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ウクライナ生まれのピアニスト、アンナ・シェレスト
指揮はネーメ・ヤルヴィ
アントン・ルビンシテインの代表作の一つ、
ピアノ協奏曲第4番 ニ短調、ロシア奇想曲も名演
ルビンシテイン:
ピアノ協奏曲第4番 ニ短調 Op.70
ロシア奇想曲 Op.102 |
アンナ・シェレスト(ピアノ)
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
ザ・オーケストラ・ナウ |
録音:2017年10月15日ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ(ライヴ録音)、DDD、50'34
ロシアの大ピアニスト、アントン・ルビンシテイン(1829-1894)の代表作の一つ、ピアノ協奏曲第4番
ニ短調は、充実した傑作であるにもかかわらず20世紀後半にはあまり注目を浴びなくなってしまい、近年の録音も限られて来た。
ここではウクライナ生まれのピアニスト、アンナ・シェレストが、ルビンシテインの豊潤な音楽から清らかな響きを引き出している。
そして伴奏がなんと巨匠ネーメ・ヤルヴィ。しばしば冗長と評されるこの協奏曲が、然るべき名作になっている。
哀愁に満ちたロシア奇想曲も名演。アントン・ルビンシテインのCDを1枚買うならまずこれを。
Rachmaninoff Moment Musicau Op.16 No.4. Anna
Shelest
https://www.youtube.com/watch?v=EB3gGTrCFCg&t=12s
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アンナ・シェレスト(ピアノ)&ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
アントン・ルビンシテインのピアノ協奏曲第3番と第5番
ルビンシテイン:
ピアノ協奏曲第3番 ト長調 Op.45
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.94 |
アンナ・シェレスト(ピアノ)
ネーメ・ヤルヴィ(指揮)
エストニア国立交響楽団 |
録音:2018年5月7日 エストニア タリン、DDD、72'08
アントン・ルビンシテイン(1829-1894)のピアノ協奏曲第3番と第5番の録音。ルビンシテインのピアノ協奏曲では第4番が比較的よく知られているが、それはこの作品がルビンシテインにしてはロシア情緒が濃いからで、一方でルビンシテインの西欧趣味、洗練された自由な作風は、これら第3番
ト長調や第5番 変ホ長調の方がより良く出ている。
20世紀にはその自由さがまとまりがないと受け止められ評価が低かったのかもしれないが、21世紀の耳はインターナショナルに活躍した大ピアニストの徒然な豊かな音楽こそルビンシテインの本領と受け止められるだろう。
元より録音が少ないので新録音というだけでありがたいが、ウクライナ出身でニューヨークで活躍するピアニスト、アンナ・シェレストの清新なピアノと、巨匠ネーメ・ヤルヴィの極めて立派な伴奏が不当に埋もれた名作に光を当てている。
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アンナ・シェレスト(ピアノ)
「スピリット&ロマンス」
バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ
リスト:ペトラルカのソネット第104番
リスト:シューベルトの糸を紡ぐグレートヒェン
リスト:ワーグナーのイゾルデの愛の死
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調
Op.11 |
アンナ・シェレスト(ピアノ) |
録音:2012年6月 米国 ニューヨーク、DDD、68'02
アンナ・シェレストによるリストを中心にしたCD。アンナ・シェレストはウクライナ生まれのピアニスト。
ハルキウ音楽院で学んだ後、米国のジュリアード音楽院で名教師ジェローム・ローウェンタールに学び、修士号を得ている。以降ニューヨークを拠点に活動。夫のドミトリ・シェレストもピアニストで、夫婦デュオでも活躍している。
彼女のピアノは派手さを抑えて、潤いのある音色で音楽を繊細かつジワッと広げて詩的情感を広げるもので、しばしばショーピース的に鳴らされるリストのイゾルデの愛の死が実に切々と美しく奏でられている。
手強いシューマンのピアノ・ソナタ第1番も見事。
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「管弦楽曲の4手ピアノ・アレンジ集」
スメタナ:モルダウ(作曲者編ピアノ連弾版)
リスト:交響詩「前奏曲」(作曲者編ピアノ連弾版)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 Op.74
「悲愴」~
第3楽章(作曲者自身によるピアノ連弾版)
ラヴェル(L.ガーバン編):ラ・ヴァルス
ガーシュイン(H.レヴァイン編):ラプソディ・イン・ブルー |
シェレスト・ピアノ・デュオ:
【アンナ・シェレスト(ピアノ)
ドミトリ・シェレスト(ピアノ)】 |
録音:2014年10月 米国 ニューヨーク、DDD、63'54
アンナ・シェレストとドミトリ・シェレストの夫婦によるピアノ連弾のCD。ここでは管弦楽曲の編曲(作曲者自身のものも含む)を収録している。
アンナもドミトリもウクライナ生まれで、共に12歳でウクライナ音楽院で出会い、そして結婚。夫婦デュオは少なくないものの、幼馴染の夫婦デュオとなるとそう多くはいない。
二人の一体感は別格で、まさしく一人のピアニストが4本の手で奏でているかのような演奏。
管弦楽曲のピアノ連弾編曲は豪快に鳴らした方が面白いことも少なくないが、しかしシェレスト夫妻はピアノ連弾ならでは美感をしっかりと引き出すことで、オーケストラの代用品などと思わせない品を醸している。
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アンナ・シェレスト(ピアノ)
「展覧会の絵」
バラキレフ:グリンカのひばり
チャイコフスキー:
ロマンス ヘ短調 Op.5/
ワルツ 変イ長調 Op.40-8/ロマンス ヘ長調
Op.51-5/
ワルツ 嬰ヘ短調 Op.40-9/夜想曲 ヘ長調
Op.10-1
ムソルグスキー:展覧会の絵 |
アンナ・シェレスト(ピアノ) |
録音:2010年12月 米国 ニューヨーク、DDD、66'32
ウクライナ生まれのピアニスト、アンナ・シェレストの弾くロシアのピアノ曲集。シェレストは透明かつ繊細な音色が素晴らしく、バラキレフやチャイコフスキーでは情感豊かな演奏を繰り広げている。
一方大作「展覧会の絵」では、早めのテンポ、クリアで硬質な音色でムソルグスキーの独特な音楽に果敢に切り込み、新鮮な世界を描きあげている。山ほどある「展覧会の絵」の録音の中でも注目に値する演奏だろう。
アルバムの一部が聴けます。
https://youtu.be/KJcY63Q6I_M
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アンナ・シェレスト(ピアノ)
「20世紀のウクライナのピアノ曲集」
リセンコ:ウクライナの主題による組曲
Op.2
リセンコ:「タラス・ブーリバ」序曲(レヴツキによる4手ピアノ編)
レヴツキー:前奏曲集 Op.4、前奏曲集
Op.7、ワルツ
変ロ長調
ジュク:ウクライナ・ラプソディ
スコリク:3つの途方もない踊り~4手ピアノのための |
アンナ・シェレスト(ピアノ)
ドミトリ・シェレスト(ピアノ
連弾曲のみ) |
録音:2017年 米国 ニューヨーク州
ニューヨーク・シティ、DDD、60'54
20世紀のウクライナの作曲家のピアノ曲集。ミコラ・リセンコ(1842-1912)は、ウクライナ民俗主義音楽の祖というべき作曲家。多くのピアノ曲の他、ウクライナ語のオペラ「タラス・ブーリバ」でも知られる。
レフコ・レヴツキー(1889-1977)は、ソ連時代のウクライナの代表的作曲家。アレキサンデル・ジュク(1907-1995)は、ハルキウを拠点に活動した作曲家、指揮者、音楽教育者。
ミロスラフ・スコリク(1938-)は、現代ウクライナの作曲家の長老。
アンナ・シェレストはハルキウ音楽院で学んだ後、米国のジュリアード音楽院で名教師ジェローム・ローウェンタールに学び、今日に至るまでニューヨークを拠点に活動している。
連弾相手のドミトリ・シェレストは彼女の夫。ウクライナ音楽院における同級生でもある。
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アンナ・シェレスト(ピアノ)
「ドナ・ヴォーチェ(女性の声)」~女性作曲家のピアノ作品集
ファニー・メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ
ト短調
ビーチ:バラード Op.6
ビーチ:4つのスケッチ Op.15
クララ・シューマン:スケルツォ
Op.14
シャミナード:森の精 Op.60
シャミナード:演奏用練習曲
Op.35
リリ・ブーランジェ:前奏曲
変ニ長調
シュー・チャユー(許家毓):ラプソディ・トッカータ |
アンナ・シェレスト(ピアノ) |
録音:2019年1-2月 米国 ニューヨーク州
ニューヨーク・シティDDD、70'21
女性作曲家のピアノ作品を集めたCD。
ファニー・メンデルスゾーン(1805-1847)、クララ・シューマン(1819-1896)、セシル・シャミナード(1857-1944)、エイミー・ビーチ(1867-1944)、リリー・ブーランジェ(1893-1918)と有名な女性作曲家たちに加え、台湾出身で米国で活動しているシュー・チャユー
許家毓 Chia-Yu Hsuの作品が収録されている。
アンナ・シェレストはウクライナ出身のピアニスト。ハルキウ音楽院で学んだ後、米国のジュリアード音楽院で名教師ジェローム・ローウェンタールに学び、今日に至るまでニューヨークを拠点に活動している。
女性作曲家の作品集ではあるが、いずれもそうした括りの必要ない名作ばかりで、それをシェレストの透明かつ繊細なピアノが引き立てている。特にシャミナードはたいへん素晴らしい。
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