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日本コロムビア
やっぱりただではすまぬ
新譜発売に合わせて
バッティストーニ特集


 すでに大人気指揮者としての名声を確立しているアンドレア・バッティストーニ。
 東京フィルハーモニー交響楽団との快進撃はファンならずともお聞き及びのことと思う。
 輸入盤を中心に紹介するアリアCD、国内メーカーから登場したバッティストーニについてはあまり取り上げないのだが、これだけの傑物、やはりときには取り上げないとまずい・・・ということで1年ぶりにバッティストーニ特集。


 アンドレア・バッティストーニは1987年 イタリア・ヴェローナ 生まれの指揮者。
 2013年から、ジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場首席客演指揮者。
 2016年から、東京フィルハーモニー交響楽団首席指揮者を務め、ヴェルディのナブッコ等のオペラ、レスピーギの「ローマ三部作」等のプログラムを指揮し評判になる。
 その「ローマ三部作」、そして次のマーラーの交響曲第1番はCD化され、空前の大ヒット、一躍若手世代指揮者の先頭を行くことになる。


新譜!



COCQ85613
\3300
バッティストーニ(指揮)&東京フィル
 マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
 録音:2022年9月19日、東京、オーチャードホール

 マーラーの代表作のひとつとして、彼の作品の中でも最も人気のある交響曲のひとつである第5番。1901年から1902年にかけて作曲され、1904年にケルンで初演された、マーラー40代前半の全盛期に書かれた作品です。
 バッティストーニは「暗闇や絶望から、光、希望、新たな生命に至る旅を描いたこの作品は、まさに今の私たちが必要とするエネルギーを与えてくれるものだ」と語っていますが、その言葉通り、彼の音楽は、複雑なスコアの隅々に光を当てられ、メロディ、対旋律、その他同時に奏でられる全ての声部に活き活きと命が吹き込まれ、多様な物語が強い説得力をもって迫ってきます。






既発売




ピアソラ:シンフォニア・ブエノスアイレス〈日本初演〉!!

COCQ-85530
(UHQCD)
\3300 →\3090
高音質CD「UHQCD」採用
アストル・ピアソラ:シンフォニア・ブエノスアイレス Op.15 * 〈日本初演〉
セルゲイ・プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』組曲より
 モンタギュー家とキャピュレット家(第2組曲 第1番)
 少女ジュリエット(第2組曲 第2番)
 民衆の踊り(第1組曲 第1番)
 仮面(第1組曲 第5番)
 ロメオとジュリエット(第1組曲 第6番)
 ティボルトの死(第1組曲 第7番)
 別れの前のロメオとジュリエット(第2組曲 第5番)
 修道士ローレンス(第2組曲 第3番)
 ジュリエットの墓の前のロメオ(第2組曲 第7番)
アンドレア・バッティストーニ指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
小松亮太、北村 聡(バンドネオン) *


【ライヴ録音】
 2021年5月16日 Bunkamuraオーチャードホールより

 東京フィルの首席指揮者に就任して5年。2014年に発売したセンセーショナルな「ローマ三部作」以降、ライヴ盤のリリースを立て続きにリリースし、18年より新たなセッションシリーズ【BEYOND THE STANDARD】を5タイトル発表し昨年完結を迎えた若き天才アンドレア・バッティストーニ。
 今作は約4年ぶりとなるライヴ盤のリリース。
 2週間の待期期間を経て開催されると思った矢先の緊急事態宣言。直前に開催されることが発表されたバッティストーニと東京フィルの演奏はより密度の濃いものとなりました。バッティストーニの生まれ故郷ヴェローナを舞台にした「ロメオとジュリエット」は第1・2 組曲からバッティストーニ自身がセレクトした9曲で二人の不幸な悲劇の物語を熱演。
カップリングとなる「シンフォニア・ブエノスアイレス」は、生誕100周年を迎えたピアソラの日本初演を収録。世界的バンドネオン奏者、小松亮太・北村聡が加わり、タンゴの新たなサウンドを模索しながらも純クラシック作曲家への野望に燃えていた時代の貴重な作品となり、現存する録音盤としては初となるオリジナル通りのバンドネオン2台を使用した貴重なライヴ盤です。



高音質CD「UHQCD」とは

■CD規格に準拠しており、既存のプレーヤーで再生可能です。
■新しく開発された製法により、従来の高音質ディスクよりさらに原盤に忠実な音を再現します。
■最高性能のクリスタルディスクに迫る高音質を手軽にお楽しみいただけます。
※高音質とはマスタークオリティの再現性の高さを意味します。

新製法の微細ピット転写技術と反射膜に特殊合金を採用することで、HQCDよりさらにUHQCDの方が反射率が高くなり、ディスクのピット情報の読取精度が飛躍的に向上しています。
CDのピット情報を読み取った「HF波形」を観察してみてもUHQCDの方がより振幅が大きくなり、短ピットから最長ピットまでを示す「波形の網目」をより鮮明に観ることができます。
これは、カッティングスタンパーに対して、より忠実に複製され、且つ読取精度が向上していることを意味しており、マスタークオリティに極めて近いサウンドを再現しているものと考えています。











バッティストーニの「Elan Vital」がとんでもない名曲!
スタンダード名曲集


COCQ85511
(Hi Quality CD)
\3300→\3090
【BEYOND THE STANDARD】
スタンダード名曲集
 1. スメタナ:モルダウ
 2. シベリウス:フィンランディア
 3. ムソルグスキー:禿山の一夜
 4. ワーグナー:ワルキューレの騎行
 5. ファリャ:火祭りの踊り
 6. バーンスタイン:『キャンディード』序曲
 7. 外山雄三:管弦楽のためのラプソディー
 8. バッティストーニ:Elan Vital 
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)

 2018年からスタートしたシリーズ「BEYOND THE STANDARD」がここで完結。最終巻のタイトルは「スタンダード名曲集」。
 配信限定でリリースしたバッティストーニ作曲の『Elan Vital』も収録。

 どちらかという深く考えるタイプの曲は得意じゃないバッティストーニ。だとしたらこの選曲はバッチリはまってるはず。

 大好評の【BEYOND THE STANDARD】シリーズの最後にこういう小品集を持ってくるあたりが、なんというか「自分」というものがわかっていて潔くていい。
 そう、イケイケどんどん、なりふりかまわずまわりの忠告など無視して好き勝手暴れてほしい!

 ・・・と思ったが、意外、スタンダード名曲であるところの6曲目まではわりと普通だったりする。いやに落ち着いている。そんなのバッティじゃない!なぜだ!?

 その答えは「BEYOND」たる最後の2曲に。
 外山雄三の「管弦楽のためのラプソディー」とバッティストーニの手による「Elan Vital」。
 ここからいきなり熱量が変わる。

 このアルバムはおそらくこの2曲を聴かせるためのアルバム。
 それゆえにこの1枚に対する評価は分かれると思う。ちょっぴり問題作と言っていい。

 外山雄三の「管弦楽のためのラプソディー」は、露骨なほどに日本の民謡が素材となっている、外国の人が考えるところの「日本の土俗的クラシック」。
 うれしはずかし。

 そしてバッティストーニの「Elan Vital」は「オーケストラのためのラプソディ」ということだが、途中から、「おい!いいのか、クラシック・アルバムでそこまでやって!!」と赤面してしまう人も続出するであろうノリノリのゴキゲン・ナンバーに変貌する。筋のわかってるロボット・アニメ・ソングか、70年代のネアカ・アメリカ製スパイ・ドラマの主題曲か。
 ひょっとしたら21世紀最大最高最悪のクラシック作品かもしれない。こんな曲をクラシックといっていいのか!?
 
 「Elan Vital」。
 バッティストーニがテアトロ・カルロ・フェリーチェのオケを指揮した2016年のライヴ動画があったので、よろしければどうぞ。
 問題の終盤部分ではバッティストーニ、ポーラ・アブドゥルばりに踊ってます。
https://youtu.be/Hk6ygTg-0mQ



 や、やばい・・・「Elan Vital」、2回聴いたらはまってしまった・・・

 これがバッティストーニがこのアルバムで仕掛けてきた罠か!?
 なんなんだ、この中毒性・・・
 ダメと思いつつ、プレーヤーに手が伸びてしまう・・・だめだ・・・だめ・・・だ
 た、たすけて・・・・

 もう1回聴きたい!






一皮むけたのだろう、まさに大演奏
ベルリオーズ:幻想交響曲


COCQ85492
(Hi Quality CD)
\3300→\3090
【BEYOND THE STANDARD】
 ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
 黛 敏郎:バレエ音楽『舞楽』
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)

2018年5月20日、2020年1月21,22日
東京オペラシティ、コンサートホール(セッション)

 標題音楽の金字塔、ベルリオーズの『幻想交響曲』。
 バッティストーニにとっても10代の頃から指揮をするのが夢であったベルリオーズの若き日の当作品は、多種多様な楽器が多彩な音色で効果的に響き合い、倒錯した狂気がほとばしる50分を超える大傑作。
 4度目のセッション録音となり、いつも以上に密度の濃い、充実した音色を存分に響かせています。

 カップリングには、日本を代表する作曲家:黛 敏郎による『舞楽』をカップリング。
 1962年にニューヨーク・シティ・バレエ団からの委嘱によって作曲したバレエ音楽で、振付家バランシンからの注文をもとに、スタンダードなオーケストラ編成を用い、日本的な音色を活かした舞楽的な作品を構想し、作曲された名作。


 甲子園で活躍していたときから見守っていた才能ある田舎ピッチャーがいつしかプロ野球に入ってエース的活躍をしている・・・そんな感じか。

 バッティストーニ、もう若き鬼才じゃない、才能あふれる俊英じゃない。風格漂う異端の巨匠。あるいは刺激的な持ち味の名手。
 これまでだと正統派過ぎる演奏だとちょっと物足りなかったが、今回の「幻想」は奇異な解釈ではなく、切れ味鋭いそれぞれの楽器の鳴らし方で最後まで「うーん、うまい」とうならせ続ける。
 スタイリッシュでマッチョでイケメン。正しく美しいのだ。鍛え上げられた筋肉質の美青年に言い寄られて、そっちの趣味はないのによろっとしてしまう、・・・そんな感じか。

 まちがいなく一皮むけたのだろう。まさに大演奏である。(ちなみにスタッフの「幻想」大好き少女が久しぶりに終演後「誰なんですか!これは!?」と叫んだ)

 ただ、若さあふれるはちきれんばかりの才能爆発を期待している方は・・・安心してください、次の黛 敏郎のバレエ音楽『舞楽』、すごいです。爆発してます。
 「黛 敏郎~?難しいんじゃないの~??」・・・大丈夫です。全然難しくないです。めちゃくちゃポップです。「雅楽」をカラフルにパワフルにそしてワイルドにクラシックに変容させた力技的傑作。普通に、そしてそうとうに傑作。
 バッティストーニが興奮しながら愉しげに指揮している様子が目に見えるよう。
 おそろしげなエスニック・パブに入ったら意外にちゃんとした接客と料理を出されて面食らうも、大感動・大満足で帰ってきた・・・そんな感じか。



聴くべし
タテ乗り前のめりベートーヴェン.


COCQ85466
〔高音質CD「UHQCD」〕
\3300→\3090
【BEYOND THE STANDARD】
 (1)ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
 (2)吉松隆:サイバーバード協奏曲
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)


上野耕平(アルト・サクソフォーン:2)
山中惇史(ピアノ:2)
石若 駿(パーカッション:2)
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)

 2019年4月8,9日、東京オペラシティ、コンサートホール

 日本コロムビアのDENONレーベルで2018年4月からスタートした、イタリア出身の若き天才指揮者アンドレア・バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団によるレコーディング・プロジェクト「BEYOND THE STANDARD」。
 クラシック王道の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新たなスタンダードとして打ち出すシリーズの第3弾。
 これまでも演奏会に取り上げてきたベートーヴェン:交響曲第5番『運命』。
 セッション録音だからこそ緻密に構築されていくであろう超スタンダードナンバー『運命』は、今シリーズにとって重要な曲となると思われます。
 カップリングには、吉松 隆の『サイバーバード協奏曲』を取り上げ、ソリストに、上野耕平を起用。上野にとって初となるコンチェルトの録音となり、初共演のバッティストーニと繰り広げられるセッションに期待が高まります。
 ピアノに上野の盟友:山中惇史、そしてJAZZ界で人気の石若 駿を招き、トリオを形成しています。

 どうだろう、これまで「運命」の名演というと、人類の歴史にその名を刻む大偉人作曲家ベートーヴェンを描く演奏がほとんどだったと思う。

 ところがこれは違うのだ。
 ここでは30代、まだまだ青年のベートーヴェンが笑ったり、怒ったり、すかしたり、背伸びしたり、かっこつけたり、かけずりまわってすっころんだり、また起き上がって叫びながら駆け出す。
 なんとも表情豊かな元気いっぱいの青年ベートーヴェンがいる。遺書も書いたりしたが、今はもう生きる気力全開満開、前向いて進むことしか考えてない。悩むより走り出すベートーヴェン。

 なので痛快時代劇かウエスタン映画のよう。当然抱腹絶倒場面多数。終楽章最後の10秒なんていっしょになって笑いながら踊りたくなるはず。
 ここまでへんてこりんな演奏はこれまで数種類しかなかったが、突然変異的意味不明演奏ではなく、全編通じてひとつの心地よい意思に貫かれたタテ乗り前のめりベートーヴェン。

 バッティストーニ。
 この人の演奏には知性はないかもしれないが、グリグリした貪欲な本能と、人の心をグワシと掴んで離さない強烈な愛らしさがある。

 31歳バッティストーニ、会心のベートーヴェン、聴くべし。




スコアに忠実でなくても、誠実であればいい
でも意外に真っ向勝負の正統派.


COCQ 85414
〔高音質CD「UHQCD」〕
\3300→\3090
【BEYOND THE STANDARD】
 ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』
 伊福部 昭:シンフォニア・タプカーラ
 伊福部 昭:ゴジラ(交響ファンタジー『ゴジラVSキングギドラ』より)
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2017年6月1,2日
東京オペラシティ、コンサートホール


 新時代を築く指揮者の筆頭格アンドレア・バッティストーニと、日本が世界に誇る東京フィルハーモニー交響楽団は、聴き慣れたクラシックの名曲を、まさに今生まれたかのような瑞々しさと類まれな生命力で描き、クラシックファンに新鮮な驚きを与える力を持っている一方、クラシックに深い親しみを持っていない音楽ファンを熱狂させる、エネルギーとエンタテインメント性を備えている希有な存在である。

 DENONレーベルは、その両者の持てる力を最大限に引き出す為、響きの豊かな東京オペラシティコンサートホールにおけるセッション録音を開始。シリーズ「BEYOND THE STANDARD」と銘打ち、クラシック王道の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新しいスタンダードを生み出す。

 第1弾としてリリースするのは、定期演奏会でもセンセーションを巻き起こした、ドヴォルザークの名曲「新世界より」、そしてカップリングに伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」。セッション録音ならではの細部にまでこだわった充実の演奏に仕上がり、首席指揮者のバッティストーニと東京フィルの蜜月な関係を象徴するような深く立体的な音楽が構築される。

 フィルアップには、伊福部の手になる映画「ゴジラ」のテーマ曲が収録されている。

 鬼才でも異才でもない、真っ向勝負の正統派指揮者がここにいる。
 「第9」や「運命」で響かせたブットビ爆裂演奏の指揮者ではなく、正面突破の正統派指揮者がここにいる。
 楽譜にないシンバルがあるじゃないか、楽譜にないテューバが出てくるじゃないか。
 そんなの全然OK。バッティストーニ自身が語っている。「私はスコアに忠実でなくても、誠実であればいいと思っています。」そう、そう、そう!
 聴き手にフレッシュな感慨を呼び起こすために効果的であれば積極的に採用していく。それがバッティストーニのやりかた。
 今回の「新世界」はそれが伝統的な流れの上で実現されている。びっくりおったまげてぎょっとすることはないが、「うーん、なんかすごい「新世界」だったなあ」と感服させられる。
 この録音、あえてライヴではなくセッション録音を行ったという。細部まで自分の考えを再現するために。
 そうやって大胆な発想と精密な設計の上で完成したのが今回の「新世界」なのだ。

 バーバリズムあふれる元気いっぱいの伊福部も最高。
 最後「SF交響ファンタジー第1番」 が始まったかと思ったが、3分の「ゴジラ(交響ファンタジー『ゴジラVSキングギドラ』より)」だった。
 いつかやってほしいなあ・・・。


おっと、こうきたか
東京フィルの『春の祭典』.


COCQ 85378
〔高音質CD「UHQCD」〕
\3300→\3090
1. ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』
2. バーンスタイン:『ウエスト・サイド物語』よりシンフォニック・ダンス
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2017年5月18日(1)、2014年1月31日(2)
東京オペラシティコンサートホール(1) サントリーホール(2)

 世界中に活躍の場を広げている指揮者アンドレア・バッティストーニ。彼と東京フィルは2017年5月、《春の祭典》の歴史を塗り替える名演を生んだ。
 圧倒的な情報量、伸縮自在なテンポ設定から生まれる歌、精緻・繊細に読み込まれたスコアから鳴らされる新たな響き、野性味を帯びた中にも客観的な観察を経て放たれる一瞬のエネルギー、そしてすべての音が躍動し生まれる生命そのものの踊り。こういう《ハルサイ》を待っていた。
 一方、カップリングには18年に生誕100年を迎えるバーンスタインの『ウエスト・サイド物語』を収録。オペラ指揮者としての経験と舞台への深い共感がドラマを生み、音となり物語を描く。
 2作品の録音時期は違うが、いずれも音楽を創り上げる喜びを東京フィルと共に感じているのが演奏からも伝わってくる。

 おっと、こうきたか。

 聴いたら気が狂うようなすさまじい天変地異的演奏を期待したが、バッティストーニ、そんな無茶はしていなくて、それよりは東京フィルの抜群の反応性、機能性を前面に押し出してくる。
 ズリズリした地獄的低音から、鮮度抜群の高音まで、すべての楽器が世界最高レベルのうまさ。
 それを知っててバッティストーニも彼らを気持ちよさそうに自由自在に音を操り、もちろんそれにオケも完璧に応える。

 これは世界最高レベルに達した東京フィルを知らしめるためにバッティストーニが周到に用意したデモンストレーション・アルバムなのだろう。
 




ダントツの第1位!
人類が生み出した最も衝撃的な「第9」
.

COGQ 96
(SACD Hybrid)
\3300→\3090
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』 東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)

安井陽子(ソプラノ)
竹本節子(アルト)
アンドレアス・シャーガー(テノール)
萩原 潤(バリトン)
東京オペラシンガーズ
2015年12月20日
東京、Bunkamuraオーチャードホール

 リリースするアルバムが次々に高い評価を受ける若きマエストロ、バッティストーニによる待望の作品はベートーヴェンの名作「第九」。
 3日間に渡って都内で演奏された2015年12月の「第九」は、非常に速いテンポでありながら、崩壊的なテンポではなく、全体のバランスを捉えた理にかなった演奏となっていた。
 ソリストのアンドレアス・シャーガーが朗々と堂々と歌い上げソリスト陣を引っ張り、合唱団も統一感のある演奏を披露した。

 出た!!!!
 これぞバッティ流ベートーヴェン!!
 何度も何度も阿鼻叫喚の坩堝となり、聴くものの血圧は上がり、目はくらみ、精神的に追い込まれる。

 ちょうどザンダーの超高速演奏を取り上げたが、このバッティの演奏もほぼ同タイム。58分25秒。
 「速過ぎる!」と言う人もいるだろうが、「この曲が演奏されたときの衝撃を考えれば、今まで慣らされてきた速さよりももっともっと速くすべき」、というバッティの考え方からするとこのスピードは正しく思える。
 また、その過激な表現に「やりすぎ!」と言う人もいるが、「常軌を逸したこの曲を表現するには、ときに醜いほどの強い印象を与える必要がある」というバッティの考え方からするとこの表現は正しく思える。

 奇をてらったのかと?
 とんでもない。
 何より第1楽章からいきなりこちらの精神をギリギリまで追い込んでくる雷のような衝撃は、奇をてらうなんて生易しいものではなく、逃げも隠れもしない真っ向勝負。
 耐えられなくなって顔をそむけても、ぐいっと顔を元に戻されその怒涛の音楽を脳髄にぶち込まれる。

 これまでの演奏様式を覆す第3楽章にしても、その軽快なる調べに身も心も揺れる。
 静謐で瞑想的な第3楽章がまるで優雅な舞踏会のよう。これではいけないのか?

 そして演劇のように言葉を発し、演技し、踊り、駆け回る終楽章。聞こえてくるのはシラーの詩のはずなのに、まったく違う言葉が送られてくる。そして聴こえてくるのは「音楽」のはずなのにすでに「音楽」だけではない。
 音楽を聴くだけでベートーヴェンが生きた時代が世界がそして望んだ未来が目の前に情景として現れる。
 

 こんな「第9」初めてである。人類が生み出した最も衝撃的な「第9」と言っていい。

 バッティを聴くならまずこの演奏。
 ダントツの第1位!!!
 


個人的には第1位!
これだけの素敵な愛情あふれるアルバムが.


COGQ 72
(SACD Hybrid)
\3080
在庫僅少
イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集
 ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
 ヴェルディ:歌劇『ナブッコ』より「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」
 プッチーニ:歌劇『マノン・レスコー』間奏曲
 ロッシーニ:歌劇『ウィリアム・テル』序曲
 ロッシーニ:歌劇『アルジェのイタリア女』序曲
 ヴェルディ:歌劇『マクベス』より バレエ音楽
 ヴェルディ:歌劇『マクベス』より「踏みにじられた祖国よ」
 ヴェルディ:歌劇『アイーダ』より 凱旋行進曲
カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団&合唱団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2014年3月27-28日
ジェノヴァ、カルロ・フェリーチェ劇場

 2012年、24歳での二期会「ナブッコ」公演の鮮烈な日本デビューと、絶賛を博した東京フィルとの公演及びそのライヴ盤により、一般クラシック・ファンの間でも瞬く間に若手指揮者注目株の筆頭と目されるようになったイタリアの超新星バッティストーニ。
 2015年初の二期会公演への再登壇に期待が膨らむ中、待望されたヴェルディを主軸に据えたイタリア・オペラのエッセンスといえる名曲集が実現しました。
 彼が首席客演指揮者を務めるジェノヴァのテアトロ・カルロ・フェリーチェは、日本での知名度が音盤の世界でこそまだ低いものの、イタリアでトップクラスの水準にある名門歌劇場です。
 若くしてイタリア・オペラを知り尽くしたバッティストーニが誘うコンサートは、ソロ歌手の分まで歌とドラマで満ち溢れています。

 おや・・・と思った。

 それまで聴いてきた演奏と違って・・・なんといえばいいのだろう・・・えっと・・・下手なのだ。田舎くさいというか。
 で、アルバムを良く見たら、オーケストラが「カルロ・フェリーチェ歌劇場管弦楽団」。ん?聞いたことない。まああるにはあるだろうがほとんど海外では知られてないイタリア・ジェノヴァの歌劇場のオケ。ブックレットにはオーケストラの紹介すら載ってない・・・。
 なのでさすがに東京の超一流オケと比べると機能性やキレに欠ける。

 ・・・が。

 なんだか聴いてるうちにそれが愛おしくなってきた。
 うまい下手とは違う次元の、なんというのか、味わいがあるのである。
 ああ、これがイタリアの歌劇場のオーケストラの味わいなんだな、と。またそれを慈しむように愛でるバッティストーニ。
 バッティストーニはこの歌劇場でブレイクし、その後東京フィルにやってくることになる。まさにバッティストーニにとって産みの親みたいなもの。

 選曲がまた「イタリア・オペラ命」というようなポピュラーで熱い曲ばかり。
 そんな曲を、日の出の勢いで音楽界を席巻しようとしている若き俊英が、あふれんばかりの愛情とエネルギーでイタリア・オケを振って演奏してくれているのである。
 これぞイタリア人指揮者によるイタリア歌劇場によるイタリア・オペラ。イタリアに行ったことがある人はちょっと涙が零れ落ちそうになると思う。

 このオーケストラで交響曲も聴きたかったと思ったが、これだけの素敵な愛情あふれるアルバムが残されただけでも幸せである。でもいつか両者の共演を聴きたいなあ・・・

 個人的にはバッティストーニのアルバムの中での第1位。

 あ、勘ですが、数年後バッティストーニがヨーロッパに拠点を移したとき、このコロムビアの一連のアルバムは廉価盤とかになっていくと思うんですが、そのときにこういう辺境オケのアルバムは廃盤になってしまうような気がします。
 勘ですが。













.

最後の2秒だけは面白い


COGQ 104
(SACD Hybrid)
\3300→\3090
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 op.64 RAI国立交響楽団(イタリア国立放送交響楽団)
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2016年7月6日
トリノ、RAIオーディトリアム

 アンドレア・バッティストーニがイタリア随一のオーケストラ、RAI国立交響楽団とセッション録音に選んだのは不朽の名曲チャイコフスキー交響曲第5番。
 過去に名盤が複数生まれていますが、真正面から臨んだ今作は、まさしく現代のチャイコフスキーの名盤となりうる名演奏の記録です。
 全体を通して熱量が凝縮されており、そのコントロール、推進力は流石の一言。
 一瞬で解放するエネルギーは驚きを与え、弦楽器がこんなにも美しく唸り、管楽器の和音の鳴らし方が今までにないような響きを与えています。


 どうしたんだろう。
 カルロ・フェリーチェ歌劇場管であんなにすばらしい音楽を生み出していたバッティストーニなので、このRAI国立交響楽団とのチャイコフスキ-も期待したのだが。
 きっと東京フィルとは違った味わいの音楽を生み出してくれるだろうと。
 イタリアのオケだとこんなふうになるんだよ!と。
 東京フィルとはやらないようなもっとメチャクチャなことを、故郷とのオケとならやってくれるのではないかと。

 ところが・・・

 もちろん悪い演奏じゃない。きちんとした演奏だし、ときおりバッティストーニらしい斬新なアイデアもなくはないのだが・・・バッティストーニならもっとやってくれるだろう、バッティストーニならここをこうするはずだ・・・あれ、でも普通にやっちゃうのか・・・という感じの連続で・・・。
 バッティストーニ・ファンならもちろん押さえておいていいと思うけれど、天変地異的天才爆裂大演奏を求める人にはちょっと物足りないと思う。(最後の2秒だけは面白い)


バッティストーニ・・・教えてくれ


COCQ 85441
〔高音質CD「UHQCD」〕
\3300→\3090
【BEYOND THE STANDARD】
 1.チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』
 2. 武満 徹:系図 - 若い人たちのための音楽詩 -
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
のん(語り:2)

2018年5月21,22日
東京オペラシティ コンサートホール


 日本コロムビアのDENON レーベルで今年4 月からスタートした、イタリア出身の若き天才指揮者アンドレア・バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団によるレコーディング・プロジェクト「BEYOND THESTANDARD」。

 「BEYOND THE STANDARD」は、クラシック王道の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新たなスタンダードとして打ち出そうというもの。4 月にリリースされたVol.1 のドヴォルザーク「新世界より」&伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」「ゴジラ」に続く、Vol.2 は、チャイコフスキーの晩年の代表作、交響曲「悲愴」と、日本を代表する作曲家、武満徹の同じく最晩年の傑作である「系図」をカップリング。

 この「系図」という作品は、オーケストラ演奏をバックに、谷川俊太郎の詩集『はだか』中から選ばれた詩が朗読される形式の作品。

 楽譜には作曲者による「ナレーターは十代半ばの少女によってなされることが希ましい」という指定があり、これまで、遠野凪子や上白石萌歌などが語り手を担当してきた。
 今回は、作曲家の指定の年齢とは異なるものの、「この世界の片隅に」での名演に感銘を受けた制作サイドの「この作品の決定盤を作りたい」という熱いラブコールを受けて、女優/アーティスト・のんが語り手を担当した。
 レコーディングを終えたのんは、「美しい演奏と詩が一つになっていくのを体験できる貴重な時間を過ごさせていただきました」とコメントを寄せている。


【のん コメント(全文)】
この度、武満徹さんの曲に流れる谷川俊太郎さんの詩を読ませていただくという役をいただき、心から嬉しく思っています。
バッティストーニさんの指揮のもと、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様とのレコーディングは、とてつもない緊張を感じる中ではありましたが、美しい演奏と詩が一つになっていくのを体験できる貴重な時間を過ごさせていただきました。系図 family tree、キラキラと輝く音の中に落ちる不穏な裂け目は、不思議と胸に染み渡って希望を見出す。素敵な曲に参加できて、素晴らしいオーケストラの皆様バッティストーニさんとご一緒できて、本当に楽しかったです。沢山の方のもとに届く事を願って。 のん

 え・・・。
 バッティストーニ、どう考えてもチャイコフスキーが得意だと思うのだが。
 2016年の第5番に続いてこの「悲愴も」・・・どうしたんだ。立派な演奏なのだが、しかし、どうして爆発しないのだ?どうして暴れないのだ?

 第5番は、オケがRAI国立交響楽団だったからひょっとしたら興が乗らなかったのかとも思ったが、今回は東京フィル。
 しかも去年である。

 それとも何か訳があるのか。
 店主のような浅はかな視聴者には分からない何か深い訳が、仕掛けが、思想が、哲学が。
 後半に武満の曲が控えているからか?近くにのんがいたからか?

 しかし・・・これでいいのか?どうしてこんなに優等生的な落ち着いた演奏をするのだ?
 バッティストーニ・・・教えてくれ。

 




どちらかというと反田恭平を聴くアルバム

COGQ 97
(SACD Hybrid)
\3300→\3090
(1)ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
(2)ラフマニノフ:ピアノとオーケストラのための『パガニーニの主題による狂詩曲』
反田恭平(ピアノ)

アンドレア・バッティストーニ(指揮)
(1)イタリア国立放送交響楽団

(2)東京フィルハーモニー交響楽団

(1)2016年7月7日、トリノ、RAIオーディトリアム
(2)2015年9月11日、東京オペラシティ・コンサートホール

 反田恭平神話、第二章。CI&MG2の最重要クラシック・アーティスト、ピアニスト反田恭平。2015年、アルバム「リスト」で鮮烈なデビューを果たし、日本のクラシック界の台風の目となっているこの若き俊英が、2枚目のアルバムとして世に送るのは待望のコンチェルト。
 チャイコフスキーとならびコンチェルトの花形として人気を誇るラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

 海を飛び越え才能を花開かせるこの大器にふさわしい伴奏として脇を固めるのは、同じくコロムビアが定期的にリリースを展開しているイタリア出身の天才指揮者バッティストーニ。
 イタリア一の名門オーケストラであるRAI国立交響楽団とともに、イタリア・トリノにてセッション録音を敢行。名門RAIオケの、一音聴いただけでそれとわかるような特徴的な響きは、いまのインターナショナルかつグローバルな世界のオケにあって、唯一無二のサウンドを奏でる真にローカルなサウンドがまことに印象的。
 それをドライブさせるバッティストーニの驚くべきコントロール力と、反田の抑制と爆発が驚くべきバランス感覚ではかられたピアノが並走し、真に21世紀の終わりまで語り継がれるであろう新たな名盤が誕生しました。まさに日本のピアノ界において、新たなヒーロー誕生の布石となるリリースが今回のラフマニノフなのです。
 
 カップリングには、昨年2015年9月に録音されたバッティストーニ&反田&東京フィルによる、ラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』を収録。
 ライナーノーツは日英伊の三か国語で構成するインターナショナル・リリース仕様。

 バッティストーニ、伴奏に徹してます。そりゃそうか。
 第2番のほうはチャイコフスキーの第5番のすぐあとの録音。オケももちろん同じイタリア国立放送交響楽団。
 でも・・・ちょっとゆるい。

 反田恭平を聴くアルバムでしょうか。












COGQ88
(SACD Hybrid)
\3300→\3090
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲『展覧会の絵』
ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2015年9月10日-11日
サントリーホール(10日)、東京オペラシティコンサートホール(11日)

 リリースするアルバムが次々に高い評価を受ける若きマエストロ、バッティストーニによる、《展覧会の絵》。
 濃い縁取りの表情やユニークな仕掛けの数々で、各曲のキャラクターを鮮やかなコントラストで一気呵成に描き分けます。圧巻のクライマックスまでを一瞬たりとも弛緩することなくドラマティックに表出する様は、バッティストーニの真骨頂!深みと洗練、こだわりと外連味を高い次元で両立し、絢爛豪華なラヴェル編曲から深く充実した芯のある音楽的内容を引き出します。類い稀な集中力と指揮者への共感で見事な演奏を披露した東京フィルにも大きな拍手を!
 蜜月関係にある指揮者とオーケストラならではの、充実のライヴ録音です。



COGQ 85
(2SACD Hybrid)
\4180
在庫僅少
プッチーニ:歌劇『トゥーランドット』全曲
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)

トゥーランドット/ティツィアーナ・カルーソー(ソプラノ)
カラフ/カルロ・ヴェントレ(テノール)
リュー/浜田理恵(ソプラノ)
ティムール/斉木健詞(バス)
アルトゥム皇帝/伊達英二(テノール)
ピン/萩原 潤(バリトン)
パン/大川信之(テノール)
ポン/児玉和弘(テノール)
官使/久保和範(バリトン)、他
新国立劇場合唱団
東京少年少女合唱隊

 2015年5月18日、東京、サントリーホール/ライヴ:演奏会形式上演

 これぞシンフォニー・オーケストラの定期演奏会での『トゥーランドット』! 
 凄まじいエネルギーと圧倒的な高揚感で満たされたその夜のサントリーホールは、割れんばかりの拍手とブラボー、スタンディング・オベーションに沸き返りました。
 これは、若きマエストロ、アンドレア・バッティストーニが、圧倒的なカリスマ性と統率力で自身一番愛するオペラを壮大に描き切り、東京フィル・歌手・合唱がそれに全力で応えた、感動的な記録です。
 演奏会形式で上演された、プッチーニの最後のオペラ。ホールを揺るがす圧巻の大音量を伴った壮大な演奏は、まさに息をもつかせぬ一大スペクタクル! その一方で、静かな部分でのしなやかで繊細な抒情も、極上の美感と共感を伴った表現で聴き手の心に深く沁みわたり(第2幕終盤で、第3幕の名旋律が予告される場面など、その好例)、この美しく魅惑的な弱音表現があってこそ鮮烈なクライマックスが生きているというべきでしょう。バッティストーニが自在に繰り出す緩急・強弱のなか、すべての音に音楽の力がみなぎる極めてスケールの大きな演奏でありました。
 歌手陣も好演。オーケストラに負けない強靭な声を駆使し、冷徹なトゥーランドット姫をドラマティックに表現した、カルーソー。カラフ王子の名アリア「誰も寝てはならぬ」で期待通りの歌を聴かせて喝采を浴びた、ヴェントレ。愛する人を守り抜こうとする、いたいけながら芯の強い女性リューを、共感をもって演じて涙を誘った浜田理恵。新国立劇場合唱団も東京少年少女合唱隊もバッティストーニのタクトのもと、一体となってこの壮大なドラマを形作りました。
 バッティストーニは、このオペラが演奏会形式に向いていることを指摘していますが、この公演では効果的な照明演出と相まって、(荒唐無稽なストーリーを)むしろ聴き手の「想像による演出」で補うくらいでちょうど良いのでは? と思わせるほどでした。「(舞台なしの)音楽だけで演奏しても大丈夫」というバッティストーニの言葉の意味を、この録音から誰しもが実感できることでしょう。緻密・劇的・シンフォニックなプッチーニのスコア、ことに管弦楽それ自体が雄弁にドラマを物語っていることを若きマエストロが魅力的に描き出します。この盤の登場により、過去の名盤を覆すことも十分に考えられるほどです。そして、コロムビアの技術陣による収録サウンドは、ライヴ収録のハンデを全く感じさせない極上のもので、この空前の成功を収めた特別な公演を余すところなく捉えています。
 『ナブッコ』、『リゴレット』に続く日本でのバッティストーニのオペラ公演、演奏会形式ながら早くも真打登場の風格を持って上演され絶賛を受けた『トゥーランドット』。多くの音楽ファンが、大きな期待を持ってこのライヴ・レコーディングのリリースを待ち望んでいることでしょう。




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聴かねば・・・出世作2つ


COGQ 69
(SACD Hybrid)
\3080→\2890
マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』 東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2014年1月31日
東京、サントリーホール、ステレオ/ライヴ


 イタリアの若き天才指揮者、アンドレア・バッティストーニが再び東京フィル定期に代棒で登壇するというとニュースは、レスピーギ:ローマ三部作で度肝を抜かれたファンを狂喜させました。これは、その最終日のライヴ録音です。
 当日とって若干26歳のこの天才を形容するのに、早くもトスカニーニ、アバド、ムーティ、といったイタリア人指揮者の先達が引き合いに出されていますが、その偉才は格別で、遠からぬ将来、フルトヴェングラー、カラヤン、クライバーといった時代を画した存在に連なるものとして語られることになる可能性すら秘めています。強いて類型を探すとすれば、音楽界よりもミケランジェロや運慶といった超・彫刻の世界へ目を向けた方が良いかもしれません。奇しくも曲の作曲年代とほぼ並行してこの作品に初めて取り組んだわけですが、「そこにあるものをただ彫り起こしただけ」といった趣の、まさに自らが作曲したかのような鮮度とリアリティーを湛えた演奏となりました。




COGQ 68
(SACD Hybrid)
\3080→\2890
レスピーギ
 ・交響詩『ローマの祭』
 ・交響詩『ローマの噴水』
 ・交響詩『ローマの松』
東京フィルハーモニー交響楽団
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
2013年5月31日
サントリーホール/ライヴ

 レスピーギの交響詩『ローマ三部作』は、シンフォニー・オーケストラの絢爛たるサウンドが最大限に発揮される、20世紀の管弦楽作品の華の一つ。
 バッティストーニは2012年の二期会公演『ナブッコ』で一躍日本でも脚光を浴び、今回のこの東京フィル定演への招聘につながりました。すでにミラノ・スカラ座をはじめとするイタリア各地の主要オペラハウスでキャリアを積んでおり、この6月よりはジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客演指揮者に就任。今後世界へ活動の場を急拡大していくことは間違いありません。
 ライヴ録音であることを演奏後の拍手まで意識させることのない完璧な演奏、そして優秀録音による、同曲の最高の名盤の誕生です。指揮者の年齢、日本のオケ、ライヴ録音、それらがハンディとなっているや否や、是非ご自身の耳でお確かめください。








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