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世界の片隅で、今週も誰かが一枚のCDに耳を止めている。
その小さな「偶然の重なり」を、世界100の観測点から拾いました。


ARIA CLASSICAL 100

世界クラシック定点観測100

今週、世界から浮かび上がってきた3枚
第2回 



 「なぜ世界のクラシック好きたちは、今週この盤に反応したのか。」

 これは、世界各国のクラシック専門誌、評論サイト、CDショップ、個人ブログなど、約100の観測候補を巡回して、そこで起きている小さな反応の重なりを拾い、その動きをアリアCD店主独自の目で読む特集です。

 そこでチェックしているのは宣伝量や売上ではありません。
 英国の個人評論家と、ドイツの専門誌と、どこかの小さなショップが、なぜか同じ一枚に耳を止めている――そんな「偶然の重なり」に注目した特集なんです。


***************************

 だいたい次の3つの観点から選ぼうと思ってます。

 ★世界的話題盤
   各国の異なる媒体で、同じ時期に強い反応が重なった1枚

 ★アリアCD発掘盤
   100地点を見て回ったからこそ出会えた、店主として特に気になった1枚

 ★マニア注目盤
   専門誌や濃い評論家たちの間で、静かに評価が連鎖している1枚


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 観測対象は、長期間安定して更新される総合サイトを中心とした「CORE 50」、個人ブログや専門ジャンルを含む「DEEP 30」、東欧、小レーベル、歴史的録音、現代音楽など「何が飛び出すかわからない」「WILD 20」を基本構成として、少しずつ整備・入れ替えていきます。


 今週も世界を歩いていたら、この3枚が浮かび上がってきました。



今回の3タイトル




その1 ★世界的話題盤
ゲオルク・ニグル/シューベルト《美しき水車小屋の娘》
ALPHA1252



ALPHA


 ALPHA1252
(2CD)
\4600
フランツ・シューベルト:美しき水車小屋の娘(未作曲詩の朗読付)
 フランツ・シューベルト(1797-1828): 美しき水車小屋の娘
  【CD 1】
   1. 詩人より、プロローグとして*/2. さすらい/3. どこへ?
   4. 止まれ!/5. 小川への感謝/6. 仕事の終わりに/
   7. 知りたがりの男/8. 水車小屋の生活*/9. 焦燥/
   10. 朝の挨拶/11. 水車職人の花/12. 涙の雨
  【CD 2】
   1. 僕のものだ!/2. 休息/3. 緑のリュートのリボンで/
   4. 狩人/5. 嫉妬と誇り/6. 最初の痛み、最後の冗談*/
   7. 好きな色8. 嫌いな色9. 忘れて草の花*/
   10. しぼめる花/11. 水車職人と小川/12. 小川の子守歌/
   13. 詩人より、エピローグとして*
 *...朗読
ゲオルク・ニグル(バリトン)
アレクサンダー・ゲルゲリフィ(スクエアピアノ)

 使用楽器...バーデン・バイ・ラシュタット(現バーデン・バーデン)のカール・ヴィトゥム1810年頃製作のターフェルクラヴィーア(スクエアピアノ)、ベルリンのアンドレアス・ヘルメルトにより2025年修復
 ピッチ...A=430Hz
 録音: 2025年10月 ウィーン、EKO Immobilien GmbH
 総収録時間: 92分

 【19世紀のサロンへ 朗読と古楽器で蘇る『美しき水車小屋の娘』】

 オーストリアを代表するバリトン歌手ゲオルク・ニグルと、歴史的鍵盤楽器の名手アレクサンダー・ゲルゲリフィによる、シューベルトの『美しき水車小屋の娘』。
 1810年頃に製作されたターフェルクラヴィーア(スクエアピアノ)を使用しています。現代のグランドピアノとは大きく異なる、控えめな音量と暖かく豊かな音色のパレットが、歌手に大声を張ることを求めず、歌うことを超えた「音楽を通じた語り合い」を可能にしました。
 現代のオペラ歌手に求められる声の貫通力や声量を重視する基準を一度リセットし、楽器とのバランスを考慮したニグルの歌唱も相まって、まるで19世紀の親密なサロンに招かれたかのような、息遣いまで聴こえる生々しい表現が展開されます。さらに、シューベルトが曲を付けなかったヴィルヘルム・ミュラーの詩、プロローグやエピローグ、恋の苦悩から逃れるために永遠の忘却を求める不気味で悲しい詩「BlumleinVergiBmein(VergiB mein nicht-忘れな草-からnichtを外した、いわば"私を忘れて"という花)」など計5編を朗読で追加収録し、水車小屋で修業をする若者の恋と失恋、その悲痛な心理や物語の深淵がより鮮明に浮かび上がります。現代の巨大化・画一化したコンサート様式を見直し、19世紀初頭にベルリンのサロンで親しまれた「歌芝居(Liederspiel)」の伝統を見事に蘇らせた、全く新しい『美しき水車小屋の娘』を堪能することの出来るアルバムです。

 





 これは今回、「世界クラシック定点観測100」の存在価値をいちばん分かりやすく示してくれた1枚でした。
 というのも、私はこのアルバム、まったくノーチェックだったのです。

 ところが世界を見てみると、ドイツ、オーストリア、フランス、英国……性格の違う媒体が、次々にこの《美しき水車小屋の娘》に反応している。
 しかも、単に「1810年頃の古いピアノを使っています」という物珍しさだけではない。

 現代の大きなコンサートホールで歌われる《美しき水車小屋の娘》を、もう一度シューベルトの時代の「部屋」に戻してみる。
 そこから歌い方も、言葉の扱いも、テンポも、作品そのものの姿まで変わってしまった。

 ニグルはシューベルトが曲を付けなかったヴィルヘルム・ミュラーの詩も朗読し、プロローグとエピローグまで含めて物語を再構成しています。
 1810年製カール・ヴィトゥムのターフェルクラヴィーアを用いたことによって、巨大な現代ピアノに声を合わせる必要もなくなった。



 で・・・実際に聴いてみました。

 これはたしかに面白い!
 なんとも「遊び感覚」のする、自由な《美しき水車小屋の娘》。

 歴史的な楽器を使って昔に戻ろうとしたら、逆にものすごく自由で、現代的なものが生まれてしまった・・・という感じ。


 これは、今回の100定点観測がなければ、おそらく私は聴かずに通り過ぎていたでしょう。

 これぞ、この企画のおかげで見つけた1枚です。





■世界では――

WDR 3(ドイツ)/8月13日

 「印象的に違う《美しき水車小屋の娘》」として約5分の新譜レビュー。ターフェルクラヴィーアとニグルの歌による「急進的な再解釈」を、驚くべきリスニング体験として紹介しています。


ORF O1(オーストリア)/8月17日

 見出しからして「極端さを徹底的に味わい尽くす」。この作品をこれまで100回聴いた人にも、一度も聴いたことがない人にも「これは新しい録音だ」と紹介。ニグル自身がターフェルクラヴィーアを初めて聴いた時、それまでの歌曲演奏の経験を根本から考え直さなければならないほどの衝撃を受けたことも紹介しています。


NDR Kultur(ドイツ)/8月20日

 古いピアノの多彩な音色と、それによってニグルがまるで俳優のように声を使えるようになった点に注目。「魅力的で並外れた録音」とし、ファンだけでなく広く明確に推薦しています。


Forum Opera(フランス)/8月30日

 タイトルはずばり「Radical!」。従来のフィッシャー=ディースカウ、プライ、プレガルディエらとはまったく異なる、「友人たちの前で開かれる小さなリーダーアーベント」のような親密な《水車小屋》として高く評価しています。


Suddeutsche Zeitung(ドイツ)/9月1日

 「Fragile Sensationen(壊れやすい感覚)」と題して紹介。世の中に何百種類もある《美しき水車小屋の娘》の中でも、ニグルとゲルゲルフィはさらに一段「急進的」だと論じています。


 さらに英国The Timesの9月新譜特集にも登場。
 未作曲の詩の朗読や装飾、歴史的なスクエア・ピアノを使った異例の《水車小屋》として取り上げられています。












その2 ★アリアCD発掘盤
ニコロ・メストリーノ
ヴァイオリン協奏曲第6番・第9番ほか
プラメナ・ニキタソヴァ/レゼレマン
RAMEE RAM2503

.

RAMEE

 RAM2503
\3200→\2990
1748年ミラノ生まれ
メストリーノ:ヴァイオリン協奏曲、ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

  ニコロ・メストリーノ(1748-1789):
   1-3. ヴァイオリン協奏曲 第6番 ホ長調
   4-6. ヴァイオリンとチェロのためのソナタ ニ長調
   7-9. ヴァイオリン協奏曲 第9番 変ホ長調
レゼレマン(古楽器使用)
プラメナ・ニキタソヴァ(ヴァイオリン独奏、指揮)
カトリーヌ・プラットナー、
 ヨハネス・フリッシュ(ヴァイオリン)
リヴ・ハイム(ヴィオラ)
クリストフ・コワン(チェロ)
ヤン・クリゴフスキー(ヴィオローネ)
ケルスティン・クランプ、
 レイチェル・ハイマンス(オーボエ)
ジュール・レジ、
 ジェラルト・セラーノ(ホルン)

 録音: 2025年7月18-21日 バーゼル、マルティン教会
 収録時間: 79分

 【古典派時代の欧州を沸かせた知られざるヴァイオリン芸術家の3傑作を古楽器で】
 1748年ミラノ生まれのヴァイオリン奏者=作曲家ニコロ・メストリーノは、名匠ナルディーニの教えを受けた後ヴェネツィアで名声を博し、1780年秋から5年間ハンガリーのエステルハージ家宮廷に仕え、ハイドンの有名な作品33の弦楽四重奏曲6曲の初演にもおそらく携わりました。次いでパリへ向かい、独特の演奏スタイルと情感表現の深さで注目を集める中、同世代の名手ヴィオッティの知遇を得ます。
 その縁で1789年初頭にはマリー=アントワネットの新設歌劇場でポストを得ましたが同年7月末、大革命勃発直後に亡くなってしまいました。メストリーノの作曲家としての達成度を鮮やかに伝える当盤の演奏陣は、ブルガリア出身の名手プラメナ・ニキタソヴァを中心とする欧州最前線の古楽器奏者たち。
 ニキタソヴァはバーゼルでキアラ・バンキーニに師事後、筋の通った演奏解釈で18世紀中盤の知られざる作曲家の発掘紹介を続けてきましたが、このアルバムでも作品の骨格をよく捉えた解釈で、18世紀後半の奏法をふまえた印象的なグリッサンドも適所で使いながら味わい豊かな古典派作品の真価に迫っています。
 大御所クリストフ・コワンと共演の二重奏での凛とした対話の妙、各パート一人ずつの小編成が活きる2曲の協奏曲での華やぎと深みの描出も見事。バッハ研究者として有名なペーター・ヴォルニーの解説(独、英、仏語)で言及されている通り、ハイドン作品との関わりも興味深い充実の3曲です。

 



 これは100定点観測で「発掘」した・・・というわけじゃありません。
 なぜなら私、これはすでに聴いていたので(笑)。

 注目は、ごひいきのニキタソヴァだったんですが(ブルガリア出身、欧州古楽界の拠点バーゼルで学んだ、美しき女流奏者)、いざ聴いてみたら
「メストリーノってなんだかハイドンやモーツァルトにつながるものがあって面白いなあ」
と思って。

 で、調べてみると、それも当然でした。

 1748年ミラノ生まれのメストリーノは、ハイドンのもとでエステルハージ家宮廷楽団のコンサートマスターを務めた人物。
 1781年のハイドンの弦楽四重奏曲Op.33の初演にも関わった可能性があるとされ、その後パリではヴィオッティによってTheatre de Monsieurの楽団リーダーに任命されています。

 つまりこれは「ハイドンやモーツァルトに似た知られざる作曲家」というより、まさにハイドンやモーツァルトが生きていた音楽世界の内側にいたヴァイオリンの名手。
 私たちはハイドンやモーツァルトという「天才」ばかりを見ていますが、その作品を実際に鳴らしていた途方もない腕の演奏家たちが周囲にいた。
 メストリーノは、その忘れられた一人なのでしょう。

 しかも今回収録された作品は世界初録音。
 ニキタソヴァのヴァイオリンと、一人一パートを基本とする小編成のレゼレマンで聴くと、大古典派の巨大な影に隠れていた18世紀の音楽が、急に生身の姿で動き始める。

 ハイドンやモーツァルトのような天才・・・とは言いません。でもあの時代、こういうひとがいたんです。
 

 たぶんそこに反応した世界の音楽関係者がたくさんいたんでしょうね。







■世界では――

The Strad(英国)/8月28日

 見出しは「ハイドンの楽団リーダーの世界初録音がきらめく」という趣旨。ニキタソヴァの甘美な音色と高音域の難所をものともしない技巧、一人一パートのレゼレマンの軽やかで引き締まったアンサンブルを高く評価しています。チェロのクリストフ・コワンとのソナタも好意的に評価。最後には「大傑作ではないかもしれないが、作曲者の個性と技巧を伝える歓迎すべき新録音」と、実に冷静な評をしています。


そして――なんと9月2日。

SRF 2 Kultur(スイス)が《Klassik punkt CH》
で、
 「プラメナ・ニキタソヴァとニコロ・メストリーノのヴァイオリン音楽」
という約60分の番組を放送しています。

そこではメストリーノを「ハイドンと同時代、ウィーン古典派の様式圏にいた作曲家」として紹介し、ヴァイオリン協奏曲第9番を実際に放送。ニキタソヴァの「未知のヴァイオリン音楽を発見する姿勢」そのものにもスポットを当てています。


Presto Music(英国)/8月28日

 新譜として紹介。ハイドン、モーツァルトという巨大な作曲家ばかりを見るのではなく、「その作品を実際に世に送り出した超一流のヴィルトゥオーゾたちは誰だったのか」という視点からメストリーノを紹介しています。収録作が世界初録音である点も強調。


 現時点では、ニグルの《美しき水車小屋の娘》のように世界各国から大量のレビューが上がっているわけではありません。
 しかし、

8月28日 The Strad
 ↓
9月2日 SRF 2 Kultur

と、弦楽器専門誌からクラシック専門放送へ、早くも次の火が移った。

 これはちょっと面白いじゃないですか。














その3 ★マニア注目盤

デュオ・ドラード《Spice of Italy》

ニコラ・マッテイス父子
CHANDOS CHAN0831



CHANDOS




 CHAN0831
\3200→\2990
デュオ・ドラード
 ニコラ・マッテイス父子によるヴァイオリンと通奏低音のための音楽

 ニコラ・マッテイス父(1645頃-1699頃)
  1-4. 組曲 ニ短調 - ヴァイオリンのためのエア集(1685)より
  5-8. 組曲 ホ短調 - ヴァイオリンのためのエア集(1685)より
  9-10. 組曲 ホ短調 - ヴァイオリンのためのエア集より
  11-13. 組曲 ヘ長調- ヴァイオリンのためのエア集(1685)より
  ニコラ・マッテイス子(1667頃-1737):
   14-16. ソナタ ハ短調(1700以前) (GB-Lbl Add. 31466, no. 18)
   17-20. ソナタ イ長調(1700以前) (GB-Lbl Add. 31466, no. 21)
  ニコラ・マッテイス父:
   21. ラ・フォリアによる変奏曲 'N.M.'
   22. Ground after the Scotch Humour ヘ長調
   23-27. 組曲 ト短調 -
    ヴァイオリンのためのエア集(1676)より
   28-32. 組曲 ト長調 - ヴァイオリンのためのエア集(1676)より
デュオ・ドラード
ヘイゼル・ブルックス(ヴァイオリン)
デイヴィッド・ポロック
 (チェンバロ...
  1-4、9-13、17-20、
   22、28-32/
  オルガン...
   5-8、14-16、21、23-27)

 使用楽器
 【ヴァイオリン】
  イギリス、1670年頃、ジョージ・ミラー製作...マッテイス父
  ウィーン、18世紀、ヨハネス・ゲオルギウス・ティール製作...マッテイス子
 【チェンバロ】
  1999年アン&イアン・タッカー製作、2段鍵盤、フレミッシュ/フレンチ式(1636年リュッカース制作/1763年製エムシュの複製楽器)
 【オルガン】
  2007年ヘンク・クロップ・オルゲルバウ製作(2007年)、ポジティフ・オルガン(通奏低音用オルガン)
  A = 415 Hz
  1/6コンマ・ミーントーン

 録音:2023年9月5-7日、21日 St Martin's Church, East Woodhay
 収録時間:75分

 マッテイス父子は、王政復古期のイギリス音楽界を席巻したヴァイオリンの名手たちです。ナポリ出身の父ニコラは1671年以前にロンドンへ渡り、フランス風の様式が主流だったイギリス楽壇にイタリアのスタイルを持ち込んで衝撃を与え、その超絶技巧と「人間の声のように話しかける」と評された多彩な音色で人々を魅了しました。
 その息子ニコラ2世も幼少期から父から並外れた技術を受け継ぎ、後にウィーンへ移住してハプスブルク家の宮廷ヴァイオリニストを務めます。彼らの登場により、イギリスの音楽の趣味は全面的にイタリア・スタイルへとシフトし、文筆家ロジャー・ノースが「イタリアのスパイスなしには、町で何の味わいも得られなかった」と記すほどの大きな影響を残しました。1999年に結成されイギリス・バロックのヴァイオリン作品の演奏録音で評価を得てきたデュオ・ドラードが、当時のインパクトを再現するべく選りすぐりのマッテイス作品を演奏しています。

 



 これもですね・・・「世界100地点を歩いていたら知らない盤を発見した」という話ではありません。

 このアルバムもすでに聴いていたので^^;

 私はマッテイスが昔から大好きなのです。
 とくにその音楽に感じられるビーバーとの不思議な近さには、本でも書きましたが、20年ほど前から注目していました。

 マッテイスは17世紀後半にイタリアからロンドンへ渡り、それまでフランス趣味の強かった英国のヴァイオリン界に、猛烈なイタリアの風を吹き込んだ人物。
 デュオ・ドラード自身も、当時のロンドンにとって彼は「宇宙から来た音楽家」のような存在だったのではないか、と紹介しています。

 で、今回の100定点観測で面白かったのは、
「あれ? 世界の方が、いまマッテイスについて話し始めているぞ」
ということでした。

 これまでほとんど注目されてこなかったこの天才にようやく世界が近づいた・・・。それがうれしかったんです。


 でも、今回のアルバム、みんなが絶賛しているわけではありませんでした。

 The Stradはかなり評価している部分がある一方で、注文も付けてます。
 筋金入りの古楽ブログBiberfanなどは、なんと星2.5。

 でもいいじゃないですか、それでもみんな、このアルバムについて長々と語っている。
 気になって仕方ないんです。

 これ、すごく大事だと思うのです。

 ARIA CLASSICAL 100は「世界の高評価盤ベスト3」ではありません。
「なぜか今週、クラシック好きがこの盤について語りたくなっている」――そのざわめきを拾う企画。
 だから酷評だって、熱く取り上げられれば立派な「1票」なのです。







■世界では――


Biberfan(米・古楽専門個人サイト)/8月17日

 筋金入りの古楽マニアによる長文レビュー。マッテイスのレパートリーそのものは高く評価しつつ、演奏については「コントラストが不足し、安全運転に寄りすぎた」とかなり厳しく評価。録音バランスにも疑問を呈し、総合評価は星2.5。きびし~。


WFMT(米・シカゴ)/8月24日

 米国を代表するクラシック専門放送局の新譜ページに登場。マッテイスが王政復古期ロンドンの音楽趣味をフランス式からイタリア式へ転換させた重要人物として、このアルバムを紹介しています。


The Strad(英国)/8月28日

 「王政復古期ロンドンに新しい光を当てるデュオ」という趣旨の見出し。舞曲や《Ostinatione》《Ground after the Scotch Humour》、そして未出版だった《La Folia》変奏曲などを評価する一方、重音奏法や一部の解釈にはかなり具体的な注文を付けています。つまりこれも、単純な絶賛記事ではありません。


The Times(英国)/9月初頭

 「今月聴くべきクラシック新譜」の中に選出。ニグルの《水車小屋の娘》などと並んで、マッテイス父子を蘇らせる生気あるバロック録音として紹介されています。



 ちなみにARIA CLASSICAL 100は売上チャートを見る企画ではありませんが、このアルバム、英国のOfficial Classical Chartでは8月27日付で31位にも入っています。まさかマッテイスが!














 第2回を終えて。


今回の100定点観測で面白かったのは、

「自分が面白いと思っていたものを、世界の専門家も同じタイミングで拾っていた」

こと。

つまりこれは「発掘盤」というより、

世界との答え合わせ盤。

でもあるのかなー、と。





ページ内の商品チェック・ボックスをクリックしたら、最後に 「かごに入れる」ボタンを押してください。
新店内のほかのページのお買い物がありましたら、そちらもすませ、最後に「注文フォームへ」ボタンを押して注文フォームで注文を確定してください。
(チェック内容を変更したら、必ずもう一度「かごに入れる」ボタンをクリックしてください。変更内容がかごに反映されませんので)


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