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FUGA LIBERA その2
1CD\2800→\2290
〜9/24(日)


 ブリュッセル近郊で2003年にスタートしたベルギーのレーベル Fuga Libera 。元 Cypresだったプロデューサーが立ち上げた超本格派のレーベル。
 ルネサンスから近代まで、マニアックなように見えて、実はかなり正統派の内容。
 演奏家には大野和士、アリス・アデール、ゼフェリン・フォン・エッカルトシュタイン、ヴァルター・ヴェラー、パウル・ドンブレヒト、エル・バシャ、パウル・バドゥラ=スコダ、アルテミスSQのナターリャ・プリシチェペンコ。そして新星プラメナ・マンゴヴァ、古楽集団ドルチェ・エ・テンペスタなど才能豊かな新進ミュージシャンたちも発掘してくる。
 多くの音楽誌で絶賛され、すでに多くのベストセラー・アイテムを誇る・・・というのは下記アイテムをご覧いただければお分かりいただけると思う。
 また紙装丁の美麗デジパックも目を引く。CD自体がひとつの芸術品として存在しているのである。
 さてそのFUGA LIBERA、国内盤では¥3000近い価格で出ているのだが、代理店の方針で輸入盤はあまり市場に出回らない。今回はそのFUGA LIBERAの中からレアな輸入盤をご紹介。

Trio Sonatas ジョヴァンニ・マリア・ボノンチーニ(1642〜78):
 1. 『音楽の庭より、初物の果実さまざま』op.1より
  〜ソナタ第4・5・6・8番(1666)
 2. 『ソナタ・ダ・カメラとバッロ集』op.2より
  〜バレット第11番(1667)
 3. 『音楽の庭より果実さまざま、または2,3,4声の
  室内ソナタ集』op.3より〜ソナタ第17番(1669)
 4. 『3つまたは4つの楽器のための楽曲集』op.9より
  ソナタ第1・3・5・9番(1675)
ヘンリー・パーセル(1659〜95):
 5. 『12曲からなる3声のソナタ集』より
  ソナタ第1・2・6・9・11・12番(1682)
ヤープ・シュレーダー(バロック・ヴァイオリン)
アルカディア・プレイヤーズ (古楽器使用)
FUG514
輸入盤
\2290

 ボノンチーニ、お父さんも負けてはいない。これだけ本気の演奏あればこそ、その事実は初めてちゃんと伝わるわけです。なにしろ演奏は大御所シュレーダー御大!!
 コレッリ登場の直前と直後で、同じイタリアと遠い英国に花開いたトリオ芸術の美を堪能!
 G.B.ボノンチーニの生まれたモデナという街は、実はコレッリが活躍したボローニャやローマと並ぶ、ヴィヴァルディらヴェネツィア楽派台頭以前のイタリア器楽のメッカのひとつ。彼はそこで稀代のヴァイオリン芸術家の息子として生まれ、華々しいキャリアを歩むわけですが、その父親のほうの作品は、演奏時間の短い曲ばかりのせいか、きちんと傾聴されうる録音になかなか恵まれず、むしろ南国ナポリの異才マッテイスのほうが同時代のヴァイオリン芸術家では有名かもしれません。
 しかし実はこの父ボノンチーニは、ウッチェリーニやストラデッラら「中期バロック」のイタリア器楽作家たちと、後期バロックの大家コレッリとの間をつなぐ貴重な世代の偉人で、コレッリに先駆けてトリオ・ソナタ形式を発展させた重要人物のひとり。彼やトレッリのおかげで、北西イタリアはナポリやヴェネツィアより数段先駆けた器楽先進地であり続けました。
 嬉しいことに、本盤の演奏者はレオンハルトやアルノンクールと古楽復興を盛り上げた大御所、J.シュレーダー!
 絹糸のようにきめ細かいガットの美音はまさに彼だけの境地、軽微に聞き流されかねない小品の細部に潜む和声や装飾の機微を、一つ残さず傾聴させてくれる至高の解釈に唸らざるを得ません!
 併録されたパーセルのトリオ群は、逆にコレッリ直後、その影響が理想的に昇華された作例・・・こちらも意外に録音されない穴場的レパートリーですが、英国的な“ふしぎさ”を押さえつつ、みごとイタリア風の鮮烈なコントラストも打ち出す周到さは圧巻!北米東海岸古楽界の粋を集めた絶妙の通奏低音陣とあいまって、しみじみ良いバロック・ヴァイオリン聴覚体験が詰まった1 枚――聴き逃す手はありません!
Juan Crisostomo de Arriaga - Vocal Works アリアーガ :知られざる傑作アリア 他、声楽作品
 1.おお、救いの生贄(オ・サルタリス・ホスチア)
 2.聖母は立てり、悲しみにくれ(スターバト・マーテル)
 3. エール「希望を持ってよいのか、おお不幸なる自分よ」〜
   『コロヌスのエディプス王』より
 4. カンタータ「エルミニ」
 5. エール「婚礼の神よ、空なる恐怖を散らしたまえ」〜
   『メデー』より
 6. 二重唱「いけないのは重々、わかってはいるけど」〜
   『オロール伯母さん』より
 7. 二重唱「砂漠のハガル」
パウル・ドンブレヒト指揮
イル・フォンダメント(古楽器使用)
フィオレト・セレナ・ノールダイン(S)
ロバート・ゲチェル、
ミカエル・ステンバーク(T)
ヒューベルト・クラーセンス(Bs-Br)
ブリュク・ヴァテレ(ボーイソプラノ)
FUG515
\2290

 ベルリオーズより遅く生まれ、ベートーヴェンより先に亡くなった…フランス王政復古期を駆け抜けるように生き抜いた、スペイン生まれの天才アリアーガの至芸を真の意味で伝える、貴重なアリア集――演奏最高、流通希少だった幻の名盤をどうぞ!
 ヨーロッパ芸術音楽史上、おそらく最も若くして亡くなったのが、スペイン生まれの天才作曲家、アリアーガでしょう。何しろ享年、20 に満たず――
 しかしその音楽は同時代人たちを瞠目させ、故郷ビルバオと後年はパリで作曲された僅かばかりの現存作品(とくに1曲の交響曲と3曲の弦楽四重奏曲)は、今のクラシック・ファンにも熱心な愛好家が少なくありません! ベルギーの精鋭古楽器集団イル・フォンダメントは、この天才の傑作群をはじめて全面的に古楽器演奏でとりあげてくれたわけですが、交響曲・序曲集(MFUG522)が根強く売れているところからも、日本におけるアリアーガ・ファンの情熱は伝わってこようというもの。しかし、イル・フォンダメントのアリアーガ探究は、器楽作品だけにとどまりませんでした――
 ここにご紹介するアルバムは、現代楽器でもめったに演奏されてこなかったアリアーガの貴重な声楽作品群をたんねんに集め、1枚のアルバムにまで作りあげたもの――
 歌い手は古楽オペラ界きっての腕利きぞろい、もちろんオーケストラにも古楽界で最も多忙な気鋭奏者が集まり、秘曲をただ発掘しただけでなく、すばらしくインテンスな演奏でその魅力をひろく知らしめる、そんなポテンシャルに満ちたトラックの連続なのが嬉しいところ!
 前半ふたつの宗教曲はビルバオ時代の作とされ、古風なスタイルのなかにも初期ロマン派風のドラマティックな和声感覚が発揮され、とくにキリストの死と聖母マリアの悲しみを歌った「スターバト・マーテル」はえもいわれぬ真摯な表現が胸を打ちます。
 残る曲は「歌劇習作集」と題されているものの、実体は既存のオペラなどから歌詞を抜粋して作られた、堂々たる演奏会用アリアの連続…壮大な二重唱「砂漠のハガル」をはじめ、革命期風とロッシーニ風の間をゆく(つまり、ベートーヴェンの泥臭さを洗練させたような)ドラマティックな傑作の数々が名手たちの絶品解釈で冴えわたり、手を抜かぬ伴奏部分の面白さは第一級の管弦楽曲としても愉しめる…さすが天才アリアーガ!聴き逃すのはあまりに惜しい名盤です。
Brouwer, L: Concerto Elegiaco, etc. レオ・ブローウェル(1713〜51):
 1. ギター協奏曲第3番「悲しみの協奏曲」
 2. 三つの協奏的舞曲
 3. ギター五重奏曲〜ギターと弦楽四重奏のための
ドゥニ・スンホ(ギター)
トゥルネー・シャペル・ミュジカル室内合奏団
(指揮:フィリップ・ジェラール) アルファマ四重奏団
FUG524
\2290

 ストレートな南国情緒を、爽快なサウンドでスマートに――
 押しの一手で迫らない、フランス映画のように「静々と迫力をみせる」この上品なるブローウェル像!・・・と思いきや、録音希少なギター五重奏曲はロックなパワー全開!とにかくウマイです!
 レオ・ブローウェル――ご存知、現代キューバを代表する作曲家にして稀代のギタリスト、クラシックの世界にあって、難解な現代臭とはまるで無縁なのに、明らかに新しい、鋭角的なリズムと叙情的な語り口で、(クラシックを知らない人も含め)誰が聴いてもエキサイトせずにはおれないようなロックな語法をつむぎだす才人。
 ギター弾きのあいだではつとに知られた巨星ですが、若き俊英・大萩康司氏のそれをはじめソロ作品は無数の録音に恵まれている一方、意外と出てこないのが、それ以外の作品。ここに登場するベルギー勢の録音は、そうした状況に風穴をあける待望の協奏的作品&室内楽アルバムでございます!
Schnittke - Concerto for Piano and Strings シュニトケ(1934〜1998):
 1.ピアノと弦楽合奏のための協奏曲op.136
 2. ひとつの和声上の変奏曲op.39(p独奏)
 3. 即興とフーガ op.38(p独奏)
ヴィクトリア・リュビツカヤ(ピアノ)
マルク・ゴレンシテイン指揮

ロシア国立交響楽団
FUG 532
\2290

 モスクワ音楽院の伝統をひく名手が、「21 世紀の新しいシュニトケ像」を圧倒的な求心力でつむぎだす。
 宝玉のように輝き匂いたつピアノの美音を、スヴェトラーノフの衣鉢をつぐ名門楽団&気鋭指揮者が、重層な弦の大波で迎える!

 シュニトケが亡くなってから、もう10 年の歳月が過ぎ去ってしまいました――歿後10年にあたる2008年が終わる前に、FugaLibera から、モスクワ最前線をゆく名手&名指揮者によるクールな1作が登場!
 ドイツ系ソ連人として生まれ、冷戦から雪解けへの時期におけるロシアきっての前衛作曲家として、東西両陣営の多くの人々を熱狂させてきたシュニトケの作品群は、バルトークやショスタコーヴィチらのような近代的明確さと迫力、ペルトやタヴナーにも相通じる比類ない詩情、バロック的・古典的なスタイルのうまい採り入れ方などによって、21 世紀以降もなお異例なまでに広い聴衆を獲得しつづけています。
 歿後10 年を経た今でもこうして新録音が出てくるわけで、20 世紀最後のユニヴァーサルな大作曲家として、その名は今後も歴史に刻まれ続けてゆくのでしょう。
 ここで録音されているのも、決して初録音というわけではない1979 年のピアノ協奏曲――しかしどうでしょう、その演奏結果の瑞々しさ! 壮麗・重層な弦楽合奏の波をくぐるようにして、ひとつひとつが宝玉のような美を秘めた、ニュアンス豊かな音符を結晶させてゆくピアノ。ふたつの感性はぶつかりあい、対話をかわし、やがてひとつに溶け合ってゆく…作品構造をよく咀嚼したうえで、ひとつの新境地がここに打ち出されているのです。ゴージャスな弦楽サウンドの紡ぎ手は、巨人スヴェトラーノフと幾多の名演を残してきたモスクワ国立響の弦楽セクション。率いるはスヴェトラーノフの後任として、2002 年から長年にわたり同楽団の監督となった名匠ゴレシテイン! スケールの雄大さ、渋ーい音色の味わい、いずれもロシア好きにはたまらない響きではないでしょうか。
 対するピアニストは、モスクワ音楽院直系の新世代奏者リュビツカヤ――おそらくこれがデビュー盤のようですが、ドミトリー・リスやアレクサンドル・ルーディンら「ロシアの国際派新世代」たる気鋭指揮者たちが彼女を共演者に選んでいることからも「将来嘱望されっぷり」は推して知れようというもの。2曲のソロでも強烈な求心力をほとばしらせ、作品の面白さを印象づけてみせるあたり(シュニトケで、ですよ?)只者じゃない将来性を感じさせます。これぞ21世紀のシュニトケ像、必聴です!
Britten - Variations on a theme of Frank Bridge ブリテン:
 1. ブリッジの主題による変奏曲 作品10
 2. ラクリメ(涙)〜ダウランドの
  或る歌について思うこと 作品48a
 3. 弦楽合奏による二つの肖像
 4. シンプル・シンフォニー 作品4
ローラン・ケネル指揮
ヨーロピアン・カメラータ
ジャン=ポール・ミナリ=ベラ(アルペジーナ)
FUG534
\2290

 英国楽壇でもちょっと異色な、ブリテンの“普遍性”がきれいに際立つ名演!
 本盤のヨーロピアン・カメラータは、20年くらい前にアバド指揮でベルリオーズなんかを録音していたECユース・オーケストラのメンバーたちが再結成したグループ。今回の録音では6−5−3−3−2の19人編成で、フランス語圏、イタリア語圏、英国などの気鋭奏者たちのアンサンブルは一糸乱れぬ揃いよう、さながら拡大された弦楽四重奏といった有機性を保ちつつもスマート&クールに機能的、じわじわ心に響くストレートな美音の重なりは明らかに非・英語圏的。
 現代音楽も古楽奏法もイケそうな大陸気鋭系、21世紀のユニヴァーサルな上質弦楽といった感。英国楽壇のルネサンス・コンプレックスのなかで育ったブリテンだけに、ダウランドにインスパイアされた曲も1編あり。そのヴィオラ・ソロを異色楽器アルペジーナで、フランス国立管の首席ミナリ=ベラ(巨匠W.トランプラーの弟子!)が鮮やかに仕上げているのは必聴!隅々まで楽しめる1枚。
Mozart: Piano Sonatas Nos. 10, 17 and 18 モーツァルト:ピアノ・ソナタ集
 1. ピアノ・ソナタ 第10 番ハ長調 KV330(300h)
 2. ピアノ・ソナタ 第17 番変ロ長調 KV570
 3. ピアノ・ソナタ 第18 番ニ長調 KV576
 4. アダージョ ロ短調 KV540
ボヤン・ヴォデニチャロフ(fp/ヴァルター)
FUG538
\2290

 寺神戸 亮のパートナーたる異色フォルテピアノ奏者のソロ、ついに現る!
 この泰然自若、さりげない弾き方でこそ、モーツァルト晩年の“枯淡の境地”は甦るもの――強烈一辺倒のソナタ解釈に物申す、ヴァルター・ピアノを最高に美しく鳴らした名演!!

 21 世紀に入ってからのモーツァルトのピアノ・ソナタ録音ときたら、ご存知シュタイアーを筆頭に、ファジル・サイ、ブリュノ・フォンテーヌ、はてはジークベルト・ランペまで...もう強烈にユニークな解釈ばかりが目立つところ。往年のバックハウスやケンプを懐かしむつもりではないですが、いったい“枯淡のモーツァルト”はどこへ行ってしまったのでしょう――鍵盤奏者たったひとりで語るピアノ・ソナタこそ、声高に自己主張せず静々と、音楽と楽器とをおのずから語らせてゆくような、自然体の弾き方が似合うのではないでしょうか? 特に「楽器におのずから語らせる」ことがとりわけ強く要求される、18 世紀当時の扱いにくいフォルテピアノをあえて弾くような場合には...。
 寺神戸亮がモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを録音するにあたってパートナーに選んだブルガリア系ベルギー人のフォルテピアノ奏者、ボヤン・ヴォデニチャロフがFuga Libera に録音してくれたモーツァルト独奏ソナタ集こそは、そうした渇を癒して余りある、ほんとうに美しく滋味深い解釈になっています。
 使用楽器モデルは、晩年のモーツァルトが愛奏していたことで知られるウィーンのヴァルター。弾き方ひとつで、現代ピアノのように粒の揃った音も、古いフォルテピアノらしい音域ごとニュアンスの違う音も奏でられるこの楽器をあざやかに操るヴォデニチャロフのタッチは、まさに魔術のよう――作曲家・ジャズ奏者としての顔も持つ人だけに、あえて立ちもどってきたモーツァルトの音世界に対する、いつくしむような敬意が隅々まで行きわたっているようです。
 現代ピアノ奏者がフォルテピアノを弾くときにありがちな、カツカツ鳴らしすぎるような弾き方とはまるで無縁、本職専門のフォルテピアノ奏者でも、ここまで自然体の響きをヴァルターから引き出すことは難しいのではないでしょうか。(KV570 の第1 楽章、第2主題が静々と入ってくるところの、なんてうつくしいこと!)ピリオド派も現代楽器派も、ビギナーも玄人も、この音楽性にぜひ触れてみていただきたいもの。特筆に価する、末長く愛聴したいモーツァルトです!
Messiaen - Quatuor pour la fin du temps オリヴィエ・メシアン(1908〜92)
 1.『世の終わりのための四重奏曲』(1942)
  〜クラリネット、ヴァイオリン、
  チェロとピアノのためのチョン・ケーヨン(1971〜)
 2. 殺されたガジュマルの老木への追悼
  〜フルートおよび各種笛、タムタム、クラリネット、
   ヴァイオリン、チェロとピアノのための
ヘット・コレクティーフ
(ベンヤミン・ディールチェンス(cl)
ヴィベルト・アールツ(vn)
マルテイン・フィンク(vc)
トーマス・ディールチェンス(p)
トーン・フレット(fl))
FUG540
\2290

 メシアン生誕100 周年。精妙というほかはない絶妙アンサンブルで、この至高の名曲をじっくり堪能!
 とにかく全員、べらぼうに音がきれい、1基のオルガンのように揃っていて…雰囲気満点、トリオ・ヴァンダラー&モラゲスの向こうを張るユニーク解釈に、脱帽!

 メシアン生誕100 周年、唯一にして比類なき室内楽作品『世の終わりのための四重奏曲』(戦時下の捕虜生活のなかで1941 年、音楽家仲間たちとの演奏のために書きあげられた名品)も、つい先頃トリオ・ヴァンダラーと名手モラゲスのクラリネットで素晴しいアルバムが出たと思いきや、 我らがベルギーのスローライフ秀逸レーベルFuga Libera からも、さらりとこんなアルバムが登場いたしました。しかも、並居る既存名盤群(この曲の駄盤というのをあまり知りませんが…)にまったく遜色ないどころか、きわめて個性的なサウンド作りにしているのが驚きでもあり、嬉しくもあります。
 ヘット・コレクティーフは、音楽都市ブリュッセルきっての現代音楽集団。
 なにしろメンバー5人が各人とんでもないスーパープレイヤー、そのうえ信じがたいほど精妙に揃ったアンサンブルが、強烈なユニークさを打ち出してやみません。静々とした面持ちでありながら強烈なインパクトをもって展開してゆくメシアンならではの終末的光景は、聴き進めるほどに圧巻、まさに言葉を失うとはこのことです――こんなに素晴しい室内楽の瞬間が、ありえるのでしょうか? 末尾に配された現代マレーシアの作曲家ケーヨンの『殺されたガジュマルの老木への追悼』は、プーランクのヴァイオリン・ソナタにも通じる強烈に表現主義的な(つまり、生々しい)音楽ですが、テーマ設定(=タイトル)がわかりやすいせいか、現代物特有の表現に知らず知らず知らず体がついていってしまう――これもメンバー全員のソリスト級な腕前のなせるわざでしょう。すごい求心力の瞬間と、しっとりオーガニックな静謐の瞬間の交錯を味わいながら、つい聴き込んでしまうこと必至。メシアン作品とともに「曲の美質」が引き立つ名演――見逃す手は、ありません!
O, du Schoner Hornerklang ヴァルヴホルンの歴史と傑作室内楽
 ピアノとホルンのためのソナタ*ヘ長調 作品17(ベートーヴェン)
 歌曲「川の流れに Auf dem Strom」作品119・D.943(シューベルト)
 オーボエ、ホルンとピアノのための三重奏曲 作品188(ライネッケ)
 アダージョとアレグロ 作品70(シューマン)
 歌曲「星のお姫さま」**(ベルジェ)
リュク・ベルジェ
 (ナチュラルホルン*、19世紀ヴァルヴホルン、フレンチホルン**)
イヴ・サーレンス、
イング・スピネット
 (1808年シュトライヒャー・ピアノ、1861年ベヒシュタイン・ピアノ)
マルセル・ポンセール(ウィーン式オーボエ)
ヤン・ミヒールス(テノール)
FUG541
\2290
 なんと19世紀の古いヴァルヴホルンをヘレヴェッヘのシャンゼリゼ管やマーラー室内管で鳴らした腕利きナチュラルホルン奏者がたくみに、わかりやすく、そして滋味ぶかく吹く…
 ピアノも順調、名手ポンセールも参加!!

 『さまよえるオランダ人』(1843)やブラームスのホルン三重奏曲(1865)でも大活躍しているように、ホルンは意外と最近までナチュラルホルンのほうが主流だった…という史実も広まりつつある昨今。しかし実は、近代式のヴァルヴつきホルンも19世紀初頭に開発されていて、ただナチュラルホルン全盛に押されてなかなか多数派にはなりにくかった、というのが実情らしい。
 そこで、うまい奏者が吹けば、古いヴァルヴ付ホルンが19世紀ロマン派の音楽にもしっくりくるという事実をまざまざと印象づけてくれるアルバムの登場です!
 独奏をつとめるリュク・ベルジェは1959年生まれの大ヴェテラン――なにしろヘレヴェッヘのシャンゼリゼ管、ミンコフスキ率いるマーラー室内管などのホルン・セクションを支えてきた大御所だけに、ナチュラルホルン、19世紀末製の2種のヴァルヴホルン、そして現代のフレンチホルンと、いずれの楽器にもしっくり合わせるブロウは滋味ぶかいことこの上なし、現代楽器よりも渋く、ナチュラル楽器よりも奥深い妙音でバフォバフォと鳴るシューマンなど、絶品そのものです。
 ピアノはもちろん各時代のフォルテピアノ、ライネッケのトリオ(Clavesでゴリツキやタックウェルが吹いている、あの名品です)ではなんと!あのヴェテラン古楽オーボエ奏者ポンセールがウィーン式の古雅な楽器で、切なげなロマン情緒に興を添える豪華さ! 夏の終わりから秋にかけて、この青空にも曇り空にも(もちろん森林浴にも!)似合う、いぶし銀の吹き口をじっくり愉しみたいもの――損はさせない充実の1枚!!
Debussy, Britten & Bacri - Cello Sonatas ドビュッシー、ブリテン、バクリ/チェロとピアノのためのソナタ集
 ドビュッシー(1862〜1918):
  1. チェロとピアノのためのソナタ(1915)
 ブリテン(1913〜76):
  2 . チェロとピアノのためのソナタ ハ長調 op.65
 ニコラ・バクリ(1961〜):
  3. チェロとピアノのためのソナタ
  4. 「ほとんど変奏曲 のように」
   〜チェロとピアノのためのディヴェルティスマン
マリー・アランク(チェロ)
セドリック・ティベルギアン(ピアノ)
FUG 543
\2290

 まごうことなき気鋭ティベルギアン、Fuga Libera に登場!
 名手アランク、艶やかに答える!端麗にして端正、あつくなりすぎず、静々とノーブルな感動をもたらすドビュッシーに酔う…ミニマリスト的なバクリの小品や充実ソナタ、ブリテンでのきわだった演奏効果も絶品!!

 このところ、ヨーロッパで年を追うごとにそのいかんなき実力が知れわたりつつあるフランス語圏ベルギーの気鋭チェリスト、マリー・アランク――協奏曲ソリストとしての実績もさることながら、CypresやAlphaなどでの名盤群がしめすとおり、室内楽への旺盛な取り組みで知られる実力派ですが、このたびデュオのパートナーとして共演しているのはなんと、同じく現場第一線の若い世代を代表する「一味違う」フランスの気鋭ピアニスト、セドリック・ティベルギアン!
 すでにharmonia mundi でグリーグとシューマンの二重奏作品を録音しているこの二人が今回プログラムに選んだのは、20 世紀の最初期・中期そして現代からの3種のソナタ――ゴリゴリと力強く豪放なサウンドも、すうっと高貴にして精妙な繊細さも思いのままのアランクのチェロを、ある時はひょうひょうと、ある時は静かに見守るように、そしてある時はほんの一瞬のスキをついて抜け目なく主役に躍り出るティベルギアンのピアノ...ブリテンの冷徹かつ普遍的な音楽美はそれこそ初演者ロストロポーヴィチもかくや、という雄弁さが、冷静緻密、完璧なまでの構造把握とあいまって、まさに圧倒的な聴きごたえ! 対するドビュッシーはまったくもって「端麗」「端正」といった言葉がぴたりとくる仕上がり――少し前にケラスとタローがリリースしたドビュッシーのソナタ集(hmf)が、プーランク作品とのカップリングでフランスらしさを打ち出しているとすれば、こちらは“アール・ヌーヴォーの国”ベルギーならではの「おのずと繊細」な感性をいかんなく発揮しつつも、英国の普遍主義者ブリテン、古典的な音楽美を大切にするバクリとの組み合わせで、近代音楽の“美”におけるドビュッシーの立ち居地、その細やかさをはっきり印象づけてくれています。
 あわせて収録されたバクリは、タンギーやエスケシュらと同じく「聴きやすさ」を大切にする現代フランス随一の作曲家――ソナタという古典的な形式に真正面から向き合い(プロコフィエフやバルトークを彷彿させる、ダイナミックにして周到な設計の「クラシックらしい」秀作!)、併録作ではミニマリズム的なスタイルも垣間見せるなど、現代の新古典派といった作風美が名手2人の解釈で冴えわたる…けだし贅沢すぎるチェロ・アルバムです!
Bach, J S: The Art of Fugue, BWV1080 アリス・アデール
 J.S.バッハ:『フーガの技法』BWV1080(全曲)
アリス・アデール(ピアノ)
FUG544
(2CD)\2990

 フランス近現代作品ですばらしい成果をあげてきたアデール、満を持してのバッハはいきなり「フーガの技法」――のっけから遅ーいテンポ設定で描き出される対位法世界はいきなり深遠! 只者ならぬ内容の濃さは、ニコラーエワをも凌ぐほど?!
 「フーガの技法」、バッハ最晩年の未完の実験音楽にして対位法芸術のひとつの集大成、圧巻の作曲技法によって、音楽性ではない側面から圧倒的な感動を呼びさます奇妙な傑作...
 とまれ『音楽の捧げ物』同様この曲も楽器指定がないので、ヴァルヒャやグールド(!)他のオルガンによる歴史的名演、チェンバロ、弦楽四重奏、ヴィオール合奏…と多種多様な編成で録音されており。ピアノの録音だけをみても、いうまでもなくロシアの偉人タチアナ・ニコラーエワによる圧倒的名演があるし、グレゴリー・ソコロフがクールな秀演を出していたり、今年初めにはP-L.エマールが、えらくピアニスティックな謎の怪演をリリースしたり…と競合盤にも事欠かないわけです。
 しかし今、これらのリリースにあえてここで言及したのは、間違いなく、本盤がそれらを向こうに回して充分わたりあえる傑作録音だからにほかない。
 演奏者は、アリス・アデール――
 ここで「お!」と感づかれた方も多いことだろう、そう、仏ADDAやACCORDなどでの名盤群が示している通り、フランスの近現代もので他の追従を許さぬ成果をあげてきた“巨匠”。今は亡きメシアンに絶賛され、現代フランスを代表する作曲家のひとりフィリップ・エルサンの絶大な信望を得ているこのピアニスト、他方ドビュッシーやメシアンなどの録音でも批評家諸氏の熱烈な支持をあつめ、いわばケフェレックやプルーデルマッハーやクロード・エルフェらの良いところを合わせたようなキャリアを築いてきたわけで、なるほどついにバッハか、と流れ的には納得できたものの、聴き始めるまでは正直、どう上掲の競合盤群と差別化できるのか?
 しかしどうでしょう――冒頭1曲目から、従来の誰よりも遅い、ひたすら遅いテンポで音を紡いでゆく、もういきなり「何か違う」と感じさせる強烈な存在感。その後しずかに弾き進められてゆく音符が、およそ単調さとは無縁、無味乾燥とも無縁、おそろしく遅いのに、全然それが気にならず、はっきりと各パートが独立して聴こえる、対位法の綾にしずかに絡め取られてしまう…本当にもう、圧巻というほかはない。
 折々に細やかなコントラストの妙を聴かせ続いてゆくCD2枚だが、最後にもうひとつ驚きの事実が――かくも磨き抜かれて曇りひとつない至高の解釈、なんとライヴ録音!終曲は例によってバッハの未完部分でぷつり、と演奏が「止まる」のだが、その後1分近く息をのむような沈黙、そのあと静々と、そしてしだいに嵐のように強烈になる拍手喝采、ブラヴォの応酬...CDを聴かれる方も、まったく同じ気持ちを感じるはず。
Gevaert - Christmas Mass 'Puer Natus est Nobis' フランソワ=オーギュスト・ヘファールト
 (またはゲヴァール)(1828〜1908):

  大ミサ曲「プエル・ナトゥス」(3声とオルガンのための)
 幼子イェスのまどろみ
 隣人よ、この大きな音はどこから聞こえるのですか
 田園風ノエル、1750 年
 クリスマスの楽しい小唄
 ミュゼット/天使たちの知らせ
 クリスマスの鐘/御誕生の雅歌
 キリストの歌(フランデレン語)
 18 世紀のノエル/美しき天の御使い
 われらは3人の強大なる君子
 おお夜よ、幸せなるこの夜よ
カトリーヌ・ヴェイナンツ(S)
ティボー・レナールツ(T、総指揮)
ル・プティ・サブロン声楽アンサンブル
ニコ・ドクレルク(ハルモニウム)
ソフィー・アランク(ハープ)
グザヴィエ・ドゥプレ(オルガン)
FUG545
\2290

 フランクより少し年下、ジョンゲンよりかなり年上――ベルギー文化が最も美しかったとき、ベルギー象徴派絵画のように美しい、清らかな美をたたえた合唱音楽があった!古めかしさと優美さ、素朴と洗練がみごと並存する、えもいわれぬ清らかな声の色彩...
 オーケストラ音楽の発展のかたわら、合唱音楽も爆発的に人気が高まり、高度な洗練をみた19 世紀後半。それはちょうど、フランスとオランダに挟まれた小国ベルギーが飛躍的な進歩を遂げ、極度に洗練された世紀末文化により周辺の大国にも強烈な影響をあたえていた頃――そんな頃に首都ブリュッセルの音楽界の頂点に立っていたのが、本盤の主人公、ヘファールトでした。
 中世以来の古い音楽を見直しつつも、ベルリオーズやワーグナーの新しい管弦楽にも造詣の深いこの音楽学者=指揮者=作曲家、一部ではハイドンのチェロ協奏曲の改作者として認識されているかもしれないが、実態は当時としては異例なほどの熱心な古楽研究家。
 19 世紀末という時代にあっていち早く、チェンバロ(!)を弾きながらバロック作品を指揮する習慣を復活させた・・・
 さらにグレゴリオ聖歌や中世旋法にも詳しく、何よりも声楽こそが全ての音楽の基礎、と終生信じていた彼は、ブリュッセルのノートルダム・ド・サブロン教会で聖歌隊指揮もつとめ、本盤に聴くような、そうした世紀末の合唱音楽の水準の高さを如実に印象づけてやまない合唱作品と、さまざまな古謡の絶品アレンジを多数残した。
 圧巻はやはり大作クリスマス・ミサ!
 女声3声に充実したオルガン伴奏がつき、フォーレ「ラシーヌの雅歌」もかくや、というほどの神秘的な美しさをたたえた本作、本格的なロマン派合唱として“一味違うクリスマス”を店頭にもたらしてくれる。
 演奏陣はナミュール室内cho.出身の技あり歌手が率いる精鋭集団――伴奏陣も古楽畑の名手たちだけに(クイケン兄弟のドビュッシー盤にも参加していたハープ奏者S.アランクがいたり…)安っぽさをまるで感じさせない透明な美質は絶品!
Strauss - Burleske & Ein Heldenleben ヴァルター・ヴェラー 指揮
 R.シュトラウス(1864〜1949):

  1. ブルレスケ 〜ピアノと管弦楽のための
  2. 交響詩「英雄の生涯」
   (ヴァイオリン独奏:アレクセイ・モシコフ)
ヴァルター・ヴェラー 指揮
ベルギー国立管弦楽団
プラメナ・マンゴヴァ(p)
FUG546
\2290

 ウィーン・フィルの元コンサートマスターたる巨匠ヴェラーに流れる、偉大なウィーンの伝統。ブリュッセルの老舗ベルギー国立管ならではの、古雅さとみずみずしさの並存――そしてゲストは異才マンゴヴァ!
 王道ファン必見、これぞ本物の「ヨーロッパ最前線」!
 ヴァルター・ヴェラーといえばご存知のとおり、1964 年から70 年までウィーン・フィルのコンサートマスターをつとめる一方、室内楽奏者として精力的に活動、あの伝説的なヴェラー四重奏団の名録音の数々によってディスク・ファンにも馴染み深い存在。その後は指揮者として、スコティッシュ・ナショナル管やロイヤル・フィル、リヴァプール・フィルなど英国の並居る名門オーケストラで音楽監督を歴任、録音シーンでも「知る人ぞ知る」本場ウィーン出身の名匠のひとりでありつづけています。
 2007 年シーズン以降は創設1936 年の名門ベルギー国立管弦楽団に音楽監督として、フランス語圏・オランダ語圏・ドイツ語圏のはざまに位置するブリュッセルを本拠に、この伝統と新鮮さを兼ねそなえたオーケストラと新たな境地を切り開きつつある――シーンに敏感なユーザーさまなら、就任直後にリリースされた、ドイツの気鋭エッカルトシュタイン(p)をゲストに迎えてのグラズノフ盤(MFUG521)や、精密なスコア読解のもとフランス的色彩感まで描出してみせたマルティヌー盤(MFUG531)などFuga Libera 盤もご存知でしょう。
 もっとも、マーケット的にはグラズノフもマルティヌーも、誰しも手に取るメジャー性がないのは事実――そこへ、ようやく出てくれた!
 もろに王道ど真ん中、R.シュトラウスの『英雄の生涯』! オーケストラの機能性と総体としての構成感、そして圧倒的なスケール感やロマンが問われるこの大作、まさに指揮者のセンスをためすにはうってつけの「誰しも気になる」レパートリーではありませんか!ましてや、その指揮者がオーストリアの名匠、楽団はクリュイタンス、シモノフ、ミッコ・フンラク…と折々多彩な巨匠たちに育てられてきたフランス語圏の老舗楽団とあれば...ヴェラーの常どおりスコア読解はきわめて緻密、その細密な解釈にソリストぞろいのオーケストラもみごと応え(引き締まった高雅なソロは、同楽団の現コンサートマスター、コーカサス生まれのソ連系鬼才アレクセイ・モシコフ!)六つの楽章を通じて静々と募ってゆく充実した感動はまったく比類ない――独墺系オケとの聴き比べもがぜん楽しく!
 そして本盤のもうひとつの目玉は…フォン・ビューロー御大が「演奏不可能!」と叫んだほどソロパートもオケも技巧的な『ブルレスケ』!メロディアスな主題旋律をティンパニが(!)提示するこの秘曲、意外と競合盤もあるのですが、ゲストが2008 年のフォル・ジュルネ以来がぜん「見られている」新世代の異才マンゴヴァ――これはもう注目しないでいろというほうが無理でしょう(しかも、彼女の初の協奏曲録音ですし)。この人の不思議なところは、わりとゴツゴツ弾くにもかかわらず音楽の流れがきわめて説得力にあふれている点(アーノンクール的?)。精妙なヴェラーの指揮との組み合いっぷりは必聴ものですよ!
Ravel - Piano Trio ラヴェル(1875〜1943):
 1. ピアノ三重奏曲
 2. ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
 3. ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
トリオ・ダリ クリスティアン=ピエール・ラ・マルカ(vc)
ヴィネタ・サレイカ(vn)
アマンディーヌ・サヴァリ(p)
FUG547
\2290

 「これぞ完璧なトリオ」(メナヘム・プレスラー(ボザール・トリオ)談)...
 いやまさにその通り!まるでブーレーズの指揮のよう? 曲構造をしっかと踏まえ、響きわたる絶妙・精妙な音楽美!!2008 年の大阪国際室内楽コン優勝はダテじゃない、飛びぬけた才人たちの傑作録音!

 ベルギーのFuga Liberaは毎年のように新進気鋭のアーティストを掘り起こし、デビュー・アルバムを世に問うていますが、嬉しいことに日本では、2006 年のプラメナ・マンゴヴァ(MFUG217・日本では2007 年リリース)、2007 年のミロシュ・ポポヴィチ(MFUG528・日本では2008 年リリース)…と、この種の新人発掘アイテムが必ず「レコ芸特選」に輝いており、抜群のマーケット適性を示してくれています。
 そして――まさに新時代の名演登場!
 ドビュッシーのそれに比して、ラヴェルの室内楽のアルバムは「あるようで意外とない」のではないでしょうか(近年ではカピュソン&ブラレイの熱い1枚くらい?)。Saphir レーベルの大御所たちによる室内楽作品集(LVC1044・ペヌティエ=パスキエ=ピドゥーの3人が参加)が「レコード芸術」「朝日新聞試聴室」といったメディアで大好評を賜った直後、好調な売れ行きをみせているのも、「新録音が意外とない!」という事情が1枚かんでいる気がします。しかしペヌティエらの録音にせよ、他の現行盤にせよ、基本的には「巨匠たちによる本格的な演奏」が現行のラヴェル室内楽盤の大半な気が…
 そこへゆくとこのアルバムでのトリオ・ダリの演奏は、ノンヴィブラート精妙系、冒頭いきなり違いを感じさせる、今までになかった「21 世紀のラヴェル像」を打ち出しにかかる飛びぬけぶり!若手的な気負いはまるでなし、肩の力の抜けた、只者ではない落ち着きっぷり――「風格」と呼んでも差し支えないでしょう――で、曲構造を完璧に見据えながら、各パートの自発性たっぷりに弾き進めてゆくスタイルは、ピエール・ブーレーズの指揮にも通じるような透明感が。
 そのじつ、全員すごくインテンスな熱情を奥に秘めているようで、それが室内楽全体の響きとなってクライマックスを盛り上げるのです! ピアノなしの、批評家アンドレ・マルローが「ラヴェル屈指の傑作」と褒めたたえたヴァイオリンとチェロのためのソナタでも、きわめて洗練された唐草模様のように「戦わずして精緻に絡み合う」といった感じの絶妙アンサンブルがたまりません!霊妙なヴァイオリン・ソナタ含め、精妙路線で作品像をさらりと一新してくれる、不思議な名演…!
Mahler - Symphony No. 4 マーラー(1860〜1911):
 1. 交響曲第4番
 (シェーンベルクとリーンによる室内楽編曲版)

アルノルト・シェーンベルク(1875〜1951):
 2. 六つの管弦楽伴奏付歌曲
 (シュタインとアイスラーによる室内楽編曲版)
アンサンブル・オクサリス
ロール・デルカンプ(S)
FUG 548
\2290

 精鋭集団オクサリス、またもや絶美の“室内楽編曲版”――十二音技法以前のシェーンベルクが描き出した“ウィーン世紀末の美”が、マーラーのそれと重なるとき...クリムトの壁画のように、透明感あふれるサウンドのなか緻密さとスケール感が併存する!
 巨大編成のオーケストラ作品の緻密な楽曲構造をあざやかに解きほぐし、見通しのよい室内楽編成でその「からくり」を解明してみせる「室内楽編曲」――新ウィーン楽派のシェーンベルクお得意のこの手法は、もとをただせば彼が限られた財力のなかで運営していた「私的音楽協会」の演奏会が、オーケストラなど雇えず数人の演奏者からなる室内楽コンサートとなっており、そこで(当時まだ広く知られていなかった)マーラーやブルックナー、ドビュッシーら近代作曲家たちの大作を紹介するための、やむにやまれぬ手段でした。
 しかしそこはシェーンベルク、こうした室内楽編曲がいかに意義深く作品研究に役立つかをすぐに見抜き、後年に弟子たちを育てるさいにも、積極的に同種の既存楽曲編曲をさせて指導したそうです。
ベルギーきってのユニークな室内楽グループであるオクサリスは、すでにマーラー「大地の歌」のシェーンベルク編曲版によってそのクリアかつエキサイティングな面白さを披露してくれていますが、今回は堂々、マーラーの交響曲の編曲版でその魅力をたっぷり堪能させてくれます!
 あのヘット・コレクティーフの「音楽の捧げ物」で精妙そのものサウンドを聴かせてくれた面子がかなり混じっており、曲構造をきれいに浮き彫りにするアンサンブル力はヨーロッパ屈指といっても過言ではなく、濃密な退廃美を絶妙の匙加減でうっすら漂わせた響きの妙には、ドイツ語圏のグループにはない魅力たっぷり(古楽解釈風というか、ブーレーズ風というか…)!ゆたかな自然美を感じさせる曲そのものの味わいもまるで損なわれません。
 そして併録は、前衛技法を確立する前のシェーンベルクが、「浄夜」と同じ頃に書いた「六つの歌曲」を高弟ふたりが編曲したヴァージョン――この曲を好んでとりあげる管弦楽指揮者の解釈だとなかなか伝わりにくい(?)晩期ロマン派ふうの世紀末情緒がきれいに際立つサウンドは、必聴!難渋なシェーンベルク観も一新されるでしょう。
 両作品とも独唱は「ヨーロッパきっての前衛芸術国」ベルギーの現代音楽シーンで大活躍中のデルカンプ!デカダンな美声、ぴったりです!
Fiorenza - Concerti & Sonate ニコラ・フィオレンツァ(1700 頃〜64):
 1. リコーダー協奏曲 へ短調(1728)
 2. チェロ協奏曲 ニ長調(1728)
 3. 三つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲 イ短調
 4. ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調
 5. チェロ協奏曲 ニ長調
 6. シンフォニア イ短調(1726)〜
   リコーダー、2挺のヴァイオリンと通奏低音のための
ステーファノ・デミケーリ指揮
Ens.ドルチェ・エ・テンペスタ(古楽器使用)
《ソロ》ニコラス・ロビンスン、
マウロ・ロペス=フェレイラ(Vn)
マルコ・テストーリ(Vc)
トマーゾ・ロッシ(リコーダー)
《通奏低音》エドゥアルド・エグエス(リュート)
ステーファノ・デミケーリ(チェンバロ)
FUG549
\2290

 ついに出ました! ペルゴレージの同時代人、古典派前夜のナポリで暴れまくった南国のルクレールかフォルクレか、「過激派タルティーニ風」のサウンドは痛快そのもの!ソロはイタリア諸団体で腕を磨いたスーパー奏者揃い、通奏低音には「あの名手」も...!

 FugaLiberaが「知られざる、とほうもない巨匠」のアルバムをリリースします!ほぼ全曲世界初録音――ペルゴレージ、ヨンメッリ、ポルポラといったナポリ楽派のオペラ作曲家たちがヨーロッパ中で名声を馳せていた18 世紀前半、なんとこの南イタリアの音楽都市では、器楽奏者にもとんでもない鬼才たちが腕を競わせていたのでした。そうしたレヴェルの高い街の有名な王立ロレート聖母音楽院で弦楽器科の教諭をつとめ、さらに王室楽団でも大活躍したヴァイオリン奏者=作曲家が、本盤の主人公、ニコラ・フィオレンツァ。
 近年まで音楽史研究の現場ですらまったく無名だったこの作曲家、激しやすい天才肌で、ひどい暴力教師だったらしく、それが理由で音楽院から追放されてしまったあとは急速に忘れ去られたそうですが、その気質も反映されているような数少ない作品群たるや、ドラマティックな展開、あざやかなコントラスト、えもいわれぬ旋律美…と、晩期バロック〜ロココ期ならではの「ひたすらカッコイイ、耳に快適、深みたっぷり!」な魅力がぎっしり詰まった傑作ぞろい!ナポリ楽派研究者たちが興奮気味に再発見に意欲を燃やしているのも、まったく頷けます――
 ヴィヴァルディの短調協奏曲が好きな方、「悪魔に魂を売った」タルティーニの曲がみなあまりに清らかでお困りの方、このエッジの聴いたサウンドはクセになります!なにしろ演奏陣はごらんのとおり、イル・ジャルディーノ・アルモニコやらカペッラ・デイ・トゥルキーニやらイタリア古楽界最前線で活躍する腕利きぞろい(リュートの巨匠エグエス氏まで参加してます)!
The Royal Brussels Hornsound 〜19 世紀、ホルンの進化とベルギー人〜
マルタン=ジョゼフ・メンガル(1784〜1851):
 1. 八重奏曲(1820 頃)
  〜6本のホルンと2本のトロンボーンのための
レオン・デュボワ(1859〜1935):
 2. 八重奏曲(1895)
 〜8本のクロマティック・ホルンのための
リュク・ベルジェ
 (ナチュラル・ホルン/ヴァルヴ付19 世紀ホルン)
ブリュッセル王立音楽院ホルン合奏団(古楽器使用)
FUG550
\2290

 信じられないほどウマい!ピリオド楽器のホルン合奏、それも「ヴぁルヴあり/なし」両方で!いちど聴いたら、かならずヤミツキになる!
 なんてたおやか、なめらかなピリオド金管のブロウの重なり...さすが古楽大国ベルギー、演奏陣の層、厚いです!
 Fuga Libera の主宰者はブリュッセル王立音楽院出身、現在も教鞭をとっている現役の音楽学者でもあるわけですが、自国の芸術の復興にも意欲を燃やす彼のセンスなくしては、こんな企画が録音として実現することもなかったかもしれません(ちょっと前のCypres で、ジョンゲン・アルバムを続々制作したのもこの人です)。
  19 世紀の壮大な金管八重奏曲がふたつ」というだけでもレアですが、△修譴両方ピリオド楽器で、しかもヴァルヴなしのナチュラルホルンだけでなく、ヴァルヴつきの19 世紀ホルンも使いながら、な卻はもうドビュッシーやフォーレの時代の音楽...ここまでで四つもユニークなセールスポイントがあるわけです、そしてその上ケ藾佞信じられないくらい、ウマい! なにしろベルギーは古楽大国、同国内だけでもピリオド楽器のオーケストラが続々。さらに、古楽シーンはフランスやオランダともつながってますし、管楽器奏者たちもそうそう各アンサンブル兼任というわけにはゆきませんから、畢竟、最前線で腕をみがく精鋭たちが続々登場することに。
 で、特に員数が必要なホルン・セクションは音楽院の学生たちからしてレヴェルが高いときている――
 というわけで、本盤もシャンゼリゼ管のソロ奏者たるリュク・ベルジェが、ブリュッセル王立音楽院の生徒・卒業生たちを駆り集めて演奏したわけですが、彼らの腕の確かさときたら、言葉を失うほど――現代ホルンの比ではないくらいコントロールの難しい(時にはヴァルヴさえない)19 世紀ホルンから、おどろくほど整った、自由自在のアンサンブルを引き出してみせるのです!
 気になる曲目は、どちらもベルギーの音楽院で19 世紀の初頭と晩期に活動した管楽器奏者=作曲家、メンガルとデュボワの作品。サクソフォンの発明者アドルフ・サックスの活躍したベルギーは、近代管弦楽の管楽器改良に大きく寄与した国で、ここでは前者がヴァルヴなしナチュラルホルンで、後者がヴァルヴ付の19 世紀末モデルによるホルンで演奏されます。古典派晩期の充実した書法がきわだつメンガルの作品もすばらしければ、フォーレかワーグナーか…といった繊細な瞬間に事欠かないデュボワの世紀末作品もみごと!
 古いホルンの響きの諧調はいとも細やか、弦楽器とはまるで異なるニュアンスの妙味は、各20〜30 分の作品が短く感じられるほど「また聴きたくなる」こと必至です!音楽の美がピリオド楽器の楽音の美ときわめて密接にむすびついた、忘れがたい1 枚!
Domenec Terradellas - !Furor! ドゥメネク・テルデーリャス(1713〜51):
 1. 歌劇『メローペ』(1743)
  〜序曲と三つのアリア
 2. 歌劇『アルタセルセ』(1744)〜二つのアリア
 3. 歌劇『エジプトの王セソーストリ』(1751)
  〜序曲と四つのアリア
 4. カタラン語カンタータ「なんと悲しい出来事が」
マリア・グラツィア・スキアーヴォ(ソプラノ)
Ens.ドルチェ・エ・テンペスタ(古楽器使用)
FUG551
\2290

 ヘンデルとグルックのはざま、国籍と歴史のいたずらで忘却に追い込まれてしまったものの、生前おそろしいほどの影響力をみせた早世の天才、テルデーリャス!当時の名声に納得のゆく、饒舌そのものの初期古典派アリアは、あまりに面白い...!
 1990 年代半ば――映画「カストラート」のヒットにより、18 世紀のオペラに世界全体があらためて注目しはじめてから早15 年。ヨーロッパの歌劇界ではハッセやヨンメッリ、ポルポラ…といったナポリ楽派周辺のオペラ作曲家たちがずいぶん復権を遂げつつありますが、この古楽復興ブームの勢いのさなかにあって、なお見過ごされてきた天才がいたのです! 18 世紀初頭までナポリがスペインの属領だったことから、つてを頼ってバルセロナからナポリに出て修業をつんだ作曲家テルデーリャスは、その後1740 年代(英国ではヘンデル晩期、パリではラモー最盛期、マンハイムではシュターミッツが活躍をはじめた頃…最晩年のバッハが、かつての弟子シャイベに「古くさい」と批判された時代です)のローマで、レチタティーヴォや管弦楽まで手を抜かない新機軸のオペラによって絶賛を博し、1751 年に惜しくも早世したものの、その後もパリの百科全書派や英国の音楽著述家バーニーらによって、当代最高かつ革新的なオペラ作曲家と讃えられたのでした。なんでもバーニーによれば、グルックやトラエッタにさきがけて管弦楽伴奏付レチタティーヴォを作曲しはじめたのは、このテルデーリャスが最初だったとか。
 しかし、それほどまでにイタリア・オペラ界に貢献したのに、イタリアの音楽史家たちは「スペイン人でしょ?」と彼を見過ごし、スペインの音楽史家たちも「イタリア音楽にしか関係のない人でしょ?」と研究を怠り、その真価はつい最近まで忘れられたまま…しかしどうでしょう!フランスのバロック・オペラ界で熾烈な競争をくぐり抜けてきた名花スキアーヴォの迫真の超絶技巧歌唱と、ドラマティックな表現ならお手のもののイタリア古楽精鋭陣が織りなす絶品演奏は、このテルデーリャスという人が再評価に値する、いや是非聴かれなくてはならない天才だったことを印象づけてやみません。手の混んだメロディ、あでやかな和声進行、鮮烈なコントラスト…タルティーニやヴィヴァルディの協奏曲のソロを歌にしたような、至高のバロック・サウンド!
Mendelssohn - Symphonies for Strings Nos. 8-10 メンデルスゾーン(1809〜47):
 1. 弦楽のための交響曲第 8 番ニ長調
 2. 弦楽のための交響曲第9番ハ長調「スイス」
 3. 弦楽のための交響曲第 10 番ロ短調
ローラン・ケネル指揮
ヨーロピアン・カメラータ
FUG559
\2290
 なめらか、色鮮やか、統一感と温もりと――幸福な少年メンデルスゾーンの心に響いたいかんなき弦楽世界。
 すでに名盤あまたの名曲3篇の「それでもあえて聴きたい」傑作盤!
 ブリテン曲集が「レコード芸術」特選に輝いた、まごうことなき超実力派たちの極上解釈!
 
 メンデルスゾーンはご存知のとおり、ごく幼いころから多芸な才能をあらわにし、すでに10 代前半から続々と傑作を生み出たわけですが、16 歳の時に書かれた不滅の傑作「弦楽八重奏曲」よりもさらに前、実に12 曲も、弦楽合奏だけで演奏される交響曲を作曲していたのは、ちょっとした音楽ファンには有名な話でしょう。事実、このジャンルにはすでに多数の名盤が出ているわけですが(古くはロス・ポプル&ロンドン祝祭管(Hyperion)やレフ・マルキツ&アムステルダム・シンフォニエッタ(BIS)、抜粋ではイ・ムジチ(Philips)やコンチェルト・ケルン(Warner)、そしてつい昨今もファイ&ハイデルベルク響(Hanssler)…と手ごわい競合盤続々!)、本盤はそうした名盤群をさしおいてなお「あえて聴く価値がある!」と自信をもっておすすめできる1枚!
 なにしろ演奏はヨーロピアン・カメラータ、つまり、EU青少年管で巨匠指揮者たちと活動してきた面子の卒業生たちが集うスーパー実力派集団!すでにリリースされたブリテン作品集(シンプル・シンフォニー他...MFUG534)がみごと「レコード芸術」特選に輝き、その精緻な解釈のうまみをご存知の方も少なくないはず。英国勢がメンバーに多いせいか、アンサンブルの一体感は驚くほど。ヴィブラートを抑えたなめらかなサウンドは、クレシェンドやデクレシェンドの瞬間にゾクッとするような美を放ち、壮麗な作品美の盛り上げ方はちっとも嫌味がないのに、すごくセクシーでワクワクさせられる…どの曲も「いい曲だと思っていたけど、ここまですごかったっけ?」と耳を疑う仕上がりなのです!

 選ばれているのは、エマヌエル・バッハの疾風怒涛的作風に強くインスパイアされたようなロ短調の第10 番(異形の名品…)、そして民謡風の楽想がはさまれる「スイス」こと第9番と、同じく序奏つきの長大な第8番――壮大さから細やかさへ、激情からすがすがしいまでの構築感へ、メンデルスゾーン初期ならではの天衣無縫な天才ぶりがあざやかに示された大作3篇。ハイドン同様、本年メンデルスゾーンを聴き込んでこられ、作曲者理解が進んでおられるファンに「そのうえで、今こそ」とお奨めする価値のある、本当に素晴しい内容を誇る逸品です。





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