2017年アリアCDベストセラー・アイテム
その4 9月〜12月
2017年にお贈りした新譜情報の中からとくに注目のアイテムを厳選してご紹介します。
その4として9月から12月の情報から。
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マイナー・レーベル新譜
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NAIVE
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レーベルの事情もあるので早めに手に入れておいたほうがいいでしょう
まさかのリリース
モザイク弦楽四重奏団
ベートーヴェン:後期弦楽四重奏曲集
[CD1]
・弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 op.127
・弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 op.131
[CD2]
・弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 op.130
・弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.133「大フーガ」
[CD3]
・弦楽四重奏曲第15番 イ短調 op.132
・弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 op.135 |
モザイク弦楽四重奏団
〔エーリヒ・エーバルト(Vn)、
アンドレア・ビショフ(Vn)、
アニタ・ミッテラー(Vla)、
クリストフ・コワン(Vc)〕 |
ピリオド弦楽四重奏団の雄、モザイク弦楽四重奏団、待望の新録音!ベートーヴェンの後期四重奏曲集を一挙3
枚組で!
Vn:Joseph Guarnerius filius Andrea, Cremona,
1705/Vn:製作者不明、フランス、1800年頃/Vla:Carolus
Le Pot, Lille, 1725/Vc:Alessandro Gagliano,
Napoli, 1720 年頃 [フランス楽器財団より貸与]
A=432Hz, ガット弦使用
録音:[CD1]2015年8月29-31日[CD2]2016年8月28-30日[CD3]2014年8月29-31日
ピリオド楽器の弦楽四重奏団として他の追随を許さないモザイク弦楽四重奏団。根強い人気を誇る彼らが久々の新録音として世に放つのは、ベートーヴェンの後期作品集。弦楽四重奏というジャンルにとって、あるいはあらゆる音楽の中でも最高の作品に数えられる作品を、一挙に3
枚組でリリースします!
ブックレットには、ピアニスト、アンドラーシュ・シフが「The
summit」と題して、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集について寄稿しており、こちらも興味深いものとなっております(日本語訳なし)。
なお、大フーガを、ベートーヴェンが最初に意図したとおりに第13
番の終楽章としではなく、後に出版されたとおりに単独で演奏しています。「作品130
を通して演奏するのには極度の集中を要します。その集中の後で「大フーガ」を単独で演奏することは、ジムの運動の後の水浴のように、新たなエネルギーを得られるのです」とコワンは述べています。
いずれにせよ、どの作品に対しても、モザイク弦楽四重奏団のメンバーの音楽に対する常に新鮮で真摯なアプローチが光る演奏となっています。
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RCO LIVE
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第7代目首席指揮者ダニエレ・ガッティ
2017年11月には就任後初の来日公演
ガッティ&コンセルトヘボウ管による
マーラー「復活」
マーラー:交響曲第2番「復活」 |
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ダニエレ・ガッティ(指揮)
チェン・レイス(ソプラノ)
カレン・カーギル(メゾ・ソプラノ)
オランダ放送合唱団
(クラース・ストック:合唱指揮) |
録音:2016 年9 月14-16 日、コンセルトヘボウ・アムステルダム(ライヴ)
(2SACD Hybrid)Stereo/Multi-ch、88’25
(Blu-ray)画面:16:9 1080p24、音声:DTS-HD
MA 2.0(192kHz/24bit)、DTS-HD MA 5.0(96kHz/24bit)、Auro-3D
9.0 (96kHz/24bit)、DD2.0 (48kHz/16bit)、88’25
(DVD)画面:16:9 NTSC、音声:LPCM 2.0,DD5.0、88’25
2016年、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の第7代目首席指揮者に就任したダニエレ・ガッティ。2017年11月には就任後初の来日公演が予定され、今最も注目されるコンビといえるでしょう。
今回の新譜は、2016/17 シーズンの幕開けとなった2016
年9 月に行われたライヴをSACD Hybrid 盤とブルーレイ、DVD
の映像でリリース。
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TRITO
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TD 0113
\2200→\1990
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ジャナンドレア・ノセダ&カダケス管のシューマン!
シューマン(1810-1856):
交響曲第1番変ロ長調「春」Op.38
交響曲第4番ニ短調 Op.120 |
カダケス管弦楽団
ジャナンドレア・ノセダ(指揮) |
録音:2016年3月31日、ライヴ、アウディトリオ、サラゴサ、スペイン
ジャナンドレア・ノセダ&カダケス管弦楽団によるシューマン交響曲全集完結。
1988年、バルセロナ近郊の町カダケスで開かれる音楽祭のために創設されたカダケス管弦楽団は、スペイン国内の主要オーケストラのコンサートマスターや首席奏者、またヨーロッパ各国の著名なオーケストラで活躍する奏者たちによって構成されるオーケストラ。ジャナンドレア・ノセダ(1964年ミラノ生まれ)は同楽団が開催するカダケス国際指揮者コンクールの第1回(1994年)優勝者で、直後に首席指揮者に就任し現在に至っています。その後のノセダの快進撃は周知のとおり。
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<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
<メジャー・レーベル>
<国内盤>
<映像>
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EURO ARTS(映像)
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ベルリン・フィル28年ぶりの「トスカ」上演!
指揮はラトル!
21世紀を代表するアイテムになりそう
プッチーニ:歌劇「トスカ」 |
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
クリスティーネ・オポライス(フローリア・トスカ)
マルセロ・アルバレス(マリオ・カヴァラドッシ)
マルコ・ヴラトーニャ(スカルピア男爵)
アレクサンダー・ツィムバリュク(チェーザレ・アンジェロッティ)
ピーター・タンチッツ(スポレッタ)
ダグラス・ウィリアムズ(シャッローネ)
マウリツィオ・ムラロ(堂守)
ヴァルター・フィンク(看守)
ウィーン・フィルハーモニア合唱団
ヴァルター・ツェー(合唱指揮) |
ラトル&ベルリン・フィル、2017年バーデン=バーデン・イースター音楽祭ライヴ。
ベルリン・フィル28 年ぶりの「トスカ」上演!オポライス,アルバレス,ヴラトーニャ実力派主役陣
演出は思いっきり現代的なのですが、なぜかあまり違和感なく、元の世界観に浸れます。
演出:フィリップ・ヒンメルマン/舞台:ライムンド・バウアー/衣装:カーシ・マウラー/照明:ラインハルト・トラウプ/映像:マルティン・アイデンベルガー/映像監督:アンドレアス・モレル
収録:2017年4月、バーデン=バーデン祝祭劇場(ライヴ)
(Blu-ray)画面:1080i Full HD 16:9、音声:PCM
ステレオ、DTS-HD Master Audio 5.1、字幕:英独仏日、原語:イタリア語、180分
(DVD)画面:16:9 NTSC、音声:PCM ステレオ、DD5.1、字幕:英独仏日、原語:イタリア語、180分
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ACCENTUS MUSIC(映像)
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2017ライプツィヒ・バッハ音楽祭ライヴ、
ブロムシュテットによるロ短調ミサ
J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調BWV232 |
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
ドレスデン室内合唱団
クリスティーナ・ランツハーマー(ソプラノ)
エリーザベト・クールマン(アルト)
ヴォルフラム・ラトケ(テノール)
ルカ・ピサローニ(バス) |
収録:2017年6月18日 聖トーマス教会(ライプツィヒ)
(Blu-ray)画面:16:9 Full HD、音声:DTS
HD MA5.1、PCM Stereo、字幕:英韓日(原語:ラテン語)、113’
36
(DVD)画面:16:9 NTSC、音声:DTS5.1、DD5.1,
PCM Stereo、字幕:英韓日(原語:ラテン語)、113’
36
2017 年ライプツィヒ・バッハ音楽祭のライヴ映像。
ライプツィヒはJ.S. バッハが1723 年から亡くなる1750
年まで、聖トーマス教会で合唱団や礼拝の音楽を取り仕切るトーマスカントルを務めたゆかりの地。
音楽祭は新バッハ協会の創設に合わせて1904
年より始まり、毎年違ったテーマが設定されます。音楽祭の期間はトーマスカントルの指揮によるオープニング・コンサートからはじまり、100
前後のイベントが街中で開催されます。ファイナル・コンサートは伝統的に聖トーマス教会での「ミサ曲ロ短調」が演奏されます。
2017 年は、長きに渡りゲヴァントハウス管のカペルマイスターを務めたヘルベルト・ブロムシュテットが登場しました。
ブロムシュテットは、任期の最後を飾るコンサートとして2005
年に同じ舞台に立ち、その時の演奏は語り草となっています。(同演奏はEURO
ARTS よりDVD,BD が発売中20.54518/20.59234)
演奏は、12 年前の名演にたがわず、近年のブロムシュテットの好調ぶりを伝える見事なもので、細部まで丁寧に練り上げられた着実なアプローチを土台に、円熟の演奏を聴かせてくれます。
そして伸びやかな声をもつクリスティーナ・ランツハーマー。舞台での圧倒的な存在感と豊かな表現力を持つメゾ、エリーザベト・クールマン。透明感あるテノール、ヴォルフラム・ラトケ。艶のある声と気品漂う姿のルカ・ピサローニと歌手陣も実力派揃い。
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Midori plays Bach〜
五嶋みどり、ケーテンでバッハを奏でる
J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタと
パルティータBWV1001〜1006 |
五嶋みどり(ヴァイオリン) |
五嶋みどりがバッハゆかりの地で奏でる無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ、音楽と真摯に向き合うMidoriの今を収録!
収録:2016年8月ケーテン城/ディレクター:アンドレアス・モレル/プロデューサー:パウル・スマチヌイ
(Blu-ray)画面:Full HD 16:9、音声:PCM
ステレオ,DTS HD MA5.1、151’ 30、字幕:独仏韓日、リージョン:All
(2DVD)画面:NTSC 16:9、音声:PCM ステレオ,DTS
5.1,DD5.1、151’ 30、字幕:独仏韓日、リージョン:All
日本を代表する世界的ヴァイオリニスト、五嶋みどり。11
歳で華々しくアメリカ・デビューを飾り、現在に至るまで世界的奏者として、コンサート、録音、教育、そして社会貢献活動も行っています。
2012 年にはデビュー30 周年を記念して、日本全国の寺院・神社・教会で、バッハを演奏するという大ツアーを行いました。ツアー後には満を持してCD
録音も行われ、存在感のあるバッハ演奏を聴かせてくれました。
この映像は、バッハゆかりの地ケーテンで、五嶋みどりがバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータを全曲演奏したもの。
バッハは1717 年にアンハルト=ケーテン侯国の宮廷楽長に就任し、1723
年にライプツィヒの聖トーマス教会のカントル「トーマスカントル」に選任されるまでの6
年間をケーテンで過ごしました。この作品群はこのケーテン時代に作曲、ヴァイオリニストにとって高度な技術と音楽性を要求することから、ヴァイオリン作品の頂点とも言われます。 |
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RCO LIVE(映像)
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ガッティ&コンセルトヘボウ管による「春の祭典」
圧倒的音響が降り注ぐAuro-3D
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、交響詩「海」
ストラヴィンスキー:春の祭典 |
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ダニエレ・ガッティ(指揮) |
2017年1月ライヴ映像、ガッティ&コンセルトヘボウ管による「春の祭典」圧倒的音響が降り注ぐAuro-3Dを収録!
収録:2017 年1 月11-12 日、コンセルトヘボウ、アムステルダム(ライヴ)
(Blu-ray)画面:16:9,1080p24、音声:DD2.0(48kHz/16bit),DTS-HD
MA 2.0(192kHz/24bit),DTS-HD MA 5.0(96kHz/24bit),Auro-3D
9.0(96kHz/24bit)、収録時間:78’ 35
(DVD)画面:16:9,NTSC、音声:LPCM2.0,DD5.0、収録時間:78’
35
2016/17 シーズンからロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の第7
代目首席指揮者として本格始動したダニエレ・ガッティ。「ベルリオーズ:幻想交響曲」、「マーラー:交響曲第2
番」のリリースに続いて、2017 年1 月に行われたコンサート映像が発売されます。
演目は、20 世紀の音楽語法に大きな影響を与えた、ストラヴィンスキーの「春の祭典」とドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」「海」という刺激的な内容。ガッティは同プログラムをフランス国立管と録音しており、いずれも高い評価を得ています。
刻一刻と変化する海の表情を見事に音化させたドビュッシーの「海」は、50
年代にはベイヌム、70 年代のハイティンク、2007
年にはヤンソンスとRCO 歴代の指揮者によって脈々と演奏されてきた重要な楽曲。ガッティの緻密な指揮、RCO
の鮮やかに色彩を描き分ける表現力は圧巻です。
そして鮮やかなコントラストで聴かせるストラヴィンスキーの「春の祭典」。RCO
にとっても、録音のみならず、幾度となく実演で取り上げてきたゆかりの演目です。
RCO のアーカイヴには1924 年以来118 回もの公演が行われたと記録されています。1926
年にはストラヴィンスキー自身がRCO を振り、ベイヌム以降すべて首席指揮者が「春の祭典」を演奏しています。そしてここに、ガッティの記念すべき演奏がRCO
の歴史に刻まれることになりました。それぞれにとって得意のレパートリーということもあって、両コンビの輝かしい未来を予感させるアグレッシヴかつ密度の濃い演奏が繰り広げられています。 |
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C MAJOR(映像)
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ウェイク=ウォーカーによる「フィガロの結婚」
ウェルザー=メストがスカラ座で初オペラ!
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 |
フランツ・ウェルザー=メスト(指揮)
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
(合唱指揮:ブルーノ・カゾーニ)
カルロス・アルバレス(アルマヴィーヴァ伯爵)
ディアナ・ダムラウ(伯爵夫人)
ゴルダ・シュルツ(スザンナ)
マルクス・ヴェルバ(フィガロ)
マリアンヌ・クレバッサ(ケルビーノ)
アンナ・マリア・チウリ(マルチェッリーナ)
アンドレア・コンチェッティ(バルトロ/アントーニオ)
通奏低音:ジェイムズ・ヴォーン(フォルテピアノ)
シモーネ・グロッポ(チェロ) |
イギリスの新進気鋭の演出家ウェイク=ウォーカーによる新プロダクション「フィガロの結婚」、アルバレス、ダムラウ、クレバッサと豪華歌手陣が登場!ウェルザー=メストがスカラ座で初オペラ!
演出:フレデリック・ウェイク=ウォーカー/舞台&衣裳:アントニー・マクドナルド/照明:ファビアナ・ピッチョーリ/
収録:2016年10月、ミラノ・スカラ座/映像監督:パトリツィア・カルミネ
(Blu-ray)画面:Full HD 1080i 16:9、音声:PCM
ステレオ、DTS-HD5.1、原語:イタリア語、字幕:英独仏西韓日、リージョン:All、214分
(2DVD)画面:NTSC 16:9、音声:PCM ステレオ、DTS5.1、原語:イタリア語、字幕:英独仏西韓日、リージョン:All、214分
2016 年ミラノ・スカラ座の新プロダクション「フィガロの結婚」がブルーレイとDVD
で発売されます。
モーツァルト没後225 年を記念して、イギリスの若手フレデリック・ウェイク=ウォーカーが演出。ウェイク=ウォーカーは、2014
年グラインドボーン音楽祭で「偽の女庭師」の印象的な演出を手掛け注目され、今回大規模オペラの演出するのが2
度目という新進気鋭の演出家。イタリアの伝説的演出家ジョルジョ・ストレーレルに敬意を表し、ストレーレルの代表作1973
年パリ・オペラ座の「フィガロの結婚」に使われたアームチェアをこの舞台でも用いています。
そして歌手陣は、カルロス・アルバレス、ディアナ・ダムラウ、マルクス・ヴェルバのベテラン勢に加え、フランスの注目メッゾ、マリアンヌ・クレバッサと南アフリカ出身のソプラノ、ゴルダ・シュルツなど今をときめく若手歌手も出演し、超豪華キャストが勢ぞろい。
伯爵夫人を演じるダムラウは、アリア「楽しい思い出はどこへ」では比類なき表現で聴衆を魅了、そしてズボン役のクレバッサは、艶っぽい声質と可憐な立ち姿が舞台でひときわ存在感を放っています。さらにウェルザー=メストがスカラ座で初めてオペラを振ったことでも話題になった注目の上演です。
ウェルザー=メストの指揮は、明瞭でそれぞれの場面を的確に印象付け、ソリストたちをのびのびと歌わせています。
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