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クレツキ、まとめてみました


 アリア・レーベルで大ヒットを飛ばし、HINDENBURGから新譜が相次いだパウル・クレツキ。
 音楽CD市場ではほぼ忘れられているこの偉大な指揮者のアイテムをここにまとめてみました。

 


ここまですごいとは思わなかった
アリア・レーベル 第91・92弾

クレツキ指揮&南西ドイツ放送交響楽団
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」



 ここまですごいとは思わなかった。



 数人の方に聞かされていた。

 「クレツキの、コンサート・ホール録音のベートーヴェンがすごい」と。
 そして復刻するようにと。

 クレツキには、1960年代後半のチェコSUPRAPHONレーベルでのベートーヴェン交響曲全集がある。
 レーベルを代表する名演として名高い。

 しかしそれとは違う、1960年代前半、コンサート・ホール・レーベルに残したベートーヴェン録音。
 現在はほとんど見向きもされない、忘れられた音源である。
 自分も恥ずかしながら聴いたことがなかった。

 それが今回、「英雄」と「運命」の良い盤が手に入ったので、聴いてみたのだが・・・。


 ・・・すごかったのである。


 それでわかった。

 どうしてチェコのSUPRAPHONレーベルは、1960年代、レーベルの金字塔的存在となるベートーヴェン交響曲全集を、絶頂期の首席指揮者アンチェルではなく、クレツキに任せたのか。
 そしてその全集がどうして半世紀以上にわたって一度もカタログ落ちしなかったのか。
 そして1960年代の録音にもかかわらず、どうしてその全集録音がいまの時代にSACDシングルレイヤー化されて再発売されたのか(そしてすぐに完売したのか)。

 そして数年前に発売された「EMI 20世紀の偉大な指揮者たち 全40巻」シリーズの中で、どうしてEMIはクレツキを大きく取り上げ、そしてそのアルバムが同シリーズの中で最も早く売り切れになったのか。

 そして・・・もっと時をさかのぼれば、どうしてフルトヴェングラーは1920年代、この人をベルリンに呼んでベルリン・フィルを指揮させたのか。


 ・・・SUPRAPHONもEMIも、一部のファンも、そしてフルトヴェングラーも知っていたのである。



 このクレツキという人がいかにすごいかということを。

 
 
 今回のこの「運命」、この「英雄」。
 静かに、しかしひるむことなく、たたみかけるように追い込みをかけてくる。
 迫ってくる。にじり寄ってくる。

 そして聴く者に厳しく問いかけてくる。


どうするのか。
生きるのか。
生きないのか。

そのままでいるのか。
それとも進むのか。


 この凄み。
 ぶんなぐられても、蹴倒されても、相手を見据え、にらみ、まったく動じない。まったくひるまない。

 そしてそうやって何度も何度もじりじりとじわじわとたたみかけてくる。


おまえはどうするのか。


 この人の壮絶な生き方についてはここでは触れるまい。
 あえて語らずとも、この音楽を聴けば、この人の生き様はおのずと聞く者の脳髄に心臓に魂に響いてくるはず。



 「英雄」の第1楽章後半での、異様な間の取り方、見たことのないテンポの落とし方。
 「運命」終楽章での、世界を引きずり込むような怒涛のうねり。
 

 かっこよさとかスマートさとかそんなものには全く興味がないのだろう。
 そういう指向がまったくない。

 各楽器の歌わせ方、強調の仕方は、要所要所でうまい。オーケストラにどこでどう奏させれば、どう響き、どう聴こえるか、すべて分かった上で、ひとつひとつを丁寧に、しかし大胆に盛り上げてくる。
 難しいことはしてない。
 きわめてシンプルできわめてストレート。

 しかしだからこそ雄渾でたくましく、強い。
 だから一音一音に味がある。人生がある。
 だからずしりと重い。
 そしてその重さは尋常ではない。




 「英雄」の葬送行進曲。

 ここでクレツキが悼んでいるのは、おそらく殺された自分の家族ではないだろう。
 人類が抱えてきた深き煩悩、原罪。
 そしていまを生きる我々の苦悩、そしてその未来。



 音楽にそこまでのものをしたためることができる人はそうそういない。



 クレツキ、これほどとは思わなかった。




************

 前回の第90弾オッテルロー指揮&ハーグ・レジデンティ管/「第9」でお知らせしたが、コンサート・ホール・ソサエティ(Concert Hall Society)は、戦後アメリカで生まれ、その後ヨーロッパ、日本などにも進出し、1970年代までそこそこ人気を博したクラシック中心のレコード通信販売会社。
 大量の音源がリリースされたが、音質がもうひとつということと、出所の怪しい音源などもあることから若干軽んじられる傾向があった。

 しかし、ミュンシュ、モントゥー、シューリヒト、マルケヴィッチ、ブーレーズ、リリー・クラウス、ペルルミュテール、オイストラフなど大演奏家の貴重な独自録音が多数存在すること、無名演奏家の録音にも注目すべき名演が混じっていたりすることから、最近になって逆に多くの信奉者を生んでいる。

 そのコンサート・ホール・ソサエティのアルバムのなかに、数人の指揮者によるベートーヴェン交響曲全集のセットがあった。



 指揮者陣は

第1番 クレツキ
第2番 モントゥー
第3番 クレツキ
第4番 モントゥー
第5番 クレツキ
第6番 ミュンシュ
第7番 オッテルロー
第8番 オッテルロー
第9番 オッテルロー

 で、これが、一部ではずっと絶賛されてきた名演であるにもかかわらず、これまでほとんどかえりみられないできた。
 とくに密かに語られていたのが前回お知らせしたオッテルローの「第9」と、・・・クレツキの「運命」と「英雄」
 今回取り上げた2つの録音というわけである。


*********************


 新録音となるチェコ・フィルとの時間比較。「運命」の第1楽章を除いて、すべてコンサート・ホール録音のほうが遅い。

第1番
チェコ・フィル
1968年
当録音
I. Adagio molto - Allegro con brio 09:35 09:51
II. Andante cantabile con moto 06:29 06:54
III. Menuetto - Allegro molto e vivace 03:48 04:01
IV. Adagio - Allegro molto 05:53 06:08

第3番
チェコ・フィル
1967年
当録音
I. Allegro con brio 14:18 15.16
II. Marcia funebre: Adagio assai 15:19 16.22
III. Scherzo: Allegro vivace 06:03 6.07
IV. Finale: Allegro molto 12:09 12.43

第5番
チェコ・フィル
1967年
当録音
I. Allegro con brio 07:58 06:19
II. Andante con moto 09:59 10:29
III. Allegro 14:20 15:09
IV. Allegro


 くどいようだが音質はあらい。
 また今回はステレオ盤だが、もともとはモノラルで発売になっていたものが擬似ステか何かで再発売になったらしい。
 なので「ちょっとステレオっぽいかなあ」というくらいの音質ではある。




ARD 0091
\1800
アリア・レーベル第91弾
 クレツキ指揮&南西ドイツ放送交響楽団


  ベートーヴェン:交響曲第1番
            交響曲第5番「運命」
パウル・クレツキ指揮
南西ドイツ放送交響楽団

録音:1960年代前半
原盤:12inch CONCERT HALL SMS2313 STEREO

 
薄型ケースで、シンプルなデザインのジャケットと盤面印刷の仕様です。



ARD 0092
\1800
アリア・レーベル第92弾
 
クレツキ指揮&南西ドイツ放送交響楽団

  ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
パウル・クレツキ指揮
南西ドイツ放送交響楽団

録音:1960年代前半
原盤:12inch CONCERT HALL SMS2275 STEREO

 
薄型ケースで、シンプルなデザインのジャケットと盤面印刷の仕様です。








アリア・レーベル第67/68弾
クレツキの「未完成」&「スコットランド」






 1900年生まれ、ポーランド生まれの巨匠パウル・クレツキ。

 1925年にはフルトヴェングラーに招かれてベルリン・フィルを指揮。指揮者としても作曲家としても将来を嘱望される。
 ところがその後ドイツにナチスが台頭。クレツキはユダヤ系であったためにイタリアへ逃げ延びる。しかしここでもファシスト政権に脅かされソビエトへ移る。そこで今度はスターリンの大粛清に遭遇、なんとか最終的にスイスで市民権を得た。
 だがドイツでは両親や姉妹を含む肉親をナチスによって殺害され、自らの精神も一度破綻した。

 そのクレツキ。

 今も人気が高いとは言わない。
 現在では忘れられた存在といってよく、数年前までは代表作のマーラー、そしてあのSUPRAPHONのベートーヴェン全集(最近SACDシングルレイヤーで復刻された)などわずかな録音が出ているだけだった。
 ずっとこの巨匠の処遇はよくなかった。

 しかし・・・思い出してみれば、数年前に発売されて大きな話題となった「EMI 20世紀の偉大な指揮者たち 全40巻」シリ−ズ、その中で最も早く売り切れになったのがクレツキだった。
 ファンはじっと待っていたのである。クレツキの演奏を。


 確かに同世代のベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニーといった華々しく有名な同世代指揮者とたちと比べると一見地味かもしれない。
 しかしその正々堂々としたまっすぐな演奏を聴いていると、ときおり、クレツキは同世代のスーパースターよりすごいかもしれない、と思うことがある。

 背負ったものが大きい、というか、限りない献身の思い、というか。


 今回掘り起こした二つの音源。

 なんのてらいもなく、まっすぐで重厚な「未完成」。もっと不吉でドロドロした演奏かと思ったのに、そういう安易な思いを通り越した気高い演奏。

 そして素直で明朗な「スコットランド」。
 「ナチスに人生を狂わせられたクレツキがイスラエル・フィルを指揮した、ユダヤ人作曲家メンデルスゾーンの交響曲」・・・というこちらの妙な先入観をあえてくつがえす毅然とした演奏。
 愚直なまでにまっすぐな音楽。


 これらの演奏に、クレツキの人間としての重みを見る人は多いだろう。

 ・・・あの時代、まだまだこういう指揮者がいたのである。



AR 0067
1CD-R\1700
アリア・レーベル第67弾
 クレツキ指揮&イスラエル・フィル

   メンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」 Op. 56
   序曲「静かな海と楽しい航海」 Op. 27
パウル・クレツキ指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

薄型ケースで、シンプルなデザインのジャケットと盤面印刷の仕様です。

原盤:12inch COLUMBIA 33CX 1219
録音:1954年 モノラル


AR 0068
1CD-R\1700
アリア・レーベル第68弾
 クレツキ指揮&ロイヤル・フィル

   シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 「未完成」 D. 759
           「ロザムンデ」序曲
                   間奏曲第3番
                   舞踏音楽第2番
パウル・クレツキ指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

薄型ケースで、シンプルなデザインのジャケットと盤面印刷の仕様です。

原盤:12inch HMV ASD296
録音:1958年 ステレオ









HINDENBURG3部作
★アリア・レーベルの続編的「田園」
★愛と情熱の「スラヴ舞曲」
★剛毅なチャイコフスキー交響曲第4番

Burg 1040
\1800
コンサートホール・ソサエティ、クレツキの「田園」ついに登場!
 ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
  12inch Concert Hall AM2239 -
  1962年録音モノラル
パウル・クレツキ指揮
フランス国立管弦楽団
 
 クレツキがコンサートホール・ソサエティに遺したフランス国立放送局管弦楽団との「田園」。



 クレツキはコンサートホール・ソサエティでベートーヴェンの交響曲第1番、第3番、第5番、そしてこの第6番を録音していたが、コンサートホール・ソサエティのベートーヴェン交響曲全集ボックスでは1,3,5番こそクレツキだったが第6番はミュンシュだったために、この第6番はもっとも陽の目を見る機会がなかった。


 ちなみに2018年、店主が選ぶベスト・アルバムその第1位と第2位が上記のベートーヴェンの交響曲第3番、第5番。

 第6番もこの指揮者らしい風格と落ち着きに満ちた大巨匠的演奏。
 「嵐」など、こんなに穏やかでいいのかと思ってしまうが、荒れ狂うだけのけたたましい演奏とは異なる深い感興を呼ぶ。
 20世紀を代表する大指揮者クレツキ、これからもっともっと注目されるようになると思う。

Burg 1048
\1800
パウル・クレツキ指揮&フランス管
 ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(9曲)

 Op.46-1,2,3,6,7,8 op.72-2,7,8
  12inch concert hall M2233 1961年録音モノラル
パウル・クレツキ指揮
フランス国立管弦楽団
 クレツキ、愛と情熱のドヴォルザーク。
 「これはクレツキの最高の演奏ではないだろうか」(Hindenburg)
.

Burg 1047
\1800
パウル・クレツキ指揮
 チャイコフスキー:
  交響曲第4番ヘ短調 op.36

  12inch Concert hall M2241
  1962年録音ステレオ
パウル・クレツキ指揮
フランス国立管弦楽団

 まるで野太い筆で書き下ろしたような剛毅な演奏。
 優美さとはかけ離れたチャイコフスキーだが、聞き進むにつれてこの楷書的演奏が心に深く入り込んでいく。
 愚直なまでのひたむきさがこの曲の新たな側面を浮かび上がらせた。 こんなチャイコフスキーの4番、ちょっと聴いたことがないと思う。
 さすがクレツキ。






HINDENBURG
クレツキ指揮&イスラエル・フィル
シューマン交響曲全集

Burg 1024
\1800
パウル・クレツキ指揮&イスラエル・フィル
 シューマン:
  交響曲第1番「春」、同第4番
  序曲、スケルツォとフィナーレ
パウル・クレツキ指揮
イスラエル・フィル
 12inch Columbia 33CX1419 & 1449 1956年録音 モノラル
 

Burg 1025
\1800
パウル・クレツキ指揮&イスラエル・フィル
 
シューマン:
  交響曲第2番、同第3番「ライン」
  序曲マンフレツド
パウル・クレツキ指揮
イスラエル・フィル
 12inch columbia 33CX 1449 &1475 1956年録音 モノラル

 アリア・レーベル第91・92弾でとんでもないベストセラーを記録したクレツキの「運命」・「英雄」。
 そのクレツキの最大の名演として知られているのがこのシューマン交響曲全集。

 1900年生まれ、ベーム、セル、バルビローリ、コンヴィチュニーらと同世代のクレツキは、ポーランドに生まれその後ドイツ、イタリア、ソビエト、アメリカ、スイスと移り住み、国際的で現代的なセンスを持ちながらも厳格で格調高いロマンにあふれた音楽を作り出した。しかしそのナチスからの逃避行の間に、彼の家族は虐殺されていき、最後に残った彼の精神状態もほぼ破綻寸前だったという。
 それなのに、そんなふうに理不尽に愛するものを殺されたにもかかわらず、彼の音楽は心穏やかで温かい。
 アンチェルといいクレツキといい、人間というのはそこまで崇高になれるものなのか。

 ただ現在では忘れられた存在といってよく、この巨匠の現在における処遇はあまりよくない。だから「EMI 20世紀の偉大な指揮者たち 全40巻」シリ−ズの中で最も早く売り切れたのがクレツキだったというのも納得できるし、今回のアリア・レーベル第91・92弾が大ベストセラーになるのもうなずける。

 さてクレツキ&イスラエル・フィルのコンビによるシューマン。

 歿後100年のシューマン・イヤーに合わせて、1956年にEMIによって収録されたセッション・レコーディングが音源で、名匠クレツキの豊富なディスコグラフィのなかでも特に重要な位置を占める大作。
 全篇、知情のバランスのとれたクレツキのみごとなアプローチは云うに及ばず、オケがイスラエル・フィルということでやはり潤いのある弦の音色が、たとえば第2番のアダージョなど、濃厚かつ綿々たる情緒表現においてこれ以上ない説得力で迫ってくる。






HINDENBURG
1946〜1948年
SP復刻によるクレツキ録音集
Burg 8012
(2CD−R)
\2900→\2190

パウル・クレツキの秘蔵SP音源
 
ブラームス:交響曲第4番ホ短調op. 98 ルツェルン祝祭管弦楽団
(1946年9月5,7日 ルツェルンクンストハウス録音)
78rpm columbia  LCX109/13 mono
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ第3番」 (1947年 録音)
78rpm columbia  LFX 816/7
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番、同第6番 (1948年 録音)
78rpm columbia LX 122
   フィルハーモニア管弦楽団
ラヴェル:ダフニスとクロエ第2組曲 (1948年 録音)
78rpm columbia LX 1215/6
   フランス国立放送管弦楽団
  
パウル・クレツキ指揮

 アリア・レーベルでリリースした2枚のベートーヴェンで火がついたクレツキ・ブーム。
 そこにHINDENBURGから「秘蔵SP音源」が登場。

 戦後すぐ、ルツェルン音楽祭でのブラームス。
 ナチスから解放されたヨーロッパ、その平和への思いを胸にクレツキが捧げたブラームス。
 止まりそうなテンポの終楽章終盤が切ない。




入手困難、海外在庫限りだが

この1枚も、・・・すごい



MEDICI
MM 018
1CD\2500
普通の精神状態では聴けない
 チャイコフスキー:
  (1)交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」

  (2)ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
ダヴィド・オイストラフ(Vn)
パウル・クレツキ(指)
(1) フィルハーモニアO.
(2) ストックホルム・フェスティヴァルO.
 録音:(1)1960年4月11・12日ロンドン、アビー・ロード・スタジオ(2)1955年9月28日スウェーデン、ストックホルム音楽祭
     (1)ステレオ(2)モノラル


 MEDICI ARTSのCDが何枚か入ってきた。中からジャケットを見ないで一枚取り出してかけた。

 「悲愴」が始まった。

 えっと・・・誰の演奏だったっけな。まあいずれにしても戦後すぐくらいの巨匠だろう。
 あえて指揮者の名前を見ないでCDをかけ始めた。

 ゆるゆると演奏が始まる。

 第1楽章前半は案外もっさりとした演奏。
 鈍重なのか丁寧なのか、はたまたあまり気が乗らないのか。進むことを躊躇しているようにさえ聴こえる。
 中間の大爆発も、まあこんな感じかな、という品のいい暴れ方。

 それが後半に差し掛かろうという12分過ぎ。
 突然オケの線が乱れ始める。
 明らかに何かおかしい。
 テンポもグラグラ。
 ・・・しかしそれと同時にそれまで鳴りを潜めていた感情が突然噴出し始める。
 それまであえて押さえていたものが堰を切ったようにとめどなくあふれていく。それは情熱とか激情というより、情念のようなもの。

 第2楽章も華麗であっけらかんとした舞踏会のようにはいかない。終始何か陰鬱とした雰囲気。

 第3楽章は普通に始まる。オケはうまい。が、さっきまでの何かにとりつかれたような「物の怪」の気配は消える。
 ただ超快速で行きながら後半7分あたりでガラリとギア・チェンジをしてオケを引き締めなおすあたりは只者ではない。

 このあたりまで聴くと、さすがにこの指揮者が並みの力量の人ではないこと、常人の感性を持った人でないことはなんとなくわかってくる。

 ・・・さて、終楽章、どう出る?

 これが・・・
 とても優しい演奏だった。
 こぶしを振り上げて、共感を強要してくるかと思ったら、あにはからんや、まるでそっけないほどに優しく、さりげない。

 ・・・なのだけれど、その質朴とした響きの向こうに広がる寂寥感。
 聴く者への愛情と諦念がないまぜになったような、言葉で説明できないおそろしく複雑な感情。
 この楽章は、悲しくはあってももっと単純だったはず。

 なのにこの人の演奏にはあまりに多くのものが背負わされている。

 一体誰なんだ、この指揮者は?
 初めてジャケットを取り出してその名前を見る。

 ・・・パウル・クレツキ。

 なるほど・・・。
 ナチスによって両親や姉妹を虐殺され、自身の精神も一度崩壊したこの人なら・・・それもわかる。

 ・・・しかしそれがわかってもう一度かけたら・・・ちょっと普通の精神状態では聴けなかった。

 覚悟して、どうぞ。








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(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)


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