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≪第87号アリアCD新譜紹介コーナー≫
その3 2016/5/3〜






5/6(金)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜


 

 AEON


AECD1648
\3200
リチャード・バーレット、新たなる複雑性
 〜チェロとエレクトロニクスのための作品集〜

 ①Life-form(いのち・かたち) - 2011/12
    〜チェロと8チャンネルのエレクトロニクスのための
 ②nacht und traume(夜と夢) - 2009
    〜チェロ、ピアノとエレクトロニクスのための
 ③Blattwerk(木葉細工) - 2001/02
    〜チェロとエレクトロニクスのための
アルヌ・ドフォルス(チェロ)
大宅 裕(ピアノ)
 「新しい複雑さ」+長大な音楽展開——ウェールズの異才が放つ新境地、鬼才ドフォルスいればこその新作ウェールズ出身の現代音楽作曲家リチャード・バーレットは、この国の伝統に何かしらのかたちでかかわった英国の作曲家たちとは一線を画す、純粋にヨーロッパの現代シーンの最先端をひた走ってきた1959年生まれの前衛派。
 ダルムシュタット現代音楽祭で、同じく英語圏にとどまらない広範な活躍を早くからみせてきたブライアン・ファーニホウに影響を受け…といえば、その方向性もわかりやすいかもしれません。
 そう、彼は具象的な音素材を出発点にしていながら、エレクトロニクスも駆使しつつ、ファーニホウが切り開いた「新しい複雑さ」(ほとんど感知不可能なまでの複雑さへと臆せず切り込んでゆく音楽芸術)の一翼を担う作曲家なのです。
 畢竟、ファーニホウの場合と同じく相当に腕がたつ演奏家がいなくては、そもそも演奏再現すら不可能...しかも彼は往年のフェルドマンやミニマリスト、ディープリスニング系の作曲家たちのように、とてつもなく長大な作品もつくりあげるタイプ。
 本盤も2枚組のうち1枚目は「life-form」1作だけで埋まっているほど!
 フェルドマン作品集(MAECD0977・レコ芸特選)で名をあげたベルギーの逸材ドフォルスがいなくては、このような企画は成り立ちえなかったはず——注目すべき現代音楽の最先端、どうぞ、お見逃しなく...!




ARCANA



A396
\2500→\2290
ストラデッラ:『聖女エディッタ』(全)
 聖女エディッタ 乙女なる女君主、英国女王
   〜5声の独唱と通奏低音によるオラトリオ
ヴェロニカ・カンジェーミ、
フランチェスカ・アスプロモンテ、
クラウディア・ディ・カルロ(S)
ガブリエッラ・マルテッラッチ(A)
フェルナンド・ギマラネス(T)
セルジオ・フォレスティ(B)
アンサンブル・マーレ・ノストルム(古楽器使用)
〔ヤスミーナ・カピタニオ(ディスカント・ガンバ&ヴィオローネ)
フランソワ・ジュベール=カイエ(バス・ガンバ)
アンドレア・フォッサ(チェロ)
ピーテル・テュンス(アーチリュート)
ダニエル・ザピコ(テオルボ)
マルタ・グラツィオリーノ(トリプルハープ)
マルコ・サルヴィ(チェンバロ&オルガン)〕
総指揮:アンドレア・デ・カルロ

 知るべき作曲家ストラデッラ、通奏低音のみのオラトリオでこんなに多彩な響きを作り出すとは!

 イタリア発の快挙ストラデッラ。
 17世紀半ばにあって、カヴァッリやメールラなど17世紀前半から活躍してきた世代の作曲家たちと、世紀末のコレッリやA.スカルラッティのあいだをつなぐ重要な存在。しかしその作品は意外にも、暗殺者に追われ逃亡の末に命を落としたというスキャンダラスな人生の影に隠れ、長らく注目を集めずにいたかもしれません。20世紀の古楽復興の勢いのなか、ようやく1980年代頃からヴァイオリン音楽だけでなくオラトリオなどの声楽作品にも広く注目が集まるようになったものの、多くの作品はいまだ忘却の淵に…しかしイタリア古楽勢の躍進はめざましく、名匠ガッティもクリスマス向けの傑作オラトリオ2編を録音しているほか、ローマのガンバ奏者=指揮者デ・カルロがここ数年、ストラデッラ復権に大いに意欲を燃やしているのが頼もしいところ。

 Arcanaレーベルで録音されてきた2作のオラトリオ新録音に続き、ここに復権をみる「聖女エディッタ」はなんと、現存楽譜の伴奏がオーケストラではなく通奏低音のみ——しかし古楽器奏者たちはイタリアの通奏低音演奏に充実した楽器編成が盛り込まれたことを意識、豪奢な器楽伴奏で最後まで聴き手を飽きさせません!

 イタリア古楽界の最先端、17世紀ファン垂涎の新録音です。どうぞご注目を!




CdM


CdM1639
\2500
中世の地中海 東洋、アフリカ、そしてシチリア
 〜大哲学者ラモン・リュイの一代旅行記(3)

 1.Shatakhi Dzernapar(Asia Menor);
 2.Zurni Trngi(Asia Menor);
 3.Un sirventes novel volh comensar(Peire Cardenal);
 4.Jhesus Cristz, filh de Dieu viu(Guiraut Riquier);
 5.Λετσ.να(Grega);
 6.Pax innomine Domini (Marcabru);
 7.Derdj Zidane (Africa);
 8.Nu tret herzuo der boessen welle (Alemany);
 9.Cantiga 132 (Alfonso X el Sabio);
 10. Et cler et lai(Chansonnier de Clairambault);
 11. La uitimeestampie real ;
 12. Higaz Kabir (Andalusi);
 13.Mater Dei plena gratia/ Mater, virgo pia/ Eius(Codex Montpellier);
 14. Ex agone sanguinis (CodexLas Huelgas);
 15. Cantiga 335 (Alfonso X el Sabio);
 16. Gloria. Spiritus et alme (LU 40);
 17. TwichiaNuba Asbahan (Nord d’Africa) ;
 18. Quan ay lo monconsirat (Catala)
カルレス・マグラネル指揮
カペリャ・デ・ミニストレルス、
ムジカ・レゼルヴァータ ・デ・バルセロナ
(古楽器使用)
 トマス・アクィナスと並び称される偉人ラモン・リュイ〜その生涯に渡る大旅行を活き活きと音楽で再現。

 洋の東西を問わず、世界史マニアが“美味しい”と口をそろえて言う13世紀。西洋では、キリスト教とイスラム教が、がっぷり四つの中世。
 スペインはマヨルカ島に生まれたラモン・リュイ(1232-1315)は、哲学者、進学者、神秘家、著述家としてはカタルーニャ語の父、そして何よりその長き人生において、ヨーロッパ、アフリカ、キプロス、アルメニア、パレスチナという、地中海世界を何度も旅した大旅行家でありました。当盤は、そんなリュイの旅に絡めて、同時代の各地の音楽が一同に会する三部作シリーズの最後を飾る第3弾。

 アルス・アンティクヮの13世紀芸術音楽を出発点とした第1弾(CdM1637)、巡礼地さまざまの音楽をふりかえった第2弾(CdM1638)に続き、最後のテーマは「地中海をとりまく三つの世界」。
 アフリカ北岸や小アジアとともに、モンペリエなど南仏、さらにアンダルシアとカタルーニャという、スペインの地中海沿岸を代表する2地域それぞれの音楽もからめてくるところ、そしてその中心地たるシチリアに注目してみるあたり、さすが地方性重視のスペインから来た純然古楽企画!というほかありません。
 色鮮やかな青が印象的なジャケットとともに、異趣あふれる中世音楽のひとときを!





HERITAGE



HTGCD 203
\1800
ちょっと聞いてみたい
 イギリスの作曲家による作品集

  ギャレス・グリン(1951-):スノードニア/
  アンソニー・ヘッジズ(1931-):スノーピース/
  ブライアン・ジョージ・ケリー(1934-):Four Realms Suite/
  デイヴィッド・ライオン(1938-):ピアノ協奏曲/
  ロイ・ムーア:祝典序曲/
  ニコラス・スミス:Tears in my bowl/
  フィリップ・スプラトレー(1942-):Images of Paleastina
ギャビン・サザーランド指揮、
RTEコンサート・オーケストラ
 

HTGCD 207
(2CD)
\3600
スペインのピアノ曲集
 ソレール:鍵盤楽器のためのソナタ第45番、第84番、第90番/
 アルベニス:スペイン組曲Op.47/
 グラナドス:ゴイェスカスより「愛の言葉」、スペイン舞曲集より「アンダルーサ」/
 ファリャ:アンダルシア幻想曲/
 モンポウ:歌と踊り 第6番/
 Alejandro YAGUE (b. 1947):Halley/
 ロドリーゴ:
  スペインのセレナード、バガテル、パストラル、
  カスティーリャのソナタ、セシリアのアルバム、
  朱色の塔のかげに、とある若い娘の名によるバレエの調べ、
  3つのスペイン舞曲、春の子守歌、3つの回想曲
マリア・ガルソン(pf)
 

HTGCD 211
\1800
ピーター・ディキンスン:管弦楽曲集
 バースディ・サプライズ、
 サティ・トランスフォーメーション、
 5つのディヴァージョン、
 バッハ・イン・ブルー、マージーサイド・エコーズ、
 「ロード・バーナーズの生誕100年」による組曲、
 弦楽のためのモノローグ
クラーク・ランデル指揮、
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
 .


HTGCD 301
(3CD)
\4200→\3790
音楽史史上最高の美青年、そして最低最悪の男の一人
 ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク(1760年 - 1812年):ピアノソナタ全集第2集

  ソナタOp.9-2、Op.10-1、Op.25-2、Op.69-3、Op.9-3、
      Op.35-1、Op.35-2、Op.70、Op.5-3、
      Op.10-3、Op.39-1、Op.39-3、Op.75
マリア・ガルソン(pf)
 

 ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク(1760年 - 1812年)は、イギリス・ピアノ楽派の基礎を築いたボヘミア人作曲家・ピアニスト。(モーツァルトと懇意だったフランツ・クサヴァー・ドゥーシェクとは別人。)

 ボヘミアからドイツへ、さらにサンクトペテルブルクに行き、その地でエカチェリーナ2世の家臣となった。
 女帝エカチェリーナは美青年を深く愛する人だったので、美男子だったドゥシークがそこでどういう寵愛を受けたかはご想像にお任せする。
 彼はあまりに美男子だったために、「淑女たちが彼の美しい横顔を愛でることができるように(シュポア)」、舞台上にピアノを横向きに置いた最初のピアニストだったという。

 ペテルブルクを去ると今度はフランスに行ってマリー・アントワネットの寵臣となるが、フランス革命が勃発すると、ロンドンに向かう。
 そこでハープ奏者で作曲家のジャン=バティスト・クルムフォルツの妻と駆け落ち。このためハープの大家は自らセーヌ川に身を投げた。

 ロンドンでは演奏家として大成功、ハイドンからも大絶賛。楽譜出版社コッリに協力して会社を興す。そこではあっさりクルムフォルツ夫人を捨てて、コッリの娘と結婚。しかしその会社が破産すると、ドゥシークは家族を捨ててイングランドからドイツに逃れた(残されたコッリは牢屋に入れられた)。
 その後パリに戻るとフランスの外務大臣タレーランに召し抱えられた。かつてはマリー・アントワネットに仕えていたドゥシークだが、そこで書いた「ピアノ・ソナタ〈パリへの帰還〉」は、最終楽章でギロチンが彼女の首を落とし、さらにその後彼女の亡霊が戻ってくるというホラー・ソナタ(軽やかな、なんてことのない曲ですが)。

 余生をフランスとプロイセンで過ごし、演奏・教育・作曲活動に費やしたドゥシークだが、晩年は容姿が崩れて醜く太り、酒びたりの日々を重ねるようになった。

 まあ、音楽史上最低最悪の男の一人。


 



第1巻

HTGCD 300
(3CD)
\4200
ドゥシーク:ピアノソナタ全集第1集
 ソナタOp.23、Op.39-2、Op.47-1、Op.77、Op.47-2、
 Op.45-1、Op.45-2、Op.45-3、Op.44、Op.9-1、
 Op.10-2、Op.18-2、Op.31-2、Op.43、Op.61
マリア・ガルソン(pf)





.

NCA

限定盤

NCA 234239
(12CD)
\5000→\4690

マルクス・ベッカー(ピアノ)
 マックス・レーガー:ピアノ作品全集

CD 1
「7つのワルツ」 op. 11 (1893)

1. I A-Dur Allegro ma non troppo
2. II cis-moll Semplice
3. III D-Dur Moderato
4. IV As-Dur Grazioso
5. V E-Dur Comodo
6. VI fis-moll Melancolique (Lento)
7. VII A-Dur Allegro vivace


「即興曲集」 op. 18 (1897)

8. I Allegretto con grazia
9. II Andantino
10. III Caprice (Allegro vivace)
11. IV Andante semplice
12. V Moderate ma marcato
13. VI Allegretto con grazia
14. VII Vivace assai
15. VIII Etude brillante (Allegro con brio)


「5つのユモレスク」 op. 20 (1898)

16. I Allegretto grazioso
17. II Andante
18. III Andante grazioso
19. IV Prestissimo assai
20. V Vivace assai


CD 2
「G.P.テレマンの主題による変奏曲」 op. 134

1. Thema: Tempo di Minuetto
2. I L‘istesso Tempo
3. II L‘istesso Tempo
4. III L‘istesso Tempo
5. IV L‘istesso Tempo
6. V Non troppo vivace
7. VI Non troppo vivace
8. VII Quasi Tempo primo
9. VIII Tempo primo
10. IX Non troppo vivace
11. X Quasi Adagio
12. XI Quasi Adagio
13. XII Poco Vivace
14. XIII Tempo primo
15. XIV Meno vivace
16. XV Andante
17. XVI Adagio
18. XVII Poco Andante
19. XVIII Tempo primo
20. XIX Poco vivace
21. XX Poco vivace
22. XXI Vivace
23. XXII Vivace
24. XXIII Poco Andante
Molto Adagio (Uberleitung)
25. Fuge: Vivace con spirit


「6つの小品」op. 24

26. Valse-lmpromptu
27. Menuet
28. Reverie fantastique
29. Un Moment musical
30. Chant de la nuit 4‘50
31. Rhapsodie e-Moll (Den Manen J. Brahms)


CD 3
「ソナチネ」ホ短調 op. 89, Nr. 1

1. Allegro moderate) e con espressione
2. Andantino con variazioni
3. Vivace


「ソナチネ」ニ長調 op. 89, Nr. 2

4. Allegretto grazioso
5. Andantino
6. Vivace
7. Allegro con spirito (ma non troppo vivace)


「ソナチネ」ヘ長調 op. 89, Nr. 3

8. Moderato
9. Poco vivace
10. Allegro commoclo


「ソナチネ」イ短調 op. 89, Nr. 4

11. Allegro
12. Andante(Thema mit 6 Variationen)
13. Allegretto con moto

14.「常動曲」(1905)
15.「スケルツォ」 嬰へ短調 (1906)
16.「とわに汝がもの」(1907)
17.「カプリース」 嬰へ短調 (1906)


CD 4
「10のピアノ小品集」 op. 79a

1. Humoreske - Lebhaft und grazios
2. Humoreske - Auserst lebhaft
3. Intermezzo - Assai vivace ed appassionato
4. Melodie - Andante espressivo
5. Romanze - Con passione
6. Impromptu - Sehr schnell
7. Impromptu (Studie) - Poco vivace
8. Caprice - Auserst lebhaft
9. Capriccio - Vivacissimo
10. Melodie - Etwas bewegt, ausdrucksvoll

「シルエット」 op. 53 (1900)

11. Auserst lebhaft
12. Ziemlich langsam
13. Sehr bewegt und ausdrucksvoll
14. Sehr schnell und anmutig
15. Ziemlich schnell
16. Langsam, schwermutig
17. Auserst lebhaft und mit viel Humor


「葉と花」

18. Albumblatt - Zart bewegt
19. Humoreske - Auserst lebhaft und leicht
20. Fruhlingslied - Langsam und zart
21. Elegie - Bewegt, sehr ausdrucksvoll
22. Jagdstuck - Auserst lebhaft
23. Melodie - Zart bewegt
24. Moment musical Nr. 1 - Sehr lebhaft und aufgeregt
25. Moment musical Nr. 2 - Con moto
26. Gigue - Auserst lebhaft
27. Romanze Nr. 1 - Ziemlich langsam und ausdrucksvoll
28. Romanze Nr.2 - nicht zu langsam
29. Scherzino - Auserst lebhaft


CD 5
「色とりどりの小品」 op.36

1. Humoreske - Vivace assai
2. Albumblatt- Andantino
3. Capriccietto - Vivace assai
4. Reigen - Allegretto grazioso
5. Gigue - Vivace assai
6. Elegie - Andantino sostenuto (ma non troppo)
7. Valse-lmproptu - Con moto
8. Capriccio - Vivace assai
9. Reverie - Andante con espressione


「7つの幻想的小品」 op. 26

10. Elegie - Andante sostenuto con espressione
11. Scherzo - Allegro grazioso
12. Barcarole - Andantino
13. Humoreske - Vivace (ma non troppo)
14. Resignation - Andante espressivo
15. Improptu - Presto agitato
16. Capriccio - Vivace assai


「10の演奏会用小品」op. 44 (1899)

17. Albumblatt - Mit Ausdruck, nicht zu langsam
18. Burletta - Sehr lebhaft, mit Humor
19. Es war einmal - Masig langsam und ausdrucksvoll
20. Capriccio - Sehr rasch
21. Moment musical - Anmutig, etwas lebhaft, doch nicht zu sehr
22. Scherzo - Sehr schnell
23. Humoreske - Lebhaft
24. Fughette - Masig langsam
25. Gigue - So schnell als moglich
26. Capriccio - Sehr schnell, mit Humor


CD 6
「6つの前奏曲とフーガ」 op. 99

前奏曲とフーガ ホ短調 op. 99-1
1. Praludium: Andante
2. Fuge: Quasi Adagio
前奏曲とフーガ ニ長調 op. 99-2
3. Praludium: Vivace con grazia
4. Fuge: Allegro con grazia
前奏曲とフーガ イ短調 op. 99-3
5. Praludium: Allegro
6. Fuge: Andante
前奏曲とフーガ ロ短調 op. 99-4
7. Praludium: Largo
8. Fuge: Andante
前奏曲とフーガ ト長調 op. 99-5
9. Praludium: Allegretto
10. Fuge: Allegretto
前奏曲とフーガ ニ短調 op. 99-6
11. Praludium: Con moto
12. Fuge: Moderate


「エピソード」 op. 115

13. Andante
14. Andantino con moto
15. Allegretto
16. Andante sostenuto
17. Larghetto
18. Vivace
19. Vivace, quasi presto
20. Vivace

CD 7
「6つの間奏曲」 op. 45

1. No .l: d-moll. Sehr aufgeregt und schnell
2. No. 2: Des-Dur. Auserst lebhaft, anmutig
3. No. 3: es-moll. Langsam, mit leidenschaftlichem, durchaus phantastischem Ausdruck
4. No. 4: C-Dur. So schnell wie moglich, mit Humor
5. No. 5: g-moll. Mit groser Leidenschaft und Energie
6. No. 6: e-moll. So schnell wie nur irgend moglich


「綴じてないページ」 op.13

7. 1. Petite Romance

8. 2. Valsette
9. 3. Scherzoso
10. 4. Moment musical
11. 5. Petite Caprice
12. 6. Prelude et Fugue
13. 6. Fuga
14. 7. Sarabande
15. 8. ?
16. 9. Danse des Paysans
17. 10. Chant sans paroles
18. 11. Appassionato
19. 12. Choral
20. 13. Marcia funebre

21. 14. A la hongroise

「水彩画」 op. 25

22. 1. Canzonetta
23. 2. Humoreske
24. 3. Impromptu
25. 4. Nordische Ballade
26. 5. Mazurka

抒情的アンダンテ「愛の夢」(ピアノ版) (1898)

27. Andante espressivo

CD 8
「私の日記より」第1巻 op. 82-1

1. 1. Vivace
2. 2. Adagio “
3. 3. Andante sostenuto
4. 4. Vivace
5. 5. Gavotte: Moderate
6. 6. Sostenuto
7. 7. Vivace
8. 8. Andantino
9. 9. Vivace
10. 10. Andante innocente
11. 11. Sostenuto ed espressivo “
12. 12. Larghetto


「私の日記より」第3巻 op. 82-3

13. 1. Lied: Andante sostenuto
14. 2. Albumblatt: Andante sostenuto
15. 3. Gavotte: Allegretto
16. 4. Romanze: Andante sostenuto (un poco con moto)
17. 5. Melodie: Andante sostenuto
18. 6. Humoreske: Vivace


CD 9
「私の日記より」第2巻 op. 82-2

1. 1. Allegretto con grazia
2. 2. Andantino
3. 3. Andante espressivo
4. 4. Andantino
5. 5. Allegretto con grazia; sempre poco agitato
6. 6. Andantino espressivo
7. 7. Larghetto
8. 8. Vivacissimo
9. 9. Andantino
10. 10. Scherzando e vivace


「私の日記より」第4巻 op. 82-4

11. 1. Praludium: Poco con moto
12. 2. Fuge: Sostenuto
13. 3. Intermezzo: Andante
14. 4. Arabeske: Allegretto
15. 5. Silhouette: Con moto
16. 6. Melodie: Molto sostenuto
17. 6. Humoreske: Poco vivace


CD 10
「7 つの性格的小品」 op. 32

1. 1. Improvisation
2. 2. Capriccio
3. 3. Burleske
4. 4. Intermezzo
5. 5. Intermezzo
6. 6. Humoreske
7. 7. Impromptu


「若き日の歌」 op. 17
8. 1. Frohsinn
9. 2. Hasche mich!
10. 3. Ein Spielchen
11. 4. Das tote Voglein
12. 5. Uber Stock und Stein
13. 6. Was die Grosmutter erzahlt
14. 7. Ein Tanzchen
15. 8. Bange Frage
16. 9. Weihnachtstraum
17. 10. Groses Fest
18. 11. Abendgesang
19. 12. Fast zu keck!
20. 13. Fruhlingslust
21. 14. Kleiner Trotzkopf
22. 15. Reigen
23. 16. Fast zu ernst
24. 17. A la Gigue
25. 18. Nordischer Tanz
26. 19. Erster Streit
27. 20. Versohnung


「3つのアルバムの綴り」

28. 1. Allegretto grazioso (1898)
29. 2. Miniatur-Gavotte (1898)
30. 3. Andante (1899)


31.「婦人慈善団体の行進曲」 (1914)
32.「ドイツの歌によるフゲッタ」 (1916)


CD 11
ワルツ「美しく青きドナウ」op. 314.

1. Improvisation uber den Walzer


「炉辺の夢」 op. 143

2. 1. Larghetto
3. 2. Con moto
4. 3. Molto adagio
5. 4. Allegretto grazioso
6. 5. Agitato
7. 6. Poco vivace
8. 7. Molto sostenuto
9. 8. Vivace
10. 9. Larghetto
11. 10. Vivace
12. 11. Andantino
13. 12. Larghetto


「青年への挨拶」 (1898)

14. 1. Fughette uber den Namen Edvard Grieg
15. 2. Caprice fantastique
(Danse macabre)
16. 3. Abenddammerung
17. 4. Albumblatt
18. 5. Scherzo
19. 6. Humoreske


20.
「素朴な歌」op. 76-第52曲「マリアの子守歌」(ピアノ編)


CD 12
「J.S.バッハの主題による変奏曲とフーガ」 ロ短調 op. 81

1. Thema: Andante
2. L‘istesso tempo
3. Sempre espress. ed assai legato
4. Grave assai
5. Vivace
6. Vivace
7. Allegro moderato
8. Adagio
9. Vivace
10. Crave e sempre molto espressivo
11. Poco vivace
12. Allegro agitato
13. Andante sostenuto
14. Vivace
15. Con moto
16. Fuge: Sostenuto


「左手のための4つの特別な練習曲」

17. 1. Scherzo
18. 2. Vivace
19. 3. Romanze
20. 4. Preludium: Crave
21. Fuge: Moderato


22.
「夜に」(1902)


「4つの小品」

23. 1. Improvisation
24. 2. Perpetuum mobile
25. 3. Nachtstuck
26. 4. Romanze

クラムシェル・ボックス仕様


 ドイツのピアニスト、マルクス・ベッカーが5年の歳月をかけて2000年に完成させたレーガーのピアノ作品集。

 マルクス・ベッカーは知る人ぞ知るドイツの実力派。
 この難解で晦渋なレーガーの作品を驚くほどの集中力で弾き切ったことに絶賛の声が上がっていた。
 ストイックな表現に終始していながら、なぜかぐいぐいと引き込まれる。30代後半という若さでこの充実した音楽性。 
 ドイツ・ピアノ界の貧困が嘆かれてきたこの数年だが、こんなとんでもない人がしっかり育っていたのだ。

 さてそのレーガー・ボックス、かつてはThorofonから豪華木箱入りで発売され、一部のピアノ・マニアから珍重された。
 そのレーガー・ピアノ・ボックスがNCAから再登場。しかもそうとうなプライス・ダウン。
 

 1963年生まれ。カール=ハインツ・ケマーリング に師事し、アルフレッド・ブレンデルからもレッスンを受ける。
 1987年、ブラームス国際コンクールで優勝。
 1993年、ハノーファー音楽大学の教授に就任。


 

<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>

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EURODISC

限定盤

ED 88875 19991
(14CD)
\9000→\8490

スヴィヤトスラフ・リヒテル
 〜オイロディスク・レコーディングス



Disc1-4
 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集全曲 BWV.846-893
  録音:1970-73年
スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
Disc5
 ベートーヴェン:
  6つの変奏曲 ヘ長調 Op.34
  「トルコ行進曲」の主題による6つの変奏曲 ニ長調 Op.76
  エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調 Op.35
  録音:1970年7月
Disc6
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 Op.90
 シューマン:交響的練習曲 Op.13
  録音:1971年9月
Disc7
 シューマン:色とりどりの小品 Op.99
 ブラームス:
  6つの小品 Op.118より(間奏曲 イ短調/
  バラード ト短調/間奏曲 変ホ長調)
  録音:1971年9月
Disc8
 ラフマニノフ:
  前奏曲集 Op.23より(第1,2,4,5,7,8曲)
  前奏曲集 Op.32より(第1,2,6,7,9,10,12曲)
   録音:1971年9月
Disc9
 シューベルト:
  ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958、即興曲 変イ長調 Op.142-2
   録音:1972年8月
Disc10
 シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
  録音:1972年8月
Disc11
 ベートーヴェン:
  ピアノ・ソナタ第3番ハ長調 Op.2、
  ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 Op.7
   録音:1975年4月
Disc12
 ショパン:
  スケルツォ第1番ロ短調 Op.20、
  スケルツォ第2番変ロ短調 Op.31、
  スケルツォ第3番嬰ハ短調 Op.39、
  スケルツォ第4番ホ長調 Op.54
   録音:1977年7月
Disc13
 チャイコフスキー:四季 Op.37bより
  (5月:白夜/6月:舟歌/11月:トロイカ/1月:炉ばたにて)
 ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」 Op.33より
  (第9曲:嬰ハ短調/第5曲:ニ短調/第6曲:変ホ短調)
 ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」 Op.39より
  (第1曲:ハ短調/第2曲:イ短調/第3曲:嬰ヘ短調/
  第4曲:ロ短調/第9曲:ニ長調/第7曲:ハ短調)
   録音:1983年4月
Disc14
 チャイコフスキー:
  夜想曲 Op.10-1、ワルツ/
  スケルツォ Op.7、ユモレスク Op.10-2、
  カプリッチョーソ Op.19-5、悲しい歌 Op.40-2、
  ワルツ Op.40-8、ロマンス Op.5、ロマンス Op.51-5、
  ショパン風に Op.72-15、いたずらっ子 Op.72-12、
  夕べの夢想 Op.19-1、メヌエット/
  スケルツォ Op.51-3、サロン風ワルツ Op.51-1、瞑想 Op.72-5
   録音:1983年4月

 リヒテルがオイロディスクに残していた録音を集大成したボックス。
 人類が残した貴重な遺産の一つと言われる「平均律」こそいろいろな形でCD化されてきたが、ほかのものはaltoなどが復刻していたとはいえ、オリジナル・アナログ・マスターからのCD化にはかなわない思われる。
 今回の美しい装丁、貴重なボックスとなりそう。どうぞ完売する前に。




REGIS


RRC 1198
\1300
ヴェルディ:歌劇「トロヴァトーレ」(抜粋) レナート・チェッリーニ指揮、
RCA管弦楽団、他
ユッシ・ビョルリング(Ten)
ジンカ・ミラノフ(Sop)
レナード・ウォーレン(Br)
フェドーラ・バルビエーリ(MSop)、他



<国内盤> 


ARCANA


Mer-A395
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ダルマティカ 〜アドリア海の向こう側、
    クロアチア沿岸部の中世教会音楽〜

 ①主には洗いざらい申し伝えよ ②聖なるかな、聖なるかな
 ③おお、栄光あふれる神の母なるかた ④お命じください、主よ
 ⑤ねむれ、ねむれ、幼子、天の王よ ⑥おお!神はお生まれになった
 ⑦はじめにまず、言葉がありました
 ⑧大いなることを、わたしたちのために主はなさったのです
 ⑨聖パオロからピリピの信徒たちへの手紙
 ⑩そのとき、世には平安が約束された
 ⑪知らせにまいりました、この世に喜びがあることを
 ⑫三人の王が道をゆく ⑬あなたはなんとうるわしい、マリアさま
 ⑭栄光あれ、讃美あれ ⑮それはちょうど、過越の祭りの前のこと
 ⑯わたしの目は涙でくもっている
 ⑰わたしたちは、あなたの十字架を讃えます
 ⑱わたしは始まりにして終わり
 ⑲わたしは悔いております、神よ、全ての罪を
 ⑳絞首前のユダの独白
 (21)世界は終わる——今や太陽は沈み
 (22)わが民よ、わたしはおまえたちに何をしただろう
アンサンブル・ディアロゴス
 クララ・クトゥリ、カタリナ・
 リヴリャニチ、オロール・ティラク、
エルス・ヤンセンス=ファンミュンステル(女声歌唱)
アンサンブル・カンタドゥーリ
ヨシコ・チャレタ、
ニコラ・ダミャノヴィチ、
スレチコ・ダミャノヴィチ、
スチェパン・フラネトヴィチ、
ミリヴォイ・リロフ、
マルコ・ロゴシチ(男声歌唱)
 バルカン半島最西部、イタリアの対岸で交錯する「西の清らかさ」と「東の伝統の味」…異色中世体験!
 21世紀初頭の録音シーンの活況、古楽シーンの東欧への広がり、あるいはドブロヴニクなどアドリア海への観光ブーム…そうした近年のムーヴメントを受けながら、その後のCD不況もあっていまひとつ実情が日本に伝わってきていないのが「バルカン半島の民俗音楽と古楽のかかわりあい」!現地ではもちろん、古楽好きの多いフランスやスペインでも注目されてきたその静かなムーヴメントがどれほど成熟したものになっていたか、この最新録音盤ひとつで大いに伝わるのではないかと思います。
 テーマは「クロアチア沿岸部」。アドリア海をはさんだイタリアの対岸では、中世にはすでに教会スラヴ語による祈り歌の伝統が確立されていたところ、さらに西方からローマ・カトリック信仰も入ってきて、なんとラテン語と教会スラヴ語(と現地語)の祈りの歌が併存するという、ユニークな音楽の歴史が紡がれてきたのです!
 現地に口伝えで伝わる、地方ごとに違う歌唱伝統をていねいに受容してきたアンサンブル・カンタドゥーリの男声ア・カペラに、正統派古楽の中世音楽にも対応する女声集団ディアロゴスが、女子修道院の伝統をふまえて女声でうたう中世教会音楽が重なる——土の匂いがふくよかな民俗的地中海サウンド(コルシカ多声音楽などもイメージさせます)と、妙なる教会音楽の息吹が重なる不思議。解説充実全訳付、じっくり読み解くに足るユニークな中世ア・カペラ盤なのです。




PAN CLASSICS


PC10344
(国内仕様盤)
\2900+税
バルドッサーレ・ヴィアラルド (生没年不詳)
ミサ“Vestiva i colli”(丘も野原も)”(1624)
 〜マドリガル“Vestiva i colli”(丘も野原も)による作品集〜

 バルダッサーレ・ヴィアラルド:
  1. キリエ ミサ“Vestiva i colli”より
 ミケランジェロ・グランチーニ(1605-1669)
  2. Exultate Christo
 フランチェスコ・ロニョーニ(1570-1626):
  3. Vestiva i colli
 バルダッサーレ・ヴィアラルド
  4. グローリア “ミサ“Vestiva i colli”より
 イグナツィオ・ドナーティ(1570〜1638):
  5. O gloriosa Domina
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1622):
  6. Laudate Dominum
 バルダッサーレ・ヴィアラルド:
  7. クレド ミサ“Vestiva i colli”より
 アドリアーノ・バンキエーリ(1568-1634):
  8. Canzona sesta sopra
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1622):
  9. Veni sponsa Christi
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1622):
  10. Giovanni Paolo Cima
 ミケランジェロ・グランチーニ(1605-1669):
  11. Quid est, quod dilectus meus
 バルトロメオ・デ・セルマ(1605-1650):
  12. Vestiva i colli
 バルダッサーレ・ヴィアラルド:
  13. サンクトゥス ミサ““Vestiva i colli”より
 ウィリアム・ドンゴワによるコルネット即興
  14. Vestiva i colli
 ジョヴァンニ・パオロ・チーマ(1570頃-1622):
  16. Cantantibus organis
 ミケランジェロ・グランチーニ(1605-1669):
  17. Confitemini Domino
 バルダッサーレ・ヴィアラルド
  18. アニュス・デイ ミサ“Vestiva i colli”より
ムジカ・フィオリータ(声楽・器楽アンサンブル)
ダニエラ・ドルチ(鍵盤・指揮)
 パレストリーナによって16世紀に書かれた5声のマドリガル“Vestiva i colli”、その人気は高く、世紀を越えて様々な作曲家が模倣や変奏曲を書きました。
 それは当時の作曲家や演奏家にとって自らの即興の技巧をみせるよい機会でした。本邦初録音のミラノのヴィアラルド(1620以降没)のミサ曲に他の作曲家の作品を挟み第一作法と第二作法の狭間を探ります。
 

PC10342
(2CD)
(国内仕様盤)
\4000+税
クロード・ドビュッシー:
 エドガー・アラン・ポーの原作による2つのオペラ

 (ロバート・オーレッジ版)
  「アッシャー家の崩壊」
  「鐘楼の悪魔」
ゲッティンゲン交響楽団
クリストフ=マティアス・ミューラー(指揮)
ウィリアム・デイズリー(バリトン)
ユージーン・ヴィラヌエヴァ(バリトン)
ヴァージル・ハ—ティンガー(テノール)
リン・リン・ファン(ソプラノ)
ミヒャエル・ドリース(バス)
ゲッティンゲン聖ヤコビ教会室内合唱団
 アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの原作をもとにドビュッシー自身が台本に着手した未完のオペラ2作。
 20世紀フランス音楽の専門家ロバート・オーレッジが再構築し、補筆したものを録音。まるで音楽劇を聴いているようでもあり、その色彩豊かな音は演奏者の表現力の深さによってさらに際立ちます。
 近代フランスオペラファンにはたまらないアルバムです。




RICERCAR


MRIC366
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ジャン・ド・レスキュレル、
 吟遊詩人と多声芸術のあいだ〔歌曲全編〕
  〜『フォーヴェル物語』の写本、全ての恋愛歌〜

 
 『フォーヴェル物語』の写本(1320)より
  多声による歌曲(全31曲)
  楽譜校訂:アンサンブル・セラドン
アンサンブル・セラドン(古楽器使用)
ノルウェン・ル・ゲルン(中世フィドル)
アンジェリーク・モイヨン(中世ハープ)
フローラン・マリー(中世リュート)
グウェナエル・ビアン
 (各種リコーダー&横吹式フルート)
リュドウィン・ベルナテネ(打楽器)
アンヌ・ドラフォス、クララ・クトゥリ(ソプラノ)
ポラン・ビュンドゲン
 (カウンターテナー&総指揮)
 中世フランス音楽の2極、「吟遊詩人」と「多声芸術」はざまをゆく才人の姿が、玄妙な演奏で浮かび上がるルネサンス以前の音楽は、きちんと日本語解説のつけられた盤がめったにないところ—
 —欧州では続々と企画力あふれる名演も録音されているところ、日本語解説をつけてリリースすれば、長く愛される定盤になるものも少なくありません。古楽大国ベルギーの先端をゆくRicercarがこのたび刻まれたのは、はっきり名前が判っている中世の作曲家のなかでも謎が多かったジャン・ド・レスキュレル!動物風刺物語の傑作『フォーヴェル物語』を記した写本に、名匠ヴィトリの音楽などと記載されていたその楽譜には、明らかに吟遊詩人の伝統をひく耽美な恋愛歌を、なんと単旋律ではなく多声のポリフォニーでうたいあげるかたちにした逸品が続々!
 時おりしもノートルダム楽派のオルガヌム(多声音楽)が発展のきわみをみせ、アルス・ノーヴァと呼ばれる新時代の精緻な芸術歌曲が生まれようとしていた頃——その「はざま」をゆくレスキュレルに注目してみせたのは、アンサンブル・クレマチスその他でも活躍をみせる中世〜ルネサンス歌唱の俊才ビュンドゲンをはじめとするリヨン音楽院の才人勢!
 しなやかな中世楽器の響きとともに、音楽様式の大きな節目を感じられる異色体験、充実解説訳付で!




カメラータ・トウキョウ


CMCD-28334
\2800+税
シューベルト:
 ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 作品143 D.784
 ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 作品42 D.845
高橋アキ(ピアノ)
 「高橋アキの演奏は音の裏に隠れている沈黙に気づかせ、そこに未知の自分と遭遇する無限の可能性に気づかせてくれる。そしてそれこそ晩年のシューベルトが、ケージが目指し、見出そうとした境地だったと教えられる。」喜多尾道冬(ブックレットより) 世界的な現代音楽の演奏家として知られる高橋アキが、2007年よりスタートさせ、高い評価を得ているシューベルトのピアノ・ソナタCDシリーズの第5弾。シューベルトが従来のソナタの伝統を乗り越え、独自のスタイルを見出した2つのイ短調ソナタを収録。
 録音:2014年5月 ほか/三重



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オクタヴィア・レコード



OVCL-00596
(2CD)
\3500+税
山田和樹自身も会心の出来と自負
 マーラー:交響曲 第6番 イ短調 「悲劇的」
山田和樹(指揮)
日本フィル
 山田和樹が全身全霊を傾けた興奮のマーラー・ライヴ!
 若きマエストロが初めて挑むマーラーの頂。

 2015年のスタートから注目されている「山田和樹 マーラー・ツィクルス」シリーズ。当CDは第二期より第6番「悲劇的」のライヴ・レコーディング盤です。
 エネルギッシュな演奏でありながら、緻密な構成で各パートがクリアに響き、新しいマーラーの音楽を作り上げています。
 山田和樹自身も会心の出来だと自負する演奏が、会場に湧き上がる熱気までも臨場感たっぷりにお楽しみいただける録音となりました。

 2016年3月27日 東京・Bunkamuraオーチャードホール にてライヴ収録




先日ご紹介した「復活」
山田和樹、人気です。

オクタヴィア・レコード
OVCL-00592
(2CD)
\3500+税
山田和樹(指揮)&日本フィル
 マーラー:交響曲 第2番 ハ短調 「復活」
山田和樹(指揮)
日本フィルハーモニー交響楽団
林 正子 (ソプラノ)
清水 華澄 (アルト)
東京混声合唱団
武蔵野合唱団
2015年2月22日 東京・Bunkamuraオーチャードホール にてライヴ収録

 山田和樹が全身全霊を傾けた興奮のマーラー・ライヴ!
 若きマエストロが初めて挑むマーラーの頂。

 今、国内外から最も注目を浴びる日本人指揮者山田和樹が、全身全霊を傾け挑んだマーラーの「復活」が遂にCD化。
 2015年1月スタートした「山田和樹 マーラー・ツィクルス」は、世界のマエストロへと駆け上ろうとする山田が、初めてまとめてマーラーに挑むということで、大きな話題と期待感を生みました。当CDは、シリーズ2公演目となる第2番をライヴ・レコーディング。
 山田と日本フィルが導き出した、輝かしい響きと情熱的な演奏で、会場は大いに沸き上がりました。山田が正指揮者を務める日本フィルと、音楽監督を務める東京混声合唱団という最高のサポートのもと、自身をマーラーの世界へ捧げ、ひたすら音楽へ勇往邁進していきます。
 これは未来の巨匠の偉大なる軌跡。


 


OVCT-00121
\3000+税
渡邉 規久雄 <シベリウス・リサイタル Vol.4>
 シベリウス:
  「樹の組曲」 Op.75
    ビヒラヤの花咲くとき/さびしい樅の木/ポプラ/白樺の木/樅の木
  「花の組曲」 Op.85
    ひな菊/カーネーション/アイリス/金魚草/つりがね草
  「カレリア」組曲 Op.11 
    間奏曲(作曲家自身による編曲)/
    バラード(作曲家自身による編曲)/
    行進曲風に(オットー・タウプマン編曲)
  3つのソナチネ Op.67  第1番/第2番/第3番
  「悲しきワルツ」 Op.44-1
   (作曲家自身の編曲によるピアノ版)
渡邉 規久雄(ピアノ)
 シベリウス・ライヴシリーズ第4弾。
 渡邉暁雄(あけお)の次男。2015年シベリウスメダル受賞の渡邉規久雄による珠玉の作品集!
 由緒ある音楽一家に生まれ、フィンランドの血を受け継ぐ渡邉規久雄の最新アルバムです。
 2015年シベリウス協会より権威あるシベリウスメダルを受賞し、世界的なシベリウス演奏家として認められた渡邉規久雄による当シリーズは、シベリウスの美しいピアノ作品の魅力が凝縮されています。シベリウスのあまり知られていない愛すべきピアノ作品集をお楽しみ下さい。

 2015年11月29日 東京文化会館 にてライヴ収録














5/5(木)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜



APARTE



AP 124
(2CD)
\3600→\3290
バンジャマン・ゴダール(1849〜1895):
 ヴァイオリンソナタ集

  CD1
   ヴァイオリンソナタ3番 ト短調 Op.9
   ヴァイオリンソナタ1番 ハ短調 Op.1
  CD2
   ヴァイオリンソナタ4番 変イ長調 Op.12
   ヴァイオリンソナタ2番 イ短調 Op.2
ニコラ・ドートリクール(ヴァイオリン)
ダナ・ショカリー(ピアノ)
 まるでマイナーな時代の大河ドラマ?!フランス室内楽のパイオニア、バンジャマン・ゴダールのヴァイオリンソナタ集。あなたのフランス音楽観がきっと変わる

 録音:2015 年9 月2 日-4 日/90'32

 19 世紀フランスの作曲家、バンジャマン・ゴダールのヴァイオリンソナタ集。
 19 世紀半ば、フランスの音楽界はオペラとドイツの作曲家たちによる室内楽によって占められ、フランスの作曲家による室内楽は取り上げられる機会も曲そのものも少ない状態でした。そのような中で、17 歳という若さでゴダールが書いたヴァイオリンソナタ1 番は、その後のフォーレ、サンサーンス、フランクに先立つ先駆的な存在となります。
 ここに収録された1 番〜4 番のヴァイオリンソナタはどれも、ゴダールが17 歳〜23 歳の若年期に作曲したもの。古典的な様式やベートーベン、ブラームスを思わせる楽想は、一般に「フランス音楽」という言葉から連想するものとはかけ離れたものですが、その後のフランスの室内楽の発展過程に欠かせない、フランス室内楽の基盤作りに貢献した作品であることは間違いありません。
 音楽史の転換点であるドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」が現れる約30 年前に書かれたこれら4 曲のソナタは、ドイツ音楽優勢だった当時のフランスで新しい変化を起こそうとした若い作曲家の熱意と意欲に溢れています。
 音楽史上ではなかなか光の当たらないこの時代のフランスで、次の時代に繋がる音楽が確かに模索されていたこと。そんなことを思いながらこれらのソナタに耳を傾けると、後のラヴェルやドビュッシーなどいわゆる「メジャーな」フランス音楽も今までと違った聴こえ方をしてきます。それはまるでマイナーな時代の大河ドラマで日本史がより立体的に見えてくるよう。あなたのフランス音楽観をきっと変えるゴダールのヴァイオリンソナタ、一聴の価値ありです。


知られざるフランスの大家バンジャマン・ゴダールって誰だ」特集もどうぞ。





AUDITE

AU 92685
(SACD HYBRID)
\2700
クレモナ四重奏団
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集Vol.6

 (1)弦楽四重奏第5番 イ長調 Op.18-5
 (2)弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130
クレモナ四重奏団
 【クリスティアーノ・グアルコ
   (第1ヴァイオリン)
  パオロ・アンドレオーニ
   (第2ヴァイオリン)
  シモーネ・グラマーリャ(ヴィオラ)
  ジョヴァンニ・スカリオーネ(チェロ)
 のびやかな美音!イタリアのクレモナ四重奏団によるベートーヴェン第6 弾は第5 番と第13番!

 第1ヴァイオリン;ニコラ・アマテジョヴァンニ・バティスタ・グァダニーニ(1776)、第2ヴァイオリン;アントニオ・テストーレ(1750)、ヴィオラ;ジョアキーノ・トラッツィ(1680-1720)、チェロ;ニコラ・アマティ(1712)
 セッション録音:2015 年11 月27-30日/ポイリーノ(イタリア)/70’44” /(1)I.6’36”+II.4’37”+ III.10’21”+ IV.6’09”=35’06”(2)I.13’56”+II.2’02”+III.6’51”+IV.3’11”+V.6’40”+VI.10’15”=42’57”

 SACD ハイブリッド盤。
 今やイタリアを代表するクァルテット、クレモナ四重奏団。audite レーベルからリリースを続けている好評のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲録音の第6 集は、弦楽四重奏第5 番 イ長調 Op.18-5、そして弦楽四重奏曲第13 番 変ロ長調 Op.13 が収録されました。
 イタリア四重奏団のファルーリ、アルバン・ベルク四重奏団のバイエルレの両氏に師事した2000 年結成のクレモナ四重奏団は、イタリアの伝統受け継ぐ若手実力派で世界が注目しています。
 イタリアらしい明るく非常にクリアな発音が魅力の一つで、個々の音色が見事に溶け合った驚くべきアンサンブルとして現代最高の呼び声高い四重奏団といえます。なお、当全集では曲に合わせて使用楽器を変えているところにも注目です。当録音では第1 ヴァイオリンのグアルコが奏でる名器グァダニーニを筆頭に他のメンバーも歴史的名器を使用しております。魂のこもった演奏をご堪能ください。
 クレモナ四重奏団によるベートーヴェン、これまでに第1 集(第16 番、第11 番『セリオーソ』、第6 番 / AU 92680)、第2 集(第12 番、第8 番『ラズモフスキー第2 番』 / AU 92681)、第3 集(「大フーガ」、第4 番、第7 番『ラズモフスキー第1 番』 / AU 92682)、第4 集(第1 番、第14番 / AU 92683)、第5 集(弦楽五重奏曲 ハ長調、第15 番 / AU 92684)がリリースされております。




HMF

HMC 902245
\2700
ヴォルフ:歌曲集
 ・4つのミニヨンの歌(ゲーテ)
 ・ねずみとりのおまじない(メーリケ)
 ・捨てられた女中さん(メーリケ)
 ・ニクセのビンゼフース(メーリケ)
 ・花の挨拶(ゲーテ) ・四季すべて春
 ・アナクレオンの墓(ゲーテ) ・春に(メーリケ)
 ・ある結婚式で(メーリケ) ・アグネス(メーリケ)
 ・妖精の歌(メーリケ) ・お澄まし娘(ゲーテ)
 ・心がわりした娘(ゲーテ)
 ・秘めた愛(アイヒェンドルフ) ・少年と蜂蜜(メーリケ)
 ・ほとんど夜明け前のひと時に(メーリケ)
 ・彼は来た(メーリケ) ・エオリアンハープに寄す
 ・少女の初恋の歌(メーリケ) ・夏の子守歌(ライニク)
ゾフィー・カルトホイザー(ソプラノ)
ユージン・アスティ(ピアノ)
 ゾフィー・カルトホイザーによるヴォルフの歌曲集

 録音:2015年10月、テルデックス・スタジオ・ベルリン/60' 22

 ベルギー出身注目のソプラノ歌手ゾフィー・カルトホイザーによるヴォルフの歌曲集。モネ劇場でヤーコプス指揮のもとパミーナを歌い「生まれながらのモーツァルト歌手」と喝采を浴び一躍注目を集めました。その後も、劇場での実績を着実に積み、録音ではモーツァルトの『偽の女庭師』やペルゴレージのオラトリオ『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』(HMC902155)でもヤーコプスの指揮のもと高評価を得ています。
 本作はゲーテ、メーリケ、アイヒェンドルフの詩に基づくヴォルフの歌曲集。ヴォルフは一人の詩人に集中して歌曲を作曲することを好んでいました。
 ヴォルフ独特の諧謔的でユーモラスな曲から優しく甘い恋の歌まで様々な表情をもった作品が選曲されています。カルトホイザーのムラのないなめらかで、絶妙にコントロールされた歌声でじっくりとヴォルフの歌の世界を味わうことができます。



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キング・インターナショナル



KKC 4065/66
(2CD)
\3000→\2690
戦前、天才少女として一世を風靡した
 平田美知の芸術

 CD1
  ショパン:ピアノ協奏曲第1 番ホ短調Op.11
 CD2
  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1 番変ロ短調Op.23
平田美知(ピアノ)
ジュリア・タイ(指揮)
ノースウエスト・フィル
 戦前、天才少女として一世を風靡した平田美知を知っていますか?デビュー75周年記念コンサート

 録音:2015 年9 月20 日/ワシントン大学ミーニー・ホール(シアトル)(ライヴ)/ADD、41’ 59”、40’ 36”

 平田美知(本名・平田美智子)は1932 年生まれのピアニスト。戦前の1940 年に8 歳で尾高尚忠指揮新交響楽団(現・NHK 交響楽団)とモーツァルトのピアノ協奏曲第27 番を、10 歳で山田和男指揮東京交響楽団(現・東京フィル)とハイドンのピアノ協奏曲とモーツァルトのピアノ協奏曲第20 番を共演したという神童。
 1951 年、19 歳の時に渡米してジュリアード音楽院でロジーナ・レヴィン(クライバーンや中村紘子の師)に師事、その後アメリカに定住したため日本では忘れられました。しかしシアトルと本拠に演奏活動と教育活動を行い、昨2015 年にデビュー75 周年を祝い、地元のオーケストラとショパンおよびチャイコフスキーの協奏曲を一晩で演奏しています。当時83 歳の高齢ながらテクニックは衰えを知らず、すさまじいエネルギーを放っています。往年のレオニード・クロツァーやシューラ・チェルカスキーを思わす濃厚で独特な19 世紀風ピアニズムが興味深く貴重。長い作品をあっという間に聴かせてしまいます。
 楽章間と終演後の観客の熱狂ぶりは、あたかも地元チームがサッカーかアメフトがゴールを決めた時のような凄さで、平田がいかにシアトルの人々から愛されているかが伝わってきます。
 平田美知の音源は今日ひとつも聴くことができず、生きながらにして伝説と化しています。この音源は記録用で、発売を前提としたクォリティではありませんが、平田の最新演奏に触れられる稀有な機会ゆえ発売を決定しました。日本が世界に誇る至芸をご堪能いただけます。

 *このCD は弊社製造のため、直輸入盤等ではご入手できません。






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RCO



RCO 16004
(SACD HYBRID)
\2600→\2390
円熟の決定盤、
 ヤンソンス3度目のラフマニノフ・交響曲第2番

  ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調Op.27
マリス・ヤンソンス(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 録音:2010 年1 月28-29、31 日/アムステルダム・コンセルトヘボウ(ライヴ)/マルチ・チャンネル5.0, 2.0、55’ 49”

 ヤンソンスはラフマニノフの交響曲第2 番を1986 年にフィルハーモニア管と、1993 年にサンクトペテルブルグ・フィルと録音していますが、17 年を経て3 度目の挑戦を遂げました。
 過去2 枚はいずれも誉れ高い名盤ですが、前回のサンクトペテルブルグ・フィルとの演奏はひたすら美しいものの、ヤンソンスらしさはあまり感じられませんでした。
 今回は手兵ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で、巧さは互角なうえヤンソンスの円熟ぶりもあいまって驚異的な演奏が実現しました。
 ヤンソンスの解釈は巨大で説得力満点。第3 楽章の夢のような美しさやコーダでの大きな煽りなど、まるでマーラーの交響曲を聴いているかのよう。これまでのアルバムとは次元の違う成熟ぶりを示しています。
 この録音は2015 年に発売された13 枚組BOX (RCO 15002) に含まれていましたが、今回はSACD ハイブリッド盤となり単独でリリース。迫力もさることながら、ラフマニノフ独特な細かいパッセージまで鳴りきり、ゴージャスな音の世界にたっぷり浸れます。







SIMAX

PSC 1342
\2600→\2390
世界トップクラスのコントラバス奏者ダン・ステュッフェ
 オクトフォニア

 イングヴァル・リードホルム(1921-):
  ラウディによる幻想曲(1977)(チェロ・ソロのための)
 ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-1994):
  グラーヴェ − チェロとピアノのためのメタモルフォーゼ*
 アウリス・サッリネン(1935-):
  セバスチャン・ナイトへのエレジーOp.10(1964)
   (チェロ・ソロのための)
 アルネ・ヌールハイム(1931-2010):
  コントラバスだけのための三つの詩節(1998)
   【越えて/オクトフォニア/探りながら】、
  パルティータ(1982)(6つのコントラバスのための)†
   【パッショーナート/モルガーナ/アヴァンティ(前へ)】、
  Clamav(i 主よ、わたしはあなたを呼びます)(1980)
   (チェロ・ソロのための)
ダン・ステュッフェ(コントラバス)
イングリ・アンスネス(ピアノ)*
ホーコン・テリーン(コントラバス)†
カロル・チエスルク(コントラバス)†
ヨン・オースネス(コントラバス)†
マティアス・スンデ・ヴァルセト(コントラバス)†
エスキル・アーベルセト(コントラバス)†
 ゲーリー・カーのアシスタントも務めた世界トップクラスのコントラバス奏者ダン・ステュッフェ

 録音:2015年3月29日-4月1 日 ノルウェー音楽大学 リンデマンホール(オスロ、ノルウェー)/50’35

 「間違いなく世界トップクラスのコントラバス奏者のひとりであり、現代の音楽にとって大きな戦力」(「Bass World」誌)。ダン・ステュッフェはスウェーデン生まれ。ゲーリー・カーのアシスタントを務めた後、1985 年にオスロでデビューし、ノルウェーを本拠に活動しています。
 マッティンソンのコントラバス協奏曲第1 番をメインにした『秘密の記憶(Secret Memories)』(PSC1324)に続くアルバム『オクトフォニア』では、コントラバス・ソロの曲を中心にプログラムが組まれました。第二次世界大戦後ノルウェーのモダニズムをリードしたアルネ・ヌールハイムの作品が3 曲。ためらい、瞑想する3 つの小品による《コントラバスだけのための三つの詩節》。ステュッフェが教えたプレーヤーたちも交えた6 人のアンサンブルによる《パルティータ》。ロストロポーヴィチからの委嘱作、「わたしの心が悪に傾くのを許さないでください」と、ダビデが神に助力を願い歌う詩篇141 番「主よ、わたしはあなたを呼びます」からインスピレーションを得た《Clamavi》。スウェーデンの作曲家リードホルムの《ラウディによる幻想曲》は、『旧約聖書』「ヨブ記」の「人は女から生まれ、人生は短く苦しみは絶えない」をテクストとするコラールに基づく作品です。《セバスチャン・ナイトへのエレジー》は、《赤い線》や《クッレルヴォ》をはじめとするオペラで知られるフィンランドのサッリネンが「旋律による表現」を重視したスタイルで作曲した時期を代表する作品。
 ポーランドのルトスワフスキは、ヌールハイムに大きなインスピレーションを与えた作曲家のひとり。《グラーヴェ − チェロとピアノのためのメタモルフォーゼ》。ベートーヴェンの《ディアベッリ変奏曲》によるアルバム『33 + 1』(PSC1350)のイングリ・アンスネスが共演しています。
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PSC 1355
\2600→\2390
大家二人による
 ポール・バズレール(1886-1958):
  チェロとピアノのための作品全集

  2つの小品Op.109【グラーヴェ、シシリエンヌ】、
  ブルレスク Op.110、かくれんぼ Op.111、
  アリアOp.112、
  遥かなる映像 Op.113【ヤミレ、さりげない踊り】、
  俗謡によるフランス組曲Op.114
   【オーヴェルニュのブレ、アルザスの歌、
    ブレスの歌、フランス人の好きな子守歌、
    オーヴェルニュの山】、
  中国の子守歌Op.115、ロシア式のラプソディOp.117、
  葬送曲Op.120、
  イタリア組曲 Op.122
   【ヴィヴァルディへのオマージュ(前奏曲)、
    ボッケリーニへのオマージュ(メヌエット)、
    スカルラッティへのオマージュ(トッカータ)】、
  前奏曲 ハ短調 Op.123、
  コンクールの小品Op.124
   【前奏曲−シシリエンヌ−終曲 (Prelude - Sicilienne - Final)】、
  素朴な歌による変奏曲Op.125、第1小協奏曲Op.126、
  第2小協奏曲(変奏曲形式の)Op.127
モーテン・ソイテン(チェロ)
ダニエル・ブルメンタール(ピアノ)
 フルニエの師匠ポール・バズレールのチェロ作品全集

 録音:2014年10月10日-11日、2015年3月14日 王立デンマーク音楽アカデミー(コペンハーゲン)/73’38

 ポール・バズレール(1886-1958)。フランスのチェロ奏者。アルデンヌ地方スダンに生まれ、パリ音楽院に学びました。1918年、32歳でパリ音楽院のチェロ科教授に就任。40 年間の在任中にピエール・フルニエやレーヌ・フラショが彼に師事しています。音楽院で音楽理論と作曲法を修めたバズレールは、バロック期の作品などの編曲を手がけた他、かなりの数の曲を残しました。彼が作曲したチェロとピアノのための作品の全曲録音。

 チェリストのモーテン・ソイテン(1951-)は、1978 年から1997 年までデンマーク放送交響楽団の首席奏者を務め、現在、王立デンマーク音楽アカデミーの教授。
 ソロ、そして、ピアニストのアメーリェ・マリングとのデュオをはじめとする室内楽でも知られ、デンマークを代表する奏者のひとりに数えられています。

 このアルバムの録音にあたり、彼は、生地スダンに保存される手稿譜の調査を行い、音楽家として音楽教師としてのバズレールと、彼が作った「楽器を歌わせることのできるチェリストにうってつけのアンコール曲」を紹介するライナーノート(英語・フランス語)も執筆しています。

 共演者のダニエル・ブルメンタール(1952-)はご存知アメリカのピアニスト。
 ブリュッセルの王立フランダース音楽院とデンマークのテュー・マスタークラス室内楽フェスティヴァルの教授を務めています。



 これはいいですね・・・・
 二人の大家によるバズレールから1曲、どうぞ。Danse Nonchelante 〜「さりげない踊り」
https://youtu.be/byNlL78PZPQ



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GUILD



GMCD 7420
\2800→\2590
ブルン:管弦楽作品集Vol.9
 チェロ協奏曲ニ短調
 予言
 人間性の限界
 5つの歌
クラウディウス・ヘルマン(チェロ)
ベルナデット・フォドル(アルト)
ペーター・ロイドル(オルガン)
アドリアーノ(指揮)
ブラティスラヴァ交響楽団&合唱団
ブラティスラヴァ交響六重奏
 スイスのシンフォニスト、ブルンのチェロ協奏曲!

 19世紀末から20世紀前半、オトマール・シェックやフォルクマール・アンドレーエと同じ時代を生きたスイスのコンポーザー=コンダクター、フリッツ・ブルン(1878−1959)。
 ギルド(Guild)を代表するシリーズとなった管弦楽作品集の第9巻は、1947年の「チェロ協奏曲」と合唱作品、歌曲のカップリング。
 注目の「チェロ協奏曲」は、1948年2月10日に、フルニエ、アンドレーエ、チューリッヒ・トーンハレ管によって初演が行われた20世紀スイスのシンフォニスト、ブルンが生んだ大作である。

 ※録音:2015年8月18日−27日、スロヴァキア放送スタジオ1(ブラティスラヴァ)


ブルン特集もどうぞ!
 GUILDはすぐに入りにくくなるのでお早めに・・・

 

GMCD 7423
\2500
マシュー=ウォーカー:室内楽&声楽作品集
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 Op.149
 6人の打楽器奏者のための
  《シンフォニア・ソレムニス》
 弦楽四重奏曲第1番変ロ長調 Op.30
 ソナタ・マグナ Op.56
 2つのシェイクスピア歌曲
植田リサ(ヴァイオリン)
ダニエレ・リナルド(ピアノ)
ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オヴ・
 ミュージック・パーカッション・アンサンブル
マッカルパ弦楽四重奏団
ジェレミー・ウォールバンク(オルガン)
イヴォンヌ・フラー(ソプラノ)
ロバート・マシュー=ウォーカー(ピアノ)
 評論家、ライター、マーケター、プロデューサとしても著名なイギリスの作曲家ロバート・マシュー=ウォーカー(1939−)の室内楽と声楽のための作品集。
 1962年から63年にかけてパリでダリウス・ミヨーに師事するなど、作曲家としての手腕も本格的。日本人ヴァイオリニスト、植田リサが奏でる「ヴァイオリン・ソナタ第2番」は、2015年4月、ウィグモア・ホールでのライヴ録音。

 ※録音:1981年−2015年




のすたるぢあ



Nostalgia 1502
\2500→\2290
櫻田亨(テオルボ)
 テオルボの音楽

 B.カスタルディ:
  アルペジャッタ、半音階のコレンテ、
  タステッジョ・ソアーベ、アルペスカ・ガリアルド
 C.ユレル:組曲ソ・メジャー
 P.P.メリイ:
  お気に入りのカプリッチョ、ガリアルダ・サヴィア、
  コレンテ・ストラシナータ、嫉妬のカプリッチョ
 R.ド・ヴィゼー:
  クープランのシルヴァン、組曲ラ・マイナー
 作者不詳:フィレンツェ大公のアリア
櫻田亨(テオルボ)
 櫻田亨のソロ・アルバム!"のすたるぢあ"第2弾は「テオルボ」!
 日本語解説付き!(解説:櫻田亨)
 佐藤豊彦の愛弟子、櫻田亨!のすたるぢあ第2弾は、「テオルボ」のための音楽!

 オランダのデン・ハーグ王立音楽院で佐藤豊彦にリュートを師事し、現在はリュート&アーリーギターソサエティ・ジャパンの事務局長も務める名手、櫻田亨。
 佐藤豊彦の自主レーベルNostalgia(のすたるぢあ)より発売されるソロ・アルバム第2弾は「テオルボ」の音楽!
 リュート、テオルボ、ビウエラ、バロック・ギター、19世紀ギターといった撥弦楽器を幅広く演奏し、時代やその音楽にふさわしい楽器を的確に使い分ける櫻田亨。
 最新アルバムは、「キタローネではなくテオルボ」、「複弦のガット弦」、「440Hzと392Hzのピッチ」、「ニコー氏の最高傑作のテオルボ」というコンセプトによって作り上げられた「テオルボの音楽」。
 通奏低音や伴奏楽器としては多くの録音があるものの、ソロ・レパートリーの少ない「テオルボ」の録音に臨んだ櫻田亨の真髄をご覧あれ。
 使用楽器は、1997年にオランダのニコー・ファン・デア・ヴァールス氏によって製作された「パドヴァ式テオルボ」。オリジナル楽器はヴェンデリン・ヴェネーレが1611年にパドヴァで製作したもので、現在ウィーンの美術史博物館に保存されている。

 録音:2015年4月7日−9日、霧島国際音楽ホール「みやまコンセール」鹿児島


第1弾はリュート

Nostalgia 1203
\2500
パッヘルベル 《恋人のため息》
 ゴーティエ:シャコンヌまたは滝の流れ、カリヨン
 ガロ:コンデ公に捧げるトンボー、スペインのフォリア
 ムートン:
  パヴァーヌ 《マダムに捧げるトンボ—》、シャコンヌ 《美しきスペインの女性》
 ガロ(ヴァイス編):鬱ぎ心の恋人
 パッヘルベル:
  アルマンド 《満たされない恋人》、クーラント 《ほっとする恋人》、
  サラバンド 《恋人のため息》、ジグ 《恋人たちの戯れ》
 サン・リュク:カプリス
 ロジー:シャコンヌ、ジグ 《カッコウ》
櫻田亨(リュート)
 佐藤豊彦の愛弟子、櫻田亨!ソロ・アルバムが"のすたるぢあ"から登場!

 日本語解説付き!(解説:佐藤豊彦)
 400年前の幻の名器、「グライフ」のコピー楽器を使用!リュートが奏でる17世紀の「侘び寂び」の世界。

 世界的リューティスト佐藤豊彦の愛弟子であり、リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパンの事務局長。そして日本のリュート界を代表する名手、櫻田亨のソロ・アルバムが、佐藤豊彦の自主レーベルNostalgia(のすたるぢあ)より発売!
  アルバム・タイトルともなった、「パッヘルベルのカノン」で有名なヨハン・パッヘルベルの「恋人」にまつわる4つの舞曲に、老ゴーティエ、老ガロなど、「11コースのフランス式バロックリュート」を確立していった作曲家たちの作品。
 器楽演奏がオーケストラという形態でより大きく強くなっていった17世紀バロック音楽の隆盛に於いて、それとは反対に、より内省的へと進んだ固有の芸術(佐藤豊彦の解説では、ここでも茶室に於ける「侘び寂び」との共通点を指摘している)。
 いわゆる「超絶技巧」作品とは対極をなし、美しきリュートの響きによって、滝のせせらぎや鳥の声、自然や愛の営みを描いている。
  使用楽器は、2009年マルティン・デ・ヴィッテ作の11コース・バロックリュート。佐藤豊彦の所有する1600年頃に作られたオリジナル楽器「ラウレンティウス・グライフ」の完全コピーのリュートである。

 ※録音:2012年7月9日−11日、イマヌエル教会、ブレーメン(ドイツ)




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NAXOS



8.570436
\1100
ハチャトゥリアン:交響曲 第2番 ホ短調「鐘」 他
 1-4.交響曲 第2番 ホ短調「鐘」(1943)
 5-7.レールモントフ組曲(1959)(抜粋)
  <イントロダクション: Andante maestoso「詩人の死について」/
   マズルカ: Allegretto/ワルツ:Allegro agitato>
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団/
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
録音 2006年11月18-23日 ロシア放送TV&ラジオ・カンパニー KULTURA 第5スタジオ

 ハチャトゥリアン(1903-1978)の2番目の交響曲が構想されたのは1942年のことですが、実際に作曲されたのは1943年の夏でした。当時のロシアは戦争の真っ只中であり、イヴァノヴォの作曲家組合の隠れ家で暮らしていた彼は、ここに思いの丈をぶつけたのです。
 そして出来上がった交響曲第2番は、同じ年に書かれたショスタコーヴィチの第8番のように「怒り」や「戦争と暴力への抗議」といった側面も持っています。
 初演後、彼は楽章の入れ替えや、金管の増強、一部短縮など、納得が行くまでこの作品を何度も改訂し、1946年にはスターリン賞第一席を受賞するという栄誉も受けることとなります。曲の構成は、重苦しい第1楽章で始まり、ピアノも交えた軽妙でエネルギッシュな第2楽章、不気味なピアノとパーカッションのオスティナートに支えられた葬送行進曲を思わせる第3楽章、そして第4楽章は金管の力強いファンファーレで始まり、少しずつ力を増しながら、最後は鐘の音に彩られながら曲を閉じるという壮大なもの。
 サブタイトルの「鐘」は、残念ながらこれは作曲家自身がつけたものではありませんが、曲の特質を良く表しています。「レールモントフ組曲」は“仮面舞踏会”で知られる文豪レールモントフのエピソードを、1954年にボリス・ラヴレニョフが劇化。ハチャトゥリアンが音楽を書き、その後1959年に組曲にしたものです。ワルツを始めとした聞き覚えのあるメロディが耳に残る、いかにもハチャトゥリアンらしい音楽です。



 おっと、ハチャトゥリアンの「鐘」シンフォニー!
 いつ以来の新録音でしょうね!?ヤルヴィかはたまたチェクナヴォリアンか・・・

 とりえずここでは永遠の名盤、自作自演をご一緒にどうぞ。


DECCAに残る永遠の名盤
作曲者指揮の交響曲第2番

DECCA
4482522
(2CD)
\2400
ハチャトゥリアン:
 (1)ピアノ協奏曲
 (2)ヴァイオリン協奏曲
 (3)仮面舞踏会
 (4)交響曲第2番「鐘」
(1)デ・ラローチャ(P)
 デ・ブルゴス指揮
 ロンドン・フィル
(2)リッチ(Vn)
 フィストラーリ指揮
 ロンドン・フィル
(3)ブラック指揮、
 ロンドン響
(4)ハチャトゥリアン
 ウィーン・フィル

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8.573513
\1100
ようやくの王道路線!ヘンニング・クラッゲルード
 モーツァルト:ヴァオリン協奏曲 第3番・第4番・第5番

 1-3.ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K216
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K218
 7-9.ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K219
  ※1.2.4.5.7.8…カデンツァ:ヘンニング・クラッゲルード作曲
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
ノルウェー室内管弦楽団
録音 2015年1月27-29日 ノルウェー オスロ,アケルフス城教会

 ノルウェーに現れたヴァイオリン界の俊英、ヘンニング・クラッゲルード。
 2003年録音のシンディングとシベリウスのヴァイオリン協奏曲で鮮烈な印象を残す彼は、それ以降もシンディングやグリーグなどの北欧ヴァイオリン作品や、イザイ、シュポアといった高い技術を要求される作品を次々とリリースし、国際的な評価を受けています。
 また作曲家、編曲家としても才能を発揮、そして最近はクラシックだけに留まらず、ジャズ・アーティストとコラボしたりとマルチな活躍をみせています。
 そんなクラッゲルードが今回取り組んだのはモーツァルト(1756-1791)の3つの協奏曲。
 彼のヴァイオリン協奏曲の中で最初に成功したと言われる第3番、勇壮な主題で知られる第4番、終楽章にトルコ風の楽想が用いられているため「トルコ風」と呼ばれる第5番と、どれも人気の高い作品です。どの作品にもカデンツァが置かれていて、奏者の腕の見せ所となっていますが、クラッゲルードはもちろん自作を演奏。変幻自在な彼の楽想の迸りをぜひ聞いてみてください。



*****

 ああ、こうしてクラッゲルードのモーツァルトのコンチェルトが聴けるとは!
 こんな王道コンチェルトは絶対やってくれないと思っていたのに・・・
 やっぱり長生きはするものだ・・・


クラッゲルードのモーツァルトにはこの名盤があった

8.572258
¥1600
ヘンニング・クラッゲルード!
モーツァルト:ディヴェルティメント変ホ長調k563
 1-6.ディヴェルティメント変ホ長調 k563
  <第1楽章アレグロ/第2楽章アダージョ/
   第3楽章メヌエット/第4楽章アンダンテ/
   第5楽章メヌエット/第6楽章ロンド>/
 7.弦楽三重奏曲ト長調 K.anh.66(K562e) — アレグロ(断章)
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
ラーシュ・アネルス・トムテル(ヴィオラ)/
クリストフ・リヒター(チェロ)
モーツァルト(1756-1791)32歳の時に作曲されたディヴェルティメント変ホ長調は、高い音楽性と流麗な曲想を持つにも拘わらず、なぜかあまり聴かれることがありません。そもそもディヴェルティメントは自由な形式を持つ楽しい曲であるはずなのに、この作品は恐ろしいまでの精緻な作曲技法が施されており、各楽器の演奏技術も高いものが要求され、ちょっとやそこらで演奏できるようなものではありません。それだけに、聴き手も大いなる喜びと緊張感を同時に味わうこととなる、まことにもって「一筋縄ではいかない」作品なのです。モーツァルトのフリーメーソン仲間であり、よくお金を借りていた友人プーフベルクの依頼であったことや、変ホ長調という調性、また「三」重奏であるということ(3はフリーメーソンにとって重要な数字)から、フリーメーソンのための曲とも言われています。





それではヘンニング・クラッゲルード特集いきます!

(かれこれ12年も前のコメントから・・・)

 NAOXSは毎月、3ヵ月後くらいにリリースされるCDのハイライトを収録したサンプルCDを送ってくる。
 流し聴きして、印象に残ったものはチェックする。
 わずか2、3分とはいえ、すごい演奏、すごい音楽というのはさすがにピピンとくる。しかし聴いた瞬間のけぞって、泡吹きそうになり、いきなり代理店に電話して未発売のCDを無理やりドイツから取り寄せてもらったのは今回が初めてである。

 ヘンニング・クラッゲルードというヴァイオリニストのシベリウスのヴァイオリン協奏曲。

 すごい。
 ほんとにすごい。

 この曲には数々の名演があり、最近ではCD−Rで紹介したブスタボやクレーメル、トゥルバン、CDならムター、ヘンデル、フリード、イグナティウス、ウィックスと恐るべき名演がひしめく。ちょっとやそっとの演奏ではなかなかそのすさまじい集団に入り込むことはできない。
 ところが・・・。

 ヘンニング・クラッゲルード。1973年オスロ生まれ。いかにも北欧系の美青年である。
 ウィックスなどに師事したあと、1992年にデビュー。地元で活動しながらいくつかの賞を取りつつ、1998年にカーネギー・ホール・デビュー。2000年には北欧系のオケと数多く共演、翌年には全世界各地で公演している。協奏曲ではベルグルンド、ザンデルリンク、ヤンソンス、ドミトリエフ、I・フィッシャー、ラザレフ、室内楽ではアンズネス、アルゲリッチ、カプコン、コヴァセヴィチ、モルク、ウィスペルヴェイなど超一流と共演してきた。

 クラッゲルードといえば、3、4年前に同じNAXOSから「ノルウェー・ヴァイオリン名曲集」というアルバムをリリースして、ベストセラーになった記憶がある。が、それ以来とくに名前は聞かなかったような気がする。そのアルバムはノルウェーの知られざる美しいヴァイオリン作品を集めたもので、北欧ファンばかりでなく一般ファンからも大いに受け容れられた。
 そのアルバムはまさにクラッゲルードのためのアルバム。
 超・超絶技巧となるシンディングの作品もすごいのだが、ブルやハルヴォルセン、スヴェンセンたちの作品に抒情と憂愁と激しい情熱をこんなにも心込めて音楽に注ぎ込めることができたのは、まさにクラッゲルードだったからこそ。美しい作品にも注目が集まったが、やはりクラッゲルードのヴァイオリンに話題が集中した。

 ・・・だが、20代半ばの青年らしい清潔で若々しさに満ちた素敵な演奏ではあったが、そこに人生を変えさせるようなおそるべき魔性は存在しなかった。

 しかし、あれから6年。
 クラッゲルードが放った最新作は、まさしく魔性というにふさわしい特別ななにかをまとっていた。


 ・・・今回のシベリウス。技巧は完璧。

 しかしそんなことはどうでもいい。このヴァイオリニストの放つ強烈、且つ甘美なエネルギーに魅せられたのである。
 ヴィオラ・ソリストとしても活躍しているからなのか、ヴァイオリンとは思えないような野太い音。一音一音に込めるずっしりとした思いのようなものが伝わってくる。それは早いパッセージでも同じで、決して安直に弾き流さない。
 ジェラール・プーレも同じように一音一音を大事に弾くが、プーレが軽快なのに対してクラッゲルードは重い。
 グルベルトも同じように一音一音を大事に弾くが、グルベルトが殺気立っているのに対してクラッゲルードはもっと颯爽としている。

 そのずば抜けた存在感は単なるマッチョな太さや、根暗な鈍重さからくるものではない。なんだかスケールのでかさを感じさせる安心感。男が惚れる男気のようなものか?
 とにかくかっこいいのである。
 こんなにも重厚で颯爽としていて、そしてセクシーなシベリウスは初めて。
 この曲は男には弾けない、となんとなく思っていたが(クレーメルのライヴCD-Rやトゥルバンの演奏があってもなお)、今回完全に撤回する。 
 あのベストセラー・アルバム「ノルウェー・ヴァイオリン名曲集」から6年。クラッゲルードは音楽を愛する気持ちはそのままに、ひとまわりもふたまわりも大きくなって、男らしくなって我々の元に返ってきたのである。


 ちなみに続くシンディングがまた美しく切ない作品。シベリウスやメンデルスゾーン、ブルッフなど古今の名作をひっくるめたような作品だが、もちろん独立した作品としても十分な傑作。なんとなく聴いたことがあると思って誰の演奏で聴いたんだろうとカタログを見たら、完全な錯覚だった・・・・なんと競合盤は1枚もなかった。ひょっとしたら初CD化なのか?クラッゲルードのヴァイオリンはここでももちろん縦横無尽。この無名の名作を華麗に美しく仕立て上げる。




8.557266
\1600
クラッゲルードのシベリウス
 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
        2つのセレナードから第2番
 シンディング:ヴァイオリン協奏曲
         ロマンス
ヘンニング・クラッゲルード(vn)
ビャーテ・エングスト指揮
ボーンマス響
今回はクラッゲルードの特集なのでエングストの指揮のことはあまり書かなかったが、このひとのツボを得たサポートも見事。


 さて、そのクラッゲルード、今回のアルバムより先に2枚のアルバムを出していた。1枚はグリーグ、1枚はノルウェーの作品集。グリーグが1996年、ノルウェー作品集が1997年だから、今回の録音は久しぶりだったことになる。 


8.553904
\1600
グリーグ:ヴァイオリンソナタ集
 
第1番ヘ長調Op.8
 第2番ト長調Op.13
 第3番ハ短調Op.45
ヘンニング・クラッゲルード(vn)
ヘルゲ・キェクシュース(p)
録音が1996年なので、彼がまだ国際的な活躍をする前。NAXOSにしてもまだレパートリーの拡大に力を入れていた時期。シベリウスで聴かれたような重厚な個性というところまではいっていないが、それでも第3番ではクラッゲルードらしいずしんとした響きを感じさせてくれる。誠実で情熱的な演奏。

8.554497
\1600
ノルウェー・ヴァイオリン名曲集
 ブル:羊飼いの少女たちの日曜日
     憂鬱(編曲: クラッゲルード)
     協奏曲 ホ短調 より 「アダージョ」
 シンディング:古い様式による組曲 Op.10
 スヴェンセン:ロマンス ト長調 Op.26
 ハルヴォルセン:ノルウェー舞曲 第1番、第2番
           乙女の歌、
           老漁師の歌、
           結婚行進曲 Op.32-1
           アンダンテ・レリジオーソ
 グリーグ:君を愛す Op.5-3(編曲: クラッゲルード)
       2つの悲しい旋律 Op.34 より 「晩春」
ヘンニング・クラッゲルード(vn)
ビャーテ・エンゲセット指揮
ラズモフスキー・シンフォニー・オーケストラ
録音は1997年。グリーグから1年。今の男気あふれる重厚なものではなく、若々しさとすがすがしさにあふれた甘美なヴァイオリン。これが知られざる佳品たちの性格にピタリはまっている。あの年のNAXOSの最大のベストセラーとなったような覚えがある。しかしあれから6年、彼はほとんど姿を消していた(昨年スヴェンセンの室内楽をCPOから出していたのが唯一)。




そしてそのあと登場したのがシンディングの小品集と、グリーグのヴァイオリン協奏曲(!)が登場!
8.572254
\1600
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第 1 集
 1.カントゥス・ドロリス Op.78/
 2.3 つの悲しき小品 Op.106-1「悲歌」/
 3.ロマンスニ長調 Op.79-1/
 4.アルバムの綴りOp.81-2/5.古い方法 Op.89-1/
 6.セレナーデ Op.89-2/7-9.古風な組曲 Op.10/
 10.3 つの悲しき小品 Op.106-3「アンダンテ・レリジオーゾ」/
 11.ワルツト長調 Op.59-3(第1 稿)/
 12.ワルツホ短調 Op.59-4/
 13.ワルツト長調 OP.59-3(第2 稿)/
 14.エア Op.81-1/15.子守歌 Op.106-2
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
 あの衝撃的なシベリウスから実に5年・・・長かった・・・。天才クラッゲルード、ようやく、ようやく北欧系の新作登場。しかも前作で透徹した美しさを表現してくれたシンディング・・・。
 ということで一足先に聴かせていただきました。
 シンディングの美しく抒情的な音楽に胸を奪われ、クラッゲルードの懐の深い広大な森のような演奏に心ときめかせ・・・至福の時間を送ることができました。
 期待通りです。
 というか・・・まったくそれ以上でした。すごいです。また「店主視聴記」でお目にかかりましょう。

 「2005 年の雪深い10 月のある日、オスロの古い図書館にて、シンディング(1856-1941)の宝石のような小品集を録音することが決まりました。
 グリーグに比肩するほどの素晴らしい作曲家のはずなのに、留学先のドイツでナチスに協力したため、祖国ノルウェーからは「反逆者」の烙印を押されてしまったシンディング。確かに彼の交響曲はドイツ系の香りがしますが、このヴァイオリンの小品集はノスタルジックでセンチメンタル。まさに北欧の香りがそこかしこに漂っています。
 わずか数百グラムの古いヴァイオリンとヨハン・スヴェンセンが愛用した古いグランドピアノを使って演奏されたこれらの作品の何と味わい深いこと!ヴァイオリン協奏曲(8.557266)で説得力たっぷりの演奏を披露した若き名手クラッゲルードの冴え渡る技巧と甘やかな表現力はここでも光り輝いています。」
8.572255
\1600
シンディング:ヴァイオリンとピアノのための作品集第 2 集
 1.前奏曲 Op.43-3/2.ロマンスニ長調 Op.100/
 3.夕べの歌 Op.89-3/4.春のささやき(ピアノ・ソロ)Op.32-3/
 5.ロマンスホ短調 Op.30/6-10.古い様式のソナタ Op.99/
 11.エレジー Op.61-2/12.バラード Op.61-3/13.夕べの気分 Op.120a
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
 第1弾の衝撃冷めやらぬ中、早くも第2弾登場。
 クラッゲルードのシンディング作品集。
 甘い旋律と夢見るようなハーモニーで第1弾もベストセラー。そして今回のこのアルバムには、これまたとびきり愛らしい小品と、ロマンティックなヴァイオリン・ソナタ、そして有名過ぎる「春のささやき」などが収録されている。
 シンディング(1856-1941)は若き頃ヴァイオリンもピアノも学びはしたものの、演奏家として活動するには技術が足りないことを自覚。指揮者としての道も諦めてしまい、早いうちから作曲家としてのみ音楽活動にかかわることを決意したという。彼は一生涯、後期ロマン派の作風を崩すことはなかったという。ただ、独自の作風を確立しなかったことも非難されたこともあってか「古風な様式のソナタ」では4 分の7 拍子や4 分の5 拍子などの変拍子を使ってみたりもしているが、やはりスタイルを大きく逸脱することはなく、以降の作品も、変わることなく美しい響きで満たされている。晩年は様々な要因で悲惨な生活を強いられた彼だが、彼の音楽はこれから復興の一途をたどるに違いない。

8.573137
\1600
ヘンニング・クラッゲルード、
 グリーグのヴァイオリン協奏曲集!!

  (原曲:ヴァイオリン・ソナタ)
 1-3.ヴァイオリン協奏曲 第1番 ヘ長調 Op.8(1854/2012)/
 4-6.ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト長調 OP.13(1867/2012)/
 7-9.ヴァイオリン協奏曲 第3番 ハ短調 Op.45(1886-1887/2012)
  ※全てヘンニング・クラッゲルード&
      ベルント・ジーメン・ルンドによる管弦楽伴奏編、世界初録音
ヘンニング・クラッゲルード(ヴァイオリン)/
トロムソ室内管弦楽団

 このアルバムのタイトルには「グリーグのヴァイオリン協奏曲」とあります。しかし「そんな曲あったっけ?」と思う人も多いことでしょう。これはNAXOSでおなじみのヴァイオリニスト、クラッゲルードがヴァイオリン・ソナタを協奏曲として生まれ変わらせたものなのです。
 確かに「ピアノ協奏曲」のような見事な作品を書いたグリーグ(1843-1907)にヴァイオリン協奏曲が1曲も存在しないのは何とも残念なことで、その足りないレパートリーを埋めるのに、これほどまでにふさわしい音楽はありません。
 シベリウスをさえも思わせる勇壮な第1番、静かな美しさを讃えた第2番、そして、まさに完璧にはまった感のある第3番と、グリーグ好きが泣いて喜ぶようなラインナップです。もちろんクラッゲルードの演奏は文句のつけようがありません。

 録音 2013年1月7-11日 ノルウェイ トロムソ グレンネセン教会





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8.573394
\1100
ジョン・ラター:祝祭詩篇 他
 1-9.祝祭詩篇(1993)
  <O BE JOYFUL IN THE LORD-喜びを持って主を礼拝せよ(詩篇第100番)/
   I WILL LIFT UP MINE EYES-私は目をあげる:都もうでの歌(詩篇第120番)/
   PRAISE THE LORD, O MY SOUL-わたしの魂よ、主を賛美せよ(詩篇第146番)/
   THE LORD IS MY SHEPHERD-主は私の羊飼い:ダビデの歌(詩篇第23番)/
   Cantate Domino-カンターテ・ドミノ
   (詩篇第66番/来たり給え、創造主なる聖霊よ)/
    The Lord is my light and my salvation-主はわが光、わが救いなり(詩篇第27番)/
    O CLAP YOUR HANDS-手を打ち鳴らせ(詩篇第47番)/
    O how amiable are thy dwellings-あなたの住まいはなんと愛らしい(詩篇第84番)/
    O praise the Lord of heaven-天において主を賛美せよ(詩篇第148番)>/
 10.今日のこの日(2011)/11.主よ、あなたはわれらの避難所である(2008)/
 12.詩篇第150番(2002) ※世界初録音…1-9
エリザベス・クラッグ(ソプラノ)…4.6.8/
パスカル・シャルボンヌー(テノール)…4.6.8/
マイク・アレン(トランペット)…11/
トム・ウィンペニー(オルガン)…11.12/
セント・オールバンズ大聖堂合唱団…1-7.9-12/
アビー少女合唱団…1-7.9-12/
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団…1-4.6-10.12/
アンドリュー・ルーカス(指揮)
 録音 2014年7月14-17日 UK ヘルフォードシャー,セント・オールバンズ大聖堂

 旧約聖書に収められた150篇の詩篇のほとんどは、神への感謝の詩と、典礼用の詩に分けることができます。どれもヘブライ語の詩句自体が美しく、また希望や信頼、怒り、喜びなどの感情が豊かにあるため、歌のテキストに用いやすく(元々メロディがついているものもある)、何世紀にも渡って多くの作曲家たちにインスピレーションを与え、多彩な作品が生まれています。
 イギリスの作曲家ジョン・ラター(1945-)も詩篇に魅せられた一人であり、彼は9つの詩篇をまとめた「祝祭詩篇」の他に、2011年の「ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンの婚礼」など特別の行事の際にも詩篇を用いた作品を書き上げています。
 彼の作品はどの曲も荘厳な雰囲気を持ちながらも、独特のノリのよいリズムや、ジャズ風のイディオムが至るところに見え隠れしています。
 日本でもアマチュア合唱団を中心に多くのファンを獲得しており、この祝祭詩篇も、しばしばコンサートで演奏される人気曲となっています。




そのラターの代表作「レクイエム」

NAXOS
8.557130
¥1600
ラター:レクィエム
    合唱とオルガンのための降臨節アンセム「立ち上がれ、喜びに輝け」
    無伴奏二重合唱のためのアンセム「神聖なる愛よ、来たれ」
    合唱とフルートのためのアンセム「神の贈り物なる音楽」
    合唱とオルガンのための2つの祝福「クレア・ベネディクション」/「平和なる世界に歩み入れ」
    2つのオルガン小品〜「7拍子のトッカータ」/「復活祭の主題による変奏曲」(オルガン二重奏)*
ティモシー・ブラウン指揮
ケンブリッジ・クレア・カレッジ聖歌隊
シティ・オブ・ロンドン・シンフォニアのメンバー
ニコラス・リマー(org)/ニコラス・コロン(org)*

 CDショップのクラシック売り場の店頭で仕事していた頃、イギリスにCOLLEGIUMというマイナー・レーベルがあったのだが、装丁は地味だし、聞いたことのない作曲家の合唱曲ばかりだし、あまり注文しなかった。ところがその中のジョン・ラターという人の「レクイエム」の入ったアルバムだけが突出して売れた。
 それまでその人のことまったく知らなかったのですぐに調べてみた。

 1945年ロンドン生まれ。数多くのケンブリッジ大学の中でも2番目に古い名門クレア・カレッジで音楽を専攻、その後なんとわずか30歳でそのクレア・カレッジの音楽科主任に就任している。
 1981年にケンブリッジ・シンガーズを結成、自ら指揮者を務める。さらに先ほど言ったCOLLEGIUMというというケンブリッジ・シンガーズのためのレーベルを興した。

 今も生きている現代の作曲家らしい。そして自分でレーベルを作ったということのようである。合唱に詳しいスタッフに聞いたところ、その人の「レクイエム」は現代音楽だがとても聴きやすくて、最近はアマチュア合唱団がよく取り上げるらしい。・・・なるほど、だから売れるわけか。
 「じゃあ、おれも聴いてみるか。」・・・ということで聴いた。
 ・・・現代に蘇ったフォーレ、という感じの、いやそれ以上に美しくて透明な合唱曲。確かにこれは人気が出るはずである。とっても親しみやすいのである。
 そしてそれから数年、ついにNAXOSからもそのジョン・ラターの「レクイエム」がリリースされた。
 この数年の間にさまざまなレーベルからリリースされ、それぞれ人気を博したが、今度のNAOXS盤はラター自身がプロデュースしているらしい。
 リリースされるやいなや大ベストセラーを驀進。この間見た資料では、日本でのNAXOSベストセラー・トップ100の第4位、西洋人作曲家の中では堂々の第1位。もう合唱ファンだけの作品ではない。
 店主ももちろん早い段階で聴いた。数年ぶり。
 ・・・数年前聴いたときよりも劇的で鮮明な内容になっていた。
 伴奏は大オーケストラではなく小編成アンサンブル、なのにこの厚み、この迫力。ラターは昔フォーレの「レクイエム」を校訂したが、それも小編成オケ版だった。
 歌声はさらに透明感を増している、なのにこの切迫感、緊張感。合唱が、ラターの母校の聖歌隊であることによるのか。
 そして何より本人プロデュースだからか、「歌ってみました」的ないい加減さがみじんもない。みんな真剣そのもの。しばしば「作品として軽い」と言われたこの曲だが、少なくともこの演奏に関してはそんな批評は許されない。

 ・・・するとあとから詳しい日本語の解説が来て、知った。
 このアルバムは、ラターが自動車事故でなくした最愛の息子に捧げたものだった。


 


8.573417
\1100
カール・ツェルニー:大協奏曲 他
 1.華麗な大夜想曲 Op.95(1826頃)/
 2-4.ピアノ大協奏曲 イ短調 Op.214(1830)
  <第1楽章:アレグロ・モデラート/第2楽章:アダージョ・コン・モート‐/
   第3楽章:ロンド〜アレグロ・コン・アニマ>/
 5.ロッシーニの歌劇「コリントの包囲」から
  ギリシャ人の行進曲による演奏会用変奏曲 Op.138(1827)
   ※世界初録音…5
ローズマリー・タック(ピアノ)/
イギリス室内管弦楽団/
リチャード・ボニング(指揮)
録音 2014年12月16-18日 ロンドン ケニス・タウン,聖サイラス教会

 以前から「ツェルニーの偉大さ」について力説してきたNAXOSレーベルですが、今回登場の「大協奏曲」を含む3つの協奏的作品も、ピアノ演奏技術の粋を集めた完成度の高いものであり、ベートーヴェンの協奏曲に並ぶ巨匠然とした雰囲気をたたえています(確かにこの華やかなパッセージを楽々と弾きこなすためには、あの無味乾燥な練習曲を仕上げるしかないのかもしれません)。
 「ベートーヴェンの才能ある弟子」として各方面で名が知られていたツェルニー(1791-1857)。ベートーヴェンは自作の協奏曲のソリストに彼を指名し、ブラームスも「ツェルニーのピアノ奏法についての著作は一度は読む価値がある」と絶賛、リストは、彼が提案した合作「ヘクサメロン」でツェルニーに曲を依頼したりと、その幅広い才能は誰もが絶賛していました。とは言え、ツェルニー自身は、自らが目立つよりも、後進の指導と、ベートーヴェン作品を広めることのみに喜びを感じていたようで、たくさんの練習曲を書いたのも「ピアノ演奏法について書きたいのに時間がない」というベートーヴェンの意思を継いだからでした。そんな控えめな性格だったが故に膨大な作品はごく一部が出版されたのみ。そのほとんどは机の引き出しにしまい込まれていたため、このような素晴らしい作品もそのまま忘れられてしまったのです。
 21世紀になって次々と新曲を聴くことができるようになり、このアルバムにも世界初録音の作品が含まれています。今後もツェルニーからは目が離せません。
 


8.555500
\1100
シュポア:交響曲 第1番&第5番
 1-4.交響曲 第1番 変ホ長調 Op.20(1811)
  <第1楽章:Adagio ‐ Allegro/第2楽章:Larghetto con moto/
   第3楽章:スケルツォ〜Allegro/第4楽章:フィナーレ〜 Allegretto>/
 5-8.交響曲 第5番 ハ短調 Op.102(1837)
  <第1楽章:Andante ‐ Allegro/第2楽章:Larghetto/
   第3楽章:スケルツォ/第4楽章:Presto>
スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団/
アルフレート・ヴァルター(指揮)
録音 1990年11月30日-12月2日 コシツェ,芸術の家 MARCO POLO 8.223363より移行盤

 ドイツの作曲家、ヴァイオリニスト、指揮者ルイ・シュポア(1784-1859)。本来の名前はルートヴィヒでしたが、大人になってからフランス風の呼び名「ルイ」と名乗り、各地で演奏旅行を行いその名を広くとどろかせました。
 作曲家としては10曲の交響曲(最後の10番は未完)をはじめ、ヴァイオリン曲を60曲、他、多くの室内楽曲や独奏曲など150曲を越える作品を残し、こちらも当時高く評価されていました。
 シュポアは恐らくモーツァルトに倣って交響曲を書いたのですが、完成した作品は既にロマン派の作風を持っており、第7番の「『人生の世俗と神聖』」など工夫の凝らされた標題を持つ曲もいくつかあり、当時としては前衛的な作風を有していたと言えるでしょう。そんなシュポアの交響曲、第1番はまだ古典派の形式に留まっていますが、第5番は作風も成熟しシューマンやメンデルスゾーンの作品にもひけを取らないほどに自由な楽想が満ちています。
 

8.559787
\1100
ポール・ボウルズ:ピアノ作品全集 第2集
 1-3. 2台ピアノのための3つの小品
  <夜のワルツ(1949)/夜想曲(1935)/クロス・カントリー(1976)>/
 4-7. 4つのピアノ小品
  <トンブクトゥの袋小路(1934)/カフェ・シン・ノンブレ(1933)/
   テセウスとマルドロール(1933)/エステポナの道(1939)>/
 8-10.ソナチネの断片(1933)<Adagio misterioso/Allegro/Adagio>/
 11-14. 4つのミニアチュール
  <ベルナルド・スアレスへの前奏曲(1932)/
   K.M.C.のポートレイト(1935)/空想(1932)/サラバンド(1943)>/
 15-17. 3つのラテン・アメリカ小品集
  <エル・ベジュコ(続けるには、味に従うこと…)/
   オローシ(1948)/サユーラ(1946)>/
 18.タマナール(1931-1933)/
 19-21.ソナチネ(1932-1933)
  <Allegro ritmico/Andante cantabile/Allegro>/
 22-25.ブルー・マウンテン・バラード(1946/2014)
  (アンドレイ・コスパロフによるピアノ・デュエット編)
   <天国的な草/寂しい男/小屋/サトウキビ>/
 26-28. 3つのピアノ・デュオ-アーサー・ゴールド&ロバート・フィッツデール編曲
  <感傷的な会話(1944)/カミナータ(1940頃)/ターキー・トロット(1940頃)>
  ※世界初録音…4.5.6.7.17.18.22-25.26-28
インヴェンシア・ピアノ・デュオ…1-3.22-28
<メンバー:
 ピアノ・プリモ:アンドレイ・カスパロフ…5.7.11-15.18-21(ソロ)/
 ピアノ・セコンド:オクサーナ・ルチシン…4.6.8-10.16-17(ソロ)>
録音 2013年10月5-7日…1-3, 2014年1月11-12日…4.6.8-10.15-17, 2014年2月1-3日…5-7.18-21, 2014年10月11.12日…11-14.22-28 USA ヴァージニア,オールド・ドミニオン大学,ウィルソン.G.チャンドラー・リサイタル・ホール

 アメリカの小説家、作曲家ポール・ボウルズ(1910-1999)のピアノ作品集第2集。
 前作の第1集(8.559786)と同様に、ここでもユニークな作品が並びます。彼は人生の大半をモロッコのタンジールで過ごし、この地での経験を元にした長編小説で人気を博しました。
 とりわけ最初に書いた「極地の空」はベストセラーを記録、こちらは映画「シェルタリング・スカイ」の原作になり一層知られるようになりました。その上、彼はモロッコの伝承物語の英訳にも力を注いでいますし、またアフリカの民俗音楽の研究家でもありました。
 そんな彼の音楽は、時にはシリアス、時にはジャズやラテンの雰囲気を持つ興味深いものばかりなのですが、残念なことに作品の管理がきちんとできておらず、その作品の多くは失われてしまい、また忘れ去られてしまったのです。
 しかし研究家アイリーン・ハーマンのおかげで、残された作品のほとんどを探し出すことに成功、ようやくCD2枚分の音楽が日の目を見ることになりました。もちろん初録音も多数含まれる貴重な作品集です。
 

8.559789
\1100
ランダル・トンプソン:レクイエム(1958)
 1.第1部:哀歌/
 2-4.第2部:信仰の勝利
  <なぜあなたがたはこの騒ぎを起こすのですか?/
   彼は誰ですか?/柔らかな良い知らせ>/
 5-8.第3部:歌への呼び声
  <精神を充填すること/おお、喜んで国をみよ/
  彼に歌う/外に向かう歌>/
 9-13.第4部:祈りの衣服
  <魂とともに歌う/全ての呼吸を/栄光を与えよう/
   あなたの光の星は彼を賞賛する/私は彼らの音楽>/
 14-18.第5部:告別
  <時々闇の中のあなたがた/主はあなたがたの永遠の光であれ/
  休息のうちに戻りたまえ/あなたは彼に与えられ/
  アーメン、そしてアーメン。アレルヤ。>
   ※世界初録音
フィラデルフィア・シンガーズ/
ディヴィッド・ヘイエス(指揮)
録音 2014年1月25-26日 フィラデルフィア カーティス音楽学校,グールド・リハーサル・ホール

 ランダル・トンプソン(1899-1984)はアメリカの合唱作曲家ですが、アメリカ国内でもよほどの合唱好きでない限り、その名を知っている人はいません。ニューヨークで生まれ、ハーバード大学を卒業、ウェルズリー大学で音楽科の助教授を務めながら合唱指揮者になり、幾つかの大学で後進の指導にあたりました。
 なかでもハーバード大学で教えていたときの弟子の一人がレナード・バーンスタインであったことは、彼のキャリアの中でも大切な出来事でした。
 その生涯に数多くの合唱曲を遺しましたが、彼がこの世を去って30年以上を経ても、その中で歌われるのは1941年に作曲された「ハレルヤ」(クーセヴィッツキーからの委嘱作品)のみ、というのはちょっと残念なことかもしれません。
 この「レクイエム」は彼の個人的な体験・・・親しい友人や同僚を亡くす・・・に起因して書かれたもので、アカペラの二重合唱による5つの場面で構成された全曲は非常に劇的であり、合唱のグループの一つは常に「愛する人の喪失を嘆く会葬者」、もう一つのグループは「会葬者を慰め、現実に戻るように説得する視点」で歌っていくように書かれています。
 曲自体は調性感を持ち、時には壮麗なフーガを形成、「死者の安息を祈る」という通常のレクイエムの概念とは異なる作品です。
 


8.570618
\1100
かっこいいです!
グァン・シァ:交響曲 第2番「希望」

 1-3.交響曲 第2番「希望」(1999)
  <第1楽章:期待と探求〜 Largo ‐ Allegro ‐ Largo/
   第2楽章:暖かさ〜Adagio/第3楽章:光〜Allegro>/
 4.アース・レクイエム:第1番.星をみつめて:瞑想(管弦楽版)(1999/2008-09)/
 5.交響的バラード「悲しき夜明け」(2000)
  ※世界初録音
ニュルンベルク交響楽団/
シャオ・エン 邵恩(指揮)
録音 2014年8月1-2日 ドイツ ニュルンベルク,コングレスハレ,ムジークザール

 このアルバムに収録されている「交響曲第2番"希望"」は、中国の著名な作曲家、グアン・シァ(1957-)の代表作。彼は1985年に中国中央音楽院を卒業し、数多くのテレビシリーズのサウンドトラックを手掛け、最近では中国国立交響楽団のエグゼクティブ・ディレクターを務めています。
 彼の交響曲第1番は1980年代半ばに書かれましたが、そちらはあまり話題になることはありませんでした。しかし「希望」と題された第2番は、善と悪、闘争と持続性など人類の本質に光が当てられており、各々の楽章に付されたタイトルも明るい未来を感じさせるなど、聴き手に明るい希望をもたらす音楽として愛されています。
 「アース・レクイエム」は交響曲第2番と同じく1999年に書かれましたが、2008年5月に四川を襲った大地震の犠牲者を悼むために、大幅な改作を行っています。
 この「瞑想」はもともと第4楽章に置かれていましたが、ここでは一つの楽章として独立させ、原曲の合唱などを全て省き、管弦楽のみで演奏する形に変えています。「悲しき夜明け」は第二次世界大戦終了後の中国の物語。ワーグナーを思わせる壮麗なファンファーレが印象的な作品です。
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8.572831
\1100
トルコ・クラシック
 ウルヴィ・ジェマル・エルキン(1906-1972):交響曲 第2番 他

 1.オーケストラのための舞踏狂詩曲「Kocekce-キョチェケ」(1943)/
 2-4.ヴァイオリン協奏曲(1946-1947)
  <第1楽章:Allegro giusto/第2楽章:Adagio/第3楽章:Allegro con fuoco>/
 5-7.交響曲 第2番(1948-1958)
  <第1楽章:Allegro non troppo/第2楽章:Adagio/
   第3楽章:Allegro - Alla Kocekce>
ジェームズ・バスウェル(ヴァイオリン)…2-4/
イスタンブール国立交響楽団/
テオドレ・クチャル(指揮)
録音 2014年11月29-30日 トルコ イスタンブール,フルヤ・カルチュアル・センター

 エルキン(1906-1972)は、サイグンらとともに「トルコ5人組」と呼ばれるトルコのクラシック音楽を発展させたグループの一人の作曲家。
 その「5人組」のメンバーは、みな20世紀の初頭に生まれ、当時の大統領と連動し、トルコの西洋化を進めるために力を尽くしたことで知られています。
 1906年に生まれたエルキンは、パリに留学しナディア・ブーランジェに師事、最先端のフランス音楽を学び帰国、トルコにできたばかりのアンカラ音楽院の教授となります。
 その後、1949年から1951年までは音楽院の院長を務め、後進の指導にあたりながら、自身も2つの交響曲をはじめ、ヴァイオリンやピアノ協奏曲、数多くのピアノ曲、歌曲を作曲します。
 以前のトルコの音楽は西洋のものとは全く異なっており、複雑なリズム(西洋人には理解が難しかった)とメロディを持っていましたが、エルキンはこれらの伝統的な要素を西洋音楽に取り入れ融合させたのです。
 とりわけ「キョチェケ」と呼ばれる固有の舞曲を用いた狂詩曲が聴きものです。
  

8.573280
\1100
ヘンリー・パーセル:劇場音楽集 第2集
 1-10.劇音楽「女房持ちの色男、無分別な物好き」Z.603
 <序曲/スロー・エア/ホーンパイプ/エア/ホーンパイプ/
  ジグ/トランペット・エア/歌「後悔したチェリアの横たわるをみよ」/
  行進曲/ウラウンド上のホーンパイプ>/
 11.劇音楽「スペインの僧、二重の露見 」Z.610 -
   歌「あなたの目前で私は悲しみ」/
 12-15.劇音楽「アンソニー・ラヴ卿、逍遙する貴婦人」 Z.588
  <序曲/歌「美女を追い求め、男性は非難し」/
   対話「もう結構、卿、もう結構」/歌「無駄です。クリミーン」>/
 16.劇音楽「オーレン=ジーブ、偉大なモンゴル」 Z.573/
 17.劇音楽「年老いた男やもめ」 Z.607
ヨハネ・アンゼル(ソプラノ)/
ジェイソン・ネデッキー(バリトン)/
アラディア・アンサンブル/
ケヴィン・マロン(指揮)
録音 2013年11月18-20日 カナダ トロント,聖アン・アングリカン教会

 イギリス・バロック期の最大の音楽家パーセル(1659-1695)。彼の父も叔父も音楽家で、また弟も音楽家になるという音楽一家に生まれたパーセルは、幼少期に王室礼拝堂の少年聖歌隊に入り、変声期を迎えた後は、名オルガニスト、ジョン・ブロウに学びます。写譜係として古い時代の作曲家たちの作品を研究、これによって伝統的なスタイルを身につけ、18の時に王室弦楽合奏隊の専属作曲家に就任します。
 その2年後にはウェストミンスター寺院のオルガニストにも任命され、以降、36歳でこの世を去るまで膨大な作品を遺すこととなるのです。
 そんな彼の劇音楽は、主に晩年の5年間に集中的に作曲され、どれもユニークで、規模は小さいものの、歌劇にも近い佇まいを持ったものです。「女房持ちの色男」はややきわどいコメディで、「後悔したチェリアの横たわるをみよ」は独立して演奏されるほどの人気を誇っています。
 スペインの修道士の物語、当時の人気女優のために書かれた「アンソニー・ラヴ卿」、英雄的な悲劇「オーレン=ジープ」の異国的な雰囲気、1693年に初演された皮肉たっぷりの「年老いた男やもめ」と、楽しくウィットに富んだ音楽がたっぷり味わえます。NAXOSが誇る古楽指揮者マロンとアラディア・アンサンブルの息のあった演奏です。

 劇場音楽集 第1集…8.570149
 

8.573430
\1100
カミッロ・トーニ:ピアノ作品全集 第3集
 1.セレナータ 第3番 Op.13(1941)/
 2.セレナータ 第6番 Op.19a(1943)/
 3.セレナータ 第7番 Op.20(1943/1944)/
 4-6.ソナチネ Op.26(1945)
  <ソステヌートとマルカート/間奏曲 I/間奏曲 II>/
 7-9.バッハへのオマージュ Op.32(1950/1951)
  <グラーヴェ/カノン/主題と6つの変奏>/
 10.アルベン・ベルク:抒情組曲 - 第楽章 アレグレット・ジョヴィアーレ(1926)
  (C.トーニによる4手ピアノ編)/
 11-13. 3つの幻想的スケルツォ 「パラフラージ・ディ・ムジカ・レッジェーラ」(1967)
  <第1番/第2番/第3番>
    ※世界初録音…1.2.3.4-6.10.11-13
アルド・オルヴィエート(ピアノ)/
ファウスト・ボンジェッリ(第2ピアノ)…7-10
録音 2015年6月24-25日 イタリア ヴェニス,ジョルジオ・チーニ財団 サラ・デッリ・アラッツィ…1-6, 2014年7月30日 イタリア ポルデノン ファッツィオーリ・コンサート・ホール…7-13

 20世紀イタリアを代表する作曲家の一人カミッロ・トーニ(1922-1993)。カセッラに作曲を学び、ピアノはミケランジェリに師事、シェーンベルクから多大な影響を受け、1951年から1957年まではダルムシュタット音楽祭にも参加、実験的な音楽を創り上げた人として知られています。
 このNAXOSのシリーズでは彼のピアノ全曲リリースが進行中、このアルバムが第3集となります。トーニ作品と言えば、なんと言っても第1集(8.572990)に収録されていたマーラーの「アダージェット」の乾いた響きが衝撃的でしたが、ここに収録されているベルク「抒情組曲」の連弾用編曲版を聞けば、彼の語法をより詳しく知ることができるのではないでしょうか?
 初期の作品である一連のセレナータは、半音階進行を追及したもので、こちらは確かにシェーンベルクの影響が強く感じられますが、晩年の「3つの幻想的スケルツォ」は想像以上に調性に回帰した曲(良く知られた曲のパラフレーズでもある)で、何か仕掛けがあるのか?と聴き進むうちに曲が終わってしまうという不思議な感触も残ります。

 【トーニ:ピアノ作品集 第1集…8.572990 第2集…8.572991】
 

8.573447
\1100
マルティヌー:歌曲集 4 - 白い鳩(フロチョヴァ/コウクル)
 1-30.新しいスロヴァキアの歌 H.126
  <わが鉱山は山々を越え/私に話して/ハンカ、何を作っているの?/
   ねえ、私の愛する山よ/オラヴァから雨がくる/
   わが愛する人よ、話して/私には他の姉妹がいる/
   私はブラウスを持っていた/明けの明星/ねえ、あれをみて/
   私は結婚している/オオカミさん、私を食べて/
   立っている女の子/ヴァホム川まで/フロン川の上流下流/
   トレンチンの兵舎で/神よ、私は何をすれば/小さなハンナ/
   羊たちはだれのもの/ステキな男/彼を信じてはだめ/
   彼女は良く跳ね土を掘る/彼女は70着のスカートを持っていた/
   ねえ、メドウ/ねえ、私には恋人がいたの/白い鳩/
   黒い山の横から/人々は言う/私は目覚めている/
   白い山から来た少女>/
 31.光り輝く夜の3人のおとめ H.73/32.童謡 H.283Bis
  ※スロヴァキア語歌唱…1-30, チェコ語歌唱…31-32 世界初録音…31.32
イェネ・フロチョヴァ(ワリンゲローヴァ)(メゾ・ソプラノ)/
ジョルジオ・コウクル(ピアノ)
録音 2015年6月9日…1-31, 2014年6月17日…32 スイス・イタリアーナ放送 コンセルヴァトーリオ

 2010年に録音を始めたマルティヌーの歌曲集も、この第4集で完結となります。
 生涯に膨大な作品を書き上げたマルティヌーは、その折々で作風を変化させているため、曲によっては印象派風であったり、新古典派風であったりと、なかなか分類が難しい作曲家の一人です。
 歌曲についてこれまでの録音を聞いても、やはり作品の雰囲気が幅広過ぎて全貌を掴むことはとても難しいかもしれません。とは言え、スラヴ民謡に根ざした作品はとても親しみやすく、短い曲の中に独特のウィットが込められています。
 このアルバムの中心をなす「新しいスロヴァキアの歌」もそんなタイプの歌曲集であり、歌の内容を問うのではなく、マルティヌーの探究心から生まれた、言葉遊びとメロディを楽しむための作品群なのです。
 世界初録音の「チェコ語の2つの歌曲」のうち、「光り輝く3人のおとめ」は後期ロマン派風の重苦しさを持った歌曲。100小節で突然終了し、聞き手を呆然とさせるところもユニークです。
 後にヴォーグ誌のジャーナリストになったシャルル・ルーに捧げられた「童謡」も即興的に書かれた面白い作品。

 【マルティヌー:歌曲集 既発リリース】
  第1集…8.572588 第2集…8.572310 第3集…8.573387
  .


8.573472
\1100
「時計仕掛けのオレンジ」の原作者は音楽家だった!
 アンソニー・バージェス:管弦楽作品集

 1-9.管弦楽のためのバレエ組曲「ミスターW.S.」(1979)
  <前奏曲:劇場 Allegro molto/サラバンド Slow/
   ガリアルド Allegro molto giocoso/キャロル Allegretto/
   クォドリベット Allegro vivace/王子の死 Lento/
   グローヴ座の開幕「世界中の俳優の演技」Allegro spiritoso/
   ストラトフォード,1616年4月 Lento/
   行進曲:「Non sanz droict(権利なからざるべし)」Allegro giocoso ma con dignita>/

 10.革命の行進 1789-1989(1989)/

 11-24.バージェス氏の暦(1987)
  <序説:Molto moderato/第1番:Allegro vivo/
   第2番:Poco lento/第3番:Allegro vigoroso/
   第4番:Allegretto con grazia/第5番:Allegro con spirito/
   第6番:Adagio/第7番:Allegro con spirito ma pesante/
   第8番:Molto moderato/第9番:Allegro molto/
   第10番:Andantino con malinconia/第11番:Allegro furioso/
   第12番:Allegro maestoso - Allegro molto vivace/
   後奏曲:Postlude: Molto moderato> ※世界初録音
ブラウン大学管弦楽団/
ポール・フィリップス(指揮)
録音 2014年11月18.22.23日 USA ロードアイランド プロヴィデンス,ブラウン大学 サイラス・ホール…1-9, 2014年10月11日 USA ロードアイランド プロヴィデンス,ブラウン大学 サイラス・ホール…10, 2005年5月5日 USA ロードアイランド プロヴィデンス,ブラウン大学 アラムネー・ホール

 あのスタンリー・キューブリックが映画化した近未来的小説「時計仕掛けのオレンジ」。自由=放任が暴走した社会に棲む少年4人組の悪行の顛末を描いた問題作で、1972年の公開時には様々な論争を巻き起こしました。
 この原作を書いたのがイギリスの小説家アンソニー・バージェス(1917-1993)です。
 映画の中でも「第9」が効果的に使われていたことからわかる通り、バージェスは音楽家としても素晴らしい才能を持っていました。
 もちろん彼の作品は独創的というよりも、過去の作曲家たちの影響が強く(ホルストとヒンデミットのハイブリッドと評する人も)、少しばかりの不協和音をスパイスにした聴きやすいものです。
 そんなバージェスの管弦楽作品、もちろんこのアルバムが世界初録音となります。

 最初のバレエ組曲の題材となった「W.S.氏」とは2016年に没後400年を迎えるイギリスの文豪シェイクスピアのこと。もともとは映画のために書いた曲を後に組曲としてまとめた作品です。エリザベス朝の響きを意識した曲調の中に、暴力的なサウンドを溶け込ませ、独自の雰囲気を醸し出しています(因みに9曲目の行進曲に付された「Non sanz droict」とはシェイクスピアの紋章に付された銘)。
 フランス革命にちなんだ「革命の行進」、自らの誕生日を祝したという「バージェス氏の暦」と、どれも「小説家の余暇仕事」の域を超えた力作です。
 

8.573485
\1100
リスト:ピアノ作品全集 第43集 交響詩の編曲版
 1.交響詩「前奏曲」S511a
  (K.クラウザー編曲/F.リスト改編,1885)/
 2.交響詩「オルフェウス」S511b
  (F.シュピーロ編曲/F.リスト改編,1879)/
 3.1859年のシラー祭への芸術家の祝祭行列 S520/R187(第2稿,1883)/
 4-6.ゆりかごから墓場まで S512/R179(1882)<ゆりかご/生の闘争/墓場へ>/
 7.レーナウのファウストによる2つのエピソード S110/R427 第1番「夜の行列」
  (R.フロイント編曲/F.リスト改編,1872)/
 8.メフィスト・ワルツ 第4番 S696/R661(1885)
セルジオ・モンテイロ(ピアノ)
録音 2015年6月1-5日 USA オクラホマ市立大学,ワンダ・バス音楽学校,小リハーサル・ホール

 NAXOSの人気シリーズ、リスト(181-1886)のピアノ曲全集第43集。
 過去には2台ピアノ版の「ダンテ交響曲」(第26集:8.570516)、「前奏曲」(第29集:8.570736)、「ファウスト交響曲」(第34集:8.572560)がリリースされていて、編曲者としてのリストの才能を知ることができましたが、今回はいくつかの交響詩の「ピアノ独奏版」の登場です。
 作曲家によっては、ブラームスのように、まずピアノ版を作ってからオーケストラ稿を書く人もいますが、このアルバムに収録された作品はちょっと事情が違い、もともとの管弦楽版を、リストの監修のもと、他の作曲家がピアノ独奏版に仕上げたものです。どれも出来上がった作品をリスト自身がちょっとだけ手直しして出版するという「リスト承認」の編曲版といったところでしょうか。
 ピアニスト、モンテイロはブラジル生まれ。4歳からピアノを学びブラジル国内および南米のコンクールで優勝し、ブラジル文化省から奨学金を得てイーストマン音楽学校に留学。第2回マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで2位を獲得しました。
 GRANDPIANOレーベルからエンリケ・オズワルドのアルバムをリリース(GP682)、こちらも好評を博しています。
 


8.573497
\1100
パトリック・ガロワ(指揮)
ミヒャエル・ハイドン:交響曲集 第1集

 1-3.交響曲 ト長調(Perger16)
 4-6.交響曲 ニ長調(Perger 21)
 7-9.交響曲 ハ長調(Perger 19)
 10-13.交響曲 イ長調(Perger 15)
フィリップ・ドヴォルザーク(ハープシコード)/
パルドゥビツェ・チェコ室内フィルハーモニー管弦楽団/
パトリック・ガロワ(指揮)
録音 2015年2月17-22日 チェコ共和国 パルドゥビツェ,音楽の家

 ミヒャエル・ハイドン(1737-1806)。幼い頃はシュテファン大聖堂の聖歌隊で美声を披露し、各地の宮廷楽長を務め、聖三位一体教会のオルガニストとザルツブルク大聖堂のオルガニストの職をこなし、ウェーバーとディアベリを教え、マリア・テレジアからはミサ曲を委嘱されるという、素晴らしい才能を持っていたにも拘わらず、偉大すぎる兄ヨーゼフのおかげで、歴史の流れに埋もれてしまった残念な作曲家です。
 例えばミヒャエルが書いた交響曲第25番は、モーツァルトがちょっと付け足しを加えただけで、彼の「第37番」として認知されるほど、モーツァルト作品と見分けが付かないほどの素晴らしさなのですが、真相が究明された途端、贋作として扱われるようになってしまったという悲しい作品。
 しかし作品自体の躍動感や色彩感が失われたわけでもなく、良い曲であることは変わりありません。ようやく最近になってその作品の素晴らしさに共感する人が増えてきたようです。名フルート奏者で、最近は指揮者としても活躍しているパトリック・ガロワもそんな一人で、彼は44曲ほどのミヒャエルの交響曲の全曲録音に取り組み始めました。全集完成が待たれるシリーズです。
 


8.573526
\1100
金管七重奏のための音楽集 第4集
 1-4.ビクトリア(1548頃-1611):4つのモテット(S.コックスによる金管七重奏編)
  <すべての人よわれを祝福せよ/汝はペテロなり/
   おお、聖なる饗宴/よい羊飼いはよみがえられた>/
 5-10.ジョヴァンニ・ガブリエリ(1554/1557-1612):
  3つのカンツォンと3つのモテット(S.コックスによる金管七重奏編)
  <4声のカンツォン 第1番 「陽気な女」/私の心は主によって喜び/
   4声のカンツォン 第2番/
   聖なるマリアよ、あわれな者たちを救いたまえ/
   カンツォンとソナタ集 - 6声のカンツォン IV/
   主にむかいて新しき歌をうたえ(カンターテ・ドミノ)(6声)>/
 11-13.パレストリーナ(1525頃-1594):
  ミサ曲集 第2巻「教皇マルチェルスのミサ曲」
   (S.コックスによる金管七重奏編)
   <キリエ/グローリア/サンクトゥス‐ベネディクトゥス>/
 14-20.ラッスス(1532-1594):宗教的マドリガル集 「聖ペテロの涙」(抜粋)
   (M.ナイトによる金管七重奏編)
    <高潔のひとペテロはかつて/
     私が自分のものと認めた人々の/凍てついた雪片が/
     去り行け命よ、行け/おお罪深き不条理な生命よ/
     わが主を否定するものは/見よ人間よ>
セプトゥーラ<メンバー:アラン・トーマス(B♭管トランペット)/
サイモン・コックス(B♭管トランペット)/
ヒュー・モーガン(E♭管トランペット)/
ピーター・スミス(テューバ)/
マシュー・ギー(トロンボーン)/
マシュー・ナイト(トロンボーン)/
ダン・ウェスト(バス・トロンボーン)>
録音 2015年5月2-4日 ロンドン ニュー・サウスゲート、セント・ポール教会

 金管アンサンブル「セプトゥーラ」のシリーズ第4集は、彼らの出発点にもなったというイタリアの作曲家ジョヴァンニ・ガブリエリの作品を中心とした、16世紀の音楽集です。
 ここでは宗教的合唱曲を金管アンサンブルに編曲するというユニークなことをやってのけますが、これが全く違和感なく、ごく自然な音楽の流れの中に輝かしい響きを融合するという完成度の高いものとなっています。
 ここに選ばれた4人の作曲家たちは、イタリア、スペイン、フランドルと活躍の場は様々ですが、例えばパレストリーナはビクトリアの師であったり、ガブリエリはラッススに師事してたりと、互いに影響しあっているのです。
 そして4人それぞれ、異なるルネサンス合唱の伝統の源であり、彼らが創り上げた神聖派なポリフォニーは当時の教会音楽にも強く影響を与えています。
 その時々でメンバーの顔ぶれが少しずつ変化しているセプトゥーラですが、緊密なアンサンブルは決して変わることがありません。

  【第1集…8.573314 第2集…8.573386 第3集…8.573475】
 


8.573552
\1100
ヨーゼフ・ランナー:ウィーン舞曲集
 1.タランテラ・ギャロップ Op.125/
 2.ワルツ 「魔女の踊り」 Op. 203/
 3.ギャロップ 「エリーゼとカティンカの仲間」 Op.56-2/
 4.ワルツ 「宮廷舞踏会」 Op.161/5.忠誠行進曲 Anh.54/
 6.新年のギャロップ Op.61b/7.真夜中のワルツ Op.8/
 8.ハンス・イェルゲン・ポルカ Op.194/9.シュタイアー風舞曲 Op.165/
 10.ワルツ 「シェーンブルンの人々」 Op.200
カンヌ管弦楽団/
ヴォルフガンク・デルナー(指揮)
録音 2015年6月24-26日 フランス カンヌ,JWマリオット・クロワゼットホテル劇場

 ヨハン・シュトラウス1世よりも3年早く生まれ、それまでは「農民の踊り」であったワルツを洗練された「ウィンナ・ワルツ」に格上げしたとされるヨーゼフ・ランナー。旅行勝ちであった彼は、良きライバルであったシュトラウス1世ほどには、ヨーロッパでの名声を獲得することができませんでしたが、彼が書いた400曲ほどの作品は、ストラヴィンスキーやリヒャルト・シュトラウスなど、後世の作曲家たちに大きな影響を与えることとなります。
 このアルバムには彼の代表的な作品10曲を収録、熱狂的なタランテラや、初期の作品「真夜中のワルツ」、晩年の作品「魔女の踊り」まで、ワルツの創始者ランナーならではの貫禄たっぷりの作品が楽しめます。
 

8.573553
\1100
オーベール:序曲集 第1集
 1.歌劇「コーカサスから来た娘」序曲 S.48(1861)/
 2.歌劇「青銅の馬」序曲 S.25(1835)/
 3.歌劇「黒のドミノ」序曲 S.30(1837)/
 4.歌劇「フラ・ディアヴォロ,またはテッラチーナの宿屋」序曲 S.18(1830)/
 5.歌劇「婚約者」序曲 S.17(1829)/
 6.歌劇「王冠のダイヤモンド」序曲 S.34(1841)/
 7.歌劇「マルコ・スパダ」序曲 S.43(1852)/
 8.歌劇「放蕩息子」序曲 S.41(1850)
カンヌ管弦楽団/
ヴォルフガンク・デルナー(指揮)
 録音 2015年6月24-26日 フランス カンヌ,JWマリオット・クロワゼットホテル劇場

 フランスに生まれた偉大な作曲家オーベール(1782-1871)。彼は、ケルビーニに作曲を学び、19世紀前半のオペラ・コミーク作曲家として広く名声を博し、また数多くの管弦楽、合唱作品を書き、ロマン派オペラに広範囲に渡って影響を及ぼしました。
 彼の名はパリの地下鉄の駅や、ガルニエ宮の通りに冠せられるほどに、パリでは重要視されているにもかかわらず、残念なことにその作品自体は現在ほとんど演奏されることがなく、いくつかの歌劇の序曲が細々と演奏会のプログラムに掲載されるのみとなっています。
 当時はワーグナー作品と人気を分け合うほどの人気者だったオーベールの作品。まずは序曲から楽しんでみてはいかがでしょうか?例えば、「コーカサスから来た娘」は、よくある「女性が男性に扮する」のではなく「男性が女性に扮する」物語。若い将校アレクシスが娘に扮してコーカサス、モスクワで冒険するというストーリー。
 他の歌劇もタイトルを見ただけで、なんとも面白そうなものばかりではありませんか。
 


8.573556
\1100
ティボール・ハルシャーニ:パリのハンガリー人
 1-3.ヴァイオリン・ソナチネ(1919)
  <第1楽章:モデラート/第2楽章:スケルツォ/
  第3楽章:アレグロ・ジュスト>/
 4-6.ヴァイオリン・ソナタ(1925)
  <第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ/
  第2楽章:レント/第3楽章:ヴィヴァーチェ>/
 7-9. 3つの舞踏小品(1928)
  <第1番:タンゴの楽章/第2番:ボストンの楽章〜レント/
   第3番:フォックスロットの楽章>/
 10-12.ヴィオラ・ソナタ(1953-1954)
  <第1楽章:アレグロ・カンタービレ/第2楽章:アダージョ/
  第3楽章:アレグロ・ジョコーソ・コン・ブリオ>
   ※世界初録音
チャールズ・ウェザービー…ヴァイオリン(1-6),ヴィオラ(10-12)/
ディヴィッド・コレヴァー(ピアノ)
録音 2014年6月4-6日 USA コロラド大学ボルダー校音楽部,グルージン音楽ホール

 20世紀初頭の作曲家、ハルシャーニ(1898-1954)はハンガリーで生まれ、ブダペストでコダーイに師事し、その後ヴェネツアを始めとしたヨーロッパ各地でピアニスト、指揮者として活躍。その後はパリで、マルティヌー、タンスマン、ミハロヴィチ、チェレプニンら各国からやってきていた作曲家たちと交流を結び「エコール・ド・パリ(パリ派)」を結成します。
 彼らはパリの雰囲気を吸収しながらも、決して自国の固有の文化を捨てることなく、独特の音楽を熟成させていくこととなります。
 ハルシャーニの作品は、初期のものは本質的にロマンティックで、1919年のヴァイオリン・ソナチネの冒頭はフランクのソナタを思わせるけだるさもある面白い曲調を持っています。やがて当時ヨーロッパを席巻したジャズのリズムを取り込み、また同胞であるバルトークの民族的要素も取り込みと、その作品は肥大しながら複雑さと土臭さを兼ね備えていくことになるのです。
 最晩年の「ヴィオラ・ソナタ」では、その民族的要素が洗練された姿で現れ、抑制された表情を持った傑作となっているところにも注目。アメリカの名手ウェザービーによる演奏です。
 


8.573579
\1100
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ集
 1-3.ソナチネ ニ長調 Op.137 第1番 D384
  <第1楽章:Allegro molto/第2楽章:Andante/第3楽章:Allegro vivace>/
 4-7.ソナチネ イ短調 Op.137 第2番 D385
  <第1楽章:Allegro moderato/第2楽章:Andante/
   第3楽章:メヌエット〜Allegro/第4楽章:Allegro>/
 8-11.ソナチネ ト短調 Op.137 第3番 D408
  <第1楽章:Allegro giusto/第2楽章:Andante/
   第3楽章:メヌエット〜Allegro vivace/第4楽章:Allegro moderato>
チャン・ヒェジン(ヴァイオリン)/
ウォーレン・リー(ピアノ)
録音 2015年9月18-20日 香港 チェン・ユ・タン・ビルディング CMAレクチャー劇場

 1816年の春、19歳のシューベルト(1797-1827)が作曲した3つのヴァイオリンのためのソナタ。これらは結局彼の生前に出版されることはなく、1836年になって兄のフェルディナントが出版社ディアベリに持ち込み、ようやく世に出ることになったのです。
 もともとは「ソナタ」と題されていた作品に、出版の際ディアベリが「ソナチネ」と名前をつけたという説もありますが、ともあれ、規模も小さく演奏も比較的容易なこれらの作品は、学習者たちにもとりわけ好まれることとなります。
 モーツァルトのソナタとの類似性も指摘されますが、シューベルトならではの美しいメロディも随所に溢れています。
 演奏しているヴァイオリニスト、チャン・ヒェンジンは香港舞台芸術アカデミーで西崎崇子に師事し、モスクワ音楽院で、レオニード・コーガンの助手を務めたS.クラヴチェンコから教えを受けたという注目の若手です。
 ピアノのウォーレン・リーは6歳で香港フィルと共演、ロンドン王立大学を卒業後、ストラヴィンスキー国際ピアノコンクールで第1位を獲得。彼も世界的に高く評価されています。
  


8.660386
(2CD)
\2200
なんと正式な世界初録音
 ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」3幕

 カルロ・ツァンガリーニ(1874-1943)&エンリコ・ゴリアシーニ(1848-1919) 台本
<CD1>
 1-22.第1幕/
<CD2>
 1-13.第2幕/
 14-22.第3幕
   ※世界初録音
マリエッラ…ナタリア・ウシャコーヴァ(ソプラノ)/
ジェンナーロ:鍛冶屋…キム・キョンホ(テノール)/
ラファエレ:秘密結社の首領…ダニエル・チャプコーヴィツ(バリトン)/
カルメラ:ラファエレの母…
 スザンネ・ベルンハルト(メゾ・ソプラノ)/
チッチーロ:結社員…ペーテル・マリー(テノール)/
ロッコ:結社員…フランチェク・ドゥリアツ(バス) 他/
ブラティスラヴァ少年合唱団/
プレスブルク・シンガーズ/
スロヴァーク・ナショナル・オペラ合唱団/
スロヴァーク放送交響楽団/
フリードリヒ・ハイダー(指揮)
録音 2015年11月29日.12月2日 スロヴァキア ブラティスラヴァ,ドゥリング・パフォーマンス・イン・ザ・グレート・コンサートホール

 イタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)の代表作「マドンナの宝石」。一昔前、レコードで音楽鑑賞をしていた時代、クラシックの小品といえば必ず名前が挙がるのが、この歌劇の第2幕への間奏曲でした。かの“イージー・リスニングの巨匠”ポール・モーリアや、大指揮者カラヤンがこよなく愛し、度々録音を行ったために広く知られるようになった美しい曲です。
 とは言え、今回の録音がオペラ全曲の正式な世界初録音となるほどに、実際の上演を体験する機会は全くないと言っていいほどのレアな作品です。
 実は内容もかなり凄惨。その時代を席巻した「ヴェリズモ・オペラ」の典型的な作品といえるでしょう。物語は1900年頃のスペイン統治下のナポリ。情熱的で奔放な娘マリエッラと、その義兄ジェンナーロ。マリエッラが心を寄せるのは悪の親玉ラファエレですが、ジェンナーロはマリエッラに好意を寄せています。ある日ラファエレが彼女に「マドンナの宝石を盗み出してこよう」と囁き、嫉妬したジェンナーロが先に宝石を盗み出してマリエッラに渡すと、喜んだ彼女はジェンナーロに心を許してしまいます。しかし、街のシンボルである聖母像の宝石を盗むのは大罪。自責の念にかられたジェンナーロは宝石を返しに行くのですが…。
 リヒャルト・シュトラウスや、ベルカント・オペラを得意とするフリードリヒ・ハイダーが美しく全曲を纏め上げています。



こちらもどうぞ!
エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリの世界






チェコ放送ラジオサービス


CR 0716-2
\2500
ヨセフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951):歌曲集
  ムラサキバナ(花だいこん)Op.43/たそがれの歌 Op.42/4つの歌 Op.60b
  3つの夜想曲(*)/国民的様式による5つの歌 Op.2(1882)
  戦時の3つの歌 Op.97(1989,1915)/アカシア通り Op.28(1907)
  一握りの穂 Op.66/春と秋の歌 Op.11/F・X・スヴォボダの最後の歌 Op.180
  晴れやかな日 Op.69/独唱とオルガンのための2つの詩篇 Op.125a(+)
  追悼歌(+)/クリスマス・キャロル集 Op.80(+)
オルガ・チェルナー(メゾソプラノ)
ペトル・ノウゾフスキー(チェロ(*))
マティアス・ファイト(ピアノ(+以外))
パヴェル・チェルニー(オルガン(+))
 


CR 0776-2
(3CD)
\5000→\4590
名手競演!
 ボフスラフ・マルチヌー(1890-1959):ピアノ協奏曲全集

  [CD 1]
  ピアノ協奏曲第1番ニ長調 H.149(1925)(1)
  ピアノ協奏曲第2番 H.237(1934)(2)
  ピアノ小協奏曲 H.269(1938)(3)
  [CD 2]
  2台のピアノと管弦楽のための協奏曲 H.292(1943)(4)
  ピアノ協奏曲第3番 H.316(1948)(5)
  [CD 3]
  ピアノ協奏曲第4番「呪文」H.358(1956)(6)
  ピアノ協奏曲第5番変ロ長調(協奏的幻想曲)H.366(1958)(7)
ヴァーツラフ・マーハ(ピアノ(1))
カレル・コシャーレク(ピアノ(2))
アダム・スコウマル(ピアノ(3))
ダニエル・ヴィエスネル、
ミロスラフ・セケラ(ピアノ(4))
マルチン・カシーク(ピアノ(5))
イゴル・アルダシェフ(ピアノ(6))
イヴォ・カハーネフ(ピアノ(7))
プラハ放送交響楽団
トマーシュ・ブラウネル(指揮)
 

CR 0781-2
\2500
アダム・プラヘトカ オペラ・アリア集
 ドニゼッティ(1797-1848):
  「ランメルモールのルチア」から Cruda, funesta smania(第1幕、エンリコ)
 ドヴォルジャーク(1841-1904):「悪魔とカーチャ」から Je sic to trochu daleko
 ヴェルディ(1813-1901):「ファルスタッフ」から E sogno? O realta?(第2幕、フォード)
 ビゼー(1838-1875):
  「カルメン」から Votre toast, je peux vous le rendre(第2幕、エスカミーリョ)
 ワーグナー(1813-1883):「タンホイザー」から Blick' ich umher(第2幕、ヴォルフラム)
 ロッシーニ(1792-1868):
  「セビリャの理髪師」から La calunnia e un venticello(第1幕、バジリオ)
 スメタナ(1824-1884):
  「悪魔の壁」から Jen jedina m ~eny tvaY tak dojala(第1幕、ヴォク)
 ヴェルディ:「運命の力」から Morir! tremenda cosa!(第3幕、カルロ)
 ヴェルディ:「マクベス」から Perfidi!... Pieta, rispetto, amore(第3幕、マクベス)
 ドニゼッティ:「ファヴォリータ」から Vien, Leonora!(第2幕、アルフォンソ)
 ドニゼッティ:「愛の妙薬」から Udite, udite, o rustici(第1幕、ドゥルカマーラ)
 イジー・パウエル(1919-2007):
  「ズザナ・ヴォイーロヴァー」から Ma jiho eska zemi(第3場、ペトル・ヴォク)
アダム・プラヘトカ(バスバリトン)
プラハ放送交響楽団
録音:2014年9月、2015年5月
 .


CR 0791-2
(2CD)
\4000→\3690
ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァー(1915-1940):管弦楽作品集
  [CD 1]
  田舎風組曲 [Suita Rustica] Op.19
  ピアノと弦楽合奏のためのパルティータ Op.20(*)
  ヴァイオリン、クラリネットと管弦楽のための小協奏曲 Op.21(+)
   (作曲者のスケッチに基づきミロシュ・シュチェドロニュ(1942-)
   &レオシュ・ファルトゥス(1937-)編曲)
  [CD 2]
  ピアノ協奏曲ニ短調 Op.7(#)
  軍隊シンフォニエッタ Op.11
ルツィエ・チャイコフスカー(ピアノ(*))
パヴェル・ヴァルンゲル(ヴァイオリン(+))
ルカーシュ・ダニュヘル(クラリネット(+))
アリツェ・ライノホヴァー(ピアノ(#))
ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
オルガ・マホノヴァー・パヴルー(指揮)
録音:2015年2月19日、ライヴ、ヤナーチェク・オペラ・ハウス、ブルノ、チェコ

 ヴィーチェスラヴァ・カプラーロヴァーはチェコの作曲家ヴァーツラフ・カプラール(1889-1947)の娘。パリに留学し父と同世代の同国人作曲家マルチヌーに作曲を師事。マルチヌーのカプラーロヴァーへの思いは師弟愛を超えていたようですが、彼女は1939年にチェコの画家アルフォンス・ムハ(ミュシャ)の息子と結婚、その翌年に結核を患い夭逝してしまいました。近年再評価の機運が高まり、チェコのレーベルが作品の録音に力を入れています。

 オルガ・マホノヴァー・パヴルーはチェコのプラハに生まれ、プラハ音楽院、バーゼル音楽アカデミーで学んだオーケストラ指揮者・合唱指揮者・メゾソプラノ。




 ヴィチャスラヴァ・カプラーロヴァ 
      VITEZSLAVA  KAPRALOVA (1915 - 1940)  チェコ 


 モーツァルト、ペルゴレージ、シューベルト、ルクー、アリアーガ、ロイプケ、そしてリリー・ブーランジェ・・・。若くして天に召された作曲家というのはまるで示し合わせたように神秘的な魅力を持つ。それは神から約束された使命を背負っていたからなのか。

 ヴィチャスラヴァ・カプラーロヴァ。

 彼女もまたそんな運命を背負った作曲家であったかもしれない。
 もともと人並みはずれた音楽的才能に恵まれ、幼い頃は作曲家の父親の手ほどきなどでその才能を伸ばしていた。その後ターリヒやノヴァークなどに師事していたが、その才能が一気に花開いたのは1937年フランス政府給付生としてパリへ赴いてから。そこで彼女は指揮をミュンシュに、作曲をマルティヌーに学ぶ。
 とくにマルティヌーとの関係は親密で、パリで同郷の師と出会ったことが彼女の作曲家としての人生を大きく変えることになる。マルティヌーもまた彼女のことを深く理解し、尊敬した。彼女の「パルティータ」、マルティヌーの「3つのリチェルカール」はそれぞれふたりの共作である。また彼女は「愛のキャロル」という歌曲集で「マルティヌー」、及び「カプラーロヴァー」という極めて個人的な作品を残している。
 50歳に近いマルティヌーと、若く美しい20歳そこそこのカプラーロヴァの間になんらかの愛情関係があったかどうかは不明だが、もちろんそうであったとしてもなんの不思議もない。

 彼女の作風は、マルティヌーと知り合うことで一気にその先鋭度を増す。もともと保守的なタイプではなかったが、彼女の作品の特徴である多調生、閉鎖的様式、激しいリズム感、非感傷主義、といった傾向はさらに過激になっていく。女性だからといって甘い抒情性などを望むと痛い目にあう。

 その後も、もって生まれた恵まれた才能と、激しい感性、そして熟練した技能を持つことで彼女は次々と進歩的な作品を発表し、一躍有名になる。が、ときはすでに戦争の時代。彼女もまた自作の作曲よりも公の仕事を優先せざるを得なくなる。翌年には「軍隊シンフォニエッタ」を作曲、BBCso.を指揮したりしている。
 その後、国情不安のフランスからまるで逃げるようにモラヴィアへ帰郷、そこで有名な画家アルフォンヌ・ミュッシャ(最近よく百貨店の展覧会とかで見かける)の息子と結婚、新たな人生を歩むことになる。が、翌年には故郷モラヴィアもヒトラーによって占領され、すでにヨーロッパに平和の土地を見出すことはできなくなっていた。そんな彼女が新天地アメリカに夢を見出し、そこで自分の音楽的才能を解き放とうとしたのは当然のことである。
 しかし、・・・・。いよいよその計画を実行しようとした矢先、結核により、彼女の有望な未来は一気に閉ざされてしまった。25歳の惜しまれる死であった。

 有能な女流現代作曲家のはしりといってよい彼女のCDがリリースされる。彼女の光り輝く感性をちりばめた珠玉の歌曲集。
 


 

CR 0797-2
\2500
シューベルト(1797-1828):連作歌曲「冬の旅」D.911 ロマン・ヤナール(バリトン)
ノルベルト・ヘレル(ピアノ)
録音:2004年3月、チェコ放送スタジオ1、プラハ、チェコ
 ロマン・ヤナールは1964年トレンチーン(現スロヴァキア)に生まれた現在のチェコを代表するバリトンの一人。チェコのプルゼニュ音楽院でヴァイオリンを学んだ後声楽に転向し、ブルガリアのソフィア国立音楽アカデミー在学中にソフィア国立オペラにゲスト出演。その後プラハ国立オペラでデビューを果たし、1997年以来2016年現在プラハ国民劇場所属歌手として活躍しています。




LE CHANT DE LINOS(CD−R)



CL 15116
(1CD-R)
\2500→\2290
スイス・ロマンド管弦楽団首席奏者
 ロイク・シュネイデル(フルート)
ラインからドナウへ フルートとピアノのための音楽

 シューベルト(1797-1828):「しぼめる花」の主題による変奏曲 D.802
 カール・ライネッケ(1824-1910):ソナタ「オンディーヌ」Op.167
 ジークフリート・カルク=エーレルト(1877-1933):フルート・ソナタ Op.121
 ヒンデミット(1895-1963):フルート・ソナタ
ロイク・シュネイデル(フルート)
ステファノス・トモプーロス(ピアノ)

録音:データ記載なし

 ロイク・シュネイデルは1981年フランスのストラスブールに生まれたフルーティスト。
 パリ国立地方音楽院でクロード・ルフェビュールに、パリ音楽院でソフィー・シェリエに師事。2009年神戸国際フルートコンクール第2位。2010年ミュンヘン国際音楽コンクール第1位。2004年、ロレーヌ国立管弦楽団首席奏者に就任。2009年、指揮者マレク・ヤノフスキに招かれスイス・ロマンド管弦楽団に首席奏者として移籍。2016年現在そのポジションにあります。




<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>


チェコ放送ラジオサービス


CR 0790-2
\2500
ヤナーチェク(1854-1928):
  狂詩曲「タラス・ブーリバ」(*)
  オペラ「利口な牝狐の物語」から 間奏曲
   (フランチシェク・イーレク(1913-1993)編曲)(+)
  シンフォニエッタ(#)
ブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団
ブジェチスラフ・バカラ(指揮(*))
フランチシェク・イーレク(指揮(+/#))
録音:1957年、モノラル(*)/1980年(+)/1979年(#)
 

CR 0869-2
(2CD)
\4000
スメタナ(1824-1884):オペラ「売られた花嫁」(初版;1866) イトカ・ソビェハルトヴァー(ソプラノ:マジェンカ)
ミロシュ・イェジル(テノール:イェニーク)
オルドジシュカ・プロハースコヴァー(ソプラノ:ルドミラ)
ミロスラフ・パジーゼク(バリトン:クルシナ)
ルジェク・ヴェレ(バス:ケツァル)
ヴラジミール・ドレジャル(テノール:ヴァシェク)
ヨセフ・リーネク(バス:ミーハ)
エヴァ・マルコヴァー(メゾソプラノ:ハータ) 他
プラハ音楽院学生合唱団
ヤン・カサル(合唱指揮)
プラハ音楽院学生交響楽団
リボル・フラヴァーチェク(指揮)
録音:1974年、ライヴ、ティル劇場、プラハ、チェコ、モノラル
 1974年の録音ですがモノラルですのでご注意ください。
 

CR 0878-2
\2500
ハナ・ヤンクー(1940-1995) オペラ・リサイタル
 プッチーニ(1858-1924):
  「トゥーランドット」から I questa reggia(第2幕、トゥーランドット)
 ヴェルディ(1813-1901):「運命の力」から Pace, pace, mio Dio(第4幕、レオノーラ)
 ヴェルディ:
  「トロヴァトーレ」から Timor di me - D'amor sull'ali rosee(第3幕、レオノーラ)
 プッチーニ:「トスカ」から Vissi d'arte(第2幕、トスカ)
 ヴェルディ:「オテロ」から Emilie, bu'd tak hodna (Emilia, te ne prego) -
   Pro lka a pla e (Piangea cantando)(第4幕、デズデーモナ)
 ワーグナー(1813-1883):「ローエングリン」から Zdar, krali, tob (Heil, Konig Heinrich!)
   (第1幕、ローエングリン、ハインリヒ、エルザ)
 グノー(1818-1893):「ファウスト」から Ach! Ta zaY! (Ah! je ris!)(第3幕、マルグリット)
 チャイコフスキー(1840-1893):
  「スペードの女王」から Ji~ polnoc bli~i se (Uzh polnoch' blizitsya)(第3幕、リーザ)
 ドヴォルジャーク(1841-1904):「アルミダ」から Za atihlou gazelou(第1幕、アルミダ)
 スメタナ(1824-1884):「ダリボル」から Jak je mi?(第2幕、ミラダ)
 スメタナ:「売られた花嫁」から Ach jaky ~al - Ten lasky sen(第3幕、マジェンカ)
 ヤナーチェク(1854-1928):「イェヌーファ」から Co chvila(第2幕、コステルニチカ)
 スメタナ:「リブシェ」から Bud' smir mou pokorou - Bohove mocni!
   (第3幕、フルドシュ、プシェミスル、ルトボル、ラドヴァン、シュターフラフ、ラドミラ、
   クラサヴァ、合唱、リブシェ)
ハナ・ヤンクー(ソプラノ)



<メジャー・レーベル>

イタリアDG


4812271
(1CD)
\3500
われらに生まれたもうた クリスマスをローマ法王フランシスコと共に
 伝承/伝ジョン・フランシス・ウェード(1711-1786):
  神のみ子は今宵しも
 伝承:あなたは星から降りてくる(*)
 伝承:カレンダ [Kalenda]
 グレゴリオ聖歌:主は言われた(聖夜のミサ から イントロイトゥス)
 伝承:敬礼と悔悟の儀式
 グレゴリオ聖歌:クム・ユビロ(シロスのグレゴリオ聖歌集によるミサ第9番)から
   キリエ/グローリア
 伝承:今日われらに救い主が生まれたもうた(応唱的詩篇唱)
 グレゴリオ聖歌:アレルヤ
 モーツァルト(1756-1791):
  ミサ ハ短調「大ミサ」K.427 から 聖霊によりてお体を受け(+)
 プーランク(1899-1963):
  何を見たのか告げよ、羊飼いたちよ
 グレゴリオ聖歌:クム・ユビロ(シロスのグレゴリオ聖歌集によるミサ第9番)から
   サンクトゥス−ベネディクトゥス
 グレゴリオ聖歌:われらの父
 グレゴリオ聖歌:クム・ユビロ(シロスのグレゴリオ聖歌集によるミサ第9番)から
   アニュス・デイ/聖なる輝きのうちに(コムニオ)
 グレゴリオ聖歌:めでたし、まことのお体(アンティフォナ)
 グレゴリオ聖歌:ポストコムニオ/イテ・ミサ・エスト
 グレゴリオ聖歌:救い主のうるわしき御母(主の受胎告知、聖母マリアのアンティフォナ)
 フランシス・クープラン(1668-1733):静かな夜に(*)
 チェーザレ・ザネッラ:子守歌 (*)
 ヨハン・ゴットフリート・ヴァルター(1684-1748):
  ヴィヴァルディによるオルガン独奏のための協奏曲ロ短調 LV133 から アレグロ(#)
チェン・レイス(ソプラノ(+))
フアン・パラデル・ソレ(オルガン(#))
カペッラ・ムジカーレ・ポンティフィチア・システィーナ(無印/+)
マッシモ・パロンベッラ(合唱指揮(無印/+))
プエリ・カントーレス・カペッラ・システィーナ(*)
マルコス・パヴァン(合唱指揮(*))
マンフレート・ホーネック(指揮(+))




イタリアDECCA


4812479
(2CD)
\5000
リスト(1811-1886):詩的で宗教的な調べ S.173(全曲) ロベルト・プラーノ(ピアノ)
ロベルト・プラーノは1978年イタリアのヴァレーゼに生まれたピアニスト。2001年クリーヴランド国際ピアノ・コンクール第1位。
  

4812632
(2CD)
\5000
モーツァルト(1756-1791):
  ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 K.279
  ピアノ・ソナタ第2番ヘ長調 K.280
  ピアノ・ソナタ第3番変ロ長調 K.281
  ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調 K.282
  ピアノ・ソナタ第5番ト長調 K.283
  ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284
  ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284 から アレグロ(第1楽章の初期形断章 K.205b)
ロベルト・プロッセダ(ピアノ)
 

4763074
(2CD)
\5000
【再発売】
ベートーヴェン(1770-1827):チェロとピアノのための作品全集
  チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5 No.1
  チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5 No.2
  チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
  チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102 No.1
  チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102 No.2
  ヘンデルの「マカベウスのユダ」の「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲 WoO.45
  モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」の主題による12の変奏曲 Op.66
  モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」の主題による7つの変奏曲 WoO.46

(P)(C)2005

エンリコ・ディンド(チェロ)
ピエトロ・デ・マリア(ピアノ)





<国内盤> 

.

ALPHA



Alpha223
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
マリー=エリーザベト・ヘッカー(チェロ)
 ブラームス:チェロとピアノのためのソナタ(全2曲)

  1.チェロとピアノのためのソナタ 第1番 ホ短調 Op.38(1862)
  2.チェロとピアノのためのソナタ 第2番 ヘ長調 Op.99(1886)
マリー=エリーザベト・ヘッカー(チェロ)
マルティン・ヘルムヒェン(ピアノ)

 欧州でのソリスト室内楽の最前線をゆく名手たち!
 曲者ふたり、愛の結実がみせるロマン派室内楽の粋…
 チェロとピアノのための二重奏曲。ベートーヴェンの傑作群に次いで最も演奏される機会の多いこのブラームスの2曲、いまさら新録音で何を聴くのか...?と思わずにおれないにもかかわらず、つい手が伸びてしまうのがチェロ愛好・室内楽愛好のファンの偽らざる心理ではないでしょうか。
 しかも、あのフランスにおける「小規模レーベルの革新」と言われた名門Alphaレーベルから、よりによってドイツ語圏屈指の二人が満を持してのデュオ・アルバムを世に送り出したとあっては...!
 ヘレヴェッヘ指揮フランダース・フィルとの協奏曲録音など思わぬ活躍がますます続くヘルムヒェンもさることながら、ここでの主役は彼と生涯のパートナーとなった俊才チェロ奏者ヘッカー!
 ヘルムヒェン同様、カルト的人気を誇る才人クリスティアン・テツラフ(vn)らの室内楽仲間で(本盤の2人も、トッパンホール15周年で5月に来日予定)、いわば室内楽こそ真の得意領域。しかし両者ともさまざまな演奏家とこの2曲を弾いてきたにもかかわらず、「次の瞬間どう弾くか」が肌で判るのはこの共演のときだけ、とのこと——驚くべき共感と一体感で綴られるブラームスの魅力、ぜひじっくり聴き極めていただきたいAlpha新譜!

 注目はもちろんマリー=エリーザベト・ヘッカー。
 第8回ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールにて、史上はじめて第1位と2つの特別賞を同時に勝ち取った人。
 1987年、ツヴィカウ生まれ。ペーター・ブルンズ、ハインリヒ・シフに師事。12歳でドイツの「ユーゲント・ムジツィールト」に優勝。
 夫であるマーティン・ヘルムヘンとリサイタルを開催。

 



ヘレヴェッヘ指揮のハイドンのライヴが観られます。
https://youtu.be/PulffEOx1W4



それとは違う演奏ですが、クレメラータ・バルティカとの演奏
彼女の演奏は肉食系ではなく知的で繊細で優しい。

PROFIL
PH 08031
\2400
チェロ・フィエスタ!
 (1)ハイドン:チェロ協奏曲ハ長調
 (2)チャイコフスキー:奇想的小品 Op.62
 (3)アザラシヴィリ:チェロと室内管弦楽のための協奏曲
 (4)ヒナステラ:パブロ・カザルスの主題による注解 Op.46
 (5)チック・コリア:ラ・フィエスタ
マリー=エリーザベト・ヘッカー(1)(5)、
ギオルギ・ハラーゼ(2)(3)(4)(5)(Vc)、
クレメラータ・バルティカ

 ギドン・クレーメルがその才能を愛でている若手チェロ奏者ふたり、ヘッカーとハラーゼの協奏作品アルバム。
 古典派のハイドンから現代ジャズまで驚異的な懐の深さを示している。聴きものはグルジアの作曲家アザラシヴィリとチック・コリア作品。溌剌としたフレッシュな音楽性が輝いている。


 .


Alpha236
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
クリヴィヌ指揮&ルクセンブルク・ フィル
 R.シュトラウス&ツェムリンスキー

 リヒャルト・シュトラウス:
  1. 交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(1895)
 ツェムリンスキー:
  2. 『人魚姫』〜アンデルセンの童話による全3楽章の幻想曲(1903)
エマニュエル・クリヴィヌ指揮
ルクセンブルク・
 フィルハーモニー管弦楽団

 フランス近代作品に絶対的な適性をみせるクリヴィヌがドイツ語圏の晩期ロマン派に潜む耽美と色彩、艶やかに

 多芸をもって鳴る21世紀随一の俊才、ロシア系フランス人エマニュエル・クリヴィヌーー昨今ではTimpaniやZig-ZagTerritoiresで数々のフランス近代作品の名盤を刻んできたと思いきや、圧倒的な古楽器演奏への適性をベートーヴェン交響曲全集で示してみせる...他でもモーツァルトをはじめ古典派作品の解釈でも絶妙なセンスを発揮してきた、そんな名匠クリヴィヌが、耽美なるドイツ語圏の「世紀末芸術」の世界へと手を伸ばしてくれたなど、ドキドキするような話ではありませんか!
 しかも、躍動感あふれる音楽的物語絵巻『ティル〜』をアルバム冒頭に置きながら、本盤での注目作はあくまでツェムリンスキー。芸術家たちとの交友で知られる才女アルマ・シントラーに深く心酔しながらも、彼女のマーラーとの結婚で深く傷つき、傷心のうちに綴られたと言われる『人魚姫』は、初演時から大きな成功をおさめずにおきませんでしたが、ややあって曲はツェムリンスキー自身が自作カタログから外しており、再発見されたのは僅か数十年前。EMIのコンロン盤を凌駕する存在となるか、いずれにせよクリヴィヌのたぐいまれな音色的色彩感や構成力がどれほどこれらの作品に合致しているかと思うにつけ、日本での評価が今から楽しみでなりません。どうぞご期待を!




エマニュエル・クリヴィヌ
ラ・シャンブル・フィルハーモニック
「新世界より」!


NAIVE
V 5132
\2700
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
シューマン:コンチェルトシュトゥック
エマニュエル・クリヴィヌ(指)
ラ・シャンブル・フィルハーモニク
ホルン/
デイヴィッド・グリアー、
アントワーヌ・ドレイファス、
エマニュエル・パデュ、
ベルナール・シラー
録音:2008年1月0822186 051320

 クリヴィヌが古楽器オケで「新世界」。
 前回のメンデルスゾーンこそなんとなく雰囲気合うけど「新世界」となるとちょっとどうだろう。どうせやるならまだ第8番のほうがよかったんじゃないかな。
 「新世界」には聴く側もどうしても爆発的なエネルギーの壮大な演奏を求めるし、第2楽章だってそうした体力があってこそ充実した演奏になる。
 ということでちょっと聴くまでに時間があった。

 ・・・そうしたらこれがまあ素晴らしい演奏だった。
 古楽器オケといっても指揮はクリヴィヌ。ハッタリかましたり、とんでもないアゴーギグを利かせるなんてことはない。・・・のだが、細部まで念入りに手を入れた極めて精密で心のこもった室内楽的演奏と、自由で溌剌とした晴朗な感性がまったく矛盾なく同居し、聴いていてすがすがしく、そしてドキドキするような刺激を与えてくれる。胸が熱くなったり、ゾクゾクと背筋が寒くなるような見せ場も何度も何度も何度も現れる。ちょっとエキセントリックな楽器バランスのときもあったりして、そういうときには「おろろ、こんな素敵な裏メロディーがあったの!」と新たな感動を与えてくれる。しかもそんな細部のこだわりを見せながらも、スケールもそうとうでかい。終楽章ラストの盛り上がりなど、大メジャー・オケもぶっとぶ壮大なパノラマを描いてくれる。
 とにかく徹頭徹尾生き生きと飛び跳ねるような活力が音楽そのものに躍動的なエネルギ−を与え続けてくれる。聴いているだけでこちらのパワーも2倍にも3倍にもアップさせてくれる純粋で根源的な生命力がある。
 最近聴いたオケものでは白眉。今年(2009年)10本の指に入る名演といっていい。迷わず、どうぞ。 






 

CYPRES


MCYP4636
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ブースマンス:「隣りあう部屋同士」、および その他の室内楽作品さまざま
 ①隣りあう部屋同士(2010)〜器楽合奏のための
 ②ピアノ六重奏曲(2006)〜ピアノと弦楽器のための
 ③装飾された領域(1996)〜
  ヴィオラ、チェロ、クラリネットとピアノのための
 ④ミの上で(1974)〜
   2台のピアノ、電子オルガン、
   クロタル(小シンバル)と大太鼓のための
ジャン=ポール・デシー指揮
アンサンブル・ミュジーク・ヌーヴェル
(vn2, va2, vc, cb, hrp, 2p,
2fl, ob, cl, fg, tp, 2hr, tb, 3perc)
 大野和士やシルヴァン・カンブルランとも緊密な連携。
 ベルギー随一の歌劇界の大物の神髄は、室内楽に!
 1936年生まれといえば、スティーヴ・ライヒと同い年、フィリップ・グラスやシュニトケ、シルヴェストロフなどと同世代というこになりますが、そう思うとベルギー随一の作曲家ブースマンス(ボスマン)の活躍も実に長きにわたる…と感服せざるを得ません。
 1993年に初演されたオペラ『円舞』はフランス『ル・モンド』誌が20世紀の快挙と絶賛、今年もシュトゥットガルト歌劇場での上演が予定されるなど、20年来の現代ヒット作として欧州歌劇界を沸かせていますが、その音楽意識はつねに室内楽的、オーケストラ作品でも各楽器への目配りを徹底している音響の魔術師としての彼の作風は、まさに室内楽という分野にこそ典型的に示されてきたのではないでしょうか。
 ベルギーの現代シーンのみならず歌劇界とも強力な連携をもつCypresが、このような充実した作品集を出していたところ、ようやく本格的に解説日本語訳付で普及させることができるように!ひとつひとつの作品のからくりを読み解いてゆけば、ラベック姉妹やベルナール・フォクルールらが1974年に初演した「ミの上で」からモネ劇場での『隣りあう部屋同士』にいたるまで、現代シーンの室内楽との接し方があらためて見えてくるはず。
 精鋭集団ミュジーク・ヌーヴェルの快挙、おいしいベルギービールと愉しみたい、じっくり聴ける耳なじみの良い現代音楽の数々...




GRAMOLA



GRML99084
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ウィーン・フォルクスオーパーのソロ奏者
 ビルギット・ラムスル(フルート)
  フルートでめぐる音楽の旅
  〜エマヌエル・バッハの無伴奏ソナタから武満徹の「エア」まで〜

 C.P.E.バッハ:
   ①無伴奏フルートのためのソナタ イ短調 Wq.132(1747)
 ライネッケ:
  ②フルートとピアノのためのソナタホ短調「ウンディーネ(水の精)」Op.167 (1882)
 フランセ:③ディヴェルティメント〜
    フルートとピアノのための(1953)
 武満 徹:④エア 〜
    無伴奏フルートのための(1995)
 メシアン:⑤黒つぐみ 〜
    フルートとピアノのための(1951)
 プロコフィエフ:
   ⑥フルートとピアノのためのソナタ ニ長調op.94(1943)
ビルギット・ラムスル(フルート)
ヴィート・ラッタルロ(ピアノ)
 ただのフルート作品集だと思ったら大間違い——
 古典・ロマン派・近代・いま、死角なしの充実名演群。
 管楽器奏者のソロ・アルバムは、しばしばその人の好みが偏ってきれいに出てくるもの——しかしウィーン・フォルクスオーパーのソロ奏者をつとめる俊才ラムスルのそれは、古典から現代まできれいに死角なく、長い作品も短い作品もバランスよく選んでいる点がむしろ何より特徴的!
 しかもこの名手のバランス感覚と多面的な才能は、曲ごとにまったく趣きを変えてみせる音色美の驚くべき多様さにもあらわれているのです!
 これだけ引き出しの多いフルート奏者であってみれば、選曲もこのとおり色鮮やかに多彩にならないでは済まされなかったのでしょう。
 「旅」をテーマに、音楽史上のフルートの傑作をたどる、という趣旨の本盤ですが、その意味で彼女はどこへ行っても「郷に入っては郷に従え」を地でゆく、筋金入りの旅人なのかもしれません。
 ウィーンでW.シュルツとB.ギスラー=ハーゼという2巨頭に師事、アドリヤンやニコレら凄腕の薫陶も受け、フランス現代音楽界の魔物アルトー門下でも武者修行した...といいますから、道理で多芸なわけです。
 しなやかなエマヌエル・バッハ作品と、ひたすら美しい武満徹の辞世の句「エア」という二つの無伴奏曲のあいだ、好きな切り口から聴きはじめるうち、変幻自在の彼女の魅力の虜に...
 

GRML99083
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
ムソルグスキー『展覧会の絵』
ベートーヴェン『月光』・リスト『ダンテを読んで』

 1.ベートーヴェン:幻想曲風ソナタ第2番(1802)
     (ピアノ・ソナタ第14番)嬰ハ短調Op.14-2「月光」
 2.リスト:ダンテを読んで 〜ソナタ風幻想曲(1856)
             (『巡礼の年 第2年:イタリア』より)
 3.ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(1874)
ユウコ・バティック(p)
  使用楽器:ベーゼンドルファー
 あなたのなかで、きっと静かに驚きがふくれあがる——
 圧倒的存在感を誇るムソルグスキーへ、幻想は続く!
 リストの『ダンテを読んで』は「ソナタ風幻想曲」、その半世紀前に書かれたベートーヴェンの月光ソナタは「幻想曲風ソナタ」。
 この2曲の対照をじっくり味わったあと、やおら聴きはじめる壮大な幻想的組曲『展覧会の絵』—−さきのアルバムではベートーヴェン最後のソナタへ向け、ベルクで始まりブラームスの晩年作をへて…という流れがアルバム末尾への集中力をどんどん高めてゆく作りでしたが(GRML98984・『レコード芸術』準特選)、オーストリア随一の世界的名匠ローラント・バティックのパートナーたるユウコ・バティックの音楽性は、聴き進めるほど圧倒的というほかありません。
 どの曲も何やら淡々と弾きはじめるようでいて、必ず曲中に大きく聴き手を驚かせる瞬間がやってくる——そしてそこからはもう彼女のペースで、とてつもないデュナーミクの落差でくりだされる表現の数々は、決して目移りしない求心力をもちながら、なんと縦横無尽に聴き手の心を惑わせるのでしょう!




PAN CLASSICS


PC10346
(国内仕様盤・日本語解説付)
\2900+税
フッペルツ「ニーベルンゲン」(1924)
   〜フリッツ・ラング作品のための音楽〜

 1.第1部「ジークフリート」(全6曲)
 2.第2部「クリームヒルトの復讐」(全5曲
フランク・シュトローベル指揮
フランクフルト放送交響楽団
         (hr交響楽団)
 1920年代——R.シュトラウスやラヴェルらの時代。

 ドイツ本格管弦楽の粋は、実は映画音楽の世界に…!
 コルンゴールトの映画音楽の魅力をご存知なら釈迦に説法ですが、1930年代の欧州政情悪化で亡命した映画音楽作曲家たちには、驚くほど多くのドイツ=オーストリア正統音楽教育を受けてきた異才たちが…そして彼らが本格的な管弦楽作品を映画の世界に持ち込んだことで、19世紀におけるオペラ全盛の盛り上がりの後につづく、晩期ロマン派の高雅な響きを保ちつつ近代音楽の語法も使いこなした、聴き手(映画観賞者)が誰であっても強くアピールする音楽というものが、この世界で確立されてゆきました。
 本盤はその前史を築いたといっても過言ではない名匠フッペルツの傑作!偉大な映画監督フリッツ・ラングの1924年作品につけた音楽は極度なまでにロマンティック、いわば舞踏なきバレエ音楽、歌唱なきオペラのごとく壮麗なその響きは、19世紀末の巨匠たちのそれにも比しうるオーケストラ・サウンド!無声映画の流れをわかりやすく演出するための音楽に長けた人物の作だけに、CDという媒体でシンフォニックな作品として鑑賞するのがむしろ最高...との発想からでしょう、名匠シュトローベルは超一流オーケストラのプロジェクトでこれを実現させました。
 輸入盤でご案内した2枚組全曲版からシュトローベルが「組曲」として11楽章を抜粋。解説訳付でその魅力をぜひご体感下さい!














5/3(火)紹介新譜
マイナー・レーベル新譜

APARTE



AP 118
\2600→\2390
ガイヤールの魅力があふれるC.P.E.バッハの作品集第2弾!
 C.P.E.バッハ:
  シンフォニア第3番 ハ長調Wq.182/3(H.659)
  チェロ協奏曲第2番 変ロ長調Wq.171(H.436)
  シンフォニア ホ短調Wq.178(H.653)
  ソナタ ニ長調Wq.137(H.559)
  ピッコロ・チェロとチェンバロのためのソナタ Wq.137
   (H.559)
  チェンバロ協奏曲 ニ短調Wq.17(H.420)
オフェリー・ガイヤール
 (ピッコロ・チェロ、指揮)
フランチェスコ・コルティ
 (フォルテピアノ)
プルチネッラ・オーケストラ
 切れ味と柔らかさを兼ね備えたガイヤールの魅力があふれるC.P.E.バッハの作品集第2弾!

 チェロ:フランチェスコ・ゴフリラー1737年製/フォルテピアノ:F. ブランシェ1733年製、フランツ・バウムバッハ1780年製
 録音:2015 年9 月7-10 日パリ/82’00

 気品としなやかさを兼ね備えたフランスの女性チェロ奏者、オフェリー・ガイヤール。2014 年に発売されたアルバムに続くC.P.E. バッハのアルバム第2 弾。第1 弾は、2014 年のディアパソン・ドール・オブ・ザ・イヤーを受賞し、次作に期待が集まっています。
 オフェリー・ガイヤールは、1998 年ライプツィヒ国際バッハ・コンクール第3 位、また自ら創設したアンサンブル・アマリリスを率いて国際コンクールで優勝しており、モダンからバロックまで、幅広く活躍しています。
 フルニエ、トルトゥリエら、フランス・チェロ楽派の正当な継承者ともいえる存在。
 バロックから古典への重要な橋渡し役であったC.P.E バッハ。チェロ協奏曲第2 番では、激しくも美しいガイヤールのチェロ、プルチネッラ・オーケストラの柔軟なサポート、双方が一体となった多感様式にふさわしいまさに疾風怒濤の演奏を聴かせます。弦楽による6 曲のシンフォニアは「ハンブルク交響曲」と呼ばれ、どの曲も3 つの部分に分かれた単一楽章でハイドン、モーツァルトやベートーヴェンの古典派の作曲家へ続く交響曲の前身のような作品群です。ここに収録された3 番のシンフォニアも生き生きとした躍動感あふれる作品で、新しい時代を切り開く勢いが感じられます。プルチネッラ・オーケストラの溌剌とした演奏も魅力的。チェンバロ協奏曲を弾くのは、バッハ国際コンクール優勝、ブルージュ国際コンクール最高位などの実力をもつイタリア出身のフランチェスコ・コルティ。



 


AP 123
\2600→\2390
バンジャマン・ゴダール(1849〜1895):歌曲集
  1. あなたは覚えていますか?op.19 No.6/
 2. 石のベンチop.19 No.7/3. 何もいらないop.11 No.1/
 4. 微笑み与える神op.10 No.9/5.ジャコットop.10 No.5/
 6 〜11.6つのラ・フォンテーヌの寓話詩op.17/
 12. 旅への誘いop.114/13. 羊飼いの別れop.29 No.5/
 14. 彼女op.7 No.10/15. 羊飼いの歌op.11 No.5/
 16〜21.昔の新しい歌op.24/22. 春 op.113/
 23. ギター op.10 No.11/24. 歌 op.7 No.4/
 25. 音楽家 op.10 No.6/26. メッセージ op.147 No.1
タシス・クリストヤニス(バリトン)
ジェフ・コーエン(ピアノ)
 クリストヤニス&コーエンが送るフランス歌曲の知られざる大家、バンジャマン・ゴダールの歌曲集。世界初録音!

 録音:2015年11月8日-11日

 19 世紀パリの作曲家、バンジャマン・ゴダール。大変多作家で、オペラ、管弦楽やバレエ音楽、協奏曲、室内楽などあらゆるジャンルにわたり数多くの作品を残しましたが、今ではその多くが忘れられてしまっています。
 そんな彼の知る人ぞ知る歌曲を、「エドゥアール・ラロ歌曲全集」に引き続きAPARTE からは2 枚目のCD となるクリストヤニス&コーエンのコンビが送ります。
 当時の歌曲の多作家、グノーやマスネと並び、160 曲を超える歌曲を残したゴダールは、歌曲というジャンルの地位が定まっていなかった19 世紀フランスにおいて、歌曲の発展とレパートリーの充実のためになくてはならない作曲家でした。ピアノパートの芸術性の高さや形式の工夫により、それまでシャンソンやロマンスなど雑多なジャンルの寄せ集めであったフランス歌曲を室内楽と同じ重要度にまで高めたことは彼の大きな功績です。
 このCD では、彼の数々な歌曲に並び、全く性格が異なる2 つの歌曲集「6 つのラ・フォンテーヌの寓話詩op.17」と「昔の新しい歌op.24」がおさめられています。
 「6 つのラ・フォンテーヌの寓話詩op.17」はイソップ寓話を元に書かれた詩集から「アリとキリギリス」などよく知られた物語がテキストとされた6 つの歌曲。形式にとらわれずにドラマチックに詩の世界が描かれ、1 曲1 曲が小さな音楽劇のようです。「昔の新しい歌op.24」は15 〜17 世紀の詩が用いられたもの。音楽そのものは当時「古いスタイル」として知られていた様式で、実際には18 世紀的な性格が強いと言われています。
懐古趣味的な形式美や旋法的な音の使い方がアンティークな薫りを伝える作品集です。
 印象派以前のフランスの、歌心溢れる愛らしさ、明快な調性の中に匂やかに忍び込む繊細な和声感など、19 世紀半ばのフランス音楽の魅力が凝縮されたゴダールの歌曲集。
 クリストヤニスとコーエンの温もりを感じさせる演奏がぴったりと音楽にマッチしています。やさしい日だまりを思わせるような知られざる名曲の数々に、そっと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
 

AP 126
\2600
ジュネーヴ生まれのチオヴェッタによる流麗なバッハ
 J.S.バッハ:
  フランス風序曲ロ短調BWV831
  6つのパルティータ〜第1番変ロ長調BWV825
  イギリス組曲第4番ヘ長調BWV809
ファブリツィオ・チオヴェッタ(ピアノ)
 ピアノ/Steinway & Sons D
 録音:2015年3月25-27日ドッビアーコ、サラ・マーラー、文化センター/71’00

 1976 年ジュネーヴ生まれのファブリツィオ・チオヴェッタ。チオヴェッタはパウル・バドゥラ=スコダ、ジョン・ペリー、ドミニク・ヴェーバーなど、世界の名だたる名教師・ピアニストに師事し、ソロはもちろんのこと室内楽、声楽の伴奏、そして即興演奏など様々な演奏形態の作品を積極的に学んできました。師のバドゥラ=スコダは「繊細にして熱い感情が伝わる演奏」と絶賛しています。
 透明度が高く、潤いあるピアノの音色、チオヴェッタの繊細なタッチが、バッハをピアノで弾くことの利点を感じさせます。バッハの音楽を構造的に捉えて、豊かなピアノの音色を活かし、バッハの音楽を立体的に構築しています。
 

AP 125
\2600
日本デビュー間近。まるでK-popのような弦楽四重奏団登場!
 (1)ウェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章 (1905)
 (2)ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」Op.95
 (3)ユン・イサン:弦楽四重奏曲第1番 (1955)
 (4)朝鮮民謡(アン・ソンミン編):アリラン
ノブース・クァルテット
 【キム・ジェヨン、
  キム・ヨンウク(Vn)、
  イ・スンウォン(Va)、
  ムン・ウンフィ(Vc)】
 68’ 00”

 2007 年に、韓国芸術総合学校の学生たちで創設されたノブース・クァルテット。クリストフ・ポッペン(イザベル・ファウストの師)に師事し、2012年にミュンヘン国際室内楽コンクール、2014 年国際モーツァルト・コンクールで優勝し、現在ヨーロッパを中心に活躍しています。
 日本にも「サントリーホール チェンバーミュージックガーデン2016 響感のアジア」シリーズで、6 月13 日に当アルバムにも収録されているユン・イサンの弦楽四重奏曲を披露予定。K-pop のグループを思わすイケメン揃いで、日本でも人気が出そうです。
 ユン・イサンの弦楽四重奏曲は彼最初期の作品で、破棄されたと伝えられてきました。現存していたとは驚愕。自己の作風を確立する以前のものですが、東アジア的な素材をラヴェルやバルトーク風に処理した興味深い作品。ノブース・クァルテットの若々しい感性が光ります。




BELVEDERE



BELVED 10145
\2500→\2290
モーツァルト愛用の「コスタ・ヴァイオリン」で聴く
 シューベルト:
  ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 D384
  ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 D385
 モーツァルト:
  ヴァイオリン・ソナタ第37番イ長調 K402
  ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K454
  ヴァイオリン・ソナタタ第42番 イ長調 K526より
   第2楽章(アンコール)
エスター・ホッペ(ヴァイオリン)
フローリアン・ビルサク(グラフ・フリューゲル)
 ヴァイオリン:アントーニョ・ダッラ・コスタ1764年製/グラフ・フリューゲル1839年製
 録音:2013年11月14日ザルツブルク、モーツァルテウム大ホール(ライヴ)/68’00

 250 年前に製作され、モーツァルトがウィーン時代に愛用したピエトロ・アントーニョ・ダッラ・コスタ製作による通称「コスタ・ヴァイオリン」を用いたコンサートのライヴ録音。
 モーツァルトがウィーン時代に書いたヴァイオリン・ソナタ第37 番と第40 番、そしてシューベルト若き日の歌心あふれるヴァイオリン・ソナタ第1、2 番を収録しています。
 演奏はスイス出身のヴィオリン奏者エスター・ホッペ。2002 年第8 回モーツァルト国際コンクールで優勝した実力の持ち主。モーツァルト作曲当時の響きをもつ楽器の柔らかく繊細な音色が心に響きます。またシューベルトでは軽やかに歌い上げ滑らかな旋律線を描いています。伴奏はオーストリア出身でモーツァルトの未発表作品の初演を務め、モーツァルテウム音楽院で教鞭をとっている鍵盤奏者のフローリアン・ビルサクが好演奏を聴かせます。



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EVIDENCE



EVCD 022
(2CD)
\4000→\3690
フランソワ=フレデリック・ギィ(ピアノ)
 ブラームス:ピアノ・ソナタ全集

 CD1
  ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調 作品2
  ピアノ・ソナタ第1番ハ長調 作品1
 CD2
  ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 作品5
フランソワ=フレデリック・ギィ(ピアノ)
 ギィ渾身のブラームスのソナタ全集

 録音:2016年1月、メッツ、アーセナル/90'32

 年々音楽的深みが増しているフランスのピアニスト、フランソワ= フレデリック・ギィ。ギィは近年ベートーヴェンのピアノ・ソナタ、ピアノ協奏曲とこれまで積極的に録音に取り組んでおり、年月を経るたび深まっていく音楽性、表現力、そして圧倒的な集中力を備えています。
 ブラームスは彼にとって思い入れのある作曲家のひとり。20 年ほど前にギィはブラームスのソナタを録音しており、今まさに円熟の時期を迎えたギィが聴かせるブラームスに期待が深まります。
 ブラームスが残したピアノ・ソナタは若き日に書いたわずか3 つのみ。ピアノ・ソナタ第2 番は19 歳の時に作曲したとは思えない重厚な作品。第1 番(出版の関係で番号が前後)は、本人にとっても自信作でありましたが、シューマンは本作の素晴らしさを「新音楽時報」で紹介し、当時の音楽ファンの間でも評判となりました。ブラームスのピアノ・ソナタの集大成とも言える第3 番は、5 楽章編成の大規模なソナタで、ブラームス自身何度も改訂を加えた、多大な情熱が込められた傑作。
 ギィの演奏は、力強く、躍動感と深く豊かな響きに溢れた熱演を披露しています。
 勇壮な第3 番はブラームスらしい魅力溢れ、ギィも熱が込められていますが、第2 番の暗く情熱的でロマンティックな曲調は、ギィの緊張感ある引き締まった演奏で素晴らしく充実した演奏を聴かせてくれます。
 録音が行われたのはヨーロッパ屈指の音響を誇るホール、メッツのアーセナル。ピアノはヤマハの頂点であるコンサートグランドCFX を使用。ギィの充実の演奏を存分に楽しむことができます。



これは名盤中の名盤・・・ギィの金字塔
フランソワ=フレデリク・ギィ(ピアノ)
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集BOX

フランソワ=フレデリク・ギィ(ピアノ)
ZIGZAG
ZZT333
(輸入盤9CD)
\7200→\6590

 『レコード芸術』特選相次ぐ傑作録音がついに全集に。
 もしまだ未入手なら...ある意味幸いです。
 このBOX とともに、じっくり聴き深めたい名匠の至芸・・・






HUNGAROTON



HCD 32760
\2400→\2190
ハンガリーの俊英バラーティが奏でるアンコール愛奏曲集。
 サラサーテ:
  (1)アンダルシアのロマンス op.22/
  (2)マラゲーニャ op.21/(3)サパテアード op.23
 ヴィエニャフスキ:
  (4)伝説曲 op.17/(5)スケルツォ・タランテラ op.1
 エルンスト:
  (6)夏の名残りのバラ/
  (7)シューベルトの「魔王」による大奇想曲op.26
 (8)チャイコフスキー:「なつかしい土地の思い出」op.42
 パガニーニ:
  (9)無窮動 op.11/(10)カンタービレ op.17/
  (11)モーゼ幻想曲
クリストフ・バラーティ(ヴァイオリン)
(1)-(5)(8)-(11)
 ガーボル・ファルカシュ(ピアノ)
 魔王、夏の名残りのバラ、サパテアードなどの超絶技巧作品もなんのその!ハンガリーの俊英バラーティが奏でるアンコール愛奏曲集。愛器ストラディヴァリウスの美しい音色にも注目。

 ヴァイオリン;1703年製ストラディヴァリウス“レディ・ハームズワース”
 セッション録音:2015 年2 月22-24日/フンガロトン・スタジオ/DDD、70’28”

 1979 年ブダペスト生まれの俊英ヴァイオリニスト、クリストフ・バラーティが、最も得意とするサラサーテ、ヴィエニャフスキ、チャイコフスキー、パガニーニの愛奏曲を録音しました。両親も弦楽奏者という音楽一家のもとに生まれたバラーティ。幼少期はヴェネズエラで過ごし、8 歳の時にマラカイボ交響楽団と共演を果たすなど神童として注目されてきました。
 1996 年ロン・ティボー国際音楽コンクールの際にストラディヴァリウス協会のディレクターであるエドワード・ウルフソンに見出されたのち、2010 年の第6 回パガニーニ・モスクワ国際ヴァイオリン・コンクールの優勝。その後、世界的ヴァイオリニストとして各地で公演を行っております。2015 年5 月にはNHK 交響楽団の定期演奏会に登場し、母国ハンガリーの作曲家バルトークのヴァイオリン協奏曲第2 番を演奏。圧倒的なテクニックと雄弁な語り口で聴衆を沸かせたのも記憶に新しいところです。
 冒頭のサラサーテからバラーティの表現力の豊かさに驚かされます。流れるようなボーイングから奏でられるヴァイオリンの音色が最大の魅力ですが、技巧的なパッセージをものともせず美しく歌い上げます。特にサパテアードは脱帽です。
 無伴奏作品エルンストにも大注目。夏の名残りのバラ(「無伴奏ヴァイオリンのための重音奏法の6 つの練習曲」より)とシューベルトの「魔王」による大奇想曲は、技術の限界に挑戦した作品とも言え音楽的にも充実させて弾くのは至難の業です。ことに左手による連続するピツィカートや2 オクターヴ高い音で旋律を弾くフラジオレット奏法、そして伴奏パートも書かれた「魔王」は難曲中の難曲ですが、バラーティは自由自在なテクニックでこの作品を見事に弾きこなしております。
 歌心にもあふれた演奏家バラーティ。哀愁に満ちたチャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」、情熱的に歌い上げるヴィエニャフスキ「伝説曲」そして、まさに“歌うように” 弾くパガニーニの作品と、バラーティの魅力にあふれたアルバムとなっております。
 なお、使用楽器はストラディヴァリウス協会貸与による1703 年製ストラディヴァリウス“レディ・ハームズワース” です。まるでビロードのような美しい音色が魅力の名器です。







MIRARE

MIR 285
\2700→\2490
ピエール・アンタイ(チェンバロ)
 ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ集VOL.4

 ソナタ イ長調 K.212/ソナタ ニ短調 K.247/
 ソナタ ト長調 K.144/ソナタ ハ長調 K.133/
 ソナタ ヘ短調 K.204a/ソナタ イ長調 K279/
 ソナタ イ長調 K.533/ソナタ イ長調 K.405/
 ソナタ ホ短調 K.402/ソナタ ホ長調 K.403/
 ソナタ ホ長調 K.381/ソナタ イ長調 K.208/
 ソナタ イ長調 K.456/ソナタ イ長調 K.457/
 ソナタ ハ短調 K.302/ソナタ ト長調 K.201/
 ソナタ ニ長調 K.45
ピエール・アンタイ(チェンバロ)
 ピエール・アンタイの持ち味ともいえる毅然としたタッチ!爽快なD.スカルラッティ第4 弾

 チェンバロ:Jonte Knif2004年製
 録音:2015年6月、オランダ、ハールレム/76’00

 フランスが誇る世界的チェンバロ奏者ピエール・アンタイ待望の新譜。ドメニコ・スカルラッティは「近代鍵盤楽器の父」とも言われ、500 曲を超えるソナタを作曲。これまでにも、アンタイの師であるレオンハルトをはじめ、名だたる鍵盤奏者がこの作品に挑んできましたが、ピエール・アンタイも2002年から録音を開始、今回が第4 作目となります。アンタイの強烈な個性と技巧で聴き手を圧倒し、毅然としたタッチ、細部まで組み立てられた演奏で聴かせてくれます。



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CORO



COR 16143
\2500→\2290
ヘンデル&ハイドン・ソサエティ
 スザンナ・オガタ(ヴァイオリン)&イアン・ワトソン(フォルテピアノ)
 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.2

  ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調 Op.24《春》
  ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調 Op.96
スザンナ・オガタ(ヴァイオリン)
イアン・ワトソン(フォルテピアノ)
 ヘンデル&ハイドン・ソサエティの名手が共演!ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集第2巻!

 使用楽器:ヴァイオリン:ヨーゼフ・クロッツ1772年製
 フォルテピアノ:ポール・マクナルティ2000年製作(アントン・ヴァルター・モデル)

 ハリー・クリストファーズが第13代音楽監督を務める米国古楽界の名門、ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)の中心メンバーによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集第2巻!
 2014年からHHSのアシスタント・コンサートマスターとして、同楽団のヴァイオリン・セクションをリードするスザンナ・オガタ、同じく2014年よりHHSのレジデント・コンダクターに就任した古楽系鍵盤奏者のイアン・ワトソンのデュオによるベートーヴェンは、「クロイツェル」を収録した第1巻(COR 16138)が世界各地で高評価を得ており絶好調。
 第5番「春」と第10番」をカップリングしたこの第2巻でも、815年から続く伝統あるボストンの名門を支える2人の名手が躍動します!

 ※録音:2015年6月21日−23日、メカニクス・ホール(ウースター、アメリカ)

 



旧譜 第1弾


COR 16138
\2500
「CORO」の新シリーズは器楽系!
 米国古楽界名手による「クロイツェル」
  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集 Vol.1

   ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調 Op.23
   ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47《クロイツェル》
スザンナ・オガタ(ヴァイオリン)
イアン・ワトソン(フォルテピアノ)
 新シリーズ"CORO Connections"スタート!HHSの2人の名手によるベートーヴェン!
 ヘンデル&ハイドン・ソサエティのアシスタント・コンサートマスターとレジデント・コンダクターが共演!

 ザ・シックスティーンの自主レーベル「CORO」の新シリーズ、「CORO Connections(コーロ・コネクションズ)」がスタート!
 シリーズの第1弾となるのは、ハリー・クリストファーズが第13代音楽監督を務める米国古楽界の名門、ヘンデル&ハイドン・ソサエティ(HHS)の中心メンバーによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集。
 2014年からHHSのアシスタント・コンサートマスターとして、同楽団のヴァイオリン・セクションをリードするスザンナ・オガタ、同じく2014年よりHHSのレジデント・コンダクターに就任した古楽系鍵盤奏者のイアン・ワトソンのデュオによるベートーヴェンの第1弾は、第4番と第9番《クロイツェル》のカップリング。
 1815年から続く伝統ある米国古楽界、ボストンの名門の"現在"を支える2人の名手によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の幕開けです!


大盤振る舞い。「クロイツェル」第3楽章一挙公開。
https://youtu.be/L42k-S_wylI







HUSH COLLECTION


HUSH 014
\2500
ライヴ・イン・コンサート 様々なアーティスト
 リヴァー・ランニング、ア・クワイエット・トート(ポール・グラボウスキー)
 ア・キャッスル・フォー・オール、フライング・ホース(アンドレア・ケラー)
 イズ・イット・スプリング・イェット、ジェントル・コンヴァーセイションズ(トニー・グールド)
 ディスタンス(レオナルド・グリゴリアン)
 プレイヤー・フラッグス・イン・ブライト・ウィンド(ショーン・リグニー)
 ボタン&ポケット(ベンジャミン・ノージー)
 インスパイアド・バイ・モーツァルト〜
  アイネ・クライネ・ナハトムジーク、ピアノ協奏曲変ロ長調K.595(ジョー・チンダモ)
 アクロス・ザ・メドウ、ア・プリーザント・ランブル、
  ザ・パイパー・アット・ザ・ゲイツ・オヴ・ダウン、ザ・リヴァー・バンク(マーク・イザークス)
 ザ・マジック・アイランド(ポール・スタンホープ)
 ダンス・オヴ・ザ・ペイパー・アンブレラズ(エレナ・カッツ=チェルニン)
 イン・ザ・サンシャイン(ブレトン・ブロードストック)
 トワイライト・オン・ダヴ・レイク(グレアム・ケーネ)
 オーストラリアのHUSH音楽財団によるHush Collectionは、難病に苦しむ子どもと親を支援するため、プロのミュージシャン達がボランティアで参加し製作され、オーストラリア各地の病院で使用されている。
 HUSHで行われた様々なアーティストによるライヴから、イギリス出身でABCクラシックFMでも活躍するミュージシャン、エマ・エアーズが選んだセレクション。




NIFC


NIFCCD 621-622
(2CD)
\5100
エリック・ルー 〜
 第17回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ

  ショパン:
   夜想曲第8番変ニ長調Op.27-2/
   練習曲第8番ヘ長調Op.10-8/
   練習曲第18番嬰ト短調Op.25-6/
   バラード第4番ヘ短調Op.52/
   マズルカ第13番イ短調Op.17-4/舟歌嬰ヘ長調Op.60/
   ワルツ第5番変イ長調 《大円舞曲》 Op.42/
   夜想曲第17番ロ長調Op.62-1/
   アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
    変ホ長調Op.22/
   24の前奏曲Op.28/3つのマズルカOp.59
エリック・ルー(ピアノ)
 第17回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ第4位のエリック・ルー!

 ショパン国際ピアノ・コンクールを主宰する「ショパン・インスティテュート」の自主レーベル"NIFC"から発売するショパン国際ピアノ・コンクールのライヴ・シリーズ。第4位入賞を果たしたアメリカのエリック・ルーが登場!
 1997年生まれのエリック・ルーは、エットリンゲン国際コンクール(2010年)、ミネソタ国際E-ピアノ・ジュニア・コンクール(2013年)、若いピアニストのためのモスクワ国際ショパン・コンクール(2014年)などの優勝歴を誇り、2015年春にはマイアミの全米ショパン・コンクールで優勝。第17回ショパン国際ピアノ・コンクールへの出場資格を獲得し、見事第4位入賞を勝ち取りました。
 弱冠17歳ながら実に円熟したショパンを披露してくれたエリック・ルー。「ソナタ第2番」、「ソナタ第3番」、「24の前奏曲」の中から課題曲を選択する第三次予選(セミファイナル)では、唯一「24の前奏曲」を選んでおり、特別な思いを込めて弾いた「24の前奏曲」も全曲収録しています。

 ※録音:2015年10月1日−23日、ワルシャワ・フィルハーモニー・コンサート・ホール(ワルシャワ、ポーランド)







RESONUS


RES 10163
(2CD)
\5000
"クラヴィコード"で弾くバッハの「フランス組曲」新録音!
 J.S.バッハ:フランス組曲 BWV.812-817
 フローベルガー:パルティータ第2番ニ短調 FbWV.602
 テレマン:組曲イ長調 TWV.32:14、サラバンド
  (ヴァイオリン・ソナタ TWV.41:A1より/パーキンス編)
ジュリアン・パーキンス(クラヴィコード)
 "クラヴィコード"で弾くバッハの「フランス組曲」新録音!

 バーゼル・スコラ・カントルムやロンドン王立音楽アカデミーなどで学び、ピリオド鍵盤楽器の名手としてChandos、Coro、Avieなどに録音を残しているチェンバリスト、ジュリアン・パーキンス。イギリスのResonusからは、なんと"クラヴィコード"で弾いたJ.S.バッハのフランス組曲が登場。
 パーキンスは、イギリス・クラヴィコード協会(The British Clavichord Society)の協力のもと、クラヴィコードの名工として知られるピーター・バヴィントンが製作した2種のクラヴィコードを弾き分け、繊細ながら豊かな表情のバッハを表現。バッハ自身がクラヴィコードで演奏したと考えられている「フランス組曲」の貴重なクラヴィコード録音に、新たな名盤が加わります。

 録音:2015年6月20日−23日、ソフィーズ・バーン(チャクーム、オックスフォードシャー)
 使用楽器(CD1 トラック1−9/CD2 トラック12−26):Diatonically fretted clavichord by Peter Bavington (London, 2008) after an instrument made in Nurnberg c. 1785 by Johann Jacob Bodechtel (1768-1831)
 使用楽器(CD1 トラック10−21/CD2 トラック1−11):Unfretted clavichord made by Peter Bavington (London, 2005) after a late-eighteenth-century German instrument probably by Johann Heinrich Silbermann (1727-1799)
 

RES 10161
\2500
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲集
 ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 Op.49
 ピアノ三重奏曲第2番ハ短調 Op.66
フルニエ・トリオ
 若き有望な奏者たちによって2009年に設立されたピアノ三重奏団、フルニエ・トリオがResonusからデビュー。
 2011年のトロンハイム国際室内楽コンクールで第2位&聴衆賞を受賞、2013年のパークハウス賞(イギリスで行われるピアノと弦楽のための室内楽国際コンクール)で優勝を果たした実力派。
 情熱的で新鮮なパフォーマンスで、メンデルスゾーンの名作を聴かせます。

 録音:2014年7月28日−30日、洗礼者聖ヨハネ教会(オックスフォード)




STONE RECORDS


5060192780505
\2500

R・シュトラウス:歌曲集
 わが思いのすべて/あなたは私の心の王冠/夜/
 子守歌/青い夏/解脱/愛を抱いて/セレナーデ/
 万霊節/憩え、わが魂/ツェツィーリエ/
 ひそやかな誘い/朝/たそがれの夢/ときめく胸/
 夜の散歩/ばらの冠/15ペニヒで/
 言われたら、何でも言う通り/したしき幻影/
 私はただよう/冬の愛/冬の儀式/響け!

パトリシア・ロザリオ(ソプラノ)
チャールズ・オーウェン(ピアノ)
 ロンドンの名門ギルドホール音楽院で学び、2001年に大英帝国勲章を受勲、2002年にはアジア女性賞を受賞したインド、ボンベイ出身の名ソプラノ、パトリシア・ロザリオが歌うリヒャルト・シュトラウス。

 録音:2007年4月23日−25日、ポットン・ホール(サフォーク)
 

5060192780604
\2500
ロナルド・コープ作曲、バリトンのための作品
 「フィールズ・オブ・ザ・フォールン」

  コープ:
   フィールズ・オブ・ザ・フォールン
   ドーン・オン・ザ・ソンム
シュテファン・ロゲス(バス・バリトン)
マッジーニ四重奏団
ニュー・ロンドン・オーケストラのメンバー
 「フィールズ・オブ・ザ・フォールン」は、ロナルド・コープが作曲したバリトンのための作品で、第1次世界大戦期の様々なイギリスの詩人による詩を歌っている。

 録音:2014年8月28日−29日



<マイナー・レーベル歴史的録音・旧録音>

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PRAGA DIGITALS


PRD 250332
\2900
若き日のブーレーズ
 (1)ストラヴィンスキー:交響詩「ナイチンゲールの歌」
 (2)バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番
 (3)ドビュッシー:バレエ音楽「遊戯」
 (4)ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲
 (5)同:12 楽器のためのコンチェルティーノ
 (6)ブーレーズ:カンタータ「水の中の太陽」
(2)ユーディ・メニューイン(Vn)
(1)(2)(3)
 ピエール・ブーレーズ(指揮)
 ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団
(4)(5)ドメーヌ・ミュジカル
(6)ジョゼフィーヌ・ネンディック(Sop)
 ルイス・デヴォス(Ten)
 バリー・マクダニエル(Br)
 BBC交響楽団&同合唱団
 貴重音源ばかり。若き日のブーレーズの才気ほとばしる名演集

 録音:(1)1960年2月25日/アムステルダム(ライヴ)(2)1966年6月29日/アムステルダム(ライヴ)(3)1961年7月6日/アムステルダム(ライヴ)(4)1962年/スタジオ録音(パリ)(5)1962年/スタジオ録音(パリ(6)1964年9月27日/スタジオ録音(ロンドン、アビーロード・スタジオ)/純正Stereo、79’ 52”

 今年1 月に90 歳で亡くなったブーレーズ。その彼が30 代に残した貴重な音源を集めました。いずれも今日入手困難なもので、ことに自作のカンタータ「水の中の太陽」は超貴重。
 若き日のブーレーズは、作曲家的な分析力はもちろんながら、若々しいエネルギーも満ちていて意外な力演を聴かせてくれます。メニューインを独奏者としたバルトークの第1 番もお宝と申せましょう。
 

PRD 250328
\2900
カレドニアの調べ
 (1)メンデルスゾーン:
  序曲「フィンガルの洞窟」Op.26
 (2)ブルッフ:スコットランド幻想曲Op.46
 (3)メンデルスゾーン:
  交響曲第3番イ短調Op.56「スコットランド」
(1)ジョージ・セル(指揮)
 クリーヴランド管弦楽
(2)ダヴィド・オイストラフ(Vn)
 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)
 ソヴィエト国立交響楽団
(3)レナード・バーンスタイン(指揮)
 ニューヨーク・フィル
 超豪華演奏陣によるスコットランドへの幻想

 録音:(1)1963年1月/スタジオ録音(クリーヴランド)(2)1960年12月24日/モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)(3)1964年1月13日/スタジオ録音(ニューヨーク)/純正Stereo、79’ 55”

 カレドニアとはグレートブリテン島の北部、つまりスコットランドあたりを指すといわれています。この地の風物を題材とした名作3 点を集めました。
 驚きは超ド級の演奏陣。メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」はセル指揮クリーヴランド管、スコットランド交響曲はバーンスタインとニューヨーク・フィル、ブルッフの協奏作品「スコットランド幻想曲」はオイストラフの独奏という凄さ。あまりの美しさと名演の連続に気を失いそうになるほど魅力的です。
  

PRD 250334
\2900
ショスタコーヴィチ:最晩年の3作
 (1)交響曲第15番イ長調Op.141
 (2)ミケランジェロの詩による組曲Op.145 より全8曲
 (3)ノヴォロシースクの鐘
(1)エドゥアルド・セロフ(指揮)
 チェコ・フィル
(2)セルゲイ・コプチャーク(Bs)
 フランティシェク・ヴァイナル(指揮)
 プラハ放送交響楽団
(3)アルヴィド・ヤンソンス(指揮)
 モスクワ放送交響楽団
 もはや神の作、ショスタコーヴィチ最晩年の深遠な世界

 録音:(1)1976年5月26日/プラハ(ライヴ)(2)1980年5月/プラハ(スタジオ録音)(3)1960年9月27日/ノヴォロシースク/純正Stereo、72’ 54”

 ショスタコーヴィチは1975 年に69 歳の生涯を閉じますが、最晩年の作品はシンプルで透明になりながら、驚くほどの複雑さを内面に含んでいます。
 このアルバムには、その中から最後の交響曲をメインに、1974 年作の「ミケランジェロの詩による組曲」のなかから8 曲、作品番号のない珍しいオーケストラ曲「ノヴォロシースクの鐘」を収められています。第2 次世界大戦の激戦地だったノヴォロシースクの無名戦士の墓に捧げられた曲で、マリスの父アルヴィド・ヤンソンスが指揮しているのも興味津々です。
 

PRD 250338
\2900
パガニーニ変奏曲のすべて
 (1)パガニーニ:カプリス第24番イ短調Op.1
 (2)リスト:パガニーニ練習曲第6番イ短調
 (3)ブラームス:
  パガニーニの主題による変奏曲Op.35(全曲)
 (4)シマノフスキ:
  パガニーニの3つのカプリスOp.40より第3曲イ短調
 (5)ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
 (6)ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲Op.43
 (7)ブラッハー:パガニーニの主題による変奏曲Op.26
(1)マイケル・レビン(Vn)
(2)(3)ゲザ・アンダ(Pf)
(4)トーマス・ツェートマイヤー(Vn)
 ジルケ・アヴェンハウス(Pf)
(5)プラハ・ピアノ・デュオ
(6)アルトゥール・ルービンシュタイン(Pf)
 フリッツ・ライナー(指揮)
 シカゴ交響楽団
(7)フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 RIAS交響楽団
 パガニーニの主題による古今の大作曲家、変奏曲の饗宴

 録音:(1)1958年9月9日/ロサンゼルス(2)1954年/初出ライヴ(3)1953 年/アビーロード・スタジオ(ロンドン)(4)1995 年4月/プラハの春音楽祭(5)2002 年4月7日/プラハ。初出ライヴ(6)1956 年1月16日/シカゴ・シンフォニー・ホール(7)1952年10月/イエス・キリスト教会(ベルリン)/純正Stereo、79’ 48”

 パガニーニの無伴奏ヴァイオリンのための「24 のカプリス」最後のイ短調作品の主題は、作曲家たちの変奏意欲をくすぐるものがあるらしく、古今の大作曲家たちが名変奏曲を残しています。それらを集めた好企画。
 何よりも凄いのは演奏者たち。ゲザ・アンダのリストやツェートマイヤーのシマノフスキ、プラハ・ピアノ・デュオのルトスワフスキは存在すら知られなかった音源。もうひとつの凄さは、作品全曲を収めていること。ルービンシュタインとライナーのラフマニノフやフリッチャイのブラッハーもカットなしに堪能できます。
 

PRD 250323
\2900
ボロディンSQ1960年代のショスタコーヴィチ
 ショスタコーヴィチ:
  (1)弦楽四重奏曲第1番ハ長調Op.49
  (2)同第2番イ長調Op.68
  (3)同第5番変ロ長調Op.92
ボロディンSQ
 【ロスチスラフ・ドゥビンスキー、
  ヤロスラフ・アレクサンドロフ(Vn)、
  ドミートリー・シェバリーン(Va)、
  ワレンチン・ベルリンスキー(Vc)】
 超貴重なボロディンSQ1960年代のショスタコーヴィチ録音

 録音:(1)1964年8月4-5日/モスクワ(ライヴ)(2)1966年1月6-7日/モスクワ(ライヴ)(3)1966年1月4, 10日/モスクワ(ライヴ)/純正Stereo、79’ 55”

 オリジナル・ブックレットによれば、モスクワで行われたライヴ音源を、当時チェコ放送が提供を受けたものによるとのこと。
 ボロディンSQ による1960 年代のショスタコーヴィチ録音は今日入手困難で、ファンには朗報と申せましょう。ドゥビンスキーならではの歌ごころが独特の魅力を放っています。
 

PRDDSD 350123
(SACD HYBRID)
\2900
クライバーンとコンドラシン最高の名演
 ラフマニノフ:
  (1)ピアノ協奏曲第3番ニ短調Op.30
  (2)合唱交響曲「鐘」Op.35
キリル・コンドラシン(指揮)
(1)シンフォニー・オブ・ジ・エア
 ヴァン・クライバーン(Pf)
(2)モスクワ・フィル
 アカデミー・ロシア共和国合唱団
 エリザヴェータ・シュムスカヤ(Sop)
 ミハイル・ドヴェンマン(Ten)
 アレクセイ・ボリシャコフ(Br)
 (1)1958年5月19日/カーネギーホール(ライヴ)(2)1962年12月/モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)/Bi-channel Stereo、78’ 01”

 SACD ハイブリッド盤。限定盤。
 ピアノ協奏曲第3 番は、クライバーンが第1 回チャイコフスキー・コンクールで優勝し、アメリカへ帰国して2 日後の凱旋公演のライヴ。BMG からSACD ハイブリッド盤が発売されています。
 コンクール優勝の熱気に包まれながらも、クライバーンのナイーヴなひたむきさが伝わってくる名演です。合唱交響曲「鐘」は独唱、合唱を含む大編成のオーケストラで、最後にはラフマニノフらしからぬオルガンの音が響き渡ります。SACD ハイブリッド化により合唱の微妙なニュアンスが蘇りました。
 

PRD 250330
\2900
ストラヴィンスキーのソ連公演
 (1)バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」(全曲)
 (2)バレエ音楽「オルフェウス」
 (3)オード
 (4)幻想曲「花火」
 (5)ヴォルガの舟歌(編曲)
(1)エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
 レニングラード・フィル
(2)(3)(5)
 イーゴリ・ストラヴィンスキー(指揮)
 ソヴィエト国立交響楽団
(4)モスクワ・フィル
 貴重な記録。ストラヴィンスキーの里帰り公演

 録音:(1)1965年9月26日(2)1962年9月28日(3)1962年9月28日(4)1962年10月2日(5)1962年9月28日/全点モスクワ音楽院大ホール(ライヴ)/純正Stereo、79’ 26”

 1962 年、80 歳のストラヴィンスキーは革命後初の里帰りを果たしました。その際、指揮者として自作を披露した音源から4 篇。さらに早くからソ連でストラヴィンスキー作品をとりあげていたムラヴィンスキーが、「ミューズを率いるアポロ」全曲を振った1965 年9 月のライヴ録音を収録。
 ストラヴィンスキーの里帰りは、フルシチョフの政治的なもくろみがあったとされますが、その結果歴史的な記録が残りました。さすがに彼の音楽を肌で理解できるロシアのオーケストラ、ストラヴィンスキーの意図を十二分に理解しています。
 

PRD 250326
\2900
アニー・フィッシャーの協奏曲
 (1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
 (2)同:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488
 (3)バルトーク:ピアノ協奏曲第3番
アニー・フィッシャー(ピアノ)
(1)ヴォルフガング・サヴァリッシュ
(2)エードリアン・ボールト(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
(3)フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 バイエルン放送交響楽団
 アニー・フィッシャー十八番のモーツァルトとバルトーク

 録音:(1)1958年2月/ロンドン(2)1959 年4月/ロンドン(3)1960年11月24日/ヘルクレスザール(ミュンヘン)(ライヴ)/純正Stereo、79’ 59”

 モーツァルトの2 作はブゾーニのカデンツァ使用。モーツァルトはEMI、バルトークはオルフェオから既出のライヴ音源によると思われます。
 モーツァルトは絶品で、フィッシャーの語り口の巧さに魅せられますが、バルトークの3 番がまさにモーツァルト調。厳しさの中にも優美さが光ります。サヴァリッシュやフリッチャイの伴奏も素晴らしいのひとことに尽きます。

<LP>


SPECTRUM SOUND(LP)


LPSMBA 010
(LP)
\9600
コーガンが最も得意としたベートーヴェンがLP に!
 (1)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
  (A 面:第1楽章 B面:第2&3楽章)
 (2)J.S.バッハ:
  無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
   ニ短調 BWV1004より「サラバンド」
エマニュエル・クリヴィヌ(指揮)
フランス放送フィルハーモニック管弦楽団
 世界初LP 化!コーガンが最も得意としたベートーヴェンがLP に!
 「なんという柔らかく慎ましい演奏であることか。」平林直哉

 ライヴ録音:1977年2月18 日/パリ/ステレオ、限定プレス盤、24bit/192kHz Direct digital transfer、from the original Master tapes、180g 重量盤

 スペクトラム・サウンド・レーベルの好企画、国立視聴覚研究所提供による音源を使用したシリーズ"Belleame(ベルアーム)" からレオニード・コーガンが1977 年2 月にパリで演奏したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がリリースされます。
 温かみのあるふくよかなコーガンの独奏と、元ヴァイオリニストであった指揮者クリヴィヌらしいソリストに十分配慮した好サポートを得た演奏です。また、アンコールで弾かれたバッハも涙をさそう名演です!日本プレスのLP 完全限定プレス盤。



<国内盤> 


HYPERION(国内仕様盤)


PCDA 67613
\2857+税
スカルラッティ:ソナタ集
 ソナタ ニ短調 K.9/ソナタ ハ長調 K.159/
 ソナタ ロ短調 K.87/ソナタ ニ長調 K.29/
 ソナタ イ長調 K.113/ソナタ ニ長調 K.430/
 ソナタ ト短調 K.8/ソナタ ト長調 K.13/
 ソナタ ロ短調 K.27/ソナタ ニ長調 K.140/
 ソナタ ニ短調 K.141/ソナタ ヘ短調 K.69/
 ソナタ ト長調 K.427/ソナタ イ短調 K.109/
 ソナタ ニ長調 K.96/ソナタ ホ長調 K.380
アンジェラ・ヒューイット
 (ピアノ/ファツィオーリ)
 アンジェラ・ヒューイット 国内仕様盤!スカルラッティのソナタ集!

 "鍵盤の女神"アンジェラ・ヒューイットの新録音は、2015年4月の来日公演でも披露されたドメニコ・スカルラッティのソナタ集! これまで、第52回レコード・アカデミー賞を受賞した「フーガの技法(PCDA 67980)」を始めとするJ.S.バッハの作品集やラモーのクラヴサン曲集など、モダン・ピアノで弾くバロックの鍵盤作品集によって多大なる評価を獲得してきたアンジェラ・ヒューイット。555曲に及ぶソナタの中から選ばれた16のソナタが、ファツィオーリの優しく気高い音色に包まれて輝きます。トラック1からトラック8までが来日公演で演奏された曲順通りに収録され、アンコールで弾いたK.380のソナタでアルバムを締めくくります。

 ※録音:2015年2月25日−27日、ベートーヴェンザール(ハノーファー)





















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