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GUILD HISTORICAL
超特価セール その1
1CD\1800→\1490
2CD\3600→\2790 / 3CD\5400→\3990
〜9/1(日)


 スイスGUILD社。
 水準の高い古楽録音を多く残し、そのセンスのよさは世界中の人の知るところだったが、そのGUILD社がImmortal Performances Recorded Music Society社と提携して興した歴史的録音シリーズがGUILD HISTORICAL。そしてIPRMS社はトスカニーニ、ワルターや戦前のメトロポリタン歌劇場の放送ライヴ録音など多くの歴史的な音源を管理しており、驚くべき音源を次々と蔵出ししてきた。
 たとえばトスカニーニのGHCD 2202の音源は、マエストロの大のお気に入りだったRCAの録音エンジニア、リチャード・ガードナーのコレクションからの復刻。そのマスターに関してはイコライジング、電子リヴァーヴなどのエフェクトが一切施されていないまさにオリジナル・マスター。トスカニーニの放送用音源だけで100タイトル以上保有するという。
 さらにこのシリーズ全体のプロデューサーに、超ハイファイ録音で知られるジョナサン・ワーンを起用。そのこだわりのマスタリング技術はまさに音楽ファンなっとくの仕事。
 そうした歴史的な偉業であり、且つ、多くの貴重な読み物(英語)やレアな写真が満載されるという豪華版でありながら、この価格でのリリースというのも驚き。

 
 ただ残念ながらそのGUILD HISTORICAL、1年に多くて2、3回くらいしか入ってこない。ということで大々的に旧譜を中心にセールを開催し、早めに調達しようという企画。
 もうひとつ残念なのは現地で完売のアイテムも出てき始めているということ。万一の際はご容赦ください。
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Wagner: Parsifal, Act Two
GHCD 2201
ワーグナー:楽劇「パルシファル」第2幕(完全版)
        楽劇「パルシファル」第3幕終曲
ラウリッツ・メルヒオール(パルシファル)
キルステン・フラグスタート(クンドリー)
アーノルド・ガボール(クリングゾル)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 第3幕終曲
  ヘルベルト・ヤンセン(クリングゾル)
  アルトゥーロ・ボダンツキー(指揮 )
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
(録音:1938年4月15日)
 20世紀の前半メトロポリタン歌劇場は、カルーソー&ファラー、ジーリ&イエリッツァなど、テノールとソプラノの名コンビの存在を売り物にした。それらのコンビのほとんどはイタリア・オペラを中心とするものだったが、1930年代半ばに誕生した名コンビだけは、異例にもワーグナーを得意とした。メルヒオールとフラグスタートのコンビである。そのあまりの人気は、この時期だけはイタリア・オペラが売れ残っても、ワーグナーは売り切れになるという、メト史上に類を見ない逆転現象を起こしたほどだった。この《パルジファル》抜粋は、その時期のラジオ中継を音源としている。当日の公演は変則的なもので、本来の指揮者だったボダンツキーが体調を崩したために第1幕と第3幕だけを指揮し、第2幕を代役にラインスドルフが指揮することになった。ラインスドルフはボダンツキーの補佐役としてメトに参加、翌39年には急逝したボダンツキーの跡を継いで、メトのドイツ・レパートリーの指揮者となる。なおこのCDには、当日のボダンツキー指揮の第3幕の終曲も収められている。(山崎浩太郎氏)
Wagner: Siegfried
GHCD 2207-9
(3CD)
ワーグナー:楽劇「ジークフリート」(全曲) ラウリッツ・メルヒオール(ジークフリート)
キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)
フリードリヒ・ショル(ヴォータン)、
カール・ラウフケッター(ミーメ)、
エドゥアルド・ハビッヒ(アルベリヒ)、
キルステン・トルボルイ(エルダ)、
エマニュエル・リスト(ファフナー)、
ステッラ・アンドレヴァ(森の小鳥)
アルトゥーロ・ボダンツキー(指揮)、
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
(録音:1937年1月30日)
 1930年代は、ワーグナー歌手の黄金時代だったといわれる。ソプラノのフラグスタートやロッテレーマン、テノールのメルヒオールやロレンツ、バスバリトンのショルにバスのリストと、この分野に素晴らしい歌手が輩出したからだ。特にフラグスタートとメルヒオールの主役コンビは、空前絶後の顔合わせといわれた。30年代後半、彼らはアメリカのメトロポリタン歌劇場に終結、本場バイロイトをはるかに上回る公演を行なったのである。その典型のひとつが、この《ジークフリート》。全幕出ずっぱりで超人的な歌唱力とスタミナを必要とするこの役を歌うのは、メルヒオール。輝かしい高音、パワー、柔軟なリズム感など、すべてを併せもった彼は、まさしく録音史上最高のジークフリートであり、その重要性は録音後60年以上をへた現在でも、いささかも減じることはない。その彼をフラグスタート以下、一騎当千の歌手たちがかこみ、またミーメ役のラウフケッターなど、脇役も充実している。指揮のボダンツキーはドイツ出身、ワルターなどと同様マーラーの弟子のひとりで、メトロポリタンでのドイツオペラの主柱的存在だった。快速のテンポと弾力にとんだリズムで歌手た ちをドライヴしている。当時の嗜好にあわせて多大なカットがあるし、ラジオのライヴ中継を音源としているので聴きづらい箇所もあるが、それでもなお、永遠の名盤というにふさわしいセットである。(山崎浩太郎氏)
Mozart: Le nozze di Figaro, K492
GHCD 2203-5
(3CD)
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」(全曲) エツィオ・ピンツァ(フィガロ)、
ビデ・サヨン(スザンナ)、
ジョン・ブラウンリー(アルマヴィーヴァ伯爵)、
エレノア・スティーバー(伯爵夫人)、
イェルミラ・ノヴォトナ(ケルビーノ)
パウル・ブライザッハ(指揮)、
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
(録音:1943年)
 ニューヨークのメトロポリタン歌劇場では、毎週土曜日のマチネー公演が全米にラジオ中継されている。1930年代にはじまったこの中継のライヴ録音は多数残され、70年間にわたるオペラ上演史の、貴重なドキュメントとなってきた。この《フィガロの結婚》もそのひとつである。現代の日本でも圧倒的な人気を誇るこのオペラ、意外にも両大戦間の時代のメトでは、ほとんど上演されていなかった。しかし1940年に23年ぶりに上演されると、一転して人気演目の仲間入りをし、欠かさず上演されるようになったのである。パニッツァ、ワルター、ブッシュなど錚々たる名指揮者たちがその指揮をしたが、このCDの録音は1896年ウィーン生まれのブライザッハがタクトをとったもの。ドイツで活動したブライザッハはナチス政権誕生後、アメリカに移住してきた。メトでのモーツァルト上演が40年代にさかんになる背景には、ワルターなどドイツ語圏からの亡命者の増加があるが、このブライザッハもそのひとりだったのである。個性的ではないが、速めのしっかりした指揮でピンツァ、ブラウンリー、スティーバー、サヨン、ノヴォトナという歌手陣を支えている。この歌手たちはいずれも 、メトでの「モーツァルト・ルネッサンス」の立役者となった人気歌手たちである。(山崎浩太郎氏)
M. Mussorgsky-Mussorgsky: Boris Godounov (Highlights)
GHCD 2206
ムソルグスキー:
 歌劇「ボリス・ゴドノフ」より ハイライト
フョドール・シャリアピン(ボリス)、
アストリッド・バラッチ(皇子フョードル)、
アンジェロ・バダ(シュナイスキー公爵)、
ディノ・バルジョリ(ディミトリー)、
サルヴァレンテ・バッカローニ(ワルラーム)、ほか
ヴィンセンツォ・ベレッツァ(指揮)、
コヴェント・ガーデン王立歌劇場
 管弦楽団&合唱団
(録音:1928年7月4日)
  フョドールシャリアピンは、バス歌手の概念を変えたといっても過言ではない、革命的な存在だった。彼の出現によって、バス歌手はオペラの渋い脇役から、舞台をさらってしまうスターとなったのである。そのシャリアピンの最大の当たり役が、《ボリスゴドゥノフ》の主役ボリスだった。ロシア以外ではほとんど知られていなかったこの傑作を西欧で一躍有名にしたのは、1906年に興行師ディアギレフがパリで興行したロシア・オペラ団の公演だが、そのとき主役を歌って大評判になったのが、33才のシャリアピンだったのである。歌唱力と舞台での圧倒的な存在感を持つ彼の演唱によって、《ボリス・ゴドゥノフ》は西欧でも高い人気を得る作品となった。このCDは1928年、ロンドンのコヴェント・ガーデン歌劇場での公演を、EMIがライヴで抜粋録音したもの。当時EMIは、歌劇場でのライヴ録音をいくつか行ったが、これはそのひとつで、全曲録音のないシャリアピンにとって、もっともまとまった量のオペラ録音。彼の主要な場面はほぼすべて収録されている。なおシャリアピンは原語のロシア語で歌っているが、脇を固める歌手たちはイタリア系のため、イタリア語訳で歌って いる。このような原語の混合は、歌手の客演が限られていた当時には、しばしば見られた現象だった。(山崎浩太郎氏)
G. Mahler-Mahler: Resurrection Symphony
GHCD2210
クレンペラーの「復活」
 放送アナウンス(オランダ語&ドイツ語/1分)
 マーラー:交響曲第2番「復活」
 放送アナウンス(オランダ語&ドイツ語/50秒)
キャスリーン・フェリアー(A)
ジョー・ヴィンセント(S)
クレンペラー指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管
 乳癌のために早世したキャスリーン・フェリアーは、ワルターの指揮でDeccaにスタジオ録音した《大地の歌》の独唱者として、不滅の評価を得ている。この名アルト歌手が、ワルターとならんでマーラーの弟子として知られるクレンペラーと共演したのが、ここに聴ける「復活」交響曲のライヴ録音である。この51年7月のオランダ音楽祭でのライヴ録音は、CDではDeccaがすでに発売している。だがそれは雑音を除去しようと音質を加工したのはよいが、副作用として音楽の迫力や勢いまでを喪ってしまっていた。そこでこのGuild盤では、あえて放送局の原テープに一切手を加えず、そのままにCD化している。そのために雑音や歪みはあるが、当夜の聴衆が会場で聴いただろう、気迫あふれるクレンペラーの指揮ぶりが、損なわれることなく蘇っている。この演奏は「復活」のあらゆる録音のなかでも最速のものとして知られるが、ただ速いだけでなく、凄まじい推進力にみちている。没後40周年を迎えた恩師の音楽を、なかなか認めようとしない世間へのクレンペラーの怒りが、込められているかのようだ。マーラーの作品が一般に浸透するには、これからなお10年以上の歳月を必要としたの である。なお本CDの収益は、フェリアー癌基金へ寄付されるという。(山崎浩太郎氏)
Arturo Toscanini-Toscanini Conducts Vaughan Williams,  Brahms,  Martucci,  Tchaikovsky
GHCD2211/12
(2CD)
トスカニーニ38年ライヴ!
 ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲
 ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 op.90
 マルトゥッチ:ノットゥルノ/ノヴェレッタ
 チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
 J.S.バッハ:アリア ―― 管弦楽組曲第3番より
 ハイドン:交響曲第101番「時計」
アルトゥーロ・トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
 トスカニーニのライヴシリーズ第2弾は、1938年10月15日の演奏会全曲と、42年4月4日の2曲を組合わせたものである。ブラームスは初CD化、チャイコフスキー、バッハとハイドンは初リリースという貴重なアイテムであり、しかもヴァイオリンの若干のザラつきを除けば音質も聴きやすいという、マニアにもビギナーにも好適のアイテムである。38年の演奏会は、NBC響との2シーズン目の開幕にあたるもの。前年とは楽員20人を入れかえ、94名で陣容が固まったシーズンである。渡米寸前までムソリーニの嫌がらせを受け、ようやく到着したトスカニーニを、楽員たちは最初の練習のとき、長い長い拍手で迎えたという。ヴォーン・ウィリアムズには1種、ブラームスには6種、チャイコフスキーには3種の録音がこのCD以外に発売されているが、いずれの曲も38年盤より後のもの。しなやかさや、ざわめくような各声部の自発性において、この38年盤の優位は動かないだろう。41/42年シーズン、トスカニーニはNBCに不満を抱き、出演契約をしなかった。しかしアメリカが第二次世界大戦に参戦したため、戦争債券の募金特別演奏会を5回おこなう形でNBC響と復縁する。これはその5回目に当たる もの。バッハは他に1種、ハイドンは4種の別録音がある。(山崎浩太郎氏)
 録音:1938年10月15日、1942年4月4日
R. Strauss-Richard Strauss: Elektra
GHCD2213/14
(2CD)
R・シュトラウス(1864−1949):楽劇「エレクトラ」全曲*

アストリッド・ヴァルナイ/オペラ・アリア・コンサートより

 ウェーバー:「魔弾の射手」 ―― たとえ雲がおおい隠しても
 ウェーバー:「オベロン」 ―― 海よ、巨大な怪物よ
 ワーグナー:「さまよえるオランダ人」 ―― ゼンタのバラード
 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」 ―― ママの知るとおり
 マスネ:「エロディアード」 ―― 美しく優しい君
 プッチーニ:「マノン・レスコー」 ―― この柔らかなレースの中で
 ヴェルディ:「仮面舞踏会」 ―― ここは、恐ろしい場所
 ジュゼッペ・ヴェルディ:歌劇「シモン・ボッカネグラ」第1幕より
 夕闇に星と海はほほえみ(共演:リチャード・タッカー)
 ボッカネグラとアメリア(共演:レナード・ウォーレン)
アストリッド・ヴァイルナイ(S)(エレクトラ)*
エレナ・ニコライディ(クリテムネストラ)*
フレデリック・ヤーゲル(エギスト)*
ヘルベルト・ヤンセン(オレスト)* ほか
ディミトリー・ミトロプーロス指揮*
ニューヨーク・フィルハーモニック*
 死と惨劇、狂おしいまでの復讐への渇望のうちにひそむ、流血の官能。《エレクトラ》はシュトラウス歌劇中でもひとつの頂点を築いた作品だが、ギリシャの指揮者ミトロプーロスは、このオペラを十八番中の十八番とした。なかでも1949年のクリスマス、ニューヨークフィルの定期演奏会のラジオ中継によるこの録音はミトロプーロスのキャリアの転機となったものである。この公演の大成功により、ミトロプーロスはニューヨークフィルの音楽監督就任を決定づけた。またそれまで演奏会で活動してきた彼は、翌年のフィレンツェ5月音楽祭でこの作品の舞台上演を指揮、オペラ指揮者として新たな境地をひらくことになる。そのフィレンツェ公演のライヴ盤や、高名なウィーンフィルとの57年のライヴ盤に比べると、この演奏会形式公演は放送時間の都合で二部に分けられ、またエレクトラとクリテムネストラの場面などに大きなカットがある。さらには音質もこもり気味だ。しかし、それでもなおこの演奏が価値をもつのは、エレクトラ役を名歌手アストリッドヴァルナイが歌っているからである。その深い呼吸のもたらす巨大な絶頂感は、他盤で同役を歌うコネツニやボルクには、聴 くことの出来ないものだ。
 なおCDの余白には、そのヴァルナイのアリア集が収められている。(山崎浩太郎氏)
Wagner: Die Walkure
GHCD 2215/7
(3CD)
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」全3幕 ラウリッツ・メルヒール(ジークムント)
ロッテ・レーマン(ジークリンデ)
エマニュエル・リスト(フンディング)
フリードリヒ・ショル(ヴォータン)
キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ)
ラインスドルフ指揮
メトロポリタン歌劇場
 1930年代後半から40年代前半にかけてのメトロポリタン歌劇場は、20世紀最高のワーグナー・アンサンブルを擁していた。テノールのメルヒオール、ソプラノのフラグスタートにレーマン、メゾのブランツェル、バス・バリトンのショルに、バスのリスト等々。ワーグナー楽劇の上演では、かれらが顔を揃えて、凄まじいばかりの歌唱を繰りひろげていたわけだ。《ワルキューレ》などはとりわけ人気の高い演目として、かれらがそれぞれの見せ場でその技量を披露していた。ところがいかなる偶然のいたずらか、毎週土曜日のラジオ中継で何度か放送された《ワルキューレ》では、かれら全員が揃う上演は一度もなかった。たとえば40年2月19日の中継では、ジークリンデがレーマンではなくローレンスに、ヴォータンがショルではなくヒューンになっていた。また同年3月30日のボストン客演の中継ではレーマンとショルはいるが、ブリュンヒルデがフラグスタートではなくローレンスに、フリッカがブランツェルではなくトルボルクに、それぞれ変わってしまっていた。それならと両者の録音をつぎはぎして、主役6人勢揃いの「夢の配役」をつくりあげてしまったのが、このCDなのだ。い ささか子供っぽい、しかし楽しい試み。とやかくいわず、夢の公演を聴くことにしよう。(山崎浩太郎)
Hector Berlioz-Berlioz: Romeo & Juliet; Damnation Of Faust,  Scene 7
GHCD 2218/20
(3CD)
オール・ベルリオーズ・コンサート完全版(1947)
  +そのリハーサル

CD-1
 《劇的交響曲「ロメオとジュリエット」》
  放送アナウンス(英語)
  劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(第1部)
  放送アナウンス
  劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(第2部)
CD-2
 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(第2部)(続き)
 放送アナウウンス
 《劇的物語「ファウストの劫罰」》
  劇的物語「ファウストの劫罰」終幕第6景−Allegro leggiero
  劇的物語「ファウストの劫罰」第1幕第7景
    −メフィストフェレスのアリア「今宵花開くばらの花」
  劇的物語「ファウストの劫罰」第2幕
    −妖精たちのバレエ「お休み、幸せなメフィストフェレス」
  劇的物語「ファウストの劫罰」第2幕−妖精の踊り
  放送アナウンス
 《ロメオとジュリエット − リハーサル》
  リハーサル(導入部、プロローグ「古い怨念」、
  ストローフ「最初の激情」、
  スケルツェット
   「すらりとして軽やかな使者マブ」、「ロメオただひとり」)
CD-3
  リハーサル(「キャピュレット家の饗宴」、「音楽と舞踏の遠い響き」
  「悲しみ」「愛の情景」、スケルツォ「マブ女王、または夢の精」、
  「ジュリエットの葬送」、
  「キャピュレット家の墓地でのロメオ「フィナーレ」
グラディス・スウォザート(Ms)
ジョン・ガリス(T)
ニコラ・モスコーナ(B)
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団、合唱団
 トスカニーニは劇的交響曲《ロメオとジュリエット》の音楽を、とても好んでいたらしい。《マブ女王のスケルツォ》や《愛の情景》には単独の録音も残っているし、RCAの商業録音でも、1947年2月17日に第2部をカーネギー・ホールでセッション録音している。またセッション録音の直前、1947年2月9日と16日の2回に分けて、NBC放送局スタジオ8Hから中継されたライヴ録音も、のちにRCAがレコード化した。ここに収められた《ロメオとジュリエット》全曲は、RCAが発売したものと同一の録音である。可能な限り原テープに手を加えていないため、音質はRCA盤よりやや荒いが、生々しさと叩きつけるような迫力が、Guild盤の魅力だ。さらにこちらにはラジオ放送時のアナウンスが加えられているし、RCA盤では51年の録音と差し替えられた《マブ女王のスケルツォ》も、オリジナルのままである。また放送時の演目どおり、16日の後半に演奏された《ファウストの劫罰》抜粋も収められている。
 しかし、さらに嬉しいのは、この演奏会のためのリハーサルが1時間50分も聴けることだ。トスカニーニはリハーサルの方が本番より、自由闊達で燃焼度の高い演奏をするという評判があるが、ま さにそのとおり。CD3枚目冒頭の《キャピュレット家の饗宴》の凄絶なたたみかけには、背筋がゾクゾク。(山崎浩太郎)
Rossini/Strauss/Beethoven-Rossini: Cenerentola Overture; Beethoven: Symphony No. 5
GHCD 2223
トスカニーニ38年ライヴ
 ロッシーニ:《チェネレントラ(シンデレラ)》序曲
 リヒャルト・シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》
 ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調《運命》
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
 トスカニーニとNBC交響楽団による放送演奏会は、1937年に始められた。この38年10月22日の演奏会は、第2シーズンの第2週目にあたる。なお、1週間前の15日に行なわれたシーズン開幕の演奏会(ブラームスの交響曲第3番など)も、Guild HistoricalですでにCD化された(GHCD2211/12)。3曲のうち、2曲はすでに知られた録音だ。《チェネレントラ(シンデレラ)》序曲はReliefから発売されていたし、またこの録音以外に、45年6月8日(28日とも)のRCAによるセッション録音も存在している。《ドン・キホーテ》については、この演奏はM&AやアルカディアでCD化されているし、ほかに53年11月22日の演奏会録音を元にしたRCA盤がある。ただし53年盤では、独奏チェロを楽団トップのフランク・ミラーが担当している。これに対して38年盤が魅力的なのは、カザルス後の世代でもっとも高名なヴィルトゥオーゾ・チェリスト、エマヌエル・フォイアマンが弾いていることだ。トスカニーニとフォイアマンは、5ヶ月前にもロンドンのBBC交響楽団と同じ曲を演奏しており、これが2度めの共演だった。
 だがこのCDの最大の魅力は、初レコード化となる《運命》である。トスカニーニとNBC響による《運命》全曲は、39年のセッション録音(RCA)とライヴ録音(Naxos)の2種、45年のライヴ(M&A)、52年のTV放送を兼ねたライヴ(RCA)の4種がレコード化されているが、それらに先立つ本録音は、トスカニーニがNBC響とこの曲を初めて演奏したさいのライヴである。ライナー・ノートを執筆したヤングレンは、NBC響との初期の《運命》ではこれがベストと述べている。凄まじい集中力、気合、荒々しいほどの劇性、俊敏さが全曲を貫いていて、たしかにその言葉は誇張ではない。(山崎浩太郎)
 録音:1938年10月22日
Wagner: Das Rheingold
GHCD 2221/2
(2CD)
ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》全曲 フリードリッヒ・ショル(Br)
カリン・ブランツェル(Ms)
ルネ・メゾン(T)
エドゥアルト・ハービヒ(Br)
アルトゥール・ボダンツキー指揮
メトロポリタン歌劇場合唱団&管
 この《ラインの黄金》は、ギルドによるドリーム・リング・サイクルの、《ワルキューレ》(GHCD2215/17)と《ジークフリート》(GHCD2207/9)に続く第3弾である。 ドリーム・リング・サイクルとは、30年代後半から40年代前半にかけ、メトロポリタン歌劇場に結集した一騎当千のワーグナー歌手たちによって、《ニーベルンクの指環》全4作をCD化しようというものだ。
 基本となるのは、当時毎週土曜の昼に行なわれたNBC放送によるラジオ中継のライヴ録音である。しかし4作品の中継がバラバラの時期に行なわれていることもあり、残された録音そのままでは歌手の配役が統一されない。そこで、いくつか存在する中継やセッション録音をつなぎ合わせて、配役をできるだけそろえようというのが、このドリーム・リング・サイクルの特徴である。 この《ラインの黄金》では、37年4月3日にボストンで行なわれた公演(ついでながら、このときは9日までに全4作の連続上演が行なわれたが、中継されたのはこの日のみだった)が、メインになっている。 ただ、この日の公演ではエルダを、フロスヒルデと二役でドリス・ドーが歌っていた。そのエルダ役をこのCDではトルボルクに 出演させることにし、ビクターのセッション録音に差し替えている。また、第2場の終わりで音楽を中断、休憩が入るようにしていたのをつなぎ合わせ、オリジナルどおりに通して演奏する形態に変えている。 このギルド・ヒストリカルで再生・修復を担当するリチャード・カニールは、すでに99年にNaxosで同じ《ラインの黄金》をCD化しているが、本CDでは原盤を新たに転写し、マスタリングもやり直し、原音のエネルギーを活かすために、過度なノイズ・カットなどをせずに再生しているという。(山崎浩太郎) 録音:1937年
Toscanini: All Beethoven
GHCD2228/9
(2CD)
《トスカニーニ 44年&36年ライヴ》オール・ベートーヴェン・プログラム
 + ゼルキン・アメリカ・デビュー・コンサート

CD1
 《1944年11月26日 ―― オール・ベートーヴェン・プログラム》*
 ベートーヴェン:
  コリオラン序曲
  弦楽四重奏曲第13番 op.130 〜 カヴァティーナ(弦楽合奏版)
  弦楽四重奏曲第9番 op.59 〜 フーガ
  ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
  コリオラン序曲(1946年11月23日/リハーサル風景)
CD2
 《1936年2月23日
   ―― ルドルフ・ゼルキン・アメリカ・デビュー・コンサート》+
 放送アナウンス
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
ルドルフ・ゼルキン(P)
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団*
ニューヨーク・フィル+
 第2次世界大戦の末期、44年10月22日から12月17日まで、トスカニーニとNBC交響楽団は9回の公開録音からなる「ベートーヴェンフェスティヴァル」を開催した。 これは単純な交響曲全曲チクルスではない。交響曲は第1、2、3、7、8盤の5曲のみにし、オペラ《フィデリオ》全曲(RCAがCD化)や第3、4番のピアノ協奏曲などをメインとする、いささか毛色の変わった構成によっていた。 交響曲が抜粋になった理由はよくわからないが、第2時世界大戦が本格化した40年から45年の終結までの間で、トスカニーニの演奏でレコード化されたベートーヴェンの交響曲は、このときの《英雄》だけしかない(未CD化)。その後、ドイツ降伏の日に《運命》を演奏、日本降伏の日に《英雄》を演奏したことを合わせて考えると、どうやらベートーヴェンの交響曲は「封印」していたようだ。 そのぶん、この44年のフェスティヴァルでは他に録音のない、あるいは少ない作品が演奏された。ここに収められた2曲の弦楽四重奏曲のオーケストラ版などは、その好例である。トスカニーニは第16番の第2、3楽章が大好きで何度か録音しているが、この2曲はこれが唯一の録音らしいし、またここで初めてCD化 されるものである。 ゼルキンとの協奏曲第4番はRCAでもレコード化されたものだが、表情の生々しさにおいて、私はこのGuild盤を好む。同時期の《フィデリオ》も、ラジオ録音が残っているなら発売してほしいものだ。あのギスギスした演奏も、音質が変われば印象が一挙に好転する可能性がある。
 2枚目は、ニューヨークフィル時代のライヴから、ルドルフゼルキンのアメリカデビュー演奏会の記録。ノイズを大幅にカットして、丸く聴きやすい音質にしている。(山崎浩太郎)
Toscanini: All Mozart
GHCD2232/3
(2CD)
《トスカニーニ 46年ライヴ》オール・モーツァルト・プログラム&リハーサル
 CD-1
 《1946年11月3日 ―― オール・モーツァルト・プログラム》
 モーツァルト:
  放送アナウンス
  歌劇《魔笛》序曲
  放送アナウンス
  ディヴェルティメント第15番変ロ長調K.287
  放送アナウンス
  交響曲第35番ニ長調K.385《ハフナー》
  放送アナウンス
 《1946年11月2日 ―― リハーサル風景》
  歌劇《魔笛》序曲
CD-2
 《1946年11月2日 ―― リハーサル風景(続き)》
  交響曲第35番ニ長調K.385《ハフナー》
  歌劇《魔笛》序曲
トスカニーニ指揮
NBC響
 1946年11月3日、オールモーツァルトのNBC公開録音をそのままCD化したものをメインに、《魔笛》序曲と《ハフナー》交響曲の前日のリハーサルを組み合わせたものである。
 3日本番の演奏は、かつてアメリカのトスカニーニ協会がLP化していたが、CDではMemoris(Nuova Era)が《ハフナー》を出したきりらしい。それも1990年頃の話で現在は入手困難だから、今回の発売は貴重である。 《ハフナー》交響曲はトスカニーニお気に入りの作品だったようで、29年のニューヨークフィルとのビクター録音にはじまり、35年BBC交響楽団とのライヴ、NBCとは43年(Naxosから発売)、当録音、そして翌日4日にRCAがセッション録音したものと、5種を数えている。《魔笛》序曲も37年ザルツブルク音楽祭の全曲録音を最初に、38年BBC、41年(Naxos)、当録音、49年(RCA)と同じく5種である。ディヴェルティメントも47年11月18日のRCAセッション録音が存在するし、他に同月8日と表記するMemoris盤もあったという。 トスカニーニが録音したモーツァルトの作品の種類はオペラ《魔笛》、交響曲が6つ、序曲2つ、協奏交響曲、ピアノ協奏曲第27番、バスーン協奏曲、ディヴェルティメント第15番と限られている。そのなかで、複数の録音があるこれら3曲は、特に気に入っていたのかも知れない。 前日のリハーサルは《ハフナー》がReliefでも出ているが、《魔笛》はおそらく初めてだろう。トスカニーニのリハーサルは、単に録音が残っているからというのではなく、聴いて面 白く、ためになるから世に出る。この生き生きした音楽を生むためには何がポイントか、どう歌えばよいのか、どう刻めばよいのか、さまざまなことを教えてくれるのだ。(山崎浩太郎)
Wagner: Gotterdammerung
GHCD2224/7
(4CD)
\6800→\4890
ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》全曲 ラウリッツ・メルヒオール(T)
キルステン・フラグスタート(S)
ヘルベルト・ヤンセン(Br)
ケルスティン・トルボルク(コントラルト)
フルトヴェングラー指揮
他 様々な指揮者たち
メトロポリタン歌劇場管
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管 他
 第二次世界大戦前のメトロポリタン歌劇場のライヴ放送をメインにつくられたGuildの「ドリーム・リング・サイクル」も、この《神々の黄昏》で完結する。《ワルキューレ》では日付違いの2つの演奏を混ぜあわせて、フラグスタートとレーマンの共演をつくりあげて楽しませてくれた。この《神々の黄昏》では、いっそう手が込んだ編集で、歌手も指揮者もたくさんの演奏を混合、まさにGuild版というべき録音をつくっている。かつて60年代にグレン・グールドは、いずれは鑑賞者が複数の録音を自由に組みあわせて、独自の「名演」をつくるようになるだろう、と語っていた。このギルド版「夢の指環全曲」は、そんな「名演の試み」である。
 「材料」の主要部分は、次の4つのライヴ録音から採られている。(1)ボダンツキー指揮メト、36年 (2)フルトヴェングラー指揮コヴェント・ガーデン、37年 (3)ボダンツキー指揮メト、39年 (4)フルトヴェングラー指揮スカラ座、50年 (5)スティードリー指揮メト、51年 ジークフリート役のメルヒオールは(1)(2)(3)、ブリュンヒルデ役のフラグスタートは5つすべて、ハーゲン役のエルンスターは(5)に、グンター役のヤンセンは(2)と(5)、アルベリヒ役のハビッヒは(1)、グートルーネ役のふたりは(2)と(4)から、ヴァルトラウテ役のトルボルクは(2)、ノルンたちは(3)、ラインの乙女たちは(5)から、それぞれ採られた。もちろん声が二重三重に重なるところでは切り替えは徹底していないし、SPのスタジオ録音を使った部分もあるという。 具体的にどこがどの音源であるかは、付属の英文解説書に詳しく書かれている。(山崎浩太郎)
Metropolitan Grand Opera Season 1948-1949
GHCD2230/1
(2CD)
《1949年3月12日 ―― メトロポリタン歌劇場公演ライヴ》
  プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》全曲*
  R・シュトラウス:楽劇《サロメ》全曲+
イタロ・ターヨ(B)*
ルチア・アルバネーゼ(S)*
ジュゼッペ・ディ・ステファノ(T)*
ジュゼッペ・アントニチェッリ指揮*
メトロポリタン歌劇場管*
リューバ・ヴェリッチュ(S)+
フレデリック・ジェーゲル(T)+
フリッツ・ライナー指揮+
メトロポリタン歌劇場管+
 《ジャンニ・スキッキ》と《サロメ》の2本立てとは、意外な印象が強いかもしれない。こうした短い1幕物の上演については、欧米の歌劇場では時と場合により、さまざまな上演形式を行っている。スカラ座などは短いバレエを1幕物オペラと合わせて調整しているようだが、メトと同じようにオペラ2本を合わせることもある。有名なのは《カバレリア・ルスティカーナ》と《道化師》の組み合わせだが、これも決して絶対のものではない。たとえば60年代のスカラ座では前者に同じマスカーニの《友人フリッツ》を合わせたことがあるし、30年代のメトでは後者に《ジャンニ・スキッキ》を組み合わせたことがあった。《ジャンニ・スキッキ》はいわゆる「3部作」のひとつなのになぜ、と思われるかもしれない。ところが「3部作」はこの《ジャンニ・スキッキ》だけが人気があって、他の2作はそうでもなかったのだ。そこで他の2作を落として、この喜劇を他の作曲家のシリアスな1幕物に合わせるという形があったのである。ここではイタリアのヴェリズモ・オペラではなく、シュトラウスが組み合わされたわけだ。これまで他社のCDでは《サロメ》だけを単独に発売していたが、1枚には どうしたって収まらないのだから、2枚組ならこのギルド盤のように上演どおりにするのが正しいだろう。
 この《サロメ》はメト史上に輝く凄演で、ともにメト・デビューとなったサロメ役のリューバ・ヴェリッチュと指揮のフリッツ・ライナーが圧倒的な成功となった。幼さのはての妖艶を示したヴェリッチュ、緊迫感のはての官能を示したライナー、どちらも《サロメ》の可能性のひとつの極点を提示している。なおこの盤では、終演後の観客の熱狂ぶりを長く収録しているのも魅力的。(山崎浩太郎)
Montemezzi: L'Amore Dei Tre Re
GHCD2234/5
(2CD)
《1941年2月15日 ―― メトロポリタン歌劇場公演ライヴ》
 イタロ・モンテメッツィ(1875−1952):歌劇《三王の恋》全曲
エツィオ・ピンツァ(B)
グレース・ムーア(S)
チャールズ・クルマン(T)
リチャード・ボネッリ(Br)
イタロ・モンテメッツィ指揮
メトロポリタン歌劇場管
 イタリアの作曲家イタロ・モンテメッツィ(1875−1952)は生涯に7つのオペラを作曲したが、知られているのはこの《三王の恋》のみである。これも現在では上演される機会の少ない作品だが、両大戦間の時代には安定した人気があった。《三王の恋》は10世紀イタリアの小国を舞台に、年老いて盲目となった王アルキバルド、その息子マンフレードと妻フィオーラ、妻の愛人で、かつてアルキバルドに征服された国の王家の遺児アヴィート、この四人による悲恋劇である。1913年にミラノ・スカラ座でセラフィン指揮、ディ・アンジェリスを老王役として初演された。これはあまり成功ではなかったようだが、翌年のメトロポリタン歌劇場でのトスカニーニ指揮、ディドゥール老王役の上演が成功して、メトでは20年代を通じてくり返し上演されることになった。なおトスカニーニはスカラ座でも26年に指揮している。当時のヴェリズモ・オペラの作曲家たちは、感情の起伏が極端で急激で、間欠泉のように噴き上げる音楽を好んでいたが、この《三王の恋》はいささか毛色が違い、ワーグナーやプッチーニの影響を受けた、旋律性の勝った音楽である。そこがメトの聴衆に受けた所以なの だろう。このライヴは作曲者自らが指揮をした録音として、特別の価値がある。モンテメッツィは39年に渡米、49年までをアメリカに過ごしていた。ヒロイン役のムーアは、20年代にレビューなどで歌っていたとき、モンテメッツィにオペラ歌手になることを勧められて、本格的にオペラを学んだのだという。恩人の舞台だけに気合が入っているのだろう。そして老王役のピンツァはいつもながらに素晴らしくその温かい美声で老いと盲目と道ならぬ恋の孤独に悩む王を歌い演じている。(山崎浩太郎)
Arturo Toscanini: All Wagner
GHCD 2242/3
(2CD)
スカニーニ 41年ライヴ
 ― オール・ワーグナー・プログラム + 47年リハーサル

  ワーグナー:
CD-1
 楽劇《ローエングリン》より 〈第1幕への前奏曲〉
 放送アナウンス
 歌劇《タンホイザー》より 〈おごそかなこの広間よ〉
 放送アナウンス
 楽劇《ワルキューレ》より 第1幕 第3場
 放送アナウンス
 楽劇《トリスタンとイゾルデ》前奏曲
CD-2
 楽劇《神々の黄昏》より
  〈夜明け ― ブリュンヒルデとジークフリートの二重唱〉〜
   〈ジークフリートのラインへの旅〉
 放送アナウンス
 楽劇《神々の黄昏》より 〈ジークフリートの葬送行進曲〉
 放送アナウンス
 楽劇《神々の黄昏》より 〈ブリュンヒルデの自己犠牲〉
 放送アナウンス
  リハーサル:
   楽劇《ワルキューレ》第1幕後半*
ラウリッツ・メルヒオール(T)
ヘレン・トローベル(S)
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
 Guildのトスカニーニのライヴ・シリーズは、さまざまな演奏会から曲をよせあつめたりせず、できるだけひと晩の演奏会をそのまま収録していることに特長がある。そのため、演奏会中のある曲だけは他社でそれまでも発売されていたが、残りの曲は初発売ということがよく起こる。この1941年2月22日のオール・ワーグナー演奏会もその典型で、《ワルキューレ》の第1幕後半と《神々の黄昏》の〈夜明けとジークフリートのラインの旅〉だけは、RCAがLP時代から発売しているので有名だが、他はそうではない。これがトスカニーニ唯一のこの曲の録音となる《タンホイザー》の〈おごそかなこの広間よ〉は、MemoriesのCDや米英のトスカニーニ協会LPで出ただけ、《トリスタンとイゾルデ》の前奏曲はATRA(米M&A系)のLPのみ、〈ブリュンヒルデの自己犠牲〉は英トスカニーニ協会のLPのみ、そして《ローエングリン》の前奏曲と〈ジークフリートの葬送行進曲〉にいたっては、まったくレコード化されたことがない。だからこのCDの価値は大きいのである。このうち、《ローエングリン》の前奏曲と〈夜明けとジークフリートのラインの旅〉(声楽ぬき)と〈ブリュンヒルデの自己 犠牲〉の3曲は同じ年の2月24日から5月6日にかけてセッション商業録音され、RCAが発売しているが、やはりセッションとライヴでは活力や進行の自然さに差が出るから、ライヴである当CDの有利は動かないだろう。既発売の《ワルキューレ》第1幕後半も、私はRCAの乾いた硬い音質よりこのGuild盤のやわらかい「生成り」(いや、「生鳴り」というべきか)の音質を断然好む。なお最後に、1947年4月に演奏された《ワルキューレ》第1幕後半のオーケストラ・リハーサルがついている。(山崎浩太郎)
Mascagni: Cavalleria Rusticana
GHCD2241
《マスカーニ自作自演》
 マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ
  [録音:1938年11月7日、オランダ王立劇場(ハーグ)]
リナ・ブルーナ=ラーザ(S)
アントニオ・メランドリ(T)
アフロ・ポリ(Br) 他
ピエトロ・マスカーニ指揮
オランダ・イタリア・オペラ管&合唱団
 音楽の世界には「一発屋」というのがいる。1曲だけ大ヒット曲を出して、あとは鳴かず飛ばずで消えていく歌手や作曲家たちのことである。マスカーニも、その一人といえるかもしれない。1890年、27歳の年に初演した第3作《カヴァレリア・ルスティカーナ》の驚異的な大成功のあと、人生の残りの55年間には、その半分の回数でも上演されるオペラは1つとして生まれなかった。せいぜい《イリス》があるくらいで、他の作品は初演のときこそ一大事件として盛りあげられるが、それきりで花火のように消える。その繰り返しが、彼の「それからの55年間」だった。しかしかれには、炎のように身を焦がす権勢欲があった。イタリア歌劇界最大の大物になりたいというマスカーニの切望は、かれを当時のファシスト政権に急接近させることになった。1935年には党の肝いりで、ミラノ・スカラ座で自作《ネローネ》を豪華なキャストで初演した。露骨なムッソリーニ賛歌ととられかねない作品だったという。だが、作曲家が受ける喝采の大きさや頻度は、歌手や指揮者が毎晩舞台で受けるものにくらべれば、はるかに小さい。そこでかれは、自作の指揮をさかんに行ないはじめる。《カヴァ レリア・ルスティカーナ》は初演から半世紀たっても毎晩のようにどこかで上演されているから、その指揮者として登場すれば、いつだって歓迎されるのだ。というわけで、指揮者マスカーニのライヴとして記録されたのが、このオランダでの録音である。2年後のHMVによるセッション商業録音(初演50周年記念)と同様、マスカーニお気に入りのソプラノ、31歳のブルーナ=ラーザが激しい気性で歌っている。なお当時は、メゾではなくソプラノがサントゥッツァを歌うのが一般的だった。(山崎浩太郎)
San Francisco Opera Gems: Volume 1
GHCD2238/40
(3CD)
サンフランシスコ・オペラの宝石 Vol.1
 CD-1
 マスネ:歌劇《マノン》第2幕
   [録音:1939年10月13日]
ビドゥ・サヤン
ティト・スキーパ
リチャード・ボネッリ、他
ガエターノ・メローラ指揮
サンフランシスコ歌劇場管
 ビゼー:歌劇《カルメン》第2幕
   [録音:1940年10月25日]
マージョリー・ロレンス
ラウル・ジョビン
エツィオ・ピンツァ、他
ガエターノ・メローラ指揮
サンフランシスコ歌劇場管
CD-2
 モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》第2幕
   [録音:1940年10月12日]
エツィオ・ピンツァ
ビドゥ・サヤン
エリザベト・レートベルク
ライゼ・スティーヴンス
ジョン・ブラウンリー、他
エーリヒ・ラインスドルフ指揮
サンフランシスコ歌劇場管
 ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》第2幕
   [録音:1940年10月23日]
ユッシ・ビョルリング
エリザベト・レートベルク
リチャード・ボネッリ、他
ジェンナロ・パピ指揮
サンフランシスコ歌劇場管
CD-3
 ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》第2幕
  [録音:1936年11月23日]
ラウリッツ・メルヒオール
ロッテ・レーマン
フリードリヒ・ショル
キルシテン・フラグスタート
キャサリン・マイスリ
エマニュエル・リスト、他
フリッツ・ライナー指揮
サンフランシスコ歌劇場管
 オペラのライヴ、それも時間的にある程度まとまった量の録音が残されるようになるのは、1930年代のことである。それまではSPにして1面か2面分がせいぜいだったが、以後は少なくとも30分前後、全曲さえも残されるようになった。音源の多くはラジオ中継が元になっていて、最も有名なのはアメリカのメトロポリタン歌劇場の中継からつくられた大量の録音である。それらは20世紀前半の名歌手たちの貴重なライヴ記録となっている。東海岸のメトに対抗して、西海岸随一の歌劇場であるサンフランシスコ歌劇場も、本拠地の戦争記念歌劇場からのライヴ中継を行なっていた。ここに聴けるのはその中継から5作品を選んで、まとめたものである。ただし、全曲完全中継が原則だったメトに対し、サンフランシスコの中継はほとんどが1幕分のみ、しかも終了時間が厳しく定められていて、延長などはできなかった。そのため残念なことに、ここに収められているのは各オペラの抜粋のみ。しかも各幕の終わりが入りきらずに尻切れトンボになっていたので、同時期のメト録音などを転用して補ってあるのだ。
 だがそのような悪条件を差し引いてなお、同時期のメトでは録音に残されなかっ た、豪華な歌手の顔合わせを聴けるという魅力が、このライヴ集にはある。たとえば《マノン》にはスキーパがいる。歌劇場の舞台上のスキーパの記録は少ないので貴重なだけでなく、その柔軟な美声に聞きほれさせられる。《カルメン》にはピンツァの朗々たるエスカミーリョ。同じ役を歌った36年のメト盤は音質が厳しいので、嬉しい。しかし何といっても魅力的なのは後半の2つだ。《仮面舞踏会》はレートベルクとビョルリンクという、このときかぎりの最上級の顔合わせ。同時期のメト盤ではアメリアが大味なミラノフだったから、このレートベルクの歌唱は嬉しいし、メトから出張したパピが、オーケストラを生き生きとドライヴしているのも見事である。《ワルキューレ》第2幕は以前から有名なもの。レーマン、フラグスタート、メルヒオールの顔合わせは、疑いなく史上最強。なおこの録音もオリジナルは尻切れトンボだが、40年メトのラインスドルフ盤の音源をつないでいる。(山崎浩太郎)
Beethoven: Missa Solemnis
GHCD2248-9
(2CD)
1940年12月28日、 カーネギー・ホール・オール・ベートーヴェン・プログラム
  放送アナウンス
  ベートーヴェン:《ミサ・ソレニムス》
1940年3月11日 ―
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ズィンカ・ミラノフ(S)
ブルーナ・カスターニャ(A)
ユッシ・ビョルリング(T)
アレクサンダー・キプニス(B)
ウェストミンスター合唱団
ヤッシャ・ハイフェッツ(Vn)
トスカニーニ指揮
NBC響
 トスカニーニの《ミサ・ソレムニス》としては、1953年のRCA盤が一般にはよく知られているが、これはその13年前の40年のライヴ録音である。《ミサ・ソレムニス》は30年代半ばからトスカニーニが好んで演奏するようになった曲で、初めて指揮したのは34年3月のニューヨーク・フィルの定期演奏会だった。その後は35年ニューヨーク・フィル、36年ウィーン・フィル、BBC響、40年NBC響、42年に三たびニューヨーク・フィルと、9年間に6回演奏しており、そのうち35年、39年、40年の3種はCDでも聴くことができる。この3種はそれぞれに魅力的な独唱者をそろえているが(それに比べると予算の関係か、53年盤はかなり落ちる)、この40年盤はユッシ・ビョルリンクの存在と、初期NBC響らしい、荒々しいまでの力感にあふれた演奏になっているために、とりわけ多くのファンから愛されてきた録音である。
 なお、余白のヴァイオリン協奏曲は、現在BMGが発売しているCDと同一の内容である。それをなぜあえて発売したかについては、修復担当者のキャニールの一文がブックレットに載せられている。「BMGのCD(訳註:キャニールはCD番号を明記していない)は曲頭ではほとんど変わらな いが、ヴァイオリン独奏が始まると(トラック?の4分め)、人工的な残響がヴァイオリンの音を覆い、弱めてしまう。この電気的な残響が明確になればなるほど(トラック?の6分めや8分め)、オーケストラの総奏が甲高く響く結果となっている。さらに原盤のSPよりも低音がやせてしまっている」その欠点を補うのがこのGuild盤というわけで、「BMG盤では消されていた、ざらついたりはぜたりする、困った雑音が散見される原盤」ではあるものの、こちらの方がよい覆刻と信じるとキャニールは書いている。(山崎浩太郎)
Toscanini: All-American
GHCD2256-57
(2CD)
オール・アメリカン・プログラム
 1942年11月1日 NBCコンサート

  放送アナウンス
  チャールズ・マーティン・レフラー(1861−1912):幼少期の記憶
  放送アナウンス
  ポール・クレストン(1906−1985):コーリック・ダンス第2番op.17
  放送アナウンス
  モートン・グールド:リンカーンの伝説
  放送アナウンス
  ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
   (With ベニー・グッドマン、アール・ワイルド)
 1944年4月2日 NBCコンサート

  放送アナウンス
  フランチェスコ・ミニョーネ(1897−1986):教会の祭り
  放送アナウンス
  ガーシュウィン:ピアノ協奏曲へ長調
  放送アナウンス
ベニ−・グッドマン(Cl)
アール・ワイルド(P)
オスカー・レバント(P)
トスカニーニ指揮
NBC響
 トスカニーニは12音音楽やそれに続く、いわゆる「前衛音楽」には関心をまったく示さなかったが、同時代のそれ以外の、つまり20世紀前半の各国の管弦楽曲や歌劇には広く関心を持ち、演奏もしていた。アメリカ人作曲家も例外ではなく、トスカニーニの伝記を書いたハーヴェイ・ザックスによれば、トスカニーニがNBC交響楽団やそれに先立つニューヨーク・フィルハーモニックで指揮していた時代に、演奏会で取りあげた合衆国の作曲家は18人にのぼるという。ただし、録音が世に出ているものとなると限られる。このCDの1枚目は、その貴重な例である。1942年から43年にかけてのシーズンの開幕にこうした演奏会が行なわれた背景には、いうまでもなく1年程前にアメリカが第2次世界大戦に参戦したことがある。1枚目のうち、ベニー・グッドマンが冒頭のクラリネット・ソロを印象的に吹く、ガーシュインの《ラプソディ・イン・ブルー》以外はすべて初レコード化と思われる。アルザスに生まれ、ウクライナ、ハンガリー、ベルリン、パリと放浪してアメリカに来たレフラーの《子供時代の思い出》は、ウクライナ時代の体験をもとにした交響詩風の作品で24年に初演。クレストン はニューヨーク生まれながらイタリア系で、舞曲を特に好む作曲家という。この曲は39年初演。グールドの《リンカーン伝説》は41年作曲で、この演奏会が世界初演だった。2枚目は44年の録音で、この2曲で1回の番組となっている。ガーシュインの曲は他社でもCD化されたが、ミニョーネの曲はdell'arteのLPのみだと思う。彼はブラジルの作曲家で、ミラノ音楽院で学んでいる。《教会の祭》あるいは《4つのブラジル教会の交響的印象》と呼ばれるこの曲は、42年に作曲者がNBC響を指揮して初演したものである。(山崎浩太郎)
Rossini: Petite Messe solennelle
GHCD2254-5
(2CD)
1939年4月9日 カーネギー・ホール
 ロッシーニ:小ミサ・ソレムニス
 ヴェルディ:《仮面舞踏会》第3幕より《お前こそ心を汚すもの》
 グノー:テニソンの詩による歌曲《リングアウト・ワイルドベル》
 サン=サーンス:
 歌劇《サムソンとデリラ》〜《あなたの声にわが心は開く》
 放送アナウンス
 ワーグナー:舞台神聖祝典劇《パルジファル》より
 放送アナウンス
 R・シュトラウス:誘惑/アポロの女司祭の歌/楽劇《サロメ》終幕より
 放送アナウンス
リア・ギンスター(S)
ブルーナ・カスターニャ(Ms)
チャールズ・クルマン(T)
レオナルド・ヴァーレン(Br)
バルビローリ指揮
NYP
ウェストミンスター合唱団
デトロイト響
 バルビローリがニューヨーク・フィルの常任指揮者として奮闘した時代(1937〜43年)の活動ぶりは、Duttonレーベルなどが当時のライヴ録音やセッション録音を積極的にCD化してくれたために、ある程度は音として確認できるようになった。しかし、これまで出た音源のほとんどは交響曲を中心とする管弦楽曲や協奏曲に限られていて、彼が積極的に取りあげた声楽曲や演奏会形式のオペラ抜粋などがCD化されたことはなかった。 しかしバルビローリはイギリスの指揮者の常として合唱曲には深い造詣を有していたし、イタリア系の血のなせる業か、オペラ指揮者としての経験も積んでいた。ニューヨーク・フィル時代の(特にその前半の)バルビローリの最大の特徴は、シーズン90回の演奏会のほとんどを独りで指揮していたことなのだが、そのシーズンのアクセントとなるのが、そうした声楽曲やオペラ抜粋の上演だった。
 このCDは、バルビローリのそうした一面に脚光をあてたものである。1枚目にはロッシーニの《小ミサ・ソレムニス》のアメリカ初演時のライヴが収められている。38年から39年のシーズンで、後年のバルビローリが特に思い出に残るものとしてあげたのが、《 トリスタンとイゾルデ》第2幕のノーカット版と、復活祭に演奏したこの《小ミサ・ソレムニス》だった。「こんな長い曲に『小』なんてつけるのは、ロッシーニ一流のジョークだね」とバルビローリは笑っていたという。 2枚目にはラジオ番組でオペラ歌手の伴奏指揮をしたものが3曲、つづいて《パルジファル》の抜粋、そしてハンガリー生まれでドイツではクレンペラーに重用されたソプラノ、ローゼ・パウリを迎えた《サロメ》終景などのシュトラウス作品。ヴェルディとサン=サーンス以外はバルビローリ唯一の録音となった曲ばかりが収められている。(山崎浩太郎)
Mozart: Don Giovanni, K527
GHCD 2236-7
(2CD)
モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》全曲 エツィオ・ピンツァ
サルヴァドーレ・バッカローニ
ジンカ・ミラノフ
ジェルミナ・ノヴォトナ
ビドゥ・サヤン
ジェームズ・メルトン
パウル・ブライザッハ指揮
メトロポリタン歌劇場
 このCDで聴けるのは、1943年4月3日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で行なわれたマチネー公演の録音である。メト(以後はこう略す)の《ドン・ジョヴァンニ》ライヴというと、Naxosから発売されているブルーノ・ワルター指揮の盤が有名で、人気が高い。あれが42年3月7日のライヴだから、このGuild盤は約1年後の録音ということになる。どちらもラジオの生中継を放送局が保存用に録音した転写盤(トランスクリプション・ディスク)を音源としている。メトのラジオ中継は1シーズンに17演目ほどが取りあげられる。限られた本数だから、同じ演目を2年続けて放送するとすれば、それはその公演の人気がよほど高いことを示している。声も容姿も完璧なドン・ジョヴァンニ役と称えられたエツィオ・ピンツァを主役に据えたこの公演は、40年代のメトにおけるモーツァルト人気の高まりを象徴するものだった。では、前年のワルター盤との違いはどこにあるか。いうまでもなく、指揮者がワルターからブライザッハ(1896年ウィーン生まれ)に代わっている。歌手も何人か交代していて、ドンナ・アンナがバンプトンからミラノフに、ドン・オッターヴィオがクルマンからメル トンに、そしてレポレロがキプニスからバッカローニに代わっている。なかでもレポレロ役の交代は、公演そのものの印象に大きな変化を与えている。キプニスの暗く重い声に代わって、当時最高のブッフォ歌手といわれたバッカローニの歌は陽気で明るい。ワルターの演奏はこの作品の悲劇的側面をきわだたせていたが、ブライザッハ盤ではバッカローニの参加で喜劇性が回復されている。なおブライザッハの指揮は、とくに前半が快調で気持ちのいいものである。(山崎浩太郎)
Wagner: Die Meistersinger von Nurnberg
GHCD 2244-7
(4CD)
\6800→\4890
ワーグナー:楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》全曲 フリードリヒ・ショル
エリザベト・レートベルク
レネ・メゾン
カリン・ブランツェル
エマヌエル・リスト
アルトゥール・ボダンツキー指揮
メトロポリタン歌劇場
 現在確認される、史上最古の《マイスタージンガー》の全曲録音である。次が37年ザルツブルクでのトスカニーニ指揮の盤(Andante)で、その後もライヴや放送録音が続き、最初のセッション商業録音は50年から51年のクナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルのデッカ盤ということになる。なおHMVが28年にベルリン国立歌劇場でライヴ録音を行なっているが、約70分の抜粋しか現存しない。というわけでカットの多い上演ではあるが、これが最古の全曲盤なのだ。
 しかしこの演奏、いちばん古いことにのみ価値があるわけではない。両大戦間期のメトロポリタン歌劇場は、20世紀最高ともいわれるワーグナー歌手たちを擁していたことで名高い。その黄金時代の録音だから、価値があるのである。なかでもザックス役のフリードリヒ・ショルは、ワーグナー歌手として20世紀後半のホッターと並び称されるバス・バリトンである。雷鳴のような声のホッターがヴォータンを得意としたのに対し、ショルは温もりと優しさのある声でザックスを最高の当たり役とした。そのショルのザックスを聴くために最も条件が揃っているのが、この36年盤なのだ。というのは、ショルのザックス全曲は もうひとつ、ラインスドルフ指揮の39年盤というのが存在するのだが、そこではショル自身の声が衰えている上に、第2次世界大戦開始直後という時勢を反映して、最後のドイツ文化への賛歌がバッサリとカットされているのである。36年盤にはそのカットはないし、さらにボダンツキーの歌いやすく、弾力にとんだ推進力のある名指揮と、名花レートベルクの澄んだ、のびやかな美声のエヴァと、アクの強いハビッヒのベックメッサーが聴ける。音は古いが、ワーグナー演奏史に輝く演奏である。(山崎浩太郎)
 録音:1936年2月22日
Toscanini conducts Bellini, Verdi and Boito
GHCD 2263
トスカニーニ・コンプリート・コンサート 1945
 ベッリーニ:歌劇《ノルマ》より〜序奏とドルイドの合唱
 ヴェルディ:テ・デウム
 アッリーゴ・ボーイト(1842−1918):
  《メフィストーフェレ》より〜プロローグ
ニコラ・モスコナ(B)
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
少年合唱
混声合唱団
1945年12月2日、NBCスタジオ8-Hでのコンサート
JS Bach: Mass in B minor
GHCD 2260/2
(3CD)
J.S.バッハ:
 ミサ曲ロ短調 BWV.232*
  (1950年6月15日、J・S・バッハ没後200周年記念コンサート)

ブラームス:4つの厳粛な歌(1949年1月12日の放送録音)
 パーセル、ヘンデル、
  ヴォルフの歌曲&アリア集(1949年オスロでのリサイタル)、
 ヤンセン、パーセル、スタンフォード、パリー、
 ヴォーン=ウィリアムズ、ブリッジ、ウォーロオック、他の歌曲集
         (1952年ロンドンでのリサイタル)
キャスリーン・フェリアー(コントラルト)
エリーザベト・シュワルツコップ(S)*
ヴァルター・ルードヴィヒ(T)*
パウル・シェーファー(B)*
カラヤン指揮*
ウィーン交響楽団*
ウィーン楽友協会合唱団*
マルコム・サージェント指揮
BBC交響楽団、他
Wagner: Tristan und Isolde
GHCD 2266/8
(3CD)
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》全曲 ラウリッツ・メルヒオール(T/トリスタン)
キルステン・フラグスタート(S/イゾルデ)
ケルスティン・トルボルク(A/ブランゲーネ)
アレクサンダー・キプニス(Br/マルケ王) 他
ラインスドルフ指揮
メトロポリタン歌劇場管&合唱団
1940年3月23日&1941年、ライヴ
Georgi Vinogradov: Arias, Duets and Songs Vol. 2
GHCD 2250/3
(4CD)
\6400→\4890
ロシアン・レガシー
 ゲオルギ・ヴィノグラドフ(テノール)のアリア、
 二重唱、歌曲、ロシア民謡
Gounod: Romeo et Juliette
GHCD 2264-5
(2CD)
グノー:歌劇《ロメオとジュリエット》全曲 イワン・コズロフスキー(T)
エリザヴェータ・シュミスカヤ(S)
マクシム・ミハイロフ(B)
イワン・ブルラク(B)
N・ソコロワ(S)
アレクサンドル・オルロフ指揮
ボリショイ劇場管&合唱団
1947年メロディア録音
Gounod: Faust
GHCD 2258/9
(2CD)
グノー:歌劇《ファウスト》 ラウール・ジョバン(T/ファウスト)
エツィオ・ピンツァ(B/メフィストーフェレ)
リチア・アルバネーゼ(S/マルガレーテ)
マルシアル・サンゲル(ヴァレンティン)
トマス・ビーチャム指揮
メトロポリタン歌劇場管&合唱団
1944年4月15日のライヴ
Arturo Toscanini - All-Debussy
GHCD 2271/2
(2CD)
トスカニーニ 1953年ライヴ!/ドビュッシー・プログラム!
  放送アナウンス
 イベリア
  放送アナウンス
 牧神の午後への前奏曲
  放送アナウンス
 交響詩《海》
  放送アナウンス(以上1953年2月14日のコンサート中継から)
  《海》のリハーサル(1953年10月13〜14日)
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
 これまでに類を見ないレベルの素晴らしい復刻をものしているGuildの歴史的録音シリーズが、いよいよ40年代後半から50年代前半のトスカニーニ復刻に着手する。もちろんこれまでにRCAから復刻発売された音源が含まれているが、それとの違いについては、元RCA Victorの社員として活躍したリチャード・カニエル(キャニエル)自らの証言がすべてを物語っている。カニエルはカナダの非営利団体Immortal Performances Recorded Music Society and Toscanini Archiveの創設者であり、Guild Historicalシリーズの中心的な役割を果たしている人物でもある。彼は1949年からRCA Victorの社員として活躍し、1949年から1953年にかけて、トスカニーニのコンサートの大半を聴いている。以下はその抄訳。


 私は1949年から1953年にかけてトスカニーニのコンサートを聴いてきたが、その最後にあたるのが、このCDに収録された1953年2月14日のオール・ドビュッシー・コンサートである。それまでの4年間を振り返ってみると、私はトスカニーニのコンサートとリハーサルから様々な教訓を得たことがわかるのだが、突き詰めて言えば、トスカニーニが繰り返しオーケストラに伝えようとしていたのは、ただ音符を弾き、完璧な音を出せばそれで十分なのではなく、演奏の中に音楽の精神が宿らなければならないということであった。そうすれば、音楽は永遠に歌い続けることになるというのである。リハーサルでは、彼は「すべての音符が旋律なのだ」と熱く叫び続けていた。燃えるような激しさと情熱的な献身を欠いた完成度の低い演奏に、彼は満足することがなかった。心の内に向かって歌うという熱い思いがなければ、音楽は完璧なものにはならないというのである。
 幸運にもトスカニーニのリハーサルに立ち会うことができた人々は、彼の音楽作りに驚嘆と深い感動を体験することができた。トスカニーニが諳譜で指揮する姿は見慣れたものだったが、リハーサルも諳譜で行うとは想像もしていなかった。彼はすべての音符、すべての楽器、そして楽器間のバランスや特性を知り尽くしていたが、それを目の当たりにするのは驚異であった。音楽の背後に潜む、目に見えない縦横の線、音楽全体を支えている内部構造、そして音楽の生命である内なる衝動を、彼は最高の感覚で捉えているのである。その結果音楽は、これ以外にはないと思われるほど自然なものとなり、私は川や木や花を眺めるのと同じ充足感を味わうことができたのだった。
 トスカニーニは最高の演奏を数多く聴かせてくれたが、なかでも伝説的存在となっているのが、ドビュッシーの《海》である。トスカニーニの《海》は、クレンペラーやクライバーら、数多くの指揮者に絶賛されていた。ブルーノ・ワルターは、トスカニーニの《海》を初めて聴いた15年後に、「そのすばらしい演奏は今でも耳に残っている」と語っているほどである。この作品を演奏するには、オーケストラから最高に精妙な色彩とニュアンスを引き出し、常に移り変わる和声を極上のバランスで保ち続ける能力が必要となる。トスカニーニは生涯を通じてこの作品に取り組んだが、理想的な演奏はめったに実現できず、RCA Victorは何度も録音を試みながら、トスカニーニに発売の了解を得ることができなかった。そして1950年、やっと発売にこぎ着け、すぐに世界的に有名になった録音も、最善を尽くしたとはいえ、当時の技術の限界で音がこもっていたため、トスカニーニがスコアから引き出した透明な表現の大半が犠牲になっていた。さらにその後、LP用に様々な塔Gンハンスメント拍・揩ェ施され、オリジナル録音の音質さえ失われてしまったのだった。
 1953年のカーネギー・ホール・コンサートと、それに先立つリハーサルを収録したこのCDには、1950年の録音では聴くことができなかったものが捉えられている。彼の最後の《海》であるのみならず、私には最高の《海》であると思われるものである。このコンサートでは、通常では考えられないことが起こった。指揮を終えて聴衆の方を振り返ったトスカニーニが、ほほえんでいたのである。トスカニーニが自らの演奏に満足してほほえむ姿など、それまで一度も見たことがなかった。理想に近い演奏ができたと思ったのだろう。このトスカニーニの奇跡とも言える崇高な瞬間に立ち会うことができたことを喜び、感謝しながら、私たちは涙をこらえて、黙ってカーネギー・ホールをあとにしたのだった(リチャード・カニエル/ブックレットより 訳:SOREL)。

 山崎浩太郎氏も「《海》はトスカニーニにとってこだわりのあった曲。リハーサル・シーンがこれだけの長さで公開されるのはおそらく初めてだろう」と述べている。
Verdi: Otello
GHCD 2275/7
(3CD)
トスカニーニ・1947年ライヴ
 ヴェルディ:歌劇《オテロ》全曲+リハーサル
ラモン・ヴィナイ(T)
ヘルヴァ・ネッリ(S)
ジュゼッペ・ヴァルデンコ(Br) 他
トスカニーニ指揮
NBC響&合唱団
 これもRCAからリリースされていた音源だが、音の印象はまったく違い、モノクロームがカラーになったような変貌ぶり。山崎浩太郎氏も絶賛の言葉を寄せてくださっている。これについても、何故そんなことがおこるのか、以下のカニエルの証言がすべてを物語っているといえるだろう。

 私がトスカニーニによる《オテロ》の記念碑的演奏を初めて聴いたのは、1949年、RCA Victorのスタジオで78回転シェラック盤のテスト・プレスを試聴したときのことだった。それまでの音が詰まったような放送録音(《ラ・ボエーム》や《椿姫》)を聴き慣れていた私は、この《オテロ》の78回転盤のすばらしい音に驚嘆した。トスカニーニのオペラ録音の中では最高のもので、私はリリースが待ち遠しいと思ったのだった。ところが、ちょうどその頃、RCA VictorはLPへの移行を進めており、結局78回転盤は発売が保留になってしまった。しばらくしてから、私は《オテロ》のLPテスト・プレスを聴く機会を得た。それは各幕がLPの各面に収録された2枚組で、78回転のテスト盤に忠実な音質がある程度保たれていたが、音の帯域はかなり貧弱になり、電気的にエコーがかけられていた。だが、これはほんの始まりにすぎなかった。最終的に発売されたLPセットは3枚組になり、第4幕以外は分断されて、各幕が各面に収められるという形にはなっていなかった。そして、サウンドはさらに貧弱になり、人工的な様々なエコーがかけられていた。なかでも第3幕は最悪で、オリジナル録音が持っていたインパクトのある堂々たるサウンドはまったく感じられないまでになっており、オリジナルを知る者はみな愕然としたのだった。
 RCA Victorがトスカニーニの全録音をCDで発売しようと決定したときには、大きな希望が持てた。このプロジェクトによって発売されたCDの多くは、オリジナルに忠実なサウンドで復刻されていたからである。ところが、何とも残念なことに、《オテロ》、《フィデリオ》の一部、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ベルリオーズの《ロメオとジュリエット》(1947年録音)の一部などは、そういった音質には仕上がっていなかった。オリジナル録音をラッカー盤から復刻すれば、そのサウンドはかなり細かな部分まで明るくクリアで乾いた音質で、すばらしいインパクトを持ち、RCA/BMGのCDよりも優れているはずだが、ラッカー盤のテープにはどれも欠損があり、他のソースを使って音を合成する必要があった。だが、そのソースにRCA/BMGの「CD」を使うことはできないことがわかった。サウンドがオリジナルとはあまりに違っていたからである。ラッカー盤と78回転テスト盤には、度重なるミックスダウンでサーフェス・ノイズが生じており、また信号漏れが認められる部分もあったが、それはごくわずかで、気になるほどのものではなかった。いずれにせよ、たとえこういった欠陥があったとしても、トスカニーニとそのオーケストラによるすばらしい業績を体験することが妨げられるものではない。この《オテロ》の演奏に匹敵するものと言えば、同じくトスカニーニ指揮によるすばらしい《ファルスタッフ》くらいのものなのである。この《オテロ》が放送されて以来、そのときの雰囲気を再現するという名目で様々な加工が施されたディスクが何度も発売され、私はその度に放送時の思い出を汚されることになったのだが、ついに今オリジナルがやっとありのままの姿で現れたのである。
 CD-3に収録されているのは、第3幕の最終オーケストラ・リハーサル(1947年12月11日)と、第3幕のドレス・リハーサルである。残念ながら、このドレス・リハーサルの音源となったラッカー盤には欠陥があり、音に問題があるが、トスカニーニの演奏が実にすばらしいので、あえて収録することにした。どちらのリハーサルでも、トスカニーニは諳譜で指揮し、オーケストラ・リハーサルでは、歌の旋律線を示すために歌うことまでやっている(リチャード・カニエル/ブックレットより訳:SOREL)。
Beethoven: Fidelio, Op. 72
GHCD 2269/70
(2CD)
ベートーヴェン:
 歌劇《フィデリオ》(1941年2月22日ライヴ)
 +ブルーノ・ワルター・インタビュー
キルシテン・フラグスタート
レネ・メイソン
アレグサンダー・キプニス
ユリウス・ユーエン
カール・ラウフケッター
マリタ・ファレル
ヘルベルト・ヤンセン、他
ブルーノ・ワルター指揮
メトロポリタン歌劇場管&合唱団
 ワルターの名演が音質劇的改善!すでにWeb上で話題が沸騰している画期的な復刻!
 ワルターの歴史的名演のひとつ。これまで多くの復刻CDが発売された音源だが、当ディスクとの差は歴然!



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