NAXOS
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8.572874
(2CD)
\2200→\1990 |
ドヴォルザーク:レクイエム Op.89 B165
<CD1>
1.入祭唱-レクイエム・エテルナム/
2.昇階唱-レクイエム・エテルナム/
3.続唱-怒りの日/
4.続唱-奇しきラッパの響き/
5.続唱-あわれな私は/
6.続唱-思い出したまえ/
7.続唱-呪われたもの/
8.続唱-涙の日/
<CD2>
1.奉献唱-主イエス・キリスト/
2.奉献唱-賛美の生け贄と祈り/
3.聖なるかな/
4.ピエ・イエズス/5.神羊誦 |
クリスティアーネ・リボー(ソプラノ)/
エヴァ・ヴォラク(アルト)/
ダニエル・キルヒ(テノール)/
ヤヌス・モナルチャ(バス)/
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(合唱指揮…ヘンリク・ヴォジナロフスキ)/
アントニ・ヴィト(指揮) |
録音 2012年5月29日,6月5日 ポーランド,ワルシャワ・フィルハモニック・ホール
2人の子どもを相次いで失うというドヴィルザーク(1841-1904)自身の悲しい経験に基づいた「スターバト・マーテル」とは違い、この「レクイエム」はイギリスのバーミンガム音楽祭からの新作依頼に応えて作曲されたものです。
彼は1884年と1885年にイギリスを訪れており、1884年にロイヤル・アルバート・ホールで演奏した「スターバト・マーテル」が好評だったため、この作曲依頼が来たのでしょう。曲は1890年の1月から10月にかけて作曲され、全曲は素朴で美しいメロディに満ち溢れており、曲の冒頭には彼が敬愛したバッハの最高傑作「ロ短調ミサ」からの引用もあるなど、渾身の力が込められた大作となっています。
通常の典礼文とは一部変更が加えられているため、教会で演奏するよりも、あくまでも演奏会用の作品として位置づけられています。
1891年にバーミンガム音楽祭でドヴォルザーク自身の指揮で初演された際は、もちろん大好評を持って迎えられました。古今東西のレクイエムの中では、かなり地味な風情を持っていると指摘されることもありますが、この静かな感動はじっくり聴いてみてこそ味わえるもの。もちろん「怒りの日」は充分な激しさを有しています。
このような声楽付きの大作は、ポーランドの名指揮者アントニ・ヴィトにお任せを。清冽な響きが心の隅々まで浸透します。 |
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8.573175
\1100 |
瀬尾和紀
モシェレス:フルートとピアノのための作品集
1. サヴォワ地方風ディヴェルティメント
イ長調 Op.78/
2-4. 協奏的ソナタ ト長調 Op.79/
5-8. 4つのディヴェルティスマン Op.82b
<第1番:行進曲/
第2番:ハイドンのエアによる幻想曲/
第3番:ロンディーノ/
第4番:ヴァイグルの「シュヴァイツァー家」によるエア>/
9. 6つの協奏的変奏曲 ニ短調 Op.21/
10-13. 協奏的大ソナタ イ長調 Op.44 |
瀬尾和紀(フルート)/
上野真(ピアノ) |
録音 2013年6月11-13日,12月19-20日 日本 三重県総合文化センター
チェコに生まれライプツィヒで没した作曲家、ピアニスト、イグナーツ・モシェレス。彼の名前は、現在では「ピアノの練習曲」やピアノ教本で良く知られていますが、19世紀当時は最も尊敬された音楽家であり、ベートーヴェンの伝統を受け継ぎ、ロマン派のメンデルスゾーン、シューマン、ショパン、リスト等全てと交流があり、彼らの大先輩的な存在だったのです。とりわけ、モシェレスの息子、フェリックスの名付け親でもあるメンデルスゾーンとは家族ぐるみでの付き合いがあったことでも知られています。
そんな彼の作品は、ピアノ曲はもちろんのこと、管弦楽作品や室内楽作品にも素晴らしいものがあり、このアルバムに収録されているフルート作品も、美しいメロディはもちろんのこと、驚くほどに見事な技巧が凝らされた活きの良いものばかりなのです。
輝くばかりのフルートパートを支える入念なピアノ・パート。この2つが織り上げる極上の音楽は、単なる「古典派の一人の作曲家」の作品と片付けてしまうには、あまりにももったいないものです。
ここで演奏しているのは、日本が誇る2人の音楽家たち。フルートの瀬尾氏はフランスと日本で活躍する名手であり、ピアノの上野氏はリストをはじめとした超絶技巧ものから、フォルテ・ピアノでの繊細な演奏までなんでもござれの凄腕。まさに火花が飛ぶような熱い音楽が展開されています。 |
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8.573229
\1100 |
グラジナ・バツェヴィチ:弦楽オーケストラのための協奏曲
他
1-3. 弦楽のための協奏曲(1948)
4-7. 弦楽のための交響曲(1946)
8-11. ピアノ五重奏曲 第1番
(M.スモリーによるピアノと室内管弦楽版)
(1952/2013改編)
※8-11…世界初録音 |
エヴァ・クピーク(ピアノ)…8-11/
カペラ・ビドゴスティエンシス/
マリウシュ・スモリー(指揮) |
録音 2013年9月3-5日 ポーランド,ブィドゴシュチュ
ポメラニアン・フィルハーモニック・ホール
ポーランドの女性作曲家において、最初に国際的に認知されたのがこのグラジナ・バツェヴィチ(1909-1969)です。父からヴァイオリンとピアノを学び、1928年にワルシャワ音楽院に入学、1932年に卒業してすぐにヴァイオリニスト、作曲家として活動を始め、奨学金を得ながらパリに留学、エコール・ノルマル音楽院でナディア・ブーランジェの薫陶を受けます。
ヴァイオリニストとしてはカール・フレッシュに師事、演奏家としても作曲家としてもその才能に磨きをかけました。
そんな彼女の作品にはヴァイオリンをメインにしたものが多いのですが、この戦後に書かれた「弦楽のための協奏曲」はバロック時代の様式を模したスタイルで書かれた闊達な音と大胆な動きを持つ作品で、なぜか聴き手の闘争本能を掻き立てるような不思議な魅力を放っています。
その2年前に書かれた「弦楽のための交響曲」も活力と欲求が漲るギラギラとした光に溢れたもの。一度聴いたら底なし沼に沈むかのように抜け出せない音楽です。
スモリー自身が室内管弦楽用に編曲した「ピアノ五重奏曲
第1番」は彼女の作品の中でも、最も人気の高いものの一つですが、原曲の持つ力強さと荒々しさが一層強調されたこの編曲ヴァージョンは、一層の歯ごたえを感じさせるものです。ポーランドの名手クピークのピアノも聴き所です。 |
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8.573243
\1100 |
カラブチェフスキー(指揮)
ヴィラ=ロボス:交響曲 第10番「アメリンディア」
テノール、バリトン、バスと混声合唱、オーケストラのためのオラトリオ
1.第1部:大地と創造物 Allegro/
2.第2部:戦いの叫び Lento/
3.第3部:イウルピチュナ Scherzo/
4.第4部:大地の声と父アンシエタの出現 Lento/
5.第5部:Poco allegro |
レオナルド・ネイバ(バリトン)/
サウロ・ジャバン(バス)/
サンパウロ交響楽団&合唱団(合唱指揮…ムナカタナオミ)/
イサーク・カラブチェフスキー(指揮)
※この録音では、テノール・パートは
合唱団のメンバーが担当しています |
録音 2013年2月2-16日 ブラジル サンパウロ,サラ・サンパウロ
最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。
この交響曲第10番「アメリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲された、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そして時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、色彩的で派手な様相を備えています。
ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では「おとなしいもの」として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニークなものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題が付けられており…「アメリンディア」と「Sume,
Father of Fathers(神話の登場人物)」…ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。 |
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8.573296
\1100 |
デュカス:交響曲 ハ長調 他
1. 交響詩「魔法使いの弟子」/
2. 「ラ・ぺリ」のファンファーレ/
3. 舞踏劇「ラ・ペリ」/
4-6. 交響曲 ハ長調 |
アイルランド国立交響楽団/
ジャン=リュック・タンゴー(指揮) |
録音 2013年10月7-10日 アイルランド ダブリン,ナショナル・コンサート・ホール
パリで銀行家の父の下に生まれた作曲家ポール・デュカス(1865-1935)。その作品は華麗なオーケストレーションと色彩的な表現で知られています。彼の最も有名な作品である「魔法使いの弟子」は、自己批判が厳しすぎた彼による破棄を免れた自信作。あの映画「ファンタジア」に使われて一躍有名になりました。
この物語、あまり知られていませんが、原作はゲーテによるもので、ゲーテが、シリア人のルキアノスの詩「嘘を好む人たち」を基にして書き上げたバラード(物語詩)を使っています。映画では名指揮者ストコフスキーがオーケストレーションに手を加えていて、こちらの響きが広く知られていますが、ここでは指揮者タンゴーが探索した初稿版を用いることで、華美さを取り去った「作曲家のオリジナルの意図」を反映した演奏で楽しむことができます。
「ラ・ペリ」はロシア・バレエ団からの委嘱作品。当初は蓮の花の精ペリはナターリヤ・トゥルハノヴァ、イスカンデル王をニジンスキーが演じることになっていましたが、ディアギレフの介入でトゥルハノヴァが降板、しかしデュカスは彼女のために音楽を完成させたといわれています。この作品も危うく破棄されるところでしたが、何とか生き残ったのでした。デュカス30歳のときに書かれた交響曲は、彼が残した唯一の交響曲で、軽快さと優美さ、重厚さを兼ね備えた隠れた名作です。 |
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8.573426
\1100 |
野に咲く花 〜フィンジ:レクイエム・ダ・カメラ
他
1. バターワース(1885-1916):
管弦楽のための狂詩曲「シュロップシャーの若者」/
2-5. フィンジ(1901-1956):レクイエム・ダ・カメラ
(C.アレクサンダーによる補筆完成版)
<前奏曲/なんと静かな今宵のトウモロコシ畑/
男がひとり土くれをならし/残されしもの>/
6.ガーニー(1890-1937):トランペット
(P.ランカスターによる管弦楽編)/
7.ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958):
オックスフォードの悲歌 ※2-5.6…世界初録音 |
ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)…4/
ジェレミー・アイアンズ(語り)…7/
シティ・オブ・ロンドン合唱団…3-5.7/
ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ/
ヒラリー・ディヴァン・ウェットン(指揮) |
録音 2014年7月11.12日 UK ロンドン,ヘンリー・ウッド・ホール
これらの作品には、全て第一次世界大戦における大虐殺への悲しみが根底に流れています。
4人の作曲家たちはそれぞれ、バターワースのようにその戦いで命を落とすか、多大なる犠牲を払いながら後々の生涯を生きていくことになります。
「シュロップシャーの若者」は彼の同名の歌曲集のエピローグとして構想された、人生のはなかさをそのまま閉じ込めたような美しい作品です。歌曲集の中の「最も美しい樹」のメロディが使われた郷愁溢れるメロディは涙を誘わずには入られません。フィンジはこの戦いで彼の最愛の教師アーネスト・ファーラーを失いました。無論彼はそれ以降も波乱万丈の生涯を送るのですが、当時彼は師だけでなく、最愛の家族も失うなど、人生観に大きな影響があったことは間違いありません。
この室内レクイエムは恐ろしいまでの静けさに満ちています。未完成で終わった作品ですが、一度はP.トーマスの加筆版が演奏され、高く評価されました。
ここではクリスチャン・アレクサンダーによる新版での演奏です。ガーニーは戦場で吸い込んだ毒ガスにより健康を失い、その後半生を病院で送りました。
この「トランペット」は人類の愚かさを告発する作品です。そしてヴォーン・ウィリアムスの「悲歌」は、彼の失われた友人のために書かれた作品であり、普段はそういう音楽を書かなかった彼が、晩年になって至った境地を表しているものです。合唱はほとんど言葉を発することなく、物語は語り手によって紡がれていきます。 |
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8.555578
\1100 |
クチャル&ウクライナ国立響
リャトシンスキー:交響曲集 第1集
1-3. 交響曲 第1番 イ長調 Op.2
4.交響的バラード「グラジーナ」Op.58 (1955) |
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮) |
録音 1994年5月8.13-15日 キエフ Studio of
the State Broadcasting Company of Ukraine
MALCO POLO 8.223542より移行盤
20世紀のウクライナにおける音楽界の基礎を作った作曲家ボリス・リャトシンスキー(1895-1968)。彼は牧師の家庭に生まれ、幼い頃からピアノとヴァイオリンに習熟し、10代の半ばで最初の作曲を行ったとされています。やがてキエフ音楽院でレインゴリト・グリエールに作曲を師事、グリエールの没後には遺作となった「ヴァイオリン協奏曲」Op.100の補筆を手がけたことで知られます。
もちろん彼の作品にも先人からの影響は感じられ、特に第1番の交響曲は1919年に完成されたものの、彼自身が少しずつ改訂を加え、様々な要素を取り込みながら進化してきた作品。もともとは第2楽章だけが独立した「叙情詩」でしたが、その後第1楽章が付け加えられ、第2楽章を改訂し、終楽章を加え、1923年にようやく完全版として初演されたというものです。1955年に書かれた交響的バラード「グラジーナ」は彼の最も熟練した作品の一つであり、ポーランドの偉大な詩人アダム・ミツキェヴィチの没後100周年を記念して書かれたものです。
リトアニアの神話に登場する女性騎士を主人公をしたミツキェヴィチの詩がスコアの冒頭に付され、戦いに身を投じ悲劇的な死を迎える彼女の姿を克明に音楽で描いていきます。カリンニコフをはじめ、ロシア、東欧系の作品に強いクチャルの素晴らしい指揮による演奏です。 |
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8.555579
\1100 |
クチャル&ウクライナ国立響
リャトシンスキー:交響曲集 第2集
1-3. 交響曲 第2番 Op.26(1935-1936/1940改訂)
4-7. 交響曲 第3番 ロ短調 Op.50(1950/1954改訂) |
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮) |
録音 1993年6月4-9日 キエフ Studio of the
State Broadcasting Company of Ukraine MARCO POLO 8.223540より移行盤
「ウクライナ音楽の父」ボリス・リャトシンスキー(1895-1968)の交響曲第2集です。1935年から1936年に書かれた交響曲第2番は、当時の時代の乱れを反映した暗く重い音楽。第1番ではリヒャルト・シュトラウスやチャイコフスキーを思わせる幾分のどなかな表情を持っていた彼の作品も、この時期のウクライナの政治的不安定と抑圧を反映して、ここまで不穏なものとなってしまったのです。
神経質さと粗暴さを孕むこの交響曲は、至るところに「音の爆発」があり、第2楽章では幾分神秘的な要素を見せますが、やはり不吉な音で中断を余儀なくされてしまいます。第3楽章も混乱する音が交錯し、果てしない不安を齎すものと場っています。
交響曲第3番は彼の作品の中では最も知られるもので、初演時には大きなセンセーションを巻き起こしたと言われています。当初は「戦争を打ち負かし平和になる」と終楽章に碑文が付されていましたが、ソ連の検閲によりこれを削除、1954年に改訂を施されることとなります。最後は勝利で終わるかと思いきや、すっきりと終わらないところが面白いです。爆演ファンにはたまらない1枚でしょう。 |
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8.555580
\1100 |
クチャル&ウクライナ国立響
リャトシンスキー:交響曲集 第3集
1-3. 交響曲 第4番 変ロ短調 Op.63(1963)
4-6. 交響曲 第5番 ハ長調「スラビャンスカヤ」Op.67(1965-1966) |
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮) |
録音 1993年12月27-30日 キエフ Studio of the
State Broadcasting Company of Ukraine MARCO POLO 8.223541より移行盤
リャトシンスキー(1895-1968)の交響曲集第3集、ここには彼の第4番と第5番が収録されています。
1963年に完成した第4番は、ネイサン・ラクリンの指揮により、当時のレニングラード(サンクトペテルスブルク)フィルハーモニー管弦楽団によって初演されました。この作品は当時の音楽の隆盛からは完全に外れたところにあり(リヒャルト・シュトラウスが最後まで調性を捨てなかったように)、あからさまな調性を持ち、またウクライナの民俗音楽も取り込んでいたのです。
無論評論家たちは、この作品を「ウクライナ音楽の発展」に寄与しないと評しましたが、様々な音楽が入り混じっている現代にこの作品を聴いてみると、全く問題なく、このある意味「わかりやすさ」が却って人気を獲得するのではないかと感じます。
そして、1950年代初頭からスラブ音楽に興味を持っていたリャトシンスキー、彼自身の音楽性の解放は交響曲第5番第1楽章の高らかな金管の咆哮で明らかになったのかもしれません。副題に「スラビャンスカヤ(スラヴの意味)」を持つこの交響曲には、やはり騎士道の物語の精神が流れています。 |
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8.555741
\1100 |
クチャル&ウクライナ国立響
スタンコヴィチ:交響曲 第2番「英雄的」・第1番・第4番
1-3. 交響曲 第2番「英雄的」(1975)/
4. 交響曲 第1番「シンフォニア・ラルガ」(1973)/
5. 交響曲 第4番「シンフォニア・リリカ」(1977) |
ウクライナ国立交響楽団/
テオドール・クチャル(指揮) |
録音 1995年1月27-31日 キエフ ウクライナ放送,コンサート・ホール
ウクライナ生まれのイーヴェン・スタンコヴィチ(1942-)は、この国の最も重要な現代作曲家として多くの賛辞を得ています。彼はキエフ音楽院でボリス・リャトシンスキーとミロスワフ・スコリクから作曲を学び、12曲の交響曲、5つのバレエ、協奏曲、室内楽曲、そして映画音楽を多数作曲し、1998年からはキエフ音楽院の作曲家の教授を務め、後進の指導にあたっています。
彼の作品からは、わかりやすい「ソ連への忠誠心」というものは感じられず、それ故に演奏されることもほとんどなく、このアルバムに収録された3つの作品もすっかり忘れ去られてしまっています。
この3つの作品のうち、1973年に書かれたシンフォニア・ラルガはシュニトケへの伏線であり、自由な音が乱舞しています。1975年の交響曲第2番「英雄的」は、拡大されたパーカッション・パートを持つ大規模な作品。チェレスタはピアノ、ハープなども使われ悲痛な面持ちを感じさせますが、根底に流れるのは勝利を願う強い意志でしょう。
1977年の第7番「シンフォニア・リリカ」はまた静かな世界を感じさせるスクリャービンを思わせるような「新ロマン主義」に属する音楽です。すっかりお馴染みとなったクチャルの説得力溢れる演奏です。 |
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8.570572
\1100 |
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番&第2番
1-4. ピアノ五重奏曲 第1番 ハ短調 Op.1/
5-7. ピアノ五重奏曲 第2番 変ホ短調 Op.26 |
ゴットリープ・ウォルフィッシュ(ピアノ)/
エンソ弦楽四重奏団
<メンバー:
モーリーン・ネルソン(第1ヴァイオリン)/
ジョン・マルクス(第2ヴァイオリン)/
メリッサ・リードン(ヴィオラ)/
リチャード・ベルチャー(チェロ)> |
録音 2007年5月28.29日 カナダ オンタリオ,トロント
CBC,グレン・グールド・スタジオ
名指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニの祖父に当たるドホナーニ・エルノ(1877-1960)の2つのピアノ五重奏曲です。
1897年、オイゲン・ダルベールとともに学んでいたドホナーニは、ベルリンでピアニストとしてデビューするための準備を始め、ドイツとオーストリアでコンサートを行い、ハンス・リヒターの招きでロンドンに出かけ、ここでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏して、素晴らしい成功を収めます。その後、彼はリストを親しくなることを目論み、ロシアとアメリカを含むコンサート・ツアーを行い、その後は紆余曲折を経ながらもハンガリーの音楽の発展に力を尽くします。
この1895年に書かれた第1番のピアノ五重奏曲は、ブラームスに絶賛されたという魅力的な作品です。確かにブラームスからの影響を強く受けたと思われる雰囲気が横溢し(特に第3楽章)、これは若き作曲家の意欲を示すとともに、その行く末を暗示させるかのようなドラマティックな側面も見せています。
それに比べ、1914年に書かれた第2番の五重奏曲は、冒頭から重苦しく激しいもので、ドホナーニの作風の変化を目の当たりにすることができるでしょう。第3楽章のメロディも民謡調であり、第2主題はただただ厳粛です。名手ウォルフィッシュとエンソ弦楽四重奏団による迫力ある演奏は、聴くものの心を捉えてやみません。 |
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8.571305
\1100 |
イディル・ビレット:室内楽エディション 第1集
シューマン:ピアノ五重奏曲・交響的練習曲
1-4. ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
5-22. 交響的練習曲 Op.13 |
イディル・ビレット(ピアノ)/
ボルサン弦楽四重奏団
<メンバー:
エセン・キヴラク(第1ヴァイオリン)/
オルグ・キジレイ(第2ヴァイオリン)/
エフダル・アルトゥン(ヴィオラ)/
チャ・エルチャ(チェロ)> |
録音 2014年5月 ドイツ ザンドハウゼン-ハイデルベルク
クララ・ヴィーク・アウディトリウム
トルコの名ピアニスト、イディル・ビレットの最新録音はシューマン(1810-1856)のピアノ五重奏曲と交響的練習曲という組み合わせ。このピアノ五重奏曲が素晴らしい出来栄え。思いの他落ち着いたテンポ設定と、たっぷりとした美しい音色は、シューマンのこの悩ましい世界を完璧に表現しています。
共演しているボルサン弦楽四重奏団は2005年に設立されたトルコのアンサンブルですが、アルバン・ベルク四重奏団やジュリアード四重奏団のマスタークラスに参加し、その技術と表現力に磨きをかけた人たち。このシューマンではビレットの錚々たるピアノと真っ向から立ち向かい、納得の演奏を繰り広げています。後半の「交響的練習曲」はビレットの個性的な持ち味が炸裂。ねっとりと聞かせるビレット節をたっぷりとお楽しみください。なお遺作の5曲は曲中に挟みこまれる形で演奏されています。 |
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8.573130
\1100 |
レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
第2集
ピック=マンジャガッリ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
1-3. レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調
P.110 (1917)/
4. ピック=マンジャガッリ:コラリン Op.12(1908)/
5. ピック=マンジャガッリ:G.B.グラツィオーリのコルダによるアダージョ(1908)/
6. ピック=マンジャガッリ:シルヴェンテーゼ(1908)/
7-9. ピック=マンジャガッリ:ヴァイオリン・ソナタ
ロ短調 Op.8 (1906)
※4-9…世界初録音 |
エミー・ベルネコーリ(ヴァイオリン)/
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(ピアノ) |
録音 2013年9月9-12日 イタリア ヴィツェンツァ,モンティチェッロ・ディ・ロニゴ,サント・アポリナーレ教会
「ローマ三部作」で知られるイタリアの名作曲家レスピーギ(1879-1936)。彼の父親は地元の音楽教師であり、祖父も名高い音楽家であり、そのためレスピーギも幼い頃からピアノとヴァイオリンを学び、長じてからはヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者としても活躍しています。
そのため、このようなピアノとヴァイオリンのための作品を書くのは当然の成り行きだったに違いありません。このヴァイオリン・ソナタは1917年に完成したもので、その直前に「ローマの噴水」が初演されるなど、彼の創作意欲は絶頂期にあり、20年前に書かれた「ニ短調ソナタ」に比べると、その音楽的な深化には格段の違いがあります。
アグレッシヴな第1楽章、叙情的で官能的な第2楽章、濃密な空気が漂う終楽章と、管弦楽作品とはまた違う魅力を見せるレスピーギをご堪能ください。
アルバムの残りの部分に収録されているのは、ストラコニツェで生まれた作曲家、ピック=マンジャガッリ(1882-1949)のヴァイオリン作品集。生まれはボヘミアですが、幼い頃にミラノに移住したため、ほとんどレスピーギと同世代のイタリアの作曲家と称してもよいのではないでしょうか?彼のロ短調ソナタ(奇しくもレスピーギと同じ調性を持つ)は、作曲年代が早いためか、まだまだロマン派の作風に則ったものですが、独創的なピアノ・パートなど聴くべき箇所はたくさんあります。知られざる作曲家を聞く楽しみもたっぷりです。
《レスピーギ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
第1集…8.573129》
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8.573196
\1100 |
DE PROFUNDIS-深き淵より
1. ピツェッツィ(1880-1968):深き淵より/
2. マリピエロ(1882-1973):深き淵より/
3. アレグリ(1582-1652):ミゼレーレ/
4. マクミラン(1959-):ミゼレーレ/
5. プッチーニ(1858-1924):レクイエム/
6-10. ピツェッツィ:レクイエム
<レクイエム/ディエス・イレ/サンクトゥス/アニュス・デイ/リベラ・メ>
※2…世界初録音 |
ヴァザーリ・シンガーズ/
ジェレミー・バックハウス(指揮) |
録音 2014年2月21-23日 UK ケント トンブリッジ・スクール・チャペル
DE PROFUNDISとは聖書の詩篇第130番(129番)の言葉で、日本語では「深き淵より」と訳されています。絶望の底に沈んだ人々が神に向かって、自らの願いを聞き入れてもらおうと願う祈りの言葉は、多くの作曲家にインスピレーションを与え、様々な曲が付けられることになったのです。このアルバムでは2人のイタリアの近代作曲家ピツェッツィとマリピエロの「深き淵より」を収録。無伴奏合唱で清楚に歌われるピツェッツィの作品と、対照的にヴィオラ、オルガン、バス・ドラムとバリトンという編成で歌われるマリピエロの作品の聴き比べは何とも興味深いものです。そして有名なアレグリの「ミゼレーレ」。詩篇第51番の言葉を元に書かれたこの究極のハーモニーは、あのモーツァルトが一度聞いただけで採譜してしまったという門外不出の名作です。
そしておよそ350年の時を経て書かれた次の「ミゼレーレ」はイギリスの作曲家、ジェームズ・マクミランの作品で、こちらは神秘的な響きに包まれた現代の「憐れみたまえ」です。
続く2つの「レクイエム」はプッチーニとピツェッツィの作品。珍しいプッチーニの「レクイエム」はヴェルディの没後4周年である1905年の記念式典のために書かれたもので、短いながらも成熟した作風を持つ、プッチーニの心からの追悼の音楽です。ピツェッツイのレクイエムは、彼の妻マリアの追悼のために作曲されたもの。グレゴリオ聖歌のメロディをはじめとした様々な旋律を用いた無伴奏合唱で歌われる作品です。サンクトゥスで少しだけ明るさを見せますが、その他は終始静かな悲しみを湛えています。 |
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8.573230
\1100 |
パトリック・ガロワ
ドヴィエンヌ:フルート協奏曲集 第1集
1-3. フルート協奏曲 第1番 ニ長調(1782)/
4-6. フルート協奏曲 第2番 ニ長調(1783)/
7-9. フルート協奏曲 第3番 ト長調(1784)/
10-12. フルート協奏曲 第4番 ト長調 |
パトリック・ガロワ/
スウェーデン室内管弦楽団 |
録音 2013年5月20-24日 スウェーデン エレブロ・コンサート・ホール
18世紀末、フランスで活躍した作曲家フランソワ・ドヴィエンヌ(1759-1803)。彼の作品はほとんどが管楽器のためのもので、その中にフルート協奏曲は13曲ほど存在します。
もともとはバスーン奏者でしたが20歳の置きにパリ・オペラ座管弦楽団のバスーン奏者として入団した後にフルートを始めたと言いますが、その3年後にはパリのコンセール・スピリテュエルで自作のフルート協奏曲を演奏してデビューしたという才能!作品の中には交響曲はありませんが、オペラは12曲あり、これは当時かなりの人気を誇ったと言います。
彼は指導者としても素晴らしく、1795年に創立された(もともと存在した音楽学校が改組された)パリ音楽院の学校管理者およびフルートの教授に任命されたのです。彼のフルート協奏曲はほとんどが3楽章構成となっていて(例外もあり)急-緩-急の整った形を持っています。この第1集には第1番から第4番を収録、名手パトリック・ガロワの安定した演奏でこれらの才気煥発な作品を存分に楽しむことができます。本当に爽やかなパリの風をどうぞ。 |
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8.573267
\1100 |
アルフレッド・ヒル(1869-1960):弦楽四重奏曲集
第5集
1-4. 弦楽四重奏曲 第12番 ホ長調/
5-8. 弦楽四重奏曲 第13番 変ホ長調/
9-12. 弦楽四重奏曲 第14番 ロ短調
※全て世界初録音 |
ドミニオン弦楽四重奏団
<メンバー:
ユーリ・ゲゼンツヴェイ(第1ヴァイオリン)/
ローズマリー・ハリス(第2ヴァイオリン)/
ドナルド・モーリス(ヴィオラ)/
デイヴィッド・チッケリング(チェロ)> |
録音 2012年6月4日…1-4, 2013年5月…5-8, 2013年5月28日…9-12
ニュージーランド ウェリントン,パーク・ロード・ポスト
オーストラリアが生んだ作曲家アルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の弦楽四重奏曲集もこれが第5集。あと1集を残すのみとなりました。彼は2歳から17歳までニュージーランドで過ごし、その後はライプツィヒに留学、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーら当時の音楽を吸収しました。
彼はここでピアノとヴァイオリンを学び権威ある「ヘルビッヒ賞」を獲得、またオーストラリアに戻り、ニュージーランドを行き来しながら、ヨーロッパの伝統と、この地の音楽の融合を図り、時にはマオリの民謡を取り入れながら、数多くの作品を生み出したのです。
この第12番から第14番の弦楽四重奏曲は、初期の作品のように、あからさまな先人からの影響を感じさせることなく、良い感じの独自性が発揮された作品群です。未だに出版されていない第12番(オーストラリア国立図書館所蔵)、若干無調音楽に足を踏み入れている第13番、番号付けが混乱している1951年頃に書かれた第14番、この3曲は20世紀と19世紀の2つの時代を自由に揺れ動く不思議な味わいを持ち、またヨーロッパの音楽の伝統がどのように広まり、独自の根を張っていくかを見るための、素晴らしいサンプルとしても役に立つものなのです。第12番の冒頭の深い音色を持つチェロの歌には、思わず背中がぞくぞくしてしまいます。 |
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8.573295
\1100 |
アルベニス:ピアノ作品集 第6集
1. コティヨン-第1番 シャンパーニュ T83
(1887)/
2. 2つの性格的小品-第2番 タンゴ T94 (1889)/
3. 演奏会用練習曲「願い」Op.40 T53 (1885頃)/
4-9. スペイン Op.165 T95 (1890)
<前奏曲/タンゴ/マラゲーニャ/セレナータ/
カタルーニャ奇想曲/ソルツィーコ>/
10. 思い出(マズルカ) Op.80 T80 (1887)/
11. メヌエット第3番 変イ長調 T74 (1886)/
12. 小さな手のための易しいパヴァーヌ Op.83
T82 (1887)/
13. 木の下で(ソルツィーコ)T84 (1891頃)
/
14. サロン風マズルカ Op.81 T81 (1887)/
15. ピアノ・ソナタ第7番 Op.111 T89-メヌエット/
16-17. イヴォンヌの訪問(1908頃)
<畏敬の念/楽しい邂逅、およびいくつかの悲惨な出来事>/
18. 軍隊行進曲 T45 (1869) |
サンティアーゴ.L.サクリスタン(ピアノ) |
録音 2013年6月22-23日 スペイン マドリッド,リアル・コンセルヴァトーリオ・スペリオール・デ・ムジカ
アルベニス(1860-1909)のピアノ全作品を集めたシリーズの第6集です。このアルバムには、初期の時代に書かれたサロン風の小品が収録されていて、このまばゆいばかりの光に満ちた音楽は、ショパンやリストのピアノ曲にも似た華麗さを持ちながら、スペイン風のリズムも楽しめる、いかにもアルベニスらしいものです。
彼の波乱万丈な人生については、最近ではかなりの創作が含まれていることが判明し、その作品番号も実際の作品年とはずれているため、ここでは2001年に発表されたハシント・トーレスによる整理番号も併記されています。ショパンを思わせるワルツ「シャンパーニュ」、スペインの香り漂う「タンゴ」、リストも顔負けの超絶技巧を要求する「願い」など、冒頭からしっかり惹きつけられること間違いなし。
魅力的過ぎる組曲「スペイン」をはさみ、またロマンティックな作品が並びます。「イヴォンヌの訪問」は若き弟子イヴォンヌ・ガイドについて作曲したもので、サティ風の単純な楽想に隠されたユーモアが光ります。最後に置かれた「軍隊行進曲」は彼が8歳から9歳の時の作品で、ブルッフ子爵に捧げられています。シンプルかつ確固たる楽想に貫かれた魅力的な作品です。 |
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8.573313
\1100 |
イェネ・ヤンドー(ピアノ)
ハイドン:十字架上の最後の七つの言葉 Hob.XX:1C(ピアノ版)
1. 序奏 Maestoso ed adagio/
2. 第1ソナタ:「父よ!彼らの罪を赦したまえ」
Largo/
3. 第2ソナタ:「おまえは今日、私と共に楽園にいる」
Grave e cantabile/
4. 第3ソナタ:「女性よ、これがあなたの息子です」
Grave/
5. 第4ソナタ:「わが神よ!何故私を見捨てたのですか?」
Largo/
6. 第5ソナタ:「渇く!」 Adagio/
7. 第6ソナタ:「果たされた!」 Lento/
8. 第7ソナタ:「父よ!あなたの手に私の霊を委ねます」
Largo/
9. 地震:Presto |
イェネ・ヤンドー(ピアノ) |
録音 2013年7月22.23日 ハンガリー,フェニックス・スタジオ
ハイドン(1732-1809)の「十字架上の最後の七つの言葉」はもともと1786年に管弦楽曲として書かれたものです。当時54歳、円熟期のハイドンはスペインのカディス大聖堂から聖金曜日の礼拝のための音楽を書くように依頼されました。それは聖金曜日の礼拝用で、福音書のキリストの十字架上の七つの言葉をそれぞれ読み、瞑想する時間に奏される音楽を書くというものだったのです。
信者たちが瞑想する時に奏される音楽のため、全てがゆったりとした曲である必要があり、これは全曲を通す上でもかなり困難なことでしたが(確かに変化が乏しくなる危険性を孕んでいます)、ハイドンは見事な音楽を書き、その期待に応えたのでした。曲は序奏に始まり、7つのソナタを巡って、最後はイエスが死を迎えた時に起きたとされる地震を表す音楽で終わるという荘厳なもの。ハイドンはこの管弦楽版がいたく気に入り、自身の編曲で弦楽四重奏版を作り、更にこのアルバムで聴くことができるクラヴィーア版も監修しました。
その後、この作品に他人が歌詞をつけたオラトリオ版をいうものを耳にしたハイドンは、自身がその編曲に手を加え、正式なオラトリオ版として完成させたというエピソードまであります。そこまでハイドンのお気に入りとなったこの作品。イェネ・ヤンドーの説得力溢れる演奏で聞いてみてください。 |
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8.573421
\1100 |
クリスマスの奇跡
1. ダヴィデの村の厩の内に(A.H.マン&D.ウィルコックスによる合唱とオルガン編)/
2. 私が踊る日(B.チルコットによる合唱編)/
3. 御使いうたいて(P.ハレーによる合唱とオルガン編)/
4. 御子が産まれた Op.3より主題/5. 柊とつた/
6. フー・イズ・ヒー・イン・ヨンダー・ストール/
7. 処女なる御母は男を知らず/
8. まぶねの中で(B.チルコットによる合唱編)/
9. ディンドン空高く
(P.スティーヴンス&M.ウィルバーグによる合唱とオルガン編)/
10. オー・ホーリー・ナイト/11. アダムは縛られて/
12. 見よ おとめはみごもり/13. ロッキング/
14. ガブリエルのお告げ(G.ブラウンによる合唱とオルガン編)/
15. さまよいながら私は不思議に思う(L.エンスによる合唱編)/
16. 花がある/17. 一輪のばらが咲いて/
18. まきびとひつじを(P.ハレーによる合唱とオルガン編) |
マイケル・ブロス(オルガン)…1.3.5.6.9.10.14.18/
エローラ・フェスティバル・シンガーズ/
ノエル・エジソン(指揮) |
録音 2014年5月9-11日 カナダ オンタリオ,エローラ
聖ジョン教会
基本的には無伴奏、時にそっとオルガンが参加するというこの美しいコーラスによるクリスマス・アルバム。
歌っているのは現代の合唱団の中でも最もエキサイティングな活動をしているエローラ・フェスティバル・シンガーズです。ここでも歌われている作品はルネサンス時代のポリフォニーから、現代曲までと幅広く、どの時代の曲も分け隔てなく?丁寧に扱われています。
有名な曲を聞きたければ、「オー・ホーリー・ナイト」か「まきびとひつじを」あたりから。ひたすら声の神秘を聴きたければオルガンなしの曲から…クリスマスが終わっても、「癒しの1枚」としてお手元に置いてください。人間の声の美しさにただただ感動できるアルバムです。
《エローラ・フェスティバル・シンガーズのクリスマス・アルバム「クリスマスの神秘」…8.554179》 |
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8.578281
(2CD)
\2200 |
動物たちの音楽
<CD1>
1.ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958):
劇音楽「すずめばち」アリストファネス組曲-第1楽章
序曲/
2.ヘンデル(1685-1759):
オルガン協奏曲 第13番 ヘ長調「カッコウとナイチンゲール」HWV295-第2楽章
アレグロ/
3.グリーグ(1843-1907):叙情小品集 第3巻
Op.43-4「小鳥」/
4.ムソルグスキー(1839-1881):
組曲「展覧会の絵」殻をつけたひな鳥の踊り(P.ブレイナー版)/
5.マルティヌー(1890-1959):夏至の夜のネコの行列
H122/
6.ヴィヴァルディ(1678-1741):ヴァイオリン協奏曲「四季」-春
第2楽章/
7-11. グリーグ:ノルウェー民謡と舞曲より
<第8番「ブタ」/第12番「ソルファーゲルとヘビの王」/
第17番「馬あぶとハエ」/第22番「牛の呼び声」/
第25番「大ガラスの結婚式」/
12.セーヴェルー(1897-1992):ウサギとキツネ/
13.ディーリアス(1862-1934):春を告げるカッコウを聴いて/
14.ミヨー(1892-1974):屋根の上の牛 Op.58/
15.シューベルト(1797-1828):ピアノ五重奏曲「ます」第4楽章/
16-18. プロコフィエフ(1891-1953):ピーターとオオカミより
<鳥/アヒル/アヒルを飲み込んだオオカミ>/
19-20. メシアン(1908-1992):鳥のカタログより
<コウライウグイス/モリフクロウ>/
21.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):くまんばちの飛行/
<CD2>
1. ベートーヴェン(1770-1827):
交響曲 第6番「田園」第2楽章「小川のほとりの情景」/
2-3. メシアン:鳥の小スケッチより<ヨーロッパコマドリ/クロウタドリ>/
4.ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958):揚げひばり/
5.ブルサ(1954-):寓話-第3番「アリとキリギリス」/
6.グリーグ:叙情小品集 第3巻 Op.43-1「蝶々」/
7.モーツァルト(1756-1791):音楽の冗談 K522-第4楽章/
8.プーランク(1899-1963):小象ババールの物語より/
9.シベリウス(1865-1957):組曲「レンミンカイネン」より「トゥオネラの白鳥」/
10.ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ長調「ごしきひわ」Op.10-3
RV428-第1楽章/
11-24. サン=サーンス(1835-1921):組曲「動物の謝肉祭」
<序奏と獅子王の行進曲/めんどりとおんどり/
ロバ/カメ/象/カンガルー/水族館/耳の長い登場人物/
森の奥のカッコウ/大きな鳥かご/ピアニスト/化石/白鳥/終曲> |
様々な演奏家 |
何世紀もの間、作曲家たちは動物の姿を音楽に写しだすことで、作品に色彩と品格をもたらしました。
もちろん動物たちはメシアンの「鳥のカタログ」のように、丁寧にあからさまに描写されていることもあれば、シベリウスの「トゥオネラの白鳥」のような死を示唆したものや、サン=サーンスの「ピアニスト」のように強烈な皮肉を込められたものもあります。
人間と動物が自然に共存できる世界は、なんと喜ばしいことでしょう。 |
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8.578289
(2CD)
\2200 |
愛と情熱
<CD1>
1. ヘンデル(1685-1759):歌劇「セルセ」からオンブラ・マイ・フ/
2. ドリーブ(1836-1891):?シルヴィア 第1幕:ワルツ・レント/
3. ドビュッシー(1862-1918):牧神の午後への前奏曲/
4. グラズノフ(1865-1936):組曲「中世より」Op.79-吟遊詩人のセレナード/
5. スタイナー(1888-1971):映画音楽「風と共に去りぬ」-タラのテーマ/
6. チャイコフスキー(1840-1893):眠りの森の美女
第1幕-バラのアダージョ/
7. リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):英雄の生涯-第3楽章「英雄の伴侶」/
8. ラフマニノフ(1873-1943):ヴォカリーズ(管弦楽版)/
9. マクダウェル(1860-1908):第2組曲「インディアン」Op.48-愛の歌/
10. フィビヒ(1850-1900):交響曲 第1番 へ長調
Op.17-第3楽章「ロマンス」/
11. プロコフィエフ(1891-1953):ロメオとジュリエット-愛のダンス/
<CD2>
1. ビゼー(1838-1975):カルメン-前奏曲/
2. グルック(1714-1787):歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」-
エウリディーチェを失って(P.ブレイナー編)/
3. ベルリオーズ(1803-1869):イタリアのハロルド
Op.16-
第3楽章「アブルッチの山人が、その愛人によせるセレナード」/
4. ドニゼッティ(1797-1848);歌劇「愛の妙薬」-第1幕の前奏曲/
5. ミンクス(1826-1917):ドン・キホーテ-第3幕「愛の場面」/
6. マーラー(1860-1911):交響曲 第5番 嬰ハ短調-第4楽章
アダージェット/
7. チャイコフスキー:白鳥の湖-第2幕「情景」/
8. コルンゴルト(1897-1957):映画音楽「ロビン・フッドの冒険」-愛の情景/
9. ワーグナー(1813-1883):楽劇「トリスタンとイゾルデ」ー
第1幕の前奏曲/イゾルデの愛の死/
10. マスカーニ(1863-1945):歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」-間奏曲/
11. エルガー(1857-1934):愛のあいさつ/
12. チャイコフスキー:フランチェスカ・ダ・リミニ
Op.32-抜粋/
13. マスネ(1842-1912):歌劇「タイス」-瞑想曲 |
様々な演奏者 |
人生を送る上でなくてはならないものが「愛」でしょう。そしてそれに伴う情熱も。この2枚組は様々な作曲家たちが音で描いた愛の世界です。
それは交響詩の中の一つの楽章であったり、バレエの場面であったり、映画音楽であったりと、どれもメロデックで豪華な響きを有しています。ぜひとも登場人物たちの心の中で燃える炎を想像してみてください。 |
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8.660356
\1100 |
ブライアン・カレント:エアライン・イカルス(2001-2005)
5人の独唱者、室内合唱団、
9人の奏者とサウンドファイルによる
室内オペラ アントン・ピアティゴルスキー(1972-):台本
1.荷物運搬係り/2.出発準備/
3.セーフティ・デモンストレーション/4.離陸の時間/
5.絶対的な/6.学者/7.ビジネスマンと広告担当重役/
8.客室乗務員/9.全ては正常/10.技術的成功/
11.ビジネスマン/12.飛行機の揺れ/13.飛行機の焼失/
14.パイロットのアリア/15.エピローグ
※世界初録音 |
広告担当重役…カルラ・フータネン(ソプラノ)/
客室乗務員…クリスティナ・サボー(メゾ・ソプラノ)/
学者…グラハム・トムソン(テノール)/
労働者/パイロット…アレクサンダー・ドブソン(バリトン)/
ビジネスマン…ジェフリー・シレット(バリトン)/
ブライアン・カレント(指揮) |
録音 2012年11月25日 カナダ トロント,ロイヤル・コンセルヴァトリー劇場
1983年に起きた航空機事故(大韓航空機撃墜事件)からヒントを得て、台本を書き起こしたというアントン・ピアティゴルスキー(1972-)。彼はこのストーリーを、ギリシャ神話に登場するイカルスの寓話…太陽に近づき過ぎたため翼を失う青年…に見立て、緊迫した物語を創り上げました。これに曲をつけたのは2011年のイタリア、フェドーラ賞を受賞した若きカナダの作曲家、ブライアン・カレント。彼はコンパクトな編成によるアンサンブルと最低限の歌手、そして多彩な音響効果を用いて、眩いばかりの世界を見せてくれます。一刻を争う緊急の時を迎えた航空機の中で起きている、ごくありふれた日常。乗客は不安を感じながらも客室乗務員にコーラを注文し、出張中のビジネスマンは、同行している女性上司に邪な感情を抱いています。ああ、しかし最後は…全てが… |
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8.660357
(2CD)
\2200→\1990 |
ヴェルディ:歌劇「オテロ」
<CD1>1-10.第1幕/11-20.第2幕/
<CD2>1-8.第3幕/9-15.第4幕 |
オテロ…ロバート・ディーン・スミス(T)/
デズデモーナ…ラファエラ・アニェレッティ(S)/
ヤーゴ…セバスティアン・カターナ(Br)/
カッシオ…ルイス・ダマソ(T)/
ロドリーゴ…ヴィチェンチ・エスエヴェ(T)/
エミリア…マリフェ・ノガレス(Ms)/
ロドヴィーコ…クリスチャン・モイスニク(B)/
モンターノ…マイエル・ドリエス(B)/
ヘラルド…エンリケ・サンチェス(Br)/
オルフェオン・ドノスティアラ
(合唱指揮…ホセ・アントニオ・サインス・アルファーロ)/
ロス「ペクス」デル・レオン・デ・オロ
(合唱指揮…ホセ・アントニオ・エレナ・ロッソ)/
オビエド・フィラルモニア/
フリードリッヒ・ハイダー(指揮) |
録音 2007年8月22日-9月8日,2009年8月18-26日
スペイン オビエド アウディトリオ・プリンチペ・フェリペ
1871年12月、歌劇「アイーダ」が大成功を収めた後のヴェルディ(1813-1901)は、ある意味「燃え尽き症候群」に陥ってしまったのか、名作「レクイエム」を完成させた他は、何も生み出すことができずにいました。しかし彼の才能を信頼していたリコルディ社の総帥ジューリオは、彼に新作を書かせるべく、秘密裏に作戦を立てて、台本作家ボーイトをはじめとした各関係者に声をかけました。もちろんヴェルディにはそれを悟られないように。しかしながら、まずボーイトがシェークスピアの「オセロ」に基づいた台本を完成させるも、まだまだヴェルディはオペラの作曲に取り掛かることはなく、結局、紆余曲折を経て(その間にライヴァルであったワーグナーも死去し、ヴェルディの心は折れてしまいます)、この歌劇「オテロ」が完成したのは1886年12月のことでした。
出来上がったこの作品は、長い間のブランクなど全く感じさせないほどの充実したものであり、各々の登場人物の心情風景が巧みに描写された完璧な作品です。指揮者のハイダーは、最初はエディタ・グルベローヴァの伴奏者として現れ、そのうちリヒャルト・シュトラウスの研究家として名を上げ、このオビエド・フィラルモニアとも良き関係を築き、2007年には来日して素晴らしい演奏を聞かせています。オテロ役のロバート・ディーン・スミスをはじめとした歌手陣も見事です。 |