いつの頃からか我が家にあります
七戸國夫
ギター「愛の宝石箱」
いつの頃からか我が家にあります。カミさんのCDです。
引越しのたびにカミさんは何の躊躇もなくガンガン自分のCDを処分する人なので、引越し後はいつも10枚くらいになってしまうのですが、このCDだけはぜったいに手放さなかったということになります。
地味なジャケットに、あまり聞いたことのないギタリスト。
カミさんはそう何度もかけるわけじゃないんですが、何かあったときにかけるみたいです。
それが先日久しぶりに流れていました。
懐かしい響きです。
超絶技巧、とかいうのではなくて、何かあったかくてやさしい音色。「きっとこんな顔のおじさんが弾いてるんだろうなあ」、と思い浮かぶような、そんな親しい感じの演奏です。
名曲ばっかりというわけでもなくて、結構渋い曲や瀧
廉太郎の編曲ものもあったりするんですが、何度も何度も聴いているうちに馴染んできます。「禁じられた遊び」は、その「間」というかテンポが自然で絶妙。気づいたら子供たちも歌ってます。
ギターっていいなあ、と思って今度は別の若手のヒット・アルバムをかけてたんですが・・・いつのまにか誰かがこのアルバムに戻してしまっていました。
・・・「名盤」などというと何かくすぐったくなるような、とても親しい感じの優しいアルバムなんです。
自分のアルバムじゃないので勝手に中を開けて見るということはなかったのですが、今回初めてブックレットを開けて読んでみました。
弾いているのは七戸國夫というギタリストだそうです。
どんな人なんだろう、今は何をしてるんだろう、と思ってなにげなく調べたんです。
そうしたら、七戸國夫はこのアルバムが出るちょっと前に亡くなっていました。
これは、この七戸國夫を偲んで、彼を愛する人たちが出したアルバムだったんです。
今回この原稿を書くにあたって初めてこの人のことをサイトで調べたのですが、「七戸國夫」と検索すると、このギタリストへの愛情にあふれたサイトが山のように現れます。
たくさんの人に愛された音楽家だったんです。
わかるような気がします。
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