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ナッシュ・アンサンブル
若きブルッフの野心作
マックス・ブルッフ:
ピアノ三重奏曲ハ短調 Op.5*
4つの小品 Op.70-
ロマンス Op.85‡
弦楽四重奏曲第2番ホ長調 Op.10§ |
ナッシュ・アンサンブル
〔ステファニー・ゴンリー(ヴァイオリン)*§、
ジョナサン・ストーン(ヴァイオリン)§、
ローレンス・パワー(ヴィオラ)‡§、
エイドリアン・ブレンデル(チェロ)*-ァ、
サイモン・クロフォード=フィリップス(ピアノ)*“-l |
若きブルッフの野心作・・・この言葉ほど、このピアノ三重奏曲を的確に言い表すものはないだろう。
1857年、まだ20歳に満たないブルッフが世に問うたこのピアノ三重奏曲ハ短調
Op.5 は、単なる習作や学生作品の域をはるかに超えた、明確な意志と挑戦に満ちた作品。
冒頭に置かれた遅い楽章は、当時としては大胆な形式であり、保守的な批評家の反発を招く。が、その背後には「既成の枠組みから自由になろうとする若い作曲家の強い自負」がはっきりと感じられる。
弦による厳かなユニゾンに始まり、ピアノが加わることで一気に情熱を帯びる第1楽章。続く舞曲的な中間楽章、そして劇的に疾走する終楽章へと至る構成は、ロマン派的情感と古典的構築力のせめぎ合いそのもの。そこには後年の《ヴァイオリン協奏曲第1番》へと連なる旋律美の萌芽も、すでに明確に聴き取ることができる。
この作品は長らくレパートリーの周縁に置かれてきたが、それは音楽的価値の欠如によるものではない。むしろ、あまりに真摯で、あまりに正面から音楽に向き合っているがゆえに、時代が追いつかなかった作品と言うべきだろう。
本録音は、その誤解を解くための絶好の機会である。若きブルッフが抱いた野心、葛藤、そして未来への展望が、いまここで鮮やかに甦る。
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イギリスの超人集団、ナッシュ・アンサンブル!マックス・ブルッフの室内楽作品集!
☆不当に無視されてきたマックス・ブルッフの魅力的な室内楽作品をリスナーに提示!
1964年創立、世界トップレベルの名手たちを擁し、ロンドンのウィグモア・ホールのレジデント・チェンバー・アンサンブルを務めるナッシュ・アンサンブル。
多様な編成を駆使し、300超の世界初演を含む様々なスタイルの音楽を録音・演奏し、英国最高のアンサンブルの1つとして注目を集めています。
今回のアルバムでは、ステファニー・ゴンリー(vn)、ジョナサン・ストーン(vn)、ローレンス・パワー(va)、エイドリアン・ブレンデル(vc)、サイモン・クロフォード=フィリップス(p)と、それぞれがソリストとしても多彩に活動する名手5人が参加。
ピアノ三重奏、弦楽四重奏、チェロとピアノ、ヴィオラとピアノなど様々な編成で、マックス・ブルッフ(1838-1920)の魅惑的な室内楽作品をレコーディング。
ブラームスとドヴォルザークの呼び声が遥かに聞こえる魅惑のレパートリーで、ヴァイオリン協奏曲だけではない、知られざるブルッフの魅力を多くのリスナーへと届けます。
※録音:2020年9月28日-30日、オール・セインツ教会(イースト・フィンチリー、ロンドン)

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ギャリック・オールソン(ピアノ)
シューベルト:ピアノ・ソナタ
D537&D959
ピアノ・ソナタ第4番イ短調 D537
ピアノ・ソナタ第20番イ長調
D959 |
ギャリック・オールソン(ピアノ) |
「ショパン・コンクールの“過去の人”だと思っているなら、ぜひ聴いてほしい」
ギャリック・オールソン――
多くの人にとってその名は、「第8回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝者」、あるいは先日の第19回ショパン国際ピアノコンクールで審査委員長として記憶されているかもしれません。
でも本盤を聴けば、その認識ははっきりと更新されることでしょう。
オールソンはいま、円熟のただ中にいるんです。
最近の録音――ブラームス、ベートーヴェン(ピアノ協奏曲全集)からもうかがわれた深い構築力と、音楽を内側から語る力は、このシューベルトにも注ぎ込まれています。
ここにあるのは若さの輝きではなく、人生と音楽を生き抜いてきたピアニストだけが到達できる境地。
初期のソナタ第4番 D537。
若きシューベルトの揺れ動く感情と形式への模索を、オールソンは決して誇張せず、しかし曖昧にもせず、ひとつひとつの音に意味を与えていく。音楽が「書かれたもの」ではなく、「考えられ、語られているもの」として立ち上がります。
そして晩年の第20番 D959。
ここでのオールソンは、感傷にも壮大さにも流されない。沈黙の重さ、和声の移ろい、時間の伸縮――それらを静かに、しかし圧倒的な説得力で描き切る。第4番の主題が回想される瞬間には、シューベルトの生涯そのものが一筆書きのようにつながる感覚を覚えます。
この2曲をカップリングした選曲自体が、すでに深い洞察の産物であり、そしてそれを成立させているのが、いまのオールソンの成熟した音楽性なんです。
ショパン・コンクールのファンにこそ、ぜひ聴いてほしい。
これは「かつての優勝者」の記念碑ではない。
いま現在、第一線で語るべきピアニストのシューベルト。
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ギャリック・オールソンのシューベルト!初期のソナタ第4番と晩年の第20番!
1966年ブゾーニ国際ピアノ・コンクール、1968年モントリオール国際コンクール、そして第8回ショパン国際ピアノ・コンクールで第1位に輝いたアメリカの名ピアニスト、ギャリック・オールソン。
2018年のホーネンス国際ピアノ・コンクールでは、参加者へ指導などを行うメンター・イン・レジデンスにも選ばれています。
Hyperionへと活躍の場を移してから、ブラームス、グラナドス、グリフス、スクリャービン、スメタナ、ドビュッシー、プロコフィエフ、バルトークと多彩で華麗な数々のアルバムを送り出してきたオールソンが、ついにシューベルトのピアノ・ソナタ集をレコーディング。
オールソンは、若きシューベルトが書いた初期の作品であるピアノ・ソナタ
イ短調 D537(第4番)と、死のわずか2ヵ月前に完成したソナタ三部作の1つであるピアノ・ソナタ
イ長調 D979(第20番)をカップリング。
第4番の主題が第20番にも引用されるなど関係の深いこの2作は、詩的な洞察力と雄弁さに富み、真のシューベルティアンに期待されるすべての要素を備えています。
オールソンの手腕によってその幅広い感情表現が見事に具現化されるシューベルトのピアノ・ソナタにご期待ください。
※録音:2021年11月24日-25日、殉教者聖サイラス教会(ケンティッシュ・タウン、ロンドン)

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ティエリー・フィッシャー&ユタ交響楽団
サン=サーンス:交響曲第2番
交響曲第2番イ短調 Op.55
死の舞踏 Op.40
交響曲ヘ長調《首都ローマ》 |
ティエリー・フィッシャー(指揮)
ユタ交響楽団 |
第3番ほど演奏されませんがサン=サーンスの交響曲の中でもとりわけ意欲的で、古典的構築力とロマン派的情熱が正面からぶつかり合う傑作とされる第2番、そして超有名曲「死の舞踏」と続いて、最後に登場するのが・・・交響曲ヘ長調《首都ローマ》。
注目はこの曲です。
1852年にサン=サーンスはフランス最高峰の音楽賞であったローマ大賞に応募するも落選します。
その4年後、サン=サーンスはどういうわけかその「ローマ」をタイトルに持つ『首都ローマ』(Urbs
Roma)という交響曲を作曲。ボルドーのサント=セシル協会主催の作曲コンクールに応募、見事に優勝を果たします。
「首都ローマ」・・・これは「ローマ大賞」落選へのリベンジだったのでしょうか・・・。
ただサン=サーンス自身はこの作品を生前ほとんど顧みず、出版もしませんでした。あまり好きではなかったみたいです。
確かに反復の多さや構成の甘さには若さが残り、不自然な転調も見られます。
ただ全体としてはまとまりに欠けるものの、その一方できらりと光る魅力や大胆さがあり、特に終楽章にはさすが天才、とうならされる想像力が示されます。
若き天才の栄光を感じさせるこの若き傑作、一度は聴いておいてほしいと思います。
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ティエリー・フィッシャー&ユタ交響楽団!サン=サーンス第2弾、交響曲第2番&死の舞踏!
☆名フィルの元常任指揮者としてもお馴染みのスイスの名指揮者、ティエリー・フィッシャー!
☆蜜月時代を築くアメリカ、ユタ交響楽団とのサン=サーンス第2弾!
☆交響曲第2番に死の舞踏と交響曲「首都ローマ」をカップリング!
ティエリー・フィッシャーは、アルスター管弦楽団首席指揮者、BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団首席指揮者、名古屋フィルハーモニー交響楽団常任指揮者(現名誉客演指揮者)を歴任し、現在ユタ交響楽団の音楽監督、2017年からはソウル市立交響楽団の首席客演指揮者を務めているスイスの名指揮者。アメリカ、ユタ州のオーケストラ「ユタ交響楽団」には2009年から音楽監督へ就任し、その優れた手腕でアメリカ古豪オーケストラを再興、充実の関係を築き上げ現在2022年まで契約が延長されています。
かつてHyperionからはフランセ、オネゲル、フローラン・シュミット、ダンディ、ウィドール、マルタンといった数々のフランス系音楽の名盤をリリースしてきたティエリー・フィッシャーと、現在蜜月時代を築くユタ交響楽団による魅惑のサン=サーンス第2弾。交響曲第2番、そして「死の舞踏」と「交響曲ヘ長調
《首都ローマ》」を収録。「首都ローマ(Urbs
Roma)」はサン=サーンスの生前には出版されなかったため番号が振られていませんが、作曲順としては第1番と第2番の間、21歳のサン=サーンスによって1856年に書かれた作品です。
※録音:2017年9月22日-23日(交響曲第2番)、2017年12月8日-9日(首都ローマ)、2018年2月23日-24日(死の舞踏)、アブラヴァネル・ホール(ソルトレイクシティ、アメリカ)

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