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第50号マイナー・レーベル新録音新譜(5)



ACCORD

480 2871
(10CD)
\11000
ユゴー・レーヌ/リュリ:初期フランス・オペラ集
 1)ディヴェルティスマン《平和の牧歌》LWV.68/
 バレエ《平和の神殿》LWV.69
 2)バレエ《花の女神》LWV.40
 3)歌劇《魔法の島の楽しみ》LWV.22/《カルーゼル》/
 歌劇《ヴェルサイユの洞窟》LWV.39
 4)コメディ・バレエ《町人貴族》LWV.43
 5)バレエ《アムールの勝利》LWV.59
 6)歌劇《アモールとバッカスの祭り》LWV.47/歌劇《ポモーヌ》
 7)歌劇《イシス》LWV.54
 8)歌劇《ゴールのアマディス》
 9)《ルイ14世の婚礼の音楽》
 10)バレエ《美術-自由な美術》LWV.18
ラ・サンフォニー・デュ・マレ
指揮:ユゴー・レーヌ
《アモールとバッカスの祭り》《イシス》《ゴールのアマディス》というジャン=バティスト・リュリの3大傑作オペラを中心に、彼の初期傑作を多数集めた豪華10枚組を、お求め安い低価格で。。ルイ14世の宮廷楽長および寵臣として、フランス貴族社会で権勢をほしいままにしたフランス盛期バロック音楽の作曲家の真髄をたっぷりお楽しみください。フランス語で書かれた68ページに渡る詳細なライナーノートも必読です。録音:2001年(1〜2) 2003年(3〜4) 2005年(5〜7) 2006年 (8〜10) <デジタル録音>
480 2735
(10CD)
\11000
オペレッタ名曲集
 オードラン:《マスコット》/
 ベナッキー:《ローベルジュ・ドゥ・シュヴァル・ブラン》/
 ガンヌ:《軽業師たち》/
 ハーン:《シブレット》/
 ルコック:《アンゴー夫人の娘》/
 レハール:《微笑みの国》/
 同:《メリー・ウィドウ》/
 メサジェ《ボーケール氏》/
 同:《ヴェロニク》/
 オッフェンバック:《美しいエレーヌ》/
 同:《パリ の生活》/
 同:《ジェロルスタン大公妃殿下》/
 同:《ペリコール》/
 プランクェット:《コルヌヴィーユの鐘》/
 O.シュトラウス:《ワルツの夢》/
 E.シュトラウス:喜歌劇《ウィンナ・ワルツ》/
 ヴァルネイ:《修道院の近衛騎兵》
様々な演奏家達
幸福な笑いとユーモアに満ちた傑作オペレッタ(喜歌劇)のハイライトを集めた豪華10枚組です!オッフェンバックやレハールの有名作から、珍しい作品までを広範にカバーしてあるので、ビギナーにも、通にもお薦めのラインナップになっています。
480 3153
\2300
クレール=マリ・ルゲ/
グバイドゥリーナ:ポートレイツ
 1.インヴェンション(1974)
 2.シャコンヌ(1963)
 3.音楽おもちゃ箱(1969)
 4.ピアノと室内管弦楽のための協奏曲
  《イントロイトゥス (入祭唱)》(1978)
クレール=マリ・ルゲ(ピアノ) 
ローザンヌ・室内管弦楽団
指揮:ジャン=ジャック・カントロフ (4)
はっきりとした輪郭と、清冽な美しさが聴き手に強い印象を与え、世界各地で高い評価を得ているフランスの女流ピアニスト、クレール=マリ・ルゲ。ハイドン&モーツァルトの名録音に続く彼女の新たな旅は、現代を代表する女流作曲家ソフィア・グバイドゥリーナの音楽世界に向かいます。「ポートレイツ」と題された当盤には、《インヴェンション》《シャコンヌ》《音楽のおもちゃ箱》といった美しい名曲の他、ピアノ協奏曲《イントロイトゥス》も収録。フランス屈指のヴァイオリニスト&指揮者ジャン=ジャック・カントロフが指揮する名門ローザンヌ室内管との精妙な掛け合いも、ソロと並ぶ大きな聴きどころになっています。録音:2004年 パリ(1〜3)、2005年12月 ローザンヌ(4) <デジタル録音>

ECM 1CD¥2400

476 3315
\2400→¥2190
ベートーヴェン:
 1.ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
 2. 同 第5番変ホ長調Op.73《皇帝》
ティル・フェルナー(ピアノ) 
モントリオール交響楽団
指揮:ケント・ナガノ
日本でも現在進行中の「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会」が好評なティル・フェルナー。ウィーンのベートーヴェン弾きというと、ピアニストではグルダの名前を真っ先に思い起こしますが、フェルナーの才気と溢れる音楽センスは、スタイルこそ大きく異なるものの、まさにグルダ譲りのウィーン音楽の一つの系譜を受け継ぐものと言えましょう。重厚にして精神性を強く感じさせるドイツ風のベートーヴェン表現と一線を画し、過度に重くならず、時に軽妙、時にアイロニカル、またはブリリアントな表情で人を驚かせる彼の至芸を、ケント・ナガノ指揮モントリオール響の精妙な伴奏に乗せた2つの協奏曲で、たっぷりお楽しみください。録音:2008年5月25〜27日(1)、11月26〜28日(2) ウィルフリッド=ペルティエール・ホール、モントリオール <デジタル録音> 新録音
476 3629 ピーター=アンソニー・トーニ:預言者エレミアの哀歌
(バス・クラリネットと合唱のための協奏曲:2007)
 I Quomodo Sedet Sola Civitas
 How doth the city sit solitary
 II Quomodo Dominus Filiam Sion Obtexit
 How hath the lord covered with obscurity the daughter of zion
 III Silentio
 Silence
 IV Quomodo Obscuratum Est Aurum
 How is the gold become dim
 V Recordare, Domine
 Remember, o Lord
ジェフ・ライリー(バス・クラリネット) 
エルマー・イーゼラー・シンガーズ
指揮:リディア・アダムス
旧約聖書『エレミアの哀歌』は、予言者エレミアがBC586年の新バビロニアによるエルサレム炎上と、それに続くイスラエル人のバビロニア俘囚を悲しんで綴った歌として、その名が冠されています。古今の作曲家が多くの音楽を捧げてきたこの歌ですが、当盤に収録してあるのは、カナダの気鋭の作曲家ピーター=アンソニー・トーニが書いたバス・クラリネットと合唱のための協奏曲。豊かな即興、壮大な合唱、そしてジャズや現代音楽の要素もふんだんに織り込んだ作品は、炎のようにエネルギッシュなクラリネットと合唱の掛け合いによって、高らかに天へと舞い上がります。録音:2008年10月27〜28日 ハリファックス、カナダ 
    <デジタル録音> 新録音
476 3653 アンリ・デュティユー:影と静寂(1台と2台のピアノのための作品集)
 Petit air a dormir debout
 Sonate (1948)
  from Au gr? des ondes (1946)
 I. Pr?lude en berceuse
 III. Improvisation
 Blackbird (1950)
 Tous les chemins … menent a Rome (1961)
 Resonances (1965)
 Figures de resonances (1970) *
  pour deux pianos
ロバート・レヴィン、
ヤ=フェイ・チャン(ピアノ)
当レーベル初録音となるアンリ・デュティユーの作品集。2台のピアノのために書かれた《影と静寂》は、一切の無駄を排した簡潔な構成を細部まで磨き抜いた極上の室内楽作品です。近代フランス音楽の伝統を受け継ぎつつ、独自の色彩感と抒情性にあふれた彼の作風は、94歳を迎えた今なお健在であることを確認できることでしょう。古典作品のあらゆる時代の様式に通じているばかりでなく、現代音楽もレパートリーとし、時に即興演奏も披露する多彩な鍵盤奏者ロバート・レヴィンと、ヤ=フェイ・チャンの珠玉のデュオで、たっぷりお楽しみください。録音:ルガーノ

FONE

FONE 065SA
(SACD Hybrid)
\2700→¥2490
アッカルド/ヴィヴァルディ:協奏曲集《四季》 他
 1.ヴァイオリン協奏曲集Op.8‐1〜4《四季》
 2.2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調F.Ⅰ-100(RV.514)
 3.ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 変ロ長調F.Ⅳ‐2(RV 547)
サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン&指揮) 
チェチーリア・ラディック (チェロ)
ラウラ・マンツィーニ(チェンバロ)
オーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナ 
今や伝説の名盤となったイ・ムジチとの《四季》から20年以上。円熟著しいイタリア・ヴァイオリン界の至宝サルヴァトーレ・アッカルドが、手兵のオーケストラ・ダ・カメラ・イタリアーナを弾き振りして、至高の新境地を切り拓きます。また、カップリングの協奏曲では、1996年の第2回 プレミオ・ストラディヴァリ国際コンクール優勝で一躍注目を浴びた同オケの首席チェロ奏者チェチーリア・ラディックや、アッカルドの長年の室内楽パートナーであるラウラ・マンツィーニらとの華やかで精妙な掛け合いも聴きどころになっています。録音:2009年5月30日—31日 Lodi

MD+G 1CD¥2300

613 15212
\2300
モートン・フェルドマン:後期ピアノ作品集Vol.1
 三和音の記憶
シュテファン・シュライエルマッヒャー(ピアノ) 
世界初の図形楽譜の発案者であるアメリカの作曲家モートン・フェルドマン(1926-87)の後期ピアノ作品集の第1弾。Vol2とVol.3は昨年発売しておりましたが、第1弾としてリリースされていた当盤が未発売でしたので、ここでご案内いたします。1970年代、フェルドマンは西アジア、アナトリア産の絨毯に新たな興味を抱くようになります。コレクターとしての情熱というよりも、芸術として魅了されたのです。基本的には5—6色の糸から作り出される絨毯ですが、同じものは決してなく、色彩感や風合いが一つ一つ異なるものに仕上げられるのです。フェルドマンの音楽構造にも同じことがいえます。個々の音や和音が繰り返しの中で変化をしていくことによって、美しい色調の穏やかな流れを作りあげています。
336 15992
¥2090
モーツァルト:
 1.大六重奏協奏曲
    (原曲:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364) 
 2.弦楽四重奏曲
    (原曲:クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581)
マンハイム弦楽四重奏団
セバスティアン・ビュルガー(ヴィオラ:1)
マティアス・ネメス(コントラバス:1)
トーマス・ドゥイス(ピアノ:1)
聴き慣れたモーツァルトの名曲を、由緒ある瑞々しい編曲版でお届けする1枚。「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」を編曲した「大六重奏曲」は1807年にウィーンで、「クラリネット五重奏曲」は1802年に、それぞれ出版されたもので、編曲者は不明ですが、由緒ある名編曲です。柔軟でのびやかな音色と、緻密なアンサンブルで知られるマンハイム弦楽四重奏団の演奏でお聴きください。録音:2008年12月9〜11日 マリエンミュンスター修道院 <デジタル録音> 新録音
333 6142
(2CD)
¥4600→¥4190
ベンヤミン・シュミット/J.S.バッハ:6つのソナタ(編曲:シューマン)
 1.ソナタ第1番ト短調BWV.1001
 2. 同 第2番ロ短調BWV.1002
 3. 同 第3番イ短調BWV.1003
 4. 同 第4番ニ短調BWV.1004
 5. 同 第5番ハ長調BWV.1005
 6. 同 第6番ホ長調BWV.1006
ベンヤミン・シュミット(ヴァイオリン)
リサ・スミルノワ(ピアノ)
ヴァイオリンの聖書とも言うべき存在のJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ」を、シューマンの編曲版でお届けする1枚。バッハの書いたヴァイオリン・パートをそのままに、オリジナルのピアノ伴奏を加えたもので、当時忘れられていたバッハの音楽に再び光をあてようと、啓蒙的な意味合いも込めて、親しみやすく仕上げられています。鬼才ベンヤミン・シュミットのヴァイオリンと、「長崎おぢか国際音楽祭」の音楽監督として日本でもなじみの深い俊英リサ・スミルノワのピアノでお届けします。録音:1994年12月、1995年1月 アーロルゼン <デジタル録音>
601 16012 ドヴォルザーク:
 1.交響曲第6番二長調Op.60
 2.演奏会用序曲(《自然の中で》Op.91/
  《謝肉祭》Op.92/《オテロ》Op.93)
ドルトムント・フィルハーモニック管弦楽団 
指揮:ジャック・ファン・スティーン
ドヴォルザークが1880年に作曲した「交響曲第6番」は、作曲を依頼したハンス・リヒターに献呈された作品です。彼の交響曲としては最初に出版されたため、当初は「第1番」とされていました。彼の他の交響曲同様、しばしばブラームスの影響が指摘される名曲でもあります。カップリングの「演奏会用序曲」もほぼ同時期の1891〜1892年に書かれた作品で、「自然」「人生」「愛」をテーマに持つ3部作として構想され、《謝肉祭》は「人生」にあたっていましたが、後にこれらの副題を撤回しています。単に技術的に難しいというだけでない、音楽的な表現と一体になった技術が求められるこれらの作品を、しなやかで柔軟な名匠スティーン&ドルトムント・フィルの演奏で。録音:2009年8月9〜12日 コンツェルトハウス、ドルトムント<デジタル録音> 新録音
613 16072 ザイデル&シュライエルマッハー/
 ジョン・ケージ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集
  1.ヴァイオリンと
    キーボード(ピアノ)のための6つのメロディ(1950)
  2.ヴァイオリンと笙またはのためのトゥー・フォー(1991)
  3.ヴァイオリンとピアノのための夜想曲(1947)
  4.ヴァイオリンとピアノのためのトゥー・ファイヴ(1992)
アンドレアス・ザイデル(ヴァイオリン)  
シュテッフェン・シュライエルマッハー(ピアノ)
ライプツィヒ弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者であるザイデルと、「ジョン・ケージ:ピアノ作品全集」で名高いピアニストのシュライエルマッハーが、夢のタッグを組んで贈る最高の「ジョン・ケージ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集」。ケージ・ファン必携のアイテムであることは言うまでもなく、入門にもこれ以上最適なものはない最高の1枚です。録音:2008年10月1日 マリエンミュンスター修道院<デジタル録音> 新録音
609 16042
(3CD)
ペトルー/
 ヘンデル:歌劇《ジュリアス・シーザー》HWV.17全3幕
クリスティナ・ハマルストレム(メゾ・ソプラノ:シーザー)
エマヌエラ・ガッリ(ソプラノ:クレオパトラ)
メアリー=エレン・ネジ(メゾ・ソプラノ:セクストゥス)
ロミーナ・バッソ(メゾ・ソプラノ:トロメロ)
タッシス・クリストヤンニ(バリトン:アキラ)
ペトロ・マゴウラス(バス:クリオ)
ニコラス・スパーノ(カウンターテナー:ニレーヌス)
オーケストラ・オブ・パトラス(オリジナル楽器)
指揮:ジョルジュ・ペトルー
好評を博した《タルメラーノ》と同時期に録音された渾身の《ジュリアス・シーザー》。《タルメラーノ》と同様、ペトルーとオーケストラ・オブ・パトラスは、1724年の初稿版の演奏を試みているのが最大の注目です。今回も説得力の高い緊密なアンサンブルでこのオペラに新しい魅力をもたらしています。録音:2006年7月24〜30日 パトラス(ギリシャ) <デジタル録音>

未掲載初紹介アイテム

903 15756
(SACD Hybrid)
\3300
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲全集Vol.1
 ①弦楽四重奏曲第1番ニ長調Op.11
 ②    同    第2番ヘ長調Op.22
ユトレヒト弦楽四重奏団
ハイドンからアバンギャルドまで幅広いレパートリーを誇るオランダの実力派ユトレヒト弦楽四重奏団。世界各地で高い評価を得たグラズノフの他、グレチャニノフやレックス・ヴァン・デルデンの弦楽四重奏曲全集レコーディングで知られる彼らが、今度はチャイコフスキーの全集録音に着手しました。単独で演奏される機会も多い名曲アンダンテ・カンタービレを含む「第1番」と、名ヴァイオリニストのアウアーが「ベートーヴェン的な力を持つ」と絶賛した「第2番」を、彼ら持ち前のみずみずしい音色と精緻なアンサンブルでお楽しみください。録音:2008年9月25〜26日、2009年2月3〜4日 マリエンミュンスター修道院
901 15776
(SACD Hybrid)
\3300
ヴィリー・ブラント&オスカー・ベーメ:トランペット作品集
 ①ブラント:コンサート・ピース第1番ヘ短調Op.11/
 ②ベーメ:ブラス六重奏曲変ホ短調Op.30/
 ③ブラント:コンサート・ピース第2番変ホ短調Op.12/
 ④ベーメ:協奏曲Op.18/
 ⑤ブラント:カントリー・ピース集/
 ⑥ベーメ:子守歌Op.14/
 ⑦ブラント:ロシア舞曲Op.32
ヴォルフガング・バウアー(トランペット)
オリヴァー・トリエンドル(ピアノ)
アンサンブル・ヴォルフガング・バウアー
20世紀前半に、ロシアのオーケストラや学生たちに、ドイツの高い音楽教育を伝えた2人の天才トランペット奏者、ヴィリー・ブラントとオスカー・ベーメ。そんな後進の指導や、自分自身のために彼らが作曲したトランペットのための作品を、インバル時代のフランクフルト放送響で、あのラインハルト・フリードリヒと共に首席を務めた後、バイエルン放送響やシュトゥットガルト放送響の首席も歴任した名手ヴォルフガング・バウアーが、彼の同僚アンサンブルや、ピアニストのオリヴァー・トリエンドルらの名演奏でお届けします。録音:2008年12月3〜4日(②⑤)、2009年4月6〜7日(①③④⑥⑦) マリエンミュンスター修道院
304 15272 パヴェル・ハース:室内楽作品集
 ①木管五重奏曲Op.10
 ②オーボエとピアノのための組曲Op.17
 ③弦楽四重奏曲第3番Op.15        
アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
近年再評価が高まっている現代チェコの作曲家パヴェル・ハース。様々なジャンルに創作を残した彼だが、厳格な自己批判によってそのほとんどが整理されず、またユダヤ系だったことから、ナチスにいわゆる「頽廃作曲家」の烙印を押され、1941年には強制収容所に送られ、1944年に45歳の若さで亡くなっています。ボヘミアやモラヴィアの民俗音楽に根差しつつ、時折りユダヤ民謡にも似た趣きがある彼の室内楽の名作を、1990年結成のアンサンブル・ヴィラ・ムジカによる高度な技術と機動性にあふれた演奏でお楽しみください。録音:1998年1月20日(①)、2001年12月16日(②)、2007年6月11日(③) バート・アーロルゼン
341 13102
¥2090
モーツァルト:鍵盤作品全集Vol.10
 ①アダージョ ロ短調K.540
 ②メヌエット ニ長調K.355
 ③12の変奏曲変ホ長調K.353
 ④ソナタ第1番ハ長調K.279
 ⑤ヤン・ルードルフ・チェルニーン伯のための
    4つのコントルダンス ト長調K.269b
 ⑥ソナタ第2番ト長調K.11
 ⑦ロンドンのスケッチブック 第27番ニ長調
   (ソナタの終楽章)K.15bb
 ⑧2つの変奏曲K.460(454a)
ジークベルト・ランペ(チェンバロ&フォルテピアノ)
ヒストリカル楽器を用いて、着々と進行している鬼才ジークベルト・ランペのモーツァルト鍵盤作品全集第10弾。今回はふたたび、ザルツブルク生まれの神童の生涯で、もっとも重要な4つの都市、すなわちロンドン、ミュンヘン、ザルツブルグ、ウィーンにおける創作にクローズアップした選曲を行いました。楽器も、ドイツ(ケルン)、スイス(ネフェルス)、アメリカ(アリゾナのテンペ)と世界を股にかけた名器を精選し、今回も百花繚乱、縦横無尽の名演を繰り広げます。録音:2005年7月8日 ケルン(④)、2006年6月23〜24日 ネフェルス (⑥〜⑧)、2007年3月 テンペ(①〜③⑤)
605 15762 聖ユベールのためのミサ曲集
 ①グスターヴ・ロチャード:聖ユベールのための荘厳ミサ曲
 ②ティンデア:聖ユベールのためのミサ曲
 ③アルベルト・ソンブラン:聖ユベールのためのミサ曲
 ④ジュール・キャンティン:聖ユベールのためのミサ曲
ドイツ・ナチュラルホルン・ゾリステン
ヨハネス・ミシェル(オルガン)
ドイツでは秋になると、狩人たちが猟の成功を祈って、森の守護聖人である聖ユベールに敬意を表します。その祭事は、19世紀以降、屋外か教会で声楽を伴わないミサとして慣習化し、ホルンとオルガンによって演奏されることがほとんどです。ドイツのナチュラルホルン奏者たちは、今でもその伝統を守り続けており、当盤に収められた4曲は、数多い聖ユベールのためのミサ曲の中で、とりわけ有名な名作ばかりです。録音:2009年5月18〜20日 マンハイム・キリスト教会
601 12682 オットー・ニコライ:管弦楽作品集Vol.2
 ①《神は我が堅き砦》Op.31による教会祝典序曲
 ②協奏的変奏曲Op.26
 ③《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲WoO.114
 ④《追放された男》序曲WoO.113
 ⑤クリスマス序曲WoO.109
ヨハネス・パイパー(クラリネット)
ジーゲン福音合唱団
南ヴェストファーレン・フィルハーモニー
指揮:デイヴィッド・スターン
39歳という若さで亡くなったオットー・ニコライには、有名な《ウィンザーの陽気な女房たち》のほかにも、名曲がたくさんあります。デイヴィッド・スターンが指揮する南ヴェストファーレン・フィルが、そうした彼の名曲の発掘と紹介に全身全霊で取り組んでいる当シリーズの第2弾には、ヴァラエティあふれる5つの序曲を収録。Op.26では、ソロ・クラリネットが活躍するのも聴きどころです。録音:2000年4月28〜29日、2003年4月10〜11日 ジーゲン

MUSICA OMNIA

MO 202
(3CD)
\3600
ワッコーン/平均律グラヴィーア曲集第2巻
 1.平均律グラヴィーア曲集第2巻《前奏曲とフーガ》BWV.870〜893
 2.前奏曲 ト長調BWV.902
ペーター・ワッコーン(チェンバロ&ペダルチェンバロ)
当レーベル初となるJ.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集」全曲録音の「第2巻」。演奏はもちろん「第1巻」に続き、当レーベルが誇る鍵盤の巨匠ペーター・ワッコーンです。今回はチェンバロだけでなく、ペダルチェンバロ(オルガンの足鍵盤のように、音階の弾ける巨大なペダルがついていて、それを使って最低音部を演奏する構造)を効果的に使用したり、ブラッドレイ・レーマンが明らかにしたバッハ時代の調律法を導入するなど、世界初の試みが数多く行われた注目録音です。また、「第2巻」の全曲演奏後に、「前奏曲BWV.902」を置いて、アルバムを柔らかくそっと締めるプログラムは、「前奏曲第1番」を最後で繰り返した「第1巻」と同様、独特の輪廻感を醸し出しています。
MO 304
(3CD)
\3600
アトランティス・トリオ/メンデルスゾーン:室内楽作品集
CD1
 1.ピアノ四重奏曲第1番ハ長調Op.1
 2.同 第2番ヘ長調Op.2
CD2
 1.同 第3番ロ短調Op.3
 2.ピアノ六重奏曲ニ長調Op.110
CD3
 1.ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調Op.4
 2.クラリネット・ソナタ 変ホ長調
 3.ヴィオラ・ソナタ ハ短調
アトランティス・トリオ
若き日のメンデルスゾーンが、ピアノ室内楽のために書いた作品をすべて収めた世界初録音。演奏形態が古楽器というのも、もちろん世界初で、オランダの伝説的な名ヴァイオリニスト、ヤープ・シュレーダーが率いるアトランティス・トリオの充実した珠玉のアンサンブルがご堪能いただけます。録音:2001年(CD2‐2)、2007年(CD1&CD2‐1&CD3‐1)、2008年(CD3‐2、3)

TELARC

TEL 31978
(2CD)
\2300→¥2090
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲) ズイル・ベイリー(チェロ)
DELOSレーベルでお馴染みのチェロの才人ズイル・ベイリーによるテラーク録音第3弾。ロココ変奏曲、他を収録したロシア作品集でテラーク・デビューを飾り、感性あふれる演奏で比類無い才能を聴き手に印象付けたシモーネ・ディナースタインとのデュオによるベートーヴェン録音が第2弾、そして第3弾となる今回は、チェロの金字塔、バッハの無伴奏組曲全曲に挑みました。彼の演奏を評してトロント・グローブ紙は「心臓が止まりそうな演奏!」、シカゴ・トリビューン紙は「名匠の素晴らしいひらめきに満ちている」と絶賛しています。
TEL 31827
\2300
ボストン・バロック/
 モーツァルト:男性ソプラノのためのアリア集
  モテット:
   《エクスルターテ・イウビラーテ(踊れ、喜べ、幸いなる魂よ)》K.165/
   歌劇《ルチオ・シルラ》K.135〜あふれる愛の報いの/
   同〜ああ、私の残酷な運命が/
   歌劇《イドメネオ》K.366序曲/
   同〜おお,なんという−恋こがれる父よ/
   歌劇《皇帝ティートの慈悲》K.621序曲/
   同〜ああ、このひと時だけでも/
   同〜私は行くが、君は平和で
マイケル・マニアチ(男性ソプラノ) 
ボストン・バロック
指揮:マーティン・パールマン
グラミー賞に三度もノミネートされたマーティン・パールマン率いる名門ボストン・バロック。テラーク・レーベルの通算20枚目となる当盤には、稀代の男性ソプラノ、マイケル・マニアチをゲストに迎えたモーツァルト・アリア集です。アメリカ出身のマニアチとボストン・バロックは、録音ではこれが初共演で、彼にとっての初ソロ・アルバムともなる記念尽くしの1枚になっています。そして元々、カストラートのために書かれた《エクスルターテ・イウビラーテ》や、モーツァルトの傑作オペラを彩る名アリアを、男性ソプラノが歌うのはこれが初の試みということでも話題を呼んでいます。優美でのびやかな女声と、力強い男声を備えた新境地をたっぷりお楽しみください。また、ボストン・バロックの単独演奏による《イドメネオ》と《皇帝ティートの慈悲》の序曲における清冽で充実した演奏も大きな聴きどころです。

CPO

777325-2
\2600→¥2390
ナタナエル・ベルイ(1879-1957):交響曲第3 番「パワー」他
 1.畏敬の念/2.組曲「公爵の自由」/
 3.交響曲第3 番「パワー」
ノルヒェーピング(ノールショッピング)交響楽団/
アリ・ラシライネン(指揮)
交響曲第1 番&第2 番(777324-2)に続く、スウェーデンの作曲家、ナタナエル・ベルイの交響曲集第2 弾です。獣医の資格を持ち、軍で働きながらも作曲を続けたベルイの作品は、どれも後期ロマン派の流れを汲む重厚な音楽です。彼の作品はどれも明確な物語性を持っていて(タイタニックの事件からインスピレーションを得た第1 番など)、今回の作品もその趣旨から外れることはありません。交響曲第3 番は、最初単一楽章として構想され「男性」を描くことに終始しました。しかしその後「それだけでは何かが足りない」と感じたベルイは、別の楽章を書き足し「女性」とした上で、全体を覆う生命の「パワー」をタイトルに据えたのです。さて、曲の仕上がりはいかがなものでしょうか?
777470-2
\2000
ヨーゼフ・スク(1874-1935):室内楽作品集
 1.ピアノ三重奏曲 Op.2/
 2.ピアノとヴァイオリンのための4 つの小品 Op.17/
 3.ピアノ三重奏曲のためのエレジー Op.23/
 4.バラードとセレナーデ Op.3/5.ピアノ四重奏曲 Op.1
アトス三重奏団/
マルティン・フォン・デル・ナーメル(ヴィオラ)…5
既にリリースされているヘルツォーゲンベルクのピアノ三重奏曲(777335-2)で、詩情溢れる演奏を繰り広げたアトス三重奏団によるスクの作品集です。交響詩など、比較的規模の大きな作品で知られるチェコの作曲家スク。彼はドヴォルザークの義理の息子でもあり、チェコ音楽の正統な継承者でもありました。独自の作風を有する人ですが、とりわけこのような編成の小さい作品になると、一層彼の美質が透けて見えてくるようです。多くの素材を内包したピアノ四重奏曲、雄弁なヴァイオリンが印象的なバラード、どことなくドビュッシーを思い起こさせる夢幻的なセレナーデなど。明るさの中に陰鬱さを秘めた東欧の宝玉のような作品ばかりです。
777410-2
\2600→¥2390
ハインリッヒ・シュッツ(1585-1672):葬送音楽
 葬送音楽(ドイツレクイエム) SWV 279-281/
 詩篇6.51.102.130.143 番
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
1618 年に勃発した「三十年戦争」は、最初プロテスタントとカトリックの宗教戦争として始まりましたが、戦いが長引くほどに国家間の争いとして凄惨さを極めていきました。シュッツもこの戦いで戦禍に巻き込まれ、多くの友人、家族を失い、失意の底に沈みました。そんな折、彼の故郷の領主ハインリッヒ・ロイス・ポストフームス公から葬送の音楽を依頼されたのです。シュッツの良き理解者でもあった公は、まだ自身が存命であったにも関わらず、「死んだ時の音楽」を書いてくれるように頼みました。そこでシュッツは公のためだけでなく、全ての戦いの犠牲者のためにドイツ語のミサを構想し、救済への願いを託した感動的な音楽を作り上げたのです。ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンスの感動的な演奏で。
777377-2
\2000
ミスリヴェチェク(1737-1781):管楽八重奏曲&五重奏曲全集
 管楽八重奏曲 第 1 番−第3 番/
 管楽五重奏曲第 1 番−第6 番
オルフェオ・ブラス・アンサンブル/
カリン・ファン・ヘールデン
チェコ出身で、生前はオペラ作曲家として名を馳せたミスリヴェチェクですが、実は多くの管弦楽曲や器楽曲も書いています。ここで聴ける管楽アンサンブル集は、まるで言葉のないオペラのようで、弾むリズムと劇的な楽想を持っています。若きモーツァルトが多大な影響を受けたと言われるだけあって、そのメロディの閃きにも聴きどころがたっぷりです。また各々の楽器に要求される技術も大層なもので、当時の奏者たちがいかに高度な技を持っていたかを想像するのも楽しいことです。ドイツ、オーストリアで活躍するオルフェオ・ブラス・アンサンブルは極めて親密な響きで、この作曲家の真価を伝えます。
777129-2
(2CD)
\4000
ローデ(1774-1830):練習曲の形式による24 のカプリース エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン)
NAXOS からアクセル・シュトラウスの演奏で同曲が発売されたばかりの市場に、息つく暇もなく、CPO からのリリースをお届けいたします。演奏するのはバロック・ヴァイオリンの名手ヴォルフィッシュ。前回のクロイツァーでの示唆に富む演奏で、多くの学習者と聴衆に新しい道を開いた人です。ローデのこの作品は、ヴァイオリン演奏に必要な奏法を全て備えた上、高い音楽的表現も要求される難曲。これが完璧に弾けたらパガニーニも恐くない。という代物です。そんな興味深い作品なので、もちろん聴いているだけでもOK。ピアノで言うとショパンの練習曲のような位置づけでしょうか。バロック・ヴァイオリンの渋い響きも心地良さを高めています。
777481-2
(SACD Hybrid)
\3300
アイアランド(1879-1962):オルガン作品全集
 行進曲のように/カプリッチョ/エレジー・ロマンス/聖なる少年/
 ジョン・ケブルの祈祷讃歌のための瞑想曲/微細なる組曲/
 心を高めよう/エレジー/エピック・マーチ/
 マルシア・ポポラーレ/カヴァティーナ
シュテファン・カーグル(オルガン)
ハーフォード、ミュンスター教会オルガン使用
イギリスの作曲家、ジョン・アイアランドのオルガン作品全集です。彼は14 歳で王立音楽大学に入学、ピアノとオルガンを学び、スタンフォードに作曲を師事、その後、母校の教壇に立ち後進の指導にあたりました。彼はチェルシーの聖ルーク教会のオルガニストも務めるなど、オルガンという楽器を隅々まで熟知していたため、残した作品も地味ながら素晴らしいものばかりです。アイルランドの伝統音楽をロマン派の重厚な響きに溶け込ませたこの格調高い音楽は、一度か二度聴いただけでは味わい尽くせないだけの深い滋味を有しています。もちろん彼が愛した「聖なる少年」も含まれています。
777188-2
\2600→¥2390
クロイツァー(1766-1831):ヴァイオリン協奏曲第 15,18,19 番 アルブレヒト・ブロイニンガー(ヴァイオリン)/
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団/
アラン・フランシス(指揮)
ロドルフ・クロイツァー(フランス読みはロドルフ・クレゼール)はフランスのヴァイオリニスト・作曲家・指揮者です。あのベートーヴェンが第9 番のソナタを献呈したこと知られていますが、実際のところ、彼はこの曲を一度も演奏しなかったようです。現在では、彼はヴィオッティと並ぶ評価を受け、ヴァイオリン奏法の近代化に寄与した人物として認知されています。この3 つの協奏曲は従来の3 楽章形式を継承していますが、溢れる楽想がとても豊かで、この作曲家の並々ならぬ才能を感じさせるものです。全部で19 曲ある彼の協奏曲の全貌が明らかになる日も近いことでしょう。彼の代表作である「40 の練習曲と奇想曲」は999901-2(2 枚組)も大好評発売中。
777264-2
\2600
オイゲン・ダルベール(1864-1932):管弦楽作品集
 1.小さな人魚姫 Op.15
  (アンデルセンの童話を元にしたソプラノと管弦楽のための詩曲)/
 2.交響曲第 4 番ヘ長調
アンナ・カシアン(ソプラノ)/
オスナブリュック交響楽団/
ヘルマン・ボイマー(指揮)
ダルベールは、スコットランドのグラスゴーでフランス人の父とイギリス人の母の間に生まれました。しかし、いつまでたっても英語は上達せず、ロンドンの王立音楽大学に入学後はウィーンに留学、ドイツ語を学び、フランツ・リストに師事、ピアニストとしてデビューします。第一次世界大戦まで英国の市民権を持っていたにも拘わらず、彼自身は「ドイツ人」であると自ら宣言し、ドイツに帰化もしています。彼は数多くのオペラを作曲し、中でも「死んだ瞳」(999692-2)や「低地地方」などは現在でも時折上演される演目として息づいていますし、ピアニストとして演奏も残っているなど、高い評価を受けましたが、彼の心の中は常に落ち着くことがなく、住居をしょっちゅう引っ越したり、6 回の結婚をしたりなど、私生活は必ずしも幸福ではなかったようです。ここにはR.シュトラウスが絶賛したと言われる交響曲と「人魚姫」の初録音が収録されています。
777298-2
\2600
中央ドイツのバロック・バス・カンタータ
 1.エマヌエル・ケーゲル(1655-1724):
  愛よりも訴えるものはなく/
 2.クリスティアン・ヴォルフ(1705-1773):
  平和と喜びの中を我は行く/
 3.ヨハン・テオドール・レムヒルト:天国には他の方法で/
 4.同:私は太陽の下にじっと立つ/
 5.ホフマン:全てのキリスト教徒よ、神を賛美せよ/
 6.ヨハン・ゴットフリート・ドナティ(1706-1782):私の心の家を準備せよ/
 7.ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):地上の救い主よ
クラウス・メルテンス(バス-バリトン)/
アカデミア・ダニエル(ピリオド楽器使用)/
シャレフ・アド=エル(指揮)
イスラエルの名手たちに拠って結成されたバロック・アンサンブル「アカデミア・ダニエル」はプラハ、ロンドン、パリ、アムステルダム、ボストンなど世界中の主要都市で活躍しています。彼らはイスラエルとヨーロッパの両都市でリハーサルし、サイモン・スタンデージなどの名手とも数多く共演、国際的なキャリアを築くことに余念がありません。cpo からはすでにテレマンのアルバムを2 枚リリースしていますが、今作は当代随一の低音歌手、クラウス・メルテンスをフィーチャーし、ザクセンの知られざる作曲家たちの小さなカンタータを収録しています。ザクセンの小さな町ミューゲルンの図書館には16 世紀から17 世紀の400 を超えるカンタータが保存されており、まだ知られざる作品がたくさん眠っています。彼らの丁寧な演奏はこれらの作品に次々と光を当てていくでしょう。
777322-2
\2600
マリピエーロ(1882-1973):作品集
 1.ガブリエリアーナ/
 2.ファゴットと10 楽器のためのセレナータ/3.マドリガーリ/
 4.5 つの寓話〜声と小オーケストラのための/
 5.7 つのヴェネツィアのカンツォネッタ
ダミアナ・ピンティ(メゾ・ソプラノ)/
パオロ・カルリーニ(ファゴット)/
カメラータ・ストゥルメンターレ・チッタ・ディ・プラト/
マルツィオ・コンティ(指揮)
カセッラと同時代に活躍したマリピエーロは、その生涯に10 曲以上の交響曲、6 曲のピアノ協奏曲、8 曲の弦楽四重奏曲、他、夥しい数の管弦楽曲や歌曲など数多くの作品を残しています。彼はモンテヴェルディやヴィヴァルディの作品を校訂し、音楽研究者として高い評価を受けているのですが、彼自身の作品は、未だに正しい評価がなされているとは決して言えないのが実情です。このアルバムでは、ヴェニスの大作曲家、ジョヴァンニ・ガブリエリに捧げられた「ガブリエリアーナ」など、彼が生涯を通じて研究していたイタリア古典派の音楽と、新時代の音楽が見事に融合した、まさに無尽蔵音楽的遺産とも言える作品を収録しています。かのムーティが設立に関与しているイタリアの室内オーケストラ、カメラータ・ストゥルメンターレ・チッタ・デ・プラトによる説得力ある演奏が華を添えています。
777355-2
(21CD)
\16200
レーヴェ(1796-1869):歌曲とバラード全集 ジュリー・カウフマン(ソプラノ)/
エディト・マティス(ソプラノ)/
ガブリエレ・ロスマニト(ソプラノ)/
ルース・ツィーザク(ソプラノ)/
モニカ・グループ(メゾ・ソプラノ)/
イヴィ・ジーニック(アルト)/
ウルズラ・クリーゲル(アルト)/
イリス・フェルミリオン(メゾ・ソプラノ)/
クリスティアン・エルスナー(テノール)/
ヤン・コボウ(テノール)/
クリストフ・プレガルディエン(テノール)/
ロベルト・ヴェルレ(テノール)/
トーマス・モール(バリトン)/
ローマン・トレーケル(バリトン)/
アンドレアス・シュミット(バリトン)/
クルト・モル(バス)/
モルテン・E・ラッセン(バス)/
コード・ガーベン(ピアノ)
1996 年、レーヴェ生誕200 年を記念してcpo が企画したのは、レーヴェの全ての詩とバラードの録音でした。彼の歌が内包する大きな宇宙は、とても魅惑的で、ドイツ・リートの歩みを体感するためにはなくてはならないものです。マティス、ツィーザク、プレガルディエン、トレーケル、モルら、ドイツ・リートを歌わせたら右に出る者はいないであろう、偉大なる歌手たちを起用。まさに百花繚乱の様相を見せています。2007 年に全ての録音が無事完了したのは、名ピアニストで名プロデューサーでもあるコート・ガーベンの偉大なる力も忘れてはなりません。この魅力的で歴史的な価値ある全集をぜひこの機会に。148 ページのブックレットには英語とドイツ語の解説が付されています。(ドイツ語の歌詞及び英語訳は内包されているCD−ROM に収録されています)
777378-2
\2000→¥1890
カトワール(1861-1926):ヴァイオリンとピアノのための作品集
 1.ヴァイオリン・ソナタ第 1 番 Op.15/
 2.ヴァイオリンとピアノのための詩曲(ソナタ第2 番)Op.20/
 3.エレジー Op.26/
 4.ヴィオラとピアノのためのロマンス Op.1-4
  (ヴァイオリンとピアノ編)
アルブレヒト・ブロイニンガー(ヴァイオリン)/
アンナ・ザッシモワ(ピアノ)
カトワール(ロシア読みはカトゥアール)はフランス系ロシア人のピアニスト・作曲家。モスクワ大学で数学を専攻し1884 年にて卒業。その後音楽の道を選び、ベルリンへ留学します。そこでワグネリアンのピアニスト、カール・クリントヴォルトに師事し、自らもワーグナーへ傾倒し、1879 年にワーグナー協会の会員になります。しかし、当時のロシアではワーグナー嫌いが多かったため、どうしても彼の作品は低く評価されてしまったのです。そんな彼の作品を再調査しているのが、ここでピアノを演奏しているザッシモワです。彼女は10 年程前からモスクワでカトワールの作品を研究し、チャイコフスキーとの関連性についての本を出版しています。そんな彼女と名手ブロイニンガーが奏でる一連のヴァイオリン作品は、この忘れられた作曲家の復興に大きな力を貸すことでしょう。
777468-2
\2600
オルランド・ディ・ラッソ(1542-1594):
 巫女の預言,クリスマス・モテット
ブレーメン・ヴェーザー・ルネサンス/
マンフレッド・コルデス(指揮)
16 世紀、フランドル楽派後期最大の作曲家、ラッソ(ラッスス)のユニークな作品「巫女の予言」です。古代ギリシアの巫女たちの預言はのちにキリスト教と結び付き、キリスト降誕の預言として伝えられます。このラッソの作品は、プロローグと12 の曲からなるモテットで、各々の曲には巫女の住む地名が付されています。曲が出版されたのは作曲家の死後のことですが、作曲されたのは20 歳頃だと考えられています。キリストの生誕についての預言なので、必然的にテキスト全てにクリスマスのメッセージが隠されています。音楽は、この当時としては革新的な和声や調性感などが随所に見られる、幻想的な作風となっています。

DACAPO 1CD¥2000

8.226028 ルーザス(1949-):4 つの舞曲
 1-4.1 楽章による4 つの舞曲
  <ひそひそ話/ロッキング/有頂天/派手>/
 5.イヌホウズキ/
 6-8.アビスム<アビスム/バーニング/出現>
バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループ/
オリヴァー・ナッセン(指揮)
1949 年生まれのルーザスは、最初オルガンを学び、同じく現代作曲家であるラスムッセンと共に管弦楽法を学びました。彼の作品は多岐に渡り、明らかにヴィヴァルディの模倣作品である1981 年のヴァイオリン協奏曲や、恐ろしく現代的な「マンハッタンの抽象」まで様々作風を見せてくれます。1983 年に作曲され1985 年にナッセンとロンドン・シンフォニエッタが初演した「4 つの舞曲」は特徴的な音色を持つ、単一楽章の作品。「イヌホウズキ」は毒を持つ植物の名前と美しい女性の2 つの意味を持たせた曲。アビスムはシェイクスピアのテンペストの一節をタイトルにした作品で、バーミンガム・コンテンポラリー・ミュージック・グループのために書かれたものです。録音: 2008 年10 月11-12 日…1-5 2009 年3 月14 日…6-8 イギリスバーミンガム、CBSO センター
8.226079 カール・ニルセン(1865-1931):カンタータ集
 1.オーフス国際博覧会のためのカンタータ FS54…世界初録音/
 2.ホルベアへのオマージュ FS102…世界初録音/
 3.シェイクスピア・メモリアル・セレブレーションのためのプロローグ FS80/
 4.コペンハーゲン大学周年行事のためのカンタータ Op.24,FS47…世界初録音/
 5.オーフス国際博覧会のためのカンタータへのナレーション
ディッテ・アンデルセン(ソプラノ)/
マティアス・ヘーゼゴー(テノール)/
パレ・クヌーセン(バリトン)/
オーフス大聖堂合唱団/
デンマーク国立歌劇場合唱団/
ヴォックス・アロス/
オーフス交響楽団/
ボー・ホルテン(指揮)
ニルセンのカンタータ集です。今回のアルバムには世界初録音が3 曲含まれていて、この北欧の作曲家の知られざる面を新たに発掘してくれること間違いありません。これらのカンタータは全て「特別な時」のために書かれたもの。彼の生涯で最も生産性の高かった1908-09 年に書かれた「国際博覧会のためのカンタータ」と「大学周年行事のためのカンタータ」はエネルギー溢れる情熱的な音楽です。1923 年に書かれた「ホルベアへのオマージュ」は彼の代表作である歌劇「仮面舞踏会」の原作者であるルズヴィ・ホルベアの祝祭のために書かれた作品で、ニルセンの限りない敬意が見て取れるもので、華麗なるファンファーレに導かれ幕を開けます。録音: 2009 年6 月15-20 日オーフス・コンサート・ホール
8.226103-04
(2CD)
J.P.E.ハルトマン(1805-1900):作品集
CD1:
 1.ハーコンヤール Op.40/
 2.アンダンティーノと8 つの変奏/
 3.ピアノ・ソナタニ短調 Op.34/
 4.オルガンのための幻想曲ヘ短調 Op.20/
 5.ヴァイオリンとピアノのための組曲イ短調 Op.66/
CD2:
 1.歌劇「小さなキアステン」より第2 幕抜粋/
 2.交響曲第 1 番ト短調 Op.17/
 3.交響詩「シビルの予言」Op.71
デンマーク国立交響楽団/
トーマス・ダウスゴー(指揮)/
トレ・ムジチ/
ハンス・ファギウス(オルガン) 他
デンマークの作曲家ヨハン・ペーター・エミリウス・ハルトマンは幼い頃から作曲を始め、生涯86 の作品番号付きの曲と、他に作品番号なしの作品をいくつも残しています。最初の交響曲は1837 年にカッセルで初演され、あのシュポアもその作品に注目したと言われています。またシューマンもハルトマンに興味を示し、自らが主宰する「新音楽雑誌」にて彼の作品についてしばしば言及しているほど当時のドイツの音楽界でも一目置かれていた人でした。彼の息子エミールも作曲家として活躍しました。この2 枚組では彼の様々な作品を楽しむことができます。彼は95 年という当時にしては長い年月を生き抜き、その間に色々な時代の移り変わりを目の当たりにしてきました。何しろ、生まれた時にはまだハイドンが存命で、亡くなった時にはストラヴィンスキーやバルトークが頭角を表してきたのです。そんな彼の作品はその時々の香りを身につけたもので、ある時はブラームス風であったり、ブルックナー風でもあったりと面白いものばかりです。
8.226519 ヴァイオリンとピアノの対話集
 1.ロシング=スコウ(1954-):厳格に/
 2.ノアゴー(1932-):断章Ⅴ/
 3.ノアゴー:二連の祭壇画 Op.11/
 4.ルーザス(1949-):偉大なる友人のための、ごく小さい3 つの作品/
 5.ルーザス:ヴァイオリン独奏のためのベルカント/
 6.ノーエントフト(1957-):2 つの楽章/
 7.コッペル(1908-98):3 つのもの
エリザベス・ツォイテン・シュナイダー (ヴァイオリン)/
ウルリク・ステアク(ピアノ)
北欧の現代作曲家5 人のヴァイオリン(とピアノのための)作品を集めた1 枚です。「E rigidis(厳格に)」は、作曲当時27 歳であったロシング=スコウの才能を世に知らしめた作品。シンプルで開放的な音色に満ちた15 分弱の曲です。ノアゴーの初期の作品である「二連の祭壇画」は極めて対照的な2 つの曲によって描かれた絵画です。ルーザスの2 つの作品は、どちらもミレニアム・イヤー前後に書かれたもの。才気煥発のきわみと言えましょう。ノーエントフトの作風はノアゴーの神秘主義に通じるものがあります。最後のコッペルの作品は、作曲家自身がピアニストであることもあり、ピアノパートも凝った書法で書かれています。録音: 2009 年1.3-4 月/デンマーク王立音楽アカデミー

DIVOX 1CD¥2600

CDX-20802 カスティリョーニ(1932-1996):「SI, L’OBOE!(はい、オーボエ!)」
 1.オーボエと管弦楽のための「抒情的小品」/
 2.オーボエ独奏のためのロマンツェッタ「グリューツィ」/
 3.クラリネットとピアノのためのソナティナ「ダール」/
 4.オーボエ独奏のための「アレフ」/
 5.フルートとピアノのための「ギメル」/
 6.オーボエとピアノのための「リマ」/
 7.木管五重奏のための「フィラストロッカ(童謡)」/
 8-13.ピアノのための「優しき安息所よ」
オマール・ツァボーリ(オーボエ)/
スイス・イタリア語放送管弦楽団/
メイア・ミンスキー(指揮)/
エルネスト・モリナーリ(クラリネット)/
トゥイヤ・ハッキラ(ピアノ)/
ペーター=ルーカス・グラーフ(フルート)/
アルノルド五重奏団
カスティリョーニはミラノ音楽院出身での作曲家兼ピアニスト。オーボエ奏者のハインツ・ホリガーや彼の弟子にあたるオマール・ツァーボリと親交があり、オーボエという楽器には思い入れが強く、多くのオーボエ作品を残しています。中世の哲学や神話学を研究していたこともあり、楽曲も神秘的な響きを意識した構成が特徴。イタリア・モデナ出身のツァボーリはアンコナ国際音楽コンクールの優勝者で、現在はトリノ音楽院やスイス・バーゼル州立音楽院で教鞭をとる指導者。元々はバロック・オーボエのエキスパートでイタリア古楽の第一人者でしたが、カスティリョーニとの出会いをきっかけに80 年代からモダン・オーボエによる演奏活動をスタート。現代音楽作品へとチャレンジするきっかけとなった作品が、このディスクに収められています。録音:1-13. 1985 年3 月、1991 月12 日/スイス・イタリア語放送局第1スタジオ
CDX-20803 ルドルフ・モーザー(1892-1960):シュピールムジーク
 1.ヴァイオリンとピアノのためのバラード作品 3/
 2.ピアノのためのスケルツォ作品 19 /
 3.ホノルル・フォックストロット/
 4-8.クラリネット、ファゴットとコントラバスのためのシュピールムジーク作品 57-3/
 9-15.ヴィオラ独奏のためのシュピールムジーク作品 78/
 16-18.3 つの歌作品 14/
 19-21.オーボエと弦楽五重奏のための協奏曲作品 86
アデリーネ・オプレアン(ヴァイオリン)/
ヤン・シュルツ(ピアノ)/
クリストファー・シラー(ヴィオラ)/
田中香織(クラリネット)/
ボトンド・コスチャク(コントラバス)/
ディエゴ・ケンナ(ファゴット)/
アンドレア・ズーター(ソプラノ)/
オマール・ツァボーリ(オーボエ)
マックス・レーガーの弟子の中でもとりわけメロディアスな旋律を多く残したモーザーは仲間内でも「詩人」と呼ばれていました。同世代の作曲家たちが次から次へと十二音技法を採用するなか、教会旋法の調性を追求し続け、時に「古臭い」と揶揄されたこともあったものの、流行に惑わされることなく自身の音楽を追求し続けたモーザー。2009 年2 月にバーゼル州立音楽院がその功績をたたえようと記念コンサートを催し、この収録がCDとしてリリースされました。注目はクラリネット、ファゴットとコントラバスのためのシュピールムジーク。2009 年の第78 回日本音楽コンクール・クラリネット部門で第1 位に輝いたバーゼル州立音楽院卒の田中香織がリーダーを務め、マーラー・ユーゲントの元首席イタリア人ファゴット奏者ディエゴ・ケンナがサポート。コントラバスのボトンド・コスチャクはフランス国立リヨン管の首席を務めるベテランです。録音:1-21.2009 年2 月22 日〜2 月23 日(作品78 のみ2009 年3 月15 日)スイス・バーゼル州立音楽院ホール
CDX-20506
¥2390
スイスのピアノ五重奏曲集
 1-4.ヨアヒム・ラフ(1822-1882):
  ピアノ五重奏曲イ短調作品 107/
 5.ヨアヒム・ラフ(1822-1882):
  ピアノ五重奏のための幻想曲作品207B (世界初録音)/
 6-9.ヘルマン・ゲッツ(1840-1876):
  ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと
   コントラバスのための五重奏曲ハ短調作品 16
アンサンブル・イル・トリッティコ
<メンバー>
ジョナサン・アレン(ヴァイオリン)/
ダニエル・ペツォッティ(チェロ)/
ヤン・シュルツ(ピアノ)/
デイヴィッド・グリーンリース(ヴィオラ)/
アナヒット・クルティキャン(ヴァイオリン)/
ダリウシュ・ミゼラ(コントラバス)
鍵盤楽器と弦楽器のための室内楽曲が好まれた19 世紀、「4 本の弦楽器とピアノ」という編成は、その楽器バランスと旋律のコンテキストとの調和が非常に難しいものとされ、高度な作曲技術を要するものと考えられていました。このCDには、スイス生まれのヨーゼフ・ヨアヒム・ラフ、ドイツからスイスへと移住したヘルマン・ゲッツというスイスゆかりの二人の作曲家によるピアノ五重奏曲が収録され、いずれの曲にも、19 世紀初頭まで主流であったピアノ三重奏・弦楽四重奏のスタイルをより進化させようとしている試みが散見できます。スイスの音楽評論家ウェルナー・プフィスター氏は「5 人しか奏者がいない編成でコントラバスは敬遠されがちだが、そうせざるをえなかったシューベルトとは違い、ゲッツがあえてその効果を狙ってこの雄弁かつ繊細なバスを存在させたことは、スイス音楽史の大きな転機ともいえる。ミケランジェリの元秘書でオーディオエンジニアリング界で著名なヴォルフラム・ブルゲルトの作る高品質サウンドも聴きどころであり、チョコレート、チーズ、時計につぐスイスの名産となるであろう」とスイスの芸術雑誌ムジーク・ウント・テアーターにレビューを寄せています。「イル・トリッティコ」はジョナサン・アレン(ヴァイオリン)、ダニエル・ペツォッティ(チェロ)、ヤン・シュルツ(ピアノ)によるピアノ三重奏編成。ラフの五重奏に2nd ヴァイオリンとして参加しているのがチューリヒ歌劇場セカンドヴァイオリンのトップを務めるアナヒット・クルティキャン。ヴィオラはイギリス出身でチューリヒ・トーンハレ管の首席であるデイヴィッド・グリーンリースが担当。コントラバスではポーランド出身で、スウェーデン・マルメ響首席、デンマーク国立放送響首席、チューリヒ歌劇場首席を歴任してきたダリウシュ・ミゼラが参加。録音:1-9.2007 年1 月30 日〜2 月2 日 ベルギー、モル、ギャラクシー・スタジオホール

LPO

LPO-0043
(2CD)
\2600→¥2390
ブラームス:
 CD1.交響曲第1 番ハ短調 Op.68/
 CD2.交響曲第2 番ニ長調 Op.73
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)/
ロンドン・フィル
今もなお、数多くの新録音が発売される偉大なるブラームスの交響曲。この激戦区にまた新たな名演を投入いたします。最近活躍が目覚ましい、ロンドン・フィルハーモニーの首席指揮者ユロフスキの斬新な解釈は全ての人をうならせるに違いありません。第1 番の冒頭は、目が覚めるほどの快速テンポでありながらも、ベートーヴェンの時代から連なる、重厚さと苦渋に満ちた表現はしっかり守るというスゴワザをやってのけます。終楽章でのカタルシスも期待通りです。第2 番は全編が流麗さに富み、至るところで様々な啓示が見てとれます。オーケストラの響きも暑苦しくなく、スマートに響かせながらも必要な部分はしっかり聞こえるという素晴らしさ。ドイツのオーケストラとはまた違う柔軟な音色が特色です。録音 2008 年5 月25 日…第1 番、2008 年9 月27 日…第2 番 ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

LPO 1CD¥2400

LPO-0035 マクミラン(1959-):イゾベル・ゴーディの告白 他
 1.マクミラン(1959-):イゾベル・ゴーディの告白/
 2.アデス(1971-):室内交響曲 Op.2/
 3.ヒグドン(1962-):パーカッション協奏曲
カリー・コリン(パーカッション)…3/
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
マクミランの出世作、「イゾベル・ゴーディのために決して歌われることのないレクイエム」です。宗教改革よりも前の時代、ヨーロッパ全土で吹き荒れた「魔女狩り」という風習がありました。今では集団ヒステリーの産物とも考えられていますが、当時のあまりの悲惨な状態は想像するだけで身の毛がよだつほどです。スコットランドでも1560 年から1707 年の間におよそ4500 人の女性たちが裁判にかけられ命を落としました。1662 年、イゾベル・ゴーディは女性13 人で魔女の集会を催したことを告白。その赤裸々な内容は人々に衝撃を与え、結局のところ彼女は棒で殴られ、最期は絞殺されてしまったといいます。この音楽は冒頭では彼女の魂の平安を願うかのような、美しい音楽が与えられていますが、中間部では不協和音と暴力的な音が炸裂、オールソップはスコアを真摯に読み込み、この地獄絵図ともいえる情景を描きだしています。他には、ジャズ的要素もたっぷりのアデスの「室内交響曲」、とびきり楽しいヒグドンの「パーカッション協奏曲」の2 曲。全ての奏者渾身の演奏です!

MARCO POLO

8.225226
\2000
ゴドフスキー(1870-1938):ピアノ作品集第 9 集
 1.アラベスク Op.16-2/2.バルカロール・ワルツ Op.16-4/
 3.ワルツ・スケルツォ/4.ロマンティックな大ワルツ/5.ワルツ・ポエム第 4 番/
 6-11.ショパン作品の演奏会用編曲集
  <ワルツ第12 番ヘ短調 Op.70-2(演奏会用編曲)/
  ワルツ第13 番変ニ長調Op.70-3(演奏会用編曲)/
  ワルツ第9番変イ長調 Op.69-1(演奏会用編曲)/
  ワルツ第8番変イ長調 Op.64-3(演奏会用編曲)/
  ワルツ第6 番変ニ長調 Op.64-1「子犬のワルツ」(演奏会用編曲)/
  ワルツ第1 番変ホ長調 Op.18「華麗なる大ワルツ」による演奏会用パラフレーズ>
コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)
10 本の指の機能を全て駆使し、鍵盤の上から下まで余すことなく使いきることで知られる「ショパンの練習曲に基づく53 の練習曲」を始めとした、ピアノにおける超絶技巧の限界を追求した作品で知られるゴドフスキーの作品集第9 集です。このアルバムのメインは、ショパンのワルツをもとにした編曲集。6 曲のワルツが重厚な音の衣を纏って目の前に立ち現れます。原曲の味わいを残した「演奏会用編曲」と、全く別物に変貌した「演奏会用パラフレーズ」の違いもぜひお楽しみください。ちなみに5 曲のゴドフスキーのオリジナル作品は以外にシンプルですっきりしています。このシリーズをずっと担当している名手シチェルバコフは、今回も煌めくばかりの技巧でこれらの曲を易々と弾き切っています。とはいえ、ゴドフスキの残した膨大なる作品の全容はまだまだ明らかにされていません。前述の「ショパンによる練習曲」の録音も期待したいところです。

MARSYAS

MAR18042
\2600
Different Worlds
 1.サーシャ・アームブリュースター:チントロ/
 2.ハンス・イェルク・ゾンマー:Moos-Ruef/
 3.民謡(ホフステッター編):L'Hioba/
 4.民謡(カッペラー編):美しき夕べの星/
 5.ラビ・アブ=カリル:死す都市の夢/
 6.ジョン・ゾーン:Tiferet/
 7.ジョン・ゾーン:Nevalah/
 8.ジョン・ゾーン:Mahshav/
 9.ジョン・ゾーン:Mikreh/
 10.ラビ・アブ=カリル:アラビアン・ワルツ/
 11.カッペラー/ライリー:インドの道
アルテ四重奏団
1995 年に結成されたアルテ四重奏団は、現代音楽を中心とした革新的なレパートリーを引っ提げて、ヨーロッパ内外で活動を続けています。これまでにも様々な作曲家たちとコラボレーションをし、ワールド・ミュージックからエレクトロニクス、ミニマル・ミュージックからインプリヴィゼーションまでに及ぶ様々なスタイルの音楽を演奏し、高い評価を受けています。このアルバムもとてもユニークなものでまさにジャンルを超えた音が楽しめます。音で綴る旅行記とも言えるこの「DifferentWorlds」は彼らのホームベースであるスイスから始まり、アルペンホルンを模倣したり、民謡を奏でつつ、ジャズを予見させながら、聴き手を中東の豊穣な音世界へと連れていきます。ベイルート生まれのラブ・アビ=カリルの東洋的な不機嫌さを併せ持つ音、ジョン・ゾーンの冷ややかな微笑が混じるジャズっぽい音。最後はライリーの「インド」とミニマルの美しき混成体。4 本のサックスから生まれる摩訶不思議な音に陶酔してください。録音も素晴らしいです。
MAR18052
(SACD-Hybrid)
\2600
American Composers
 1-7.ガーシュウイン(1898-1937):組曲「ポーギーとベス」/
 8-10.バーンスタイン(1918-1990):ピアノ・トリオ/
 11.コープランド(1900-1990):
  ヴィテブスク-ユダヤの主題による習作/
 12-15.ムチンスキー(1929-):ピアノ三重奏第1番 Op.24/
 16.ガーシュウイン:前奏曲第2番
パシフィック・トリオ
<メンバー>
エディト・オルロフ(ピアノ)/
ロジャー・ウィルキー(ヴァイオリン)/
ジョン・ウォルツ(チェロ)
1939 年にハーバード大学、カーティス音楽院を卒業した若きバーンスタインは、並々ならぬ野心を友人であるコープランドに向けて手紙にしたためました。「既存の民謡に頼ることなく、新しい形式でアメリカの精神を示すこと」この考えに同調したのは、当時ほんの数人の作曲家でしたが、彼が予知したその精神はガーシュウインやコープランド、そしてポーランド系の作曲家ムチンスキーに拠って顕在化されました。モダンな響きとスタイリッシュなメロディ。ジャズなど多ジャンルの様式を巧みに取り入れた作品は、今聴いても常に新しさを感じさせてくれます。演奏しているのは、1979 年に設立されたパシフィック・トリオ。1986 年にリンカーン・センターでニューヨークデビューを飾った彼らは、ブラームス、ショスタコーヴィチを始めとした作品の演奏で高く評価されていますが、今回のアメリカ音楽集に於いても、その確固たる解釈は冴え渡っており、これらの音楽を彼ら以上に適切に演奏できる団体は他にはないと言ってしまっても過言ではないかと思われます。
MAR18062
(SACD-Hybrid)
\2600
リスト(1811-1886):歌曲全集第 1 集
 1.やさしく響け、私の歌…*/
 2.もし美しい芝生があるなら/
 3.わが子よ、もし私が王だったら/
 4.どうした、と彼らは言った/
 5.はじめはがっくりと気を落として/
 6.毎朝私は起き、そして問う/
 7.ラインの美しい流れのほとり/
 8.唐檜の木はひとり立つ/
 <ペトラルカの3 つのソネット>/
 9.平和は見いだせず…*/
 10.その日までいつくしみくださる…*/
 11.私は地上に天使のような姿を見た…*/
 12.ノンネンヴェルトの僧房/
 13.神様がともにおられますように!/
 14.さまよえるユダヤ人…*/
 15.愛の喜びの中で私は死んだ/
 16.幸せな日に戻る/17.気高き愛/
 18-20.ヴィルヘルム・テルの歌
  <漁師の子ども/羊飼い/アルプスの狩人>/
 21.金色の髪の天使*…初録音
アドリアン・エレード(バリトン)/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
2011 年はフランツ・リストの生誕200 年です。それを記念してMARSYAS は彼の歌曲の全てを6 枚のCD でリリースいたします。リストと言うと、煌びやか過ぎるピアノ曲が頭に浮かんでしまいますが、歌曲はもっと内省的なもので、ピアノ・パートにも過剰な装飾は施されていません。しかしながらメロディの美しさは特筆物で、宗教曲とともに、彼の本質が全て表出されている素晴らしい作品揃いです。また、リストは自作を様々な形に改定を施したため、良く知られている曲にも幾つかの版違いが存在します。この第1 集に収録されている、有名な「ペトラルカのソネット」もそんな作品です。何気なく聴いていると、全く違うメロディになって戸惑うことがしばしばです。オーストリア生まれのバリトン、エレードはブリテンのオペラ「ビリー・バッド」でデビュー後、ウィーン国立歌劇場を始めとした世界中のオペラハウスで歌っている名手です。伸びやかで艶のある高音と、深い表現力は多くの指揮者たちにも愛されています。彼の歌うリストは狂おしいまでに魅惑的です。
MAR18072
(SACD-Hybrid)
\2600
リスト(1811-1886):歌曲全集第 2 集
 1.愛とはいかに(第1 稿)…*/2.ミニョンの歌/
 3.喜びに満ち、悲しみに満ち/4.昔テューレに王がいた/
 5.汝天上にある者/6.山々に憩いあり/7.ローレライ/
 8.愛とはいかに(第2 稿)…*/9.彼は私を深く愛してくれた/
 10.墓とばら/11.おお、さらばなぜ…*/
 12.愛とはいかに(第3稿)…*/13.漁師の娘…*/
 14.孤独…*/15.私は花輪を編むつもりだった…*/
 16.祈り/17.愛の喜び/18.別れ/19.私を休ませて/
 20.昼間のざわめきは鎮まり*…初録音
ヤニナ・ベヒレ(メゾ・ソプラノ)/
チャールズ・スペンサー(ピアノ)
リストの歌曲全集第2 集です。こちらも初録音が多く含まれています。第3 稿まである「愛とはいかに」は、リストが1840 年代の初めに親密な関係を持っていた女優、シャルロット・フォン・ハーグンの詩によるオペラティックな歌曲です。第1 稿は1843 年頃に書かれましたが、その後に彼が手を加え、第2 稿は1855 年頃、第3 稿は1878 年頃に完成されています。リストの作曲様式の変遷、および深まる表現力を目の当たりにできる貴重な作品と言えるでしょう。ここで見事な歌唱を聴かせるのは、以前MARSYAS からフランス歌曲をリリースしているヤニア・べヒレ。2004 年からウィーン国立歌劇場のメンバーとなり、「この上なきオルトルート」歌いとして称賛されていますが、しかし彼女はオペラよりも、どちらかと言うとコンサートに力を入れていて、マーラーの交響曲第2番や「大地の歌」のソリストとしても高い表現力で聴衆を圧倒しています。彼女は幅広いレパートリーを有していて、このリストの歌曲でも強靭な声とベルベットのようなピアニシモを生かした劇的な表現を聴かせてくれています。

NAXOS 1CD¥1100

8.572246 期待の新進演奏家シリーズ/マイケル・アンガーオルガン・リサイタル
 1.ブクステフーデ(1637?-1707):
  前奏曲とフーガホ短調 BuxWV142/
 2.J.S.バッハ(1685-1750):「バビロン川のほとりに」BWV653/
 3.J.S.バッハ:「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」BW662/
 4.J.S.バッハ:前奏曲とフーガイ短調 BWV543/
 5.リテーズ(1909-1991):12 のオルガン小品より
  第1 番「前奏曲」/
 6.リテーズ:前奏曲と舞踏フーガ/
 7.ヴィドール(1844-1937):オルガン交響曲第7 番 Op.42-3 より第 2 楽章/
 8.メシアン(1908-1992):主の降誕より
  第 9 曲神はわれらのうちにいましたもう
マイケル・アンガー(オルガン)
武蔵野市国際オルガンコンクールは4 年に1 回開催され、この2008 年が第6 回目にあたるアジア唯一のオルガン国際コンクールです。27 カ国から152 名のエントリーがあり、この激戦を勝ち抜いたのがカナダ生まれのマイケル・アンガーでした。彼はすでにアメリカやオランダでのコンクールで高い評価を受けていて、今回の武蔵野でもその手腕を存分に発揮した形となりました。この演奏は優勝後すぐに録音されたもので、ブクステフーデの劇的な作品に始まり、最後はメシアンで締めくくるという絶妙のプログラム。大いなる将来性に期待できる演奏家の誕生を目の当たりにする、静かな興奮に満ちた1 枚と言えるでしょう。
8.572093 ラヴェル・レスピーギ・グラナドス:ヴァイオリン・ソナタ集
 1-3.ラヴェル(1875-1937):ヴァイオリン・ソナタト長調/
 4-6.レスピーギ(1879-1936):ヴァイオリン・ソナタロ短調 P.110/
 7.グラナドス(1867-1916):ヴァイオリン・ソナタ
フレデリーケ・サイス(ヴァイオリン)/
モーリス・ランメルツ・ファン・ビューレン(ピ
アノ)
20 世紀の偉大なる作曲家3 人のあまり知られていないヴァイオリン・ソナタを3 曲集めたアルバムです。ラヴェルのソナタは厳粛な美と悦楽のブルースの幸せな出会いの歌。彼の最後の室内楽曲として知られます。レスピーギの作品はこんなにも素晴らしいのに、必要以上に軽視されてしまっています。グラナドスの単一楽章のソナタはスペインの民俗音楽とロマン派音楽の美しき融合です。演奏しているサイスはオランダ出身の若手女性奏者。2005 年ロン・ティボー国際コンクールの覇者です。しなやかな音楽性が魅力的です。
8.572096 ガルビス:チストゥとピアノのための作品集
 1-6.古き時代のサン・ゼバスティアンの6 つの歌(チストゥとピアノ編)
  <サン・セバスチャン通りへ/太った牛の歌/日没/
   かわいい女の子/赤ん坊/ヨゼフの子守歌>/
 7-9.バスク組曲第 1 番/
 10-13.バスク組曲第 2 番/
 14-17.4 つのゾルツィコ
  <手入れの行き届いたエントランス/聖ジョンの日のゾルツィコ/
  樫の木とオンブの木/赤いショールの女の子>/
 18-19.山の影/
 20-23.4 つの伝統的なギプコアの踊り(チストゥとピアノ編)
 <剣の踊り/市長の行進曲/若者たちの踊り/
  果樹園の中のイチジクの木>/24.お集まりの皆様に挨拶を!
ホセ・イグナシオ・アンソレーナ(チストゥ&タンブリル)/
アルバロ・センドージャ(ピアノ)
さてさて。「チストゥって何?」と思われた方も多いのではないでしょうか?これはバスクに伝わる舞曲用の小型のフルートです。3 つの穴を持ち片手で演奏できるため、空いたもう片方の手で打楽器などが演奏可能という優れものです(ちなみにビゼーの「アルルの女」の“ファランドール”で使われるガルベも同種の楽器です)。バスクの作曲家ガルビス(1901-1989)は、鄙びた音色を持つこの楽器とピアノ、そして、こちらもバスクの特有の楽器であるタンブリル(双頭のドラム)の音色を合わせ、実に楽しい音楽を作り上げました。ここで演奏しているのは、バスク地方で最も名高いチストゥ奏者(タンブリル奏者でもあります)ホセ.I.アンソレーナ。聴いているだけで元気になれそうな楽しい1 枚です。
8.570881 マリピエロ:交響曲集第 4 集
 1-4.交響曲第 7 番「カンツォーネ風」/
 5.1 つのテンポによる交響曲/
 6-9.シンフォニア・ペル・アンティジェニーダ
  8.223604 MARCO POLO より移行盤
モスクワ交響楽団/
アントニオ・デ・アルメイダ(指揮)
イタリアの近代作曲家、マリピエロ(1883-1973)は番号なしの作品も含めると、全部で17 曲もの交響曲を書いています。ここに収録された第7 番を書いたあと、彼は少しの間番号なしの「シンフォニア」を書くことで自身の思いを整理したと言われていますが、この第7 番も随分変わった佇まいの印象的な作品で、とりわけ重厚な第2 楽章はレスピーギ好きにも一度は聴いていただきたいところです。シンフォニア・ペル・アンティジェニーダとは古代のテーベのpiffero 吹き(木製のピッコロ)のシンフォニアの意味。複雑な構成の曲ですが、タイトル通りに笛が自由自在に歌うところが聴きものです。
8.559606 フェトラー(1920-):ヴァイオリン協奏曲第 2 番 他
 1-3.ウォルト・ホイットマンの3 つの詩
  <私は歩く、夜にそっと成長する/
 叩け、叩け、ドラムよ/ああ、幼い子から>/
 4.カプリッチョ/
 5-7.ヴァイオリン協奏曲第 2 番
トーマス・H・ブラスケ(ナレーター)…1-3/
アーロン・ベロフスキー(ヴァイオリン)1-3.5-7/
アナーバー交響楽団/
アリー・ピプスキー(指揮)
1976 年、アメリカ建国200 年を記念して作曲された「3 つの詩」。スクロヴァチェフスキの指揮、ミネソタ管弦楽団によって初演され高く評価された作品です。ウォルター・ホイットマンの詩から喚起された音楽とナレーターによる朗読は私たちに新たな世界を提示してくれます。夜の気分を湛えた暗く静かな最初の曲。激しい叫びを伴う、鋭敏なリズムに支配された恐ろしげな第2 曲。そして美しいヴァイオリンのソロに彩られた煌めく光を伴う第3 曲と、どれも表情豊かで叙情的な側面を備えた、現代における美しい夜想曲と言えそうです。東ヨーロッパのエキゾチックな雰囲気を持つヴァイオリン協奏曲も夢を見るような甘さを持っています。
8.572153 マルケヴィチ:管弦楽作品集第 3 集
 1.愛の歌/
 2-8.イカロスの飛翔
  <前奏曲/青少年の試合-知識の目覚め/
  イカロスは研究のために2 羽の鳩を捕える/
  イカロスは肩に羽をつけ、飛ぼうとする/
  イカロスは飛翔する/しかし彼は落下する/
  イカロスの死>/
 9-11.合奏協奏曲
アルンヘム・フィルハーモニー管弦楽団/
クリストファー・リンドン=ジー(指揮)
MARCO POLO で大好評!早熟過ぎた天才指揮者、マルケヴィチ(1912-1983)の管弦楽作品全集第3 集のNAXOS 移行盤が登場です。各々の作品に見られる切れ味鋭い才能の表出を心行くまでご堪能ください。大作であるバレエ音楽「イカルスの飛行」、1933 年にこの曲が初演された時、あまりの大胆さに会場は騒然となりました。そこに居合わせたミヨーは「音楽が発展した日」と宣言したというからスゴイものです。スクリャビンのカオスをより濃厚にした感のある「愛の歌」での言葉にならない「むず痒さ」もたまりません。「合奏協奏曲」はこの録音が世界初。発売当時大変な話題となったものです。
8.572342 サザン・ハーモニー
 1.カバレフスキー(1904-1987):歌劇「コラ・ブルニョン」より
  序曲(D. ハンスバーガーによる吹奏楽編)/
 2-4.スティーヴンス(1951-):3 楽章の交響曲/
 5-8.グランサム(1947-):サザン・ハーモニー/
 9.ローリゼン(1943-):「おお、大いなる神秘」
  (H.R. レイノルズによる吹奏楽編)/
 10.コープランド(1900-1990):エル・サロン・メヒコ
  (E. ズヴァーノによる吹奏楽編)
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニー/
ラッセル・C・ミッケルソン(指揮)/
リチャード・L・ブラッティ(指揮)…1のみ
オハイオ州立大学ウィンド・シンフォニーは現在最も素晴らしいと評されるアンサンブルです。彼らはミッケルソン教授の下、日夜新たなレパートリーの拡充に励んでいます。今回のNAXOS への録音は、これまた吹奏楽ファンにはたまらない選曲となっています。カバレフスキーの最初のオペラである「コラ・ブルニョン」の序曲での溌剌としたリズムと多彩な音色が見事なまでに再現されているのを聴いて驚かない人はいないでしょう。また、誰もが知っているコープランドの「エル・サロン・メヒコ」も最初からこの編成で書かれていたと思わせるほどの見事な演奏。もちろん神聖さに満ちたローリゼンの作品も素晴らしい出来栄えです。スティーヴンスとグランサムの曲はオリジナルです。楽しさに満ちたスゴイ1 枚です。
8.570958 ローデ:練習曲の形式による24 のカプリース
 1.ハ長調/2.イ短調/3.ト長調/4.イ短調/5.ニ長調/
 6.変ロ短調/7.イ長調/8.嬰ヘ短調/9.ホ長調/10.嬰ハ短調/
 11.ロ長調/12.嬰ト短調/13.変ト長調/14.変ホ短調/
 15.変ニ長調/16.変ロ短調/17.変イ長調/18.ヘ短調/19.変ホ長調/
 20.ハ短調/21.変ロ長調/22.ト短調/23.ヘ長調/24.ニ短調
アクセル・シュトラウス(ヴァイオリン)
1774 年、ボルドーで生まれたローデ(1774-1830)は13 歳の時にパリへ行き、すぐにヴィオッティの愛弟子となりました。恐らく1790 年にデビューを飾り、オーケストラにも参加するようになります。以降様々な音楽家と知り合いになった彼はヨーロッパ全土で演奏会を行い、またヴァイオリンのための作品を数多く作曲、後進の演奏家たちにも多大なる影響を与えました。この24 のカプリースは、彼の代表作として知られ、今でもヴァイオリンを学ぶ人たちがパガニーニを演奏する前段階の練習曲として愛用しています。技術だけでなく旋律美に溢れた良質の作品です。
8.572315 ロッシーニ:ピアノ作品全集第 3 集
 老いのいたずら第 5 集「幼い子供たちのためのアルバム」
  1.最初の聖体拝受/2.素朴なテーマと変奏、同じく…/
  3.イタリアのサルタレッロ/4.ムーア風前奏曲/
  5.憂鬱なワルツ/6.すぐに効く鎮痛剤/
  7.イタリア風無邪気さ、フランス風純真さ/8.痙攣した前奏曲/
  9.1861 年度のヴェネツィアの潟の干満!/
  10.やれやれ!小さなえんどう豆よ/
  11.バター炒め/12.ロマンティックな挽き肉料理
アレッサンドロ・マランゴーニ(ピアノ)
大好評!ロッシーニ(1792-1868)の知られざるピアノ作品を集めたアルバムの第3 集です。第1 集(8.570590-91)、第2 集(8.570766)で素晴らしい演奏を披露したマランゴーニの美しいタッチはここでも健在。ロッシーニのユーモアに満ちた小さな曲たちを、どれも表情豊かに聴かせてくれています。どの曲も興味深いのですが、とりわけロッシーニらしいのが10 曲目から12 曲目の3 つの作品。グルメで知られる彼らしく、大好きな食べ物を賛美した内容となっています。えんどう豆について曲を書くなんて、あのサティも顔負けのユニークさ。こんな楽しい曲集がなぜあまり知られていないのか不思議なところです。
8.570781 リゲティ:弦楽四重奏曲集
 1-4.弦楽四重奏曲第 1 番「夜の変容」(1953-54)/
 5-9. 弦楽四重奏曲 第 2 番(1968)/
 10-11.アンダンテとアレグレット(1950)
パーカー弦楽四重奏団
<メンバー>
ダニエル・チョン(第1 ヴァイオリン)/
カレン・キム(第2 ヴァイオリン)/
ジェシカ・ボドナー(ヴィオラ)/
キム・キー=ヒュン(チェロ)
よく「猟奇的」と評されるリゲティ(1923-2006)の音楽。しかし彼の多彩な音楽を表現するにはこんな言葉で足りるはずがありません。例えば「2001 年宇宙の旅」で使われたいくつかの彼の音楽は、作曲家の名前を知らずとも、映画を見た人には強烈なインパクトを与えているはずです。ここに収録された弦楽四重奏曲はリゲティの作品の中では、あまり知名度の高いものではありませんが、作曲家の特性を存分に伝えてくれることでしょう。初期に書かれた「アンダンテとアレグレット」はシェーンベルクを思わせる驚くほどメロディアスな作品です。
8.559629 エイト・ヴィジョンズ〜フルートとピアノのための現代作品集
 1.ケンジ・ブンチ(1973-):ベロシティ/
 2.モラヴェック(1957-):ナンシーの歌/
 3-5.陳怡(1953-):西南小曲三首(西南の3 つの小バラード)/
 6.レオン(1943-):アルマ/
 7.ベグラリアン(1958-):私はこの世界で悲しくなることはないだろう/
 8-9.サンフォード(1963-):クラトカ・スティル/
 10.ヒュイ(1966-):トレース/
 11-14.ローレム(1923-):「4 人の祈る人」
マーリャ・マーティン(フルート)/
ヴァレンタイン・コレット(ピアノ)
国際的なキャリアを誇るニュージーランド生まれのアメリカ人フルーティスト、マリア・マーティン。このアルバムには彼女のために書かれた8つの作品が収録されています。フルートのレパートリーを拡大させることと、現代音楽の幅広い可能性を聴き手に届けることに熱心な彼女。その姿勢に賛同した作曲家たちの書き起こした多彩な作品。それはジャズ風であったり、また他の曲は中国の民謡からインスピレーションを得ていたりと本当に興味深いものばかりです。現代の作曲家たちの才能を感じつつ、フルートとピアノの奏でる変幻自在な音風景に身を委ねる幸せを味わってみてください。「現代音楽は苦手」という人でも大丈夫。
8.570524 ゲーゼ:ヴァイオリン・ソナタ第1 番-第3 番
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ第 1 番イ長調 Op.6/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ第 2 番ニ短調 Op.21/
 7-10.ヴァイオリン・ソナタ第 3 番変ロ長調 Op.69
ハッセ・ボロプ(ヴァイオリン)/
ヘザー・コナー(ピアノ)
ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ(1817-1890)(ガーデと表記することもあります)は、デンマークの作曲家・指揮者・音楽教師です。コペンハーゲンの王室オーケストラでヴァイオリン奏者として活動を開始、自作の交響曲を演奏しようと楽譜を提出したのですが、そこでの演奏を拒否されてしまいました。失意を味わったゲーゼは、その楽譜を何とメンデルスゾーンに送ったところ、大好評を持って迎えられライプツィヒで初演してもらうことができたといいます。そんな彼の作品は恩人の影響を受けつつも、北欧の民謡を随所に取り入れた印象深いものばかり。とりわけこれらのヴァイオリン・ソナタに見られる旋律美は他の誰にも真似し得ないほどの光を放っています。
8.572159 ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲集
 1-3.ピアノ四重奏曲ニ長調 Op.23/
 4-7.ピアノ四重奏曲変ホ長調 Op.87
ヘレナ・シュチャロヴァ=ウェイセル(ピアノ)
ドヴォルザーク(1841-1904)の室内楽作品の中でも、これらのピアノ四重奏曲はほとんど知られていません。しかしこの2 曲の完成度の高さには目を見張るものがあります。1875 年、34 歳の時に作曲した第1 番は、同じ年に書かれたピアノ三重奏曲と合わせ、彼が音楽家として輝かしい経歴を歩み始めた頃の意欲溢れる作品です。冒頭からめまぐるしく長調と短調のメロディが入れ替わり、落ち着かない気分の中にひっそりと忍びこむ懐かしい郷愁がたまりません。第2 番は1889 年の作品。こちらはチャイコフスキーと親交を結んだ時期で、曲も一層の叙情性を帯びています。洗練された土臭さとも言える独特の風情がたまりません。
8.572238 ロゲール:室内楽作品集
 1-3.クラリネット五重奏曲 Op.116/
 4-6.ピアノ・ソナタ Op.43/
 7-9.ピアノ三重奏曲 Op.77/
 10.アイルランド民謡による変奏曲 Op.58
ロバート・プレーン(クラリネット)…1-3/
ルーシー・グールド(ヴァイオリン)…1-3.7-9/
ミア・クーパー(ヴァイオリン)
…1-3/デイヴィッド・アダムス(ヴィオラ)…1-3/
アリス・ニアリー(チェロ)…1-3.7-10/
エミリー・バイノン(フルート)…10/
ベンジャミン・フリス(ピアノ)…7-10
1895 年、オーストリアで生まれウィーンで育ったロゲール(1895-1966)は、シェーンベルクの下で学び1923 年から1938 年まではウィーンの音楽院で教鞭をとりました。しかしその後アメリカに行き、1945 年にはアメリカ国籍を取り、ニューヨークとワシントンで活動を始めます。彼の作品は多くの演奏家たちに支持され、例えば名指揮者クーベリックやE.ラインスドルフらが積極的に彼の作品を演奏会で取り上げています。作風は後期ロマン派の挑発的な和声と保守的な形式をうまくミックスさせたもので、曲によってはまるでブラームスの作品のような渋い佇まいを有しています。また「アイルランド民謡による変奏曲」は1939 年にアイルランドを訪問した際の強い印象を表現したもので、フルートの郷愁に満ちた音色が耳に残ります。ここでフルートを演奏しているバイノンはロイヤル・コンセルトヘボウの首席奏者。NAXOS 初登場となります。
8.572446 ヒル:弦楽四重奏曲集第 3 集
 1-4.弦楽四重奏曲第5 番変ホ長調「同盟国」
 <芸術的に/シンコペーション/ロマンティック/航海>/
 5-8.弦楽四重奏曲第7 番イ長調/
 9-12.弦楽四重奏曲第9 番イ短調
ドミニオン弦楽四重奏団
オーストラリアの作曲家、アルフレッド・ヒル(1869-1960)の弦楽四重奏曲第3 集です。彼は1880 年代の終わりにライプツィヒで学び、ドイツの伝統にオーストラリアの味付けを施したいくつかの作品を作曲。これらは一度聴くと忘れられない強烈な印象を残しています。今回の作品も面白い物ばかりですが、表題付きの第5 番はとりわけユニークです。4 つの楽章はそれぞれ、フランス、アメリカ、イタリア、イギリス(第1 次大戦中に同盟国だった国家)を表していて、後に交響曲第11 番として書き直されたものです。国としてのキャラクターが強く出ているわけでもありませんが、こういう考え方もあるんだな。と面白く聴くことができるでしょう。第7 番は荘厳に始まり、第9 番はゆったりと始まり、少しだけ印象派の香りを感じさせる音ですが、旋律は決して乱れることもなく常に平穏な世界に終始します。安心してお聴きいただける美しい作品です。
8.570453 J.S.バッハ:ソプラノ独唱のための宗教カンタータ集
 1-6.「いつわりの世よ、われ汝に頼らず」BWV52/
 7-11.「我はわが幸いに心満ちたり」BWV84/
 12-19.「わが心は血にまみれ」BWV199/
 20-24.「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」BWV51
シーリ・カロリーン・ソーンヒル(ソプラノ)/
ケルン・バッハ・ヴォーカル・アンサンブル…1-11/
ケルン室内管弦楽団/
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(指揮)
J.S.バッハ(1685-1750)の200 ほどの教会カンタータの中でもとりわけ有名な「もろびとよ歓呼して神を迎えよ」を含む4 曲のソプラノ独唱のためのカンタータです。これらの作品は歌い手の美声を味わうとともに、実はソロ・トランペットの妙技を心行くまで堪能する曲でもあり、また、ヴァイオリン、ヴィオラ、オーボエの美しいオブリガードを聴く曲でもあります。シーリ・カロリーン・ソーンヒルはイギリス生まれのノルウェイのソプラノ歌手。すでにクイケンを始めとした多くの指揮者とのバッハのカンタータや、ブラームスのドイツ・レクイエムなどの録音で高い評価を受けています。透き通った湧水のような清冽な歌声です。
8.570824 クレスウェル:声の内部で
 1-7.声の内部で<祈り/スケルツォⅠ/活発に/
 ゆっくり動いて/スケルツォⅡ/埋葬/嘆願>/
 8.アラス!ハウ・スイフト/
 9-13.カサンドラの歌
  <カサンドラの嘆き/昼と夜/
  私に神の歌を教えてください/カサンドラの贈り物/追放>/
 14.カエア
マドレーヌ・ピラード(メゾ・ソプラノ)…1-7.9-13/
ヴェサ=マッティ・レッパネン(ヴァイオリン)…1-7/
マイケル・カーガン(トランペット)…8/
デヴィッド・ブレムナー(トロンボーン)…14/
ニュージーランド交響楽団/
ジェイムス・ジャッド(指揮)
ニュージーランド、エディンバラ生まれのクレスウェル(1944-)は管弦楽曲から教会音楽まで、幅広い作品を書くことで広く注目されています。この「声の内部で」はソプラノとヴァイオリンそして管弦楽との刻一刻を移り変わる関係を音で描いた作品。注意深く聴くことで、その繊細な世界が見て取れる曲です。「私の声、あなたの声」のリフレインが強く心に残ります。カサンドラの歌は、スコットランドの詩人ロン・バトリンの詩を用いた歌曲集です。「カエア」はマオリ族の木製トランペットの名前。戦いの時に敵を恐れさせ、かつ戦士たちの士気を上げるために用いられる楽器です。曲名の通り心が浮き立つ音楽です。
8.570981 メンデルスゾーン=ヘンゼル:歌曲集第 1 集
 1-6.6 つの歌曲集 Op.1
  <鳥の歌/さすらい人の歌/
  なぜバラはこんなに青ざめているのか/五月の歌/
  朝のセレナード/ゴンドラの歌>/
 7-12.7 つの歌曲集 Op.7
  <夜のさすらい人/エルヴィーン/春/君は憩い/どうぞ/君はわが心>/
 13-17.5 つの歌曲集 Op.10
  <南に/非難/夕べの情景/秋に/山のよろこび>/
 18-23.アイヒェンドルフ歌曲集
  <沈黙/異国の人の愛/夢/夜は静かな海のよう/
   私は何度でも気分良く歌うことができる/秋に>/
 24-26.面影
  <晴れた日の小鳥/ああ、どうやって来るの/森へ逃げることはできるから>
ドロテア・クラクストン(ソプラノ)/
バベッテ・ドルン(ピアノ)
歌曲やピアノ曲など 500 以上も作品を残したにもかかわらず、弟フェリックスの光り輝く天才の影に隠れてしまったファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(1805-1847)の愛すべき歌曲の登場です。彼女が愛した詩人たち、主にゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフなどの詩に感性豊かな曲をつけた彼女の才能を改めて賛美いたしましょう。繊細で内省的で叙情的。とロマン派音楽の特徴を全て兼ね備えた珠玉の作品を歌うのはクラクストン。クララ=シューマンの歌曲集(8.570747)でも胸ふるえる歌唱を聴かせてくれた名ソプラノです。
8.572189 メシアン:歌曲集「ハラウィ」他
 1-3.3 つのメロディ<なぜ?/ほほえみ/帰らぬ許嫁>/
 4-15.ハラウィ-愛と死の歌
  <お前,眠っていた街よ/おはよう、緑の鳩よ/山々/
   ジャン・ドゥ・チル/ピルーチャの愛/惑星の周期運動/別れ/
   シラブル/階段は太陽の姿を繰り返し語る/
   愛する星の鳥/星になったカチカチ/闇の中に>
エトナ・レジツェ・ブルーン(ソプラノ)/
クリストファー・ニーホルム・ヒルディグ(ピアノ)
メシアン(1908-1992)の2 つの連作歌曲集を。実はどちらの曲も、彼が大切にしていた家族の損失が作曲のモティベーションとなっているのです。「3 つのメロディ」は3 年前に亡くなった彼の母親への思いが結晶したもの。そして「ハラウィ」は最初の妻クレア・デルボスが詩に至る病を得た頃に書かれたもの。しかし、どちらの作品にも失意の念はなく、あるのは限りない希望と法悦の感覚だけ。メシアンにおける「死」と「愛」の感覚が端的に感じられる名作と言えるでしょう。煌びやかなピアノ・パートと色彩感豊かな声の饗宴、そして感覚が麻痺するほどに強烈な言葉遊びをどうぞお楽しみください。
8.572438 魅惑のバリトン〜ラド・アタネリ、オペラ・アリアを歌う
 1.ヴェルディ(1813-1901):「アッティラ」より
  第2 幕「フン族と休戦だ...永遠の美しい栄光の頂から...
   私の運命のさいは投げられた」/
 2.ロッシーニ(1791-1868):「セヴィリヤの理髪師」より第1 幕「私は町の何でも屋」/
 3.モーツァルト(1756-1791):「フィガロの結婚」より
  第3 幕「裁判は勝った!と…こちらが指をくわえて」/
 4.モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」より第2幕「さあおいで、窓辺へ」/
 5.モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」より第1 幕「酒の歌」/
 6.ドニゼッティ(1797-1848):「ランメルモールのルチア」より
  第1 幕「無残な、縁起でもない」/
 7.ドニゼッティ:「ラ・ファヴォリータ」より
  第2 幕「だが、邪な者どもの嫉妬と怒りは私の頭上に…
   よいかレオノーラ、そなたの足下に」/
 8.ヴェルデイ:「エルナーニ」より第3 幕「私の青春時代の」/
 9.ヴェルディ:「シチリアの夕べの祈り」より第3 幕「富を手にして」/
 10.レオンカヴァッロ(1857-1919):「ザザ」より
  第2 幕「良いザザ、私の良き時間」/
 11.マスネ(1842-1912):「エロディアード」より第2 幕「はかない幻」/
 12.ビゼー(1838-1875):「カルメン」より
  第2 幕「皆さんに乾杯をお返しします(闘牛士の歌)」/
 13.アラキシュヴィリ(1878-1953):
  ショタ・ルスタヴェルツェの伝説より「神に感謝せん」
ラド・アタネリ(バリトン)/
ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団/
ロドヴィコ・ツォッケ(指揮)
近年急速に評価が高まっているグルジア出身のバリトン歌手ラド・アタネリの NAXOS デビュー盤です。彼はこのアルバムのためにヴェルディからマスネまで様々なオペラのアリアを選び見事なまでにキャラクターを歌い分けています。91 年にはバルセロナ国際声楽コンクール、続いてウィーンのヴェルヴェデーレ国際声楽コンクールにも入賞し世界的に注目を浴びた彼は、すでにムーティ、コンロン、レヴァインなど著名な指揮者の下で数多くのオペラを歌いその実力は証明済み。ここでも艶やかな美声を存分に聴かせてくれています。ヴェルディを得意としていますが他の役柄もばっちり。ぜひ押さえておきたい人です。
8.572469 マニング:マンチェスター・キャロル
 1.キャロル・シンガーズ・キャロル/2.素晴らしい語り/
 3.待降節のキャロル/4.クリスマスの花/5.受胎告知/
 6.クリスマス・ツリー/7.レット・イット・ビー・コールド/8.奇跡/
 9.天使/10.新しい子どもが生まれた/11.藁の金/
 12.メアリーのキャロル/13.子どもたちの名/
 14.それをナザレスと呼ぶ/15.我は信ず/16.今の歌
マンチェスター・キャロラーズ/
ノーザン室内管弦楽団/
リチャード・タナー(指揮)
2007 年に作曲された、21 世紀の新しい時代のクリスマスの歌です。サシャ・ジョンソン・マニング(1963-)は、「どんなに世界は変わって行こうとも、感謝と謙虚さを失わず、常に純真な心を大切にしよう」という願いをこれらの愛らしい歌に込めたと言います。子ども時代の発見と驚きを見失いがちな大人のための音で聴く絵本です。そっとお手元に。
8.660261-62
(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「マリア・ストゥアルダ」全曲
CD1:
 1-12.第1 幕/13-22.第2 幕/
CD2:
 1-15.第3 幕 NAXOS DVD 2.110268 と同内容
エリザベッタ…ラウラ・ポルヴェレッリ(Ms)/
マリア・ストゥアルダ…マリア・ピーア・ピシテッリ(S)/
アンナ・ケネデ
ィ…ジョヴァナ・ランツァ(Ms)/
レスター伯ロベルト…ロベルト・デ・ビアージョ(T)/
ジョルジョ・タルボ…シモーネ・アルベルギーニ(B)/
グリエルモ・セシル卿…マリオ・カッシ(B)/
マルキジアーナ・フィルハーモニー管弦楽団/
「ベッリーニ」マルキジアーノ合唱団/
リッカルド・フリッツァ(指揮)
ドニゼッティ(1797-1848)のこのオペラは、悲劇の運命に弄ばれた女王メアリーと、彼女のいとこエリザベス1 世の息詰まる女同士の心理戦を描いた名作です。プライドと恋心を天秤にかけ、お互いに相手をぐいぐい追い詰めていく場面は思わず手に汗を握ることでしょう。今までにもマリブランやグルベローヴァ、そしてバルツァらがこのヒロインたちを歌っていますが、今回の若き2 人の歌手ポルヴェレッリとピシテッリも、上品さと激しさを兼ね備えた素晴らしい歌を聴かせてくれます。フリッツァの引き締まった指揮による端正な音楽も聴きどころです。
8.660268-69
(2CD)
J.シュトラウス2 世:歌劇「ヴェネツィアの一夜」全曲
 CD1:
  1.序曲/2-9.第1 幕/10-14.第2 幕/
 CD2:
  1-3.第2 幕続き/4-9.第3 幕/
  《オーケストラ小品集》
   10.ポルカ・フランセーズ「パッパコーダ」Op.412/
   11.ポルカ・マズルカ「アンニーナ」Op.415/
   12.ポルカ・シュネル「私たちは平気!」Op.413/
   13.ポルカ・フランセーズ「サンマルコの鳩」Op.414/
   14.入り江のワルツ Op.411/15.カドリーユ Op.416
ウルリーノ公爵…ダニエル・バッカード(T)/
カラメッロ…ピエール・ギルベール(T)&
ユーハン・クリステンソン(T)/デラ
クゥア…エリカ・アンダーソン(Ms)&
アンナ・ラーシュドッター・ペルソン(Ms)/
バルバラ…アンナ・ラーシュドッター・ペルソン(Ms)/
アンニーナ…メレーテ・L・メイヤー(S)&
アンナ=マリア・クレーヴェ(S)&
クリスティーナ・ハンソン(S)/
パッパコーダ…ヘンリク・ホルムベルグ(T)/
コーロ・ノットゥルノ/
ストックホルム・シュトラウス管弦楽団/
ミカ・アイケンホルス(指揮)
J.シュトラウス2 世(1825-1899)の9 番目のオペレッタとして作曲された「ヴェネツィアの一夜」は1883 年のベルリンのヴィルヘルム市立劇場で初演。興業的には大失敗でしたが、台本を手直しし改作して臨んだウィーン初演では大成功を収めました。好色なウルビーノ公爵がカーニバルにやってくると聞いて、ヴェネツィアの上院議員たちは大慌て。とりわけ若く美しいバルバラを妻にしたばかりのデラクゥアは色目を使われるのでは。と心配でなりません。そこで妙案を考えたデラクゥア。さて、彼の思惑はうまくいくのでしょうか?他愛もないドタバタ喜劇ですが、横溢するメロディは極上なものばかり。さすがワルツ王の面目躍如です。おまけに入っているのは2008 年のストックホルムのニューイヤーコンサートの抜粋です。
8.572458 ラフマニノフ:交響曲第 2 番ホ短調 Op.27 他
 1.ヴォカリーズ Op.34-14(管弦楽版) /
 2-5.交響曲第 2 番ホ短調 Op.27
デトロイト交響楽団/
レナード・スラットキン(指揮)
今更何の説明も要らない超名曲を、名指揮者スラットキン&デトロイト交響楽団の華麗なる演奏で。1897 年に満を持して発表した「第1 交響曲」の初演が大失敗に終わってしまったラフマニノフ(1873-1943)、そのショックでしばらく作曲の筆が止まってしまったのですが、何とか立ち直り1900 年に書いた「ピアノ協奏曲第2 番」は大成功を収め、ようやく作曲家としての自信を取り戻したのでした。しかし、第2 番の交響曲に着手するのはそのほぼ6 年後。公私ともに充実した頃合いを見計らうかのように書かれたこの曲は、どこもかしこもドラマティックで素晴らしいメロディに溢れています。陰鬱で幅広い楽想を持つ第1 楽章、ホルンの動機が印象的な第2 楽章スケルツォ、そしてこの曲の白眉とも言える美しすぎる第3 楽章、劇的な盛り上がりを見せる最終楽章と、どこから聴いても真の名曲たる風格を備えています。余白に収録されたヴォカリーズの管弦楽版も、あなたのお気に入りにそっと加えてあげてください。
8.572193 プロコフィエフ:吹奏楽によるロメオとジュリエット(抜粋)
 1.組曲第2 番序奏/2.モンタギュー家とキャピュレット家/
 3.組曲第3 番朝の踊り/4.組曲第2 番少女ジュリエット/
 5.組曲第1 番仮面/6.組曲第1 番ロメオとジュリエット/
 7.組曲第3 番乳母/8.組曲第2 番僧ローレンス/
 9.組曲第2 番踊り/10.組曲第1 番ティボルトの死/
 11.組曲第2 番別れの前のロメオとジュリエット/
 12.組曲第3番朝の歌/13.組曲第2番ジュリエットの墓の前のロメオ/
 14.組曲第3 番ジュリエットの死
   編曲:
    S.H.ギスケ…1-4.7.10/
    F.リュードランド…5.8.9.12.13/
    R.ギリエ…6.11.14
エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド/
ビャルテ・エンゲセト(指揮)
プロコフィエフ(1891-1953)のバレエ音楽を吹奏楽とパーカッションで。そんな試みを音にしたのがこのアルバムです。ノルウェーの誇る名バンド「エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシッグラーグ・バンド」の冴え渡るアンサンブルには驚くばかりです。彼らは、すでにコンサートでもこのヴァージョンを2 年近くに渡って上演してて、常に満場の人気を得ており、この曲を楽団のレバートリーとして定着させているのです。このユニークなプロジェクトに参加した3人の編曲者は、すでに様々な作品の編曲で知られている人たちで、長年この楽団とも関係があり、もちろんブラスバンドについて完璧な知識を持っている人たちです。彼らは原曲の味わいを全く損なうことなく、名曲に新たな姿を与えました。吹奏楽ファンならずとも、ぜひお聴きいただきたい1 枚です。
8.570585 ヨーゼフ・マルティン・クラウス:
 歌劇「カルタゴのイーニアス」より管弦楽作品集
  前奏曲、序曲、舞曲と行進曲
  <1.プロローグ・序曲/2.プロローグ・ゼフィルスのバレ/
   3.プロローグ・ナイアードとトリトンの踊り/4.第1 幕・序曲/
   5.カルタゴの行進曲/6.ガヴォット/7.第2 幕・狩猟の呼び声/
   8.追いかけ合い/9.争いのエア/10.アーチェリーのコンテスト/11.嵐/
   12.第3 幕・カルタゴの行進曲/13.ヌミディアの行進曲/
   14.カルタゴの娘たちの踊り/15.司祭の踊り/
   16.第4 幕・ローマの兵士たちの行進曲/間奏曲/17.第5 幕・序奏/
   18.バレ/19.メヌエット第1&第2/20.シャコンヌ>
シンフォニア・フィンランディア・ユバスキュラ/
パトリック・ガロワ(指揮)
最近、急速に知名度が上がってきている「北欧のモーツァルト」ヨーゼフ・マルティン・クラウス(1756-1792)がとりわけ得意としていたのがオペラや劇音楽でした。この分野で彼がどれほどの偉業を成し遂げたのかは、このアルバムをお聴きいただければ即座にわかっていただけることと思います。この「カルタゴのイーニアス」は1781 年に建立されたストックホルムの新しいオペラ・ハウスの?落としのためにと作曲を始めたものですが、負債を背負ったプリマドンナが、オーケストラのコンサートマスターである夫と共にスウェーデンから逃げてしまったという突然のアクシデントをきっかけに、クラウス自身が作品を見直し手を入れ続けたため、結局10 年後の1791 年になるまで初演されなかったという渾身の作品です。今や名指揮者として君臨するガロワの的確な演奏は、この曲の評価を揺るぎないものにしています。
8.559609 ハリス:交響曲第 5 番&第6 番 他
 1-4.交響曲第 6 番「ゲティスバーグ」/
 5-7.交響曲第 5 番/8.アクセレレーション
ボーンマス交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
オクラホマ出身の作曲家ロイ・ハリス(1898-1979)はカリフォルニアで学んだ後、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事しました。ルネサンス音楽にも造詣の深かった彼は、アメリカ音楽、特に管弦楽作品の礎を作り、それをゆるぎないものにした事で現在でもとても高く評価されています。この第5 番と第6番の交響曲はヨーロッパでの戦争を背景にして書かれたもので、1942 年から書き始められた第5 番は「偉大なるソ連の英雄的で自由を愛する人々」へ捧げられています。第6 番は、4 つの楽章のタイトルに「人民の人民による人民のための政治」で知られるリンカーンの有名なゲディスバーグの演説が直接引用されている興味深い作品で、ハリスの国家主義への情熱もそのまま反映された密度の濃いものです。1941 年に書かれたアクセレレーションは、楽想の一部が第6 番の交響曲へと転用されたこともあり、「もう一つの戦争交響曲」と呼ぶにふさわしい作品です。
8.572249 ヒナステラ:パブロ・カザルスの主題による変奏曲 Op.48 他
 1-5.パブロ・カザルスの主題による変奏曲 Op.48/
 6-17.協奏的変奏曲 Op.23/
 18-22.弦楽五重奏と弦楽オーケストラのための
  パブロ・カザルスの主題による変奏曲 Op.46
ロンドン交響楽団/
ジセル・ベン=ドール(指揮)
伝説的名チェリストで作曲家でもあるカザルスと親友であったヒナステラ(1916-1983)は、カザルスの生誕100 周年の記念祝賀祭のために一つの変奏曲を作曲しました。最初は弦楽五重奏と弦楽オーケストラという編成で書き上げたのですが、当時ワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督であったロストロポーヴィチから「作品を世界初演したい」という申し出があり、ヒナステラは作品をより大きな編成へと生まれ変わらせ、一層の輝きを与えたのです。この曲を作曲するにあたって、彼がどれほどカザルスに敬意を払っていたかは、後にBoosey&Hawkes 社から出版される際に付された「作曲家ノート」に詳しく綴られています。もちろん曲の中にも偉大なるチェリストの面影はいたるところに散見され、とりわけ第4 曲での「鳥の歌」の扱いは永遠なる友情の証しとして強く印象に残ります。
8.572447 グラズノフ:管弦楽作品集第 19 集
 1 幕のバレエ「恋愛合戦」Op.61
  <1.序奏と情景Ⅰ/2.レチタティーフとマイム/
   3.サラバンド/4.ファランドールと情景Ⅱ/5.マリオネットの踊り/
   6.情景Ⅲ/7.情景Ⅳ&Ⅴ/8.ヴァリアシオン/
   9.情景Ⅵ、行進曲/10.情景Ⅶ、大ワルツ/11.情景Ⅷ-XI/
   12.農夫と農婦の舞踏曲/13.グラン・パ・ド・フィアンセ/
   14.ヴァリアシオン/15.ラ・フリカッセ>
  MARCO POLO 8.220485 より移行盤
ヤシ・モルドバ・フィルハーモニー管弦楽団/
ホリア・アンドレースク(指揮)
MARCO POLO で発売時、大変な話題となったグラズノフ(1865-1936)の秘曲がついにNAXOS に登場します。この1900 年に初演されたバレエ「恋愛合戦(別題…女の試み)」は、公爵家の娘イザベラが、婚約者の真の愛を確かめるために、小間使いに変装し誘惑するというお話。付された音楽は重厚なロシア風味ではあるものの、徹底的にフランスのロココ調を模しているという面白い作品です。この精緻な総譜は、グラズノフの師であるリムスキー・コルサコフにも称賛されました。ワルツを始めとした美しいメロディが満載。もっと多くの方に聴いて欲しい隠れた名曲です。
8.557264 ベートーヴェン:付随音楽「エグモント」全曲 Op.84
 1-10.ゲーテの悲劇による音楽「エグモント」Op.84
  <.序曲/.太鼓は響く/間奏曲第 1 番/間奏曲第 2 番/
  「喜びに満ち、悲しみに満ち」/間奏曲第 3 番/間奏曲第 4 番/
  クレールヒェンの死/メロドラマ/勝利のシンフォニー>/
 11.行進曲ヘ長調「ボヘミア国防軍のために」WoO18/
 12.行進曲ヘ長調 WoO19/13.ああ、不実なる人よ Op.65
マドレーヌ・ピラード(メゾ・ソプラノ)…1-10.13/
クラウス・オバルスキ(ナレーター)…1-10/
ニュージーランド交響楽団/
ジェイムス・ジャッド(指揮)
熱気溢れる第 5 交響曲を完成したベートーヴェン(1770-1827)が次に手掛けたのが、この劇音楽「エグモント」でした。1809年当時のウィーン宮廷劇場支配人であったハルトルが、ゲーテの戯曲を音楽とともに上演する計画を立て、選ばれた題材がこの作品です。内容はエグモント伯ラモラール(フランドルの軍人、政治家。八十年戦争初期の指導者の一人)の自己犠牲と英雄的行為を讃えたもの。この作品を通してベートーヴェン自身の政治への思いも描かれています。今では序曲のみが演奏される作品ですが、第5 交響曲に通じる情熱が随所に感じられる名作として、もっと高く評価されても良いでしょう。
8.572206 マルティヌー:ピアノ協奏曲集第 1 集
 1-3.ピアノ協奏曲第 3 番 H.316/
 4-6.ピアノ協奏曲第 5 番変ロ長調(ファンタジア・コンチェルタンテ)H.366/
 7-9.ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ H.269
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)/
ボフスラフ・マルティヌー・フィルハーモニー管弦楽団/
アルトゥール・ファーゲン(指揮)
チェコの作曲家、マルティヌー(1890-1959)の知られざるピアノ作品集を全て録音するという快挙を成し遂げたNAXOS ですが、どうせならマルティヌーのピアノ協奏曲も全部お聴きいただく計画を立てています。このアルバムには2 つの協奏曲と1938 年に作曲されたコンチェルティーノを収録。どの曲も印象主義と原始的な躍動感が絶妙にブレンドされた個性的な音楽です。演奏はおなじみコウクル。マルティヌー研究家でもある彼の表現は、作曲家の友人であったフィルクシュニーの演奏と並び、スタンダードな形として後世に残ることでしょう。
8.559620 ドーマン:協奏曲集
 1-3.マンドリン協奏曲/4-6.ピッコロ協奏曲/
 7-9.コンチェルト・グロッソ/10-12.ピアノ協奏曲イ調
アヴィ・アヴィタル(マンドリン)…1-3/
ミンディ・カウフマン(ピッコロ)…4-6/
エリラン・アヴニ(ピアノ)…4-6.10-12
/アルノー・サスマン(ヴァイオリン)…7-9/
リリー・フランシス(ヴァイオリン)…7-9/
エリック・ナウリン(ヴィオラ)…7-9/
ミハル・コールマン(チェロ)…7-9/
濱田あや(ハープシコード)…7-9/
メトロポリス・アンサンブル/
アンドリュー・シル(指揮)
1975 年生まれのイスラエルの作曲家ドーマン(1975-)は、ジュリアード音楽院でコリリアーノに学び博士号を取得、25 歳の時に「イスラエルの最も重要な作曲家」として数々の賞を獲得しました。以来、メータ、オールソップ、シモーネ・ヤングなど多くの指揮者たちが彼の作品を演奏するなど、同世代の作曲家たちの中でも抜きんでた存在として知られています。このアルバムで聴ける様々な楽器による協奏曲は、彼が好む「バロック風のイディオム」の中に民族音楽やジャズ、ロックの風味を利かせたもの。明瞭なリズムと揺るぎない低音の上に築かれる哀愁ただようメロディが印象的なマンドリン協奏曲、躍動的かつ流麗なピッコロ協奏曲、多彩な音色がはじけるコンチェルト・グロッソ、快活なピアノ協奏曲と、どれもが印象的で親しみやすい風情を備えています。
8.572150 ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第 3 集
ワシントン DC 国会図書館写本のソナタ
 <1-2.第3 番イ長調/3-4.第4 番ト短調/
  5-6.第5 番嬰へ短調/7-8.第6 番ホ短調>
ペドロ・カザルス(ピアノ)
知られざる作曲家、ブラスコ・デ・ネブラ(1750-1784)のソナタ全集の完結編です。第1 集(8.572068)、第2 集(8.572069)に続くこの第3 集は、ワシントンDC の国会図書館で保存されていたソナタを収録しています。このソナタは全て2 楽章形式で、各々対称的な楽想を持っています。温和な緩徐楽章に続く、高い技術が要求される早い楽章。形式は定型に沿っていますが、メロディは高度に洗練されていて、決して冗長になることはありません。彼が理想としたと言われる、スペインで発達したギター音楽を思わせる華やかで機敏な音の動きに、思わず胸がときめいてしまいます。
8.572034-35
(2CD)
バルバトル:ハープシコードのための音楽集
CD1:
 1-8.クラヴサンのための小品集第 1 集第 1 番-第8 番/
 9-11.クラヴサンとオルガンのための小曲集より
  <ソナタ第5 番ト長調/ガヴォット・ロンドト短調/ソナタト長調>/
 12.エスクリナック/
 13-16.ラモー(1683-1764):歌劇「ピグマリオン」より
  (バルバトル編)<序曲/パントマイム/ジグ/コントルダンス>/
CD2:
 1-9.クラヴサンのための小品集第 1 集第 9 番-第17 番/
 10-14.クラヴサンとオルガンのための小曲集より
  <ソナタ第2 番ヘ長調/メヌエット第 1 番&第2 番/
   ソナタヘ長調「カッコウ」/バディヌイ長調/
   ソナタ第6 番ヘ長調>/15.前奏曲/
 16.マルセイエーズによる行進曲と「サ・イラ」
エリザベス・ファー(ハープシコード)
「自由・平等・同胞愛」を基本的理念に掲げたフランス革命は、それまでの市民の生活を一変させました。貴族たちの支配する社会から民主主義へ。毎夜ロココ調の音楽を奏でていた宮廷音楽家たちも、貴族たちと運命を共にするか、またはいつしか革命家を演奏するようになっていきます。そんな激動の時代を生きたバルバトルの作品は、まさに「音で聴くフランスの変遷」と言えるでしょう。オルガニストの父を持つ18 人兄弟の16 番目の息子であった彼は、父の友人であったクロード・ラモー(ジャン・フィリップの弟)の弟子となり、その才能を伸ばしていきます。その後、ヴェルサイユでの華々しい活躍中に革命に巻き込まれ、奇跡的に処刑をまぬがれたものの、亡くなるまでの10 年間は貧困生活を送ったのでした。アルバムの最後に収録されている「行進曲」は1792 年に書かれたもの。彼はどんな思いでこの革命の歌を鍵盤上に移し替えたのでしょうか?
8.572219
¥990
ヴァイス:リュートのためのソナタ集第 10 集
 1-6.ソナタ第28 番ヘ長調「有名な海賊」/
 7-12.ソナタ第40 番ハ長調/13.ロジ伯爵の死を悼むトンボー
ロバート・バート(リュート)
NAXOS の人気シリーズ、ヴァイス(1687-1750)のリュート作品集もついに第10 集を数えました。シリーズを通して深い解釈を聴かせるロバート・バートの冴え渡る技巧も、ますます深化を遂げています。このアルバムでは2 曲のソナタを中心に収録。どちらもかなり規模の大きな作品で、静けさの中に周到に張り巡らされた音の迷宮を彷徨う楽しみを味わうことができるでしょう。「有名な海賊」と題された第28 番のソナタは、恐らく1719 年頃の作品で、その前年に海上で戦死した「黒ひげ」と呼ばれる海賊の追悼の意味で書かれた作品といわれていますが、詳しいことはよくわかっていません。最後の曲に名前の残るロジ伯爵は、実は素晴らしいリュート奏者で、当時「リュートの王子」と呼ばれた名手です。もし彼が貴族でさえなかったら、後世に残る音楽家になっていたに違いありません。ヴァイスも多大なる影響を受けており、伯爵が亡くなった時に音による賛辞を送ったのです。
8.572188 セルヴェ/ギス/レオナール/ヴュータン:ヴァイオリンとチェロによるグラン・デュオ集
 1.ギス(1801-1848)&セルヴェ(1807-1866):
  「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」の旋律による
   華麗にして協奏的な変奏曲 Op.38/
 2.レオナール(1819-1890)&セルヴェ:
  マイアベーアの歌劇「アフリカの女」による演奏会用大二重奏曲第4 番/
 3.レオナール&セルヴェ:演奏会用大二重奏曲第3 番/
 4.ヴュータン(1820-1881)&セルヴェ:
  マイアベーアの歌劇「ユグノー教徒」の主題による大二重奏曲/
 5.レオナール&セルヴェ:
   ベートーヴェンの主題による演奏会用大二重奏曲第2 番/
 6.レオナール&セルヴェ:演奏会用大二重奏曲第1 番
フリーデマン・アイヒホルン(ヴァイオリン)/
アレクサンダー・ヒュルスホフ(チェロ)
「チェロのパガニーニ」との異名を取るベルギー生まれの作曲家セルヴェ。彼はチェロとヴァイオリンとのデュエットを作曲するために、当時、隆盛を誇っていた3 人のヴァイオリニストたちに協力を仰ぎました。その結果生まれた6 曲のデュエットを収録した興味深い1 枚です。名手たちの力を出し合ったこれらの作品は、当時流行していたメロディを用いた上、チェロとヴァイオリンのお互いの音色と技巧をとことん生かしたもので、この仕上がりには作曲家たちも聴衆も大満足だったに違いありません。もちろん演奏するためにはチェロ、ヴァイオリンそれぞれに再難関の技巧を要求されますが、ここで演奏する2 人は息のぴったりあった極上の演奏を聴かせます。
8.572399 イタリアのクラリネット組曲集
 1-3.ロンゴ(1864-1945):組曲 Op.62/
 4-9.ブゾーニ(1866-1924):組曲 K.88/
 10-15.スコントリーノ(1850-1922):6 つのボツェット/
 16-21.フルガッタ(1860-1933):組曲 Op.44
セルジオ・ボシ(クラリネット)/
リッカルド・バルトリ(ピアノ)
20 世紀前半、レスピーギやマリピエロ、カゼッラたちが現れるまで、イタリアの器楽曲はどうしてもオペラの勢いに押されてしまいがち。しかし、そんな中でも一部の作曲家たちは「伝統と現代性の妥協点」を探るべく、クラリネットとピアノのための優れた組曲を作曲しました。このアルバムに収録されたのは、そんな作品たち。古典的形式を極めたロンゴ、印象派の影響を強く受けているスコントリーノ、後期ロマン派の香り漂うフルガッタ。そして情緒的で感傷的なブゾーニのエレジー。と個性はさまざまですが、どの曲もクラリネットの音の持つ独特の憂愁を見事に生かした歌心溢れる作品となっています。
8.572256 ユダヤの冬の旅
 1.花婿のための歌/2.灼熱の/3.歌/4.ヴィルナ/
 5.暖炉のそばで/6.どんな時に救い主は来るの?/
 7.ラビは私たちに幸せを/8.干しブドウとアーモンド/
 9.イェルサレム/10.菩提樹/11.バラライカを弾こう/
 12.モイシェレ、わが友/13.もしユダヤ人の妻が/
 14.あなたの白き星の下で/15.Khatskele/16.天から見下ろす/
 17.ラビ・エルメレヒ/18.時計/19.幼児の頃/20.小さな孤児/
 21.小さな少年は彼らを導く/22.幼児は生まれた/23.カディッシュ
マーク・グランヴィル(バス・バリトン)/
アレクサンダー・ナップ(ピアノ)
この曲集は、ホロコーストの悲劇をシューベルトの「冬の旅」になぞらえ、ユダヤのメロディで繋いでいくものです。無垢な幼年期から静かな老年期までの人生の旅の途中に深く暗い亀裂を作ったゲットーでの体験。そしてユダヤ人というだけで迫害されることの不条理。人々が虐殺され、生まれ育った街が破壊されるのを目の当たりにするという、決して癒されることのない心の苦痛を背負いながら、歌手グランヴィルとピアニストのナップは歌いながら旅を続けていきます。この繊細な歌曲集は、単にユダヤの文化を表すだけでなく、人類全ての和解、理解、そして共有するはずの将来への貢献となるでしょう。
8.660257-58
(2CD)
ドニゼッティ:歌劇「ルクレツィア・ボルジア」全曲
 CD1:1.前奏曲/2-12.プロローグ/13-18.第1 幕第 1 場/
 CD2:1-7.第1 幕第 2 場/8-21.第2 幕
  NAXOS DVD 2.110264 と同内容
ルクレツィア・ボルジア…ディミトラ・テオドッシュ(ソプラノ)/
ジェンナーロ…ロベルト・デ・ビアージョ(テノール)/
アルフォンソ公爵…エンリコ・ジュセッペ・イオーリ(バス・バリトン)/
マッフィオ・オルシーニ…ニディア・パラシオス(メゾ・ソプラノ)/
ルスティヘッロ…ルイジ・アルバーニ(テノール)/
グベッタ…ジュゼッペ・ディ・パオラ(バス)/
アストルフォ…マウロ・コルナ(バス)/
ベルガモ・ドニゼッティ音楽祭管弦楽団&合唱団 - Bergamo Musica Festival Orchestra/
ティツィアーノ・セヴェリーニ(指揮)
ドニゼッティ(1797-1848)だけでなく、原作者ヴィクトル・ユゴーの最高傑作でもあるこのオペラです。当時の人々にとって、全ての悪(拷問、近親相姦、同性愛、殺人、陰謀、らんちき騒ぎ) 、を網羅したかのような内容で、全く救いの手が差し伸べられることはありませんが、ドニゼッティは全ての行為を感動的な結論に導けるように、素晴らしいアリア、デュエット、合唱を用意しました。劇的な内容もオペラを聴く醍醐味の一つと言えるかもしれません。初演から再演まで3 年の月日をかけ、様々な改訂を施したこの問題作、タイトル・ロールのテオドッシュを始めとした見事な歌手たちの演奏でお聴きください。
8.570154-55
(2CD)
戦いの音楽
CD1:
 1.ワーグナー(1813-1883):ワルキューレの騎行/
 2.バーバー(1910-1981):弦楽のためのアダージョ/
 3.エリック・コーツ(1886-1957):ダムバスターズ・マーチ/
 4.ベートーヴェン(1770-1827):ウェリントンの勝利より「戦い」/
 5.ベートーヴェン:ウェリントンの勝利より「勝利の交響曲」/
 6.リスト(1811-1886):フン族の戦い/
 7.ファーノン(1917-2005):コルディッツ行進曲/
 8.チャイコフスキー(1840-1893):歌劇「マゼッパ」より「ポルタヴァの戦い」/
 9-10.ベートーヴェン:軍楽隊のための2 つの行進曲/
 11.イッポリトフ=イヴァノフ(1859-1935):
  組曲「イヴェリア」より「コーカサスの戦いの行進曲」/
 12.ニューマン(1901-1970):コンクエスト・マーチ「征服への道」/
CD2:
 1.エルガー(1857-1934):勝利の行進曲/
 2.メイヤース(1933-1993):カヴァティーナ/
 3.フォーレ(1845-1924):レクイエムより「天国にて」/
 4.グラズノフ(1865-1936):ステンカ・ラージン/
 5.バーバー(1910-1981):コマンド・マーチ/
 6.ワックスマン(1906-1967):「目標はビルマ」より「侵入-上陸」/
 7.リムスキー=コルサコフ(1844-1908):歌劇「金鶏」より戦場のドドン王/
 8.スタイナー(1888-1971):小さいビッグホルン/
 9.スタイナー:チャージ!/
 10.共和国への戦いの賛歌/
 11.アルビノーニ(1671-1751):アダージョ
様々な演奏家
人が存在する上で「戦い」というものは、どうしても避けては通れません。しかし、戦いに挑む時に人はどのような思いを抱くのでしょうか?そんな思いを表現した音楽を集めたこの2 枚組には、高揚する感情、勝利への願い、相手へ憎しみ、そして敗者への憐憫、など様々な感情が入り乱れています。
8.557930-31
(2CD)
死の舞踏集
 CD1:
  1.グリーグ(1843-1907):山の魔王の宮殿にて/
  2.デュカス(1865-1935):魔法使いの弟子/
  3.リスト(1811-1886):メフィスト・ワルツ第1 番/
  4.ドヴォルザーク(1841-1903):真昼の魔女/
  5.フランク(1822-1890):呪われた狩人/
  6.チャドウィック(1854-1931):いたずらな妖精/
  7.ムソルグスキー(1839-1881):はげ山の一夜/
  8.リャードフ(1855-1914):ババ・ヤーガ/
 CD2:
  1.サン=サーンス(1835-1921):死の舞踏/
  2.リスト(1811-1886):死の舞踏/
  3.ラフマニノフ(1873-1943):死の島/
  4.リャードフ(1855-1914):キキモラ/
  5.グリーグ(1843-1907):小人の行進/
  6.アーノルド(1921-):序曲「タモシャンター」op.51/
  7.マクダウェル(1860-1908):魔女の踊り/
  8.ベルリオーズ(1803-1869):断頭台への行進
様々な演奏家
太古の時代から、人間と「目に見えぬ何か」は切っても切れない仲でした。それは様々に形を変え、ある時は人々を守り、ある時は脅かし、そして別の世界へと連れていく役目も司っていたのです。そんな存在を音で描いた16 曲。幽霊、魔物、魔女、死神・・・背筋がぞっとすること間違いなしです。でも一番恐いのは人間だ・・・という説もありますけどね。
8.578007-08
(2CD)
※帯なし
アルティメイト・チャント
CD1:
 1.Invitatorium/2.Introitus: Adorate Deum/
 3.Levavi oculos meos/4.Offertoria: De profundis /
 5.Offertoria: Domine,convertere/
 6.Introitus - Alleluia - Sequentia - Offertorium - Communio/
 7.Gregorian Chant for Good Friday: Hymnus: Cruxfidelis/
 8.Ecce nomen Domini: Ave, Maria/
 9.Subvenite (Responsorium prolixum) /
 10.Requiem aeternam (Introitus) - Kyrie/
 11.Offertoria: Iubilate Deo universa terra/
 12.Mass for Saint Monica: Offertorium/
 13.Gregorian Chant for Good Friday:Tractus: Domine, audivi/
CD2:
 1.Kyrie eleison /2.Si quis sermonem/
 3.Gregorian Chant for the Dead: Epistula/
 4.Introitus:Dominus illuminatio mea/5.Introitus: Laetetur cor/
 6.Dixit Raphael angelus/7.Prex eucharistica/8.Ritus communionis/
 9.Verbum salutis: Populus Sion/
 10.Mass for Saint Lawrence: Introitus/
 11.Gregorian Chant for Good Friday
様々な演奏家
シンプル故に万人に愛されるグレゴリア聖歌。本来は CD10 枚ほどの分量がありますが、ここではその中からとりわけ美しい曲を24 曲収録しています。世俗化された世界を洗い流すような清冽で孤独なメロディは、心の平穏を祈りつつ、人間の根源にある「何か」に強く訴えかけるかのようです。
8.578039-40
(2CD)
歌のないブロードウェイ
CD1:
 1.ロイド=ウェッバー:オペラ座の怪人より/
 2.リチャード・ロジャース:南太平洋/
 3.ライオネル・バード:オリバー!/
 4.リチャード・ロジャーズ:王様と私/
 5.ジュール・スタイン:ファニー・ガール/
 6.コール・ポーター:キス・ミー・ケイト/
 7.レナード・バーンスタイン:ウエスト・サイド・ストーリー/
CD2:
 1.リチャード・ロジャース:サウンド・オブ・ミュージック/
 2.チャールズ・ストラウス:アニー/
 3.ジェロム・カーン:ショーボート/
 4.クロード=ミッシェル・シェーンベルク:レ・ミゼラブル/
 5.リチャード・ロジャース:オクラホマ!/
 6.ジュール・スタイン:ジプシー/
 7.リチャード・ロジャース:カルーセル
リチャード・ヘイマン&ヒズ・オーケストラ(すべてリチャード・ヘイマンの編曲)
ブロードウェイのとびっきりの名曲を 14 曲。音の魔術師ヘイマンの華麗なる編曲でお楽しみください。思わず体が踊り出す・・・そんな快感をお約束いたします。
8.669022-24
(3CD)
アダムス(1947-):中国のニクソン
 CD1.第1 幕/
 CD2.第2 幕/
 CD3.第3 幕
リチャード・ニクソン…ロバート・オース(バリトン)/
パット・ニクソン…マリア・カニョーヴァ(ソプラノ)/
ヘンリー・キッシンジャー…トマス・ハモンズ (バス・バリトン)/
毛沢東…マルク・ヘラー(テノール)/
毛沢東夫人江青…トレーシー・ダール(ソプラノ)/
周恩来…ユアン・チェンイ(バリトン)/
第1 秘書…メリッサ・マルデ(メゾ・ソプラノ)/
第2 秘書…ジュリー・ジンソン(メゾ・ソプラノ)/
第3 秘書…ジェニファー・デドミニーチ(メゾ・ソプラノ)/
オペラ・コロラド合唱団/
コロラド交響楽団/
マリン・オールソップ(指揮)
あの「問題作」がついにNAXOS に登場します。この演奏は2008 年のライブ録音で、このオペラを得意とする歌手たちを揃え万全の準備の末に上演されたものです。指揮は現代アメリカで最も力を蓄えている女性指揮者マリン・オールソップです。このアリス・グッドマンによる台本は、史実をよく研究したもので毛沢東とニクソンを取り巻く人々も全て実名で描かれ、1972 年2 月21 日にニクソン一行が北京の飛行場に降り立ったところから物語が始まり、会見の場でのニクソンが人知れず味わった緊張を描いた歌や、毛沢東夫人江青が政治色たっぷりのパーティで超絶的なアリアを披露する場などを織り交ぜながら、長らく対立関係にあった中国との和解への道を開くまでが重厚なミニマル音楽で表現されています。この曲が作曲されてからすでに20 年以上が経過。新たな気持ちでこの大作に向き合ってみるのもいいかも知れません。
8.570939 ガーシュウイン:クラリネットと弦楽のための作品集
 1-5.ポーギーとベス組曲/6.ピアノ協奏曲ヘ長調より第2 楽章/
 7.パリのアメリカ人(抜粋)/
 8-10.3 つの前奏曲
  ※全てF.ヴィラールによるクラリネットと弦楽合奏編
ミシェル・ルチエック(クラリネット)/
シンフォニア・フィンランディア/
パトリック・ガロワ(指揮)
ガーシュウイン(1898-1937)のゴキゲンな音楽をクラリネットで演奏することにより、作曲家のジャズへの愛、またポピュラー音楽とクラシック音楽の融合がこれほどまでに顕著となるとは誰しも思っても見なかったことでしょう。例えば、「ポーギーとベス組曲」の中のサマータイムでの泣きたくなるほどの切なさの表現力を聴いてみてください。本来クラリネットのために書かれたと言われたら信じない人はいないほどの出来栄えです。このクラリネットの能力を持ってすれば、ピアノ協奏曲にもピアノは不要。まさに恐るべき世界が広がっています。「3 つの前奏曲」もスゴイの一言です。編曲者のヴィラールのセンスの良さと、クラリネットのルチエックの抜群のリズム感、そして指揮のガロワの包容力。これらが全て溶け合った奇跡の1 枚の誕生です。
8.572255 シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第 2 集
 1.前奏曲 Op.43-3/2.ロマンスニ長調 Op.100/
 3.夕べの歌 Op.89-3/4.春のささやき(ピアノ・ソロ)Op.32-3/
 5.ロマンスホ短調 Op.30/6-10.古い様式のソナタ Op.99/
 11.エレジー Op.61-2/12.バラード Op.61-3/13.夕べの気分 Op.120a
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
クラッゲルードとイーレ・ハドランの演奏するシンディングのヴァイオリン作品集第2 集。先に発売された第1 集(8.572254)が大好評。甘い旋律と夢見るようなハーモニーは、この作曲家になじみのない人の心にも強烈な印象を植え付けたようです。このアルバムには、これまたとびきり愛らしい小品と、ロマンティックなヴァイオリン・ソナタ、そして有名過ぎる「春のささやき」などが収録されています。シンディング(1856-1941)は若き頃ヴァイオリンもピアノも学びはしたものの、演奏家として活動するには技術が足りないことを自覚。指揮者としての道も諦めてしまい、早いうちから作曲家としてのみ音楽活動にかかわることを決意したといいます。彼は一生涯、後期ロマン派の作風を崩すことはありませんでした。ただ、独自の作風を確立しなかったことも非難されたこともあってか「古風な様式のソナタ」では4 分の7 拍子や4 分の5 拍子などの変拍子を使ってみたりもしていますが、やはりスタイルを大きく逸脱することはなく、以降の作品も、変わることなく美しい響きで満たされています。晩年は様々な要因で悲惨な生活を強いられた彼ですが、彼の音楽はこれから復興の一途をたどるに違いありません。
8.570323 ルーセル:交響曲第 1 番他
 1-4.交響曲第 1 番「森の詩」 Op.7
  <冬の森/回復/夏の夕べ/森の住人と木の妖精>/
 5.交響的前奏曲「復活」Op.4/
 6-9.劇音楽「眠りの精」Op.13
  <前奏曲/情景2/間奏曲と情景4/終景>
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団/
ステファン・ドヌーヴ(指揮)
ステファン・ドヌーヴの前2 作のルーセル(1869-1937)は、そのどちらもが世界中から高い評価を受けています。今回の交響曲集もそれを上回る称賛を与えられることは間違いありません。フランスの作曲家にしては、かなり重厚な音使いをすることで知られるルーセル。劇音楽は割合良く聴かれるのですが、交響曲はほとんど人気のない分野です。以前もデュトワやミュンシュらが録音してはいるのですが、このような素晴らしい演奏がもっと多く出てくれば聴く人も増えてくるのではないでしょうか。第1 番の交響曲は1904 年から1906 年に書かれ、1908 年に初演されました。「森の詩」という副題があるにも関わらず、表題音楽ではありません。確かに気分は4 つの季節に基づいているのですが、描かれている風景を想像上で描写するのは聴き手の力量にまかされているのです。交響的前奏曲「復活」はトルストイの同名の小説を示唆したもの。木管楽器の表情豊かなメロディによって孤高の傑作は確かに音にされています。バレエ音楽を得意としたルーセルの面目躍如と言った「眠りの精」はG・ジャン=オーブリの劇のための表情豊かな作品です。
8.559625 W.シューマン:交響曲第 6 番他
 1.交響曲第 6 番(1948)/2.戦争時の祈り/
 3-5.ニュー・イングランド三部作
  <喜びあれ、アメリカ/イエスがなく時/チェスター>
シアトル交響楽団/
ジェラード・シュワルツ(指揮)
ニューヨーク生まれの W.シューマン(1910-1992)は現代アメリカ作曲家のなかでもとりわけ人気が高く、吹奏楽ファンの間でも広く知られている人でもあります。彼は全部で10 曲の交響曲を書きましたが(と言っても、最初の2 曲は作曲家自身が「無きもの」としているため実質的には8 曲です)この1948 年に書かれた第6 番は単一楽章で書かれながらも、極度に複雑なリズムと暗い色調を備えた取っつきにくいもの。実際、ダラスでの初演は失敗してしまったのですが、その対位法を駆使した作曲技法には驚くべきものがあります。作曲家自身が吹奏楽に編曲した版が良く知られる「ニューヨーク三部作」はもともと18世紀後期のアマチュア作曲家、ウィリアム・ビリングズの書いた讃美歌を基にしたもの。そのせいか、とても聴きやすく愛国心に溢れた曲想になっていて、吹奏楽版も含めて、彼の代表作とも言える作品になっています。1943 年に初演された「戦争時の祈り」は題名の通り沈痛で美しい音楽です。
8.572226 ブリス:クリストファー・コロンブスの探検 他
 1-10.組曲「クリストファー・コロンブスの探検」(編曲:アドリアーノ)/
 11-13.「27 人の漂流者」より3 つのオーケストラのための小品/
 14.「2 つの世界の男」よりバラザ
  (ピアノと管弦楽、男声合唱のための演奏会的小品)/
 15-18.「2 つの世界の男」より
  <タンガニーカに戻る/挑戦-邪神たちの怒り/
   キセンガの家族/村の火事とフィナーレ>
     MARCO POLO 8.223315 より移行盤
シルビア・カポヴァ(ピアノ)…14/
スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団…14/
スロヴァキア放送交響楽団/
アドリアーノ(指揮)
アーサー・ブリスは第 1 次世界大戦後のイギリスで活躍した「恐るべき子どもたち」の一人。初期の作風はかなり先鋭的でしたが、中期以降は保守的な作風に転向。バレエ音楽や劇音楽、そして映画音楽の分野で目の覚めるような作品を数多く書いています。彼は1935 年から映画音楽の作曲をはじめ、最初に手掛けた「来たるべき世界」の音楽で大成功をおさめ、当時の聴衆に「映画音楽の重要性」というものをはっきり認識させたと言います。このアルバムに収録された「コロンブスの冒険」と「2つの世界の男たち」は1940 年代の作品、「27 人の漂流者」は1950 年代の作品で、エキゾチックなメロディと刺激的なリズムに彩られた快活な曲が並びます。「コロンブスの冒険」はあまりにも映画の脚本が不条理なせいか、現在ではフィルム自体を見ることはできません。しかし、ここに付けられたブリスの音楽があまりにも見事だったことから、1990 年に指揮者アドリアーノが自筆スコアも研究しつつ、新たな組曲として再構築したものです。「2 つの世界の男たち」はヨーロッパで音楽を学んだアフリカ人作曲家・ピアニスト、キセンガの物語。「バラザ」は映画の冒頭、キセンガが弾く自作の協奏曲として作曲されたもの。ブリスはこれらの曲にアフリカ的な要素を組み込むため、本物の東アフリカの音楽をいくつか聴き、異国的な雰囲気を取り入れるのに成功しました。
8.572319 シナジー〜吹奏楽のための作品集
 1-4.ドアティ(1954-):独奏クラリネットとシンフォニック・バンドのための「ブルックリン橋」/
 5.バリット(1962-):クラリネットとパーカッションのための「協奏的二重奏曲」/
 6.ギリングハム(1947-):
  4 つの打楽器とウィンド・アンサンブルのためのコンチェルティーノ/
 7-10.J.M.ディヴィッド(1978-):幻想的練習曲第 2 巻
  <ボリス首相/モーションに反して/トリテトラ/懺悔の発散>/
 11.マクアリスター(1969-):
  独奏クラリネットと管楽アンサンブルのための「ブラック・ドッグ」
ジョン・ブルース・イエ(クラリネット)…1-5.11/(バセット・ホルン)…7-10/
テレサ・ライリー(クラリネット)…7-10/
モリー・イエ(パーカッション)…5/
コロンビア州立大学ウィンド・アンサンブル/
ロバート・W・ランベロウ(指揮)
近頃 NAXOS ファンの間で大流行中のドアティの作品がここでも聴けます。その「ブルックリン橋」はニューヨークの素晴らしい風景を描写したもの。クラリネットの妙技に耳を奪われつつ、彼のスピード感溢れる作曲技法にも魅せられてしまうという見事な曲です。バリットの「協奏的二重奏曲」はジャズやポピュラー音楽に親和性を求めた曲。ギリングハムのコンチェルティーノは4 人のパーカッション奏者と管楽アンサンブルの見事な融合が楽しめます。ディヴィッドの「交響的練習曲」は現代作曲家リゲティの作品を思わせる練習曲は複雑で独特なリズム・パターンを持ち、曲に付けられた短いタイトルを見事に音にあらわした小品集です。最後のマクアリスターの「ブラック・ドッグ」はレッド・ツェッペリンの歌に触発されたラプソディで、クラリネットの長いソロ・カデンツァから始まるスリリングな作品です。どの曲も高度な技巧とアンサンブルを要求するものばかりですが、この名門アンサンブルは期待通り、高水準の演奏を聴かせてくれます。
8.570150 シュターミッツ:フルート協奏曲集
 1-3.フルート協奏曲ニ長調/
 4-6.フルート協奏曲ハ長調/
 7-9.フルート協奏曲ニ長調/
 10-12.フルート協奏曲ト長調
ロバート・エイトケン(フルート)/
セント・クリストファー室内管弦楽団/
ドナタス・カトクス(指揮)
マンハイム楽派の創立者であり、交響曲の形式の開拓者であったヨハン・シュターミッツ(1717-1757 はオルガニストの父親から最初に音楽を教えられ、後にプラハのカレル大学で学びました。1741 年にマンハイムに行き、1743 年に同地の宮廷楽団の首席ヴァイオリン奏者に、1745 年には楽長に昇格し、この小さな一地方楽団をヨーロッパで最も尊敬されるオーケストラの一つに育て上げたのです。50 曲以上もの交響曲、室内楽曲、声楽曲が残されていますが、多くの協奏曲も作曲し、その中には14曲のフルート協奏曲も含まれています。当時のマンハイムの奏者たちの高い技巧を才能を物語る高度な技術を駆使したこれらの協奏曲は、とてもチャーミングで、同時代のクヴァンツの作品よりも若干自由度が高く、バロックと古典派の橋渡しとしての機能を持ち合わせています。また彼自身の血筋であるボヘミアの素朴で抒情的な面も感じられる特徴的な作風が魅力的です。彼の息子カール・シュターミッツも才能ある音楽家です。
8.572304 ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ協奏曲 他
 1-5.劇音楽「すずめばち」(アリストファネス組曲)/
 6-8.ピアノ協奏曲ハ調/
 10-13.イギリス民謡組曲(抜粋)…編曲:G. ジェイコブ/
 14.ランニング・セット
アシュリー・ウェイス(ピアノ)…6-9/
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/
ジェイムス・ジャッド(指揮)
「すずめばち」は古代ギリシアを代表する喜劇作家、アリストファネスの劇をギリシア語で上演することとなったケンブリッジ大学の演劇部が、ヴォーン・ウィリアムス(1872-1958)に付随音楽の作曲を依頼し生まれたものです。機知にとんだ音楽とイギリス民謡の見事な融合は彼にしか書き得ないもので、中でも「行進曲」でのユーモラスな曲想には思わず口元が緩むことでしょう。ピアノ協奏曲は、あのバックスの恋人であったピアニスト、ハリエット・コーエンの演奏を想定して書かれたもので、かなり先進的に書かれていますが、当時の聴衆や批評家からは高く評価されることがなく、その後の1946 年に「2 台ピアノのための協奏曲」として改変を図り、その際、そっと忍びこませていた友人バックスの交響曲の引用も「彼に気が付いてもらえなかった」という理由でその部分は取り除いてしまいました。そんな紆余曲折を経た作品ではありますが、その重厚な仕上がりの中には、時折バッハやブゾーニの影響を感じられたりと、イギリス音楽好きにはたまらない音楽となっています。
8.572407 イギリスのヴィオラ作品集
 1-4.ブリス(1891-1975):ヴィオラ・ソナタ(1933)/
 5-7.ディーリアス(1862-1934):
  ヴァイオリン・ソナタ第3 番(1930)〜L. ターティスによるヴィオラとピアノ編/
 ブリッジ(1879-1941):ヴィオラとピアノのための小品集/
  8.アレグロ・アパッショナート/9.セレナーデ/10.思い出/
  11.ゴンドリエラ/12.沈思せる人/
  13.ノルウェーの伝説/14.子守歌
エニコ・マジャール(ヴィオラ)/
今井正(ピアノ)
ヴィオラの特徴的な音色・・・それはしばしば悲しげと表現されたり、内省的で感傷的と銘打たれたり・・・と、とにかく同族のヴァイオリンに比べて控え目な評価を与えられがちです。作曲家ブリッジに至っては、自らが才能あるヴィオラ奏者であったにも拘わらず、この楽器のための作品はほとんど作曲しなかったというから驚きです。ここで聴けるブリス以外の楽曲のほとんどは他の楽器のために書かれた作品をヴィオラ用に編曲したものですが、こうして聴いてみると実に味のある音楽に仕上がっていると思います。まさに濡れたように輝く音色がぴったりはまっています。ここでピアノを担当している今井氏は才能ある日本のピアニスト。彼の表現豊かで説得力ある音楽はヴィオラの旋律を引き立たせるとともに、驚くほどじっくりと胸にしみるはずです。
8.570890 ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ Op.1 第9 番〜第12 番
 1-3.ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調 Op.1-11/
 4-7.ヴァイオリン・ソナタニ長調 Op.1-10/
 8-11.ヴァイオリン・ソナタロ短調Op.1-12/
 12-15.ヴァイオリン・ソナタイ長調 Op.1-9
エイドリアン・バターフィールド(バロック・ヴァイオリン)/
アリソン・マクギリヴレイ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)/
ローレンス・カミングス(ハープシコード)
第 1 番から第8 番まで聴いてきて、これらの作品の虜になってしまった人も多いのではないでしょうか?形式に縛られた古典派の作品や、感情移入たっぷりになりがちなロマン派の作品、はたまた聴き手の感性までをも必要とする現代の作品に比べると、ルクレール(1697-1764)の時代の作品を演奏する時には、いかに奏者たちが楽しんでいるかがよくわかるのです。装飾音も伴奏も本筋を逸脱しなければOK。しかし、それは却って演奏家たちのセンスが試されているとも言えますね。この9 番から12 番のソナタも変幻自在の楽想を持ち、遅い楽章と早い楽章は目を見張るほどの対比が与えられており、その効果はまさに目を見張るものがあります。第1 集(8.570888)と第2 集(8.570889)を未聴の方はお早目に。
8.572009 フランク:弦楽四重奏曲・弦楽五重奏曲
 1-4.弦楽四重奏曲ニ長調 FWV9/
 5-7.ピアノ五重奏曲へ短調 FWV7
ファイン・アーツ弦楽四重奏団/
クリスティーナ・オルツィス(ピアノ)…5-7
ただただ何も考えずに音楽だけを聴いていたい。そんな時にオススメしたいのがフランクの室内楽作品です。余計な表題や形式などにとらわれることなく、ひたすらゆったりとした時間に身を任せるという贅沢な気分になれること間違いありません。弦楽四重奏曲は1889 年から1890 年の間に書かれた作品で、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの影響も受けてはいますが、随所に現れる独特な節回しは、少しでもフランク(1822-1890)を知る人にとっては極めて懐かしいものとして耳に残ることでしょう。もちろん循環形式を用いて書かれています。1878 年から79 年にかけて書かれたピアノ五重奏曲はサン=サーンスに献呈されていますが彼は初演時のピアノ・パートを受け持ったものの、終演の際、献呈されたスコアを残したままステージから去ってしまったと言われています。恐らくサン=サーンスには晦渋過ぎたのかもしれませんが、一見冷たそうに見えるこの曲も聴きこめば聴きこむほどに味が増してきます。フォーレの五重奏曲と同じくオルツィスのピアノとファイン・アーツ四重奏団の演奏で。
8.572286 ラッブラ:弦楽四重奏曲第 2 番・アモレッティ他
 1-4.弦楽四重奏曲第 2 番変ホ調 Op.73/
 5-9.声と弦楽四重奏のための「アモレッティ」Op.43/
 10-11.アヴェ・マリア・グラティア・プレナ/
 12-14.単一楽章のピアノ三重奏曲 Op.68
チャールズ・ダニエルズ(テノール)…5-9/
マーティン・ラスコー(ピアノ)/
マッジーニ四重奏団
イギリスの作曲家ラッブラ(1901-1986)は、14 歳の時、最初は鉄道員として働きましたが、シリル・スコットの音楽を知り、1920年彼の教えを乞うために奨学生となり、その翌年には王立音楽院に入学、スコットやホルストに音楽を本格的に学んだという経歴を持っています。彼は11 曲の交響曲を始め、4 つの弦楽四重奏曲など多くの室内楽曲、そして声楽曲などを作曲し、20世紀のイギリス音楽の中心的人物としての地位を確立しました。ここに収録された弦楽四重奏曲第2 番は1952 年5 月の初演された意欲的な作品で、ホルストやヴォーン=ウィリアムスの影響を受けながらも、根底にあるのはベートーヴェンへの尊敬の思いです。またラッブラはイギリス中世の時代にも関心が深く、しばしば自作にもエリザベス朝時代の雰囲気を取り込んでいます。ここに収録された「アモレッティ」はエドマンド・スペンサー(1552?〜1599)の愛の詩を用いたもので弦楽合奏と歌のために書かれた情熱的な曲で、これは恐らくラッブラの2 番目の妻となるアントワネットのために書かれたものと推測され、(彼女は有能なヴァイオリニストだった)精神的な美しさと肉感的な響きが融合された聴きごたえのある作品です。
8.572006-07
(2CD)
J.S. バッハ:チェンバロ独奏のための協奏曲集 BWV 972-987
CD1:
 1-3.協奏曲ニ長調 BWV972/4-6.協奏曲ト長調 BWV973/
 4-9.協奏曲ト短調 BWV975/10-12.協奏曲ハ長調 BWV976/
 13-15.協奏曲ヘ長調 BWV978/16-18.協奏曲ト長調 BWV980/
 19-21.協奏曲ハ長調 BWV977/22-24.協奏曲ト短調 BWV983/
 25-27.協奏曲ト長調 BWV986/
CD2:
 1-6.協奏曲ロ短調 BWV979/7-9.協奏曲ニ短調 BWV974/
 10-13.協奏曲ハ短調 BWV981/
 14-16.協奏曲変ロ長調 BWV982/17-19.協奏曲ハ長調 BWV984/
 20-23.協奏曲ニ短調 BWV987/24-26.協奏曲ト短調BWV985/
 27-28.前奏曲とフーガイ短調 BWV894
エリザベス・ファー(ハープシコード)
バッハのワイマール時代に作曲された一つのジャンルがこの「独奏鍵盤楽器のための協奏曲集」。ヴィヴァルディやマルチェッロなどのイタリアの作曲家のヴァイオリン協奏曲などをチェンバロやオルガンで一人で演奏できるように編曲したもので、バッハがイタリアで体験した新しい音楽を自らの作曲技法に取り込むにも大きな役割を背負った作品群です。そのうちチェンバロ用の曲が16 曲、オルガン用の曲が6曲現存していて、ここではチェンバロ用の16 曲を名手エリザベス・ファーが説得力ある解釈とゆるぎない技巧で演奏しています。最後に収録されているBWV894 のプレリュードとフーガは、逆に後年、フルート、ヴァイオリン、チェンバロのための協奏曲BWV1044 の第1 楽章と第3 楽章へと転写された作品です。バッハにしてみれば、小さなものを大きなものへと拡大させるのもお手のものだったに違いありません。
8.572069 ブラスコ・デ・ネブラ:ピアノ・ソナタ全集第 2 集
 モンセラート修道院写本のソナタ
  <1-2.第6 番ホ短調/3-4.第7 番ヘ長調…世界初録音/
  5-6.第8 番ハ長調…世界初録音/7.第9番イ短調…世界初録音/
  8-9.第10 番ハ長調…世界初録音/10.第11 番イ長調…世界初録音/
  11.第12 番ヘ長調…世界初録音>/
 ワシントンD・C 国会図書館写本のソナタ
  <12-13.第1 番ハ短調/14-15.第2 番変ロ長調>
ペドロ・カザルス(ピアノ)
第 1 集(8.572068)に続く、1750 年セビリヤ生まれの作曲家ブラスコ・デ・ネブラのソナタ集です。今回はモンセラート修道院とワシントンDC の国会図書館で保存されていた譜面に基づいた演奏です。研究者でもあるペドロ・カザルスによると、彼の作風は主題や構造の複雑さで3 つの期間に分けることができるそうで、最後の作品はワシントンDC に保存されている6 つのソナタ(作曲家存命中の1780 年に出版)のようですが、まだ彼の全貌が見えてくるまでには時間がかかりそうです。ともあれ、現代に至るまでのピアノ作品の発展に隠れた貢献を果たしたネブラの作品をもっと多くの人に聴いてほしいと願ってやみません。
8.572077 ブゾーニ:ピアノ作品集第 6 集
 1-3.リスト=ブゾーニ:
  「アド・ノス、アド・サルタレム・ウンダム」による幻想曲とフーガ/
 4-6.ピアノ・ソナタへ短調 Op.20K204/
 7-8.前奏曲とアルペジョの練習曲 K297
ヴォルフ・ハーデン(ピアノ)
ブゾーニ(1866-1924)のピアノ作品集第6 集は、彼の初期の作品から2 つの大きな作品を中心に収録しています。リストの「幻想曲とフーガ」はもともとリストがマイアベーアの「予言者」のメロディを基に作曲したオルガン曲で、リスト自身「2 台ピアノ」での演奏は想定していたようですが、まさかピアノソロに編曲されるとは思いもよらぬものだったのではないでしょうか。ブゾーニの編曲はリストの原曲にほとんど忠実なもので、もちろん技術的にも困難なものを要求していることは間違いありません。彼の編曲の腕前を存分に堪能できるはずです。ピアノ・ソナタはブゾーニが10 代半ばに書きあげた大作ですが、1980年代まですっかり忘れ去られていました。ロマン派後期の音楽の特徴溢れる意欲的な曲で、ブラームスと、アントン・ルービンシュタイン双方の影響を感じさせる劇的で壮大なロマンティシズムに溢れています。前奏曲とアルペジョの練習曲は、不安気な音が交錯する晩年の作品。飛び交う音の粒を支える不気味な低音部が一種異様な雰囲気を醸し出しています。
8.572365 タルレガ:ギター作品集
 1-16.前奏曲集
  <ニ短調/イ短調/ト調/ホ調/ホ調/ロ短調/イ調/嬰へ短調/
   ロ短調「メンデルスゾーンの主題による」/ロ短調/ホ調「涙」/
  イ短調/ト調/ニ調/ニ短調「エンデチャ」/ニ短調「オレムス」>/
 17.2 人の姉妹(ワルツ)/18.マズルカ第 1 番「アデリタ」/
 19.マズルカ第 3 番「マリエタ」/20.マズルカ第 2 番ト調/
 21.ガボット「マリア」/22.アルハンブラの思い出/23.ポルカ「バラ」/
 24.ポルカ「ペピータ」/25.アラビア風奇想曲/26.ワルツ「パキート」/
 27.大ワルツ/28.朝の歌/29.ワルツ「イザベル」/30.ワルツ二調/
 31.パヴァーナ/32.アラード (1815-1888)=タルレガ編:華麗な練習曲
マッツ・ベリストレム(ギター)
ヘビースモーカーで超絶技巧を愛し、究極のロマンチストであったギター界のカリスマ、タルレガ(1852-1909)。彼の名前を訊いたことがないとしても、「アルハンブラ宮殿の思い出」を知らない人はいないでしょう。彼はショパンやベートーヴェンのピアノ曲をギター用に編曲したり、ロマン派的なギター音楽の潮流にスペイン的な要素を復活させたりと、八面六臂の活躍をしました。このアルバムには彼の代表的なギター作品を収録。前奏曲集の中には、良く知られる「涙」も含まれています。ワルツ「2 人の姉妹」の冒頭部は彼が生涯愛したショパンのメロディもさりげなく使われていたりします。ここで素晴らしい演奏を聴かせるベリストレムは、作曲家自身が所有していた1888 年の楽器を復刻した現代の楽器で、タルレガの音楽の持つ陰影を美しく描き出しでいます。もちろん「くわえたばこ」なしです。
8.572287 ディキンスン:ヨハネの黙示録のためのミサ曲 他
 1.ユニコーンより「子守歌」/2-6.ヨハネの黙示録のためのミサ曲/
 7-17.ラーキンズ・ジャズ(ライヴ・アナログ・レコーディング)/
 18-22.ピアノ・デュオのための「5 つの偽作」/
 23-27.ピアノのための「5 つの初期の小品」/
 28.独奏フルートのための「エア」/
 29.独奏フルートのための「メタモルフォーシス」
ドビング・デューク(フルート)…1.28.29/
ピーター・ディキンスン(ピアノ)…1.18-23.25.27/
ジョン・フリンダース(ピアノ)…18-22.24.26/
ヘンリー・ハーフォード(ナレーター)…7-17/
ナッシュ・アンサンブル…7-17/
ライオネル・フレンド(指揮)…7-17/
ドナルド・リーヴス(ナレーター)…2-6/
ジョー・マッグス(ソプラノ)…2-6/
メリエル・ディキンソン(メゾ・ソプラノ)…2-6/
セント・ジェイムズ・シンガーズ…2-6/
ジェームズ・ホランド(パーカッション)…2-6/
ディヴィッド・ジョンソン(パーカッション)…2-6/
ジョン・アレイ(ピアノ)…2-6/
アイヴォー・ボルトン(指揮)…2-6
イギリスの作曲家ディキンスン(1934-)の作品は、まるで万華鏡を覗くかのように、曲によってスタイルが違います。例えば、以前リリースされたオルガン作品集(8.572169)での古典的な雰囲気を頭の中に準備してから、ここに収録された「ヨハネの黙示録のためのミサ曲」を聴くと、そのあまりの違いに驚いてしまうことでしょう。典礼文を死者たちの叫びが直接響いてくるような響きに載せて描いた音楽は、あまりにも衝撃的で、その恐ろしい様相に打ちひしがれてしまう人もいるかも知れません。かたや「5 つの偽作」は同時期の大作曲家たちの作風を揶揄しています。イギリスの大詩人、フィリップ・ラーキンの告別式で演奏された「ラーキンズ・ジャズ」は11 の部分からなるナレーターとアンサンブルのための作品です。現代的な響きの中に溶け込むジャジーな音色は妙な気分を否が応でも盛り上げます。
8.559258 アダモ:後期ヴィクトリア朝時代他
 1-4.後期ビクトリア朝時代/5.4 人の天使より「天の女王」/
 6.「女の平和」序曲/
 7-9.オールコットの音楽<ジョー/メグ/アルマとギデオン>
リー・プーリー(ソプラノ)…1-4/
アンドリュー・サリヴァン(ナレーター)…1-4/
ドティアン・ラヴァリア(ハープ)…5/
エクリプス室内管弦楽団/
シルヴィア・アリメナ(指揮)
「現在最も称賛されるオペラ作曲家」であるアメリカのマーク・アダモ(1962-)の作品集です。彼の音楽には様々な世論が反映され、常に多くの人への問題提起を怠ることがありません。例えば、最初はメゾ・ソプラノの歌曲集として着想された「後期ビクトリア朝時代」も、書き進めていく間に彼の思いが熟していき、一時は書くことができなくなってしまったほどだったと作曲家は語ります。語りと歌による劇音楽に、情熱の作家エミリー・ディキンスンの詩が美しく溶け込んでいます。闘病中のAIDS患者から得た霊感、中世の人々の途切れた記憶、反戦、オールコットの「若草物語」、そして、ハイドンの交響曲「告別」など色々なものから触発された彼の作品は現代人の疲れた心にひとときの安らぎと幽かな疑問を投げかけることでしょう。
8.559641 シェーンフィールド(1947-):キャンプの歌・ゲットーの歌他
 1-5.キャンプの歌(2001)
  <ブラック・ボーム/死体運搬人のタンゴ/ハイル、ザクセンハウゼン!/
  ミスターC/アドルフの別れを世界へ>/
 6-11.ゲットーの歌(2008)
  <シフラールの肖像/絶望の瞬間/徴収の鐘/
   私たちの春/陽の光/信頼の瞬間>/
 12.ジェラード・シュワルツ(1947-):ルドルフとジャネット(世界初録音)
アンジェラ・ニーデルロー(メゾ・ソプラノ)…1-11/
エリック・パース(バリトン)…1-5/
モーガン・スミス(バリトン)…6-11/
ポール・シェーンフィールド(ピアノ)…1-11/
ミナ・ミラー(ピアノ)…12/
ミュージック・オブ・リメンブランス/
ジェラード・シュワルツ(指揮)…12
この胸を切り裂くかのような悲痛な 2 つの歌曲集。どちらもナチスの迫害を生き延びた人々の激情、脆弱な希望、そして絞り出されるかのような幽かなユーモアを織り交ぜたテキストによるものです。2004 年11 月8 日に英語ヴァージョンが世界初演された「キャンプの歌」は2003 年のピューリッツァー賞のノミネート作品です。曲自体は、どこかマーラーの「子どもの不思議な角笛」を思わせる素朴でアイロニカルなもの。ちょっと聴いただけでは、どちらかというと明るさが勝っていているような印象を受けますが、「本当に悲しい時には涙も出ない」と言われるように、どの曲にも執拗なまでの生への渇望が込められているのです。2008 年5 月12 日に世界初演された「ゲットーの歌」はユダヤの音楽家&詩人モルデカイ・ゲビルティヒの詩による歌。やはり静かな怒りに燃える、心がずっしり重くなる歌曲集です。
8.570764 シューベルト:ミサ曲第 4 番・第2 番他
 1-10.ミサ曲第 4 番ハ長調 D452 Op.48/
 11-19.ミサ曲第 2 番ト長調 D167/20-28.ドイツ・ミサ D872
インモータル・バッハ・アンサンブル/
ライプツィヒ室内管弦楽団/
モルテン・シュルト=イェンセン(指揮)
8歳から7 年間、聖歌隊で活躍したシューベルト(1797-1828)はミサを知り尽くしていたため、自身でもいくつかの素晴らしい宗教作品を書きました。彼が完成させたミサ曲は6 曲あり、第2 番は1815 年3 月初めの作品でオーケストレーションの一部には彼の兄が手を加えているとも言われます。しかしその溢れ出る才能は到底汲みつくせるものではなく、簡素な中にも荘厳さを備え、また彼独自の豊かな歌心が随所に感じられます。本来の典礼文を少しだけ省略しているため、正式なミサ曲として用いることは困難ですが、そのせいで芸術的価値が損なわれるものではありません。1816 年の6〜7 月に書かれた第4 番は1825年にようやくウィーンで初演されましたが、ベネディクトゥスは後の1823 年に改作され、なぜか小さな編成に変えられてしまいました(こちらはD961 の独立した番号が与えられています)ドイツ・ミサは1826 年から27 年に書かれたもの。一見、驚くほど極めて単純な曲に見えますが、晩年のシューベルトらしい奥深く美しいメロディに彩られた名作です。
8.572110 シューベルト:ドイツ語歌曲全集第34集 パート・ソング第 3 集
 1.酒宴の歌「友よ、輪になれ」D75/2.愛の精(第2 作)Op.11-3/D747/
 3.夜うぐいす Op.11-2 D724/4.酒宴の歌「さあ、みんな陽気にやれ」D267/
 5.坑夫の歌 D268/6.小さい村 D641/7.ポンスの歌 D277/
 8.今過ぎ去る現在 D710/
 9.酒宴の歌「兄弟たち、われらが人生の行路」 Op131-2 D148/
 10.弁護士 D37/11.春の歌(第2 作)Op.16-1 D740/
 12.美しき夜に Op.81-3D903/13.墓(第3 作) D377/
 14.月の光 D875/15.矛盾 Op.105-1 D865a/16.夜の明かり Op.134 D89
マルクス・シェーファー(テノール)…1-16/
マーカス・ウルマン(テノール)…1-9.11-16/
トーマス・E・バウアー(バス)…1-9.11-16/
マーカス・フライク(バス)…1.6.10.11.14-16/
マルクス・シュミードル(バス)…2-5.8.9.12-14.16/
ウルリッヒ・アイゼンロール(ピアノ)…1-16
第 1 集(8.570961)、第2 集(8.570962)が大好評、シューベルト(1797-1828)のパート・ソングの第3 集です。ここに収録されているのは、全て男声のための作品です。当時のドイツの風潮からしても、女声を含んだ曲に比べると男声のための作品の方がレヴェルが高いことは否めません。男たちは事あるごとに酒場に集い、歌っては友好を深め、また愛国心を深めていたに違いありません。「歌う社会」はほとんどの町の中で形成され、彼らのアンサンブルのための曲は幾つあっても足りなかったことでしょう。もちろんシューベルト自身がその「歌う社会」の中の住人だったことも忘れてはいけません。そんな理由で(女性としては悔しいですが・・・)このような素晴らしい作品が数多く生まれてきたのです。

CPO

777083-2
\2000
ヘルツォーゲンベルク(1843-1900):弦楽四重奏曲他
 1.弦楽五重奏曲 Op.77/2.弦楽四重奏曲 Op.18
ミンゲ弦楽四重奏団/
ペーター・ランガートナー(ヴィオラ)…2
ミンゲ弦楽四重奏団によるヘルツォーゲンベルク室内楽作品集の第 2 集です。ここに収録された2 曲は、どちらも彼の対位法の技術が存分に発揮された興味深い作品です。1893 年に作曲された弦楽五重奏曲は当時の評論家に「最も重要な室内楽作品が書かれた」とまで高く評価されたもの。これを作曲したとき、彼は愛妻エリザベスの死に直面、一時的に仕事への意欲を失ってしまいましたが、見事に復帰。その悲しみと妻への限りない愛情を曲に込めたのだそうです。。かたや弦楽四重奏曲は若きヘルツォーゲンベルクの意欲的な作品で、とりわけアンダンテ楽章は素晴らしいメロディで満たされています。
777137-2
(2CD)
\5200
M.ハイドン(1737-1806):交響曲集
 交響曲 第 14,17,19,24,29,33,40,41 番/
 交響曲ヘ長調,3 つの行進曲
ドイツ・カンマーアカデミー/
フランク・ベールマン(指揮)/
ヨハネス・ゴリツキ(指揮)
cpo の偉業である「ミヒャエル・ハイドン交響曲集」の完結編です。モーツァルトが序奏を書きくわえたために、彼の37 番の交響曲として一時期認識されていたのは実はミヒャエル・ハイドンの作品であったことは周知の事実です。それほどまでに才能に溢れていた彼の作品がこうして全て聴けるようになったのは大いなる喜びと言えるでしょう。彼の作品は今まで41 曲とされていましたが。失われたと思われた「交響曲ヘ長調」を発見。じっくりと準備してこの録音を企画したものです。高度に想像的で実験的、ユーモアに富んだ音楽。若きモーツァルトがこれらの交響曲から学びとったものも数知れません。
777348-2
\2600
ゲルハルト・シェルデルプ(1859-1923):
 交響曲第 2 番「ノルウェイに」
トロントハイム交響楽団/
エイヴィンド・アドランド(指揮)
ノルウェイの忘れられた作曲家、シェルデルプの作品です。彼はノルウェー最南端の都市、クリスチャンサンに生まれ、19 歳の時パリに出て、ショパンの親友として知られるフランショームにチェロ、サヴァールとマスネに作曲を学びました。以降ドイツで活動しますが、1887 年カールスルーエで上演された「ニーベルングの指環」を観てから、歌劇と楽劇の仕事に力を入れるようになります。彼の実の妹ハンカは、「日本の声楽の母」と呼ばれる声楽家で1909 年に来日し、東京音楽学校(東京芸術大学の前身)で声楽の指導に当たった事で知られます。交響曲第2 番「ノルウェイ」は1924 年に書かれた、イプセンの戯曲を元にした壮大な作品です。ひとつのモティーフを徹底的に追求し、凝った楽器法を与えられた響きには感嘆するばかりです。
777380-2
\2600→¥2390
グヴィ(1819-1898):交響曲集第 2 集
 1.交響曲第 6 番 Op.87 ト短調/
 2.シンフォニエッタ Op.80 ニ長調
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管/
ジャック・メルシエ(指揮)
200 を超える曲を作曲し、存命中にあのベルリオーズが擁護したにも関わらず、その評価は高まることのなかった作曲家テオドール・グヴィ。cpo ではこれが2 作目のリリースとなります。ドイツとフランスの領土争いに巻き込まれ、どちらの国からも忘れられてしまった彼の作品がこうして聴けるのは嬉しいことです。もともと交響曲として構想されたシンフォニエッタはブラームスの第2 交響曲を思わせるのどかで古典的な牧歌で始まります。第6 番の交響曲は祝祭的な雰囲気を湛えた賑やかなメロディで始まり、中世の騎士たちの戦いを描写し、最後は荘厳なフーガで締めくくるという表現的な曲です。合唱指揮者として名をあげたメルシエが指揮する彼の故郷のオーケストラの演奏でお楽しみください。
777429-2
\2000
スヴェインソン(1938-):ピアノ三重奏曲第 1 番-第3 番 ハイペリオン三重奏団
第 3 番のピアノ三重奏は2008 年にこのハイペリオン三重奏団によって初演されています。作曲家は彼らに作品を提供し、彼らはその作品を演奏することで地位を確立するという理想的な関係を保っているようです。彼のピアノ三重奏曲に見られる特徴的な「極端に移り変わるコントラストとデュナーミク」は不可解でありながらも本質的な静けさに満ちていると言えるでしょう。永遠に向かって留まりゆく音。これはソクラテス以前の哲学者ヘラクレイトスが唱えた「panta rhei…万物は流転する」を実感させるように書いたという作曲家自身の詩的な言葉を味わいつつ聴いてみてください。静寂の寸前の音楽…これこそスヴェインソンの音楽を表現するにふさわしい言葉でしょう。
777440-2
\2000
シャフラート(1709-1763):二重奏(ソナタ)集
 1.ファゴットとハープシコードのための二重奏曲へ短調/
 2.2 台のヴィオラ・ダ・ガンバのための二重奏曲ニ短調/
 3.ヴァイオリンとハープシコードのための二重奏曲変ロ短調/
 4.2 台のハープシコードのための二重奏曲ハ長調/
 5.オーボエとハープシコードのための二重奏曲変ロ長調/
 6.ファゴットとハープシコードのための二重奏曲ト短調
エポカ・バロッカ
ザクセンのオルガニスト、ハープシコード奏者、及び作曲家として名を馳せたシャフラート。彼の室内楽作品からは、当時の作曲技法と演奏技術の多様性が伺い知ることが可能です。このアルバムには様々な楽器を用いた作品が並んでいますが、ヴィオラ・ダ・ガンバの二重奏を除いては、全ての作品にハープシコードが使われています。オブリガート(助奏)とされていますが、楽器が脇役に回ることは一切なく、常に他の楽器との親密な対話が感じられるものです。第1 集(777116-2)と同じくエポカ・バロッカの演奏でこの優雅な作品をお楽しみください。
777515-2
\1400
2010 年カタログ付き特別価格…テレマン(1681-1767):序曲集
 リコーダーと弦楽、通奏低音のための組曲 TWV 55:a2/
 2 つのオーボエと弦楽、通奏低音のための組曲 TWV 55:F14/
 フルートと弦楽、通奏低音のための組曲 TWV 55:Es2  
カリン・ファン・へールデン(リコーダー、オーボエ、指揮)/
オルフェオ・バロック管弦楽団
テレマン時代、のダルムシュタット宮廷楽団で大活躍した、リコーダーおよびオーボエの名手ヨハン・ミヒャエル・ベーム。義兄弟でもあったテレマンはいくつかの素晴らしい作品を彼のために書きました。このアルバムに収録された3曲の序曲組曲も、実際は協奏曲と言えるほどに独奏楽器が華麗に活躍します。ケープタウン生まれのファン・ヘールデンはバロック・オーボエの第一人者。温かい音色が心を満たします。
レギュラー盤(777218-2)に現在発売中のcpo900 タイトルを掲載した340 ページの美麗カタログをセット。かつ価格を大幅にダウンした魅惑の1 枚です。cpo のカタログ発行は2008 年以来2 年振りとなりますので、この機会にぜひどうぞ。以下、2009年1 月に発売したテレマンの序曲集の内容です。

バイエルン放送交響楽団60 周年記念BOX 緊急発売!!

2009 年の秋、創立60 周年を迎えたバイエルン放送交響楽団。この機会にこれまでの首席指揮者たち(プラス1)の貴重な録音を7 枚組のBOX にまとめました。このオーケストラの歴史の変遷を音で綴る興味深いBOX です。本来は、ドイツのファンのために新聞社が「ドイツ国内限定販売」として企画したものですが、今年の来日公演の成功を喜んだオーケストラが、日本のために特別に再プレスをすることが緊急決定!今回、完全数量限定で日本のファンの方へお届けすることが可能になったという逸品でございます。(注文生産のため、希望本数のお届けが不可能なことがございます。ご了承くださいませ)
900708
(7CD)
\9500→¥8690
バイエルン放送交響楽団60 周年記念BOX
 ①フルトヴェングラー:交響曲第2 番ホ短調(2 枚組)
  1954 年録音
オイゲン・ヨッフム(指揮)
1949 年から1960 年までこのオーケストラの首席指揮者を務めた巨匠。彼はブルックナーの権威であり、国際ブルックナー協会の会長もつとめましたが、一方当時の「現代音楽」にも積極的に挑戦(例えばオルフのカルミナ・ブラーナなど)したことでも知られます。このフルトヴェングラーの作品も、親密な友情の証として録音されたものでしょう。ともすると冗長になりがちな作品をぴりりと引き締めているのはさすがです。
 ②ブルックナー:交響曲第8 番ハ短調
  1977 年5 月ライヴ録音
ラファエル・クーベリック(指揮)
チェコの名指揮者、クーベリックがバイエルン放送響の首席指揮者を務めたのは1961 年から1979 年まで。1965 年と1975 年には2 回の来日公演を果たし、その初来日の最初のプログラムが、このブルックナーの8 番というのですから、彼におけるブルックナーの存在は並大抵のものではなかったはずです。彼はマーラーと同じく、ブルックナーも非常に得意としていて、バイエルン放送響とも全曲録音の予定があったそうですが、結局は実現することはありませんでした。この1977 年の第8 番は初の正規盤リリースとなります。スタジオ録音ではどちらかというと温和な表情を見せていたクーベリックですが、ライヴになるとこれが一変。実に熱い音楽を聴かせることで定評がありますが、このブルックナーもそんな伝説的名演の一つと言えるでしょう。
 ③リムスキー・コルサコフ:ロシアの謝肉祭/
 フランク:交響曲ニ短調
  1980 年2 月8 日ライヴ
キリル・コンドラシン(指揮)
この日のプログラムの前半、アルゲリッチとのチャイコフスキーはCD 化されているのに、なぜかこちらはずっとLP のまま。ということで、ファンをやきもきさせていた伝説のフランクがついに登場しました!クーベリックの後任として1982 年から首席指揮者として就任が決まっていたコンドラシンですが、その前年の1981 年に急逝し、このコンビによる演奏は以降永遠に聴く機会がなくなってしまったのです。そんな中残された貴重なこのライヴ。彼が就任していたとしたら、このオーケストラの音色がどのように変わっていったのかを想像するだけでも、この演奏を聴く価値があるのではないでしょうか。
 ④エルガー:エニグマ変奏曲 1983 年録音/
 R・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6 番
  1987 年録音
サー・コリン・デイヴィス(指揮)
コンドラシンの急逝に伴って、1983 年にオーケストラが新たに首席として迎えたのは、当時56 歳のイギリスの指揮者コリン・デイヴィスでした。彼はモーツァルトとベルリオーズのオーソリティでもあった彼は、古典派の音楽解釈を徹底的に練り上げ、また自国のイギリス音楽も積極的に演奏させることで、9 年間の在任中にレパートリーを格段に増やしたことが高く評価されています。ここでは1983 年録音の「エニグマ」と1987 年のヴォーン・ウィリアムズの交響曲第6 番を収録。93 年のエニグマは良く知られていますが、こちらは就任当時の若々しいもの。はちきれんばかりの意欲がテーマからも伝わってきます。
 ⑤ストラヴィンスキー:春の祭典 1999 年6 月録音/
  ストラヴィンスキー:「火の鳥」組曲 1998 年4 月録音
ロリン・マゼール(指揮)
1993 年から2002 年まで4 人目の首席指揮者として活躍したのが、おなじみロリン・マゼールです。就任当時は古巣のピッツバ
ーク響と兼任していましたが、1996 年からはこのオーケストラに専心し、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、シュ
ーベルト、マーラーなどで素晴らしい成果を上げました。ストラヴィンスキーの「火の鳥」は彼が最も得意とするレパートリー
の一つで、2000 年の来日公演では初日の演目にもしっかり入っていたことも記憶に新しいのではないでしょうか。マゼールの
独特な解釈は好き嫌いが分かれましょうが、やはり「天才」と呼ばれるにふさわしい風格を有していることは間違いありません。
 ⑥R.シュトラウス:「ばらの騎士」組曲/
           ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
           4つの最後の歌
マリス・ヤンソンス(指揮)
アニヤ・ハルテロス(S)
2003 年から首席指揮者を務めるマリス・ヤンソンス。彼の活躍ぶりも留まるところを知りません。ここでは彼が得意とするR.
シュトラウスを3 曲収録。「R.シュトラウスの音楽は私の人生と共にあり、深く何度も繰り返し触れ合っている」と彼自身が語
るだけあって、オーケストラの持ち味をよく生かした見事な演奏が展開されています。ソプラノのアニヤ・ハルテロスは近年注
目を集めているギリシャの新進ソプラノ。彼女はこの曲を大切なレパートリーとしているようで、すでにファビオ・ルイージ/
シュターツカペレ・ドレスデンとの盤もリリースされているので聴き比べも楽しいかもしれません。

ORCHID CLASSICS 1CD¥2000

ORC100005 ロージャ&コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 他
 1-3.ロージャ(1907-1995):ヴァイオリン協奏曲 Op.24/
 4-6.コルンゴルト(1897-1957):ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35/
 7.ポンセ(1901-1987):小さな星(ハイフェッツ編)/
 8.ベンヤミン(1893-1960):ジャマイカン・ルンバ(プリムローズ編)/
 9.フォスター(1826-1864):金髪のジェニー(ハイフェッツ編)
   7-9…管弦楽版編曲 P.アッシュ
マシュー・トラスター(ヴァイオリン)/
デュッセルドルフ交響楽団/
篠崎靖男(指揮)
ORCHID CLASSICS レーベルの創立者である、イギリスのヴァイオリニスト、マシュー・トラスターの初の協奏曲録音です。ロージャもコルンゴルトもハイフェッツが初演した作品ということで、3 つの小品も含め「名手へのオマージュ」というコンセプトに沿った聴き応えたっぷりの1 枚です。ロージャのヴァイオリン協奏曲は、最初からハイフェッツに演奏してもらうことを夢見て書かれたものです。ロージャ自身はハイフェッツとは面識がなかったものの、彼の伴奏者であるエマニュエル・ベイを知っていたため、この曲を聴いてもらう機会を得たそうです。この曲を気に入ったハイフェッツは、若干の譜面の変更を依頼し、1956 年1 月に初演、続いてRCA に録音もして、この曲を紹介することに力を尽くしたのです。一方、コルンゴルトの協奏曲は、ハリウッドの作曲家として人気を得たウィーン生まれの作曲家の心の底にずっと溜まっていた「純音楽への思い」が結実した名作として知られています。甘くとろけるようなメロディと、官能渦巻くオーケストラの融合は20 世紀のヴァイオリン協奏曲の中でも一際輝く魅力を放ち、こちらもハイフェッツの演奏が長らくBEST と称されていました。最近ブームを迎え、様々な演奏家たちがこの曲を取り上げていますが、このトラスターの演奏は1711 年製のストラディヴァリをハイフェッツ自身が使用したの弓の1 つを使っているところが聴きどころです。
ORC100006 シューベルト(1797-1828):歌曲集「美しき水車屋の娘」D795
 1.さすらい/2.どこへ/3.とまれ/4.小川への感謝/
 5.憩いの夕べに/6.好奇心の強い男/7.焦燥/
 8.朝の挨拶/9.水車屋の花/10.涙の雨/11.わがもの/
 12.休み/13.緑のリュートのリボンを添えて/14.狩人/
 15.嫉妬と誇り/16.好きな色/17.いやな色/
 18.しおれた花/19.水車屋と小川/20.小川の子守歌
ジェームス・ギルクリスト(テノール)/
アンナ・ティルブルック(ピアノ)
シューベルトの名作「水車屋の娘」にはすでに様々な名唱が存在し、聴き手としても選択肢が多すぎて迷ってしまうほどですが、そんな中に新たな1 枚を投入いたします。ここで見事な歌唱を聴かせるギルクリストは1970 年生まれのイギリスのテノールです。最初は医者として薬学を学びつつ、ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊で歌っていましたが、1996 年に完全に音楽家へと転向し、以降は合唱団のソリストを務めたりコンサートで歌ったりと八面六臂の活躍をしています。イギリス室内管弦楽団を始めとしたイギリスの主要オーケストラと共演し、高い評価を得ています。このシューベルトの「水車屋」も彼の得意とするレパートリーで、ピアニストのアンナ・ティルブロックとツアーを組み全英中でコンサートを開き喝采を浴びています。線は細めで端正な声質が魅力で、この曲集が要求する「一途な若者のひたむきさ」を存分に表現しきった素晴らしい仕上がりです。とりわけ甘さたっぷりの高音は彼ならではのもの。全20 曲での緊張感を湛えつつも情感溢れる歌いぶりには思わず感動します。

WIGMORE HALL LIVE 1CD¥2400

WHLive0029 ヴォルフ(1860-1903):メーリケ歌曲集
 1.旅先にて/2.鼓手/3.思いみよ、おお心よ/4.庭師/
 5.クリスマスローズⅡ/6.炎の戦士/7.ペレグリナⅠ/
 8.ペレグリナⅡ/9.真夜中に/10.狩人の歌/
 11.眠る幼な児イエス/12.問いと答え/13.散歩/
 14.明け方に/15.春に/16.恋する男の歌/17.さようなら/
 18.愛する人に/19.飽くことを知らぬ恋/20.妖精の歌/
 21.祈り/22.眠りに寄せて/23.時は春/24.いましめに/
 25.ある婚礼にのぞんで/26.めぐりあい/
 27.<アンコール>打ち明け話
ヴォルフガンク・ホルツマイヤー(バリトン)/
イモジェン・クーパー(ピアノ)
シューベルトの流れを汲む、ドイツ・オーストリア歌曲の歴史に芳醇な香りを添えたヴォルフの作品集。彼の作品の中でも最も愛されている「メーリケ歌曲集」をこれまたオーストリアの名バリトン、ホルツマイヤーが歌います。決して派手な歌い方をする人ではなく、どの曲にもじっくり取り組み、極めて誠実な表現を聴かせてくれる素晴らしい歌い手です。伴奏のクーパーはイギリス人ですが、ウィーンでパウル・バドゥラ=スコダとイェルク・デムス、そしてアルフレート・ブレンデルからオーストリア気質をじっくり学び、これまた洒脱な演奏でホルツマイヤーの歌にぴったり寄り添っています。録音: 2008 年2 月19 日ウィグモア・ホール・ライヴ録音
WHLive0030 シューベルト&クルターク:ピアノ作品集
 1.クルターク(1926-):ユディットの誕生日に寄せるエレジー/
 2.シューベルト(1797-1828):
  ピアノ・ソナタ第 15 番ハ長調 D840「遺作」
  (第1 楽章、第2 楽章のみ)/
 3.シューベルト:ピアノ・ソナタ第 20 番イ長調 D959/
 4.<アンコール>
  クルターク:シューベルトへのオマージュ
ジョナサン・ビス(ピアノ)
EMI からデビューし、来日公演でも好評を博した「若き巨匠」ジョナサン・ビスのライヴ録音です。名だたるコンクールを制覇せずとも、その才能は自然に花開き、2002-04 年のBBC「新世代アーティスト」にアメリカ人として初めて選定され、多くの人から注目されました。ベートーヴェンなどで神がかり的な音楽を聴かせることで定評がありますが、ここでは彼が得意としているシューベルトと、彼が心酔しているクルタークの作品を演奏しています。クルタークの音楽は使っている音の数は少ないのですが、一つ一つの密度が非常に高くあたかも全宇宙が凝縮されているかのようです。シューベルトの持つ深い闇の世界と、クルタークの神秘的な響きが相俟って、このアルバムは恐ろしいまでの完成度を見せてくれています。録音: 2008 年5 月12 日ウィグモア・ホール・ライヴ録音
WHLive0031 サイモン・キーンリーサイド、シューベルト、ヴォルフ、フォーレ、ラヴェルを歌う
シューベルト(1797-1828):
 <1.シルヴィアに/2.隠遁所/3.変容/4.星/5.天の火花/6.セレナーデ>/
ヴォルフ(1860-1903):
 <7.少年と蜜蜂/8.ヴァイラ女神の歌/9.愛する人に/
 10.クリスマスローズにⅡ/11.恋焦がれる男の歌/12.風の歌>/
フォーレ(1845-1924):
 <13.朝の歌/14.秘めやかに/15.グリーン/
 16.私たちの愛/17.捨てられた花/18.憂鬱/
 19.シャイロックのマドリガル/20.蝶と花>
ラヴェル(1875-1937):博物誌
 <21.くじゃく/22.こおろぎ/23.白鳥/24.かわせみ/25.ほろほろ鳥>/
26.拍手/
 27.<アンコール>
  プーランク(1899-1963):ホテル
サイモン・キーンリーサイド(バリトン)/
マルコム・マルティノー(ピアノ)
現在、イギリスのみならず世界中で最も人気のあるバリトン歌手と言えば、このキーンリーサイドでしょう。今年50 歳、このライヴでも、最も脂の乗り切った時期の美しい声を聞かせてくれます。前半はシューベルトとヴォルフ、後半はフォーレとラヴェルという、全くキャラクターの違うプログラムを選択、その多彩な表現で満席の聴衆を沸かせたのでした。大きな身振りをすることなく、声の陰影だけで曲を作り上げていく見事さには感嘆する他ありません。フォーレでは若干硬さも感じられるような気がしますが、ラヴェルでの曲ごとの歌い分けは誰にも真似できるものではありません。マルコム・マルティノーのピアノも歌い手の呼吸を良く理解した丁寧な演奏。強すぎない主張が心地よいものです。録音: 2008 年10 月26 日ウィグモア・ホール・ライヴ録音
WHLive0032 ハイドン(1732-1809):弦楽四重奏曲集
 1.弦楽四重奏曲第 22 番ニ短調 Op.9-4/
 2.弦楽四重奏曲第 45 番ハ長調 Op.50-2/
 3.弦楽四重奏曲第 75 番ト長調 Op.76-1/
4.<アンコール>
 弦楽四重奏曲第 44 番変ロ長調 Op.50-1 より終楽章
ドーリック弦楽四重奏団
2008 年に開催された「大阪国際室内楽コンクール第1 部門」で第1 位を獲得したイギリスの若き団体、ドーリック弦楽四重奏団のフレッシュなハイドンの弦楽四重奏を3 曲。最近流行のピリオド奏法は意識することなく、モダンな感覚ですっきりとした演奏を聴かせてくれます。中でも、第45 番は彼らが最も得意とするレパートリーで、日本でのお披露目公演でもプログラムに組み入れ、聴衆から大喝采を浴びた曲目です。アンコールでのユーモラスな仕掛けにも注目。これぞ弾き手も聴き手も幸せになる一瞬です。ドーリック弦楽四重奏団は、イギリスで開催される「若い音楽家のための夏期ミュージック・スクールの室内楽コース」がきっかけで、1998 年に本格的に活動を開始。2000 年開催の「ブリストル・ミレニウム弦楽四重奏コンクール」で第1位となり、その後はロンドンを中心にヨーロッパで研鑽を積み、2007 年の「メルボルン国際室内楽コンクール弦楽四重奏部門」で入賞しました。2008 年初めにはメンバーの交代があったものの(ヴィオラ奏者が変わった)2008 年5 月の大阪での第1 位、翌6 月にはイタリアのレッジョ・エミーリアで行われた「パオロ・ボルチアーニ賞国際弦楽四重奏コンクール」でも第2 位を獲得するという期待の団体です。録音: 2009 年1 月15 日ウィグモア・ホール・ライヴ録音


ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の名演集 1CD¥2000

RPOSP005
(2CD)
\2000
モーツァルト(1756-1791):管楽作品コレクション
CD1:
 1.クラリネット協奏曲イ長調 K622/
 2.ホルン協奏曲第 4 番変ホ長調 K495/
 3.ディヴェルティメントニ長調 K136/
CD2:
 1.フルート協奏曲第 1 番ト長調 K313/
 2.オーボエ協奏曲ハ長調 K314/
 3.ファゴット協奏曲変ロ長調 K191
マイケル・ホワイト(クラリネット)/
マーティン・オーウェン(ホルン)/
アンドリュー・ニコルソン(フルート)/
ジョン・アンダーソン(オーボエ)/
ダニエル・ジェミソン(ファゴット)/
ニコラス・クレオベリー(指揮)/
ロイヤル・フィル
2005 年1 月.4 月録音。ロイヤル・フィルの首席奏者たちによる、目の覚めるほど素晴らしいモーツァルトの協奏曲集です。
RPOSP006
(2CD)
\2000
チャイコフスキー(1840-1893):バレエ音楽「くるみ割り人形」全曲 Op.71
 CD1:1.序曲/2-8.第1 幕第 1 場/9-10.第1 幕第 2 場/
 CD2:1-14.第2 幕
デイヴィッド・マニノフ(指揮)/
ロイヤル・フィル
名指揮者マニノフが死の直前1995 年に残した、目の覚めるほど素晴らしいチャイコフスキーです。
RPOSP012 バレエ音楽「誰がかまうものか」(原曲:ガーシュウイン、H・ケイ編)
 1.ストライク・アップ・ザ・バンド/
 2.ギター弾きの恋/
 3.Somebody loves me/4.Bidin' my time/
 5.ス・ワンダフル/6.ドゥ・ドゥ・ドゥ/
 7.ザ・マン・アイ・ラヴ/8.ステアウェイ・トゥ・パラダイス/
 9.Embraceable You/10.Fascinatin' Rhythm/
 11.誰がかまうものか/12.My One and Only/
 13.リザ/14.アイ・ガット・リズム/
 15.プロムナード - ウォーキング・ザ・ドッグ/
 16.「ポーギーとベス」交響的情景(R.ベネット編)/
 17.キューバ序曲
ヴィヴ・マクリーン(ピアノ)…1-14/
サイモン・リー(指揮)…1-16/
ジョン・ボルティモア(指揮)…17/
ロイヤル・フィル
「誰がかまうものか」とはガーシュウインのソングブックの名曲をH.ケイが管弦楽版にアレンジ、楽しいバレエ音楽に仕上げたものです。ゴージャスなサウンドにメロメロです。他にも「ポーギーとベス」の名場面集や「キューバ序曲」など、ガーシュウイン好きにはたまらない1 枚です。2007 年の録音。
RPOSP013 ベートーヴェン:(1770-1827)ピアノ協奏曲第4 番, 第5 番
 1.ピアノ協奏曲第 4 番ト長調 Op.58/
 2.ピアノ協奏曲第 5 番変ホ長調 Op.73「皇帝」
マリオ・ガレアーニ(ピアノ)/
グルジェゴルス・ノヴァーク(指揮)/
ロイヤル・フィル
2007 年の録音。ソリストを務めるガレアーニはイタリア、メッシーナ生まれのピアニスト。アルド・チッコリーニの薫陶を受けた実力派です。明るい開放的な音色が特色で、ロイヤル・フィルの華麗な音色と相俟って、素晴らしいベートーヴェンを聴かせてくれます。
RPOSP014
(2CD)
シューマン(1810-1856):交響曲全集
 CD1:
  1.交響曲第 1 番変ロ長調 Op.38「春」/
  2.交響曲第 2 番ハ長調 Op.61/
 CD2:
  1.交響曲第 3 番変ホ長調 Op.97「ライン」/
  2.交響曲第 4 番ニ短調 Op.120
グルジェゴルス・ノヴァーク(指揮)/
ロイヤル・フィル
ロイヤル・フィルの首席准指揮者としてじっくり活動しているノヴァークの手堅い演奏を。これがなかなか遅めのテンポの熱いシューマンで、気楽に聴こうと思うと火傷するかもしれません。録音 2008 年2 月4.5 日(2 番&4 番) 2009 年1 月6.7 日(1 番&3 番)
RPOSP015 スペイン・ギター音楽の祭典
 1.ロドリーゴ(1901-1999):アランフェス協奏曲/
 2.バカリッセ:コンチェルティーノイ短調より 第 2 楽章ロマンス/
 3.ジョルジュ・ビゼー(1838-1875):カルメン組曲第1 番より抜粋/
 4.ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲/
 5.モレノ=トローバ:ギター・ソナチネ(ギターと管弦楽編)/
 6.ロッシーニ(1792-1868):歌劇「セヴィリャの理髪師」より序曲
ローランド・サード(ギター)…1.2.4.5/
フアト・マンスロフ(指揮)/
ロイヤル・フィル
30 年以上のキャリアを持ち、40 カ国以上の都市でソロ・リサイタルを開く実力派ギタリスト、ローランド・サードの最も得意とするスパニッシュ・ギター音楽。最初のロドリーゴから魅力満載。ゆったりとしたオーケストラも鄙びた魅力を添えています。2007 年12 月12.13 日録音
RPOSP017 ベスト・オブ・ボンド
 1.ジェームズ・ボンドのテーマ(1962)/
 2.ダイヤモンドは永遠に/3.サンダーボール作戦/
 4.ゴールドフィンガー/
 5.ゴールドフィンガー…フォート・ノックスへの夜明けの襲撃/
 6.美しき獲物たち/7.黄金の銃を持つ男/
 8.私を愛したスパイ/9.ロシアより愛をこめて/
 10.消されたライセンス/11.ユア・アイズ・オンリー/
 12.私を愛したスパイ/13.死ぬのは奴らだ/
 14.007 は二度死ぬ/15.カジノ・ロワイヤル/
 16.トゥモロー・ネバー・ダイ
カール・デイヴィス(指揮)/
ロイヤル・フィル
ロイヤル・フィルお得意のレパートリーをカール・ディヴィスの極上の指揮で。これは一度聴くと頭から離れません。2008 年の録音です。
RPOSP018 デレク・ハンモーツァルトを弾く!
 1.3 台のピアノのための協奏曲ヘ長調 K242/
 2.2 台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K365/
 3.ロンドニ長調 K382/4.ロンドイ長調 K386
デレク・ハン(ピアノ)/
ウー・ハン(ピアノ)…1.2 のみ/
ペーター・アシモフ(ピアノ)…1 のみ/
マッシモ・クアルタ(指揮者)/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
中国系アメリカ人ピアニスト、デレク・ハンの久々の新譜。ジーナ・バッカウアーやリリー・クラウス直伝のモーツァルトをたっぷりお楽しみください。柔らかい響きにうっとりします。録音 2008 年9 月12.13 日
RPOSP019
(3CD)
\2000
シンフォニック・ロック ロイヤル・フィル 他
ロイヤル・フィルのお得意のゴージャスにアレンジされたPOPS 集大成。CD3 枚に3 時間以上、これでもかとばかりの極彩色世界です。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」やオアシス、ノラ・ジョーンズ、ボン・ジョヴィ、ツェッペリン、ビートルズなどの超有名曲がたっぷり入ってます。もちろんマイケルの「スリラー」も。日曜の午前のAM 放送のようなゆる〜い感じがたまりません。これはゴキゲンです。
RPOSP021
(3CD)
\2000
フィルムハーモニック ロイヤル・フィル 他
こちらは映画音楽名曲集。「ロッキー」や「インディアナ・ジョーンズ」のテーマなどの有名曲が、また違った味わいで楽しめます。BGM にも最適。全ての人にオススメしたい3 枚組です。
RPO019 アメリカン・クラシック
 1.ガーシュウイン(1898-1937):パリのアメリカ人/
 2.コープランド(1900-1990):組曲「ビリー・ザ・キッド」/
 3.レナード・バーンスタイン(1918-1990):ウェスト・サイド物語より
  シンフォニック・ダンス
ジョン・ボルティモア(指揮) /
ロイヤル・フィル
21 世紀、最もエキサイティングな指揮者、ジョン・ボルティモア(もともとは打楽器奏者出身!)。彼が繰り出す華麗なる音によるパンチをお楽しみください。2006 年7 月録音

W I E N E R P H I L H A R M O N I K E R

WPHLH-2009123
(3CD)
\5000→\4590
CD1
 1.交響曲第12 番 ホ長調 Hob.1:12
  クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)
   1991 年11 月10 日 ムジクフェライン・ザール
 2.交響曲第22 番 変ホ長調 「哲学者」Hob.1:22
  ズビン・メータ(指揮)
   1972 年1 月16 日 ムジクフェライン・ザール
 3.交響曲第26 番 ニ短調「悲しみ」Hob.1:26
  フランツ・ウェルザー=メスト(指揮)
   1998 年3 月22 日 ムジクフェライン・ザール
CD2
 1.交響曲第93 番 ニ長調 Hob.1:93
  ニコラウス・アーノンクール(指揮)
   2009 年5 月10 日 ウィーン・コンツェルトハウス
 2.アーノンクールによる演奏についての語り
 3.交響曲第103 番 変ホ長調 Hob.1:103
  ニコラウス・アーノンクール(指揮)
   2009 年5 月10 日 ウィーン・コンツェルトハウス
CD3
 1.交響曲第98 番 変ロ長調 Hob.1:98
  フランツ・ウェルザー=メスト(指揮)
   2009 年9 月8 日 ルツェルン
 2.交響曲第104 番 ニ長調 Hob.1:104
   ピエール・ブーレーズ(指揮)
    1996 年3 月24 日 ムジクフェライン・ザール
世界有数の名門、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に縁の深い5 人の指揮者によるハイドンの交響曲集です。オーケストラの長い歴史の中で幾度となく演奏されてきたハイドンの交響曲ですが、ここでは楽団員たちが「ベストと呼べる演奏」を選び抜き、敬愛するハイドンへのオマージュを作り上げたものです。37 年に渡る5 人の指揮者たちの選りすぐりのハイドンが収録されていますが、この中の3 曲はこのアルバムのための新録音になります。ウェルザー=メストの演奏は、1998 年の第26 番と、2009 年の第98 番の聴き比べも楽しそうです。そして、何といっても注目したいのは、アーノンクールによる2 つの交響曲でしょう。現在、楽員たちが「最も尊敬する指揮者」の一人として名を挙げるアーノンクールですが、彼はハイドンを得意としているにも関わらず、ウィーン・フィルとの録音はありませんでした。ウィーン・コンチェントゥス・ムジクスとの名演を上回るこの演奏、ハイドン好きにはまたとない贈り物になるはずです。第103 番でのヴァイオリン・ソロは1795 年のこの曲初演時で使われたストラディヴァリウスを使用するという凝り様にも、このアルバムへの力の入れ方が伺えるというものです。(アーノンクールのお得意の語りも収録しています)
英語とドイツ語による84 ページの豪華ブックレット付き。迫力あるハイドンの肖像画の横で燦然と輝くROLEX のマークが高級感をさりげなくアピールしています。ウィーン・フィルの自主制作盤はこれからも予定されているとのこと。次のリリースをお楽しみに!




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