クラシックCD通販ショップ「アリアCD」へようこそ。
トップページへ

第78号インデックスへ
規約などはこちら・・・

お買い物の方法  

注文方法:
 ご希望商品のチェック・ボックスをクリックし、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください(enterキーを押してもかまいません)。
 新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、一番最後にページ下の「
注文フォームへ」のボタンをクリックして、注文フォーム・ページへ進んでいただいて、そこで注文を確定してください。
 (チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)

注文フォームへ



第78号
マイナー・レーベル新譜(5)
2014.8.19〜2014.10.24


DELOS


DE 3432
\2400
ピアニスト、ケドゥク自身のルーツを探る演奏
《キリル・ケドゥク〜私のポーランド日記》
 ショパン:
  エロールの「ルドヴィク」のロンド・ファヴォリ
  「私は僧衣を売る」による華麗な変奏曲 Op. 12
 ザレンプスキ:薔薇と棘 Op. 13
 シマノフスキ:仮面劇 Op. 34
 パデレフスキ:演奏会用ユモレスクOp. 14 〜
  第3番 カプリース
 ルトスワフスキ:2つの練習曲
キリル・ケドゥク(P)
 2011年、ケンピンスキー・クラシカル・ミュージック・フェローシップ(2009年にスイスで設立された賞)を受賞した若きピアニスト、キリル・ケドック。ベラルーシのグロドノで生まれ、母は指揮者、父はポーランド系の音楽家。
 このアルバムは、ショパンからルトスワフスキまでのポーランド作品を演奏し、彼自身のルーツを探るものです。
 

DE 3453
\2400
ベートーヴェンと同時期の作曲家、ヨーゼフ・ヴァイグルの秘曲
《ヨーゼフ・ヴァイグル:歌曲&アリア》
[歌曲]
 1: S Mag sein ,
 2:Lasst uns im vertrauten Kreise,
 3:Reiterlied, 4:Trost an meine Mutter,
 5:Die Tauschung, 6:In questa tomba oscura,
 7:Il Sogno, 8:Pria ch’io l’impegno,
[アリア]
 9:Nach dem Glanze, nach dem Scheine
  (from Adrian von Ostade),
 10:Ach, auch Konige sind Menschen
  (from Daniel in der Lowengrube oder Baals Sturz),
 11:Die Nacht entflieht (from Das Waisenhaus),
 12:Was Kummert mich des Fremden Gold?
  (from Das Waisenhaus),
 13:Wenn Sie mich nur von Weitem sieht
  (from Die Schweizer Familie),
 14:Vom weit entfernten Schweizerland
  (from Die Schweizer Familie),
 15:Heil mir! Ich werde Liebe finden
  (from Die Jugendjahre Peters des Grossen),
[他作曲家のオペラのための追加アリア]
 16:Schwort mir Rache und Verderben
  (from Spontini’s La Vestale),
 17:Schweigt, Genug, O Quiriten!
  (from Mozart’s La Clemenza di Tito),
 18:Ah, di Nina il Core (from Paisiello’s Nina o sia La pazza per amore), [La Principessa d’Amalfi からのアリア]19:Forse Abbastanza, 20:In qual barbaro cimento
ドナルド・ジョージ(T)
ルーシー・マウロ (Fp)
 ベートーヴェンと同時期のオーストリアの作曲家、ヨーゼフ・ヴァイグルの歌曲集。チェリストの父親を持ち、オペラ作曲家として活躍、34曲のオペラを残しましたが、現在ではほとんど忘れられています。
 このアルバムではそんな彼の歌曲を発掘。フォルテピアノの味わいある伴奏で歌い上げています。
 

DE 3443
\2400
独特の香気と音色の美しさ
《ショパン:マズルカ集》
 1:第17番 変ロ短調 Op. 24-4,
 2:第20番 変ニ長調 Op. 30-3,
 3:第21番 嬰ハ短調 Op. 30-4,
 4:第40番 ヘ短調 Op. 63-2,
 5:第41番 嬰ハ短調 Op. 63-3,
 6:第45番 イ短調 Op. 67-4,
 7:第32番 嬰ハ短調 Op. 50-3,
 8:第14番 ト短調 Op. 24-1,
 9:第15番 ハ長調 Op. 24-2,
 10:第34番 ハ長調 Op. 56-2,
 11:第36番 イ短調 Op. 59-1,
 12:第37番 変イ長調 Op. 59-2,
 13:第38番 嬰ヘ短調 Op. 59-3,
 14:第44番 ハ長調 Op. 67-3,
 15:第43番 ト短調 Op. 67-2,
 16:第47番 イ短調 Op. 68-2,
 17:第49番 ヘ短調 Op. 68-4
クララ・ミン(P)
 アメリカで大絶賛されている韓国の注目ピアニスト、クララ・ミンによるショパンのマズルカ集。
 このアルバムでは彼女のお気に入りのマズルカ17曲を演奏。ほとんどの曲が中期から晩年のもので、どの曲からも独特の香気が立ち上ります。音色の美しさも絶品。
 マズルカというよりもワルツに近い味わいかも。
 

DE 3448
\2400
協奏曲までも鮮烈な響きへ
シーン:ヒッキー(1970-):
 ① チェロ協奏曲
 ② クラリネット協奏曲
①ドミートリー・コーゾフ(Vc),
ウラディーミル・ランデ(指揮)
サンクトペテルブルク国立交響楽団/
②アレクサンダー・フィタースタイン(Cl),
ウラディーミル・ランデ(指揮)
サンクトペテルブルク国立アカデミック交響楽団
 デトロイト生まれの作曲家ヒッキー。彼は12歳の頃からエレキ・ギターを演奏し、オークランド大学ではジャズギターを学んだという経歴の持ち主。その後グロリア・コーツに学び様々な作品を書き上げます。
 クラシックだけでなく、ポップス、ジャズなど多彩な要素を取り入れた彼の作品は、いわば「ネオ・クラシック」と呼べるものでしょうか。この2つの協奏曲も鮮烈な響きに満ちています。
 

DE 3444
\2400
ロストロポーヴィチに絶賛されたチェリスト、コーゾフ
ショスタコーヴィチ:
 ① チェロ協奏曲第1番 変ホ長調 Op. 107
 ② チェロ協奏曲第2番 ト長調 Op. 126
ドミートリー・コーゾフ(Vc),
ウラディーミル・ランデ(指揮)
サンクトペテルブルク国立交響楽団
 「彼こそは真のアーティストだ」と、あのロストロポーヴィチにも絶賛されたチェリスト、ドミートリー・コーゾフ。彼は演奏家としてでだけでなく、教育者としても名高く、現在イリノイ大学のチェロの助教授としても活躍、後進の指導に当たっています。
 この緊張感に満ちた演奏こそ一聴に値するものです。
 

DE 3433
\2400
「美しい音楽を描く」という哲学
マーガレット・ルスヴェン・ラング(1867-1972):
 《From the Unforgetting Skies 〜 ピアノ作品集》

 1.古い家の精霊 Op. 58 (1917),
 2.リヴリー Op. 31 (1899), 3.スターライト (1894),
 4.狂詩曲 Op. 21 (1895),
 5.プチ・ロマン Op. 18 (1894),
 6.若い奏者のための3つの小品 Op. 60 (1919),
 7.ある夏の日 Op. 59 (1919),
 8.春の牧歌 Op. 33 (1899),
 9.春季 Op. 30 (1899), 10. 瞑想 Op. 26 (1897),
 11. 黄昏 (1894)
ルーシー・モーロ(P)
 エイミー・ビーチと同じ年にボストンの著名な家庭に生まれた女性作曲家、マーガレット・ルスヴェン・ラング。彼女は105歳という長命を授かりましたが、作曲は52歳の時にやめてしまいました。
 このアルバムには「美しい音楽を描く」という彼女の哲学が込められています。これは無言歌であり、美しく細工された繊細な音楽です。
 

DE 3449
\2400
絹のような美しい音色と鮮やかな音楽性
《Our American Roots 〜
 アメリカのチェロとピアノのための作品集》

 1. ガーシュウィン(ハイフェッツ& E.フェルドマン編):
  「ポーギーとベス」〜
   It Ain't Necessarily So /
   My Man's Gone Now,
 2. ガーシュウィン(E.フェルドマン編):3つの前奏曲,
 3. バーバー:チェロ・ソナタOp.6,
 4. ジョージ・ウォーカー:チェロ・ソナタ(1957),
 5. コープランド:「ビリー・ザ ・キッド」〜
  Waltz: Molto moderato /
  Celebration: Allegro
   (コープランドによるチェロとピアノ用ヴァージョン)
エマニュエル・フェルドマン (Vc)
ジョイ・クライン=フィニー (P)
 優れたチェリスト、エマニュエル・フェルドマン。カーティス音楽院を卒業した彼は、ソロリサイタルヤオーケストラの共演を重ね、数々の名演を披露しています。
 絹のような美しい音色と鮮やかな音楽性が評価され、世界中でひっぱりだこ。ここでは自身の編曲を含む珍しいアメリカの作品集を弾ききっています。
 

DE 3451
\2400
注目のパーカショニスト、リン・ヴァータンの見事な技量
《リン・ヴァータン〜Dancing on the Head of a Pin(マリンバ作品集)》
 1. ギヨーム・ル・ピカール:アバカ,
 2. ガレス・ファー(1968-):3つの練習曲,
 3. アンナ・イグナトヴィッツ(1968-):トッカータ,
 4. ダニエル・ベリ:ブルー・メモリーズ,
 5. チャバ・ゾルターン・マルヤン:ニブルヘイム,
 6. デイヴ・マリック:センス・アンド・イノセンス,
 7. クリストス・ハツィス(1953):
  イン・ザ・ファイアー・オブ・コンフリクト
  (マリンバとエレクトロニクス編)
リン・ヴァータン(マリンバ, パーカッション)
 注目のパーカショニスト、リン・ヴァータンのデビュー・アルバムです。21世紀に書かれた魅力的なプログラムは彼女の技量を確信するとともに、これらの作品への興味を強くそそるものです。
 ほとんどの曲はマリンバのためのものですが、電子楽器を用いた作品は、更に魅惑的な音色が楽しめます。
  

DE 3441
\2400
ヴィオラの哀愁溢れる音色
《Fantasy and Farewell〜ヴィオラと管弦楽のための協奏曲》
 ① マイケル・マクリーン(1952-):ヴィオラと管弦楽のための組曲
 ② シューマン:おとぎ話Op.113
 ③ ショスタコーヴィチ:ヴィオラ・ソナタOp.147
  (ウラディーミル・メンデルスゾーン管弦楽伴奏編曲版)
ロジャー・マイヤーズ(Va),
マイケル・フランシス(指揮)
ロンドン交響楽団
【録音】2012年1月, ロンドン、アビイ・ロード・スタジオ
 「幻想と告別」と題されたこのアルバムは、ヴィオラの哀愁溢れる音色を楽しむための1枚です。マクリーンの「組曲」は、マイヤーズの母の思い出のための作品を、作曲家マクリーンに委嘱。出来上がった音楽は郷愁溢れる美しいものです。
 シューマンの作品はもちろんのこと、ショスタコーヴィチのソナタの管弦楽版も神秘的、かつ内省的な雰囲気に満ちています。
 

DE 3460
\2400
煌めく高音、深々とした低音、全体を覆う輝き
《キャロル・ローゼンバーガー/ベーゼンドルファー・サウンド》
 1. リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):舟歌,
 2. ラヴェル:水の戯れ,
 3. リスト:超絶技巧練習曲集第11番変ニ長調
  「夕べの調べ」,
 4. ラヴェル:鏡〜第3番 洋上の小舟,
 5. グラナドス:マハとナイチンゲール,
 6. ドビュッシー:沈める寺,
 7. チャールズ・トムリンソン・グリフィス(1884-1920):
  ローマのスケッチOp. 7〜第3番 アクア・パオラの泉,
 8. ドビュッシー:夜想曲,
 9. ドビュッシー:水の反映,
 10. ショパン:夜想曲第16番変ホ長調Op.55-2,
 11:チャールズ・トムリンソン・グリフィス:
  3つの幻想的小品Op.6〜第1番 舟歌
キャロル・ローゼンバーガー(P)
 スタインウェイ、ベーゼンドルファー、最近はファッツィオーリ。ピアニストがどの楽器を選択するかということだけでも話題になる昨今ですが、このアルバムはベーゼンドルファー「model 290 Imperial」の音色を存分に味わえる1枚です。
 煌めく高音、深々とした低音、全体を覆う輝き。これぞまさにピアノの王者。貫録たっぷりの美音をお楽しみください。
 

DE 3438
\2400
現代アメリカの不安と暗さを内包した歌曲
《マーク・アーベル(1948-):連作歌曲集》
 ① ダーク・アイド・カメレオン
 ② ライナー・マリア・リルケの5つの詩
 ③ 虹の歌
ジェイミー・チェンバリン(Sp:①③),
アリエル・ピストゥリーノ(Sp:②),
ヴィクトリア・キルシュ(P)
【録音】2013年9月, カリフォルニア
一時期スタンフォード大学で学び、1970年代から80年代の始めまではNYのロック・シーンで活躍、1983年にカリフォルニアに戻り、20年間ジャーナリストとして働いていたという作曲家アーベル。彼の歌曲はクラシックの伝統に則りながらも、現代アメリカの不安と暗さを内包した独特のもの。DELOSレーベルからは他にも2枚のアルバムがリリースされています。
 

DE 3442
(3CD)
\2400
フットの知られざる面に光をあてる貴重な演奏
《アルトゥール・フット(1853-1937):ピアノ作品全集》
 3つの小品Op.3, 5つの小品Op.6,
 ペダル練習曲ヘ長調, ガヴォットOp.8-1,
 エクローグOp.8-2, 組曲第1番ニ短調Op.15,
 組曲第1番ニ短調Op.15,
 ピアノ小品Op.18, 組曲第2番ハ短調Op.30,
 9つの練習曲Op.27, 5つのバガテルOp.34,
 左手のための3つのピアノ小品Op.37,
 オマル・ハイヤームによる5つの詩Op. 41,
 2つの品Op.42, 小練習曲イ短調,
 20の前奏曲(短いテクニカル・スタディの形式による) Op.52,
 セレナードOp.45, アイルランド民謡,
 2つのコンポジションOp.60, 瞑想曲 Op.61,
 2つの小品Op.62, 5つの影絵Op.73,
 オクターヴ練習曲ト短調, ロンド ト長調,
 フロム・レスト・ハロウ
カーステン・ジョンソン (P)
 アーサー・フットは「第二次ニューイングランド楽派」の作曲家の一人。主に室内楽の作曲家として知られています。
 彼はヨーロッパで学んだ経験がなく、全ての音楽教育をアメリカで受けています。23歳の時にバイロイトを訪れワーグナー作品を聴いたという記録もあります。しかしそれに影響されることはなく、どちらかというとブラームスに似た作風を有しています。
 この3枚組はフットの全てのピアノ曲を収録したもので、フットの知られざる面に光をあてる貴重なものとなります。
 


DE 3467
\2400→\2190
2013年ヴァン・クライバーン国際コンクール優勝者ホロデンコ
 メトネル:
   ピアノ・ソナタ第2番 ホ短調 Op. 25
 ラフマニノフ編曲による作品集:
  バッハ:
   無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番 ホ長調 BWV 1006,
 シューベルト:どこへ?,
 メンデルスゾーン:劇付随音楽「夏の夜の夢」〜
  スケルツォ,
 チャイコフスキー:子守歌,
 ベーア:冗談ポルカ「笑う小娘」Op.303,
 クライスラー:愛の悲しみ,
 クライスラー:愛の喜び
ヴァディム・ホロデンコ(P)
1986年ウクライナ、キエフ生まれのピアニスト、ヴァディム・ホロデンコ。2010年第4回仙台国際音楽コンクールで優勝。しかし、彼の名前を一躍有名にしたのは、2013年ヴァン・クライバーン国際コンクールで金メダルを受賞したことでしょう。「ロシア・ピアニズム」の伝統を受け継いだ確かなる技巧と音楽性、そしてラフマニノフなどの確固たる解釈。ここでもメトネルとラフマニノフの諸作品で素晴らしい音楽性を聴かせています。
 

DE 3439
\2400
エレクトリック・ヴァイオリンの魅力的で深淵な音楽
 トレイシー・シルバーマン:
   ① Between the Kiss and the Chaos
   ② Axis and Orbits
トレイシー・シルバーマン (エレクトリック・ヴァイオリン)
カルダー・クァルテット (①)
 重苦しい弦楽の響きを縫って聞こえてくるエレクトリック・ヴァイオリン。
 この奏者トレイシー・シルバーマンは今後のクラシック音楽界において、新しいヒーローになり得る魅力を有しています。
 このアルバムの「キスとカオスの間に」は彼の2番目のヴァイオリン協奏曲です。5つの楽章は、それぞれピカソやマティスなどの画家の作品に触発されたもので、魅力的で深淵な音楽になっています。
 


DE 3461
\2400→\2190
巨大なエネルギーを秘めた声楽入り作品
フランク・ティケリ(1958-):
 ① 交響曲第3番「海岸」
 ② ウィズイン
 ③ サラ・ティーズデールの3つの詩 「星座」
 ④ 伝承曲「ほら、この花を摘もう」
  (ティケリによる合唱と管弦楽のための編曲版)
 ⑤ 大地の歌
 ⑥ There Will Be Rest
ジョン・アレクサンダー(指揮),
ジョン・セント・マリー(T),
ジョン・アレクサンダー・シンガーズ,
パシフィック交響楽団,
パシフィック・コラール
【録音】2013年6月、カリフォルニア
 アメリカの現代作曲家ティケリは、吹奏楽や室内楽曲などで知られますが、このアルバムに収録されているのは合唱を伴う「交響曲第3番」を始めとした一連の合唱作品全集です。
 巨大なエネルギーを秘めた人間の声をふんだんに使った驚異的な作品は、どれも世界的に高く評価されているものです。美しく魅力的な響きに圧倒されます。

ECM



481 0883
\2500→\2290
コパチンスカヤ登場!
 ウストヴォリスカヤ:室内楽作品集

 ガリーナ・ウストヴォリスカヤ:
  ① ヴァイオリンとピアノのためのソナタ (1952)
  ② クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲
   (1949)
  ③ ヴァイオリンとピアノのためのデュエット (1964)
パトリツィア・コパチンスカヤ(Vn),
マルクス・ヒンターハウザー(P),
レート・ビエリ(Cl)
 奇才コパチンスカヤによる神秘的な作品演奏
 ロシアの音楽界において、唯一無比の存在である女性作曲家ウストヴォリスカヤは、学生時代にショスタコーヴィチに師事していたことで知られています。
 彼女が「私の作品は他人の作品とのつながりは絶対にない」と語っているように、その作品はどれも個性的、禁欲的で神秘的な作風を貫いていました。
 全ての曲には宗教的な精神が漲っており、美しさや心地よさとは一線を画した、厳しく渋い音の世界が広がっています。

 こんな特異な作品を嬉々として演奏しているのが、モルドヴァ生まれの鬼才ヴァイオリニスト、コパチンスカヤ。演奏家の資質によっては「全く面白くない作品」に成り下がってしまうとまで言われるウストヴォリスカヤの音楽を彼女はごく自然に捉え、この不可思議な音の羅列から豊かな物語を紡ぎだしているのはさすがです。
 ピアノを担当するヒンターハウザーはヨーロッパで高い名声を得ているピアニスト。古典派から現代までのレパートリーを持っており、今回がECM初登場となります。スイスのクラリネット奏者ビエリはすでにおなじみの奏者です。

 【録音】2013年3月, ルガーノ・スイス放送局オーディトリオ



何度でも紹介しましょうね
無頼爽快コパチンスカヤ
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
コパチンスカヤ/ベートーヴェン
 ベートーヴェン:
  ヴァイオリン協奏曲ニ長調
   (カデンツァ:ベートーヴェンによる
       ピアノ協奏曲版をコパチンスカヤが編曲)
  ロマンス第2番、ロマンス第1番、
  ヴァイオリンと管弦楽のための断章WoO 5
パトリシア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、
シャンゼリゼ管弦楽団(ピリオド楽器)
NAIVE
V5174
直輸入盤
\2800→¥2490
録音:2008年10月 メッス、アースナル(ライヴ&セッション収録) 

 こんな面白いベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は初めて聴いた。立派な演奏はいくらでもある。技巧抜群の演奏もたくさんある。深い演奏もまたいくつかある。
 しかしこんなに自由奔放で切れるような感性を味わわせてくれる演奏には出会ったことがない。すさまじい才能が弾丸のように降り注いでくるのだ。
 たった一音、どこか切り取って聴いてもらってもいい。
 そこに聴けるのはベートーヴェンの弾き古された古典の名曲ではない。今ここに生まれ落ちた、キラキラとした新たな音楽。しかも飛びっきり生きのいい。つまりそれはベートーヴェンの音楽ではなく、コパチンスカヤの音楽。
 彼女、カデンツァは言うまでもなく、いたるところでコパチンスカヤ節で歌いまくる。普通の人なら普通に弾いてまったく顧みないようなところを、まるで民族舞曲のようにノリノリで弾き始めたり、ギザギザに鋭角的にエッジを立ててつんざくように弾いたりする。これはダンス・ミュージックかあるいはハード・ロックか?ベートーヴェンではなかったのか?
 今まで、クーゼヴィツキーと共演したハイフェッツの演奏だけが作曲家のレベルを超えたと思っていた。しかしこんなあっけらかんとした少女が軽々とベートーヴェンの頭を飛び越えた。ここには作曲家への畏怖はない。彼女はベートーヴェンを愛してはいるだろうが恐れてはいない。なんだかコパチンスカヤ、「この曲作った人、結構好きなのよね」とか、軽く言いそうな感じ。そしてギュルリ〜ンガリガリガリとまた奔放且つ刺激的にヴァイオリンを弾き放つのである。
 新たなベートーヴェン録音で異彩を放っているヘレヴェッヘのサポートのおかげで、この演奏史上に残る怪作ができあがったのは言うまでもない。・・・しかしそのヘレヴェッヘまでもが、フランケンシュタイン博士よろしく、自らが生み出してしまった怪物に怖れをなしているような気さえする(実は今回の共演を望んだのはコパチンスカヤのほうだった・・・こわ!)。
 まさにおそるべき子供の誕生である。
 無頼爽快コパチンスカヤ。聴いておいてもいいかも。

 


481 1106
\2500→\2290
2014年末で解散
 ヒリヤード・アンサンブル/
  1400〜1500年代のキャロル集《Transeamus》

 ① 作者不詳:カンタベリーの宝トマスさま,
 ② 作者不詳:聖トマスを讃えよう,
 ③ 作者不詳:教皇のラッパ,
 ④ ジョン・プルマー:アンナの母親,
 ⑤ 作者不詳:ラリー私は見た,
 ⑥ ジョン・プルマー:あなたの愛する方は,
 ⑦ 作者不詳:そのようなバラはない,
 ⑧ ワルター・ランビ:天の星,
 ⑨ 作者不詳:ヨセフよ、怪しむことはない,
 ⑩ 作者不詳:自然はいかにして,
 ⑪ ウィリアム・コーニッシュ:アヴェ・マリア、神の母,
 ⑫ 作者不詳:ああ、私のかわいい息子,
 ⑬ 作者不詳:グレースの聖母,
 ⑭ シーリンガム:ああ、紳士イエス
ヒリヤード・アンサンブル
[デイヴィッド・ジェイムズ(C-T),
ロジャー・カヴィー=クランプ(T),
スティーヴン・ハロルド(T),
ゴードン・ジョーンズ(Br)]
 美しすぎる1400〜1500年代のキャロル
 今年2014年末で解散することとなった「ヒリヤード・アンサンブル」による、1400〜1500年代のキャロル集。
 キャロルの主題は通常、クリスマス、聖母マリアと聖人です。このアルバムに収録されているキャロルは、神聖な礼拝のためのラテン語または英語による作品です。部分的に舞曲形式が使われており、入場のときに使用されたことも考えられています。
 一部のテキストには賛歌だけでなく歴史的、政治的な内容も含まれていますが、そこに響くポリフォニーと甘いハーモニーは、常に至高の美しさを保っています。
 彼らならではの透明感あふれる音楽は、このジャンルにおける美の極致といって過言ではありません。
 彼らがECMに残した大半の録音は、オーストリアのザンクト・ゲロルト修道院で録られたもので、最高の響きが聴き手の心を震わせます。

【録音】2012年11月, オーストリア、プロプスタイ、ザンクト・ゲロルト修道院
 

481 0963
\2500
ランクホールン/ケイト・ムーア:《Dances and Canons》
 ケイト・ムーア:
  ① Spin Bird, ② Stories For Ocean Shells,
  ③ The Body Is An Ear, ④ Canon, ⑤ Zomer,
  ⑥ Joy,⑦ Sensitive Spot, ⑧ Spin Bird
サスキア・ランクホールン(P)
 独自のパルス・パターンによる作品
 作曲家ケイト・ムーア、そしてピアニスト、ランクホールンの両者にとってのECMレーベルへのデビューとなるこのアルバム。
 ムーアは1979年にイギリス生まれ、ルイ・アンドリーセンに師事し、現代はオランダに住んでいます。彼女の音楽は独自のパルス・パターンを持ち、渦巻く音は自然の情景を想起させる想像力豊かなものです。
 ピアニストのラルクホールンとムーアはハーグ王立音楽大学で出会いました。ラルクホールンが新しい音楽グループ「アンサンブル・クラン」を設立した際、最初にプログラムに組み込んだ作曲家がムーアだったということで、それ以来ムーアの音楽を献身的に演奏し、コンサート、ダンス、演劇、映画、イラストレーションなど様々な分野でコラボレーションしているという間柄です。
 このアルバムには、ピアノソロのための作品や、アンサンブルのための作品からの編曲版が収録され、点描、さざなみの音や、ハチドリの羽音を思わせる音が見事に捉えられています。

【録音】2013年4月, ルガーノ・スイス放送局オーディトリオ
 

ECM New Series

481 0992
\2500
チェロとピアノによるジャンル無き音楽の美
《モデラート・カンタービレ》

 ①ゲオルギイ・グルジエフ/トーマス・ド・ハルトマン:
  サイイドの歌と踊り第3番と詩篇第7番,
 ②フランソワ・クチュリエ:ヴォヤージュ,
 ③ヴァダペット・コミタス:あなたはスズカケの木,
 ④フェデリコ・モンポウ:歌と踊り第6番,
 ⑤モンポウ:ひそやかな音楽第28番と内なる印象第1番,
 ⑥クチュリエ:ソレイユ・ルージュ,
 ⑦クチュリエ:蝶々,
 ⑧グルジエフ:詩篇第8番とナイト・プロセッション,
 ⑨グルジエフ:詩篇第11番 & モンポウ:遠い祭り第3番,
 ⑩モンポウ:内なる印象第8番
アニャ・レヒナー(Vc)
フランソワ・クチュリエ(P)
 ドイツ、カッセルで生まれたチェリスト、アニャ・レヒナーはハインリッヒ・シフとヤーノシュ・シュタルケルに師事し、アムステルダム・シンフォニエッタ、アルメニア・フィル、タリン室内管弦楽団などの公演にソリストとして参加、またコンサートではアレクセイ・リュビーモフや、ジルケ・アヴェンハウス、キリル・ゲルシュタイン等、名ピアニストと共演し、古典から現代まで幅広いレパートリーを納得の演奏で聴かせる人です。
 また6歳でピアノを始めたフランソワ・クチュリエはクラシック音楽だけではなく、チック・コリアやヨアヒム・キューンなどのジャズ・ピアニストからも薫陶を得た人で、即興演奏が得意であり、ジャンルを超えた表現をすることで知られています。
 この2人の共演は、まさに「ジャンル無き音楽」であり、普段は真面目で晦渋ともいえるモンポウの音楽さえも、ここでは親しげで軽やかな笑みを浮かべています。ふとした心の隙間にそっと入ってくるような滑らかさが、心地よく聴き手の心に響きます。
 【録音】2013年11月, ルガーノ、スイス・イタリア語放送オーディトリオ[デジタル:セッション]

481 0880
\2500
《Tre Voci》〜武満徹, ドビュッシー, グバイドゥーリナ:作品集
 武満 徹:そして、それが風であることを知った
 ドビュッシー:フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ
 グバイドゥーリナ:喜びと悲しみの庭
キム・カシュカシャン(Va),
マリーナ・ピッチニーニ(Fl),
シヴァン・マゲン(Hp)
 カシュカシャンらによる、様々な相反する要素を美しく纏め上げた演奏
 現在、最も高く評価されているヴィオラ奏者の一人、キム・カシュカシャンは、昨年リゲティの無伴奏ヴィオラ作品集のアルバムでグラミー賞を受賞するなど、その活躍はとどまるところを知りません。そんな彼女が今回はイタリア系アメリカ人のフルーティスト、ピッチニーニと、イスラエルのハーピスト、マゲンとともにトリオを組み、更なる新しい世界を模索します。
 このアルバムはドビュッシーの晩年の作品「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」を中心に、武満とグバイドゥーリナの同編成作品を配置。音色、質感、そして時間の流れを感じさせるプログラムとなっています。武満は明らかにドビュッシーの作品の影響を受けているように思われ、またグバイドゥーリナの作品は、オーストリアの作家タンザーの詩とモスクワの詩人オガノフの詩、この2つの東洋と西洋を描いた文学作品に触発されたもので、極めて瞑想的、かつ抒情的な世界が展開されています。
 喜びと悲しみ、東洋と西洋、静けさときらめき、たくさんの相反する要素を美しく纏め上げた印象的なアルバムです。
 【録音】2013年4月, ルガーノ、スイス・イタリア語放送オーディトリオ[デジタル:セッション]

MD+G



903 18626
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
《ヨハン・シュターミッツ:ヴァイオリン・ソナタ集Op.6》
 ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op.6-1,
 同第2番ハ長 調Op.6-2,
 同第3番変ホ長調Op.6-3, 同第4番イ長調Op.6-4,
 同第5番ニ長調Op.6-5, 同第6番変ロ長調Op.6-6
シュテファン・シャルト(バロックVn)
ミヒャエル・ベーリンガー(Cemb)
 本来の姿が再現されたマンハイムの音楽
 ヨハン・シュターミッツ(1717-1757)は、マンハイム楽派の創立者として有名で、交響曲(シンフォニア)や協奏曲を数多く作曲しました。
 もともとは高度なテクニックをもったヴァイオリン奏者で、マンハイム宮廷楽団をすばらしいオーケストラに育てあげると同時に、その技術を多用したソナタを数多く作曲したのです。序奏のような第1楽章、それに続く重音が多様された速いパッセージの楽章、そしてロココ風の美しいメロディなど、当時の新スタイルによる様々な作曲法がこれらのソナタの中で試みられています。この作品は後に「オブリガード鍵盤楽器付のヴァイオリン・ソナタ」として知られるようになりますが、ここでは1759年にパリで出版された作曲当時の「数字付通奏低音」による楽譜が使用されており、ミヒャエル・ベーリンガーによる即興的な伴奏によって、本来の作品の魅力が再現されています。
 ヴァイオリニスト、シュテファン・シャルトは、モダン楽器だけでなくバロック・ヴァイオリンの名手としても知られ、1995〜1999年にザクセン州立劇場コンサートマスター、2000年からはムジカ・アンティクァ・ケルンのコンサートマスターを務めていました。
ハイブリッドSACD仕様
(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 


937 18636
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』(全曲) ステファン・ブルニエ(指揮)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団,
ケルン放送合唱団
あぶらの乗ってきたブルニエが、フランスものを録音
 ステファン・ブルニエは、1964年ベルン生まれ。「新しい音楽のためのアンサンブル、エッセン」を結成、指揮者として、またピアニストとしてもその名前を知られるようになりました。その後ドイツ各地の歌劇場で実績を積み、マインツ、アウグスブルク、マンハイムを経て、ダルムシュタット州立劇場の音楽監督に就任。2008年からはボン・ベートーヴェン管弦楽団およびボン歌劇場の首席指揮者を務めています。
 若々しい覇気と洗練を兼ね備えた秀演を次々と発表しているブルニエ&ボン・ベートーヴェン管弦楽団。これまではドイツのロマン派の作品を中心に録音してきましたが、今回はラヴェル挑戦。 精緻なスコア・リーディングを基に、響きの透明感を際立たせながら、混沌さとエロティックな薫りが漂う魅力的な演奏を聴かせてくれます。
ハイブリッドSACD仕様(CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 


930 18616
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
ピアノ連弾によるロマンティックの匠
ベートーヴェン:
 ① 交響曲第7番イ長調Op.92 
    (フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ編曲版)
 ② 大フーガ 変ロ長調Op.134
  (ベートーヴェン自身による編曲版)
トレンクナー&
シュパイデル・ピアノ・デュオ
 ベートーヴェンの7番には、リストによるピアノ・ソロ版や、フーゴ・ウルリヒやツェルニー、メフェス編曲による連弾版などが存在しますが、当盤は19世紀後半から20世紀初頭において絶大な人気を誇ったポーランド系ドイツの作曲家およびピアニスト、フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)による連弾版演奏です。
 シャルヴェンカの編曲版は、ベートーヴェンの楽譜を単に連弾に写し換えるだけではなく、ピアニストに高度なテクニックを要求するもので、シャルヴェンカの自作同様、ロマンチシズムと究極の技巧が見事に融合した魅力溢れる作品に仕上がっています。
 また「大フーガ」は、ベートーヴェン自らの編曲した自筆譜が2005年にペンシルベニア州にある神学校の図書館で発見され、現在ではピアノ連弾の重要なレパートリーの一つになっているものです。トレンクナーとシュパイデルによる連弾は、いつもながらの高度なテクニックを駆使しつつ、息の合った見事な掛け合いを聴かせてくれます。
 トレンクナーはワルター・ギーゼキングとヴィルヘルム・ケンプに、シュパイデルはイヴォンヌ・ロリオ、シュテファン・アシュケナーゼ、ゲザ・アンダ等に師事したピアニストです。
 ハイブリッドSACD仕様 (CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND)
 

317 18642
(12CD)
\8700
ラインベルガー:《オルガン・ソロ作品全集》
[CD1]
 3つのフーガ, 3つの前奏曲とフーガ, 5つの小品,
 大フーガ, 4つの韻詩, フーガWoO.10, 5つの小品,
 ソナタ第1番/
[CD2]
 ソナタ第2〜4番, トリオOp.49,トリオWoO.37/
[CD3]
 ソナタ第5&6番, フーガOp.123a/
[CD4]
 ソナタ第7&8番,12のフーガOp.123b/
[CD5]
 ブルーンズの前奏曲(ラインベルガー編),
 ソナタ第9&10番,
 アダージョ・ノン・トロッポ, アンダンテ/
[CD6]
 ソナタ第11&12番, 前奏曲WoO.56&26-1,
 オルガンのための小品WoO.25-9&3/
[CD7]
 ソナタ第13番, 性格的小品Op.156/
[CD8]
 ソナタ第14番, モノローグOp.162/
[CD9]
 ソナタ第15番, 12の様々な小品Op.167/
[CD10]
 ソ&ナタ第16番, 12の様々な小品Op.174/
[CD11]
 ソナタ第17&18番, 12のトリオOp.189,
 コンソレーションWoO.26-5/
[CD12]
 ソナタ第19&20番, カンツォネッタWoO.26-4,
 間奏曲WoO.26-2, 前奏曲WoO.77,
 トリオWoO.26-6, Singmesse
ルドルフ・インニッヒ(Org)
 理想的なロマンティック・オルガンによる唯一の全集が遂にBOXセットに!
 ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(1839-1901)は、ドイツ(現リヒテンシュタイン領)のファドゥーツ生まれの作曲家。7歳でファドゥーツの教会のオルガン奏者となり既に作曲も始めていました。
 ミュンヘンでラハナーに師事、1864年ミュンヘン・オラトリオ協会の指揮者に就任。その後ミュンヘン音楽院のオルガンと作曲の教授となり、多数のその後の作曲家や演奏家に影響を与えました。
 最もドイツ的ロマンティックなオルガン作品らを、その時代のオルガン作品研究家でもあるルドルフ・インニッヒが演奏した、現在唯一のオルガン・ソロ作品全集です。この演奏のために、最も理想的なロマンティック・オルガンが使われているのも特徴的です。
【録音】1998〜2005年, Walcker Organ, St. Maria, Schramberg/ Walcker Organ, Stadtkirche Winterthur/ Kuhn & Spaich Organ Martinskirche Chur/ Kuhn Organ, St. Johann, Schaffhausen/ Kuhn-Organ, Stadtkirche St. Anton, Z?rich
 

ARTHAUS(CD)


101792
(2CD)
\2100→\1890
ズービン・メータ/ギュヘル&ジュヘル・ペキネル:イン・コンサート
<CD1>
 1.バルトーク(1881-1945):2台のピアノと打楽器のための協奏曲/
 2.シューベルト(1797-1828):幻想曲 ヘ短調 Op.103/
 3.ドビュッシー(1862-1918):白と黒で/
 4.ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲 第5番 嬰へ短調/
<CD2>
 1.モーツァルト(1756-1791):2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K448/
 2.マニュエル・インファン(1883-1958):アンダルシア舞曲-センティメント/
 3.ルトスワフスキ(1913-1994):パガニーニ変奏曲/
 4.フランシス・プーランク(1899-1963):2台のピアノのためのエレジー/
 5.ダリウス・ミヨー(1892-1974):スカラムーシュ-ブラジルの女
フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団/
ズービン・メータ(指揮)…1/
ギュヘル&ジュヘル・ペキネル
2012年 フィレンツェ五月音楽祭 ライヴ収録…CD1:1/2010年 ルートヴィヒスブルク国際音楽祭 ライヴ収録…CD1:2-4,CD
 ※こちらはDVD(102191)と同内容の2枚組CDです。
  トルコの双子デュオ、ギュヘル&ジュヘル・ペキネルと名指揮者ズービン・メータが共演したエキサイティングなバルトークの「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」は2012年のライヴで、その他の演奏は2010年のルートヴィヒスブルク国際音楽祭のライヴ。彼女たちのスタイルと音楽性を知るためには、最良のプログラムと言ってよいでしょう。
 2人は時に協力し、またはぶつかり合って素晴らしい音楽を創り上げていきますが、ここには「常人には計り知れない不思議なテレバシー」が存在すると彼女たちは語ります。これはまさに奇跡です。

BR KLASSIK



900127
\2400→\2190
ヤンソンス&バイエルン放送響
 リヒャルト・シュトラウス:「ドン・ファン」&「英雄の生涯」

  1.交響詩「ドン・ファン」Op.20
  交響詩「英雄の生涯」Op.40
   2.英雄
   3.英雄の敵
   4.英雄の伴侶
   5.英雄の戦場
   6.英雄の業績
   7.英雄の隠遁と完成
アントン・バラコフスキー(ヴァイオリン・ソロ)
バイエルン放送交響楽団
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音2014年5月24-28日、ミュンヘン,ヘラクレスザール ライヴ収録…1、2011年3月14-18日 ミュンヘンフィルハーモニー・イム・ガスタイク ライヴ収録…2-7

 シュトラウス・イヤーに贈る2つのシュトラウス。
 シュトラウス(1864-1949)24歳の作である「ドン・ファン」はニコラウス・レーナウの詩に基づいた表現的な音楽。全てがわかりやすく、彼の交響詩の中でも人気の高い作品です。
 「英雄の生涯」に関しては、もう何の説明も必要ないものですが、一つだけブックレットに面白い記述がありました。確かにこの作品の最後は「隠遁と完成」であって「葬送行進曲」ではありません。シュトラウス自身の作品からの引用もたっぷりあり、自らを「英雄」に例えるとは何たる不遜な行為だ。と憤慨する向きもありますが、この壮大な自叙伝・・・それもまだまだ進化を続けるであろう英雄の姿は全ての聴き手を圧倒するものでもあります。
 ヤンソンスの「英雄の生涯」といえば、コンセルトヘボウとの初来日の際にもこの曲がプログラムに組まれていたほどに、彼の得意曲であり愛着のある作品であることは間違いありません。逆に言えば、なぜこれまでバイエルン放送響との録音が発売されなかったのかが不思議なほど。この演奏、実際は2011年のものであり、これまでCD化されなかったのは、やはり2014年の「シュトラウス・イヤー」を待ってのことだったに違いありません。全てがきちんとコントロールされた音楽と、厚みのある響き、そして納得の解釈。漲るパワーは、曲が終わりに近づいても途切れることはなく、ますます輝かしさと力強さを得て終結へと向かいます。崇高かつ神秘的な最後の和音が消えていくときに、人々は何を思うのでしょうか?
 


900126
(2枚組)
\2700→\2490
ヤンソンス&バイエルン放送響
 ヴェルディ:レクイエム
クラッシミラ・ストヤノヴァ(ソプラノ)/
マリナ・プルデンスカヤ(メゾ・ソプラノ)/
サイミール・ピルグ(テノール)/
オルリン・アナスタソフ(バス)/
バイエルン放送交響楽団&合唱団(合唱指揮…ミヒャエル・グレーザー)/
マリス・ヤンソンス(指揮)
2013年10月10.11日 ミュンヘン フィルハーモニー・イム・ガスタイク

 ヴェルディ(1813-1901)のレクイエムは、もともと「マンゾーニの命日を記念するためのレクイエム」で、これは1873年に彼が青年時代から敬愛していた文豪アレッサンドロ・マンゾーニの死を悼んで構想したものです。
 しかし、この曲の萌芽といえるものは、1868年のジョアキーノ・ロッシーニの死去の際にヴェルディが「13人の作曲家たちによるレクイエム」の作曲を計画し(結局その発案は様々な事情で放棄されることになります)、その時に彼の担当であったリベラメであり、これは、このマンゾーニのためのレクイエムで見事リサイクルされ、若干の形を変えた上で、同じリベラメに採用されたのでした。
 とはいうものの、この曲で一番人気の高いのは何といっても、雪崩落ちるような迫力を持つ「ディエス・イレ(怒りの日)」であり、このメロディのおかげで、モーツァルト、フォーレ作品とともに“三大レクイエム”と称され、現在でも上演の機会が多くあるのです。
 数あるレクイエムの中でも、極めて劇的でドラマティックな要素を持つこの作品、オーケストラ、合唱、ソリストの全てに高い能力と緊張感が求められる曲でもあります。

 2013年10月「ヴェルデイのレクイエム」。同じソリストたちによるウィーン公演の映像も発売されていますが(102205)、こちらはガスタイクでの演奏となります。
 


900122
(2枚組)
\3100→\2890
ダニエル・ハーディング&バイエルン放送交響楽団
 ローベルト・シューマン:ゲーテの「ファウスト」からの情景 WoO3


<CD1>
 1.序曲/2.第1部 第1景:庭の場面「私だと分かりましたか、可愛い天使」/
 3.第1部 第2景:悲しみの聖母マリアの像の前のグレートヒェン「ああ、お向け下さい」/
4.第1部 第3景:寺院の中の場「グレートヒェン、お前はどんなに違っていたことか」/
5-8.第2部 第4景:日の出「お前たちは、この人の頭のまわりを空気の輪となってまわっているが」/
9-11.第2部 第5景:真夜中「私の名は欠乏です」/12.第2部 第6景:ファウストの死/

<CD2 第3部 第7景:ファウストの変容>
 1 「森は揺らぎ」/2.「永遠なる歓喜の炎」 /
 3-4.「わたしの足元で、岸壁の断崖が」/
 5-6.「霊界の高貴なひとりが」 /
 7.「ここは見晴らしがよく、何にも遮られず」/
 8.「手を触れることのできないあなた様ですが」/
 9.「すべて移ろい過ぎゆく無常のものは」(神秘なる合唱)
ファウスト、マリア崇拝の博士、天使に似た神父…
クリスティアン・ゲルハーエル(Br)/
グレートヒェン、罪深き女、困窮…
クリスティアーネ・カルク(S)/
メフィストフェレス、悪霊、…アラスティア・マイスル(バス)/
懸念、天使、贖罪の女…マリ・エリクスメン(S)/
アマリアの女、欠乏…ベルナルダ・フィンク(A)/
マルテ、エジプトのマリア、罪障、栄光の聖母…
エヴァ・マルシニク(A)/
アリエル、法悦の神父…アンドリュー・スタプレス(T)/
瞑想の神父…クルト・リドル(B)/
若き天使…テレク・ナズミ(B)/
アウグスブルク大聖堂聖歌隊少年合唱団・室内合唱団…ラインハルト・カンマー(合唱指揮)/
バイエルン放送合唱団…
ミヒャエル・グレーザー(合唱指揮)/
バルバラ・フレッケンスタイン(Sソロ)/
ザビーネ・シュタウディンガー(Aソロ)/
?木太郎(Tソロ)/
バイエルン放送交響楽団/
ダニエル・ハーディング(指揮)
録音 2013年1月16-19日 ミュンヘン ヘルクレス・ザール ライヴ収録
 ヨーロッパでは人気が高い演目なのですが、日本ではあまり話題にならないこのシューマン(1810-1856)の「ファウストの情景」。音楽と同じくらい文学を愛したシューマンが、ゲーテの「ファウスト」を音楽で表そうとした結果、オペラではなくオラトリオとして創り上げたものです。
 完成までに9年の歳月を費やし、綿密に計算されたこの音楽はゲーテの深遠な思想と、究極の女性像など様々なものを丁寧に組み込んだ見事なものとなっています。
 ただし、オペラのアリアのような派手な曲もなく、ひたすら深い美しさのみがあるため、なかなか取っ付き難い作品であることも確かです。ハーディングはもともとシューマンを得意としていて、この曲にも深い理解を示しています。2013年12月には、ベルリン・フィルでもこの曲を指揮(アーノンクールの代役として)、こちらの演奏でも高く評価されたことが記憶に新しいものです。
 多くの独唱者と大編成のオーケストラを縦横無尽に操り、壮大な音楽を紡ぎだすハーディングの手腕と、バイエルン放送合唱団の巧みな合唱をぜひご堪能ください。
 


900311
(2枚組)
\3100→\2890
ワルター・ブラウンフェルス:神秘劇「受胎告知」
 ポール・クローデルの詩(ヤコブ・ヘグナーのドイツ語訳)による
<CD1>1.序曲/2-4.第1部/5.第2部/
<CD2>1-3.第3部/4-7.第4部
フィオライン…ユリアーネ・バンゼ(S)/
マラ…ヤニナ・ベヒレ(S)/
天使の声…ヴァネッサ・ゴイコエトセラ(S)/
母…ハンナ・シュヴァルツ(A)/
ペーター・フォン・ウルム…マティアス・クリンク(T)/
ペーターの弟子…マウロ・ペーター(T)/
ヤコボイス…アドリアン・エロド(Br)/
アンドレアス・グラデールス…ローベルト・ホル(B)/
第1の労働者…ヨハネス・シュテルマン(B) 他/
バイエルン放送合唱団…
シュテラリオ・ファゴーネ(合唱指揮)/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
録音 2011年12月17.18日 ミュンヘン,プリンツレーゲンテンシアター ライブ収録
 1990年代の後半、当時の退廃音楽復興のブームにのって、ようやく歌劇「鳥たち」のCDが発売になり、その存在を知ることができたという作曲家ブラウンフェルス(1882-1954)。最近は歌劇だけではなく、いくつかの作品を耳にできる機会も増え、少しずつ認知度が上がってきたとは言え、このような珍しい作品が上演されるのは本当に嬉しいことといえるでしょう。
 このブラウンフェルス、父は文学者、翻訳者であり、母の祖父(もしくは大おじ)は、かのルイ・シュポーアであったという由緒ある家系に生まれた人。純粋なユダヤ人ではなく、その家系にユダヤ人がいるというだけでナチスから迫害されましたが、終戦後にはまた音楽界に戻り、戦後の音楽復興に貢献しました。熱烈なカトリック信者であった彼の作品には、宗教的なものも多く、この「受胎告知」も中世時代の不安な空気を、後期ロマン派の響きで描き出した稀有な作品となっています。演奏にあたっては、ユリアーネ・バンゼやハンナ・シュヴァルツをはじめとしたドイツを代表する名歌手たちを揃え、ウルフ・シルマーが渾身の指揮でこの壮大な世界を構築しています。

CANTALOUPE MUSIC

 2001年に作曲家の Michael Gordon、David Lang、Julia Wolfe らによって設立されたレーベル。ミニマル・ミュージック第三世代という肩書きを与えられているBang On A Canを中心に、アメリカの現代のある意味でのハイ・ミュージックを伝えるのに重要な役割を果たしている。


CA21101
(CD+DVD)
\2700→\2490
深海にうごめくもの、乱流、そして不気味な沈黙
 「最も美しい黙示録」

ジョン・ルーサー・アダムズ:Become Ocean
シアトル交響楽団
ルドヴィック・モルロー(指揮)

 2014年ピューリッツァー賞獲得!全世界同時発売!
 1トラックの陶酔、無限に広がるイマジネーション
 まさに「現代音楽の申し子」であるジョン・(ルーサー)アダムズ(1953-)の最新作は海をテーマにしたもの。雄大なる響きで表現された、深海にうごめくもの、乱流、そして不気味な沈黙。これこそ音楽の歴史の中で「最も美しい黙示録」であると言えるでしょう。
 「Become Ocean」・・・このタイトルは、ジョン・ケージの文章からの啓示を受けたのだとアダムズは打ち明けています。これは彼がルー・ハリソンを讃えたメゾスティック・ポエム(文の冒頭に特定の単語を選んで作られたという難解・・・たて読みのようなもの)からの引用であり、彼はルー・ハリソンの音楽を“デルタ地帯の川”に例えています。多くの影響や流れが一緒になって、美しい音楽の大きな河を作り上げる。このポエムの最後の行でケージはこのように書いています。「これを聴きながら、私たちは海になる(Become Ocean)、なんと美しいイメージなのかといつも驚かされています。」
 最近のアダムズは作曲する際、自然のプロセスなどにも意識を向け、「地球」を構成するもの、風や大地。水などをモティーフにした作品を生み出しています。これは「皮肉」と「孤立」が際立つ現代において、彼が生きていく上で必要不可欠とみなしたものを強調し続けることなのです。
 この曲は2013年6月にシアトルで初演され、2014年5月6日にカーネギー・ホールでも初演され高く評価されました。
 Become Oceanの世界を楽しむためには、映像と5.1サラウンドの音響を組み合わせることが望ましいため、このアルバムにはDVDも同梱されています。このDVDには“ナショナルジオグラフィック”の写真家ポール・チェスリーとセバスチャン・メッケルマンが撮影した、美しい写真が収録されていて、これらをスライドショーで見ることができます。適切な機材で再生することにより、「深い海の底」を体験することが可能になるでしょう。  
 

CAPRICCIO


C5208
\2700
リヒャルト・シュトラウス:英雄の生涯・メタモルフォーゼン
 1-6.交響詩「英雄の生涯」Op.40
  <英雄/英雄の敵/英雄の伴侶/英雄の戦場/
  英雄の業績/英雄の隠遁と完成>/
 7.23の独奏楽器によるメタモルフォーゼン
モレート・マックラン(ヴァイオリン・ソロ)…1-6/
ウィーン放送交響楽団/
コルネリウス・マイスター(指揮)
 2010年からウィーン放送交響楽団の首席指揮者として活躍しているコルネリウス・マイスター。現在34歳の若手ですが、度々の日本来日公演での高い評価でもわかる通り、「次世代を担う指揮者」の中でもとびきりの才能を示している人です。
 彼のリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)は既に定評があり、この手兵との演奏は、もう聴く前から期待が高まるという本当に凄いもの。元々が、若干大げさすぎる作品ではありますが、全ての音はすっきりと纏められ、伸びやかな響きが楽しめるというものです。うって変わって「メタモルフォーゼン」での憂鬱な表情と、時折見せる晴れやかな部分の対比も素晴らしいものです。
 

C5213
\2700
ベルント・アロイス・ツィマーマン:作品集
 1-5.バレエ音楽「アラゴアナ、カプリチョス・ブラジレイロス」(1940-1950頃)
 <序曲/セルタネホ/サウダーテ/カボチョ/フィナーレ>/
 6.1楽章の交響曲(第2稿)(1953)/
 7.前奏曲「フォトプトーシス」/8.静止と反転
ラインランド=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
カール=ハインツ・シュテフェンス(指揮)
録音 2014年1月6-11日 フィルハーモニー,ルートヴィヒスハーフェン
 ドイツの現代作曲家ベルント・アロイス・ツィマーマン(1918-1970)。彼は様々な音楽を書き、多くの後進を指導しましたが「自身の作品が理解されないこと」を悲しみ、ピストル自殺を遂げてしまったのです。
 そんな彼の作品は、最近「兵士たち」などが注目を浴びたことでようやく聴かれる機会が増えてきました。もちろん作品の受容も深まり、CDなどのリリースも少しずつ増えてきています。
 このバレエ音楽「アラゴアナ、カプリチョス・ブラジレイロス」は、彼の初期の作品。想像以上に楽しい曲で、ヴィラ=ロボスなどが好きな人にはたまらないものです。華やかなオーケストレーション、炸裂するリズムなど、全く難解ではありません。「1楽章の交響曲」も新古典派主義の音楽です。一転「フォトプトーシス」「静止と反転」は静かな音楽。「静止主義」といわれる作風で書かれています。
 

C5215
\2700
ウィーン奇想曲
 1.フリッツ・クライスラー(1875-1962):ウィーン風小行進曲/
 2.クライスラー:愛の喜び/
 3.クライスラー:愛の悲しみ/
 4.クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2/
 5.ヨハネス・ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲 第1番/
 6.モーリス・ラヴェル(1875-1937):ツィガーヌ(1924)/
 7-9.ジョルジュ・エネスク(1881-1955):
  ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 Op.25(1926)
ルカ・クストリッヒ(ヴァイオリン)/
ドラ・デリイスカ(ピアノ)
録音 2014年6月20-23日 ウィーン,4TUNE スタジオ
 1991年、ウィーン生まれのヴァイオリニスト、ルカ・クストリッヒ。芸術家の家庭に生まれた彼は幼い頃から才能を発揮し、演奏家としてだけでなく、俳優としても認められ、舞台、テレビなどで幅広く活躍しています。
 しかし彼の本当の夢は偉大なる演奏家になること。ゆくゆくはヴァイオリンの教授になりたいと語り、また演奏技術も極めたいのだそうです。
 2005年に初来日、その才能の片鱗を見せ付けた彼ですが、その才能は順当に成熟しているようです。このアルバムでは、難曲であるエネスクのソナタをはじめ、ラヴェルのツィガーヌで目の覚めるような名演を披露、そしてクライスラー、ブラームスの作品では柔軟な表現力を見せています。確かに将来が楽しみな若手です。
 

C5217
(2枚組)
\2700
バロック・クリスマス 〜カンタータとモテット集
<CD1>
 1-9.W.F.バッハ(1710-1784):
  カンタータ「闇の衣を脱ぎ捨てて」/
 10.J.C.バッハ(1642-1703):
  主は、私たちを目覚めさせる/
 11-13.J.C.F.バッハ(1732-1795):
  クリスマス・モテット「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」/
 14-26.C.P.E.バッハ(1714-1788):
  クリスマス・カンタータ「天は御神の栄光を語り」 Wq.249/
<CD2>
 1-7.J.S.バッハ(1685-1750):わが魂よ、主をほめたたえよ BW143/
 8.クリスティアン・ガイスト(1640頃-1711):
 暁の星のいと美しきかな/
 9.ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):
 新たに生まれしみどり児 BuxWV13/
 10-12.G.P.テレマン(1681-1767):神々の子等は喜びたもう TVWV1:1020a /
 13-17.マリア・ポ・デル・フィナーレ(1700頃):
  「ああ、楽しき日」祝福されたクリスマスのためのモテット/
 18.エステルハーツィ公(1635-1713):なぜイエスは泣くのか/
 19-22.N.A.ポルポラ(1686-1768):クリスマス・モテット「明るい星」/
 23-24.C.P.E.バッハ:「聖なるかな」 Wq.217
ライニッシェ・カントライ…CD1:1-9,11-26,CD2:23-24/
クライネ・コンツェルト…CD1:1-9,11-26,CD2:23-24/
ヘルマン・マックス(指揮)…CD1:1-9,11-26,CD2:23-24/
テルツ少年合唱団…CD1:10/
マルク・ノルドストランド(オルガン)…CD1:10/
ライプツィヒ新バッハ・コレギウム・ムジクム…CD2:1-7/
マックス・ポンマー(指揮)…CD2:1-7/
ベルリン・バロック・カンパニー…CD2:8,10-12/
カペラ・サバリア…CD2:9,18/
パール・ネメス(指揮)…CD2:9,18/
ラルテ・デル・モンド…CD2:13-17,19-22/
ヴェルナー・エールハルト…CD2:13-17,19-22
 Capriccioレーベルが持つ膨大な作品の中から、バロック時代のクリスマス音楽を集めた2枚組。
 ほとんど知られていない作品が含まれていますが、これらのなんと美しいこと!色々なスタイルの作品が含まれていますが、どれもお祝いの気分に満ちた荘厳で喜ばしい曲ばかりです。静かなクリスマスを過ごしたい人にもうってつけのアルバムです。
 

C5220
\2700
ヨハンナ・ドーデラー:ピアノ三重奏曲集
 1-4.ピアノ三重奏曲 第3番
  「2010年、2011年のグスタフ・マーラー記念祭に」 DWV64(2009)/
 5-7.ピアノ三重奏曲 第2番「ハイドンに捧ぐ」DWV52(2008)/
 8-11.ピアノ三重奏曲 第1番 VWV31(2002)/
 12-16.ピアノ三重奏曲 第4番「朝」 DWV79(2013)
ヴィロス三重奏団
<メンバー:
ダリア・デディンスケイト(ヴァイオリン)/
グレプ・パイシュニアク(チェロ)/
オレ・クリスティアン・ハーゲンルッド(ピアノ)>
録音 2014年6月18-20日 ウィーン,4TUNE スタジオ
 1969年、オーストリアに生まれた女性作曲家ヨハンナ・ドーデラー(1969-)。名小説家や建築家などを輩出した名門の家系に生まれ、幼い頃から文化や文学に親しんできた彼女、その作品は世界的に高く評価されています。多くの芸術家たちとコラボレーションし、色々な作品を生み出してきた彼女、このピアノ三重奏曲も刺激的な音に満たされています。
 彼女はピアノ三重奏曲という小さな形式を愛しているといい、このアンサンブルが生み出す音は絶対的なものだと断言しています。時にはミニマル形式を用いつつも、過去の大作曲家たちへのリスペクトを忘れない彼女の音楽は、一際美しい光を放つものです。
 

C5225
(3枚組)
\3100
ヨハネス・ブラームス:マゲローネのロマンスをめぐって
<CD1>
 美しきマゲノーネのロマンス Op.33/
<CD2-3>
 「美しいマゲローネ姫とプロヴァンスの
 伯爵ペーターの不思議な恋の物語」の朗読付き 美しきマゲノーネのロマンス Op.33
パウル・アルミン・エデルマン(バリトン)/
ユリア・シュテムベルガー(朗読)…CD2.3/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
 ルートヴィヒ・ティークによる「美しいマゲローネ」は、主人公ペーター伯爵と、ナポリの美しい王女マゲローネが出会ってから、苦難を乗り越え結ばれるまでを描いた長編小説です。
 Capriccioレーベルでは、ダニエル・ベーレの歌う「マゲローネ」を“歌のみ”と“朗読付き”のセットでリリースし、大好評を得ていますが、今回は若きバリトン、パウル・アルミン・エデルマンの歌唱による「マゲローネ」完全版です。
 テノールで歌われると若者の懊悩が際立つものですが、バリトンで歌われると、物語にまた違った陰影をもたらすものですね。こちらで朗読を担当しているのは、名女優ユリア・シュテムベルガーで、このニュアンスある語りは物語に素晴らしい余韻を残します。
 

C5144
\2700
メランコリー
 1.ショーソン(1855-1899):終わりなき歌 Op.37/
 2.ラブル(1873-1940):4つの歌曲 Op.5-1「遅すぎた」/
 ブラームス(1833-1897):5つのオフェーリアの歌
  (A.ライマンによる弦楽四重奏とピアノ伴奏編)
  <どうしたらあなたの真実の愛が確かめられようか/
  雪のように白い屍衣におおわれ/
  あしたは聖ヴァレンタインの日/
  彼を棺に置いて運びました/
  そして彼は二度と戻っては来ないのか?>/
 8-9.ヒンデミット:メランコリー Op.13から
  <第3番:暗き滴り/第4番:夢の森>/
 10-12.グレチャニノフ(1864-1956):枯れた葉 Op.52
  <第1番:落ちる葉/第2番:旋風の中で/第3番:安心>/
 13-15.ブッシュ(1891-1952):3つの歌曲 Op.3a
  <第1番:今、暗い影が/第2番:寂しさの喜び/
   第3番:あそこに天上からの視線が>/
 16.カントループ(1879-1957):感傷の道行き/
 17.シリングス(1868-1933):夕暮れ/
 18.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  静かな歩み Op.31-4/
 19.ルクー(1870-1894):3つの詩 第3番「夜想曲」
ルチア・ドホニョーヴァ(メゾ・ソプラノ)/
ウルリケ・パイヤー(ピアノ)/
アサセッロ弦楽四重奏団
録音 2012年4月30日-5月2日 ベルリン スタジオ・ゲルトナーシュトラッセ
 メランコリー=憂鬱…この揺れめく切ない気分は、詩人や音楽家たちにたくさんのインスピレーションを与え、様々な作品が生まれてきました。このアルバムにはロマン派から近現代の「憂鬱」な作品を集めたもの。
 通常はピアノで伴奏される歌曲が、ピアノと弦楽四重奏版という形で奏されます。曲によってはオリジナルの形であったり、アリベルト・ライマンによって編曲を施されていたりと様々ですが、ここではどの曲も、しっとりと荘厳な雰囲気を帯びて、重苦しく切なく響きます。
 歌手ルチア・ドホニョーヴァはスロヴァキア生まれ。名歌手ルチア・ポップの推薦でステージに立ったという彼女の声は、とても伸びがよく美しい響きを持っています。彼女のトゥリーナのアルバムは2010年のグラミー賞「ベスト・ヴォーカル・パフォーマンス賞」にもノミネートされています。最後におかれたルクーの「夜想曲」が絶品です。
  


C5170
\2700→\2490
ラモン・ヴァルガス:ヴェルディを歌う 〜ヴェルディ:歌曲集
 1.流刑者/2.誘惑/3.哀れな男/
 4.ストルネッロ/
 5-10. 6つのロマンス
  <つぼに近寄るな/エリザよ、疲れた詩人は死んでいく/
   孤独な部屋で/暗い夜を恐れて/
   私の安らぎは失せて/
   嘆きの聖母よ、私に哀れみを>/
 11-16. 6つのロマンス
  <日没/ジプシーの女/星に/石畳の道/神秘/乾杯>/
 17.タントゥム・エルゴ/18.アヴェ・マリア
ラモン・ヴァルガス(テノール)…1-3.5-8.10-11.13.15-18/
ジョアンナ・パリシ(ソプラノ)…4.9.12.14/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
録音 2013年5月 ウィーン バウムガルトナー
 ヴェルディ(1813-1901)というと、誰もがあの壮大なオペラを思い浮かべることでしょうが、彼にもピアノ伴奏だけで歌われるいくつかの歌曲があります。
 しかしそこはヴェルディ、歌曲と言ってもオペラのアリアに勝るとも劣らないドラマティックな作品ばかりです。小さい器のなかに、溢れる情熱と運命を盛り込んだこれらの歌曲を、現代最高のテノール、ラモン・ヴァルガスが見事に歌い上げます。
 名ピアニスト、チャールズ・スペンサーの劇的で壮麗な伴奏、そしていくつかの曲では、こちらも注目のソプラノ、ジョアンナ・パリシが見事な彩りを添えています。
 

C5195
\2700
SAMBALA
 1.FORMOSA/2.ROSA, MENINA ROSA/
 3.BRASIL PANDEIRO/
 4.AS ROSAS NAO FALAM/
 5.CONVERSA DE BOTEQUIM/
 6.BARRACAO DE ZINCO/
 7.BELISCANDO O CAVAQUINHO/
 8.ESSA MOCA TA DIFERENTE/
 9.CARINHOSO/10.UM CALO DE ESTIMACAO/
 11.VERA CRUZ/
 12.E O MUNDO NAO SE ACABOU/13.ROSA/
 14.GUARDEI MINHA VIOLA/
 15.IMPERADOR DO SAMBA/
 16.PRECISO ME ENCONTRAR/
 17.TEMPO DE AMOR/
 18.NAO DEIXE O SAMBA MORRER
クリスティアーネ・ロンカリオ(ヴォーカル)/
アンドレ・パイヤー(ギター…Eduardo Valdivia Rivera/2010)/
ハルトムート・プレイヤー(カヴァキーニョ)/
マリアーノ“ハビブ”ダ・コスタ(タンブリン 他)/
メロ・ソアレス(レボロ 他)
録音 2013年4月2-5日,4月10-11日 ベルリン
 “サンバ”…この言葉を聴いただけで、極彩色の世界が目の前に広がります。情熱的でリズミカル、そして太陽の溢れるパワー。まさに元気が出る音楽です。
 19世紀の終わり頃にブラジルで生まれたサンバは、その地に住んでいた黒人たちの奏でる音楽が発祥とされていますが、その後、リオ・デ・ジャネイロで発展、アフリカの民俗音楽とヨーロッパの様々な舞曲のリズムが混ざり合い、独自の形式が育まれたもので、決して原始的な音楽ではなく、極めて洗練された音楽と言っても間違いありません。
 このアルバムは、ブラジルの歌手クリスティアーネ・ロンカリオと、その仲間たちが熱くサンバを演奏。ドイツ、イタリア・オペラ、オラトリオなどにも深い含蓄を持つ彼女の歌は、全ての聴き手の耳を虜にすること間違いありません。様々なブラジルの民族楽器もステキな音色です。
 


C5201
\2700→\2490
C.P.E.バッハ:ロンドと幻想曲集 〜
 専門家と愛好家のためのロンド付きソナタと自由な幻想曲集より

 1.幻想曲 第1番 変ホ長調 Wq 58/6/
 2.ロンド 第3番 変ロ長調 Wq 58/5/
 3.ロンド 第2番 ハ短調 Wq 58/4/
 4.ロンド 第1番 ハ長調 Wq 56/1/
 5.ロンド 第3番 イ短調 Wq 56/5/
 6.ロンド 第2番 ホ長調 Wq 58/3/
 7.幻想曲 第2番 ハ長調 Wq 59/6/
 8.ロンド 第2番 ト長調 Wq 57/3/
 9.ロンド 第3番 ヘ長調 Wq 57/5/
 10.ロンド 第2番 ニ短調 Wq 61/4/
 11.幻想曲 第1番 ヘ長調 Wq 59/5/
 12.ロンド 第1番 ホ長調 Wq 57/1/
 13.幻想曲 第2番 ハ長調 Wq 61/6
クリスティーネ・ショルンスハイム(タンジェント・ピアノ)
録音 2013年3月4-8日 Schlos Bad Krozingen
 優れた奏者として、また楽器の研究家としても名高いクリスティーネ・ショルンスハイム。今回は2014年に生誕300年を迎えるカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品集です。C.P.E.バッハ(1714-1788)は、父よりもテレマンの様式を受け継いだ作曲家として知られ、古典派音楽の基礎を築いたとされるなど、その演奏様式についても慎重な研究を重ねる必要があると彼女は言います。
 チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノなど楽器についても選択の余地がありますが、彼女が選んだのは、ピアノの初期の形である「タンジェントピアノ(木片で弦を突き上げて音を出すタイプ)」でした。彼女は楽器だけでなく、演奏する曲も丁寧に選び抜いて、この楽器にふさわしい作品だけを丁寧に引いています。冒頭の「幻想曲」での自由なパッセージの飛翔こそ、ショルンスハイムの理念を表出しているものだといえるでしょう。
 
C5214
\2700
ルイージ・ダッラピッコラ:作品集 モダン・タイムズ
 1-4.管弦楽のためのパルティータ(1930-1932)/
 5-6.管弦楽のための2つの小品(1946-1947)/
 7.小さな夜の音楽(1954)/
 8-18.管弦楽のための変奏曲(1952-1954)/
 19-23.管弦楽のための3つの問いと2つの答え(1962)
アランツァ・エツェナッロ(ソプラノ)…4/
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
カール=ハインツ・シュテフェンス(指揮)
録音 2014年3月25-29日 ルートヴィヒシャッフェン,フィルハーモニー
 レスピーギ、ピツェッツィ、カセッラ、マリピエロをイタリア・モダニズムの第一世代の作曲家とすれば、1904年に生まれたゲディーニ、ペトラッシそして、このダッラピッコラ(1904-1975)は第二世代に属する作曲家とみなすことができるでしょう。ただし彼は生を受けた場所が純粋なイタリアではなく、現在のクロアチア・パジン(当時はオーストリア帝国の一部であった)で、ファシスト政権下の第1次世界大戦中はオーストリアのグラーツに抑留されてしまい、彼はピアノに触れる機会もなかったといいます。
 しかし音楽への希望は止むことなく、フィレンツェの音楽学校でピアノを学び、音楽家として成功しました。しかし、幼少期の経験から政治に高い関心を持ち、作品にもそれは強烈に反映されています。
 1930年周辺に書かれたパルティータは、彼の代表作であり、自身の作風を確立した作品としても重要なものです。
.

CEDILLE



BOX-1003
(8CD)
\4000→\3690
ソ連の経験
 ショスタコーヴィチ(1906-1975)とその周辺の音楽家たちの弦楽四重奏曲集

  ミャスコフスキー(1881-1950),プロコフィエフ(1891-1953)、
  ワインベルク(1919-1996)、シュニトケ(1934-1998)
《第1集…CDR90000127》
<CD1>
 1-3.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第5番 変ロ長調 Op.92/
 4-7.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第6番 ト長調 Op.101/
<CD2>
 1-3.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第7番 嬰ヘ短調 Op108/
 4-8.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 Op.110/
 9-12.ミャスコフスキー:弦楽四重奏曲 第13番 イ短調 Op.86/
《第2集…CDR90000130》
<CD1>
 1-4.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第1番 ハ長調 Op.49/
 5-8.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第2番 イ長調 Op.68/
 9-12.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.83/
<CD2>
 1-5.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調 Op.73/
 6-8.プロコフィエフ:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.92/
《第3集…CDR90000138》
<CD1>
 1-5.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第9番 変ホ長調 Op.117/
 6-9.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第10番 変イ長調 Op.118/
 10-16.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 Op.122/
<CD2>
 1-2.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第12番 変ニ長調 Op.133/
 3-8.ワインベルク:弦楽四重奏曲 第6番 ホ短調 Op.35/
《第4集…CDR90000145》
<CD1>
 1.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第13番 変ロ短調 Op.13/
 2-4.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ヘ長調 Op.142/
<CD2>
 1-6.ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第15番 変ホ短調 Op.144/
 7-9.シュニトケ:弦楽四重奏曲 第3番
パシフィカ弦楽四重奏団

 第1集から第4集まで静かなブームを呼んできた、「パシフィカ弦楽四重奏団によるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集+関連のある作品集」がなんとBOX化!
 ショスタコーヴィチといえば、皮肉と虚飾を凝らした交響曲が人気ですが、それとは全く別の顔を見せる「弦楽四重奏曲」は彼の本質であり、心情の吐露でもある大切な作品であり、実はショスタコーヴィチの最高傑作、いえ、全ての弦楽四重奏作品の中でも最高傑作であると評価する人も多い作品です。
 パシフィカ弦楽四重奏団は、この全集に、ショスタコーヴィチ作品と強い関連を持つ4人の作曲家の作品を1曲ずつ付け加え、当時のソヴィエトにおける「騒乱、混乱」を表出することを試みました。
 ショスタコーヴィチにおける「一つの金字塔」になり得る迫真の演奏です。




何度でも紹介します。
パシフィカ四重奏団
メンデルスゾーン弦楽四重奏曲全集


 過去3年間にリリースされたメンデルスゾーンの全集セットをすべて比較試聴してみた。
 ターリヒ四重奏団、エマーソン弦楽四重奏団、ライプツィヒ弦楽四重奏団、バルソルディ四重奏団、ヘンシェル・クァルテット、バルトークSQ+シャロンSQ+イングリッシュSQ。
 店主の好みもあるかもしれない。・・・しかしそれから長い長い時間をかけて結局手元のCD棚に残ったのは・・・パシフィカ四重奏団のセットだった。なんの先入観もない。ただ、彼らの演奏が最も情熱的でダイナミックでエネルギッシュだった。ここで歌ってほしいというときに歌ってくれ、ここで泣いてほしいというときに泣いてくれた。曲のツボを理解しているというのか。(昔のコメントから)

 そのパシフィカ四重奏団。
 実際ただものではなかった。1994年に結成されていきなりアメリカのコールマン室内楽コンクール、コンサート・アーティスツ・ギルドコンクール、ナウンバーグ室内楽アワードという三大コンクールを次々制覇。また2002年には将来を期待される弦楽四重奏団に贈られる全米室内楽協会クリーブランド・クァルテット賞を受賞。・・・そして2009年にはついにグラミー賞まで取ってしまって(エリオット・カーター「弦楽四重奏曲第1番・第5番」)、いまや押しも押されぬ若手トップのクァルテットになってしまった・・・。

 そんな彼らのやはり原点と言っていいだろう、無名時代のメンデルスゾーン。どうぞ。


CEDILLE
CDR 90000 082
(3CD)
¥4600→\4190
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集
 弦楽四重奏曲 第1番 変ホ長調 作品12
 弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品13
 弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 作品44-1
 弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 作品44-2
 弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 作品44-3
 弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 作品80
 弦楽四重奏のための4つの小品 作品81
 弦楽四重奏曲 変ホ長調 1823年
パシフィカ四重奏団
[シミン・ガナートラ(Vn)、
シッビ・バーンハートソン(Vn)、
マスミ・パー・ロスタード(Va)、
ブランドン・ヴェイモス(Vc)]
録音:2002年12月、2003年10月、2004年3月、6月 作品81は続けて収録されている。


 


CDR90000147
\2100→\1890
パシフィカ弦楽四重奏団
 モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲

  1-4.モーツァルト(1756-1791):クラリネット五重奏曲 イ長調 K581/
  5-8.ブラームス(1833-1897):クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
アンソニー・マギル(クラリネット)/
パシフィカ弦楽四重奏団
録音 2013年8月30.31日 インディアナ大学 アウアー・ホール…5-8/2013年9月9.10日 ニューヨーク州立大学 パーチェス・カレッジ,パフォーミング・アーツ・センター…1-4
 グラミー賞を受賞したパシフィカ弦楽四重奏団と、メトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席クラリネット奏者アンソニー・マギルによるクラリネット五重奏曲の2つの名作をカップリング。透明な明るさの中に秘められた一抹の郷愁を感じさせるモーツァルト、静かな悲しみと穏やかな慰めを包み込んだブラームス。
 もともと素晴らしい作品であるため、名盤と呼ばれるアルバムは過去にも多数存在していますが、この演奏、とにかくクラリネットがよく歌う上、パシフィカ弦楽四重奏団のアンサンブルが極上。まったく乱れのない響きはさすがに現代音楽を得意とする彼らならでは。
 飄々としたモーツァルトは乾いた涙を誘い、重厚なブラームスはしっとりと枕を濡らすようなリアルな造形。この2曲が好きな人だったら絶対聴いて欲しい名盤登場!

CPO



777361
\2700→\2490
エドヴィン・カルステニウス:交響曲集
 1-3.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.16/
 4-6.シンフォニエッタ 第2番 ト長調 Op.34/
 7-9.ムジカ・シンフォニカ Op.42
ヘルシンボリ交響楽団/
フランク・ベールマン(指揮)
録音 2007年10月1-5日 スウェーデン,ヘルシンボリ

 カルステニウス(1881-1967)はスウェーデンの作曲家。もともとは自然科学を学び、1904年から1907年まで、ドイツの音楽教師、作曲家シュテファン・クレールの元で音楽を学びます。その後は音楽評論家を務めながら、ストックホルム放送局の音楽資料係を担当し、同時にスウェーデン作曲家協会、著作権協会の執行役員を務めるなど、スウエーデンの音楽の発展に力を尽くしました。
 放送劇のための付属音楽を始め、交響曲やピアノ協奏曲など、数多くの作品を残しました。
 彼が崇拝したのは、頽廃音楽作曲家として知られるフランツ・シュレーカーでしたが、その作風はもう少し古典的であり、メロディを重視した魅力的なものです。彼の最初の交響曲「第1番」は1920年代に作曲されたものです。
 ラングストレームは「カルステニウスはチャーミングな作曲家ではないが、この作品には拍手を送る」と意味深いコメントを寄せています。


 


777475
\2100→\1890
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル:弦楽四重奏曲集
 1-4.弦楽四重奏曲 ハ短調 Op.1-4/
 5-8.弦楽四重奏曲 ト長調/
 9-12.弦楽四重奏曲 イ短調 Op.33-2/
 13-15.弦楽四重奏曲 変ホ長調
ロータス弦楽四重奏団
<メンバー:小林 幸子(ヴァイオリン)/
マティアス・ノインドルフ(ヴァイオリン)/
山碕 智子(ヴィオラ)/
齋藤 千尋(チェロ)>
録音 2009年3月23-25日 シュトゥットガルト カンマームジークスタジオ SWR
 ボヘミアの農家に生まれ、地方の音楽家から早期教育を受け、村のオルガニスト、教会楽長として活躍を始めたヴァンハル(1739-1813)。彼のヴァイオリン演奏をきいたシャフゴーチュ伯爵夫人によって、彼はウィーンで学べるようになり、その後も支援を受けたおかげで、ヴァンハルの才能は見事に開花したのでした。ウィーンで音楽教師として生活しながら、1000曲を超える作品を生み出し、その作品は大いなる賞賛を受けたと言われ、彼の新作はヨーロッパだけでなく、遠く離れたアメリカ合衆国でも演奏されるほどの人気を博したため、彼は常に作品を生み出さなくてはならず、結局はその重圧に耐えかねたのか、ウィーンを離れることになってしまったと言われています。
 ハイドンやモーツァルトの作品に匹敵するほどの霊感に満ちた彼の作品を、1992年に設立された「ロータス弦楽四重奏団」が演奏します。1993年 大阪国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門で第3位入賞、ヨーロッパで幅広く活躍しているこのアンサンブルは、ドイツの伝統的精神を受け継ぐ稀有な存在として評価されています。
 


777616
\2700→\2490
ヴェンツァーゴのブルックナー・シリーズ完結
 アントン・ブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調(1878年版)
タピオラ・シンフォニエッタ/
マリオ・ヴェンツァーゴ(指揮)
録音 2014年3月10-12日 タピオラ・ホール
 最新作がリリースされるたびに、大きな注目と賞賛を集めたヴェンツァーゴのブルックナー(1824-1896)・シリーズもこの「第5番」で完結となります。
 第5番は恐らく作曲家自身の改訂は施されていない作品としてみなされており、厳格な対位法が施された確固たる作品として知られています。
 曲の規模と内容に最も相応しいオーケストラを選択し、丁寧な解釈を加えたこれらのブルックナー・ツィクルスは、ヴェンツァーゴ自身も驚くほどに多彩な表現が生み出され、2年間という短い期間でありながらも、充実した演奏ができたというものです。愛おしむような演奏がここにあります。
 

777806
(2CD)
\5400
ジュゼッペ・アントニオ・ブレシャネッロ:歌劇「ティスベ」3幕 ニナ・ベルンスタイナー(ソプラノ)/
フラヴィオ・フェッリ=ベネデッティ(アルト)/
ユリウス・プファイファー(テノール)/
マッテオ・ベロット(バス)/
イル・ジュスト・バロッコ=シュトゥットガルト・バロックオーケストラ/
イェルク・ハルベック(指揮&チェンバロ)
録音 2012年9月30日.10月1.2日 シュトゥットガルト リーデンハルフェ,モーツァルトザール ライブ収録
 ボローニャ出身の作曲家、ヴァイオリニスト、ブレシャネッロ(1690-1758)の名前は、1715年にミュンヘンのバイエルン選帝侯、宮廷楽団のヴァイオリニストになったことで知られています。
 その翌年、クリストフ・ペツの死去により彼が仕えていたシュトゥトガルトのヴュルテンベルク公の宮廷楽団の上級カペルマイスターに任命されますが、当時隆盛を誇っていたラインハルト・カイザーがその地位を望んだため、熾烈な権力闘争が行われたといいます。
 結局、ブレシャネッロがこの地位をつかんだのですが、15年ほど経過した後、残念なことに財政難のため、スタッフは解雇され、もちろんブレシャネッロもその例に漏れず、それ以降は作曲家として活躍しました。
 このオペラは、そんなヴュルテンベルク公に仕えはじめた頃の作品で、当時人気があった物語に基づいた壮大な内容を持ったものです。
 この時代は優れたカストラートが活躍しており、この作品もそんなカストラートの技巧を存分に引き出すための、見事なコロラトゥーラの技術が使われていますが、現在ではアルト歌手が代わりに歌い上げています。
 この世界初録音のために、ヴュルテンベルク州立図書館に保存されていたスコアを用い、素晴らしい演奏で作品を甦らせています。
 


777850
\2100→\1890
フリードリヒ・カルクブレンナー:室内楽作品集
 1.六重奏曲 ト長調 Op.58/
 2.スコットランド民謡「We're A'Noddin」
  によるピアノのための幻想曲 Op.60/
 3.六重奏曲 イ長調 Op.132
リノス・アンサンブル
録音 2012年3月28.29.31日 ケルン ドイツ放送カンマーザール
 古典派からロマン派における様々な知られざる作曲家の作品を好んで演奏する「リノス・アンサンブルの最新作は、カルクブレンナー(1785-1849)の作品集です。彼はショパンやリストが出現する以前の、最も優れたピアニストであり、ただ一人のライバルはフンメルである。と目されていました。もちろん作品のほとんどはピアノ曲ですが、室内楽作品にも注目すべきものが数多くあるようです。
 音楽家の父を持ち、幼いころから才能を発揮した彼は、アルブレヒツベルガーに作曲を学び、ベートーヴェン、ハイドンと親交を持つなど華々しい交友関係を結びつつ、実業家としても手腕を発揮するなど多くの才能を持っていましたが、その作品は現在ほとんど演奏されることがなく、このリノス・アンサンブルによる録音は、彼の人気の復興につながるものとして大きな期待が寄せられることは間違いありません。なんとも流麗で美しい音楽です。
 

777921
\2700
ヨハン・フリードリヒ・アグリコラ:クリスマス・カンタータ集
 1.敬虔な秘密はいかに大きく/
 2.飼葉桶のそばの羊飼たち/
 3.幼子が私達に生まれた
ベリット・ゾルゼット(ソプラノ)/
ミリアム・アルボウツ(アルト)/
ニコラス・ムルロイ(テノール)/
マティアス・フィーヴェヒ(バス)/
ケルン・アカデミー/
ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンス(指揮)
録音 2014年6月5-7日 ドイツ放送 カンマームジークザール
 作曲家アグリコラ(1720-1774)の名前は、現在ほとんど忘れられてしまっていますが、フリードリヒ・グラウンと同世代の作曲家であり、当時はとても人気のある人でした。史実に残っていることとしては、1763年2月にプロイセン王国とオーストリアの間で結ばれた「七年戦争」の講和条約…フベロトゥスブルク条約のあとに、それまでオペラ上演が禁じられていたベルリン国立歌劇場の再開公演で、グラウンの「メーロベ」を指揮したことでしょうか。
 グラウンから大きな影響を受けていたアグリコラの心の中は察する他ありませんが、結局、音楽界の中心は彼に移ることはなくそのまま埋もれてしまいました。
 このクリスマスのための音楽は、静かで敬虔な雰囲気を有した荘厳なもの。バッハのクリスマス・オラトリオに先立つ祝典的な雰囲気を持った隠れた名作です。
  

777936
\2700
アレッサンドロ・メラーニ:聖母マリアの夕べの祈り ヴェロニカ・ヴィンター(ソプラノ)/
マリア・スキーバ(ソプラノ)/
マグダレーナ・ハラー(ソプラノ)/
エリサ・ラバヌス(ソプラノ)/
フランツ・ヴィッツフム(アルト)/
エドツァルト・ブルカルヅ(アルト)/
ハンス・イェルク・マンメル(テノール)/
インモ・シュレーダー(テノール)/
マティアス・フィーヴェヒ(バス)/
マルクス・フライヒ(バス)/
ダス・クライネ・コンツェルト/
ヘルマン・マックス(指揮)
録音 2012年8月15日 バシリカ,クロスター・エベルバッハ,ラインガル音楽祭
 ブクステフーデと同世代のイタリアの作曲家メラーニ(1639-1703)による深遠なる作品です。
 彼の兄ヤコボも作曲家で、当時のイタリア音楽界をパスクィーニとA.スカルラッティらとともに支えていました。幼い頃から聖歌隊で歌い、28歳の時にはサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の楽長に任命されます。
 彼は多くのオペラを書き、中でも知られているのが、あの“ドン・ジョヴァンニ”とネタを同じにする「L’empio punito」でしょう。しかし、最近他の声楽曲なども演奏される機会が増えてきており、このオラトリオ「聖母マリアの夕べの祈り」もそんな宗教曲の中の一つ。
 簡素なれども入念に書かれた伴奏部と、清冽な歌声がマッチした実に清々しい祈りの音楽です。
 

777525
\2700→\2490
ルイ・グラス:交響曲全集 第1集
 1-4.交響曲 第3番 ニ短調 Op.30「森の交響曲」/
 5-9.管弦楽のための組曲「夏の生活」Op.27
ライン州立フィルハーモニー管弦楽団/
ダニエル・ライスキン(指揮)
 デンマークの作曲家、ルイ・グラス(1864-1936)はニルセンと同じくニルス・ゲーゼに師事しましたが、留学先のブリュッセル音楽院でブルックナーの音楽に夢中になったことで、他の北欧の作曲家とは一線を画した作風を確立しました。
 彼は素晴らしいコンサートピアニストでしたが、片腕の麻痺により引退を余儀なくされ、その後は作曲家として数多くの作品を残しています。
 ブルックナーの他にもシューマンやフランクからも強い影響を受けた彼の作品は、とても色彩的であり、全てに渡って重厚な響きが横溢しています。
 確かに交響曲第3番の冒頭、ホルンの響きはまるでブルックナーそのものですが、曲が進むにつれ、なかなか面白い様相を呈してきますからご期待ください。後期ロマン派の音楽が好きな人だったら、必ずお気に入りに登録間違いなしの音楽です。

 これまでDANACORDから全集が出ていて一部のファンからは高い人気を得ていましたが、今回新たな全集が名匠ライスキンの手によって開始されたことで、さらにその人気に拍車がかかることでしょう。

交響曲 第1番 ホ長調 作品17 (1894)
交響曲 第2番 ハ短調 作品28 (1899)
交響曲 第3番 ニ長調 作品30 「森の交響曲」(1901)
交響曲 第4番 ホ短調 作品43 (1910)
交響曲 第5番 ハ長調 作品57 「卍交響曲」(1919)
交響曲 第6番 作品60 "Skjoldungeat"(1926)


 

777538
\2700→\2490
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:管楽のための協奏曲全集 第2集
 1.ホルン協奏曲 ニ長調 MH53/
 2.フルート協奏曲 ニ長調 MH81/
 3.トロンボーン協奏曲 ヘ長調(セレナード MH61より)/
 4.トランペット協奏曲 ハ長調(セレナード MH60より)/
 5.ホルンとトロンボーンのための協奏曲 ニ長調
  (セレナード MH86より)/
 6.ファゴット協奏曲 変ロ長調(シンフォニア MH133より)/
 7.ホルンのためのロマンス 変イ長調 MH806
  (モーツァルト:ホルン協奏曲 K447よりホルン・パート)
リンデ・ブルンメリー=トゥッツ(フルート)/
ヨハネス・ヒンターホルツァー(ホルン)/
フランツ・ランドリンガー(トランペット)/
ノルベルト・ザルヴェンモーザー(トロンボーン)/
クラバヤシ・マキコ(ファゴット)/
ザルツブルク・ホーフムジーク/
ヴォルフガング・ブルンナー(指揮)
 ヨーゼフ・ハイドンの5歳下の弟で才能ある作曲家ミヒャエル(1737-1806)。彼の作品は当時のウィーンの音楽を知る上で大切なレパートリーであり、また教育者としても優れた彼の元からは、ウェーバーやディアベリが育つなど、音楽史的にも大変重要な人であったことは間違いありません。
 この協奏曲集は第1集(777781)に続くもので、美しいハーモニーと、巧みな独奏楽器の使い方には感嘆せざるを得ません。最後に収録されているロマンスは、モーツァルトのメロディを転用したものですが、これは何といっても伴奏部分の違いが聞き所でしょう。


旧譜 第1集

777781
\2700→\2490
ヨハン・ミヒャエル・ハイドン:管楽のための協奏曲全集 第1集
 1.クラリネット協奏曲 イ長調(セレナード MH68から)/
 2.ホルン協奏曲 ニ長調(セレナード MH134から)/
 3.トロンボーン協奏曲(セレナード MH68から)/
 4.フルート協奏曲 ニ長調(MH105)/
 5.トランペット協奏曲 ニ長調(セレナード MH104から)
リンデ・ブリュマイル=ルッツ(フルート)/
エルンスト・シュレーダー(クラリネット)/
ヨハネス・ヒンターホルツァー(ホルン)/
フランツ・ランドリンガー(トランペット)/
ノルベルト・ザルベンモーザー(トロンボーン)/
ザルツブルガー・ホフムジーク/
ヴォルフガンク・ブルンナー(指揮)
ヨーゼフ・ハイドンの5歳年下の弟であるミヒャエル・ハイドン(1737-1806)の作品集です。ザルツブルクの大司教の宮廷楽団の楽長を務め、また聖三位一体教会や大聖堂のオルガニストを務めるなど、素晴らしい功績を残したにも拘わらず、偉大な兄の影に隠れてしまい忘れられてしまった残念な人でもあります。
 典型的な古典派の作曲家であり、またモーツァルト父子と親しい間柄でもあったミヒャエルの作品は、確かに兄のような精緻さや、モーツァルトのような天才的な閃きには乏しいものの、至るところに喜びが横溢する集中力に持ちた素晴らしいものなのです。最近になっていくつかの作品は復興を遂げていますが、このcpoのシリーズはまた違ったM.ハイドンの魅了を開発するもの。古典派の解釈にかけては一流であるブルンナーの確固たる演奏は、忘れられた作曲家の魂を現世に呼び戻してくれそうです。

 

777659
(2CD)
\5400→\4990
ラインハルト・カイザー:歌劇「ポモナ」 メラニエ・ヒルシュ(ソプラノ)/
ドロテー・マリア・サンドマン(ソプラノ)/
オリヴィア・フェルミューレン(アルト)/
マグダレーナ・ハレル(ソプラノ)/
ジュリアン・ポッジャー(テノール)/
クヌート・ショッホ(テノール)/
ヤン・コボウ(テノール)/
ライモンズ・シュポーギス(バリトン)/
イェルク・ゴットシック(バリトン)/
カペラ・オルランディ・ブレーメン /
トーマス・イーレンフェルト(指揮)
 ドイツ、バロック時代の作曲家カイザー(1674-1739)は主に歌劇の作曲家として、ハンブルクを拠点に活躍しました。約100曲の歌劇作品は当時は高い人気を誇ったものの、やがてそのほとんどが忘れられてしまい、20世紀の終わり近くになって、バロック音楽の復興とともにようやく人気が再燃。いくつかの歌劇も蘇演されています。
 この歌劇を含めた4つの作品はデンマーク王室に捧げられたもので、「神々の長を決めるためのコンテストが行われ、ジュピターが選ばれる」までのお話ですが、ここには素晴らしい音楽と詩があり、当時の聴衆たちの嗜好も伺われる作品です。
 カペラ・オルランディ・ブレーメンとイーレンフェルトによる颯爽とした演奏は、この忘れられた歌劇に新しい命を与えています。



第77号でお知らせしたカイザーのアルバム
今までほとんど見向きもされなかったカイザーの作品がここへ来て頻繁にリリースされるようになったというのは、やはり「聴け!」ということだと思う。

MD+G
605 10372
\2400→\2190
〔再発売〕
待望の再発売!
ラインハルト・カイザー(1674-1739):

 ①歌劇「クラウディウスの誘惑」より
 ②フルート、ヴィオラ・ダモーレと通奏低音のための3声のソナタ第1番
 ③歌劇「バビロンの王」より
 ④弦楽のための協奏曲
 ⑤アリア「最愛のアドニス」
 ⑥歌劇「美徳の力」より
エリザベート・ショル(Sp)
ラ・リコルダンツァ(ピリオド楽器アンサンブル)

 ドイツ・バロック歌劇の祖、カイザーによる美しいアリア
 ハンブルグで活躍したバロック時代中期の作曲家ラインハルト・カイザー。オペラ、アリア、デュエット、カンタータ、セレナーデ、教会音楽とオラトリオなど、幅広い作品ジャンルで、テレマン同等の人気を誇った作曲家といわれています。
 特にバッハやテレマンがあまり着手しなかったオペラのジャンルでは、「ドイツ・バロック歌劇の祖」とされています。そのカイザーのオペラからのロココ趣味を取り入れた歌にソナタや器楽合奏を組み合わせたバランスよいカップリング。
 そして名バロック歌手エリザベート・ショルの透明感ある歌声によって、美しさが際立ったアルバムです。
 長らく入手困難になっておりましたが、待望の再発売です!

  【録音】2000年5月録音



 バロック時代、音楽の中心はイタリアだった。一方ドイツは、芸術的にも文化的にも商業的にも他のヨーロッパ諸国と比べて格段に差をつけられていた。
 ところが港町ハンブルグだけは違っていた。もともと「ドイツ」というひとかたまりの国などなく、幾多もの自由国家やらなんやらで構成されていた当時の「ドイツ」地方。ハンブルグはそのなかで例外的に裕福で文化的にも進んだ都市だった。
 さて、オペラは基本的に貴族の宮廷のために存在していたが、ようやくヴェネツィアで一般庶民も見られる劇場が生まれた。そしてドイツでもようやくハンブルグでそうした劇場が生まれ、イタリアにも負けないようなドイツ独自のオペラが人気を博した。ご当地オペラである。そのハンブルグで一世を風靡したのが、ラインハルト・カイザー。後のハンブルク市立歌劇場の首席作曲家を
勤め、ドイツの国民オペラを隆盛に導いた。年代的にはヴィヴァルディとほぼ同時代。年下のテレマンも彼を慕ってハンブルグに来たらしい。その後いろいろ確執はあったらしいが、カイザーが繁栄させた土壌の上に、ドイツ最大の人気作曲家テレマンが生まれたことは間違いない。実際若きヘンデルもカイザーが発掘したと言われる。
 さて、そんなドイツの隠れた偉人カイザーのいろいろな作品を巧みに組み合わせた秀逸なアルバム、待望の再発売。

 
777732
\2700
ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル:宗教作品集
 1.詩篇第100番「主に向かいて歓呼の声をあげよ」/
 2.コラール・カンタータ
  「イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」/
 3.モテット
  「私はあなたのそばにいて、離すことはありません」/
 4.モテット「歓喜せよ、汝の名前は天に書かれている」/
 5.教会音楽「フェイアーの平和祭のために」/
 6.シンフォニアとカンタータ第14番「汝は幸せを楽しむ」
カトリーン・ヒューブナー(ソプラノ)/
アンドレアス・ヴェラー(テノール)/
北ドイツ放送合唱団/
メクレンブルク・バロック管弦楽団「Herzogliche HofKapelle」/
ヨハネス・メーズス(指揮)
 ドイツの作曲家、ヴァイオリニスト、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ヘルテル(1727-1789)の宗教作品集です。彼はガンバをヘッセに学び、ヴァイオリンは独習、鍵盤楽器はメルゼブルクの宮廷オルガニストに学んだといい、その作品もほとんどがヴァイオリンやガンバのための器楽曲です。
 かなり多くの曲を残したようですが、楽譜が散逸してしまったり、または出版されることがなかったため、現在では、ほとんど未知の作曲家として位置づけられています。
 cpoでは彼の作品を少しずつ発掘し、この創造性豊かな作曲家の本質を顕らかにすべく奮闘しています。
 この宗教作品集は、ヘルテルが仕えていたメクレンブルク=シュトレーリッツ公国の宮廷で演奏されたと推測されるもので、美しいコラールやモテットをはじめ、祝祭的な雰囲気を表すためにトランペットとティンパニが巧みに用いられた「平和祭のための音楽」が耳に残ります。
 
777766
(2CD)
\3200
フランツ・シューベルト:ピアノ・ソナタ集
<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959/
 5-10.6つの楽興の時 D780/
<CD2>
 1-3.ピアノ・ソナタ 第13番 イ長調 D664/
 4.ハンガリー風のメロディ ロ短調 D817/
 5-8.ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960
ミヒャエル・コルスティック(ピアノ)
 ベートーヴェンやリストで素晴らしい演奏を聞かせるピアニスト、ミヒャエル・コルスティック。彼の知的な解釈はこのシューベルト(1797-1828)でも存分に生かされています。
 決して音を弾き飛ばすことはなく、いつものようにゆったり目のテンポをとり、じっくりと音を紡いでいくコルスティック。彼のシューベルトに漂う渋さは、あの「ハンマークラヴィーア」ソナタ第3楽章での「伝説的な遅さ」にも通じるものがあります。
 数多くのピアニストたちが愛奏している「楽興の時」も一筋縄ではいかない堅固な演奏。シューベルトに対しての見方ががらっと変わってしまうかもしれない演奏であることは間違いありません。
 

777836
\2700→\2490
アルフォンス・ディーペンブロック:管弦楽伴奏による歌曲集
 1.管弦楽のための賛歌/2.夜への賛歌/
 3.トゥーレの王/4.昔、年老いた王がいた/
 5.大いなる沈黙の中に/6.ひそやかに
ハンス・クリストフ・ベーゲマン(バリトン)/
ザンクト・ガレン交響楽団/
オットー・タウスク(指揮)
 オランダ、ロマン派の作曲家ディーペンブロック(1862-1921)の管弦楽伴奏付きの歌曲集です。
 この時代の他の作曲家たちの例に漏れず、その創作の源泉はワーグナーにありますが、後年になってドビュッシーの音楽に接することで、作風に陰影が生まれ、極めて繊細かつ個人的なスタイルを形成するに至りました。
 もともと大学で古典文学を専攻した人だけあって、テキストの選び方には細心の注意が払われており、ここで聞ける歌曲もどれもが、言葉と響きが手を取り合った見事な作品となっています。
 彼はまた天文学者としても活躍したという異色の人でもあります。見事な歌唱を聞かせるベーゲマンは、後期ロマン派の歌曲をとりわけ得意としている人で、cpoのプフィッツナー歌曲集を始め、NAXOSのコルネリウス歌曲集などで好評を博しています。
 

777863
(2CD)
\5400→\4990
シャルル・グノー:交響曲集
 1-4.交響曲 第1番 ニ長調/
 5-8.交響曲 第2番 変ホ長調/
 9-10.交響曲 第3番 ハ長調(断章)…初録音
スイス・イタリアーナ管弦楽団/
オレグ・カエターニ(指揮)
 グノー(1818-1893)の作品で人気ランキングをつけるとしたら、1位はあのバッハの曲に基づいた「アヴェ・マリア」であり、その次には一連のオペラが来ることでしょう。
 そんなグノー、実は素晴らしい交響曲を書いているのですが、あまり聞かれることはありません。音楽辞典には「2曲の交響曲」のみが掲載されていますが、実はもう1曲あることを知っている人はどれほどいるのでしょうか?
 彼の交響曲は、どれもハイドンの影響が感じられる古典的なものであり、第3楽章にはスケルツォ(メヌエット)が置かれるなど、極めて整った形式を有しています。問題の第3番(世界初録音)は、この録音のために、グノーの関係者からスコアの使用許可を取ったという貴重なもの。ファン必聴の1枚と言えるでしょう。

DACAPO



6.220624
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
2年ぶり
 ギルバート&ニューヨーク・フィル/ニールセン第2集
  カール・ニールセン:交響曲 第4番&第1番

   1-4.交響曲 第4番「不滅(滅ぼし得ざるもの)」Op.29(1914-1916)/
   5-8.交響曲 第1番 Op.7(1889-1894)
ニューヨーク・フィルハーモニック/
アラン・ギルバート(指揮)
録音 2014年3月12-15日 ニューヨーク,リンカーン・センター,エイヴリー・フィッシャー・ホール


 「音楽配信」に強い意欲を持っていたニューヨーク・フィルがCDでリリースしてくれたことがうれしい。しかもDACAPOから出してくれたのがうれしい。そしてなによりまだまだCDは音楽産業にとって重要な媒体だとニューヨーク・フィルが再認識してくれたということがうれしい。
 アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィルのニールセン:交響曲&協奏曲全集、ようやくの第2集。
 

交響曲第1番  27歳のときの出世作。佳作ではなく傑作。この1曲だけを残して早世していたら「デンマークの知られざる夭折の天才作曲家」として語り継がれていただろう。
 第1楽章のドイツ的な重厚さ、第2楽章の泣けとばかりの幻想的ロマン、ちょっとチェコ風味の牧歌的な第3楽章、思いっきり盛り上げてくれる馬鹿かっこいい終楽章。
 いい曲。
 ちなみに当時のデンマークを牛耳っていたのは、50歳ほど年上のニルス・ゲーゼ。ライプツィヒでメンデルスゾーンの薫陶を受けドイツ・ロマン派の流れを一身に浴び、ドイツとデンマークの戦争が始まったために帰国してからは、コペンハーゲン音楽協会の終身総裁、コペンハーゲン音楽院院長を務めるなどまさにデンマーク音楽界の主となった。そしてもともと保守的なデンマーク音楽界。当然ニールセンの作品もこのゲーゼの血を引くことになり、ニールセン風ドイツ・ロマン派的作品が生まれた。とはいえやはり「ニールセン風」。巷ではよくブラームス的といわれるが、なんとなくドヴォルザークを思わせる雰囲気があるのはやはり田舎っぽい感性のなせるわざか。温かい人間的な魅力にあふれた交響曲。

ニルス・ゲーゼ
交響曲第4番『不滅』  そしてニールセン作品でおそらく最も有名な作品交響曲第4番『不滅』
 訳のわからないタイトル・・・と思われそうだが、第1次世界大戦の狂気の中でも、誇り高き人間性は決して失われない、という思いを込めた真摯な作品。最近では作曲者自身がつけた"Det Uudslukkeligge"を訳して「消しがたきもの」とか「滅ぼし得ざるもの」という呼び方もされ始めているが、これに関しては「不滅」でもかっこいいかな、と店主は思ってます。
 単一楽章で、特徴的な4つの部分からなる。さまざまな精神過程を経て最後に歓喜にいたるというそういう構造。
 第3番までのポピュラー一直線からやや難度が高くなっているのは、50歳になりコペンハーゲン音楽院理事にも就任したニールセンが、地位に見合った重厚な作品を残そうと思ったからか。その後カラヤン&ベルリン・フィルの録音が登場して一気に世界的な名声を勝ち得た。
 ・・・ただ作品的にはそれなりに手ごわいのでそこそこの覚悟を。「ニールセンなら『不滅』でしょ!」と気軽な気持ちで接して玉砕して、その後この作曲家に近寄らなくなる人が多いので気をつけて。店主的にはニールセンの交響曲では一番最後に聴いたほうが良いかな、という気がします。でも、第4部後半にはド派手なパーカッションの掛け合いもありその後は怒涛の展開で興奮させてくれるので、そこまで辿り着ければもうこっちのもの。緊張感と高揚感あふれるクライマックスまで一気呵成に行ってしまいます!
 ここでも男ニールセン、「さあ、おれについてきな!」という感じでひたすらかっこいいです。どうか最後の5分までがんばって。人間への高次元の愛を感じさせてくれる崇高な作品。




第1集

DA CAPO6.220623
(SACD Hybrid)
\2300→\2090
アラン・ギルバート&ニューヨーク・フィル
 カール・ニールセン:交響曲&協奏曲全集第1集

  1-4.交響曲第3番Op.27「おおらかな交響曲」(1910-1911)
  5-8.交響曲第2番Op.16「4つの気質」(1901-1902)
エリン・モーリー(ソプラノ)
ジョシュア・ホプキンス(バリトン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
アラン・ギルバート(音楽監督&指揮)

交響曲第3番『ひろがりの交響曲』  ちょっとよくわからないタイトル「ひろがりの交響曲」。
 ニールセン自身はひねくれものではないので、決して聴くものを煙に巻いてやろうとかいう意図はなかったと思うのだが、ひょっとしたら日本語にうまく訳せない言葉なのかもしれない。「Sinfonia Espansiva」・・・なので本当は「エスパンスィーヴァ」とそのまま呼んだほうがかっこいい・・・が、それではもっと訳がわからなくなる。
 この「Espansiva」は「ひろがり」とか「おおらかさ」とか「感情を表出した」とかいろんな意味があるらしく、作曲家としては「世界を見渡す広い視野を得て新しい次元へ旅立とう」、というようなちょっとスピリチュアル系の意図があったのかもしれない。だからか第2楽章では男女の声楽が加わり神秘的な色合いを強くする。この楽章が「Andante pastorale」であることからニールセンの「田園交響曲」と呼ばれるが、「牧歌的」とか「田園風」というイメージよりはもっと夢幻のイメージ。一方終楽章はシンプルなメロディーで高潔さを感じさせてくれる。
 第1,2番はドヴォルザークを感じるところが多かったのに対し、この第3番の第1楽章は同じくチェコのスークを、終楽章はちょっとブラームスを思わせる。しかしニールセンの作品には他の作曲家をほんのり思わせるところがいくつか出て来るが、それらが全然陳腐な引用にとどまっていないところがかっこいい。いつも堂々たる雰囲気があるのだ。
 いつか言おうと思ったが、ニールセンの作品はいつも「男」を感じさせる。決然として潔いのである。人間としても魅力的な人だったのではないか。

交響曲第2番『四つの気質』  もしニールセンの交響曲の国際的な普及を妨げているものがあるとしたら、タイトルが意味不明なことかもしれない。この第2番のタイトルはズバリ「4つの気質」
 ニールセンが村の居酒屋でビールを飲んでいた時に、壁に不思議な絵が掲げられていた。それは人間の四つの気質をテーマにした絵。

  短気で怒りっぽい胆汁質
  鋭く冷静、知的な粘液質
  陰気でメランコリックな憂鬱質
  陽気で活発な性格の多血質

 で、ニールセンはその4つの気質を元に交響曲を作ったのである。それがこの交響曲第2番。

 第1楽章 アレグロ・コレリーコ  (胆汁質)
 第2楽章 アレグロ・コーモド・エ・フレマティコ  (粘液質)
 第3楽章 アンダンテ・マリンコーニコ  (憂鬱質)
 第4楽章 アレグロ・サングイネオ  (多血質)

 このへんがちょっとニールセン、変わっている。この題材で一曲の交響曲大作を作れるものか・・。たいしたものだ。
 このモチーフだけを見るとなんとなく猟奇的な雰囲気もするし、パロディっぽいイメージも湧くが、曲はど真ん中直球の近代交響曲。ふざけたところもひねくれたところもない。第1楽章冒頭など勇ましくてすんごくかっこいいし、第2楽章は「ケ・セラ・セラ」の歌を思わせる魅力的なメロディで楽しませてくれる。第3楽章はマーラー風の壮大・重厚なメランコリーを堪能させてくれ、終楽章はエネルギッシュで爽快に締めくくってくれる。いずれも充実した書法と個性的な展開で飽きることがない。
 楽章ごとの解説を見ると確かに上気のタイトルどおりになっているのだが、ひょっとしたら「4つの気質」というタイトルはなかったほうがよかったかもしれない・・・。普通に聴けば、「なんてダイナミックでドラマティックな素敵な交響曲・・・」って素直に思うとおもうので。
 精神分析的交響曲というような理知的な作品ではなく、ニールセンの「人間愛」がたっぷり詰め込まれた楽しい交響曲とでもいえばいいか。

 2009/2010年のシーズンからニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任した指揮者アラン・ギルバート。すでにマーラーなどの名演で注目を浴びている彼による新しいプロジェクトは、2015年に生誕150年を迎えるデンマークの不屈の作曲家ニールセン(1865-1931)の交響曲&協奏曲全集。

 録音 ニューヨーク,リンカーン・センター, エーブリー・フィッシャー・ホール
  〈Track.1-4〉2012年6月14-16日 ライヴ収録
  〈Track.5-8〉2011年1月27-29日,2月1日ライヴ収録


 


6.220577
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ルーズ・ランゴー:弦楽四重奏曲集 第3集
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 BVN68(1914-1915/1936改訂)/
 5-8.弦楽四重奏曲 第5番 BVN189(1925/1926-1938改訂)/
 9.弦楽四重奏曲 断章「イタリア風スケルツォ」BVN408(1950)
  ※9…世界初録音
ナイチンゲール弦楽四重奏団
録音 2013年8月19-24日…1-4, 2013年9月3-6日…5-8, 2013年1月10日…9 デンマーク王立音楽アカデミー コンサート・ホール
 ルーズ・ランゴー(1893-1952)の弦楽四重奏曲全集の完結編です。「グラモフォン・アワード」を受賞したナイチンゲール弦楽四重奏団によるこの演奏は、ランゴーという作曲家を理解するためにも、大きな手助けとなることでしょう。ランゴーは作曲年代によって、かなりその作風が違いますが、このアルバムの3曲はどれも親しみやすい音楽です。
 若き日の第1番、爽やかさを感じさせる第5番、1950年の作品にも拘わらず妙に明るい「イタリア風スケルツォ」など、一度でも聴いていただければ、このステキな音楽に心奪われること間違いありません。



 ランゴー。デンマークの作曲家。ニールセンとホルンボーのちょうど中間の世代に当たる。
 16の交響曲と7つの弦楽四重奏曲を始めとする400近い作品を世に残しながら、現在彼の作品を愛好する人は残念ながらあまり多くない。第一彼の作品を聞こうと思っても、国内盤は全く出ていないし、輸入盤でも彼の作品を探すのは結構大変である。
 しかし「大作曲家」とまでは言わないが、ランゴーが非常に魅力的な作曲家であることは間違いない。
 もともと彼の作品はワグナー、リスト、ブルックナー、マーラーの後に続く後期ロマン派の延長上にあリ、難解な前衛ではないし、重厚なシンフォニーを好む人なら必ず好きになる曲風である。彼がデンマーク音楽界から無視されたのも、いわゆる反形而上学的な新古典主義の風を嫌って、様式上の後退ともいうべき独自の音楽世界を構築したからにほかならない。
 音楽家の家族の中に育ち、7歳で作曲し、神童と騒がれ、12歳でオルガニストとしてデビュー(グリーグによって絶賛された)、18歳で驚くべき完成度を持つ交響曲第1番を書き上げ、「ニールセン以来の天才」と呼ばれたランゴーは、一時期デンマーク音楽界を一世風靡したが、その後進むべき道がまわりとあまりに違ったために急速に人気が衰え、音楽史からも抹殺された。
 ・・・が、今になって聞いてみると彼は生まれてくる時代と場所を間違えたとしかいいようがない。
 奇妙な服装に、奇怪なタイトルの作品。極端な信仰心。病的なほどの内向性。
 おそらくサティに匹敵する相当の変人だったと思われる。
 さらに膨大な作品群が彼の理解を困難にしているが、幸いにして最近ようやくデンマークのDANACORD社などが彼の作品を本格的に取り上げはじめてきた。20年ほど前に、不思議なジャケットの交響曲全集が店頭に並んだときは、マニアの間でかなり話題を呼んだ。それから現在までそれほどタイトルも増えたわけではないが、一般のランゴーに対する認知度も少しは上がってきた。
 改めてDANACORDやDA CAPOの録音などでランゴーの偉業を聴いてみてほしい。



第1集、第2集

6220575
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ランゴー:弦楽四重奏曲集 第1集
 弦楽四重奏曲第2番 BVN.145 (1918, rev. 1931)
 弦楽四重奏曲第3番 BVN.183 (1924)
 弦楽四重奏曲第6番『ひとつの楽章で』 BVN.160 (1918/19)
 『おお、血と涙にまみれた御頭よ!』による変奏曲
ナイチンゲール弦楽四重奏団
録音:2010年12月、2011年6月&8月 デンマーク王立音楽院コンサート・ホール

6.220576
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
ルーズ・ランゴー:弦楽四重奏曲集 第2集
 1-4.ばら園での遊び BVN153(1918)…世界初録音/
 5-8.弦楽四重奏曲(変イ長調) BVN155(1918)/
 9-11.弦楽四重奏曲 第4番「夏の日々」BVN215(1914-18/1931改編)
ナイチンゲール弦楽四重奏団
録音 2012年8月18-21日…9-11, 2012年11月16-17日,12月20-21日…1-4, 2013年1月7-10日…5-8 デンマーク王立音楽学校 コンサート・ホール
 ランゴー(1893-1952)の多彩な弦楽四重奏曲の全てを知るためのシリーズ第2集。世界初録音となる「ばら園での遊び」のばら園とは、彼が20歳の時の夏休みに、両親とともに保養に出かけたスウェーデンの温泉地、ブレーキンデの家の名前で、ここに2か月間ほど滞在したランゴーは、この時の良い体験を生涯忘れることがありませんでした。
 この作品全編に漂う甘い回想、そして「モーツァルト」と題された第2楽章は偉大なる作曲家を模倣するとともに、以降の作品に使われるモティーフの萌芽が認められる興味深いものとなっています。他の2曲も、若い作曲家のなみなみならぬ意志が感じられる力強くしなやかな仕上がりとなっています。 

 


6.220595
(SACD-Hybrid)
\2300→\2090
アナス・コッペル:マリンバ協奏曲集
 1-3.マリンバとオーケストラのための協奏曲 第1番(1995)/
 4-6.マリンバと弦楽オーケストラのための協奏曲 第2番(2000)/
 7-9.マリンバとオーケストラのための協奏曲 第3番「リンツ」(2002/2003改訂)/
 10-17.マリンバとオーケストラのための協奏曲 第4番「変わり行く事象への思い出」(2006)/
 18.マリンバ・ソロのための「P.S.to a Concerto−協奏曲への追伸」(1995)
  ※4-17…世界初録音
マリアンナ・ベドナルスカ(マリンバ)/
オルボア交響楽団/
ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指揮)
録音 2012年6月26-29日.2013年6月24-28日 アルボア・シンフォニエン
 作曲家アナス・コッペル(1947-)は現代デンマークの作曲家の中でも特異な位置にいる人です。彼はその作品にロックやジャズのテイストを取り入れつつも、実はその足は、しっかりと古典的なヨーロッパ音楽の伝統に根差しており、これらを統合するために作品を描き続けていると言っても過言ではありません。
 彼はピアニストの父を持つ、極めて音楽的な家庭に育ちました。幼い頃からピアノとクラリネットを演奏し、自然に音楽家への道を歩みました。1960年代から70年代は実験音楽の世界で活躍しつつも、デンマークの著名なロックグループ「Savage Rose」のメンバーとしても注目を浴びていたのです。
 この4つの作品はシンフォニックであり、奔放なもの。複雑な音を処理しながら、目の前を駆け抜けていくマリンバの音は快感をもたらします。
 

ES−DUR & CHARADE


ES-2052
\2700
オマージュ!C.P.E.バッハ
 1-3.C.P.E.バッハ(1714-1788):
  ソナタ 変ロ長調 Wq.125:H.552
  (原曲:フルートと通奏低音のための)/
 4-6.J.S.バッハ(1685-1750):
  ソナタ 変ホ長調 BWV1031;H.545
  (原曲;フルートとオブリガード・チェンバロのための)/
 7-9.C.P.E.バッハ:
  ソナタ ハ長調 Wq.73 H.504
  (原曲:ヴァイオリンとオブリガード・チェンバロのための)/
 10-12.C.P.E.バッハ:
  ソナタ ト短調 H.245-5;BWV1020/Anh.III 184
   (原曲:フルートとオブリガード・チェンバロのための)/
 13-15.C.P.E.バッハ:
  トリオソナタ 変ロ長調 Wq.161-2:H.578
   (原曲:フルートとヴァイオリン、通奏低音のための)/
 16-20. C.P.E.バッハ:
  6つのソナタ集 Wq.92 H.516-521より
   (原曲:チェンバロ、クラリネット、ファゴットのための)
   <第1番 変ホ長調 H.516/第2番 変ホ長調 H.517/
    第5番 変ホ長調 H.520/第4番 変ロ長調 H.519/
    第3番 変ホ長調 H.518>
マティアス・ヘフス(トランペット)/
クリスティアン.M.クネルト(ファゴット)/
ヴォルフガンク・ツェラー(チェンバロ)
録音 2014年3月.4月
 ハンブルク音楽大学でペーター・カレンゼー、ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーでコンラディン・グロートに師事したトランペット奏者マティアス・ヘフス。ハンブルク国立歌劇場管弦楽団の首席トランペット奏者を経て、彼は2000年にハンブルク音楽大学のトランペット、室内楽の教授に就任。ドイツを代表するオーケストラとも共演を重ね、数々の賞を受賞し、その活躍の場を広げています。彼の活動の一つには、あの「ジャーマンブラス」もあり、1985年から重要なメンバーとして、またこのアンサンブルのために数々の編曲も担当しています。
 CD録音もいくつかありますが、このC.P.E.バッハ(1714-1788)を中心とした1枚は、彼の素晴らしい技巧をまざまざと見せ付けるとともに、その編曲の妙も楽しむことができるでしょう。
 ファゴットのクネルト、チェンバロのツェラーを交えた魅力的な音も含め、トランペット好きだったら外せない最強の1枚といえそうです。
 

ES-2053
\2700→\2490
C.P.E.バッハ:6つのハンブルク交響曲 Wq.182
 1-3.交響曲 第1番 ト長調 Wq.182-1/
 4-6.交響曲 第2番 ロ長調 Wq.182-2/
 7-9.交響曲 第3番 ハ長調 Wq.182-3/
 10-12.交響曲 第4番 イ長調 Wq.182-4/
 13-15.交響曲 第5番 ロ短調 Wq.182-5/
 16-18.交響曲 第2番 ホ長調 Wq.182-6
アンサンブル・レゾナンス/
リッカルド・ミナシ(指揮)
録音 2014年1月
 C.P.E.バッハ(1714-1788)生誕300年を記念してのリリース。弦楽オーケストラのために書かれたこの6つの交響曲は、彼が1773年にベルリンからハンブルクに移った際、当時のオーストリア公使としてベルリンに滞在していたゴットフリート・ファン・ズヴィーテン男爵の依頼で書かれた曲。
 「演奏する際に難しくて、どんなに練習に時間を使ってもかまわない」という前提のもとに書かれたという、当時としては奇想天外で、数多くのアイデアが盛り込まれた曲集です。
 チェンバロはバッハ自身が演奏した可能性が高く、技術的にも洗練したものが求められています。
 このアンサンブル・レゾナンスは2010年からチェリスト、ジャン=ギアン・ケラスがアーティスト・イン・レジデンスを務め、その後はヴィオラのタベア・ツィンマーマンがその地位を引き継いだという注目のアンサンブル。ここでも納得の演奏を聴かせています。
 
CHA-3042
\2100
J.S.バッハ:トッカータ集,幻想曲とフーガ
 1-2.トッカータ 嬰へ短調 BWV910/
 3-5.トッカータ ハ短調 BWV911/
 6-8.トッカータ ニ長調 BWV912/
 9-10.幻想曲とフーガ イ短調 BWV904
エレオノーレ・ビューラー=ケストラー(チェンバロ)
録音 2013年
 ドイツ生まれのチェンバロ奏者、ビューラー=ケストラーによるバッハ(1685-1750)のトッカータ集。
 バッハのトッカータは若い頃に作曲された比較的自由な作風を持つもので、まず技巧的なトッカータの部分(触れると言う意味が語源)があり、その後にフーガが続くもの。半音階や自由なリズムを駆使した遊び心溢れる音楽で、奏者の技量も試される難曲でもあります。
 BWV904は別々の作品として罹れたものを、バッハの弟子が一つに纏めたという説もあるもの。ゆったりとした幻想曲と、絶え間なく動くフーガの対比が美しい名作です。
 

GRAND PIANO



GP676
\2100→\1890
ルイ・テオドール・グヴィ:4手のためのピアノ・ソナタ集
 1-4.ソナタ ニ短調 Op.36(1861)/
 5-8.ソナタ ハ短調 Op.49(1869)/
 9-11.ソナタ ヘ長調 Op.51(1870)
エミール・ナウモフ(ピアノ)
 primo…1.5.7-9.11,secondo…2-4.6.10/
チェン・ヤウ(ピアノ)
 primo…2-4.6.10,secondo…1.5.7-9.11
録音 2013年12月16-20日 USA インディアナ,ブルーミングトン,ジェイコブ音楽大学,アウアー・ホール
 19世紀フランスの作曲家テオドール・グヴィ(1819-1898)。しかし彼が生まれた頃、生地はドイツとフランスの係争地帯に属していたため、フランス国籍を取得できず、希望していたパリ音楽院に進学することができませんでした。結局ドイツで個人的に勉強を続け、そのまま作曲家として活動を始めたのですが、その作風も、ドイツ風とフランス風の中庸であり、没後はそのまま忘れられてしまったという人です。
 そんな彼の作品は交響曲をはじめ、声楽曲、そして器楽曲など多岐にわたりますが、そのピアノ曲の多くは4手のために書かれています。1860年台に書かれたこの3つのソナタは、エレガントな風情を持つもので、フランスに憧れたグヴィといえども、作品にはシューベルトやシューマンの影響が現れているようです。すっかり忘れられてしまった作曲家ですが、これらの作品には紛れない独創性が感じられます。
 


GP681
\2100→\1890
イーヴォ・マチェク:ピアノ作品全集&ヴァイオリン・ソナタ
 1-3.ピアノ・ソナチネ(1977)/4.主題と変奏(1939)/
 5.インプロヴィゼーション(1937)/6.即興曲(1935)/
 7-8.前奏曲とトッカータ(1987)/9-10.ピアノ・ソナタ(1985)/
 11-12.ヴァイオリン・ソナタ(1980) ※4.6.7-12…世界初録音
ゴラン・フィリペツ(ピアノ FAZIOLI)/
シルヴィア・マッゾーン(ヴァイオリン)
録音 2013年10月28日…1-10, 2014年3月28日…11.12
 イーヴォ・マチェク(1914-2002)はユーゴスラビア出身の作曲家。現在ではほとんど名前を聞くこともありませんが、20世紀のユーゴスラビアにおいて、重要な位置を占める音楽家でした。彼はザグレブの音楽アカデミーで学び、ピアニストとして名声を得ました。数々の演奏家とデュオを組み、多くの生徒を教えています。
 彼の作品、例えば「ピアノのためのソナチネ」を聴いてみると、一瞬「フランスの印象派」に似た響きが感じられますが、曲が進むにつれ、和声感は希薄になり、しなやかさを増していきます。
 彼の作品の中でも初期の時代に属する「主題と変奏」と、後期に属するピアノ・ソナタを比べてみると、逆にソナタの方が洗練された美しさを放っていることに気がつくかもしれません。
 ピアノのための作品は数えるほどしかなく、このアルバムに収録されらものが全てです。そのために余白にヴァイオリン・ソナタが収録されていますが、こちらがまたフォーレを発展させたかのような、流麗な美しさを持つ音楽です。
 


GP659
\2100→\1890
アレクサンドル・チェレプニン:ピアノ作品集 第8集
 1-12.若い人と年老いた人のために Op.65(1940)
  <勤勉/道化師/メロディアス/コントラスト/悲しき鐘/
  おしゃべり/苦しみ/イベリア/粘り強い/そのために/
  わんこの喜び/眠れる森の美女>/
 13-25.幼きイエスの小さなテレーズの物語 Op.36b(1925)
  <誕生/洗礼/聖母の笑顔/初の聖体拝領/確認/
  変換/レオ12世の覚醒/カルメル会への入会/
  われらの偉大な富/習慣/告白/
  ヴェールの取得/名を広め>/
 26-37.エピソード集(1912-1920)
  <歌/楽興の時/ユモレスク/アルバムのつづり/
  スケルツァンド/グルジアの子守歌/
  アルメニアのゆっくりした舞曲/蝶々/遊戯/
  小さいガヴォット/人形/奇想曲>/
 38-44.5度音階による練習曲 組曲 第1番 Op.51-1(1934)/
 45-51.5度音階による練習曲 組曲 第2番 Op.51-2(1934)/
 52-63.5度音階による練習曲 中国のバガテル Op.51-3(1935)/
 64-80.初心者のための17のピアノ小品(1957)/
 81.2つの子どもたちのための小品「セレブレーション」(1976)/
 82..2つの子どもたちのための小品「インディアンの小道」(1976)/
 83.サニー・デイ「忘れられたバガテル」(1915)
  ※1-37.81.82…世界初録音
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
録音 2010年2月12日 スイス,スヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院
 GRAND PIANOレーベルで大人気の作曲家、アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)のピアノ曲全集のシリーズ完結編の登場です。こちらは全て「子どもたち(もしくはピアノを弾きたい大人たち)」のための作品です。極めて魅力的なメロディを持つ小品は、現在でもフランスで高い人気を誇っています。
 「幼きイエスの小さなテレーズの物語」は19世紀フランスに実在した聖女のエピソードに基づく作品で、彼女が列聖された1925年に作曲されています。チェレプニンの子ども時代の思い出を元に書かれた「12のエピソード、中国風のイメージに則った練習曲、若き頃に書かれた「サニー・デイ」など味わい深い逸品が並びます。
 


GP665
\2100→\1890
エドゥアルド・アブラミャン:24の前奏曲(1958)
 1.変ホ長調/2.ハ長調/3.ホ短調/4.変ホ短調/
 5.ニ短調/6.嬰ハ短調/7.変ニ長調/8.変ホ長調/
 9.嬰ヘ長調/10.ホ長調/11.嬰へ短調/12.へ短調/
 13.イ長調/14.変ロ短調/15.ニ短調/16.ヘ長調/
 17.ロ長調/18.ト短調/19.嬰ト短調/20.変イ長調/
 21.ハ短調/22.ト長調/23.変ホ短調/24.ロ短調
  ※世界初録音
ミカエル・ハイラペティアン(ピアノ)
録音 2012年1月27-28日 モスクワ,教育芸術大学,大コンサート・ホール
 グルジア共和国のティフリスに生まれ、戦争の影響で、若い頃は飛行機工場で働き、その後トビリシ音楽院でピアノをセルゲイ・バルフダリャンに学び、作曲をアンナ・トゥラシュヴィリに学んだアブラミャン(1923-1986)。音楽院を卒業後はモスクワのアルメニア文化施設で更に作曲を学び、アルメニアの伝承音楽の研究と、伝承に力を注ぎました。
 多くの作曲家が試みた「24の前奏曲」はアブラミャンにとっても魅力的であったようで、豊かな色彩と独特の構造の中に、アルメニアの旋律を織り込んだ素晴らしい作品として表現されています。
 ロマン派風の和声や、時にはジャズ風の雰囲気など、形式にとらわれない自由な音楽をお聞きください。
 


GP666
\2100→\1890
フランツ・アントン・ホフマイスター:ピアノ・ソナタ集 第1集
 1-3.ピアノ・ソナタ イ長調(1790)/
 4-6.ピアノ・ソナタ ト長調(1792)/
 7-9.ピアノ・ソナタ 変ロ長調(1792)/
 10.ピアノのための変奏曲 ハ長調
  ※世界初録音
ビリアナ・ツィンリコヴァ(ピアノ)
録音 2013年10月3-5日 オーストリア ケフェルマルクト,ヴァインベルク教会
 南西ドイツのロッテンブルク・アム・ネッカーで生まれ、最初は法律を学び始めるも、音楽の魅力に抗しがたく、結局は音楽の道に入り、数多くの作品を書き、また音楽出版者としても大成し、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンなどの作品を次々と世に送り出しました。
 また彼らとも直接親交を結び、お互いに多くの影響を与えたことでも知られています。彼自身の作品は、18世紀の職人の技と、ウイット、表現力を組み合わせたもので、当時の聴衆の心をつかんだことは容易に想像できるものです。上品なソナタも良いですが、ベートーヴェンの先を行くような「変奏曲」はなかなか劇的な味わいを持つ、見事なものです。
 


GP670
\2100→\1890
ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク:ピアノ作品全集 第1集
 1-6. 6つの即興曲 Op.7
  <第1番:ハ長調/第2番:ト長調/
   第3番:ニ長調/第4番:イ長調/
   第5番:ホ長調/第6番:ロ長調>/
 7.幻想曲 ハ長調 Op.12/
 8-10.ピアノ・ソナタ 変ロ短調「幻想曲風」Op.20
ビリヤナ・ウーバン(ピアノ)
録音 2013年7月15-16日 ウトレヒト リューヴェンベルク,フレデンブルク
 ボヘミア出身の作曲家、ヴォジーシェク(1791-1824)は、プラハでトマーシェクの元で修業した後、フンメルに師事し、ベートーヴェンと親交を結び、シューベルトに影響を与えたという人です。現在、彼の作品の中では「交響曲 ニ長調」が比較的知られていますが、プラハ時代から数多くのピアノのための小品を書いていて、これらは現在ほとんど知られていません。ピアニストとしても素晴らしい才能を持っていたヴォジーシェクの作品は、どれも技巧的で、当時としては先進的な作風を持っています。ピアニスト、ウーバンはザグレブ出身。彼女の祖父ヤンはアルメニアで知られる作曲家で、彼女は祖父の作品でも素晴らしい演奏をしています。
 

GP679
\2100
アンドレ・リオッテ:隕石とその変容
 1-33.隕石とその変容 ※世界初録音
テレーズ・マレングロー(ピアノ)
録音 2010年5月5-8日 ベルギー,シント=トロイデン アカデミーザール
 フランスの作曲家アンドレ・リオッテ(1928-2011)は前衛的な音楽で知られ、メシアンやクセナキスとグループを組んだり、コンピューター音楽を作ったりと、多彩な活動をしています。この曲は、リオッテの晩年の作品の一つで、一種の変奏曲の形を取っています。ベートーヴェンのディアヴェリ変奏曲、バッハ、ドビュッシーの先人の作品へのオマージュでもあります。

LPO



LPO-81
\2500→\2290
ネセ=セガン(指揮)&ロンドン・フィル
 プーランク(1899-1963):
  オルガン,弦楽,ティンパニのための協奏曲 ト短調
 サン=サーンス(1835-1921):
  交響曲 第3 番 ハ短調「オルガン」
ジェームズ・オドネル(オルガン)
ロンドン・フィル
ヤニク・ネセ=セガン(指揮)
 ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにおけるオルガン改装完成後、初の録音リリース!

 録音 2014 年3 月26 日 ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール サウスバンク・センター

 近代フランスにおける、オルガンをフィーチャーした2 大名曲のカップリングです。サン=サーンス(1835-1921)の交響曲第3 番については、もう説明の必要もない名曲です。一番良く知られているところは、第2 部の後半の開始部でしょう(サン=サーンスは楽章と呼ばずに第1 部、第2 部としました)。
 しかし他の部分にもオルガンが巧みに使われており、第1 部の後半の瞑想的な場面での持続音は本当に美しく耳に残ります。かたや、プーランク(1899-1963)の「オルガン協奏曲」はこれまた神秘的な作品で、プーランクは伴奏のオーケストラに一切管楽器を使わず(この響きは全てオルガンで出せるため)、全体は切れ目なく一つの楽章として奏され、かなり自由な楽想に満たされながらも緊密な構成が取られています。
 オルガニストのオドネルは、ウェストミンスター大聖堂のオルガニストで、数多くの受賞歴と録音のある名手です。ヤニク・ネセ=セガンの指揮は推進力を備えたスタイリッシュなもの。オルガンとオーケストラの響きのバランスも抜群です。
 


LPO-80
\2500→\2290
ウラディーミル・ユロフスキ、待望の新譜!
 ショスタコーヴィチ:交響曲 第6番&第14番

 1-3.交響曲 第6番 ロ短調 Op.54
  <第1楽章:Largo/第2楽章:Allegro/第3楽章:Presto>/
 4-14.交響曲 第14番 ト短調 Op.135
  <第1楽章:深きところから/第2楽章:マラゲーニャ/第3楽章:ローレライ/
   第4楽章:自殺者/第5楽章:心して/
   第6楽章:マダム、御覧なさい/第7楽章:ラ・サンテ監獄にて/
   第8楽章:コンスタンチノープルのサルタンへのザポロージェ・コサックの返事/
   第9楽章:おお、デルウィーク、デルウィーク/
   第10楽章:詩人の死/第11楽章:結び>
タチアナ・モノガロヴァ(ソプラノ)…4-14/
セルゲイ・レイフェルクス(バリトン)…4-14/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
録音 2013年5月17日 ロンドン ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,サウスバンク・センター…1-3, 2006年2月18日 ロンドン サウスバンク・センター,クィーン・エリザベス・ホール…4-14
 ショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つの交響曲のカップリングです。
 交響曲第6番は1939年の作品で、非常に難解で晦渋な第1楽章に始まり、快活な第2楽章、高らかに勝利を宣言するかのような第3楽章で出来ています。通常の第1楽章にあたる楽章が欠如していると言われますが、これもショスタコーヴィチの個性であり、なかなか聞き応えのある作品となっています。
 一方、第14番はマーラーの「大地の歌」やツェムリンスキーの「叙情交響曲」の影響が感じられる作品で、連作歌曲の形を取っています。歌詞はスペインのガルシア・ロルカや、フランスのギョーム・アポリネール、ドイツのライナー・マリア・リルケなどが用いられていて、どれも根底に死のテーマがあるものです。
 この作品を書くきっかけの一つは、ショスタコーヴィチがムソルグスキーの「死の歌と踊り」の管弦楽伴奏版を作成したことだと言われていて、当時体調を崩しがちだったショスタコーヴィチが、「死」を意識して書いたものであることは間違いないでしょう。死を扱っているとは言え、11の楽章の雰囲気は様々であり、ストレートに重苦しさを表明した曲から、12音技法を用いたもの、皮肉に満ちたもの、トーン・クラスターを模したものまで様々であり、ショスタコーヴィチの作曲技法を極めた作品としても評価の高いものです。
 この作品の演奏を成功させるためには、歌手の力量が大きく関係しますが、バリトンのレイフェルクスの安定した歌唱と、ボリショイ歌劇場で人気を得ている若きソプラノ、タチアナ・モノガロヴァ(1989-)の美しい声は、この演奏を完璧なものにしています。ユロフスキのスピーディでスマートな指揮はいつもの通り。程よい重厚さも兼ね備えた見事な演奏です。



旧譜ユロフスキのショスタコーヴィチ
Pentatoneからリリースされていたロシア・ナショナル管
8年前の録音だしオケも違いますが、今後のLPOとのチクルス発展を期待させる名演

Pentatone
PTC 5186 068
(SACD Hybrid)
\2700
→\2490
ショスタコーヴィチ:
 交響曲第1番ヘ短調Op.10/交響曲第6番ロ短調Op.54
ウラディミール・ユロフスキ指揮
ロシア・ナショナル管
 プレトニョフの指揮による第11番に続くペンタトーンのショスタコーヴィチ・チクルス第2弾は俊英ユロフスキーが指揮台に立つ!現在はグラインドボーン音楽祭の音楽監督、ロンドン・フィル主席客演指揮者、そしてロシア・ナショナル管主席客演指揮者のポストにあり、世界中で評価急上昇中のユロフスキ。ペンタトーンへのデビュー・タイトルとなった前作(PTC 5186 061)はチャイコフスキーの組曲第3番&ストラヴィンスキーのディヴェルティメントという玄人好みの選曲であったが、今回もショスタコの1番&6番というユロフスキらしい粋なカップリング。ロシア・ナショナル管を率いて壮大なスケールで繰り広げられるであろうショスタコーヴィチ。期待されたし!
・・・ということで実際聴きましたが、さすがユロフスキ、その巧みな棒さばきが曲を生き生きと盛り上げてくれてます。




ウラディーミル・ユロフスキの録音にはずれはないが、最近の録音ならこれ
壮絶なるチャイ4

LPO-0064
(2CD)
\2500→\2290
ユロフスキ&ロンドン・フィル
 〜チャイコフスキー交響曲第4番&第5番

  1.チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
  2.チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調Op.64
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
 録音2011年3月19日&5月4日
 ロンドン,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール,サウスバンク・センター

 チャイコフスキー交響曲第4番。ユロフスキ&ロンドン・フィル。
 いまさらながら、ユロフスキ、すごい。
 なぜ今までの指揮者はその旋律を聴かせてくれなかったのか?そういう解釈で聴かせてくれなかったのか?
 ロンドン・フィルもその斬新で鮮烈な指揮ぶりに幻惑されたか、見違えるように意気揚々とした音楽を聴かせる。
 ロンドン・フィル、こんなにうまかったか!?こんなに表情豊かだったか!?こんなに聴かせ上手だったか!?
 彼ら、ときに小学生のブラスバンドのように元気いっぱいだったり(もちろんいい意味で!)、ときに酔っ払った軍楽隊のようにはしゃいでる(もちろんいい意味で!)。
 楽団員みんなが、この天才と出会えたことを心から喜んでいるような気がする。
 ひっさしぶりに素晴らしい第4番に出会えました。


MARCO POLO



8.225364
\2100→\1890
ゴドフスキー:ピアノ作品集 第12集
 1.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  セレナード Op.17-2(ゴドフスキー編)/
 2-4.ゴドフスキー:
  左手のための6つの詩的なワルツ 第1番-第3番/
 5.3つの演奏会用練習曲 Op.11-1 ハ長調(グロテスコ)/
 6.シューマン(1810-1856):
  ミルテの花 第24番「君は花のごとく」Op.25-24
  (ゴドフスキー編)/
 7.ブラームス(1833-1897):甲斐なきセレナード Op.84-4
  (ゴドフスキー編)/
 8.シューベルト(1797-1828):
  白鳥の歌 第12番「海辺で」D957/
 9.クライスラー(1875-1962):
  ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
   (ゴドフスキー編)/
 10.ベーム(1894-1981):夜の静けさ Op.326-27
  (ゴドフスキー編)/
 11.シューマン:
  ミルテの花 第14番
   「ハイランド地方の人びとの子守歌」Op.25-14
    (ゴドフスキー編)/
 12.ゴドフスキー:左手のための組曲-メヌエット/
 13.ゴドフスキー:左手のための組曲-ジーグ/
 14.シューベルト:
  美しき水車小屋の娘 第18番「萎める花」D795/
 15-17.ゴドフスキー:
  左手のための6つの詩的なワルツ 第4番-第6番/
 18.ウェーバー(1786-1826):
  舞踏への勧誘(ゴドフスキーによる対位法的編曲)/
 19.ウェーバー:無窮動(常動曲) Op.24
  (ゴドフスキーによる演奏会用編曲)
コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)
録音 2013年9月12.13日 UK モンマス,ウィアストン・コンサート・ホール
 ポーランド(現在はリトアニア)のソズウィに生まれ、14歳のときに一時期ベルリン高等音楽院で学ぶも、たった3ヶ月で辞めてしまい、以降、音楽の才能を独自に切り開いてきた天才ゴドフスキー(1870-1938)。9歳で最初の作品を出版、10歳ですでにコンサート・ピアニストとして活躍していた彼らしく、その作品は恐ろしいまでに超絶技巧が張り巡らされていることで知られています。
 このアルバムは彼の特異な作品集の第12集となり、他の作曲家たちの作品の編曲物と、自身の「左手のためのワルツ」を聞く事ができます。冒頭のシュトラウスの「セレナーデ」はあのギーゼキングも独奏用に編曲していますので、聞き比べも楽しいかもしれません。
 シューマンやシューベルトの曲は思いの他、シンプルな編曲が施されていたりしますが、ウェーバーの2つの作品は、もうゴドフスキーの独壇場とも言えるもので、例えば「舞踏への勧誘」の入り組んだメロディは、もう聞いていて混乱するばかり(笑)。彼のオリジナル作品もなかなかいい味出しています。演奏しているのはシチェルバコフ。説明不要のテクニシャンです。

NAXOS



8.573218
\1100
ついに完結、ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル
 ショスタコーヴィチ:交響曲 第13番「バビ・ヤール」Op.113

 1.第1楽章:バビ・ヤール/2.第2楽章:ユーモア/
 3.第3楽章:商店で/
 4.第4楽章:恐怖/5.第5楽章:立身出世
アレクサンダー・ヴィノグラードフ(バス)/
ロイヤル・リヴァール・フィルハーモニー男声合唱団/
ハッダーズフィールド・コーラル・ソサエティ/
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)
録音 2013年9月27-29日 イングランド,リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
 ヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲ツィクルスも、ついにこの第13番で完結となります。
 第8番以降、自身の交響曲に様々なメッセージを忍ばせていったショスタコーヴィチですが、この第13番にはあからさまな政府批判があり、リハーサルの時から様々な問題が勃発、あまりにも直截的だった歌詞は、初演後に一時変更を余儀なくされるなど、多いなる物議を醸し出した作品としても知られています。
 この曲を作曲する動機となったのは、1961年の9月に新聞に発表された詩人エフゲニー・エフトゥシェンコの詩「バビ・ヤール」で、これはダヤ人迫害に対するソ連の無関心を告発したものであり、これを読んだショスタコーヴィチの親友、イサーク・グリークマンがいたく感動し、ショスタコーヴィチに紹介したというものです。
 当時のソビエト連邦の公式見解では「ソ連には人種問題などない」ということになっていたあたりへの、明らかな皮肉でもありました。
 第1楽章がそのバビ・ヤールで、これはキエフにある峡谷の名前で、1941年にこの地に連行された3万7771人のユダヤ人が虐殺された場所であり、確かにそのような歴史はソ連としても闇に葬りたいことであったのは想像に難くありません。
 最初は1楽章の交響詩として構想されていたこの曲、結局はエフトゥシェンコの詩集「手の一握り」から3編とと書き下ろしどの詩「恐怖」を用い、5楽章の交響曲として完成を見たのでした。
 無論完成してからの騒動や、曲の受容など、まだまだ色々な出来事がついて回るこの作品ですが、とりあえずは、全てのしがらみを振り切ったようなペトレンコの演奏で先入観を全てすててお楽しみください。
 


8.573353
\1100
マリン・オールソップ&サンパウロ響
 プロコフィエフ:交響曲 第1番「古典」&第2番、交響的絵画「夢」

 1-4.交響曲 第1番 ニ長調「古典」Op.25
  <第1楽章:Allegro/第2楽章:Larghetto/
  第3楽章:Gavotta:Non troppo allegro/
  第4楽章:Finale:Molto vivace>/
 5.交響的絵画「夢」Op.6/
 6-13.交響曲 第2番 ニ短調 Op.40
  <第1楽章:Allegro ben articolato/
  第2楽章:主題/第2楽章:第1変奏/
  第2楽章:第2変奏/第2楽章:第3変奏/
  第2楽章:第4変奏/第2楽章:第5変奏/
  第2楽章:第6変奏と主題>
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2014年3月20-22日…1-4, 2013年8月29-31日…5-13 ブラジル,サラ・サンパウロ
 1917年にプロコフィエフ(1891-1953)が完成させた「交響曲第1番」は、彼が学生時代にニコライ・チェレプニンの教室で研究したハイドンの技法をもとにして書かれたもの。ピアノ協奏曲第2番などの、それまでの革新的な作品に比べ、古典的で整然とした佇まいを持つ音楽であったため、周囲はとても驚いたと言います。
 確かにハイドンやモーツァルトを思わせる親しみやすい表情を持っていますが、様々なところに仕掛けたっぷりの「新古典派」そのもののいたずらっぽい顔がたまりません。
 それに引き換え、第2番のまあ難しいこと。これは作曲当時パリに住んでいたプロコフィエフが「6人組」の作品よりももっと前衛的な作品を書こうと試みた結果出来上がったもので、当然ながら初演を聴いたパリの聴衆は冷淡な反応をしたと言われています。しかし、大編成のオーケストラにピアノ、様々な打楽器を加えたカラフルな音楽、これこそがプロコフィエフの本領発揮と言えるのではないでしょうか。
 交響的絵画「夢」はスクリャービンからの影響が感じられる小さな作品。大きな起伏を伴う若干陰鬱な雰囲気を持った音楽です。
 


8.573291
\1100
ラ・ヴェッキア
 マリピエロ:毎日の幻想曲・パッサカリア・協奏曲

 1.毎日の幻想曲(1953)/2-3.パッサカリア(1952)/
 4-12.協奏曲集(1931)
  <前置き/フルート協奏曲/オーボエ協奏曲/
  クラリネット協奏曲/バスーン協奏曲/
  トランペット協奏曲/ドラム協奏曲/コントラバス協奏曲/結び>
   ※2-3.4-12…世界初録音
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 2013年7月9-13日,15-18日 ローマ OSRスタジオ
 最近、その復興が著しいイタリアの近代作曲家たちですが、その中の筆頭とも言えるマリピエロ(1882-1973)の珍しい作品の登場です。もともとモンテヴェルディとヴィヴァルディの校訂者としてその名を挙げたマリピエロですが、自作はかなり前衛的であり、フランスの印象派の影響を存分に受けていました。
 もちろん半音階、12音も積極的に用い、難解な作品も生み出していますが、ろでも仄かな叙情性も湛えた不思議な味わいを持っています。
 このアルバムには3つの作品が収録されていて、そのうち2曲は世界初録音というもの。「毎日の幻想曲」は彼が持っていた、走り書きのようなアイデアから生まれたものですが、これがまた見事な構造を持った音楽です。
 「パッサカリア」は、厳格な形式を嫌っていたマリピエロにしては珍しいもので、主題の反転、逆転などの手法を繰り返しながらも、少しずつ「ずれ」が生じていくのを見るのが怖いような楽しいような音楽です。
 協奏曲集はこのアルバムの白眉であり、小さな「前置き」と「結び」を持つ7つの部分からできています。各々の協奏曲で使われる楽器は複数で、いわばバロック期の「合奏協奏曲」のような構造を持った小さな協奏曲の集まりです。
 優雅なフルート、激しいドラム。そしてねっとりとしたコントラバスなど、楽器の特性も存分に生かされた見事な曲たち、これは本当に素晴らしいものです。
 


8.573374
\1100
ヴィヴァルディ:2台のチェロのための協奏曲集
 〜ジュリアン&・ロイド=ウェバーによる2台チェロのための編曲版

 1-3.2つのマンドリンのための協奏曲 ト長調 RV532/
 4-6.2台のチェロのための協奏曲 ト短調 RV531/
 7-9.チェロ協奏曲 ホ短調 RV409/
 10-12.オーボエとファゴットのための協奏曲 ト長調 RV545/
 13-15.2本のホルンのための協奏曲 ヘ長調 RV539/
 16-18.オーボエとチェロ ト短調 RV 812のための協奏曲/
 19.ピアソラ(1912-1992):
  ギターとバンドネオンのための協奏曲 「リエージュに捧ぐ」 -
   第2楽章「ミロンガ」 ※世界初録音…4-6を除く
ジュリアン・ロイド・ウェバー(チェロ)/
ジアシン・ロイド・ウェバー(チェロ)/
ヨーロッパ連合室内管弦楽団/
ハンス=ピーター・ホフマン(指揮)/
デヴィッド・ライト(ハープシコード&チャンバー・オルガン)
録音 2013年7月 イングランド、ブリストル セント・ジョージ.ブランドン・ヒル
 ヴィヴァルディ(1678-1741)の作品を最初にアレンジした人は、紛れもなくヴィヴァルディ自身でした。彼は一つの作品を書くと、色々な楽器に合わせて曲を書き換え、スコアには代替の楽器名を書き付けました。
 その後、ヴィヴァルディの作品はJ.S.バッハも編曲していますが、このアルバムは現代の名チェリスト&アレンジャー、ジュリアン・ロイド=ウェバーが、ヴィヴァルディの様々な楽器のための協奏曲を2台チェロ版に編曲、実験的でもあり実践的な“新しい協奏曲”が生み出されました。
 ト短調の協奏曲だけはヴィヴァルディのオリジナルを使用。聴き比べてみることで多くの発見があることでしょう。
 RV409の独奏チェロのための協奏曲などは、ソロ・パートの増強で一層華やかさが増し、流麗で美しい作品になっていることにもお気づきになることと思います。
 ホルンのための協奏曲も、チェロの深みのある音色で奏されると、ここまで表情が変わるのかと驚くばかりです。
 最後にそっと置かれたピアソラの曲は、聴き手の心を、バロックの時代から瞬時に現代へと引き寄せるもの。魅力的で明確な印象を与える素晴らしい演奏にも拍手です。
 


8.573098
\1100
フンメル:ピアノ三重奏曲集 第1集
 1-3.ピアノ三重奏曲第6番 変ホ長調 Op.93/
 4-6.ピアノ三重奏曲第2番 ヘ長調 Op.22/
 7-9.ピアノ三重奏曲第3番 ト長調 Op.35/
 10-12.ピアノ三重奏曲第7番 変ホ長調 Op.96
グールド・ピアノ三重奏団
<メンバー:
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)/
アリス・ニアリー(チェロ)/
ベンジャミン・フリス(ピアノ)>
録音 2013年1月28-30日 UK サセックス,チャンプス・ヒル
 フンメル(1778-1837)の最も有名な逸話は、幼い頃にモーツァルトの家に住み込み、2年間に渡ってピアノを師事したことでしょうか。もちろん、素晴らしい才能に恵まれていたこともあり、その後は父とともにヨーロッパ各地を演奏旅行して回り「神童」として名を上げました。
 26歳の時にはハイドンの推薦でエステルハージ家のコンサートマスターになり、ハイドンが引退した後は宮廷楽長として、数多くの劇音楽や宗教曲を書き、また少年合唱団の指導をするなど多彩な活躍をしたことでも知られています。
 そんなフンメルの作品は、どうしてもモーツァルトやハイドン、ベートーヴェンの影に隠れがちですが、実際に聞いてみるとどれもが素晴らしく、驚くほどに陰影に富んだメロディや、意表をつく転調や斬新な和声に彩られてものであることがわかるでしょう。
 最近になってようやくその人気を盛り返してきたフンメルの音楽、初期の作品であるOp.22やOp.35は清々しい美しさを持ったものですが、Op.93やOp.96のむせ返るようなロマン派の香りは一度味わうと病みつきになりそうです。
 

8.559740
\1100
スティーヴン・ポールズ:3つの啓蒙の地 他
 1-3.弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲「3つの啓蒙の地」(1995)
 <第1楽章:内部から/第2楽章:遠くから/
  第3楽章:全ての周囲と放射状の広がりから>/
 4.オラトリオ「夜明けは確実に」-
  第2部間奏曲「涙のヴェール」(2005)/
 5-7.オルガンと管弦楽のための大協奏曲(2004)
  <第1楽章:活発で勇ましい/
  第2楽章:簡素な-不吉な予感/第3楽章:歓喜に酔う>
   ※1-3.5-7…世界初録音
岩崎潤(第1ヴァイオリン)…1-3/
キャロライン・ワン・ペイリー(第2ヴァイオリン)…1-3/
ダニエル・ラインカー(ヴィオラ)…1-3/
アンソニー・マルキーナ(チェロ)…1-3/
ナタン・J.ローブ(オルガン)…5-7/
ナッシュヴィル交響楽団/
ジャンカルロ・ゲッレーロ(指揮)
録音 2012年10月4-6日…1-4, 2013年10月4.5日…5-7 USA テネシー,ナッシュヴィル シャーマーホーン・シンフォニー・センター,ローラ・ターナー・ホール
 現代アメリカにおける作曲家たちの中心人物であり、1973年には作曲家フォーラムを開催し、ASCAPオンサートミュージックの代表を務めているというスティーヴン・ポールズ(1949-)の作品集。オペラや合唱曲で知られ、1982年には有名な「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のオペラ化もしている人です。
 彼は「ブリテンの方法を使えばあらゆる種類の音楽を作曲することが可能だ」と語っており、その作品目録には驚くほど多くの音楽が掲載されています。
 このアルバムには3つの作品が収録されていますが、弦楽四重奏というアンサンブルを一つのソリストと捉えた「3つの啓蒙の地」での各々の楽器がもたらす相互作用、ホロコーストを題材にしたオラトリオの中で、唯一おちついた間奏曲である「涙のヴェール」の悲嘆的な美しさ、華々しくオルガンが活躍し、最後は有名な民謡で閉じられる大協奏曲と、どの曲も人間の根源に染み透るような独自の風景を持っています。
 

8.571353
\1100
スティル:弦楽四重奏曲集
 1-3.弦楽四重奏曲 第1番/
 4-6.弦楽四重奏曲 第2番/
 7-10.弦楽四重奏曲 第3番/
 11-14.弦楽四重奏曲 第4番
ヴィリアーズ弦楽四重奏団
<メンバー:
ジェームズ・ディキンソン(第1ヴァイオリン)/
ヒガシタマキ(第2ヴァイオリン)/
カルメン・フローレス(ヴィオラ)/
ニコラス・ストリングフェロー(チェロ)>
録音 2013年7月18.19日…7-14, 2014年1月20.21日…1-6 UK ロンドン、聖シラス殉教者教会
 ロンドンの音楽的な家庭に生まれたロバート・スティル(1910-1971)。父と祖父はロンドンで名高い弁護士であり、16歳亡くなった弟と、オーストラリアに移住した姉がいました。イートン・カレッジ、オックスフォード大学・トリニティ・カレッジで教育を受け、芸術学学士・芸術学修士・音楽学学士の称号を得ます。
 また作曲家としてだけでなく、テニスにも優れた腕前を見せ、アマチュア・プレイヤーとして活躍していました。その後も作曲を続け、交響曲第3番はユージン・グーセンスに高く評価され、オックスフォード大学から博士号を受けています。
 円熟期には刺激的な不協和音や無調も使われていますが、全体的に穏やかであり、同世代のイギリスの作曲家たちの美点をうまく取り入れたきらりと光る美しさを持っているものです。
 

8.571354
\1100
マルコム・スミスって誰?
 マルコム・スミスの思い出

 1.ロビン・ホロウェイ(1943-):
  6手のための大英雄行進曲(1982/1997)/
  1997年5月23日、マルコム・スミス氏が
  ブージー&ホークス社を離れたときを記して/
 2.レスリー・ハワード(1948-):
  ピアノのための演奏会用幻想曲「ラディゴア」Op.40/
 3.ロバート・マシュー=ウォーカー(1939-):
  幻想的ソナタ「ハムレット」(ピアノ・ソナタ 第3番)(1980)/
 4.G.F.ヘンデル(1685-1759):
  オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」HWV55から
  「Come, but keep thy wonted state」(L.ハワード編曲)(2010)/
 5.ハンフリー・サール(1915-1982):ピアノ・ソナタ Op.21
  ※1-4…世界初録音
ジョン・リル(第1ピアノ)…1/
レスリー・ハワード(第2ピアノ)…1,(ソロ・ピアノ)…2.4/
マーク・ベッビントン(第3ピアノ)…1,(ソロ・ピアノ)…3/
ジュリアン・ジェイコブソン(ピアノ)…5
録音 2013年9月12日…1-4, 2004年1月8日…5 UK ストーク・ド・アベルノン,メニューイン・ホール
 そもそもマルコム・スミス(1932-2011)って誰?というところから始まるこの1枚。彼はイギリスのクラシック音楽界を牽引した人で、多くのプロモーション活動を行い、またストラヴィンスキー、ヴォーン・ウィリアムス、ブリテン、バーンスタインなど偉大な作曲家たちの個人的な友人であり保護者でした。
 英国音楽教会の副会長を務め、またロイヤル・フィルハーモニー協会の終身会員であり、いくつもの合唱団をサポートしていました。彼はよく「私はあなたを助けてもよいですか?」と電話をかけたといい、それに応えた人々は彼への感謝の気持ちを忘れることはありませでんした。
 何より彼は1969年から、世界に名だたる楽譜出版社ブージー&ホークスのライブラリ・マネージャーとして、20世紀音楽の発展に寄与した功績が大きく、数多くの作曲家たちは彼に敬意を払っていたのです。
 このアルバムの1曲目のホロウェイの行進曲には、マルコムのお気に入りの作品のいくつか…エルガーの「エニグマ」、ディーリアスの「アパラチア」、リヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」などいくつかの曲が引用されたおり、これは彼の退職を祝したパーティで演奏されたものです。
 他の作曲家たちもスミスと関係深い人ですが、なかでもレスリー・ハワードは、世界初の「フランツ・リスト全作品」の演奏者としても知られる日本でもなじみの深い人で、この全集にもスミスの協力があったのかと思うと、まことに感慨深いものがあります。
 

8.573055
\1100
メルツ:ギター二重奏曲集
 1.吟遊詩人の調べ Op.13より「不安な心」(2台のギター版)/
 2-4.葬儀の挽歌
  <第1番:彼の最愛の人の墓の前で/
  第2番:私はあなたを忘れない/
  第3番:葬送行進曲>
 5.マズルカ/6.セレナード/
 7.トラウン湖の舟旅/8.協奏的第幻想曲「La Rage」/
 9.夕べの祈り/10.舟歌 Op.41/
 11.即興曲/12.タランテラ Op.13/13.ドイツのエア
<ギター・デュオ>
ヨハネス・メラー/
ローラ・フラティチェッリ
録音 2013年7月5-8日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット、聖ジョン・クリソストム教会
 プレスブルク(現在はスロヴァキア)の貧しい家庭に生まれたヨハン・カスパル・メルツ(1806-1856)。彼は独学でギターとフルートを学び、若いうちはこれらを教えながら研鑽を積みました。1840年にウィーンに移住し、ようやくコンサートデビューを果たし、当時の皇后に認められてウィーンの宮廷ギタリストに取り立てられます。
 その後は持病に悩まされながらも、数々の作品を書き、またベルリン、ドレスデン、ロシアを始めとした広範囲な地域で演奏会を行い賞賛を得ました。1856年、50歳の時に心臓病で没しましたが、彼の偉業はのちのギタリストたちにも大きく影響を与えたのです。
 その一つに「10弦ギター」の使用があり、これはギターの音色に深みと表現力をもたらし、世界を大きく広げたのでした。ここでは彼の最も知られている「吟遊詩人の調べ」の2台ギター版や、「葬儀の挽歌」などを収録。
 シューベルトを思わせる素朴なメロディも、2台のギターで奏されると格別の味わいを持つものです。
 

8.573222
\1100
D.スカルラッティ:鍵盤のためのソナタ全集 第15集
 1.ソナタ ニ短調 K.552/L.421/P.556/
 2.ソナタ ハ長調 K.326/L.201/P.336/
 3.ソナタ イ短調 K.265/L.Supp.32/P.168/
 4.ソナタ ト長調 K.455/L.209/P.354/
 5.ソナタ ホ短調 K.233/L.467/P.497/
 6.ソナタ ニ長調 K.177/L.364/P.184/
 7.ソナタ ロ短調 K.293/L.Supp.44/P.157/
 8.ソナタ イ長調 K.220/L.342/P.309/
 9.ソナタ 嬰へ短調 K.448/L.485/P.261/
 10.ソナタ ホ長調 K.216/L.273/P.320/
 11.ソナタ ニ短調 K.553/L.425/P.557/
 12.ソナタ ハ長調 K.72/L.401/P.1/
 13.ソナタ ヘ短調 K.365/L.480/P.112/
 14.ソナタ 変ホ長調 K.253/L.320/P.239/
 15.ソナタ ハ短調 K.230/L.354/P.47/
 16.ソナタ 変ロ長調 K.439/L.47/P.473/
 17.ソナタ ト短調 K.43/L.40/P.133/
 18.ソナタ ヘ長調 K.296/L.198/P.305/
 19.ソナタ ニ短調 K.92/L.362/P.44
オリオン・ウェイス(ピアノ)
録音 2013年7月15-17日 カナダ オンタリオ,CBC グレン・グールド・スタジオ
 イタリアのナポリで生まれ、スペインのマドリードで亡くなった作曲家ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)。彼の555曲ある「ソナタ」は、実際には彼が使えたスペインの王女マリア・マグダレーナ・バルバラのための練習曲で、ほとんどの曲は1楽章のみの短いものですが、その独創性と、当時としては極めて斬新な技巧を用いていたことなどもあって、ソナタと呼ばれています。
 もちろん当時はまだ現在のようなグランド・ピアノは存在していなかったので、これらの曲をピアノで演奏するには、また違ったアプローチも必要になってきます。
 NAXOSでは、これらのソナタの録音にあたり、アルバム毎にピアニストを変えるという趣向を取っていて、ここではアメリカの名ピアニスト、オリオン・ウェイスを起用し、これらのソナタに新鮮な風を送り込むことに成功しました。
 時には軽快に、時にはロマンティックに・・・18世紀の端正な音楽が、21世紀の今に生き生きと動き始めます。
 


8.573248
\1100
フランツ・イグナツ・ベック:交響曲集
 1-4.交響曲 ニ長調 Op.4-1(Callen 19)/
 5-8.交響曲 変ロ長調 Op.4-2(Callen 20)/
 9-12.交響曲 ヘ長調 Op.4-3(Callen 21)/
 13-15.交響曲 ニ長調 Op.3-6(Callen 18)
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団パルドゥビツェ/
マレク・シュティレツ(指揮)
録音 2013年8月27日-9月6日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家
 マンハイム楽派の中心人物とみなされたヨハン・シュターミッツ。彼の最も有能な弟子がこのベック(1734-1809)でした。彼が多くの交響曲(シンフォニア)を作曲した1750年代以前は、まだこの形式が正式には定まっておらず、最初はイタリア式序曲「急−緩−急」の楽章がそれぞれ独立し、それをシュターミッツやカンナビヒが受け継ぎ発展させ、エマヌエル・バッハがメヌエットの楽章を付け加えて「交響曲」とし、古典派へ繋いでいったとされています。
 シュターミッツの交響曲は、フランスで大いなる人気を博したとされており、その弟子であったベックも師に倣い、この形式の作品を書いたのでしょう。
 彼の交響曲は、当時としてはかなり独創的な音楽で、驚くほど劇的な表情と大胆な和声を持っていて、また当時のマンハイム楽派の作曲家たちが好んだ3楽章形式ではなく、メヌエットを含んだ4楽章形式を好んでいたことも特筆すべき点かもしれません。メヌエットを含むことで曲全体が長くなるため、メリハリをつけるために曲内の反復をなるべく減らしたことも、全曲の推進力をアップさせることに役立っているようです。
 こんなベックの交響曲、ハイドンやモーツァルトとはまた違った味わいがあり、一度聞くと手放せなくなる魅力に満ちています。


ベック:交響曲集
旧譜2タイトル

8.570799
ベック:交響曲集 Op.3
 1-4.交響曲ヘ長調 Op.3-1(Callen 13)/
 5-8.交響曲変ロ長調 Op.3-2(Callen 14)/
 9-12.交響曲ト短調 Op.3-3(Callen 15)/
 13-16.交響曲変ホ長調 Op.3-4(Callen 16)
トロント室内管弦楽団/
ケヴィン・マロン(指揮)
 マンハイム楽派の一人、フランツ・イグナツ・ベック(1734-1809)の交響曲集。
 彼は父親から音楽の手ほどきを受け、様々な楽器を習得し、シュターミッツの弟子としてマンハイムの宮廷楽団の奏者となります。彼の才能があまりにも素晴らしかったのでしょう。同業者からいわれのない嫉妬と中傷を受け (例えば、決闘の相手が死んでしまったなど) 、結局のところ、彼はマンハイムを離れヴェネツィアに移住することになります。そこから先も波乱の人生を送った彼の作品は、その生涯に似て、とても劇的で大胆さを備えています。大胆な和声進行、柔軟なリズム、これらが溶け合い絶妙な効果を持つこれらの作品、ごゆっくりどうぞ。

もっと聴きたい方は「6つの交響曲 Op.1」もどうぞ。

8.554071
¥1100
ベック( 1 7 3 4 - 1 8 0 9):
 6つの交響曲O p . 1

 [シンフォニア第1番( C a l l e n 1)/
  シンフォニア第2番(C a l l e n 2)/
  シンフォニア第3番(C a l l e n 3)/
  シンフォニア第4番( C a l l e n 4)/
  シンフォニア第5番(C a l l e n 5)/
  シンフォニア第6番(Callen6)]
ドナルド・アームストロング指揮
ニュージーランド室内管
バロックから前古典派への移り変わりが、作品を通じて表れる時代の代表的作曲家。シュターミッツに学び、マンハイムからヴェニスへ。ハイドン作品やモーツァルト初期の曲などにも通じる、爽快な音楽。

  

8.573260
\1100
ミサ・コンチェプティオ・トゥーア 〜待降節のための中世とルネッサンスの音楽
 1-7.作者不詳:アンティフォナ
  <おお、叡智よ(マニフィカト)/おお、主よ/
  おお、エサイの根よ/おお、ダビデの鍵よ/
  おお、昇る光よ/おお、全ての民の王よ/
  おお、エマニュエル>/
 8-12.ピエール・ド・ラ=リュー(1460頃-1518):
  ミサ・コンチェプティオ・トゥーア
  <キリエ/グローリア/クレド/サンクトゥス/アニュス・ディ>/
 13.作者不詳:救い主のうるわしき母(ポルトガル写本、14世紀)/
 14.作者不詳:かくも麗しいバラはない(イギリス、17世紀)/
 15.作者不祥:恵みあふれる聖マリア(イギリス、15世紀)/
 16.作者不詳:ノヴァ!ノヴァ!(イギリス、15世紀)
   ※8-12…世界初録音
シカゴ・スコラ・アンテクァ/
マイケル・アラン・アンダーソン(指揮)
録音 2012年12月8日 USA イリノイ州,シカゴ 聖ヨサパト・パリシュ
 「クリスマス=キリストの降誕を記念する日」だったはずが、いつの間にかケーキを食べて、プレゼントを交換して盛り上がる日になってしまいました。そろそろ本来の意味合いに戻して…(あっ、やっぱりケーキは必要デス)。
 そんな、静かな日を過ごしたい方にぴったりのアルバムは、ルネサンス時代の美しい「クリスマスの音楽」を集めたものです。
 ここに収録されているのは、12月25日のためだけではなく、その前にある4週間の期待溢れる時期である「アドベント」のための音楽です。
 1200年以上前に歌われたであろう、単旋律のアンティフォナ(2つの合唱隊が交互に歌う形式)で始まり、次はルネサンス期の作曲家ピエール・ド・ラ=リューの5声部のモテットが歌われます。
 そして様々な写本から取られた聖母を賛美する歌で締めくくられるという1枚。綿密な研究に支えられた確固たる歌は、時代を超えて聴き手の胸にしみいることでしょう。
 

8.573277
\1100
ピーニョ・バルガス:レクイエム&ユダ
 1-9.レクイエム(2012)
 <入祭唱/キリエ/ディエス・イレ/呪われた者たちは退けられ/
  涙の日/奉献唱/聖なるかな/神羊誦/我を救い給え>/
 10-16.ユダ(ルカ、ヨハネ、マタイ、マルコ伝による)(2002)
 <Dies festus/Ecce manus/Domine, quis est?/
 Christus apprehenditur/Prodotoris finis/
 Se suspendit/Scripturae(canone aeternum)>
グルベンキアン合唱団&管弦楽団/
ホアナ・カルネイロ(指揮)…1-9/
フェルナンド・エルドーロ(指揮)…10-16
録音 2012年11月21-22日…1-9, 2004年5月…10-16 ポルトガル,カルースト・グルベンキアン財団庭園グランド・アウディトリオ
 このレクイエムの作曲家である、アントニオ・ピーニョ・バルガス(1951-)は実はポルトガルでも有数のジャズ・ピアニストとして知られている人です。彼のジャズ・アルバムは世界中で高い人気を得ていて、その音楽もアルデッティ四重奏団をはじめとした、様々な演奏家によって演奏されています。
 しかし、この「レクイエム」は極めてシリアスな音楽であり、これまでのキリスト教に基づいた過去の作品だけでなく、もっと人間の根源にあるもの…これは先史時代の恐怖と畏れなども含めた「死」というものへの畏敬の念が込められた作品と言ってもよいのかも知れません。
 曲は捉えようによっては、素晴らしくドラマティックであり、まるで映画音楽のような迫力をも有していますが、これも受け入れるべきものなのでしょうか。
 悲しみの中を漂うかのような「涙の日」、語りかけてくるかのような「サンクトゥス」などに独自の美を見出すことも可能です。「ユダ」はもっと現代的な響きを持った音楽で、テキストは4つの福音書から取られています。
 普遍的な言葉を音楽に載せながらも、幾多の理由から、ソリストを使わずに合唱のやりとりで物語を進めていく様子は確かに見事としかいいようがありません。
 

8.573281
\1100
ソレール:鍵盤のためのソナタ集 第42番-第56番
 1.ソナタ 第42番 変ホ長調/2.ソナタ 第43番 ト長調/
 3.ソナタ 第44番 ハ長調/4.ソナタ 第45番 ト長調/
 5.ソナタ 第46番 ハ長調/6.ソナタ 第47番 ハ短調/
 7.ソナタ 第48番 ハ短調/8.ソナタ 第49番 ニ短調/
 9.ソナタ 第50番 ハ長調/10.ソナタ 第51番 ハ長調/
 11.ソナタ 第52番 ホ短調/
 12.ソナタ 第53番 イ長調「トランペットのソナタ」/
 13.ソナタ 第54番 ニ短調/
 14.ソナタ 第55番 ヘ長調/15.ソナタ 第56番 ヘ長調
マテウス・ボロヴィアク(ピアノ)
録音 2013年2月4-6日 スペイン ジロナ,パラウ・デ・コングレソス・オーディトリウム
 カタルーニャのウロトに生まれたアントニオ・ソレール(1729-1783)は、6歳でオルガンと作曲の勉強をはじめ、モンセラート修道院の聖歌隊員に加わります。わずか15歳でセオ・デ・ウルゲル大聖堂のオルガニストと副助祭に任命されるほどの才能を持ち、その後は23歳で叙階を受け聖職者となり、亡くなるまでの31年間はずっと禁欲的な生活を送った人です。
 彼の生活は確かに常人から見ると単調なものだったかも知れませんが、彼の書いたソナタを聴くと、本当はものすごく実り豊かな暮らしをしていたのではないかと思わせるだけの強い魅力があるものです。
 彼はドメニコ・スカルラッティに師事したと言われていて、これらのソナタからも、その影響は感じられますが、曲自体はもっと自由であり、1曲の長さも拡大されています。
 とにかく明るく力強い、まさしく「健康的な」音楽です。
 ここでピアノを演奏しているのは2011年にバルセロナで開催された第57回マリア・カナルス国際音楽コンクールで1位を獲得したマテウス・ボロヴィアク。2013年のエリザベート王妃国際コンクールでも3位を獲得するなど、数々のコンクール入賞暦を持つ最注目のポーランド=イギリスのピアニストです。
 


8.573316
\1100
カステルヌオーヴォ=テデスコ:エヴァンゲリオン

 28のピアノ小品による、子供たちへ語るイエスの物語/

  1-6.第1部:乳のみ子時代
  <受胎告知/キリストの降誕/三人の王/罪のない虐殺/
  エジプトへ/幼子キリストと博士たち>/
 7-14.第2部:生涯
  <ヨルダンでの洗礼/サロメの踊り/ガリラヤ湖で/
  波の上を歩くイエス/サマリアの女/ラザロの復活/
  マグダラのマリア/イエスと両替商>/
 15-21.第3部:その言葉
  <山上の垂訓/天にまします我らの父よ/
  イエスと小さな子供たち/あなたがたは災いだ/
  賢い乙女とおろかな乙女/迷える羊/放蕩息子の帰還>/
 22-28.第4部:受難
  <イエルサレムへの入場/最後の晩餐/ゲッセマネ/
  磔よ!/ゴルゴタ/最後の言葉/復活>
   ※世界初録音
アレッサンドロ・マラゴーニ(ピアノ)
録音 2013年12月9-10日 イタリア イヴレア,SMCレコード,バロック・ホール
 日本ではどちらかというと「ギターの作曲家」として知られているカステルヌオーヴォ=テデスコ(1854-1893)ですが、元々彼はピアニストとして活躍し、多くのピアノ曲をはじめ、歌劇や管弦楽曲の作曲家としても素晴らしい作品を残しています。もともとイタリア系のユダヤ人であった彼は、ファシスト政権が台頭した頃から社会的地位を危うくされ、最終的にはイタリアを脱出することとなります。
 そして1939年に渡米し、ハリウッドで数多くの映画音楽を作曲したことでも知られています。この作品は1949年に作曲された特異な曲集で、この2年前の父親の死と、その年に訪れたメキシコの修道院の印象がこの曲を書くきっかけになったようです。
 テデスコは聖書やシェークスピアを自らのテーマにすることを好んだのですが、この曲集もキリストの一生を歌を使わずに、ピアノの小品のみで描くという離れ業をやってのけます。
 言葉を伴わないおかげで、必要以上に感傷的になることなく、適切に情景が描かれていますが、逆に宗教的な雰囲気はあまり感じられないので、もしお子さんに聞かせてあげるのであれば、聖書のお話を一緒に読んであげることは必要かもしれません。
  

8.573395
\1100
ジャック・エテュ:弦楽のための作品全集
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 Op.19(1972)/
 5-7.弦楽四重奏曲 第2番 Op.50(1991)/
 8.スケルツォ Op.54(1992)/
 9-10.アダージョとロンド Op.3 No.1a(1960)/
 11-13.セレナード Op.45(1988)
  <第1楽章:前奏曲/第2楽章:夜想曲/第3楽章:踊り>/
 14.六重奏曲 Op.71(2004)
ニュー・オーフォード弦楽四重奏団
<メンバー:
ジョナサン・クロウ(ヴァイオリン)/
アンドリュー・ワン(ヴァイオリン)/
エリック・ノウリン(ヴィオラ)/
ブライアン・マンカー(チェロ)>/
スティーヴン・ダン(ヴィオラ)…14/
コリン・カール(チェロ)…14/
ティモシー・ハッチンス(フルート)…11-13
録音 2012年5月6-9日 カナダ モントリオール,マギル大学マルティメディア・ミュージック・ルーム
 カナダのケベックで生まれた作曲家ジャック・エテュ(1938-2010)はモントリオールの音楽院で学び、オタワ大学でジュール・マーテルから専門的な知識を習得します。その後も様々な音楽家から指導を受け、1959年の夏にはルーカス・フォスとともにタングルウッド音楽センターで学んだ経歴も持っています。
 1961年から63年まではエコール・ノルマルでアンリ・デュティユー、1962年から63年にはパリのコンセルヴァトワールでオリヴィエ・メシアンの指導も受けています。もちろん数多くの受賞歴があり、今でも彼は、カナダにおける最も先進的な現代音楽作曲家とみなされています。
 彼の作品は確かに難解ですが、その根底には伝統的な音楽フォームがあり、特に初期の作品にはバルトークやヒンデミット、フランスの印象派主義の音楽や、メシアンなどの影響が見受けられます(例えば弦楽四重奏曲第1番の2楽章の終結部の美しい響きは、メシアンの天上の世界を示す音と似ています)。
 彼の音楽は無調ではなく、多調であり、ネオ・ロマンティックな情景は後年になるほど深まり、1991年の弦楽四重奏曲第2番は更に美しい音に満ちています。
 

8.578288
\1100
ヨーゼフ・シュトラウス・ミーツ・オッフェンバック
 1.フォルトゥニオ・カドリーユ Op.103(C.ポラック編)/
 2.カドリーユ 「グルジアの女たち」 Op.168/
 3.青ひげカドリーユ Op.206/
 4.カドリーユ 「ゲレルシュタイン大公妃」 Op.223/
 5.カドリーユ 「ジュヌヴィエーヴ」 Op.246/
 6.ペリコール・カドリーユ Op.256/
 7.トト・カドリーユ Op.265/
 8.カーディ・カドリーユ Op.25/
 9.ファウスト・カドリーユ Op.112/
 10.クリスピーノ・カドリーユ Op.224
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団…1.3.4.6.7.8.9/
ラズモフスキー交響楽団…2/
スロヴァキア放送交響楽団…5/
クリスチャン・ポラック…1.4/
アルフレッド・エシェヴェ…2/
ミハエル・ディトリッヒ…3.5.6.7.9/
マンフレッド・ミュサウアー…8.10
MARCOPOLO 8.223561-575&8.223618-626&8.223664&8.223679から抜粋
 ヨハン・シュトラウス1世の次男であり、ヨハン・シュトラウス2世の弟であるヨーゼフ・シュトラウス。彼はもともと音楽家になるつもりはなく、工業技術者を志していましたが、兄の代役として作曲した作品が話題となり、結局は音楽家の道を歩んだという人です。
 シュトラウス・ファミリーの中では目立たない存在ですが、それでも43年という生涯に220曲以上もの作品を残しました。
 彼が夢中になったのは、同年代のフランスで活躍したオッフェンバックの音楽で、当時盛んに上演されていた彼の作品の美しいメロディを転用したいくつものカドリーユは、ヨーゼフの作品の中でも異彩を放つものとして評価されています。
 もちろん、これらは踊るためという用途もあり、原曲の持つ複雑さは排除され、美しい部分だけが繋ぎ合わされた、ある意味「実用的」な音楽ですが、聴き手としては、美味しいどころ取りともいえるこれらの舞曲は大変歓迎されるものであったことでしょう。
 


8.573276J
\1100
細川俊夫:管弦楽作品集 第2集
 1.オーケストラのための「夢を織る」(2009)/
 2.室内オーケストラのための「開花 II」(2011)/
 3-11.オーケストラのための「循環する海」(2005)
 <Introduction-序/Silent Ocean-静かな海/
  Waves from the Ocean-海の波/
  Cloudscape in the Sky-空の雲模様/
  Storm-嵐/Waves-波/
  Breeze on the Ocean-海を渡る風/
  The Water returning to the sky again-
   空から再び戻る水/
  Mist on the Ocean-海の上の霧>
 ※世界初録音…1.3-11, 3-11…8.570775に既収録
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団…1-2/
フランス国立リヨン管弦楽団…3-11/
準・メルクル(指揮)
録音 2013年6月10-12日 スコットランド グラスゴー,ヘンリーウッド・ホール…1-2, 2007年7月15日 フランス,オーディトリウム・ド・リヨン…3-11
 現代日本の作曲家の中でも、ワールドワイドで最も高い評価を受けている人といえば、やはり細川俊夫(1955-)であることは間違いありません。
 彼の作品には、日本的な要素(音色も思考も)が極めて多く用いられているのですが、その語法の巧みさと真摯さによって、それらが言葉の壁を越えて世界中の人々へと伝播しているのですから。
 ここに収録された3つの作品は、それぞれ異なる源泉から生まれています。「夢を織る」は彼自身が母の胎内にいた時の仄かな記憶とも夢とも取れるもの。永遠の揺りかごである子宮の中に聞こえてくる音は“変ロ音”。柔らかく全てを絡めとっていくようなこの音に包まれながら、彼は大いなる旅に出発するというのです。そして「開花」は彼の得意とする花がテーマとなった曲。花が開くときに必要とする莫大なエネルギーを生きる力に変換するという繊細で遠大なる作業…これについての考察です。
 そして「循環する海」。こちらは水の姿の変容を音に映したものであり、「海を出発してまた海へと還る」というひたすら永遠に繰り返される現象が言葉を介さず、音だけで描かれていきます。聴き手はこのアルバムで、たくさんのことを考えることができるでしょう。
 作曲者本人による詳細な解説が付いています。
 


8.573170
\1100
プーランク:バレエ組曲(ピアノ編曲版)
 1-8.バレエ組曲「模範的な動物たち」FP111(1940-1941)
  (グラント・ヨハンセン編)
  <第1曲:夜明け/第2曲:熊と二人の仲間/
   第3曲:セミと蟻/第4曲:恋するライオン/
   第5曲:中年男と二人の花嫁候補/
   第6曲:死神ときこり/
   第7曲:2羽の雄鳥/第8曲:昼食>/
 9-14.バレエ音楽「牝鹿」FP36(1923)(ピアノ版)
  <第1曲:序曲/第2曲:ロンド/
   第3曲:アダージェット/第4曲:ラグ-マズルカ/
   第5曲:アンダンティーノ/第6曲:フィナーレ>/
 15-22.バレエ音楽「オーバード」 FP51(1929)(ピアノ版)
  <トッカータ/レチタティーヴォ、ディアーヌの仲間たち/
   ロンド、ディアーヌと仲間たち/
   ディアーヌの化粧室/
   レチタティーヴォ、「ディアーヌのヴァリアシオン」への序奏/
   アンダンテ、ディアーヌのヴァリアシオン/
   ディアーヌの絶望/ディアーヌの別れと出発>
   ※1-8…デジタルによる世界初録音,
    9-22…ピアノ版による世界初録音
ジャン・ピエール・アルマンゴー(ピアノ)
録音 2013年2月21-23日…15-22, 2013年3月28-29日,4月6-7日…9-14, 2013年4月11-13日,5月3日…1-8 パリ イヴリー=シュル=セーヌ,ピエール・マルボス,スタジオ「4'33”」
 軽妙洒脱、そして繊細でユーモラスなプーランク(1899-1963)の作品には汲めども尽きぬ魅力があります。そのメロディの歌わせ方、ハーモニー、リズムのどれもが、いかにもフランス風であり、決して革新的ではなかったにせよ、独自の世界を築き上げたことは間違いありません。
 ここで聞く事のできるピアノ版のバレエ作品は、とても珍しいものですが、彼自身はバレエ作品を書くとき、他の作曲家のようにまず「ピアノ・スコア」を作成し、それを管弦楽版に仕立てることが多く(バレエのリハーサルのために)、これらもそんなスコアに基づいて演奏されています。
 パリ・オペラ座からの依頼で作曲された「模倣的な動物たち」。詩人ラ・フォンテーヌの「寓話」からテキストが取られたこの物語、ありがちなお話の中にピリリと教訓が込められた小気味のよいものなのですが、プーランクは音楽で更に創造的な世界を描きあげています。こちらのピアノ版は作曲家自身が同意した1951年のヨハンセンによるヴァージョンで演奏されています。
 タイトルに「若い娘たち」の意味がある「牝鹿」も人気作品。バレエ曲でもあり、協奏曲でもある「オーバード」(夜明け)は、恋を禁じられた女神ディアーヌの失恋物語。彼の私生活の失意が反映されているとも言われています。
 

8.573308
\1100
ロシアの回想
 1-3.コンスタンティン・ヴァシリエフ(1970-):
  3つの森の絵(2001)
   <古い楢の樹/スノードロップ/森の亡霊の踊り>/
 4.セルゲイ・ルドネフ(1955-):古い菩提樹(1978)/
 5.ヴァシリエフ:白鳥の王女(2010)
  (イリナ・クリコヴァに捧げる)/
 6.ヴィクトル・コズロフ(1958-):ロシアの大地への献呈(1990)/
 7-9.ヴァシリエフ:3つの叙情的小品(2003)
  <セルゲイ・ラフマニノフの思い出へのエレジー/
   アグスティン・バリオスの思い出への回想/
   ヘクトル・ヴィラ=ロボスの思い出へのモギアナ>/
 10.ルドネフ:切り立った岸の間に-即興(1980)/
 11.コズロフ:さまよえるオランダ人(1993)/
 12.コズロフ:美しきエレーナのためのバラード(1994)
  ※5.10…世界初録音
イリーナ・クリコヴァ(ギター)
録音 2013年10月3-6日 カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
 すでにNAXOSから2枚のアルバム(8.572717, 8.572390)をリリースし、2013年には来日公演も行い、その才能を存分に見せつけたロシアのギタリスト、イリーナ・クリコヴァ。見た目は実に愛らしい女性ですが、実は数多くのコンクール受賞歴はもちろんのこと、25年に渡る演奏活動を続けているという、相当な実績のある人なのです。
 そんな彼女の今回のアルバムは、故郷であるロシアの現代音楽集。現代と言っても前衛的な作品ではなく、どれもが詩情溢れるステキな作品です。
 静けさと活気が絶妙にブレンドされたヴァシリエフの作品から、聴き手の耳をひきつけることは間違いなし。クリコヴァの深みのある音色は、郷愁と憧憬を呼び起こし、その技巧とともに深く深く心に染み込んでくることでしょう。
 NAXOSの数あるギターアルバムの中でも、とりわけ強くオススメしたい1枚です。
 


8.573412
\1100
イタリアのソプラノ・アリア集
 1.レスピーギ(1879-1936):日没 P.101/
 2.プッチーニ(1858-1924):歌劇「蝶々夫人」-
  第2幕 ある晴れた日に/
 3.ヴェルディ(1813-1901):歌劇「オテロ」-
  第4幕 ご主人様のお心はずっと静まりましたでしょうか?-
  私の母は一人の気の毒な女中を使っていたの(柳の歌)-
  アヴェ・マリア/
 4.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」-
  第1幕 お聞きください、ご主人様/
 5.プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」-
  第3幕 さようなら、あなたの愛の呼ぶ声に/
 6.プッチーニ:歌劇「修道女アンジェリカ」-母もなしに/
 7.プッチーニ:歌劇「つばめ」-
  第1幕「ドレッタの美しい夢」/
 8.カタラーニ:歌劇「ラ・ワリー」-
  第1幕「さようなら、ふるさとの家よ」/
 9.プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」-
  第1幕「私のお父さん」
マリア・ルイジア・ボルシ(ソプラノ)/
ロンドン交響楽団/
イブ・アベル(指揮)
録音 2013年12月2-3日 UK ロンドン,リンドフルスト・ホール,エア・スタジオ
 恐らくこの作品は、ソプラノ歌手マリア・ルイジア・ボルシが自身の真価を問うものなのだと思うのです。
 あまりにも美しくあまりにも切ない歌。本来は弦楽四重奏とメゾ・ソプラノのための作品ですが、ここではオーケストラの伴奏に載って切々と歌われます。音の一つ一つに意味があるようなこの静かな叫びの意味を知りたくて、テキストを読み込んでみたくなりました。元々は英語の詩をイタリア語に翻訳した文章…最初はよくある男女の物語だと思いました。
 気の弱い男が憧れの女性に思いを告げ、嬉しい返事をもらい、そのまま夕暮れの道を歩み、一夜を共にする…なるほど、タイトルの「日没」はそこから来ているのだな。
 しかし物語は一転します。その内容を知った時、この曲をもう一度繰り返して聴いてみたくなりました。そんな強い訴求力を持つ歌を歌うこの歌手。
 日本にも度々来日して、聴衆を魅了している若手です。本当に素晴らしい歌い手の登場です。もちろん全ての曲が極上です。
 


8.572865
\1100
ヨーゼフ・マルティン・クラウス:アリアと序曲集
 1.歌劇「プロセルピナ」VB 19-序曲 /
 2.あなたの無邪気な視線を VB 30/
 3.あなたは恐れていますか?最愛の人よ VB 63/
 4.あなたを愛することをやめることなど VB 59/
 5.「グスタフ3世の誕生日のために」VB 41-序曲/
 6.私が小さな神を見るとき VB 5/
 7.「冒険家」序曲 VB 32/
 8.時代の荒廃は VB 58/
 9.聞いてくれ、行かないでくれ - 私の大切な人に VB 55/
 10.「グスタフ3世のための葬送カンタータ」VB 42-序曲/
 11.私の痛みとため息を聞いてください VB 26
   ※2.3.4.6.7.11…世界初録音
モニカ・グループ(メゾ・ソプラノ)…2.3.1.6.8.9.11/
ヘルシンキ・バロック管弦楽団/
アーポ・ハッキネン(指揮)
録音 2013年6月10-12日 フィンランド,エスポー、セッロ・ホール
 奇しくもモーツァルトと同じ年に生まれるも、彼とは全く違う運命に翻弄されたヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)。彼は25歳の時にストックホルムのグスタフ3世に宮廷音楽家として召抱えられ、数々の音楽経験を経て、君主が暗殺された際には「追悼音楽」を捧げ、その後まもなく彼自身も病のためこの世を去ります。それはモーツァルトが早すぎる死を迎えたほぼ1年後のことでした。
 最近になって彼の作品が次々とリリースされ、その驚くべき才能に感嘆する人が増えてきましたが、まだまだ知られていない作品は多く、このアルバムの半分以上の作品も世界初録音となっています。劇音楽を得意としたクラウスらしく、序曲のどれもが溌剌とした美しさを有しており、またコンサート・アリアも素晴らしいものです。
 注目すべきは、「私が小さな神を見るとき」VB5。これはクリスマスのための音楽で、牧歌的な雰囲気を湛えた木管楽器と、美しい独奏ヴァイオリンが、アルトの歌唱と絶妙な調和を見せています。モニカ・グループのつややかな美声でお楽しみください。
 


8.573307
\1100
ジョアン・ファレッタ&バッファロー・フィル
 バルトーク:交響詩「コッシュート」・2つのポートレート・組曲
  1.交響詩「コッシュート」Sz.75a/
  2-3. 2つのポートレート Op.5 SZ.37
   <第1番:理想的なもの/第2番:みにくいもの>/
  4-8.組曲 第1番 Op.3
   <第1楽章:Allegro vivace/第2楽章:Poco adagio/
    第3楽章:Presto/第4楽章:Moderato/
    第5楽章:Molto vivace>
ミヒャエル・ルートヴィヒ(ヴァイオリン)…2.3/
バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
録音 2013年11月22.23日…1-3, 2013年10月19.20日…4-8 USA ニューヨーク,バッファロー,クレイン・ミュージック・ホール
 ハンガリーの民俗音楽とクラシック音楽の融合を図り「管弦楽のための協奏曲」やミクロコスモス、弦楽四重奏曲などの素晴らしい作品を数多く書いたバルトーク(1881-1945)。しかし、そんな彼も最初からばりばりハンガリー風の音楽を書いていたわけではありません。
 1898年にウィーン音楽院に入学する前の彼はブラームスの作品に影響を受けていましたが、交響詩「コッシュート」は21歳のバルトークがリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラ」を聴いて衝撃を受け作曲したもので、題材こそはハンガリーの英雄に由来していますが、音楽はまさにシュトラウスそのもの。しかし色々な意味で世間を騒がせた上、彼も自信を持った問題作です。
 「2つのポートレート」は彼が思いを寄せたヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルを意識して書かれたました。人間の2つの面を真摯に描き、彼女のモティーフを登場させることで、失恋の痛手を慰めたようです。「組曲」は彼がピアニスト、作曲家としての位置を確立させようとしていた頃の作品で、1905年に初稿が書かれましたが、後の1920年に改訂されています。壮大なオーケストラのファンファーレで始まる楽しい作品です。初演時のウィーンではセンセーショナルな話題を巻き起こした」とバルトーク自身がメモを残したとされています。
 

8.572909
\1100
レーガー:オルガン作品集 第16集
 1-4.レーガー:3つの小品 Op.7
 <第1番:前奏曲とフーガ ハ長調(Track1-2)/
  第2番:幻想曲「テ・デウム・ラウダムス」 イ短調/
  第3番:フーガ ニ短調>/
 5-19. J.S.バッハ(1685-1750):
  2声のインヴェンション BWV772-786
  (M.レーガー&K.シュトラウベによるオルガン編曲版)
  <第1番 ハ長調 BWV 772/
   第2番 ハ短調 BWV 773/
   第3番 ニ長調 BWV 774/
   第4番 ニ短調 BWV 775/
   第5番 変ホ長調 BWV 776/
   第6番 ホ長調 BWV 777/
   第7番 ホ短調 BWV 778/
   第8番 ヘ長調 BWV 779/
   第9番 ヘ短調 BWV 780/
   第10番 ト長調 BWV 781/
   第11番 ト短調 BWV 782/
   第12番 イ長調 BWV 783/
   第13番 イ短調 BWV 784/
   第14番 変ロ長調 BWV 785/
   第15番 ロ短調 BWV 786>/
 20-22.レーガー:52のやさしいコラール前奏曲 Op.67より
  <第36番:われはわが神を歌わずにいられようか/
   第37番:汝が怒りもてわれを罰したもうな/
   第38番:われ汝に別れを告げん>/
 23.前奏曲 ハ短調 Wo0 8-6/
 24.フーガ ハ短調 Wo0 4-8/
 25-26.前奏曲とフーガ ニ短調 Wo04-10/
 27-28.J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV 913
  (M.レーガーによるオルガン編曲版)
クリスチャン・バルテン(オルガン)
録音 2013年6月10-11日 ドイツ,フルラ大聖堂 リーガー・ザウアー・オルガン
 レーガー(1873-1916)の偉大なるオルガン作品集もこの第16集で完結となります。このアルバムには彼の初期の作品である「3つの小品」Op.7と、「52のやさしいコラール前奏曲」の残り3曲、そして3つの遺作と、問題作「バッハの2声のインヴェンション」オルガン版が収録されています。
 原曲はピアノ学習者や愛好家に良く知られているあの曲集ですが、レーガーと彼の友人シュトラウベは、この作品に基づくオルガンのためのトリオ・ソナタを作ることを考案。両手とペダルを完全に独立させ、オリジナルのメロディに新たな対旋律を組み合わせることで、全く新しい様相を持った作品が出来上がりました。
 日頃聞きなれているはずの音楽が、素晴らしく荘厳に聞こえてくる様子は感動的。研究のためとは言え、ここまでするか!とため息が出てしまうほどの出来栄えです。
 自らの作品を生み出すために、徹底的に先人の作品を研究するこの心意気、見習うべきところも多いのかも知れません。
 


8.573108
\1100
リヒャルト/シュトラウス/ヴェルディ/プッチーニ:弦楽四重奏曲集
 1-4.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  弦楽四重奏曲 イ長調 Op.2 TrV95
  <第1楽章:Allegro/
   第2楽章:Scherzo: Allegro molto/
   第3楽章:Andante cantabile, molto espressivo/
   第4楽章:Allegro moderato>/
 5.プッチーニ(1858-1924):菊/
 6-8.プッチーニ:3つのメヌエット/
 9-12.ヴェルディ(1813-1901):
  弦楽四重奏曲 ホ短調
  <第1楽章:Allegro/第2楽章:Andantino/
   第3楽章:Prestissimo/
   第4楽章:Scherzo Fuga: Allegro assai mosso>
エンソ弦楽四重奏団
<メンバー:
モーリーン・ネルソン(第1ヴァイオリン)/
ジョン・マルクス(第2ヴァイオリン)/
メリッサ・リアドン(ヴィオラ)/
リチャード・ベルチャー(チェロ)>
録音 2012年7月30日-8月2日 カナダ オンタリオ,聖アン教会
 リヒャルト・シュトラウスが16歳の時に作曲した弦楽四重奏曲は、彼の父の従兄弟であり、幼きシュトラウスにヴァイオリンを教えたベンノ・ワルター(ミュンヘン宮廷劇場のコンサート・マスター)によって初演された記念すべき作品です。
 父の影響でモーツァルトやベートーヴェンを手本とするように指導されたシュトラウスの、折り目正しい作品ですが、この後彼は少しずつ父親の縛りから離れ、自らの語法を確立していくことになります。
 プッチーニの「菊」は短くも感傷的で美しいエレジーです。3つのメヌエットはハイドンらしさを感じさせる短い作品です。
 ヴェルディの弦楽四重奏曲は60歳の時の作品で、彼の唯一の室内楽作品です。なかなか演奏される機会に恵まれない作品群ですが、3人の作曲家の全く別の面を伺い知ることのできる名作といえるでしょう。
 演奏しているエンソ弦楽四重奏団は1999年にイェール大学に設立され、2007年からニューヨークに拠点を置き活躍している団体。ルネサンスから現代までの幅広いレパートリーを持ち、中でもヒナステラの弦楽四重奏曲での名演は、他に並ぶものがありません。
 
8.573176
\1100
ハーバート・ハウエルズ:スターバト・マーテル 他
 1-7.スターバト・マーテル(1959-1965)
 <悲しみの母は立っていた/嘆き、悲しみ/
  涙をこぼさないものがあるだろうか/
  さあ、御母よ/聖なる母よ/
  私の心を燃やしてください/
  キリストよ、私がこの世を去る時には/
  テ・デウム(1944/1977)/
  シネ・ノミネ(1922)>
ベンジャミン・ヒューレット(テノール)…1-7.8/
アリソン・ヒル(ソプラノ)…9/
バッハ合唱団/
ボーンマス交響楽団/
デイヴィッド・ヒル(指揮)
録音 2013年11月30日.12月1日 UK ドルセット,プール ライトハウス
 古今東西の宗教作品の中でも、高い人気を誇るのがこの「スターバト・マーテル」です。日本語にすると「悲しみの聖母」であり、歌い出しのラテン語“Stabat mater dolorosa-悲しみの母は立っていた」がそのままタイトルに使われています。数多くの作曲家たちがこのテキストに思い思いの曲をつけています。
 イギリスの作曲家、ハウエルズの「スターバト・マーテル」はドヴォルザークの作品と同様に、彼自身の9歳の息子、マイケルの突然の死が作曲の動機となりましたが、ハウエルズ(1892-1983)は曲に個人的な悲しみだけを盛り込むのではなく、1962年のキューバ危機や翌年のケネディ大統領の暗殺などの、厳しい世界情勢を危惧し、やがては核戦争への恐怖までをも内包した途方もない悲しみが含まれています。そのため曲は不安定であり、本当に悲しみに満ちていますが、時として驚くばかりの美しい響きも見てとれます。聴き手の内面の平穏を試すかのような不思議な音楽です。
 打って変わって輝かしさ際立つ「テ・デウム」では開放的な明るさを体感できます。ヴォカリーズのみ(歌詞は持たない)の声とオーケストラの響きが交錯する「シネ・ノミネ」も神秘的な美しさを持っています。
 


8.573204
\1100
イザベル・ファウスト!
 ティエリー・ランシーノ:ヴァイオリン協奏曲 他

 1-3.ヴァイオリン協奏曲(2005)
  <第1楽章:Modere -
   Accelere/Glisse-(Cadenza)-
   Choral-Accelere/
  第2楽章:Lent(Attacca)/第3楽章:Vif-Fugato>/
 4-7.前奏曲とウェルギリウスの死
  <前奏曲/間奏曲/ウェルギリウスの死/後奏曲>
   ※世界初録音
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)…1-3/
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団…1-3/
アルトゥーロ・タマヨ(指揮)…2-3/
マッテオ・デ・モンティ(バリトン)…4-7/
フランス国立管弦楽団…4-7/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
録音 2005年11月3日 パリ,シャトレ劇場…1-3, 2000年12月2日 パリ,オーディトリウム・オリヴィエ・メシアン…4-7
 あの衝撃的すぎるレクイエム(8.572771)で、その特異な作風を知らしめたフランスの作曲家ランシーノ(ランチーノ 1954-)。今回は名手イザベル・ファウストをソリストに迎えた「ヴァイオリン協奏曲」と、ローマの高名な詩人ウェルギリウスをテーマにした2つの作品を収録しました。
 巨大な機械に見立てたオーケストラと、小さな木の作品(ヴァイオリン)が対峙することで生まれる様々な事象を抽象的に描くために、技術と想像力を駆使したという不思議なヴァイオリン協奏曲は、そのまま初演者であるイザベル・ファウストに捧げられています。
 もうひとつの作品は、ローマの詩人ウェルギリウスが死を迎えた時の物語を描いたもの。この詩人には多くのエピソードがあり、生まれた物語も多々あります。
 ランシーノは彼のエピソードをオペラ化しようと試みましたが、結局それは成就することはありませんでした。しかしこのアルバムの4曲の他、様々な管弦楽曲や声楽曲が生まれることになったというのです。この4曲からなるエピソードは激しく音がぶつかり合う前奏曲で始まり、星の煌きにも似た間奏曲、そして声楽を伴う「ウェルギリウスの死」が続き、最後は嘆くを鎮めるような後奏曲で幕を閉じます。
 


8.573207
\1100
ボリス・チャイコフスキー:ピアノ五重奏曲・戦争組曲
 1-4.ピアノ五重奏曲(1962)/
 5-15.戦争組曲(1964/2011)
  エレナ・アスタフィエヴァ&スタニスワフ・プロクディンによる編曲
  <第1楽章:ワルツ(告別)/第2楽章:夜の突破(近道)/
   第3楽章:道/
   第4楽章:独奏クラリネットのためのワルツ主題(陣地)/
   第5楽章:感謝/第6楽章:悲しげなワルツ(結末)/
   第7楽章:邸宅/第8楽章:沼/第9楽章:分岐/
   第10楽章:戦い/第11楽章:終曲(約束)>
     ※5-15…世界初録音
オルガ・ソロヴィエヴァ(ピアノ)…1-4/
マキシム・アニシモフ(クラリネット)…5.8.11.15/
ヴァンブラ四重奏団
<メンバー:グレゴリー・エリス(第1ヴァイオリン)…1-7.9-15/
キース・パスコー(第2ヴァイオリン)…5-7.9-11/
イオアナ・ペテク=コラン(第2ヴァイオリン)…1-4/
サイモン・アスペル(ヴィオラ)…1-7.9-15/
クリストファー・マルウッド(チェロ)…1-7.9-15>
録音 2012年10月11日 モスクワ ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」第1スタジオ…5-15, 2013年10月31日 モスクワ モスフィルム,トン・スタジオ…1-4
 延々とピアノのユニゾンが奏され、そこに激しく切り込むヴァイオリンの不協和音。この刺激的な冒頭部分だけで耳を惹きつけられるピアノ五重奏曲。これを作曲したボリス・チャイコフスキー(1925-1996)は「ショスタコーヴィチの次の世代」における最も独創的な作曲家として高く評価されています。
 1962年に書かれた「ピアノ五重奏曲」は前述の第1楽章に続く、リズミカルで旋律的な第2楽章と、変奏曲形式の第3楽章、そして表情豊かな最終楽章と、整ったフォルムを持つ作品であり、彼の最高傑作とみなされるものでもあります。
 「戦争組曲」は1964年に製作されたユリ・フェイト監督による映画「前線を守りながら」のための音楽ですが、映画公開後にこのスコアは行方不明になってしまいます。
 しかしボリス・チャイコフスキー協会が原稿を探索し、サンクトペテルブルクで発見、その後編集され、この形に落ち着きました。戦いに赴く若き将校ルサノフと、彼を待つ恋人カティア。友人とともに危険な任務を終え帰還したルサノフの目の前で流れ弾に当たって命を落とすカティア…最後のシーンで悲嘆に暮れ、家の外に立つルサノフ。こんなストーリーが悲しいワルツを伴いながら展開していきます。
 
8.578287
\1100
J.シュトラウス2世:ヨハン・シュトラウス・アット・ジ・オペラ
 1.ジプシー女のカドリーユ Op.24/
 2.カドリーユ 「ロジェルの包囲」 Op.31/
 3.マルタ・カドリーユ Op.46
  (L.バビンスキによる管弦楽編曲)/
 4.メロディーエン・カドリーユ Op.112/
 5.インドラ・カドリーユ Op.122/
 6.北極星カドリーユ Op.153/
 7.カドリーユ「悪魔の分け前」(C.ポラックによる編曲)/
 8.ディノーラ・カドリーユ Op.224/
 9.オルフェウス・カドリーユ Op. 236/
 10.新しい メロディーエン・カドリーユ Op.254/
 11.カドリーユ「仮面舞踏会」 Op.272/
 12.ファウスト・カドリーユ Op.277/
 13.カドリーユ「アフリカの女」 Op.299/
 14.こうもりカドリーユ Op.363
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団…1.2.5.6.7.8.9.10.13.14/
スロヴァキア放送交響楽団…3.4.12/
ポーランド国立カトヴィツェ・フィルハーモニー管弦楽団…11/
アルフレード・ヴァルター(指揮)…1.2.5.8.10.13.14/
オリヴァー・ドホナーニ(指揮)…6.11/
ヨハネス・ヴィルドナー(指揮)…9.12/
ミヒャエル・ディットリヒ(指揮)…3/
アルフレッド・エシェヴェ(指揮)…4/
クリスティアン・ポラック(指揮)…7
J.シュトラウス全集(8.505226)より
 NAXOSにおける偉大なるBOX「ヨハン・シュトラウス2世大全集」から抜粋した、楽しいカドリーユ集です。「カドリーユ」とはもともと4人の騎手が馬とともに四角い隊列を作って演じる軍事パレードでしたが、これが4組の男女が踊るダンスに転じ、18世紀に大流行したものです。
 このシュトラウスの「カドリーユ」は当時流行したオペラ(自作も含め)やバレエなどの音楽を上手く貼り合せて、一連の舞曲にしたもので、元の曲は既に音楽史上から消えてしまったものもあったりと、実に興味深いものです。
 現在でも残っているものをいくつか挙げると、例えば、トラック4はヴェルディの「リゴレット」から転用、トラック6はマイヤベーアの「北極星」(知られているとは言い難い?)、トラック9はオッフェンバックの「天国と地獄」、トラック11はヴェルディの「仮面舞踏会」、トラック12はグノーのファウスト、トラック12はマイヤベーアの「アフリカの女」、そして最後は自作の「こうもり」。誰もが口ずさめるメロディが軽やかに出現する、何とも楽しい曲ばかりです。

8.578787から8.578287に変更。
 


8.660349
(3CD)
\3300→\2990
ミヨー:劇音楽「アイスキュロスのオレステイア」
<CD1>
 1.アガメムノン Op.14/
 2-8.コエフォール(捧げ物をする女たち) Op.24/
<CD2>
 1-8.エウメニデス(慈愛の女神たち) Op.41 第1幕/
 9-19.エウメニデス Op.41 第2幕/
<CD3>
 1-20.エウメニデス Op.41 第3幕
クリネムネストラ…ロリ・フィリップス(S)/
オレステス…ダン・ケンプソン(Br)/
アポロ…シドニー・アウトロー(Br)/
女奴隷長…ソフィー・デルフィス(語り)/
アテナ/奴隷の女…ブレンダ・リー(S)/
アテナ…タマラ・マムフォード(Ms)/
アテナ…ジェニファー・レーン(C-A)/
プフィア(神託)…ジュリアンナ・ディ・ジャコモ(S)/
エレクトラ…クリスティン・エデル(Ms) 他/
UMSコーラル・ユニオン/
ミシガン大学室内合唱団/
ミシガン大学合唱団/
ミシガン大学オルフェウス・シンガーズ/
ミシガン大学パーカッション・アンサンブル/
ミシガン大学交響楽団/
ケネス・キースラー(指揮)
録音 2013年4月4日 USA ミシガン,ミシガン大学
 フランス6人組の中心的人物であり、また生涯に数多くの作品を残したダリウス・ミヨー(1892-1974)。ワーグナー的な和声を嫌い、ひたすら新古典的な響きを追求し、また古典文学や神話の世界にも興味を示した彼の作品には、複雑なリズムと多調性、そして妙に整った部分が入り混じっています。
 この劇音楽は詩人ポール・クロデールがギリシャの三大詩人の一人アイスキュロスの「三部作」に台本をつけたものであり、アガメムノンと妻クリテムネストラの葛藤、娘エレクトラのクリテムネストラへの復讐、そして実際にクリテムネストラを手に掛けた息子オレステスの裁判-無罪判決までの一連の物語と通して、悲しみの連鎖の終結と、平和と調和への道筋を描くという壮大な物語です。曲は時として暴力的であり、至るところに直截的な響きが充満していますが、一度はまると癖になる音楽でもあるといえるでしょう。
 まずはこれを聞く前に、一度ギリシア神話の該当箇所に目を通しておくと、一層理解が深まるかもしれません。
 

NAXOS(Blu-rayオーディオ)


NBD-44
(Blu-rayオーディオ)
\2400
プロコフィエフ:交響曲 第1番「古典」&第2番、交響的絵画「夢」
 1-4.交響曲 第1番 ニ長調「古典」Op.25
 5.交響的絵画「夢」Op.6/
 6-13.交響曲 第2番 ニ短調 Op.40
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2014年3月20-22日…1-4, 2013年8月29-31日…5-13 ブラジル,サラ・サンパウロ AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION, 24-bit, 96 kHz PCM Surround. Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio 2.0 Stereo - PCM DURATION 57:00
 1917年にプロコフィエフ(1891-1953)が完成させた「交響曲第1番」は、彼が学生時代にニコライ・チェレプニンの教室で研究したハイドンの技法をもとにして書かれたもの。ピアノ協奏曲第2番などの、それまでの革新的な作品に比べ、古典的で整然とした佇まいを持つ音楽であったため、周囲はとても驚いたと言います。
 確かにハイドンやモーツァルトを思わせる親しみやすい表情を持っていますが、様々なところに仕掛けたっぷりの「新古典派」そのもののいたずらっぽい顔がたまりません。
 それに引き換え、第2番のまあ難しいこと。これは作曲当時パリに住んでいたプロコフィエフが「6人組」の作品よりももっと前衛的な作品を書こうと試みた結果出来上がったもので、当然ながら初演を聴いたパリの聴衆は冷淡な反応をしたと言われています。
 しかし、大編成のオーケストラにピアノ、様々な打楽器を加えたカラフルな音楽、これこそがプロコフィエフの本領発揮と言えるのではないでしょうか。交響的絵画「夢」はスクリャービンからの影響が感じられる小さな作品。大きな起伏を伴う若干陰鬱な雰囲気を持った音楽です。
 

NBD-41
\2400
ジョアン・ファレッタ&バッファロー・フィル
 グリエール:交響曲 第3番 ロ短調「イリヤ・ムーロメツ」Op.42(1911)

 1.第1楽章:巡礼者、イリヤ・ムーロメツとスヴャトゴール/
 2.第2楽章:イリヤ・ムーロメツと山賊ソロヴェイ/
 3.第3楽章:太陽王ヴラディーミル公の宮殿にて/
 4.第4楽章:武勇伝とイリヤ・ムーロメツの石化
  〈8.573161と同内容〉
バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョアン・ファレッタ(指揮)
録音 2013年5月3-5日 ニューヨーク バッファロー,クレインハウス・ミュージック・ホール 24-bit, 96 kHz PCM Surround/Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio n 2.0 Stereo - PCM DURATION 71:37
 ロシア、キエフで生まれ、モスクワ音楽院でタネーエフ、アレンスキーらに作曲を学んだグリエール(1875-1956)。しかし実は彼の父はドイツ人で、母はポーランド人。祖先を辿ってもロシア人はいなかったようです。
 そんなグリエール、バレエ音楽「けしの花」や幾つかの協奏曲が知られていますが、この交響曲第3番は彼の最高傑作として讃えられる見事な作品です。
 このイリヤ・ムーロメツとは中世ロシアの伝説上の英雄の名前。並外れた力持ちであったとされ、数多くのエピソードが伝えられています。
 グリエールはそんな英雄にまつわる4つのエピソードを選び出し、重厚な交響曲を描きだしました。ロシア国民主義と後期ロマン派の手法を結びつけた表現的で雄大な作品からは、例え、ムーロメツの個性を知らずとも、各々の聴き手の脳裡にその人物像が鮮明に浮かび上がるだけの表現力が溢れ出しています。
 ファレッタの指揮は、グリエールの完膚なきまでの構築性を存分に浮かび上がらせています。
 

Naxos Education


8.558216
(2枚組)
\2200
オペラA-Z
<CD1>
 1.ジョン・アダムズ(1947-):歌劇「中国のニクソン」 - 第3幕 I am old and I cannot sleep/
 2.ベートーヴェン(1770-1827):歌劇「フィデリオ」 Op. 72 - 第2幕 メロドラマと二重唱 「この地下房はとても寒い」/
 3.ベッリーニ(1801-1835):歌劇「清教徒」 - 第2幕 二重唱「ラッパを吹き鳴らせ」/
 4.カヴァッリ(1602-1676):歌劇「オルミンド」 - 第3幕 フィナーレ 「D'Amor non si quereli」/
 5.ドヴォルザーク(1841-1904):歌劇「ルサルカ」 Op. 114, B. 203 - 第1幕 月に寄せる歌/
 6.ファリャ(1876-1946):歌劇「はかない人生」 - 第2幕 Ole! Ole!/
 7.ヘンデル(685-1759):歌劇「リナルド」 HWV 7 -
  第1幕 私を泣かせてください(涙の流れるままに)/
 8.カールマン(1882-1953):歌劇「チャールダーシュ侯爵夫人」 -
  第1幕 Aus ist's mit der Liebe - Ganz ohne Weiber geht die Chose nicht/
 9.レオンカヴァッロ(1857-1919):歌劇「道化師」 - 第1幕 芝居をするのか怒り狂っているこの最中に…衣装をつけろ/
 10.モンテヴェルディ(1567-1643):歌劇「オルフェオ」 - 第3幕 Scorto da te/
 11.モーツァルト(1756-1791):歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」 K. 588 - 第1幕 三重唱 「さわやかに風よ吹け」/
 12.ニコライ(1810−1849):歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」 - 第3幕 おお、甘美な月よ/
 13.パーセル(1659-1695):歌劇「テンペスト、または魔法の島」 Z. 631 - 第2幕 息づけ大気、私を和らげよ/
 14.ラフマニノフ(1873-1943):歌劇「アレコ」 -
  The Old Gypsy's Narrative: Volshebnoi siloi pesnopenia v tumannoi pamyati moei/
 15.リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
  歌劇「ナクソス島のアリアドネ」 Op. 60 TrV 228a - プロローグ 「先生、お許し下さい」/
 16.ヴェルディ(1813-1901):歌劇「イル・トロヴァトーレ」 -
  第4幕 行ってくださいな、私をおいて…バラ色の愛の翼に乗り/
 17.ワーグナー(1813-1883):歌劇「タンホイザー」 - 第3幕 巡礼の合唱 「ふるさとよ、また見る野山」/
 18.ウェーバー(1786-1826):歌劇「魔弾の射手」 J. 277 - 第3幕 花嫁の花冠を編んであげましょう/
<CD2>
 1.ビゼー(1838-1875):歌劇「真珠採り」 - 第1幕 聖なる神殿の奥深く/
 2.カタラーニ(1854-1893):歌劇「ラ・ワリー」 - 第1幕 さようなら、ふるさとの家よ/
 3.ドリーブ(1836-1891):歌劇「ラクメ」 - 第1幕 花の二重唱/
 4.ドニゼッティ(1797-1848):歌劇「愛の妙薬」 - 第2幕 人知れぬ涙/
 5.フランクール(1698-1787):歌劇「シルフの王、ゼランドール」 -
  Air pour les Sylphes et Salamandres - Que dans les airs vos chants harmonieux/
 6.グルック(1714-1787):歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 - 第3幕 アリア 「エウリディーチェを失って」/
 7.コルンゴルト(1897-1957):歌劇「死の都」 Op. 12 - 第1幕 Wunderbar!/
 8.レハール(1870-1948):喜歌劇「メリー・ウィドウ」 -
  第2幕 ヴィリアの歌 「昔あるところにヴィリアという森の妖精がおりました」/
 9.マスカーニ(1863-1945):歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 - オレンジの花は香り/
 10.モーツァルト(1756-1791):歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 K. 527 - 第1幕 二重唱 「お手をどうぞ」/
 11.オッフェンバック(1819-1880):歌劇「ホフマン物語」 - 第2幕 舟歌 「美しい夜、ああ、愛の夜」/
 12.プッチーニ(1858-1924):歌劇「ジャンニ・スキッキ」 - フィレンツェは花咲く木のように/
 13.ラモー(1683-1764):歌劇「プラテー」 - 第1幕 Ariette vive: Quittez nymphes, quittez/
 14.ロッシーニ(1792-1868):歌劇「セヴィリャの理髪師」 - 第1幕 カヴァティーナ 「私は町のなんでも屋」/
 15.ヴェルディ(1813-1901):歌劇「リゴレット」 - 第3幕 四重唱 「どうもあなたには、いつかお目に」/
 16.ワーグナー(1813-1883):楽劇「ワルキューレ」 - 第3幕 ワルキューレの騎行
 以前リリースされていた、「オペラA-Z」(8.555037-38)の改訂版登場です。1096ページからなるブックレット(英語のみ)には各々のオペラの粗筋と、2枚のCD。さらに指定されたページにアクセスすることで、130曲のボーナストラックも試聴可能という資料的価値も大きいものです。新たな発見をお届けいたします。
 

8.558081
(4CD)
\4400→\3990
A TO Z ストリング・プレイヤーズ
<CD1>
 1.シューベルト:「ます」D667-第3楽章…ウィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)/
 2.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009 - 第6楽章 ジーグ…パブロ・カザルス(チェロ)/
 3.シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ D821-第2楽章…ガスパール・カサド(チェロ)/
 4.ヒューメ:バロック風二部作-第2楽章 フゲッテ…ジェラール・コセ(ヴィオラ)/
 5.ショア:スケルツォ…ロジャー・チェイス(ヴィオラ)/
 6.モーツァルト:ピアノ三重奏曲「ケーゲルシュタット」 第3楽章…レベッカ・クラーク(ヴィオラ)/
 7.ブラームス:ハンガリー舞曲集- 第8番 イ短調(編曲:J. ヨアヒム)…ジェリー・ダラーニ(ヴァイオリン)/
 8.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K216-第3楽章…ジョコンダ・デ・ヴィート(ヴァイオリン)/
 9.ベートーヴェン:ノットゥルノ ニ長調 Op.42-第3楽章(W.プリムローズ編)…ロベルト・ディアス(ヴィオラ)/
 10.ガーシュウィン:ショート・ストーリー…サミュエル・ドゥシュキン(ヴァイオリン)/
 11.ドルドラ:思い出…ミシャ・エルマン(ヴァイオリン)/
 12.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.2-2, RV 31-第1楽章…江藤俊哉(ヴァイオリン)/
 13.ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 Op.26-第3楽章…マキシム・フェドートフ(ヴァイオリン)/
 14.ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2-第3楽章…エマヌエル・フォイアマン(チェロ)/
 15.ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 Op.30-2-第3楽章…ヨーゼフ・フックス(ヴァイオリン)/
 16.マルティヌー:3つのマドリカル」 H313-第1楽章…リリアン・フックス(ヴィオラ)/
 17.ボッケリーニ:チェロ協奏曲 変ロ長調 G.482-第3楽章…モーリス・ジャンドロン(チェロ)/
 18.ミャスコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.44-第3楽章…イリヤ・グルベルト(ヴァイオリン)/
<CD2>
 1.J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043-第1楽章…
  アルトゥール・グリュミオー(ヴァイオリン)/
 2.テレマン:12のファンタジー-第2番 ト長調 TWV40:15…アウグスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)/
 3.バッツィーニ:妖精の踊り Op.25…クロエ・ハンスリップ(ヴァイオリン)/
 4.フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 M. 8-第1楽章…ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)/
 5.ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61-第3楽章…
  ブロニスワフ・フーベルマン(ヴァイオリン)/
 6.ブリテン:無伴奏チェロ組曲 第2番 Op.80-第1楽章…ティム・ヒュー(チェロ)/
 7.パガニーニ:24のカプリース Op.1-16 ト短調…イリヤ・カーレル(ヴァイオリン)/
 8.フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.108-第3楽章…カン・ドンスク/
 9.ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 「喜び」 Op.8-6 RV180-第3楽章…
  ルイス・カウフマン(ヴァイオリン)/
 10.ブラームス:チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 Op.99-第4楽章…マリア・クリーゲル(チェロ)/
 11.クーセヴィッツキー:小さなワルツ Op.1-2・・・セルゲイ・クーセヴィツキー(コントラバス)/
 12.シンディング:3つの悲歌的小品 Op.106-1「悲歌」…ヘニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
 13.ブロッホ:ヘブライ組曲-第2楽章「行列」…ミリアム・クレーマー(ヴァイオリン)/
 14.J.S.バッハ:管弦楽組曲 第3番 BWV1068 - 第2楽章 エール「G線上のアリア」…
  フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)/
 15.J.S.バッハ/グノー:アヴェ・マリア…ヤン・クーベリック(ヴァイオリン)/
 16.チン:フォルモサの四季-第4楽章「春」…チョーリャン・リン(ヴァイオリン)/
 17.アイアランド:海への情熱…ジュリアン・ロイド・ウェバー(チェロ)/
 18.シュニトケ:フーガ…マルク・ルボツキー(ヴァイオリン)/
<CD3>
 1.ホフマン:ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調-第3楽章…ロレイン・マカスラン(ヴァイオリン)/
 2.エネスク:ヴァイオリン・ソナタ第3番 イ短調 「ルーマニア民俗風で」 Op.25-第3楽章…
  イェフディ・メニューイン(ヴァイオリン)/
 3.ヴィラ・ロボス:ブラジル風バッハ第5番-第1楽章「カンティレーナ」…フランク・ミラー(チェロ)/
 4.ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108-第3楽章…ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)/
 5.バーバー:チェロ協奏曲 Op.22-第2楽章…ザラ・ネルソヴァ(チェロ)/
 6.ビスカーディ:ヴィオラは突然声になる…ポール・ニューバウアー(ヴィオラ)/
 7.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第1番 変ロ長調 K207-第3楽章…西崎崇子(ヴァイオリン)/
 8.J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042-第3楽章…
  ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリン)/
 9.モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調「トルコ風」 K219-第3楽章…テオ・オロフ(ヴァイオリン)/
 10.ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ ホ短調 Op.14-5 RV40-第1楽章…アルド・パリソ(チェロ)/
 11.バルトーク:狂詩曲第1番 BB 94a-第1楽章ト…ジェルジ・パウク(ヴァイオリン)/
 12.ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2-第1楽章…
  グレゴール・ピアティゴルスキー(チェロ)/
 13.エルガー:愛の挨拶 Op.12…モード・パウエル(ヴァイオリン)/
 14.パガニーニ:24のカプリース Op.1-5イ短調…ウィリアム・プリムローズ(ヴィオラ)/
 15.パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ロ短調 Op.7-第3楽章「ラ・カンパネッラ」
  フィリッペ・クイント(ヴァイオリン)/
<CD4>
 1.ディーリアス:劇付随音楽「ハッサン」-セレナード…フレデリック・リドル(ヴィオラ)/
 2.グラズノフ:2つの小品 Op.20-第2番「スペインのセレナード」…
  アレクサンダー・ルビン(チェロ)/
 3.エルガー:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 Op.82-第1楽章…アルバート・サモンズ(ヴァイオリン)/
 4.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調「セリオーソ」Op.95-第1楽章…
   ヴォルフガンク・シュナーダーハン(ヴァイオリン)/
 5.ヘンデル:トリオ・ソナタ ホ長調 Op.2-9 HWV394-第1楽章…
   アルバート・スポルディング (ヴァイオリン)/
 6.ワーグナー:歌劇「タンホイザー」-夕星の歌…ウィリアム・ヘンリー・スクイア(チェロ)/
 7.ホヴァネス:チェロ協奏曲 Op.17-第2楽章…ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)/
 8.ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調 RV517-第2楽章…
  アイザック・スターン(ヴァイオリン)/
 9.ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2-第2楽章…ギレルミナ・スッジア(チェロ)/
 10.ベンダ:ヴィオラ協奏曲 ヘ長調-第3楽章…ヨゼフ・スーク(ヴィオラ)/
 11.メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64-第3楽章…
  ヨーゼフ・シゲティ(ヴァイオリン)/
 12.ターティス:日没…ライオネル・ターティス(ヴィオラ)/
 13.ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102-第2楽章…
   ジャック・ティボー(ヴァイオリン)/
 14.モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K563-第3楽章…
  ラーシュ・アネルス・トムテル(ヴィオラ)/
 15.J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第6番 ト長調 BWV1019-第2楽章…
   ルーシー・ファン・ダール(ヴァイオリン)/
 16.ラッブラ:チェロ・ソナタ ト短調 Op.60-第2楽章…ラファエル・ウォルフィッシュ(チェロ)/
 17.サラサーテ:カルメン幻想曲 Op.25 第5楽章…楊天堝/
 18.ブラームス:ハンガリー舞曲集 第20番 ニ短調…エフレム・ジンバリスト(ヴァイオリン)
 何とも胸躍る4枚組。この中に古今東西の名弦楽器奏者たちの演奏がたっぷりと詰まっています。
 総勢69名の時代を超えた演奏家たち。演奏スタイルや解釈は時代によって異なりますが根底に流れている音楽への情熱は普遍です。
 咽び泣く音色、輝かしい音色、これぞ「琴線に触れる音楽」です。じっくりとお楽しみください。
 650ページを越える解説書(英語のみ)ではアッカルドからズッカーマンまで300人を越える演奏家たちのバイオグラフィが掲載されており価値ある資料として役立つものです。
 

OEHMS



OC692
(SACD-Hybrid)
\2400→\2190
ベルリオーズ:幻想交響曲(オルガン版)
 1.劇的物語「ファウストの劫罰」Op.24-ラコッツィ行進曲(H.ビュッセルによるオルガン編曲版)/
 2-6.幻想交響曲 Op.14(A.トロヴァートによるオルガン編曲版)
  <第1楽章:夢、情熱/第2楽章:舞踏会/第3楽章:野の風景/
   第4楽章:断頭台への行進/第5楽章:魔女の夜宴の夢>
ハンスイェルク・アルブレヒト
(オルガン…アン・デア・ゴル=オルガン)
録音 2014年3月31日-4月2日 ルツェルン クルトゥル-ウント・コングレッスツェンザール
 指揮者、オルガニスト、ハンスイェルク・アルブレヒトによる大好評シリーズ「オルガン・トランスクリプション集」の第10集目はベルリオーズ(1803-1869)の幻想交響曲とラコッツィ行進曲。
 オーケストラで演奏すると、不気味さ満載な「ラコッツイ行進曲」も、オルガンで演奏すると、そのまま結婚式の入場にも使えそうな荘厳さが生まれます。
 幻想交響曲は、リストのピアノ編曲版を上回る凄さ。不思議な音色、そして雰囲気。この面白さは聴かないとわかりません。いつものようにSACDハイブリッドの高音質。音楽を聴く事と演奏する事の楽しさを味わってください。

オルガン・トランスクイプション・シリーズ(全てSACDハイブリッド)
 OC684(2枚組)…バッハ:6つのパルティータ OC634…バッハ:イタリア協奏曲・フランス組曲
 OC639(2枚組)…バッハ:オルガン・ミサ OC625…バッハ:ゴルトベルク変奏曲
 OC612…ワーグナー:ニーエベルングの指輪(抜粋) OC637…プーランク:鍵盤のための協奏曲
 OC632…ムソルグスキー:展覧会の絵 他 OC683…ホルスト:惑星
 OC690…ワーグナー:序曲集
 
OC865
\2400
高き天よりわれは来たれり 〜クリスマスのオルガン作品集
 1-2. J.S.バッハ(1685-1750):前奏曲とフーガ ハ長調 BWV547/
 3. J.S.バッハ:J.S.バッハ:いざ来たれ、異教徒の救い主よ BWV599/
 4. J.S.バッハ:「いと高きにある神にのみ栄光あれ」によるフゲッタ BWV677/
 5-8. J.S.バッハ:パストラーレ ヘ長調 BWV590/
 9.ヨハネス・ブラームス(1833-1897):コラール前奏曲「一輪のばらは咲きて」Op.122-8/
 10.フェリックス・ノヴォヴィエジスキ(1877-1946):クラクフの旧セントメアリー教会のクリスマス Op.31-8/
 11.フロール・ペータース(1903-1986):目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声 Op.68-5/
 12.ペータース:高き天よりわれは来たれり Op.70-3/
 13.ペータース:光の創り主 Op.75-10/
 14-16.オットー・マリング(1848-1915):キリストの生誕 Op.48より
  <野の羊飼い/東方の三賢者/ベツレヘム>/
 17.アレクサンドル・グリマン(1834-1911):カンティレーナ・パストラーレ(思い出) Op.15/
 18.グリマン:ポーランドの古いノエルによる序奏と変奏 Op.60-2/
 19.グリマン:ノエル・ブラパンコン(ハイドン風) Op.60-3/
 20.アンドレ・フルーリー(1903-1995):ブルゴーニュ地方のノエルによる変奏曲/
 21.サミュエル・バーバー(1910-1981):「きよしこの夜」によるコラール前奏曲 Op.37
ミヒャエル・ハルトマン
(オルガン…ミュンヘン、聖ボニファツ教会
ミュライゼン・オルガン)
録音 2012年6月11.12日 ミュンヘン 聖ボニファツ教会
 クリスマスとオルガン…これ以上ふさわしい組み合わせはありません。
 本来クリスマスは「キリストの誕生を静かに祝う日」であり、この日のためのコラールを聴きながら喜びに打ち震える日なのです。
 ここに収録されている曲は、日本ではあまり馴染みのないもので、とても珍しい作品も含まれていますが、どれもが伝統のクリスマス・ソングに由来しているもので、美しく穏やかな雰囲気が満ち溢れています。
 オルガニストのハルトマンは1955年生まれの名手。高校時代からフランツ・レールンドルファーの弟子として腕を磨き、哲学と神学、舞台芸術も学び、グラーツではオペラ歌手のトレーナーをも務めたという多彩な才能を持つ人です。即興演奏も得意で、日本にも何度か来日しています。
 

OC885
\2400→\2190
2台のヴァイオリンで時代を駆け巡る
 時の反射 〜シュシャヌ・シラノシアン(ヴァイオリン)

 1-5.フリードリヒ・ヴィルヘルム・ルスト(1739-1796):
     独奏ヴァイオリンのためのソナタ 第2番 ロ長調/
 6.ビシャーラ・エル=コーリー(1957-):アルミニア Op.90(2012)/
 7.エル=コーリー:ペルペトゥエル Op.83(2010)/
 8-10.ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764):
     2台のヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 Op.3-5/
 11-14.ヨハン・シュターミッツ(1717-1757):
     2台のヴァイオリンのためのディヴェルティメント ニ長調/
 15-17.エリック・タンギー(1968-):
     2台のヴァイオリンのためのソナタ(2011)/
《ボーナス・トラック》
 18.グリゴー・ナレカッツィ(950-1003):Havun-Havun
  (アルメニア民謡-ヴァイオリンとドゥドゥク編)
シュシャヌ・シラノシアン(ヴァイオリン)/
リュディガー・ロッター(バロック・ヴァイオリン…8-10)/
ジャン=マルク・フィリップス=ヴァルジャベディアン(ヴァイオリン…15-17)/
レヴォン・チャティキャン(ドゥドゥク…18)
録音 2013年4月15-16日 ポール・ロワイヤル修道院, 2013年6月25-28日 聖マルティン=ホスタン教会

 フランス=アルメニアの女性ヴァイオリニスト、シュシャヌ・シラノシアンによる興味深い1枚。
 バロックの作品と現代の作品が絶妙なバランスを持って並ぶという構成、そして美しい音色。
 彼女は2台のヴァイオリン…ジュゼッペ&アントニオ・ガリアーニ(こちらはガット弦、バロックスケール)と、ジュゼッペ・グァルネリ(こちらはモダン)を使い分け、様々な時代を自由に行き来して、時代の制約をさっぱりと取り払い、ひたすら「音楽」を追求しています。
 ルクレールのソナタ以外は、全て初録音となります。斬新な才能に拍手!


 


OC1802
\2400→\2190
メタモルフォーゼンはヨッフムによる歴史的録音!
オーボエ協奏曲の指揮はヤンソンス!
 リヒャルト・シュトラウス:晩年の管弦楽作品集

  1.23の独奏楽器のための「メタモルフォーゼン」/
  2-5.オーボエ協奏曲 ニ長調
<1>
バイエルン放送交響楽団/
オイゲン・ヨッフム(指揮)/
<2-5>
シュテファン・シッリ(オーボエ)/
バイエルン放送交響楽団/
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音 1959年10月21日(モノラル)…1, 2006年3月…2-5 ミュンヘン,ヘルクレスザール
 シュトラウスの晩年の名作「メタモルフォーゼン」は、1945年、第二次世界大戦でドイツの敗戦決定間近に書かれた作品で、彼の思い出がたくさん詰まった劇場や、町並みが悉く空爆で破壊されてしまうのを目の当たりにした時に書かれた「ドイツへのレクイエム」とも呼べる悲痛な音楽です。
 しかしそんなシュトラウスの思いを他所に、イギリスでは「ヒトラーへのレイクエム」として捉えられていたのは彼にとっては心外だったに違いありません。
 同じ年の「オーボエ協奏曲」はピッツバーク交響楽団の首席オーボエ奏者ジョン・ド・ランシーの依頼で作曲されたもので、こちらは全てを超越したかのような、モーツァルトを思わせる美しい作品です。
 メタモルフォーゼンはヨッフムによる歴史的録音、オーボエ協奏曲は2006年のヤンソンスによる新しい録音(OC737 に収録されていたもの)。この50年でリヒャルト・シュトラウス演奏における様相も随分変化したようです。
 
OC1808
\2400
Promessa-約束
 1.シャルル・グノー(1818-1893):
  歌劇「ロメオとジュリエット」-ああ、私は夢に生きたい/
 2.ルッジェーロ・レオンカヴァッロ(1857-1919):
  歌劇「道化師」-彼のまなざしに炎が見えた/
 3.ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848):
  歌劇「ランメルムーアのルチア」-あたりは静けさに包まれ/
 4.ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1875):
  歌劇「リゴレット」-ガルテル・マルデ…愛しき名よ/
 5.ジョルジュ・ビゼー(1838-1875):歌劇「カルメン」-何を恐れることがありましょう/
 6.ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-1835):
  歌劇「清教徒」-あなたの優しい声が/
 7.ヴェルディ:歌劇「椿姫」-さようなら、過ぎ去った日々よ/
 8.ジュール・マスネ(1842-1912):歌劇「マノン」-
   やさしい恋人たちが呼んだら、いつでも答えましょう/
 9.レナード・バーンスタイン(1918-1990):
  歌劇「キャンディード」-着飾ってきらびやかに
ソフィア・ブロンマー(ソプラノ)/
アウグスブルク・フィルハーモニック管弦楽団/
ディルク・カフタン(指揮)
録音 2013年9月16-18日 ゲルストホーフェン,シュタッドハレ
 1981年、ドイツのレオンベルクで生まれ、ミュンヘンの音楽芸術大学で学んだソフィア・ブロンマー。彼女は1998年と1999年にドイツ連邦の「青少年音楽コンクール」で賞を受賞、そして2008年には「バイエルン芸術賞」、2009年には「アウスプルク劇場賞」も獲得しています。
 2012年には超難関として知られるミュンヘン国際音楽コンクールで第3位に輝き、観客賞と特別賞も授与されています。
 デビュー・アルバムではシューマンやリヒャルト・シュトラウスなどのドイツ歌曲を歌い、完成度の高い表現力を披露しましたが、今回はベルカントのアリアを歌うことで、全く違う表情を見せてくれています。
 ベッリーニやドニゼッティ、そしてバーンスタインでは超絶技巧を駆使し、ヴェルディやレオンカヴァッロでは極めて抒情的な歌唱を聴かせます。今後の活躍が楽しみな歌姫です。
 
OC1812
(CD+mp4-video)
\2400
Tango fuego-タンゴ・フエゴ
<CD1>
 1.ヤルッコ・リーヒマキ:Tango Fuego Vivo/
 2.ウント・モノネン:Tahdet meren ylla/
 3.リーヒマキ:Locura/
 4.セザール・ポルティロ・デ・ラ・ルス:Contigo en la distancia/
 5.ズビニエフ・コレプタ:Kasztany/
 6.カルロス・ガルデル:El dia que me quieras/
 7.アストル・ピアソラ:Soledad/
 8.リーヒマキ:#lastminute/
 9.リーヒマキ:Milongita finlandesa/
 10.ホラシオ・アドルフォ・サルガン:Don Agustin Bardi/
 11.ピアソラ&フェラー:Chiquilin de Bachin/
 12.リーヒマキ:Sikosaari/
<CD2…ボーナス・トラック>
 イスカンダル・ヴィジャヤ:BURN(mp4-video)
トリオCAYAO
<メンバー:
イスカンダル・ヴィジャヤ(ヴァイオリン)/
アンデル・ペリーノ(コントラバス)/
ヤルッコ・リーヒマキ(ピアノ)>
録音 2014年1月20-24日 ベルリン ニコデムス教会
 デビュー・アルバムではバッハ作品とブルースを繋ぐ線を辿るという興味深いプログラムで、その才能を遺憾なく発揮した若き名手イスカンダル・ヴィジャヤ。うってかわって第2作目はバッハの作品をとことん聴かせるという正統派のアルバムを用意し、聴き手の耳を惹きつけたところで、最新アルバムでは、彼の友人である、作曲家、ピアニストのヤルッコ・リーヒマキとアンデル・ペリーノとトリオを組み、何とも心弾むタンゴを演奏しています。
 このトリオの主宰であるリーヒマキはフィンランド出身で、タンゴとは異質な印象がありますが、実はフィンランドでも20世紀の始めからタンゴが愛されていて、エキゾチックで情熱的なメロディーは多くのフィンランド人を魅了したという証拠もあるのでした。そんな彼らによるゴキゲンな演奏です。

 イスカンダル・ヴィジャヤ:既発アルバム OC822…Bach’ n’ Blues OC896…Precious Refuge

ONDINE


ODE-1227
(SACD-Hybrid)
\2400
ルチアーノ・ベリオ:シンフォニア 他
 1.L.ボッケリーニの「マドリードの夜警隊の行進」による4 つの変奏(1975)/

 2.ベリオ:メゾ・ソプラノと22 の楽器による「カルモ」(1974/1989)/
 3-7.8ベリオ: 声とオーケストラによる「シンフォニア」(1968-1969)
ヴィルピ・レイセネン(メゾ・ソプラノ)…2/
ミリアム・ソロモン(ソプラノ)/
アンニカ・フールマン(ソプラノ)/
ユッタ・セッピネン(アルト)/
パシ・ヒヨッキ(アルト)
/サイモ・メキネン(テノール)/
パーヴォ・ヒョッキ(テノール)/
ターヴィ・オラモ(バス)/
サンポ・ハーパニエミ(バス)/
フィンランド放送交響楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2014 年1 月 ヘルシンキ,ミュージック・センター
 ONDINE レーベルで大活躍中の指揮者ハンヌ・リントゥ。彼は2013 年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、現在はフィンランド放送交響楽団の首席指揮者を務めています。
 前作のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」では、オーケストラの機能性と音響効果を存分に生かした素晴らしい演奏を繰り広げましたが、今回は、更に興味深いルチアーノ・ベリオの一連の作品の登場です。
 ベリオ(1925-2003)については今更説明の必要もないイタリアの現代作曲家で、様々な技法を駆使した作品を書きましたが、1950 年代からは当時の妻であった歌手キャシー・バーベリアンとともに、声楽の限界を追求したことでも知られています。ボッケリーニの曲を元にした「4 つの変奏」はミラノ・スカラ座の委嘱作品で、この時の劇場のオープニングナンバーの作曲を依頼されたベリオが、そのオーケストレーションの妙技を駆使して書いた変奏曲です。
 和声的には全く現代的なところのない、極めて愉快な音楽です。
 「カルモ」は彼の友人の一人、ブルーノ・マデルナの死への追悼の音楽。マデルナが愛したテキストを用いた歌曲(?)です。
 そして「シンフォニア」。こちらは既によく知られている作品であり、タイトルの「シンフォニア」とは交響曲の伝統ではなく、多様な声の合流という意味を持つ奇妙な作品です。一番わかりやすいのは、第3 楽章におけるマーラーをはじめとした何人かの作曲家の作品の引用でしょう。様々な音楽が断片的に浮かび上がる様子は、マーラーの原曲における魚の鱗が光を反射する様にも似ています。複雑な曲ですが、聞いていてこれほど面白い作品もないかも知れません。
 


ODE-1239
\2400→\2190
クリスティアン・テツラフ
 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲集

  1-4.ヴァイオリン協奏曲 第1 番 イ短調 Op.77/
  5-7.ヴァイオリン協奏曲 第2 番 嬰ハ短調 Op.129
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)/
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストゥールゴールズ(指揮)
録音 2013 年11 月27-28,30 日 フィンランド ヘルシンキ・ミュージック・センター
 ハンブルク生まれの名ヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフによるONDINE レーベル5 枚目の録音は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の2 つの協奏曲集です。これまではモーツァルト、シューマン、メンデルスゾーンと、現代曲(ヴィトマン)の演奏で高く評価されていましたが、今回はまさに本領発揮ともいえる鬼気迫るショスタコーヴィチです。第1 番の冒頭から異様な緊張感を湛えた説得力ある演奏は、これまでに存在した他の演奏を楽々と凌駕するほどのスケール感を有しています。
 ヘルシンキ・フィルハーモニーの醸し出す静謐な音にもゾクゾクさせられます。お約束の、第4 楽章での喧騒も申し分なし。第2 番がこれまた渋い雰囲気を持ち、テツラフは落ち着き払った演奏を聴かせています。
 


ODE-1250
\2400→\2190
モーツァルト:ピアノ作品集「顧みられない宝物」
 1-3.組曲 ハ長調(断章) K399/
 4.ソナタの楽章 ト短調(断章) K312(189i/590d)/
 5-6.前奏曲とフーガ ハ長調 K394/
 7.自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 K616/
 8.アレグロ 変ロ長調 K400(M.シュタードラーによる補筆完成版)/
 9.「われら愚かな民の思うは」による10 の変奏曲 K455/
 10.「ああ、ママに聞いてよ」による12 の変奏曲(きらきら星) K265
アナスタシア・インジュシナ(ピアノ)
録音 2014 年3 月23-25 日 フィンランド クーモ・アーツ・センター
 前作の「バッハ一族のピアノ協奏曲集」(ODE1224)で流麗かつ、新鮮なバッハを披露した若手ピアニスト、アナスタシア・インジュシナの2 枚目のアルバムはモーツァルト(1756-1791)の「知られざるピアノ作品集」です。
 ここに収録されている作品は、最後の「きらきら星」以外は、あまり演奏会でも聞く機会のないものです。K312 のアレグロは現在の研究では、晩年の作品らしいと推測されるもの。ただし成立がはっきりしないため、成立自体は謎となっています。
 K399 の組曲やK394 の「前奏曲とフーガ」はヘンデルの組曲から影響を受けているとされます。オルガンで演奏されることも多い作品です。K400 は91 小節の途中で放棄されてしまった作品です。
 ピアノ・ソナタになるはずだったのかもしれません。ここではシュタードラーが補筆した版で演奏されていますが、他の人による補筆版も存在します。軽やかなフレーズが印象的な作品です。
 


ODE-1265
(2CD)
\2700→\2490
シベリウス:管弦楽名作集と写真集
<CD1>
 1-3.カレリア組曲 Op.11/
 4.悲しきワルツ Op.44-1/5.ポヒョラの娘 Op.49/
 6.トゥオネラの白鳥 Op.22-2/7.アンダンテ・フェスティヴォ/
 8-10.付随音楽「テンペスト」から3 つの楽章
  <樫の木/カリバン/ミランダ>/
 11.フィランディア Op.26-7/
<CD2>
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47/
 4-7.交響曲 第2 番 ニ長調 Op.43
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
レイフ・セーゲルスタム(指揮)/フィン
ランド放送管弦楽団…CD1:7/
ヤン・シベリウス(指揮)…CD1:7/
ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)…CD2:1-3
 2015 年はシベリウス生誕150 年周年です。それを記念してONDINE レーベルでは、彼の名管弦楽作品をセレクトし、52 ページに渡るブックレットを添付しました。
 こちらにはこれまで開示されていなかった、写真家ベルティル・ダールグレンによるシベリウスの写真の何枚かが含まれているという貴重なもので、ファン垂涎のものとなることは間違いありません。
 収録された作品は、レイフ・セーゲルスタムとヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものが中心ですが「アンダンテ・フェスティヴォ」は、現在残存する唯一のシベリウス自身の指揮によるものです。こちらはフィンランド放送管弦楽団との1939 年1 月1 日の演奏で、これは米国にも生中継された記念碑的な記録です。
 

ODE-1234
(SACD-Hybrid)
\2400
エリッキ=スヴェン・トゥール:交響曲 第5 番 他
 1-4.ビッグ・バンド,エレクトリック・ギター,
  シンフォニー・オーケストラのための「交響曲 第5 番」(2004)/
 5.アコーディオンとオーケストラのための「予言」(2007)
グエン・レ(エレクトリック・ギター)…1-4/
ウモ・ジャズ・オーケストラ…1-4/
ミカ・ヴェイリネン(アコーディオ
ン)…5/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
オラリー・エルツ(指揮)
録音 2013 年6 月2-3 日…5, 2013 年10 月25.28 日…1-4 ヘルシンキ,ミュージック・センター
 エストニア生まれの作曲家、スヴェン・トゥール(1959-)はタリン音楽学校でフルートと打楽器を学び、後にタリン音楽アカデミーで作曲を学んだという人。一方で1979 年から1984 年にかけて「In Spe」というロック・グループを率いて活動し、こちらはエストニアで高い人気を獲得しました。しかし作曲に専念するためにバンドを脱退したところ、作品が西側に注目され、そのまま作曲家として素晴らしい成果を挙げています。
 そんな彼、自作にはしばしばビッグ・バンドやエレクトリック・ギターなどを用いることでも知られ、この交響曲第5 番でもユニークな音響に満たされています。アコーディオンを用いた「予言」でも奇妙な世界が広がります 。単なるクラシック音楽では満足できない人にオススメします。
  


ODE-1238
\2400→\2190
ドミートリー・ホロストフスキ:夜明けの鐘 〜ロシア宗教曲と民謡を歌う
 1.ドプリ・プリストフ(1875-1941):主の御名を賛美せよ/
 2.パーヴェル・チェスノコフ(1877-1944):祝福された男 Op.44-2/
 3.チェスノコフ:永遠の前の弁護人/
 4.チェスノコフ:わが祈りを聞きたまえ/
 5.チェスノコフ:わが青春時代より/
 6.ミハイル・ブルマジン:賢い泥棒/
 7.アレクサンドル・アルハンゲルスキー(1846-1924):信仰のシンボル/
 8.アレクサンドル・ヴァルラモフ(1801-1848):吹雪/
 9-13.ロシア民謡集
 <彼らはマシャに行かない/森を通る道はない/孤独な鐘/
  さようなら、わが喜び/霧が野原に降り注ぐ>/
 14.エリザヴェータ・シャシナ(1805-1903):私は一人で小道を歩く/
 15.ロシア民謡 おお、夜よ/
 16.ゲオルギー・スヴィリードフ(1915-1998):夜明けの鐘
ドミートリー・ホロストフスキー(バリトン)/
マスターズ・オブ・コーラル・シンギング/
レフ・コントロヴィチ(指揮)
録音 2012年6月23.25.26.29.30日,7月2日 ロシア モスクワ,P.I.チャイコフスキー・コンセルヴァトリー
 現在、最も素晴らしいバリトン歌手であるホロストフスキーの漆黒の声と、ロシアの名門合唱団、マスターズ・オブ・コーラル・シンギングのコラボレーションによる民謡と宗教曲集です。
 いかにもロシアらしい、憂愁と力強さを併せ持つ歌の数々。これらをここまで完璧に歌いこなせるのは、ドミートリー・ホロストフスキーを置いて他にはいないでしょう。アルバム・タイトルになっている「夜明けの鐘」は、人気作曲家ゲオルギー・スヴィリードフの作品で、短いフレーズを繰り返す美しいソプラノと、呼応する憂鬱なバリトン、それを包み込むような深い合唱の響きが、印象的な音楽です。
 


ODE-1240
\2400→\2190
聴きましょう、グラウプナー・・・
 クリストフ・グラウプナー:トリオ・ソナタ集


  1-4.ヴィオラ・ダ・ーレ、シャルモーと
     ハープシコードのためのトリオ ヘ長調 GWV210/
  5-7.2台のヴァイオリンと
     ハープシコードのためのトリオ ハ短調 GWV203/
  8-10.ファゴット、シャルモーと
     ハープシコードのためのソナタ ハ長調 GWV201/
  11-13.フルート、ヴィオラ・ダモーレと
     ハープシコードのための三声のソナタ ニ短調 GWV207/
  14-17.2台のヴァイオリンと
     ハープシコードのためのトリオ ホ長調 GWV208/
  18-20.フルート,ヴィオラ・ダモーレと
     ハープシコードのためのトリオ 変ロ長調 GWV217
<フィンランド・バロック管弦楽団のメンバー>
ペトラ・アミノフ(フルート)…11-13.18-20/
シルッカ=リサ・カーニネン=ピルク(ヴィオラ・ダモーレ)
 …1-4.11-13.18-20/
ハンヌ・ヴァサラ(ヴァイオリン)
…5-7.8-10/
アスコ・ヘイスカネン(シャルモー)…1-4.8-10/
ヤニ・スンナルボルイ(ファゴット)…8-10/
マルク・ルオラヤン=ミッコラ(バロック・チェロ)…5-7,(ヴィオラ・ダ・ガンバ)…1-4.11-13.18-20/
エーロ・パルヴィアイネン(バロック・リュート)…1-13.18-20/
ペトリ・ピトゥコ(ハープシコード)…8-20,(オルガン)…5-7
録音 2013年10月14-16日 フィンランド ペルナヤ教会

 ドイツ後期バロック音楽の作曲家、チェンバロ奏者グラウプナー(1683-1760)。彼の音楽はほとんど忘れられてしまいましたが、唯一知られるエピソードとしては、ライプツィヒの聖トーマス教会カントールのポストをバッハと競った人ということでしょうか?
 そんな彼の作品も最近では少しずつ省みられており、バッハともヘンデルとも違う味わいに魅了されている人も多いようです。

 多くの場合、彼の作品には珍しい楽器が使われていて、ここでもヴィオラ・ダモーレや、シャルモー(クラリネットの原型となった木管楽器)の響きをふんだんに味わうことができます。

 演奏しているのは、フィンランドにおけるバロック・ヴァイオリンの第1人者カーニネン=ピルクをはじめとしたフィンランド・バロック管弦楽団のメンバー。この楽しげな響きは一度聞くとくせになります。



 1722年に彼の師であったクーナウが死去すると、翌年ライプツィヒの市参事会は後任のトーマス教会カントルの候補者としてまずテレマンを指名したが、テレマンが辞退したため、次の候補者としてグラウプナーが指名された。しかし、グラウプナーの雇用主であったヘッセン=ダルムシュタット方伯エルンスト・ルートヴィヒがグラウプナーの移籍を許さなかったため、最終的にカントルの職はバッハへ舞い込むことになった。ちなみに、ヘッセン=ダルムシュタット方伯はグラウプナーをライプツィヒへ移籍させないために、グラウプナーの給料を大幅に増額することも厭わなかったという。

 グラウプナーは、バッハがトーマス教会カントルの職を受諾したことを知ると、1723年5月4日にライプツィヒの市参事会に宛てて推薦の手紙を書き、バッハの優れたオルガン演奏能力と宗教曲作曲の練達した手腕を称賛し、バッハがこの職務を忠実に遂行するにふさわしい人物であると保証した(Johann Sebastian Bach: The Learned Musician by Christoph Wolff, W.W. Norton & Company, New York & London, 2000, p 224) 。グラウプナーがこのようにバッハを積極的に推薦した行動を見る限り、少なくともグラウプナーがそれ以前からバッハの音楽と人柄を熟知していたことは確実であり、彼が個人的にバッハとの交流を持っていたことは間違いないようである。

「ウィキペディア」より




なかなかの大人物なんです・・・グラウプナー
是非このアルバム聴いてみてください・・・

CARUS 83443
\2600→\2390
クリストフ・グラウプナー (1683-1760):

 ファゴット協奏曲 ハ長調 GWV 301
 ファゴット協奏曲 ハ短調 GWV 307
 ヴァイオリン協奏曲 イ長調 GWV 337
 ファゴット協奏曲 ト長調 GWV 328
 三重協奏曲 ハ長調 GWV 306
 バスーン協奏曲 変ロ長調 GWV 340

セルジオ・アッツォリーニ (ファゴット)
フリーデマン・ヴェツェル (ヴァイオリン)
クリスティアン・ライセラー (シャリュモー)
セルジオ・アッツォリーニ(ファゴット)

アンサンブル・イル・カプリッチョ
フリーデマン・ヴェツェル指揮



 


ODE-1249
\2400→\2190
ラフマニノフ:歌劇「モンナ・ヴァンナ」&歌曲集
 1-4.歌劇「モナ・ヴァンナ」(未完…ゲンナジ・ベロフによる管弦楽補筆版)
  <序奏/第1場/第2場/第3場>/
 《歌曲集》
  5.私の窓辺に Op.26-10/6.夜は悲しい Op.26-12/
  7.リラの花 Op.21-5/8.ねずみ捕りの男 Op.38-4/
  9.ヴォカリーズ Op.34-14/
  10.ここはすばらしい場所 Op.21-7/11.夢 Op.38-5
〈モンナ・ヴァンナ〉
エブゲニア・ドゥーシナ(ソプラノ)/
ウラディーミル・アフトモノフ(バリトン)/
ドミートリー・イヴァンチェイ(テノール)/
エドヴァルド・アルチュニャン(テノール)/
ミハイル・ゴロフシキン(バス)/
モスクワ音楽院オペラ・ソロイスツ/
モスクワ音楽院学生合唱団/
モスクワ音楽院管弦楽団/
ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)/
〈歌曲集〉
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)/
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
録音 2009年6月17日 ロシア モスクワ・チャイコフスキー音楽院…1-4/2013年9月 フィンランド イェルヴェンパー・ホール…5-11
 ラフマニノフ(1873-1943)の未完のオペラ「モナ・ヴァンナ」は極めて珍しい作品です。これまでI.ブケトフによる補筆版がリリースされていましたが、こちらは英語歌唱によるもので、聴き手としては若干の不満の残るものであったことを考えると、この新しい録音は歓迎されるものとなるでしょう。
 メーテルランクの戯曲に基づくこのオペラは、かの「モナ・リザ」を主人公にしたもの。もちろん彼女については、何人もの芸術家たちが音が絵画にしているものですが、ラフマニノフもこの美しい女性に魅了されたようで、このオペラを完成すべく、アメリカ亡命の際にもスコアを携えていったのです。しかし、結局完成されることはなく、そのまま忘れ去られてしまいました(このオペラが完成しなかった理由の一つは、メーテルリンクが他の作曲家、フェヴリエにオペラにする権利を与えてしまったため、ラフマニノフが作曲を続けることができなかったようです)。
 結局このオペラが初演されたのは、1984年、ニューヨークで前述のブケトフ版を用いてのものでした。今回はより新しい研究に基づいたベロフによる補筆版でお楽しみください。余白にはイソコスキによるラフマニノフ歌曲を収録しています。
 

OPUS ARTE(CD)


OACD9021D
(CD)
\2700
モンポウ:歌曲集
 1-5.夢のたたかい/6.市場の歌/7.牧歌/
 8-10.わらべうた 1-3/11-16.ベッケル歌曲集/
 17-19.わらべうた 4-6/20.魂の歌/
 21.アウレアーナ・ド・シル/22.エル・ニーニョ・ムド/
 23.雲/24.最初の一歩/25.4つの歌曲より「雪」
ロジャー・パドゥレ(テノール)/
イアイン・バーンサイド(ピアノ)
 カタルーニャの作曲家フェデリコ・モンポウ(1893-1987)は、ピアノ曲を中心とする、その静かな作風が人気を呼び、現在では数多くのファンを獲得しています。しかし歌曲についてはまだまだ認知度が低く残念に思っている人も多いのではないでしょうか?このパドゥレが歌う、宝石のように美しいモンポウの歌曲集は、まさにそんなファンのためへの贈り物のような1枚です。とても繊細でガラス細工のような脆さの中に隠された激しい情熱。そんな不思議な世界が凝縮されています。
 ローゼンブラット・リサイタルというのは、ロンドンの弁護士ローゼンブラット氏による、「若き歌手たちのリサイタルの場」です。ここで歌った若手歌手たちは、やがて世界の大劇場で活躍するというもので、このパドゥレも間違いなく大歌手への道を歩むことでしょう。
 

OACD9027BD
(6CD)
\4800
ローゼンブラット・リサイタル集 第1集
《CD1 ローレンス・ブラウンリー(テノール):飛び交う心》
 黒人霊歌、歌曲とベルカント・レパートリー/
 デュパルク,リスト,ドニゼッティ、ムーア,ロッシーニ,ヒナステラを歌う /
  イアイン・バーンサイド(ピアノ)/
《CD2 フランチェスコ・メリ(テノール):ブリテン、リストを歌う》
 ブリテン:ミケランジェロのソネット/
 リスト:ペトラルカのソネット 他、
 マスネ,グノー,トスティ,ロッシーニ,ヴェルディ,ドニゼッティを歌う
  マッテオ・ペイス(ピアノ)/
《CD3 アンソニー・マイケルス=ムーア(バリトン):海の歌、旅の歌》
 スタンフォードとヴォーン・ウィリアムズを歌う
  マイケル・ポロック(ピアノ)/
《CD4 アイリン・ペレス(ソプラノ):1日の詩》
 フランスを見渡して、スペイン歌曲/
 アーン,オブラドルス,マスネ,トゥリーナ,フォーレ,デ・ファリャを歌う
  イアイン・バーンサイド(ピアノ)/
《CD5 エカテリーナ・シウリナ(ソプラノ)》
 愛と死/イタリア歌曲集/
 ヴェルディ,ベッリーニ,ドニゼッティ,ロッシーニ
  イアイン・バーンサイド(ピアノ)/
《CD6 アイリッシュ・タイナン(ソプラノ)》
 フォーレ:歌曲集/
  夢のあとに,月の光,閉じられた庭,ヴェネツィアの5つの歌曲 他
   イアイン・バーンサイド(ピアノ)
 ロンドンの弁護士イアン・ローゼンブラットが始めた「ローゼンブラット・リサイタル」。これは1999年に開始された若き声楽家たちのためのリサイタルの場の提供です。
 ホールは世界的に有名な「ウィグモア・ホール」などの名門ホールが用意され、もちろん伴奏のピアニストも用意されています。若き才能ある歌手は、自分の好きなレパートリーを思う存分に歌うことが許され、また彼らを温かく見守る聴衆ももちろん用意されています。
 ここでその才能を披露した歌手たちは、すぐさま世界へと羽ばたき、世界的な名声を得ています。1999年の初回で歌ったのは、あのホセ・クーラで、それ以降の過去の出演者にはヴィットリオ・グリゴーロやルクサンドラ・ドノーゼ、ジュゼッペ・サバティーニ、あのホアン・ディエゴ・フローレスの名前もあります。
 今後も若い有望な歌手たちがこの舞台に立つ予定であり、未来の大スターを探す楽しみもあるこの試み、長く続くことを祈りつつ、フレッシュな歌声に耳を傾けましょう。

【分売】
 ローレンス・ブラウンリー OACD9015D (JAN:4945604990158)
 フランチェスコ・メリ OACD9019D (JAN:4945604990196)
 アンソニー・マイケルス=ムーア OACD9014D (JAN:4945604990141)
 アイリン・ペレス OACD9013D (JAN:4945604990134)
 エカテリーナ・シウリナ OACD9017D (JAN:4945604990172)
 アイリッシュ・タイナン OACD9018D (JAN:4945604990189)

ORCHID CLASSICS


ORC100043
\2100
ドビュッシー:海 (サリー・ビーミッシュによるピアノ三重奏版)
 1-3.ドビュッシー:海
  <海の夜明けから真昼まで/波の戯れ/風と海の対話>/
 4.サリー・ビーミッシュ(1956-):
  声とピアノ三重奏のための「Seafarer-海の旅人」
トリオ・アパッチ
<メンバー:
 マシュー・トラスラー(ヴァイオリン)/
 トーマス・キャロル(チェロ)/
 アシュリー・ウォス(ピアノ)>/
ウィラード・ワイト(声)…4
録音 2013年10月1-2日…1-3, 2014年1月6-7日…4 ブリストル,聖ジョージ・ブランドン・ヒル
 リンカーン・シティで開催されたアシュレイ音楽祭で始めてトリオを組んだという「トリオ・アパッチ」のメンバーたちによる「Seafarer-海の旅人」プロジェクト。これは新しいアイデアを形成し、新鮮な作品を演奏するために、作曲家に委嘱をを行うことであり、今回は素晴らしい現代作曲家サリー・ビーミッシュとコラボレーションを組み、ドビュッシーの「海」のピアノ三重奏版と、それに付随するオリジナル作品が生み出されたのです。
 緊密なアンサンブルに支えられた「海」、そして語りと音楽の調和である「Seafarer」。これは確かにこれまでにない画期的な音楽であることは間違いありません。
 

ORC100044
\2100
ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド
 1.プロローグ:問い
 フランツ・リスト(1811-1886):
  灰色の雲 S199(ヴィオラとピアノ編)/
 2.第1章:上昇 ベルリオーズ(1803-1869)=リスト:
  イタリアのハロルド Op.16/S472 山におけるハロルド-
  憂愁、幸福と歓喜の場面/
 3-4.第2章:思い出 リスト:忘れられたロマンス S132
  (ヴィオラとピアノ編)
  ベルリオーズ=リスト:イタリアのハロルド 巡礼者の行進-
  夕べの祈祷を歌う/
 5-6.第3章:夢 ベルリオーズ=リスト:
  イタリアのハロルド セレナード-アブルッチの山人が,
  その愛人によせる
 リスト:おお!私が眠りにつくときには S282
  (ヴィオラとピアノ編)/
 7.第4章:答え ベルリオーズ=リスト:
  イタリアのハロルド 山賊の饗宴-前後の追想 /
 8.エピローグ リスト:眠られぬ夜、問いと答え S203
  (ヴィオラとピアノ編)
ジェニファー・スタム(ヴィオラ)/
エリザベス・プリジェン(ピアノ)
録音 2013年8月8-10日 サフォーク,ポットン・ホール
 プリムローズ国際コンクール、ジュネーブ国際コンクールなど3つの国際コンクールで入賞し、現在最も才能ある若手ヴィオラ奏者として注目されているジェニファー・スタム。
 彼女はフィラデルフィアのカーティス音楽院で学び、ジュリアード音楽院の学位も取得、今井信子とスティーブン・イッサーリスに師事した才能ある人です。ジュネーブ国際コンクール入賞記念アルバムはNAXOSからリリースされていて、こちらも高く評価されています。
 そんな彼女の今回のアルバムは、ベルリオーズの「イタリアのハロルド」のリスト編曲によるピアノ伴奏版というもの。しかし、ただ演奏するだけでなく、ここにリストの晩年の無調に近い作品を挟みこむことで、独自のストーリーを加味したのです。深く沈みこむようなヴィオラの落ち着いた音色は、聴き手に心地よい謎掛けをしてくるかのようです。

PALADINO MUSIC



PMR-35
(2CD)
\2700→\2490
ヴィクトル・ウルマン:ピアノ・ソナタ全集
<CD1>
 1-3.ピアノ・ソナタ 第1番 Op.10(1936)/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第2番 Op.19(1939)/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第3番 Op.26b(1940)/
 10-12.ピアノ・ソナタ 第4番 Op.38(1941)/
<CD2>
 1-5.ピアノ・ソナタ 第5番「我が青春時代から」Op.45(1943)/
 6-9.ピアノ・ソナタ 第6番 Op.49a(1943)/
 10-14.ピアノ・ソナタ 第7番(1944)
ミハエル・ツァルカ(ピアノ…Steinway & Sons, 1912)
録音 2014年4月2-4日,5月19-20日…CD1, 2013年11月19.20日…CD2 ストックホルム ナイダール・コレクション
 チェコスロヴァキアで、ユダヤ系の両親の下に生まれた作曲家ウルマン(1898-1944)。彼は指揮者としても評論家としても素晴らしい才能を持っていましたが、1940年にナチスがプラハに侵攻した際、結局国外に亡命が叶わず、その2年後に強制収容所で命を落とした悲劇の人です。
 彼の作品のほとんどは焼失してしまいましたが、皮肉にもテレージエンシュタットの収容所で作曲した作品の大多数は残っていて、この7曲あるピアノ・ソナタも5番から7番まではその時代の作品です。
 彼の作品はベートーヴェンにも似た堅固な形式の中に、現代的な志向が宿ったもので、20世紀のピアノ曲の中でも特異な位置を占めた音楽です。古典作品から現代作品まで幅広いレパートリーを有しているミハエル・ツァルカによる演奏です。
 

PMR-36
\2100→\1890
「チューリッヒ・アンサンブル」によるシェエラザード
 1-5.セルゲイ・ボルトキェヴィチ(1877-1952):
  「千一夜物語」から5つのメロディ Op.37(B.エンゲリによる三重奏編)
 6-9.リムスキー・コルサコフ(1844-1908):シェエラザード Op.35/
 10-12.アラム・ハチャトゥリアン(1903-1978):
  クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲
チューリッヒ・アンサンブル
<メンバー>:
ファビオ・ディ・チャソーラ(クラリネット)/
カミラ・シャッツ(ヴァイオリン)/
チエン・ピ=チン(チェロ)…1-9/
ベンヤミン・エンゲリ(ピアノ)>
録音 2013年8月1-3日 スイス チューリッヒ,スタジオ DRS
 「チューリッヒ・アンサンブル」は数々の受賞歴を持つ4人のソリストたちによるアンサンブルです。彼らのpaladinoレーベルへのデビュー・アルバムは彼ら自身による編曲で聞くリムスキー・コルサコフの不朽の名作「シェエラザード」を中心としたオリエンタル風のメロディを持つ作品集です。
 本来は大編成のオーケストラで荘厳に奏されるシェエラザードが、極めて親密に鳴り響きます。ボルトキェヴィッチの作品も元々はバレエ音楽ですが、こちらもコンパクトにまとまりつつも、様々な可能性を秘めた響きが楽しめます。ハチャトゥリアンのクラリネット三重奏曲はオリジナルの形です。
 
PMR-48
\2100
アレッサンドロ・ポリエッティ:ロシニョーロ
 1.トッカータ/2.カンツォナ/3.アルマンド/4.ドゥブレ 1/
 5.ドゥブレ 2/6.クーラント/7.ドゥヴレ/8.サラバンド/
 9.ドゥブレ/10.ジグ/11.ドゥブレ/
 12-36.「陛下の時代」によるエア・アルマンドと変奏
ジョイス・リンドルフ(ハープシコード)
録音 1994年4月4-6日 USA メリーランド,ブラッドリー・ヒルズ・プレスバイテリアン教会
 ジョイス・リンドルフは米国で古楽を中心に活躍している著名な音楽家です。この演奏は、彼女の活動の初期の記録で、あまり録音の多くないアレッサッドロ・ポリエッティ(1600頃-1683)の作品を聴くことができます。ポリエッティはイタリア生まれの作曲家で、ウィーンに渡って宮廷音楽家になった人です。
 当時としては、珍しい「標題音楽」を手がけた人として知られ、とりわけこの「ロシニョーロ(ナイチンゲール)」は鳥の鳴き声を模倣した旋律が取り入れられた楽しい小品集です。

RPO


RPOSP047
\2100
ペク・ジュヤン/ペンデレツキとシマノフスキを弾く
 1-6.ペンデレツキ(1933-):
  ヴァイオリン協奏曲 第2番「メタモルフォーゼン」/
 7-11.シマノフスキ(1882-1937):ヴァイオリン協奏曲 第1番 Op.35
ペク・ジュヤン(ヴァイオリン)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/
グルジェゴルス・ノヴァーク(指揮)
 韓国に生まれ、ソウル芸術高等学校卒業後、アメリカに留学し、カーティス音楽院にて、アーロン・ローザンドに師事した才能ある若手ヴァイオリニスト、ペク・ジュヤン。もちろん数々のコンクール受賞歴を持ち、世界中のオーケストラとの共演を重ね、名門ソウル大学音楽学部では20歳代で教授職に就任、こちらも韓国国内で大きな話題を呼びました。
 新日本フィルハーモニーとブラームス&ブルックの協奏曲を録音し、また無伴奏作品のアルバムもリリースしている彼女ですが、今回はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と、ペンデレツキとシマノフスキという2つのポーランドの近現代作品を演奏しています。
 1995年に書かれたペンデレツキの作品はもともとアンネ=ゾフィ・ムターのために書かれた作品で、すでに作風がロマン派に回帰した時期の曲で、難解さを取り除いてしまった現代曲といった風情であり、ヴァイオリニストの持ち味が存分に生かされるといえるでしょう。
 シマノフスキの作品は、きらびやかで捉えどころのない始まり方に魅了されます。こちらは妖艶な魅力に溢れた曲といえるでしょうか。
 

RPO021
\2100→\1890
ジョン・ウィリアムズの音楽集
 1.インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説/
 2.E.T./3.ジョーズ/
 4.ハリー・ポッターと賢者の石-ヘドウィグのテーマ/
 5.ハリー・ポッターと賢者の石-ハリーの不思議な世界/
 6.スーパーマン/
 7.イーストウィックの魔女たち/
 8.未知との遭遇/9.シンドラーのリスト/
 10.宇宙戦争/11.フック/
 12.スター・ウォーズ:エピソード2/クローンの攻撃/
 13.遥かなる大地へ/
 14.ジュラシック・パーク
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
<指揮者:トルガ・カシフ…1.10./
ニック・ライン…2.3.6.7.8.11.13.14./
ニック・イングマン…4.5.9./
ポール・ベイトマン…12.>
 映画音楽、それもハリウッド系のゴージャスな音を全力で聴いてみたい!という人に強くオススメしたいのがこの1枚。
 ロイヤル・フィルによるジョン・ウィリアムズの音楽集です。おなじみのジョーズやインディ・ジョーンズ、スーパーマンなどのグイグイ来る系から、ハリー・ポッターやシンドラーのリストなどのしみじみ系まで、どれもが素晴らしい出来栄え。
 うーん、映画って本当に良いですね。とつぶやきたくなる極上の1枚です。

SOLO MUSICA



88843092602
\2100→\1890
バッハ・イン・ロサンジェルス
 1-15.J.S.バッハ:インヴェンション BWV772-786/
 16-23.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番BWV1007/
 24.J.S.バッハ:前奏曲 第2番 BWV847/
 25.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 BWV1011-
  第4楽章 サラバンド
ジャック・ボノ(エレクトリック・ベース)/
ティエンシン・シンディー・ウー(ヴァイオリン)
 どんな楽器で奏しても、またどんな編曲を施しても、全く違和感を覚えさせないバッハの名曲たち。このアルバムは、世界に名だたるベーシスト、ジャック・ボノがバッハを意のままに操った稀有の名演です。インヴェンションは2声の旋律を解体、再構築し、信頼するヴァイオリニスト、シンディー・ウーとともに演奏したもの。ユニークな音色で新しいバッハの姿を見せてくれます。無伴奏チェロ組曲は、まさにチェロのための最高傑作に、新たなインスピレーションと可能性を与えたものであり、現代の楽器とバッハの音楽の親和性を強く感じさせてくれるものとして、印象付けられること間違いありません。

- ジャック・ボノ -
 フランス、パリの芸術家の家庭に生まれ、幼い頃からクラシックや他のジャンルの音楽に接していたベーシスト。ミュンヘンのジャズ・スクールで学び、ソロやツアーで活躍しています。クラシックにも造詣が深く、演奏にも様々なアイデアを盛り込み、常に新しい姿の音楽を届けています。
 


SOB06
\2100→\1890
バーゼル響によるオケ版
デニス・ラッセル・デイヴィス&滑川真希によるピアノ4手版

ストラヴィンスキー:

 1-2.春の祭典-オーケストラ版/
 3-4.春の祭典-ピアノ4手版
バーゼル交響楽団…1-2/
デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮…1-2)&(ピアノ…3-4)/
滑川真希(ピアノ…3-4)
録音 2013年10月28-30日 バーゼル カジノ
 偉大なるストラヴィンスキー(1882-1971)の「春の祭典」。1913年にバレエ・リュスで初演され激しい賛否両論を巻き起こしたことでも知られます。
 この演奏はまずディヴィスの指揮するオーケストラで、この破壊的な曲を聴いていただき、その後に同じくデイヴィスと日本の現代音楽のスペシャリスト、滑川さんによる4手版をお楽しみいただくという趣向です。
 どんな形態で演奏されようとも、この曲の凄さは際立っています。
 


WS006
\2100→\1890
フィリップ・ジョルダン&ウィーン交響楽団
 チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 Op.74「悲愴」
ウィーン交響楽団/
フィリップ・ジョルダン(指揮)
録音 2013年12月14.15.19.20日 ウィーン楽友協会 大ホール
 先代ファビオ・ルイージの後を引き継ぎ、2014年からウィーン交響楽団の首席指揮者を勤めるスイス出身の指揮者フィリップ・ジョルダン。偉大なる指揮者アルミン・ジョルダンを父に持つ彼は、すでに大いなる期待をかけられていますが、このシーズン初めチャイコフスキー(1840-1893)では、天与の能力を存分に発揮し、入念な細部の処理と、正確さ、そして作品の持つ大きな情感のうねりを余すことなく描き出しています。
 これからのオーケストラの将来を示唆する新しい関係の始まりです。
 

SM209
\2400
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BWV988 アナスタシア・ヴォルチョコ(ピアノ)
録音 2013年1月30日 スイス,ハンス・フーバー・ホール
 モスクワで生まれ、チャイコフスキー音楽院を経て、数々のコンクールで一等を受賞しているピアニスト、ヴォルチョコ。彼女はゲルギエフ、プレトニョフ、ヴェンツァーゴなど多くの指揮者たちからの信頼も厚く、ソロだけでなく協奏曲などでも素晴らしい演奏を披露しています。
 このバッハ(1685-1750)の「ゴルトベルク」は隅々まで考え抜かれたものであり、厳しい練習を重ね、最後にコンサートホールでここで聴くことができる「見事な花」を咲かせたというものです。
 バッハの楽譜には既に詳細な装飾が付けられていると主張する彼女ですが、実際の演奏の際は、それを考慮した上で更なる装飾を、あたかも即興的に付け加えているところも素晴らしいものです。徹底した集中力に支えられた荘厳なバッハは、孤高の光を放つものです。
 

SM213
\2400
トリオ・クレメローク
 1-3.テオドール・ラリエ(1837-1892):三重奏曲/
 4.ラヴェル(1875-1937):亡き王女のためのパヴァーヌ/
 5-7.プーランク(1900-1963):
  ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲/
 9.ラフマニノフ(1873-1943):
  ピアノ三重奏曲 第1番 ト短調「悲しみの三重奏曲」
トリオ・クレメローク
<メンバー:
サヴカ・コニクシク(ピアノ)/
ルイ・マルクェス(オーボエ)/
フランツ・ユルゲン・デルザム(ファゴット)>
録音 2013年6月 リスボン スタジオ・ナモウシェ
 フランスの作曲家、指揮者、そしてパリ・オペラ座管弦楽団のオーボエ奏者でもあったラリエ。彼は得意としていたオーボエを中心としたいくつかの作品を残しましたが、それらはほとんど演奏される機会がありません。
 このトリオ・クレメロークのアルバムでは、そのラリエの古典的なスタイルを持つ端正な三重奏曲を中心に、ラヴェル、プーランク、ラフマニノフの作品を演奏しています。プーランクの作品はもともとこのピアノとオーボエ、ファゴットのために書かれたものですが、ラヴェルとラフマニノフは、新鮮な響きを楽しむことができるでしょう。
 

SM215
\2400
カトナ・ツインズ:ギター・デュオ
 1-3.ピアソラ(1921-1992):タンゴ組曲/
 4.グラナドス(1867-1946):スペイン舞曲集-
  第2番「オリエンタル」/
 5.ファリャ(1876-1946):「はかなき人生」-
  スペイン舞曲/
 6-10.モーツァルト(1756-1791):
  セレナーデ 第4番 K439b
ピーター&ゾルターン・カトナ(ギター)
録音 1992年 ブダペスト,ツァランド・UTCA
 美青年ギター・デュオとして名を馳せているカトナ・デュオの、1992年に製作された「最初の記録」がこちらです。小さな教会で録音され、彼らの自主制作盤の形でコンサートなどで販売していたものです。
 “若さゆえの小さな瑕疵などもある”と本人たちは語っていますが、何より新鮮なエネルギーと純粋な探究心は、彼らにしてみても、原点に立ち返るために必要なものだというのです。
 録音した日は酷く寒く、彼らの指は凍えながらも、雪の日ならではの静けさが覆う会場は、まさに神の祝福であったということです。そんな熱のこもった素晴らしい演奏を。
 

SM217
\2400
ベルリン・カウンター・ポイント
 1-4.フィリップ・グラス:弦楽四重奏曲 第2番「カンパニー」/
 5-7.クリスチャン・ビーガイ:四重奏/
 8-10.ティモシー・ブリンコ:カルトグラフィ/
 11.リチャード・デブラ:ルクス・エテルナ/
 12-15.スティーヴ・ライヒ/オラフ・ミューレンハルト:
  ヴァーモント/ベルリン・カウンター・ポイント
   ※世界初録音
clair-obscurサクソフォン四重奏団
録音 2013年10月13-15日 ベルリン放送 第3ホール
 一時期のような熱狂的な「ミニマル音楽への賛美」は、さすがに最近はあまり見かけませんが、その分、ミニマル音楽はもっと細分化され、抜け目なく日常生活の中に入り込んでいるような気がします。
 最近のベルリンでは、ラウンジで新しいスタイルのクラシック音楽を演奏することが流行していて(=Yellow Lounge)、この流れは日本でも静かなブームを呼んでいます。
 このアルバムは、Yellow Loungeで高い人気を誇るclair-obscurサクソフォン四重奏団による、グラスやライヒをはじめとした、心地よいミニマル音楽の世界が収録されています。
 コンサートホールとはまた違うリラックスした音をお楽しみください。
 

SONO LUMINUS


DSL-92180
(CD+BD Audio)
\2400
The Year Before Yesterday-昨日の前年
 1-3.ウィリアム・クラフト(1923-):前に!
  <第1周/第2周:夕暮れのフォーンスワース公園/第3周>/
 4.ショーン・ナイドー(?-2012):昨日の前年/
 5-9.エリック・グリスウォルド:今日をわれらに
  <立ち上がる/呼吸する/刃物/ただ一人/空にパンチを>/
 10.ジョセフ・ペレイラ(1974-):マレット四重奏/
 11.イサーク・シャンクラー:見えぬものたち/
 12.ニコラス・デヨー:子守歌 第5番
ロサンジェルス・パーカッション四重奏団
録音 2014年1月27-30日 Oliphant Hall. Chapman University, Orange CA
 前作「Rupa-khandha」(DSL-92150)で、素晴らしいテクニックを見せ付けたロサンジェルス・パーカッション四重奏団による新しいアルバムは、更に進化した音が楽しめるものです。
 2009年の創設以来、彼らは世界トップクラスの現代室内楽アンサンブルとしての地位を築き、アメリカの現代作曲家の作品を中心に、数多くの作品を演奏することで、究極の音を追求しています。
 彼らは多くの賞を受賞しており、なかでも第55回のグラミー賞のノミネートは、彼らの実力が正しく評価されたものといえるでしょう。金属的な音、柔らかい音、ガラス質の音など、いくつもの音が波のように押し寄せてくる様子は、ただただ楽しめるのではないでしょうか。
 従来のパーカッションの概念を覆すかのような刺激的で激しい音の奔流は、通常の形で再生しても存分に楽しめるものですが、最高の録音技術を用いたBlu-ray AUDIOを適切に再生することで、オーディオマニアの方たちにも喜んでいただける音を獲得することが可能です。
 

DSL-92181
(CD 2枚組+BD Audio)
\2400
ピーター・スカルソープ:ディジュリドゥを伴う弦楽四重奏曲全集
<CD1>
 1.弦楽四重奏曲 第12番 「ウビルーから」(地球の叫び)/
 2-5.弦楽四重奏曲 第14番 「カンバイ」
  <第1楽章:前奏曲/第2楽章:谷にて/
  第3楽章:高き丘にて/第4楽章:カンバイの絶壁>/
<CD2>
 1-5.弦楽四重奏曲 第16番
  <第1楽章:孤独の寂しさ/第2楽章:怒り/
  第3楽章:思慕/第4楽章:トラウマ/第5楽章:自由>/
 6-10.弦楽四重奏曲 第18番
  <第1楽章:前奏曲/第2楽章:大地は歌う/
  第3楽章:瀕死の大地/
  第4楽章:失われた大地/第5楽章:後奏曲>
スティーヴン・ケント(ディジュリドゥ)/
デル・ソル弦楽四重奏団
録音 2013年6月24-25日…第12番,第16番, 2014年4月21-22日…第14番,第18番 ヴァージニア,ボイス ソノ・ルミナス
 ピーター・スカルソープ(1929-2014)はオーストラリアの現代作曲家です。彼は7歳から作曲を始め、その作品はオーストラリアの伝統と自然に起因したものが多く、この弦楽四重奏曲も、ディジュリドゥを巧みに配した印象的なものです。
 ディジュリドゥ(Didgeridoo, Didjeridu)とは、オーストラリア大陸の先住民アボリジニの金管楽器である。木製ではあるが発音原理から木管ではなく金管楽器に分類される楽器ですが、とにかく実際の音は印象的なもので、一度聴いたら耳から離れないほどの強烈な音色を持っています。
 従来の弦楽四重奏の音色と対比させたこの楽器の音色、とにかく聞いてみてください。ここでこのディジュリドゥを演奏しているスティーヴン・ケントは英国でう案れ、東アフリカで若き時代を過ごした人です。
 フレンチホルンの名手ですが、アボリジニの文化に触れたことでディジェリドゥを学び、この楽器のスペシャリストになりました。この楽器のための作品を20曲以上も録音しています。
 
DSL-92179
(CD+BD Audio)
\2400
アメリカの集団
 1-3.ネイサン・リンカーン=デクサティス:オブリヴィヨン(忘却)/
 4.アルマンド・バヨーロ:広く開かれたスペース/
 5.ダン・ヴィスコンテ(1982-):ブラック・ベンド/
 6.ジュリア・アドルフ:言葉なき生き物たち/
 7.ヨゼフ・ホールマン(1979-):The Extrodinary Gryssandra Wycke/
 8.スティーヴン・ゴルボス:私が保持することを決めたもの/
 9.グレゴリー・スピアーズ:クマとハト
Inscape*(アンサンブル)
5.1 DTS HD MA 24/192kHZ/7.1 DTS HD MA 24/96kHZ/2.0 LPCM 24/192kHZ
 21世紀のアメリカ音楽における豊かなサウンドを探求する「Inscape*」の最新アルバムです。ある時は自然の景観の美しさを描き、またジャズやロック、土着の民俗音楽を想起させる音を求めるなど、多様化した現代のアメリカの文化と姿を、音楽で描き出すことに力を注ぐ彼ら、今回のアルバムでも興味深い作品を取り上げています。
 特定の音の形状をモデル化した、一種の室内交響曲であるリンカーン=デクサティスの「オブリヴィヨン」、夏の農村の風景を描いたヴィスコンテの「ブラック・ベンド」、若き魔女が発する呪文はホールマンの「The Extrodinary Gryssandra Wycke」で描かれています。Inscape*は2004年に芸術監督リチャード・スケルボによって設立されたアンサンブル。2014年には前作「Sprung Rhythm」がグラミー賞にノミネートされるなど注目を集めています。このアルバムはCDとともにBlu-ray AUDIOも同梱されており、シャープな音を体中で楽しむことができます。
 

SSM



SSM-1005
\2400→\2190
向井山朋子、ひさびさの登場!!
 1-12.アレクサンドル・ラスカトフ(1953-):ピアノ協奏曲「夜の蝶」/
 13-26.ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
向井山朋子(ピアノ)/
シアトル交響楽団/
リュドビック・モルロー(指揮)
録音 2014年3月20,22,23日…1-12, 2014年7月19,21日…13-26 シアトル ベナロヤ・ホール

 モスクワ生まれの作曲家、アレクサンドル・ラスカトフはモスクワ音楽院で学び、1982年に大学院を終了後、ドイツでしばらく活動し、1990年代からはフランスに移住。映画音楽の分野をはじめ、多方面で活躍している作曲家です。
 世界中で彼の作品が上演され、高い人気を誇っているラスカトフですが、このピアノ協奏曲「夜の蝶」は、シアトル交響楽団の委嘱作品で、詩的で劇的な作風を持っています。
 もちろんここで演奏している日本のコンテンポラリー・ピアニスト向井山朋子の存在なくしては生まれなかった作品であり、彼女の卓越した技巧が存分に生かされた革新的な音楽です。

 カップリングは「春の祭典」で、こちらも素晴らしいパフォーマンスとなっています。リュドビック・モルローのパワフルな指揮は、今回も健在です。



 
 向井山朋子・・・。


 アムステルダム在住、異色の日本人ピアニストとして知られる向井山朋子。録音は2014年、ほんとに久しぶりのアルバム。しかもラスカトフのコンチェルト。

 もちろん多くのピアノ・ファンは彼女の名を例のBVHAASTの衝撃的なアルバムで記憶していると思う。
 クラシックとは思えぬショッキングなジャケット、それに負けない強烈な個性をもつ音楽。

   BVHAASTのアルバムのジャケット。現在入手不能。でも入手できないか確認中。

 またコンサート活動も熱心で、建築家、映像作家、舞踏家などと組んだ不思議な演奏会はクラシック界以外のアーティストからも強い関心を集めている。それに加え個人のお宅で行なう出張コンサート(先日100万円で1回のコンサートを入札したという記事が新聞に載ってた)、カフェでいっしょにご飯を食べたりおしゃべりしたりしながらのコンサート、さらには観客一人のための15分だけの本格的コンサート、などなどその発想の斬新さはまったく類をみない。12,000着の絹のドレスと経血とピアノ作品が織りなす壮大なプロジェクト‘wasted’ には世界から1000人の女性たちが参加し、その過程はドキュメンタリー映画「白い迷路」として記録された。

 そんな彼女の新譜。
 向井山の新しい録音が聞けるだけで幸せである。



 

Steinway & Sons


STNS-30037
\2100
おべっか使い 〜セシル・シャミナード:ピアノ作品集
 1.おべっか使い Op.50/2.旋律的な練習曲 Op.118/
 3.ロマンティックな練習曲 Op.132/4-6.ピアノ・ソナタ ハ短調 Op.21/
 7.悲愴練習曲 Op.124/8.交響的練習曲 Op.28/
 9-12. 6つの演奏会用練習曲 Op.35より
  <第1番:スケルツォ/第2番:秋/第3番:紡ぎ車/第5番:即興曲>/
 13.森の精 Op.60/14.和声的な小品 Op.87より第4番:過ぎし日
ジョアン・ポルク(ピアノ)
 19世紀後半にフランスで活躍したセシル・シャミナード(1857-1944)。彼女は「初めて経済的に自立した女性作曲家」と呼ばれ、過去に存在した「作曲を手がける女性たち」とは一線を画した扱いを受けていることでも知られています。
 彼女の作品はベルリオーズ、マイアベーア、グノー、ビゼー、フランクなどから影響を受けており、初期の作品にはオペラやバレエ、ピアノ協奏曲など大規模なものも見受けられますが、長じてからは、このアルバムに収録されているようなサロン風の小品を中心に書き(女性らしさを強調した?)これらは当時大きな人気を博したのです。
 しかし、ここで聴ける練習曲などのいくつかの作品は、彼女の真の才能を感じさせる素晴らしい風格を持っています。これらの作品を演奏しているジョアン・ポルクは、以前アメリカの女性作曲家エイミー・ビーチのピアノ作品全集や、歌曲集の伴奏を録音し、ビーチの真価を世に問うたピアニストです。
 彼女はこのような知られざる女性作曲家たちの作品を伝播することに力を注いでおり、このシャミナードの録音もその一つと言えるでしょう。これを機会にもっとシャミナードの音楽を楽しんでみませんか?
  

TIMPANI



4C4228
(4CD)
\5700→\5290
アルベリク・マニャール:室内楽全集
<CD1>
 1-4.ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.13/
 5-8.チェロ・ソナタ イ長調 Op.20/
<CD2>
 1-4.ピアノ三重奏曲 ヘ短調 Op.18/
 5-8.フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットとピアノのための五重奏曲 Op.8/
<CD3>
 1-4.弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.16/
<CD4.マニャールの室内楽について>
 1.イントロダクション/2.マニャールの100年後/
 3.彼の室内楽について/4.五重奏曲について/
 5.ヴァイオリン・ソナタについて/6.弦楽四重奏曲について/
 7.三重奏曲について/8.チェロ・ソナタについて
ローラン・ワグシャル(p)/
ソレンヌ・パイダッシ(vn)/
カミュ・トーマス(vc)/
エリゼ弦楽四重奏団/
アンサンブル・イニティウム(管楽アンサンブル)

 2014年はマニャール(1865-1914)の没後100年にあたります。彼の父はベストセラー作家で、フィガロ紙編集主幹のフランシス・マニャールでしたが、アルベリクは親の七光りを嫌い、経済的援助は受けずに自立しようと決意します。法律を学び、パリ音楽院ではデュポアとマスネに師事しますが、ヴァンサン・ダンディに心酔し、個人的に彼から4年間作曲法を学びました。
 第1番の交響曲はダンディに献呈されています。
 第1次世界大戦注にドイツ兵の襲撃から自宅を守ろうとしたマニャールは、激しい銃撃戦の末、ドイツ兵の放った火が原因で自宅は焼失、その際いくつかのスコアとともに、彼自身も焼死するという痛ましい最期を迎えたことでも知られています(それにしても今回のジャケットって・・・)。

 彼の作品はフランス風というより、ダンディの師であったフランク、ひいてはドイツ・ロマン派の影響を受けており、堅固な形式の中に時折見られる循環形式や、叙情的なメロディなど、なかなか興味深い面を持っています。CD4は、彼の作品についてのレクチャー(フランス語)が収録されています。


旧譜
マニャール交響曲全集


Hyperion dyad
CDD 22068
(2CD)\2500
マニャール:
 交響曲第1番ハ短調Op.4/同第2番ホ長調p.6/
 同第3番変ロ長調Op.11/同第4番嬰ハ短調Op.21
ジャン=イヴ・オッソンス(指揮)、
BBCスコティッシュ交響楽団
19世紀後半から20世紀初頭にかけてのフランス屈指の手腕を持ちながらも、シベリウスやニールセン、グラズノフと同い年であるがゆえ、そして作家でありフランスの有力紙フィガロの編集主幹だった父の名声に隠れてしまったアルベリク・マニャール。
ダンディに献呈された「交響曲第1番」などマニャールの代表作でもある4つの交響曲は、マーラーやブルックナーを連想させるフランスの隠れた傑作として支持を受けている。

 

2C2229
(2CD)
\4000
レイナルド・アーン:当惑したナイチンゲール ビリー・エイディ(ピアノ)
録音 2014年7月
 もともとはベネズエラで生まれ、フランスに帰化したレイナルド・アーン(1874-1947)。10歳でパリ音楽院に入学、マスネやサン=サーンスに師事したという彼の作品で、最も知られているのは、歌曲「私の詩に翼があったなら」でしょう。しかしこの歌は彼がなんど12歳の時の作品で、本当に早熟の天才だったのです。
 TIMPANIレーベルには、なぜかアーンの作品がこれまでになく、この「当惑したナイチンゲール」が初めての作品集となります。1902年から1910年に作曲されたピアノの連作集で、全体は4つの部分に分かれた53曲から出来ています。彼の親友であったマルセル・プルーストの影響が多分にありアーンによると「涙の中で書いた」ものであり、幼い頃の記憶を辿るような感傷的で静かな音楽です。
 ピアニスト、エイディはTIMPANIレーベルでお馴染みの人。その繊細な表現力が高く評価されています。
 

TOCCATA

TOCC-60
\2700
デイヴィッド・マシューズ:弦楽四重奏曲全集 第3集
 1-6.弦楽四重奏曲 第1番 Op.4(1969-1970/1980改編)/
 7-9.弦楽四重奏曲 第2番 Op.16(1974-1976)/
 10-12.弦楽四重奏曲 第3番 Op.18(1977-1978)/
 13.鏡のカノン(1963)/
14.スクリャービン(1872-1915):前奏曲 Op.74-4
 (D.マシューズ編) ※初録音…(10-13を除く)
クロイツェル弦楽四重奏団
<メンバー:
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)/
ミハイロ・トランダフィロヴスキ(ヴァイオリン)/
モルガン・コフ(ヴィオラ)/
ナイル・ハイデ(チェロ)>
録音 2012年4月11日…1-6, 2014年1月29日…7-12, 2014年7月29日…13.14
 ロンドンで生まれ、数多くの作品を世に送り出している作曲家デイヴィッド・マシューズ(1943-)。このアルバムは彼の弦楽四重奏曲全集の第3集です。
 ここには比較的初期の作品が収録されていて、ベートーヴェン、バルトーク、ブリテン、ティペットなどの偉大なる弦楽四重奏の系譜を学びつつ、どのように対位法の技術を修得していったかをつぶさに見ることができるというものです。
 第2番の弦楽四重奏曲には、ミニマリズムの影響も感じられるなど、この時代に流行していた音楽スタイルも伺い知ることができ、とても興味深いものです。「鏡のカノン」も対位法習得のための小品。
 スクリャービンの前奏曲第4番はかれの弟コリンの誕生日の贈り物ととして編曲されたもの。彼ら兄弟が10代の時に強く影響されたスクリャービンへの賛辞の気持ちが込められているのだそうです。
 【第1集…TOCC0058, 第2集…TOCC0059】
 

TOCC-216
\2700→\2490
ロシア・ピアニズムの伝統
 アナトーリ・アレクサンドロフ:ピアノ作品集 第2集

 1-2. 2つの小品 Op.3(1913/1919改編)
  <第1番:夜想曲/第2番:ワルツ>…
 3.ピアノ・ソナタ 第2番 ニ短調 Op.12(1918)…
 4-5.メーテルランクのドラマ「アリアーヌと青髭」から
  2つのパッセージ(1923)…
 6-8.ピアノ・ソナタ 第4番 ハ長調 Op.19(1922/1954改編)…
 9.ピアノ・ソナタ 第1番 嬰へ短調「ソナタ・スカッツァ」Op.4(1914)…
 10-12.ピアノ・ソナタ 第6番 ト長調 Op.26(1926)…
 13-16.小組曲 第1番 Op.33(1929)
  <第1番:妖精の子守歌/第2番:練習曲/第3番:メロディ/第4番:冗談>
   ※1.2.10-12…初録音
ノ・キョンア(ピアノ)
録音 2013年5月23日…9, 2014年1月7-8日…1-8.10-16 北テキサス大学,マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター
 アナトーリ・アレクサンドロフ(1888-1982)は、ロシア・ピアニズムの伝統をしっかり継承している作曲家として知られ、その作品は、ラフマニノフ、スクリャービン、ショスタコーヴィチ、ギレリスなど様々な作曲家や演奏家にインスピレーションを与えています。
 作風はよく言われるように「メトネルとスクリャービンの中間」のようなものではありますが、決して前衛的にはならず、程よいロマンティシズムを保った親しみやすいものです。
 この第2集には彼の初期の作品が収録されており、これらは発表当時にも高い人気を誇ったというものですが、後期の単純化された新古典主義風の音よりも、より実験性が高く(だからこそ評価されたのでしょう)印象主義的で神秘的な音であり、確かにスクリャービンの響きに近いものがあります。
 ここでピアノを弾いているキョンアは、第1集でその幅広いデュナーミク、華麗な音色、そして卓越した技術を高く評価されました。将来が楽しみなピアニストです。
 【第1集…TOCC0186】
 

TOCC-275
\2700→\2490
ドゥシェク:ピアノ作品集
 1-12.12の旋律的な練習曲 Op.16(1794頃)/
 13-20.幻想曲 ヘ長調 Op.76(1811)
  ※1-12…初録音
ヴィンツェンツォ・パオリーニ(ピアノ)
録音 2013年8月8-10日 イタリア アスコリ・プラチェノ,フェニーチェ劇場
 チェコの音楽家の家系に生まれたドッシェク(1760-1812 ドゥシークとも)は、ピアノ学習者にはお馴染みの存在。彼のソナチネにお世話になった人も多いことでしょう。彼はボヘミアで早期の学習を終えると、オランダ、ドイツからサンクトペテルブルクに渡りましたが、ここで生まれながらの色男ぶりのおかげであったのか、エカテリーナ二世の寵愛を受けることになります。しかし暗殺謀議に関与したと告発されて、サンクトペテルブルクを脱出、その後は数多くの国をさすらいながら、数多くの浮名を流し、また数多くの作品を書き上げました。
 最終的にはロンドンに行き、ここで妻を娶り、イギリス・ピアノ楽派の基礎を作りあげます。若い頃は美男子でしたが、長年の不摂生のおかげで晩年は体型が崩れ、最後にはピアノの鍵盤に手が届かなくなってしまったといわれます。
 しかし、その作品は独創的で、時代を先行してたものが多く、ここで聞ける幻想曲も、間違いなくロマン派の作風を持つものです。
 

TOCC-277
\2700→\2490
クララの異父弟
ヴォルデマール・バルギール:管弦楽作品全集 第1集

 1-4.交響曲 ハ長調 Op.30(1864)/
 5.悲劇への序曲 Op.18(1856)/
 6.「プロメテウス」序曲 Op.16(1852/1854.1859改編)/
 7.「メデア」序曲 Op.22(1861頃) ※初録音
シベリア交響楽団/
ドミトリー・ヴァシリエフ(指揮)
録音 2014年6月22日…5, 2014年6月23日…7, 2014年6月24日…6, 2014年7月13-14日…1-4 シベリア,オムスク・フィルハーモニック・ホール
 ベルリン生まれの作曲家バルギール(1824-1897)。彼の名前はほとんど知られていませんが、実は彼の母親マリアンネの前夫はフリードリヒ・ヴィークであり、この2人の間の娘がクララ・ヴィーク。
 ということで、彼はクララの異父弟ということになります。もちろんクララとバルギールは生涯に渡って親戚関係を継続し、クララを通じて、ロベルト・シューマンやフェリックス・メンデルスゾーンと会ったりもしています。
 バルギール自身も素晴らしい音楽的才能を有していて、少年時代は聖歌隊歌手として、その後は優れた作曲家として活躍し、数は多くないものの素晴らしい室内楽作品のいくつかが知られています。
 今回はそんな彼の珍しい管弦楽作品の全てをお聞きいただくというプロジェクトが開始しました。作風は保守的ですが、爽やかな風に満たされた音楽、これは確かに一聴の価値があります。
 


TOCC-192
\2700→\2490
リヒャルト・ワーグナー:オペラ名曲集
オーギュスト・ストラーダルによる独奏ピアノ編曲版 第2集

 1.歌劇「ローエングリン」-自由な幻想曲/
 2.歌劇「トリスタンとイゾルデ」-愛の二重唱/
 3.楽劇「ラインの黄金」-最後の情景から終わりの音楽/
 4.楽劇「パルジファル」-聖金曜日の音楽/
 5.楽劇「ジークフリート」-第3幕の終景
  ※初録音
ジャン・グリエルモ・ヴィツカッラ(ピアノ)
録音 2013年7月17-19日 北テキサス大学,ウィンスパー・ホール
 チェコ生まれのピアニスト、オーギュスト・ストラーダル(1860-1930)の編曲集第2集です。リストとブルックナーの弟子として作曲を学んだ彼ですが、その名前が知られるのは、これらのような先人の作品の?ピアノ編曲版です。かろうじて知られているベートーヴェンの弦楽四重奏のピアノ版や、マーラーの交響曲第5番のピアノ版、そしてTOCCATAレーベルから発売されているリストの交響詩、ワーグナー(1813-1883)のオペラ曲集などで、これらはあまりにも難しく書かれているため、なかなか完璧に演奏できる人が現れず、そのまま歴史の流れに埋もれてしまったのです。ワーグナー作品集第2集にも驚異的なトランスクリプションが並んでいます。名手ヴィツカッラの演奏で。
第1集:TOCC-151
 


TOCC-244
\2700→\2490
ロビン・ミルフォード:室内楽曲集
 1.クラリネットと弦楽四重奏のための幻想的五重奏曲 Op.33(1933)/
 2.牧歌-緑の木の下で Op.57(1941)/
 3-5.クラリネット、チェロ、ピアノのための三重奏曲 ヘ長調 Op.87(1948)/
 6.チェロとピアノのための「スレン」(1946-1947)/
 7.クラリネットとピアノのための「叙情的な楽章」Op.89(1948)/
 8.ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための前奏曲(1948頃)/
 9-12.ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.77 ※トラック8以外初録音
ロバート・プレイン(クラリネット)…1.3-5/
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)…1.2.9-12/
ミア・クーパー(ヴァイオリン)…1/
ディヴィッド・アダムス(ヴィオラ)…1/
アリス・ニアリィ(チェロ)…1.3-5.6/
ベンジャミン・フリス(ピアノ)…2-7.9-12/
グールド・ピアノ三重奏団…8
録音 2014年3月3-5日 西サセックス,チャンプ・ヒル,ミュージック・ルーム
 イギリスの作曲家、ロビン・ミルフォード(1903-1859)の室内楽作品集。彼はイギリス王立音楽大学でホルストとヴォーン・ウィリアムズから作曲を学び、早い内からその才能は認められていました。1929年にジェラルド・フィンジと出会い親しい友人として交流していたことでも知られています。
 彼の作品は終生、師の2人の影響から逸脱することがなく、前衛音楽が主流であった時期には「時代遅れ」と見做されてしまいましたが、最近ようやく復興しつつあります。ここでは、親友であったフィンジのクラリネット作品にも負けず劣らず美しいクラリネットのための一連の作品や、チェロの作品、ヴァイオリン・ソナタなど魅力的な音楽を収録。
 まだまだイギリスにはたくさんの素晴らしい作曲家が埋もれていることを実感させてくれます。
ピアノ曲&歌曲集:TOCC-9
 


TOCC-247
\2700→\2490
アルバン・ベルク:弦楽への編曲集
 1.ピアノ・ソナタ Op.1(2011/W.V.クラヴェラン編)/
 2-7.初期小品集(2014/E.コヴァチク編)
  <メヌエット ニ短調/アダージョ ヘ長調/サラバンド ヘ長調/
  創作主題による変奏曲 ニ長調/
  デーメルの詩によるアダージョ ニ短調/メヌエット ハ短調>/
 8.カノン(1987/A.シュニトケ編)/
 9-14.叙情組曲
  <Allegretto giovale(2005/T.ヴァルベイ)/
   Allegretto giovale(1927/A.ベルク)/
   Allegro misterioso(1927/A.ベルク)/
   Adagio appassionato(1927/A.ベルク)/
   Presto delirando(2005/T.ヴァルベイ)/
   Largo desolato(2005/T.ヴァルベイ)>
   ※このヴァージョンによる初録音
NFM レオポルディヌム室内管弦楽団/
エルンスト・コヴァチク(指揮)
録音 2014年2月15-20日 ポーランド、ヴロスワフ放送ホール
 ベルク自身の3つの編曲を含む、様々な作品の弦楽のための編曲集。クラヴェランによるピアノ・ソナタの編曲はこのアルバムのために用意されたものです。指揮者コヴァチクの編曲による初期の作品集は、シェーンベルクに師事していた時代に書かれたものですが、少しだけロマン派に回帰したマーラーにも通じる美しさを持つもので、この編曲は作品の持ち味を存分に生かした素晴らしいものです。ベルク作品の持つ不思議な魅力をダイレクトに味わうことができる興味深いアルバムです。
 

TOCC-259
\2700
ジャコモ・ファッコ:和声復興への考察 第2集
 1-3.5声のコンチェルト ハ長調 Op.1-7/
 4-6.5声のコンチェルト ニ長調 Op.1-8/
 7-9.5声のコンチェルト イ短調 Op.1-9/
 10-12.5声のコンチェルト 変ホ長調 Op.1-10/
 13-15.5声のコンチェルト ト長調 Op.1-11/
 16-18.5声のコンチェルト 変ロ長調 Op.1-12
マヌエル・ゾグビ(ヴァイオリン)/
メキシコ・バロック管弦楽団/
ミゲル・ローレンス(指揮)
録音 2014年7月1-20日 メキシコ モンテレイ,サレ・モンテレイ・スタジオ
 イタリアのバロック作曲家ジャコモ・ファッコ(1676-1753)。彼はヴェネツィア近郊の集落マルサンゴに生まれ、1705年からロス=バルバセス侯カルロ・アントニオ・スピノラのパレルモの宮廷合唱指揮者、ヴァイオリン奏者となります。
 スピノラの宮廷がメッシーナに移った際、ファッコはそれに従い、1720年までその地で活躍しました。素晴らしいオペラ作曲家として賞賛されていたファッコですが、彼は教師としても優秀で、1720年以降スペインの宮廷音楽家となった時にはルイス王子にクラヴィコードを教え、フェルナンド王子、カルロス王子にも音楽を教えたことで知られています。
 彼の代表作に、1716年に出版されたヴァイオリン協奏曲集「和声復興への考察」がありましたが、これはずっと紛失されたとされていて、1962年になってようやくメキシコの図書館で偶然発見されたのです。発見したのは音楽学者ウベルト・ザルノリで、それ以降ザルノリはファッコの生涯や作品について研究を続けることとなります。
 そんなファッコの作品を演奏するのは、メキシコ・バロック管弦楽団で、このイタリアとスペインの愛すべき融合とも言える音楽を軽妙に、かつ見事に捉えています。
  第1集:TOCC-202
 

TOCC-239
\2700
オルランド・ヤシント・ガルシア:管弦楽作品集
 1.アウシュヴィッツ(彼らは決して忘れない)(1994)/
 2.バラデロの思い出(1988)/
 3.アール・ブラウンの思い出のために(2011)
アンジャーネ・チェチリア・ガーワル(ソプラノ)/
グレンダ・フェルナンデス=ベガ(メゾ・ソプラノ)/
ローアン・A・スミス(語り)/
フロリダ国際大学・コンサート・コア
(S・マーク・アリアプリオス…合唱指揮)/
マラガ・フィルハーモニー管弦楽団/
ホセ・セレブリエール(指揮)
録音 2013年6月10-12日 マラガ・フィルハーモニック・スタジオ
 1954年にハバナで生まれ、1961年にアメリカに移住。マイアミ大学でモートン・フェルドマンに師事し、作曲と音楽理論を学んだヤシント・ガルシア(1954-)。彼の音楽は師であるフェルドマンの作風を引き継いだもので、ゆっくりとした動きと万華鏡のような穏やかな色使い、そして少しずつ変化していくモティーフなど、特徴的であり、不可思議な美しさを有しています。
 このアルバムに収録された3つの作品、アウシュヴィッツの悲劇、彼が幼い頃に過ごしたキューバのビーチの思い出、そしてアメリカのモダニズムを象徴する作曲家、アール・ブラウン(1926-2002)への思い出。どれもが瞑想的なフレーズを多用することで、無限の悲しみを喚起させます。名指揮者セレブリエールを起用し、素晴らしい演奏でお聞きいただけます。
 


TOCC-242
\2700→\2490
ジョン・キンセラ:交響曲 第5番&第10番
 1-4.交響曲 第5番「1916年の詩」(1992)/
 5-7.交響曲 第10番(2010)
ジェラルド・オコンナー(語り)…1.4/
ビル・ゴールディング(ナレーター)…1-4/
アイルランド国立交響楽団…1-4/
コールマン・ピアース(指揮)…1-4/
アイルランド室内管弦楽団…5-7/
ガボール・タカーチ=ナジ(指揮)…5-7
録音 1994年2月18日 ダブリン,ナショナル・コンサート・ホール…1-4, 2012年2月11日 ダブリン,ロイヤル・ダブリン・ソサエティ・コンサート・ホール…5-7
 アイルランド、ダブリンで生まれた作曲家キンセラ(1932-)は、ダブリン大学でヴィオラと和声、対位法を学ぶも、作曲は基本的に独学で身に着けました。最初はシンプルな作品を書いていたものの、少しずつその技法が進化し、1968年、彼はアイルランド放送協会の音楽部門のシニア・アシスタントになり、楽曲管理をしていたため、当時のヨーロッパの現代音楽の流行に精通しており、それも踏まえた素晴らしい作品を数多く作り、現在では「アイルランド最高の交響曲作曲家」として讃えられています。
 交響曲第5番は、1916年に殺害された3人のアイルランドの詩人の詩を用いた作品。交響曲第10番は彼の最新の作品でモーツァルト・マニアのために書かれた古典的な装いを持っています。2作品の対比をお楽しみください。
  

TOCC-256
\2700
チャールズ・オブライエン:ピアノ作品全集 第1集
 1-4.ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.14(1910)/
 5-6.2つのワルツ Op.25(1928)/
 7-9.スコットランドの情景 Op.17(1915)/
 10-12.スコットランドの情景 Op.21(1917)
ウォーレン・メイリー=スミス(ピアノ)
録音 2009年10月27日 西サセックス,チャンプヒル,ミュージック・ルーム
 スコットランドの作曲家、チャールズ・オブライエン(1882-1968)の魅力的な旋律は、彼が住んでいたエディンバラの風景が反映されています。
 トロンボーン奏者だった父を始め、彼の家系には音楽家が多く、彼も自然に音楽を愛するようになりました。数多くの作品を残しましたが、現在ではそのほとんどが忘れ去られてしまっています。しかし最近、復興の兆しが見えており、このアルバムの他にも、管弦楽作品の録音が進行しているなど、この静かで美しい作品に注目する人が増えています。
 ピアニスト、メイリー=スミスは2011年にロイヤル・フィルハーモニーと「皇帝」を演奏してデビューした新進気鋭の若手。すでに何枚かのCDをリリースしていて、どれもが絶賛されています。ここでも共感溢れる瑞々しい音楽を聴く事ができます。
 

TOCC-269
\2700
テオドール・グヴィ:歌曲集
 1.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-1「オリーヴに」/
 2.ロンサールの9つの詩 Op.41-4「ここに木がある」/
 3.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-2「ニンフよ、あなたの最も赤いバラをここに混ぜよう」/
 4.ロンサールの9つの詩 Op.41-7「何て言ったの?何をしているの?私の愛しい人」/
 5.ロンサールの6つの詩 Op.42-3「私はあなた以外の愛し方を知らない」/
 6.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-3「甘きナイチンゲール,あなた」/
 7.ロンサールの6つの詩 Op.42-5「エレーヌ」/
 8.ロンサールの9つの詩 Op.41-8「私がその日を考えるとき」/
 9.ロンサールの9つの詩 Op.41-1「オーバード」/
 10.ロンサールの8つの詩 Op.44-1「マルゲリータに」/
 11.ロンサールの9つの詩 Op.41-2「このバラを摘んで」/
 12.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-5「甘き安らぎの父」/
 13.ロンサールの8つの詩 Op.44-5「あなたは自然を軽んじる」/
 14.ロンサールの9つの詩 Op.41-5「私はあなたの若さを比較する」/
 15.ロンサールの6つの詩 Op.42-2「ナイチンゲール」/
 16.ロンサールの8つの詩 Op.44-4「あなたの美しい目の魅力」/
 17.ロンサールの7つの詩 Op.47-1「ページよ、私に従って」/
 18.ロンサールの6つの詩 Op.42-1「私は悲しく死んでしまう」/
 19.ロンサールの6つの頌歌 Op.37-1「親愛なるヴェスパー、黄金の光」/
 20.ロンサールの9つの詩 Op.41-3「愛、愛、私の愛する人は美しい」/
 21.ロンサールの9つの詩 Op.41-6「愛は私を殺している」/
 22.ロンサールの7つの詩 Op.47-5「さようなら」/
 23.ロンサールの6つの詩 Op.42-6「歌」/
 24.ロンサールの7つの詩 Op.47-6「甘き眠り」/
 25.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-6「私はいつもあなたから逃がれて」/
 26.ラ・プレイアード・フランセーズ Op.48-11「岩のように」
メーエ・ナム(ソプラノ)…1-6,11-17,21-26/
ジョン・エルウィズ(テノール)…7-10,18-20/
ジョエル・ショーンハルス(ピアノ)
 録音 2014年1月12-14日 オバーリン大学,コンセルヴァトリー・オブ・ミュージック,レコーディング・スタジオ
 19世紀のフランスで活躍した作曲家、テオドール・グヴィ(1819-1898)の珍しい歌曲集です。
 グヴィが生まれたのは、当時ドイツとフランスの係争地帯、ザール地方であったため、彼はフランスにもドイツにも属することができず、憧れていたパリ音楽院に進学することもできなかったと言われています。そのため音楽は個人的に学び、じっくりとその才能を熟成させたのです。
 ベルリオーズは彼の作品を高く評価していましたが、結局のところ彼の作品は脚光を浴びることはなく、そのまま忘れ去られてしまったのです。
 最近になっていくつかの宗教曲や管弦楽曲は演奏されるようになって来ましたが、これらの歌曲については、誰も注目することなく、ひっそりと音楽史の片隅に埋もれていました。
 今回の歌曲は15曲が初録音、その他も録音されたことはあると言え、オリジナルの調性ではありませんでした。ソプラノのメーエ・ナムはグヴィ作品の研究家であり、彼の作品を積極的に紹介している人です。
  

TWO PIANISTS



TP1039305
\2700→\2490
ロン・ティボー、クリーヴランド国際ピアノコンクール優勝の逸材
 アントニオ・ポンパ=バルディ(ピアノ)
その後の「リストを読んで」

 1.リャプノフ(1859-1924):
  12の超絶技巧練習曲 Op.11-第12番 フランツ・リストの追悼の悲歌/
 2-13.ショパン(1810-1849):12の練習曲集 Op.10/
 14.リスト(1811-1886):バラード第2番 ロ短調 S171/R16/
 15.リスト:ヴェルディの歌劇「エルナーニ」による
    演奏会用パラフレーズ S432/R265/
 16.ロベルト・ピアーナ(1971-):リストを読んで
アントニオ・ポンパ=バルディ(ピアノ)
録音 2013年6月30日 南アフリカ ステーレンボッシュ大学.エンドラー・ホール
 イタリアのフォッジャで生まれ、1998年のロン・ティボー国際コンクールと1999年のクリーヴランド国際ピアノコンクールで優勝、その後いくつものコンクールに入賞し、世界的に名声を獲得。現在はアメリカのクリーヴランド音楽大学の教授として活躍しているピアニスト、アントニオ・ポンパ=バルディ。
 彼はいくつかのレーベルから興味深いCDをリリースしていますが、このTWOPIANISTSレーベルへの初録音は、フランツ・リストにまつわる作品集です。
 リストに捧げられたショパンの練習曲からリスト作品にインスパイアされたリャプノフの練習曲、そして現代作曲家ピアーナの書いた「リストへのオマージュ」ではリストの作品が注意深く引用されています。ロマン派の時代から現代へと続くピアニズムを辿る美しい音楽があります。
 

YARLUNG RECORDS



YR-41014
\2400→\2190
爽やかな鮮烈!
 マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
コルバーン管弦楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
録音 2011年12月3日 アンバサダー・オーディトリウム
 NAXOSの一連のアルバムでもおなじみの名指揮者ジェラード・シュワルツがYarlung Recordsレーベルに登場。
 彼はロサンゼルス室内管弦楽団、シアトル交響楽団の音楽監督を長らく務め、それぞれのオーケストラの能力を飛躍的に高め、また数多くの録音を成し遂げました。
 今回のマーラー(1860-1911)の第5番の録音は、コルバーン管弦楽団との共演です。
 コルバーン管弦楽団は2012年-2013年に10周年のシーズンを迎えた「コルバーン音楽院」のオーケストラ。音楽監督はイェフダ・ギラッドが務め、アメリカ各地でコンサートを開催しています。
 様々な指揮者やソリストと共演し、その素晴らしい演奏が高く評価されています。共演後、シュワルツも「迷うことなく、世界でも有数のオーケストラである」と評価しています。熱いマーラーをどうぞ。


 

 コルバーン管弦楽団は「コルバーン音楽院」のオケ。でもその若々しく鮮烈なマーラーは結構印象的。なんだか美人ぞろい。
 
YR-15195
\2400
VANISH-消える
 1.アヴナー・ドーマン(1975-):Udacrep Akubrad/
 2.ディエゴ・スキッシ(1969-):時計のゲーム/
 3.エルネスト・トッホ(1987-1964):地理のフーガ(打楽器編)/
 4.デレク・ティウォニウク:サイコを通して-第5番:私は消える、私が見えますか?/
 5.ラフマニノフ(1873-1943):晩祷 Op.37-招詞(打楽器編)/
 6.マーク・アップルバウム(1967-):キャットフィッシュ/
 7.ラフマニノフ:晩祷 Op.37-「わが霊や主をほめあげよ」(打楽器編)/
 8.アレハンドロ・ビニャオ(1951-):溝の書より「溝の色」/
 9.ビニャオ:溝の書より「溝の漂流の踊り」/
 10.武満徹(1930-1996):フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム/
 11.ラフマニノフ:晩祷 Op.37-「アヴェ・マリア」(打楽器編)
スモーク&ミラーズ・パーカッション・アンサンブル
 若きミニマリスト・アーティストたちのアンサンブル「スモーク&ミラーズ・パーカッション・アンサンブル」の注目のアルバムです。
 真空管マイクから直接2つのトラックにレコーディングするという拘りの録音は、彼らの素晴らしいサウンドを全て捉え、色彩的な音と鋭いリズムを余すことなく再現しています。
 パーカッションの楽しさを体感させてくれる魅力的な1枚です。

ザンクトガレン・バッハ財団/バッハ・カンタータ全集


 ザンクトガレン・バッハ財団のバッハ・カンタータ全集始動!
 バッハのカンタータ全曲演奏という偉業・・・
 1984年にヘルムート・リリンクによって一人の指揮者によるバッハの教会カンタータ全曲録音が完成されて以来、多くの人たちがこの偉業に挑んでいます。その中には、めでたく完成を迎えたものもあり、この宝石のような名作たちが全集という形で、比較的容易に聴けるようになりました。そんなところに、最近になって今までにないような手法で、教会カンタータのみならず、バッハの声楽作品をすべて録音しようという人が現れました。
 それは、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムで教鞭を取っているオルガンの即興演奏のオーソリティ、ルドルフ・ルッツです。
 彼は、1999年に、さる実業家と協力して「ザンクトガレン・バッハ財団」という個人的な財団を創設し、様々な準備を経て、2006年から毎月1回のペースで、まずは教会カンタータを教会で演奏、それをDVDとCDで販売しつつ、全曲演奏を目指すというプロジェクトをスタートさせました。現在までにおよそ三分の一のカンタータが演奏されていますから、全曲を演奏し終わるまでにはあと10年以上はかかることでしょう。
 このコンサート、、始まる前に指揮者が聴衆と一緒にそこで演奏されるカンタータのコラールを歌ったり、様々な分野のゲストによるそのカンタータにちなんだトークを挟んで、全曲を2回演奏するというユニークなものです。この「参加型」のコンサートはかなりの反響を呼んでいるそうです。
 この模様は、実は映像(DVD)の形で市販されているのですが、残念ながらPAL仕様のみ。日本の従来の機材では再生できないのが残念なところです。
 そこで日本ではCDのみの販売となりますが、これだけでも、その生き生きとした演奏風景が伝わる貴重なものであることは間違いありません。
 ソリストも、当代最高の歌手たちを揃えています。その中には最近注目を浴びているヌリア・リアルや櫻田亮氏の名前も。
心穏やかに、気長に見守りたいプロジェクトの登場です。


A909CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第1集
 1-8.天の王よ、よくぞ来ませり BWV182/
 9-15.イエス眠りたまえば、われ何に頼るべきや BWV81/
 16-20.わが神なる主はたたえられん BWV129
ウルリケ・ホーフボイアー(ソプラノ)…16-20/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…1-8.16-20/
ロースヴイータ・ミュラー(アルト)…9-15/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-15/
ラファエル・ユード(バス)…1-8/
ヴォルフ・マティアス・フリードリッヒ(バス)…9-15/
クラウス・ヘーガー(バス)…16-20/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…9-15・ハープシコード…16-20)
録音 2007年3月30日…1-8, 2008年1月18日…9-15, 2008年5月16日…16-20
 第182番は「枝の主日」または「受胎告知」の祭日用のカンタータ。人々が棕櫚の枝を手に持ってイエスを歓迎したといわれる喜びの日を描いた力強い作品です。第81番は「公現後第4主日」用のカンタータ。船の上で眠るイエスの姿と、荒れ狂う波におののく弟子たちを描いた劇的な音楽です。
 第129番は「三位一体の祝日」用。「父なる神」「子なるキリスト」「聖霊」は3つでありながら一つであるという教義に基づいた荘厳で美しい音楽です。3つのアリアを合唱ではさむという独特の形式で書かれています。
 


A910CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第2集
 1-5.イエスは十二使徒をひきよせたまえり BWV22/
 6-10.おお永遠よ、汝恐ろしき言葉 BWV60/
 11-15.おお永遠の炎、おお愛のみなもと BWV34
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)…6-10/
マルクス・フォルスター(アルト)…1-5/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…6-10/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…11-15/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…1-5/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…6-10/
イェンス・ヴェーヴァー(テノール)…11-15/
エッケハルト・アベーレ(バス)…1-5/
マルクス・フォルペルト(バス)…6-10/
ファブリス・ハヨツ(バス)…11-15/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…1-5・オルガン…6-10)
録音 2010年2月19日, 2006年11月24日, 2009年5月29日
 第22番は「四旬節」の主日用。ルカ福音書第18章の31節-43節を使い、エルサレムを目前にしてイエスが十二使徒に受難を預言する場面が描かれています。キリストの言葉を理解できずに苦しむ人のために十字架に対する信仰の思いが歌われます。
 第60番は「三位一体後第24主日」用のカンタータ。死を前に、擬人化された「恐れ」と「希望」が対話するという物語が描かれています。曲の最後には平安がやってくるところが感動的です。
 第34番は「聖霊降臨祭」用のカンタータ。名作中の名作とされます。バッハ晩年の作品ですが、実はそれ以前の結婚カンタータから素材が取られています。華やかな楽想が魅力的なカンタータです。
 


A911CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第3集
 1-6.道を備えよ BWV132/
 7-13.心も魂も乱れはて BWV35/
 14-19.暁の星のいと美しきかな BWV1
エヴァ・オルティヴァルニ(ソプラノ)…1-6.14-19/
マルクス・フォスター(アルト)…1-6/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…7-13/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-6/
櫻田亮(テノール)…14-19/
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)…1-6/
マヌエル・バルサー(バス)/
ノルベルト・ツァイベルガー(オルガン)…7-13/
バッハ財団合唱団…14-19/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…1-6)
録音 2006年12月22日…1-6, 2009年8月28日…7-13, 2010年3月26日…14-19
 第132番は「待降節第4主日」用のカンタータ。イエスの誕生を待ち望む期待に満ちた音楽で、通常合唱のコラールで始められるところ、この曲は突然ソプラノの美しいアリアで幕を開けるというユニークな形です。
 第35番は「三位一体後第12主日」用のカンタータで、アルトのためのソロ・カンタータ。合唱なしのシンプルな編成ですが、作品は2部に分かれた堂々としたものです。
 第1番は演奏の機会も比較的多い名作。こちらも「受胎告知の祭日」用の曲で、全体的に穏やかで清冽な雰囲気を持つ作品です。ここでは、日本のテノール、櫻田亮が輝かしい声を聞かせています。
 


A912CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第4集
 1-7.わが魂なるイエスよ BWV78/
 8-11.いざ、ついに抗すべし BWV54/
 12-18.キリスト者よ、この日を銘記せよ BWV63
ユリア・ノイマン(ソプラノ)…1-7/
エヴァ・オルティヴァルニ(ソプラノ)…12-18/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…1-7/
マルクス・フォルスター(アルト)…7-13/
ヤン・ベルナー(アルト)…12-18/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-7/
ユリウス・プファイファー(テノール)…12-18/
マルクス・フォルペルト(バス)…1-7.12-18/
バッハ財団合唱団…1-7/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…8-11)
録音 2008年8月22日…1-7, 2008年3月14日…8-11, 2008年12月19日…12-18
 第78番は「三位一体後第14主日」用のカンタータ。普遍的な神への信頼を描き、完成度の高い音楽に満たされています。第54番はアルトのソロ・カンタータ。本来はアリアとレチタティーヴォ、アリアの3曲ですが、ここでは曲の末尾にマルティン・ヤンのコラール「jesum nur will ich liebhaben」が付されています。用途ははっきりわかっていません。
 第63番は降誕祭第1日用。祝典的な雰囲気を持つ両端の合唱にはさまれたアリアは、思いのほか静かな曲です。
 


A913CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第5集
 1-7.おお愛する魂よ、汝を飾れ BWV180/
 8-14.されど同じ安息日の夕べに BWV42/
 15-17.いと高きにある神に栄光あれ BWV191
マリア・クリスティーナ・キール(ソプラノ)…1-7/
ウルリケ・ホーフボイアー(ソプラノ)…8-14/
ゲルリンデ・ゼーマン(ソプラノ)…15-17/
ヤン・ブレーナー(アルト)…1-7/
イレーネ・フリードリ(アルト)…8-14/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-7/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…8-14/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…15-17/
ファブリス・ハヨツ(バス)…1-7/
マルクス・フォルペルト(バス)…8-14/
バッハ財団合唱団…1-7.15-17/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…8-14)
録音 2009年10月23日…1-7, 2009年4月17日…8-14, 2009年12月18日…191
 第180番は「三位一体後第20主日」用のカンタータ。パンとぶどう酒をいただくことによって永遠の命を授かるという喜びが歌われます。喜びに溢れた作品です。マリア・クリスティーナ・キールがソロを歌っています。
 第42番は「復活後第1主日」用のカンタータ。第1曲目が合奏協奏曲の形式で書かれていることで知られています。
 第191番は「降誕祭第1日」用。歌詞はラテン語で、曲自体は「ロ短調ミサ曲」からの転用です。終曲は、あのロ短調ミサ曲の第1部の最後の曲の縮小版のような風情を持ち、とても感動的な締めくくりとなります。
 


A997CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第6集
 1-7.目覚めよと呼ぶ声あり BWV140/
 8-15.その人は幸いなり BWV57/
 16-20.主よ、汝の御心のままにわれはあらん BWV73
ヌリア・リアル(ソプラノ)…1-7/
ユリア・ノイマン(ソプラノ)…8-15/
スザンヌ・フライ(ソプラノ)…16-20/
アントニア・フライ(アルト)…8-15/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-7/
ニコラス・サヴォイ(テノール)…8-15/
櫻田亮(テノール)…16-20/
マルクス・フォルペルト(バス)…1-7.16-20/
エッケハルト・エーベル(バス)…8-15/
バッハ財団合唱団…・1-7/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…8-15)
録音 2008年11月21日…1-7, 2010年12月17日…8-15, 2011年1月21日…16-20
 バッハのカンタータの中でも1,2位を争う人気を誇る第140番は「三位一体後第27主日」用のもの。コラール・カンタータと呼ばれる形式であり、ここで用いられているコラールはフィリップ・ニコライ作のもの。輝かしく美しいメロディです。アリアを歌うのは最近注目のソプラノ、ヌリア・リアル。第57番は「降誕祭第2日目」用のカンタータ。タイトルの「その人」とは「試練に耐える人」を意味しています。この日は殉教者聖ステファノの祝日であり、バッハはそれを鑑みてか、この曲に悲痛なアリアを加えました。第73番は「公現後第3主日」用のカンタータ。地味ながらしっとりとした美しさ溢れる音楽です。
 


B033CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第7集
 1-6.深き苦しみの淵より、われ汝を呼ぶ BWV38/
 7-11.見よ、われらはエルサレムにのぼる BWV159/
 12-17.自らの神によれる者は幸いなり BWV139
グーロ・ヒエムリ(ソプラノ)…1-11/
ミリヤム・ベルリ(ソプラノ)…7-11/
スザンネ・フライ(ソプラノ)…7-117/
ダマリス・ヌシュバウマー(ソプラノ)…7-11/
ルート・ザントホフ(アルト)…1-6/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…7-11/
アントニア・フレイ(アルト)…12-17/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…1-6.12-17/
ニコラス・サヴォイ(テノール)…7-11/
クラウス・メルテンス(バス)…7-11/
エッケハルト・エーベル(バス)…12-17/
バッハ財団合唱団…1-6.12-17/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…12-17)
録音 2007年10月26日…1-8, 2012年2月17日…7-11, 2008年10月24日…12-17
 第38番は「三位一体後第21主日」用のカンタータ。マルティン・ルターのコラール「主よ深きふちの底より」が使われています。冒頭の半音階を駆使した不安定なハーモニーが印象的です。第159番は「五旬節の主日」用。こちらも不安げなアリオーソで始まるもの。
 第2曲では良く知られたコラールのメロディが登場します。第139番は「三位一体後第23主日」用のカンタータ。この世における権力と、天の権力の違いを現し、正しい信仰を捧げようと呼びかけられます。
 


B106CD
\2700→\2490
J.S.バッハ:カンタータ集 第8集
 1-7.われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり BWV7/
 8-12.天より雨と雪の降る如く BWV18/
 13-19.汝何を悲しまんとするや BWV107
ヌリア・リアル(ソプラノ)…8-12/
ユリア・ドイル(ソプラノ)…13-19/
アレックス・ポーター(アルト)…1-7/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-7/
櫻田亮(テノール)…8-19/
ドミニク・ヴェルナー(バス)…1-12/
マティアス・フリードリヒ(バス)…13-19/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮)
録音 2012年6月22日…1-7, 2009年2月13日…8-12, 2012年3月16日…13-19
 第7番は「洗礼者聖ヨハネの誕生の祭日」用のカンタータ。こちらもコラール・カンタータで、やはりマルティン・ルターのコラールが使われています。洗礼についての神秘が語られます。
 第18番は「四旬節第2主日」用。シンフォニアで始まるバッハの初期の作品です。小さな曲ですが、1曲だけあるソプラノのアリアがとても美しいのです。
 第107番は「三位一体後第7主日」用のカンタータ。自らの信仰にを疑い、揺れ動くキリスト者に対して、キリストによる確信に満ちた説得が描かれています。
 


B006CD
(3CD)
\5300→\4790
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
<CD1>1-29.第1部/
<CD2>1-23.第2部/
<CD3>1-16.第2部 続き
福音史家/テノール…チャールズ・ダニエルズ(テノール)/
イエス…ピーター・ハーヴェイ(バリトン)/
ジョアン・ラン(ソプラノ)/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)/
ヴォルフ・マティアス・フリードリッヒ(バス)/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮)
録音 2012年 スタジオ録音
 カンタータを演奏してきたメンバーが集まって、スタジオで録音されたのがこのCDです。ソリスト、合唱団、オーケストラのいずれもが、この毎月のコンサートを続けてきている間に、まさに指揮者のルッツの「楽器」として成熟していたことは、この長大な作品の隅々までに、ルッツの目指す音楽が浸透していることでもわかります。
 彼の音楽の本質はなんと言っても即興演奏、エヴァンゲリストのレシタティーヴォをサポートするチェンバロが、とても自由な即興を聴かせてくれている(コラールの間奏にチェンバロ・ソロ、などという場面も!)といったように、演奏家たちはあくまで伸び伸びとしたプレイを披露してくれています。それが、今までのピリオド楽器とは一味違う暖かいサウンドの上に作り上げられているのですから、たまりません。
 これまでのどんな演奏とも違う、刺激的な上に極上の肌触りを持つ「マタイ」、いつの間にかこんな素晴らしいものが聴ける時代になっていました。



<LP>

 

DACAPO(LP)

DACLP-1
(LP)
\4200
Wood Works
<A面>
 1. Ye Honest Bridal Couple / Sonderho Bridal Trilogy ? Part I (5:10)/
 2. Sekstur from Vendsyssel / The Peat Dance (4:02)/
 3. Vigstamoin (3:20)/4. Waltz after Lasse in Lyby (4:42)/
 5. Ribers #8 (2:59)/6. Sonderho Bridal Trilogy ? Part II (3:10)/
<B面>
 1. Five Sheep, Four Goats (4:30)/2. O Fredrik, O Fredrik (4:15)/
 3. Ack Varmeland, du skona (3:16)/
 4. Easter Sunday / Polsk after Rasmus Storm (4:23)/
 5. Old Reinlender from Sonndala (3:06)/
 6. Sonderho Bridal Trilogy ? Part III (3:40)
デンマーク弦楽四重奏団
録音 2013年9月4-7日 デンマーク Kirsten Kjaer Museum, John's Hall 8.226081とほぼ同内容
 誰もが思い浮かべるであろうデンマークの懐かしい風景。もちろん、実際にその場所に行ったことがなくても、この音楽を聴けばイメージが広がることは間違いありません。
 それほどまでに鮮やかなこの世界。伝統的なメロディに彩られた愛の歌に程よくモダンな味付けを施して歌い上げるというコンセプトが、これほどまでに心地よいものだったとは。
 曲によってはミニマル風でもあり、癒し系にもカテゴライズされそうなこれらの音楽。Youtubeなどで2年間で50000回以上の再生数を誇るデンマーク弦楽四重奏団の演奏で。彼らの演奏はクロノスSQをも凌駕する…かも。
 LPフォーマットでは、更に深い響きを楽しむことが可能です。

LPO(LP)


LPO-LP906
(LP 4 枚組)
\14400
LPで登場!
 ユロフスキー&LPO
  ブラームス:交響曲 第1 番-第4 番
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)/
ロンドン・フィル
録音 2008 年・・・交響曲 第1 番&第2 番, 2011 年・・・交響曲 第3 番&第4 番
 すでに高い評価を得ているユロフスキー&LPO のブラームス交響曲ツィクルスに、なんとLP ヴァージョンが登場です。
 LPO レーベルとしても初のLP 盤リリースということで、その音質と完成度には期待が持てるところです。音に拘る愛好家のためのこの特別リリース、若干値段は高いものですが、実際に鳴らしてみれば、その素晴らしい音色に胸が躍ることでしょう。
 【既発CD】
  LPO-43…第1 番&第2 番、LPO-75…第3 番&第4 番
 

SOLO MUSICA(LP)

SMLP186
(LP 2枚組)
\5300
エスカペイズ
《LP1》
 1-3.ジョン・ウィリアムズ(1932-):エスカペイズ
  <クロージング・イン/リフレクションズ/
   Joy Ride-奔放な行動>/
 4.ナイマン(1944-):蜜蜂が躍る場所/
《LP2》
 5.エシュパイ(1925-):サクソフォン協奏曲/
 6-9.ボブ・ミンツラー:リズム・オブ・アメリカズ
ヤン・シュルテ=ブネルト(サクソフォン)/
ノイエ・ヴェストファーレンフィルハーモニー/
ハイコ=マティアス・フォルスター(指揮)/
clair-obscurサクソフォン四重奏団…LP2:6-9
録音 2011年7月…LP1,LP2:5, 2008年11月…LP2:6-9 ヴェストハーレン・イン・レックリングハウゼン ノイエン・フィルハーモニー・スタジオ
 1840年代、ベルギーの管楽器製作者アドルフ・サックスによって考案されたこの楽器は、現在ではクラシックのコンサートホールや歌劇場ではほとんど姿を見ることはなく、もっぱらジャズやポップス、ロックの分野で活躍しています。
 本来は吹奏楽の木管楽器と金管楽器との橋渡し目的で開発された楽器であり、もちろん吹奏楽やビッグバンドでは欠かすことのできない存在でもあります。
 このアルバムではハリウッド映画音楽の重鎮、ジョン・ウィリアムズの名作「エスカペイズ」と、マイケル・ナイマン、アンドレイ・エシュパイの2つの作品を、1976年ドイツ、クレフェルド生まれのヤン・シュルテ=ブネルトが華麗に演奏しています。
 バックを務めるのはこのレーベルおなじみのハイコ=マティアス・フォルスター。優雅さの中に緊迫感も溢れる納得の演奏です。2013年にCDが発売されたこの演奏。
 今回のLPには、clair-obscurサクソフォン四重奏団の演奏を新たに付け加え、「新装版」として発売となります。深みのあるオーケストラの響きと、甘く艶やかなサクソフォンの音色をたっぷりとお楽しみください。




ページ内の商品チェック・ボックスをクリックしたら、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)


注文フォームへ


アリアCD トップページへ



Copyright(C) 2014 ARIA−CD.All rights reserved.184