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フランス発、知られざる音源レーベル
Forgotten Records
その9 ~47アイテム

1CD-R\4200→\3790
2CD-R\7000→\5990



 埋もれた音源をCD-R復刻させているフランスのレーベル「Forgotten Records」。日本でも一部のCD-R製作レーベルががんばっているが、ここのラインナップも魅力的。知らない名前がガンガン出てくる。
 一般に馴染みの薄い、しかしマニアックな音源が中心なのがやはりフランス。価格はかなり高いが品質がよく、日本のマニアの受けもかなりいい。






特におすすめの一枚
長く店主のお宝だった音源
イヴ・ナット/1953年3月17日、復帰期の歴史的リサイタル

FR 1513
(CD-R)\3790

イヴ・ナット/1953年3月17日、復帰期の歴史的リサイタル

シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
シューマン:「子供の情景」Op.15
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
  イヴ・ナット(ピアノ)
  録音:1953年3月17日

Wo Music WO-0006 で出ていた秘蔵音源。店主の宝物だった。
ナットの極めて珍しいライヴ録音。


 これは今回の中でも特に強烈な一枚。フランスの巨匠イヴ・ナットは1937年、まだ40代半ばで演奏会活動から身を引き、パリ音楽院での教育と作曲に専念した。その彼が長い沈黙を破って演奏会に復帰したのが1953年。この3月17日のリサイタルは、まさにその復帰期に行われた歴史的コンサートなのである。しかもプログラムが凄い。シューマンの幻想曲に始まり、ベートーヴェン「熱情」、シューマン「子供の情景」、最後にショパンの第2ソナタ「葬送」。ナットの芸術の核心であるベートーヴェンとシューマンを中心に、最後はショパンまで一気に聴かせる80分近い重量級プログラム。ナットのピアノは華麗さを誇示するタイプではない。音楽の骨格をむき出しにし、巨大な作品を内側から燃焼させていくような厳しさがある。スタジオ録音でも十分に凄い人だが、聴衆を前にした復帰期のナットを一晩のリサイタルとして追体験できるというだけで価値は格別。これはナット・ファンならぜひ押さえておきたい。






2022/5紹介


FR 1503/4
(2CD-R)\5990

フリッツ・ライナー/バッハ:ブランデンブルク協奏曲全曲、ほか

J.S.バッハ:
 ブランデンブルク協奏曲全6曲 BWV1046~1051
  フリッツ・ライナー指揮、コロンビア・アンサンブル
  録音:1949年

 管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067
  セバスティアン・カラテッリ(フルート)
  フリッツ・ライナー指揮、ピッツバーグ交響楽団
  録音:1946年

モーツァルト:
 交響曲第35番 ニ長調 K.385「ハフナー」
  フリッツ・ライナー指揮、ピッツバーグ交響楽団
  録音:1946年

原盤:Columbia ML 4281/3、Columbia ML 4156

 これは面白い。フリッツ・ライナーというと、シカゴ交響楽団を徹底的に磨き上げた20世紀屈指のオーケストラ・ビルダー、その鋭利なリズムと精密無比のアンサンブルを思い浮かべる。しかしここで聴けるのは、シカゴ時代以前、1940年代のライナーが残したバッハとモーツァルト。とりわけ1949年のブランデンブルク協奏曲全曲は貴重で、コロンビア・アンサンブルにはトランペットのウィリアム・ヴァッキアーノ、フルートのジュリアス・ベイカー、チェンバロのシルヴィア・マーロウら当時のニューヨークを代表する名手たちが参加していた。今日の古楽器演奏とはまったく異なる、大編成時代のバッハではあるが、ライナーらしい線の明晰さ、リズムの引き締まり、各声部を曖昧にしない造形力はさすが。そこへ1946年の管弦楽組曲第2番とモーツァルト「ハフナー」まで収録。後年のシカゴ録音だけでは見えてこない「若き日のライナー」を知るうえでも、歴史的価値の高い2枚組。



FR 1505
(CD-R)\3790

イオネル・ペルレア&バンベルク響/中欧・東欧管弦楽名曲集

ブラームス:ハンガリー舞曲第1、2、3、5、6、7、17、19、21番
 イオネル・ペルレア指揮、バンベルク交響楽団 録音:1958年

スメタナ:交響詩「モルダウ」
ドヴォルザーク:スケルツォ・カプリチオーソ Op.66
コダーイ:ガランタ舞曲
エネスク:ルーマニア狂詩曲第1番 イ長調 Op.11
 イオネル・ペルレア指揮、バンベルク交響楽団 録音:1955年

ステレオ&モノラル
原盤:Vox STPL 511240、Vox PL 9500

 これはペルレア好きなら見逃せない一枚。ルーマニアに生まれ、ミュンヘンとライプツィヒで学び、戦後はイタリア、さらにアメリカへと活動の場を広げたイオネル・ペルレア。メトロポリタン歌劇場にも登場し、トスカニーニから高く評価されたことでも知られる名指揮者だが、現在その名前は録音の少なさもあって一般には忘れられかけている。しかしその音楽は実に骨太で、歌わせるところはたっぷり歌わせながら、民族的な舞曲のリズムを決して鈍らせない。この盤はそんなペルレアの魅力がもっともストレートに出る選曲。ブラームスのハンガリー舞曲から「モルダウ」、ドヴォルザーク、コダーイ、そして同郷エネスクのルーマニア狂詩曲へ。バンベルク響の厚みのある響きも相まって、1950年代ならではの濃厚な中欧・東欧の香りが立ち上る。



FR 1506
(CD-R)\3790

フェルナン・ウーブラドゥ/ヴィヴァルディ:「四季」と協奏曲集

ヴィヴァルディ:
 協奏曲集 Op.8「和声と創意への試み」より第1~4番「四季」
  ロベール・ジャンドル(ヴァイオリン)
  フェルナン・ウーブラドゥ指揮、ウーブラドゥ室内管弦楽団
  録音:1958年

 オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ヘ長調 RV455(ウーブラドゥ復元)
  ピエール・ピエルロ(オーボエ) 録音:1957年

 弦楽と通奏低音のための協奏曲 イ長調 RV158(ウーブラドゥ復元)
 木管、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調「ドレスデン」RV577(ウーブラドゥ復元)
  フェルナン・ウーブラドゥ指揮、ウーブラドゥ室内管弦楽団 録音:1957年

 チェロ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ短調 RV401(ウーブラドゥ復元)
  ロベール・ベックス(チェロ)
  フェルナン・ウーブラドゥ指揮、ウーブラドゥ室内管弦楽団 録音:1957年

原盤:RCA 630003、RCA 630002

 いまではヴィヴァルディの協奏曲は原典版で演奏するのが当たり前。しかし1950年代は、まだ作品の整理・校訂・復元そのものが演奏家の重要な仕事だった。その時代を象徴する存在のひとりがフェルナン・ウーブラドゥ。名バスーン奏者として出発し、指揮者・教育者としてフランスの管楽器文化に大きな足跡を残した人物で、1927年にはパリ木管三重奏団を創設、イベール、ミヨー、ルーセル、マルティヌーらの新作にも関わった。この盤では有名な「四季」に加え、RV455、158、577、401という協奏曲を自ら復元して演奏しているのが最大のポイント。しかもオーボエにはフランスを代表する名手ピエール・ピエルロ。「四季」の名盤というだけでなく、戦後のヴィヴァルディ復興史そのものを記録したような一枚である。



FR 1507
(CD-R)\3790

ワーウィック・ブレイスウェイト&コヴェント・ガーデン王立歌劇場管/バレエ&管弦楽名曲集

ビゼー:
 「子供の遊び」組曲
 「アルルの女」第2組曲より「ファランドール」
 「美しきパースの娘」第2幕より「ジプシーの踊り」
シャブリエ:田園組曲
  ワーウィック・ブレイスウェイト指揮、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
  録音:1952年

プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」Op.87~組曲
  ワーウィック・ブレイスウェイト指揮、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
  録音:1949年

原盤:Parlophone PMC 1020、Columbia ML 4229

 ワーウィック・ブレイスウェイト――名前だけではピンと来ないかもしれないが、実は英国オペラ・バレエ界の重要人物。ニュージーランド生まれで、若い頃にはミュンヘンでブルーノ・ワルターのもとでも働き、戦後はコヴェント・ガーデン王立歌劇場のバレエ部門で活躍した。そして何より注目したいのがプロコフィエフ「シンデレラ」。ブレイスウェイトはこの作品の西側初演をコヴェント・ガーデンで指揮した人物なのである。その彼が同歌劇場管と残した1949年録音がここに収められているのだから、これは単なる古いバレエ音楽盤ではない。ビゼー、シャブリエの洒落た色彩感とともに、劇場の現場を知り尽くした指揮者ならではの呼吸、踊りの感覚を味わえる歴史的録音。



FR 1508
(CD-R)\3790

ワーウィック・ブレイスウェイト&コヴェント・ガーデン王立歌劇場管/珠玉のバレエ音楽集

モーツァルト:バレエ音楽「レ・プティ・リアン」K.Anh.10
 録音:1952年

D.スカルラッティ/トンマジーニ編:バレエ「上機嫌な婦人たち」
 録音:1952年

ブリテン:
 「ソワレ・ミュージカル(音楽の夜会)」Op.9(ロッシーニによる第1組曲)
 「マチネ・ミュージカル(音楽の朝会)」Op.24(ロッシーニによる第2組曲)
 録音:1951年

 ワーウィック・ブレイスウェイト指揮、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団

原盤:MGM E3034、Parlophone PMD 1020

 FR1507に続くブレイスウェイト&コヴェント・ガーデン王立歌劇場管のもう一枚。こちらはさらに「劇場の指揮者」ブレイスウェイトの本領が見える選曲で、モーツァルトの愛らしい「レ・プティ・リアン」、スカルラッティの音楽をトンマジーニが華麗なバレエに仕立てた「上機嫌な婦人たち」、そしてロッシーニの旋律をブリテンが鮮やかに料理した「ソワレ・ミュージカル」「マチネ・ミュージカル」。どれも重厚な交響作品ではなく、リズム、色彩、身振り、舞台感覚が命の音楽ばかり。オペラとバレエの現場で鍛えられたブレイスウェイトにはまさにうってつけである。1951~52年のコヴェント・ガーデンの空気を封じ込めたような、軽妙洒脱でちょっと粋な歴史的バレエ・アルバム。



FR 1509
(CD-R)\3790

ヴィトルト・マウツジンスキ/1958年、祖国ポーランドでのショパン名演集

ショパン:
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
  ヴィトルト・マウツジンスキ(ピアノ)
  ヴィトルト・ロヴィツキ指揮、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1958年

 練習曲 嬰ハ短調 Op.25-7
 マズルカ 嬰ハ短調 Op.63-3
 スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39
  ヴィトルト・マウツジンスキ(ピアノ) 録音:1958年

原盤:Muza XL 0048

 これはマウツジンスキのディスコグラフィーの中でも、ひときわ意味のある一枚。1937年の第3回ショパン国際コンクールで第3位となり、晩年のパデレフスキにも薫陶を受けたポーランドの名手ヴィトルト・マウツジンスキ。戦争によって祖国を離れ、南米、アメリカ、そしてスイスへと活動の場を移した彼が、第二次大戦後初めてポーランドへ帰還したのがまさに1958年だった。この盤はその年のワルシャワ録音。しかも協奏曲第2番では、のちにワルシャワ・フィルを率いてポーランド楽壇の中心人物となるヴィトルト・ロヴィツキとの共演である。マウツジンスキは豪快なスケールと男性的な骨格を持ちながら、ショパン特有の陰影や詩情を失わないピアニスト。その個性は協奏曲だけでなく、Op.25-7、マズルカ、スケルツォというソロ3曲にも凝縮されている。20年近い歳月を経て祖国へ戻ったポーランド人ピアニストが、ポーランドのオーケストラとショパンを録音する――その背景を知ると、いっそう感慨深い歴史的記録である。



FR 1510
(CD-R)\3790

ジョルジェ・エネスク自作自演!/管弦楽組曲第1番&交響曲第1番

エネスク:
 管弦楽組曲第1番 ハ長調 Op.9
  ジョルジェ・エネスク指揮、ブカレスト・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1943年

 交響曲第1番 変ホ長調 Op.13
  ジョルジェ・ジョルジェスク指揮、国立ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1942年

原盤:Electrecord ECD 91、Electrecord ECD 58

 これはエネスク・ファンなら黙って通り過ぎることのできない歴史的録音。ヴァイオリニストとして、ピアニストとして、指揮者として、そして作曲家として20世紀音楽史に巨大な足跡を残したジョルジェ・エネスク。その本人が1943年、ブカレスト・フィルを指揮して自作の管弦楽組曲第1番を録音しているのである。華やかな「ルーマニア狂詩曲」の作曲家というイメージだけでは捉えきれない、精緻で個性的なエネスクの管弦楽世界を、作曲者自身の解釈で聴ける価値は大きい。そしてカップリングは1942年録音の交響曲第1番。こちらを振るジョルジェ・ジョルジェスクもルーマニアを代表する大指揮者で、エネスクと同時代の音楽文化を生きた人物。つまりこれは単なる「エネスク作品集」ではなく、1940年代ルーマニア楽壇そのものを封じ込めたような一枚。作曲者自演と同時代の名指揮者による交響曲を並べた、FORGOTTENならではの復刻である。



FR 1511
(CD-R)\3790
歴史的放送録音
リチャード・バーギン/マーラー:交響曲第2番「復活」

マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」
 ナンシー・カー(ソプラノ)
 ユーニス・アルバーツ(アルト)
 コーラス・プロ・ムジカ
 リチャード・バーギン指揮、ボストン交響楽団
 録音:1960年

 これはとんでもなく面白い「復活」。リチャード・バーギンという名前を指揮者として知る人は、今では決して多くないだろう。しかし彼は1920年から1962年まで実に42年間、ボストン交響楽団のコンサートマスターを務めた伝説的人物。モントゥー、クーセヴィツキー、ミュンシュという歴代の巨匠たちのもとで弦楽セクションを支え、さらに副指揮者、のちには準指揮者としてボストン響を何度も指揮していた。そして何より興味深いのは、バーギン自身がブルックナーとマーラーを好み、まだ両者が今日ほど頻繁に演奏されなかった時代から積極的に取り上げていたということ。そのバーギンが、自分が40年近く内部から知り尽くしていたボストン響を振ってマーラーの巨大な「復活」に挑んだ1960年録音である。スター指揮者が客演して作ったマーラーとはまったく違う、オーケストラの隅々まで知るコンサートマスター兼指揮者が築き上げた「復活」。マーラー演奏史、そしてボストン響の歴史という二つの意味で、実に興味深い記録である。



FR 1512
(CD-R)\3790

ポール・パレー/1950年のベルリオーズ「幻想交響曲」

ベルリオーズ:
 幻想交響曲 Op.14
 歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」Op.23~序曲
 劇的物語「ファウストの劫罰」Op.24~ハンガリー行進曲
  ポール・パレー指揮、コンセール・コロンヌ管弦楽団
  録音:1950年

原盤:Vox PL 6950、Vox VIP 45450

 パレーの「幻想」と聞けば、多くの人がまず思い浮かべるのはデトロイト交響楽団との1958年Mercury録音だろう。しかしその8年前、パレーはすでにパリの名門コンセール・コロンヌ管弦楽団と「幻想交響曲」を録音していた。それがこの1950年Vox録音。つまり、あの鮮烈なデトロイト盤へ至る以前のパレーのベルリオーズを知ることのできる貴重な記録なのである。パレーはフランス音楽を得意としただけでなく、自身も作曲家として訓練を受けた音楽家。作品の構造を明晰に捉えながら、フランスのオーケストラ特有の色彩と身軽さを引き出す。その意味でも、パリの伝統を背負うコンセール・コロンヌとのベルリオーズは実に興味深い。さらに「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲と「ファウストの劫罰」のハンガリー行進曲も収録。後年の名盤だけでパレーを知っている人にこそ聴いてほしい、若き日のベルリオーズ録音である。



FR 1513
(CD-R)\3790
歴史的放送録音
イヴ・ナット/1953年3月17日、復帰期の歴史的リサイタル

シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
シューマン:「子供の情景」Op.15
ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35「葬送」
  イヴ・ナット(ピアノ)
  録音:1953年3月17日

Wo Music WO-0006 で出ていた秘蔵音源。店主の宝物だった。
ナットの極めて珍しいライヴ録音。


 これは今回の中でも特に強烈な一枚。フランスの巨匠イヴ・ナットは1937年、まだ40代半ばで演奏会活動から身を引き、パリ音楽院での教育と作曲に専念した。その彼が長い沈黙を破って演奏会に復帰したのが1953年。この3月17日のリサイタルは、まさにその復帰期に行われた歴史的コンサートなのである。しかもプログラムが凄い。シューマンの幻想曲に始まり、ベートーヴェン「熱情」、シューマン「子供の情景」、最後にショパンの第2ソナタ「葬送」。ナットの芸術の核心であるベートーヴェンとシューマンを中心に、最後はショパンまで一気に聴かせる80分近い重量級プログラム。ナットのピアノは華麗さを誇示するタイプではない。音楽の骨格をむき出しにし、巨大な作品を内側から燃焼させていくような厳しさがある。スタジオ録音でも十分に凄い人だが、聴衆を前にした復帰期のナットを一晩のリサイタルとして追体験できるというだけで価値は格別。これはナット・ファンならぜひ押さえておきたい。



FR 1514
(CD-R)\3790

1942年のヨーク弦楽四重奏団/ヴィヴァルディ、ボッケリーニ、パガニーニ

ヴィヴァルディ:協奏曲 イ短調 Op.3-8 RV522(「調和の霊感」より)
 ヨーク弦楽四重奏団 録音:1942年

ボッケリーニ:弦楽四重奏曲 イ長調 Op.32-6 G.206
 ヨーク弦楽四重奏団 録音:1942年

パガニーニ:四重奏曲第7番 ホ長調 MS34bis
 (ギター四重奏曲第7番 MS34の弦楽四重奏版)
 ヨーク弦楽四重奏団 録音:1942年

原盤:Regent MG 5051、Regent MG 5004
収録時間:51分46秒

 これはまさにFORGOTTENの名にふさわしい一枚。ヨーク弦楽四重奏団という名前自体、現在ではほとんど知られていないが、ここに残されたのは1942年という戦時下の録音である。しかも曲目が実に面白い。ヴィヴァルディの「調和の霊感」Op.3-8に始まり、ボッケリーニの弦楽四重奏曲、そしてパガニーニのギター四重奏曲を弦楽四重奏に編み替えた珍しい作品まで収める。今日の弦楽四重奏のアルバムならベートーヴェンやシューベルトを軸に据えるところだが、これは18~19世紀イタリアの器楽音楽を横断するような独特の選曲。とりわけパガニーニの第7番は、原曲のギター・パートを弦に置き換えた異色の姿で、録音そのものが珍しい。演奏団体の詳しい経歴がほとんど伝わっていないことも含め、まさしく埋もれた録音文化を掘り起こすFORGOTTENらしい復刻である。



FR 1515
(CD-R)\3790

アンドレ・カプレ:宗教的傑作「イエスの鏡」/イルマ・コラッシ

カプレ:「イエスの鏡―ロザリオの神秘」
 独唱、女声合唱、ハープと弦楽のための作品
 アンリ・ゲオンの詩による

 イルマ・コラッシ(メゾ・ソプラノ)
 ピエール・カプドヴィエル
 フランス放送女声合唱団
 合唱指揮:イヴォンヌ・グヴェルネ
 パリ室内楽協会管弦楽団
 録音:1953年

収録時間:62分58秒

歴史的放送録音


 ドビュッシーの盟友として知られるアンドレ・カプレだが、作曲家としての真価を知るなら、この「イエスの鏡」は避けて通れない。1923年に完成した晩年の大作で、詩人アンリ・ゲオンの「ロザリオの神秘」をもとに、キリストの生涯を聖母マリアのまなざしを通して描く宗教作品。華麗な大オーケストラではなく、メゾ・ソプラノ、女声合唱、ハープ、弦楽という透明な編成から、静謐で神秘的な響きが立ち上がる。しかもこの1953年録音の独唱はイルマ・コラッシ。フランス歌曲と20世紀フランス音楽に独自の境地を築いた名歌手で、MusicWeb Internationalもこの録音を歴史的重要性の高い記録として評価している。カプレはドビュッシーの影に隠れがちだが、この作品を聴けば、その繊細な和声感覚と宗教的な集中力がまったく独自のものであることが分かる。録音自体も極めて貴重で、カプレ再評価という意味でも見逃せない一枚。



FR 1516
(CD-R)\3790

初演か?歴史的放送録音

バーンスタイン&カサドシュ/1961年ニューヨーク・フィル


デイヴィッド・ダイヤモンド:交響曲第8番
 レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック
 録音:1961年

フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード 嬰ヘ長調 Op.19
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番 ハ短調 Op.44
 ロベール・カサドシュ(ピアノ)
 レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック
 録音:1961年

収録時間:66分02秒

 これも強烈な組み合わせ。まず冒頭はアメリカの作曲家デイヴィッド・ダイヤモンドの交響曲第8番。ダイヤモンドは20世紀アメリカ交響楽の重要人物で、バーンスタインとは長い交流があり、この第8番も1961年にニューヨーク・フィルがバーンスタインの指揮で取り上げた作品である。そして後半にはロベール・カサドシュが登場。フォーレの「バラード」とサン=サーンスの第4協奏曲という、まさにカサドシュの気品と知性が映えるフランス作品を、当時ニューヨーク・フィル音楽監督だったバーンスタインが支える。カサドシュ公式ディスコグラフィーでもサン=サーンス第4番は1961年10月30日マンハッタン・センターでの録音と確認できる。バーンスタインというと爆発的な情熱のイメージが強いが、カサドシュの端正で透明なピアノと組むと、フランス音楽の線の美しさが際立つ。アメリカ現代交響曲とフランスの洗練を一枚に収めた、1961年ニューヨークの空気が伝わる非常に面白いアルバムである。



2021/12初紹介



FR 1492
(CD-R)\3790

結成初期のスメタナ四重奏団/スメタナ&ドヴォルザーク

スメタナ:
 弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「わが生涯より」 録音:1953年
 弦楽四重奏曲第2番 ニ短調 録音:1950年

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第14番 変イ長調 Op.105 録音:1953年

スメタナ四重奏団
 イジー・ノヴァーク、ルボミール・コステツキー(ヴァイオリン)
 ヤロスラフ・リベンスキー(ヴィオラ)、アントニーン・コホウト(チェロ)

原盤:Supraphon LPV 420、Supraphon LPM 227
収録時間:76分50秒

 これはスメタナ四重奏団の「完成された名声」を聴く盤ではなく、むしろ世界的名声へ駆け上がっていく最初期の姿を聴く盤。彼らは1943年に前身団体として結成され、1945年からスメタナ四重奏団を名乗り、1949年には初めて「プラハの春」に出演。その翌1950年に録音史をスタートさせた。その最初期の録音のひとつが、ここに収められたスメタナの弦楽四重奏曲第2番なのである。1953年の「わが生涯より」とドヴォルザーク第14番も、まだ結成10年ほどの時期。後年の驚異的に練り上げられたアンサンブルとは少し違い、若い奏者たちの熱気とチェコ音楽への直接的な共感が前面に出る時代である。しかもスメタナ2曲とドヴォルザーク晩年の第14番という、彼らの母国チェコの核心レパートリー。世界最高峰の弦楽四重奏団へと成長する、その原点を記録した貴重な初期Supraphon録音集である。


FR 1493
(CD-R)\3790

ダニエル・ワイエンベルク/ラヴェル両協奏曲&ガーシュウィン

ラヴェル:
 ピアノ協奏曲 ト長調
 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
  ダニエル・ワイエンベルク(ピアノ)
  エルネスト・ブール指揮、シャンゼリゼ劇場管弦楽団
  録音:1957年

ガーシュウィン:ピアノ協奏曲 ヘ長調
 ダニエル・ワイエンベルク(ピアノ)
 ジョルジュ・プレートル指揮、パリ音楽院管弦楽団
 録音:1960年

原盤:Ducretet-Thomson 320 C 119、Ducretet-Thomson 350 C 002
収録時間:74分59秒

 ダニエル・ワイエンベルクは、もっと知られていいピアニストである。1929年パリ生まれ、オランダで育ち、のちにマルグリット・ロンに学んだ国際派。1953年にはミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィルとカーネギー・ホールに登場し、その後ヨーロッパとアメリカで広く活躍した。オランダでは20世紀を代表するピアニストの一人と見なされた存在である。そのワイエンベルクが1957年に録音したラヴェルの2つの協奏曲。エルネスト・ブールの引き締まった伴奏を得て、ト長調協奏曲の洒脱さと左手協奏曲の暗い重量感という対照的な世界を一気に聴かせる。そして1960年のガーシュウィンでは、若きジョルジュ・プレートルとパリ音楽院管弦楽団が共演。フランス音楽とジャズ語法の双方に強かったワイエンベルクにとって、実に似合いの組み合わせである。ラヴェル2曲とガーシュウィンを一枚で聴ける内容も非常に魅力的。華やかな技巧だけではなく、リズムの鋭さと都会的な洗練を備えたピアニストだったことがよく分かる一枚である。


FR 1494
(CD-R)\3790

ハンス・スワロフスキー/1955年シューベルト「グレート」&「ロザムンデ」

シューベルト:
 交響曲第9番 ハ長調 D944「グレート」
 「ロザムンデ」Op.26 D797
  ハンス・スワロフスキー指揮、ウィーン交響楽団
  録音:1955年

原盤:World Record Club T 25、World Record Club T 17
収録時間:75分46秒

 アバド、メータ、ヤンソンス、シノーポリ、イヴァン・フィッシャーら後世の大指揮者を育てた「指揮者の教師」としてあまりにも有名なハンス・スワロフスキー。しかし当然ながら、彼自身もウィーンの伝統を身体に染み込ませた優れた実演家だった。シェーンベルクとウェーベルンに理論を学び、リヒャルト・シュトラウス、ワインガルトナーらから指揮を学んだという経歴からも、その音楽的基盤の広さが分かる。この1955年録音は、彼が戦後のウィーン楽壇で活動していた時期のシューベルト。「グレート」と「ロザムンデ」という王道の組み合わせを、ウィーン交響楽団と聴ける。大げさな自己演出よりも、作品の構造とフレーズの自然な呼吸を重んじるスワロフスキーの美点はシューベルトにこそ生きる。後年「名教師」として伝説化した人物の、指揮者としての本当の姿を知るには格好の一枚である。


FR 1495
(CD-R)\3790

パウル・フッペルツのビゼー交響曲

ビゼー:
 交響曲第1番 ハ長調
  パウル・フッペルツ指揮、ユトレヒト交響楽団
  録音:1952年

 交響曲「ローマ」
  フレッド・ハウスデルファー指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1953年

 序曲「祖国」Op.19
  フレッド・ハウスデルファー指揮、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団
  録音:1953年

原盤:Concert Hall MMS 11, Concert Hall H-13
収録時間:1:14:16



★若きビゼーの天才が炸裂する交響曲第1番。しかも戦後オランダ楽壇を支えたフッペルツの希少録音!

 17歳のビゼーが書いたとは到底思えないほど瑞々しく、才気にあふれた交響曲第1番。その作品を1952年、オランダの指揮者パウル・フッペルツがユトレヒト交響楽団と録音した珍しい一枚。フッペルツは1949年から長く同楽団の首席指揮者を務め、オランダの現代作品にも積極的だった人物である。華麗さだけに流れず、若きビゼーの古典的な均整とフランス的な軽やかさを端正に描き出す。さらに「ローマ」と序曲「祖国」を収録。「カルメン」の作曲家というイメージだけでは見えてこない、交響曲作家ビゼーの姿を一枚で味わえる好企画。1950年代初頭のオランダのオーケストラ文化を伝える記録としても興味深い。

FR 1496
(CD-R)\3790

ヴァレンティン・ゲオルギュー/ショパン・リサイタル

ショパン:
 即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op.36
 夜想曲第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
 幻想曲 ヘ短調 Op.49
 バラード第1番 ト短調 Op.23
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22

 ヴァレンティン・ゲオルギュー(ピアノ)
 録音:1958年

原盤:His Master's Voice XLP 20021
収録時間:46:35



★エネスクが幼い彼を「稀有な才能」と認めたルーマニアの巨匠。30歳のゲオルギューが残したショパン!

 ヴァレンティン・ゲオルギュー(1928-2023)は20世紀ルーマニアを代表するピアニストのひとり。幼少期から並外れた才能を示し、ジョルジェ・エネスクの推薦を受けてパリ音楽院に留学、ラザール・レヴィらに学んだ。15歳でジョルジェスク指揮ブカレスト・フィルと協奏曲デビュー。しかもこの録音が行われた1958年は、第1回エネスク国際コンクールで兄シュテファンとのデュオがエネスクのヴァイオリン・ソナタ第3番の最優秀演奏賞を得た年でもある。ここで聴けるのは、まさに30歳、充実期入口のショパン。東欧のピアニストらしい骨格の強さと、パリで磨かれた洗練が同居する。幻想曲、バラード第1番、大ポロネーズまで並ぶ選曲も実に豪華。後年まで長い活動を続けた名手の若き日の姿を刻んだ、貴重なショパン・アルバムである。

FR 1497/8
(2CD-R)\5990

これはすごい。オネゲル自作自演、しかも妻アンドレ・ヴォラブール登場!

オネゲル:
 「アンフィオン」管弦楽組曲 H.71a
 交響的運動第1番「パシフィック231」H.53
 「スイスの祭日」H.174a
 ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ H.55
 「勝利のオラース」―管弦楽のための黙劇交響曲 H.38
 「アンジェリックのセレナード」H.182

 アルテュール・オネゲル指揮
 南西ドイツ放送交響楽団(バーデン=バーデン)
 アンドレ・オネゲル=ヴォラブール(P:コンチェルティーノ)
 録音:1949年

南西ドイツ放送局スタジオ/放送用音源
収録時間:1:24:37



歴史的放送録音

★作曲者自身が振るオネゲル。それだけでも事件なのに、ピアノは妻アンドレ・ヴォラブール!

 これはFORGOTTENらしさ全開の2枚組。1949年、オネゲル自身がバーデン=バーデンの南西ドイツ放送のオーケストラを指揮した自作自演集である。「パシフィック231」のような代表作から、「アンフィオン」「勝利のオラース」などまで、作曲者自身のテンポ、アクセント、音楽の呼吸をまとめて確認できること自体が貴重。そして最大の注目はコンチェルティーノ。独奏を務めるアンドレ・ヴォラブール(1894-1980)はオネゲル夫人であると同時に、パリ音楽院で学んだ優れたピアニスト、そして高名な対位法教師だった。若きピエール・ブーレーズも1944年から約2年間、彼女に個人的に対位法を学んでいる。録音の少ないヴォラブールの演奏を、夫オネゲル自身の指揮で聴ける――この一点だけでも資料的価値はきわめて高い。作曲家オネゲルの「肉声」に限りなく近づく、歴史的ドキュメント。

FR 1499
(CD-R)\3790

コンスタンチン・イワノフ/プロコフィエフ&ストラヴィンスキー

プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年原典版)

 コンスタンチン・イワノフ指揮
 ソヴィエト国立交響楽団
 録音:1961年

原盤:Melodiya 09739-40, Melodiya 010609-10
収録時間:1:19:41



★スヴェトラーノフ以前のソヴィエト国立響を20年間率いた男。1961年、絶頂期イワノフのプロコフィエフ第5番!

 コンスタンチン・イワノフ(1907-1984)。現在ではコンドラシン、ロジェストヴェンスキー、スヴェトラーノフらの陰に隠れがちだが、ソヴィエト指揮界の歴史を語るうえで無視できない巨匠である。1945年にソヴィエト国立交響楽団の首席指揮者となり、1965年にスヴェトラーノフへ引き継ぐまで約20年間その座にあった。つまりこの1961年録音は、彼とオーケストラの関係が十分に熟成した時期の記録。プロコフィエフ第5番というソヴィエト交響曲の王道と、ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」1911年版という極彩色のバレエを組み合わせる。巨大な推進力、厚い響き、容赦のないリズム――後のソヴィエト名指揮者たちへつながる演奏文化を生々しく感じさせる一枚。1961年にはこのコンビがウィーン音楽祭にも登場しており、まさに国際舞台へ乗り出していた時代のイワノフである。

FR 1500
(CD-R)\3790

オランダの名バス・バリトン、ヘルマン・シャイ
 ブラームス「4つの厳粛な歌」&マーラー「亡き子をしのぶ歌」


レーヴェ:
 「魔王」Op.13(詩:ゲーテ)
 「小さな家計」Op.71(詩:リュッケルト)
 「歩く鐘」Op.20-3(詩:ゲーテ)
ブラームス:4つの厳粛な歌 Op.121
 ヘルマン・シャイ(バス・バリトン)
 フェリックス・デ・ノーベル(P)
 録音:1953年

マーラー:亡き子をしのぶ歌(詩:リュッケルト)
 ヘルマン・シャイ(バス・バリトン)
 ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮、ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
 録音:1951年

原盤:Philips N 00625 R, Philips A 00103 R
収録時間:51:28



★メンゲルベルク時代のコンセルトヘボウでマーラーを歌った名歌手。シャイの「亡き子をしのぶ歌」!

 ヘルマン・シャイ(1895-1981)はドイツ生まれ、のちにオランダを拠点とした名バス・バリトン。とりわけバッハ歌手として名高いが、実はマーラーとの縁も深い。1929年にはメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ管と「亡き子をしのぶ歌」を歌い、その後も同楽団に繰り返し登場した。1934年にはナチスを逃れてオランダへ移住し、戦時中は潜伏生活を余儀なくされたという波乱の人生を持つ。そんな彼が戦後に残した1951年の「亡き子をしのぶ歌」。華美な表現ではなく、言葉を噛みしめるような深い歌唱がこの作品にふさわしい。さらにブラームス晩年の「4つの厳粛な歌」、レーヴェのバラードを収録。ドイツ歌曲の古い語り口と、20世紀前半のマーラー演奏伝統が一枚の中で交差する、非常に味わい深い歴史的名唱集である。

FR 1501/2
(2CD-R)\5990

なんという顔ぶれ!
モーツァルト:ピアノ三重奏曲全集
 アギ・ヤンボール(P)/ヴィクトール・アイタイ(Vn)/ヤーノシュ・シュタルケル(Vc)


モーツァルト:
 ピアノ三重奏曲 変ロ長調 K.254
 ピアノ三重奏曲 ト長調 K.496
 ピアノ三重奏曲 変ロ長調 K.502
 ピアノ三重奏曲 ホ長調 K.542
 ピアノ三重奏曲 ハ長調 K.548
 ピアノ三重奏曲 ト長調 K.564

 アギ・ヤンボール(ピアノ)
 ヴィクトール・アイタイ(ヴァイオリン)
 ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
 録音:1951年

原盤:Period SPLP 521/3
収録時間:1:52:35




★若きシュタルケル、アイタイ、ヤンボール――ハンガリー系の名手3人が1951年に残したモーツァルト全集!

 これはメンバーを見ただけで胸が高鳴る。チェロは言うまでもなく20世紀最大級の巨匠ヤーノシュ・シュタルケル。ヴァイオリンのヴィクトール・アイタイはブダペスト音楽院で学び、のちにシカゴ交響楽団の名コンサートマスターとして長く活躍した名手。そしてピアノのアギ・ヤンボールもハンガリー出身で、戦後アメリカを中心に活動した個性的なピアニストである。3人とも中欧の室内楽文化を身体に染み込ませた音楽家。その彼らが1951年という若い時期にモーツァルトのピアノ三重奏曲をまとめて録音していた。スター独奏家を寄せ集めた室内楽ではなく、古き良き中欧の語法、互いに聴き合うアンサンブルの呼吸そのものが魅力。しかもK.254からK.564まで主要6曲を約2時間に収めた堂々たる全集。シュタルケル・ファン、歴史的室内楽録音ファンには見逃せない復刻である。



2021/5初紹介


FR1478
\3790
シューマン:
 (1)交響曲第1番「春」
 (2)交響曲第3番 変ホ長調「ライン」 
(3)リスト:交響詩「ハンガリー」 S103
ハンス・スワロフスキー指揮
 (1)ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1959年
 (2)ウィーン交響楽団 1955年
 (3)ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団 1955年
Original edition: Odeon XOC 819, Club Mondial du Disque CMD 341

★スワロフスキー、教師の顔だけでは語れない。ウィーンのオーケストラを振ったシューマン&リスト

 アバド、メータ、ヤンソンス、シノーポリらを育てた「伝説の指揮教師」としてあまりにも有名なハンス・スワロフスキー。しかし、その名声ゆえに忘れられがちなのが、彼自身がれっきとしたウィーン楽壇の実践的な指揮者だったということである。シェーンベルク、ウェーベルンに学び、指揮法ではワインガルトナーやリヒャルト・シュトラウスの薫陶を受けたという、今から考えれば驚くべき経歴の持ち主。
 ここでは1950年代のウィーンの3つのオーケストラを相手に、シューマンの「春」「ライン」とリストの「ハンガリー」を聴く。「作品の構造を明晰に捉え、形を崩さない」というスワロフスキーの美学を、まさに本場ウィーンの響きの中で味わえる一枚。後世の巨匠たちに指揮を教えた男が、実際にどんな音楽を作っていたのか。その答えを聴く意味でも興味深い復刻である。


FR1479
\3790
シベリウス:
 (1)レンミンカイネンの伝説 Op.22
 (2)ヴァイオリン協奏曲 二短調 Op.47
シクステン・エールリンク指揮
(1)ストックホルム放送交響楽団 1953年
(2)ストックホルム祝祭管弦楽団 1954年
  ダヴィド・オイストラフ(Vn)
Original edition: Metronome CLP 519, Columbia 33 C 1036

★これは強烈。エールリンク&オイストラフ、1954年のシベリウス協奏曲

 シクステン・エールリンクといえば、1952~53年に史上初のシベリウス交響曲全集を完成させた指揮者。そのエールリンクが、今度はダヴィド・オイストラフを迎えて1954年6月に録音したヴァイオリン協奏曲である。オイストラフにとっても西側で残した最初期のシベリウス録音のひとつで、後年のオーマンディ盤やロジェストヴェンスキー盤とはまた違う、壮年期の充実した音色と瑞々しい緊張感が魅力。
 しかも併録はエールリンクの《レンミンカイネンの伝説》。シベリウス本人がまだ存命だった1950年代前半、北欧の演奏家たちがこの音楽をどのように捉えていたのかを伝える貴重な記録でもある。エールリンクのシベリウスとオイストラフのシベリウス、その二つを一枚で味わえるというだけでも、かなり魅力的な復刻。


FR1480
\3790
シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 Op.39
       交響曲第2番 二長調 Op.43
シクステン・エールリンク指揮
ストックホルム王立フィルハーモニー管弦楽団 1952年
ストックホルム放送交響楽団 1953年
Original edition: Metronome CLP 514, Metronome CLP 515

★ここから始まった。史上初のシベリウス交響曲全集――第1番&第2番

 現在ではシベリウスの交響曲全集など珍しくない。しかし、その「最初の全集」がこれだった。スウェーデンのシクステン・エールリンクが1952~53年、Metronomeに録音した全7曲。しかも録音期間中の1952年6月、エールリンクはアイノラを訪ね、存命中のシベリウス本人に解釈について質問している。作曲者は細かな指示で演奏を縛ることを避け、演奏家それぞれの能力と想像力に委ねる姿勢を示したという。
 その歴史的全集の出発点をなす第1番と第2番。後世の洗練された北欧サウンドとは違う、まだロマン派の熱気を色濃く残したシベリウス像が聴けるのも面白い。単なる古い録音ではない。「シベリウス交響曲全集」という録音史そのものが、ここから始まったのである。


FR1481
\3790
シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 Op.52
        第4番 イ短調 Op.63 
シクステン・エールリンク指揮
ストックホルム放送交響楽団
1952、1953年
Original edition: Metronome CLP 516, Metronome CLP 517

★史上初のシベリウス全集、その核心へ――第3番&第4番

 エールリンクが1952~53年に完成させた史上初のシベリウス交響曲全集。その中でも第3番と第4番は、この指揮者の真価を知るには格好の組み合わせだろう。英雄的な第1・第2番から一転して、古典的な均衡へ向かう第3番。そしてさらに内面へ沈み込み、シベリウスの交響曲中でも屈指の峻厳さを持つ第4番。
 エールリンクは派手な効果を加えるのではなく、音楽の骨格をくっきりと浮かび上がらせてゆく。その乾いた緊張感は、とりわけ第4番で強い説得力を持つ。しかもこれは作曲者がまだ存命だった時代の録音。後世に積み重ねられた「シベリウス演奏の伝統」を遡って、その源流に触れるような一枚である。


FR1482
\3790
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 Op.82
           第6番 二短調 Op.104
           第7番 ハ長調 Op.105
シクステン・エールリンク指揮
ストックホルム放送交響楽団
1952(7番)、1953年
Original edition: Metronome CLP 516, Metronome CLP 517

★史上初のシベリウス全集、完結篇――第5・6・7番

 そして歴史的なエールリンク全集の後半を一気に聴く一枚。雄大な第5番、透明で不思議な静けさを湛えた第6番、そして全交響曲の到達点ともいうべき単一楽章の第7番。シベリウスの交響曲作家としての成熟が凝縮された3曲である。
 特に興味深いのは、この全集がシベリウス本人の存命中に完成していること。エールリンクは録音途上の1952年にアイノラで作曲者とも面会している。つまりこれは「歴史的演奏」というだけでなく、シベリウスの時代と直接つながっていた世代が残した全集なのである。第1番から聴き継いできたなら、この第5~7番でその意味はいっそう鮮明になるはず。シベリウス録音史を語るうえで避けて通れない記録。


FR1485
\3790
ベートーヴェン:
 ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73「皇帝」
 ピアノ・ソナタ:第14番 嬰ハ短調 Op.14 No.2「月光」、
          第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」
ハンス・カン(P)
オットー・アッカーマン指揮
オランダ・フィルハーモニー管弦楽団
1952(皇帝)、1953年
Original edition: Musical Masterpiece Society MMS 45 , Musical Masterpiece Society MMS 44

★若きハンス・カンのベートーヴェン。「皇帝」「月光」「熱情」を一枚に

 ハンス・カン(1927-2005)はウィーン生まれのピアニスト、作曲家、教育者。1946年に演奏活動を開始し、1948年ジュネーヴ国際コンクールで銀メダルを獲得。のちには日本とも非常に縁が深く、1950年代からたびたび来日し、東京藝術大学でも教えた。そのため日本の古い音楽ファンには懐かしい名前かもしれない。
 ここに収められたのは、まだ20代半ばだった1952~53年のベートーヴェン。「皇帝」ではオットー・アッカーマンが共演し、さらに「月光」「熱情」という王道のソナタ2曲を収録する。ウィーンで育った若きピアニストが、戦後間もない時代にベートーヴェンへどう向き合ったか。後年、名教師としても知られることになるカンの若き日のピアニズムをまとまって聴ける、Forgotten Recordsらしい掘り出し物である。



FR1486
\3790
(1)ブラームス:クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
(2)ヴィオラ・ソナタ Op.120第1番、第2番
(1)ファイン・アーツSQ
 レジナルド・ケル(Cl)
 1951年
(2)パウル・ドクトール(Va)
 ナディア・ライゼンバーグ(P)
 1955年
Original edition: Decca DL 9532, Westminster XWN 18114

★名クラリネット奏者レジナルド・ケル、そして名手パウル・ドクトール。ブラームス晩年の室内楽を二つの顔で。

これは渋い。そして実に贅沢なブラームス。前半のクラリネット五重奏曲でクラリネットを吹くレジナルド・ケルは、20世紀イギリスを代表する名クラリネット奏者のひとり。ビブラートを積極的に用いた、声楽的でしなやかな奏法でも知られ、後のクラリネット奏者たちに大きな影響を与えた人物である。しかもケルは1938年にブッシュ四重奏団ともこの曲を録音しており、本盤はそれから13年後、1951年に若きファイン・アーツ四重奏団と残した再録音。ケルの円熟した語り口と、瑞々しい弦楽四重奏が出会う貴重な記録である。

後半は原曲がクラリネット・ソナタとしても知られるOp.120の2曲をヴィオラで。パウル・ドクトールはウィーン生まれの名ヴィオラ奏者で、共演のナディア・ライゼンバーグも20世紀アメリカの名ピアニスト。ブラームス最晩年の、華やかさよりも内省と深い歌に満ちた世界を、1950年代の名手たちでまとめて味わえる。クラリネットとヴィオラ――ブラームスが晩年に愛した中低音の色彩を一枚で聴き比べられる、室内楽ファンにはたまらない復刻である。


FR1487
\3790
フランク:(1)交響曲 二短調 (1951年)
     (2)交響的変奏曲 (1952年)
(3)ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 (1952年)  
(1)ハンス・ヴォルフ指揮
(2)フリーダ・ヴァレンツィ(P)
(2,3)ジャン・モレル指揮
オーストリア交響楽団
 (Niederosterreichisches Tonkunstler-Orchester)
Original edition: Remington RLP-199-36, Remington R-149-51

★戦後ウィーンの空気を封じ込めたRemington録音。ハンス・ヴォルフとジャン・モレルという忘れられた名匠たち。

Forgotten Recordsらしさ満点の一枚。フランクの交響曲を振るハンス・ヴォルフは、ウィーンに生まれ、戦前にアメリカへ渡り、戦後再びウィーンへ戻ってRemingtonに録音を残した指揮者。現在その名はほとんど忘れられているが、まさにこのような音源を掘り起こすのがForgotten Recordsの真骨頂である。原盤RemingtonはLP黎明期の意欲的なレーベルで、戦後間もないウィーンの演奏家たちを数多く記録したことでも知られる。

さらにフランク《交響的変奏曲》とドビュッシー《牧神》はジャン・モレル。のちにメトロポリタン歌劇場やジュリアードで活躍し、多くの指揮者を育てたフランス系の名指揮者である。フランス音楽3作品を、1950年代初頭のオーストリアのオーケストラで聴くという組み合わせも面白い。華麗なスター録音とは違う、戦後ヨーロッパのレコード文化そのものが聞こえてくるような一枚。こういう盤こそ、Forgotten Recordsでなければまず復活しない。


FR1488
\3790
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op.67
              第6番 ヘ長調 Op.68「田園」
ハンス・スワロフスキー指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1959年
Original edition: Vega 16075 A, Vega 30 MT 10265

2,3番 FR1491、7, 8番 FR1448

★「名指揮者を育てた先生」だけではない。スワロフスキー自身が残した1959年ウィーンのベートーヴェン。

メータ、アバド、ヤンソンスら後世の名指揮者を育てた名教師として語られることの多いハンス・スワロフスキー。しかし録音を聴けば、当然ながら彼自身が筋金入りのウィーンの指揮者だったことを思い知らされる。1959年のウィーン国立歌劇場管弦楽団を率いた《運命》と《田園》。同じ年、スワロフスキーは実際にウィーン国立歌劇場のピットにも立っており、これは彼がウィーンの現場で活動していたまさにその時期の記録である。

奇をてらったところはなく、作品の構造を明晰に捉え、フレーズを自然に呼吸させながら全体を組み上げていく。指揮法の教科書を書いた人だから堅い――などと思ったら大間違い。ウィーンのオーケストラならではの響きと、スワロフスキーの端正な造形が出会った、今となっては実に味わい深いベートーヴェンである。FR1491の第2・3番、FR1448の第7・8番と集めていく楽しみもある。


FR1490
\3790
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
ジェルジ・シャーンドル(P)
 ユージン・オーマンディ指揮
 フィラデルフィア管弦楽団  1953年
 アルトゥール・ロジンスキ指揮
 ニューヨーク・フィルハーモニック 1946年
Original edition: Columbia ML 4651, Columbia RL 3052

★バルトーク最後のピアノ協奏曲を世界初演したシャーンドル。その若き日のショパン&ラフマニノフ。

ジェルジ・シャーンドルといえば、バルトークに直接学び、作曲者の死後1946年に《ピアノ協奏曲第3番》をオーマンディ&フィラデルフィア管と世界初演したピアニスト。そのバルトークのスペシャリストとしての印象があまりに強いが、若き日の彼はショパン、リスト、ラフマニノフなど幅広いレパートリーをColumbiaに録音していた。本盤は、そんな「バルトークだけではないシャーンドル」を聴く格好の一枚。

ショパン第1番はオーマンディ&フィラデルフィア管との1953年録音。さらにラフマニノフ第2番は1946年、アルトゥール・ロジンスキ&ニューヨーク・フィルとの共演。豪華絢爛なヴィルトゥオーゾというより、強靱な構成力と明晰なタッチを持つシャーンドルが、ロマン派の人気協奏曲をどう弾いたのか。しかもバックがオーマンディとロジンスキ。戦後アメリカ楽壇の黄金期を切り取ったような組み合わせである。


FR1491
\3790
ベートーヴェン:交響曲第2番 二長調 Op.36
              第3番 変ホ長調 Op.55「英雄」
ハンス・スワロフスキー指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団 1959年
Original edition: Vega 30 MT 10118, Vega MT 10106

★スワロフスキーのベートーヴェン第2弾。《英雄》で聴く、理論家ではなく実践家としての凄み。

FR1488の《運命》《田園》と対になる、1959年ウィーン国立歌劇場管弦楽団との第2番&《英雄》。スワロフスキーという名前を見ると、どうしても「20世紀最高の指揮教師」という肩書きが先に立つ。しかし彼がシェーンベルクやウェーベルンに学び、ワインガルトナーやリヒャルト・シュトラウスらの薫陶を受けた世代の音楽家だったことを考えれば、このベートーヴェンは単なる教材的演奏などではない。ウィーンの演奏文化を身体で知っていた指揮者の記録なのである。

とりわけ《英雄》は、作品の巨大さを外面的に誇張するより、各声部の動きと構造を積み重ねることで音楽そのものを雄弁にしていくスワロフスキーの美点が生きる作品。第2番から《英雄》へ――ベートーヴェンが古典派の枠を突き破っていく瞬間を、同じ指揮者・同じオーケストラで続けて聴けるのも嬉しい。FR1488と合わせてぜひ。





FR 1449
\3790
(1)モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」
(2)ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 「英雄」
(1)ハンス・ミュラー=クライ指揮
南西ドイツ放送響
1956年
(2)カール・ダマー指揮
シュトゥットガルト国立管
1959年


Original edition: Le Club Mondial du Disque H. C., Le Club Mondial du Disque CMD 347



★戦後ドイツ放送文化の中心にいたミュラー=クライの「ジュピター」と、知られざるカール・ダマーの「英雄」。

ハンス・ミュラー=クライは、第二次大戦後のシュトゥットガルト放送界を支えた重要な指揮者。1948年から1969年まで南ドイツ放送交響楽団(現SW??R交響楽団につながるオーケストラ)の首席指揮者を務め、放送オーケストラならではの幅広いレパートリーを手掛けた。本盤のモーツァルト《ジュピター》は1956年、まさに彼とこのオーケストラの蜜月期の記録。派手なスター指揮者ではないが、ドイツの放送局が最も充実していた時代を現場で支えた職人的名匠のモーツァルトというだけで興味をそそられる。

カップリングの《英雄》はカール・ダマー指揮シュトゥットガルト国立管、1959年。こちらはさらに録音で名前を見る機会の少ない指揮者で、Forgotten Recordsらしい発掘もの。誰もが知る二大名曲を、1950年代シュトゥットガルトの二人の指揮者で聴き比べる――有名盤とはまったく違った楽しみを持つ一枚である。




FR 1455
\3790
チャイコフスキー:
 交響曲第5番
 「くるみ割り人形」組曲第1番
クルト・ヴェス指揮
ウィーン楽友協会管
1950年代

Original edition: Remington R-199-9 , Remington R-199-87


★クルト・ヴェス&ウィーン楽友協会管。1950年代ウィーンで聴く、濃厚なチャイコフスキー。

クルト・ヴェスはオーストリア生まれの指揮者で、戦後のウィーンを中心に活躍したのち、日本とも深い縁を結んだ人物。NHK交響楽団の前身・日本交響楽団の常任指揮者を務め、日本のオーケストラ史に名を残している。そのヴェスが1950年代、ウィーン楽友協会管弦楽団を振ったチャイコフスキー第5番と《くるみ割り人形》組曲。

第5番は、冒頭の「運命」の主題から終楽章の勝利まで、指揮者の個性がはっきり出る作品。現代の磨き抜かれた国際的オーケストラとは異なる、1950年代ウィーンの弦と管の色彩を伴ったチャイコフスキーには独特の味がある。しかも日本のクラシック界とも縁の深いヴェスの録音となれば、単なる珍盤では終わらない。《くるみ割り人形》まで収録した、古きウィーンの香りを楽しみたい人にぜひ聴いてほしい一枚。


FR 1470
\3790
(1)チャイコフスキー:交響曲第5番
(2)シベリウス:交響曲第5番
アルトゥール・ロジンスキ指揮
クリーヴンド管
(1)1939年12月13日クリーヴンド
(2)1941年12月28日クリーヴンド


Original edition: Columbia ML-4052, Columbia ML-4043


★ロジンスキが自ら鍛え上げたクリーヴランド管!1939年チャイコフスキー第5番&1941年シベリウス第5番。

これは歴史的価値の高いロジンスキ。彼は1933年から1943年までクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務め、楽団を徹底的に鍛え上げてアメリカ有数のオーケストラへ押し上げた人物である。本盤の2曲は、まさにそのロジンスキ時代のクリーヴランド管を捉えた記録。チャイコフスキー第5番が1939年12月13日、シベリウス第5番が1941年12月28日。いずれも彼のクリーヴランド時代のど真ん中である。

ロジンスキの音楽は、強烈な統率力と推進力、そして細部まで妥協しない厳しさが魅力。チャイコフスキーとシベリウスという、ともに「第5番」でありながらまったく異なる二つの交響世界を、全盛期のロジンスキがどう料理したのか。後年のニューヨーク・フィルやシカゴ響との録音とはまた違う、「自分のオーケストラ」を振っていた時代のロジンスキを聴けるところが最大の価値。指揮者ファンなら見逃せない。


FR 1477
\3790
チャイコフスキー:交響曲第6番 「悲愴」
メリク=パシャーエフ指揮
ボリショイ劇場管
1955年


Original edition: Le Chant du Monde LDX-SP 1509


★これは濃い。ボリショイ劇場の黄金時代を率いたメリク=パシャーエフ、1955年の「悲愴」。

アレクサンドル・メリク=パシャーエフは、1940年代から60年代にかけてボリショイ劇場を代表した名指揮者。長年にわたり同劇場の首席指揮者を務め、ロシア・オペラの伝統をその身体に染み込ませた人物である。そんな彼が、自らの本拠地ボリショイ劇場管弦楽団を振った1955年のチャイコフスキー《悲愴》。これはもう、演奏家と作品の出自が直結したような録音である。

《悲愴》は美しく整えるだけでは足りない。歌い、うねり、時には息苦しいほど感情が押し寄せ、最後にはすべてが消えてゆく。そのドラマを、劇場で鍛え抜かれたメリク=パシャーエフが振る。西欧の洗練されたチャイコフスキーとは違う、ロシアの劇場文化の中から立ち上がってくるような濃密さが期待される。ムラヴィンスキーやスヴェトラーノフだけではない、ソ連時代のチャイコフスキー演奏の豊かさを教えてくれる貴重盤。



2020/11初紹介


FR1302
\3790
初出、歴史的放送録音
(1)シベリウス:交響曲第2番
(2)ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
    (ピアノ、トランペットと弦楽オーケストラのための)
(3)ミヨー:バレエ音楽「世界の創造」
マリア・ベルクマン(P)(2)
ヴァルター・グライスル(Tp)(2)
ハンス・ロスバウト指揮
スイス・ロマンド管弦楽団(1)
バーデン=バーデン南西ドイツ放送管弦楽団(2,3)
1956年1月11日、1956年7月23日、1955年7月16日、ライヴ

歴史的放送録音

★ロスバウトは「現代音楽専門」ではない。シベリウス、ショスタコーヴィチ、ミヨー――驚異の振幅を一枚で。

ハンス・ロスバウトというと、シェーンベルクやストラヴィンスキーをはじめ20世紀音楽のスペシャリストというイメージが強い。しかし彼の凄さは、新しい音楽だけを振ったことではなく、古典から同時代作品までを同じ知性と誠実さで読み解いたことにある。本盤はそのことを一枚で証明するようなプログラム。1956年のシベリウス第2番、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番、そして1955年のミヨー《世界の創造》という、まったく性格の違う3作品が並ぶ。

とりわけシベリウス第2番をロスバウトで聴けるのが興味深い。感情を必要以上に膨らませず、作品の構造とオーケストレーションを透視するように明晰に示す彼のアプローチは、ロマン的に演奏されがちなこの曲に別の表情を与えるはず。ショスタコーヴィチではマリア・ベルクマンとトランペットのヴァルター・グライスルを迎え、ミヨーまで収録。ロスバウトという指揮者の途方もない守備範囲を実感できる、実に面白いライヴ集である。


FR1303
\3790
(1)シューベルト:「ロザムンデ」序曲
           交響曲第4番 「悲劇的」
(2)ブラームス:セレナーデ第2番
ハンス・ロスバウト指揮
バーデン=バーデン南西ドイツ放送
1956年9月6、7、8日、 1958年1月16日(2)

歴史的放送録音

★ロスバウトのシューベルト&ブラームス。これを聴けば「現代音楽の指揮者」という先入観は吹き飛ぶ。

FR1302に続いて、こちらはロスバウトのドイツ・ロマン派。シューベルト《ロザムンデ》序曲と交響曲第4番《悲劇的》、そしてブラームスのセレナーデ第2番。いずれもバーデン=バーデン南西ドイツ放送のオーケストラとの1950年代の記録である。

ロスバウトは作品に余計な感情を塗り重ねるのではなく、スコアの内部にある声部の動き、和声、構造を明晰に浮かび上がらせるタイプ。その資質はシューベルトやブラームスでも大きな武器になる。とりわけブラームスのセレナーデ第2番はヴァイオリンを欠く独特の編成を持ち、中低音の響きと木管の色彩が重要な作品。ロスバウトの耳の良さが存分に生きる選曲である。「ロスバウト=新音楽」という一面的なイメージを修正してくれる、じっくり聴きたい一枚。


FR 1306
\3790
(1)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番

(2)シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲OP. 36

(3)ダッラピッコラ:カンタータ「マチルドに」
(1)ジュリアス・カッチェン
 ハンス・ロスバウト指揮
 ケルン放送響
   1959ライヴ

(2)ヴォルフガング・マルシュナー(Vn)
 ハンス・ロスバウト指揮
 バーデン=バーデン南西ドイツ放送響
   1959ライヴ

(3)マグダ・ラースロー(S)
 ハンス・ロスバウト指揮
 バーデン=バーデン南西ドイツ放送響
   1955ライヴ

歴史的放送録音

★これはロスバウトの本領!カッチェンのバルトーク、マルシュナーのシェーンベルク、そしてダッラピッコラ。

3曲とも強烈。まず1959年ライヴのバルトーク:ピアノ協奏曲第3番では、ソリストがジュリアス・カッチェン。ブラームスの名手として知られるカッチェンだが、その強靱なテクニックと明晰な打鍵はバルトークにも理想的。しかも指揮はロスバウト。作品の透明な響きと緻密な構造を知り尽くした二人の組み合わせである。

続くシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲はさらに凄い。独奏ヴォルフガング・マルシュナー、ロスバウト指揮、1959年ライヴ。演奏至難のこの協奏曲を、シェーンベルク作品の普及に決定的な役割を果たしたロスバウトで聴けるだけでも価値がある。そして最後はマグダ・ラースローを迎えたダッラピッコラ《マチルドに》。1955年ライヴ。戦後ヨーロッパの新音楽を「歴史」ではなく、まだ生きた同時代音楽として演奏していたロスバウト。その現場の空気を封じ込めた、まさに彼でなければ成立しない一枚である。


FR1307
\3790
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
(2)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
モニク・ド・ラ・ブルショルリ(P)

ピエール・キャプドヴィエル指揮(1)
フランス放送室内管(1)
ルドルフ・モラルト指揮(2)
ウィーン響(2)
1962年10月10日、1952年6月16日
Original edition: Vox PL 7720



★悲劇的事故の直前に残されたモーツァルト。モニク・ド・ラ・ブルショルリの芸術を二つの時代で聴く。

モニク・ド・ラ・ブルショルリは、戦後フランスを代表する女流ピアニストのひとり。1950年代からヨーロッパ各地で活躍し、フルトヴェングラーやカラヤン、ミュンシュらとも共演した実力者である。しかし1966年、ルーマニアで交通事故に遭い、手の負傷によって演奏活動を断念せざるを得なくなった。そのため残された録音は、今日ますます貴重なものとなっている。

本盤のモーツァルト第20番は1962年10月、事故のわずか4年前の記録。陰影の深いニ短調協奏曲は彼女の強靱さと繊細さの双方を味わうのにふさわしい。一方チャイコフスキー第1番はさらに10年前、1952年、ルドルフ・モラルト&ウィーン響との共演。若き日の華やかなヴィルトゥオジティと、円熟へ向かうモーツァルト――一人のピアニストの約10年を一枚でたどれるのがいい。ラ・ブルショルリを知るための非常に魅力的な復刻である。


FR 1308
\3790
(1)ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番 OP. 72A
1959

(2)スクリャービン:交響曲第4番 Op.54「法悦の詩」
1955

(3)ストラヴィンスキー:「火の鳥」組曲
1960

(4)バーバー:弦楽のためのアダージョ
1952
パウル・クレツキ指揮
(1)-(3)
Orchestre National de la Radiodiffusion-Television Francaise
(4)
Orchestre National de la Radiodiffusion Francaise

歴史的放送録音

★クレツキの凄さを一枚で。ベートーヴェンから「法悦の詩」「火の鳥」、そしてバーバーまで。

パウル・クレツキという指揮者のレパートリーの広さを、これほど端的に見せつける一枚も珍しい。1959年の《レオノーレ》第3番、1955年のスクリャービン《法悦の詩》、1960年のストラヴィンスキー《火の鳥》、そして1952年のバーバー《弦楽のためのアダージョ》。すべてフランス国立放送系オーケストラとの記録で、1950年代のクレツキの充実ぶりがそのまま一枚に凝縮されている。

クレツキ自身は作曲家でもあり、近現代の複雑なスコアを内側から理解できた指揮者。その一方で古典派・ロマン派にも強く、音楽を過度に装飾せず構造を明晰に示す人だった。官能と巨大なクライマックスを要求する《法悦の詩》、精密なリズム感が必要な《火の鳥》、そして一転して静謐なバーバー。これだけ性格の異なる4曲を同じ指揮者で聴けるところに、この盤の面白さがある。クレツキの実力を再認識させる強力なアンソロジー。


FR 1309
\3790
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ第20番 D.959
 感傷的なワルツ Op.50, D.779 より
 楽興の時 D.780 第2番、第3番
 レントラー より
 エコセーズ D.145、D.783 より
  
リリー・クラウス(P)
1959年3月

Original edition: Musical Masterpiece Society MMS 2178

★モーツァルトだけではない。リリー・クラウスが1959年に残した、骨太で大きなシューベルト。

リリー・クラウスといえばモーツァルトの名手という印象が圧倒的に強い。しかし彼女の芸術はそれだけではない。本盤の中心は、シューベルト晩年の大ソナタ、イ長調D959。1959年の録音で、ワルツ、楽興の時、レントラー、エコセーズなど小品群まで組み合わせた、いわば「クラウスのシューベルト像」をまとめて味わえる一枚である。

クラウスのシューベルトは、ふわりと夢見るようなだけの演奏ではない。強いリズム感、芯のあるタッチ、長い構造を一気に見通す推進力があり、D959の巨大な第1楽章や深淵を覗くような第2楽章にも真正面から向き合う。そこへ素朴な舞曲や小品が加わることで、シューベルトの巨大さと親密さの両方が浮かび上がる。モーツァルトのクラウスしか知らない人にこそ聴いてほしい、意外なほど力強いシューベルトである。


FR 1312
\3790
ドビュッシー:前奏曲全集第1巻/第2巻
ダニエル・エリクール(P)
1960年


Original edition: Kapp KDX-6501


 ドビュッシーとも親交のあったフランスのピアニスト、ダニエル・エリクール(1903-1998)によるドビュッシーの前奏曲集。

★これは「伝承」に近いドビュッシー。作曲家本人の時代を知るエリクールによる前奏曲全曲。

ダニエル・エリクールは1903年生まれ。幼少期からドビュッシー家と親しく、作曲家本人と共演した経験まで持つ世代のフランス人ピアニストである。その彼が1960年前後に録音した《前奏曲》第1巻・第2巻全24曲。後世の研究から再構築された「ドビュッシー様式」ではなく、作曲家が生きていた時代の呼吸を知る音楽家による演奏というだけで価値がある。

エリクールは1960年代初頭、Kappレーベルにドビュッシーのピアノ作品全集を録音しており、その解釈は長く愛好家の間で知られてきた。《デルフィの舞姫》から《花火》まで、色彩だけに流れず、明瞭な輪郭と自然な語り口で作品を描いていく。ドビュッシーを「印象派」という曖昧な靄の中から救い出し、フランス語を語るようなリズムとニュアンスで聴かせる。歴史的な系譜を重視する人には、非常に重要な前奏曲全集である。


FR 1313
\3790
リムスキー=コルサコフ:「シェヘラザード」(+)
チャイコフスキー:弦楽セレナーデ
イサイ・ドブローウェン指揮
フィルハーモニア管
マヌーグ・パリキアン(Vn(+))
1952年12月、1947年5月、EMI アビー・ロード第1スタジオ


Original edition: Columbia SX 1007 - RCA LBC 1021

★ドブローウェン&創設間もないフィルハーモニア管。アビー・ロードに刻まれたロシア音楽。

イサイ・ドブローウェンはロシア帝国生まれの指揮者・ピアニスト・作曲家。ヨーロッパ各地で活躍し、とりわけロシア音楽に強い個性を発揮した。本盤はフィルハーモニア管弦楽団との《シェヘラザード》とチャイコフスキー《弦楽セレナーデ》。後者は1947年、オーケストラ創設からまだ数年しか経っていない時期の録音である。

《シェヘラザード》では名コンサートマスター、マヌーグ・パリキアンがヴァイオリン独奏を担当。ドブローウェンの濃密なロシア的語り口と、EMIが育てつつあった新鋭フィルハーモニアの精緻なアンサンブルがぶつかる。しかも録音場所はアビー・ロード第1スタジオ。《弦楽セレナーデ》の若々しいフィルハーモニアと、1952年《シェヘラザード》の成熟を同時に味わえるところも面白い。英国録音史とロシア演奏伝統が交差した貴重な一枚。


FR 1314
\3790
シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第1番・第2番
C・P・E・バッハ:ソナタ イ短調
ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハ:ソナタ ヘ長調
J・C・バッハ:ソナタ Op.17-2、Op.5 -3
ピエール・ドゥーカン(Vn)
フランソワーズ・プティ(P)
1956年9月(シューマン)、1957年


Original edition: Erato LDE 3048 et EFM 42027

ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハは下から2番目の息子。
音楽家になった息子のなかで最も知られておらず演奏機会は極めて少ない。

★ピエール・ドゥーカンの若き日の記録。シューマン2曲に「バッハの息子たち」という異色の組み合わせ。

ピエール・ドゥーカンはフランスを代表するヴァイオリニスト、そして名教師。のちにパリ音楽院教授として長く後進を育て、フランスのヴァイオリン界に大きな影響を残した。本盤はその若き時代、1956~57年の録音。シューマンのヴァイオリン・ソナタ第1番・第2番という濃密なロマン派作品に、C.P.E.バッハ、J.C.F.バッハ、J.C.バッハという「バッハの息子たち」のソナタを組み合わせているのが実にユニーク。

とりわけヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハは、J.S.バッハの音楽家となった息子たちの中でも録音が少なく、こうした古い演奏で作品に出会えること自体が珍しい。共演のフランソワーズ・プティとともに、シューマンの激情と18世紀の優雅さを一枚で行き来する。ヴァイオリン史、フランス演奏史、そしてバッハ一族の音楽に興味のある人には、なんとも魅力的な発掘盤である。


FR 1315
\3790
(1)バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
(2)ヴィエニャフスキ:スケルツォ-タランテラ
 チャイコフスキー:感傷的なワルツ
 ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第2番
 リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行
 ノヴァーチェク:無窮動
 ヴァーレ:前奏曲第15番
 モンポウ:子供の情景
 ロカテッリ:カプリース Op.3 -23
 ロロン:メキシコ舞曲
 ファリャ:ムーア人の織物、ホタ
(1)
 ヘンリク・シェリング(Vn)
 ガブリエル・ブイヨン指揮
 Orchestre de l'Association des Concerts Pasdeloup
 1952年

(2)
 ヘンリク・シェリング(Vn)
 マドレーヌ・ベルトリエ(P)
 1950年代


Original edition: Odeon ODX 114 et Pacific LDP-C50


★若きシェリング!1952年のバッハ協奏曲に、超絶技巧小品をずらりと収録。

ヘンリク・シェリングが世界的巨匠としての地位を確立する以前、1950年代初頭の姿を捉えた魅力的な一枚。中心はガブリエル・ブイヨン指揮コンセール・パドルー協会管とのバッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番。シェリング自身の公式ディスコグラフィーにも残る初期の重要録音で、後年の格調高く完成されたバッハとはまた違う、若々しい張りと瑞々しさを聴ける。

そして後半が楽しい。ヴィエニャフスキ《スケルツォ・タランテラ》、リムスキー=コルサコフ《熊蜂の飛行》、ノヴァーチェク《無窮動》、ファリャ、モンポウなど、ヴァイオリン小品が次々登場する。後年「高潔な巨匠」という印象を持たれるシェリングだが、ここではヴィルトゥオーゾとしての華やかな顔も存分に味わえる。バッハの厳格さとアンコール・ピースの火花――シェリングの芸術の幅を一枚で楽しめる、シリーズ最後を飾るのにふさわしい復刻である。






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