.
NAXOS
|
8.573629
\1200 |
ラフマニノフ(1873-1943):ピアノ協奏曲 第2番
他
ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18(1901)
1.第1楽章:Moderato- Allegro
2.第2楽章:Adagio sostenuto
3.第3楽章:Allegro scherzando
練習曲集「音の絵」Op.33(1911)
4.第1番:ヘ短調
5.第2番:ハ長調
6.第3番:ハ短調
7.第5番:ニ短調
8.第6番:変ホ短調
9.第7番:変ホ長調
10.第8番:ト短調
11.第9番:嬰ハ短調
12.クライスラー(1875-1962):愛の悲しみ(ラフマニノフ編)(1910/21)
13.フランツ・ベーア(1837-1898):笑う小娘“W.Rのポルカ”
(ラフマニノフ編)(1911) |
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)…1-3
ロイヤル・スコティッシュ国立管弦楽団…1-3 |
数あるピアノ協奏曲の中でも、最も人気が高く、またピアニストにとっても困難な壁である「ラフマニノフの第2番」。交響曲第1番の初演時における手痛い失敗を跳ね返した、ラフマニノフにとっての特別な作品です。
名手ギルトブルグにとってもこの作品は特別な存在であり、演奏する際には特別な心構えが必要だとブックレット(英文)で語っています。
ブックレットによると、オープニングの鐘の音を思わせるピアノの重厚な和音、続く激流のようなアルペジョ。これらについてギルトブルグは熟考をめぐらし、一つ一つの音を大切に奏でている様子が理解できます。
ギルトブルグは練習曲「音の絵」についても多くの考察をめぐらせており、その演奏で作品の持つ魅力を完璧に伝えることに成功しています。
ジャケットに使われている写真は、ギルトブルグ自身が撮影したサンクトペテルブルクの「血の上の救世主教会」。ラフマニノフの音楽を象徴する鐘の音を象徴する風景です。
録音 2016年2月28日-3月1日 Royal Concert
Hall, Glasgow, Scotland…1-3 2016年6月14-15日
The Concert Hall, Wyastone Estate, Monmouth,
Wale…4-13 |
. |
8.573414
\1200 |
準・メルクル(指揮)&ライプツィヒMDR放送響
ワーグナー(1813-1883):演奏会用序曲集
1.歌劇《妖精》‐序曲
2.歌劇《恋愛禁制》-序曲
3.序曲「クリストファー・コロンブス」
4.序曲「エンツィオ王」
5.演奏会用序曲 第2番 ハ長調
6.演奏会用序曲 第1番 ニ短調
7.ジークフリート牧歌 |
準・メルクル(指揮)
ライプツィヒMDR放送交響楽団 |
19世紀のドイツ文化に多大な影響を与え、現在でも人気が全く衰えることのない音楽を書いたワーグナー。彼は少年の頃から文学と音楽の才能に溢れていました。しかし、最初から壮大な歌劇を書いていたわけではなく、10代の頃はピアノ曲を書き、やがて、ここで聴けるようなベートーヴェンやウェーバー風の序曲を何曲か作曲することで、自身の腕を磨きました。この頃は交響曲作曲家を目指していたとも言われていますが、やはり彼の本分は劇音楽にあり、1834年に恋仲になったミンナが所属する劇団のために《恋愛禁制》を作曲、その後は《リエンツィ》《さまよえるオランダ人》と本格的な歌劇に手を染めることになります。このアルバムには10代の頃の習作であるいくつかの序曲(ヴェルディ風でありながらも、ところどころワーグナーらしさもある)と、1870年、円熟期にあったワーグナーが妻コジマの誕生日プレゼントとして用意した「ジークフリート牧歌」を収録。大作曲家の青春の息吹をたっぷりと味わえます。
録音 2011年12月8-9日…3-6 2012年1月16-17日…1-2 2012年1月19日…7 MDR
Studio Augustusplatz, Leipzig, Germany |
|
8.573598
\1200 |
シルヴェストロフ(1937-):
Moments of Memory II-記憶の瞬間(とき)II
2つのディアローグとあとがき(ピアノと弦楽オーケストラ版)(2002)
1.ウェディング・ワルツ(原曲:シューベルト/1882:シルヴェストロフ/2002編曲)
2.後奏曲(原曲:ワーグナー/1882:シルヴェストロフ/2001編曲)
3.朝のセレナード(シルヴェストロフ/2002)
4.弦楽オーケストラのためのセレナード(V.カラパチョフへ)(1978)
5.別れのセレナード(I.カラビツへ)(2003)
沈黙の音楽(マンフレート・アイヒャーへ)(2002)
6.第1曲:瞬間へのワルツ
7.第2曲:夕べのセレナード
8.第3曲:セレナードの瞬間(とき)
9.使者-1996(ラリッサ・ボンダレンコへ)
(ピアノと管弦楽、シンセサイザー編)(1997)
記憶の瞬間(とき) II(2003)
10.第1番:幼い頃へのセレナード(1954/2113)(ホロシロフの誕生日)
11.第2番:エレジー(O.キーヴァへ)
12.第3番:告別のワルツ(V.カラパチョフへ)
13.第4曲:後奏曲(Y.スタンコヴィチへ)
14.第5曲:秋のセレナード(ラリッサ・ボンダレンコへ)
15.第6曲:牧歌(インガN.へ) |
イリーナ・スタロドウブ(ピアノ)…1-3.9-15
ドミトリー・ヤブロンスキー(指揮)
キエフ・ヴィルトゥージ |
2017年に生誕80年を迎えるウクライナの作曲家シルヴェストロフ。アルヴォ・ペルトのようなロシア・アバンギャルドの作曲家の例に漏れず、1960年〜70年代までは前衛的な作品を書いていましたが、ある時から現代的な作風を放棄し、瞑想的な作品を書き始めます。
そして1996年、愛する妻ラリッサ・ボンダレンコを失ったことをきっかけに書かれた「使者」と「ラリッサのためのレクイエム」が一部のファンの人気を獲得(ECMレコードの主宰者マンフレート・アイヒャーが彼の音楽を愛していたことも一つの要因)し、現在では静かなブームが起き始めています。
このアルバムには、シルヴェストロフの代表作「使者」をはじめ、郷愁を誘う数々の曲が収録されており、シルヴェストロフを初めて聴く人にとっても良い道標となることでしょう。
録音 Recording House,Ukraine National Radio, Kiev,
Ukraine 2016年2月15-16日…1-5 2016年5月3-4日…6-9 2016年7月26-27日…10-15 |
|
8.573383
\1200 |
All Good Things-全ての良きもの
チルコット:合唱作品集
1-3.オフェーリア、カリバン、ミランダ(2016)…世界初録音
4.わが貧困の令嬢との結婚(2012)
5.スカボローフェア(2008)…世界初録音
6.心の真実(2016)…世界初録音
7-11.無垢のジャズ・ソング(2011)…世界初録音
12.Thou, my love, art fair(2015)
13.朝日の当たる家(2008)…世界初録音
14.天気予報(2005)
15-19.ニダロスのジャズ・ミサ(2012/2014)…世界初録音 |
スー・グリーンウェイ(サクソフォン)…1-3
ラファエル・ミズラキ(コントラバス)…1-3.5.7-11.13.15-19
アレクサンダー・ホーキンス(ピアノ)…1-3.5.7-11.13.15-19
ジョン・スコット(ドラムス)…1-3.5.7-11.13.15-19
ボブ・チルコット(ピアノ)…6
コンモティオ(アンサンブル)
マシュー・ベリー(指揮)…4.6-11.14
ボブ・チルコット(指揮)…1-3.5.12-13.15-19 |
合唱王国イギリスで、現在最も人気があり、また尊敬される作曲家の一人であるボブ・チルコット。彼の合唱音楽はプロ、アマチュアを問わず世界中で演奏されています。ジャズから聖歌まで幅広い作風を持つチルコットですが、このアルバムでは最新作の「オフェーリア、カリバン、ミランダ」を始め、世界初録音の「無垢のジャズ・ソング」「ジャズ・ミサ」などノリの良いリズムがはじける作品を中心に収録。
誰もが知っている「スカボローフェア」や「朝日が当たる家」も、全く違う雰囲気にアレンジされています。合唱に携わる人ならすぐにでもレパートリーに取り入れたくなるようなオシャレな曲集です。
Total Playing Time:71'40” 録音 2016年9月2-4日 SJE,
the Church of St John the Evangelist, Oxford,
UK |
|
8.573723
\1200 |
イリヤ・カーラー(ヴァイオリン)
ドヴォルザーク(1841-1904):ピアノ三重奏曲集
第2集
ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 Op.21 B.51
ピアノ三重奏曲 第2番 ト短調 Op.26 B.56 |
テンペスト三重奏団
【メンバー】
イリヤ・カーラー(ヴァイオリン)
アミット・ペレド(チェロ)
アロン・ゴルドステイン(ピアノ) |
名手イリヤ・カーラーがメンバーを務めるテンペスト三重奏団が演奏によるドヴォルザーク。
このアルバムは、第1集(8.573279)の第3番と第4番“ドゥムキー”の素晴らしい演奏を凌駕するほどの熱演であり、若きドヴォルザークの溌剌とした姿を克明に伝えています。
1875年に作曲された第1番は、シューベルトのように長調と短調がめまぐるしく交代する、少し憂鬱な旋律で始まります。あまり演奏される機会の多くない作品ですが、全体にみなぎるボヘミアの雰囲気はいかにもドヴォルザーク。
情熱的な第2番は、考え抜かれた構成を持つ非常に完成度の高い作品。曲の最後はト長調で輝かしく終わります。
録音 2016年10月5-7日 Spencerville Seventh-day
Adventist Church, Silver Spring,Maryland,
USA Total Playing Time:67'15"
80年代、わずか6年の間にパガニーニ・コンクール、シベリウス・ヴァイオリン・コンクール、チャイコフスキー・コンクールという3大コンクールすべてに優勝した男。
イリヤ・カーラー。
|
|
8.573790
\1200 |
ヴァイオリンとピアノのためのイギリス音楽集
1-3.エルガー(1857-1934):ヴァイオリン・ソナタ(1918)
4.ブリッジ(1879-1941):ロマンス(1904)
5.ブリッジ:セレナード(1903)
6.ディーリアス(1862-1934):現代の赤ちゃんのための子守歌(1923)
7.シリル・スコット(1879-1970):ヴェスペラール(1914)…世界初録音
8.ブリッジ:モート・ペルペトゥオ(1900)
9.ブリッジ:ゴンドラの歌(1907)
10.スコット:ソネット 第1番(1914)
11.スコット:ソネット 第2番(1914)
12.スコット:くまんばち(1928)
13.ブリッジ:田舎の踊り(1912)…世界初録音
14.ディーリアス:ハッサン-セレナード(ライオネル・ターティス編)(1920/1924)
15.ブリッジ:コン・モート(1903)…世界初録音
16.ディーリアス:ロマンス(1889)
17.アイアランド(1879-1962):バガテル(1911)
18.ブリッジ:愛の嘆き(1900)…世界初録音
19.アイアランド:カヴァティーナ(1904)
20.ブリッジ:瞑想曲(1912)…世界初録音
21.スコット:穏やかな娘(1912)
22.エルガー:マズルカ(1899) |
クレア・ホウィック(ヴァイオリン)
ジョン・ポール・エーキンス(ピアノ) |
この魅力的なアルバムの冒頭と最後はエルガーの作品で飾られています。「愛の挨拶」の親密さとは全く違う悲痛な面持ちを見せるヴァイオリン・ソナタ。弾むリズムにも拘わらず、なんとなく切なさを感じさせる「マズルカ」。この2曲を含め、アルバムに収録されている全ての曲に哀愁が漂っているのは、イギリス近代音楽の特徴なのでしょうか。ブリッジとディーリアスの穏やかな「ロマンス」にも、ほんのりとした暗さがあり、シリル・スコットの作品もまるで霧の中をさまようかのように、どれも瞑想的です。
クレア・ホウィックのヴァイオリンはまるですすり泣くかのような情感あふれる音色を聴かせています。
録音 2017年1月7.8日 Wathen Hall,St Paul’s
Boys School, Barnes, England |
|
8.573717
\1200 |
リース(1784-1838):ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集
第2集
ソナタ 変ロ長調 Op.16-2(1806)
1.第1楽章:Allegro
2.第2楽章:Larghetto
3.第3楽章:Polonaise
ソナタ ホ短調 Op.38-1(1811)
4.第1楽章:Allegro
5.第2楽章:Larghetto quasi andante
6.第3楽章:Allegretto non troppo
ソナタ イ短調 Op.38-2(1811)
7.第1楽章:Allegro molto
8.第2楽章:Andante con variazioni
9.第3楽章:Presto |
エリック・グロスマン(ヴァイオリン)
スーザン・カガン(ピアノ) |
最近、熱心なファンのおかげで知名度が高まってきたフェルディナント・リース。ベートーヴェンの弟子、友人としてのみ知られていましたが、その作品の独自性にも注目が集まり、少しずつ演奏される機会も増えてきています。
とは言え、このアルバムに収録されているヴァイオリン・ソナタはどれも世界初録音。まだまだ知られざる作品が数多く眠っている作曲家と言えるでしょう。
この3曲のソナタは、まだベートーヴェンよりもモーツァルトの影響が強く感じられますが、決して規則に縛られるのではなく、自由な息吹が感じられるユニークな作品。ベートーヴェン風のフレーズも登場したりと興味深い箇所が見受けられます。
作曲年代は彼自身が作成したカタログに準拠しています。
録音 2016年6月22-23日 Oktaven Audio,
Mt Vernon, NY, USA |
|
8.573689
\1200 |
オンスロウ(1784-1853):弦楽五重奏曲集 第2集
弦楽五重奏曲 第10番 ヘ短調 Op.32(1827)
1.第1楽章:Largo-Allegro
2.第2楽章:Andante
3.第3楽章:Menuetto:Allegro impetuoso
4.第4楽章:Allegro agitato
弦楽五重奏曲 第22番 変ホ長調 Op.57(1836)
5.第1楽章:Allegro non tanto vivace
6.第2楽章:Adagio
7.第3楽章:Scherzo
8.第4楽章:Allegretto grazioso |
エラン弦楽五重奏団
【メンバー】
ベンジャミン・シェラー・クェサーダ(第1ヴァイオリン)
レリア・イアンコヴィチ(第2ヴァイオリン)
フー・ジュリア・チュイン(ヴィオラ)
ドミトリー・ツィリン(チェロ)
マシュー・ベーカー(コントラバス) |
ロンドンでクラーマーにピアノを学び、パリではレイハに作曲を学んだオンスロウ。彼が活躍した時代は古典派からロマン派への過渡期であり、古典的な形式を保ちながらも、曲の中に新奇的なアイデアを盛り込み、とりわけ室内楽曲はシューマンやメンデルスゾーンに高く評価されました。
35曲ある彼の弦楽五重奏曲のほとんどはアマチュアの愛好家のために書かれたもので、演奏も比較的平易ですが、第10番はベートーヴェン風の味わいを持ち、第22番の遊び心たっぷりの曲想は明らかにシューベルトに影響を与えています。
録音 2016年8月20-23日 Auditorio de Rafelbunyol,
Rafelbunyol, Valencia, Spain |
. |
8.573764
\1200 |
ヴィドール(1844-1937):木管楽器のための作品全集
フィレンツェ風組曲(1919)(R.ド・リードによるフルートとピアノ編)…世界初録音
1.第1番:カンティレーナ
2.第2番:カッシーネで
3.第3番:モルビデッツァ
4.第4番:悲劇的に
5.序奏とロンド Op.72(1898)
フルート組曲 Op.34(1877頃/1884)
6.第1曲:Moderato
7.第2曲:Scherzo:Allegro vivace
8.第3曲:Romance:Andantino
9.第4曲:Final:Vivace
3つの小品(1909)(A.レイによるオーボエとピアノ編)…世界初録音
10.第1番:パヴァーヌ(古いスタイルによるエア/ルイ15世「牧歌」)
11.第2番:エレジー(オルガン交響曲 第1番
ハ短調 Op13-1:第4楽章「瞑想」)
12.第3番:牧歌(オルガン交響曲 第2番 ニ長調
Op.13-2:第2楽章「牧歌」)
13.フルートとピアノのための組曲 Op.34-第4楽章(第1稿)(1877頃)
14.フルート、ヴァイオリン、チェロ、ハルモニウムと
ピアノのための「セレナード」Op.10(1870)…世界初録音 |
ティエス・ロールダ(フルート)…1-4.6-9.13-14
アレッサンドロ・ソッコルシ(ピアノ)…1-14
オリヴァー・パテイ(クラリネット)…5
アレクセイ・オグリンチュク(オーボエ)…10-12
ベルト・モーイマン(ハルモニウム)…14
ジュンコ・ナイトウ(ヴァイオリン)…14
ベネディクト・エンツラー(チェロ)…14 |
若い頃からオルガン演奏に非凡な才能を見せていたヴィドール。彼に様々なオルガンの知識を与えた製作者カヴァイエ=コルの尽力で、わずか25歳でサン・シュルピス教会の終身オルガニストに就任、その後もカヴァイエ=コルとは親しい交際を続け、多くの音楽家とも親交を結び、ほぼ75年に渡る音楽生活で、当時フランスではほとんど顧みられることのなかったオルガンの地位を引き上げることに成功しました。
そのため、現在ではオルガン作品ばかりが知られるヴィドールですが、カヴァイエ=コルのサロンで演奏された室内楽は熱狂的な歓迎を受けました。どの曲もブラームスを思わせるシンプルで明晰な旋律が特徴的ですが、突然の転調に耳を奪われたりと、数多くの工夫が凝らされています。
録音 2014年9月12日…1-4 2015年3月4日…5 2015年12月10日…6-9.13 2016年6月17日…10-12 Studio
Van Schuppen, Veenendaal, The Netherlands 2015年6月20日…14 Concertzaal
Ede, Ede,The Netherlands
ヴィドールといえば・・・
この曲に引き合わせてくれたことを神に感謝します。
ヴィドール(1844-1937):
ピアノ三重奏曲変ロ長調Op.19
シャルル=マリー・ヴィドールは、1844年、フランス、リヨンで生まれた。
わずか25歳でサン・シュルピス教会の終身オルガニストに就任。46歳の時にフランクの急死を受けてパリ音楽院オルガン科教授となった。
代々続くオルガン職人の家系で、父親は教会オルガニスト。まさにオルガンの申し子として生まれたわけである。
そんなオルガンの大家ヴィドールのピアノ三重奏曲とピアノ五重奏曲。
まずピアノ三重奏曲。
第1楽章はとても感情を抑えた控えめな音楽。
聖職者の趣をたたえる禁欲的な作風。フランクやラインベルガーなどに似ているかも。・・・おっと、自分でそう言っておいてあとから気づいたが、みんなオルガニスト。それは偶然じゃないと思う。ただ、かなり渋い。
・・・と思いながら聴いているうちに、曲は第2楽章へ。
すると、まるで天国から流れてきた小川のように美しい音楽が始まった・・・
信じられない。
こんな美しい音楽がまだこの世の中にあったなんて。
どこかの教会で緊張に顔をこわばらせながら真剣にお祈りしていた少女が、何かの弾みにふともらした優しい笑顔のような。
軽やかで優雅な第3楽章、華やかで美しい終楽章、続くピアノ五重奏曲のたおやかな第2楽章、陽気な第3楽章、激しい終楽章、と、どれも素敵なのだが、ああ、あまりにもこの第2楽章が美しすぎる。
素晴らしすぎる。
この曲に引き合わせてくれたことを神に感謝します。
|
|
|
|
8.573751
\1200 |
ブゾーニ(1866-1924):ピアノ作品集 第9集
村の祭日 Op.9(Kind.185)(1881)
1.Preparazione alla festa 祭りの準備
2.Marcia trionfale トリオンファレの行進曲
3.In chiesa 教会にて
4.La fiera フィエーラ
5.Danza 踊り
6.Notte 夜
幻想的な物語 Op.12(Kind.100)(1878)
7.Duello
8.Klein Zaches
9.La caverna di Steenfoll
古風な舞曲 Op.11(Kind.126)(1878-1879)
10.メヌエット
11.ガヴォット
12.ジーグ
13.ブーレ
14.ガヴォット Op.70(Kind.152)(1880)
田園組曲 Op.18(Kind.81)(1878)
15.Canzone villereccia del mattino
16.La caccia
17.L'orgia
18.Il ritorno
19.Preghiera della sera
5つの小品 Op.3(Kind.71)(1877)
20.前奏曲
21.練習曲
22.メヌエット
23.ガヴォット
24.ジーグ |
ヴォルフ・ハーデン(ピアノ) |
多くの天才の例に漏れることなく、イタリアの作曲家フェルッチョ・ブゾーニも7歳の若さで演奏会デビューを果たし、少年時代から「神童」と呼ばれていました。
同時に作曲もはじめ、17歳の時にはブラームスの助言を得てライプツィヒに移りライネッケの下で学びました。しかし30歳を過ぎるまでは作曲よりも演奏を好んでいたようです。
このアルバムには神童時代の11歳から15歳までに書かれた全ての作品が収録されています。バッハ、モーツァルト、ウェーバー、シューマンなどの先人たちの影響があるにせよ、どれも魅力的な旋律を持つ曲集で、とりわけ「田園組曲」は将来の成熟を予感させます。
録音 2016年8月5-7日 Wyastone Concert Hall,
Monmouth Total Playing Time:72'00" |
|
8.573850
\1200 |
ミケーレ・ピッタルーガ国際ギター・コンクール
第50回を記念して
2006年-2015年の優勝者たち
・アルトム・デルヴォード(2006)…8.570457
コシュキン(1956-):組曲「王子のおもちゃ」(抜粋)
1.第4曲:おもちゃの兵隊
2.第5曲:王子の訓練
・ペトリト・チェク(2007)…8.572033
3.ロドリーゴ(1901-1999):ギターのための牧歌-アレグロ
4.J.S.バッハ(1685-1750):無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
第2番-第3楽章 アンダンテ(デシュパリ編)
・イリーナ・クリコヴァ(2008)…8.572390
5.ポンセ(182-1948):南のソナチネ-第1楽章
カンポ
6.アントニオ・ホセ(1902-1936):ソナタ-第4楽章
フィナーレ
・オンドラシュ・チャーキ(2009)…8.572630
7.J.S.バッハ:リュート組曲 ホ長調 BWV1006-第1楽章
プレリュード
・アナベル・モンテシノス(2010)…8.572843
8.グラナドス(1867-1916):詩的なワルツ(モンテシノス編)
・セシリオ・ペレーラ(2011)…8.573025
ポンセ:メキシコの良く知られた3つの歌
9.La Pajarera 鳥小屋
10.Por ti mi corazon 私の心のために
11.La Valentina バレンティナ
・ラザール・シェルアーナ(2012)…8.573226
12.ラモー(1683-1764):鳥のさえずり(シェルアーナ編)
13.王太子妃(シェルアーナ編)
・エマヌエレ・ブオーノ(2013)…8.573362
14.ロドリーゴ:祈りと踊り
・エレン・シュアルプ(2014)…8.573487
エルデナー(1957-):5つのグロテスク(抜粋)
15.第1番:Quasi una marcia 行進曲のように
16.第2番:Quasi una marcia
17.ブローウェル(1939-):ソナタ-第1楽章
ファンダンゴとボレロ
・ロブシャン・マメドクリエフ(2015)…8.573689
ウォルトン(1902-1983):5つのバガテル(抜粋)
18.第1番:Quasi una marcia
19.第3番:Alla cubana
20.第5番:Con slancio |
若手ギタリストの登竜門として知られる「ミケーレ・ピッタルーガ国際ギター・コンクール」。1968年からジェノヴァ近郊のアレッサンドリアで、この町出身のギター研究家の名を冠して開催されている権威あるコンクールです。
1977年、第10回コンクールの優勝者は日本を代表するギタリストの一人、山下和仁でした。2007年からは優勝者のリサイタル・アルバムがNAXOSから発売されることもコンクールの魅力の一つとなっています。
このアルバムは2006年から2015年までの優勝者のアルバムからコンパイルしたもの。多彩な曲と優れた演奏は、このコンクールのレヴェルの高さを雄弁に物語っています。
録音 2007-2016年 Total Playing Time:79'24" |
|
8.573648
\1200 |
ライタ(1892-1963):交響曲 第8番&第9番
交響曲 第8番 Op.66
1.第1楽章:Allegre et leger
2.第2楽章:Lent et triste
3.第3楽章:Tres agite et toujours angoisse
4.第4楽章:Tres agite et toujours angoisse
交響曲 第9番 Op.67
5.第1楽章:(Vite)
6.第2楽章:Lento
7.第3楽章:Vite |
ニコラ・パスケ(指揮)
ペーチ交響楽団 |
1956年、ソビエトの抑圧に耐えかねたハンガリー国民たちが全国規模の反乱を起こしました。蜂起はすぐさまソ連軍によって鎮圧され、その際、多くの人民の命が失われ、生き残った市民たちは難民となり国外へ逃亡、苦しい時代へと突入します。
蜂起の3年後に作曲されたライタの交響曲第8番は、彼としては珍しい4楽章形式で書かれており、終楽章の悲痛さは彼の妻をして「救いようのない悲劇」と評されるほどに辛い音楽になっています。
それに引き換え、第9番は美しい旋律と、力強さを備えており、ライタの創作力が全く衰えていなかったことを証明する素晴らしい作品です。
録音 1996年10月 Ferenc Liszt Concert
Hall,Pecs Hungary |
|
8.579012
\1200 |
ブランカフォート(1897-1987):歌曲全集 第1集
1.Passant sota les branques 小枝の下の道…世界初録音
3つのクリスマスの歌
2.Canconeta humil de mitjanit 真夜中のつつましい歌
3.Els nuvols de Nadal 雲のクリスマス
4.Els reis 王
4つの歌
5.第1番:Muntanya avall 下り坂
6.第2番:Capvespre 日没
7.第3番:La mort de Bebros ボブロスの死
8.第4番:Aigues de la primavera 春の水
9.Rondalla del bou 良いロンダーラ…世界初録音
10.La llum de Nadal クリスマスの光
11.Canco de l'amor primera 最初の愛の歌
12.Dessobre la terra dura
13.Ceino da mina aldea
14.Joc ゲーム
15.Plany 喪失
16.Ja no seras mai mes record… 多くを書き留めることはなく…世界初録音
17.Canco de l'unic cami ただ一つの方法の歌
カタルーニャの詩による歌曲
18.Advent 降臨
19.Comiat 告別
20.L'infi nit 無限に
21.Les campanes de Palau パラオの鐘
22.L'hora de l’alba 日の出の時間 |
アンナ・アラス・イ・ホーベ(メゾ・ソプラノ)
ミケル・ビリャルバ(ピアノ) |
カタロニア出身の作曲家ブランカフォート。バルセロナ近郊の温泉街にあった生家は有名なホテルを営んでおり、数多くの知識人や政治家が訪れ、いつも賑わっていました。
更に、技術革新に興味のあった父親はピアノ・ロールを生産する工場を設立、ブランカフォートはここで父から音楽を学び、作曲家としての足掛かりを掴みました。
1914年、ブランカフォートはモンポウに出会い、強い影響を受けパリへと出発。ロマン派の重い響きを拒否した簡潔で親密な音楽は、フランスの聴衆にも暖かく受け入れられましたが、家庭の事情で結局はバルセロナに戻り、カタロニアの伝統音楽を取り入れた瑞々しい作品を多く書き残しました。この歌曲集も、フランスとスペインの雰囲気が融合したユニークな作品です。
録音 2015年7月 L’Auditorium Studio in
Jafre de Ter, Girona, Spain. Total Playing
Time:61'08 |
|
8.573781
\1200 |
マイール(1763-1845):スターバト・マーテル
ヘ短調 他
スターバト・マーテル ヘ短調
1.第1曲:Stabat mater 悲しみの母は立っていた
2.第2曲:O quam tristis ああ、なんと悲しく、打ちのめされたことか
3.第3曲:Quis est homo 涙をこぼさないものがあるだろうか
4.第4曲:Pro peccatis その民の罪のために
5.第5曲:Eja mater さあ、御母 よ
6.第6曲:Sancta mater 聖なる母よ
7.第7曲:Inflammatus 怒りの火によって
8.第8曲: Quando corpus 肉体が滅びるときには |
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)…10
ユン・ジェウォン(ソプラノ)…1-9
テレサ・ホルツハウザー(アルト)…1-10
マルクス・シェーファー(テノール)…10
ロベルト・ゼリアー(テノール)…1-9
イェンス・ハーマン(バス)…1-9
ヴァージル・ミショク(バス)…10
フランツ・ハウク(指揮)
ジモン・マイール合唱団…1-8.10
バイエルン国立歌劇場合唱団ノメンバー…1-8.10
イ・ヴィルトゥオージ・イタリアーニ…10
コンチェルト・バッスス…1-9 |
13世紀に生まれたスターバト・マーテル(悲しみの聖母)は、17世紀から18世紀にかけてイタリアと南ドイツを中心に数多くの作曲家がこの悲痛な詩に曲を付けています。とりわけ有名なのはペルゴレージやロッシーニの作品であり、19世紀にはドヴォルザークやシマノフスキ、20世紀にはペルト、ペンデレツキら、数多くの名作が生まれています。このマイールの「スターバト・マーテル」は一部が失われていますが、マイール研究家ハウクの手によって、不足している部分が埋められています。マイール自身はこの作品を気に入っており、後のレクイエムでも一部が転用されているなど、折りに触れこの作品に手を加えていたようです。悲痛な内容でありながらも、全体的に明るさに満ちており、最後に置かれた賛美歌はとりわけ清冽な美しさを湛えています
録音 Asamkirche Maria de Victoria, Ingolstadt,
Germany 2014年4月7-11日…1-9 2014年4月26日…10 Total
Playing Time:59'55" |
|
8.573731
\1200 |
トーニ(1922-1993):フルート作品集
独奏フルートのための3つの前奏曲(1975)
1.Rondine garrula
2.Intreccio
3.Compianto
録音 2016年1月
Folsom Studio, Prato (Italy)
フルートとピアノのためのソナタ Op.35(1953)
4.Comodo
5.Recitativo
6.Rondo
録音 2016年2月
Studio Damerini Genoa (Italy)
7.独奏ピッコロのための前奏曲(1978)
録音 2015年11月
Studio Neri, Montevarchi; Arezzo (Italy)
ソプラノとフルートのための3つの二重奏(1978)
8.Canone
9.Dialogo (Canone composito)
10.Motto
録音 1980年5月
Teatro Grande, Brescia (Italy)
11.フルートとピアノのための「マイラへ」(1982)
12.独奏フルートのための「Inno a Iside」(1979)
録音 2016年1月
Studio Neri, Montevarchi; Arezzo (Italy)
フルートとギターのための5つの小品(1975-1976)
13.Rondine garrula
14.Fermamente
15.Intreccio
16.Fiore di cinnamomo
17.Compianto
録音 2016年1月
Folsom Studio, Prato (Italy)
独奏ピッコロのための3つの前奏曲
18.前奏曲 第1番(1971)
19.前奏曲 第2番(1978)
20.前奏曲 第3番(1980)
録音 2015年11月
Studio Neri, Montevarchi; Arezzo
(Italy)
21.フルートと弦楽オーケストラのための「ファンタジア・コンチェルタンテ」(1957)
録音 1983年1月
Teatro Grande, Brescia (Italy) |
ロベルト・ファブリチアーニ(フルート…1-6.8-9.11-17.21)(ピッコロ…7.10.18-20)
マッシミリアーノ・ダメリーニ(ピアノ)…4-6
ドロシー・ドロウ(ソプラノ)…8-10
カルロ・アルベルト・ネリ(ピアノ)…11
ヴィンセンツォ・サルダレッリ(ギター)…13-17
マリオ・コンテル(指揮)…21
イ・カメリスティ・ロンバルディ(アンサンブル)…21 |
20世紀のイタリアを代表する作曲家の一人、カミッロ・トーニ。15歳の時に、同郷で当時18歳のピアニスト、ミケランジェリが演奏するシェーンベルクの作品を聴き強い感銘を受けました。
新古典派の音楽が流行していた当時のイタリアでシェーンベルクが演奏されることは非常に珍しく、トーニは生涯その体験を忘れることなく、折りに触れ思い出していたと言います。
すっかり十二音の世界に魅せられたトーニは、1951年にダルムシュタットのサマースクールに参加した際にフルート奏者ガッゼローニと出会ったことをきっかけにフルート・ソナタ
Op.35を作曲。翌年ガッゼローニによって初演されましたが、残念ながら聴衆からの反応は良くありませんでした。
しかしトーニはそれに憶することなく、このアルバムで演奏しているファブリチアーニを友人とし、助言を受けながらフルート曲の作曲を続け、自らの主張を曲げずに神秘的な作品を生み出すことに成功しました。
Total Playing Time:53'02" |
|
8.660407
(3CD)
\3600 |
ロッシーニ(1792-1868):歌劇《ビアンカとファッリエーロ》
2幕のメロドラマ
フェリーチェ・ロマーニ 台本
【CD1】
1.シンフォニア
2-13.第1幕
【CD2】
1-5.第1幕(続き)
6-11.第2幕
【CD3】
1-12.第2幕(続き) |
ビアンカ:コンタレーノの娘…チンチア・フォルテ(ソプラノ)
ファッリエーロ:将軍…ヴィクトリア・ヤローヴァヤ(メゾ・ソプラノ)
プリウリ:ヴェニスの元首…ローラン・クブラ(バス)
コンタレーノ:老院議員…ケネス・ターヴァー(テノール)
カペッリオ:老院議員…バウルザン・アンデルザノフ(バス)
ロレンダーノ:老院議員…マルシン・バナーシュ(テノール)
コンスタンツァ:ビアンカの乳母…マリナ・ヴィオッティ(メゾ・ソプラノ)他
アントニーノ・フォリアーニ(指揮)
ポズナン・カメラータ・バッハ
ヴィルトゥージ・ブルネンシス |
17世紀のヴェネチア。戦いに勝利した将軍ファッリエーロは、かねてから思いを寄せていた元老院議員コンタレーノの娘ビアンカにプロポーズします。しかしビアンカは裕福なカペッリオとの政略結婚が決まっていました。気が進まない結婚式に臨むビアンカ、式に乱入するファッリエーロ、大混乱となりますが…
1819年-20年の謝肉祭の季節に、ミラノ・スカラ座で少なくとも39回の上演が行われたというロッシーニの歌劇《ビアンカとファッリエーロ》。ロッシーニがこの劇場のために書いた最後の歌劇で、超絶技巧を駆使したアリアの数々は、当時の聴衆を魅了しました。初演時にはファッリエーロをカストラートの歌手が演じましたが、現在ではメゾ・ソプラノが歌うのが一般的です。しかしこの華麗なアリアを歌える歌手を見つけることが困難だったため、演奏の機会に恵まれず、1980年代まで忘れられていたことでも知られています。ヤローヴァヤとフォルテの2人の名歌手を揃えたバランスの良い演奏です。
録音 2015年7月18.24.26日 ライヴ録音 Trinkhalle,
Bad Wildbad, Germany |
|
8.669039
(2CD)
\2400 |
オルドリッジ(1954-):歌劇《シスター・キャリー》2幕(2012)
ハーシェル・ガーフェイン:台本
セオドア・ドライサー:原作 |
キャリー…アドリアーナ・ザバラ(メゾ・ソプラノ)
ハーストウッド…キース・ファレス(バリトン)
ドルーエ…マット・モーガン(テノール)
ローラ…アリサ・スザンヌ・ジョーデイム(ソプラノ)
アブダル/キャプテン…スティーブン・カニングハム(バス・バリトン)
ウィリアム・ボッグズ(指揮)
フロレンティン歌劇場合唱団(合唱指揮…スコット.S.スチュワート)
フロレンティン・オペラ・カンパニー
ミルウォーキー交響楽団 |
グラミー賞を受賞した作曲家オルドリッジの歌劇《シスター・キャリー》。原作を同じくする1952年の映画《On
Golden Pond(邦題「黄昏」)》は名優ローレンス・オリヴィエがハーストウッドを演じ、転落していく人生を見事に表現しました。
このオルドリッジの歌劇も、ドライサーの原作を丁寧になぞり、人生をのし上がっていく女性キャリーと、絶望の淵に沈む男ハーストウッドの姿を、当時のアメリカ社会の冷酷な現実を絡ませつつ見事に描き出しています。
まるでプッチーニを思わせるような美しい音楽、そして主人公の凛とした姿を彷彿させるキャリー役のザバラの深みのある歌声も、この歌劇を魅力的なものにしています。
録音 2016年10月7-9日 Uihlein Hall, Marcus
Center for the Performing Arts, Milwaukee,
Wisconsin, USA Total Playing Time:153'33" |