サヴァリッシュ、LSO、DFD――“一晩のプログラム”そのものが作品になった、1973年ザルツブルク!
この盤の面白さは、名演を寄せ集めたアンソロジーではなく、実際に一夜で組まれたプログラムの大胆さにあります。まずシューベルト第3番で瑞々しく幕を開け、フィッシャー=ディースカウがモーツァルトの機知と悲哀を言葉の隅々まで彫り出す。そこから一気にクルト・ヴァイルの都市の冷気へ、最後は《ティル》の大見得へ――何という振幅でしょう。
サヴァリッシュは、端正なドイツ楽派の人というだけではありません。作品ごとの性格を一瞬で切り替えながら、全体には揺るぎない品位を通す名人です。ロンドン響もこの時代らしい鋭さと推進力を見せ、DFDのモーツァルトは、歌詞を“うまく歌う”のでなく、舞台上の人物をその場に出現させます。
ザルツブルク音楽祭がまだ“プログラムを組むこと”そのものに誇りを持っていた時代の記録。サヴァリッシュを好きなら、これは絶対に外せません!
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