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BRILLIANT 新譜
その16



「その15」はこちら



(2024年3月 新譜).


95503
(10CD)
\5500
.
今後これ以上のボックスはおそらく出ないであろう
間違いなくサイコパス。音楽史上最低最悪の男の一人。
 ヤン・ラディスラフ・デュセック(ドゥセク、ドゥシェク)
  ピアノ・ソナタ&ソナチネ全集



CD1


ソナタ イ長調 Op.10-1 Craw 60 (1789)
 1. I. アレグロ・モデラート 9:13
 2. II. アダージョ・カンタービレ 4:07
 3. III. ロンド アレグロ・アッサイ 3:12

ソナタ ト短調 Op.10-2 Craw 61 (1789)
 4. I. アレグロ・モデラート 5:20
 5. II. ヴィヴァーチェ・コン・スピーリト 7:13

ソナタ ホ長調 Op.10-3 Craw 62 (1789)
 6. I. アレグロ・マエストーゾ・エ・モデラート 10:36
 7. II. プレスト・コン・フオーコ 7:00

ソナタ ニ長調 Op.31-2 Craw 133 (1795) 「田園」
 8. I. アレグロ・ノン・タント 5:33
 9. II. アダージョ・コン・エスプレッション 3:52
 10. III. パストラーレ アレグロ・ノン・トロッポ 4:47

バルト・ファン・オールト(フォルテピアノ)
使用楽器:ロングマン・クレメンティ(1798-1799年頃)のオリジナル/クリス・マーネ修復(2002年)

録音:2017年8月19日~20日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール



CD2


ソナタ ニ長調 Op.25-2 Craw 127(1795)「ラ・マチネ」
 1. I. アダージョ・マエストーゾ~プレスト 6:04
 2. II. ラルゲット 2:39
 3. III. ロンド:アレグレメンテ 3:29

ソナタ ト短調 Op.39-1 Craw 166 (1799)
 4. I. アレグロ 7:32
 5. II. アンダンティーノ・マ・モデラート・エ・コン・エスプレッシオーネ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ 5:53

ソナタ ハ長調 Op.39-2 Craw 167 (1799)
 6. I. アレグロ・モデラート 7:39
 7. II. アンダンテ・クワジ・ラルゲット 2:27
 8. III. ロンド:アレグレット 3:54

ソナタ 変ロ長調 Op.39-3 Craw 168 (1799) 「チロル人」
 9. I. アレグロ・コン・スピーリト 7:37
 10. II. ロンド:アンダンテ・ソステヌート・カンタービレ 7:16

ピート・クイケン(フォルテピアノ)

使用楽器:ロングマン・クレメンティ(1798年)のオリジナル

録音:2017年5月27~28日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール



CD3


ソナタ 変ホ長調 Op.44 Craw 178 (1800) 「告別」
 1. I. イントロドゥツィオーネ グラーヴェ~アレグロ・モデラート 11:00
 2. II. モルト・アダージョ・エ・ソステヌート 7:37
 3. III. テンポ・ディ・メヌエット・ピウットスト・アレグロ 3:42
 4. IV. ロンド:アレグロ・モデラート・エスプレッシーヴォ 7:30

ソナタ ヘ短調 Op.77 Craw 259 (1812) 「祈願」
 5. I. アレグロ・モデラート、マ・エネルジーコ 12:30
 6. II. テンポ・ディ・メヌエット:コン・モート 4:37
 7. III. アダージョ・ノン・トロッポ、マ・ソレンヌ 6:01
 8. IV. ロンド:アレグロ・モデラート 9:25

アレクセイ・リュビモフ(フォルテピアノ)

使用楽器:ロングマン・クレメンティ(1798~1799年頃)のオリジナル/クリス・マーネ修復(2002年)

録音:2017年5月13~15日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール




CD4

ソナタ 変イ長調 Op.5-3 Craw 43 (パリ 1788)
 1. I. アレグロ 12:07
 2. II. ロンド アレグロ・ノン・タント、コン・スピリトーソ 3:14

ソナタ 変ロ長調 Op.24 Craw 96(ロンドン 1793年)
 3. I. アレグロ・コン・スピーリト 5:56
 4. II. ロンド パストラーレ、アレグレット・モデラート・コン・エスプレッシオーネ 5:53

ソナタ イ長調 Op.43 Craw 177 (ハンブルク 1800)
 5. I.アレグロ・モデラート・コン・エスプレッシオーネ 11:52
 6. II. ロンド アレグロ 4:45

ソナタ 嬰ヘ短調 Op.61 Craw 211 (1806-07)「ルイ・フェルディナンの死を悼むエレジー・アルモニーク」
 7. I. レント・パテーティコ - II. テンポ・アジタート・ノン・プレスト 11:10
 8. III. テンポ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・フオーコ・クワジ・プレスト 6:21

トゥイヤ・ハッキラ(フォルテピアノ)
使用楽器
Craw 43、Craw 177:製作者不明のウィーン式5オクターヴ・フォルテピアノ(1795-1800年頃)のオリジナル/エトウィン・ブーンク修復(2005年)
Craw 96、Craw 211:ロングマン・クレメンティ(1799年)のレプリカ/クリス・マーネ製作(2003年)

録音:2017年4月15~17日、フィンランド、カウニアイネン、新パヴィリオン、コンサートホール



CD5 


ソナタ イ短調 Op.18-2 Craw 80(1792年頃)
 1. I. アジタート・アッサイ 6:41
 2. II. ロンド:アレグレット・モデラート 5:11

ソナタ 変ロ長調 Op.45-1 Craw 179 (1800)
 3. I. アレグロ・カンタービレ 9:32
 4. II. アダージョ・パテティコ 5:13
 5. III. ロンド・スケルツォ:アレグロ・ダ・バッロ 5:29

ソナタ ト長調 Op.45-2 Craw 180 (1800)
 6. I. ラルゲット・ソステヌート~アレグロ・ディ・モルト 9:07
 7. II. ロンド:アンダンティーノ・コン・モート 5:56

ソナタ ニ長調 Op.45-3 Craw 181 (1800)
 8. I. アレグロ・モデラート 9:05
 9. II. ラルゲット・コン・モート 3:24
 10. III. ロンド:アレグロ・モデラート・アッサイ 5:06

ヴォルフガング・ブルナー(フォルテピアノ)
使用楽器
Craw 80、Craw 180:ミヒャエル・ローゼンベルガー(1810年頃)のレプリカ/ロバート・ブラウン製作(2009年)
Craw 179、Craw 181:ジョン・ブロードウッド&サン(1804年、ロンドン)のオリジナル

録音:2018年3月、オーストリア、シュティフト・シュレーグル、ロココ・サマー・パヴィリオン



CD6


ソナタ Op.9-1 変ロ長調 Craw 57
 1. I. アレグロ・ノン・タント 8:32
 2. II. ロンド~アレグレット・グラツィオーゾ 4:19

ソナタ Op.9-2 ハ長調 (1786年以前)
 3. I. アレグロ・コン・スピーリト 8:52
 4. II. ラルゲット・コン・エスプレッシオーネ 4:14
 5. III. プレスト・アッサイ 6:30

ソナタ Op.9-3 ニ長調
 6. I. アレグロ・マエストーゾ・コン・エスプレッシオーネ 8:37
 7. II. プレスティッシモ 6:30

ソナタ Op.75-3 変ホ長調 (1812年以前)「グランド・ソナタ」
 8. I. アレグロ・マ・ノン・トロッポ 16:32
 9. II. アンダンテ・モデラート 7:02
 10. III. ロンド~アレグロ・モデラート・グラツィオーゾ 7:59


ヴィヴィアナ・ソフロニツキー(フォルテピアノ)

使用楽器:アントン・ワルター(1792年)のレプリカ/ポール・マクナルティ製作

録音:2017年、プラハ

________________________________________


CD7


ソナタ ニ長調 Op.47-1(1802?)
 1. I. アレグロ・コン・スピーリト 6:00
 2. II. アダージョ・ソステヌート・エスプレッシーヴォ 2:36
 3. III. 軍隊風ロンド: アレグレット・モデラート 3:56

ソナタ ト長調 Op.47-2(1802?)
 4. I. アレグロ・マ・モデラート・エスプレッシーヴォ 7:17
 5. II. ロンド・コン・エスプレッシーヴォ:アンダンティーノ・コン・モート 4:45

ソナタ 変イ長調 Op.64 Craw 221 (1807) 「パリへの帰還」
 6. I. アレグロ・ノン・トロッポ・エスプレッシーヴォ 14:30
 7. II. モルト・アダージョ, コン・アニマ・エド・エスプレッシオーネ 8:20
 8. III. テンポ・ディ・メヌエット、スケルツォ:クワジ・アレグロ 3:51
 9. IV. フィナーレ:スケルツォ、アレグロ・コン・スピーリト 8:22

ツヴィ・メニケル(フォルテピアノ)
使用楽器:クレメンティ(1797年)のオリジナル/クリス・マーネ修復

録音:2019年10月7~8日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール



CD8


ソナタ ハ長調 Op.14-1 Craw 71 ロシアの歌付き (1791)
 1. I. アレグロ 6:05
 2. II. アンダンテ・ポコ・ラルゲット 2:41
 3. III. ロシアの歌. ロンド:アレグレット・ノン・トロッポ (1790) 2:56

ソナタ ト長調 Op.14-2 Craw 72 (1791)
 4. I. ラルゲット・コン・エスプレッシオーネ 8:08
 5. II. モルト・アレグロ 6:25

ソナタ ヘ長調 Op.14-3 Craw 73 (1791)
 6. I. アレグロ 10:20
 7. II. ロンド:アレグレット 4:58

クラヴサンまたはフォルテピアノのためのソナタ ト長調 WoO, Craw 40 (1788)
 8. I. ラルゲット・コル・エスプレッシオーネ 5:36
 9. II. アレグロ 9:05


バルト・ファン・オールト(フォルテピアノ/Craw 71、Craw 40 )
ペトラ・ショムライ(フォルテピアノ/Craw 72、Craw 73)

使用楽器:ワルターのレプリカ/クリス・マーネ製作(2010年)

録音:2020年6月16、29、30日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会


CD9


ソナタ 変ロ長調 Op.35-1 Craw 149
 1. アレグロ・モデラート・エ・マエストーソ 15:10
 2. フィナーレ.アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・スピーリト 8:20

ソナタ ト長調 Op.35-2 Craw 150
 3. アレグロ 10:56
 4. ロンド:モルト・アレグロ・コン・エスプレッション 6:43

ソナタ ハ短調 Op.35-3 Craw 151 「悲愴」
 5. アレグロ・アジタート・アッサイ 10:38
 6. アダージョ・パテーティコ・エド・エスプレッシオーネ 7:40
 7. インテルメッツォ 0:33
 8. フィナーレ モルト・アレグロ 4:25

ソナタ ニ長調 Op.69-3 Craw 242 「狩り」
 9. アレグロ・マエストーソ・エ・ブリランテ 9:09
 10. ラルゲット・エスプレッシーヴォ 3:35
 11. フィナーレ シャッセ、アレグロ・スケルツォ 7:08

ペトラ・ショムライ(フォルテピアノ)

使用楽器
 Craw 149~151:ロングマン・クレメンティ(1798~1799年)のオリジナル/修復(2002年)
 Craw 242:アントン・ワルター・ウント・ゾーン (1800年頃)のレプリカ/クリス・マーネ製作(2012年)

録音:2020年6月30日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会(Op.69-3)、2022年12月9~11日、ベルギー、ライセレーデ、アトリエ・マーネ・コンサートホール(Op.35



CD10


12の進歩的レッスン(ソナチネ) Op.32 (1794)
 1. アレグロ・ノン・トロッポ ハ長調 Craw 106 2:23
 2. アンダンテ・ソステヌート ヘ長調 Craw 107 2:17
 3. トルコ風ロンド ヘ長調 Craw 108 2:50
 4. モルト・アレグロ ヘ長調 Craw 109 2:55
 5. ロシア皇后のお気に入り Craw 110 2:45
 6. ポーランド風 ヘ長調 Craw 111 4:02
 7. アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調 Craw 112 5:10
 8. 真夜中に、イギリスの歌による変奏曲 ト長調 Craw 113 4:53
 9. 樫の棒、ロンド風にアレンジしたスコッチ・リール舞曲 変ロ長調 Craw 114 3:34
 10. コン・スピーリト ト長調 Craw 115 5:10
 11. ロマネッラ ト短調 Craw 116 4:24
 12. ラ・レトレータ、ロンド風にアレンジしたスペイン風の速歩行進曲 ト短調 Craw 117 5:20
 
ピアノ・フォルテのための6つのソナチネ Op.20 (1793)
 13. ソナチネ第1番 ト長調 Craw 88 3:58
 14. ソナチネ第2番 ハ長調 Craw 89 5:02
 15. ソナチネ第3番 ヘ長調 Craw 90 7:10
 16. ソナチネ第4番 イ長調 Craw 91 5:14
 17. ソナチネ第5番 ハ長調 Craw 92 4:08
 18. ソナチネ第6番 変ホ長調 Craw 93 5:33


ウルズラ・デュチュラー(フォルテピアノ)

使用楽器:ヴェンツェル・シャンツ(1800年頃)のレプリカ/トーマス・アンド・バーバラ・ウォルフ製作(1983年)




録音:2019年11月21~23日、オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会


 フォルテピアノによる偉業! CD9は新登場音源


 これまで高い評価を得てきた9枚のCDと、今回新たに登場する1枚のCDを合わせて10枚組にまとめたセット。ボックスの絵は、ドゥセクと親しかったプロイセン王子ルイ・フェルディナントの肖像画です。
 ブックレット(英文)は24ページあり、演奏者自身による曲目解説と、ドイツのフォルテピアノ奏者、オルガ・ヴィットハウアーによる作曲家解説が掲載されています。

 9人のスペシャリストを起用

 バルト・ファン・オールト、ピート・クイケン、アレクセイ・ルビモフ、トゥイヤ・ハッキラ、ヴォルフガング・ブルナー、ヴィヴィアナ・ソフロニツキー、ツヴィ・メニケル、ペトラ・ショムライ、ウルズラ・デュチュラーの9人を起用。全員、フォルテピアノの演奏経験と学識が豊富なピアニストです。

 11台のフォルテピアノを使用

 ドゥセクはジョン・ブロードウッドに対して改良のリクエストをおこなうほどの楽器通で、しかもイギリスとドイツ、フランスを中心に活躍していました。このプロジェクトでは、フォルテピアノの2大潮流である「イギリス式」と、大陸の「ウィーン式」による両方の楽器、計11台を手配しています。

【イギリス式】
 ● ジョン・ブロードウッド&サン(1804年、ロンドン)のオリジナル
 ● ロングマン・クレメンティ(1798-1799年頃)のオリジナル
 ● ロングマン・クレメンティ(1798年)のオリジナル
 ● ロングマン・クレメンティ(1799年)のレプリカ
 ● クレメンティ(1797年)のオリジナル

【ウィーン式】
 ● アントン・ワルター(1792年)のレプリカ
 ● アントン・ワルター・ウント・ゾーン (1800年頃)のレプリカ
 ● ワルターのレプリカ
 ● ミヒャエル・ローゼンベルガー(1810年頃)のレプリカ
 ● ヴェンツェル・シャンツ(1800年頃)のレプリカ
 ● 製作者不明のウィーン式フォルテピアノ(1795-1800年頃)のオリジナル



間違いなくサイコパス。音楽史上最低最悪の男の一人。
ヤン・ラディスラフ・デュセック
マリー・アントワネットの首がはねられる・・・ピアノ・ソナタ 「パリへの帰還」



 ヤン・ラディスラフ・デュセック(ドゥセク、ドゥシェク)(1760年 - 1812年)は、イギリス・ピアノ楽派の基礎を築いたボヘミア人作曲家・ピアニスト。(モーツァルトと懇意だったフランツ・クサヴァー・ドゥーシェクとは別人。)

 ボヘミアからドイツへ、さらにサンクトペテルブルクに行き、その地でエカチェリーナ2世の家臣となった。
 女帝エカチェリーナは美青年を深く愛する人だったので、美男子だったドゥシークがそこでどういう寵愛を受けたかはご想像にお任せする。
 彼はあまりに美男子だったために、「淑女たちが彼の美しい横顔を愛でることができるように(シュポア)」、舞台上にピアノを横向きに置いた最初のピアニストだったという。

 ペテルブルクを去ると今度はフランスに行ってマリー・アントワネットの寵臣となるが、フランス革命が勃発すると、ロンドンに向かう。
 そこでハープ奏者で作曲家のジャン=バティスト・クルムフォルツの妻と駆け落ち。このためハープの大家は自らセーヌ川に身を投げた。

 ロンドンでは演奏家として大成功、ハイドンも大絶賛。楽譜出版社コッリに協力して会社を興す。そこではあっさりクルムフォルツ夫人を捨てて、コッリの娘と結婚。しかしその会社が破産すると、ドゥシークは家族を捨ててイングランドからドイツに逃れた(残されたコッリは牢屋に入れられた)。
 その後パリに戻るとフランスの外務大臣タレーランに召し抱えられる。
 かつてはマリー・アントワネットに仕えていたドゥシークだが、そこで書いた「ピアノ・ソナタ〈パリへの帰還〉」は、最終楽章でギロチンが彼女の首を落とし、さらにその後彼女の亡霊が戻ってくるというホラー・ソナタ(軽やかな、なんてことのない曲ですが)。

 余生をフランスとプロイセンで過ごし、演奏・教育・作曲活動に費やしたドゥシーク、晩年は容姿が崩れて醜く太り、酒びたりの日々を重ねるようになった。

 まあ、音楽史上最低最悪の男の一人。間違いなくサイコパス。


 







そうそうたる演奏陣



バルト・ファン・オールト(CD1、CD8)

 1959年、ユトレヒトに誕生。ハーグ王立音楽院で1983年にモダン・ピアノの学位を取得した後、同音楽院でスタンリー・ホーホラントにフォルテピアノを学んでいます。1986年、ベルギーの ブルージュで開催されたモーツァルト・フォルテピアノ・コンクールで第1位と聴衆賞を受賞。その後、コーネル大学でマルコム・ビルソンに師事し、1993年に歴史的演奏実践で音楽芸術博士号を取得。
 オールトはソロと室内楽で活動するほか、ハーグ王立音楽院、アムステルダム音楽院、アントワープ王立フランドル音楽院、オスロのノルウェー音楽アカデミーで歴史的演奏実践の講師を務めてもいます。
 オールトはレコーディングにも熱心に取り組んでおり、ソロのほか、自身が主催する室内楽団体「ファン・スヴィーテン・ソサエティ」も含めると80枚以上の録音を行っています。

ピート・クイケン(CD2)

 1972年、ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)に誕生。父はヴィーラント・クイケン、シギスヴァルトとバルトルト・クイケンは叔父。ヤン・フェルミューレン、ヤン・ミヒェルス、アンドレ・デ・フローテ、メナヘム・プレスラーに師事。ブリュッセル王立音楽院でピアノと室内楽の両方の高等ディプロマを取得し、BAEFフェローシップで学んだインディアナ大学で演奏家ディプロマを取得。
 ソロと室内楽の両方で、世界各地で活動しており、2002年にはブリュッセル王立音楽院でピアノとフォルテピアノの教授に就任。アントワープ王立音楽院のフォルテピアノの客員教授も兼務するほか、ヘントのオルフェウス研究所で室内楽のセミナーを行ったり、パリのソルボンヌ大学でフォルテピアノを教えたりしています。
 CDは、Brilliant Classics、Arcana、Fuga Libera、Hanssler Classic、Passacailleなどから発売。

アレクセイ・リュビモフ(CD3)

 1944年、モスクワに誕生。1952年から1963年にかけてモスクワ音楽院付属中央音楽学校でアルボレフスカヤに師事、1963年からはモスクワ音楽院でネイガウスとナウモフに師事して1968年に卒業。モスクワ音楽院時代からバロック音楽、古楽器での演奏、現代音楽について研究。
 在学中から現代音楽から古楽に至るソロと室内楽の両方で活動し、ロシア最古の古楽アンサンブル「マドリガル」への参加を経て、タチアナ・グリンデンコと共に古楽アンサンブルも結成していました。
 CDは、Brilliant Classics、ECM、Melodiya、Erato、Art & Electronics、BIS、SONY Classical、RCD、FINLANDIA、Teldec、Megadisc、Zig Zag Territoires、SoLyd Records、Passacaille、Alpha Productions、Moscow Conservatory、Steingraeber & Sohne、Glossa、Naxos、Fuga Libera、CBCなどから発売。

トゥイヤ・ハッキラ(CD4)

 1959年、フィンランドのハメーンリンナに誕生。シベリウス・アカデミーとパリ音楽院で学んだのち、クロード・エルフェから20世紀音楽を、マルコム・ビルソンから古楽器演奏について教えを受け、以後、シベリウス・アカデミーでの教職を兼ねながら、バッハから現代音楽まで多岐にわたるレパートリーにより、ソロと室内楽の両方で、ヨーロッパ、南北アメリカ、日本、インドネシア、アフリカなど世界各地で活動。
 CDは、Brilliant Classics、Finlandia、Fuga、Alba、Ondineなどから発売。

ヴォルフガング・ブルナー(CD5)

 1958年、ドイツのレーゲンスブルクに誕生。ミュンヘン音楽大学とザルツブルクのモーツァルテウム大学で学んでいます。ソロと室内楽により各地で活動する一方、モーツァルテウム大学で歴史的鍵盤楽器など、カールスルーエ音楽大学でフォルテピアノを教えながら、ソロと室内楽の両方で活動。
 1991年には古楽器アンサンブル「ザルツブルク・ホーフムジーク」を結成して指揮にも進出しています。
 CDは、Brilliant Classics、CPO、Felicita、Profil、Gramolaなどから発売。


ヴィヴィアナ・ソフロニツキー(CD6)

 1960年、モスクワに誕生。父はヴラジーミル・ヴラジーミロヴィチ・ソフロニツキー。モスクワ音楽院付属中央音楽学校とモスクワ音楽院で学び、大学院卒業後はリュビモフとタチアナ・グリンデンコの古楽アンサンブルにチェンバロ奏者、オルガン奏者として参加。同時にモスクワ、レニングラード、キエフ、ミンスク、スヴェルドロフスクなどでソリストとしてコンサートを開催。
 1989年に渡米してオバーリン音楽院で古楽を学び、1990年にカナダのトロントに移住して古楽器オーケストラ「ターフェルムジーク」のメンバーらと数多く共演し、アカデミー・コンサート・シリーズも創設し、ソロと室内楽の両方で活動。
 1999年にはドイツの「バッハ・ターゲ・ベルリン」コンクールで優勝し、同年、ベルギーの古楽コンクールでも優勝。
 2001年にはアメリカのフォルテピアノ製作者として有名なポール・マクナルティと結婚してチェコに移住。以後は、フォルテピアノと共に世界各地を移動して演奏するようになり、時には5台のフォルテピアノを弾き分けるコンサートもおこなって注目を集めてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Globe、Passacaille、Fundacja Pro Musica Camerata、Centaur Recordsなどから発売。



ツヴィ・メニケル(CD7)

 1964年、モスクワに誕生し、7歳でイスラエルに移住。15歳からモーツァルテウム大学で学び、さらにコーネル大学でマルコム・ビルソンの指導を受けて2001年に博士課程を修了。
 数々のコンクールでの入賞を経て、ソロと室内楽の両方で活動しながら、アメリカのデューク大学でチェンバロなどを教えたほか、ライプツィヒのメンデルスゾーン音楽院、ハノーファー音楽院の教授職に就き、現在はチェンバロ、フォルテピアノを指導しています。
 CDは、Brilliant Classics、Claves、Raumklang、RN Classics、MD+G、Passacaille、Arcantusなどから発売。

ペトラ・ショムライ(CD8、CD9)

 1981年、ハンガリーに誕生。ベーラ・バルトーク音楽院で指揮とピアノ演奏を学び、2007年にフランツ・リスト音楽院でピアノの学位を取得。その後、フォルテピアノとチェンバロを、デヴィッド・ウォード(王立音楽大学)や、メンノ・ファン・デルフト(アムステルダムのスウェーリンク音楽院)、ファビオ・ボニッツォーニ、バルト・ファン・オールト(ハーグ王立音楽院)に師事。2010年、ブルージュ国際フォルテピアノコンクールで第1位と聴衆賞を受賞し、以後、ソリスト、室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどで活動。現在はハーグ王立音楽院でフォルテピアノの教授を務めてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Centaur Recordsなどから発売。


ウルズラ・デュチュラー(CD10)

 1962年、スイスのトゥーン湖畔に誕生。現在はオランダ在住のチェンバロ奏者兼フォルテピア奏者。ベルン音楽院でイェルク・エーヴァルト・デーラーに、ザルツブルクのモーツァルテウムでケネス・ギルバートに、コーネル大学でマルコム・ビルソンに師事。1989年にパリの国際チェンバロ・コンクールで入賞したほか、1991年にボストンのアーウィン・ボドキー国際コンクールのハンマーフリューゲル部門で優勝。以後、ソリスト、室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどで活動。
 CDは、Brilliant Classics、Claves、Aliud、Camerata Tokyo、Musica Omnia、Montaigneなどから発売。


 
96709
\1700
モンポウのピアノ曲をギタリストのマルコ・ラメッリが
 ギター用にアレンジしたアルバム

  ミステリオス~
   フェデリコ・モンポウ:ギター編曲集 vol.1



フェデリコ・モンポウ [1893-1987]
「ミステリオス」
 ギターのためのトランスクリプション 第1巻
  ジェイムズ・ベネトー編曲、マルコ・ラメッリ改訂

「歌と踊り」より(原曲:ピアノ曲)
 1. 第1曲 2:46
 2. 第2曲 2:48
 3. 第9曲~歌 2:23
 4. 第4曲 4:37
 5. 第5曲 4:39

「魔法の歌」より(原曲:ピアノ曲)
 6. 第4曲「ミステリオス」2:43

前奏曲集より(原曲:ピアノ曲)
 7. 第5番 2:38
 8. 第6番 3:58
 9. 第8番 2:20
 10. 第2番 5:13

「内なる印象」より(原曲:ピアノ曲)
 11. 第1番第1曲「哀歌」 0:57
 12. 第1番第2曲「哀歌」I 2:07
 13. 第1番第3曲「哀歌」 0:38
 14. 第2番「悲しい鳥」 2:57
 15. 第3番「小舟」 1:47
 16. 第4番「ゆりかご(子守歌)」 3:01
 17. 第5番「秘めごと」 2:03

未出版作品より(原曲:ピアノ曲)
 18. 「思い」 2:53
 19. 「山道」 1:06
 20. 「環境」 1:25
 21. 「庭の道」 0:49

2つの小さな前奏曲(原曲:ピアノ曲)
 22. 「礼拝堂の祈り」 1:30
 23. 「幻想」 1:38

24. 牧歌(原曲:ピアノ曲) 1:28
25. 前奏曲(原曲:ピアノ曲) 1:50

「マルグリット・ロン、ピアノのための小さなメソッド」より(原曲:ピアノ曲)
 26. 「足の先から」 0:57
ルコ・ラメッリ(ギター)
 使用楽器:ガブリエレ・ローディ「ラ・マッキアータ」

 録音:2022年7月13~14日、イタリア、ゴルラ・ミノーレ、コッレジオ・ロトンディ



 ピアノ曲を巧みにギターに編曲

 モンポウのピアノ曲をギタリストのマルコ・ラメッリがギター用にアレンジしたアルバム。モンポウはフランス南部と国境を接するカタルーニャに生まれ育ち、パリ暮らしも20年以上というフランス好き。父親はカタルーニャ人の弁護士、母親はフランス南部タルブの鐘職人の家に生まれたフランス人です。モンポウは幼い頃からピアノを学び、9歳の時にはフォーレのバルセロナ公演を聴いて感動し、プロのピニストを目指します。しかし内気過ぎる性格から演奏家の道を断念して作曲に専念することになり、結果的にそれで成功しています。ブックレット表紙はモンポウが書いた鳥の絵です。兄ジョゼップは洗練されたフォーヴィズム系の画家でしたが、プリミティヴィストと称する弟フェデリコの絵は、音楽と同じくシンプルで独特の味わいがあります。




マルコ・ラメッリ(ギター)

 1984年、ミラノに誕生。ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を卒業後、ルカ・マレンツィオ音楽院の大学院を卒業。続いてスコットランド王立音楽院で演奏学修士号を取得し、ビコッカ大学で室内楽の修士号とコンピューターサイエンスの学位も取得。さらにイギリスのセント・アンドリュース大学で博士号を取得しています。
 その間、イタリア、スペイン、イギリス、フランス、セルビアの国際コンクールでの優勝、入賞を果たし、作曲家としても権威ある「世界ギター作曲コンクール」で「Im Nebel(霧の中で)」が受賞しています。
 新たなレパートリーの開拓にも熱心で、ソロおよび室内楽のために50以上の作品を現代の作曲家たちに委嘱して初演してもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Nimbus、Da Vinci、Naxosなどから発売。

 

96772
(2CD)
\1900
オーストリア国歌を予見したチェンバロ曲集
 フーケ:クラヴサン小品集


ピエール=クロード・フーケ [1694-1772]

CD1
「平和の諸相」 Op.1 (c.1752)
 1. 名声 - ロンドーの行進曲 - 行進曲のドゥーブル(変奏曲) 3:22
 2. ファンファーレ 2:06
 3. 砲撃 5:16
 4. 恵み - 第1のミュゼット - 第2のミュゼット、ロンドー 4:22
 5. 悦楽の神 - タンブーラン I & II、ロンドー 2:17
 6. 遊戯、ロンドー 2:38

クラヴサン小品集 第2巻 (c.1752)
 7. シテール島(キティラ島)の巡礼者の行進曲、ロンドー 3:42
 8. 娯楽 - パントマイム、ロンドー 3:18
 9. ラ・デストラード、ロンドー 2:32
 10. シテール島(キティラ島)の鐘 5:40
 11. ラ・ブリランテ 4:18
 12. シスター・アニエス、または修道会の修習生、ロンドー - ドゥーブル 6:02
 13. 苦労人、ロンドー 6:24
 14. アルマンド、プロイセンのフランシスコ会 4:26
 15. 思春期 2:28
 16. アンジェリーク、ロンドー 2:55
 17. ラ・ミミ、ロンドー - ドゥーブル 5:11
 18. ラ・セモンヴィル、ロンドー 3:50
 19. ラ・ランデッラ、ロンドー 6:40

CD2
クラヴサン小品集 第3巻 (c.1758)
 1. 鍛冶屋、ロンドー 12:01
 2. 牧神の音楽会、ロンドー 3:27
 3. アルマンド、オーギュスティーヌ 4:41
 4. 甘くてスパイシー、ロンドー 4:47
 5. ラ・ナネット、ロンドー I-II 6:26
 6. 灰色と黒の雄鶏、ロンドー - 灰色と黒の雄鶏、ドゥーブル 5:50
 7. タンブーラン、またはミュゼット・プロヴァンス 4:19
 8. アルマンド、不在または孤独 6:50
 9. ラ・フルーリー、ロンドー 5:24
 10. ラ・オルタンス 2:02
 11. 意地悪 2:32
 12. ラ・ミランダ 4:15
 13. 気まぐれなロンドー 4:47
 14. 愛しいテレーズ、ロンドー 2:56
 15. レタンセランテ 5:43
 16. メヌエット I-II-III、ロンドー 3:25
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)

使用楽器:
 ブランシェ・モデル(1754年)
  のレプリカ/C. カポーニ製作(1985年)

録音:2021年9月 イタリア、ノヴァーラ、ボルゴ・ティチー

 オーストリア国歌を予見したチェンバロ曲集。砲撃音も迫力!

 「バラが咲いた」に似たメロディーで開始される「平和の諸相」は、3曲目が「砲撃」で驚かされますが、平和がテーマの曲集なので祝砲でしょうか。
 また、クラヴサン小品集第2巻の第1曲(トラック7)は、40年後にハイドンが作曲する「オーストリア国歌(現ドイツ国歌)」に似ていたりします。
 ルイ15世の混乱・戦乱の時代にパリで活躍したピエール=クロード・フーケ[1694-1772]は、パリで有名だった音楽家の家系の出身で、18歳でサントノレ教会のオルガニストに任命された後、サントゥスタシュ教会、サン・ヴィクトル王立修道院(のちのフランス革命で破壊)、王立礼拝堂、ノートルダム大聖堂など、パリの重要な教会のオルガン奏者を歴任。
 演奏は知られざる作品の紹介に熱心に取り組むイタリアのチェンバロ奏者、フェルナンド・デ・ルーカ。ルイ王朝時代の音楽ということで、ブランシェ・モデルを使用し、典雅で美しいサウンドを聴かせます。



フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)


1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
 その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。
 CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。
 

96853
\1700
パリ音楽院黎明期を支えた作曲家
 デュベルノワ兄弟によるクラリネット音楽


シャルル・デュヴェルノワ [1763-1845]
クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための四重奏曲第1番
 1. I. アレグロ・ヴィヴァーチェ 9:17
 2. II. レント 2:03
 3. III. ヴァルツァー 5:49

シャルル・デュヴェルノワ [1763-1845]
クラリネットとピアノのための主題と変奏
 4. 第2番 12:06
 5. 第1番 11:22
 6. 第3番 8:55

シャルル・デュヴェルノワ [1763-1845]
2つのアリア(クラリネット、バセットホルンのための)
 7. タラレのアリア 3:29
 8. アレグレット 3:45

フレデリック=ニコラ・デュヴェルノワ [1765-1838]
クラリネット、バセットホルンとファゴットのための三重奏曲第1番
 9. I. アレグロ 6:11
 10. II. アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ 6:39


ルイージ・マジストレッリ(クラリネット)、(バセットホルン/三重奏曲)

イタリアン・クラシカル・コンソート
 クラウディア・ブラッコ(ピアノ)
 ラウラ・マジストレッリ(クラリネット/三重奏曲)
 ダニロ・ザッファローニ(ファゴット)
 ステファノ・フリーニ(バセットホルン)
 ジャコモ・オルランディ(ヴァイオリン)
 ジャンマリア・ベッリサリオ(ヴィオラ)
 グラツィアーノ・ベルッフィ(チェロ)


 録音:2022年8&9月、ミラノ州サント・ステファノ・ティチーノ、ヴィッラ・ボッロメオ(四重奏曲、アリア、三重奏曲)、ロンバルディア州チェザーノ・マデルノ、サラ・アウローラ(主題と変奏)


 パリ音楽院黎明期を支えた作曲家兄弟によるクラリネット音楽

 ストラスブールの軍楽隊で演奏していたクラリネット奏者兼作曲家のシャルル・デュヴェルノワ[1763-1845] は、フランス革命勃発後の1790年にパリに移り住み、ベルナール・サレットが1789年に結成し、メンバーを78名まで増員していた国民衛兵軍楽隊に参加して腕を磨きます。その後、ヴィオッティがフェドー劇場を建設し、チュイルリー宮など王室でオペラを上演していた一座「テアトル・ド・ムッシュー」が同劇場で演奏するようになると、楽団の首席クラリネット奏者として雇われ1824年まで在職。その間、1800年から1802年までと1808年から1816年までの計10年間はパリ音楽院の教授も務めています。一方、弟のホルン奏者兼作曲家、フレデリック=ニコラ・デュベルノワは、1788年にパリに移り住んでイタリア喜劇座の楽団でホルン奏者となり、1790年には兄と同じ国民衛兵軍楽隊に参加。
 1795年には開校したばかりのパリ音楽院の教授に就任しますが、1797年にはオペラ座の楽団でも働くようになり1799年に首席ホルン奏者に任命。このアルバムでは、兄シャルルのクラリネット四重奏曲、クラリネット変奏曲、クラリネット・アリアと、弟フレデリックによるクラリネット三重奏曲を収録。どの作品もクラリネットの魅力が素直に示されたもので、現代フランスの管楽器の隆盛にも繋がるパリ音楽院の管楽器の強力な伝統が、多くの優れた軍楽音楽家たちによって築き上げられたものであることを十分に窺わせる内容です。
 演奏は、クラリネット・レパートリーの紹介に大きな実績を持つイタリアのルイージ・マジストレッリとイタリアン・クラシカル・コンソートによるものです。



ルイージ・マジストレッリ(クラリネット)


1961年、ミラノ近郊のサン・ステファノ・ティチーノに誕生。ミラノ音楽院で学んだのち、ディーター・クレッカー、カール・ライスター、ジュゼッペ ガルバリーノのマスタークラスを受講。
 ジェノヴァとストレーザなどのコンクールで入賞後、イタリア、スイス、マルタ、オーストリア、ベルギー、ユーゴスラヴィア、チェコ、フランス、スペイン、ラトヴィア、リトアニア、ポルトガル、ルーマニア、アフリカ、インド、ドイツ、フィンランド、イスラエル、カナダ、メキシコ、アメリカ、韓国、ロシア、中国、日本など世界各地で活動。国際クラリネット協会のイタリア支部代表を20年以上務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Bayer、Talent、Camerata Tokyo、Gallo、Urania、Centaur Records、Da Vinciなどから発売。


イタリアン・クラシカル・コンソート


ミラノやイタリアの他の都市のオーケストラやアンサンブルのメンバーが所属しています。彼らはソロ奏者としても活動しており、音楽院で教授を務める人もいます。
 CDは、Brilliant Classics、Bayer、Gallo、Centaur Records、Da Vinciなどから発売。

 

96861
\1700
クララ・シューマン、レベッカ・クラーク:
 ピアノ三重奏曲集



クララ・シューマン [1819-1896]
ピアノ三重奏曲 Op.17 ト短調 (1846)
 1. I. アレグロ・モデラート 11:18
 2. II. スケルツォ テンポ・ディ・メヌエット~トリオ 5:10
 3. III. アンダンテ 5:15
 4. IV. アレグレット 8:01

レベッカ・クラーク [1886-1979]
ピアノ三重奏曲 (1921)
 5. I. モデラート・マ・アパッショナート 9:54
 6. II. アンダンテ・モルト・センプリーチェ 6:51
 7. III. アレグロ・ヴィゴローゾ 8:44

トリオ・リガモンティ
 マリエッラ・リガモンティ(ヴァイオリン)
 エマヌエーレ・リガモンティ(チェロ)
 ミリアム・リガモンティ(ピアノ)

録音:2023年7月11~13日、ミラノ、グリッファ録音スタジオ

 女性作曲家による力作を姉弟トリオの演奏で

 クララ・シューマン[1819-1896]が26歳の時に作曲したピアノ三重奏曲ト短調と、イギリスのレベッカ・クラーク[1886-1979]が35歳の時にアメリカで作曲したピアノ三重奏曲を収録。クララ・シューマンのピアノ三重奏曲は、初期ロマン派的な親しみやすい音楽とネームヴァリューのおかげですでにレコーディングも多数の人気作。一方、20世紀作曲家のレベッカ・クラークは、旋律美と伝統的な様式、手が込んだ書法が結び付いており、音数の多さがもたらす多様で重層的な展開と独特の情感表現による雰囲気醸成が印象的な力作となっています。
 演奏はイタリアのトリオ・リガモンティによるもので、特にレベッカ・クラーク作品での陰影に富む表現が素晴らしい聴きものとなっています。





トリオ・リガモンティ


コーモのG.ヴェルディ音楽院で学んだリガモンティ3姉弟により2012年に結成されたピアノ・トリオ。ピアノのミリアムが1992年生まれ、ヴァイオリンのマリエッラが1994年生まれ、チェロのエマヌエーレが1997年生まれ。
 2015年にウィーンのヴィルトゥオーゾ国際音楽コンクールで入賞したのを皮切りに、いくつもの国際コンクールで入賞し、2021年にボルツァーノで開催されたカルロ・マリア・ジュリーニ国際室内楽コンクールで優勝、2022年にはリエージュのウジェーヌ・イザイ国際音楽コンクールで第2位(第1位なし)を獲得しています。
 これまでにイタリア、クロアチア、スイス、オーストリア、ドイツ、フランス、ベルギー、スペイン、デンマークなどで演奏。


 

96880
(2CD)
\1900
モンテヴェルディ:ミサ曲集と詩篇歌集

クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643]
ミサ曲集と詩篇歌集

CD1
「4声のためのミサ曲」
 1. キリエ 4'19
 2. グローリア 4'27
 3. クレード 5'35
 4. サンクトゥス 2'28
 5. ベネディクトゥス 1'24
 6. アニュス・デイ 4'46

7. 「主は言われた」I 7'39
8. 「われ主に感謝せん」I 7'28
9. 「主が家を建てられるのでなければ」I 6'46
10. 「主のしもべたちよ、ほめたたえよ」 5'02
11. 「われ喜びに満てり」I 6'24
12. 「エルサレムよ、ほめたたえよ」I 6'31
13. 「幸いな人よ」 7'17

フランチェスコ・カヴァッリ[1602-1676]
 14. マニフィカト 9'10

CD2
「ゴンベールのモテット『その時イエスは』による6声のミサ曲」
 1. キリエ 3'53
 2. グローリア 5'17
 3. クレード 9'55
 4. サンクトゥス 2'15
 5. ベネディクトゥス 1'34
 6. アニュス・デイ I 3'04
 7. アニュス・デイ II 2'09

8. 「主は言われた」II 5'20
9. 「われ主に感謝せん」II 7'38
10. 「主が家を建てられるのでなければ」II 7'54
11. 「主のしもべたちよ、ほめたたえよ」 3'07
12. 「われ喜びに満てり」II 7'12
13. 「聖母のための連祷」 8'02
14. 「エルサレムよ、ほめたたえよ」II 5'49
レ・ヌオーヴェ・ムジケ(声楽・器楽)
クライン・クーツフェルト(指揮、オルガン&チェンバロ)

録音:2021年2月、2022年10月、2023年1月&6月、ホーフラント、聖マルティン教会<>
 全集からの分売

 モンテヴェルディの死後、懇意だった出版人、アレッサンドロ・ヴィンチェンティによってまとめられて刊行された「ミサ曲と詩篇歌集」が成功したため、ヴィンチェンティは翌年には、モンテヴェルディの遺品から未発表のマドリガーレを集めて「マドリガーレ曲集第9巻」を出版してもいます。
 CD1トラック1から6までは「4声のためのミサ曲」で、ほかは詩篇歌が14曲と、モンテヴェルディの弟子のカヴァッリのマニフィカト。どれも個性豊かです。
 CD2のトラック1から7までは、モンテヴェルディが「聖母マリアの夕べの祈り」と同時に出版したゴンベールのモテットによるパロディ・ミサ「『その時イエスは』による6声のミサ曲」が収められています。



レ・ヌオーヴェ・ムジケ(声楽&器楽アンサンブル)

2004年12月、クーツフェルトらにより、17世紀前半の声楽曲を最高レベルで演奏することを目的に設立。音楽的、政治的、宗教的に激動した時代の音楽を400年の時を経て蘇らせるだけでなく、現在との関連性を探ってもいます。


クライン・クーツフェルト(指揮、オルガン、チェンバロ)


ハーグ王立音楽院でオルガン、ピアノ、聖歌隊指揮、教会音楽を学んだのち、ニコラウス・アーノンクールやグスタフ・レオンハルトといった演奏家たちの指導も受けてキャリアの基礎を築いています。指揮者、教師として放浪の旅をした後、モンテヴェルディの音楽に魅了され「レ・ヌオーヴェ・ムジケ」を設立。
 通奏低音楽器として使用されているオルガンは、クーツフェルトの主導により2018年にクロップ・オルガン工房によって製作されたもので、資金は国立楽器基金によって賄われています。

 
97280
\1700
澄んだブローク歌曲集が示すバッハとショスタコーヴィチの相性
 救い~バッハ、ショスタコーヴィチ作品集

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
ソナタ ト短調 BWV1021
 1. I. アダージョ 4:14
 2. II. ヴィヴァーチェ 0:59
 3. III. ラルゴ 2:35
 4. IV. プレスト 1:27

カンタータ "Ich bin in mir vergnugt" BWV204
 5. I. Recit: "私は私の中にいる" 1:28

カンタータ "Ach Gott, wie manches Herzeleid" BWV58
 6. III. アリア: "私は私の中にいる" 4:06

前奏曲とフーガ ニ短調 BWV875 「平均律クラヴィーア曲集第2巻」より
 7. 前奏曲 1:33
 8. フーガ 1:43

カンタータ "Komm, du suse Todesstunde" BWV161
 9. II. レシット "世界よ、我が欲望は最後のもの" 1:57

カンタータ "Ein feste Burg ist unser Gott" BWV80
 10. IV. アリア: "Komm in mein Herzenshaus" 3:23

カンタータ "神よ、御名のごとく、御業のごとく" BWV171
 11. III. レシット "イエスの御名は" 1:03
 12. IV. アリア:"Jesus soll mein erstes Wort" 4:36

カンターテ "O holder Tag, erwunschte Zeit" BWV210
 13. V. レシット "それで人は、音楽がどのようなものであるかを理解するのか?" 1:34

カンタータ "神よ、すべての民を守り給え" BWV120a
 14. III. アリア「神よ、あなたの愛のために」 5:56


ドミトリー・ショスタコーヴィチ 1906-1975
 15. ピアノ三重奏曲 第1番 Op.8 ハ短調 「詩」 14:07

ピアノのための24の前奏曲とフーガ Op.87より 前奏曲とフーガ 第5番 ニ長調
 16. 前奏曲 1:33
 17. フーガ 1:42

A.ブロクの詩による歌曲 Op.127(ソプラノ、ヴァイオリン、チェロとピアノのための)
 18. I. オフィーリアの歌 2:34
 19. II. 予言の鳥ガマユーン 3:34
 20. III. 私たちは一緒にいた 2:51
 21. IV. 街は眠る 3:11
 22. V. 嵐 2:01
 23. VI. 秘密のサイン 4:41
 24. VII. 音楽 6:21


ドロテ・ミールツ(ソプラノ)

G.A.P.アンサンブル

エミリオ・ペルカン(ヴァイオリン)
 使用楽器(バッハ):バロック・ヴァイオリン:ガブリエル・ダヴィッド・ブッフシュテッター(1767年)
 使用楽器(ショスタコーヴィチ):ヴァイオリン:ガブリエル・ダヴィッド・ブッフシュテッター(1771年)


オリオル・アイマット・フステ(チェロ)
 使用楽器(バッハ):バロック・チェロ:マキシミアーノ・フォンティヴェロス(2011年)
 使用楽器(ショスタコーヴィチ):チェロ:ディートマー・レックスハウゼン(2008年)


ルカ・クインタヴァッレ チェンバロ、オルガン、ピアノ
 使用楽器(バッハ):チェンバロ Marc Ducornet, 2003 - オルガン: Henk Klop, 2012
 使用楽器(ショスタコーヴィチ):ピアノ: スタインウェイ&サンズ社製グランドピアノD型、2001年


 録音:2023年6月26~29日、スペイン、タラゴナ、ビラセカのAuditori Josep Carrerasにてエンリク・ジネによる

 このコンセプト アルバムは、2人の作曲家の世界を結び付けます。時代は何世紀も離れていますが、それでも強く密接につながります。ここで紹介される作品には、音楽の癒しとつながりの力である「救い」の概念が示されています。バッハのカンタータのアリア、通奏低音付きのバッハのヴァイオリン ソナタ、平均律クラヴィーア曲集の2つの前奏曲とフーガ、ショスタコーヴィチのピアノ曲とピアノ三重奏曲第1番、ブローク歌曲集が含まれています。
 バロックのスペシャリストとして有名なドロテー・ミールツは、ドイツ人とウクライナ人を両親に持つソプラノ歌手。ここではショスタコーヴィチ晩年のブローク歌曲集で、澄んだ美しい歌唱を聴かせています。




ドロテー・ミールツ(ソプラノ)


1971年、ドイツ人とウクライナ人を両親にゲルゼンキルヒェンに誕生。ブレーメン芸術大学で学んだのち、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント、シャンゼリゼ管弦楽団、オランダ・バッハ協会、フライブルク・バロックオーケストラ、シュトゥットガルト・バッハアカデミー、ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデン、ボストン古楽祭管弦楽団、イングリッシュ・コンサート、ラウテン・コンパニー・ベルリンなどと共演。  CDは、Brilliant Classics、Deutsche Harmonia Mundi、Carus、CPO、Accent、Ramee、SONY Classical、BR-Klassik、Coviello Classics、Naxos、Auditeなどから発売。



G.A.P.アンサンブル


 2011年創設。名前の「G.A.P.」は、彼らが2012年に世界初録音したヴァイオリン・ソナタの作曲家でヴァイオリン奏者のジョヴァンニ・アントニオ・ピアーニ[1678-1760]のイニシャルを示すもので、さまざまな形で存在する隔たり(ギャップ)を埋めたいという言葉遊びの要素もあります。
 ピア―ニはナポリの生まれで、26年間イタリア、16年間フランス、40年間オーストリアで活躍した汎ヨーロッパ的な人物。
 ウィーンの宮廷で40年間に渡り、音楽家として最高額の報酬を得ていたピアーニの恵まれた人生は、古楽と現代音楽によってイタリアで食べて行くのは難しいからドイツに拠点を移したと語るルカ・クインタヴァッレの心に刺さるものがあったのかもしれません。
 CDは、Brilliant Classics、Pan Classicsなどから発売。


ルカ・クインタヴァッレ(フォルテピアノ)


 チェンバロ奏者、フォルテピアノ奏者、指揮者として活躍するルカ・クインタヴァッレは、スイスに隣接した北イタリアのコモに1983年に誕生。
 コモ音楽院で、ジョヴァンニ・トーニ、ステファノ・モラルディ、パオロ・ベスキの指導を受け、チェンバロを「首席」で卒業。また、ピアノをエルネスト・エスポジート、ラースロー・ギメシに、指揮を杉山洋一、クリストフ・アルトシュテット、ジャンカルロ・アンドレッタに師事しました。DAADの奨学生として、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でクリスティアン・リーガーに師事し、クリスティアン・ベザイデンホウト、イェスパー・クリステンセン、アンドレア・マルコン、ステファノ・デミチェリ、クリストフ・ルセ、アンドレアス・シュタイアー、アレクセイ・リュビモフ、ジュリアン・サレムクールの各氏のコースを受講しています。
 最近は指揮者としても精力的に活動するクインタヴァッレですが、最初はまず鍵盤楽器奏者として知名度を上げていったため、演奏家からの転向組といわれてしまうこともありますが、実際には、最初から指揮も学んでおり、それも杉山洋一から現代音楽について教えを受けるなど本格的なものでした。
 そのため、クインタヴァッレの活動は古楽と現代音楽を軸としたものになっており、拠点をイタリアからドイツに移したのも、イタリアでは古楽と現代音楽で食べて行くのは難しいからとも述べています。
 CDは、Brilliant Classics、Berlin Classics、ONYXなどから発売。


エミリオ・ペルカン(ヴァイオリン)

 ユーゴスラヴィア連邦マケドニア社会主義共和国の首都スコピエに誕生。7歳の時にヴァイオリニストの父によるレッスンが始まり、14歳でリサイタル・デビュー。1999年からモスクワで元コーガンの弟子のイザベラ・ゴロヴィナに師事し、2000年にはブルガリアのソフィアで、元オイストラフの弟子のドーラ・イワノワに師事。2001年、エッセンのフォルクヴァング芸術大学に入学し、ヴァイオリンをシェリングとディレイの元弟子のピーテル・ダニエルに、室内楽をフォーレ・ピアノ四重奏団ディルク・モメルツ、バロック・ヴァイオリンをステファン・シャルトに師事。
 2006年よりヨーロッパのさまざまなオーケストラと共演し、ヨーロッパ各地をはじめ、南米、日本、中国、イスラエル、アメリカなどで数多く演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Pan Classics、ONYXなどから発売。

オリオル・アイマット・フステ(チェロ)


 スペインのカタルーニャに誕生。イギリスのサリー州ストーク・ダバーノンにあるユーディ・メニューイン音楽学校で、レオニード・ゴロホフに学んだ後、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でチョー・ヨンチャンに師事。優秀な成績により、カザルス財団とアレクサンダー・フォン・フンボルト財団から奨学金を提供され、数々のコンクールで入賞を果たしています。
2012年より古楽グループ、アンサンブル・ヴェスプレス・ダルナディに所属しているほか、これまでに、ラルテ・デル・モンド、エルビポリス、カタルーニャ・バロック管弦楽団などと共演し、ヨーロッパ各地のほか、中国、日本、イスラエル、キューバでも演奏。
 現代音楽の分野では、モンサン・クインテット、ライダート・アンサンブル、カメラータXXIオーケストラのソロ・チェリスト、アルベルト・ギノヴァルト、カルレス・マリゴ、マルタ・カルドナなどと共演。
 CDは、Brilliant Classics、ONYXなどから発売。


 

97062
\1700
稀代の名手の書いたクラリネット室内楽
 ハインリヒ・ヨーゼフ・ベールマン:クラリネット五重奏曲

ハインリヒ・ヨーゼフ・ベアマン [1784-1847]

クラリネット五重奏曲 Op.23 変ホ長調
 1. I. アレグロ・ノン・トロッポ 8:13
 2. II. アダージョ 5:15
 3. III. ロンド・アレグロ 4:06

クラリネット五重奏曲 Op.19 変ホ長調
 4. I. アレグロ・モデラート 10:29
 5. II. アンダンテ 2:53
 6. III. メヌエット・トリオ 3:18
 7. IV. ロンド・アレグロ 5:13

クラリネット五重奏曲 Op.22 ヘ短調
 8. I. アレグロ・ノン・トロッポ 8:04
 9. II. アダージョ・ノン・トロッポ 5:47
 10. III. メヌエット-トリオ1-トリオ2 3:42
 11. IV. ロンド・アレグロ・モルト 4:48

ヘンク・デ・フラーフ(クラリネット)
シューベルト・コンソート
 エリザベス・ペリー(ヴァイオリン)
 イタマール・シモン(ヴァイオリン)
 リチャード・ウォルフ(ヴィオラ)
 ヴラジスラフ・ヴァレンベルク(チェロ)

 録音:2023年5月15、16日、オランダ、ローン、改革派教会

 ハインリヒ・ベールマン[1784-1847]の父はプロイセン軍楽隊の音楽家。ベールマンもポツダムの軍楽学校でクラリネットを勉強していましたが、その腕前がプロイセン王子ルイ・フェルディナントの目に留まって1804年に宮廷に入ります。しかし2年後のナポレオンの宣戦布告を機に、ベールマンは軍楽隊員として出征して1年間捕虜となり、ルイ・フェルディナントは殺されてしまいます。終戦後、解放されたベールマンは、招待を受けてミュンヘンに向かい、マクシミリアン1世の宮廷楽団で首席クラリネット奏者として契約。
 ソロ活動も認められ、ウェーバー、メンデルスゾーン、ダンツィ、マイヤベーアなど多くの作曲家から作品を献呈されていますし、ウェーバーとはベルリンでコンサートをおこなってもいました。ベールマンがコンサートで訪れた地域は、ウィーン、プラハ、パリ、ロンドン、サンクトペテルブルク、スイスなどヨーロッパの広範に渡り、1834年に楽団を引退後も、パリ公演をおこなうなどしていました。ベールマンの作曲家としての知名度は控えめですが、クラリネット五重奏曲第3番はクラリネット室内楽の定番レパートリーとして有名ですし、第1番と第2番も充実しています。演奏はロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の元ソロ・クラリネット奏者、ヘンク・デ・フラーフとシューベルト・コンソートによるものです。



ヘンク・デ・フラーフ(クラリネット)


 1949年、オランダのスパーケンブルフに誕生。ユトレヒト音楽院卒業後、1975年にロッテルダム・フィルの首席ソロ・クラリネット奏者に就任。オーケストラのほかソロや管楽器アンサンブルでも活動しているため、レパートリーは膨大です。
 CDは、Brilliant Classics、Erasmus Muziekproducties、Dureco、Lillyなどから発売。


 

97118
\1700
子供に聴かせる美しい音楽
 マクダウェル、ビーチ、バーバー:
  ピアノ・デュエット集~「夏の夢」
   アメリカン・ピアノ・デュエット

エドワード・マクダウェル [1860-1908]
3つの詩 Op.20(初録音)
 1. 海辺の夜 4:25
 2. 騎士時代の物語 3:25
 3. バラード 3:30

月の絵 Op.21(初録音)
 4. ヒンドゥーの乙女 2:21
 5. コウノトリの物語 1:38
 6. チロルにて 3:33
 7. 白鳥 2:53
 8. 熊の訪問 1:41

ハムレットとオフィーリア Op.22(初録音)
 9. ハムレット 7:09
 10. オフィーリア 6:22

エイミー・ビーチ [1867-1944]
3つの楽章
 11. アレグロ・アパッショナート 1:42
 12. モデラート 2:53
 13. アレグロ・コン・フオーコ 3:33

サマー・ドリームズ Op.47
 14. ブラウニーズ 3:27
 15. コマドリ 1:48
 16. トワイライト 2:16
 17. キリギリス 0:53
 18. エルフィン・タランテル 1:51
 19. グッド・ナイト 3:36

サミュエル・バーバー [1910-1981]
おみやげ Op.28
 20. ワルツ 4:13
 21. スコティッシュ 2:36
 22. パ・ド・ドゥ 3:53
 23. ツー・ステップ 1:46
 24. ためらいのタンゴ 3:46
 25. ギャロップ 2:57

エマ・アバーテ(第1ピアノ)
ジュリアン・パーキンス(第2ピアノ)

ジャスティン・マーラー(ナレーター/サマー・ドリームズ)

 録音:2022年1月16~18日、イギリス、ブリストル、セント・ジョージ

 3人のアメリカの作曲家、エドワード・マクダウエル[1860-1908]、エイミー・ビーチ[1867-1944]、サミュエル・バーバー[1910-1981]の書いたピアノ連弾作品をすべて収録。
 子供に聴かせる音楽の体裁で、タイトルから情景が思い浮かべやすい親しみやすい作品が収められています。
 エンマ・アベイトとジュリアン・パーキンスは夫婦デュオ。小さな息子のいる彼らが、大人が子供に語りかける音楽を演奏しています。なお、「サマー・ドリームズ」には女優ジャスティン・マーラーによるナレーションが入ります。




エンマ・アバーテ(ピアノ)

 ナポリに誕生。現在はロンドンを拠点とし、ギルドホール音楽演劇学校の教授を務め、コヴェント・ガーデン王立歌劇場でも働いています。  CDは、Brilliant Classics、Toccata Classics、Resonus Classicsなどから発売。


ジュリアン・パーキンス(ピアノ)

 ロンドンに誕生。ピアノのほか、チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコードを演奏し、古楽器オーケストラなどの指揮者としても活動。  CDは、Brilliant Classics、Avie Records、Chandos、Prima Facie、Toccata Classics、Athene Records、Resonus Classics、Naxos、AAM Recordsなどから発売。

 


90014
(LP)

\3700
ヘンデル:オーボエ協奏曲集

ジョージ・フレデリック・ヘンデル [1684-1759]
オーボエ協奏曲集

Side1
オーボエ、弦楽と通奏低音のためのコンチェルト・パスティッチョ ハ長調
 1. I. ラルゴ 1:46
 2. II. アレグロ 2:47
 3. III. ラルゴ 4:14
 4. IV. アレグロ 5:36

オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ハ短調
 5. I. アレグロ 5:16
 6. II. アダージョ 3:14
 7. III. アレグロ 4:28

Side2
オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ト短調 HWV287
 1. I. グラーヴェ 2:32
 2. II. アレグロ 1:38
 3. III. サラバンド ラルゴ 2:11
 4. IV. アレグロ 1:43

合奏協奏曲 Op.3-3 ト長調 HWV314(オーボエ、弦楽と通奏低音のための)
 5. I. ラルゴ・エ・スタッカート 1:06
 6. II. アレグロ 2:25
 7. III. アダージョ 1:09
 8. IV. アレグロ 3:37

オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲第5番 ハ短調
 9. I. アレグロ・マ・ノン・プレスト 1:58
 10. II. アダージョ 2:24
 11. III. アレグロ 1:45

アンドリウス・プスクニギス(オーボエ、オーボエ・ダモーレ)
ヴァンサン・ベルナール(チェンバロ、オルガン)
クライペダ室内管弦楽団

 180グラム重量盤


録音:2020年10月23~30日、リトアニア、クライペダ、クライペダ・コンサートホール

 1曲目のコンチェルト・パスティッチョの第3楽章では、有名なアリア「私を泣かせてください」の旋律が聴こえてきます。このヘンデルのオーボエ協奏曲アルバムには、多数の初録音と再構成が含まれています。ヘンデル自身がオーボエが自分のお気に入りの楽器であると述べたことや、必要に応じて自分の音楽を自由に翻案したり転用していたことを考えると、このアルバムのような想像力豊かな仕事にも十分な意義が感じられます。
 リトアニアの名手、アンドリウス・プスクニギスとクライペダ室内管弦楽団による歴史考証に基づいたモダン楽器演奏です。



 


(2024年2月 新譜).
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96936
(10CD)
\5500

傑作揃いの北欧シンフォニーを優れた演奏で堪能
 北欧交響曲集


 CD1からCD4 シベリウス交響曲全集(ザンデルリング指揮ベルリン響)
 CD5からCD7 ニールセン交響曲全集(クチャル指揮ヤナーチェク・フィル)
 CD8 スヴェンセン交響曲第1番&第2番(エングセット指揮ボーンマス響)
 CD9 アルヴェーン交響曲第1番&第3番(ヴィレン指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管)
 CD10 ステンハンマル交響曲第2番(スンドクヴィスト指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管)とグリーグ交響曲(エングセット指揮マルメ響)

CD1 シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 Op.39
シベリウス:エン・サーガ Op.9 19:53
シベリウス:フィンランディア Op.26 8:16

  ベルリン交響楽団
  クルト・サンデルリング(指揮)
   録音:1970年11月(Op.9)、1971年12月(Op.26)、1976年1月(Op.39)、東ベルリン、キリスト教会
CD2 シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 Op.43
シベリウス:交響曲第3番 ハ長調 Op.52

  ベルリン交響楽団
  クルト・サンデルリング(指揮)
   録音:1970年11月(Op.52)、1974年9月(Op.43)、東ベルリン、キリスト教会
CD3 シベリウス:交響曲第4番 イ短調 Op.63
シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 Op.82

  ベルリン交響楽団
  クルト・サンデルリング(指揮)
   録音:1971年12月(Op.82)、1977年5月(Op.63)、東ベルリン、キリスト教会
CD4 シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 Op.104
シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 Op.105 23:49
シベリウス:夜の騎行と日の出 Op.55 16:08

  ベルリン交響楽団
  クルト・サンデルリング(指揮)
   録音:1974年1月、2月(Op.104、105)、1977年5月(Op.55)、東ベルリン、キリスト教会
CD5 ニールセン:交響曲第1番 ト短調 Op.7 FS16
ニールセン:交響曲第2番 Op.16 FS29「4つの気質」

  ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
  テオドレ・クチャル(セオドア・クーチャー)(指揮)
   録音:2005年、チェコ、オストラヴァ・コンサートホール
CD6 ニールセン:交響曲第3番 Op.27 FS60「広がりの交響曲」
ニールセン:交響曲第4番 Op.29 FS76「不滅」

  ヤナーチェク・フィルハーモニック管弦楽団
  テオドレ・クチャル(セオドア・クーチャー)(指揮)
    録音:2005年、チェコ、オストラヴァ・コンサートホール
CD7 ニールセン:交響曲第5番 Op.50 FS97
ニールセン:交響曲第6番 FS116「素朴な交響曲」

  ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
  テオドレ・クチャル(セオドア・クーチャー)(指揮)
    録音:2005年、チェコ、オストラヴァ・コンサートホール
CD8 スヴェンセン:交響曲 第1番 ニ長調 Op.4
スヴェンセン:交響曲 第2番 変ロ長調 Op.15

  ボーンマス交響楽団
  ビャルテ・エンゲセット(指揮)
   録音:1997年7月21-22日、イギリス、ドーセット、ウェセックス・ホール
CD9 アルヴェーン:交響曲第1番 ヘ短調 Op.7
アルヴェーン:交響曲 第3番 ホ長調 Op.23

  ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
  ニクラス・ヴィレン(指揮)
   録音:1996年2月1-2日(第3番)、5月21-22日(第1番)、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール
CD10 ステンハンマル:交響曲第2番 Op.34
 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
 ペッテル・スンドクヴィスト(指揮)
  録音:1996年8月15-16日、グラスゴー、ヘンリー・ウッド・ホール
グリーグ:交響曲 ハ短調 EG 119
 マルメ交響楽団
 ビャルテ・エンゲセット(指揮)
  録音:2005年8月22-24日、スウェーデン、マルメ交響楽団コンサートホール

 英文ブックレットは24ページあり、丁寧な曲目解説が掲載されています。 

 

97010
(2CD)
\1900
小気味よい古楽器演奏による「マタイ受難曲」
 バッハ:マタイ受難曲
ルーファス・ミュラー(テノール:福音史家)
イエス:リチャード・ジャクソン(バリトン:イエス)
ナンシー・アージェンタ(ソプラノ)
リンダ・リー(メゾ・ソプラノ)
ジョナサン・ピーター・ケニー(カウンターテノール)
ジェミー・マクドゥーガル(テノール)
スティーヴン・ヴァーコー(バリトン)
古楽器オーケストラ&コーラス
ポール・グッドウィン(指揮)

録音:1994年2月24~27日、ロンドン、セント・ジョージ劇場
 ブックレットにメンバー表や配置図も掲載

 小気味よい古楽器演奏による「マタイ受難曲」が久々に復活。以前は7名の独唱者しか名前が掲載されていませんでしたが、今回は、第1オーケストラ13名、第2オーケストラ12名、第1合唱12名、第2合唱12名、計49名を全員掲載。第2オーケストラのコンサートマスターがレイチェル・ポッジャー、ヴィオローネとガンバがサラ・カニンガムなど有名な名前もあります。
 また、英文ブックレットには、演奏のコンセプトや苦労話なども掲載されています。英CALAレーベル音源のライセンス発売。



ポール・グッドウィン (指揮)

 1956年、イングランド中部のウォリックに誕生。グッドウィンはバロック・オーボエの名手として20以上のアルバム制作した人気演奏家で。ソロ、室内楽のほか、古楽器オーケストラ「イングリッシュ・コンサート」と「ロンドン・クラシカル・プレーヤーズ」の首席オーボエ奏者、「ロンドン・オーボエ・バンド」のメンバーとしても活動。やがて指揮にも進出し、1996年からは指揮に専念。レパートリーも現代音楽まで拡大し、現在に至っています。

 

96340
(2CD)
\1900

ゴットリープ・ムッファト:チェンバロ曲集
 「コンポニメント・ムジカーリ」


ゴットリープ・ムッファト [1690-1770]
「チェンバロのための6つの組曲とチャッコーナ」 (1739)
CD1 58:32
組曲第1番 ハ長調
1. 序曲 3:17
2. アルマンド 3:23
3. クーラント 2:05
4. エア 2:26
5. リゴドン 0:49
6. メヌエットとトリオ 2:28
7. アダージョ 1:02
8. フィナーレ 1:49

組曲 第2番 ト短調
9. 前奏曲 2:46
10. アルマンド 3:08
11. クーラント 2:27
12. サラバンド 3:03
13. ブーレ 0:59
14. メヌエットとトリオ 3:03
15. ファンタジー 1:44
16. ジーグ 2:10

組曲 第3番 ニ長調
17. ファンタジー 2:21
18. アルマンド 4:28
19. クーラント 2:22
20. サラバンド 3:53
21. メヌエット 1:11
22. リゴドン・ビザール 2:10
23. エア 2:40
24. フィナーレ 2:43

CD2 75:55
組曲 第4番 変ロ長調
1. ファンタジー 5:15
2. アルマンド 2:14
3. クーラント 2:09
4. サラバンド 3:08
5. ラ・アルディエス(大胆さ) 2:13
6. メヌエットI、メヌエットII 3:04
7. エア 2:45
8. ホーンパイプ 2:31
9. ジーグ 1:42

組曲 第5番 ニ短調
10. 序曲 2:59
11. アルマンド 3:01
12. クーラント 1:50
13. サラバンド 3:00
14. メヌエット 1:05
15. リゴドン 1:24
16. メヌエットとトリオ 2:41
17. ジーグ 1:16

組曲 第6番 ト長調
18. ファンタジー 2:24
19. 4声のフーガ 2:28
20. アルマンド 2:30
21. クーラント 2:26
22. サラバンド 3:36
23. ラ・コケット 0:51
24. メヌエットとトリオ 2:30
25. エア 1:41
26. ジーグ 2:50
27. 狩猟ホルンのメヌエット 1:29

28. チャッコーナ 10:43
ロベルト・ロレッジャン(チェンバロ)
 使用楽器:ミヒャエル・ミートケ1719年モデル(パテッラ/ペルゴリス1998年製作)


 録音:2022年7月4~7日、イタリア、バオーネ、ヴィラ・ベアトリーチェ・デステ

 ヘンデルお気に入りの曲集の最終曲は「ゴルトベルク変奏曲」にも通じる「チャッコーナ」

 18世紀ウィーンの宮廷で半世紀に渡って活動していたゴットリープ・ムッファト[1690-1770]が1739年にアウクスブルクで出版した興味深いチェンバロ作品集。ヘンデルの有名曲「聖セシリアの日のための頌歌」のモトネタとしても知られるこの曲集、最後の「チャッコーナ」(38の変奏曲)は、バッハのゴルトベルク変奏曲にどこか通じるものが感じられる作品でもあります。
 演奏のロレッジャンは、世界的に活躍するイタリアの鍵盤楽器奏者。これまで数多くのアルバム制作をおこないドイツやアメリカで賞を受けるなど高く評価されています。





ロベルト・ロレッジャン (チェンバロ)


 1967年、北イタリアのモンセリーチェに誕生。オルガンとチェンバロの学位を最高の成績で取得後、オランダのハーグ音楽院でトン・コープマンに師事。以後、ソロとアンサンブルの両方で、ヨーロッパ各地や日本など世界的に活動。パドヴァのチェーザレ・ポリーニ音楽院で教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Chandos、Tactus、Arts、Velut Luna、Dynamic、Glossa、CPO、ARCANA、Da Vinci Classics などから発売。


 

96596
\1700
ウクライナ民謡が美しいノイコムのクラリネット五重奏曲
 ライヒャ、ノイコム:クラリネット五重奏曲集

アントン・ライヒャ [1770-1836]:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.89
 1. I. アレグロ 10:37
 2. II. アンダンテ 5:37
 3. III. メヌエット アレグロ 3:36
 4. IV. フィナーレ アレグレット 6:21

ジギスムント・ノイコム [1778-1858]:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.8
 5. I. アダージョ~アレグロ 10:20
 6. II. メヌエット アレグロ・モルト 4:04
 7. III. ポコ・アダージョ 5:18
 8. IV. アレグロ・モデラート 6:21

 
ステファン・ジーゲンターラー(クラリネット)
シュターミッツ四重奏団(チェコ語ではスタミッツ)
  インドジフ・パズデラ(第1ヴァイオリン)
  ヨゼフ・ケクラ(第2ヴァイオリン)
  ヤン・ピエルシュカ(ヴィオラ)
  ペトル・ヘイニー(チェロ)

 録音:2016年2月13-14日、プラハ、ストゥディオ・マルティーネク


 哀切なウクライナ民謡が美しいノイコムのクラリネット五重奏曲

 ベートーヴェンの友人で、ハイドンの弟子でもあった同世代作曲家、ノイコムとライヒャの書いたクラリネット五重奏曲を収録。
 演奏のシュテファン・ジーゲンターラーはスイスのクラリネット奏者で、幅広いレパートリーの持ち主。若い頃から共演していたシュターミッツ四重奏団との相性は素晴らしく、歌いまわしの魅力、合奏精度共に申し分ありません。




ノイコム:クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.8


 ノイコム[1778-1858]のクラリネット五重奏曲は、当時ドイツやオーストリアで大流行していた「ロシアの歌」を主題とした変奏曲を第3楽章としています。
 「ロシアの歌」は、1808年にバーデンバーデンのパーティーで原曲のウクライナ民謡を耳にしたドイツの詩人、クリストフ・アウグスト・ティートゲ[1752-1841]が曲に感動し、ミンカという名前まで創作して自身の詩を発表。それが歌詞となって大流行したもので、曲を主題にした変奏曲を書くと楽譜がよく売れたことから、レッセル(1814)、リンデマン(1814)、ウェーバー(1815)、ベートーヴェン(1816)、ベートーヴェン(1817~1818)、フンメル(1818)、ヘンケル(1818)、チェルニー、ゾンネンフェルト等、多くの作曲家がピアノ曲や室内楽の変奏曲を作曲。ノイコムの作品は1815年にライプツィヒのペータースからフランス語で出版。
 曲は恋人に別れを告げるコサック兵士の悲しみを表現したもので、第3楽章でしっとりと描かれています。


ライヒャ(レイシャ):クラリネット五重奏曲 変ロ長調 Op.89

 理論家としても知られたライヒャ(レイシャ)[1770-1836]のクラリネット五重奏曲は、パリ音楽院作曲科教授時代の1820年に書かれ、1821年にライプツィヒのブライトコップ&ヘルテルからフランス語で出版されています。隙のない書法で構築されながらも工夫もみられ、第1楽章展開部冒頭のシンコペーション(5分33秒~)など注目されます。
 ハプスブルク帝国領ボヘミア王国プラハに生まれたライヒャは、11歳からはドイツの叔父ヨーゼフ・ライヒャ[1752-1795]の養子となって音楽教育を受けるようになり、ボンではベートーヴェンやジムロック(のちに出版で交流)と共に宮廷楽団で演奏。38歳でナポレオン時代のパリに移住してアントワーヌ・レイシャとなり、やがてパリ音楽院教授としてベルリオーズ、オンスロー、リスト、グノー、フランクなども指導。復古王政下のパリで暮らし66歳で没しています。
 



シュテファン・ジーゲンターラー (クラリネット)

1957年、スイスのベルン州ビール/ビエンヌに誕生。ベルン音楽院でクルト・ウェーバーに、ジュネーヴ音楽院でトーマス・フリードリに、北西ドイツ音楽アカデミーでハンス・クラウスとヨスト・ミヒャエルスに師事。1985年、マルティニー国際管楽器コンクールで優勝し、1989年から1995年までスイスのビール交響楽団の首席クラリネット奏者を務め、その後、ソロと室内楽の両方で活動。
 CDは、Brilliant Classics、Oehms Classics、CPO、Sterling、Sheva Collectionなどから発売。



シュターミッツ四重奏団


1985年に結成。設立当初から成功を収め、翌1986年、チェコ室内楽協会賞を受賞し、その後すぐにスイスで最初のレコーディングをおこなっています。
 同年、ザルツブルクで開催されたカルテットコンクールで優勝し、以後、世界各地で活動。
 レパートリーは幅広く、忘れ去られていた古典派時代のチェコ作品を復活させる一方で、現代作品にも熱心に取り組んでいます。
 最初のメンバーは、第1ヴァイオリン:ボフスラフ・マトウシェク、第2ヴァイオリン:ヨゼフ・ケクラ、ヴィオラ:ヤン・ペルーシュカ、チェロ:ヴラディーミル・レイクスネル。
 1995年、ボフスラフ・マトウシェクの退団により、第1ヴァイオリン奏者がヴィテスラフ・チェルノフに交代。
 2001年、ヴィテスラフ・チェルノフの退団により、第1ヴァイオリン奏者がインドジフ・パズデラに交代。
 2007年、ヴラディーミル・レイクスネルの死により、チェロ奏者がペトル・ヘイニーに交代。
 CDは、Brilliant Classics、Supraphon、Bayer、Panton、GMS、Sunrise、KOCH、Capriccio、ASV、Bonton、VMSなどから発売。


 

96599
\1700
ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番、
ケルビーニ:交響曲ニ長調


ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ [1755-1824]:ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調 G.97 (1793-95)
(カデンツァ:ヨーゼフ・ヨアヒム)
 1. I. モデラート 15:58
 2. II. アダージョ 6:46
 3. III. アジタート・アッサイ 8:23

ルイージ・マリア・ケルビーニ [1760?1842]:交響曲 ニ長調 (1815)
 4. I. ラルゴ~アレグロ 13:24
 5. II. ラルゲット・カンタービレ 10:22
 6. III. メヌエット(アレグロ・ノン・タント)~トリオ 4:58
 7. IV. アレグロ・アッサイ 5:29
マッシモ・クアルタ(ヴァイオリン/ヴィオッティ)
新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団
マッシモ・ベッリ(指揮)

 録音:2021年10月5~6日、イタリア、ロザッツォ、コルノ修道院

 フランスで名声を築いた対照的なイタリア人の作品をイタリア勢が演奏

 18世紀から19世紀にかけて活躍したイタリア出身の作曲家、ヴィオッティとケルビーニは、共にフランスで名声を築いていて交流もあり、ベートーヴェンに影響を与えたという点でも共通していますが、その生涯は対照的。ヴィオッティはマリー・アントワネットに仕えていたことから、フェイド―劇場を任されるなどしていましたが、フランス革命で立場が危なくなったためイギリスに渡り、その後、帰化しています。遺品には高価なストラディヴァリウスも含まれていましたが、ワイン事業失敗の借金などのため、資産状態は不透明でした。
 一方、ケルビーニはフランス革命下でもそつなく行動し、復古王政下では王朝に仕えたのち、パリ音楽院の院長を20年務めて最後は国葬という具合に強運の持ち主でもありました。
 このアルバムでは2人の代表作を収録しています。
 演奏はイタリア勢によるもので、ヴァイオリン独奏はパガニーニのスペシャリストでもあるマッシモ・クワルタで、指揮はマッシモ・ベッリ。オケは新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団。






マッシモ・クアルタ (ヴァイオリン)


 1965年、イタリア南部、サレント地方のレッチェに誕生。11歳からレッチェのティート・スキーパ音楽院でヴァイオリンを学び始め、続いてローマ聖チェチーリア音楽院でベアトリーチェ・アントニオーニに師事。その後、サルヴァトーレ・アッカルド、ルッジェーロ・リッチらの指導を受け、1986年、チッタ・ディ・ヴィットリオ・ヴェネト・ヴァイオリン・コンクールで優勝、1989年、オペラ・プリマ・フィリップス・ヴァイオリン・コンクールで優勝、1991年、ジェノヴァ・ニコロ・パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。
 以後、ソロと室内楽、指揮の活動を組み合わせ、世界各地で演奏。スイス・イタリア音楽院で教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Dynamic、Delos、Amadeus、Suonareなどから発売。



マッシモ・ベッリ (指揮)


 1948年、ローマ近郊の古都ヴィテールボに誕生。最初、父アルド・ベッリからヴァイオリンを学び、その後ブルーノ・ポーリに師事。ヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院卒業後、クレモナのシュタウファー高等教育アカデミーで2年間、サルヴァトーレ アッカルドに師事。以後、ソロ、室内楽、オーケストラ楽員、指揮者として活動し、現在は新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団の音楽監督を務め、トリエステ音楽院でも教えています。
 CDは、Brilliant Classics、Concerto Classics、Amadeus、Sipario Dischiなどから発売。



新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団


 1965年にアルド・ベッリ[1927-2006]によって「フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団」としてトリエステで設立。
 CDは、Brilliant Classics、Velut Luna、Concerto Classics、Movimento Classical、Bongiovanni、Suonare News、Amadeusなどから発売。


 

96658
\1700

ジョン・W・デュアルテ[1919-2004]
 ギター独奏のための作品集




パルティータ Op.59
 1. I. コン・ブラヴーラ 3:34
 2. II. メスト・エ・カンタービレ 3:55
 3. III. スケルツォ 2:11
 4. IV. ポコ・アジタート 4:38

5. イタリア民謡による変奏曲 Op.139 12:14
 I. 主題
 II. ポコ・アジタート
 III. アンダンティーノ・グラツィオーソ
 IV. ヴィーヴォ
 V. アッラ・シチリアーナ
 VI. ジョコーゾ
 VII. マエストーゾ/リゾルート

6. 抒情的なワルツ Op.137  3:39 (初録音)

7. ロンドーのワルツ Op.128 3:00

8. シュテパーン・ラークの主題による変奏曲 Op.100 15:58
 I. 主題
 II. コン・モート
 III. アンダンテ・ニキトーゾ
 IV. スケルツォーゾ
 V.レント、コン・テネレッツァ
 VI. アッラ・ガヴォッタ
 VII. フィナーレ
 VIII. 主題

カルロス・アンドレスのための3つの無言歌 Op.45  (初録音)
 9. I. 挨拶の歌 3:54
 10. II. 眠りの歌 3:12
 11. III. ラウンデレイ 3:02

12. エキセントリック・ダンス Op.138  2:43 (初録音)

13. 「朱色の塔」(アルベニス)による幻想曲とフーガ Op.30  10:14 (初録音)

14. アルペジオの前奏曲 Op.62  3:43 (初録音)
フラヴィオ・ナーティ(ギター)

 録音:2022年7月18-20日、イタリア、ゴルラ・ミノーレ、コレッジョ・ロトンディ、サン・マウリツィオ教会

 英国ギター界の名物作曲家の全貌に迫るシリーズ第3弾

 科学技術者として働きながら音楽活動もおこない、54歳から専業音楽家として世界的に活躍したデュアルテの音楽からギター独奏のための作品を集めたアルバム。
 世界初録音となる「エキセントリック・ダンス」、「抒情的なワルツ」、「 カルロス・アンドレスのための3つの無言歌」、「アルペジオの前奏曲」、「≪朱色の塔≫による幻想曲とフーガ 」のほか、「パルティータ」、「イタリア民謡による変奏曲」、「ロンドーのワルツ」、「シュテパーン・ラークの主題による変奏曲」を収録。
 演奏は2021年に武満徹のギター曲全集でCDデビューしたイタリア人ギタリスト、フラヴィオ・ナーティによるものです。



フラヴィオ・ナーティ (ギター)

 1995年、ローマに誕生。サンタ・チェチーリア音楽院でアルトゥーロ・タリーニに師事し2012年に卒業。その後、オランダのマーストリヒト音楽院でカルロ・マルキオーネの指導を受け、クラシックギター演奏の修士号を取得し、さらにサンタ・チェチーリア音楽院で現代音楽解釈、パルマのアッリーゴ・ボーイト音楽院でギター演奏という2つの修士号を取得。
 以後、ソリスト、室内楽奏者として、ヨーロッパ各地のほか、日本や韓国でも演奏。2016年からはイタリアのさまざまな音楽院で教育者としても活動。


 

96714
\1700

ヴィオラとピアノのための音楽


カール・ハインリヒ・ライネッケ [1824-1910] 15:17
 3つの幻想曲 Op.43
  1. I. ロマンツェ 3:19
  2. II. アレグロ・モルト・アジタート 6:33
  3. III. 見世物小屋の情景:ユーモレスク。とても生き生きと 5:25

ロベルト・シューマン [1810-1856]
 おとぎの絵本 Op.113 17:44
   4. I. 急がずに 3:46
   5. II. 生き生きと 4:12
   6. III. 急速に 2:55
   7. IV. ゆっくりと、メランコリックに 6:51

アンリ・ヴュータン [1820-1881]
 8. エレジー ヘ短調 Op.30 7:18

ヘンリク・ヴィエニャフスキ [1835-1880]
 9. 夢想 嬰ヘ短調 7:41

ジャン・シベリウス [1865-1957]
 10. ロンド ニ短調 JS162 6:47

フランク・ブリッジ [1879-1941]
 ヴィオラとピアノのための2つの小品 07:54
   11. I. ペンシエロ H.53a 4:56
   12. II. アレグロ・アパッショナート H.82 2:58

マッシモ・ピーヴァ(ヴィオラ)
イネッサ・フィリストーヴィチ(ピアノ)

録音:2022年4月23~27日、イタリア、シルヴェッレ・ディ・トレバセレゲ、ストゥーディオ・ロッソ・ディ・ザノット・ストゥルメンティ

 ヴィオラの深みのある豊かな音を捉えた優秀録音

 アルバム前半は、詩情豊かなシューマンの「おとぎの絵本」と、それにインスパイアされたかのようなライネッケの幻想曲集というドイツ・ロマン派の音楽。後半は多国籍で、ベルギーのヴュータン、ポーランドのヴィエニャフスキ、フィンランドのシベリウス、イギリスのブリッジの書いた短調作品群が、ヴィオラの多彩な魅力を堪能させます。演奏は元プロメテオ四重奏団のヴィオラ奏者、マッシモ・ピーヴァです。



マッシモ・ピーヴァ (ヴィオラ)


 2018年までプロメテオ四重奏団のメンバーとしてヨーロッパのほか日本でもツアーをしていたピーヴァは、現在はソロと室内楽の両方で活動。ピーヴァはこれまで、スカラ座管弦楽団、サンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団、マーラー室内管弦楽団、カメラータ・ザルツブルク、カメラータ・ダ・カメラ・ディ・マントヴァ管弦楽団、パドヴァ管弦楽団で首席ヴィオラ奏者として活躍。
 CDは、Brilliant Classics、ECM、Ermitage、SONY、Deutsche Grammophon、Deutsche Harmonia Mundi、Guto Italiano、Tactus、BMGなどから発売。


イネッサ・フィリストーヴィチ (ピアノ)


 ベラルーシの首都ミンスクの出身。M.グリンカ音楽大学を卒業後、イタリアに移住。現在はミラノのスカラ座アカデミーで伴奏者兼講師を務めています。

 

96818
\1700
ヴィヴァルディ、ザーニ:
 2台のヴァイオリンのための作品集

アントニオ・ヴィヴァルディ [1678-1741]

2台のヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 RV70
 1. I. アレグロ 4:54
 2. II. ラルゲット 5:35
 3. III. アレグロ・モルト 3:32

2台のヴァイオリンのためのソナタ ト長調 RV71
 4. I. アレグロ 4:50
 5. II. ラルゲット 4:32
 6. III. アレグロ 4:21

2台のヴァイオリンのためのソナタ ヘ長調 RV68
 7. I. アレグロ 5:00
 8. II. アンダンテ 2:24
 9. III. アレグロ 3:50

2台のヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 RV77
 10. I. アレグロ 5:40
 11. II. アンダンテ 5:43
 12. III. アレグロ 3:42
アンドレア・ザーニ [1696-1757]

二重奏曲 変ホ長調 (初録音)
 13. I. (ラルゴ) 6:18
 14. II. アレグロ 6:21
 15. III. アレグロ 4:16
 16. IV. メヌエット 1:09

カノン
 17. 正確なテンポで 2:06
コンパニア・デ・ヴィオリーニ
 アレッサンドロ・チッコリーニ(ヴァイオリン)
 ドメニコ・シッキターノ(ヴァイオリン)

 録音:2022年7月3~5日、イタリア、カザルマッジョーレ、テアトロ・コムナーレ

 師弟デュオによる阿吽の呼吸

 ヴィヴァルディの「2台のヴァイオリンのためのソナタ」は「2台のヴァイオリン + 通奏低音」の編成で演奏されることもありますが、軽やかな切れの良さと空間の快適さでは「2台のヴァイオリン」だけの方が断然有利です。特に演奏者2人の息が細部まで合っているときのアルペジオやダブルストップ、複雑なアーティキュレーション、華やかなカンタービレの心地良さには素晴らしいものがあります。組み合わせのアンドレア・ザーニはヴィヴァルディの弟子だった可能性のある作曲家で、ヴィヴァルディ風なスタイルの珍しい曲が楽しめます。
 このCDではパルマ音楽院で師弟関係にあったバロック・ヴァイオリン奏者、アレッサンドロ・チッコリーニとドメニコ・シッキターノによるデュオ「コンパニア・デ・ヴィオリーニ」の演奏により、2台ヴァイオリン演奏の完璧な姿に接することができます。



アレッサンドロ・チッコリーニ (バロック・ヴァイオリン)


 バロック・ヴァイオリニストのほか、指揮者、音楽学者、作曲家、教育者とし
ても活動。ヴァイオリニストとしては、古楽アンサンブル「ラ・カペラ・デッラ
・ピエタ・デイ・トゥルキーニ」や、「コンチェルト・ソアーヴェ」、「イル・
コンプレッソ・バロッコ」などで演奏。パルマ音楽院でバロック・ヴァイオリン
を教えてもいます。
 部分的に失われた作品の復元でも知られ、ヴィヴァルディの「モンテズマ」や「エルコーレ・スル・テルモドンテ」、ツィアーニの「アッサロン・プニート」の再構築は国際的に高い評価を受けています。
 CDは、Brilliant Classics、Archiv、Glossa、Virgin Classics、Deutsche Harmonia Mundi、Ricercar、Symphonia、Harmonia Mundi France、Stradivarius、Arts、Warner、Dynamicなどから発売。


ドメニコ・シッキターノ (ヴァイオリン)


 パルマ音楽院でバロック・ヴァイオリンをアレッサンドロ・チッコリーニに師
事して2020年に卒業。イル・ジャルディーノ・アルモニコやカペラ・ナポリター
ナ、コンパーニャ・デ・ヴィオリーニなどで演奏。「ヌオーヴァ・シナプシス・
アンサンブル」の創設者でもあります。
 CDは、Brilliant Classics、Arcana、Alphaaなどから発売。

 

96979
\1700
サルデーニャの物語、
 フルートとギターのための作品集

クリスティアーノ・ポルケッドゥ [1975- ]
「ヤーナス」
1. I. 目覚め 2:42
2. II. 秘密の逃避行 1:24
3. III. 魅惑 4:11
4. IV. 黄金の糸 1:34
5. V. 夜明けの塵埃 3:08

ロベルト・ピアナ [1971- ]
「フォギーレの物語」
6. I. ナバラの王女 0:52
7. II. 彼女はフィロンツァーナ 1:14
8. III. ヤーナス 1:27
9. IV. ス・モルトゥ・モルトゥ(ハロウィン) 1:35

クリスティアーノ・ポルケッドゥ [1975- ]
「コンチェルティーノ・ディ・アルゲーロ」
10. I. お菓子を数えて 6:16
11. II. 澄んだ夜明けの中で 3:55
12. III. 葉はもう震えない 4:52
アルフレード・フランコ [1967- ]
13. ノラの思い出 6:52

フランコ・カヴァローネ [1957- ]
「シダドスとヤーナスの恵み」
14. I. ベントゥ~ヤーナス 2:29
15. II. 水 - サンタ・クリスティーナの井戸 1:41
16. III. 大地 - ヌラーゲ(古代建築) 2:18

フランチェスコ・モリトゥ [1972- ]
「アルトフルートとギターのためのアッティトゥス」
17. I. プロローグ 1:39
18. II. モヴィーダ 3:02
19. III. ボーゲ・ダンゲル 4:34
20. IV. マテンナ 2:26

コルダス・エト・ベントゥ・デュオ
  フランチェスカ・アペッドゥ(フルート)
  マリア・ルチアーニ(ギター)

 録音:2023年4月、イタリア、サルデーニャ自治州、トッラルバ、使徒聖ペテロ教会


 じっくり聴いても流して聴いても気持ちの良い音楽

 ディープな歴史に彩られた地中海の巨大な島サルデーニャは、海岸線が約2千kmもあり、沿岸部が高級リゾートとして世界的に有名ですが、内陸部では独自の文化が維持されています。このCDは、サルデーニャ出身、もしくはサルデーニャと深く関わる現代の作曲家たちによる作品を集めたもので、サルデーニャ独自の文化や儀式、伝説などを題材に、住民目線でのサルデーニャ愛が披露されています。
 すべてフルートとギターのために書かれた作品で、サルデーニャ出身の「コルダス・エト・ベントゥ・デュオ」が演奏。レコーディングはサルデーニャ内陸部の古代遺跡の町トッラルバの使徒聖ペテロ教会でおこなわれており、フルートもギターも良い音で録れています。



コルダス・エト・ベントゥ・デュオ


 2013年にフルーティストのフランチェスカ・アペッドゥとギタリストのマリア・ルチアーニにより結成。「コルダス・エト・ベントゥ」はサルデーニャ語で「弦と風(吹く)」という意味。
 現代音楽を中心にさまざまなジャンルの音楽で、フルートとギターのオリジナル・レパートリーを探求しています。これまでに、イタリア、ドイツ、スイス、クロアチア、スペインで公演を実施。
 サルデーニャ島のサッサリ音楽院を卒業した2人は、シエナのキジアーナ音楽院の室内楽クラスで功績賞を受賞し、パルマ音楽院では室内楽の修士号を取得しています。
 彼らはパルマで開催されたパガニーニ国際コンクールで第2位、第9回エルチェ国際室内楽コンクール(スペイン)で優勝したほか、第20回トランシルヴァニア・ギター・フェスティヴァル室内楽部門、ドゥミトル・カポイアヌ・コンクール、バレ・ヴァッレ国際コンクール(クロアチア)、「ニロ・ペラルド・ベルト」国際コンクールでも優勝。


 

97020
\1700

トリオ・ロヴェルデ
 ドーラ・ペヤチェヴィチ[1885-1923]:室内楽曲集


チェロ・ソナタ ホ短調 Op.35 28:41
 1. I. アレグロ・モデラート 7:26
 2. II. スケルツォ アレグロ 6:54
 3. III. アダージョ・ソステヌート 7:27
 4. IV. アレグロ・コモド 6:54

5. ヴァイオリンとピアノのためのカンツォネッタ Op.8 (1899) 3:12

6. ヴァイオリンとピアノのためのメヌエット Op.18 (1904) 4:01

7. ヴァイオリンとピアノのためのロマンス Op.22 (1907) 2:26

8. ヴァイオリンとピアノのためのエレジー Op.43 (1913) 3:32

9. ヴァイオリンとピアノのための瞑想曲 Op.51 (1919)2:39

ピアノ三重奏曲 Op.29 34:50
 10. I.アレグロ・コン・モート 10:32
 11. II. スケルツォ アレグロ 6:39
 12. III. レント~アレグレット 8:15
 13. IV. フィナーレ アレグロ・リゾルート 9:24
トリオ・ロヴェルデ
  ルシーネ・ハルチュニアン(ヴァイオリン)
  カロリーヌ・シプニエフスキ(チェロ)
  エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ(ピアノ)

 録音:2023年4月18~20日、チェコ、パルドゥビツェ、スーク・ホール、2023年5月28日、オランダ、フェーンダール、ストゥディオ・ファン・スフーペン(Op.35)


 ロマン派室内楽の新たなレパートリー


ドーラ・ペヤチェヴィチ


 1885年、オーストリア=ハンガリー帝国のブダペストに誕生。本名はマリア・テオドーラ・ペヤチェヴィチ。父はハンガリー系クロアチア伯爵、母はハンガリー男爵の娘なので、オーストリア=ハンガリー帝国クロアチア貴族の一員ということになります。
 ドーラの音楽的才能は、ピアニスト兼歌手だった母親によって幼い頃から認められて育まれ、1903年に一家でザグレブに転居した際には、クロアチア音楽学校の教授のもとで音楽を学んでいます。その頃の彼女の作風は、メンデルスゾーン、シューマン、グリーグなどロマン派の作曲家の影響を受けたものでした。
 その後、彼女はドレスデンとミュンヘンで学び、楽器演奏、作曲、ヴァイオリンのレッスンを受けています。
 ペヤチェヴィチはやがてフランス印象派の影響を受けながらも、ロマン派の伝統に根ざした作曲をおこなうようになり、独自の個性を確立して行きますが、1923年1月にミュンヘンで息子のテオを出産した際に合併症を患い、2か月後に腎不全により37歳で亡くなっています。


 約29分のチェロ・ソナタと、約35分のピアノ三重奏曲、およびヴァイオリンとピアノのための小品を5曲収録。
 すべてロマン派的な聴きやすい作品で、旋律の魅力にも富んでいます。
 演奏はラフマニノフの「悲しみの三重奏曲第2番」でも高水準な演奏を聴かせていたトリオ・ロヴェルデ。




エカテリーナ・リトヴィンツェヴァ(ピアノ)


 1986年、カムチャツカに近い港湾都市マガダンに誕生。1990年、4歳の時にピアノの勉強を開始。1994年、マガダンの北東約1500kmでほぼ北極圏に位置し、オーロラがさらに美しいいチュクチ自治管区の都市アナディリに転居し、同地の音楽学校で勉強。ロシア最北東端都市の厳しくも豊かな自然の中で過ごしたのち、2001年、15歳のときに一家はモスクワに転居。2002年、モスクワ国立ショパン音楽学校に入学し、イリーナ・ガブリエロヴァに師事。卒業後、2006年にマイモニデス・クラシック・ピアノ・アカデミーに入学し、ヴィクトール・デレヴィアンコ、アレクサンダー・ムンドヤンツ、エカテリーナ・デルジャヴィーナらに師事、卒業後、2011年にドイツに移住し、ケルン音楽舞踊大学で学び、2013年に修士号を取得して卒業後、ヴュルツブルク音楽大学でも学んでいます。
 以後、ベルリンのコンツェルトハウス、シュトゥットガルトのリーダーハレ、ボンのベートーヴェンハレ、ニュルンベルクにあるマイスタージンガーハレ、ハノーファーのNDRフンクハウス、ハンブルクのムジークハレといったドイツの有名な会場などで演奏。




カロリーヌ・シプニエフスキ(チェロ)


 トゥールーズ出身の若手チェリスト。パリ国立高等音楽・舞踊学校(パリ音楽院)でチェロとピアノを学んだのち、ルイ・ヴィトン財団のゴーティエ・カプソンのクラス・ド・エクセレンスに選ばれ、さらにザルツブルグ・モーツァルテウムのクレメンス・ハーゲンのクラスに参加。以後、数多くの音楽祭にソリストとして出演。また、ヴィクトリア・ホール、パリ・フィルハーモニー、シャンゼリゼ劇場、オペラ・ガルニエ、プロヴァンス大劇場、バーデン・バーデン・クアハウス、エルマウ城、サル・コルトーなど、ヨーロッパの一流コンサートホールに出演。



ルシーネ・ハルチュニアン(ヴァイオリン)


 幼少の頃から優れた音楽的才能を発揮。地元エレヴァンの芸術学校でヴァイオリンなどさまざまな楽器の演奏を学んだ後、エレバン国立音楽院でガギク・スンバティアンに師事。ローザンヌ音楽院ではパヴェル・ヴェルニコフに師事。ジュネーヴ高等音楽院のソリスト養成コースでは最高得点を獲得。
 その後、ワルシャワのタデウシュ・ヴロンスキ・コンクール、マルタ国際音楽コンクール、エレバン・アラム・ハチャトゥリアン・コンクール、フェルモ・ポスタッキーニ・コンクールなど、多くの国内外のコンクールで入賞。
 2017年11月、ニューヨークのカーネギーホールでデビュー・リサイタルを開催し、以後、アメリカのほか、かつてのソ連邦諸国、フランス、オランダ、スイス、ベルギー、トルコ、ドイツ、ブルガリア、アルメニアで演奏。





 

97030
\1700

ドヴォルザーク:管楽器のためのセレナーデ、他



アントニン・ドヴォルザーク [1841-1904]

弦楽セレナーデ ホ調 Op.22 (1875)
 1. I. モデラート 4:21
 2. II. テンポ・ディ・ヴァルス 5:51
 3. III. スケルツォ. ヴィヴァーチェ 8:41
 4. IV. ラルゲット 6:04
 5. V. フィナーレ アレグロ・ヴィヴァーチェ 5:53

6. 「森の静けさ」(チェロと管弦楽のための) Op.68 No.5 (1893) 4:47
ペトル・ノウゾフスキー(チェロ)
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
スタニスラフ・ヴァヴジネクー(指揮)

録音:2021年1月25~28日(Op.22)、4月26~28日(Op.68)、
チェコ、パルドゥビツェ、スーク・ホール
管楽器のためのセレナーデ ニ短調 Op.44 (1878)
 7. I. モデラート、行進曲風 7:09
 8. II. メヌエット 5:55
 9. III. アンダンテ・コン・モート 5:05
 10. IV. アレグロ・モルト 6:11
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団
ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

 録音:2022年7月22日、チェコ、パルドゥビツェ、スーク・ホール


 ボヘミアの管楽器サウンドが堪能できる録音

 2022年に録音されたマルディロシアン指揮による「管楽器のためのセレナーデ」に、2021年録音のヴァヴジーネク指揮による「弦楽セレナーデ」と「森の静けさ」(95696で既発売)を組み合わせたアルバム。



スタニスラフ・ヴァヴジーネク (指揮)


 1972年、チェコスロヴァキア南部のウヘルスケー・フラジシュチェに誕生。ブルノ音楽院でフルートと指揮を学び、卒業後、プラハ舞台芸術アカデミーでさらに学んでいます。その後、1994年から1998年までプラハ学生オーケストラの首席指揮者を務め、1998年には、静岡でインターナショナル・ユース・オーケストラを指揮。
 1999年から2008年までは南ボヘミア室内フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、その後、2015年までボフスラフ・マルティヌー・フィルハーモニー管弦楽団でも首席指揮者として活動。2018年からはチェコ室内フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Triga、Kosenka Z Hluku、Navona Records、Toccata Classicsなどから発売。





ヴァハン・マルディロシアン (指揮)


 1975年、アルメニアのエレヴァンに誕生。1993年にパリに移住。1996年にパリ音楽院を優秀な成績で卒業。指揮者、ピアノ・ソリストとして活躍。長年、フランスのカーン交響楽団の首席指揮者、アルメニア国立室内管弦楽団の音楽監督を務め、2019年より香港室内管弦楽団の首席指揮者を務めています。マルディロシアンは、ヨーロッパとアジアで定期的に客演指揮者として招かれており、これまでに、プラハ放送響、ロワール国立管、アルメニア・フィル、プラハ・フィル、チェコ室内管、レバノン・フィル、アマルガム管、トゥーロン歌劇場管、ノヴォシビリスク・フィル、東京フィル、N響、日本フィル、ブルガリア国立管、ウクライナ国立フィル、関西フィル、ロシア・フィル、新日本フィル、九州響などを指揮。2017年にはピアニストとしてカーネギーホールでピアノリサイタルを開催。
 CDはこれまで、Brilliant Classics、Intrada、Transart、Skarbo、Warner、Cypres、Quadrigaなどから発売。





チェコ室内フィル


 1969年、プラハ近郊のパルドゥビツェで東ボヘミア州立室内管弦楽団として設立。初代首席指揮者はリボル・ペシェク。2018年9月からは、スタニスワフ・ヴァヴジネクが首席指揮者を務めています。
 CDはこれまで、Brilliant Classics、Supraphon、MD+G、Canyon、Classico、Marco Polo、Albany、Arco Diva、Naxos、Centaur、NCA、Pantonなどから発売。



 

97086
\1700
イタリア中部テーラモ生まれ
 フランチェスコ・アントニオーニ [1971-]:
作品集
  アシュケナージ親子の録音も
8つの弦楽器のためのバラータ (2009) 18:13
 1.I. Scorrevole 4:12
 2. II. Dolce e scorrevole 8:10
 3.III. Un poco mosso 5:51
イ・ソリスティ・アクイラーニ
フランチェスコ・アントニオーニ(指揮)
「雪どけ後のオーロラ」 (ヴィオラ、クラリネットと弦楽合奏のための二重協奏曲) (2017) 27:20
 4. I. モノローグとダイアローグ 7:14
 5. II. 雪どけと小さな小さな黄金 5:39
 6. III. 愛の歌 9:26
 7. IV. わたしの川 5:01
ディミトリー・アシュケナージ(クラリネット)
アーダ・マイニク (ヴィオラ)
イ・ソリスティ・アクイラーニ
ヴラディーミル・アシュケナージ(指揮)
「影の上で」 (弦楽オーケストラのための) (2013) 16:54
 8. I. Allegro non troppo 6:05
 9. II. Andante inquieto 4:32
 10. III. Allegro leggero 6:17
イ・ソリスティ・アクイラーニ
フランチェスコ・アントニオーニ(指揮)

録音:2017年6月、イタリア、チェラーノ、オーディトリアム "エンリコ・フェルミ"(「雪どけ後のオーロラ」)、2021年6月、イタリア、ラクイラ、オーディトリアム・デル・パルコ(「バラータ」、「影の上で」)br>


 英文ブックレットではインタビュー形式で作曲者が収録作品を解説

 1971年にイタリア中部のテーラモに生まれた作曲家、フランチェスコ・アントニオーニの作風は豊富なアイデアが特徴的。
 このアルバムではイタリア中部の室内オケ「イ・ソリスティ・アクイラーニ」が優秀な録音によって多彩なサウンドを聴かせています。
 アルバム・タイトルの「わたしの川」は、エミリー・ディッキンソンの詩、私の川はあなたに向かって流れています:青い海、私を歓迎してくれるでしょうか?...に触発された曲(トラック7)に由来するもので、作曲家→演奏家→聴衆の流れに結び付けられてもいます。





イ・ソリスティ・アクイラーニ (室内オーケストラ)

1968年にイタリア中部、アペニン山脈の盆地の古都、ラクイラ(L'Aquila)で設立。古楽から現代音楽まで幅広い作品を世界各地で演奏。



(2024年1月 新譜).
.
97051
(19CD)
\6600
クープラン一族の作曲家4人による
 チェンバロ(とフォルテピアノ)音楽を集めた19枚組ボックス
  「クープラン・ダイナスティ」

  CD1-CD11...フランソワ
  CD12-CD13...アルマン=ルイ
  CD14-CD18...ルイ
  CD19...ジェルヴェ=フランソワ
ミヒャエル・ボルグステーデ
ヤゴ・マウーゴ
マッシモ・ベルゲッラ
シモーネ・ピエリーニ

 バロック前期から古典派まで網羅

 クープラン一族の作曲家、ルイ[1626-1661]、フランソワ[1686-1733]、アルマン=ルイ[1727-1789]、ジェルヴェ=フランソワ[1759-1826]の4人によるチェンバロ(とフォルテピアノ)音楽を集めた19枚組ボックス。
 趣向を凝らした小品や組曲、舞曲により、1世紀半に渡って宮廷人などを楽しませた彼らのチェンバロ音楽は、最後のジェルヴェ=フランソワの代には、古典派時代に入っていたことから、フォルテピアノによるソナタや変奏曲へと姿を変えています。
 このセットでは、CD1からCD11の11枚がフランソワ、CD12からCD13の2枚がアルマン=ルイ、CD14からCD18の5枚がルイ、CD19がジェルヴェ=フランソワとなっており、クープラン一族の音楽の変遷を手軽に確認することができます。



CD1
Francois Couperin 1668-1733
Premier Livre de pieces de clavecin (1713)

PREMIER ORDRE
1.  Troisieme Prelude from L´Art de toucher le clavecin mesure  1'19
2.  Allemande l'Auguste  2'49
3.  Premiere Courante  1'28
4.  Seconde Courante  2'03
5.  Sarabande la Majestueuse  2'17
6.  Gavotte  1'31
7.  La Milordine, Gigue gracieusement, et legerement  1'50
8.  Menuet
 Double du Menuet precedent  0'58
9.  Les Silvains majestueusement, sans lenteur
 Seconde partie  3'55
10. Les Abeilles tendrement  1'13
11. La Nanete gayement  0'46
12. Les Sentimens, Sarabande  2'40
13. La Pastorelle naivement  1'08
14. Les Nonetes
 Les Blondes tendrement
 Les Brunes  1'41
15. La Bourbonnoise, Gavotte gayement  0'58
16. La Manon vivement  1'09
17. L'Enchanteresse  2'26
18. La Fleurie ou la tendre Nanette gracieusement  2'19
19. Les plaisirs de Saint Germain en Laye  3'28

SECOND ORDRE part I
20. Second Prelude from L´Art de toucher le clavecin  1'33
21. Allemande La Laborieuse sans lenteur,
et las doubles croches un tain-soit-peu pointees  4'19
22. Premiere Courante  1'46
23. Seconde Courante  2'09
24. Sarabande la Prude  2'09
25. L'Antonine majestueusement, sans lenteur  1'01
26. Gavotte  1'00
27. Menuet  1'05
28. Canaries
 Double des Canaries  2'29
29. Passe-pied
 Seconde partie  2'02
30. Rigaudon
 Seconde partie  1'59
31. La Charoloise  0'45
32. La Diane gayement
 Fanfare pour la Suitte de la Diane  1'58
33. La Terpsicore moderement, et marque  3'53
34. La Florentine d'une legerete tendre  1'30
35. La Garnier moderement  3'31
36. La Babet nonchalamment
 Seconde partie un peu vivement  1'59

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 71'32
Recording: 9-10 March & 8-9 April 2004,
Maria Minor Church, Utrecht, The Netherlands
CD2
Francois Couperin 1668-1733
Premier Livre de pieces de clavecin (1713)

SECOND ORDRE part II
1.  Les Idees Heureuses tendrement, sans lenteur  5'27
2.  La Mimi affectuesement  1'11
3.  La Diligente legerement  2'53
4.  La Flateuse affectuesement  2'24
5.  La Voluptueuse tendrement, &c  3'43
6.  Les Papillons tres legerement  1'41

TROISIEME ORDRE
7.  Premier Prelude from
 L´Art de toucher le clavecin  1'13
8.  La Tenebreuse, Allemande  3'50
9.  Premiere Courante  1'31
10. Seconde Courante  1'52
11. La Lugubre, Sarabande  2'45
12. Gavotte  0'54
13. Menuet  0'53
14. Les Pelerines
 La Marche gayement
 La Caristade legerement
 La Remerciement legerement  3'20
15. Les Laurentines gracieusement  4'01
 Seconde partie
16. L'Espagnolete d'une legerete moderee  1'31
17. Les Regrets languissamment  3'52
18. Les Matelotes Provencales gayement  2'55
 Seconde partie
19. La Favorite, Chaconne a deux tems gravement sans lenteur  3'55
20. La Lutine tres vivement, et marque  1'52

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 51'56
Recording: 9-10 March & 8-9 April 2004,
Maria Minor Church, Utrecht, The Netherlands


CD3
Francois Couperin 1668-1733
Premier Livre de pieces de clavecin (1713)

QUATRIEME ORDRE
1.  Quatrieme Prelude from L´Art de toucher le clavecin  1'28
2.  Marche des Gris-vetus pesamment, sans lenteur  2'09
3.  Les Baccanales
 Enjouemens Bachiques
 Tendresses Bachiques
 Fureurs Bachiques  6'58
4.  La Pateline gracieusement  3'20
5.  Le Reveil-matin legerement  3'46

CINQUIEME ORDRE
6.  Cinquieme Prelude from L´Art de toucher le clavecin  2'44
7.  La Logiviere, Allemande majestueusement, sans lenteur  4'36
8.  Premiere Courante  2'14
9.  Seconde Courante  1'40
10. Sarabande la Dangereuse gravement  2'37
11. Gigue  2'03
12. La Tendre Fanchon gracieusement  2'58
13. La Badine legerement et flate  1'27
14. La Bandoline legerement, sans vitesse  2'01
15. La Flore gracieusement  2'07
16. L'Angelique d'une legerete moderee  2'23
 Seconde partie
17. La Villers gracieusement  2'42
 Seconde partie un peu plus vivement
18. Les Vendangeuses  1'55
19. Les Agremens gracieusement, sans lenteur  5'12
 Seconde partie
20. Les Ondes gracieusement, sans lenteur  2'41

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 57'16
Recording: 9-10 March & 8-9 April 2004,
Maria Minor Church, Utrecht, The Netherlands


CD4
Francois Couperin 1668-1733
Second Livre de pieces de clavecin (1716)

SIXIEME ORDRE
1.  Septieme Prelude from
L´Art de toucher le clavecin mesure, lent - mesure, moins lent  2'55
2.  Les Moissonneurs gayement  2'17
3.  Les Langueurs-Tendres  5'01
4.  Le Gazouillement gracieusement et coule  2'06
5.  La Bersan legerement  3'23
6.  Les Baricades Misterieuses vivement  2'59
7.  Les Bergeries naivement  4'08
8.  La Commere vivement  2'32
9.  Le Moucheron legerement  2'18

SEPTIEME ORDRE
10. Huitieme Prelude from L´Art de toucher
le clavecin mesure, leger  1'44
11. La Menetou gracieusement, sans lenteur  3'06
12. Les Petits Ages:
 La Muse Naissante
 L'Enfantine
 L'Adolescente
 Les Delices  10'07
13. La Basque  3'06
 Seconde Partie
14. La Chaze tres liees, sans lenteur  4'06
 Seconde Partie
15. Les Amusemens sans lenteur  5'45
 Second Rondeau

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 55'48
Recording: 13-14 & 17-18 January 2005, Westvestkerk,
Schiedam, The Netherlands






CD5
Francois Couperin 1668-1733
Second Livre de pieces de clavecin (1716)

HUITIEME ORDRE
1.  Sixieme Prelude from L´Art de toucher le clavecin mesure  2'07
2.  La Raphaele  6'28
3.  Allemande L'Ausoniene legerement, et marque  2'18
4.  Premier Courante  2'02
5.  Seconde Courante  2'54
6.  Sarabande L'Unique gravement - vivement  2'51
7.  Gavotte tendrement  1'38
8.  Rondeau gayement  1'51
9.  Gigue  3'03
10.  Passacaille  6'04
11.  La Morinete legerement, et tres lie  2'17

NEUVIEME ORDRE
12.  Allemande a deux Clavecins
 (with Haru Kitamika)  4'12
13.  La Rafraichissante nonchalamment  5'10
 Seconde Partie
14.  Les Charmes luthe, et lie. mesure, sans lenteur  6'34
 Seconde Partie
15.  La Princesse de Sens tendrement  2'23
16.  L'Olimpique imperieusement, et anime  3'33
17.  L'Insinuante tendrement  1'36
18.  La Seduisante tendrement, sans lenteur  3'39
19.  Le Bavolet-flotan tendrement, legerement et lie  2'47
20.  La Petit-deuil, ou les Trois Veuves gracieusement  1'44
21.  Menuet  1'05

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638
Titus Crijnen (1995), after H. Hemsch, 1754 (tr.12)


Total time: 66'30
Recording: 13-14 & 17-18 January 2005,
Westvestkerk, Schiedam, The Netherlands


CD6
Francois Couperin 1668-1733
Second Livre de pieces de clavecin (1716)

DIXIEME ORDRE
1.  La Triomphante
 Bruit de guerre vivement, et les croches egales
 Alegresse des Vainqueurs 
 Fanfare fort gayement  9'35
2.  La Mezangere luthe-mesure  5'07
3.  La Gabriele legerement, et coule  2'02
4.  La Nointele gayement  4'07
 Seconde Partie
5.  La Fringante vif, et releve  4'30
 Seconde Partie
6.  L'Amazone vivement, et fierement  1'44
7.  Les Bagatelles  2'04
8.  Allemande from L´Art de toucher le clavecin, legerement  1'44

ONZIEME ORDRE
9.  La Castelane coulamment  3'19
10.  L'Etincelante ou La Bontems tres vivement  1'47
11.  Les Graces-Natureles, Suite de la
Bontems affectueusement, sans lenteur  3'36
12.  La Zenobie d´une legerete gracieuse, et liee  5'22
13.  Les Fastes de la grande et ancienne Mxnxstrxndxsx:
 Premier Acte; Les Notables et Jures Mxnxstrxndxurs marche, sans lenteur
 Seconde Acte; Les Vieleux et les Gueux
 Troisieme Acte; Les Jongleurs, Sauteurs et Saltinbanques,
 Avec les Ours et les Singes legerement
 Quatrieme Acte; Les Invalides, ou gens
Estropies au Service de la grande Mxnxstrxndxsx
 Cinquieme Acte; Desordre et deroute
de toute la troupe, causes par les Yvrognes,
les Singes et les Ours. tres vite  9'24

DOUZIEME ORDRE
14.  Les Jumeles affectueusement  5'12
 Seconde Partie
15.  L'Intime Mouvement de Courante 3'01
16.  La Galante gayement  1'46
17.  La Coribante vivement  3'05
18.  La Vauvre coulamment  1'36
19.  La Fileuse naivement, sans lenteur 3'43
20.  La Boulonoise tendrement, sans lenteur  1'27
21.  L'Atalante tres legerment  2'03

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 76'32
Recording: 13-14 & 17-18 January 2005,
Westvestkerk, Schiedam, The Netherlands







CD7
Francois Couperin 1668-1733
Troisieme Livre de pieces de clavecin (1722)

TREIZIEME ORDRE
1.  Les Lis naissans moderement et uniment  3'54
2.  Les Rozeaux tendrement, sans lenteur  2'57
3.  L'Engageante agreablement, sans lenteur  4'08
4.  Les Folies francoise ou les Dominos:
 La Virginite sous le Domino couleur d'invisible gracieusement
 La Pudeur sous le Domino couleur de Roze tendrement
 L'Ardeur sous le Domino incarnat anime
 L'Esperance sous le Domino Vert gaiement
 La Fidelite sous le Domino Bleu afectuesement
 La Perseverance sous le Domino Gris de lin tendrement, sans lenteur
 La Langueur sous le Domino Violet egalement
 La Coqueterie sous diferens Dominos gaiement
 Les Vieux galans et les Tresorieres Suranees
sous les Dominos Pourpres, et feuilles mortes gravement
 Les Coucous Benevoles sous des Dominos jaunes coucou coucou
 La Jalousie Taciturne sous le Domino gris de maure lentement et mesure
 La Frenesie ou le Desespoir sous le Domino noir tres vite  7'41
5.  L'Ame-en peine languissament  4'55

QUATORZIEME ORDRE
6.  Le Rossignol-en-amour lentement, et tres tendrement, quoy que mesure
 Double du Rossignol  7'01
7.  La Linote-efarouchee legerement  2'27
8.  Les Fauvetes Plaintives tres tendrement  4'42
9.  Le Rossignol-Vainqueur tres legerement  2'20
10.  La Julliet gaiement
 (with Sophie Gent, violin)  1'28
11.  Le Carillon de Cithere agreablement, sans lenteur  5'16
12.  Le Petit-Rien legerement  1'53

QUINZIEME ORDRE
13.  La Regente ou La Minerve noblement, sans lenteur  4'56
14.  Le Dodo ou L'amour au Berceau sur le mouvement des berceuses  3'53
 Seconde partie
15.  L'Evaporee tres legerement  1'47
16.  Musete de Choisi tendrement
 (with Sophie Gent, Violin)  2'16
 Seconde Partie
17.  Musete de Taverni legerement
 (with Sophie Gent, Violin)  1'59
 Seconde Partie
18.  La Douce et Piquante d'une legerete tendre  3'05
 Seconde Partie
19.  Les Vergers fleuris galament, et loure
 Seconde Partie dans le gout de cornemuse  3'04
20.  La Princesse de Chabeuil ou La Muse de
Monaco d'une legerete moderee  2'43

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638


Total time: 72'43
Recording: 15-18 February 2005, Westvestkerk, Schiedam, The Netherlands

CD8
Francois Couperin 1668-1733
Troisieme Livre de pieces de clavecin (1722)

SEIZIEME ORDRE
1.  Les Graces incomparables ou La Conti majestueusement  3'22
2.  L'Himen-Amour majestueusement  5'02
 Seconde Partie galament
3.  Les Vestales tendrement, sans lenteur  4'18
 Seconde Partie
4.  L'aimable Therese gracieusement  3'47
5.  Le Drole de Corps gaillardement  4'09
6.  La Distraite tendrement, et tres lie  3'40
7.  La Letiville (with Sophie Gent, violin)  1'49

DIX-HUITIEME ORDRE
8.  Allemande La Verneuil  4'10
9.  La Verneuillete legerement, et agreablement  1'53
10.  Soeur Monique tendrement, sans lenteur  3'59
11.  Le Turbulent tres viste  2'01
12.  L'Atendrissante douloureusement  3'10
13.  Le Tic-Toc-Choc ou les Maillotins legerement et marque  2'57
14.  Le Gaillard-Boiteux dans le gout burlesque  3'25

DIX-NEUVIEME ORDRE
15.  Les Calotins et les Calotines ou La piece a tretous gaiement  2'12
16.  Les Calotines tres legerement  1'51
 Seconde Partie
17.  L'ingenue naivement  3'22
 Seconde Partie tendrement
18.  L'Artiste moderemen  2'37
19.  Les Culbutes Ixcxbxnxs legerement, et marque  3'41
20.  La Muse-Plantine  3'29
21.  L'Enjouee tres gaiement  2'36
 Seconde Partie un peu plus tendrement

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1998), after J. Ruckers, 1638
Total time: 67'42
Recording: 15-18 February 2005, Westvestkerk, Schiedam, The Netherlands

CD9
Francois Couperin 1668-1733
Troisieme Livre de pieces de clavecin (1722)

DIX-SEPTIEME ORDRE
1.  La Superbe ou la Forqueray fierement, sans lenteur  5'02
2.  Les petits Moulins a Vent tres legerement  1'54
3.  Les Timbres  3'13
4.  Courante  3'06
5.  Les Petits Chremieres de Bagnolet legerement, et coule  2'37


Quatrieme Livre de pieces de clavecin (1730)

VINGTIEME ORDRE
6.  La Princesse Marie gracieusement, sans lenteur  3'50 Seconde Partie
 Air dans le Gout Polonais vivement, les notes egales, et marquees
7.  La Boufonne gaillardement  2'08
8.  Les Cherubins ou L'Aimable Lazure legerement  3'34
 Seconde Partie
9.  La Crouilly ou la Couperinete delicatement, sans vitesse
 Seconde Partie dans le Gout de la Musete naivement
 (with Joshua Cheatham viola da gamba)  4'55
10.  La Fine Madelon affectueusement  2'17
11. La Douce Jeanneton plus voluptueusement  3'43
12.  La Sezile gracieusement  2'14
13.  Les Tambourins notes egales, tres legerement  1'24

VINGT-DEUXIEME ORDRE
14.  Le Trophee
 Premier Air pour la Suite du Trophee  4'03
 Second Air
15.  Le Point du jour, Allemande d'une legerete moderee  3'03
16.  L'Anguille legerement  3'19
17.  Le Croc-en-jambe gaiement  2'24
18.  Menuets croisez  1'49
19.  Les Tours de Passepasse  3'39

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1995), after H. Hemsch, 1754


Total time: 58'26
Recording: 15-18 February 2005 (Troisieme Livre),
Westvestkerk, Schiedam; 4-7 & 9-11
June 2005 (Quatrieme Livre), Hervormde Kerk, Rhoon, The Netherlands


CD10
Francois Couperin 1668-1733
Quatrieme Livre de pieces de clavecin (1730)
VINGT-UNIEME ORDRE
1.  La Reine des c?urs lentement, et tres tendrement  2'57
2.  La Bondissante gaiement  1'55
3.  La Couperin d'une vivacite moderee  4'24
4.  La Harpee piece dans le gout de la Harpe  2'34
5.  La Petite-pince-Sans rire affectueusement, sans lenteur 2'20


VINGT-TROISIEME ORDRE
6.  L'Audacieuse  3'28
7.  Les Tricoteuses tres legerement  2'25
8.  L'Arlequine grotesquement  1'43
9.  Les Gondoles de Delos badinage-tendreSeconde Partie
 Troisieme Partie en Rondeau separe  6'32
10.  Les Satires, Chevre-pieds gravement, ferme, et pointe
 Seconde Partie vivement, et dans le gout burlesque  4'07

VINGT-QUATRIEME ORDRE
11.  Les Vieux Seigneurs, Sarabande grave noblement 3'35
12.  Les Jeunes Seigneurs, Cy-devant les petits Maitres legerement  4'00
13.  Les Dards homicides gaiement et coule  2'48
14.  Les Guirlandes amoureusement: sans langueur  7'08
 Seconde Partie coulement
15.  Les Brimborions gaiement
 Seconde Partie
 Troisieme Partie
 Quatrieme Partie  4'42
16.  La Divine Babiche ou les Amours badins
voluptueusement, sans langueur  3'59
17.  La Belle Javotte autre fois L'Infante tendrement  1'06
18.  L'Amphibie, Mouvement de Passacaille noblement  5'58

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1995), after H. Hemsch, 1754


Total time: 65'66
Recording: 4-7 & 9-11 June 2005,
Hervormde Kerk, Rhoon, The Netherlands


CD11
Francois Couperin 1668-1733
Quatrieme Livre de pieces de clavecin (1730)

VINGT-CINQUIEME ORDRE
1. La Visionaire gravement, et marque - viste  3'40
2. La Misterieuse moderement  5'06
3. La Monflambert tendrement, sans lenteur  2'19
4. La Muse Victorieuse audacieusement  2'56
5. Les Ombres-errantes languissamment  4'09

VINGT-SIXIEME ORDRE
6. La Convalescente  5'56
7. Gavote  2'27
8. La Sophie  2'52
9. L'Epineuse  5'48
10. La Pantomine gaiement et marque, et d'une grande precision  4'14

VINGT-SEPTIEME ORDRE
11. L'Exquise, Allemande  4'26
12. Les Pavots nonchallament  7'25
13. Les Chinois lentement - viste  3'39
14. Saillie vivement  2'48

Michael Borgstede harpsichord
Titus Crijnen (1995), after H. Hemsch, 1754


Total time: 57'59
Recording: 4-7 & 9-11 June 2005 (Quatrieme Livre),
Hervormde Kerk, Rhoon, The Netherlands


CD12
Armand Louis Couperin 1727-1789
Pieces de clavecin (1751)

Pieces in G
1. La Victoire  6'08
2. Allemande  10'44
3. Courante. La de Croissy  4'34
4. Les Cacqueteuses 2'36
5. La Gregoire 4'39
6. L'Intrepide  1'58
7. Menuets in G I & II  3'05
8. L'Arlequine ou La Adam  2'24
9. La Blanchet  3'46
10. La de Boisgelou  4'25
11. La Foucquet  2'38
12. La Semillante ou La Joly  5'37

Yago Mahugo harpsichord
Keith Hill, copy of Taskin 1769


Total time: 52'41
Recording: September 2020, Mirador de la Sierra, Madrid, Spain

CD13
Armand Louis Couperin 1727-1789
Pieces de clavecin (1751)

Pieces in B flat
1. La Turpin  5'39
2. Gavottes I & II  3'41
3. Menuets in B I & II  1'57
4. La du Breuil  5'08
5. La Cheron  5'07
6. L'Affligee  11'10
7. L'Enjouee  4'10
8. Les Tendres Sentiments  4'24
9. Rondeau. Gracieux  2'42

Les Quatre Nations
10. L'Italienne  4'28
11. L'Angloise  2'04
12. L'Allemande  3'32
13. La Francoise  4'41

Other pieces for solo keyboard instruments
14. La Chasse  2'07

Yago Mahugo harpsichord
Keith Hill, copy of Taskin 1769


Total time: 52'41
Recording: September 2020, Mirador de la Sierra, Madrid, Spain


CD14
Louis Couperin 1626-1661

Suite No.1 in G minor
1. 3. Prelude  4'20
2. 93. Allemande  3'58
3. 94. Courante  2'05
4. 95. Sarabande  1'45
5. 96. Chaconne ou Passacaille  3'27
6. 97. Sarabande  2'17
7. 98. Passacaille  5'06

Suite No.2 in D minor
8. 1. Prelude  6'29
9. 36. Allemande  3'38
10. 37. Pieces de trois sortes de Mouvemens  2'00
11. 38. Courante  1'44
12. 39. Courante  2'03
13. 40. Courante 1'51
14. 41. Courante  1'50
15. 44. Sarabande  2'06
16. 47. Sarabande  1'33
17. 45. Sarabande  1'52
18. 46. Sarabande  1'28
19. 49. Sarabande (I)  1'35
20. 48. Sarabande (II)  2'16
21. 52. Canaries  1'28
22. 53. Volte  1'07
23. 55. Chaconne  3'11

Massimo Berghella harpsichord
Andrea Di Maio (2018), copy from Vincent Thibaut, 1681


Total time: 59'32
Recording: 25-26 May & 22-23 December 2021,
20-21 April & 1-2 June 2022, Canepina, Viterbo, Italy


CD15
Louis Couperin 1626-1661

Suite No.3 in D
1. 2. Prelude 4'19
2. 58. Allemande  3'47
3. 59. Courante  1'51
4. 60. Sarabande  2'18
5. 61. Gaillarde  2'10
6. 62. Chaconne  2'29

Suite No.4 in G minor
7. 4. Prelude  2'11
8. 118. Allemande in B flat  3'08
9. 119. Courante in B flat  1'30
10. 121. Chaconne  2'11

11. 5. Prelude in G minor  3'05

Suite No.5 in A minor
12. 6. Prelude a l'imitation de Mr. Froberger  7'24
13. 102. La Piemontoise  1'40
14. 101. Allemande l'Amiable  3'40
15. 106. Courante  2'32
16. 105. Courante La Mignone  1'33
17. 109. Sarabande (I)  2'03
18. 110. Sarabande (II)  3'34
19. 125. Gavotte de Mr. Hardel. Double par Mr. Couperin  1'59


Suite No.6 in A minor
20. 7. Prelude  1'14
21. 99. Allemande  3'16
22. 103. Courante  1'30
23. 104. Courante  1'50
24. 107. Sarabande  2'01
25. 108. Sarabande  1'47
26. 111. Menuet de Poitou et son Double  2'11

Massimo Berghella harpsichord
Andrea Di Maio (2018), copy from Vincent Thibaut, 1681


Total time: 67'53
Recording: 25-26 May & 22-23 December 2021,
20-21 April & 1-2 June 2022, Canepina, Viterbo, Italy


CD16
Louis Couperin 1626-1661

Suite No.7 in A
1. 8. Prelude  2'17
2. 100. Allemande in A minor  3'54
3. 112. Courante  2'05
4. 113. Sarabande  2'30
5. 114. Gigue  2'02

Suite No.8 in C
6. 9. Prelude  3'44
7. 15. Allemande  2'58
8. 17. Courante  1'40
9. 16. Courante  1'44
10. 20. Sarabande  1'29
11. 21. Sarabande  1'37
12. 22. Sarabande  1'56
13. 23. Sarabande  1'38
14. 131. Gavotte de Mr. Le Begue.
 Double par Mr. Couperin  1'54
15. 26. Chaconne  3'29
16. 28. Sarabande  2'01
17. 29. Menuet  1'29

18. 10. Prelude in C  2'59

Suite No.9 in C
19. 11. Prelude  2'15
20. 126. Le Moutier, Allemande de Mr. de Chambonnieres .
Double du Moutierpar Mr. Couperin  2'43
21. 18. Courante  1'46
22. 19. Courante  1'46
23.  24. Sarabande (I)  1'58
24.  25. Sarabande (II)  2'56
25.  127. Rigaudon. Double par Mr. Couperin  3'11
26.  27. Passacaille  5'38

Massimo Berghella harpsichord
Andrea Di Maio (2018), copy from Vincent Thibaut, 1681


Total time: 64'14
Recording: 25-26 May & 22-23 December 2021,
20-21 April & 1-2 June 2022, Canepina, Viterbo, Italy



CD17
Louis Couperin 1626-1661

Suite No.10 in F
1. 12. Prelude  2'29
2. 66. Allemande  3'37
3. 68. Courante  1'28
4. 69. Courante  1'45
5. 72. Sarabande  2'10
6. 73. Branle de Basque  0'51
7. 76. Gigue  2'02
8. 77. Gaillarde  1'57
9. 78. Chaconne  2'32

Suite No.11 in F
10. 13. Prelude  3'16
11. 67. Allemande grave  3'22
12. 70. Courante  1'33
13. 71. Courante  1'37
14. 74. Sarabande  2'38
15. 75. Sarabande  2'45
16. 79. Gigue  2'01
17. 80. Chaconne  3'15
18. 81. Tombeau de Mr. de Blancrocher  8'37

Suite No.12 in E minor
19. 14. Prelude  1'42
20. 63. Allemande de la Paix 3'26
21. 64. Courante  1'39
22. 65. Sarabande  3'32

Suite No.13 in C minor
23. 128. Prelude  1'13
24. 30. Allemande la Precieuse  3'11
25. 31. Courante  2'04
26. 32. Sarabande  2'10
27. 33. Gigue  2'28
28. 34. Chaconne la Bergeronnette  2'11

Massimo Berghella harpsichord
Andrea Di Maio (2018), copy from Vincent Thibaut, 1681


Total time: 72'16
Recording: 25-26 May & 22-23 December 2021,
20-21 April & 1-2 June 2022,
Canepina, Viterbo, Italy


CD18
Louis Couperin 1626-1661

Suite No.14 in G
1. 129. Prelude  1'11
2. 83. Allemande  3'20
3. 84. Courante  1'38
4. 85. Courante  1'34
5. 86. Courante  1'32
6. 87. Sarabande  2'39
7. 89. Chaconne  5'42

Suite No.15 in G
8. 82. Allemande  3'26
9. 90. Courante  1'10
10. 91. Courante  1'24
11. 92. Courante  1'43
12. 88. Gaillarde  1'40

Suite No.16 in D minor
13. 35. Allemande  4'25
14. 42. Courante  1'28
15. 43. Courante  2'00
16. 51. Sarabande (I)  2'54
17. 50. Sarabande (II)  3'59
18. 54. La Pastourelle  1'17
19. 124. Gavotte  1'21
20. 122. Gigue  2'10
21. 56. Sarabande  2'39
22. 57. Chaconne la Complaignante  3'04

Suite No.17 in B minor
23. 115. Allemande  3'21
24. 116. Courante  1'42
25. 117. Sarabande  2'29

26. 120. Pavane in F sharp minor  9'23

Massimo Berghella harpsichord
Andrea Di Maio (2018), copy from Vincent Thibaut, 1681


Total time: 69'42
Recording: 25-26 May & 22-23 December 2021,
20-21 April & 1-2 June 2022, Canepina, Viterbo, Italy


CD19
Gervais-Francois Couperin 1759-1826

Sonatas, Variations, Rondos for fortepiano
1. Les Incroyables Op.6  10'45
2. Variations sur l'air “Ah! Ca ira”  6'23
3. Les Merveilleuses Op.7  9'00
4. Rondo in D (1782)  3'09

Sonata in C Op.1 No.1
5. I. Allegro assai  7'56
6. II. Andante  6'00
7. III. Rondo. Presto  1'43

Sonata in D Op.1 No.2
8. I. Allegro  5'56
9. II. Amoroso. Aria con [7] variazione  8'12
10. III. Presto  5'08

11. Variations on the “Complainte Bearnoise”  7'42

Simone Pierini fortepiano
original J. Haselmann, c.1800-1810


Total time: 71'59
Recording: 18-21 September 2023,
Palazzo Annibaldeschi, Monte Compatri, Italy


 
.

97083
(7CD)
\4700

プレトニョフ(指揮)/ロシア・ナショナル管弦楽団
 チャイコフスキー:交響曲全集



CD1
交響曲第1番ト短調 Op.13「冬の日の幻想」
スラヴ行進曲 変ロ短調 Op.31 9'15
 録音:2011年4月、モスクワ、DZZ Studio 5


CD2
交響曲第2番ハ短調 Op.17
交響曲第2番ハ短調 Op.17~第1楽章(初稿)
 録音:2011年4月、2013年4月、モスクワ、DZZ Studio 5


CD3
交響曲第3番ニ長調 Op.29「ポーランド」
戴冠行進曲 ニ長調 5'46
 録音:2011年4月、モスクワ、DZZ Studio 5

CD4
交響曲第4番ヘ短調 Op.36
幻想序曲「ロメオとジュリエット」 19'35
 録音:2010年6月、モスクワ、DZZ Studio 5


CD5
交響曲第5番ホ短調 Op.64
フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32 24'30
 録音:2010年6月、モスクワ、DZZ Studio 5


CD6
交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
「イタリア奇想曲」  Op.45 15'43
 録音:2010年6月、モスクワ、DZZ Studio 5


CD7
「マンフレッド交響曲」 Op.58
 録音:2013年4月、モスクワ、DZZ Studio 5、
 ベルリン、ヴィルマースドルフ、聖ルートヴィヒ教会

 ロシア・ナショナル管弦楽団
 ミハイル・プレトニョフ(指揮)
 ノルベルト・ゲンバチカ
  (オルガン/マンフレッド交響曲)

 間接音を重視した優秀録音で聴く対向配置サウンド

 2010年から2013年にかけてセッション録音された全集。ヴァイオリン両翼型の対向配置サウンドを、ナチュラルな音質で捉えた優秀録音盤。プレトニョフは1990年代にドイツ・グラモフォンで全集録音をおこなっておりマルチマイクで輝かしい成果をあげていましたが、この再録音では間接音も十分で、よりコンサート・プレゼンスを意識した仕上がりになっています。
 プレトニョフの指揮も繊細な抑揚を常に意識したもので、緩急のつけ方にも説得力があり、平板になったりバカ騒ぎになったりすることが決してありません。マンフレッド交響曲でも膨大な情報を単純化することなく、それぞれの素材を陰影豊かに示すことで、場面ごとの性格だけでなく共通モチーフも浮かび上がらせ、作品本来の贖罪の美しさが壮大なスケールで描かれるのが実に見事。エンディングの神々しさ、「怒りの日」の重みもひとしおです。
 こうした情報量の多い奥深いアプローチで聴くと、前期の3曲の交響曲も多彩な表情が聴けて作品の魅力を改めて見直させる効果も十分です。「カエルの合唱」に似た旋律が楽しい交響曲第2番の終楽章もめまぐるしい表情の変転が、一本調子な演奏で聴いた時とかなり違っています。

 

96902
(3CD)
\2500

ボフスラフ・マルチヌー[1890-1959]:弦楽四重奏曲全集


CD1
● 弦楽四重奏曲第1番 H.117「フランス風」(1918)
1. I. Moderato-allegro ma non troppo  9'40
2. II. Andante moderato  7'36
3. III. Allegro non troppo  10'18
4. IV. Allegro con brio  12'41

● 弦楽四重奏曲第2番 H.150 (1925)
5. I. Moderato-allegro vivace  7'14
6. II. Andante  6'17
7. III. Allegro  5'55

● 弦楽四重奏曲第3番 H.183 (1929)
8. I. Allegro  4'13
9. II. Andante  4'53
10. III. Vivo  3'22


CD2  68'40
● 弦楽四重奏曲第4番 H.256 ニ長調(1937)
1. I. Allegro poco moderato  5'35
2. II. Allegro scherzando  3'34
3. III. Adagio  6'37
4. IV. Allegro  4'09

● 弦楽四重奏曲第5番 H.268 (1938)
5. I. Allegro ma non troppo  6'01
6. II. Adagio  6'23
7. III. Allegro vivo  5'34
8. IV. Lento, allegro 8'25

● 弦楽四重奏曲第6番 H.312 (1946)
9. I. Allegro moderato  6'40
10. II. Andante  7'32
11. III. Allegro  7'50


CD3  52'20
● 弦楽四重奏曲第7番 H.314「室内協奏曲」(1947)
1. I. Poco allegro  7'11
2. II. Andante  7'58
3. III. Allegro vivo  6'00

● ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番 H.313「3つのマドリガル」(1950)
Duo No.1 ‘3 Madrigals' H.313 for violin & viola (1950)
4. I. Poco allegro  4'26
5. II. Poco andante  6'02
6. III. Allegro  5'36

● 弦楽三重奏曲第2番 H.238 (1934)
7. I. Allegro  7'53
8. II. Poco moderato  6'50



 シュターミッツ四重奏団
  第1ヴァイオリン:ボフスラフ・マトウシェク
  第2ヴァイオリン:ヨセフ・ケクラ
  ヴィオラ:ヤン・ペルーシュカ
  チェロ:ヴラディーミル・レイクスネル

 録音:1990年、プラハ


 複雑な味わいと親しみやすさを両立した20世紀の傑作群

 チェコの作曲家ボフスラフ・マルチヌー[1890-1959]の遺した7曲の弦楽四重奏曲は、伝統的なスタイルと現代的なスタイルの融合が説得力に富むことを示す見事な例です。チェコの民俗的メロディーからジャズのリズムに至るまで多くの要素を取り込んだマルチヌーの弦楽四重奏曲は、複雑な味わいと親しみやすさを両立した点に特徴があります。




シュターミッツ四重奏団


1985年、スニーティラ門下のソリスト、ボフスラフ・マトウシェクを第1ヴァイオリンに、同門の後輩、ヨセフ・ケクラを第2ヴァイオリンに、プラハ音楽院出身のヤン・ペルーシュカをヴィオラに、同じくプラハ音楽院出身のヴラディーミル・レイクスネルをチェロに結成。
 第1ヴァイオリンのマトウシェク[1949- ]は、1970年のティボール・ヴァルガ・コンクールでの特別賞受賞、1972年のプラハの春国際ヴァイオリン・コンクールでの優勝により、ソリストとしてキャリアをスタートしていますが、1977年から1980年にかけて、読売日本交響楽団ソリスト兼コンサートマスターとして活躍していたので、ご記憶の方もいらっしゃることでしょう。チェコに戻って再びソリストとしての活動を開始するマトウシェクですが、5年後には、新たに結成されるシュターミッツ四重奏団のリーダーとして、同四重奏団の演奏水準を国際的なものとすることに成功し、1995年までの10年間に渡って同四重奏団に在籍しました。
 同四重奏団退団後は、ソリストとして、また、ドヴォルザーク・ピアノ・トリオのメンバーとして活躍しており、ソリストとしてのレコーディングはすでに24点を数えます。なお、マトウシェク退団後の第1ヴァイオリンは、まずチェルノフが、次いでパズデラが引き継いで現在に至っています。

 

97188
(CD+BOOK)
\4800
アドリアーナ:
 彼女の肖像、彼女の人生、彼女の音楽
エリック・ボスグラーフ(リコーダー)
アンサンブル・コルデヴェント

2023年4月、オランダ、フリースラント州、ブルフム、クルイス教会


 17世紀オランダの女性リコーダー奏者ので波乱万丈の人生を描いた本とCD

 バロック初期にアムステルダムでリコーダー奏者として活躍した女性、アドリアーナ・ファンデン・ベルフについて、17世紀アムステルダムの日常生活、宗教、文化などの情報を交えながら、その生涯を説明した本とCDのセット。
 本の著者は音楽学者のティーモ・ウィント。かつてブリュッヘンと18世紀オーケストラのベートーヴェンの演奏譜を準備したウィントは、その後、17世紀のオランダのリコーダー音楽の研究に打ち込み多くの成果を上げています。この本でも多くの図版と共にアドリアーナの36年の波乱万丈の生涯をわかりやすく説明し、同時に当時の音楽への関心も高まる内容としています。
 CDの収録曲は、ファン・エイクが編曲した賛美歌などのほか、マタイス、スウェーリンク、ロッシ、メールラ、ウッチェリーニなど、アドリアーナが当時聴衆を喜ばせたと考えられるオランダとイタリアの作品で構成。演奏はリコーダーの名手、エリック・ボスグラーフと古楽器グループのアンサンブル・コルデヴェントによるもので、このアルバムのために2023年4月にフリースラント州ブルフムのクルイス教会で新たにレコーディングをおこなっています。




● エリック・ボスグラーフ(リコーダー)


1980年、オランダのドラハテンで誕生。2006年にユトレヒト大学で音楽学修士号を取得。2007年、音楽学者ティーモ・ヴィントの監督の下、オランダ人作曲家ファン・エイク[1589-1657]の作品集をCD3枚組でリリースしたところ、25,000枚以上の売上を記録。世界有数のリコーダー奏者と認められるようになり、現代の作曲家たちが彼のために書いた作品はすでに約100曲と膨大で、その中には20曲の協奏曲も含まれています。


● アンサンブル・コルデヴェント


17世紀の音楽を復活させるために2006年に設立された古楽器アンサンブル。「corde」は弦、「vento」は風を意味するイタリア語です。エリック・ボスグラーフはバロックのアンサンブル物や協奏曲のほとんどを「コルデヴェント」とステージで演奏したりレコーディングしたりしており、その活動範囲は国際的です。


内容詳細


「素晴らしいキャビネット」第2巻(1649)より
コルネリス・ヤンス・ヘルムブレーカー[c.1590?1654]
1. 前奏曲 1'37

「エウテルペ、あるいは器楽の女神」(1644)、
「素晴らしいキャビネット」第2巻(1649)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657] / ヤコブ・ファン・ノールト[1616?1680]
2. 愚かなシモン 4'06

「素晴らしいキャビネット」第1巻(1646)より
ヨハン・ショップ[c.1590?1667]
3. 涙のパヴァーヌ 5'22

ピーター・デ・フォイス[1580?1654]
4. ブランデ・イルラント 1'27

「エレベンタール城」より
コンスタンティン・ホイヘンス[1596?1687]
5. ザイレコム氏のアルマンド 3'57

「素晴らしいキャビネット」第1巻(1646)より
ヨハン・ショップ[c.1590?1667]
6. バレエ 2'16

「笛の楽園」第2巻(1646)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657]
7. 私たちに子供が生まれました 3'02

「神々の笛の楽園」(1644)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657]
8. 2声のコマガイン 1'27

「シンフォニア集 Op.3」(1649)より
ニコラウス・ア・ケンピス[c.1600?1676]
9. 8声のシンフォニア 3'23

「素晴らしいキャビネット」第1巻(1646)より
タルクィニオ・メールラ[1594?1665]
10. カンツォーナ「鶏」 2'48

「神々の笛の楽園」(1644)より
パウルス・マッテイス[1613/14?1684]
11. 紳士のクーラント 1'14

「ソナタ、シンフォニア集」第3巻(1623)より
サラモーネ・ロッシ[1570?1630]
12. ルッジェーロのアリア風4声のソナタ 4'06

「結婚式のシンフォニア集」(1641)より
コルネリス・タイマンスゾーン・パブルエ[c.1592?1670]
13. パヴァーヌ 3'14
14. ガリアルド 1'08

「ソナタ、シンフォニア集」第4巻(1629)より
ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ[c.1595?1642]
15. アヴァンティ・ブランド / ブランド 1'41
16. ガリアルド 1'20
17. コレンティ 0'47

「素晴らしいキャビネット」第1巻(1646)より
ピーター・デ・フォイス[1580?1654]
18. ファンタジア ヘ長調 1'07

「素晴らしいキャビネット」第2巻(1649)より
クリスティアン・ヘルヴィッヒ[1609?1663]
19. コンチェルト 2'39

「神々の笛の楽園」(1644)より
ピーター・デ・フォイス[1580?1654]
20. スペイン風パヴァーヌ 1'52

「ソナタ、シンフォニア集」第4巻R(1642)
サロモーネ・ロッシ[1570?1630]
21. ロマネスカ・アリア風10声のソナタ 3'11

ヤン・ピータースゾーン・スウェーリンク[1561?1621]
22. 半音階的幻想曲 8'11

「素晴らしいキャビネット」第2巻(1649)より
ルイ・コンスタンタン[c.1585?1657]
23. 3声のアルマンド(パヴァーヌ) 2'46

「ソナタ、シンフォニア集」第3巻(1623)より
サラモーネ・ロッシ[1570?1630]
24. ロマネスカ・アリア風3声のソナタ 2'39

「笛の楽園」第2巻(1646)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657]
25. ランタールー(カードゲーム) 4‘10

「ソナタ、アリア、コレンティ集」第3巻(1642)より
マルコ・ウッチェリーニ[1610?1680]
26. 4声のチャッコーナ(シャコンヌ)風アリア 2'21

「神々の笛の楽園」(1644)より
パウルス・マッテイス[1613/14?1684]
27. アリア 2'19

「ソナタ、シンフォニア集」第4巻R(1642)より
サラモーネ・ロッシ[1570?1630]
28. 5声のシンフォニア 3'20

「笛の楽園」第2巻(1646)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657]
29. 人生の喜び 2'40

「ソナタ、アリア、コレンティ曲集」第3巻(1642)より
マルコ・ウッチェリーニ
30. 5声のベルガモ風アリア 3'52

「神々の笛の楽園」(1644)より
ヤコブ・ファン・エイク[1589?1657]
31. 新しい声 1'05




 

96922
\1700

中世のパラダイム~14世紀イタリアの音楽


フランチェスコ・ランディーニ[c.1325?1397]
1. 春が来た 1'54

アントニオ・ザカラ・ダ・テラモ[c.1360?1416]
2. 必ず言います 3'51

アンドレア・ダ・フィレンツェ[c.1350?1415
3. 恋の炎への甘い希望 2'40

作者不詳(14世紀)
4. 喜びの始まり(器楽) 5'57

フランチェスコ・ランディーニ
5. 愛とあなたの歌を祈ります 3'54
6. 今も泣いている痛々しい瞳 2'54
7. この少女の愛(器楽) 3'15


アントニオ・ザカラ・ダ・テラモ
8. 女なんかいらない 3'46

作者不詳(15世紀)
9. 誇り高き鷲(器楽) 2'39

フランチェスコ・ランディーニ
10. さようなら 愛しい人よ 4'17

作者不詳(14世紀)
11. 愛が私を歌わせてくれる 3'15

フランチェスコ・ランディーニ
12. 女って思わないで 3'28

作者不詳(14世紀)
13. 3つの噴水(器楽) 5'31

アントニオ・ザカラ・ダ・テラモ
14. 狩りの楽しみ 4'49

 アクイラ アルテラ
  マリア・アントニエッタ・チニッティ(声、タンブレロ、タンモーラ/1, 3, 4, 5, 7, 10, 11, 14)
  カルロッタ コロンボ(声/1, 5, 6, 8, 12, 14)
  ルカ・チェルヴォーニ(声/2, 3, 5, 11, 12, 14)
  ガブリエレ・プロ(フィドル/1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14)
  アントニオ・プロ(リュート/1, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14)
  マテオ・ナルデッラ(リコーダー、フラウト・ドッピオ、チェッコラ、トライアングル/1, 3, 4, 5, 7, 9, 10, 11, 12, 13, 14)
  ベアトリーチェ・ディオニージ(ハープ/1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 13, 14)
  フェデリコ・ペロッティ(オルガン/1, 2, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 13, 14)

 録音: 2022年5月2~4日、イタリア、オークレ、聖スピリート修道院

 イタリア・アルス・ノーヴァ様式のランディーニを中心とした中世世俗音楽集

 「中世のパラダイム」と題されたこのアルバムは、14世紀から15世紀にかけてのポリフォニックなイタリア世俗音楽の魅力を紹介するもので、宮廷の愛とその喜び、絶望などを扱った曲を集めています。
 注目されるのは約20分収められたフランチェスコ・ランディーニの作品です。ランディーニは幼少期に天然痘により失明した作曲家ですが、歌手、詩人、オルガニストとしても活動し、イタリアの「アルス・ノーヴァ様式」の代名詞的存在として後世に知られるようになる人物です。中世音楽のアルバムだけに、数々のユニークな楽器が奏でる多彩なサウンドも楽しい聴きものとなっています。




「アクイラ・アルテラ」は1998年にマリア・アントニエッタ・チニッティとアントニオ・プロによって設立。グループ名は「誇り高き鷲」という意味で、ヤコポ・ダ・ボローニャのマドリガルに由来しています。
 古楽のレパートリーに特化した活動と歴史研究から、各時代の特徴に基づいた音楽プログラムを作成し、中世とルネサンスの宗教音楽と世俗音楽の両方に実績があります。

 

96927
\1700

ボニス:フルートとピアノのための音楽全集


● フルート・ソナタ Op.64
   1. I. Andantino con moto  5'59
   2. II Scherzo vivace  2'20
   3. III. Adagio  6'41
   4. IV. Finale moderato  5'11

● 3つのメロディー Op.91
   5. Viola  2'40
   6. Sauvez-moi  3'23
   7. Songe  3'48

8.● スケルツォ Op.187  5'00

9.● フルートとピアノのための小品 Op.189  4'56

10.● エール・ヴォードワ Op.108  4'33

11.● 嘆きのフルート Op.121  2'06

● アンダンテとアレグロ Op.133
   12. Andante  4'00
   13. Allegro  1'50

マリオ・アンチロッティ(フルート)
エリアナ・グラッソ(ピアノ)


 録音: 2022年1月、ローマ、アビー・ロッキ・スタジオ


 ロマン派と印象派を繋ぐフランス室内楽の魅力

 フランスの作曲家、メラニー・ボニス[1858-1937]は、パリ音楽院で学んだ後、オーケストラから歌曲までさまざまなジャンルの作品を出版。3人の子供を出産し、家庭と音楽のバランスを取ることに追われながらも、やがて彼女は作曲家協会初の女性理事にも選出。
 ボニスの室内楽ではフルートが活躍することが多く、ロマン派と印象派の橋渡しとなるような作風を示しています。
 「フルート・ソナタ」では、ボニスは4つの楽章を通して、詩と光に満ちたポスト・ロマンティックな雰囲気を醸成。
 「3つのメロディー」は、ソプラノとピアノのための歌曲をフルートとピアノのために編曲したもので、2つの楽器の間に情熱的な対話を生み出させ、フルートに幅広い音色のパレットを見つけるよう挑戦させています。
 「スケルツォ」は、フルートがピアノ・パートの三連符の上で情熱的なメロディーを奏でる音楽。
 「フルートとピアノのための小品」は近年再発見された作品。フルートの色彩豊かな美しいメロディーにゆっくりとしたピアノが絡まります。
 「エール・ヴォードワ」は、戦争によりスイスのヴォー州に疎開していた1916年に書かれた曲で、同地の自然豊かで牧歌的な様子が反映されています。
 「嘆きのフルート」は、叙情性と色彩のコントラストの組み合わせが印象派的な音楽。
 「アンダンテとアレグロ」は、和声の選択と独創的な展開の点で前衛を感じさせる作品。アンダンテの不規則なフレーズと長いラインは、アレグロの急速で低いピアノのオクターブと出会い、嵐のフィナーレに向かって激しさを増していきます。
 演奏は長年に渡って現代作品や知られざる作品の紹介にも取り組んできたイタリアの大御所、マリオ・アンチロッティと同じくイタリアのエリアナ・グラッソによるもので、作品の魅力をじっくり聴かせます。




マリオ・アンチロッティ(フルート)


フィレンツェのルイジ・ケルビーニ音楽院でフルートと作曲を学び、1970年にRAIイタリア放送交響楽団の首席フルート奏者に就任し、ほどなくローマ聖チェチーリア管弦楽団に移りますが、1978年からはソロと室内楽に専念。発掘作品や現代作品も得意とするなど幅広いレパートリーをもっているほか、教育にも力を入れており、ルガーノやフィレンツェを中心に各地で教えています。



エリアナ・グラッソ(ピアノ)


1994年にミュルーズ管弦楽団とハイドンのニ長調協奏曲を演奏してデビュー。2000年にトリノ音楽院で満点の成績で卒業、2005年にピアノ演奏の修士号を取得し、イモラ・アカデミーで勉強を継続。ストレーザ・コンクール、クレメンティ・コンクール、ベラージオ国際コンクールで優勝し、EMCYサンクトペテルブルク国際コンクールで第3位、
 スカラ座アカデミーの共同ピアニストとして働いてきましたが、現在はスカラ座音楽院のピアノ教授です。


 

97009
\1700

ルブラン:オーボエ協奏曲集


ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン[1752-1790]

● オーボエ協奏曲第2番ト短調
1. I. Allegro  7'46
2. II. Adagio  5'28
3. III. Rondo  6'50

● オーボエ協奏曲第7番ヘ長調
4. I. Allegro  9'15
5. II. Adagio  4'44
6. III. Rondo  5'11

● オーボエ協奏曲第3番ヘ長調
7. I. Allegro  8'22
8. II. Adagio  1'23
9. III. Rondo  4'19

● オーボエ協奏曲第1番ニ短調
10. I. Allegro  8'43
11. II. Grazioso  5'15
12. III. Rondo  5'52


 ナンシー・アンブローズ・キング(オーボエ)
 ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団
 ジェレミー・スワーリング(指揮)

 録音:2000年9月4日、2002年1月4~6日、チェコ、オストラヴァ、ヴィトコヴェ文化の家


 マンハイム楽派的&モーツァルト的、オーボエ協奏曲集

 モーツァルトと同時代に活躍したドイツのオーボエの名手で作曲家のルブランは、モーツァルトの1年前に38歳の若さで亡くなっています。マンハイム宮廷楽団の父に教えを受けたルブランは、オーボエの名手だったため、ロンドン、パリ、ミラノ、ウィーン、プラハ、ナポリ、ミュンヘン、ベルリンなど旅公演が多く、作品はあまり遺されていませんが、モーツァルトにも通じる魅力を感じさせる一連のオーボエ協奏曲は傑作が揃っています。
 演奏はアメリカのソリスト、指揮者にチェコのオーケストラという国際的なもので、マンハイム楽派のモーツァルトともいうべき美しい作品を十分に楽しむことができます。
 英CALAレーベル音源のライセンス発売。






ナンシー・アンブローズ・キング(オーボエ)


ミシガン大学で音楽学士号を取得し、イーストマン音楽学校で音楽修士号、音楽芸術博士号、および演奏家資格を取得。1995年にはニューヨーク国際ソロ・オーボエ奏者コンクールで優勝し、以後、ソロ、室内楽奏者として世界的に活躍しています。


ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団


1929年、チェコのオストラヴァに設立された放送オーケストラが前身。1954年、オストラヴァ交響楽団として正式に設立され、1962年、オストラヴァ国立フィルハーモニー管弦楽団に改名し、1971年、ヤナーチェク・フィルハーモニー・オストラヴァに改名。クチャルの指揮した録音ではティンパニを核とした非常に迫力のある音を鳴らすオーケストラで、スメタナのパワフルな音楽との相性も最高です。


ジェレミー・スワーリング(指揮)


ニューヨーク州立大学パーチェス校で優秀な成績で指揮とクラリネットの学士号を取得し、インディアナ大学でオーケストラ指揮の修士号を取得。インディアナポリス交響楽団の初代指揮者としてキャリアをスタートし、サクラメント交響楽団の常任指揮者、ノースイースト・テキサス交響楽団の音楽監督、カリフォルニア大学サンフランシスコ校管弦楽団の音楽監督を歴任し、現在、ダンビル交響楽団の音楽監督を務めています。


 

97076
\1700

ペードロ・ジェ・アラウージョ:オルガン曲集



ペードロ・ジェ・アラウージョ[c.1630-1707]

1. 第1旋法によるコンソナンシアス  4'37
2. 第8旋法によるファンタジア  6'08
3. 第2旋法によるテント(ティエント)  4'34
4. 第6旋法によるオーブラ(作品)  5'19
5. ベクアードロの第2旋法によるオーブラ  7'25
6. 中低音ソロと3声の伴奏のための音楽  5'11
7. 第8旋法による緩やかな作品  1'38
8. 第1旋法によるサルヴァについての作品  4'16
9. 第4旋法によるファンタジア  6'17
10. 第2旋法によるスザーナ  3'35
11. 第8旋法によるオーブラ(作品)  6'13
12. 第2旋法によるファンタジア  8'33
13. 第6旋法によるバターリャ(戦い)  5'05

フイ・フェルナンド・ソアレス(オルガン)

使用楽器:マヌエル・ベニート・ゴメズ・ジェ・エヘーラ(1739)

 録音:2023年1月、ポルトガル、アロウカ修道院


 戦いを描く「バターリャ」は中間部が楽しい注目作!

 17世紀ポルトガル、ブラガンサ王朝期のカトリック教会で活躍した作曲家・オルガニストのペドロ・ジェ・アラウージョ[c.1640-1705]の作品集。アラウージョのオルガン曲は、手の込んだ装飾や表情豊かなハーモニー、リズミカルな活力が特徴です。
 トラック13の「第6旋法によるバターリャ(戦い)」は、ジャヌカン[1485-1558]の声楽曲「戦い」を土台にしており、オルガンの表現力を生かした面白さが格別。トラック10の「第2旋法によるスザーナ」は、ラッスス[1532-1594]の声楽曲「シュザンヌはある日」をパロディにしたもので、こちらもオルガンの輝かしいサウンドが素晴らしい仕上がりです。
 演奏のフイ・フェルナンド・ソアレスはポルトガルのオルガニストで、教会音楽に精通し指揮もこなす実力派。ここでは、1739年にマヌエル・ベニート・ゴメズ・ジェ・エヘーラによってアロウカ修道院のために製作されたオルガンを使用しています。



フイ・フェルナンド・ソアレス(オルガン)


サンタ・マリア・ダ・フェイラで誕生。早くからオルガンを学んだソアレスは、子供の頃から教区のオルガニストとして演奏していました。14歳でポルト教区の典礼学校に入学してオルガン変奏曲の典礼音楽を学び、その後、ガイア地方音楽院を卒業し、カトリック大学エスコーラ・ダス・アルテスで宗教音楽の学士号を取得。2012年にはアムステルダム音楽院でチェンバロ、オルガンを学び古楽の修士号を取得。
 ポルトの聖母受胎教会のオルガニスト、クレリゴス教会のオルガニストを務める一方、フィアンス音楽大学でオルガンを教えてもいます。また、コンサート・オルガニストとして、ポルトガルのほか、スペイン、フランス、スイス、イタリア、ベルギー、オランダ、ポーランドなどでも演奏しています。

 

97117
\1700

ジョヴァンニ・ホフマン:マンドリン四重奏曲集



ジョヴァンニ・ホフマン[c.1770-?]

● マンドリン四重奏曲ト長調
1. I. Allegro moderato  3'06
2. II. Adagio non molto  4'40
3. III. Minuetto  2'19
4. IV. Rondo  3'23

● マンドリン四重奏曲ニ長調
5. I. Allegro  3'17
6. II. Romanze  3'17
7. III. Minuetto  2'12
8. IV. Rondo  2'28

● マンドリン四重奏曲イ長調
9. I. Allegro moderato  2'38
10. II. Adagio  3'31
11. III. Minuetto  2'07
12. IV. Rondo  3'11

● マンドリン四重奏曲ヘ長調
13. I. Allegro molto  3'03
14. II. Adagio  4'11
15. III. Minuetto  2'15
16. IV. Rondo  2'57


 フェデリコ・マッダルーノ(マンドリン)
 アルベルト・マラーノ(ヴァイオリン)
 ミリアム・トラヴェルソ(ヴィオラ)
 アレッサンドロ・パルフィット(チェロ)

 録音:2023年2月、4月、イタリア、ナポリ、スプラッシュ・レコーディング・スタジオ


 マンドリン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの創り出すユニークなサウンド

 マンドリン奏者兼作曲家として18世紀末から19世紀初頭にウィーンで活躍したジョヴァンンニ・ホフマンによる四重奏曲集。マンドリンの典雅で繊細な響きは、ウィーンのサロンで好まれ、ベートーヴェンやフンメル、ブレスバー、シュリックといった作曲家の作品も演奏されていました。
 中でもホフマンは、マンドリン奏者として実際に演奏を聴かせていたことから楽器にも精通しており、作品もソナタから管楽器とのアンサンブル曲まで多岐に渡っています。
 このアルバムでは、マンドリン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのために書かれた四重奏曲が4曲収められており、古典派的な作曲様式でユニークなサウンドの音楽を楽しむことができます。
 演奏はイタリアのマンドリン奏者、フェデリコ・マッダルーノと、同じくイタリアの若手たちによるものです。




フェデリコ・マッダルーノ(マンドリン)


1999年にナポリで誕生。幼い頃から父親の指導で音楽の勉強を始め、8歳でヌンツィオ・レイナからマンドリンのレッスンを受け、10歳でナポリのサン・ピエトロ・ア・マジェッラ音楽院に入学し、ファビオ・メンディットにマンドリンを師事し、その後、優秀な成績で卒業。
 国内外のコンクールで優勝・入賞したのち、ソリスト、室内楽奏者として内外で活動。2021年5月、トリノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院のマンドリン部門で国民芸術賞を受賞。
 アントニオ・モンジーノが1792年に製作した楽器をモデルにしてダニエレ・オルランディが製作したマンドリンを演奏。


アルベルト・マラーノ(ヴァイオリン)


2003年にナポリで誕生。母親からヴァイオリンの指導を受け、2018年にサン・ピエトロ・ア・マジェッラ音楽院に入学。2017年から2019年までスカルラッティ青少年オーケストラのメンバーを務め、2018年にはロータリー・ユース・チェンバー・オーケストラに入団し、第1ヴァイオリン奏者として演奏。現在、ビエッラのペロージ・アカデミーでシルヴィア・マルコヴィチの指導を受けています。
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ミリアム・トラヴェルソ(ヴィオラ)


2000年にナポリの音楽家の家庭に誕生。父親に幼い頃からヴィオラの指導を受けたのち、ナポリのサン・ピエトロ・ア・マジェッラ音楽院に入学し優秀な成績で卒業。その後、クレモナのクラウディオ・モンテヴェルディ高等音楽研究所でフランチェスコ・フィオーレに師事し、またローマの国立サンタ・チェチーリア・アカデミーで室内楽コースを受講。以後、内外で、ソリスト、室内楽奏者として活動中。


アレッサンドロ・パルフィット(チェロ)


ヴァイオリニストの母から3歳でヴァイオリンを学び始め、8歳で音楽院に入学してからチェロに転向。14歳でナポリのサン・カルロ劇場の首席チェロ奏者に師事して腕を磨き、15歳でナポリのサン・ピエトロ・ア・マジェッラ音楽院でリサイタル・デビューし、イタリア、フランス、スペイン、スイス、ハンガリーでも演奏。その後、演奏活動をつづけながら、ジュネーヴの国際メニューイン音楽アカデミーで学び、続いてルガーノのスイス・イタリア語音楽院でも勉強。現在はソリスト、室内楽奏者として活躍中。


 

90011
(LP)
\3700

ジョン・アダムズ:ピアノ作品集


________________________________________
SIDE A 29'03
1. ● 「中国の門」
2. ● 「アメリカの熱狂」
3. ● 「ハレルヤ・ジャンクション」
________________________________________
SIDE B 28'05
1. ● 「フリギアの門」


 イェローン・ファン・フェーン(ピアノ)
 サンドラ・ファン・フェーン(第2ピアノ/ハレルヤ・ジャンクション)

  180グラム重量盤LP ハーフスピード・マスタリング・トランスファー


 録音:2015年11月7日(ハレルヤ・ジャンクション)、2016年6月13日(アメリカの熱狂)、2017年8月24~25日(中国の門、フリギアの門)、オランダ、ペルニス、スタジオIペルニッシモ


 ジョン・アダムス[1947- ]は、オペラから映画音楽、ジャズ、室内楽まで多くの音楽ジャンルの作品を書いていますが、ピアノ作品はあまり多くありません。しかしその内容は、ミニマリズムだけでなく、さまざまなテクニックとスタイルを駆使したもので、大音量で荒々しく尖ったものから繊細で流れるようなシンプルなものまで実に幅広い表現をおこなっています。



 


(2023年12月 新譜).

97082
(10CD)
\5200
.
マレク・ヤノフスキー指揮&スイス・ロマンド管弦楽団
 ブルックナー:交響曲全集

CD1
交響曲第1番ハ短調(1877年稿 ノーヴァク版)
 録音:2011年6月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD2
交響曲第2番ハ短調(1877年稿 キャラガン版)
 録音:2012年10月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD3
交響曲第3番ニ短調(1889年稿 ノーヴァク版)
 録音:2011年10月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD4
交響曲第4番変ホ長調(1878-1880年稿 ノーヴァク版)
 録音:2012年10月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD5
交響曲第5番変ロ長調(1875-1878年稿 ノーヴァク版)
 録音:2009年7月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD6
交響曲第6番イ長調(1879-1881年稿 ノーヴァク版)
 録音:2009年1月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD7
交響曲第7番ホ長調(1881-1883年稿 ノーヴァク版)
 録音:2010年10月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD8
交響曲第8番ハ短調(1890年稿 ノーヴァク版)
 録音:2010年4,6,7月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD9
交響曲第9番ニ短調(ノーヴァク版)
 録音:2010年4,6,7月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
________________________________________
CD10
ミサ曲第3番ヘ短調(1867-1893)
 録音:2012年6月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール

マレク・ヤノフスキー指揮
スイス・ロマンド管弦楽団

 レネケ・ライテン(ソプラノ)
 イリス・フェアミリオン(メゾソプラノ)
 ショーン・マティー(テノール)
 フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒ(バス)


 ドイツの指揮者マレク・ヤノフスキーとスイス・ロマンド管弦楽団によるブルックナーは、ヴィクトリア・ホールでの高解像度な録音に加え、誇張された表現や声部の埋没といった心配が無いため、作品理解に適しています。
 素材引用元としても注目されるミサ曲第3番が収録されているのもさすがの配慮です。




マレク・ヤノフスキー(指揮者)


 ドイツの指揮者、ヤノフスキーは、1939年2月18日にワルシャワで生まれますが、9月1日にドイツがポーランド侵攻を開始したため、母親は子供を連れて両親の住む故郷、ドイツのヴッパータールに帰還。ヴッパータールで成長したヤノフスキーは、幼少期からヴァイオリンとピアノを学び、最初数学を専攻しますが、やがて音楽の道に進むことに決め、近くのケルン音楽大学でサヴァリッシュに師事。さらにイタリアのシエナのキジャーナ音楽院でも学んでいます。若い頃にドイツの伝統的な歌劇場システムで腕を磨いたヤノフスキーの指揮活動は、現在でもオペラとコンサートの両分野に跨っていますが、16年に及んだフランス放送フィル時代に培った近現代音楽やフランス音楽での実力にも定評があり、メシアンの権威として高く評価されてもいました。
 その緻密な仕上げと隙の無い解釈は、地元ドイツでもファンの心を着実に掴んでおり、激戦区ベルリンにあって、手兵ベルリン放送響の聴衆動員率アップに大いに貢献し、契約が大幅に延長されるという栄誉にも浴していました。

スイス・ロマンド管弦楽団


 アンセルメが創設したオーケストラで、かつてはヤノフスキーの師でもあったサヴァリッシュが11年間に渡って首席指揮者を務めていたオーケストラでもあります。そのサウンドはドイツ物もフランス物も無理なくこなしてしまうニュートラルな性格を持った機能的なもので、優秀録音で聴くとその高度な表現力よくわかります。


 

97066
(17CD)
\6300
.
レーガーのスペシャリスト,ロベルト・マリーニによる優秀録音

 レーガー:オルガン作品全集


CD1
交響的幻想曲とフーガ ニ短調 Op. 57「地獄幻想曲」
1. 幻想曲 13'36
2. フーガ 10'16

幻想曲とフーガ ニ短調 Op.135b
3. 幻想曲 7'26
4. フーガ 9'58

B-A-C-Hによる幻想曲とフーガ Op.46
5. 幻想曲 8'31
6. フーガ 10'01

幻想曲とフーガ ハ短調 Op.29
7. 幻想曲 7'59
8. フーガ 7'46

 使用楽器:ブルックナー・オルガン
 録音:2010年12月11~12日、2011年6月4日 (Op.135b)、
オーストリア、リンツ=ラント、ザンクト・フローリアン、アウグスティヌス会修道院
________________________________________
CD2
12の小品 Op.59
1. 前奏曲 4'26
2. パストラーレ 3'43
3. 間奏曲 2'37
4. カノン 2'09
5. トッカータ 3'40
6. フーガ 4'34
7. キリエ・エレイソン 4'43
8. グローリア・イン・エクセルシス 4'20
9. ベネディクトゥス 5'18
10. カプリッチョ 3'13
11. メロディア 6'28
12. テ・デウム 4'18

9つの小品 Op.129
13. トッカータ 2'42
14. フーガ 5'47
15. カノン 3'22
16. メロディア 3'40
17. カプリッチョ 2'22
18. バッソ・オスティナート 3'27
19. インテルメッツォ 4'15
20. 前奏曲 2'18
21. フーガ 3'40

 使用楽器:ブルックナー・オルガン
 録音:2010年12月11~12日、
オーストリア、リンツ=ラント、ザンクト・フローリアン、アウグスティヌス会修道院
________________________________________
CD3
創作主題による変奏曲とフーガ Op.73
1. 変奏曲 28'00
2. フーガ 4'52

10の小品 Op.69
3. 前奏曲 3'18
4. フーガ 3'55
5. バッソ・オスティナート 4'41
6. 楽興の時 5'23
7. カプリッチョ 2'10
8. トッカータ 4'19
9. フーガ 4'03
10. ロマンツェ 4'32
11. 前奏曲 3'11
12. フーガ 3'48

 使用楽器:リーガー・オルガン
 録音:2011年3月11~12日、ドイツ、ヘッセン州、フルダ、聖サルヴァトール大聖堂
________________________________________
CD4
6つのトリオ Op.47
1. カノン 2'17
2. ジーグ 2'14
3. カンツォネッタ 4'51
4. スケルツォ 3'24
5. シチリアーノ 2'52
6. フーガ 3'18

12の小品 Op.65
7. ラプソディー 7'24
8. カプリッチョ 4'25
9. パストラーレ 5'24
10. 慰め 4'49
11. 即興 5'18
12. フーガ 5'42
13. 前奏曲 6'21
14. フーガ 4'30
15. カンツォーネ 5'48
16. スケルツォ 2'45
17. トッカータ 4'43
18. フーガ 6'17

 使用楽器:リーガー・オルガン
 録音:2011年3月11~12日、ドイツ、ヘッセン州、フルダ、聖サルヴァトール大聖堂
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CD5
1. コラール幻想曲「われらが神は堅き砦」 Op.27 16'07

2. コラール幻想曲「おおわが魂よ、大いに喜べ」 Op.30 20'14

コラール幻想曲とフーガ「暁の星のいと美しきかな」 Op.40-1
3. 幻想曲 13'17
4. フーガ 5'12

5. コラール幻想曲「腹立ちまぎれにわれを罰するな」 Op.40-2 16'36

オルガンのための52のコラール前奏曲 Op.67
6. 第1番 いと高きところにいます神にのみ栄光あれ 1'39
7. 第2番 すべてのものは神の祝福により 0'58
8. 第3番 深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる 2'56
9. 第4番 わが心の底より 2'48

 使用楽器:シュタインマイヤー・オルガン
 録音:2011年10月8、10日、ドイツ、バイエルン州、オットーボイレン、ベネディクト会修道院
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CD6
1. コラール幻想曲「人はみな死すべきもの」Op.52 No.1 17'16

コラール幻想曲「目覚めよ、と呼ぶ声あり」Op.52 No.2
2. 幻想曲 13'06
3. フーガ 6'49

コラール幻想曲「アレルヤ、神をたたえるは我が魂の歓び」Op.52 No.3
4. 幻想曲 9'24
5. フーガ 7'05

オルガンのための52のコラール前奏曲 Op.67
6. 第5番 わが命なるキリスト 3'02
7. 第6番 われらが神は堅き砦 2'52
8. 第7番 汝に、エホバよ、われ汝に向かいて歌わん 2'02
9. 第8番 栄光の日は現われぬ 3'11
10. 第9番 主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ 1'12
11. 第10番 救いはわれらに来れリ 1'52
12. 第11番 おおわが魂よ、大いに喜べ 2'58
13. 第12番 天と地の神よ 3'00
14. 第13番 主よ、汝の御心のままにわれはあらん 4'45
15. 第14番 われ心よりこがれ望む 3'21

 使用楽器:シュタインマイヤー・オルガン
 録音:2011年10月8、10日、ドイツ、バイエルン州、オットーボイレン、ベネディクト会修道院
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CD7
序奏、パッサカリアとフーガ ホ短調 Op.127
1. 序奏 4'43
2. パッサカリア 14'28
3. フーガ 10'41

12の小品 Op.80
4. 前奏曲 4'47
5. フゲッタ 4'10
6. カンツォネッタ 5'35
7. ジーグ 2'58
8. アヴェ・マリア 4'55
9. 間奏曲 4'08
10. スケルツォ 4'37
11. ロマンツェ 4'07
12. 無窮動 1'54
13. 間奏曲 4'59
14. トッカータ 3'38
15. フーガ 4'08

 使用楽器:シュタールフート/ヤン・オルガン
 録音:2012年4月13~14日、ルクセンブルク、ドゥデランゲ、聖マルティン教会
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CD8
3つの小品 Op.7
1. 前奏曲とフーガ ハ長調 9'39
2. 幻想曲「われら神であるあなたを讃えん」 10'56
3. フーガ ニ短調 10'19

7つの小品 Op.145
4. 追悼頌歌 14'33
5. 感謝の詩篇 8'09
6. クリスマス 8'28
7. 受難 5'29
8. 復活祭 4'22
9. 聖霊降臨祭 5'42
10. 戦勝祝賀会 7'57

 使用楽器:シュタールフート/ヤン・オルガン
 録音:2012年4月13~14日、ルクセンブルク、ドゥデランゲ、聖マルティン教会
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CD9
オルガン・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.33
1. I. 幻想曲 4'58
2. II. 間奏曲 6'02
3. III. パッサカリア 12'07

オルガン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.60
4. I. 即興 8'16
5. II. 祈祷 7'51
6. III. 序奏とフーガ 7'25

作品番号なしの作品
7. 序奏とパッサカリア ニ短調 WoO IV/6 7'33
8. 前奏曲 ハ短調「レモネード前奏曲」WoO VIII/6 1'21
9. 「万歳! 国王万歳!」による変奏曲とフーガ WoO IV/7 9'16
10. 前奏曲とフーガ ニ短調 WoO IV/10 5'35
11. 後奏曲 ニ短調 WoO IV/12 2'26
12. 前奏曲とフーガ 嬰ト短調 WoO IV/15 7'01

 使用楽器:ザウアー・オルガン
 録音:2011年12月8~9日、ドイツ、ヘッセン州、バート・ホンブルク、救世主教会
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CD10
モノローグ. 12の小品 Op.63
1. 前奏曲 6'14
2. フーガ 6'27
3. カンツォーネ 6'36
4. カプリッチョ 4'38
5. 序奏 3'47
6. パッサカリア 9'59
7. アヴェ・マリア 5'20
8. 幻想曲 5'09
9. トッカータ 3'56
10. フーガ 7'49
11. カノン 3'42
12. スケルツォ 5'00

2つのトランスクリプション
13. 前奏曲とフーガ 嬰ヘ長調 6'09
14. ロマンツェ イ短調 3'30

作品番号なしの作品
15. フーガ ハ短調 WoO IV/8 2'38
16. 古いオランダの感謝の祈り WoO IV/17 3'00

 使用楽器:ザウアー・オルガン
 録音:2011年12月8~9日、ドイツ、ヘッセン州、バート・ホンブルク、救世主教会


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CD11
オルガン組曲第1番 ホ短調 Op.16
1. 序奏とフーガ 16'53
2. アダージョ・アッサイ 10'24
3. 間奏曲. トリオ 12'24
4. パッサカリア 12'44

オルガン組曲第2番 ト短調 Op.92
5. 前奏曲 4'30
6. フーガ 3'43
7. 間奏曲 6'56
8. バッソ・オスティナート 2'57
9. ロマンツェ 7'29
10. トッカータ 3'40
11. フーガ 4'00

 使用楽器:リンク・オルガン
 録音:2011年6月25~26日、
ドイツ、バーデン=ヴュルテンベルク州、ギーンゲン・アン・デア・ブレンツ、福音教会
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CD12
演奏しやすい5つの前奏曲とフーガ Op.56
1. 前奏曲とフーガ ホ長調 9'34
2. 前奏曲とフーガ ニ短調 6'32
3. 前奏曲とフーガ ト長調 11'32
4. 前奏曲とフーガ ハ長調C 6'38
5. 前奏曲とフーガ ロ短調 12'36

前奏曲とフーガ Op.85
6. 前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 6'52
7. 前奏曲とフーガ ト長調 7'23
8. 前奏曲とフーガ ヘ長調 8'42
9. 前奏曲とフーガ ホ短調 8'36

 使用楽器:リンク・オルガン
 録音:2011年6月25~26日、
ドイツ、バーデン=ヴュルテンベルク州、ギーンゲン・アン・デア・ブレンツ、福音教会
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CD13
オルガンのための52のコラール前奏曲 Op.67
1. 第15番 天地こぞりてこの日の御業を 3'57
2. 第16番 われ汝に感謝す、尊き主よ 2'17
3. 第17番 わが勇気をわれは愛さん 1'45
4. 第18番 エルサレムよ、かたく建てられし町よ 2'01
5. 第19番 イエスの悲しみと苦しみと死 2'17
6. 第20番 わが確き望みなるイエスは 1'54
7. 第21番 イエス、わが喜び 2'08
8. 第22番 来たれ、生命の霊よ 1'04
9. 第23番 汝らキリスト者よ、こぞりて主をたたえよ 1'04
10. 第24番 主をたたえよ 1'37
11. 第25番 神よ、汝の善行にわれを向かわしめたまえ 2'14
12. 第26番 われはわがイエスを捨てず 2'01
13. 第27番 いざもろびと、神に感謝せよ 2'09
14. 第28番 今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ 1'32
15. 第29番 いざ来ませ、異邦人の救い主よ 1'14
16. 第30番 おお、汝正しくして善なる神よ 1'40
17. 第31番 おお神よ、汝いつくしみ深き神よ 1'05
18. 第32番 おお、穢れなき神の子羊 2'05
19. 第33番 おお世よ、われ汝より離れざるを得ず 2'32
20. 第34番 おお愛する魂よ、汝を飾れ 1'54
21. 第35番 魂の花嫁 1'54
22. 第36番 わが神に向かって歌わずば 2'37
23. 第37番 汝の怒りにてわれを罰するなかれ 1'43
24. 第38番 われ汝に別れを告げん 2'15
25. 第39番 天にいますわれらの父よ 3'09
26. 第40番 高き天よりわれは来たれり 2'37
27. 第41番 目覚めよ、と呼ぶ声あり 2'48
28. 第42番 われ神より去らじ 2'30
29. 第43番 何ゆえに悲しむや、わが心よn 2'17
30. 第44番 神のみわざは善きかな 2'04
31. 第45番 ただ愛する神の摂理にまかす者 1'40
32. 第46番 ただ愛する神の摂理にまかす者 1'04
33. 第47番 目覚めよ、わが心よ 1'36
34. 第48番 わが終わりの近きをだれぞ知らん 2'20
35. 第49番 暁の星のいと美しきかな 2'13
36. 第50番 幸いなるかな、おお魂の友よ 1'42
37. 第51番 イエスは来たれりn 1'24
38. 第52番 おお汝ら信仰深き者いかに幸いなるか 1'14

 使用楽器:ザウアー・オルガン
 録音:ドイツ、ザクセン=アンハルト州、ハレ、モーリッツ教会
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CD14
13のコラール前奏曲 Op.79b
1. 第1番 神よ、私のもとを去らないで下さい 1'30
2. 第2番 われらが神は堅き砦 1'25
3. 第3番 主よ、今馬車を止めるにも 1'23
4. 第4番 永遠の朝焼け 1'14
5. 第5番 安らぎと喜びもてわれは行く 2'08
6. 第6番 わが終わりの近きをだれぞ知らん 2'03
7. 第7番 よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう 0'56
8. 第8番 キリストは死から復活する 1'14
9. 第9番 キリストこそ わが生命 1'24
10. 第10番 安らぎと喜びもてわれは逝く 1'34
11. 第11番 全ての神に感謝せよ 1'53
12. 第12番 主よ、今馬車を止めるにも 1'12
13. 第13番 何故に私が悲しむのか 1'01

30のコラール前奏曲 Op.135a
14. 第1番 我等と共にあれ 1'21
15. 第2番 いと高きところにいます神にのみ栄光あれ 1'35
16. 第3番 すべてのものは神の祝福により 1'14
17. 第4番 深き苦しみの淵より、われ汝に呼ばわる 2'38
18. 第5番 われらが神は堅き砦 1'13
19. 第6番 必要なのはただひとつ、ああ神よ、このひとつを 1'42
20. 第7番 救いはわれらに来れリ 1'08
21. 第8番 審判の日は来れり 1'21
22. 第9番 目覚めよ、祈れ、祈れ、目覚めよ 1'41
23. 第10番 主なる神よ、われら汝を讃えまつる 0'59
24. 第11番 主イエス・キリスト、われを顧みたまえ 1'00
25. 第12番 エルサレムよ、かたく建てられし町よ 1'01
26. 第13番 イエス、わが信頼 1'46
27. 第14番 最愛のイエス、われらここ集いて 1'23
28. 第15番 力強き栄光の王なる主をたたえよ 0'55
29. 第16番 戸を高く上げよ 1'15
30. 第17番 我は我がイエスを捨てず 1'34
31. 第18番 いざもろびと神に感謝せよ 1'07
32. 第19番 おお我に千の舌ありなば 1'07
33. 第20番 おお汝正しくして善なる神よ 1'47
34. 第21番 汝、その道を命じたまえ 3'04
35. 第22番 おお世の人よ、ここに汝の命を見よ 1'19
36. 第23番 われ汝に別れを告げん 1'00
37. 第24番 高き天よりわれは来れり 1'15
38. 第25番 目覚めよ、と呼ぶ声あり 1'34
39. 第26番 貧しきものは饗せられん 1'13
40. 第27番 わが神の御心のままに 1'18
41. 第28番 ただ愛する神の摂理にまかす者 1'50
42. 第29番 明けの明星はなんと美しく輝くのだ 1'15
43. 第30番 くすしき神、たえなる主よ 1'13

作品番号なしのコラール前奏曲
44. 第1番 おお悲しみ、おお心の悩み 6'01
45. 第2番 甘き死よ、来たれ 4'55
46. 第3番 キリストは甦りたまえり 1'39
47. 第4番 おお、こうべは血にまみれ 2'17
48. 第5番 船がやって来る 0'58
49. 第6番 暁の星のいと美しきかな 1'32

 使用楽器:ザウアー・オルガン
 録音:ドイツ、ザクセン=アンハルト州、ハレ、モーリッツ教会
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CD15
レーガーによるJ.S.バッハ:クラヴィーア作品のオルガン編曲
1. 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903 14'54
2. 前奏曲とフーガ 嬰ハ短調 BWV849 7'29
3. 前奏曲とフーガ ロ長調 BWV866 4'03
4. 前奏曲とフーガ ロ短調 BWV867 5'18
5. 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV870 5'08
6. 前奏曲とフーガ 嬰ハ長調 BWV872 4'36
7. 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV874 7'04
8. 前奏曲とフーガ ト長調 BWV884 5'27
9. 前奏曲とフーガ ト短調 BWV885 7'35
10. 幻想曲とフーガ イ短調 BWV904 9'18
11. トッカータとフーガ ニ短調 BWV913 7'45

 使用楽器:クーン・オルガン
 録音:2013年4月19~20日、スイス、シャフハウゼン、聖ヨハン改革派教会
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CD16
レーガーとシュトラウベによる研究用のトリオ演奏用オルガン編曲
J.S.バッハ:2声のインヴェンション BWV772-786
1. インヴェンション I 1'34
2. インヴェンション II 2'13
3. インヴェンション III 1'38
4. インヴェンション IV 1'28
5. インヴェンション V 2'16
6. インヴェンション VI 4'27
7. インヴェンション VII 1'46
8. インヴェンション VIII 1'19
9. インヴェンション IX 2'26
10. インヴェンション X 1'11
11. インヴェンション XI 1'56
12. インヴェンション XII 2'00
13. インヴェンション XIII 1'41
14. インヴェンション XIV 2'01
15. インヴェンション XV 1'33

レーガーによるJ.S.バッハ:クラヴィーア作品のオルガン編曲
16. トッカータとフーガ 嬰へ短調 BWV910 12'33
17. トッカータとフーガ ハ短調 BWV911 13'15
18. 幻想曲とフーガ ニ短調 BWV912 13'34
19. トッカータとフーガ ト短調 BWV915 11'43

 使用楽器:クーン・オルガン
 録音:2013年4月19~20日、スイス、シャフハウゼン、聖ヨハン改革派教会
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CD17
編曲
1. リスト:波の上を歩くパウラの聖フランシスコ 13'02
2. R.シュトラウス:聖ヨハネ騎士団入団式 6'40
3. シンディング:ピアノ五重奏曲ホ短調 Op.5~第2楽章アンダンテ 10'49

 使用楽器:クーン・オルガン
 録音:2013年4月19~20日、スイス、シャフハウゼン、聖ヨハン改革派教会

4. オルガン・ソナタ第1番嬰ヘ短調 Op.33~第3楽章パッサカリア(初版) 9'58

 使用楽器:ザウアー・オルガン
 録音:2011年12月8日、ドイツ、ヘッセン州、バート・ホンブルク、救世主教会

コラール幻想曲「暁の星のいと美しきかな」Op.40(初版) 16'29
5. 幻想曲 11'17
6. フーガ 5'13

 使用楽器:シュタインマイヤー・オルガン
 録音:2011年10月10日、ドイツ、バイエルン州、オットーボイレン、ベネディクト会修道院

幻想曲とフーガ ニ短調 Op.135b(初版) 20'40
7. 幻想曲
8. フーガ

 使用楽器:ブルックナー・オルガン
 録音:2010年12月11日、
オーストリア、リンツ=ラント、ザンクト・フローリアン、アウグスティヌス会修道院

ロベルト・マリーニ(オルガン)

 フランスのオルガン専門レーベルFUGATTOが制作したレーガー没後100周年記念盤のライセンス発売。レーガー演奏に定評のあるマリーニが、リンツのブルックナー・オルガン、フルダのリーガー・オルガン、オットーボイレンのシュタインマイヤー・オルガン、ドゥデランゲのシュタールフート/ヤン・オルガン、バート・ホンブルクのザウアー・オルガン、ギーンゲン・アン・デア・ブレンツのリンク・オルガン、シャフハウゼンのクーン・オルガン、ハレのザウアー・オルガンを演奏。すべて同じエンジニアによる録音なのも嬉しいところです。



ロベルト・マリーニ(オルガン)


イタリア中部の大聖堂の街、テーラモに生まれたロベルト・マリーニは、幼い頃からオルガンに親しみ、非常に若い時にバッハの作品でデビュー。
 ローマでは聖チェチーリア音楽院の名オルガニスト、フェルナンド・ジェルマーニ[1906-1998]にオルガンとオルガン作曲を師事し、レーガーの「創作主題による変奏曲とフーガ」Op.73の演奏によってディプロマを取得。
 続いてマリーニはスイスに向かい、ジュネーヴ音楽院で同地出身の名オルガニスト、リオネル・ロッグ[1936- ]に師事して腕を磨き、オルガン・ヴィルトゥオーゾ部門のプルミエ・プリを獲得。
 以後、ヨーロッパ各地で演奏をおこない、バッハとレーガーの全曲演奏では、ドイツ大使館、マックス・レーガー研究所、イタリア聖公会会議の後援も受けるなど国際的な注目度も高まっています。
 マリーニは現在、ローマ教皇庁宗教音楽研究所のオルガン教授で、ペスカーラ音楽院のオルガンとグレゴリオ聖歌の教授も兼務。
 また、故郷、テーラモ大聖堂の名誉オルガン奏者としてテーラモ国際オルガン・フェスティヴァルの芸術監督を務めるほか、近郊のカステルバッソ・オルガン・サマー、スペインのマジョルカ島で開催されるアントニ・マルトレル国際オルガン・フェスティヴァルの芸術監督も務めています。

 

96923
\1700
ポリフォニーから名技まで聴かせる無伴奏ヴィオラ名曲集
 レーガー:無伴奏ヴィオラのための3つの組曲、ほか


マックス・レーガー[1873-1916]
 無伴奏ヴィオラのための3つの組曲 Op.131d (1915)  30'15
  組曲第1番ト短調  11'31
  組曲第2番ニ長調  09'26
  組曲第3番ホ短調  09'18

アンリ・ヴュータン[1820-1881]
  無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ ハ短調 Op.55(遺作)「パガニーニへのオマージュ」 3'08

クシシュトフ・ペンデレツキ[1933-2020]
  無伴奏ヴィオラのためのカデンツァ(1984) 7'34

ベンジャミン・ブリテン[1913-1976]
  無伴奏ヴィオラのためのエレジー(1930) 6'19

イーゴリ・ストラヴィンスキー[1882-1971]
  無伴奏ヴィオラのためのエレジー(1944) 4'46

ルーカ・サンツォ(ヴィオラ)

 録音: 2023年3月14~16日、イタリア、ラツィオ州、ローマ県、アルデーア、ニュー・スタジオ「G&G」

 ヴィオラの思慮深げでメランコリックな音色が最も生きるのが無伴奏作品。少しバッハ風なところもあるマックス・レーガーの組曲を中心としたこのアルバムでは、組み合わせのヴュータン、ペンデレツキ、ブリテン、ストラヴィンスキーによる4曲の小品の内容もエレジーのような内容が中心。演奏のルーカ・サンツォは近現代音楽にも強いイタリアのヴィオラ奏者で、それそれの作品の個性を浮かび上がらせてヴィオラの魅力を堪能させます。



レーガー:無伴奏ヴィオラのための3つの組曲(トラック1~12)


 ドイツの作曲家、マックス・レーガー[1873?1916]は、50以上の作品をバッハに捧げたバロック・マニアな人物でもあります。レーガーはフーガ、パッサカリア、シャコンヌなど対位法形式の音楽を好み、これら3つの組曲にもそうした趣向が反映されていますが、第1次大戦中の1915年に作曲されたこともあってか、組曲第1番と第3番ではほの暗いエレジーのような雰囲気も印象的です。


ヴュータン:無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ「パガニーニへのオマージュ」(トラック13)


 ベルギーの作曲家、アンリ・ヴュータン[1820-1881]は、ヴァイオリンの名手として知られ、14歳でのロンドン・デビューに際してはパガニーニ[1782-1840]やベルリオーズ[1803-1869]とも出会っています。ヴュータンは53歳で脳卒中の発作に見舞われ半身が麻痺、残りの8年間はつらい生活でした。「パガニーニへのオマージュ」は、大先輩との若き日の出会いに想を得たのか、ノスタルジックな泣き笑いのような曲になっていて不思議な魅力があります。


ペンデレツキ:無伴奏ヴィオラのためのカデンツァ(トラック14)


 ポーランドの作曲家、クシシュトフ・ペンデレツキ[1933?2020]は、前衛的なスタイルで成功し、記譜法も実験的でしたが、1970年代なかばからは五線譜への記譜に復帰。1984年に書かれたこの「カデンツァ」も、小節線や拍子記号は無いものの、五線譜に記譜されています。前年に書かれたヴィオラ協奏曲の素材が使用されたりしていることから、協奏曲のカデンツァと見做すこともできますが、緩急緩の構成と、急の部分でのバロック的ともいえる親しみやすさは緩の部分の嘆き傾向とのコントラストも明確で、独立した作品としての存在感も十分です。作品はソ連出身のヴァイオリンとヴィオラの名手、グリゴリー・ジスリンのために書かれています。


ブリテン:無伴奏ヴィオラのためのエレジー(トラック15)


 イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテン[1913?1976]が1930年に作曲した「エレジー」は、16歳と8か月のときの作品。ブリテン少年はピアノとヴィオラが得意で作曲は5歳から始めていたという天才ぶりで、10代前半にはフランク・ブリッジに長く師事していました。この作品はロンドンの王立音楽大学に入学する直前に書かれたもので、直近2年間のノーフォークの寄宿学校生活のつらい思い出が投影されています。


ストラヴィンスキー:無伴奏ヴィオラのためのエレジー(トラック16)


 ロシア帝国生まれの作曲家、イーゴリ・ストラヴィンスキー[1882?1971]がアメリカ暮らし4年目の1944年に作曲した「エレジー」は、同じくアメリカ暮らし4年目のプロ・アルテ四重奏団の創設メンバーであるヴィオラ奏者、ジャーマン・プレヴォスト(ジェルマン・プレヴォ)からの委嘱作。主旨は1940年11月に白血病のため亡くなったプロ・アルテ四重奏団創設者で第1ヴァイオリン奏者のアルフォンス・オンノウ(アルフォンス・オンヌー)を追悼するというもの。聖歌や対位法の要素も取り入れた作風で、悲しみと親密さが同居したような独特な魅力があります。



ルーカ・サンツォ(ヴィオラ)


ルーカ・サンツォはブルーノ・ジュランナの弟子で、ソリストとして活動するほか、ミケランジェロ四重奏団を創設するなど室内楽にも熱心なヴィオラ奏者。19世紀と20世紀の音楽を専門とするグループ「パルコ・デッラ・ムジカ・コンテンポラネア・アンサンブル」の長年のメンバーでもあり、聖チェチーリア音楽院のヴィオラ教授も務めています。

 

96949
\1700
ロマン派ヴァイオリン・ソナタの傑作をリアルな演奏で
 グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ全曲
ジェルマーナ・ポルク・モラーノ&
 ブルーノ・カニーノ

録音: 202231718日、イタリア、ロンバルディア州、モンツァ・エ・ブリアンツァ県、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ

 演奏家の解釈のために、楽譜の強弱や繰り返し指定がぞんざいに扱われたり、細かな部分が弾き飛ばされたりすることも多いヴァイオリン作品ですが、ここではイタリアのジェルマーナ・ポルク・モラーノとブルーノ・カニーノがグリーグの楽譜を尊重したアプローチで作品のリアルな姿を丁寧に表現。
 3つのヴァイオリン・ソナタはグリーグのお気に入りだった作品で、以下のようなことを述べてもいました。
 「ヴァイオリンとピアノのための3つのソナタは、私の最高傑作のひとつであり、私の成長の段階を表しています。第1番はまだ純朴でお手本通りのところが多く、第2番は国民的(民俗的)、第3番はより広い視野を持ったものです。」




ヴァイオリン・ソナタ第1番(トラック1~3)

 グリーグはライプツィヒ音楽院で学んだのち、デンマークのコペンハーゲンに移り住みニルス・ゲーゼらと交流。1864年には友人たちと北欧音楽の普及を目的とした「エウテルペ協会」を設立し、民俗音楽とクラシック音楽の組み合わせを追及するようにもなります。
 ヴァイオリン・ソナタ第1番は、デンマーク時代2年目の1865年夏に作曲。ドイツ音楽の影響が色濃く残るものの、グリーグらしい北欧的な要素も盛り込まれた力作です。初演は同年11月中旬にライプツィヒのゲヴァントハウスでおこなわれ、評判は上々でした。


ヴァイオリン・ソナタ第2番(トラック4~6)


 グリーグは1867年6月にいとこのソプラノ歌手ニーナ・ハーゲルップと結婚し、7月にヴァイオリン・ソナタ第2番をクリスチャニア(現オスロ)で3週間という短期間で作曲しています。構造と形式は2年前の第1番と似ていますが、扱う素材はノルウェー的なものが多く、民俗音楽のリズムが作品を大きく特徴づけています。
 ここまで民俗音楽にこだわった背景には、前年3月に「エウテルペ協会」メンバーのノルドクラーク(ノルウェー国歌の作曲者)が23歳の若さで結核のため亡くなってしまったことが影響しているかもしれません。


ヴァイオリン・ソナタ第3番(トラック7~9)


 ヴァイオリン・ソナタ第3番は第2番の20年後、44歳になった1887年に作曲。グリーグは1884年にベルゲン南部に土地を購入して自宅「トロールハウゲン」を建て、そこを拠点に夫婦で国際的な演奏活動をおこなっていました。
 作曲のきっかけとなったのは、トロールハウゲンを訪れた20歳のイタリア人女性ヴァイオリニスト、テレジーナ・トゥーアによるヴァイオリン演奏でした。グリーグの作曲技法は熟達し、民俗的な要素とクラシック音楽のスタイルを見事に融合させています。
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ジェルマーナ・ポルク・モラーノ(ヴァイオリン)


 1988年生まれ。2006年にベルガモ音楽祭管弦楽団のヴァイオリン奏者としてイタリア、日本、スウェーデンのツアーに参加。2010年にはベルガモのG.ドニゼッティ高等音楽研究所で最高の成績で学位を取得、最も優秀な卒業生としてベルガモ市がロータリー賞を授与。
 第11回国際音楽コンクール・イタリア・フェスティヴァルで優勝し、特別賞「ソリストとオーケストラ」も受賞。第30回ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリニスト・コンクールでは第3位(第1位、第2位は無し)を獲得。
 以後、ソリスト、室内楽奏者としてヨーロッパ各国とアメリカ、アジアなどで世界的に活動。
 レコーディングでは、2016年にアレンスキーのピアノ三重奏曲集をブリリアント・クラシックスで録音していたほか、2018年にダ・ヴィンチ・クラシックスでニールセンのヴァイオリン・ソナタ全集を録音。2019年にもダ・ヴィンチ・クラシックスで、ジャコモ・メルキのヴァイオリンとギターのための作品を録音していました。


ブルーノ・カニーノ(ピアノ)


 1935年、ナポリで誕生。ミラノ音楽院でピアノと作曲を、ベルン音楽院でピアノと室内楽を修め、1950年代後半までに、フェルッチョ・ブゾーニ、ボルツァーノ、ダルムシュタットなどの国際コンクールで入賞。
 以後はソリストおよび室内楽奏者として、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本、中国などで活動。膨大な数の有名演奏家との共演のほか、現代作品にも熱心に取り組み、ベリオ、シュトックハウゼン、リゲティ、ブーレーズ、マデルナ、ノーノ、ブッソッティ、カーゲルらと交流し、世界初演も多数実施。
 教育活動にも精力的で、マスタークラスだけでなく、ミラノ音楽院で24年、ベルン音楽院で10年教え、現在もフィエーゾレ音楽院でピアノによる室内楽を受け持っているほか、1997年には著書「室内楽ピアニストの手引書」、2015年には著書「音楽が無ければ」も出版。

 

96848
(2CD)
\1900
20世紀フランスの作曲家ミゴによるギターの多様な世界
 ジョルジュ・ミゴ:ギター作品全集


CD1

「クロード・ドビュッシーへのオマージュのために」 (1924) (手稿譜からの新版)  11'27
1. I. 前奏曲 4'40
2. II. パストラーレ 3'55
3. III. 後奏曲 2'52

 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

ギター・ソナタ(1960)  18'18
4. I. 前奏曲 4'43
5. II. アラント(溌溂と) 4'48
6. III. アンダンテ・グラーヴェ 3'02
7. IV. フィナーレ 5'45

 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

「ピエール・ムサリー≪喜びと不安≫による3つの歌」 (1969) (声とギターのための)  12'49
8. I. 「踊りの歌」 5'19
9. II. 「覚えやすい歌」 3'57
10. III. 「ロンド」 3'33

 原璃菜子(ソプラノ)
 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

 録音:2022年7月27日、11月2~4日、イタリア、トリエステ、517 サン・ヴィート、スタジオ・ダルテ


CD2

「2台のギターのための前奏曲集」 (1961)  06'45
1. I. 「グラシエラ・ポンポニオの名にかけて」 2'41
2. II. 「ホルヘ・マルティネス・サラテの名にかけて」 4'01

 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
 ニコラ・モンテッラ(第2ギター)

2台のギターのためのソナタ (1962)  28'05
3. I. 前奏曲 6'29
4. II. まるで2人の踊りのように 8'05
5. III. アンダンテ 5'44
6. IV. フィナーレ 7'47

 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)
 ニコラ・モンテッラ(第2ギター)

フルートとギターのためのソナタ (1965)  19'22
7. I. 前奏曲 5'44
8. II. グラーヴェ 5'37
9. III. 終結 8'01

 フランコ・アスコレーゼ(フルート)
 ヴァレリオ・チェレンターノ(ギター)

 録音:2022年12月27日、2023年3月2日、イタリア、サレルノ、ノチェラ・スペリオーレ、INLレコード・スタジオ

 20世紀のエリック・サティとも譬えられた作曲家、ジョルジュ・ミゴはオーケストラ曲やピアノ曲、声楽曲で知られていましたが、ギターの為にも作曲しており、それらをまとめたのがこの2枚組アルバムです。内容はギター・ソロの曲が約30分、ソプラノとギターの曲が約13分、ギター・デュオの曲が約34分、フルートとギターの曲が約19分となっており、さまざまなギターの音楽を聴くことが可能となっています。英文ブックレットにはヴァレリオ・チェレンターノによるミゴについての紹介文と作品解説が掲載。




 

96855
\1700
ユトレヒトのドーム教会のオルガンで聴くロ短調ソナタほか
 フランツ・リスト:ピアノ作品オルガン編曲集
フランツ・リスト[1811?1886]
 ピアノ作品オルガン編曲集

1. 「巡礼の年」第2年~「結婚」 S.161/1 (編曲:エドウィン・ヘンリー・ルメア) 8'28
2. 「慰め」変ニ長調 S.172/4 (編曲:アレクサンダー・ヴィルヘルム・ゴットシャルク) 4'03
3. ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178 (編曲:ブランケステイン) 35'15
4. 「悲しみのゴンドラ」 S.200/2 (編曲:ブランケステイン) 9'20

 ディーデリク・ブランケステイン(オルガン)
 使用楽器:ベーツ・オルガン

 録音:2022年11月24、25、29日、オランダ、ユトレヒト、ドーム教会

 リストは若い頃からオルガン演奏にも精力的に取り組んでおり、オリジナルのオルガン曲だけでなく、自作や当時の人気曲の編曲も大量におこなって教会でも多くの人にアピールしていました。
 このアルバムはリストのピアノ曲をオルガン編曲したもので、ロ短調ソナタをメインに、マリアの婚礼に想を得た「結婚」、道ならぬ恋への理解を示したワイマール大公妃への感謝の印として大公妃の旋律を用いた「慰め」、そして、ワーグナーの死の予感の中で書き上げた「悲しみのゴンドラ」の計4曲を収録。
 使用されたオルガンはリストの弟子が弾いたことがあり、リストもその音を聴いていた可能性があるユトレヒトにあるドーム教会のベーツ・オルガンで、ピッチはリスト時代に提唱された「a1=435Hz」が適用されています。
 演奏のディーデリク・ブランケステインは、オルガンと神学を修め、ユトレヒトのルーテル教会でカントル兼オルガニストを務める人物。ロ短調ソナタと「悲しみのゴンドラ」の編曲もブランケステインがおこなっています。



ディーデリク・ブランケステイン(オルガン)


 1996年生まれ。アムステルダムの自由大学とプロテスタント神学大学で神学を修め、アムステルダム音楽院ではオルガンを学んで修士号を取得。その後、ユトレヒトでプロの音楽家のための合唱指揮の応用コースを受講し、ピアノ、通奏低音、即興演奏、クラヴィコードの指導も受けたのち、数々のオルガン・コンクールで受賞。
 教会オルガニスト、コンサート・オルガニスト、合唱指揮者、教育者などとして活動。教会音楽家としては、ナイケルクのフローテ教会と、アーメルスフォールトのフォンテイン教会で演奏し、2022年10月には、ユトレヒトのルーテル教会カントル兼オルガニストに就任。
 2022年にはリストのピアノ・ソナタ ロ短調のオルガン編曲を出版し、新たな領域に踏み出しています。


 

96771
(2CD)
\1900

ブランシェ・モデルで聴くルイ王朝の典雅な響き

 ピエール・トマ・デュフォー [c.1721-1786]
  クラヴサン曲集 (作曲:パリ 1750年頃、出版:1772年)

CD1
1. プレリュード  3'53
2. アルマンド  4'23
3. 合唱のアリア  3'40
4. 老人  2'39
5. メヌエット [I] 1'28
6. ミュゼット 1'46
7. バディーヌ 1'18
8. サラバンド 4'07
9. クーラント 2'46
10. 鍛冶屋  5'41
11. ジーグ [I] 2'52
12. 鳩  4'36
13. ジーグ[Ⅱ] 2'33
14. メヌエット [II] 4'44
15. 小アリエッテ  2'14
16. メヌエット [III] 1'50
17. 威風堂々  3'58
18. 小サラバンド 5'52
19. メヌエット [IV] 4'17
20. メヌエット 第1番 [V] 1'08
21. イタリア人 3'05
22. マルシェ 2'30
23. メヌエット 第2番 [VI] 2'24


CD2
1. 凱旋 5'28
2. ラ・メロデューズ 5'53
3. アルマンド 5'52
4. ジーグ ― 狩り組曲 4'08
5. スキタイ人 4'34
6. 悲歌 4'14
7. 水夫の歌 5'10
8. メヌエット [VII] 2'09
9. ラ・シンシア 3'36

協奏曲 変ロ長調  13'50
10. アレグロ 4'10
11. アンダンテ・モルト 7'00
12. ジーグ、プレスト 2'40

協奏曲 変ホ長調  10'27
13. アレグロ 5'13
14. アリア 2'54
15. プレスト 2'20

16. カリヨン 7'15
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)

 使用楽器:ブランシェ・モデル(1754)/C. カポーニ製作(1985)

 録音:2015年5~7月、イタリア、ローマ、モンテコンパトリ、パラッツォ・アンニバルデスキ


 ルイ15世とルイ16世の治世の時代に活動した教会オルガニストのピエール・トマ・デュフォーは、1721年頃に生まれ、フランス革命勃発の3年前の1786年12月30日にパリで亡くなっています。デュフォーの生涯についてはほとんどわかっておらず、作品もこの1770年に出版されたクラヴサン(チェンバロ)曲集が唯一現存するのみです。
 収録作品は、クープランやラモーの伝統に属する名前付き商品のほか、イタリア風なソロ協奏曲も2曲含まれ、最後は教会の鐘を模した壮大な「カリヨン」で締めくくられます。
 演奏は知られざる作品の紹介に熱心に取り組むイタリアのチェンバロ奏者、フェルナンド・デ・ルーカ。ルイ王朝時代の音楽ということで、ブランシェ・モデルを使用し、典雅で美しいサウンドを聴かせます。




フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)

 1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
 その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。


 

95584
(2CD)
\1900

音数の多い豪華なチェンバロ・サウンドを堪能

 C.P.E.バッハ:チェンバロ協奏曲集 Wq43の2台チェンバロ用編曲


カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ[1714-1788]
 「6つの協奏曲」 Wq43 (1772)
(ヨハン・ゴットリープ・ハウスシュタットラーによる1778年頃の2台チェンバロ用編曲)

CD1
協奏曲第1番 ヘ長調 Wq43/1
協奏曲第2番 ニ長調 Wq43/2
協奏曲第3番 変ホ長調 Wq43/3

CD2
協奏曲第4番 ハ短調 Wq43/4
協奏曲第5番 ト長調 Wq43/5
協奏曲第6番 ハ長調 Wq43/6
クラウディオ・アストローニオ(チェンバロ)
 ステファノ・モラルディ(チェンバロ)

 録音: 2021年9月13~17日、マントヴァ、聖バルバラ大聖堂

 1768年、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、自分の名付け親でもあるゲオルク・フィリップ・テレマンの後任として仕事をするために、30年間暮らしたプロイセンを去り、自由ハンザ都市ハンブルクに移り住んでいます。ハンブルクでは、カントルや指揮者、チェンバロ奏者として活躍する一方、作曲にも熱心に取り組み、楽譜の出版も積極的におこなってヨーロッパ中にその名を知られることとなります。「チェンバロ協奏曲集」Wq43は、ハンブルク生活3年目の1771年に書かれたもので、1772年に出版。1778年頃に、ドレスデンのヨハン・ゴットリープ・ハウスシュタットラーによって、2台チェンバロ用に編曲。音数の多さが心地よい豪華なチェンバロ曲集として楽しめます。演奏の2人は、共に指揮者としても活躍するイタリアのチェンバロ奏者です。




クラウディオ・アストローニオ(チェンバロ)


 チェンバロ奏者、オルガン奏者、指揮者として活動。古楽器アンサンブル「ハルモニチェス・ムンディ」を指揮しているほか、オ
ペラも指揮。ヨーロッパ、アメリカ、日本、カナダの最も有名なフェスティバルで定期的に出演し、ヨーロッパ、アメリカ、日本で
マスタークラスも開催。現在はトラーパニのA.スコントリーノ音楽院でチェンバロと室内楽を教えています。


ステーファノ・モラルディ(チェンバロ)

 1970年にイタリアのクレモナで誕生。コモ音楽院とピアチェンツァ大学でオルガンとハープシコードを学び、オリヴィエ・メシ
アンの「主の降誕」に関する論文によって優秀な成績を収め、クレモナ大学で音楽学の学位を取得。1996年から1999年にかけてはウィー
ン音楽大学でミヒャエル・ラドゥレスクに師事。
 1995年、ウーディネのパジアン・ディ・プラート国際オルガン・コンクールで優勝し、ヴィテルボの全国コンクールでも優勝。
 その後、ソリスト、室内楽奏者として活動し、イタリアの主要な音楽祭のほか、ヨーロッパ諸国と南北アメリカ、日本でも演奏し、2005年からは自身が設立に関わったアンサンブル「ヴィルトゥオーゼ・デッレ・ムーゼ」と「アカデミア・バロッカ・イタリアーナ」の指揮も開始。
 教育者としては、ルガーノのスイス・イタリア語音楽大学でオルガン、チェンバロ、室内楽を教えるほか、スイス、ハンガリー、イタリア、ドイツ、スペイン、日本、アメリカでバロック音楽に関するマスタークラスとカンファレンスを開催。


 

96191
\1700
モンテヴェルディ時代のクレモナの作曲家による器楽作品集
 コッラディーニ:標題付きカンツォンとソナタ集


ニコロ・コッラディーニ [1585-1646]

カンツォンとソナタ(ヴェネツィア 1624)
1. 第1のカンツォン「ラ・パラヴィチーナ」 4'12
2. 第2カンツォン「ラ・サルティラーナ」 4'19
3. 第3のカンツォン「ラルジェンタ」 4'57
4. 第4のカンツォン「ラ・スフォルツァ」 4'06
5. 第5のカンツォン「ラ・ヴィスコンタ」 3'13
6. 第6のカンツォン「ラ・シンコパータ」 4'29
7. 第7のカンツォン「ラ・ビッザーラ」 5'55
8. 第8のカンツォン「ラ・トレッチャ」 5'35
9. 第9のカンツォン「ラ・ペッサ」 2'53
10. 第10のカンツォン「ラ・タヴェルナ」 2'53
11. 4声のソナタ「ラ・ソラーニャ」 5'40
12. 3声のソナタ「ラ・マルチャ」 3'13
13. 2声のソナタ「ラ・スフロンダータ」 3'38
14. 2声のソナタ「ラ・ゴルフェランマ」 3'23

フェデリコ・デル・ソルド指揮

アンサンブル・イル・ナルヴァロ

 バロック・ヴァイオリン:ヴァレリオ・ロジート(楽器:マティアス・メナントー、ローマ、2022)
 バロック・ヴァイオリン:パオロ・ペローネ(楽器:作者不詳、北イタリア、18世紀末)
 ヴィオラ・ダ・ガンバ:イレーネ・カラバ(楽器:ヴァレンティーナ・モンタヌッチ、ピアチェンツァ2019)
 ヴィオラ・ダ・ガンバ:アンドレア・ラッタルーロ(楽器:ジュディス・クラフト、パリ2010)
 コルネット:ダヴィッド・ブルッティ(楽器:マシュー・ジェネジョン、モントリオール2017)
 コルネット:アンドレア・インギシアーノ(楽器:アンドレア・インギシアーノ、シエナ2020)
 アーチリュート(テオルボ):ディエゴ・レヴェーリ(楽器:マッテオ・バルディネッリ、アッシジ2016)
 リコーダー:ロメオ・チュッファ(楽器:フランチェスコ・リヴィルギ、オルテ2005、2001)
 リコーダー:カロリーナ・パーチェ(楽器:フランチェスコ・リヴィルギ、オルテ2005、2001)
 チェンバロ:フェデリコ・デル・ソルド(楽器:ロベルト・マリオーニ、マリーナ・ディ・ピエトラサンタ 2020)
 オルガン:フェデリコ・デル・ソルド(楽器:マストロ・パオロ・ピエトロ・ダ・モンテファルコ、トレヴィ・イン・ウンブリア 1509年)



 録音:2022年9月、イタリア、ローマ、ポンティフィチオ・ムジカ・サクラ研究所、2022年11月、イタリア、トレヴィ、聖フランチェスコ博物館

 ニコロ・コッラディーニはモンテヴェルディの18年後にクレモナに生まれ、生涯のほとんどを生地を拠点に過ごしたと考えられている作曲家。マドリガルやモテットだけでなく、当時先端のスコア形式の記譜で器楽曲を書いたりしており、このアルバムでは、それらの中から、1624年にヴェネツィアで出版された標題付きの器楽曲集「カンツォンとソナタ集」をとりあげています。標題は当時コッラディーニと関わりのあった一族や著名な人物の姓にちなんだものです。演奏は、バロック・ヴァイオリン×2、ヴィオラ・ダ・ガンバ×2、コルネット×2、リコーダー×2、アーチリュート(テオルボ)、オルガン、チェンバロというアンサンブルでおこなわれています。指揮とチェンバロ、オルガンは、音楽学者でもあるフェデリコ・デル・ソルド。



ニコロ・コッラディーニ


 クレモナ大聖堂のオルガニストで作曲家のニコロ・コッラディーニは、1585年、18歳のモンテヴェルディが暮らすクレモナに生まれ、1646年に亡くなるまでの61年の生涯のほとんどを同地で過ごしたと考えられています。

 モンテヴェルディの時にはクレモナに音楽家の良い仕事に空きが無く、マントヴァで働くことになりましたが、宮廷があまり好きではなかったモンテヴェルディはクレモナの実家によく里帰りしてもいました。
 コッラディーニの場合は、恩師でオルガニストのオモボーノ・モルソリーノが1611年7月15日に亡くなったため、26歳でクレモナのサン・ピエトロ教会のオルガニストになっています。
 そしてその年、クレモナ大聖堂で毎週土曜日と聖母マリアの祝日に演奏されていた「聖母連祷」の伴奏についてもモルソリーノの後任としてコッラディーニが任されることになります。

 コッラディーニの師は、オモボーノ・モルソリーノの父親であるジョヴァンニ・バッティスタ・モルセリーノ(モルソリーノ、モッソリーノ、マルサリーノ、マルソリーノとも名乗っています)で、そのジョヴァンニ・バッティスタの仕事をコッラディーニが引き継いだとする説が根強いようです。
 しかし、父ジョヴァンニ・バッティスタの方は、クレモナ生まれではありますが、1568年にはバイエルン宮廷で働いており、多少の中断はあったようですが、1586年から1590年についてもバイエルン宮廷にいた記録があります。そして1590年には長期休暇を願い出てミラノ大聖堂に移っており、翌1591年に同地で亡くなっているため、クレモナで仕事をするのは難しいように思えます。なによりジョヴァンニ・バッティスタの死亡時、コッラディーニはまだ6歳ですし、「後任」になるのがその20年後というのも不自然です。
 一方、息子のオモボーノ・モルソリーノの方は、1596年にクレモナ大聖堂の聖母連祷のオルガニストとなり、1611年に亡くなっているため、コッラディーニの「師」としても、「前任者」としても時系列的な問題がありません。
 ちなみにオモボーノ・モルセリーノの息子、ドン・ジョヴァンニ・バッティスタ・モルソリーノは、のちにモンテヴェルディの息子の一人と親戚関係になっています。

 コッラディーニは、1615年に「4声のリチェルカーレ」、1620年に「5声と8声のマドリガル集とヴィオールのシンフォニア」、1624年に「モテットとコンチェルト集」などをヴェネツィアなどで出版しており、スコア形式で書かれた4段楽譜を用いた器楽作品等、当時の先端を示してもいました。

 1635年、長年に渡って「聖母の連祷」の伴奏をおこなってきたコッラディーニは、クレモナ大聖堂のオルガニストに任命されます。
 クレモナ大聖堂での仕事に加え、作品出版を多くおこなっていたことからコッラディーニの信用度も上がり、クレモナの貴族など有力者が集まる協会「アカデミア・デリ・アニモージ」の音楽担当も任され、さらに市の文化機関の責任者にも任命されて、1646年8月7日に亡くなるまで名誉の時を過ごしています。


フェデリコ・デル・ソルド (オルガン、チェンバロ、指揮)


1961年、ローマで誕生。ピアノ、オルガン、作曲、教会音楽、合唱指揮のディプロマを取得。
 オルガニスト、通奏低音奏者として演奏活動をおこなっており、イタリアの重要な団体での演奏経験は多数。また、チェコ、ドイツ、スペイン、フランス、スペイン、イギリス、スイス、デンマーク、ポーランド、アメリカ、ベルギー、ポルオガルなど海外でも演奏。
 バロック音楽のレパートリーに関する社会科学と言語学の研究により、多数の評論や学術論文も発表。
 教育者としては、サンタ・チェチーリア音楽院、ローマ・トレ大学、ラ・サピエンツァ大学、ローマ教皇庁宗教音楽研究所、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア校、チッタ・デッラ・ピエヴェの古代音楽解釈コースなどで教えたほか、メキシコのモレリア聖堂音楽院、セラヤ音楽院、スペインのラス・パルマス・デ・グラン・カナリア高等音楽院、ドイツのランゲナウ音楽院などでも活動。
 CDは、Brilliant Classics、Pentaphon、Camerata、Fonit Cetra、Melos antiqua。Fons Musicaeなどから発売。


アンサンブル・イル・ナルヴァロ


 フェデリコ・デル・ソルドによって設立された古楽器アンサンブル。メンバーの多くはソリストとして活躍し、いくつものアルバムを録音してもいます。

 

96591
\1700
ドゥセクのヴァイオリン・ソナタ全集録音の第 3 巻
 ドゥセク:ヴァイオリン・ソナタ集 第3集

ヨハン・ラディスラウス・ドゥセク[1760-1812]
 ヴァイオリン・ソナタ ロ長調 Op.69-1 CrawD 240
 ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.69-2 CrawD 241
 ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4-3 CrawD 39

 
ユリア・フーバー(ヴァイオリン)
ミリアム・アルトマン(フォルテピアノ)

録音:2022年3月3~5日、シュトゥットガルト ヴァイリムドルフ、ヴォルフブッシュ全公会堂


 ヘッセン文化財団からの助成金により実現した研究・演奏プロジェクト - ドゥセクのヴァイオリン・ソナタ全集録音の第 3 巻。 2 つのソナタ Op.69 と初期のソナタ Op.4 を収録。
 1760年、モーツァルトの4年後にオーストリア大公国ボヘミアのチャスラウに生まれ、1812年にフランスのサン=ジェルマン=アン=レーで52歳で亡くなったドゥセクは、ハイドンも絶賛した作曲家ド。女帝エカチェリーナやマリー・アントワネット、ルイ・フェルディナント王子との交流や、ブロードウッドのピアノ開発話のほか、数多くの浮名でも知られたまさに波乱万丈の生涯をおくった人物。ドゥセクは38曲に及ぶヴァイオリン・ソナタを作曲。古典派後期なので鍵盤楽器が主役ですが、ヴァイオリン・パートは対等に近い関係にあります。演奏は古楽器のスペシャリストによっておこなわれており、ヴァイオリンがユリア・フーバー、フォルテピアノがミリアム・アルトマンの担当。2人はフランクフルトでの学生時代からの交流で、細部まで息の合った演奏を聴かせます。使用したフォルテピアノは、ウィーンのローゼンベルガー1795年モデルを、大御所デレク・アドラムが製作したもので、実に良い音がします。




ユリア・フーバー(ヴァイオリン)

 フランクフルトでヴァルター・フォルヒャートに師事した後、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団に入団。楽員活動と並行してメアリー・ユーティガーにバロック・ヴァイオリンを師事。1997年にアムステルダムのロカテッリ国際コンクールで入賞し、2000年には古楽ヴァイオリニストに転身。以来、室内楽奏者としての幅広い活動に加えて、リンツのオルフェオ・バロックオーケストラ、ノイエ・デュッセルドルファー・ホフムジーク、ラ・スタジョーネ・フランクフルトのコンサートミストレスおよび首席ヴァイオリニストとして活動。


ミリアム・アルトマン(ピアノ)

 フランクフルトでピアノをベルンハルト・ヴェッツに師事し、大学院でフォルテピアノとチェンバロをハラルト・ヘーレン、ザビーネ・バウアーに師事。ラース=ウルリク・モーテンセン、イェスパー・クリステンセン、アンドレアス・シュタイアーらのマスタークラスで研鑽を積み、音楽史の学位も取得。
 教育活動に加えて、ヴィアッジョ・ムジカル、アリアドネ・プロジェクト・アンサンブル、カンマーフィルハーモニー・ライン・マインやコンチェルト・クラシコ・フランクフルトなどのさまざまな団体とコンサートに出演するほか、トリオ・フォルテピアノでも活動。

 







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