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BRILLIANT 新譜
その12



「その11」はこちら

.(2022年9月 紹介新譜)


BRL 95421
¥1700
サン=サーンス:チェロソナタ集
 チェロソナタ
  第1番ハ短調Op.32
  第2番ヘ長調Op.123
アンドレア・ファヴァレッサ(Vc)
マリア・セメラーロ(pf)

 19世紀のフランスを代表する作曲家サン=サーンス。管弦楽による主要な作品は広く知られ大変人気があります。ピアニスト、オルガニストとしても活躍したサン=サーンスの音楽は、魅力的なメロディと、楽器の特徴を充分に引き出した音楽を備え持っています。2つのチェロソナタは、ドラマ性と静謐さのバランスが素晴らしく、このジャンルの中で傑作のひとつといえる作品でしょう。サン=サーンスの室内楽曲の中核をなす曲目でもあります。
 演奏するアンドレア・ファヴァレッサとマリア・セメラーロは、これまでブリリアントクラシックスに2つの録音を残しており、いずれも人気があり高い評価を得ています。

 

BRL 95756
¥1700
ヒンデミット:ピアノ連弾のための作品全集
 8つのワルツ 「暗い森の3人の美しい少女」Op.6、
 ラグタイム、交響曲「画家マティス」、
 ソナタ(1938)、ソナタ(1942)
シモーネ・ノッチ
フィリッポ・ファリネッリ(pf)

 パウル・ヒンデミット残したピアノデュオのための作品を全曲収録。ヒンデミットは、ヴィオリストとして活躍していましたが、ピアノも熟知しており、マルチ楽器奏者として鍵盤楽器による演奏も行っていました。作品は、常に高い技術のレベルを保ち、表現の独創性に富んでいます。ヒンデミットは、シェーンベルクやストラヴィンスキー、バルトーク、プロコフィエフらと並んで、20世紀初頭のピアノ・レパートリーを大きく発展させた革新者の一人に数えられています。
 特に、ソナタ(1942)は、その独創性と豊かなアイデアという点で、他のすべての作品を上回っている注目曲。この作品は、ピアノデュオのレパートリーにおいて、ストラヴィンスキーの「2台のピアノのための協奏曲」と並ぶ金字塔的作品ともいえるでしょう。
 演奏は、シモーネ・ノッチと、フィリッポ・ファリネッリ。ブリリアント・クラシックスでは、ヒンデミットのピアノソナタ全集を発表しており、他にも近現代音楽作曲家の作品を中心にリリースを続けています。

 

BRL 96202
(2CD)
¥1900
ピエトロ・アレッサンドロ・ヨン(1886-1943):
 オルガン曲全集第2集

  グレゴリオ聖歌風協奏曲(オルガン独奏のための)
  勝利のキリスト
  オルガンのための3つのコンポジション
  バストラーレ(ソナタ第4番より)
  シチリアのクリスマス
  待降節組曲(オルガンのための宗教的組曲第1番)
  幼子イエス
トッマーソ・マッツォレッティ(Org)

 ピエトロ・アレッサンドロ・ヨンは、オルガニストとして30年にわたる活動の中で、アメリカで約1,500回もの演奏会を行っており、カーネギーホールでも演奏しています。並外れたオルガンのための作品は、明らかにアメリカで新しく作られたオルガンの大きな可能性に触発されたもので、このオルガン作品全集の第2巻では、もともとオルガンとオーケストラのために書かれた有名な「グレゴリオ聖歌風協奏曲」を収録しています。マルコ・エンリコ・ボッシに捧げられたこの曲は、フィラデルフィアにある世界一巨大なパイプオルガン『ワナメーカーオルガン』の落成式のために書かれ、レオポルド・ストコフスキーが指揮台に立ちました。
 2021年1月に発売されたこの第1集では、「宗教的」なテーマにした作品をまとめていましたが、今回第2集ではクリスマスに関連する作品を紹介しています。これらの作品は、正確には「宗教的」ではなく、降誕祭のテーマやムードを表現した「ポピュラー」なものであると言えるでしょう。収録曲の最後には、パヴァロッティによって有名になった「幼子イエス」が収録されています。

 

BRL 96421
¥1700
イサベラ・レオナルダ(1620-1704):トリオソナタ全集
 オソナタOp.16
  [第4番、第7番、第1番、第11番、
   第3番、第8番、第6番、第5番、
   第9番、第2番、第10番]
エヴァ・アンナ・アウグスティノヴィチ
 (バロック・ヴァイオリン、指揮)
アンサンブル・ジャルディーノ・
 ディ・デリツィエ

 17世紀において最も多作な女性作曲家 イサベラ・レオナルダ。彼女の芸術へのオマージュの一枚です。モテットをはじめとする宗教音楽集を20冊以上、同時代の宗教曲のほぼすべてのジャンルにまたがる200曲近い作品を発表し、1600年代のイタリア女性による唯一の器楽曲集も出版しています。
 並外れた能力と才能を持った女性で、16歳のとき、聖オルソラ教会に入門。84歳で亡くなるまであらゆる役職を歴任するなど、作曲活動を行いながらこの修道院で活躍しました。
 宗教曲以外となる器楽曲は、このOp.16のトリオソナタだけですが、これほど多くの非典礼音楽を作った人はおらず、17世紀に教会のためのソナタを出版した唯一の女性でもあります。2つのヴァイオリン、ヴィオロン、通奏低音のために書かれたトリオソナタですが、後にアルカンジェロ・コレッリによって完成されるトリオソナタの発展に大きく貢献した1600年代の作曲家グループに属していたことがわかります。
 ヴァイオリニストのエヴァ・アンナ・アウグスティノヴィチによって2014年に設立されたアンサンブル・ジャルディーノ・ディ・デリツィエは、ローマを拠点としながら、国際的に活動する古楽のエキスパートによる女性で構成された四重奏団で、クリストフ・コワン、エンリコ・オノフリ、ファビオ・ビオンディら現代バロック演奏界の著名人が率いるグループ内でも活動しています。

 

BRL 96479
¥1700
J.S.バッハが作曲した有名曲
 2声のインヴェンションと3声のシンフォニア

  J.S.バッハ(フェルディナント・ダヴィット編):
   3声のインヴェンション(シンフォニア)BWV.787~BWV.801
    (2つのヴァイオリンとヴィオラのための)
   2声のインヴェンションBWV.772~BWV.786
    (2つのヴァイオリンのための)
  タネーエフ:
   2つのヴァイオリンとヴィオラのための三重奏曲ニ長調Op.21
ユリア・ベリンスカヤ
ヴァレンティーナ・ダネロン(Vln)
アンナ・セローヴァ(Vla)

 J.S.バッハが家族の音楽教育のために作曲した有名曲 2声のインヴェンションと3声のシンフォニア。
抽象的かつ普遍的な言葉とともに表現された音楽の純粋さと緻密度は、19世紀以降、多くの編曲を生み、さまざまな場面で演奏されるようになりました。バッハ自身も、ヴィヴァルディ、マルチェッロ、アルビノーニなど、自作・他作の再利用や編曲に熱心でしたから、恐らくこうした数々の「アレンジ」に異存はないのではないかと思われます。
 この録音では、インヴェンションを、演奏者自らが2つのヴァイオリンのために編曲した珍しい形で収録。各パートの独立した旋律は、バッハが目指した「カンタービレによる演奏スタイル」を追求しており、2つの弦楽器の自然な表現力によって見事に達成されています。
 シンフォニアは、フェルディナント・ダヴィッド(1810~1873)によって2つのヴァイオリンとヴィオラのために編曲された作品。ダヴィッドは、同時代を代表するヴァイオリニストであっただけでなく、フェリックス・メンデルスゾーンとのつながりも深く、19世紀初頭の「バッハ・ルネサンス」に深く関わり、バッハ作品の編曲にも大きな影響を与えていました。
 また、この録音では、タネーエフの2つのヴァイオリンとヴィオラのための大変美しい弦楽三重奏曲Op.21も収録。対位法の深い知識と巧みな応用力から、チャイコフスキーに「ロシアのバッハ」と呼ばれ、親しまれていた音楽です。

 

BRL 96589
¥1700
フランチェスコ・サントリクイード(1883-1971):室内楽曲集
 ソナタ イ短調(ヴァイオリンとピアノのための)
 明瞭な月 - 遅く、悲しくそして情熱的に
  (ヴァイオリンとピアノのための)
 夢 - 静かにゆっくりと(ヴァイオリンとピアノのための)
 3つの幻想曲「神聖なおとぎ話」
  (ヴァイオリンとチェロとピアノのための)
 アリアの技法(チェロとピアノのための)
 2つのチェニジアの銅版画[サハラ砂漠の夜、アラブの舞姫]、
 ノットルノ、ピッコラ・バッラータ、夜の庭、
 Ex Humo ad Sidera(ピアノのための)
グラン・デュオ・イタリアーノ
フェデリカ・デル・バーニョ(Vla)

 フランチェスコ・サントリクイード(1883-1971)は、1883年にイタリアのサン・ジョルジョ・ア・クレマーノで生まれ、のちにチュニジアのハマメットに滞在しアラブ音楽の勉強を始めています。3つのオペラ、バレエ、管弦楽曲、室内楽曲などが多数残されています。作曲の熟練度に加え、レスピーギにも匹敵する描写力も感じとることができます。
 このディスクでは、後期ロマン派のドラマティックな作品であるヴァイオリンソナタ、ヴァイオリンとピアノ、チェロとピアノのための小品、東洋的な色彩と音色が魅力的な狂詩曲と、即興曲風のピアノ独奏曲などを収録。
 これまでブリリアントクラシックスで、カステルヌオーヴォ=テデスコ、ミヨー、ロザリオ・スカレロ、オタカール・シェフチーク、レオポルト・アウアーなどの作品を発表し、充実したディスコグラフィーを作り上げているグラン・デュオ・イタリアーノによる演奏です。

 

BRL 96609
¥1700
弦楽のための音楽集
 チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番Op.11より
  「アンダンテ・カンタービレ」
   (チェロと弦楽合奏のための編曲版)
 アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲Op.35a
 エルガー:弦楽のためのエレジーOp.58
 ロベルト・フックス:セレナーデ第3番ホ短調
ドメニコ・ファマ指揮
オルフェオ管弦楽団

 19世紀の最後の数十年から20世紀初頭にかけて、弦楽合奏のレパートリーの黄金時代が現れます。音の密度、ダイナミックレンジの広さ、長いフレーズの柔らかい描き方、楽器の妙技など、オーケストラの編成の典型的な要素を含んだ音楽言えるでしょう。この時期、豊かな民俗文化にインスピレーションを求め、多くの名曲が誕生します。
 極めて有名なチャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレOp.11。そして、そのチャイコフスキーの影響を強く受けた作曲家でピアニストのアレンスキーによる、チャイコフスキーの主題による変奏曲Op.35a。この曲は、1894年にチャイコフスキーの死を悼んで書かれた「弦楽四重奏曲第2番」の第2楽章を作曲者自身が弦楽合奏のために書き下ろした作品です。続くエルガーの「弦楽合奏のためのエレジー」は、その痛切な美しさと暖かい郷愁が響く弦楽曲の名曲と言えるでしょう。そしてロベルト・フックスは、ウィーン・ロマン派音楽の伝統を受け継いだ作曲家。ブラームスから「素晴らしい音楽家」と評価されたフックスは、ウィーン音楽の新鮮で優雅なスタイルと、ポピュラー音楽から得たメロディをうまく統合しているのが特徴です。
 オルフェオ管弦楽団は、2020年に若く意欲的な指揮者ドメニコ・ファマによって設立され、重要なコンサートホールやフェスティバルで演奏しながら、急速に国際的なキャリアを築き上げつつある注目の団体です。

 

BRL 96611
¥1700
ジャック=ジュール・ブーフィユ(1783-1868):
 クラリネットのための室内楽曲集

  クラリネットとピアノのための二重奏曲Op.4、
  クラリネット二重奏によるボワエルデューの歌劇
   「白衣の婦人」の序曲
  3つのクラリネットによる
   三重奏曲Op.8-1、三重奏曲Op.7-1、Op.7-2
ルイジ・マジストレッリ、
 ラウラ・マジストレッリ、
  クリスティーナ・ロマーノ(Cla)
クラウディオ・ブラッコ(pf)

 ジャック=ジュール・ブーフィユの生涯については、残念ながらほとんど知られていません。同じパリで、チェコ出身のアントン・ライヒャが、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの5つの楽器による五重奏団を結成し、管楽器のための作品を発表しています。この五重奏曲は、クラリネット奏者のブーフィユをはじめとする演奏家の質の高い演奏によって、広く知られ、人気を博しました。ブーフィユが残したクラリネットの二重奏と三重奏のためのこれらの作品は、この楽器のために書かれた最も魅力的で独創的な曲と言えます。本格的な作品で、高い技術を持った演奏者を想定して作られたものだったのかもしれません。
 イタリアの著名なクラリネット奏者 ルイジ・マジストレッリによって、これらの作品は初めて録音されました。クラリネット奏者と音楽愛好家の双方に喜びを与えてくれる演奏集となるでしょう。

 

BRL 96623
¥1700
フランチェスコ・ボンポルティ(1672-1749):
 2つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタOp.4

  第1番ト短調、第2番ロ短調、第3番イ短調、
  第4番変ロ長調、第5番ホ長調、第6番イ長調、
  第7番ニ長調、第8番変ホ短調、
  第9番ヘ長調、第10番ハ長調
ラビリンティ・アルモニチ

 フランチェスコ・ボンポルティは、生涯の大半を故郷の北イタリアのトレントで過ごしました。ローマで学び、アルカンジェロ・コレッリに影響を受け、その模倣的対位法に劇的な要素を取り入れることにより、ボンポルティの名声はヨーロッパ中に広まります。のちにJ.S.バッハは彼のヴァイオリンソナタの一部をチェンバロ用に編曲しています。
 技術的に洗練され、ヴィルトゥオーゾ的なタッチ、想像力豊かな和声、生き生きとしたパート譜など、ボンポルティの作曲スタイルは明らかにコレッリを模範としています。収録されたOp.4は、「教会ソナタ」としてほぼすべてが4楽章で構成されています。第1ヴァイオリンが主に主役で、他の2つの楽器は通常伴奏を担当するといった形で曲が進みます。速い楽章では演奏者の技巧が要求され、遅い楽章では繊細で心地よい、そして少し憂鬱感のある旋律が印象的です。
 イタリアのラビリンティ・アルモニチは、2つのヴァイオリン、チェロ、チェンバロ/オルガンで構成され、希少なバロック音楽を専門に演奏するグループです。既にブリリアントクラシックからはボンポルティのソナタOp.1、Op.2をリリースしています。

 
BRL 96638
¥1700
シルヴァーノ・ブソッティ(1931-2021):ギター曲全集
 Ermafrodito、Ultima Rara、
 "Giacchi lu tempu rigidu" by Don Ciccio Gueli、
 Popolaresca、Rara、Tramontana、
 Nuvola Barocca、A piece for Guitar by Toru Takemitsu
アルベルト・メシルカ(Guitar)
ルカ・スカルリーニ(Voice)

 シルヴァーノ・ブソッティは、イタリアの現代クラシック音楽の作曲家であると同時に、画家、舞台装置・衣装デザイナー、オペラ演出家、作家、学術教師と多くの場で活躍しています。作曲家としては、ウェーベルンや後のジョン・ケージの12音技法に影響を受けています。また、「サドによる受難劇」や「ロレンザッチョ」など、私生活を反映した図形楽譜を作品に用いた例もあります。第二次世界大戦後、フィレンツェの芸術家集団として活躍した作曲家でもあり、歴史的な前衛芸術から派生した芸術の共感覚を追求するなど、音と視覚の相互作用で実験していました。
 ギタリストのアルベルト・メシルカは、ブソッティと生前密接な関係にあり、この新録音は、偉大な巨匠と思想家へのオマージュとして録音しました。

 


.(2022年8月 紹介新譜)

BRL 96182
(9CD)
¥5100
ジョヴァンニ・バティスタ・マルティーニ(1706-1784):
 オルガン曲全集
マヌエル・トマディン(Org)
  Disc. 1
   ソナタOp.2-3/聖体拝領後の祈願 ハ長調/アリア第11番変ロ長調/
   オルガンのためのピエーノ第11番アンダンティーノ/ソナタ(付録)/聖体奉挙 変ホ長調/
   ソナタ ニ長調/ソナタOp.3-1/オルガンとフルートのためのソナタ ハ長調/
   ソナタOp.3-4/オルガンのためのピエーノ第10番アンダンテ/ソナタOp.3-2/
   オルガンのためのピエーノ第25番アンダンテ/トッカータ ハ短調
  Disc. 2
   トッカータ ハ短調/アリア第13番ニ長調/聖体拝領後の祈願 ト長調/ソナタOp.2-5/
   オルガンのためのピエーノ第24番アンダンテ/ソナタOp.2-7/
   聖体拝領後の祈りのためのオルガンソナタ ハ長調/ソナタ変ホ長調/アリア第16番ハ長調/
   フルート管によるソナタ ハ長調/オルガンのためのピエーノ第17番ラルゴ/オ
   ルガンソナタ ヘ長調/トッカータ第3番ニ長調/ソナタOp.2-6/
   ソナタ第5番 バレット/ヴェルセット第1番~第5番/トッカータ ロ長調
  Disc. 3
   オルガンソナタ ハ短調/前奏曲ホ短調/パストラーレ ハ長調/序曲とアレグロ第3番、第4番ニ短調/
   聖体奉挙 へ長調/トッカータ ロ長調/ソナタOp.2-4/オルガンのためのピエーノ第6番アンダンテ/
   ソナタ第14番変ロ長調/聖体拝領後の祈願 ニ長調/Grave per la Benedizione/トッカータ ト長調/
   オルガンのためのピエーノ第14番アンダンテ/前奏曲とソナタ第1番、第2番ハ短調/前奏曲変ロ長調/
   ソナタ イ長調/オルガンソナタ イ短調/ソナタ ハ長調/ソナタ ヘ長調/トッカータ変ロ長調
  Disc.4
   ソナタOp.2-2/奉献のためのトッカータとフーガ ト長調/ソナタOp.2-8/
   オルガンのための4つのヴェルセット/ソナタOp.2-9/フルート管によるソナタ第3番 へ長調/
   ソナタOp.2-11/「神に感謝する」によるトッカータ ニ長調
  Disc. 5
   トッカータとフーガ ニ長調/聖体奉挙のためのソナタ ト短調/聖体拝領後の祈願 変ロ長調/
   死者からのミサ曲/アリア第9番イ長調/祝福とトッカータのために 変ロ長調/
   オルガンのためのピエーノ第18番アンダンテ/奉献ソナタ ト長調/
   アリア第10番へ長調/聖体奉挙 ニ長調/オルガンのためのピエーノ第8番ハ長調/
   ラルゴ ホ長調/ミサ・ソレムニス/聖体拝領後の祈願 ハ長調/聖体奉挙 ヘ長調
  Disc. 6
   オルガンのためのピエーノ第20番アンダンテ・モッソ/奉献 イ長調/聖体奉挙 ト長調/
   フーガ変ロ長調/聖体奉挙のためのソナタ 変ホ長調/オルガンのためのピエーノ第1番ニ短調/
   トッカータ ハ短調/オルガンのためのピエーノ第7番ヘ長調/聖体奉挙 変ホ長調/
   フルート管によるソナタ ニ長調/Grave e toccata per Benedizione ト長調/
   オルガンのためのピエーノ第2番ハ長調/ソナタOp.3-3/ソナタOp.3-6/
   奉献ソナタ イ長調/聖体奉挙ソナタ ト長調/オルガンのためのピエーノ第16番アンダンテ/
   パストラーレ ハ長調/拝領祈願 ヘ長調/トッカータ ト長調
  Disc. 7
   奉献のためのトッカータとフーガ ト長調/ソナタ ト長調/聖体奉挙 ト短調/
   オルガンのためのピエーノ第23番アンダンテ/トッカータ 変ロ長調/オルガンソナタ ヘ長調/
   祝福とトッカータのために ト長調/パストラーレ第2番ハ長調/ソナタ ハ長調/
   フルート管によるソナタ へ長調/オルガンのためのピエーノ第9番アンダンテ/
   トッカータ第2番ハ短調/オルガンのためのピエーノ第12番アダージョ/トッカータ ホ長調/
   オルガンのためのピエーノ第26番アンダンテ/トッカータ第1番ハ長調/
   ヴェルセット第1旋法とアーメン ニ短調/拝領祈願 変ロ長調/トッカータとフーガ変ロ長調/
   ソナタ変ロ長調/トッカータ ト短調/フルート管によるソナタ へ長調/
   「神に感謝する」によるトッカータ ト長調
  Disc. 8
   ソナタOp.2-10/
   奉献のためのトッカータとフーガ
    [奉献のためのトッカータ、奉献のためのフーガ、グラーヴェ、トッカータ]/
   アレグロ ハ短調/アダージョ ハ長調/聖体奉挙第2番ヘ短調/
   オルガンのためのピエーノ第22番アンダンテ/フーガ イ短調/ソナタ変ホ長調/
   オルガンのためのピエーノ第19番アンダンテ/フルート管による拝領祈願ソナタ ニ長調/
   オルガンのためのピエーノ第4番ラルゴ/アリア第12番イ長調/
   オルガンのためのピエーノ第5番アンダンテ/ソナタ ハ長調/奉献ソナタ第2番ト短調
  Disc. 9
   ソナタ ト長調/オルガンのためのピエーノ第13番ラルゴ/ソナタ ハ長調/
   オルガンのためのピエーノ第15番アンダンテ/ロンドー ハ長調/
   オルガンのためのピエーノ第21番ラルゴ/前奏曲へ長調/アレグロ へ長調/
   ソナタOp.2-1/アレグロ ト短調/アリア第20番ニ長調/ソナタOp.2-12

 18世紀ヨーロッパ音楽界の重鎮 ジョヴァンニ・バティスタ・マルティーニのオルガン作品の初完全録音集です。
 マルティーニは、ラテン語で幾何学に関する論文を発表するなど、天才的な頭脳と、情熱を持っていました。対位法や音楽史に関する包括的な書物を残し、その博識ぶりをJ.C.バッハ、グレトリ、ヨンメッリ、モーツァルト、ナウマンなど、当代きっての作曲家となる多くの弟子に伝授しています。
多様なスタイルの作品を残しており、生き生きとした精神に基づく音楽になっています。12のソナタOp.2が代表的ですが、フランスの舞曲、組曲、またイタリアのトリオソナタなど、変化に富んだ音楽も魅力です。それらは、チェンバロとオルガンのどちらでも演奏できるような作品になっています。
 また典礼用の短い曲も数多くあり、マルティーニが60年にわたり音楽監督を務めたボローニャ教会での活動を、容易に想像できる貴重な録音集です。
 バロック時代以降であまり知られていない作曲家の鍵盤楽曲を初めて完全版として蘇らせるという難儀な企画に取り組み続けている、今世界で最も注目されているオルガニスト マヌエル・トマディン。壮大な企画がまたひとつの形となって登場します。

 

BRL 96184
¥1700
ジョン・デュアート(1919-2004):ギター曲集第1集
 イギリス組曲第2番Op.77、古風な組曲Op.47、
 歌と舞曲Op.117、バディネリOp.32a、
 舞踏曲第1番Op.71、第2番Op.87
 変異Op.58、Op.58a、Sans Cesse Op.34
ベルフォール・ギター・デュオ
 [アントニオ・デ・イノチェンティス、
  ニコラ・モンテラ(Guitar)]

 ジョン・デュアートの作品を単独でリリースするにあたり、演奏者のベルフォール・ギター・デュオは、デュアートの息子クリストファーとの綿密な打ち合わせを繰り返し、過去の作品や未録音の作品を中心に選曲し、大変有意義な一枚をここに作り上げました。
 それぞれの作品は、異なる特徴を持っていますが、一貫していえることは、演奏への器用さを求め、協調性を持って演奏することを要求していることです。
 第1集となる今回は、イギリス民謡を主題とした組曲、ピエール・ファレーズのシンプルな主題と和声を引用した組曲、ギターのコンクールの課題曲しても取り上げられる作品や、スペインのピアニストにちなんだ作品なども含まれています。
 どこを聴いてもちょっと面白いギター音楽。この後も継続してデュアートの作品集が登場する予定です。

 

BRL 96221
¥1700
レスピーギ:オルガンによるトランスクリプション集 ロドルフォ・ベッラッティ(Org)
 リュートのための古風な舞曲とアリア
  第1組曲より
   第1曲「小舞踏曲」、第3曲「ヴィラネッラ」、第2曲「ガリアルダ」
  第3組曲より
   第1曲「イタリアーナ」、第4曲「パッサカリア」、第3曲「シチリアーナ」
  第2組曲より
   第1曲「優雅なラウラ」、第4曲「ベルガマスカ」
  第3組曲より
   第2曲「宮廷のアリア」、第2組曲より第2曲「田園舞曲」、第3曲「パリの鐘」
  第1組曲より
   第4曲「酔った歩みと仮面舞踏会」
  組曲「鳥」[前奏曲、鳩、めんどり、夜鳴きうぐいす、かっこう]
 (全曲 ロドルフォ・ベッラッティによるオルガン編曲版)

 真のイタリア音楽文化の中で、新たな音楽表現を主張しようとしたレスピーギ。世界で認められた最初の作品としてモンテヴェルディの「アリアンナの嘆き」の編曲があります。このディスクに収録された組曲の編曲の前身と言えるかもしれません。
 レスピーギの"古風な舞曲"はとても自由な作品で、過ぎた時代を懐かしむようでありながら、少し皮肉も込められたような音楽でもあります。
 演奏者のロドルフォ・ベッラッティは、組曲全体の流れやバランスを考慮し、演奏順を変える工夫を施しています。色彩と形式を尊重すると同時に、古い調律システムによる感情的な部分の雰囲気もうまくとらえており、原曲の性質を最大限に引き出しています。
 またレスピーギの代表曲、組曲「鳥」も収録。高い編曲技術が光る作品となっています。

 

BRL 96311
(2CD)
¥1900
リチャード・ジョーンズ(1680?-1744):
 ハープシコードの練習のための組曲集

  組曲
   第1番ニ短調、第2番イ長調、第3番変ロ長調、
   第4番イ短調、第5番ロ短調、第6番
フランチェスコ・フォルナサロ
 (Harpsichord)

 ヘンデルと同時期にロンドンで活躍していたリチャード・ジョーンズの作品集です。ヘンデルとは異なる構想と創作内容によるバロック組曲全6曲。18世紀前半のロンドンは、ヘンデルの存在に圧倒され、他の優れた音楽家の存在がなかなか見えてこなかった時代と言っても過言ではありません。このジョーンズもその不遇な作曲家のひとりで、資料もほとんど残っていません。ヴァイオリニストとして活動していたようですが、作曲家としての足跡を見つけるのは非常に困難です。幸いにも残されたこの組曲は、ヘンデルやパーセルに匹敵するほどの変化に富んだ音楽と言えます。
 伝統的な組曲の順序とは異なっており、豊かな和声、大胆な発想は、勢いのあるリズムが印象的で、技術面でもかなり挑戦的であると言えるでしょう。知的自由、奇抜さ、独立性をもって自分の音楽を確立したリチャード・ジョーンズを知った喜びを感じずにはいられない1枚です。
 演奏は、ワンダ・ランドフスカ国際チェンバロ・コンクールの協奏曲部門で第1位を獲得したフランチェスコ・フォルナサロ。熱心にジョーンズの研究をした証として、ブックレットの充実した内容も特筆できます。ブリリアント・クラシックスへのデビューアルバムです。

 

BRL 96565
¥1700
カール・フリードリヒ・アーベル(1723-1787):
 ヴィオラ・ダ・ガンバのための6つのソナタ

  ソナタ第1番ハ長調WKO141、第2番イ長調WKO142、
  ヴィヴァーチェ ニ長調WKO190、
  小品(メヌエット)ニ長調WKO193
  ソナタ第3番WKO143、第4番WKO144、
  小品(メヌエット)ニ短調WKO206
  ソナタ第5番イ長調WKO145、第6番ホ短調WKO146、
  小品(タイトルなし)(ペンブローク写本)
マルコ・カソナート(Viola da Gamba)
マッシモ・マルケーゼ(Theorbo)

 カール・フリードリヒ・アーベルは、バッハ一族と強いつながりを持つ音楽家でもあります。アーベルの父クリスチャン・フリードリヒは、J.S.バッハと仕事でもプライベートでも付き合いがあったようで、クリスチャン亡き後、カールはバッハ一家に預けられることになります。そこで、大バッハから即興演奏の技術などを学んでいきます。のちにヨハン・クリスチャン・バッハとも交友を持ち、このディスクに収録されたソナタなどを作り上げました。比較的単純な作品ですが、アーベルの豊かな才能が、旋律へと注ぎ込まれている音楽です。演奏中に即興で装飾音を施したこともあったようで、装飾の彩りを加えた録音となっています。またテオルボが使用され、珍しさだけでなく、ヴィオラ・ダ・ガンバの雰囲気にも適した響きが印象的です。広い跳躍、生き生きとした弓使い、複雑な指使いなど発見の多い音楽集になっています。

 

BRL 96586
¥1700
ボルトキエヴィチ:室内楽曲集
 悲歌Op.46(チェロとピアノのための)
 3つの小品(ヴァイオリンとピアノのための)
  [4分の3拍子でト長調Op.48-5、
   子守唄イ長調Op.15-4、4分の3拍子でホ短調Op.48-2]
 4つの組曲Op.63(ヴァイオリンとピアノのための)
 3つの小品Op.25(チェロとピアノのための)
 ヴァイオリンソナタ ト短調Op.26
クリスティアン・ペリシナル(Vln)
ポール・コックス(チェロ)
ニルス・フランケ(pf)

 ボルトキエヴィチはウクライナのハルキウ生まれで、チャイコフスキーやアントン・ルービンシュタインに影響を受け、サンクトペテルブルク音楽院でリャードフに理論を学んでいます。ライプツィヒに留学後、ベルリンで生活するようになります。
 ボルトキエヴィチの代表作とも言えるヴァイオリンソナタは、哀愁のある旋律、終楽章のラクリモーサ(涙の日)、鐘、フィナーレのロシア舞曲など、巧妙な音楽技法が大変印象的な作品です。また4つの組曲Op.63は、郷愁ただよう音楽。3つの小品は、ピアノ独奏曲の情緒をうまく残しながら編曲した作品。いずれもボルトキエヴィチの特徴が聴きとれる音楽が続きます。
 当時のソビエトを取り巻く社会的、経済的苦境を乗り越えてきたボルトキエヴィチの音楽が再び注目されることを願いたい、そんな一枚です。

 

BRL 96621
¥1700
ヨハン・ゴットリープ・ヤーニチュ(1708-1763):教会ソナタ集
 教会ソナタ ホ短調(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
 変ロ長調(オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のための)
 ト短調(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
 変ロ短調(2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
 イ長調(オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音のための)
ベルリン・フライデー・アカデミー

 フリードリヒ大王の宮廷で演奏された優雅で魅惑的な室内楽曲。あらたな歴史的考察に基づいた新録音が登場です。
 この録音でのオルガンは、王の妹アンナ・アマーリア王女がかつて所有していた由緒あるオルガンです。現代ではオルガンといえば教会での音楽を連想しますが、18世紀の裕福な家庭では小型のオルガンを所有し使われていたようです。ヤーニチュは、この録音のように「教会」ソナタの通奏低音パートをオルガンに指定していることが特徴です。
 この5曲の教会ソナタは、必ずしも教会での演奏を想定したものではありませんが、「室内ソナタ」とは区別され、活発なフーガに先立つ遅い序奏、荘厳な緩徐楽章、対照的な終曲という形式的な構造を示しました。ヤーニチュはコレッリを手本にしながら、北ドイツ的な変化を加えた斬新なスタイルで、フリードリヒ宮廷の有名な同時代の音楽との共通感を与えます。
 ベルリン・フライデー・アカデミーは、18世紀音楽の演奏、録音、学術的な議論を通じて音楽美を追求する世界中の若手ピリオド音楽家のアンサンブルで、このレパートリーはベルリンではお馴染みのものとなっています。

 

BRL 96626
¥1700
イザベラ・レオナルダ(1620-1704):作品集
 4声のグロリオーサ・マーテル・ドミニ(Sacri concenti Op.3より)
 4声のメメント・レールム(Sacri concenti Op.3より)
 サルヴェ・レジーナ
  ソプラノ独唱と2つのヴァイオリンによる(モテットOp.7より)
 4声のIn caelis gloria(モテットOp.13より)
 ソナタ第9番
  2つのヴァイオリンのための(ソナタ集Op.16より)
 O flammæ ソプラノ独唱による(モテットOp.6より)
 O dulce sonare
  3声と2つのヴァイオリンによる(モテットOp.7より)
 O anima mea
  (Dresden Mus. 1737-E.500 & Uppsala Mus: hs.28:1)
 Dialogo: Quo pergis anima(Sacri concenti Op.3より)
 主は言われた 4声と2つのヴァイオリンによる
  (コンチェルタート様式の詩編集Op.19より)
カンダス・スミス指揮
カペラ・アルテミージア

 17世紀の女性作曲家イザベラ・レオナルダの多彩な作品集の登場です。
 ウルスラ会修道院に入り生涯を過ごした彼女は、豊かな音楽の才能を持ち合わせていました。1640年、20歳の時に最初の音楽集を出版。その後15の曲集が出版され、ミサ曲や詩篇、賛美歌などを残しました。のちにフランスのコレクターは"とても博識でとても賢明である"と評し、レオナルダの作品がとても魅力的であると紹介しています。
 このディスクは、モテットから独唱、オブリガートヴァイオリンや通奏低音を含んだ多様な作品でレオナルダの音楽に迫ります。大胆な半音階と幅広い調性を持った、非常に表現豊かで知的な作品です。18世紀の"聖なる音楽"のジャンルで見落とされていたレオナルダの作品に耳を傾ける良い機会となることでしょう。



.(2022年7月 紹介新譜)


BRL 96091
¥1700
ヘンデル:オーボエ協奏曲集
 コンチェルト-
  パスティッチョ ハ長調、協奏曲ト短調HWV.287、
  ハ短調、合奏協奏曲ト長調HWV.314、
  5声の協奏曲ハ短調
 コンチェルト-パスティッチョ ニ長調
アンドリウス・プスクニギス(Obe)
ヴィンセント・ベルンハルト
 (Harpsichord、指揮)
クライペダ室内管弦楽団

 ヘンデルは、オーボエをこよなく愛し、オラトリオ、オペラ、合奏協奏曲、ソナタなどの多くの独奏パートをオーボエに割り当てました。ただ現存する協奏曲は少なく、ヘンデルの協奏曲というと主にオルガン協奏曲が思い浮かびます。その他の協奏曲を数えてみますと、ヴァイオリンが1曲とオーボエが3曲だけとなっています。このアルバムは、これまでのさまざまな研究を踏まえて、指揮者のベルンハルトが、当時の合奏協奏曲の特徴を捉え、オーボエを中心に新しい楽器編成で演奏しています。ヘンデルとオーボエの新たな魅力を提示した一枚です。

 

BRL 96164
¥1700
フランシスコ・ソト・デ・ランガ(1534-1619):20の精霊の讃歌 アレッサンドロ・クアルタ指揮
スペイン国立ローマ教会礼拝堂
 Ringratianti, o Giesu buono、Nell'apparir del sempiterno Sole、
 Dammi un bel cor, Signore、Che fai, Alma?、Anima mia dolente Gioia & amore、
 La Regina celi、Alma dexa la tierra、Signor ti benedico、Vergine poverella、
 No ves mi Dios、D'amoroso dolor Si tus penas no pruebo、Quando vedro、
 Discepolo & Maestro: Io vorrei mutar vita、Nino que hoy nacido has、
 Fieri lacci, e catene Quand'io ripenso、O dolcezza、Per che m'inviti pur
 (Il Primo libro delle laude spirituali, 1583、Il Quinto libro delle laudi spirituali, 1598、
  Il Secondo libro delle laudi spirituali, 1583、Il Terzo libro delle laudi spirituali, 1588、他より)

 16世紀末のローマで生まれた聖歌と讃美歌を世界初録音。忘れられた作曲家の作品を、ラウダ・スピリチュアリの豊かな伝統を蘇らせます。
 ラウダ・スピリチュアリとは、中世イタリアで生まれた会衆賛美の歌で、典礼語であるラテン語ではなく、現地の言葉で歌われるもので、アッシジの聖フランチェスコやヤコポーネ・ダ・トーディなどが有名です。
1534年にスペインで生まれたフランシスコ・ソト・デ・ランガは、1562年6月にシスティーナ礼拝堂の合唱団に参加し、カストラートとして活躍しました。
 またローマでは、オラトリオの創始者である聖フィリッポ・ネリと出会います。このアルバムに収録されているラウダ・スピリチュアリは、ネリのために作曲・編曲された作品です。地方の讃美歌の伝統は、無伴奏で複数の人がひとつの旋律を歌うユニゾン歌唱から、和声や単純なポリフォニー、そして楽器伴奏による精巧なものへと発展していきました。これらの歌曲や賛美歌は、基本的には大衆的で、親しみやすい性格の作品です。

 

BRL 96344
(3CD)
¥2300
ヨハン・ゴットフリート・ミューテル(1728-1788):
 ハープシコードのための二重奏曲とソナタ集

  Disc. 1 二重奏曲変ホ長調 IJM21、ソナタ第2番
  Disc. 2 ディヴェルティメント変ロ長調 IJM2、ソナタ第1番
  Disc. 3 ソナタ第3番、二重奏曲ハ長調 IJM20
アンナ・クレメンテ
ジャコモ・ベネデッティ(Harpsichord)

 ミューテルは、鍵盤楽器奏者で即興演奏に優れていました。多くのスケッチを残していますが、完成させたものは少なく、比較的少数の作品しか残っていません。情緒的なニュアンスに富んだパッセージと、強い和声のコントラスト、対位法の巧みな使い方、きらびやかな即興的テクニックが調和した多感様式をたどることができます。
 ミューテルの作品の大半は鍵盤楽器のもので、このアルバムは、成熟期の多岐にわたる段階を踏んだミューテルと、楽器の時代変遷がわかります。

 

BRL 96357
¥1700
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813):
 クラリネットソナタ、ハープシコードのためのソナチネ集

  クラリネットソナタ変ロ長調、
  ハープシコードのためのソナチネOp.1-1、Op.2-5、Op.1-2
  クラリネットソナタハ長調、
  ハープシコードのためのソナチネOp.2-6、Op.2-1、
  クラリネットソナタ変ホ長調
デュオ・キロ
 [ロドルフォ・ラ・バンカ
   (Historical Clarinet)
  キアラ・ティボーニ
   (Harpsichord)]

 かつて、ハイドンやモーツァルトとアンサンブルを行っていたというヴァンハル。シューベルトは、ヴァンハルを最高の作曲家のひとりと讃えていました。
 モーツァルトが音楽にクラリネットを組み込むようになると、ハイドンは「天地創造」でその楽器を効果的に使い始めます。するとクラリネットは、アマチュア奏者の間で急速に普及していくのですが、ヴァンハルはその流れに乗ってこの魅力的で流麗なソナタを作曲したのかもしれません。作品は、緩徐楽章でも悲壮感はなく、比較的シンプルな動きと印象的なレガートの旋律が続きます。演奏者と聴衆の双方に喜びを与えるような音楽と言えるでしょう。

 

BRL 96385
¥1700
デュセック:ヴァイオリンソナタ第1集
 ソナタ
  ハ長調Op.8-1 CrawD 54
  ヘ長調Op.8-2 CrawD 55
  イ長調Op.8-3 CrawD 56
ユリア・フーバー(Vln)
ミリアム・アルトマン(fp)

 1789年頃パリで出版された作品8から始まるヴァイオリンソナタの全曲集が始まります。この曲は「伴奏付きピアノソナタ」と呼ばれるジャンルに属し、音楽的な本質は鍵盤楽器であり、オブリガート楽器(ヴァイオリンやフルートなど)が必要に応じて加わります。このような配置は、18世紀から19世紀初頭にかけて、育ちの良い女性が優れたピアニストになり、自分たちで楽しむか、あるいは伴奏者がいれば、一緒に演奏することができたという文化に由来しています。ここまで、順調にリリースを続けてきたピアノソナタ集に続くデュセックのヴァイオリンソナタ集。高度なコントラストとダイナミックな表現は、デュセックの音楽の特徴です。

 

BRL 96413
(2CD)
¥1900
J.S.バッハ:オルガン編曲集 ステファノ・モラルディ(Org)
 Disc. 1
  シンフォニア(カンタータ第29番より アレクサンドル・ギルマン編)
  Bleibt, ihr Engel, bleibt bei mir(カンタータ第19番より)、Ehre sei Gott in der Höhe(カンタータ第110番より)
  Wer bist du? Frage dein Gewissen(カンタータ第132番より)、
  Christi Glieder, ach bedenket(カンタータ第132番より)
  Herr, der du stark und machtig bist(カンタータ第10番より)
  Komm susses Kreuz(マタイ受難曲より)、O Mensch, bewein dein Sunde groB(マタイ受難曲より)、
  Von den Stricken meiner Sunden(ヨハネ受難曲より)
  フーガBWV.539、トリオ ト長調BWV.1027
 Disc. 2
  6つのコラール集(シュープラー・コラール)より
   「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV.645、「われいずこにか逃れゆくべき」BWV.646、
   「愛する御神の統べしらすままにまつろい」BWV.647、「わが魂は主をあがめ」BWV.648、
   「ああ、われらと共に留まりたまえ、主イエス・キリストよ」BWV.649、
   「イエスよ、今ぞ御空より降り来たりて」BWV.650
  トリオソナタ第1番変ホ長調BWV.525、トリオ ハ長調BWV.1014-3、トリオ ハ短調BWV.21-1
  トリオソナタ第4番ホ短調BWV.528、前奏曲 トリオとフーガ変ロ長調BWV.545b

 オルガンやチェンバロ、あるいはピアノといった単一の楽器で、複数の楽器や声楽を必要とする曲に編曲することは、その作曲家に形式や演奏法に関する新しいアイデアを提供することになります。18世紀はトランスクリプションが盛んな時代であり、J.S.バッハは、その頂点に達したひとりと言えるでしょう。
 ワイマール時代のバッハは、オルガン(ヴィヴァルディの協奏曲3曲、ヨハン=エルンストの協奏曲2曲)とチェンバロ(イタリアの作曲家の作品14曲)のための編曲を行っています。また、自分の作品である器楽曲や声楽曲も鍵盤楽器のために編曲を施して見事な作品に作り替えました。この録音は、J.S.バッハの作品で、オルガン以外の楽器のために書かれた作品でありながら、オルガンのために編曲した作品を集めています。
 演奏は、既にJ.S.バッハのオルガン作品全集、バッハ一族のオルガン作品、クーナウのオルガン作品全集など、幅広いレパートリーを録音しているステファノ・モラルディ。ブリリアントクラシックスからリリースされたこれらの演奏は、世界中で高い評価を得ています。

 

BRL 96456
¥1700
ハンス・ノイジトラー(1508-1563):リュート曲集 ヤヴォル・ゲノフ(Lute)
 Preambel、Ein gut trium mit sconen fugen、Benedictus (Isaac) 、Vostrea Jamais (Ghiselin) 、
 Der recht Studenten Tantz Plus multz regres (Josquin) 、Die not sucht weg (Senfl) 、
 Es taget vor dem holtze、Ich het mit ein Annelein (Senfl) 、
 Der recht Ho Tanz、Ein gut Preambel Ein guter welscher Tanz、In te Domine speravi (Josquin) 、
 Ein gutter Venecianer Tanz、Mille regretz (Josquin) 、
 Ein seer guter Organistischer Preambel Lamora (Isaac) 、Tus Biens (Ghiselin) 、
 Ein ander Welscher Tanz、La Bernardina (Josquin) 、
 Ich bin ein fi sher au­ einem see、Benedetur So wunsch ich jr ein gute nacht (Stoltzer) 、
 Preamel、Adieu mes amours (Josquin) 、
 Der Beyrisch Bot、Est is nit alles Golde Ein Welisch tenzlein Clira Cassa、Wascha mesa

 アルプスの北に位置するニュルンベルクは、画家のアルブレヒト・デューラーをはじめ、ルネサンス期から多くの文化が発達しました。その文化的生活から、リュートの製作とリュート演奏の伝統が生まれ育ちます。それを支えたのがこのハンス・ノイジトラー。リュートの真の先駆者で、フランコ・フランドル楽派のポリフォニー音楽を、リュートに適応させた作曲家です。
 ノイジトラーは1536年に8巻のリュート音楽集を出版。初心者向けと上級者向けの2種類に分けました。このアルバムは、上級者向けの作品を収録。当時の有名な作曲家の声楽曲をリュート作品に編曲する技術と、自由な形式の序奏など独創性を見事に発揮した作品です。

 

BRL 96564
¥1700
ハプスブルク家の「エデンの園」 ― 室内楽曲集 アンサンブル・アラヴァ
 アントニオ・カルダーラ(1671-1736):Risoluto son gia tiranno amore
 フランチェスコ・アントニオ・ボンポルティ(1672-1749):半音階的アリアと変奏第1番イ短調
 ヘンデル:恋する魂はHWV.173
 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):ソナタ第6番ハ短調C143
 マルカントーニオ・ツィアーニ(c.1653-1715):救い主のうるわしき母
ゲオルク・ムッファト(1653-1704):ヴァイオリンソナタ ニ長調

 17世紀末から18世紀初頭にかけて、神聖ローマ帝国の権力の中心であったウィーン、ザルツブルク、ローマには、才能溢れた作曲家たちが集まっていました。ヴェネツィア出身のカルダーラは、ウィーンの宮廷カペルマイスターを目指し、1708年に皇帝カール6世の結婚式の音楽を作曲します。ローマでは、若きヘンデルが大成功を収め、やがて皇帝の寵愛を受けます。このディスクでは、この二人の作曲家による世俗カンタータを中心に録音。緻密な器楽伴奏と、華麗で技巧的な歌唱による声の輝きが際立つ作品です。このカンタータの表向きのテーマは、牧歌的な "妨害された片思い" という定番のものですが、実は "帝国の権力" を表現していると思われます。他に収録された作品の作曲家、ボンポルティ、ツィアーニ、ビーバー、ムッファトも、イタリアを舞台に演奏家、作曲家としての名声を得ました。
 ドイツを拠点に活動する4人の若い音楽家、アンサンブル・アラヴァは、ソプラノ、ヴァイオリン、通奏低音のための音楽というバロックの豊かな遺産を探求するために結成されました。本作がデビューアルバムとなります。

 

BRL 96568
(2CD)
¥1900
J.S.バッハ:ギター編曲集
 Disc. 1
  前奏曲 フーガとアレグロ変ホ長調BWV.998
  組曲ホ短調BWV.996
  無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番イ短調BWV.1003
 Disc. 2
  組曲ハ短調BWV.997
  無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調BWV.1004
  前奏曲ニ短調BWV.999
アルカディ・イヴァンニコフ
 (Guitar)

 ロシアのクラシック・ギタリストの先駆者、アルカディ・イヴァンニコフによる新録音。バッハのリュート作品と、イヴァンニコフ自身が編曲した作品を収録しています。
 バッハが実際にリュートを弾いたという確証はありませんが、楽器の音に興味を持っていたことは明らかで、ヨハネ受難曲や追悼頌歌BWV198でのリュートの微妙な使い方が見て取れます。リュートを特に意識して書かれたと思われる4つの組曲の中の、ホ短調BWV996とハ短調BWV997(ここではイ短調に移調)を録音。収録曲の選曲にもこだわりが見られます。4弦のヴァイオリンから6弦ギターへの適合を容易にするため、編曲においても細かな調整を行うなど、編曲者、演奏家として良法を模索しています。
 バッハの最初の妻マリア・バルバラの突然の死を悼んで作曲されたと思われる崇高なシャコンヌで幕を閉じるニ短調パルティータは、バッハのピアノ以外の独奏楽器のための最も深い作品であり、ロシアの名手によるこの曲集のクライマックスにふさわしいものと言えるでしょう。

 

BRL 96590
¥1700
ヴォルフ=フェラーリ:ピアノ五重奏曲、他
 ピアノ五重奏曲変ニ長調Op.6
 ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ト短調Op.33
 チェロソナタ ト長調Op.30
コスタンティーノ・カテーナ(pf)
アメデオ・チッケーゼ(Vc)
グアダニーニ四重奏団

 ブリリアントクラシックスから、定期的にリリースされているヴォルフ=フェラーリの作品集。ヴァイオリンソナタ、ピアノ三重奏曲集、ピアノ曲集など好評を博しています。
 カンタービレ的な旋律はブラームスを、繊細な和声はフーゴ・ヴォルフを思わせる作風ですが、ヴォルフ=フェラーリ特有の甘美な音色は、装飾的マンネリズムや感傷主義に陥ることはありません。素晴らしきドイツ系イタリア人作曲家です。収録されたピアノ五重奏曲は、初期の室内楽作品の中で最も、「普遍的な美」を具現化することに成功した作品です。チェロソナタとヴァイオリンとチェロのための二重奏曲は、ロマン派の特徴も垣間見れますが、より洗練されており、特に二重奏曲の活発な旋律には特徴が表れています。穏やかな輝きを放ち、ノスタルジックな表現力を引き出し、緩徐楽章には文字通りブラームスの響きが盛り込まれた作品です。

 

.(2022年6月 紹介新譜)


BRL 96070
(2CD)
¥1900
ピーター=ヤン・ベルダー、久しぶりの新録音
J.S.バッハ:ハープシコード協奏曲集

 Disc. 1
  ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV.1050
  ハープシコード協奏曲
   第1番ニ短調BWV.1052、
   第2番ホ長調BWV.1053、第3番ニ長調BWV.1054
 Disc. 2
  ハープシコード協奏曲
   第4番イ長調BWV.1055、第5番ヘ短調BWV.1056、
   第6番ヘ長調BWV.1057、第7番ト短調BWV.1058
 フルート ヴァイオリンとハープシコードのための協奏曲イ短調BWV.1044
ピーター=ヤン・ベルダー(Harpsichord)
ムジカ・アムフィオン
山縣さゆり(Vln)
フロレンシア・ゴメス(Traverse flute)

 J.S.バッハの作品の中で、最も華麗で爽快な音楽は、鍵盤協奏曲の音楽史の系譜から見ても最古の傑作として名高い協奏曲集です。ピリオド楽器による新録音で登場です。ベートーヴェンからブラームス、ブゾーニに至るまで、ピアノ協奏曲は、すべてバッハのブランデンブルク協奏曲第5番を手本としていると言われています。それまでの合奏協奏曲の様式から革新的な変化を成し遂げたというわけです。
 バッハは、カンタータの一部や、過去に作った協奏曲を巧みに転用し、劇的な印象を持たせたニ短調BWV.1052や、穏やかな対話を想像させるニ長調BWV.1054、感情溢れるヘ短調BWV.1056など、表現力の幅が広い7曲をきめ細やかに作り上げました。
 ブリリアントクラシックスと20年以上にわたりバッハの音楽を録音してきたピーター=ヤン・ベルダー。今回もムジカ・アムフィオンとの共演で、久しぶりの新録音によるリリースとなります。素晴らしい演奏を楽しめること間違いないでしょう。

 

BRL 96080
¥1700
エルンスト・ゴットリープ・バロン(1696-1760):リュートのための作品集
 リュートとリコーダーのための協奏曲ニ短調
 リュート フルートとチェロのための協奏曲ト長調
 独奏リュートのためのソナタ変ロ長調
 リュートとフルートのためのソナタ ト長調
 独奏リュートのためのパルティータ ヘ長調
 リュート オーボエとチェロのための協奏曲ハ短調
 リュートとフルートのための二重奏曲ト長調
ベルンハルト・ホフシュテッター(Lute)
ボジェナ・クルチンスカ(Recorder)
マリヤ・ビル(Vc)

 知られざる作曲家エルンスト・ゴットリープ・バロンの作品集です。2005年にJan W. J. Burgersが発表した、現存するバロンの作品全集は、後期バロック作品の研究において極めて素晴らしいものでした。今回それを基にこの録音が企画され誕生しました。リュート独奏のための組曲が12曲、オブリガートを伴う合奏曲が10曲。作品の大部分は失われてしまったとされていますが、現存する作品を見ると内容はとても充実しています。
 ほとんどが2部構成の短い曲が中心の単純な組曲ですが、独奏曲の中には異なる性質を持つ作品もあります。今回収録されているパルティータ ヘ長調では、華やかな転調もあり、旋律に幅を持たせています。またソナタ変ロ長調は、ヴァイスの作品であると考えられたほどの自らの作品とは違った印象を持たせるような作品です。またリュートのパートは、とても技巧的で高い能力を求められる重要な役割を担っています。ギャラント様式の名手だったと推測できるバロンの独創的な音楽集です。

 

BRL 96117
¥1700
ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965):協奏曲集
 ヒンデミット:弦楽オーケストラのための5つの小品Op.44-4
 ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ:
  ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏音楽
 ヒンデミット:弦楽オーケストラのための5つの小品Op.44-4
 ゲディーニ:チェロと弦楽オーケストラのための協奏音楽
マッシモ・ベッリ指揮
フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団
 シモニーデ・ブラコーニ(Vla、Viola d'amore)
エンリコ・ブロンツィ(Vc)

 1892年生まれのジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニは、マルトゥッチやカゼッラと同様、演奏会のための音楽に力を注いだイタリアの作曲家の一人です。保守的な新古典主義とされていました。1930年代後半には、ストラヴィンスキーの影響がうかがえ、簡潔で大胆でありながら彫刻的な音楽「edifici sonori」(音の建物)を謳い、イタリア近代作曲家の第一線に立つようになります。作品は、独奏楽器が持つ深みのある音色、かつ平穏な音色のバランスがよく考えられています。ソリストの存在感を前面に出した叙情的で力強さが持続されているのが特徴です。
 マッシモ・ベッリ率いるフェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団の演奏は、穏やかな音楽と過剰な抑揚の間の一線を思慮深く捉えており、音楽の素朴さという意味でも質の高い音を奏でています。

 

BRL 96132
¥1700
フェルディナント・リース(1784-1838):フルートソナタ集
 フルートソナタ変ホ長調「感傷的なソナタ」Op.169、
 フルートソナタ変ホ長調Op.86-1、ニ長調Op.86-2、変ロ長調Op.86-3
 ピアノのためのソナチネ変ロ長調Op5-1、ヘ長調Op.5-2
デュオ・エステンセ
 [ラウラ・トラーパニ(Flu)
  リナ・チェッリーニ(pf)]

 ベートーヴェンの友人、伴奏者として知られるフェルディナンド・リース。リースの父・フランツがベートーヴェンを教えていたというのが縁だったようです。
 フルートのための作品は、リース自身の中でも完成度が高く、小品やソナタからフルートを中心とした室内楽曲まで発展させています。中でも収録された「感傷的なソナタ」は、傑作であると評判の高い作品です。また3つのソナタOp.86は、比較的易しい作品で、当時の音楽に精通したアマチュア向けに作られたとされています。同じくソナチネOp.5もいわゆる一般大衆に向けた作品で、左手の波打つような分散和音、穏やかなテンポ感、指になじむ2声3声の旋律が魅力的です。陽気な作品として親しまれており、リースが意図して作った音楽を感じ取ることができる秀作です。

 

BRL 96165
(3CD)
¥2300
モンテヴェルディの代表曲のひとつ「倫理的、宗教的な森」
 モンテヴェルディ:倫理的・宗教的な森
キリン・コーツフェルト指揮、レ・ヌーボ・ムジケ
ジェニファー・ヴァン・デル・ハート、
 ウェンディ・ローボル(Sop)
トビアス・セグーラ・ペラルタ、
 カスパー・クレーナー(Alt)
ファルコ・ヴァン・ルーン、
 ウィリアム・ナイト、ステファン・ケネディ、
 ステファン・ベルクハンマー、
 エミリオ・アギラール(Ten)
バス・ラムセラール、マシュー・ベイカー(Bs)

 モンテヴェルディ作品の全曲録音が進行中のキリン・コーツフェルトとレ・ヌーボ・ムジケ。前作のマドリガーレ全集は、大きな反響を呼び、ヨーロッパの代表的な音楽各誌で絶賛されました。
 モンテヴェルディの代表曲のひとつ「倫理的、宗教的な森」は、40曲のモテットとミサを収めた規模の大きな宗教曲集で、当時、自らが楽長だったヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂の礼拝のために作曲されました。この作品は、『全曲集』と言われるものでも収録曲数や演奏順序がさまざまで、いくつかの版が存在します。この録音も、個々の表現と開放的な響きを最大限に引き出すために、詩篇中心にを典礼の場にふさわしい編成を意識して、版の順序にとらわれない選曲をしています。
 今や、モンテヴェルディに興味を持つ多くの人に、最も注目される団体となったレ・ヌーボ・ムジケ。多くの名演奏があるこの作品ですが、新たな風を吹き込んでもらいたいと願わずにはいられません。

 

BRL 96166
¥1700
ブラームス:四手連弾のための作品集
 ワルツ集「愛の歌」Op.52a
 ワルツ集「新・愛の歌」Op.65a
 ジプシーの歌Op.103(テオド-ル・キルヒナーによる編曲版)
ピアノ・デュオ・ナダン
 [ナディア・ティリーノ、
  アンジェラ・ティリーノ(pf)]

 音楽評論家のエドゥアルド・ハンスリックは、常にブラームスを支持し、多くの作品を紹介していましたが、ワルツを書いていたことに、大きな衝撃を受けたと記録が残っています。それくらい近くにいた人間でもブラームスとワルツとはイメージ的にも結びつかなかったのかもしれません。しかし、ブラームスは好んでシュトラウスのワルツを聴いていたと言われています。
 ワルツ集「愛の歌」は、既にシューマンがいくつかの作品で採用していた形を参考にして、混声四部合唱(独唱または合唱)と4手のピアノ伴奏の編成で作曲しました。しかし、当時よりクララ・シューマンとのピアノデュオを想定した、声楽を伴わない演奏用ピアノ作品として作られていたようです。
 演奏するピアノ・デュオ・ナダンは、前作で、ブラームスと同時代の友人であるハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクのピアノデュオ集(品番:95647)に続く2枚目のアルバムとなります。

 

BRL 96217
¥1700
ギターによるスペイン・ルネッサンス期の音楽集
 ルイス・ミラン(c.1500-1561):
  幻想曲第21番、第10番、第1番、パヴァーヌ第1番、
  幻想曲第11番、第2番、パヴァーヌ第2番、
  幻想曲第12番、第3番、パヴァーヌ第3番、
  幻想曲第4番、パヴァーヌ第4番、幻想曲第5番、
  パヴァーヌ第5番、幻想曲第14番、第13番、
  パヴァーヌ第6番、テント第4番
 ルイス・デ・ナルバエス(c.1500-1555):
  幻想曲第2番、皇帝の歌、幻想曲第3番、
  「クラロス伯爵」による変奏曲、幻想曲第5番、第6番、
  「牛を見張れ」による4つの変奏曲、
  「牛を見張れ」による3つの変奏曲、低音上の対位法
ジュゼッペ・キアラモンテ(Guitar)

 演奏するジュゼッペ・キアラモンテは、2020年にヨハン・カスパール・メルツの幻想曲を録音し、ブリリアントクラシックスでデビューしました(品番:95722)。温かみのある音色、そしてかつて「ギターのリスト」と呼ばれた作曲家の音楽を蘇らせるという冒険心で、多くのギターの専門誌からも絶賛されました。
 今回16世紀のメルツに相当すると思われる作曲家、ルイス・ミランを取り上げます。1536年に出版された『エル・マエストロ』は、ビウエラのための音楽集で、スペイン最古の器楽曲・伴奏曲集であり、スペインで最初のギタータブ譜の印刷物です。
 収録曲の幻想曲は、楽器で即興演奏を行い、その後に紙に書き留められたといわれており、作曲する楽器の性質そのものから発展した音楽です。また6つのパヴァーヌは、ヨーロッパ北部の同名の舞曲に似ていますが、より憂いを帯びているのが特徴です。一方、ナルバエスの作品は、より複雑なポリフォニーを備えていますが、ミランに比べれば控えめな表現と感じられます。
 この2人の作曲家のおかげで、ビウエラは16世紀のスペインで人気を博し、ギターの発展につながったと言えるでしょう。

 

BRL 96386
¥1700
ルートヴィヒ・フィリップ・シャルヴェンカ(1847-1917):
 ピアノ三重奏曲集

  ピアノ三重奏曲
   第1番嬰ハ短調Op.100、第2番ト長調Op.112
グスタフ三重奏団
 [フランチェスコ・コミッソ(Vln)
  ダリオ・デステファノ(Vc)
  オラフ・ジョン・ラネリ(pf)]

 近年、19世紀半ばから第一次世界大戦までの間に活躍した作曲家の研究が進み、多くの事柄が発表されています。特徴として、標題音楽で表現しようとする音楽ではなく、音楽そのものを表現しようとする、いわゆる「絶対音楽」と、劇音楽において作品を残した作曲家が目立ちます。フィリップ・シャルヴェンカもそのひとりで、このアルバムは、主要な室内楽曲をまとめています。長年にわたって培われた、あらゆる表現技法を巧みに取り入れた名曲は、明瞭で長々しくない叙情性が感じられます。またコンパクトで流れるような形式を保ちつつも、少し変わった調性を取り込むなど、さまざまな試みが聴きとれる音楽となっています。

 

BRL 96478
¥1700
ヘンデル:イタリアン・カンタータ集
 カンタータ「女猟師ディアナ」HWV.79
 カンタータ「アルプスの山よ」HWV.81
 カンタータ「お前は誠実か、お前は貞節か」HWV.171
 カンタータ「おお、何と澄んで美しく」HWV.143
ロベルト・バルコーニ(指揮、Harpsichord)
ファンタジアス
カルロッタ・コロンボ(Sop)
マリア・ダリア・アルベルティーニ(Sop)
マルタ・フマガッリ(Contralto)

 洗練された演奏で、若きヘンデルが残した牧歌的カンタータ4曲を収録した感度の高い一枚。ローマで最も文化的で影響力のある貴族の援助を受けたヘンデル。貴族たちのために、古くから親しまれてきた、アルカディアと愛の至福をテーマにした世俗的なカンタータを作曲しています。今回紹介する4曲は、狩猟をテーマにした作品と寓話的議論を展開する作品。演奏機会は少ないものの、ソプラノと管楽器による魅力あるアリアが含まれており、ヘンデルの才気があふれる作品と言えます。
 17世紀と18世紀のイタリア音楽を専門とするアンサンブル「ファンタジアス」。ブリリアントクラシックからのデビューアルバムとなります。新たな演奏団体が登場することは、聴く喜びが溢れます。




.(2022年5月 紹介新譜)


BRL 96299
(2CD)
¥1900
アルフレード・ピアッティ(1822-1901):チェロソナタ全集
 チェロソナタ
  第1番Op.28、第2番Op.29、第3番Op.30、
  第4番「Idillica」Op.31、第5番Op.32、第6番Op.33
ランベルト・クルトーニ(Vc)
ジョヴァンニ・ドリア・ミギエッタ(pf)

 イタリアのチェリスト、アルフレード・ピアッティは、バロック時代のチェロの音楽を熱心に編集、編曲、普及させた先駆者的な存在です。リストと交友があり、ヨーゼフ・ヨアヒムをはじめ、19世紀半ばのヨーロッパのそうそうたる音楽家たちと演奏会を行っていました。そのコンサートでそれぞれのチェロソナタを初演し、大喝采を浴びたと言われています。芸術的な音楽は自信となり、ヴィルトゥオーゾに見られる外向性を持ち合わせた演奏は、感性のバランスが際立っています。特にメロディはオペラのような抒情性があり、ピアッティならではの特徴がよく表れています。緩徐楽章では、ヴェルディがオペラの主役に込めた情感が伝わってくるようで、非常に変化に富んだ構成になっています。
 リストに「チェロのパガニーニ」と称賛されたピアッティ。自身の作品はあまり知られていません。初の貴重な録音集としてリリースされます。
 1987年イタリアのピアチェンツァ生まれのチェリスト、ランベルト・クルトーニは、この作品の初録音にあたり、時代背景や作曲家のキャリアなど、熱心に調査、研究しており充実した演奏集に仕上げています。

 

BRL 96069
(2CD)
¥1900
グラズノフ:2台ピアノ、四手連弾のための作品集
 Disc. 1
  序曲「謝肉祭」Op.45(四手連弾版)、
  セレナード第1番Op.7、第2番Op.11(四手連弾版)
  組曲「中世より」Op.79(2台ピアノ版)、
  ロシアの幻想曲Op.86(2台ピアノ版)、
  コンサートワルツ第1番Op.47(四手連弾版)
 Disc. 2
  幻想曲ヘ短調Op.104(2台ピアノ版)、
  フィンランドのスケッチOp.89より「カレワラより」(四手連弾版)、
  祭典の行列Op.50(四手連弾版)
  交響詩「ステンカ・ラージン」Op.13(四手連弾版)
デュオ・ダッテーリ・レンシオーニ
 [ファブリツィオ・ダッテーリ、
  ナディア・レンシオーニ(pf)]

 グラズノフは16歳の時にロシアのコンサートで素晴らしい演奏を行っていました。リムスキー=コルサコフを師とし、豊富な音楽的アイデアと、多くの音楽形式を習得。うらやましいほどのオーケストレーションの技術を持っていました。しかし、ロシア革命と共産主義につながる政情不安の中で活動しなければならず、亡命によって不遇な立場をとることになっていきます。
 このディスクは、グラズノフの新たな発見ができる素晴らしいものです。収録された作品は管弦楽版が存在しますが、派生的な編曲や縮小版ではなく、どちらが先に作られたのかを判断するのも容易ではありません。グラズノフの作曲家としての才能を考えると、これらのピアノ版は、色彩豊かな原画を白黒にスケッチしたに過ぎず、その価値を見誤ってしまうかもしれません。しかし、この録音ではそう言い切れない、豪華なオーケストラの演奏では気がつかない音楽の細部を強調することもでき、またピアニストの解釈の選択に広く影響を与えていることに気がつきます。
 デュオ・ダッテーリ・レンシオーニは、ブルーノ・カニーノに師事。ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院で学び、国際コンクールで受賞経歴を持ち、これからの活躍が期待されています。

 

BRL 95190
(3CD)
¥2300
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):ハープシコード曲全集 フィリッポ・エマヌエーレ・ラヴィッツァ
 (Harpsichord)
 Disc. 1
  前奏曲:ラントマン(H.200)、ゲマン(H.201)、ヴィヴマン(H.202)、タンドルマン(H.203)、
  ヴィヴマン(H.204)、グラシューズマン(H.205)–タンドルマン(H.206)、
  アムルズマン(H.207)、ヴィヴマン(H.208)、モデレマン(H.209)、
  タンドルマン(H.210)、ヴィヴマン(H.211)、メヌエット(3つの変奏曲)(H.212)
 Disc. 2
  メヌエット(4つの変奏曲)(H.213)、アレグロ・モデラート(H.214)、
  アレグロ(H.215)、アレグロ・モデラート–アンダンテ(H.216)、アレグロ(H.217)、
  アンダンテ–アレグロ・モデラート(H.218)、アレグロ–アッフェットゥオーソ–アレグロ(H.219) 、
  アンダンテ–プレスト(H.220)、アレグロ(H.221)、アレグロ–アダージョ(H.222)、
  メヌエット: アレグロ(H.223) 、アレグロ(H.224) 、アレグロ・モデラート(H.225) 、
  メヌエット:アレグロ(H.226) 、アレグロ(H.227)
 Disc. 3
  アッフェットゥオーソ(H.228)、アレグロ(H.229)、アッフェットゥオーソ(H.230)、
  アレグロ(H.231)、アレグロ・モデラート–アレグロ(H.232)、アレグロ・アッサイ–グラーヴェ(H.233)、
  ジーグ:アレグロ(H.234)、アルマンド:アレグロ・モデラート(H.235)、アンダンテ(H.236)、
  アレグロ・アッサイ(H.237)、アッフェットゥオーソ(H.238)
  ジーグ:アレグロ・アッサイ(H.239)、アレグロ(H.240)、アレグロ・アッサイ(H.241)、
  アレグロ(H.242)、アレグロ(H.243)、アレグロ・モデラート(H.244)、アレグロ(H.245)、
  アレグロ(H.247)、メヌエット:アッフェットゥオーソ(H.248)、アレグロ(H.249)、
  アレグロ・モデラート–プレッスティシモ(H.251)、アレグロ(H.252)、
  アッフェットゥオーソ(H.253)、アレグロ(H.254)
  クラヴサン曲集より(ロンドン、J.ジョンソン、1743年)、
  ハープシコードのための小品集第2巻より(ロンドン、J.ジョンソン、1762年)

 ジェミニアーニのハープシコード曲は、自らが著名なヴァイオリニストであったためか、ヴァイオリン作品の影響を受けています。アイディアを発展させるために即興的なスタイルを好み、慣習に従うことや一般的なスタイルを模倣することを拒否した独創的な旋律を書きました。和声や対位法の規則に従わないこともあり、18世紀のイタリアの鍵盤音楽とは異なる様々な様式的特徴を備えています。
また、合奏協奏曲やソナタを多数残していますが、コレッリ派の形式や様式を手本にした器楽曲で大きな成功を収めています。原曲の形式や和声、調性構造をそのままに、上弦の旋律を発展させ、印象的で創造性豊かな作品に仕上げています。

 

BRL 95293
¥1700
ベルナルド・パスクィーニ(1637-1710):バスと通奏低音のためのカンタータ集
 トッカータ ヘ長調(ハープシコードのための)、
 Il fulmine son io cantata(バス、チェロ、ハープシコードのための)
 パッサカリア ニ短調(ハープシコードのための)、
 Che volete da me cantata
  (バス、チェロ、アーチリュート、ハープシコードのための)
 アルマンド-コレンテ-ジーグ(ハープシコードのための)、
 Era risorta invano"L'ombra di Solimano"cantata
  (バス、チェロ、アーチリュート、ハープシコードのための)
 サルタレッロによるパルティータ(ハープシコードのための)、
 Agrippina, compagni "Germanico"cantata
  (バス、バロックギター、ハープシコードのための)
 幻想曲ホ短調(ハープシコードのための)、
 Misero cor, nascesti solo a piangere cantata
  (バス、チェロ、バロックギター、ハープシコードのための)
 ヴェルセット第5(ハープシコードのための)、
 Quei diroccati sassi "A Bella Donna sopra le ruine di Castro" cantata
  (バス、チェロ、アーチリュートのための)
 ビッツァッリア-変奏ニ短調(ハープシコードのための)
カペラ・ティベリーナ
リザンドロ・アバディー(Bs)
ドーメン・マリンチッチュ(Vc)
サム・チャップマン
 (Archlute、Baroque guitar)
アレクサンドラ・ニジート
 (Harpsichord)

 フレスコバルディとドメニコ・スカルラッティの間の時代に活躍したパスクィーニ。主に鍵盤楽器の作品を残しており、ブリリアントクラシックスでも、ハープシコードソナタ、オルガンソナタ等がリリースされています。一方、70以上のカンタータも残しており、それらは若きヘンデルが書いたような、簡潔で劇的な1声、2声のための通奏低音の伴奏つきカンタータです。ほとんどの声楽曲は未発表で、この新録音は、非常に価値のある待望の一枚と言えるでしょう。また、パスクィーニが、当時のローマを代表する劇音楽作曲家であったことを立証するものでもあります。
 バス独奏のための6曲では、鋭い演劇感覚と表現の豊かさが際立っており、聖書の歴史、ローマの歴史、牧歌的で艶やかな物語を題材にしており、ハープシコードのための作品を挟みながら、想像力豊かに1つの作品としてまとめられています。18世紀初頭のローマの宮殿で行われた、洗練された音楽の夕べを再現しているような印象です。
 カペラ・ティベリーナを率いるハープシコード奏者アレクサンドラ・ニジートは、パスクィーニの声楽曲を研究し、カンタータを作曲以来初めて録音しました。この音楽については、現在最も優れた研究者として知られています。またイタリアの古楽音楽界で活躍する、経験豊かな演奏家が参加して録音されました。

 

BRL 96097
(2CD)
¥1900
ヨハン・シュペート(1664-after ca.1719):オルガン曲集
 Disc. 1
  音楽の花畑(トッカータ第1番~第10番と終曲)、
  トデースカのアリアによる様々なパルティータ、
  パスクィーナのアリアによる様々なパルティータ、
  ラ・スパニョレッタによる様々なパルティータ
 Disc. 2
  マニフィカト(第1旋法~第8旋法)
キアラ・ミナーリ(Org)
レティツィア・ブッテリン
 (Gregorian Chant)

 17世紀半ばのドイツの器楽曲を集めた録音集でたびたび耳にするシュペートの作品。アウグスブルク大聖堂のオルガニストとして活動していました。
 短い曲の10のトッカータ「音楽の花畑」は、南ドイツの作曲家の影響を受けており、アルプスを挟んだ反対側で流行した声楽の旋律を精巧に変形させたもので、イタリア系統の音楽と言えます。また、イタリアとドイツの様式を融合させた「8つのマニフィカト」は、調性感と音色を踏まえて、それぞれの異なる音で始まる音楽。これらはバッハ以降のドイツの鍵盤音楽の発明と多様性を表現しており、後の「平均律クラヴィーア曲集」に先立つ作品とも言われています。

 

BRL 96410
(2CD)
¥1900
ラダメス・ニャターリ(1906-1988)
 フランシスコ・ミニョーネ(1897-1986):ギターのための練習曲全集

  Disc. 1
   ラダメス・ニャターリ:
    ギターのための10の練習曲、3つの演奏会用練習曲、
    小組曲、ブラジリアーナ第13番
  Disc. 2
   フランシスコ・ミニョーネ:ギターのための12の練習曲
アンドレア・モナルダ(Guitar)

 ニャターリは、ポピュラー音楽の要素を取り入れ、クラシック音楽とポピュラー音楽の境界を曖昧にしながら作曲を行いました。1950年代、ギター音楽の中で最も重要で、最も多作なブラジル人作曲家として名を馳せています。壮大な楽曲、予想外の和声的進行、無限のインスピレーションを特徴とし、独自の音楽として人気があります。一方、フランシスコ・ミニョーネも同じくブラジルの作曲家。膨大な数の作品を残しています。こちらもポピュラー音楽から掘り下げた、並外れた技巧と素晴らしい構成の音楽を残しています。

 

BRL 96506
¥1700
グイド・ヴィオッツィ(1912-1984):ギター独奏曲全集
 ギターのためのソナタ、変奏組曲、半音階の練習曲
アンドレア・ガッロ(Guitar)

 1912年イタリアのトリエステに生まれたヴィオッツィ。バルトークの影響を受けたと言われますが、楽器や声のための作品を中心に、地元の伝統によって形作られた音楽を残しています。1964年にオペラを成功させるなど、生涯を通じて劇場のための音楽で成功を収め、多数上演もされました。このディスクには、ギターのための幻想曲で有名となったヴィオッツィの、3楽章のソナタ、組曲などを収録。実験的な手法と、印象主義的なムードを併せもつ独特のギター曲となっています。

 

BRL 96520
¥1700
チャイコフスキー:弦楽セレナーデOp.48
 劇音楽「雪娘」Op.12より「メロドラマ」、
 弦楽四重奏曲Op.posth. 変ロ短調
  (ニコライ・ブリュッヒャー編)、
 サマーリン追悼の悲歌
 弦楽四重奏曲第3番Op.30より第3楽章(グラズノフ編)
エマニュエル・ルデュク=バローム指揮
バルティック室内管弦楽団

 19世紀後半には、それまで珍しかった弦楽だけのための作品が盛んに作曲されるようになりました。チャイコフスキーの弦楽器のための音楽は、その幅の広さと一貫性が特徴であり、その頂点にあるのが、壮大なヴァイオリン協奏曲と、弦楽オーケストラのために考案された傑作のひとつでもある、この弦楽セレナードです。1880年に作曲されていますが、その前に、オストロフスキーの「雪娘」の付随音楽を書いています。リムスキー=コルサコフが同じ題材の歌劇を作曲したため、チャイコフスキーは、歌劇の作曲をあきらめています。その「雪娘」の中から「メロドラマ」と、25歳の学生だった頃の作品の弦楽四重奏曲ロ短調を、弦楽合奏用に編曲した作品を収録。さらにチャイコフスキーの葬儀で演奏するために、グラズノフが編曲した弦楽四重奏曲。この素晴らしい音楽を繊細かつ共感的に弦楽合奏用に編曲しており、友人である偉大な作曲家へ向けた、実に高貴な敬意を表している名曲も収録しています。

 

BRL 96608
¥1700
クリスティアン・ルンメル(1787-1849):クラリネットとピアノのための作品集
 歌劇「オベロン」のモティーフによる華麗なる幻想曲Op.35
 歌劇「悪魔のロベール」のモティーフによる夜想曲第1番Op.85
 バセットホルンとピアノのためのアンダンテ・ヴァリエ
 歌劇「ゴルコンダの女王、アリーナ」の行進曲による変奏曲Op.36
 歌劇「タンクレディ」のカヴァティーナによる幻想曲
ルイジ・マジストレッリ(Cla)
クラウディオ・ブラッコ(pf)

 クリスティアン・ルンメルは、は、バイエルン州ゴルホーフェンに生まれでピアノを中心にヴァイオリン、クラリネット、バセットホルンも演奏し、作曲家、指揮者としても活躍しました。ロッシーニやウェーバーの代表的な歌劇作品を主題にした幻想曲を多く残しています。ルンメルの室内楽曲は大変魅力的であり、これを機にもっと高く評価されることを期待したい作曲家です。

 


.(2022年4月 紹介新譜)

BRL 96285
(7CD)
¥4500
クリストフ・モイロー(1700-1774):ハープシコード曲全集 フェルナンド・デ・ルカ(Harpsichord)
 Disc. 1 クラヴサン曲集Op.1、組曲ニ短調
 Disc. 2 組曲ニ長調より序曲、協奏曲、組曲ヘ短調/ヘ長調、組曲へ長調より序曲、ソナタ
 Disc. 3 組曲イ長調/イ短調、組曲イ短調より序曲、ソナタ
 Disc. 4 組曲ハ長調/ハ短調、序曲ハ短調
 Disc. 5 組曲ト短調/ト長調、序曲ト長調、ソナタト長調
 Disc. 6 組曲ホ短調/ホ長調
 Disc. 7 シンフォニア第1番ロ短調、第2番変ロ長調、第3番ホ長調、第4番変ホ長調、第5番嬰ヘ短調、第6番ヘ短調
 [補遺]Op.5より序曲ホ長調、協奏曲ホ短調、ソナタホ短調、Op.3より協奏曲ハ長調、Op.2より「プルガトリウム」

 フランス・バロックの歴史で欠落していた、ラモーと同時代の作曲家、クリストフ・モイローの現存する作品を収録したボックスセットです。クープランやラモーのような名声を得ることが出来なかった理由のひとつとして考えられていることは、フランスのオルレアン出身で、その地に留まっていたため、首都パリで仕事をすることがなかったからと言われています。また詳細な経歴も不明ですが、1726年に故郷の教会の婚姻届に、職業を「オルガニスト」と記載した記録があり、教会のオルガニストとして生活をしていたようです。また小規模ではありますが教則本も執筆し出版をしていました。
 1753年に自らが作曲した作品を6冊のクラヴサン曲集としてまとめました。それらは126曲にのぼり、多様な様式ながら一貫した音楽性が聴きとれます。組曲を中心にした作品で、序曲、ソナタ、独奏による協奏曲などがあります。特にハープシコードのための「6つのシンフォニア」はモイローの代表曲してぜひ紹介したい作品です。

 

BRL 96167
¥1700
ニコラ・フランチェスコ・ハイム(1678-1729):フルート曲集
 ソナタ
  第1番ハ短調、第6番ト短調、第2番ニ短調、
  第7番ハ長調、第3番ハ短調、第8番へ長調、
  第4番イ短調、第9番ホ短調、第12番ト長調
 コレッリ:ソナタ第3番ニ長調
  (コレッリによるトラヴェルソと通奏低音のための)
キアラ・ストラビオーリ(Transverse flute)
カペラ・ムジカーレ・エンリコ・ストゥアルト

 1694年からアルカンジェロ・コレッリ率いるオーケストラで、ヴィオローネとチェロの奏者として活動していた1678年ローマ生まれのニコラ・フランチェスコ・ハイム。1701年にロンドンへ移り、ベッドフォード公爵が亡くなるまで、公爵の「室内楽の師」として仕えています。この時期に公爵邸でのコンサートのための様々な器楽曲など、多数の作品を生み出しました。
 ここに収録された作品は、コレッリの影響を強く受けていることに気づきます。またこれらは、イタリアで初めて出版されたものであり、18世紀初頭のイタリアのフルートによる作品を知る上で重要な作品と言えます。特にヴァイオリンとコレッリが密接に結びついているため、この録音でもコレッリのヴァイオリンソナタをフルート用に編曲したものや、ヴァイオリンの作品を直接借用して、演奏者が即興的に組み込んだコレッリの「チャッコーナ」などを収録しています。

 
BRL 96376
¥1700
オッタビオ・バリオラ(before 1573-after 1619):
 12のオルガンのためのリチェルカーレ
シルヴァ・マンフレ(Org)

 オッタビオ・バリオラの音楽は、大変完成度が高く、注目すべき音楽であると感じます。リチェルカーレ全盛期に、単旋律的な作曲から脱却し、複数の主題を用いることを好んだ作曲家で、そのため、ナポリ派の代表的作曲家トラバーチやフレスコバルディなど、後の作曲家が取った作風を先取りしています。どの曲も主題の作り方と音楽の感覚において、明確な独創性を示しており、様々な主題とその変奏を同時に使うことで、驚異的な完成度を感じとることができます。
 バリオラゆかりのサンタ マリア プレッソ サン チェルソ教会の修道院長フィリッポ・ピッチネッリは、著書L'Ateneo dei Letterati Milanesi (Milan, 1670) で絶賛し、またオルガン曲で有名なドイツ後期バロックを代表する作曲家ヴァルターもMusikalisches Lexikon (Leipzig, 1732) で大きく取り上げており、「バリオラの名声は死後100年以上経っても健在であるだけでなく、イタリア国外にまで広がっていた」としています。
 尚、収録された「オルガンのためのリチェルカーレ」は、現在トリノ国立図書館に所蔵され、ドイツ語のオルガンタブ譜に収められているのみとなっています(原本は紛失)。1637年から1640年にかけて南ドイツの書記によって作成され、1,770曲という膨大な数の鍵盤楽曲を収録した最大の手稿資料です。

 

BRL 96405
¥1700
ジョヴァンニ・フィリッポ・ドレイヤー(1703-1772):
 宗教曲集

  ソプラノ二重唱による「言は肉となりて」
  独唱を含む4声による「主よ早く私を助けに」
  聖フィリッポのための4声の賛美歌
  4声合唱と合奏による短い詩篇
ロッサーナ・ベルティーニ(Sop)
エレーナ・チェッキ=フェーディ(Sop)
ジャコモ・ベネデッティ指揮
レ・テムス・レヴィエント
バロック・ルミナ

 イタリア各地のオペラハウスでカストラートソプラノとして有名になったジョヴァンニ・フィリッポ・ドレイヤー。詩篇と讃美歌が世界初録音で登場です。これらの作品が、フィレンツェのアンヌンツィアータ教会の図書館に保存されており、その一部が初めて公開され、録音されることになりました。その作風は、ペルゴレージやスカルラッティに代表される当時のナポリの流行していたものと類似しています。和声は幅広く、明瞭で表現力に富んでおり、多くの人に受け入れられやすい音楽です。
 今回、ヴァイオリニスト兼指揮者のジャコモ・ベネデッティは、これらの曲の研究と演奏のために教会に招かれ、イタリアの歌手や器楽奏者とともに、歴史に基づいた演奏方法を学び、意義のあるこの録音を完成させました。

 

BRL 96418
(2CD)
¥1900
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1集
 弦楽四重奏曲
  第3番へ長調Op.73、第5番変ロ長調Op.92、
  第7番嬰ヘ短調Op.108、第8番ハ短調Op.110、
  第9番変ホ長調Op.117
ノウス四重奏団
 
 その不穏な中にユーモアを織り交ぜた作品で非難を浴びた交響曲第9番。同時期に作られた弦楽四重奏曲第3番は、自身のお気に入りの作品だったと言われています。2つのスケルツォと短いながらも強烈な緩徐楽章を含む5楽章形式。暗黒の世界へ深く潜り込みつつ、切れの際立つ展開は、終盤で不安の中に安堵の情景を見い出すショスタコーヴィチの特徴を最も感じる作品となっています。
 また1953年のスターリンの死後、いわゆるDSCHを記譜するようになりますが、第5番はそれが登場する最初の作品。第7番では、作曲者が再び道化役となり、第8番のリア王に対する愚者となり、DSCHが神化を遂げるという作品。第9番では、再び5楽章の形式となりますが、それがショスタコーヴィチによく合っており、スロー・ミュージックのゆっくりとしたテンポでの厳粛な簡素さと、終盤の切れのある爽快さの中に、洗練された厳格な後期へのスタイルの兆候が現れ始めています。
 イタリアを代表するノウス四重奏団による演奏。温かみのある音質と近代ヨーロッパのカルテット流派の鋭い音楽的直感を併せ持つ演奏で、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全集の第1弾として登場です。

 

BRL 96433
(2CD)
¥1900
2台ピアノのための作品集
 Disc. 1 Studio Recordings
  シューベルト:幻想曲ヘ短調D.940
  サン=サーンス:ベートーヴェンの主題による変奏曲Op.35
  ラヴェル:ラヴァルス
  ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
 Disc. 2 Live in Concert
  ラフマニノフ:ロシア狂詩曲
  ストラヴィンスキー:春の祭典
  ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):モノローグ
  メシアン:アーメンの幻影
ピアノ・デュオ ファン・フェーン

 ミニマル音楽のジャンルにおいて、絶大な人気と世界から高い評価を得ているファン・フェーン。パートナーのサンドラと共に本格的なピアノデュオの録音集が登場します。
 Disc.1はスタジオ録音による演奏。シューベルトの幻想曲は、あらゆる要素を含んだ和声の変化や複雑な対位法が特徴的です。サン=サーンスのベートーヴェン変奏曲はメヌエットの主題を洗練されたテクニックで弾きこんでおり、あまり知られていない作品ながら聴き入ってしまいます。そして20世紀を代表するラヴェルとルトスワフスキの2曲は、高揚感溢れる作品とあって、迫力も加わりデュオピアノの限りのない可能性を感じる演奏となっています。
 続くDisc.2はライヴ録音集ということで、更に躍動感が増してきており、演奏曲もラフマニノフ、ストラヴィンスキーといった演奏効果の大きい迫力のある力強い音楽で魅了します。またコラージュ手法で展開するアロイスのモノローグ。最後はメシアンの名曲と続きます。これまでのイメージと一味違う魅力が発見できる演奏集です。

 

BRL 96448
¥1700
グレゴワール・ブレッサン:ルネサンスギターのための作品全集
 ギターのためのタブラチュア集第4巻(20曲)
フェデリコ・ロッシニョーリ(Renaissance guitar)

 グレゴワール・ブレッサンによる1553年パリで出版されたギター専門のシリーズ第4巻です。唯一現存する作品で4部作20曲の作品集です。
 アロンソ・ムダーラやミゲル・デ・フエンリャーナらのルネサンス期のギター曲とともに、演奏面において、技術力や表現力が魅力の音楽集です。
 ルネサンス・ギターにおいては、当時からブレッサンは名声を博していたとされ、今回新たな研究を踏まえて録音されました。

 

BRL 96470
(2CD)
¥1900
ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(1839-1901):
 オルガンを伴う室内楽曲集

  組曲Op.149(ヴァイオリン、チェロ、オルガンによる)
  6つの小品Op.150より「夕べの歌」(チェロとオルガンによる)
  狂詩曲Op.127-2(オーボエとオルガンによる)
  6つの小品Op.150より「悲歌」「牧歌」(チェロとオルガンによる)
  組曲Op.166(ヴァイオリンとオルガンによる)
  アンダンテ・パストラーレOp.98-2(オーボエとオルガンによる)
  6つの小品Op.150(ヴァイオリンとオルガンによる)
ミケーラ・ベルガマスコ(Vln)
クリスティーナ・モンティコリ(Obe)
マルコ・ダルサス(Vc)
マヌエル・トマディン(Org)

 ラインベルガーのオルガン曲は、魅力的で流麗な旋律により人気のある作品です。このディスクは、弦楽器とオルガン、オーボエとオルガンによる室内楽曲集で、ラインベルガーの器楽曲、合唱曲を編曲した豊かな響きと音楽性の高い一枚です。
 情熱的でありながらバロックの雰囲気が漂う作品は、ロマン派の緩徐楽章のように3つの楽器が美しく奏でられ、教会的な音色となっています。バロック様式の自由な前奏曲、優しいカンツォーネ、優雅なアルマンドは、ロマン派の室内楽曲をより楽しませてくれる作品となるでしょう。

 

BRL 96503
¥1700
シェーンベルク:歌曲集 ジャスミン・ロウ(Sop)ナンシー・ルー(pf)
 4つの歌曲Op.2[期待、あなたの金の櫛を私に、高揚、森の日射し]
 2つのバラードOp.12より「ジェーン・グレイ」
 2つの歌曲Op.14より「この冬の日々に」
 歌曲集「架空庭園の書」Op.15
  [葉と葉が密に織りなす壁に守られた下で、これらの天国の楽園で、
   あなたの垣の中に新参者として私は入った、私の唇が動かずに燃えるので、
   今日は彼女がどの小道を通るのか、もう私は何の仕事も出来ない、
   不安と希望が交互に私をしめつける、今日もしあなたの肉体に触れることがないなら、
   私たちにとって幸福はつらくもろい、待ちこがれて私は美しい花壇を見つめる、
   花々で飾られた門の背後で、深いむしろの中で清らかに憩う時、
   川のほとりの銀柳にあなたはよりかかり、これ以上言わないで、私たちは夕闇の中にいた]

 伝統あるオーストリア、ドイツ・リートの転換期に作曲された画期的な歌曲で、情熱と美しさに満ちたシェーンベルクの歌曲集です。愛、憧れ、死といった超越的な状態を音楽で表現したいという願望で作られています。
 特に「架空庭園の書」Op.15は、芸術性の高い歌曲で文学の分野にも大きく貢献しています。運命的な愛の物語による15曲の短い歌は、無調音楽で表面的には伝統からの脱却を図っていますが、ロマン主義にルーツを持っており、遊び心のある和声と言語で輝きのある作品になっています。
 幅広いレパートリーを築いているソプラノのジャスミン・ロウによる歌唱。2018年のイタリアのトレンティーノ音楽祭で脚光を浴び、現在世界で注目され活躍しています。

 

BRL 96524
(2CD)
¥1900
フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687-1762):
 ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタOp.1

  ソナタ
   第1番イ長調、第2番ニ短調、第3番ホ短調、
   第4番ニ長調、第5番変ロ長調、第6番ト短調、
   第7番ハ短調、第8番ロ短調、第9番へ長調、
   第10ホ長調、第11番イ短調、第12番ニ短調
イーゴリ・ルハーゼ(Vln)
アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤ
 (Harpsichord)

 「優雅でしなやかな演奏は、心地よい雰囲気で楽しく聴くことができる」と、継続して高い評価を得ているルハーゼの新録音は、バロック時代のヴァイオリン文化において重要な作曲家のフランチェスコ・ジェミニアーニのソナタ集です。
 イギリスのヨハン・アドルフ・フォン・キールマンゼック男爵に献呈されたこの曲集は、早くから男爵がジェミニアーニの才能を認めていただけあって、技術的、表現的にも演奏者には高度なテクニックが必要とされています。優美さと洗練された旋律との対話は、絶妙なコントラストがあり、ヴァイオリニストであったジェミニアーニの資質が発揮された音楽です。
 今回は、ハープシコード奏者アレクサンドラ・ネポムニャシチャヤとの共演。リチャード・エガーやメンノ・ファン・デルフトら古楽界の巨匠に師事しており、ジェミニアーニの作品に強い共感を持っているアーティストです。

 

BRL 96539
¥1700
カール・ハインリヒ・ライネッケ(1824-1910):チェロソナタ全集
 チェロソナタ
  第1番イ短調Op.42
  第2番ニ長調Op.89
  第3番ト長調Op.238
アナ・トゥルカイ(Vc)
アレック・カラッタ(pf)

 ライネッケの根底にあるロマン派としての音楽は、19世紀の終わりと20世紀の夜明けを共存させており、その多作からも見て取れる音楽性は、思考の速さと生き生きとした精神を持ち合わせた音楽だと実感させてくれます。
 収録された3つのチェロソナタは、1848年から1898年の間に作られており、作曲家としてのキャリアを辿るのことが容易にできます。いずれも3楽章形式で、同時期に活躍していたブラームスのチェロソナタとの比較も興味深いところです。生涯をかけて自らの作曲技術を磨き上げた作品がチェロソナタだといえるようです。


.(2022年3月 紹介新譜)

BRL 96398
(8CD)
¥4800

ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):オルガン曲全集
ヴォルフガング・リュプザム(Org)
 Disc. 1
  24の自由な形式の小品Op.31 第1巻より
   第1番「序曲」、第2番「行列」、第3番「悲歌」、第4番「墓碑銘」、第5番「前奏曲」、第6番「カノン」
  交響曲第1番ニ短調Op.14
 Disc. 2 交響曲第2番ホ短調Op.20、三部作Op.58、交響曲第3番嬰ヘ短調Op.28
 Disc. 3
  アレグレットOp.1、聖餐Op.8
  24の自由な形式の小品Op.31 第1巻より
   第7番「瞑想曲」、第8番「憂鬱な牧歌」、第9番「マドリガル」、
   第10番「夢」、第11番「気晴らし」、第12番「カンツォーナ」
  交響曲第4番ト短調Op.32、「イスラエルの民エジプトをいで」によるヴェルセット・フーガ
 Disc. 4
  ナポレオン一世生誕100年を祝う勝利の行進Op.46
  24の自由な形式の小品Op.31 第1巻より
   第13番「伝説」、第14番「スケルツォ」、第15番「アラベスク」、第16番「合唱」、第17番「歌曲」
  交響曲第5番イ短調Op.47
 Disc. 5
  24の自由な形式の小品Op.31 第2巻より
   第18番「葬送行進曲」、第19番「子守歌」、第20番「田園詩」、
   第21番「ロンポン修道院の礼拝堂の鐘」、第22番「悲歌」、第23番「祝婚歌」、第24番「後奏曲」
  交響曲第6番ロ短調Op.59
 Disc. 6
  小ミサ曲Op.30、死者のための小ミサ曲Op.62、葬送前奏曲Op.4、3つの即興[行列、司教の行進、瞑想曲]
 Disc. 7、Disc. 8
  24の幻想的小品集[組曲第1番Op.51、組曲第2番Op.53、組曲第3番Op.54、組曲第4番Op.55]

 ヴィエルヌの作品番号は62あります。そのうちオルガン作品は17しかありませんが、フランク、ウィドールに次ぐ、誰もが認める最高峰のオルガン作品を残した作曲家であります。特に6つの交響曲は、20世紀のオルガン作品でも頂点にたつ名曲です。それぞれの作品に特徴を持った、ヴィエルヌ自身も、納得の作品であったことでしょう。
 半音階的に深く刻まれた内省的な作品でも、轟々と響く豪快な作品でも、『ひとりオーケストラ』の完成度の高さと、シンフォニック・オルガンを発明したカヴァイエ=コルのオルガンの響き、音色の多様性を念頭に置いて作られています。
 演奏は、バロックとロマン派のオルガン曲のレパートリーで100枚以上のディスクをリリースし、高い評価を得ているオルガニスト、ヴォルフガング・リュプザム。近年、最も優れたオルガニストのひとりに数えられています。ヴィエルヌの個性あふれたスタイルを、正しく表現するために、必要な音色を持つ楽器を選択し、即興的な精神と創造的な情熱を音楽に反映させ、壮大で素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

 

BRL 95531
\1700
ウェーバー:クラリネットのための室内楽曲全集
 クラリネット五重奏曲Op.34
 「ジルヴァーナ」の主題による変奏曲Op.33
 協奏的大二重奏曲変ホ長調Op.48
ダヴィデ・バンディエーリ(Cla)
マッテオ・フォッシ(pf)
サヴィニオ四重奏団

 クラリネットを好んだウェーバー。クラリネットは、『深慮なロマンティシズムを表現するための理想的な楽器』と考えていたと言われています。Op.33の変奏曲は、24歳の時に完成させた歌劇から引用した作品。批評家からの進言を受け、2つのアリアを削除しましたが、その削除した作品を利用して、7つの変奏曲Op.33を完成させました。すぐに口ずさめる明確な付点リズムの主題を、スタイリッシュに、想像力豊かに、ヴィルトゥオーゾ的に展開し、クラリネット奏者の能力を存分に発揮させることができる秀作です。また7つの変奏のうち2つではピアノ伴奏も輝かせる配慮がされています。ダルムシュタットで出会った友人で、ツアー・パートナーのクラリネット奏者ハインリッヒ・ベアマンによって初演され、その出会いからOp.48が作られています。ウェーバーはコンサートピアニストとして優れており、クラリネットとピアノの2つの楽器の性能を最大限に引き出すことに成功しています。
 また、五重奏曲Op.34も、洗練されながらも遊び心にあふれたクラリネットと弦楽器との対話形式をとっている作品で、聴きごたえある1曲となっています。

 

BRL 95620
\1700
アッティリオ・アリオスティ(1666-1730):
 ヴィオラ・ダモーレのための6つの練習曲

  練習曲第1番変ホ長調、第2番イ長調、
  第3番ホ短調、第4番へ長調、
  第5番ホ短調、第6番イ長調、
  カンタータ「やさしいアルフィンに」
マウロ・リギーニ(Viola d'amore)

 イタリアの作曲家アリオスティは、ヴァイオリニスト、オルガニスト、作曲家、リブレット奏者として活躍しました。ロンドンで生活をするようになり、ボノンチーニやヘンデルと交友がありました。1724年にロンドンで出版されたこの作品は、ジョージ王に献呈されています。タイトル通り、ヴィオラ・ダモーレの弾き方を教えるために特別に作られた作品です。
 ヴィオラ・ダモーレのパート譜は、スコルダトゥーラ(弦楽器の変則的な調弦法)で書かれています。これは一種のタブ譜で、書かれている音符は標準チューニングによる指の位置を示していますが、異なる音で調律された弦の音の高さは示していません。スコルダトゥーラは、ビーバー、バッハ、ヴィヴァルディなどの作品でも見られますが、最近ではヒンデミット、マルタン、ゲディーニなど、新しい作品にも見られようになりました。"普通ではない" というところに面白さがあるスコルダトゥーラ。その実際の効果もさることながら、スコルダトゥーラを使っているとわかって聴くと、ちょっとその音楽に興味が増すかもしれません。

 

BRL 96068
(4CD)
¥2800
マウロ・ジュリアーニ(1781-1828):フルートとギターのための作品全集 ダニエレ・ルッジェーリ(Flu)
アルベルト・メシルカ(Guitar)
 Disc. 1 THE ELEVATED STYLE
  大二重奏曲Op.52、6つの変奏曲Op.81、大二重奏曲Op.85、変奏曲Op.84、
  カタラーニ夫人による変奏曲WoO G&F(V)5、La biondina in gondolettaによる変奏曲、
  ポプリよりロンド「恋する乙女たち」、やさしい小二重奏曲Op.77
 Disc. 2 SERENADES AND DIVERTIMENTI
  セレナードOp.127、大セレナードOp.82、18の夜のディヴェルティメントOp.86
 Disc. 3 CHAMBER MUSIC
  大ポプリOp.126、やさしく愉快な小品Op.74、大ポプリOp.53、歌劇「タンクレーディ」によるポプリOp.76
 Disc. 4 ARRANGEMENTS AND TRANSCRIPTIONS
  大二重奏曲WoO G&F(V)1、行進曲による編曲集WoO GF(V)2、
  ヨーゼフ・マイセダーのポロネーズ第2番WoO GF(V)4
  ロッシーニの歌劇「セミラーミデ」の「悲しいうめき声」による
   四重奏曲Wo0 GF(V)5(フルートとギターのための再構成版)、
  12のレントラーとコーダOp.75

 イタリアのギタリストで作曲家のジュリアーニは、当時の流行のメロディや有名な行進曲、アリアなどに基づく作品で、多くのヒット作を残しました。特にフルートとギターのアンサンブルでは、多くの演奏者が魅力的に感じ、人気を後押ししたとされています。古典的な抑制のきいた純粋な作品で、軽快さのなかに美しい落ち着きがあります。
 ジュリアーニは、ベートーヴェンが敬愛したドイツ人フルート奏者、ヨハン・セドラツェクと親交を深め、ウィーンやイタリア各地で多くの演奏会を開いています。そのフルートとギターによる、初めてまとめられたこの曲集に収録された作品は、二人の共演のために書かれたもので、二人の名人芸と叙情的な才能が巧みに生かされています。
 演奏者のフルート奏者ルッジェーリとギタリストのメシルカは、ブリリアントクラシックスにおいて、アメリカの20世紀音楽を集めたアルバム(品番:95753)でも、素晴らしい演奏を聴かせており、今後の活躍が期待できるコンビであります。

 

BRL 96409
\1700
スペイン・ルネサンスの巨匠たち
 ベルナルディーノ・デ・リベーラ(c.1520-c.1580):
  ラマで泣き声が、祝福された御母、Dimitte me ergo
 ファン・ナバーロ(c.1530-1580):
  われは嘆き疲れ、天の女王、
  タイトルなし(サンティアゴ写本より)、
  Ecce ascendimus Hierosolimam
  Erat Iesus eiiciens daemonium、天国のたとえ話
 セバスティアン・デ・ビバンコ(c.1551-1622):
  第1旋法によるマニフィカト、罪の裁き
 トマス・ルイス・デ・ビクトリア(c.1548-1611):
  8声のサルヴェ・レジーナ
アミスティス
ホセ・ドゥセ・ケノル指揮
ミニストリレス・デ・ラ・レイナ

 16世紀スペイン黄金時代の名曲を探求し録音した、歌と楽器のアンサンブルグループ「アミスティス」は、前作(品番:95905)のリリースと同時に、一躍注目されることになりました。ポリフォニーを構造的な要素だけでなく、精神的な要素も含めて聴き手に認識させることを目指しており、今回は、スペイン・ルネサンス時代の作曲家の作品を取り上げ、より敬虔な文化のイメージを深く構築しています。
 創設者で指揮をするホセ・ドゥセ・ケノルは、このアルバムについて「録音された空間に響く音楽を体験し、音楽そのものを超えた空間的、精神的な感覚を感じ取ることができるだろう」と語っています。またブックレットには、ケノルよるこのアルバムのテーマと歴史的背景に関するエッセイと、歌唱テキストと訳詞が掲載されています。

 

BRL 96416
\1700
ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリ(1724-1808):
 チェロソナタと二重奏曲集

  2つのチェロのための8つの二重奏曲より
   第8番へ長調、第7番イ短調、第3番変ロ長調、第3番ト長調
  チェロと通奏低音のための12の室内ソナタより
   第2番、第6番、第5番、第10番
カルロス・モンテシノス・デフェス(Vc)
ブレイキング・ベース・アンサンブル

 1760年代に王室御用達となり、ヨーロッパ各地で活躍したチェロの名手ジョヴァンニ・バッティスタ・チッリの室内ソナタ4曲と二重奏曲4曲の世界初録音です。
 チッリは、8歳のモーツァルトがロンドンで行った最初の演奏会に参加した記録が残っています。チッリの作品は、ほとんど知られていませんが、6つのチェロ協奏曲はこれまでにいくつかの録音があるようです。心地よい旋律は、楽器の特性をとらえた構成が素晴らしく、もっと演奏機会があってもよさそうな作品であります。
 収録曲のソナタは、技術面での取り組みと、魅力的なメロディに充実感を感じます。一方の二重奏曲は、2つの楽器が対等にソロの役割を果たしたバランス感の優れた作品で、脚光を浴びるという、作曲者の演劇的な一面を垣間見ることができます。この曲は明らかに、教師と生徒が演奏する教育的な用途のために作られています。
 バロック時代に失われた室内楽の隠れた名曲を蘇らせることを使命とするスペインの弦楽合奏団、ブレイキング・ベース・アンサンブルによるデビュー・アルバムです。

 

BRL 96455
(2CD)
\1900
J.S.バッハ:
 ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集
ユアン・シェン(Clavichord)
  Disc. 1
   アプリカティオ ハ長調BWV.994、前奏曲ハ長調BWV.924、ただ愛する神の摂理にまかす者BWV.691、
   前奏曲ニ短調BWV.926、イエスはわが喜びBWV.753、アルマンド ト短調BWV.836、BWV.837、
   前奏曲ヘ長調BWV.927、ト短調BWV.930、ヘ長調BWV.928、メヌエット ト長調BWV.841、
   ト短調BWV.842、ト長調BWV.843、
   平均律クラヴィーア曲集第1巻より
    前奏曲第1番ハ長調BWV.846a、第2番ハ短調BWV.847/1、第3番ニ短調BWV.851/1、
    第4番ニ長調BWV.850/1、第5番ホ短調BWV.855a、第6番ホ長調、BWV.854/1、
    第7番ヘ長調BWV.856/1、第8番嬰ハ長調BWV.848/1、第9番嬰ハ短調BWV.849/1、
    第10番変ホ短調BWV.853/1、第11番ヘ短調BWV.857/1
   クラヴサン小品[アルマンド、クーラント]、前奏曲ハ長調BWV.924a、ニ長調BWV.925、
   ホ短調BWV.932、イ短調BWV.931、バス・スケッチ ト短調、3声のフーガ ハ長調BWV.953
  Disc. 2
   2声のインヴェンションBWV.772~BWV.786、組曲イ長調BWV.824[アルマンド、クーラント、ジーグ]
   シュテルツェル氏のパルティータ[序曲、イタリア風アリア、ブーレ、メヌエット]
   3声のインヴェンション(シンフォニア) BWV.787~BWV.801

 130分間に約70曲あるこの大作は、教師として、また家庭におけるひとりの親としてのバッハの姿が思い浮かぶ作品です。ヴィルヘルム・フリーデマンを自分の子供の中で、最も才能のある音楽家とみなしており、標準的な指の練習、トリルやタッチの明瞭さなど、特定の技術的な目的に対応する曲として作られました。また逆に音楽から技術を導き出すことも有用であるとされています。後にこの作品の中のインヴェンションとシンフォニアは独立して有名になりますが、原曲を通して幅広い多様な音楽集です。J.S.バッハの教師として、また自身の音楽を洗練させ、創造的に改訂する精神は、類を見ない唯一無二の作品と言えるでしょう。
 バッハの演奏において最高峰の位置するロザリン・テューレックに師事したユアン・シェンによる演奏。近年、歴史に基づいたバッハの演奏の実践、また指導者として中国で長くに渡り活躍しているピアニストです。

 

BRL 96521
\1700
フェルディナント・リース(1784-1838):ヴァイオリンソナタ集
 ヴァイリオンとピアノのための大ソナタ ヘ短調Op.19
 2つのヴァイオリンソナタOp.59[第1番ニ長調、第2番変ロ長調]
ロバート・バカラ(Vln)
マレク・トポロフスキ(fp)

 フェルディナンド・リースは、19世紀初頭から半ばにかけて多くの作品を残し、重要な音楽家の一人として有名でした。当時、ベートーヴェンの存在があまりにも大きかったようですが、リースも自らの作品にベートーヴェンの影響があるのは確かなようです。
 このディスクには、鍵盤楽器の音の減衰をヴァイオリンの持続音で "埋める" ことで、音楽のダイナミックな力を高め、重要な音の瞬間を際立たせるという「伴奏つき」と呼ばれる3曲を収録しています。2つのソナタOp.59は、作曲者自身がピアノソナタに番号を割り当てているので、基本的にはヴァイオリン伴奏のピアノソナタと言えるかもしれません。

 

BRL 96592
\1700
ブクステフーデ:カンタータ「われらがイエスの四肢」BuxWV75
 カンタータ「われらがイエスの四肢」BuxWV75
  [カンタータ1. Ad pedes(足について)
 カンタータ2. Ad genua(膝について)
 カンタータ3. Ad manus(手について)
 カンタータ4. Ad latus(脇腹について)
 カンタータ5. Ad pectus(胸について)
 カンタータ6. Ad cor(心について)
 カンタータ7. Ad faciem(顔について)]
ティメン・ヤン・ブロンダ指揮
ルター・バッハ・アンサンブル

 カンタータ「われらがイエスの四肢」は7つのカンタータで構成され、キリストの苦悩と、苦しめられている身体の各部分を絵画的に表現した音楽集です。北ドイツの厳格なプロテスタント様式とイタリア派の様式が融合し、神秘的な響きと透明で舞踏的な造形要素が共存する、驚くべき美しさと完成度の高い作品です。
 オランダのフローニンゲンを拠点とするルター・バッハ・アンサンブルによる2021年春の録音。声楽と楽器の両方で高度な技術を持った古楽の専門家を擁しており、また、歴史的な演奏法に基づく実践に長けたオランダ。高い水準での音楽を奏でることに成功しています。

 




.(2022年2月 紹介新譜)


BRL 95331
(11CD)
¥5200
ハンス・レオ・ハスラー(1562-1612):オルガン曲全集 マヌエル・トマディン(Org)
 Disc. 1
  オヴァーサス第6番 [pag. 167]/カンツォン [pag. 136]/
  4声のリチェルカーレ「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」 [pag. 81]/
  イスラエルの民エジプトをいで [pag. 259]/ガイヤルド [pag. 238] /
  第4旋法によるマニフィカト [pag. 52]/4声のカンツォン [pag. 144] /
  ヴァーサス第3番 [pag. 163]/ヴァーサス第16番 [pag. 186]
 Disc. 2
  第5旋法によるマニフィカト [pag. 86]/第9旋法によるリチェルカーレ [pag. 109]/
  4声のカンツォン [pag. 154]/イスラエルの民エジプトをいで(Peregrini Toni) [pag. 154]/
  カンツォン [pag. 150]/ヴァーサス第2番 [pag. 151] /リチェルカーレ [pag. 48]
 Disc. 3
  ルストガルテン [pag. 161]/第9旋法によるリチェルカーレ [pag. 101]/
  第9旋法によるリチェルカーレ(トッカータ) [pag 24]
 Disc. 4
  第2旋法によるマニフィカト [pag. 14]/カンツォン [pag. 134] /
  ヴァーサス第5番 [pag. 166] /第1旋法によるリチェルカーレ/
  マニフィカト(Tertij Toni) [pag. 39]/幻想曲「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」 [pag. 42] /
  第1旋法によるリチェルカーレをめぐるトッカータ [pag. 3]
 Disc. 5
  第1旋法によるマニフィカト [pag. 2]/カンツォン [pag. 130] /
  第1旋法によるリチェルカーレ [pag. 239]/カンツォン [pag. 140]/
  「Ich gieng einmal spatieren」による変奏曲 [pag. 190]
 Disc. 6
  トッカータ [pag. 14] /カンツォン [pag. 146] /4声のリチェルカーレ [pag. 52]/
  ヴァーサス第9番 [pag. 171] /第6旋法によるマニフィカト [pag. 99]/
  4声のカンツォン [pag. 142]/リチェルカーレ [pag. 65] /トッカータ [pag. 22] /
  カンツォン [pag. 152] /ヴァーサス第1番 [pag. 160]/第9旋法トッカータとフーガ [pag. 24] /
  ヴァーサス第10番 [pag. 172]/ヴァーサス第11番 [pag. 173]
 Disc. 7
  第8旋法によるマニフィカト [pag. 142]/ヴァーサス第14番 [pag. 178] /カンツォン [pag. 148]/
  ヴァーサス第15番 [pag. 181] /カンツォン [pag. 242]/ヴァーサス第13番 [pag. 176]/
  第4旋法によるマニフィカト [pag. 80]/第3旋法によるリチェルカーレ [pag. 58]/リチェルカーレ [pag. 24]
 Disc. 8
  地に平和を/主なる神よ/あなたは聖霊とともに [pag. 166]/ああ神よ 天より見たまえ [pag. 174]/
  第4旋法によるマニフィカト [pag. 66]/使徒のレスポンソリウム/
  Versus supra Calicem Domini [pag. 183]/われは信ず 唯一の主 [pag. 176]/聖なるかな/
  主の栄光は天地に満つ/主をたたえよ/神の子羊 [pag. 179] /使徒たちのキリエ/
  主よ 第2/キリストよ/主よ [pag. 160] /ヴァーサス第7番 [pag. 168] /
  入祭唱「私には見えます」/主よ汝はわれをためし [pag. 157]
 Disc. 9
  第1旋法から第4旋法によるマニフィカト [pag. 248]/カンツォン [pag. 132] /フーガ [pag. 115]/
  第4旋法によるリチェルカーレ [pag. 68]/第6旋法によるマニフィカト [pag. 113]/
  第12旋法によるカンツォン [pag. 245]/リチェルカーレ [pag. 75]
 Disc. 10
  入祭唱 [pag. 1]/ヴァーサス第8番 [pag. 170]/第3旋法によるフーガ [pag. 120]/
  ヴァーサス第4番 [pag. 164] /第7旋法によるマニフィカト [pag. 136]/
  オルランド・ディ・ラッソの「Susanna Un gioir」 [pag. 225]/第6旋法のトッカータ [pag. 6]
 Disc. 11
  第7旋法によるトッカータとリチェルカーレ [pag. 16] /リチェルカーレ [pag. 42] /
  カンツォン [pag. 128]/第7旋法によるマニフィカト [pag. 119]/
  第7旋法によるリチェルカーレ [pag. 88]/ヴァーサス第12番 [pag. 174]

 1564年にニュルンベルクの音楽一家に生まれたハスラーは、才能あふれる鍵盤奏者として活躍しました。イタリア・ヴェネツィアの音楽学校で教育を受けた、最初のドイツ人音楽家でもあります。近年、指揮者フィリップ・ヘレヴェッヘらにより、モテットをはじめとする声楽曲は広く知られていますが、オルガン、ハープシコード作品においては生前に出版されたものではないためか、あまり知られていません。
 イタリアのオルガニスト、マヌエル・トマディンは、「ハスラーは、最も優秀で尊敬するオルガニスト。」とし、広範囲にわたり未知の作品を多数収録するという、大きなプロジェクトを成し遂げました。イタリアのオルガンの歴史において適した楽器を使用し、伝統ある教会を知る上で大変魅力的です。イタリアのオルガン作りの歴史を感じ取れるギャラリーのような存在でもあります。ハスラーの作品は、この時代の新しい音楽として技術的、色彩的に洗練された作品であると言えるでしょう。

 

BRL 95696
\1700
ピョートル・ノウゾフスキー(Vc)
 ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

  ボヘミアの森よりOp.68より「森の静けさ」
  弦楽セレナード ホ長調Op.22
ピョートル・ノウゾフスキー(Vc)
スタニスワフ・ヴァヴジーネク指揮
チェコ室内管弦楽団パルドビツェ

 洗練されたクラシックの形式と、ロマンティックな音楽性、そしてチェコの国民性が融合されたドヴォルザークの作品。ドヴォルザークが人生の転機となった時期に作られた、3つの作品を収録しています。貧しい音楽家が、一夜にして売れっ子作曲家にるきっかけになった「弦楽セレナード」。アメリカへの移り、新しい国立音楽院を設立して指導始めたころの「森の静けさ」。ニューヨークでの生活を終えて、ボヘミアに戻り作られた「チェロ協奏曲」。現在では、他のどの協奏曲よりも世界の舞台で頻繁に演奏されている名曲です。

 

BRL 96025
(2CD)
\1900
レオポルト・コジェルフ(1747-1818):四手ピアノのための作品全集
 ピアノソナタOp.1-1 ヘ長調P.XII:8、Op.1-2 変ホ長調P.XII:9、
 ソナタ ヘ長調Op.19 P.XI:3、変ロ長調Op.29
 ソナタOp.12 第5番ハ長調、第6番へ長調、第7番ニ長調
マリウス・バルトッチーニ
イラリオ・グレゴレット(pf)

 近年、ブリリアント・レーベルが積極的に録音している、レオポルト・コジェルフ。ウィーンの古典主義の中で、最も重要な人物の一人です。今回は、ピアノ連弾のための作品集。同時代の作曲家たちと比較にならないほどの高度な音楽は、美しい旋律や技術面でのレベルも高く、コンサートのレパートリーとしても注目されている作品です。

 

BRL 96255
(3CD)
¥2300
セルゲイ・ルドネフ(1955-):ギター曲集
 Disc. 1
  ロシアの民謡と舞曲 ロヴシャン・マメドクリエフ(Guitar)
  Oh, You, The Night、Trinity、Creeps And Curls ディミトリー・イラリオノフ(Guitar)
  On The Murom Road、A Young One's Path、Monotonously Ringing Little Bell、
   In The Mountains Of Dagestan、We Went On A Boat Ride、Poor Girl
    アイヌール・ベグートフ(Guitar)
  Not For Me、Evening Bell ウラジミール・ミトヤコフ(Guitar)
 Disc. 2
  献呈 ロヴシャン・マメドクリエフ(Guitar)
  ビバ・マエストロ、マルセル・ダディ ディミトリー・イラリオノフ(Guitar)
  Alphine Mazurka、Strokes To The Portrait、Tribute To Barrios アイヌール・ベグートフ(Guitar)
  In Expectation、白鳥の歌、ソナチネ ウラジミール・ミトヤコフ(Guitar)
  White Grand Piano、Wind-Up Toy、ロマンス、イタリア奇想曲、A Bygone Day セルゲイ・ルドネフ(Guitar)
 Disc. 3
  Music of different Moods ロヴシャン・マメドクリエフ(Guitar)
  Night Cafe ディミトリー・イラリオノフ(Guitar)
  練習曲-幻想曲、蜃気楼 アイヌール・ベグートフ(Guitar)
  The Bright Night、Ukrainian Towel、Dreams、Latin American Etude、
   To My Friends、Island of Hope ウラジミール・ミトヤコフ(Guitar)
  Forget-Me-Not Flower、Caravan、Cossack Rhapsody、Take Three、Autumn Sketch、
   Greetings From Odessa、Moulin Rouge セルゲイ・ルドネフ(Guitar)

 ロシアのギタリストで作曲家のセルゲイ・ルドネフの作品集です。ルドネフは、アコーディオン科を卒業し、ギターを学びました。その後、軍楽隊に所属し、演奏者として様々な楽器に取り組み、副指揮者を務めています。80年代には、ロックやジャズグループのディレクター、様々なシンガーの伴奏者、編曲者として幅広く音楽活動をしています。ロシアでは、国を挙げて認められた音楽家で、ロシアンギターにおいてルドネフの地位は大変高いものになりました。バリオス、タレガ、ヴィラ=ロボスなどと肩を並べる存在として世界中のギタープレイヤーに親しまれています。
 真摯でロシア文化への限りない思いと、クラシックギター、7弦ギターの発展史に関する深い知識、ギターと作曲の革新性、民俗音楽から現代音楽まで、様々な音楽スタイルで突出した作品センスが光る音楽家です。

 

BRL 96304
\1700
ヘンドリク・アンドリーセン(1892-1981):
 ソプラノとオルガンによる作品集

  ヘンドリク・アンドリーセン:
   Maria, schone vrouwe、苦痛の鏡、教会ソナタ、
   愛は偉大なり、イエスの聖顔
  ヘンク・バディングス(1907-1987):トッカータ
  ベルトゥス・ファン・リエル(1906-1972):自由
  バディングス:前奏曲とフーガ2
  ロージー・ヴェルトヘイム(1888-1949):賛歌
  バディングス:前奏曲とフーガ4、3つのスピリチュアルの歌
クラーティエ・ファン・
 フェルトホーフェン(Sop)
マティアス・ハヴィンガ(Org)

 ヘンドリック・アンドリーセンの世界初録音を多数収録。第二次世界大戦中、ナチスの強制収容所に収監された経験もあるアンドリーセンは、中世のマリア像に関するテキストを活用しています。助けを求める祈りが込められている「Maria, schone vrouwe」。妻へ送ったこの作品は、古風なスタイルで書かれています。「教会ソナタ」は瞑想をテーマにし、「愛は偉大なり」では讃美歌風に仕上げられています。原曲は、弦楽オーケストラの伴奏ですが、演奏者のマティアス・ハヴィンガによるオルガン伴奏編曲版となっています。また、このディスクには、アンドリーセンと交流があったオランダの作曲家の作品も収録。占領下のアムステルダムで秘密裏に活動していたことが見て取れます。

 

BRL 96402
(2CD)
\1900
フェデリコ・グリエルモ&ラルテ・デラルコ
 アルビノーニ:後期ヴァイオリンソナタ集

 Disc. 1
  アルビノーニ:ヴァイオリンソナタ
   第1番ニ短調 TaIM So35、第2番ト短調 TaIM So36
  ジョヴァンニ・バッティスタ・ティバルディ:(1660-1750):
   コレッリを模した8小節のスアリオまたはカプリッチョ
  アルビノーニ:ヴァイオリンソナタ
   第3番イ長調 TaIM So37、第5番ホ短調 TaIM So39、
   第4番イ長調 TaIM So38
 Disc. 2
  ヴァイオリンソナタ
   第1番ヘ長調 TaIM So40、第2番イ短調 TaIM So41、
   第4番ニ短調 TaIM So43、第5番ニ長調 TaIM So44、
   第6番イ長調 TaIM So45、第3番ホ長調 TaIM So42
フェデリコ・グリエルモ(Vln)
ラルテ・デラルコ

 フェデリコ・グリエルモとラルテ・デラルコによる新録音の登場です。イタリアのバロック音楽では、常に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。アルビノーニの威厳があり表情豊かな音楽、個性的な作品に対し、うまく歌い上げるヴァイオリンの演奏が印象的です。このディスクは、アムステルダムの出版社「エスティエンヌ・ロジェ」が1707年か1708年出版した6曲と、パリの音楽出版社の「ルイ・フェ」が1742年出版した6つのソナタからのものですが、正確な年代や作者も不明なことも多く、今も研究が進められています。ブックレットには、18世紀ヴェネツィアの音楽研究の第一人者であるマイケル・タルボット氏の充実した解説付きです。

 

BRL 96426
\1700
ラインの黄金 ライネッケ、ワーグナー、ブルッフの作品より
 カール・ライネッケ(1824-1910):セレナード ト短調Op.242
 ワーグナー(ゲルハルト・ハイト編):ヴェーゼンドンク歌曲集
 ブルッフ:弦楽オーケストラのための協奏曲変ロ長調Op.posth.
 フリードリヒ・ジルヒャー(1789-1860)(ディク・ファン・ハステレン編):
  ローレライ
カーリン・ストローボス(MSop)
ディク・ファン・ハステレン指揮
チコーニア・コンソート

 ライン川は、多くのロマン主義的、民俗的なインスピレーションの源となっています。多くの作曲家はライン川を題材にした作品に親しみを持っていました。童話、騎士物語、民謡、神話(ラインの神話を含む)など、多岐にわたりますが、ロマンティックなものが多いのが特徴です。
 オランダのハーグを拠点とする弦楽オーケストラ「チコーニア・コンソート」による演奏。ブリリアントレーベルでも、後期ロマン派の「アメリカのパイオニア」(品番:BRL96086)、「20世紀初頭のパリの作曲家たち」(品番:BRL 95734)といった特徴的な切り口で選曲し、演奏、録音を行っています。

 

BRL 96482
\1700
2人の作曲家のハープシコード曲を聴き比べる一枚
 フランチェスコ・アラーヤ(1709-1770):8つのカプリッチョ
 フェルディナンド・ペレグリーニ(c.1715-c.1766):
  6つのハープシコードソナタOp.2
エンリコ・ビッソーロ(Harpsichord)

 ナポリに生まれ、国境を越えて活躍した2人の作曲家のハープシコード曲を聴き比べる一枚です。フランチェスコ・アラーヤは1709年に生まれで、サンクトペテルブルクで宮廷作曲家として活躍。音楽家としては名声を得ることはできませんでしたが、宮廷のために作曲したオペラやカンタータのほかに、オラトリオやチェンバロのためのカプリッチョ集が残されています。収録されたカプリッチョは、極めて自由な構成で、多彩な性格を持ち、時に見事なヴィルトゥオーゾぶりを発揮する作品。アラーヤが楽器とその演奏技術に関する深い知識を示す作品です。
 一方のフェルディナンド・ペレグリーニは1715年に生まれ、リヨン、ロンドン、パリで活動しました。詳細は不明な部分が多いのですが、サンタ・チェチーリア音楽院に入学した記録が残っています。「鍵盤の上の真の悪魔」と呼ばれていたとも言われ、ハープシコード独奏のためのソナタを多数作曲しています。そのスタイルは、優雅なフレージング、斬新なメロディ、反復的な伴奏の定型などが特徴です。

 

BRL 96538
\1700
フレデリック大王(1712-1786):9つのフルートソナタ集
 ソナタ
  変ホ長調、ハ短調、イ長調、イ短調、ホ短調、
  ハ長調、ハ短調、ニ短調、ロ短調
ジャン=ルカ・ペトルッチ(Flu)
パオラ・ピサ(Harpsichord)

プロイセン王国のフリードリヒ2世は、歴史上最も偉大な戦略家の一人であり、軍隊への関与や戦いなど政治的決断と、フルートや音楽への情熱を両立させる、大変優れた人物だったと言われています。戦時中も毎日演奏し、生涯で121曲のフルートソナタと4曲の協奏曲を作曲しました。演奏の腕前も素晴らしく、ヨハン・ヨアヒム・クァンツやC.P.E.バッハなどに大きな影響を与えたとされています。

 


.(2022年1月 紹介新譜)

 BRL 96549
(7CD)
\4500
フランスの作曲家によるヴァイオリンソナタ集 ヴァリアスアーティスツ
 Disc. 1
  ルイーズ・ファランク(1804-1875):
   スイス民謡による協奏的変奏曲Op.20、
   ヴァイオリンソナタ第1番ハ短調Op.37、第2番イ長調Op.39
     ダニエレ・オルランド(Vln)リンダ・ディ・カルロ(pf)
 Disc. 2
  サン=サーンス:
   ヴァイオリンソナタ第1番ニ短調Op.75、
   子守歌 変ロ長調Op.38、
   ヴァイオリンソナタ第2番変ホ長調Op.102、三部作 ニ長調Op.136
     マウロ・トルトレッリ(Vln)アンジェラ・メルーソ(pf)
 Disc. 3
  フォーレ:ヴァイオリンソナタ第1番イ長調Op.13、第2番ホ短調Op.108
    クリシア・オソストヴィッツ(Vln)スーザン・トムズ(pf)
 Disc. 4
  ドビュッシー:ヴァイオリンソナタ ト短調/
  ラヴェル:ヴァイオリンソナタ ト長調/
  フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調
    クリストフ・バラーティ(Vln)クララ・ヴュルツ(pf)
 Disc. 5
  ギヨーム・ルクー(1870-1894):ピアノ三重奏曲 ハ短調
    ブルノ・モンテイロ(Vln)ミゲル・ロッチャ(Vc)ジョアン・パウロ・サントス(pf)
  ヴュータン:ヴァイオリンソナタ ニ長調Op.12
    カルメロ・アンドリアーニ(Vln)ピエルルイジ・カミーチア(pf)
 Disc. 6
  レーヌ・バトン(1879-1940):ヴァイオリンソナタ第1番Op.24、第2番Op.46より第1楽章
    レオナルド・ミクッチ(Vln)フランチェスコ・バサニーシ(pf)
  アルベール・ルーセル(1869-1937):ヴァイオリンソナタ第1番ニ短調Op.11
    ジャン=ジャック・カントロフ(Vln)イェト・ロリング(pf)
 Disc. 7
  プーランク:ヴァイオリンソナタFP119
    ドゥッチョ・チェカンティ(Vln)マッテオ・フォッシ(pf)
  ミヨー:ヴァイオリンソナタ第1番Op.3、第2番Op.40
    マウロ・トルトレッリ(Vln)アンジェラ・メルーソ(pf)
  アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974):ヴァイオリンソナタ 
    ロベルト・コスタ(Vln)フィリッポ・ファリネッリ(pf)

 フランスのヴァイオリンソナタは、1877年に初演されたフォーレの第1番を皮切りに、サン=サーンスやフランクへと受け継がれていきます。20世紀前半のパリでは、サラサーテ、イザイ、エネスク、ティボーなど、パリを本拠地とする優れた演奏家が数多く活躍していたこともあり、ヴァイオリンソナタが次々と誕生しています。
 ルーセルとルクーの作品に垣間見えるワーグナー的な印象は、ドビュッシーのしなやかな傑作により払拭され、さらにラヴェルのソナタの魅惑的な音楽で大きく発展しました。また、ジョリヴェの1932年の大胆なソナタにより、あらたな変化を見せることになります。
 このコレクションは、パガニーニやヴュータンらのフランコ=ベルギー楽派から継承した、フランス・ヴァイオリンソナタの姿を感じ取ることのできる作品集となっています。

 

 BRL 96062
\1700
メトネル:歌曲集第3集
 歌曲「天使」Op.1bis、組曲「ヴォカリーズ」Op.41-2
 プーシキンの詩による7つの歌Op.52
  [窓、カラス、悲歌、予感、スペインのロマンス、
   セレナーデ、とらわれ人]、
  ピアノソナタ「牧歌」Op.56
 3つの未発表曲「祈り」「墓碑銘Op.13a」「詩編」
エカテリーナ・レヴェンタール(MSop)
フランク・ピーターズ(pf)

 内向的で秘密めいた、時に隠遁的な性格を持つメトネルの作品。ロシアとドイツの哲学と芸術を融合させたこれらの音楽は、大変興味深いものです。歌曲集第3集となった今作は、音楽的・心理的な洞察を更に深く掘り下げた作品を集めています。ゲーテの詩による作品と最後の歌曲集を収録。神聖さと芸術的インスピレーションについては、メトネルの最も挑戦的で完成度の高い作品と言われています。
 初期の複雑なピアノ曲とは対照的に、後期の凝縮された作曲スタイルを象徴した作品となっています。

 

 BRL 96382
\1700
20世紀のイタリアを代表する3人の作曲家
 ピアノ三重奏曲集


 フランコ・マルゴーラ(1908-1992):ピアノ三重奏曲
 ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニ(1892-1965):2つの間奏曲
 ヴィットーリオ・リエーティ(1898-1994):ピアノ三重奏曲
ミトス三重奏団

 20世紀のイタリアを代表する3人の作曲家によるピアノ三重奏曲集です。フランコ・マルゴーラは、アルフレッド・カゼッラの影響を受けています。ドラマ的な音楽は、アーティキュレーションや形式が簡潔。現代的でありながら理解しやすい和声。マルゴーラの作品の中でも評価の高い一曲となっています。
 ジョルジョ・フェデリコ・ゲディーニは、23歳の時に作曲した「2つの間奏曲」を収録。のちにケディーニの特徴となる対位法の使い方が既に高度で素晴らしく、また2つの間奏曲の対比がとてもユニークな作品です。

 

 BRL 96393
\1700
テレマン:
 リコーダーとヴィオラ・ダ・ガンバのためのトリオソナタ集

  トリオソナタ
   ヘ長調TWV42:F6、ハ長調TWV42:C2、
   ト長調TWV43:G10、ト短調TWV42:g9、
   ヘ長調TWV42:F3、ニ短調TWV42:d7
  組曲へ長調TWV44:6/55:F2
エリック・ボスグラーフ(Recorder)
ルシール・ブーランジェ(Dessus de Viole)
アレッサンドロ・ピアヌ(Harpsichord、Organ)
ロベルト・スミス(Dessus de Viole)
カール・ロスマン(Tenor Chalumeau)

 テレマンは、プロの音楽家にもアマチュアの音楽家にも好まれる、のびのびとした流麗な音楽を作り、当時からとても人気の高い作曲家でした。特に、トリオソナタは多くの人に好まれていたようです。このディスクでは、リコーダー、シャリュモーと、さまざまなヴィオール、通奏低音によるトリオソナタを収録。テレマンの特徴とも言える変化の多い曲調がとても印象的です。ポーランド風のスタイルでフィナーレ効果を高めているニ短調TWV 42:d7。優しい緩徐楽章を含んでいます。またハ長調TWV 42:C2では、4つの楽章すべてでリコーダーとバス・ヴィオールがカノンを奏でていたりします。どの曲も色々な顔を持つ魅力ある作品ばかりです。

 

 BRL 96407
(2CD)
\1900
アンジェロ・ジラルディーノを讃えて クリスティアーノ・ポルケッドゥ(Guitar)
 Disc. 1
  アンジェロ・ジラルディーノ(1941-):超絶技巧練習曲より
   「Soledad」「Omaggio a Sergeij Prokof'ev」「Noche Oscura」
   「Paesaggio Ligure」「Les Arbres Rouges」「Aubade」
  アンドレス・セゴビアとの対話、受胎告知、イコノスタス、静かな歌
  7つの前奏曲より「アストゥリアナ」「パガニーニ」、2つのイタリア人の肖像より「マルタの騎士」
 Disc. 2
  オリエナ協奏曲 ルチアーノ・コンディーナ指揮、ヴァッレ・ダオスタ交響楽団
  ギター組曲「サルデーニャ」、Contemplatio in Caligine
  クリスティアーノ・ポルケッドゥ(1975-):孤独のメタモルフォーゼ

 アンジェロ・ジラルディーノの生誕80周年を記念して新録音された一枚。ジラルディーノは、パガニーニ、タルレガ、ブローウェルなど数多くの作曲家・演奏家を輩出したギタリストの高貴な血筋を受け継いでいます。このディスクは、クラシック・ギターを中心にした独奏曲とオーケストラとの協奏曲作品を集めています。
 ジラルディーノに師事し、熱心な解釈者で、多くの作品に取り組んでいるポルケッドゥによる演奏です。

 

 BRL 96412
\1700
J.K.F.フィッシャー、J.K.ケルル:オルガン曲集
 ヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャー(c.1656-1746):
  前奏曲第8番、シャコンヌ、組曲「ウーラニアー」、組曲「エウテルペ」
 ヨハン・カスパール・ケルル(1627-1693):
  トッカータ第1番、カプリッチョ「カッコウ」、
  シャコンヌ、カンツォーナ、トッカータ第8番、
  Ricercata in Cilyndrum、パッサカリア、バッタリア
ルイ・フェルナンド・ソアレス(Org)

 J.K.F.フィッシャーはボヘミア人で、当時は非常に影響力のある音楽家、作曲家であったと言われています。その生涯については、ほとんど知られてはいませんが、1690年代神聖ローマ帝国の領邦君主ルートヴィヒ・ヴィルヘルムのカペルマイスターを務めていたようです。フランスのオーケストラ・スタイルとドイツ・スタイルを融合させた「音楽のパルナッソス」が代表作として有名です。今回収録された2つの組曲は、通常チェンバロで演奏されることが多く、オルガンを使用したものは珍しいとされています。
 一方のJ.K.ケルルは、ザクセン州南西部アドルフ出身。幼いころから音楽の才能を発揮していました。ウィーン宮廷で学び、ローマでカリッシミやフレスコバルディと交流があったようです。1656年にはバイエルン選帝侯フェルディナント・マリアの主席音楽監督に就任し、当代随一の作曲家となりました。ヘンデルやJ.S.バッハに影響を与えたことでも知られている作曲家です。

 

 BRL 96437
(2CD)
\1900
J.S.バッハ:トッカータ集BWV.910~BWV.916
 トッカータ
  嬰ヘ短調BWV.910、ハ短調BWV.911、ニ長調BWV.912、
  ニ短調BWV.913、ホ短調BWV.914、ト短調BWV.915、
  ト長調BWV.916
 前奏曲とフーガ イ短調BWV.894、
 ラルゴ イ短調BWV.894(リュプザム編)、
 フーガ イ短調BWV.894
ヴォルフガング・リュプザム
 (Lute-harpsichord)

 1707年から1713年にかけて作曲されたトッカータは、北ドイツのオルガン・バロックのスティルス・ファンタスティクス(幻想様式)を含んだ音楽として、多くの形式を持つ興味深い作品です。また、バッハがワイマール時代に作曲したと思われる 前奏曲とフーガ イ短調BWV.894 も収録。協奏曲的なイメージの作品ですが、バッハが自作を組み替えて作品を完成させたこともあり、リュプザムはさらに独自の編曲を加え演奏しています。
 バッハも所有していたと言われるリュート・ハープシコードを使用した録音。詩的で色鮮やかな音色は、低音域では響きがよく高音域では輝きがあり、リュプザムの想像力豊かな演奏と調和した見事な演奏です。

 

 BRL 96471
\1700
アルフレード・ピアッティ(1822-1901):12の奇想曲Op.25 ルチアーノ・タランティーノ(Vc)

 トリノやミラノでチェリストとして活躍したピアッティ。リストやメンデルゾーンとの交流がありました。主にロンドンで活動後、晩年はイタリアに戻り作品の編集を行っていました。死去した後、すべての作品はベルガモ市に遺贈されています。収録されている12の奇想曲は、最も有名な作品で、世界中のチェリストから愛され演奏されている作品です。
 楽器の技術的、表現的な可能性を最大限に引き出されており、ピアッティの熟練した畏敬の念を抱かせる作品でもあります。

 

 BRL 96485
\1700
ガエターノ・ブルネッティ(1744-1798):
 ディヴェルティメント集

  ディヴェルティメント
   第1番L.127、第2番L.128、第3番L.129、
   第4番L.130、第5番L.131、第6番L.132
プロイェクト・ブルネッティ
 [フェルナンド・パスクアル(Vln)
  イサベル・ロペス(Vla)
  ペレ=ホアン・カッラスコーサ(Vc)]

 ガエターノ・ブルネッティの作品や魅力を広く伝えるために結成されたプロジェクト・ブルネッティ。創設者でチェリストのペレ=ホアン・カッラスコーサは、ブルネッティの生涯と作品に関する研究を重ね、このディヴェルティメント集を出版するための編集を行いました。ブックレットには、その貴重な資料や情報も掲載されています。ブルネッティを知るために一番初めに聴くべき一枚です。スペインのアストゥリアス公に仕えていた時期の、1772年から1774年にかけて作られてとされており、弦楽三重奏で演奏されます。すべて2楽章構成で、基本的にはソナタかロンドの形式をとっています。旋律の新鮮さ、和声の創造性、そして3つのパートを対等に扱うスタイリッシュな作曲法が特徴です。

 

 BRL 96509
\1700
名越小百合(fp)
アントン・エーベルル(1765-1807):ピアノソナタ、変奏曲集

 ソナチネ ハ長調Op.5、グランドソナタ ト短調Op.27、
 モーツァルトの歌劇「魔笛」の「愛を感じる男の人たちには」による12の変奏曲
 グランドソナタ ハ長調Op.1より「アンダンテ・エスプレシーヴォ」
名越小百合(fp)

 1765年ウィーン生まれのアントン・エーベルル。モーツァルトの友人であり、ハイドンやグルックにも賞賛されていました。これまでモーツァルトの作品と考えられていた作品を含んだ鍵盤楽器の作品集です。コンスタンツェ・モーツァルトと演奏活動も行っており、ロシア王室のカペルマイスターとして活躍するも、病気のため41歳で死去しました。グランドソナタでは、大胆でドラマチックな鍵盤楽器の作品を意識したのか、壮大な序奏で始まり、色彩感の強いアレグロへと展開します。このアルバムでは、エーベルルの才能を十分に堪能できるだけでなく、次にどのような旋律が現れるのか、興味をそそられるような感覚を味わうことができます。
 東京生まれの名越小百合は、ブリュッセルのコンセルヴァトワールで、ピアノとチェンバロを学んだ後、19世紀末の2つの楽器が交差する時代に作曲された作品を中心に演奏しています。この録音では、1805年のブロードマン製のフォルテピアノを使用しています。

 



.(2021年12月 紹介新譜)


BRL 95913
(8CD)
¥4800
スクリャービン:ピアノ曲全集 ドミトリー・アレクセーエフ(pf)
 Disc. 1
  ワルツ ヘ短調Op.1、3つの小品Op.2
   [練習曲嬰ハ短調Op.2-1、前奏曲ロ長調Op.2-2、マズルカ風即興曲ハ長調Op.2-3]、10のマズルカOp.3
  アレグロ・アパッショナート変ホ短調Op.4、2つの夜想曲Op.5[嬰ヘ短調Op.5-1、イ長調Op.5-2]
 Disc. 2
  ピアノソナタ第1番ヘ短調Op.6、2つのマズルカ風即興曲Op.7、12の練習曲Op.8
  左手のための2つの小品Op.9[前奏曲嬰ハ短調Op.9-1、夜想曲変ニ長調Op.9-2]
 Disc. 3
  2つの即興曲Op.10、24の前奏曲Op.11、2つの即興曲Op.12、6つの前奏曲Op.13、
  2つの即興曲Op.14、5つの前奏曲Op.15、5つの前奏曲Op.16
 Disc. 4
  7つの前奏曲Op.17、演奏会用アレグロ変ロ短調Op.18、ピアノソナタ第2番嬰ト短調Op.19「幻想ソナタ」
  ポロネーズ変ロ短調Op.21、ピアノソナタ第3番嬰ヘ短調Op.23
 Disc. 5
  9つのマズルカOp.25、2つの前奏曲Op.27、幻想曲ロ短調Op.28、ピアノソナタ第4番嬰ヘ短調Op.30
  4つの前奏曲Op.31、2つの詩曲Op.32、4つの前奏曲Op.33、悲劇的な詩 変ロ長調Op.34
 Disc. 6
  3つの前奏曲Op.35、悪魔的詩曲Op.36、4つの前奏曲Op.37、ワルツ変イ長調Op.38、
  4つの前奏曲Op.39、2つのマズルカOp.40、詩曲 変ニ長調Op.41
  8つの練習曲Op.42、アルバムの綴り嬰へ長調(1905)、2つの詩曲Op.44
  3つの小品Op.45[アルバムの綴り変ホ長調Op.45-1、おどけた詩曲ハ長調Op.45-2、前奏曲 変ホ長調Op.45-3]
  スケルツォ ハ長調Op.46、ワルツ風にOp.47、4つの前奏曲Op.48
  3つの小品Op.49[練習曲 変ホ長調Op.49-1、前奏曲ヘ長調Op.49-2、夢想ハ長調Op.49-3]
  4つの小品Op.51[たよりなさOp.51-1、前奏曲イ短調Op.51-2、翼のある詩曲Op.51-3、けだるい舞踏Op.51-4]
 Disc. 7
  3つの小品Op.52[詩曲Op.52-1、謎Op.52-2、けだるい詩Op.52-3]、ピアノソナタ第5番Op.53
  4つの小品Op.56[前奏曲ホ長調Op.56-1、皮肉Op.56-2、ニュアンスOp.56-3、練習曲変ホ長調Op.56-4]
  2つの小品Op.57[欲望Op.57-1、舞い踊る愛撫Op.57-2]、アルバムの綴りOp.58
  2つの小品Op.59[詩曲Op.59-1、前奏曲Op.59-2]、詩曲 夜想曲Op.61、ピアノソナタ第6番Op.62
  2つの詩曲Op.63[仮面Op.63-1、見知らぬものOp.63-2]、ピアノソナタ第7番Op.64「白ミサ」
 Disc. 8
  3つの練習曲Op.65、ピアノソナタ第8番Op.66
  2つの前奏曲Op.67、ピアノソナタ第9番Op.68「黒ミサ」
  2つの詩曲Op.69[アレグレットOp.69-1、アレグレットOp.69-2]、ピアノソナタ第10番Op.70
  2つの詩曲Op.71[おどけてOp.71-1、空想してOp.71-2]、詩曲「炎に向かいて」Op.72、
  2つの舞曲Op.73[花飾りOp.73-1、暗い炎Op.73-2]、
  5つの前奏曲
   [苦しみ 悲痛なOp.74-1、十分に遅く 瞑想的にOp.74-2、劇的アレグロOp.74-3、
    ゆっくりした 漠然と 曖昧なOp.74-4、高慢な 好戦的なOp.74-5]

 スクリャービンは、生涯にわたりピアノ曲を作曲していますが、他の作曲家に比べ、常に作風が変化し続けていました。初期の作品では、ショパンを意識した伝統的なものが多く、代名詞ともなった無調の神秘和音へ至る流れもスムーズで、生涯に残した作品を見渡してみると、その進化を理解することができます。
 1947年生まれのドミトリー・アレクセーエフは、英国王立音楽院の教授としてロンドンに滞在し、80年代には多くの録音を残しています。スクリャービン自身の演奏が、その小柄な体格だったため "力に頼らないタッチで演奏していた" という証言に倣って、アレクセーエフは、音の質や色彩感を引きたてる演奏で魅了しました。ここに集められた小品に、詩的なニュアンスをもたらし、丁寧に弾きこんでおり、スクリャービンの解釈者として大変優秀なピアニストであることに間違いありません。スクリャービンを聴きたいリスナーにまず最初に手にして欲しい、また限りなく手にしやすいボックスセットとしておすすめです。

 

BRL 96483
\1700
ベートーヴェン:三重協奏曲
 ピアノ ヴァイオリンとチェロのための協奏曲ハ長調Op.56、
 ピアノ協奏曲変ホ長調WoO.4
トリオ・ロヴェルデ
 [ルシーン・ハルチュニャン(Vln)
  ベネディクト・クレックナー(Vc)
  エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ(pf)]
ヴァハン・マルディロシアン指揮
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・
 フィルハーモニー管弦楽団

 有名なベートーヴェンの三重協奏曲ですが、音楽史上唯一無二の作品です。ピアノ三重奏とオーケストラとの演奏と考えてみれば、非常に斬新で革新的なスタイルです。初演当時は、やはり困惑の作品ということで、ベートーヴェンが生きている間に2回目の演奏は記録されていません。いかなる組み合わせでも、ソリストとしてシンフォニックの一員として扱うというスタイルを追求したベートーヴェンならではの作品でもあります。
また、別名ピアノ協奏曲0番(WoO.4)と呼ばれるこの曲は、演奏機会が少なく、ほとんど知られていない作品で、14歳の時に作られています。ピアノ独奏部分と、他のパートの一部が残っていました。オーケストラスコアは紛失していましたが、研究により復元され、現在演奏できるようになっています。この作品は、ベートーヴェンの "若々しい作品のひとつ" として注目されており、18世紀後半の古典派の作曲家たちのようなスタイルで書かれているのが特徴でもあります。

 

BRL 95908
\1700
ボニファツィオ・アジオーリ(1769-1832):
 チェロソナタ、ピアノソナタ集

  チェロソナタ ハ長調、
  ピアノソナタ ハ長調Op.8-2、ホ長調Op.8-3
フランチェスコ・ガッリジョーニ(Vc)
ヨランダ・ヴィオランテ(Fp)

 ボニファツィオ・アジオーリは、ナポレオン政権下時代にミラノ音楽院の初代院長に任命されたことで知られています。アジオーリは、教壇に立つだけでなく、作曲も行い、器楽曲や声楽曲、教育用作品を次々と書き上げています。それより以前には、イタリアを訪れた多くの外国人や音楽家らと交流を持つことで、ヨーロッパの音楽に興味を持ち、独自の音楽観を確立しました。時代が激しく変化している中で、イタリアを中心に活躍した音楽家の興味深い作品集です。

 

BRL 95973
\1700
アレクサンドル・ゲディケ(1877-1957):ヴァイオリン曲集
 ソナタ イ長調Op.10-1、ニ長調Op.83-2、10の小品Op.80
フランチェスコ・パッリーノ(Vln)
ミケーレ・ペントレッラ(pf)

 メトネルのいとこで、ピアニストとしても活躍したゲディケ。ルービンシュタイン・コンクールで優勝もしている実力者です。また作曲家部門でも受賞するなど華々しい活躍をしていました。西側から特に注目されることもなく、また体制の中でキャリアを築くほどの野心家でもありませんでしたが、着実に自らの音楽を高めていきました。
 収録された2つのヴァイオリンソナタは、作られた時代が離れているため、その変化に驚きます。特にOp.83は、当時の反形式主義に対する反論という意図が明確にうかがえる作品でもあります。一方同時期に書かれたOp.80は、心地よいメロディと子供時代の思い出を効果的に組み合わせた作品。教育的音楽にも取り組んだ才能ある作曲家であることを認識させます。

 

BRL 96154
(6CD)
¥3900
フレスコバルディ:未出版のハープシコード、オルガン曲全集 ロベルト・ロレッジャン(Harpsichord、Organ)
 Disc. 1
  オルガンのためのトッカータ F 14.02.01/トッカータに続くカンツォーナ F 14.02.02/
  オルガンのためのトッカータ F 14.03/かっこうによるカプリッチョ F 14.05/
  ペダル付きオルガンのためのトッカータ F 14.06.01/トッカータの後のカンツォン F 14.06.02/
  オルガンのためのトッカータ F 14.08/カンツォーナ F 14.09/リチェルカーレ F 14.10/
  半音階的リチェルカーレ F 14.11/ペダル音上のトッカータ フーガ F 14.27/ルッジェーロ F 14.28/
  リチェルカーレ F 14.29/カンツォーナ F 14.32 /バレット第1 F 2.21 /バレットのコレンテ F 2.22/
  パッサカリア F 2.23/バレット第2 F 2.24/バレットのコレンテ F 2.25/パッサカリア F 2.29/
  リチェルカーレ F 14.30/カンツォーナ F 14.31/リチェルカーレ F 14.33/カンツォーナ F 14.34/
  トッカータ F 14.36/フィオレンツァのアリア F 14.38/リチェルカーレ F 14.39/
  コレンテ F 14.43/トッカータ F 14.45/バレットという名のアリア F 14.46/チャッコーナ F 14.47
 Disc. 2
  フィレンツェのアリアによるパルティータ F 14.01/カプリッチョ F 14.04/
  トッカータ第1 F 14.12/トッカータ第2 F 14.13/トッカータ第3 F 14.14/カンツォーナ F 15.51/
  トッカータ カンツォーナ F 15.52/トッカータ F 15.53 /カンツォーナ F 15.54/トッカータ F 15.55/
  パッサカリア F 14.49/バレット F 14.61/コレンテ F 14.62/コレンテ F 14.72/
  フレスコバルディのガリアルダ/ガリアルダ/ジローラモ・フレスコバルディ氏のトッカータ F 14.73/
  Sig.r Ger FBのコレンテ F 14.74/コレンテ第1/コレンテ第2/コレンテ第3/コレンテ第4/
  トッカータ/第3旋法によるフランスの歌/ルッジエーリ F 13.12/ラ・モニカ F 13.13
  トッカータ-コレンテ-バレットという名のアリア-モニカ-コレンテ-アラマナ-バレット-
  アリオ・モード-サラバンド-フレスカタンナとして知られるアリア-トッカータ-コレンテ-
  トッカータ-ロマネスカのようなトッカータ F 13.15-29
  オネスタ-コレンテとフォリア-コレンテ-フレスコバルディの大公のアリア-コレンテ-コレンテ
 Disc. 3
  トッカータ F 14.26/カンツォン第1 F 14.15/カンツォン第2 F 14.16/カンツォン第3 F 14.17/
  カンツォン第4 F 14.18/カンツォン第5 F 14.19/カンツォン第6 F 14.20/カンツォン第7 F 14.21/
  カンツォン第8 F 14.22/カンツォン第9 F 14.23/カンツォン第10 F 14.24/
  カンツォン第11 F 14.25/ファンタジア F 14.56/リチェルカーレ F 14.57/トッカータ F 14.58/
  グロリア・デ・サンティの二重唱の最初の歌/キリエ/トッカータ F 14.60/トッカータ F 13.01/
  トッカータ F 13.02/リチェルカーレ F 13.03/聖体奉挙のためのトッカータ F 13.04/
  リチェルカーレ F 13.05/カンツォーナ F 13.06/カンツォーナ F 13.07/
  トッカータ F 13.08/リチェルカーレ カンツォーナ F 13.09/カンツォーナ F 13.10
 Disc. 4
  コレンテ1 F 15.13/コレンテ2 F 15.14/コレンテ3/コレンテ4 F 15.15/コレンテ5/
  コレンテ6/ソナタ第1 F 15.60/ソナタ第2 F 15.61/フレスコバルディのカンツォーナ F 15.41/
  フレスコバルディの第1旋法によるトッカータ/フレスコバルディの第1旋法によるフーガ F 15.43/
  フレスコバルディの第2旋法によるカンツォン F 15.44a/カスパール・ケルルの第2旋法によるトッカータ/
  カンツォーナ/フレスコバルディのトッカータ F 14.70/ルッジェーロ/フィレンツェのアリア/
  フレスコバルディのカンツォン第1 F 16.51/カンツォン第2 F 16.52/カンツォン第10 F 16.60/
  カンツォン第13 F 16.62/カンツォン第15 F 16.63/カンツォン第16 F 16.64/
  カンツォン第17 F 16.65/カンツォン第18 F 16.66/第1トッカータ/
  第2トッカータ/第3トッカータまたはカンツォーネ/第4トッカータ・ピヴァ
 Disc. 5
  フレスコバルディ氏のトッカータ第1 F 15.03/フレスコバルディのトッカータ第2 F 15.04a/
  フレスコバルディ氏のトッカータ第3 F 15.05/フレスコバルディのトッカータ第4 F 15.06/
  フレスコバルディ氏のトッカータ第5 F 15.07/フレスコバルディのトッカータ第6 F 15.08/
  フレスコバルディのトッカータ第7 F 15.09/フレスコバルディ氏のトッカータ第8 F 15.10/
  ローマのマニスタのアリアによるパルティータ F 15.30.01-06/フレスコバルディ氏のルッジェーロ F 14.64/
  コレンテ F 15.16b/コレンテ F 14.71/トッカータ F 14.59/カプリッチョ F 15.17/
  フレスコバルディのカプリッチョ F 15.18/フレスコバルディのカンツォン F 15.19/
  ヴェルソ F 15.20/カンツォン/コレンテ F 15.59/エルコーレ・パスクィーニのコレンテ F 15.16c/
  フォリア/コレンテ/ジローラモ氏のコレンテ F 15.16a/ロマネスカ/ルッジェーロのアリア/
  トッカータ/フレスコバルディのロマネスカ F 15.02/ルッジェーロ/
  フレスコバルディのコレンテ F 15.01/フレスコバルディ氏のカプリッチョ F 15.26.01/02/
  ヒエロスメ・フレスコバルディ氏のファンタジア F 15.28/
  第6旋法によるローマのトッカータ F 15.50/フレスコバルディのコレンテ
 Disc. 6
  フレスコバルディのコントラバス付きオルガンのためのトッカータ F 15.11/
  第3旋法によるトッカータ F 15.04b/カンツォーナ F 15.33/フーガ フレスゴバルティ F 15.35a/
  フレスコバルディのカンツォーナ F 15.36/カンツォーナ F 15.37/カンツォーナ F 15.40/
  フレスコバルディのフーガ F 15.42a/Hinno per le Domeniche di tutto l'anno F 14.65/
  Hinno della Pentecoste F 14.66/Hinno delli Apostoli F 14.67/Hinno di Natale F 14.68 /
  使徒のキリエ/フレスコバルディの聖体奉挙/コレンテ/同様の聖体奉挙/リチェルカーレ F 18.10S

 J.S.バッハに多大な影響を与えた17世紀イタリアの鍵盤楽器の巨匠、フレスコバルディのトッカータ、カンツォーナ、コレンテなどの初録音が多数収録されています。
 フレスコバルディの音楽は、歴史的にも重要ですが、それ以上に、生き生きとしたリズムや不意に変化する和声に穏やかな重厚感があるのが特徴です。当時としては珍しく鍵盤楽器のために書かれた作品が多いのも特筆できます。演奏者のロレッジャンが出版されている作品全集を録音してから10年が経ちました。今やフレスコバルディの録音の決定盤となって高い人気を誇っています。そして、この10年間でヨーロッパ中の手稿コレクションから作品を集め現代によみがえらせたのがこのボックスセットです。既に出版されている作品の別のバージョンや、初期のスタイルのものもあります。フレスコバルディの軌跡をたどるプロジェクトのひとつとして、少しでも鍵盤音楽に興味を持っておられるかたに、必要不可欠なボックスとしておすすめします。

 

BRL 96219
(4CD)
¥2800
サン=サーンス:オルガン曲全集 ミケーレ・サビーノ(Org)
 Disc. 1
  幻想曲第1番変ホ長調、祝婚曲ヘ長調Op.9、ブルターニュの歌による3つのラプソディOp.7、
  主題と変奏と「怒りの日」のコラール、幻想曲第2番変ニ長調Op.101
 Disc. 2
  宗教的行進曲ヘ長調Op.107、奉献誦、9つのオルガンもしくはハルモニウムのための小品集、
  行進曲-行列、間奏曲-フーガ、奉献誦、行列、聖体奉挙、奉献誦、アヴェ・ヴェルム、奉献誦、
  聖体奉挙、前奏曲へ長調、2つのヴェルセ[第1番ホ短調、第2番へ長調]、聖体奉挙Op.13、前奏曲ハ長調
 Disc. 3
  糸杉と月桂樹Op.156、コラール-前奏曲「おお救い主よ」、前奏曲ハ短調、幻想曲第3番ハ長調Op.157
  3つの前奏曲とフーガOp.99[第1番ホ長調、第2番ロ長調、第3番変ホ長調]
 Disc. 4
  3つの前奏曲とフーガOp.109[第1番ニ短調、第2番ト長調、第3番ハ長調]
  7つの即興曲Op.150
   [第1番ホ長調、第2番ロ短調、第3番変ロ長調、第4番イ長調、第5番ト短調、第6番ロ短調、第7番イ短調]

 サン=サーンスの没後100年を記念して新録音されたオルガン曲集です。教会のオルガン奏者としても有名だったサン=サーンスは、小品を多く残しています。どこかドイツ風の響きもある作風が、教会音楽を親しみやすく感じさせているように思えます。またオルガンの構造にも精通していたサン=サーンスは、それぞれの楽器特有の響きや音色を研究し、自らの作品に生かしたと言われています。
 演奏者のミケーレ・サビーノは1978年イタリア生まれで、現在ドイツで活動しているオルガニストです。

 

BRL 96245
\1700
ハーメルンの笛吹き男とメロドラマ イェド・ヴェンツ(朗読)
アルテム・ベログロフ(pf、dulcitone)
 アレクサンダー・キャンベル・マッケンジー(1847-1935):ユージン・アラムの夢(トーマス・フッド)
 ハリー・ファージョン(1878-1948):牧歌第1番Op.28
 ヨーク・ボーエン(1884-1961):子供の頭痛の歌(ヴァイオレット・ヘレン・フリートレンダー)
 マーガレット・アムフレット(1874-1958):さらわれた子ども(ウィリアム・バトラー・イェイツ)
 ハリー・ファージョン(1878-1948):美しいけれど無慈悲な乙女(ジョン・キーツ)/妖精の島(エドガー・アラン・ポー)
 ドビュッシー:月の光
 アーサー・バーグ(1882-1962):ハーメルンの笛吹き男(ロバート・ブラウニング)

 朗読と音楽を組み合わせたジャンルのメロドラマは、20世紀の初頭に特に盛んになりました。19世紀後半のメロドラマは、音楽と会話を交互に繰り返すだけではなく、ほぼ連続した精巧な伴奏に合わせてテキストを朗読することが主なスタイルとなっていました。
 伴奏に圧倒されず、歌ではなくデクラメーション(抑揚・韻律を重要視する歌唱法)を続けるために、声楽パートには特殊なスタイルと高い技術が要求されます。
 今回、イェド・ヴェンツとアルテム・ベログロフは、メロドラマの中に言葉と音楽の二重の芸術の融合を見出し、このジャンルがいかに感動的であるか、なぜこれほどまでに人気があったのか、そして今日どのように再生されるのかを明らかにしようとしています。

 

BRL 96432
(3CD)
¥2300
シメオン・テン・ホルト(1923-2012):カント・オスティナート 2台ピアノ版
 Disc. 1
  セクション01、10、17、20、34、41、56、60、39、74(Cumulation I)、83
 Disc. 2
  セクション84、88A、88E、89、91A、91F、95(Cumulation II)、105
 Disc. 3
  セクション84、89、インカント6、6(Chords)、6(Conclusion)、
  セクション91A、91F、95(Cumulation II)、105、106
イェローン・ファン・フェーン
サンドラ・ファン・フェーン(pf)
 今やオランダのミニマル音楽の頂点に君臨するイェローン・ファン・フェーン。オランダのミニマリスト テン・ホルトの代表作「カント・オスティナート」。4つ目のヴァージョンになる2台ピアノ版です。106のセクションで構成され、5拍子で繰り返されるパターンは、ライヒやグラスらアメリカのミニマリズムの名作にも引けを取らない作品として、テン・ホルトの名を不動のものにしました。

 

BRL 96435
(3CD)
¥2300
アーネスト・シャンド(1868-1924):ギター曲集 アルベルト・ラ・ロッカ(Guitar)
 Disc. 1
  ツィガーヌOp.66、愛の夢Op.57、6つの小品より第4曲「前奏曲と即興曲」、伝説Op.201、
  6つの小品より第6曲「物思い」、アンダンテ・エスプレッシーヴォOp.60、地の精Op.77、シャンソン、
  むなしい後悔Op.112、アンダンテ・カプリースOp.65、ワルシャワ風マズルカOp.204、
  敬虔なアンダンテOp.87、フィリス-ガヴォットOp.200、夏の歌Op.95、葬送行進曲Op.89、
  バレエの情景Op.72、夕方の静けさと子守歌Op.58、ロココ風ガヴォット、さようならOp.117
 Disc. 2
  叙情的な曲第1番Op.97、第2番Op.104、第3番Op.111、ハンガリー舞曲Op.96、炉端でOp.202、
  アイルランド幻想曲Op.59、ピクシーズの行進曲Op.16、3つのやさしい小品Op.56、夜の夢Op.54、
  右手のための練習曲Op.41より、練習曲Op.2より、Op.19より、繰り返しの練習曲Op.43より、
  メロディ-夜想曲Op.51、古風な舞曲Op.88、嘆きと歌Op.70、精霊の踊りOp.205、別れOp.10
 Disc. 3
  即興曲Op.108、忘れられたメロディOp.116、断章、序奏とシャンソンOp.220、ロシア風マズルカOp.21、
  子守歌Op.99、伝説の舞曲、思い出Op.53、ガヴォットと瞑想Op.69、行進曲Op.91、
  ディヴェルティメントOp.6、マズルカOp.36、枯葉Op.129、舞曲カプリッチョOp.28、
  アンダンテOp.86、凱旋行進曲Op.109、夜の歌、優雅な舞曲Op.29-2、永遠に

 演奏者のアルベルト・ラ・ロッカが、「ギターのための最も偉大な作曲家の一人」と尊敬しいるアーネスト・シャンドの作品を集めた一枚。初録音の作品も含まれています。
死後、忘れ去れてしまったシャンドですが、現存する220の作品をみると、独創性に富み、惹きつけるメロディを紡ぐ才能を持った作曲家であることがわかります。これらの作品はシャンドが自ら演奏するために作曲されたものと言われており、本質的にロマンティックなスタイルで、大胆な転調やモード奏法を取り入れています。それらは、後にヴィラ=ロボスによってもたらされたギター音楽の革命的な特徴となる印象主義の根幹となっています。
 感傷的なメロディと色彩豊かなハーモニーによって、独特のビクトリア調の雰囲気を醸し出している音楽です。

 

BRL 96498
\1700
夜想曲 ハープのための音楽集
 ベートーヴェン(J.トーマス):幻想曲風ソナタOp.27-2(月光)
 ツェルニー:2つの小幻想曲Op.392[夕べ、夜]
 フィールド:夜想曲第5番変ロ長調
 ショパン:夜想曲第20番嬰ハ短調遺作、第6番ト短調Op.15-3
 ブラームス:ピアノソナタ第3番Op.5より第2楽章
 ドビュッシー:月の光、夜想曲、燃える炭火に照らされた夕べ
アレッシア・ルイーゼ(Harp)

 音に対し綿密で集中的な探究心が、"ノクターン"をテーマに19世紀のヨーロッパ音楽を旅するかのようにまとめられた一枚です。ハープによる編曲集ですが、原曲はいずれも"夜"が共通のテーマ。ロマンティックで内省的な側面を奏でます。選曲もさることながら収録順が素晴らしく、全体を通して聴く際に理想的な起伏や旋律の流れに乗って楽しめることでしょう。

 





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