LP復刻シリーズ
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OPK 7032
\3500→\2490 |
「オペラ間奏曲集+序曲」
1フンパーディンク:「ヘンゼルとグレーテル」序曲
2 マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 (オルガン:デニス・ブレイン)
3 レオンカヴァルロ:「道化師」間奏曲
4 オッフェンバック:「ホフマン物語」より舟歌
5 コダーイ:「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲
6 プッチーニ:「マノン・レスコー」第3幕の間奏曲
7 ヨハン・シュトラウスⅡ:「ジプシー男爵」序曲
8 ビゼー:「カルメン」第4幕の間奏曲
9 マスネ:「タイース」瞑想曲
10 ムソルグスキー:「ホヴァンシチナ」第4幕の間奏曲
11 グラナドス:「ゴイェスカス」間奏曲
12 ヴェルディ:「椿姫」第3幕への前奏曲
13 マスカーニ:「友人フリッツ」第3幕の間奏曲
14 ヨハン・シュトラウスⅡ:「こうもり」序曲 |
カラヤン指揮
フィルハーモニア管 |
2-6, 8-13:Jul 1954, 1:1953, 7:Jul 1955, 14:Apr
1955
「プロムナード・コンサート」に続くカラヤンがモノラル時代に録音した「オペラ間奏曲集」をベースに序曲をスパイスとして加えました。聴衆を魅了した40代の柔軟さ、躍動感を味わってください。ー相原
了ー
このCDの曲目のメインとなっているのは、1954年7月22日から24日にかけてロンドンのキングズウェイ・ホールでセッション録音された、11曲からなる「オペラ間奏曲集」である。
5年後の1959年には曲目を多少入れ換えたステレオ再録音も行なわれているのだが、他の多くのカラヤンとフィルハーモニア管弦楽団によるモノラル同様、ここには再録音の際には失われた、旋律のしなやかな歌いくちや、スケールと色彩感がある。わずか5年の間にカラヤンを取り巻く状況も、オーケストラの構成も大きく様変わりしたのだ。たとえば「タイスの瞑想曲」のパリキアンも独奏者としての活動を増やしてコンサートマスターを辞め、ブレインに至ってはこの世の人でさえなかった。
カラヤンという人は、オペラ指揮者としてはドラマに踏み込みきれない--その演奏はドラマティック、ではあるのだが--もどかしさがあったけれど、こうした間奏曲や、あるいは序曲での雰囲気をつくることについてはとても上手である。そしてその雰囲気という点に関しては、モノラル盤はステレオ再録音よりはるかに豊かなものをもっているのだ。(山崎浩太郎)
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OPK 7033
\3500→\2490 |
(1)ハイドン:交響曲第92番ト長調HOB. I:92
「オクスフォード」(rec.1944)
(2)R.シュトラウス:「ドン・キホーテ」作品35 39'15" (rec.1938) |
アルトゥーロ・トスカニーニ(指)
NBC交響楽団
(2)エマニュエル・フォイアマン(Vc) |
フォイアマン、トスカニーニとNBC交響楽団の「ドン・キホーテ」はこれまで何度も出ておりCDも複数ありますが、それらは単に歴史的記録のレベルでした。ところが今回「これは音がよいよ」と紹介された私家盤LPは素晴らしい音でびっくりしました。フォイアマンの細かいニュアンスもよくわかります。ただときどきハムが出てきます。これまでの音源がハムを嫌ってカットしたため貧相な音になったものか、別装置による録音なのかはわかりません。本CDでは音を優先させハムを残しています。慣れれば気にならなくなると期待して。(相原 了)
=山崎浩太郎氏ライナーノーツより=
プライベートLPが音源とのことだが、音の生々しさ、分離のよさが格別で、硬めの音質のM&Aや腰のないGUILDよりも、音楽に引き込まれる。・・ここで使われているのは(ハイドンと同様)かなり良質なものらしい。どこに何があるのか、何がよりよい音なのかが、理屈では割り切れない世界なのである。(中略)冒頭の、ふわっと跳ねるようにして始める軽やかな導入、独特のひねりとうねりを加えた緩急のあるフレージング、そしてその見事なテンポ設定。けっして澱むことのないその進行は、まさにトスカニーニを聴く喜びを味あわせてくれる。ここで顔を出してくる各楽器のキャラクターが明快に聴き分けられるのが、このオーパス蔵盤の魅力である。そしてそこに歌いはじめる、気品と若々しい表情をもったフォイアマンのチェロ。老騎士ドン・キホーテにしては若武者すぎる感もないではないが、世界的巨匠トスカニーニに臆することなく自分の音楽を貫く、その心意気が素晴らしい。 (山崎浩太郎)
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OPK 7034
\3500→\2490 |
(1)ブリテン:セレナード作品31(テノール、ホルン、弦楽合奏のための)
(2)バークレイ:ホルントリオ
(3)J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046 |
デニス・ブレイン(Hrn)
(1)ピーター・ピアーズ(T)
ユージン・グーセンス(指)新交響楽団
(2)マヌーク・パリキアン(Vn)
コリン・ホースリー(Pf)
(3)ボイド・ニール(指)
ボイド・ニール合奏団 |
ブリテンのセレナードは44年の録音に比べてピアーズ、ブレイン共に深みが増しています。グーセンスのバックもしっかりしています。バークレイの曲も聴き応えあるものですが、ブレインの録音があるのでその後のホルン奏者が取り上げられないのだそうです。ブランデンブルク協奏曲もボイド・ニールとの最初の録音はあまり良くない(Potter)ということで再録音を選びました。(相原 了)=
=小林利之ライナーノーツより=
朗報だった。かねてからブレインの芸術に信仰的情熱を示してきたオーパス蔵による復刻盤で、待望の再録音の《セレナード》が世に出ることになったからだ。待ちに待った《アレクサンダー》によるブレインが聴けるテスト・マスタリングCDR…ときめく胸をおさえながら聴いた「プロローグ」から1曲また1曲、…やはりブレインは素晴らしかった。(中略)自然倍音のみで吹奏される「プロローグ」をまず繰り返して聴いてほしい。第2楽章のコットンの詩による「牧歌」で“日は暮れようとして…”と歌い出すピアーズのテノールを受け継ぐブレインのホルンが、歌と全く同じ表情のフレージングで吹きはじめることや、第3楽章のテニスンの詩による「夜想曲」で“響け、角笛、答えよ、こだまよ、深紅の谷が答えるのを…”と歌うテノールへの、ほのぼのとした表情で、朗々と応答するホルンの迫力がたまらなくいい。(小林利之)
音源:初期LP (Decca, UK-Col, MMS)
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OPK 7038
\3500→\2490 |
ヴェルディ:
(1)歌劇『ナブッコ』より 「行け,我が思いよ,黄金の翼にのって」
(2)歌劇『イタリアのロンバルディア人』より 序奏と三重唱
(3)歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲
(4)歌劇『ルイザ・ミラー』序曲
(5)歌劇『ルイザ・ミラー』より 「この静かな夜には」
(6)歌劇『リゴレット』第3幕 |
アルトゥーロ トスカニーニ(指)NBC交響楽団
(1)ウェストミンスター合唱団
(2)(5)(6)ジャン・ピアース
(2)ヴィヴィアン・デラ・キエサ
(2)(6)ニコラ・モスコーナ
(6)ジンカ・ミラノフ、
ナン・メリマン、
レナード・ウォーレン、 |
さて、聴きなおしてみて、トスカニーニにとってヴェルディの音楽が血肉の一部と化していることを、あらためて教えられた。リズムの精気、たぎりたつようなカンタービレ、たくましくひきしまった、とてつもなく熱い響きなど、いずれをとっても比類なきもの、余人をもって換えがたいである。そしてそれらが堅苦しく痩せることなく、大きな呼吸感をともなっている点は、まさしく1940年代までのトスカニーニの録音にしか聴くことのできない魅力だ。(中略)
最後に音質のこと。RCAのCDが基本的に硬く痩せているか、あるいは鼻づまり気味の音質なのに対し、このオーパス蔵の盤は力強く明快な響きで、トスカニーニの魅力をいっそうわかりやすくしている。 (山崎浩太郎)
録音:(1)-(5)1943年 (6)1944年 原盤:UK-HMV LP |

OPK 7039
\3500→\2490 |
ベートーヴェン:
(1)交響曲第2番二長調作品36
(2)交響曲第4番変ロ長調作品60
(3)『エグモント』序曲 |
アルトゥーロ トスカニーニ(指)
NBC交響楽団 |
《第4》は’51年2月3日、カーネギーホールでの演奏のNBCによる放送録音だが、これがすごくリアリスティックな録音で、復刻されたCDRでも、鮮度みなぎる再生音となった。演奏も最高にトスカニーニ的でみずみずしく、第1楽章導入部の優美だがぐっと抑えた表情から、やがて訪れる主部への期待をふくらませていくのだが、35小節のヴァイオリンの急激なクレッシェンドで爆発する全合奏のffと、アレグロ・ヴィヴァーチェになだれ込んでからのぐいぐいとしゃくり上げるリズミックな疾走ぶりと前進力。にもかかわらず曲の造型的な構成感は緊密の極。瞬時も乱れず走り続けるアンサンブルの冴えとともに圧巻そのもの。こんなすごい演奏と録音だったとは、全く信じられないことだった。 (小林利之)
録音:(1)1949,51年 (2)1951年 (3)1952年 原盤:UK-HMV LP |
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OPK 7043
\3500→\2490 |
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
(1)ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
(2)2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
(3)ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
(4)ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調BWV1060 |
(1)デイヴィ・エルリ(Vn)
(2)デイヴィ・エルリ、
アンリ・メルケル(Vn)
(3)アンリ・メルケル(Vn)
(4)ラインホルト・バルヒェット(Vn)
クルト・カルムス(Ob)
クルト・レーデル(指)
ミュンヘン・プロアルテ室内管 |
一味違ったバッハを聴きたいという声もあり、フランスの2人、エルリとメルケルそしてドイツのバルヒェットをまとめてヴァイオリン協奏曲で1枚にしました。共通なのはバックを務めるクルト・レーデル指揮のミュンヘン・プロアルテ室内管弦楽団です。音源はフランスのデュクレ・トムソンのLPを用いています。ピリオド奏法はまだ出てこない時代の優雅なフランスのバッハ、きちっとしたドイツのバッハと一味違ったバッハを楽しめる。同じ組合せでHyperionから、ピリオド演奏でおなじみのMackintoshを中心にしたアルバムも出ているが、アプローチの違いはあってもそれぞれにハイレベルでの特長がある。両方聴いてどちらも楽しむ、これが正解でしょう。(東工大教授
OPUS蔵代表 相原了)
LP: Ducretet Thomson |
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OPK 7047
\3500→\2490
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トスカニーニ:アンソロジー 2
(1)ビゼー:「カルメン」組曲第1番
(2)ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」作品9
(3)ベルリオーズ:マブ女王のスケルツォ
(4)サン‐サーンス:死の舞踏作品40
(5)フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
(6)スメタナ:交響詩「モルダウ」
(7)シベリウス:フィンランディア |
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団 |
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最初の「カルメン」組曲から完全にノック・アウトだ。「アラゴネーズ」の圧倒的な明晰さとリズムの弾力、最高にうまいオケの迫力。フルートがハープの伴奏で歌う「間奏曲」の美しさ。「アルカラの竜騎兵」の生々しい打楽器など、フルトヴェングラー的なムードやニュアンスはいっさい考えておらず、音楽の本来あるべき姿が純正な姿で出現する。情緒で汚されていない最高級の音楽がここにある。そして最後の「フィンランディア」!これは史上最高の名演ではあるまいか。
こんなに凄みのある演奏は他に絶対に皆無。金管やティンパニのドスの利いた怒りは全曲を荒れ狂い、後者はスコアにない部分でさえつけ加えられて、ものをいう。トスカニーニはスコア通り?とんでもない!やるときはやるのだ。(音楽評論家:宇野功芳)
録音:1950年(4)(6),1951年(3),
1952年(1)(5)(7),1953年(2),カーネギー・ホール(1)-(3),(5)-(7),スタジオ8H(4),
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(1)ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調作品95「新世界より」
(2)モーツァルト:交響曲第38番
ニ長調 K.504「プラハ」 |
ラファエル・クーベリック(指揮)、
シカゴ交響楽団 |
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若き日のクーベリック 離れざるをえなかった故国に別れを告げ、
新しい世界を見据える意気込みが聴ける演奏
録音 (1)1951年 (2)1953年、原盤 HMV-LP
(オリジナルMercury録音)、モノラル
「新世界から」は、ティンパニの凄まじいクレッシェンドとともにアレグロ・モルトの主部に突入、第1主題がホルンに出ます。このあたりの凄みは、今回の復刻ではじめて再現されたもので、オリジナルの録音にはこんな鮮烈の響きがはいっていたのかと驚かずにはいられませんでした。また「プラハ」をクーベリックは、最晩年の1991年10月11日というプラハでの生涯最後の演奏会で「新世界から」と一緒にとりあげた際のライヴ録音があり、この2曲を宿命的なプログラムと考えていたもののようです。39歳という若いクーベリックのアメリカ録音は、オーケストラの自発性にゆだねるところ顕著だった1961年ウィーン盤の流麗かつ自然な演奏に対して、あらゆる面でクーベリックならではの知的に構成され、冴えて品位を失わぬ演奏で、節度ある美しさが印象的なモーツァルトを聴かせてくれます。今回のオーパス蔵盤の復刻技術とマスタリング感覚の冴えっぷりは、お見事というに値しましょう。(小林利之)
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バルビローリの最高傑作《金と銀》2 種録音を含む
1950年代前半の燃え上がるような録音の数々
レハール:ワルツ『金と銀』作品75
(1952HMV
&1957PYE)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
(1953
年録音)
チャイコフスキー:
バレエ『白鳥の湖』組曲 (1950
年録音)
第2幕より 情景、4羽の白鳥たちの踊り、白鳥の女王の踊り
第1幕より ワルツ 第3幕より
ハンガリーの踊り
シャブリエ:狂詩曲『スペイン』(1954
年録音)
ドニゼッティ:歌劇『ドン・パスクヮーレ』序曲
(1954 年録音)
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲作品34
(1953 年録音) |
サー・ジョン・バルビローリ(指揮)
ハレ管弦楽団 |
音源:金と銀 EP(HMV,PYE)、他は10 インチ
LP(HMV)
これこそ真実の“価千金” と言うべきか。オーパス蔵の音楽性重視による卓抜無類の名復刻によってよみがえった《バルビローリ/ハレ管弦楽団による》レハールの『金と銀』を聴いて、その演奏の、魅惑そのものというほかない弦が歌いあげる流麗のフィーリング。そして、生き生きと、はずんで聴くものの全身をゆりうごかせるワルツのリズムに、驚きあわてました。1950
年代というハレ管弦楽団が目覚ましい発展の上り坂にあった時期の、バルビローリの全身をゆりうごかせるワルツのリズムに、驚きあわてました。1950
年代というハレ管弦楽団が目覚ましい発展の上り坂にあった時期の、バルビローリのできる親しみ深い1枚となっています。(小林利之)
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ドブロウェン(指揮)&フィルハーモニア管
リムスキー・コルサコフ:
(1)交響組曲「シェヘラザード」Op.35
(2)組曲「皇帝サルタンの物語」Op.57
第1曲:王の戦場への旅立ちと別れ(行進曲)
第2曲:海原を漂う妃と王子
第3曲:3つの奇蹟 |
イサイ・ドブロウェン(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
(1)マヌーグ・パリキアン(ヴァイオリン・ソロ) |
初期フィルハーモニア管弦楽団を育てた指揮者達イサイ・ドブロウェン
録音:1952 年/原盤:UK-Columbia
LP
第一次大戦で多くの音楽家を失ったイギリスは、第二次大戦では優秀な若手演奏家を軍の音楽隊(オーケストラ)に隔離し守りました。戦後レッグがレコーディングを念頭に設立したフィルハーモニア管弦楽団の主要メンバーに彼らが加わったのは当然で、フィルハーモニアは最初から優秀なオーケストラでした。まだベルリン・フィルやウィーン・フィルが戦後の再建で苦しんでいる頃、1952
年の演奏旅行時には世界最高のオーケストラと称えられています。
当初からEMI(Columbia, HMV)の看板オーケストラであり、モノラル時代も優秀録音が揃っています。モノラル録音にはEMI
で未CD 化のものも多くありますが、非常に貴重な録音がCD
化されたことになります。当シリーズの第1弾はイサイ・ドブロウェン、彼はフーベルマン(OPK
2025)やヌヴー(OPK2064)との協奏曲録音でオーパス蔵では馴染みの指揮者です。
設立早々のフィルハーモニアのレコーディングのレパートリーについて、レッグは主に協奏曲や歌手の伴奏にとどめて、オーケストラ曲は限定していた。1940
年代後半にはまだ、ウィーン・フィルを一流指揮者の指揮で使うことができたためもあるが、アンサンブルを熟成させる必要も感じていたのだろう。
わずかな交響曲は、オーケストラを教育する力を持つ、有能かつ有望な指揮者のもとでのみ録音させたと、のちに回想している。だから、そのフィルハーモニア最初の交響曲録音の指揮者に選ばれたのがドブロウェンだったという事実は、レッグがこの指揮者に何を期待していたかを、雄弁に物語っている。
ベートーヴェンの協奏曲に続いて1946
年6
月に録音された、チャイコフスキーの交響曲第4
番がそれである。続いてベートーヴェンの第5
番(未発売)とハイドンの《ロンドン》、さらに2
か月後にはヌヴーとの有名なブラームスの協奏曲と、ショーソンの詩曲が録音された。フィルハーモニアの録音セッションには1948
年にカラヤンが登場、翌年にはフルトヴェングラーとベームも加わる。約50
人の二管編成のオーケストラからフル編成の交響楽団に発展したフィルハーモニアは、デッカに奪われるウィーン・フィルに代って、レッグの最重要の録音オーケストラとなることになる。その下地を築いたオーケストラ・トレーナー陣が、ガリエラやクレツキ、そしてドブロウェンだったのだ。このCD
に含まれているリムスキー=コルサコフの2
曲は、フィルハーモニアとの生前最後の録音であると同時に、ボリス・クリストフを外題役にフランス国立放送管弦楽団を指揮して録音した《ボリス・ゴドゥノフ》(1952
年7 月録音)とともに、ドブロウェンの代表作とされるものである。セッションは、《皇帝サルタンの物語》が1952
年12 月6 日にキングズウェイ・ホールにて、続いて《シェエラザード》が17、18、21
日と翌1953 年1 月5 日にアビー・ロード・スタジオで行なわれた。どっしりした響きの安定感、初期フィルハーモニアならではの管と弦の名人たちの独奏(ヴァイオリンはコンサートマスターのマヌーグ・パリキアンだろう)を引きたてつつ、骨太の迫力を持つ音楽をつくりあげる手腕は、なまなかなものではない。(山崎浩太郎-ライナーノーツより)
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デニス・ブレイン(ホルン)
モーツァルト:
(1)ホルン協奏曲第2番変ホ長調
K.417(1946年録音)
(2)セレナード第11番変ホ長調
K.375(1952年録音)
(3)ディヴェルティメント第15番変ロ長調
K.287(1952年録音) |
デニス・ブレイン(ホルン)
(1)ワルター・ジュスキント(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
(2)カール・ハース(指揮)
ロンドン・バロック・アンサンブル
(3)ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 |
ブレインの吹く美しきモーツァルト!!-ソリストとして、アンサンブルのメンバーとして、オーケストラの一員として-
原盤:US-Columbia, UK-Parlophon,
UK-Columbia
LP
オーケストラのコンサートで弦楽器以外のお気に入りの楽器に耳がついていく人は案外多いのではと思います。中でもホルンは前面に出ることはフルート、オーボエ、クラリネットに比べれば少ないのですが、コンサートの印象を左右するほど耳に残ります。このディスクはホルンが曲をしっかり締めているモーツァルトの曲を集めました。ブレインのホルンによるスパイスの味をお楽しみください。もちろんブレインが前面で活躍するホルン協奏曲も含んでおります。ホルン・ファン、ホルニストに捧げます。(相原了)
「《デニス・ブレイン(1921.
5.17 - 1957.
9. 1)は、ホルンという楽器を、ヴァイオリンやピアノと同様の「独奏楽器」としての位置づけをした、おそらく最初の人と言ってよいだろう》。ところが、そんなカラヤン共演盤よりも7
年前の1946 年、ブレインはモーツァルトの「ホルン協奏曲第2
番」をEMI(旧コロムビア)との専属契約第1号作品として録音していたのである。しかも1946
年録音ということは、熱心なブレイン・ファンならハッと気が付くにちがいない、ブレインが「柔らかな音色と滑らかなレガートの美しさ」で終生の愛器として「ねんごろに扱っていた」伝説のフレンチ・ホルン「ラウー」の銘器での演奏なのである。」(小林利之-ライナーノーツより)
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チェレプニンに指揮法を師事したニコライ・マルコ
チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調
Op.36
チャイコフスキー:大序曲「1812年」Op.49
ウェーバー:「オベロン」序曲 |
ニコライ・マルコ(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 |
初期フィルハーモニア管弦楽団を育てた指揮者達、第2
弾はリムスキー=コルサコフ、グラズノフに作曲をチェレプニンに指揮法を師事したニコライ・マルコ(1883-1961)!
録音:1953 年/原盤:UK-HMV
LP
第一次大戦で多くの音楽家を失ったイギリスは、第二次大戦では優秀な若手演奏家を軍の音楽隊(オーケストラ)に隔離し守りました。戦後レッグが設立したフィルハーモニア管弦楽団の主要メンバーに彼らが加わったのは当然で、フィルハーモニアは最初から優秀なオーケストラでした。まだベルリン・フィルやウィーン・フィルが戦後の再建で苦しんでいる頃、1952
年の演奏旅行時には世界最高のオーケストラと称えられています。当初からEM(I
Columbia,HMV)の看板オーケストラであり、モノラル時代も優秀録音が揃っています。そこでこれら録音をいくつか復刻することにしました。第2
弾は名指揮者ニコライ・マルコです。指揮の先生として有名なムーシンの先生でもあり、あのムラヴィンスキーの前任指揮者でもあります。なお、本CD
のブックレットには彼の子息ジョージよりお気に入りの写真の提供があり使用しています。
ウクライナのブライロフ生まれの指揮者、ニコライ・マルコ(1883-1961)は1902
年にロシアのサンクトペテルブルク音楽院に入学。
08 年より同市のマリインスキー劇場の指揮者をつとめているとき、ロシア革命に遭遇。25
年からレニングラードと名前をあらためた同市の音楽院の指揮科教授と歌劇場の芸術監督、そしてレニングラード交響楽団の指揮者を、29
年までつとめた。この間、26 と27
年にはソ連期待の新進作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲第1
番と第2 番の世界初演を指揮している。しかし1929
年に出国、亡命。デンマーク放送交響楽団の常任客演指揮者となり、第2
次世界大戦中はアメリカに移住し、市民権を得ていた。戦後はヨーロッパに戻り、30
年代同様にデンマーク放響を中心に、各国のオーケストラに客演していた。そして、1945
年から録音と実演を開始したばかりの、フィルハーモニア管弦楽団のレコーディングに招かれたのである。当盤収録のチャイコフスキー交響曲第4番のレコーディングは、LP
時代に移った53 年1 月30 日と31
日、キングズウェイ・ホールにて。マルコにとっては48
年のボロディンの交響曲第2 番以来、ひさびさの交響曲の録音だった。《1812
年》は53 年2 月6 日にキングズウェイ・ホールでレコーディングされている。マルコの指揮を聴いていると、私はときにかれがスラヴ系の指揮者であることを忘れてしまう。カタカナで書くと、スラヴ系というよりもラテン系のような印象があるからかも知れないが、それ以上に、この人がサンクトペテルブルクの洗練された、貴族的な芸風をもっているからだろう。この交響曲第4
番にも、すっきりと品のいい響きが随所に登場して、その個性をよく感じることができる。同年5
月1 日にアビー・ロード・スタジオで録音された、ウェーバーの《オベロン》序曲にただよう幻想性と豊かな生命力にも、よく発揮されている。マルコはこの後もHMV
に録音を続け、そのなかではレーベル初のステレオ録音といわれた、1955
年のプロコフィエフの交響曲第7
番が有名だ。なおマルコは59
年12 月に唯一の来日公演を行なっており、このときに東京交響楽団を指揮したプロコフィエフの交響曲第7
番の録音がCD 化されている。(山崎浩太郎)
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フィルハーモニア管弦楽団、オットー・アッカーマン!
R.シュトラウス:
歌劇「カプリッチョ」最後の場面“明日のお昼の11時ですって-”、
4つの最後の歌
エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ)
録音:1953年
ワーグナー:
歌劇『さまよえるオランダ人』~
第2幕、ダーラントのアリア「わが子よ」
歌劇『タンホイザー』~
第2幕、領主ヘルマンのアリア「この殿堂に」
楽劇『パルジファル』~
第3幕、聖金曜日の音楽、「これこそ聖金曜日の奇蹟」
楽劇『ローエングリン』~
第1幕、王の挨拶「親愛なるブラバントの方々よ」、
第1幕、王の祈り「主なる神よ、この試合を」
楽劇『ワルキューレ』~
第3幕、ヴォータンの告別と魔の火の音楽
オットー・エーデルマン(バス・バリトン)
録音:1957年 |
オットー・アッカーマン(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 |
原盤:UK-Columbia LP
アッカーマンは日本ではオペレッタ指揮者として知られていますが、ケルン、チューリッヒ、ウィーンと歌劇場で活躍していた指揮者です。当時のヨーロッパでは歌劇場の音楽家は多かったのですが、日本に彼らの活躍は伝わりませんでした。特にアッカーマンは50
歳という若さで亡くなったことで埋もれてしまいました。
また、エーデルマンは1950、60
年代のワーグナー歌手として一流でしたが、日本ではホッターの陰に隠れてしまいました。シュワルツコップと共演したフルトヴェングラーのバイロイトの「第9」、映像となったカラヤンとの「ばらの騎士」がありながらです。EMI
がワーグナーの全曲を録音するようになったのはエーデルマンがピークを過ぎてからのことです。実際ライブCD
が出るようになって、初めてエーデルマンのオペラでの活躍を知ることになりました。ここではアッカーマンの指揮をバックにした、シュワルツコップとエーデルマンの歌声をお聴きください。(OPUS
蔵)
「アッカーマン指揮による《メリー・ウィドウ》全曲は、前述のフランスACC
ディスク大賞「オペレッタ部門賞」に輝く成功作だったのだが、当事者のレッグ/シュワルツコップ/アッカーマンのトリオとしては、自分たちが本当に聴いて欲しい真実の芸術的自信作は、そんなオペレッタではなくて、同じ1953年の
9 月25 日と26 日、ロンドンでもいつものキングズウェイ・ホールとは別のワトフォード・タウンホールで録音したR・シュトラウスの《4
つの最後の歌》と歌劇《カプリッチョ》最後の場が、秘められた珠玉の1枚だったのである。
《メリー・ウィドウ》の「ヴィリアの歌」をあでやかに歌うシュワルツコップの円熟の名唱を伴奏しながら、いま38
歳、声と表現と魅力が絶頂期にあるこのソプラノには、もっと深い真実の芸術を歌う作品を…とアッカーマンは切望していた。スイス在住という身軽さ、一流歌劇場の主宰者でもある職業柄、アッカーマンは昨年(1952
年) 1 月のミラノ・スカラ座での《バラの騎士》公演ではじめて元帥夫人を歌い、同じくはじめてオックス男爵を歌うオットー・エーデルマンに侵すべからざる凛とした威厳の美しさを示したシュワルツコップの歌唱のすばらしさを思うと、若き元帥夫人とも想像される《カプリッチョ》の伯爵令嬢マドレーヌの独り舞台となるラスト・シーンこそ、いまの彼女のソプラノで聴きたいと考えたという。偶然だがレッグもシュワルツコップのオペラでの持ち役を決めるべき時期が来ていることを痛感していたから、かねて考えていたR・シュトラウスの《4
つの最後の歌》《カプリッチョ》最後の場をアッカーマン/フィルハーモニア管の伴奏で録るべきと確信したのだろう。
(中略)
1951 年に戦後初めて再開されたバイロイト音楽祭で、あの世紀に残るフルトヴェングラーのベートーヴェン《第9》にシュワルツコップとエーデルマンの素晴らしいソロを聴いた人のすべてにこのワーグナー・プログラムを捧げたい。1916
年 2 月 5 日、ウィーンでうまれたバス・バリトンのエーデルマンは1951
年のバイロイトでは《マイスタージンガー》の主役ハンス・ザックスで、シュワルツコップのエーファと共演してデビューするが、アッカーマン/フィルハーモニア管弦楽団の伴奏での6
曲の録音が残されていたことはよろこばしい。大袈裟なハッタリや面白がらせる誇張を排したアッカーマンのワーグナー演奏、細部の自然な流れとともにアッカーマンの人間味を感じさせて爽やかな気分に誘うプログラムをを聴いていただけることと筆者は思います。」(小林利之)
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OPK 7073
(2CD)
\6000 →\3990
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初期フィルハーモニア管弦楽団を育てた指揮者達第4弾
アルチェオ・ガリエラ
[Disc 1]
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
《録音:1957年》
ワーグナー:ジークフリート牧歌 《録音:1957年》
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調
Op.95“新世界より”
《録音:1953年》
[Disc 2] 地中海にて
チャイコフスキー:イタリア奇想曲
Op.45
《録音:1953年》
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
Op.34
《録音:1955年》
ロッシーニ:オペラ序曲集
(ブルスキーノ氏、セミラーミデ、アルジェのイタリア女、
絹のはしご、ウィリアム・テル)
《録音:1953年》 |
アルチェオ・ガリエラ(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 |
原盤:UK-Columbia LP
フィルハーモニア管弦楽団初期の指揮者達、第4
弾はアルチェオ・ガリエラです。ガリエラはLP
時代に活躍の中心があり、多くの録音を残しておりますが、CD
化されたものは全部と言ってよいくらい協奏曲の伴奏指揮の録音です。
ミラノ生まれのオペラ指揮者という経歴からみてソリストに合わせてオーケストラを御してゆくのは得意だったからに違いないでしょうが、LP
時代、特にまだモノラル録音の頃には多くの管弦楽曲の録音が残されていいます。(オペラ録音では、カラスとの「セビリアの理髪師」が有名です)
ここではガリエラの指揮の多彩さを味わっていただくようにドイツ、チェコ、ロシア、そして本領発揮のロッシーニの管弦楽曲録音を2
枚のCD にまとめてみました。いずれも1953
年から57
年の録音で、モノラルからステレオに移行する頃のものですがいずれもモノラル録音です。
特に1955、57 年の録音はステレオの普及と共にすぐにお蔵入りになったようで中古盤市場でもなかなか出てこないようです。いずれもイギリスの業者から購入しました。なおいずれの曲もデニス・ブレインがホルンを吹いておりますが、特に「ジークフリート牧歌」は彼の最後の年の演奏と思うと気楽には聴けません。 《OPUS
蔵代表 相原了》
「(略)このほか、ギーゼキング、アンダなど、協奏曲の録音はとても多い。このことは、必要以上に軽視されてしまう危険もはらんでいるわけで、その意味で、こうして交響曲や管弦楽曲の録音が登場することは、ガリエラの名誉のためにも大きな意味をもっている。この2
枚に収められた演奏の録音日をあげておくと、《ドン・ファン》とジークフリート牧歌は1957
年1 月。《新世界より》は1953
年10 月。イタリア奇想曲は1953
年1 月。スペイン奇想曲は1955
年3 月。ロッシーニの序曲集は1953
年1 月。フィルハーモニアの中心的指揮者がカラヤンからクレンペラーに移っていく時期である。《ドン・ファン》とジークフリート牧歌は時期的にはステレオ録音も残っているはずだが、モノラルでしか発売されたことがないようだ。いずれも、強烈な個性というほどではないけれど、イタリア人らしい明朗な響きとすっきりした快速の進行が、じつに好ましい。自分はガリエラというと、マリア・カラスが歌った《セビリアの理髪師》全曲(1957
年2 月、カラスの最初のステレオのオペラ全曲となったもの)での、意外な好演(といっては失礼なのだが)が印象に残っている。ここにある演奏も同じスタイルによるもので、共演を重ねてきた楽員と息が合っているのも、よくわかる。(ブックレットより)
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ラインスドルフ&クリーヴランド管による
シューマンの「春」とドヴォルザークの第6番
ドヴォルザーク:交響曲第6番
ニ長調 Op.60
シューマン:交響曲第1番 変ロ長調
Op.38「春」 |
エーリッヒ・ラインスドルフ(指揮)
クリーヴランド管弦楽団 |
息をつかせぬ突進力!!ラインスドルフ&クリーヴランド管によるシューマンの「春」とドヴォルザークの第6番
録音:1946 年12 月/クリーヴランド/原盤:US-Columbia
LP
本CD は1946 年にクリーヴランド管弦楽団の本拠、セヴァランス・ホールで録音されたラインスドルフによるドヴォルザークの交響曲第6
番とシューマンの「春」です。
当時Columbia はLP 発売に備えて16
インチ(40cm)33
1/3rpm のアセテート盤に長時間録音していたそうです。
この録音もアセテート盤使用と思いますが。数日の間にLP4、5
枚分を録音していますので、楽章ごとに録音するというより、全曲を一気に録音したのではないでしょうか。とすれば途中の中断もなく、ライヴ録音に近いものと言えるでしょう。
ラインスドルフはLP 後期にダイレクトカッティングという演奏を直接LP
原盤に刻むことをしていますが。これはこのときの録音の記憶があったからでしょうか。
本CD の演奏は息をつかせぬ突進力が聴きものです。またそれについていくクリーヴランド管弦楽団の技術・馬力も凄いものです。ラインスドルフはオーストリア・ハンガリー帝国生まれのユダヤ人で、後にトスカニーニの助手にもなっていますが、演奏はトスカニーニの影響というより、ドラティにも通じるものがあります。(OPUS
蔵 相原了)
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クレメンス・クラウスが振るロマン派の作品。
「真夏の夜の夢」「未完成」
(1)メンデルスゾーン:真夏の夜の夢(抜粋)
(1.序曲/2.スケルツォ/3.まだら模様のお蛇さん/
4.間奏曲/5.夜想曲/6.結婚行進曲/
7.道化師の踊り/8.終曲「ほのかな光」)
(2)シューベルト:交響曲第8(7)番
ロ短調
D.759「未完成」 |
(1)クレメンス・クラウス (指揮)
ウィーン交響楽団
ダグマール・ヘルマン
イローナ・スタイングルーバー(ソプラノ)
ウィーン国立歌劇場合唱団
(2)クレメンス・クラウス(指揮)
バンベルク交響楽団 |
シュトラウス・ファミリーの録音で有名なクレメンス・クラウスが振るロマン派の作品。幽玄な「真夏の夜の夢」と切迫感の潜む「未完成」の演奏!
録音:(1)1951年 (2)1950年/57’59
使用原盤:VOX LP(メンデルスゾーン)、Amadeo
LP(シューベルト)
メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」の音楽は、米ヴォックス(VOX)原盤ですが、第2次大戦中の1943
年にアメリカで創立されたVOX レーベルは、社長のジョージ・H・メンデルスゾーンが系図を遡ればドイツ・ロマン派の大作曲家フェリックス・メンデルスゾーンの遠縁にあたることもあって、クラウス自身、この録音を「ある日、メンデルスゾーンとおっしゃる方からのお電話です」と言われて「嬉しくなり、引き受けた仕事だった」とか。
バンベルク交響楽団を指揮したシューベルトの交響曲第8(7)番ロ短調「未完成」(D.759)は、OPUS蔵から届いた資料によれば、1951
年にバイエルン放送局から放送された録音によるアマデオ原盤のCD
化というが、聴いてびっくり!この51
年録音の「未完成」が、同じCD
の前半に収録されていたメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」の指揮者と同じクラウスの録音だとは、まったく信じられぬほどの表現の凄絶さで、聴いている私の意識を揺さぶったのです。
これがクラウスの「未完成」なのか、なにげなくはじまった感じの速めのテンポによる「未完成」の第1
楽章、だが曲がすすんでいくあいだに、何処かいつもと違う厳しい切迫感が潜むのに気がつきました。これは戦時の生死の危機感を体験した者にしかできぬ音楽の表現だったのではないかと。(ライナーノートより小林利之)
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