NAXOS
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8.572817
\1100 |
フェルナンド・ロペス=グラサ:ピアノ協奏曲
第1番&第2番
1-3.ピアノ協奏曲 第1番(1940)/
4-6.ピアノ協奏曲 第2番(1950/1971改編) |
エルダー・ネボルシン(ピアノ)/
ポルト・カーザ・ダ・ムジカ管幻樂団/
マティアス・バーメルト(指揮) |
録音 2011年3月11-12日 ポルトガル,ポルト,カーザ・ダ・ムジカ
サラ・スジア
ポルトガルの作曲家、音楽学者ロペス=グラサ(1906-1994)の胸躍るピアノ協奏曲集です。彼はリスボン音楽院で学んだ後、パリへ行き、シャルル・ケクランに作曲法と管弦楽法を師事した人ですが、その作品には、まるでバルトークのようにポルトガルの民族音楽の影響が強く表れています。
この2つのピアノ協奏曲は対照的な曲想を持つもので、明るく楽しい第1番(とりわけ終楽章の音の使い方がすばらしい)と、暗く渋めの第2番、そのどちらもが「ヨーロッパ的な音」とは違う面白さを持って聴き手にアピールしてくるのです。ピアノの扱いは打楽器的な部分も多く、美しいメロディを期待するよりも、どちらかというと「音のシャワー」を楽しむ音楽と言えそうです。
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8.572981
\1100 |
ルイ・ティノコ:ラウンド・タイム
1.ラウンド・タイム(2002)/2.距離の深さから(2008)/
3-6.探求の歌(2007)
<Ⅰ:終わりに向かって/Ⅱ:正統性/Ⅲ:日没の歌/Ⅳ:
くちびる-Ⅴ:初期の断片>/
7-10.孤独な夢想家の歌(2011)
<Ⅰ:書物/Ⅱ:幸せな夢想家/Ⅲ:任意の集まり/水の天使>
※世界初録音 |
アナ・クインタンス(ソプラノ)…2/
イェリー・スー(ソプラノ)…3-6/
ラケル・カマリンハ(ソプラノ)…7-10/
グルペンキアン管弦楽団/
ディヴィッド・アラン・ミラー(指揮) |
録音 2012年6月13-16日 ポルトガル リスボン,カロウステ・グフベンキアン財団,グルベンキアン・アウディトリウム
ポルトガルの現代作曲家、ルイス・ティノコ(1969-)による“不可思議な音の世界”にご案内いたします。フランス印象派の残滓とブラジルのジャズの香り、官能性と郷愁。これらが入り混じった音楽は、これらの曲に初めて触れた人にも強烈な印象を残すことでしょう。
エキゾチックで夢幻的な音の戯れ、時折訪れる破壊的なリズム、これらが混沌とした音の中に溶け合う様子は、まるで大きな望遠鏡で銀河を眺めるかのように茫洋としたものです。
ソプラノ独唱を伴う3つの作品は、それぞれ違う歌手を起用することで、味わいの違いを引き立てています。実験的な手法を用いながらも、根源的な美しさを追求するというこの作曲家の独自性が良く表れた曲集と言えるでしょう。 |
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8.573147
(3CD)
\3300 |
ジェズアルド:マドリガル集 第5集&第6集
<CD1>
1.歌って楽しみなさい/2.見つめなければ私は死なないが/
3.行け、わがため息よ/4.とてもいとしいわが命のひとよ/
5.ああ、痛ましい喜び/
6.いとしい方よ、愛の甘い「ああ」という言葉は/
7.いとしいひとの目に宿り/
8.もし私の悲しみがあなたを悲しませるのなら/
9.わが心の命であるまなざしよ/10.命のひとから離れる者は/
11.情けをと私は泣きながら叫ぶのだが/
12.ああ、お前たちはあまりにもしあわせ/
13.恋人たちよ、競い合って急ぎなさい/
14.美しい目をふきなさい/15.お前は私を殺す/
16.ああ、美しい胸を覆ってほしい/17.悲しく涙もろい私の気質に/
18.けれど私を死へと導く/
<CD2>
1.ああ、暗い日よ/2.もしお前が逃げるなら/
3.あなたを愛しています、私の生命よ/
4.もしもお前が私の死を望むなら/
5.美しい人よ、心を持ち去るのなら/
6.お前は泣いている、私のフィッリよ/
7.私を煩わすのをやめておくれ/8.明るく輝く太陽/
9.私は行くとしか言わなかった/10.一日に千回も私は死ぬ/
11.優しい私の宝である人よ/
12.ああ、いくらため息をついても無駄なのだ/
13.こんなに大きな苦しみの中でも/
14.優美な音色と甘い言葉で/15.白くみずみずしい花/
<CD3>
1.大胆な小さい蚊が/2.お前を求めて私は燃える/
3.死のみが私を殺すのだから/
4.私の希望を打ち砕いたあの残酷な「いや」という言葉を/
5.私は死ぬ、悲しみや苦しみゆえに/6.蝶のように舞う/
7.私の喜びに空はかくも晴れ渡り/
8.お前は追いかける、おお美しいクローリよ/
9.お前を愛する故に私はやつれ果てる/
10.悲嘆にくれて泣いていたのは昔/
11.にこやかで美しいリコーリが
※CD1&CD2:3…第5集、CD2:4-15&CD3…第6集 |
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デリティエ・ムジケ/
マルコ・ロンギーニ(指揮) |
録音 2010年7月6-10日 イタリア ヴェローナ,ノヴァーリエ,チェサ・ディ・サンタ・マリア・マッダレーナ…第5集/2011年7月24-29日
イタリア ヴェローナ,セツァーノ,チェサ・ディ・サン・ロレンツォ・マルティレ…第6集
人気シリーズ、デリティエ・ムジケによるジェズアルド(1566-1613)のマドリガル集の完結編です。この第5集と第6集は1611年に一緒に出版された「双子」の曲集であり、この中には、宮廷の掟や雇用される者の制約などの様々な縛りから解き放たれた「自由な作品」が描かれています。
当時の彼は、自分の城に閉じこもり、演奏家たちを侍らせながらひたすら音楽を生み出していました。この中には愛、拒絶、死、苦しみ、喜び、悲しみなど様々な感情が描写されていますが、実際の彼は自らの罪を悔いていたのかどうかは、誰も知ることはできません。ただ、残された音楽は孤高の美しさを湛えています。 |
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8.572833
\1100 |
ブライアン:交響曲 第22番-第24番 他
1-2.交響曲 第22番「小交響曲」(1964-1965)/
3-4.交響曲 第23番(1965)…世界初録音/
5.交響曲 第24番 ニ長調(1965)…世界初録音/
6-11.イングランド組曲Op.12(1905-1906)
<性格的な行進曲/ワルツ/浜辺の木の下で/間奏曲/賛歌/謝肉祭> |
新ロシア国立交響楽団/
アレクサンダー・ウォーカー(指揮) |
録音 2012年8月26.27.30.31日 モスクワ Studio
5, Russian State TV & Radio Company KULTURA
途方もない交響曲を数多く書いたことで知られる作曲家ハヴァーガル・ブライアン(1876-1972)。今回はお待ちかねの新録音が登場しました。生涯に32曲もの交響曲を書いた彼ですが、そのうちの27曲以上は、晩年と言える72歳から92歳の間に書かれています。
ここに収録された3つの交響曲は88歳から89歳の作品であり、規模こそコンパクトなものの強烈な独自性を持っています。またこの3曲は密接に関係しているため、もしかしたら3曲で「一つの交響曲」として捉えることも可能かもしれません。
一転、彼の出世作となった「イングランド組曲」はチャイコフスキーの「くるみわり人形」組曲から影響を受けたものであり、イングランドの風景を音に封じ込めた魅力的な音楽ですが、すでに破天荒なブライアンの気質がよく現れているのも面白いところです。 |
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8.572511
\1100 |
夜の中に 〜現代の合唱作品集
1.エリック・ウィテカー(1970-):3つの花の歌
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第2番「あなたの手のユリとともに」(1991)/
2.スティーブン・ポールズ(1949-):日の終わり(2006)/
3.ディヴィッド.N.チャイルズ(1969-):新月(2007)/
4.アルヴォ・ペルト(1935-):もう少し長い路(2001)/
5.ウィテカー:金の夜(2009)/
6.チャイルズ:優しい夜のなかには(2011)…世界初録音/
7.ジョン・タヴナー(1944-):神殿のヴェール-あなたは光で自身を覆う(2004)/
8.アビー・ベティニス(1980-):宵の明星に(2005)/
9.モルテン・ローリゼン(1943-):夜想曲 第3番-この輝ける夜に(2005)/
10.フランク・ティケリ(1958-):ここに輝く星がある(2000) |
ヴォックス・ヒューマナ/
ディヴィッド.N.チャイルズ(指揮) |
録音 2011年10月3-5日 テキサス,ダラス,ハイランド・パーク・ユナイテッド・メソジスト教会
このアルバムには、美しくも、どこか仄暗さを秘めた現代合唱作品が収録されています。ガルシア・ロルカの詩を用いたウィテカーの作品はゆっくりとしたテンポに乗って、複雑な調性による抒情的なメロディが歌われます。
「ニ長調」で書かれたシンプルなポールズの作品、痛みすら伴うチャイルズの「新月」、慈悲深いペルトの作品(オルガン・パートも含む)などなど、合唱好きにはたまらない曲で満たされています。心が痛い時、この響きに耳を澄ましてみてください。ダラスに拠点を置く「ヴォックス・ヒューマナ」の暖かい歌声があなたをそっと包んでくれるはず。 |
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8.573158
\1100 |
ボブ・チルコット:誰もが歌った
1.島はざわめきで満ちている(2004)/
2.ゆりとばら(2002/2008)/3.誰もが歌った(1995)/
4-5.あなたと私(2005)<明るさ/私の良い面>/
6-10.小さなジャズ・ミサ(2004/2005)
<キリエ/グローリア/さんクトゥス//9.ベネディクト/
10.アニュス・デイ/
11.わが父(生命のパン)(2010)/
12.冬のさなか(1994/1995)/
13.彼のために全ての星が輝いている(2002)/
14.真冬のばら(2010)/
15-18.私は創造を共有する(2005)
<日が昇る時/地球/最も内部の上/来たれ、偉大な世界よ>/
19-23.イソップ物語(2008)
<うさぎとカメ/労働者の山/きつねとブドウ/
北風と太陽/がちょうとあひる>
※1.3-10.15-23世界初録音 |
ジェンマ・ビーソン(ピアノ)…2.12.13.19-23/
ウィル・トッド・トリオ…6-10/
ウェレンシアン・コンソート/
クリストファー・フィンチ(指揮) |
録音 2011年8月25-26日 UK サマーセット、ミリフィールド・スクール,ジョンソン・ホール
現代イギリスで最も人気を博している合唱曲指揮者&作曲家、ボブ・チルコット(1955-)の作品集です。彼は1985年にキングス・シンガースに参加し、12年間テナーを務めたあと、作曲に専念するために脱退したという実力の持ち主であり、編曲家としても高名です。そんな彼の作品はどれも親しみやすく、「歌う喜び」を味わわせてくれるものであり、例えばここに収録された「小さなジャズ・ミサ」や「イソップ物語」は、とりわけ機知に富んだ優れた作品として評価されるものでしょう。まずは冒頭の「島はざわめきで満ちている」を聴いてみてください。この何ともチャーミングなこと。ここを聴いただけで全てを知りたくなること間違いなしです。 |
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8.660331
(2CD)
\2200 |
ステファーノ・パヴェージ:歌劇「マルカントニオ氏」
2幕のドラマ・ジョコーソ アンジェロ・アネッリ台本
<CD1>1.シンフォニア/2-19.第1幕/
<CD2>1-19.第2幕 ※世界初録音 |
マルカントニオ氏…マルコ・フィリッポ・ロマーノ(バリトン)/
ベッティーナ…ロリアーナ・カステラーノ(コントラルト)/
トビア…マッテオ・ダポリート(バス・バリトン)/
メドーロ…ティムール・ベクボスノフ(テノール)/
ドリーナ…シルヴィア・ベルトラミ(メゾ・ソプラノ)/
リセッタ…スヴェトラーナ・スモレンツェヴァ(メゾ・ソプラノ)/
パスクィーノ…マッシミリアーノ・シルヴェストリ(テノール)/
エリセオ・カストリニャーノ(ハープシコード)/
ポズナニ・バッハ室内合唱団/
南西ドイツ・プフォルツハイム室内管弦楽団/
マッシモ・スパンダーノ(指揮) |
録音 2011年7月7.10.16日 ドイツ バード・ヴィルバード,クルトヘーター宮殿
ライヴ収録
現代ではすっかり忘れ去られてしまっていますが、このオペラ「マルカントニオ氏」はスカラ座の初演時に大成功を納め54回も上演され、1810年から1831年の間にも50回もの再演が行われたという記録があります(しかしその記録はロッシーニによって覆されてしまうのですが)。
このオペラは「ドン・パスクァーレ」の元ネタとされていて、どちらも恋に不慣れな老人が笑いの種になるというものであり、人間嫌いの老人と機転の効く娘を軸とした騒動は、どのような味付けを施したとしても面白いものなのです。音楽的にも楽しさ満点なこの作品を、観客と舞台が一体となったような親密さも感じられる素晴らしい演奏でお届けいたします。 |
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8.559691
\1100 |
スーザ:吹奏楽作品集 第12集
1.「サウンド・オフ」行進曲(1885)/
2.ピーチ・アンド・クリーム-フォックストロット(1924)/
3.金星の太陽面通過(1883)/
4.ジョージアを越えて-パトロール(1891)/
5-7.「3人の娘」組曲<コケット/夏の少女/踊り子>/
8.「ミカド」行進曲(1885)/9.名誉の死-葬送行進曲(1876)/
10.「マルケット大学」行進曲(1924)/
11.「復活」行進曲(1876)/
12.クリスと不思議なランプ-序曲(1876)…世界初録音/
13.「ライト・フォワード」行進曲(1881)/
14-16.「私の手帳からの一葉」組曲
<愛想の良い主人/キャンプファイヤーの少女/元気良いおてんば娘>/
17.「右-左」行進曲
※1-2,4-17…キース・ブライオンによる吹奏楽編曲、
3.…ローラ・シッセルによる吹奏楽編曲 |
王立スウェーデン海軍バンド/
キース・ブライオン(指揮) |
録音 2010年9月28-30日 スウェーデン カールスクルーナ,アドミラルティ教会(Ulrica
Pia)
大好評、スーザ(1854-1932)の行進曲シリーズもこれで第12集となりました。オリジナルのマーチだけでなく、オペレッタや他の作品からの編曲も含む多彩な音楽は、知られざるスーザの魅力までをも語りつくします。このアルバムの13曲は、比較的珍しいものばかりであり、トラック3のような歴史的な天文ショーを伺わせるような貴重なものも含まれてます。
また、組曲「3人の娘」は彼のオペレッタからの曲集であり、「ミカド」行進曲はギルバート&サリバンの作品のメロディによるメドレーです。
トラック9の「名誉の死」は悪名高き大統領ユリシーズ・グラントが亡くなった時、以前に出版したピアノ曲をスーザが吹奏楽版へとアレンジしたもの。実際の葬儀の際に演奏されました。他にも興味深い作品が目白押し。スーザのオーソリティ、ブライオンによる愛溢れる演奏です。 |
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8.572828
\1100 |
ゲディーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
1.ビッザリーア(1929)/
2-4.ヴァイオリン・ソナタ イ長調(1918)/
5-6. 2つの詩曲(1930)
<第1番:レンタメント/第2番:静かに、テンポを守って>/
7-9.ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調(1922)
※1-6…世界初録音 |
エミー・ベルネコーリ(ヴァイオリン)/
マッシモ・ジュセッペ・ビアンキ(ピアノ) |
録音 2011年10月25-29日 イタリア ヴェルチェッリ,ヴァラッロ・セシア,シヴィコ劇場
イタリア、クーネオ出身の近代イタリア作曲家、ゲディーニ(1892-1965)のヴァイオリンとピアノのための作品集です。この当時の潮流に漏れず、彼もモンテヴェルディやフレスコバルディらルネサンス音楽やバロック音楽から発想を得て、現代的な手法を交え曲を創っていった人です(彼の父はワーグナーの熱烈な崇拝者であったといいますが、彼の作品にはその影響はほとんど見られません)。このアルバムにはそんな彼のヴァイオリン作品が全て収録されています。
第1曲目の「ビッザリーア」は「珍妙、激情」と言った意味を持つタイトルですが、どちらかというと夢幻的で「音の戯れ」と言った風合いを持つ音楽です。2つのソナタは伝統的な3楽章で書かれていて、ロマンティックな肌触りを残すイ長調、革新的な広がりを持つ変ホ長調と、その曲想には違いがありますが、どちらも魅力的であり、また極めて精巧に書かれています。2つの詩曲はもっと自由で制約にしばられない音楽です。 |
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8.572782
\1100 |
パパイオアンヌー:鏡の奥に・アソシエーション
他
1.前奏曲 第1番「祖国の夜」(1939)/
2.前奏曲 第2番「海辺の朝」(1938)/
3.前奏曲 第3番「水彩画」(1938)/4.エロティック(1986)/
5.別れのばら(1944)/6.キャンドル(1953)/
7,鏡の奥に(1984)/8.スケルツォ(1938)/
9.アソシエーション(1978)/10.セレナード(1937)/
11.島の踊り(ミティリーニ)(1944)/
12-14. 14の子どもたちの肖像より(1960)
<肖像 Ⅲ/肖像 Ⅵ/肖像 Ⅶ>/15.リズムと色彩(1974)/
16.海の詩人(1986)/17.コルセアの踊り-第1番(1952)/
18.組曲より第8楽章「ヴィヴァーチェ」(1959)/
19.オラクルム(1965) ※4-8,10-15,18…世界初録音 |
コスタス・チャルダス(ピアノ)…1-8.10-14.16-19/
ミルト・パパタナシウ(ソプラノ)…5-7.16/
ヤニス・アニセゴス(フルート)…7/
ディソン・アート・アンサンブル…9/
ウラディミロス・シメオニディス(指揮)…9/
エビエ・パパタナシウ(チェロ)…10-11.16/
コスティス・テオス(チェロ)…15/
アレクシス・テオフィラクトウ(ヴァイオリン)…16/
グラメノス・チャルキアス(クラリネット)…16 |
録音 アテネ・コンサート・ホール 2011年7月28日…1-4.8.10-14.17-19,
2010年6月9日…5-7.16, 2010年2月26日…15/アリストトレ音楽大学
フォイヤー・オブ・ザ・デパートメント 2011年6月15日…9
ギリシャの作曲家、ヤニス・パパイオアンヌー(1910-1989)の作品集。主にアテネで生活するも、パリで勉強した経験、とりわけオネゲルとの交流や、他のパリの音楽家たちの出会いを自らの音楽体験として、ギリシャの音楽に組み込むことで、独自の作品を生み出した人です。
確かに前奏曲などは「ちょっと装飾の多い」サティもどきの曲であり、フランス印象派の作品と言われても疑う人はいないでしょう。1944年頃までは印象主義の作品を書いていましたが、その後はギリシャ音楽を徹底的に追求します。
しかし1953年頃からは実験的な作風に転じ、シェーンベルクやウェーベルンを思わせる12音の音楽も書くようになります。そんな作曲家の様々な年代の作品を並べることで数多くのものが見えてくるような気がします。 |
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8.573084
\1100 |
ソレル:鍵盤のためのソナタ集 第28番-第41番
1.ソナタ 第28番 ハ長調/2.ソナタ 第29番
ハ長調/
3.ソナタ 第30番 ト長調/4.ソナタ 第31番
ト長調/
5.ソナタ 第32番 ト短調/6.ソナタ 第33番
ト長調/
7.ソナタ 第34番 ホ長調/8.ソナタ 第35番
ト長調/
9.ソナタ 第36番 ハ短調/10.ソナタ 第37番
ニ長調/
11.ソナタ 第38番 ハ長調/12.ソナタ 第39番
ニ短調/
13.ソナタ 第40番 ト長調/14.ソナタ 第41番
変ホ長調 |
デニス・ジダノフ(ピアノ) |
録音 2011年11月28-30日 スペイン ジローナ
パラウ・デ・コングレッソス・アウディトリウム
ソレル(1729-1783)のソナタ集は、すでにローランドによるチェンバロ演奏のものがNAXOSから全集として発売されていて、その美しい造形美にファンも多いのですが、ピアノでも演奏するシリーズも秘かに進行しており、このアルバムはその第3集となります(第1集…8.572515,第2集…8.572516)。
ここで見事な演奏を披露するピアニスト、ジダノフは2010年にバルセロナで開催された、第56回マリア・カナルス国際コンクールで第1位を獲得した俊英です。
スカルラッティの影響を受けていると言われるソレルのソナタですが、そのスタイルは変幻自在であり、驚くほどに劇的で半音階を駆使したものがあるかと思えば、その時代を反映した、整然とした造りに終始しているものもあり、どれから聴いても飽きることはありません。 |
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8.573156
\1100 |
イアン・ヴェナブルズ:ピアノ独奏作品全集
1.カプリース Op.35/
2-5.組曲「ストウヘッド・フォーリーズ」:4つのロマンティックな印象
Op.4
<第1番:アポロの神殿/第2番:パッラーディオの橋/
第3番:パンテオン/第4番:グロット>/
6-8. 3つの小品 Op.5
<カプリース/テディ・ベアの踊り/民謡>/
9.即興曲「ナイチンゲールとばら」Op.8/
10.ジャニスの肖像 Op.9/
11-13.ピアノ・ソナタ(1975):/D.S.C.Hへの思いでに
Op.1
※1.9-13…世界初録音 |
グラハム・J・ロイド(ピアノ) |
録音 2012年10月23-24日 UK モーンマスシャー,ウィアストン・コンサート・ホール
リバプール出身の作曲家イアン・ヴェナブルズ(1955-)の名前は「英国歌曲好き」だったら忘れられない存在でしょう。彼は現在イギリス有数の歌曲作曲家であり、またアーサー・ブリス協会のプレジデントも務める名士です。
彼の歌曲集(8.572514)は、その少々甘いメロディとテノール歌手A.ケネディの名唱で多くのファンを獲得しましたが、このピアノ曲も、歌曲に通じる抒情性と、うっとりするようなメロディが魅力的であり、瞬く間に、聴き手を新しい世界へといざなうものと言えそうです。「ストウヘッド」とは風景式庭園のことで、過去への連想や異国的なものへの憧れを含んだその造りは、見るものに素晴らしい印象を与えます。
そんな庭園の印象を描いたのが組曲「ストウヘッド・フォーリーズ」。ちょっぴり印象派のような風情の曲が郷愁を呼び起こします。他の曲もどれもストーリーを帯びた名作です。 |
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8.573179
\1100 |
期待の新進演奏家シリーズ/ロヴシャン・マメドクリエフ
ギター・リサイタル
1.ファリャ(1876-1946):はかなき人生-舞曲
第1番(藤井敬吾編)/
2-7.アミーロフ(1922-1984):12のミニアチュア(抜粋)(R.マメドクリエフ編)
<第1番:バラード/第2番:アシュの歌/第5番:抒情的な踊り/
第4番:狩りにて/第3番:夜想曲/第10番:トッカータ>/
8.リョベート(1878-1938):ソルの主題による変奏曲
Op.15/
9.ルドネフ(1955-):イヴーシュカ(ロシア民謡による変奏曲)/
10.アルベニス(1860-1909);スペイン組曲 Op.47-第3番「セビリャ」(タレガ編)/
11.トゥリーナ(1882-1949):セビリアーナ(幻想曲)/
12.カステルヌォーヴォ・テデスコ(1895-1968):
悪魔的奇想曲(パガニーニへのオマージュ)/
13.アンドリュー・ヨーク(1958-):なんてファンキーな/
14.ブローウェル(1939-):思いつき(エリのパッサカリア)/
15.タルレガ(1852-1909):ホタ |
ロヴシャン・マメドクリエフ |
録音 2012年11月2-5日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット
聖ジョン・クリソストム教会
1986年、アゼルバイジャンで生まれたマメドクリエフは、2012年のGFA国際ギターコンクールで優勝したギタリストですが、すでにコンクール以前から世界中で高い知名度を誇っていたという実力派でもあります。
このアルバムでは彼らしい曲が選ばれていて、ファリャやアルベニスといったお馴染みのイベリアの作品から、彼の同胞であるアミーロフの作品、そして現代曲(といってもアンドリュー・ヨークやブローウェル)など、まるで万華鏡のような楽しさを秘めたアルバムとなっています。才能ある人がひしめくギター界ですが、この人の演奏は一味違います。 |
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8.573024
\1100 |
21世紀スペインのギター曲集 第1集
1.エドゥアルド・モラレス=カソ(1969-):ウルカヌスの鍛冶場(2009)/
2-3.サルバトーレ・ブロトンズ(1959-):2つの新しい提案
Op.121(2011)
<シチリアーナ/ブラシレナ>/
4-6.ダヴィッド・デル・プエルト(1964-):春風(2009)
<そよ風の中で/午後の光/踊り>/
7.カルロス・クルス・デ・カストロ(1941-):セクエンツァ・セファルディタ(2010)/
8.リカルド・ルロルカ(1962-):ヘンデリーナ(G.H.ヘンデルの主題による変奏曲)(2011)/
9-13.レオナルド・バラダ(1933-):カプリチョス
第8番「アルベニスの抽象化」
<Ⅰ:「トリアナ」の抽象化/Ⅱ:「エボケーション」の抽象化/
Ⅲ:「ラ・タラーナ」の抽象化/Ⅳ:「カディス」の抽象化/
Ⅴ:「セビリア」の抽象化>/
14-19.オクタビオ・バスケス(1972-):組曲:ノストス(2009)
<Ⅰ:りんごの木があった/Ⅱ:間奏曲/Ⅲ:正確な日/Ⅳ:ジーグ/
Ⅴ:メロディ/Ⅵ:記憶の残存> ※2.3.7-19…世界初録音 |
アダム・レヴィン(ギター) |
録音 2012年9月16-19日 カナダ オンタリオ,ニューマーケット,聖ジョン・クリソストム教会
スペインの近代ギター曲を集めたシリーズが始動します。全4巻。ある意味「型破り」の曲も含まれます。第1集は数々の受賞経験もあるギタリスト、アダム・レヴィンの演奏です。スペインは1936年から1975年に渡って独裁体制を維持していたフランコ政権の圧政に苦しめられていましたが、芸術家たちは、アメリカで「文化や教育を通じて世界各国の相互理解を高めるために」設立されたフルブライト・プログラムを通じて助成金を受けたりと秘かに進化を続けていました。それゆえ、1970年代終わりからの復興運動には目覚ましいものがあり、スペイン音楽は急速に進化を遂げたのです。この7人の作品は、そんな歴史を乗り越えて21世紀に書かれたもので自由な息吹が感じられる見事なものばかりです。 |
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8.573060
\1100 |
フラジェッロ&ロスナー:吹奏楽のための交響曲集
1.ニコラス・フラジェッロ(1928-1994):オデッセイ
Op.74(1981)/
2.フラジェッロ:ヴァルス・ノワール Op.45b
(W.シモンズによるサクソフォン四重奏編)(1964/1992改編)/
3-5.フラジェッロ:交響曲 第2番「風の交響曲」Op.63(1970)
<第1楽章:ベールをかけられた兆候のある熱い風/
第2楽章:孤独な熟考の暗い風/第3楽章:フーガ:再生と活力の風>/
6-8.フラジェッロ:コンチェルト・シンフォニコ
Op.77b
(M.パターソンによるサクソフォン四重奏と吹奏楽編)(1985/2004改編)/
9-11.アーノルド・ロスナー(1945-):交響曲
第8番「三位一体」 Op.84(1988)
<第1楽章:アヴェ・マリア/第2楽章:悪魔のロンド/第3楽章:ピタゴラス>
※2.6-11…世界初録音 |
ヒューストン大学ウィンド・アンサンブル/
デヴィッド・バートマン(指揮) |
録音 アメリカ テキサス,ヒューストン大学 ムーア音楽学校
2010年5月1-4日…1-5,9-11, 2011年5月12-13日…6-8
ニューヨークの音楽一家に生まれたフラジェッロと、同じくニューヨーク生まれのロスナーの吹奏楽作品集。若い頃ジャンニーニからヨーロッパの伝統を学び、ピアニストや指揮者としても活躍、バロックから現代までの音楽を幅広く取り入れた独自の作風を確立したフラジェッロの作品は、最近になって数多くのファンを獲得しています。
このCDに収録された4つの作品はどれも彼の特徴を示すものですが、とりわけ「風の交響曲」の成熟したスタイルには驚かされることでしょう。サクソフォンの音色を存分に生かした2つの曲も見事です。一方、ロスナーの作品は精緻であり神秘的です。ルネサンス様式を感じさせる敬虔な気分とリズミカルな気分が錯綜する作品であり、まるで鐘の音のように炸裂するパーカッションの響きにも胸躍ります。ヒューストン大学ウィンド・アンサンブルの見事な演奏で。 |
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8.501109
(11CD)
\4000 |
初期NAXOSの誇るモーツァルト:交響曲全集
<CD1 原盤…8.550871>
1-3.交響曲 第1番 変ホ長調 K16/
4-7.交響曲 第2番 変ロ長調 K17/
8-10.交響曲 第3番 変ホ長調 K18/
11-13.交響曲 第4番 ニ長調 K19/
14-16.交響曲 第5番 変ロ長調 K22/
<CD2 原盤…8.550872>
1-4.交響曲 第6番 ヘ長調 K43/
5-8.交響曲 第7番 ニ長調 K45/9-12.交響曲
第8番 ニ長調 K48/
13-16.交響曲 第9番 ハ長調 K73/
17-18.交響曲 第10番 ト長調 K74/
<CD3 原盤…8.550873>
1-3.交響曲 第11番 ニ長調 K84/4-7.交響曲
第12番 ト長調 K110/
8-11.交響曲 第13番 ヘ長調 K112/12-15.交響曲
第14番 イ長調 K114/
<CD4 原盤…8.550874>
1-4.交響曲 第15番 ト長調 K124/5-7.交響曲
第16番 ハ長調 K128/
8-10.交響曲 第17番 ト長調 K129/11-14.交響曲
第18番 ヘ長調 K130/
<CD5 原盤…8.550875>
1-4.交響曲 第19番 変ホ長調 K132/
5-8.交響曲 第20番 ニ長調 K133/
9-11.交響曲 第37番 ト長調 K444/
<CD6 原盤…8.550876>
1-4.交響曲 第21番 イ長調 K134/
5-7.交響曲 第22番 ハ長調 K162/
8-10.交響曲 第23番 ニ長調 K181/
11-13.交響曲 第24番 変ロ長調 K182/
14-16.交響曲 第26番 変ホ長調 K184/
<CD7.原盤…8.550113>
1-4.交響曲 第41番 ハ長調 K551「ジュピター」/
5-8.交響曲 第25番 ト長調 K183/
9.交響曲 第32番 ト長調 K318/
<CD8 原盤…8.550264>
1-4.交響曲 第36番 ハ長調 K425「リンツ」/
5-8.交響曲 第33番 変ロ長調 K319/
9-11.交響曲 第27番 ト長調 K199/K161b/
<CD9 原盤…8.550164>
1-4.交響曲 第40番 ト短調 K550/
5-8.交響曲 第28番 ハ長調 K200/
9-11.交響曲 第31番 ニ長 K297「パリ」/
<CD10 原盤…8.550119>
1-3.交響曲 第38番 ニ長調 K504「プラハ」/
4-7.交響曲 第29番 イ長調 K201/
8-11.交響曲 第30番 ニ長調 K202/
<CD11 原盤…8.550186>
1-3.交響曲 第34番 ハ長調 K338/
4-7.交響曲 第35番 ニ長調 K385「ハフナー」/
8-11.交響曲 第39番 変ホ長 K543 |
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ノーザン室内管弦楽団…CD1-6/
ニコラス・ウォード(指揮)…CD1-6/
カペラ・イストロポリターナ…CD7-11/
バリー・ワーズワース(指揮)…CD7-11 |
録音 1988-1994年
安心して聴くことができるNAXOSのモーツァルト交響曲全集。基本とつぼを押さえた名演です。 |