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第75号
マイナー・レーベル新譜(2)
2014.2.18〜2014.4.11


K617



K617 246
\2400→\2190
不遇の天才、グヴィ
 グヴィ:
  (1)ピアノ三重奏曲第2番Op.18
  (2)弦楽五重奏曲第6番イ短調
ドニ・クラヴィエ五重奏団
 美しいメロディに満ちあふれたグヴィの室内楽作品が日の目をみた

 録音:2013 年6 月14-16 日/ヴァレリスタル聖オーギュスタン礼拝堂/DDD、62’ 33”

 テオドル・グヴィ(1819-1898) はフランスの作曲家ながら、ドイツとの係争地帯だったザール地方の出身のため、両国の文化に引き裂かれ、正当な評価を受けずにきた不遇の天才。彼の作品復興に力を入れているK617 レーベルが、未知の室内楽作品を世に出しました。ピアノ三重奏曲第2 番は1855年頃、弦楽五重奏曲第6 番(チェロが2 本)は1880 年の作で、いずれもサン=サーンスを思わす均整のとれた古典派風書法が光り、さらに独特な美しいメロディにあふれています。
 マゲローヌ・レーベルからレイナルド・アーン作品集をリリースして話題となったドニ・クラヴィエ率いるドニ・クラヴィエ五重奏団は19 世紀フランスの室内楽作品の発掘・紹介に力を入れる団体。フランス伝統の音色が非常に魅力的。

キング・インターナショナル



KKC 036
\2600→\2390
ふたりのドメニコ/赤松林太郎
 ドメニコ・スカルラッティ:
  (1)ソナタ ホ長調K.531/(2)ハ長調K.159/(3)ニ長調K.178/
  (4)イ長調K.322/(5)ロ短調K.87/(6)ニ長調K.430/
  (7)ニ短調K.64「ガヴォット」/(8)変ロ長調K.440「メヌエット」/
  (9)ヘ短調K.466/(10)ト長調K.63「カプリッチョ」
 ドメニコ・チマローザ:
  (11)ソナタ 変ロ長調C.27/(12)変ホ長調C.37/(13)変ロ長調C.18/
  (14)イ長調C.45/(15)イ短調C.55「シチリアーナ」/(16)イ長調C.11/
  (17)ニ短調C.9/(18)ニ短調C.17/(19)ニ長調C.13/(20)ト長調C.51/
  (21)ト短調C.61/(22)ト長調C.82/(23)ハ短調C.66/(24)ハ長調C.14
赤松林太郎(ピアノ)
 「聡明かつ才能がある」(ヨアヒム・カイザー)強烈な個性とオーラあふれる音楽、天才・赤松林太郎デビュー!

 録音:2013 年12 月2-4 日/ベルフォーレ津山/DDD、60’ 02”

 新しい才能が続々と輩出される日本ピアノ界に、強烈な個性が出現しました。赤松林太郎。何より圧倒的な存在感と説得力あふれる解釈に驚かされます。ピアノの音もたっぷりと豊かで、超絶的な指さばきもふくめ、19 世紀的ピアニズムを感じさせます。演奏のみならず音楽学的研究にも熱心で、珍しい作品の発掘にも積極的。今日の日本では珍しいタイプのピアニストと申せましょう。
 演奏活動のかたわら、エッセイストとして新聞や雑誌にも連載を持ち、「美しいキモノ」ではモデルも務めるマルチ・タレントです。
 このアルバムはスカルラッティとチマローザというふたりのイタリア・バロック作曲家のソナタ集をピアノで挑戦。チェンバロを意識しないピアノならではの表現力と美感を最大限に追求し、あっという間に全曲を聴かせます。

 赤松 林太郎(あかまつ りんたろう)
 1978 年大分生まれ、2 歳よりピアノとヴァイオリンを、6 歳よりチェロを始める。幼少より活動を始め、5 歳の時に小曽根実氏や故・芥川也寸志氏の進行でテレビ出演。10 歳の時には自作カデンツァでモーツァルトの協奏曲を演奏。1990 年に第44 回全日本学生音楽コンクールで優勝して以来、国内の主要なコンクールで優勝を重ねる。1993 年には仙台市教育委員会より平成5 年度の教育功績者に表彰される。1996 年の第1 回浜松国際ピアノアカデミーに参加、最終日のアカデミーコンクールにてファイナリストに選抜される。
 神戸大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノ・室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得(室内楽は全審査員満点による)。ピアノを熊谷玲子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、フランス・クリダ、ジャン・ミコー、ジョルジュ・ナードル、ゾルターン・コチシュ、室内楽をニーナ・パタルチェツ、クリスチャン・イヴァルディ、音楽学を岡田暁生の各氏に師事。
 2000 年に第3 回クララ・シューマン国際ピアノコンクール(審査員にはマルタ・アルゲリッチやネルソン・フレイレなど)で第3 位を受賞した際、Dr. ヨアヒム・カイザーより「聡明かつ才能がある」と評された。国際コンクールでの受賞は10 以上に及ぶ。
 *このCDは弊社独自企画で、海外盤が存在しません。





 野獣。あるいは怪物。しかも魅力的な。
 赤松林太郎。
 今までその名を知らなかった。CDも何枚か出していたらしいが、一般にはほとんど流通していなかったので知らないのも無理はない。なんでも、CDショップに置かなくてもコンサート会場で勝手に売れるから、ショップに流通させる必要がなかったらしい。そうやって今までのCDはみなコンサート会場の即売で数ヶ月の間に完売してしまったのだという。いまどき100枚売るのが大変なクラシックCDの世界で、赤松はこれまでそうやってコンサート会場でそれぞれ500枚を瞬く間に完売させてきたのである。
 そんな赤松林太郎に会った。
 経歴・・・まったく陳腐だが、あえて経歴というものに触れとするならば、1990年に全日本学生音楽コンクールで優勝、2000年に第3回クララ・シューマン国際ピアノコンクールで日本人初の上位入賞、2001年神戸大学卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院にてピアノと室内楽共に高等演奏家課程ディプロムを審査員満場一致で取得卒業。その後もフランス、イタリア、スペインなど十指を超える国際コンクールで優勝や上位入賞を続ける。
 ただ、そういう経歴のピアニストなら日本にも五万といるだろう。
 ただこの人の持つ、ただならぬ野性味、生きることにかけての臭覚・・・それは経歴には出て来ない。会った瞬間に、ただものでないと思わせる、まるで野獣の匂い・・・それは実際にその人にじかに会わないとわからない。今の日本にそんな野獣性・怪物性を感じさせるピアニストがどれだけいるか。いや世界にも。
 さっきの経歴はきれいに書きそろえているが、実際の生き様はもっと強烈。
 たとえば神戸大学卒業というエリートでありながらそんな肩書きにはまったく頓着せず、赤松は卒業後あっさりヨーロッパに武者修行に出てしまう。そしてドイツでピアニストとしての芽がでかかったところでひどい事件に遭い、ほぼ一文無しの状態でパリに流れ着く。そこでパリ・エコール・ノルマル音楽院にもぐりこみ、学費と生活費を得るためにヨーロッパのあらゆる音楽コンクールに出向き、そこで賞金を稼いで廻ったのである。はっきり言えば生きるために。食うために。実家からの仕送りでのほほんと音楽学生生活を送るお坊ちゃんじゃない。そしてそうした活動の中でアルゲリッチやフレイレに賞賛され知己となり、その後ハンガリー・ブダペストに赴きコチシュのところに出入りするようになってようやく落ち着いた。
 そして日本に凱旋。その後は知る人ぞ知るヴィルトゥオーゾとして活躍して廻っていたらしいが、先ほども言ったがCDを大々的に売るということもなく、大型コンサートも西本智実とのツアーくらいだったせいか、その知名度は一般的ではない。しかしその実力は推して知るべし。というか、会った瞬間に相手を惹きこまずにいられないその日本人離れしたキャラクター。会話も饒舌なら機転も利く。頭もすこぶる切れ、知識も学者並み。そしてワインを5杯も6杯も飲んでおきながら、リクエストに応えてリストの「ラ・カンパネッラ」を何の苦もなく、あっさり完奏してしまう。
 すべてが日本人離れした人物。

 そう、一つ言い忘れた。実は赤松が最も影響を受け、その根幹を築いたのは、パリで師事していたフランス・クリダらしい。
 知的で繊細で、フランスの美学を全身で表現するような女性ピアニスト。
 赤松が、たとえば自由奔放で精力的な師匠を持っていたら「ああ、そうなの」という感じだが、まるで正反対と言っていいようなクリダに最も影響を受けたと聞かされたとき、「この男の引き出しは一体どれほどあるのだろう」、と畏れ入った。(過去のコメントから)


LIGIA



LIDI 0101263
\2400→\2190
ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード)
 C.P.E.バッハ:

 (1)幻想曲Wq.202「ハムレットの独白」
 (2)ソナタWq.63 / 6 (H75)
 (3)フルート・ソナタWq.83 (H505)
 (4)幻想曲Wq.202「ソクラテスの独白」
 (5)クラヴィコードとヴァイオリンのための幻想曲嬰ヘ短調Wq.80 (H536)
 (6)「コランとコレット」12の変奏付きロマンスWq.118 / 6 (H226)
ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード)
アンヌ・マグエ(Sop)
アラン・ビュエ(Br)
ジャック=アントワーヌ・ブレッシュ(Fl)
ダニエル・キュイエール(Vn)
 ハムレットとソクラテスのファンタジー

 録音:2013 年4 月/ノディエール/DDD、56’ 36”

 BIS レーベルも全鍵盤作品の録音を完了したC.P.E. バッハ。Ligia レーベルでは、ジョスリーヌ・キュイエがクラヴィコードで興味深いシリーズを進めています。三島由紀夫をテーマにした第1 弾に続く新作は、ハムレット、ソクラテス、ルソーが題材。クラヴィコードのソロのみならず、フルート(トラヴェルソ)、ヴァイオリンのソナタのほか、歌曲があるのも興味津々。12 の変奏付きで、ソプラノのアンヌ・アグエとバリトンのアラン・ビュエの妙技も楽しめます。



三島由紀夫をテーマにした第1 弾

LIDI 0101236
\2400→¥2190
C.P.E.バッハ演奏家の代表者、キュイエによるチェンバロ・ソナタ集
「由紀夫のためのソナタ」
 C.P.E. バッハ:チェンバロ・ソナタ集
  (1)6 つのソナタ続編 第4番 ニ短調 Wq 51/4
  (2)ソナタ ハ短調 Wq 65/31 (3)ソナタ ト短調 Wq 65/17 
  (4)ソナタ ト長調 Wq 65/22 (5)ソナタ ニ短調 Wq 69
ジョスリーヌ・キュイエ(ハープシコード)
文学と音楽、日本とフランスを結ぶオリジナリティあふれる新盤!

録音:2011 年2 月、シャトー・デュ・ペ(フランス)

 2009 年のフォル・ジュルネに来日し、日本でも注目を集めているクラヴサン奏者ジョスリーヌ・キュイエ。これまでにバッハ一族、とりわけC.P.E. バッハの演奏・録音に積極的に取り組み、この作曲家の再興に尽力してきました。彼女が新盤の収録曲として選んだのはC.P.E.バッハのチェンバロ・ソナタ集。
 しかし、その曲目よりもまず気になるのは「由紀夫のためのソナタ」というユニークなタイトルでしょう。三島由紀夫とC.P.E. バッハ?という疑問はごもっとも。というのも、このCD はC.P.E. バッハの音楽と三島由紀夫の文学作品「春の雪」との間に共通点を見出したキュイエが、小説のストーリーにバックミュージックを当てるかのごとく構成したユニークなプログラムとなっているのです。リブレットには各曲目の下に小説の一場面の引用文が挿入されており、キュイエがどの場面を連想して演奏しているのかもわかります。キュイエがどういった部分に共通点を感じ、どのように表現したのか…クラシックファンとしてだけでなく、日本人としても聴き応えのある1 枚といえましょう!





ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード)
FUGA LIBERAの名盤
Johann Sebastian & Carl Philipp Emmanuel Bach - O Suser Clavichord!
MFUG508
(国内盤)
\2940
J.S.バッハ&C.P.E.バッハ 鍵盤作品集
 〜おお、甘美なるクラヴィコード〜

  ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)
  カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ
                  (1714〜88)
 1. 組曲 ホ短調 Wq.62-12/H.66(C.P.E.バッハ)
 2. 変奏付きアリア BWV989(J.S.バッハ)
 3. ファンタジア 第2番 ハ長調 Wq.59-6/H.284
 (C.P.E.バッハ)
 4. ファンタジア イ短調 BWV922(J.S.バッハ)
 5. ラウテンヴェルクのための組曲イ短調 BWV996(J.S.バッハ)
 6. 「スペインのフォリア」による12の変奏(C.P.E.バッハ)
ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード)
使用楽器A:エミール・ジョバン(フリーデリツィ1773年モデル)
使用楽器B:パトリック・シュヴァリエ(フーベルト1785年モデル)
MFUG508
(輸入盤)
\2600→\2290
“強烈なクラヴィコード”なんて、聴いたことない!!こんなに激しく、クラヴィコードで歌い狂えるのか?名曲と秘曲で綴る、通念を覆す至高のバッハ演奏!! 「フォル・ジュルネ」の本拠地として知られる中仏の古都ナントで活躍する古楽アンサンブル・ストラディヴァリアの通奏低音奏者、ジョスラン・キュイエのバッハものアルバム…と書くとまったく陳腐きわまりなく、担当も正直聴きもせずに見過ごしかかっていた1枚ながら、かけてみて全く印象が変わった。全編クラヴィコードで弾いているのだけれど、とにかく弾き方が絶妙にアグレッシヴ! 要所要所で爽快に激しいのである。…と、念のため楽器説明を少し。クラヴィコードはピアノの正当な前身楽器で、チェンバロが弦を「弾く」ところ、こちらは小片で「つっつく」ことで音を得るため音量は驚異的に小さい。しかし楽器のアナログな構造ゆえ、強くキィを押すと弦をゆがめ特殊な音響効果も得られる——ジョスリーヌ・キュイエはこれを最大限に生かして表情をみごとにつけ、かつ「フォルティシモ」的な打鍵をすばらしく絶妙のタイミングで織り交ぜながら、ただでさえ感情表現の強烈な“大バッハの次男”エマヌエルの作品の持ち味をユニークな方向に突き進ませ、「孤独と憂愁のロマン派の先駆け」的に鬱々とした美を追求するタイプの演奏とは一線を画した、「フランスの」「女性」ゆえにか?と思われる独特の境地を体現しているのだ!エマヌエル・バッハ作品がそんな感じゆえか、交互に現れる大バッハの作品もそうした感情表出的な側面が美しく強調されていて、なんとも聴き応えある、およそクラヴィコード゛らしからぬ…いや、しかしクラヴィコードであるがゆえ辿りつけた絶品解釈が打ち出されている。
C P E Bach - Reveries for Connoisseurs & Amateurs
MFUG536
(国内盤)
\2940
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714〜88):
 『音楽通・愛好家諸氏のためのソナタ集』より

  1. カンタービレ(ソナタ第3番Wq.55より)
  2. ロンド 第1番 Wq.58
  3. ファンタジア ヘ長調 Wq.59
  4. ファンタジア 変ロ長調 Wq.61
  5. ロンド 第1番 ハ長調 Wq.56
 6. ソナタ イ短調
 7. 自由なファンタジア 嬰ヘ短調 Wq.67
 8. ジルバーマン殿のピアノに別れを告げて Wq.66
ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード)
C.G.フーベルト1785年製楽器のコピー/C.G.フリーデリツィ1773年製楽器のコピー
FUG536
(輸入盤)
\2600→\2290
 大好評!あざやかに『レコード芸術』特選をもぎとったばかりの「バッハとクラヴィコード」 (MFUG508)につづく、ジョスリーヌ・キュイエ待望のクラヴィコード・アルバム第2弾!
 ひたすら繊細、あまりに雄弁…たわむ弦、ゆれる楽想、これは“鍵盤上の静かな革命”。
 発売されたばかりの『レコード芸術』で特選となっている、あのとんでもないアルバム『バッハとクラヴィコード』でクラヴィコードの通念を軽やかに覆してみせたジョスリーヌ・キュイエが、またもやクラヴィコードで、大変な傑作アルバムを世に問う。
 何しろ彼女の演奏ときたら途方もなくエモーショナル&エキサイティングで、たとえどんな音量で聴いていようとも、「弦をつっついて音を出すため実音が信じがたいほど小さい」というクラヴィコードの根本的事実を、すぐに忘れさせてしまうほど。そのキュイエが愛してやまないC.P.E.バッハは、父の大バッハ同様この鍵盤楽器を愛していたことで有名な人。今回は意外と知られていない晩年の作品群を集め、この孤独な巨匠が最後にたどりついた、ひたすら深く内向的な美しさの領域へと踏み込んでゆく。
 解説にはルソーの『孤独な散歩者の夢想』からの引用がそこかしこ——偉大な芸術家の孤高のモノローグ、といったテーマに、クラヴィコードという楽器は、キュイエならではの稀有のタッチは、なんとあざやかに合致するのでしょう!
 そのすべてが美しいというわけでなくても、中にとてつもなく素晴らしい曲があると、それだけでそのアルバムを手放せなくということがある。
 このアルバムに収録されたのは、当時世界最高の鍵盤奏者だったカール・フィリップ・エマヌエルが残した作品。
 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ。ご存知大バッハの息子。音楽家として最も成功した息子であり、生存中は父親よりも名声が高かった。
 だが、歴史は残酷なもので、いまや彼はバロック後期と古典派の居並ぶ大偉人たちの影に隠れ、「バロックと古典派を結ぶ貴重な作曲家」という名声にとどまる。
 しかしカール・フィリップ・エマヌエルの生きた時代、すでにバロックの全盛期を抜け、王侯貴族の寵愛は受けながらも、その作風は「疾風怒濤」で「多感様式」、つまり聴いてわくわくどきどきする新しいタイプの音楽になりつつあった。なので彼の作品にも、後に現れるモーツァルトやベートーヴェンを髣髴とさせる、時代を先駆けた傑作が多く現れる。
 とはいってもカール・フィリップ・エマヌエルの作品すべてが「どきどきわくわく」するほど美しく感動的な作品というわけではない。
 実際このアルバムに収録されている曲も、ほとんどはよくある「古典派への橋渡し」という哀しいあだ名を付けられそうなフツーの曲である。
 しかし、中に2曲、とんでもない名曲が入っている。
 最初にそれを言ってしまうと推理小説の犯人を先に言ってしまうようなもので恐縮だが、ソナタ第3番のカンタービレ、そしてこのアルバムの中核をなすソナタイ短調。
 哀愁漂う、美しくも気高い作品。
 モーツァルトやベートーヴェンにやがて訪れるあの「天からの才能」を、早くもこの時点でたっぷり味わうことができる。そして何よりこうした「激情的」でロマンティックな音楽はそれまでほとんど存在しなかった(とくにソナタイ短調は1759年の作曲。大バッハの死後まだ10年も経ってない)。まさに新しい時代の先駆であり、ある種革命的な作品といえるかもしれない。そんな痛切な曲をまた、クラヴィコードのキュイエが、抜群の繊細さで、まるで詩を語るかのような演奏で聴かせてくれる。
 この2曲が聴きたくて、何度このアルバムをかけたことか。フリードリヒ大王が彼を手放したくなかったのもわかる。(「まだまだクラシックは死なない!」より)


LSO LIVE



LSO 0748
(SACD HYBRID)
\2400→\2190
ゲルギエフ&ロンドン響
 ブラームス:ドイ
ツ・レクィエム op.45
サリー・マシューズ(ソプラノ)
クリストファー・マルトマン(バリトン)
ロンドン交響合唱団
サイモン・ハルジー(合唱指揮)
ロンドン交響楽団
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
 超優秀録音。ゲルギエフ&ロンドン響によるブラームスのドイツ・レクィエム

 収録:2013 年3 月30 & 31 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)/DSD マルチチャンネル、ステレオ
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン/エンジニア:ニール・ハッチンソン&ジョナサン・ストークス

 SACD ハイブリッド盤。2012 / 13 年のシーズンに、ゲルギエフはロンドン響を指揮してブラームスとシマノフスキの作品を対比上演するという意欲的なシリーズで話題を集めましたが、このたびLSO Live に登場するブラームスの「ドイツ・レクィエム」は、2013 年3 月30 日と31 日に、シマノフスキの「スターバト・マーテル」(LSO0739)に続いて、後半に演奏されたプログラムになります。
 ゲルギエフにはロッテルダム・フィルを指揮した「ドイツ・レクィエム」のライヴ映像作品がすでに知られており、2008 年5 月25 日におこなわれたこのときの模様は、1995 年よりこの年まで13 年に亘るゲルギエフの首席指揮者時代を締め括る最後のコンサートということもあってでしょうか。たいへん熱のこもった指揮ぶりと並んで、世界最高峰と称されるスウェーデン放送合唱団の高水準の仕上がりがひときわ記憶に残るものでした。
 いっぽう、ロンドン響との新盤でも、相変わらず声楽陣の優秀さが光ります。1966 年にロンドン響の仕事を補完するために結成され、ロンドン響とのこれまでのレコーディングでも数多くのパワフルな演奏を聴かせてきたロンドン・シンフォニー・コーラスを率いるのは、当代超一級のコーラス・ビルダーとして知られるサイモン・ハルジー。精緻で妙なるハーモニーはまさに、このひとならではのなせるワザといえます。
 ともに英国出身のソリストのふたりも的を射たキャスティング。LSO Live ではおなじみのマシューズは、凛とした歌声がたまらなくチャーミング。リートに声楽曲、オペラと実績を積むマルトマンは、知的で濃やかな性格表現に長けていることをここでもあらためて強く印象付けています。
 ゲルギエフ率いるロンドン響による「ドイツ・レクィエム」は、就任以来7 シーズン目に入った首席指揮者のもとで、あらたな充実の時代を迎えている楽団のいまをうかがい知るのに、またとない内容といえるでしょう。
 
LSO 0766
(8SACD-HYBRID+
4CD+1DVD)
特別価格
\10000→\8990
「サー・コリン・デイヴィス/LSOライヴ録音選集」 サー・コリン・デイヴィス(指揮)
ロンドン交響楽団
 ・ベルリオーズ:幻想交響曲op. 14a 初SACD化
   収録:2000年9 月29− 30 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ドヴォルザーク:交響曲第9 番ホ短調op. 95「新世界より」 初SACD化
   収録:1999年9月/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ベルリオーズ:序曲「宗教裁判官」op. 3, H23d 初出
   収録:2006年9 月27 & 28日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ベルリオーズ:テ・デウム 初出
   コリン・リー(テノール)、ロンドン交響合唱団、エルサム・カレッジ合唱団
   収録:2009年2 月22 & 23日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・シベリウス:交響詩「大洋の女神」op. 73 初出
   収録:2008年6 月29 日&7月2 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4 番ヘ短調(1934) 初出
   収録:2008年9 月24 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ベルリオーズ:オペラ「トロイアの人びと」
   ベン・ヘップナー(テノール)、ミシェル・デ・ヤング(メゾ・ソプラノ)、
   ペトラ・ラング(メゾ・ソプラノ)、サラ・ミンガルド(アルト)、
   ペーテル・マッテイ(バリトン)、スティーヴン・ミリング(バス)、
   ケネス・ターヴァー(テノール)、トビー・スペンス(テノール)
   ロンドン交響合唱団(合唱指揮:スティーヴン・ウェストロップ)
   収録:2000年12 月3、6、7 日& 9日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・エルガー:エニグマ変奏曲op. 36
   収録:2007年1 月6 & 7日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・エルガー:序奏とアレグロop. 47
   収録:2005年9 月23 日&12月9日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・シベリウス:交響曲第2 番ニ長調op. 43
   収録:2006年9 月27 & 28日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・シベリウス:交響幻想曲「ポホヨラの娘」op. 49
   収録:2005年9 月18 日&10 月9 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ティペット:オラトリオ「われらが時代の子」
   インドラ・トーマス(ソプラノ)、藤村実穂子(アルト)、スティーヴ・ダヴィスリム(テノール)、
   マシュー・ローズ(バス)、ロンドン交響合唱団(合唱指揮:マシュー・ベスト)
   収録:2007年12 月16 & 18日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」
   ピーター・コールマン=ライト(バリトン)、ロンドン交響合唱団、ジョセフ・カレン(合唱指揮)
   収録:2008年9 月28 & 30日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 ・ウォルトン:交響曲第1 番変ロ短調
   収録:2005年9 月23 日&12月4 日/ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 [特典DVD]
 ・ドキュメンタリー「The Man Behind the Music」 初出
   監督:ライナー・モリッツ、字幕:日仏独伊西
  ※ ベルリオーズの「トロイアの人びと」のみ通常盤CD。ほかはすべてSACD ハイブリッド盤。
 完全限定盤!永久保存版!「サー・コリン・デイヴィス・アンソロジー」ベルリオーズ、シベリウス、V・ウィリアムズの初出音源を含む初公開のドキュメンタリー映像作品つき

サー・コリン・デイヴィスが2013 年4 月14 日に世を去ってはやくも一年。記念すべきLSO Live 最初のカタログ番号もデイヴィス指揮のドヴォルザークの「新世界交響曲」(LSO0001)でしたが、栄誉ある100 番目のリリースもやはり、楽団の最大の功労者であるかれのために用意されました。
 この13 枚組のセットは、サー・コリンのLSO Live に対する功労のみならず、もっと正確に言えば、数十年間を通してのLSO との関係に敬意を表するべく編まれたもの。アンソロジーといっても、既発タイトルの寄せ集めではなく、うれしいことに録り溜めてあったお宝音源のなかから選りすぐりの初出タイトルがいくつも盛り込まれているところが見逃せません。
 さらに、特典DVD のドキュメタリー映像もまた初公開となる貴重な内容で、デイヴィスとその音楽を愛してやまないかたにとって、まさしくこれは文字通り永久保存版といえるでしょう。
 なお、完全限定生産品とのことですのでお早めにお求めいただきますようお願い致します。
 【得意のベルリオーズとシベリウスの初出音源】
 デイヴィスがライフワークとしてもっとも得意としていたベルリオーズとシベリウス。2009 年収録の「テ・デウム」は、生前最後のリリースとなった2012 年の「レクィエム」に至る、ベルリオーズ・プロジェクトの一環として演奏されたもの。また、序曲「宗教裁判官」はシベリウスの第2 交響曲と同日の録音で、そのシベリウスの交響詩「大洋の女神」は第4 交響曲(LSO0601)と同日のライヴ・レコーディング。すべてファンのあいだでリリースが待たれていたものです。
 【初録音となるヴォーン・ウィリアムズの第4 交響曲】
 エルガー、ウォルトン、ティペットと、英国音楽のスペシャリストの面目躍如たるところを示してきたデイヴィス初の取り組みとしておおいに注目されたのが、ここでのヴォーン・ウィリアムズの第4 交響曲でした。
 この作品は第2 次大戦前夜のヨーロッパを取り巻く不穏な空気を強く反映した内容で、デイヴィスがまだまだ元気だった時期の演奏ということで、その仕上がりにもおおいに期待が持てそうです。
 【「新世界」と「幻想」を初SACD 化】
 さらに、レーベル黎明期のタイトルで、リリース以来このかたたいへん好評な「新世界交響曲」と「幻想交響曲」を、装いもあらたにSACD ハイブリッド盤化。音質の飛躍的な向上が期待され、演奏の感銘もいっそう深まるものとおもわれます。
 【初公開のドキュメンタリー映像】
 特典映像のDVD もまた、初めて日の目をみる興味深い内容。「The Man behind the Music(音楽を支え続けてきた人物)」と題されたドキュメンタリーには、マエストロ最後の公式声明と、サー・デイヴィッド・アッテンボロー、サー・サイモン・ラトル、ロジャー・ライトらの発言が収められ、ハイライトはマスタークラス、オペラ、コンサートにおける仕事ぶりと、カメラ目線のトークで、音楽家たちを支え続けてきたことをあきらかにしています。監督は、ドキュメンタリー「ピンク・フロイド/ライヴ・アット・ポンペイ」や、小澤征爾指揮の「ジャンニ・スキッキ」「スペインの時」の音楽映像作品などを手掛けたプロデューサー、ディレクターであるライナー・モリッツ。
 【資料価値大、貴重な写真満載で充実のブックレット】
 ドキュメンタリー映像とタイトルも同じ、52 ページの付属ブックレットは、デイヴィスの生涯、LSO とのあゆみ、デイヴィス語録集、1961 年から2012 年にかけてLSO と構築したディスコグラフィ(アルファベットによる作曲家順)、楽譜や手紙の画像などから構成された資料的価値の高いもので、さらに、学生時分のクラリネットを吹く姿に始まり、プライベート・ショットを含むさまざまな時代のデイヴィスの表情はもちろん、ゆかりの深かった作曲家ティペット、ピアニスト内田光子らとの貴重な写真もふんだんに収められ、たいへん充実したつくりとなっています。

LUDI MUSICI


LM 006
\2400
スコットランド歌曲集〜ハイドン、ジェミニアーニ
 1.アン・ボスウェル夫人の嘆きの歌/2.ピーティーズ・ミルの少女/
 3. 私の坊やタミーHob.XXXla:18/4.農夫Hob.XXXla:10/
 5.コーデンノウのエニシダ、ボニー・クリスティ/
 6.鍬の手をもつあの農夫Hob.XXXla:45/7. 若きデイモンHob.XXXla:70/
 8.彼女は立ちあがり、招き入れてくれたHob.XXXla:219bis/
 9.フォイボスの輝き/10.モラグHob.XXXla:143bis/
 11.眠れる人Hob.XXXla:44/12. その夜彼女は毛皮を身にまとい/
 13.この前に沼越えてやって来た時/
 14.マリーの夢Hob.XXXla:1/15.田舎娘/
 16.丘を越え彼方へHob.XXXla:149/
 17.ベッシ−・ベルとメアリー・グレイ/
 18.ジョン・アンダーソンHob.XXXla:2/
 19.トランケールの茂みで/20.マリーの夢Hob.XXXla:201/
 21.眠れる人/22.年をとったロブ・モリス
  ジェミニアーニ:
   1,2,5,9,12,13,15,17,19,21,22
  ハイドン:
   3,4,6,7,8,10,11,14,16,18,20

スーザン・ハミルトン(S)
レア・フルーツ・カウンシル
 マンフレート・クレーマ(Vn)
 素朴で優しい旋律が心を温かくするハイドン&ジェミニアーニのスコットランド歌曲集

 66’57

 素朴で美しいメロディーで、時代を超えて多くの音楽家に愛されているスコットランド民謡。このアルバムでは、ハイドンとジェミニアーニによるスコットランド民謡をもとにした歌曲を収録しています。ハイドンのスコットランド歌曲は、ハイドンの膨大な作品の中に埋もれてしまい、現在でも中々録音や演奏の機会に恵まれませんでしたが、郷愁を誘う物悲しいメロディー、純粋無垢な飾り気のない素朴なメロディーにハイドンの温もりのある優しい音楽が合わさった絶品揃いの歌曲集です。歌うのはスコットランド出身のスーザン・ハミルトン。愛らしくも切ない旋律と見事に合った透明感溢れる美声で聴かせてくれます。ブラームスの間奏曲でも使われていた「アン・ボスウェル夫人の嘆きの歌」は、悲しみの中に音楽の優しさが降り注ぐ忘れがたい1 曲。作為的な作曲技法が一切なく、どの作品も静かに心に染みいる良き音楽です。

MIRARE

MIR 244
\2600
タイ・マレイ(Vn)
 アメリカン・ジャーニー

 (1)バーンスタイン:セレナード(プラトンの「饗宴」による)
 (2)バーバー:弦楽のためのアダージョ
 (3)バーナード・ハーマン:弦楽のための「サイコ」組曲
 (4)ガーシュウィン:3つの前奏曲(ピアノ独奏)
 (5)アイヴス:答えのない質問
タイ・マレイ(Vn)
ジャン=フランソワ・エッセール(Pfと指揮)
ポワトゥー=シャラント管弦楽団
 アメリカ音楽の楽しさを集めた好アルバム

 録音:2013 年10 月/ポワチエ・オードトリウム劇場/67’ 00”

 本年のナントのフォル・ジュルネ音楽祭のテーマはアメリカ。それを記念してのアメリカ音楽アルバム。アメリカ音楽というと良く知らないイメージがありますが、ここに収められた作曲家と作品は誰もが知るものばかり。それをジャン=フランソワ・エッセールのピアノと指揮で聴くことができる超注目盤。
 プラトンの「饗宴」によるバーンスタインの「セレナード」はヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器から成り、ヴァイオリン独奏をアメリカの女流タイ・マレイが務めています。また、ヒッチコックの映画「サイコ」のあの不気味な音楽を最新録音で聴くことができるのも魅力。さらにエッセールは、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」情感たっぷりに、ガーシュウィンの「3 つの前奏曲」ではスウィングをきかせたジャズ風演奏でたっぷり楽しませてくれます。

MUSO


MU 007
\2500
J.S.バッハ:トッカータ全曲集
 (1)トッカータ ハ短調 BWV 911
 (2)トッカータ ト長調 BWV 916
 (3)トッカータ ト短調 BWV 915
 (4)トッカータ 嬰へ短調 BWV 910
 (5)トッカータ ホ短調 BWV 914
 (6)トッカータ ニ短調 BWV 913
 (7)トッカータ ニ長調 BWV 912
アマンディーヌ・サヴァリー(ピアノ)
 バッハのトッカータ全7 曲、フランスのピアニスト、アマンディーヌ・サヴァリーの直球勝負

 録音:2013 年4 月2-4 日

 バッハのトッカータ全7 曲を集めた1 枚。バッハのトッカータはいずれもバッハの若い頃から青年期にかけて書かれたもの。成立はブクステフーデを聴いて衝撃を受けた頃で、走句やアルペジオなど即興的な要素に満ちており、表現への欲求・衝動に満ちた力作ばかりです。
 アマンディーヌ・サヴァリーの、自由な音楽性と安定したテクニックはトッカータにぴったり。1 曲1 曲熱く集中した世界が広がっています。
 アマンディーヌ・サヴァリーは、1985 年生まれのフランスのピアニスト。ダリ・ピアノトリオのピアニストとしても活躍しており、室内楽ではアルテミス弦楽四重奏団やメナヘム・プレスラーの薫陶を受けています。大阪国際室内楽コンクールでグランプリを獲得するなど、広く評価されています。




NAIVE



OP 30553
(3CD)
\6000→\5490
ヴィヴァルディ・エディション、オペラ編
 ヴィヴァルディ:「ダリオの戴冠」
アンデルス・ダーリン(T ダリオ)
サラ・ミンガルド(A スタティーラ)
デルフィーヌ・ガルー(A アルジェーネ)
ロベルタ・マメリ(S アリンダ)
ルチア・チリッロ(Ms オロンテ)
ソフィア・ソロヴィ(S アルパーゴ)
リッカルド・ノヴァロ(Br ニチェーノ)
ジュゼッピーナ・ブリデッリ(A フローラ)
オッターヴィオ・ダントーネ(指揮)
アッカデミア・ビザンティーナ
 新刊はダントーネ指揮の大作「ダリオの戴冠」!ダーリン、ミンガルド、ガルー、マメリ、話題の歌手ズラリ!!

 録音:2013 年9 月,ブレーメン/2h 57' 00''

  naive のヴィヴァルディ・エディション、新刊は「ダリオの戴冠」です。「ダリオの戴冠」は1717 年1 月23 日、ヴェネツィアのサンタンジェロ劇場で初演されたオペラ。この1716-1717 年のシーズンではヴィヴァルディが実施的にこの劇場の運営を任されていました。ところが1716 年12 月の開幕公演を受け持ったフォルトゥナート・ケレーリという作曲家が途中で上演を放棄して楽譜を携えて去ってしまいました。窮地に陥ったヴィヴァルディは自作の再演で凌ぎつつ、急遽この「ダリオの戴冠」を作り上げ、騒動から一月も経たずに上演に漕ぎ着けました。しかもこれが大成功を収め、ヴィヴァルディの明細はいや増したとか。物語はペルシャのダレイオス大王の戴冠に基づいたもの。近年の上演は極めて稀で、今回は実に27 年ぶりの新録音です。
 ダントーネは2013 年7月にフランスのボーヌ音楽祭で「ダリオの戴冠」を演奏会形式で上演、さらに何人かの歌手を代えて同年9月14日にドイツのブレーメン音楽祭で演奏会形式上演、これと前後してドイツ放送との共同できちっと収録されたものです。ダリオは、バロックオペラで大活躍しているスウェーデンのテノール、アンデルス・ダーリン。
 スタティーラは、naive ではおなじみの絶大な人気を誇るコントラルト、サラ・ミンガルド。アルジェーネは、今バロックオペラ、宗教曲などでバリバリに活躍しているフランスのコントラルト、デルフィーヌ・ガル。アリンダに、日本でも人気の高いイタリアのソプラノ、ロベルタ・マメリが起用されているのも嬉しいもの。もちろん、オッターヴィオ・ダントーネ率いるアッカデミア・ビザンティーナの演奏はいつもながら見事なもの、颯爽としたヴィヴァルディもラメントなヴィヴァルディも文句なしです。
 窮地を成功へと転じたヴィヴァルディの傑作を、充実した演奏でお楽しみください!

 ヴィヴァルディ「ダリオの戴冠」 簡単なあらすじ
 亡くなったペルシャ王チーロには二人の娘、姉のスタティーラと妹のアルジェーネがいた。王位を継ごうと名乗り出た三人、ダリオ、アルパーゴ、オロンテは、スタティーラに求婚している。実は妹のアルジェーネはダリオを愛しており、彼を得るため姉を妨害しようと思いつく。求婚者の一人、オロンテにはメディアの王女アリンダという恋人がいるのだが、ペルシャ王になるため彼女を棄ててしまっていた。神託の結果、スタティーラは三人と婚約することになり、混乱に拍車がかかるが、彼女はダリオだけを愛していると打ち明ける。アルジェーネはダリオを騙して怒りを煽り、さらにスタティーラを愛するニチェーノを利用して、スタティーラを城壁外に連れ出させてしまう。そうしてアルジェーネはダリオに愛を打ち明けるが、様子がおかしいと見抜いたダリオはスタティーラを探しに出て行ってしまう。女王に収まろうとするアルジェーネだったが、スタティーラを連れて戻ったダリオが策略を暴く。アルパーゴとオロンテはダリオに忠誠を近い、オロンテはアリンダと結ばれる。ダリオはスタティーラと結ばれ、ペルシャ王となる。
 

Handel: Tamerlano
V 5373
(3CD)
\6000→\5490
リッカルド・ミナージ(指)&イル・ポモ・ドーロ
 古楽名歌手がずらり並んだヘンデルの傑作

  ヘンデル:「タメルラーノ」
シャヴィエ・サバータ(CT タメルラーノ)
ジョン・マーク・エインズリー(T バヤゼット)
マックス・エマヌエル・ツェンチッチ(CT アンドローニコ)
カリーナ・ゴヴァン(S アステリア)
ルクサンドラ・ドノーセ(Ms イレーネ)
パヴェル・クディノフ(Bs レオーネ)
リッカルド・ミナージ(指)
イル・ポモ・ドーロ
 サバータ、エインズリー、ツェンチッチ、ゴヴァン、ドノーセ!古楽名歌手がずらり並んだヘンデルの傑作「タメルラーノ」ミナージ渾身の新録音!

 録音:2013 年4 月、ロニゴ/3 時間13 分

 ヘンデルの全オペラの中でも近年特に人気が高いのが「タメルラーノ」。あの傑作「ジューリオ・チェーザレ」と同じ1724 年に初演された作品で、ヘンデルが最も充実していた時期のオペラ、しかも非常に劇的な意欲作です。タメルラーノとは、14 世紀後半から15 世紀初頭にかけて西アジアを広く支配した伝説的支配者ティムールのこと。1402 年、オスマン帝国との戦いに勝利し、スルタンのバヤジット1 世を捕らえています。この史実に基づき、タメルラーノが捕えたバヤゼット(バヤジット)の娘アステーリアを強引に后にしようとし、父がそれに苦悩し、ついにバヤゼットが気高く壮絶に自害する、という物語。事実上の主役バヤゼットに、当時脇役が普通だったテノールを当て、悲劇的な色彩を際立たせています。かのプラシド・ドミンゴがテノールとして最後にレパートリーに入れた役がこのバヤゼットで、それだけやり甲斐のある役、作品なのでしょう。
 今回の新録音は非常に強力です。バヤゼットは、英国の美声古楽テノール、ジョン・マーク・エインズリー。この録音の少し前に50 歳を迎えたエインズリーは、持ち前の柔らかい美声に深みと表現力を加え、敗北した支配者として、娘を奪われそうになる父として、苦悩するバヤゼットを見事に歌っています。
 対するタメルラーノは、ヘンデルの悪役アリア集(AP 048)が大評判だったスペイン、カタルーニャ州バルセロナ生まれのカウンターテノール、シャヴィエ・サバータ。タメルラーノは悪役とは言っても威厳と気品の求められる役で、ここでのサバータはまさに万全。バヤゼットの娘アステーリアは、カナダ出身の古楽プリマドンナ、カリーナ・ゴヴァン。彼女がヘンデルのイタリア・オペラの録音に参加するのは実に9 種目で、まさに現代を代表するヘンデル・ソプラノです。アステーリアと恋仲のギリシャの王子アンドローニコは、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する大人気カウンターテノールのマックス・エマヌエル・ツェンチッチ。さらにタメルラーノの婚約者であるイレーネには、モーツァルトやロッシーニのメッゾ役で活躍するルーマニアのメッゾソプラノ、ルクサンドラ・ドノーセと、たいへんに贅沢に優れた歌手を投入しています。
 リッカルド・ミナージは、バロック・ヴァイオリニストとして名を馳せた後、近年は指揮者として精力的に活躍しています。彼が2012 年に創設したイル・ポモ・ドーロを率いて、ヘンデルの気迫に満ちた音楽をしっかり引き出しています。ちなみに彼は母親が日本人の日伊ハーフです。
 この録音は1731 年の再演時の楽譜に基づいています。ただし初演時との主な相違2 点、多くのレチタティーヴォの短縮と第3 幕のレオーネのアリアの追加は、今日の上演ではむしろ採用される方が一般的で、また1731 年再演では削除された第2 幕のアステーリア、タメルラーノ、バヤゼットの三重唱はこの録音では残されているので、結果的に今日の標準的な「タメルラーノ」になっています。
 17 世紀後半に建てられたヴィチェンツァのヴィッラ・サン・フェルモでの収録です。

 naiveのサイトで少し試聴できます。http://www.naive.fr/en/artist/il-pomo-d-oro
 


V 5368
\2500→\2290
音色煌びやかなメンデルスゾーン&アダムズの協奏曲
 (1)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調op.64
 (2)J.アダムズ:ヴァイオリン協奏曲
チャド・フープス(Vn)
クリスティアン・ヤルヴィ(指揮)
ライプツィヒMDR 交響楽団
 俊英フープス、鮮烈な1st アルバム!ストラドの音色煌びやかなメンデルスゾーン&アダムズの協奏曲、オケはC.ヤルヴィ& MDR 交響楽団

 録音:2013 年11 月、MDR スタジオ(ライプツィヒ)
 使用楽器:1713年製ストラディヴァリウス《Cooper Hakkert, ex Ceci》

 アメリカ出身のチャド・フープスは、新進気鋭のヴァイオリニスト。2008 年メニューイン国際コンクール・ジュニア部門で堂々の優勝を飾り、一躍注目を集めた19 歳(2013 年録音時)の若き逸材が、naive レーベルから待望の1st アルバムをリリースいたします!記念すべき初録音に彼が選んだのは、お馴染み、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64」と、アダムズが1993 年に作曲した「ヴァイオリン協奏曲」。コアなファンをも唸らせる意欲的なカップリングで、王道的かつ挑戦的なデビューアルバムに仕上げてきています。フープスをバックで支えるのは、2012 年より新たにクリスティアン・ヤルヴィを常任指揮者に迎え、ますますの躍進を遂げるMDR 交響楽団。いずれもヴァイオリン・ソロに負けず劣らずオーケストラ・パートが活躍する作品なだけに、フープスとの丁々発止の掛け合いが大きな聴きどころです。特にアダムズの3 楽章は息を呑む圧巻の仕上がり。フープスとオーケストラが一心となった熱演に、思わず呼吸も忘れるほど聴き入ります。
 その面影に未だあどけない雰囲気も残すフープスですが、その演奏は決して若さゆえの勢いに任せないもの。途切れることなく朗々とメロディを歌いこむフレーズ感は特に素晴らしく、1713 年製ストラディヴァリウス≪ Cooper Hakkert, ex Ceci ≫のまろやかな音色を、細かな一音にいたるまで丁寧に、煌びやかに聴かせています。メンデルスゾーンでは躍動感あふれる若々しい演奏を見せる一方、アダムズでは瞑想的な深みのある音楽を作り上げており、その表現の幅に驚かされます。その卓越した演奏技術に唸ると共に、今後の躍進に大きな期待を寄せさせてくれる、注目の1st アルバムです!



 


V 5367
\2500→\2290
ピエモンテージ/モーツァルト・清廉に魅せるピアノ・ソナタ集
 モーツァルト:
  (1)幻想曲 ニ短調 K.397
  (2)ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調「デュルニツ」 K.284
  (3)ロンド ニ長調 K.485
  (4)ロンド イ短調 K.511
  (5)ピアノ・ソナタ 第15番 ヘ長調 K.533/494
フランチェスコ・ピエモンテージ(Pf)
 俊英ピエモンテージ、最新盤はモーツァルト!

 録音:2013 年9 月、ルガーノ(スイス)

 2013 年に来日し注目度急上昇中のフランスの俊英、フランチェスコ・ピエモンテージが、2012 年より専属契約を交わした「naive」レーベルから待望の2nd アルバムをリリースいたしました!
 ビエロフラーヴェク& BBC 響をバックに控え、万全の態勢で臨んだ1st アルバム(V 5327)に引き続き今回発売される運びとなったのは、モーツァルトのピアノ作品集。
 「Claves」レーベルのシューマン:ピアノ曲全集録音プロジェクトに参加するなど、独奏曲録音も果敢に取り組んできたピエモンテージですが、モーツァルトの作品のみを収録したアルバムをリリースするのは今回が初めて。2 つのピアノ・ソナタに3 つの小品をカップリングしたプログラムで、1 曲めに収録された「幻想曲 ニ短調」の瞑想的な冒頭から、ピエモンテージが奏でる深く繊細な音色にぐっと惹きこまれます。
 彼独特のふわりとした柔らかなタッチは今回も健在で、特に澄みきったピアニッシモの響きは絶品。明暗と強弱のコントラストも素晴らしく、清爽な演奏を聞かせてくれます。

 【フランチェスコ・ピエモンテージ】
 1983 年スイス生まれ。ハノーファーでA. ヴァルディに師事する傍ら、A. ブレンデル、内田光子、A. ワイセンベルクといったアーティストと親しい交流を育み、重要なインスピレーションを得る。エリザベート王妃国際音楽コンクール入賞ほか、数々の国際コンクールで輝かしい受賞歴を誇る。室内楽ではE. パユ、H. シフ、D. ミュラー=ショットらからの信頼も厚い。2012 年より「naive」レーベルと専属契約を交わし、リリース活動方面でも期待が集まっている。(キングインターナショナル)




フランチェスコ・ピエモンテージ
「naive」レーベル1st アルバム

冒頭の悠然たるテンポでこの男の非凡さを知る


V 5327
\2500→\2290

俊英ピエモンテージ、naiveレーベルから
 こんな王道選曲で登場!

 (1)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調op.54
 (2)ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲 ト短調op.33
フランチェスコ・ピエモンテージ(Pf)
イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮)
BBC 交響楽団
 来日公演で注目急上昇!俊英ピエモンテージ!オケは名匠ビエロフラーヴェク&BBC 響

 録音:(1)2012 年12 月1日、バービカン・センター(ロンドン、ライヴ録音) (2)2012 年11 月、ロンドン/74’00”

 2013 年4 月に来日し、日本でも注目度急上昇中の俊英ピアニスト、フランチェスコ・ピエモンテージが、2012 年より専属契約を交わしたnaive レーベルから待望の最新盤をリリースする運びとなりました!ピエモンテージは1983 年生まれという若手ではありますが、すでに世界各地に活躍の幅を広げ、メータ、ヤノフスキ、マンゼといった指揮者たちとも共演を重ねている実力派。Claves レーベルの下でシューマンのピアノ曲全集録音に取り組むなど、すでに積極的なリリース活動を行ってきたピエモンテージですが、ピアノ協奏曲を録音したのは今回が初めてになります。シューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」とドヴォルザークの「ピアノ協奏曲ト短調」という大作2 つを収録しており、彼独特のふわりとした軽やかなタッチと繊細な音運びの魅力の真髄を味わうに十分なプログラムとなっています。今後の活躍にも更なる期待を持たせてくれる、注目の新譜といえましょう!
 来日公演で都響とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4 番を披露した際は、その流れるような運指から生まれる繊細な音運びで反響を呼んだピエモンテージ。シューマンは来日リサイタルでも好評を博したレパートリーなだけあり、その期待を裏切らぬ出来栄えといったところ。ピエモンテージの演奏は明暗と強弱のコントラストが絶妙で、切なくも美しい旋律をぐぐっと聴かせてくれます。オーケストラはビエロフラーヴェク率いる名門BBC 響。シューマンは2012 年末にロンドンで行われ好評を博したライヴ録音。チェコ随一の名匠が指揮をとるドヴォルザークも聴き所です。演奏は全体的に澱みのない清廉なテンポ感で進められており、冷静の中にも熱さを秘めた盤石のアンサンブルを組み上げています。




OBSIDIAN

Handel: Peace & Celebration
OBSCD 711
\2400
ヘンデル:平和と祝祭
 戴冠アンセム、合奏協奏曲Op.3-2、アン王女の誕生日のためのオード
 司祭ザドク HWV.258/汝の御手は強くあれHWV259/
 合奏協奏曲Op.3-2,HWV313/わが心は麗しい言葉にあふれHWV261/
 アン王女の誕生日のためのオードHWV74/
 主よ、王はあなたの力によって喜びHWV260
ラルス・ウルリク・モルテンセン(指揮)
ヨーロッパ連合バロック管弦楽団
ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団
 ジョージ1世即位300周年記念コンサート・ライヴ

 69’34

 このアルバムは、ロンドンの聖ジョン・スミス・スクエアで行われた1714 年にハノーヴァーのゲオルグ・ルートヴィヒがジョージ1 世としてイギリス国王に即位してから300 周年を祝うコンサートのライヴ録音。
 ヘンデルは1710 年にハノーファー選帝侯により宮廷楽長に任命されましたが、その職を放棄し1712 年イギリスのロンドンに渡ります。ロンドンではオペラを中心に順調に成功をおさめており、宮廷からの祝祭用の音楽、また1713 年には気に入られていたアン王女の誕生日のための音楽などを作曲していました。しかし1714 年アン王女が崩御すると、ヘンデルが職を辞したハノーファー選帝侯がジョージ1 世としてイギリスに迎えられました。そこで「水上の音楽」を機嫌取りのために作曲したという逸話などがありますが、その真意は定かではありません。いずれにしてもヘンデルは王の交代後も宮廷のために作品を多く書き、さらにジョージ2 世の戴冠式のために作曲した「司祭ザドク」HWV258、「汝の御手は強くあれ」HWV259、「主よ、王はあなたの力に喜びたり」HWV260、「わが心は麗しい言葉にあふれ」HWV261 の4 つの合唱曲からなる戴冠式アンセムを作曲しています。このアンセムは現在でもイギリス国王の戴冠式で演奏される曲で、ヘンデルらしい力強く華やかで優雅な雰囲気が漂う作品です。

ORFEO


ORFEO 885141
\2600
ストヤノヴァ、ヴェルディ・アリア集
 ヴェルディ:
  「アイーダ」−勝って帰れ
  「トロヴァトーレ」−恋は薔薇色の翼に乗って,静かで穏やかな夜
  「ジョヴァンナ・ダルコ」−ここでは天が自由に開けていて
  「仮面舞踏会」−死にましょう、けれどその前にせめて許してください
  「ルイーザ・ミラー」−おお主よ 私を罰してください
  「トラヴィアータ」−さようなら、過ぎ去った日々よ
  「ドン・カルロ」−泣かないで、友よ,世の虚しさを知るあなた
  「運命の力」−平安を
  「オテッロ」−アヴェ・マリア
クラッシミラ・ストヤノヴァ(S)
パヴェル・バレフ(指)
ミュンヘン放送管弦楽団
 ムーティのデズデーモナ、ストヤノヴァが満を持してのヴェルディ・アリア集!!

 録音:2013 年7 月1-6 日、ミュンヘン/DDD、74’ 12”

 ブルガリア生まれでウィーンを拠点に活躍しているソプラノ、クラッシミラ・ストヤノヴァが得意としているヴェルディのアリア集を発売。ストヤノヴァといえばかのリッカルド・ムーティがシカゴ交響楽団を指揮した「オテッロ」の演奏会形式上演(CD CSOR9011301、SACD CSOR9011303)でデズデーモナに抜擢されたことで知られていますが、広いレパートリーを誇るストヤノヴァでもヴェルディは重要なもの。2007 年録音のアリア集(ORFEO740081)では「シモン・ボッカネグラ」、「ルイーザ・ミラー」、「レニャーノの戦い」と渋い選択でしたので、今回は彼女の情感豊かなヴェルディをたっぷり楽しめます。
 パヴェル・バレフは、ブルガリア中央部のチルパン出身の指揮者。2007 年からドイツのバーデン=バーデン・フィルハーモニーの首席指揮者を務めています。
 


ORFEO 878141
\2600→\2390
ネルソンス& バーミンガム市響
 シュトラウス・アニヴァーサリーにおくるシリーズ最新作

 R.シュトラウス:
  ・交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」op. 30 (31’50”)
    収録:2012年1 月10、12、14日/
    バーミンガム、シンフォニー・ホール(デジタル・ライヴ)
  ・交響詩「ドン・ファン」op. 20 (18’01”)
    収録:2011年9 月27-29 日/
    バーミンガム、シンフォニー・ホール(デジタル・ライヴ)
  ・交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」op. 28 (15’28”)
    収録:2013年1 月22-24日/
    バーミンガム、シンフォニー・ホール(デジタル・ライヴ)
アンドリス・ネルソンス(指揮)
バーミンガム市交響楽団
 ネルソンス& バーミンガム市響によるツァラ、ドン・ファン、ティル

 プロデューサー:ティム・オールダム/エンジニア:フィル・ローランズ/DDD、ステレオ、65’43”

 作曲家生誕150 周年のアニヴァーサリーに向けて、アンドリス・ネルソンスがバーミンガム市響と取り組んできたシュトラウス・シリーズの最新作。
 チャイコフスキーやショスタコーヴィチのスケール大きく情熱的な演奏でおおきな話題を集めているヤンソンスですが、シュトラウスもまた力を入れている作曲家のひとり。
 なるほど、ネルソンスがバーミンガム市響を指揮した前2 作のアルバム、2009 年収録の「英雄の生涯」「《ばらの騎士》組曲と、2010 年収録の「アルプス交響曲」「《サロメ》の踊り」は、起伏に富むドラマティックな音楽づくりで強烈なインパクトを与えていました。
 また、2010 年秋以降、ネルソンスが客演を重ねているベルリン・フィルでも、2011 年に「《ばらの騎士》組曲」、2012 年には「英雄の生涯」を指揮していましたし、ルツェルン音楽祭2011 でも、同じく常連となったコンセルトヘボウ管を指揮して「《サロメ》の踊り」を演奏していたほか、さらに、2014 / 15 年のシーズンより音楽監督に就任するボストン響とはこの5 月に、演奏会形式による「サロメ」の全曲上演も予定されています。
 ここでシュトラウス特有の凝ったオーケストレーションで人気の交響詩3 曲は、いずれも柔軟でを追うごとに深化を続けてきたお互いの関係が、ひとつの理想的な形を迎えたことをうかがわせる内容となっています。
 すべての収録曲は、2 日間のライヴと予備日1 日のパッチ・セッションというスケジュールでおこなわれたもので、このたびも目の覚めるような優秀録音が何よりうれしいところです。なお、終演後の拍手は入りません。



旧譜
ネルソンスならまずはこれ

歌う「新世界」!美しく洗練されていて、斬新でダイナミック!
随所で天才を感じるでしょう
最後の伸ばしは絶句


BR KLASSIK
900116
\2300→\2090
アンドリス・ネルソンス「新世界より」
 ドヴォルザーク:
  1-4.交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」 Op.95/
  5.交響詩「英雄の歌」 Op.111 B.196
バイエルン放送交響楽団/
アンドリス・ネルソンス(指揮)
録音 2012年12月1-3日 ヘルクレスザール…1-4, 2012年4月25-27日 フィルハーモニー・イン・ガスタイク…5

 現在、若手指揮者の中でも最も有望株として注目されている指揮者アンドリス・ネルソンスのドヴォルザーク(1841-1904)です。彼は1978年にラトビア、リガの音楽家両親の元に生まれ、ピアノ、トランペット、声楽を学びました。まずはラトビア国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者に就任、同時に数多くの指揮者たちから指揮を学んでいます。なかでもマリス・ヤンソンスからは10年近くも指揮法を学んでいて、彼の音楽性にも強い影響を与えていることは間違いありません。2003年から2007年、ラトビア国立歌劇場の首席指揮者へ就任したのを皮切りに、30代半ばにして、世界の主要オーケストラのほぼ全てを指揮しており、各地のオーケストラの「次の首席指揮者」として検討されている人材です。
 これは彼の初のドヴォルザーク録音であり、このライヴはドイツ国内でも大絶賛されました。
 演奏は、本当にツボを心得たもので、例えば「新世界より」の第2楽章での歌わせ方や、終楽章での昂揚感など「この曲をこういう感じで聴きたい」と思っている人にぴったりの解釈なのではないでしょうか?
 同時収録の「英雄の歌」は1897年に書かれたドヴォルザーク最後の交響詩で、他の4曲とは違い、明確なストーリーはなく、一人の英雄が苦難を乗り越えて栄光をつかむというR.シュトラウスの作品とも似た佇まいを持っています。1898年12月4日、ウィーンにてグスタフ・マーラーの指揮により初演されていますが、今ではほとんど演奏される機会のない珍しい曲です。



PRAGA DIGITALS



PRDDSD 250302
(SACD HYBRID)
\2800→\2590
プラジャークSQ を中心としたドビュッシーの室内楽曲集
 ドビュッシー:
  (1)牧神の午後への前奏曲(ザックス/シェーンベルク編による室内楽版)
  (2)チェロ・ソナタ
  (3)夢想(フルニエ編によるチェロとピアノ版)
  (4)ヴァイオリン・ソナタ
  (5)亜麻色の髪の乙女(ハイフェッツ編によるヴァイオリンとピアノ版)
  (6)ピアノ三重奏曲ト長調
(2)(3)プラジャークSQ
ヤロミール・クレパーチ(Pf)
(1)(4)-(6)
 スラーフカ・ヴェルネロヴァー=
  ピェホチョヴァー(Pf)
(6)キンスキー・ピアノ・トリオ ほか
 プラジャークSQとキンスキー・ピアノ・トリオによるフレッシュなドビュッシー

 録音:2013 年6 月12-14 日/ドモヴィナ・スタジオ(プラハ)/63’ 56”

 SACD ハイブリッド盤。プラジャークSQ を中心としたドビュッシーの室内楽曲集。注目はシェーンベルクの「私的音楽協会」のため1920 年に編曲された室内楽版の「牧神の午後への前奏曲」。フルート、オーボエ、クラリネット、ハルモニウム、ピアノ、サンバル・アンティーク、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの11 人奏者のためのもので、これまでシェーンベルクの編曲とされてきましたが、今日では弟子ベンノ・ザックスがシェーンベルクの指示のもと行なった仕事と判明しています。原曲にひけをとらぬ色彩感と表現力で興奮させられます。ヴァイオリン・ソナタはパヴェル・フーラ、チェロ・ソナタはミハル・カニュカといずれもプラジャークSQ の名手が独奏。若書きのピアノ三重奏曲はキンスキー・ピアノ・トリオによるのも期待できます。

PROFIL

Semperoper Edition Volume 8: Weinberger Schwanda the Bagpiper
PH 13039
(2CD)
\4800→\4390
オリジナルのチェコ語上演
 ワインベルガー:「バグパイプ吹きシュヴァンダ」
クリストフ・ポール(Br シュヴァンダ)
マージョリー・オーウェンズ(S ドロトカ)
 ラディスラフ・エルグル(T バビンスキー)
ティチナ・ヴォーン(Ms 女王)
ティルマン・レンネベック(Bs 魔術師)
ミヒャエル・エーダー(Bs 悪魔)
シメオン・エスパー(T 裁判官,第1 の傭兵,地獄の兵隊長)ほか
コンスタンンティン・トリンクス(指)
シュターツカペレ・ドレスデン
ドレスデン国立歌劇場合唱団
 Profilのゼンパーオーパー・エディション、新刊はワインベルガーの傑作「バグパイプ吹きシュヴァンダ」オリジナルのチェコ語上演

 録音:2012 年3 月、ドレスデン/140' 27"

 Profil のゼンパーオーパー・エディション、今回は新しい音源を出してきました。2012 年3 月に新演出上演されたワインベルガーの愉快なオペラ「バグパイプ吹きシュヴァンダ」、しかもオリジナルのチェコ語上演です。ヤロミール・ワインベルガー(ヴァインベルガー,ヴァインベルゲルとも)は、 1896 年、プラハ生まれのチェコの作曲家。「バグパイプ吹きシュヴァンダ」は民話風のとても愉快な物語に、ボヘミア色豊かな旋律を近代的な響きで彩った音楽が付けられた非常に楽しいオペラ。1927 年にプラハで初演されるや大成功を収め、1920 年代末から1930 年代にかけて各地で盛んに上演され、1931年にはメトロポリタン歌劇場でも上演されたほどでした。しかしユダヤ系のワインベルガーは1939 年にナチ政権を逃れて米国へ亡命、1967 年に亡くなります。「シュヴァンダ」の上演も下火になるものの、ポルカとフーガは人気曲として度々取り上げられ、カラヤンも録音しているほど。またオペラそのものドイツ語圏でジワリジワリと人気を取り戻しています。ドレスデン国立歌劇場では1930 年に初演、さらに1950 年にも取り上げられていましたが、どちらもドイツ語訳上演。今回はオリジナルのチェコ語での初上演です。これは大きな評判となり、2014 年1 月にも再演されました。
 歌手はドレスデン国立歌劇場に所属する今伸び盛りの歌手が起用されています。タイトルロールのクリストフ・ポールは、1976 年、ハノーファー生まれのバリトン。2005 年からゼンパー・オーパーに所属し、非常に多くの役を歌ってバリバリに活躍しています。シュヴァンダの妻ドロトカのマジョリー・オーウェンズは米国、ヴァージニア州出身のソプラノ。彼女もゼンパー・オーパーに所属しており、近年はワーグナーやR.シュトラウスなどのドラマティックな役を手掛けて評判になっています。バビンスキーのラディスラフ・エルグルはチェコ出身の若いテノール。ドイツ語圏を中心に活躍しており、ことにウィーンで人気上昇中です。
 女王のティチナ・ヴォーンは米国出身のメッゾソプラノ。1998 年から2006 年までシュトゥットガルト国立歌劇場に所属した後、現在はドレスデン国立歌劇場でドラマティックなメッゾソプラノとして大活躍しています。指揮のコンスタンンティン・トリンクスは1975 年、ドイツ、カールスルーエ生まれの指揮者。2009 年から2012 年までダルムシュタット国立劇場の音楽総監督を務めた実力のある指揮者。2013 年1 月には新国立劇場でワーグナー《タンホイザー》を指揮、さらに同年7 月にはバイロイトで《恋愛禁制》を指揮しています。次世代のドイツのオペラ界を担うであろう逸材です。
 近代オペラとは言え物語も音楽も極めて分りやすいので、あらすじさえ押さえておけば楽に楽しめるオペラです。同じ1927 年に初演されたコルンゴルトの「ヘリアーネの奇跡」ともども、ナチが勢力を拡大する直前の時期の旧オーストリア=ハンガリー帝国の音楽の最後の輝きが実感できることでしょう。

 「バグパイプ吹きシュヴァンダ」 簡単なあらすじ
 新婚の農家の夫婦シュヴァンダとドロトカの家に大泥棒バビンスキーが逃げて来る。ドロトカに惚れた彼はシュヴァンダを唆して冒険の旅へと出かける。二人は魔術師のせいですっかり塞ぎこんでしまった女王の元へと向かう。シュヴァンダがバグパイプを吹いて陽気な音楽を奏でるや、魔法は解け、女王は晴れ晴れとした気持ちになる。喜んだ女王はシュヴァンダに結婚を申し込むが、そこにドロトカが現れて女王を非難するので、二人は捕らえられる。裁判で死刑を宣告されたものの、バビンスキーの助けでシュヴァンダが再びバグパイプを吹いて脱出に成功する。嫉妬の収まらないドロトカに対してシュヴァンダは、もし女王と少しでもキスしていたら地獄に落ちてもいいと慰めるが、実はキスしていたので即座に地獄に落ちてしまう。地獄では悪魔がシュヴァンダにバグパイプを吹くよう求めるが彼はそれを断る。地獄へ下りたバビンスキーは、悪魔を相手にいかさまでカード勝負に勝ち、シュヴァンダを解放する。シュヴァンダはバグパイプを吹き鳴らし、地獄中が陽気に踊り出す。地上に戻ったシュヴァンダをバビンスキーは騙してドロトカを諦めさせようとするが、シュヴァンダは妻と再会して二人は大喜び。彼女を盗めなかった大泥棒バビンスキーは残念がりながら去って行く。
 

PH 10060
(2CD)
\4200
「名フルート協奏曲集/ヴィヴァルディ、テレマン、フリードリヒ2世ほか」
 [CD 1] 74’27”
  ・ヴィヴァルディ:フルート協奏曲ヘ長調RV 433「海の嵐」〜第1、3 楽章
    エベルハルト・チューマッハ(アルトリコーダー)、コンチェルト・ケルン
  ・ヴィヴァルディ:フルート協奏曲ハ短調RV 441〜第1、第3 楽章
    コルドゥラ・ブロイアー(リコーダー)、コンチェルト・ケルン
  ・テレマン:室内協奏曲ト短調TWV43:g3〜第1、2、3 楽章
    クリストフ・フントゥゲボールト(アルトリコーダー)、
    ベルリン・バロック・カンパニー
  ・フリードリヒ2 世:フルート協奏曲ト長調〜第1、3 楽章
    マンフレート・フリードリヒ(フルート)、
    C.P.E.バッハ室内管弦楽団、ハルトムート・ヘンヒェン(指揮)
  ・テレマン:ブロックフレーテとトラヴェルソフレーテのための協奏曲ホ短調〜第2、4 楽章
    ギュンター・ヘラー(リコーダー)、コンラート・ヒュンテラー(トラヴェルソフレーテ)、
    ゲオルク・フィッシャー(指揮)、カペラ・コロニエンシス
  ・ヴィヴァルディ:協奏曲ハ長調RV 443〜第1、3 楽章
    ゾルターン・ジェンジェッシ(フラウティーノ)、
    ブダペスト・ストリングス、カーロイ・ボトヴァイ(指揮)
  ・ヴィヴァルディ:フルート協奏曲ヘ長調RV 434
    ゾルターン・ジェンジェッシ(フルート)、
    ブダペスト・ストリングス、カーロイ・ボトヴァイ(指揮)
  ・ヴィヴァルディ:フルート協奏曲ト短調RV 439「夜」
    エベルハルト・チューマッハ(アルトリコーダー)、
    コンチェルト・ケルン

 [CD 2] 69’18”
  ・フリードリヒ2 世:2 つのフルート、2つのオーボエと2 つのホルンのための協奏曲ニ長調
    マンフレート・フリードリヒ(フルート)、
    C.P.E.バッハ室内管弦楽団、ハルトムート・ヘンヒェン(指揮)
  ・グラウン:フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ト長調
    ベルリン・バロック・カンパニー
  ・ヨハン・バティスト・ヴェントリンク(1723-1797):フラウトトラヴェルソと管弦楽のための協奏曲ト長調
    マルティン・ザントホーフ(フラウトトラヴェルソ)
    ノイエ・ホーフカペレ・ミュンヘン、クリストフ・ハンマー(指揮)
  ・モーツァルト/フェルディナンド・カルッリ編:ピアノ四重奏曲ト短調KV478〜アレグロとアレグレット
    ヤーノシュ・バーリント(フルート)、パール・パウリコヴィチュ(ギター)
  ・シュポア:九重奏曲ヘ長調op. 31〜フィナーレ
    リノス・アンサンブル
  ・C.P.E.バッハ:フルート・ソナタ ニ長調
    ベルリン・バロック・カンパニー
  ・フリードリヒ2 世:フルート協奏曲ハ長調〜第1、3楽章
    マンフレート・フリードリヒ(フルート)、
    C.P.E.バッハ室内管弦楽団、ハルトムート・ヘンヒェン(指揮)
 バロック期の傑作フルート協奏曲づくし

 ステレオ

 さまざまなレーベルの音源から、バロック期をメインにフルート&リコーダー協奏曲という括りで編まれたコンピレーション・アルバム。
 どういうわけか緩徐楽章が割愛され、軽快な両端楽章のみを収録しているナンバーもいくつかありますが、演奏家が名手揃いですぐれており、これはこれでじゅうぶん楽しめます。

RCO LIVE



RCO 14002
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
優秀録音&強力盤 ヤンソンス/モーツァルトのレクィエム
 モーツァルト:
  レクィエム ニ短調KV 626
   (ジュスマイヤー補筆完成版)
ゲニア・キューマイアー(ソプラノ)
ベルナルダ・フィンク(コントラルト)
マーク・パドモア(テノール)
ジェラルド・フィンリー(バス)
オランダ放送合唱団
マリス・ヤンソンス(指揮)
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
 キューマイアー、フィンク、パドモア、フィンリーなんとも豪華なソリストをそろえたヤンソンス&コンセルトヘボウ管、モーツァルトのレクィエム

 収録時期:2011 年9 月14-16 日/アムステルダム、コンセルトへボウ(ライヴ)/DSD5.0、マルチチャンネル、ステレオ

 ヤンソンスがコンセルトヘボウ管を指揮して、モーツァルトの「レクィエム」をレコーディング。コンセルトヘボウ管がマーラーの交響曲全曲シリーズに沸いた2011 年、ヤンソンスの受け持つ最後のナンバーであった第8 番の演奏から半年後の9 月におこなわれたコンサートの模様をライヴ収録したもので、この年を皮切りに、2012 年のブラームス、2013 年のヴェルディへとつづく、当コンビによるレクィエム・シリーズの第1 弾でもありました。
 現代のもっとも多忙な指揮者のひとりとして知られるヤンソンスは、その輝かしいキャリアにふさわしく、すでにかなりの点数に上るディスコグラフィを構築しています。
 中身についていえるのは、ベルリオーズの幻想交響曲のように、コンセルトヘボウ管(1991 年セッション)、ベルリン・フィル(2001 年ライヴ/ ※ 映像作品)、バイエルン放送響(2013 年ライヴ)と折に触れて録音を重ねている例とは対照的に、モーツァルトがヤンソンスにとってきわめてレアなレパートリーであるという意外な一面であり、まさにそこへ現われたのが、このたびの「モツレク」ということになります。
 ここではヤンソンスとのマーラーの交響曲録音で熱演を聴かせたオランダ放送合唱団とともに、ソリストがまたこのうえなく魅力的。当楽団の名誉客演指揮者である“アーノンクール組” ともいうべき、実績もゆたかな顔ぶれががっちりと固め、ヤンソンス初の「モツレク」を強力に盛り立てます。
 ソプラノのキューマイアーは、アーノンクールが創設、主宰するシュティリアルテ音楽祭2007 で、ハイドンの「四季」のハンネを歌い、同年のムジークフェラインにおけるブラームスの「ドイツ・レクィエム」で注目を集めていましたし、コントラルトのフィンクとバスのフィンリーのふたりは、アーノンクールが2003 年にウィーン・フィルを指揮した「モツレク」のライヴ録音盤でもおなじパートを歌っていました。
 バスのフィンリーもアーノンクールによる数多くのレコーディングで起用され、最近では2012 年にアーノンクールがコンセルトヘボウ管を指揮したベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」のライヴ映像作品にも出演して、指揮者の意図を汲んだ精緻な表現で応えていました。
 近年、声楽曲やオペラに力を入れ、かねてインタビューなどでもこうしたジャンルへの豊富を表明してきたヤンソンスですが、この言葉どおりコンセルトヘボウ管の顔合せでは、2009 年にライヴ収録されたドヴォルザークの「レクィエム」のように、着実に成果を示してもいたので、このモーツァルトもまたおおいに期待の高まる内容といえそうです。



 


RCO 14001
(SACD HYBRID)
\2500→\2290
同時代音楽シリーズ『ホライゾン』第5 弾
 「ホライゾン5」
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 作者不詳/ジェームズ・マクミラン管弦楽編:
   今日嬰児(みどりご)が生まれた 世界初演 [6’ 14”]
   ウエルガス・アンサンブル
   パウル・ファン・ネーヴェル(合唱指揮)
   マーティン・ブラビンズ(指揮)
    収録時期:2012年4月13日/アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)
 デトレフ・グラナート:インソムニウム [20’59”]
   マルクス・シュテンツ(指揮)
    収録時期:2011年11月15、16日/アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)
 クラース・ド・フリース:プロビデンス [15’31”]
   デイヴィッド・ロバートソン(指揮)
    収録時期:2012年1月26、27日/アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)
 リシャルト・ラインフォス:南極(アンタルクティク) 世界初演 [13’08”]
 カイヤ・サーリアホ:サークル・マップ 世界初演 [26’24”]
   スザンナ・マルッキ(指揮)
    収録時期:2012年6月22、23日/ウェステルガスファブリーク(ライヴ)
 優秀録音。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による同時代音楽シリーズ『ホライゾン』第5 弾

 DSD5.0、マルチチャンネル、ステレオ

 名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管が同時代音楽に意欲的に取り組むシリーズ、ホライゾンも5 作目をかぞえます。
 今回選ばれた5 作品も、RCO のレジデンス・コンポーザーを務めるふたり、グラナートとラインフォスから、マクミランやサーリアホといった有名どころにいたる個性豊かな顔ぶれが揃い、このジャンルですでに目覚ましい業績を上げているシュテンツ、ロバートソン、ブラビンズ、マルッキが指揮する充実のラインナップとなっています。
 アルバム1 曲目は、自身敬虔なカトリックで宗教音楽を数多く作曲してきたマクミランがオーケストレーションを施したもので、副題は「14 世紀キプロス宮廷における作者不詳のアンティフォナにもとづく合唱とアンサンブルのためのモテット」。中世宗教音楽のスペシャリスト集団、パウル・ファン・ネーヴェル率いるウエルガス・アンサンブルの参加も注目です。
 大管弦楽のためのアダージョというサブタイトルを持つグラナートの曲は、映画監督アンドレイ・タルコフスキーやスティーヴン・ソダーバーグもインスパイアされた、有名なスタニスワフ・レムの小説にもとづく自作オペラ「ソラリス」のさきがけとなった作品。
 1944 年オランダ南西部のテルネーゼンに生まれたド・フリースの「プロビデンス」は、アラン・レネ監督の1977 年の同名映画にインスパイアされたという通り、映画同様に回想、予言、期待、実現についての錯綜とした内容となっています。
 スザンナ・マルッキが指揮した2 作品は共に、かつてガス工場であった、円形のコンサート・ホールのために委嘱されたもので、オランダ音楽祭における世界初演時のライヴ録音。いずれも建物の構造を念頭に置いた音響効果がユニークですが、ラインフォスの曲では、12 人以上からなるパーカッション・セクション奏者のそれぞれが“サラウンド効果” で時計の動きを形成するところが特徴的。
 ヨーロッパで注目を集めるリシャルト・ラインフォスは1964年オランダ北ブラバント州ティルブルフ出身。ハーグの王立音楽院でブライアン・ファーニホウとヤン・ファン・フライメンに師事したのち、モートン・フェルドマンとジョン・ケージと親交を結びおおきな影響を受け、権威あるマテイス・フェルメウレン賞を授与されています。

REFERENCE RECORDINGS



RR 132
(HDCD)
\2100→\1890
スターン&カンザス・シティ響
 ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
 プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」
 バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲
マイケル・スターン(指)
カンザス・シティ交響楽団
 カンザス・シティの新ホールで聴くヒンデミット、プロコフィエフ、バルトーク

 録音:2012 年2 月5-11 日ヘルツベルク・ホール、カウフマン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ54’45
 プロデューサー:デイヴィット・フロスト エンジニア:キース・O・ジョンソン

 カンザス・シティのダウンタウン南の端、アートギャラリーが立ち並ぶ、この街でも最もアーティスティックと言われるクロスロード・アート・ディストリクトに隣接する小高い丘の上に2011 年9 月にオープンしたカウフマン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ。1800 席規模のプロセニアム形式のステージを持つ劇場と、1600 席規模のクラシック用コンサートホールの2つのホールを持った大型複合文化施設です。クラシック用のコンサートホール(ヘルツベルク・ホール)は音響にも大変こだわっており、オーケストラの豊かな響きを十分に堪能することができます。この新しいホールを本拠地とするのがマイケル・スターン率いるカンザス・シティ交響楽団。
 収録されているのは、ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容。この作品は交響曲「画家マティス」と並んでヒン デミットの作品の中では最もよく演奏される曲。1943 年にアメリカで作曲され、ヒンデミット独自の和声理論に基づく 協和音と不協和音の交差が印象的な作品です。そしてプロコフィエフの組曲「3 つのオレンジへの恋」。この作品は1921 年にシカゴで上演されたオペラからの6 曲を抜粋した作曲者自身の編曲による組曲版。オペラはイタリアの劇作家カルロ・ゴッツィが書いた童話に基づく作品。魔女に呪いをかけられた王子が、3 つのオレンジを求めて砂漠に行き、オレンジの一つからあらわれた王女と結婚する、という話で、プロコフィエフらしい遊び心と叙情が感じられる個性的な音楽をマイケル・スターンの新鮮な表現で聴かせてくれます。
 最後にバルトークの「中国の不思議な役人」組曲。荒々しく不協和な響きが全体を支配する「一幕もののパントマイム」と題された合唱が入るバレエ音楽が全曲のため、20 分ほどに短縮された組曲版が比較的よく演奏されます。豊麗さと力強いダイナミズムみなぎる演奏で締めくくられています。

RFP


=ロイヤル・フランダース・フィルの自主レーベル=

RFP 008
\2400→\2190
壮麗なるパイプオルガンのひびき、オーケストラ曲
 ジョゼフ・カラーツ:オルガン協奏曲 世界初録音
 ジョゼフ・ジョンゲン:協奏的交響曲op.81(1926)
ペーテル・ヴァン・デ・ヴェルデ(オルガン)
ペーテル・ビルーン(指揮)
ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団
 アントワープ大聖堂の壮麗なるパイプオルガンのひびきベルギーの生んだオルガニスト&作曲家ジョンゲン、カラーツ、フランクによるオーケストラ曲

 収録:2013 年6 月8 & 9 日/ベルギー、アントワープ、ノートルダム大聖堂(ライヴ)/DDD、ステレオ、82’ 38”

 「ベルジアン・ブティーク」シリーズの最新作は、フランク、カラーツそしてジョンゲンの作品集。いずれも生前すぐれたオルガニストとして活躍した点が共通する顔ぶれです。
このたびのアルバムは、アントワープにある名刹ノートルダム大聖堂におけるコンサートをライヴ収録したものですが、なかでも興味深いのは名匠ピエール・スへイフェン1891 年製作によるロマンティック・オルガンを使用したカラーツとジョンゲンの作品。
 アントワープに生歿したジョゼフ・カラーツ(1838-1901)は、交響曲第3 番「オルガンつき」を書いたサン=サーンス(1835-1921)とほぼ同時代を生きたオルガニスト、カリヨン奏者で作曲家。ちょうどこのレコーディングで使用された大聖堂のオルガニストを務めてもいたカラーツはオペラや交響曲も手がけ、多数のオルガン曲を残していますが、唯一のオルガン協奏曲はこれが世界初録音になります。
 オルガンと管弦楽のための「協奏的交響曲」は、多作家のジョンゲンにあって最も成功したもののひとつと云われ、20 世紀の作品をおもわせる無調へのゆるやかな接近もみとめられます。
 1972 年アントワープ近郊のドゥールに生まれたペーテル・ヴァン・デ・ヴェルデは、9 歳から独学でオルガンを弾き始め、王立フランドル音楽院に進み、名手スタニスラス・ドリマーカルの最後の高弟として幾多の賞を授与され、卒業後は、ルイ・ティリー、ナジ・ハキム、ウェイン・マーシャルらのマスタークラスを受講し、さらなる研鑽を積んでいます。2002 年初頭に師ドリマーカルの後継者として、アントワープ・ノートルダム大聖堂の常任オルガニストに任命されると共に、アントワープ・サン・ミシェル教会のオルガン奏者も務めています。
 指揮者のペーテル・ビルーンは、ロンドン響が主催するドナテッラ・フリック国際指揮コンクールでオランダ人初のファイナリストとなった俊英。

SDG



SDG 720
\2400→\2190
VIGULATE! 
 イギリス・ルネサンス・ポリフォニー/
  モンテヴェルディ合唱団&ガーディナー

   ピーター・フィリップス:ユダ族の獅子
   ロバート・ホワイト:光なり日なるキリスト
   トマス・タリス:
    主よ、聞き入れたまえ、わたしの願いを/ おお、光から生まれた光よ
   ウィリアム・バード:
    聖なる讃美のうちに/ 汝の聖なる都市は/ おお主よ、われら囚われの身を/
    今こそ主よ、僕を去らせたまわん/ 目覚めていよ
   トマス・モーリー:私は罪人の死を望まない
   ロバート・ホワイト:エレミアの哀歌
   ウィリアム・バード:義人らの魂は
   トマス・トムキンズ:全能の神よ、すべての叡智の泉よ
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)
モンテヴェルディ合唱団
 祝・50 周年ンテヴェルディ合唱団&ガーディナー、英国ルネサンス・ポリフォニーの黄金時代を飾った作曲家たち

 録音:2012 年6 月ロンドン/77’ 33”

 2014 年3 月に設立50 周年を迎えるガーディナー率いるモンテヴェルディ合唱団。本アルバムはバード、タリス、モーリー、フィリップス、ホワイトそしてトムキンズの6 人の作曲家の作品を収録しています。
 国家の信仰が揺れ動いたイギリスの宗教改革の時代にヘンリー8 世からエリザベス1 世までの4 代に渡って仕えた作曲家トマス・タリス。そしてタリスに師事し、優れた才能によってエリザベス一世に寵愛されていたウィリアム・バード。2 人もカトリックを信仰しており、自分自身の信仰を秘めながら、典礼音楽を作曲していましたが、多くの優れた作品を残しています。タイトルの「目覚めていよ(VIGULATE!)」は、エリザベス王朝時代、禁教であったカトリック教徒の立場を貫いたウィリアム・バードの、密かな音楽的な抗議であったと言われています。
 また、ピーター・フィリップスはバードらと共に当時名を馳せていた作曲家で、高い作曲技法をもっていました。マドリガルを多く作曲したトマス・モーリーの「私は罪人の死を望まない」。モーリーは比較的明るい雰囲気の作品の印象が強いですが、このような重厚な宗教曲でもその腕を発揮しています。ウェストミンスター寺院の楽長などを務め、イギリス国教会のための作品を書いたロバート・ホワイト。旧約聖書のエレミアの哀歌第1 章をテキストとする作品「エレミアの哀歌」は彼の代表作であり、美しく崇高な作品です。そしてタリス、バードらの次の世代にあたるテューダー王朝時代に活躍したトムキンズ。
 彼はバードの弟子でイギリスのヴァージナル音楽の最後を飾る作曲家です。
 ガーディナーの巧みな合唱指揮者としての手腕と、モンテヴェルディ合唱団の透明感ある歌声、各声部がくっきりと示され明瞭に聴こえてくると、絶妙なタイミングで合唱が一つに溶け合うという見事な演奏で、イギリスのルネサンス・ポリフォニーの黄金時代を歌いあげています。

SUPRAPHON


SU 4148
\2200
ヴェロニカ・ベーモヴァー(Pf)
 (1)ストラヴィンスキー(作曲者編):交響詩「ナイチンゲールの歌」
 (2)同:4つの練習曲Op.7
 (3)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84
 (4)同:4つの練習曲Op.2
ヴェロニカ・ベーモヴァー(Pf)
 オリジナルよりも面白い。超絶技巧が要求されるストラヴィンスキー自編の「ナイチンゲールの歌」

 録音:2013 年9 月14-15 日、10 月26-27 日/プラハ音楽アカデミー、マルティヌー・ホール(プラハ)/69’ 05”

 1985 年生まれのチェコの新鋭ピアニスト、ヴァロニカ・ベーモヴァーのデビュー・アルバム。ロシア近代の難曲4 作に挑戦しています。ストラヴィンスキーは1914 年にアンデルセン原作によるオペラ「ナイチンゲールの歌」を作曲しますが、1917 年にこれを器楽のみの交響詩に仕立て直します。さらにこれを自身の手でピアノ独奏用に編曲しましたが、これがとてつもなく難しく、実演でも録音でもほとんど聴くことができなかったので、大歓迎の登場と申せましょう。
 ベーモヴァーは驚くべきテクニックで危うげな所は全くなく、中華趣味あふれるエキゾチシズムを満喫させれくれます。意外に録音の少ないストラヴィンスキーの「4 つの練習曲」も貴重。メカニカル修得のための作品ながら、明瞭なストラヴィンスキー色にあふれています。プロコフィエフの名作、ピアノ・ソナタ第8 番も余裕の技巧で征服しているほか、初期の過激な「4 つの練習曲」に注目。プロコフィエフのバーバリズム全開の世界が広がります。
 ヴェロニカ・ベーモヴァーはイヴァン・クラーンスキーとアルカディ・ゼンジペールに師事した後、マリア・カナルス国際コンクール、ドレスデンのアントン・ルビンシテイン・コンクール、エリーザベト王妃コンクールで入賞して注目を集めている若手。超絶技巧の持主ながら、モデルばりの美しい容姿にも恵まれ、今後人気が出そうな期待の星。
 

SU 4163
(2CD)
\3400
ヤン・クルサーク(b. 1934):
 ・インヴェンション第1番〜室内オーケストラのための(1961)
   [収録:1964年/プラハ、ルドルフィヌム]
 ・インヴェンション第2番〜室内オーケストラのための(1962)
   [収録:1993 年/プラハ、国立技術博物館]
 ・インヴェンション第3番〜弦楽器のための(1962)
   [収録:1964年/プラハ、ルドルフィヌム]
 ・インヴェンション第4番(巣)〜管弦楽のための(1964)※
   [収録:1964年/オロモウツ]
 ・インヴェンション第5番(チェスの試合)〜木管五重奏のための(1965)
   [収録:1970年/プラハ、スメツキー・スタジオ]
 ・インヴェンション第6番〜九重奏のための(1969)※ 
  [収録:1970年プラハ、チェコ放送]
 ・インヴェンション第7番〜管弦楽のための(1973)※
   [収録:1986年/ブルノ、デュクラ・スタジオ]
 ・インヴェンション第8番(円積問題)〜小オーケストラのための(1973)※
   [収録:1995年/プラハ、リヒテンシュタイン宮殿]
 ・「秋に」−コントラルト、男声合唱と管弦楽のためのインヴェンション第9番(1992-2012)※
   [収録:2014年/プラハ、チェコ放送]
 ・「Tetragrammaton sive Nomina Eius」−
  管弦楽のためのインヴェンション第10番(1992)※
   [収録:2010年/プラハ、チェコ放送]
 [ボーナス]
 ・消滅した幸福−管弦楽のための交響詩、夢3部作第3部(2006-2011)※ 
   [収録:2013年/プラハ、ルドルフィヌム]
チェンバー・ハルモニア・オーケストラ
リボル・ペシェク(指揮)
アゴン、ペトル・コフロニュ(指揮)
チェコ九重奏団
ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団
ペトル・ヴロンスキー(指揮)
PKF- プラハ・フィルハーモニア
トマーシュ・ハヌス(指揮)
プラハ放送交響楽団
オンドジェイ・レナルト(指揮)ほか
 ヤン・クルサーク生誕80周年記念リリース、半世紀に亘る創作の変遷が刻まれた注目の連作「インヴェンション」

 ※ ライセンス音源
 ステレオ、106’56”

 カルト映画やテレビの劇伴の仕事、メッカ「ヤーラ・ツィムルマン劇場」との密接な結び付きなどでも知られる、チェコの現代音楽作曲家ヤン・クルサークが2014 年に生誕80 周年を迎えるのを記念して、母国SUPRAPHON がトリビュート・アルバムをリリース。
 1934 年プラハに生まれ、プラハ芸術アカデミーでヤロスラフ・ジートキーとパヴェル・ボシュコヴェツに作曲を学んだクルサークは、共産主義政権の妨害を受けながらも、新ウィーン楽派の技法、十二音セリー技法を採り入れようとした最初のチェコ人でもありました。
  J. S. バッハで有名な用語を使って自らの様式を名付けたという、連作「インヴェンション」は、1961 年完成の第1 番以来、半世紀以上に亘り旺盛に様式の完成を追求したクルサークの創作を伝える注目のシリーズ。オーケストラのほか、男声合唱入りや木管五重奏など、10 曲の編成はまちまちで、演奏時間も長いものは15 分を越え、短いものでは4 分にも満たないという具合にいろいろながら、クルサークも共に結成に関わったチェンバー・ハルモニア・オーケストラを指揮する盟友リボル・ペシェクほかによる充実の演奏と相俟って、見逃せない内容となっています。
 

SU 4161
\2200
「ビバ タンゴ〜ピアソラ、ブラガート、ガリアーノの作品集」
 ・ピアソラ(パヴェル・トロヤン編):リベルタンゴ
 ・ピアソラ(ホラーク&ノウゾフスキー編):ビバ タンゴ(タンゴ万歳)
 ・ブラガート:ミロンタン
 ・ピアソラ(ホラーク編):ル・グラン・タンゴ
 ・ピアソラ(ホラーク編):オブリビオン
 ・リシャール・ガリアーノ(1950):クロードのためのタンゴ
 ・ピアソラ:アヴェ・マリア
 ・ピアソラ(ホラーク編):S. V. P.
 ・ピアソラ:フィナーレ
[ボーナス]
 ・ピアソラ(ホラーク編):言葉のないミロンガ
ラディスラフ・ホラーク
 (アコーディオン、バンドネオン)
ペトル・ノウゾフスキー(チェロ)
 ヨーロッパ中で話題を集めるチェコのデュオ、アコーディオン&チェロによるタンゴ・アルバム

 収録:2012 年2 月25-26 日/プラハ音楽院、コンサート・ホール(セッション)/DDD、ステレオ、56’01”

 アコーディオン&バンドネオン奏者のホラークと、チェリストのノウゾフスキーという、チェコを代表する音楽家同士のデュオで贈るタンゴ・アルバム。ピアソラが“あらたに創造した” タンゴに魅せられたふたりは、コンサート活動を通じてヨーロッパ中で評判を呼んでおり、ここでその成果ともいえる熱い思いのたけを聴かせてくれます。

TRANSART



TR 176
\2200→\1990
パウル・バドゥラ=スコダ
 モーツァルト:ピアノ協奏曲集

 第24番 ハ短調 K491
  〔録音:2012年12月17-23日、スタジオ録音〕
 第25番 ハ長調 K503
  〔録音:2003年6月9-15 日、スタジオ録音〕
パウル・バドゥラ=スコダ(ピアノ、指揮)
※ カデンツァ:スコダ(24,25番とも)
プラハ室内管弦楽団
 スコダによるモーツァルトのピアノ協奏曲、最新盤

 2014 年6 月に最後の来日を控えたスコダの最新盤は、モーツァルトのピアノ協奏曲2 曲。もちろん弾き振り、カデンツァも自作です。24 番についてスコダは、「フィガロの結婚」完成直前の時期に書かれたこの協奏曲には、モーツァルトがフィガロでは表現できなかった痛みや悲しみといったものがすべて込められている、と語ります。24 番は、当TRANSART レーベルで2001 年録音もリリースされておりますが、いっそう力の抜け切った、純粋なモーツァルトの世界が広がっています。25 番は約10 年前のレコーディングですが、どこまでも自然な音楽はこびです。第3 楽章の清らかさは絶品です。


≪大御所、パウル・バドゥラ=スコダの弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲集≫


TR 126
\2200→\1990

モーツァルト:
 ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491
 ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」
パウル・バドゥラ=スコダ(P、ベーゼンドルファー)
プラハ室内管
本物中の本物—正統なモダン楽器演奏の“いま”を伝える最新録音!ウィーン古典派の解釈にすぐれ、現代ピアノとフォルテピアノどちらでも味わい深いユニークな演奏を聴かせてくれるウィーン出身の巨匠、バドゥラ=スコダ。“指揮者なし”を標榜しつつ、もう半世紀も活動をつづけているプラハ室内管。現代的な意味での指揮者がいなかった18世紀の音楽、なかんずくモーツァルトの協奏曲を「モダン楽器で」「オーセンティックに」演奏するにあたって、彼ら以上の組み合わせが考えられるだろうか? これはその洞察力に富む彼らが、長いキャリアで培った音楽性をいかんなく発揮して、21世紀の最初の年に制作した最新録音。録音:2001年6月9〜11日、プラハ、ドモヴィナ・スタジオ録音技師:イジー・ゲムロト

TR 132
\2200→\1990
モーツァルト:
 ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
 同 第19番 ヘ長調 K.459
パウル・バドゥラ=スコダ(P ベーゼンドルファー&指揮)
プラハ室内管
今回の2曲は『後宮』以降『フィガロ』以前、つまりモーツァルトがピアニスト=作曲家としてヴィーンで最も高い人気を誇っていた頃の充実作。すでに数多の名盤に恵まれた2傑作だが、ここでバドゥラ=スコダはややアップテンポな独特のテンポ設定で、流麗なタッチと円やかな音色で、細かい音符ひとつにいたるまで疎かにせずきわめてインテンスな音楽を彫り上げてゆく。彼につられてか、プラハ室内管のサウンドもひどく若々しく自発性にあふれ、老舗の傲慢や緩みなど微塵も感じさせず、素晴らしい音楽をつくりあげようという奏者ひとりひとりの気合が音に滲み出るかのよう。ピリオド楽器演奏全盛の21世紀にあって、「本当によい演奏とは何か」とあらためて思わされてしまう、聴いていて心が洗われるような真の名演。

TR 140
\2200→\1990
モーツァルト:
 1. ピアノ協奏曲 第14 番 K.449
 2. ピアノ協奏曲 第16 番 K.451
 3. ピアノ協奏曲 第27 番 ハ長調 K.595
パウル・バドゥラ=スコダ(P/ベーゼンドルファー&指揮)
プラハ室内管
“あえて”現代楽器による巨匠バドゥラ=スコダ会心の協奏曲全集、待望の新作!!ベーゼンドルファーと指揮者なし老舗現代楽器集団で、こんなに瑞々しいモーツァルト!アルバムセールス的にも大成功をおさめた5 月の来日公演、その感動ふたたび!ゴールデンウィーク直後の来日公演&マスタークラスは大成功、弊社扱の既発売モーツァルト協奏曲アルバム二作(TR126・TR132)も店頭セールスをぐぐっと伸ばし、今更ながらにバドゥラ=スコダここにあり・といった威光を見せつけられた感がありますが、そこへ待望のモーツァルト協奏曲集新譜が登場! ただでさえモーツァルト・イヤーな本年、全く嬉しい限りです。しかも今回は2曲ではなく3曲も収録! 例によってプラハ室内管は古参ならではの美音と引き締まったアンサンブルが少しも揺るがず、元気よく弾き進むバドゥラ=スコダのベーゼンドルファーと丁々発止のからみ具合で作品美を余すところなく堪能させてくれます——管楽器群のソロが映える第16 番、丁寧な解釈が印象的な第14 番、そして名残り惜しみじっくり味わい確かめるような、そんな落ち着いた演奏に、澄み切った枯淡の風情が浮かび上がる「最後のピアノ協奏曲」第27 番・・・ソナタ楽章も緩徐楽章もフィナーレも、どのトラックを取っても積年の経験と思い入れ、そして常に新しい何かを追求しつづける溌剌としたエネルギーが隅々まであふれかえる名演! ライナーノートはもちろん今回もバドゥラ=スコダ自身が手がけており、著書『モーツァルト 演奏と解釈』でみせた旺盛な学究精神の健在も伝わってきます。モーツァルト・イヤーに送る、真に忘れがたい傑作アルバムがまたひとつ——すべての音楽ファンに送る、最高にして理想的な現代楽器解釈がここに!

TR 154
\2200→\1990
モーツァルト(1756〜91)
 1. ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.459
 2. ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 K.414
パウル・バドゥラ=スコダ
(ベーゼンドルファー・ピアノ独奏&指揮)
プラハ室内管
本年80歳を迎え、なお健勝——いまも日本ツアー真っ最中、さらに今年も新譜登場! 古楽器奏法を知りながらも、あえてベーゼンドルファーに戻ってきたウィーンの巨匠が “旧友”プラハ室内管と弾き振りで織り上げる、ひたすらに美しく、筋の通ったモーツァルト! ウィーンの巨匠バドゥラ=スコダは今年80歳を迎えながら、いまだ健勝もいいところで、ただいま日本ツアー真っ最中——そんな折、ようやく第4弾の登場、ピアノ協奏曲弾き振りシリーズ最新盤!ご存知のとおり、20世紀半ばのウィーンからデビューし、カラヤンやフルトヴェングラーら名匠たちにすぐ認められ、破竹の勢いで活躍を続けながらモダン・ピアノに飽き足らずフォルテピアノ奏法までみごと習得したバドゥラ=スコダが、21世紀のいま、あらためて“ウィーンの楽器”モダンのベーゼンドルファー・ピアノに立ち返り、現代楽器を使いながらも18世紀の演奏習慣にならって「指揮者なし」のスタイルで50年以上も理想的な18世紀音楽解釈をめざしてきたプラハ室内管弦楽団を「弾き振り」、Transartでモーツァルトの協奏曲シリーズを録音しつづけている。現存楽譜が不完全な「戴冠式」協奏曲をみずから再構築したヴァージョンを含む第1弾(TR126)以来すべてのリリースが好調な売れ行きをキープしているこのシリーズ、今回は中間楽章が映画音楽&ムードミュージックに転用されポピュラーになった「第21番」(バドゥラ=スコダ作曲のカデンツァの、艶やかな展開にご注目!)と、室内楽編成にも転用できることで知られる3連作協奏曲のひとつ「第12番」を収録! 弦楽セクションは当然のように両翼対向配置(小編成だけに、楽器一つ一つの音色の重なりが綺麗に感じられますよ)、オーケストラ総奏部分でバドゥラ=スコダが(モダン・ピアノなのに!)気持ちよさそうに通奏低音を弾いているのも“お約束”。このシリーズの美点である「滋味とみずみずしさの共存」は今回も健在、飛ばしすぎず緩まりすぎず、モーツァルトの音楽をいつくしむように、なんときれいな音楽が紡がれてゆくことか——曲の魅力と「音楽すること」の楽しさをひしひし伝えてやまない名盤が、ここにまたひとつ増えてくれた。

TR 166
\2200→\1990
モーツァルト(1756〜91):
 1.ピアノ協奏曲第 18 番変ロ長調 Kv.456
  カデンツァ:モーツァルト
 2.ピアノ協奏曲第 22 番変ホ長調 Kv.482
  カデンツァ:バドゥラ=スコダ(2008)
 3. ピアノ協奏曲第22 番の終楽章(別演奏)
パウル・バドゥラ=スコダ(ピアノ)
巨匠、ますます深まりゆく——昨年、バドゥラ=スコダ 81 歳にして録音された「あえて現代楽器で」のモーツァルト協奏曲シリーズ、最新巻が登場!プラハ室内管も精妙・才気煥発。今回は、ボーナストラックで別演奏も収録した豪勢企画“ウィーンの三羽烏”というのは若い頃の異名、その“若い頃”とは、もう実に半世紀以上前のこと——巨匠バドゥラ=スコダ、今年で齢82 となるこの名匠は録音熱は桁外れ!できるうちに、少しでもモーツァルトの演奏を録音しておこう、後世人に示せるものはすべて出し尽くそう、という気迫さえ伝わってきます。何しろこのTransart レーベルでの協奏曲連続録音も含め、近年の録音では、ほぼ全面的に自分で長大なライナーノートを執筆しているほどなのですから!





 86歳、最後の来日
  6月5日(木) すみだトリフォニーホール
   第一部=リサイタル
    モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K397
    ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ短調 Hob.XVI-20
    シューベルト:4 つの即興曲 op.90 D899
   第二部=協奏曲の夕べ
    モーツァルト:ピアノ協奏曲第27 番 変ロ長調 K595
    (スコダの弾き振り、管弦楽:東京交響楽団)


TYXART


TXA 14042
\2500
アタヴィスティックス・ミュージック~エクストリーム・ジャズ
 1.Feuerwerk / Fireworks、2.Sternenhimmel / The Starry Sky、
 3.Schimpansenstreit / Chimpanzee Fight、
 4.Nachtgeister / Ghosts of the Night、
 5.Piano solo、6.Cello solo、7.Nirwana / Nirvana、
 8.Unruhige Nacht / A Troubled Night、9.Geheimnisse / Secrets、
 10.Tausend und eine Nacht / A Thousand & One Nights、
 11.Glasperlenspiel / Glass Bead Game、
 12 An die ferne Geliebte / To the Distant Beloved、13.Ludus tonalis
アレクサンダー・スライマン(Vc)
ヨーヨー(P)
 若き天才ピアニスト、ヨーヨーがアヴァンギャルド・ジャズに挑戦

 録音:2013 年11 月

 若き天才ピアニスト、ヨーヨーとチェリストのアレクサンダー・スライマンがドイツの現代作曲家のフランツ・フンメルと共作したフリージャズのスタイルを取り入れた作品集。
 それぞれの作品に付けられた題名は、連作となっており、アヴァンギャルド音楽のようなユニークなキャラクターを帯びた作品となっています。
 
Capriccio sopra il genio del Bach giovanissimo
TXA 14038
\2500
J.S.バッハ:オルガン作品集
 幻想曲ト長調BWV571/ソナタ ニ長調BWV963/古き年は過ぎ去りBWV1091/
 われを憐れみたまえ、おお主なる神よBWV721/
 神のひとり子となる主キリストBWV Anh55/
 われらイエスのともがらBWV1090/トッカータ ニ短調BWV913/
 カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちにあたって」BWV992/
 フーガ ホ短調BWV945/パルティータ「ああ罪人なるわれ何をなすべきか」BWV770※
セシル・マンスゥイ
 (オルガン、 ※ チェンバロ)
 チェンバロを心から愛する鍵盤奏者セシル・マンスゥイによるバッハ

 録音:2011 年8 月、10 月チューリッヒ/67’56

 鍵盤奏者セシル・マンスゥイ。彼女は幼いころからチェンバロの音色に魅せられ、チェンバロ奏者で音楽家としてのキャリアをスタートしました。このアルバムではオルガンとチャンバロの2 台の楽器を用いて収録。前半はオルガン、後半にチェンバロを持っていき、教会の音響効果とチェンバロの親密な響きを楽しむように構成されています。
 

Amy: Ana-Maria Lungu
TXA 13025
\2500→\2290
アミー
 (1)ディニク:演奏会用ホラ/
 (2)ヨアン・ルング:トロイメライ/
 (3)トセリ:セレナード/
 (4)ピアソラ:アディオス・ノニーノ/
 (5)ラフマニノフ:ヴォカリーズ/
 (6)ヨアン・ルング:月光/
 (7)ジョン・ウィリアムズ編:ポル・ウナ・カベサ/
 (8)マスネ:タイスの瞑想曲/
 (9)ポルムベスク:望郷のバラード/
 (10)フォーレ:夢のあとに/
 (11)ジョン・ウィリアムズ:シンドラーのリスト/
 (12)ジョー・ニューマン:ルーマニア風/(13)ディニク:ひばり
アナ=マリア・ルング(Vn)
クリストフ・ワインハート(Pf)
 ルーマニア出身の若き天才アナ=マリア・ルング、デビュー

 録音:2013 年4 月/ヴュルツブルク高等音楽大学/DDD、62’ 35”、日本語解説付

 1985 年生まれのルーマニアの女性ヴァイオリニスト、アナ=マリア・ルング。5 歳でドイツへ移住、父からヴァイオリンを学びました。さらにヴュルツブルク高等音楽大学でコンラート・フォン・デア・ゴルツに師事、卒業後は演奏活動のかたわらアスムシュタット城文化協会のマネージャー兼芸術監督も務める才媛。アルバム・タイトルの「アミー」とは、彼女が幼時から呼ばれてきた愛称。
 このアルバムは、彼女のプライベートな選曲により、才能あるヴァイオリニスト、アナ=マリア・ルングの音楽人生をご覧いただくようになっています。
 日本でも人気のポルムベスク「望郷のバラード」を本場ルーマニアの演奏で楽しめるほか、「ホラ・スタッカート」で知られるディニクの華麗な別作品「演奏会用ホラ」や「ひばり」も貴重。また彼女の実父の作品「トロイメライ」と「月光」も美しい小品。BGM としても最高です。




http://amylungu.blogspot.jp/
 

TXA 13028
\2500
ドイツの若き天才ピアニスト、ヨーヨー第2弾!
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
 リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調
 カスパース:幽霊
ヨーヨー・クリステン(P)
 録音:2013 年6 月

 ドイツの天才ピアニスト、ヨーヨー・クリステン。1996 年生まれの17 歳。4 歳からピアノをはじめ、6 歳から作曲を行い、8 歳でコンサートに出演するなど、その神童ぶりで話題となっています。2010 年に、日独交流150 周年の記念行事の一貫として行われた演奏会に出演するために来日しています。15 歳の時発売されたデビュー・アルバム(TXA 12001)では、モーツァルト、ベートーヴェンの作品とともに自作の曲も収録し、その豊かな才能をみせつけました。今回は難曲リストのピアノ・ソナタに挑戦。完璧なテクニックと無限の可能性を感じさせる音楽性で聴かせます。また建築家、造形芸術家として活動しているクラウス・カスパースが、ヨーヨーの才能に惚れ初演を委託したグラフィックメモ「幽霊」も収録されています。
 

TXA 13036
\2500
伝統のつながり〜バッハと20世紀の作曲家たち
 J.S.バッハ:トッカータ ハ短調 BWV911
 グバイドゥリーナ:トッカータ・トゥロンカータ
 ペルト:アリーナに
 J.S.バッハ:イギリス組曲BWV807
 チェン・シャオユン:ダイアリーⅢ
 テリー・ライリー:G-Song
 デュティユー:「バッハへのオマージュ」〜波のまにまにより
 J.S.バッハ:プレリュードとフーガ ニ短調BWV851
 ショスタコーヴィチ:プレリュードとフーガ ニ短調Op.84
アレクサンドラ・ソストマン(P)
 録音:2013 年9 月、ハンブルク/65’23

 ドイツのピアニスト、アレクサンドラ・ソストマン。ハンブルク音楽大学でフォルカー・バンフィールドとエフゲニー・コロリオフに学び、ユディス・モシュと「デュオ・ヴィラルソー」として活動しています。
 今回はJ.S. バッハの鍵盤作品を軸にグバイドゥリーナ、ペルト、デュティユーなどの現代作曲家たちの曲を交互に配置した内容。バッハのフーガをモチーフとしたテリー・ライリーの「G -Song」は、クロノス・カルテットのためにはじめて書いた作品で、「Lifespan」という映画音楽に使われ、後にピアノ・ソロに編曲されました。デュティユーの「バッハへのオマージュ」はピアノ・ソロのための6 つの小品集「波のまにまに」の中の1 曲。「バッハの平均率クラヴィア曲集に倣って、一定の形象的内容を持つ小品の対位法様式による一大曲集にすることにした」とショスタコーヴィチ自身が語っているように、バッハと同じく「前奏曲&フーガ」というスタイルを踏襲したプレリュードとフーガ。それぞれの作曲家がバッハの音楽をモチーフに作曲した作品や、オマージュを捧げた作品を、バッハの作品とともに収録し、鍵盤楽器の歴史の多様性を追求しています。
 

TXA 13037
\2500
ニュルンベルクのピアノ音楽集
 ハンス・レーオ・ハスラー:
  Nun lasst uns Froehlich(4),Ach weh der schweren pein(4)
 ヨハン・エラスムス・キンダーマン:Fuga(2),Drifache Fuga super(2)
 ヨハン・シュターデン:Allamanda varirt(3),Balletto(4),Courante(4)
 ゲオルク・カスパー・ヴェッカー:aus : Partita in a(1)
 パウル・ハインライン:Capriccio (2)
 ヨハン・パッヘルベル:Choralpartita”Freu dich sehr o meine Seel”(1)
 ヨハン・フィリップ・クリーガー:Toccata und Fuga in a(2)
 ヨハン・クリーガー:Giacona in g(1)
 ベネディクト・シュルトハイス:Suite in G-Dur(3)
 ヨーハン・ヨーアキム・アグレル:Sonata VI in g (1)
ラルフ・ワルドナー
チェンバロ(1)
オルガン(2)
クラヴィコード(3)
レガール(4)
 17 世紀ニュルンベルクの洗練された音楽界を垣間見る1枚

 録音:2012 年8 月聖ミヒャエル教会、フュルト、ドイツ/76’05

 17 世紀ニュルンベルク出身の作曲家たちによる鍵盤作品集。ニュルンベルクは、ハンブルク、ライプツィヒ、ドレスデンとともにドイツ音楽の中心地でありました。当時はオルガニストが音楽界の主役であり、鍵盤楽器のための作品だけではなく、教会音楽、器楽曲なども多く作曲していました。このアルバムは、チェンバロ奏者のラルフ・ワルドナーの長年の構想により、1600 年から1750 年にニュルンベルクで生まれた鍵盤作品をチェンバロ、オルガン、クラヴィコード、レガールの4 つの楽器を弾き分けて録音したもの。中でも比較的珍しいレガール(リーガル)を使用しているのも注目。レガールは持ち運び可能な卓上のオルガン。現在のリードオルガンと同じ原理で、ふいごで空気を送り込みリードを鳴らします。

WAON RECORDS


WAONCD 270
\2300
福山 敦子(G)/「カンシオン」
 ラミレス(1921-2010):アルフォンシーナと海(ホセ・ルイス・ゴンザレス編)
 ポンセ(1882-1948):サラバンド
 ヴィラ= ロボス(1887-1959):エチュード第11番、第1番
 トロバ(1891-1982):ブルガレーサ(柴田健編)
 モンポウ(1893-1987):カンシオン(〈カンシオンとダンス〉第6 番より)( 柴田健編)
 ソル(1778-1839):魔笛の主題による変奏曲
 アルベニス(1860-1909):アストゥリアス
 バリオス(1885-1944):大聖堂
 ヴァイス(1687-1750):シャコンヌ、パッサカリア
 ルビラ:ロマンス(ジャック・マーシャル編)
 タレガ(1852-1909):アルハンブラの想い出、ラグリマ
福山 敦子
 [ギター/使用楽器:
  Ignacio Fleta(1957)No.107]
 日本が誇る女性ギター奏者、福山敦子、待望のソロ・アルバム!

 録音:2013 年7 月23-25 日/滋賀県高島市立ガリバーホール[5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing]

 関西出身の天才少女ギタリストとして注目された福山敦子。人生の伴侶でもある優れたギター奏者、柴田健とのデュオ活動でも知られていますが、そんな福山がこの度ソロ・アルバムをリリース致します。彼女の詩的情緒がいかんなく発揮された「アルフォンシーナと海」やアルバムのタイトルにもなっているモンポウの「カンシオン」は心に沁みる演奏です。

 【福山敦子 ギター】
 兵庫県出身。同志社大学卒業。9 歳よりギターを川西 勇、近藤敏明、吉川二郎氏に、ギターデュオをアンリ・ドリーニ、伊藤亜子夫妻、南米音楽をレイ・ゲーラに師事。’ 79 年、第6 回日本ギターコンクールに於いて13 歳最年少優勝、以来ラジオ番組レギュラー出演、東京、大阪、京都、韓国・ソウルなど各地で演奏活動を行う。’ 88 年、夫君柴田 健と「柴田 & 福山デュオ」を結成。以後二重奏を専門にしている。’ 92 年、フランス・モンテリマール国際ギターデュオコンクール入賞。その後、国際万博「花と緑の博覧会」、中華民国古典ギター協会の招待による台北、高雄等でのリサイタルなど活躍の場を広げ、フランス・ニースに招かれた演奏会ではニース・マタン紙により絶賛され、2001 年、2003 年にはドイツ・ヴァイカースハイム国際音楽祭にゲスト奏者として招聘され、同時に国際コンクール審査も行う。2010 年にはフランス・トゥルネイ国際ギター週間に招かれるなど海外公演も多い。2002 年大阪府八尾市文化賞受賞。
 CD は “DUO-1”、“DUO-2 タンゴ組曲” “DUO-3 巴里讃歌” の3 枚を発表。またフランス・ドゥラトゥール社よりオール頁カラー、イラストも自身による日、仏、英語「子供の為の教則本 vol.1」が出版されている。現在、日本ギターコンクール審査員。

WERGO



WER 6725
\2400→\2190
ヤノフスキ&ベルリン放送響
 ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012):交響曲集

  ・第2番 大オーケストラのための(1949)
  ・第10番 大オーケストラのための(1997-2000)
マレク・ヤノフスキ(指揮)
ベルリン放送交響楽団
 ヘンツェの初期の交響曲&最後の交響曲

 録音:2012 年8 月28-29 日(第2 番)、2013 年6 月12-14 日(第10 番)

 ヘンツェの初期の交響曲と、最後の交響曲集。第2 番はヘンツェが12 音技法を用いた最初の大きな作品で、当時の現代音楽の最高の解釈者のひとりであった指揮者ヘルマン・シェルヘンに献呈されています。とはいえ、メロディ的な部分など随所に調性音楽的な部分も見られます。第1 楽章冒頭のトロンボーンとハープによる静かな和音がこの交響曲全体の性格を示しています。ヘンツェ自身この作品を「冬の音楽、灰色で薄暗い。」と述べています。終楽章のクライマックスではJ.S. バッハのカンタータ第1 番《輝く暁の明星のいと美わしきかな》のコラールの引用も見られます。最後も半音階的な12 音技法で書かれていますが、不思議と調性感も持ったまま曲は幕となります。
 第10 番は第2 番から約50 年の時を経て書かれたもの。第7 番では「ドイツ的なもの」を追求し、第8 番はベートーヴェン同様、明るくテンポのよいものを書き、そして第9 番もベートーヴェン同様合唱を含みます(その歌は歓喜の内容ではなく、7 人の囚人が強制収容所から逃げ出そうとする物語)。この第9 番が完成する前に、第10 番をヘンツェに発注したのはラトルでした。その発注時に「(ラトル)自分自身を反映させたポートレイトのような作品を」と述べたとヘンツェは回想しています。とはいえ作品はラトルを描いたというよりも、何か絵画のような雰囲気となっています。第10 番は2000 年に完成し、1999 年に亡くなったヘンツェのパトロンの一人、パウル・ザッヒャーの「思い出に」ささげられています。第1 楽章は2000 年3 月にラトルによって初演されました。



 
WER 6782
\2400→\2190
ジョン・ケージ(1912-1992):ソナタとインターリュード
 ソナタ第1番〜第4番/第1のインターリュード/
 ソナタ第5番〜第8番/第2のインターリュード/
 ソナタ第9番〜第12番/第3のインターリュード/
 ソナタ第13番〜16番
アントニス・アニセゴス(ピアノ)
 ギリシャ生まれの才人アニセゴスによる新しい「ソナタとインターリュード」

 録音:2012 年10 月26-27 日

 インド哲学の影響を受けて作曲したこの《ソナタとインターリュード》(1946-48)は、プリペアード・ピアノ、そしてケージの名を広く世界に知らしめることとなった名作。ネジ、ボルト、ゴム、フェルトやプラスチック製のものをピアノ弦に設置、ガムラン音楽の楽器を思わせる打楽器の音色を得て、インドの瞑想的な世界が広がる興味深い作品です。どのようなネジをどのピアノ弦に設置するか、という指示は、ケージの後年の作品と違ってかなり細かく厳密なもので、ピアニストはこの作品のプリペアード・ピアノの準備に約3 時間要するといわれます。ガムラン音楽を思わせる要素の強い音楽のため、どこか呪術的な方向に走りがちな演奏が多いですが、このアニセゴスの演奏は、時に非常に機械的、時に非常にミステリアスと、様々な表情で聴かせます。
 アニセゴスは1970 年ギリシャ生まれ。7 歳からピアノを始め、作曲でも受賞多数、電子音楽も演奏するというマルチの才能の持ち主です。



 


WER 6784
\2400→\2190
ペーテル・エトヴェシュ(b.1944):作品集
 (1)6人のためのソナタ
  (2人の鍵盤楽器奏者、3人の打楽器奏者、
   1人のサンプリング・ピアノ奏者のための)(2006)
 (2)詩篇151(フランク・ザッパの思い出に)
 (3)コスモス〔2台ピアノ版〕(1または2つのピアノのために)
  (1961年作曲、1999改訂)
(1)(3)グラウシューマッハー・ピアノ・デュオ
ケルン打楽器四重奏団
(1)パウロ・アルバレス(キーボード①)
 バルトーク、そして宇宙をも感じさせる刺激的なリズムに満ちたエトヴェシュ作品集

 録音:2007 年(3)、2008 年(1)、2010 年(2)

 エトヴェシュにとって、「母国語」音楽はバルトークである、といいます。①の「6 人のためのソナタ」は、もともとは2006 年のバルトーク生誕125周年にあわせて書かれたピアノ協奏曲CAP-KO (Concerto for Acoustic Piano, Keyboard, and Orchestra)。もとはピアノ、キーボードとオーケストラのための協奏曲で、キーボードはピアノが奏でた素材を拡大したりするために用いられました。エトヴェシュはこの作品でバルトークの開拓精神を象徴したかったといいます。この協奏曲を6 人の奏者のために編曲したのが「6 人のためのソナタ」。バルトーク的な連続8 度などが印象的な作品です。
 (2)の「詩篇151」は、フランク・ザッパが1993 年に42 歳の若さで亡くなったことへの悲しみを込めた作品。エトヴェシュは「ザッパがこんなに若くして死んでしまうなんて、神を信じることはできない、むしろ神に抗議したい」と述べており、この抗議の意が込められたような作品となっています。
 (3)の「コスモス」はバルトークのミクロコスモスにかけたものですが、同時にガガーリンの有名な宇宙飛行直前の1961 年3 月に書かれたもの。エトヴェシュは当時17 歳で、ガガーリンはこの若き作曲家の想像力に感銘をうけたといいます。




WIGMORE HALL LIVE


Arise, my Muse
WHLIVE 0065
\1400
目覚めよ、我がムーサ
 イエスティン・デイヴィス,リチャード・エガーと仲間たち

  ヘンリー・パーセル:
   目覚めよ、我がムーサ/ヴィオールを奏でよ/
   ここに神々はよしとし給う/ 薄紫色のバラ
  ジョヴァンニ・ガブリエリ:ソナタ第21番
  ヘンリー・パーセル:
   それこそ自然界の声/ 祭壇を飾れ/
   音楽が愛の糧であるなら/
   3台のリコーダーとヴァイオリンのためのファンタジア
  ジェレマイア・クラーク:アルカディアの森の栄光
  ジョン・ブロウ:
   「アンフィオン・アングリクス」より「貧しきセラドン、虚しきため息」
  ウィリアム・クロフト:シンフォニーと歌曲
  ジョン・ブロウ:「ヴィーナスとアドニス」による組曲
  ヘンリー・パーセル:おお孤独よ、我が甘き選択
  (アンコール)パーセル:最も美しき島よ
イエスティン・デイヴィス(カウンターテナー)
リチャード・エガー(ハープシコード)
パメラ・トービー(リコーダー)
タベア・デブス(リコーダー)
ボヤン・チチッチ(ヴァイオリン)
スティーヴン・ペダー(ヴァイオリン)
ジュリア・クーン(ヴィオラ&ヴァイオリン)
マーク・レヴィ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ウィリアム・カーター(テオルボ、バロック・ギター)
 注目のカウンターテナー、イエスティン・デイヴィスの美声が冴え渡るイギリス黄金期の音楽〜パーセル、ブロウ

 録音:2013 年2 月27 日ウィグモア・ホール、ロンドン、ライヴ/59’23

 世界が注目する英国のカウンターテナー、イエスティン・デイヴィスが歌うパーセルを中心としたイギリス・バロック作品集。2013 年2 月27 日にウィグモア・ホールで行われた演奏会で、共演者もイギリスを代表する実力派が集まり、イギリス音楽を存分に堪能できる一夜となりました。
イエスティン・デイヴィスの声は、まさにクリスタル・ヴォイスで、息をのむ美しさ。イギリス音楽の黄金期を彩った作品を、イエスティン・デイヴィスの端正かつ高貴な歌声で聴かせ観客を魅了しました。
 このリサイタルでは、豪華共演者も聴きどころです。最近は指揮活動も行う鍵盤楽器の名手リチャード・エガー。古楽アンサンブル、「パラディアン・アンサンブル」のリーダーである名リコーダー奏者パメラ・トービー。ポッジャー率いる「ブレコン・バロック」の第1 ヴァイオリン、ボヤン・チチッチ、らが洗練された爽快な音楽、そして新鮮な解釈で見事なアンサンブルを聴かせてくれます。
 


WHLIVE 0066
\1400
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
ウィリアム・バード:
 解き明かしたまえ(I、II、II、単旋律聖歌)/
 ジョン、今すぐキスしに来て/第5パヴァーヌと第5パヴァー
ヌへのガリアルド/
 戦いへの行進曲/ 私のネヴェル夫人の曲集より第41番「ファンシー」/
 第1パヴァーヌと第1パヴァーヌ/へのガリアルド/
 カリーノ・カストゥラメ/ファンタジア/ウォルシンガム
J.S.バッハ:
 音楽の捧げものBWV1079より
  (3声のリチェルカーレ/6声のリチェルカーレ/
   2声のカノン:昇り行く調が如く王の栄光高まらんことを)
リゲティ:
 ハンガリー風パッサカリア(1978)/
 コンティヌウム(1968) ハンガリアン・ロック(1978)
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
 テヘラン出身の注目のチェンバロ奏者、マハン・エスファハニ

 録音:2013 年5 月3 日ウィグモア・ホール、ロンドン、ライヴ/74’58

 1984 年テヘラン出身のチェンバロ奏者マハン・エスファハニ。幼少の頃から父にピアノを習い、10 代の時にオルガンとチャンバロに興味を持ち転向。その後彼の名を広めたのが、チェンバロ奏者として初めてBBC ラジオ3 の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選出され、ボルレッティ・ブイトーニ・トラストのフェローシップ賞もチェンバロ奏者として初受賞するなど一気に注目を集めました。大統領奨学生としてスタンフォード大学で音楽学者のジョージ・ホールのもとで学び、さらにボストンでオーストラリアのチェンバリスト、ピーター・ワッチオーン、ミラノでイタリアのオルガニスト、ロレンツォ・ギエルミに師事。チェコの有名なチェンバロ奏者のズザナ・ルージチコヴァーにも手ほどきを受けています。2013 年には来日も果たし、その斬新な演奏に高い評価があつまりました。
 このプログラムは、バードの鍵盤作品に焦点を当て、バッハの名作である「音楽の捧げもの」を真ん中に配置し、リゲティのチェンバロのための作品で締めくくられています。バードは、エリザベス朝最大の作曲家として、英国バロック音楽を代表する一人。自身オルガニストとしても活躍したバードならではの膨大な鍵盤楽器作品の数々から選曲されています。リゲティの「ハンガリー風パッサカリア」は、スウェーデンのチェンバロ奏者オヴェ&エヴァ・ノルドヴァル夫妻に献呈された曲で中全音律における8 つの純正な長3 度と短6 度の音程が、パッサカリアとして反復されます。「ハンガリアン・ロック」はポーランドのエルジュビエタ・ホイナツカに、「コンティヌウム(連続体)」はスイスのアントワネッテ・M. フィッシャー夫人に捧げられています。
 時代を超えた作曲を見事に一つのプログラムとしてまとめあげた、革新的な演奏です。


マハン・エスファハニ(チェンバロ)
HYPERIONのデビュー・アルバム

HYPERION
CDA 67995
\2300→\2090
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
 C.P.E.バッハ:ヴュルテンベルク・ソナタ集

  ソナタ イ短調 H.30/ソナタ変イ長調 H.31/
  ソナタ ホ短調 H.33/ソナタ変ロ長調 H.32/
  ソナタ変ホ長調 H.34/ソナタ ロ短調 H.36
マハン・エスファハニ(チェンバロ)
 新時代を代表するソロ・チェンバリスト!マハン・エスファハニがハイペリオン初登場!

 チェンバロ奏者として初めてBBCラジオ3の「ニュー・ジェネレーション・アーティスト」に選ばれた若手(1984年生まれ!)トップ・チェンバリスト、マハン・エスファハニ。今もっとも注目のアーティストとして全世界を飛び回り、2013年6月にはJ.S.バッハ、バード、リゲティのプログラムによる日本公演が熱烈に迎えられたばかり。
 新たにハイペリオン・ファミリーに加わる新しき才能が挑むのは、J.S.バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ。ヴュルテンベルク大公に献呈されたこの6つのソナタは、C.P.E.バッハの名声を確立する契機となった重要作。1744年、C.P.E.バッハが30歳の年に出版されており、奇しくも現在のマハン・エスファハニと殆ど同じ歳に書かれた作品集。およそ300年前に才気煥発な作曲家として名声を得た「ベルリンのバッハ」の代表作を、現代の溢れだす才能が弾きこなす——!

 ※録音:2013年1月2日−4日、ヘンリー・ウッド・ホール(イギリス)








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