半世紀前の貴重な歴史的音源を、アリアCD店主松本大輔のお話を交えながらお届けするという「アリアCDレクチャー・アルバム」。
希少な歴史的音源のため針音やノイズがありますが、慣れてくるとかえって最新録音よりも愛着がわいてくるかもしれません。
50年以上前の大演奏家たちの素晴らしい名演を、ナレーションとともにお楽しみください。
さて、第5弾はヴァイオリンの話・・・
ヴァイオリンの誕生、ヴァイオリンの栄光を背負うクレモナの街、そしていま何かと話題の名器ストラディヴァリウスの話が出てきますが・・・今回の主役は、そのストラディヴァリウスと唯一肩を並べる名器として語られるのがグァルネリ。
この名器グァルネリを生み出したのはどんな男だったのか。
そしてグァルネリという楽器はいかにしてストラディヴァリウスと肩を並べる存在となったのか。
そこであの天才音楽家パガニーニはどんな役割を果たしたのか。
そんな話をしてみます。
ここで登場する「カノン砲」とは、グァルネリの中でもひときわ有名な名器。
その音量の大きさ、そのあまりの迫力にパガニーニがつけた愛称。
パガニーニは自分以外のものがこの楽器を使うことを禁じ、死後この楽器はジェノヴァの博物館で眠っていたが、21世紀に入ってようやく年に数回のみ演奏が許されるようになったといいます。

1742年製「カノン砲」 |

ほんもののカノン(キャノン)砲。パガニーニにとってこれくらいすごい音だったわけである。 |
今回登場する楽曲は3つ。
パガニーニ:「うつろな心」による序奏と変奏曲 |
(ヴァイオリン) アルド・フェラレージ
(ピアノ)G.Spinelli
1960年代中期録音 |
*パガニーニ:魔女たちの踊り |
*サラサーテ:アンダルシアのロマンス |
後半2曲が、パガニーニが演奏した名器「カノン砲」を使っての録音。
グァルネリやストラディヴァリウスによる最新録音は多いが、この1960年代のフェラレージによるモノラル録音は、太く存在感にあふれ、グァルネリの魅力をたっぷり感じさせてくれる。
名手あっての名器という思いを強くした。
今回は、解説と音楽の1枚ものアルバムとなっております。
|