アリア・レーベル第123弾
ようやく会えた
アンゲルブレシュト/管弦楽曲小品集
ARD 0123 (1CD-R)\1800
30年くらい前だったか。
フランスにアンゲルブレシュトというすごい指揮者がいると聞いて、ちょうど来日するようだったので急いで駆けつけて聴いたらわりと普通の演奏だったのでおかしいなと思ってその日の指揮者の名前をよーく見たらアルブレヒトだった。
家に帰ってもう一度調べたら、偉大なるフランスの大指揮者の名前はアンゲルブレシュトだった。
そしてその人は自分が生まれた年に亡くなっていた。・・・アンゲルブレシュトには会えないのだ。
まあそんなこともあって、その後もアンゲルブレシュトのことが気になって、機会あるごとにその録音を聴いてきた。
が、その偉大さは分かるものの、ぶっとんでのけぞる、というところまではいかなかった。
しかし今回のライヴはすごい。
とくに「タンホイザー」序曲。
表現が容赦ないのだ。こんな「タンホイザー」を作り出せるのはドイツならフルトヴェングラー、イタリアならトスカニーニ、そしてフランスならアンゲルブレシュトということなのか。
聴き終ったあとにへとへとになって身も心も蹂躙されて思考も思想も塗り替えられてしまいそうな演奏。たしかにワーグナーはこうあるべき、そう思わせられる演奏。
これを聴いてアンゲルブレシュトにようやく会えた気がした。
デジレ=エミール・アンゲルブレシュトは1880年パリ生まれ。パリ音楽院に進むが、放校処分となったという。
1913年、シャンゼリゼ劇場の音楽監督に就任、1934年、フランス国立放送管弦楽団の初代指揮者となった。
第2次世界大戦後も1945年から50年にかけてパリ・オペラ座の常任指揮者を務め、その後もシャンゼリゼ劇場を中心に活動、しばしばフランス国立放送管弦楽団に客演するなど活発な指揮活動を繰り広げていたが、1965年、パリで亡くなっている。
ドビュッシーに高く評価されたことで知られ、ドビュッシー生誕100周年記念演奏会での歌劇「ペレアスとメリザンド」の録音は音楽ファンの間では伝説となっている。
指揮者のフルネは「聖セバスチャンの殉教」を指揮するときにドビュッシーとアンゲルブレシュトの書き込みのあるスコアを用いたという。

「カルメン」の一部にはかなり音質劣化が見られる。どうかその部分は寛大に聴いていただければ。。。
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