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第75号
マイナー・レーベル新譜(5)
2014.2.18〜2014.4.11


ECM



481 0667
\2400→\2190
パトリツィア・コパチンスカヤ!
 マンスリアン:Quasi parlando

 ① 二重協奏曲
  (ヴァイオリン、チェロと弦楽オーケストラのための)
 ② ロマンス (ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための)
 ③ Quasi parlando (チェロと弦楽オーケストラのための)
 ④ 4つの厳粛な歌 (ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための)
パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn),
アニャ・レヒナー(Vc),
カンディダ・トンプソン(指揮)
アムステルダム・シンフォニエッタ
 コパチンスカヤらが奏でる、創造性あふれる作品

【録音】2012年10月, アムステルダム・ムジークへボウ

 アルメニアを代表する現代音楽作曲家ティグラン・マンスリアン(1939-)の75歳を記念した新録音は室内楽のための作品集。いずれの作品でも息のむような独自性の高い音世界が展開されています。
 マンスリアンの美学を端的にいうと、1つ1つの音が全てあるべき場所にあること。作曲の感性は音に本来備わった潜在的な力に沿って生まれてくるものだ、とヴォルフガング・サンドナーはライナー・ノーツの中で述べています。
 ここ30年の間にマンスリアンの音楽は変化してきてはいるものの、根本にある審美眼は一貫している、と。
 1977年モルドヴァ生まれの鬼才ヴァイオリニスト、パトリツィア・コパチンスカヤと、ドイツの現代音楽チェロのアニャ・レヒナーが、マンスリアンの自由な創造性をしなやかに演奏しています。


何度でも紹介します
コパチンスカヤのベートーヴェン

NAIVE
V 5146
\2500→¥2290
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 作品47『クロイツェル』
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
ファジル・サイ:ヴァイオリン・ソナタ
パトリシア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)
ファジル・サイ(ピアノ)
録音:2007年10月、ケルン、ドイツ放送局室内楽ホール(デジタル)

 「クロイツェル」を聴いた。
 これがまあ・・・すごい。
 ベートーヴェンはコンチェルトももちろんすごかったが、このクロイツェル、異常。
 ロープで縛り上げられて喉元にカミソリを当てられたかのよう。
 サファリパークに行って、気づいたら柵を踏み越えていたかのよう。
 風邪薬と間違えてバイアグラを飲んでしまったかのよう。
 コパチンスカヤは、「まさかこんなことはしないだろう」というあなたの希望を木っ端微塵に打ち砕き、あなたの胸倉を掴んで引きずり倒す。傍若無人なカオスに放り込まれたあなたは、地獄の底も奈落の底にも突き破り、気づいたら天国のお花畑で「ヘラヘラ」笑いながらへたりこんでいる。
 コパチンスカヤ、舞台に裸足で登場してくるらしいが、聴いている者の心臓の中にも裸足でズカズカドカドカ入り込んでくる。
 コパチンスカヤを見つけたのは異才ファジル・サイなのか?当然、サイの演奏もいつも以上に異常。同じ世界の人間を見つけてもう嬉しくてたまらない、といった感じ。いっしょになって狂気の世界を蹂躙している。
コパチンスカヤ/ベートーヴェン
 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン協奏曲ニ長調
   (カデンツァ:ベートーヴェンによるピアノ協奏曲版をコパチンスカヤが編曲)
  ロマンス第2番、ロマンス第1番、
  ヴァイオリンと管弦楽のための断章WoO 5
パトリシア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、
シャンゼリゼ管弦楽団(ピリオド楽器)
NAIVE
V5174
\2800→¥2290
録音:2008年10月 メッス、アースナル(ライヴ&セッション収録) 

 さて、ということでもう一枚の本命、いきましょう。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。再掲載。

 無頼爽快コパチンスカヤ。
 もうその1行だけで終わってもいい。

 こんな面白いベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は初めて聴いた。立派な演奏はいくらでもある。技巧抜群の演奏もたくさんある。深い演奏もまたいくつかある。
 しかしこんなに自由奔放で切れるような感性を味わわせてくれる演奏には出会ったことがない。すさまじい才能が弾丸のように降り注いでくるのだ。
 たった一音、どこか切り取って聴いてもらってもいい。
 そこに聴けるのはベートーヴェンの弾き古された古典の名曲ではない。今ここに生まれ落ちた、キラキラとした新たな音楽。しかも飛びっきり生きのいい。つまりそれはベートーヴェンの音楽ではなく、コパチンスカヤの音楽。
 彼女、カデンツァは言うまでもなく、いたるところでコパチンスカヤ節で歌いまくる。普通の人なら普通に弾いてまったく顧みないようなところを、まるで民族舞曲のようにノリノリで弾き始めたり、ギザギザに鋭角的にエッジを立ててつんざくように弾いたりする。これはダンス・ミュージックかあるいはハード・ロックか?ベートーヴェンではなかったのか?
 今まで、クーゼヴィツキーと共演したハイフェッツの演奏だけが作曲家のレベルを超えたと思っていた。しかしこんなあっけらかんとした少女が軽々とベートーヴェンの頭を飛び越えた。ここには作曲家への畏怖はない。彼女はベートーヴェンを愛してはいるだろうが恐れてはいない。なんだかコパチンスカヤ、「この曲作った人、結構好きなのよね」とか、軽く言いそうな感じ。そしてギュルリ〜ンガリガリガリとまた奔放且つ刺激的にヴァイオリンを弾き放つのである。
 新たなベートーヴェン録音で異彩を放っているヘレヴェッヘのサポートのおかげで、この演奏史上に残る怪作ができあがったのは言うまでもない。・・・しかしそのヘレヴェッヘまでもが、フランケンシュタイン博士よろしく、自らが生み出してしまった怪物に怖れをなしているような気さえする(実は今回の共演を望んだのはコパチンスカヤのほうだった・・・こわ!)。
 まさにおそるべき子供の誕生である。
 無頼爽快コパチンスカヤ。聴いておいてもいいかも。

 なお、YouTubeでちょっぴり両者の共演風景が見られる。http://www.patriciakopatchinskaja.com/

 


481 0712
\2400→\2190
メレディス・モンク:Piano Songs
 1) Obsolete Objects 2) Ellis Island 3) Folkdance
 4) Urban March 5) Tower 6) Paris
 7) Railroad 8) Parlour Games 9) St. Petersburg Waltz
 10) Window in 7’s 11) Totentanz 12) Phantom Waltz
ブルース・ブルベイカー(P),
ウルスラ・オッペンス(P)
興味深いバランスとシンプルによる画期的なピアノ音楽
【録音】2012年4月, ボストン、ニューイングランド音楽院ジョーダン・ホール
 メレディス・ジェーン・モンク( 1942年〜)は、ニューヨーク生まれの作曲家、パフォーマー、演出家、ヴォーカリスト、映画製作者、振付家。そして1960年代からは音楽、演劇、舞踏にわたる総合的な作品を送り出し、 ECM へも数多くの録音を行っています。 メレディス・モンクは主に、ヴォーカルの革新者として知られています。ブルース・ブルベイカーとウルスラ・オッペンスがモンク自身の協力も得て、彼女の画期的な声楽作品をピアノ・ソロまたはピアノ・デュオのために編曲し、新しい表現と解釈で演奏しています。
 ブルベイカーとオッペンスは、彼女の最も有能な理解者、協力者といえます。この編曲版はモンクのキャリア40年を祝って2005年にカーネギー・ホールにて初演されたもので、「興味深いバランスによる画期的なピアノ音楽」と高く評価されたものです。
 


481 0430
\2400→\2190
ジョン・ホロウェイ(Vn,Va),
 《ダウランドとその時代のパヴァーヌとファンタジー》

 ジョン・ダウランド:ラクリメ(7つ涙),
 ヘンリー・パーセル:1音に基づくファンタジー,
 ウィリアム・ロウズ:
  4声の2つのエア, 5声のファンタジー ハ長調,
 ジョン・ジェンキンス:ファンタジー第12番,
 トーマス・モーリー:2声の哀歌,
 マシュー・ロック:2つのトレブルとバスのためのファンタジー
ジョン・ホロウェイ(Vn,Va),
モニカ・ベーア(Vn, Va),
レナーテ・シュタインマン(Va),
スザンナ・ヘフィティ(Va),
マルティン・ツェラー(バス・ヴァイオリン)
内部に秘められた情熱的作品
【録音】2013年3月, チューリヒ放送スタジオ(デジタル:セッション)
 有名な「涙のパヴァーヌ」とも呼ばれるダウランドの『ラクリメ』は、彼らしい憂いを帯びた美しい7つの小品から成り立っています。当時から有名だった「流れよ、我が涙」は一世を風靡した歌曲で、他の作曲家やダウランド自身もこの歌曲を主題とした器楽のためのコンソート「ラクリメ」を書き上げました。この曲集は通常ヴィオール・コンソートで演奏されますが、ここでは最も美しいバロック・ヴァイオリンの音色を奏でる事で有名なジョン・ホロウェイらによるヴァイオリン属のコンソートで演奏されています。
 ダウランドのラクリメについてホロウェイ自身「言葉で表せない感情が秘められた作品」と語り、見事な美音を響かせています。

MD+G



907 18476
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ドヴォルザーク:
 ① 弦楽五重奏曲第2番ト長調Op.77
 ② 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調Op.96「アメリカ」
ライプツィヒ弦楽四重奏団
[シュテファン・アルツベルガー(Vn),
ティルマン・ビュニング(Vn),
イーヴォ・バウアー(Va),
マティアス・モースドルフ(Vc)],
アロイス・ポッシュ(Cb:①)
魅力的な風土色とロマン派音楽の絶妙なバランス
 1988年に設立されたライプツィヒ弦楽四重奏団は、グラモフォン誌において「ドイツの最も優秀な弦楽四重奏団」と評価され、以来40カ国以上の国々の聴衆の心を釘付けにしています。2006年に録音が完結したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は、「イントネーションの絶対の完璧さ」「細心の愛を込めた精密な演奏」と絶賛されています。
 この録音では名曲「アメリカ」と、弦楽四重奏にコントラバスが加わった五重奏曲を収録。「弦楽五重奏Op.77」は、喜歌劇「がんこ物たち」の直後に書き始められ、第1&4楽章はその陽気で快活な気分を受け継いでいます。
 また第2楽章は民族的な風合いをもち、第3楽章も歌謡性に満ちた魅力的な楽章。ドヴォルザークの魅力的な風土色とそれ以前のロマン派音楽の絶妙なバランスが融合した名演です。
ハイブリッドSACD仕様
(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
  

613 18482
\2300
ヴォルフガング・リーム:歌曲集
 ① ヤーコプ・ミヒャエル・ラインホルト・レンツの詩による断章
 ② ニーチェによる6つの詩
 ③ 静けさ
 ④ 新アレクサンダー歌曲
 ⑤ ヴェルフリ歌曲集
ホルガー・ファルク(Br),
シュテッフェン・シュライエルマッハー(P)
二人の絶妙なアンサンブルが未知の世界へ誘う!
 カールスルーエ生まれの現代音楽の作曲家ヴォルフガング・リーム。多作な作曲家としても有名で、これまでの作品数は500以上。2010年には新作オペラ「ディオニソス」を発表するなど最も意欲的な現代作曲家の一人といえましょう。
 当盤に収録された歌曲は様々な時代の詩によるもので、後期ロマン派の影響を受けて作曲されています。ヨーロッパでは比較的演奏される機会の多い作品です。現代音楽を専門とするシュライエルマッハーによるピアノ伴奏で、完璧な解釈で高い評価を得ているバリトン、ファルクが詩的な歌唱を聴かせてくれます。二人の絶妙なアンサンブルが、聴き手を未知の世界へ誘います。
 

618 18492
\2300
イルマー/ジョン・フィールド:夜想曲全集Vol.1
 夜想曲第1〜8番,
 ロマンス, シシリエンヌ, パストラール,
 Playing-with-Field 第1〜3番
シュテファン・イルマー(P)
 夜想曲というジャンルを開拓したジョン・フィールド
 ジョン・フィールド(1782-1837) は、10歳のときダブリンでピアニストとしてデビューし、翌年ロンドンに出てクレメンティに師事。クレメンティは1802年からフィールドを伴ってパリを最初に、ドイツ、ロシアへ演奏旅行を行いました。
 フィールドは行く先々の土地で自作を演奏し、聴衆から絶賛を浴びましたが、1803年からはロシアのペテルブルクに教育者、演奏家として住居を定めました。フィールドはショパン以前に世界で初めてピアノの曲「夜想曲」というジャンルの作曲をしたことで知られています。
 美しく溶け合ったアルペジオに乗せて伸びやかに歌われる響きは、それまでに無い斬新なものでした。シュテファン・イルマーは1962年ドイツ、パーダーボルン生まれのピアニスト。歌曲の伴奏も手掛け、クルト・モルをはじめとする名高い歌手と共演を重ねています。
 1992年から母校のひとつ、ケルン音楽院でも教えています。これまでMD+Gからもロッシーニやクレメンティのピアノ作品集などをリリースし、高い評価を得ています。
 

320 18512
\2300
マルティン・ロスト/北ドイツ・オルガン楽派の作品集Vol.4
 ヨハン・シュテフェンス(1599/60-1616):
  ファンタジア イ短調/ああ神よ、天より見たまえ/
  いざ来たれ、異教徒の救い主よ/
  我らの救い主なるイエス・キリスト//
 ペーター・モールハルト(1630/40-1685):
  Alle Welt, was lebet und webet/
  プレリュード/主なる神よ、われら汝を讃えまつる//
 クリスティアン・フロール(1626-1697):
  プレリュードI&II/神はわがやぐら//
 ゲオルク・ベーム(1661-1733):
  前奏曲、フーガと後奏曲 ト短調/
  大いに喜べ私の魂/プレリュード ニ短調//
 ヨハン・クリストフ・シュミューゲル(1727-1798):
  アレグレット ト短調/プレリュード ハ長調//
 J.S.バッハ:
  おお、穢れなき神の子羊 BWV 1095/
  プレリュードとフーガ ハ長調BWV.531
マルティン・ロスト(1659年製ステルヴァーゲン・オルガン)
変幻万化な音の壮大な絵巻
 【録音】 ドイツ、シュトラールズント、聖マリエン教会
北ドイツのオルガン楽派はその高度なテクニック、特に巧みにペダル鍵盤を操ることで知られています。この楽派の代表的作曲家ブクステフーデは、オルガン用のコラール前奏曲などを作曲し、ドイツのバロック音楽の典型的な集大成とも言われます。ここに収録された曲は、ベームを除けばあまり知名度の高くない作曲家によるものですが、変幻万化な壮大な音の絵巻が繰り広げられています。最後にはその総決算ともいえるバッハの作品で締められ、マルティン・ロストのテクニックと歴史的オルガンの音色によって、傑作の圧倒的な手応えを感じることができましょう。
 


301 3662
\2300→\2090
〔旧譜・再プレス〕
管楽アンサンブル作品発掘に生涯務めた偉大なるクラリネット奏者
クレッカーによる珍しい作品集

 ① ヨハン・フリードリヒ・シューベルト(1770-1811):
   クラリネットとファゴットのための協奏曲変ホ長調
 ② フランツ・タウシュ(1762-1817):
   クラリネットとファゴットと通奏低音のための二重奏ヘ長調
 ③ ペーター・ヴィンター(1754-1825):
   クラリネットとファゴットのための協奏曲変ホ長調
ディーター・クレッカー(Cl),
カール=オットー・ハルトマン(Fg),
ペトル・シュクヴォル(指揮)
スーク室内管弦楽団(①③),
マルシオ・カルネイロ(Vc:②),
ユルゲン・ノルマン(Cb:②)
 ドイツのクラリネット奏者で音楽学者でもあるディーター・クレッカー(1936-2011)。様々なオーケストラでクラリネット奏者を務めたのち、ソリストとして活躍。1962年以降それまで眠っていた知られざるレパートリーの調査を開始。1969年代に18〜19世紀の様々な管楽器作品を復活させるため、一流オーケストラの首席奏者や音楽大学の教授たちによる「コンソルティウム・クラシクム」を設立し、管楽器のための作品や編曲の発掘など、埋もれた傑作に新たなる命を吹き込んできました。
 ここに収録された3曲は、ベートーヴェンとほぼ同時代に活躍した3人の作曲家によるもので、ヴィルトゥーゾ的な要素が感じられる作品。クラリネットとファゴットのための二重協奏曲という珍しい編成のための3曲です。

304 16492
\2300
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ/シューマン:室内楽作品集
 おとぎの絵本 Op.113, 3つのロマンスOp.94
 幻想小曲集Op.73, アダージョとアレグロOp.70
 幻想曲 ハ長調 Op. 131
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
[Ingo Goritzki(Ob),
Ulf Rodenhauser(Cl),
Radovan Vlatkovic(Hr),
Nicolas Chumachenko(Vn),
Hariolf Schlichtig(Va),
Kalle Randalu(P)]
名手たちによる、夢のように甘くロマンティックな名演
【録音】2009〜2012年, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)
 アンサンブル・ヴィラ・ムジカは、ドイツの各地域のオーケストラの主要メンバーから演奏する作品によって特別に集められたアンサンブルです。
 インゴ・ゴリツキ、ラドヴァン・ヴィラトコヴィチなど名手がそろったハイレベルな演奏。このシューマンの室内楽を集めたアルバムでも、夢のような優しい美感あふれる演奏を聴かせてくれます。
 

305 3902
\1600
名手ブンガルテンによる、ソルの素晴らしきメロディと技巧
ブルガルテン/ソル:24の練習曲選集

 Andantino op.6-8 / Allegro moderato op.29-5 /
 Lento assai op.29-4 / Larghetto op.35-3 /
 Andante Allegro op.31 / op.29 /
 Andantino op.6-16 / Allegro moderato op.6-11 /
 Andante op.29-6 / Moderato op.29-8 /
 Lento op.29-9 / Andante op.31-4 /
 Moderato op.31-18 / Andante op.31-19 /
 Allegro op.6-6 / Andante op.6-12 /
 Mouvement de priere religieuse op.31-23 /
 Andantino op.29-10 / Tempo di Marcia /
 Moderato op.31-22 / Andante Lento op.29-1 /
 Andante moderato op.29-2 /
 Andantino moderato op.35-12 /
 Moderato op.31-16 /
 Andante Allegro op.6-9
フランク・ブンガルテン(G)
【録音】1990年8月, シュロス・ノルトキルヒェン(デジタル:セッション)
 「ギターのベートーヴェン」ともいわれるフェルディナンド・ソルは、18世紀末から19世紀前半を生きた作曲家で、ギターの音楽レベルを可能な限り高め、ギターのための曲を最も多く書いた作曲家の一人として知られています。
 大量に書かれた練習曲の中から演奏者のブンガルテンが選曲した24曲。以前イエペスや他のギタリストたちも同じように選曲版で録音していましたが、ブンガルテンのものは教育的配慮というよりは多彩な作品の素晴らしさを伝える作品で構成されています。
 メロディや華やかな技巧など、ソルのエキスが詰まったアルバムです。以前からギター好きのユーザーからは名盤といわれているアルバムですが、その待望の再発売となります。
 


901 18456
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ピアノの名手アルフレッド・パールの指揮によるマーラー
マーラー:大地の歌

 (シェーンベルクによる室内オーケストラ編曲R・リーン完成版)
ゲルヒルト・ロンベルガー(Ms)
シュテファン・リュガマー(T)
アルフレッド・パール(指揮)
デトモルト・カンマーオーケストラ
【録音】2013年10月, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)
 ベートーヴェン、シューベルト、リストなどの演奏(ArteNova→Oehms Classics)で高い評価を得ているアルフレッド・パール。1965年、チリのサンティアゴで生まれ、ギュンター・ルートヴィヒやマリア・クルチオに師事。著名なコンクールで優勝し、世界中のオーケストラと共演している非常に多彩な演奏家です。
 現在はデトモルト音楽大学の教授を務めています。これまでのピアノ演奏から得た経験を踏まえ、マーラーの「大地の歌」を指揮したこのアルバムは、大編成のオーケストラではなく、各パートの違いをくっきりと描き出すシェーンベルクによる室内オーケストラ編曲版を採用しています。何度か本番を重ねたうえでのセッション録音で、すでに当地では「見事に表現された音楽的溶解。繊細、気質と感性、敏捷性、軽さとエレガンスに満ちた妙技」と高い評価を得た演奏です。MDGの高音質と見事なサラウンド録音によって、SACDでも素晴らしい音楽空間が表現されています。


旧譜
アルフレッド・パール(Pf)

シューベルト/最後の3つのピアノ・ソナタ

シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 - 第21番(パール)
CELESTIAL HARMONIES
14304-2
(2CD)
\4400

シューベルト/最後の3つのピアノ・ソナタ
 ピアノ・ソナタ第19番ハ短調D958
 ピアノ・ソナタ第20番イ長調D959
 ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960
アルフレッド・パール(Pf)
クラウディオ・アラウの再来と評判のアルフレッド・パールがシューベルト最晩年の境地を見事に音化!!

録音:2005-2006年ブレーメン放送ゼンデザール

シューベルト最後の3つのソナタといえば、アファナシェフ、アンスネス、ポリーニと数々の名盤がありますが、このアルフレッド・パールの演奏もそれらに勝るとも劣らない独自の世界を築いています。アルフレッド・パール1965年チリ生まれのピアニストで、クラウディオ・アラウの再来と世界中で絶賛されています。CDではベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集(OEHMS)が絶賛され、他にもリストなどヴィルトゥオーゾ系のピアノ作品を得意としてきましたが、ここではシューベルト最晩年の孤独と不安、あきらめ、澄み切った境地などを衒いなく見事に表現しきっています。ゆったりとしたテンポ設定、ペダルを多様した音作りは水墨が和紙にゆっくりと広がってゆくようなイマジネーションを呼び起こします。

 


942 18426
(SACD Hybrid)
\3000→\2690
ウィーン・ピアノ・トリオ/ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲集
 ピアノ三重奏曲第5番ニ長調Op.70-1「幽霊」
 ピアノ三重奏曲第6番変ホ長調Op.70-2
 ピアノ三重奏曲第11番ト長調Op.121a「カカドゥ変奏曲」
ウィーン・ピアノ・トリオ
[Bogdan Boovi(Vn),
Matthias Gredler(Vc),
Stefan Mendl(P)]
アンサンブルの妙を心得た親密な音楽作り
【録音】2013年10月, マリエンミュンスター修道院(デジタル:セッション)
 みなぎる活力、あふれる情念、緊密な演奏を聴かせてくれるウィーン・ピアノ・トリオは、「21世紀をリードする注目のトリオ」と、高い評価を得ているアンサンブルです。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲のうち、アンサンブルの妙を心得た三者による親密な音楽作りが際立つ作品3曲を収録。常に新しい音楽表現方法を求め、確信に満ちた珠玉のアンサンブルが堪能できる一枚です。


旧譜
ウィーン・ピアノ・トリオ〜チャイコフスキー&スメタナ
B. Smetana-Piano Trio Op. 15 & Op. 50 (Hybr)
942 15126
(SACD Hyrbid)
\3000→\2690
チャイコフスキー:
 ピアノ三重奏曲イ短調Op.50《ある偉大な芸術家の思い出のために》
スメタナ:ピアノ三重奏曲ト短調Op.15
ウィーン・ピアノ・トリオ
[シュテファン・メンデル(ピアノ)
ヴォルフガンク・レディック(ヴァイオリン)
マティアス・グレトラー(チェロ)]
約20年間に渡って、世界第一級のピアノ・トリオとして活躍しているウィーン・ピアノ・トリオ。ドヴォルザーク、シューベルト、マーラー、シェーンベルク、ツェムリンスキーの瑞々しい演奏で多くの聴衆を魅了した彼らが満を持して、スメタナとチャイコフスキーの大作に挑む。若くして亡くなった愛娘を悼むスメタナが、旧友ルービンシュタインの死を悼むチャイコフスキーが、それぞれ捧げた美しくも悲しい追悼音楽の傑作。録音:2007年11月5-6日、12月5-6日 マリエンミュンスター修道院 〈デジタル録音〉


AAM



AAM-2
(2CD)
\4000→\3690
リチャード・エガー/
 J
.S.バッハ:ヨハネ受難曲(1724年版)
<CD1>1-20.第1部/
<CD2>1-48.第2部
ジェームズ・ギルクリスト(福音史家…テノール)/
マシュー・ローズ(イエス…バス)/
エリザベス・ワッツ(ソプラノ)/
アンドリュー・ケネディ(テノール)/
サラ・コノリー(アルト)/
クリストファー・プルヴェス(バス)/
アシュリー・リッチーズ(ピラト)/
リチャード・エガー(指揮&ハープシコード)/
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック/
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック合唱団
録音 2013年4月1-5日 UK ロンドン Saint Jude-on-the-hill
 1973年に設立されたアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)の創立40周年を記念して録音されたこの「ヨハネ受難曲」は、現在望み得る限りの最高のソリストを配し、入念に準備された素晴らしいアルバムです。
 早めのテンポを設定した文句なしの名演であり、全ての部分に祈りと愛が満ちています。
 この録音でエガーは1724年の「初稿版」を採用。ところどころ耳慣れない部分も出てきますが、この粗削りなヴァージョンにふさわしい直接的なインパクトと、劇的な表現力こそが、作品の真の姿を洗い出すためにふさわしいものとなっています。
 至高の名曲ゆえ、これまでも多くの演奏が存在していますが、今回のエガー盤は過去の名演ともまた違う独自の祈りの境地へと至った素晴らしいものです。

BR KLASSIK



900508
(3CD)
\4000→\3690
※DVD同時発売
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244 カリーナ・ゴーヴァン(ソプラノ)/
ゲルヒルド・ロンベルガー(コントラルト)/
ジュリアン・プレガルディエン(テノール)/
マキシミリアン・シュミット(テノール)/
マイケル・ネイジ(バリトン)/
カール・マグヌス・フレドリクソン(バリトン)/
バイエルン放送合唱団/
レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊/
コンチェルト・ケルン/
ペーター・ダイクストラ(指揮)
録音 2013年2月16-17日 ライヴ収録
 以前リリースされた「クリスマス・オラトリオ」に続くバイエルン放送合唱団とペーター・ダイクストラのJ.S.バッハ(1685-1750)作品は、名作「マタイ受難曲」。オーケストラはコンチェルト・ケルンで、福音史家は若きテノール、ジュリアン・プレガルディエンが務めています。
 ソリストたちの名唱もさることながら、コンチェルト・ケルンの素晴らしいアンサンブルは、「マタイ受難曲」に新たな光を当てるものであり、現代における祈りの形を全ての人に問いかけることになるでしょう。ただ聞き流すのではなく、何かを考えながら聞いてほしい名演です。

CD ACCORD



ACD-196
\2600→\2390
スクロヴァチェフスキ(指揮)&NFMヴロツワフ・フィル
 ヴィトルト・ルトスワフスキ:作品全集 第4集

  1-3.管弦楽のための協奏曲(1950-1954)/
  4-7.交響曲 第1番(1941-1947)
NFMヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団/
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音 2013年5月31日 ブロツワフ,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック,コンサート・ホール
 2013年のルトスワフスキ(1913-1994)生誕100年を記念して制作された作品全集の第4集。
 こちらは1940年代と1950年代の名作を2曲並べて、その本質を探るというアルバムです。
 初期の作品に属する「交響曲第1番」では、調性から脱却し、独自の和声感を構築していった彼の試行錯誤が現れています。
 また彼の代表作の一つである「管弦楽のための協奏曲」では、民俗音楽の追求を目指した当時のスタイルが集大成されており、新古典的派の雰囲気も感じさせるユニークな作品に仕上がっています。
 どちらも巨匠スクロヴァチェフスキの指揮による納得の演奏です。
 


ACD-197
\2000→\1890
ヴィトルト・ルトスワフスキ:作品全集 第5集
 1.交響曲 第3番(1981-1983)/
 2.ソプラノと混声合唱、管弦楽のための「ラクリモーサ」(1937)/
 3.交響的変奏曲(1936-1938)/
 4-6.ソプラノと管弦楽のための「シロンスクの3章」(1951)/
 7-10.小組曲(1950-1951)
アガタ・ズベル(ソプラノ)/
NFMヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団/
ヤツェク・カスプシク(指揮)
録音 2012年1月23-26日…7-10, 2013年6月24-27日…1, 2013年9月23-25日…3, 2013年12月2-4日…2.4-6 ブロツワフ,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック,コンサート・ホール
 2013年のルトスワフスキ生誕100年を記念して制作された作品全集の第5集。声楽を含む作品と、交響曲第3番を始めとした多彩な作品が収録されています。交響曲第3番は独自の作風が完全に確立された80年代の作品ですが、70年代にスケッチは用意されており、ずっと熟成された後に形となったものです。
 最初期の作品「ラクリモサ」は短いながらも穏やかで美しい曲。同じ頃の「交響的変奏曲」もまだ調性感を残した印象的な音楽であり、シェーンベルクやストラヴィンスキーの影響も感じられる興味深い作品です。
 


ACD-198
\2000→\1890
ヴィトルト・ルトスワフスキ:作品全集 第6集
 1-4.ピアノ協奏曲(1987-1988)/
 5.チェロ協奏曲(1969-1970)/
 6.金管五重奏のための「CUBEのためのファンファーレ」(1987)/
 7.管楽器とパーカッションのための「ルイヴィルのためのファンファーレ」(1986)/
 8.ギルドホール音楽演劇学校のための前奏曲(1989)/
 9.2台のピアノのためのパガニーニ変奏曲(1941)
ギャリック・オールソン(ピアノ)/
トーマス・ダロシュ(チェロ)/
NFMヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団/
ヤツェク・カスプシク(指揮)/
クール・シルキュイ…6/
ジーン・デロイアー(指揮)…6/
ルトスワフスキ・ピアノ・デュオ…9
録音 2012年12月2-3日…1-4, 2013年9月23-25日…5, 2013年6月24-27日…7-8, 2013年11月6日…9, 2013年9月7日…6 ブロツワフ,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック,コンサート・ホール…1-5.7-9, パリ,IRCAM…6
 2013年のルトスワフスキ(1913-1994)生誕100年を記念して制作された作品全集の第6集。
 彼の作品の中でも、最も人気のある「パガニーニ変奏曲」を始めとした協奏的作品と、様々な委嘱作が収録されています。晩年の「ピアノ協奏曲」は、あのクリスティアン・ツィマーマンに献呈されたもので、ピアノの名技と色彩的なオーケストラの響きに満ち溢れた名作です。
 ここでは大家ギャリック・オールソンが貫録の演奏を披露しています。迫力たっぷりのチェロ協奏曲も充実した作品で、冒頭の執拗に刻むチェロのリズムから緊迫感たっぷり。
 

ACD-182
\2000
カタルツィナ・ズディベル:ポートレート
 1-4.ゴードン・ヤコブ(1895-1984):
  ファゴットと弦楽四重奏のための組曲(1968)/
 5.ジャック・カステレード(1926-):
  ファゴットとピアノのための「紡ぎ歌」(1961)/
 6-7.ロボス・スルカ(1928-):
  ファゴットとピアノのためのソナタ(1971)/
 8-10.エディソン・デニソフ(1929-1996):
  独奏ファゴットのためのソナタ(1982)/
 11.エリオット・カーター(1908-2012):
  独奏ファゴットのための「溯源」(2002)/
 12-14.マルチン・マルコヴィッツ(1979-):
  ファゴットと弦楽四重奏のための「3つのミニアチュア」(2011)/
 15-18.ジャン=ルネ・フランセ(1912-1997):
  ファゴットと弦楽四重奏のためのディヴェルスマン(1942)
カタルツィナ・ズディベル(ファゴット)/
カタルツィナ・クルチェフスカ(ピアノ)/
ルトスワフスキ弦楽四重奏団/
パヴェル・ヤブフシンスキ(コントラバス)
録音 2011年10月.2012年5月 ブロツワフ,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック,コンサート・ホール
 オーケストラの楽器の中でも、極めて存在感が高くユニークな音色を有しているファゴット。にも拘わらず、この楽器のために書かれた作品はあまり多くありません。
 このアルバムでは、そんなファゴットを主役とした一連の作品を収録しています。
 演奏しているのは、ポーランドの名奏者カタルツィナ・ズベル。2002年から2007年までワルシャワ音楽院で学び、その後はシュトゥツガルトの高等音楽院、ブロツワフのカルロ・リピンスキ音楽院で更なる研鑚を積み、また2007年からはブロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者も務めているという彼女。ファゴットのあらゆる魅力を存分に堪能させてくれます。
 

ACD-187
\2000
FourTune-ポーランドのフルート四重奏曲
 1-3.クシシュトフ・メイエル(1943-):カプリッチョ/
 4-8.ウワディスワフ・スウォヴィニスキ(1930-):
  王宮のための組曲-バロック時代の回想/
 9-12.クシシュトフ・ペンデレツキ(1933-):
  クラリネットと弦楽三重奏のための四重奏曲(フルートと弦楽三重奏版)
FourTune(アンサンブル)
<メンバー:
ウーカス・ドゥゴス(フルート)/
ラドスワフ・プジャネク(ヴァイオリン)/
カアルツィナ・ブドニク=ガワツカ(ヴィオラ)/
ラファウ・クヴィアトフスキ(チェロ)>
録音 2012年3月14-19日 ブロツワフ,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック,コンサート・ホール
 現在ポーランドで高く評価されている現代作曲家の一人、クシシシュトフ・メイエル。彼の作品の中では13曲ある弦楽四重奏が良く知られていますが、この80年代に書かれた「カプリッチョ」もなかなかの意欲作。難解な作風ではありますが、刺激的であり、楽器の使い方にも目を見張るものがあります。
 それに対し、スウォヴィニスキのバロック時代のスタイルを意識して書かれた「王宮のための組曲」は、古典的な枠組みの中にモダンな響きを封じ込めたもの。
 ペンデレツキの作品は個人的な思い出の中に、シューベルトの弦楽五重奏からの雰囲気を封じ込めたと作曲家自身が語っています。緊密なアンサンブルをお聞きください。

CEDILLE


CDR90000146
\2000
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)/TWO×FOUR
 1-3.J.S.バッハ(1685-1850):
  2台のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043/
 4.アンナ・クライン(1980-):雲の王子(2012)/
 5.フィリップ・グラス(1937-):Echorus(1995)/
 6-9.デイヴィッド・ルードヴィヒ(1974-):ロスト・シーズン(2012)
  <Ⅰ:冬/Ⅱ:春/Ⅲ:夏/Ⅳ:秋>
ジェニファー・コー(ヴァイオリン)/
ハイメ・ラレード(ヴァイオリン)/
カーティス20/21アンサンブル/
ヴィナイ・パラメスワラン(指揮)
 来日公演で、その素晴らしい才能を存分に堪能させてくれた女性ヴァイオリニスト、ジェニファー・コー。
 このアルバムは彼女と、彼女の師であるハイメ・ラレードによる「創造的」な1枚です。
 親密な対話が楽しめるバッハの協奏曲はもちろんのこと、20世紀を代表する作曲家フィリップ・グラスによる瞑想的な「Echorus」。アンナ・クラインの印象的な「雲の王子」、そして刺激的なルートヴィヒの「ロスト・シーズン」と、世界初演を含む興味深い作品が並んでいます。
 卓越した技術はもちろんのこと、この選曲の妙も素晴らしく、いろいろな意味で楽しめるアルバムとなっております。

CPO


777582
\2600
ヨーゼフ・グングル:ワルツ・マーチ・ポルカ集
 1.楽しい時も苦しい時もOp.289/
 2.海の上の夢Op.80/
 3.エルブレシェンOp.207/
 4.常動曲Op.317/5.アモレット・タンツェOp.161/
 6.ナヤードのカドリーユOp.264/7.故郷の調べOp.31/
 8.フランツ・ヨーゼフ行進曲Op.142/
 9.ツァムベキ・チャールダッシュOp.163/
 10.ベルリン・コンチェルトハウスのポルカOp.269/
 11.あなたは見ますか?Op.319/
 12.蒸気機関車ギャロップOp.5/
 13.ハイドロパテンOp.149/
 14.私を思い出してOp.251/
 15.ナーレン・ギャロップOp.182
ニュルンベルク・シンフォニカー/
クリスティアン・シモニス(指揮)
 ヨーゼフ・グングル(1810-1889)はハンガリーの指揮者、作曲家です。もともとはオーボエ奏者として活躍し、その後オーストリア砲兵第4連隊の楽長に就任します。そこで最初の作品「ハンガリー行進曲」を書き注目を浴びました。1843年にベルリンでオーケストラを組織し、この楽団を率いて1848年から1849年までアメリカ合衆国に演奏旅行に出かけるほどの人気を獲得しました(同じような活動をした人にプロイセン生まれのベンヤミン・ビルゼとリヒャルト・アイレンベルクがいますが、このどちらもcpoからCDがリリースされています)。さて、そんなグングルですが、その後も各国を渡り歩き、とりわけ1873年のロンドンでの一連のコンサートでは大きな成功を収めたとされています。
 彼は生涯に436曲ものワルツや舞曲、行進曲を書いていて、そのどれもが軽やかなメロディと軽快なリズムを持っています。ここでもゆったりした曲から爽快な曲と、バラエティに富んだ作品が並んでいます。ウィーンの音楽とはまた違った味わいを持つ楽しい舞曲集です。
 

777661
\2600
北ドイツのルネサンス音楽集 第3集
モーリッツ (ヘッセン=カッセル方伯)(1572-1632):宗教&世俗作品集

 1.深き淵より/2.主に 望みいだけば/3.来たれ、精霊よ/
 4.我は盲目である/5.風に揺れる/6.羊の毛のように/
 7.カンターテ・ドミノ/8.3人の弟子/9.虚偽の気持ち/
 10.アンドリューはただの漁師/11.さあ、われらは歓喜しよう/
 12.高きところにおわす神/13.栄光とともにほめたたえよ/
 14.われらが父よ/15.良きこと、甘きこと/
 16.エリザベッタ・ダッシア嬢のためのパヴァーヌ/
 17.ウナ・カンディダ・セルバ/18.バレ(リュート・ソロ)/
 19.ベネデット・シアジョルノ/20.マニンコニアのパヴァーヌ/
 21.セル・ペンシエール・ケ・ミ・ストルッジェ/
 22.ランドグラーヴェ・アルマン(リュート・ソロ)/
 23.なぜ、愛の顔?/24.イ調のフーガ/
 25.愛はあなたと私に驚きを/
 26.クーラント・ド・マッド(リュート・ソロ)/
 27.アヴェントゥローソ・シ・ピウ・ダルトロ・テレンノ/
 28.パドヴァデルの行進:ガスパル・ヴィデマルチェロ/
 29.ソプラデットのガリアルダ/30.主を賛美する
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレード・コルデス(指揮)
 神聖ローマ帝国の領邦国家であった「ヘッセン=カッセル方伯領」。1567年ヘッセン方伯フィリップ1世の死に伴う分割相続によって成立し、1592年に孫であるモーリッツがここを統治しました。15歳で教師に感銘を与えたというほど、教養深かった彼は、音楽や科学に幅広い関心を持つインテリジェントな支配者であり、ハインリヒ・シュッツとジョン・ダウランドの後援者でもあったということです。
 彼自身の作風は、フランドル楽派の影響やイタリア、ドイツなどの様々な影響を受けたものであり、当時の音楽の隆盛をダイレクトに反映した興味深いものでもあります。演奏はいつものようにブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスとコルデスによるもの。知られざる音楽の泉をとことん堪能させてくれること間違いありません。
  

777777
\2000
イグナーツ・プレイエル:弦楽四重奏曲集 第3集
 1.弦楽四重奏曲 第1番 Benton 331/
 2.弦楽四重奏曲 第2番 Benton 332/
 3.弦楽四重奏曲 第3番 Benton 333
ケルン・プレイエル四重奏団
 プレイエル(1757-1831)の弦楽四重奏曲シリーズの第3集。ここでも彼の典雅な作風を心行くまで楽しむことができます。彼の生涯については、宮廷楽長を始め、ピアニスト、ピアノ制作会社、出版業者として、各々の分野で素晴らしい業績を挙げたことが知られていますが、その作品はかなり保守的であり、師であるハイドンの教えを忠実に守ったもので、また企業家として名を成してからは創作活動も下火になってしまったといいます。
 しかしながら弦楽四重奏曲だけでも70曲を数える彼の作品、もっと聞かれてもよいのではないでしょうか。
  


777793
(2CD)
\2600→\2390
セルゲイ・イヴァノヴィチ・タネーエフ:室内楽曲集
 1.ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.30/
 2.ピアノ四重奏曲 ホ長調 Op.20/
 3.ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op.22
アンナ・ザッシモワ(ピアノ)/
アルブレヒト・ブロイニンガー(ヴァイオリン)/
シュテファン・クラツナリック(ヴァイオリン)/
ユリエン・ハイヒェルベック(ヴィオラ)/
ベルンハルト・レールヒャー(チェロ)
 「対位法の大家」と言われるロシアの作曲家タネーエフ(1856-1915)。モスクワ音楽院でニコライ・ルビンシテインにピアノ、作曲をチャイコフスキーに学んだ彼は、ピアニストとしても作曲家としても優れた才能を発揮し、各地で活躍しました。1878年にはモスクワ音楽院の和声、楽器法の教授を務め、1881年にはピアノ科の教授、そして1885年からは4年間院長職にあるなど、教師としても業績を残しています。
 対位法については幾冊かの著書もあり、またチャイコフスキーの未完の作品を補筆するなど、後世に及ぼした影響も大きな人でした。このアルバムには彼のピアノを含む3曲の室内楽作品が収録されています。
 どの曲も演奏時間40分を超える大作であり、彼の持ち味が最大限生かされた、ロシアの哀愁漂う美しいメロディが満載の聴きごたえある作品です。
 

777805
(2CD)
\5200
フランチェスコ・チレア:歌劇「アルルの女」
 3幕 原作:アルフォンス・ドーデ「風車小屋より」レオポルド・マレンコによる台本
ジュゼッペ・フィリアノーティ(テノール)/
イアノ・タマル(メゾ・ソプラノ)/
ミレーラ・ブノアイア(メゾ・ソプラノ)/
リ・キョンウン(ソプラノ)/
リ・ジンセク(バス) 他/
フライブルク劇場合唱団&児童合唱団/
カメラータ・ヴォカーレ・フライブルク/
フライブルク・フィルハーモニーか幻樂団/
ファブリス・ボロン(指揮)
 農園の女主人ローザの息子フェデリコ。彼はアルルから来たという女性に首ったけです。そんなフェデリコを一人思う幼馴染の少女ヴィヴィエッタ。一度はヴィヴィエタの思いに応えようとするフェデリコですが、結局は「アルルの女」をあきらめることができず、命を落とすというお話です。ビゼーの名作「アルルの女」と同じドーデの「風車小屋より」を原作とするこの歌劇。全曲が演奏されることはあまりなく、現在では、2幕で歌われるテノールの悲痛なアリア「フェデリコの嘆き」のみが知られています。この演奏は若きテノール、フィリアノーティを中心とし、チレア(1866-1950)の美しいメロディを存分に生かしたた活きのよいものとなっています。
 

777824
\2000
ヨーゼフ・ハイドン:
 スコットランド民謡集 Hob.XXXIa(抜粋)
 英語によるカンツォネッタ集 Hob.XXVIa

 1.さすらい人 The Wanderer/2.魂の歌 The Spirit's Song/
 3.彼女は愛を語ったことがない She never told her Love/
 4.The Waefu' Heart/5.ジョン・アンダーソン John Anderson/
 6.メアリーの夢 Mary's dream/7.ボートの男 The Boatman/
 8.Langolee/9.感性 Sensibility/10.おお、麗しの声 O Tuneful Voice/
 11.田園の歌 A Pastoral Song/12.Fideliy/
 13.ジョッキーとサンディ Jackie and Sandy/
 14.私は秘かに私の愛を愛する I Love My Love in Secret/
 15.Gramachree/16.Auld Robin Gray/
 17.What can young lassie do with an auld man/
 18.ジェニーのボービー Jenny's Bawbee
ドロテア・ミールズ(ソプラノ)/
レサミ・ド・フィリッペ
<メンバー:エヴァ・サロネン(ヴァイオリン)/
グレゴール・アンソニー(チェロ)/
ルドガー・レミー(フォルテピアノ)>
現代最高のバロック歌手、ドロテー・ミールズの歌うハイドン歌曲集です。このアルバムに収録されているのは、スコットランドの民謡を編曲したものとイギリスのカンツォネッタです。スコットランド民謡は、土地の名士であるジョジ・トムソンが当時の名作曲家たちにスコットランドの民族音楽の旋律を用いた曲の伴奏部分の作曲依頼をしたもので、彼らは歌詞を知ることもなく、メロディを流用し、見事な伴奏を書いたと言われています。ハイドン(1732-1809)は途中まで完成させ、この世を去ってしまい、残りはベートーヴェンが引き継ぎました。英語のカンツォネッタ集は、穏やかで静かな世界が広がるような名作揃い。フォルテピアノの伴奏で歌われる事が多いのですが、ここではルドガー・レミーのフォルテピアノを中心に、エヴァ・サロネンのヴァイオリンとグレゴール・アンソニーのチェロが美しい彩りを添えています。幸せな瞬間があります。
 

777874
\2600
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:受難カンタータ「瀕死の救い主」
 ヨハン・フリードリヒ・レーヴェンによるテキスト
ベリット・ゾルゼット(ソプラノ)/
ニコラス・ムルロイ(テノール)/
アンドレアス・ヴォルフ(バス・バリトン)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ(指揮)
 作曲家、ヴァイオリニストであったヨハン・クリスチャン・ヘルテル(1727-1789)を父として生まれたこのヴィルヘルム。生まれた年代はバロック後期から古典派への過渡期であり、その作風もバッハとヘンデルの中間あたりに位置する人です。
 この「瀕死の救い主」は1764年の聖金曜日に初演された受難カンタータで、彼が仕えたメクレンブルク=シュヴェリーンに献呈されています。この曲のテキストを書いたレーヴェンは、受難曲の最もドラマティックな部分…ゲッセマネから鞭打ちを経て、磔刑に処されるまで…を省き、ダイレクトに死に向かう救世主の心の動きを描くことに力を注いだ結果、それはとても叙情的で人間味あふれる物語となりました。
 ヘルテルはこのテキストに端正かつ精緻な音楽を付け、見事な受難曲に仕立てあげたのです。最近、この時代のオラトリオの蘇演に力を注いでいるヴィレンの説得力ある演奏です。
 
777876
\2600
マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ:
 歌劇「オルフェウスの冥府下り」/田園劇「花の冠」
アーロン・シーハン(テノール)/
テレサ・ワキム(ソプラノ)/
アマンダ・フォーサイス(ソプラノ)/
ジェシー・ブルムバーク(バリトン) 他/
ボストン・アーリー・ミュージック・フェスティヴァル管弦楽団&合唱団/
ポール・オデット&スティーブン・スタッブス(指揮)
 以前、リュリの歌劇「テゼ」「プシュケ」がグラミー賞にノミネートされるなど、リリースするアルバムのどれもが注目されているオデットとスタッブス。今作はシャルパンティエの2つの歌劇作品を取り上げました。
 シャルパンティエ(1643-1704)は現在、宗教曲の作曲家として論じられることが多いのですが、いくつかの歌劇、劇音楽も残しています。リュリと同時代でありながらも、その作風は違いがあり、時として野心的なアリアや象徴的なフレーズが現れるなど、なかなか面白いものとなっています。
 演奏は若い歌手たちによって行われており、活気ある素晴らしい音楽を楽しむことができるでしょう。
 

777857
\2600→\2390
ヨーゼフ・マルクス:室内楽と歌曲集
 1.ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための「三重奏のためのファンタジー」/
 2.ソプラノ、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとフルートのための
  「A.ヴィルトガンスの詩による4つの歌曲」
ハイペリオン三重奏団/
シモーヌ・ノルド(ソプラノ…2)/
クリストフ・レンツ(フルート…2)/
フェリックス・シュヴァルツ(ヴィオラ…2)
 オーストリア世紀末の時代に活躍しながらも、その潮流にどっぷりと嵌ることはなく、フランス印象主義や新古典派の作風も取り入れながら、独自の作風を作り上げたヨーゼフ・マルクス(1882-1964)。生前の彼の作品はとても人気がありましたが、1964年に亡くなってからは、ほとんど忘れられてしまい、その人気が復興するのは、20世紀末の頃になってから。現在では多くの作品が演奏され、比較的容易に楽しめるようになりました。
 このアルバムには1913-14年に書かれた初期の作品「三重奏のためのファンタジー」と、いかにも頽廃的なヴィドガンズの詩(かなりエロティック)を用いた「4つの歌曲」を収録。グスタフ・クリムトの絵を思わせる熟した果実のような音楽です。
 

777737
\2600→\2390
テオドール・フォン・シャハト:シンフォニア集
 1.シンフォニア ハ長調/
 2.シンフォニア 変ホ長調/
 3.シンフォニア・コン・エコー
エヴァーグリーン交響楽団/
ゲルノート・シュマルフス(指揮)
 美麗なクラリネットの作品の一部が、現在かろうじて残っているドイツの作曲家シャハト(1748-1823)。彼はレーゲンスブルクの宮廷音楽家ヨーゼフ・リーペルから最初の音楽指導を受け、1766年にはシュトゥッツガルトのニコロ・ヨンメッリの弟子になります。その後はレーゲンスブルクに戻り、1773年から宮廷音楽監督に就任、イタリア・オペラの普及にも力を尽くしました。
 1796年には王室から特別の地位を得て、その後は自由な作曲家としてウィーンに旅行し、ベートーヴェンやルドルフ大公、ナポレオンなどにまつわる作品を書いたことでも知られています。
 このシンフォニア集は、ハイドンの躍動感にも似た快活な雰囲気を持つ作品。演奏はこの時代の作品を得意とする台湾のエヴァーグリーン管弦楽団とシュマルフスによるものです。
 

777606
(2CD)
\2600→\2390
イグナツ・ヨーゼフ・プレイエル:協奏交響曲集
<CD1>
 1.フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 ヘ長調(B115)/
 2.オーボエ、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲 変ロ長調(B112/1289)/
<CD2>
 1.フルート、オーボエ、ファゴット、2台のヴァイオリン、
  ヴィオラ、チェロ、コントラバスと管弦楽のたけの協奏交響曲 ヘ長調(B113)/
 2.ファゴット協奏曲 変ロ長調(B107)
ハンノ・デンナーベック(ファゴット)/
ギャビー・パス=ファン・リエット(フルート)/
アン・アンゲラー(オーボエ)/
ヴォルフガンク・ヴィフラー(ホルン)/
ミラ・ゲオルギエワ(ヴァイオリン)/
マイケル・サルム(ヴァイオリン)/
グンター・トイフェル(ヴィオラ)/
マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(チェロ)/
コンスタンツェ・ブレンナー(コントラバス)/
シュトゥットガルト放送交響楽団/
ヨハネス・メースス(指揮)
 オーストリアに生まれ、若い頃はヨーゼフ・ハイドンに学び、その後フランスに移住。この地で結婚し音楽家として活躍したプレイエル(1757-1831)。しかし、1791年にフランス革命の余波を受け、教会での演奏会が廃止されたため、職探しのためにロンドンにわたります。そこで成功し財を成した彼は、再度パリに戻り、今度は音楽出版社の仕事を始めます。39年間出版業に就き、4000作品を出版した後、今度は何とピアノ制作会社を立ち上げたというのですから驚きです。
 そんなプレイエル。その作品は、企業家としてはアクティヴであった彼らしくなく、とても穏健なものでした。ここではファゴットを含む協奏交響曲と協奏曲を収録。彼のセンス良い楽器の用法と、モーツァルトにも似た典雅な音楽を楽しむことができます。
 

777782
\2600→\2390
ドレスデンの栄光
 1.ジュセッペ・ブレスキアネッロ(1690頃-1758):シンフォニア ニ長調/
 2.ヨハン・ゲオルク・ピセンデル(1687-1755):ソナタ ハ短調/
 3.ヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783):デモフォンテへのシンフォニア ニ長調/
 4ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ(1688-1758):序曲組曲 ヘ長調/
 5.アントニオ・カルダーラ(1670頃-1736):シンフォニア ハ長調/
 6.ジョヴァンニ・バッティスタ・サンマルティーニ(1700/01-1775):メメットへのシンフォニア イ長調/
 7.ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):機会オラトリオのための序曲 ニ長調
ドレスデン・バロック管弦楽団
 1711年から1728年にこの地を統治したフリードリヒ・アウグスト1世のおかげで、ドレスデンは華々しく発展しました。町には宮殿を始め、多くの建物が建ち、人々が集まり文化の花が開いたのです。もちろん多くの音楽家たちもこの地に住み、数多くの作品が生まれたのです。
 ドレスデン・バロック管弦楽団は1991年、ドレスデンの音楽大学の卒業生によって結成された団体であり、ドレスデンの忘れられた作品の上演に力を尽くしています。
 このアルバムでもヘンデルを別として、各々の作曲家の名前は存分に知られているとは言い難いものばかり。しかし改めて聞いてみると、その新鮮な音楽には感服せざるを得ないのではないでしょうか。
 

777804
\2000→\1890
ミェチスワフ・ヴァインベルク:室内楽作品集
 1.ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重奏曲 Op.24/
 2.ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ Op.46/
 3.独奏コントラバスのためのソナタ Op.108
エリザヴェータ・ブルーミナ(ピアノ&芸術監督)/
コーリャ・ブラッハー(ヴァイオリン)/
エレツ・オファー(ヴァイオリン)/
ヨハネス・モーザー(チェロ)/
ネイビル・シャハタ(コントラバス)
 いくつかのレーベルで、その作品のリリースが進行しているポーランド生まれ、ロシアで活躍した作曲家ヴァインベルク(1919-1996)。
 このアルバムは、ロシア音楽を深く愛する研究者&ピアニスト、ブルーミナの素晴らしい解釈による3つの作品が収録されています。名手ブラッハーを始めとした彼女を取り巻く仲間たちの演奏からは、初期から中期にかけて書かれたこれらの作品の成熟の度合いと作風の変化をたやすく聞き取ることができるでしょう。
 先人や同時代の作曲家たちの影響をうまく取り入れながら、そこに民俗的な味付けを施し、独自の作風を作り上げたヴァインベルク。もっとたくさんの人に聴いていただきたい作曲家です。
 

777913
(6CD)
\8400→\7590
ミェチスワフ・ヴァインベルク:弦楽四重奏曲全集
CD1…777313-2
 弦楽四重奏曲 第4 番&第16 番/
CD2…777392-2
 弦楽四重奏曲 第7 番,第11 番,第13 番/CD3…
777393-2
 弦楽四重奏曲 第6 番,第8 番,第15 番/
CD4…777394-2
 弦楽四重奏曲 第5 番,第9 番,第14 番/
CD5…777566-2
 弦楽四重奏曲 第1 番,第3 番,第10 番 他/
CD6…777587-2
 弦楽四重奏曲 第2 番,第12 番,第17 番
ダネル弦楽四重奏団
 最近話題沸騰中。ヴァインベルク(1919-1996)の弦楽四重奏曲全集がお求めやすい価格での登場です。
 ショスタコーヴィチの弟子であり親友であったヴァインベルクは、自身も騒乱の人生を送りながら、多くの作品を世に生み出しました。その中でも弦楽四重奏曲は傑作が揃っており、どれもが、当時のロシアの不安定な雰囲気を湛えつつも、それを乗り越えるパワーも有した聴きごたえのある作品となっています。
ベルギーの実力派ダネル弦楽四重奏団の納得の演奏でお楽しみください。

DIVOX



CDX-70808
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ヴィオール・コンソートのための・・・
 1.アントニオ・デ・カベソン(1510-1566):
  Diferencias sobre el canto de la dama le demanda/
 2.カベソン:Anchor che col partire/
 3.カベソン:Discante sobre la pavana italiana/
 4.ジョセッフォ・グアミ(1542-1612頃):Canzon VII/
 5.グアミ:Canzon IV/
 6.ジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(1575-1647):Cant ferno I del I tono/
 7.トラバーチ:Gagliarda Quinta/
 8.コッレア・デ・アラウホ(1576頃-1654):
  3 glosas sobre todo el mundo en general/
 9.チェザリオ・グッサーゴ(1579-1612頃):Canzon La fontana/
 10.ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):
  Bergamasca,da,I fiori musicali/
 11.グレゴリオ・ストロッツィ(1615-1687):Toccata de passacagli/
 12.ストロッツィ:Gagliarda III e per concerto di Viole/
 13.ジョー・J・フローベルガー(1616-1667):Capriccio I/
 14.フローベルガー:Canzon I/
 15.フランソワ・ロベルディ(1624-1680):Fuga et Caprice VI/
<ボーナス・トラック>
 16.J.S.バッハ(1675-1750):最愛のイエスよ BWV731
アカデミア・ストルメンターレ・イタリアーナ
 (オリジナル楽器使用)
録音 2010年4月30日-5月2日
 16世紀から17世紀にかけて書かれたヴィオールのための作品集です。ヴィオールとはフランス語で、基本的にはイタリア語のヴィオラ・ダ・ガンバと同じ楽器であり、形は似ていてもヴァイオリン属とは違う分類の楽器です。ここに含まれている作品は、オリジナルもあれば、他の楽器のために書かれた作品を編曲したものもあり、様々な曲を通してヴィオールの魅力を知ることが可能になっています。
 ボーナス・トラックとして収容されたバッハ作品も、オリジナルとは全く違う魅力を放っており、高音質の録音も相まって、この柔らく官能的な音色に陶然となること間違いありません。
 演奏しているアカデミア・ストルメンターレ・イタリアーナは、数々の受賞歴のあるアンサンブルで、今回は歴史的な楽器を用い、親密な演奏を聴かせます。

DYNAMIC



CDS-7692
(2CD)
\3000→\2690
セザール・フランク:歌劇「ストラデッラ」
 (L.V.ホーヴによる管弦楽版)
レオノール…イザベル・カバトゥ(ソプラノ)/
ストラデッラ…マルク・ラホ(テノール)/
スパンドーニ…ヴェルナー・ファン・メッヘレン(バス・バリトン)/
大公…フィリップ・ルイヨン(バリトン)/
ピエトロ…クサヴィエ・ルイヨン(テノール)/
ミシェル…ジョヴァンニ・イオヴィーノ(語り)/
ベッポ…パトリック・ミニョン/
役人…ロジャー・ジョアキム/
ワロン王立歌劇場管弦楽団&合唱団/
パオロ・アリヴァベーニ(指揮)
録音 2012年 リエージュ DYNDVD37692と同内容
 フランク(1822-1890)というと「フランスの作曲家であり、交響曲とヴァイオリン・ソナタとオルガン曲を書いた人」という認識が一般的でしょう。しかし、実は彼はベルギー出身であり、またオペラも作曲していたということを知る人はどのくらいいるのでしょうか?
 ベルギー、リエージュに生まれ、すぐに音楽的才能を開花させ、12歳の時に最初のコンサートを開き「神童」ともてはやされた少年セザール・フランク。その翌年1835年に一家でパリに移住、1837年にパリ音楽院に入学し、以降はほとんどフランスで活動したため、フランスの作曲家として知られるフランクですが、ベルギーでは彼のことをとても大切にしています。
 この作品は14歳の時に書かれ、パリ・オペラ座で初演されたとされていますが、実は歌の部分のみが残存。オーケストラ部分は失われてしまっているものです。今回は作曲家ルク・ファン・ホーヴがオーケストラ部分を加筆、3年に渡って改修していたワロン王立歌劇場のリニューアル・オープン、こけら落し公演の演目として演奏されたものです。実在の人物をモデルにした血腥い物語も興味深いところながら、若きフランクがどのような音楽を自身の模範としていたのかも伺い知ることができる貴重な録音。歌手たちの力演も素晴らしいものです。
 
CDS-7693
\2000
マスター・オブ・ヴァイオリン 第3集
 1-3.レスピーギ(1879-1936):ヴァイオリン・ソナタ ロ短調/
 4-7. F.A.E.ソナタ
  <第1楽章(ディートリッヒ)/第2楽章(シューマン)/
   第3楽章(ブラームス)/第4楽章(シューマン)>
フランコ・グッリ(ヴァイオリン)/
エンリカ・カヴァッロ(ピアノ)
録音 1986年 ジェノヴァ
 20世紀初頭のイタリア音楽界の興味のほとんどは、歌劇作品に向いており、管弦楽作品や器楽作品はあまり作曲されることはありませんでした。そこでレスピーギやカゼッラなどの一部の作曲家が、「器楽作品に立ち返ろう」と声を挙げ、多彩な管弦楽作品が次々と生まれました。
 しかしヴァイオリン作品は、このレスピーギのソナタの他は、ピツェッツィの曲などの僅かしかありません。とはいえ、このレスピーギは素晴らしい構成とメロディを持つ見事なソナタです。かたやF.A.E.ソナタは1853年にシューマンが、友人たちに「ソナタを作ろう」と提唱し生まれたもの。完成作は共通の友人であるヨーゼフ・ヨアヒムに献呈され、タイトルもヨアヒムのモットーである「自由だが孤独に」(Frei aber einsam)の頭文字をとったものです。2つのソナタは、そのできる過程は違いますが、どちらの曲にも熱い感情が漲っています。

GRAND PIANO


GP637
\2000
ヨーク・ボウエン:24の前奏曲・ミニョン組曲・子守歌
 1-24.24の前奏曲 Op.102(1938)/
 25.子守歌 ニ長調 Op.83/
 26.ピアノのための組曲 第1番 ト長調 Op.30より第3番「舟歌」/
 27-29.ピアノのための組曲 第4番 Op.39「ミニョン組曲」
  <Ⅰ:前奏曲/Ⅱ:ワルツ/Ⅲ:終曲>
クリスティーナ・オルティス(ピアノ)
録音 2012年12月4-5日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 「最も注目すべきイギリスの若き作曲家!」とサン=サーンスに絶賛されたこともある作曲家ボウエン(1884-1961)。彼はロンドンの王立音楽アカデミーで学び、ピアニストとしても名声を得ていました。
 彼の作品はモダンな和声を取り入れながらも、基本的に後期ロマン派の語法から外れることがなく、その慎重さが「古臭さ」として捉えられてしまい、その作品も少しずつ忘れられてしまったのです。
 このアルバムに収録された「24の前奏曲」は彼の代表作であり、あの“奇人”ソラブジに献呈され大絶賛されたことで知られています。
 この中にはボウエンの全てが詰まっていると言っても過言ではないほどに、多彩な表現が凝縮されています。奇妙で美しい作品群です。
 

GP651
\2000
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品全集 第6集
 1-5.無言歌集 Op.82
  <悲歌/ロンデル/謎/手品師/聖母への賛歌>/
 6-7.歌とリフレイン Op.66/
 8-12.ショーウィンドウの中の世界 Op.75
  <グレイハウンドと牝牛/カニ/カエル/イタチ/鹿>/
 13.第4(1948-1949)/14-15.2つのノヴェレッテ Op.19/
 16.祈り/17.ロシア風ロンド(1946)/
 18-22.スラブのトランスクリプション
  <ヴォルガの舟歌/シェリーへの歌/
   偉大なるロシアへの歌/ヴォルガに沿って/チェコの歌>
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
録音 2012年7月17日 スイス ルガーノ,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
 ロシアの現代作曲家、チェレプニン(1899-1977)のピアノ作品集も今作で第6集となります。彼の波瀾万丈の生涯を探るだけでも面白いのですが、ここでは曲についてのみ。このアルバムに収録された作品は、彼の最も創作意欲が旺盛な時期に書かれたもので、1949年から1951年に書かれた「無言歌」と、1940年周辺に書かれた「歌とリフレイン」。
 そしてとても興味深い1946年の「ショーウィンドウの中の世界」。少し若い時期である1921年から22年の「2つのノヴェレッテ」。
 その2年後の「スラブのトランスクリプション」など、面白いものばかりです。なかでも「ショーウィンドウ〜」はストラヴィンスキーを思い起こさせる騒々しく表現的な作品。例えば「鹿」は森の中を歩いていたチェレプニンが突然鹿と出会い、お互い数秒間見つめ合った時のことを音楽で表現したのだとか。なかなか示唆に富んでいるではありませんか。
 

GP653
\2000
ヨアヒム・ラフ:ピアノ作品集 第4集
 1-13.チチェレネッラ Op.165/
 14-19.練習曲形式による12のロマンス Op.8 第1巻
  <第1番:アバンドナータ/第2番:牧歌/第3番:逃亡/
   第4番:友情/第5番:恋人の叫び/第6番:譫妄>/
 20-25.練習曲形式による12のロマンス Op.8 第2巻
  <第7番:舟歌/第8番:祈り/第9番:剣闘士/
   第10番:マズルカ/第11番:満足/第12番:ポロネーズ>/
 26-27. 2つの小品 Op.166
  <第1番:牧歌/第2番:農村のワルツ>/
 28.アレグロ・アジタート
チャ・グエン(ピアノ)
録音 2013年5月12-13日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ドイツ人の父とスイス人の母の間に生まれたラフ(1822-1882)。彼がいかに師であり友人であったリストから影響を受けたかは、これまでの作品を少しでもお聞きいただければお分かりだと思います。ここに収録された作品も、リストやシューベルト、そしてワーグナーの雰囲気も感じさせる優雅で華麗なものばかりです。
 変奏曲形式で書かれた「チチェレネッラ」と「2つの小品」は1872年に出版された作品で、優雅で魅惑的な楽想を持つものですが、世に出た当時はそれほど人気を獲得したわけではなかったようです。
 このアルバムの中心をなす「12のロマンス」は1843年、21歳の野心的な作品で、ラフはこの作品をメンデルスゾーンに送り、もちろんメンデルスゾーンもこれを絶賛したのでした。
 曲はどれもイタリア語のタイトルと、洗練された雰囲気を持ちますが、例えば第12番のポロネーズなどは、かなり濃厚な作風であり、独特のメロディが強く耳に残ります。
 演奏は、ラフ作品を得意とするチャ・グエン。華麗なタッチと抒情性が持ち味のピアニストです。

MYRIOS CLASSICS



MYR-11
(2SACD-Hybrid)
\4000→\3590
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)
 パウル・ヒンデミット:ヴィオラ作品全集 第2集
  ヴィオラ&ピアノとヴィオラ独奏のためのソナタ集

〈CD1〉
 1.ヴィオラとピアノのためのソナタ Op.11 No.4
 2.独奏ヴィオラのためのソナタ Op.11 No.5
 3.独奏ヴィオラのためのソナタ Op.25 No.1
 4.ヴィオラとピアノのためのソナタ Op.25 No.4
〈CD2〉
 1.独奏ヴィオラのためのソナタ Op.31 No.4
 2.独奏ヴィオラのためのソナタ(1937)
 3.ヴィオラとピアノのためのソナタ(1939)
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)
トーマス・ホッペ(ピアノ)
録音 2011年12月…ヴィオラ独奏作品 / 2013年2月…他
 2013年にリリースされた第1集に続く、タベア・ツィマーマンのヒンデミット作品集です。こちらは優れたヴィオラ奏者であったヒンデミット(1895-1963)の才能が遺憾なく発揮された、ヴィオラのためのソナタ集です。
 彼のヴィオラ・ソナタは楽器の性能を余すことなく見せつけるものであり、楽器と奏者が一体となる幸福感も随所に漂わせています。
ここで聴ける全てのソナタは、1919年に書かれた初期の作品から、1930年代後半の成熟した作品まで、幅広い作風を有しています。
 Op11の2つのソナタはどちらも1919年の作品ですが、ゆったりとした暖かみのある美しさを持つ「ピアノを伴うソナタ」に比べ、「独奏のためのソナタ」は無機質で硬質な響きに溢れています。ヴィオラの落ち着いた音色が静寂を切り取っていく様子は感動的です。
 1922年のOp.25になると、更に深化を遂げた音楽が展開されていきます。Op.25-4での躍動的な楽想や、第3楽章での新古典派的な音の動きなどは、まさにヒンデミットを聴く喜びそのものと言えるでしょう。
 1930年代の2つの作品は、もう「突き抜けた世界」とでも言える孤高の光を放った作品です。
 もちろんタベアの演奏は、曲の隅々までを知り尽くしたものであり、卓越した表現力を支える技巧には恐れ入るばかりです。

NAXOS



8.573239J
\1100
細 川 俊 夫 : 管 弦 楽 作 品 集 第 1 集
 1.ホルン協奏曲 -開花の時-(2010)
 2.ピアノとオーケストラのための 月夜の蓮 (2006)
 3.チェロとオーケストラのための チャント (2009)
  ※世界初録音
シュテファン・ドール(フレンチホルン)…1
児玉桃(ピアノ)…2
アンッシ・カルットゥネン(チェロ)…3
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管
準・メルクル(指揮)
録音 2013年6月10-11日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 現代における「日本人作曲家」の中で、最も世界中から注目を浴びている細川俊夫(1955-)。
 彼の新作は発表されるやいなや、その総譜は日本ショット社から出版され世界中へと広まっていくことでも知られています。
 最近の作品はどれも「自然と人間」との関わりをモティーフとしており、とりわけ「花」の存在は忘れてはならないものでしょう。
 作曲家による解説(日本語)付きです。
 

8.573155
\1100
福本茉莉/ オルガン・リサイタル
 1.ニコラウス・ブルーンス(1665-1697):前奏曲 ホ短調
 2.ミヒャエル・ラドゥレスク(1943-):
  リチェルカーレ集 Op.28-第3番:エスタンピー
  ニコラ・ド・グリニ(1672-1703):オルガン曲集 第1巻より
   「来たれ、創造主たる聖霊よ」
 3. 5声のフーガ
 4. グラン・ジュでのディアログ
 J.S.バッハ(1685-1750):トリオ・ソナタ 第2番 ハ短調 BWV526
  5.第1楽章:ヴィヴァーチェ
  6.第2楽章:ラルゴ
  7.第3楽章:アレグロ
 8.ディートリッヒ・ブクステフーデ(1637頃-1707):
  讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ BuxWV188
 9.オリヴィエ・メシアン(1908-1992):
  聖霊降誕祭のミサ-第4曲:
   聖体拝領唱 「鳥と泉」
 10-11.J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ホ短調 BMW548
福本茉莉
(オルガン…武蔵野市民文化会館,リサイタル・ホール)
録音 2012年10月1.2日 武蔵野市&武蔵野文化財団の協力による録音
 1987年東京生まれの若きオルガニスト、福本茉莉。彼女は2009年に東京藝術大学卒業後、同大学院で研鑽を重ね、更にハンブルク音楽演劇大学でも学びます。
 そんな彼女は、2012年、第7回武蔵野市国際オルガンコンクールで見事優勝に輝き、一層の飛躍を遂げることとなったのです。
 このアルバムは、その優勝記念のリサイタル録音であり、バロック期の作品から、メシアン、ラドゥレスクなどの現代作まで、彼女の素晴らしい才能の一端を知るには最適の1枚です。2013年にはドイツ・ニュルンベルク国際コンクールでも優勝、その勢いは留まるところを知りません。
 プライヴェートではユニークなキャラクターを持つことで知られる彼女ですが、巨大なオルガンの前に座るやいなや「音楽の神」と化し、全身で神の声を表現する姿が衝撃的でもあります。
 


8.573153
\1100
福田 進一/日本のギター作品集第1集 武 満 徹 : ギター独奏作品集他
 1.レオ・ブローウェル(1939-):
  HIKA:イン・メモリアム・トオル・タケミツ(1996)
 2-3.武満徹:フォリオス(1974)
 5-8.武満徹:すべては薄明のなかで(1987)
 9.武満徹:
  ギターのための小品
  「シルヴァーノ・ブソッティの60歳の誕生日に」(1991)
 10.レオ・ブローウェル:ハープと影-武満徹の想い出に(2005)
 11.武満徹:エキノクス(1993)
 武満徹:森の中で(1995)
  12.ウェインスコット・ポンド−コーネリア・フォスの絵画から
  13.ローズデール
  14.ミュアー・ウッズ
 武満徹:ギターのための12の歌(1977)より
  15.ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア
   (ジョン・レノン&ポール・マッカートニー)
  16.イエスタデイ(ジョン・レノン&ポール・マッカートニー)
福田 進一(ギター)
録音 2012年10月18-21日 カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
 20世紀の最も重要な日本人作曲家、武満徹(1930-1996)。彼の作品はどれも偉大なものですが、中でも一連のギター曲は、また独自の表現力を誇るものとして知られています。
 1974年の「フォリオス」はギタリスト荘村清志のために書かれた作品で、フォリオとは「二つ折りの紙」の意。抽象的な音の断片は意識を遠くに運んでいきますが、一瞬聞き覚えのあるコラールが耳に残り、静かに消えていくという儚い音楽です。とても短い「ギターのための小品」。こちらも荘村に捧げられた「エキノクス」での揺れ動く優しさ。「すべては薄明のなかで」はパウル=クレーの絵画からインスピレーションを受けたという音楽。
 福田が日本初演しています。「森の中で」は武満が亡くなる前の最後の作品。こちらも幻想的であり、不思議な雰囲気を醸し出しています。これらの作品に、武満と福田の共通の親友であるブローウェルの作品を散りばめて作り上げたこの1枚は、全てのギターを愛する人と音楽を愛する人への贈り物です。
 


8.573132
\1100
ペトレンコ(指揮)&ロイヤル・リヴァプール・フィル
 ショスタコーヴィチ:交響曲 第14番 Op.135(1969)
ガル・ジェームス(ソプラノ)/
アレクサンダー・ヴィノグラドフ(バリトン)/
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
録音 2013年5月4-5日 イングランド ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
 ますます注目を浴びているヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲全集。シリーズ10作目は1969年に完成した交響曲第14番です。作曲者自身が「不条理な死」をテーマに、オラトリオ形式を想定して紡いだ11の詩集。この作品が完成する3年前の1966年にショスタコーヴィチは「交響曲第14番」の作曲にとりかかっていますが、その初稿スケッチは後に「チェロ協奏曲第2番」として蘇ることとなり、ロストロポーヴィチの手によって初演されることとなりました。そのため1969年「ソプラノ、バス、弦楽器打楽器のためのオラトリオ」として作曲された本作が、結果的に「交響曲第14番」として世に出されることとなったのです。そのためこの作品はショスタコーヴィチの交響曲の中でも非常に稀な楽器編成で奏されるのです。
 2人の独唱者に拠って歌われる各楽章は、マーラーの大地の歌を思い起こさせますが、曲はもっともっと晦渋であり、更に「死の影」に捉われているものです。
 ペトレンコのショスタコーヴィチ解釈は、バルシャイをはじめとするこれまでの指揮者たちとは一線を画し、非常に「現代的」と評されるものの、一見淡白かつクールに思えるその音の奥から滲み出る強いパッションは、21世紀のショスタコーヴィチ演奏のスタンダードの形となるかもしれません。
 


8.573110
\1100
準・メルクル(指揮)&ライプツィヒMDR響
 ダルベール:管弦楽曲集

 1.「グリルパルツァーのエステル」序曲 Op.8/
 2.歌劇「死せる瞳」前奏曲-序/
 3.歌劇「ゲルノート」第2幕への前奏曲/
 4.歌劇「紅玉」序曲/5.歌劇「旅立ち」序曲/
 6-10.管弦楽組曲「シンデレラ」Op.38
 11.ソプラノとオーケストラのための「小さな人魚姫」Op.15
ヴィクトリア・カミンスカイテ(ソプラノ)…11/
ライプツィヒMDR交響楽団/
準・メルクル(指揮)
録音 2011年1月27-28日…6-10, 2011年1月28日…1, 2011年12月5日…2-3, 2011年12月11日…4-5, 2011年12月7日…11 ドイツ ライプツィヒ,アウグストゥスプラッツ,MDRスタジオ
 スコットランド、グラスゴーで音楽家の父の下に生まれたダルベール(1864-1932 父のピアノの才能はあのカルクブレンナーを驚かせたと言います)。彼は独学で音楽を習得し、名ピアニストとして演奏、録音を数多く残しました。彼はリストの弟子であり、師の曲やベートーヴェンを得意としていたと言われます。
 そんな彼、作曲家としても有能で、交響曲や弦楽四重奏曲、協奏曲、そしてオペラなど、多岐に渡るジャンルに素晴らしい作品を残しています。
 このアルバムでは、彼のいくつかの歌劇の序曲と、組曲「シンデレラ(灰かぶり姫)」をお聞きいただけます。リストから影響を受けただけあって、彼の作品はどれも色彩的で物語性を強く感じさせるものですが、後期ロマン派の時代に活躍しただけあって、そのオーケストレーションはマーラーやR.シュトラウスに近く、濃厚なオーケストラの音を聞きたい人も存分に満足していただけるものでしょう。「小さな人魚姫」は題材も含め、どちらかというとワーグナー風の音楽。この時代、いかにワーグナーの影響が大きかったのかを目の当りにできる音楽です。
 ダルベール:交響曲 ヘ長調 Op.4 他…8. 572805
 


8.573061
\1100
※Blu-rayオーディオ
同時発売
アントニ・ヴィト(指揮)&ワルシャワ・フィル
 ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
クリスティアーネ・リボル(ソプラノ)/
トーマス.E.バウアー(バリトン)/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団
 (ヘンリク・ビョナロフスキ)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2012年8月27-29日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール
 コントラバス奏者を父とし、ハンブルクで生まれたブラームス(1833-1897)。彼は幼い頃からピアノの才能を示し、10歳の頃から家計を助けるためにレストランや居酒屋でピアノを演奏したと言います。そんな彼、若い頃から自身の作品については懐疑的であり、かなりの数を破棄してしまいました。
 この「ドイツ・レクイエム」も24歳の頃に構想されるも、なかなか完成することはなく、ずっと仕舞われていたのですが、1865年に彼の母が死去。これが引き金となり、ようやく全曲が完成したというものです。
 初演2年前の1867年、出来上がっていた3つの楽章のみが試演されましたが、聴衆の反応は最悪であり、毒舌批評家ハンスリックも皮肉めいた批評を書きました。しかし、ブラームスは諦めることなく作曲を続け、何度も試演を繰り返し、1869年にようやくライネッケ指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により全曲が初演され、この曲の真価が知られるようになったというものです。
 曲はご存知の通り、ドイツ語のテキストが用いられ、随所に高度な対位法が使われた壮大かつ深淵なもの。ここでは大曲を得意とするヴィトが絶妙のタクトで、全曲を纏め上げています。
 

8.559727
\1100
ジョン・ケージ:2種の鍵盤楽器のための作品集 第2集
 1. 2のための音楽(1984/1987)/
 2-4. 2台のプリペアド・ピアノのための「3つのダンス」(1945)
ペストヴァ/マイヤー・ピアノ・デュオ
<メンバー:
 クセニア・ペストヴァ…1-8/
 パスカル・マイヤー…1.2.8>
演奏: 録音 2012年12月18-19日 フィルハーモニー・ルクセンブルク,エスパス・デクーヴェルト
 ジョン・ケージ(1912-1992)の音楽、その多彩さと奇妙さは多くの音楽ファンに受けています。プリペアド・ピアノの音色はもちろんのこと、打楽器としての可能性など、それまでのピアノの概念を悉く塗り替えたかのような彼の音世界は、確かに聴くだけでも面白く、できることなら自分でも演奏してみたいと思う人が多いのもわかるような気がします。
 このアルバムに収録された2つの作品のうち、「2のための音楽」は便宜上このタイトルが付けられているだけであり、本当は2の部分は空白。「_のための音楽」と題されており、様々な楽器を任意で組み合わせて演奏するものです。組み合わされた楽器がそのままタイトルになるので、このピアノデュオ版は「2のための音楽」としてあります。「3つのダンス」はケージ作品の中でも最も野心的なもの。ピアニストの能力の限界に挑む曲として知られ、壮大なピアニズムと質感ある音色が魅力的かつ恍惚を呼ぶ曲です。
第1集…8. 559726
  

8.573091
\1100
ハツィス:フルート協奏曲集
 1-3.フルートと弦楽オーケストラのための「デパーチャーズ」(2011)
  <第1楽章:花咲き乱れる丘/第2楽章:静けさ/
   第3楽章:プログレス・ブルース>/
 4-6.フルートと室内オーケストラのための「オーヴァースクリプト」(1993/2012)
  (J.S.バッハ:フルートと弦楽、通奏低音のための協奏曲 ト短調 BWV105/Ⅰより)
   <第1楽章:左/第2楽章:右/第3楽章:両方で(右と左)>
     ※世界初録音
ディミトロワ・カルパキシディス(オーボエ)/
ジェルジオス・ポリティス(ファゴット)/
マリレナ・リアコプールー(ハープシコード)/
パトリック・ガロワ(フルート)/
テッサローニキ州立交響楽団/
アレクサンドル・ミラ(指揮)
録音 2012年9月6-15日 ギリシャ テッサロニキ,T.S.S.O.コンサート・ホール
 現代作曲家の中でも「最も重要な一人」として認識されているクリストス・ハツィス(1953-)。トロント大学にある彼のオフィスのドアを2000年に叩いたガロワは、単刀直入に「フルートのために何か作曲したことありますか?」と質問したのだそう。その質問は無視されたかに見えたのですが、1年後に素晴らしい作品が出来上がり、これはガロワとトロント大学の学生たちによって演奏されたと言います。
 2011年の「デパーチャーズ」は日本での大震災で失われた多くの命と、彼自身の友人たちへの思い出のために書かれた作品。様々な技巧を駆使しながら、日本の伝統音楽の要素も取り入れたユニークな曲です。「オーヴァースクリプト」はバッハの作品を元にしながらも、そのメロディは断片的に扱われ、時には引き伸ばされながら奇妙に形を変えていきます。熱に浮かされた時に見る幻影のような不定形の美しさを備えています。
 

8.559716
\1100
トッホ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番,チェロ・ソナタ 他
 1-3.弦楽三重奏曲 Op.63(1936)/
 4.アダージョ・エレジアコ(1950)/
 5-7.チェロ・ソナタ Op.50(1929)/
 8-10.ディヴェルティメント Op.37 No.1(1925)/
 11-13.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.21(1913)
シュペクトラム・コンチェルト・ベルリン
<メンバー:/
アネッテ・フォン・ヘーン(ヴァオリン)…-3.8-10.11-13/
ハルトムート・ローデ(ヴィオラ)…1-3/
イェンス・ペーター・マインツ(チェロ)…1-3.5-7.8-10/
ラルス・ウォウテルス・ファン・デン・
 オウデンワイヤ(クラリネット)…4/
カーチャ・アペキシワ(ピアノ)…4.11-13/
ヤッシャ・ネムツォフ(ピアノ)…5-7/
フランク・S・ドッジ(芸術監督)>
録音 2012年6月25-29日 ドイツ ベルリン,ジーメンス・ヴィラ
 このアルバム、始まった途端に音がはじけるかのようです。オーストリアの作曲家エルンスト・トッホ(1887-1964)はウィーン大学で哲学を、ハイデルベルク大学で医学を学んだ人で、作曲はあくまでも独学でした。しかし1909年に彼の作品「室内交響曲ヘ長調」が初演され、これがモーツァルト賞を受賞したことで、彼は本格的に作曲家の道を歩むことになるのです。
 このアルバムでは彼の芸術的変遷のほぼ40年間を辿るものであり、最初期の作品であるヴァイオリン・ソナタはまるでブラームス。彼の友人はこの曲を「ブラームスの第4番」と呼んだほどでした。第1世界大戦ではイタリア前線に配属され帰還。そして1920年代は彼の最も充実した時代であり、次々に新しいスタイルの音楽を生み出しましたが、その後ナチスの迫害から逃れアメリカに亡命。ハリウッド映画音楽などにも手を染めつつ、戦後は7曲もの交響曲を書くなど精力的に活動を続けたのです。
 ここで演奏しているシュペクトラム・コンチェルト・ベルリンは、トッホの作品を精力的に演奏し、トッホが亡命した際、短くカットされた作品を復刻するなど、彼の作品の普及に力を注いでいます。
トッホ作品集 第1集…8.559282、第2集…8.559324
 

8.572859
\1100
コルネリウス:歌曲全集 第4集
 1-9. 9つの宗教的な歌 「天にいますわれらの父よ」Op.2
  <天にいますわれらの父よ/神聖なるお名前も/
   あなたの王国に来て/あなたの行い/
   今日私たちの毎日のパンを私たちに与える/
   われらの罪を赦し/だからわれらはわれらの債務者を赦すように/
   われらを誘惑せず/悪からわれらを守りたまえ>/
 10-12.マリアの歌 「処女マリア」
  <美しき処女/穢れなき処女/畏き処女>/13.アヴェ・マリア/
 14-21.クリスマスの歌 Op.8
  <クリスマスツリー/羊飼い(第1稿)/羊飼い(第2稿)/王(第1稿)/
   王/シメオン/キリストの子どもの友人/幼児キリスト>
クリスティーナ・ランツハーマー(ソプラノ)/
マルクス・シェーファー(テノール)/
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(バリトン)/
マティアス・ハウスマン(バリトン)/
マティアス・ヴァイト(ピアノ)
録音 2010年1月15日.24日…1-9, 2012年1月20日…10-13, 2011年1月14日.24日.2月12日…14-21 ミュンヘン バイエルン放送 第2スタジオ
 マインツで生まれ、その地で生涯を終えたコルネリウス(1824-1874)。彼の歌曲は決して派手ではありませんが、隅々までに優しさと温かさが漲る感情豊かなものであり、一度聴けばその美しさに陶然となること間違いありません。
 そして、これまでにリリースされた3枚のアルバムに含まれたほとんどの作品は、彼自身の詩によるものであることも、小さな驚きでした。
 そんなコルネリウスの歌曲。このアルバムが最終巻となります。ここに収録された作品でわかるとおり、彼は極めて敬虔なクリスチャンであり、生涯を通じて教会音楽に強い関心を抱いていたのです。若い頃から宗教的な作品を書いていましたが、この「天にいますわれらの父よ」では、聖歌の定旋律を用いつつも、ロマン派特有の滴り落ちるような美しいメロディを併せることで、珠玉の世界を作り上げることに成功しています。「クリスマスの歌」も素朴な喜びを歌い上げています。
 

8.572991
\1100
トーニ:ピアノ作品全集 第2集
 1.カプリッチョ 第4番「オクターヴ」(1969)/
 2.カプリッチョ 第5番「ベッリーニへのオマージュ」(1987)/
 3.カプリッチョ 第6番 「シルヴァーノ・ブソッティの名による格言」(1991)/
 4-9.6つの前奏曲 Op.21(1944)/
 10-14.コラール・パルティータ集 第1巻 Op.29 (J.S.バッハによる)(1949)/
 15.セレナータ 第1番 Op.10(1940) ※世界初録音
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
録音 2013年3月11-13日 イタリア ヴェニス.ファンダツィオーネ・ジョルジオ,サラ・デリ・アラッツ
 イタリアの作曲家カミロ・トーニ(1922-1993)。彼は教師としても優秀であり、次々と素晴らしい音楽家を世に送り出したことで知られています。18歳の時に初のピアノ曲「セレナータ 第1番」Op.10を作曲したトーニ。この作品が彼の芸術的発展に決定的な転換をもたらしたのです。無論この時代に生まれただけあって、初期の作品と言えども、シェーンベルクの12音の影響を受けた渋いものでした。彼がシェーンベルクの作品を初めて出会ったのは19歳の時。アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリが演奏する幾つかの作品でしたが、その中でOp.25の小品はトーニに強い印象を与えたと言います。「それは魅力的であるというよりも、恐怖に近いものだった」とまで語る彼。その後はこの12音システムを拡大し、自身のアイデアを付け加え、ここで聴けるようなユニークな音楽を創り上げたのです。
第1集…8.572990
 

8.572997
\1100
リチャードソン:チェンバロ作品全集
 1.パヴァーヌと変奏曲 ニ短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)/
 2.ガイヤルドと変奏曲 ニ短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)/
 3.パヴァーヌと変奏曲 ト長調-短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)/
 4.ガイヤルドと変奏曲 ト短調(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)/
 5.パヴァーヌ イ短調/6.ガイヤルド イ短調/7.アルマンド/
 8.リュートのためのパヴァーヌとガイヤルド ニ短調(F.リチャードソンによるハープシコード編)/
 9.アルフォンソ・フェッラボスコ1世(1543-1588):ファンタジア(ハープシコード編)/
 10.バード(1543-1623):「おやすみ、わたしの可愛いいとし子よ」(チェンバロ編)/
 11.ハーディング(1550-1626):ファンタジア(チェンバロ編)/
 12.ホルボルン(1545-1602):ガイヤルド 「女王の新年の贈り物」(チェンバロ編)/
 13.パラディソ(1570頃):ファンタジア(チェンバロ編)/
 14.トランペット/
 15.ウェイクフィールド・オン・ア・グリーン/
 16.ラ・ミ・レの上で/17.前奏曲(フィツウィリアム・ヴァージナル・ブックより)/
 18.ストロージャー(1560-1575頃):ファンタジア
グレン・ウィルソン(ハープシコード)
録音 2013年5月8-11日 ドイツ ルクハイム、シュッツバウ
 フェルディナンド・リチャードソン(1558-1618)は、イギリスの音楽の歴史の中で、とりわけ注目すべき人物の一人でした。
 1575年に「これまでイギリスで出版された宗教曲」の最初の重要なコレクションが登場し、これは大きなセールスを誇りました。“Cantiones Sacrae ”と題されたこの曲集は、トーマス・タリスやウィリアム・バードの作品が含まれており、美しい装丁も相俟って多大な人気を呼んだと言われています。
 この曲集の編纂に関わったのが若き貴族リチャードソンでした。彼はタリスの弟子であり、卓越した演奏家、作曲家でもありました。またエリザベス1世の宮廷でかなりの影響力を有しており、彼によって数多くの作曲家の作品が存続することになったのです。もちろんここで聴くことのできる自作もなかなか素晴らしいもので、自身の作品は、あの有名な「フィツウィリアム・ヴァージナル・ブック」にも収録されているほどでした。ここでは彼が編曲した同時代の作品も楽しむことができます。
 

8.573131
\1100
葉小鋼:マカオの花嫁-バレエ組曲 Op.34 他
 1-10.マカオの花嫁-バレエ組曲 Op.34(2001)
  <第1曲:海へ還る/第3曲:最初の出会い/
   第4曲:一見したところ/第5曲:バラドックス/
   第6曲:穏やかな時/第7曲:海のマリア/
   第8曲:曲がることなき忠誠心/
   第9曲:キャプテンの邸宅/第10曲:結婚式披露宴>/
 11-14.4つの嶺南の詩 Op.62(2011)
  <第1曲:五尾根の南、友人に別れを告げる/
   第2曲:恵州のもっとも素晴らしいもの/
   第3曲:梅州に別れを告げる/
   第4曲:重陽の日に鎮海楼を昇る> ※世界初録音
シー・イージェ(テノール)…11-14/
リウ・ミンヤン(メゾ・ソプラノ)…1-10/
マカオ・ユース合唱団…1-10/
マカオ管弦楽団/
リュー・ジア(指揮)
録音 2011年7月4-7日 中国 広東省 深.コンサート・ホール
 現代の中国において最高の作曲家の一人として知られる葉小鋼(1955- イェ・シャオガン)の作品集。彼は中央音楽院で学び、1987年からはニューヨークに留学もしています。彼の作品は極めてシンフォニックであり、どれもがまるで映画音楽のように鮮やかで、聞き映えのするものです。
 彼の名を一躍高めたのは2008年の北京オリンピック開会式で、この時は彼のピアノ協奏曲を名手ラン・ランが演奏。光の乱舞とダンスを伴うその演奏は、世界中の30億人の観衆を魅了したのでした。この「マカオの花嫁」は4幕からなるバレエ組曲で、中国の船乗りとポルトガル船の船長の娘の物語を描いたものです。迫りくる荒波を越えて2人は幸せな結婚式を挙げるというストーリーです。
 「4つの嶺南の詩」はやはりマカオの文化局から委嘱された作品で、テノールと管弦楽のために書かれており、使われた詩はそれぞれ、唐、宋、明、清王朝の時代に書かれたものです。今日の中国芸術家の情熱と願望を反映し、古代の傑作に新たな次元を融合させるという作曲家の意図が見事に反映されています。
 

8.573141
\1100
ペトラッシ/チレア/フーガ:チェロ作品集
 1-3.ペトラッシ(1904-2003):前奏曲、アリアと終曲(1933)/
 4-6.チレア(1866-1950):チェロ・ソナタ ニ長調 Op.38(1888)/
 7-9.フーガ(1904-1994):チェロ・ソナタ 第1番(1936)
   ※世界初録音…7-9
マッシモ・マクリ(チェロ)/
ジァコモ・フーガ(ピアノ)
録音 2013年2月22-23日 イタリア ポリテクニコ・オブ・トゥリン,アウラ・マーニャ・ジョヴァンニ・アネッリ
 この3つの作品は、それぞれの作曲家たちの初期の作品で、これまでほとんど録音されることのなかったものです。もちろんどれも作曲年代や曲想、スタイルは違っているものの、根底に流れる若々しい音楽性には共通するものが感じられます。
 ペトラッシは新古典主義でスタートし、その後は無調や十二音を追求、一切の妥協を許さない厳しい音楽を追求した人です。この作品には、アリアの部分などに抒情性を感じることができますが、全体的には規律正しい音の応酬が見られます。
 チレアはオペラ作曲家として知られている人で、ここでも美しいメロディが溢れており、聞き手の耳もここでほっと一息つくことができるのではないでしょうか。
 このソナタは、彼がオペラ作曲家として認められる以前のものです。サンドロ・フーガのソナタはペトラッシのものとさほど変わらない時期に作曲されていますが、こちらは驚くほどに情緒豊かであり、この2人の求めたものの違いをじっくり感じることができるのではないでしょうか。穏やかで美しい作品です。
 

8.573224
\1100
バルトーク:ピアノ作品集 第7集 14のバガテル/9つのピアノ小品
 1-14.14のバガテル Op.6 BB50 Sz.38/
 15-23. 9つのピアノ小品 BB90 Sz.82
  <第1集:4つのディアローグ 第1番/
   第1集:4つのディアローグ 第2番/
   第1集:4つのディアローグ 第3番/
   第1集:4つのディアローグ 第4番/
   第2集:第5番 メヌエット/第2集:第6番 歌/
   第2集:第7番 動物の行進/第2集:第8番 チェルゲーの踊り/
   第3集:第9番 ハンガリー風前奏曲>/
 24.ピアノ小品 BB8 第1番 ロ短調 D45/1/
 25-26. 3つのピアノ小品 BB14(抜粋)
  <第2番:アダージョ D53/2 /第1番:インテルメッツォ D53/1>/
 27.スケルツォ(幻想曲)ロ長調 BB11 D50/
 28.狂詩曲 第1番 BB36a(短縮版)
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
録音 2012年8月25-26日…1-27, 2013年1月31日…28 ハンガリー ディオーシュド,フェニックス・ホール
 1907年、ブダペスト音楽院のピアノ教授となり、生活は安定していた27歳のバルトーク(1881-1945)ですが、親しくしていたヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルとの恋愛が失敗に終わり、彼の心の中は悲しみと不安が渦巻いていました。
 そんな時に書かれたこのバガテル(ちょっとした小品の意味)は、彼の気晴らしであるとともに、とても実験的な要素を備えたもので、新しい語法の模索も感じられる意欲的なものとなりました。これを聴いたフェルッチョ・ブゾーニが「最後の本当に新しい何かがある」とこの曲を大絶賛し、バルトークは作曲家としての足掛かりをつかむことが出来たと言います。
 対する「9つのピアノ小品」は1926年の作品で、バルトーク後期の特徴を備えた簡潔かつ独特の和声が感じられる興味深い音楽です。バルトークのスペシャリストとして知られるヤンドーの納得の演奏でお楽しみください。
 

8.573279
\1100
ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲集 第1集
 1-4.ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ短調 Op.65, B.130/
 5-10.ピアノ三重奏曲 第4番 ホ短調「ドゥムキ」Op.90, B.166
テンペスト三重奏団
<メンバー:
イリヤ・カーラー(ヴァイオリン)/
アミット・ペレドゥ(チェロ)/
アーロン・ゴールドスタイン(ピアノ)>
録音 2013年5月26-29日 USA メリーランド, Spencerville Seventh-day Adventist Church
 ドヴォルザーク(1841-1904)の4つのピアノ三重奏曲は、どれも完成度が高く充実した書法を持っています。第3番は1883年の2月から3月にかけて作曲されたもので、彼の母の死後、悲しみに捉われたまま、その行き場のない感情が迸るかのような激しさを持ち、第1楽章での迸るようなエネルギーはそのまま第2楽章へ引き継がれ、心休まる時がありません。
 しかし第3楽章のアダージョでは一転、こらえきれなかった涙が溢れてくるような美しく落ち着いた世界へと変わります。この対比の鮮やかさはドヴォルザークならではのものでしょう。
 終楽章はどことなく民謡風の忙しない音楽に戻りますが、第4番は「ドゥムキ」という副題をもつもので、この言葉の語源はウクライナの民謡形式の名前、もしくはチェコ語の「回想」であるとの説があり、これは定かではありません。作曲されたのは1890年から1891年、彼がアメリカへと旅立つ時期の作品です。各楽章は統一された動機はなく、気まぐれな雰囲気を持ちますが、これがまた聴いていて楽しく、次から次へと現れる元気のよい音楽は、聞き手を力付けるかのようです。
 


8.573066
\1100
ベートーヴェンとクネヒトの関係は・・・
 そのクネヒト:自然の音楽的描写〜大シンフォニー

 1-5.クネヒト(1752-1817):自然の音楽的描写-大シンフォニー(1785)

  <第1楽章:
   美しい田舎、そこでは太陽は輝き、優しい東風はそよぎ、
   谷間に小川は流れ、鳥がさえずる。急流は音を立てて流れ落ち、
   羊飼いは笛を吹き、羊たちは跳びはね、羊飼いの女は美しい歌声を聴かせる。/
   第2楽章:
    突然空が暗くなり、あたりの自然は不安に息をのむ。
    黒い雲が集まり、風が吹き始め、遠くでは雷鳴がとどろき、
    嵐がゆっくりと近づいてくる。/
  第3楽章:
   ごうごうと音を立てる風を伴う嵐がやってくる。
   雨は叩きつけ、木々の先端はざわめき、
   激流の水は恐ろしい音をたてながら流れていく。/
 第4楽章:
   嵐は次第におさまり、雲は消え、空は晴れ渡る。/
 第5楽章:
  自然は喜びに満ち、天に向かって声を張り上げる。
  それは、創造主への心からの感謝を捧げる甘く心地よい歌だ。>

 《フィリドール(1726-1795):序曲集》
  6-8.歌劇「庭師と殿様」序曲(1761)/
  9.歌劇「魔法使い」序曲(1764)/
  10.歌劇「トム・ジョーンズ」序曲(1765)/
  11-13.歌劇「蹄鉄工」序曲(1761)
トリノ・フィルハーモニー管弦楽団…1-5/
セルジオ・ランベルト(ソロ・ヴァイオリン)…5/
プラハ・シンフォニア管弦楽団…6-13/
クリスティアン・ベンダ(指揮)
録音 2013年1月15日 イタリア トリノ,ジュゼッペ・ヴェルディ・コンセルバトーリオ・コンサート・ホール…1-5, 2012年3月17日 チェコ プラハ スタジオ・ドモヴィーナ…6-13
 1752年ビーベラッハで生まれ、最初はオルガンなどの鍵盤楽器とヴァイオリン、歌を学んだクネヒト。ワイマールやシュトゥツガルトで様々な活動をし、最終的には生まれ故郷に戻りオーケストラの監督として生涯を閉じました。彼はオルガニストとしても素晴らしい才能を有していて、同じ「自然」を題材にした曲を作っていますが、何より彼の名が現在残っているのは、この「田園交響曲」とも言える“自然の音楽的描写”に拠ってでしょう。
 この曲の存在自体は、ベートーヴェンの「田園」が語られる時に、おまけのように付け加えれらることがありますが、なかなか実際の曲を聴く機会がありません。そんなファンの方にお届けするのがこの1枚です。
 各楽章の標題は全くベートーヴェンそのもの。多少「嵐」の迫力が不足しているとはいえ、これはこれで興味深いものであることは間違いありません。
 さてベートーヴェンとクネヒトの関係はいかがなものであったのか…。これは想像にお任せいたしましょう。余白には同時代の作曲家フィリドールの序曲集が収録されています。
 


8.559760
\1100
ジェフスキ:ピアノ作品集
 1.幻想曲(1989-1999)/
 2-7.必要に応じ、最後は一人で(左手のための6つのノヴェレッテ)(2005)/
 8.朗読するピアニストのための「深き淵より」(1992)
ロバート・サットリー(ピアノ)
録音 2007年5月27-28日 USA カリフォルニア,クレールモント,メイベル・シャウ・ブリッジ・ホール・オブ・ミュージック
 あの「不屈の民」変奏曲(8.559360)での“これでもか”とばかりに押してくるピアノの響き。誰もが口ずさめる革命歌をテーマとし、あらゆる技巧を駆使して書かれた36の変奏曲は、まさに聴く者を圧倒させずにはおかない迫力があるものでした。そんな彼の他の作品も、どれもが不思議で奇妙な味わいを有するものばかりです。
 高橋アキから委嘱された「幻想曲」では、どこかで聴いたことのあるようなメロディに様々な要素を詰め込み、全てが曖昧で取り留めのない音楽へと変化させています。
 6つのノヴェレッテは右手を痛めていたジェフスキ(1938-)が、1週間左手のみで演奏できるために書いた曲。「深き淵より」はピアノを演奏しながら、オスカー・ワイルドのテキストを暗唱し、また口笛を吹き、ハミングをすることを要求されるという破天荒な作品。聴き手はピアノの音色だけでなく、ピアニストが発生させる「ノイズのような音」までをも楽しまなくてはいけません。
 これを楽しさと取るか、それとも苦痛ととるか……。ゲンダイオンガクの一つの形がここにあります。
 

8.573121
\1100
アメリカ海兵隊バンド〜はるかに超えて
 1.クレストン(1906-1985):祝典序曲 Op.61(1955)/
 2.コープランド(1900-1990):交響詩「エンブレム」(1965)/
 3.シュワルツ(1947-):はるかに超えて/
 4-9.グレインジャー(1882-1961):
  リンカンシャーの花束(F.フェネルによる吹奏楽編)(1937/87)/
 10.ランズ(1934-):セレモニアル(1993)/
 11.バーバー(1910-1981):
  メディアの瞑想と復讐の踊り Op.23a(F.ハドソンによる吹奏楽編)(1956/98)/
 12.バーバー:コマンド・マーチ(1943)/
 13.オッフェンバック(1819-1880):海兵隊賛歌
  (D.ハンスバーガーによる吹奏楽編)(1859/1955) ※世界初録音…3
アメリカ海兵隊バンド/
ジェラルド・シュワルツ(指揮)
録音 2012年3月12日 USA メリーランド,ストラスモア・ミュージック・センター・コンサート
 1798年に創設され、1801年にはホワイト・ハウスで演奏、その年の3月、トーマス・ジェファーソン大統領の就任式で演奏を行い「大統領直属=President's Own」の称号を与えられた由緒あるバンドが、このあ「アメリカ海兵隊バンド」です。
 1880年にはスーザが隊長を務め、レパートリーと技術の大改革を行い、同時に数多くのスーザの作品も演奏。一層力を付けました。NAXOSにもいくつかのユニークな作品の録音がありますが、このシュワルツが指揮したアルバムも素晴らしいの一言に尽きるでしょう。吹奏楽好きならたまらない「リンカンシャーの花束」を始め、コープランドやバーバーなどのお馴染みの曲から、シュワルツの自作「はるかに超えて-Above and Beyond」など、どれも安心して楽しめる極上の演奏です。
 

8.559399
\1100
フェスティンガー:旅の日記 他
 1.旅の日記(2003)/
 2-5.時代の到来(2003)<目覚める時/ここは乾いた、乾いた土地/詩/時代の到来>/
 6.運動の法則/7-8.予告された夢
ニューヨーク・ニュー・ミュージック・アンサンブル
<メンバー:
ジェームズ・ベーカー(パーカッション…1)/
クリストファー・フィンケル(チェロ…1-8)/
スティーブン・ゴスリング(ピアノ…1.6-8)/
ジーン・コッペルード(クラリネット…1-8)/
リンダ・クァン(ヴァイオリン…1)/
ジェイン・ローゼンフェルド(フルート…2-8)/
ジェフリー・ミラルスキー(指揮…1.6)>/
ヨー・エレン・ミラー(ソプラノ…2-5)/
リム・スンハエ・アンナ(ヴァイオリン…2-5)/
ルイ・マルタン(ヴィオラ…1-6)/
マーガレット・カンプマイアー(ピアノ…2-5)/
ハーヴェイ・ソルベルガー(指揮…2-5)
録音 2006年9月24-25日 NY アメリカン・アカデミー・アーツ・アンド・レターズ…6.1/2012年4月17-18日 NY アメリカン・アカデミー・アーツ・アンド・レターズ…2-5/2002年6月9日 NY SUNYパーチェス,スタジオC…7-8
 カリフォルニア北部パロアルトで育ち、カリフォルニア大学バークレー校音楽学部で作曲を学んだフェスティガー(1948-)。一時期はジャズにも傾倒し、ジャズ・ギタリスト、バンドリーダーとして活動したこともありました。彼の作品には直接的にジャズの語法は用いられていませんが、曲のルーツにはその要素も含まれているとされ、「それを聴いた時に感情が揺さぶられ、心に鮮やかに情景が浮かび上がる」と評されるほどに刺激的なものとなっています。
 各々の心の深層部を訪ねていくかのような「旅の日記」は、不確定であり周囲の見えない霧の中を旅するかの如くミステリアスです。デニス・ジョンソンの詩を用いた「時代の到来」、チェロを中心としたアンサンブルで描かれる「運動の法則」、ピアノの謎めいた和音が印象的な「予告された夢」。無限の可能性を探る音楽です。
 


8.559772
\1100
ダニエルプール:オラトリオ「平和の季節に向けて」
 1.受胎告知/2.幻影/3.儀式/
 4.贖罪/5.奉献/6.比喩/7.崇拝
ヒラ・プリットマン(ソプラノ)/
パシフィック・コラール/
パシフィック交響楽団/
カール・セント・クレア(指揮)
録音 2012年3月24日…ライブ, 2012年3月22.23.25日 USA カリフォルニア、ルネ・アンド・ヘンリー・セーゲルストローム・コンサート・ホール
 普段は温厚で抒情的な作品を造りだすダニエルプール(1956-)。しかし、この作品には激しい怒りの感情と哀しみ、そして希望が混然一体となって渦巻いています。彼はアメリカで生まれましたが、彼の両親はイラン生まれであり、彼自身も幼い頃の1年間をイランで過ごした思い出を持っています。この時の経験は決して楽しいものではなく、これに反発するかのように西洋文化と恋に落ちたと彼は語りますが、ようやく近年、もう一度イランの状況に目を向けることができるようになり、「なぜ戦争をするのか」という根本的な疑問も持つようになったというのです。
 このオラトリオはそんな彼の思考から生まれたもので、第1部では戦争と破壊、第2部では祈り、第3部では平和の約束を歌っています。様々な言語のテキストの中に点在する言葉“季節”はメタファーとして用いられ、それは変化と改革であったり、再生と和解の瞬間でもあります。
 

8.570610
\1100
ブライト・シェン:炎立つ蜃気楼 他
 1.歌と涙の踊り(2003/2013改編)/
 2.深紅の色(2004)/3.炎立つ蜃気楼(2012)
フイ・リー(琵琶…1)/
トン・ウー(笙…1)/
トレイ・リー(チェロ…1)/
サ・チェン(ピアノ…1)/
パイアス・チェン(マリンバ…2)/
香港フィルハーモニック/
ブライト・シェン(指揮)
録音 2013年5月7.8日…1, 2013年5月9日…2, 2013年5月9.10日…3 香港 Tsuen Wan タウン・ホール オーディトリアム
 上海出身のピアニスト、作曲家&指揮者ブライト・シェン(盛宗亮 1955-)。彼は現代アメリカで活躍する作曲家の中でも最も人気があり、その作品はどれも注目を浴びています。ここに収録された3つの作品も、それぞれ溢れるばかりの物語と強烈なサウンドに満たされた印象的なものであり、彼の音楽を聴く楽しみがたっぷり詰まっていると言えるでしょう。
 2000年の夏、民族音楽収集のため、2か月間をシルクロードで過ごしたシェン。この体験から生まれたのが「歌と涙の踊り」です。ここでは出会った情景や音を直接的に用いるのではなく、あくまでも自らのフィルターを通した音楽で表現したとのことでした。「深紅の色」はマリンバが奏でる愛の詩。チベット高原の空気が感じられます。「炎立つ蜃気楼」は敦煌に眠る膨大な宝物からインスパイアされて書かれたもの。中国と中央アジアの文化の象徴たる音楽です。
 


8.572408
\1100
マクスウェル・ディヴィス:組曲「ボーイフレンド」他
 1-7.組曲「ボーイフレンド」(1971)
  <ハネムーン幻想曲-/渚にて-/ブルームズベリーの部屋-/
   私は幸せになれた-/あなたは欲しくない-/
   かわいそうな小さなピアレッテ/ポリーの夢>/
 8-11.組曲「肉体の悪魔」(1971)
  <タイトル/シスター・ジャンヌの幻影/悪魔祓い/
   実行と終了の音楽//
 12-18. 7つのイン・ノミネ(1965)
  <タヴァナー:
   イン・ノミネ/イン・ノミネ(B.ブリテンの50歳の誕生日のために)/
   イン・ノミネ(M.ティペットの60歳の誕生日のために)/
   ブル:イン・ノミネ/イン・ノミネ(6部のカノン)/
   ブリゼマン:グローリア・ティビ・トリニタス/イン・ノミネ>/
 19-20.イエローケーキのレヴュー(1980)より:ピアノ・インターリュード
アクエリアス(アンサンブル…1-18)/
ニコラス・クレオバリー(指揮…1-18)/
ペーター・マクスウェル・ディヴィス(ピアノ…19-20)
録音 1989年10月 ロンドン アビーロード,EMIスタジオ…1-18, 19-20…不明 ※Collins Classicsからの移行盤
 あの一連の「ストラスクライド協奏曲」では難解で晦渋な作風を見せているマックスウェル・デイヴィス(1934-)ですが、このアルバムに収録されている劇音楽や映画音楽での彼の作風は180°違うものもあり、この作曲家の振れ幅の大きさには唖然とする他ないでしょう。
 最も初期の作品である「7つのイン・ノミネ」はルネサンス時代の作曲家ジョン・タヴァナーのミサ曲のメロディから派生したメロディが様々に形を変えて行くものです。組曲「ボーイフレンド」と「肉体の悪魔」はどちらも鬼才ケン・ラッセルの映画のためのものですが、ここにデイヴィスは、究極にパロディ化した音楽を充てているのが面白いところです。
 本編の映画を見たくなる人も多いかもしれませんが、もしかしたら現在は(あまりにも過激な映像のため?)入手は困難かもしれません。もちろんオークニー、メインランドの近くで発見された「イエローケーキ」も入手は不可能です。
 

8.573020
\1100
マシュー・ロック:ブロークン・コンソート 第1部 他
 1-8.トリプラ・コンコルディアより組曲 ト長調
  <プレリュード/ファンシィ/チコーナ/エア/ホーンパイプ/
   ガヴォット/クーラント/カントリー・ダンス>/
 《ブロークン・コンソート 第1部》
  9-12.組曲 第1番 ト短調/13-16.組曲 第2番 ト長調/
  17-20.組曲 第3番 ハ長調/21-24.組曲 第4番 ハ長調/
  25-28.組曲 第5番 ニ短調/29-32.組曲 第6番 ニ長調/
  30-40.トリプラ・コンコルディアより組曲 ホ短調
  <イントロダクション/サラバンド/エア/カントリー・ダンス/
   ガヴォット/サラバンド/ファンシィ/ジグ>
ウェイワード・シスターズ
<メンバー:
ベス・ウェンストローム(バロック・ヴァイオリン)/
アン・ティンバーレイク(リコーダー)/
アンナ・ステインホフ(バロック・チェロ)/
ジョン・レンティ(テオルボ)>
録音 2012年7月22-25日 カナダ オンタリオ、聖ジョン・クリソストム教会
 あのヘンリー・パーセルに強い影響を与えたと言われるイギリスの作曲家ロック(1621頃-1677)の作品集です。彼はイギリスで初めてオペラを作曲し、また劇音楽の分野でも素晴らしい作品を残しています。ここで聴ける室内楽作品は、リネサンス時代の作風を基調にしながらも、新しいものを取り入れた当時としては斬新な音楽。「ブロークン・コンソート」とは様々な楽器を含むグループで演奏する音楽の意であり、各々の楽器が野心的に活躍する表情豊かな組曲です。
 こんな優雅な作品を書き、イギリス王室からも重用されたロックですが、性格はかなり攻撃的で嫉妬深かったとか。時としてぐいぐい攻め込んでくるメロディはそんなところにも起因しているのでしょうか。演奏はNAXOSが主宰した、2011年アメリカ・古楽レコーディング・コンクールの優勝団体ウェイワード・シスターズによるものです。
 


8.573076
\1100
マイアベーア:オペラからのバレエ音楽集
 1.歌劇「ユグノー教徒」(1836)から第3幕「ジプシーの踊り」/
 2.歌劇「悪魔のロベール」(1831)から第2幕:5人の踊り/
 3-8.歌劇「悪魔のロベール」から第3幕:尼僧たちのバレエ
  <情景と死霊の召喚、尼僧達の行進/バッカナール/
   第1のバレエ:酒の誘惑/第2のバレエ:賭けごとの誘惑/
   第3のバレエ:愛の誘惑/終曲>/
 9-12.歌劇「北極星」(1854)からダンス組曲
  <第2幕:ワルツ/第2幕:騎士たちの歌/第1幕:祈り/第3幕への間奏曲>/
 13-16.歌劇「預言者」(1849)から 第3幕:スケートをする人々のバレエ
  <ワルツ/レドワ/スケーターたちのカドリーユ/ギャロップ>/
 17.歌劇「アフリカの女」(1865)から第4幕「インドの行進」
バルセロナ交響楽団/
ミハル・ネステロヴィチ(指揮)
録音 2012年7月3-6日 スペイン バルセロナ,アウディトリ・パウロ・カザルス・ホール
 マイアベーア(1791-1864)の名前には面白い逸話があるのですが、ここではそれは割愛して…。19世紀初頭のオペラ作曲家として彼はダントツの人気を誇っていました。彼の音楽は、ロッシーニに見られる「イタリア歌劇」の様式とモーツァルトを始めとした「ドイツ歌劇」の様式の良いところ取りであり、この豪華絢爛な形式が「グランド・オペラ」の元となり、フランス・オペラやワーグナーに強い影響を与えたことで知られています。
 1831年に初演された「悪魔のロベール」はパリのオペラ界に強い衝撃を与え、その中でも話題になったのが、この第3幕でのバレエでした。月に照らされた夜の修道院。この墓に眠る罪を犯した尼僧たちが亡霊となって踊る姿は確かに神秘的であり、この場面は、あの大画家ドガもキャンバスに描いていることでも知られています。またショパンもこのオペラに感銘を受け、曲の主題を用いてチェロとピアノための作品を書いています。そんなマイアベーアのバレエ曲。面白くないはずがありません。
 

8.573099
\1100
モンポウ:歌曲全集 第1集
 1-5.夢のたたかい(1942-1951)
  <あなたの上には花だけが/今夜は同じ風/
   私はあなたを海のように感じていた/わかりやすい私の生活/
   今、私はあなたを見ることができるかわからない>/
 6-7.2つの旋律(1945)<牧歌/河上の雨>/
 8.光るものを見よ(1966)/
 9-12. 4つの旋律(1925)
  <小道のばら/葉のカーテン/不確実性/雪>/13.祖母の歌(1915)/
 14.魂の歌(1943)/15.灰色の時刻/
 16-18.彼女の恋人は去ったとき
  <第3の設定(1919)/第2の設定(1915)/第1の設定(1914)>/
 19.詩篇(1936)/
 20-24.ポール・ヴァレリーの詩による5つの歌曲(1973)
  <死を佯る女/惑はすもの/消えた葡萄酒/風の精/歩み>
マルタ・マテウ(ソプラノ)/
ホルディ・マソ(ピアノ)
録音 2012年11月24-25日 スペイン サンタ・コロナ・ディ・グラメネト、アウディトリ‘Can Roig i Torres’
 カタロニアの作曲家、フェデリコ・モンポウ(1893-1987)。彼の静謐な音楽は多くの人に愛されています。しかし、ここで聴くことのできる歌曲の何と饒舌なこと。初期の「祖母の歌」を始めとしたいくつかの作品は、カタロニア語の歌詞を持つにも拘わらず、まるでフォーレやドビュッシーのような柔らかく繊細なイメージを伝え、彼の歌曲の中でもよく知られている「夢のたたかい」では、現世との境界線がぼやけて見えるかのような神秘的な美しさを醸し出しています。時として、親しみやすい曲調が楽しめるのは、カタロニア民謡からの引用でしょうか?これを美しく描き出しているのが、ソプラノのマテウとピアノのマソです。
 モンポウのスペシャリストであるマソのピアノと、マテウの凛とした透明で清冽な声は、モンポウの完成された小宇宙を見事に再現しています。
 

8.573198
\1100
ジャック・ボディ:パララン-愛と戦争の歌 他
 1-3.歌劇「アレイ」より3つのアリア<2つの目/作業中/夜>/
 4.私の名はモック・ボン(ソマラ・オウクの声を録音)/
 5.パララン-愛と戦争の歌/
 6-12.ミケランジェロによる瞑想曲
  <ソネット:第32番/ソネット:第57番/ソネット:第21番/
   ソネット:第54番/ソネット:第27番/ソネット:第26番/ソネット:第78番>/
 13.Poems of solitary delights-獨樂吟
デヴィッド・グレコ(バリトン&カウンターテナー…1-3)/
ブディ・スラサ・プルタ(ジャワ・ヴォーカリスト…5)/
アミタイ・パティ(テノール…13)/
マルティン・リセリー(ヴァイオリン…6-12)/
ロバート・イースティング(ナレーター…13)/
ニュージーランド交響楽団/
ケネス・ヤング(指揮)
録音 2011年4月28-30日 ニュージーランド ウェリントン,マイケル・フォウラー・センター
 ジャック・ボディ(1944)は現代ニュージーランドに於ける有数の作曲家の一人として高く評価されています。彼の作品は時事問題を扱ったものが多く、ここに収録されている歌劇「アレイ」も、ニュージーランドに実在した社会活動家レウィ・アレイの生涯を描いたものです。彼は劣悪な環境で働いていた中国の労働者の姿を見たことにより、それを改善すべく、体を張って生きてきた年老いたアレイが、自分の若い頃を思い起こして歌うアリアは、中国風の響きを纏いながら感動的に響きます。
 カンボジア虐殺からインスパイアされた「私の名前はモック・ボン」、ジャワのガムラン音楽から派生した「バララン」。日本の女性ヴァイオリニストに捧げられた「瞑想曲」そして日本の歌人、橘曙覧の「たのしみは」で始まる歌集「獨樂吟」を元にした「Poems of solitary delights」。どれも異国情緒溢れる神秘的で美しい作品です。
 

8.578269
(2CD)
\2200
海の音楽集
<CD1>
 1.バックス(1883-1953):交響詩「ティンタジェル城」/
 2.ブリッジ(1879-1941):交響組曲「海」より「海の情景」/
 3.ドビュッシー(1862-1918):交響詩「海」より第3楽章「風と海の対話」/
 4.ドビュッシー:小組曲より「小舟にて」(H.ビュッセルによる管弦楽版)/
 5.エルガー(1857-1934):海の絵 Op.37より「海上での安息日の朝」/
 6.アイアランド(1879-1962):海への情熱/
 7.メンデルスゾーン(1809-1847):序曲「フィンガルの洞窟」Op.26/
 8.ラヴェル(1875-1937):鏡より「海原の小舟」/
 9.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):
  皇帝サルタンの物語 Op.5より「海原を漂う妃と王子」/
 10.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):交響曲 第1番「海の交響曲」より第3楽章「波」/
 11.ヴィヴァルディ(1678-1741):ヴァイオリン協奏曲 第5番「海の嵐」RV253 第1楽章/
 12.ヘンリー・ウッド(1869-1944):イギリスの海の歌による幻想曲より「小粋なアリシューザ」/
<CD2>
 1.ブロッホ(1880-1959):海の詩より第3楽章「海にて」/
 2-3.ブリテン(1913-1976):4つの海の間奏曲 Op.33aより「夜明け」「嵐」/
 4.ドビュッシー:前奏曲 第1集より「沈める寺」(P.ブレイナーによる管弦楽版)/
 5.メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」Op.27/
 6.リムスキー=コルサコフ:シェエラザード Op.35より
  「海とシンドバッドの船」/
 7.リムスキー=コルサコフ:シェエラザード Op.35より
  「バグダッドの祭り-海」/
 8.シベリウス(1865-1957):交響詩「海の精」Op.73/
 9.ヘンリー・ウッド):イギリスの海の歌による幻想曲より
  「トム・ボウリング」/
 10.ワーグナー(1813-1883):歌劇「さまよえるオランダ人」より序曲
<CD1>
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団…1/
ディヴィッド・ロイド=ジョーンズ(指揮)…1/
ニュージーランド交響楽団…2/
ジェイムズ・ジャッド(指揮)…2/
フランス国立リヨン管弦楽団…3.4/
準・メルクル(指揮)…3.4/
サラ・コノリー(メゾ・ソプラノ)…5/
ボーンマス交響楽団…5.10/
サイモン・ライト(指揮)…5/
ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)…6/
イアイン・バーンサイド(ピアノ)…6/
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団…7/
オリヴァー・ドホナーニ(指揮)…7.11/
フランソワ・ジョエル・ティオリエ(ピアノ)…8/
シアトル交響楽団…9/
ジェラード・シュワルツ(指揮)…9/
ポール・ダニエル(指揮)…10.12/
ベーラ・バーンファルディ(ヴァイオリン)…11/
ブダペスト・ストリングス…11/
リーズ音楽祭合唱団…12/
イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア…12/
<CD2>
イシュトヴァーン・カッシャイ(ピアノ)…1/
ニュージーランド交響楽団…2.3/
メイヤー・フレッドマン(指揮)…2.3/
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団…4/
準・メルクル(指揮)…4/
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団…5.10/
オリヴァー・ドホナーニ(指揮)…5/
シアトル交響楽団…6.7/
ジェラード・シュワルツ(指揮)…6.7/
アイスランド交響楽団…8/
ペトリ・サカリ(指揮)…8/
イングリッシュ・ノーザン・フィルハーモニア…9/
ポール・ダニエル(指揮)…9/
ミヒャエル・ハラース(指揮)…10
時間、季節……その時々で様々に姿を変える海。それは大いなる母であり、厳しい父であり、と人々にたくさんのインスピレーションを与えます。この2枚組に収録されているのは、たくさんの海の姿。イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、北欧・・・。国によってもその色合いは変わります。美しく深淵、そして神秘。一人で静かに楽しみたい2枚組です。
 

8.660338
(2CD)
\2200
ダヴィッド:歌劇「ララ・ルーク」(1862)2幕 ララ・ルーク…マリアンネ・フィセ(ソプラノ)/
ノウレディン…エミリアーノ・ゴンザセル・トロ(テノール)/
ミルツァ…ナタリー・ポーリン(ソプラノ)/
バスキール…ベルナルド・デレトレ(バス・バリトン)/
バクバラ…デヴィッド・ニューマン(バリトン)/
カボウル…アンドリュー・アデルスバーガー(バス・バリトン)/
オペラ・ラファイエット/
リャン・ブラウン(指揮)
録音 2013年1月27-29日 USA クラリス・スミス・センター,デケルボウム・ホール
 19世紀フランスの作曲家フェリシアン・ダヴィッド(1810-1876)。彼はもともと神学校で学びましたが卒業後に音楽家を志し、20歳になってパリ音楽院に入学します。しかし思想家サン=シモンに傾倒し、その教義「人間は兄弟として行動し、富者は貧者を救済すべきである」を広めるために中近東を旅行することになります。そのため、彼の作品には適度なオリエンタリズムが漂うこととなり、この歌劇「ララ・ルーク」にもその神秘的な雰囲気が宿っています。   物語の主人公は、ムガール皇帝の娘ララ・ルーク。彼女はサマルカンドの王との結婚が決められており、その結婚式のために腹心の部下ミルツァとパスキールを伴って、王の宮殿へとキャラバンを組んで出発したのですが、王女は途中のカシミールで出会った吟遊詩人ノウレディンに魅了されてしまいます。さて、この2人の愛は成就するのでしょうか?もちろん吟遊詩人の正体は…。あとは物語をお楽しみくださいね。
 


8.503268
(3CD)
\2200
アントニ・ヴィト指揮によるヘンリク・グレツキ:作品集
<CD1…8.550822>
 1-3.交響曲 第3番「悲歌のシンフォニー」Op.36/
 4-6.3つの古い様式の小品/
<CD2…8.555375>
 1.主を信ずる者は幸いなり Op.38/
 2-3.交響曲 第2番「コペルニクス党」Op.31/
<CD3…8.572872>
 1-4.サートゥン・ポルカのための小レクイエム Op.66/
 5-8.コンチェルト・カンタータ Op.65/
 9-10.ハープシコード協奏曲 Op.40(ピアノ版)/
 11-13.3つの舞曲 Op.34
<CD1>
ゾフィア・キラノヴィチ(ソプラノ)…1-3/
ポーランド国立放送交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)/
<CD2>
アンジェイ・ドッバー(バリトン)…1/
ゾフィア・キラノヴィチ(ソプラノ)…2-3/
ポーランド放送合唱団/
シレジア・フィルハーモニー合唱団/
ポーランド国立放送交響楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)/
<CD3>
アンナ・ゴレツカ(ピアノ)…1-4.9-10/
キャロル・ウィンセンス(フルート)…5-8/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
<CD1>録音 1993年12月 カトヴィツェ ポーランドラジオ・コンサート・ホール/<CD2>2000年11月18-19日 カトヴィツェ グルツェゴルツ・フィテルベルク・コンサート・ホール/<CD3>2011年4月29日…1-4, 2011年9月6-7日…5-8, 2011年4月28日…9-10, 2011年4月26日…11-13 ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール

 1933年、ポーランド南部の都市に生まれたヘンリク・グレツキ(1933-2010)。作曲家として活動を始めた初期の頃は、極めて前衛的な作品を書き、トーン・クラスター(一度に数多くの音を鳴らす技法)や、ノイズなどを積極的に用いた音楽……しかし、この当時には同じような作風を持つ作曲家が数多く存在していた……を書いていました。
 しかし、1970年代から突如、自らの音楽に深淵なる宗教性を取り入れ、その作風もシンプルになり、和声も全音階的なものにあっていきます。そして彼の名を決定的に高めたのが「悲歌のシンフォニー」と呼ばれる交響曲第3番です。
 この作品はシンプルであり、透明であり、そして浄化の光に溢れています。現代音楽とは何か?と議論が高まる今日この頃、このような音楽の存在に思いを馳せるのもよいのではないでしょうか。グレツキ音楽の最良の案内人、ヴィトの指揮で。

NAXOS(Blu-rayオーディオ)


NB-39
(BD 映像なし)
\2300
※CD同時発売
アントニ・ヴィト(指揮)&ワルシャワ・フィル
 ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45
クリスティアーネ・リボル(ソプラノ)/
トーマス.E.バウアー(バリトン)/
ワルシャワ・フィルハーモニー合唱団(ヘンリク・ビョナロフスキ)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2012年8月27-29日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール 8.573061と同内容
 コントラバス奏者を父とし、ハンブルクで生まれたブラームス(1833-1897)。彼は幼い頃からピアノの才能を示し、10歳の頃から家計を助けるためにレストランや居酒屋でピアノを演奏したと言います。そんな彼、若い頃から自身の作品については懐疑的であり、かなりの数を破棄してしまいました。
 この「ドイツ・レクイエム」も24歳の頃に構想されるも、なかなか完成することはなく、ずっと仕舞われていたのですが、1865年に彼の母が死去。これが引き金となり、ようやく全曲が完成したというものです。初演2年前の1867年、出来上がっていた3つの楽章のみが試演されましたが、聴衆の反応は最悪であり、毒舌批評家ハンスリックも皮肉めいた批評を書きました。しかし、ブラームスは諦めることなく作曲を続け、何度も試演を繰り返し、1869年にようやくライネッケ指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により全曲が初演され、この曲の真価が知られるようになったというものです。
 曲はご存知の通り、ドイツ語のテキストが用いられ、随所に高度な対位法が使われた壮大かつ深淵なもの。ここでは大曲を得意とするヴィトが絶妙のタクトで、全曲を纏め上げています。
 

OEHMS


OC428
\2000
デヴィッド・イアンニ:静寂への祈り
 《第1 部-LISTEN》
  1.Obsculta op.97/2.De Profundis op.71/3-7.Holy Lake op.91/
 《第2 部-MOTHER OF GOD》
  8.Thanking Blessed Mary/9-11.Rosa Mystica op.84/
  12.Stella Maris op.63/13-14.Angelus op.88/
 《第3 部-EPILOGUE》
  15.Afterthought op.102
デヴィッド・イアンニ(ピアノ)
録音 2012 年8 月 オーストリア スティフト・ハイリゲンクロイツ
  21 世紀の祈りの音楽。全ての人に捧げます…
 1979 年、ルクセンブルク生まれのピアニスト&作曲家デヴィッド・イアンニ(1979-)。
 前作「夜に祈る人」(OC790)で独自の世界観を味わわせてくれましたが、今作もまた、インスピレーションに溢れた親密な音楽で、聞き手を別世界へといざなってくれます。静けさと祈り。このアルバムはマイケル・ナイマン,ジョヴァンニ・アレヴィ,ジョージ・ウィンストン,久石譲…などが好きな人にオススメです。
 

OC435
\2000
フランツ・シューベルト:ピアノ作品集
 1.ピアノのための小品(即興曲) 第2 番 変ホ長調 遺作/
 2.即興曲 変ホ長調 Op.90-2/
 3.ピアノのための小品(即興曲) 第1 番 変ホ短調 遺作/
 4.即興曲 変イ長調 Op.90-4/
 5.楽興の時 第2 番 変イ長調 Op.94-2/
 6.即興曲 ヘ短調 Op.142-4/7-9.幻想曲 ハ長調「さすらい人」Op.15
ユラ・マルグリス(ピアノ)
 アルゲリッチと度々公演を重ね、2013 年には日本にも来日。実に味わい深い演奏を聴かせたことで話題になった中堅ピアニスト、ユラ・マルグリス。彼の演奏は極めて個性的であり、滋味深いものです。
 今回彼が取り上げたのはシューベルト(1797-1828)の一連の作品ですが、マルグリスは、これらの曲を演奏する際に、最初は歴史的楽器を使用することを試みたのですが、それでは、独自の響きが得られなかったため、なんと現代の楽器に当時の楽器の特徴である「弱音器ペダル」を組み込むことを思いついたのです。
 このアルバムには、試行錯誤の結果生まれた「独自の響き」がたっぷりと詰まっています。
 


OC896
\2300→\2090
誰だ?イスカンダル!
 弾き振りによるJ.S.バッハ:ヴァイオリン作品集

 1-4.ソナタ 第3 番 ハ長調 BWV1005/
 5-7.コンチェルト ト短調 BWV1056R
     (チェンバロ協奏曲 第5 番 ヘ短調 BWV1056 からの再構築)/
 8-11.ソナタ 第2 番 イ短調BWV1003/
 12-14.ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV1041
イスカンダル・ヴィジャヤ(ヴァイオリン&指揮)/
ベルリン・カメラータ
録音 2012 年11 月&2013 年6 月 ベルリン=ダーレム イエス・キリスト教会
 1986 年ベルリン生まれの若きヴァイオリニスト、イスカンダル・ヴィジャヤのバッハ(1685-1750)作品集。前作(OC822)では、フレッシュな感性と技巧に裏打ちされた興味深い音楽を存分に披露していました。
 多くの名指揮者たちにも絶賛され(とりわけエッシェンバッハは彼を高く評価している)、世界中のオーケストラとも共演を果たし、その音楽性にますます磨きがかかっていることは間違いありません。
 そんな彼の新譜はバッハの作品集。この孤高の作曲家を彼は独自のやり方で手中に収めました。ある時はたった一人で向き合い、またある時はオーケストラを率いながら、作品を歌い上げます。指揮者としても素晴らしい才能を抱く彼。将来には明るい未来が開けています。
  


OC945
(2CD)
\3000→\2690
フランクフルト歌劇場
 プッチーニ:歌劇「西部の娘」
ミニー…エファ=マリア・ヴェストブルック(ソプラノ)/
ディック・ジョンソン/
盗賊ラメレス…カルロ・ヴェントレ(テノール)
ジャック・ランス…アシュリー・ホランド(バリトン)/
ニック…ピーター・マーシュ(テノール)/
アシュビーアルフレード・ライトナー…(バス)/
フランクフルト歌劇場管弦楽団&合唱団/
セバスティアン・ヴァイグレ(指揮)
録音 2013 年5/6 月 フランクフルト歌劇場 ライヴ収録
 2013 年、フランクフルト歌劇場に於いて上演された、クリストフ・ロイによる新演出の「西部の娘」。1907 年にメトロポリタン歌劇場の招きでニューヨークに渡ったプッチーニ(1858-1924)が、この歌劇場のために書き上げた作品です。途中、プライヴェートでのいざこざを抱えながらも1909 年に完成。その翌年に初演され、当時は高い人気を誇ったことでも知られています。しかし、プッチーニ作品の中では、少し異色な雰囲気を湛えているせいか、後世までその人気を保持することはできず、現在でもあまり上演される機会がありません。
 そんな作品ですが、この上演は丁寧にブロットを読み解き、シンプルながら説得力のある装置、衣装を用いて、作品の隠れた素晴らしさを存分に味わわせてくれたことが高く評価されたものです。主役を歌うエファ=マリア・ウェストブルックはオランダのソプラノ。容姿も歌唱も素晴らしく、この作品に新しい光を与えることに成功しています。ヴァイグレはいつものように、オーケストラからまるでワーグナーのような重厚な響きを紡ぎ出しています。
 


OC1804
\2300→\2090
フランツ&リヒャルト・シュトラウス:ロマンティック・ホルン作品集
 1.フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス(1822-1905):告別/
 2. F.J.シュトラウス:ホルンとピアノのためのノットゥルノ Op.7/
 3. F.J.シュトラウス:ホルンとピアノのための「主題と変奏」Op.13/
 4. F.J.シュトラウス:シューベルトの「あこがれのワルツ」による幻想曲/
 5.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):アルプホルン(J.ケルナーの詩による)/
 6.R.シュトラウス:ホルンとピアノのためのアンダンテ Op.86A/
 7. R.シュトラウス:序奏、主題と変奏 変ホ長調 /
 8.フランツ・ハーゼンネール(1885-1970):
  もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル Op.28
   (ヴァイオリン、クラリネット、ホルン、ファゴット、コントラバスのための)
ハン・シャオメイ(ホルン)/
ペーター・シュマルフス(ピアノ…1-7)/
カーチャ・ブースト(メゾ・ソプラノ…5)/
ドラ・ブラチコヴァ(ヴァイオリン…8)/
ライナー・ミューラー=ファン・レクム(クラリネット…8)/
マルク・エンゲルハールト(ファゴット…8)/
マルティン・ドブナー(コントラバス…8)
 リヒャルト・シュトラウスの父親、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスはミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者を務めていました。当時の歌劇場では、ワーグナーなどの当時としては先鋭的な作品が上演され、父ヨーゼフはそれらを演奏していたにも拘わらず、彼は全く評価することなく、「ジュピター交響曲は最も偉大な作品である」とモーツァルトを全力で賛美していたといいます。
 そんな父を持ったリヒャルト。20 歳頃までは父の教えに従い、かなり保守的な作品を書いていたのですが、その後の方向転換はご存知の通り。
 父親がどれほど眉をひそめたかは想像に難くありません。このアルバムでは、そんな父と子、そしてここから派生した「もうひとりのティル」を収録し、ホルンの妙技を通して、当時の音楽事情にも目を向けようという意図が感じられます。ちなみに「アルプホルン」はリヒャルトが14 歳の時の作品。すでに型にはまることのない息子の才能が溢れ出しているように思われます。
 ここでホルンを吹くハン・シャオメイもホルン奏者を父に持ち、10 歳からホルンを始めた人。共感溢れる歌心はそんな中から生まれたのでしょう。

ONDINE



ODE-1218
\2300→\2090
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲集
 1-4.チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107/
 5-7.チェロ協奏曲 第1番 ト短調 Op.126
トルルス・モルク(チェロ)/
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
録音 2013年1月30-31日,2月1日 オスロ・コンサートホール

 ノルウェーが誇るチェロの名手、トルルス・モルク(メルク)をソリストに迎えたショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つのチェロ協奏曲です。第1番の協奏曲は1959年に作曲。この曲で使われる唯一の金管楽器、ホルンが大活躍するため、実質上は二重協奏曲のような雰囲気を持っています。第2番は1966年に書かれ、当時、健康上に不安を抱えたショスタコーヴィチの心情をそのまま反映した陰鬱で神秘的な曲。ゆったりとした楽章から始まるところも独創的な作品です。どちらの曲も、チェロとオーケストラが存分に力を発揮し、緊密な世界を作り上げていく名曲です。
 モルクはノルウェー、ベルゲンの音楽家の家庭に生まれ、最初はピアノを学び、やがてヴァイオリン、チェロを弾き始めます。もともとロシア音楽に傾倒していたため、ロシア人チェリスト、ナターリヤ・シャコフスカヤに師事、1982年にはスカンジナビア出身の演奏家として、初めてチャイコフスキー国際コンクールのファイナリストになり、以降、数多くのコンクールで入賞を重ね、同時に世界中のオーケストラと共演し、多くの指揮者から称賛を得ています。レパートリーも幅広く、もともと好きであったロシア作品から、基本的なバッハを始め、数多くの協奏曲や、R・シュトラウスのドン・キホーテなど様々な作品を録音、その魅力を広めています。ONDINEレーベルからはハブリジ・ハトルグリームソンのチェロ協奏曲(ODE1133)がリリースされていますが、このショスタコーヴィチでは更に深化した演奏を聴かせています。
 指揮者のペトレンコは、NAXOSのショスタコーヴィチの交響曲全集で、そのスタイリッシュかつ堅実な解釈が高く評価されています。ここでもオスロ・フィルハーモニーを意のままにあやつり、緊迫のショスタコーヴィチを聞かせます。


 今月(2014年3月)のペトレンコ&オスロ・フィルの来日コンサートは絶賛されてる。ソリストにかわいこちゃんを持ってきたというのもあるだろうが、ペトレンコの実力を今回初めて知った人も多いのではないだろうか。
 ということで軽くペトレンコ特集。


ワシーリー・ペトレンコ

 最近注目の若手指揮者の中でも、とりわけ有望株の一人であるヴァシリー・ペトレンコ。チャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」(NAXOS 8.570568)は2009 年のグラモフォン・アウォードも受賞した。
 ただ店主的にはそれほど注目してなかった。
 ロイヤル・リヴァプール・フィルは面白いオケだが、それほど個性的というワケでもない。ペトレンコも、聴いたことはないが、中庸な優等生的指揮者と思っていたので。
 でもこのオケがペトレンコを手放したがらず、ついに2015年まで契約を延長してしまった。そのあたりから気にはなっていたし、NAXOSからのショスタコーヴィチは評判も悪くない。
 そうしたらある日ショシュタコーヴィチ・マニアのお客さんが「ペトレンコのショスタコの11番がすごい!」と言ってきた。さらに追い討ちをかけるように第10番は2011年のグラモフォン・アウォーズの交響曲部門を受賞してしまった。こうなるともうホンモノである。
 NAXOSのショスタコーヴィチは正統派でしっかりした演奏だし、AVIEの2作はチャイコフスキーとラフマニノフは躍動感あふれた傑作。パワーも色彩感も兼ね備えたかなりの名演である。
 今度はAVIEが彼を放したがらないかも。(と言ってたらここへきてWarner(EMI)、DG、Sony、そして今回Ondineから登場することに。まさにひっぱりだこ。)

Rachmaninov - Symphonic Dances, Isle of the Dead & The Rock
avie
AV 2188
¥2400→¥1990
ラフマニノフ:管弦楽曲集
 交響的舞曲Op.45/
 交響詩《死の島》Op.29/
 幻想曲《岩》Op.7
ワシリー・ペトレンコ(指揮)、
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
 2006年にロイヤル・リヴァプール・フィルの歴史上最年少の若さでプリンシパル・コンダクター(首席指揮者)に着任するなど輝かしいサクセス・ストーリーを歩むロシアの若きマエストロ、ワシリー・ペトレンコ。

 着任以降、瞬く間にロイヤル・リヴァプール・フィルを再び世界の第一線に押し上げたペトレンコは、2009年にチーフ・コンダクターへと昇格すると同時に2015年までの契約延長が決定。
 さらには2007年には英グラモフォン誌のヤング・アーティスト・オヴ・ザ・イヤーに選出され、英国ナショナル・ユース・オーケストラの首席指揮者に抜擢されるなど、今を輝く若手指揮者陣の中でも特に注目を集めるホットな存在なのである!
 ロシア作品に絶対の自信を持つペトレンコとロイヤル・リヴァプール・フィルの"ラフマニノフ・シリーズ"から、「ピアノ協奏曲集」&「交響的舞曲」の2タイトルが登場。
 「ピアノ協奏曲第2番&第3番」では、旧ユーゴスラビア連邦の小国マケドニアが生んだワールドクラスのピアニスト、シモン・トルプチェスキとのタッグが実現!アヴィー(Avie)初登場となるトルプチェスキは、ジンマンやマゼール、デュトワ、ノセダなど多くの名匠たちと共演を重ねる若き天才ピアニスト。日本でも2006年に大野和士&新日本フィルとのコンビで凄演を繰り広げており、旧ユーゴスラビア連邦崩壊の混乱を乗り越えてきたトルプチェスキの演奏はすでに風格すら漂う。
 ラフマニノフがニューヨークで完成させた最後の作品「交響的舞曲」をメインにした管弦楽作品集は、早くも英BBCミュージック・マガジン3月号の"Disc of the Month(月間最優秀賞)"受賞が決定するなどお膝元の英国を中心に凄まじい反響を呼んでいる。
 ロシアからリヴァプールに若獅子ワシリー・ペトレンコと170年という長き歴史を持つ名門ロイヤル・リヴァプール・フィルが過ごす蜜月時代。

Tchaikovsky: The Nutcracker Ballet, Op. 71 (Excerpts), etc.
avie
AV 2139
¥2400→¥1990
チャイコフスキー:バレエ音楽集
 バレエ音楽《白鳥の湖》より(7曲)/
 バレエ音楽《眠れる森の美女》より(6曲)/
 バレエ音楽《くるみ割り人形》より(7曲)
ワシーリー・ペトレンコ(指揮)、
ロイヤル・リヴァプール・フィル
 才能に溢れ将来を有望視されている若手アーティストに贈られる2007年度グラモフォン賞ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤーに輝いたワシーリー・ペトレンコのリリース第2弾!昨年9月、名門ロイヤル・リヴァプール・フィルの主席指揮者に31歳という若さで電撃就任となったペトレンコ。ロイヤル・リヴァプール・フィルとのリリース第1弾では、フレイシュマン&ショスタコーヴィチの舞台作品(AV 2121)という独自のプログラムを打ち出し周囲に衝撃を与えたロシアの大器である。デビュー盤のプログラムから一転、同コンビの新作はチャイコフスキー。エネルギーと野心に満ちたペトレンコがロイヤル・リヴァプール・フィルを力強く牽引。熱いチャイコフスキーを堪能できる。



NAXOS
ヴァシリー・ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
ショスタコーヴィチ:交響曲チクルスから

8.572082
¥1100
ショスタコーヴィチ:交響曲 第11 番「1905 年」 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
 ショスタコーヴィチの交響曲第11 番は、1905 年の「血の日曜日事件」を題材とした切れ目なく演奏される4 つの楽章からなる作品です。映画音楽を得意とするショスタコーヴィチ(1906-1975)の面目躍如と言った曲で、4 本のホルン、多くの打楽器、チェレスタ、ハープなど大編成のオーケストラを用いて阿鼻叫喚の地獄絵図を描いています。革命歌や自作の合唱曲からの引用も多く極めて政治色の強い作品であるために、ソ連崩壊後までは正しく評価されていなかったと言われています。ペトレンコの演奏は悲惨さを直接描くというよりも、この曲に冷徹な眼差しを注ぎ、極めて客観的に演奏することで却って悲劇的な雰囲気を醸し出すことに成功したと言えるのではないでしょうか。
Shostakovich: Symphony No. 10 in E minor, Op. 93
8.572461
\1100
ショスタコーヴィチ:交響曲第 10 番ホ短調 Op.93 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ワシリー・ペトレンコ(指揮)
 ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管によるショスタコーヴィチ(1906-1975)交響曲全集の第4 集。最高傑作と言われる第10 番になります。作品は多くの謎を孕み、色々なものが織り込まれていると言われていますが、作曲家自身も明言を避けているように、そのあたりは永遠の謎とされています。
 1953 年にムラヴィンスキーが初演して以来、多くの指揮者たちがこの曲の本質を描きだすべく願っていますが、ペトレンコの演奏は、また新たな一石を投じることになるでしょう。第4 楽章、燃えます。ペトレンコは完全にショスタコーヴィチを手中に収めました!





 


ODE-1235
\2300
ショスタコーヴィチ:歌曲集
 1-6. 6つのロマンス Op.62a
  <息子に/雪と雨の降る野原で/マクファーソンの最期/
   ジェニー/ソネット66/王様の出陣>/
 7.アニー・ローリー(ショスタコーヴィチによる管弦楽版)(1944)/
 8-18.ミケランジェロの詩による組曲 Op.145a(イタリア語歌唱)
  <心理/朝/愛/別れ/憤り/ダンテ/
   放逐された者/想像/夜(対話)/死/不滅>
   ※7…世界初録音, 8-18…イタリア語版世界初録音
ジェラルド・フィンリー(バス・バリトン)/
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
トーマス・ザンデルリング(指揮)
録音 2013年10月8-12日 ヘルシンキ・ミュージック・センター
 カナダの名バリトン、ジェラルド・フィンリー(1906-1975)。ONDINEにデビュー。彼が選んだのは意外にもショスタコーヴィチの歌曲集でした。とは言え、この「6つのロマンス」はW.ローリー、R.バーンズ、W.シェイクスピアと言ったイギリスの詩人の詞を用いたもので、フィンリーにとっては共感溢れる作品であることは間違いありません。
 このオーケストラによる伴奏版は最近発見されたもので、本来は室内楽による伴奏パートをショスタコーヴィチ自身がフルオーケストラへと拡大しており、より精緻な音楽を味わえるようになっています。晩年の作品で、晦渋かつ人間味あふれる歌曲として知られる「ミケランジェロ歌曲集」は、ロシア語ではなく原語の「イタリア語」で歌われる珍しいもの。このヴァージョンは世界初録音となります。フィンリーの素晴らしい歌唱を、ショスタコーヴィチのオーソリティ、トーマス・ザンデルリングが見事にサポートしています。
 

Biber: The Rosary Sonatas
ODE-1243
(2CD)
\2300→\2090
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・ビーバー:ロザリオのソナタ
<CD1>
 1-2.ソナタ 第1番 ニ短調「受胎告知」/
 3-4.ソナタ 第2番 イ長調「聖母訪問」/
 5-7.ソナタ 第3番 ロ短調「キリストの降誕」 /
 8.ソナタ 第4番 ニ短調「キリストの奉献」/
 9-12.ソナタ 第5番 イ長調「キリストの顕示」 /
 13-15.ソナタ 第6番 ハ短調「キリストの血汗」 /
 16-17.ソナタ 第7番 ヘ長調「キリストの笞刑」/
 18-19.ソナタ 第8番 変ロ長調「キリストの荊冠」/
 20-22.ソナタ 第9番 イ短調「十字架を背負うキリスト」/
 23-24.ソナタ 第10番 ト短調「イエスの磔刑」/
<CD2>
 1-3.ソナタ 第11番 ト長調「キリストの復活」/
 4-7.ソナタ 第12番 ハ長調「キリストの昇天」/
 8-11.ソナタ 第13番 ニ短調「精霊の降臨」 /
 12-13.ソナタ 第14番 ニ長調「聖母マリアの被昇天」 /
 14-17.ソナタ 第15番 ハ長調「聖母マリアの戴冠」/
 18.ソナタ 第16番 ト短調-パッサカリア
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(ヴァイオリン)/
バッターリア(アンサンブル)
<メンバー:
アンナマリ・ペルヘ(ハープシコード)/
エーロ・パルヴィアニネン(リュート・ギター・オルガン)/
ミカ・シュイコーネン(ヴィオローネ)>
録音 2013年8月 フィンランド カラヤー教会
 ビーバー(1644-1704)の「ロザリオのソナタ」は、別名「ミステリー・ソナタ」と呼ばれているように、楽譜の中にも様々な謎が隠されているとされています。その上、この曲を完全に演奏するためには、それぞれ違った調弦が必要であり、もし一夜のコンサートで全曲演奏する場合は、奏者は何台かの違った楽器を用意して演奏するという離れ業を用いることすらあります。第11曲目では2本の弦をクロスさせ十字架を作る(もちろん演奏は困難)などの特異な調弦、そして曲自体の物語…受胎告知から聖母戴冠までの一連の流れ…、最後に置かれたパッサカリアは守護天使を表すとされるなど、神秘的な雰囲気を湛えています。もちろん更に別の解釈を施すことも可能であり、この曲の魅力は汲めども尽きることのない、演奏する側にも聴く側にも喜びをもたらす作品なのです。ここで演奏しているのは、ONDINEレーベルにおけるバロック・ヴァイオリンの第一人者カーキネン=ピルク。この曲の持つ魅力を余すことなく伝えています。


先日発売の
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク

バッハ:無伴奏

ODE-1241
(2CD)
\2300→\2090
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV1001-1006
<CD1>
 1-4.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番 ト短調 BWV1001/
 5-12.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ ロ短調 BWV1002/
 13-16.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 イ短調 BWV1003/
<CD2>
 1-5.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004/
 6-9.無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005/
 10-16.無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(ヴァイオリン)
録音 2012年10月.11月& 2013年3月 フィンランド カルヤー教会
 フィンランドを代表する名女性ヴァイオリニスト、シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルクの真摯なバッハ(1685-1750)。彼女はあらゆる時代の音楽を演奏しますが、重きを置いているのは17世紀から19世紀の音楽であり、またヴィオラとヴィオラ・ダモーレも見事に弾きこなします。
 オランダ留学時にはフランス・ブリュッヘン率いる古楽オーケストラでヴァイオリンを演奏、また10年に渡りヘレヴェッヘ率いるコレギウム・ヴォカーレでもリーダーを務めるなど素晴らしい成果を上げています。


 あまりこの人をご存じない方のために・・・モーツァルトでも聴いてみますか??
http://www.youtube.com/watch?v=Rs3VT0KV_JE

 

ODE-1258
(3CD)
\3000
アウリス・サッリネン:歌劇「クレルヴォ」
<CD1>
 1.序曲/2-7.第1の情景/8-10.第2の情景/
<CD2>
 1.間奏曲/2-3.第3の情景/4-6.第4の情景/7-10.第5の情景/
<CD3>
 1-4.第6の情景/5.エピローグ
クレルヴォ…ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)/
母…エヴァ=リーサ・サーリネン(ソプラノ)/
カレルヴォ:クレルヴォの父…マッティ・サルミネン(バス)/
キンモ…ヨルマ・シルヴァスティ(テノール)/
姉妹…サトゥ・ヴィハヴァイネン(ソプラノ)/
スミスの若き妻…アンナ=リーサ・ヤコブソン(メゾ・ソプラノ)/
狩人…ペルッティ・メケレ(テノール) 他/
フィンランド国立歌劇場管弦楽団&合唱団/
ウルフ・セーデルブロム(指揮)
録音 1991年9月 ヘルシンキ 文化の家 ODE-780の再発売
 フィンランド屈指のオペラ作曲家、アリウス・サッリネン(1935-)。この「クレルヴォ」は、国民的叙事詩「カレワラ」の神話を題材としたもので、復讐を誓う主人公クレルヴォの迫真に満ちた人物描写と、前衛的でありながらも聞きやすいハーモニーが相俟って、全ての彼の作人の中でも最高傑作として評価されています。演奏しているのはフィンランドを代表するヒュンニネンとサルミネンを始めとした名手たち。160分ほどの長大なドラマですが、全曲に恐ろしいまでの迫力が漲っています。

TOCCATA

Gerard Schurmann: Chamber Music, Volume Two
TOCC-220
\2600
ジェラルド・シュルマン:室内楽作品集 第2集
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番(2003-2004)/
 5-7.クラリネット、チェロとピアノのための三重奏曲(2002)/
 8.チェロとピアノのための幻想曲(1967)/
 9-12.弦楽四重奏曲 第2番(2011-2012) ※初録音
リリス弦楽四重奏団…1-4.9-12/
ヘカン・ローゼングレン(クラリネット)…5-7/
クライブ・グリーンスミス(チェロ)…8/
ミハイル・コルツェフ(ピアノ)…5-8
録音 2013年6月20-21日…1-4.9-12, 2013年11月23日…5-8, カリフォルニア,デパートメント・オブ・ミュージック,メング・コンサート・ホール
 東インド諸島に生まれ、1981年以来アメリカに拠点を置き活躍しているイギリス系オランダの作曲家シュルマン(1924-)。このアルバムは彼の90歳の誕生日を記念してリリースされます。彼の第1集の室内楽作品は、異国情緒を感じさせる豊かな香りを持つ作品が評価されましたが、この第2集は更に多彩な作品が集められています。2つの弦楽四重奏曲は今世紀になってから書かれたもので、彼の人生の集大成ともいうべきものですが、注目すべきは1967年に書かれた「幻想曲」で、当時の潮流を反映した興味深い作品と言えそうです。
第1集…TOCC-133
 
Arthur Farwell: Piano Music, Volume Two
TOCC-222
\2600
アーサー・ファーウェル:ピアノ作品集 第2集
 1.夜明け Op.12(1902)/
 2-10.散文の中のパステル,その後のトーン画像…
  Tone Pictures after Pastels in Prose,Op.7(1895)/
 《多調の練習曲 Op.109 第2巻(1940-1950)》
  11.第12番:ハ短調/ト短調/12.第13番:ハ短調/ヘ短調/
  13.第14番:ロ短調/ト短調/14.第15番:ハ短調/変ホ短調/
  15.第16番:ニ短調/ホ短調/16.第17番:ヘ短調/ホ短調/
  17.第18番:ヘ短調/嬰ヘ短調/18.第19番:ト短調/ロ短調/
  19.第20番:変ホ短調/イ短調/20.第21番:変ロ短調/ト短調/
  21.第26番:変ニ長調/ヘ短調/
  22.残丘と平野から Op.20-第2番「ポーニー族の馬」(1905)
リサ・シェリル・トーマス(ピアノ)
録音 2012年11月1-2日 カナダ サフォーク,ポットン・ホール
 アメリカの才能溢れる作曲家、指揮者、楽譜出版社、そして作家、神秘主義者アーサー・ファーエル(1872-1952)。彼の奇妙な作品は第1集(TOCC0026)でもお楽しみいただけますが、ここでも彼が傾倒したネイティヴ・アメリカの民謡を用いつつも、印象派と新古典派の影響も存分に受けたであろう、特異な作品を聴くことができます。
 「多調の練習曲」は第1集からの続きで、2つの調性が併記されていますが、ここでも明確な調性はあまり感じ取ることが出来ず、どちらかと言うと印象派の和声のような不確定で流動的な響きとなっているところが面白いものです。(しゃぶしゃぶのたれの「ごま」と「ポン酢」を混ぜたような味わいとでもいいましょうか?)。ここでピアノを演奏しているリサ・シェリル・トーマス自身もネィティブ・アメリカンの血をひく人で、これらの曲に対する愛の深さは計り知れないものであることは間違いありません。
 

Grechaninov: Complete Music for Viola and Piano
TOCC-234
\2600
アレクサンドル・グレチャニノフ:ヴィオラとピアノのための作品全集
 1-3.ヴィオラ・ソナタ 第1番 変ロ長調 Op.161(1940)/
 4-12.ヴィオラ・ソナタ 第2番 ヘ長調 Op.172(1943)/
 13-14.ドビュッシー:2つの歌(グレチャニノフ編)
  <ロマンス/美しい夕暮れに>/
 15-24.組曲「早朝に」Op.126b(1930)/
 25-29.組曲「古風な方法で」(1918)
  ※1-3.13-14…初録音, 4-12.15-24.25-29…この版にての初録音
エレナ・アルタモノヴァ(ヴィオラ)/
ニコラス・ウォーカー(ピアノ)
録音 2013年6月29-30日 カナダ サフォーク,ポットン・ホール
 商人の父を持ちながらも、家業を継がずモスクワ音楽院で学び、作曲家として成功を収めたというグレチャニノフ(1864-1956)。華々しく活動を始めるも、ロシア革命が勃発し、ロシアを離れプラハやパリを転々とし、結局はアメリカに移住し、1940年代後半にアメリカの市民権を得たという人です。国民楽派の影響下にありながらも、晩年の作品は当時のアメリカで流行していた新古典派の音楽の影響も取り入れるというニュートラルなもの。宗教作品ではロシア正教会の伝統を踏まえた曲を書き、器楽曲ではモダンな作品を書くというなかなか面白い作曲家です。このヴィオラのための作品集は、ほとんどが未発表作品ですが、どれも魅力的でこの作曲家の姿を端的に伝えています。グレチャニノフ生誕150年の記念盤です。


旧譜
グレチャニノフの交響曲第1,2番もどうぞ
グレチャニノフ:交響曲第1番, 第2番(ジョルジュ・エネスク国立フィル/エトリンガー/スロヴァキア国立コシツェ・フィル/ヴィルトナー)
naxos
8.555410
\1100
悲しいくらいロシアの歌
 グレチャニノフ:
  交響曲第1番ロ短調Op.6
  交響曲第2番イ長調「田園」Op.27*
リヒャルト・エトリンガー指揮
ジョルジュ・エネスコ国立フィルハーモニー管弦楽団
ヨハネス・ヴィルトナー指揮*
スロヴァキア国立フィルハーモニー管弦楽団*
 悲しいくらいロシアの歌。
 グラズノフやバラキレフほど(ましてやR・コルサコフやチャイコフスキーほど)作曲技術はないけれど、ロシアの歌を愛する気持ちは痛いほど伝わってくる。案外難解でとっつきにくいロシア系シンフォニーが多い中にあって、この安易過ぎるほど直情的なロシア魂は貴重である。前述のグラズノフやバラキレフのシンフォニーを聴いて、思ったよりコテコテじゃなくてがっかりした人には断然お奨めである。次々と押し寄せるロシア抒情の波。多少の陳腐さもなんのその、土着のメロディーと郷土への激しい愛情がそれをカバーする。
 ちなみにグレチャニノフ、革命後パリからアメリカへ移住、100歳まで生きた。この2作品は亡命前の作品だが、このノスタルジックな味わいは切な過ぎる。欠点はいくつもあるが、捨てがたい魅力の数のほうがそれをはるかに上回る。
 音楽も人も、そういうものだと思う。
 
CPE Bach: Spiritual Songs
TOCC-248
\2600
C.P.E.バッハ:宗教的歌曲集
 1-6.宗教的頌歌と歌曲集 wq194/h686より(1758)
  <第14番:受難の歌/第9番:願い/第7番:夕べの試練/
   第31番:夕べの歌/第45番:懺悔の歌/
   第24-25番:永遠の命の慰め>/7.幻想曲 ハ短調/
 8-12.宗教的歌曲集 第1巻&第2巻 wq197-98/h749 and752より(1780-1781)
  <第1巻,第29番:イエスの詩の前の暗黒について/
   第1巻,第2番:受難の歌/第1巻,第13番:最後の審判の日/
   第2巻,第18番:夏の夜の感覚/第1巻,第14番:春に>
ノルベルト・マイン(テノール)/
テレンス・チャールストン(クラヴィコード)
録音 2012年9月 ロンドン ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック・スタジオ
 J.S.バッハとマリア・バルバラの次男にあたるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)。彼が活動した時代は、そろそろバロックから古典派に移り変わるころであり、その作品もテレマンから受け継いだ「ギャラント様式」(明晰で簡潔。華美になり過ぎたバロック様式への反発)や、感情表現を重視した「多感様式」に傾倒したものになっています。この宗教的歌曲集は、父バッハの様式よりもベートーヴェンやハイドンに近い雰囲気を感じさせるもので、自由であり、また流麗なメロディに満ちています。マインの堅実ながらも柔らかい声と、チャールストンのクラヴィコードの繊細な音色がマッチした美しい演奏です。



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