アリア・レーベル第1弾
クリップス&ウィーン・フィル/チャイコフスキー:交響曲第5番
ARIA AR 0001
1CD-R\1700
アリア・レーベル第1弾として登場するのは・・・クリップスとウィーン・フィルのチャイコフスキー交響曲第5番。
20年ほど前まではいろいろな形でリリースされていたのだが、今はもう話題になることすらない。
ただクリップス、最近は注目されることも少なくなったが、ベートーヴェンの交響曲全集がヘンテコリンなレーベルから出たときには大ベストセラーとなった。
やはり根強い人気はあるのである。
ヨーゼフ・クリップス。
1902年生まれのウィーンっ子。
ワインガルトナーの助手を務めたりしながら、合唱指揮者としてウィーン・フォルクスオーパーに入り、1933年にはウィーン国立歌劇場の常任指揮者に就任、1935年、ウィーン国立音楽大学の教授も務めた。
しかしそのすぐあとナチス政権下のオーストリアを去り、一時はどこかの食品工場で働いていたという。
ただ終戦後はすぐにオーストリアの楽壇に復帰、ウィーン・フィルとザルツブルク音楽祭を指揮、いわゆる「巨匠不在」のウィーン・フィルを支えたといわれる。
だが、その後巨匠と呼ばれる人たちが戻ってくると、この人はアメリカに移ってしまう。
苦労人であり、そうであるがゆえに基本的に華やかなスポットを敬遠してしまうのである。
しかしそんなクリップスが指揮したウィーン・フィルとの演奏がすごい。
クリップスとウィーン・フィルの録音はあまり多くないが、ハイドンの交響曲やモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」などどれも素晴らしいものばかり。
そのなかでもこのチャイコフスキーの交響曲第5番は奇跡といっていい。
強引さはもちろん皆無なのだが、「これがウィーンのチャイコフスキーです」という強力な主張。
ウィーン・フィルの連中があらゆる妙技を使ってこの作品を大きなウィンナ・ワルツに生まれ変わらせていく・・・そしてその先頭を切っているのはもちろんクリップス。
一癖ふたくせどころじゃない猛者連中を引っ張ってこの芳醇且つ優美なる至福のチャイコフスキーを創り上げた。
終楽章での迫力満点の「突進する美しさ」には、感動を通り越してめまいすら覚える。
いろいろなところで宇野功芳氏が「光彩陸離たる壮麗な演奏」と絶賛していたのもうなずける。
この奇跡的名演をアリア・レーベルの第1弾としてリリースできたことを光栄に思います。
聴いて後悔することはまずないでしょう。
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