≪第89号アリアCD新譜紹介コーナー≫
その6 2016/10/11〜
10/14(金)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
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ACCENTUS MUSIC
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若手実力派の一人リープライヒ
20世紀ポーランド音楽シリーズ第3弾
チェロはゴーチエ・カプソン
(1)シマノフスキ:演奏会用序曲Op.12
(2)ルトスワフスキ:チェロ協奏曲 (1969/70)
(3)同:交響曲第4番 (1988/92) |
ゴーチエ・カプソン(チェロ)(2)
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
ポーランド国立放送交響楽団 |
充実のリープライヒとポーランド国立放送響の20世紀ポーランド音楽シリーズ第3弾
録音:2016年1月27-29日、6月28-30日/カトヴィツェ音楽アカデミー・カロル・シマノフスキ音楽ホール/59’
33”
アレクサンダー・リープライヒの20 世紀ポーランド音楽シリーズ第3
弾はルトスワフスキとシマノフスキ。シマノフスキの演奏会用序曲は1904
年、22 歳の作で初のオーケストラ曲。その後何度も改訂されましたが、リヒャルト・シュトラウスの影響が濃く、シマノフスキ特有のひんやりとした美感には欠けるものの、エネルギッシュで聴き応え満点。
ルトスワフスキのチェロ協奏曲は1970 年の作で、ロストロポーヴィチの希望で書かれました。現代的な作風ながら、チェロ独奏がオーケストラという権力に立ち向かい、攻撃される様を魔術のように描きます。
ゴーチエ・カプソンが超絶的テクニックで大太刀まわりを演じます。最晩年の交響曲第4
番は不思議な透明感と枯淡の境地を味わえます。
リープライヒのポーランド音楽第1巻、第2巻 |
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快刀乱麻、リープライヒのポーランド音楽
(1)ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲
(1954)
(2)シマノフスキ(フィテルベルク編):カスプロヴィチの詩による3つの断章OP.5 |
エヴァ・ポドレシュ(コントラルト)
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
ポーランド国立放送交響楽団 |
録音:2014 年6 月25-28 日/カトヴィツェ音楽アカデミー・カロル・シマノフスキ音楽ホール/46’56”
今もっとも注目される指揮者のひとりアレクサンダー・リープライヒ。1968
年レーゲンスブルク生まれ、アバドとギーレンの薫陶を受け、NHK
交響楽団や紀尾井シンフォニエッタにも客演しています。2012
年からは、外国人としては初めてポーランド国立放送交響楽団の首席指揮者兼音楽監督を務めるなど、動向が気になる存在となっています。
当アルバムはルトスワフスキとシマノフスキという20
世紀ポーランド音楽史の2 大巨頭の作品を収録。どちらも初期作品ですが、両者の個性は明瞭に現れています。
ルトスワフスキの「管弦楽のための協奏曲」は3
つの楽章から成り、バルトークの同名作品の影響を感じさせます。ポーランドのオーケストラゆえ、民族色を自然に表出しているのはさすが。リープライヒのスピード感あふれる演奏も快適です。
シマノフスキ作品は、もともとピアノ伴奏だったものを朋友の指揮者フィテルベルクが極彩色のオーケストレーションを施したもの。宗教的な詩に基づきながらも、シマノフスキ初期のワーグナーやリヒャルト・シュトラウス風退廃の世界にゾクゾクさせられます。ポドレシュはキャスリーン・フェリアを思わすコントラストで妖しさをより深めています |
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注目のリープライヒ指揮&ポーランド国立放送響
20世紀ポーランド音楽シリーズ第2弾
(1)シマノフスキ:交響曲第2番変ロ長調Op.19
(2)ルトスワフスキ:管弦楽のための書 (1968)
(3)同:葬送音楽 (1958) |
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
ポーランド国立放送交響楽団 |
録音:2015年6 月30 日、8 月26/27 日/カトヴィツェ音楽アカデミー・カロル・シマノフスキ音楽ホール/64’
50”
今もっとも注目される指揮者のひとりアレクサンダー・リープライヒ。1968
年レーゲンスブルク生まれ、アバドとギーレンの薫陶を受け、2015
年12月には大阪フィルにも客演します。
2012 年から外国人としては初めてポーランド国立放送交響楽団の首席指揮者兼音楽監督を務め、20
世紀ポーランド音楽のシリーズを開始しました。
このシリーズは、ルトスワフスキの管弦楽曲をメインに、その他20
世紀ポーランド作曲家を組み合わせることとなっていて、タンスマンやヴァインベルクのように国外へ出た人々もとりあげるなど、ポーランド音楽ファン垂涎の企画となっています。
第2 弾はルトスワフスキとシマノフスキの充実作が収められています。どちらも比較的初期の作品ですが、自己の作風が確立される直前の魅力を味わうことができます。
シマノフスキの交響曲第2 番は1909 年の作で、ワーグナーとリヒャルト・シュトラウスの影響が濃い複雑な作曲技法によりながらも、シマノフスキならではのナルシズムが横溢する甘美な世界が広がります。リープライヒはリヒャルト・シュトラウス風な退廃美を巧みに表現していて絶品。
ルトスワフスキの「管弦楽のための書」は1968
年の作で、ドイツのハーゲン市の委嘱で書かれました。弦楽器のグリッサンドによる異様な音響に始まり、最後は崩壊へと向かうメッセージ性が読み取れます。
1958 年の葬送音楽はバルトークの死を悼んで書かれた弦楽オーケストラの作品。十二音技法により、独特な暗い響きはワイダやカヴァレロヴィチのモノクロ映画を思わせます。
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[アレクサンダー・リープライヒ]
1968年レーゲンスブルク生まれ。
レーゲンスブルク大学でロマンス語と音楽学を学ぶかたわら、17歳で設立したレーゲンスブルク室内合唱団を自ら指揮。その後ミュンヘン音楽大学で指揮法と声楽を学んだ。1996年コンドラシン指揮者コンクール入賞後、オランダ放送フィルでエド・デ・ワールトの助手を務め、アムステルダム・コンセルトヘボウで行われたコンサートで急遽ワールトの代役としてブルックナーの交響曲第5番を指揮、評論家・聴衆の双方から絶賛されました。
以来、ロイヤル・アムステルダム・コンセルトヘボウ管、ベルギー国立管、BBC響、スコットランド室内管、ドイツ・カンマーフィルなどに客演。2005年7月初めにはミュンヘン・フィルにデビュー、オデオン広場で行われた市の野外コンサート・シリーズを指揮して華々しい喝采を浴びました。続いて2006年7月にはミュンヘン・フィルの定期公演に3回登場しました。
日本デビューは2006年9月、紀尾井シンフォニエッタ東京の定期演奏会で、モーツァルト、ブラームスを指揮、誠実で繊細な音楽作りは高い評価を得ました。
2008年7月大阪フィルハーモニー交響楽団定期演奏会にも登場。2007年初めにはザルツブルク・モーツァルテウム管にデビュー、今後ますますの活躍が期待されている指揮者です。
ロッシーニの練習風景。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=zdPN-dPk-Qg
まじめでハンサムな紳士という感じです。
覇気ある若々しい演奏がちょっと聴けます。
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アレクサンダー・リープライヒ、SONYの旧譜
SONYでは比較的ポピュラーな選曲でファンを喜ばせてくれてます。
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8876548231-2
\2600→\2390 |
リープライヒ指揮、ヌリア・リアル(ソプラノ)
モーツァルト:
『レクイエム ニ短調K.626』
『アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618』 |
ヌリア・リアル(Sp),
マリー=クロード・シャピュイ(Ms),
クリストフ・プレガルディエン(T),
フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ(Bs),
バイエルン放送合唱団,
ミュンヘン室内管弦楽団,
アレクサンダー・リープライヒ(指揮) |
気鋭のアレクサンダー・リープライヒと彼が首席指揮者をつとめるミュンヘン室内管弦楽団のソニークラシカル第2弾となる、モーツァルト「レクイエム」の注目すべき新録音の登場です。
2011年の「ロッシーニ:序曲集」に続く、このモーツァルト「レクイエム」の新録音においても、古楽奏法を取り入れながら温かみを感じさせるものに仕上げています。
特にヌリア・リアルの絶品極まる美しいソプラノの歌唱。ヴェテラン、プレガルディエンの緊張感あふれる歌唱。そしてバイエルン放送合唱団の澄んだコーラスによる魅力など、純粋な器楽と声の融合によって、特別な「祈り」を感じさせてくれる音楽を聴くことができるでしょう。
【録音】2012年12月20〜22日, ミュンヘン、ヘルクレスザール(デジタル:セッション)
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8869777141-2
\2600→\2390 |
リープライヒ(指揮)&ミュンヘン室内管弦楽団
ロッシーニ:序曲集
『歌劇「絹のはしご」序曲』『歌劇「ブルスキーノ氏」序曲』
『歌劇「幸福な錯覚」序曲』『歌劇「アルジェのイタリア女」序曲』
『歌劇「イタリアのトルコ人」序曲』『歌劇「マティルダ・シャブラン」序曲』
『歌劇「セヴィリャの理髪師」序曲』
『歌劇「ウィリアム・テル(グリエルモ・テル)」序曲』 |
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
ミュンヘン室内管弦楽団 |
ECM,DG,CHANDOSからCDを発売し、モダン楽器ながら古楽奏法を取り入れた演奏で、バロックから現代音楽まで純粋な音色で新鮮な感動を贈り続けているアレクサンダー・リープライヒの最新録音は、あえてロッシーニの演奏となります。
ロッシーニの序曲集のピリオド楽器での演奏は、ノーリントンとグッドマンの演奏しかなく、古楽奏法を取り入れた演奏はほとんど無いようですので、ロッシーニの楽しみと純粋な音の融合によって、新鮮な音楽を聴くことができるでしょう。
[録音] 2010年6月30日〜7月3日 ミュンヘン・ヘラクレスザール
(デジタル:セッション)
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8887505229-2
\2600→\2390 |
アレクサンダー・リープライヒ/メンデルスゾーン
メンデルスゾーン:
① 付随音楽『夏の夜の夢』Op.61,
② 交響曲第4番イ長調Op.90『イタリア』 |
アレクサンダー・リープライヒ(指揮)
ミュンヘン室内管弦楽団 |
2006年にミュンヘン室内管弦楽団の音楽監督および首席指揮者に就任し、ピリオド奏法を積極的に取り入れた演奏で、バロックから現代音楽まで純粋な音色で新鮮な感動を届けてくれている指揮者アレクサンダー・リープライヒ。ミュンヘンでもっともエキサイティングな指揮者の一人であり、次世代を担う旗手として好意的に迎えられています。
リープライヒの就任以来ミュンヘン室内管は、他の追随を許さない音色と画期的なプログラミングで数々の受賞に輝くと同時に、ミュンヘンのみならず欧米一円に広く認められ、主要な音楽祭やコンサートホールでの演奏を重ねています。
紀尾井シンフォニエッタをはじめN響や大阪フィルなど日本各地のオーケストラへの客演にも積極的で、日本にもファンが多いリープライヒのソニー・クラシカルからの3枚目となる最新録音は、メンデルスゾーンの有名作品2曲をカップリング。人口に膾炙したこの2曲をどのように料理するか、彼の力量を見ることができるアルバムといえましょう。
リープライヒならではの完成度が高くエキサイティングな演奏は、メンデルスゾーンの作品の魅力を私たちに明確に伝えてくれるものといえるでしょう。
【録音】2014年10月, ミュンヘン、昇天教会(デジタル:セッション)
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ALBA
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ABCD 394
(2CD)
\4400
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ファゴット奏者兼、
作曲家のハッリ・アハマスの室内オペラ
ハッリ・アハマス(1957-):
室内オペラ《蛇の指輪》(2008) |
ウッラ・ライスキオ(メッツォソプラノ)
イルッカ・ラーソネン(語り)
ツァグロス・アンサンブル
ミッコ・ラーサッカ(クラリネット)
ユハ・ラウロネン(打楽器)
ミンナ・コスキミエス
(ピアノ、チェレスタ、
チェンバロ、ハーモニウム)
レーナ・サーレンパー(ハープ)
キリル・テレンティエフ(ヴァイオリン)
アヌ・アイラス(ヴィオラ)
アンテロ・マンニネン(チェロ)
サンポ・ラッシラ(コントラバス)
ペトリ・コムライネン(指揮) |
ラハティ交響楽団の首席ファゴット奏者兼、作曲家のハッリ・アハマスの室内オペラ
録音:2015年6月1日-4日 カレヴィ・アホ・ホール(ラハティ、フィンランド)/95’41
ハッリ・アハマスは、フィンランドの作曲家。ラハティ交響楽団の首席ファゴット奏者も務めています。作曲はシベリウス・アカデミーのエングルンドとラウタヴァーラに学びました。自由調性から、さらに半音階的なスタイルで作曲。第2
番の交響曲が、2004 年の国際ウーノ・クラミ作曲コンペティションの第2
位に選ばれました。
《蛇の指輪》は、彼の2 作目の室内オペラ。メッツォソプラノのウッラ・ライスキオが見つけてきたティッタマリ・マルッティネンの詩作『蛇の指輪』を、ライスキオ、演出家イルッカ・ラーソネン、アハマスの三人で台本にまとめ、2
幕の作品に作り上げています。
「十五世紀、下ブルグントのベアタ・リヨネーズは、定められていた男のもとにいやいや嫁いでいく。婚礼の日、かつて恋に落ちた男性が披露宴の場にいることに気づく。『誓います』の言葉は、新郎ではなく、彼女が心を捧げただひとりの男に向けられる。最初の子を疫病で失くしたものの、多くの子に恵まれる。子供たちが成長すると彼女は若き日に恋した男のとこに戻っていく……。
ベアタは、家庭生活よりも薬草の世界に夢中になっている。心の均衡を支えているのは、薬草と薬効を目録にまとめること。司教たちの警告も無視、病を癒すという薬草ケーキを近所の人々のために作りつづける。夫と家事には不満。ベアタの作った薬草のペーストを食べた夫が死に、彼女は呪いにも魔法にもかからない女になっていた。ベアタが老衰で死ぬ。葬儀に集まった人々が皮肉をこめて語る。『わたしたち近所のものは、彼女のことは、いいことしか言わない』」。
《蛇の指輪》は、メッツォソプラノが物語のなりゆきを語り、歌うスタイルを採り、チェロとコントラバスの演奏する「プロローグ」の主題など、いくつかの主題と示導動機により音楽が進められます。2008
年夏、カヤーニ詩週間で初演。「リベラル思考、理想主義、実験願望」をキーワードに活動をつづける室内アンサンブル、ツァグロスを、初演と同じペトリ・コムライネンが指揮しました。 |
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ABCD 398
(SACD HYBRID)
\2300 →\2090
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『ゲートウェイ』
J.S.バッハ/リスト編:
幻想曲とフーガ ト短調(BWV542)S.463
シューベルト:4つの即興曲 D.899(Op.90)
リスト:ピアノソナタ ロ短調 S.178 |
リスト=マッティ・マリン(ピアノ) |
ピアノ音楽の楽しみに聴き手を誘うリスト=マッティ・マリン
録音:2014年9月24日-25日 クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)/5.0
multichannel/stereo、75’51
フィンランドのピアニスト。リスト=マッティ・マリン(1976-)は、シベリウス・アカデミーの博士課程で「ピアノ・トランスクリプション」を研究し、その一環として録音したチェルニー、タールベルク、J.S.
バッハ、ベートーヴェン、リストたちの作品による『ピアノ・トランスクリプションの芸術』(ABCD240)でCD
デビュー。2010 年に博士号を取得しています。
ワーグナー作品のトランスクリプションを演奏した『魔の炎(Magic
Fire)』(ABCD353)につづく Alba レーベル第6
作『ゲートウェイ(Gateways)』。
J.S. バッハの音楽の本質とピアノの響き、技巧を完全に把握していたリストが、原曲の重量感を尊重し「バロックオルガンではなく大型のロマンティック・オルガン」のために編曲した《幻想曲とフーガ
ト短調》。
シューベルトの《即興曲》は「第1番ハ短調が単音の旋律による『暗い響き』の変奏曲、テンポの速い無窮動ワルツの性格をもつ第2
番変ホ長調、無言歌』の第3 番変ト長調は、オーストリアの民俗舞曲レントラーを思わせるリズムのフレーズも現れる第4
番変イ長調」。「シューベルトの《さすらい人幻想曲》とヴェーバーのピアノと管弦楽のための《コンツェルトシュテュック》から大きな影響を受けた」(マリン)リストの《ソナタ
ロ短調》。ピアノ音楽の楽しみに聴き手を誘うような「独創的な始まり(ゲートウェイ)」をもつ作品によるプログラムが組まれています。
アルバムは「私たちがみな通らねばならない門(gate)に歩みを進める前に、できあがったマスターテープを聴くことのできた父ヨウニ・マリン」の思い出に捧げられました。
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NCD 53
(SACD HYBRID)
\2300
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『デイシス』
ヴィッレ・マトヴェイェフ(1986-): 喜ばしき光
*
ヘンリ・ソッカ(1989-):
復活祭夜のための2つの歌(2013)
【復活祭のコンタキオン、復活祭のイコス】
ラウリ・マンテュサーリ(1982-): 復活祭のスティケロン
ヘイッキ・ハットネン(1984-):神聖なる神よ(2013)
ペッカ・ヤルカネン(1945-):デイシス ** |
クリュソストモス室内合唱団
ミッコ・シドロフ(指揮)
リーサ・シヒヴォネン(ソプラノ)*
トゥーリ・リンデベリ(ソプラノ)**
エリサベト・ペトサロ(アルト)**
ヤルモ・レヘトラ(テノール)**
テッポ・ランペラ(バス)** |
「四旬斎」のための作品集
録音:2016年1月30日-31日、5月21日-22日 リーヒマキロ要塞教会(リーヒマキ、フィンランド)/5.0
multichannel/stereo、64’56
四世紀のコンスタンディヌーポリ(コンスタンティノープル)大司教の名をとったクリュソストモス室内合唱団は、2003
年、指揮者でもあるシドロフが自作の《パニヒダ》(NCD30)を初演するためクオピオに創設されました。
結成以来、彼らは、正教会のテクストによる新しい表現を探るため、フィンランドの作曲家に新作を委嘱。キリストの姿を描いた正教会伝統のイコン「デイシス」をタイトルとする第4
作のアルバムには、復活祭を準備する「四旬斎」のために委嘱、初演した4
つの作品が収められました。フィンランドの音楽シーンで注目される音楽家のひとり、チェロ協奏曲と《アド・アストラ》(ABCD364)を作曲、指揮者としても活動するヴィッレ・マトヴェイェフの《喜ばしき光》。タンペレ在住、現代の技法から伝統的な和声まで、多彩なスタイルで作曲するヘンリ・ソッカが、和声的な音楽によって「復活祭」の喜びのメッセージを伝える〈コンタキオン(コンダク)〉と〈イコス〉。シベリウス・アカデミーで学び、タンペレ正教会の音楽監督を務めるヘイッキ・ハットネンがビザンティン聖歌に基づいて作曲した《神聖なる神よ》。トゥルクの作曲家、現代の語法による《復活祭のスティケロン》を書いたラウリ・マンテュサーリもアカデミーの出身です。
作曲家、音楽学者、大学講師として長い経歴をもつペッカ・ヤルカネンの《デイシス》は、5
部に分かれる作品。2013 年、諸聖人の日にヘルシンキのウスペンスキー大聖堂で初演されました。ジャケットのアートワークには、コンスタンティノープルのハギア・ソフィア大聖堂の壁に描かれた十三世紀の「デイシス」があしらわれています。
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AURORA
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『光の消ゆる前に』
ヘンリク・オーデゴール(1955-): 男声合唱のための音楽
恋人よ、さあ、立って * 光の消ゆる前に
**
頌歌 VIIb:心に湧き出る美しい言葉 †
頌歌 VIIIb:
アンティフォナ「ギルボアの山々」とマニフィカト
†
頌歌 VIb:バビロンの流れのほとりに座り
† |
エストニア国立男声合唱団(RAM)*/**
ミック・ユレオヤ(指揮)*/**
ヴォックス・クラマンティス **/†
ヤーン=エイク・トゥルヴェ(指揮)†
マディス・メツァマルト(打楽器)**
ヴァンボラ・クリグル(打楽器)** |
予測できない音を響かせるヘンリク・オーデゴールの男声合唱
録音:2015年1月14日、19日-20日、27日 エストニア・コンサートホール(タリン、エストニア)/67’46
ヘンリク・オーデゴールは、1995 年、オスロ生まれ。バストロンボーンと教会音楽を学んだ後、ノルウェー音楽アカデミーのラッセ・トーレセンとユトレヒト音楽院のトリスタン・ケウリスの下で作曲法を学び、パリ音楽院でグレゴリオ聖歌を修めました。
テレマルクのサウヘラで教会音楽家と聖歌隊指揮者を務め、現在はサウヘラの湖畔の民俗音楽に囲まれた環境で作曲活動を行っています。
「オーデゴールの声楽音楽には歴史の重みが感じられる。グレゴリオ伝統の声は、現代の新しい音楽語法と出会い、有機的に一体化しながらも、斬新かつ予測できない音を響かせる。われわれの西洋の声楽伝統の深みから聞こえる声は、この『今日』の作曲家のきわめて精妙な表現によって、ろ過される」(作曲家ギスレ・クヴェルンドク)。アルバム『光の消ゆる前に』には、そうしたオーデゴールの音楽の特質を示す、男声合唱のための宗教作品が5
曲、収められました。
最初に歌われる《恋人よ、さあ、立って》は、アルバム中で唯一グレゴリオ聖歌と関連のない作品です。『旧約聖書』の『雅歌』から採った「北風よ、目覚めよ」「友よ食べよ、友よ飲め」「『恋人よ、美しい人よ、さあ、立って出ておいで』」といったテクストが、口笛、笑い声、叫び声をまじえた、「官能の歌」として英語で歌われます。
《光の消ゆる前に》は、修道院の一日の終わり、「終祷」の音楽です。〈詩篇4
番〉〈詩篇134 番〉〈詩篇94 番〉〈主よ、今こそあなたは〉〈主の祈り〉〈めでたし元后(サルヴェ・レジナ)〉……。男声による教会聖歌隊(スコラ・カントルム)を男声合唱がサポートするスタイルで作曲され、男声合唱の部分は通常の記譜法、聖歌隊の部分はネウマ譜で書かれています。この作品には、彼の音楽で特徴的な「対比」が、即興の要素と伝統の素材の対立という姿で示され、ふたりの打楽器奏者も音楽に参加しています。
「男声による教会聖歌隊」のための「頌歌」は、オーデゴールが、近年、積極的に手がけているシリーズ。《頌歌
VIIIb:アンティフォナ「ギルボアの山々」とマニフィカト》は、『サムエル記下』第1
章、サウルとヨナタンの戦死を知ったダビデが歌う哀悼の歌「ダビデの弓の歌」による「アンティフォナ」と『ルカによる福音書』の「マリアの賛歌」で構成した作品です。
1944 年創設のエストニア国立男声合唱団(RAM)は、シベリウスやグリーグ作品の録音を通じて国際的にも知られるアンサンブル。エストニアのミック・ユレオヤが、2011
年/2012 年のシーズンから首席指揮者と芸術監督を務めています。彼がメンバーとして歌ったことのある、ヴォックス・クラマンティスは、1996
年の創設。指揮者のヤーン=エイク・トゥルヴェは、パリ国立高等音楽院で学び、グレゴリオ聖歌指揮のディプロマを取得しています。
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CHALLENGE CLASSICS
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CC 72689
(SACD HYBRID)
\2600 →\2390
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チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、
最初の形はこうだった!
(1)ショスタコーヴィチ:
ヴァイオリン協奏曲第2番嬰ハ短調Op.129
(2)チャイコフスキー:
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35(オリジナル版) |
リナス・ロス(ヴァイオリン)
トーマス・ザンデルリンク(指揮)
ロンドン交響楽団 |
Multi-ch、SURROUND、74’ 25”
SACD Hybrid 盤。
ヴァインベルクの全ヴァイオリン作品や、ショスタコーヴィチの未完のヴァイオリン・ソナタの録音で注目されるリナス・ロスがまたも刺激的なアルバムをリリース。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2
番は名作第1 番に比べると圧倒的に演奏される機会が少なく、大歓迎の新録音。ダヴィド・オイストラフのために作曲され、ショスタコーヴィチ後期の作品のなかでも近代色が強く興味津々です。
さらに興味津々なのがチャイコフスキーの名作ヴァイオリン協奏曲のオリジナル版。この作品はレオポルト・アウアーから「演奏不能」として献呈を拒否され、チャイコフスキー本人も含めてカットや修正が行われたため、本当のオリジナルがどのような形なのかわからない状態と言うことができます。ここでは最初の形に戻しての世界初録音。第2
楽章が終始弱音器の指定があったり、フレージングが違ったりと興味津々です。
リナス・ロスは1977 年ドイツのラーベンスブルク生まれ。2006
年EMI よりCD デビュー。以後同世代のヴァイオリン奏者の中でも、歴史に埋もれた作曲家や珍品の演奏で注目を集めています。ザハール・ブロンやアッカルドに師事し、2012
年からはアウグスブルクの大学の「レオポルト・モーツァルト・センター」で教授を務めています。1703
年製のストラヴディヴァリ「Dancla」を使用。
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CC 72070
\2000 →\1890
※再発売
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バッハが自作をピアノ4 手用に編曲したらこうなっていただろう
バッハによるバッハ Vol.2(レーガーによるピアノ・デュオ編曲集)
(1)ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調BWV1047
(2)管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
(3)トッカータとフーガ ニ短調BWV565
(4)ブランデンブルク協奏曲第5番変ロ長調BWV1051 |
ウィネケ・ヨルダンス&
レオ・ファン・ドゥセラール
(ピアノ・デュオ) |
絶美の「アリア」、レーガー・イヤーで注目のバッハ作品編曲集
録音:1998年6月15-17日/ドープスヘズインデ教会(ハーレム、オランダ)/57’
59”
1990 年代末のリイシューですが、レーガー・イヤー(没後100
年)にふさわしいアルバム。
レーガーは大バッハの多くの作品を様々な形態に編曲していますが、ブランデンブルク協奏曲と管弦楽組曲は全曲ピアノ4
手連弾があります。いずれも原曲に忠実ながら、バッハ特有のポリフォニックな綾を4
つの手に振り分けているため、演奏が極めて難しいものとなっています。
しかしレーガーの書いた通りに再現できれば、驚愕の効果を発揮するように書かれています。レーガーはバッハの精神を忠実に受け継いでいるため、バッハ本人がピアノ4
手編曲をしたらこうなっていただろうと思わせる見事さです。
ここではブランデンブルク協奏曲の第2 番と6
番、さらに人気作管弦楽組曲第3 番がとりあげられています。管弦楽組曲第3
番の「アリア」の編曲はオシャレで凛とした気品に満ちた魅力作。
さらに嬉しいのは、オルガンの名曲中の名曲「トッカータとフーガ」の連弾版も収録されていること。ピアノ独奏編曲には出せないオルガン的な壮麗さに言葉を失います。
レオ・ファン・ドゥセラールはベルリン高等音楽大学のオルガン科教授を務めるベテラン。ウィネケ・ヨルダンスとともにアムステルダムのスウェーリンク音楽院を1981
年に卒業の際にピアノ・デュオを演奏して以来のパートナー。オルガンの響きを知り尽くした演奏家ならではの説得力です。
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HMF
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グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)
クリスティ(指揮)&レザール・フロリサン
LA HARPE REINE〜王妃のハープ〜 マリー・アントワネットの宮廷の音楽
・ジャン=バティスト・クルムフォルツ(1747-1790):
ハープ協奏曲 第5番 op.7 変ロ長調(1778)
・ハイドン:交響曲第85番「王妃」Hob.I:85
(1785)
・ヨハン・ダヴィド・ヘルマン(1760?-1846):
ハープとオーケストラのための協奏曲第1番
op.9 ヘ長調
(1785-1789)
・グルック:「精霊の踊り」〜
オルフェオとエウリディーチェより(編曲:メストレ) |
グザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)
ウィリアム・クリスティ(指揮)
レザール・フロリサン |
メストレ&クリスティの共演、マリー・アントワネットにまつわる豪華アルバムの登場!
録音:2016 年6月27,28日、ヴェルサイユ宮殿王立歌劇場(ライヴ)
LES ARTS FLORISSANTS & WILLIAM CHRISTIE
シリーズの新譜は、なんとハープのメストレをゲストに迎えての1
枚。タイトルに「王妃のハープ」とあるように、マリー・アントワネット
(1755-1793)と、彼女が愛した楽器、ハープの楽曲をおさめた内容です。2016
年6 月に行われた演奏会のライヴ録音。
1 曲目の作曲家クルムフォルツは、ボヘミア出身の作曲家でありハープ奏者。楽器製作者とともに、ハープの改造や奏法に取り組み、それまでになかったハープのための作品を残しています。
クルムフォルツが対位法を師事したのが、作曲家ハイドン。マリー・アントワネットが気に入っていたとされる交響曲第85
番を収録しています。クリスティによるシンフォニーの録音ということで、注目のプログラムといえましょう。
荘重なアダージョを経て軽快なヴィヴァーチェとなる第1
楽章から、楽器間のアンサンブルも十分にたのしめる演奏。終楽章の最後まで、快活さと典雅さを感じさせる演奏です。
ドイツ人のヨハン・ダヴィド・ヘルマンは、アントワネットのピアノ教師で、作曲家。自身はハープ奏者ではありませんでしたが、3
つのピアノ・ソナタ、3つのピアノ協奏曲のほか、3
つのハープ協奏曲をのこしています。このハープ協奏曲はすべてルイ14
世の妹(ハープ奏者)、つまりアントワネットの義妹にささげられています。今日ハープ奏者にも知られざる存在の作品ですが、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲と同様、ハープ奏者ではない作曲家によるハープ作品、ということでも重要な作品です。
演奏会でアンコールとして演奏されたグルックの「精霊の踊り」は、メストレ自身の編曲によるハープ独奏版。メストレの歌心に胸を打たれるトラックです。

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SIMAX
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「真のノルウェー」派
ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン(1888-1974):
室内楽作品集
ピアノ四重奏曲 ハ長調 Op.26(1947-48)*
ヴァイオリンソナタ Op.3(1913)*
『大いなる平和』への劇付随音楽(1925)
(2つのヴァイオリン、チェロとピアノのための)
【第1幕への前奏曲、
第2幕への前奏曲「インディアンの愛の歌」、
第3幕への前奏曲「インディアン戦士の行進」、
第4幕への前奏曲 第5幕への前奏曲「太陽の歌」】
フルート五重奏曲 Op.35(1967) |
フラガリア・ヴェスカ
トール・ヨハン・ボーエン(ヴァイオリン)*
アリソン・レイナー(ヴァイオリン)
ベネディクト・ロワイエ(ヴィオラ)
オレリエンヌ・ブローネ(チェロ)
セシーリエ・ヘッセルベルグ・ローケン(フルート)
吉田早苗(ピアノ) |
「真のノルウェー」派のひとりモンラード・ヨハンセンの室内楽作品集
録音:2015年7月17日-18日、27日-30日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)/73’04
グリーグ後のノルウェーで「偉大なるエドヴァルド」とは異なる音楽語法と表現をとりながら「真のノルウェー」を示す、独自の道を探った作曲家のひとり、モンラード・ヨハンセンの室内楽作品。
作曲家アルフ・フールムからドビュッシーとラヴェルの音楽を教えられた翌年、1913
年の冬から秋にかけて作曲された3 楽章のヴァイオリンソナタは、〈アレグロ・クワジ・アンダンテ〉の音楽に、彼が生まれ育ったノルランドへの想いが反映されていると言われます。
アメリカ原住民のモホーク族の戦士ハイアワサを題材にしたフルダ・ガルボルグ抒情劇『大いなる平和』のための付随音楽は、「インディアンの愛の歌」「インディアン戦士の行進」「太陽の歌」の副題をもつ3
曲をはじめとする5 つの前奏曲から構成された作品です。
モンラード・ヨハンセンが、第二次世界大戦後、ドイツの占領に協力したクヴィスリングの国民連合の党員だったことから、収容所で「贖罪の日々」を送っていたころ、ヘンデルやバッハやベートーヴェンの音楽と音楽理論の研究に没頭するかたわら作曲した《ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための四重奏曲》は〈アレグロ・ヴィヴァーチェ〉〈アンダンテ・ソステヌート〉〈プレスト・ノン・トロッポ〉〈ヴィヴァーチェ〉の4
楽章。
二十世紀ノルウェーの室内楽作品の「隠れた宝石」ともみなされている作品です。
《フルート、2 つのヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲》は、彼がかつて設立に尽力し初代事務局長を務めたノルウェー作曲家協会の50
周年記念の作品です。
〈グラーヴェ〉〈アレグレット・スケルツァンド−ヴィヴァーチェ〉、「パッサカリア」による〈ラルゴ〉。このあと弦楽四重奏曲で作曲家人生に終止符を打つことになる彼が、さらに深い音楽表現の追求を止めなかったことを示す作品です。
フラガリア・ヴェスカは、2006 年、トール・ヨハン・ボーエンが中心となって結成されました。バロックから現代まで、さまざまな時代と様式の作品を「当時の様式」に沿った楽器で演奏、作品によって楽器編成を変えるスタイルのアンサンブルです。
オーストラリアのレイナー、フランスのロワイエとブローネ、ノルウェーのヘッセルベルグ・ローケン。
ピアノの吉田早苗は、バラット=ドゥーエ音楽学校でイジー・フリンカ、スタヴァンゲル大学でホーコン・アウストボーに師事。ソリスト、室内楽奏者、伴奏者としての経験を積みました。
録音セッションは、響きの良さで知られるオスロのソフィエンベルグ教会で行われ、ベテランのアクセルベルグがエンジニアリングを担当しました。ノルウェー国立図書館所蔵の手稿譜による『大いなる平和』の音楽と、ボーエンが作曲者のスケッチを参照しながら校訂、編集した《ピアノ四重奏曲》は初録音です。
で、ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン、どんな作風かというと・・・ヴァイオリン・ソナタの映像を見つけました。
CDとはもちろん演奏家は違いますが雰囲気は分かるかと。
https://youtu.be/8ma-l6sGVdk
そして貴重な管弦楽曲集のアルバムがこちら。
グリーグとは違ったノルウェー・ロマンという感じでしょうか。
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AVIE
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重度の大火傷から生還
不屈の天才ハーデリッヒ
フランク&シューマン:ヴァイオリン・ソナタ集
プレヴィン:タンゴ、ソング&ダンス
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調
Op.105
クルターク:3つの断章 Op.14e
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 |
オーガスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
ジョイス・ヤン(ピアノ) |
オーガスティン・ハーデリッヒ!フランクのヴァイオリン・ソナタ!
今、若い世代でもっとも急速に注目を浴びているアーティストの一人、オーガスティン・ハーデリッヒ。生死の境をさまよう大やけどから奇跡の生還を果たし、世界を舞台に活躍を続けるドイツのヴァイオリニスト。近年は毎年来日公演も行っており、2016年はマックス・ポンマー指揮、日本センチュリー交響楽団との共演でバルトークのコンチェルトを披露。
新録音は、フランク&シューマンという19世紀の名ソナタに、アンドレ・プレヴィン、ジェルジュ・クルターグといった20世紀の作品をカップリング。不屈の天才オーガスティン・ハーデリッヒが、ヴァン・クライバーン・コンクール最年少メダリスト、ジョイス・ヤンとのコンビで贈る華麗なるリサイタルです。
録音:2015年6月11日−14日、パフォーミング・アーツ・センター(ニューヨーク州立大学パーチェス校)
安っぽいお涙頂戴のコピーに乗せられるもんか、と店主などはすぐに思ってしまう。
しかし、その回復への道のりは、想像を絶するものだったらしい。
それを考えると、今の彼の音楽への思いの強さというものが、常人とかけ離れていると考えても確かにおかしくはない・・・。
これまでに数多くの若手音楽家たちのレコーディングを全世界に向けて送り出してきたアヴィー(Avie)レーベルが、"レーベル創設以来、史上最大の若手アーティスト"と激賞する奇跡のヴァイオリニスト、オーガスティン・ハーデリッヒ。
1984年、ドイツ人の両親のもとイタリアで生まれたハーデリッヒは、マスカーニ音楽学校を優秀な成績で卒業するなど天才奏者として将来を嘱望されていたが、1999年に不慮の事件に巻き込まれてしまう。
全身の60%にも及ぶ重度の大火傷を負ってしまったのである。
しかし生死の境をさまよいながら、20回を超える手術を受け、その後の想像を絶する厳しいリハビリに耐え抜いたハーデリッヒは、不死鳥の如く甦り再びヴァイオリンを手にすることになった。
あえて呼ぼうではないか、奇跡のヴァイオリニストと。おそらく、今もさまざまな後遺症や心の痛みに耐えながらの日々が続いているのではないか。
だがヴァイオリンを手に音楽の舞台へカムバックを果たしたハーデリッヒは、2006年にインディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールを見事制覇。また優れた器楽奏者にのみ与えられるアメリカの栄誉ある"エイヴリー・フィッシャー・キャリア・グラント"を授与されるなど、完全復活を遂げ巨匠への道を確実に歩み始めた。
生きる喜び、音楽の喜びを感じさせてくれるハーデリッヒのヴァイオリンには、「まるで音楽の神々が宿っている」と言われる。
旧譜
店主にはときおりそのヴァイオリオンが魂の叫びにも聴こえる・・・
ハーデリッヒのシベリウス |
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不屈の天才ハーデリッヒ
アデス&シベリウス:ヴァイオリン協奏曲集
アデス:ヴァイオリン協奏曲 《同心軌道》
シベリウス:
ヴァイオリン協奏曲Op.47、ユーモレスク
ニ長調 Op.87-2、
ユーモレスク ト短調 Op.89-2、ユーモレスク
変ホ長調 Op.89-3
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オーガスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
ハンヌ・リントゥ(指揮)
ロイヤル・リヴァプール・フィル |
※録音:2013年6月21日−24日、ザ・フライアリー(リヴァプール)
このシベリウスはすごい。
初めハーデリッヒと知らずに聴いていたのだが、音程の徹底的な正確さと、「鳴き」部分の異様な高揚感に背筋が寒くなった覚えがある。
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いまさらピアソラ・・・私も最初はそう思ってました・・・
泣きます。 |
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ヴァイオリン&ギター!タンゴの歴史
ピアソラ:タンゴの歴史
ファリャ:スペイン民謡集
パガニーニ:協奏的ソナタ、モーゼ幻想曲
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン |
オーガスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
パブロ・サインツ・ビジェガス(ギター) |
そして代表作となったメンデルスゾーン |
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不屈の天才ハーデリッヒのメンデルスゾーン
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調
Op.64
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz112 |
オーガスティン・ハーデリッヒ(ヴァイオリン)
ミゲル・ハース=ベドヤ(指揮)
ノルウェー放送管弦楽団 |
※録音:2014年6月10日−14日、ノルウェー放送協会コンサート・ホール(オスロ)

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AV 2366
(2CD/特別価格)
\3800 →\3490
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チャールズ・オーウェン(ピアノ)
J.S.バッハ:6つのパルティータ BWV.825-830 |
チャールズ・オーウェン(ピアノ) |
ユーディ・メニューイン・スクールで音楽を学び、イギリス王立音楽院でイリーナ・ザリツカヤに師事。1995年にスコットランド国際ピアノ・コンクールでシルバー・メダルを獲得し、国際的に活躍するイギリスのピアニスト、チャールズ・オーウェン。
2つのフォーレ作品集(AV 2133、AV 2240)に続くAvie第3弾は、2016年のロンドン・ピアノ・フェスティヴァル(8月)でも披露された、バッハの「6つのパルティータ」。
録音:2015年12月17日−19日、2016年4月16日−17日&6月4日−5日、メニューイン・ホール
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2度のグラミー賞受賞、実力者トッド・レヴィ
20世紀のクラリネット作品集
フィンジ:5つのバガテル
バーンスタイン:クラリネット・ソナタ
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲集 Sz.56(Szekely&Berkes編)
ドビュッシー:第1狂詩曲
ラヴェル:ハバネラ形式の小曲
リビー・ラーセン:
クラリネットとギターのための《ブルー・サード・ピース》
ベーラ・コヴァーチ:
Sholem-alekhem, rov Feidman!、
マニュエル・デ・ファリャのオマージュ
パキート・ディリベラ:
ベネズエラのワルツ、
無伴奏クラリネットのための《レクオーナへのトリビュート》、
コントラダンサ |
トッド・レヴィ(クラリネット)
ジーニー・ユー(ピアノ)
レネ・イスキエルド(ギター)
エレーナ・アベンド(ピアノ) |
2度のグラミー賞受賞という実績を持ち、ミルウォーキー交響楽団やサンタフェ・オペラの主席クラリネット奏者をつとめる実力者トッド・レヴィ。ラヴェルやドビュッシーの名作から、ラテン、キューバ、ジプシー、クレズマー、ブルース、ジャズなど様々な語法を取り入れた20世紀のクラリネット作品をアメリカの名手が吹きこなします。魔法のようなテクニックとカラフルな表情は、クラリネット&管楽器関係者要注目!
録音:2006年、2009年、2011年、2016年
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COLLEGIUM
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ラッターの"レクイエム"2016年新録音!
2016年の最新作"ヴィジョンズ"
ラッター:
ヴァイオリン独奏、弦楽オーケストラ、
ハープと合唱のための《ヴィジョンズ》*/
レクイエム(2016年新録音/オーケストラ伴奏版)+ |
ジョン・ラッター(指揮)*/+
ケンブリッジ・シンガーズ*/+
アウローラ・オーケストラ*/+
アリス・ハルステッド(ソプラノ)+
カーソン・レオン(ヴァイオリン)*
テンプル教会少年合唱団* |
ラッターの"レクイエム"2016年新録音!2016年の最新作"ヴィジョンズ"も収録!
日本でも絶大な人気を誇るイギリスを代表する英国合唱の巨匠ジョン・ラッター(1945−)。ラッターの自主レーベル「Collegium(コレギウム)」の最新盤は合唱関係者必聴!
代表作「レクイエム」の新録音と、2016年の新作「ヴィジョンズ」の2作品!!
1986年の初録音から30年という長い歳月を経て、遂に実現したラッターとケンブリッジ・シンガーズによる「レクイエム」の新録音。新世代のケンブリッジ・シンガーズのハーモニー、ラッター自身の新しい解釈は話題となること間違い無し。
今回が世界初録音となる2016年の新作「ヴィジョンズ」は、ヴァイオリン独奏、弦楽オーケストラ、そして合唱(高声部)のための4楽章形式の大作。由緒あるテンプル教会の少年合唱団、カナダの天才ヴァイオリニスト、カーステン・レオンの参加など、初録音に相応しい充実のアーティスト陣も魅力。来る11月には楽譜(Oxford
University Press)の発売も予定されており、日本での演奏機会も増えるであろう要注目作です。
※録音:2016年7月16日−17日、オール・ハロウズ教会(ゴスペル・オーク、ロンドン) |
RAUMKLANG
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フランチェスコ・カヴァッリのレクイエム!
カヴァッリ:レクイエム
グランディ:
神よ我が祈りを(5声)
主よ、われ御身に依り頼みたり(2声)
おお、よきイエスよ(5声)
主よ、聞きとどけたまえ(2声)
我が竪琴は悲しみに(5声)
主よ、平和を与えたまえ(2声) |
アンサンブル・ポリハルモニーク
アレクサンダー・シュナイダー
(カウンタテナー&ディレクター) |
フランチェスコ・カヴァッリのレクイエム!17世紀ヴェネツィアの教会音楽を優秀録音で。
バロック・オペラが花開き、多くのオペラ作曲家たちが活躍した17世紀のヴェネツィア。30曲を超えるオペラを作曲したバロック時代のイタリアにおける大作曲家、ピエトロ・フランチェスコ・カヴァッリ(1602−1676)の教会音楽家としての姿に光をあてる好企画。
ヴェネツィア、サン・マルコ寺院の楽長を務めるなど、教会音楽と密接に結び付いた音楽人生を歩みながらも、オペラ作曲家としての功績がクローズアップされることの多いカヴァッリの秀作「レクイエム」の魅力を、
ドイツを中心に活躍する古楽アンサンブル、アンサンブル・ポリハルモニークの荘厳なハーモニーが紐解いてゆく。ラウムクラング(Raumklang)・レーベルの高音質もポイントです。
※録音:2015年9月6日−7日、グルムバッハ教会(ザクセン、ドイツ)
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ECM
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4812794
\2500 |
《メレディス・モンク:On Behalf Of Nature》
メレディス・モンク:On Behalf Of Nature |
メレディス・モンク&声楽アンサンブル
[Sidney Chen,
Ellen Fisher, Katie Geissinger,
Meredith Monk, Bruce Rameker,
Allison Sniffin (voices)],
Bohdan Hilash (woodwinds),
John Hollenbeck (percussion),
Allison Sniffin (piano, keyboard, violin,
French horn),
Laura Sherman (harp) |
メレディス・モンクのさらなる斬新で挑発的な音楽
60年もの間、ヴォーカリスト、作曲家メレディス・モンクは自身のスタイルを追求してきました。ECMレコードと関係が深く「ECM
New Series」が始動する以前から、彼女はECMからアルバムをリリースしてきたレーベルを代表するアーティストの一人でもあります。
彼女は言語を超越した、言葉にならない根源的な声に常にこだわり続けてきました。
今回のアルバムは“On Behalf of Nature(自然の代わりとして)”と題して、人の声や楽器の音色を時には単独で、時に混ぜ合わせ、複雑かつ透明な音の景色を生み、神秘的で新しい響きを作り出しています。
ホーレンベックのパーカッションはリズミカルであるだけでなく、旋律を歌う役割を持ち、ヒリアシュの木管と、スナイフィンのヴァイオリンは風のように流麗に歌います。
またモンクも含む6人のヴォーカリストは低い声でつぶやいたり、聖歌をうたったりと、言葉を越えた言語で奇妙なコミュニケーションを取ります。アルバムのほとんどの作品がこのような歌と音のタペストリーから成る、これまでのモンクの作品とは一味違った斬新で挑発的な音楽です。
【録音】2015年6月, ニューヨーク、アヴァター・スタジオ |
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4812908
(11CD)
\16000→\15290 |
《アンドラーシュ・シフ〜ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集》
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
【CD1】
1) 第1番 ヘ短調 作品2-1,
2) 第2番 イ長調 作品2-2,
3) 第3番 ハ長調 作品2-3/
【CD2】
第4番 変ホ長調 作品7/
【CD3】
1) 第5番 ハ短調 作品10-1,
2) 第6番 ヘ長調 作品10-2,
3) 第7番 ニ長調 作品10-3,
4) 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」/
【CD4】
1) 第19番 ト短調 作品49-1,
2) 第20番 ト長調 作品49-2,
3) 第9番 ホ長調 作品14-1,
4) 第10番 ト長調 作品14-2,
5) 第11番 変ロ長調 作品22/
【CD5】
1) 第12番 変イ長調 作品26,
2) 第13番 変ホ長調 作品27-1,
3) 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」,
4) 第15番 ニ長調 作品28「田園」/
【CD6】
1) 第16番 ト長調 作品31-1,
2) 第17番 ニ短調 作品31-2「テンペスト」,
3) 第18番 変ホ長調 作品31-3/
【CD7】
1) 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」,
2) アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調WoO.57/
【CD8】
1) 第22番 ヘ長調 作品54,
2) 第23番 ヘ短調 作品57「熱情」,
3) 第24番 嬰ヘ長調 作品78,
4) 第25番 ト長調 作品79,
5) 第26番 変ホ長調 作品81a「告別」/
【CD9】
1) 第27番 ホ短調 作品90,
2) 第28番 イ長調 作品101,
3) 第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィーア」/
【CD10】
1) 第30番 ホ長調 作品109,
2) 第31番 変イ長調 作品110,
3) 第32番 ハ短調 作品111/
【CD11】アンコール
1) シューベルト:3つのピアノ曲第1番D.946,
2) シューベルト:アレグレット ハ短調D.915,
3) モーツァルト:ジーグ ト短調K.574,
4) ハイドン:ピアノ・ソナタ第44番ト短調
Hob.XVI:44,
5) シューベルト:ハンガリー風のメロディ
ロ短調 D. 817,
6) ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ
ヘ長調WoO.57,
7) J.S.バッハ:パルティータ 第1番変ロ長調BWV.825
より メヌエットとジーグ,
8) J.S.バッハ:前奏曲とフーガ 変ロ短調BWV.867 |
アンドラーシュ・シフ(ピアノ) |
世界中からの絶賛を浴びた演奏録音が、全集としてセット化
アンドラーシュ・シフによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音は2004年から開始。このシリーズは約2年間をかけて一貫してライヴで収録されており、細部にわたり脈動に満ちた瑞々しいピアノの音色が際立った美しい出来栄えとなっています。
シフはライヴの利点について「聴衆の存在があってこそ、ビビットなパフォーマンスが可能となる」と語っています。
15の異なる都市でのコンサートを経た後に、チューリヒ・トーンハレで行われたライヴを収録しており、ほどよい緊張感に円熟味を絡めた最上のテイクが選ばれています。
プロデューサー、アイヒャーとの深い信頼関係が築き上げた至高の全集です。
全集最後のアルバム[CD11]は、各コンサートでアンコールとして演奏されたものを収録したものです。
【録音】2004〜2006年, チューリヒ・トーンハレでのライヴ |
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4814474
\2500→\2290 |
《アンドラーシュ・シフ 〜 ベートーヴェン公演のアンコール録音集》
1) シューベルト:3つのピアノ曲第1番D.946,
2) シューベルト:アレグレット ハ短調D.915,
3) モーツァルト:ジーグ ト短調K.574,
4) ハイドン:ピアノ・ソナタ第44番ト短調
Hob.XVI:44,
5) シューベルト:ハンガリー風のメロディ
ロ短調 D. 817,
6) ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ
ヘ長調WoO.57,
7) J.S.バッハ:パルティータ 第1番変ロ長調BWV.825
より メヌエットとジーグ,
8) J.S.バッハ:前奏曲とフーガ 変ロ短調BWV.867 |
アンドラーシュ・シフ(ピアノ) |
ベートーヴェン全集録音のアンコールとして演奏された未発表録音。上記全集のCD11にあたる。
アンドラーシュ・シフによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音は2004年から開始。このシリーズは、約2年間をかけて一貫してライヴ収録されており、細部にわたり脈動に満ちた瑞々しいピアノの音色が際立った美しい出来栄えとなっています。
実は、その各コンサートでアンコールが演奏されており、それも録音されていました。それらの演奏が1枚のアルバムにまとまって今回初登場となりました。
いずれもシフが得意とするシューベルト、ハイドン、バッハ、そしてベートーヴェンらの小品ですが、シフの繊細なタッチと流麗なフレージングによって至福の輝きを放つ演奏が聴かれます。
【録音】2004〜2006年, チューリヒ・トーンハレでのライヴ |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
ALTO
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ラフマニノフ(1873-1943):
徹夜祷 [晩祷] (メゾソプラノ、テノール独唱と混声合唱のための)Op.37 |
イリーナ・アルヒーポヴァ(メゾソプラノ)
ヴィクトル・ルミャンツェフ(テノール)
ソヴィエト国立文化省室内合唱団
ヴァレリー・ポリャンスキー(指揮) |
録音:1988年、スモレンスク大聖堂、スモレンスク、ロシア、ソヴィエト、ADD
原盤:Melodiya (C)1988, Gramzapis (P)2002,
CDK Music |
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スヴェトラーノフ(指揮)
交響曲史上最も美しい作品
カリンニコフ(1866-1901):交響曲第1番ト短調(*)
ボロディン(1833-1887):交響曲第1番変ホ長調(+) |
ソヴィエト国立交響楽団
エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮) |
録音:1975年(*)、1983年(+)、ADD 原盤:Melodiya 前出:Regis,
RRC 1351(*)
(C)1975, 1983, Gramzapis (P)2002, CDK Music
15年ほど前の原稿から。いまでもスヴェトラーノフのカリンニコフの交響曲第1番のアルバムを手に入れたときの感動は忘れられない。
「 スヴェトラーノフ・ファン、カリンニコフ・ファン、ロシア・ファン、シンフォニー・ファン、多くの方が探していた演奏である。ロシアものを重点的に置いているショップでは、カウンターに「スヴェトラーノフのカリンニコフの1番は現在入手不能です」という看板まで立ってある。アリアCDも今まで何回ご注文をお受けしてお断りしてきたことか。
交響曲史上最も美しい作品としてこの4、5年で急激に人気が急上昇したカリンニコフの1番。ほとばしるような抒情美と甘美で切ない憂い、異国風の華麗さ、そして涙なしでは聴けないラストの高揚感。評論家の平林氏は「交響曲読本」で、「この交響曲が葬り去られるくらいならプロコフィエフ、R・コルサコフ、バラキレフ、グラズノフ、ミヤスコフスキの全部をなげうってもいい」、とまで絶賛している。確かにこの交響曲を聴いたか聴いていないかはその人のクラシック音楽の視聴人生に大きな差をもたらすかもしれない。
この曲、一部では昔から人気があり、OLYMPIAのドゥダロヴァ盤は以前から売れていたが、7、8年前にスヴェトラーノフがN響で取り上げてから一気にブームとなった。その後ナクソスやシャンドス、アルテノヴァがリリース、さらに昔のトスカニーニ、ゴロヴァノフなどの歴史的録音も復活してライブラリはそれなりに充実するようになった。
しかしその中に他の演奏と全く次元を異にする画期的な演奏が存在した。
それがスヴェトラーノフ&ソヴィエト国立響の’75年録音。
スヴェトラーノフにとって最もいい時期だったのか、その響きは厚く濃厚。たっぷりしたロマンでたかだかと歌い上げ、終楽章に入ってからの興奮度はちょっと文章で伝えられるものではない。
レコ芸の6月号でスヴェトラーノフのすごいホームページを作っている林浩史さんの記事が紹介されていたが、その方が「胸がいっぱいになり涙が止まらなくなる」と言ったのは少しも過剰な表現ではない。後のN響との演奏も素晴らしいものだったが、それすらこのアルバムを聴いた人には「全然もの足りない」とされる。とにかくそれくらい圧倒的、絶対的な演奏なのである。
しかし。その肝心のCDが手に入らなかった。
何回か出直しになったのだがこの4、5年の間はまったく入手不可能。ただロシア国内では出ていたらしく、かろうじて前出の林さんが自力でロシアから引っ張ってきたということがレコ芸の記事に載っていたけれど、おそらく大変な苦労だったと思われる。
今回ご紹介したのはそんなアルバムなのである。」
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サリヴァン(1842-1900):「パイナップル・ポール」&オペレッタ序曲集
バレエ「パイナップル・ポール」
(チャールズ・マッケラス(1925-2010)編曲、オーケストラのための)(*)
オペレッタ「ミカド」序曲(オーケストラのための)
オペレッタ「近衛騎兵隊」序曲(オーケストラのための)
オペレッタ「ペンザンスの海賊」序曲(オーケストラのための)
オペレッタ「軍艦ピナフォア」序曲(オーケストラのための)
オペレッタ「アイオランシ」序曲(オーケストラのための)
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ロンドン交響楽団(*)
チャールズ・マッケラス(指揮(*))
プロ・アルテ管弦楽団(*以外)
マルコム・サージェント(指揮(*以外)) |
録音:1959-1962年 原盤:HMV |
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平和の光景−修道士の道 グレゴリオ聖歌集
グレゴリオ聖歌:
The Great Bell / Tibi Dixit Cor Meum
/ Laetatus Sum / Suscipe
Veni Creator Spiritus / Where charity
and love are found
Inclitos Christi / Benedictus Deus /
Ave Maris Stella
The Reading from the Rule of St Benedict
and the Confession
The Psalms of Compline / The Hymn at
Nightfall / The Verse
Nunc Dimittis / Litany, Prayer and Blessing
/ Hymn to the Virgin Mary
Scriptural Meditation / Quinque Prudentes
Virgines
De Lamentatione Jeremiae Prophetae /
Christus Factus Est / Te Deum
Miserere Mei / Regem Cui / Ego Sum /
In Paradisum - Chorus Angelorum
Suscipe / Urbs Jerusalem Beata |
アンプルフォース修道院の修道士たち
ベンジャミン・オサリヴァン師(合唱指揮)
ローレンス・マクタッガート師(オルガン) |
録音:1994-1995年 原盤:Vanguard (ClassicFM)
ライセンサー:Vanguard Classics / Entertainment
One |
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ブルー・タンゴ ベリー・ベスト・オブ・ルロイ・アンダーソン
ルロイ・アンダーソン(1908-1975):オーケストラのための作品集
そりすべり/ブルー・タンゴ/舞踏会の美女/トランペット吹きの子守歌
ブリンク・プランク・プランク/サラバンド/ワルツィング・キャット
セレナータ/プロムナード/サンドペーパー・バレエ/タイプライター
シンコペイテッド・クロック/チキン・リール/馬と馬車/ベルの歌
ジャズ・ピチカート/ジャズ・レガート/サテンを着た少女/忘れられし夢
フィドル・ファドル/ペニー・ホイッスル・ソング/トランペット吹きの休日
クリスマス・フェスティヴァル序曲(ボーナストラック) |
イアン・サザーランド・コンサート・オーケストラ
イアン・サザーランド(指揮) |
録音:1983-1988年 音源:初出 |
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ショスタコーヴィチ(1906-1975):
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ Op.134(*)
ヴィオラとピアノのためのソナタ Op.147(+) |
オレグ・カガン(ヴァイオリン(*))
ユーリー・バシュメット(ヴィオラ(+))
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ) |
録音:1985年、DDD(*)/1982年、ADD(+)
原盤:Melodiya (C)1995, Gramzapis / CDK
Music 前出:Regis, RRC 1128 |
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リュート音楽の黄金時代
ロバート・ジョンソン(1582頃-1633):2つのアルマン(リュートのための)
ジョン・ジョンソン(1540頃-1595?):ファンタジア(リュートのための)
フランシス・カッティング(1550頃-1596):ウォルシンガム(リュートのための)
ジョン・ダウランド(1563-1626):ミニャルダ(ガイヤルド、リュートのための)
フランシス・カッティング:アルマン(リュートのための)
フィリップ・ロセター(1568-1623):ガイヤルド(リュートのための)
フランシス・カッティング:グリーンスリーヴズ(リュートのための)
ジョン・ダウランド:ダニエル・バチェラーのガイヤルドによるガイヤルド(リュートのための)
トマス・モーリー(1557-1603頃):パヴァーヌ(リュートのための)
ロバート・ジョンソン:御者の口笛(リュートのための)
バルーク・バルマン(確認できる活躍期:1600年頃):パヴァーヌ(リュートのための)
ダニエル・バチェラー(1572-1619):閣下のアルマン(リュートのための)
アントニー・ホルボーン(1545頃-1602?):パヴァーヌ(リュートのための)
ジョン・ダウランド:戦いのガイヤルド(デンマーク王のガイヤルド、リュートのための)
アントニー・ホルボーン:ガイヤルド(リュートのための)
ジョン・ダウランド:リュートのための作品集
エリザベス女王のガイヤルド/涙のパヴァーヌ/ホワイト夫人に事無し
ヴォー夫人のジグ/オルランドは眠る/ファンタジア/メランコリー・ガイヤルド
ハンスドン夫人のパフ/常にダウランド、常に嘆く/無題の曲
サー・ヘンリー・アンプトンの葬送/失われし望みのファンシー |
ジュリアン・ブリーム(リュート) |
録音:1962年、ADD 原盤:RCA / EMI |
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SPECTRUM SOUND
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CDSMBA 018
(2CD)
\4000 →\3690
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フランス国立視聴覚研究所音源提供
スペクトラム・サウンドのベルアーム・シリーズ |
ベルナール・ミシュラン(チェロ) |
ベルナール・ミシュラン(チェロ)秘蔵音源
Disc 1
・エックレス:チェロ・ソナタ ト短調、
・フランクール:チェロ・ソナタ ホ長調
・シューマン:幻想小曲集 Op.12
タッソ・ヤノポーロ(ピアノ)/録音:1962年11月28日/パリ(モノラル)
・サン=サーンス:チェロ・ソナタ第1番
ハ短調 Op.32
タッソ・ヤノポーロ(ピアノ)/録音:1962年10月17日/パリ(モノラル)
・ペルゴレージ:チェロ・ソナタ第1番 ト長調
アンヌ・カペー(ピアノ)/録音:1976年12月21日/パリ(ステレオ)
Disc 2
・ファリャ:スペイン民謡組曲
アンヌ・カペー(ピアノ)/録音:1976年12月21日/パリ(ステレオ)
・プロコフィエフ:行進曲(チェロ独奏)
録音:1977年3月23日/パリ(ステレオ)
・ブレヴァル:チェロ・ソナタ ト長調
タッソ・ヤノポーロ(ピアノ)/録音:1962年10月24日/パリ(モノラル)
・ドビュッシー:チェロ・ソナタ、・グラナドス:間奏曲
・プロコフィエフ:行進曲、
・ウェーバー:ロンド
・メンデルスゾーン:無言歌 Op.109
タッソ・ヤノポーロ(ピアノ)/録音:1962年11月28日/パリ(モノラル)
・フォーレ:エレジー Op.24
ジェルメーヌ・ドゥヴェーズ(ピアノ)/録音:1961年7月5日/パリ(モノラル) |
世界初ディスク化、優美な音色が魅力のベルナール・ミシュランのina秘蔵音源
日本語解説付
パリ音楽院出身のフランスのチェリストのベルナール・ミシュラン(1915-2003)。フランスのエスプリ香る、魅惑的な音色の持ち主ミシュランの世界初ディスク化の音源がスペクトラム・サウンドからリリースされます。
実に優美なミシュランの音色で聴く、1961
年から1977 年の貴重な録音をお楽しみください。
伴奏のタッソ・ヤノポーロはジャック・ティボーをはじめ巨匠から厚い信頼を得ていたピアニストですが、ミシュランとの相性も抜群です。平林直哉氏による日本語解説付。
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アンドレ・レヴィ、アンリース・シュミット・ドゥ・ヌヴー、アンリ・オネゲルなど、ここへきて復活の兆しがある往年の名チェリストの録音。
今回はフランスのエスプリ香る魅惑的な音色の持ち主で優美な演奏を聴かせてくれるベルナール・ミシュランの秘蔵音源。
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<国内盤>
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HMF(キング・インターナショナル)
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HMSA 5018/19
(2SACD シングルレイヤー)
\9990
※アンコールプレス
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期間限定再プレス!
SACD シングルレイヤーで原音に迫る
イザベル・ファウストの「バッハ:無伴奏」
J.S.バッハ:
無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ
BWV 1001-1006(全曲) |
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン) |
来日記念アンコール・プレス、完全限定生産
SACD シングルレイヤーで原音に迫るイザベル・ファウストの「バッハ:無伴奏」
使用楽器:1704 年製ストラディヴァリ “スリーピング・ビューティー”
収録:2009 年9 月、2011 年8 月& 9 月/テルデックス・スタジオ(ベルリン)/ステレオ
瞬く間に完売した、イザベル・ファウストの「バッハの無伴奏」SACD
シングルレイヤー盤。完売のたびにお問合わせ殺到の超人気タイトルを、お客様の熱い要望にお応えして、このたび期間限定再プレス致します。
レーベルとの契約に基づく完全限定生産品となりますので、この機会にぜひお求めください。
アルバム・デビュー以来10 年あまりの時を重ねて、当代きっての人気と実力を誇るファウストが取り組んだ「バッハの無伴奏」全曲録音を日本国内独自企画でSACD
化。
直筆譜を丹念に読み込み、ストラディヴァリウス製作の「スリーピング・ビューティー」の神々しいまでに崇高な音色ときわめて高度なテクニックとを駆使して、ファウストが深く鋭く切り込む姿を捉えた名録音を、24
bit / 96 kHz 収録オリジナル・マスター使用によるDSD
マスタリングで、銘器本来のみずみずしい質感と、空間いっぱいに拡がる自然な空気感、アーティストのこまやかな息づかいまで再現しました。
※これらのディスクはSACD対応プレーヤー専用ディスクです。通常のCDプレーヤーでは再生することができません。
バッハ無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
2017/3/2(木)19:00 電気文化会館
2017/3/4(土)15:00 三鷹市芸術文化センター
2017/3/4(土)17:30 三鷹市芸術文化センター
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10/13(木)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
ATMA CLASSIQUE
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アリオン・バロック・オーケストラによる
マニフィカト初稿と第2稿
J.S.バッハ:マニフィカト ニ長調 BWV243
クーナウ:カンタータ「なんと美しく輝く暁の星」 |
アリオン・バロック・オーケストラ
アレクサンダー・ヴァイマン(指揮、オルガン)
ヨハンナ・ヴィンケル(ソプラノ)
ヨハネッテ・ゾマー(ソプラノ)
ジェームズ・レイン(カウンターテナー)
ザカリー・ワイルダー(テノール)
マシュー・ブルック(バスバリトン) |
アリオン・バロック・オーケストラによるマニフィカト初稿と第2稿両方を収録
大天使ガブリエルによって受胎告知されたマリアが「私の魂は主をあがめ,
私の霊は救い主なる神を讃えます」と喜びのうちに神を讃美した,という「新約聖書」ルカ伝第1
章第46 〜 55 節に記された「マリアの賛歌」に付けられたのがこのマニフィカトです。朗らかな合唱、壮麗で美しい独唱のアリア、輝かしいトランペット、オーボエ・ダモーレとソプラノの掛け合いなど全体を通して喜びに満ちた楽曲。
初稿はクリスマス晩課のために作られ、4 曲の挿入曲があり調性は変ホ長調で書かれていました。第2
稿ではニ長調に改訂され、挿入曲は除かれクリスマスのみならず、復活祭や聖霊降臨祭の晩課にも使われるようになりました。
ここでは、通常演奏されている第2 稿に加え、削除された第1
稿の4 曲も収録されています。カップリングには、バッハが務めたライプツィヒ・トーマスカントルの前任者であり、バッハが影響を受けたというクーナウのカンタータ「なんと美しく輝く暁の星」を収録。クリスマスを彩る華やかなアルバムとなりました。
1981 年に創設されたカナダを代表する古楽オーケストラ、アリオン・バロック・オーケストラ。35
年間に渡りあまり知られていない楽曲の発掘、初演、録音などを積極的に行っています。 |
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ジャン・パピノー=クーチュア
新発見の曲を含む弦楽四重奏曲集
ジャン・パピノー=クーチュア(1916-2000)
弦楽四重奏曲第1番(1953)、第2番(1967)、
第3番(1996)、第4番(遺作)
三重奏曲「スラーノ」(1975) |
モリナーリ弦楽四重奏団 |
モントリオールを代表する現代作曲家ジャン・パピノー=クーチュア新発見の曲を含む弦楽四重奏曲集
2016 年に生誕100 年を迎えたカナダの作曲家ジャン・パピノー=クーチュアによる4
つの弦楽四重奏曲。この録音のきっかけは、2016
年春にカナダ音楽センターのケベック支局に勤務していた、彼の娘、ナディア・パピノー=クーチュアが未完の弦楽四重奏曲第4
番のいくつかの手稿譜を発見したことでした。ジャン・パピノー=クーチュアは1945
年からモントリオール音楽院で教鞭をとり、その他にも地元の音楽教育に大きな貢献をしました。
ATMA CLASSIQUE は彼の功績に経緯を評し、この企画を進めることを決定しました。パピノー=クーチュアの音楽は、新古典主義から徐々に進化し、ポリモードとポリトーナルを駆使した無調音階を用いたスタイル。
1997 年に結成されたモリナーリSQ。カナダを代表する団体で、現代音楽をレパートリーの中心としています。完璧な技術と鋭敏な感性で、輝くような演奏を繰り広げています。 |
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バロック・クリスマス協奏曲集
ミシェル=リシャール・ドラランド:ノエルのサンフォニー
シャルパンティエ:器楽合奏のためのノエル
ジュゼッペ・サンマルティーニ:
合奏協奏曲ト短調Op.5-6「クリスマス協奏曲」
ジュゼッペ・トレッリ:
合奏協奏曲ト短調Op.8-6「クリスマス協奏曲」
ヨハン・クリストフ・ペツ:パストラーレ協奏曲ヘ長調
コレッリ:合奏協奏曲ト短調Op.6-8「クリスマス協奏曲」 |
レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワ
ベルナール・ラバディ(指揮) |
バロック時代のクリスマス合奏協奏曲名曲集
カナダのモントリオールに本拠を置くバロック・オーケストラ、レ・ヴィオロン・ドゥ・ロワによるバロックのクリスマス協奏曲集。
F. クープランとほぼ同時期にフランスで活躍した作曲家ミシェル=リシャール・ドラランド。フランス盛期バロック音楽を代表する作曲家マルカントワーヌ・シャルパンティエ。イタリアの前古典派音楽の作曲家ジュゼッペ・サンマルティーニ。イタリア盛期バロック音楽の作曲家ジュゼッペ・トレッリ。2016
年没後300 年を迎えた忘れ去られたドイツ宮廷音楽家ヨハン・クリストフ・ペツ。そしてバロックのクリスマス協奏曲の代表作ともいえるコレッリの合奏協奏曲第8
番「クリスマス協奏曲」と名曲と秘曲が並んだ、クリスマスの雰囲気を盛り上げてくれる1
枚です。
「DORIAN」レーベルからの再発音源。 |
<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
<メジャー・レーベル>
SONY
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8898535143-2
(2CD)
\3200 |
ラヴィニア・マイヤー/ザ・グラス・エフェクト
(ハープで奏でるフィリップ・グラスと影響を受けた音楽家の作品集)
<CD1>
1) フィリップ・グラス:エチュード第1,
2, 5, 8, 9, 12, 16, 17, 18, 20番,
<CD2>
2) フィリップ・グラス:コヤニスカッツィ,
3) ブライス・デスナー;ハープのための組曲,
4) ニコ・マーリー:クワイエット・ミュージック,
5) ニコ・マーリー:ハドソン・サイクル,
6) オーラヴル・アルナルズ:エルラズ・ワルツ,
7) オーラヴル・アルナルズ:トゥモロー・ソング,
8) ニルス・フラーム:アンブル,
9) ニルス・フラーム:In the Sky and on
the Ground,
10) エリス・ルドウィック・レオン:ナイト・ループス,
11) フィリップ・グラス:リフト・オフ
(ラヴィニア・マイヤーとアルトゥール・アントワーヌによる
コヤニスカッツィのアレンジメント) |
ラヴィニア・マイヤー(ハープ) |
[フィリップ・グラス80歳記念リリース]
オランダのハーピスト、ラヴィニア・マイヤーのニューアルバムは、ミニマル・ミュージックの巨匠フィリップ・グラスの80歳を記念して、グラスと彼に触発された音楽をハープで演奏したものです。
常にハープのための新たな音楽を探し求めているラヴィニアとフィリップ・グラスとの邂逅は2011年のこと。
グラスはアムステルダムのコンサートにラヴィニアを招き、ラヴィニアはそこでグラスの「メタモーフォシス」を演奏しました。「あなたこそ今晩の特別な輝きだった」とラヴィニアの演奏に魅了されたグラスのイニシアチヴで制作され、ラヴィニアの名を一躍高めたのがオール・グラスのアルバム「メタモーフォシス/ジ・アワーズ」でした。
今回の新録音「ザ・グラス・エフェクト」は、グラスの80歳(1月31日)を記念して制作され、ラヴィニアとグラスとの新たなコラボレーションを記録した2枚組。DISC1には、グラスの「ピアノのためのエチュード」からハープ用に編曲した10曲を収録したもので、グラスとの密接なコミュニケーションから生み出された、いわば作曲者お墨付きの編曲といえるでしょう。
DISC2にはグラスの音楽に影響を受けた作曲家たちの作品のほか、グラスの「コヤニスカッツィ」と、その新たに編曲である「リフト・オフ」を収録、隅々までライヒへのオマージュに溢れたアルバムにし上がっています。
ラヴィニア・マイヤー1983年韓国生まれ。オランダの家庭に迎えられた彼女は、彼女自身の大きな目標であるハープのソロ楽器としての定着を目指し、ソリストとしてオランダを拠点にヨーロッパ、アメリカ、アジアで活躍。オランダ音楽賞受賞など様々な方面で絶賛され、2009年にはチャンネル・クラシックスのジャレッド・サックスに認められ4枚のアルバムを発売し、どれもがハープの可能性を深く追求したアルバムとして高く評価されました。
純クラシックからフィリップ・グラスなどの現代音楽まで幅広いレパートリーで高い評価を得ています。
【録音】2016年7月, オランダ、アイントホーフェン・ムジークヘボウ |
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8898536964-2
\2500→\2290 |
ソーニャ・ヨンチェヴァ, カリーヌ・デエー/
ペルゴレージ:スターバト・マーテル
1) ペルゴレージ:『スターバト・マーテル』,
2) マンチーニ:『ソナタ第14番ト短調』,
3) ドゥランテ:『合奏協奏曲第1番ヘ短調』 |
ソーニャ・ヨンチェヴァ(ソプラノ),
カリーヌ・デエー(コントラルト),
アンサンブル・アマリリス(ピリオド楽器アンサンブル) |
2015年にソニー・クラシカルと専属契約を結び、今欧米で最も熱い注目を浴びているブルガリアの新星ソプラノ、ソーニャ・ヨンチェヴァのニューアルバム。
英国の権威ある『ガーディアン』紙が「彼女こそ現在進行形のスター!」と絶賛を惜しまないことからもその人気と実力がうかがえましょう。
2010年のドミンゴ主宰による「オペラリア」コンクールで優勝して一躍注目を浴び、2013年のパリ・オペラ座での「ランメルモールのルチア」での圧倒的な成功を経て、2014年にはネトレプコの代役で「ファウスト」(マルグリート)をロンドン、ウィーン、バーデン=バーデンで歌い、まさにその名を世界的なものにしました。
現在世界の主要オペラハウスが彼女に門戸を開くのみならず、スティングやエルヴィス・コステロとの共演などジャンルを超えたコラボレーションも積極的におこなっています。
このアルバムは、ヨンチェヴァが登場した《ペルゴレージ:スターバト・マーテル》のライヴを収録したものです。フランス内外の劇場でひっぱりだこのカリーヌ・デエー、魅惑の古楽アンサンブル集団「アンサンブル・アマリリス」との共演で、その憂いに満ちた歌声、そして深い悲しみが表現された美しき「純」が表現されています。
【録音】2016年6月27日, パリ、シャンゼリゼ劇場でのライヴ |
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8898537212-2
\2500→\2290 |
ヤン・フォーグラー, アイヴォー・ボルトン/
シューマン:チェロ協奏曲, 交響曲第2番
シューマン:
1) チェロ協奏曲 イ短調Op.129,
2) 交響曲第2番ハ長調Op.61 |
ヤン・フォーグラー(チェロ:1),
アイヴォー・ボルトン(指揮)
ドレスデン祝祭管弦楽団
(ピリオド楽器使用) |
オリジナル楽器によるシューマンのオーケストラ曲の注目すべきアルバムの登場です。
ドイツ気鋭のチェリスト、ヤン・フォーグラー2度目のシューマン「チェロ協奏曲」は、何と、新鋭ピリオド・オーケストラ、ドレスデン祝祭管弦楽団との共演です。19歳にしてドレスデン歌劇場管弦楽団の首席チェリストとなり、現在世界中でソリストとして活躍しているフォーグラーは、ここではガット弦を使用し、シューマンの内奥に迫ります。
カップリングは同じシューマンの交響曲第2番で、チェロ協奏曲とともにシューマンのドレスデン時代の所産。シューマンの4曲の中でも最も規模が大きくかつ内面的な名作です。
ドレスデン祝祭管弦楽団は、歴史的なドレスデンの宮廷管弦楽団を範にヨーロッパでも有数のピリオド楽器奏者によって、2012年のドレスデン音楽祭(毎年5月〜6月にかけて開催)のために創設されました。時代楽器やガット弦を使用し、バロックからR.シュトラウスにいたる幅広いレパートリーの歴史的背景に応じて変化する全く新しいサウンドを生み出すサンサンブルとして注目を浴びています)。
首席指揮者は、バイエルン州立歌劇場やザルツブルク音楽祭でのバロック・オペラ上演で知られ、ピリオド楽器演奏に造詣が深いイギリスの名匠アイヴォー・ボルトンです。
なお当アルバムはライヴ録音ではなく、優れた音響効果で知られるルカ教会でのセッション録音です。
【録音】2016年5月, ドレスデン、聖ルカ教会 |
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8898535200-2
\2500 |
ティム・クリップハウス/リファレンシング・ザ・シーズンズ
(ティム・クリップハウス編曲版『ヴィヴァルディ:四季』)
ティム・クリップハウス:
ヴィヴァルディの協奏曲集『四季』によるリファレンス【演奏】 |
ティム・クリップハウス(ヴァイオリン),
ナイジェル・クラーク(ギター),
ロイ・パーシー(ベース),
ピーター・マーティンス(指揮),
ステレンボッシュ大学カメラータ |
ステファン・グラッペリを受け継ぐヴァイオリンの名手、ティム・クリップハウス。彼は、オランダ出身の新鋭ヴァイオリニストであり、すでに「アコースティック界の最も創造的でエキサイティングでエンターテイニングなヴァイオリニスト」と評されています。
ヨーロッパ最大のジャズ・ヴァイオリン・ワークショップ「グラッペリ・キャンプ」の設立者でもあります。2012年にロックの名曲をジャンゴスタイルで演奏した「Rock
Django」、2007年に「Tim Kliphuis and the
Clearwater HotClub」、2005年にソロ名義の「ザ・グラッペリ・トリビュート」、2007年と2008年にトリオ名義、2005年にアンジェロ・ドゥバールとの共作ライヴ盤など多作。
著作にCD付き教則本「ヴァイオリンをスウィングさせたジャズ・プレイヤー
ステファン・グラッペリ ジプシー・ジャズ・ヴァイオリン」などもあります。このアルバムでは、ヴィヴァルディの協奏曲集『四季』を、彼独自にマヌーシュ・スウィング風にアレンジしたもの。様々な演奏、アレンジがある中、新しい「四季」の代表盤となる演奏です。
【録音】2016年6月, ステレンボッシュ大学、エンドラー・ホール |
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8898533145-2
(2CD)
\3200→\2890 |
ヴィンツバッハ少年合唱団/バッハ:クリスマス・オラトリオ(全曲)
J.S.バッハ:クリスマス・オラトリオ BWV.248(全曲) |
ユッタ・ベーネルト(ソプラノ),
レベッカ・マーティン(メゾ・ソプラノ),
マルクス・シェーファー(テノール),
トーマス・ラスケ(バス),
ヴィンツバッハ少年合唱団,
ドイツ・カンマー=ヴィルトゥオーゼン・ベルリン,
カール=フリードリヒ・ベリンガー(指揮:第1〜3部),
マルティン・レーマン(指揮:第4〜6部) |
バッハの名カンタータなどを美しい歌声でドイツの数ある少年合唱団の中でも、その正確な音程と一糸乱れぬ完成度の高さをもつ、1946年に設立されたドイツの名門少年合唱団「ヴィンツバッハ少年合唱団」。
これまでソニー・クラシカルへは、カール=フリードリヒ・ベリンガー(2012年まで常任指揮者)の指揮で、バッハ:カンタータ集、モーツァルト「レクイエム」、シューベルト「ミサ曲第5番」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」などを録音しています。
当アルバムは、以前分売されていたクリスマス・オラトリオ2枚をセット化したもので、前半後半と音楽監督が変更になっていますが、同じ独奏者、オーケストラが集められ、万全の体制で演奏されています。
キリストの誕生、そして神への感謝に包まれた優しい曲想が聴く者の心を慰めるものです。
【録音】2011年(第1〜3部), 2015年(第4〜6部) |
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8898537000-2
\2500 |
カルロ・ボッカドーロ / キャデラック・ムーン
カルロ・ボッカドーロ:
1) 『ヴァイオリンと弦楽のための「キャデラック・ムーン」』,
2) 『フルートと管弦楽のための協奏曲』,
3) 『室内オーケストラのためのモリアーナ』,
4) 『クラリネットと管弦楽のための協奏曲』,
5) 『チェロ, ピアノ, 弦楽のための「グレタ・ガルボの眼」』 |
パオラ・フレ(フルート),
志村 彩(チェロ),
ファブリツィオ・メローニ(クラリネット),
アンドレア・レバウデンゴ(ピアノ),
ピエルカルロ・サッコ(ヴァイオリン),
ミラノ・ポメリッジ・ムジカーリ管弦楽団,
カルロ・ボッカドーロ(指揮) |
カルロ・ボッカドーロ(1963-)は、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院で作曲を学び、特にシンフォニックな作品、室内楽作品、演劇やミュージカルとのコラボレーションで高い評価を得ている作曲家。
ルイ・アンドリーセンらとのユネスコのための作品を共作し、近年では、ミラノ・スカラ座フィル、フィレンツェ五月音楽祭、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団、シャイー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のための委託作品も手がけているほか、ジャズとのコラボレーションも行なうなどジャンルを超えた音楽活動を展開しています。
このアルバムは、ボッカドーロが、1998〜2015年に作曲をした協奏的作品が収録されています。クラリネット独奏には、ミラノ・スカラ座管弦楽団首席奏者であるファブリツィオ・メローニが参加しています。
【録音】2015年11月, ミラノ, ダルヴェルメ劇場 |
<LP>
<国内盤>
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10/12(水)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
AUDITE
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リアナ・グルジヤ、ストラヴィンスキーを録音!
ストラヴィンスキー:
(1)ロシアの歌
(2)ロシアの踊り〜「ペトルーシュカからの3楽章」より
(3)ディヴェルティメント
(4)イタリア組曲
(5)ブルレスケ
(6)タンゴ
(7)ヴァイオリン協奏曲 ニ調 |
リアナ・グルジヤ(ヴァイオリン)
(1)-(6)カティア・スカナヴィ(ピアノ)
(7)ジョルト・ナジ(指揮)
ザールブリュッケン・
カイザースラウテルン・
ドイツ放送フィルハーモニー
管弦楽団 |
リアナ・グルジヤ、満を持してストラヴィンスキーを録音!
セッション録音:2015年10月12-17日/SWRスタジオ(カイザースラウテルン)/ディジパック仕様、77’24”
ロシア生まれのヴァイオリニスト、リアナ・グルジヤがストラヴィンスキー・アルバムを録音しました。
グルジヤは6 歳のときに神童としてモスクワ・テレビにて紹介され話題となり、9
歳のときにはオーケストラとの共演で輝かしいデビューを果たしました。その後、若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールをはじめとした数々のコンクールに出場し、華々しい成績をおさめました。
幅広いレパートリーをもつグルジヤですが母国ロシアの作品は格別。ことにストラヴィンスキーは最も得意とし、最重要レパートリーとして演奏してきました。どことなくくすんだ音で哀愁に満ちた演奏の「ロシアの歌」「ブルレスケ」、切れ味と絶妙なテンポ感がやみつきになる「ロシアの踊り」「タンゴ」、さらに「ディヴェルティメント」「イタリア組曲」そしてヴァイオリン協奏曲というストラヴィンスキーの代表作を説得力抜群の演奏を聴かせてくれます。実に多彩な表現を駆使したグルジヤの演奏で聴くストラヴィンスキーは絶品の一言に尽きます!
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」でも聴いてみましょう。
https://youtu.be/AINNV3tIthQ
ジャケットでみるより清楚なイメージの人です。
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PENTATONE
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PTC 5186594
(SACD HYBRID)
\2700 →\2490
|
ヨハネス・モーザー、ペンタトーン・レーベル第2弾
ロシアン・アルバム
(1)プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調
Op.119
(2)ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調
Op.19
(3)ラフマニノフ:ヴォカリーズ
(4)プロコフィエフ:
アダージョ Op.97bis〜チェロとピアノのための
(5)スクリャービン:ロマンス |
ヨハネス・モーザー(チェロ)
アンドレイ・コロベイニコフ(ピアノ) |
実力派チェリスト、ヨハネス・モーザー、ペンタトーン・レーベル第2弾はロシアン・アルバム、共演はコロベイニコフ!
セッション録音:2016年3月、4月/オランダ放送音楽センターMCO5スタジオ/マルチチャンネル、DSD、72’07”
SACD ハイブリッド盤。
世界的チェリストのヨハネス・モーザー。PENTATONE
レーベル注目の第1 弾としてリリースされたドヴォルザーク&ラロの協奏曲アルバム(PTC
5186488 / KKC 5651)に続く、期待の第2 弾はロシアン・アルバム(プロコフィエフ、ラフマニノフ、スクリャービン)です。
ロストロポーヴィチの協力を得て作曲されたプロコフィエフのチェロ・ソナタは、チェロの暖かな歌唱、豊かな色彩、そして名人芸的な技術を要する晩年の傑作のひとつ。
一方、ラフマニノフのチェロ・ソナタは、1901
年の春にピアノ協奏曲第2 番を完成した直後に着手され、同年夏に完成した作品。最高傑作のピアノ協奏曲を書きあげた後で、創作力が充実していた頃にあたり、チェロの美しい旋律とラフマニノフらしいピアノ・パートの活躍が印象的なソナタです。
共演は1986 年ロシア生まれのアンドレイ・コロベイニコフです。モスクワ音楽院でディエフに師事し、2004
年に行われた第3 回スクリャービン国際ピアノ・コンクールで優勝した実力派で、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭にも度々登場し、日本のファンにもおなじみのピアニストです。ピアニストの作曲したこれらの作品は、“伴奏”
という域を超えた技術を要しますが、流石!コロベイニコフと言える実に見事な演奏を披露しております。

前作のプロモ・ビデオ。かなり凝ってます。
https://youtu.be/8yrQmmdnW6w
PENTATONE デビュー・アルバム
ヨハネス・モーザー/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
伴奏はフルシャ!!
カップリングのラロも感動的 |
PTC 5186488
(SACD HYBRID)
\2700 →\2490
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ヨハネス・モーザー/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
伴奏はフルシャ!!
カップリングのラロも感動的
(1)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調
Op.104
(I.14'50" +II.11'26"+III.12'28"=
TT.38'44")
(2)ラロ:チェロ協奏曲 ニ短調
(I.13'04" +II.5'54"+III.7'37"=
TT.26'35") |
ヨハネス・モーザー
(チェロ;
1694年製グァルネリウス)
ヤクブ・フルシャ(指揮)
プラハ・フィルハーモニア |
大注目盤。ヨハネス・モーザーがペンタトーンと専属契約!!!
フルシャ、プラハ・フィルハーモニアによる好サポートのもと遂にドヴォルザークを録音!!カップリングのラロも感動的。
セッション録音:2015 年1 月/プラハ/65’33”
SACD ハイブリッド盤。
世界的チェリストのヨハネス・モーザーがオランダ、PENTATONE
レーベルと専属契約しました!
注目の第1 弾は待望のドヴォルザークと2014
年の来日公演でも話題となったラロの協奏曲です。定期的に来日しているモーザーは日本でもファンが多く、硬派にして明快な演奏は高く評価されております。
モーザーの十八番であるドヴォルザークは、キャリアを十分に積んで録音してくれたことに感謝したくなるほどの出来栄えで実に濃密な演奏を披露しております。同世代の実力派ヤクブ・フルシャと1994年にイルジー・ビエロフラーヴェクによって創設されたプラハ・フィルハーモニアとの好サポートによりドヴォルザークの神髄にせまる名演を聴かせてくれます。
ラロのチェロ協奏曲も聞きものです。ラロの代表作といえばヴァイオリンのスペイン交響曲ですが、チェロ協奏曲もスペイン交響曲と同様にスペインの民族音楽の要素を取り入れており、民族的香気、管弦楽法の美しさが際立った傑作と言えます。弦楽器奏者の経験をもったラロらしい技巧的なパッセージが随所にあらわれ、軽快な歯切れの良さと迫力に満ちた演奏効果の大きいこの作品をモーザーは愛奏しており、2014
年5 月、NHK 交響楽団の定期演奏会での熱演は話題となりました。30
代半ばのモーザーですが既に風格漂う演奏は感動せずにはいられません。
ヨハネス・モーザー(チェロ)
1979 年ミュンヘン生まれ。8 歳からチェロを学び、1997
年からダヴィド・ゲリンガスに師事、2002 年チャイコフスキー・コンクールで最高位を受賞しました。
これまでに数多くの名門オーケストラ、名指揮者と共演し世界中に活躍の幅を広げる実力派で、バロックから現代まで豊富なレパートリーの持ち主で客観的なスタンスから巧みに難曲を弾きこなすスタイルが評判のチェリストです。
愛器1694 年製のグァルネリウスから奏でられる音色は奥深い響きと情熱に満ちており、その演奏は聴き手を虜にしてしまいます。その卓越した演奏技術と高い表現力に、今後さらに期待されるチェリストと言えましょう。
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<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
ALTUS(LP)
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TALTLP 007/16
(10LP)
\49800+税
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ヨッフム&アムステルダム・コンセルトヘボウ管
ブルックナー:交響曲集成(第4、5、6、7、8番) |
オイゲン・ヨッフム(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管 |
ブルックナー:
LP 1&2(TALTLP-007第1,2楽章、TALTLP-008 第3,4楽章)
(1)交響曲第4 番 変ホ長調
LP 3&4(TALTLP-009第1,2楽章、TALTLP-010 第3,4楽章)
(2)交響曲第5 番 変ロ長調
LP 5&6(TALTLP-011第1,2楽章、TALTLP-012 第3,4楽章)
(3)交響曲第6番 イ長調
LP 7&8(TALTLP-013第1,2楽章、TALTLP-014 第3,4楽章)
(4)交響曲第7番 ホ長調
LP 9&10(TALTLP-015第1,2楽章、TALTLP-016 第3,4楽章)
(5)交響曲第8番 ハ短調 |
名盤、初LP 化で復活!新マスタリング!オイゲン・ヨッフム&コンセルトヘボウ ステレオ・ライヴによるブルックナー交響曲選集(4〜8
番)
「黄金に輝く金管、ベルベットのごとき弦」と評されたコンセルトヘボウ管とヨッフム円熟の壮絶ステレオ・ライヴ。これがヨッフム翁のブルックナーの結論!高音質で初のLP
化になる!」
録音:(1)1975 年1月16日、(2)1986 年12月4日、(3)1980
年11月2日、(4)1970 年3月15日、(5)1984 年9月26日/コンセルトヘボウ、アムステルダム/240セット完全限定盤、ステレオ
コンセルトヘボウの美しい響の中で展開される理想的なブルックナー集成。味わいと迫力が見事に融合した、今や失われた美しいブルックナーがよみがえります。
5 番は有名なフィリップス盤と比べ、ヨッフム翁最晩年の記録だけあってよりスケール感があり、CD
時代より評価が高く人気盤でありました。
6 番はコンセルトヘボウ管も自薦の名演で、第2
楽章など無類の味があります。7 番が70 年の録音で晩年の東京ライヴとは別もの。力強さと雄渾さが素晴らしい。
4 番は語り口のうまさにぐいぐい引き込まれます。8
番は圧倒的なコーダが素晴らしい演奏です。どの曲も放送録音ということを考えても優秀な音質です。新マスタリングでアナログマスターテープを作製の上、LP
化いたしました。
また解説書も充実していて、ヨッフム翁の有名な論文「ブルックナーの交響曲の解釈のために」が新訳(河原融氏訳)で収録。この論文はヨッフムがブルックナーについてわかりやすく語ったもので、曲の頂点はどこか?といった議論から5
番の金管増強の件に関する考察など、ブルックナーを聴く上で興味深く参考になる話題が満載です。 |
<メジャー・レーベル>
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オーストラリアELOQUENCE
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482 4765
\1200 |
《18世紀のシェイクスピア歌曲集》
1) ウェルドン:さあ持って行け、この唇をどこへでも,
2) トーマス・チルコット:聞け聞けひばり,
3) スミス:Flower of this purple dye,
4) アーン:来たれ、死よ,
5)フック:柳の歌, 6) 吹けよ、吹け、冬の風よ,
7) アーン:緑の森の木の下で,
8)リンリー:今や飢えたライオンがうなり,
9) スミス:溜息なさるな、淑女の方々,
10) スミス:二枚舌のまだら蛇たち,
11) リンリー・ザ・ヤンガー:O bid your
faithful Ariel fly,
12) ハイドン:彼女は決して恋心を語らなかった,
13) グリーン:オルフェウスがリュートをとれば,
14) アーン:Thou softly flowing Avon, |
エイプリル・カンテロ(ソプラノ),
レイモンド・レパード(指揮, チェンバロ),
イギリス室内管弦楽団, |
シェイクスピアの没後400年記念、初CD化
2016年はイギリスの文豪シェイクスピアの没後400年の記念年です。音楽界でも数多くのシェイクスピアにまつわる作品がリリースされていますが、このアルバムは1960年に録音され、当時も話題を呼んだ素晴らしいアルバムの初CD復刻となります。現代でも数多くの芸術家がシェイクスピアの優れた詩からインスピレーションを受け、素晴らしい作品を創り上げています。
このアルバムでは、シェイクスピアの同時代を生きた作曲家トマス・モーリーから、録音当時の最先端に位置したブリテンに至る多くの作曲家によるシンプルで美しい作品を聴くことができます。
詩と曲が見事に融合し、美しい英語の響きを堪能させてくれるこれらの歌曲は、フルートのオブリガードや、フル・オーケストラの伴奏で変幻自在な姿を見せています。
【録音】1960年12月, ロンドン、Conway Hall |
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482 2033
\1200 |
クリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ),
《サン=サーンス:チェロと管弦楽のための作品集》
サン=サーンス:
1) チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33,
2) チェロ協奏曲第2番ニ短調Op.119,
3) チェロと管弦楽のための組曲Op.16,
4) チェロと管弦楽のためのアレグロ・アパッショナート
ロ短調 |
クリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ),
エリアフ・インバル(指揮)
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団, |
クリスティーヌ・ワレフスカの迸る情熱と溢れる歌心
ロサンジェルス出身の女性チェリスト、クリスティーヌ・ワレフスカ(1948-)は、13歳でワシントン・ナショナル交響楽団のコンサートでデビュー、16歳でパリ国立高等音楽院に留学、モーリス・マレシャルに師事、チェロと室内楽でアメリカ人として初の一等賞を獲得しました。また幼い頃、アルゼンチン出身の名チェリスト、エニオ・ボロニーニから指導を受けたことが彼女に強い影響を及ぼしました。
ボロニーニの自筆譜も継承するなど様々な点で注目され、一時はジャクリーヌ・デュプレを凌ぐ名声を得ていたことでも知られています。
このアルバムは、彼女による一連のPHILIPSレーベルへの録音のなかの1枚で、1974年にリリースされた時には、サン=サーンス:チェロ協奏曲の世界初の全集として注目されたものです。迸る情熱と溢れる歌心が感じられる名演です。
【録音】1973年11月, モンテカルロ、サル・アルカザール
ワレフスカ最新録音! |
CHRISTINE WALEVSKA
LM 206
\2600
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ワレフスカ最新録音!
「チェロの女神〜クリスティーヌ・ワレフスカ」
(1)グラナドス(カサド編):「ゴイェスカス」より間奏曲(第20番)/
(2)ボロニーニ:セレナータ・デル・エコー/(3)ペルゴレージ:ニーナ/
(4)ブラガート:ミロンタン/(5)ボロニーニ:アダージョ/
(6)ボロニーニ:チェロの祈り/
(7)ボロニーニ:セレナータ・デル・ガウチョ/
(8)ショパン(ピアティゴルスキー編):夜想曲
嬰ハ短調/
(9)ボロニーニ:バスクの祭り/
(10)チャイコフスキー:ただ憧れを知る者だけが/
(11)グローフェ:クリスティーヌ/(12)グルック:「オルフェオ」よりメロディ/
(13)ピアソラ(ブラガート編):アディオス・ノニーノ/
(14)ラヴェル:ハバネラ形式の小品/
(15)ショパン(ワレフスカ編):夜想曲 変ホ長調Op.9-2(第2番)/
(16)リスト(ワレフスカ編):愛の夢/(17)ボロニーニ:アヴェ・マリア |
クリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ)
福原彰美(ピアノ) |
チェロの女王と呼ばれているクリスティーヌ・ワレフスカの最新CD発売!
録音:2014 年6 月、ポラック・ホール、モントリオール,カナダ
このCD はワレフスカの恩師であるアルゼンチンの巨匠チェリスト、エニオ・ボロニーニ(Ennio
Bolognini,1893-1979)が生前、彼女にだけ、演奏を許可した6曲が収められた貴重なCD
です。
またアメリカの著名なピアニストであり、「グランド・キャニオン」で有名な作曲家ファーディ・グローフェ(1892-1972)が彼女のための作曲した「Christine」も収められており、他のチェリストの演奏ではかなえられない特別な内容になっています。
ワレフスカ自らアレンジしたショパンのノクターンや、リストの名曲など、聴き逃す事の出来ない内容で、最高のチェロの技巧のみならず、彼女らしい心温まる演奏は聴く人を幽玄と至福の世界へと導きます。共演は新進気鋭の日本人ピアニストの福原彰美。
クリスティーヌ・ワレフスカ:
ロサンゼルスで生まれ、父親からチェロの手ほどきを受け、10
歳の時に、巨匠チェリスト、エニオ・ボロニーニの前で演奏し、ボロニーニ夫人が「この小さな女の子は将来素晴らしいチェリストになるわね」というとボロニーニは「彼女はすでに素晴らしいチェリストだ」と絶賛しました。13
歳でアメリカ楽壇にデビューし、16 歳でフランスのパリ音楽院へ留学しM.マレシャルに師事(後にフルニエの下でも学んだ)。アメリカ人として初のチェロと室内楽で1等賞を取り卒業した後、ヨーロッパ、南北アメリカで数々の演奏活動を行う。21
歳の時にフィリップス・レーベルからシューマンの協奏曲などをリリース。
日本では1974 年、2010 年、2012 年と来日コンサートを行う。2014
年台湾でもコンサートを行う。現在もアルゼンチン、スイス、イタリア、オーストリア、米国などでコンサートを行い、チリのインターナショナル・チェロ・コンペティションの審査委員長を務める。
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482 3444
\1200 |
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
《ストラヴィンスキー:春の祭典, ペトルーシュカ》
ストラヴィンスキー:
1) バレエ音楽『春の祭典』(1921年版),
2) バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1911年版) |
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(1)/
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団,
トーマス・ライナ(ピアノ)(2)、 |
フェイズ4によるラインスドルフの優秀録音盤
何度も何度も繰り返し復刻される往年の名演。1963年にデッカ・アメリカが開発した「20chマルチ録音を4トラックに収録する」というフェイズ4ステレオによる録音は、鮮明で奥行きのある素晴らしい音質で話題となったもので、このラインスドルフの「春の祭典」もオーディオ・チェック用に使用されるほどの高音質録音も話題となりました。もちろんオーソドックスな解釈による演奏は素晴らしいものです。
また「ペトルーシュカ」でピアノを担当しているトーマス・ライナは1928年ブダペスト生まれ。ストラヴィンスキーのピアノ曲全集をリリースするほど、作品に精通しているピアニストです。
【録音】1973年12月(1), 1970年6月(2), ロンドン、キングズウェイ・ホール |
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480 7206
(3CD)
\3000 |
カイルベルトの名盤
《R.シュトラウス:影のない女》
R.シュトラウス:『影のない女』(全曲) |
ジェス・トーマス(テノール:皇帝),
イングリート・ビョーナー(ソプラノ:皇后),
マルタ・メードル(メゾ・ソプラノ:乳母),
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:バラク),
インゲ・ボルク(ソプラノ:バラクの妻),
ハンス・ホッター(バス:伝令), 他,
バイエルン国立歌劇場管弦楽団と合唱団,
ヨーゼフ・カイルベルト(指揮) |
カイルベルトの名盤が、Eloquenceから復活
20世紀に書かれたオペラの中でも、とりわけ大規模な編成と複雑な内容を持つこの「影のない女」は、様々な節目の年に取り上げられることが多い作品としても知られています。
この1963年11月/12月のカイルベルトの演奏は、第二次世界大戦で破壊されたバイエルン国立歌劇場の再建記念として上演されたもので、慣例のカットがあるものの、当時最高の名声を誇った歌手の顔ぶれを見るだけでも胸が高鳴るはず。
カイルベルトの指揮は堅実かつ悠然たるもので、リヒャルト・シュトラウスの精緻でたっぷりとした響きを存分に味わわせてくれます。21世紀の今でも、その輝きは全く失われることはありません。
【録音】1963年11〜12月、ミュンヘン、バイエルン国立歌劇場 |
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482 6455
(3CD)
\3000 |
《トマ:歌劇「ハムレット」》
トマ:歌劇『ハムレット』(全曲) |
シェリル・ミルンズ(アムレ),
ジョーン・サザーランド(オフェリ),
ジェームス・モリス(クロード),
バーバラ・コンラッド(ジェルトリュード),
エスタ・ウィンベルイ(ラエルト),
ジョン・トムリンソン(前王の亡霊), 他,
ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団と合唱団,
リチャード・ボニング(指揮), |
サザーランド&ボニングによる素晴らしき名演
オーストラリア出身の名ソプラノ、サザーランドは21歳で歌手デビューした後、再度ロンドンの王立音楽大学で学び、26歳でロイヤル・オペラ・ハウスにデビューしています(その時は“魔笛”の第一の侍女役)。そして夫となるリチャード・ボニングと出会い、彼が意欲を燃やしていたベルカント・オペラに魅せられ、これらの役を極めていくのです。
1959年に歌ったドニゼッティの「ルチア」は大成功を収め、見せ場となる“狂乱の場”での迫真の歌唱は並ぶ者のないほどの素晴らしさを誇りました。
そんなサザーランドですが、さすがに1970年代には声の変容にともなって歌う役も変化し、1990年の「こうもり」ゲスト出演を最後に舞台から引退したのです。
この1983年の「ハムレット」は、彼女の最後の録音の中の一つで、“狂乱の場”では美しい高音域を保持しながらも、落ち着いた響きも併せ持つ彼女の声が存分に楽しめます。
【演奏】1983年4月, ロンドン、キングズウェイ・ホール |
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480 6579
(2CD)
\1800 |
ショルティが振る「ギリシャ悲劇」
《ストラヴィンスキー:エディプス王, コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ,
R.シュトラウス:エレクトラより》
1) ストラヴィンスキー:オペラ・オラトリオ『エディプス王』(全曲)
[録音]1976年3月, ロンドン、キングズウェイ・ホール |
ピーター・ピアーズ(エディプス),
ケルスティン・マイヤー(ヨカスタ),
ドナルド・マッキンタイア(クレオン),
スタッフォード・ディーン(ティレシアス),
ライランド・デイヴィス(羊飼い),
ベンジャミン・ラクソン(使者),
アレック・マッコウェン(語り),
ジョン・オールディス合唱団,
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,
ゲオルグ・ショルティ(指揮) |
2) コダーイ『ハーリ・ヤーノシュ』組曲
[録音]1949年5月, ミュンヘン / |
ゲオルグ・ショルティ(指揮)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団 |
3) R.シュトラウス;歌劇『エレクトラ』Op.58(抜粋)
[録音]1952年8月、ミュンヘン |
クリステル・ゴルツ(エレクトラ),
フェルディナント・フランツ(オレスト),
バイエルン国立歌劇場管弦楽団,
ゲオルグ・ショルティ(指揮) |
ショルティによる阿鼻叫喚の世界
ショルティが振る「ギリシャ悲劇」を元にした2つの作品を中心にコンパイルした興味深い2枚組。
ストラヴィンスキーの「エディプス王」は運命と神託によって、自身の父を殺害する息子の物語、エレクトラは実父を母に殺害され、その復讐を遂げる物語で、どちらも血生臭いストーリーが激しい音楽と共に展開していくものです。
ショルティはこのような作品を演奏することにかけて天才的な手腕を持っており、ここでも、これ以上ないほどの阿鼻叫喚の世界を楽しむことができます。
また「エレクトラ」のタイトル・ロールはクリステル・ゴルツ。鬼気迫る歌唱が全てを凌駕します。楽しい「ハーリ・ヤーノシュ」も聴きものです。
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482 4951
\1200 |
アシュケナージ(指揮)/フィルハーモニア管
《ベートーヴェン:交響曲第5&7番》
ベートーヴェン:
1) 交響曲第5番ハ短調Op.67,
2) 交響曲第7番イ長調Op.92 |
ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 |
壮大さの中に軽やかさを内包したアシュケナージの演奏
18歳の時に「ショパン国際ピアノコンクール」(1955年)で2位を獲得したアシュケナージは、その後順当にキャリアを重ね、世界的なピアニストに成長するとともに、1970年頃からは指揮者としてもその才能を発揮します。
このフィルハーモニア管弦楽団とのベートーヴェンは、彼が得意とするロシア音楽とはまた違う、壮大さの中に軽やかさを内包した演奏が話題となったもの。誇張のない清冽な表現は2000年以降の演奏とはまた違う味わいを有しています。
【録音】1981年3月(1), 1983年10月(2),
ロンドン、キングズウェイ・ホール |
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442 9098
\1200 |
ジョーン・サザーランド(ソプラノ)/《ロマンティック歌曲集》
1) デンツァ:あの人を愛するのが怖い
2) パンセロン:ゆかしい角笛の音,
3) クロイツァー:水車,
4) ニコライ:涙,
5) プロッホ:アルプスのホルン,
6) シュクロウプ:谷間よ、なぜ静か,
7) ドニゼッティ:不幸な恋,
8) ラハナー:質問,
9) キュッヘン:小さな鳥,
10) ラハナー:女の愛と生涯,
11) マスネ:閉じた目,
12) ベルリオーズ:ブルターニュの若き牧人,
13) ラハナー:秋、そして春への憧れ,
14) マスネ:祝福された愛 |
ジョーン・サザーランド(ソプラノ),
バリー・タックウェル(ホルン),
リチャード・ボニング(ピアノ) |
サザーランドの愛情に満ちた歌唱による美しきメロディ
サザーランドの最後の録音集の中の1枚。なんとも愛情に満ちたこの歌曲集は、聴き手を心から幸せにするものです。
サザーランドと彼女の最高の伴侶であるボニング、そして同じくオーストラリア出身の名ホルン奏者タックウェル。この3人の魅力的な共演による知られざる作品を含む極上の1枚です。
【録音】1987年10月, |
<国内盤>
<映像>
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10/11(火)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜
CAVI MUSIC
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グニラ・シュッスマン難易度の高い変奏曲を
力強く表情豊かに弾く
グリーグ:
ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラードOp.24
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲Op.54
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24 |
グニラ・シュッスマン(ピアノ) |
スウェーデン出身のピアニスト、グニラ・シュッスマン難易度の高い変奏曲を力強く、そして表情豊かに弾く
スウェーデン出身のピアニスト、グニラ・シュッスマンによる変奏曲集。
ここに収録されている楽曲はどれも大変な技巧を要する大曲。ノルウェーの民謡「北国の農民」の旋律を基にして書かれたグリーグの「バラード」は、ドラマティックな展開、ロマンティシズム溢れる旋律が魅力。集中力と構成力を必要とする規模の大きな作品ですが、シュッスマンの多彩なタッチにより全体の見通しに優れた演奏が展開されています。
メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」は、ボンのベートーヴェン記念像の建立資金のためウイーンの出版社メケッティが企画したピアノ曲集「ベートーヴェン・アルバム」のために作曲され、主題と17
の変奏とコーダからなります。様々なテクニックが用いられ弾き手にも高度な技術を要します。
シュッスマンの演奏は、テクニックはもちろんのこと豊かな表現力、熟考された音色は見事。ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」は、若き日の代表作。ヘンデルのクラヴィーア組曲第2
巻(HWV434) の第1 曲「エア」からとられた旋律を用いた主題、そして25
の変奏を経てフーガへたどり着く構成。シュッスマンのブラームスの心情を映し出す充実した音楽性、力強く勢いがある演奏を聴かせてくれます。
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PERFECT NOISE
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高い集中力から生み出される崇高なゴルトベルク
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 |
アレクサンドル・プリャーエフ(チェンバロ) |
使用楽器:フォルカー・プラッテ、レムシャイト2012年製(ミヒャエル・ミートケ1710年)
録音:2014年10月31〜11月4日
1962 年サンクトペテルブルグ( 旧レニングラード)
生まれのチェンバロ奏者アレクサンドル・プリャーエフによるゴルトベルク変奏曲。きっちりと落ち着いた演奏で、正確な速度感覚でテンポの過度なゆらぎはなく、高い集中力を感じさせます。バッハの音楽をシンプルに崇高に聴き手に届ける真摯な演奏を聴かせます。
彼はモスクワ音楽院でピアノをウラディーミル・ナタンソンに師事。その後、西ヨーロッパに渡り、レオンハルト、インマゼール、ケティル・ハウグサントらレッスンを受け、スヴェーリンク音楽院でアンネケ・アウテンボシュ、スタンリー・ホッホランドに師事。現在はドイツを拠点に演奏活動を行い、鈴木秀美、ドロテー・オベルリンガー、ヒレ・パール、セルジオ・アッツォリーニなど古楽界を代表する面々と共演を重ねています。ケルン音楽大学で教鞭をとっています。
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NIMBUS ALLIANCE
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NI 6330JP
(SONY DADCプレス盤/
日本向け限定生産)
\2400
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花は咲く 〜 オーケストラ伴奏の日本歌曲集
1. 山田耕筰:赤とんぼ/
2. 中田喜直:霧と話した/
3. 平井康三郎:平城山/
4. 山田耕筰:あわて床屋/
5. 團伊玖磨:はる/
6−9. 山田耕筰:風に寄せてうたへる春の歌/
10. 近衛秀麿:ちんちん千鳥/
11. 中田喜直:さくら横ちょう/
12. 菅野よう子:花は咲く/
13. 中田喜直:夏の思い出/
14. 山田耕筰:からたちの花/
15. 中田喜直:たんぽぽ/
16. 山田耕筰:城ケ島の雨/
17. 中田喜直:たあんき ぽーんき/
18. 中田喜直:秋風よ/
19. 小林秀雄:落葉松
※オーケストレーション:
デイヴィッド・マシューズ(2, 3, 5, 10,
11, 15, 17, 18)、
柿沼唯(1, 6−9, 16)、
スチュアート・カルヴァト(4, 12, 13, 14,
19) |
シャーロット・ド・ロスチャイルド(ソプラノ)
マイケル・コリンズ(指揮)
シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニア |
シャーロット・ド・ロスチャイルドが歌う"花は咲く"。新しい編曲によるオーケストラ伴奏の日本歌曲集!
SONY DADCプレス盤日本向け限定生産!日本語解説、日本語歌詞&日本語曲目表記オビ付き!
世界中にその歌声を響かせるソプラノ歌手であり、イギリスの歴史ある名門ロスチャイルド家の長女でもあるシャーロット・ド・ロスチャイルドは、ザルツブルク音楽学校、英国王立音楽大学、同大学院を卒業し、音楽の才を発揮。18ヶ国語の歌をレパートリーとするなど、世界各地で音楽活動を行っている。
「日本人以上に日本の心を歌う」と称されたシャーロット・ド・ロスチャイルドが実現させた長年の夢「オーケストラ伴奏の日本歌曲集」は、デイヴィッド・マシューズなど3人の作曲たちによる新しい編曲が用いられており、「花は咲く」をはじめとする日本歌曲の詩と旋律の美しさをさらに引き立てている。
日本歌曲の新しい編曲の魅力を余すことなく引き出している名匠マイケル・コリンズ&シティ・オヴ・ロンドン・シンフォニアの演奏も特筆もの。新たな編曲を通じて、今ここに美しき日本歌曲の花が咲く。
※録音:2016年2月13日−15日、モンマス(イギリス)
※「NI 6330JP」はSONY DADCプレスによる、日本向けの限定生産盤となります。海外で発売される「NI
6330」品番の商品はCD-R盤です。予めご了承ください。

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CELESTIAL HARMONIES
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14333
(2CD)
\4600 →\4190
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コチシュ&ハンガリー国立フィル、
シャーンドル・ファルヴァイとの
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番とリストの管弦楽作品!
CD1)
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
CD2)
リスト:3つの葬送的頌歌 S.112 |
ゾルターン・コチシュ(指揮)
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団
シャーンドル・ファルヴァイ(ピアノ)【CD1】 |
コチシュ&ハンガリー国立フィル最新盤!元リスト音楽院学長シャーンドル・ファルヴァイとのブラームス:ピアノ協奏曲第1番とリストの珍しい管弦楽作品!
録音:2016年6月13-17日、2016年7月20日フェニックス・スタジオ、ディオーシュド、ハンガリー
CD1:50’38/CD2:30’21
ハンガリーを代表するピアニストとして、近年では指揮者としても活躍しているゾルターン・コチシュ、最新録音!
2016 年の6 月と7 月に録音されたこのアルバムは、1997年より音楽総監督に就任したハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団とのブラームスとリスト。
ブラームスの“ピアノ協奏曲第1 番”では、コチシュとほぼ同年代に活躍したハンガリー音楽界の重鎮シャーンドル・ファルヴァイをピアノに迎えて、甘さは一切感じさせないヒンヤリとした美しさを湛えたキレキレのブラームスを聴かせます。
しっかりとしたタッチで開放的なピアノの音色。コチシュも手兵オケときめ細やかに音楽を作っていく。まさに実直なブラームス演奏!
ファルヴァイはリスト音楽院ピアノ科主任教授を経て、1997
年から2004 年までリスト音楽院院長を務めました。CD2
にはハンガリー出身のフランツ・リストの管弦楽曲“3つの葬送頌歌”を収録。
ではひさしぶりにこのアルバムをご紹介しましょう・・・
リスト:ピアノ協奏曲第1,2番
コチシュ&イヴァン・フィッシャー/ブダペスト祝祭管
HUNGAROTON HCD 3136 1CD¥3300→¥2990

この曲にこんな名演があったとは。
今まで何回か書いたが、リストのこれらのコンチェルトは弾く方は極めて大変みたいだが、聴いてるほうは炭酸飲料水のようにスカッと飲んで「はい、終わり」的な、きわめて後に残らない作品。
サーカス芸人が「ほら、いきますよー」と大見得切ってジャジャーンとやって、「おー、すごいー、パチパチパチ」というような。
だから、精神的にかなりリストに近いものがあったかもしれない大道芸人シフラにしても、豪腕リヒテルにしても、爆弾娘アルゲリッチにしても、爆裂院長先生セレブリャコフにしても、演奏はそりゃもうものすごいが、聴き終った後は何も残らない。
それは悪口ではない。そういう曲なのだから。
逆にこの曲にちょっと文学的な匂いや哲学的な深遠さを求めるような演奏に出会うとかえって辟易してしまう。
この曲は、そんな人間の葛藤とか、蝶よ花よの文学的ロマンとかを求める曲ではなく、ただひたすらリストの華やかな天地がひっくり返るようなサーカスを楽しめばいい。
そう思っていた。
しかし・・・違ったのである。
そんな曲ではなかった。
この曲は当時のヨーロッパの社会情勢を反映させた、極めて革命的・激情的な精神に裏打ちされたおそるべき作品だった。
それを思い知らしめてくれたのがこのコチシュ&I・フィッシャーの演奏。
ハンガリーの誇る二人の大演奏家によるリストである。
かける前は、「案外この曲にお国もの演奏家の録音ってなかったな」、というくらいにしか考えていなかったのだが、始まった途端、頭が真っ白になった。
冒頭から超重量級。
そこには軽いサーカス的要素は皆無。かといって妙に深刻ぶったり賢人ぶったりする様もない。すべてが真正面で真剣で、なのに他の並み居る名演とは違う匂いがする。
なんでもかんでも「お国もの」と片付けるのが嫌いである。
第一リストはハンガリー出身とはいえ、血の多くはオーストリア・ドイツであり、活躍したのはフランスであり、ドイツであり、イタリア。それをむりやりハンガリー人の演奏を引っ張り出して「やっぱり同郷人による演奏は素晴らしい!」などとこじつけるのはどうかと思う。
・・・しかし、そうとしか考えられない。この演奏。
フランス人でもドイツ人でも、もちろんロシア人でも南米の人でも築き上げることができなかった、この充実感と達成感。
コチシュとフィッシャー、そしてオケのみんながリストに抱く尊敬と共感と愛情。それらが、これまでサーカス曲だと思われてきたこの曲のイメージをがらりと変えてしまった。
この演奏は、この曲の真の姿を歌い上げることに成功した唯一の例ではないか?
当時ヨーロッパに充満していた革命の士気と勇気、焦燥と悲哀、そして夢見る者への永遠の希望を歌った壮絶な凱歌として歌うことができた唯一の。
ただ、どうしたわけか、このCD、現在日本には輸出されていないらしい。
だからこれは特別ルートによる輸入となる。なぜ門外不出なのだ?こんなすばらしい演奏が埋もれたままになってしまうとは。
余談ながらさらに詳しく調べていたら、なんと大昔国内盤で、しかもPHILIPSから発売されていた。そのあたりが輸出禁止の背景か?もちろん今はそれも廃盤。
そしてさらに当時の批評を調べたら、レコ芸月評では宇野功芳氏と高橋昭氏がともに絶賛、特選になっていた。
当然といえば当然である。
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1001NOTES
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ガスパール・ドゥアンヌ(ピアノ)
ファンタジー/ピアノのための幻想曲集
J・S・バッハ(1685-1750):半音階的幻想曲とフーガ(クラヴィーアのための)BWV903
モーツァルト(1756-1791):ピアノのための幻想曲ニ短調
K.397
シューマン(1810-1856):ピアノのための幻想曲
Op.17
ハイドン(1732-1809):ピアノのための幻想曲ハ長調
Hob.XVII:4
ショパン(1810-1849):ピアノのための幻想即興曲嬰ハ短調
Op.66
スクリャービン(1872-1915):ピアノのための幻想曲ロ短調
Op.28 |
ガスパール・ドゥアンヌ(ピアノ) |
フランスのピアニスト、ガスパール・ドゥアンヌ(1987年生まれ)は5歳の時に名ピアニストである祖母カトリーヌ・コラール(1947-1993)の教えを受け、パリ音楽院でブルーノ・リグットとドニ・パスカルに、ザルツブルクのモーツァルテウムでジャック・ルヴィエに師事。

ショパンをどうぞ。
https://youtu.be/yV3TQ8QkW20
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<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>
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AUDITE
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AU 21425
(6CD)
\6400 →\5990
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アマデウス四重奏団
RIASレコーディング第5集〜ロマンティシズム
CD 1(63’10”)
ブラームス:
(1)弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op.51-1
(2)弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 Op.67
CD 2(70’04”)
ブラームス:
(3)ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34
(4)クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
CD 3(66’26”)
(5)ブラームス:弦楽五重奏曲第2番 ト長調
Op.111
(6)ブルックナー:弦楽五重奏曲 ヘ長調
WAB.112
CD 4(57’41”)
(7)シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調
Op.44
(8)シューマン:弦楽四重奏曲第3番 イ長調
Op.41-3
CD 5(51’36”)
(9)メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番
変ホ長調 Op.12
(10)メンデルスゾーン:
弦楽四重奏の4つの小品 Op.81よりIII.カプリッチョ
(11)ヴェルディ:弦楽四重奏曲 ホ短調
CD 6(66’55”)
(12)ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲
イ長調 Op.81
(13)グリーグ:弦楽四重曲 ト短調 Op.27
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アマデウス四重奏団
【ノーバート・ブレイニン
(第1ヴァイオリン)、
ジークムント・ニッセル
(第2ヴァイオリン)、
ピーター・シドロフ
(ヴィオラ)、
マーティン・ロヴェット
(チェロ)】
(5)(6)セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)
(4)ハインリヒ・ゴイザー(クラリネット)
(3)(7)(12)コンラート・ハンゼン(ピアノ) |
全て初ディスク化!アマデウス四重奏団のRIAS初出音源集第5弾は“ロマンティシズム”シューマン、グリーグなど超貴重音源多数!
録音:(7)1950年10月31日、(3)(12)1950年11月1日、(4)1951年4月24日、(10)1952年5月25日、(5)1953年9月19日、(13)1953年12月4日、(2)(6)1957年11月29日、(8)1962年2月11日、(11)1962年11月26日、(9)1969年11月18日/ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ(ベルリン)(1)1950年10月30日/RIASフンクハウス、7スタジオ(ベルリン)
高音質復刻で評判を呼ぶドイツaudite レーベルからリリースされているRIAS
音源によるアマデウス四重奏団の初出音源集。
「ロマンティシズム」と題された第5 弾にはブラームス、メンデルスゾーン、ドヴォルザーク、ブルックナー、ヴェルディ、そして、ディスコグラフィとして非常に貴重なシューマンとグリーグが収録されております。
RIAS 音源による当シリーズは1950 年から1969
年にかけて収録されたもので、アマデウス四重奏団の意欲と新鮮な解釈に満ちており、とりわけ当団の魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかります。
また、演奏の素晴らしさもさることながら、audite
レーベルの見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇りました。
なお、これらRIAS 盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことですので、セッション録音でありながらライヴさながらの気迫に満ちた演奏となっております。
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<メジャー・レーベル>
<国内盤>
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