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NAXOS
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8.573630
\1200 |
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
ラフマニノフ(1873-1943):
ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 Op.30
1.第1楽章:Allegro ma non tanto
2.第2楽章:Intermezzo: Adagio ? Un poco
piu mosso
3.第3楽章:Finale: Alla breve
4.コレッリの主題による変奏曲 Op.42(1931) |
ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
カルロス・ミゲル・プリエト(指揮)…1-3
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団…1-3 |
ピアノ協奏曲第2番(8.573629)で、冴え渡る技巧と考え抜かれた解釈を披露したボリス・ギルトブルグ。この第3番でも極めて個性的な演奏を聴かせます。
第2番よりも演奏的に困難な箇所が多く、至るところに即興的なフレーズが散りばめられるとともに、曲の雰囲気が刻々と変化していく第3番ですが、完璧に弾きこなすと、これ以上演奏効果のあがる曲はありません。
ギルトブルグはこの作品を徹底的に研究し、冒頭に現れる主題の役割は「全体をまとめるもの」として捉え、冷静に弾くことで作品全体にメリハリをつけています。そして第1楽章の後半に用意されているカデンツァも聴かせどころの一つ。ギルトブルグはもちろん「難しいヴァージョン」をやすやすと演奏、聴き手の心をしっかり掴みます。また彼は、この曲と「徹夜祷」Op.37との関連も指摘。こちらも興味深い解釈を聴かせます。同時収録の「コレッリの主題による変奏曲」でも変奏が進むごとに多彩な世界を見せてくれます。
今作でもギルトブルグ自身のブックレット解説(英語)と、彼が撮影した写真をジャケットに使用。アルバム全体が一つの完成された作品として成立しています。
録音:2016年2月27-29日 Royal Concert Hall, Glasgow, Scotlan…1-3 2016年6月15日 The Concert Hall, Wyastone Estate, Monmouth,
Wale…4
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8.573672
\1200 |
なかなか演奏されないスメタナ唯一の交響曲
スメタナ(1842-1884):祝典交響曲
祝典交響曲 ホ長調 Op.6
歌劇《売られた花嫁》より
序曲
第1幕:終曲:ポルカ
第2幕:フリアント
第3番:喜劇役者の踊り |
ダレル・アン(指揮)
ベルリン放送交響楽団 |
昨年来日、颯爽とした姿と高い音楽性で聴衆を魅了した指揮者ダレル・アン。レパートリーも幅広く、これまでNAXOSからはデュティユーの交響曲と中国の作曲家、周龍と陳怡の作品集、マイアベーア、オッフェンバックの序曲集など、珍しい作品の録音をリリースしています。
今回彼が取り組んだのは、やはり珍しいスメタナの「祝典交響曲」。1854年、当時のボヘミアを支配していたオーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ=ヨーゼフ1世の婚礼が挙行された際、スメタナはこれを祝して交響曲を作曲し献呈しようと目論みました。
しかし残念なことに「(被支配民族である)ボヘミア人の作品は婚礼にふさわしくない」と却下されてしまい、また、作品中に頻繁に現れる「皇帝賛歌」はボヘミアの人々の共感を得ることができず、結局、スメタナは作品をしまい込んでしまいます。
しかし1881年に作品を改訂、スメタナの唯一の交響曲として作品はようやくカタログに残ることになりました。若き作曲家の意欲溢れる華やかな交響曲をどうぞお楽しみください。
録音 2015年2月2-5日 ドイツ ベルリン=ブランデンブルク放送
大ホール

今回のオススメは、30歳のときに作った「祝典交響曲(勝利の交響曲)ホ長調Op.6」。
数年前まで革命に参加していたスメタナだがこの時期はプラハ城でフェルディナント1世の常任宮廷ピアニストを務めたりしていて、この交響曲も、オーストリア帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の成婚を記念して作曲された。
ただ、当時のオーストリア帝国国歌『神よ、皇帝フランツを守り給え』の参照が十分目立っていないという理由で、皇帝側からは受け取りを拒否された。
仕方なくスメタナは自費でオーケストラを雇い、1855年2月26日、プラハのコンヴィクト・ホールでこの交響曲を上演。残念ながらコンサートは金銭的失敗に終わったが、スメタナ自身は、この曲を破棄せず、その後渡ったヨーテボリでは好評を博し、改訂版も1882年にプラハで上演されている。この際には、"勝利"に当たる部分を抜いたタイトルで上演されたため、今日では、この作品はしばしば「祝典交響曲」と呼ばれる。
この曲はベートーヴェンやメンデルスゾーン、ウェーバー、ベルリオーズらの作品を研究して作られており、ブライアン・ラージは、「この曲の中の多くが、作曲者のより円熟した仕事を特徴づけている」と語っている。歴史に埋もれた大傑作とまでは言わないが、スメタナ唯一の交響曲、なかなかCD化されることもないので、このアルバムで一度聴いてみてもいいと思う。
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8.573786
\1200 |
シューマン(1810-1856):チェロのための作品集
1.チェロ協奏曲 イ短調 Op.129(1850)
2.アダージョとアレグロ Op.70(1849)(チェロとピアノ編)
幻想小曲集 Op.73(1849)(チェロとピアノ編)
3.第1番:Zart und mit Ausdruck 静かに、感情を込めて
4.第2番:Lebhaft, leicht 活発に、軽やかに
5.第3番:Rasch und mit Feuer 急速に、燃えるように
3つのロマンス Op.94(1849)(G.シュヴァーベによるチェロとピアノ編
2017年)
6.第1番:Nicht schnell 速くならずに
7.第2番:Einfach, innig 素朴に、心から
8.第3番:Nicht schnell 速くならずに
民謡風の5つの小品集 Op.102(1849)
9.第1番:イ短調 全てむなしい
10.第2番:ヘ長調 ゆっくりと
11.第3番:イ短調 はやくなく、たっぷりとした音で
12.第4番:ニ長調 春の挨拶
13.第5番:イ短調 怠け者の国より
14.F-A-E ソナタ-第2楽章 間奏曲(1853)
(G.シュヴァーベによるチェロとピアノ編
2017年) |
ガブリエル・シュヴァーベ(チェロ)
ラルス・フォークト(指揮)…1
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア…1
ニコラス・リンマー(ピアノ)…2-14 |
血気盛んな20歳のシューマンが、指の故障でピアノを諦めなくてはならなくなった時に、彼は音楽をやめるか、もしくはチェロに転向するか悩むほど、実はチェロを愛していました。逡巡の末、作曲の道に進んだシューマンでしたが、そのチェロ愛は1850年に書かれた「チェロ協奏曲」に結実しました。切れ目なく奏される3つの楽章は、饒舌な旋律とロマンティックな感情に溢れており、とりわけ第2楽章にあたる中間のゆったりとした部分の美しさは格別です。ロイヤル・ノーザン・シンフォニアを振るフォークトにも注目。シューマンが求める内声充実の響きを紡ぎ出します。
他の作品は「民謡風の5つの小品集」を除くと、どれも他の楽器のために書かれたものですが、チェロで演奏しても全く違和感なく、シュヴァーベの見事な編曲と落ち着きのある優しい音によって、シューマンの描いた夢のような世界がダイレクトに体感できます。
録音 :2017年1月27-28日 Sage, Gateshead,
UK…1 2017年3月10-11日 Sendesaal, Bremen,
German…2-14
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8.573819
\1200 |
中川 岳〜東京大学在学中に「第27回国際古楽コンクール」第1位を獲得した逸材
テレマン(1681-1767):6つの序曲集
序曲 第1番 ト短調 TWV32:5
1.序曲
2.ラルゲットとスケルツァンド
3.アレグロ
序曲 第2集 イ長調 TWV32:6
4.序曲
5.ラルゴとスケルツァンド
6.プレスト
序曲 第3番 ヘ長調 TWV32:7
7.序曲
8.ドルチェとスケルツァンド
9.アレグロ
序曲 第4番 ホ短調 TWV32:8
10.序曲
11.モデラートとスケルツァンド
12.アレグロ-ピアチェヴォーレ-アレグロ
序曲 第5番 変ホ長調 TWV32:9
13.序曲
14.スアヴェとスケルツァンド
15.ヴィヴァーチェ
序曲 第6番 ロ短調 TWV32:10
16.序曲
17.パストレッロ、テンポ・ジュスト
18.アレグロ |
中川 岳(ハープシコード) |
幼い頃からピアノを学びながら、独学でチェンバロ、クラヴィコード、オルガンを弾いていたという中川岳。東京大学在学中に、2014年に開催された「第27回国際古楽コンクール」(山梨)の鍵盤楽器部門で第1位を獲得、一躍注目を浴びました。
2016年からはヴュルツブルク音楽院でグレン・ウィルソンにハープシコードを師事、その音楽性に一層の磨きをかけています。このテレマンの作品集は「Ouverture=序曲」とタイトルが付けられているものの、実質は第1曲目の序曲と、2つの舞曲が組み合わされた小さな組曲です。
作品中にはイタリアやドイツ、フランスの舞曲が散りばめられ、多彩な表情を見せています。中には、テレマンが一時期滞在したポーランドの民族音楽から影響を受けたと思われる曲もあり、実に興味深い曲集として構成されています。
録音 2017年7月15-16日 Musikhochschule,
Wurzburg, Germany |
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8.573676
\1200 |
J.S.バッハ(1685-1750):イギリス組曲 第4番-第6番
モンテネグロ・ギター・デュオによる2台ギター編曲版
イギリス組曲 第4番 ハ長調 BWV809
1.前奏曲
2.アルマンド
3.クーラント
4.サラバンド
5.メヌエット I&II
6.ジーグ
イギリス組曲 第5番 ロ短調 BWV810
7.前奏曲
8.アルマンド
9.クーラント
10.サラバンド
11.パスピエ I&II
12.ジーグ
イギリス組曲 第6番 ニ短調 BWV811
13..前奏曲
14.アルマンド
15.クーラント
16.サラバンド
17.ドゥブレ
18.ガヴォット I&II
19.ジーグ |
モンテネグロ・ギター・デュオ
【メンバー】
ゴラン・クリヴォカピク&
ダニエル・セロヴィク |
J.S.バッハの作品をギターで演奏する試みは、19世紀後半、タルレガの時代あたりから頻繁に行われ、名手たちがそれぞれ、無伴奏パルティータや無伴奏チェロ組曲、ゴルトベルク変奏曲などをギターに移し替え、素晴らしい成果を上げています。
この「イギリス組曲」は1720年から1730年頃「ある高貴なイギリス人のために書かれた」とされ、バッハの鍵盤作品の最高峰の一つであり、様々な舞曲で構成されたこの作品は鍵盤で演奏するのもなかなか困難ですが、モンテネグロ・ギター・デュオは、これを「2台ギターで演奏する」ことにより、オリジナルよりも多彩で新鮮な響きを作り上げることに成功。極めて完成度の高い演奏を聴かせます。
録音 2016年10月27-30日 St John Chrysostom
Church, Newmarket, Ontario, Canada
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8.573474
\1200 |
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)
ローデのヴァイオリン協奏曲全集の最終巻
ピエール・ローデ(1774-1830):ヴァイオリン協奏曲
第11番/第12番 他
1.エアと変奏 ホ長調 Op.12
ヴァイオリン協奏曲 第12番 ホ長調 Op.27
2.第1楽章:Allegro brillante
3.第2楽章:Andante
4.第3楽章:Rondo mele d'airs russes
ヴァイオリン協奏曲 第11番 ニ長調 Op.23
5.第1楽章:Allegro ma non troppo
6.第2楽章:Adagio-
7.第3楽章:Rondo allegretto
8.エアと変奏 ニ長調 Op.26
第11番のカデンツァはフリーデマン・アイヒホルンによる
全て世界初録音 |
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)
ニコラス・パスケ(指揮)
イエナ・フィルハーモニー管弦楽団 |
ヴァイオリニスト、アイヒホルンが取り組むピエール・ローデのヴァイオリン協奏曲全集の最終巻。
このアルバムには最高傑作である第11番と第12番、そして2曲の魅力的な「エアと変奏」が収録されています。ヴィオッティの愛弟子であり、またナポレオンの宮廷音楽家として活躍したローデの作品は
どれも優雅で、かつ当時最高難度の演奏技術を駆使したもの。13曲あるヴァイオリン協奏曲は、ヴィオッティ作品と並ぶ、初期ロマン派時代の傑作です。当時の出版社は往々にして日付に無頓着であったため、協奏曲第12番の正確な出版日は わかりませんが、少なくともローデの生前最後に出版された作品であることは間違いなく(第13番は彼の死後に出版)、ロシア皇帝に献呈されたため、第4楽章にはロシア民謡が主題として使われています。躍動的な第11番も充実した書法を見せる作品。カデンツァはアイヒホルンの自作であり、伸びやかで技巧的なフレーズがふんだんに使われています。
録音 2015年6月23-27日Volkshaus, Jena, Germany
で、このシリーズ↓でヴァイオリンを弾いていたのがフリードマン・アイヒホルン。
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やっぱりいいものはいい
フンメルによる
室内楽版モーツァルト交響曲集
数年ぶりに聴いたらまたはまった。
やっぱりいいものはいいのだ。
ヨハン・ネポムク・フンメル(1778年 - 1837年)。
ご存知のようにフンメルはモーツァルトの数少ない直弟子。
フンメルはモーツァルトの自宅に住んで、その音楽を学び吸収したのである。
まるで神と同居していたようなものだろう。
だからこの編曲を聞くと、この人がいかにモーツァルトを愛し理解しているかがわかる。
フンメルとモーツァルトの関係を知らなくても、この幸せな編曲を聞くと「そこそこ、そこなんだよなあー!」とその編曲の妙技がツボにはまって、こちらもえもいわれぬ幸福感・満足感に包まれることになるのである。
///////
数年前のコメント。
フンメルが尊敬すべき師に捧げた一世一代の大編曲作品集・・・・とかではなく、軽い感じでさらっと仕上げたと思われる編曲版モーツァルト・シンフォニー。
簡単便利なイージー・リスニング風モーツァルト。どうしてそこでその楽器を使ったのよ、とかあんまり深刻な詮索はやめて、こちら側もかる〜く聴くとちょうどいい。
そして大体においてピアノやヴァイオリンよりもフルートがいやにがんばってしまっているので、「フルートとピアノ・トリオ版」として聴くとさらに抵抗感が少ない。でも「いやにがんばっている」フルートが朗々と美しい旋律を歌うのを聴いていると、フンメルも数百年後の日本人(店主)も音楽のツボは一緒なんだな、と思ってちょっと嬉しかったりする。
ちなみに第40番の第2楽章ではみょうちくりんなところが出てくるが、それはフンメルが当時の誤った楽譜を使って編曲したからということらしい。
まあ、それはそれで面白い。
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8.573876
\1200 |
ヴィオラとオーケストラのための英国音楽集
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1953):ヴィオラと小オーケストラのための組曲(1934)
1.第1曲:前奏曲
2.第2曲:キャロル
3.第3曲:クリスマスの舞曲
4.ハーバート・ハウエルズ(1892-1983):エレジー
Op.15
弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための
ウォルトン(1902-1983):ヴィオラ協奏曲(1929/1962年版)
5.第1楽章:Andante comodo
6.第2楽章:Vivo, con molto preciso
7.第3楽章:Allegro moderato
ヨーク・ボーエン(1884-1961):ヴィオラ協奏曲
ハ短調 Op.25(1907)
8.第1楽章:Allegro assai
9.第1楽章:Andante cantabile
10.第1楽章:Allegro scherzando |
ヘレン・カルス(ヴィオラ)…1-3.5-10
弦楽四重奏…4
【メンバー】
ヴェサ=マッティ・レッパネン(第1ヴァイオリン)
デイヴィッド・ギリング(第2ヴァイオリン)
ヴィヴヤン・イェンドル(ヴィオラ)
デイヴィッド・チッケリング(チェロ)
マーク・タディ(指揮)
ニュージーランド交響楽団 |
20世紀の英国でヴィオラのための作品が数多く生まれたのは、名手プリムローズとターティスの存在に拠るところが大きいでしょう。とりわけターティスは、比較的「地味な楽器」であったヴィオラの音色を愛し、わざと大き目の楽器を製作。温かく豊かな音色を奏でたことで知られています。
このアルバムに収録されている4つの作品はどれもターティスのために作曲されましたが、ウォルトンの協奏曲だけは、モダン過ぎてターティスの好みにあわなかったようで、結局、初演のソリストはヒンデミットが務めました。
確かにこの作品は近代的ですが、第1楽章での抒情性や、民謡風のメロディが印象的な第3楽章はとても親しみやすく、ターティスも後になって作品の真価を認め、自らのレパートリーに加えたということです。他の3曲もヴィオラの魅力が存分に生かされており、素朴な雰囲気のヴォーン・ウィリアムズの「組曲」、悲痛な美しさに耳を奪われるハウエルズの「エレジー」、終楽章での長大なカデンツァが見事なボーエンの「協奏曲」と、どの曲も聴きどころたっぷりです。
録音 2005年2月9-11日 the Michael Fowler
Centre Auditorium, Wellington, New Zealand |
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8.559842
\1200 |
いまだから素直に聞ける
ダイアモンド:作品集
ダイアモンド(1915-2005):
弦楽オーケストラのための「ラウンズ」(1944)
1.第1楽章:Allegro, molto vivace-
2.第2楽章:Adagio-
3.第3楽章:Allegro vigoros
シェイクスピアの「ロメオとジュリエット」のための音楽(1947)
4.序曲
5.バルコニーの情景
6.ロメオと僧ロレンス
7.ジュリエットと彼女の乳母
8.ロメオとジュリエットの死
交響曲 第6番(1951-1954)…世界初録音
9.第1楽章:Introduzione:Adagio-Allegro,
fortemente mosso
10.第2楽章:Adagio
11.第3楽章:Deciso; poco allegro |
アーサー・フェイゲン(指揮)
インディアナ大学室内管弦楽団…1-8
インディアナ大学フィルハーモニー管弦楽団…9-1 |
ニューヨークで生まれ、クリーブランド音楽大学とイーストマン音楽学校で学び、パリではナディア・ブーランジェにも師事した作曲家ダイアモンドの作品集。
19歳の時、ガーシュウィンが審査員を務めたコンクールに作品を出品。その完成度の高さにガーシュウインも驚いたというエピソードを持つダイアモンド、その作品は名指揮者たちにも愛され、クーセヴィツキー、セル、オーマンディ、バーンスタインなどが挙って演奏したことでも知られます。
彼は前衛的な手法を取ることはなく、常に耳に心地よい作品を書いていました。ミトロプーロスが絶賛した「ラウンド」、その3年後に作曲された「ロメオとジュリエット」の組曲はプロコフィエフにも匹敵するほどの出来栄え。映画監督ピーター・グレンヴィルが「自作映画で使用したい」と提案したこともあったそうです(実現はしなかった)。伝統的な形式に則って書かれた「交響曲第6番」は初演当時の批評家からさんざんな悪評を付けられたという問題作。「彼は伝統を知らない」と揶揄されましたが、初演から50年を経た今では、全く問題なく受け入れられる聴きやすい作品です。
録音 Indiana University Jacobs School of Music,
Bloomington, Indiana, USA 2015年12月7-10日
Musical Arts Center…9-11 2016年2月22-24日
Auer Hall…1-8 |
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8.559849
\1200 |
ロベルト・シエッラ(1953-):カンディンスキー
室内楽作品集
カンディンスキー(2003)…世界初録音
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための
1.Lyrisches 詩的に
2.Improvisation 19 インプロヴィゼーション
19
3.Bild mit schwarzem Bogen 黒いアーチの写真
4.Improvisation 26 インプロヴィゼーション
26
5.Kleine Freuden 小さな喜び
6.Schwarze Striche I 黒いストローク I
7.Weisser Strich 白いストローク
8.Kleine Welten III 小さな世界 III
9.Komposition VIII コンポジション VIII
10.Launisches 気まぐれ
11.Buntes Ensemble 色彩的なアンサンブル
クラリネット・ソナタ(2005-2006)
12.第1楽章:Salseado
13.第2楽章:Delicado y expresivo
14.第3楽章:Energico
15.第4楽章:Veloz (with swing)
16-48.Formas de mirar un mismo objeto
同じオブジェクトを見るための33方法(2005-2008)…世界初録音
ピアノ連弾のための |
コンティヌム(アンサンブル)
【メンバー】
チェリル・セルツァー&ヨエル・ザックス(ディレクター)
ルネ・ヨレ(ヴァイオリン)…1.2.4-7.10.11
シュテファニー・グリフィン(ヴィオラ)…3-5.7.9.11
クリスティーナ・レイコ・クーパー(チェロ)…2.4.5.7-9.11
モーラン・カッツ(クラリネット)…12-15
チェリル・セルツァー(ピアノ)…1.2.5.6.8.10.11.16-48
ヨエル・ザックス(ピアノ)…12-48
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プエルトリコ生まれの作曲家、シエッラの室内楽作品集。若い頃からカリブ海の伝統音楽に惹かれ、西洋音楽との融合を試み続けることで知られるシエッラですが、最近では伝統音楽以外の分野から素材を取ることにも興味を抱いており、このアルバムに収録されている「カンディンスキー」は、タイトル通り、ロシアの画家カンディンスキーの抽象画に触発された感覚的な組曲。
トラック11ではサルサのリズムも登場。シエッラらしい作品として仕上がっています。この作品が完成する前、2002年には同じく画家ターナーに触発された「ターナー」も書き上げたシエッラ。絵画と音楽の融合によって生まれる音の追求に余念がありません。
連弾のための「Formas de〜」はシエッラの室内楽の中で最長の曲。シエッラと長年コラボレーションをしているアンサンブル「コンティヌム」の2人のメンバーのために書かれた特別な作品です。
録音 KAS Music&Sound, Astoria, New York,
US 2010年7月6-7日…1-11 2010年8月24-25日…12.14.15 2010年8月27日…32.35-42.44-48 2013年1月10日…16-31 2014年8月3日…13.33-34.43 |
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8.573917
\1200 |
フラヴィオ・クッキ:チック・コリアを弾く
チック・コリア(1941-):
子供たちの歌(抜粋)(F.クッキによる2台ギター編)
1.第1番/2.第2番/3.第3番
4.第4番/5.第6番/6.第7番
7.第8番/8.第9番/9.第14番
10.第15番/11.第18番/12.第19番
13-18.コリア:ルミネーションズ
19.アルフォンソ・ボルゲーゼ(1945-):Habanera
d’Autunno
秋のハバネラ…世界初録音
20.ジスモンチ(1947):水とワイン
21-23.ジュリオ・クレメンティ(1950-):ベレラの3つの舞曲
(2台ギターのための)…世界初録音
24-26.ジョン・デュアルテ(1919-2004):イギリス組曲 |
フラヴィオ・クッキ(ギター) |
ジャズ界のレジェンド、チック・コリア(1941-)と、クラシック・ギターの名手フラヴィオ・クッキ(1949-)は、1980年代後半にロサンゼルスで邂逅してからの親友であり、時にはジャンルを超えて共演し、作品へのアプローチなどについて語り合ってきたと言います。
この最新アルバムでは、コリアがクッキのために書いた「ルミネーションズ」を演奏するだけでなく、クッキ自身がギターのために編曲したピアノ曲「子供たちの歌」を演奏。2台ギター用のアレンジであるため、演奏会では様々なパートナーと共演するというクッキ。
このアルバムでは多重録音を用いて2人分のパートを演奏し、作品の魅力を最大限伝えることに成功しています。余白にはジスモンチ、デュアルテを始めとしたブラジルの興味深い現代作品が収録されています。
録音 2015年11月-2017年9月 Studio Prunatelli,
Florence, Italy Total Playing Time:58'20" |
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8.573739
\1200 |
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)
プーランク(1899-1963):バレエ音楽「牝鹿」組曲
他
バレエ音楽「牝鹿」FP36 組曲
1.ロンド
2.アダージェット
3.ラグ-マズルカ
4.アンダンティーノ
5.終曲
バレエ音楽「模範的な動物たち」FP111 組曲
6.夜明け
7.恋するライオン
8.中年男と2人の愛人
9.死神ときこり
10.2羽の雄鶏
11.昼の食事
シンフォニエッタ FP141
12.第1楽章:Allegro con fuoc
13.第2楽章:Molto vivac
14.第3楽章:Andante cantabil
15.第4楽章:Final |
ジャン=リュック・タンゴー(指揮)
RTE国立交響楽団 |
プーランクの3つの管弦楽作品を収録。バレエ音楽「牝鹿」は24歳の作品。バレエ・リュスを率いるディアギレフから作曲を依頼されたプーランクは、極めて優雅で軽やかな作品を書き上げました。初演時にはマリー・ローランサンが衣装と装置を担当。もともと彼女の絵からヒントを得たというこの作品は大成功を収め「牝鹿=かわいい娘たち」のタイトル通り、1920年代のパリのサロンでの気分が存分に表現されています。
「模範的な動物たち」は1941年に完成されたバレエ音楽で、ラ・フォンテーヌの寓話が元になっています。もちろん単に動物を描いたのではなく、そこには人間への鋭い観察眼が秘められています。
最後の「シンフォニエッタ」はバレエ音楽ではなく、弦楽四重奏曲の構想を膨らませたもので、魅力的な旋律が次々と現れるプーランク円熟期の作品です。フランスのエスプリが全編に溢れています。
録音 2017年3月27-28日 National Concert
Hall, Dublin, Ireland
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8.573749
\1200 |
ポール&ポーリーヌ・ヴィアルド:ヴァイオリンのための作品集
第2集
ポール・ヴィアルド(1857-1941):6つの小品(1902)
1.第1番:Angelus 天使/2.第2番:En Barque
小舟で
3.第3番:Resignation 退任/4.第4番:Chinoiserie
中国風
5.第5番:Invocation 祈り/6.第6番:Petite
Valse 小さなワルツ
7.序奏とカプリース(1890)
ポーリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):6つの小品(1868)
8.第1番:Romance ロマンス/9.第2番:Bohemienne
ジプシーの女
10.第3番:Berceuse 子守歌/11.第4番:Mazourke
マズルカ
12.第5番:Vieille Chanson 古い歌/13.第6番:Tarentelle
タランテッラ
ポール・ヴィアルド:6つの優しい小品(1889)
14.第1番:Tristesse 悲しみ/15.第2番:Marche
市場
16.第3番:Chant Villageois 村の歌/17.第4番:Mauresque
ムーア人
18.第5番:Indecision 付かず離れず/19.第6番:Babillage
せせらぎ
ポール・ヴィアルド:
3つの小品
20.第1番:A l'aurore 夜明けに/21.第2番:En
Espagne スペイン
22.第3番:Air Tendre 優しい風
23.Gitane ジタン(1900-1901)
24.ロマンス ハ長調(1889)
25.ロマンス ニ長調 Op.6(1883)
26. Romance sans parole 言葉なきロマンス(1924)
27.シシリエンヌ(1923)
28.剣の踊り(1923)
29.夢(1904頃)
30.子守歌(1889)
全て世界初録音 |
レート・クッペル(ヴァイオリン)
ヴォルフガング・マンツ(ピアノ)
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19世紀の芸術界におけるマドンナ的存在であったポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルド。ショパン、シューマン、ツルゲーネフなど高名な芸術家たちと親交を持った彼女は、また素晴らしい作品を書いた作曲家でもありました。
ここで聴ける「6つの小品」はどこまでも甘く優しい抒情性に彩られた佳曲です。そして、彼女の息子ポールも音楽的才能を受け継ぎ、いくつかの作品を残しています。
このアルバムに収録されているポールの作品のほとんどはサロン風の小品ですが、どの曲も世紀末から1920年代のパリの雰囲気を色濃く宿しており、その瀟洒な曲想からは、彼の友人だったサン=サーンスの影響も感じられます。
録音 2017年2月24-26日 Kammermusiksaal
Steingraeber Haus, Steingraeberpassage 1,95444
Bayreuth, Germany
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8.579027
\1200 |
コンスタンシオ・エルナエス(1957-):音楽と詩
Tres canciones de amor 3つの愛の歌(2001)
1.Es un suen?o la vida
2.casta
3.Amor eterno
Poemas de abril 4月の詩(2009)
4.Abril, dulce
5.El oro, apenas, de la hora (Abril)
6.!Cuanta nube, esta noche de tormenta!
(Abril)
Tres poemas amorosos 3つの愛の詩(2009)
7.Donde habite el olvido
8.Unos cuerpos son como flores
9.Si el hombre pudiera decir lo que ama
Tres canciones 3つの歌(2012)
10.Nieve
11.Cancion de Job
12.Hechos y dichos bastan(Tierra natal)
Apocrifos アポクリフォス(2015)
13.Deja tus ojos caer
14.Si el ayer olvidado
15.Humo ya huido
16.Noche oscura
Nocturnos de la ventana 窓辺の夜(2017)
17.I
18.II
19.III
20.IV
全て世界初録音 |
マルタ・トーバ(ソプラノ)…1-3.7-9.13-16.18.20
ホセ・マヌエル・コンデ(バリトン)…4-6.10-12.13-16.17.19.
セバスティアン・マリネ(ピアノ) |
マドリッドで活動する現代作曲家エルナエスの歌曲集。数多い作品の中で大きなウェイトを占める歌曲は、そのほとんどがスペインの詩人の詩を用いており、詩人たちが用いる言葉の微妙な特徴を生かしつつ、エルナエス自身の折々の心情も込められた表現力豊かな旋律を持っています。
アルバムの中で、最も最初に手掛けられたのは2001年の「3つの愛の歌」で、最新の作品は2017年の「窓辺の夜」ですが、どの曲も様々な手法を使って書かれており、美しいスペイン語の響きと複雑なリズムに彩られた魅力的な世界を楽しむことができます。
録音 2017年9月4-6日 the Auditorio del
Convervatorio Profesional de Musica de Getafe,
Madrid, Spain |