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BRILLIANT 新譜
その18



「その17」はこちら


(2024年12月 新譜).

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96390
(3CD)
\2500

ジョヴァンニ・ソッリマ
 バッハ:無伴奏チェロ組曲

   CD3では無伴奏チェロの歴史と様々な可能性を検証


CD1・2
 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV1008
無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV1009
無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011
無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012
ジョヴァンニ・ソッリマ(5弦ピッコロ・チェロ)

 

CD3 60'45
 
スティーヴ・ハケット [1950- ]
 1. 「ホライズンズ」(ジェネシス「フォックストロット」(1972)のバッハ風ギター曲を編曲) 1'20
ニコロ・サングイナッツォ(別名:チェロのディレッタント、オロチン・オッツァニウニャス) [活動期間:c.1690-c.1720]
 2. 「パルティータ・ディ・ガヴォーテ・ソプラ・ウン・バッソ(低音によるガヴォット変奏曲)」 8'58
アルフレード・ピアッティ [1822-1901]
 3. 「ジーグ」(バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より編曲) 1'31
パンチョ・ラゴネーゼ [1978- ]
 4. 「アパレシドス」(2020) 2'50(初録音)
ドメニコ・ガッリ [1649-1697]
 5. チェロ・ソナタ第2番(「チェロによる音楽の楽しみ」より)(1691) 3'56
ジョヴァンニ・ソッリマ [1962- ]
 6. 「ジュク・ウル・パ」(2019) 4'15(初録音)
ロベルト・シューマン [1810-1856]
 7. 「ジーグ」(バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番より編曲) 2'50  
ジョン・ガン [c.1765-c.1824]
 8. 「ローガン川」(「40の有名なスコットランドの歌」より編曲)(1789) 2'07
ルイジ・フォリーノ [1868-1936]
 9. 「祈り」(バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番プレリュードによるチェロ四重奏曲) 3'53
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ [1895-1968]
 10-15 チェロと弦楽のための組曲第6番ニ長調(バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番の編曲)(1940) (初録音)
ウンベルト・ペドラリオ [1978- ]
 16. 「アッレマンダ」(2020) 2'49(初録音)
 
ジョヴァンニ・ソッリマ(5弦ピッコロ・チェロ)

ペイマン・カフシュドゥーザ(アーチリュート)

フィリッポ・アリーア(ピアノ)

マッシモ・ポリドーリ(チェロ)
ルドヴィカ・ラーナ(チェロ)
トンマーゾ・テジーニ(チェロ)

カラブリア・フィルハーモニー管弦楽団
フィリッポ・アリーア(ピアノ、指揮)
 


録音:2021年3月6、7、8日、イタリア、カラブリア州、ロザリオ・バニャラ・カラブリア教会、2021年3月9日、カタンザーロ・ポリテアマ劇場


 3枚目のCDでは無伴奏チェロの歴史と様々な可能性を検証

 来日公演でもおなじみの型破りなチェロ奏者、ジョヴァンニ・ソッリマがバッハの無伴奏チェロ組曲をレコーディング。
 コロナ禍のイタリア、夜間外出禁止令下での生活が続く中、ソッリマは無伴奏チェロ組曲とその周辺をじっくり研究することができたといい、その成果となったのがこの2021年3月に収録された3枚組CDです。
 CD3にはバッハの無伴奏チェロ組曲についてさらに多角的に捉えられるよう他の作曲家の作品も収録しています。

 ブックレット(英語・12ページ)にはソッリマ本人による各曲の解説のほか、写真も多数掲載。



ジョヴァンニ・ソッリマ(チェロ)


 1962年、シチリア島パレルモ生まれ。パレルモ音楽院でジョヴァンニ・ペッリエーラにチェロ、父エリオドロ・ソッリマに作曲を師事。続いてシュトゥットガルト音楽演劇大学とモーツァルテウム音楽大学で、チェロをアントニオ・ヤニグロに、作曲をミルコ・ケレメンに師事。


 
ペイマン・カフシュドゥーザ(アーチリュート)


 1984年、テヘラン生まれ。ギターを本格的に学んでギタリストとしてイランでコンサート活動や様々な音楽学校で教えていた彼は、2007年からはテヘランの「クラシック・アーカイヴ」でマネージャーとして働き約9千枚のディスクを取り扱いますが、そこでヨーロッパの古楽に魅了され、2010年にイタリアに移住。ミラノ音楽院で古楽(リュート)の学士号を取得し、2013年からはバーゼル・スコラ・カントルムでホプキンソン・スミスに師事してテクニックを完成させ、2018年にベルン大学で修士号を取得。
 以後、リュート奏者として活動しながら、教育にも携わっています。
 CDは、Brilliant Classics、Movimento Classicalなどから発売。



 
フィリッポ・アリーア(指揮)


 1989年、イタリア南部カタンザーロに誕生。姓の読みは「ア?リーア」に近い感じですが、ここでは「アリーア」としておきます。早くからピアノなどを学び、ヴィーヴォ・ヴァレンティア「ファウスト・トレフランカ」音楽院を2006年に17歳で卒業したのち、カタンザーロ大学で法学を勉強して人文教育を完了。
 2011年には指揮も始め、カラブリア・フィルハーモニー管弦楽団設立に携わり首席指揮者に就任。2015年にはトスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したほか、2019年にはベルリン交響楽団も指揮するなどすでに世界30か国以上でソリストおよび指揮者として400回以上のコンサートに出演。
 CDは、Brilliant Classics、Fone、Warner Musicなどから発売。


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97323
(7CD)
\4800

イタリアのヴァイオリン・ソナタ集


CD1 69'16  
オットリーノ・レスピーギ [1879-1936]
 ヴァイオリン・ソナタ ニ短調 P15 (1897)
 ヴァイオリンとピアノのための6つの小品 P31 (1902-5)
 ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 P110 (1917)
ファビオ・パッジョーロ(ヴァイオリン)
マッシミリアーノ・フェッラーティ(ピアノ)
録音:2013年2月2~4日、イタリア、パドヴァ、パルコ・デッラ・パルーデ・ディ・オナーラ、サラ・コンヴェーニ
CD2 73'18  
エルマンノ・ウォルフ=フェラーリ 1876-1948
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.1 ト短調
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.10 イ短調
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 Op.27 ホ短調 
ダヴィデ・アローニャ(ヴァイオリン)
コスタンティーノ・カテーナ(ピアノ)
録音:2019年11月4~6日、イタリア、アリッチャ、パラッツォ・キージ
CD3 62'37  
フェルッチョ・ブゾーニ [1866-1924]
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ホ短調 Op.29 BV234 (1889)
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.36a BV244 (1898,1900)
 バガテル Op.28 BV229 (1888)
ファブリツィオ・ファラスカ(ヴァイオリン)
ステファニア・レダエッリ(ピアノ)
録音:2019年1月、イタリア、ローマ、アビー・ロッキ・スタジオ
CD4 60'18
ミケーレ・エスポジート [1855-1929]
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 作品32
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.46
 ヴァイオリン・ソナタ第3番イ長調 Op.67
カルメロ・アンドリアーニ(ヴァイオリン)
ヴィンチェンツォ・マルテンポ(ピアノ)
録音:2014年6月16~17日、イタリア、サンミケーレ・ディ・バーリ、ミュージック・スーツ
CD5 67'43  
グイド・サントルソラ [1904-1994]
 ヴァイオリン・ソナタ
マウロ・トルトレッリ(5弦ヴァイオリン)
アンジェラ・メルーゾ(ピアノ)
録音:2022年12月29日、イタリア、ポッラ、ロザリオ・スカレロ音楽研究センター
フランチェスコ・サントリーキド [1883-1971]
 ヴァイオリン・ソナタ イ短調
マウロ・トルトレッリ(ヴァイオリン)
アンジェラ・メルーゾ(ピアノ)
録音:2021年6月26-29日、イタリア、ポッラ、ロザリオ・スカレロ音楽研究センター
ドメニコ・バルトルッチ [1917-2013]
 ヴァイオリン・ソナタ ト長調
ルカ・ヴェントゥーリ(ヴァイオリン)
マルコ・ヴェントゥーリ(ピアノ)
録音:2016年9月、イタリア、ローマ、サラ・アカデミカ・デル・ポンティフィチオ・イスティトゥート・ディ・ムジカ・サクラ
 
CD6 63'21  
アントニオ・バッツィーニ [1818-1897]
 ヴァイオリン・ソナタ Op.55
ルカ・ファンフォーニ(ヴァイオリン)
マリア・セメラーロ(ピアノ)
録音:2014年3月2~5日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
フランコ・マルゴーラ [1908-1992]
 ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 dC12
ダヴィデ・アローニャ(ヴァイオリン)
コスタンティーノ・カテーナ(ピアノ)
録音:2021年11月23~25日、イタリア、ミラノ・カリプロ財団アウディトリウム
リッカルド・マリピエロ [1914-2003]
 ヴァイオリン・ソナタ(1956)
レベッカ・ライモンディ(ヴァイオリン)
アレッサンドロ・ヴィアーレ(ピアノ)
録音:2019年8月6~8日、イタリア、ヴェッレトリ文化センター・アウディトリウム
CD7 74'37  
マリオ・ピラーティ [1903-1938]
 ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調(1928/29)
フランチェスコ・マナーラ(ヴァイオリン)
ダリオ・カンデラ(ピアノ)
録音:2016年12月11~16日、
イタリア、ブレーシャ、アウディトリウム・カヴァッリ
レオーネ・シニガーリア [1868-1944]
 ヴァイオリン・ソナタ Op.44
アレッサンドラ・ジェノ(ヴァイオリン)
マッシミリアーノ・ジェノ(ピアノ)
録音:2009年9月19-23日、
イタリア、ピネローロ、ベアタ・ヴェルジーネ・デル・コレット教会
マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ [1895-1968]
 幻想的なソナタ Op.56
マウロ・トルトレッリ(ヴァイオリン)
アンジェラ・メルーゾ(ピアノ)
録音:2018年1月14-17日、
イタリア、ポッラ、ロザリオ・スカレロ音楽研究センター



 イタリア・ロマン派の旋律美に富む作品群。

 イタリアはヴァイオリン音楽の始祖の地でありその歴史は500年に及んでいます。楽器製作、作曲、出版、演奏、教育といった多岐に渡る分野で非常に重要な役割を果たしてきましたが、オペラ業界の圧倒的な強さの影響もあって、19世紀後半以降は器楽分野は少し地味な存在になっていました。しかしそのオペラ業界の規模の大きさのおかげもあってか、反伝統系コスモポリタニズムやジャーナリズムの脅威に晒されることもあまり無く、結果的に芸術擁護を謳う助成金システムも普及しなかったため、イタリアでは旋律美を音楽に盛り込むことが20世紀になってからも普通に続けられ、器楽の分野でもロマン派音楽の影響が長く続いていたのは今となっては朗報とも言えます。
 当セットには13名の作曲家の作品を収録。最も古いアントニオ・バッツィーニのソナタが1872年、最も新しいリッカルド・マリピエロのソナタが1956年の作品なので、その幅は84年間となり、ロマン派後期から近現代の時期までカバーしていますが、作風はマリピエロに僅かに現代的な要素が含まれるほかは伝統的な様式が支配的で、通常のクラシック作品と同じ感覚で聴けるものばかりです。

 ブックレット(英語・12ページ)には、Gramophone誌やStrad誌でもおなじみのピーター・クァントリルによる書き下ろし解説が掲載。



 

95205
(8CD)
\5100

ルイジ・レニャーニ:ギター独奏曲全集



CD1 57'24

1. ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」第1幕~二重唱「運命の気まぐれに対しては」Op.5 4'47

2. 華麗なるファンタジア Op.19 9'07

3. ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」~カヴァティーナ「美しい人に焦がれて」 Op.7 3'27

4. グラン・カプリスまたはエチュード Op.60 10'19

5. 地震と変奏 Op.1 13'02

6. ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」による変奏曲 Op.22 7'53

7. グラン・カプリッチョ Op.6 8'44


CD2 64'33

1. パイジェッロ:歌劇「水車屋の娘」~二重唱「うつろな心」による大変奏曲 Op.16 23'34

2. ハンガリーの国民的メロディ(ラーコーツィ行進曲)と創作主題によるポプリ Op.203 9'48

3. ロッシーニ:歌劇「アルジェリのイタリア女」~第2幕 合唱とロンド「祖国を思って」 Op.8 4'22

4. グラン・カプリス Op.34 6'55

5. ロッシーニ:歌劇「アルミーダ」~「いとしい人よ、この魂をあなたのために」による変奏曲 13'46

6. ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲~アンダンテとアレグロ Op.202 6'04

CD3 51'35

36のカプリッチョ Op.20


CD4 66'00

1. グランデ・カプリッチョ 9'30

当世風メロディ集 Op.222
2-5. カイエ I

6. グランデ・ファンタジア Op.61 8'54

7. ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」~「苦しみと涙のもとに生まれ」による変奏曲 Op.30 8'34

8. グラン・リチェルカリオまたは練習曲 Op.3 7'18

9. ロッシーニ:歌劇「ゼルミーラ」のカヴァティーナ「運命よ! お前に従うのなら」による序奏と変奏曲 Op.21 11'40


CD5 60'30

1. ベッリーニ:歌劇「ノルマ」のモチーフによる序奏と変奏曲 Op.201 12'42
2. 序奏、主題、変奏と終曲 Op.64 10'59
3. ロッシーニ:歌劇「湖上の美人」~カヴァティーナ「おお、どれほどの涙よ」による変奏曲 Op.18 5'49
4. 序奏とロンド ト長調 Op.62 6'11
5. チロル風のモチーフによる大変奏曲 Op.12 13'22
6. 序奏、主題と変奏 Op.224 11'22




CD6 56'46

1. ポプリ・アン・カプリス Op.32 10'01

2. ロッシーニ:歌劇「ゼルミーラ」と「コッラディーノ」の有名なモチーフ Op.26 16'34

3. ロッシーニ:歌劇「チェネレントラ」の主題によるやさしい変奏曲 6'45

4. 創作主題による序奏、大変奏とコーダ Op.27 10'02

5. ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」~エルヴィーラのカヴァティーナ 5'22

3つの国民的舞曲
6. I マズルカ 3'17
7. II ジプシー 2'46
8. III カチュチャ 1'52


CD7 68'08

1. 序奏、主題と変奏 Op.237 6'35

2. 華麗なポプリ Op.31 6'30

3. スケルツォ、または4つの変奏曲 Op.10 5'04

4. シュスターの主題による変奏曲 Op.25 10'26

5. ロンドレット・スケルツォーゾ Op.204 5'51

6. 序奏と華麗でやさしいロンド Op.11 5'42

7. 序奏とコーダ付きグラン・ポプリ Op.238 9'08

8. 主題と華麗で難しくない変奏 Op.29 9'12

9. ヴェルディ:歌劇「エルナーニ」~第2幕序奏 2'10

10. グラン・ソナタ 7'24


CD8 57'10

1. ロッシーニ:歌劇「湖上の美人」の有名な行進曲による変奏曲 Op.24 8'07

2. ヴァイグル:歌劇「水夫の恋、または海賊」~三重唱「約束の前に」による主題と変奏 Op.4 9'12

3. ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲(グラン・シンフォニア) 7'48

4. 6つのカプリチェット Op.250 11'35

5. 段階的な難易度の36のワルツ 20'23
ジュリオ・タンパリーニ(ギター)

録音:2023年1月10日~25日、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ

 傑作「36のカプリッチョ」や有名オペラの名旋律による曲を大量に収録

 優れたギタリスト・作曲家として、同時代のソルやジュリアーニなどと並び称されたルイジ・レニャーニは、もともとテノール歌手でヴァイオリニストだった人物。オペラを知り尽くしているだけでなく、パガニーニとも交流し共演の予定もあったほど(パガニーニの健康状態悪化によりで中止)。この8枚組セットでは、レニャーニが愛したロッシーニのオペラにインスパイアされた作品を中心に、アイデア満載の「36のカプリッチョ」など大量に収録。  演奏のジュリオ・タンパリーニは卓越したテクニックの持ち主で、演奏にあたっての準備にも余念がなく、これまでもタレガやリョベートなどで素晴らしく完成度の高い演奏を聴かせています。
 ブックレット(英語・12ページ)には、ギタリストで音楽学的研究もおこなうジョヴァンニ・ポデラによる解説が掲載。




ジュリオ・タンパリーニ(ギター)


 2014年にミラノ芸術文化賞を受賞。批評家からは、国際音楽シーンで最も革新的でカリスマ性のある演奏家の一人とみなされています。クーネオ音楽大学を優秀な成績で卒業した後、音楽院在学中、サンレモの「イエペス」コンクール、ローマの「ソル」コンクール、ローマ国際音楽コンクール2回、コゼンツァの「デ・ボニス」など、主要な国際ギター賞を受賞。2003年には「タレガ:ギター全集」で、2018年にはアルバム「カステルヌオーヴォ=テデスコ:ソプラノとギターのための全集」で、最優秀アルバム賞のゴールデンギター賞を2回受賞。ソリストとして、またオーケストラと共演し、ヨーロッパ、アジア、アメリカで定期的に公演を実施。イタリアのベルガモ音楽院とイモラ財団の国際アカデミーのギター教授でもあります。
 CDは、Brilliant Classics、Antes Concerto、Musicmedia、Concerto Classics、Amadeusなどから発売。

 

96175
(2CD)
\2100

カール・チェルニー [1791-1857] :オルガン曲全集

● Op.603「6つの前奏曲とフーガ(ペダル付きオルガンのための)」
● Op.607「前奏曲とフーガ」
● Op.627「12のヴォランタリー(オルガン、ハーモニウムまたはピアノのための)」
● Op.698「20のヴォランタリー(ペダル付きオルガンのための)」


CD1 71'34

前奏曲とフーガ ニ短調 Op.603 No.6
 1. 前奏曲 レント・マエストーゾ 1'54
 2. フーガ モデラート 3'26
3. ヴォランタリー 変ロ長調 Op.627 No.10 3'43
4. ヴォランタリー 変イ長調 Op.698 No.7 3'01
5. ヴォランタリー 変ト短調 Op.698 No.9 3'57
前奏曲とフーガ ハ長調 Op.603 No.1
 6. 前奏曲 アンダンテ 1'59
 7. フーガ テンポ モデラート 3'18
8. ヴォランタリー 変ロ長調 Op.627 No.2 4'01
9. ヴォランタリー 変ロ長調 Op.698 No.2 2'24
10. ヴォランタリー 変ホ長調 Op.627 No.1 4'09
11. ヴォランタリー 変ハ短調 Op.698 No.11 1'26
12. ヴォランタリー 変ロ長調 Op.698 No.14 1'03
前奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.603 No.2
 13. 前奏曲 アンダンテ 1'44
 14. フーガ モデラート 3'24
15. ヴォランタリー ハ短調 Op.627 No.3 3'38
16. ヴォランタリー ヘ短調 Op.698 No.1 2'49
17. ヴォランタリー ハ短調 Op.698 No.5 3'09
18. ヴォランタリー ニ短調 Op.627 No.7 3'13
19. ヴォランタリー ロ短調 Op.627 No.6 3'35
20. ヴォランタリー ト短調 Op.698 No.15 2'06
21. ヴォランタリー ヘ短調 Op.627 No.11 3'49
22. ヴォランタリー イ短調 Op.627 No.8 4'44
23. ヴォランタリー ホ短調 Op.698 No.13 1'09
24. ヴォランタリー ニ短調 Op.698 No.10 3'42
CD2 71'16

前奏曲とフーガ ニ長調 Op.603 No.4
 1. 前奏曲 モデラート 1'54
 2. フーガ マエストーゾ 2'51
3. ヴォランタリー イ長調 Op.627 No.5 4'12
4. ヴォランタリー ハ長調 Op.627 No.4 3'49
5. ヴォランタリー ト長調 Op.698 No.4 4'50
6. ヴォランタリー ハ長調 Op.698 No.3 2'38
7. ヴォランタリー ホ長調 Op.627 No.9 3'30
8. ヴォランタリー ト長調 Op.698 No.12 1'15
前奏曲とフーガ イ短調 Op.607
 9. 前奏曲 アンダンテ・マエストーゾ 3'56
 10. フーガ モデラート 6'27
11. ヴォランタリー イ短調 Op.698 No.19 3'39
12. ヴォランタリー ト長調 Op.698 No.20 2'35
前奏曲とフーガ イ短調 Op.603 No.3
 13. 前奏曲 アンダンテ 2'47
 14. フーガ アンダンテ・マエストーゾ 3'08
15. ヴォランタリー ヘ長調 Op.698 No.16 2'09
16. ヴォランタリー ニ長調 Op.627 No.12 3'05
前奏曲とフーガ 変ホ長調 Op.603 No.5
 17. 前奏曲 アンダンテ・ソステヌート 2'58
 18. フーガ アンダンテ ソステヌート 2'33
19. ヴォランタリー ニ長調 Op.698 No.17 2'50
20. ヴォランタリー ホ長調 Op.698 No.8 3'08
21. ヴォランタリー 変イ長調 Op.698 No.7 3'01
22. ヴォランタリー 変ホ長調 Op.698 No.6 3'47

ピエトロ・デッレ・キアイエ(オルガン)
使用楽器:インゾーリ・ボニッツィ・オルガン

録音:2023年5月15-17日、イタリア、ロッカ・マッシマ、聖ミカエル大天使教会


 味わい深いオルガン小品の宝庫

 チェルニーのオルガン曲は、イギリスの教会オルガニストのために作曲し、1841年頃にロバート・コックスによってロンドンで出版されたものがすべてで、この2枚組CDは、それら32曲のヴォランタリー(前奏曲)と7つの前奏曲とフーガを音楽プログラムとして楽しめるよう各曲を配置したものです。チェルニーはバッハの作品を研究していたため、どの作品も本格的な仕上がりで、英国教会のプロテスタント的な控えめな規模感を踏まえたような親しみやすい作風の音楽が楽しめます。ちなみに「ヴォランタリー」は前奏曲のような性格の音楽ですが、多用途に使用されるため、ここでも穏やかなものから壮麗なものまで様々な曲調となっています。
 演奏のピエトロ・デッレ・キアイエは、1991年よりローマ、フラスカーティのサン・ピエトロ・アポストロ大聖堂の常任オルガン奏者および楽長を務めるほか、1998年からは、カペッラ・ムジカーレ・エンリコ・ステュアルト・アンサンブルの常任チェンバロ奏者およびオルガン奏者も兼務する人物。ここでは、イタリア中部の山間部にあるロッカ・マッシマの聖ミカエル大天使教会のオルガンを使用。



 ベートーヴェンの弟子でリストの師、バッハの研究家でもあったカール・チェルニー[1791-1857]は、ピアニスト、作曲家、教育者として国際的に活動し、作品番号で861の作品を遺していますが、ひとつの作品番号で60曲も含むものもあるのでその実数は膨大。楽想に恵まれた作曲家でした。


英国教会オルガニストのために作曲

 オルガン曲については、イギリスの教会オルガニストのために作曲し、1841年頃にロバート・コックスによってロンドンで出版されたものがすべてで、この2枚組CDはそれら32曲のヴォランタリー(前奏曲)と7つの前奏曲とフーガを音楽プログラムとして楽しめるよう各曲を配置したものです。


バッハ研究の成果上々

 チェルニーはバッハの作品を研究していたため、どの作品も本格的な仕上がりで、英国教会のプロテスタント的な控えめな規模感を踏まえたような親しみやすい作風の音楽が楽しめます。
 ちなみに「ヴォランタリー」は前奏曲のような性格の音楽ですが、多用途に使用されるため、ここでも穏やかなものから壮麗なものまで様々な曲調となっています。


大教会から小教会まで対応

 これらの作品はイギリスのオルガンのために書かれた作品ですが、イギリスの教会(大聖堂)のオルガンは大小さまざまなため、Op.603とOp.698についてはペダル必須の指定もあります。また、Op.627については小さな教会でも可能なようにハルモニウムやピアノでも可能とされています。


現代オルガンによる

 演奏のピエトロ・デッレ・キアイエは、1991年よりローマ、フラスカーティのサン・ピエトロ・アポストロ大聖堂の常任オルガン奏者および楽長を務めるほか、1998年からは、カペッラ・ムジカーレ・エンリコ・ステュアルト・アンサンブルの常任チェンバロ奏者およびオルガン奏者も兼務する人物。ここでは、イタリア中部の山間部にあるロッカ・マッシマの聖ミカエル大天使教会のオルガンを使用。

 ブックレット(英語・12ページ)には、イアン・クインなどの解説を掲載。ちなみにクインはNaxosでチェルニーのオルガン曲集を録音していた人物で、そこでのブックレット解説はキース・アンダーソンでした。


ピエトロ・デッレ・キアイエ(オルガン)


 サンタ・チェチーリア音楽院でピアノ、オルガン、オルガン作曲のディプロマを取得。オリヴィエ・ラトリーなどの指導を受けたのち、ドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、スイス、イギリスで数多くのコンサートに出演。また、バーゼル・スコラ・カントルムなどでチェンバロを学んでもいます。
 1991年よりローマ、フラスカーティのサン・ピエトロ・アポストロ大聖堂の常任オルガン奏者および楽長を務めるほか、1998年からは、カペッラ・ムジカーレ・エンリコ・ステュアルト・アンサンブルの常任チェンバロ奏者およびオルガン奏者も兼務。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classicsなどから発売。




 

96980
\1800
ヴァイオリンと16世紀オルガンの組み合わせの妙
 17世紀北イタリア宮廷の音楽

アントニオ・ベルタリ [1605-1669]
 1. チャッコーナ 9'18

ダリオ・カステッロ [1602-1631]
 2. ソナタ第2番(当世風協奏ソナタより、ヴェネツィア、1621) 6'02

マルコ・ウッチェリーニ [1603-1680]
 3. ソナタ第1番(カンツォーネによるヴァイオリン独奏と通奏低音のためのソナタ Op.5より、ヴェネツィア、1649) 7'37

タルクィニオ・メールラ [1595-1665]
 4. カンツォーネ第5番 4'35

ジョヴァンニ・パオロ・チーマ [1570-1622]
 5. 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(1声、2声、3声、4声のための教会協奏曲集より、ミラノ、1622) 5'43

ビアージョ・マリーニ [1594-1663]
 6. ソナタ変奏曲(ソナタ、シンフォニア、カンツォーネ..Op.8より、ヴェネツィア、1629) 8'23

マウリツィオ・カッツァーティ [1616-1678]
 7. ソナタ第1番「ラ・ペッリカーナ」(2つの楽器のためのソナタ、ボローニャ、1670) 4'14

ジョヴァンニ・バッティスタ・フォンターナ [1589-1630]
 8. ソナタ第2番(ヴァイオリンのための1、2、3声のソナタ集、ヴェネツィア、1641) 7'32

ジローラモ・フレスコバルディ [1583-1643]
 9. トッカータ第10番(トッカータ第2集より、ローマ、1627/37) 5'47

ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ [1595-1642]
 10. 大公の踊り(種々のソナタ第4巻 Op.55、ヴェネツィア、1626) 7'57

クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643] (モラルディ、ゲッラ編曲)
 11. 「もろびと喜びの声をあげよ」(倫理的・宗教的な森より)* 5'23

クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643] (モラルディ、ゲッラ編曲)
 12. 「2人のセラフィムが」(「聖母マリアの夕べの祈り」より)* 6'13


デュオ・セラフィム
 ジャン・アンドレア・ゲッラ(ヴァイオリン)
 ステファノ・モラルディ(オルガン)

録音:2023年5月2-3日、イタリア、マントヴァ、サンタ・バルバラ教会


 約400年前のヴァイオリン音楽を体験できるCD。誕生から100年近くが経過し、演奏法が確立され、作曲技法も整えられてきた時代の宮廷音楽が、1565年に製作された歴史的オルガンとのデュオで再現されます。17世紀の最初の数十年間、流域面積7万平方キロメートルを超える大河であるポー川を中心としたクレモナ、パルマ、ボローニャ、ヴェネツィア、フェラーラ、ブレーシャ、ミラノ、マントヴァの宮廷では音楽が盛んで、声楽だけでなく器楽の分野の発達にも著しいものがありました。その名声は海外にも広まり、このCDに収録された作品の作曲家たちも、ウィーンやワルシャワ、プラハ、デュッセルドルフなど海外でも仕事をおこなっており、イタリア音楽のエッセンスが拡散することになります。ブックレット(英語、イタリア語・12ページ)には、音楽家で技術者でもあるパオロ・ロッシーニによる解説などが掲載。



 

97494
\1800
タネーエフの真価に迫る高密度な演奏
 タネーエフ:弦楽四重奏曲第1番、第4番

セルゲイ・タネーエフ [1856-1915]
 弦楽四重奏曲第1番 ロ短調 Op.4 (1890)
 弦楽四重奏曲 第4番 イ短調 Op.11 (1898/99)

ラズモフスキー四重奏団
 ドーラ・ブラチコヴァ(第1ヴァイオリン)
 アンドレア・ザクサー・ケラー(第2ヴァイオリン)
 ゲルハルト・ミュラー(ヴィオラ)
 アリーナ・クデレヴィチ(チェロ)

録音:2024年4月、イタリア、アルデア、ニュー・スタジオ「G&G」


 ロシア帝国末期に生きた作曲家セルゲイ・タネーエフ[1856-1915]は、ピアニストとしてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のモスクワ初演を担当するなどヴィルトゥオーゾでしたが、作曲家の道を選び、教育者としてもスクリャービン、ラフマニノフ、メトネル、グリエールらを教えています。タネーエフはエスペラント語で日記を書き、対位法作曲に数式を持ち込もうとするなど先端的な知的探究心が強い一方で、民俗文化や哲学、宗教といった伝統的な知の世界にも造詣が深い人物でした。弦楽四重奏曲第1番は師のチャイコフスキーに献呈され、チャイコフスキーは大絶賛。
 モスクワとサンクトペテルブルクだけでなくヨーロッパ各地で演奏された5楽章構成の人気作です。弦楽四重奏曲第4番は、対位法的な手法により個々のモチーフから主題の相互関連を構築し作品全体を緊密に仕上げた目の詰んだ作品。そしてアダージョではタネーエフの持ち味でもある抒情美を満喫できます。演奏のラズモフスキー四重奏団は、2006年にショスタコーヴィチの生誕100周年を記念して、エームス・レーベルで弦楽四重奏曲全集をクリティカル・エディションで録音していたグループで、その調査研究を踏まえた入念な演奏には定評があります。ブックレット(英語・8ページ)には、ヴィオラ奏者のゲルハルト・ミュラーによる解説などが掲載。




ラズモフスキー四重奏団


 2001年に結成されたラズモフスキー四重奏団は、ベルンを拠点として活動。グループの名はウィーン駐在のロシア特使でベートーヴェンの友人、弦楽四重奏のパトロンでもあったアンドレイ・キリロヴィチ・ラズモフスキー公爵に由来します。  CDは、Brilliant Classics、Oehms Classics、Musiques Suisses、cpoなどから発売。

 

95698
\1800
ルメア:オルガン編曲集

エドウィン・ヘンリー・ルメア [1865-1934] :オルガン・トランスクリプションズ

ジャン=フィリップ・ラモー [1683-1764]
 1. 歌劇「栄光の神殿」よりガヴォット 4'07

ヨハン・シュトラウス2世 [1825-1899]
 2. 「美しく青きドナウ」 Op.314 7'31

リヒャルト・ワーグナー [1813-1883]
 3. 歌劇「タンホイザー」~「巡礼の合唱」 5'43

リヒャルト・ワーグナー [1813-1883]
 4. 歌劇「ローエングリン」~第1幕前奏曲 7'54

フランツ・フォン・スッペ [1819-1895]
 5. 喜歌劇「詩人と農民」~序曲 9'47

エドゥアルド・ディ・カプア [1865-1917]
 6. 「オー・ソレ・ミオ」 3'17

セルゲイ・ラフマニノフ [1873-1943]
 7. 幻想的小品集 Op.3~第3曲 メロディ ホ長調 5'15

ジョルジュ・ビゼー [1838-1875]
 8. 歌劇「カルメン」抜粋 12'33

フランツ・リスト [1811-1886]
 9. 巡礼の年 第2年「イタリア」~第1曲「婚礼」 7'51

ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
 10. ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.108~第2楽章 アダージョ 4'41

ヨハネス・ブラームス [1833-1897]
 11. 「大学祝典序曲」 Op.80 10'45

マッシモ・ガッバ(オルガン)

録音:2023年9月18~19日、イタリア、ノヴァーラ、サン・ガウデンツィオ聖堂

 シンフォニック・オルガンで聴く多彩なプログラム

 エドウィン・ルメア[1865-1934]はイギリスのオルガン奏者で作曲・編曲家。オーケストラ作品やオペラをオルガン用に編曲したことや、新しいテクニックの開発でも有名で、オルガンのレパートリー拡大に大きく貢献。ルメアはワーグナーのオペラの編曲出版を皮切りに、多くの編曲を発表。このアルバムではバロックからワーグナーまで幅広く披露しています。
 使用楽器は編曲の良さを引き出す壮大なマッジョーレ・オルガン。北イタリアのノヴァーラにあるサン・ガウデンツィオ聖堂設置のシンフォニック・オルガンです。演奏のマッシモ・ガッバは、今日のイタリアで最も著名なオルガニストの1人。
 ブックレット(英語・12ページ)には、演奏のマッシモ・ガッバによる各作品の解説などが掲載。




マッシモ・ガッバ(オルガン)


 1973年生まれ。アレッサンドリア音楽院で、ピアノ、オルガン、チェンバロ、作曲、器楽指導の学位を取得。学業と並行して、ボブ・ファン・アスペレン、グスタフ・レオンハルトらのマスタークラスに参加。その後は即興演奏も学び、フランス音楽のレパートリーの美学と演奏法も習得。2012年にはブリリアント・クラシックスとのコラボレーションをスタートし、ヘンデル、リッター、チッリのオルガン曲のアルバム3枚を録音。コンサート活動のほか、カザーレ・モンフェッラートのサン・ドメニコ大聖堂やサン・パオロ教会のオルガン奏者も務め、ノヴァーラのG.カンテッリ音楽院でオルガン研究の教授として教えています。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。


 

97120
\1800
カルカッシ:ギターのための6つの幻想曲

マッテオ・カルカッシ [1796-1853] :ギターのための幻想曲集
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1. 幻想曲第1番 Op.33 (オベール:歌劇「ポルティチの唖娘」のモチーフによる幻想曲) 18'05
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2. 幻想曲第2番 Op.34 (ロッシーニ:歌劇「オリー伯爵」のモチーフによる幻想曲) 18'21
________________________________________
3. 幻想曲第3番 Op.35 (オベール:歌劇「婚約者」のモチーフによる幻想曲) 14'57
________________________________________
4. 幻想曲第4番 Op.36 (ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」のモチーフによる幻想曲) 14'09
________________________________________
5. 幻想曲第5番 Op.37 (オベール:歌劇「フラ・ディアヴォロ」のモチーフによる幻想曲) 11'40
________________________________________
6. 幻想曲第6番 Op.38 (オベール:歌劇「神とバヤデール」のモチーフによる幻想曲) 9'03
________________________________________
ラファエレ・カルピーノ(ギター)

録音:2023年11月1-3日、イタリア、ローマ、ゴールド・プレッシャー・スタジオ


 ロッシーニとオベールのエッセンスをギターで

 マッテオ・カルカッシ[1796-1853]は、イタリアのギタリスト・作曲家で、生涯をギターの技術的・教授法的なメソッドの開発に捧げただけでなく、多数の作品を書いています。
 今回初めて録音された6曲の幻想曲は、1831年に印刷されたオリジナルの写譜に基づいて演奏されたものです。これらの作品は、卓越した技巧を要求するものですが、引用された作品の素晴らしいアリア、バレエ、行進曲、序曲のテーマを想起させる響きも聴きものとなっています。
 ブックレット(英語・8ページ)には、演奏者のカルピーノによるカルカッシについての解説が掲載。カルカッシのパリ滞在時の7か所の住所などマニアックな情報も含まれています。



ラファエレ・カルピーノ(ギター)


 幼い頃から音楽の基礎やギターを学び、サン・ピエトロ音楽院を優秀な成績で卒業したのち、ナポリ音楽院でダマーリオに師事。ソリストとして、またローマの「アルクム」管弦楽団、ローマのサン・チェチーリア音楽院管弦楽団、ルーマニア国立フィルハーモニー管弦楽団「ARAD」などイタリア国内外の著名なオーケストラと共演。
 CDは、Brilliant Classics、Tactusなどから発売。


 

96128
\1800
ストラヴィンスキー、プーランク、サティ:室内作品集

イーゴリ・ストラヴィンスキー [1882-1971] :「兵士の物語」
フランシス・プーランク [1899-1963] :「理解されない憲兵」
フランシス・プーランク [1899-1963] :クラリネットとバソン(バスーン)のためのソナタ
エリック・サティ [1866-1925] :「メドゥーサの罠」
エリック・サティ [1866-1925] :「いやらしい気取り屋の3つの高雅なワルツ」
イーゴリ・ストラヴィンスキー [1882-1971] :七重奏曲

ファビオ・マエストリ(指揮)
アンサンブル・イン・カント
 ロベルト・ペトロッキ(クラリネット)
 アンドレア・コルシ(ファゴット)
 アンドレア・ディ・マリオ(コルネット)
 ルイジーノ・レオナルディ(トロンボーン)
 マルコ・ヴェントゥーリ(ホルン)
 ヴィンチェンツォ・ボロニェーゼ(ヴァイオリン)
 ジャンルカ・サッジーニ(ヴィオラ)
 ミケーレ・キアッペリーノ(チェロ)
 フランチェスコ・フライオリ(コントラバス)
 ジュリオ・カランドリ(打楽器)
 シルヴィア・パパレッリ(ピアノ)

録音:2022年4月29日~5月1日、イタリア、アメリア、サラ・サン・アゴスティーノ

 20世紀初頭のユーモアとシリアス

 3x7(スリー・バイ・セヴン)と題されたこのアルバムは、ストラヴィンスキー、プーランク、サティという3人の作曲家による七重奏曲を中心にさまざまな楽器構成の室内作品を収録。ストラヴィンスキーは「兵士の物語」と「七重奏曲」、プーランクが「理解されない憲兵」と「クラリネットとバソンのためのソナタ」、サティが「メドゥーサの罠」と「いやらしい気取り屋の3つの高雅なワルツ」というプログラム。演奏は近現代音楽を得意とするアンサンブル・イン・カント。
 ブックレット(英語・8ページ)には、アンサンブル・ピアニストで音楽学者のシルヴィア・パパレッリによる解説などが掲載。



 

97003
\1800

ヴィオッタ・アンサンブル
 オランダの室内楽
  (ファン・ブレー、レントヘン、クーネン作品集)


ヨハネス・ベルナルドゥス・ファン・ブレー [1801-1857]
 1. 4つの弦楽四重奏団のためのアレグロ ニ短調(1845) 11'11
ヴィオッタ・アンサンブル
 ヨハン・クラハト(第1ヴァイオリン)
 マライン・マインダース(第1ヴァイオリン)
 アントワン・ファン・ドンヘン(第1ヴァイオリン)
 ヘンク・ルービング(第1ヴァイオリン)
 ヘンリエット・ライチェス(第2ヴァイオリン)
 マルレーン・アスベルフ(第2ヴァイオリン)
 ヨゼフ・マルキン(第2ヴァイオリン)
 ペトラ・ファン・デル・フラスアッカー(第2ヴァイオリン)
 波木井賢(ヴィオラ)
 ヘルト・ヤン・ルーフェリンク(ヴィオラ)
 ペーター・ソコレ(ヴィオラ)
 エリック・ファン・デル・ウェル(ヴィオラ)
 イーケ・フィーアセン(チェロ)
 トゥルース・ファン・トル(チェロ)
 アルトゥール・オーメンス(チェロ)
 ダニエル・エッサー(チェロ)
ユリウス・レントヘン [1855-1932]
 7つの管楽器のためのセレナード イ長調 Op.14 (1876)
  2. アレグロ・トランクイッロ 8'41
  3. スケルツォ(アレグロ) 6'43
  4. アンダンテ・コン・エスプレッシオーネ 6'45
  5. アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ 6'14
ヴィオッタ・アンサンブル
 パウル・フェルヘイ(フルート)
 ヤン・スプロンク(オーボエ)
 ジャック・メルテンス(クラリネット)
 ヨース・デ・ランゲ(バスーン)
 フース・ドラール(バスーン)
 ヤーコプ・スラフター(ホルン)
 ペーター・スタインマン(ホルン)
ヨハネス・マイナルドゥス・クーネン 1824-1899
 管楽器のための五重奏曲 イ長調 (1850/65)
  6. アレグロ 8'05
  7. アンダンテ 6'00
  8. スケルツォ 5'27
  9. フィナーレ:アレグロ 8'36
ヴィオッタ・アンサンブル
 ジャック・ゾーン(フルート)
 ヤン・スプロンク(オーボエ)
 ジャック・メルテンス(クラリネット)
 ヨース・デ・ランゲ(バスーン)
 ペーター・スタインマン(ホルン)


ヴィオッタ・アンサンブル

 コンセルトヘボウの名手たちによるNM Classicsの名盤が復活

 ブラームスが感激して自身の交響曲第2番にその要素を取り込んだレントヘンのセレナーデなど(ブラームスはのちに謝罪)、オランダのロマン派作曲家3人による美しい作品3曲を、コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーで構成する「ヴィオッタ・サンサンブル」の演奏で収録。
 ブックレット(英語・ドイツ語・オランダ語 24ページ)には、音楽学者のクレメンス・ロマインによる解説などが掲載。NM Classicsのライセンス発売盤。




ヴィオッタ アンサンブル


 コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーで構成され、1992年春に結成。約20人の音楽家で構成されており、その卓越した音楽性と卓越した室内楽作品のプログラミングで大きな注目を集めていました。アンサンブルの名前は、1888年にコンセルトヘボウで最初のコンサートを指揮したアンリ・ヴィオッタ [1848-1933] にちなんで付けられました。
 CDは、Brilliant Classics、NM Classics、Ottavo、Channel Classicsなどから発売。


録音:1992年5月23日、1993年1月26~27日、1994年4月23日、オランダ、ナイメーヘン、デ・フェレーニヒング

 

9789061096337
(CD+BOOK)
\6000
クーツフェルト著「クラウディオ・モンテヴェルディ1567-1643」
 天才的な革新者 - 時代を超えるインスピレーション



クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643] :マドリガーレ集

CD
1: 「甘く優しい口づけよ」 (第1巻から) 02.40
2: 「この岸辺には赤い花々もなく」 (第2巻から) 02:15
3: 「この緑の葉の中で顔を赤らめる者よ」 (第3巻から) 04:02
4: 「彼は星に向かって」 (第4巻から) 02:44
5: 「わが命である女よ」 (第5巻から) 02:24
「最愛の人の墓前での恋人の涙」(第6巻から)
 6. 第1部 「灰となった亡骸よ」 2'05
 7. 第2部 「川よ、それを教えてくれ」 1'47
 8. 第3部 「たとえ夜、太陽が」 2'08
 9. 第4部 「もしニンフが拾い上げて」 2'23
 10. 第5部 「ああ金色の髪よ、雪のように柔らかな胸よ」 2'11
 11. 第6部 「いとしい亡骸よ、涙の海よ」 3'08
12: 「このニレの木陰で」 (第7巻から) 05:52
13: 「他の者は愛の神について歌えばよい」 (第8巻から) 09:43
14: 「このような美しい勝利があるならば」 (第8巻から) 03:01
15: 「心は燃えているが」 (第9巻から) 03:19
16: 「私に忠告しないで」 (第9巻から) 03:28
レ・ヌオーヴェ・ムジケ
 (声楽&器楽アンサンブル)
クライン・クーツフェルト
 (指揮、オルガン、チェンバロ)

 ベストCD + マドリガル・ガイドブック(英語・128ページ)

 高い評価を受けているクライン・クーツフェルト指揮レ・ヌオーヴェ・ムジケによるモンテヴェルディのマドリガル全集録音から聴きどころの曲を選んだベスト盤と、クーツフェルトの書いた128ページの本が一緒になったCDブック。
 この本は9章から構成されており、1章がマドリガル1曲に対応しています。モンテヴェルディの視点、そして演奏者の視点、さらには現代の愛好家の視点から見ていきます。宮廷詩の美しさに魅了され、また、音楽における感情表現の特別な方法を常に模索する革新者モンテヴェルディにも興味をそそられます。各章では、特徴的なマドリガルを1曲ずつ取り上げています。





レ・ヌオーヴェ・ムジケ(声楽&器楽アンサンブル)


2004年12月、クーツフェルトらにより、17世紀前半の声楽曲を最高レベルで演奏することを目的に設立。
音楽的、政治的、宗教的に激動した時代の音楽を400年の時を経て蘇らせるだけでなく、現在との関連性を探ってもいます。



クライン・クーツフェルト(指揮、オルガン、チェンバロ)


 ハーグ王立音楽院でオルガン、ピアノ、聖歌隊指揮、教会音楽を学んだのち、ニコラウス・アーノンクールやグスタフ・レオンハルトといった演奏家たちの指導も受けてキャリアの基礎を築いています。指揮者、教師として放浪の旅をした後、モンテヴェルディの音楽に魅了され「レ・ヌオーヴェ・ムジケ」を設立。
 通奏低音楽器として使用されているオルガンは、クーツフェルトの主導により2018年にクロップ・オルガン工房によって製作されたもので、資金は国立楽器基金によって賄われています。


録音:2013~2016年

 

90018
(LP)
\3900
美しい無伴奏ミサ曲がLP化!

LP SIDE 1A 23'03

クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643]
 「4声のためのミサ曲」
1. キリエ 4'19
2. グローリア 4'27
3. クレード 5'35
4. サンクトゥス 2'28
5. ベネディクトゥス 1'24
6. アニュス・デイ 4'46


LP SIDE 1B 28'12

クラウディオ・モンテヴェルディ [1567-1643]
 「ゴンベールのモテット『その時イエスは』による6声のミサ曲」
1. キリエ 3'53
2. グローリア 5'17
3. クレード 9'55
4. サンクトゥス 2'15
5. ベネディクトゥス 1'34
6. アニュス・デイ I 3'04
7. アニュス・デイ II 2'09

クライン・クーツフェルト(指揮)
レ・ヌオーヴェ・ムジケ

 「4声のためのミサ曲」とゴンベールのモテットによるパロディ・ミサ「『その時イエスは』による6声のミサ曲」を収録。パロディ・ミサ作曲当時、モンテヴェルディは、守旧派「第1作法」の擁護者で評論家のアルトゥージから、作曲手法が伝統に従っていないと出版物まで使って攻撃されており、そうした批判をかわす目的もあったと考えられるローマ楽派風の作品です。パレストリーナばりの美しさにさらにモンテヴェルディ流のドラマを持ち込んではいるものの、技法は伝統的な「第1作法」に収まっています。



 


(2024年11月 新譜).
.

97172
(52CD)
\15000

知れば知るほど面白くなる作曲家ボッケリーニの廉価ボックス
 52枚組 ボッケリーニ・エディション


詳細はこちら


 知れば知るほど面白くなるのがボッケリーニの音楽とその生涯。
 37年暮らしたスペインでは宮廷勤めは15年ほどで、あとの22年間は国王から報酬だけ貰いながら割と自由にやっていたというなかなか見事な図太さ。
 プロイセンの王様との宮廷作曲家契約も年に12曲送付のリモート仕事で、出版社との関係もリモート。イタリアやウィーン時代のストレスとは無縁の、別世界のような寛大さが当時のスペインでの生活でした。

 同僚のゴヤが描いた有名な絵画でのボッケリーニの顔もとても穏やかです。




ドン・ルイス皇子の家族(1783)ゴヤ画
(左脇の画家はゴヤ自身、右から3人目で立って腕組みしているのがボッケリーニと思われる)


 なお、当セットはブックレット省略で、トラックリストや演奏者、録音データは、それぞれの紙ジャケットに記されています。




 なお、当セットにはブックレットは付いておらず、トラックリストや演奏者、録音データは、それぞれの紙ジャケットに記されています。



収録曲概要

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交響曲(CD1~CD2)
G515、G517、G518、G519、G520、G521、G522
エルクスレーベン、新ベルリン室内管弦楽団(1992)

 収録された7曲の交響曲は、プロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世のために1786年から1792年に作曲された作品。イタリア風序曲スタイルのG521から壮大なG522まで多彩な内容です。
 指揮のミヒャエル・エルクスレーベンは、1960年ドレスデン生まれのドイツの指揮者でヴァイオリニスト。カプリッチョ・レーベルの録音。
________________________________________

チェロ協奏曲(CD3~CD5)
G479、G480、G477、G482、G478、G475、G483、G474、G573、G476、G481
ブロンツィ、アカデミア・イ・フィラルモニチ・ディ・ヴェローナ(2005)

 ボッケリーニはチェロの名手で、まだ売り込み中だった若い頃にチェロ協奏曲書き始め、12曲が遺されています。超絶技巧を駆使してチェロの全音域を駆使、超高速パッセージのほか、弓使いの多様なバリエーションも必要とされ、珍しいオクターブの倍音に、弦を弾いたまま素早く開放弦に持ち替える奏法なども駆使。叙情的な部分では繊細な表現力も求められます。まだチェロが独奏楽器として認知されていない時代にこれだけの作品を書いたボッケリーニは若い頃から天才でした。
 明るい音色の室内オーケストラをバックに、独奏チェロが颯爽としたテンポでカンタービレの極致を聴かせる見事な演奏。弾き振りのエンリコ・ブロンツィは、1973年パルマに生まれたチェリストで、室内楽で活躍しているだけあって、アンサンブルでの呼吸の良さも格別です。
________________________________________

弦楽六重奏曲(CD6)
G457、G454、G459、G456
ザイラー、ユダ、ポッペン、ディッケル、レスター、ペニー(1991)

 収録された4曲は、1776年、マドリード西隣にあるボアディーヤ・デル・モンテのドン・ルイス宮殿で働いていた時期の作品。真新しい新古典主義様式の宮殿にふさわしい典雅で華やかな音楽。
________________________________________

オーボエ五重奏曲(CD7)
G431、G432、G433、G434、G435、G436
レンチェーシュ、パリジイ四重奏団(1992)

 1797年に作曲。オーボエの名手であったガスパール・バルリのために書かれたもので、パリのプレイエル社に作曲のことを伝えています。
 演奏のラヨシュ・レンチェーシュは、シュトゥットガルト放送響の元首席オーボエ奏者。濃密な演奏が楽しめます。カプリッチョ・レーベルの録音。
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ギター五重奏曲(CD8~CD9)
G445、G447、G449、G450、G448「ファンダンゴ」、G446、G453「マドリードの帰営ラッパ」
ロゼッリ、ラ・マニフィカ・コムニタ(2005)

 1798年に出版。ドン・ルイス亡き後、約11年に渡ってボッケリーニを支援したベナベンテ=オスナ公爵夫人は大のギター好きで自身も演奏。「ファンダンゴ」と「マドリードの帰営ラッパ」はボッケリーニ屈指の人気作。
 演奏のエロス・ロゼッリはイタリアのギタリスト。ラ・マニフィカ・コムニタとの共演によるピリオド演奏です。
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ピアノ五重奏曲(CD10~CD13)
G407、G408、G409、G410、G411、G412、G413、G414、G415、G416、G417、G418
グレゴレット、アンサンブル・クラヴィエーレ

 1797年と1797年にプレイエルから出版。プロヴァンスなどフランスの素材も用いたボッケリーニの新機軸。「フランス国民と共和国に捧ぐ」として大使のリュシアン・ナポレオンに楽譜を送ったりしています。ヨーロッパ中が大変な時期だったのでボッケリーニも気を遣ったようです。
 演奏のイラリオ・グレゴレットは、1805年シャンツ製のフォルテピアノを弾いてピリオド・アンサンブルのアンサンブル・クラヴィエーレと共演。
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弦楽五重奏曲(CD14~CD34)
G265~G330(Op.10、Op.11、Op.13、Op.18、Op.20、Op.25、Op.27、Op.28、Op.29、Op.30、Op.31)、G337~G339(Op.39)
ラ・マニフィカ・コムニタ(2004~2008)、イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ(2013~2016/Op.29~Op.31)

 ボッケリーニの創作の中核を成すのが大量に遺され水準も高い弦楽五重奏曲。これまではドン・ルイス親王が追放されて奥地の城にずっと閉じ込められていたから楽員も少なくそれしか書けなかったように言われてきました。しかし、実際には追放ではなく国王カルロス3世の外国生まれの子どもになんとか王位継承権を与えるための無理な要求に対して、穏やかなドン・ルイスが応えていただけの話です。
 そしてその奥地のモスケラ宮殿を利用していたのは、新築工事の関係で約1年8か月に過ぎません。ドン・ルイスがボッケリーニを雇っていた期間の残りの約13年間はいろいろな宮殿に滞在してたというのが真相で。これは当時のスペイン王家の年間行動スケジュールが、定期的に国内の宮殿を移り住んでいたことと関係があります。
 楽員が少なかったのは、単にドン・ルイスが室内楽が好きだったからです。結果的にボッケリーニはドン・ルイスが亡くなった後、宮廷で働かずに国王カルロス3世と4世から約20年間も年金を支給され続けており、最後の支給は亡くなった翌月でした。
 演奏の中心メンバーであるチェロのルイージ・プクセッドゥは、「ラ・マニフィカ・コムニタ」のメンバーとして、計51作品を録音していましたが、2012年にレーベルの体制が大きく変わったことでいったん中断。そして、4年後の2015年に、プクセッドゥが自ら結成したグループ「イル・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ」での演奏によりシリーズを再開、18曲を録音しています。演奏は、活力、色彩とカンタービレの魅力にあふれたもので、ときに驚くほどのダイナミズムも交えながら、旧来の「穏やかな」ボッケリーニ像とは大きく異なるピリオド・アプローチを展開。
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弦楽四重奏曲(CD35)
G195、G196、G197、G198、G199、G200
アンサンブル・シンポジウム(2015)

 ボッケリーニは43年間に約90曲の弦楽四重奏曲を作曲していますが、ここでは1778年に作曲されたOp.26の6曲を収録。当時のボッケリーニは、マドリードの西隣に位置するカダルソ・デ・ロス・ヴィドロスにあるヴィリェナ宮殿で働いていました。
 演奏のアンサンブル・シンポジウムは、イタリアの古楽器アンサンブル。ボッケリーニ独特の美しいラインを堪能させます。
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フルート五重奏曲(CD36~CD38)
G419~G436(Op.17、Op.19、Op.55)
デ・トレス、フランシスコ・デ・ゴヤ弦楽四重奏団(2018)

 Op.17とOp.19が1773年のマドリード西隣のボアディーヤ・デル・モンテのドン・ルイス宮殿時代、Op.55は1797年のフリーランス時代の作品。のちのベートーヴェンを思わせるところもあってたのしめます。
 演奏のラファエル・ルイベリス・デ・トレスとフランシスコ・デ・ゴヤ弦楽四重奏団はスペインの古楽アーティスト。セビリアのサン・ペドロ・デ・アルカンタラ教会の響きも最高です。
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弦楽三重奏曲(CD39)
G92、G90、G93、G94
ルボツキー・トリオ(2016)

 1769年に作曲。当時のボッケリーニは前年からルイジ・マレスカルキの主催するイタリア・オペラ巡業団の楽団員となってスペインに滞在しており、出演歌手のクレメンティーナと恋に落ちたり、カザノーヴァと出会ったりしながら夏には結婚し、さらに自作の協奏交響曲まで披露していた時期。
 演奏のルボツキー・トリオは、ロシア生まれのベテラン奏者ルボツキー夫妻とスウェーデンのカタリナ・アンドレアソンで構成。2つのヴァイオリンとチェロのための変則的な編成の作品を引き締まった演奏で聴かせます。
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ヴァイオリン・ソナタ(CD40~CD44)
G25~G30、G46~G51、G52~G54、G20.1~6
ルハーゼ、ネポムニャシチャヤ、ドスタレル=ラロンド、プリーエフ(2020~2021)

 ボッケリーニはチェロの名手で、作曲の面でもチェロの注目度が高くなっています。しかし音楽の需要という面では、弦楽器の花形がヴァイオリンというのは今も昔も同じであり、実際、若きボッケリーニが作曲家として最初にパリで大きな成功を収めたのもヴァイオリン・ソナタ集 Op.5でした。このOp.5は、ソナタ第1番の出だしがのちのベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番の開始に似ていたり、ソナタ第3番がどことなくベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」を思わせるなど、表情豊かで美しい旋律の宝庫でもあり、後に曲集まるごと再出版したり、他の作品に素材を転用したりと、ボッケリーニ自身のお気に入りでもあったようです。
 演奏は長くオランダやドイツを拠点としてきたロシアの古楽演奏家らによるものです。
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2つのヴァイオリンのための二重奏曲(CD45~CD46)
G56~G61(Op.3)、G63~G68(Op.46)
ルハーゼ、ゴルバン(2021)

 Op.3は1761年の作品。作曲当時18歳のボッケリーニはウィーンを拠点に活動しており、チェロ演奏のほか作曲にも力を入れ、グルックからも高く評価されていたとか。フレッシュな楽想が投入されたこの曲集も魅力十分で、レコーディングもすでにいくつか存在しますが、クリティカル・エディションの使用は初めてとなります。
 ボッケリーニの場合、作品番号は出版社が付けたものとボッケリーニ自身が付けたものが違っている場合がけっこうあるため混乱しがちなので、G番号(ジェラール番号)で記載するのがわかりやすいです。この曲集の場合も、1768年にパリのルイ=バルタザール・ド・ラ・シェヴァリエール社から出版された際には「Op.5」とされていましたが、同年にパリのヴェニエ社から出版された「6つのヴァイオリン・ソナタ」(G.25~G.30)も「Op.5」と表紙に大きく印刷されてしまったため、のちにボッケリーニ自身が「6つのニ重奏曲」(G.56~G.61)を「Op.3」と変更しています。そのため、2007年出版のクリティカル・エディションでは「Op.3」としていますが、それ以前のものでは混乱もあります。
 Op.46の作曲時期はわかっていませんが、ボッケリーニの旧作を改作しているため晩年のものと考えられています。この曲集の場合、作品番号の問題はさらにややこしくなっています。1799年にパリのプレイエル社から出版された際には「Op.46」でしたが、その後、ハンス・ジット[1850-1922]が曲集の前半3曲(G.63~G.65)を選んで「3つのニ重奏曲」として校訂し、紛らわしいことに「Op.5」としてペータース社が出版。その後、ジットは4番(G.66)などを収めた「2つのニ重奏曲」も「Op.5」として出版。1761年の曲集も最初はOp.5として出版されていたので、「Op.5」だらけです。加えて1793年作曲の「6つの弦楽五重奏曲」(G.359~G.364)が、自筆譜目録では「Op.46」とされてしまったことで大きな混乱を招いています。なお、ジット版の「3つのニ重奏曲 Op.5」の楽譜が広く出回ったため、第1曲(G.63)は昔からとりあげられたりしていましたが、「6つのニ重奏曲 Op.46」としての全曲レコーディングは存在しなかったので、今回の録音は歓迎されるところです。
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チェロ・ソナタ(CD47~CD50)
G3、G2a、G1、G4a、G5、G4b、G2b、G6~G18、G565a、G565b、G566、変ホ長調、ト長調、イ長調
プクセッドゥ、ブラカレンテ、フェッラニーニ(2008)

 ボッケリーニのチェロ・ソナタのほとんどは、若い頃の作品で、父の伴奏を念頭に置いていたのか、チェロ独奏と低音弦楽器による通奏低音という組み合わせになっています。音響としても面白く、随所に技巧的な要素も盛り込まれて聴き応えがあります。
 演奏のプクセッドゥはボッケリーニのスペシャリストで、畳み込みの迫力から朗々としたカンタービレまで雄弁に聴かせます。
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アリア・アカデミカ(CD51)
G557、G544、G545、G546、G547、G548
サンドラ&ギエルモ・パストラーナ、マッツォーリ&ルッカ・ルイジ・ボッケリーニ音楽院管弦楽団

 ドン・ルイス親王に雇われてからは室内楽作曲が本業になったボッケリーニですが、その前にはウィーンの劇場やスペインの劇場で演奏していましたし、イタリアではオラトリオも書いていたほかスペインではサルスエラも書いていたので、オペラや声楽には通じています。ここに収められたのはコンサート・アリアで、内容は、ディドの嘆きや、ファルナスペが最愛の人に別れを告げる場面など、悲しい感情に焦点を当てたもので、ドラマティックな描写も見事で、チェロも大活躍します。
 ソプラノのサンドラ・パストラーナとチェロのギエルモ・パストラーナはスペインの音楽家姉弟。珍しい作品を熱気のある演奏で聴かせます。
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スターバト・マーテル、弦楽四重奏曲(CD52)
G214、G532
ボンコンパーニ、アンサンブル・シンポジウム(2016)

 冒頭に置かれた弦楽四重奏曲ハ短調は1788年の力作。スターバト・マーテルの組み合わせにふさわしい悲痛な情感も迫力も十分です。
 スターバト・マーテルは1781年作曲の第1版を収録。ボッケリーニは19年後の1800年に大幅な改訂を加えていますが、第1版のシンプルな美しさも魅力的です。
 ソプラノのフランチェスカ・ボンコンパーニはイタリアの歌手でモンテヴェルディ合唱団のメンバーでもあります。アンサンブル・シンポジウムによる弦楽五重奏との共演。



 

96809
\1800

シルヴェストロフが2005年から2021年に作曲したピアノ小品

 シルヴェストロフ:エコーズ・オブ・ハーモニー

トマシュ・カミエニアク [1981- ]
1. アルブムブラットV.S. Op.6 (2021) 2'14

ヴァレンティン・シルヴェストロフ [1937- ]
3つの小品 Op.38a (2005)
2. I. 牧歌 2'30
3. II. セレナーデ 3'23
4. III. ワルツ 1'43

2つのセレナーデ Op.142 (2009)
5. I. アンダンティーノ 1'59
6. II. アレグレット 3'35

3つの小品 Op.102 (2007)
7. I. エレジー 2'29
8. II. ワルツ 1'47
9. III. エレジー 1'46

5つの小品 Op.143 (2006)
10. I. ワルツ 1'51
11. II. パストラル 2'30
12. III. タンゴ 3'34
13. IV. セレナーデ 2'33
14. V. ワルツ 3'07

2つのパストラル Op.114 (2008)
15. コン・モート 2'24
16. コン・モート 2'38

4つの小品 Op.139 (2006)
17. I. 前奏曲 1'15
18. II. メヌエット 1'44
19. III. セレナーデ 2'18
20. IV. バガテル 1'49

2つの小品 Op.293(2019)
21. I. パストラル 3'03
22. II. 間奏曲 1'50

2つの小品 Op.82 (2005)
23. I. パストラル 1'16
24. II. バルカローラ 2'44

2つのパストラル Op.316 (2021)
25. コン・モート 1'50
26. コン・モート 2'18

3つの小品 Op.136 (2005)
27. I. ワルツ 2'12
28. II. セレナーデ 2'57
29. III. ワルツ 2'53

トマシュ・カミエニアク/ヴァレンティン・シルヴェストロフ
30. ウクライナ版 (2021) 3'12

トマシュ・カミエニアク(ピアノ)
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(ピアノ/トラック30)


録音:2022年7月9日~10日、ポーランド、カトヴィツェ、音楽学校コンサートホール

 慰めと安らぎを与えてくれるピアノ曲集

 ウクライナの作曲家、シルヴェストロフが2005年から2021年に作曲したピアノ小品を収録したアルバム。シルヴェストロフらしい特徴として、音楽が空間の中で無限に広がり、漂っているような、儚い時間の感覚を生み出します。これらの小品には明確な終着点がなく、音楽は長く続き、溶け出し、休止します。シルヴェストロフ自身も熟練したピアニストであり、ピアノから幅広い音色を引き出します。彼の作品は、多くの現代のピアノ作曲家が好むような冷めた美学に頼ることなく、演奏者が音楽と自分自身の中に静寂の中心を見出すことを促し、慰めと安らぎを与えてくれます。演奏のカミエニアクは作曲家と個人的な親交があり、ブックレット(英語・12ページ)の解説も執筆。


トマシュ・カミエニアク(ピアノ)


 ポーランド生まれで現在はベルリン在住。リストやアルカンから21世紀の音楽までを専門とするピアニスト兼作曲家。13歳でオーボエを吹き始め、17歳でピアノも開始。カトヴィツェのカロル・シマノフスキ音楽アカデミーでジョアンナ・ドマンスカ教授に師事し、ワイマール音楽大学のロルフ・ディーター・アーレンス教授にも指導を受けています。コンスタンチン・シチェルバコフのマスタークラスなども受講。ワイマールで開催された第4回フランツ・リスト国際ピアノコンクールで特別賞を受賞したのち、ソロと室内楽の両方で活動。
 CDは、Brilliant Classics、Acte Prealable、Toccata Classicsなどから発売。

 

96422
(2CD)
\2100
ショスタコーヴィチの実像に迫る絶妙な表情の演奏
 ショスタコーヴィチ:
  弦楽四重奏曲第2番、第4番、第6番、
  ピアノ五重奏曲


ドミトリー・ショスタコーヴィチ [1906-1975]

CD1 69'41
弦楽四重奏曲第2番 イ長調 Op.68
 1. 第1楽章 序曲 モデラート・コン・モート 8'36
 2. 第2楽章 レチタティーヴォとロマンス アダージョ 11'27
 3. 第3楽章 ワルツ アレグロ 5'47
 4. 第4楽章 主題と変奏. アダージョ~モデラート・コン・モート 11'25

ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57
 5. 第1楽章 前奏曲. レント~ポコ・ピウ・モッソ~レント 5'00
 6. 第2楽章 フーガ. アダージョ 9'45
 7. 第3楽章 スケルツォ アレグレット 3'19
 8. 第4楽章 間奏曲。レント 6'55
 9. 第5楽章 フィナーレ アレグレット 7'23

CD2 48'41
弦楽四重奏曲第4番 ニ長調 Op.83
 10. 第1楽章 アレグレット 3'27
 11. 第2楽章 アンダンティーノ 6'20
 12. 第3楽章 アレグレット 4'28
 13. 第4楽章 アレグレット 9'47

弦楽四重奏曲第6番 ト短調 Op.101
 14. 第1楽章 アレグレット 6'49
 15. 第2楽章 モデラート・コン・モート 5'20
 16. 第3楽章 レント 4'59
 17. 第4楽章 アレグレット 7'25

ロベルト・プラーノ(ピアノ)
ヌース四重奏団
 ティツィアーノ・バヴィエーラ(ヴァイオリン)
 アルベルト・フランキン(ヴァイオリン)
 サラ・ダンブルオーゾ(ヴィオラ)
 トンマーゾ・テジーニ(チェロ)

録音:2023年3月、イタリア、ベルナレッジョ、バルトークストゥーディオ


 親しみやすいピアノ五重奏曲と、弦楽四重奏曲第2番、第4番、第6番を収録。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、冷戦などの雰囲気的な影響もあってどこか殺伐とした印象が持たれがちで、直線的な演奏が多かった印象もありますが、演奏や録音の仕方によっては、音楽のイメージはけっこう違ってくることを教えてくれるのがこのヌース四重奏団のアプローチです。ピアノ五重奏曲はイタリアのロベルト・プラーノが共演。こうした演奏ならプロコフィエフも作品に不満を述べなかったかもしれません。

 ブックレット(英語・12ページ)には、イタリアの音楽評論家、オレステ・ボッシーニによる各作品の解説が掲載。





ヌース四重奏団


 2011年にスイスのルガーノで結成。メンバーは同地のスヴィッツェラ・イタリアーナ音楽院に通うイタリア人たちで、その後、クレモナ四重奏団(クレモナのワルター・シュタウファー音楽院)、ハーゲン四重奏団のライナー・シュミット(バーゼル音楽アカデミー)、アルバン・ベルク四重奏団のギュンター・ピヒラー(シエナのキジアーナ音楽院)、アルテミス四重奏団のハイメ・ミュラー(リューベック音楽大学)らの指導を受け、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジアなどで国際的に活動。
 わずか数年で将来有望なグループとしての地位を確立し、2013年と2017年には、ルガーノのティチーノ音楽祭のレジデンス・カルテットに選ばれ、2015年には、イタリアの音楽賞「第34回フランコ・アッビアーティ賞」のピエロ・ファルッリ賞(最優秀新進室内楽グループ)を受賞したほか、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場からアルトゥール・ルービンシュタインに関連する賞を受賞。
 CDは、Brilliant Classics、Tactus、Da Vinci、Amadeus、Warner Classicsなどから発売。
 ちなみにグループ名の「ヌース(Nous)」は、古代ギリシャ語で、「知性」や「精神」を表す言葉ですが、「インスピレーション」や「合理性」、「創造性」といった意味も含みます。


ロベルト・プラーノ(ピアノ)


1978年8月1日、ミラノ近郊のヴァレーゼで誕生。2001年、クリーヴランド国際ピアノ・コンクール優勝したほか、仙台国際音楽コンクール、ホーネンス国際ピアノ・コンクール、バレンシア国際ピアノ・コンクール、ゲザ・アンダ国際コンクールなどで入賞。
 ソロと室内楽の両方で活動し、欧米各国や日本などで演奏。2016年からはボストン大学の教授となり、2018年からはインディアナ大学ジェイコブス音楽院でも教えています。
 CDは、Brilliant Classics、DECCA、Azica、Amadeus、Arktos、Concerto Classics、Van Cliburn Foundation、Da Vinci Classicsなどから発売。


 

96457
(6CD)
\4000


ヨゼフ・ガブリエル・ラインベルガー [1839-1901]:オルガン・ソナタ全集

CD1 81'00
ソナタ 第1番 ハ短調 Op.27
1. 第1楽章 前奏曲 3'41
2. 第2楽章 アンダンテ 2'45
3. 第3楽章 フィナーレ 5'59

ソナタ 第2番 変イ長調 Op.65
4. 第1楽章 (グラーヴェ) 8'17
5. 第2楽章 アダージョ・エスプレッシーヴォ 4'20
6. 第3楽章 フィナーレ 6'25

ソナタ 第3番 ト短調 Op.88
7. 第1楽章 パストラーレ 3'44
8. 第2楽章 間奏曲 2'23
9. 第3楽章 フーガ 6'59

ソナタ 第4番 イ短調 Op.98
10. 第1楽章 (テンポ・モデラート) 7'06
11. 第2楽章 間奏曲 4'28
12. 第3楽章 半音階的フーガ 5'28

ソナタ 第5番 嬰ヘ長調 Op.111
13. 第1楽章 (グラーヴェ~アレグロ・モデラート) 7'06
14. 第2楽章 (アダージョ・ノン・トロッポ) 5'54
15. 第3楽章 フィナーレ 6'16


CD2 69'57
ソナタ 第6番 変ホ短調 Op.119
1. 第1楽章 プレリュディウム 6'37
2. 第2楽章 間奏曲 4'08
3. 第3楽章 宗教的行進曲 5'18
4. 第4楽章 フーガ 5'41

ソナタ 第7番 ヘ短調 Op.127
5. 第1楽章 前奏曲 8'45
6. 第2楽章 (アンダンテ) 6'25
7. 第3楽章 フィナーレ 7'30

ソナタ 第8番 ホ短調 Op.132
8. 第1楽章 前奏曲 7'23
9. 第2楽章 間奏曲 4'16
10. 第3楽章 スケルツォ 3'30
11. 第4楽章 パッサカリア 10'17


CD3 77'43
ソナタ 第9番 変ロ短調 Op.142
1. 第1楽章 前奏曲 9'48
2. 第2楽章 ロマンツェ 5'19
3. 第3楽章 幻想曲とフーガ 10'09

ソナタ 第10番 ロ短調 Op.146
4. 第1楽章 前奏曲とフーガ 8'54
5. 第2楽章 主題と変容 6'20
6. 第3楽章 幻想曲とフィナーレ 10'31

ソナタ 第11番 ニ短調 Op.148
7. 第1楽章 アジタート 8'58
8. 第2楽章 カンティレーネ 6'10
9. 第3楽章 間奏曲 4'52
10. 第4楽章 フーガ 6'36
CD4 70'50
ソナタ 第12番 変ニ長調 Op.154
1. 第1楽章 幻想曲 8'35
2. 第2楽章 パストラーレ 5'35
3. 第3楽章 序奏とフーガ 10'02

ソナタ 第13番 変ホ長調 Op.161
4. 第1楽章 幻想曲 7'48
5. 第2楽章 カンツォーネ 4'06
6. 第3楽章 間奏曲 5'13
7. 第4楽章 フーガ 7'03

ソナタ 第14番 ハ長調 Op.165
8. 第1楽章 前奏曲 9'07
9. 第2楽章 牧歌 6'13
10. 第3楽章 トッカータ 7'02


CD5 69'58
ソナタ 第15番 ニ長調 Op.168
1. 第1楽章 幻想曲 7'57
2. 第2楽章 (アダージョ) 5'22
3. 第3楽章 序奏とリチェルカーレ 11'36

ソナタ 第16番 変ト短調 Op.175
4. 第1楽章 (アレグロ・モデラート) 7'37
5. 第2楽章 スカンジナヴィア風 5'00
6. 第3楽章 序奏とフーガ 8'56

ソナタ 第17番 ロ短調 Op.181「幻想ソナタ」
7. 第1楽章 幻想曲 11'00
8. 第2楽章 間奏曲 4'36
9. 第3楽章 序奏とフーガ 7'47


CD6 80'33
ソナタ 第18番 イ長調 Op.188
1. 第1楽章 幻想曲 6'34
2. 第2楽章 奇想曲 4'42
3. 第3楽章 牧歌 4'17
4. 第4楽章 フィナーレ 7'38

ソナタ 第19番 ト短調 Op.193
5. 第1楽章 前奏曲 9'57
6. 第2楽章 プロヴァンス風 8'24
7. 第3楽章 序奏とフィナーレ 10'32

ソナタ 第20番 ヘ長調 Op.196「平和のお祝いに」
8. 第1楽章 前奏曲 9'12
9. 第2楽章 間奏曲 5'21
10. 第3楽章 パストラーレ 6'13
11. 第4楽章 フィナーレ 7'34


クリスティアン・フォン・ブローン(オルガン)

録音:2021年11月1日、2022年3月29日、7月31日、11月6日、2023年4月30日、6月25日、ドイツ、聖イングベルト・ヨーゼフ教会


 カトリック教会オルガンの魅力が堪能できる優秀録音

 カトリックの国、リヒテンシュタイン(当時の人口約6,500人)に生まれた作曲家、ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー[1839-1901]は、7歳で教会オルガンの演奏をおこない、ほどなく作品も発表。12歳のときに、カトリックの大都市、ミュンヘン(当時の人口約11万人)に行って音楽院で学び、以後、1901年に亡くなるまでの半世紀をミュンヘン拠点で過ごしています。20曲のオルガン・ソナタはラインベルガーの代表作と言えるもので、後期ロマン派の時代にカトリック教会のために製作された高機能の楽器を前提にした音楽は聴きごたえがあり、ここではザールブリュッケン近郊ザンクト・イングベルトにある大きなカトリック教会であるザンクト・ヨーゼフ教会の1894年製オルガンを使用して演奏。良い音がします。
 演奏は、ザールブリュッケン近郊ホンブルク出身のクリスティアン・フォン・ブローンによるもので、ブックレット(英語・16ページ)の解説もブローンが執筆。




クリスティアン・フォン・ブローン(オルガン)


 1963年、ドイツのホンブルク(ザール)生まれ。ザールブリュッケン音楽大学で指揮とオルガンを学ぶ。さらにローザンヌ音楽院、バーゼル音楽院、ザルツブルク・モーツァルテウムでオルガンを学ぶ。 1993年からザンクト・イングベルトに拠点を置くシュパイヤー教区の司祭カントルを務める。ザール音楽大学講師。ヨーロッパ各地で多数のコンサート、ラジオ、アルバムのレコーディングを行う。


 

96629
\1800
ヴィオッティ:2つのヴァイオリンのための二重奏曲集

ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ [1755-1824]

協奏的二重奏曲 Op.9 No.1 *
 1. I. アンダンテ 1'12
 2. II. アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ 9'55
 3. III. アンダンテ 4'09
 4. IV. アレグレット・クワジ・プレスト 5'24

二重奏曲 Op.29 No.1 #
 5. I. アレグロ・ヴィヴァーチェ 9'07
 6. II. アンダンテ 2'54
 7. III. アレグロ・スケルツァンド・エ・ヴィーヴォ 3'51

協奏的二重奏曲 Op.9 No.3 #
 8. I. グランディオーゾ・エド・エスプレッシーヴォ 8'14
 9. II. メヌエット・トリオ 3'49
 10. III. アンダンテ・カンタービレ 2'31
 11. IV. アレグレット 5'49

二重奏曲 Op.29 No.3
 12. I. マエストーゾ・モデラート・エ・コン・モルタ・エスプレッショーネ 11'54
 13. II. アダージョ 2'19
 14. III. アレグロ・アジタート・アッサイ 7'21


ファブリツィオ・ファラスカ(ヴァイオリン I * & II)
ジャンマリア・メリス(ヴァイオリン I # & II)


録音:2022年11月、イタリア、カリアリ、サウンドドリーム・スタジオ


 アンサンブル経験豊富な名手2人による情報量豊かなヴィオッティ演奏

 波乱万丈の人生だったヴィオッティは、ヴァイオリンの名手としても活躍し、数多くの作品を書いています。ヴァイオリン二重奏曲は表情豊かな作品が揃っていて聴き応えがありますが、録音にはあまり恵まれていません。今回のアルバムでは、オケや室内楽の経験が豊富な2人の名手が演奏。作品の真価を引き出しています。
 ブックレット(英語・12ページ)には、指揮者のカルロ・ゴルドスタインによるヴィオッティの生涯の解説などが掲載。




 波乱万丈の人生だったヴィオッティは、ヴァイオリンの名手としても活躍し、数多くの作品を書いています。ヴァイオリン二重奏曲は表情豊かな作品が揃っていて聴き応えがありますが、録音にはあまり恵まれていません。今回のアルバムでは、オケや室内楽の経験が豊富な2人の名手が演奏。作品の真価を引き出しています。
 ブックレット(英語・12ページ)には、指揮者のカルロ・ゴルドスタインによるヴィオッティの生涯の解説などが掲載。


ファブリツィオ・ファラスカ(ヴァイオリン)


 1988年、ナポリに誕生。クレモナのスタウフェルシ音楽アカデミーでサルヴァトーレ・アッカルド、フィエーゾレ音楽学校でドーラ・シュヴァルツベルクらに師事した後、奨学金を得て、ロンドンの王立音楽アカデミーで音楽修士号を取得。  ヴィットリオ・ヴェネト国際ヴァイオリンコンクールおよびポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクールで入賞し、ソロと室内楽の両方でヨーロッパ各地で活動。また、イタリアのポテンツァ音楽院およびロンドン芸術アカデミーでヴァイオリンを教えています。
 CDは、Brilliant Classics、Aulicus Classics、Centaur Records、CPO、Amadeusなどから発売。



ジャンマリア・メリス(ヴァイオリン)


 サルデーニャ生まれ。17歳の時、ヴィットーリオ・ヴェネトで開催されたM. ベンヴェヌーティ全国ヴァイオリン・コンクールで第2位を獲得し、翌年、カリアリ国立音楽院ヴァイオリン科を満点で卒業。2009年よりカリアリ・テアトロ・リリコ管弦楽団のコンサートマスターを務めたほか、ゲストコンサートマスターとして、フィレンツェ五月祭管弦楽団、バーリ・ペトルッチェリ劇場管弦楽団、トスカニーニ・フィルなどに参加。2019年にはカーネギー・ホールでベートーヴェンの三重協奏曲を演奏。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

 

96738
\1800
34歳でロシアに散った作曲家ドレイエルのオーボエ・ソナタ集
 ドメニコ・マリア・ドレイエル:
  オーボエと通奏低音のための6つのソナタ

ドメニコ・マリア・ドレイエル [1701-1735]
オーボエと通奏低音のための6つのソナタ

ソナタ第1番 ホ短調
 1. アダージョ・ソステヌート 1'34
 2. アレグロ 2'06
 3. アダージョ 3'35
 4. アレグロ 2'20

ソナタ第2番 ハ長調
 5. <ラルゴ> 1'53
 6. アレグロ 3'00
 7. アダージョ 2'36
 8. ジーガ 2'21

ソナタ第3番 ト長調
 9. グラーヴェ 2'19
 10. アレグロ・カンタービレ 2'08
 11. グラーヴェ 1'29
 12. アレグロ・アッサイ 2'02
ソナタ第4番 ニ短調
 13. アダージョ・カンタービレ 1'14
 14. アッフェットゥオーゾ 2'44
 15. ラルゴ 3'13
 16. アレグロ・アッサイ 2'20

ソナタ第5番 ト短調
 17. ラルゴ・エ・カンタービレ 2'23
 18. アレグロ 1'27
 19. ラルゴ 2'19
 20. ジーガ・アレグロ 2'24

ソナタ第6番 イ短調
 21. アダージョ 1'28
 22. アレグロ 2'04
 23. シチリアーナ 3'57
 24. アレグロ 2'13


アルフレード・ベルナルディーニ(オーボエ)
レベッカ・フェッリ(チェロ)
ジョヴァンニ・ベッリーニ(テノール・アーチリュート/トラック1~8、13~24)
ジャコモ・ベネデッティ (チェンバロ/トラック1~6, 8~12, 17~24)
アンナ・クレメンテ(オルガン/トラック1~4、13~16、21~24)

録音:2023年2月6-9日、イタリア、フィレンツェ、ポンテ・ヴェッキオ、聖フェリチタ教会

 ブックレットも内容充実! 34歳でロシアに散った作曲家のオーボエ・ソナタ集

 ヴィヴァルディ、マルチェッロ、アルビノーニ、サンマルティーニと続くイタリアのオーボエ音楽の伝統に連なるのがドレイエルの美しいオーボエ・ソナタ集。ドレイエルはこれまで、1680年頃に生まれて1740年頃に亡くなったとされてきましたが、最近になって記録が発見され、1701年にフィレンツェで生まれ、1735年にロシアでの「不幸な事故」により34歳の若さで亡くなったことがわかっています。生年で21年、没年で5年の違いです。
 ブックレット(英語・12ページ)には、音楽学者のエレナ・アバド(有名指揮者の姪)によるドレイエルに関する時系列を踏まえた事実の紹介や解説、演奏のベルナルディーニによる、ヴィヴァルディ作品との関連性の検証、バロック絵画「魂のための音楽家集団」の右端に置かれたオーボエが今回使用した楽器に酷似していることなど、マニアックな情報を読むことができます。





 
 

97092
(2CD)
\2100
フランチェスコ・モリーノ:ギター・ソナタ全集

フランチェスコ・モリーノ [1768-1847]:ギター・ソナタ全集

CD1 53'14
3つのソナタ Op.1
ソナタ第1番
 1. I. ロマンツェ:アンダンテ 1'28
 2. II. ロンド:アレグレット 3'31

ソナタ 第2番
 3. I. ラルゴ 0'26
 4. II. テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ:アンダンテ 6'49
 5. III. ロンド:アレグレット 1'38

ソナタ第3番
 6. I. アレグロ 3'55
 7. II. ロンド:ポラッカ 2'33

3つのソナタ Op.6
ソナタ第1番
 8. I. アレグロ 4'14
 9. II. アンダンテ 2'22
 10. III. ロンド:カンタービレ・ノン・タント・アレグロ 3'32

ソナタ第2番
 11. I. アレグロ 6'13
 12. II. ロンド アレグレット 3'21

ソナタ第3番
 13. I. アレグレット 6'34
 14. II. テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ:アンダンテ 6'14

CD2 49'29
3つのソナタ Op.15
ソナタ第1番
 1. I. アンダンテ・ソステヌート 1'15
 2. II. テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ:アンダンテ 7'40
 3. III. ロンド アレグレット 5'29

ソナタ第2番
 4. I. ロマンス:アンダンテ 2'53
 5. II. ロンド アレグレット 4'31

ソナタ 第3番
 6. I. マエストーゾ 1'15
 7. II. アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ 9'27
 8. III. ロンド アレグレット 4'47

華麗なる大ソナタ Op.51
 9. I. 序奏:マエストーゾ・モルト~アダージョ・ノン・トロッポ 4'30
 10. II. ロンド:アレグレット・ヴィヴァーチェ 7'26
クラウディオ・ジュリアーニ(ギター)

録音:2023年6月(Op.1、Op.6)、10月(Op.15、Op.51)、イタリア、ローマ、サウンドメイカーズ・スタジオ


 風刺画にもなった正統派メソッドのギター作曲家によるソナタ

 ギター愛好家の「カルッリ派」と「モリーノ派」の人々が争っている風刺画で知られるギター作曲家、フランチェスコ・モリーノ[1768-1847の]によるギター・ソナタ全集。オーボエ、ヴィオラ、ヴァイオリン、ギターを演奏するモリーノが、ギターをメインにしたのは1819年にパリで成功した51歳の頃のこと。一方、ライヴァルのカルッリ[1770-1841]は、最初チェロを弾いていたものの、20歳から独学でギターを演奏し始め、30代からはプロとして活動、1808年にはパリに腰を落ち着け、同地のギター・ブームに一役買っています。風刺画が掲載された本が出版されたのは1829年で、ギター愛好家たちが、カルッリのメソッド「左手の親指でも弦を押さえる」と、モリーノの正統派メソッド「左手の親指では弦は押さえない」をめぐって対立していたことを茶化したのでしょう。ブックレット(英語・8ページ)には、演奏者のジュリアーニによる解説を掲載。




フランチェスコ・モリーノ

 1768年6月4日、サルデーニャ王国のトリノ近郊、イヴレアに誕生。父ジュゼッペはピエモンテの軍楽隊オーボエ奏者で、モリーノも1783年に15歳から軍楽隊でオーボエ、ヴィオラや理論を学び、10年後の1793年に軍楽隊を去っています。その間、1780年頃に有名なプニャーニにヴァイオリンの指導を受けたとされ、1786年には、18歳でトリノ王立劇場のオーケストラに入団して1789年までヴィオラ奏者として在籍するなどしていました。
 しかし、1796年にナポレオン軍のイタリア遠征が始まると、トリノは破壊され、ピエモンテ軍も降伏。翌1797年にはジェノヴァが占領されてリグリア共和国となり、1798年にはトリノが占領されるなど混乱が続いています。
 その頃、モリーノはスペインで活動しており、1796年から1797年にかけてはオーケストラの指揮などもしていました。
 また、1803年にはパリのプレイエル社でヴァイオリン協奏曲を出版し、1807年頃からはフランス支配下にあるリグリア共和国のジェノヴァに滞在し、1812年から1817年にかけてギター教則本「ギター、またはリラのための新しい完全なメソッド」をパリで出版し、ギター独奏曲やギター室内楽も作曲。
 1814年にはピエモンテ占領が終わって、新国王ヴィットリオ・エマヌエレ1世がトリノに再び宮廷を置き、王立楽団も再開。モリーノは、年俸400リラでヴァイオリニストに任命され、1816年にさらに500リラに昇給しますが、1818年、50歳を機に退職してパリに向かいます。
 王立楽団での安定した地位を辞してまでモリーノをパリ向かわせたのは、おそらくギター教則本が評判となってドイツなどでも出版されるようになったからと考えられています。
 モリーノは1819年頃からパリで、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽教師、作曲家として活動。以後、79歳で亡くなるまでパリを拠点にしていましたが、ロンドンなどでも演奏しています。



クラウディオ・ジュリアーニ(ギター)


 ローマ生まれ。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院を卒業したのち、ギタリスト兼作曲家のアンジェロ・ジラルディーノに数年間学び、ロレンツォ・ペロージ国際高等音楽院を卒業。ソロと室内楽の両方で活動するほか、現代作品の委嘱演奏や、ドメニコ・スカルラッティの82のソナタ(2巻)とドメニコ・チマローザの30のソナタのギター編曲、ディアベッリのソナタのクリティカル・エディションも出版。
 CDは、Brilliant classics、Da Vinci Classicsなどから発売。


 

97227
\1800
カトリック巨大国家の宮廷で愛されたイタリア音楽
 ローマからヴィリニュスへ


ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ [c.1525-1594]
1. 「おお大いなる神秘よ」 2'49

タルクイニオ・メールラ [1595-1665]
2. 「あなたは祝福されています」* 2'39

アンニバレ・スタービレ [c.1535-1595]
3. 「あなたはすべてに美しい」 2'50

>ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ / フランチェスコ・ロニョーニ [c.1575-1626]
4. 「草原と丘」(器楽曲) 3'35

ルカ・マレンツィオ [1553~c.1599]
5. 「8声のマニフィカト」 3'02

ディオメデス・カトー [c.1565-1627]
6. 「カンツォン・ディオメディス」(器楽曲) 3'07

アスプリリオ・パチェッリ [1570-1623]
7. 「祝福あれ、聖母マリア」 2'37

ジョヴァンニ・フランチェスコ・アネリオ [1569-1630]
8. 「おお主よ、何と心地よきことか」 1'41

タルクイニオ・メールラ
9. 「第1旋法による半音階的カプリッチョ」(器楽曲) 3'28

マルコ・スカッキ [c.1600-1662]
10. 「あなた方には恵みが与えられ」 1'53

バルトロミェイ・ペンキエル [?-1670]
11. 「イエスの甘い愛」 4'45

タルクイニオ・メールラ
12. 「うぐいす」(器楽曲) 3'28

ジョヴァンニ・バティスタ・コッチョラ [flc. 1610-20]
13. 「聖者たちは歌った」 2'16

サピエガの17世紀の写本より
14. 「おお真に価値ある犠牲」 2'01

ジョヴァンニ・バティスタ・コッチョラ
15. 「今日は喜びのうちに」** 2'27

タルクイニオ・メールラ
16. 「カンツォーネⅡ」(器楽曲) 1'58
17. 「愛を遊びだと思う人は」 2'17
18. 「それを信じる愚か者」*** 3'43

* ホドリーゴ・カウヴェイラによるバスパートの再構築。世界初録音
** 世界初録音
*** ホドリーゴ・カウヴェイラによる5声のための版

カント・フィオリート
 イエヴァ・ガイダマヴィチュテ(声楽:ソプラノ)
 レナータ・ドゥビンスカイテ(声楽:メゾソプラノ)
 サウレ・シェリテ(声楽:メゾソプラノ)
 ポヴィラス・ヴァンジョディス(声楽:テノール)
 ネリウス・マセヴィチウス(声楽:バス)
 ホスエ・メレンデス(器楽:コルネット)
 ミゲル・タントス・セビヤノ(器楽:サックバット)
 ファビオ・デ・カタルド(器楽:バス・サックバット)
 フィリップ・フルビー(器楽:オルガン)
 ホドリーゴ・カウヴェイラ(コルネット、リコーダー、芸術監督)

録音:2023年10月、リトアニア、ヴィリニュス、リトアニア大公宮殿

 16世紀末から17世紀初頭、ルネサンス後期からバロック初期にかけて、ヴィリニュスの宮廷で演奏されていたイタリア人音楽家の作品を集めたアルバム。演奏は2013年にリトアニアで結成された古楽アンサンブル「カント・フィオリート」によるもので、同アンサンブルの10周年と、ヴィリニュス市創立700周年を記念して、2023年10月にリトアニア大公宮殿でレコーディングされています。同宮殿は、約400年前のジグムント3世の時代に実際に音楽が演奏されていた場所なのでリアリティがあります。ブックレット(英語・8ページ)には、芸術監督のカウヴェイラによる解説が掲載。




巨大国家を構成していたリトアニア


 当時のヴィリニュスは、巨大国家「ポーランド王国およびリトアニア大公国(通称:ポーランド・リトアニア連邦)」の主要都市。面積約100万km2、人口約1,200万人に達した同国は1569年から1795年まで226年間維持されており、宗教改革でプロテスタントの波がヨーロッパ各国に押し寄せる中、強大なカトリック国家として、神聖ローマ帝国やスペイン帝国、フランス王国と共に、プロテスタント勢力やオスマン帝国に対抗。
 ちなみにリトアニア大公国単独の面積は、1572年で約32万km2、1430年だと93万km2もありました(現在は約6万5千km2)。


ジグムント3世


 「ポーランド・リトアニア連邦」を半世紀近く統治した国家元首、ジグムント3世[1566-1632]は、ヴィリニュスに毎年のように数か月に渡って滞在。自身チェンバロを弾くほど音楽好きだったジクムント3世は、タルクイニオ・メールラ(トラック2、9、12,16,17,18)を宮廷音楽家として雇うなどイタリア人音楽家を招き続け、その結果、1595年から1649年までの54年間に渡ってポーランド・リトアニア連邦の宮廷楽長はすべてイタリア人を任命。そして彼らのほとんどはローマ楽派の著名なメンバーであるだけでなく、パレストリーナの元弟子でもありました。



レオナス・サピエガ


 リトアニア政府のトップだったサピエガ[1557-1633](ポーランド語ではレフ・サピエハ)は、音楽にさらに造詣が深く、王室礼拝堂の管理を任されていたほか、自邸に礼拝堂を併設してイタリア人音楽家のジョヴァンニ・バティスタ・コッチョラを楽長としていたほど。このアルバムでは、蔵書の写本に収められた作者不明の曲(トラック14)も収録。




カント・フィオリート(古楽アンサンブル)


 リトアニア人歌手たちと国際的な器楽奏者たちで構成される古楽アンサンブルで、リトアニアの首都ヴィリニュスを拠点とし、2013年に活動を開始。
 レパートリーはルネサンス音楽とバロック音楽で、特に17世紀のリトアニア大公国およびポーランド・リトアニア連邦の音楽生活を研究して演奏しています。
 リトアニアのほか、ノルウェー、オーストリア、スロヴェニア、ポーランド、ドイツ、イタリア、スウェーデン、イギリス、エストニア、ラトヴィア、オランダなどで演奏しており、「ハンザの道」と題した大規模なヨーロッパ・プロジェクトも開始。
 CDは、Brilliant Classics、Sempliceなどから発売。


ホドリーゴ・カウヴェイラ(コルネット、リコーダー、芸術監督)


 ブラジルのポルトアレグレ生まれ。スイスのバーゼル・スコラ・カントルムでリコーダーを学び、同時にミラノ音楽院でペドロ・メーメルスドルフのもとでリコーダーと中世音楽を専攻。その後、ドイツのトロッシンゲン音楽大学でコルネットの修士号を取得。
 カルヴェイラは有名な古楽アンサンブル「カペラ・メディテラネア」のメンバーでもあり、同楽団の芸術監督、レオナルド・ガルシア・アラルコンの音楽アシスタントを務めてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、SONY Classical、harmonia mundi france、deutsche harmonia mundi、Alpha、Ricercareなどから発売。

 

97437
\1800
復元協奏曲やアリアでアーベルの実像に迫るアルバム

カール・フリードリヒ・アーベル [1723-1787]

交響曲 ハ長調 Op.10 No.4 AbelWV E22
 1. I. プレスト 3'58
 2. II. アンダンテ 2'44
 3. III. アレグロ 2'17

4. 歌劇「シファリ」よりアリア「涙をおさえて」 AbelWV A8:1 11'28

フルート協奏曲 ホ短調 AbelWV F14(初録音)
 (ヴォルフガング・コストゥヤクによるヴィオラ・パート再構築)
 5. I. アレグロ 5'44
 6. II. [アダージョ] 4'24
 7. III. アレグロ 4'08

ヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲 イ長調 AbelWV A9:1A
 (ヴォルフガング・コストゥヤクによる再構築)
 8. I. アレグロ・モデラート 4'29
 9. II. アダージョ 5'11
 10. III. アレグロ 3'45

チェンバロ協奏曲 ニ長調 AbelWV F7(初録音)
 11. I. モデラート 6'38
 12. II. アダージョ 6'16
 13. III. アレグロ・アッサイ 5'22

ヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲 ト長調 AbelWV A9:2
 (AbelWV F17、F24からトーマス・フリッチュ、ギュンター・フォン・ツァードウが編集)
 14. I. モデラート 5'43
 15. II. アダージョ・マ・ノン・トロッポ 5'18
 16. III. アレグロ 4'57

アレハンドロ・マリアス
 (ヴィオラ・ダ・ガンバ/シャルル・リシェが1997年に製作したミシェル・コリション・モデル)、
 (チェロ/シャルル・リシェが1990年に製作したマッテオ・ゴフリラー・モデル)、(指揮)

ジョネ・マルティネス(ソプラノ)

ラファエル・ルイベリス・デ・トーレス
 (フルート/マルティン・ヴェナーが2015年に製作したカルロ・パランカ・モデル)

ジョルダン・フマド
 (チェンバロ/ブルース・ケネディが2009年に製作したミヒャエル・ミートケ・モデル)

ラ・スパーニャ・バロック・オーケストラ
 ヴァイェ・ゴンサレス(オーボエ)
 マリア・ヘスス・モレノ(オーボエ)
 ヴィセント・セッラ(ホルン)
 ミゲル・オリバレス(ホルン)
 イレーネ・ベニート(第1ヴァイオリン/ソロ)
 シルヴィア・モンディーノ(第1ヴァイオリン)
 エルビラ・マルティネス(第1ヴァイオリン)
 アマヤ・フィゲレド(第1ヴァイオリン)
 マルタ・マヨラル(第2ヴァイオリン/ソロ)
 ベアトリス・アメスア(第2ヴァイオリン)
 マル・ブラスコ(第2ヴァイオリン)
 ラケル・タヴィラ(ヴィオラ)
 イサベル・フアレス(ヴィオラ)
 アレハンドロ・マリアス(チェロ)
 マリア・マルティネス(チェロ)
 イスマエル・カンパネロ(ヴィオローネ)
 ホルヘ・ロペス・エスクリバノ(チェンバロ)
 ジョルダン・フマド(チェンバロ)

録音:2022年10月、スペイン、マドリード


 ケーテンの宮廷楽長だったアーベルの父親はバッハの後任で、アーベル自身も、1748年にバッハの推薦でドレスデンの宮廷音楽家として雇用されて七年戦争まで9年間在籍。その後、1759年にロンドン到着後は、亡くなるまで28年間に渡って同地を拠点にガンバ奏者・作曲顔として活躍。1762年にはJ.C.バッハと親しくなり、ほどなく連名のコンサート・シリーズをスタート。J.C.バッハの死まで20年近くに渡って定期的に開催し、著名なゲストによる演奏や、ハイドンなど多くの作品が紹介。
 近年はアーベルの研究も進み、ドイツの音楽学者、ツァードウによるアーベル作品番号「AbelWV」カタログには420の作品が掲載。そのツァードウは、ここでヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲 ト長調の復元に関わってもいます。演奏はスペインの古楽器奏者たちによるもので、勢いのある小気味良いアプローチで魅了します。
 ブックレット(英語・12ページ)には、ガンバとチェロと指揮を受け持っているアレハンドロ・マリアスによる解説が掲載。





 

90019
(LP)
\3900
クリスマスのベストセラー・アルバムが初LP化
 キャロル・フロム・キングス

SIDE 1A 33'35
 1. 「ダビデの村に」 4'41
 2. 「喜び祝え」 1'30
 3. 「ディン・ドン 空高く」 2'07
 4. 「なんと甘美な音楽」 4'18
 5. 「ベツレヘムの小さな町よ」 3'39
 6. 「汚れなきバラ」 3'08
 7. 「主イエスには園があります」(オランダ語) 7'18
 8. 「主イエスには園があります」(英語) 3'25
 9. 「子羊」 3'29

SIDE 1B 32'25
 1. 「ボゴロディツゼ・ディエヴォ」 1'15
 2. 「聖なる幼子、卑しき幼子」 1'47
 3. 「光を放て, エルサレムよ」 2'29
 4. 「羊飼いたちが見守る中」 2'41
 5. 「出発しなさい、羊飼いたちよ」 3'11
 6. 「甘き喜びのうちに」(ブクステフーデ編) 3'00
 7. 「甘き喜びのうちに」(プレトリウス編) 2'39
 8. 「牧人ひつじを」 5'22
 9. 「コヴェントリー・キャロル」 3'08
 10. 「この日人となりし」 2'32
 11. 「誠実な人々よ来たれ(アデステ・フィデレス)」 4'21

ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団
スティーヴン・クレオベリー(指揮)
デイヴィッド・グード(オルガン)
ガイ・ジョンストン(トレブル/トラック1)
ニコラス・トッド(テノール/トラック8)
アレグザンダー・ナイト(バリトン/トラック6)

録音:1994年8月2日~3日、オーギュスタン美術館、トゥールーズ、フランス


 ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団(キングズとも)の定番アルバムが初LP化。イギリスがカトリックだった1441年に、イングランド国王ヘンリー6世によって、ケンブリッジ大学キングス・カレッジと共に設立。
 600年近い伝統を持つこの合唱団の音楽監督を務めてきたのは16人ほどで、このアルバムの演奏での指揮者、スティーヴン・クレオベリー(正しくはクリーベリーですがここでは慣用表記に従います)は1982年から亡くなる2019年まで音楽監督を務め、着任2年目の1984年には毎年クリスマス・キャロルの新作を委嘱することを決定。レパートリーの拡充に成功し、国際ツアーも盛んにおこなっていました。



 




(2024年10月 新譜).

97483
(12CD)
\6300
.
ゴルトベルク変奏曲と元ネタのヘンデル:シャコンヌも収録!
 あえてピアノで弾く

  
バロック・ピアノ・コレクション
   スウェーリンク、バッハ、ラモー、ヘンデル、ジュスティーニ、スカルラッティ、ガルッピ、エスポナ

CD1 59'45

ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク [1562-1621]
 1. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 297 4:49
 2. エコー・ファンタジア SwWV 261 3:03
 3. トッカータ SwWV 283 3:28
 4. 「宮廷風に」による変奏曲 SwWV 318 3:33
 5. ヒポドリア旋法(第2旋法)によるトッカータ SwWV 292 2:34
 6. 「私の青春は終わった」による変奏曲 SwWV 324 5:25
 7. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 298 1:44
 8. 「緑の菩提樹の下で」による変奏曲 SwWV 325 4:53
 9. エオリア旋法(第9旋法)によるトッカータ SwWV 296 4:04
 10. 「そうでなくては」による変奏曲 SwWV 330 7:26
 11. ドリア旋法(第1旋法)によるトッカータ SwWV 286 3:21
 12. 「大公の舞踏会」による変奏曲 SwWV 319 4:27
 13. トッカータ SwWV 285 2:58
 14. エコー・ファンタジア SwWV 253 7:33
アンドレア・ヴィヴァネット(ピアノ)

録音:2023年7月10~27日、
ウィーン、
トーンシュトゥーディオ・C-アーツ・
クラシカル・アーツ・ヴァルデック&ハイエク
CD2 72'16

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
 パルティータ第1番 変ロ調 BWV825
 パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
 パルティータ 第4番 ニ調 BWV828
ユアン・シェン(盛原)(ピアノ)

録音:2015年6月2日(CD2)、2015年11月9日(CD3)、
北京コンサート・ホール
CD3 72'52

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
 パルティータ 第3番 イ短調 BWV827
 パルティータ 第5番 G調 BWV829
 パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
CD4 77'27

ヨハン・セバスティアン・バッハ [1685-1750]
 ゴルトベルク変奏曲 BWV988
クララ・ヴュルツ(ピアノ
録音:2020年5月28,29日、
オランダ、スヒーダム、ヴェストフェスト教会
CD5 69'42
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 13'18
ユアン・シェン(盛原)(ピアノ)
録音:2014年2月17日、
北京コンサート・ホール
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ [1685-1750]
  トッカータ ホ短調 BWV914 7'12
  トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910 11'10
  トッカータ ト長調 BWV916 8'59
  トッカータ ハ短調 BWV911 10'52
アレッサンドロ・デリアヴァン(ピアノ)
録音:2015年8月13~14日、
イタリア、バッサーノ・デル・グラッパ、
 「エリック・ジェームス 」音響室
ジャン=フィリップ・ラモー [1683-1764]
 組曲(第2番) ホ短調 (1724) 18'02
デニス・プロシャエフ(ピアノ)
録音:2005年12月9日、
マインツ、フランクフルター・ホーフ、SWR(ライヴ/拍手あり)
CD6 56'01 CD7 56'01

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル [1685-1759]
 クラヴサン組曲第2集(1710)
  組曲(第1番) 変ロ長調 HWV434 (ロンドン、1710/17年頃) 12'33
  シャコンヌ(組曲第2番/21の変奏曲) ト長調 HWV435 (ロンドン、1705/17年頃) 11'16
  組曲(第3番) ニ短調 HWV436 (ロンドン、1721~26年頃) 15'02
  組曲(第4番) ニ短調 HWV437 (ハンブルク、1703/06年頃) 08'20
  組曲(第5番) ホ短調 HWV438 (ロンドン、1710/17年頃) 08'39

  組曲(第6番) ト短調 HWV439 (ハンブルク、1703/06年頃) 14'33
  組曲(第7番) 変ロ長調 HWV440 (ハンブルク、1703/06年頃) 08'17
  組曲(第8番) ト長調 HWV441 (ハンブルク、1703/06年頃) 19'57
  シャコンヌ(組曲第9番/62の変奏曲) ト長調 HWV442
   (前奏曲:ロンドン、1717年頃、シャコンヌ:ハンブルク、1703/06年頃) 15'33
シピオーネ・サンジョヴァンニ(ピアノ)
録音:2019年2月2~4日、
イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
CD8 50'18

ロドヴィコ・ジュスティーニ [1685-1743]
 チェンバロ・ディ・ピアノ・エ・フォルテ(通称:マルテレッティ)のための
  12のソナタ集 Op.1より
   ソナタ第1番 ト短調 Op.1-1
   ソナタ第2番 ハ短調 Op.1-2
   ソナタ第3番 ヘ長調 Op.1-3
   ソナタ第4番 ホ短調 Op.1-4
パオロ・ゼンティリン(ピアノ)
録音:2018年4月13~15日、
イタリア、プラート、
ムジカフェリックス=ストゥーディオ・ベネッツリ・モゼル
CD9 77'40

ドメニコ・スカルラッティ [1685-1757]
 1. ソナタ ニ短調 K.1 2'31
 2. ソナタ ニ短調 K.32 2'27
 3. ソナタ ニ短調 K.33 3'42
 4. ソナタ ロ短調 K.87 6'30
 5. ソナタ ニ長調 K.29 4'56
 6. ソナタ ロ短調 K.27 3'48
 7. ソナタ ト短調 K.427 2'10
 8. ソナタ ハ長調 K.132 8'36
 9. ソナタ ホ短調 K.98 3'19
 10. ソナタ ホ短調 K.135 5'03
 11. ソナタ ホ短調 K.162 5'25
 12. ソナタ イ長調 K.208 5'58
 13. ソナタ イ長調 K.39 2'42
 14. ソナタ イ長調 K.322 4'10
 15. ソナタ ト長調 K.455 3'22
 16. ソナタ ハ長調 K.95 3'24
 17. ソナタ ヘ短調 K.466 9'28
ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ(ピアノ)
録音 2021年3月3-4日、
ドイツ、ザールルイ、フェラインスハウス・ファウテルン
CD10 75'08

ドメニコ・スカルラッティ [1685-1757]
 1. ソナタ イ長調 K.24 4'46
 2. ソナタ イ短調 K.532 3'13
 3. ソナタ 変ロ短調 K.266 5'08
 4. ソナタ 変ロ短調 K.131 3'38
 5. ソナタ ロ短調 K.262 4'47
 6. ソナタ ロ短調 K.173 4'16
 7. ソナタ ハ長調 K.421 3'38
 8. ソナタ ハ短調 K.126 7'04
 9. ソナタ ニ短調 K.33 3'47
 10. ソナタ ニ短調 K.138 3'20
 11. ソナタ ホ短調 K.20 3'08
 12. ソナタ ホ短調 K.232 5'23
 13. ソナタ ヘ長調 K.17 4'00
 14. ソナタ ヘ短調 K.184 4'30
 15. ソナタ 嬰ヘ長調 K.319 3'53
 16. ソナタ 嬰ヘ短調 K.67 1'29
 17. ソナタ ト短調 K.425 2'57
 18. ソナタ ト短調 K.546 6'01
アンドレア・モルテーニ(ピアノ)
録音:2021年5月14-15日、
イタリア、クローベンスタイン、リッテン、レノン、ペピーター・マイール・ザール
CD11 67'45

バルダッサーレ・ガルッピ [1706-1785]
 ピアノ・ソナタ第2番 ハ短調 09'34
 ピアノ・ソナタ第3番 イ長調 07'49
 ピアノ・ソナタ第6番 変ホ長調 09'19
 ピアノ・ソナタ第7番 ト短調 09:55
 ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 12'19
 ピアノ・ソナタ第10番 ヘ長調 18'39
フェルナンダ・ダミアーノ(ピアノ)
録音 2020年6月26~28日、
イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ
CD12 68'44

マヌエル・エスポナ [1714-1779]
 1. ソナタ第1番 ニ短調 4'40
 2. ソナタ 第2番 ニ短調 2'27
 3. ソナタ 第17番 イ短調 3'36
 4. ソナタ 第3番 変ロ短調 5'42
 5. ソナタ 第4番 変ロ長調 5'05
 6. ソナタ 第5番 ト短調 4'57
 7. ソナタ 第6番 ト短調 3'51
 8. ソナタ 第16番 ト短調 5'44
 9. ソナタ 第11番 変ホ長調 5'58
 10. ソナタ第12番 変ホ長調 4'17
 11. ソナタ 第7番 ハ短調 6'02
 12. ソナタ 第13番 ト短調 5'27
 13. ソナタ第24番 ト短調 5'21
 14. ソナタ 第9番 ホ長調 5'04
メラニ・メストレ(ピアノ)

録音:2013年9月21日、
バルセロナ、サンタ・コロマ・デ・グラメネト、
オーディトリ・カン・ロイグ・イ・トーレス

 現在ではバロック時代の鍵盤楽曲はチェンバロで演奏するのが主流になっていますが、一方で、バッハもスカルラッティもヘンデルも実際には初期ピアノに接していたのだからピアノでも演奏すべきという見解もあり、どちらにも説得力があります。「作曲家=演奏家」の時代には、編曲・転用が当たり前でしたし、楽器指定が無いものも多かったりしたので、結局は慣れや好みの問題ということになるものと考えられます。
 たとえば、人気曲「ゴルトベルク変奏曲」のレコーディング数もこれまでにピアノが110種類以上、チェンバロが50種類以上となっており、最近でもピアノの数が優勢です。
 発音機構上、全声部が克明なチェンバロの演奏スタイルは、ピアノによるバロック演奏にも影響を与えるようになり、現在では、主旋律強調系で主情的な傾向のバロック演奏はあまり聴かれません。ここでも多声的で見事なゴルトベルク変奏曲を聴くことができ(CD4)、ゴルトベルク変奏曲の元ネタになったヘンデルのシャコンヌ(CD7 トラック16)ともども情報量の多い演奏ならではの比較も楽しめます。




400年前の曲でもピアノが効果的


 CD1のスウェーリンク作品集は約400年前の作曲ですが、冒頭の「エオリア旋法によるトッカータ」の後半で次第に高揚して行く様子はピアノならではともいえ、同時代のジョヴァンニ・ガブリエリの華やかさに通じるものも感じさせます。


バロック初期から最後期まで収録


 CD12枚に16世紀から18世紀にかけて活躍した8人の作曲家の作品を収録。生まれた世紀別に没年順に並べると以下のようになります。


【16世紀生まれ】
●スウェーリンク [1561-1621 オランダ]:1枚分

【17世紀生まれ】
●ジュスティーニ [1685-1743 イタリア]:1枚分
●バッハ [1685-1750 ドイツ]:3.7枚分
●スカルラッティ [1685-1757 イタリア→ポルトガル→スペイン]:2枚分
●ヘンデル [1685-1759 ドイツ→イタリア→イギリス]:2枚分
●ラモー [1683-1764 フランス]:0.3枚分

【18世紀生まれ】
●エスポナ [1714-1779 スペイン]:1枚分
●ガルッピ [1706-1785 イタリア]:1枚分




バロックとピアノ、そしてチェンバロからの影響


作曲家=演奏家

 バロック時代の作曲家は、チェンバロやオルガンなど、演奏家としての仕事が主な収入源である場合が多く、自作の曲も自身の演奏用というケースが一般的。会場も宮廷のホール(サロン)や大きめの教会が使用されることから楽器の音量は重要で、チェンバロよりもさらに音の小さなクラヴィコードや初期ピアノには非常に不利な状況でした。

チェンバロの進化

 17世紀初頭から18世紀なかばにかけての約150年に及ぶバロック時代は、楽器や奏法の進化と、それに伴う作曲技法の導入が目立った時期でもあります。
 たとえば16世紀初頭に登場して以来、200年以上も主要な鍵盤楽器であり続けてきたチェンバロは、1730年代には2段階の音の強弱表現が可能な2段鍵盤の楽器が普及するようになり、バッハもそれに触発されて上鍵盤と下鍵盤の指定のある「イタリア協奏曲」や「ゴルトベルク変奏曲」を書いたりしています。

最初期のピアノは小音量

 その間、バロック全盛期の1700年には、チェンバロ製作者のクリストフォリ[1655-1731]による最初のピアノが登場し、無段階に音の強弱をコントロールできることから一部で注目されます。しかし、肝心の音量がチェンバロよりもさらに小さかったため、大きめの空間での演奏には向かない楽器でした。
 また、1736年頃にゴットフリート・ジルバーマン[1683-1753]のピアノを試奏したバッハは、ジルバーマンに対して、高音域が貧弱でタッチが重く弾きにくいと言っていましたが、1747年に新たに製作された楽器を弾いた際には満足して称賛。最晩年の作曲にはジルバーマンの楽器を使用していることから、ピアノの改良が進んでいる様子が窺えます(バッハは強弱が自由なクラヴィコードの愛好者でもありました)。

鍵盤楽器の主役が交代

 その後もピアノの改良は続けられ、18世紀なかば以降には音量も増し、ロココ、ギャラント、古典派と音楽の時代様式が移行する中で出番も増加。18世紀終わりの頃には公演での要求も高まり、発音機構の研究開発もさらに進んで性能が日進月歩で向上。
 さらに、フランス革命とナポレオン戦争によってチェンバロが略奪・転売、あるいは破壊・廃棄されて表舞台から姿を消すと、鍵盤楽器の主役は完全にピアノに代わることになります。

バッハの出版事情

 過去の作品が演奏によって普及するには、出版されることが前提となりますが、バッハの場合、鍵盤楽曲で生前に出版されていたのはごく僅か。1726年から1730年まで個別に印刷された「パルティータ」は、1731年にまとめられ、「クラヴィーア練習曲集第1巻」と名付けられて出版。
 この不思議な名前は、バッハの前任者のクーナウ[1660-1722]の「新クラヴィーア練習曲集」(1692)と似ているので、ライプツィヒ市当局の受けが良かったクーナウにあやかろうとしたものかもしれません。
 1735年には「クラヴィーア練習曲集第2巻」として「フランス風序曲」、「イタリア協奏曲」が出版され、1739年の「クラヴィーア練習曲集第3巻」はオルガン曲集として出版。
 そして1741年の「クラヴィーア練習曲集第4巻」には「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」が収められていますが、地味なタイトルの長大な作品なので、注目されにくかったようです。なお、この「ゴルトベルク変奏曲」という通称を持つ作品は20世紀に入ってから人気が出てすでに200以上のレコーディングが知られています。

バッハ没後50年

 状況が大きく動いたのは没後50周年を迎えた1800年のことで、未出版作品の宝庫だったバッハの作品について需要ありと判断したホフマイスター[1754-1812]らが出版社を興して事業に取り組み始めます。なにしろ鍵盤楽曲だけでも、「平均律クラヴィーア曲集」、「トッカータ集」、「イギリス組曲集」、「フランス組曲集」、「インヴェンションとシンフォニア集」といった大物が未出版だったため、またとない商機でした。

教育には使われていたバッハ

 「平均律クラヴィーア曲集」が1801年に出版されると、パリ音楽院での授業に使用されるようになったほか、ベートーヴェンに師事していたチェルニー少年は、自習の際には、バッハやスカルラッティなどに取り組まされてもいます。チェルニーはその後、36歳のときに「平均律クラヴィーア曲集」を自身の注釈つきで出版(1837)してもいるのでよほど気に入っていたのでしょう。

ピアノの進化とレパートリー拡大

 ピアノの改良は進み、鍵盤のおおよその規模も、モーツァルト時代の61鍵からベートーヴェン時代には73鍵に増え、ショパン時代に82鍵、リスト晩年に88鍵と大型化。1820年頃に木製フレームを金属部品によって補強し、1840年には鋳物の鉄骨フレームを実現したのが大きな要因です。これによりソロや室内楽でも大きめの会場で演奏できるようになった為、公演を埋める作品数が必要になり、メンデルスゾーンやシューマン、リスト、ショパン、ブラームスらもバッハをアレンジしたり引用展開素材にしたりして関連作品を発表するようになります。

バッハ没後100年

 その間、1850年にはバッハ没後100年を記念して、シューマンやモシェレスらにより「バッハ協会」が設立され、バッハの注目度も大きく上昇。膨大な原典版全集の楽譜刊行は1851年に開始され1899年に完結する大事業でした。

専業演奏家の台頭

 19世紀に飛躍的に進歩した建築技術のおかげで近代建築が本格化すると大きめのホールも増え、音楽興行の規模も増大したことで、「専業演奏家」が一般化し、実演でのバッハ作品のピアノ演奏も増えていきます。

20世紀初頭のバッハ受容

 19世紀後半からバッハ作品が普及するにつれて、チェンバロやクラヴィコードのために書かれた音楽を現代のピアノで演奏するのであれば、適切なアレンジが必要という考え方も登場し、ロマン派的にアレンジされた演奏が人気を博すようになります。特にブゾーニによる校訂や編曲は長い年月をかけてバッハ作品を研究してからおこなわれたため、現在でも愛好者が多くなっています。

チェンバロの復興

 20世紀初頭、オリジナル・チェンバロも演奏する楽器コレクターで、著書「古楽」まで出版してチェンバロ音楽を世に広めようとしていたピアニストのランドフスカが、プレイエル社とともに、チェンバロ公演を大ホールでおこなって収益化できる楽器「ランドフスカ・モデル(グラン・モデル・ドゥ・コンセール)」をピアノを改造して開発。
 実際に興行的にも大きな成功を収めてチェンバロの存在がメジャーなものとなり、以後、半世紀以上に渡って多くのモダン・チェンバロが製作され、さまざまなバロック鍵盤楽曲を世に広めることに貢献しています。
 その後、オリジナル・チェンバロの修復や複製技術の進歩とともに、1980年代からはチェンバロはオリジナル(レプリカ)が主流になり、すでに40年ほど経過していることから、モダン・チェンバロによる時期と合わせると、復興以来すでに100年以上もチェンバロ演奏が実績を積み重ねてきたことになります。

歴史的奏法の影響

 チェンバロの全声部が克明な演奏スタイルは、ピアノによるバロック演奏にも影響を与えるようになり、現在では、主旋律強調系で感情移入が濃厚なタイプの演奏はあまり聴かれなくなりました。
 また、最近では歴史的奏法に関する知識や技術も広く浸透していることから、音の粒立ちが鮮やかで各声部情報の明確な演奏が多くなっているのも特徴です。そしてそうした知識や技術を踏まえたうえで、ピアノならではの強弱や遠近法、音色変化を繊細に駆使した表現が、チェンバロとは異なる角度から作品の魅力を浮かび上がらせることにも繋がっています。



 

97260
(3CD)
\2500
ボッケリーニのヴァイオリンのための二重奏曲を全曲収録

ルイジ・ボッケリーニ [1743-1805]
 2つのヴァイオリンのための二重奏曲全集

CD1 72'54
2つのヴァイオリンのための6つの二重奏曲 Op.3 (1761年作曲、1768年出版)
 二重奏曲 ト長調 Op.3-1 G.56
 二重奏曲 ヘ長調 Op.3-2 G.57
 二重奏曲 イ長調 Op.3-3 G.58
 二重奏曲 変ロ長調 Op.3-4 G.59
 二重奏曲 変ホ長調 Op.3-5 G.60

CD2 76'31
 二重奏曲 ニ長調 Op.3-6 G.61
2つのヴァイオリンのための6つの二重奏曲 Op.46 (1799年出版)
 二重奏曲 ホ長調 Op.46-2 G.64
 二重奏曲 ヘ短調 Op.46-3 G.65
 二重奏曲 イ長調 Op.46-6 G.68

CD3 75'23
 二重奏曲 ト長調 Op.46-1 G.63
 二重奏曲 ハ長調 Op.46-4 G.66
 二重奏曲 変ホ長調 Op.46-5 G.67

イーゴリ・ルハーゼ(バロック・ヴァイオリン)
ダリア・ゴルバン(バロック・ヴァイオリン)


録音:2021年10月4~5日、11月9日、12月14日、オランダ、フェルプ、エマウス修道院


 クリティカル・エディションも使用

 ボッケリーニのヴァイオリンのための二重奏曲を全曲収録。演奏はオランダで長く暮らすロシア生まれのバロック・ヴァイオリニスト、ルハーゼとゴルバンによるもので、録音会場であるエマウス修道院の素晴らしい音響がバロック・ヴァイオリンの美音をさらに引き立てています。2人ともモスクワ音楽院を優秀な成績で卒業したのち、アムステルダム音楽院に入学してバロック・ヴァイオリンを研究しており、2007年には2人が中心になって古楽アンサンブル「ヴィオリーニ・カプリッチョージ」を設立していたので、共演の息もぴったりです。
 なお、10月頃には52枚組ボッケリーニ・ボックスが発売される予定で、このアルバムの音源もそこに含まれます。



「6つのニ重奏曲」Op.3(G.56~G.61)
 1761年、ボッケリーニが18歳のときの作品。作曲当時のボッケリーニはウィーンを拠点に活動しており、チェロ演奏のほか作曲にも力を入れ、グルックからも高く評価されていました。フレッシュな楽想が投入されたこの曲集も魅力十分で、レコーディングもすでにいくつか存在しますが、クリティカル・エディションの使用は初めてとなります。
 ボッケリーニの場合、作品番号は出版社が付けたものとボッケリーニ自身が付けたものが違っている場合がけっこうあるため混乱しがちなので、G番号(ジェラール番号)で記載するのがわかりやすいです。
 この曲集の場合も、1768年にパリのルイ=バルタザール・ド・ラ・シェヴァリエール社から出版された際には「Op.5」とされていましたが、同年にパリのヴェニエ社から出版された「6つのヴァイオリン・ソナタ」(G.25~G.30)も「Op.5」と表紙に大きく印刷されてしまったため、のちにボッケリーニ自身が「6つのニ重奏曲」(G.56~G.61)を「Op.3」と変更しています。そのため、2007年出版のクリティカル・エディションでは「Op.3」としていますが、それ以前のものでは混乱もあります。

「6つのニ重奏曲」Op.46(G.63~G.68)

 作曲時期はわかっていませんが、ボッケリーニの旧作を改作しているため晩年のものと考えられています。
 この曲集の場合、作品番号の問題はさらにややこしくなっています。1799年にパリのプレイエル社から出版された際には「Op.46」でしたが、その後、ハンス・ジット[1850-1922]が曲集の前半3曲(G.63~G.65)を選んで「3つのニ重奏曲」として校訂し、紛らわしいことに「Op.5」としてペータース社が出版。その後、ジットは4番(G.66)などを収めた「2つのニ重奏曲」も「Op.5」として出版。「Op.5」だらけです。
 さらに1793年作曲の「6つの弦楽五重奏曲」(G.359~G.364)が、自筆譜目録では「Op.46」とされてしまったことで大きな混乱を招いています。
 なお、ジット版の「3つのニ重奏曲 Op.5」の楽譜が広く出回ったため、第1曲(G.63)は昔からとりあげられたりしていましたが、「6つのニ重奏曲 Op.46」としての全曲レコーディングは存在しなかったので、今回の録音は歓迎されるところです。

ブックレット

 12ページ。テキストは英語。作品解説のほか、「Op.46」の原曲に使用した作品のことや、作品番号が妙なことになった経緯についても記してあり参考になります。
 執筆者はオランダの音楽学者で、ボッケリーニに関する著書「Understanding Boccherini's Manuscripts」や楽譜編纂でも知られるルドルフ・ラッシュ(ユトレヒト大学音楽学研究所)。


ルイジ・ボッケリーニ


 1743年2月19日、ルッカ共和国に誕生。斜塔で有名なピーザの近郊に位置する要塞都市ルッカは人口約2万人。父はチェロとコントラバスを弾く音楽家。ボッケリーニはルッカとローマでチェロの腕を磨いて作曲も学び、ウィーンで活躍したのち、24歳で作曲家としてパリで成功。その後、26歳から62歳で亡くなるまで、つまり社会に出てからのほとんどの期間をスペインで過ごしたという事実上の「スペインの作曲家」でもありました。
 13歳でチェリストとしてデビューしたボッケリーニは、「おそらく歴史上もっとも優れたチェリストであった」と鈴木秀美氏も称えるほどの無類の超絶技巧チェリストであったとされており、その作品には、古典派時代の音楽としては異例なほどチェロの魅力が詰まったものとなっていました。
 ボッケリーニは古典派音楽の中心であった独墺から遠く離れたスペインの宮廷で活躍していたこともあってか、その音楽は古典派的な様式感よりも、ボッケリーニならではの自由な感覚で貫かれているものが多く、優雅なロココの中に突然チェロの名技が盛り込まれたり、コミカルな音楽が出現したりと、曲によってはかなりのやりたい放題ぶりとなっています。しかもご当地スペインの舞曲やギターまで交えた作品も書いており、さらに絶品ともいえる旋律美で彩られた宗教音楽まで書いていました。


イーゴリ・ルハーゼ(バロック・ヴァイオリン)

 12歳でソロ・ヴァイオリニストとしてのキャリアをスタートさせ、オデッサ交響楽団とヴュータンのヴァイオリン協奏曲第5番で共演。モスクワ音楽院を優秀な成績で卒業。1996年、タネーエフ国際室内楽コンクール第1位、1997年、ロカテッリ国際コンクール第1位など、数々の国際コンクールで入賞。
 2002年、アムステルダム音楽院で古楽のスペシャリストとして優秀な成績で卒業。ルネッサンスから現代音楽までのヴァイオリンのレパートリーを演奏するソリストとして、ヨーロッパ各国で活動するほか、世界各地をツアー。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。

ダリア・ゴルバン(バロック・ヴァイオリン)


 モスクワ音楽院とアムステルダム音楽院を卒業。多くのヴァイオリン・コンクールで入賞し、ソロ、室内楽、アンサンブルで活動。2005年からオランダ在住で、2007年に、イーゴリ・ルハーゼとともに古楽アンサンブル「ヴィオリーニ・カプリッチョージ」を設立。同時に2007年から2020年まで、1994年に設立されたオランダ・バッハ管弦楽団の2代目コンサートマスターを務めました。
 CDは、Brilliant Classics、Amsterdam Classicsなどから発売。



 

97290
(2CD)
\2100

ゴットフリート・グリューネヴァルト [1675-1739]
 チェンバロのための7つのパルティータ


CD1 51'33

パルティータ第1番 ハ長調
1. プレリュード I 0'54
2. プレリュード II 0'27
3. アルマンド 2'50
4. クーラント 2'39
5. サラバンド 1'44
6. ガヴォット 0'51
7. メヌエット I & II 1'58

パルティータ第2番 ハ長調
8. プレリュード 1'34
9. アルマンド 3'36
10. クーラント 2'23
11. サラバンド 3'10
12. アリア 1'54
13. シャコンヌ 2'37

パルティータ第3番 イ長調
14. アルマンド 3'36
15. クーラント 2'31
16. サラバンド 1'53
17. エール・アン・ガヴォット 1'23
18. ジーグ 2'24

パルティータ第4番 ヘ長調
19. アルマンド 7'05
20. シャコンヌ 5'42


22. ジーグ 2'59
CD2 60'51

パルティータ第5番 ト長調
1. プレリュード 1'08
2. アルマンド 3'44
3. クーラント 1'50
4. サラバンド 2'38
5. ガヴォット 1'10
6. メヌエット 2'50
7. ブーレ 1'57
8. パスピエ・アルテルナチヴマン・アヴェク・ル・トリオ-トリオ 4'04
9. ジーグ 2'14

パルティータ第6番 イ短調
10. アルマンド 3'47
11. クーラント 1'53
12. サラバンド 2'28
13. エール・アン・ブーレ 1'30
14. メヌエット I/II 3'05
15. ジーグ 2'51

パルティータ第7番 ニ短調
16. プレリュード 3'09
17. アルマンド 3'23
18. クーラント 2'16
19. サラバンド - ドゥーブル I/II 4'45
20. エール 1'24
21. メヌエット I/II/III 5'30
フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)

録音 2022年2月 イタリア、ノヴァーラ、ボルゴ・ティチーノ

 世界初録音!

 知られざる作曲家たちの良作を次々に世に問うフェルナンド・デ・ルーカによる新作は、ドイツ・バロック後期の作曲家グリューネヴァルトのチェンバロ作品集。親しかった楽長のグラウプナーと共にダルムシュタットの宮廷生活を音楽で彩ったグリューネヴァルトの美しい作品が蘇ります。パルティータはフランス様式の組曲ですが、ここでは対位法や変奏曲の要素も盛り込まれて多彩な表情を見せています。
 演奏のフェルナンド・デ・ルーカは、これまで、フルレブッシュ(2CD)、ボーヴァルレ=シャルパンティエ(2CD)、フーケ(2CD)、デュフォー(2CD)、ジョラージュ(1CD)、モワロー(7CD)、グラウプナー(14CD)、ニコラ・シレ(2CD)、ヘンデルなどのマニアックな曲集で高い評価を獲得しており、愛器ブランシェ・モデルを使用した今回のアルバムも注目されるところです。



ブックレット
8ページ。テキストは英語。デ・ルーカのチェンバロ・コンサートで朗読を担当することもあるフランチェスカ・スコッティによるグリューネヴァルトの解説が掲載されています。


フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)

1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
 その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。
 CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。


 

97125
(2CD)
\2100

ウィリアム・バード [c.1543-1623]
 オルガン作品集

CD1 59'15
1. 「前奏曲 ト短調」 BK1 0'47
2. 「幻想曲 ト短調」 BK63 5'19
3. 「キリストよ、光にして日なる方よ」 BK121 1'04
4. 「ファンタジア」MBLV55 (トマス・トムキンス編) 3'28
5. 「イン・ノミネ」 BK51 (パーソンズ編曲:バード) 3'24
6. 「ド・レ・ミ」 BK65 6'50
7. 「汝、聖三位一体に栄光あれ」 BK50 2'06
8. 「グラウンド」 BK9 4'09
9. 「プレリュードとファンタジア イ短調」 BK12&13 8'45
10. 「クイーンズ・アルマン」 BK10 3'32
11. 「ネヴェル婦人のためのヴォランタリー」 BK61 4'59
12. 「涙のパヴァン」 BK54 (ダウランド作曲、バード編曲) 6'13
13. 「ファンタジア ト長調」 BK62 8'30

CD2 51'39
1. 「ヴォランタリーのレッスン ハ長調(ファンタジア)」 BK26 7'55
2. 「ミゼレーレ」 BK66 1'04
3. 「ミゼレーレ」 BK67 1'11
4. 「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」 BK58 3'27
5. 「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」 BK64 8'13
6. 「2つの部分からなる詩」 BK28 1'40
7. 「ファンシー ニ短調」 BK46 5'32
8. 「サルヴァトール・ムンディ」 BK68 1'41
9. 「サルヴァトール・ムンディ」 BK69 1'44
10. 「ヴォランタリー ハ長調」 BK27 5'23
11. 「はっきりさせてください」 BK47 2'03
12. 「はっきりさせてください」 BK48 1'58
13. 「はっきりさせてください」 BK49 2'27
14. 「プレリュードとファンタジア ハ長調」 BK24&25 7'12
ピーター・ヤン・ベルダー
 (アルベルト・キースペニング・オルガン)
マライン・ファルク
 (アシスタント/CD2 トラック4)


録音:2022年10月22、23日、ワイク・バイ・ドゥールステーデ、フローテ教会(大教会)

 ルネッサンス・オルガンによる演奏。解説も充実

 イングランド国教会成立の時代に教会や王室礼拝堂で働いて作曲家・オルガン奏者のウィリアム・バードは、オルガニストという立場もあってカトリック信仰を捨てられず、国教忌避の罰金まで払い続けて仕事をし、さらにピューリタニズムの影響の強いリンカン大聖堂でも苦労するなど、宗教三つ巴の環境で生きていました。
 バードのオルガン曲は、楽器指定が無かったりしますが、当時は教会によってオルガン運用の制限に違いがあったりで、たとえばカトリックではオルガンの役割は重要でしたが、イングランド国教は中道のためオルガンの役割には制限が加えられ、ピューリタニズムではオルガンは疎まれるという具合で、しかも教会関係者によってもさじ加減は異なりました。この2枚組アルバムでは、オルガン的な書法や題材の作品を中心に収録してあり、中には第2オルガニストが必要な曲もあったりして、楽しませてくれます。
 なお、音源は、9枚組ボックス「バード:チェンバロ&オルガン作品全集」のCD5、CD6と同じものです。



ブックレット

 16ページ。テキストは英語。今回は音楽学者、チェンバロ&オルガン奏者のヨン・バクセンダーレによる充実した解説を掲載。宗教と政治の切り口からもバードの生涯に迫るほか、楽器と作品についての説明も情報が豊富で読み応え十分。演奏者のベルダーも、謝辞でバクセンダーレの解説を称えています。


ピーター=ヤン・ベルダー

 1966年1月19日、オランダ西部のカペレ・アーン・デン・アイセルで誕生。チェンバロ、クラヴィコード、ヴァージナル、フォルテピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器のほか、リコーダーも演奏し、指揮もする古楽音楽家。正確な技術と確かな様式感には定評があり、膨大な録音もすべてが高水準です。


 

97021
\1800

バッハの名付け子によるヴァイオリン・ソナタの注目作
 ~ヨハン・エルンスト・バッハ

ヨハン・エルンスト・バッハ [1722-1777]
 クラヴィーアとヴァイオリンのための3つのソナタ (1770年出版)
  ソナタ ニ長調
  ソナタ ヘ長調
  ソナタ ト長調
 クラヴィーアとヴァイオリンのための3つのソナタ (1772年出版)
  ソナタ ト短調
  ソナタ イ長調
  ソナタ ハ長調
スザンナ・ピザーナ(ヴァイオリン)
マウリツィオ・パチャリエッロ(フォルテピアノ)

録音:2023年7月24~26日、イタリア、カプラーニカ、聖テレンツィアーノ教会



 かつてはバッハ作曲とされていたカンタータ「わが息は弱く」BWV 222と、モテット「我らの歩みは天国にあり」BWV Anh.165の実際の作曲者、ヨハン・エルンスト・バッハのヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ集がオリジナル楽器演奏で登場。



バッハの親戚で弟子

 ヨハン・エルンスト・バッハの名付け親でもあるバッハは、トーマス学校で彼を教えており、また、ヴィヴァルディの協奏曲の写譜もさせて自身の編曲仕事に役立ててもいました。


宮廷音楽家兼教会オルガニスト

 バッハの故郷アイゼナハで、人生の多くの時期を過ごしたヨハン・エルンスト・バッハは、アイゼナハ宮廷でチェンバロやオルガンを演奏したほか、ゲオルク教会でオルガニストを務め、
 ヨハン・エルンスト・バッハは、修行時代のライプツィヒでの4年間と、ヴァイマール宮廷楽長時代の2年間以外のほぼ半世紀は生地のアイゼナハを拠点としており、音楽家、教会の財務管理社、弁護士、会計士として活動。
 宮廷と教会の所属だったため、出版の機会にあまり恵まれず、現存する楽譜はごく僅かなので、ヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ集の存在は貴重です。


作風

 作曲家が生前に出版にこぎつけた数少ない作品で、最初の3曲が1770年、後半の3曲が1772年に出版。2つの楽器が対等だったり、手の込んだ構造が採用されていることから批評家からは「モダンすぎる」と評されたものの、一般には好評を博し、1775年にはまとめて新装版が出版。1772年出版の後半3曲が特に充実しています。


鍵盤楽器の記譜はフォルテピアノ仕様

 18世紀はチェンバロやフォルテピアノが混在していた時期ですが、この曲集の場合は、強弱の指定や速い楽章の書法、緩徐楽章のカンタービレ要素から、フォルテピアノが想定されていることが判明しています。


使用楽器

 ヴァイオリンはベルナルド・カルカーニ[1680-1756]が1740年頃に製作した楽器を使用し、フォルテピアノはアントン・ワルター[1752-1826]が1798年に製作した楽器をもとにウーゴ・カジーリア[1959- ]が製作したレプリカを使用。


レコーディング

 2023年7月に、ローマ近郊の山村カプラーニカの聖テレンツィアーノ教会でおこなわれてています。教会録音ですが、楽器の個性が伝わりやすいよう近接気味で収録されているので生々しい傾向です。

ブックレット

 12ページ。テキストは英語とイタリア語。演奏者スザンナ・ピザーナによるヨハン・エルンスト・バッハの生涯と作品についての解説が掲載されています。



スザンナ・ピザーナ(ヴァイオリン)


 6歳のときにヴァイオリンを父に習い始め、その後、1992年から1996年までフィレンツェ近郊のフィエーゾレ音楽学校でアマデウス四重奏団のリーダーだったノーバート・ブレイニンに師事して室内楽を学んでいます。
 近年はバロック音楽の文献学的演奏研究をおこなっており、オリジナル楽器(1740年頃のベルナルド・カルカニーニ)を使用して、リナルド・アレッサンドリーニの「コンチェルト・イタリアーノ」と共演していたほか、2020年にはローマの古楽アンサンブル「フリオージ・アッフェッティ」に所属しています。
 教育者としては、1991年から2007年まで、ローマのポポラーレ音楽学校でヴァイオリンを教え、2014年からはヴィテルボのサンタ・ローザ音楽学校でヴァイオリンと演奏解釈を担当。
 CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。


マウリツィオ・パチャリエッロ(ピアノ)


 ジュゼッペ・スコテーゼとアルド・チッコリーニに師事。ソロと室内楽の両方で活動しながら、古楽器演奏にも力を入れるようになり、フリードリヒ・クーラウとフランツ・ベルワルドのピアノ協奏曲、およびベートーヴェン初期の協奏曲変ホ長調 WoO4のクリティカル・エディションを演奏した録音は、イタリア国内外で高い評価を受けています。
 ベートーヴェンの協奏曲研究は、ロンド変ロ長調と協奏曲ニ長調作品61aへと続き、「ベートーヴェン・レアリティーズ」シリーズ第7弾では、1808年の自筆譜版による第4番と、自筆のカデンツァを編纂した第2番で高評価を獲得。
 2014年には、Brilliant Classicsでの録音を開始。
 教育者としては、ペーザロのロッシーニ音楽院でピアノと歴史的ピアノを指導。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Tactus、ASVなどから発売。

 

96998
\1800

今は無きオランダ放送交響楽団の快演盤
 オランダの序曲集
-
  ブレー、ワーヘナール、フェルフルスト、ヒルセの作品


ヨハネス・ベルナルドゥス・ファン・ブレー [1801-1857]
 1. 演奏会用序曲 ロ短調 (1839) 11'15
 2. 歌劇「盗賊」序曲 (1835) 7'12

ヨハネス・フェルフルスト [1816-1891]
 3. 序曲「ハイスブレフト・ファン・アムステル」Op.3 (1839) 8'58

ヨハン・ワーヘナール(ヴァーヘナール) [1862-1941]
 4. 管弦楽のための演奏会用作品「フリトヨフの航海」Op.5 (1884) 11'43
 5. 演奏会用序曲「春の力」Op.11 (1894) 8'12

ヤン・ファン・ヒルセ [1881-1944]
 6. 演奏会用序曲 ハ短調 (1900) 10'03

ヤック・ファン・ステーン指揮
オランダ放送交響楽団

録音 1996年8月23日(1)、1997年8月28日(2&5)、1998年6月11~12日(3、4&6)、オランダ、ヒルフェルスム、MCO I


 19世紀オランダのオーケストラ作品集。演奏会用序曲中心の選曲で、どれも親しみやすく、オーケストラの鳴りっぷりも快適。ワーへナール以外はオランダ以外ではあまりない知られていない作曲家ですが、作風はどれもドイツ・ロマン派風で、シューマンやメンデルスゾーン、ウェーバーを彷彿とさせる楽想が、凝縮された構造の中で効果的に示されています。
 演奏はオランダの指揮者ヤック・ファン・ステーン指揮するオランダ放送交響楽団によるもので、1999年にNM Classicsから発売されたアルバムのライセンス商品となります。


ブックレット

 12ページ。テキストは英語、ドイツ語とオランダ語。ユトレヒト大学で教える音楽学者のエマヌエル・オーファーベーケによる解説が掲載。19世紀オランダの音楽界の様子などのほか、ヒルセの序曲の解説では、ケルン音楽院院長フランツ・ヴュルナーとヒルセの同級生エリー・ナイの関係を巡るトラブルが紹介されていたりして面白い内容です。



ヤック・ファン・ステーン


1956年、アイントホーフェンに誕生。ブラバント音楽院でオーケストラ指揮、合唱指揮、音楽理論を学んで卒業。
 ナイメーヘン・バッハ合唱団 音楽監督(1986~1990)、アムステルダム国立バレエ団 音楽監督(1989~1994)、ボーフム交響楽団 客演指揮者(1992~1994)、ニュルンベルク交響楽団 首席指揮者(1997~2002)、ヴァイマール・ドイツ国民劇場 音楽総監督(2002~2005)、BBCウェールズ管弦楽団 首席客演指揮者(2005~2013)、ドルトムント・フィルハーモニー管弦楽団 音楽監督(2008~2013)を歴任したほか、世界各地のオーケストラに客演。
 1992年以来、ハーグ王立音楽院でオーケストラ指揮を教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、NM Classics、Channel Classics、Cassa Nova Records、Avro、Winterthur、MDG、Chandos、cpo、BIS、Dutton、Somm、Bridge、Signum Classics、NMCなどから発売。

オランダ放送交響楽団


 1985年にオランダ放送室内管弦楽団とプロムナード管弦楽団が合併して設立。歴代首席指揮者は初代(1985?1989)が北アイルランドのベルファストに生まれたイギリスの指揮者ケネス・モンゴメリー[1943-2023]、2代目(1989?1991)がアメリカのヘンリー・ルイス[1932-1996]、3代目(1991?1996)がオランダのケース・バーケルス[1945- ]、4代目(1996?2003)がエストニアのエリ・クラース[1939-2016]、5代目(2003?2004)がオランダのハンス・フォンク[1942-2004]。客演指揮者はラザレフ、スクロヴァチェフスキ、ジョルダン、ズヴェーデンなど多数。放送やオーケストラ公演のほか、オペラでも水準の高い演奏を聴かせていましたが、ハンス・フォンクの死の翌年、2005年7月7日の公演を最後に解散しています。
 CDは、Brilliant Classics、NM Classics、Ottavo、First Hand Records、Doremi、Philips、Columbia、JE Music、AVRO、Bongiovanni、DECCA、Naxos、Radio 4、Stradivarius、Etcetera、Exton、BV Haast Recordsなどから発売。________________________________________


 

96761
\1800
甘美なチレア節をイタリア器楽勢の演奏で
 チレア:協奏組曲集
 レーオ(チレア編):チェロ協奏曲
 カッチョーラ:愛の歌


フランチェスコ・チレア [1866-1950]
 ヴァイオリンと管弦楽のための組曲 ホ長調 (1946) 12'05

ラッファエレ・カッチョーラ [b.1965]
  愛の歌 4'12

レオナルド・レーオ [1694-1744]
 チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲ニ長調 (1737)(1934年、チレア編) 10'44

フランチェスコ・チレア [1866-1950]
 チェロと管弦楽のための小組曲 (1931) 17'23
マッシモ・クアルタ(ヴァイオリン)
エンリコ・ブロンツィ(チェロ)
イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・スカラ
フィリッポ・アリーア(指揮)

録音 2022年9月11~13日、イタリア、ベルナレッジョ、アウディトリウム・エウローパ


 ヴェリズモ・オペラで人気を博した作曲家チレアによる珍しい協奏作品を収録したアルバム。「アドリアナ・ルクヴルール」と「アルルの女」で成功したチレアは、47歳までは主にオペラ作曲家として活動し、以後の37年間は、オペラは改訂などに留め、他の分野の作品に取り組んでいました。ミラノ・スカラ座管弦楽団(スカラ座フィル)のメンバーで構成される室内オーケストラ「イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・スカラ」を活きの良い若手フィリッポ・アリーアが指揮。ヴァイオリンとチェロのソロは、共に知名度の高いマッシモ・クアルタと、エンリコ・ブロンツィが担当。





ブックレット

 12ページ。テキストは英語とイタリア語。イタリアの作曲家、リュート奏者、オルガン奏者で、パヴィアのヴィッタディーニ高等音楽院で作曲の教授を務めていたウーゴ・ナストルッチ[1953- ]による解説が掲載。チレアの受容状況と、収録作品について説明しています。


ヴァイオリンと管弦楽のための組曲

 1946年作曲。第2次大戦終戦の翌年に書かれた作品。第1曲から甘美で哀調を帯びた旋律がチレア節絶好調という感じで、第2曲もオペラ風。第3曲ではマーラー7番第3楽章をどこか思わせる旋律も登場し、そして第4曲は元気な無窮動風な音楽で元気に締めくくります。


愛の歌

 ミラノ音楽院で作曲と電子音楽を学んだイタリアの作曲家ラッファエレ・カッチョーラ[1965- ]による4分ほどのチレアへのオマージュ作品。


チェロと弦楽オーケストラのための協奏曲(第2番)

 バロック後期、ナポリ楽派の作曲家レオナルド・レーオ[1694-1744]の1737年の作品を、ナポリ音楽院の院長だったチレアが1934年に編曲。チレアはレーオの組曲風な協奏曲から短い第4楽章と第5楽章をカットし、ラルゲットを第2楽章に、アレグロ・コン・ブラヴーラを第3楽章とし、第1楽章に複雑なカデンツァを、第3楽章に短いカデンツァを加えて3楽章制の協奏曲に仕立てています。
 当時はバロック作品の普及を目指す「近代化」がよくおこなわれていた時代ですし、チレアにはこの曲の美しいメロディーを広めたい気持ちもあったのでしょう。1922年にはまず3楽章化したピアノ編曲をおこなっており、その12年後に完成したのがこの1934年の編曲です。


チェロと管弦楽のための小組曲

 1931年作曲。同時代フランス作品の影響を感じさせる色彩的で親しみやすい作品。甘美な第4曲ノットゥルニーノはチレア節満載です。




マッシモ・クアルタ(ヴァイオリン)

 1965年、イタリア南部、サレント地方のレッチェに誕生。11歳からレッチェのティート・スキーパ音楽院でヴァイオリンを学び始め、続いてローマ聖チェチーリア音楽院でベアトリーチェ・アントニオーニに師事。その後、サルヴァトーレ・アッカルド、ルッジェーロ・リッチらの指導を受け、1986年、チッタ・ディ・ヴィットリオ・ヴェネト・ヴァイオリン・コンクールで優勝、1989年、オペラ・プリマ・フィリップス・ヴァイオリン・コンクールで優勝、1991年、ジェノヴァ・ニコロ・パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。
 以後、ソロと室内楽、指揮の活動を組み合わせ、世界各地で演奏。スイス・イタリア音楽院で教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Dynamic、Delos、Amadeus、Suonareなどから発売。


エンリコ・ブロンツィ(チェロ)


 1973年、パルマに誕生。1990年にトリオ・ディ・パルマを結成し、フィレンツェ、メルボルン、リヨン、ミュンヘンの国際コンクールの実績により、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアの主要なコンサート・ホールで演奏。
 ソリストとしては、2001年、パリのロストロポーヴィチ・コンクールで上位入賞、ヘルシンキのパウロ・チェロ・コンクールでの優勝。
 指揮者としては、ヨルマ・パヌラに指揮法を師事し、アバドからの招待によりモーツァルト・オーケストラを指揮したほか、カメラータ・ザルツブルク、クレメラータ・バルティカ、タピオラ・シンフォニエッタ、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団などに客演。
 2007年にはザルツブルク・モーツァルテウム音楽院の教授に就任。
 CDは、Brilliant Classics、Stradivarius、ONYX、Amadeus、Concerto Classicsなどから発売。


イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・スカラ

 ミラノ・スカラ座管弦楽団(スカラ座フィル)のメンバーで構成される室内オーケストラ。オペラやコンサートで豊富な実績を持つ彼らは合わせものも得意です。
 CDは、Brilliant Classics、Amadeus、Da Vinci Classics、SONY Classicalなどから発売。


フィリッポ・アリーア(指揮)

 1989年、イタリア南部カタンザーロに誕生。姓の読みは「ア?リーア」に近い感じですが、ここでは「アリーア」としておきます。早くからピアノなどを学び、ヴィーヴォ・ヴァレンティア「ファウスト・トレフランカ」音楽院を2006年に17歳で卒業したのち、カタンザーロ大学で法学を勉強して人文教育を完了。
 2011年には指揮も始め、カラブリア・フィルハーモニー管弦楽団設立に携わり首席指揮者に就任。2015年にはトスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したほか、2019年にはベルリン交響楽団も指揮するなどすでに世界30か国以上でソリストおよび指揮者として400回以上のコンサートに出演。
 CDは、Brilliant Classics、Fone、Warner Musicなどから発売。

 

97061
\1800

バロックや中世を好んだ作曲家による20世紀作品
 フランク・マルタン [1890-1974]:フルート作品全集


1. 教会ソナタ(1941/フルートとオルガンのための) 17'42 ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
ピエルパオロ・トゥレッタ(オルガン)
録音:2023年6月13日、スロヴェニア、リュブリャーナ、聖スタニスラフ礼拝堂
2. 第2バラード(1939/フルートとピアノのための) 15'42 ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
録音:2023年6月12日、イタリア、サチーレ、ファツィオリ・コンサート・ホール
3. バラード(1939/フルートとピアノのための) 7'56 ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
録音:2023年6月12日、イタリア、サチーレ、ファツィオリ・コンサート・ホール
カッサンドルのための4つのソネ
 (1921/メゾソプラノ、フルート、ヴィオラとチェロのための) 11'55
4. I. 神が私を打ち負かすのを見たい者は誰でも 2'49
5. II. 自然がその女を飾り立てるとき 2'47
6. III. あなたの髪が白い花を咲かせる前に 2'04
7. IV. あなたが一人で座っているのを見たとき 4'15
モニカ・バチェッリ(歌)
ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
マリオ・パラディン(ヴィオラ)
カルロ・テオドーロ(チェロ)
録音:2010年11月23日、
イタリア、ヴェネツィア、フェニーチェ大劇場(エクス・ノーヴォ音楽祭ライヴ)
3つのクリスマスの歌(1947/声楽、フルートとピアノのための) 5'25
 8. I. 贈りもの 2'30
 9. II. クリスマスの絵姿 0'57
 10. III. 羊飼いたち 1'58
モニカ・バチェッリ(歌)
ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
アルド・オルヴィエート(ピアノ)
録音:2014年9月20日、
イタリア、ヴェネツィア、フェニーチェ大劇場(エクス・ノーヴォ音楽祭ライヴ)
11. 短い作品(1957/フルート、オーボエとハープのための) 2'18 ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
ロッサーナ・カルヴィ(オーボエ)
ニコレッタ・サンツィン(ハープ)
録音:2023年6月12日、
イタリア、サチーレ、ファツィオリ・コンサート・ホール
3つの吟遊詩人の歌
 (1961/メゾソプラノ、フルート、ヴィオラとチェロのための) 8'41
12. I. ああ、心からの喜び 3'00
13. II. 女が一人で立って 2'35
14. III. 菩提樹の下で 3'06
モニカ・バチェッリ(歌)
ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)
マリオ・パラディン(ヴィオラ)
カルロ・テオドーロ(チェロ)
録音:2014年9月20日、
ヴェネツィア、フェニーチェ大劇場(エクス・ノーヴォ音楽祭ライヴ)



 20世紀の作曲家、フランク・マルタン[1890-1974]は、56年間スイスを拠点に活動したのち、亡くなるまでの28年間はオランダを拠点としていました。このアルバムでは、マルタンがフルートのために作曲・編曲した室内作品を歌曲も含めてすべて収録。創作時期は1920年から1961年までの41年間と幅広く、マルタンのさまざまな傾向の作品を聴くことができます。
 演奏は近現代音楽に強いイタリアの団体「エクス・ノーヴォ・アンサンブル」を中心としたもので、フルートは同アンサンブル創設メンバーでソロ活動にも熱心なダニエレ・ルッジェーリ。





ブックレット

12ページ。テキストは英語。音楽ジャーナリストで20世紀作品にも詳しいオレステ・ボッシーニ[1957- ]による収録作品についての解説が掲載。歌詞はありません。



教会ソナタ

 1938年にヴィオラ・ダモーレとオルガンのために作曲し、1941年にフルートとオルガンのために編曲。ジュネーヴ拠点期に書かれた17分ほどの作品で、「緩‐急‐緩」の3つの部分は切れ目なく続きます。

第2バラード

 1938年にアルト・サックス(バセットホルン)、弦楽器、ピアノ、打楽器のために作曲し、翌年にフルートとピアノのために編曲。ジュネーヴ拠点期に書かれた15分ほどの名技的な作品。

バラード

 1938年にアルト・サックスと弦楽オーケストラのために作曲し、翌年にフルートとピアノのために編曲。ジュネーヴ拠点期に書かれた8分ほどの作品。特に高音域の美しさが印象的な作品。

カッサンドルのための4つのソネ

 1921年にメゾソプラノ、フルート、ヴィオラとチェロのために作曲。フランス・ルネッサンスの詩人ピエール・ド・ロンサール[1524-1585]のソネ(ソネット)、「恋愛詩集」(1552)に基づき、ジュネーヴ拠点期に書かれた12分ほどの音楽。

3つのクリスマスの歌

 1947年に歌、フルート、ピアノのために作曲。ジュネーヴの詩人アルベール・ルダールト[1894-1944]の詩により、アムステルダム拠点期に書かれた5分ほどの作品。

短い作品

 1957年にフルート、オーボエ、ハープのために作曲。ナールデン拠点期に書かれた2分ほどの作品。オラトリオ「降誕の秘跡」の素材によっています。

3つの愛の歌

 1961年にメゾソプラノ、フルート、ヴィオラ、チェロのために作曲。中世ドイツ語のテキストにより、ナールデン拠点期に書かれた9分ほどの作品。





ダニエレ・ルッジェーリ(フルート)


 ダニエレ・ルッジェーリは、ヴェネツィアでグイド・ノヴェッロに師事し、最優秀の成績で卒業した後、ジュネーヴでマクサンス・ラリューのクラスでヴィルトゥオーゾ賞を獲得。
 以後、トリノ、ナポリ、ストラスブール、パリ、ミラノ、ジュネーヴ、リスボン、ヴェネツィア、 ハダースフィールド、ローマ、ワルシャワ、ベルリン、アムステルダム、マドリード、ブリュッセル、ヴィタサーリ、ザルツブルク。ミュンヘン、ハンブルク、パレルモ、ナポリ、ニューヨーク、シカゴ、名古屋など世界各地でソロや室内楽で演奏。1979年からエクス・ノーヴォ・アンサンブルに所属。
 放送局への出演も多く、BBC、RAI、ラジオ・フランス、西ドイツ放送(WDR)、ベルギー放送(RBFT)、スイス・ドイツ語放送(DRS)、スウェーデン放送などでも活動。
 また、教育者としては、パドヴァ音楽院でフルートを教えているほか、ボストン大学、ローワン大学、ハヴァフォード大学(アメリカ)、マインツ音楽大学(ドイツ)、ムルシア高等音楽院(スペイン)などの著名な教育機関で講義、コンサート、マスタークラスを開催。
 CDは、Brilliant Classics、ASV、Black Box、DENON、Dynamic、Naxos、Resonance、Stradivarius、Tactus、Ricordiなどから発売。


モニカ・バチェッリ(メゾソプラノ)

 イタリア中部アドリア海側のキエーティに誕生。ペスカーラ音楽院を卒業し、コンコルソ・ベッリで優勝した後、ケルビーノとドラベッラ役でデビュー。以後、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭、コヴェント・ガーデン王立歌劇場、サンフランシスコ歌劇場などのほか、コンサートやリサイタルでも活動。20世紀作品も得意としています。
 CDは、Brilliant Classics、Teldec、Orfeo、SONY Classical、Kairos、Stradivarius、Bongiovanni、Dynamic、Avie Records、Vest-Norsk Plateselskapなどから発売。


エクス・ノーヴォ・アンサンブル


 作曲家クラウディオ・アンブロジーニ[1948- ]と音楽家たちにより1979年にヴェネツィアで創設。近現代作品を中心に演奏する室内サンサンブル。イタリア、スイス、ドイツ、オーストリア、ポーランド、ベルギー、フランス、アメリカなどで国際的に活動。
 CDは、Brilliant Classics、Arts、ASV、Black Box、Kairos、Naxos、Dynamic、Strdivarius、Ricordiなどから発売。


 

95954
\1800
女性ギタリストによる女性ギター作曲家シリーズ第3弾
 マリア・ルイサ・アニードへのオマージュ


マリア・ルイサ・アニード [1907-1996]

1. ノルテーニョの歌 1'35
2. ユカタンの歌 1'59

ノスタルジックな前奏曲
 3. 遠く 4'12
 4. 灰色 3'23
 5. 海 2'21

6. 子守唄 2'26

7. 田舎の前奏曲 3'21

アルゼンチンの印象
 8. 先住民族のスケッチ 4'22
 9. サンティアゴの女 2'52
 10. 平原の歌 2'57
 11. 哀歌 2'37
 12. パンパ平原の前奏曲 3'02
 13. カタマルカの女 3'15
 14. 田舎の歌の変奏曲 1'58
 15. クリオージョの前奏曲 1'42
 16. 小さなミサ 2'43
 
17. ビダリータの歌 2'16

18. 私の土地から 2'03

19. 舟唄 2'31
チンツィア・ミラーニ(ギター)

録音 2024年2月、イタリア、ベルナレッジョ、バルトーク・スタジオ

 女性ギタリストによる女性ギター作曲家シリーズ第3弾

 日本1954年から1971年にかけて日本を4度訪れている往年の名ギタリスト・作曲家のマリア・ルイサ・アニード[1907-1996]は、20世紀初頭から活躍し、演奏と教育に大きな足跡を残した人物で、その作品には故郷アルゼンチンの民俗音楽の要素も反映しています。
 このCDでは、アニードの作品をイタリアの女性ギタリスト、チンツィア・ミラーニが演奏。共に神童として話題となった女性ギタリストという共通点もある2人です。ミラーにはこれまでBrilliant Classicsで、女性ギタリスト・作曲家のイーダ・プレスティのCD(95528)と、テレーザ・デ・ロガティスのCD(95627)リリースしていたので、これが3枚目の女性作曲家トリビュート・アルバムとなります。





ブックレット

 8ページ。テキストは英語。演奏のチンツィア・ミラーニ、アルゼンチンの作曲家オスカル・ロベルト・カサレス[1956- ]による紹介文のほか、マリア・ルイサ・アニードへの賛辞として、ホアキン・ロドリーゴ[1901-1999/スペインの作曲家]、エミリオ・プジョル[1886-1980/スペインのギタリスト・作曲家]、ミゲル・リョベート[1878-1938/スペインのギタリスト・作曲家]のコメントを掲載。



マリア・ルイサ・アニード [1907-1996]


 1907年、ブエノスアイレス州モロンに誕生。父フアン・カルロス・アニードは熱狂的なギター好きで、1912年、アニードが5歳のときにギターを教え始めますが、すぐに上達したため、1914年にブエノスアイレスに転居してドミンゴ・プラット[1886-1944]の指導を受けさせます。プラットは2年後の1916年、マリア・ルイサが9歳の時にデビュー・リサイタルを企画して開催。11歳のときにはブエノスアイレスの「ラ・アルヘンティーナ」ホールで本格的なリサイタルも開催して神童として知られるようになります。

 父は多くのギタリストと交流があり、家にはエミリオ・プジョルや、レジーノ・サインス・デ・ラ・マサ、ミゲル・リョベート、ホセフィーナ・ロブレドなども訪れていたことから、1923年にギター専門誌「ラ・ギターラ」をティーポ=リート・ペテネロ社より創刊。数年間に渡って発行。

 アニードの才能は多くのギタリストによっても認められ、有名なミゲル・リョベートも彼女の指導をおこなっています。
 アニードのツアーは父が1933年に亡くなるまで続き、以後、ブエノスアイレス国立音楽院とリトラル国立大学音楽研究所などで指導。しかし母が亡くなったのを機に、1950年からツアーに復帰。1952年にヨーロッパを初めて訪れ、ロンドン、インスブルック、ウィーン、パリ、ミラノ、マントヴァ、モデナ、メッシーナ、パルマ、レッチェでコンサートを開催。ブラジルとアルゼンチンでも演奏し、翌年も南米とヨーロッパへのツアーを実施。

 1954年には初めて日本を訪れ、東京、札幌などで少なくとも15回のリサイタルを開催し、ラジオやテレビの収録をおこない、ギターのマスタークラスも開催。皇太子に拝謁したほか、国会議員らの開催したレセプションへも出席。その後、自国やイタリア、ブラジルでも演奏。1955年にはウルグアイにも出向き、1956年には、イタリア、オーストリア、ソ連をツアー。
 以後もツアーは続き、1963年に再び来日し、1965年にはフィリピンを初めて訪れ、翌1966年には3度目の来日、1971年には4度目の日本ツアーをおこなっています。

 1976年、アルゼンチンでクーデターが起き、軍事政権が発足したため、アニードは祖国を離れ、スイス、ドイツ、スペインでコンサートを行い、スペインのマヨルカ島パルマに移住し、その後1978年にバルセロナに定住。スペインでは教育と演奏の両方で活動。

 1982年、1984年、1986年とキューバを訪れ、1987年にはキューバ国立芸術大学の教授に任命されて定住。1988年度ハバナ国際ギター・コンクールの審査員も務めたほか、自身のコンサートも開催。その間、1987年にはアルゼンチンに一時帰国しています。

 キューバでの生活を終えると、ヨーロッパでのツアーに戻り、スペイン、イタリア、フランスなどをまわっています。最晩年はスペイン、カタルーニャのタラゴナで暮らし、1996年6月4日に89歳で亡くなっています。




チンツィア・ミラーニ (ギター)


 1975年に誕生。幼少の頃からクラシック・ギターを学び始め、5歳でミラノのコンクールで優勝し、7歳でミラノ市から「アンブロジーノ・ドーロ(守護聖人アンブロジウスの金賞)」賞を授与。10歳の時にはレカナーティのベニャミーノ・ジーリ・コンクールで優勝。14歳までに、内外コンクールで16回も一等賞を獲得。16歳でパルマ市から最優秀演奏と解釈に対して「フランコ・マルゴーラ賞」を授与。18歳でパルマ音楽院を卒業。多くの教師に師事し、著名なギタリスト、マウロ・ストルティのもとでテクニックを磨き、その後アルゼンチンの作曲家オスカル・ロベルト・カサレスのもとで解釈分析を学んでいます。
 コンサート活動は12歳頃には本格化し、その後、イギリス、フランス、スペイン、アメリカ、カナダ、メキシコ、南アフリカ、インドネシア、南アメリカなど世界各地で演奏。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。


 

97190
\1800

フランス革命を生き延びたクープラン一族最後の作曲家による革命由来作品
 ジェルヴェ・フランソワ・クープラン:



ジェルヴェ=フランソワ・クープラン[1759-1826]

1. レザンコヤブル(奇抜な服装の上流階級男性たちの挨拶) Op.6 10'45

2. 革命歌「ああ! うまくいくさ!」による変奏曲 6'23

3. レ・メルヴェイユーズ(奇抜な服装の上流階級女性たち) Op.7 9'00

4. ロンド ニ長調 3'09

ピアノ・ソナタ ハ長調 Op.1-1
 5 I. Allegro assai 7'56
 6 II. Andante 6'00
 7 III. Rondo. Presto 1'43

ピアノ・ソナタ ニ長調 Op.1-2
 8 I. Allegro 5'56
 9 II. Amoroso. Aria con variazione 8'12
 10 III. Presto 5'08

11. ベアルヌ風哀歌による12の変奏曲 7'42

シモーネ・ピエリーニ(フォルテピアノ)

使用楽器:ヨハン・ハーゼルマン(1800~1810年頃のオリジナル)
ピッチ:A=430Hz
録音:2023年9月18~21日、イタリア、モンテ・コンパトリ、アンニバルデスキ宮


 クープラン一族の最後を飾るジェルヴェ=フランソワ[1759-1826]の作品集。フランス革命を生き延び、復古王政シャルル10世の時代まで活躍したジェルヴェ=フランソワ・クープランは、一族の伝統によりサン・ジェルヴェ教会のオルガニストとして亡くなるまで37年間奉職する一方で、古典派スタイルの鍵盤楽曲も書いていますが、ここではまさに歴史の生き証人ともいうべき題材の作品も収録。19枚組ボックス「クープラン・ダイナスティ」のCD19と同じ音源です。




ギロチン・ファッションまであった恐怖政治終焉後の過激な自由を描写

 「レザンコヤブル」と「レ・メルヴェイユーズ」は、どちらも恐怖政治を生き抜いた貴族やブルジョワが、生き地獄の記憶をとどめながら奇抜な服装で自由を謳歌していた社会現象を扱った曲で、「レザンコヤブル」が男性たち、「レ・メルヴェイユーズ」が女性たちの様子を描いたものです。
 首にギロチン刑を示す赤いリボンを巻いたり、襟首をギロチンの刃を連想させるように張り出させたり、帽子をギロチンの刃のような形にしたり、横長のギロチンの刃のような髪飾りを後頭部に付けたり、裸同然の薄いドレスを着たりとめちゃくちゃでしたが、身内や知人が残酷に殺害された人々にとって、生き残った自由の喜びの表現は屈折していても無理はありません(もっともギロチンネタは一時的なもので、その後は気楽なおふざけコスプレ的な展開となっていき、フランス・ファッションの隆盛にも繋がって行きます)。

「R」の発音をめぐる混乱
 また、平民への憎悪からか、平民の多くがまだ巻き舌で発音していた「R」を、まったく発音しないだけでなく、書かないものまで現れるなど、言葉の面でもなかなかの混乱状態に陥っています。当時の上流階級の若者同士の挨拶言葉「Incroyable !」は、「生き残ったのが信じられない!」という意味が込められたものですが、発音の際には「R」を抜いて「アンクロヤブル!」のところを「アンコヤブル!」としていたため、ここでは定冠詞「Les」付きの曲名を「レザンコヤブル」と訳しておきます。

革命歌による変奏曲も作曲
 一方でジェルヴェ=フランソワは、革命時に平民の間で流行っていた革命歌「ああ! うまくいくさ!」による変奏曲と、同じく革命下で流行した「ベアルヌ風哀歌」による変奏曲も革命時に作曲していますが、その後、職場のサン・ジェルヴェ教会も略奪されているので、ジェルヴェ=フランソワの気持ちは「アンコヤブル!」側にいってしまったかもしれません。

ソナタとロンドにはベート-ヴェンの雰囲気も

 2曲のピアノ・ソナタとロンドはベート-ヴェンを思わせるような雰囲気もある作品で、チェンバロ的な語法とのミックスもおもしろくなかなかの聴きごたえです。
 使用楽器はウィーンのヨハン・ハーゼルマンによる1800~1810年頃のオリジナルで、巧みなレストアのおかげかとても心地よい音がします。

ブックレット

 8ページ。テキストは英語。演奏者ピエリーニによる作曲者と作品についての解説が掲載されています。CDの顔となる表紙の画像は、作曲家と同時代を生きたフランスの画家、アンリ・クルボアジエ・ヴォワザン[1757-1830]が1820年頃にサン・ジェルヴェ教会周辺を描いたカラフルな絵です。革命を生き延びた人々の喜びが伝わるような雰囲気があり、CDの内容にもよく合います。



シモーネ・ピエリーニ(フォルテピアノ)


 1996年、ローマで誕生。フル・ネームは、シモーネ・エル・ウーフィル・ピエリーニ。8歳でピアノを始め、18歳で高校を卒業後、ローマ聖チェチーリア音楽院でマウラ・パンシーニに師事してピアノのディプロマを取得。その後、フィエーゾレ音楽院でエリソ・ヴィルサラーゼに師事し、ボリス・ベルマン、ニコライ・デミジェンコ、パーヴェル・ギリロフらのマスタークラスにも参加。
 その後、アレクセイ・リュビモフ、アンドレアス・シュタイアー、トビアス・コッホ、コスタンティーノ・マストロプリミアーノ、ステファノ・フィウッツィの講座やマスタークラスに参加したほか、FIMA(イタリア古楽財団)で、アンドレア・コーエンにチェンバロと歴史的鍵盤楽器奏法を、ジョヴァンニ・トーニに通奏低音を師事。
 CDは、Brilliant Classicsからケルビーニのフォルテピアノ・ソナタ集、ティナッツォリの鍵盤楽器作品全集、Da Vinci Classicsからメンデルスゾーンのヴァイオリンとフォルテピアノのためのソナタ全集がリリースされていました。


 





(2024年9月 新譜)

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95203
(3CD)
\2500
ボッケリーニ:弦楽五重奏曲集 第11集

ルイジ・ボッケリーニ [1743-1805]:弦楽五重奏曲集

CD1 69'28

弦楽五重奏曲 変ロ長調 Op.30-1, G.319
 1. I. アンダンテ・レントレッロ 5'21 2. II. メヌエット 2'57
弦楽五重奏曲 イ短調 Op.30-2, G.320
 3. I. アレグロ 4'43 4. II. メヌエット 4'09
弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.30-3, G.321
 5. I. アンダンティーノ・レントレッロ 3'08 6. II. メヌエット 3'17
弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op.30-4, G.322
 7. I. アレグロ 4'53 8. II. メヌエット 3'09
弦楽五重奏曲 ホ短調 Op.30-5, G.323
 9. I. アレグレット 6'11 10. II. メヌエット 4'04

11. 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.30-6, G.324「マドリードの夜の街角の音楽」(第2版) 14'56
    アヴェ・マリアの鐘の模倣 00'28 (00'00-00'28)
    太鼓の模倣 00'26 (00'28-00'54)
    盲目楽師たちのメヌエット 02'13 (00'54-03'07)
    ロサリオ 03'42 (03'07-06'49)
    パサカリエ 02'02 (06'49-08'51)
    帰営 05'58 (08'51-14'49)

12. 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.30-6, G.324「マドリードの夜の街角の音楽」(第1版) 12'37
    アヴェ・マリアの鐘の模倣 00'28 (00'00-00'28)
    太鼓の模倣(鐘の音入り) 01'06 (00'28-01'34)
    盲目楽師たちのメヌエット 01'59 (01'34-03'33)
    ロサリオ 04'24 (03'33-07'57)
    パサカリエ 01'54 (07'57-09'51)
    太鼓の模倣 00'19 (09'51-10'10)
    帰営 02'21 (10'10-12'31)
CD2 52'21

弦楽五重奏曲 変ホ長調 Op.31-1, G.325
  1. I. アレグロ・モデラート 7'17
  2. II. メヌエット 3'20
  3. III. グラーヴェ 6'42
  4. IV. アレグロ・ヴィヴァーチェ・マ・ノン・プレスト 2'19

弦楽五重奏曲 ト長調 Op.31-2, G.326
  5. I. モデラート 8'25
  6. II. アンダンテ・レント 2'54
  7. III. メヌエット、コン・モート 2'18
  8. IV. ロンドー. アレグレット 4'18

弦楽五重奏曲 変ロ長調 Op.31-3, G.327
  9. I. アンダンテ・レント 4'14
  10. II. アレグロ・アッサイ 6'28
  11. III. メヌエット 3'04
  12. IV. フィナーレ. アレグロ・ヴィーヴォ 2'29
CD3 52'21

弦楽五重奏曲 ハ短調 Op.31-4, G.328
  1. I. プレリュード - アダージョ 2'42
  2. II. アレグロ・ヴィーヴォ 7'40
  3. III. アダージョ 1'33
  4. IV. アレグロ・マ・ノン・プレスト・コンクルジーヴォ 5'23

弦楽五重奏曲 イ長調 Op.31-5, G.329
  5. I. カンタービレ 4'57
  6. II. アレグロ・マエストーゾ 7'11
  7. III. メヌエット 3'43.
  8. IV. フィナーレ. アレグロ 2'18

弦楽五重奏曲 ヘ長調 Op.31-6, G.330
  9. I. アレグレット・コン・モート 4'47
  10. II. ラルゴ 5'39
  11. III. メヌエット 3'29
  12. IV. フィナーレ. アレグロ・ヴィーヴォ 2'54

ルイージ・プクセッドゥ(チェロ)

イ・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ
 フェデリーコ・グリエルモ(ヴァイオリン)
 アレッシア・パッツァーリア(ヴァイオリン)
 ダヴィデ・ザルトロン(ヴィオラ)
 リッカルド・ジョヴィネ(チェロ)


録音:2014年10月、2015年1月(Op.30)、 2016年1月、6月(Op.31)、イタリア、パドヴァ、サンタ・マリア・デッラ・カルチェリ修道院


 有名曲「マドリードの夜警隊の行進」は2ヴァージョン収録!

 イタリアのチェロ奏者プクセッドゥが参加したボッケリーニ・シリーズは、活力、色彩とカンタービレの魅力にあふれたもので、ときに驚くほどのダイナミズムも交えながら、旧来の「穏やかな」ボッケリーニ像とは大きく異なるアプローチを展開して評判となっています。今回はみずから結成したグループ「イル・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ」での演奏で、演奏の活気はさらに高まっています。
 なお、10月には52枚組ボッケリーニ・ボックスが発売される予定で、このアルバムの音源もそこに含まれます。




弦楽五重奏曲シリーズの状況


 プクセッドゥは、「ラ・マニフィカ・コムニタ」のメンバーとして、ボッケリーニの弦楽五重奏曲集 第1集から第9集、計51作品を2005年から2011年にかけて発売していましたが、2012年にレーベルの体制が大きく変わったことでいったん中断。
 そして、第9集から4年後の2015年に、プクセッドゥ自ら結成したグループ「イル・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ」での演奏により、第10集、計6曲を発売してシリーズを再開。
 しかしその続編が登場するのは9年後の2024年のことで、それが今回の第11集となります。レコーディングは2014年から2016年にかけておこなわれていたので、少々長いタイムラグではありますが、激動の時代にあってはある程度仕方の無い面もあるかもしれません。


2つの「マドリードの夜警隊の行進」


 注目されるのはボッケリーニの代表作と目される弦楽五重奏曲の傑作「マドリードの夜警隊の行進」が2種類収録されていることです。有名な第1版に加えて、終曲「帰営」に変奏を加えて倍以上の規模に拡大した第2版が収められているのですが、この第2版はこれまでなぜか弦楽五重奏による録音が無かったので貴重です。



 ルイジ・ボッケリーニ[1743-1805]は、ルッカの音楽一家に生まれたイタリア人で、イタリアやウィーンでチェロの腕を磨いた後、24歳で作曲家としてパリで成功、その後、26歳から62歳で亡くなるまで、つまり社会に出てからのほとんどの期間をスペインで過ごしたという事実上の「スペインの作曲家」でもありました。
 13歳でチェリストとしてデビューしたボッケリーニは、「おそらく歴史上もっとも優れたチェリストであった」と鈴木秀美氏も称えるほどの無類の超絶技巧チェリストでもあったとされており、その作品には、古典派時代の音楽としては異例なほどチェロの魅力が詰まったものとなっていました。
 ボッケリーニはスペインの宮廷で活躍していたこともあってか、その音楽は古典派的なシンプルな様式感よりも、ボッケリーニならではの自由な感覚で貫かれているものが多く、優雅なロココの中に突然チェロの名技が盛り込まれたり、コミカルな音楽が出現したりと、曲によってはかなりのやりたい放題ぶりとなっています。しかもご当地スペインの舞曲やギターまで交えた作品も書いており、さらに絶品ともいえる旋律美で彩られた宗教音楽まで書いていました。



ルイージ・プクセッドゥ(チェロ)


1967年、北イタリアのロヴィーゴに誕生。同地でチェロをルカ・シモニーニに師事し、その後、フランコ・ロッシ、アメデーオ・バルドヴィーノ、マリオ・ブルネロ、アントニオ・ヤニグロ、ダヴィド・ゲリンガスに師事。ヴィットリオ・ヴェネト国際コンクールやヴィオッティ国際音楽コンクールで入賞したほか、ミラノのモーツァルト協会賞なども受賞。
 ソロと室内楽の両方で世界各地で活動し、ミラノのスカラ座、パリのサル・プレイエル、ザルツブルクのモーツァルテウム、ニューヨークのリンカーン・センター、ウィーンのムジークフェライン、東京のサントリー・ホールなどでも演奏。
 プクセッドゥは長年、イ・ソリスティ・ヴェネティのソロ・チェロ奏者を務めたのち、イ・ソリスティ・フィラルモニチ・イタリアーニでも演奏。
 古楽器演奏も得意で、ラルテ・デッラルコ、トリオ・ストラディヴァリ、ラ・マニフィカ・コムニタなどでも活動。
 また、故郷のロヴィーゴ・フランチェスコ・ヴェネッツェ音楽院でチェロを教えてもいます。
 CDは、Brilliant Classics、Amadeus、RCA、Erato、Frequency、Hyperion、Tactus、DADなどから発売。



イル・ヴィルトゥオージ・デッラ・ロトンダ


 2002年、ルイージ・プクセッドゥにより創設。ソロ奏者やイタリアのオーケストラ楽員などで構成。編成はフレキシブルで、弦楽三重奏から弦楽オーケストラまで幅広く対応し、そのすべてを指揮者なしで演奏します。グループ名の「ロトンダ」は、プクセッドゥの故郷ロヴィーゴにある美しいバロック様式の教会で、コンサートでも使用されています。
 今回のメンバーは、2013年録音の第10集と同じです。


 

97267
(5CD)
\3400

教会オルガン音楽、トゥルヌミールの「神秘のオルガン」


シャルル・トゥルヌミール [1870-1939]:「神秘のオルガン」[1927-1932]


CD1 76'32

第24番「昇天8日目の日曜日」
1. 入祭唱への前奏曲:「聞きたまえ主よ...アレルヤ」 1'40
2. 奉献唱:「主は昇天し」 4'11
3. 聖体奉挙唱:交唱「これらのことを私は話し」 1'13
4. 聖体拝領唱:「私が父であった頃」 2'32
5. 後奏曲:アレルヤ唱 「主は統べ治められ」 5'53

第25番「聖霊降臨の祝日に」
6. 入祭唱への前奏曲:「主の御霊が世界に満ちて...アレルヤ」 1'16
7. 幻想曲=コラール:続唱「来たれ、聖霊よ」、聖歌:「来たれ、創造主なる聖霊よ」、聖歌:「テ・デウム」、詩篇唱第94篇「さあ喜んで」(朝課) 10'01

第26番「聖なる三位一体の祝日に」
8. 聖体拝領唱:「主なる神をたたえ」 2'50
9. 三連祭壇画:聖歌「すでに日は落ちて」、交唱「聖なる創造主に祝福あれ」、聖歌:「テ・デウム」 9'16

第27番「聖体の祝日に」
10. 入祭唱への前奏曲:「彼は食事を与え...アレルヤ」 1'14
11. 奉献唱:「主の司祭が」 4'15
12. 聖体奉挙唱:交唱「なんと甘美な」 1'45
13. 聖体拝領唱:「パンを食べるたびに」 3'07
14. 幻想曲=パラフレーズ:応唱「彼は食事を与え...」、聖歌「舌よ歌え」(第3)、続唱「シオンを讃えよ」、聖歌「永遠の王」、聖歌:「テ・デウム」 8'14

第32番「聖霊降臨後第7主日」
15. 入祭唱への前奏曲:「すべての 民よ、手を打ち鳴らせ」 1'45
16. 奉献唱:「ホロカウストのように(ホロカウストは獣の丸焼きを神前に供えるユダヤ教の祭り。全燔祭。ホロコースト)」 2'49
17. 聖体奉挙唱:交唱「偽預言者に気をつけよ」 1'26
18. 聖体拝領唱:「主よ、あなたの耳を傾けよ」 2'26
19. アレルヤ第4番:「すべての民よ、手を打ち鳴らせ」 4'03

第36番「聖霊降臨後第10主日」
20. 入祭唱への前奏曲:「私が主に向かって叫んでいたあいだ」 1'45
21. 奉献唱:「主よ、あなたを仰ぎ」 4'07

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CD2 76'05

第14番「赦罪の主日」
1. 入祭唱への前奏曲:「私の守護神に」 2'12
2. 奉献唱:「主よ、あなたをたたえ」 3'57
3. 聖体奉挙唱:交唱「そして先に行った人々も」 1'04
4. 聖体拝領唱:「彼らは食べ飽きた」 2'38
5. ステンドグラス:詠唱「全ての地よ、神に歓呼せよ」 7'15

第15番「バラの主日」
6. 入祭唱への前奏曲:「エルサレムと共に喜び」 1'33
7. 奉献唱:「主を賛美せよ」 3'11
8. 聖体奉挙唱:交唱「主は満足された」 1'16
9. 聖体拝領唱:「建設されつつあるエルサレム」 2'19
10. 後奏曲=幻想曲:交唱「ラビ、この男はどのような罪を犯したのか?、聖歌「めぐみ深き創造主よ」、交唱「彼が満足したとき」 7'18

第16番「聖土曜日」
11. 奉献唱:「アレルヤ」 4'11
12. 聖体拝領唱:交唱「アレルヤ」 2'36
13. 後奏曲:「キリストの光」、交唱「私は眠り」、閉祭の挨拶「お行きなさい、ミサはこれで終わりです。アレルヤ」 5'55

第17番「復活の主日」
14. 聖体奉挙唱:交唱「しかし天使は」 1'46
15. 聖体拝領唱:「われらが過越しの小羊」 3'27
16. パラフレーズと二重コラール:交唱「私は眠り」、交唱「この日こそ」、続唱「過越の犠牲への賛美」、閉祭の挨拶「 お行きなさい、ミサはこれで終わりです。アレルヤ」、聖歌:「テ・デウム」 9'35

第19番「復活祭後第2主日」
17. 入祭唱への前奏曲:「主の憐れみ」 1'22
18. 奉献唱:「神よ、私の神よ」 3'16
19. 聖体奉挙唱:交唱「私は良い羊飼い」 1'11
20. 聖体拝領唱:「私は良い羊飼い」 2'26
21. 宗教的狂詩曲:聖歌「王室の晩餐の子羊」(第4番)、応唱「主は墓からよみがえられた」 6'55


CD3 74'01

第43番「聖霊降臨後第16主日」
1. 入祭唱への前奏曲:「主よ、われを憐れみたまえ」 1'15
2. 奉献唱:「主よ、われを助けに」 3'10
3. 聖体奉挙唱:交唱「イエスが家に入り」 1'12
4. 聖体拝領唱:「主よ、われは覚え」 2'28
5. アレルヤ・コラール第1番:昇階唱「諸国は恐れ」 5'45

第44番「聖霊降臨後第17主日」
6. 入祭唱への前奏曲:「主よ、あなたは義であり」 1'21
7. 奉献唱:「われは主に祈り」 3'38
8. 聖体奉挙唱:交唱「あなたは指導者」 1'24
9. 聖体拝領唱:「誓いなさい、そして報いなさい」 2'25
10. アレルヤ・コラール第2番:昇階唱「祝福された国民」 6'53

第45番「聖霊降臨後第18主日」
11. 入祭唱への前奏曲:「主よ、平和を与えたまえ」 1'08
12. 奉献唱:「モーゼは主に祭壇を奉献し」 4'18
13. 聖体奉挙唱:交唱「主は言われた、中風の人」 1'16
14. 聖体拝領唱:「誓いたまえ、そして報いたまえ」 2'30
15. アレルヤ・コラール第3番:昇階唱「われら喜びて」 4'55

第46番「聖霊降臨後第19主日」
16. 入祭唱への前奏曲:「私こそは民の救い」 1'37
17. 奉献唱:「われ歩き回るとも」 2'50
18. 聖体奉挙唱:交唱「招いた人々に伝え」 1'07
19. 聖体拝領唱:「あなたは命じ」 2'35
20. アレルヤ・コラール第4番:昇階唱「すべての者の目は」 5'20

第47番「聖霊降臨後第20主日」
21. 入祭唱への前奏曲:「あなたがわれらになさったすべてのことは」 1'38
22. 奉献唱:「バビロンの川のほとりで」 4'29
23. 聖体奉挙唱:交唱「ある統治者が」 1'14
24. 聖体拝領唱:「しもべへの言葉を」 3'01
25. アレルヤ・コラール第5番:昇階唱「すべての者の目は」 5'45



CD4 71'46

第29番「聖霊降臨後第4主日」
1. 入祭唱への前奏曲:「主はわが光」 1'27
2. 奉献唱:「わが目に光を」 4'26
3. 聖体奉挙唱:交唱「イエスの昇天」 1'14
4. 聖体拝領唱:「主はわがよりどころ」 2'02
5. アレルヤ第1番:交唱「ダヴィデの勝利」、アレルヤ唱「神よ御身は王座に」 5'14

第30番「聖霊降臨後第5主日」
6. 入祭唱への前奏曲:「主よ、しもべの声に耳を傾けたまえ」 1'48
7. 奉献唱:「主をほめたたえ」 2'47
8. 聖体奉挙唱:交唱「あなたがたが聞いているのは」 1'25
9. 聖体拝領唱:「ただひとつのことを」 2'53
10. アレルヤ第2番:アレルヤ唱「主よ、あなたの力を喜び」 4'48

第35番「聖母被昇天」
11. 入祭唱への前奏曲:「われらの喜び...マリア」 1'34
12. 奉献唱:「マリアは天に昇られ」 6'11
13. 聖体奉挙唱:交唱「あなたの保護のもとに」 1'40
14. 聖体拝領唱:「良いほうを」 2'45
15. パラフレーズ=カリヨン:交唱「私は眠り」、詩篇唱第94篇「さあ喜んで」(復活節 朝課)、聖歌「めでたし、海の星」(第1)、交唱「サルヴェ・レジーナ」 10'32

第48番「諸聖人の祝日」
16. 入祭唱への前奏曲:「われらの喜び...聖人たち」 2'06
17. 奉献唱:「正しき人の魂は」 4'04
18. 聖体奉挙唱:交唱「あなたを誉めたたえ」 1'32
19. 聖体拝領唱:「祝福されし心の清き者」 3'02
20. コラール:聖歌「穏やかなるキリストのしもべ」、応唱「正しき者よ喜べ」 9'38



CD5 79'59

第3番「我らの主イエス・キリストの降誕(クリスマス)」
1. 入祭唱への前奏曲:「おさな子われらに生まれ」 1'24
2. 奉献唱:「天と地、全てはあなたのもの」 6'03
3. 聖体奉挙唱:交唱「まことは地から」 1'24
4. 聖体拝領唱:「地上のすべての国々は」 4'19
5. パラフレーズ:交唱「私は眠り」、聖歌「太陽の昇る地平から」、「テ・デウム」 9'01

第4番「クリスマス後8日目の日曜日」
6. 入祭唱への前奏曲:「すべてのものが沈黙を保ち」 1'52
7. 奉献唱:「神は世界を固く据えられ」 4'04
8. 聖体奉挙唱:応唱「ことばは肉となった」 1'06
9. 聖体拝領唱:「その子と母親を連れて」 2'45
10. 後奏曲 コラール:聖歌「すべての者のあがない主なるイエスよ」、交唱「私は眠り」、交唱「幼子イエス」 10'12

第6番「イエスの聖なる御名」
11. 入祭唱への前奏曲:「イエスの御名にて」、詩篇唱「主よ」 1'43
12. 奉献唱:「神よ、あなたへ告白します」 3'32
13. 聖体奉挙唱:交唱「わたしに大いなることをなさり」(第8) 1'04
14. 聖体拝領唱:「すべての民よ」 3'17
15. 変奏曲:聖歌「主よ、その優しき思い」、交唱「若い男と若い女」 9'54

第7番「公現祭」
16. 入祭唱への前奏曲:「見よ,主が支配者としておいでに」 1'26
17. 奉献唱:「タルシスの王たちは」 3'52
18. 聖体奉挙唱:交唱「宝箱を開き」 1'10
19. 聖体拝領唱:「私達は星を見た」 4'15
20. 幻想曲:アレルヤ唱「星を見た」、交唱「私は眠り」、聖歌「残酷なヘロデ王」(第8)、「すべての人々はサバ(シバ)から」 7'26


ティエールト・ファン・デル・プルーフ(オルガン)

録音:1995年4月19-21日(CD1、4、5)、1996年7月1-5日(CD2、3)、フランス、ドゥエー、サン・ピエール参事会教会


 優秀録音で聴く究極の教会オルガン音楽

 歴史の荒波に耐え抜いた北フランスの巨大なサン・ピエール参事会教会に設置されているオルガンは数奇な運命を辿ったことでも知られています。カトリック・オルガン曲の最高峰ともいわれるトゥルヌミールの「神秘のオルガン」は、本来は典礼用ですが、自由で幻想的、ロマンティックな部分も多いことから、作曲者自身が演奏会用途にも向いているとしており、実際、シンフォニック・オルガンの醍醐味を楽しめる部分がけっこうあります。オランダのオルガン系レーベル音源のライセンス発売。



ティエールト・ファン・デル・プルーフ(オルガン)


 1958年、オランダに誕生。合唱指揮、教会音楽、オルガン即興演奏の資格を取得したのち、1985年にアムステルダムのスウェーリンク音楽院でオルガン独奏の学位を取得。
 オルガニストとして活動するほか、1998年1月にはグレゴリオ聖歌のラテン語による歌唱研究を目的に、合唱団「スコラ・カントルム・グレゴリアヌム・プルムレント」を結成。写本の記号学的解釈を深め、典礼とその演出についても研究しています。
 CDは、Brilliant Classics、Prestare、VLS Records、Zwoferinck CD Productionsなどから発売。


 

96816
(2CD)
\2100
若手による活気ある演奏で楽しむウォルフ=フェラーリ

 エルマンノ・ウォルフ=フェラーリ [1876-1948]:
  弦楽三重奏曲、弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲


CD1 80'31

弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.23
 1. I アレグロ~アンダンテ・トランクイロ 9'01
 2. II アンダンテ・カンタービレ 7'01
 3. III カプリッチョ:アレグロ・ペザンテ 5'38
 4. IV アレグロ 8'19

弦楽四重奏曲 イ短調 (1894)
 5. I アレグロ・モデラート 6'01
 6. II アダージョ・ノン・トロッポ 7'41
 7. III アレグロ・ヴィヴァチッシモ 2'21
 8. IV フィナーレ:アレグロ・アッサイ 6'30

弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.24 (1942)
 9. I アレグロ・アッサイ・クアージ・プレスト 6'56
 10. II ラルゲット 7'07
 11. III プレスティッシモ 4'43
 12. IV モルト・モッソ・アッラ・ブレーヴェ 9'03

エオス四重奏団(クァルテット・エオス)
 エリア・キエーザ(ヴァイオリン)
 ジャコモ・デル・パーパ(ヴァイオリン)
 アレッサンドロ・アッキ(ヴィオラ)
 マルゲリータ・スーチョ(チェロ/シルヴィア・アンカラーニの代役)

マッテオ・ロッキ(ヴィオラ)


CD2 47'31

弦楽三重奏曲 ロ短調 (1894)
 1. I アレグロ 8'28
 2. II ラルゲット 7'19
 3. III スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ 5'21

弦楽三重奏曲 ハ短調
 4. III スケルツォ:アレグロ・モルト 4'22
 5. IV アダージョ・モルト~プレスト 3'59

弦楽三重奏曲 イ短調 Op.32 (1945)
 6. I アレグロ・モデラート 5'27
 7. II パストラーレ(アンダンテ・トランクイロ) 5'33
 8. III アレグロ 6'42

ダーヴィド三重奏団(トリオ・ダーヴィド)
 グローリア・サンタレッリ(ヴァイオリン)
 キアラ・マッツォッキ(ヴィオラ)
 トンマーゾ・カステッラーノ(チェロ)



録音:2023年4月23~30日、イタリア、アリッチャ、パラッツォ・キージ


 20世紀前半に活躍した作曲家、ウォルフ=フェラーリは、ドイツ人画家の父とイタリア人の母のあいだにヴェネツィアで生まれたドイツとイタリアの二重国籍者。ローマとミュンヘンで音楽と絵画を勉強し、主にオペラ作曲家として活躍したウォルフ=フェラーリの作風は、後期ロマン派のドイツの伝統に根ざしながらも、郷愁に満ちたイタリア風の叙情性に満ちたものです。室内楽や室内オケ曲などオペラ以外にも魅力的な作品が多く遺されており、Brilliant Classicsではこれまでいくつものアルバムをリリース済み。今回の曲目は弦楽三重奏、弦楽四重奏、弦楽五重奏というもので、さまざまな時期の作風を味わうことができます。




エオス四重奏団(クァルテット・エオス)


 2016年にローマ・サンタ・チェチーリア音楽院で結成。2020年にはスイスのヴィンタートゥールで開催されたオルフェウス・コンクールで優勝。以後、イタリアやフランス、スイスで演奏し、2022年7月には、パリのサンジェル=ポリニャック財団から「アーティスト・イン・レジデンス」に任命。
 現在、彼らは元アルバン・ベルク四重奏団のチェロ奏者ヴァレンティン・エルベンが提供したペーター・グライナー製作による4台の楽器を使用。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Tactusなどから発売。

マルゲリータ・スーチョ
(チェロ/画像中央)

 2001年、北イタリアのジェノヴァに誕生。2020年に北イタリアのアレッサンドリア・ヴィヴァルディ音楽院で最優秀の成績で卒業した後、シエナのキジアーナ音楽院、クレモナのヴァルテル・スタウフェル音楽院、ベルン芸術大学で学び、2022年に「優秀」という最終評価を得て芸術学修士号を取得。また、14歳の時に出会ったアントーニオ・メネーゼス(メネセスとも)からは、以後、恩師として良き助言者として大きく影響を受けています。
 ソロと室内楽の両方で活動し、2022年には、ヴァイオリンのパオロ・アンドレオーリ、ピアノのチェーザレ・ペッツィとともにピアノ・トリオ・アンタレスを結成。

マッテオ・ロッキ(ヴィオラ/画像左端)

 1990年、ローマに誕生。10歳でヴァイオリンを学び始め、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、2012年に最高点で卒業し、その年の最優秀卒業生に贈られるA.ジャンヌッツィ奨学金も獲得。その間、ヴァルテル・スタウフェル音楽院でも学んでいます。
 各種コンクールでの入賞を経て、ロッキはボローニャ・テアトロ・コムナーレ管弦楽団や、カリアリ・テアトロ・リリコ管弦楽団などで首席ヴィオラ奏者を務めたほか、現在は、グァダニーニ・クァルテット(グァダニーニ四重奏団)のヴィオラ奏者として世界各地で演奏。
 CDは、Brilliant Classics、Amadeus、On Classicalなどから発売。





ダーヴィド三重奏団(トリオ・ダーヴィド)

 2020年に結成。メンバーは、室内楽の研究に情熱を傾け、弦楽三重奏曲のようなオリジナルなレパートリーを掘り下げ、発見しようという若手音楽家たち。イーモラ国際アカデミーおよびフィエーゾレ音楽学校で腕を磨いたほか、プロメテオ四重奏団の指導も受けています。
 彼らはイタリア各地のほか、クロアチアやトルコでも演奏。
 CDは、Brilliant Classicsなどから発売。



 

97088
(2CD)
\2100
バッハとも縁のあった流浪の作曲家
 コンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ:
  チェンバロ曲集



コンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ [1691-1765]
チェンバロのための作品集(ハンブルク、1735年頃)


CD1 77'24

1. メヌエットと17の変奏 変ロ長調 19'32

組曲 ハ短調
2. I. 序曲 5'46
3. II. アルマンド 4'34
4. III. クーラント 2'04
5. IV. サラバンド 2'02
6. V. メヌエット 1'35
7. VI. ガヴォット 0'50
8. VII. ジーグ 2'20

組曲 ニ短調
9. I. 序曲 3'06
10. II. アルマンド 3'22
11. III. クーラント 2'15
12. IV. サラバンド 2'35
13. V. ガヴォット 1'18
14. VI. メヌエット 1'03
15. VII. ジーグ 8'18

16. フーガ ニ短調 4'43

17. フーガ 変ロ短調 3'30

18. トッカータ ホ短調 8'11


CD2 79'24

組曲 ニ長調
1. I. 序曲 10'06
2. II. スケルツォ.ヴィヴァーチェ 2'49
3. III. アルマンド 4'36
4. IV. クーラント 1'54
5. V. サラバンド 3'19
6. VI. ガヴォット.プレスト 1'20
7. VII. メヌエット 1'25
8. VIII. ジーグ 3'32

組曲 ヘ長調組曲 ヘ長調
9. I. ソナタ.ヴィヴァーチェ 2'51
10. II. アルマンド 3'12
11. III. クーラント 2'26
12. IV. サラバンド ラルゲット 2'40
13. V. メヌエット I-II 2'06
14. VI. ジーグ 2'59

組曲ト長調組曲ト長調
15. I. ソナタ.ヴィッラネッラ 3'26
16. II. アルマンド 3'35
17. III. クーラント 2'55
18. IV. サラバンド 2'44
19. V. ガヴォット 1'55
20. VI. メヌエット 1'42
21. VII. ジーグ 1'43

22. フーガ ニ長調 2'52

23. フーガ ト長調 3'32

24. トッカータ イ長調 3'53

25. フーガ イ長調 5'18

フェルナンド・デ・ルーカ(チェンバロ)

録音:2022年2月、イタリア、ノヴァーラ、ボルゴ・ティチーノ

 知られざる作曲家たちの良作を次々に世に問うフェルナンド・デ・ルーカによる新作は、バッハとも交流があったドイツ人作曲家の作品集。コンラート・フリードリヒ・フルレブッシュ[1691-1765]は、ドイツで生まれ、23歳から28年間に渡って、チェンバリスト、指揮者、作曲家としてドイツ、オーストリア、イタリア、スウェーデンなど各地を転々とし、51歳から亡くなるまでの23年間はオランダで教会オルガニストとして過ごした人物。今回の作品集は、国際的な感覚を身につけたフルレブッシュがハンブルクで働いていた1735年頃に書かれたもので、同じ頃にライプツィヒのバッハ家を訪れた際に、バッハが地元の出版社にフルレブッシュの作品を推薦したとも伝えられています。


 演奏のフェルナンド・デ・ルーカは、これまで、ボーヴァルレ=シャルパンティエ(2CD)、フーケ(2CD)、デュフォー(2CD)、ジョラージュ(1CD)、モワロー(7CD)、グラウプナー(14CD)、ニコラ・シレ(2CD)、ヘンデルなどのマニアックな曲集で高い評価を獲得しており、愛器ブランシェ・モデルを使用した今回のアルバムも注目されるところです。
 なお、ブックレット(英語)には、デ・ルーカによるフルレブッシュについての解説と、フルレブッシュの自費出版楽譜の表紙画像が掲載されています。





フェルナンド・デ・ルーカ (チェンバロ)


 1961年、ローマで誕生。9歳の時にはすでにバロックのイディオムで作曲をおこなっていたというデ・ルーカは、14歳でローマ・サンタ・チェチーリア音楽院に入学し、オルガンとピアノなどを勉強。続いて、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のマエストロ・ディ・カペラであるドメニコ・バルトルッチに弟子入りして宗教音楽と対位法、即興演奏、作曲を学び、1992年にはチェンバロをパオラ・ベルナルディに師事。
 その間、1989年には、17世紀後半から18世紀初頭のイタリア音楽を専門とする音楽アンサンブル「Et in Arcadia Ego」を設立するなど、ソリスト、アンサンブル奏者として活動し、最近ではバロック風の衣装で演奏したりもしています。
 CDは、Brilliant Classics、Uraniaなどから発売。

 

97390
\1800
ハーグ・レジデンティ管弦楽団の自主制作録音
 ハンス・フォンク指揮

  グスタフ・マーラー [1860-1911]:交響曲第2番 ハ短調 「復活」 79'02

 1. 第1楽章 アレグロ・マエストーゾ 20'48
 2. 第2楽章 アンダンテ・モデラート 9'45
 3. 第3楽章 穏やかに流れる動きで 10'26
 4. 第4楽章 原光:きわめて荘厳に、しかし簡潔に 5'07
 5. 第5楽章 フィナーレ:スケルツォのテンポで 32'56
ハンス・フォンク指揮

マリア・オラン(ソプラノ)
ヤルト・ファン・ネス(コントラルト)
オランダ劇場合唱団
ハーグ・レジデンティ管弦楽団

録音:1985年、ハーグ、ニーウェ教会

 ハーグ・レジデンティ管弦楽団の自主制作録音が久々の復活

 新ホール建設財源の一助として自主制作盤づくりを頑張っていたレジデンティ管弦楽団が1985年にセッション録音した音源が久々の復活。会場はコンサートホールとして使用されていたハーグのニーウェ教会。指揮は首席指揮者就任5年目で、ドレスデン国立歌劇場音楽監督兼シュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者にも就任したばかりのハンス・フォンク。


レジデンティ管弦楽団の不運

 1904年に創設されたレジデンティ管弦楽団は、2,088人収容の多目的ホール「芸術科学館」を60年間本拠地としていましたが、老朽化のため使用中止となり、不動産会社が改修工事を計画中に全焼してからは、本拠地がない状態となり、劇場や多目的ホールなどを転々としていました。


新ホール建設計画

 ハーグ市はオランダ王室や国会、国際会議場のある政治的中心都市であり、人口もオランダで3番目の規模であることからオーケストラの需要も見込め、なにより新首席指揮者ハンス・フォンクのもとでの実績が良好であったことから、1982年、レジデンティ管弦楽団は自分たちで資金を募って専用のコンサートホールを建設することを決断します。


資金調達に向けての自助努力

 この建設計画は、資金を産業界や政府期間、個人など様々なところに求めるものでしたが、オーケストラの方でも自主制作録音で得た収益を建設資金にまわす目的で、1985年から新ホール「Dr.アントン・フィリップスザール」が完成する1987年にかけてニ十数点のアルバムを発売しています。


自主制作録音の内容

 首席指揮者ハンス・フォンクの録音が中心ですが、ほかにハインツ・ワルベルク、フェルディナント・ライトナー、アラン・ロンバールの録音や、指揮者なしの室内アンサンブル録音もありました。


録音に使ったホール

 録音会場は、1969年に閉鎖して改装しコンサートホールを含む多目的施設となっていたハーグのニーウェ教会(新教会)。17世紀なかばに、フローテ教会(大教会)が手狭になって信徒を収容しきれなくなったためつくられた教会です。この教会は新ホールに隣接していたことから、複合施設の一部となり、以後、紆余曲折を経て、現在ではより大きな舞台芸術複合施設「アマーレ」に組み込まれています。



ハンス・フォンク


 1966年からネーデルラント・バレエの指揮者兼リハーサル・ピアニスト、1969年からコンセルトヘボウ管弦楽団の副指揮者、1973年からオランダ放送フィルの首席指揮者、1976年からネーデルラント・オペラの首席指揮者、1980年からレジデンティ管弦楽団の首席指揮者と、プロ・デビュー以降のフォンクの多角的な経験蓄積にはすごいものがあり、それがブロムシュテットの後任として、1985年からドレスデン国立歌劇場音楽監督兼シュターツカペレ・ドレスデン首席指揮者に選ばれた理由とも思われます。
 しかしこの3年後にはフォンクは「ギラン・バレー症候群」を発症し、長期療養を余儀なくされ、回復後の1991年にケルン放送交響楽団の首席指揮者に就任し、1996年にはセントルイス交響楽団の首席指揮者に就任しますが、5年目の2001年に今度は「筋萎縮性側索硬化症」発症してしまいます。2002年にオランダに戻ったフォンクは、オランダ放送交響楽団の首席指揮者に就任し、2004年に亡くなるまで車椅子で指揮しています。


 

97346
\1800

古代ギリシャ趣味から生まれた典雅なサウンド

 リラ・ギターの魅力


シャルル・ドワジー [c.1748-c.1807]
12の易しいエア
1. モデラート 1'12
2. ワルツ 0'56
3. ワルツ 1'21
4. セレナーデ(マエストーゾ~プレスト) 3'38
5. アンダンテ 1'36
6. コサック 2'17
7. ポロネーズ 2'19
8. アンダンティーノ~変奏 3'17
9. アンダンティーノ(シシリエンヌ)~変奏) 4'09
10. ロンド(アレグレット) 2'11
11. ワルツ 1'16
12. ワルツ 1'27

A.A.ルージョン=ボークレール [17???18??]
リラ・ギターのための12のワルツと主題と変奏 Op.8
13. ワルツ 1 1'19
14. ワルツ 2 1'18
15. ワルツ 3 1'36
16. ワルツ 4 1'16
17. ワルツ 5 1'19
18. ワルツ 6 1'16
19. ワルツ 7 1'33
20. ワルツ 8 1'18
21. ワルツ 9 1'26
22. ワルツ 10 1'06
23. ワルツ 11 1'17
24. ワルツ 12 1'05
25. 主題と変奏 6'53


ピエール=ジョゼフ・プルーヴィエ [c.1750-1826]
リラ・ギターのためのアルマンド、ロンドー、ソトゥーズとアングレーズ
26. モデラート 1'22
27. アレグレット 1'07
28. モデラート 1'13
29. アレグレット 1'00
30. ポコ・アンダンテ 0'54
31. アレグレット 1'33
32. ポコ・アレグロ 1'02
33. アンダンテ 2'11
34. アレグレット 1'19
35. アレグレット 0'56
36. テンポ・ジュスト 2'09
37. ポコ・アンダンテ 1'08

ジャン=アントワーヌ・メソニエ [1783-1857]
リラ・ギターのための4つの夜想曲
38. 第1のロンド(グラツィオーゾ) 2'02
39. 第2のロンド(エスケルツァンド) 2'55
40. 第3のロンド (アレグレット・コン・グースト) 2'57
41. 第4のロンド (アンダンテ・エクスプレッシーヴォ - アンダンティーノ) 2'40
ドメニコ・ラファッシャーノ(リラ・ギター)

録音:2023年11月5日、イタリア、ミラノ、ブームボックス・スタジオ


新古典主義と古代ギリシャ趣味

 フランス革命の少し前、18世紀の半ばから美術や建築で新古典主義様式が勢いを増す中、フランス貴族のサロンで流行していたのは古代ギリシャ趣味の演し物です。サロンは貴族の重要な収入源でもあるため、評判となった朗唱や演劇、音楽は繰り返し上演されやすく、古代ギリシャ詩の朗唱「アナクレオン律」でも、場を盛り上げ、音も出せる小道具として、大小さまざまなリラが用いられるようになります。


外観の装飾性と演奏の機能性を両立

 そこに登場したのが、フランスの楽器製作者ピエール=シャルル・マレシャルが1780年に開発した「リラ・ギター」です。当初は「アナクレオン・リラ」と名付けられていたこの楽器は、リラとギターの特徴を併せ持つもので、リラの外観の美しさとギターの演奏機能を兼ね備えていました。


貴族から新興中産階級へ

 1789年に始まったフランス革命によって貴族階級は略奪・虐殺の対象ともなって衰退しますが、その富の移動によって勃興した中産階級がサロン運営の担い手となり、新古典主義様式の流行も手伝って、ナポレオン帝政時代には「リラ・ギター」はヨーロッパ中に広まり、演奏だけでなく装飾品としても好まれるようになります(最近でもウィスキー「響」の容器デザインに使用されたりしています)。


専用楽曲を演奏

 リラ・ギターは運用された期間が短いことから、専用楽曲は少ないですが、このアルバムでは、フランスの作曲家がリラ・ギターのために書いた作品が選ばれ、経験豊富なドメニコ・ラファシャーノによる典雅な演奏を堪能することができます。

 ブックレット(英文)には、ラファシャーノによるリラ・ギターと作品解説が掲載。


ドメニコ・ラファシャーノ(リラ・ギター)


 イタリア生まれ。パドヴァ音楽院を首席で卒業し、70年代からアリリオ・ディアス、アレクサンドル・ラゴヤ、ジークフリート・ベーレントらに師事。
 1978年9月に初リサイタルをおこなって以来、ヨーロッパからアメリカ、アフリカ、中東、アジア、オーストラリアの36か国の主要都市で演奏したほか、数多くのマスタークラスを開催し、30以上の国際ギター・コンクールの審査員も務めてきました。
 1998年、リビアのベンガジ国立劇場に出演し、同劇場で最初のギター・リサイタルを開催。リビアは1911年から1943年までイタリアの植民地だったことでヨーロッパ式の劇場もありましたが、前年にはリビア軍とチャド軍が衝突し、両軍とも大きなTOYOTAロゴの車を使用していたことから「トヨタ戦争」として世界に報じられるなどすでに物騒な地域になっていた中での出演でした。
 2001年9月には、ニューヨーク大学からの招待を受け、ワールド・トレード・センター崩壊の犠牲者へ捧げるリサイタルをマンハッタンで開催。
 2020年には、イタリアで開催された第19回パガニーニ・フェスティヴァルで、パガニーニが所有していた1797年製のギターを演奏。
 アンドレス・セゴビアがラファシャーノの作品を演奏したことや、ジョン・W・デュアルテが作品をラファシャーノに献呈してくれたことは、数多くの著名な音楽家と交流してきたラファシャーノにとっても得難い経験でした。
 CDは、Brilliant Classics、Iktius、GALLO、Music Centerなどから発売。


 
97148
\1800

ネオ・バロック風ギター室内楽とサロン風室内楽
 フランコ・マルゴーラ:
  ギターのための室内ソナタ集



フランコ・マルゴーラ [1908-1992]
2つのギターのためのソナタ dC 281
 1. I. リチェルカーレ(モデラート) 1'52
 2. II. トランクイロ・アッサイ 1'43
 3. III. アレグレット・スピリアート 2'29

トリオ・ソナタ dC 228
 4. I. モデラート(リチェルカーレ) 2'17
 5. II. アンダンティーノ 2'48
 6. III. エネルジーコ 2'24

3つのギターのためのソナタ II dC 234
 7. I. モデラート 2'04
 8. II. アレグロ・カルモ 3'02
 9. III. アレグロ・スケルツォーゾ 2'09
 10. IV. アレグロ・スケルツォーゾ 2'09 10.

ヴァイオリンとギターのためのソナチネ dC 259
 11. I. アレグレット 3'53
 12. II. アレグレット・アッフェットゥオーゾ 2'19
13. III. ヴィゴローゾ 2'30
14. ヴァイオリンとギターのためのソナタ dC 754 1'19

フルートとギターのためのソナタ IV dC 191
 15. I. アンダンテ・スコレーヴォレ 3'40
 16. II. アダージョ・コメ・イン・ソーニョ 1'52
 17. III. アレグロ・ジョイオーゾ 4'09

フルートとギターのためのソナタ dC 197
 18. I. アンダンテ・スコレーヴォレ 3'36
 19. II. アンダンティーノ 3'10
 20. III. アレグロ・ヴィーヴォ 4'28

2つのギターのためのソナタ dC 661
 21. I. モデラート 1'52
 22. II. セレーノ 2'53

2つのギターのためのソナタ dC 662
 23. I. アレグロ・ヴィーヴォ 3'16
 24. II. アンダンティーノ 2'46

アンサンブル・カウンターポイント
 ピエルジャコモ・ブーゾ(ギター)
 アルベルト・ラウロ(ギター)
 マルコ・ロンギ(ギター)
 アンドレア・リナウド(ギター)
 マルチェッラ・マンモーネ(ヴァイオリン)
 トンマーゾ・マリア・マッジョリーニ(フルート)

録音:2023年9月12日、10月7、8、22日、11月4日、イタリア、サルッツォ、サラ・ヴェルディAPM高等音楽専門学校財団





20世紀イタリアの作曲家、フランコ・マルゴーラ[1908-1992]は、声楽よりも器楽に重点を置く作曲家で、様々なジャンルの音楽を書いています。このアルバムでは、ネオ・バロック風なギター作品からサロン風な作品まで親しみやすい作品を収録しています。


ネオ・バロック風ギター室内楽

 ギターのための作品での鋭くリズミカルに際立つ主題特性を持つ表現は、バロック様式の線的で厳格な対位法に基づくことも多く、その抽象的で建築的な音楽は、20世紀新古典主義にも通じるところがあります。


サロン風室内楽

 一方、ヴァイオリン&ギター作品、フルート&ギター作品ではサロン的な美感が投入されており、伝統的なイタリア音楽の旋律美の要素をリラックスした雰囲気で示しています。


若手集団による演奏

 「アンサンブル・カウンターポイント」は、20世紀イタリア音楽の知られざる作品を発掘して世に問うことを目的に、20世紀レパートリーの研究に専念する若手クラシック音楽家の集団。
 ブックレット(英文)には作曲者情報と作品解説が掲載されています。


アンサンブル・カウンターポイント


 2023年3月、ピエルジャコモ・ブーゾ、マルコ・ロンギ、アンドレア・リナウドの3人のギタリストにより結成。その後、メンバーを増やしてフランコ・マルゴーラの音楽に取り組んでいます。


 

96655
\1800

ミラノ・スカラ座フィルのソリストを迎えた注目盤

 ジョヴァンニ・ボッテジーニ [1821-1889]:ヴァイオリン、コントラバス、弦楽オーケストラのための音楽


1. 弦楽のための「アンダンテ・ソステヌート」 ロ短調 7'17

2. コントラバスと弦楽オーケストラのための「《夢遊病の女》によるファンタジア」 9'49

3. ヴァイオリン、コントラバス、管弦楽のための「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」 16'19

弦楽五重奏曲 ヘ長調(マッシモ・ベッリ編) 21'55
 4. モデラート 7'26
 5. スケルツォ 3'27
 6. アダージョ 6'28
 7. フィナーレ. アレグロ・ノン・タント 4'34

8. 弦楽のための「ピッコラ・プレギエーラ(小さな祈り)」 2'35
フランチェスコ・デ・アンジェリス(ヴァイオリン)
フランチェスコ・シラグーザ(コントラバス)
新フェルッチョ・ブゾーニ管弦楽団
マッシモ・ベッリ(指揮)

録音:2022年2月6~7日、イタリア、トリエステ、ITIS公社ホール

 「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれたボッテジーニ[1821-1889]は、世界をまわるコントラバスの名手であっただけでなく、交響曲やオペラから教則曲まで多ジャンル多作な作曲家で、「アイーダ」初演を手掛けるなど指揮者としても活躍し、最後はヴェルディの推薦でパルマ音楽院の学長に就任し、半年後に67歳で亡くなるという多芸多才な人物でした。幼い頃から類まれな楽才を発揮しボッテジーニは、聖歌隊で歌う一方で劇場ではティンパニを演奏し、ヴァイオリンは公開演奏するほどの腕前でしたが、ミラノ音楽院ではコントラバスを習ってすぐに名手として知られ、やがて、ニューヨーク、ニューオーリンズ、ロンドン、ウィーン、サンクトペテルブルクなどで成功を収め、「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれるようになります。コントラバスとヴァイオリンのソロは、ミラノ・スカラ座フィル(ミラノ/スカラ座管弦楽団)のソリストが担当。実に表情豊かな演奏を聴かせますが、低音がよく響く録音なのでコントラバスのソロが非常に心地よいです。




「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれたボッテジーニ[1821-1889]は、世界をまわるコントラバスの名手であっただけでなく、交響曲やオペラから教則曲まで多ジャンル多作な作曲家で、「アイーダ」初演を手掛けるなど指揮者としても活躍し、最後はヴェルディの推薦でパルマ音楽院の学長に就任し、半年後に67歳で亡くなるという多芸多才な人物でした。


コントラバスの可能性を拡大

 幼い頃から類まれな楽才を発揮しボッテジーニは、聖歌隊で歌う一方で劇場ではティンパニを演奏し、ヴァイオリンは公開演奏するほどの腕前でしたが、ミラノ音楽院ではコントラバスを習ってすぐに名手として知られ、やがて、ニューヨーク、ニューオーリンズ、ロンドン、ウィーン、サンクトペテルブルクなどで成功を収め、「コントラバスのパガニーニ」と呼ばれるようになります。


コンサート的な楽曲配置

 このアルバムでは、協奏作品2曲と弦楽合奏曲3曲を収録。まるで映画音楽のように美しい弦楽合奏曲「アンダンテ・ソステヌート」に始まり、コントラバス協奏曲的な「ファンタジア」、ヴァイオリンとコントラバスの二重協奏曲的な「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」と続き、弦楽合奏用に編曲された「弦楽五重奏曲」のあとに、アンコール小品的な「小さな祈り」で締めくくられます。


優秀ソリスト&優秀録音

 コントラバスとヴァイオリンのソロは、ミラノ・スカラ座フィル(ミラノ/スカラ座管弦楽団)のソリストが担当。実に表情豊かな演奏を聴かせますが、低音がよく響く録音なのでコントラバスのソロが非常に心地よいです。


マッシモ・ベッリ (指揮)

 1948年、ローマ近郊の古都ヴィテールボに誕生。最初、父アルド・ベッリからヴァイオリンを学び、その後ブルーノ・ポーリに師事。ヴェネツィアのベネデット・マルチェッロ音楽院卒業後、クレモナのシュタウファー高等教育アカデミーで2年間、サルヴァトーレ アッカルドに師事。以後、ソロ、室内楽、オーケストラ楽員、指揮者として活動し、現在は新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団の音楽監督を務め、トリエステ音楽院でも教えています。
 CDは、Brilliant Classics、Concerto Classics、Amadeus、Sipario Dischiなどから発売。


新フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団


 1965年にアルド・ベッリ[1927-2006]によって「フェルッチョ・ブゾーニ室内管弦楽団」としてトリエステで設立。
 CDは、Brilliant Classics、Velut Luna、Concerto Classics、Movimento Classical、Bongiovanni、Suonare News、Amadeusなどから発売。

 
 

97002
\1800
18世紀オランダのヴィルトゥオーゾ・ロココ・フルート音楽
 フローネマン兄弟:フルート作品集
  ヨハネス・フレデリクス・フローネマン(兄) [c.1708-1781]
  ヨハネス・アルベルトゥス・フローネマン(弟) [1711-1778]

J.F.フローネマン(兄):ソナタ ニ長調
 1. I. アレグロ 3'20
 2. II. アンダンテ 3'04
 3. III. メヌエットと変奏 7'46

J.A.フローネマン(弟):ソナタ ト長調
 4. I. アレグロ 3'38
 5. II. アンダンテ 2'42
 6. III. プレスト 1'31

J.F.フローネマン(兄):ソナタ ホ短調
 7. I. アレグロ 3'54
 8. II. アンダンテ 4'04
 9. III. プレスト 3'10
J.A.フローネマン(弟):ソナタ ト長調
 10. I. アレグロ 4'15
 11. II. アンダンテ 4'51
 12. III. アレグロ 4'43

J.A.フローネマン(弟):ソナタ ニ長調
 13. I. ラルゴ 4'51
 14. II. プレスト 3'03
 15. III. アンダンテ 3'04
 16. IV. アレグロ 2'39

J.F.フローネマン(兄):ソナタ ト長調
 17. I. アダージョ 4'54
 18. II. アレグロ 4'00
 19. III. スピーリトーゾ 3'27


ジェド・ウェンツ(トラヴェルソ)
マリオン・モーネン(トラヴェルソ)
バラージュ・マーテー(チェロ)
マルセロ・ブッシ(チェンバロ)

録音:1994年12月20~21日、オランダ、ライデン、ロンクホルスト教会


 18世紀のオランダで活躍したドイツ生まれの作曲家、フローネマン兄弟のフルート作品は、バロック後期のロココ趣味が反映された親しみやすいスタイルが特徴的。華麗なテクニックが披露される見せ場もふんだんに盛り込まれているため、オランダ、イギリス、フランスで何度も繰り返し出版されており、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、オーストリア、ドイツでも数多くの複製楽譜が発見されていることから、当時のフルート奏者たちに人気があったと推測されています。バロック・フルートの名手、ジェド・ウェンツは、これらの作品が18世紀フルート奏者の好みやテクニックを知る手がかりになる貴重なものであると考え、1994年にオランダのNM Classicsでレコーディングしていましたが、長く廃盤だったため、今回のライセンス発売は歓迎されるところです。ブックレット(英文)にはジェド・ウェンツによる解説が掲載されています。


NM Classics音源のライセンス発売

 バロック・フルートの名手、ジェド・ウェンツは、これらの作品が18世紀フルート奏者の好みやテクニックを知る手がかりになる貴重なものであると考え、1994年にオランダのNM Classicsでレコーディングしていましたが、長く廃盤だったため、今回のライセンス発売は歓迎されるところです。
 ブックレット(英文)にはジェド・ウェンツによる解説が掲載されています。


ジェド・ウェンツ(トラヴェルソ)

 1960年、ペンシルヴェニア州ニューブライトンに誕生。幼少からフルートを学び始め、オーバリン音楽院ではフルートとトラヴェルソの両方を勉強。その後、ハーグ王立音楽院でバルトルト・クイケンに指示し、3年後にソリストのディプロマを取得。ヨーロッパとアメリカでトラヴェルソの名手として知られるようになり、1992年にはオランダで古楽アンサンブル「ムジカ・アド・レーヌム(ライン川の音楽の意)」を設立。
 また、アムステルダム音楽院やロンドンの王立音楽アカデミーでトラヴェルソを教えるほか、18世紀の演奏様式を検証する一連の学術論文を執筆してもいます。
 CDは、Brilliant Classics、NM Classics、Vanguard Classics、Challenge Classicsなどから発売。


マリオン・モーネン(トラヴェルソ)


 オランダ生まれ。ハーグ王立音楽院で、トラヴェルソをウィルベルト・ハーゼルゼットに、フルートをフランス・フェスターとパウル・フェルハイに学び、フルートとトラヴェルソの演奏家および指導音楽家の資格を取得。
 卒業後、ソロや室内楽のほか、「ムジカ・アンティクァ・ケルン」(1992-)、「アテイニャント・コンソート」(1997-)、「ファン・スヴィーテン・ソサエティ」(1998-)、「コンチェルト・アムステルダム(1990-)、「ムジカ・アド・レーヌム」(1992-)、「ライン・カントライ-ダス・クライネ・コンツェルト」(1992-)、「ザ・バッハ・プレイヤーズ」(1997-)、アムステルダム・バロック管弦楽団(1998-)、「ネザーランド・バッハ・コレギウム」(1999-)などでも演奏。
 CDは、Brilliant Classics、NM Classics、Vanguard Classicsなどから発売。

 
96734
\1800

さまざまな時期のチレアの作品を収録
 フランチェスコ・チレア [1866-1950]:歌曲とピアノ曲集


1. 「ロマンツァ」 3'16
2. 「私の歌」イル・ミオ・カント 2'29
3. 「新しい夜明け」アルバ・ノヴェッラ 2'39
4. 「目が覚めたら」 2'22
5. 「セレナーデ」 1'55
6. 「ロマンツァ」(ピアノ独奏曲) 2'29
7. 「短い人生」 2'55
8. 「サヴォワの子守唄(ニンナ・ナンナ)」 1'32
9. 「マリア・マーレ」(ボルドリーニ編) 3'52
10. 「神がお決めになった」 0'48
11. 「ひやかし」(ピアノ独奏曲) 1'56
12. 「村で」オー・ヴィレッジ(ピアノ独奏曲) 1'38
13. 「アヴェ・マリア」 2'07
14. 「スペイン思想」(ピアノ独奏曲) 1'34
15. 「金髪の幻影」 3'22
16. 「ティルダのアヴェ・マリア」(ボルドリーニ編) 3'42
17. 「アニュス・デイ」 1'55
18. 「アドリアーナ・ルクヴルール“私は創造の神の卑しいしもべ”の主題によるフーガ」 2'17

レニー・ロレンツァーニ(ソプラノ)
ダーヴィド・ボルドリーニ(ピアノ)


録音:2023年7月11-13日、イタリア、トロペーア、サンタ・キアラ宮
 オペラ「アドリアーナ・ルクヴルール」や「アルルの女」で知られるイタリアの作曲家、フランチェスコ・チレア[1866-1950]の書いた歌曲とピアノ曲を収録したアルバム。


レニー・ロレンツァーニ(ソプラノ)

 レッジョ・エミーリアの生まれ。音楽院でピアノとオペラ歌唱を学んだのち、ルチアーナ・セッラらのマスタークラスで研鑽を積み、コンサート活動を開始し、プッチーニ、マスカーニ、ヴェルディ、モーツァルトのオペラにも出演。ピアノと児童合唱の教師でもあります。

ダーヴィド・ボルドリーニ(ピアノ)

 1974年、フィレンツェ近郊のエンポリに誕生。フィレンツェのルイジ・ケルビーニ音楽院で学び、ピアニスト、オルガニスト、チェンバロ奏者、作曲家として活動。
 CDは、Brilliant Classics、Da Vinci Classics、Amadeusなどから発売。


 

97309
\1800

ヴァハン・マルディロシアン(指揮)&チェコ室内フィル
 モーツァルト
  セレナーデ第9番「ポストホルン」、
  クォドリベット「ガリマティアス・ムジクム」、他


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト [1756-1791]

セレナーデ第9番 ニ長調 K320「ポストホルン」 40:21
 1. I. アダージョ・マエストーソ~アレグロ・コン・スピーリト 7:57
 2. II. メヌエット:アレグレット~トリオ 3:48
 3. III. コンチェルタンテ:アンダンテ・グラツィオーソ 7:54
 4. IV. ロンドー:アレグロ・マ・ノン・トロッポ 6:04
 5. V. アンダンティーノ 6:27
 6. VI. メヌエット~トリオ1&2 - VII. フィナーレ:プレスト 8:11

クォドリベット「ガリマティアス・ムジクム」 K32 15:35
 7. 第1曲 モルト・アレグロ - 第2曲 アンダンテ 1:33
 8. 第3曲 アレグロ・フィナーレ 0:33
 9. 第4曲 パストレッラ 1:07
 10. 第5曲 アレグロ - 第6曲 アレグレット 1:32
 11. 第7曲 アレグロ 0:37
 12. 第8曲 モルト・アダージョ 0:36
 13. 第9曲 アレグロ 0:38
 14. 第10曲 ラルゴ 0:45
 15. 第11曲 アレグロ 0:21
 16. 第12曲 アンダンテ - 第13曲 アレグロ 2:16
 17. 第14曲 メヌエット 0:55
 18. 第15曲 アダージョ 1:08
 19. 第16曲 プレスト 0:29
 20. 第17曲 フーガ 3:05

21. フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K477 5'23

22. アダージョとフーガ ハ短調 K546 6'38

ヴァハン・マルディロシアン(指揮)
チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団

録音:2023年4月20日、チェコ、パルドゥビツェ、音楽の家、スーク・ホール


 「フリーメイソンのための葬送音楽」と「アダージョとフーガ」も収録!

 23歳のときに書いたセレナーデ第9番「ポストホルン」K320と、10歳のときに父の協力を得て書いた楽しいクォドリベット「ガリマティアス・ムジクム」K32、29歳のときにフリーメーソンの同志2人の死を悼んで書いた「フリーメイソンのための葬送音楽」K477、32歳のときに旧作のピアノのフーガを弦楽用に編曲し、そこにアダージョを新たに追加して完成した「アダージョとフーガ」K546を収録。マルディロシアン指揮チェコ室内フィルの演奏は、室内オーケストラの機動力を駆使してモーツァルトの多彩な楽想を表現しています。なお、「ポストホルン・セレナーデ」と「ガリマティアス・ムジクス」はディヴェルティメント、セレナード全集からの分売となります。




ヴァハン・マルディロシアン(指揮)

 1975年、アルメニアのエレヴァンに誕生。1993年にパリに移住。1996年にパリ音楽院を優秀な成績で卒業。指揮者、ピアノ・ソリストとして活躍。長年、フランスのカーン交響楽団の首席指揮者、アルメニア国立室内管弦楽団の音楽監督を務め、2019年より香港室内管弦楽団の首席指揮者を務めています。マルディロシアンは、ヨーロッパとアジアで定期的に客演指揮者として招かれており、これまでに、プラハ放送響、ロワール国立管、アルメニア・フィル、プラハ・フィル、チェコ室内管、レバノン・フィル、アマルガム管、トゥーロン歌劇場管、ノヴォシビリスク・フィル、東京フィル、N響、日本フィル、ブルガリア国立管、ウクライナ国立フィル、関西フィル、ロシア・フィル、新日本フィル、九州響などを指揮。2017年にはピアニストとしてカーネギー・ホールでピアノリサイタルを開催。
 CDは、Brilliant Classics、Intrada、Transart、Skarbo、Warner、Cypres、Quadrigaなどから発売。



チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団


 1969年、プラハ近郊のパルドゥビツェで東ボヘミア州立室内管弦楽団として設立。初代首席指揮者はリボル・ペシェク。2018年9月からは、スタニスワフ・ヴァヴジネクが首席指揮者を務めています。
 CDは、Brilliant Classics、Supraphon、MD+G、Canyon、Classico、Marco Polo、Albany、Arco Diva、Naxos、Centaur、NCA、Pantonなどから発売。

 

90017
(LP)

\3900

ヴィヴァルディのフルート協奏曲集
 アントニオ・ヴィヴァルディ [1678-1741]
  フルート協奏曲集 Op.10(アムステルダム、1729年)


Side A 26'04

フルート協奏曲 第1番 ヘ長調 RV433 「海の嵐」
1. I. アレグロ 2'37
2. II. ラルゴ 1'57
3. III. プレスト 2'11

フルート協奏曲 第2番 ト短調 RV439 「夜」
4. I. ラルゴ 2'39
5. II. プレスト(亡霊)~ラルゴ 1'19
6. III. プレスト 1'04
7. IV. ラルゴ(眠り) 1'53
8. V. アレグロ 2'15

フルート協奏曲 第3番 ニ長調 RV428 「ごしきひわ」
9. I. アレグロ 3'52
10. II. (カンタービレ) 3'14
11. III. アレグロ 2'59
Side B 23'57

フルート協奏曲 第4番 ト長調 RV435
1. I. アレグロ 2'39
2. II. ラルゴ 2'53
3. III. アレグロ 2'15

フルート協奏曲 第5番 ヘ長調 RV434
4. I. アレグロ・マ・ノン・タント 3'26
5. II. ラルゴ・カンタービレ 2'43
6. III. アレグロ 1'51

フルート協奏曲 第6番 ト長調 RV437
7. I. アレグロ 3'59
8. II. ラルゴ 1'46
9. III. アレグロ 2'21

マリオ・フォレーナ(フルート)

ラルテ・デラルコ
 フェデリーコ・グリエルモ(コンサートマスター)
 イザベッラ・ビーソン(第2ヴァイオリン)
 マリオ・パーラディン(ヴィオラ)
 クリスティアーノ・コンターディン(ヴィオロット)
 ロベルト・ロレッジャン(チェンバロ/室内オルガン)
 イヴァノ・ザネンギ(テオルボ/バロックギター)


録音:2014年7月9~11日、イタリア、パドヴァ、カルチェリ・デステ修道院

 180グラム重量盤!

 ヴィヴァルディのフルート協奏曲集 Op.10は、「海の嵐」、「夜」、「ごしきひわ」という有名曲を含む6曲から成る曲集。1728年にアムステルダムの出版社の依頼で用意された音楽史上最初期のフルート協奏曲ですが、その素晴らしい発想力とドラマ性、音色描写、そして楽器の妙技が織りなす音楽は約3世紀を経ても色褪せません。演奏はクリティカル・エディションを用いたもので、ランパルとクレメンチッチに師事したマリオ・フォレーナが、バロック・フルート(フラウト・トラヴェルソ)の心地よいサウンドをきかせます。共演のフェデリコ・グリエルモ率いるアンサンブル「ラルテ・デラルコ」も歴史的演奏法に精通。




 





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