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第81号
マイナー・レーベル新譜(5)
2015.3.10〜5.8


ECM


481 1592
\2500
ヌエボ・タンゴの影響を受け、独自のスタイルを作り上げる
 《ディノ・サルーシ:Imagenes〜ピアノのための作品集》

ディノ・サルーシ(1935-):
 1) Imagenes, 2) Los Recuerdos,
 3) Montanas, 4) Romance, 5) La Casa 13,
 6) Claveles, 7) Moto Perpetuo, 8) Media Noche,
 9) Vals Para Verenna, 10) Donde Naci
オラシオ・ラバンデラ(ピアノ)
 ヌエボ・タンゴの影響を受けた独自のスタイル
 アストル・ピアソラが築いたヌエボ・タンゴの影響を受け、独自のスタイルを作り上げるディノ・サルーシ。現在の彼はバンドネオン奏者として有名ですが、以前は鍵盤楽器のための作品を作曲し、即興的にストリートミュージシャンとして演奏していました。
 ここに収録された作品も、1960年から2002年の間に、サルタ、ブエノスアイレス、シュトゥットガルトなどで作曲され演奏されてきものです。今年5月30日に誕生日を迎えるサルーシの80歳を記念するリリースとなります。
 オラシオ・ラバンデラはブーレーズやシュトックハウゼンらと共に、古典音楽と現代音楽について研究をおこなったピアニストで、サルーシ作品の多様性あるキュビズムを見事に再現しています。
  【録音】2013年10月, オスロ、レインボー・スタジオ(デジタル:セッション)
 

481 1052
\2500
《Cantante E Tranquillo〜歌うように、そして静かに》
 1.ベートーヴェン(1770-1827):弦楽四重奏曲第16番へ長調Op.135より
  第3楽章「Cantante e tranquillo」/
 2.リゲティ(1923-2006):弦楽四重奏曲第2番より第5楽章/
 3.J.S.バッハ(1685-1750):フーガの技法 BWV1080よりコントラプンクトゥス1/
 4.クルターク(1926-):彼方より5/
 5.シュニトケ(1934-1998):ピアノ五重奏曲より第5楽章/
 6.クナイフェル(1943-):In Air Clear And Unseen-第2番「秋のゆうベに」/
 7.J.S.バッハ:フーガの技法 BWV1080よりコントラプンクトゥス14/
 8.クルターク:エンドレ・セルヴァンスキを追悼してOp.28よりArioso Interrotto/
 9.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調Op.130より第5楽章Cavatina/
 10 .クルターク:Flowers We Areよりミヤコへ/
 11.クルターク:バッハへのオマージュ/
 12.クルターク:リガトゥーラY/
 13.クルターク:リガトゥーラ−フランセス=マリーへのメッセージ/
 14.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番へ長調Op.135より第3楽章 Lento assai
ケラー四重奏団、
アレクセイ・リュビーモフ(ピアノ:5)
 バッハからクルタークへ至る時間とケラー四重奏団の歴史を辿って
 ブダペスト祝祭管弦楽団のコンサートマスターを務めていたアンドラーシュ・ケラーを中心に、リスト音楽院のメンバーたちによって1987年に結成され、古典派から現代曲に至る幅広いレパートリーでみずみずしい演奏を繰り広げるケラー四重奏団。
 ECMからもバッハからリゲティ、クルターク、シュニトケ他、数々の名盤をリリースし、高い評価を得ています。
 このアルバムではECMの創設者マンフレート・アイヒャーが彼らと共にカルテットの20年の歴史をたどりつつ、現代と過去の作曲家と作品を対比・検証しています。バッハからクルターク、そしてその間に横たわる時間に生まれた作品の緩徐楽章を素材に、過去の録音と最新録音を織り交ぜ、一つの作品として編み上げていきます。
 アルバム・タイトルの「Cantante e tranquillo」はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番、第3楽章に付されたもの。「歌うように、そして静かに」という意味で、彼らの音楽性にぴったり寄り添った言葉と言えるでしょう。
 【録音】2012年11月…1.4.9-14/2011年10月…2/1997年5月…3.7/2000年6月…5/2000年10月…6/1995年11月…8
 


481 1585
\2500→\2290
《ヴォルフガング・リーム:Et Lux》
 ヴォルフガング・リーム(1952-):Et Lux(光へ)〜
  四重合唱と弦楽四重奏のための
ウェルガス・アンサンブル、
ミンゲ四重奏団、
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮)
天空からの永遠の光が感じられる音楽
 2009年に作曲されたリームのヴォーカル・アンサンブルと弦楽四重奏のための「Et Lux」は、まるで何世紀も前に書かれたような静謐な佇まいを見せています。レクイエムの様式を踏まえ、そのラテン語のテキストの断片を用いて、これまでの音楽を含みながら少しずつ発展していくプロセスからは、時代を超越した「永遠の光が降り注ぐような」魅力が放たれています。ベルギーのウェルガス・アンサンブルとドイツのミンゲ四重奏団は作曲家リームと共に仕事をすることが多く、ここでも極めて美しい演奏を聴かせてくれます。言葉の持つ意味を再確認させながら、心地よい慰めが感じられる作品を理解するために最適な演奏です。ブックレットにはリーム自身による作品解説も含まれています。
 【録音】 2014年2月9-10日、Augustinus Muziekcentrum, アントワープ

ECM New Series



4811580
\2500→\2290
キース・ジャレット/バーバー&バルトーク:ピアノ協奏曲
 1. サミュエル・バーバー:ピアノ協奏曲 作品38
 2. バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119
 3. キース・ジャレット:ナッシング・バット・ア・ドリーム(アンコール)
キース・ジャレット(ピアノ)
デニス・ラッセル・デイヴィス指揮
ザールブリュッケン放送交響楽団(1)
秋山和慶指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団(2)
 キース・ジャレット70歳記念リリース
 バーバーのピアノ協奏曲は1984年ミュンヘンでのライヴ、そしてバルトークは1986年東京でのライヴ録音。東京公演で伴奏を務めたのは秋山和慶指揮新日本フィルハーモニー交響楽団。
 1980年代から1990年代にかけ、即興演奏と共にクラシック・レパートリーを積極的に演奏していたキース・ジャレット。アルバムの最後には、東京公演のアンコールで演奏された即興演奏も収録されています。

 録音:1984年6月3日 ミュンヘン、ドイツ博物館コングレスザール(1)(ライヴ)
     1986年6月30日 五反田、ゆうぽうと簡易保険ホール(2,3)(ライヴ)

MD+G



903 18946
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
ケルンのフィンジ!
 《フィンジ:室内楽作品集》

 ジェラルド・フィンジ:
  1) クラリネットと弦楽四重奏のための5つのバガテル,
  2) ヴァイオリンとピアノのためのエレジー,
  3) 弦楽四重奏のためのロマンス,
  4) ディアベリーズ
   (「いったいどこへ、ぼくの子犬は行っちゃったのかな?」
    の主題による様々な作曲家による主題と変奏),
  5) ヴァイオリンとピアノのための聖歌,
  6) オーボエと弦楽四重奏のための間奏曲,
  7) 弦楽三重奏のための前奏曲とフーガ
ケルン・カンマーゾリステン
20世紀イギリスの抒情がちりばめられた作品
 20世紀イギリスの抒情、ジェラルド・フィンジ(1901−1956)。最近作品が見直され少しずつ録音されるようになってきました。ここに録音されたものはさらに演奏の少ない室内楽作品。
 フィンジの情緒豊かで美しくメロディ、そして見え隠れする時には物悲しいメロディなどがちりばめられています。「ディアベリーズ」は、ヴォーン・ウィリアムズが作った主題に8人の作曲家が変奏を担当した曲で、フィン時は第6変奏を作曲した作品です。



フィンジだとやはりこれでしょうか・・・
世界で最も美しい曲のひとつ「クラリネット協奏曲」

この曲を知らないまま終わらないで。
Finzi: Clarinet Concerto, Op. 31, etc.
Lyrita
SRCD 236
\2300
ジェラルド・フィンジ(1901−1956):
 チェロ協奏曲Op.40/クラリネット協奏曲Op.31*
ヨーヨー・マ(Vc)、
ジョン・デンマン(Cl)、
ヴァーノン・ハンドリー指揮、
ロイヤル・フィル、
ニュー・フィルハーモニア管*

 ヨーヨー・マが約30年前に行った録音で、自身にとってのファースト・アルバムとなった伝説のフィンジのチェロ協奏曲。もちろんこのアルバムはそれが売りとなってベストセラーとなった。
 なのだけれど、そこに到達する前に店主はもうメロメロの酩酊状態になった。フィンジの代表作クラリネット協奏曲である。クラリネット協奏曲としては間違いなくモーツァルトと並ぶ名作。
 都会生活を嫌い田園に暮らし、そこでリンゴを栽培しながら気の合う仲間たちと音楽界を開いていたフィンジ。作曲も1年に1作か2作。そんな生活の中で生まれたのがこの傑作。

 その美しさはもう言葉では説明できない。
 ドラマティックで情熱的な冒頭にいきなり引き込まれる第1楽章、まったりとした午後のような第2楽章、そして天国のような第3楽章!まるで目が覚めたら背中に羽が生えていて、そのまま空を飛んで飛んで、気づいたら雲の上まで来てしまったような、そんな素敵な曲。
 こんな夢想的なコンチェルト聴いたことがない!
 さすがフィンジ、リンゴ農園を経営していただけのことはある。そこには現実のつまらない悩みや不満など少しもない。自分の生き方に満足し、それをきちんと守り抜いた心美しきフィンジだからこそ作り上げることができた、まさに夢の作品。

 この曲を知らないまま終わらないで。



世界中を飛び回り、クラシックのみならずジャンルの垣根を取り払った幅広い活躍を続けるチェリスト、ヨーヨー・マ。そんなヨーヨー・マが約30年前の若かりし時代に録音を行い、自身にとってのファースト・アルバムとなった伝説の録音が遂にCDとして復刻!LPとして発売された以降は完全にお蔵入りとなっていた若きヨーヨー・マのフィンジ。この録音は、昨年のリリタ(Lyrita)の活動再開以来ファンやコレクターの間から特に強く復刻が望まれていたレア音源なのである。20世紀前半のイギリスに生きたフィンジにとって最後にして最大の大作となったチェロ協奏曲は、数あるチェロのための名作に引けを取らない素晴らしい作品として高く評価されておりファンも多い。カップリングのクラリネット協奏曲もフィンジを代表する作品の1つ。ロンドン響、ロンドン・フィルといったイギリスの2大オーケストラの首席奏者を歴任したデンマンがフィンジの魅力を十二分に聴かせてくれる。ヨーヨー・マのファースト・アルバムの復活、しかもレパートリーは現在のリリースからは想像もつかないフィンジなのだから話題必至間違い無し!チェロ協奏曲は1979年の録音(世界初CD化/ADD) 。

  


901 19016
(SACD Hybrid)
\3100→\2790
東大出身、谷辺昌央のギター
 《日本人作曲家によるギター協奏曲集》

  1) 武満徹:夢の縁へ,
  2) 細川俊夫:旅 Ⅸ-目覚め,
  3) 林光:ギター協奏曲「北の帆船」
谷辺昌央(ギター),
高橋直史(指揮)
アウエ・エルツゲビルゲ・フィルハーモニー
 ドイツを拠点に研鑽を積み、現在日本に拠点を置いて精力的に活躍するギタリスト谷辺昌央の精細な感性! ◆日本語解説付き◆
 ギターの谷辺昌央名古屋生まれ。4歳より早期音楽教育を受け、7歳から父のもとでギターを始め、その後酒井康雄、鎌田慶昭の各氏に師事。東京大学在学中に、東京国際ギターコンクールで首席入賞。ドイツ、ケルン音楽大学を首席卒業。現代音楽をP.アルヴァレス氏に、古楽をK.ユングヘーネル氏の下で学ぶ。2006年文化庁在外派遣研修員に選ばれ、カールスルーエ音楽大学修士課程にてA.フォン・ヴァンゲンハイム氏に師事し国家演奏家資格を取得。様々な国際コンクールで優勝。2005年ワシントンDCのケネディーセンターにてアメリカ・デビュー。ニューヨーク、バッファローにおけるバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団との共演は2000人の聴衆総立ちという大成功を収め、全米およびEU全域でラジオ中継されました。2011年から拠点を日本に移し国内外で演奏および指導も含む精力的な活動を続けています。
 このアルバムは、日本を代表する3人の作曲家によるギターのための協奏曲的作品を収録。谷辺の鍛え抜かれた、しなやかな技術から溢れ出す驚くべき音の数々。ドイツの歌劇場などで活躍する高橋直史が音楽監督を務めるエルツゲビルゲ・フィルと見事なバックを務め、3作品が内包する独特なイマジネーションを色彩豊かに彩っています。
 


307 18982
\2400→\2190
《ハイドン:弦楽四重奏曲集 Vol.8》
ハイドン:
 弦楽四重奏曲第46番変ホ長調Op.50-3 (Hob.III:46),
 弦楽四重奏曲第45番ハ長調Op.50-2(Hob.III:45),
 弦楽四重奏曲第49番ニ長調「蛙」Op.56-6(Hob.III:49)
ライプツィヒ弦楽四重奏団
[シュテファン・アルツベルガー(Vn)
ティルマン・ビュニング(Vn)
イーヴォ・バウアー(Va)
マティアス・モースドルフ(Vc)]
 クラシカルの弓を使用し、ハイドンの語法を見事に再現
 ハイドンが1787年に作曲したプロシャのフリードリヒ・ヴィルヘルム2世へ献呈された作品集からの3曲。集約的で瑞々しい表情が込められた作品です。
 世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した当団。55人の作曲家による約200曲をレパートリーに持ち、録音も30枚以上残している名門中の名門です。
 そんな彼らが満を持してスタートさせたハイドン:弦楽四重奏曲録音も今回で第8弾を迎えました。このシリーズの録音ではハイドン時代の弓の忠実なコピー弓を使用し、ハイドンの語法を見事に再現しているのが特長です。
 


604 1722
\2400→\2190
待望の再発売!シュヌアーの名盤
 《ブラームス、レーガー:ピアノ作品集》

 1) ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24,
 2) レーガー:バッハの主題による変奏曲とフーガOp. 81
フリードリヒ・ヴィルヘルム・シュヌアー(ピアノ)
 シュヌアー教授のドイツ伝統音楽の名盤
 1929年のゲッティンゲンに生まれ。クオイツに師事し、国立デトモルト音楽大学で、ハンス・リヒター=ハーザーに師事。卒業後もコルトーやケンプのマスター・クラスで研鑚を積み、1959年、ミュンヘン国際音楽コンクールで優勝。デトモルト音楽大学で教鞭を取り、学長も務める傍らたびたび来日し、わが国のピアノ教育界にも深い感銘を与えました。
 ドイツの伝統の頂点ともいえる2つの作品の録音は、シュヌアーにとって最も得意としているもので、1985年の録音で高い評価を得ていた録音ですが、待望の再発売となります。


303 2722
\2400→\2190
待望の再発売!トリオ・パルナッススの代表的名盤
 《ドビュッシー、ラヴェル:ピアノ三重奏曲》
  1) ドビュッシー:ピアノ三重奏曲ト長調,
  2) ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調
トリオ・パルナッスス
[ヤメイ・ユ(ヴァイオリン),
ミヒャエル・グロス(チェロ),
チアオ・チョウ(ピアノ)]
 ECHO賞などを受賞している評価の高い演奏
 すでに20年以上のキャリアを誇るトリオ・パルナッスス。ブラームスの名演の他、メンデルスゾーン、ラインベルガー、モーツァルト、レーガー、フンメル、ラロ、バルギールなど、様々なレパートリーで優れた演奏を聴かせる彼らは、室内楽ファンにはおなじみの存在です。
 ドビュッシーの若かりし時の作品、ラヴェルの壮年期の作品と、書かれた年代もスタイルも違うこの2つの作品を端的に描き分けています。
 トリオ・パルナッススが1987年に録音した結成すぐのものですが、ECHO賞などを受賞している評価の高い演奏の再発売となります。
 


613 18902
(3CD)
\4800→\4380
忘れられた天才
 《ヨーゼフ・マティアス・ハウアー:メロディと前奏曲全集》

 ヨーゼフ・マティアス・ハウアー(1883-1959):
  メロディ(Op.22〜33), メロディ(Op.34〜45), メロディ(Op.50〜55,
  ゾンネンメロス, チェレスタのための前奏曲(作品番号なしとOp.46〜49)
シュテッフェン・シュライエルマッハー(ピアノ),
ホルガー・ファルク(バリトン:Op.24, ゾンネンメロス)
複雑なリズムや体系的なロジックをみごとに解析
 シェーンベルクよりも早く、1919年に独自の12音技法を発明していたオーストリアの作曲家、音楽理論家ヨーゼフ・マティアス・ハウアー(1883-1959)の作品集です。
 彼が追及した12音技法は、他とは全く異なるものであり、シェーンベルクとは激しく対立したのでした。彼の作風は時代を追うごとに変化し、色彩に基づくものあり、図形楽譜あり、時には易学に基づくものまであったと言われています。また1936年には頽廃音楽の烙印を押され、存在すらも忘れられてしまいました。
 そんな彼の作品から「メロディと前奏曲」を、鬼才ピアニスト、シュライエルマッハーが丹念に演奏しています。これらの作品は、基本的に鍵盤楽器なら何を演奏してもよく(通常は、ピアノ、ハルモニウム、チェレスタ)、ここではスタインウェイのピアノを使用し、挑発的かつ瞑想的な雰囲気を醸し出しています。
 とりわけ1919年の「ゾンネンメロス」は、この曲集を象徴する作品で、複雑なリズムや体系的なロジックは、ハウアーが到達した世界を的確に表現しています。
 シュライエルマッハーはハウアーの作品をこれまでにもMDGレーベルからリリースしており、当盤が4枚目のリリースとなります。
 

904 19026
(SACD Hybrid)
\3100
《シューマン:4手のためのピアノ作品集》
 シューマン:
  ① ペダル・フリューゲルのための練習曲
     (カノン形式の作品6曲)(G.ビゼー編)
  ② 東洋の絵-6つの即興曲 Op.66、
  ③ 小さな子供と大きな子供のための12の連弾曲集 Op.8
アムステルダム・ピアノ・デュオ
[ウィネケ・ヨルダンス&
レオ・ファン・ドゥセラール]
(ピアノ:1837年 エラール製)
エラールで奏でられるシューマンの珍しい作品
 シューマンが作曲していた時代、ペダル・フリューゲルという楽器がありました。現在ではほとんど残っていませんが、ピアノに足鍵盤を後付けした楽器であり、オルガンの練習用として開発されたものです。1800年頃に開発され、少しずつ改良が加えられた楽器がライプツィヒの音楽学校に導入され、シューマンが興味を持ったのです。彼はこの楽器に素晴らしい将来性を見出し、普及を願ったのですが、残念ながらそれは叶うことがありませんでした。もともと、この楽器のために書かれた練習曲を、ビゼーが4手ピアノ用に編曲していますが、ここでは1837年製のエラールを使うことで、シューマンの思いを垣間見ることができるのではないでしょうか。
 他には、中世のアラビア語の詩からインスパイアされた「東洋の絵」、彼の長女マリーのために作曲した12の連弾曲集の2つの曲集が収録されています。
 


948 18896
(SACD Hybrid)
\3100→\2890
《エルンスト・ルドルフ:室内楽作品集》
 エルンスト・ルドルフ(1840-1916):
  1) 3台のヴァイオリン、ヴィオラ、
    2台のチェロのための六重奏曲イ長調Op.5,
  2) 6つのピアノのための小品Op.52,
  3) ピアノのための3つのロマンスOp.48
  4) カプリッチョ・アパッショナートOp.49,
  5) ピアノのための演奏会用練習曲Op.29-1&2,
  6) ヴァイオリンとピアノのためのロマンスOp.41
ベロリーナ・アンサンブル
[ダヴィッド・ゴロール(ヴァイオリン),
ルドヴィカ・ナルドーネ(ヴァイオリン),
ソーニャ・パウル(ヴァイオリン),
アリアベッジャー=ベンダー(ヴィオラ),
カタリーナ・イェックレ(チェロ),
ヨハネス・ドラーシク(チェロ),
ヴィレール・ヴァルドネシ(ピアノ)]
ロマンティックな表現としなやかな美しさ
 ドイツの作曲家ルドルフは、ライプツィヒ音楽院でモシェレス、プレディに師事、個人的にライネッケやハウプトマンにも指導を受け、ピアニスト、教師としてケルン音楽院で働き、1867年にケルン・バッハ協会を設立しました。その後はベルリン芸術大学(当時はベルリン高等音楽院)でピアノ講師を務め、その傍ら、シュテルン合唱協会の指揮者も務めています。
 シューマン一家とも親しく、夫妻の娘にピアノを教えていたこともありました。そのせいか、ルドルフの「6つの小品」などには明らかなシューマン、もしくはブラームスからの影響も感じられますが、サロン風な甘さやロマンティックなヴァイオリンのメロディには独特の表現と自然な美しさがあります。ベロリーナ・アンサンブルの演奏はこれらの作品から蟲惑的な魅力と壮大な可能性を感じさせてくれます。
 

949 18936
(SACD Hybrid)
\3100
《J.S.バッハ:オルガンのためのトッカータ集》
J.S.バッハ:
 1) トッカータとフーガ ニ短調 BWV565,
 2) トッカータ ホ長調 BWV566,
 3) トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV540,
 4) いと高きところにいます神にのみ栄光あれ BWV662,
 5) トッカータとフーガ へ長調 BWV540,
 6) われを憐れみたまえ、おお主なる神よ BWV721,
 7) トッカータとフーガ ニ短調「ドリア調」BWV538
クリストフ・シェーナー(オルガン=ハンブルク 聖ミヒャエル教会)
4台の楽器を使い分けた壮麗な演奏
 古くからハンブルク市民たちに愛されている、17世紀に創設された「聖ミヒャエル教会」は、ハンザ都市ハンブルクの象徴であり、また北ドイツで最も美しいバロック建築でもあります(2度にわたって火災に遭い焼失、また第二次世界大戦の際にも損害を受けましたが、すぐに復旧されています)。
 教会には5台のオルガンが設置されており、このアルバムではその4台を使用し、それぞれの音色の違いを際立たせるという興味深い録音がなされています。
 壮麗かつ風通しの良い音色を完璧に捉えたこのアルバムを聴く事は、まさに息をのむような体験です。

AAM



AAM-4
(3CD)
\4800→\4390
リチャード・エガー、「マタイ」1727 年初演版
 J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244 (1727 年版)
ジェームズ・ギルクリスト(テノール・・・福音史家)/
マシュー・ローズ(バス…イエス)/
アシュリー・リッチーズ(バリトン・・・ピラト)/
エリザベス・ワッツ(ソプラノ)/
サラ・コノリー(アルト)/
トーマス・ホッブス(テノール)/
クリストファー・マルトマン(バス)/
アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック/
コア・オブ・ザ・AAM/
リチャード・エガー(指揮&ハープシコード)
録音 2014 年4 月13 日
 1727 年4 月11 日、ライプツィヒの聖トーマス教会において初演されたバッハ(1685-1750)の最高傑作「マタイ受難曲」。その後何回かの改訂が加えられたため、現在ではいくつかの版が存在するこの大作ですが、リチャード・エガーが今回の演奏で用いたのは、1727 年の初演版のスコアでした(自筆譜は現存していない)。
 一般的には1936 年の改訂版で演奏されますが、エガーは「改訂稿などの以降の版からは数々の洞察力と説得力が失われてしまった」と考え、この初稿版を選定したのです。
 これ以上ないと思われるほどのソリスト、合唱、そしてアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの艶やかな響きが織り成す受難の物語は、一見柔らかい表情に見えますが、実は深遠、晦渋であり、クライマックスでは人間の罪深さを鮮やかに抉り出すなど、実に劇的な表現に満ちていることに気がつくのではないでしょうか。全ての人に贈る「マタイ」です。

BR KLASSIK



900130
\2400→\2190
ハイティンク/
 ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス Op.123
ゲニア・キューマイアー(ソプラノ)
エリザベート・クルマン(メゾ・ソプラノ)
マーク・パドモア(テノール)
ハンノ・ミューラー=ブラフマン(バスバリトン)
アントン・バラコフスキー(ソロ・ヴァイオリン)
バイエルン放送交響楽団&
合唱団(ペーター・ダイクストラ・・・合唱指揮)
ベルナルト・ハイティンク(指揮)
 この「ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)は、もともとはベートーヴェン(1770-1827)の庇護者であった、ルドルフ大公の“大司教就任祝いのための厳粛なミサ”として書き始められたのですが、ベートーヴェンの構想があまりにも壮大であったため、就任式に間に合わず、結局のところ5年後の1823年にようやく完成したという大作です。
 全ての楽章が緊密な関係を持ち、全体が統一されたこの作品は随所に見事な対位法が用いられ、またサンクトゥスでは独奏ヴァイオリンが活躍するなど、内容も音楽も充実したベートーヴェン晩年の傑作として讃えられています。
 BR KLASSIKレーベルとしても初となる、この「ミサ・ソレムニス」の演奏を担うのは、当時85歳のベルナルト・ハイティンクです。ハイティンクと言えば、2013年録音のハイドン「天地創造」でも、見事な世界の始まりを体感させてくれましたが、このベートーヴェンでは更なる高みと深みに到達した彼の姿を知ることになるでしょう。
 


900511
\2400→\2190
アルヴォ・ペルト:声楽作品集
 1.テ・デウム/2.巡礼者の歌/3.ベルリン・ミサ-キリエ/
 4.ベルリン・ミサ-グローリア/5.勝利の後で/
 6.ベルリン・ミサ-クレド/7.ベルリン・ミサ-サンクトゥス/
 8.ベルリン・ミサ-アニュス・デイ
バイエルン放送合唱団/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ペーター・ダイクストラ(指揮)
録音 2014年 ミュンヘン プリンツレーゲンテン劇場…1.2, 2012年 ミュンヘン ヘルクレスザール…3-8
 1935年、エストニアで生まれたアルヴォ・ペルト(1935-)の静謐な合唱作品集です。現在では「癒しの作曲家」として捉えられることの多いペルトですが、作曲を始めた初期の頃は新古典主義的な作品を書いていたといいます。
 しかし、ある日、曲を書く気力を失いそうになった彼が取ったやり方は、「西洋音楽の根源への回帰」でした。そうして生まれた音楽は、どれも質素な衣を纏ったもので、ペルトはこれを「ティンティナブリ(鈴声)の様式」と呼び、以降、この様式を使ったシンプルで美しい作品が次々と生まれていくことになります。
 このアルバムに収録されている4つの作品…シャルパンティエやブルックナーからの伝統を意識した輝かしい「テ・デウム」、詩篇121番を用いて書かれた「巡礼者の歌」、聖アンブローズの命日のお祝いのための「勝利の後で」。そして「カトリック教徒の日」にベルリン市内の聖ヘドウィック大聖堂で初演されたたため、この名で呼ばれる「ベルリン・ミサ」…これらは、全てティンティナブリ様式で書かれた静かなもので、演奏にも細心の注意が必要とされますが、ダイクストラをはじめとした全ての奏者たちは、ペルトの音世界に対しての深い知識を敬愛を持ち、これらの作品を完璧に表現しています。

CANTLOUPE

??

CA21105
\2100→\1890
期待しすぎないで、変です。
 マイケル・ゴードン:ダイストピア&
  ベートーヴェン「交響曲第7番」をもう一度書いてみた

  1.ダイストピア/
  2-5.ベートーヴェン:交響曲第7番の再構築
   <パート1/パート2/パート3/パート4>
ロサンジェルス・フィルハーモニック/
デヴィッド・ロバートソン(指揮)…1/
バンベルク交響楽団/
ジョナサン・ノット(指揮)…2-5
録音 2008年1月12日 ロサンジェルス ディズニー・ホール(カットなしヴァージョン,世界初録音)…1/2006年9月30日 ボン ベートーヴェン音楽祭 ライブ収録(カットなしヴァージョン,世界初録音)…2-5
 現代のユニークな作曲家、マイケル・ゴードン(1956-)の2曲の大規模なオーケストラ作品です。
 ロサンジェルス・フィルハーモニックの委嘱作である「ダイストピア」は“調和と不調和の間の灰色の領域を探索する”がテーマの熱狂的で混沌とした音楽。この都市の未来を音で描くというスゴイ(騒々しい)作品です。
 「ベートーヴェン:交響曲第7番の再構築」は、常にベートーヴェンからインスピレーションを得るというゴードンが、9曲ある交響曲の中でも最も暴力的なリズムを持つ「第7番」を再構築したもの。
 いつまで経っても始まらない第1楽章(らしきもの)が始まると、この現実世界がどんどん奇妙な音に侵食されていきます。確かにベートーヴェンの残滓はあるのですが…。初演時、聴衆は呆れかえったという問題作です。
 

CAPRICCIO



C5243
\2700→\2490
ツィモン・バルト:ゴルトベルクを弾く
 1-32.J.S.バッハ(1685-1750):ゴルトベルク変奏曲 BWV998/
 33.コラール前奏曲「来たれ、異邦人の救い主よ」BWV659
ツィモン・バルト(ピアノ)
録音 2014年5月13-14日 ウィーン カジノ・バウムガルテン
 最近、日本での人気急上昇!“マッスル・ピアニスト”ツィモン・バルトの最新作は、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」です。これまでの様々な作品で見せた変幻自在な感性を、バッハの孤高の作品にどうやって持ち込むのか…ここにまず注目です。多くのピアニストたちがそれぞれの解釈で聞かせる「ゴルトベルク変奏曲」に、新たな伝説が生まれます。
 聴けば聴くほど好きになるピアニスト、ツィモン・バルト!バッハを愛する人、必聴です。
 

C5234
(2CD)
\2700
カール・ツェルニー:弦楽四重奏曲集
<CD1>
 1-4.弦楽四重奏曲 イ短調/
 5-8.弦楽四重奏曲 ニ短調/
<CD2>
 1-4.弦楽四重奏曲 ニ長調(1853)/
 5-8.弦楽四重奏曲 ホ短調
シェリダン・アンサンブル
<メンバー:
 ユキ・カサイ(ヴァイオリン)/
 マタン・デイガン(ヴァイオリン)/
 フローリアン・ドンデラー(ヴィオラ)/
 アンナ・カレヴェ(チェロ)>
 最近、いくつかのレーベルから立て続けにアルバムがリリースされるウィーンの作曲家カール・ツェルニー(1791-1857)の弦楽四重奏曲集です。
 多くの人は悩み多き「練習曲の作曲家」として、また一部の人は「ベートーヴェンの愛すべき弟子」として認識されているこのツェルニー。生前に800曲を越える作品を残したにもかかわらず、現在ではほとんど演奏されることもなく、そのまま埋もれているのは何とも残念なことと言えるでしょう。
 彼の弦楽四重奏曲は全部で20曲以上あるとされでいますが、どれもがウィーン楽友協会で保存されていて、現在7曲ほどが録音されているようです。まさにハイドンの伝統を、ベートーヴェンを経て、メンデルスゾーンへと受け継いでいくものであり、奥深い表現と音楽を奏でる喜びに溢れたものなのです。
 


C7190
(5CD)
\3100→\2890
プロコフィエフ:交響曲全集
<CD1>
 1-4.交響曲 第1 番 ニ長調「古典」Op.25/
 5-8.交響曲 第7 番 嬰ハ短調 Op.131/
<CD2>
 1-8.交響曲 第2 番 ニ短調 Op.40/
 9-12.交響曲 第3 番 ハ短調 Op.44/
<CD3>
 1-4.交響曲 第4 番 ハ長調 Op.47(1930 年初稿版)/
 5-8.交響曲 第4 番 ハ長調 Op.112(1947 年改訂版)/
<CD4>
 1-4.交響曲 第5 番 変ロ長調 Op.110/
<CD5>
 1-3.交響曲 第6 番 変ホ短調 Op.11
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団/
ドミートリー・キタエンコ(指揮)
PHOENIX PE135 の移行盤
 ショスタコーヴィチの交響曲で明晰でクールな解釈を披露し、大好評を博しているキタエンコ。とにかく爆発的な表現が話題となっている人ですが、このプロコフィエフ(1891-1953)でも期待通りの凄演を聴かせてくれます。
 明晰なテンポ、切れのあるアンサンブル、そして随所に漲るエネルギーの噴出には驚く他ありません。ロシア音楽と新古典主義の融合から生まれた傑作をこれでもか!とばかりに表出。これは価値ある5 枚組です。
 


C5206
\2700→\2490
ベルリン/ヴィオラ・ダ・ガンバの音楽帖
 1-6.組曲 ト長調/7-9.クリスマス組曲 第1 集/
 10-11.クリスマス組曲 第2 集/
 12-18.組曲 ニ短調/
 19-25.組曲 ト長調(スコルダトゥーラによる)/
 26-32.受難組曲 ト短調(スコルダトゥーラによる)/
 33-34.復活祭組曲/
 35-40.組曲 変ロ長調(スコルダトゥーラによる)
  ※世界初録音
アンサンブル・アルトデコー
<メンバー:
 カイ・ロッテルベリ(ヴォーカル)/
 オフィラ・ザカイ(テオルボ)/
 クラウス・アイヒホルン(オルガン)>/
ユリアーネ・ラーケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ/指揮)
 パリの国立図書館に収蔵されている小さな革表紙の本(棚番号1111)。これは17 世紀の珍しいヴィオラ・ダ・ガンバ(ライラ・ヴィオール)の独奏曲の写本です。270 ページに及ぶこの写本は、少なくとも8 つの異なる手に拠ってコンパイルされたもので、ほぼ完全なタブラチュア譜(文字や数字などで表示する記譜法)で表記され、様々なスコルダトゥーラ(変則調弦)も反映された、とても興味深いものなのです。
 これらは一般的にドイツ北部のブランデンブルク地域に由来するものと考えられ、当時高名なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者はこの地域を訪問し、これらを記したと考えられています。
 現代の名手ラーケはこの譜面を丹念に読み取り、素晴らしい音楽を紬ぎ出しています。作曲した人はわからずとも、生き生きとした音楽が根付いていたことに驚くことでしょう。
 


C5237
\2700→\2490
フランセ&プーランク:2 台のピアノのための協奏曲 他
 1-4.ジャン・フランセ(1912-1997):
  2 台のピアノのための協奏曲(1965)/
 5-10.フランシス・プーランク(1899-1963):
  管弦楽のための「模範的な動物たち」 FP111
  <夜明け/恋するライオン/中年男と2 人の愛人/
  死ときこり/2 羽の雄鶏/昼の食事>/
 11-13.プーランク:2 台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP61(1932)
モナ&リカ・バード(ピアノ)…1-4.11-13/
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団/
アリアンヌ・マティアク(指揮)
 2 台ピアノのための協奏曲を書くのはとても複雑な作業なのだそうです。確かに1 台のピアノだけでもオーケストラに匹敵する響きを紡ぎだすことはできるのですから。そんな雄弁なピアノを2 台、オーケストラと戦わせつつ協調させるというのは確かに至難の業であると言えるでしょう。
 プーランクの作品は1932 年に書かれたもので、モーツァルトを彷彿されるかと思えば、彼が触れたバリ島の音楽のエッセンスも封じ込められています。この曲を作曲者とともに、しばしば演奏していたのがジャン・フランセで、彼はこの魅力的な協奏曲に強く惹かれ、自身も同じ編成の作品を書いたのです。2 つの作品に共通するのはエスプリと古典への傾倒といえるでしょうか?バレエ音楽「模範的な動物たち」も遊び心に溢れた楽しい作品です。
 

C5238
\2700
ルートヴィヒ・トゥイレ:歌曲選集
 1.静かな街 Op.12-3/2.小さいもの Op.19-1/
 3.真夏の日 Op.19-2/4.ナイチンゲールさん Op.19-4/
 5.紡ぎ歌Op.19-5/6.乙女の歌 Op.15-1/
 7.若き魔女の歌 Op.15-3/8.嘆き Op.5-1/
 9.夏の朝 Op.5-2/10.雑音のように聞こえる Op.5-3/
 11.ハイムベックにて Op.7-7/12.わが天使は Op.36-1/
 13.最後の願い Op.36-2/14.来たれ、甘き眠りよOp.36-3/
 15.挨拶 Op.4-1/16.棄てられた Op.4-2/
 17.死は全てを無罪にする Op.32-1/
 18.太陽の季節 Op.24-1/19.紡ぐ人 Op.24-2/
 20.私は小さな花束を望む Op.24-3/
 21.至福の忘却 Op.26-3/22.沼地の牧歌 作品番号なし
レイラ・プフィスター(メゾ・ソプラノ)/
ハルトムート・ヘル(ピアノ)
 オーストリア出身のドイツの作曲家ルートヴィヒ・トゥイレ(1861-1907)。リヒャルト・シュトラウスやプフィッツナーと同世代であり、若い頃はお互いに強く影響しあったことでも知られています。
 このアルバムには彼の珍しい歌曲が収録されています。ここで使われている詩を見ると、その多くはリヒャルト・シュトラウスやツェムリンスキー、あるいはアルマ・マーラーの歌曲と同一のものであることに気がつきます。
 デーメルやビーアバウムの頽廃的な詩がどれほどまでに当時を席巻していたかに思い至るのです。また「子どもの不思議な角笛」関連の詩も見つけることができます。とは言え、曲調は他の作曲家に比べると幾分大人しく控えめなも の。この押しの弱さのせいで歴史に埋もれてしまったのかもしれません。
 

C5239
\2700
ドビュッシー、アデス、ラヴェル:弦楽四重奏曲集
 1-4.ドビュッシー(1862-1918):弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10(1893)/
 5-11.トーマス・アデス(1971-):アルカディアナ(1994)/
 12-15.モーリス・ラヴェル(1875-1937):弦楽四重奏曲 ヘ長調(1903)
シグナム弦楽四重奏団
<メンバー:
 ケルスティン・ディル(ヴァイオリン)/
 アネッテ・ヴァルザー(ヴァイオリン)/
 ザンティ・ファン・ダイク(ヴィオラ)/
 トーマス・シュミッツ(チェロ)>
 19世紀の終わり、ドビュッシーがそれまでの音楽における制約を振り切るようにして作曲した「弦楽四重奏曲」は、当時の聴衆に賛否両論を巻き起こしました。印象派の時代の幕開けを感じさせるこの作品には、その少し前に耳にしたガムランの響きや、様々な風景を喚起させる雰囲気が漂っています。
 またこの曲と良く対比されるラヴェルの弦楽四重奏曲は、ドビュッシーの影響を受けながらも、これを更に発展させ自由さを取り入れた統一感のある作品で、どちらも近代の弦楽四重奏を代表する名作です。
 シグナム弦楽四重奏団は、この2曲に現代作曲家のトーマス・アデスの作品を加え、音楽の伝統と革新について聴き手に強く訴えかけるのです。
 


C7178
(5CD)
\3100→\2890
クルト・ヴァイル:完全録音集 第1集
CD1.三文オペラ/
CD2.七つの大罪/マハゴニー市の興亡からソングシュピール/
CD3.リンドバーグの飛行/承諾者/CD4.5.歌劇「銀の湖」
ヴァルター・ラファイナー(バリトン)/
ヘーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)/
ドリス・ビエレット(ソプラノ)/
ディーター・エレンベック(テノール) 他/
コーニック・アンサンブル/
ケルン放送管弦楽団/
ローター・ツァグローセク(指揮)/
ヤン・レイサム=ケーニッヒ(指揮) 他
 CAPRICCIOレーベルにおける重要なプロジェクトの一つに「クルト・ヴァイル全作品の録音」というのがありました。第1次世界大戦後の新即物主義を代表する作曲家であるヴァイル(1900-1950)の音楽の多くは、風刺と皮肉に満たされており、なかなか完全に理解することは難しいのですが、とりあえずは、親しみ易いメロディに溢れた有名な「三文オペラ」から触れてみてはいかがでしょうか?
 クラシックの分野だけでなく、全ての人に愛されているこの物語、ジャズ風味も満載であり、聞きやすさ満点です。
 また「銀の湖」は伝統的な様式を踏まえた「メルヒェン・オペラ」で、音楽と対話がほぼ均等に振り分けられており、歌手たちは上手い演技も求められるのですが、結局ナチスに上演を禁止され、そのまま忘れられてしまったものです。
 このアルバムでは語りの部分もきっちり収録しています。さあ、この機会にヴァイルをまとめて楽しんでみませんか?第2集の発売も近日予定されています。
 


C7196
(4CD)
\3100→\2890
アルフレード・シュニトケ:映画音楽集
<CD1…C71041>
 1-6.無名の俳優の物語(1976 モスフィルム)/
 7-17.人民委員(1967/1987 モスフィルム)/
<CD2…C71061>
 1-5.道化師と子どもたち(1976 モスフィルム)/
 6-9.組曲「ワルツ」(1969 モスフィルム)/
 10-13.組曲「グラス・ハーモニカ」(1968)/
 14-16.組曲「上昇」(1976 モスフィルム)/
<CD3…C71127>
 1-10.放浪物語(1982/1983 モスフィルム)/
 11-16.リッキー・ティッキー・タヴィー(1976 ZentrNautschFilm)/
<CD4…C5002>
 1-6.スポーツ、スポーツ、スポーツ(1970 モスフィルム)/
 7-11.組曲「歯科医の冒険」(1965 モスフィルム)
ベルリン放送交響楽団/
フランク・シュトローベル(指揮&編曲)
 好きな人はすごく好きだけど、知らない人は全く知らないというシュニトケ(1934-1998)の映画音楽集。この4枚組は多彩なメロディの宝庫なのです。
 昨年、あるアルバムに収録された「古風な組曲」。こちらはバロック風な様式を取り込んだとても美しいもので、「シュニトケにこんな美しい作品があったとは!」と話題になったのですが、実はこの組曲はもともと「歯科医の冒険」組曲から改編されたものですし、「無名の俳優の物語」のアジタートはフィギュア・スケートでも使われたりしています。「スポーツ、スポーツ、スポーツ」でもあっと驚くような仕掛けがされていたりと、面白い曲ばかりなのです。
 あのショスタコーヴィチが映画音楽では見事に大衆に迎合した作品を書いていたように、シュニトケもステキな曲を書いていたのです。ぜひご一聴ください。
 

CD ACCORD


ACD-199
\2100
ムツィオ・クレメンティ:ピアノ作品集
 1-3.ピアノ・ソナタ 嬰へ短調 Op.25-5/
 4-6.ピアノ・ソナタ イ長調 Op.10-1/
 7-8.12のモントフェッリーナ Op.49より第3番,第12番/
 9.シレイラの春/10-12.狩り ニ長調 Op.16/
 13.グラドゥス・アド・パルナッスム Op.44 第83番:
  6つの小品による組曲 - 第2曲 モデラート/
 14.性格的な音楽 Op.19-クレメンティ風前奏曲 第1番/
 15-17.ピアノ・ソナタ 変ロ長調 Op.24-2
ピョートル・ケピンスキ(ピアノ)
録音 2013年8月15-17日 ポーランド,ブィドゴシュチュ ポメラニアン・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 イタリア、ローマに生まれ、イギリスで没したピアニスト、教師、作曲家クレメンティ(1752-1832)。それだけではなく楽器製造や出版もこなすなど幅広い活動を行いました。
 ベートーヴェンとも面識があり、数多くの弟子を持ち、コンサートピアニストとしても高く評価されました。
 現在では「グラドゥス・アド・パルナッスム」などのピアノ練習曲の作曲家として有名ですが、ソナタや小品などはモーツァルトを凌ぐ人気を誇っていたことは忘れてはなりません。流麗な演奏を聴かせるのは1974年生まれのケピンスキ。アメリカを始めとしたヨーロッパ全土、およびアジアでの演奏会では、聴衆を熱狂させています。
 

ACD-211
\2100
グジェゴシュ・ゲルヴァジ・ゴルチツキ:作品集 第2集
 1-6.ミサ曲 「天の高きより水を滴らせよ」II/
 7.残酷なヘロデ王/8.あなたの兵士の神/
 9.おとめの冠イエスよ/10.悲しいことに、彼らは使徒だった/
 11-14.葬儀のために雇われし/15-19.復活祭のミサ曲/
 20.あなたの強さで/21.神の摂理の連祷
アルドナ・バルトニク(ソプラノ)/
マシュー・ヴェナー(カウンターテナー)/
マシェイ・ゴスマン(テノール)/
トマシュ・クラル(バス)/
ヴロツラフ・バロック・アンサンブル/
アンジェイ・コセンジャク(指揮)
録音 2014年7月14-16日 ワルシャワ ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 第1集(ACD186)で静かな興奮を与えてくれたポーランドのバロック時代の作曲家、ゴルチツキ(1665?-1734)の宗教曲集第2集。カトリック教会の神父であり、「ポーランドのヘンデル」と称され、聖職者としても高名だった人です。
 第2集の冒頭に置かれたミサ曲「「天の高きより水を滴らせよ」は、第1集の同名曲とは別ヴァージョンのもので、こちらも静かな祈りと深い情熱を湛えた美しい作品です。その他の曲も淡々と言葉を紡いで行くような、清冽な音楽です。
 

ACD-213
(2CD)
\2700
民謡の愛
<CD1>
 1-5.カジミエシュ・セロツキ(1922-1981):真夏の夜の歌/
 6-10.ロムアルト・トファルドフスキ(1930-):ヴァルミア/
 11-14.アンジェイ・コゼウスキ(1922頃-):カスズビ組曲/
 15-18.タデウシュ・シェリゴフスキ(1896-1963):ルブリン地方の4つの祝婚歌/
 19-23.ヘンリク・グレツキ(1933-2010):5つのクルピアの歌 Op.75/
<CD2>
 1-3.ユリウシュ・ウーチュク(1927-):3人の老婆/
 4.ボレスワフ・ヴァレク=ヴァレフスキ(1885-1944):
  ポドハーレから高地の歌の組曲/
 5-7.アンジェイ・コゼウスキ:ポーランド三部作/
 8-10.カジミエシュ・セロツキ:3つの小さな歌/
 11-17.スタニスラフ・ヴィエホヴィツ(1893-1963):10のシレジアの歌(抜粋)/
 18-19.ヤン・クレンツ(1926-):2つの小さな歌
ナショナル・フォーラム・オブ・ミュージック合唱団/
アグニエスカ・フランコウ・ゼラツニー(指揮)
録音 2014年3月13-14日.7月9-11日 ヴロツワフ放送 カツマレク・コンサート・ホール,ヴィトルト・ルトスワフスキ・フィルハーモニック・コンサート・ホール
 ポーランドでは知らない人がいないという、音楽学者オスカール・コルベルク(1814-1890)の生誕200年を記念して制作されたこのアルバム。
 民謡の採取、そして民俗文化を研究したコルベルクは、19世紀ポーランドにおける国家のアイテンティティを支える象徴であったのです。この2枚組は、そんな彼が研究した民俗学に触発された20世紀の作曲家たちによる作品集で、どれも民謡を効果的に用いた楽しいものです。
 

CPO

777739
(2CD)
\5400
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「せんさく好きな女たち」3幕
 カルロ・ゴルドーニ原作、
 ヘルマン・タイブラーによるドイツ語訳
ユルゲン・リン(バス・バリトン)/
アグネーテ・ラスムッセン(ソプラノ)/
ペーター・シェーン(バリトン)/
カイ・スティーフェルマン(バリトン)/
カトリーン・ゲーリング(メゾ・ソプラノ)/
ミュンヘン放送管弦楽団/
ウルフ・シルマー(指揮)
 現在では「マドンナの宝石」間奏曲のみが知られるイタリアの歌劇作曲家ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)。彼の作品の多くはゴルドーニの戯曲を基にした喜歌劇であり、それらの作品は面白いことに、イタリアではあまり人気が出ず、ドイツで初演した方が成功したのでした。この「せんさく好きな女たち」もそんな作品で、18世紀のヴェネツィアを舞台に、2人の妻がクラブでの夫の謎の行動をチェックするという物語です。
 軽妙な物語を重厚なワーグナー風の音楽が彩るという、確かに当時のドイツで受けそうな風情を有しています。普段は序曲のみが演奏されるこの作品、ウルフ・シルマーの流麗な指揮でお楽しみください。
 またcpoではヴォルフ=フェラーリの管弦楽作品もリリースしています(777567)。こちらも潤沢なメロディが溢れています。
 

777723
\2700→\2490
ヘンドリク・アンドリーセン:交響的作品集 第3集
 1.交響曲 第3番/2.協奏交響曲/3.性格的な序曲
オランダ交響楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 オランダの作曲家、オルガン奏者アンドリーセン(1892-1981)。彼はオランダのカトリック典礼音楽を一新したことで知られます。彼の作品は宗教曲以外にも多岐に渡り、どれもが重厚な響きで満たされた見事なものです。
 1946年10月26日にアンドリーセン自身の指揮するコンセルトヘボウ管で初演された「交響曲第3番」はエネルギッシュな願望で満たされた緻密な音楽です。とりわけ終楽章の輝かしいフーガは複雑な書法を駆使した極めてシンフォニックな音楽であり、戦時下の不安な思いも反映された複雑な内面を有しています。



ヘンドリク・アンドリーセン:交響的作品集第1&2集

777721
\2700→\2490
ヘンドリク・アンドリーセン:交響的作品集第1集
 1.交響曲第1番/2.バレエ組曲/
 3.管弦楽のための交響的練習曲/
 4.クーラウ・ヴァリエーション
オランダ交響楽団/
デイヴィッド・ポルセライン(指揮)
 ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981)はオランダの作曲家、オルガン奏者です。即興演奏の巧みさで知られ、オランダのカトリック典礼音楽を一新した人でもあります。しかし、実はとても多彩な作曲家であり、その作品もオルガン曲だけに留まらず、ここで聴ける交響曲や管弦楽曲など注目すべきものが数多くあります。
 交響曲第1番は1930年10月1日にエドゥアルト・ファン・ベイヌム指揮のハールレム管弦楽団によって初演され、その2年後にはアンドリーセン自身が同じオーケストラを指揮して演奏するなど注目を浴びた作品です。緻密な構成と調和のとれたメロディに才能の閃きが感じられます。

777722
\2700→\2490
ヘンドリク・アンドリーセン:交響的作品集 第2集
 1.交響曲 第2番/2.リチェルカーレ/
 3.マスケラータ/
 4.「ヴィルヘルムス・ファン・ナッソウエ」よりラプソディ
オランダ交響楽団/
ダーヴィッド・ポルセライン(指揮)
 オランダの作曲家、オルガン奏者ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981)。同じくcpoからリリースされた第1集(777721)に収録された曲の風情でもわかる通り、ロマン派と前衛の折衷とも言える聴きやすい音楽を書く人です。ユトレヒト大聖堂のオルガニストとしても知られ、ここでは素晴らしい即興演奏を行ったという記録が残っています。ここに収録された曲のうち、交響曲第2番は1938年、コンセルトヘボウ管の創立50周年の記念に書かれたもので、オーケストラとその指揮者エドゥアルト・ファン・ベイヌムに捧げられています。複雑な楽想を持ち、極めて現実的な音楽です。他の作品はもう少し様々な作風で、「ヴィルヘルムス・ファン・ナッソウエ」というのは1932年に正式にオランダの国歌に認定されたメロディです。

 
777944
\2700
ゴットルフ宮殿の音楽集 第3集 ゲオルク・エスターライヒ:詩篇集とカンタータ集
 1.主が基をすえられた(詩篇87番)/
 2.主イエス・キリスト、まことの人にして神よ(コラールカンタータ)/
 3.主が私の主に言った(詩篇110番)/
 4.正しき人の魂は神の御手のうちにあり(葬送のためのカンタータ)/
 5.イエスはそこを去り(マタイ伝よりエヴァンゲリストのカンタータ)
ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
 現シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州に存在したホルシュタイン公国は、16世紀から18世紀にかけて、デンマークの王家の分家であったホルシュタイン=ゴットルフ家が世襲制で統治していました。
 このゴットルフ城は建造物としても重要ですが、ここには数多くの文化人、音楽家たちが集まり、独自の文化を形成していたことも忘れてはなりません。
 このアルバムは、そんな音楽家の一人であるエスターライヒ(1664-1735)の声楽曲集です。エスターライヒはベルリン国立図書館が所蔵する17世紀から18世紀の最も重要な音楽コレクション「ボークマイヤー」の創始者とみなされ、また彼の70曲ほどある教会カンタータも、当時盛んに演奏されました。
 彼は1869年から1702年にゴットルフ宮殿に仕えていたのですが、当時の公国はとても政治的に不安定であり、結局のところ楽団は解散を余儀なくされてしまいました。
 しかしゴットルフ城に保存してあった彼の作品は、どれも失われることもなく、きちんと保存されており、現在このように彼の音楽を再現することが可能です。バッハにも匹敵する端正なカンタータを、ブレーメン・ヴェゼル=ルネサンスとコルデスの演奏で。
 

777952
\2700→\2490
ファッシュ、現存するわずかな作品
 ヨハン・フリードリヒ・ファッシュ:オーヴァチュア・シンフォニー集

  1.オーヴァチュア・シンフォニー ニ長調 FWV K: D2
   (3本のD管トランペット、ティンパニ、2台のD管ホルン、
    2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音のための)/
  2.オーヴァチュア・シンフォニー ト長調 FWV K: G21
   (2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音のための)/
  3.オーヴァチュア・シンフォニー ヘ長調 FWV K: F4
   (2台のF管ホルン、2本のオーボエ、ファゴット、
    弦楽と通奏低音のための…世界初録音)/
  4.オーヴァチュア・シンフォニー ト長調 FWV K: G5
   (2台のG管ホルン、2台のD管ホルン、
    3本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音のための…世界初録音)/
  5.オーヴァチュア・シンフォニー ニ長調 FWV K: D1
   (3本のD管トランペット、ティンパニ、2台のD管ホルン、
    2本のオーボエもしくはフルート、ファゴット、
    弦楽と通奏低音のための…世界初録音)
レサミ・ド・フィリッペ/
ルドガー・レミー(指揮)
 ドイツ、ブッテルシュテット出身のドイツ後期バロック時代の作曲家ファッシュ(1688-1758)。彼は幼い頃から音楽家として活躍し、1714年にバイロイトの宮廷楽団にヴァイオリン奏者として入団、その後少しずつ活躍の場を広げ、1722年にツェルプストの宮廷楽長に就任し、亡くなるまでその地位にあった人です。
 彼はライプツィヒ時代から多くの音楽家たちと交流を持っていて、また彼の賛同者も多くいましたが、その作品は存命中には全く出版されることなく、いくつかの歌劇はそのまま散逸してしまいました。
 そんなファッシュの現存するわずかな作品のうち、この「オーヴァチュア・シンフォニー」はとりわけ素晴らしいもので、フランスの序曲=オーヴァチュアの形式と、イタリアのシンフォニアの形式を融合された、当時、革新的な様式を持つ作品であったのです。もちろん流麗で美しいこれらの曲は、今聞いても心から魅了されること間違いありません。ルドガー・レミーとレサミ・ド・フィリッペの闊達な演奏でお楽しみください。
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777967
(2CD)
\4200→\3790
ルートヴィヒ・トゥイレ(テュイユ):室内楽作品集
<CD1>
 1.チェロ・ソナタ Op.22/
 2.ピアノ三重奏曲 作品番号なし/
<CD2>
 1.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.1/
 2.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ホ短調 Op.30
マルク・ゴトーニ(ヴァイオリン)/
ウルリヒ・アイヒェナウアー(ヴィオラ)/
ペーター・ヘル(チェロ)/
フランク=インモ・ツィヒナー(ピアノ)

 リヒャルト・シュトラウスの友人として知られるドイツの作曲家トゥイレ(1861-1907)。最近、彼の作品の評価も高まりつつあるようです。
 彼の作品のほとんどは室内楽曲であり、そのどれもが地味ながら美しい味わいを有しています。作風は幾分保守的であり、それが却って聴き手の耳を捉えることとなっています。
 この2枚組でも、そんなトゥイレの魅力に溢れた作品を楽しむことができます。ベートーヴェンの流れを汲んだチェロ・ソナタと美しいピアノ三重奏曲(かなりリヒャルト・シュトラウスの面影がある)、1880年に書かれた古典的な佇まいを持つヴァイオリン・ソナタ第1番と、1904年に出版された、少しだけ先鋭的な響きもあるヴァイオリン・ソナタ第2番。
 この2曲からは確実に時代の変遷が感じられます。聴けば聴くほどに味わいの深まる音楽といえるでしょう。




 ルートヴィヒ・ヴィルヘルム・アンドレアス・マリア・トゥイレ(Ludwig Wilhelm Andreas Maria Thuille, 1861年 -1907年)はオーストリア出身のドイツの音楽教育家・作曲家。
 テュイレの表記もあるが、本来はフランス系のユグノーの家系でテュイユと読む。
 ブラウンフェルスやシリングスらと共に、若き日のR.シュトラウスやプフィッツナーもその一員とされた「ミュンヘン楽派」の代表者とされる。

 幼児期に両親を喪い、おじを頼ってオーストリアに出る。インスブルックで学問を修め、1877年に終世の友リヒャルト・シュトラウスと知り合う。
 その後ミュンヘンでヨーゼフ・ラインベルガーらに作曲を師事。その後ミュンヘン音楽アカデミーの楽理科ならびに作曲科の教授に就任し、数多くの門弟を育成した。

 トゥイレは室内楽に献身した多作な作曲家であり、こんにちではピアノと管楽器のための《六重奏曲》作品6(1886〜1888年)や《チェロ・ソナタ》作品22の作曲家として辛うじて知られているにすぎないが、《交響曲ヘ長調》や《ピアノ協奏曲》のような大作のほか、数々のリートや、3つの歌劇も作曲している。
 このうち最初の《トイアーダンク Theuerdank[2]》(1897年完成)は、1897年に、バイエルン王国摂政主催の歌劇作曲コンクールにおいて、ツェムリンスキー作曲の《ザレマ》を抑えて首席に輝いた。



テュイレじゃない。トゥイレでもない。ましてやトイレでは絶対ない。
できればこれからはカッコよく
テュイユと呼びたい。

 その作風は保守的だがなかなか知的でエキゾチック。
3つのアルバムもどうぞ。

 

THUILLE, L.: Violin and Piano Works (Complete) (Rogliano, G. Luisi)
NAXOS
8.572870
\1100
テュイユ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ホ短調 Op.30/
 4-7.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.1/
 8.アレグロ・ジュスト Op.39
マルコ・ロリャーノ(ヴァイオリン)/
ジャンルカ・ルイージ(ピアノ)
録音 2011年9月19-21日 イタリア オシモ、テアトロ・ラ・ヌオヴァ・フェニーチェ
 オーストリア出身のドイツの作曲家テュイレ(1861-1907 トゥイレとも)のヴァイオリン・ソナタを中心とした1枚です。1880年に作曲された第1番のソナタは、彼の師であったラインベルガーに捧げられた作品ですが、暗さの中に溢れるような情熱の発露が素晴らしく、とりわけ第1楽章のメロディの動きは、おそらく後のR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタに大きな影響を与えているのではと推測したくなるような素晴らしさです。テュイレとR.シュトラウスは親友同士でしたが、現在ではどうしてもテュイレの存在は影に隠れてしまいがち。しかしこのヴァイオリン・ソナタを聴く限りでは、甲乙付けがたい才能を有していたことは間違いないでしょう。1904年に出版された第2番は、フランスのヴァイオリニスト、アンリ・マルトーに捧げられたもので、一層自由な表現力を備えた力作です。
 なお、本当のところは「テュイレ」も「トゥイレ」も呼び方としては間違いで、フランス風の「テュイユ」と読むのが正しいのだそうです。

TELOS
TLS 132
\2300→\2090
ルートヴィヒ・テュイユ:ピアノ作品全集
 3つの小品 Op.3/3つの小品 Op.33/
 3つの小品 Op.34/2つの小品 Op.37
ウルリッヒ・ウルバン(ピアノ)
「ミュンヘン楽派」の一員に数えられたこともあるトゥイレのピアノ小品集

録音:2011 年、Telos スタジオ

 オーストリアの作曲家、ルートヴィヒ・トゥイレ。その名は多くは知られていませんが、「ミュンヘン楽派」の一員に数えられたこともあります。交響曲ヘ長調、ピアノ協奏曲、チェロ・ソナタなどは知られていますが、その他の作品はそう多くは知られていません。ここに収録されているのは、ピアノの作品全集です。
 いずれも小品集で初期の作品Op.3 と作品番号30 以降の晩年の作品から成ります。いずれもシンプルながらロマンティックなメロディが印象的です。演奏はドイツのウルリッヒ・ウルバン。バロックから現代までを弾き、多くのCD をリリースしており、誠実な演奏には定評があります。
CHAMPS HILL RECORDS
CHRCD 077
\2500→\2290
テュイユ弦楽四重奏曲集
 弦楽四重奏曲第1番イ長調
 四重奏断章
 弦楽四重奏曲第2番ト長調
アレグリ弦楽四重奏団
 〔オフェル・ファルク(第1ヴァイオリン)、
  ラファエル・トーデス(第2ヴァイオリン)、
  ドロテア・フォーゲル(ヴィオラ)、
  ヴァネッサ・ルーカス=スミス(チェロ)〕
 南チロル地方のボルツァーノ出身でドイツで活躍した19世紀の作曲家ルートヴィヒ・トゥイレ(1861−1907)。
 現在ではピアノと木管五重奏のための「六重奏曲」の作曲者としてその名を残すトゥイレの「弦楽四重奏曲」は、知られざる後期ロマン派の秀作である。
 結成60周年を迎えたアレグリ弦楽四重奏団の充実の演奏が、トゥイレの旋律美を際立たせている。

 2012年5月の録音。


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777925
(2SACD-Hybrid)
\5400→\4990
また才能ある若手を見つけた。
 GENUINで思わぬ名演を聴かせてくれていた新鋭
  ガウデンツ(指揮)&オーデンセ交響楽団
   ロベルト・シューマン:交響曲集

<Disc1>
 1.交響曲 第1番 変ロ長調「春」 Op.38/
 2.交響曲 第4番 ニ短調 Op.120/
<Disc2>
 1.交響曲 第2番 ハ長調 Op.61/
 2.交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」Op.97
オーデンセ交響楽団/
サイモン(ジモン)・ガウデンツ(指揮)

 デンマークから届いた眩しい輝きに満ちたシューマン(1810-1856)の交響曲集です。
 若きスイスの指揮者サイモン(ジモン/シモン)・ガウテンツによる斬新なアプローチによるこれらの交響曲は、これまでに演奏されたものとは一線を隠した出来栄えであり、SACDのハイスペックを生かした高音質は、シューマンの繊細な世界をきっちり捉えています。


サイモン・ガウデンツ:
 彼の祖母から最初のピアノのレッスンを受け、ルツェルン音楽大学ではクラリネットを学びました。その後グラーツ、フライブルク、ザルツブルクで作曲と指揮を学び、レオン・フライシャー、クルト・マズア、デニス・ラッセル・デイヴィスらの薫陶を受けています。
 ロジェストヴェンスキー国際指揮者コンクールで一位を獲得したのを皮切りに、数多くの賞や奨学金を獲得、また多くのオーケストラに客演を行っています。
 現在はハンブルク室内管弦楽団と、オーデンセ交響楽団の首席客演指揮者を務める期待の俊英です。




ガウデンツ、クラリネットを学んでいたか・・・
前作のGENUIN盤。なかなかよかったんです。


GENUIN
GEN 10165
\2300→\2090
 (1)モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
 (2)シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.458
シモン・ガウデンツ(指揮)
コレギウム・ムジクム・バーゼル
(1)カリン・ドルンブッシュ(Cl)
 ガウデンツ、クラリネットを学んでいたか・・・
 モーツァルトの協奏曲ではクラリネットの歌わせ方がとても自発的で粋な指揮者だと思った(聴いて終わった後、久しぶりに「クラリネットを聴いた〜!」と思うことでしょう)。
 そして後半のシューベルトでもやはり木管楽器がとてもきれいで(浮き上がってくるんです)、全体を支えるかのような役目を果たす。そのバランスが奇異ではなくて斬新。
 今回のシューマンの全集も楽しみ。

 
777718
(2SACD-Hybrid)
\6200
マックス・レーガー:オルガン作品集 第2集
<Disc1>
 1.コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」Op.40-1/
 2.9つの小品 Op.129/3.幻想曲とフーガ Op.135b/
<Disc2>
 1.コラール幻想曲「われらが神はかたき砦」Op.27/
 2.コラール前奏曲「われらが神はかたき砦」Op.135a-5/
 3.コラール前奏曲「われらが神はかたき砦」Op.79b-2/
 4.コラール前奏曲「われらが神はかたき砦」Op.67-6/
 5.コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」Op.30/
 6.コラール前奏曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」Op.135a-9/
 7.コラール前奏曲「汝が怒りもてわれを罰したもうな」Op.67-37/
 8.コラール幻想曲「汝が怒りもてわれを罰したもうな」Op.40-2
ゲルハルト・ヴァインベルガー(オルガン)
<使用オルガン
 Dom zu Verden a.d. Aller:
  P.フルトヴェングラー&
  ハンマー・オルガン「Dom zu Verden a.d. Aller」(1916)…CD1,
Eglise Saint Martin Dudelange,
Luxemburg:
 ゲオルク・シュタールフット・オルガン(1912)…CD2>
 2016年の「レーガー没後100年」を記念して、様々なレーベルからレーガー(1837-1916)のオルガン作品全集が企画進行されています。もちろんcpoレーベルからも素晴らしい録音が発売され始めています。
 ここでオルガンを演奏しているのは、すでにバッハのオルガン全集で高い評価を受けているゲルハルト・ヴァインベルガー。バッハの流れを汲むレーガー作品の演奏には、これ以上ない人選であることは間違いありません。
 レーガー作品の持つ微妙な響きを表現するために、使用オルガンにも気を配っているというこの全集、少しずつ楽しみながら、全貌が明らかにされるのを待つことにしましょう。
 
777698
\2700
フェルディナンド・パエール:
 独唱、合唱と管弦楽のためのオラトリオ
  「イエス・キリストの受難」(パルマ、1810年)
ヴァレンティナ・コラドナート(ソプラノ)/
ヴァレンティナ・クツァローヴァ(メゾ・ソプラノ)/
エネア・スカラ(テノール)/
アルヴァーロ・ラツァルノ(バス)/
ラ・スタジオーネ・アルモニカ(合唱)/
オルケストラ・ディ・パドルヴァ・エ・デル・ヴェネト/
セルジオ・バレストラッチ(指揮)
 イタリア、パルマ出身の作曲家パエール(1771-1839)は、16歳のときに最初のオペラを出版したほどの早熟な天才で、いくつかのオペラの成功により、その名はイタリア全土に知れ渡ります。ドレスデン宮廷劇場の専属作曲家や、ルイ18世の宮廷作曲家などを務めますが、ロッシーニの台頭とともに、少しずつ忘れられてしまいました。若きフランツ・リストを指導したことでも知られています。
 そんな彼が作曲したこの「イエス・キリストの受難」は、当時人気を博していたメスタージオのテキストを用いたもので、劇的な場面と静謐な場面のコントラストが美しい、優れた作品となっています。この演奏は世界初録音となります。
 


777916
\2700→\2490
ドーラ・ペヤチェヴィチ:管弦楽作品と管弦楽伴奏付きの歌曲集
 1.序曲 ニ短調 Op.49/
 2-4.管弦楽伴奏付きの歌曲
  <変身 Op.37/愛の歌 Op.39/2羽の蝶の歌 Op.52>/
 5.ピアノ協奏曲 ト短調 Op.33
インゲボルク・ダンツ(アルト)/
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)/
フランクフルト・ブランデンブルク州立オーケストラ/
ハワード・グリフィス(指揮)
 クロアチアの女性作曲家ドーラ・ペヤチェヴィチ(1885-1923)。最近、少しずつ認知度が高まり、cpoレーベルをはじめとした何枚かのアルバムが相次いでリリースされています。今回のアルバムでは、彼女の作品の中でも比較的良く知られている「ピアノ協奏曲」を中心に、「序曲」と管弦楽伴奏付きの歌曲を聴くことができます。
 彼女が28歳の時に書いた最初の管弦楽曲であるピアノ協奏曲は、ロマンティックな独奏楽器のための協奏曲の伝統に則りながらも、精緻な管弦楽法が用いられたドラマティックな作品で、力強いモティーフが魅力的な作品となっています。
 彼女の作品には、極めて高い意志力が感じられ、またとても表情豊かな旋律が息づいています。また彼女の最後の管弦楽作品である「序曲 ニ短調」は熟成された作風を持つ個性豊かな作品です。更に再評価が進むことを願ってやみません。
 


777875
\2700→\2490
ウラディーミル・ミハイロヴィチ・ユロフスキ:管弦楽作品集
 1.交響曲 第5番 Op.79/2.交響的絵画「ロシアの画家」
ノールショピング交響楽団/
ミハイル・ユロフスキ(指揮)
 現在、ロシア国立交響楽団の芸術監督を始めとして、世界中で活躍している指揮者ユロフスキ。彼はロシアでも有数の音楽家一家の出身であることは良く知られています。
 このアルバムに収録されているのは、彼の祖父の作品であり、指揮をしているのは父親です。
 祖父ウラディーミル・ミハイロヴィチ(1915-1972)はショスタコーヴィチやカバレフスキの少し後の世代の作曲家であり、やはりミャスコフスキーから作曲を学んでいます。1938年以降、独立した作曲家として活動し、幅広いジャンルの作品を書いています。表現的で壮大な作品は時にメロディアスであり、また少しだけシニカルです。
 最近復興が進むヴァインベルクと同じくらい興味深い作曲家であり、こちらももっと聴かれてもよいでしょう。
 

777164
\2100→\1890
ニルス.W.ゲーゼ:室内楽作品集 第1集
 1.弦楽六重奏曲 変ホ長調 Op.44/
 2.弦楽六重奏曲 Op.44-第1楽章の初稿版/
 3.ピアノ三重奏曲 ヘ長調 Op.42
アンサンブル・ミッドヴェスト
 デンマークのみならず、北欧音楽全体の近代化に貢献したことで知られるニルス・ゲーゼ(1817-1890)。作曲家として活動を始めた頃は作品番号第1番の「オシアンの余韻」こそ、コペンハーゲン音楽協会のコンクールで第1位を獲得するも、他の曲はデンマーク国内では全く認められず、思い余って交響曲第1番のスコアをメンデルスゾーンに送ったところ、非常に気に入られ、1843年にライプツィヒで初演してもらえたというユニークな経歴を持っています。
 そのままライプツィヒに逗留したゲーゼはメンデルスゾーンだけでなく、シューマンとも交流を結び、ドイツ系の作風を身につけた上で改めてデンマークに戻り、その後はこの国の音楽の発展に寄与したのです。
 彼の多数ある作品の中では室内楽が占める割合が大きく、そのどれもが個性的で、後進の作曲家たちにも大きな影響を与えました。ここではcpoの名アンサンブル、ミッドヴェストが流麗な演奏を繰り広げています。
 
777865
\2100
クリスティアン・エルンスト・グラーフ:5つの弦楽四重奏曲
 1.弦楽四重奏曲 Op.17-1/2.弦楽四重奏曲 Op.17-3/
 3.弦楽四重奏曲 Op.17-4/4.弦楽四重奏曲 Wo04/
 5.弦楽四重奏曲 Wo06
ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団
 オランダ、ハーグで長く宮廷楽長を務めたドイツ出身の作曲家グラーフ(1723-1804)。父がヴァイオリニスト、音楽教師であり、他にも多数の音楽家を輩出した家に生まれ、早期の音楽教育を受けたことはわかっていますが、詳しい生涯はあまりわかっていません。ただモーツァルトとは面識があり、1765年にハーグを訪れたモーツァルトの演奏会でグラーフが指揮を務め、その翌年、モーツァルトふぁグラーフの主題を用いた変奏曲を出版するなど、交流が伝えられています。彼の生きた時代はバロックから古典派への移行期間であり、音楽の作風も用途も変化していました。グラーフの弦楽四重奏曲は、貴族たちだけの楽しみではなく、一般のアマチュアや音楽愛好家たちも演奏できるように、比較的易しく書かれています。もちろん遊び心も盛り込んだ、なかなかオシャレな曲でもあります。ここではピリオド楽器を用いたヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団の洒脱な演奏でお楽しみください。
 
777948
\2700
エルネスト・カヴァッリーニ:クラリネットと管弦楽のための作品集
 1.クラリネット協奏曲 第1番/2.クラリネット協奏曲 第2番/
 3.ベッリーニの夢遊病の女のモティーフによる幻想曲/
 3.ロシアのロマンス「Oh! Dites」による3つの変奏曲
ジュゼッペ・ポルゴ(クラリネット)/
ロストック北ドイツフィルハーモニー/
ヨハネス・メーズス(指揮)
 「クラリネットのパガニーニ」と称されるイタリアのクラリネット奏者カヴァッリーニ(1807-1874)の作品集です。ミラノで生まれ、9歳の時にミラノ音楽院でカルッリに師事、瞬く間に才能を開花されたカヴァリーニ。彼は1824年に卒業後、スカラ座の第1クラリネット奏者に任命され、また各地で演奏旅行を行うなど、ヨーロッパ中にその名声を広めていきました。
 その後、演奏旅行で訪れたロシアで皇帝に気に入られ、マリインスキー劇場の第1クラリネット奏者に就任します。この時期に上演されたベルディの「運命の力」において、彼の演奏に感銘した作曲家が、第3幕のオープニングに美しいクラリネットのソロ・パートを付け加えたというエピソードもあるほどです。
 ここで聞けるのは彼の書いた2つのクラリネット協奏曲と、当時流行していたオペラのメロディを用いた幻想曲、そしてロシアで想起された変奏曲です。クラリネットの名手が書いた、本当に美しいクラリネットのための名曲です。
 

DACAPO


6.220596
(SACD-Hybrid)
\2300
フリードリッヒ・クーラウ:ピアノ四重奏曲 第1番&第2番
 1-3.ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.32(1820-1821)/
 4-7.ピアノ四重奏曲 第2番 イ長調 Op.50(1831-1832)
コペンハーゲン・ピアノ四重奏団
録音 2013年12月4.5.7-8日…1, 2014年6月5-7.9日…2 コペンハーゲン,デンマーク王立音楽大学
 現在では「ソナチネ・アルバム」に収録された愛らしいピアノ曲で良く知られる作曲家クーラウ(1786-1832)。彼はもともとドイツで生まれましたが、後にコペンハーゲンに移住したことで、デンマークでとりわけ愛されている人です。
 フルート作品やピアノ曲など数多くの作品を残しましたが、ここで聴けるピアノ四重奏曲には、まさに天才の閃きと感性が溢れています。第1番はベートーヴェンも愛した劇的なハ短調で書かれていて、緊密なアンサンブルと煌くようなピアノのパッセージが印象的な作品となっています。
 終楽章は「悲愴」を思わせる曲調が微笑ましく、ベートーヴェンの影響も感じさせます。
 第2番は牧歌的でゆったりとした第1楽章の美しさにまず耳を奪われます。緊張感に満ちた第2楽章のアダージョ、そして活発な第3楽章。終楽章はすでにシューベルトを思わせるようなロマンティックな音楽です。ここでもピアノが活躍します。
 演奏しているのはコペンハーゲン・ピアノ四重奏団。数々のコンクールに入賞経験のある実力派のアンサンブルです。
 

8.224724
\2100
マーティン・ルッツ:あなたの唇には時々魔力が宿る
 1-17.スターバト・マーテル(2007)/
 18-19.2つのマリアのモテット(1998)/
 20.Hoc est corpus, hokus pokus(2013)/
 21.あなたの唇には時々魔力が宿る(2000)/
 23-24.2つの愛の歌(1999)
ディッテ・ヘイグナール・アンデルセン(ソプラノ)/
ボー・クリスティアン・イェンセン(テノール)/
マティアス・ロイメルト(ヴァイブラホン)/
メッテ・テルマンセン(オーボエ)/
アダム・スタンドニッキ(チェロ)/
ザビーネ・ヴァインシェンク(ファゴット)/
コペンハーゲン・室内合唱団CAMERATA/
マルティン・ナガシマ・トフト(指揮)
録音 2013年4月6.7.21日 イサイアス教会
 作曲家マーティン・ルッツ(1974-)は基本的にジャズ・ピアニストとして知られている人ですが、この合唱作品では全く違った側面を見せています。ここで聞けるのは神への静かな愛であり、とてもロマンティックな音楽です。たとえ現代に書かれた作品であるからと言って、どれもが難解であるわけではありません。
 例えばこのルッツのスターバト・マーテルも、編成はソプラノとテノール、混声合唱とオーボエ、チェロ、ヴァイブラホン!という変則的なものですが、ここで聴くことのできる音楽はひたすら美しいものです。調性感をぎりぎりまで守りながら、複雑な和声を駆使した神秘的な音楽で、時には彼が得意とするスウィングするリズムも現れます。もちろん完璧にコントロールされたアンサンブルでないと、この絶妙な響きは表現できないでしょう。聴けば聴くほどに深みの増すような作品群です。
 

DIVINE ARTS


DDA-25126
\2400
カンティレーナ II
 1-4.シャルル・マリア=ウィドール(1844-1937):
  フルートとピアノのための組曲 Op.34/
 5.セシル・シャミナード(1857-1944):コンチェルティーノ Op.107/
 6.アンリ・デュティユー(1916-2013):
  フルートとピアノのためのソナチネ/
 7-9.オタール・タクタキシヴィリ(1924-1989):
  フルートとピアノのためのソナタ/10-13.アストル・ピアソラ(1921-1992):タンゴの歴史
オディン・バルディヴィソン(フルート)/
パトリシア・ロメロ(ピアノ)
録音 2014年4月9-10日 UK クロイドン トリニティ・スクール・コンサートホール
 DIVERSIONSレーベルにて第1集(DDV24137)をリリースしているバルディヴィソンとロメロのデュオ「カンティレーナ」による、同じくコンセプトアルバム「カンティレーナ II」。
 前作はバッハ、サン=サーンス、プーランク、ボルヌ、プロコフィエフという選曲でしたが、第2集もなかなか冒険的なもの。オルガン曲で知られるウィドール、フランスの女性作曲家シャミナード、そして現代作曲家ディティユー。グルジアの知られざる作曲家タクタキシヴィリと、様々な味わいを持つフルート・ソナタを経て、最後に置かれたピアソラの「タンゴの「歴史」と、なんとも考え抜かれた局が並びます。
 レイキャビクでデビューしたバルディヴィソンと、ラヴェル弾きとして知られるロメロの2人の紡ぎ出す音に魅了されます。
 

DDA-25128
\2400
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲集
 1-3.ピアノ協奏曲 ニ短調 BWV1052/
 4-6.ピアノ協奏曲 ニ長調 BWV1054/
 7-9.ピアノ協奏曲 ヘ短調 BWV1056/
 10-12.ピアノ協奏曲 ト短調 BWV1058
ルチア・ミカレフ(ピアノ)/
ヨーロッパ連合室内管弦楽団/
ブライアン・シェンブリ(指揮)
録音 2014年4月28-29日 ロンドン 聖ジョン・スミス・スクエア
 J.S.バッハ(1685-1750)の8曲ある独奏チェンバロの協奏曲(そのうち1曲は断片のみ)は、彼のライプツィヒ時代の名作として知られています。
 どれも、恐らく彼自身が演奏するために作曲されたと推測され、これらはチェンバロの特性がいかんなく発揮された精巧な曲となっています。
 とは言え、これらをモダンのピアノで演奏することは、オーケストラとのバランスも含め、現代ではごく当たり前のこととなっており、また違った表現が可能であることは間違いありません。
 このアルバムでピアノを弾いているのはマルタ共和国のピアニスト、ルチア・ミカレフ。彼女は現在マルタ共和国の大統領の後援で開催されている「Three Palaces Festival」の音楽監督を務めるなど、国内外で賞賛されているピアニストです。
 

DYNAMIC



CDS-7717
\2100→\1890
20世紀の女性作曲家たち
 1-3.レベッカ・クラーク(1886-1979):ピアノ三重奏曲(1921)/
 4.リリ・ブーランジェ(1893-1918):(1918)/
 5.ブーランジェ:春の朝に(1918)/
 6-8.エイミー・ビーチ(1867-1944):ピアノ三重奏曲 Op.150(1938)/
   9.歌とピアノ三重奏のための「6月」Op.51-3(1903)/
  10.歌とピアノ三重奏のための「幻影」Op.100-1/
  11.歌とピアノ三重奏のための「ステラ・ヴェアトリス」Op.100-2/
  12.歌とチェロ、ピアノのための「愛の歌」Op.21-1
トリオ・デ・アルプ
<メンバー:
ミリアム・チョップ(ヴァイオリン)/
クロード・ハウリ(チェロ)/
コッラード・グレコ(ピアノ)>/
ロルナ・ウィンドソー(ソプラノ)
録音 2014年3月24-26日 ラジオスタジオ
 このアルバムに収録された3人の女性作曲家たち。19世紀台における女性の地位は、現在では考えられないほどに規律にしばられていて、どれほど才能がある女性でも社会で自由に活躍することは、とても困難であったことは間違いありません。
 イギリスの作曲家レベッカ・クラークは過ぎれたヴィオラ奏者でもありましたが、作曲家として認められるまでには数々の苦難があり(コンクールに応募する際は男性名を用いたほど)彼女自身も「女性が作曲すること」に疑問を抱いていた節がありました。
 しかし完成された作品からは紛れもなく天才の香りが漂っています。リリ・ブーランジェは著名な音楽一家に生まれ、姉ナディアも音楽家として大成しています。
 リリはもともと体が弱く、将来は望めないと宣言されていたにもかかわらず、素晴らしい神童ぶりを発揮したのですが、その才能もきら星の如く、たった24歳で散ってしまうことになります。残されたいくつかの作品は、後世の作曲家たちに影響を与えています。
 それに引き換え、アメリカの作曲家ビーチは、その優れた才能をある程度発揮することができたようです。もちろん家庭の理解や本人の資質も大きかったのでしょう。そのため現在でも「創造的な作曲家として成功した最初のアメリカ人女性」として讃えられています。今の時代、果たして彼女たちの作品は、どのような位置にあるのでしょうか。
 

GRAND PIANO


GP645
\2100
レオポルト・コジェルフ:ピアノ・ソナタ全集 第4集
 1-3.ピアノ・ソナタ 第12番 ハ長調 Op.10-2 P.XII:16(1784)/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第13番 変ホ長調 Op.13-1 P.XII:3(1784)/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第14番 ト長調 Op.13-2 P.XII:7(1784)/
 10-12.ピアノ・ソナタ 第15番 ホ短調 Op.13-3 P.XII:6(1784)/
 13-14.ピアノ・ソナタ 第16番 ト短調 Op.15-1 P.XII:17(1784)
   ※1-12…世界初録音
ケンプ・イングリッシュ(フォルテピアノ…
1795年製アントン・ヴァルター:トーマス&
バーバラ・ヴォルフ複製 a'=430 hZ)
録音 2011年4月25-29日 ニュージーランド,ゴールデン・ベイ,モップス・アーリー・キーボード・コレクション
 ボヘミア出身の作曲家コジェルフ(1747-1818)のピアノ・ソナタ集の第4集です。聞けば聞くほどに彼の世界の奥深さを堪能していただけます。
 初期のフォルテピアノのために書かれたソナタの中で、50曲ほどある彼の作品は突出しており、ハイドンとベートーヴェン、シューベルトを繋ぐ橋渡しとしての機能も備えています。
 彼が1747年に誕生した時、最初の洗礼名はヤン・アントニンでしたが、同じ名前のいとこがいたため「レオポルド」に変更、その後そのいとこは彼の初期の先生の一人となったというエピソードが残っています。そんなコジェルフの作品を当時の楽器の複製でお聞きください。
 演奏はこのシリーズでお馴染み、ニュージーランドのピアニスト、ケンプ・イングリッシュです。彼は既にコジェルフのソナタ50曲の録音を終えていて、全曲の発売が待たれるばかりです。
  【コジェルフ:ピアノ・ソナタ集】 第1集…GP642 第2集…GP643 第3集…GP644
 

GP671
\2100
ヤン・ヴァーツラフ・フーゴ・ヴォジーシェク:ピアノ作品全集 第2集
 1.主題と変奏 変ロ長調 Op.19(1822)/
 2-3. 2つのロンド Op.18(1824)<第1番 ハ長調/第2番 ト長調>/
 4.欲求 変ホ長調 Op.3(1819)/5.喜び ト長調 Op.4(1819)/
 6.牧歌 ハ長調(1824)/7.即興曲 ヘ長調(1824)/
 8.即興曲 変ロ長調(1817)/9.アルバムの綴り イ長調(1817)
ビリヤナ・ウーバン(ピアノ)
録音 2014年3月13日 ウトレヒト リューヴェンベルク,フレデンブルク
 ボヘミア出身の作曲家、ヴォジーシェク(1791-1824)は、プラハでトマーシェクの元で修業した後、フンメルに師事し、ベートーヴェンと親交を結び、シューベルトに影響を与えたという人です。
 しかし、彼もまたシューベルトと同じように30歳半ばまで生きながらえることが出来ず、その上、作曲家として活動していたのは生涯の最後の6年間のみだったというのは、本当に残念なことです。
 彼の作品は当時としては先進的な作風であり、長生きしていれば、ロマン派を代表する作曲家になっていたに違いありません。このアルバムには、そんなヴォジーシェクの特徴的な作品が収録されています。
 なかでも「即興曲」は、この分野での初の作品であるとされ、ショパンすらも凌駕しているのです。ピアニスト、ウーバンはザグレブ出身。彼女の祖父ヤンはアルメニアで知られる作曲家で、彼女は祖父の作品でも素晴らしい演奏をしています。
 


GP675
\2100→\1890
ヨゼフ・ホフマン:ピアノ作品集
 1-4.性格的描写集 Op.40(1908)
  <第1番:情景/第2番:以前は/第3番:どこにも/第4番:万華鏡>/
 5.2つのマズルカ Op.16 第1番 イ短調/
 7-10.ピアノ・ソナタ ヘ長調 Op.21/
 11.マズルカ ロ短調(1886)/12.マズルカ ニ短調(1886)/
 13.主題と変奏、フーガ Op.14(1892) ※6.11.12.13…世界初録音
アルテム・ヤスシンスキイー(ピアノ)
録音 2014年3月1-3日 ポーランド ワルシャワ,ヴィトルト・ルトスワフスキー・コンサート・スタジオ
 20世紀の伝説的ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ヨゼフ・ホフマン(1876-1957)。5歳でデビュー、10歳でヨーロッパからスカンジナヴィア諸国に演奏旅行に出かけ「神童」と賞賛され、その翌年には高額の出演料を提示され、アメリカへ演奏旅行に出かけます。批評家たちが「これは子どもの演奏でなはく、真の芸術家の演奏だ」と賞賛しますが、あまりに過酷なスケジュールであったため、ツアーは突然終了してしまったほどに少年は疲弊してしまったといいます。
 その後はアントン・ルビンシテインから指導を受け、またアメリカに戻り、教職につきますが、演奏会はほとんど行いませんでした。彼は発明家としても才能があり、スタインウェイの改良や自動車、飛行機の空気式ショックアブソーバーを開発。他にも数多くの特許を取得するなど、この方面でも知られています。
 そんな彼の作品には、シューマンやショパンの影響が感じられ、同世代のドビュッシーやスクリャビンのような先進的な響きは用いられていません。
 ピアニスト、ヤスシンスキイーは、1998年、ウクライナのドネツクで生まれたピアニスト。2014年6月にジーナ・バッハウアー国際ピアノコンクールで銅メダルを受賞しています。日本にも来日経験のある彼は、ホフマンのスペシャリストとしても認知されています。
 

GP693
\2100
タニャ・エカナヤカ:リインヴェンションズ 〜ピアノのための狂詩曲集
 1.〜を通って:根本より、翼より(2010)/
 2.滴の出会い:スコットランドを歩いて、ヴァンナムとスリランカのバッグスバニー(2013)/
 3.運命:変化(している)の傾向(2011)/
 4.ヴァンナム(ガジャガ,マユラ,ハヌマ)とあなた(2013)/
 5.蓮の中で:蓮の花が花開くとき(2013)/
 6.迷宮:ヴァンナム・レント(2012)/
 7.2013/14 6月のこだま(2014) ※世界初録音
タニャ・エカナヤカ(ピアノ)
録音 2014年9月28日…1-3, 2014年9月29日…4-7 UK エディンバラ大学,レイド・コンサート・ホール
 スリランカの作曲家エカナヤカ(1977-)。彼女は曲を作るとき、キーボードに向かって、ほんの数分でメロディが自然発生するのだそうです。
 このアルバムに収録された作品は、どれもスリランカで知られる民謡のメロディと、古典的な作品をう融合させたもので、彼女が好んで使う「ヴァンナム」とはサンスクリット語の「ヴァーナム=記述的な賛美」を語源としたもので、ほとんどが特定の動きを表しているものです。
 ショパン、ベートーヴェンなどの何となく聞いたことのある旋律が織り込まれつつも、どれもが微妙な揺らぎを持ち、時に全く違うものとして現れてきます。既視感と違和感がバランス良く体にしみこんでくる不思議な音楽です。
 アルバムタイトル通りの「Reinventions=新たに作成されたもの」を感じてみてください。
 

GP694
\2100
アフシン・ジャベリ:「バーブ」ピアノ・ソナタ集とバラード集
 1-3.ピアノ・ソナタ 第1番「シーカー」/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第2番「平和への道」/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第3番「ベドウィン」/
 10.バラード 第1番「エロルド」/11.バラード 第2番「エロイカ」/
 12.バラード 第3番「殉教」 ※世界初録音
アフシン・ジャベリ(ピアノ)
録音 2013年5月26-29日 シンガポール 国立大学 Yong Siew Toh Conservatory of Music コンサート・ホール
 バーレーン王国で生まれ、カタールで育ったイランのピアニスト、作曲家アフシン・ジャベリ(1973-)の作品集です。最初の音楽教育をハンガリーで受けましたが、その作品には、彼が大切にしているバハーイー教の影響が織り込まれています。
 ピアノ・ソナタ第1番は、イギリスで最初にバハーイー教の信者となったトーマス・ブレイクウェルの生涯に触発されたもの。第2番はタイトル通り、宗教の違いに拠って起こる偏見と分裂、そして戦争の恐怖を描いたものです。
 バハイ殉教者の思い出に捧げられています。アラブの遊牧民「ベドウィン」の生活と希望を描いたソナタ第3番、そしてそれぞれに思いが込められた3つのバラード、中でも第3番はバハーイー教の啓示者セイイェド・アリー・モハンマドの殉教の物語を表現したもので、深い感情に裏打ちされた深遠な音楽です。
 タイトルの「バーブ」とはアラビア語で「門」の意味ですが、バハーイー教の前駆であり、モハンマドの称号でもあります。
 

ICA CLASSICS



ICAC-5135
\2100→\1890
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番&第23番 他
 1-3.ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K467/
 4-6.ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K488/
 7.ロンドイ長調 K386
イングリット・ヤコビ(ピアノ)/
アカデミー・室内管弦楽団/
ネヴィル・マリナー(指揮)
録音 2014年6月10-12日 ロンドン アビーロード・スタジオ
 「明確なアーティキュレーションとフレージング、そして表現性!」
 ニューヨーク・タイムズ紙でも大絶賛された若き女性ピアニスト、イングリッド・ヤコビのモーツァルト協奏曲集の第2集です。
 第1集(ICAC5125)では第14番と第27番の組み合わせで、清純、清冽な世界を表現していましたが、今回は第21番と第23番という、明快で流麗な作品の組み合わせです(選曲のセンスも素晴らしい)。
 今作でも巨匠マリナーががっしりバックを固め、その上で彼女が伸びやかな歌を奏でていきます。第21番の有名な第2楽章のしっとりとした美しさ、そして第23番の第2楽章での切々たる悲しみ。これら表現力の振幅の大きさと、全体に漂う優美さが彼女の持ち味といえるでしょう。
 

LPO



LPO-84
\2500→\2290
スクロヴァチェフスキ&ロンドン・フィル
 ブルックナー:交響曲 第3番 ニ短調
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
録音 2014年3月14日 ロンドン サウスバンク センター,ロイヤル・フェスティヴァル・ホール ライヴ収録

 ブルックナー(1824-1896)の交響曲第3番は、ワーグナーに献呈されているため「ワーグナー交響曲」と呼ばれることもあります。1872年に着手、その翌年には初稿ができあがり、この段階でワーグナーに献呈を打診しています。1875年に初演が計画されるも、結局「演奏不能」ということで見送られ、1876年から77年にかけて大改訂を施し、ブルックナー自身の指揮で初演されました。
 この演奏会は大失敗に終わりました。1888年にもう一度改訂が行われ、その都度敬愛するワーグナー作品からの引用は削除されていき、現在ではこの1889年第3稿の演奏頻度が高いことでも知られています。スクロヴァチェフスキはいつものように自身の独自の解釈を加えつつ、この曲の深部に光を当てていきます。

 現役最高齢指揮者スタニスワフ・スクロヴァチェフスキは、言うまでもなくブルックナーを熟知しています。この第3番を指揮した時は既に90歳を越えていますが、彼の演奏は、例えどれほど年を重ねたとしても、他のヴェテラン指揮者たち・・・朝比奈隆、ギュンター・ヴァント、etc…のブルックナーのように「神格化」されることがないのは、その演奏があまりにも人間くさく、いつまでも探究心を失わず、常に進化しているからではないでしょうか?
 このライヴも第1楽章から躍動感に満ち溢れ、決して緊張感とパワーを失うことなく、終楽章のクライマックスに向けて突き進んでいきます。なお、曲の終わりに拍手は入っておりません。
 

MYRIOS CLASSICS



MYR-14
(SACD-Hybrid)
\2700→\2490
タベア・ツィマーマン:忘れられたロマンス
 1.ハンス・ジット(1850-1922):6 つのアルバムの小品 Op.39/
 2.アレクサンダー・グラズノフ(1865-1936):エレジー Op.44/
 3.ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):2 つの小品(伝説/夕べ)/
 4.アンリ・ヴュータン(1820-1881):エレジー OP.30/
 5.ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835-1880):夢想/
 6.フランツ・リスト(1811-1886):忘れられたロマンス/
 7.フリッツ・クライスラー(1875-1962):ロマンス/
 8.クライスラー:オーカッサンとニコレット/
 10.ゾルタン・コダーイ(1882-1967):アダージョ(1905)
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)/
トーマス・ホッペ(ピアノ)
録音 2014 年12 月 ベルリン=ダーレム イエス・キリスト教会
 名ヴィオラ奏者タベア・ツィマーマンのMYRIOS レーベルにおける6 枚目のアルバムは19世紀の作曲家たちの、現在ではほぼ忘れられてしまった作品を集めた1 枚です。冒頭のハンス・ジットは、今では名前も知られていませんが、ボヘミア出身のヴァイオリニスト、作曲家で、グリーグの「ノルウェー舞曲集」の管弦楽版を作った人で、当時は大変な人気を博していました。
 野心的な作風でなかったためか、時代の波にのまれてしまいましたが、こうして改めて聴いてみると本当に良い曲です。他の作品も、どれもロマンティックで美しいもの。タベアに改めて命を吹き込まれたこれらの作品、長く愛されていくことでしょう。
 


MYR-16
(SACD-Hybrid)
\2700→\2490
1879 年版!世界初録音!
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1 番

 1.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1 番 変ロ短調 Op.23
  (1879 年版-チャイコフスキーが所有していたスコアに基づく)…世界初録音/
 2.プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2 番ト短調 Op.16
キリル・ゲルシュタイン(ピアノ)/
ベルリン・ドイツ交響楽団/
ジェームズ・ガフィガン(指揮)
録音 2014 年6 月 ベルリン ナレパシュトラッセ放送 第1 ホール
 チャイコフスキー(1840-1893)のピアノ協奏曲第1 番は、草稿の段階で彼の友人ルビンシテインに聞かせたところ、思いがけず不評であり、書き直しを勧められました。しかし、彼はそれに従わず、そのままオーケストレーションを完成させ、ハンス・フォン・ビューローに献呈し、ビューローの演奏で初演され大成功を収めました。結局、最終的にはルビンシテインも何度もピアノ・パートを受け持ちこの曲を演奏しましたが、チャイコフスキーも1879 年と1888 年の2 回に渡ってこの作品を改訂しています。
 現在広く演奏されているのは、実は1888 年に改訂された最終稿であり、実はチャイコフスキーの最初の構想とは違うものなのです。現在、1879 年版もIMSLP などで確認することが可能なのですが、今回のゲルシュタインの演奏は、2015 年の生誕175 周年を記念して初めて公開される新しい原典版に、特別に事前にアクセスしたものです。ここには印刷された1879 年版にチャイコフスキーが行った様々な変更が含まれたものであり、これまで誰も聴いたことのないものなのです。
 併せて演奏されたプロコフィエフ(1891-1953)の協奏曲も、やはり復元、改訂を経た作品で、ゲルシュタインは意図的にこの2 つを組み合わせることで、聴き手に様々な問題を突きつけるのです。
 
MYR-900
\500
MYRIOS SELECTED WORKS 2009-2015 年:音のカタログ
 1.C.P.E.バッハ:ヴァイオリン・ソナタ WQ74-第1 楽章
  クリスティーネ・ショルンスハイム(タンジェント・ピアノ)…MYR-15/
 2.ハンス・ジット:アルバムの小品-第1 番 モデラート
  タベア・ツィマーマン(va)…MYR-14/
 3.ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 Op.18-5-第4 楽章
  ハーゲン弦楽四重奏団…MYR-9/
 4.ヴュータン:ヴィオラ・ソナタ Op.36-第2 楽章
  タベア・ツィマーマン(ヴィオラ),キリル・ゲルシュタイン(p)…MYR-4/
 5.ムソルグスキー:展覧会の絵-テュイルリーの庭
  キリル・ゲルシュタイン(p)…MYR-13/
 6.ブラームス:クラリネット五重奏曲 Op.115-第3 楽章
  ハーゲン弦楽四重奏団,イェルク・ヴィトマン(cl)…MYR-7/
 7.ヴォルフ:メーリケ歌曲集-恋人に
  ユリアン・プレガルディエン(T),クリストフ・シュナッケルツ(p)…MYR-12/
 8.モーツァルト:弦楽四重奏曲 K428-第2 楽章
  ハーゲン弦楽四重奏団…MYR-6/
 9.J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 BWV1007-第1 番 前奏曲
  タベア・ツィマーマン(va)…MYR-3/
 10.マンネッリ:ソナタ・セスタ「ラ・ヴェルドーニ」
  アルテ・ムジク・ケルン…MYR-2/
 11.J.S.バッハ:半音階幻想曲とフーガ BWV903
  レオン・ベルベン(cemb)…MYR-1
 これまでに発売されたMYRIOS レーベルのアルバムの中から、ぜひとも聞いていただきたいトラックを集めた「音のカタログ」です。
 名ヴィオラ奏者タベア・ツィマーマンの魅惑的な音色や、ハーゲン弦楽四重奏団のストイックかつ情熱的な響き、初期の名盤アルテ・ムジク・ケルンのバロック音楽など多彩な音が溢れています。
 録音でも高い評価を得ているこのレーベル、ぜひ一度お聴きください。

NAXOS



8.573452
\1100
※Blu-rayオーディオ同時発売
プロコフィエフ:交響曲第3番/スキタイ組曲 他
 1-4.スキタイ組曲「アラとロリー」Op.20(1914-1915)
  <ヴェレスとアラへの讃仰/
   邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の踊り/夜/
   ロリーの栄えある門出と太陽の行進>/
 5.交響的スケッチ「秋」Op.8(1910/1915改編.1934)/
 6-9.交響曲第3番 ハ短調 Op.44
  <第1楽章:Moderato/第2楽章:Andante/
   第3楽章:Allegro agitato-Allegretto/
   第4楽章:Andante mosso-Allegro moderato>
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2014年3月20日…1-4, 2014年5月8.10.12日…5-9 ブラジル サラ・サンパウロ
 大好評!マリン・オールソップとサンパウロ交響楽団によるプロコフィエフ(1891-1953)の交響曲集第4集です。
 アルバムのメインとなる「交響曲第3番」は、その前年に完成された歌劇「炎の天使」の素材が用いられています。それは、この歌劇にはあまりにも問題が多かったため演奏会形式で上演されたものの、完全な初演の見通しが立たず、この作品の将来を鑑みたプロコフィエフが、その中の幾つかの主題を基に交響曲として再構築したためです。
 プロコフィエフはこの交響曲に絶大なる自信を持っていたと言い、確かに刺激的かつ堂々たる作品となっています。「スキタイ組曲」は、もともとバレエ音楽として作曲され、バレエ・リュスのディアギレフにスケッチを提示したところ、上演を拒否されたため、演奏会組曲として書き直されたものです。第2曲目の激しさは必聴です。「秋」は暗い雰囲気を有した作品ですが、タイトルと曲には直接の関係はないのだそうです。あまり演奏されることのないレアな作品です。
 


8.570611
\1100
周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」他
 1.周龍:太鼓の韻(2003)/
 2-5.周龍/陳怡:交響曲「虎門1839」(2009)
  <第1楽章:Andante luminoso/第2楽章:Allegro feroce/
  4.第3楽章:Adagio tragico/第4楽章:Allegro trascinante>/
 6.周龍:エンライテンド(2005) ※世界初録音
ニュージーランド交響楽団/
ダレル・アン(指揮)
録音 2013年6月4-6日 ニュージーランド ウェリントン,マイケル・フォーラー・センター
 ピューリッツァー賞を受賞したことでも知られる、中国で最も名声ある作曲家の一人、周龍(1953-)の作品集です。ブリガムヤング大学とシンガポール交響楽団との共同委託作品である「太鼓の韻」は日本の伝統的な太鼓(Taiguとは中国で太鼓を意味する)の歴史を紐解くものであり、もともと和太鼓の起源は仏教の教義、そして中国の宮廷儀式から生まれた「Taigu」の伝統に遡ることができるということで、ここから雅楽や能楽へ、またコミュニケーションの手段として、様々な形に発展していったのです。しかしながら、中国ではTaiguはほとんど生き残っておらず、唯一、唐王朝の宮廷音楽にその一部の断片が残っているだけだと言われます。
 この「太鼓の韻」ではそんな古代の芸術様式と、現在のオーケストラアンサンブルに多彩なパーカッション(初演時には日本の太鼓で演奏された)を加えることで、その伝統を振り返ります。広州交響楽団の委託作品である「虎門1839」は陳怡(1953-)との共同作品で、これは1839年に広東省で行われた「アヘン1000トンの公開処分(焼却されたと言われている)」を記念した曲で、4楽章からなる刺激的な音楽です。3曲目のタイトル「エンライテンド」は「悟りを開く」という意味であり、原題世界の闘争と、平和、光と愛を描いた壮大な曲です。
 


8.572766
\1100
マリピエロ:英雄の交響曲/ディテュランボスの悲劇 他
 1.英雄交響曲(1905)/
 2.ディテュランボスの悲劇(1917)/3.アルメニア(1917)/
 4.グロテスク(1918)/5.「墓」より(1904) ※1.2.3.5…世界初録音
テッサローニキ州立交響楽団/
アモーリ・ドゥ・クルーセル(指揮)
録音 2012年6月25-30日,7月2-3日 ギリシャ テッサローニキ,アリストテレス大学コンサートホール
 4曲の世界初録音を含むこのマリピエロ(1882-1973)の作品集は、どれもが興味深い音色に満ち溢れています。ただ、もし彼が現在生きていたとしたら、私たちがこれらの録音を聴く事を防ごうとしたかもしれません。
 晩年の彼は「初期の作品のほとんどは破壊された」と称し、実際にはそれらを地下室の箱に隠していました(死後に発見)。そんな自己評価の厳しかったこれらの作品ですが、重々しい雰囲気を持つ「英雄交響曲」と「墓より」やアルメニアの旋律をふんだんに用いた「アルメニア」、破壊的な「グロテスク」ちょっとストラヴィンスキー的な味わいもある「ディテュランボスの悲劇」と、創意工夫の見られる面白いものばかりです。
 最近、復興著しいNAXOS「イタリア近代の音楽集」にまた新たな名演が加わりました。
 


8.573169
\1100
フローラン・シュミット:ヴァイオリンとピアノのための作品集 自由なソナタ/夜の歌 他
 1-4. 4つの小品 Op.25(1901)
  <歌/夜想曲/セレナーデ/舟歌>/
 5.スケルツォ・ヴィフ Op.59-2(1913)/
 6.夜の歌 Op.7(1895)/
 7-9.ハベイッセー Op.110
  <A:かなり活発に/B:少し遅く/C:動いて>/
 10-11.結合された2つの楽章からなる自由なソナタ Op.68(1919)
  ※1-6…デジタル世界初録音,
   7-9…ヴァイオリンとピアノ版、デジタル世界初録音
ベアタ・ハルスカ(ヴァイオリン)/
クラウディオ・シャイクァン(ピアノ)
録音 2014年2月18-19日 フランス スタジオ・ド・ムードン
 以前は、なかなか音を聴くことができない作曲家であったフローラン・シュミット(1870-1958 それだけマイナーだった)ですが、最近、NAXOSを含めたいくつかのレーベルが競って彼の作品をリリースしたこともあり、ようやく少しずつ、その全貌が明らかになって来たように思います。
 19世紀から20世紀にかけてピアニスト、作曲家として活躍した彼ですが、前述の通り、まだまだ知られていない作品も多く、今回のヴァイオリン作品集も「しられざる音楽」の部類に入りそうです。
 彼の室内楽作品は、どれもとても個人的なきっかけにより書かれており、多くが友人に献呈されています。Op.25の「4つの小品」はフォーレの繊細な雰囲気を内包した抒情的な「歌」と「夜想曲」で始まり、色とりどりの世界を駆け巡ります。
 Op.9のスケルツォはパリ音楽院の教授であり、コロンヌ管弦楽団のコンサート・マスターであったフィルマン・トウシュに捧げられています。また最後に置かれた「自由なソナタ」は彼の最も賞賛された作品の一つであり、第1次世界大戦を体験したばかりの重苦しい気分が反映されたエネルギーと想像力に満たされたものです。どれもシュミットの個人的な独白と、それを彩る音楽が結びついた充実の作品群です。
 

8.559713
\1100
ス・チャユ:ジャーニーズ 〜室内楽作品集
 1.アーバン・スケッチ(2013)/
 2-4.フアン(2006)
  <第1番:こちらへ、こちらへ/
   第2番:柔らかく、少しだけささやく愛の歌/
   第3番:エッジに登り、落ちる>/
 5-7.西遊記(2010)<サルの王/水の中で/旅>/
 8-19. 12のサイン(2008)
  <第1番:ねずみ/第2番:雄牛/第3番:トラ/第4番:うさぎ/
   第5番:ドラゴン/.第6番:ヘビ/第7番:ウマ/第8番:ヒツジ/
   第9番:サル/第10番:おんどり/第11番:イヌ/第12番:ぶた>/
 20.スパークル(2011)/21-24.Zhi(2005) ※世界初録音
リチャード・モラレス(cl)…1/
クランシー・ニューマン(vc)…1/
ナタリー・ツー(p)…1/
コリン=マリー・オーリアック(hp)…2-4/
チオンピ弦楽四重奏団…5-7/
チェン・チェ=フン(va)…8-19/
サラ・ヒューブナー(tp)…20/
ダイアナ・ウェンズリー(tp)…20/
ダナ・カレン(hr)…20/
ブライアン・サンテロ(tb)…20/
ピエリック・フォルンズ(tub)…20/
岡浩乃(vn)…21-24/
リー・ハンチエン(p)…21-24
録音 2011年3月25日 ダルハム,サウンド・ピュア・スタジオ…5-7, 2011年9月27日 テンプル大学 ロック・ホール・オーディトリアム…8-19.21-24, 2013年6月15日 テンプル大学 ロック・ホール・オーディトリアム…1, 2011年12月11日 フィラデルフィア カーティス音楽学校 グールド・ホール…2-4.20
 カーティス音楽学校&フィラデルフィア管のメンバーによる刺激的な演奏で聴く、台湾の女性作曲家ス・チャユの作品集です。
 台湾で生まれ、デューク大学で音楽を学んだ彼女は台湾の起源や伝統を根底に置いた上で、新しいリズムパターンや音色効果を付け加えていくというやり方で曲を構築していて、これが何とも楽しく、また革新的なイメージを与えるのです。第1曲目の「アーバン・スケッチ」で描かれているのは、エネルギッシュなニューヨークの風景です。時にはジャズ風、またラテン風といったリズムに乗って、笛やサイレン、ブレーキ、ドリルなどの様々な音(時には電子も含む)が舞い踊ります。
 野生動物の生活からインスパイアされたハープ作品「ファン」、誰もが知っている「西遊記」から題材をとった3つの小品、「12のサイン」は、実は十二支を題材にしており、最後の「ぶた」は日本ではイノシシとなるはずです。なかなかユーモラスな音楽です。はじけるような「スパークル」、デューク大学の対位法コースの一環として書かれた「Zhi-志」は十二音を駆使した実験的で複雑な曲。複雑な音の絡み合いが面白い作品です。
 

8.559775
\1100
ジョーン・タワー:ヴァイオリン協奏曲・ストローク・チェンバー・ダンス
 1.ストローク(2010)/2.ヴァイオリン協奏曲(1991)/
 3.チェンバー・ダンス(2006) ※世界初録音…1
チョーリャン・リン(ヴァイオリン)…2/
ナッシュヴィル交響楽団/
ジアンカルロ・ゲレーロ(指揮)
録音 2013年11月21-23日…1.2, 2013年10月4-5日…3 USA ナッシュヴィル シャーマーホーン・シンフォニー・センター ローラ・ターナー・コンサートホール
 アメリカを代表する女性作曲家、ジョーン・タワー(1938-)。彼女はニューヨークのニューロシェルで生まれましたが、9歳の時に家族がラパス、ボリビアに引越したため、少女時代をこの地で過ごしています。この地で過ごした経験は彼女に強い影響を与え、特に打楽器の使い方には独特の感性を見せることとなります。高校生のときにアメリカに戻り、ベニントン・カレッジに入学、その後コロンビア大学で芸術の博士号を取得します。この時期にたくさんの先人たちの音楽の影響を吸収することで、より柔軟なスタイルと作風を構築したのです。彼女は現代音楽を積極的に促進し、自身の作品を発表するために「DA CAPOプレーヤーズ」を設立し、多くの作品を演奏し続けています。
 このアルバムには比較的最近の3つの作品が収録されています。「ストローク」は彼女の弟(病気のために半身不随)に捧げられた曲で、病に対する怒りが込められたという幾分感情的な作品です。
 ヴァイオリン協奏曲は、名ヴァイオリニスト、エルマー・オリベイラのために書かれた曲で、印象派風の部分とジャズ風の部分が入り混じる面白い作品です。
 「チェンバー・ダンス」はオルフェウス室内管弦楽団の委嘱作で、「指揮者を持たないアンサンブル」として知られる彼らの妙技を存分に生かしたコンパクトな作品です。どの曲も明快な筆致と色彩豊かな響きを持つ、アメリカ現代を代表する名作と言えるでしょう。
 


8.572697
\1100
ペンデレツキ:カニフィカト・カディッシュ
 1-6.マニフィカト(1973-1974)
  <わが心、主をあがめ わが霊は、わが救い主なる神を喜びまつる/
  フーガ:そのはしための卑しきをも 顧みたまえばなり/
  その憐れみは代々に限りなく/主はその腕で力を振るい/
 5.パッサカリア:権力者を引き下ろし/祖先に言われたように>/
 7-10.カディッシュ(2009)
  <死は墓石から墓石へ移動する/路上の若者も老人も地面に嘘を書く/
  永遠にわれわれを引き渡さないでください。あなたに懇願します/
  偉大な名前が高貴で聖なるものとなりますように。アーメン>
ヴォチェク・ギールラッハ(B)…1-6/
男声ヴォーカル・アンサンブル…1-6/
オルガ・パシチニュク(S)…7-10/
アルベルト・ミズラヒ(T)…7-10/
ダニエル・オルブリヒスキ(ナレーター)…7-10/
ワルシャワ少年合唱団…1-6/
ワルシャワ・フィルハーモニック合唱団…1-6/
ワルシャワ・フィルハーモニック男声合唱団…1-6/
ワルシャワ・フィルハーモニック管弦楽団/
アントニ・ヴィト(指揮)
録音 2010年10月7-11日 ワルシャワ ポーランド放送 ヴィトルト・ルトスフワフスキ・コンサート・スタジオ…1-6, 2010年10月22-23日 ワルシャワ・フィルハーモニック・ホール
 これまでのNAXOSにおけるペンデレツキ(1933-)作品集のように、このアルバムも収録された2作品の作曲年代が35年を隔てた「スタイルの違い」を際立たせるものとなっています。
 1960年代におけるヨーロッパの前衛音楽を代表するトーン・クラスター(全ての音を同時に発する混沌とした響き)がふんだんに用いられた「マニフィカト」は、代表作である「ルカ受難曲」の流れを汲むものですが、この曲が書かれた70年代にはすでにトーン・クラスター自体が若干時代遅れになっていて、ペンデレツキも自身の作風を見直す傾向にあったようです。そして少しずつ「ロマン派」に戻っていったペンデレツキは以降驚くほどに聴きやすい音楽を書くようになって行くのです。
 2009年に書かれた「カディッシュ」はタイトルが示す通りユダヤの祈りの歌であり、ユダヤ人ゲットー(第2次世界大戦時にユダヤ人が強制的に住まわされた居住区)の解放65周年を記念して書かれた作品で、ここではクラスターなどの刺激的な響きがすっかり影をひそめた緩やかで美しい音楽ばかりが存在しています。
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8.573087
\1100
J.S.バッハ:チェンバロ作品集 組曲集 BWV818a,819a,832 他
 1.前奏曲とフーガ イ長調 BWV896/
 2-6.組曲 イ長調 BWV832/
 7.カプリッチョ ホ長調「ヨハン・クリストフ・バッハを讃えて」BWV993/
 8.幻想曲 ト短調 BWV917/9.前奏曲とフーガ イ短調 BWV895/
 10.幻想曲 イ短調 BWV922/11.フーガ イ短調 BWV959/
 12.前奏曲 ニ短調 BWV935/13.前奏曲 ニ長調 BWV936/
 14.前奏曲 ホ長調 BWV937/15.前奏曲 ホ短調 BWV938/
 16.フーガ ハ長調 BWV952/17.フーガ ハ短調 BWV961/
 18.前奏曲 ハ長調 BWV933/19.前奏曲 ハ短調 BWV934/
 20.前奏曲とフーガ ニ短調 BWV899/
 21.前奏曲とフーガ ホ短調 BWV900/
 22-27.組曲 イ短調 BWV818/28.ロンドによる幻想曲 ハ短調 BW918/
 29-33.組曲 変ホ長調 BWV819a
アーポ・ハッキネン(ハープシコード)
録音 2014年2月17-19日 フィンランド カルヤー,聖カテリーネ教会
 バッハ(1685-1750)の鍵盤作品は、もともと「精神的なリフレッシュ」をするためのものでした。彼はパルティータの序文にも「愛好人士の心の憂いを晴らし、喜びをもたらさんことを願って」と入れたように、この種の音楽は、指導目的であり、また楽しみのためでもあったのです。
 もちろんバッハ自身が比類なき鍵盤奏者であったことは疑うべくもなく、それは彼の死後、テレマンがバッハのオルガン演奏について賛辞を送っていたことでも明らかです。
 そんなバッハ、1703年には音楽の学習を終え、ワイマールの宮廷で最初の仕事に就いています。ここではヴァイオリンを担当していましたが、代役で奏したオルガン演奏が話題となり、そのままアルンシュタットの新しい教会のオルガニストに採用されています。その後、1705年にはアルンシュタットからリューベックまで、およそ500kmの長距離を徒歩で旅行し、ブクステフーデの教えを仰いでいたことでも知られています。
 このアルバムに収録されている作品のほとんどは、この激動の時代(というか血気盛んな時代)に書かれた「初期の曲」で、晩年のような練りに練られた対位法というよりは、溢れてくるような流麗なフォームで書かれています。
 いくつかの作品は、組曲として数えたほうがよいのかという議論は尽きませんが、それはとりあえず置いておいて、流麗な若いバッハの姿を垣間見る楽しみに浸ってみたいと思います。
 ハッキネンの演奏は、多彩な音色を駆使した納得のできるもの。創造性と表現力の限界に挑むような素晴らしい演奏です。



アーポ・ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
ちょっと入手困難になりつつあるAEOLUSのタイトル
のんびりしてたら手に入らなくなる


AE-10047
(SACD HYBRID)
\3100→\2590

ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 
アグレル:管弦楽作品集
 シンフォニア イ長調/ヴァイオリン協奏曲ニ長調/
 チェンバロとフルートのための二重協奏曲ロ短調/
 シンフォニア ニ長調/オーボエ協奏曲変ロ長調/
 シンフォニア変ホ長調
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
アーポ・ハッキネン(ディレクター&チェンバロ)
シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク(ヴァイオリン)
パウリーナ・フレッド(フルート)
ヤス・モイシオ(オーボエ)
 ユーハン・ユアキム・アグレル(1701−1765)は、マクシミリアン公からの招きを受けドイツのヘッセンに渡り、その後イギリス、フランス、イタリアなどを巡ったスウェーデン生まれの後期バロックの作曲家。
 この管弦楽作品集で聴くことが出来るギャラント様式の華麗で優雅なパッセージは、故郷のスウェーデンを離れドイツを活躍の場としたアグレルの音楽の魅力である。北欧フィンランドのヘルシンキが育んだバロック・オーケストラの巧さにも古楽ファン要注目。2008年9月、エスポー(フィンランド)での録音。
AE-10057
(SACD HYBRID)
\3100→\2590
ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲集Vol.1

  チェンバロ協奏曲第1番ニ短調BWV.1052
  チェンバロ協奏曲第2番ホ長調BWV.1053
  チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV.1056
  イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971
アーポ・ハッキネン(チェンバロ)
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 北欧の名手アーポ・ハッキネンのJ.S.バッハ!共演はヘルシンキ・バロック・オーケストラ!
 ヘルシンキ出身の名手アーポ・ハッキネンとヘルシンキ・バロック・オーケストラのコンビによるJ.S.バッハの「チェンバロ協奏曲集Vol.1」!
 アスペレン、アンタイ、ファン・デルフト、レオンハルトといった錚々たる名匠たちから古楽奏法を学んだハッキネンは、北欧フィンランドが誇るワールドクラスの古楽系鍵盤奏者。
 イタリアの名ヴァイオリニスト、リッカルド・ミナージを擁するヘルシンキ・バロック・オーケストラとのバッハが、北欧の古楽の充実する"現在"を聴かせてくれる。2010年5月の録音。
AE-10067
(SACD HYBRID)
\3100→\2590

天才ハッキネン、バッハ第2弾ついに登場!
 J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲集 Vol.2
  チェンバロ協奏曲第3番ニ長調 BWV.1054
  チェンバロ協奏曲第4番イ長調 BWV.1055
  チェンバロ協奏曲第6番ヘ長調 BWV.1057
  幻想曲ハ短調 BWV.906
 W.F.バッハ:協奏曲ト長調 Fk.40

アーポ・ハッキネン(チェンバロ)
ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
 北欧の名手アーポ・ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラのJ.S.バッハ第2弾!

 アスペレン、アンタイ、ファン・デルフト、レオンハルトといった錚々たる名匠たちから古楽奏法を学んだ、ヘルシンキ出身のチェンバロ奏者、アーポ・ハッキネン。
 1998年にブルージュ国際チェンバロ・コンクール入賞、NDR特別賞などの受賞歴を誇り、北欧フィンランドが誇るワールドクラスの古楽系鍵盤奏者として輝かしいキャリアを歩んでいる。
 共演は北欧随一のピリオド・オーケストラである、ヘルシンキ・バロック・オーケストラ。ハッキネン自身が芸術監督を努めており、大バッハと長男のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710−1784)の協奏曲を披露。北欧古楽界の名手、ハッキネンの手腕が光る J.S.バッハのチェンバロ協奏曲集Vol.2の登場です!

 2011年&2010年の録音。

<店主より>

 ようやく出た、ハッキネンのバッハ第2弾。
 アグレルを聴いた段階でただものでないことはわかっていたが、バッハで確信に変わった。
 突き刺すようにシャープで、痛いほどに繊細なバッハ。キリキリと脳髄を締め付けてくる、こんなバッハが存在するとは。
 しかも今回の第2弾では今店主が密かに注目しているヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの作品を入れてきた!大バッハに最も期待されながらもっともその期待を裏切った放蕩息子。その隠れた才能をハッキネンなら再発見してくれるはず。
 惜しむらくはレーベルがAEOLUS。このレーベル、とにかくすぐに入手不能になる。どうか後で後悔する事のないよう。

 これは2013年スオメンリンナ音楽祭で7月に行われたときのバッハの映像。素人録画だが彼らの自由な感性が味わえると思う。

http://www.youtube.com/watch?v=vXElRtfTpT4

 


NAXOSのアルバムもご紹介しときますね。
Xaver Dussek: Four Symphonies
NAXOS
8.572683
\1600
ハッキネン&ヘルシンキ・バロック・オーケストラ
F.X.ドゥシェク:4つのシンフォニア集
  1-3.シンフォニア ト長調Altner G4/
  4-6.シンフォニア 変ロ長調Altner Bb2/
  7-9.シンフォニア イ長調Altner A3/
  10-13.シンフォニア 変ロ長調Altner Bb3
ヘルシンキ・バロック管弦楽団/
アーポ・ハッキネン(指揮)
 チェコ生まれの作曲家、チェンバロ奏者フランツ・クサヴァー・ドゥシェク(1731-1799 ヤン・ラディスラフ・ドゥシークとは別人です)のシンフォニア集です。彼はモーツァルトの友人であり、当時のプラハにおける管弦楽作品の主要な作曲家でした。彼の作品はホフマン、ディッタースドルフなどと同等の影響力を有していたもので、まさに“正統派18世紀音楽”たる風情を醸し出しています。各々の楽器の使い方も特徴的で、この独特な響きはモーツァルト作品にはあまり見られないものでしょう。



 

8.573320
\1100
フロットーレ 〜イタリア・ルネッサンスの世俗歌曲集
 1.作者不祥:クリンの生活/
 2.ヤコボ・ダ・フォリアーノ(1468-1548):愛しい人よ、私はあなたのために愛を感じる/
 3.アドリアン・ウィラエルト(1490-1562):不機嫌な老婆/
 4.ミケーレ・ペゼンティ(1600頃-1648頃):彼女は何という?何をする?/
 5.作者不詳:泣くために生まれた私の目/
 6.ジョアン・アントニオ・ダルツァ(?-1508以降):わが星よ(器楽のみ)/
 7.セバスティアーノ・フェスタ(1490-1524):5月の最後の日/
 8.バルトロメオ・トロンボンチーノ(1470-1535):ゼフィーロを吹くと天気が良くなる/
 9.作者不詳:ふるいにかけておくれ、わが女よ/
 10.トロンボンチーノ:来て来て、まぶたを開けて/
 11.作者不詳:ああ、私のため息/
 12.マルケット・カーラ(1470-1525):わが悲しみでわが顔を浸す/
 13.ヴィンツェンツォ・キャピローラ(1474-1548以降):8声のリチェルカーレ(器楽のみ)/
 14.フランチェスコ・パタヴィーノ(1478-1556):スペインの騎士/
 15.トロンボンチーノ:美しき処女/
 16.カーラ:待つべき時はない/
 17.ジョヴァン・バッティスタ・ゼッソ(15世紀-16世紀):ある良き愛の朝/
 18.ロッシーノ・マントヴァーノ(1505頃活躍-1511):リルム・ビリリルム
リング・アラウンド四重奏団&コンソート
録音 2013年10月17-19日 イタリア ジェノヴァ,サン・ロレンツォ・ディ・プレマニコ教会
 15世紀から16世紀にかけては「中世の終わりとルネンサンスの開花」の時期とされています。当時の社会情勢も流動的であり、コロンブスの「新世界の発見」や、宗教改革などさまざまな事象が起こりました。
 そんな大きな変動に比べると、音楽的な発展はとても小さなことに見えますが、これがなかなか大切なことであることは間違いありません。
 アルバムタイトルの「フロットーレ」は「些細なこと=あまり重要ではないもの」を意味する言葉で、単純な歌詞を伴う即興と弦による小さな歌曲の総称でもあります。見かけはとてもシンプルですが、即興的なパッセージと新しい歌の形が盛り込まれたこれらの作品は、確かにこの当時の音楽意義や文化を含めた、様々なことを伝えるものでもあります。
 使われている言葉のほとんどはナポリの方言ですが、これらは、当時の他の地域の音楽家たちにも強い影響を与えたとされます。
 ま、難しいことは置いておいて、とにかくこの楽しい歌の数々に耳を傾けてください。当時の人々の生活が鮮やかに目の前に浮かぶこと間違いありません。
 


8.573338
\1100
「最も重要なドイツの作曲家」として評価されていた・・・
 イグナツ・ワーグハルター:管弦楽作品集

 1.歌劇「マンドラゴラ」Op.18-序曲(1914)/
 2.歌劇「マンドラゴラ」Op.18-間奏曲(1914)/
 3-12.新世界組曲(アレクサンダー・ウォーカーによる復元版)(1939/2013)
  <第1番:イントラーダ/第2番:間奏曲/
   第3番:賛歌と変奏/第4番:プロムナード/
   第5番:牧歌とホーンパイプ/第6番:田園曲/
   第7番:シティ・ダンス/第8番:寸劇/
   第9番:子守歌/第10番:フィナーレ>/
 13.マサリクの平和行進曲(1935)
  (アレクサンダー・ウォーカーによる復元版) ※世界初録音
新ロシア国立交響楽団/
アレクサンダー・ウォーカー(指揮)
録音 2013年11月14-17日 モスクワ Studio 5, Russian State TV & Radio Company KULTURA
 ポーランド、ワルシャワに生まれ、最初はヴァイオリニストとして頭角を現し、ヨーゼフ・ヨアヒムに認められ、彼の援助を受けてベルリン芸術大学に進んだワーグハルター(1881-1949)。指揮者、作曲家として名声を得て、第二次世界大戦までは「最も重要なドイツの作曲家」として評価されるも、様々な理由で歴史から姿を消してしまった彼の作品は、ようやく最近になって復興の兆しが見え始めました。
 このアルバムには彼がまだ絶頂期にあった1914年に書かれた歌劇「マンドラゴラ」からの2つの曲と、ナチに追われた58歳の彼が、失意のうちにアメリカに到着し、そこで目にしたニューヨークの風景を映し出した「新世界組曲」が収録されています。
 マキャベリの喜劇に基づいて書かれた「マンドラゴラ」は彼の2作目の歌劇であり、その初演は大成功を収めたのでした。オーケストレーションの巧みさと豪勢な響きは、彼自身の希望の現われであったに違いありません。
 それに引き換え、「新世界組曲」はアメリカの音楽文化を取り入れた意欲的な作品であり、当時彼が結成した「オーケストラに雇用すらされなかったアフリカ系のミュージシャン」による「アメリカン・ネグロ・オーケストラ」のために書かれています。
 当時の人種差別の激しさは想像を絶するものであり、彼らはリハーサルすらも許されず、このオーケストラは何とかこの組曲を演奏したものの、財政的問題もあり、その後まもなく解散せざるを得なかったのです。そんな作品を復元したこのアルバムには、様々な思いが詰まっているのではないでしょうか。
 


8.573369
\1100
アカデミー賞作曲賞を受賞してしまった
 コルンゴルト:ロビン・フッドの冒険(1938) ジョン・モーガンによる復元版
 1.メイン・タイトル-ミュート・ファンファーレ/
 2.サー・ガイとロビン・フッド/3.会合/4.宴会/
 5.ロビン・フッドの外側-ロビン・フッドのエントランス-戦い-
  ロビン・フッドの追跡-犠牲者/
 6.ロビン・フッドとリトル・ジョンの出会い-
  ロビンとリトル・ジョンの戦い-ジョリーの友情/
 7.誓いと黒い矢/8.魚-ロビン・フッドと修道士タックの戦い/
 9.新たなコンパニオン/
 10.サー・ガイの部隊へのロビンの攻撃-攻撃/
 11.浮気-饗宴-貧しい人々の饗宴-黄金/12.貧しい人々/
 13.勝ち抜き戦-アーチェリー場への登場-コンテストの準備-
  ロビンのショット開始-コンテストの終了/
 14.ロビン・フッドの逮捕/15.法廷-裁判/
 16.絞首台-ロビン・フッドの飛行/17.愛の情景/
 18.レディ・マリアンの逮捕/19.ムッシュ:ナイフでの戦い/
 20.リチャードとロビンの出会い-リチャード・ザ・ライオン・ハート/
 21.行進/22.ジョン王子/23.戦い-激突-勝利/
 24.エピローグ/25.エンド・キャスト/26.オリジナル劇場予告編音楽
モスクワ交響楽団
ウィリアム・ストロンバーグ(指揮)
録音 2003年2月 モスクワ モスフィルム・スタジオ MARCO POLO 8.225268の移行盤
 いわゆる“ウィーン世紀末”の時代、「早熟の天才」「モーツァルトの再来」ともてはやされた少年コルンゴルト。しかし30歳を過ぎたあたりから、彼がウィーンで名声を得ることは難しくなってしまいました。そんな頃、以前より縁のあったアメリカで始めた映画音楽の仕事が当たったこともあり、ユダヤ系であった彼はアメリカに亡命、ここで本格的な映画音楽の作曲に手を染めることになります。
 もちろん彼自身は「映画音楽の仕事」をすることに心からの喜びを感じていたのではありません。常に心はウィーンにありました。とは言え、彼のおかげでハリウッドの映画音楽は類を見ないほど壮大で芳醇なものとなったことは間違いありません。
 この「ロビン・フッドの冒険」はアカデミー賞作曲賞を受賞した代表作であり、彼の名がハリウッド映画史に刻まれることとなった記念碑的な作品でもあります。
 今回の復刻では、MARCOPOLO盤には含まれていなかった「オリジナル劇場予告編音楽」を収録、一層興味深い1枚となりました。
 

8.573390
\1100
リスト:ピアノ曲全集 第39集
J.S.バッハ作品のトランスクリプション集

 1-3.幻想曲とフーガ ト短調(BWV542) S463/R120
  <幻想曲 ト短調/幻想曲 ト短調(別ヴァージョン)/フーガ ト短調>/
 4-15.オルガンのための6つの前奏曲とフーガ(BWV 543?548) S462/R119
  <前奏曲 イ短調(BWV543)/フーガ イ短調/
   前奏曲 ハ長調(BWV545)/フーガ ハ長調/
   前奏曲 ハ短調(BWV546)/フーガ ハ短調/
   前奏曲 ハ長調(BWV547)/フーガ ハ長調/
   前奏曲 ホ短調(BWV548)/フーガ ホ短調/
   前奏曲 ロ短調(BWV544)/フーガ ロ短調>
スザンヌ・フッソン(ピアノ)
録音 2014年5月28-30日 ジェノヴァ スイス・ロマンド放送,スタジオ・エルネスト・アンセルメ
 1841年と1842年、ワイマールでコンサートを開いたリスト(1811-1886)は、この地で大切にされていたバッハ(1685-1750)の作品に注目します。以降たびたびバッハ作品に基づく作品を書いていくことになるリストは、これらを以前のような華やかなパッセージを付け加えたりするのではなく、「バッハの音世界を崩すことなく、忠実にピアノに移し替える」ことに心を注ぎます(もちろんバッハのオルガン作品はもともとスコアが3段になっていて、これを通常のピアノ譜に移し替えるというだけでも困難な仕事であることは間違いないのですが)。リストの思いの中では、バッハへの尊敬と、ピアノ奏法の追求の2つの意味があったのでしょうが、確かにこれらの曲集はピアニストたちにとって大きな遺産となったことは間違いありません。
 リストと言えば過剰な装飾を思い起こしてしまう聴き手にとっては、まさに安心して聴ける1枚かも知れません。
  


8.573407
\1100
エドワード・ジャーマン:ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.思い出(1896)/2.子守歌(1893)/
 3.間奏曲(ヴァイオリンとピアノ版)(1894)/
 4.愛の歌(1882)/5.子守唄(1883頃)/
 6.ボレロ(1883)/7.夜想曲(1882)/
 8.アルバムの綴り(1883)/
 9.サルタレッロ(ヴァイオリンとピアノ版)(1889)/
 10.無言歌(ヴァイオリンとピアノ版)(1898)/
 11.無窮動(常動曲)(1890)/
 12牧歌とブーレーよりブーレー(ヴァイオリンとピアノ版)(1889頃)/
 13.ロメオとジュリエットよりパヴァーヌ(ヴァイオリンとピアノ版)(1895)/
 14.牧歌(1895)/15.妖精の踊り(1883)
   ※4.5.7.8.15…世界初録音
アンドリュー・ロング(ヴァイオリン)/
イアン・バックル(ピアノ)
録音 2013年8月10-12日 UK マンチェスター大学 マーティン・ジャリス・センター・コンサート・ホール

 シュロップシャー州ホイットチャーチの小さな市場町に生まれたジャーマン(1862-1936)。彼の父は醸造主でありながら、地域の教会オルガニストを務め、彼の母はアマチュアの歌手という音楽的な家庭に育ったため、彼も幼い頃から音楽の才能を現していました。少年時代にはヴァイオリンを奏していましたが、ロンドンの王立音楽院の入学試験の際には、なぜかピアニストとしてエントリーしたという変わり者でもあります。結局はヴァイオリニストとして演奏家の道を歩むとともに、作曲も手がけ、1888年にはロンドンのグローブ・シアターの音楽監督に就任、イギリスのコミック・オペラの大家アーサー・サリヴァンの後を継ぐ者として名声を馳せます。
 彼の喜歌劇の中で最も有名なのは、なんと言っても「トム・ジョーンズ」であり、NAXOSからも全曲盤がリリースされています(8.660270-71)。しかし、彼の本質はやはりヴァイオリンにあったのかもしれません。
 ここに収録されているのは初期の作品ですが、そのどれもが、単なる「サロン音楽」を越えた心情を持ち、印象的なメロディと独特なスタイルを持っていることには驚くほかありません。今でもイギリスでは多くのファンを持つジャーマン。これを機会に聴いてみませんか?
 

8.660369
(3CD)
\3300
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」2幕
T.B.ドービニー&ルイ・シャルル・ケーニエ原作 ジョヴァンニ・ゲラルティーニ台本
<CD1>1.序曲/2-19.第1幕/
<CD2>1-4.第1幕(続き)/5-14.第2幕/
<CD3>1-14.第2幕(続き)
ニネッタ・ヴィッラベッラ(ジャンネットの恋人)…
 マリア・ホセ・モレーノ(S)/
ジャンネット・ヴィングラディート(ニネッタの恋人)…
 ケネス・ターヴァー(T)/
ルチーア・ヴィングラディート(ジャンネットの母)…
 ルイザ・イスラム=アリ・ツァーデ(Ms)/
ファブリッツィオ・ヴィングラディート(ジャンネットの父)…
 ジュリオ・マストロトータロ(B)/
フェルナンド・ヴィッラベッラ(ニネッタの父で逃亡兵)…
 ブルーノ・プラティコ(B)/
ピッポ(ヴィングラディート家の召使いの青年)…
 マリアーナ・レヴェルスキ(Ms)/
イザッコ(行商人)…ステファン・チフォレッリ(T)/
アントーニオ…パブロ・カメセッレ(T)/
ジョルジョ…マウリツィオ・ロ・ピッコロ(B)/
代官…ダミア・ウィテリー(B) 他/
ブルノ・クラシカ室内合唱団
(合唱指揮・・・パヴェル・コニャレク)/
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/
アルベルト・ゼッダ(指揮)/
ジアンニ・ファッブリーニ(フォルテピアノ)
録音 2009年7月1.2.4日 ドイツ ヴィウルトバド クアハウス ライヴ録音 第21回ヴィルトバート・ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル
 1817年、25歳のロッシーニ(1792-1868)がたったの3か月で書き上げた歌劇「泥棒かささぎ」。当時、創設間もないミラノ・スカラ座のために書いたこの作品は、それまでのオペラ・ブッファ(滑稽で身近な素材を扱った歌劇)や、オペラ・セリア(王侯貴族のための壮大で贅沢な歌劇)とは違う素材が用いられています。それは19世紀初頭にフランスで流行していた「救出もの」であり、当時の社会情勢を反映した、庶民や農民と、彼らに不当な圧力をかける権力者との対決がモティーフであり、いわば日本における「水戸黄門」のドラマのような物語は多くの聴衆の心をとらえたのでした。
 この「泥棒かささぎ」もその王道を歩む物語で、無実の罪で投獄されるヒロイン、ニネッタを巡る救出ストーリーが克明に描かれています。ロッシーニの第一人者ゼッダによる、素晴らしいロッシーニをお楽しみください。
 


8.573418
\1100
※Blu-rayオーディオ同時発売
偉大なる喜劇のための序曲集
 1.エロール(1791-1833):歌劇「ザンパ」-序曲/
 2.ニコライ(1810-1849):歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」-序曲/
 3.ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948):歌劇「スザンナの秘密」-序曲/
 4.トマ(1811-1896):歌劇「ミニョン」-序曲/
 5.レズニック(1860-1945):歌劇「ドンナ・ディアナ」-序曲/
 6.フロトウ(1812-1883):歌劇「マルタ」-序曲/
 7.オーベール(1782-1871):歌劇「フラ・ディアヴォロ」-序曲/
 8.ロルツィング(1801-1851):歌劇「皇帝と船大工」-序曲/
 9.チマローザ(1749-1801):歌劇「秘密の結婚」 - 序曲/
 10.アダン(1803-1856):歌劇「私が王なら」-序曲/
 11.コルネリウス:喜歌劇「バグダッドの理髪師」-
  序曲(F.モトルによる管弦楽編)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
ランス・フリーデル(指揮)
録音 2014年1月14-16日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 18世紀のイタリアで全盛を誇ったオペラ・ブッファ(滑稽な登場人物による楽しい喜劇)は、パイジェッロやチマローザ、そしてモーツァルトにより完成され、その後、ロッシーニを経てドニゼッティへと引き継がれて行きます。またフランスやドイツでも独自の進化を遂げ、愉快な作品が次々と生まれていきました。しかし19世紀後半には衰退してしまい、現在では一部の作品を除き、ほとんど上演されることもありません。とは言え、これらの序曲は今でも変わらず愛されています。例えばエロールの「ザンパ」序曲は、昔FMのクラシック番組のオープニングテーマとして使われていたので、中間部の軽やかなメロディは広く知られているのではないでしょうか?どの曲も、これから起こる物語を想起させるが如く、ワクワク感に満たされたステキなものばかり。ついついメロディを口ずさんでしまうかもしれません。まずは極上のサウンドでお楽しみください。
 


8.573139
\1100
サン=サーンス:交響曲集 第2集 交響曲 第3番&交響曲 イ長調 他
 1-4.交響曲 第3番 ハ短調 「オルガン付き」Op.78(1886)
 5-8.交響曲 イ長調(1850頃)
 9.交響詩「オンファールの糸車」Op.31
カール・アダム・ランドステレム(オルガン)/
マルメ交響楽団/
マルク・スーストロ(指揮)
録音 2013年8月26-30日 スウェーデン,マルメ・コンサート・ホール
 サン=サーンス(1835-1921)が「この曲には私が注ぎ込める全てを注ぎ込んだ」と語ったほどに気合の入った交響曲第3番。随所で活躍するオルガンばかりが目立ちますが、実に精緻な管弦楽法と、これまた活躍するピアノの使い方も見事なものです。4楽章形式に見えますが、実は2部に分かれた2つの楽章から出来ています。あの華麗なオルガンの導入で有名な箇所は第4楽章ではなく、第2部の後半なのです。この曲は、彼の友人であったフランツ・リストの影響も垣間見られ、また曲自体も初演直後に亡くなったリストに捧げられてもいます。人気曲たる貫禄に満ちた作品です。
 それに比べ、「イ長調交響曲」はサン=サーーンス15歳頃の作品で、早熟の天才だった彼とはいえ、まだ独自の個性は開ききっておらず、モーツァルトやシューベルトの香りが漂う、初々しさ満開のチャーミングな曲です。「オンファールの糸車」も前述の通り、フランツ・リストとの交流から生まれた曲で、女王オンファールの下で奴隷として働くヘラクレスの目を通して、美しい女王の姿を音で描いた作品です。スーストロとマルメ交響楽団は見通しの良い響きと壮麗な音色を持ち味とした颯爽たるサン=サーンスを表出しています。
【スーストロ&マルメ交響楽団:サン=サーンス 交響曲集 第1集】
 交響曲第1番、第2番…8.573138
 


8.573451
\1100
カラブチェフスキー&サンパウロ響
 ヴィラ=ロボス:交響曲 第12 番&バレエ音楽「ウイラプルー」他

  1.バレエ音楽「ウイラプルー」(1917)/
  2-5.交響曲 第12 番(1957)
  6.マンドゥ=サララ(1940)
サンパウロ交響楽団/
サンパウロ交響合唱団&児童合唱団…6/
ナオミ・ムナカタ(合唱指揮)/
イザーク・カラブチェフスキー(指揮)
録音 2014 年2 月28 日-3 月7 日…1-5, 2014 年6 月19-21 日…6 ブラジル サラ・サンパウロ
 ヴィラ=ロボス(1887-1959)の最後の交響曲である第12 番は、彼の70 歳の誕生日に完成させたもの。その翌年にワシントン・ナショナル交響楽団によって初演され、大好評を博しました。
 シュトックハウゼンやカーゲルらが電子音楽やミュージック・コンクレートなどを模索していた時代に、このようなメロディックで壮大な作品は、若干時代遅れの感もありましたが、ロシアなどでは伝統に回帰する試みも起こったりと、この作品が却って当時の作曲家たちの創作意欲を刺激したであろうことも間違いありません。
 湧き上がるように快活な第1 楽章、ワーグナーのトリスタンを思わせる静かで神秘的な第2 楽章、短くとも印象的な第3 楽章、熱情的で大胆な終楽章と、確かに交響曲の伝統に則りながらも、革新的な味わいを持つ見事な作品です。「魔法の島」という意味を持つ野趣溢れるバレエ音楽「ウイラプルー」、エキサイティングなカンタータ「マンドゥ=サララ」(かなり内容は強烈!)と、この1 枚でヴィラ=ロボスの魅力をじっくり味わうことができるでしょう。
 


8.573408
\1100
ブライアン:交響曲第6 番, 第28 番, 第29 番,第31 番
 1.交響曲第6 番 「悲劇的交響曲」(1948)/
 2-5.交響曲第28 番 ハ短調(1967)
 6-9.交響曲 第29 番変ホ長調(1967)
 10.交響曲 第31 番(1 楽章の)(1968) ※2-9 世界
新ロシア国立交響楽団/
アレクサンダー・ウォーカー(指揮)
録音 2014年5月20-24日 モスクワ ロシア国立テレビ&ラジオ・カンパニー KULTURA第5 スタジオ
  最近、ようやくその真価が認められつつある、イギリスの伝説的な作曲家ハヴァーガル・ブライアン。成功とは全く無縁であり、32 曲もの交響曲を書き残しながらも、ほとんど認められることはありませんでした。ようやく生涯の終わり近くに第1 番「ゴシック」が演奏され、一部の人たちの間で熱烈な支持を受けることとなったのが救いでしょうか。彼がこの世を去ってから、ようやくこの比類なき作品群に光が当たり、演奏や録音の機会も増えてきたのは嬉しい限りです。そんなブライアン、72 歳の時にここに収録された「交響曲第6 番」を作曲し、その後は素晴らしいスピードでいくつもの交響曲やオペラ、管弦楽作品を書いていきます。もちろん第1 番のような巨大さ(長さも編成も史上最大の規模を持つとされます)は望めませんが、それでも同世代のイギリスの作曲家たち/エルガーやホルスト、ディーリアス/と比べると、その作品がどれほど奇妙な味わいを持っているかに気がつくのではないでしょうか。ここには単一楽章の第6 番と第31 番、そして古典的な趣きを持つ第28 番、同じく91 歳の時の作品である第29 番の4 曲が収録されています。全て、汲めども尽きぬ創造のエネルギー漲る怪作です。
 

8.573105
\1100
ウィリアム・ペリー:偉大なる無声映画時代の音楽集 第2集
 無声映画のヒロインたち

  1-8.メゾ・ソプラノとオーケストラのための歌組曲
  <リリアン・ギッシュ-嵐の孤児/
   メアリー・ピックフォード-ポリアンナ/
   グレタ・ガルボ-恋多き女/
   グロリア・スワンソン-良きマナー/
   ヴィルマ・バンキー-愛の夜/
   ベティー・ブロンソン-ピーター・パン/
   パール・ホワイト-ポーリンの危難/
   ジャネット・ゲイナー-第七天国>/
  9.夏の夜想曲/
  10-13.過去からのブラス
   <青いオフィクレイド/軍のオフィクレイド/
   田園のオフィクレイド/ラテンのオフィクレイド>
  14.世界の心 ※1-8.10-13.14…世界初録音
ウォリス・ギウンタ(メゾ・ソプラノ)…1-8.14/
ジョン・ブランシー(バリトン)…14/
ティモシー・ハッチンス(フルート)…9/
ミック・ビルン(オフィクレイド)…10-13/
マイケル・ケルトック(ピアノ/オルガン)…1-8.14/
アイルランド国立交響楽団/
ポール・フィリップス(指揮)
録音 2014年6月11-13日 ダブリン ナショナル・コンサート・ホール
 アメリカの作曲家、ピアニスト、ウィリアム・ペリー(1930-)。彼はニューヨーク市の近代美術館映画部の音楽監督を12年間務め、サイレント映画のためのピアノ伴奏を作り、また100作以上の映画音楽を作曲しました。第1集(8.572567)ではテレビの名シリーズ「サイレント・イヤーズ」が中心に収録されていましたが、今作では更に素晴らしい音を聴くことができます。
 「無声映画のヒロインたち」では当時の名女優8人をフィーチャーしたもので、それぞれが歌による特徴的な肖像画となっています。溢れんばかりの美メロは心を存分にくすぐります。「過去からのブラス」はオフィグレイドと管弦楽のための協奏曲であり、映画音楽ではありませんが、ペリーがユニークな映画音楽を書くための準備としても役立つものでした。
 


8.557516
\1100
ウェーベルン:声楽&室内楽作品集
 シェーンベルク:室内交響曲(ウェーベルン編)
 1-5.「第7の環」による5つの歌曲 Op.3(1908-1909)
 <これはお前だけの歌だ/私の問いは嵐のように生き生きしていた/
  小川のほとりを朝早くただひとり/
  朝霧の中に君は歩み行く/木は葉を落とし>/
 6-10. 5つの歌 Op.4(1908-1909)
 <序詞/まだ私の誠がお前を見守らせる/
  そうだお前に祝福と感謝を/
  私は苦しみの中ではただ一つのことしか知らない/
  お前たちは炉辺へと歩みよった>/
 11-16.弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9(1911)
  <Massig/Leicht bewegt/Ziemlich fliessend/
   Sehr langsam/Ausserst langsam/Fliessend>/
 17-20. 4つの歌 Op.12(1915-1917)
  <日は暮れて/神秘的な笛/私は太陽を見たと思った/似たもの同志>/
 21-23. 3つの歌 「道なき道」より Op.23(1934)
  <暗い心/天の高みから清らかさが舞い下り/わが主イエスよ>/
 24-26. 3つの歌 Op.25(1934)
  <何と喜ばしい私/心の真紅の鳥は夜のしじまに/
   星よ、お前たちは夜の銀の峰>/
 27-29.弦楽四重奏曲 Op.28(1936-1938)/
 30-32.カンタータ 第1番 Op.29(1939)/
 33-37.シェーンベルク(1874-1951):室内交響曲 第1番 Op.9
  (A.ウェーベルンによるフルート、クラリネットとピアノ三重奏編)(1906/1923)
トニー・アーノルド(ソプラノ)…1-10.17-26/
クレール・ブース(ソプラノ)…30-32/
ジェイコブ・グリーンバーグ(ピアノ)…1-10.17-26/
キム・スーユン(フルート)…33-37/
チャールズ・ナイディック(クラリネット)…33-37/
レイラ・ジョセフォヴィッツ(ヴァイオリン)…33-37/
フレッド・シェリー(チェロ)…11-16.33-37/
オリオン・ウェイス(ピアノ)…33-37/
ロルク・シュルテ(ヴァイオリン)…11-16/
タイ・ムライ(ヴァイオリン)…11-16/
ディヴィッド・フルマー(ヴィオラ)…11-16/
サイモン・ジョリー合唱団…30-32/
フィルハーモニア管弦楽団…30-32/
ロバート・クラフト(指揮)…30-32
録音 2011年9月28日 ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…1-5.17-20, 2011年9月29日 ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…6-10.21-23.27-29, 2011年9月30日 ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…11-16.21-29, 2008年7月27-30日 ロンドン アビーロード第1スタジオ…30-32,2013年6月10-11日 ニューヨーク アメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ…33-37
 シェーンベルクやベルクと並ぶ新ウィーン楽派(主に1900年代初頭にかけてウィーンで活躍した作曲家の集団)の中核メンバーであったウェーベルン(1883-1945)。当時最も先鋭的な作風で知られるも、出版された作品はたった31曲と少なく、番号なしの作品を含む全集を作ったとしてもCD6枚に収まってしまうというというから驚きです。その分、各曲の凝縮度は半端なく、どれもが熟考の上に生み出されたものであり、後世の作曲家たちに与えた影響力は本当に強く、現在でも彼の作品は孤高の芸術として高く評価されています。
 もちろん、当時の最先端を行く音楽ですから、最初はとっつきにくいかもしれません。しかし、例えば優れた数学者が美しい数式を愛するが如く、彼の複雑な音楽も、深く知れば知るほどにその魅力から離れられなくなるものです。時代によって作風を変化させて行った人でもあり、ここに収録されている1910年代の曲と、1930年代の曲を聞き比べてみると、その変容が理解できるかと思います。また、シェーンベルクの「室内交響曲」の編曲版も興味深いものです。この時代の作品の良き理解者ロバート・クラフトの説得力ある演奏で。
 

8.573441
\1100
スペインの夜 〜ロドリーゴ:ギター協奏曲集
 1-3.アランフェス協奏曲/
 4-6.4台のギターと管弦楽のための「アンダルシア協奏曲」/
 7-16. 2台のギターと管弦楽のための「マドリガル協奏曲」
  <ファンファーレ/マドリガル/エントラーダ/
   羊飼いよ、お前は来る、羊飼いよ、お前は行く/
   ヒラルディーリャ/パストラル/ファンダンゴ/
   アリエータ/サバデアート/スペイン風カッチャ>
デイル・カヴァナー(ギター)…1-3/
アマデウス・ギター・デュオ&エデン=ステル・ギター・デュオ…4-6/
アマデウス・ギター・デュオ…7-16/
インターナショナル・フィルハーモニー管弦楽団/
ホルスト=ハンス・ヴェッカー(指揮)
録音 1999年9月25-28日 ハノーファー トンスタジオ・ファン・ギースト
 カナダ出身のデイル・カヴァナーとドイツ出身のトーマス・キルヒホフの2人による「アマデウス・ギター・デュオ」は、1991年にデュオ活動を開始し、世界各国でコンサートを行い、その高度な音楽性と豊かな音色で聴衆を魅了しています。また多数の著名なオーケストラとも共演を重ね、2台ギターのための協奏曲を積極的に紹介しています。
 このアルバムでは近代スペインの最も重要なギター作曲家であるロドリーゴ(1901-1999)の作品を演奏し、聴き手を幻想的なスペインの夜へと誘います。良く知られたアランフェス協奏曲はもちろん、1767年に作曲された4台のギターを用いる「アンダルシア協奏曲」ではエデン=ステル・ギター・デュオとともに親密で夢幻的な対話を繰り広げます。
 またその翌年に書かれた「マドリガル協奏曲」はスペインの古い旋律や民謡などがふんだんに盛り込まれた楽しい作品で、様々な味付けを施された小品が並ぶ体裁を取っており、軽やかに吹き抜ける風を思わせる流麗さが魅力的です。ギターの素晴らしさを堪能する1枚といえるでしょう。
 

8.573437
\1100
エリザベッタ・ブルーサ:管弦楽作品集 第3集
 1-4.交響曲 第1番 Op.10(1988-1990)
  <第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ/
  第2楽章:アダージョ/
  第3楽章:アレグロ・モデラート/第4楽章:アダージョ>/
 5.交響詩「メルリン」 Op.20(2004) ※世界初録音
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
ダニエル・ルスティオーニ(指揮)
録音 2014年8月12-13日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 1954年ミラノ生まれの女性作曲家、ブルーサ(1954-)の管弦楽作品集の第3集となります。第2集がリリースされてから既に10年以上の年月が経過していますが、その間に彼女の知名度が上がったか?といえば、それは答えに窮する質問であると言えましょうか。
 第1集、第2集は比較的わかりやすい曲が多かったように思いますが、この盤の中心は「交響曲第1番」であり、これは彼女がミラノ音楽院を卒業してから最初に手がけた大オーケストラのための作品で、基本的なソナタ形式に則りながら、ショスタコーヴィチやウォルトンを想起させる力強い音楽が展開していくというものです。
 オーケストラの色彩的な響きを存分に活かしながら、苦しみや悲しみの感情を盛り込まれた堂々たる世界が広がっていきます。神話や文学などにも造詣の深い彼女らしい作品である「交響詩メルリン」も聴き所。円卓の騎士物語に登場する魔法使いマーリンを題材にしたこの曲は、伝統的な音楽の形式からは解き放たれ、様々な楽器のセクションとパーカッションの応酬が見事な生き生きとした音楽に仕上がっています。第3集では、オーケストラも指揮者も刷新して、新たな取り組みとなっているところも興味深いです。
 第1集…8.555266 第2集…8.555367
 

8.573349
\1100
期待の新進演奏家シリーズ/
 エイヴァン・ユー(ピアノ) 〜リスト:シューベルト歌曲によるトランスクリプション集

 1-8.冬の旅 S561/R246(抜粋)
  <第1番:おやすみ/第2番:幻の太陽/第3番:勇気/
  第4番:郵便馬車/第5番:かじかみ/
  第8番:辻音楽師/第9番:幻覚/第10番:宿屋>/
 9-18.白鳥の歌 S560/R245(抜粋)
  <第1番:都会/第2番:漁師の娘/第4番:海辺で/
   第5番:別れ/第6番:遠い国で/第7番:セレナード/
   第9番:春のあこがれ/第11番:アトラス/
   第13番:鳩の使い/第14番:戦士の予感>
エイヴァン・ユー(ピアノ)
録音 2013年12月3-4日 UK モンマス ウィアストン・コンサート・ホール
 ピアノの魔術師フランツ・リスト(1811-1886)は先人シューベルトの歌曲の持つ詩的な香りと深い思索に特別な愛情を持っていました。それ故、いくつかの歌曲をピアノだけで演奏できるように編曲を施して、リスト自身のコンサートでのプログラムに取り入れたのです。
 もちろんいくつかの作品は、あまりにも華美になり過ぎていて、原曲が放つ厳しい雰囲気とは程遠いものになっていますが、それはご愛嬌。リストの心を通して見たシューベルトの世界(時には曲の順番を入れ替えても)が美しく再現されています。
 ここでピアノを演奏しているのは、2012年にシドニー国際ピアノ・コンクールで優勝を果たした香港生まれの若手ピアニスト、エイヴァン・ユー。すでに世界中のオーケストラと共演し、数多くのリサイタルを行い、その実力が高く評価されています。重厚なタッチと繊細な表現力が素晴らしく、一度聴いただけで虜になること間違いなしです。
 

8.573386
\1100
金管七重奏のための音楽集 第2集 〜
 ヘンデル,パーセル,ラモー,ブロウ作品集

 1-7.ラモー(1683-1764):歌劇「ダルダニュス」-組曲
  (S.コックスによる金管七重奏編)/
 8-15.ブロウ(1649-1708):歌劇「ヴィーナスとアドニス」-
  「仮面劇」(M.ナイトによる金管七重奏編)/
 16-24.パーセル(1659-1695):
  劇音楽「女房持ちの色男、無分別な物好き」(抜粋)
   (S.コックスによる金管七重奏編)/
 25-30.ヘンデル(1685-1759):歌劇「リナルド」-
  組曲(S.コックスによる金管七重奏編)
セプトゥーラ
<メンバー:アラン・トーマス(B♭管tp)/
サイモン・コックス(B♭管tp)/
ヒュー・モーガン(E♭管tp)/
ピーター・スミス(tub)/
マシュー・ギー(tb)/
マシュー・ナイト(tb)/
ダン・ウェスト(B-tb)>
録音 2014年5月3-5日 ロンドン ニューサウスゲート、聖ポール教会
 金管アンサンブル「セプトゥーラ」によるシリーズ第2集は、17世紀のバロック・オペラの名曲を中心にセレクトしたものです。この当時の金管楽器は、未だ発展途上であり、ヘンデルの作品にしても楽器の使い方は現在とは全く異なるものと言ってもよいでしょう。
 当然、ここで演奏している曲は本来の姿と違うかもしれませんが、この試みは極めて興味深いものであり、また楽器の可能性を探るものとして、何より完璧な音楽として仕上がっていることは高く評価できるのではないでしょうか?
 トラック30は有名な「私を泣かせてください」で、この美しい旋律がどれほどに神々しく奏されているか…を実際に聴いてみてください。
 この演奏、第1集(8.573314)とは若干のメンバー変更がありますが、そのアンサンブルは全く乱れがありません。とにかくスゴイです。
 

8.573397
\1100
ヘンデル:鍵盤楽器のための組曲集 第2集 〜
 ハープシコード組曲 第1巻 第5番-第8番 HWV430-433

 1-4.組曲 第5番 ホ長調 HWV430
  <プレリュード/アルマンド/クーラント/
  エア・アンド・ドゥブレ(調子の良い鍛冶屋)>/
 5-8.組曲 第6番 嬰へ単調 HWV431
  <前奏曲/ラルゴ/アレグロ/ジグ:プレスト>/
 9-14.組曲 第7番 ト短調 HWV432
  <序曲/アンダンテ/アレグロ/サラバンド/ジグ/パッサカーレ>/
 15-19.組曲 第8番 ヘ短調 HWV433
  <前奏曲/アレグロ/アルマンド/クーラント/ジグ>
フィリップ・エドワード・フィッシャー(ピアノ)
録音 2009年9月15日 イギリス バーミンガム、シンフォニー・ホール
 ヘンデル(1685-1759)の鍵盤楽器のための組曲は、多数の曲があるにも拘わらず、残念なことに現代ではあまり知られてはいません。しかし、ここに収録した1720年作のいわゆる「8つの大きな組曲」はヘンデルによる紛れもない傑作です。
 第1集ではフィッシャーのモダン・ピアノによる演奏で第1組曲から第4組曲までを収録、こちらは華やかな音色と闊達たる表現で高い評価を得ましたが、いよいよ第2集には第5組曲から第8組曲までを収録、新たな境地で聴き手を魅了します。
 第5組曲の最後に置かれた「調子の良い鍛冶屋」は誰もが知っている名曲ですが、他の曲も実に素晴らしいもので、特にテンポの遅い曲は、ヘンデル作品に共通する緊張感が漂うものが多く、聞き応えのある名曲です。1733年に刊行された第2巻の録音も楽しみです。 第1集…8.572197
 


8.573347
(2CD)
\2200→\1990
大家の名前もいくつか・・・ジュリアード・バロックによる
 F. クープラン:諸国の人々 〜3声の合奏のソナタと組曲

<CD1>《第1組曲:フランス人》
  1.ソナード:荘重に-喜ばしく-荘重に-喜ばしく-
   荘重に-生き生きと-エール:優美に-喜ばしく/
  2.組曲:アルマンド:遅くなく/3.組曲:クーラント I:高貴に/
  4.組曲:クーラント Ⅱ:少し早く/
  5.組曲:サラバンド:荘重に/6.組曲:ジグ:喜ばしく/
  7.組曲:シャコンヌあるいはパッサカーユ:モデレマン/
  8.組曲:ガヴォット/9.組曲:ムニュエ/
 《第2組曲:スペイン人》
  10.ソナード:荘重に-生き生きと-情感豊かに-軽快に-
   喜ばしく-エール・タンドル-生き生きと、はっきりと/
  11.組曲:アルマンド:優美に/
  12.組曲:クーラントI:高貴に/
  13.組曲:クーラント Ⅱ:もう少し生き生きと/
  14.組曲:サラバンド:荘重に/
  15.ジグ・ルーレ:モデレマン/
  16.組曲:ガヴォット:優しく、遅くなく/
  17.組曲:ブーレ:喜ばしく-前出のブーレのドゥーブル/
  18.組曲:ロンドー:情感をもって/
  19.組曲:パッサカーユ:高貴に、そしてはっきりと/
<CD2>《第3組曲:神聖ローマ帝国の人々》
  1.ソナード:荘重に-生き生きと-荘重に、はっきりと-
   ロンドー:軽快に-急速に-生き生きと/
  2.組曲:アルマンド:遅くなく/3.組曲:クーラント I/
  4.組曲:クーラント II:よりはっきりと/
  5.組曲:サラバンド:優しく/6.組曲:ブーレ:喜ばしく/
  7.組曲:ジグ:中庸の軽やかさで/
  8.組曲:ロンドー:喜ばしく/9.組曲:シャコンヌ/
  10.組曲:ムニュエ/
 《第4組曲:ピエモンテの人々》
  11.ソナード:荘重に-生き生きと-荘重に-
   生き生きと、はっきりと-エール:優美に-エ−ルⅡ-
   荘重に はっきりと-軽快に/
  12.組曲:アルマンド:高貴に、遅くなく/
  13.組曲:クーラント Ⅰ/14.組曲:クーラント Ⅱ:少し喜ばしく/
  15.組曲:サラバンド:優しく/16.組曲:ロンドー:喜ばしく/
  17.組曲:ジグ:感情豊かに、しかし軽やかに
ジュリアード・バロック(ピリオド楽器使用)
<メンバー:
 モニカ・ハジェット(ヴァイオリン)/
 シンシア・ロバーツ(ヴァイオリン)/
 サンドラ・ミラー(フルート)/
 ゴンサロ・X・ルイス(オーボエ)/
 ドミニク・テレシ(ファゴット)/
 ダニエル・スヴェンベリ(テオルボ&バロック・ギター)/
 サラ・カニンガム(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
 ケネス・ヴァイス(ハープシコード)>
録音 2013年2月10日.12月10日 ニューヨーク 525西121番街 コルプス・クリスティ教会
 多くの音楽家を輩出したクープラン家の一員であり、とりわけ良く知られているフランソワ・クープラン(1688-1733)。ハープシコード音楽の作曲家として認識されていますが、彼はコレッリの信奉者であり、トリオ・ソナタの様式(2つの楽器と通奏低音による3つの声部による音楽)をフランス音楽に導入したことでも知られています。
 この「諸国の人々」はタイトルが示すとおり、いくつかの国の人々を表した組曲であり、もともとは彼自身のトリオ・ソナタを転用しながら発展させたものなのです。フランス人はトリオ・ソナタ「少女」、スペイン人は「空想にふける女」、神聖ローマ人は同名のトリオ・ソナタ、そしてピエモンテは「アストレ」が転用されています。そもそもピエモンテとは何?と思われる方もいるでしょう。
 これはイタリアの州のひとつで、古代にはこの地域にケルト人が住んでいたとされています。旋律の妙技が巧妙に組み合わされたフランスの舞踏組曲を、2009年に設立されたジュリアード・バロック(音楽院の学生や教員たちによるアンサンブル)でお楽しみください。
 

8.572462
\1100
イサシ:弦楽四重奏曲集 第3集 〜第1番,第5番&ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調
 1-4.弦楽四重奏曲 第1番 ト長調 Op.11(1911/1914改訂)
 <第1楽章:Allegro moderatissimo/
  第2楽章:Andante e romantico/
  第3楽章:Intermezzo:Allegretto e mosso/
  第4楽章:Final: Allegro>/
 5-8.弦楽四重奏曲 第5番 ハ短調 Op.32(1921)
  <第1楽章:Allegro non troppo/第2楽章:Adagio/
  第3楽章:Allegretto vivace/第4楽章:Final: Allegro>/
 9-11.ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.25(1917)
  <第1楽章:Allegro. Un poco recitativo/
  第2楽章:Romance: Adagio/第3楽章:Allegro molto>
  ※全てカルスティン・ドバースによる補筆完成版…世界初録音
イサシ弦楽四重奏団
<メンバー:
 アンナ・ボヒガス(第1ヴァイオリン)/
 エネコイツ・マルティネス(第2ヴァイオリン)/
 カーステン・ドーバーズ(ヴィオラ)/
 テレサ・バレンテ(チェロ)>…1-8/
アンナ・ボヒガス(ヴァイオリン)…9-11/
マルタ・サバレタ(ピアノ)…9-11
録音 2009年11月30日-12月3日 フランス ル・シャトー・ダルカング…1-8, 2013年9月21-22日 スペイン ビルバオ,アリアーガ・コンセルヴァトリー…9-11
 スペイン、ビルバオ出身のアンドレス・イサシ(1890-1940)の弦楽四重奏曲集も、この第3集で完結となります。
 19歳から留学していたベルリンで師事したフンパーディンクの影響は、1914年に故郷ビルバオに戻っても変わることなく、晩年に至るまで、その豊かなメロディに自然の音を取り入れた美しい作品を数多く書き残しました。
 ただ、当時のスペインではこの作風は受け入れられず、結局これらは忘れられてしまうことになったのです。彼はベルリンに到着する際、ビルバオ時代の作品は全て破棄するつもりだったようですが、このアルバムに収録された第1番は、自身で改訂しストックホルムで発表されたもので、ゆったりとした風情が印象的な四重奏曲です。
 第5番はブラームスに捧げられた作品で、彼の死後2年を経た1942年に初演されました。こちらは雄弁で起伏に富んだ主題を持つ第1楽章と、切ない風情を持つ第2楽章がとりわけ印象的です。
 またヴァイオリン・ソナタからはリヒャルト・シュトラウスの影響も感じられます。ゆったりと包み込むような暖かさに満ちた音楽です。
  


8.572692
\1100
エネスク:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第2集
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 Op.2(1897)
  <第1楽章:Allegro vivo -/第2楽章:Quasi adagio -/
   第3楽章:Allegro>/
 4.バラード Op.4a(1895-1896)/
 5.オーバード(朝の歌)(1899/1903)/
 7.ホラ・ウニレイ(1917)/
 8.アンダンティーノ・マリンコニーコ(1951)/
 9-18.幼き頃の印象 Op.28(1940)
  <フィドル弾き/年老いた物乞い/庭の小川/
   かごの鳥と壁のカッコウ時計/安らぎの歌/
   コオロギ/窓に輝く月/煙突の風/夜、外の嵐/日の出>
アクセル・シュトラウス(ヴァイオリン)/
イリヤ・ポルターエフ(ピアノ)
録音 2012年1月2-5日 USA カリフォルニア,サンフランシスコ H.ヒューム・コンサート・ホール
 ヴァイオリニストとしても並外れた才能を有していたジョルジェ・エネスク(1881-1955)は、フリッツ・クライスラーやジャック・ティボーと並ぶ「20世紀前半の三大ヴァイオリニスト」の一人であり、また名チェリスト、パブロ・カザルスは「モーツァルト以降の最も偉大で非凡なる音楽の才能」と賛辞を送っています。
 そんな彼の作品も、単なるヴァイオリニストが自分の腕を誇示するための曲ではなく、真に霊感の篭ったものであり、ルーマニアの民俗音楽を絶妙に取り入れた名作揃いとなっています。
 ヴァイオリン・ソナタ第1番は彼の16歳の作品で、確かにブラームスやベートーヴェンの影響も感じられますが、対位法や色彩はユニークであり、類い稀なる才能の萌芽か確実にここにあります。また「幼き頃の印象」も良く練られた作品で、程よい郷愁と神秘的な雰囲気が万華鏡のような色鮮やかな世界を形作っています。名手アクセル・シュトラウスの丁寧な演奏が光ります。 第1集…8.572691
  

8.559711
\1100
アーロン・ジェイ・カーニス:作品集 3つの味 他
 1-3.3つの味(2012/2013)
 <第1番:オスティナート/第2番:子守歌-舟歌/
  第3番:青い渦巻き>/
 4-5.鐘を伴う2つの楽章(2007)
 <第1番:ポコ・アダージョ/第2番:父への歌>/
 6.Ballad(e) out of the Blue(s)-
 ブルースなしのバラード スーパー・スター練習曲 第3番 ※世界初録音
アンドリュー・ルッソ(ピアノ)/
ジェームズ・エーネス(ヴァイオリン)…4-5/
アルバニー交響楽団…1-3/
ディヴィッド・アラン・ミラー(指揮)…1-3
録音 2013年10月22日 ニューヨーク トロイ・セーヴィング・バンク・ミュージック・ホール…1-3/2011年12月20-21日 トロイ シラキュース大学、セトナー・ホール…4-6
 アメリカ、フィラデルフィア生まれの作曲家アーロン・ジェイ・カーニス(1960-)は、同世代の作曲家の中でも最も重要な位置を占める一人とされています。様々な賞を獲得していますが、中でも2002年のグロマイヤー賞を最年少で受賞したことは大きな話題となりました。
 彼の作品は「新調性音楽」として分類され、これは20世紀を席巻した無調、12音音楽のような難解な旋律ではなく聞きやすく耳になじみやすい旋律を追求したもので、古典的な作曲技法を下敷きにした上で、新たな方向を模索するという、現代人にとっても、ある意味親しみやすい音楽なのです。
 「3つの味」は彼が外食するとき、色々な味を楽しみたいという気持ちをそのまま音にした作品で、もともとはトイピアノのために書かれています。ここではグランドピアノのために改編されたヴァージョンが演奏されています。いらいらするような「オスティナート」、ペルト作品を思わせる「子守歌」、ジャズ風味の「青い渦巻き」とエキセントリックでラジカルな音楽です。
 ヴァイオリニスト、エーネスと、カーニスの父の思い出のために書かれた「2つの楽章」、ガーシュウインのオマージュである練習曲第3番。どうぞ、じっくり聞いてください。
 

8.571357
\1100
サーストン・コネクション 〜クラリネットとピアノのための英国音楽集
 1-2.アーノルド・バックス(1883-1953):
  クラリネット・ソナタ(1934)/
 3-5.ロジャー・フィスク(1910-1987):
  クラリネット・ソナタ(1941)/
 6-8.イアイン・ハミルトン(1922-2000):
  3つの夜想曲 Op.6(1949-1950)/
 9.ヒュー・ウッド(1932-):
  楽天の鳥によるパラフレーズ Op.26(1985)/
 10.リチャード・ロドニー・ベネット(1936-2012):協奏的二重奏曲
   ※3-5.6-8…世界初録音
ニコラス・コックス(クラリネット)/
イアン・バックル(ピアノ)
録音 2011年8月31日.9月1日 イングランド リヴァプール,ザ・フライアリー
 イギリスの名クラリネット奏者フレデリック・サーストン(1901-1953)を取り巻く作品集です。サーストンは7歳からクラリネットをはじめ、王立音楽大学で学び、チャールズ・ドレイパーに師事、ロイヤル・フィルハーモニー管やBBC放送管などとの共演を経てBBC交響楽団の首席クラリネット奏者に就任、1946年に退団した後は室内楽に力を注ぎました。
 彼が初演した作品は数多く、このアルバムに収録された曲のほかにも、アイアランドの幻想曲やロースソーンのクラリネット協奏曲、ヒンデミットやコープランドの作品までと多岐に渡ります。
 彼のキャラクターはとても親しみ易いもので、友人によると「天然のコメディアン」であり、常に友人たちの輪の中心にいた人物でもあります。
 また、ウッドとベネットの作品はイギリスの伝統を引き継ぐものであり、とりわけベネットの二重奏曲はこのアルバムの奏者コックスの委嘱作で、鮮烈な印象を持つものです。
 


8.573282
\1100
ヴァチェヴィチの兄
 ヴィータウタス・バツェヴィチウス:管弦楽作品集 第1集

 ピアノ協奏曲 第3番&第4番 他
  1-3.ピアノ協奏曲 第3番 Op.44(1946/1949)
  4-6.組曲「春」(1958)/
  7-9.ピアノ協奏曲 第4番「協奏交響曲」Op.67(1962)
   ※1-6…世界初録音
ガブリエリウス・アレクナ(ピアノ)…1-3.7-9/
リトアニア国立交響楽団/
クリストファー・リンドン=ジー(指揮)
録音 2013年6月24-28日 リトアニア ヴィルニウス,ナショナル・フィルハーモニック・ホール
 リトアニア人の父とポーランド人の母を持つ作曲家バツェヴィチウス(1905-1970)。彼よりも、5歳年下の妹であるヴァチェヴィチの方が知名度も人気も高いのですが、兄の作品もなかなか聴き応えのある素晴らしいものです。もともとはピアニストとして名声を博し、数多くの演奏会に出演していた彼、1939年に南アメリカで演奏旅行を行っている時に、第二次世界大戦が勃発し、その翌年、祖国リトアニアがソビエト連邦に併合されたため、そのままアメリカに留まることとなってしまいました。
 このアルバムに収録された3つの作品も、定住先のアメリカで書かれたものです。第3番の協奏曲は、彼自身、祖国に対して明るい見通しを持っていたようで、曲の雰囲気もヨーロッパ風ですが、それ以降は瞑想的であり、彼が信じていた「宇宙=肉体から解放された人間の心の無限の想像力」を表現するもので、神秘的な風情を持っています。
 “鋼鉄のタッチと春の柔らかい呼吸を持つ”とされたバツェヴィチウスのピアニズムも感じられる見事な作品です。
 


8.573289
\1100
大英図書館にあったコピーを修復、自作自演を含む
 ヘンツェ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 他

 1-2.イル・ヴィタリーノ・ラッドッピアート(1977)
  独奏ヴァイオリンと室内オーケストラのための
   「ヴィターリのシャコンヌを元にしたシャコンヌ」/
 3-8. ヴァイオリン協奏曲 第2番(1971)
  独奏ヴァイオリンとテープ、バス・バリトンと33の楽器のための
   <Presentazione-プレゼンテーション/
   Teorema-定理/Fantasia I-ファンタジア I/
   Divertimento-ディヴェルティメント/
   Fantasia II-ファンタジア II/Conclusione-結び>
ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン…1-8&指揮…1-2)/
オマール・エブラヒム(語り…3-8)/
ロングボウ…1.2/
パルナッスス・アンサンブル・ロンドン…3-8/
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(指揮)…3-8
録音 2013年7月15日 ロンドン トゥーティング,全霊教会…1-2, 1991年1月14日 ロンドン バービカン・センター…3-8
 ヘンツェ(1926-2012)の2つのヴァイオリン作品を収録。最初の作品のタイトルは「倍増したヴィターリ」という意味で、あの有名な「ヴィターリのシャコンヌ」をさらに変奏曲に仕立てたというもの。原曲がどんどん陵辱され、どろどろに形を変えていく様子がたまりません。カデンツァの部分の奇妙な世界観もたまりません。ヴァイオリン協奏曲第2番は、劇場やコンサートで演奏されることを目標に作られた音楽で、ヴァイオリン、テープに録音された詩人エンツェンスベルガーの「ゲーデル頌」をスピーカーから流しながら、管弦楽とヴァイオリンが様々な風情の音楽を奏していきます。
 ヴァイオリニストのパフォーマンスも含めて入念な準備が必要とされるこの演奏は、ヘンツェとスケアヴェズによるコラヴォレーションの最後のもので(その少し後に彼らの共同作業は終了しています)スケアヴェズ自身もこの演奏を聴いたことがなかったのだそうです。
 BBCによると、この記録のマスターは失われていたため、今回のCDには大英図書館にあったコピーを修復したものが収録されています。曲はもう通常のヴァイオリン協奏曲の概念など軽く飛び越えた「パフォーマンス」であり、上質な素材をふんだんに使用したヘンツェらしい混沌の世界を楽しむことができます。

NAXOS(Blu-rayオーディ)


NBD-47
(Blu-ray Audio)
\2400
プロコフィエフ:交響曲第3番/スキタイ組曲 他
 1-4.スキタイ組曲「アラとロリー」Op.20(1914-1915)
  <ヴェレスとアラへの讃仰/
   邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の踊り/夜/
   ロリーの栄えある門出と太陽の行進>/
 5.交響的スケッチ「秋」Op.8(1910/1915改編.1934)/
 6-9.交響曲第3番 ハ短調 Op.44
  <第1楽章:Moderato/第2楽章:Andante/
   第3楽章:Allegro agitato-Allegretto/
   第4楽章:Andante mosso-Allegro moderato>
サンパウロ交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
録音 2014年3月20日…1-4, 2014年5月8.10.12日…5-9 ブラジル サラ・サンパウロ
<BD-A> AUDIO Recorded and edited in HIGH DEFINITION, 24-bit, 96 kHz PCM Surround, Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio n 2.0 Stereo - PCM DURATION 61'25"
 大好評!マリン・オールソップとサンパウロ交響楽団によるプロコフィエフ(1891-1953)の交響曲集第4集です。
 アルバムのメインとなる「交響曲第3番」は、その前年に完成された歌劇「炎の天使」の素材が用いられています。それは、この歌劇にはあまりにも問題が多かったため演奏会形式で上演されたものの、完全な初演の見通しが立たず、この作品の将来を鑑みたプロコフィエフが、その中の幾つかの主題を基に交響曲として再構築したためです。
 プロコフィエフはこの交響曲に絶大なる自信を持っていたと言い、確かに刺激的かつ堂々たる作品となっています。「スキタイ組曲」は、もともとバレエ音楽として作曲され、バレエ・リュスのディアギレフにスケッチを提示したところ、上演を拒否されたため、演奏会組曲として書き直されたものです。第2曲目の激しさは必聴です。
 「秋」は暗い雰囲気を有した作品ですが、タイトルと曲には直接の関係はないのだそうです。あまり演奏されることのないレアな作品です。
 

NBD-43
\2400
(Blu-rayオーディオ)
※通常CD同時発売
偉大なる喜劇のための序曲集
 1.エロール(1791-1833):歌劇「ザンパ」-序曲/
 2.ニコライ(1810-1849):歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」-序曲/
 3.ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948):歌劇「スザンナの秘密」-序曲/
 4.トマ(1811-1896):歌劇「ミニョン」-序曲/
 5.レズニック(1860-1945):歌劇「ドンナ・ディアナ」-序曲/
 6.フロトウ(1812-1883):歌劇「マルタ」-序曲/
 7.オーベール(1782-1871):歌劇「フラ・ディアヴォロ」-序曲/
 8.ロルツィング(1801-1851):歌劇「皇帝と船大工」-序曲/
 9.チマローザ(1749-1801):歌劇「秘密の結婚」 - 序曲/
 10.アダン(1803-1856):歌劇「私が王なら」-序曲/
 11.コルネリウス:喜歌劇「バグダッドの理髪師」-
   序曲(F.モトルによる管弦楽編)
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
ランス・フリーデル(指揮)
録音 2014年1月14-16日 スコットランド グラスゴー,ヘンリー・ウッド・ホール
 <BD>24-bit, 96 kHz PCM Surround, Presented in HIGH DEFINITION 24-bit, 96 kHz n 5.1 Surround - DTS-HD Master Audio n 2.0 Stereo - PCM DURATION 79:41
 18世紀のイタリアで全盛を誇ったオペラ・ブッファ(滑稽な登場人物による楽しい喜劇)は、パイジェッロやチマローザ、そしてモーツァルトにより完成され、その後、ロッシーニを経てドニゼッティへと引き継がれて行きます。またフランスやドイツでも独自の進化を遂げ、愉快な作品が次々と生まれていきました。
 しかし19世紀後半には衰退してしまい、現在では一部の作品を除き、ほとんど上演されることもありません。
 とは言え、これらの序曲は今でも変わらず愛されています。例えばエロールの「ザンパ」序曲は、昔FMのクラシック番組のオープニングテーマとして使われていたので、中間部の軽やかなメロディは広く知られているのではないでしょうか?どの曲も、これから起こる物語を想起させるが如く、ワクワク感に満たされたステキなものばかり。ついついメロディを口ずさんでしまうかもしれません。まずは極上のサウンドでお楽しみください。
 

OEHMS CLASSICS



OC688
(SACD-Hybrid)
\2400→\2190
シモーネ・ヤング&ハンブルク・フィル
 ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調(1885年 ノーヴァク版)
ハンブルク・フィルハーモニカー/
シモーネ・ヤング(指揮)
2014年8月30日 ハンブルク ライブ収録

 2014-2015年のシーズンで、ついにブルックナー(1824-1896)の交響曲全曲ツィクルスが完成となるシモーネ・ヤングとハンブルク・フィル。この第7番でも完璧な音楽を聴かせています。
 ブルックナーの交響曲の中でも屈指の旋律美を持つ第7番こそ彼女の資質にぴったりなのではないでしょうか。冒頭の伸びやかでたっぷりとしたチェロの歌を聴いただけで、この演奏が類い稀なる名演であることがおわかりになるでしょう。
 第2楽章の壮麗さも筆舌に尽くしがたいものであり(もちろん打楽器は豪快に鳴り渡ります)スケルツォ、終楽章も万全。ブルックナーってやっぱり良い!と思える演奏です。
 


OC1814
\2400→\2190
モーツァルト:カストラートのためのアリア集
 1-2.歌劇「偽の女庭師」 K196より
  <ラミロのアリア「小鳥があるとき逃げ出したら」/
   ラミロのアリア「ああ嬉しい希望、わが忠実な恋人」>/
 3-5.歌劇「ルーチョ・シッラ」K135より
  <序曲/チェチ−リオのアリア「いとしい瞳よ」/
   チェチーリオのアリア「甘い喜びの一瞬を」>/
 6.歌劇「皇帝ティートの慈悲」K621 セストのアリア「この今のときだけでも」/
 7.歌劇「クレタの王イドメネオ」K366 イダマンテのアリア「自分に罪はない」/
 8.歌劇「フィガロの結婚」K492 ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」
ヴェラール・サバドゥス(カウンターテナー)/
グラーツ大管弦楽団「レクリエーション」/
ミヒャエル・ホフステッター(指揮)
録音 2013年12月2-3日 オーストリア グラーツ,シュテファニーエンザール ライブ収録
 モーツァルト(1756-1791)の時代は多くの「カストラート」が活躍していました。16世紀のヨーロッパでは女性が教会で歌うことが許されず、その代わりにボーイ・ソプラノが重用されていましたが、彼らは変声期を迎えると声の質が変わってしまいます。そこで「男性を去勢してその美しい声を残すこと」が流行しました。
 彼らは、声は女性に近いものの、体つきは男性に近くなるため、独特のトーンと持続力のある声を持つことができたといわれています。もちろん現在では消滅した存在で、女声のメゾ・ソプラノがその代わりを担うことが多いのですが、発声法こそ違うものの、カウンターテナー(裏声を用いる)も女声とはまた違った魅力を持っています。
 このアルバムの収録曲もカストラートのためのものですが、名カウンターテナー、サバドゥスは当時のスタイルを慮りつつ、また新たな表現の幅を広げています。力強く美しく妖しい魅力を秘めた声をお楽しみください。
 

OC1826
\2400
FLOW 〜ジャズとルネッサンス-イタリアとブラジルから
 1.ジョン・ダウランド(1563-1626):流れよ、わが涙/
 2.カルロス・ジョビン(1927-1994):イパネマの娘/
 3.バルトロメオ・デ・セルマ・イ・サラベルデ(1580-1640):歌-第3番/
 4.ダウランド:悲しめ、昼は闇に去った/
 5.チャーリー・パーカー&ベニー・ハリス:オルニトロジー/
 6.ジョヴァンニ・カプスベルガー(1580-1651):デサフィナード/
 7.タルクィーニオ・メルーラ(1595-1665):チャコーナ/
 8.クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643):私を死なせて/
 9.アクセル・ヴォルフ:インプロヴィーソ&セロニアス・モンク(1917-1982):ラウンド・ミッドナイト/
 10.ジョヴァンニ・バッサーノ(1558-1617):愛は決して前に/
 11.ダウランド:暗闇に住まわせておくれ/
 12.ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):トッカータ&マイルス・デイヴィス(1926-1991):ブード/
 13.ジョージ・ガーシュウイン(1898-1937):サマータイム/
 14.メルーラ:子守歌による宗教的カンツォネッタ
アクセル・ヴォルフ(リュート&テオルボ)/
フーゴ・ジークメト(ソプラノ&テナーサックス&バスクラリネット)
録音 2014年9月15-19日 ミュンヘン リアリステック・サウンド・スタジオ
 「現代とルネッサンスの融合」このような試みは、しばしば現れ多くの聴き手に新鮮な喜びを与えてくれます。
 このアルバムでは名リュート奏者ヴォルフとサックス奏者ジークメトのコラボによる、新しい音楽を楽しむことができます。現代的なスタイルとサウンドに彩られたダウランドの名旋律がこんなにも心に染みるなんて・・・。
 また、曲によっては火花が散るようなインプロヴィゼーションの応酬があったり。また典雅なリュートの音色とジャズの融合にも目が覚めるようです。オシャレでラグジュアリーな空間にもぴったりの1枚です。
 


OC431
\2100→\1890
W.F.バッハ:ピアノ作品集
 1.幻想曲 ニ短調/2.フーガ ニ短調/3.幻想曲 ホ短調/
 4.フーガ ホ短調/5.フーガ ホ短調/6-8.ソナタ ニ長調/
 9-11.ソナタ 変ホ長調/12-14.ソナタ ハ長調/15.幻想曲 イ短調
アントニー・スピリ(ピアノ)
 バッハ一族の中でも、少しだけ異端視されているヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)。彼は大バッハの長男であり、当時は「バッハの息子たちの中で最も才能に恵まれている」と評価されていたものの、性格の悪さから人望をなくし、結果、良い職にもつけずに失意のうちにこの世を去ってしまった人です。膨大な作品を書いたにもかかわらず、前述の理由でほとんど出版されることはなく、多くは散逸してしまいました。
 しかし残された作品は、どれも独創性と多様性に満ちたものであり(これは伝統を無視した結果と評する人もいます)、どれも興味深い音楽であることは間違いありません。まだ彼の作品の全貌は明らかになっていませんが、最近になってキエフでいくつかの作品が発見されたりと、再評価が進んでいます。
 今回ピアノを演奏しているのは、ヨーロッパを中心に大活躍しているピアニスト、アントニー・スピリです。現代音楽も得意ですが、バッハ一族の作品にも深い関心を寄せていて、いくつかのリリースが継続しています。
 

OC1816
\2400
シューマン:ハインリヒ・ハイネの詩による歌曲集
 1-9.リーダークライス Op.24
 <私が朝起きると/私はやるせない思いで/私は木陰をさまよい/
  いとしい恋人、君の手を/私の悲しみの美しいゆりかご/
  待て、たくましい船乗りよ/山々と城が見下ろしている/
  はじめから私はほとんど生きる気をなくして/ミルテとばらの花を持って>/
 10-11. 5 つのリートと歌 Op.127 より
  <第3 番:私の恋は輝く/第2 番:あなたの顔は>/
 12-13. 4 つの歌 Op.142 より
  <第2 番:君の頬を寄せて/第4 番:私の馬車はゆっくりと>/
 14.ベルシャザル Op.57/
 15-30.詩人の恋 Op.48
  <美しい五月に/私の涙から/ばらよ、ゆりよ、鳩よ/
  私がおまえの瞳を見つめるとき/私の心をゆりの杯にひたそう/
  聖なるラインの流れに/私は恨むまい/花がわかってくれるなら/
  それはフルートとヴァイオリンの響き/あの歌の響きを聞くと/
  若者はおとめを愛した/明るい夏の朝に/私は夢の中で泣いた/
  夜ごとの夢に君をみる/昔のおとぎ話より/昔のいまわしい歌>
セバスティアン・ノアック(バリトン)/
マヌエル・ランゲ(ピアノ)
 録音 2012 年10 月17-19 日 ベルリン=ダーレム イエス・キリスト教会
 1840 年にシューマン(1810-1856)が「詩人の恋」を作曲してから、それこそ数え切れないほどの歌い手たちがこの歌を歌って来ました。男声歌手、時には女声歌手も歌うこの歌曲集には汲めども尽きぬ魅力があることは間違いありません。
 このアルバムでは同じ年に書かれた「リーダークライス Op.24」と、同じハイネの詩に付けられた4 つの歌曲を集めています。
 シューマンがこれらの詩にどれほどまでに寄り添って、美しいメロディをつけたかを味わっていただけることでしょう。ハイネの詩自体は、批評精神に裏打ちされているものも多く、ドビュッシーを始めとした後世の人々は「シューマンはハイネを理解していない」と批判したとも言われますが、少なくともシューマンは、詩から崇高なエッセンスを抜き出すことで言葉に永遠の命を与えたのではないでしょうか。
 ここで艶やかな歌を聞かせるのはベルリン生まれのノアックです。彼はフィッシャー=ディースカウやアリベルト・ライマンに学び、数々のオペラに出演する実力派です。現在はベルリンのハンス・アイスラー音楽アカデミーの客員教授を務めています。
 

OC1820
\2400
アレクサンダー・シンプ:ブラームス、ドビュッシー、ベートーヴェンを弾く
 1-4.ブラームス(1833-1897):4 つのピアノ小品 Op.119
  <間奏曲/間奏曲/間奏曲/狂詩曲>/
 5-7.ドビュッシー(1904-1907):映像 第2 集
 <葉末を渡る鐘の音/そして月は荒れた寺院に落ちる/金色の魚>/
 8.ドビュッシー:喜びの島/
 9-10.ベートーヴェン(1770-1827):ピアノ・ソナタ 第32 番 ハ短調 Op.111
アレクサンダー・シンプ(ピアノ)
録音 2013 年12 月,2014 年4 月.9 月 スイス Alte Kirche Boswil,
 2011 年、クリーブランド国際ピアノ・コンクールで優勝した後、輝かしい経歴を歩んでいるピアニスト、アレクサンダー・シンプ。彼は北米大陸を中心に活発なコンサート活動を行い、素晴らしい結果を出しています。
 そんな彼の新譜はブラームスとドビュッシー、ベートーヴェンという一見脈絡のない作品で構成されています。しかし、全て作曲家の後期の作品であるという綿密に計算されたプログラムであり、前作のラヴェル、スクリャービン、シューベルト作品集(OC867)と同じコンセプトに貫かれたものなのです。
 深部に沈むものを丁寧に掬い上げるかのような優しいタッチと色彩感は、彼の美点の一つでしょう。ひたすら美しい音色に潜む陶酔感は、聴き手を幽玄な世界へといざないます。
 

ONDINE



ODE-1262
(SACD-Hybrid)
\2400→\2190
ハンヌ・リントゥ&フィンランド放送響
 シベリウス:組曲「レンミンカイネン」/ポヒョラの娘

  1-4.組曲「レンミンカイネン」Op.22
   <レンミンカイネンと島のおとめたち/トゥオネラの白鳥/
   トゥオネラのレンミンカイネン/レンミンカイネンの帰郷>/
  5.交響詩「ポヒョラの娘」Op.49
フィンランド放送交響楽団/
ハンヌ・リントゥ(指揮)
録音 2014 年17.20.22 日…1-4, 2014 年11 月17 日…5 フィンランド,ヘルシンキ・ミュージック・センター
 ハンヌ・リントゥとフィンランド放送交響楽団による説得力たっぷりのシベリウス(1685-1957)作品集です。組曲「レンミンカイネン」は“4 つの伝説”とも呼ばれる、フィンランドの叙事詩「カレワラ」に基づいた作品で、完成までに長い期間を要したシベリウス渾身の作品です。
 数奇な運命を辿った男“レンミンカイネン”を巡る物語ですが、シベリウスはこの荒唐無稽な物語に死の香りを漂わせた重厚な音楽を付け、普及の名作を書き上げたのです。「トゥオネラの白鳥」が良く演奏されますが、他の3 つの曲もいかにもシベリウスらしい清冽で描写的な音楽です。
 交響詩「ポヒョラの娘」も、「カレワラ」に基づくものですが、こちらは別のエピソード。難攻不落な問いを出して、男を翻弄する北国の娘が主人公です。シベリウス生誕150 年を記念するにふさわしい最強の1 枚です
 


ODE-1260
(2CD)
\4000→\3690
ジャン・シベリウス:混声合唱のための作品全集
<CD1>
 1.組曲「恋する人」Op.14 JS160b/
 2-5. 6 つのパートソング Op.18 より(混声合唱版)
  <第1 番:歌いつぶした声/第3 番:舟の旅/第4 番:島の火/
   第6 番:わが心の歌>/6.つぐみが働くとき JS129/
 7-9.カルミナリア JS51a(無伴奏合唱編)
  <見よ、新しい喜びを/天使が遣わされる/重荷を競い>/
 10-12.カルミナリア JS51b
  <見よ、新しい喜びを/天使が遣わされる/重荷を競い>/
 13-15.カルミナリア JS51c
  <見よ、新しい喜びを/天使が遣わされる/重荷を競い>/
 16.郷愁 JS111/17.祖国に JS98a(1900 年版)/
 18.全てがかくも色褪せて JS96/
 19.再び春がめばえし時 JS139/20.思い JS191/
 21.暗い森に一人留め置かれ JS72/
 22.ああ、聞いておくれユレンボリ嬢 JS10/
 23.労働者の行進曲 JS212/24.遊べ、かわいい娘 JS176/
 25.祝典行進曲 JS105/26.朝露にぬれてJS9a(混声合唱編)/
 27.ウースマーの人々の歌 JS214/28.カッリオ教会の鐘 Op.65b/
 29.夢 JS64/30.陸と海から来た人たち Op.65a/
<CD2>
 1-10.「ヘルシンキ大学祝典のカンタータ」より9 つの歌 Op.23/
 11.1902 年10 月25 日 - テレーゼ・ハールに捧ぐ(第1 作) JS60/
 12.1902 年10 月25 日 - テレーゼ・ハールに捧ぐ(第2 作) JS61/
 13.嘆くことなく JS69/14.小学生の行進曲 JS103/
 15.素晴らしい贈り物 JS107/
 16.ウレオ川の氷解 Op.30-大地は息づく/
 17.ニコラスII 世の戴冠式カンタータ JS104‐ようこそ王女よ/
 18-20.アメリカンスクールのための3 つの歌 JS199/
 21.学校への道JS112/22.学校唱歌 JS172/
 23.空の高さと大地の広さ JS58a/24.幼子の飼い葉おけに JS142/
 25-26.5 つのクリスマスの歌 Op.1 より第4 番,第5 番/
 27.フィンランディア Op.26(混声合唱によるヘ長調版)/
 28.フィンランディア Op.26(混声合唱による変イ長調版)
ジェニー・カールステット(メゾ・ソプラノ)…CD1:1-10,CD2:1-10/
トゥオマス・カタヤラ(テノール)…CD1:24/
アルットゥ・カタヤ(バリトン)…
CD1:1-10,CD2:1-10/
フォルケ・グラスベック(ハルモニウム)…CD1:10-12/
フォルケ・グラスベック(ピアノ)……CD1:13-15,CD2:18-20/
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団/
ヘイッキ・セッペネン(指揮)
録音 2014 年6 月17-19 日,8 月23 日 フィンランド ヤルヴェンパー・ホール
 2015 年はシベリウスの生誕150 周年記念ということで、数々の興味深いアルバムがリリースされますが、この「混声合唱のための全集」も素晴らしい2 枚組として高く評価されることでしょう。
 シベリウス(1865-1957)は生涯に渡って様々な機会のために合唱音楽を書いていますが、それらの全てが現在良く知られているわけでもありません。この2 枚組にはシベリウスの全ての「混声合唱のための」作品が収録されていて、例えば彼のお気に入りだったというクリスマス・ソングや、特定の学校のプロモーションのために書かれた曲など、シベリウスの職人気質が垣間見えるような「珍曲」までをも聴くことができます。
 もちろん目玉は「フィンランディア」でしょう。こちらも2 つのヴァージョンが含まれるなど、マニアにとっても至れり尽くせりのアルバムとなっています。
 こちらはエストニア・フィルハーモニー合唱団のONDINE レーベルへの4 枚目の録音であり、ハイレベルのハーモニーを心行くまで楽しめます。
 


ODE-1237
(SACD-Hybrid)
\2400→\2190
ストゥールゴールズ&ヘルシンキ・フィル
 A.ボーモン版
  ツェムリンスキー:人魚姫/シンフォニエッタ

  1-3.交響詩「人魚姫」
   (A.ボーモンによるクリティカル・エディション 世界初録音)/
  4-6.シンフォニエッタ Op.23
   (R.フライジッツァーによる室内オーケストラ編 世界初録音)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団/
ジョン・ストゥールゴールズ(指揮)
録音 2014年9月2-4日 フィンランド ヘルシンキ・ミュージック・センター

 20世紀の初頭、ウィーンで活躍した作曲家ツェムリンスキー(1871-1942)の代表作として知られる交響詩「人魚姫」ですが、実は通常演奏されている版は、彼がもともとのスコアから14ページも削除してしまったもので、なぜこのような過激なカットを施したのかについての言及もないばかりか、以降のツェムリンスキーはこの作品について触れることもなかったという、何とも不可解な経緯を辿った作品なのです。
 しかし現在でも、濃厚でロマンティックな響きが愛されているこの曲を、何とか元の状態に戻したいと試みたA.ボーモンの手に拠って新しい版ができあがりました。1934年に作曲された「シンフォニエッタ」の室内オーケストラ版と併せて、名手ストゥールゴールズとヘルシンキ・フィルのしなやかな演奏で、この色彩美をお楽しみください。
 

ODE-1254
(2CD)
\4000
ヴェリ=マッティ・プーマラ:歌劇「アンナ・リーサ」
<CD1>1-7.第1幕/8-9.第2幕/
<CD2>1-3.第2幕(続き)/4-15.第3幕
  ※世界初録音
ヘレナ・ユントゥネン(ソプラノ)/
ヨルマ・ヒュンニネン(バリトン)/
ターニャ・カウピネン=サヴョーキ(ソプラノ)/
ヴィレ・ルサネン(バリトン)/
サンナ・クルキ=スオニオ(メゾ・ソプラノ)/
ユハ・ホスティッカ(バリトン)/
アヌ・ホスティッカ(ソプラノ) 他/
ヘルシンキ室内合唱団/
タピオラ・シンフォニエッタ/
ヤン・セーデルブルム(指揮)
録音 2014年2月3-7日 フィンランド タピオラ・ホール
 フィンランドの現代作曲家、ヴェリ=マッティ・プーマラ(1965-)の歌劇「アンナ・リーサ」の世界初演時の録音です。
 プーマラは現在シベリウス・アカデミーの作曲家の教授で、自身の作品は器楽曲、声楽曲のほかに電子音楽が数多くあります。ヨーロッパ・モダニズムのスタイルに属し、常に新鮮で革新的な音を模索している人です。
 この作品はフィンランドの作家ミンナ・カント(1844-1897)の戯曲を元にして書かれたもので、豊かな家庭の娘アンナ・リーサは、農場の働き手ミッコとの情事の末、生まれた子どもを殺害してしまいます。その秘密を隠したまま他の男と結婚しようとするアンナを脅迫するミッコとその母フッソ。当時の女性の社会的地位の低さをはじめとした様々な問題を突きつけてくるような、激しい問題作を、プーマラは緊張感に満ちた音楽で描き出します。
 時にはシュトラウスの「エレクトラ」を思わせる狂乱と激しさに圧倒されること間違いありません。
 


ODE-1268
(2CD)
\2400→\2190
第1集で反則技を繰り出してきたユンパネン
 懲りずに出してきたベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 第2集

<CD1>
 1-3.ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 Op.10-1/
 4-6.ピアノ・ソナタ 第6番 ヘ長調 Op.10-2/
 7-10.ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 Op.10-3/
<CD2>
 1-4.ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53/
 5-6.ピアノ・ソナタ 第22番 ヘ長調 Op.54/
 7-9.ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調「熱情」Op.57
パーヴァリ・ユンパネン(ピアノ)
録音 2010年9月…CD1,CD2:7-9, 2011年1月…CD2:1-6 フィンランド クーモ・アート・センター,レントゥア・ホール

 第1集(ODE1248)のなかなか凝った演奏で、聴き手の耳に新鮮な風を届けたパーヴァリ・ユンパネンによるベートーヴェン(1770-1827)の第2集の登場。

 彼はもともと現代音楽の演奏家としてブーレーズやディティユーらに信頼されている人ですが(ドイツ・グラモフォンからブーレーズのピアノ・ソナタをリリース)、最近はベートーヴェンやモーツァルトと言った古典的なレパートリーでも高く評価されています。今回のアルバムでは何と言っても中期の「ワルトシュタイン」と「熱情」が聴きもの。ワルトシュタインの終楽章の疾走感は半端なく、また「熱情」も何とも言えない独特の雰囲気を醸し出しています。
 もちろん第5番から第7番の初期の作品も、斬新な感覚に満ちています。なんといっても音色の美しさが特徴的で、これこそが不思議な浮遊感の正体なのかもしれません。



第1弾
第1番でいきなりのけぞる

ODE-1248
(2CD)
\2400→\2190
ユンパネン、個性派ベートーヴェン
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集

<CD1>
 1-4.ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.2-1/
 5-8.ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 Op.2-2/
 9-12.ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 Op.2-3/
<CD2>
 1-4.ピアノ・ソナタ 第28番 イ長調 Op.101/
 5-8.ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106
パーヴァリ・ユンパネン(ピアノ)
録音 2011年6月…CD2:5-8, 2012年6月…CD1,CD2:1-4 フィンランド クーモ・アーツ・センター,レントゥア・ホール

 第1番の第1楽章でいきなり「え、何それ、そんなことする?」という珍妙な装飾を聴かせてくれるユンパネン。その後も随所で才気あふれるやんちゃぶりを発揮。
 なんか音が多いのだ。
 でも頭のかたいベートーヴェン・ファンでも(店主のような)ついつい許しちゃう。
 ところが後期では一転神妙に深遠な演奏を聴かせてくれる。
 なかなかの鬼才です。ユンパネン。

**********************

(以下、代理店コメント)

 ジャケットの写真を見ながら「うんうん、さわやかなベートーヴェンだ……」と思って素直にこのアルバムに耳を傾けてみてください。ピアニスト、ユンパネンは第1番のソナタの提示部の繰り返しで、あっと思うような捻り技を繰り出してくるのには驚いてしまいました。
 最近はモーツァルトなら自由に装飾を付けるのが当たり前ですが、あまりベートーヴェンではやらないのでは?
 そんなこんなで、第1番だけでなく他のソナタも発見がたっぷり。くすくす笑いが聞こえてくるようなベートーヴェンです。
 そしてCD2の後期の2曲は打って変って、荘厳、重厚。ハーマークラヴィーアの第3楽章での晦渋な表現も見事としか言いようがありません。初期と後期、2つの味が楽しめるソナタ集です。




リリース時は名手セロヴシェクばかりが注目されたがピアノがユンパネンだった。
すでに入手困難、先着2セット。

50261012
(3CD)
\9000→\8590
すでにメーカー完売
在庫2セット限り
「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集」
[CD 1]
 第1番ニ長調Op.12-1 / 第3番変ホ長調Op.12-3 /
 第9番イ長調Op.47「クロイツェル」
[CD 2]
 第2番イ長調Op.12-2 / 第5番ヘ長調Op.24「春」/
 第6番イ長調Op.30-1 / 第8番ト長調Op.30-3
[CD 3]
 第4番イ短調Op.23 / 第7番ハ短調Op.30-2 / 第10番ト長調Op.96
コーリー・セロヴシェク(Vn)
パーヴァリ・ユンパネン(P)
1972年バンクーバー生まれのセロヴシェクは、ジョセフ・ギンゴールドの弟子。つまり大ヴァイオリニスト、イザイの門下にあたるかれが、ベートーヴェンのソナタを一気に全集でリリース。ピアノとヴァイオリンの両方を学び、驚くことに1997年まではリサイタルで両方の楽器を弾きこなしたという逸材は数学の学位も取得している。ここに聴くヴァイオリンは音の出し入れが絶妙というか、ピアノ・パートにも目の行き届いた非凡なバランス感覚をのぞかせる。セロヴシェクの弾くのは、1728年製作ストラディヴァリウス“ミラノッロ”。ヴィオッティやパガニーニ、クリスチャン・フェラスも弾いた名器。このアルバムはカンヌ・クラシカル・アワード2008室内楽部門に輝いた。録音:2006年


 

OPUS ARTE(CD)


OACD9035D
(CD)
\2700
ヘスス・レオン/ベル・カント 〜ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディを歌う
 1.ドニゼッティ(1797-1848):歌劇「愛の妙薬」-人知れぬ涙/
 2.ベッリーニ(1801-1835):歌劇「清教徒」-泉のほとりに一人寂しく/
 3.ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクァーレ」-悪いエルネスト/
 4.ヴェルディ(1813-1901):歌劇「リゴレット」-彼女がさらわれた/
 5.ヴェルディ:歌劇「リゴレット」-女心の歌「風の中の羽のように」/
 6.ドニゼッティ:歌劇「ロベルト・デヴリュー」-天使のような純粋な心/
 7.ベッリーニ:歌劇「清教徒」-愛らしい乙女よ/
 8.ベッリーニ:歌劇「カプレーティとモンテッキ」-この剣に覚えさせよう/
 9.ドニゼッティ:歌劇「ランメルムーアのルチア」-まもなく忘れられた墓が/
 10.ヴェルディ:歌劇「ファルスタッフ」-喜びの歌はいとしい人の唇から出て/
 11.ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」-あぁ友よ、なんて楽しい日!
ヘスス・レオン(テノール)/
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
トビー・パーサー(指揮)
録音 2013年12月11-13日 西エヴァートン,リヴァプール・フィルハーモニック・アト・ザ・フライアリー
 メキシコのテノール、ヘスス・レオンの輝かしい声を聴く1枚です。彼はキューバで声楽を学び始め、UCLAオペラ・スタジオや、ショルティ・アカデミア・ディ・ベルカント、ボストン大学オペラ研究所などで研鑽を積んでいます。その後はイタリアでニコライ・ギャウロフ奨学金を得て、伝説的ソプラノ、ミレッラ・フレーニの指導を受けます。
 彼はスコットランド歌劇場で「椿姫」のアルフレードを含む数多くの役を歌い、やがて世界中のオペラ劇場でもその存在が注目されるようになりました。
 今ではイギリス、アメリカ、ミラノを始めとした一流の歌劇場やウィグモアホールでのリサイタルを行い、また2015年には「清教徒」のアルトゥーロ役や、「夢遊病の娘」のエルヴィーノを歌う予定にもなっています。甘美なフレージングと均質な響きを持つ美しい声は、今後も人々を魅了することでしょう。
 

OACD9037D
(2CD)
\2700
J.S.バッハ:トリオ・ソナタ集 BWV525-530
<CD1>
 1-3.ソナタ 第5番 ハ長調 BWV529/
 4-6.ソナタ 第3番 ニ短調 BWV527/
 7-9.ソナタ 第4番 ホ短調 BWV528/
<CD2>
 1-3.ソナタ 第2番 ハ短調 BWV526/
 4-6.ソナタ 第1番 変ホ長調 BWV525/
 7-9.ソナタ 第6番 ト長調 BWV530
デイヴィッド・ニューショルム
 (オルガン…ケンブリッジ、トリニティカレッジ)
 6つのトリオ・ソナタはバッハ(1685-1750)が1730年頃に作曲したオルガンのための曲集です。
 右手パート、左手パート、足鍵盤パートが完全に独立したメロディを奏でるため、3つの声部=トリオ・ソナタとされています。本来なら2つの独奏楽器と通奏低音で合奏される室内楽形式ですが、これをオルガン1台で行うという、挑戦的な試みなのです。
 基本的には急−緩−急の3楽章ですが、第4番にはアダージョの序奏が付けられています。またこの楽章は教会カンタータ第76番からメロディが転用されており、また第3番第2楽章は三重協奏曲BWV1044に転用されています。
 彼の息子の鍵盤練習用として書かれたとも言われますが、これをきちんと弾きこなすには大変な技術と音楽性が求められることは間違いありません。
 ここでオルガンを演奏しているニューショルムはウースター大聖堂の聖歌隊で歌い、ソールズベリー大聖堂のオルガン奨学金を得て、その後はカンタベリー大聖堂のアシスタントオルガニストと女子合唱団の音楽ディレクターを務めている人です。丁寧な音作りに定評があります。
 

OUR RECORDINGS


6.220612
(SACD-Hybrid)
\2300
オリヴィエ・メシアン:合唱作品集
 1-3.神の現存のための3つの小典礼(1943)-16の独奏楽器と18人のソプラノ
 (メシアンのオリジナル)版
 <内なる対話のアンティフォナ(神は私たちの中に現存する…)/
  御言葉のセクエンツィア、神のカンティクム(神は自らの中に現存する…)/
  愛による偏在のプサルモディア(神は万物の中に現存する…)>/
 4.おお、聖なる饗宴(1937)/
 5-9. 5つのルシャン(1948)
  <Hayo kapri tama/Ma premiere fois/Ma robe d’amour/
   Niokhama palalane souki/Mayoma kalimolimo>
デンマーク国立声楽アンサンブル/
デンマーク国立コンサート・コア/
マリアンナ・シリンヤン(ピアノ)/
トマ・ブロシュ(オンド・マルトノ)/
デンマーク国立室内管弦楽団/
マルクス・クリード(指揮)
 メシアン(1908-1992)の音楽には、多くの暗示と啓示があります。彼が作り出した非凡な情景を味わった後に、人々はいろいろなことを考えることでしょう。
 このアルバムにはメシアンの3つの代表的な合唱作品が収録されています。オンド・マルトノやピアノ、弦楽、そして多くの色彩的な打楽器と18人のソプラノが織り成すきらびやかな「3つの小典礼」、ルネサンス時代のシャンソンの様式とインドのリズムの融合、そして言葉を巧みに使った「5つのルシャン=繰り返し」、荘厳で神々しい「おお、聖なる饗宴」と、様式は違いながらも、どれも陶酔的で、人知を超越した美しさを持つ作品と言えるでしょう。
 もちろん演奏はとても困難ですが、名手マルクス・クリードは絶対的なアンサンブルと響きを大切にした上で、声を自由に飛翔させているところがさすがです。
 

RONDEAU



KL-1509
\2100→\1890
12の幻想曲を12本のリコーダーで 〜
 ゲオルク・フィリップ・テレマン:12の幻想曲 TWV40:2-13

  1-2.幻想曲 第1番 イ長調 TWV 40:2/
  3-6.幻想曲 第2番 イ短調 TWV 40:3/
  7-8.幻想曲 第3番 ロ短調 TWV 40:4/
  9-11.幻想曲 第4番 ロ短調 TWV 40:5/
  12-14.幻想曲 第5番 ハ長調 TWV 40:6/
  15-17.幻想曲 第6番 ニ短調 TWV 40:7/
  18-19.幻想曲 第7番 ニ長調 TWV 40:8/
  20-22.幻想曲 第8番 ホ短調 TWV 40:9/
  23-26.幻想曲 第9番 ホ長調 TWV 40:10/
  27-29.幻想曲 第10番 嬰へ短調 TWV 40:11/
  30-33.幻想曲 第11番 ト長調 TWV 40:12/
  34-35.幻想曲 第12番 ト短調 TWV 40:13
サイモン・ボルツキ(リコーダー)
録音 2013年10月14-16日 ベルリン ヴァンゼー,アンドレアス教会
 1732〜1732年頃に作曲された(と考えられる)テレマン(1681-1767)の12の幻想曲。当時、テレマンは「幻想曲」という形式にこだわり、チェンバロ用、無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ用の幻想曲と、このヴァイオリンのための曲集が書かれています。
 もちろんこちらは「無伴奏ヴァイオリン用」として出版されていますが、音域やパッセージの形を考慮すると、フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)で演奏するのがふさわしいと考えられています。
 しかしこのアルバムにおいて、ボルツキは12本の「リコーダー」を準備し、さらにアグレッシヴに、かつ表情豊かに各々の曲を演奏しています。楽器の性能をまるまる使ったこの曲集、低域から高域まで全てが鳴り響く、まさに理想的な演奏として位置づけられることでしょう。
 

ROP-6099
\2100
Flauto dolce solo-時を越えた音楽の旅
 1.カルミナ・ブラーナ(11-12世紀 ボイレン修道会の写本)から:より良い信頼関係/
 2.アルフォンソ5世:A Virgen que de Deus Madre/
 3.作者不詳:サルタレッロ(14世紀)/
 4.ヤコブ・ファン・エイク(1590頃-1657):Engels Nachtegaeltje/
 5-8.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ ハ短調 BWV1013/
 9.G.P.テレマン(1681-1767):幻想曲 第6番 ニ短調/
 10-11.J.J.クヴァンツ(1697-1773):アルマンド-サラバンド/
 12-14.アントン・エルベル(1780-1813頃):ソナタ・ブリランテ/
 15.マルクス・ツァーンハウゼン(1965-):ユニカナリ/
 16.ツァーンハウゼン:ハチドリのための子守歌/
 17.クリスティアーネ・マルティーニ(1967-):月/
 18-20.ハンス=ディーター・レンケン(1952-):雨の滴
エリザベート・シュヴァンダ(リコーダー)
録音 2014年9月8-10日 ハノーファー クレーフェルト,シュテファンシュティフテス教会
 このアルバムは、音楽における1000年の歴史をリコーダーのみで再現するという試みです。
 古くは11世紀頃に書かれた写本の音楽(カルミナ・ブラーナ)の素朴なメロディや、14世紀の舞曲、「笛の楽園」でお馴染みのファン・エイクの作品あたりをさまよい、バッハ、テレマン、クヴァンツで耳なじみのよいメロディに到達、そして、また少しずつ調性やリズムを脱ぎ捨てた音楽へ…。こうしてまとめて聴いてみると、中世、ルネサンスの時代の音楽と現代のミニマル音楽に共通する何かが感じられるのではないでしょうか?リコーダーの名手シュヴァンダの見事な技巧をご堪能ください。
 

ROP-6105
\2100
バッハ&サンドストレム:モテット集
 1-2.スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム(1942-):来たれ、イエス、来たれ/
 3-13.J.S.バッハ(1685-1750):イエス、わが喜び BWV277/
 14-16.サンドストレム:聖霊が私たちの弱さを助けてくださる/
 17-18.J.S.バッハ:モテット「恐れることなかれ、われ汝とともにあり」BWV228/
 19.サンドストレム:すべての国よ、主を賛美せよ/
 21-23.J.S.バッハ:モテット「主に向かって新しい歌を歌え」BWV225
ハノーファー室内合唱団/
ラ・フェスタ・ムジカーレ/
シュテファン・ドールマン(指揮)
録音 2014年10月2-5日 ハノーファー クレーフェルト,シュテファンシュティフテス教会
 「モテット」というのは中世末期からルネサンス期にかけて成立、発達した「ミサ曲以外の」宗教曲です。使われているテキストは通常のミサの定例文ではないため、地域ごと、宗派ごとに細分化し、なかなか共通の文句がありません。
 そんな中で、スウェーデンの現代作曲家サンドストレムは、常にJ.S.バッハの偉大な作品からインスピレーションを受けているといい、彼のいくつかの作品はバッハと同じテキストを用いながらも、現代的なハーモニーと複雑なリズムを持った新しい側面を強調しています。
 このアルバムではそんなバッハとサンドストレムのモテットを並べ、各々の作曲家の持ち味と、200年以上の年月を経た音楽の変遷を感じることができるようになっています。
 冒頭のサンドストレムの「来たれ、イエス、来たれ」の自由な音の飛翔は、まるで空中を浮遊しているような軽やかさと優雅さが感じられます。そしてバッハの作品の持つ荘厳さと厳格さにも改めて気がつくことでしょう。ハノーファー室内合唱団の精度の高いアンサンブルあってこそのアルバムです。
 

ROP-6106
\2100
ヨハネス・オケヘム:ミサ「武装した人」
 1.オケヘム:キリエ/2.オケヘム:グローリア/
 3.アレクサンダー・アグリコラ(1446-1506):Cecus non iudicat de coloribus/
 4.オケヘム:クレド/
 5.アントワーヌ・ビュノワ(1430頃-1492):In hydraulis/
 6.オケヘム:サンクトゥス/
 7.オケヘム:アニュス・デイ/
 8.オケヘム:Ut heremita solus/
 9.ロベルト・モルトン(1430頃-1479頃)/ギョーム・デュファイ(1397頃-1747):
  Il sera par vous-武器を持つ人
アンサンブル・ヌスミード
録音 2014年9月22-25日 ハレ ヨハネス教会
 「武装した人」は、もともとルネサンス期のフランスで流行した作者不詳の世俗音楽、もしくは民謡です。このメロディは当時の作曲家たちの間で「定旋律」として使われたため、初期ルネサンスの作曲家は少なくとも1度はこのメロディに基づいた曲を書いているといわれます。
 しかしミサ曲として使われたのは、ごく限られた時期であり、1450年頃から1500年頃とされ、16世紀後半には保守的な教会音楽へと受け継がれていきます。
 最初にミサ曲を書いたのはビュノワだという人や、デュファイであるという人もいますが、ここははっきりしていません。
 オケヘム(1410頃-1497)はジョスカン・デ・プレに強い影響を与えた人であり、高度な作曲技法で知られています。現存する作品はごくわずかですが、そのどれもが傑作です。
 このアルバムでは、彼の「武装した人」にいくつかの同時代の作品を挟み込み、一つの典礼用の曲としています。アンサンブル・ヌスミードの演奏は初期のポリフォニーを柔軟に表現した見事なものです。
 

ROP-6090
(2CD)
\2700
J.S.バッハ:マルコ受難曲
 アレクサンダー・グリフトリクによる再構築版
<CD1>1-25.第1部/
<CD2>1-25.第2部
グードルン・シドニー・オットー(ソプラノ)/
テリー・ウェイ(アルト)/
ダニエル・ヨハンセン(テノール)/
シュテファン・マクロード(バス)/
ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(バス)/
バーゼル少年合唱団/
カプリッチョ・バロック管弦楽団/
マルクス・トイチュバイン(指揮)
録音 2014年3月19-22日 ベーゼル マルティン教会
 バッハ(1685-1750)は生涯に5つの受難曲を作曲したといわれていますが、現在完全な形で残っているのは、「マタイ」と「ヨハネ」の2曲だけです。「マルコ受難曲」は台本のみが残っていて、完全な楽譜は発見されていないため(2009年にピカンダーの2つのアリアがサンクトペテルブルクの図書館で発見されたとされています)、後世の多くの人がこれを再現しようと様々な試みが繰り返されています。
 この2枚組は指揮者、チェンバリストとして知られるアレクサンダー・グリフトリクによる再構築版で、ここでは綿密な研究結果を踏まえた上で、創造の翼を広げ、魅惑的な受難曲が生み出されているのです。
 演奏しているバーゼル少年合唱団とカプリッチョ・バロック管弦楽団、そして素晴らしい独唱者たちが一体となって、意義ある傑作を演奏しています。
 

SOLO MUSICA



SM216
\2100→\1890
ドゥーニャ・ラフロヴァ:My Dusty Gramophone
 1.ヴィエニャフスキ(1835-1880):ポロネーズ 第1番 ニ長調 Op.4(ヴァイオリンとピアノ版)/
 2.チャイコフスキー(1840-1893):懐かしい土地の思い出 Op.42-3 メロディ/
 3.ラフマニノフ(873-1943):2つの小品 Op.6-1 ロマンス/
 4.E.アルフテル(1905-1989):ソナチネ 第2番「ジプシーの踊り」(J.ハイフェッツ編)/
 5.ドビュッシー(1862-1918):ベルガマスク組曲-月の光(A.ローレンス編)/
 6.シューマン(1810-1856):ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 WoO27-第2楽章 間奏曲/
 7.ドリゴ(1846-1909):アルルカン-火花のワルツ(J.ハイフェッツ編)/
 8.ラフマニノフ:6つの歌 Op.38-3 ひなぎく(J.ハイフェッツ編)/
 9.パガニーニ(1782-1840):カンタービレ ニ長調 Op.17/
 10.ショスタコーヴィチ(1906-1975):24の前奏曲 Op.34-10(D.M.ツィガーノフ編)/
 11.ドビュッシー:美しき夕暮れ(J.ハイフェッツ編)/
 12.ガーシュウイン(1898-1937):ベス、おまえは俺のもの(J.ハイフェッツ編)/
 13.伝承曲:深い川(J.ハイフェッツ編)/
 14.アルベニス(1860-1909):スペイン Op.165-第2楽章 タンゴ(F.クライスラー編)/
 15.ポンセ(1882-1948):エストレリータ(J.ハイフェッツ編)/
 16-18.サラサーテ(1844-1908):ツィゴイネルワイゼン Op.20/
 19.ファリャ(1876-1946):7つのスペイン民謡 第5番「子守歌」
ドゥーニャ・ラフロヴァ(ヴァイオリン)/
コンスタンチン・ラプシン(ピアノ)
録音 2014年6月19-20日 ベルリン ブリッツ城

 このアルバムで素晴らしい演奏を聞かせるヴァイオリニスト、ラフロヴァは幼い頃から家族が所有していたLPレコードで聞くヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴー、イダ・ヘンデル、そしてヤッシャ・ハイフェッツの演奏に魅了されたといい、これらが彼女にヴァイオリニストへの道を歩ませたといいます。
 その時代の録音は独特の味わいがあり、とりわけその音色には現在のCDとは全く違う響きがあると感じた彼女は、このアルバムでもその時代の音色を再現するために、可能な限りヴィンテージの機器を使用して、ポルタメントを多用した演奏も含めて、当時の音色に近づけたのだそうです。
 確かに出来上がったアルバムからはデジタル録音では得られないふくよかで優しい味わいが感じられます。この時代を知らない人にも懐かしい気持ちが届くことでしょう。

 ちょっと変わった人。


チャイコフスキー「白鳥の湖」から
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=DuAyIPcSrqM

雰囲気たっぷりです。
 

SM218
\2100
クレール=オプスキュール・サクソフォン四重奏団:室内楽作品集
 1.ガーシュウイン(1898-1937):ラプソディ・イン・ブルー
   (J.ファン・デア・リンデン編)/
 2-4.J.S.バッハ(1685-1750):イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971(栃尾克樹編)/
 8-9.ヴァイル(1900-1950):三文オペラより(J.ハール編)/
 10-11.ウジェーヌ・ボザ(1905-1991):アンダンテとスケルツォ/
 12-14.マイヤーズ(1972-):ベックマン・イン・ニューヨーク/
 15.ピアソラ(1921-1992):リベルタンゴ
クレール=オプスキュール・サクソフォン四重奏団
録音 2003年10月17-19日 ドイツ ベルリン,マリエンフェルデ
 光と闇、天と地上、それらの相反する要素から取られたこのアンサンブルの名前「クレール=オプスキュール」。その名との通り、暖かく優しい表情と、強烈で怜悧な表情が入り混じったエキサイティングな演奏を聴かせるサクソフォン四重奏団です。
 様々なレパートリーに果敢に挑戦し、結果を出す彼らの演奏は、新しいものを求める聴衆にも喜んで迎えられるのではないでしょうか?ユーモラスな曲からシビアな曲まで、どれもがナイスです。
 

TOCCATA



TOCC-170
\2700→\2490
アレクサンドル・タンスマン:ピアノ作品集 第1集
 1-3.ソナタ・ルスティカ(ピアノ・ソナタ 第1番)(1925)/ 
 4-7. 4つのダンス・ミニアチュール(1923)
  <ガヴォット/メヌエット/ショパン風マズルカ/小行進曲>/
 8-17.マズルカ 第1巻(1918-1928)/
 18.エチュード・スケルツォ(1922)/
 19-25. 7つの前奏曲(1921)
  <19-21.第1巻:3つの前奏曲/22-25.第2巻:4つの前奏曲>/
 26-28.ソナチネ(第1番)(1923)/29-33.5つの即興曲(1922-1925)
  ※4-7.19-25.29-33…初録音
ダニー・デリボル(ピアノ)
録音 2014年5月26-28日 テキサス マーチソン・パフォーミング・アーツ・センター,ウィンスペア・パフォーミング・ホール
 ポーランドで生まれ、ワルシャワで学んだ後、フランスで音楽活動を始めたアレクサンデル・タンスマン。基本的な作風は新古典主義であり(ストラヴィンスキーに影響された)、その中にフランス風の洒脱な雰囲気を感じさせるものですが、晩年になると次第に祖国であるポーランドの民族音楽も自作に取り入れるようになります。
 彼は数多くのピアノ曲を残していますが、これらが体系的に録音されたことはありませんでした。この魅力的な作品群を、TOCCATAレーベルは順次録音していきます。
 まず第1集は1919年に彼がパリに到着した直後から5年間くらいの時期の作品を中心に収録しています。
 「田園風」とされるソナタ第1番は、タイトルとはうらはらに、かなりオシャレな雰囲気を持っていて、確かにフランス風の味わいがあります。世界初録音も多数収録。興味深いシリーズです。
 


TOCC-232
\2700→\2490
アドルフ・イェンゼン:ピアノ作品集 第1集
 1-7.エロティコン Op.44(1873出版)/
 8-13.ドイツ風組曲 Op.36(1869出版)/
 14-16. 3つの歌曲(マックス・レーガーによるピアノ編曲)
  <第1番:君が頬を寄せよ Op.1-1/第2番:つぶやくそよ風/
   第3番:川のほとりに>/
 17-18.出発-ピアノのための2つのロマンス ※初録音
エルリンク・R・エリクセン(ピアノ)
録音 2013年12月16-17日 スタヴァンゲル,ビェルクステッド,リリエ・コンサートサル
 ドイツ、ケーニヒスベルクに生まれ、独学で音楽の才能を見出したといわれる作曲家イェンゼン(1837-1879)。15歳になってようやくベルリンで正式に音楽を学び始め、直後にフランツ・リストに注目され、指導を受けたという人です。
 ピアニストとして活動を始めてからは、音楽教師としてロシアに行ったり、ポーゼンの市立劇場の楽長を務めたりしますが、その後、またコペンハーゲンでニルス・ゲーゼの教えを受けています。
 当時はシューマンの後継者と目されるも、あまりにも繊細な作風のため、結局は「サロン音楽」のようなものと見做され、現在ではほとんど注目されることがありません。しかし、この美しい作品が忘れられているのは本当にもったいないこと。TOCCATAレーベルは、そんな彼の作品をもう一度眠りから目覚めさせたいと願っています。
 


TOCC-264
\2700→\2490
「幻の作曲家」ゴロヴィン、ロシア音楽好きなら決して外せない
 アンドレイ・ゴロヴィン:管弦楽作品集

  1-2.近寄りがたい光-交響曲第4番(2013)/
  3.チェロと弦楽オーケストラのための「カンツォーネ」(2008)/
  4-8.ヴィオラとチェロ、オーケストラのための協奏交響曲(交響曲 第1番)(1976)
チャイコフスキー交響楽団…1-2/
アンドレイ・ゴロヴィン(指揮)…1-2/
アレクサンダー・ルディン(チェロ&指揮)…3/
ムジカ・ヴィヴァ室内管弦楽団…3/
ミハイル・ベレツニツキー(ヴィオラ)…4-8/
アレクサンダー・ルディン(チェロ)…4-8/
モスクサ音楽院コンサート交響楽団…4-8/
アナトリー・レヴィン(指揮)…4-8
録音 2014年4月25日 モスクワ コンセルヴァトリー 大ホール…1-2 ライブ収録, 2009年11月28日 モスクワ放送局 第1スタジオ…3, 2013年1月10日 モスクワ コンセルヴァトリー 大ホール…4-8
 日本では、もしかするとムジカ・ヴィヴァ室内管弦楽団の指揮者としての知名度の方が高いかもしれないアンドレイ・ゴロヴィン(1950-)ですが、彼はショスタコーヴィチとボリス・チャイコフスキーの伝統をしっかり受け継ぐ交響曲作曲家として、ロシアでは名高い人なのです。
 その作品は広大であり、少しだけ陰鬱な叙情を湛え、時に燃え上がるほどに爆発します。このアルバムには、彼の若い頃の作品と最近の作品の両方に触れることができ、また宗教的な概念をもつ「交響曲第4番」は自作自演でもあり、こちらも興味深いところです。
 これまでロシア国内以外ではリリースされることのなかった「幻の作曲家」ゴロヴィン。ロシア音楽好きなら決して外せない素晴らしい1枚です。
 


TOCC-289
\2700→\2490
ウィリアム・ハールストン:ピアノ作品全集
 1-5.5つの小品(1895頃-1904)/6.奇想曲 ロ短調(1897)/
 7-12.スケッチ(1891頃)
  <行進曲/アレグレット/タイトルなし/マズルカ/祭り/タンブーラン>/
 13-14.2つのアルバムの綴り(1891)/15.カプリース(1892)/
 16.パガニーニの練習曲 変ホ長調(ハールストン編)(1901)/
 17.ヴィエニャフスキのマズルカ ト長調「シエレンカ」Op.12-2(ハールストン編)(1906)/
 18.エラーのタランテラ(ハールストンによる左手編)/
 19-30.ハンガリー風のエアと変奏曲(1897)/
 31-35.5つのやさしいワルツOp.1(1885頃)/
 36.ピアノ・デュオのための作品(1894)/
 37-39.ピアノ・ソナタ ヘ短調(1894)※37-39以外初録音
藤村健史(ピアノ)/
ジュリア・ルー(ピアノ)…36
録音 2007年11月16-18日…1-30.37-39, 2013年12月1日…31-35.36 メルボルン モナシュ大学 サー・ゼルマン・コウエン音楽学校
 英国の忘れられた作曲家の一人、ウィリアム・ハールストーン(1876-1906)。彼はピアニストとしても高名でしたが、30歳の若さでこの世を去ってしまい、その名前があまねく世界に知れ渡ることはありませんでした。
 このアルバムは、彼が残した全てのピアノのための作品を収録したものですが、オリジナル曲も編曲も含め、どれほどに才能に溢れ、また意欲的であったかを知ることができるのではないでしょうか?
 もし、彼が長生きしていれば、英国音楽の歴史は幾分変わっていたかもしれません。ここでピアノを演奏しているのは、1975年生まれの日本人ピアニスト、藤村健史氏。オーストラリアで活躍し、作曲家としても知られている名手です。
 

TOCC-105
\2700
ニコライ・ペイコ:ピアノ作品全集 第2集
 1.演奏会用練習曲(1940)/
 2-4.ソナチネ 第1番 ニ長調(1942)/
 5.ソナチネおとぎ話 ニ短調(1943)/
 6-9.ピアノ・ソナタ 第3番(1988)/
 10-13.左手のためのソナタ(1992)/
 14.2台ピアノのための協奏的変奏曲(1983) ※初録音
ドミトリー・コロステリョフ(ピアノ)/
マリア・ジェメシウク(ピアノ…14)
録音 2008年5月27日.6月7日 モスクワ グネーシン音楽大学 コンサート・ホール…1-13, 2009年1月24日 モスクワ。コンセルヴァトリー 大ホール…14
 帝政ロシアからソヴィエトへと移り変わりつつあった1905年以降は、この国の芸術家たちにとっても厳しい時代でした。このニコライ・ペイコ(1916-1995)もそんな作曲家の一人です。「帝政ロシア」の良き文化を引き継ぐ音楽的な家庭に生まれ、幼い頃からピアノを学び、ショスタコーヴィチの助手を務め、ミヤスコフスキーに師事するというエリートであり、9曲の交響曲や数多くの管弦楽作品、ピアノ曲を書きましたが、他の作曲家たちにように政権によって活動を制限され、そのまま忘れられてしまったのです。
 彼のピアノ曲には重厚な響きと、時にはショスタコーヴィチのような皮肉があり、また仄かな郷愁も感じられます。この2巻からなるペイコのピアノ曲集は、この時代を映し出す鏡のようなものといえるでしょう。
 ピアニスト、コロステリョフは1979年生まれ。モスクワで学び、ペイコの第1集をはじめ、ヴァインベルクなど数々のロシア音楽を録音しています。共感に満ちた音が心に残ります。 第1集…TOCC-104
 

TOCC-142
\2700
ハイメ・レオン:声楽作品集
 1-6.ミサ・ブレイヴ(1980)/
 7-12.歌曲集「小さな女の子よ、とても小さな女の子」(1986)
  <小さな女の子よ、とても小さな女の子/居眠りしている人形/
   旅/小さな木の家/黒人の少年のためのラ・トゥンダ/ゆりかご>/
 13-18.歌曲集
  <鳥と夢(1951)/遠くまで、遠くまで(1977)/いつも(1982)/
  セレナーデ(1977)/クリスマスの歌(1952)/ある日(1980)>
    ※1-6.14…初録音
サラ・クリンス(ソプラノ)…1-6.13-18/
ジェンマ・コナ・アラベルト(メゾ・ソプラノ)…1-12/
マック・マクルーア(ピアノ)/
EAFIT大学交響楽団…1-6/
トノス・ウマノス(合唱)…1-6/
アルカディア室内合唱団…1-6/
チェチリア・エスピノーザ・アランゴ(指揮)…1-6
録音 2009年2月9-11日 メデジン EAFIT大学 アウディトリオ・ファンダドレス
 ハイメ・レオン(1921-)はコロンビアの音楽界の先駆者です。彼の作品のいくつかは既に録音されていますが、このように1枚全てが、彼の作品で構成されているアルバムは世界初となります。
 彼は作曲家、教師、ピアニストで、彼のピアノの師はブラームスとクララ・シューマンの弟子であるということで、ドイツ伝統のピアニズムを受け継いでいる人でもあります。このアルバムの中で最も注目したいのが、世界初録音となる「ミサ・ブレイヴ」でしょう。
 プーランクの宗教音楽を思わせる、無垢な美しさと力強さを兼ね備えた32分ほどのこの作品は、聴き手に新たな驚きと感動をもたらすことでしょう。フォスター作品を思わせる愛らしい歌曲も聞き所です。
 


TOCC-177
\2700→\2490
ミコラ・ルイセンコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
 1.ウクライナ民謡の主題による第2狂詩曲 Op.18「ドゥムカ・シュムカ」(1877)(V.ステセンコ編)/
 2.悲しげな奇想曲 Op.32(1893-1894)/
 3.2つのウクライナ民謡の主題による幻想曲 Op.21(1872-1873)/
 4.ロマンス Op.27(1885-1886)/
 5.個人的なアルバム Op.40-1「絶望の瞬間」(1901)/
 6.シェブチェンコの思い出のためのエレジー(1912)/
 7.ウクライナ民謡「太陽は昇っている」(1912編)/
 8-17.ルイセンコ=カミンスキー:春の万華鏡(2014編)/
 18.ルイセンコ=カミンスキー:華麗なワルツ(1875/2014編) ※初録音
ソロミア・ソロカ(ヴァイオリン)/
アーサー・グリーン(ピアノ)
録音 2014年4月17-21日 ミシガン ランスキング、ブルー・グリフィン・スタジオ
 現在「ウクライナのクラシック音楽の父」とみなされているミコラ・ルイセンコ(リセンコ 1842-1912)。しかし、その作品が存分に世界中で知られているとは言えません。
 彼は幼い頃からウクライナの民謡に強い関心を持ち、これらを収集し、7巻にわたる民謡集を編纂、キエフ大学に在学中に出版し、またこれらのメロディを自作に取り入れています。このアルバムには彼のヴァイオリンとピアノのための作品の全てが収録されています。
 一番有名なのは「ドゥムカ・シュムカ」でしょう。もともとはピアノ曲ですが、今回はヴァイオリンとピアノのために編曲したものを収録しています。また他のいくつかの曲は、同じウクライナの作曲家、ヴィクトル・カミンスキーがルイセンコの歌曲をヴァイオリンとピアノのために編曲したもので、こちらも叙情性に満ちた懐かしい響きを持っています。また詩人タラス・シェフチェンコの詩を愛していたことでも知られています。
 


TOCC-217
\2700→\2490
フェレンツ・ファルカシュ:管弦楽作品集 第3集
 1-7.弦楽合奏とオーボエのための古いハンガリー舞曲(1990/2014 L.レンチェス編)/
 8-10.弦楽合奏のためのムジカ・セレナ(1982)/
 11-15.オーボエ、クラリネット、ファゴットのためのマスク(1983)/
 16-19.弦楽合奏のためのピコラ・ムジカ協奏曲(1961)/
 20-22.オーボエと弦楽合奏のための第4協奏曲(1983)/
 23-25.弦楽合奏のためのツァンカの音楽(1986)/
 26.コーラングレと弦楽三重奏のためのリコルダンツァ(1984)/
 27-28.オーボエ、ヴァイオリンと弦楽合奏のためのハンガリー風アリアとロンド(1994)
ラヨシュ・レンチェス(オーボエ)/
ヤーノシュ・ローラ(ヴァイオリン)/
フランツ・リスト室内管弦楽団
録音 2014年4月14-15日 ブダペスト イタリア文化会館
 ハンガリーの作曲家、音楽教師ファルカシュ(1905-2000)。彼は長いことブダペストのリスト音楽院で教師を務め、クルタークやリゲティなどを育てました。
 TOCCATAでは彼の色彩的な管弦楽曲を体系的にリリース、第1集(TOCC0176)、第2集(TOCC0184)はどちらも高い評価を受けています。この第3集では、主にオーボエを中心とした独奏楽器をフィーチャーした作品集で、どれも魅力的な音に満ちています。
 オーボエを吹いているのは名手ラヨシュ・レンチェスで、映画音楽を思わせる堂々としたファルカシュの音楽に豊かなコントラストを与えています。バロック風の曲や、民謡調の曲など多彩な音楽が楽しめます。
 


TOCC-272
\2700→\2490
ロナルド・スティーヴンソン:ピアノ作品集 第1集 ケルトのアルバム
 1-4.A Wheen Tunes fae Bairns tae Spiel-
   ピアノのための4つのスコットランド小品(1964)/
 5-7.スコットランド三部作(1959-1967)/
 8-14.ヘブリディーズ諸島の民謡による組曲(1969)/
 15.Sean O Riada’sによる変奏曲-アイルダンド民謡によるミサ(1980)/
 16-25.スコットランド民謡による編曲集(1956-1980) ※15.16.19.20.21…初録音
クリストファー・グールド(ピアノ)
録音 2014年8月21-22日 エディンバラ ソサエティ・オブ・ミュージシャン リサイタル・ルーム
 スコットランドのピアニスト、作曲家であるロナルド・スティーヴンソン(1928-)をご存知でしょうか?
 彼はブゾーニの孫弟子であり、ベートーヴェンやショパン、ラフマニノフなどのピアノ音楽の伝統をスコットランドに持ち込み発展させた人です。自身はブゾーニだけでなく、カイホスルー・ソラブジの音楽を愛し、これらの「超絶技巧作品」を後輩であったジョン・オグドンに薦めたのだそうです。
 彼の最も知られている作品は“DSCHの名によるパッサガリア”で、これはあのショスタコーヴィチの名前からモティーフが取られた曲ですが、他にもショパンやアルカン、イザイなどたくさんの作曲家の作品を使った作品を書いています。
 この第1集はケルト音楽に由来した作品ですが、やはりどれも一筋縄ではいかないものを持っています。面白いです。
 

TOCC-278
\2700
カール・レーヴェ:ピアノ作品集 第1集
 1-5.ジプシー・ソナタ Op.107(1847)/
 6.マゼッパ:バイロンの詩による音の詩 Op.27(1828)/
 7-10.大ソナタ ホ長調 Op.16(1829)/
 11.アルプス幻想曲 Op.53(1835) ※1-5.11…初録音
リンダ・ニコルソン(ピアノ…1849-1950年 Collard and Collard製)
録音 2012年11月17-19日 ドイツ ケルン WDR放送
 シューベルトと同世代で、現在では主として「バラード(比較的長い歌曲)」の作曲家として認知されているカール・レーヴェ(1796-1869)。彼自身も非常に歌が上手く、歌手としてもキャリアを築いたことでも知られています。
 そんなレーヴェですが、実はかなり多くのピアノ曲も残しているのですが、今日、これらを耳にする機会はまずありません。
 実際に聴いてみるとワーグナーやリストを思わせる素晴らしい作品であることに気がつきます。例えば4楽章からなる「大ソナタ」の第2楽章は、ソプラノ、バリトンの歌をつけて演奏されることもあるという曲ですが、そのメロディラインはピアノの旋律をそのままなぞったものなので、歌が省かれても全く問題ありません。
 マゼッパは、リストの練習曲とルーツを同じにするバイロンの詩を題材にした曲。リストのような狂気はないものの、充分に劇的な音楽です。こちらも楽しみなシリーズです。
 

TOCC-287
\2700
ミコラ・ルイセンコ:ピアノ作品集 第1集
 1.ウクライナ民謡の主題による第1狂詩曲 Op.8(1875)/
 2.悲しき歌 Op.posth(1909)/
 3.1902年の夏のアルバム Op.41-第1番「怠惰と待望」(1902)/
 4.1900年の夏のアルバム Op.37-第2番「愛の歌」(1900)/
 5.夢想 Op.13(1876)/6.夢 Op.12(1876)/
 7.1901年の夏のアルバム Op.39-第3番「嘆きと悲しみ」(1901)/
 8.1902年の夏のアルバム Op.41-第3番「エレジー」(1902)/
 9.夜想曲 嬰ハ短調 Op.19(1876-1877)/
 10.夜想曲 変ロ短調 Op.9(1874)/
 11.夜想曲 変ロ長調「別れの夜曲」(1869)/
 12.不安 Op.posth(1901)/
 13.ドリア調のエスキス Op.posth(1899)/
 14-16.3つのエスキス Op.posth(1899-1902)
アーサー・グリーン(ピアノ)
録音 2013年6月18-20日 ミシガン アン・アルボー,ヒル・アルディトリウム
 ヴァイオリン作品集(TOCC-177)と併せて聴きたいルイセンコ(リセンコ 1842-1912)の、こちらはピアノ曲集です。
 「ウクライナのクラシック音楽の父」と讃えられる彼のピアノ曲は、ウクライナに根付く民謡と、ショパンやリストから受け継いだ伝統が見事に融合した、聴き応えのあるものです。
 例えば「第1狂詩曲」には明らかにリストの「ハンガリー狂詩曲」の影響が感じられます。とは言え、彼の作品に共通する暗さと悲しみの影は、他の作曲家には見られないものではないでしょうか。
 一連の「夏のアルバム」の曲からも、やるせなさばかりが伝わってくるように思います。ピアニストのアーサー・グリーンはニューヨークで生まれ、ジュリアードで学んだ人。彼の妻であるヴァイオリニスト、ソロミア・ソロカがウクライナ人のため、夫妻でルイセンコの音楽の普及に努めているというわけです。
 
TOCC-288
\2700
ルドルフ・トビアス:オルガン作品全集
 1.ラルゴ:あなたは知らない(1900)/2-6.小コラール前奏曲(1892)/
 7.シャコンヌ:Macht’ hoch die Tur(1914)/
 8-9.前奏曲とフゲッタ(1914)/
 10.前奏曲:キリストのともがらよ、こぞりて神を称えよ/
 11.アニュス・デイ/ 
 12.ヨナの使命:神秘的で聖なる合唱曲(1902-1909/2014 I.メイドレ編)/
 13-24.12のコラール前奏曲(1914)/25.前奏曲 ニ長調/
 26.フーガ ニ短調
  ※1.3.5.11.12…世界初録音
イネス・メイドレ(タリン大聖堂教会 ザウアー・オルガン)/
アレーテ・ティーメッツ(ソプラノ…3.5.11)
録音 2014年4月14-15日 タリン 大聖堂教会
 エストニアの作曲家ルドルフ・トビアス(1873-1918)。彼はエストニアの小さな村セリヤで生まれ、父親から音楽の手ほどきを受けます。当時エストニアには音楽大学がなく、タリンでオルガン奏法と音楽理論を学びます。それからペテルスブルクに移り、ペテルブルク音楽院で作曲をニコライ・リムスキー=コルサコフに学び、最初のカンタータを書くことになります。
 その後、エストニア初の職業作曲家として認められ、その作品は広範囲に渡って知られることとなります。1910年からはベルリンに赴き1914年にはドイツ国籍を取得、第一次世界大戦では通訳として活躍しますが、結局この地で他界しました。
 オルガンの名手であったトビアスは宗教作品にも造詣が深く、いくつかの美しい合唱作品も残しています。ここでは彼の資質が最も良くでているオルガン作品を聴いてみてください。微妙に移り変わるハーモニーが美しいものばかりです。



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