1年に1回リリースのウィーン・フィル自主制作盤、第5弾はヤンソンス。
ヤンソンスはそう頻繁にウィーン・フィルに登場するわけではないが、2006年、2012年、2016年の3回ニューイヤーコンサートを指揮しているので、同楽団にとって最重要指揮者であることは間違いない。
そのヤンソンスが2016年にウィーン・フィルを指揮したのは、年初のニューイヤーコンサートと、8月21日のザルツブルク音楽祭の公演。
そのザルツブルクでの演奏がよほど関係者の印象に残ったのだろう、これまではちょっと前の音源を引っ張り出してくることが多かったこのシリーズだが、その音源が1年ちょっとでリリースされることになった。
早速聞かせてもらったが、それはもう、ウィーン・フィルが急いで出したくなる気持ちも分かる、おそるべき美演。
いかにもヤンソンスらしい、オーケストラの美しさを前面に出した「これぞウィーン・フィル!」という演奏。
「ヤンソンスの」、というより、ヤンソンスには悪いが、「ウィーン・フィルの」ブルックナー。
・・・まあ、だからこの指揮者がこのオーケストラに愛され重宝されるわけか。
だから聞くほうも遠慮なく「ウィーン・フィルの」ブルックナーをたっぷり味わえばいいと思う。
ちなみに一切の編集/修正を行っていない、ありのままのライヴ録音らしい。さすがである。
ヤンソンスとウィーン・フィルはこれまで数十年の間、深い音楽的友情に結ばれています。
これまで一緒に体験した世紀の瞬間といえる演奏は枚挙にいとまがないほどです。
ヤンソンスにとってのブルックナーの作品との取り組みは彼のウィーンでの留学中に始まります。
その後ヤンソンスはレニングラード・フィルの伝説的首席指揮者エフゲニー・ムラヴィンスキーの代理としてキャリアをスタートさせ、そこでブルックナーを度々演奏してきました。
ヤンソンスは音楽におけるメッセージを常に探し求め、それは疲れを知らぬ求道者の様ですが、これほどまでにブルックナーの気性と似ている指揮者は少ないと思います。
2016年のザルツブルク音楽祭でのヤンソンス指揮のブルックナーの交響曲第6番は一切の修正をしていないライブ録音で、私達の深い集中力を見ることのできる特別に感動的な記録です。
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この曲は彼自身が最も大胆なスタイルで書いたということですが、長い間コンサート・プログラムには不当にも取り上げられませんでした。
彼自身この交響曲の全楽章はリハーサルでしか聞いたことがありませんでした。
と言うのも1883年2月11日のウィーン・フィルのコンサートでは、第2楽章と第3楽章しか演奏されなかったからです。
ブルックナーは彼の他の交響曲とは違ってこの6番に関しては後から変更を加えることをせず、第2版とか第3版とかはありません。
初めてこの作品全部が通して演奏されたのは1899年2月26日、グスタフ・マーラーの指揮でしたが、かなり手が加えられ短縮して演奏されました。
1927年に出版された修正版はウィーン・フィルによりフランツ・シャルクの指揮で何度も演奏されましたが、1930年ミュンヘンでのブルックナー・フェスティバルでも演奏され、いわゆる「趣味の良い熟慮された修正」がスコアに施されました。
その後ウィーン音楽学術出版社による校訂原典版によりこの交響曲の普遍妥当性のある版が出版され、最近はそれが一般的になってきています。
ヘルムート・ツェヘットナー大学教授
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