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第79号
お奨め国内盤新譜(1)
2014.10.28〜2014.12.30


ALPHA



Alpha199
(国内盤)
\2800+税
バッハ:七つのモテット BWV225-230&BWV Anh.159
 1.主に向かって新しい歌を歌え BWV225
 2.聖霊は、弱い私たちを助けてくださいます BWV226
 3.恐れるな、わたしはあなたと共にいる BWV228
 4.来てください、イエス、来てください BWV229
 5.わたしはあなたを見捨てはしない BWV Anh.159
 6.イエス、わが喜び BWV227
 7.主を讃美せよ、すべての国よ BWV230
ファビオ・ボニッツォーニ指揮
カペラ・クラコヴィエンシス
(古楽器使用)
 名匠ボニッツォーニ、満を持してバッハの大作へ——しかも、『テ・デウム』盤でも活躍した精鋭合唱陣と!
 Alphaレーベルに死角なし、とあらためて痛感するリリース情報が!この2014年の初頭、ル・ポエム・アルモニークによる充実した『テ・デウム』録音にさいし、シャルパンティエとリュリの傑作を自発性たっぷりに歌いあげた少数精鋭の合唱団カペラ・クラコヴィエンシスが、なんとGlossaに名盤あまたの現代最尖鋭の古楽合唱指揮者、ファビオ・ボニッツォーニを指揮者に迎えて単独名義で録音してみせたのは…ブランデンブルク協奏曲集と並んで「新譜が出れば必ず買う」という人も少なくないバッハ屈指の傑作集、六つのモテット!
 否、ここでは最近たしかにバッハの真筆であるとされるようになってきたBWV-Anh.159も含めた「全7曲」がじっくり味わえるようになっています。
 バッハもおそらくそう演奏していたであろうとおり、各パートほぼ一人ずつの歌い手(二重合唱ぎりぎりの全8人編成)に通奏低音はオルガンとチェロ・コントラバスひとつずつ——、ボニッツォーニのタクトが確実にバッハの「いき」をとらえてやまないであろうことは容易に想像できます。
 俊才A.ブロンディオによる自然派録音、待ち遠しい注目新譜です!



Alpha957
\2800+税
ルイ=ニコラ・クレランボー(1676-1749):
 1.女声3声のためのミゼレーレ
フランソワ・クープラン(1667-1733):ルソン・ド・テネブル(全3曲)

 2. 第1のルソン
 3. 第2のルソン
 4. 第3のルソン
ヴァンサン・デュメストル
 (テオルボ&総指揮)
ル・ポエム・アルモニーク(古楽器使用)
 ハスナー・ベンナニ、
 イザベル・ドリュエ、
 クレール・ルフィリアトル(独唱)
 シルヴィア・アブラモヴィチ(vg)
 フレデリク・リヴォアル(cmb/org)
 Alphaといえば、このしなやかなフランス古楽集団。待ちに待った静謐系フランス・バロックの至宝、ついに。

 Alphaレーベル創設時、誰も知らなかったカスタルディという17世紀イタリアの作曲家の作品ばかり集めたデビュー・アルバムが、いきなり大ヒット。
 小規模レーベルの革命と呼ばれたAlphaの快進撃の発端をつくったのは、精妙な歴史的アプローチと、息をのむ変幻自在の表現力・音楽性を誇るフランスの古楽集団ル・ポエム・アルモニークにほかなりませんでした。
 今年秋も含め、たびたび来日している彼らの多元的なレパートリーのなかでも、フランス・バロックの音楽は最も重要。
 ここでは彼らが世界各地の演奏会でもたびたびとりあげてきていながら、なかなか録音がなされなかった究極の名曲、クープランの『ルソン・ド・テネブル(暗闇の朝課)』を中軸に据えたプログラムを!ガンバと室内オルガンorチェンバロだけの素朴な伴奏のうえに透明感あふれる美声が伸びてゆく、静謐なひととき...主宰者デュメストルの言葉も作品解説・歌詞とも全訳付。今回も圧巻の仕上がり、お見逃しなく!
 

Alpha822
(3CD)
\4800+税
フランス中世〜近代の逸名作曲家たち
CD1
 『宮廷の階段に〜フランスの古い恋歌と哀歌』
              (旧品番Alpha500)
CD2
 『愛の喜び〜フランスの古い恋歌と小唄』
              (旧品番Alpha513)
CD3
 『ダニエル・ブレル:憂愁への道は四つ』
              (旧品番Alpha509)
ヴァンサン・デュメストル
(テオルボ他)
ル・ポエム・アルモニーク
(古楽器使用)
クレール・ルフィリアトル(ソプラノ)
アルテュール・スホーンデルヴルト
        (タンジェント・ピアノ)
 「ル・ポエム・アルモニークといえば」の名盤ふたつに同じく「白ジャケ系」での異色盤。
 フランスの高雅さ、古楽の素朴な静謐美をたっぷり味わえる充実BOX
 ル・ポエム・アルモニークの存在感を日本でなにより強く印象づけたのは、やはり2002年に彼らがリリースした『宮廷の階段に』(Alpha500)の存在。フランスでは子供の歌としても歌い慣わされてきた作者不詳の俗謡・伝統歌を、真正面から古楽アンサンブルがとらえ、どこでもない「ここではないどこか」「いつかのフランス」の感覚で料理してみせた演奏結果はほんとうに清らか&オーガニックで、古楽と民俗音楽の融合がこれほど瀟洒なサウンドを紡ぎ出せるとは!と、ジャンルを超えて音楽ファンを魅了したのでした。
 その後、同路線での『愛の喜び』でさらなる成功をつかみ、楽譜に書かれていない口承の伝統音楽や現代音楽、即興などを重点的にカヴァーするAlphaレーベルの白ジャケット・シリーズではもうひとつ、現代作曲家D.ブレルが古楽器=ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏のために書いた精妙なチルダウン系新作「憂愁への道は四つ」も録音。
 これらの名盤をお手頃価格で!全点リリース時の日本語解説も添付、しなやかな古楽系体験を満喫できる豪奢なBOXの登場でございます。

ARCANA



Mer-A381
(国内盤・2CD)
\4000+税
廃盤から復活、レツボールの「ロザリオ」
 ビーバー:ロザリオのソナタ集

  聖母マリアにまつわる15の玄義による
  ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ、
  および無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカーリャ
グナール・レツボール(バロックvn)
アルス・アンティクヮ・アウストリア(古楽器使用)
 誰もが知る『ロザリオのソナタ』最高の名盤のひとつが突如、待望すぎる「廃盤からの復活」!
 初回告知時に大規模オーダーに対応不可だった幻の逸品、ついに!
 ビーバーの『ロザリオのソナタ集』といえば、モーツァルトの100年前にザルツブルク大司教に仕えていた凄腕ヴァイオリン奏者=作曲家のビーバーが残した、バッハ以前のドイツ語圏における最も重要なヴァイオリン曲集のひとつ!古楽器演奏が流行する前から注目されていた17世紀作品のひとつで、15通りの変則調弦を駆使して超絶技巧的なフレーズから絶美のメロディまで縦横無尽に味あわせてくれる壮大な名曲集。弾きこなせるのは凄腕かつ理知ゆたかなバロック・ヴァイオリン奏者だけ、なかでも同じオーストリアの「いま」を代表する鬼才グナール・レツボ—ルが2003年にリリースした金字塔的録音を、その最高の名演とする人も少なくありません。
 しかしこの名盤、供給状況の不安定だった旧Arcana運営体制のなか廃盤となって以来、5年も入手不可の状態が続いていました。
 今回のカタログ復活にさいし、日本語解説完備でこの名盤をようやくお届けできます!
 末尾にある、バッハのシャコンヌを彷彿させる無伴奏パッサカーリャにいたるまで、興奮と瞑想の交錯するバロック・ヴァイオリンの至芸による天国的境地...解説はレツボール自身の執筆、全訳付。お見逃しなく!
 


Mer-A380
\2800+税
なんと使用楽器まで作曲家たちと同時代のイタリア製!
 イタリアのバロック・オーボエ、ヴェネツィアのオーボエ協奏曲

 ヴィヴァルディ:
  1. オーボエ協奏曲ハ長調Op.8-12RV449/178
 プラッティ:2. オーボエ協奏曲ト短調
 アルビノーニ:3. オーボエ協奏曲変ロ長調Op.7-3
 マルチェッロ:4. オーボエ協奏曲ニ短調
 G.サンマルティーニ:5. オーボエ協奏曲ニ長調
 ヴィヴァルディ:6. オーボエ協奏曲ト短調Op.11-6RV460
 ビガーリア:7. オーボエ協奏曲変ロ長調
アルフレード・ベルナルディーニ
(バロック・オーボエ/G.M.アンチューティ
1730年製作のオリジナル楽器)
ゼフィーロ・バロック・オーケストラ
           (古楽器使用)
 
 同郷人気質で、イタリアの名手たちが「当時の響き」!
 「バロックのオーボエ協奏曲」というと、現代オーボエを吹く演奏家の妙なる魅力をいかんなく示す曲種という印象のもと、「古い音楽は、作曲者が知っていた当時の楽器と奏法で」という古楽器演奏の考え方がこれほど普及した今でさえ、なぜか現代楽器による演奏ばかりが無数に録音・発売される...という特異な現象に甘んじてきた不遇の古楽レパートリー(時にはベッリーニの協奏的作品やチマローザの編曲作品まで「バロック」で括られかねない世界...)。
 そこへこの痛快新録音!
 無数の超一流古楽バンドと活躍してきたバロック・オーボエの世界的名手ベルナルディーニが、同じイタリアの信頼できる凄腕古楽奏者たちとともに、通奏低音以外は1パートひとりずつの18世紀式古楽器演奏で伝える、バロックのオーボエ協奏曲の名品群!
 しかも、なんと作曲家たちと同時代に作られたイタリアの銘器の美音をぞんぶんに響かせてくれるという、とてつもなく豪奢な企画...スリリングな躍動感、オーガニックな美音、とびきりの歌心。傑作が生まれた当時どおりのサウンド、十全にお楽しみ下さい!

CALLIOPE



CAL9416
(国内盤)
\2800+税
ベートーヴェン:
 1. ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 op.101
 2. ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 p.106 「ハンマークラヴィーア」
オリヴィエ・ショーズー(ピアノ)
 アルベニス『イベリア』で話題のショーズー、さりげなくも充実したベートーヴェンの大作録音!インタビュー収録。

 『レコード芸術』で、満を持して特選に輝いたアルベニス『イベリア』全曲録音の弾き手…
 この侮りがたいピアニストが、Calliopeレーベルから世に送り出した驚くべき名盤のいくつかが、幸いにして初回盤の形態のまま在庫確保できることがわかりました。

 ベートーヴェン屈指の長大な名曲『ハンマークラヴィーア』ソナタと、その少し前、長年にるスランプを脱しはじめた中〜後期のベートーヴェンの創意が詰め込まれた異色の大作「第28番」。
 ショーズーはベートーヴェンが知っていた当時のピアノを過剰に意識することなく、その創意から直接わきあがってきたかのような泰然自若の演奏解釈をあざやかに織り上げてみせました(曰く「はじめて曲に出会ったときの驚きを大切に」とのことだそう)。その内面性ゆたかな演奏解釈、ぜひ耳をかたむけていただきたいもの...まさにこれも「試聴機向き」と言えそうな1枚です。
 解説にはショーズーへのかなり充実したインタビューが掲載されており(全訳添付...実に知的かつ明晰!)あえてベートーヴェン録音でまっさきにこの曲を選んだ経緯など、いたるところ示唆に富んでいます。
 塗り替えられ続ける傑作の名演史に、こうしてまた新たな1ページが...!

CONCERTO


CNT2093
(国内盤)
\2800+税
ロシアの巨匠たち、憂愁のピアノ三重奏曲
 1.ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲第2番ニ短調op.9「悲しみの三重奏曲」
 2.ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 op.67
 3.シチェドリン:ロッシーニのオペラをやろう
 4.チャイコフスキー:八月(『四季』より)
チャイコフスキー・トリオ
 コンスタンティン・ボギノ(ピアノ)
 パヴェル・ヴェルニコフ(ヴァイオリン)
 アナトーリ・リーベルマン(チェロ)
 美しい冬景色、峻厳に、叙情ゆたかに、ロシアの響き。本場の名手たちの、驚異の求心力を誇る名演を堪能!こちらも「ロシア人、やはり桁外れ!」を改めて痛感させてくれる、とびきりの室内楽盤——しかも演目まで徹頭徹尾ロシアもの!
 寒い季節にじわっと内側から熱い思いがこみあげてくる内容の確かさに、欧州最前線を強く感じる1枚でございます(ジャケットの雪景色も雰囲気たっぷり…Digipackというより、LPのサイズを小さくしたような「紙ジャケ」型の美麗パッケージ)。
 なにしろ本盤のチャイコフスキー・トリオは、かつて旧ソ連のカガンやリヒテル、ヴィルサラーゼ、グートマンといった伝説的大御所たちと共演を続けてきた大器パヴェル・ヴェルニコフがヴァイオリンを弾くユニット。冴えわたる美音が粒立ちの良いボギノのピアノと、また深々と低音をえぐるリーベルマンのチェロと痛切かつ熾烈な対話をつづけ、演奏者自身が聴き手とともに音楽そのものへとグイグイ引き込まれてゆく興奮の展開は、ラフマニノフの(長大なほうの)「悲しみの三重奏曲」でも、友人の非運に寄せられたショスタコーヴィチの「第2番」でも、長さあればこその(いや、いつまでも終わってほしくないくらいの)至高のロシア音楽の充実を堪能させてくれること間違いなし!
 


CNT2092
(国内盤)
\2800+税
19世紀—−内へと向かうオペラ 〜
 ヴァイオリンとピアノによる二重奏で、ワーグナーとヴェルディの世界へ。

  1.ワーグナー:ロマンツェ(アルバムの一葉)
  2.リッター:ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』よりイゾルデの愛の死
  3.ヴィルヘルミ:ワーグナーの『ジークフリート』の楽想によるパラフレーズ
  4.バッツィーニ:ヴェルディの『椿姫』による幻想曲
  5.シヴォリ:ヴェルディの『トロヴァトーレ』による幻想曲
  6.マスカーニ:ヴァイオリンとピアノのためのアヴェ・マリア
   (『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲)
フランチェスコ・マナラ(ヴァイオリン)
マルコ・ソリーニ(ピアノ)
 数多の名演を知るミラノ・スカラ座の首席奏者が俊才ピアニストとともに、私的空間ならではの名演を。
 オペラの魅力は尽きないけれど、その壮大な音響世界と向き合うには時間も体力も気力も必要。がっつり味わうのもよいけれど、時にはその重要な瞬間に耳をかたむけ、じっくりその美について考えをめぐらせたい…録音技術などまだない19世紀の芸術愛好家たちも、折々そう考えたのでしょう。なぜなら、本格的な室内楽にも向くヴァイオリンとピアノの二重奏のため、数多くの作曲家たちがオペラの抜粋編曲を残しているからです。
 耳に快いサロン風の娯楽、とかたづけるにはあまりに惜しい、れっきとした室内楽編曲と呼ぶにふさわしい逸品も多々...ミラノ・スカラ座のコンサートマスターであり、ソロ活動も展開してきた名手マナラが知性派才人マルコ・ソリーニと組んで録音した本盤では、「G線上のアリア」編曲で知られるヴィルヘルミ、パガニーニの直弟子シヴォリらが手がけたワーグナーとヴェルディの傑作編曲に、巨匠たちの器楽作品も一部収録、19世紀の芸術家たちが、くつろぎの時間に随想をめぐらせたであろう妙なる響きの真相に迫ります。
 馥郁たるイタリアの弦、世紀末の危うさと情感...何度も聴き確かめたくなる二重奏世界、お見逃しなく!

GRAMOLA



GRML99054
(2SACD Hybrid)
\4000+税
総演奏時間、実に103分以上
 レミ・バロー指揮&オーバーエスターライヒ青少年交響
  ブルックナー:交響曲第8番
レミ・バロー指揮
オーバーエスターライヒ青少年交響楽団
 総演奏時間、実に103分以上。『第3番』異例の解釈で度胆をぬいた名匠バロー、聖フローリアンの奇跡再び!
 ブルックナーが若い頃オルガンを弾いていた聖フローリアン修道院をライヴ会場に、近年世界中のブルックナー・ファンがつめかけるザンクトフローリアン・ブルックナー音楽祭。この会場の10秒も続く残響時間を強く意識しながら、ブルックナー自身の証言とあわせ、交響曲第3番の初稿版を80分を越えるゆったりしたテンポで演奏してみせ(GRML99044)、日本のファンをも騒然とさせた指揮者レミ・バロー(チェリビダッケ門下で学んだ異才!)が早くも次なるブルックナー盤を世に送り出してくれました!
 若手中心のオーケストラと思いきや、その演奏効果は抜群——ザンクトフローリアンの音楽祭で本年8月22日にライヴ収録されたこの「第8番」の演奏は、ワーグナー・チューバも大活躍、さる欧州の高名な批評家をして「若き演奏家たちは奏楽天使のごとくに音楽を作り、突如天国の扉が開いた思い...いま死んでも悔いはない、と思った」と言わしめた名演に!
 今回も全体で103分44秒という異例の長大さ(論拠有の独特解釈)...その深い呼吸が、ブルックナー世界への理解を静かに一新させてくれます。今回も充実した解説訳付です。
 


GRML99017
(国内盤)
\2800+税
パウル・アンゲラー指揮&コンツィリウム・ムジクム・ウィーン
 モーツァルト:交響曲 第41番「ジュピター」
  〜ウィーン生粋の古楽器「ジュピター」を

 ミヒャエル・ハイドン:
   六つのメヌエット(1784年ザルツブルク)
 ヨーゼフ・ハイドン:
   協奏交響曲 変ロ長調(1792年ロンドン)
   〜ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットと管弦楽のための
 モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」
パウル・アンゲラー指揮
コンツィリウム・ムジクム・ウィーン(古楽器使用)
クリストフ・アンゲラー(vn)
ウーテ・グロー(vc)
ズザンネ・レーゲル(ob)
カトリーン・ラザル(fg)
 ウィーン古典派の呼吸感は「ウィーン訛り」あればこそ.。独特のアクセントで、ウィーン生粋の古楽器ジュピターを。

 ウィーン・コンツィリウム・ムジクムは1980年代から「音楽の都」ウィーンで、地元周辺の古楽器奏者たちを中心とするメンバーで活躍してきた老舗古楽器バンド。
 そもそもウィーン古典派の音楽は現代楽器奏者たちでも「ウィーン独特のアクセント」が話題になる分野ですが、彼らウィーンの演奏家たちが作曲当時の楽器と奏法にこだわりつづけてつくりあげてきたサウンドの独特な魅力と深みはちょっと異例(アルノンクール指揮の古楽器演奏を初体験したときをご想起ください)!
 「ウィーンのガット弦サウンド」を堪能できるハイドンの協奏交響曲も魅力なら、ザルツブルクでのモーツァルトの先輩たる「弟ハイドン」の、地元的民俗感覚とウィーン古典派らしさの架け橋ともいえるメヌエット(モーツァルトの手紙にも出てくる曲)。
 そして生粋のウィーン古楽器演奏で貫かれた『ジュピター』の、他とは一線を画する独特の味わいときたら...

 もちろん解説充実全訳付。
 


GRML99040
(国内盤)
\2800+税
ケクラン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ヴィエルヌ:ピアノ五重奏曲
 〜1914年・フランス近代音楽の分岐点〜

 シャルル・ケクラン(1867〜1950):
  1. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ作品64(1915〜16)
 ルイ・ヴィエルヌ(1870〜1937):
  2.『ピアノのための前奏曲集』作品36(1914)より
   (第1曲:プロローグ/第2曲 たおやかさ/
   第3曲 予感/第7曲 苦しみ悶える日を思い描いて/
   第10曲 墓標の前で)
  3. ピアノ五重奏曲 作品42(1917)
タマラ・アチュバ(p)
ルイーズ・シソン(vn)
マティアス・アーデンザーマー(第2vn)
アレクサンドル・ズナーメンスキー(va)
クリストフ・パンティヨン(vc)
 久々に、フランス音楽好きの心をそそるプログラム——オルガニストとして名高いヴィエルヌの思いがけないピアノ曲と大作室内楽、そしてドビュッシーやラヴェルとのかかわりでも知られる名曲多きケクランの、ほとんど知られていない絶妙ヴァイオリン・ソナタ...演奏陣も確かな名手揃い!

 フランス近代系のおいしそうなところが、思わぬレーベルから登場しました。ウィーンの只中に拠点をもつGramolaレーベル...この主宰者はしかし、同市にあるオーストリアのフランス文化センター(日本の日仏学院と同じ組織のオーストリア版)ともつながりを持ち、この“音楽の都”で活躍するフランス語圏の演奏家たちとも連携をとりながら、ウィーンにあっても最高のフランス音楽を味わえる環境を身近に持っているようです。
 その最新の結実とも言えるアルバムが、この1枚——CD 時代になってからは管弦楽作品なども頻繁にとりあげられ、もはや「ジャングル・ブック」の作曲者というだけではなく、サロン周辺の先進的なピアノ曲や歌曲、印象派音楽などとのつながりの深い多面的な大家としての顔が広く知られるようになったケクランの貴重なヴァイオリン・ソナタ(!)を冒頭に、そのあとは「フランクやヴィドール以後メシアンやデュリュフレ以前」の、フランス音楽が最も美しかった20 世紀初頭に活躍したオルガンオルガン芸術家として有名ながら、オルガンに限らず交響曲や室内楽曲、歌曲なども多数残しているルイ・ヴィエルヌの大作と小品集を、ひとつずつ。
 ジャケットにはテーマを暗示すべく「1914」と書いてありますが、この年に書かれた曲を集めて、というわけではなく、この年に始まったことは欧州人なら誰もが記憶している、第一次大戦のさなかに書かれた曲を集めたプログラムとなっているわけです。
 ケクランはフランクとフォーレの門下に学ぶかたわら、1909 年にはラヴェルとF.シュミットとともにフランス独立派音楽協会の創設にたずさわり、後年1941 年には独自の管弦楽法の理論書もあらわした多芸かつ精力的な多作家...とはいえ室内楽は意外な盲点で、思いのほか録音が手に入れにくいところ。

 ヴァイオリンとピアノのためのソナタは、その多面性とフランスらしさがよくあらわれた逸品といえます。他方ヴィエルヌもフランク門下に学び、その後ヴィドールの教えも受けて、フランス・オルガン交響楽派の大家となった人物——ピアノ五重奏曲というのはまさにフランク派のお家芸、フランス室内楽の象徴的作曲形式でもあり、多くの傑作があるなか、これも録音は意外に出て来にくいところ、充実した演奏陣で聴けるのが実に嬉しいところです。
 グルジア(ジョージア)生まれの俊才ピアニスト、タマラ・アチュバの精妙なピアニズムを軸に、ヴァイオリンにはボルドー生まれの名手シソン、チェロはGramola で無伴奏アルバムもリリースしているフランス語圏スイスの実力派パンティヨン。そこにロシア出身のヴィオラ奏者とウィーンのヴァイオリニストが加わり、繊細かつ自発性あざやかな解釈でこの大作五重奏曲を聴かせてくれます。

 例のごとく解説全訳付、日本語で充実した情報を読める機会にも。注目の1枚です!

INDESENS!



INDE065
(国内盤)
\2800+税
お気に召すまま/ロシアのピアノとヴァイオリン
 クライスラー:
  ①ウィーン奇想曲 ②プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ
  ③愛の悲しみ ④愛の喜び ⑤美しきロスマリン
 サン=サーンス:⑥序奏とロンド・カプリチョーゾ
 サラサーテ:⑦ビゼーの『カルメン』による演奏会用幻想曲
 パガニーニ:⑧奇想曲 第24番 〜
  マリオ・ピラティ(1903〜1938)によるヴァイオリンとピアノのための改訂版
 チャイコフスキー:⑨懐かしき土地の思い出
  〔瞑想/スケルツォ/メロディ〕
  ※実際の曲順は①②⑥③④⑤⑦⑧⑨
タチヤーナ・サムイル(ヴァイオリン)
イリーナ・ランコヴァ(ピアノ)
 ブリュッセルの王立モネ劇場の元首席奏者もロシア人、艶っぽく冴える極上小品集、ピアニストもロシアの才人!ロシア人の名手ふたり…といっても、モスクワやサンクトペテルブルクで出会ったわけではありません。
 古くは19世紀の帝政期いらい、ロシア人は何かと西のほうのヨーロッパへ旅をし、異国でロシア人どうしが出会って物語が始まる…ということも多かったのです(その意味では、国を失ったポーランド人やドイツ人ぎらいの外遊型チェコ人などとも似ているかも?)この艶やかなヴァイオリン小品集のふたりは、パリやブリュッセルなど、フランス語圏の大都市で会う機会が多かった名手たち——ヴァイオリンのサムイルはベルギーCypresに名盤がいくつかあるように、王立モネ劇場での首席奏者時代以来、ブリュッセルでの活躍がめだつ実力派。たんなる伴奏に終わらない室内楽奏者としての共演ぶりをみせるランコヴァも、V.トロップやL.ナウモフら祖国の名匠たちに師事したあとはブリュッセルで研鑽を重ねた多国籍肌。
 クライスラーの小品群も、サン=サーンスやチャイコフスキーのロマン派然とした佳品も、冴えわたる弦とピアニズムで作品の魅力を幾倍にも感じさせてくれる逸品...フランス映画の一場面のようなジャケット写真も、さりげなく瀟洒です。
 


INDE064
(国内盤)
\2800+税
ホルンのための傑作室内楽さまざま
 1. ベートーヴェン:ピアノとホルンのためのソナタ ヘ長調 作品17
 2. シューマン:アダージョとアレグロ 作品70
 3. シュトラウス:アンダンテ(遺作/1888)
 4. デュカス:ヴィラネル(1905)
 5. ボザ:山並の頂には(1960)
 6. スクリャービン:ロマンス(1890)
 7. ヒンデミット F管ホルンとピアノのためのソナタ(1939)
ダビド・(フェルナンデス・)アロンソ(ホルン)
エレーヌ・ティスマン(ピアノ)
 充実度あふれるソナタでも、浪漫ゆたかな小品でも。ミュンヘン国際コンの覇者、逞しさと瀟洒さの交錯…!
 バイエルン放響、シュトゥットガルト放響のソリストを歴任したスペインの名手ダビド(・フェルナンデス)・アロンソは、2001年、難関として知られるミュンヘンARD国際コンクールで優勝したミロ・アンサンブルのホルン奏者—−などと書くと「またか」な感が痛烈に出てしまうかもしれません。
 しかしコンクールの覇者が、その後王道名曲ばかりとは限らないアルバムを作ってみせたとなると、たいていの場合は傾聴に値する名品に仕上がるもの。ましてや、「管楽器の王国フランス」で経験豊かな音盤制作を重ねてきたIndesens!レーベルでも初めての、つまり満を持してのホルン・ソロ盤となれば、なおさらです!
 ホルン奏者たちにはおなじみながらもクラシック全般の聴き手には必ずしも知られていないデュカス(!)やスクリャービン(!)の小品のかたわら、ベートーヴェンやヒンデミットの充実ソナタなどの大作もさりげなく盛り込み、フランス随一の室内楽ピアニスト(とにかく、合わせるセンスが絶妙!)ティスマンとともに、ホルンならではの牧歌的カンティレーナと勇壮さの兼ね合いを堪能できます!
 

INDE053
\2800+税
フランス音楽とサクソフォン四重奏
 1. アンダンテとスケルツォ(ボザ)
 2. マカームII「アクシオーム」(ベランジェ)
 3. 序奏と変奏〜バスク民衆のロンドによる(ピエルネ)
 4. タンタマル(喧噪)(カンポ)
 5. メタルで育った子供たち(グリオット)
アクソーヌ・サクソフォン四重奏団
 ギュルヴァン・ペロン(S-sax)
 ジェロー・エトリヤール(A-sax)
 セドリック・カルセル(T-sax)
 マルテイヌ・ヤンセン・ファン・デイク(Br-sax)
 サクソフォン四重奏の可能性の広さ、めくるめくサウンド!刺激と洗練、フランスの「いま」だからこそ、の音響世界。
 ベルリオーズの頃、あるいはドビュッシーや六人組の頃から管弦楽芸術の色彩感にすぐれ、あらゆる管楽器の世界的達人を数多く生み出してきたフランスは、サクソフォン発祥の地でもあり。古くは名匠マルセル・ミュール、最近でもクロード・ドラングルやAlphaで大活躍のクヮチュオール・アバネラ、異才ルイ・スクラヴィスなど「ジャンルの壁」をも軽やかに超えてみせる才人も続々。
 ここに登場するアクソーヌ四重奏団もパリ音楽院でドラングル門下に学んだ凄腕たち——師匠も師匠なら弟子も弟子で、4人そろえば怖いものなし、もはや古典ともいえるボザやピエルネの名品での艶やか&精妙なアンサンブルは惚れ惚れするほど「お国芸」の絶妙さ、そこから一転、芸術音楽の限界を踏み越えてゆくグリオットやカンポの新作群ではスラップタンギングから絶美のカンティレーナまで、この楽器で可能な表現がきわめて幅広く駆使され、興奮をさそいつづけるのです!
 “管楽器の王国フランス”の綽名は、伊達じゃない——あらためてそう痛感させてくれる1枚。アドルフ・サックス生誕200周年を思わぬ形で彩る"祖国の新名盤”!
 

INDE066
(国内盤)
\2800+税
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
 (ピアノ、トランペットと弦楽のための)
   〜アルプスの解放戦線と希望の歌〜

 ショスタコーヴィチ(1906〜1975):
  ①ピアノ、トランペットと弦楽合奏のための
   協奏曲(ピアノ協奏曲第1番)op.35
  西部戦線の歌2編(エドゥアール・ドラル編曲)
   ②パルチザンの歌* ③グリエール大隊の歌*
  サヴォワ地方管弦楽団による大衆歌3編
   (エドゥアール・ドラル編曲)
   ④ムーンライト・セレナーデ
   ⑤バラ色の人生 ⑥残されし恋には
 付) 証言・1944 年、サヴォワでは(モーリス・ジョッフォ談)
ルステム・サイトクロフ(ピアノ)
エリック・オービエ(トランペット)
ソリスト・ド・リヨン*
ニコラ・シャルヴァン指揮
サヴォワ地方管弦楽団
 艶やか&精妙なフランスの弦、北国情緒漂うジャケットの美、えもいわれぬ在りし日の調べ...
 巨匠オービエと、タタール出身のロシア・ピアニズムの俊才が、息をのむスリリングなソロをしなやかに綴ってゆく——“パリ以外”こそフランスの粋、アルプスの極上室内合奏を堪能!

 サヴォワ地方——アルプス北西部、バローロやアルバなどワインの名醸地として知られたイタリア・ピエモンテ地方の隣に広がる風光明媚なフランスの山岳地帯。
 ルネサンス期前後にはサヴォワ公国の宮廷があり(この宮廷がのちにイタリア・ピエモンテに移り、イタリア統一の拠点になります)、ギヨーム・デュファイやジョスカン・デプレらの巨匠ともゆかりの深い土地ではありますが、その後20 世紀の第二次大戦期には、アルプスをまたにかけ、サヴォワは歴史的にイタリア領であるとの主張からムッソリーニ政権下のイタリアに占領されていた時期もありました。
 しかしそこで起こったグリエール平原を中心とするレジスタンス活動の末、1944 年には続々と解放戦線がフランス人の独立を取り戻してゆきます。連帯、戦線、勇猛、愛...厳しい時代をへて戦争は終わり、21 世紀のいま、そこはフランス・アルプス有数の観光地域となり、美しい景観を誇る山岳・湖水地帯や、古都アヌシーやシャンベリーなどの観光都市が私たち諸外国人の心をそそる場所となっています。
 もちろん、音楽も——フランスものには目がない玄人リスナーも、この地を拠点に活躍するサヴォワ地方管弦楽団が折々さまざまなレーベルで織り上げてきた名演を通じて、サヴォワという地名を記憶にとどめておられる方も少なくないのではないでしょうか?
 とくに名匠ローレンス・フォスター(!)指揮のもと、Timpani レーベルに刻まれたジョリヴェやル・フレムらの傑作の録音は、フランスものに適性の高いこのレーベルの品格ともあいまって、録音史に残る傑作盤とお考えの方もおられるはず——
 そう、この楽団は(トゥルーズやブルターニュの室内管弦楽団と同じく)フランスの地方を拠点に活躍をみせている頼れる名門の常どおり、小編成だからこその緊密なアンサンブル力を誇る、近現代作品に素晴しい適性をみせてくれるオーケストラなのです!
 今回、「管の国フランス」を代表する名手の録音を多く世に送り出してきたIndesens!レーベル(知られざる一流ピアニストたちの名録音も徐々に増えています!)から、旧ソ連タタールスタン出身(大作曲家グバイドゥーリナの祖国!)の俊才ピアニストと、「あの」故モーリス・アンドレの衣鉢を継ぐ天才トランペット奏者エリック・オービエをソリストに迎えて、全員が凄腕でなくては名録音がなりたたないあの超難曲、ショスタコーヴィチの第1協奏曲を軸とする極上名曲集がリリースされます——
 後半はこのオーケストラの極上弦楽サウンドに息をのむ、絶妙の編曲選!
 隅々まで抜かりない淡麗・精緻・美麗アンサンブルもさることながら、名教師=天才奏者ヴィルサラーゼ門下の名に恥じないサイトクロフの優美な至芸、オービエの闊達なブロウにも息をのむこと間違いなし、です...!

MUSIQUE EN WALLONIE



MEW1473
(国内盤)
\2800+税
隠れた名作曲家・・早世の名匠ジョルジュ・アントワーヌ
ジョルジュ・アントワーヌ(1892〜1918):
 1. ピアノ四重奏曲 ニ短調 op.6 (1914)
 2. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 変イ長調 op.3 (1910-14)
アンサンブル・オクサリス
 ジャン=クロード・ファンデン・エインデン(ピアノ)
 シャーリー・ラウプ(ヴァイオリン)
 エリザベート・スマルト(ヴィオラ)
 エイミー・ノリントン(チェロ)
 大戦前の不穏な空気のなか、あまりにも美しい音楽が迸り出た…唯美の至芸、ベルギー近代の秘宝新たに。

 「ベルギー近代」に隠れた名曲が多く潜んでいることは、フランス音楽好き・室内楽好きにはもう有名。前衛優勢の20世紀にひとたび忘れられたあと、フランス近代音楽とドイツ晩期ロマン派の美質に通暁した名匠たちは、ジョンゲンやルクーらを筆頭に近年益々再評価が進行中。
 第一次大戦に従軍して帰国後まもなく亡くなった早世の名匠ジョルジュ・アントワーヌも、知れば知るほど驚かされる作曲家のひとり。
 ベルギーMusiqueEnWallonieレーベルの新譜では、FugaLiberaに名盤あまたの天才ソリスト集団オクサリスが、近代に名品の多い分野=ピアノ四重奏曲と、ヴァイオリンとピアノによる二重奏ソナタという充実の2傑作で、この非運の作曲家の真意に迫りました——
 耽美な弦、堂に入ったスリリングな四重奏展開、第一次大戦前夜の不穏さとぎりぎり隣りあわせの美質には、フローラン・シュミットやルーセルなどのフランス的耽美さと、レーガー後期やヒンデミットらドイツ勢の緻密さや真に迫った表現力が相半ばし、“広義の19世紀末”の音世界の豊かさを強く実感する魅力が。

 解説充実、全訳付。注目度の高い名匠、またひとり...見逃せません!

PAN CLASSICS



PC10301
(国内盤)
\2800+税
グナール・レツボール指揮
 ゲオルク・ムファット(1653〜1704):
  ①ソナタ(序曲)
  ②24声部のミサ曲「イン・ラボレ・レクィエス(労働と休息に)」
グナール・レツボール指揮
アルス・アンティクヮ・アウストリア
         (古楽器使用)
聖フローリアン少年聖歌隊
 オーストリア古楽界の異才レツボール、豪奢編成で!
 壮麗な5群交唱、ビーバー「53声のミサ」に追い迫る!
 2012年末にレコード・アカデミー賞を受賞して以来、全アルバムが必ず確かな反響を呼び続けている鬼才バロック・ヴァイオリン奏者グナール・レツボール。使用楽器はもちろん、演奏編成や員数まで「当時のまま」にこだわり、異例の痛快解釈を導き出す生粋の古楽人たる彼は、ウィーン古典派以前の、祖国オーストリアの合唱音楽にも造詣は深く。ここではなんと、オルガン奏者ないし合奏曲の作曲家として知られる「リュリの門弟でコレッリの弟子」だった名匠ムファットの、唯一の教会音楽作品に光を当ててくれました。
 2群の合唱と3群のオーケストラ、打楽器込み全24パートが歌い交わすサウンドの痛快さ!その壮麗な響きは、彼と同じくザルツブルク大聖堂で活躍したビーバーの「54声のミサ」にも追い迫る...バロック金管の鋭く滋味あふれる味わいも魅力です。演奏者解説も適切・全訳付。
 モンテヴェルディ「晩課」など好みの方に特におすすめ!

PASSACAILLE


PSC975
(国内盤)
\2800+税
フレスコバルディの奇想さまざま
 〜1624年の『カプリッチョ集』より〜

  『さまざまな主題およびアリアの数々にもとづく、総譜形式によるカプリッチョ集。
  ローマのサン・ピエトロ大聖堂のオルガン奏者ジローラモ・フレスコバルディによる。』
   (1624年ローマ刊/全12曲)
   ※カプリッチョ第7番は、オルガンによる演奏とチェンバロによる演奏の2トラックを併録
リウヴェ・タミンハ(オルガン,チェンバロ)
オルガン:
 ボローニャ、サン・ペトロニオ教会 
 ロレンツォ・プラート1471-75年建造/
 バルダッサーレ・マラミーニ1596年建造
チェンバロ:
 ジョヴァンニ・バッティスタ・ジュスティ
 1679年製作
 (3弦列イタリアン・モデル)
 バッハに流れ込む大河を整えたローマの巨匠の真髄はこの曲集にあり。
 経験豊かな本場の才人、満を持して。フレスコバルディは、いうまでもなく17世紀最大の鍵盤芸術家のひとり——カトリックの総本山ローマのサン・ピエトロ大聖堂で正規オルガン奏者として活躍するかたわら、数々の鍵盤曲集を世に送り出し、多くの門弟を育て、鍵盤芸術のローマ楽派ともいうべき重要な潮流の先鞭をつけた大御所。
 モンテヴェルディやカッチーニの同時代人として、ルネサンスの対位法技法をきちんと咀嚼したうえで、鮮烈なバロック語法のトッカータやリチェルカーレへと結実させていった名匠です。チェンバロ奏者たちにとって誰よりも重要な存在のひとりであるこの作曲家には、バッハのようなずっと後の世代の作曲家も大きな影響を受けました。
 しかしその音楽は決して厳然と近づきがたいものではなく、泰然自若のゆたかさに満ちていた——そのことを如実に伝えてやまない演奏を、しなやかなオルガン演奏で体現してみせたイタリア古楽界の大物リウヴェ・タミンハの名盤、ついに日本上陸!『リチェルカーレ集』PSC966に次ぐ本盤は、多元性と自由さとがきわだつ『カプリッチョ集』全曲録音で、1曲は貴重な17世紀オリジナルのチェンバロでも演奏。
 バロック・ファン必携、進化し続ける欧州古楽界の先端を知る名演です。
 


PSC1000
(国内盤)
\2800+税
名匠ギエルミ御大
 J.S.バッハ:バッハ:音楽の捧げもの(全曲) 
ヤン・ド・ヴィンヌ(ft)
ソフィー・ジェント、
トゥオモ・スニ(vn)
ヴィットリオ・ギエルミ、
ロドネイ・プラダ(vg)
ロレンツォ・ギエルミ(cmb/fp)
 もはや巨匠!「イル・ジャル」の鍵盤奏者ギエルミは初期ピアノも駆使、俊才ド・ヴィンヌの笛も秀逸——
  突き動かされるような拍動、音楽知と精気の交錯!
 「音楽の捧げもの」——バッハ最晩期の、極限まで深められてきた音楽知あればこその傑作曲集。楽器の指定がないため、何で弾くかの選択からしてセンスのみせどころ、古楽器による名録音も少なからず世に送り出されてきたところ、ここでは昨今来日回数も多いミラノの名匠ギエルミ御大が、フォルテピアノとチェンバロを駆使して小規模作品を艶やかに演奏。
 フルート愛好家のフリードリヒ大王のもとを訪れたさい、王が提案したメロディを縦横無尽に即興で展開してみせたのが本作の起源なのですが、そんな逸話を思い起こさせるがごとく、冒頭に名手ヤン・ド・ヴィンヌがバロックフルートで「王の主題」を静かに奏でるトラックを配してるのもまた小憎い演出!
 アンサンブル曲ではガーディナーやヘレヴェッヘの楽団の首席奏者としても名高いソフィー・ジェントはじめ、弦楽勢のスタイリッシュかつ熱気あふれる間合いが絶妙です!

PHI(Φ)



LPH015
(国内盤)
\2800+税
ヘレヴェッヘ不在でもすごいです
 シューベルト:
  1. 八重奏曲 変ロ長調 D.803
  2. 四重奏曲断章 ハ短調 D.703
エッディング四重奏団&
Ens.ノーザンライト(古楽器使用)
バティステ・ロペス,カロリーヌ・バイエ(vn)
デアドル・ダウリング(va)
アヘート・ズヴェイストラ(vc)
ダミアン・ギュフロワ(cb)
ニコラ・ボウド(cl) ジュリアン・ドボルド(fg)
ニコラ・シェドマイユ(hr)
 古楽器で解明されてゆく、シューベルト芸術の粋!
 巨匠ヘレヴェッヘの仲間たちによる艶やか・緊密室内楽。

 30年以上にわたり合唱団コレギウム・ヴォカーレ・ヘントとともに活躍、古楽復興の勢いのなか独特の指揮者として快進撃を続けるヘレヴェッヘ。ロマン派〜近代まで視野に入れた古楽器集団シャンゼリゼo.との活躍でも名演を紡ぎ、2010年末の創設以来プライヴェート・レーベルPhiも絶好調。
 同レーベルで一昨年「本人不在」のバッハ無伴奏盤(LPH008)で首席奏者Ch.ブッシュが絶賛を博して以来のヘレヴェッヘ不在Phi新譜は、シャンゼリゼ管弦楽団でも主要メンバーとして活躍する実力派たちによるエッディングSQ&拡大編成で送るシューベルト盤!
 ナチュラルホルンの勇壮&闊達さも生きる八重奏曲では、ゼフィーロやシャンゼリゼ管の名匠ニコラ・ボウドのクラリネットも美麗ですし、Phiの自然派録音あればこその古楽器コントラバスの響きがまた絶妙(終楽章のトレモロ!)。清らかガット弦陣も見事、「四重奏曲断章」も味わい深く。さすがPhiクオリティです。解説も的確、全訳付!

RICERCAR



MRIC 338
(国内盤)
\2800+税
シャルパンティエと、降誕節を
 〜17世紀フランス、
 太陽王時代のひそやかなノエルさまざま〜
  ノエルを楽器だけで弾けるよう作曲家自身が編曲したトラック多数

マルク・アントワーヌ・シャルパンティエ(1644頃〜1704):
 1. 安息所にて H.508
 2. 器楽合奏による三つのノエル H.531
 3. 器楽合奏による七つのノエル H.534 
フローランス・マルゴワール指揮
Ens.レ・ドミノ(古楽器使用)
Ens.レザグレマン(古楽器使用)
ナミュール室内合唱団
フレディ・エシェルベルジェ(org)
 シャルパンティエ=声楽、と敬遠してこられた方へ。歌なし楽器のみ・の曲も多々、季節を感じる古楽盤。
 フランス・バロックを代表する巨匠シャルパンティエ——しかし生前は王室音楽総監督リュリの執拗な妨害にあい、王室ではいっさい仕事がもらえなかったとか。にもかかわらず、パリ市内のさまざまな教会や修道院は折々この名匠に作曲を依頼しつづけました。
 そうして書き進められた膨大な作品群には、教会の内外で披露される、歌い手ぬきに楽器だけで演奏できる音楽も意外に多く含まれています。
 降誕節、すなわちクリスマスシーズン向けの音楽を、声楽・器楽とりまぜながらの本盤、特にうれしいのは、礼拝とは無関係の俗世むけクリスマス曲(ノエル)を、彼が楽器だけで弾けるよう編曲したトラックが多数あるところ。
 元歌も適宜、絶美のユニゾン+古楽器伴奏で盛り込みながら、妙なる調べを綴ってゆくのは、フランスとフランス語圏ベルギーの古楽界を代表する名手たち!
 


MRIC306
(国内盤)
\2800+税
200年先を行く手法
 アレクサンドル・アグリコーラ(1456頃〜1506):

 《ミサの前に》
  ①3声の歌曲「わたしは心のなかで」
  ②わたしは彼を好きなのだろうか(伝アグリコーラ)
  ③どうぞお越しくださいませ、主よ/
 アレルヤ唱を、歌わなくてはならないそうだ(作曲者不詳)
  ④「わたしは心のなかで」による合奏曲(作曲者不詳)
 《ミサ・イン・メイネ・ゼイン》
  ⑤グローリア ⑥クレード ⑦サンクトゥス ⑧アニュス・デイ
 《合奏曲〜ミサのさなかに〜》
  ⑨この世の誰よりも絶望のふかい女として(原曲:バンショワ)
  ⑩他の誰かから愛されれば(原曲:オケゲム)
  ⑪何事も、わたしにとっては(原曲:フライ)
 《夕暮れの祈りに寄せて》
 ⑫合奏曲「わが父は農夫なり」⑬アンティフォナ「天の皇后」
  ※曲順は①②③④⑤⑨⑥⑩⑦⑪⑧⑫⑬
カピーリャ・フラメンカ
(古楽声楽集団・古楽器使用)
マルニクス・ド・カート、
ロプ・キュッペンス(CT)
トール・ドネイス(T)
リーフェン・テルモント(Br)
ディルク・スネリングス(Bs・総指揮)
リアム・フェンリー、トーマス・バーテ、
ピート・ストレイケルス(vg)
 ベルギー生粋の古楽グループが残した絶美の名盤!「ジョスカン系」とは違う、異例の先進性の真髄とは?
 諸般の事情で、これが日本正規初紹介となるRicercarの「隠れ名盤」、無事在庫確認されましたので堂々リリースへ!

 アグリコーラは生歿年をごらんのとおり、ルネサンスでもやや早い時期に属する、ジョスカンやイザークらと同時代を生きた名匠。にもかかわらず、その作風は時としてバロックを予告するほど、つまり2世紀も時代の先をゆく手法を見出していたのです!
 ヘントに生まれフランスでオケゲムに師事、その後ブルゴーニュ公国に雇われ、スペイン渡航中に亡くなった国際人でした(イタリア風の名は筆名で、本名はアケルマンというそう)。
 同じベルギーの少数精鋭集団カピーリャ・フラメンカの男声ア・カペラは清冽にして玄妙、そこへ腕利きガンバ奏者3人が素朴なガット弦サウンドを添える...気分はまさにフランドル祭壇画の世界。
 知るべき作曲家は時代を越えてまだまだいるのだなあ!と驚かされること必至です。空気のきれいな冬の夜にぬくぬくと聴きたい、極上北国古楽。
 

MRIC238
(国内盤・訳詞付)
\2800+税
中世写本『ブラヌス歌集(カルミナ・ブラーナ)』
〜オルフ『カルミナ・ブラーナ』原詩を、中世当時の音楽で〜

 ①凍てつく季節は過ぎ去った(153)
 ②それがわたしの運命(116)
 ③ギデオンの踊り(37)
 ④クロノスは閉じん(73)
 ⑤〔打楽器の即興演奏〕
 ⑥うるわしき春の日(85)
 ⑦〔笛の即興演奏〕⑧天は意に介さず(15)
 ⑨エスタンピ(舞曲)(153)
 ⑩公平と不平は紙一重(19)
 ⑪〔弓奏ヴィエルの即興演奏〕
 ⑫天は意に介さずII(15)
 ⑬〔オルガネットの即興演奏〕
 ⑭カテリーネを皆で讃えん(19)
 ⑮真実のなかの真実(21)
 ⑯ポイボスの曙の踊り(71)
 ⑰忘れられたしるし(39)
 ⑱ただひたすらに甘美に(119)
アンサンブル・ミレナリウム(古楽器使用)
ザビーネ・ルッツェンベルガー(S)
バティスト・ロマン(弓奏ヴィエル、バグパイプ)
フィリップ・マルフェイト(リュート)
ティアリー・ゴマール(打楽器)
クリストフ・デリーニュ(オルガネット&総指揮)

 オルフの『カルミナ・ブラーナ』は、中世写本から歌詞をとり、新作された近代の作品——しかし、その原詩が紡がれた中世後期、それはどのような音楽として歌われていたのか...?
 中世音楽パフォーマンスでは欧州屈指の異才集団が紡いだ名録音、堂々歌詞解説訳付で登場!

 ドイツの作曲家カール・オルフが1937 年に発表した『カルミナ・ブラーナ』は、19 世紀に発見された中世の詩歌集を歌詞に使っています(ベネディクトボイエルン修道院で見つかったことから「カルミナ・ブラーナ」すなわちラテン語で「ブラヌスの歌集」と呼ばれた次第...ブラヌスは「ボイエルン」のラテン語呼称)。
 しかし、もちろん音楽はオルフの新創作——あの巨大なオーケストラと合唱が咆哮し、激しく主情的なリズムで聴き手の心をかりたてる「運命の女神」も、その後につづく美しいカンティレーナの独唱も、酒場の賑やかさも、すべてはオルフという作曲家が音で表現した新作音楽にほかなりません。
 しかしそのかたわら、古い音楽にたいする研究が20 世紀を通じて勧められ、録音という手段をもって専門家たちが自分たちのイメージした音を世に広められるようになってくると、中世音楽のプロフェッショナルたちが、今残されている写本の資料をたんねんに読み込み、この魅力的かつ挑戦的な詩句に彩られた歌集を、それが生み出された当時の音楽つきで再現できないものか...とさまざまな試行錯誤を試みるようになります(写本にもかろうじて一部の詩に添え書きされている中世ネウマ譜を読み解いたり、韻律のあう同時代のメロディを使ったり...)。有名なところではルネ・クレメンチッチ(クレマンシック/Oehms)やフィリップ・ピケットDecca)、ジョエル・コーエン(Erato)らが再現例をCD にしていますが、ベルギーの古楽専門レーベルRicercar で、オルガネット(持ち運び型オルガン)の凄腕名手たるフランスの鬼才クリストフ・デリーニュを中心に俊才ばかりが居並ぶアンサンブル・ミレナリウムが録音したヴァージョンは、精妙な音楽史的復元例としてもさることながら、自然素材を多く用いたオーガニックな中世楽器のサウンドと自然派録音エンジニアリング、興奮をさそう即興性、人心を魅了してやまない中世音楽特有の不思議な響き...といったものがすべて混然一体となって、1枚のアルバムとしての完成度がきわめて高い、音楽性ゆたかなトラックの連続となっていて、広く聴き確かめられるに足る内容になっているのです!
 全員が一貫して痛快なまでのリズム感覚を持っているからこそ、のアンサンブル力もさることながら、まろみを帯びた、ハルモニウム(小学校のオルガン)にも通じる美音を響かせるオルガネットを縦横無尽に操るデリーニュの闊達な音使いも、独唱者ルツェンベルガーのまっすぐナチュラルな歌声も、打楽器やバグパイプの扱いも、すべてが絶妙ひいわゆるオルタナティヴやフォーク・ロック、民俗音楽系のサウンドが好きな方々にも強くおすすめできる逸品です。

ZIG ZAG TERRITOIRES



ZZT356
(国内盤)
\2800+税
ベートーヴェン/リスト編 ピアノ独奏による交響曲 第4・5番
  〜1867年製ブリュートナー・ピアノによる〜

   1. 交響曲 第4番 変ロ長調 op.60
   2. 交響曲 第5番 ハ短調 op.67
ユーリ・マルティノフ(ピアノ)
使用楽器:
 ブリュートナー1867年製作
 オリジナル楽器
 『レコ芸』準特選&特選あいつぐ傑作シリーズ、大詰め!
 運命の扉を叩く音を、天才リストはどう聴きつけたのか精妙古楽器の多面性、マルティノフ随一の至芸で。
 ふいにプロコフィエフを現代ピアノで録音、痛快な成果をあげてみせ多芸ぶりをアピールしてくれたロシア・ピアニズム最前線の名手ユーリ・マルティノフですが…もちろん好評シリーズの録音も継続中!
 それどころか、リリースはいよいよ大詰めに入ってきました。次なる冒険は「運命はこのように扉を叩く」との逸話で知られる「第5番」と「第4番」。
 「運命は〜」などとベートーヴェン自身が言っていなかったことは後年あきらかになるのですが、この逸話を捏造した作曲家の秘書シンドラーによるベートーヴェン伝(1840)は、かの楽聖の9曲の交響曲をリストがピアノ独奏のために編曲・出版した19世紀当時にはまだ、広く読まれていたのでした。
 その「扉を叩く」音を、リストはどうピアノ上に再現したのでしょう?オーケストラの響きを、彼はどう"当時のピアノ”に移し替えたのでしょう?
 今回も充実解説全訳付、使用楽器は前作「英雄&第8番」と同じ1867年製のブリュートナー(このメーカーの初期モデル現存楽器はきわめて貴重!)。
 手堅い名品「第4番」とともに、今回も聴き逃せない新録音です!
 


ZZT352
\2800+税
シューマン:
 1. 交響的練習曲集 Op.13
 2. クライスレリアーナ Op.16
 3. トッカータ Op.7
ネルソン・ゲルナー(ピアノ)
 昨年の精妙ドビュッシーに続き、今度は意外にもシューマンの技巧系傑作3編。独特の空気感、絶品!
 ワルシャワのショパン協会主催のアルバムで、フォルテピアノ奏者としても存在感をアピールしたアルゼンチンの俊英ネルソン・ゲルナーが、昨年やおらZig-Zag Territoiresに登場、艶やかに美しいドビュッシーの音響世界を縦横無尽に解き明かしてくれたのも記憶に新しいところ。
 今年も順調に新譜を…と思ったら、今度は意外にもシューマンの作品集、それも超絶技巧と深い作品解釈なしには録音に臨もうとも思わないであろう2大作「交響的練習曲集」と「クライスレリアーナ」——前者では省略されることもある歿後出版部分(遺作変奏)を第9/13変奏間に挟むタイプ。『クライスレリアーナ』は目の覚めるようなテクニックですがそれを決して誇示せず、物語性を感じさせるよどみない流れがうつくしい...そうした解釈姿勢がそのまま「トッカータ」にもあらわれていて、このバッハ風とも言える音運びの音楽がうつくしいドラマをたたえて活き活きと響くさまは圧巻というほかありません。
 今回も演奏者自身の言葉が解説に折々使われ(訳付)、「ピアニストという私小説作家がいかに深い世界をもっているか」に思い及ばせてくれる...充実の新譜なのです!
 


ZZT070802
(国内盤)
\2800+税
ベートーヴェン(1770〜1827):
 鍵盤とヴァイオリンのための3つのソナタop.12(全3曲)

  1. ソナタ第2番 イ長調 Op.12-2
  2. ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12-3
  3. ソナタ第1番 ニ長調 Op.12-1
ヨス・ファン・インマゼール
(fp/ウィーンのA.ヴァルター製作モデル/
 C.クラーク再現製作)
ミドリ・ザイラー
(vn/イタリア18 世紀中盤の逸名作家によるオリジナル)
 5年前には交響曲全集でも話題を呼んだ、インマゼールのベートーヴェン...この指揮者の原点ともいうべきフォルテピアノ演奏で、ベルリン古楽アカデミーやアニマ・エテルナで名演を続けてきた鬼才ミドリ・ザイラーとのデュオを...その後のBOX化で、単品のみは今後入手困難必至です!
 Zig-Zag Territoires というフランス随一の小規模資本レーベルが弊社取扱になったのは、2010 年秋のこと——常日頃から(最大限に良い意味で)憎いレーベルよ、と思っていたところ、弊社扱が決まった時点では過去の名盤のいくつかもすでにプレス切れで再プレス未定、臍をかんでいたアルバムもいくつかあるのですが、幸い一定の在庫量が最近また確認されたタイトルのなかに、今秋も『カルミナ・ブラーナ』(!)のピリオド演奏を世に問う古楽器集団アニマ・エテルナ・ブリュッヘの指揮者、異才ヨス・ファン・インマゼールの過去盤がいくつか含まれていたことは、本当に素晴らしい話!
 とはいえ現存数はあるていど限られていますため、今回も急ぎ解説付新譜としてリリースすべく、案内をお届けさせていただきます。
 しかもここにご案内するアイテムは、すでに2012年に別のBox 仕様で再録がなされた実績もあり、品薄のまま最後にはプレス切れ→再プレスなし廃盤となる可能性も高い1枚——アニマ・エテルナ・ブリュッヘのコンサートミストレスにして、切れ味抜群の尖鋭的古楽器バンドとして知られるベルリン古楽アカデミーでもソリスト=首席をつとめてきた名手ミドリ・ザイラーとのデュオによる、ベートーヴェンの「原点」のひとつともいうべきヴァイオリン・ソナタ3曲を、極上の古楽器録音で録音してくれた名盤です。
 お求めやすい1枚ものとして解説付で聴き込むに足るその内容の確かさは、BOX 化リリース時に『レコード芸術』誌が惜しみなく「特選」のお墨付きを与えたことからもよくおわかりいただけるのではないでしょうか。
 インマゼールもミドリ・ザイラーも、“当時の奏法”に対する徹底した研究姿勢のもと、息をのむ痛快な銘演奏を聴かせる人であるだけでなく、録音時の使用楽器へのこだわりが極度に高いことでも知られるところ...
 今回も18世紀末のボンやウィーンの音楽環境をふまえ、その少し前にイタリアで作られたオリジナルのヴァイオリンと、ロンドンの名工ジョン・ダッドが作ったモデル(ウィーン楽器博物館所蔵)のクラシカル弓、それにニュルンベルク国立博物館所蔵の、かつてモーツァルトも愛した“ウィーン屈指の名工”ヴァルターによる銘器をモデルに、近年多くの復元楽器を手がけている古楽器製作者クリストファー・クラークが素晴しい再現例を製作、同レーベルきっての自然派録音を通じ、まさしく若きベートーヴェン自身が思い描いたであろう理想の響きを「いま」に甦らせてくれます。



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