな響きの絡みがユニークである。
不思議な響き。
http://www.genuin.de/en/04_d.php?k=281
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「ルネサンス音楽と新時代の音楽」
コッホ=ラファエル:気配/
スウェーリンク:大公の踊り,愚かなシモン,それはマルス/
アバド:9つの問い/ハインツ:隠蔽/カジェヌリ:断片/
ゴルジ:鱗年輪/プレレヴィック:ツァゴネトカ/ほか |
ミクストゥラ:
【マルギット・カーン(アコーディオン)、
カタリーナ・ボイムル(ショーム)】 |
録音:2011年5月28-31日、ケルン,DDD、60'54
ルネッサンス時代の木管楽器であるショームと近代の鍵盤楽器アコーディオンを組み合わせ、古楽と現代音楽を共に取り上げるという面白いアルバム。どちらの楽器、奏者も、新旧どちらの時代も受け入れる広さに感心する。 |
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「グランド・ソナタ」〜4手のためのピアノ・ソナタ集
モーツァルト:四手ピアノ・ソナタ
ヘ長調
K.497
クラマー:四手ピアノ・ソナタ第2番
ト長調
オンスロー:四手ピアノ・ソナタ
ヘ短調 Op.22 |
ピアノ・デュオ・ダンヘル=コルプ:
【ロマナ・ダンヘル=コルプ(ピアノ)、
オリヴァー・コルプ(ピアノ)】 |
録音:2013年1月10−13日オーバープファルツ、79'53
四手ピアノのためのソナタを3曲。ヨハン・バプティスト・クラマー(1771-1858)のソナタはこれが世界初録音である。ロマナ・ダンヘル=コルプはチェコのプラハの生まれ。オリヴァー・コルプはドイツのダルムシュタットの生まれ。フランクフルト音楽院の学生時代に出会った二人の連弾は、まさに一人が四手で弾いているかのようである。 |
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「リアル・タイム」〜現代の弦楽四重奏曲
ジャレル(b.1958):時の断章
ナンカロー(1912-97):弦楽四重奏曲第3番
ロルフ・リーム(b.1937):テンポ・ストロッツァート |
アサセッロ四重奏団:
【ロスティスラフ・コジェフニコフ(ヴァイオリン)
バルバラ・クスター(ヴァイオリン)
ユスティナ・シュリワ(ヴィオラ)
ヴォルフガング・ツァマスティル(チェロ)】 |
録音:2013年2月7−10日、ケルン、57'10
ミカエル・ジャレル(b.1958−)、コンロン・ナンカロウ(1912-1997)、ロルフ・リーム(b.1937-)と現代の注目すべき作曲家の弦楽四重奏曲を演奏。アサセッロ四重奏団は、2000年にバーゼルで結成、2005年以降ケルンを本拠とする弦楽四重奏団 |
LYRINX
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「ジョリヴェ(1905-74)&ルノ(b.1945):ピアノ作品集」
(1)アンドレ・ジョリヴェ:マナ(1935)
(2)アンドレ・ジョリヴェ:ピアノ・ソナタ第2番(1957)
(3)ジャック・ルノ:忘却の棲むところ(2011)〜石井佑輔に捧ぐ
(4)ジャック・ルノ:ピアノ・ソナタ第2番(1978) |
石井佑輔(ピアノ) |
フランスで活躍する若手ピアニスト石井佑輔!ジョリヴェとルノのピアノ作品集!日本語オビ・解説付き
録音:2012年10月1〜3日ミュゼ・ドゥ・テロワール・マルセイエ、マルセイユ、DSD録音ステレオ、133'04
フランスを中心に活躍するピアニスト石井佑輔は、積極的に現代音楽を紹介している。中でもジョリヴェを得意としており、CD
では先に「ジョリヴェ&ヴァレーズ:ピアノ作品集(コジマ録音)」が発売になっている。ジョリヴェの「マナ」は6つの小品からなる組曲で。ジョリヴェの作品の中でも傑作と言われている。6つの異なる神秘の力を、並列させながらも総括的な概念を打ち出した独特な作品。ピアノ・ソナタ第2番はジョリヴェの最後のピアノ作品。激烈、衝撃的な印象を与える作品であるが、ジョリヴェの昇華された魂の歌が聴かれる。ジャック・ルノ(b.1945)はフランスの作曲家。作曲は独学だが、ダルムシュタットでリゲティやシュトックハウゼンに、シエナでドナトーニにも学んだ。その作品はブーレーズやアルディッティ四重奏団などにも取り上げられている。ピアノ・ソナタ第2番は1978
年の作品だが、その初演後演奏されず2012
年にようやく石井佑輔により改訂版が再演された。曲は、第1
楽章「非常に急速に」、第2 楽章「非常にゆっくりと」、第3
楽章「幻想曲のように」から成っている。「忘却の棲むところ」のタイトルはスペインの詩人ルイス・チェルヌーダの詩集から取られた。石井佑輔に捧げられた作品。
石井佑輔(ピアノ)
国立音楽大学作曲学科卒業後、渡欧。フランス、パリ国立高等音楽院(CNSM)を得て修了。またブーローニュ音楽院(CRR)ピアノ科一等賞及び最高課程卒業後、ドイツ、フランクフルト音楽表現芸術大学大学院にてアンサンブル・モデルン国際アカデミー(IEMA)を奨学生として修了。第14
回ハビエル・モンサルヴァーチェ国際ピアノ現代音楽コンクール(ジローナ)2
位、オルレアン国際21 世紀ピアノコンクールにおいてナディア・ブーランジェ賞、アンドレ・ジョリヴェ賞を受賞。第6
回イヴァル・ミカショフ・トラスト・ピアニスト/作曲家委嘱プロジェクト優勝。多くの作曲家の初演、演奏にも関わっており、20
世紀の埋もれた作品の再演にも力を注ぐ。 |
MSR
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「ギターのためのコンテンポラリー音楽」
イルッカ・テュルタ(b.1987):エチュード集
I-X(2011)
レオ・ブローウェル(b.1939):黒いデカメロン(1981)
細川俊夫(b.1955):二つの日本の歌(さくら/子守唄)(2004) |
イルッカ・テュルタ(g) |
細川俊夫編の「さくら」「五木の子守唄」も収録!フィンランドのギタリスト、テュルタの現代ギター作品集
録音2012 年8 月フィンランド・ノウシアイネン教会
イルッカ・テュルタは1987年トゥルク生まれ、フィンランド期待の若手のギタリスト。
コンテンポラリーとタイトルにはあるものの、いわゆる前衛的ではなく、ギターの可能性を追求しつつも、耳馴染みのいい作品が集められている。自演となるエチュード集は、様々な技法を生かし、それぞれ異なる性格を持つ10曲からなる小品集。世界初録音となる細川作品は、古謡「さくら」と「五木の子守唄」のギター編曲版。「さくら」での邦楽器を摸した響きをテュルタは見事に再現している。 |
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「ベートーヴェン:ピアノ作品集」
ベートーヴェン:
ポロネーズ ハ長調op.89
15の変奏曲とフーガ 変ホ長調
「エロイカ変奏曲」op.35
幻想曲ロ長調op.77
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調op.111 |
インナ・ファリクス(Pf) |
録音:2013 年1 月ニューヨーク・ヤマハ・アーティスト・サーヴィス
1978 年ウクライナ生まれのアメリカ人ピアニスト、ファリクス。前回の文学に関連するパステルナーク、ラヴェル、ラフマニノフのピアノ曲を集めたアルバム「韻文の響き」(MS1333)から一転、今作はベートーヴェン作品ばかり集めた直球派プログラム。鋭いリズムによる変奏曲が見事だ。ポロネーズや幻想曲といった珍しい曲も収録されている。 |
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「グランド・キャニオン・プロジェクト」
張玉慧(b.1970):リオ・デル・ティソン(2011)
ジャン・スワフォード(b.1946):ユマ・ポイントの静寂(2011)
ジョン・ケネディ(b.1959):平たい石の呼吸(2011)
ラウラ・カミンスキー(b.1956):偉大なる不調和(2010)
マルティ・エプステイン(b.1959):これほど近く、これほど遠く(2011)
ディヴィッド・ラコフスキ(b.1958):煌めき
(2010)
ダリット・ハダス・ウォーショウ(b.1974):ネイッサンス(2011)
ハワード・フラヅィン(b.1962):祖母の灰(と風船)(2011)
ジェフリー・マンフォード(b.1955):さらに内側の焦点(2011)
アンディ・ヴォレス(b.1956):近く遠い(2011) |
ロンダ・ライダー(Vc) |
録音:2012 年ウェレスレー大学ホートン・チャペル
2010 年、グランド・キャニオン国立公園のアーティスト・イン・レジデンスに選ばれたチェリスト、ロンダ・ライダーはアメリカ生まれのチェリスト。リディア四重奏団とトリプル・ヘリックス三重奏団のメンバーでもある。2010
年にグランド・キャニオン国立公園のアーティスト・イン・レジデンスに選ばれた彼女が、この世界的に有名な景勝地のために作曲家たちに委嘱を行ってコンサートを開催、そして生まれたのがこのアルバムだ。チェロ独奏による様々な姿の「グランド・キャニオン」が堪能できる。 |
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「ベートーヴェン・オディッセイ第2集」
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」/ピアノ・ソナタ第14番「月光」/
ピアノ・ソナタ第19番/ピアノ・ソナタ第20番/
ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」 |
ジェームズ・ブローン(Pf) |
録音:2012 年4&12 月サフォーク・ポットン・ホール
英国生まれのブローンはアメリカやオセアニアなどで活躍しているピアニスト。第1集(ソナタ第1番、第3番、第23番「熱情」)に続く、第2弾となる彼のベートーヴェン・アルバムは、中期のドラマティックな作品を収録。ブローンのベートーヴェンは、丁寧な指遣いから生まれる柔らかい音色で、淡々としながらも巨大な造形を作り出している。 |
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「トッド・クロウBBC レコーディングス第2集」
ブラームス:創作主題による変奏曲op.21
ドヴォルザーク:主題と変奏op.36
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガop.24 |
トッド・クロウ(Pf) |
録音:1990〜1995 年BBC
カリフォルニア出身のピアニスト、トッド・クロウのBBC
放送録音集の第2弾。ミケランジェリあるいはグレゴリー・ソコロフを思わせるような品のいい上質なピアニズムを聴かせてくれる。このアルバムに収録された3
曲の変奏曲も、細心の注意を払った音色の変化が見事だ。そして、ブラームスのフーガの風通しの良さは驚きの一言。 |
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「トロンボーンと……」〜トロンボーンと様々な楽器のデュオ
(1)カール・クレーガー(b.1932):ダヴィデの3つの詩篇(1979)
(2)クラレンス・バーバー(b.1951):4つの衝動(2007)
(3)ブレッド・エドワーズ(b.1963):5つのアメリカ民謡の素描(2012)
(4)イネズ・マコーマス(b.1977):光の中への降下(2012)
(5)ゴードン・グッドウィン(b.1941):足跡(2012) |
ブレッド・エドワーズ(Trb)
(1)ティナ・ミルホーン・スタラード(S)
(2)スコット・ヘリング(マリンバ)
(3)マルタ・ミュンディンガー・エドワーズ(Hr)
(4)クリフォード・リーマン(アルトSax)
(5)ジェームズ・アクリー(Trp) |
録音:2012 年南カロライナ大学リサイタル・ホール
様々な楽器と組み合わせることによって、トロンボーンの多彩な魅力を気づかせてくれる一枚。ソプラノとのデュオのクレーガー作品では、トロンボーンの神聖なる響きがクローズアップされ、自作やでは、ホルンと華麗なブラスアンサンブルを繰り広げる。エドワーズの安定したテクニックから生み出される柔軟な音楽性にも注目したい。 |
NBB RECORDS
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「コントレ・ジュール」〜フランスのコントラバス作品集
V.セルヴェンティ(1907-2000):ラルゴとスケルツァンド/
R.ドゥブニョン(b.1968):エクスキーズ/
サン=サーンス:アレグロ・アッパッショナート(原曲:チェロ)/
A.デサンクロ(1912-71):アリアとロンド/
M.マレ(1656-1728):五つのフランスの舞曲(原曲:ガンバ)/
フォーレ:夢のあとに/セルジュ・ランサン(1922-2005):クロキス/
マスネ:タイースの瞑想曲 |
テオティム・ヴォアサン(コントラバス)
マテュー・アネ(ピアノ) |
NBB久しぶりの新譜は若きソリストによるフランス作品集!
録音:2012年7月28-29日
数年前に、テオティムはジュネーヴの音楽院に私を訪ねてきた。彼と会ったのはその時が初めてだった、非常に若く、とても痩せていた、青い目が笑っていた。私は彼に何か弾いてくれないかと頼んだ。彼が弾きはじめると、私はすぐに彼の奏者として、また音楽家としての桁外れた才能を明確に理解した。彼の奏法は非常に自然で、また同時に際立った個性を持っていた。はっきりとして素早い明確な演奏は目を見張らんばかりだった。(A.ボチーニによる紹介文から抜粋)
テオティム・ヴァオサンは1992
年生まれ。ジャン・アネに師事した後、15
歳の時にパリ管の第一主席ソリストのベルナール・カゾーランのクラスに入学。卒業後ジュネーヴの音楽院でアルベルト・ボチーニに師事し、いくつかの賞と共に卒業。その後ロンドン響のR.イブラギモフに師事した。 |
NEOS
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NEOS 10937
(SACD HYBRID)
\2300
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「マデルナ(1920-73):管弦楽作品全集第5集」
(1)ヴァイオリン協奏曲(1969)
(2)ピアノ協奏曲(1959) |
アルトゥール・タマヨ(指揮)
フランクフルトhr交響楽団
(1)トーマス・ツェートマイアー(Vn)
(2)マルクス・ベルハイム(Pf) |
ファン待望のマデルナ管弦楽作品全集第5弾!
録音:2007年12月&2009年3月フランクフルト・ヘッセン放送ゼンデ・ザール
SACD によるマデルナの管弦楽全集の第5弾。今回は二つの協奏曲を収録。ヴァイオリン協奏曲は、しめやかに歌うヴァイオリンに寂寥感を募らせつつも、ときには爆発する色彩的なオーケストラが点描的に絡み合う。ツェートマイアーのヴァイオリン独奏がとにかく美しい。その10
年前に書かれたピアノ協奏曲は、デヴィッド・チュードアに献呈され、彼が初演者だったことからもわかるように、前衛的な賑やかしさがまだわずかに残っている。「ピアノのフタを乱暴に閉める」という指示でも有名で(実際の演奏ではマーラーの交響曲におけるハンマーの縮小版のような効果)、内部奏法も多い。その中間部以降はマデルナらしい透明感、そして抒情性が前面に押し出されている。 |
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「シャリーノ(b.1947):ピアノ作品集」
ノットゥルノ第1番(1998)/ノットゥルノ第3番
(1998)/
ソナタ第5番 (1994)/
永遠に持続された水上都市 (1991)/ソナタ第1番(1976) |
フロリアン・ヘルシャー(Pf) |
イタリア作曲界の重鎮シャリーノのピアノ作品集
録音:2010年10月バイエルン放送スタジオ2
イタリア作曲界の重鎮、サルヴァトーレ・シャリーノのピアノ曲は、伝統的といっていい華麗なピアノ書法を匂わせつつも、煌めくような高音への跳躍、アイロニカルに、ときには神秘的に執拗に反復される音形などが、この作曲家ならではの透明感あふれる響きのなかで実現されている。その多くは、ラヴェルやドビュッシーの作品から触発されているという(たとえば、ソナタ第1番は《夜のガスパール》のトリルを引用し、それを幾度も反復する)。ソナタ第5番は、その難曲ゆえに初演者であるポリーニがコーダの書き換えを求めたほどだ。ヘルシャーの緻密なピアノからは、シャリーノの持ち味である静謐感もよく伝わってくる。 |
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「ブラームス〜シュルンプ〜ミュラー」
(1)ブラームス(1833-97):クラリネット五重奏曲ロ短調op.115(1891)
(2)マルティン・シュルンプ(b.1947):
ファイブ・ポインツ(2012)〜クラリネットと弦楽四重奏のための
(3)マティアス・ミュラー(b.1966):弦楽四重奏のための23部(2012) |
ガラティア四重奏団
(1)(2)マティアス・ミュラー(Cl) |
坪井悠佳率いるガラテア四重奏団によるブラームス&新作
録音:2013 年2 月ボスヴィル・アルテ教会
ブラームス後期作品の傑作、クラリネット五重奏曲と組み合わされるのは、さすがNEOS
レーベルらしく同編成で書かれたシュルンプの新作。作曲者によると、人種の坩堝の象徴であったニューヨークのファイブ・ポインツ地区、および作曲上のパラメーターがタイトルの由来だという。後半3楽章にはブラームス作品との共鳴する部分が用意されている。クラリネット奏者のミュラーの弦楽四重奏作品も収録。異なる長さの休符で23
部に分割され、ブラームスの形式観の自由さとベルクの卓抜な表現力へのオマージュだという。ガラテア四重奏団は、ヴァイオリニスト坪井悠佳が中心となって結成された、近年注目を浴びているスイスを拠点とする若いカルテットだ。ブラームスでは各声部が溶け合うような滑らかさが際立つ。 |
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NEOS 11303-05
(3SACD HYBRID)
\6900
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「ドナウエッシンゲン音楽祭2012」
(SACD 1)
(1)マルティン・スモルカ(b.1959):
「My My Country〜我が父の思い出のために」(2012)
(2)アルヌルフ・ヘルマン(b.1968):「燃え尽きた仕事」(2012)
(3)ベルンハルト・ガンダー(b.1969):「フクル」(2012)
(4)フランク・ペドロシアン(b.1971):それ自体(2012)
(SACD 2)
(5)ステファン・プランス (b.1979):「ジェネレーション・キル」(2012)
〜打楽器、エレキ・ギター、ヴァイオリン、チェロ、
4つのゲーム・コントローラーのための
(6)ヨアフ・パソフスキー(b.1980):
「ミンシャク」(2012)〜拡張されたアンサンブルのための
(7)ヨハネス・クライドラー
(b.1980):
「絶望の道(ヘーゲル)はクロマティックである」(2012)〜
9つの楽器、オーディオとビデオ・プレイバックのための
(8)クラウス・シェドル (b.1966):
「自殺執行人II〜脳内への壁を通って」〜アンサンブルのための
(SACD 3)
(9)クレメンス・ガーデンシュテッタ一(b.1966):
「悲歌」〜サクソフォン、エレキ・ギター、打楽器とピアノのための
(10)マーリン・ボング(b.1974):「コブシ・ブルイ(拳振い)」(2012)〜
テナー・サキソフォン、打楽器、ピアノ、
エレキ・ギターと4つのオブジェのための
(11)ゲオルク・カッツァー(b.1935):
「アフター・キャロル(ジャバウォック)」(2012)〜
ソプラノとアンサンブルのための
(12)ベアト・フラー(b.1954):
「地平線」(2012)〜
クラリネット、トランペット、トロンボーン、ヴァイオリン、
チェロ、ピアノ、打楽器とエレキ・ギターのための |
(1)(2)ルッペルト・フーバー(指揮)
(3)(4)フランソワ=クサヴィエ・ロト(指揮)
(1)-(4)SWRバーデンバーデン・フライブルク
交響楽団
(5)-(8)ナダル・アンサンブル
(9)(10)アンサンブル・ニケル
(11)アンサンブル・アサミシマサ
(12)ヨハネス・カリツケ(指揮)
アンサンブル・アスコルタ |
現代音楽ファン待望のドナウエッシンゲン音楽祭2012!
録音:2012年10月ドナウエッシンゲン音楽祭2012ライヴ
おなじみ現代音楽の祭典ドナウエッシンゲンでのライヴ録音。スモルカとフラーという中堅からベテランの域に差し掛かった作曲家のあいだに若手作曲家が挟まれるという構成。ガンダーの「フクル」は、「超人ハルク」のアナグラムから生まれたタイトルで、放射能を浴び超人化したハルクが変身するときの感情を描いた作品らしく、いかにもアメコミらしいドタバタした音楽だ。ラジオやテレビ音声をふんだんに使ってコラージュ風に仕上げるクライドラーのB
級っぷりや、演劇的に盛り上がるシェドル作品、打楽器が活躍する躍動的な作品だが、なぜか途中で掃除機のカデンツァがある「コブシ・ブルイ」(これは日本語に因んだタイトル)など、若者パワー爆発のオモシロ系の現代曲がひしめく。ジャケット写真にある「ローテク/ハイテク」や「人間/機械」といった二項対立の狭間で右往左往する作曲家の思考がヴィヴィッドに伝わってくるようだ。スモルカやフラーによる落ち着いた成熟した作品と世代的な比較も興味深い。 |
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「ロルフ・ハインド(b.1964):管弦楽と室内楽」
(1)「マヤ=シェーシャ」(2007)〜ピアノと管弦楽のための
(2)「火の目」(2004)〜プリペアド・ピアノと弦楽四重奏のための
(3)「愛の都市」(2001-02)〜声、ヴァイオリンとピアノのための |
ロルフ・ハインド(Pf)
(1)ジェームズ・クラッブ(アコーディオン)
マーティン・ブラビンス(指揮)
BBCスコティッシュ交響楽団
(2)デューク四重奏団
(3)サラ・レオナルド(Vo)
ディヴィッド・アルバーマン(Vn) |
録音:(2)2007年7月ロンドン/(1)2008年8月グラスゴー/(3)2010年ラヴェンスブルク
武満徹「アーク」を英国初演したピアニストであり、作曲家としては東洋思想に大きな影響を受けたロルフ・ハインド。このアルバムに収録された3曲も、インド文化に根差した作品ばかりだ。ヒンドゥー世界を描いた「マヤ-シェーシャ」は、瞑想的な穏やかな解決に至るオーケストラの色彩が美しい作品。「火の目」は、「山」「ライオン」「バッタ」など、それぞれのヨガのポーズにおける呼吸法をリズムとして取り入れた17
曲より構成される。17 世紀のヒンディー語詩人ビハリのテクストを用いた声楽曲「愛の都市」はなかなかドラマティックな構成。第2曲での狂乱の場が強烈だ。 |
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「マーンコップ・エディション4」
「マーンコップ:ジェルジュ・クルタークへのオマージュ」
(1)「ジェルジ・クルタークへのオマージュ」(2000/2001)〜
ギターと室内管弦楽のための
(2)「クルターク二重奏」(2000)〜二つのギターのための |
(1)ユルゲン・リュック(ギター)
ヨハネス・カリツケ(指揮)
oenm(オーストリア新音楽アンサンブル)
(2)エレナ・カーゾリ(ギター)
ユルゲン・リュック(ギター) |
録音:2003年8月ザルツブルク
NEOS レーベルが力を入れてリリースしているクラウス=シュテファン・マーンコップ(マーンコプフ)の作品集第4
弾。今回は現在87 歳の作曲家ジェルジ・クルタークへのオマージュ作品を二つ収録。ファーニホウに学び、新複雑系の旗手だったマーンコプフだが、近年は以前の色彩性を引き継ぎながらも、よりシンプルで柔軟な作風に変化しているようだ。ギター協奏曲のスタイルを持ち、1時間を超える大作「ジェルジ・クルタークへのオマージュ」も、間欠的に音楽が楚々と鳴る余韻の強い音楽になっている。ギター二重奏の「クルターク二重奏」も静謐で美しい音楽の流れのなかで、ときおりパーカッシヴなフレーズが出現する。 |
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「ヘルマン・ケラー(b.1945):独奏・二重奏・三重奏のための即興作品集」
(1)即興的な4つの主題と変奏曲(2007)/
(2)クラキシロヴィアと沸き立った惑星のためのソロ(2001)/
(3)通知1(1993)/(4)起動(1976)/
(5)二つの翼を持ち、そして飛ぶことはできない(2010)/
(6)小さなバラード(2011)/
(7)モルト・セッコ(2008)/(8)33年後(2012) |
ヘルマン・ケラー
((1)(3)-(8)Pf、(2)ピアキシルノ)
(3)(7)アンチュ・メッサーシュミット
((3)Vn,うなり板,鼻笛、(7)Vn&Va)
(4)マンフレッド・シュルツ(Sax)
(6)ユルゲン・クプケ(クラリネット)
(7)ディートリヒ・ペッツォルト(Va)
(8)ウーヴェ・クロピンスキ(ギター) |
録音:1974〜2012年
ドイツ人作曲家ヘルマン・ケラーの即興演奏家としての本領が発揮されているのがこのアルバムだ。ジョン・ケージを思わせる余白の多い乾いた響きで弾かれる「即興的な4つの主題と変奏曲」に始まり、スイスの音響彫刻家マルティン・シュピューラーが作った打楽器とピアノを組み合わせた特殊なピアノ(ピアノ上部に金属状の覆いがあり、ピアノの一部のハンマーがそれを叩き、同時に演奏者が直接それを叩くことも可能)も登場。ジャズ・アーティストとしても舞台に立つケラーだが、それは「小さなバラード」や「33
年後」にその傾向が強く表れている。 |
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「コンヴァージェンス」〜 ローリー・アルトマン(b.1944)の音楽
(1)ピアノ・ソナタ第5番(2006)
(2)南極の収束(2006)
(3)独奏ピアノのための「ペドロの物語」
(2007)
(4)ロメール・ベアデン=ア・ギャラリー・ツアー(2006)
(5)デュークのための「3」(2006) |
(1)(3)クリッパー・エリクソン(Pf)
(2)(4)アンドリュー・ラスバン(Sax)
(2)(4)(5)ローリー・アルトマン(Pf)
(4)スコット・リー(Cb)
(5)パトリス・マイケルズ(S)
(5)ヘレン・ラスバン(Fl) |
録音:2007年1月プリンストン・ブリストル教会/2011年11月ニューヨーク
ローリー・アルトマンは、1944
年アメリカ生まれのジャズ・ピアニストで作曲家。ジャズとクラシックおよび現代曲が互いに行き交うような作風が特徴だ。ピアノ・ソナタ第5番は極めてクラシカルな形式を持った作品(とくに第4楽章「序奏とフーガ、コラール」は完全な擬古典として書かれている)。「南極の収束」はジャズ的な要素が強く、デュークのための「3」は、デューク・エリントンのナンバーをクラシカルな様式にアレンジした作品。また、アフリカ系アメリカ人画家をテーマにして書かれた「ロメール・ベアデン=ア・ギャラリー・ツアー」は、ニューヨーク・アート版「展覧会の絵」の趣きも。 |
NEOS(Blu-rayオーディオ)
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NEOS 11319
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\2300
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「コンタクト・タンゴ」
グスタボ・ベイテルマン(b.1945):ヴィオラとピアノのための5つの小品(1997)
ルイス・ボルダ(b.1955):真実の風
(1996/2012)
パブロ・アギーレ (b.1961):リベラシオン(2010)
ミゲル・バルベーロ(b.1943):エントレラツァドス
(2007)
アストル・ピアソラ(1921-1992):ヴィオラとピアノのための2つの小品(1949)
グラン・タンゴ (1982)/6つのタンゴ・エチュード(1987) |
ユリア・レベッカ・アドラー(Va)
ホセ・ガジャルド(Pf) |
録音:2012年11月フランクフルト/2013年3月アイヒェナウ
クラシック音楽の演奏家にとってピアソラは、ごく当たり前のレパートリーになっているが、このアルバムはそのピアソラを初め、彼の流れを汲む現在活躍中のタンゴ作曲家のヴィオラとピアノのための作品を収録している。ピアニストでもあるベイテルマン、ギタリストとして名高いボルダ、バンドネオン奏者のバルベーロなど、アルゼンチン・タンゴの現場を知る作曲家たち。彼らのタンゴ作品は、アドラーのノーブルなヴィオラとガジャルドの変幻自在なピアノによって、クラシカルなニュアンスも生かして演奏されている。ピアソラ作品以外はすべて世界初録音。Pure
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NMC
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アレクサンダー・ゲール(b.1932):作品集
(1)真鍮以降、石以外・・・Op.80(2008)
(2)・・・アラウンド・ストラヴィンスキーOp.72(2002)〜
ヴァイオリンと木管四重奏のための
(3)クラリネット五重奏曲Op.79(2007)
(4)マネレOp.81(2008)〜クラリネットとヴァイオリンのための
(5)ラルゴ・シチリアーノOp.91(2012)〜
ホルン、ヴァイオリン、ピアノのための |
(1)コリン・キュリー(Perc)
パヴェル・ハース弦楽四重奏団
(2)-(5)ナッシュ・アンサンブル |
録音:(1)2010年5月1日ロンドンBBC、(2)(3)2012年5月28-29日ロンドン、(4)(5)2013年3月27-28日ケンブリッジ
ベルリン生まれ、イギリスの作曲家アレクサンダー・ゲールの近作集。アレクサンダーは、その昔コンサート・ホール・ソサエティに録音を行っていた指揮者ワルター・ゲールの子息である。学生時代から現在に至るまでバートウィッスルやピーター・マックスウェル・デイヴィスらと共にイギリス現代音楽界に大きな影響を与え続けている。ここに収録された作品は何れも完全な無調の雰囲気ではなく、ポップで楽しげな「真鍮以降、石以外・・・」や「アラウンド・ストラヴィンスキー」ではストラヴィンスキーのパストラーレが引用されるなど分かりやすい雰囲気を醸し出している。 |
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「ザ・ハウス・オヴ・ナイト」〜
フィリップ・キャシアン(b.1963):作品集
(1)絵画(2003)
(2)チェロ協奏曲(2012)
(3)夜の家(2002)
(4)ダーク・フライト(2007)〜6本のチェロのための
(5)ピアノ協奏曲(2006) |
(1)トーマス・ツェートマイアー(指揮)
ノーザン・シンフォニエッタ
(2)ダレット・アドキンズ(Vc)
ティモシー・ワイス(指揮)
オバーリン現代音楽アンサンブル
(3)クリストファー・レッドゲイト(Ob)
(3)(4)クリストファー・オースティン(指揮)
(3)セインズベリー・ロイヤル・アカデミー・ソロイスツ
(4)ロイヤル・アカデミー・オブ・
ミュージック・チェロ・アンサンブル
(5)サラ・ニコルズ(Pf)
ソルト・ナジ(指揮:第1・2楽章)
クリストファー・オースティン(指揮:第3楽章)
ロンドン・シンフォニエッタ |
録音:(1)2012年、(2)(3)(4)2013年、(5)2006・2013年
フィリップ・キャシアンは1963
年マンチェスター生まれの作曲家。カーディフ大学とギルドホール音楽演劇学校でナッセンやベインブリッジに学んだ。またブリテン財団の援助を受けタングルウッドでルーカス・フォスにも学んだ。1991
年ブリテン賞受賞、1992 年メンデルスゾーン奨学金を得、1994
年にはPRS 作曲賞を受賞した。ミニマルの影響が濃く、無調で暗い色調ながら心地よいスピード感と、まったりとした空虚な静けさが対比される作品が多い。 |
TUDOR
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カプリッチョ・バロック・オーケストラ
(1)ペルゴレージ:スターバト・マーテル(35:17)
(2)グレゴリ:合奏協奏曲Op.2-9(3:38)
(3)グレゴリ:合奏協奏曲Op.2-10(5:05) |
カプリッチョ・バロック・オーケストラ
(リーダー:ドミニク・キーファー)
(1)チューリヒ少年合唱団
(アルフォンス・フォン・アールブルグ:合唱指揮)
ヨナ・シェンケル(ボーイ・ソプラノ)
アレックス・ポッター(カウンター・テナー) |
カプリッチョ&チューリヒ少年合唱団のペルゴレージ
録音:2013年1月24-27日チューリヒ・ノイミュンスター教会
スイスのピリオド楽器アンサンブル「カプリッチョ」のTUDOR
レーベルへの5 枚目のアルバム。今回は小編成のアンサンブルにチューリヒ少年合唱団を迎えてペルゴレージ(1710-36)の遺作で代表作のスターバト・マーテル(悲しみの聖母)を録音。清楚で美しい児童合唱とフランス風の柔らかいアンサンブルが夭逝の天才ペルゴレージの名作に気高く演奏しています。カップリングは「カプリッチョ」の選抜メンバーが、ジョヴァンニ・ロレンツォ・グレゴリ(1663-1745)の悲しげな合奏協奏曲を収録。 |