アリア・レーベル第52弾
ARIA AR 0052 1CD-R\1700
マリラ・ジョナス(P)〜ショパン:マズルカ全録音
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マリラ・ジョナス。
ワルシャワ生まれのピアニスト。
戦時中、ポーランドのクラクフの収容所から500キロ歩いてベルリンに逃げのび、奇跡的にブラジルへ脱出。
兄弟、両親、そして夫は全員殺されたが、生き延びた彼女も神経衰弱に苦しみずっと療養所生活を送った。
・・・とてもじゃないがピアノを弾ける精神状態ではなかった。
しかし同郷のルービンシュタインの優しくも熱い配慮のおかげで演奏活動を再開。その演奏は多くの人々の心を打つことになる。
アリア・レーベルの第44弾では、そんな彼女の衝撃的な人生を詳しくお伝えした。
そしてその最後を
そう、彼女が弾いたショパンの最後の曲(マズルカ作品68-4)を聴いてみてほしい。
この奇怪な曲をこんなに色彩豊かに美しく弾いた人がいただろうか。
http://www.youtube.com/watch?v=zckYkWxDByk
こんなふうに話して締めくくった。
それにしても、こんなマズルカを演奏する人・・・。
よく「マズルカはポーランド人にしか分からない」と言われる。
ほかの国の人間にはどうしても理解不能、再現不能な何かがあるのか。
ポーランド生まれのマリラ・ジョナスのマズルカは、確かに個性的で鮮烈。
リズムというかノリが普通の人となんか違う。
そのリズムは遊ぶでも舞うでも踊るでもなく、息をする感じ。
心臓が鼓動するように、「マズルカ」のリズムが奏でられる。
果たしてショパンが彼女の演奏を聴いたらどう思っただろう。
いずれにしてもジョナスを語るならマズルカを抜きにしては考えられない。
・・・にもかかわらず、アリアCDがせっかくリリースした第44弾には、残念ながらマズルカは1曲も収録されていなかった。
収録されているのはもちろんどれも彼女らしい印象的な演奏ばかりなのだが、いつか彼女のマズルカ録音をリリースしたい、いや、しなければならないと思っていた。
その後あまりの人気にびっくりしたARDMOREが、先に彼女の
10inch Columbia ML2004 を手に入れてマズルカの
Op.68-4, 67-2, 30-2, B flat major を商品化してしまった。
悔しかったが、仕方がない。早い者勝ちである。
しかし・・・このたび彼女のすべてのマズルカの録音を手に入れることができた。
念願のマリラ・ジョナスのマズルカ集を出すときが来たのだ。
ようやく彼女の伝説を甦らせるときが来たことを嬉しく思う。
今回のARDMOREの復刻は柔らかく深く優しい。店主の思い入れの強さを汲んでくれていつもに増して念入りなリマスタリングを行ってくれた。満足である。
ちなみに今回の第52弾は 1CD-R\1700の通常盤と、アリア・レーベルとしては初となる通常ジュエル・ケース入り(表裏ジャケと盤面印刷の仕様)の特別装丁盤
1CD-R\2500をご用意してみました。
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アリア・レーベル第44弾/ショパン作品集
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