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ALBANY
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アフリカ系アメリカ人女性作曲家の先駆者、
フリーレンス・プライスのヴァイオリン協奏曲
フローレンス・プライス(1887-1953):
ヴァイオリン協奏曲第2番(1952)
ヴァイオリン協奏曲第1番(1939)
ライアン・コッカーハム(b.生年不詳):
《それが金色になる前に》(2016) |
エル=ゲネ・カーング(Vn)
ライアン・コッカーハム(指揮)
ヤナーチェク・フィル |
アフリカ系アメリカ人女性作曲家の先駆者、フリーレンス・プライスのヴァイオリン協奏曲
録音:2017年5月 [53:03]
作曲家フローレンス・プライスはアフリカ系アメリカ人の女性であり、彼女の生きた時代を考え合わせると作曲家として立つにはいろいろな困難があったと思われる。ニューイングランド音楽院でチャドウィックに師事、交響曲(TROY1295で発売済)、室内楽など多くの作品を残した。
1952年に発表されたヴァイオリン協奏曲第2番はメンデルスゾーンあたりの音楽とディーリアスの初期作品を思わせる様式で書かれているが冒頭にいきなりピアノ・ソロが入るなど驚かされる他(ピアノ協奏曲の間違いかと思わず印刷物の表記を見直した)、黒人霊歌と思しきノスタルジックな旋律がふんだんに使われて聴きごたえ充分。
コッカーハムは生年が記載されていないが現代の作曲家。カントリー&ウェスタン音楽の要素をクラシック現代音楽に取り入れた親しみやすい作品でコープランドとミニマリズムのイディオムが程よくブレンドされている。
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ペルト、フェルドマン、ハロルド・バッドなどモダンで静かなリリシズムを持った音楽の好きな人にお薦め
「リキソンス(液化状態)」〜ズヴォニミル・ナジ作品集
(1)《カレイドスコープI》〜
Pf,アコーディン,ライヴ・エレクトロニクス
(2)《親和性のリチェルカーレ》〜Fl
(3)《天使のお告げ》〜Vc,Pf
(4)《エピグラム変奏曲》〜4Vc
(5)《リキソンス(液化状態)》〜
アルトFl, イングリッシュ.Hr,バスCl
(6)《カレイドスコープII》〜2P |
(1)エリザ・ヤルヴィ(Pf)、
アンドレア・キーファー(アコーディオン)、
ジェームズ・アンディーン
(ライヴ・エレクトロニクス)
(2)トマソ・ビシアク(Fl)
(3)デヴィッド・ラッセル(Vc)、
ジェフリー・バールソン(Pf)
(4)マイケル・リプマン&
デヴィッド・プレモ&
ブロンウィン・バナート&
アダム・リュー(Vc×4)
(5)カムラトーン・アンサンブル
(6)スンユン・パク&シュ・ティン・チャン(ピアノ・デュオ) |
クロアチア出身の作曲家ズヴォニミル・ナジ、21世紀の美しいリリシズム!
録音:2012-2016年[66:20]
ブックレットに生年が記載されていないが写真から比較的若い世代と思われるザボニミール・ナギーはクロアチア出身で現在はアメリカで活動している作曲家。故国ザグレブで学んだ後、スペクトル楽派の巨匠トリスタン・ミュライユに師事した。
彼の作風は調性的音響とミュライユ譲りの倍音の美しい協和音程を基本とし、それにクロアチアの民族音楽と思しき要素が加わったリリカルな音楽。「カレイドスコープI」はピアノの控えめな音がぽつぽつと水滴のように続く中、次第にアコーディオンの音がまるで墨が紙に滲むように拡がってゆくメランコリックで美しい作品。
「エピグラム変奏曲」はバッハの無伴奏チェロ組曲による一種のパラフレーズ。「カレイドスコープII」もIと同様、雨だれのようなピアノの音が終始続くややアンビエントな佳品。アルヴォ・ペルト、フェルドマン、ハロルド・バッドなどモダンで静かなリリシズムを持った音楽の好きな人にお薦め。
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《C線上のサルサ》
ロベルト・シエラ(b.1953):チェロ作品集
歌と踊りの組曲
チェロ・ソナタ第2番《悲歌風に》
《C線上のサルサ》
チェロ・ソナタ第1番
3つのモントゥナス |
ジョン・ハイネス・エイトゥゼン(Vc)
マシュー・ベングトン(Pf) |
サルサ交響曲でお馴染み!ロベルト・シエラの「C線上のサルサ」?!
[54:15]
「サルサ交響曲(TROY942)」でお馴染みロベルト・シエラはプエルトリコ出身。ドイツでリゲティに師事しBBCプロムスや多くの交響楽団から作品を委嘱されている人気作曲家。
このディスクはチェロとピアノのための作品を集成したもので現代と中南米の音楽の要素が程よくブレンドされたいずれもエネルギッシュな作品が並んでいる。
「C線上のサルサ」はタイトルだけバッハの名曲のパロディだが内容はカリブの民族音楽サルサをバルトーク、リゲティの激辛スパイスで味付けした痛快な一曲。
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ゲイである作曲者の自己告白
「マンダンゴ」〜
デイヴィッド・デル・トレディチ(b.1937):ピアノ作品全集Vol.2
(1)カリオカ・ボーイ〜タンゴ(2004)*
(2)3つのジムノペディ(2003)
(3)独り言(1958)
(4)ヴィルトゥオーゾ・アリス(1984)
(5)マンダンゴ(2008)
(同性婚/LGBT/A.C.の思い出に/ミイラ/マンダンゴ) |
マーク・ペロキン(Pf)
(1)デイヴィッド・デル・トレディチ(Pf) |
第1巻はNAXOSから発売されていたデル・トレディチのピアノ作品集第2巻!
録音:2014年 [71:26]
一連の「アリス」シリーズで知られるデル・トレディチのピアノ作品全集第2巻(第1巻はNAXOSレーベル)。大管弦楽を駆使した大作とは一味違ったトレディチのピアノ音楽の世界。サティと同名のピアノ曲は3人の友人に捧げられた小品。「独り言」は新ロマン主義に入る前の若書きで厳しい無調で書かれている興味深い作品。「マンダンゴ」はゲイである作曲者の自己告白ともいえる作品。
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「不可思議で荒々しい歌」〜リビー・ラーセンの歌曲
リビー・ラーセン(b.1950):
(1)ザ・マグダレーン(詩:ピスティス・ソフィア)
(2)かわいい少女(詩:デヴィッド・ホリー)
(3)不可思議で荒々しい歌(詩:ルイス・キャロル)
(4)ちいさな鳥(詩:ルイス・キャロル)
(5)売春婦のアリア(詩:フィリップ・リテル)
(6)永遠の(詩:ソル・フアナ・イネズ・デ・ラ・クルズ) |
レベッカ・ワスコー・ヘイズ(Sop)
(3)グレゴリー・ブルックス(Br)
(4)クイン・パトリック・アンクルム(MS)
ジェフリー・ペターソン(Pf) |
録音:2015年12月[42:33]
ミネソタ在住の作曲家リビー・ラーセンの声楽作品集。彼女はこれまでに12のオペラを含む約400曲を作曲した多作家でCDの何枚かはグラミー賞を受賞している。
ここに収められた歌曲はいずれもテキストの内容によって無調、調性を精妙に使い分けながら英語のイントネーションを生かした手堅い筆致で書かれている。テキストにルイス・キャロルの詩も使われている現代の抒情歌曲集。
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シュトックハウゼンに影響を与えた
「ロング・ロール」〜コンポーザー・パーカッショニスト、
マイケル・マニオンへのトリビュート |
ウィリアム・モーシュ(指揮)
イリノイ州立大学打楽器アンサンブル |
(1)アレクサンダー・チェレプニン(1899-1977):交響曲第2番〜第2楽章
(2)(3)アマデオ・ロルダン(1900-1939):リトミカ第5、6番
(4)スティーヴン・レット(b.1985):ジュンタ
(5)ヘンリー・カウエル(1897-1965):オスティナート・ピアニッシモ
(6)ショスタコーヴィチ(1906-1975):「鼻」より導入部
(7)ジョン・ケージ&ルー・ハリソン:ダブル・ミュージック
(8)マイケル・マニオン(1952-2012):ロング・ロールII
(9)ロバート・フレイシャー(b.1953):マニオンダラ |
録音:2009/2016年[56:18]
2012年に死去したアメリカの作曲家で打楽器奏者のマイケル・マニオンを偲んで彼と縁の深かったイリノイ州立大学打楽器アンサンブルが制作したトリビュート・アルバム。
ヘンリー・カウエルの異国情緒満載のオスティナート・ピアニッシモ、ケージとルー・ハリソンが共同制作したガムラン風の魅力的なダブル・ミュージック、ショスタコーヴィチのオペラ「鼻」の一部を打楽器アンサンブルで演奏したバージョン、マニオンの自作ロング・ロールIIなど聴きどころが多い一枚。
マニオンはロック、ジャズ、現代音楽と多彩なジャンルで活動し、シュトックハウゼンとも共演しシュトックハウゼンに影響を与えたと言われている。
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ブラームスからストラヴィンスキーまで様々な要素が折衷されたドラマティックな音楽
「ドリーム・フォームズ/スティーヴン・バーク作品集
(1)覚醒の時(2000)
(2)春の狂乱(2001)
(3)融合(2010)
(4)-(6)ドリーム・フォームズ(2011/16)/
エピソードI、II、III |
(2)-(6)カート・ブリッグス(Vn)
(1)(2)(4)-(6)マット・ゴーク(Vc)
(2)ドン・マクリンスキ(Cl)
(1)-(6)レネ・コメタ・ブリッグス(Pf) |
録音:2017年1月[70:37]
ブックレットに生年が記載されていないが掲載の写真からバークは中堅世代の作曲家と思われる。イェール大学とコーネル大学でジェイコブ・ドラッグマン、ルーカス・フォスらに師事、ロスアンジェルス・フィルを始めとする数多くの交響楽団から作品を依頼されている。
作風は新ロマン主義的といえるものでブラームスからストラヴィンスキーまで様々な要素が折衷されたドラマティックな音楽。デイヴィッド・デル・トレディチに高く評価されていることからも新調性主義の作曲家ということができよう。
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最新の宇宙論や世界の諸宗教の世界観にインスパイアされたピアノ曲
「コスモロジー」
〜ニール・ソーノック(Neil Thornock)作品集
カーテン/時計/人形/鏡/木/蛇/鐘 |
ヒラリー・デムスク(Pf) |
録音:2015年1-2月[64:35]
ブックレットに生年が記載されていないが、若手と思われるソーノックはバーミンガム・ヤング大学で作曲とオルガンを学んだ後、現在は教鞭を執りつつ活動を行っている作曲家。
このディスクは最新の宇宙論や世界の諸宗教の世界観にインスパイアされたピアノ曲が収められており、メシアン、ジョージ・クラムからの影響が感じられる神秘的な音楽。
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時にプッチーニを思わせる
「エンカンタミエント」〜ダニエル・カタンの音楽
ダニエル・カタン(1949-2011):
(1)エンカンラミエント(7:08)/
(2)コンプレンド(4:16)/
(3)何もうまくいかない(1:48)/
(4)デュエット(5:22)/
(5)愛について考えるあなた(4:31)/
(6)日々があった(3:42)/
(7)トラスト,アントニエッタ(2:52)/
(8)ソング(3:47)/(9)黒曜石の蝶(24:20)/
(10)「アマゾンのフロレシア」より「お聞きなさい」(7:58) |
(1)サルピー・カーコニアン(Fl)、
アンドレア・プエンテ=カタン(Hrp)
(2)セシリア・ドゥアルテ(MS)
(3)キャリー・ハレイ(S)
(4)-(6)(8)-(10)シンシア・クレイトン(S)
(4)(7)エクトル・バスケス(Br)
(2)-(8)ジョエル・ラヴ(Pf)
(9)(10)フランツ・アントン・クレーガー(指揮)
テキサス音楽祭管弦楽団 |
録音:2016/2017年ヒューストン大学[65:44]
ダニエル・カタンはメキシコの作曲家でスペイン語のオペラを多数作曲、その功績によりプラシド・ドミンゴ賞を受賞。オペラ以外にも室内楽、管弦楽曲などを作曲した。
このディスクには彼のオペラからのアリア、室内楽曲が収められ、いずれも明快な調性で書かれた抒情的な内容。時にプッチーニを思わせるリリカルな音楽である。「黒曜石の蝶」は24分の大作。
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「嵐からの避難所」〜無伴奏フルート作品集
(1)武満徹(1930-1996):エア(1996)
(2)カルク=エラート(1877-1933):
ソナタ・アパッショナータOp.140
(3)アンドレ・ジョリヴェ(1905-1974):5つの呪文
(4)J.S.バッハ(時任和夫編):シャコンヌBWV1004 |
カトリーヌ・ラミレス(Fl) |
録音:2017年6-7月 [52:00]
カトリーヌ・ラミレスはイタリアのパドヴァ市国際コンクール優勝の期待の若手フルーティスト。このディスクでは主に20世紀の代表的な無伴奏フルート作品を取り上げている。
武満の遺作となった「エア」はメシアンのエコーも聴こえる名作。ジョリヴェの「5つの呪文」は楽器の機能を存分に使い、奏者の技量を最大限に生かせるように書かれた現代の無伴奏フルートの代表作。
ラミレスは確かな技術に加え、優雅さをも兼ね備えた演奏を聴かせる。
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《庭》〜トム・シプロの歌曲
トム・シプロ(b.1956):
(1)ある時代に(全6曲)/(2)夫/
(3)一瞥(全7曲)/(4)行進/
(5)不眠症(全10曲) |
(1)(5)ローラ・ストリックリング(S)
(2)(3)ナオミ・ルイーザ・オコネル(M.Sop)
(2)マイケル・アンソニー・マギー(Br)
(4)スティーヴン・エディ(Br)
(1)(2)(4)(5)リザ・ステパノーヴァ(Pf)
ほか |
録音:2015-16年 [65:21]
シプロはニューヨーク出身、作曲をデル・トレディチに師事した。現在までに225曲の歌のほか多くの声楽入りの作品を発表している。
作風はいずれも調性を基本とする抒情的なもので21世紀のアメリカン・リートといった趣き。歌手陣の丁寧な歌唱が現代の都会における悲哀とリリシズムを見事に描き出している。
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アルディッティQ、ベルリン・フィルによっても演奏されている
シュヴェンディンガーの弦楽四重奏曲集
ローラ・シュウェンディンガー(b.1962):
(1)クリエイチャー四重奏曲《失われた創造物への聖歌》(2013)
(2)《突然の光》(2014)〜メゾソプラノと弦楽三重奏のための
(3)3楽章の弦楽四重奏曲(2001)
(4)ピアノ四重奏曲《アンドリューのための歌》(2010) |
JACK四重奏団(弦楽四重奏)
(2)ジャミー・ファン・エイク(MS)
(4)クリストファー・テイラー(Pf) |
録音:2015年2月 [65:29]
シュヴェンディンガーの弦楽四重奏曲集。経歴、師事歴は公表されていないが、作風からベルクを始めとする表現主義と印象派音楽の影響を受けていると思われる。
また選び取る音のセンスにアメリカに多くいるコープランドの亜流とは違ったヨーロッパの洗練された響きを感じ取ることができる。実際、彼女の作品はアルディッティQ、ベルリン・フィルによっても演奏されている。
絶滅した動物たちを悼む「失われた創造物」、ジョイス、ディキンソンの詩による声楽入りの「突然の光」はいずれも緊張感あふれる音楽ながら美しいリリシズムを持っている。
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「パッセージズ」〜フルートとホルンのための音楽集
(1)ポール・バスラー:パッセージズ
(2)アドリエンヌ・アルバート:戦争の物語
(3)クリス・ロゼ:チェンジング・ライト
(4)フランツ・ドップラー:夜想曲
(5)フランツ・ドップラー:リギの思い出
(6)フランツ・ドップラー:森の小鳥 |
ジュリー・ソーントン(Fl)、
マイケル・ソーントン(Hr)
(1)ポール・バスラー(Pf)
(2)-(5)スーザン・グレース(Pf)
(4)ユミ・ファン=ウィリアムズ(Vn)
(5)デボラ&ニコール・ルイス(ハンドベル)
(6)カロリン・クニツキ(Hr)、
コリオ・プラチコフ(Hr)、
オースティン・ラーソン(Hr) |
録音:2016年6-7月 [54:55]
ジュリー・ソーントンはコロラド響の首席奏者を務めつつソリストとして活動する若手フルーティスト。夫君のマイケル・トルントンもコロラド響で首席ホルン者を務める一方、ソリストとしてフィラデルフィア管、トロント響と共演している。
ここにはフルート、ホルンを中心とした室内楽が収められており、いずれも落ち着いたロマンティックな作品が選ばれている。
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1996年にはピューリッツァー賞を受賞
グレート・アメリカン・オーケストラル・ミュージックVol.5
ジョージ・ウォーカー(b.1922):
(1)交響曲第5番《ヴィジョンズ》(声楽つき版)
(2)交響曲第5番《ヴィジョンズ》(管弦楽のみ版) |
イアン・ホブソン(指揮)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
(1)イヴォンヌ・レッドマン(Sop)、
ジェロルド・シエナ(Ten)、
ダーレ・スミス(Br)、
バリントン・コールマン(Br)、
ロジャー・クーパー(B) |
[17:08][17:09]
ジョージ・ウォーカーはアフリカ系アメリカ人としては早い時期から現代音楽の分野で作曲活動をしていた人物で1996年にはピューリッツァー賞を受賞している。ルドルフ・ゼルキンにピアノを師事しピアニストとしても活動した。
この交響曲第5番は2016年に作曲された単一楽章の作品でこのディスクには歌手たちが詩を朗読するヴァージョンと朗読なしのヴァージョンを収録。メシアンの語法を中心に20世紀の様々な音楽の影響を受けた音楽。
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「制限を解除せよ」〜
女性作曲家によるクラリネットとピアノのための作品集
キャサリン・フーバー(b.1937):リチュエル(1989)
マルガ・リクター(b.1926):クラリネット・ソナタ(1948)
ローレン・ベルノフスキー(b.1967):ソリテュード(1992)
ルース・ショーンタル(1924-2006):協奏的ソナタ(1976)
バーバラ・コルブ(b.1939):関連づけられた性格的小品集(1980) |
ジェシカ・リンゼイ(Cl)
クリスティアン・ボーネンステンゲル(Pf) |
録音:2016年6月 [58:47]
アメリカの様々な世代の女性作曲家によるクラリネット作品を集めた。無調、旋法、拡大された調性など20世紀の様々な様式で書かれたクラリネット作品を聴くことができる。
クラリネットのジェシカ・リンゼイはしなやかな感性でこれらの作品を演奏している。
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チャールズ・アイヴズ(1874-1954):歌曲集(全28曲)
《歌曲集》《ユーモア》《宗教》
《哲学、社会意識》《こどもたち》
《戦争》《人生の出来事》 |
ブラッドリー・ロビンソン(Br)
ステーシー・ロジャーズ(Pf) |
録音:2002/2016年 [63:27]
アメリカ現代音楽のパパといわれるチャールズ・アイヴズが80年の生涯に渡って書き続けた歌曲を集成。ハイネ(ドイツ語に作曲)、T.S.エリオット、伝承曲の詩、自作の詩などテキストは様々。彼が生きた激動の時代を反映してか、シューベルトかと見紛うような抒情的なものからフォスター風のノスタルジックな歌、南北戦争時代の軍歌のパロディ、多調、無調、ピアノ伴奏がトーン・クラスター風のもの、代表作「コンコード・ソナタ」の声楽版のような先鋭的な歌まで、バラエティに富んでいる。
曲によってはモダン・ジャズの歌に聴こえる作品もあり、アイヴズの時代を越えた先見性にあらためて驚かされる。彼の交響曲、管弦楽曲の中に度々する登場するメロディはもともと歌曲の旋律であることが数多く、アイヴズ、20世紀音楽ファンは必携。
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