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こういうことがあるから面白い
カール・ベーム&チェコ・フィル
チャイコフスキー:交響曲第4番
ORFEOR 608032 (2CD)\2990
こういうことがあるから人生面白い。
いろいろ事情があって手元に余ってしまったORFEOのアルバム1枚。返品するわけにもいかず、あぶれてしまった。
何のCDだっけ。ベームのチャイコフスキーの交響曲第4番のライヴ?
なんだそりゃ。
まるで料亭でビーフストロガノフを出されたような変な取り合わせ。正直あまり聴きたいとは思わない。
大体、オケはどこなのよ、ウィーン・フィル?え?・・・チェコ・フィル?
ベームとチェコ・フィルのチャイコフスキーの交響曲第4番?
なんだそりゃ。
まるで料亭でビーフストロガノフを出されて、お酒にベヘロフカが出てきたみたいな、ありえない組み合わせ。
大体、ベームが指揮したチャイコフスキーの交響曲なんて、ロンドン響とレパートリー増やすために録音した1回きりでしょ?ドヴォルザークもほとんど指揮しないし、ベームがスラヴ系の作曲家のこと好きじゃないのは一目瞭然。それをよりによってなんでチェコ・フィル。
大体、ベームとチェコ・フィルなんてのがまず聞いたことないよ。フリーで好き勝手やってた頃だからどこと共演しても不思議じゃないけど、いつやってたのよ、こんな演奏。
録音は1971年・・・ってことは、アンチェルが亡命した直後だから、「チェコ・フィル大丈夫か?」って頃じゃないの?
変な取り合わせというより、そもそもやめておいたほうがいい取り合わせなんじゃないの、これ。
でもあまってしまったし・・・スタッフのミヒンくんにでも買ってもらおうかね。
いらない?あ、そう。じゃあ、仕方ない・・・買うか。
まあ、せっかく買ったし、聴いてみましょうか。
うそ。
チェコ・フィル?
うそ?
ベーム?
え・・・・?そんな。
なんなんだ、ベーム・・・。すごい。
こんなものすごいチャイコフキーをやれるのに、なんで生涯レパートリーにしなかったんだ!?信じられない!
まず一聴してわかるのは各部分がきわめて鮮明ではっきりくっきりしていること。いつものベーム流徹底解釈がやっぱりここでも貫かれているのだ・・・が、ベームの場合、それが時折音楽の流れというかエネルギーを奪い取ってしまうことがある。だからチャイコフスキーのようなパワー全開系の作品は、どうみてもベームと相性がいいはずがない。
・・・のに・・・すごい。
まるで黒光りした沼の水面に映った太陽。鞘から少しだけ見えたギラギラした刀。
ドイツ的という人もいるだろう。アポロ的という人もいるだろう。整然とした秩序の中に横溢する底知れぬエネルギー。
第4番という、人によってはその白痴美が苦手という華やかな曲が、ベームの手によってまるでドイツ流の硬派で剛毅な曲に生まれ変わる。ベームは作品のオーラそのものを変質させてしまっている。
おそるべき男。
そして・・・それに応えるチェコ・フィルのボルテージがこれまたすごい。
心の師アンチェルを失い、若いノイマンに率いられつつ何か物足りないものを感じていたのか。八十に近い老匠ベームに、まるで幼子のように喰いついてくる。それはもちろんオーストリア音楽総監督、ウィーン・フィル名誉指揮者である生ける偉人カール・ベーム。チェコ・フィルにしてみれば雲の上の存在かもしれない。しかしだからこそ団員全員が、この一期一会的機会を逃すまいと必死で喰いついてくるのだ・・・。演奏しているうちに彼らはきっと自分たちこそがベームの手兵だと思っていたに違いない。なんにしてもこの集中度、燃焼度は普通じゃない。弦はまるでウィーン・フィルのようなコクのある音を奏でるし、管もベルリン・フィルのように炸裂する(ミスもあるけど、まあそこは勇み足で)。間違いなくチェコ・フィル史上に残る屈指の名演と言っていい。
ありえない取り合わせの、本来手元にあるはずがなかったアルバム。
こういうことがあるから音楽は面白い。
この記事のあと、会員の方から、「ベームが得意にしていた曲の中には、チャイコフスキーの4番と、ドヴォルジャークの9番があり、独墺系の古典系交響曲「だけ」レパートリーを持っているという「思い込み」が一部にあるような気がします」というご指摘をいただいた。
少ない記憶と手元の安易なディスコグラフィーだけを頼りに記事を書いてしまったと反省。
ただ店主のコメントはどうであれ、このベームのチャイコフスキーの4番がすごかったことだけは変わらない。
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ORFEOR 608032
(2CD)
\2990
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調
【ボーナス】
「皇帝」のリハーサル
エミール・ギレリス(P)
カール・ベーム指揮
チェコ・フィル
録音:1971年8月8日 ステレオ
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