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≪第90号アリアCD新譜紹介コーナー≫
その8 2017/1/5〜





1/6(金)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜


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CHANDOS



CHSA 5180
(SACD HYBRID)
\2800→\2590
ヒコックスからバトンを受け継いだアンドルー・デイヴィス
 ヴォーン・ウィリアムズの交響曲!

  ヴォーン・ウィリアムズ:
   仮面劇《ヨブ》*
   交響曲第9番†
アンドルー・デイヴィス(指揮)
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
アレクサンドル・カガン(ヴァイオリン)*
シーグル・メルヴェル・オーゴール(オルガン)*
マーティン・ウィンター(フリューゲルホルン)†

 故リチャード・ヒコックスより"英国音楽の伝道師"としてのタクトを受け継ぎ、エルガー、ディーリアス、ホルスト、バックスなど英国音楽の新たな名録音を生み出してきた名匠、サー・アンドルー・デイヴィス。最新録音のヴォーン・ウィリアムズは、リチャード・ヒコックスが活動後期にスタートし、志半ばで未完となっていた交響曲チクルスを引き継ぐという偉大な事業の一環。グラモフォン大賞を受賞した「ロンドン交響曲(原典版/CHAN 9902)」を始め、ヴォーン・ウィリアムズの録音史に多大な功績を築いてきたChandosによるヴォーン・ウィリアムズ録音集に新たな一枚が加わります!
 今回の録音でコンサートマスターと「ヨブ」のソリストを務めるアレクサンドル・カガンは、ロシアの偉大な音楽一家、オレグ・カガンとナターリャ・グートマンの間に生まれた若きエリート・ヴァイオリニスト。現在ベルゲン・フィルのアソシエイト・コンサートマスターとともに、2016/17年シーズンからノルランド・オペラのコンサートマスターも務めています。
 また、イギリスの伝説的なコルネット奏者として活躍し、現在はベルゲン・フィルなどノルウェーを拠点に活動するマーティン・ウィンターが交響曲第9番でフリューゲルホルンのソロを吹いています。

 録音:2016年5月2日−4日&6日、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)



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CHSA 5179
(SACD HYBRID)
\2800→\2590
ガードナーとNYO
 BBCプロムスで話題を呼んだ「惑星」と「ツァラ」!

  ホルスト:組曲《惑星》Op.32, H.125*
  R・シュトラウス:
   ツァラトゥストラはかく語りき Op.30, TrV.176
エドワード・ガードナー(指揮)
イギリス・ナショナル・ユース・オーケストラ
サイモン・ホールジー(合唱指揮)
CBSOユース合唱団*
ABRD 5179
(LP)
\4800

 イングリッシュ・ナショナル・オペラの若き音楽監督として活動し、2015年からはベルゲン・フィルの首席指揮者としてますます活躍を広げるイギリスの若きマエストロ、エドワード・ガードナー。
 ガードナーが、イギリスのナショナル・ユース・オーケストラ(NYO)を振ったホルストの「惑星」がChandosから登場!
 NYOは、全英から厳しいオーディションによって選抜された13歳〜19歳までの若きエリート・ミュージシャンたちによるオーケストラ。ユース・オケといってもその実力は折り紙付きで、BBCプロムスの常連として毎年人気を博している他、2011年にはロイヤル・フィルハーモニー・ソサエティのベスト・アンサンブル賞を受賞、2012年には英国王室から「The Queen Medal for Music」を授与しています。特に、ガードナーとNYOの「惑星」と「ツァラトゥストラはかく語りき」は、2016年のBBCプロムスで演奏され、英ガーディアン紙や英デイリー・テレグラフ紙によって絶賛レビューが掲載されるなど、イギリスで大きな話題を呼んだプログラム。この録音は、BBCプロムスでの大成功の数日後に、バーミンガム・シンフォニー・ホールで録音されており、ガードナーとNYOによる若くエネルギッシュなサウンドが、ハイクオリティなSACDとアナログ盤に記録されています。

 録音:2016年8月8日−9日、バーミンガム・シンフォニー・ホール

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 どちらかというとCHANDOSで地味に地道にがんばっているおにいちゃんというイメージだったエドワード・ガードナー。
 取り上げる作品も、メンデルスゾーンの快演はあったが、基本的にイギリスや東欧ものが中心で、CHANDOSの「カタログ・レパートリー充実担当」かと思っていた。

 ところが、昨年末に放った「グレの歌」。
 
 ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団の創立250周年にあたる2015年に首席指揮者に就任し、そこで披露したのがこの超巨大作品。
 ベルゲン・フィルにとってもCHANDOSにとっても、そしてエドワード・ガードナーにとっても一世一代という必死さひたむきさが伝わってくる「大演奏」だった。(語りにはトーマス・アレンまで引っ張ってきている。)

 この一大録音でガードナーがひとまわり大きくなったのは間違いない。


 そうしたなかで今回登場したのが、若き精鋭たちとの「惑星」と「ツァラ」。
 イギリス・ナショナル・ユース・オーケストラはヨーロッパを代表するユース・オケ。
 実は両者は、由緒正しいドンチャン騒ぎ音楽祭、BBCプロムスでこれらの曲を披露し大絶賛されたらしい。おそらくそうとうな盛り上がりだったろう。
 今回の録音は、そのコンサート直後に行われたレコーディングというわけである。

 これも『グレの歌』以上の大成功となりそうな気がする。

 ガードナー、ちょっと「来た」かもしれない。




ガードナー&ベルゲン・フィル、ライヴ!
シェーンベルク:グレの歌


「シェーンベルク」というだけで敬遠してしまう方も多いと思うが、この曲はバリバリの後期ロマン派作品。
聴かず嫌いだった方も、現時点での同曲最新録音となるこのガードナーの録音だと想像以上に楽しめると思う。
もちろん名録音も多い同曲だが、スマートでスケールが大きく、しかも最新録音をSACDで聴ける同アルバムはオススメである。

CHSA 5172
(2SACD HYBRID)
\5600→\5190
ガードナー&ベルゲン・フィル、ライヴ!
 シェーンベルク:グレの歌
エドワード・ガードナー(指揮)、
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団、
オルウィン・メラー(ソプラノ/トーヴェ)、
アンナ・ラーション(メゾ・ソプラノ/山鳩)、
スチュアート・スケルトン(テノール/ヴァルデマール)、
ヴォルフガング・アプリンガー=シュペルハッケ(テノール/道化クラウス)、
ジェームズ・クレスウェル(バス/農夫)、
トーマス・アレン(語り)、
ベルゲン・フィルハーモニー合唱団、
コレギウム・ムジクム合唱団、
エドヴァルド・グリーグ合唱団、
オルフェイ・ドレンガル、
ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オヴ・ミュージックの生徒達、
ヨーテボリ交響楽団のミュージシャン達  

  





 『グレの歌』はオーケストレーションの完成に10年かかったというシェーンベルク初期の作風を集大成した作品。
 5人の独唱者、ナレーター、合唱と大管弦楽のための作品で、カンタータとも世俗オラトリオともオペラとも見ることもできる100分から2時間にわたる大作である。

 シェーンベルクの初期作品ということで、現代音楽嫌いの方もまったく恐れることはない。シェーンベルク、まだ十二音の世界に到達してない。

 ワーグナーやリヒャルト・シュトラウス、マーラーに大きく影響された、官能的な後期ロマン派様式。
 ラヴェルの手法に極めて近いことも指摘されている。

 そんな作品だったので、リハーサルでホルン奏者が席を蹴って演奏を拒否したとも伝えられたが、シェーンベルクの作品には珍しく、聴衆からも評論家からも支持され、非常な成功を収めた。

 シェーンベルクはこの作品のオーケストレーションに際して、53段譜を特注したことが知られている。

 当然ながらその編成は非常に大きい。

語り手1、ソプラノ1、メゾソプラノ1、テノール2、バス・バリトン1、3群の男声四部合唱、混声八部合唱
ピッコロ4、フルート4、オーボエ3、コーラングレ2、クラリネット3、バスクラリネット2、小クラリネット2、
ファゴット3、コントラファゴット2、ホルン10、トランペット6、バストランペット1、
アルトトロンボーン1、テナートロンボーン4、バストロンボーン1、コントラバストロンボーン1、チューバ1
ハープ4、チェレスタ
ティンパニ6台(2人)、テナードラム、小型と大型のバスドラム各1、シンバル、トライアングル、
タンブリン、グロッケンシュピール、木琴、ラチェット、チェーン、タムタム
弦楽五部(第1・第2ヴァイオリン各20、ヴィオラ16、チェロ14、コントラバス10)

 マーラーの『大地の歌』や師ツェムリンスキーの『抒情交響曲』に類似した構成であるが、作曲は『大地の歌』より8年、『抒情交響曲』より22年早い。

 時代も常識も超越した作品なのである。

 録音:2015年12月8日ー11日、グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)


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CHAN 10933
\2400→\2190
バリー・ダグラス(ピアノ)
 シューベルト:ピアノ独奏作品集Vol.2

 4つの即興曲 Op.90, D.899
 ピアノ・ソナタ第20番イ長調 Op.post., D.959
バリー・ダグラス(ピアノ)
 2015年来日公演曲目収録!ダグラスのシューベルト第2弾!

 1986年の第8回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で、クライバーン以来となるロシア人以外でのゴールド・メダリストに輝いたアイルランドの名手、バリー・ダグラス。専属アーティストとして加わったシャンドス(Chandos)で全6巻に及ぶブラームスのピアノ作品集を完成させ、全世界で賞賛を浴びているダグラスが次に歩みを進めるのは、シューベルトのピアノ作品集。
 2014年に発売した第1巻に続くのは、2015年の来日公演でも披露された「4つの即興曲 D.899」と、シューベルト晩年のピアノ・ソナタ イ長調 D.959。独墺系プログラムを得意とし、ブラームスの作品集でその真価を知らしめてくれたアイルランドの名匠バリー・ダグラスが弾く、奥深き円熟のシューベルトです。

 録音:2016年2月4日−5日、アイルランド




3年前にリリースされた第1弾
随分待たされた・・・

CHAN 10807
\2400→\2190
バリー・ダグラス(ピアノ)
 シューベルト:ピアノ独奏作品集Vol.1

  幻想曲ハ長調 D.760,Op.15《さすらい人》
  君はわが憩い D.776, Op.59-3(リスト編)
  いらだち D.795, Op.25-7(リスト編)
  ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960, Op.post
バリー・ダグラス(ピアノ)
 バリー・ダグラスのシューベルトがスタート!さすらい人幻想曲&ピアノ・ソナタ第21番!

 1986年の第8回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で、ヴァン・クライバーン以来となるロシア人以外のゴールド・メダリストという栄誉に輝いたアイルランドの名ピアニスト、バリー・ダグラス。
 専属アーティストとして加わったシャンドス(Chandos)での2枚のブラームス作品集が、世界各地で高評価を獲得してきたバリー・ダグラスが、シューベルトのピアノ独奏作品全集に着手!
 シューベルトの第1集では、「さすらい人幻想曲」と「ピアノ・ソナタ第21番」にフランツ・リスト編曲の2作品を加えたプログラムを展開。
 独墺系プログラムを得意とするアイルランドの名匠バリー・ダグラスがいよいよ取り組むシューベルト。その円熟味を増したピアニズムが、作曲者自身が「悪魔にでも弾かせればいい」と語ったというエピソードが残る難曲「さすらい人幻想曲」と、最後のソナタ「第21番」の奥深き世界を描く——。

 ※録音:2013年9月27日&28日


 
CHAN 10932
\2400→\2190
モーツァルト:フルート四重奏曲集
 フルート四重奏曲第1番ニ長調 K.285
 フルート四重奏曲第2番ト長調 K.285a
 フルート四重奏曲第4番イ長調 K.298
 フルート四重奏曲第3番ハ長調 K.Anh.171(285b)
 アンダンテ ハ長調 K.315(モルデカイ・レヒトマン編)
リサ・フレンド(フルート)、
ブロドスキー弦楽四重奏団のメンバー
 〔ダニエル・ローランド
   (ヴァイオリン)、
  ポール・キャシディ(ヴィオラ)、
  ジャクリーン・トーマス(チェロ)〕
 リサ・フレンド Chandos初登場!ブロドスキーQとのモーツァルト!

 英国の大ヴァイオリニスト、ロドニー・フレンドの愛娘リサ・フレンドは、16歳からニューヨーク・フィルのフルート奏者ルネ・シーバートに師事し、英国王立音楽大学ではスーザン・ミランの下で学び、現在はソリストとして活躍中。イギリスのSignum ClassicsやChamps Hill Recordsなどからソロ録音を発売し人気を集めてきたリサ・フレンドが、ついにChandosデビュー!
 リサ・フレンドのChandos第1弾は、ブロドスキー・クヮルテットのメンバーと贈るモーツァルトのフルート四重奏曲集という重要レパートリー。高貴な音色と確かな技巧で、モーツァルトのウィットさ、美しさ、優雅さを見事に引き出します。
 「フルートと管弦楽のためのアンダンテ K.315」から「フルートと弦楽三重奏のための作品」へとアレンジしたモルデカイ・レヒトマン(b.1926)は、元イスラエル・フィルの首席ファゴット奏者を務め、指揮者、編曲者として活躍しているイスラエルの音楽家。特に木管アンサンブルや吹奏楽、室内オーケストラ編成へのトランスクリプションやリダクションの作品で知られています。

 録音:2016年3月30日−31日、ポットン・ホール(サフォーク)




CD ACCORD


ACD-223
\2500
Modern Soul/アガタ・シムチェフスカ:ヴァイオリン・リサイタル
 ザレフスキ(1990-):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(2013)
  1.第1楽章:Maestoso
  2.第2楽章:Andante, misterioso
  3.第3楽章:Scherzo. Molto allegro
  4.第4楽章:Finale. Piu maestoso ma nostalgico
 マイクシャク(1983-):
  ヴァイオリンとアコーディオンのためのソナタ(2015)
  5.第1楽章:Scherzo, ostinato
  6.第2楽章:Largo, instabile
  7.第3楽章:Rondo, ben ritmico
  8.第4楽章:Grave, lamentoso
  9.第5楽章:Presto, fugato
 マルコヴィチ(1979-):ヴァイオリン・ソナタ(2015)
  10.第1楽章:Andante ma non troppo
  11.第2楽章:Presto
  12.アレクサンダー・ノヴァーク(1979-):3つのムードによるソナタ(2015) 
アガタ・シムチェフスカ(ヴァイオリン)
マレク・ブラハ(ピアノ)・・・1-4
マチェイ・フラキエヴィチ(アコーディオン)・・・5-9
グレゴルシュ・スクロビンスキ(ピアノ)・・・10-11
ウーカシュ・クロパチェフスキ(ギター)・・・12

 ポーランド出身の女性ヴァイオリニスト、アガタ・シムチェフスカのデビュー・アルバム。タイトル「Modern Soul」が示す通り、これらの作品はどれも2013年から2015年に作曲された、ポーランドの最先端をいく曲です。
 シムチェフスカをはじめとした演奏家たちと、ルトスワフ弦楽四重奏団のメンバーで、優れた作曲家でもあるマルシン・マルコヴィチら、若き作曲家たちとのコラボレーション・プロジェクトとなるこのアルバム、どの作品にも「ソナタ」というタイトルが付されており、これは新古典派の様式を用いつつ、音楽の持つ優雅さや芸術的手腕を追求したということで、プロコフィエフを思わせるザレフスキ、「ludic tone=遊び心のある音」にミニマル要素を加えたマイクシャク、「熟考」と「衝動」この2つの要素を当てはめたマルコヴィチ、単一楽章の中で刻々と表情を変えていくノヴァーク、と各作曲家の創意工夫が存分に表現されています。
 

ACD-228
\2500
ユゼフ・シュヴィデル(1930-2014):管楽のための作品集
 抒情小品集(1975) フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのための
  1.Larghetto
  2. Allegro
  3.Andante
  4.Animato
  5.Lento 
  6.Allegretto
  7.Larghetto
 8.アレグレット(1952) フルートとピアノのための
 9.スケルツォ(2007) フルートとギターのための
 10.アンダンテ(1951) オーボエとピアノのための
 11.インプロヴィゼーション(1991) クラリネットとピアノのための
 ソナタ(1954) ファゴットとピアノのための
  12.第1楽章:Allegro con spirito
  13.第2楽章:Andante
  14.第3楽章:Tempo di menuetto
  15.第4楽章:***
 小五重奏曲(1993/2005)フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのための
  16.Studio
  17.Sentimentale
  18.Intrada e Fugato
  19.Cantabile
  20.Imitazione
  21.Polonaise
  22.Scherzo finale
    16-22・・・七楽章ヴァージョン初録音
マリア・グロホフスカ(フルート)・・・1-9.16-22
ピョトル・ピツ(オーボエ)・・・1-7.10.16-22
ロマン・ヴィダシェク(クラリネット)・・・1-7.11.16-22
マレク・バランスキ(ファゴット)・・・1-7.12-19.21-22
マリウス・ツィエテク(ホルン)・・・1-7.16-19.21-22
エウゲニウシュ・クナピク(ピアノ)・・・8.10-15
ワンダ・パラツ(ギター)・・・9
 ポーランドを代表する合唱音楽の作曲家として知られるシュヴィデル。彼は3曲の歌劇をはじめ、オラトリオ、多数のカンタータ、9曲のミサを書き、親しみ易い作風を持つ合唱曲は世界中の合唱団で愛唱されています。
 とはいえ、シュヴィデルは全く器楽のための作品を書かなかったわけではなく、このアルバムに収録されているような管楽器のアンサンブル曲も、いくつか手掛けていました。
 前衛音楽について否定的な考えを持っていたシュビデル、この作品でも、調性は放棄しているにも拘わらず、決して難解になることはなく、ユーモラスな雰囲気の中に、時には思い切りロマンティックな表情が込められた美しい音を聴くことができます。

 録音 2016年9月5-6日、25-27日 NOSPR Chamber Hall in Katowice



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BRIDGE

BCD 9479
\2300→\2090
グティエレスの新譜が久々に登場!
 ショパン:24の前奏曲+シューマン!

  ショパン:24の前奏曲 Op.28
  シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
オラシオ・グティエレス(ピアノ)

 ベテラン、グティエレスの新譜が久々に登場!ショパン:24の前奏曲+シューマン!日本語オビ・解説付き!

 録音:2015年3月26、28日 ニューヨーク、65'56、DDD ※日本語オビ・解説付き!

 キューバ出身の米国のピアニスト、オラシオ・グティエレス(b.1948)が、ショパンの24 の前奏曲とシューマンの幻想曲 ハ長調という人気曲を録音。
 グティエレスは1970 年のチャイコフスキタ、マゼールといった名指揮者達と共演し、録音もEMI やTELARC などに行っていた。
 グティエレスは極めて卓越した技術の上に19 世紀風のロマンティシズムを豊かに盛るタイプのピアニストで、根強い人気がある。このショパンとシューマンも、昔の大ピアニストの演奏を最新録音で楽しむような趣がある。




 オラシオ・グティエレス(1948年-)は、ヴィルトゥオーゾの誉れ高いキューバ出身のピアニスト。

 家族に連れられ13歳で渡米し、ロサンジェルスでセルゲイ・タルノフスキーに、後にジュリアード音楽学校に進学してアデール・マーカスに師事。
 タルノフスキーはウラジミール・ホロヴィッツの旧師であり、マーカスは伝説のピアニスト、ヨゼフ・レヴィーンの門人だった。
 その後は、カール・フリードベルクの門人ウィリアム・マセロスに師事している(フリートベルク自身がクララ・シューマンやブラームスの門下であった)。

 1966年に、名高い「ヤング・ピープルズ・コンサート」でレナード・バーンスタインと共演して、アメリカのテレビ番組に初めて出演し、ムソルグスキーの《展覧会の絵》を弾いた。

 1967年より市民権を得てアメリカ合衆国に帰化し、同じマセロス門下のパトリシア・アッシャーと結婚して、アメリカを生活と活動の拠点としている。

 1970年にチャイコフスキー国際コンクールで銀メダルを獲得してから間もなく、あらゆる主要な演奏会で演奏し、世界中で旋風を捲き起こした。

 グティエレスは、ロマン派的な奔放さと古典的な均斉感とを珍しく融合させた演奏で知られており、多くのピアノ愛好家から、20世紀後半で最大のピアニストの一人と看做されている。



随分前の映像ですがプレヴィンとラフマニノフのピアノ協奏曲第3番やってます。バリバリやってます。
https://youtu.be/M6giLLa_5KU



 


BCD 9475
\2300→\2090
「ポウル・ルーザースの音楽第10集」
 ポウル・ルーザース(b.1949):
  交響曲第5番(2012-13)
オラリー・エルツ(指揮)
デンマーク国立交響楽団
 ポウル・ルーザースの再新作、交響曲第5番!

 録音:2015年1月デンマーク放送新コンサート・ホール、[26:30] DDD

 Bridge レーベルが進めるルーザース・シリーズの最新盤。交響曲は第4番(第7 集、BCD9375)、第3番(第8 集、BCD9382)に続くリリース(因みに第1番はCHANDOS から、第2番はDACAPO から発売になっている)。
 ルーザースはデンマークの作曲家で作曲をカール・オーエ・ラムスセンに学んだ。多作家として知られ、オペラを筆頭にあらゆる種類の作品を書いている。作風は20 世紀のあらゆる潮流を吸収し折衷しているが、故国デンマークの大作曲家ニールセンのダイナミックな音楽作りが大きく影響していると思われる。またアメリカ東海岸流の新保守主義的な傾向も多分に含んでいる。
 この交響曲第5 番は急緩急の伝統的な3 つの楽章から構成されているが、音響的に新しい試みが随所に仕掛けられている。
 
BCD 9472
\2300
「ハット・トリック〜喜びの庭」
 ミゲル・デル・アギラ(b.1957):水面下(2013)
 ドビュッシー:
  フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ(1915)
 武満徹(1930-96):
  そしてそれが風であることを知った(1992)
 テオドール・デュボア(1837-1924):三重奏曲(1905)
 ソフィア・グバイドゥーリナ(b.1931):
  喜びと悲しみの庭(1980)
ハット・トリック:
 【エイプリル・クレイトン(Fl)
  デイヴィッド・ワラス(Va)
  クリスティ・シェイド(Hrp)】
 録音:2014年12月、[59:41] DDD

 ヴィオラ、フルート、ハープという編成は決してドビュッシーが史上初めてというわけではないが、ドビュッシーの作品があまりにも名曲であるため、これに触発されて多くの作品が書かれている。それぞれの作曲家が個性や自らの美学を発揮しており、聴きごたえ充分。
 作曲家アギラはウルグアイ出身。「水面下」は南米先住民の音楽の要素を反映させたトロピカルで鳥の鳴き声も聴こえる楽しい佳品である。武満作品は晩年に書かれた名高い傑作。晩秋を思わせる静寂の中で澄み切った旋律が歌われる。
 グバイドゥーリナはフランシスコ・タンツェの同名の詩に霊感を得て作曲されたシュールレアリスティックな美しい作品。音色への非凡なこだわりが感じられ、最後に詩が朗読される。
 ハット・トリックはアメリカの若手によるアンサンブル。それぞれソリスト、オーケストラの首席奏者としても活動しながらアンサンブル活動を続けている。極めて質の高いアンサンブル。
 

BCD 9473
\2300
「4つの語り歌」
 エベールト・ヴァスケス(b.1963):「白ユリ」
 アーリーン・シエラ(b.1970):「ダリア」
 レイ・リャン(b.1972):「バラ」
 イルダ・パレデス(b.1957):「蜜の地(スミレ)」
スーザン・ナルッキ(歌)
パブロ・ゴメス(ギター)
アレック・カリス(ピアノ)
片岡綾乃(打楽器)
 録音:2015年3月29-31日 カリフォルニア州サン・ディエゴ、53'24 DDD

 メキシコの小説家、ホルヘ・ヴォルピ(1968-)の書いた4 つの台本に、メキシコ人のエベールト・ヴァスケス(1963-)、ロンドン在住の米国人、アーリーン・シエラ(1970-)、中国生まれで米国で活動するレイ・リャン(1972-)、メキシコ生まれでロンドンで長く活動しているイルダ・パレデス(1957-)の4 人の作曲家が音楽をつけたもの。CD では室内オペラと紹介しているが、クラシックのジャンルで言えば歌曲のバラード(物語歌)に近い。歌詞英語訳あり。
 このCD は打楽器奏者に片岡綾乃が参加しているでも注目される。片岡は東京芸術大学やエール大学音楽院を修了後、ニューヨークを中心に世界で活躍している。また現在はマサチューセッツ大学アマースト校の人類学美術学部の音楽舞踊分門の講師も務めている。歌が主役のCD だが、片岡の鮮やかな打楽器捌きはいたるところで楽しめる。
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BCD 9478
\2300→\2090
ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク(1727-1756):
 室内楽作品集

  (1)ソナタ 変ロ長調
    (2つのヴァイオリンと通奏低音)DurG10
  (2)ソナタ ト短調
    (2つのヴァイオリンと通奏低音) DurG12
  (3)ソナタ ホ短調
    (2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音) DurG14
  (4)ソナタ イ短調
    (2つのヴァイオリンと通奏低音) DurG11
  (5)ソナタ ハ長調
    (2つのヴァイオリンと通奏低音) DurG13
ルベル:
 【イェルク=ミヒャエル・
   シュヴァルツ(Vn)
  カレン・マリー・マーマー(Vn)
  リサ・ブラウダー(Va)
  ジョン・モラン(Vc)
  ドンソク・シン(Cemb)
 録音:2016年1月4-7日 コネチカット州ウィルトン、59'30 DDD

 ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク(1727-1756)といえば、バッハのゴルトベルク変奏曲にまつわる逸話で名前だけは有名である。
 彼は優秀な鍵盤楽器奏者、作曲家だったものの、20 代で若くして亡くなったため名声を博するまでには至らなかった。残された僅かな作品はどうしても若書きに相当してしまうが、それでも独特の魅力も持っている。
 これまでゴルトベルクの作品だけを収録したCD は少なかったので、トリオ・ソナタなどを5 曲を収録したこのCD は作曲家ゴルトベルクの実像に迫るものだ。
 ルベルは北米を代表するバロック・アンサンブルの一つ。多数のCD を出しており、BRIDGE レーベルではテレマンの協奏曲集(BRIDGE 9421)と2 枚のヴィヴァルディ(BRIDGE 9173、BRIDGE9377)が高評価を得ている。





ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクって誰。


 ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク。

 ヨハン・ゼバスティアン・バッハという作曲家の作品にその名をとどめることで有名になっているようだが、それはまあいい。

 それよりもこの天を翔けるような天才。
 ハイドンの5歳年上。
 生きていれば音楽史に華々しく名を残したかもしれない天才が残した、極上の音楽。

 わずか29歳でこの世を去った畢生の天才作曲家のすばらしい作品を味わってみてほしい。



601 02502
¥2800
入手困難のため海外直輸入
ゴルトベルク(1727-1756):チェンバロ協奏曲全集
 協奏曲 変ホ長調
 協奏曲 ニ短調
ワルデマール・デーリング(Cem)
ソフィア・ソロイスツ
エミール・タバコフ指揮

 20年程前、たまたまFMで流れたチェンバロ協奏曲の美しさに絶句したことがある。書き留めた作曲家の名前がこの人だった。
 ヨハン・ゴットリープ・ゴールドベルク。
 カイザーリンク伯爵が不眠症のためにバッハに作曲を依頼したといわれる「ゴールドベルク変奏曲」。伯爵のお伴をしていたゴールドベルクは、伯爵の子守歌としてこの難曲を弾いたといわれる。当時ゴールドベルク、わずか14歳。
 その真偽はさておき、ゴールドベルクがこの音楽史上に残る難曲を弾ける名手であったことは事実らしい。そしてかなりの優れた作曲家でもあったといわれる。しかしその栄えある前途は病のために潰える。肺結核。わずか29年の人生だった。
 そして現在彼の作品のCDはほとんどない。
 しかし、店主が20年前に聴いた幻のゴールドベルクのチェンバロ協奏曲の録音が復活。
 
録音:1986年
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309 07092
¥2800
入手困難のため海外直輸入
ムジカ・アルタ・リパ
 ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク(1727-1756):室内楽作品集

  トリオ・ソナタ
  2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための四重奏曲
  ポロネーズ
ムジカ・アルタ・リパ

 ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク。彼はすぐれたクラヴィア奏者であり、J・S・バッハの弟子でもあった。彼の名前が劇的に知られることになったのは何と言っても、あの名曲「ゴルトベルク変奏曲」だろう。(彼のために書かれたとされるこの曲ですが、真偽のほどはわかっていません。)
 ゴルトベルクはバッハの死後、室内楽作曲家として活躍を始めたが、その6年後、わずか29歳の若さでこの世を去ってしまう。
 このアルバムには、そんなゴルトベルクの珍しい作品を収録している。
 東プロイセン生まれのゴルトベルクは、少々変わり者で潔癖症、そして常に憂鬱であったらしい。
 彼は自分の作品の出来に満足せず、いくつかは彼自身の手で破棄されてしまったとも言われる。ここで聴かれる曲にも、バッハの影響、そこからの脱却、独自の対位法、などなど多くの興味深い面が聞き取れることだろう。
 テレマンの演奏で高い評価を得ているハノーバーの団体、ムジカ・アルテ・リパの演奏で。

録音:1996年2、11月 ボン


 

BCD 9480
\2300
「リチャード・ワーニック(b.1934):作品集第3集」
 (1)六重奏曲(2003)
 (2)チェロと10 奏者のための協奏曲(1980)
 (3)ピアノ三重奏曲(1994)
(1)ロバート・ハンフォード(Vn)、
 シェイラ・ハンフォード(Vn)
 キース・コナント(Va)、
 バーバラ・ハフナー(Vc)、
 コリンズ・トライアー(Cb)、
 アラン・チョウ(Pf)
(2)バーバラ・ハフナー(Vc)
 ロバート・トレヴィーノ(指揮)
 アンサンブル
  (Cb、Vn、バスCl、Ob、Hr、
   コントラFg、Trb、Trp、Perc、Hrp)
(3)グレゴリー・フルカーソン(Vn)、
 バーバラ・ハフナー(Vc)、
 ランバート・オーキス(Pf)
 録音:2009-2013年 [56:51] DDD

 リチャード・ワーニックはボストン出身で1977 年にピュリッツァー賞を受賞、作品は北米、ヨーロッパで盛んに取り上げられている。作風はアメリカ東海岸の出身作曲家らしく、12 音技法を中心とした厳しい無調音楽で巨匠エリオット・カーターとの親密性を感じさせる。ギリシャ彫刻のようにくっきりと刻まれた美しい造型とひとつの作品にぎっしりと詰め込まれた多くの身振りと感情、ドラマが密度の高い時間を作り上げる。

<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>

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ROMEO RECORDS



RON 7318-19
(2CD 1枚価格)
\2300→\2090
「ナディア・ライゼンバーグ、
 室内楽のライヴと独奏私的録音集」

  (1)ウェーバー:協奏大二重奏曲 変ホ長調Op.48
  (2)モーツァルト:
   ピアノ三重奏曲 変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット」
  (3)ベートーヴェン:
   ピアノ三重奏曲 変ロ長調Op.11「街の歌」
  (4)伝モーツァルト:パストラル組曲
  (5)リスト:スペイン狂詩曲
  (6)ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調Op.16
   (五重奏曲の作曲家自身による編曲)
  (7)ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 Op.81
  (8)グラズノフ:ワルツ・アレグレット ニ長調Op.42-3
  (9)ショパン:
   ワルツ 変イ長調 Op.42,夜想曲夜想曲 嬰ハ短調
ナディア・ライゼンバーグ(ピアノ)
(1)(2)(3)
 デイヴィッド・グレイザー(Cl)
(2)(3)デイヴィッド・ソイヤー(Vc)
(6)ブダペスト四重奏団員:
 【ジャック・ゴロデツキー(Vn)
  ボリス・クロイト(Va)
  ミッシャ・シュナイダー(Vc)】
(7)ガリミール四重奏団:
 【フェリックス・ガリミール(Vn)
  矢島廣子(Vn)
  ジョン・グレアム(Va)
  ティモシー・エディ(Vc)】
 好評のナディア・ライゼンバーグの秘蔵音源シリーズ!ブダペストSQやガリミールSQとの共演も!

 録音:(1)(2)1963年3月8日 ニューヨーク、(3)1963年12月8日 ニューヨーク、(4)(5)1951年頃 私的録音、(6)1952年11月16日 ニューヨーク、(7)1980年11月21日 ニューヨーク、(8)(9)1951年頃 私的録音、153'10

 Romeo Records で好評のナディア・ライゼンバーグ(1904-1983)の秘蔵音源シリーズ。新刊は室内楽曲が中心で、室内楽好き、ヴァイオリン・マニアも要注目の内容。
 目玉はブダペスト四重奏団員と共演のベートーヴェンのピアノ四重奏曲 作品16 だろう。録音はあまり良くないが、演奏は極めて充実したもの。この作品16 のベートーヴェン自身によるピアノ四重奏曲版はあまり知られていないが、これだけの大物たちの手にかかると隠れた名曲であることを実感させられる。
 フェリックス・ガリミール(1910-1999)と共演したドヴォルザークも素晴らしい。ウィーン生まれで後に米国に移住、ジュリアード音楽院とカーティス音楽院の名教師として高名なガリミールは、しかし録音があまり多くなく、この晩年の録音は貴重。ライゼンバーグ、ガリミール共に高齢ではあるものの、時に激しい熱をはらみ、時にベテランの味でじっくり歌い、感動的な名演になっている。ガラミアン門下生の矢島廣子が参加している。
 1951 年頃の家庭での私的録音での小品は、リラックスした雰囲気が楽しめる。
 なお1980 年録音のドヴォルザークはおそらくステレオ録音、但し左右の広がりには乏しい。



ナディア・ライゼンバーグ旧譜

RON 7309/10
(2CD 1枚価格)
\2300→\2090
生誕110 周年記念CD
 「ナディア・ライゼンバーグ、ロシア・ピアノ曲集」

 チャイコフスキー:12の小品 Op.40
  (練習曲 ト長調/悲しい歌 ト短調/葬送行進曲 ハ短調/
   マズルカハ長調/マズルカ ニ長調/無言歌 イ短調/
   村にて ト短調/ワルツ 変イ長調/ワルツ 嬰ヘ短調/
   ロシア舞曲/スケルツォ ニ短調/とぎれた夢)
  ロマンス ヘ短調 Op.5/二つの小品 Op.10(夜想曲/ユモレスク)/
  ハプサールの思い出 Op.2(城の廃墟/スケルツォ/無言歌)
 ラフマニノフ:
  V.R.のポルカ/ワルツ イ長調 Op.10-2/舟歌 ト短調 Op.10-3/
  ロマンス ヘ短調 Op.10-6/マズルカ 変ニ長調 Op.10-7/
  幻想的小曲集 Op.3
   (悲歌/前奏曲 嬰ハ短調/調べ/ポリシネル/セレナード)
 カバレフスキー:24 の前奏曲 Op.38
ナディア・ライゼンバーグ(ピアノ)
 ナディア・ライゼンバーグ生誕110 周年記念CD、WESTMINSTER復刻のロシア作品集

 録音:1950 年代半ば、モノラル(WESTMINSTER 音源)、157'26

 ナディア・ライゼンバーグ(1904-1983)は、リトアニアの首都ヴィリニュス出身のピアニスト。サンクトペテルブルグで学んだ後、ロシア革命を避けて米国に移住。カーティス音楽院でヨゼフ・ホフマンに学んだ。たいへん優秀なピアニストだったが、1950 年代にロシアの作曲家の作品をいくつか録音した後は録音に縁がなく、生前から幻のピアニストになっていた。
 この2 枚組のCD は昨年のライゼンバーグ生誕110 年を記念しての企画。1950 年代半ばに米国のWESTMINSTER に録音したチャイコフスキー、ラフマニノフ、カバレフスキーの曲集が集められている。いずれもテープからの復刻で、1950 年代半ばのモノラル録音としては標準的な音質である。
 ライゼンバーグの音楽は品の良さが魅力で、しっとりとした情感が豊かなもので、いずれの曲もたいへん素晴らしい。カバレフスキーの24 の前奏曲は作曲されてからまだ10 年ほどで、おそらく西側での初録音と思われる。


BRIDGE
BCD 9276
(4CD 3枚価格)
\6900→¥6290
ナディア・ライゼンバーグ(ピアノ)
 「ショパン:夜想曲全集、マズルカ全集、ピアノ・ソナタ第3番」

 ①夜想曲全集【Op.9(3曲)/Op.15(3曲)/
  Op.27(2曲)/Op.32(2曲)/Op.37(2曲)/
  Op.48(2曲)/Op.55(2曲)/
  Op.62(2曲)/Op.72-1/嬰ハ短調】
 ②舟歌 嬰ヘ長調 Op.60/
 ③子守歌 変ニ長調 Op.57/
 ④協奏曲のアレグロ イ長調Op.46/
 ⑤ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調Op.58/
 ⑥マズルカ全集【Op.6(4曲)/Op.7(5曲)/
  Op.17(4曲)/Op.24(4曲)/Op.30(4曲)/
  Op.33(4曲)/Op.41(4曲)/Op.50(3曲)/
  Op.56(3曲)/ Op.59(3曲)/Op.63(3曲)/
  Op.67(4曲)/Op.68(4曲)/イ短調 「ノートル・タン」/
  イ短調 「エミール・ガイヤール」/変ロ長調/
  ニ長調/ハ長調/ト長調/ニ長調】
ナディア・ライゼンバーグ(ピアノ)

 テルミン演奏家として有名なクララ・ロックモアの姉でもあるピアニスト、ナディア・ライゼンバーグ(1904-1983)は、リトアニアの首都ヴィリニュス出身。ザンクト・ペテルブルグに移り、ここで音楽の勉強を始める。ロシア革命を避けて米国に移住、1922年にピアニストとしてデビュー。1930年からカーティス音楽院でヨゼフ・ホフマンに学んだ。その後は、ピアニストとして、またピアノ教師として大きな活躍をした。戦後、教職に重点を置いたため、残された録音は決して多くない。これは1955年から1957年にかけてのスタジオ録音による夜想曲とマズルカの全集に1947年ライヴ録音のピアノ・ソナタ第3番を収めたセットである。彼女の明晰で、かつ詩情に溢れたショパンを味わえる。

①〜④⑥録音:1955-57年(原盤:ウェストミンスター) ⑤録音:1947年11月21日、カーネギー・ホール、ライヴ録音MONO、5h00m40s





<国内盤> 

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ARCANA



Mer-A425
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
鬼才アレッサンドリーニが
 Arcana最初期に刻んだ重要名盤復活
モンテヴェルディ:第6マドリガーレ集(全)

 マドリガーレ集 第6巻 SV107-116
   (1614年ヴェネツィア刊/全曲)
リナルド・アレッサンドリーニ指揮
コンチェルト・イタリアーノ
  (古楽器使用)
通奏低音:マラ・ガラッシ(ダブルハープ)、
アンドレーア・ダミアーニ(リュート、テオルボ)、
リナルド・アレッサンドリーニ(チェンバロ)

 電撃復活!
 OPUS111に遷る前のアレッサンドリーニがArcana最初期に刻んだ重要曲集の名盤、解説付で!

 今年6月、日本中の古楽ファンにもカリスマ的な人気を誇る欧州楽壇の異才中の異才、バロックの本場イタリアが生んだ名匠リナルド・アレッサンドリーニが、長年の音楽仲間たるアンサンブル、コンチェルト・イタリアーノと待望の来日。

 そんな折、明敏なリスナーの心を刺激するかのごとく、Arcanaレーベル創設初期に録音されていた幻の名盤が待望の復活です。
 しかも来日演目の作曲家でもあるモンテヴェルディの重要曲集!

 それまで5編におよぶマドリガーレ(重唱曲)集を発表、16世紀以前の伝統的ルネサンス書法を知り尽くしながら、まったく新しい「第二の作法」でも作曲している、と宣言したモンテヴェルディが、長年仕えたマントヴァの宮廷を離れ、ヴェネツィアに移ってから最初に発表した新たなるマドリガーレ集には「アリアンナの嘆き」や「西風が戻ってきた」など、この作曲家の代表曲ともいえる名曲も含め、恋にまつわる精巧かつ躍動感あふれる名品が続々!

 バロックハープ界の大物マラ・ガラッシ女史と異才ダミアーニを通奏低音に迎え、イタリア古楽界の躍進を予告する鮮烈な演奏に仕上がった銘盤、長く入手不可だったのが謎なくらいの魅力に満ちています!

 アレッサンドリーニ自身の解説&歌詞訳付。再びプレスが切れる前にどうぞ!




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PAN CLASSICS



PC10323
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ラッススの“秘められた音楽”の真相
 〜当時の装飾画どおりの編成で甦る
  ミュンヘン宮廷の“ムジカ・レゼルヴァータ”〜

 オルランドゥス・ラッスス:
  1.主よ、わたしに怒りを向けないでください/
          ミゼレーレ(『悔悛の詩編曲』より)
  2.教えてください、鳥の女王よ〜8声による(合奏)
  3. 主よ、どうか聞き届けてください(ラテン語詩編101)
  4. どうしてそんなに急ぐのだ、
    雄弁なるアトランティスの孫よ〜10声による(合奏)
  5. 主よ、どうか聞き届けてください(ラテン語詩編142)
フローリアン・ヴィーニンガー
         (ヴィオローネ)指揮
プロフェティ・デッラ・クヴィンタ、
 アンサンブル・ラ・リゾナンツァ
            (古楽器使用)

 16世紀の宮廷音楽を、厳密に当時の編成で再現!!
 稀有の企画、欧州古楽界ならではの最高のクオリティで。

 歴史遺産が日常のすぐそばに息づいているヨーロッパでは、研究者も演奏家も層が厚いところ、古楽研究の最前線を切り開いている才人がじっくり企画を進めれば、こんなにも突き抜けた録音物ができてしまうのだ…!

 イタリアのパレストリーナとともに、16世紀を代表するフランドル楽派の多声音楽の巨匠ラッスス。
 彼がミュンヘンの宮廷で主君の前だけで披露していた音楽を、当時の宮廷楽団を描いた挿画にもとづく厳密な考証の末、当時宮廷にあった楽器だけで再現してみせてくれたのがこのアルバム。
 しかもその演奏再現の結果が息をのむほど美しい、精巧かつ充実した演奏解釈!


 ここでCD紹介やってます。音楽ももちろん少し聴けます!
https://youtu.be/uJO0NVH0D60


 欧州中心に活躍中のコルネット奏者・上野訓子氏をはじめ、バーゼルやウィーンで腕を磨いた凄腕が集うアンサンブルは楽器奏者だけで15人。
 ルネサンス楽隊としては異例の豪奢さで、ミュンヘン宮廷人たちの音楽愛を精巧に再現。

 歌手6人の清らかなア・カペラに絡むルネサンス・ヴァイオリンやコルネット、スピネットなどの妙音の重なり。
 見逃せない逸品といっていいでしょう。




















1/5(木)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜


CANTALOUPE MUSIC


CA21124
\2500
ケン・トムソン:室内楽作品集
 Restless
  1.Restless
  2.Forge
  3.Remain Untold
  4.Lost
 ME Vs.
  5.Turn of Phrase
  6.Another Second Try
  7.Me Vs.
アシュリー・バスゲート(チェロ)・・・1-4
カール・ラーソン(ピアノ)・・・1-7

 このアルバムは、アーティストのインディ・レーベルである「UFFDA Records」とCantaloupeの共同リリースで、2013年にリリースされた「Thaw」のフォローアップ・アルバムです。
 ジャズ、パンクの影響も見えるトムソンの音楽はとても難解で、演奏家には熟達した技術が求められますが、チェリスト、アシュリー・バスゲイトとピアニスト、カール・ラーソンは、それを難なくクリアし、テンションを保ちながら、劇的なクライマックスを作り上げています。
 ここには2曲の「室内楽作品」が収録されており、どちらも彼の代表的な作品です。

 録音 2015年10月Rosch Recital Hall, Fredonia, New York, United States




SONO LUMINUS


SLE-70006
\2500
※収録時間24分です
Season of Light/
 感謝祭、クリスマス、ハヌカ祭、新年のための歌集

 1.ナルヴェルト(1986-):光の季節
 2.ブッチーノ:グレートフル(R.ノウリン編)
 3.レオントヴィチュ:鐘のキャロル
 4.イングランド伝承キャロル:God Rest Ye
 5.ムートン:アヴェ・マリア
 6.シュヴァルツ:我らは光
 7.ブリテン:新年のキャロル
 8.伝承民謡:Auld Lang Syne
エッセンシャル・ヴォイシズUSA
ジュディス・クラーマン(指揮)
リー・ムジカー(ピアノ)

 クリスマスから新年にかけての時期は、光に感謝する機会が多くなります。また、暗闇の中での光は、それ自体が祈りの対象です。
 そんな時期にふさわしいこのミニ・アルバムには、北欧のからイングランド民謡まで、心温まる合唱曲が8曲収録されています。アカペラの素朴な曲、ピアノ伴奏での敬虔な曲まで、暗く寒い季節を楽しむための1枚です。

 Total time:24'08"
 録音 2016年1月4日American Academy of Arts and Letters




<メジャー・レーベル>
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SONY



8898530539-2
(2CD)
\3000→\2690
クレメンティの交響曲!
 ボルトン&ザルツブルク・モーツァルテウム管

 クレメンティ:
  1) 交響曲第1番ハ長調 WoO.32,
  2) 交響曲第2番ニ長調 WoO.33,
  3) 交響曲第3番ト長調 WoO.34「大国民交響曲」,
  4) 交響曲第4番ニ長調 WoO.35
アイヴォー・ボルトン(指揮)
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団

 クレメンティは先駆的な重要性を持つ "ピアノフォルテの父"であり、演奏家、教師、出版社も経営する作曲家でありました。 しかし、ピアノのための作品に加えて、彼の手による交響曲は、ケルビーニのニ長調交響曲と並んで、イタリアの作曲家がウィーンで成功した偉大な交響曲のひとつでもありました。
 これらの交響曲は一部が失われており、現在音楽学者ピエトロ・スパーダが補筆したものが一般的に演奏されています。カラフルで、キャラクター的で、雰囲気のあるこれらの重要な作品は、ハイドンの影響を示すだけでなく、オーケストラの豊かなベートーヴェンとシューベルトの影響を示しています。
 第3番ではベートーヴェン風な力強さをもっており、イギリス国歌の旋律も使われています。
 第4番ではクレメンティのシンフォニーへの本領が発揮された作品で、ニ短調部分に緊迫感が表れています。
 アイヴォー・ボルトンはピリオド楽器演奏の成果を採り入れた演奏で、通奏低音にはフォルテピアノも加わり、テンポの良い音楽が炸裂させています。非常に明晰で引き締まった演奏で、これらの作品の素晴らしさを発見させてくれます。

 【録音】2014年1月, ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール



強力なライバルCDを・・・
NAXOSが紹介していたクレメンティ管弦楽曲集
CLEMENTI, M.: Symphonies Nos. 1 & 2 / Overture in D major (Rome Symphony Orchestra, La Vecchia)
NAXOS
8.573071
\1500
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)&ローマ交響楽団
 クレメンティ:交響曲第1番&第2番他

 1.序曲ニ長調/
 2-5.交響曲第1番ハ長調 WO32(P.スパーダ編)/
 6-9.交響曲第2番ニ長調 WO33(P.スパーダ編)
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 2011年12月29-30日ローマOSRスタジオ

 「ピアノフォルテの父、演奏家、教師、出版社、ピアノ制作者」として知られるムツィオ・クレメンティ(1752-1832)。しかし彼は晩年に至るまで「交響曲作曲家」として知られたいと考えていたのです。とは言え、モシェレスが「クレメンティのシンフォニーは1820年代以降はヨーロッパの演奏会のレパートリーから消えてしまった」と語るように、クレメンティの交響曲は初期の2曲、Op.18を除いては消滅したとまで言われていました(一説によると、クレメンティ自身が「絶望の発作」で全て破棄したとも)。しかし、1921年にフランスのジョルジュ・ドゥ・サン・フォワがいくつかの未完全なスコアを見つけ出し、これを復元。4曲の交響曲と序曲、メヌエット・パストラールとして形にしたのです。当時はあのカセッラも好んで演奏したというこれらの曲は、同時代のケルビーニの作品を凌駕する溌剌とした音楽であり、忘れたままにしておくのは本当にもったいない名作です。

NAXOS
8.573112
\1500
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)&ローマ交響楽団
クレメンティ(1752-1832):交響曲 第3番&第4番 他

 1.序曲 ハ長調 
 2-5.交響曲 第3番 ハ長調「偉大なる国民」WO34(P. スパーダによる改訂版)
 6-9.交響曲 第4番 ニ長調 WO35(P. スパーダによる改訂版)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
失われた作品が息を吹き返すとき、聴き手は大きな喜びを味わうことになる
録音 :2011年2月29-30日…1 2012年1月20-22日…2-9 ローマ OSRスタジオ

 クレメンティの4つの交響曲は彼の生前に発表されることはなく、クレメンティ自身も「交響曲のスコアは全て破棄した」と述べていました。しかし1917年に競売を経て図書館に買い取られた手稿譜の中に、交響曲の断片が含まれているのが発見され、苦労して復元した結果、4曲の交響曲といくつかの断片としてまとめられることが判明したのです(あのアルフレード・カゼッラも復元作の研究を行い、第1番と第2番とおぼしき作品を演奏したという記録もあります)。実際、どのような校訂を行ったとしても完全な形を復元するのは不可能ですが、ここで聴ける形でも充分にクレメンティの「管弦楽作曲家」としての才能をかじることはできるはずです。
 洗練された筆致で描かれたバランスのよい作品は、ロマン派への架け橋として高く評価されるものです。

NAXOS
8.573273
\1500
ラ・ヴェッキア(指揮)&ローマ響/ブルーノ・カニーノ(ピアノ)
 クレメンティ:ピアノ協奏曲&2つの交響曲集 他

  1-3.ピアノ協奏曲 ハ長調 Op.33-3(1796)
  4.メヌエット・パストラーレ ニ長調 WoO 36/
  9-12.交響曲 ニ長調 Op.18-2(1787)
ブルーノ・カニーノ(ピアノ)/
ローマ交響楽団/
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音 2012年10月28-29日 ローマ アウディトリウム・ディ・ヴィア・コンキリアツィオーネ…1-3, 2012年12月27-30日 ローマ OSRスタジオ

 交響曲第1番&第2番(8.573071),交響曲第3番&第4番(8.573112)に続く、クレメンティ(1752-1832)の初期管弦楽作品のシリーズです。
 1780年代にいくつかの交響曲を作曲したクレメンティですが、いざ出版しようとした頃にハイドン登場。音楽界の人気を全て持って行ってしまったため、その他の作曲家たちは自作を出版することが難しくなってしまったのでした。
 1796年に作曲されたピアノ協奏曲は、通常ソナタとして弾かれるOp.33-3の「原型」とされています。自筆譜はなく、1796年にヨハン・シェンクが書き写した譜面が残されていますが、本当のところ、ソナタが先で協奏曲が後なのかはわかっていません。
 クレメンティの伝記作家プランティンガは、オケ・パートはシェンクによるもので、クレメンティの手によるものではないとも主張しています。Op.18の2つの交響曲は極めて古典的な様式を持つ整った美しさに満ちた作品です。変ロ長調の第1番は若干控えめですが、ニ長調の第
2番は野心的な和声を持つ快活な音楽。ハイドンへの対抗意識もあったでしょうが、これはこれで素晴らしい作品になっています。

 


8898541194-2
\2600→\2390
エイミー・ディクソン/Glass(フィリップ・グラス:作品集)
 フィリップ・グラス:
  1-3) ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(サクソフォン編曲版),
  4-5) 映画『めぐりあう時間たち』より「モーニング・パッセージ」「逃避」,
  6-8) ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲(サクソフォン編曲版)
エイミー・ディクソン(サクソフォン)/
キャサリン・ミレッジ(ピアノ:1-5)/
マイケル・トムズ(指揮)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(6-8)

 2017年1月に80歳をむかえる作曲家フィリップ・グラス。それを記念して、彼の作品を人気女流サックス奏者エイミー・ディクソンが演奏したアルバムです。

 ソナタと協奏曲の両方とも、分散和音の連続。彼女はこの作品を愛してやまないので、サックスで演奏をしようと決意。驚異的なテクニックによって演奏を成功させています。
 第2楽章での物悲しいメロディはピアニッシモで奏でられ、静けさの継続が微妙な心の揺らぎを表してしています。それはヴァイオリンのための原曲を超越し、サクソフォンのための作品へと同化し、さらに最高の作品に仕上がったと、すでにこの演奏は絶賛されています。

 なお協奏曲(6-8)は、彼女のセカンドアルバム「エイミー・ディクソン、現代コンチェルトを吹く」(8869737679-2)に収録されているものと同音源です。


 こんな感じです。可愛いだけじゃないです。
https://youtu.be/ZdUWPA_AX6o




 《エイミー・ディクソン》
  シドニー出身。6歳でサクソフォンを始め、16 歳にしてコンサート・デビューを果たしました。その驚くべき豊かな音色と並外れた音楽性で知られ、これまでにウィグモア・ホール、ロイヤルアルバート・ホール、シドニー・オペラハウスなど世界の檜舞台で、シドニー響、ウィー室 内管、フィルハーモニア管、ロンドン・フィルなどと共演してきています。
 これまでに、ソニー・クラシカルより6 枚のCD をリリースし、グラミー賞にもノミネート、ヒット・チャートの上位にランクインするなど、大きな反響を呼んでいます。
 また、3枚目のアルバム「Dusk & Dawn」はイギリス最大の音楽賞ブリット・アワード2013 において、サクソフォン奏者としてのみならずオーストラリア人としても初となる、マスターカード最優秀ブレイクスルー・アーティスト賞を受賞する偉業を達成しています。
 これ以前にも、英国王室賞を含む様々な賞を受賞。こうしたタイトルをもったサクソフォン奏者は彼女をおいてほかにいなく、英国クラシックFM は“ 見逃せない才能”、独グラモフォン誌は“ 異彩を放つプレイヤー” と評しています。サクソフォンのための新しいレパートリーの開拓にも深く関わっており、新作の委嘱や他楽器のための既存作品の編曲に常に取り組んでいる。セルマー社およびバンドレーン社(リード製造会社)のパフォーミング・アーティスト。また音楽以外の分野においても、オーストラリアこども音楽財団、英国王室主催の「プリンス・トラスト」、英国王室こども芸術財団の親善大使、英国の美容品ブランドRENスキンケアのアンバサダーを務めています。

【録音】1-5) 2016年10月, ロンドン、ハムステッド、 Air Studios, Lyndhurst Hall/6-8) 2008年5月, ロンドン、カドガンホール



エイミー・ディクソンの小品集
Dusk And Dawn
 


SONY
8872547957-2
\2400
エイミー・ディクソン(Sax)
 Dusk And Dawn

 フォーレ:『パヴァーヌ』,
 マッテオ・サッジェーゼ:『ファリネッリ』,
 ベッリーニ:『清らかな女神よ』,
 ジェローム・カーン:『煙が目にしみる』,
 トム・ウェイツ:『In The Neighbourhood』,
 ニーノ・ロータ:『ラ・ストラーダ(道)』,
 ピアソラ:『天使のミロンガ』,
 ドビュッシー:『グラドゥス・アド・パルナッスム博士』,
 ホーギー・カーマイケル:『スカイラーク』,
 ウォルトン:『やさしき唇にふれて、別れなん』,
 ハリー・ウォーレン:『瞳は君ゆえに』,
 ショパン:『夜想曲第2番』
エイミー・ディクソン(Sax)

 シドニー生まれの女流サクソフォン奏者、エイミー・ディクソンのソニー・ミュージックへの3枚目のソロ・アルバム。
 エイミーは7歳よりサックスを始め、16歳でデビュー。17歳でシドニー交響楽団と共演。18歳からロンドン、アムステルダムで学び、様々なコンクールで優勝。現在ヨーロッパを中心として独奏者として活躍。
 また、フィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲をサクソオフォン用にアレンジして初演・録音するなど、サクソフォンのレパートリーの拡大にも熱心に取り組んでいます。
 クラシックの名曲だけでなく、現代音楽、そしてこのアルバムに収録されたようなポピュラー作品から、サクソフォン奏者のための定番まで幅広く網羅しており、世界各国で高い評価を得ています。
 超絶技巧のテクニックも完璧です。

 【録音】 2012年, ロンドン、エンジェル・スタジオ (デジタル:セッション)

 

8898536529-2
\2600→\2390
パブロ・マルトス&アルベルト・マルトス/
 ハイドン:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲集

 ハイドン:
  1) ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調Hob. Vlla: 4,
  2) ヴァイオリン協奏曲第1番ハ長調Hob. Vlla: 1,
  3) チェロ協奏曲第2番ニ長調Hob. Vllb: 2,
  4) チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob. Vllb: 1 より第2楽章
パブロ・マルトス(ヴァイオリン),
アルベルト・マルトス(チェロ),
アントニ・ロス=マルバ(指揮)
グラナダ市管弦楽団

 スペインで今話題のマルトス兄弟によるハイドンの協奏曲アルバム。
 ヴァイオリンの兄パブロは1977年グラナダ生まれ。グラナダ王立音楽院を卒業後、ユーディ・メニューインなどに学んだだけでなく、ラインハルト・ゲーベルやファビオ・ビオンディにバロック・ヴァイオリンも学んでいます。
 バレンボイム率いるウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団のソリストにも迎えられています。
 チェロの弟アルベルトは1981年生まれ。グラナダ王立音楽院を卒業後、数多くの室内楽アンサンブルと共演を行い、世界各地で絶賛をあびています。
 2012年に兄弟でGarnati Ensembleを結成しています。この二人により、ハイドンの協奏曲を、新鮮な演奏で聴かせてくれます。

 【録音】2016年6月, グラナダ、オーディトリアム「マヌエル・デ・ファリャ」




これは、いずれ出て来そうなブラームスの二重協奏曲の抜粋映像。
https://youtu.be/Qi5UVqC9tiE



 


8898540374-2
\2600→\2390
フランチェスコ・グリッロ/ザ・フォー・シーズンズ
 1) ヴィヴァルディ(フランチェスコ・グリッロ編):協奏曲集「四季」(全曲),
 2) J.S.バッハ:(フランチェスコ・グリッロ編):
  無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV.1006より
  「プレリュード」「ガヴォットとロンド」「ジーグ」
フランチェスコ・グリッロ(ピアノ)

 イタリアのピアニスト&コンポーザー、フランチェスコ・グリッロ。音楽に造詣の深い家庭に育ったグリッロは8歳からピアノを始め、11歳で作曲を始めるまでとなりました。
 彼の憧れはショパンやリストであり、15歳で初めてのソナタを作曲、さらにその後ラフマニノフ、プロコフィエフなどのロシア系、さらにラヴェルなどのフランス系作曲家たちに影響を受け、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を卒業。ビル・エヴァンスやバド・パウエルなども好んで聴き、弾いていました。
 彼のアルバムは、これまでの音楽とは異なり、クラシックの伝統を完全に学び自分のものにしたミュージシャンが、現代の音楽(ジャズ・インプロヴィゼーション)を織り交ぜた独特なもの。
 この斬新なリリシズムと多彩なスタイルは、ポピュラー音楽に通じるクールさがあります。それにしてもこんな斬新で美しい音楽は、どうやったら思いつくのだろうか?
 演奏技術もさることながら、その創造力にもただただ感心させられるアルバムです。

【録音】2016年8月, ミラノ









<国内盤> 

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GRAMOLA



GRML99127
(SACD Hybrid)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\3000+税
レミ・バロー指揮
ブルックナー:交響曲第6番
 〜聖フローリアン修道院教会、
   ブルックナー音楽祭ライヴ収録〜

    交響曲第6番 イ長調 WAB106
レミ・バロー指揮
オーバーエスターライヒ青少年管

 おまたせしました!待望すぎる新録音、今度は「第6」。
 長大なテンポ感は、作曲者も知る教会堂の残響ゆえ!

 すでに既存3作がそれぞれ話題をふりまき、発売されるたび注目度を高めてきたレミ・バロー指揮によるザンクトフローリアンでのブルックナーチクルス。待望すぎる新録音、やはり新年早々に到着する予定が見えてまいりました!

 ブルックナーが若い頃にオルガニストとして赴任、その音響世界が彼の作風形成にも少なからぬ影響を与えていたであろうオーストリア北部のザンクトフローリアンにある聖フローリアン修道院教会は、10秒にわたる異例の長い残響がある空間——その残響をふまえたテンポ設定こそが、作品の本質に迫る鍵であるとの考えから、あえてこの会場でブルックナーの交響曲のすべてを演奏、およそ他に類をみないような、息の長いスローテンポで全楽章を指揮していながら、そのテンポの遅さが驚くほどすんなり心に届く解釈をみせつづけるレミ・バローの冒険が次にかたちをとったのは「第6」。

 自然な音使いがさえわたるこの傑作を、バローは各楽章それぞれ18'38/21'25/10'21/18'44という収録時間にわたる演奏で臨んでみせました。
 CD2枚におよぶ「第8番」の時と同様、ユースオケとは信じがたいポテンシャルをもって圧倒的な絶賛を受けた楽団とじっくり練り上げてきた音作り、今回も日本のブルックナー・ファンを唸らせること必至!

 充実解説も訳付で、その音楽美の秘訣へ迫る待望の新作です!



レミ・バロー
ブルックナー・チクルス

GRML99044
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2800+税
ブルックナー(1824〜1896):
 交響曲第3番 ニ短調 WAB 103
  〜1873 年第1稿による演奏〜
レミ・バロー指揮
ザンクトフローリアン・アルトモンテ管弦楽団
GRML99044
(輸入盤)
\2600

 整然として端正、おどろくべき鑑賞体験!

 近年発見された資料にもとづき、ブルックナー自身の企図を忠実に反映させるかたちで演奏陣がたどりついた、驚異の遅さがもたらす圧倒的感動。
 テンポ設定に確かな説得力を与える、本場ザンクトフローリアンの才人たちによる作品愛!

 ブルックナーの交響曲の新録音といっても、確かに世の中にはこれまでに数多くの有名・無名の傑作盤が送り出されてきているわけですし、日本のクラシック・ファンにはこの作曲家のことなら何でもご存知の方が(おそらく世界で一番?)多いのですから、そうそう簡単に注目を集める新譜が出てくるものでもないだろう...と思いますが、この「第3番」の初稿版による演奏はそんな現状のなかでもちょっと際立った異色名演と言えそうです。

 巨星チェリビダッケ門下に学んだ(!)レミ・バローという異才フランス人指揮者が、ブルックナーとゆかりの深い聖フローリアン修道院で1996 年いらい行われている夏季ブルックナー週間に昨年出演したさいのライヴ録音なのですが、なにしろそういう由緒ある音楽祭でブルックナーの交響曲をとりあげるというのに、フランスから来た指揮者が話題性もなしにおめおめやってくるわけがない——

 演奏機会が確かに少ないものの、ブルックナーが本格的に交響曲作曲家として歩み出すうえでの重要なステップのひとつ、交響曲第3番の(作曲家自身は後年あまり気に入らなかったという)“原型”ともいえる初稿版を引っ提げてきた...というくらいでは、耳の肥えた本場・地元のブルックナー・ファンが納得するわけがない、演奏会評もありきたりな地方音楽祭のひとこまくらいにしか扱ってもらえないだろう...という“読み”がバローにあったかは何とも言えませんが、彼がここであらためて提案してみせたのは「テンポ」。

 作品解釈のうえで音楽史的検証ということが叫ばれるようになって久しい今、すでにノリントンによる「第3番」の驚くべき“快速”古楽器解釈さえ20 年近く前のものになったところ、レミ・バローはなんと——まさしく彼の師匠チェリビダッケの底知れぬ風格を思わせるような——驚異の「遅さ」でこの作品の初版を演奏してみせたのです!

 それは決して、ロマン主義的な巨匠的・主観的解釈からそうなったのではなく、ブルックナー自身の証言が論拠としてある、れっきとした歴史的アプローチであり、作品そのものを見据えようとする試みであり(詳細は添付の解説日本語訳参照)。

 そして何より驚かされるのは、演奏時間全89 分(!)もの遅いアプローチにもかかわらず、その演奏に不自然さがいっさい感じられないこと——ひたひたと忍び寄るような、あのブルックナー特有の繰り返しを静かに丁寧に心で反芻してゆくような展開が、どれほど遅くともまるで作為的に感じられない、学識ぶったところも、勿体をつけようという不自然さもなく、ただひたすら音楽的に自然に続いてゆく——まさにこういう曲だったか!と強く思わされる、驚異の解釈なのです!

 ザンクトフローリアンに拠点を置くオーケストラの、作曲者愛あふれる本気の一体感も実にみごと!指揮者の精妙な作品解釈を幾倍にも増幅させるその演奏は、日本のブルックナー・ファンにもぜひ体感していただきたい内容です。

 本場から届く新録音たるもの、こうあっていただきたいもの——

GRML99054
(国内仕様盤・日本語解説付)
(2SACD Hybrid)
\4000+税
総演奏時間、実に103分以上
 レミ・バロー指揮&オーバーエスターライヒ青少年交響
  ブルックナー:交響曲第8番
レミ・バロー指揮
オーバーエスターライヒ青少年交響楽団
GRML99054
輸入盤
(2SACD Hybrid)
\3800

 総演奏時間、実に103分以上。
 『第3番』異例の解釈で度胆をぬいた名匠バロー、聖フローリアンの奇跡再び!

 ブルックナーが若い頃オルガンを弾いていた聖フローリアン修道院をライヴ会場に、近年世界中のブルックナー・ファンがつめかけるザンクトフローリアン・ブルックナー音楽祭。この会場の10秒も続く残響時間を強く意識しながら、ブルックナー自身の証言とあわせ、交響曲第3番の初稿版を80分を越えるゆったりしたテンポで演奏してみせ(GRML99044)、日本のファンをも騒然とさせた指揮者レミ・バロー(チェリビダッケ門下で学んだ異才!)が早くも次なるブルックナー盤を世に送り出してくれました!

 若手中心のオーケストラと思いきや、その演奏効果は抜群——ザンクトフローリアンの音楽祭で本年8月22日にライヴ収録されたこの「第8番」の演奏は、ワーグナー・チューバも大活躍、さる欧州の高名な批評家をして「若き演奏家たちは奏楽天使のごとくに音楽を作り、突如天国の扉が開いた思い...いま死んでも悔いはない、と思った」と言わしめた名演に!

 今回も全体で103分44秒という異例の長大さ(論拠有の独特解釈)...その深い呼吸が、ブルックナー世界への理解を静かに一新させてくれます。今回も充実した解説訳付です。

GRML99089
(SACD Hybrid+CD)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\3050+税

レミ・バロー 指揮
 ブルックナー:交響曲第9番(1896)
  〜聖フローリアン大聖堂ライヴ2015〜


《Disc I:SACD-Hybrid》
 交響曲 第9番 ニ短調 WAB109
        〜作曲者自身による原作〜
    〔演奏時間:32'12/14'19/30'31〕
《Disc II:CD》
 交響曲第9番 ニ短調 WAB109
  〜2台ピアノ版/
   1911年カール・グルンスキーによる楽譜をもとに再構成

 (監修:マティアス・ギーゼン&クラウス・ラチカ)
      〔演奏時間:26'58/12'13/26'39〕
レミ・バロー 指揮
ザンクトフローリアン・アルトモンテ管
マティアス・ギーゼン、
クラウス・ラチカ(p)
GRML99089
(輸入盤)
\2600
 ついに待望すぎる「第9」が!
 聖フローリアン大聖堂の長い残響ありきの超絶テンポ設定、圧巻の仕上がり!

 「レミ・バローの新しいブルックナー交響曲録音」というだけで、間違いなく手が伸びる人も少なくないでしょう——昨年夏に驚くべきスローテンポで第3番の初稿版を世に問い、ライヴ会場となった(ブルックナーが若い頃オルガニストをつとめ、その音響に親しんだ)聖フローリアン大聖堂の10秒以上にもおよぶ残響を完全に味方につけた演奏解釈を披露してみせたフランス生まれのオーストリアの異才、レミ・バローの冒険は、「第3」に続いてリリースされた「第8」でもユースオケとは思えない成熟した表現の深みで話題をさらいました。

 次なる本作は前回同様のSACD-Hybridで、なんとブルックナー最後の絶筆の世界へ!
 指揮者自身もコメントを寄せ「完成された未完成作」としてこの作品を完成部分のみ、つまり終楽章なしで指揮したことを説明しているほか、碩学たちのコメントも実に含蓄が深い(国内盤全訳付)—−

 しかも今回はボーナスCDに2台ピアノ版(ヤマハとブリュートナーで音色の違いも多少出ている、とのこと)も完全収録、「第9」を隅々まで味わえる内容になっています。
 テンポ設定の異様さは今回も健在...そして、そのおどろくべき説得力はもはや、ご体感いただくほかありません——確実に話題作となるであろう新作の登場!





NUOVA ERA



NE232-471
(2CD)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\3600+税

イル・ジャルディーノ・アルモニコ
 室内協奏曲と室内楽
   〜イタリア18世紀、合奏曲の時代〜

《CDI:ヴィヴァルディの室内協奏曲》
 ヴィヴァルディ:
  ①室内協奏曲 ト短調 RV 105
  ②ソナタ イ短調 RV86(bfl, fg, b.c.)
  ③室内協奏曲 ト長調 RVB 101(bfl,ob, vn, fg, b.c.)
  ④室内協奏曲 ト短調 RV 107(bfl,ob, vn, fg, b.c.)
  ⑤室内協奏曲 ト短調 RV 103(bfl,ob, fg)
  ⑥室内協奏曲 ヘ長調 RV 98「海の嵐」
  (bfl,ob, vn, fg, b.c.)
《CDII:リコーダー作品さまざま》
 コレッリ/ウォルシュ編:
  ①ラ・フォリア op.5-12 ②ソナタ ハ短調 op.5-5
  ③ソナタ ヘ長調 op.5-4
 バルサンティ:④ソナタ ハ長調 op.1-2
 ジェミニアーニ:⑤ソナタ ホ短調
 ヴェラチーニ:⑥ソナタ 第6番 イ短調
  ※曲順は①④②⑤⑥③
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
          (古楽器使用)
 ジョヴァンニ・アントニーニ(bfl)
 パオロ・グラッツィ(ob)
 アルベルト・グラッツィ(fg)
 エンリーコ・オノフリ(vn)
 パオロ・ベスキ(vc)
 ロレンツォ・ギエルミ(cmb/org)
 ルーカ・ピアンカ(テオルボ)

 今やAlphaでも大活躍中の“イル・ジャル”最初期、大物名手しかいないメンバーの録音が国内盤流通で!

 ヴィヴァルディやモンテヴェルディ、パレストリーナなど「古楽」と呼ばれる領域に幾多の巨匠が名をつらねた「音楽の本場」であり、彼らが生きた当時からある歴史的建造物が居並ぶ街並みを誇りながら、「作曲家が生まれた当時の楽器と奏法・唱法で」本質的な作品美を再現しようとする古楽復興のムーヴメントへの対応が遅れていたかに(少なくとも、諸外国からは)見えていたイタリア——

 しかし、稀代の音楽性を誇る名演奏家を幾多輩出してきた場所、いったん古楽の感覚を養ったなら他を大きく引き離せるポテンシャルをみせて世界をおどろかす、そんな猛者たちが続々登場…
 その最初期に「イタリアの古楽猛者あり」と世界を驚かせたのがイル・ジャルディーノ・アルモニコだったなら、その最初期の録音物を製作していたのは同国随一のCDレーベル、Nuova Eraだったのです!
 弦にオノフリ、鍵盤にギエルミ、管楽器にグラッツィ兄弟…と夢のような布陣で録音された最初期2作は、新体制で静かに活動継続しつつある同レーベルから復刻され、在庫確保ができることに——
 メンバー表も含め日本語解説も充実させながら、国内仕様で発売です。

 CD2はアントニーニの面目躍如なリコーダー曲集、こちらも今なお新鮮な名演です…!
 


NE232-891
(2CD)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\3600+税
豪華なるNuova Eraレーベルの軌跡
 イタリア・バロック、名匠たちの器楽

 ヴィヴァルディ:①室内協奏曲 ト短調 RV105 ②同ヘ長調 RV98
 モリナーロ:③リュートのための第10ファンタジア
 ストラデッラ:④セレナータ「桟橋」序曲(シンフォニア)
 ボンポルティ:⑤小協奏曲 変ロ長調⑥セレナータ イ短調
 フレスコバルディ:⑦聖体奉挙にさいして奏でるオルガンのためのトッカータ
 コレッリ:⑧リコーダーによる「ラ・フォリア」
 ランゼッティ:⑨チェロと通奏低音のための第8ソナタ ⑩同 第5ソナタ
 カステッロ:⑪第10のソナタ
 ジェミニアーニ:⑫ギター、チェロとチェンバロのための第3ソナタ ⑬同 第1ソナタ
 スカルラッティ:⑭ソナタ ヘ長調 K 19
 トレッリ:⑮トランペットを伴うソナタ G1
 ポルポラ:⑯トリオ・ソナタ 第3番 ト短調
 パスクィーニ:⑰さまざまな楽句によるフォリア 〜オルガンのための
 プラッティ:⑱チェンバロ独奏のためのソナタ 作品2-2
アルティフィツィ・ムジカーリ、
アンサンブル・ピアン・エ・フォルテ、
イル・ジャルディーノ・アルモニコ(古楽器使用)
ガブリエーレ・カッソーネ(ナチュラルtp)
ルイージ・マンジョカヴァッロ(vn)
クラウディオ・ロンコ(vc)
ロレンツォ・ギエルミ(org/cmb)
ラウラ・アルヴィーニ、
ディアーナ・ペテック(cmb)
パウル・バイアー(リュート)
アンドレーア・ダンドーロ(g)

 Nuova Eraレーベルの軌跡は、古楽復興の重要な足跡。
 1セットで全貌を概観できる2枚組、解説付でどうぞ!

 そんなイル・ジャルディーノ・アルモニコを世界に送り出したNuova Eraは、1985年にイタリア初のCDレーベルとして発足。当時はまさに「イル・ジャル」の結成直後、オランダや英国で学んだ古楽奏メたちが続々イタリアに戻ってきて古楽器演奏の理念を地元でも養いはじめた頃で、そのムーヴメントはやがて広報のうまいフランスやドイツのレーベルを通じて世界に発信されてゆくのですが、Nuova Eraにはそうした彼らの心意気を「同じ言葉と心」でいちはやくキャッチしながら制作されていた名録音も少なくありません。

 ここに日本発売となるアンソロジー(とはいっても楽章単位ではなく基本的にすべて「全楽章収録」でのセレクション)は、そうしたレーベルの美質が最大限に生きた内容——イタリア音楽上に居並ぶ「名前だけが知られていた、聴きたかった作曲家」に、凄腕の演奏ではじめて触れさせてくれた名盤からのトラックばかりが続々!

 エンジニアリングの理念が安定する前ゆえ音の感じはトラックごとにやや違いますが、2005年に亡くなったアルヴィーニの酔疚なチェンバロや誰よりも早くから安定した音使いで聴き手を魅了してきたナチュラル金管のカッソーネのトレッリなど、思わぬ貴重な録音も…作曲家紹介つきでイタリア音楽jを概観できる日本語解説も添付しての発売となります。ご注目下さい!



 

PAN CLASSICS


PC10367
(3CD)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\4800+税
ゾンマー:歌劇『リューベツァール』
 『リューベツァールと、ナイセのバグパイプ吹き』
             〜全4幕のオペラ

  (1904年ブラウンシュヴァイクにて初演)
ラウレント・ヴァーグナー指揮
アルテンブルク=ゲーラ・
フィルハーモニー管弦楽団
チューリンゲン歌劇場合唱団
出演:マグヌス・ピオンテック、
ヨハンネス・ベック、
アンネ・プロイス、
メルヤ・マケラ、
アレクサンダー・フォイクト、
シャンナン・シャオ、
ハンス=ゲオルク・プリーゼ 他

 19世紀末から20世紀へ、ドイツ音楽の底力を知る近代屈指のオペラ…音盤化の意義を感じる注目作!

 ドイツ・ロマン派音楽後期の中軸がリストやワーグナーの新ドイツ楽派にあったとすれば、その象徴ともいうべき音楽分野がワーグナーの楽劇であり、20世紀にいたってその後を受けたのがR.シュトラウスの傑作オペラ群だったとするなら、ドイツ音楽の「鍵」はやはりロマン派時代も歌劇場にありつづけた…と考えてよいのではないでしょうか?
 ウェーバーやベートーヴェン、後年はプフィッツナー、コルンゴールト…近代まで充実した展開をみせていたドイツ語オペラの世界で、世紀をまたいで活躍したゾンマーの『リューベツァール』は、19世紀にたびたび歌劇かされた妖精物語にもとづく大作!同時代のフンパーディンクやレズニチェクにも通じる親しみやすさも魅力ながら、聴けば聴くほど師リストやワーグナーの影響が明らか、「マイスタージンガー」の魂を受け継ぐとも感じられるゾンマーの注目度は、当時R.シュトラウスがこれを初演、のちに門弟カール・ベームにもゾンマー作品を振るようしきりに推薦していた…との逸話からもうかがい知れます。
 こういう聴きごたえある幻の名作をふいに上演、録音に足るしなやかな名演で音盤化までできてしまうドイツに驚きを禁じ得ません。晩期ロマン派の掘り出し物です!
 

PC10359
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ザナッタのカンタータとソナタ、そして
   17世紀ヴェネツィア楽派はやがて…

 ◆ザナッタ:
  ①トリオ・ソナタ 第1番(1689) ②同・第3番
  ③同・第11番 ④カンタータ「嫉妬」(1698)
  ⑤セレナータ「先の見えない夜は明け」
 ◆カヴァッリ:
   ⑥アポロの嘆き(『アポロとダフネの恋路』(1640)より)
   ⑦3声部のソナタ
 ◆ストロッツィ:⑧カンタータ「凍てつくように冷たい川のほとりで」
 ◆フォンターナ:⑨3声のための第16ソナタ
  ※曲順は①⑥⑦⑧⑨④③⑤
フラヴィオ・フェリ=ベネデッティ
     (アルト=カウンターテナー)
ダニエラ・ドルチ(cmb/org)指揮
アンサンブル・ムジカ・フィオリータ
          (古楽器使用)
カタリーナ・ホイチャー、高橋未希(vn)
ボルク=フリートヨフ・スミット(木管コルネット)
マルギット・ユーベラッカー(ダルシマー)他

 音楽史の変遷は、「水の都」の定点観測でこんなにわかりやすく、味わい深く!
 欧州古楽界最前線発ですイタリア・バロックの世界に「巨匠ありき」で親しんでいると、ときどき驚かされるのが、モンテヴェルディやカッチーニのような音世界がいつのまにか、コレッリやヴィヴァルディなど、現代楽器の合奏団でも演奏されるような近代的なサウンドへと変化していったというところ——そのあいだの時代、つまり17世紀中盤から後半にかけて、どんな音楽があの半島に響き渡っていたのでしょう?

 それは作曲家をみつけて探ってゆくより、こうして「音楽拠点」だった場所に注目しながら聴き確かめたほうがしっくりくるものだ…とあらためて伝えてくれるのが、近年おどろくべき極小編成の『メサイア』でその存在感を再認識させたドイツの異才集団、ムジカ・フィオリータ!彼らが注目した場所は、水の都ヴェネツィア——モンテヴェルディ世代の音感覚を伝えるフォンターナの象徴的なソナタ集の1編から、この地の歌劇界を大いに盛り上げた巨匠カヴァッリをへて、世紀後半からヴィヴァルディ世代までをつなぐ謎の作曲家ザナッタの名品群を続々、イタリア随一のカウンターテナー歌手フェリ=ベネデッティを交えて、洗練されたプログラムで伝えてくれます。

 新年早々、東京都美術館でヴェネツィア派の絵画展もあるところ、あわせて楽しみたい史実探訪の注目盤...解説訳付でどうぞ!
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PC10371
(2SACD Hybrid)
(国内仕様盤・日本語解説付)
\4400+税
モンテヴェルディ:『聖母マリアの晩課』
 聖母マリアの晩課(全曲)
マルコ・メンコボーニ(オルガン)指揮
Ens.カンタール・ロンターノ
          (古楽器使用)
 リア・セラフィーニ(S)
 エレーナ・カルザニーガ(A)
 ジャンパオロ・ファゴット(T)
 ヴァルテル・テストリン(Bs)他

 幻のイタリア決定的名演、ついに世界リリースへ!
 作曲家も知る礼拝堂の響きで、興奮の調べが・・・・!!

 オーダー殺到しながら未着・初版の未発売に終わった幻の名盤が、Pan Classicsレーベルから電撃登場するとの情報が!

 イタリア半島の「ふくらはぎ」、南東部マルケ地方に拠点をおく、稀代のチェンバロ奏者=指揮者マルコ・メンコボーニが自ら主宰者でもあるE Lucevan leStelleレーベル制作盤。
 突き抜けた音楽性を誇りながら地元の珍しい作曲家を発掘するというレーベルの趣旨ゆえか、その圧倒的音楽力が一部の古楽ファン以外になかなか伝わらなかったところ、2010年に満を持して地元リリースされたこの超・王道名曲の録音は、欧州屈指の古楽プレイヤーも多数参加、誰の耳にも明らかな“質”とともに彼らの底力が最大限発揮された傑作盤!

 作品が初演された場所とも言われるマントヴァの旧・宮廷礼拝堂で、復元あいなったばかりの16世紀オルガンを使い、作曲家と同じイタリア出身の世界的古楽歌手・古楽奏者たちを中心とする面々が織り上げた「生まれたての音」の説得力・音楽力はすさまじいばかり!
 自然な音質のこだわりからDSD録音でSACD用にサラウンド収録されており、音楽学者でもあるメンコボーニ自身の思い入れのこもった解説(訳付)とあわせ理想的な内容…見逃す手はないリリース、ご注目下さい!




(E Lucevan leStelleリリース時のかつてのコメントから)

 E Lucevan LeStelle レーベルが、3年ぶりに新作をリリース・・・と思ったら、これが途方もない注目盤だった!

 このレーベル、発足当初しばらくは“地元”マルケ州にかかわりのある古楽作品ばかりをとりあげつづけていたのだが、なにぶん主宰者マルコ・メンコボーニ自身がタリアヴィーニ、シャピュイ、コープマン...など伊仏蘭の偉大なチェンバリスト&オルガニストに師事した古楽プレイヤーであり、かつ、明敏な音楽学者としてイタリアの古い声楽技法にも驚くべき見識を誇る博学の士であるがゆえ、おのずと録音演目は拡大。日本でも絶大な人気を誇るリュート奏者エドゥアルド・エグエスによるヴァイス作品集(ドイツ)、アンサンブル・アッコルドーネの天才撥弦楽器奏者フランコ・パヴァンによるムートン作品集やメンコボーニ自身によるフランス古楽もの(フランス)、と諸外国の音楽でも痛快なヒット作をつくり、日本を含め世界的に絶賛されているアルバムも今や少なくない。

 しかし、彼らの「スペチャリタ(得意芸)」といえば、それは何といっても「本場のイタリア音楽」にほかならない。

 これまでドナーティ、ジャンネッティーニ、サンチェス、といった知られざる作曲家たちの音楽を通じ、作曲家の知名度にかかわらず本当によいものだけを選んできたメンコボーニが、長年にわたって培ってきた経験と見識、そして音楽性のすべてを、バロック期のイタリアを代表する傑作に全力で注ぎ込んだ、ともいえる企画がついに実現したのである。

 演目はイタリア初期バロック最大の大家モンテヴェルディの、一連のオペラとならぶ最重要作「聖母マリアの晩課」。

 その昔のガーディナー盤(Archiv)に始まり、耳の肥えた古楽ファンたちにもヤーコプス(harmonia mundi)、ガリード(K617)、サヴァール(AliaVox)...と強烈な名盤に事欠かないジャンルだが、このメンコボーニ&カンタール・ロンターノ盤は、それら歴代の名盤群にいきなり比肩するクオリティどころか、それらを軽やかに凌駕しかねない、強烈な求心力とインパクトに富んだ傑作録音に仕上がっている。

 SACD マルチチャンネルDSD 録音という点からして彼らの意気込みはよく伝わってくるが、メンコボーニはこの録音に先立ち、古楽ファン垂涎のフランスのフェスティヴァル、アンブロネー音楽祭でこの演目を披露。ガーディナー盤のように(モンテヴェルディ後年の職場でもあった)ヴェネツィアの聖マルコ教会と結び付られることも多いこの『晩課』だが、誰もが知るその作曲年代(1610年)にはモンテヴェルディがまだマントヴァの宮廷に仕えていたという点に着目、録音もマントヴァの聖バルバラ大聖堂で行うという念入りよう。しかし、それは「バロックの教会音楽=“空間の音楽”」と断言するメンコボーニからすればむしろ自然な選択。

 入念な楽員配置の結果は、教会堂の豊かな残響を生かした自然派録音とともに、明らかに桁違いの「本場の風格」を印象づけてやまない。
 折々に挿入されるグレゴリオ聖歌が、礼拝音楽としての作品像を自然と浮かび上がらせるのも高感度大。

 ラ・レヴェルディのL.セラフィーニ(S)や俊英コルネット奏者D.シャーウィンなど豪華メンバーの参加も、同レーベルの“常識”。


 


PC10343
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
サロモーネ・ロッシの
 『ソロモンの雅歌』と器楽合奏曲
  〜17世紀イタリア、ユダヤのバロック音楽〜

   『ソロモンの雅歌』より(8曲)
   『さまざまなシンフォニア集』第1・2巻、
   『さまざまなソナタ集』第3・4巻より(12曲)
プロフェティ・デッラ・クヴィンタ、
アンサンブル・ムスカディン
         (古楽器使用)
コリーナ・マルティ(リコーダー)他

 バロック初期の多元的な声楽芸術そのまま、ユダヤの詩句が美しく。これも瞬殺した幻の名盤、堂々復活!

 Pan Classicsはスイスに拠点を置いていた時代から世界随一の古楽奏者養成機関バーゼル・スコラ・カントルムとの縁が深く、折々にその最先端で研鑽を積んできた気鋭の名手たちの注目企画を音盤化してきました。
 ここにご紹介するのは、今やさまざまなレーベルで録音するようになった中世系俊才ユニット、コリーナ・マルティ&ミハウ・ゴントコを含む名手たちが集う二つのアンサンブルによる2009年の企画!
 PC10214の番号で一度リリースされたものの、国内仕様盤はNHK-FMでかかるや人気沸騰、瞬く間にプレス切れに。・・・それが待望のカタログ復活!

 曲は17世紀初頭のイタリア・バロック全盛期、モンテヴェルディやフレスコバルディ、ランディらと同時期にマントヴァで活躍したヴァイオリン芸術家S.ロッシの代表的声楽曲集『ソロモンの雅歌』と、器楽曲さまざま!
 イスラエル系の声楽グループが加わっているのは、ロッシがユダヤ人だったから——そして完全にバロック様式でありながら、ヘブライ語で歌えるよう作曲していたから。後年のユダヤ・ヴァイオリン芸術の遠い祖先か、技巧的な合奏曲も聴きどころたっぷり!
 オノフリやラルペッジャータの初期バロック・サウンドが好きな方々にもぜひおすすめです!



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PASSACAILLE



PSC1024
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
クリストフォリと、フォルテピアノの登場
 “ピアノとフォルテを奏でられるチェンバロ”
  〜さまざまな作曲家の作品を通じて〜

  ジュスティーニ:ソナタ第1番 ト短調(1732)
  パラディージ:ソナタ 第10番 ニ長調(1754)
  ヘンデル:組曲第2番 ヘ長調 HWV427(1730)
  プラッティ:ソナタ ト短調 op.1-4(1742)
  スカルラッティ:四つのソナタ
  アルベルティ:ソナタ イ長調 op.1-5(1745)
  ソレール神父:ソナタ ハ短調 Rubio60a/
           ソナタ ハ短調 Rubio60b
リンダ・ニコルスン(フォルテピアノ)
使用楽器:クリストフォリ&フェリーニの
 1730年製作モデルにもとづく
   デンジル・ライト製作の再現楽器

 これがピアノの「原点」…イタリアで早くから注目された楽器史の黎明期、いかんなき名手の解釈で堪能!

 ピアノが誕生したのは、厳密には中世末期なのですが、音楽史上よく言われるのは、18世紀初頭にメディチ家に仕えていたチェンバロ職人クリストフォリが「ピアノとフォルテを奏で分けられるチェンバロ」なる楽器を開発、これがピアノフォルテ(フォルテピアノ)と呼ばれる後のピアノのプロトタイプとなった…ということ。

 実際には普及まで間があったものの、その開発当初の楽器はジュスティーニという作曲家にも注目され、1732年にはすでにこの楽器のための最初のソナタ集が刊行されたほどでした(バッハもヴィヴァルディも存命中!)。しかも史実をひもといてゆけば、バッハやジュスティーニ以外にもスカルラッティ、プラッティ…と数々の作曲家がこの種の楽器と親しんでいたらしき形跡が!

 その「最初期のイタリアのピアノ」の真相を探るべく、ヘンデルやスカルラッティなど大物の作品もまじえ、鍵盤音楽史上みすごせない作曲家たちの逸品を集め、精巧な再現楽器で当時の音の真相に迫るのが、英国古楽界随一の名手ニコルスンとはなんと有難いことでしょう!
 第一線のトラヴェルソ奏者が主宰する「音にこだわりあり」のベルギーPssacailleならではの心ある1枚。

 解説訳付、名前ばかりが先行する作曲家の音楽も含め、選曲の妙も、チェンバロ寄りの独特なクリストフォリ楽器の美音も、じっくり楽しませてくれる逸品!



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ミューズエンターテインメント



MECO 1036
\3000+税
横山幸雄/雨だれのプレリュード〜ショパン名曲集
 ショパン(1810 -1849)
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
 バラード 第1番
 ノクターン 第20番
 ノクターン 第2番
 華麗なる大円舞曲
 別れの曲
 革命のエチュード
 マズルカ 第13番幻想即興曲雨だれのプレリュード
 マズルカ 第32番子守歌
 小犬のワルツ
 英雄ポロネーズ
 別れの曲によるお別れの作品(2台ピアノによる8手連弾)
  
横山幸雄(ピアノ)
横山幸雄(編曲)、
中島彩、
川田健太郎、
田中照子(ピアノ)
 横山幸雄デビュー25周年記念アルバムは、横山幸雄の原点であり、その魅力溢れるピアニズムで多くの聴衆を魅了し続けてきたショパンの名曲中の名曲を横山自らが厳選、新たにDSDフォーマットでレコーディングしました。
 25年という時間の変遷を経て熟成した深い芸術性は、聴く者に大いなる飛翔を印象付けます。
 収録されている再レコーディング曲を、以前のアルバムと比較するのもまた一興でしょう。まさに巨匠への道を確実に歩む横山の「今」を刻印した金字塔的アルバムです。 

 DSDレコーディング SACDハイブリッド盤
 企画制作:ソニー・ミュージックダイレクト 発売販売:ミューズエンターテインメント
 録音:2016年8月29日〜30日 上野学園 石橋メモリアルホール

 横山幸雄は、絶えず聴衆に驚きを与えてくれるピアニストである。なんといっても衝撃的だったのは、2011年のショパン・ピアノ独奏曲全212曲のリサイタルである。18時間に及ぶ全曲暗譜演奏の達成は、その偉業のみならず、演奏の質の高さも非常に大きく評価された。ショパンの作品は、技術の難渋さをクリアするだけではなく、その先にあるものを見据えた演奏ができなければ何の意味もない。このショパン・アルバムによって私は改めてそれを実感した。これまでにショパンはもちろん、様々な作曲家の作品で横山の演奏を聴き、感じてきたのは、彼の奏する音色の“力”の強さである。音量の大小という問題ではなく、聴く者を惹きつける輝きに満ちているのだ。これは真に「ヴィルトゥオーゾ」と呼ぶにふさわしい。この魅力的な音色を駆使して奏される「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」に「英雄ポロネーズ」、さらに「革命」や「別れの曲」といったエチュードでは、華麗な技巧の誇示には決して終わらない。旋律と和声の関係性、移り変わる楽想の変化を的確に捉え、よりドラマ性の強い解釈に昇華し、作品の魅力をより深く聴き手に伝えてくれるのだ。絶えず作曲家の目線に立ってピアノに向かう彼ならではのアプローチといえよう。ノクターンやマズルカといった音数の少ない作品においては旋律の多彩な歌い回し、自在なリズムの緩急によって、作品に内包された「心の歌」を表現していく。横山の完璧なまでに研ぎ澄まされた技術は、あくまでショパンの音楽の本質に迫るための「手段」でしかないと思わせるのだ。
 アルバムの最後に収録された「別れの曲によるお別れの作品」は、横山自身が編曲したものであり、共演の中島彩、川田健太郎、田中照子は横山と親交のあるピアニストである。ショパンの作品から生み出される新たな旋律や煌びやかなパッセージは、ショパンの作品に対する横山の解釈や想いが溢れ出たものであろう。華やかさだけではなく、聴く者を包み込むような“慈愛”のようなものを感じさせる。横山のショパンとの関わりの一つの集大成ともいえる作品ではないだろうか。
 数年前、私は横山にインタビューをした際、演奏の秘訣を尋ねたことがある。それに対して彼は「自分自身が書いているようなつもりで」作品に取り組むことだと話してくれた。作品に対する真摯かつ意欲的なアプローチは、今後も、驚きと感動に満ちた演奏や企画を生み出して、聴き手を感動させてくれることであろう。
 解説:長井進之介


















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