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旧フィルハーモニー楽堂での最後のコンサート
1944年1月12日 ベルリン/フィルハーモニー
少なくともここには平和があることを証明しようと
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
エーリヒ・レーン(ヴァイオリン)
フルトヴェングラー指揮&ベルリン・フィル 


  あるお客様から

「ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、エーリヒ・レーンとフルトヴェングラーの演奏、どう思われますか?」

 という唐突なお便りがきました。

 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
 エーリッヒ・レーン(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィル
  1944年1月12日 ベルリン/フィルハーモニーでの録音(モノラル)


 実は大昔に聴いたきりでした。


 フルトヴェングラーって、ちょっとマイナーな人との協奏曲録音が残ってますよね。
 エッシュバッハーとかスカルピーニとかマヒュラとか。
 もちろん今思えばすごい人たちですが。

 店主にとってはエーリヒ・レーンもそんな中の一人という認識でした。


 エーリヒ・レーン。

 ベルリン・フィルのコンマスで、フルトヴェングラーとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で共演、戦後はイッセルシュテットに請われてハンブルクの北ドイツ放送交響楽団の初代コンサートマスターに就いた人。

 アリア・レーベルの第3弾でもその逸話が。
 


 そのエーリヒ・レーンがフルトヴェングラーと共演したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。

 これ、実は特別な演奏なんです。

 1944年1月12日
 ベルリン/フィルハーモニー楽堂での録音

 当時のベルリンはイギリス空軍の無差別爆撃にさらされ、ベルリン・フィルの団員にも被害が及び、本拠地フィルハーモニー楽堂も正面に爆弾が落とされ図書館が消失していました。

 コンサートのプログラムには「空襲時の退避のお知らせ」が掲載されていたといいます。

 そして訪れた1月12日。
 焼け残っていたフィルハーモニー楽堂でのコンサートを待ちわびる人のために瓦礫の山が撤去され、ベルリン・フィルはなんとか公演にこぎつけます・・・

 レーンとフルトヴェングラーの共演によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲はその日のコンサートです。

 しかしこの後の1月30日、フィルハーモニー楽堂には無数の燐光爆弾が放たれ、多くの夢を生み出したこの歴史的な音楽ホールはここでついに命運が尽きることになります。

 結局、この演奏が行われた日が、旧フィルハーモニー楽堂での最後のコンサートになってしまったわけです。
 

 先ほどのお客さんから、フルトヴェングラー未亡人が

 「当時はみんな爆撃破壊された瓦礫の山を踏み越えてコンサートに来た。楽員はみなこれが最後と思って弾いていた。」

 と語っていたと教えていただきました。

 「そんなときにコンサートを・・・」と思ってしまいますが、当時のドイツの人たちは「生きるということ」と「音楽」とは同義語だったのかもしれません。

 こんな時期にコンサートが開かれたというのも、また終戦からわずか1ヶ月でコンサートが開かれたというのも、彼らにとっては「奇跡」ではなく「当然」のことだったのでしょう。食べるものを減らしてでもコンサートに行くお金をためたというのですから。


 そんな危機的戦乱の状況で開かれたエーリヒ・レーンとフルトヴェングラーによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。


 ・・・久しぶりに聴いてみました。

 そうすると、以前とはかなり違った印象だったんです。

 エーリヒ・レーンのヴァイオリンがとてもとても美しいんです。
 強烈なほどに美しいんです。

 生きるか死ぬかという切迫した状況の中でも、まるで天使のように。

 以前はフルトヴェングラーの重厚なオーケストラばかりを聴いていたのでしょうか。
 でも今回はどういうわけかレーンの音色にばかり心が捕らえられてしまいます。

 
 そのお客さんは、レーンのヴァイオリンは「高く舞いながら天空に音を漂わせる」と表現していました。
 ほんと、そうなんです。

 耐え切れないほどの悲しみと苦しみを抱きながら、それでも高潔で優雅でいようとしている。

 まだ平和が来ることを、少なくともここには平和があることを証明しようとしている・・・何かそんな感じなんです。

 演奏というより「祈り」に近いかもしれません。

 先入観で音楽を聴いてはいけないというのは分かっているつもりです。

 でも、これは先入観じゃない。
 そういう状況でこの演奏が為されたことは事実なんです。

 たくさんの人間が死んでいくのをその目で見てきて、そして自分たちもこれからどうなるか分からない、そんな状況での演奏。

 ライヴ録音だから観客の咳が頻繁に聞こえます。
 うるさいですか?

 1月の真冬に命がけで演奏会にやってきた、その咳をした人は、その後生き延びることができたでしょうか。
 そんな状況の中で・・・この美しいコンチェルトは奏でられたんです。


 旧フィルハーモニー楽堂、その跡地は今は広場になっています。

 
 比較的入りやすいものは2種類。
 歴史的録音廉価盤レーベルANDROMEDAと、盤起こし優秀レーベルOPUS蔵。

 ちょうどそこにHECTORが下記アルバムを発売するという情報が。
 プライベート・テープからの復刻らしいですが音質は抜群。





エクトール・スペシャルセレクト

 HECTOR
HFCDR-7
1CD-R
\2200
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61 エーリヒ・レーン(ヴァイオリン)
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィル
 プライベート音源復刻。
1944年1月12日 ベルリン/フィルハーモニーでの録音(モノラル)

HECTORとしては珍しく、このスペシャル・シリーズは通常CDケース入りで、裏表ジャケあり、CD盤面印刷もありという装丁。






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