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ヘンデル:オーボエ協奏曲集
コンチェルト-
パスティッチョ ハ長調、協奏曲ト短調HWV.287、
ハ短調、合奏協奏曲ト長調HWV.314、
5声の協奏曲ハ短調
コンチェルト-パスティッチョ ニ長調 |
アンドリウス・プスクニギス(Obe)
ヴィンセント・ベルンハルト
(Harpsichord、指揮)
クライペダ室内管弦楽団 |
ヘンデルは、オーボエをこよなく愛し、オラトリオ、オペラ、合奏協奏曲、ソナタなどの多くの独奏パートをオーボエに割り当てました。ただ現存する協奏曲は少なく、ヘンデルの協奏曲というと主にオルガン協奏曲が思い浮かびます。その他の協奏曲を数えてみますと、ヴァイオリンが1曲とオーボエが3曲だけとなっています。このアルバムは、これまでのさまざまな研究を踏まえて、指揮者のベルンハルトが、当時の合奏協奏曲の特徴を捉え、オーボエを中心に新しい楽器編成で演奏しています。ヘンデルとオーボエの新たな魅力を提示した一枚です。
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フランシスコ・ソト・デ・ランガ(1534-1619):20の精霊の讃歌 |
アレッサンドロ・クアルタ指揮
スペイン国立ローマ教会礼拝堂 |
Ringratianti, o Giesu buono、Nell'apparir
del sempiterno Sole、
Dammi un bel cor, Signore、Che fai, Alma?、Anima
mia dolente Gioia & amore、
La Regina celi、Alma dexa la tierra、Signor
ti benedico、Vergine poverella、
No ves mi Dios、D'amoroso dolor Si tus
penas no pruebo、Quando vedro、
Discepolo & Maestro: Io vorrei mutar
vita、Nino que hoy nacido has、
Fieri lacci, e catene Quand'io ripenso、O
dolcezza、Per che m'inviti pur
(Il Primo libro delle laude spirituali,
1583、Il Quinto libro delle laudi spirituali,
1598、
Il Secondo libro delle laudi spirituali,
1583、Il Terzo libro delle laudi spirituali,
1588、他より) |
16世紀末のローマで生まれた聖歌と讃美歌を世界初録音。忘れられた作曲家の作品を、ラウダ・スピリチュアリの豊かな伝統を蘇らせます。
ラウダ・スピリチュアリとは、中世イタリアで生まれた会衆賛美の歌で、典礼語であるラテン語ではなく、現地の言葉で歌われるもので、アッシジの聖フランチェスコやヤコポーネ・ダ・トーディなどが有名です。
1534年にスペインで生まれたフランシスコ・ソト・デ・ランガは、1562年6月にシスティーナ礼拝堂の合唱団に参加し、カストラートとして活躍しました。
またローマでは、オラトリオの創始者である聖フィリッポ・ネリと出会います。このアルバムに収録されているラウダ・スピリチュアリは、ネリのために作曲・編曲された作品です。地方の讃美歌の伝統は、無伴奏で複数の人がひとつの旋律を歌うユニゾン歌唱から、和声や単純なポリフォニー、そして楽器伴奏による精巧なものへと発展していきました。これらの歌曲や賛美歌は、基本的には大衆的で、親しみやすい性格の作品です。
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BRL 96344
(3CD)
¥2300
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ヨハン・ゴットフリート・ミューテル(1728-1788):
ハープシコードのための二重奏曲とソナタ集
Disc. 1 二重奏曲変ホ長調 IJM21、ソナタ第2番
Disc. 2 ディヴェルティメント変ロ長調
IJM2、ソナタ第1番
Disc. 3 ソナタ第3番、二重奏曲ハ長調 IJM20 |
アンナ・クレメンテ
ジャコモ・ベネデッティ(Harpsichord) |
ミューテルは、鍵盤楽器奏者で即興演奏に優れていました。多くのスケッチを残していますが、完成させたものは少なく、比較的少数の作品しか残っていません。情緒的なニュアンスに富んだパッセージと、強い和声のコントラスト、対位法の巧みな使い方、きらびやかな即興的テクニックが調和した多感様式をたどることができます。
ミューテルの作品の大半は鍵盤楽器のもので、このアルバムは、成熟期の多岐にわたる段階を踏んだミューテルと、楽器の時代変遷がわかります。
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ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739-1813):
クラリネットソナタ、ハープシコードのためのソナチネ集
クラリネットソナタ変ロ長調、
ハープシコードのためのソナチネOp.1-1、Op.2-5、Op.1-2
クラリネットソナタハ長調、
ハープシコードのためのソナチネOp.2-6、Op.2-1、
クラリネットソナタ変ホ長調 |
デュオ・キロ
[ロドルフォ・ラ・バンカ
(Historical Clarinet)
キアラ・ティボーニ
(Harpsichord)] |
かつて、ハイドンやモーツァルトとアンサンブルを行っていたというヴァンハル。シューベルトは、ヴァンハルを最高の作曲家のひとりと讃えていました。
モーツァルトが音楽にクラリネットを組み込むようになると、ハイドンは「天地創造」でその楽器を効果的に使い始めます。するとクラリネットは、アマチュア奏者の間で急速に普及していくのですが、ヴァンハルはその流れに乗ってこの魅力的で流麗なソナタを作曲したのかもしれません。作品は、緩徐楽章でも悲壮感はなく、比較的シンプルな動きと印象的なレガートの旋律が続きます。演奏者と聴衆の双方に喜びを与えるような音楽と言えるでしょう。
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デュセック:ヴァイオリンソナタ第1集
ソナタ
ハ長調Op.8-1 CrawD 54
ヘ長調Op.8-2 CrawD 55
イ長調Op.8-3 CrawD 56 |
ユリア・フーバー(Vln)
ミリアム・アルトマン(fp) |
1789年頃パリで出版された作品8から始まるヴァイオリンソナタの全曲集が始まります。この曲は「伴奏付きピアノソナタ」と呼ばれるジャンルに属し、音楽的な本質は鍵盤楽器であり、オブリガート楽器(ヴァイオリンやフルートなど)が必要に応じて加わります。このような配置は、18世紀から19世紀初頭にかけて、育ちの良い女性が優れたピアニストになり、自分たちで楽しむか、あるいは伴奏者がいれば、一緒に演奏することができたという文化に由来しています。ここまで、順調にリリースを続けてきたピアノソナタ集に続くデュセックのヴァイオリンソナタ集。高度なコントラストとダイナミックな表現は、デュセックの音楽の特徴です。
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BRL 96413
(2CD)
¥1900
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J.S.バッハ:オルガン編曲集 |
ステファノ・モラルディ(Org) |
Disc. 1
シンフォニア(カンタータ第29番より アレクサンドル・ギルマン編)
Bleibt, ihr Engel, bleibt bei mir(カンタータ第19番より)、Ehre
sei Gott in der Höhe(カンタータ第110番より)
Wer bist du? Frage dein Gewissen(カンタータ第132番より)、
Christi Glieder, ach bedenket(カンタータ第132番より)
Herr, der du stark und machtig bist(カンタータ第10番より)
Komm susses Kreuz(マタイ受難曲より)、O
Mensch, bewein dein Sunde groB(マタイ受難曲より)、
Von den Stricken meiner Sunden(ヨハネ受難曲より)
フーガBWV.539、トリオ ト長調BWV.1027
Disc. 2
6つのコラール集(シュープラー・コラール)より
「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV.645、「われいずこにか逃れゆくべき」BWV.646、
「愛する御神の統べしらすままにまつろい」BWV.647、「わが魂は主をあがめ」BWV.648、
「ああ、われらと共に留まりたまえ、主イエス・キリストよ」BWV.649、
「イエスよ、今ぞ御空より降り来たりて」BWV.650
トリオソナタ第1番変ホ長調BWV.525、トリオ
ハ長調BWV.1014-3、トリオ ハ短調BWV.21-1
トリオソナタ第4番ホ短調BWV.528、前奏曲
トリオとフーガ変ロ長調BWV.545b |
オルガンやチェンバロ、あるいはピアノといった単一の楽器で、複数の楽器や声楽を必要とする曲に編曲することは、その作曲家に形式や演奏法に関する新しいアイデアを提供することになります。18世紀はトランスクリプションが盛んな時代であり、J.S.バッハは、その頂点に達したひとりと言えるでしょう。
ワイマール時代のバッハは、オルガン(ヴィヴァルディの協奏曲3曲、ヨハン=エルンストの協奏曲2曲)とチェンバロ(イタリアの作曲家の作品14曲)のための編曲を行っています。また、自分の作品である器楽曲や声楽曲も鍵盤楽器のために編曲を施して見事な作品に作り替えました。この録音は、J.S.バッハの作品で、オルガン以外の楽器のために書かれた作品でありながら、オルガンのために編曲した作品を集めています。
演奏は、既にJ.S.バッハのオルガン作品全集、バッハ一族のオルガン作品、クーナウのオルガン作品全集など、幅広いレパートリーを録音しているステファノ・モラルディ。ブリリアントクラシックスからリリースされたこれらの演奏は、世界中で高い評価を得ています。
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ハンス・ノイジトラー(1508-1563):リュート曲集 |
ヤヴォル・ゲノフ(Lute) |
Preambel、Ein gut trium mit sconen fugen、Benedictus
(Isaac) 、Vostrea Jamais (Ghiselin) 、
Der recht Studenten Tantz Plus multz regres
(Josquin) 、Die not sucht weg (Senfl) 、
Es taget vor dem holtze、Ich het mit ein
Annelein (Senfl) 、
Der recht Ho Tanz、Ein gut Preambel Ein
guter welscher Tanz、In te Domine speravi
(Josquin) 、
Ein gutter Venecianer Tanz、Mille regretz
(Josquin) 、
Ein seer guter Organistischer Preambel
Lamora (Isaac) 、Tus Biens (Ghiselin) 、
Ein ander Welscher Tanz、La Bernardina
(Josquin) 、
Ich bin ein fi sher au einem see、Benedetur
So wunsch ich jr ein gute nacht (Stoltzer)
、
Preamel、Adieu mes amours (Josquin) 、
Der Beyrisch Bot、Est is nit alles Golde
Ein Welisch tenzlein Clira Cassa、Wascha
mesa |
アルプスの北に位置するニュルンベルクは、画家のアルブレヒト・デューラーをはじめ、ルネサンス期から多くの文化が発達しました。その文化的生活から、リュートの製作とリュート演奏の伝統が生まれ育ちます。それを支えたのがこのハンス・ノイジトラー。リュートの真の先駆者で、フランコ・フランドル楽派のポリフォニー音楽を、リュートに適応させた作曲家です。
ノイジトラーは1536年に8巻のリュート音楽集を出版。初心者向けと上級者向けの2種類に分けました。このアルバムは、上級者向けの作品を収録。当時の有名な作曲家の声楽曲をリュート作品に編曲する技術と、自由な形式の序奏など独創性を見事に発揮した作品です。
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ハプスブルク家の「エデンの園」 ― 室内楽曲集 |
アンサンブル・アラヴァ |
アントニオ・カルダーラ(1671-1736):Risoluto
son gia tiranno amore
フランチェスコ・アントニオ・ボンポルティ(1672-1749):半音階的アリアと変奏第1番イ短調
ヘンデル:恋する魂はHWV.173
ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644-1704):ソナタ第6番ハ短調C143
マルカントーニオ・ツィアーニ(c.1653-1715):救い主のうるわしき母
ゲオルク・ムッファト(1653-1704):ヴァイオリンソナタ
ニ長調 |
17世紀末から18世紀初頭にかけて、神聖ローマ帝国の権力の中心であったウィーン、ザルツブルク、ローマには、才能溢れた作曲家たちが集まっていました。ヴェネツィア出身のカルダーラは、ウィーンの宮廷カペルマイスターを目指し、1708年に皇帝カール6世の結婚式の音楽を作曲します。ローマでは、若きヘンデルが大成功を収め、やがて皇帝の寵愛を受けます。このディスクでは、この二人の作曲家による世俗カンタータを中心に録音。緻密な器楽伴奏と、華麗で技巧的な歌唱による声の輝きが際立つ作品です。このカンタータの表向きのテーマは、牧歌的な
"妨害された片思い" という定番のものですが、実は
"帝国の権力" を表現していると思われます。他に収録された作品の作曲家、ボンポルティ、ツィアーニ、ビーバー、ムッファトも、イタリアを舞台に演奏家、作曲家としての名声を得ました。
ドイツを拠点に活動する4人の若い音楽家、アンサンブル・アラヴァは、ソプラノ、ヴァイオリン、通奏低音のための音楽というバロックの豊かな遺産を探求するために結成されました。本作がデビューアルバムとなります。
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BRL 96568
(2CD)
¥1900
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J.S.バッハ:ギター編曲集
Disc. 1
前奏曲 フーガとアレグロ変ホ長調BWV.998
組曲ホ短調BWV.996
無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番イ短調BWV.1003
Disc. 2
組曲ハ短調BWV.997
無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調BWV.1004
前奏曲ニ短調BWV.999 |
アルカディ・イヴァンニコフ
(Guitar) |
ロシアのクラシック・ギタリストの先駆者、アルカディ・イヴァンニコフによる新録音。バッハのリュート作品と、イヴァンニコフ自身が編曲した作品を収録しています。
バッハが実際にリュートを弾いたという確証はありませんが、楽器の音に興味を持っていたことは明らかで、ヨハネ受難曲や追悼頌歌BWV198でのリュートの微妙な使い方が見て取れます。リュートを特に意識して書かれたと思われる4つの組曲の中の、ホ短調BWV996とハ短調BWV997(ここではイ短調に移調)を録音。収録曲の選曲にもこだわりが見られます。4弦のヴァイオリンから6弦ギターへの適合を容易にするため、編曲においても細かな調整を行うなど、編曲者、演奏家として良法を模索しています。
バッハの最初の妻マリア・バルバラの突然の死を悼んで作曲されたと思われる崇高なシャコンヌで幕を閉じるニ短調パルティータは、バッハのピアノ以外の独奏楽器のための最も深い作品であり、ロシアの名手によるこの曲集のクライマックスにふさわしいものと言えるでしょう。
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ヴォルフ=フェラーリ:ピアノ五重奏曲、他
ピアノ五重奏曲変ニ長調Op.6
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ト短調Op.33
チェロソナタ ト長調Op.30 |
コスタンティーノ・カテーナ(pf)
アメデオ・チッケーゼ(Vc)
グアダニーニ四重奏団 |
ブリリアントクラシックスから、定期的にリリースされているヴォルフ=フェラーリの作品集。ヴァイオリンソナタ、ピアノ三重奏曲集、ピアノ曲集など好評を博しています。
カンタービレ的な旋律はブラームスを、繊細な和声はフーゴ・ヴォルフを思わせる作風ですが、ヴォルフ=フェラーリ特有の甘美な音色は、装飾的マンネリズムや感傷主義に陥ることはありません。素晴らしきドイツ系イタリア人作曲家です。収録されたピアノ五重奏曲は、初期の室内楽作品の中で最も、「普遍的な美」を具現化することに成功した作品です。チェロソナタとヴァイオリンとチェロのための二重奏曲は、ロマン派の特徴も垣間見れますが、より洗練されており、特に二重奏曲の活発な旋律には特徴が表れています。穏やかな輝きを放ち、ノスタルジックな表現力を引き出し、緩徐楽章には文字通りブラームスの響きが盛り込まれた作品です。
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