NAXOS
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8.559745
\1100 |
スーザ:吹奏楽のための作品集 第15集
1.魅惑の王子(1928)/2.ドナウ渡河 Op.36(1877)/
3.バンド・ケイム・バック(H.クラーク編)(1895/1926)/
4.マグナ・カルタ(1927)/
5.クリスと不思議なランプ:第2幕-エレクトリック・バレエ(1899)/
6.リージョナーズ(1930)/
7.ショパン:夜想曲第11番 ト短調 Op.37-1(J.P.スーザ編)/
8.ヴォランティアたち(1918)/
9.喜歌劇「デジレ」(抜粋)(1884/1894)/
10.ご婦人方のお気に入り(1883)/
11.グライディング・ガール-タンゴ(1912)/
12.ベン・ボルト(1883)/
13.ヨークタウン100周年祝祭行進曲(1881)
K.ブライオンによる吹奏楽編…2.5.7.8.9.10.12.13/
H.クラーク,K.ブライオンによる吹奏楽編…3/
L. シッセルによる吹奏楽編…11/
3.5.7.9…世界初録音 |
オランダ王立海軍軍楽隊/
キース・ブライオン(指揮) |
“マーチ王”フィリップ・スーザ(1854-1932)の膨大な作品をくまなく録音している指揮者ブライオンによる第15集のアルバムはオランダ王立海軍軍楽隊を率いての演奏です。今作にも世界初録音の曲が含まれるなど、ファンにとっても嬉しいものとなっています。20世紀末前後のアメリカで、驚くべき人気を得たスーザ・バンドは7年間で3500回ものコンサートをこなしながら常にレパートリーを拡大し、また楽器編成もハープを加えるなど多彩なものとなっていきます。時には社会情勢を反映し、時々のエピソードも盛り込みながら書かれた行進曲やオペレッタは実にユニークで洗練されたものであり、こんなことまで題材にするのかと驚いてしまうのではないでしょうか?
トラック7の「ショパンの夜想曲」の吹奏楽版の編曲では、舞台裏に金管楽器を配置し、夢のような響きを紡ぎだしていますし、収録曲の中で一番長い(13分を越える)トラック3の「バンド・ケイム・バック」には「幻想的エピソード」の副題がつけられていて、途中には聞き覚えのあるメロディがいくつも聞こえてくるなど凝った作りになっています。
この大人気シリーズも、残り1作を数えるのみになりました。ぜひお楽しみください。 |
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8.559773
\1100 |
ジョン・ケージ:フルート作品全集 第1集
1.龍安寺(フルート、打楽器とテープ版)(1894)/
2.Two(1987)/
3-5.フルー二重奏のための3つの小品(1935)
<第1番:Allegro giocoso/第2番:Andante
cantabile/
第3番:Grave adagio>/
6. 2人のための音楽
(K.ゼンツ編曲によるフルートとピアノ版)(1984/1987)
※6…世界初録音 |
カトリーン・ゼンツ(フルート)/
ウーヴェ・グロット(フルート)…3-5/
マキシム・マンコフスキ(パーカッション)/
ルドヴィク・フリショー(ピアノ)…2/
シャラ・イアコビドウ(ピアノ)…6 |
録音 2013年3月26日,5月8.9日 ギリシャ アテネ,オナシス・カルチャー・センター
東洋思想を愛し、沈黙を考察し、内なる響きに耳を傾けた人、ジョン・ケージ(1912-1992)。彼の飽くなき探究心から生まれた特異な「音楽」は、21世紀の現在でも論争を巻き起こし、また彼に追随する人も後を絶ちません。
彼の“音の出る”代表作の一つ「龍安寺」は、切り詰めた音の隙間から感じられる無限の空間と、極限の禅の精神を具現化したものとされるもので、ここからは実際の砂の流れを感じるもよし、人生の侘び寂びを感じるもよしと、それぞれの捉え方ができる作品です。
ナンバー・ピースと呼ばれる作品群ははたくさんのヴァリエーションがあり、このフルートとピアノ版の「TWO」が記念すべき第1作となったものです。
3つの音だけで構成されたフルートパートと、シンプルな和音を置いていくピアノパートが幽玄な世界を描き出します。初期の作品である「3つの小品」はケージらしからぬ旋律的な作品。2人のための音楽は、「Music
for …」のシリーズの中の一作品。スコアはなく、音声や楽器のための17の部分から構成されており、各部は沈黙と静寂が支配するという観念的な作品です。このような作品は、理解するのではなく感じるものなのかもしれません。 |
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8.559788
\1100 |
ウィリアム・ボルコム:ロルカの歌/プロメテウス
1-9.ロルカの歌(2006)
<序曲:釣り合い/間奏曲 1/不実な主婦/
夜明け/サンティアゴの月の踊り/
木々/甘き哀しみのソネット/
間奏曲 2:ニューヨークでの詩/
ハヴァナに到着の詩>/
10.プロメテウス(2009) |
ルネ・バーベラ(テノール)…1.3-7.9/
ジェフリー・ビーゲル(ピアノ)…10/
パシフィック・コラール…10/
パシフィック交響楽団/
カール・セント・クレア(指揮) |
録音 2013年10月24-26日…1-9, 2010年11月18-20日…10
USA カリフォルニア,コスタ・メサ ルネ・ヘンリー・セーゲルストローム・コンサート・ホール
ピューリッツァー賞と複数のグラミー賞を受賞したアメリカの作曲家、ウィリアム・ボルコム(1938-)はラグタイムをはじめとした親しみやすい音楽を多く書いています。
しかし彼は音楽学者でもあり、またクラシック音楽の作曲家としても高名であり、例えば「ゴスペル・プレリュード」(8.559695)や2台ピアノのための音楽集(8.559244)などでの豊かな音楽は確かにジャンルを越えて愛されるものなのです。とは言え、ここでのボルコムは極めてシリアスな表情を見せています。
日本でも人気の高いスペインの詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカの作品は多くの芸術家に広範に渡ってインスピレーションを与えていますが、ボルコムはロルカの詩を音楽にするにあたって、名歌手プラシド・ドミンゴに協力を求め、議論を重ね、最もふさわしいと思える音楽をつけたと言います。
シュールなユーモア、情熱とミステリー。これらが渾然一体となった印象的な歌曲集です。また古代の伝説から題材を得た「プロメテウス」はベートーヴェンの「合唱幻想曲」を思わせるピアノ、合唱、オーケストラのための作品です。
人類に火を与えたため、ゼウスから限りない苦悩を与えられたプロメテウスを描いたというこの作品には、様々な示唆が込められているのです。
<ボルコムといえば>
グラミー賞「最優秀クラシック・アルバム」3部門受賞
ボルコム:「無垢と経験の歌」
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8.573256
\1100 |
ボニファツィオ・グラツィアーニ:オラトリオ「アダエ(アダム)」/「放蕩息子」他
1.モテット集 Op.24 - おお、奇跡よ/
2.モテット集 第6巻 Op.20 - 幸いなるかな、心清き者/
3.サクラ・カンティオーネス 第6巻 Op.19
-
子らよ、私に聞き従え/
4.モテット集 Op.24 - 誰がわが頭を濡らすか/
5.モテット集 Op.1 - 何という感じがするのだろう/
6.オラトリオ「アダエ(アダム)」第1部/
7.オラトリオ「アダエ(アダム)」第2部/
8.オラトリオ「放蕩息子」第1部/
9.オラトリオ「放蕩息子」第2部 ※世界初録音 |
コンソルティウム・カリッシミ(アンサンブル)/
ギャリック・コモー(指揮) |
録音 2014年7月21-25日 アメリカ ミネソタ州
シャコピー,Church of Saint Mary of the Purifi
cation
17世紀頃、ローマ・カトリックの教会では毎週新しい典礼音楽が演奏されていました。いくつかの声部と楽器を伴う曲は、複雑な書法で書かれ、演奏もかなり困難なものであったことは間違いありません。そのため、これらを演奏するための練習用として小規模なモテットが多く書かれたのです。
グラツィアーニ(1604-1674)はミラノで生まれた作曲家で、1646年にイエズス会の母体ジェス教会の関連教会セミナリオ・ロマーノの楽長に就任、オルガンを弾きながら合唱団を指揮、多くの作品を書き残しました。
彼の作品は、同時期に活躍したカリッシミのものと似ていますが、それはグラツィアーニが5歳のときに、カリッシミの住むマリーノに移住したことも影響しているかもしれません(2000人ほどの小さな町の同年代の音楽を志す少年たちは、恐らくお互いに影響しあったことでしょう)。
このアルバムでは、前述のような小さなモテットと、これまで存在が確認されていなかった2つのオラトリオを聴くことができます。
コンソルティウム・カリッシミによる、この「隠れたバロック作曲家」の演奏は、この時代の音楽を愛する人にとってまたとない贈り物になることは間違いありません。 |
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8.573324
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ヴィヴァルディ:宗教音楽全集 第4集
1-4.怒り狂う海の中で RV 627/
5.イスラエルの民エジプトをいで RV 604/
6-10.あなた方の聖なる君主のために RV 633/
11.主をほめ讃えよ RV 606/
12-15.不屈の者たちよ、戦え RV 628/
16.われ喜びに満てり RV 607/
17-20.おお、天にても地にても清きもの RV
631 |
クレール・セヴィーニェ(ソプラノ)…1-4.17-20/
マリア・ソウリス(メゾ・ソプラノ)…6-10.12-15/
アラディア・アンサンブル/
ケヴィン・マロン(指揮) |
録音 2014年4月28-30日 カナダ トロント,聖アン・アングリカン教会
ヴェネツィアで生まれ、ウィーンで没したバロック時代の大作曲家ヴィヴァルディ(1678-1741)。多くの人はヴァイオリン協奏曲「四季」を書いた人として認識しているでしょうが、実は膨大な数の作品を残しているのです。
それは500を越える協奏曲、歌劇は52作を以上、他にもたくさんの室内楽曲やソナタがあり、そしてとりわけ重要なのがオラトリオや40曲ほどのカンタータなどの宗教作品です。これらの宗教曲のほとんどは、彼が司祭を務めていたヴェネツィアのピエタ慈善院付属音楽院のために書かれたものとされていますが、高いテクニックを必要とする声楽パートは、当時の女性歌手がすばらしい技術を持っていたことの証明でもあります。
宗教曲の体裁をとりながらも、実際はまるでオペラのアリアのように表現力を駆使した華麗な作品は、現在でも歌いこなすには大変なことであり、広い声域とメリスマ(歌詞の母音に多くの装飾的な音符を当てはめて歌わせる作曲技法。オペラでは「コロラトゥーラ」とも呼ばれる)を歌いこなす技術を持った歌手でないと完璧な演奏にはなりません。
この鮮やかで劇的な音楽は、教会の中だけでなく広く聴かれるべきものでしょう。 |
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8.573339
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ヴュータン:ヴァイオリン作品集
1-6.独奏ヴァイオリンのための36の練習曲
Op.48(抜粋)
<第6番:物語:アレグレット・モデラート/
第7番:苦痛:アジタート/
第25番:タランテッラ:ヴィヴァーチェ/
第27番:アジタート/第28番:モデラート/
第32番:コレッリのガヴォットによる変奏曲:モデラート>/
4-12. 6つの小品 Op.55
<第1番:アンダンテ/第2番:モデラート/第3番:前奏曲/
第4番:テンポ・ディ・メヌエット/第5番:アンダンテ/
第6番:序奏とフーガ>/
13. 3つのサロン風小品 Op.32 -
第3番 狩り(ヴァイオリン・ソロ版)/
14-19.演奏会用練習曲 Op.16
<第1番:アレグロ・モデラート/第2番:モデラート-グラツィオーソ/
第3番:アレグレット/
第4番:アレグロ・マ・ノン・トロッポ/
第5番:アダージョ・マ・ノン・トロッポ/
第6番:アダージョ-アレグレット> |
レート・クッペル(ヴァイオリン) |
録音 2014年3月1日…1-6, 2014年4月7日…7-12,
2014年7月24日…13-19 ドイツ ライプツィヒ,ベザニエン教会
ベルギーのヴァイオリニスト、作曲家アンリ・ヴュータン(1820-1881)は、ピエール・ローデ、シャルル・ド・ベリオといったフランスのヴァイオリン音楽の潮流を受け継ぐ名手として知られています。
彼の師のベリオと同じく、主としてヴァイオリンのための作品を残し(弦楽四重奏曲なども存在する)中でも7曲のヴァイオリン協奏曲は、独創的な作風が現在でも愛されています。
このアルバムに収録されているのは、技術を磨くための練習曲が中心ではありますが、これらは単なるテクニックの上達を目指すのではなく、高い音楽性と表現力を養うためのものでもあることは間違いありません。
Op.48の練習曲はパリ音楽院に献呈されていて、彼自身の手引きの言葉が添えられています。1845年に書かれたOp.16の練習曲は若書きの作品であり、作曲技法を磨こうとするヴュータンの努力のあとも垣間見える力作と言えるでしょう。
それに比べ、死後に出版されたOp.55の6つの小品は彼のキャリアの最終段階の円熟を示すもので、まさに「バッハへのオマージュ」とも呼べる高い完成度を誇っています。
緊張感漲るヴァイオリンを演奏するのは、1997年から2013年までバイエルン放送交響楽団のコンサートマスターを務めたドイツの名手クッペルです。 |
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8.573404
\1100 |
ユゼフ・ヴィエニャフスキ:ヴァイオリンとピアノのための作品集
1-4.ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 Op.24(1866頃)
<第1楽章:Allegro con anima/第2楽章:Andante
religioso/
第3楽章:スケルツォ:Allegro molto
vivace e giojoso/
第4楽章:Allegro appassionato, ma non
troppo presto>/
5.ユゼフ・ヴィエニャフスキ&ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835-1880):
ソナタのアレグロ ト短調 Op.2(1848)/
6.ユゼフ&ヘンリク・ヴィエニャフスキ:
ポーランド風大二重奏曲 ト長調 Op.8(1853) |
リフ・ミグダル(ヴァイオリン)/
マリアン・ミグダル(ピアノ) |
録音 2014年10月8-10日 ドイツ オスナブリュック,ファットーリア・ムジカ・レコーディング・スタジオ
ポーランドが生んだ名ヴァイオリニスト、ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1837-1912)は作曲家としても数々の名作を残しましたが、彼の弟ユゼフもまた優れた音楽家として当時の音楽界に足跡を残しました。
彼はヴァイオリンではなくピアノを選択し、活動の初期は兄ヘンリクとともに演奏活動をしていましたが、やがて独立。ヴィルトゥオーゾとしてヨーロッパを演奏旅行し、自作のほか、数多くの協奏曲、独奏曲を演奏したのです。
フランツ・リストによれば、難曲として知られるショパンの練習曲全曲の初の公開演奏をしたとされていて、このエピソードだけでも彼がどれほどまでに、先進的なピアニストであったかを伺い知ることができるのではないでしょうか。
このアルバムには、彼自身のヴァイオリン・ソナタと兄ヘンリクとの共作である2つの小品(アレグロはユゼフ11歳のときの作品)が収録されています。
メインのソナタは、冒頭からキャッチーなメロディが炸裂。凝ったピアノ・パートと華やかなヴァイオリン・パートが互いに高めあうかのような充実した作品となっています。 |
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8.573416
\1100 |
アルフレッド・ヒル(1869-1960):弦楽四重奏曲集
第6集 第15番-第17番
1-4.弦楽四重奏曲 第15番 イ短調(1937)
<第1楽章:Adagio - Allegro con spirito/
第2楽章:Canzona/第3楽章:Serenade/
第4楽章:Finale: Allegretto>/
5-8.弦楽四重奏曲 第16番 変ロ長調 「ケルティック」(1938)
<第1楽章:Adagio - Allegretto/
第2楽章:Shule Agra: Adagio/第3楽章:Jig/
第4楽章:Finale: Adagio - Allegretto>/
9-11.弦楽四重奏曲 第17番 ハ長調(1938)
<第1楽章:Adagio - Allegro/
第2楽章:Introduction and Serenade/第3楽章:Finale> |
ドミニオン弦楽四重奏団
<メンバー:
ユーリ・ゲゼンツヴェイ(第1ヴァイオリン)/
ローズマリー・ハリス(第2ヴァイオリン)/
ドナルド・モーリス(ヴィオラ)/
デイヴィッド・チッケリング(チェロ)> |
録音 2014年5月5-6日,9月1日 ニュージーランド
ウェリントン,パーク・ロード・ポスト
オーストラリアが生んだ作曲家アルフレッド・ヒル(1869-1960)。彼の17曲ある弦楽四重奏曲の全曲録音ツィクルスは、このアルバムが最終巻となります。
彼は2歳から17歳までニュージーランドで過ごし、その後はライプツィヒに留学、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキーら当時の音楽を吸収しました。彼はここでピアノとヴァイオリンを学び権威ある「ヘルビッヒ賞」を獲得、またオーストラリアに戻り、ニュージーランドを行き来しながら、ヨーロッパの伝統と、この地の音楽の融合を図り、時にはマオリの民謡を取り入れながら、数多くの作品を生み出したのです。
このアルバムには第15番から第17番の3つの作品が収録されています。彼が探求したものが表出された作品群で、民俗的な要素が含まれる(シューベルト風でもある)第15番、タイトル通り「ケルト民謡」が使われた第16番(とりわけ終楽章が素晴らしい)、全体的に陰鬱な雰囲気に彩られながらも、終楽章でドヴォルザークを引用するという第17番。歴史に取り残された秀作がここにあります。 |
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8.573506
\1100 |
期待の新進演奏家シリーズ/アリ・アランゴ
ギター・リサイタル
1-3.レオ・ブローウェル(1939-):
儀式と祝祭の舞曲集 第1集(2012-2014)/
4-6.ブローウェル:黒いデカメロン(1981)/
7.ホアキン・クレルチ(1965-):
アヌラールのための練習曲 第4番(2015)/
8-9.デヴィッド・デル・プエルト(194-):幻想曲とロンド(2013)/
10.アリ・アランゴ(1982-):生け贄(2011)/
11.アランゴ:アイソクロナスの直方体とパナクロのらせん(2008)/
12.アランゴ:春分の情景(2006)/
13.アランゴ:ルーアの子守歌(2014)/
14.パコ・デ・ルシア(1947-2014):ルシアのグァヒーラ(1969)
※1-3.7.8-9.10.11.12.13・・・世界初録音 |
アリ・アランゴ(ギター) |
録音 2015年7月5.6日 カナダ オンタリオ,聖ジョン・クリソストム教会
1982年、キューバの首都ハバナで生まれたギタリスト、アリ・アランゴは2014年のアルハンブラ国際ギターコンクールをはじめとした数々のコンクールで入賞しています。
また彼はすでに優れた作曲家として活動し、スペインやラテンアメリカの伝統とイディオムを継承する作品をいくつも発表しています。もともと20世紀に活躍したギタリストたちは、同時にこの楽器そのものを熟知している作曲家でした。そこで自身で演奏するために高い技術を駆使した作品を書きあげ、ギター音楽の発展に寄与してきたのです。
ここでのアランゴはまさにギターと一体になったかのような見事な音楽を聴かせています。それはブローウェルの作品であれ、パコ・デ・ルシアの作品であれ、また彼の娘ルーアのために書いた子守歌であれ、どの曲にも渾身の愛情を込めているのです。時には激しく、時にはまるで愛しい人を愛撫するように、彼の手はギターをかき鳴らします。 |
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8.660372
(2CD)
\2200 |
知られざる傑作オペラ
1810年、ヴェネツィアで大ヒットしたという
ピエトロ・ジェネラーリ:1幕のメロドラマ「アデリーナ」
ガエターノ・ロッシ台本, マリア・キアーラ・ペルティエリによる新版/
※世界初録音 |
アデリーナ…
ドウシツァ・ビジェリク(ソプラノ)/
ヴァルナー:アデリーナの父…
ガブリエーレ・ナーニ(バリトン)/
エルネヴィッレ:アデリーナの恋人…
グスターヴォ・クァレスマ・ラモス(テノール)/
カルロッタ:アデリーナの姉…
シルヴィア・ベルトラーミ(メゾ・ソプラノ)/
シモン:隣人で村の教師…
エリアー・ムニョス(バリトン)/
フィルミーノ:エルネヴィッレの使用人…
ウーゴ・ラベック(バス)/
エリセオ・カストリナーニョ…フォルテピアノ/
ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/
ジョヴァンニ・バッティスタ・リゴン(指揮) |
録音 2010年7月14.16.24日 ドイツ、バード・ヴィルトバード、ケーニヒライヒェ保養地劇場(ヴィルトバード,ロッシーニ音楽祭のプロダクションによる演奏)
歴史に埋もれていた名作を蘇演することで知られるヴィルトバードの「ロッシーニ音楽祭」のプロジェクトです。
ロッシーニがオペラ作曲家として正式にデビューを飾った1810年、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場の秋のシーズンで大ヒットを記録したのが、このジェネラーリ(1773-1832)の「アデリーナ」でした。当時のイタリアでは1幕物のファルサ(笑劇…1幕の楽しい内容を持つオペラ)が流行していましたが、この「アデリーナ」は少々センチメンタルな内容を持つため「メロドラマ」に分類されています。
恋人に捨てられ妊娠している少女というだけで、確かに深刻な内容になることは想像に難くありません。
最初のうちは、彼女の父はアデリーナを赦す事はないように思えましたが、姉や教師らのおかげで、恋人であるエルネヴィッレとやり直すことにし、生まれてきた子供も含めて、全てが丸く収まるというひたすら優しい結末の物語です。
もし、最後がハッピーエンドで終わらなかったとしても、それはそれで素晴らしいものなっていそうなオペラです。 |