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創業1924年、ウィーンの老舗
GRAMOLA
輸入盤 1CD\2800→\2590
その1


 ウィーンのど真ん中、聖シュテファン大聖堂にほど近い場所に販売店舗もかまえているオーストリアの輸入代理店(創業1924年!)がGRAMOLAレーベルの母体。

 ウィーン音大やザルツブルクのモーツァルテウム、リンツ・ブルックナー音大などオーストリア屈指の教育機関で修練を受けた気鋭奏者・歌手たち、あるいはこれらの機関で教鞭をとっている実力派たちを起用して、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルト、マーラー、クライスラーなど同地に関係のある作曲家はもちろん、バロックから近代まで、ドイツ=オーストリア系の王道的作曲家たちの傑作を中心に、最上の解釈で楽しませてくれます。
 伝統ある音楽都市の“いま”、もっとも新鮮にして古雅な響きがここにあります。

 今回国内盤が消滅し、輸入盤はもともとあまり手に入らないものだったのですが、今回は輸入盤をご紹介します。今回はその1。

 ただ限定生産的要素が強いため、完売の際はご容赦ください。

 その2はこちら

Brahms: Violin Sonatas Nos. 1-3 (complete) イルンベルガー
 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ(全3曲)
  《ピリオド楽器による演奏》

ブラームス:
 第1番 ト長調 作品78「雨の歌」
 第2番 イ長調 作品100
 第3番 ニ短調 作品108
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(ヴァイオリン)
エフゲニー・シナイスキー(ピアノ/J.B.シュトライヒャー&ゾーン 1870年頃製作楽器)
GRML98811
輸入盤

\2590
 ドイツ・ロマン派室内楽の大本命・あの3名作が、極上ピリオド楽器演奏で登場! 明らかにレヴェルの違う、ウィーンならではの筋の通った音楽性が光るこの素晴しさ。静謐の美から情熱的な瞬間まで…気鋭名手が楽器にまでこだわると、こうなる!

 ウィーンのGramolaレーベルから、この音楽都市が「ピリオド楽器でも本格派」であることを印象づける名盤が突如お目見え! ピリオド楽器でブラームスのヴァイオリン・ソナタ・・・と、これが企画倒れに終わらないというか、企画の趣旨を忘れるくらい、みごとな音楽性に貫かれた快演になっているから嬉しい限り。ピアノはブラームスが1868年頃から死ぬまで弾いていたシュトライヒャーと「ほとんど同じ状態の」シュトライヒャー1870頃モデルのオリジナル楽器! やわらかくも明晰な音の粒にはっとさせられる銘器。ヴァイオリンについての記載は解説にはありませんが、なにしろ奏者は「楽器マニア巨匠」イェルク・デームスの信望もあつい若き気鋭T-A.イルンベルガー。現代楽器もこなしながら、モーツァルトのソナタ集では「作曲者の生前はイタリアの楽器よりずっと取引価格が高かった」と自ら言明しシュタイナーのオリジナル古楽器をピリオド奏法で弾いたくらい、楽器へのこだわりのあるイルンベルガー。
 一聴した限りでは今回の録音でも、独自の見解から「1880年前後の独墺系奏法」に辿りついているような気も。ヴィブラート加減と歌のつけ方、ルバートのタイミングなどは、ヨアヒムの音源の、あのノイズ越しに聴こえるまろやかさを彷彿させる気がする。
 技師はPan Classicsでもお馴染みイェンス・ヤーミン。楽器の美音の直接音と古雅なる残響とがうまく溶け合い、その点でも雰囲気満点!やわらかさと伝統の峻厳さが交錯する、一味違う境地のブラームス。軽く話題になってくれそうな1枚。
Mozart - Sonatas, Fantasie & Variations イェルク・デームス&イルンベルガー
 モーツァルト:フォルテピアノとヴァイオリンのための作品集

 ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 KV.301
 ピアノのための幻想曲 ニ短調 KV.397(385g)
 ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 KV.304
 ピアノとヴァイオリンのための変奏曲 ト短調 KV.360(374b)
 ピアノとヴァイオリンのための幻想曲 ハ短調 KV.396(385f)
 ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 KV.378(317d)
イェルク・デームス(Fp)
使用楽器:
(1)ヴァルター・モデル
(2)デュルケン1795年製
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
使用楽器:ヤーコプ・シュタイナー1656年製オリジナル楽器
GRML98789
輸入盤

\2590
 Gramolaの充実したラインナップの中で、いかにもこのレーベルらしくありながら同時にかなりの異彩を放っているのが本盤かもしれない。「ヴァイオリン序奏つきのピアノ作品」たるモーツァルト作品、主役たるピアノを弾くのはバドゥラ=スコダと並ぶフォルテピアノの老匠デームス!例によって楽器コレクターでもある彼らしいこだわりを発揮、ヴァルターとドゥルケンなる18世紀末の製作家の銘器をもってきて自由自在、老人力的奔放さで絶美のモーツァルトを構築してしまう、あのユニークなスタイルはばっちり健在だ。しかしこの名匠と一体何歳違いなのか、シュタイナーのオリジナル・バロックヴァイオリンを手にした共演者は1985年生まれというから驚くほかはない!
 リンツ・ブルックナー音楽院でヨゼフ・ザバイーニに、パリでギトリスに、その他シトコヴェツキー、アルベルト・リジー、イーゴリ・オイストラフ…といった巨匠たちに師事してきたイルンベルガーの弾くシュタイナーは、ヴィブラートも控えていかにも古楽器でありながらもクライスラーかボフコフスキーかというくらいフレーズを長めにとって歌いあげる、古楽器らしさを超越した「えもいわれなさ」に満ちているのだ!まさに往年のエドヴァルト・メルクスやコレギウム・アウレウムの奏者たちを髣髴させるようなこの演奏、不覚にもすぐに虜になってしまう魅力に満ちている・・・これもデームスの慧眼か?
 デームスのソロ1曲、ソナタは3曲もありさらに変奏曲と幻想曲がひとつづつ、かなりお得なプログラムのなかで「ウィーン伝統古楽」の妙味に舌鼓を打つ。
Schubert: P.i.a.n.o. マティアス・スーチェク
 シューベルト:ピアノのための作品集

  ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 D.850
  即興曲 第6番 D.935-3「ロザムンデ」
  三つの小品(即興曲)D.946
マティアス・スーチェク(P/ベーゼンドルファー)
GRML98775
輸入盤

\2590
 ウィーン生まれ(データを見ると1978年生まれ!)でタチヤーナ・ニコライエヴァ、オピッツ、マイセンベルクらに師事、ウィーンではバドゥラ=スコダ門下で研鑽を重ねたマティアス・スーチェク(SOUCEKをウィーン流儀でこう読むのだそう)は、飛ぶ鳥を落とす勢いで名声を高めているベーゼンドルファー使い。
 すでにウィーン放送響やヴュルテンベルク・フィル等に名を連ねてきたこの若き俊英の腕前を、まずはシューベルトの多彩な音楽世界のなかで実感していただきたいと思います。
 プログラムは長大にしてコントラスト豊かなD.850のソナタを中心に、収録曲3曲とも長く深みあるD.946の即興曲集、そして素朴な歌心がにじむ「ロザムンデ」の主題による変奏曲D.935-3を冒頭に配したもの。ナイーヴで平明な「うた」を清涼なピアニズムが快く仕上げ、強烈なダイナミズムと静かで天上的な歌が交錯するソナタで構築感と美をあふれさせ、最後の3曲でひたすら深く内面世界を探る...と言葉にすると陳腐?だが、じっさい1曲目をかけてから気が付くとどんどん引き込まれてゆく、あっという間にスチェクの魅力の術中にからめとられてしまうアルバム。
 全く親父臭くないのにあくまでベーゼンドルファー!という、柔らかく反応の良いタッチの妙味がこれまたイチイチ快い。 
 「本場ウィーンの奏者が、ウィーンのピアノで弾く、ウィーンの作曲家シューベルトの曲」という本場らしさのアイキャッチだけに終わらない、聴いてみれば“その先の何か”が一瞬ごとにきらめく充実アルバム!
Christine-Maria Holler: A Portrait オーストリアの正統派室内楽の「いま」
 〜C.M.ヘーラー&L.モンティ リサイタル

  ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調 KV.526(モーツァルト)
  四つのロマンティックな小品(ドヴォルザーク)
  ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)
  中国の太鼓(クライスラー)
  ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第2番 ニ長調(プロコフィエフ)
クリスティーネ・マリア・ヘラー(Vn)
ルーカ・モンティ(P)
GRML98754
輸入盤

\2590
 ヴァイオリニストは1978年ザルツブルク生まれ、モーツァルテウム出身のクリスティーネ・マリア・ヘラー。
 師事してきたのはシムエル・アシケナジィにイゴール・オズィム、シトコヴェツキーといった伝統肌の名教師たち…に加えてハーゲンSQのルーカス・ハーゲン、リコ・グルダの室内楽パートナーでもある。
 対するピアニストはイタリア生まれのスイス&ウィーン育ちのルーカ・モンティ。
 師匠はペルルミュテールにハンス・グラーフ、ハーヴェイ・シャピロにセルジョ・ペルティカローリ…とピアノ・ファン垂涎の名が居並ぶなか、伝統肌にしてアルノンクールの共演者でもあるルドルフ・ブーフビンダーからウィーンのピアニズムをみっちり叩き込まれた人。
 聴けば聴くほど、そうしたキャリアの歩み方を思い起こさずにはいられない、しかもプログラムは非常にとっつきやすくも本格的。
 そんな玄人好みのイージー・アルバム。
 モーツァルトは端正そのもの、プロコフィエフは勢いと愉悦に満ち、切ないサラサーテに優しいドヴォルザーク、軽快な「中国の太鼓」…空間性のある録音できれいに入れられたヴァイオリンの響きには、瑞々しくありながら典雅なヴィブラートが絶妙の加減でかかっている。歌いまわしは伝統的にして、しかし新鮮さにあふれている。伴奏のピアニストは大事なところで饒舌に前面に出て、しかしヴァイオリンをまったく殺さない。「音楽の国」オーストリアの“いま”ならでは、伝統を大切にしつつも瑞々しく新鮮な息吹きに満ちた室内楽!日本のユーザーがいちばん大事にしたいところを見事に押さえてくれている、好感度バツグンの“本場もの”としてご注目あれ!
Schoenberg: Chamber Symphony No. 1 & Mahler/Strauss arrangements 音楽都市ウィーン/新ウィーン楽派
 〜マーラーとシュトラウスの室内楽編曲〜

 マーラー:さすらう若者の歌
   (シェーンベルクによる室内楽編曲版)
 シェーンベルク: 二つの歌曲
   (アイスラーとシュタインによる室内楽編曲版)
 ヨーハン・シュトラウス2世(1825〜99):
  ワルツ「南国のバラ」(シェーンベルクによる室内楽編曲版)
ペーター・ブルヴィク指揮
ウィーン20世紀アンサンブル“exxj”
+ルシャサンドラ・ドノーゼ(ソプラノ)
GRML98762
輸入盤

\2590
 室内楽編曲というのは玄人受けするジャンルでありながら、本盤のようにあくまで「美」を大切にして仕上げられていると、逆に聴きやすさの方が際立つから不思議なもの。
 伝統の都ウィーンから登場した現代音楽界の奇才ブルヴィクは、ごく若い頃結成したこのウィーン20世紀アンサンブルと30年以上にわたり、クラムにダラピッコラ、ジルベール・アミにフェルドマンにウルマンにリームにジョン・アダムズ…ときわめて多彩な20世紀音楽の数々ばかりか、古くはバッハからシューベルト、ワーグナーにマルチヌーに…と伝統系の作品も決してなおざりにせず、昨2006年はモーツァルトを解体・再考するプログラムも展開していたという。
 そんな過去と未来をともに大事にしながら自由に行き来できる集団だけに、20世紀初頭の新ウィーン楽派によるロマン派作品の室内楽編曲はまさに自家薬籠中の得意ジャンル、しかも何しろ彼らはウィーンっ子でもある。オーケストラや濃密なピアノの暑苦しさを脱ぎ捨てた、という感じに昇華され、ひたすら美しく繊細な音楽となったマーラーやシェーンベルクを味わい尽くした後、ひたぶるに美しいシュトラウス・ワルツへなぜかさらっと自然に繋がる、ユニークな音楽作りは必ずやクセになるはず!
 キィワードはやはり「ウィーンの人が弾くウィーンの音楽」というところになるのだろうか。
 東欧ルーマニアから来たドノーゼの歌声もしなやかにして艶やか、気高く、えもいわれぬ香気を放っている。洗練された器楽陣の名技とともに、世紀末様式のウィーンのカフェ内装のような、優美ですっきりしていながら荘重でもあるような、この妙なる“ウィーンの響き”にじっくり浸って頂きたい!
Beethoven: String Quartets  Op. 18 No. 4 & Op. 132 フーゴー・ヴォルフ弦楽四重奏団
 ベートーヴェン:

  1. 弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 作品18-4
  2. 弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
フーゴー・ヴォルフ弦楽四重奏団
ジェヒ・バーク、レジ・ブリンゴルフ(ヴァイオリン)
ヴラディーミル・コシャネンコ(ヴィオラ)
フローリアン・ベルナー(チェロ)
GRML 98756
輸入盤

\2590
 1993年結成、着々とヴェテラン団体になりつつあるフーゴー・ヴォルフ弦楽四重奏団がGramolaでリリースしたのは、なんといきなりベートーヴェン! それも初期と晩期から1曲ずつ、初期で唯一短調の「第4番」、晩期からは長大難解なる「第15番」というから大胆きわまりない。
 しかし演奏を聴いて納得、まだまだ「若い」といってさしつかえなさそうな団体なのに、創られてゆく音楽ときたらひどく充実している。密なアンサンブルを織り上げながら飛ぶように突き進む「第4番」にはアルバン・ベルクSQゆずりのスタイリッシュな美しさが漂い、対する「第15番」はあの長さをちっとも長いと思わせない、弛まぬ密なドラマ性を体現してゆく。体臭むんむんではない、どちらかといえば“現代的”な解釈に近い気もするのだが、それが無国籍的な無機質さに陥らないというか、徹頭徹尾「薫り高い」。そのあたりは彼らにみっちりトレーニングを施したアルバン・ベルクSQのおかげだろうか、またスタイリッシュに曲構造を浮かび上がらせる手腕は、彼らの師匠ラ・サールSQのウォルター・レヴィンの賜物なのだろうか。聴いていて疲れない、それでいてじっくり傾聴すれば充実感はこの上なし。
 ありそうでなかなかない解釈、豊かな美音の重なりも心地よく、ついつい深く聴き確かめたくなる。対する第4番も軽快なスピード感、それでいて乱れないアンサンブル、意気揚々の音楽づくりがなんとも頼もしい限り! 楽聖の四重奏世界を端的に知らしめてくれる、「現代ウィーンのベートーヴェン」がここにあるのだった。
Schumann & Ravel: Piano Works 知性派女流奏者ゲルダ・シュトゥルーハル(ピアノ)
 シューマン:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 作品14
       (ゲルダ・シュトゥルーハル校訂版)
 ラヴェル:夜のガスパール
ゲルダ・シュトゥルーハル(ピアノ)
GRML 98804
輸入盤

\2590
 ウィーン生まれのゲルダ・シュトゥルーハルは各地のコンサートでのプログラムを見る限り、古典的なレパートリーばかり弾いている人かと思いきや、よく見ればラヴェル、ハイドン、クレーネク…と気になる演目がちょこちょこ。キャリアを見れば、鬼才にして名教師でもあるアラン・ワイスに師事していたり、指揮法の勉強もしていたり、シュテファン・ヴラダーのアシスタントをしていたり…とこれも一筋縄ではいかなそうなポイントがいくつか。
 このアルバムにしても、シューマンとラヴェル、しかも(「『トロイメライ』と『亡き女王の…』とかではなく」)「オーケストラのない協奏曲」とも言われたOp.14のソナタと「夜のガスパール」という曲者な組み合わせ。しかもシューマンの方は、自ら校訂版を手がける入念ぶり。もともとこの曲には1836年版と1853年版とがあって、スケルツォ楽章が挿し変わっていたり、冒頭楽章にかなりの異同があったりするのだが、シュトゥルーハルは「どちらも決定的な版とはいえない」と結論づけ、基本的には1836年版をもとに、両版の冒頭楽章を比較検討して楽想の採択を決定、さらに改訂版のスケルツォを最終楽章として配置するという英断にふみきり、ただでさえ「ロマン派の前衛音楽」めいているこの作品の現代的再解釈に踏み切っている。
 磨きぬかれた彼女のピアニズム(蓋し美音!)といい、曲構造をよく理解させてくれる解釈といい、その効果と説得力を、ぜひ直接聴ききわめていただきたい。対する『夜のガスパール』も強烈なコントラストを生かしながら、完璧な技巧で精緻に曲構造をあばきだしてゆく。ドイツ系奏者のラヴェルともまた少し違う、独特の味わいがクセになるような。ちょっと今後も目の離せない人だ。
Wien un 1900 ウィーン1900年、新世代と旧世代
 〜ツェムリンスキー&R.フックス 他〜

フックス(1847〜1920):
 ピアノとヴァイオリンのための七つの間奏曲
ツェムリンスキー:
 ヴァイオリンとピアノのためのセレナード イ長調
パヴェル・シンゲル(1962〜):
 夜想曲 〜ヴァイオリンとピアノのための
エレナ・デニソヴァ(ヴァイオリン)
アレクセイ・コルニエンコ(ピアノ)
GRML 98776
輸入盤

\2590
 ジャケットにはクリムト『接吻』が掲げられ、上品な茶色地に絵画の金色が映えてウィーン気分をいやがおうにも盛り上げるこの1枚。演奏内容が良いからこそ、そのパッケージの美しさも映えるというもの。
 まずプログラムが奮っている。
 「ウィーン1900年」と題しながら、ドヴォルザークと同世代の「旧世代」フックスと、シェーンベルクと同世代の「新世代」ツェムリンスキーが、それぞれ1900年前後に作曲した作品を対比させて、その中間に、両作品の主題をあしらったユダヤ人作曲家シンゲルの現代作品を配するというもの。なにやら妥協のなさそうな本格的プログラム?と思いきや、玄人好みの選曲のわりに曲はきわめて聴き易い。ツェムリンスキーは彼の“ロマン派時代”、まだ無調を模索する前の優雅なセレナード。対するフックス(マーラー、R.シュトラウス、シベリウスらの師匠)は彼の常どおり、時代錯誤なまでにシューマン風だったり、ブラームス的歌心が聴かれたりと、まさにロマン派そのもの!
 しかも無名曲にありがちな演奏家の慢心めいたものが一切なく、弦もピアノもきりりと引き締まり、すがすがしい。それもそのはず、ロシア出身の2人の奏者はこれら2連作にぞっこん惚れ込み、何とか世に知らしめようと日々邁進しているという。ソ連時代の悪名高き?大御所フレンニコフの門下生でもあるシンゲルに収録作を委嘱したのも彼ら。なるほど弾き込んであるはずだ。単純に「クリムトを眺めながら、ウィーン世紀末の優美なヴァイオリンを」というライトユーザー的な楽しみ方もOKだろうし、この手の秘曲発掘が好きな玄人筋も絶対満足!なインテンスな演奏でもある。優良なる1枚だ。
Rachmaninov: Piano Concerto No. 2 in C minor, Op. 18, etc. マティアス・スーチェク
 ラフマニノフ: ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 ロ短調 op.23
マティアス・スーチェク(ピアノ/ベーゼンドルファー)
シュテファン・マルツェフ指揮
ヴュルテンベルク・フィル
GRML98796
輸入盤

\2590
 ひたすら丁寧、きらめく水面のように美しい。脱構築的、パワフルな巨大名曲2編にひそむ 予想外の“静けさ”を描き出してゆく、ベーゼンドルファーの透明感あふれる響き...ほとんどベートーヴェン晩期のような深遠さに、じっくり向き合いたくなる新時代解釈!!すでにGramolaレーベルのシューベルト・アルバム(GRML98775)で、ベーゼンドルファーからひたすら綺麗な澄み切った音を繰り出し、そのピアニズムを印象づけたウィーンの若き名手マティアス・スーチェク。ドイツの堅固なる仕事人系オーケストラ、ヴュルテンベルク・フィルをバックにDSD録音で収録した彼の協奏曲録音は、ごらんのとおり。
 “ステレオ初期のヴァン・クライバーン以来”のパワフル&ゴージャス圧倒系、超絶技巧巨大協奏曲2編を弾いたアルバムでございます。
 が! 驚いたことに、曲そのもののドラマティックさに頼る気配はソリストにも管弦楽にもみじんもなく、ひたすら静かに、そして隅々まで丁寧にくっきりと、曲のうまみを確かめつくしてゆくようなユニークな解釈なのです。ピアノvsオーケストラ、というより、ピアノの静謐さに、そのままオーケストラが理解を示すような対話...前半に置かれたラフマニノフ第2番の、あの冒頭の静けさ(スーチェクのベーゼンドルファーの、なんてみずみずしく透明・精妙なこと...!)を基調にして、アルバム全体が進んでゆく感じでしょうか。
 しかし、ちょっと思い起こしてみて下さい。どちらの協奏曲にも。絶品の緩徐楽章はもちろん、長大な冒頭楽章のいたるところにも。相当長く忘れがたい“静”の瞬間が含まれているわけです。劇的一辺倒だけじゃない“静”の名曲として、これら2曲をいかんなく印象づけてくれる、そんな極上解釈がこのアルバムなのです。
 ベートーヴェンの第4協奏曲や晩年のソナタにも通じるような、ひたすら静かに深いドラマ。DSD収録のくっきりサウンドで隅々まで聴こえる管&弦も精妙、ぜひ味わって頂きたい特異な名演です!
Bach Vibrations アンドレイ・プシカレフ(ヴァイブラフォン)
 バッハ・ヴァイブレーションズ
  『2声のインヴェンション』を、ジャズのヒーローたちのスタイルで
   〜ギドン・クレーメル・プロデューズ〜

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750):
 『2声のインヴェンション』BWV772〜786
 1. 第1番 ハ長調(ビル・エヴァンス風)
 2. 第2番 ハ短調(ミッシェル・カミロ風)
 3. 第3番 ニ長調(ビル・エヴァンス風)
 4. 第4番 ニ短調(オスカー・ピーターソン風)
 5. 第5番 変ホ長調(スコット・ジョプリン風)
 6. 第6番 ホ長調(チック・コリア風)
 7. 第7番 ホ短調(エロール・ガーナー風)
 8. 第8番 ヘ長調(オスカー・ピーターソン風)
 9. 第9番 ヘ短調(ケニー・カークランド風)
 10. 第10番 ト長調(ミッシェル・カミロ風)
 11. 第11番 ト短調(ミッシェル・カミロ風)
 12. 第12番 イ長調(ハービー・ハンコック風)
 13. 第13番 イ短調(ジャック・ルーシェ風)
 14. 第14番 変ロ長調(デイヴ・ブルーベック風)
 15. 第15番 ロ短調(ジョージ・シェアリング風)
アンドレイ・プシカレフ(ヴァイブラフォン)
GRML98794
輸入盤

\2590
 アンビエント&エキサイティング!
 ヴァイブラフォンのユルく優しいサウンドで やわらかく装いを変えてゆく、あのバッハの名曲群...プロデューサーは、ギドン・クレーメル御大。ロッケンハウス育ちの絶妙センスをどうぞ!
 鬼才ヴァイオリニストのギドン・クレーメルがプロデュースする、意外なバッハ・アルバムが登場!
 ロッケンハウス音楽祭や室内楽団クレメラータ・バルティカでも活躍、もちろんクレーメル御大ともデュオなどで共演しているクセモノ打楽器奏者アンドレイ・クシカレフが、無伴奏ヴァイブラフォン一本勝負で、スロウorスピーディなジャズ・アレンジでバッハの『2声のインヴェンション』を弾いてゆく、それがまた絶妙なアレンジで!静かにやわらかいヴァイブラフォンの響きだけでも心がとろけそうなのに、オスカー・ピーターソンの静けさやスコット・ジョプリンのアクセント、ミッシェル・カミロの細かさにチック・コリアの妙味...と各曲それぞれジャズ・シーンの大御所たちのスタイルが取り入れられていて。ジャズも聴く系のユーザーにはもちろん、やわらかめのバッハ好きにはたまらない1枚のはず。店内演奏で「お?」と思わせられること必至、クロスオーヴァー棚にも現代棚にも勿論バッハ棚にもしっくりくる、かーなりクールなアルバムとしてお勧めできる。
Schubert - The Sonatas for Violin and Fortepiano イェルク・デームス&イルンベルガー
 シューベルト:
  ヴァイオリンとピアノのための作品全集Vol.1

 1. ヴァイオリンとピアノのための
   ソナタ ニ長調 D.384/Op.posth.137-1
 2. ヴァイオリンとピアノのための
   ソナタ イ短調 D.385/Op.posth.137-2
 3. ヴァイオリンとピアノのための
   ソナタ ト短調 D.408/Op.posth.137-3
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
イェルク・デームス(Fp・グラーフ1823年製)
GRML98828
輸入盤

\2590
 さきのモーツァルト盤(GRML98786・レコ芸特選)で大ブレイクした新旧世代のデュオ、今度はシューベルトのデュオ全曲録音に着手! しっとり繊細なガット弦の響きは他の追従を許さない。グラーフの音色も典雅そのもの、しなやかに決まる本場の逸品!
 “ウィーンの三羽烏”の一人こと、ご存知ウィーン出身の巨匠イェルク・デームスが、昨今トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガーという20歳そこそこの天才ヴァイオリニストとデュオを組んで快進撃を繰り広げているのはご存知でしょうか。
 日本でも発売となった同Gramolaレーベルによるモーツァルトの作品集(GRML98786)では、阿吽の呼吸で抑揚豊かにつむぎだされる音楽が高く評価され、『レコード芸術』誌上でも室内楽部門の難関をみごと勝ち抜き、特選に輝きました。年齢差半世紀もあろうかというこのデュオが次に取り組んだのが、シューベルト! この作曲家も生きた本場ウィーンの音楽家ならではの、あの独特の「たたずまい」を保ちながらも、楽器はガット弦のピリオド楽器と、シューベルト生前のウィーンで最も完成度の高い機構を誇っていたグラーフのフォルテピアノ、という徹底したオリジナル楽器志向で、あらゆる意味において「本場ウィーンのシューベルト」というにふさわしい仕上がりになっている。このイルンベルガーという人、バロック・ヴァイオリンもこなすうえブラームスなどでも細かく楽器や弓を変えたりして、19世紀流儀の奏法で斬新な作品像を打ち出してきたりする、若手だてらに全く侮れない鬼才。本盤でもシューベルトならではの憂愁をきれいに浮き彫りにする運弓の妙味はけだし絶品、巨匠奏でるグラーフ・ピアノの典雅さとあざやかに絡んでゆくこの響きに、誰もが魅了されることでしょう。まさにウィーンならではの逸品!
Mozart: Piano Concerto Nos. 12, 13 & 14 モーツァルト: ピアノ協奏曲
 室内楽編成版ピリオド楽器バージョン

モーツァルト:
 1. ピアノ協奏曲 第12番 イ長調 KV.414
 2. ピアノ協奏曲 第13番 ハ長調 KV.415
 3. ピアノ協奏曲 第14番 変ホ長調KV449
  (すべて室内楽編成による)
ウィーン・プレイエル・トリオ(古楽器使用)
フルヴォイェ・ユゴヴィチ(fp)
マルクス・ホフマン(vn)
ギュンター・シャーゲルル(vc)
イェルク・ブシュハウス(vn)
バールバラ・パルマ(va)
GRML 98803
輸入盤

\2590
 ありそうで意外となかった「室内楽編成版」を「ピリオド楽器で」ヴァージョン!しかも演奏は「モーツァルトの国」本場オーストリアの経験ゆたかな古楽器奏者たち。 他国の古楽器では聴けない、しっとり弦の美音&クリスピーなヴァルター・ピアノの妙味!
 モーツァルトのピアノ協奏曲10番代前半といえば、本人が手紙のなかで「管楽器を省いても大丈夫」と明言している11〜13番をはじめ、もともと室内楽ヴァージョンでも楽しめるよう作曲されていて、その編成でも幾多の名盤があるわけだが、どうしたものか既存の録音は圧倒的に現代楽器アンサンブルのものが多く、フォルテピアノ&ピリオド弦というスタイルではめったに録音されていなかったり。そこへ本盤、ピリオド楽器演奏なのはもちろん、演奏陣営はことごとくオーストリア勢、しかもフォルテピアノはモーツァルトも愛用したことで知られるヴァルター(1795年製オリジナル)…と圧倒的なオーセンティシティで、作曲家が意図したとおりの室内楽サウンドを再現してくれるという嬉しいアルバム!
 弦楽陣営はF-J.マイア(コレギウム・アウレウム)門下のコンチェルト・ケルン勢がめだち、フォルテピアノ奏者ユゴヴィチもマルコム・ビルソン門下というから国際派?と思いきや、響きはしっとりウィーン調、鋭角すぎない絶妙のクリスピーさ加減は現代楽器系ユーザーにも古楽派にも双方おすすめのサウンド!作品の美質をきれいに浮き彫りにしてくれる名演ぶりで、作品の妙とGramolaの底力を印象づけてくれる。
String Quartets アーツィエス四重奏団
ハイドン:
 弦楽四重奏曲 第82番 ヘ長調Op.77-2/Hob.III: 82
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 op.18-3
シューベルト:弦楽四重奏曲断章 ハ短調 D.703
アーツィエス四重奏団
GRML 98826
輸入盤

\2590
 これは次世代の巨星となるか! オーストリアの名門ケルンテン音楽院から 世界に羽ばたく天才集団、いきなりウィーンならではの名曲ばかりで颯爽とデビュー!プログラムのバランスは完璧&完成度ばっちりの解釈に、嬉しい驚きを禁じえない! 音楽大国オーストリアから、フレッシュな才能がまたもや登場!ハーゲン四重奏団のデビューと快進撃を想起させる、若くしてすでに偉大なカルテット。アーツィエス四重奏団の登場!
 2000年9月、若き俊英4人がケルンテン音楽院在学中に結成、2002年にはオーストリア放送主催のツアーに招かれて早くもアルプスとアドリア海周辺諸国へとツアーを敢行、すぐにオーストリア内外からコンサート招聘を受けながらもアマデウス四重奏団やアルバン・ベルク四重奏団、バルトーク四重奏団、スメタナ四重奏団...といった名門アンサンブルのマスタークラスに通い続けて腕を磨き続ける周到ぶり。その成果は2006年、ウィーンのグラドゥス・アド・パルナッスム音楽祭優勝、および最優秀モーツァルト賞として結実したばかり、昨2007年には大手オーストリア銀行が「本年のアーティスト」として全面バックアップに乗り出すほどの人気ぶりを早くも獲得している!
 実際演奏をお聴きいただければわかると思うのだが、冒頭から強烈な期待感を漂わせる、キレイに揃ったキメ細やかな音でいきなり彼らの世界に引き込んでくる...といった感じで。ハイドン晩年の深まりと愉悦あふれるウィットも、初期ベートーヴェン独特のあの爽快な勢いも思うがまま、シメのシューベルト「断章」がこれまた痛烈にクール&ナイーヴで、ジャケット写真にみる颯爽としたヴィジュアルはダテじゃない!と唸らずにはいられない名演に仕上げられている。これから女性ファンも付いてきそうなスター性あるグループ、カルテット界の4人の貴公子にぜひご注目!!
Works for Violin and Piano エゴン・ヴェレス、ウィーンの伝統を継ぐ者
        〜ヴァイオリンのための作品集〜

ハイドン(1732〜1809):
 1. ヴァイオリン助奏付ピアノのためのソナタ
  (ピアノ三重奏曲Hob.XV:31をもとに
             作曲者自身が編曲)
エゴン・ヴェレス(1885〜1974):
 2. ヴァイオリンとピアノのための組曲 作品56
 3. 無伴奏ヴァイオリンのためのクラント
 4. テンポ・ディ・シチリアーナ(無伴奏ヴァイオリンのための)
 5. 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 作品36
 6. 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 作品72
 7. 五つのミニアチュール(ヴァイオリンとピアノのための)
ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第4番 イ短調 作品23
ヨハンナ・モンドロシキェヴィツ(ヴァイオリン)
パウル・グルダ(ピアノ)
GRML 98818
輸入盤

\2590
 引き締まったヴァイオリン、芸達者なるP.グルダのピアノ!うつくしい絶頂へと至る酩酊風の歌い口がクセになる近代ウィーン隠れ巨匠の作風を、古典派名曲とともに堪能“ウィーン三羽烏”のひとり鬼才フリードリヒ・グルダの息子で、知る人ぞ知るユニーク&多芸な逸材であるパウル・グルダの絶妙サポートを得て、 ポーランドの俊英が鮮やかな美音と揺るぎないスタイルで仕上げる秀逸室内楽版、登場!
 ヴァイオリンのヨハンナ・モンドロシキェヴィツはベルギーの巨匠グリュミオーと(アルバン・ベルクSQの)ピヒラーに師事した侮りがたい名手で、彼女の名演ぶりを聴くだけでも価値のあるアルバム。中心となるのは、世代的にはシマノフスキやバルトークと同じくらい、音楽界がまだまだ「クラシック」だった20世紀前半のウィーンを生きた名匠、エゴン・ヴェレスの作品群。新ウィーン楽派とも親しくつきあいのあった人だが、もともとウィーン古典派の音楽遺産を整理した事で知られる大学者アートラーに師事した音楽学者だったこともあり(のちにビサンティン音楽研究の権威にもなっている)、古きよきウィーン古典派の良さである「聴きやすさ」をつねに守るタイプのよう。作風の似た感じのする同時代人イザイが、バッハを意識していたようなものでしょうか。ラヴェルとバルトークの間をゆくような、しっとり聴きごたえある歌心豊かなヴァイオリン音楽に、ハマってしまうファンは少なくないはず!
 面白いのは、ウィーンの学者=作曲家ヴェレスのルーツを明かそうとするかのように、彼が尊敬してやまないウィーン古典派の巨匠たちの作品を前後に配しているところ。気鋭タッグによるベートーヴェン・ソナタ4番の秀逸解釈が聴けるのも嬉しいわけだが(エキサイティング!)ハイドンのデュオも、この作曲家が正真正銘のヴァイオリン・ソナタを全く残さなかったうえ、晩年の名作から作曲者自身が編曲した貴重な版となっていて、アルバム冒頭から聴き応えたっぷり!
Johannes Jess-Kropfitsch in Recital ヨハンネス・イェス=クロップフィッチュ
 〜ファツィオーリ、ウィーン、幻想と知性〜

 ブラームス:
  1. ヘンデルの主題による変奏曲 op.24
 ショパン:幻想曲 ヘ短調 op.49
 バッハ/ブゾーニ編:シャコンヌ
 (無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004より編曲)
ヨハンネス・イェス=クロップフィッチュ
(ピアノ/ファツィオーリ・グランド308)
GRML 98771
輸入盤

\2590
 クールで知的な表情が、急激にダイナミックな表現へ!あなどれない底知れなさで迫るウィーンの異色ピアニスト、ファツィオーリ308に向かい、堂々ソロで登場!!
 往年の巨匠ヴィルヘルム・ケンプや、スタニスラフ・ブーニンの父にして巨匠ゲンリフ・ネイガウスの息子スタニスラフ・ネイガウスらに師事してきたウィーンのピアニスト、ヨハンネス・イェス=クロップフィッチュ(1960年生まれ)は、これまたちょっと見過ごせない逸材!
 基本的には知性派寄りの、かなりクールなピアニズムで弾き進めてゆくタイプ…かと思いきや、曲のダイナミズムにあわせて驚くほどエキサイティングな暴れぶりをみせたり、静々と美音をかさねて信じがたい深遠な表情を醸し出してみたり、しかもテクニックは万全どんな箇所もまったく心配なし、先の読めない展開に徹頭徹尾引き寄せられっぱなしになること請け合い!
 「ショパンのエチュードとバッハの『平均律』は全部暗譜」というこの名手、Gramolaには室内楽盤も含め何枚かの録音があるが、そんなイェス=クロップフィッチュのピアニズムをあざやかに浮き彫りにしてくれるソロ・リサイタル盤からまずご紹介。
 プログラムはごらんのとおり、一見オーソドックスな作曲家ばかりのようで実はあなどれない選曲。確たる構築感覚で築かれてゆくブラームスの変奏曲、がっしりとした面持ちのなか静謐冷徹から激情の奔流まで縦横無尽のピアニズムが味わえるバッハ/ブゾーニ編「シャコンヌ」もさることながら、その両曲に挟まれた、知性と詩情を兼ねそなえたショパンの「幻想曲」作品49は聴きもの。ピアノはファツィオーリの「308」グランド、この楽器の美音で細やかさも豪胆さも思いのままの表現を楽しめるのも、本盤の魅力のひとつ。ピアノ・ファン必聴!
Paganini & Leitner: Works for Violin and Orchestra イルンベルガー
 パガニーニ(1782〜1840):
1. ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ短調
2. ワルシャワ・ソナタ
 〜ヴァイオリンと管弦楽のための
エルンスト・ルートヴィヒ・ライトナー(1943〜):
 3. コンツェルトシュトゥック(協奏曲断章)
 〜ヴァイオリンと管弦楽のための
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー (vn)
ヨゼフ・サバイーニ指揮
フィルハルモニツェス・ムンディ
GRML98805
輸入盤

\2590
 さまざまな時代の奏法に積極的に取り組んできた鬼才イルンベルガーが、ウィーン新世代のユニークな室内合奏団のタッグで打ち出す、何枚も上手のパガニーニ!
 “上品&艶やかなショスタコーヴィチ”のごときライトナー作品も、ちょっとした発見...!
 大ヴェテランのフォルテピアノ奏者イェルク・デームスとの共演で知られる、古典派から19世紀末まで各時代の奏法にも精通しているウィーン新世代の気鋭ヴァイオリニスト、イルンベルガー待望の協奏曲録音。それも、なんと演目はパガニーニ!!
 なにがすごいって、よりによってあの陳腐きわまるオーケストレーションで知られる「第4番」がメイン演目なのにもびっくりですが、それを同じく古楽奏法への意識の高いサバイーニ&フィルハルモニツェス・ムンディの周到&ダイナミックな伴奏が、本当にうつくしく、説得力さえ感じられる絶妙サウンドに仕立て上げてしまっているのに唖然!イタリアや中東欧のオーケストラがヴィブラートかけまくって弾く冒頭の弦セクションは整然と揃い、フルートとファゴットのかけあい・重なりぐあいも(音量比が絶妙なのか)陳腐にならず、なんだかロッシーニ並のオーケストレーションを聴く思いさえしてくるからフシギ。タテの線の揃うところでのパンチの効き方はアーノンクールの修辞法もかくやという強烈さ、緩徐楽章は『魔弾の射手』にも匹敵する浪漫風味さえ漂うし…この曲のバックで飽きあきしたように弾く現代楽器のオーケストラが、逆に信じられなくなるくらいです。
 そんなレヴェルの高いユニーク楽団に支えられて、イルンベルガーのテクニックは冴えまくりなのに、押し付けがましさとは小憎らしいほどに無縁、もったいぶったルバートは全然かけずにトゥッティ同様すっきりした音作り(さりげないルバートはかけてる。そのあたりも小憎らしいです)、パガニーニ協奏曲の概念をさらりと覆してみせます。併録は作曲家ワルシャワ演奏旅行時の充実作と、聴きやすめのショスタコーヴィチをさらに上品・妖艶にしたような現代作品。このライトナーなる作曲家の一篇が蓋し名品・といった感じなのも嬉しいところです。玄人筋にもぜひ聴かせたい、静かなる驚異の1枚!
Hommage to Joseph Haydn マンフレート・ヴァクナー=アールツト
ハイドン:
 1. ソナタ ヘ長調 Hob.XVI/23(1773)
 2. ソナタ ハ長調 Hob.XVI/48(1789)
 3. ソナタ ホ短調 Hob.XVI/34(1781/82)
 4. ソナタ ニ長調 Hob.XVI/37(1777-79)
 5. ソナタ ト長調 Hob.XVI/8(1766以前)
 6. ハイドンを讃えて(1909)
  〜ドビュッシー、アーン、ヴィドール、
   ダンディ、デュカス、ラヴェルによる6つのピアノ小品
マンフレート・ヴァクナー=アールツト(ピアノ)
GRML98831
輸入盤

\2590
 ヴァクナー=アールツトは生まれも育ちもウィーンの名教師で、楽譜出版ユニヴァーサル・エディションの校訂にもたずさわり、今や廃盤となったDivertimentoでのハイドン・ソナタ集(本盤とは全然別の録音)は少し前までとんでもない高値で取引されていたようです。その面白さを知り尽くした人ならではの絶妙のアゴーギグは、ブッフビンダーのベートーヴェン、グルダのモーツァルトなどにも通じる「ウィーンならではの遊び心と手際よさ」。意外にどんどん釣り込まれること間違いなしのピアニズム!
 ベートーヴェンのソナタの面白さがわかって、モーツァルト風の古典派的な語り口がイケるなら、迷わずこのアルバムをお勧め(ブレンデルの弾く古典派が好きで、あのテイストをもっと...という方にはさらにおすすめ)。しかし本盤のポイントは、もうひとつ。ドビュッシーやラヴェルらフランスの近代作曲家たち6人が、ハイドン歿後100周年にあたる1909年、この巨匠への限りない愛情を注ぎ込んだ共同作品「ハイドンを讃えて」を全曲収録していること!
 HAYDNの名を音符に置き換えた旋律をもとに、ヴィドール、デュカス、アーン、ダンディ…と各員異なるスタイルで書かれた小品群は、本盤のようにセンスあるピアニストでなくては弾きこなせない。
Pleyel: Three Piano Trios & Violin Sonata ウィーン・プレイエル・トリオ(古楽器使用)
 プレイエル:ピアノ三重奏曲集

イグナッツ・ヨーゼフ・プライエル
 (=イグナス・プレイエル)(1757〜1831):
  1. ピアノ三重奏曲 ニ長調 Ben436(1788)
  2. ピアノ三重奏曲 変ロ長調 Ben440 (1791)
  3. ピアノとヴァイオリンのためのソナタ変ロ長調 Ben573(1788)
  4. ピアノ三重奏曲 ヘ短調 Ben442(1788)
ウィーン・プレイエル・トリオ(古楽器使用)
(フルゴヴィエ・ユゴヴィチ
 (フォルテピアノ/ヴァルター1795 年製作のオリジナル楽器)
マルクス・ホフマン(ヴァイオリン)
ギュンター・シャーゲルル(チェロ))
GRML98768
輸入盤

\2590
 これぞ真骨頂。本場ウィーンの面子ならではの、オリジナルな響きそのまま「ハイドンの弟子」プレイエルがみせた充実のピアノ・トリオ。
 世界は、当時の楽器でこそ光る。短調作品は、ほとんどベートーヴェンの先駆け? 究極ともいえる名演で、どうぞ!

 モーツァルトが生きていた時代、フォルテピアノの流行にあわせて徐々にフォーマットとして定まっていったのが、ヴァイオリンとチェロを伴うピアノ三重奏編成。当初はチェロがそんなに活躍しなかったりと、ぱっとしない作例も結構あったものだが、ハイドンが晩年とつぜんこの編成で名曲を書き続けたあたりから、三つの楽器すべてに見せ場のある傑作トリオが続々生まれ始めたのだった(そういえば、1795年に出版されたベートーヴェン最初の出版作品もピアノ三重奏曲集だった)。
 この、18 世紀最後の15年くらいの時期にわざわざピアノ三重奏曲を書いている人の作品には充実した曲が多く「ハズレなし」の感が高いのですが(コジェルフ、エーベルル、デュセック…)その真骨頂ともいえるのが、ハイドンの愛弟子にしてライヴァルたる作曲家、プレイエルの作例! ご存知のとおり後年パリに移ってポケットスコア出版やピアノ製造販売業を起こしたこの名匠、それ以前はアマチュア向け室内楽作曲家として知られた存在だったのですが、彼の室内楽の楽譜たるや、生前はハイドンやモーツァルトに匹敵するほどの人気があったとのこと。世代的にはモーツァルトと同じながら、かの天才が早世せずにまともに生きていたら確実に片足をつっこんでいたであろう「初期ロマン派」の時代を感じさせる作風は、聴き逃すにはあまりに惜しい!
 古典派的な形式感をふまえながらも、形式の枠に締めつけられず自由な広がりをみせる楽想の豊かさも、抜群のメロディセンスも、けだし絶品です。初期のベートーヴェンや“疾風怒濤のト短調交響曲”のたぐいが好きな方には、是非おすすめ! しかも本盤、演奏は作曲家と同じオーストリアの気鋭古楽奏者3人。そう、モーツァルトの室内楽編成版ピアノ協奏曲集(GRML98803)ですてきな演奏を聴かせた猛者ども。使用楽器も、ずばりオーセンティックにヴァルター1795 年、しかもオリジナル!
 プレイエルがピアノ製作工房を興したのはパリ移住後の1808年のことですから、オーストリア出身のプレイエルがストラスブールで活躍していた1790 年前後、ウィーンで出版されたこれらの作品を弾くには、まさにうってつけのピアノ。
 丸みを帯びてオーガニックな音色は軽快なアレグロにも機敏に対応、ゴージャスすぎない響きの妙は、ウィーン特有のガット弦のエレガントな歌い口にぴったり寄り添い、あるいは丁々発止と対話をくり広げる...ウィーン古典派3巨匠の作品を聴きつくしても、まだまだこんな名品が続々あると思うと、楽しみは尽きませんね!
Haydn - Piano Sonatas ハイドン生家のフォルテピアノで聴く
ハイドン:四つのピアノ・ソナタ
 1.ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI-38(1780 頃)
 2. ソナタ ト短調 Hob.XVI-44(1770 頃)
 3. ソナタ 変イ長調 Hob.XVI-46(1770以前)
 4. ソナタ ハ短調 Hob.XVI-20(1771 頃)  
リチャード・フラー(フォルテピアノ)
使用楽器:1782 年、A.ヴァルター・タイプ
  (ローラウ、ハイドン生家の博物館所蔵)
GRML 98847
輸入盤

\2590
 磨き抜かれたタッチの「主」は、フォルテピアノ界の隠れ大御所リチャード・フラー。作曲者がイメージした響きそのまま、なんて正統的!なにしろ録音場所は、ハイドンが生まれた家!低地オーストリア地方(ニーダーエストライヒ)のローラウにある、ハイドン生家を改装した博物館には、ハイドン自身も数々の交響曲や弦楽四重奏曲を書きまくっていた、人気絶頂の1780 年代に作られたというウィーン式のフォルテピアノが置かれています。これを、アメリカ生まれのウィーンのフォルテピアノ奏者、百戦錬磨の実力派たるリチャード・フラー御大が弾いてしまうという贅沢な企画が、このたび実現してしまったのです! フラーはモーツァルトのソナタ全曲録音をさまざまなレーベルをまたにかけて敢行していますが(小規模レーベルの栄枯盛衰ゆえ、残念ながら入手困難…)、ヨーロッパでは各地の超重要ホール(ウィグモア・ホール、コンセルトヘボウ、ウィーン楽友協会ホール…)でリサイタルを催しつづけている現場の最重要フォルテピアノ奏者だったりします。
 ヴァンハルのような「ウィーン地場の古典派作曲家」にも通じる一方、ハイドンが尊敬してやまなかったC.P.E.バッハにもきわめて造詣の深い、まさにハイドンを弾くなら彼!というほどの人だったりするのですが、いやーもうこのアルバムを聴いて、そうした期待値が120 パーセント実証された感じです。音源も出しますけれど、これ、ホントいいですよ!
 楽器はモーツァルトとハイドンの両方から絶賛されたA.ヴァルター製作と推察されている逸品ですが、フラーはたおやかで「過不足なし」に古典派にぴったりくるヴァルター特有の響きを、高音から低音までみごとに使いこなし(これが、難しいんです…)、音域ごとの音の違いをみごと弾き分けながら、それがハイドン作品の語り口におよぼしている効果をみごと、さらりと印象づけてくれる・・・モーツァルトやベートーヴェンが決して辿りつけなかった「ハイドンの面白さ」の粋が、最高の形で凝縮した1枚です!
Schumann - The Violin Concertos イルンベルガー
 シューマン:二つのヴァイオリン協奏曲

 1. ヴァイオリン協奏曲 イ短調作品129
  (チェロ協奏曲からの編曲)
 2. ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(1851)
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(vn)
マルティン・ジークハルト指揮
スピリット・オヴ・ヨーロッパ
GRML98834
輸入盤

\2590
 シューマンのヴァイオリン協奏曲は、2曲あった?! あのチェロ協奏曲を、作曲家自身がヴァイオリン用としても刊行しようとしていたとは。!
 気鋭奏者イルンベルガーが腕利き集団スピリット・オヴ・ヨーロッパと、端正&明快に弾きほぐしてゆく絶妙解釈!!

 「シューマンのヴァイオリン協奏曲」。と聞いて、ああと納得される方は当然、多いことでしょう。シューマン最晩年の管弦楽作品として、昔から数多くのヴィルトゥオーゾたちが折々に録音している傍ら、献呈されたヨーゼフ・ヨアヒムがシューマンの対面をヘンに考慮するあまり楽譜を公表しなかったせいで「シューマン晩期の、精神不安定の産物」なんて烙印さえ押されかかって過小評価もされている、あのニ短調の1編ですね。いかにも、本盤にもこのニ短調協奏曲は収録されています。
 ですが! ここに収録されているヴァイオリン協奏曲は2曲。もう1曲も、れっきとしたシューマン作品という...。
 話は1987 年に遡ります。
 ドイツの音楽学者J.ドラハイムが、ハンブルク州立大学に収蔵されていた(上述の、ニ短調協奏曲をシューマンから献呈された)ヴァイオリニスト=作曲家ヨーゼフ・ヨアヒムの蔵書から、ある協奏曲のソロ・パートの楽譜を発見しました。シューマンお気に入りの写譜師ペーター・フックスの手で写されたこの楽譜、なんとあの「三大チェロ協奏曲」のひとつと目される、シューマンのチェロ協奏曲のソロをヴァイオリン用に直したものでした。しかもシューマン自身の筆跡で書かれた封筒も見つかり、この協奏曲をヴァイオリン協奏曲としても出版しようとしていた彼自身の意向が確認できたのでした(なんでも、彼が音楽監督をしていたデュッセルドルフに満足なチェロ奏者がいなかったせいだったとか…)。
 聴いてみれば、それは確かにあのチェロ協奏曲にほかなりません。しかし、ソロ・パートは軽やかに舞うヴァイオリン。それをただのゲテモノのように終わらせず、シューマン自身の意図をくんで、見事に明晰かつエキサイティングな響きとして息づかせてくれたのは、バドゥラ=スコダ、デームス、イヴリー・ギトリス…と往年の名手たちがこぞって褒めたたえるオーストリア新世代の鬼才、イルンベルガー! オーケストラは、オーストリア有数の名門楽団の奏者をはじめ東西ヨーロッパの精鋭が集う室内管弦楽団、スピリット・オヴ・ヨーロッパ。先頃Extonから出たハンス・ガンシュのトランペット協奏曲集でも、見事な演奏を聴かせてくれた腕利き楽団。
 古楽奏法にもこだわりあり・のイルンベルガーとともに、うよく知られたニ短調の協奏曲も決して難渋にはせず、深みと明晰さを兼ね備えた解釈であざやかに織り上げてゆきます。これを聴かずに、シューマンの管弦楽作品は語れない。大注目の1枚です!
Schumann - Romance クララとローベルト シューマン夫妻のロマンス
 クララ・シューマン(1819〜96):
  1. 三つのロマンツェ 作品11
  2. 三つのロマンツェ 作品21
  3. ロマンツェ イ短調(1853)
 ローベルト・シューマン(1810〜56):
  4. 謝肉祭 作品9
  5. 子供の情景 作品14
 リスト(1811〜86):6. 献呈
  (R.シューマンの歌曲のピアノ独奏編曲)
ナターシャ・ヴェリコヴィチ(p/ベーゼンドルファー)
GRML98827
輸入盤

\2590
 新世代の名手たちのるつぼセルビア出身、ウィーンで揉まれた知られざる実力派。まろやかな音作りに思わぬ素朴な表情がひそみ、ロマン派の中核へとさりげなく近づくクララ・シューマンの曲は隠れ傑作ばかり、ベーゼンドルファーの響きも絶妙!正直、才能ゆたかなピアニストというのは昨今いくらでもいるわけで、強烈なオーラで聴き手を圧倒するタイプの人は掃いて捨てるほどいますし、個性派といっても千変万化、今更よっぽどのことでもないかぎり、市場をねじ伏せるほどにはならないのでしょうが。それでもやはり、真の実力派が世界中から集まってしのぎを削る「音楽都市」ウィーンからは天才たちが続出しますし、この街でじっくり活動を続けているピアニストの基本レヴェルが、やはり相当な水準にあることだけは間違いありません。
 ウィーンに本拠をかまえるGramola レーベルが世に問うてくるピアニストたちには、そうした「さりげなく聴き手をニヤリとさせる実力派」が、なんと多いことでしょう。活動歴もすでに短くないのに、国際舞台でCD リリースをしてこなかった本盤の隠れ名手ヴェリコヴィチも、まさにそうした一人なのです。
 さて、本盤のコンセプトは「ローベルトとクララ」。つまりシューマン夫妻のピアノ作品を、彼らの活動と愛の歴史を横目に見つつ堪能させてくれるプログラムなのですが、まず選曲が絶妙。つとに有名な「子供の情景」と華麗なピアニズムの生きる「謝肉祭」という2大作を核に、クララ・シューマンの「ロマンツェ(ロマンス)」を2集プラスワンの計7曲。ローベルトの作品に引用されたクララの曲、というような組み合わせにはせず(そうすると、どうしてもクララ作品が「従」の立場になってしまうものです)、磨き抜かれたクララ作品ばかりを集め、ローベルト作品と交互に聴かせることで(CD 上の曲順は上記1〜5〜3〜2〜6〜4)、両者を互いに刺激しあう対等な作曲家として扱っているのです。甘美さと情熱の奔流がひとつに詰まった小絵画のごとき「ロマンツェ」7作は、ベーゼンドルファーのまろやかな味をたくみに引き出すヴェリコヴィチのピアニズムで何とも親密に、説得力豊かに、夜の打ち明け話のように聴き手の心に響いてくる。
 対するシューマン作品も、リスト編曲版でも、この「親密さ」ががぜん生きてくるのです。超絶技巧をものともしない腕達者なのに、そこは強調せず…というのも好感度大!祖国セルビア・ローカルで数枚CD 出したきり、といいますが、なかなかどうして、世界的に通用する逸材ではありませんか…と嬉しくなってしまいます。貴重なクララ作品の音源・という枠を超えた、極上ロマン派ピアノアルバムです!
Mediterranean Melodies 地中海の歌さまざま 〜スペインからマルタまで〜
 チャールズ・カミレリ(1931〜)
 マヌエル・デ・ファリャ(1876〜1946)
 モーリス・ラヴェル(1875〜1937)
 ヴィチェンツォ・ベッリーニ(1801〜35)
 ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792〜1868)
  ー靴弔離好撻ぅ麑瑛悄淵侫.螢磧
  ∋阿弔離泪襯燭硫痢淵ミレリ)
  ヴェネツィアのレガッタ(ロッシーニ)
  じ泙弔離リシャ民謡(ラヴェル)
  ゥ泪襯燭硫討量襦淵ミレリ)
  Ε罐瀬笋猟瓦戞淵薀凜Д襦
  Д▲薀咼△硫痢淵ミレリ)
  ┘好撻ぅ麑噂阿硫痢淵薀凜Д襦
  フランス民衆の歌(ラヴェル)
  五つのマルタ民謡(カミレリ)
  三つのアリエッタ(ベッリーニ)
リディア・カルアナ(ソプラノ)
パウル・グルダ(ピアノ)
GRML98795
輸入盤

\2590
 地中海を西から東まで、スペイン、シチリア、イタリア、そして東のマルタ島へ。
 「マルタの宝石」と讃えられた名歌手カルアナが、雰囲気満点の“声”で魅せます!
 音楽大国オーストリアが誇るGramolaレーベルは、ドイツ=オーストリア系作品の“本場ならでは”なアルバムを次々とリリースしてくれている一方で、世界各地にまなざしを注ぎ、いろいろな地域の地方性をつよく感じさせるアルバムを折々に繰り出してくるから侮れません。
 今回ご紹介するこのアルバムにいたっては、かのウィーンの巨匠の多芸なる息子パウル・グルダの表現豊かなピアノに乗せ、地中海はマルタ島からの大歌手が、さまざまな「南国」の芸術歌曲アンソロジーを聴かせてくれる・・・まさしく、これからの季節にぴったりの南国サウンド炸裂!なのでございます。
 南欧料理とワインで陽気にやりましょう、とでもいうように、否応なしに聴き手を引きずり込んでくる「容赦ない本場の響き」が魅力!
Lorca & Catala - Poems of Federico Garcia Lorca 作曲家としてのフェデリコ・ガルシア・ロルカ
 〜ロルカ ギター伴奏によるスペイン歌曲集〜

フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1899〜1936):
 .▲鵐澄Ε魯譽(さあ、暴れろ)
 ▲札咫璽螢磴了匱蕷喚巡礼者たち ぃ歓佑遼修貅
 ィ核腓陵姚Ε魯┘鵑離癲璽輒
 18 世紀のセビリャーナス┘蕁Ε織薀
 モンレオンの若い衆どもドン・ボイソの武勇伝
 チニータのカフェトランプの王様たち
 ねむれ、わたしの坊や
 カスティーリャの秋の歌
 ソロンゴラファエル・カタラ(1960〜):
  ロルカの詩のための音楽(ジプシーのセギリヤ)
  杏景 吋ター 俺び 垣甜
  乾札リヤのパソ (21)そして、それから...
カルロス・アルバレス(バリトン)
ラファエル・カタラ(ギター)
GRML98844
輸入盤

\2590
 詩人であるとともに作曲家でもあった。フラメンコを現代に甦らせた「音楽家ロルカ」。その旨味たっぷり、同じアンダルシアの血が流れる名歌手アルバレスが歌い上げる!しかも、伴奏はピアノでなくギター...大御所カタラの、切れ味抜群のサウンドに酔う!
 スペインと、男声オペラ歌手。古くはアルフレード・クラウス、近年ではドミンゴにカレーラス、イタリア人のように情熱と人間味あふれる声、しかし独特の異国情緒…彼らスペインの一流オペラ歌手たちに共通しているのは、自国の音楽芸術を大切にしていること。今あげた3人は、スペイン独自の歌劇文化であるサルスエラも歌いこなす名人でした。さて、今回ここでご紹介するのは(なぜかウィーンのGramola からですが)そんなスペインの「いま」を支える名歌手、カルロス・アルバレスのソロ・アルバム。これが、注目ポイントだらけの優良盤なのです!
 まず曲目は、ファリャやプーランク、ギタリストのセゴビアといった近代クラシックの大御所たちの友人でもあり、国民的詩人として愛された文学者でありながら、作曲もこなし、近代フラメンコの復興に大きく寄与もしたガルシア・ロルカ(あらためて紹介するまでもないですね…世界的に有名なスペイン人です)の作曲した歌がメイン。よくファリャやアルベニスなどのスペイン歌曲集に、詩人の余技といった感じでおまけのように入っている「ロルカ作曲」の歌を、ここでは堂々15 曲とりあげ、プログラムのメインに据えています。
 えもいわれぬ淋しさをたたえたメロディは、世界屈指の名歌劇場のひとつ、バルセロナのリセウ劇場で10年近く主役格を張ってきたアルバレスの太く暖かい声に乗り、においたつようなスペイン情緒、いやアンダルシア情緒が漂う...なにしろ作曲者ロルカも歌い手アルバレスも同じアンダルシア出身、発音もおのずとアンダルシア訛り、筋の通った「本場の響き」はスペインものに一家言ある玄人ファンにも強烈にアピールするはず! しかも伴奏はピアノではなくギター。その弾き手は、2004 年ベルガンサ来日時に伴奏をつとめた大御所、自ら作曲もこなすバレンシアの天才、ラファエル・カタラ! 隅々まで磨き抜かれた完璧な技巧もさることながら、後半ではロルカの詩を朗読するアルバレスの声にあわせて弾かれる新作楽曲も。これが『プラテーロとわたし』のような、雰囲気満点のトラックだったり。いっさい手抜きなし、いとも高雅な、磨き抜かれた超一級スペイン・アルバム・・・これからの暑い季節、贅沢なくつろぎの時間を素敵に演出してくれます!
Pleyel - Piano Works マーシャ・ドミトリェヴァ
 プレイエルのソナタとソナチネ
  〜1831 年製作の歴史的プレイエル・ピアノによる〜

イグナス・プレイエル(1757〜1830)
 1. ロンド・ファヴォリ変ホ長調 Ben. 613
 2. ソナチネ変ホ長調 Ben.579
 3. ソナチネニ長調 Ben.578
 4. ソナタト長調 Ben.572
 5. ソナタ変ロ長調 Ben.571
 6. ソナタニ長調 Ben. 436
 7. アンダンテ変ロ長調 〜ソナチネ Ben.577より
 8.ロンド・ファヴォリイ長調 Ben.114
マーシャ・ドミトリェヴァ(P/プレイエル1831 年)
GRML98816
輸入盤

\2590
 繊細さをもって知られる「ショパンのピアノ」の作り手は、自身、売れっ子作曲家だった。ハイドンの愛弟子にしてライヴァルだった、時代を先取りするような作風を最も鮮やかに伝えるのは、19 世紀オリジナルのプレイエル・ピアノの、詩的な音色美!
 ショパンの愛したピアノは、パリのメーカー、プレイエル社のもの。しかして、このプレイエル社を興したのが、楽譜出版人でもあり、ハイドンの愛弟子にしてライヴァルでもあった気鋭作曲家だったことをご存知でしょうか? って、明敏なバイヤーさまには釈迦に説法ですね…そう、本盤はそのプレイエルの作品群を、あろうことか、彼がまだ生きていた頃のプレイエル社オリジナルによる古楽器で弾いてしまうという豪華なプロジェクトなのです。それも、プレイエルの祖国オーストリアが誇るGramola から、とびきり弾けた演奏解釈で!
 ニーダーエスターライヒ地方のルッペルスタルという小村に生まれたプレイエル(彼の母語であるドイツ語では「イグナッツ・プライエル」)は、まずストラスブールの大聖堂で、マンハイム楽派の大御所F.X.リヒターのもとで大聖堂の副楽長となり、この巨匠が亡くなった後は楽長職を受け継ぎます。この間ハイドンに教えを受け、みるみるうちに“パパ・ハイドン”の器楽曲作法を吸収咀嚼したプレイエルは、ごく短期間のうちに「楽譜が最も売れる室内楽作曲家」となり、250もの作品を次々と出版、それらはパリからロシア、さらにニューヨークでまで飛ぶように売れてゆきました。1784 年にはモーツァルトもその質に驚きを隠せず「彼の時代になったら、ハイドンさえ追い落としてしまうかもしれません」などと手紙で書いているほど。1790 年代には、ロンドンでハイドン人気への「対抗馬」としてプレイエルをかつぎ出す連中も出たほどでした。昨今は徐々にプレイエル作品の再評価も進んでいるようですが、特に遅れていたのがこれら、ピアノのための作品群! その後1807 年に自らピアノ・メーカーを起こすくらいピアノに造詣の深かったプレイエルですが、こうして独奏曲がCD でまとめて紹介されるのは、世界でも初めてではないでしょうか。
 で、これがなんと。路線としては「ハイドンよりモーツァルト」という感じで、スムースな流れのなかに周到きわまる書法が緻密な音楽を紡いでゆくさまは、なるほど人気が出たわけだ、と納得せずにはおれません。注目すべきは、大ソナタだけでなく(モーツァルトのそれのような)軽妙なロンドあり、あるいはソナチネが幾つもあるところ。このソナチネがクセモノで、短いくせに楽想展開は雄大そのもの、短さを忘れるスケールの大きさはちょっと必聴です(ある意味、ベートーヴェンの初期ソナタなみに…いや、それ以上に面白いかも)! 演奏者はモスクワ音楽院直系のロシア・ピアニズム系奏者なのですが、プレイエル1831 年のオリジナルの魅力をみごと引き出し、かそけき弱音の繊細さから(楽器の限度をよくふまえたうえでの)雷のようなフォルテまで、自由自在の「フォルテピアニズム」には驚きあきれるばかり!はっきりいって、ウマいです。
Chopin: The Complete Chamber Music ウィーン・イェス・トリオ
 ショパン:室内楽作品全集

 1. 序奏と華麗なるポロネーズ op.3
 2. ピアノ三重奏曲ト短調 op.8
 3. マイヤベーアの歌劇『悪魔ロベール』の主題に
  よる協奏的大二重奏曲(フランショームとの共作)
 4. チェロとピアノのためのソナタト短調 op.65
 5. ロッシーニの主題による変奏曲(遺作)
  〜フルートとピアノのための
ウィーン・イェス・トリオ
ヨハンネス・イェス=クロップフィッチュ(p)
エリザベト・イェス=クロップフィッチュ(vn)
シュテファン・イェス=クロップフィッチュ(vc)&
ルイーザ・セッロ(fl)
GRML98769
輸入盤

\2590
 ピアノ独奏だけじゃない! しかし録音はめったになし、の秘曲、シューマンも絶賛したピアノ三重奏曲ほか 、注目すべき傑作群をウィーンきっての新世代一族トリオが、周到・深遠・充実の演奏でじっくり愉しませる!
 「ピアノの詩人」ショパンですが、ピアノ独奏や協奏曲ばかり書いていたわけではありません。否、精確を期すなら「初期においては違っていた」といったほうが正しいかもしれません。実際、ショパンのキャリアの中盤に書かれた作品は、事実すべてピアノ曲、といっても過言ではないわけですから...。しかしながら、祖国ポーランドを去ってパリに来たばかりのころ、つまり国際的な名声を博しはじめた頃のショパンは、歌曲や室内楽、そしてあの2曲の協奏曲...と、独奏作品以外にもみるべき作品を数多く作曲していました。なかでも重要なのは、親友だった大チェリストのフランショーム(フランコム)と共作で作曲した「協奏曲的大二重奏曲」および唯一のピアノ三重奏曲。この2曲は発表当初のドイツで書かれた批評が意外に身近なところで読めるくらいなのに(シューマン『音楽と音楽家』吉田秀和訳・岩波文庫)、前者はともかく、なぜか後者はめったに録音されません。本盤はこの非常に貴重かつ重要な作例であるピアノ三重奏曲をはじめ、亡くなる前のショパンが最後に公の場に出たとき演奏したチェロ・ソナタ、もちろん上述の協奏曲的大二重奏曲も含め、さらには真贋が疑問視されているせいもあって存在すら知らない人も多いであろうフルート作品(!)まで、ショパンの室内楽作品のすべてを、音楽都市ウィーンで揉まれた実力派トリオと、イタリア最大のフルート奏者ガッゼローニの門下に学んだ気鋭フルート奏者が、よく練り上げられたアンサンブル、周到な解釈によって、旨味たっぷり、風格あふれるサウンドで愉しませてくれる貴重な企画! この1枚だけで、ショパンの室内楽にひそむ魅力はひとわたり概観できると言って過言ではありません。
 主要な部分を担当しているイェス・トリオのイェス=クロップフィッチュ3兄弟は、それぞれにソリストとして一味も二味も個性を感じさせる気鋭奏者たち。ピアニストのヨハンネスは、すでにGramola レーベルで知的なセンスに満ちたソロ・アルバムをリリース、地道にセールスを伸ばしております(GRML98771)。ショパンの魅力を知る上で、古典主義からじわり滲み出てきたロマン情緒をつぶさに知るには、このピアノ三重奏曲をはじめとする室内楽名品群は聴き逃せません!
Mozart: Violin Sonatas イェルク・デームス&イルンベルガー
 モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ

 1. ソナタイ長調 KV526
 2. ソナタト長調 KV379
 3. ソナタヘ長調 KV377
パウル・バドゥラ=スコダ(Fp)
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(Vn)
フォルテピアノ:ヴァルター1785 年オリジナル
ヴァイオリン:シュタイナー1656 年オリジナル
GRML98852
輸入盤

\2590
 天才イルンベルガー、デームスのみならず、今度はバドゥラ=スコダとも共演!
 使用楽器はどちらも純然たるオリジナル、モーツァルトが愛したヴァルターとシュタイナー!変幻自在、魔法のように心とろかすバドゥラ=スコダのピアノ、滋味あふれる弦の音色...トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガーというザルツブルクのヴァイオリニストは、若いだてらに次から次へと新録音をリリースしていますが、どれを聴いてみても、それが伊達や酔狂などではないことがすぐ判る。天才なんだと思います。
 シューマンの“二つの”協奏曲やパガニーニなどオーケストラとの共演もこなしながら、時には古い楽器を手にとって、モーツァルトからブラームスやウィーン世紀末にいたるまで、さまざまな室内楽のレパートリーを、歴史的奏法をふまえた立派な解釈で聴かせてくれる...そのうえ、若者特有の?瑞々しく伸びやかな感性のあるがゆえ、いかなる音楽をも活き活きとしたものにしてしまうのですから、敵なしです。音楽大国オーストリアの伝統を「いま」に伝える、そんな彼が2作目のモーツァルト・アルバムで共演しているのは、ほかでもない、かのバドゥラ=スコダ御大! 1枚目のモーツァルト二重奏作品集では、御大やグルダとともに“ウィーンの三羽烏”と並び称された(もう半世紀も前の話ですが)巨匠イェルク・デームスのフォルテピアノとの共演でしたが、なんとも贅沢な話です。






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