ザンクトガレン・バッハ財団/バッハ・カンタータ全集
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ザンクトガレン・バッハ財団のバッハ・カンタータ全集始動!
バッハのカンタータ全曲演奏という偉業・・・
1984年にヘルムート・リリンクによって一人の指揮者によるバッハの教会カンタータ全曲録音が完成されて以来、多くの人たちがこの偉業に挑んでいます。その中には、めでたく完成を迎えたものもあり、この宝石のような名作たちが全集という形で、比較的容易に聴けるようになりました。そんなところに、最近になって今までにないような手法で、教会カンタータのみならず、バッハの声楽作品をすべて録音しようという人が現れました。
それは、スイスのバーゼル・スコラ・カントルムで教鞭を取っているオルガンの即興演奏のオーソリティ、ルドルフ・ルッツです。
彼は、1999年に、さる実業家と協力して「ザンクトガレン・バッハ財団」という個人的な財団を創設し、様々な準備を経て、2006年から毎月1回のペースで、まずは教会カンタータを教会で演奏、それをDVDとCDで販売しつつ、全曲演奏を目指すというプロジェクトをスタートさせました。現在までにおよそ三分の一のカンタータが演奏されていますから、全曲を演奏し終わるまでにはあと10年以上はかかることでしょう。
このコンサート、、始まる前に指揮者が聴衆と一緒にそこで演奏されるカンタータのコラールを歌ったり、様々な分野のゲストによるそのカンタータにちなんだトークを挟んで、全曲を2回演奏するというユニークなものです。この「参加型」のコンサートはかなりの反響を呼んでいるそうです。
この模様は、実は映像(DVD)の形で市販されているのですが、残念ながらPAL仕様のみ。日本の従来の機材では再生できないのが残念なところです。
そこで日本ではCDのみの販売となりますが、これだけでも、その生き生きとした演奏風景が伝わる貴重なものであることは間違いありません。
ソリストも、当代最高の歌手たちを揃えています。その中には最近注目を浴びているヌリア・リアルや櫻田亮氏の名前も。
心穏やかに、気長に見守りたいプロジェクトの登場です。
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A909CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第1集
1-8.天の王よ、よくぞ来ませり BWV182/
9-15.イエス眠りたまえば、われ何に頼るべきや
BWV81/
16-20.わが神なる主はたたえられん BWV129 |
ウルリケ・ホーフボイアー(ソプラノ)…16-20/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…1-8.16-20/
ロースヴイータ・ミュラー(アルト)…9-15/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-15/
ラファエル・ユード(バス)…1-8/
ヴォルフ・マティアス・フリードリッヒ(バス)…9-15/
クラウス・ヘーガー(バス)…16-20/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…9-15・ハープシコード…16-20) |
録音 2007年3月30日…1-8, 2008年1月18日…9-15,
2008年5月16日…16-20
第182番は「枝の主日」または「受胎告知」の祭日用のカンタータ。人々が棕櫚の枝を手に持ってイエスを歓迎したといわれる喜びの日を描いた力強い作品です。第81番は「公現後第4主日」用のカンタータ。船の上で眠るイエスの姿と、荒れ狂う波におののく弟子たちを描いた劇的な音楽です。
第129番は「三位一体の祝日」用。「父なる神」「子なるキリスト」「聖霊」は3つでありながら一つであるという教義に基づいた荘厳で美しい音楽です。3つのアリアを合唱ではさむという独特の形式で書かれています。 |
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A910CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第2集
1-5.イエスは十二使徒をひきよせたまえり
BWV22/
6-10.おお永遠よ、汝恐ろしき言葉 BWV60/
11-15.おお永遠の炎、おお愛のみなもと BWV34 |
ミリアム・フォイアージンガー(ソプラノ)…6-10/
マルクス・フォルスター(アルト)…1-5/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…6-10/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…11-15/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…1-5/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…6-10/
イェンス・ヴェーヴァー(テノール)…11-15/
エッケハルト・アベーレ(バス)…1-5/
マルクス・フォルペルト(バス)…6-10/
ファブリス・ハヨツ(バス)…11-15/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…1-5・オルガン…6-10) |
録音 2010年2月19日, 2006年11月24日, 2009年5月29日
第22番は「四旬節」の主日用。ルカ福音書第18章の31節-43節を使い、エルサレムを目前にしてイエスが十二使徒に受難を預言する場面が描かれています。キリストの言葉を理解できずに苦しむ人のために十字架に対する信仰の思いが歌われます。
第60番は「三位一体後第24主日」用のカンタータ。死を前に、擬人化された「恐れ」と「希望」が対話するという物語が描かれています。曲の最後には平安がやってくるところが感動的です。
第34番は「聖霊降臨祭」用のカンタータ。名作中の名作とされます。バッハ晩年の作品ですが、実はそれ以前の結婚カンタータから素材が取られています。華やかな楽想が魅力的なカンタータです。 |
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A911CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第3集
1-6.道を備えよ BWV132/
7-13.心も魂も乱れはて BWV35/
14-19.暁の星のいと美しきかな BWV1 |
エヴァ・オルティヴァルニ(ソプラノ)…1-6.14-19/
マルクス・フォスター(アルト)…1-6/
クラウデ・アイヒェンベルガー(アルト)…7-13/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-6/
櫻田亮(テノール)…14-19/
ヴォルフ・マティアス・フリードリヒ(バス)…1-6/
マヌエル・バルサー(バス)/
ノルベルト・ツァイベルガー(オルガン)…7-13/
バッハ財団合唱団…14-19/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…1-6) |
録音 2006年12月22日…1-6, 2009年8月28日…7-13,
2010年3月26日…14-19
第132番は「待降節第4主日」用のカンタータ。イエスの誕生を待ち望む期待に満ちた音楽で、通常合唱のコラールで始められるところ、この曲は突然ソプラノの美しいアリアで幕を開けるというユニークな形です。
第35番は「三位一体後第12主日」用のカンタータで、アルトのためのソロ・カンタータ。合唱なしのシンプルな編成ですが、作品は2部に分かれた堂々としたものです。
第1番は演奏の機会も比較的多い名作。こちらも「受胎告知の祭日」用の曲で、全体的に穏やかで清冽な雰囲気を持つ作品です。ここでは、日本のテノール、櫻田亮が輝かしい声を聞かせています。 |
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A912CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第4集
1-7.わが魂なるイエスよ BWV78/
8-11.いざ、ついに抗すべし BWV54/
12-18.キリスト者よ、この日を銘記せよ BWV63 |
ユリア・ノイマン(ソプラノ)…1-7/
エヴァ・オルティヴァルニ(ソプラノ)…12-18/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…1-7/
マルクス・フォルスター(アルト)…7-13/
ヤン・ベルナー(アルト)…12-18/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-7/
ユリウス・プファイファー(テノール)…12-18/
マルクス・フォルペルト(バス)…1-7.12-18/
バッハ財団合唱団…1-7/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&オルガン…8-11) |
録音 2008年8月22日…1-7, 2008年3月14日…8-11,
2008年12月19日…12-18
第78番は「三位一体後第14主日」用のカンタータ。普遍的な神への信頼を描き、完成度の高い音楽に満たされています。第54番はアルトのソロ・カンタータ。本来はアリアとレチタティーヴォ、アリアの3曲ですが、ここでは曲の末尾にマルティン・ヤンのコラール「jesum
nur will ich liebhaben」が付されています。用途ははっきりわかっていません。
第63番は降誕祭第1日用。祝典的な雰囲気を持つ両端の合唱にはさまれたアリアは、思いのほか静かな曲です。 |
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A913CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第5集
1-7.おお愛する魂よ、汝を飾れ BWV180/
8-14.されど同じ安息日の夕べに BWV42/
15-17.いと高きにある神に栄光あれ BWV191 |
マリア・クリスティーナ・キール(ソプラノ)…1-7/
ウルリケ・ホーフボイアー(ソプラノ)…8-14/
ゲルリンデ・ゼーマン(ソプラノ)…15-17/
ヤン・ブレーナー(アルト)…1-7/
イレーネ・フリードリ(アルト)…8-14/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-7/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…8-14/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…15-17/
ファブリス・ハヨツ(バス)…1-7/
マルクス・フォルペルト(バス)…8-14/
バッハ財団合唱団…1-7.15-17/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…8-14) |
録音 2009年10月23日…1-7, 2009年4月17日…8-14,
2009年12月18日…191
第180番は「三位一体後第20主日」用のカンタータ。パンとぶどう酒をいただくことによって永遠の命を授かるという喜びが歌われます。喜びに溢れた作品です。マリア・クリスティーナ・キールがソロを歌っています。
第42番は「復活後第1主日」用のカンタータ。第1曲目が合奏協奏曲の形式で書かれていることで知られています。
第191番は「降誕祭第1日」用。歌詞はラテン語で、曲自体は「ロ短調ミサ曲」からの転用です。終曲は、あのロ短調ミサ曲の第1部の最後の曲の縮小版のような風情を持ち、とても感動的な締めくくりとなります。 |
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A997CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第6集
1-7.目覚めよと呼ぶ声あり BWV140/
8-15.その人は幸いなり BWV57/
16-20.主よ、汝の御心のままにわれはあらん
BWV73 |
ヌリア・リアル(ソプラノ)…1-7/
ユリア・ノイマン(ソプラノ)…8-15/
スザンヌ・フライ(ソプラノ)…16-20/
アントニア・フライ(アルト)…8-15/
ベルンハルト・ベルヒトールト(テノール)…1-7/
ニコラス・サヴォイ(テノール)…8-15/
櫻田亮(テノール)…16-20/
マルクス・フォルペルト(バス)…1-7.16-20/
エッケハルト・エーベル(バス)…8-15/
バッハ財団合唱団…・1-7/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…8-15) |
録音 2008年11月21日…1-7, 2010年12月17日…8-15,
2011年1月21日…16-20
バッハのカンタータの中でも1,2位を争う人気を誇る第140番は「三位一体後第27主日」用のもの。コラール・カンタータと呼ばれる形式であり、ここで用いられているコラールはフィリップ・ニコライ作のもの。輝かしく美しいメロディです。アリアを歌うのは最近注目のソプラノ、ヌリア・リアル。第57番は「降誕祭第2日目」用のカンタータ。タイトルの「その人」とは「試練に耐える人」を意味しています。この日は殉教者聖ステファノの祝日であり、バッハはそれを鑑みてか、この曲に悲痛なアリアを加えました。第73番は「公現後第3主日」用のカンタータ。地味ながらしっとりとした美しさ溢れる音楽です。 |
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B033CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第7集
1-6.深き苦しみの淵より、われ汝を呼ぶ BWV38/
7-11.見よ、われらはエルサレムにのぼる BWV159/
12-17.自らの神によれる者は幸いなり BWV139 |
グーロ・ヒエムリ(ソプラノ)…1-11/
ミリヤム・ベルリ(ソプラノ)…7-11/
スザンネ・フライ(ソプラノ)…7-117/
ダマリス・ヌシュバウマー(ソプラノ)…7-11/
ルート・ザントホフ(アルト)…1-6/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)…7-11/
アントニア・フレイ(アルト)…12-17/
ヨハネス・カレシュケ(テノール)…1-6.12-17/
ニコラス・サヴォイ(テノール)…7-11/
クラウス・メルテンス(バス)…7-11/
エッケハルト・エーベル(バス)…12-17/
バッハ財団合唱団…1-6.12-17/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮&チェンバロ…12-17) |
録音 2007年10月26日…1-8, 2012年2月17日…7-11,
2008年10月24日…12-17
第38番は「三位一体後第21主日」用のカンタータ。マルティン・ルターのコラール「主よ深きふちの底より」が使われています。冒頭の半音階を駆使した不安定なハーモニーが印象的です。第159番は「五旬節の主日」用。こちらも不安げなアリオーソで始まるもの。
第2曲では良く知られたコラールのメロディが登場します。第139番は「三位一体後第23主日」用のカンタータ。この世における権力と、天の権力の違いを現し、正しい信仰を捧げようと呼びかけられます。 |
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B106CD
\2700→\2490 |
J.S.バッハ:カンタータ集 第8集
1-7.われらの主キリスト、ヨルダン川に来たれり
BWV7/
8-12.天より雨と雪の降る如く BWV18/
13-19.汝何を悲しまんとするや BWV107 |
ヌリア・リアル(ソプラノ)…8-12/
ユリア・ドイル(ソプラノ)…13-19/
アレックス・ポーター(アルト)…1-7/
ユリウス・プファイファー(テノール)…1-7/
櫻田亮(テノール)…8-19/
ドミニク・ヴェルナー(バス)…1-12/
マティアス・フリードリヒ(バス)…13-19/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮) |
録音 2012年6月22日…1-7, 2009年2月13日…8-12,
2012年3月16日…13-19
第7番は「洗礼者聖ヨハネの誕生の祭日」用のカンタータ。こちらもコラール・カンタータで、やはりマルティン・ルターのコラールが使われています。洗礼についての神秘が語られます。
第18番は「四旬節第2主日」用。シンフォニアで始まるバッハの初期の作品です。小さな曲ですが、1曲だけあるソプラノのアリアがとても美しいのです。
第107番は「三位一体後第7主日」用のカンタータ。自らの信仰にを疑い、揺れ動くキリスト者に対して、キリストによる確信に満ちた説得が描かれています。 |
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B006CD
(3CD)
\5300→\4790 |
J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
<CD1>1-29.第1部/
<CD2>1-23.第2部/
<CD3>1-16.第2部 続き |
福音史家/テノール…チャールズ・ダニエルズ(テノール)/
イエス…ピーター・ハーヴェイ(バリトン)/
ジョアン・ラン(ソプラノ)/
マーゴット・オイツィンガー(アルト)/
ヴォルフ・マティアス・フリードリッヒ(バス)/
バッハ財団合唱団/
バッハ財団管弦楽団/
ルドルフ・ルッツ(指揮) |
録音 2012年 スタジオ録音
カンタータを演奏してきたメンバーが集まって、スタジオで録音されたのがこのCDです。ソリスト、合唱団、オーケストラのいずれもが、この毎月のコンサートを続けてきている間に、まさに指揮者のルッツの「楽器」として成熟していたことは、この長大な作品の隅々までに、ルッツの目指す音楽が浸透していることでもわかります。
彼の音楽の本質はなんと言っても即興演奏、エヴァンゲリストのレシタティーヴォをサポートするチェンバロが、とても自由な即興を聴かせてくれている(コラールの間奏にチェンバロ・ソロ、などという場面も!)といったように、演奏家たちはあくまで伸び伸びとしたプレイを披露してくれています。それが、今までのピリオド楽器とは一味違う暖かいサウンドの上に作り上げられているのですから、たまりません。
これまでのどんな演奏とも違う、刺激的な上に極上の肌触りを持つ「マタイ」、いつの間にかこんな素晴らしいものが聴ける時代になっていました。 |