アリア・レーベル 第108・109弾
これがボスコフスキーだったのか
ARD 0108 1CD-R\1800
ARD 0109 1CD-R\1800
HECTORの名盤をライセンス契約でリリースさせてもらっていたアリア・レーベルの高価格帯シリーズ(\2200)。
その4タイトルを通常シリーズとして順次発売することになりました。
リマスタリングは再度行ってノイズはさらに軽減されていますが、旧盤をお持ちの方は買い直すまではしなくてよいと思います。
でもお持ちでない方は聴いておいて良いかと。
まずその第1弾はボスコフスキーの2タイトル。
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・・・うーん。
ボスコフスキーって、ただのワルツ好きのヴァイオリン弾きかと思っていた。
だから今までそれほど好き好んで聴いたことはなかった。
そうしたら、もう、すごいのなんの。
突如音楽の精霊が目の前に現れたのである。
ヴァイオリンが本当に歌い、踊り、舞い、そしてかぐわしい香りを撒き散らす。
こんなにも麗しく、こんなにも雅びなヴァイオリンはちょっと聴いたことがない。
これがボスコフスキーだったのか。
しかも技術的にも抜群にうまい。
もっとヨヨヨと弾き崩して案外適当なのかと思ったが、そうじゃない。きちっと押さえるところは押さえる。
・・・なのに、なのに、この優雅さ。
ウィーン国立歌劇場管の第2ヴァイオリンの末席でひっそりと弾いていたボスコフスキーに、なぜレハール本人が自作オペラでのソロ演奏を依頼したのか。
ウィーン・フィルに入団した彼をなぜクナッパーツブッシュが第2コンサートマスターに推薦したのか。
その答えは、すべてこの演奏にある。
たとえばモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の録音はいつも何かが足りなかった。
でもこれは違う。
こんなふうに弾いてほしい、と思ったその上を行く。しかもかるくあっさりと。
おそらくモーツァルトがその横でフフフと涼しく笑ってそうな、そんな演奏。
今から半世紀前にこんな演奏があったとは。
そして小品集。
これまたまちがいなく個人的にボスコフスキー最高の1枚になる。
・・・こんなドヴォルザーク、こんなクライスラー、こんな「チャルダッシュ」。
クライスラーや「チャルダッシュ」を聴いて涙が出そうになるなんて考えられるだろうか。
どうかだまされたと思って聴いてみてほしい。
胸の奥から言いようのない感情が湧き出てきて止まらなくなる。
これがボスコフスキーだったのだ。
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